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#1
第093回国会 農林水産委員会 第2号
昭和五十五年十月十六日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月六日
    辞任         補欠選任
     降矢 敬雄君     松尾 官平君
 十月七日
    辞任         補欠選任
     鶴岡  洋君     藤原 房雄君
 十月十四日
    辞任         補欠選任
     松尾 官平君     降矢 敬雄君
     藤原 房雄君     鶴岡  洋君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上 吉夫君
    理 事
                北  修二君
                坂元 親男君
                鈴木 正一君
                川村 清一君
                中野  明君
    委 員
                熊谷太三郎君
                鈴木 省吾君
                田原 武雄君
                高木 正明君
                初村滝一郎君
                降矢 敬雄君
                三浦 八水君
                宮田  輝君
                坂倉 藤吾君
                村沢  牧君
                山田  譲君
                鶴岡  洋君
                中野 鉄造君
                下田 京子君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀岡 高夫君
   政府委員
       農林水産政務次
       官        野呂田芳成君
       農林水産大臣官
       房長       渡邊 五郎君
       農林水産大臣官
       房審議官     矢崎 市朗君
       農林水産省経済
       局長       松浦  昭君
       農林水産省構造
       改善局長     杉山 克己君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     二瓶  博君
       農林水産省食品
       流通局長     森実 孝郎君
       農林水産技術会
       議事務局長    川嶋 良一君
       食糧庁長官    松本 作衞君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       防衛施設庁施設
       部施設管理課長  大瀧 郁也君
       大蔵省主計局主
       計官       的場 順三君
       厚生省保険局国
       民健康保険課長  古川貞二郎君
       林野庁指導部長  黒川 忠雄君
       資源エネルギー
       庁公益事業部業  堀田 俊彦君
       務課長
       自治大臣官房参
       事官       池ノ内祐司君
       自治省税務局市
       町村税課長    浅野大三郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (冷害による農作物被害状況の報告に関する件)
 (冷害による農作物被害の対策に関する件)
 (当面の農林水産行政に関する件)
 (閉会中の派遣委員の報告に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 農林水産政策に関する調査を議題といたします。
 まず、先般当委員会が行いました冷害による農作物被害の実情調査のための委員派遣につきまして、各班から派遣委員の報告を聴取いたします。第一班、山田君。
#3
○山田譲君 調査の概要を御報告申し上げます。
 第一班は、井上吉夫委員長を初めとし、中野鉄造委員、下田京子委員、田渕哲也委員、喜屋武眞榮委員と私、山田の六名が、十月九日から十一日まで、福島、青森の両県下へ派遣されました。福島県では鈴木正一理事、鈴木省吾委員、村田秀三議員が、青森県では松尾官平委員がそれぞれ現地参加されました。
 われわれは、両県とも県庁等において、全県下の被害概況説明を聴取し、あわせて陳情を受けました。次いで被害度の大きい市町村の現地を視察するとともに、被災農民、市町村長等関係者の方々と懇談し、現地においても切実な陳情等を受けました。
 本年の冷害は、農林水産省の九月二十四日に発表された被害概況によると、全国の被害見込み額は五千六百七十九億円に上り、近年における昭和四十六年及び五十一年の冷害規模をはるかに超え、昭和二十八年冷害と、一、二を争う大きさであると言われるものであります。東北地方は二千六百九十五億円と、全国の被害見込み額の約半数近くに達しており、同地方の被災状況のひどさが数字の上からも予見されたところであります。さらに福島、青森両県を取り上げてみますと、両県で、東北地方の被害額に占める割合は五〇%にも及ぶものであります。
 最初に、われわれは福島県を訪れました。
 同県における本年の冷害は、六月下旬以降の異常低温、日照不足、長雨等によってもたらされたものであり、県農業災害対策本部の調査した九月二十五日現在の総被害見込み額は、約四百九十六億円に上り、昭和五十二年同県農業生産額二千六十億円の約二四%にも達する深刻なものであります。また、被害作目別では、水稲は九万七千ヘクタール余りの全作付面積が被災し、三百五十二億円の損害を受け、被害総見込み額の七一%を占めております。次いで野菜、果樹、桑、工芸作物の順に被災し、その合計額は、百四十四億円となっております。さらに地域別に見れば、最も被害の大きいのは、中通り南部地方の二百十五億円であり、以下、浜通り地方百六十億円、会津地方六十二億円、中通り北部地方五十九億円となっております。
 これらの被害に対し、同県では、早くから農業災害対策本部等を設置して、被害拡大防止並びに被災農家等の救済対策の確立に努め、また、十月九日に閉会した定例県議会においても、総額十二億一千六百万円の冷害関係の補正予算を計上し、規格外米集荷販売対策事業、救農対策事業、種子確保対策事業等の県段階でできる諸施策を積極的に推進しておられました。
 われわれは、同県の中通り地方南部から北部に位置する田村郡小野町、常葉町、船引町、安達郡東和町の各被災地を視察いたしました。視察地へ向かう車窓から見る水田は、一見すると、秋の日差しを浴びて黄金色に輝く水稲が波打っているようにも見えるのですが、注意して観察すると稲穂はこうべをたれておらず、色づいているのは葉や茎ばかりでした。圃場に一歩足を踏み入れて稲穂を手にとってみれば、稔実していないものや、イモチ病に冒された白穂の多さに驚いてしまいました。
 視察した地域は、阿武隈山系の西側の山ろくに位置しており、標高も三百メートル前後と高い地帯であったため、収穫皆無の水田があちこちに広がっておりました。地元の方の話ではことしは出穂期や開花期に低温等が続くいわゆる障害型と登熟期に低温等が続く遅延型とが重複した冷害であったため、被害を大きくしたとのことでした。
 このような状況下で、現地の方々からは農作物共済の損害評価の適正査定と共済金の早期支払い等の要望が強く出されておりました。
 次いでわれわれは青森県を訪れました。
 本県の冷害は、やませと呼ばれる太平洋からの偏東風によって引き起こされ、七月初旬からの記録的な異常低温、長雨、日照不足等によってもたらされたものであり、九月十五日現在の総被害見込み額は九百十二億円と、北海道に次ぐ被害見込み額であります。また、この金額は、昭和五十三年の同県における農業生産額二千十四億円の約四五%にも達する深刻なものであります。
 被害作目別ではやはり水稲被害が大きく、七百二十六億円と被害見込み全体の約八〇%を占めております。ちなみに、九月十五日現在の農林水産省、統計情報部が発表した稲作作況指数の同県の数値は五一と、全国の最低でありました。この指数をさらに県内の各地域別に見れば、下北地方が七、南部地方が一四、青森地方が二八、津軽地方が七七となっております。この中で一番高い津軽地方の七七ですら、全国的に見れば、本県を除いて岩手県の六四に次ぐ二番目に低い数値であり、これらのことからも、いかに青森県の稲作が甚大な被害をこうむったかをうかがい知ることができましょう。
 以下、作目別で被害の大きい順に並べると、野菜等の畑作物、飼料作物、果樹等で、これらの合計被害見込み額は百八十六億円となっております。
 こうした被害に対し、同県としても、早くから冷害対策本部等を設けて対処するとともに、約十三億三百万円の補正予算を計上して、冷害による被災実態調査、耐冷品種の水稲など、県内で確保しなければならない農作物種子の確保事業等、県段階でできる施策をすでに行っておられました。
 さらに、同県においては、過去の冷害のときでも例を見ない対策として、収穫皆無水田の稲を堆肥や飼料用として有効利用を図った農家等に対し、県から十アール当たり二千円、市町村から千円の計三千円を補助金として交付することとし、県では、十月十一日知事の専決処分で約二億七千万円の予算を新たに計上したとのことでありました。
 われわれは、同県の太平洋側に位置する南部地方の八戸市、六戸町、七戸町、横浜町、三沢市の順で現地を視察いたしました。これらの地域も、一見したところでは、実りの秋を迎えたのどかな田園風景が広がっているようにも見えるのですが、圃場の稲は整然と青立ちし、すでに刈り取られた稲にも全く実というものが入っておりませんでした。視察の前に、ことしはこの地方には稲穂に群がるスズメが一羽もいないと説明されたのですが、事実、視察途中でスズメは全く見かけませんでした。
 われわれは、同県下でも最も被害のひどい地帯を視察したわけでありますが、被災関係者の方々とお話しした中で強く要請されたことは、農業共済金の早期支払い、被災農家の飯米確保対策の確立、出かせぎ者に対する安全就労措置の実施等でありました。
 最後になりましたが、両県を通じて陳情された主なものを挙げますと、第一は、天災融資法並びに激甚災害法の早期発動、第二は、農業共済の損害評価経費の増額並びに再保険金の早期支払い、第三は、規格外米の全量政府買い上げ措置、第四は、被災農家の飯米確保に対する助成措置、第五は、優良種子の確保に対する助成等再生産対策の確立、第六は、県及び市町村に対する特別交付税の増額等自治体財政の強化措置、第七は、救農対策事業の早期実施、第八は、水田利用再編対策事業の目標面積を昭和五十五年度の水準に据え置くこと等でありました。
 また、本調査団の調査に御協力いただきました福島、青森両県庁を初め、市町村等関係者各位に感謝申し上げます。
 以上をもちまして第一班の報告とさせていただきます。
#4
○委員長(井上吉夫君) 第二班、北君。
#5
○北修二君 続いて第二班について御報告いたします。
 第二班は、去る十月九日から十一日までの三日間にわたり、北海道における冷害による農作物被害の実情を調査してまいりました。
 派遣委員は、川村清一理事、藤原房雄委員、そして私、北修二の三名でありますが、高木正明委員、岩本政光議員が現地参加いたしました。
 本調査団は、まず、九日に北海道庁において道内の被害概況説明等を聴取し、空知支庁管内の長沼町及び由仁町の現地調査を行いました。
 次いで十日には、網走支庁管内の北見市、端野町、美幌町における水稲、畑作物の被害状況について、現地調査を行いました。
 ことしの冷害による北海道の被害見込み額は九百三十一億円に上り、全国被害見込み額の約一六・四%、都道府県別に見ますと、全国で最も大きな被害額を出しております。
 冷害の引き金となった気象の経過を振り返ってみますと、水稲移植期から七月半ばにかけては、高温、多照の天候が続き、移植苗の活着と分けつは順調に進み、道央等の主要な稲作地帯では、幼穂形成期が早まったところさえ見られました。
 ところが、七月十五日から九月五日に至るきわめて長期間にわたり低温日が続き、すべての稲が、穂ばらみ期から登熟中期までの期間、異常低温のもとにさらされたのであります。九月に入り気温は平年並みに推移しておりますが、農作物の生育にとって最も重要な夏の高温期に全道的な異常冷夏となったことが障害型冷害を発生させ、さらに長期間にわたる低温の継続が遅延型冷害を併発させることになったのであります。
 北海道庁が九月十六日現在で行った被害調査によりますと、水稲の被害見込み額は約五百六十二億円と、道内における被害総額の六四・三%に達しております。
 今年の冷害で、水稲に次いで被害の多かったのは豆類で、その被害面積は約六万ヘクタール、被害見込み額は約百三十一億円に上っております。
 また、飼料作物につきましても、その被害面積は約三十一万ヘクタールに達し、被害見込み額も約七十二億三千万円と、畑作物では豆類に次いで大きな被害を出しているのが実情であります。
 本調査団の訪れました空知支庁管内における今年産水稲の作付面積は六万三千ヘクタールであります。このうち、被害面積は、作付面積の八九・七%に当たる約五万六千ヘクタールに及び、しかも、三〇%を上回る被害を受けた水田が被害面積の三七%にも達しております。
 空知管内の長沼町、由仁町の水稲を現地調査いましましたが、この地方では、水稲の減数分裂期及び出穂期に異常低温に見舞われ、このため、水稲の育成に大きな障害が発生しております。私たちの調査した長沼町の水田は、六分作との説明でありましたが、不稔粒も多く、成熟したもみを見つけ出すのが困難な状況でありました。
 由仁町におきましても、被害の実情は同様でありました。ここでは、特に八月十日以降に出穂したものは、低温と日照不足のもとで生育が完了せず、結果的に五〇%程度のきわめて悪い作況に終わってしまったのであります。
 網走支庁管内における農作物被害見込み額は、管内十六市町村の合計ですでに約七十六億円に達し、中でも水稲は約四十五億円に上っています。次いで、豆類は、被害見込み額が十一億円を上回り、被害率も五四%と高く、中でも小豆は八五%という高い被害率を示しております。
 本調査団は、北見市東相内地区及び端野町で水稲を、美幌町では水稲及び大豆の被害状況を調査いたしました。
 これらの地域では、四十六年、五十一年冷害の経験から、作付品種も、質がよくかつ耐冷性の強いものに切りかえる等の努力をしてきているのでありますが、気象観測史上記録的な異常低温の前には無力で、出穂後の受精障害により、著しい不稔が発生しております。
 美幌町では、水稲作付面積の約五〇%をはやこがねで占めておりますが、成粒は二〇%程度しか望めず、青未熟米も多く見られました。しかし、すでに降霜が見られたところから、これ以上の登熟は望むべくもないのが実情であります。
 大豆も、平年に比べさやのつきが少ないほか、子実の充実も悪く、かなりの減収と見られました。十月一日現在で、大豆の生育は不良で、それもかなりはなはだしい不良と言われ、被害調査における五四・九%という被害率が信じられないほどでありました。
 以上が調査の概要でありますが、本調査団は、北海道知事を初め、農業・農民団体の代表あるいは農家の方々から冷害対策等に関する貴重な要請を伺ってまいりました。
 その第一は、今次冷害について天災融資法の適用並びに激甚災害の指定をできるだけ早期に行い、被災農家の天災資金所要額を確保されたいという点であります。
 第二は、自作農維持資金の融通について、被災農家の既借入残高の実情を考慮した特例貸付限度の設定、資金所要額の確保を図るとともに、制度資金については償還猶予措置を講じてほしいという要請であります。
 第三は、国営土地改良事業の負担金につきましては、冷害の農家経済に及ぼした影響を考慮し、償還の繰り延べと、これに対する利子の免除を行ってほしいという点であります。
 第四は、農業共済金の年内早期支払いを実施するとともに、損害評価については、低品位米を実情に即して共済減収とみなす特例措置を講じてほしいという要請がありました。
 第五は、五十一年冷害時に措置されたように、規格外米について政府買い入れを行う特別措置をできるだけ早期に講ぜられたいという点であります。
 以上のほか、農産物検査規格のうち、豆類における下位等級の設定、水田利用再編奨励、補助金の早期交付、五十五年予約概算金返納に関する特例措置、再生産用種子の購入費に対する助成、地方自治体の財政運営に対する所要の財政援助、中小企業に対する適切な金融対策の実施、五十五年度における公共事業費の繰り上げ実施、そして水田利用再編第二期対策の五十六年度における凍結等について切実な要請を受けました。
 最後に、本調査団の調査に御協力いただきました道庁を初め、関係自治体、農業団体等の各位に感謝を申し上げ、第二班の報告といたします。
#6
○委員長(井上吉夫君) 次に、冷害等による農作物の被害状況について政府から報告を聴取いたします。矢崎審議官。
#7
○政府委員(矢崎市朗君) 冷害等によります農作物の被害の概況とその対策について御報告申し上げます。
 本年は、七月以降、オホーツク海高気圧の持続的な発達によりまして、低温、日照不足等の異常気象が北日本を中心にほぼ全国的に続き、水稲を中心とする農作物に甚大な被害が発生しております。
 九月十五日現在で実施した被害応急調査によりますと、農作物の被害見込み金額は総額で約五千六百七十九億円に達しており、作物別では水陸稲が約四千四十四億円と最も大きく、総額の七一%を占めております。このほか野菜が約七百三億円、果樹が二百九億円、雑穀、豆類が約二百億円などとなっております。
 また地域別では、北海道が約九百三十一億円と最も大きく、次いで青森が九百十二億円、岩手県が六百二十六億円、福島県が四百三十四億円など、北海道及び東北地方を中心に全国的に被害が発生しております。
 また、水稲の九月十五日現在におきます作柄は、作況指数九一の不良となっております。九〇以下の著しい不良の県が、北海道、青森、岩手、宮城、福島、鳥取、広島、山口、佐賀と、一道八県に及んでおります。
 なお、今次の冷害等による農作物の最終的な被害額につきましては、十月六日現在で被害調査を実施し、現在取りまとめを急いでいるところでございまして、この結果については十月の下旬に公表することとしております。
 次に、これまでに講じた措置でございますが、農林水産省としましては、被害の未然防止のための技術指導、被害状況の把握のための現在調査及び被害応急調査等を実施するとともに、事態の深刻さにかんがみ、災害対策本部を設置し、災害対策の適確かつ円滑な実施に努めているところであります。
 具体的には、天災融資法及び激甚災害法の早期発動の準備を進めるとともに、それまでの間のつなぎ融資及び既貸付金の償還条件の緩和について関係機関に依頼し、また、農業共済における損害評価及び共済金の早期支払い体制の確立について指導しているところであります。
 また、被災農家の就労確保を図るため、第三・四半期の公共事業について特別枠を設定し、被災地で重点的に実施することとしております。
 また、国有林野事業において、雇用吸収力の高い除伐、地ごしらえなどを含む造林事業等を緊急に実施すること。
 小規模な農林関係事業を実施できるよう、農林漁業金融公庫資金等の活用を図ることとし、また、都道府県、市町村が独自に行う小規模な公共事業等についての起債枠の確保等について、関係方面に対し要請したところでございます。
 そのほか、水稲等の次季作用種子並びに越冬飼料の確保について指導し、規格外米について販売可能なものは自主流通米で販売するよう指導しております。
 また、被災農家の飯米確保のため、政府米の特別売却措置を実施することとし、現在関係県と協議中でございます。
 今後は、これまでに講じた各種の災害対策の円滑な実施に努めるとともに、自作農維持資金の融資枠の確保と貸付限度額の特別措置について、被害の実態に即し十分検討の上適切に対処するなど、被害の実情に応じ適切な対策を講じ、被災農家の救済に万全を期してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#8
○委員長(井上吉夫君) 以上で派遣委員の報告及び政府の報告は終わりました。
 それでは、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○山田譲君 被害の状況につきましては、現実に私ども東北地方あるいは北海道に行ってよく見てまいりまして、いまそれぞれ御報告があったとおりでございます。それからまた、農林省の方とされましても、被害状況については相当深刻に受けとめられているわけでございます。
 それで、私がまず最初にお伺いしたい点は、今度の被害、これは場所によっては天明以来の被害であるというふうなことを言われているわけでありますけれども、こういう非常にひどい冷害をこうむった地域の農家の皆さん方、私ども実際行ってまいりましたけれども、ただ実らないたんぼをながめて荘然として手をこまねいて天を仰いでいるというふうな農家の人たち、私どもが行きましたら、本当に涙をこぼさんばかりにして、何とか早く措置をしていただきたいというふうなことを頼んでおられたわけでございます。そしてまた、市町村の当局の方々も、何とかしてその窮状から一刻も早く抜け出して活路を見出そうというような、そういう非常な努力をしておられる姿に私どもも頭が下がったわけでありますけれども、それと同時に、やはりこれは一刻も早く何とかしてやらなきゃいけない。
 特に、ある組合長さんが訴えられたのを私は非常に印象深く聞いたわけでありますけれども、中央の方から、あるいは役所の方からえらい人が何回も来られたりしている。それで、窮状を見ていかれるわけであるけれども、さっぱりその効果が出てこないじゃないか、ただ見て黙って帰るだけである、何のために来られたかわからないじゃないかというふうなことを強く訴えられた方もいたわけでございまして、やはり私ども、せっかく行ったからにはそれに対する対策を早急にこれは実施しなきゃならないというふうに思います。
 本当にさっきの報告にありましたとおり、スズメ一羽いない、あるいはイナゴ一匹見当たらないというふうなひどい状態でございましたから、ひとつこの際、農林大臣におかれましても、その窮状を一刻も早く救済をしてやる、こういう気持ちにぜひなっていただきたいというふうに思うわけであります。どうも法律がこうだからこれしかできない、制度がこうなっているからこれ以上はだめだというふうなお考えではなくして、法律を破るわけにはもちろんいきませんけれども、その運用の妙を得てこの窮状を最大限に救って差し上げることは、私は可能じゃないかというふうに思います。そして、ぜひひとつ農林大臣におかれましても、今度の亀岡農林大臣はさすがに違うんだというふうな対策を早急に実施していただきたいと思うわけでございます。
 その辺につきまして、今次の冷害に対します対策についての農林大臣の姿勢といいますか、決意といいますか、そういうものをまず最初にお伺いをしたいと思うわけでございます。
#10
○国務大臣(亀岡高夫君) 今回の冷害凶作、全国的にわたりましてまことに激甚な様相を呈しておりますことは、両調査団の報告にも明らかなところでございまするし、また農林水産省といたしましても、全力を挙げて正確な被災状況の把握に努めておるところでございます。と同時に、私も激甚なる東北を三県ほど視察をいたしたわけでございます。ただいま山田委員から御報告のありました感じどおりの気持ちで、私もずっと回ってきたところでございます。速やかにこの冷害対策の万全な措置を講じて、そうして農家の諸君に、来年の再生産に取り組む意欲を十分に起こしてもらえるようにしなければならないという気持ちを固めてまいりましたとともに、やはり恒久的な冷害対策というものに取り組んで、そうして、たとえこのような気象条件になっても、農家が全くの無収入というようなことのないような農政を十分に考えなくちゃいかぬのじゃないかという気持ちもともに抱いてまいりましたし、また若い農家の青年諸君からも、農林省はそういう点にいままで責任を感じたことがあるのかと、こうおしかりを受けた個所もあったわけでございます。したがいまして、当省といたしましても、関係庁、局を督励いたしまして、共済金の早期支払いでありますとか、ただいま事務当局から対策を講じました点を申し上げたわけでありますが、それが一日も早く農家の諸君のところに届くようにということで、施策の徹底を急がしておるところでございます。
#11
○山田譲君 大変力強いお言葉で、私も頼もしく感じているわけでありますけれども、どうかそういう気持ちで、ひとつ本当の意味で血の通ったといいますか、温かい行政、これをやっていただくように、大臣以下皆さん方に、農林省の方々にお願いをしたいというわけでございます。
 行っていろんな人からいろんな陳情を受けたわけでありますけれども、一様に言われましたことは、いろいろ金を借りるとか何とかということもそれは考えられるわけであるけれども、やはり借りた金は返さなければならない、利子が幾ら安くてもいずれは返さなきゃならないというふうな金である。したがって、われわれとしてはとにかく一刻も早くしてほしいというのは農業共済金の支払いの問題であるということを、どこへ行っても強く訴えられたわけでございます。そのことに関連しまして、まず最初に農業共済金の支払いの関係を少し御質問したい、要望したいというふうに思います。
 まず、農業共済金の年内支払いということについてでありますけれども、これについては大臣も早くから言っておられますけれども、年内支払いが確実にできるかどうかということについて、大臣から一言お伺いしたいというふうに思います。
#12
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のとおり、共済金が被害農家の手元に渡る、もう本当にこれは返さなくてもいいというお金でありますので、私といたしましても、できるだけ早く届くようにということで、大体、冷害対策本部を設け、また異常気象対策本部というものを八月中に設けたわけでありますけれども、そのときからもうとにかく準備態勢に入れということで万般の準備をさしておりまして、五十一年の経験も生かしまして、年内に本払いを完了することができるように、いま着々と準備をさしております。
 大体、各県においての準備の状況等については担当局長から詳しく御報告申し上げます。
#13
○政府委員(松浦昭君) 大臣からの強い御指示がございまして、五十一年の際にも年内支払いを終えた次第でございまして、本年も同様の方針で年内の支払いをしたいということで作業を進めておるわけでございますが、何分にも一番重要なポイントは、損害の評価、これは先生後ほど御質問があると思いますけれども、これを的確に、かつ早期に実施するということでございますので、私どもといたしましては、まず九月の五日に局長通達をもちまして、後ほど御説明いたしますような主要な点につきましての指示をいたしますと同時に、また、それだけでは十分ではないというふうに考えまして、実は十月の六日に、各連合会の参事を本省に集めまして、特に年内の支払いを実施いたしますための早期の支払いに備えまして、参事の会合を開きまして、そこで損害評価その他実務的な必要な諸措置につきまして十分に説明をいたしております。それを受けまして、いろいろな陳情その他、私のところに寄ってくださる方々のお話を聞きますと、着々目下準備が各連合会段階において、あるいは組合の段階において進んでいるというふうに私どもは承っております。
#14
○山田譲君 具体的に、じゃ、その評価はどの程度進んでいるか、おわかりですか。
#15
○国務大臣(亀岡高夫君) いま局長から申し上げた概略のとおりでございますけれども、大体どんな状況かと、私も実情を知りたいということで、実はけさ報告を受けたのですが、現在までに、水稲については十八連合会六十四組合等で仮渡しを行う予定を一応立てたと。このうちの大部分は十月二十日ころから十一月上旬にかけて仮渡しを行う旨の報告がございました。今後とも、仮渡しを希望する農家にこたえるために、とにかく一日も早く共済金が手元に渡るようにということで指導を強化をいたしておるところでございます。また、果樹につきましては、連合会で一つ、組合で四つ、九月下旬から十月初旬にかけてすでに仮渡しを行っているところもございます。これはもう共済組合の事情によりまして、また農家の希望等もございまして一様にまいりませんので、その組合ごとの特質というものも十分考えてやっておるようでございますが、本省としては、何度も申し上げますけれども、とにかく収穫皆無のところは、もう損害評価するまでもなく、皆無ということはわかっておるわけでありますので、そういう農家に対する仮払いというものは、これはもう組合がやると思えばやれるはずだと、こういうことで強く指導をしておるところでございます。
#16
○山田譲君 仮払いというのは、大体何割くらい仮払いするものですか。
#17
○政府委員(松浦昭君) 私ども仮払いを考えておりますのは、ただいま大臣からもお話しになりましたいわゆる皆無作、あるいはこれに近いところでございまして、その場合には、当然仮払いを行います場合には、全額共済金を支払うという形で仮払いを行っているということでございます。
#18
○山田譲君 仮払いはぜひやっていただきたい。それから年内支払いはどうしてもその方向で指導を徹底さしていっていただきたいというふうに思います。
 その次に、やはり評価の問題でいささか細かくなって恐縮でありますけれども、今度回ってみて感じたところは、どこへ行きましてもどうも共済金の評価について非常な不信感がある。何となく不信感がある。これは単に農家の方々ばかりではなくて、いろんな市町村長のような人でさえ、どうも評価の方法についていろんなおもしろくないことがあるんだと、こういうことを至るところで聞かされたわけでございます。
 それで、私も大体承知しているつもりでありますけれども、ここでもう一遍それを確認する意味で、共済の評価の仕組みといいますか、保険金を現実に払うまでに至るメカニズムというか、仕組みといいますか、それがどうなっているかをひとつ具体的に言っていただきたいというふうに思います。
#19
○政府委員(松浦昭君) 損害評価の仕組みの御説明を申し上げたいわけでございますが、まず、作物保険にとりまして一番むずかしい問題というのは損害評価でございます。いろいろな国の例をとりましても、やはり損害評価というものがむずかしいがために、なかなかこの保険の仕組みができないというところが多いわけでございまして、特に流通段階で損害を押さえられる、収穫量を押さえられるというような場所におきましてはこれは比較的問題がございませんけれども、日本のように飯米の部分が非常に多いと。したがって、圃場で評価をしなきゃいかんと。しかも、それが検見であるという場合には、その制度が非常に仕組みがむずかしいということでございます。
 われわれは、一方において過大評価が起こらないようにすると同時に、また過小評価が行われますと、これまた農民の間に非常な不信感を買うわけでございますから、そこをどうやってうまく制度を仕組むかということで、率直に申しまして、四十年の歴史の積み上げで次のような制度をつくってまいったわけでございます。
 その内容を申し上げますと、まず組合等の段階でございますが、まず農家から被害申告がございまして、どこの耕地で被害が起こったということを申告してまいります。そういたしますと、あらかじめ設置されました評価地区というものがございますが、この評価地区におきまして、担当の損害評価員が一筆ごとに検見または実測、主として検見でございますが、これによりまして損害の調査を悉皆調査で行っております。
 次に、損害評価会というのを各組合等に設置しておりまして、その委員とそれから職員によりまして、先ほど申し上げました損害評価員の行いました悉皆調査の結果を検定するということのために、一評価地区当たり通常の場合は大体十筆以上の耕地につきまして任意に抽出をいたしまして、実測調査とそれから検見の調査を併用したいわゆる抜き取り調査をいたすわけでございます。この抜き取り調査を行いますと、組合等はこの抜き取り調査において損害評価員の行った単位当たりの収穫量何キログラムということが出てまいりますが、この単位当たりの収穫量と、評価会の委員または職員が行った単位当たりの収穫量との差の結果を損害評価会に諮りまして、そこで評価地区別の反当修正量というものを決定するわけでございます。簡単に申しますと、各地区の損害評価員の見ました何キログラムというものと、それから組合の評価会の委員あるいは職員が見ました何キロぐらいというものが違った場合には、その差を修正していくという形になります。
 そこで、なおこの場合において修正が必要とされる場合におきましては、損害評価員の行った各耕地ごとの単位当たりの収穫量を修正いたしまして、そこで各耕地ごとまたは農家ごとの共済減収量を認定した上で、これを取りまとめまして、この組合は幾らの減収量になりますということを連合会に報告するわけでございます。
 そこで、連合会の段階でございますが、連合会になりますと、組合等ごとの損害評価高、これはこの組合で幾らの共済減収量があるということを認定するわけでございますけれども、そのために今度は連合会はこれは坪刈り実測でございますが、この実測によります抜き取り評価を行います。抜き取りの調査を主体といたしまして、さらにこれに検見による抜き取り調査あるいは見回り調査というものを併用いたしまして、そこで今度は組合等ごとの共済減収量が的確であるかどうかということを判断するわけでございます。
 その場合には、実測による抜き取り調査でございますが、これは連合会の損害評価員及び職員が、一組合当たり平均十八筆、農単の場合には二十四筆、これは災害が非常に大きな場合には、それに応じまして実測筆はふやすようにいたしておりますし、また、そのための特別の調査費も組んでおりますが、さようなことで抜き取り調査をいたしまして、その組合が評価した単位当たりの収穫量と連合会が調査した単位当たりの収穫量との差を基礎といたしまして、検見調査及び見回り調査も参考にした上で組合等ごとの共済減収量、これを調査いたしまして、さらに損害評価会の意見を聞いた上で組合等の共済減収量を認定するということにいたしております。
 これで連合会が各組合ごとの共済減収量を出しまして、これを総計いたしまして連合会の当初評価高という形でこれを農林水産省に報告するという形になっております。
 さらに農林水産省は、今度は災害の実態から見まして都道府県間に著しく公平を欠くということが起こりますといけないものでございますから、統計情報部の資料を活用いたしまして、これをある一定の範囲内に入っているかどうかということを認定するわけでございますが、この資料は統計情報部の資料でございますが、これは標本調査によってやっておりますがゆえに、一定の方法によりまして標本調査に応じた許容係数というものをつけるわけでございます。つまり、生で適用するのではなくて、一定の許容係数をつけまして、その許容係数のつきましたその範囲内に一体連合会の評価が入っているかどうかということを審査いたします。そこで、その場合には連合会の評価高が許容の範囲内であれば当然それをもって認定をいたしますし、もしもこれが超えているという場合には、連合会の評価高が許容範囲の最高限となるように修正いたしまして認定をいたすという形になっております。
 最後に最終認定は、いまのような形で行いました認定の結果、各耕地ごとまたは組合ごとに最終の評価をいたしまして決定をするというのが手続でございます。
#20
○山田譲君 大体の仕組みはわかりましたけれども、私自身よくわからない点は、評価員というのは恐らく相当のベテランがなっているんじゃないかと思いますよね、非常に重大な仕事をするわけですから。その評価員が評価した。それをさらに組合でもってまたそこで評価をある程度する。それをまた連合会までいってまたそこで評価し直しをする。それだけ慎重な手続を経て評価したものに対して、さらに統計情報部の方のもの、許容指数があるとか何とかいった話ですけれども、いずれにしてもそういう全然別なルートから出てきたものと比較して、そしてむしろ統計情報部の方から出てきた被害額が少なければそちらに合わせられるわけですね。そこのところがどうもわからないわけです。仕組みはそうなっていると言うけれども、その趣旨は一体どういうことかということと、大体において聞くところによると、統計情報部の方は絶えず被害額が少なくやられる。そうすると、せっかくそれだけ慎重な手続を経て評価してきたものが、結果的には統計情報部の数字どおりに査定といいますか、減らされてしまうということになりますと、これはやはり農家の方々はどうも納得できないと、不信感が出てくるというのはこれはあたりまえじゃないかというふうに思うわけです。
 で、農家の方々の不信感というのは、一つは、評価員の評価そのものに対する――評価員も神様じゃございませんから、評価にいろんなアンバランスやなんかあると思う。だから、そういうことに対する不信感もそれはあると思いますけれども、一番大きな不信感というのは、私が感じた限りでは、そういうような農民独自でもってずっとやってきた評価に対して、最終段階で統計情報部の方の指数に合わされてしまう。ですから、期待したような保険金がさっぱりやってこない、もらえない、一体どこでけちられたんだというふうなところから、非常に共済金の給付をめぐっての農民の方々の不信感があるんじゃないかというふうに思うんですが、そこら辺はどんなものでしょうかね。
#21
○政府委員(松浦昭君) いつも亀岡大臣がおっしゃっておられますように、真実というものは一つであるはずでありますし、またそうだと思います。ただ、これは私どもの作物保険の長い経験の中でこういう仕組みをつくってきたわけでございますが、やはりいままでの経験から見まして、いろいろな災害の実態から見まして、都道府県間で著しく不公平が生ずるという場合がございます。また、現に昔はございました。さようなことから、この公平を確保するために、このような仕組みというものが導入されて今日に至っておるわけでございます。
 ただ、長い経験を通じまして、また先ほど申しましたような統計情報部につきましては、やはりアローアンスというものをつけて評価をいたしておるということから、各災害ごとに見てまいりますと、このような三段階によりまして最終的に確定をする仕組みにはなっておりますが、最近における経験から申しますと、このような統計情報部によります標本調査に対応した一定の許容範囲に入ってくるその状態というのが最近は非常に多くなってきておりまして、たとえば、五十一年災の状態におきましても、大体全国で六連合会がこの範囲を超えたという状態でございまして、これはやはり損害評価員が経験を積み、習熟をしてきたということもございますし、また全体として、損害評価というものがまさに一つの真実というものに近づくような、そういう評価方法というものがとられるようになったというふうに考えられるわけでございます。
 ただ、先ほど六連合会だけ合わなかったということを申し上げましたが、これはちょっと五十一年の特殊なケースがございまして、それは実は連合会の評価をいたしました時点と、それから統計情報部の調査いたしました時点とが若干ずれていたということがございます。五十一年災は、先生も御案内のように、次第に、最後の段階になりまして被害が緩くなったという状態がありました。そのために、場所によりましては、統計情報部の調査時期とそれから連合会の調査時期に十日から十五日のずれがあったといったようなこともございましたものですから、このような六県ほどで差が出てきたということが起こったものというふうに考えておる次第でございます。
#22
○山田譲君 恐らく評価員なりそれから各組合それから連合会に対して、農林省としても評価の方法その他について相当細かい指導をしておられると思うんですが、そういうところから見ると、各都道府県ごとにばらつきが出てくるということは、これはそもそもその指導の徹底が悪いということになるわけでありますけれども、それに対して統計情報部の方からの数値に合わせられてしまう。いままで、統計情報部からの被害額の方が、組合の方から出てきたのよりも被害額が多く出たというような例はございますか。
#23
○政府委員(松浦昭君) 生の評価で申しますと、統計情報部の評価というものはおおむね小さ目に出るということでございます。ただ、これにアローアンスをつけるという状態になります。
#24
○山田譲君 そこのところがわからない。どうして統計情報部の方が少なく出て、連合会の方のやつが大体において多くなるか。どうも調べ方そのものにやっぱり問題があるんじゃないか。同じ農水省でやっていながら、評価員による評価の方法と統計情報部がやる評価の方法に差があるんじゃないか。その結果が必ずと言ってもいいくらいに統計情報部の方が低目に出るという、何か意識的に低目に出るようなことをやっておられるかどうか。そうでなきゃ、場合によっては、やる人が違うわけですから、多目にやることだってあっていいと思うんだけれども、それがなくて、少ない方しか出てこないということになると、どうも評価の方法そのものについて一貫性を欠くような形でもって評価をしておられるんじゃないかというふうに思わざるを得ないんですけれども、その点どうでしょうか。
#25
○政府委員(松浦昭君) 先生おっしゃいますように、実は連合会、組合等の評価はこれは一筆ごとに積み上げてくる評価でございます。しかし、統計情報部の方の評価はこれは一筆ごとに積み上げられるわけではございませんので、あくまでも標本の調査という形になりますので、そもそも評価の方法が基本的に違っているわけでございます。
 したがいまして、評価につきましては、その標本筆がサンプルでございまして、その母集団に対しましては当然ある程度までの差が出てくるわけでございますから、それをアローアンスという形でもって許容の範囲を決めて、その中に入るかどうかということで審査をするという形になっておるわけでございます。
#26
○山田譲君 ですから、その評価の方法が違えば結果が違ってくることは、これはあたりまえだと思います。ただ、私がさっきから言っている、わからないのは、必ず統計情報部の方が損害額が低く出るというのがわからないわけです。評価の方法が違うんだから、場合によっては多く出てもいいじゃないかと思うんだけれども、いま聞いた限りでは少なくしか出たためしがないということになりますと、一体その評価の違うような二つのやり方をやっていって、最終的には統計情報部の方の少ない方で査定、という言葉があるかどうか知りませんが、されてしまう。そうすると、何のために一生懸命苦労して評価員が評価し、組合もそれなりにやり、連合会もやってきた、やらしているのか、そこのところがどうしても理解できないわけですけれども、その辺、もう一遍くどいようですけれども、ちょっとお伺いしたいと思います。
#27
○政府委員(松浦昭君) ただいまもお答えいたしましたように、そもそも評価のやり方が違っておるわけでございますから、その差が出るのは当然という先生のお言葉はそのとおりだと思います。ただその際に、一体どうして積み上げて出てきた評価というものが、国が、統計情報部がやっております評価よりもかなり多くのケースで多く出てくるかということについては、この原因について、私どもは率直に申しましてこれが何であるかということはなかなか申し上げられない。申し上げられないと申しますか、よくわからない点でございます。したがいまして……
#28
○山田譲君 わからないのでは困るわけですね。もう何十年もやってきたというふうなことをさっきおっしゃったから、何十年もわからないままにやってこられたのかどうか。当然そういった矛盾は、ともかく違った方法でもって違った人がやれば違った結果が出るのはあたりまえであって、しかもその結果が必ず統計情報部の方が少なく出るというふうなことはどうしても納得できないわけです。ですから、制度がそうなっているということでそのとおりやっておられると思いますけれども。
 もっと聞きたいわけですが、時間がないからその辺で一応やめておきますけれども、どうかこの辺の仕組みについて、ひとつ農林省の方でもう一遍よく検討をしていただきたいというふうに思うわけでございます。
#29
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は、山田委員がいま御指摘になった点は、私ども、農業共済制度そのものに対して議員として常に農林水産省に迫ってきたところでございます。したがいまして、被害の真実は一つしかないと、片一方は一筆調査で全部積み上げだと、片一方は標本でもって、予算でもって全国で一万何千カ所かあらかじめもう調査をする予定地というものが決まっておるわけでありますから、それはもうどっちが正しいのだということを盛んに農林水産省とやり合ってきたところでございます。したがいまして、農林水産省としても、その真実にぴたりと合うように、許容量の中に連合会の被害高の報告が来れば、これはもう一番文句ないわけですが、そこに差があると、これはもう農民の不信を買うのは当然でございます。したがいまして、私、今回の災害に当たりまして共済の損害評価については、その点はとにかく統計情報部の諸君も、その地域の被害、農民の災害の実態というものを正確にやっぱり統計数字の上に反映するように努力をしなければいかぬ、また共済の方も、行政機関である統計情報部の方とも緊密な連絡をとってほしいと、また県の方もそういう立場でやってほしいと、こういうことで、できるだけこの共済制度というものの精神を理解し合ってこの災害に取り組んでいくという形で仕事をしてほしいということをやかましく言い続けてきておるところでございます。
 したがいまして、今回の災害でどういう結果が出てまいりますか、私は災害ごとにその真実へ向かってわが省の統計情報部のデータも近づいていくということを期待しておるわけであります。必ずやそういう方向に努力によって近づけていくことができると、こういう気持ちで指導をいたしておるわけであります。
#30
○山田譲君 もっと質問したいことがあるんですけれども、大臣が前の衆議院のところでも言っておられるように、真実は一つしかないというふうなことを言っておられるわけですが、真実は一つしかないとすると、やはり当然結果的に一つしか真実が出てこないようなそういう仕組みを考えるべきじゃないかというふうに思います。
   〔委員長退席、理事北修二君着席〕
しかも、大臣みずからが従来からそういう矛盾を感じておられだとすると、ぜひ、大臣になったところでひとつその辺の矛盾を直すように強く要望をしておきます。
 次に、評価員の問題でございますけれども、今度の冷害はいつもの五十一年度の冷害などとかなり様相が違う。たとえば一つのたんぼをとってみても、風上と風下ではかなり違っているというような、非常に複雑な冷害の被害状況であるということが五十一年と比較して特徴と言えるようでありますけれども、そうなりますと、おのずから評価員の評価も非常にむずかしいし、評価員の御苦労も大変なものになってくるんじゃないかというふうに思います。それで、評価員の数が果たして現在適正であるかどうか。あるところへ行って聞いた話ですけれども、評価員がそのために非常に苦労をして、病気になって倒れる人が非常に多く出てきているというふうな状況もあるようでありますけれども、こういうことについて十分対応をしておられるかどうか、そこのところをちょっとお伺いをしたいと思います。
#31
○政府委員(松浦昭君) 損害評価員の人数は全国で二十一万六千人という非常に多い数でございまして、相当の被害が発生いたしましてもこれに対応できる数が定款等で決められているというふうに考えております。ただ、地区地区によりましては、非常に災害が広範囲に起こっておりますところでは、先生がおっしゃられますように大変御苦労なすっておられるということはよく承知いたしております。
#32
○山田譲君 評価員の手当というのはどのくらいですか。
#33
○政府委員(松浦昭君) 農業共済組合及び市町村の損害評価の手当は現在一人当たり実額で七千三百九十七円でございます。
#34
○山田譲君 それでは、共済の問題でもう一つだけ最終的にお伺いをしたいのは、再保険金の支払いの財源が不足する場合がある。ことしなんか恐らく相当不足するわけだと思いますけれども、そういう場合に、たとえば一般会計の方から繰り入れするときに大蔵省の方が財源的に査定をするというふうなことはあるかないか、そこのところをちょっとはっきりさしておいていただきたいと思います。
#35
○政府委員(松浦昭君) 今回の農作物の被害のうちで一番大きな被害は当然水稲であるわけでございますが、水稲共済につきまして国の支払いの再保険金の所要額がどの程度になりますか、現在まだ共済団体の損害評価が終わっておりませんので、まだ確定的なことは申し上げられないのでございます。しかし、現在既定の支払い財源をちょっと申し上げますと、再保険金特別会計に再保険料として三百億円、それから積立金として三百億円、計六百億円の財源がございます。ちなみに昭和五十一年でございますが、再保険金の支払い額が約一千億でございまして、これに対しまして既定の支払い財源が五百億でございまして、差し引き五百億を一般会計から繰り入れたという経過がございます。今回の災害の態様は当然五十一年をかなり上回るのではないかと思いますので、再保険金の額はこの五十一年の一千億円ではとうていとどまらないというふうに考えられます。しかしながら、いずれにしましても再保険金の支払いというのはこれは国の責任でございますから、したがいまして、その支払いに支障のないように所要の措置を講じてまいるということでございます。
   〔理事北修二君退席、委員長着席〕
#36
○山田譲君 日本農業新聞ですか、十月十四日、火曜日のこの日本農業新聞というのを見ますと、大きく「農業共済」ということで、「水稲だけで一千億円補正 大蔵省厳しい査定必至」というふうな新聞記事があるわけです。この内容を見ますと、読むこともないと思いますが、かなり財源難から大蔵省が厳しい査定をするんじゃないかということが言われておりますけれども、そうすると、こういうことはないわけですね。
#37
○政府委員(松浦昭君) その新聞、私も読んだわけでございますが、先ほども申しましたように、再保険金の支払いというのはこれはもう国の責任でございます。これはもう支払わなければならないものでございますから、それにつきましての資金の手当てというものについては当然これはもう処置をしなければいかぬということで、これはもうあたりまえのことだというふうに私どもは思っております。
#38
○山田譲君 それでは、共済関係はその程度で終わりますが、いずれにしても、先ほど言ったようなところをひとつよく検討していただきたいと思います。
 それから次に、天災融資法とか激甚災害法、これについては早期に発動するということを大臣しばしば言明しておられますけれども、大体いつごろ発動されるか、そこのところをちょっとお伺いしたいと思います。
#39
○国務大臣(亀岡高夫君) 大分急がせておるわけでございます。しかし、やはり今回の災害、冷害と同時に、台風の災害もまた来ておるわけでございます。こういうやはり農家にとってはひとしく災害を受けるわけでありますので、こういう点も十分に早期にその実態をつかまなければなりません。そういうこともございまして、それから自作農維持資金、天災資金等についても、農家がどれくらい希望しておるんだろうという、そういう集計もいまやらしておるところでございます。こういう資料がまとまりまして、天災融資法の政令を公布するということにつきましては、大体十一月の十日から十五日くらいの間、この前よりも少なくとも経験があるんだから、早く、一週間でも十日でも早く公布できるようにしなさいと、こういうことで急がしております。大体十一月の十日かち十五日をめどとしていま急がしております。ちなみに五十一年のときには十一月の二十九日に政令公布というふうになっておりますが、ぎりぎり急がしてもその辺であると。余り急がせますと、今度はその被害高の面において漏れたり、事実と違ったりというようなことがあってもなりませんので、さらにその融資関係の希望額というものがどれくらいあるのかということもしっかりつかまにゃいけませんので、そういう点に若干の時間を要すと、こういうことでございます。
 しかし、もう政府から自作農維持資金やあるいは天災資金が出るということがわかっておりますので、その間のつなぎ融資につきましては、関係金融機関からすぐ受けられるようにということで、各金融機関にはもうすでにお願いの通達を出しておると、こういうことでございます。
#40
○山田譲君 皆さん一刻も早くとにかく発動していただきたいということを願っているわけですので、いま大臣がおっしゃったようなことでひとつぜひ早く発動をしていただきたいというふうに思います。それまでのつなぎ融資につきましてもできるだけの便宜を図っていただきたいというふうに思います。
 細かいことで恐縮でありますけれども、この間も行ってみて至るところでこれもまた聞いた話ですが、手続が非常に煩瑣であると。それで農民の方なんか特にそういったことに余りなれていないわけでありますから、余り細かい手続をごちゃごちゃ書かされたんじゃ、めんどうくさいからそんなものは借りないというふうなことになってしまいかねない。こういうことですから、手続につきましてもやっぱり農家の方々が簡単に書けるような、それはまあ金を借りるという問題ですから、ある程度はきちっとした手続が必要でございましょうけれども、ぜひ手続についても簡素化をしていただきたいというふうに思うわけでございます。
 その次に、被災農家の飯米でございますけれども、飯米確保についてどういうふうな対策を考えていらっしゃるか、ここのところをちょっとお伺いしたいと思います。
#41
○政府委員(松本作衞君) 被災農家の飯米確保につきましては、できるだけ政府の米を都道府県を通じて流すという措置を早くとっていきたいというふうに考えておりまして、ただいま都道府県知事にどの程度の飯米必要量があるかということを照会をしておる段階でございます。このやり方といたしましては、国の持っております米を都道府県、市町村のルートを通じまして卸売価格で販売をするということにいたしまして、その代金につきましては一年間延納を認めるという形で取り扱ってまいりたいというふうに思っております。
#42
○山田譲君 その卸売価格というのは幾らですか。
#43
○政府委員(松本作衞君) 米の品質によりまして違ってまいりますので一律にはなんでございますが、通常の小売価格に比べまして約一割程度安い価格になります。
#44
○山田譲君 お米をつくっていらっしゃる農家の方が食うお米がないというほど悲惨な話はないと思うんですけれども、所によっては、ぜひただでもらいたいというような希望もございました。しかし、ただというのも、一般の消費者との均衡等も考慮して無理かともいう感じはするんですけれども、私ここで考えるのは、大分米を輸出しているようでございますけれども、私の手元にある資料でいきますと、五十四年度に九十三万トンですか、それから五十五年度で四十六万トンだけれども、これがさらにふえる見込みだというふうなことを資料として聞いておるわけであります。こういうところ、大体輸出先は韓国であるとかインドネシアとかバングラデシュというふうな食糧不足の開発途上国のようでありますけれども、そういうところに輸出する値段がこれまた非常に安い。トン当たり玄米で五、六万円、精米で六、七万円というふうなことで輸出しているようでございます。この事実が間違っていたら後で訂正していただきたいと思いますが、私ども調べた限りではそういうことになっております。それに比較して卸売価格というのはかなり高いんじゃないか。ですから、私どもせめてこの輸出しているその輸出価格ぐらいまでに安く売ってあげることはできないか。まあ外国が食糧不足でもって困っているから外国にお米を売るというのも結構でありますけれども、国内ですでに食う米がないという人がたくさんいらっしゃるのに、外国の方に輸出する場合に安く売って、国内にはそれ以上に高く売りつけるというふうなことでは、やはり農民の方々に余りにもお気の毒じゃないかということを考えるわけですけれども、そういうふうなことについてどうお考えでしょうか。
#45
○政府委員(松本作衞君) 過剰米の処理といたしまして、外国に対していわゆる国際価格並みで販売しておるということは御指摘のとおりでございまして、その価格水準は現在の販売価格よりも相当に安いということも事実でございます。ただ、現在、米の主食用の販売価格につきましては、食管法に基づきまして価格を決め、いわゆる米価審議会に諮って決めることにしておるわけでございますが、一方、外国に売ります米は過剰米処理という形でやっておりまして、この外国に売ります価格については、これは食管法上も別に政府が定めることになっておるわけでございます。したがいまして、売れる価格ということになりますと、国際価格にならざるを得ないという事情があるわけでございまして、これはあくまでも過剰米処理ということでやっておるわけでございます。したがいまして、被災地に対する価格につきましても、これは主食用の価格でございますから、これを政府が一方的に安くできるということは制度上も非常にむずかしいと思っておるわけでございますので、われわれといたしましては、現行制度においてできるだけのことということで、先ほど申し上げましたような措置を講じたいと考えておるわけでございます。
#46
○山田譲君 過剰米処理ということで輸出しているという話ですけれども、そうすると、いつの米を輸出しておるわけですか。
#47
○政府委員(松本作衞君) 過剰米処理としていま実施しておりますのは五十三年産以前の米でございます。
#48
○山田譲君 まあただというわけにはいかないと思いますけれども、制度的に、その気になれば、私はもっと安く、輸出米と同じような値段で、国外にはいくわけですから、国内のそういった食う米もないというふうな人に対しては、むしろ国外よりも優先的にそういうところに安く売るべきじゃないかというふうな気持ちを持っております。ひとつ御検討いただきたいと思います。
 その次に、お米の予約概算金というのがありますが、これを延納させるあるいは延納の利子を減免させるというふうなことについて、ぜひこれもお願いしたいというふうに思うわけですけれども、その点いかがでしょうか。
#49
○政府委員(松本作衞君) 予約概算金につきましては、被害の程度に応じまして、この利子を免除ないしは軽減するという形をとってまいりたいと考えております。
 ただ、元本につきましては、これは被災農家が直接返納できない場合には集荷団体の代位弁済という道を開いておりますので、この集荷団体にかわって払ってもらうということで、集荷団体といたしましては、来年の五月ぐらいまでの段階で国に払っていただくわけでございますが、被災農家につきましては、支払いのできる段階に応じて集荷団体に払ってもらうというような措置を講ずるようにしていきたいと考えておる次第でございます。
#50
○山田譲君 時間がありませんから先へ急ぎます。
 その次に、何と言っても現金が一番手っ取り早く手に入るのは農業共済でありますけれども、その次にやはりいわゆる救農土木事業といいますか、救農事業を起こして、そして働いて現金収入の道を得るということが大事だと思いますけれども、いわゆる被災農家に対する就労機会の確保のために救農土木事業を実施しなければならないと思いますが、それについていまどのようなお考えでいらっしゃるか、そこのところをちょっとお聞きしたいと思います。
 公共事業というようなお話がありましたけれども、この間行った東北なんかでは、冬が来ますから、公共事業は恐らくほとんどすでに発注を終えているというふうなところも多いんじゃないかというふうに聞いてまいりました。そういうことで、なかなか公共事業をこれからやると言っても大変じゃないかということと、公共事業でやりますと、どうしてもまた肝心の農家に入る賃金の量が非常に減ってしまう。三割とか二割とかということになってしまいますと、これは災害が起きて土建屋さんがもうかるというだけで、肝心の農家の方のふところは暖まらないということになりますので、その辺を考慮していただいて、一体現在どの程度の対策を考えていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
#51
○国務大臣(亀岡高夫君) 山田委員御承知のように、五十五年度の公共事業関係は、第一、第二・四半期で大分セーブをしてきておりまして、第三・四半期に三〇%やろうということが、この間八月でしたか、決定をいたしたわけでございますが、その分をちょうどいま計画も終わり、設計も終わり、もう金さえ行けば仕事ができるというのをそれぞれの市町村が持っておるわけでございます。そういう市町村に対しまして重点的に、この冷害のひどい市町村に対しまして優先的に予算を充当して、雪が降る前に仕事ができるようにさせようということで、農林水産省といたしましては約二百四十億の特別枠をつくりまして、そうしてこれの充当も近くでき上がりまして、農政局を通じて各県にあるいは各市町村にあるいは土地改良団体に通達をしたい、こう考えております。
 と同時に、もう一つは、国有林の多い地域が大変やられておる、こういう面もありますので、国有林で十億余になると思いますが、これはもう下刈りとか、地ごしらえとか、あるいは枝おろしとか間伐とか、こういう仕事ですと、国有林が五十五年度の予算にちゃんと計上してありますので、その仕事を各営林局を通じて配分することによって、これまた降雪前に仕事が完了できるように、そうして雇用の機会を被災農家に充当していくことができますように、これも近く通達ができる段階まで準備が進んでおります。
#52
○村沢牧君 関連して。
 いま公共事業について大臣から答弁があり、きょうに至るまで本会議、予算委員会で同じような答弁をしているわけです。いま山田委員が指摘をしたように、公共事業は一定の場所も決まっておりまして、しかし、冷害を予定しておりませんから、主として施行は機械で施行するような形になっているわけですね。それを今度の冷害用として計画を変更してやっぱり雇用対策に向けていくような形ができるのかどうか。一体それはどの程度見込んでおるのか、操作できるのかどうか。
 下刈りの話もあったんですけれども、国有林の下刈りもかなり終わっているわけですね。本年度予算でもって果たしてやるところはやる予算を持っているのかどうか、そのことですね。
 もう一つ、それから公共事業は単に農水省関係だけじゃないわけです。建設省にもありますね。だって、冷害のために各省庁挙げてやるとするならば、建設省の持っているような公共事業についても使えるものがあったら使えるのか、その合意はできているのかどうか。
 もう一点、大臣は先日の参議院予算委員会の答弁でもって、地方自治体が事業を起こした場合において起債等で充当していく、その場合には、償還の際、地方交付税に算定をするように自治省とも折衝中であると、そういう答弁をなさっておったんですけれども、そのようなことが進んでおるかどうか。四点について具体的に説明してください。
#53
○政府委員(杉山克己君) 公共事業の執行の問題でございますが、本年度の予算は、先ほども大臣が申し上げましたとおり、第二・四半期まで六〇%の執行率になっております。そういう関係で、使い残しといいますか、今後の契約にまつところがきわめて大きいわけでございます。そういたしますと、これをできるだけ早く、特に第三・四半期に現地におろして、そして現金が被災地におりるようにするということがまずもって必要でないかというふうに考えたわけでございます。もちろん、おっしゃられるように、新しく追加の公共事業をやるわけではございませんから、特に改めて事業がふえるということではございませんけれども、資金的には一番必要な第三・四半期にこれが出ていくということで一つ効果を持つものというふうに考えております。
 それから、労務比率、被災地の農家の方をどれだけ多く雇用できるかということでございますが、一般的な公共事業ではおおむね二〇%から高くても三〇%くらいでございます。昔と違いまして機械施行が多くなりましたので、その点は、もっこを担いだりスコップを持って地面を掘ったりというような時代とはかなり変わってきておるわけでございます。そこで、そういう事業にせよ、とにかくできるだけ被災地向けに、しかもそういう制約のある中ではありますが、できるだけ労務比率を高くするようにということで執行をお願いする必要がございます。
 そこで、この点につきましては大臣から各省にもお願いいたしまして、各省も、公共事業の執行に当たってはできるだけ被災地の労務に貢献するようにということで、それぞれ必要な指示を出していただいております。農林水産省自身としても、当然下にそういうことをおろしているわけでございます。
 それからまた、そういうことだけでは本当にもっと地場での就労機会を欲している人たちにこたえることにならないではないかということがございますので、私ども、大臣も申されましたように、国有林野事業での直接の事業も進めていただく。特に被災地重点に進めていただく。それから、特に私どもの所管しておりますところの土地改良事業につきましては、小規模の土地改良、これは三分五厘融資でもって……
#54
○村沢牧君 答弁は簡単にしてください。時間がありません。
#55
○政府委員(杉山克己君) はい。
 事業を進めるというのがございます。そういう三分五厘融資をできるだけ活用するとか、さらに先ほど先生御自身が言われましたような、市町村単独事業について起債を、これは自治省の協力を必要としますが、考えてもらうというようなことで要請をいたしまして、できるだけ現地に即したような就労機会の確保を図っていきたいというふうに努力しているところでございます。
 自治省との折衝は目下努力している段階でございます。
#56
○村沢牧君 いま答弁を聞いておりましても、じゃ公共事業を優先的にやるったって、残ったやつを早期発注するっきりのものだよね。こっちの方が幸いたくさんできたんだから、こっちの方のを持ってきてこっちへ振り向けるということはできないでしょう。だから、幾ら二百四十億あるったって、被災地に持っていってすぐ振り向けるわけにはいかないと思うんですね。国有林の下刈りといったってほとんど終わっているんだよ。
 そこで大臣にお聞きしますが、私たちはこの被災地の実態に即するような事業を起こして、それに対して国が一定の交付金を出す。そして、なおかつ交付金では足りませんから起債を起こす。その起債については地方交付税算定の際にこれをやっぱり基準財政需要額に入れて認めていくと、そのような特別の措置をつくるべきだというふうに思うんですが、実は私ども社会党も提案いたしましてこの種の特別立法をつくろうと、こういう準備をしておるところですが、大臣の見解どうですか。
#57
○国務大臣(亀岡高夫君) 私どもといたしましては、今日までの制度において十分被災農家に雇用の場を準備していくことかできると、こういうふうに考えておるところでございます。しかも、新たに計画をし、新たに――公共事業というお話がございましたが、でありますと、設計をし、そうして補助金申請をするということになりますと、もう非常に時間的にも長時間を要するわけでありまして、本当に被災農家の一番困っているときに、雪の降る前に現金収入の方途を与えてやることが私は大変大事ではないかと考えまして、事務当局をしてこのような措置をとらしておると、こういうことでございます。
#58
○山田譲君 時間が来ちゃったので、詳しく聞きたいと思う点が最後に残っちゃったんですが、いわゆる水田利用再編第二期対策の問題ですけれども、どこの知事の意見を聞いても、あるいは市町村長の話を聞きましても、農家はもちろんでございますけれども、皆さん方一斉に、とにかくこの第二期対策についてはこれは凍結していただきたいということを強く訴えておられるわけでございます。現に需給関係だけから考えても、ことしのお米は千十九万トンとかいうことでこれに書いてありますが、これもさらに減っていると思いますけれども、そういうことで当然ことしの需要を満たすに足らない。そうすると、五十四年度米を食べなきゃならないというふうなことになりますと、やはりこの際ひとつ二期対策については、ぜひとも、強い自治体からの要望もございますし、農民団体それから農家の人はもちろんでありますけれども、要望があるので、この点ぜひとも凍結するように考えていただきたいというふうに思うわけでございます。どうしてもこの際そうしませんというと、これは農家なり自治体の強い不満が出てくるんじゃないかと、こういうふうに思いますので、一たん決まったからといって強引に強行するというふうなことではなくして、そういう人たちの気持ちも十分しんしゃくをして、そうして二期対策についてはこれを考え直していただきたい、こういうことを強く訴えまして、私の質問を終わります。大臣ひとつ答弁してください。
#59
○国務大臣(亀岡高夫君) 私といたしましても、この二期対策につきましては、就任早々県並びに農業団体、市町村等から、できるだけ麦まき前に二期対策は割り当てをしてほしいという声が強かったわけであります。したがいまして、七月の半ばころまではそのような気持ちで準備をしてきたところでございますが、だんだん冷夏、冷害、凶作という事態が深刻になってまいりましたので、私はこの二期対策を推進してまいりますためには、やはり県、市町村、農業団体、特に農家の協力が、信頼がなければやってまいれませんので、いかに日本の農政上必要だからと、こう言ってはみましても、いま申し上げた協力関係がなければこれは遂行できません。したがいまして、私はこの二期対策については九月に割り当てるなんということはもうやめたと、そのかわりもう全力をもって冷害対策に取り組むんだと、こういうことにいたしまして、そうしてこの冷害によって苦労しておられる被災地の関係各団体の、あるいは農家の、また、いま先生から言われたような御意見も十二分にお聞きいたしまして、そうして最終的な結論を出していきたいと、こんな気持ちで現在といたしましてはその中身も何も決めてはおらないわけであります。当委員会等の意見等も十分御検討をいただいて農林水産省としての立場を決めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#60
○川村清一君 この間の参議院の代表質問のときにわが党の対馬議員が冷害対策に触れて質問をしたわけでありますが、そのとき亀岡大臣の御答弁がありまして、ただいま村沢委員からもお話があったんですが、大臣の答弁はきわめて具体的であるということで非常に評判がよかった、端的に言って。非常に評価されておる。さすが農政通をもって自任している亀岡大臣だと思って敬意を表したわけですが、そういう立場の大臣にぜひお願いしたいのは、今次の冷害対策を本当に農民の皆さん方が願っているようにきめ細かくやっていただいて、さらに今後の日本の農政を、衆参両院において先般決議した食糧自給力強化に関する決議、この趣旨を生かしてそういう農政を進めていただくようにまずもって強く要望申し上げる次第でございます。
 さて、私はこの水田の方の冷害については御質問する予定はなかったんですが、いまの山田さんが時間がなくて触れられなかった点がございますのでちょっとお聞きしますが、これは農政通の大臣にくどくど説明しなくてもおわかりですから説明申し上げませんので、それに対して端的にお答えいただきたいわけです。
 第一は自作農維持資金の融通について。これは御案内のように、もうたびたびの冷害を受けておる北海道の農民の方々は多額の負債をしょっている。現にもうすでに措りておる措り入れ残高というものが決まった額を超えているわけです。そこで、この自作農維持資金の融通につきましては、特例貸付限度というものを設定してそうしてやってもらわなければ、せっかくやろうと思ってもこれがきめ細かくいかないわけですから、この点を考慮していただきたいということ。
 次に、いろいろな制度資金を借りている。腹いっぱい借りている。もうこれ以上借り入れられないぐらい借りている。どうやって返したらいいかということで頭を悩ましているのが現在の農民の実態、特に北海道の農民の実態であります。そこで、今度の冷害を受けまして本当にどうしたらいいか、頭をもう抱え悩んでいるというのが実態なんです。そこでこれの償還猶予措置をとってもらいたいという強い要請がありますから、これに対応していただきたいということ。
 次は、水田利用再編成奨励補助金の早期交付。これも御案内のように、北海道においてはこの再編成、いわゆる減反面積が四四%に及び、四四%に及ぶ水田が転作しておるんです。でありますから、これに対する奨励補助金、これを早期に交付していただきたいというのが強い願いであります。これに対応してもらいたいということ。
 それから次に、これは共済の方にも関係するわけでありますが、いかなることがあっても共済の対象にもならなければ政府買い上げの対象にもならないということは避けてもらいたい。五十一年冷害のときにやっていただいたんだが、共済の方で一・七ミリを一・八ミリ、〇・一ミリふやすことによってこれは共済の対象になるものはふえてくるわけですね。こうやってひとつ共済の対象になる収量をふやして、そうして共済の面から救ってもらう。こっちに残ったものはこれは問題があるんだ。五十一年度でもあったんだが、くず米、青米、こういうものにつきましてもぜひ政府買い上げの対象にしてもらいたい。これは食糧庁長官に強く要望したいわけであります。しかもこれは自主流通米なんというかっこうをとらないで、政府がこれを買い上げる。これは等級外のお米をですね。
 繰り返して言うようだが、共済にも入らなければ買い上げの対象にもならないというようなことだけはいかなることがあっても避けてもらいたいというのが、これが農民の方々の願いであります。私も全くそのとおりに思う。
 以上、三つ四つ申し上げましたが、これに対する御答弁は簡単で結構ですから、やりますと言っていただけばそれで結構ですから、お答えをいただきたい。
#61
○国務大臣(亀岡高夫君) いずれも先ほどからいろいろお話のありましたとおり、茫然自失しておる農家に、借金の時期が来たから返せとか、そういうことはもう絶対にこれはできないわけであります。やっぱりそういう点は個々のケースに応じて緩和措置を講じていくと、これが政府の姿勢でございます。
 それから、自作農維持資金で、もう目いっぱい借りていて、また償還期限に入って一年ほどしかたっていないと、そういう農家も大分あるようでございます。したがいまして、農家ごとにいまどのくらいの自作農維持資金の借り入れを希望しておるかということの希望をとっておりますから、その個々のケースに応じまして限度額の引き上げということも考えてまいります。
 それから規格外米のことにつきましては、これはもうとにかくあれだけことしの正月から苦労して、先ほど葉っぱと茎は黄金になっても実は一つも入っていないと。病気にもしないで一生懸命農家の諸君が稲に全力を挙げてやってきた。その結果が一粒もとれない。とれても本当に一割か、二割、三割しかとれない。そういう農家のことを考えました際には、そのとれた米はできるだけやっぱり金にしてあげるという気持ちでやらなければいけませんよということを食糧庁長官によく言うてありますので、詳しいことは食糧庁長官から、これは近くもう措置が決定しておると思いますので、答弁をいたさせます。
#62
○政府委員(松本作衞君) 規格外米の取り扱いにつきましては、当面さしあたり自主流通米で流通させるということにつきまして指導いたしておりますが、それでも売れないようなものにつきましては、政府といたしまして規格を設定をいたしまして、それに基づいて、主食用になれる米はできるだけ政府においても万全の措置を講じていきたいというふうに考えております。
#63
○政府委員(二瓶博君) 水田利用再編奨励補助金の交付の関係でございますが、御案内のとおり概算払いというのがまずございまして、これはもうすでに申請が上がったものについては認めております。全県とも認めております。
 問題は精算払いの分だと思いますが、精算払いにつきましては十二月に申請の上がった県について認めるということで、十二月、一月、二月、ということで、県によりまして十二月に申請が上がっていく県と一月になる県とそれぞれございます。ただ、私たちの方といたしましては、今回の冷害にもかんがみまして、県なり市町村の事務の方を急ぐようにということで、極力十二月に精算払いができるようにいたしたいということで県の方を指導しているところでございます。
#64
○川村清一君 先ほど山田委員からお話がありました最後の点なんですが、大臣非常に理解のあるような御答弁をされておりますが、また後の方でさらに慎重に考えるといったようなことで、やるのかやらないのか、本当にやめたのか、その辺がはっきりしないのだが、私どもの言っていることは、この大冷害を受けてすっかりもう打たれてどうにもならないような状態にある農民に、さらに追い打ちをかけるように、踏んだりけったりのようなかっこうでそうして第二期の減反を押しつけるようなことは、これは血も涙もない農政だと思うんだ。まさか亀岡農林水産大臣はそういうことはやらないと思いますけれども、この点はもうじっくり考えて、慎重に考えて結構ですから、慎重の上にも慎重に考えて、農民の気持ちと日本の農政のあり方を十分考えて、それだけは絶対にやらない、凍結するという考えでやってください。それはいま返事をせいと言ってもさっきの答弁と変わらぬと思いますから、それはしなくてもいいですが、強く要請しておきます。
 そこで、私がいまこれからお尋ねすることは、畑作冷害について若干お尋ねします。時間がありませんので、これも簡単に聞きますから簡単にお答えを願いたい。
 まず、畑作共済についてお尋ねします。畑作共済の加入率はどの程度でございましょうか。
#65
○政府委員(松浦昭君) 畑作共済の全国の平均加入率でございますが、これは現在三四%でございます。ただ、地域によりまして非常に違いがございまして、たとえば試験実施を行いました北海道とかあるいは鹿児島とかあるいは沖繩といったような地域の対象の作物についてはかなり高い加入率になっております。
#66
○川村清一君 北海道の加入率は幾らになっていましょうか。
#67
○政府委員(松浦昭君) 北海道の五十五年の畑作共済の加入率は四六・五%ありまして、内訳を申しますと、バレイショが四二・三、大豆四三・八、小豆三六・六、インゲン四八・六……
#68
○川村清一君 いいです、いいです。
#69
○政府委員(松浦昭君) でございます。
#70
○川村清一君 そう細々言うと時間がかかる。私は簡単に聞いているんだから、よけいなことをおっしゃらなくても結構です。
 全国平均が三四%、畑作の主産地である北海道でさえ四六・五%、五〇%を割っているということは、これは問題だと思うんです。畑作共済制度はこれは昨年ようやくできたわけだ。これができるまでに十年間のやっぱり日数がかかっておるわけだ。私自身がこの参議院に出てきて、農林水産委員会にだけ十一年いるわけですが、この問題でもって何回議論したかわからない。それが実を結んで昨年ようやく畑作共済制度というものが確立したわけです。ところが、その加入率が畑作の主産地である北海道でさえ五〇%を割っているということは、これは問題なんです。これはこんなに低い理由は、原因は何でしょうか。
#71
○政府委員(松浦昭君) 制度発足間もないものでございますからこのような加入率であるというふうに考えるわけでございますが、しかしながら、これは任意共済でございまして、その中で制度発足の間もなくの事情においてこの程度の加入率を確保しているということは、やはり並み並みならぬ皆さん方の御努力であるというふうに思っております。
#72
○川村清一君 畑作共済の対象作物は、北海道では主なものはこれはてん菜、豆類、それからバレイショでございますが、私も調べましたが、これはもっとも地域、町村によっても加入率が違うわけですね。そこで、去年この制度ができた。ところがことし冷害になった。冷害は水稲だけでなくて、畑作の冷害被害も相当あるわけですね。これは先ほど北委員から調査報告がありましたように、北海道でもずいぶんこれはあるわけですね。ところが、特にひどいのは豆類なんですが、豆類がこれはもうほとんど対象にならないめではないかと思って私は心配しておるんです。だとするならば、何でこんな畑作共済をつくるためにあんなに苦労してきたのかわからない。つくってみたけれども、ことし今度冷害になった、豆類が冷害でもって大被害を受けた、ところが対象にならないと、共済でもってそれが救済されないということになれば、これは問題なんですね。
 それでなぜ低いのかというお尋ねをしたら、それは任意共済であるからといったようなことをおっしゃっておった。この制度を昨年当委員会で議論したときにずいぶん議論したわけですね。で、私に言わせれば、これは任意共済であることは初めからわかっているんで、一番問題になったのは、足切りと掛金が高いというところが問題になったんです。私もこれはここで議論しているんだ。足切りと掛金が高いということがこの加入率を低くしておる原因であるというふうにあなたはお考えにならないかどうか、御答弁願いたい。
#73
○政府委員(松浦昭君) この問題は非常にむずかしい問題でございまして、畑作共済、ただいま特に先生御指摘になりました小豆は二一・六%という非常に高い掛金率でございます。これは先生も御案内のように、特に豆類につきましては、やはり道北の、道東の地区におきましても、やはり安定的な作物であるてん菜とか、あるいは酪農に切りかえていったという歴史もよく御承知のとおりでございますが、やはり相当に危険率の高い作物であるということは事実でございまして、そのために掛金率も非常に高いという状態になります。
 また同時に、足切りの方を考えてみますると、足切りが現在農単三割で足切りをいたしておるわけでございますが、この場合に、もしも足切りを下げました場合には当然掛金率は高くなるわけでございます。したがいまして、この足切りの状態と、それから掛金率の高さと、それから国庫負担六割、これはもう水稲の場合にも、私の記憶では五八・六%というのが平均の国庫負担率でございますから、それよりも高い六割の掛金率を適用しております。この三つの要素を非常に苦労して考えてこのような制度になっているというふうに考えるわけでございます。もしも足切りを低くした場合には、先生御指摘のような掛金率をさらに上げなきゃいかぬということになります。その点で非常に調和のとれたかっこうをとらざるを得なかったというのがこの作物の特性ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#74
○川村清一君 いや、あなたがおっしゃることはわからないわけでもないけれども、結局足切りが三割で高い、それを低くすると掛金が高くなる、掛金が高くなるとなお加入率が低くなると、これは保険であるからしょうがないと思いますけれども、しかしながら、実態としてこうなっているんです。これじゃ、何のために共済制度をつくったかわからないと言ってもいいんではないかと思う。
 そこで、豆と言っても、大豆、小豆、インゲンと、こういろいろありますが、大豆はこれは重要作物になっていますね。それから小豆とかそれらのものは重要作物ではないんでしょう。そこで私の言うのは、やはり豆類というものを日本の農業畑作作物の中にどう位置づけるか。大豆は大事だと、しかし、小豆やそんなものは投機作物だから要らないんだといったようなことで片づけ得るのかどうか。豆類というものが日本の農業作物の中においてどういう位置づけにあるか、畑作の中で重要作物かどうかということを、これ端的に簡単に言ってください。
#75
○政府委員(二瓶博君) ただいま豆類――小豆初めインゲン等いろいろあるわけでございます。大豆につきましては、全国的に栽培できるものでございますが、やはり主産地といたしましては北海道十勝地方中心でございます。小豆、インゲン等はもちろんそうでございます。そういう角度からいたしますと、地域的な面でも非常に重要な作物でありますし、また畑作地帯の輪作という角度からいたしましても、これは欠かせないものでございます。したがいまして、この豆類というものにつきましてはやはり農業の中でも重要な位置づけをして、今後とも、大豆に限らず、小豆等も振興を図ってまいりたいと、かように考えております。
#76
○川村清一君 私の希望としては――希望って、軽い希望じゃなくて強い希望なんですよ。これは農業基本法の第八条に、重要農産物について云々の法文がありますね。その重要農産物にやはり北海道の豆類は入れるべきではないかと、こう思っておりますから、それを検討していただきたい。
 それから、これは絶対豆類は必要であるという、それは畑作にとって大事な問題は輪作ということね、輪作。そうすると、北海道の主要畑作物はてん菜、それからバレイショ、それからこの豆類ですよ。豆類というものは、この輪作上きわめて重要な作物であるという、そういう見解を私は持っておるのです。ですから、豆類は絶対これは大事な作物だという観点に立って考えれば、そうすると共済とまたつながってくるんだが、松浦さんからおっしゃったあの問題点はわかっている。私はようわかっているんだけれども、もっともっとこの畑作の共済に加入していただいて加入率を高めなければ、北海道あたりは四年に一回、五年に一回必ずいままで冷害が来ておる。その冷害が来るたびに大変な目に遭うわけです。それを救ってやるための共済なんだから、ところが共済にも入っていないなんということは問題なんです。なぜ入らないかというと、足切り三割、それで掛金が高いということなんだから、その点をもっと農水省としては真剣に考えて、そうして入りやすい共済制度というものをつくってもらいたいというのが私の希望です。これは御答弁要りません、時間がありませんから。
 次に、いよいよ畑作三品であるてん菜、バレイショ、それから大豆の価格を決める時期に来ましたね。これはいつ決められますか。てん菜はいつ、それからバレイショでん粉はいつ、大豆はいつ、これ、日にちだけでいいですから、御答弁ください。
#77
○政府委員(森実孝郎君) 御指摘がございました、てん菜、バレイショ、カンショ及び大豆の価格については、今週末に価格決定をいたしたいと思っております。
#78
○川村清一君 今週末に出されるとするならば、大体農林水産省も試算はできていると思いますね。
 そこで、まずこのてん菜についてお伺いしますが、私が言うまでもなく、てん菜の最低生産者価格は、糖安法の第二十一条の規定によって、パリティ指数に基づいて算出される基準となる価格、それが最低生産者価格というようなことになっているんだけれども、ことしのパリティ指数は幾らですか。
#79
○政府委員(森実孝郎君) アップ率は一〇・一%と見込まれております。
#80
○川村清一君 そうしますと、これは小学生でも計算ができるのであって、昨年の最低生産者価格は一万七千九百九十円、これを一〇・一%アップすると、こういうことでございますね。
#81
○政府委員(森実孝郎君) 価格の決定に当たりましては、当然パリティ指数を基準にするわけでございますが、同時に、他作物の価格決定の経過、バランス、それから収益性の動向等を見て総合的に決めてまいりたいと思っております。
#82
○川村清一君 いま局長がおっしゃっているそれは、どういう法律の第何条にそういうことが書かれているんですか。
#83
○政府委員(森実孝郎君) 先ほど先生から御指摘がありました法律の二十一条の規定でございますが、パリティ指数に基づき算出される価格を基準とし、経済事情を参酌して、再生産の確保を図ることを旨として定めるという規定でございます。
#84
○川村清一君 そうしますと、お聞きしますが、その法律にないものが出てきているわけだね。それは、毎年だけれども、昭和四十九年から、オイルショックのときから毎年出てきておるいわゆる奨励金ね。昨年千百円。この奨励金千百円というこのものは、法律にはないんだ、これ。法律のどこを探したって奨励金というものはないんです。ところが、いまあなたがおっしゃったこの糖安法第二十一条、「最低生産者価格は、政令で定めるところにより、農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準とし、」だ。これが一〇・一%アップの数字になる。これが基準になる。「基準とし、物価その他の経済事情を参酌し、甘味資源作物の再生産を確保することを旨として定めるものとする。」と、こうなっておる、ここのところはどう解釈するか。その奨励金の千百円というものは、これはこの法律面から言えば、「物価その他の経済事情を参酌し、甘味資源作物の再生産を確保する」ためにつけた奨励金、こういうふうに理解していいんですか。これと法律とは全く別なものか。どういうことなんですか。
#85
○政府委員(森実孝郎君) 形式的に申し上げますと、私どもはやはり奨励金というのは価格自体とは別のものと思っております。やはり当時の状況における、たとえばビートならビートの生産の状況、それからまた当時は、価格の算定方式自体がいわば一年間のパリティの定時変化を織り込んでいなかった。その後、五十年に法改正をやりまして織り込むことにしたわけでございますが、そういう事情、それから収益の動向等から政策的に判断して決められたものと思っております。しかし、同時にそれが農家手取りの一部を形成しているということは、私どももそれなりに考えているつもりでございます。
#86
○川村清一君 それじゃ、この価格の目的は二十一条の一番終わりのところにあるんだぞ。「甘味資源作物の再生産を確保することを旨として」いる。そうすると、そのパリティ指数に基づいて算出された価格であってはこれでは再生産を確保するに足りないから奨励金をつけたのだと、こう解釈してこれは正しいでしょう。理論的にどうですか。
#87
○政府委員(森実孝郎君) 御案内のように、当時のたとえばビートの状況で申し上げますと、非常に作付面積が減少してきている。四万ヘクタール前後という水準にまで落ち込んだ経緯があるわけです。たとえば、それがことしは六万五千ヘクタールまできている。そういうふうに作付の動向という問題もあると思いますし、それから収益の動向という問題もあると思います。たとえば現在の決められております価格というもの、あるいは奨励金を加えた価格というものは、いずれをとってみても生産費をはるかに上回るところまでビートの収益性は幸い好転してきております。これはやはり労働時間の短縮なりあるいは反収の増加というものを反映しているわけでございまして、いわばそういう総合的な判断で決められた奨励金でございますから、いわば法律の規定から直ちに演繹されて、解釈されて適用されるものではないということを、形式としてはそうではなかろうかということを申し上げているわけでございますが、しかし、私もやはりそれは客観的に見て、農家の手取りの一部を形成してきたという経過自体はございますということを申し上げているわけでございます。
#88
○川村清一君 あなた方は、いわゆる法律に基づいて行政を執行しておるわけなんだから、だからきちっと法律的に説明できなければ私はいけないと思う。しかしそれじゃ、すべて法律にないものはないかというと、法律に書かれてなくとも奨励金なんか出ていますよ。予算措置としてなされていること、これはあなた知っているけれども、しかし、出してきたことに意義があるんだ。いま、いみじくもあなたがおっしゃったように、いわゆる経営面積が減ってきた。減反、非常に減ってきた。収量も減ってきたということは、農民に生産意欲がなくなったんだ。ビートをつくったって、さっぱりもうからないから、経営が成り立たないから、もうつくるのはやめましたよと言ってどんどん減ってきたと。減ってくれば、これは国内産糖の上にいろんな問題が起きてくるから、そこで今度はこれをもっと経営反数をふやしてもらわなければならない。経営努力をしてもらわなければならないということで奨励金をつけたわけでしょう。奨励金をつけたわけですね。それが奨励金だと思うのだ。ところが、いまはどうなんですか。そんなものは要らないのか。昭和四十九年からずっとやってきたんでしょう。そうして、少なくとも法律にはっきり、パリティ指数に基づいて算出するのが基準価格だということを決めてあるわけだ。決めておいて、いいですか、そうして物価その他経済事情によって考慮して決めると、こうなっておる。そうなれば、パリティ指数でこう出てきたものを、今度はあなた、物価あるいは経済事情によって、パリティだけ上げないでおいて奨励金をつける、これはどういうふうに一体説明するの、この点は。説明してくださいよ。
#89
○政府委員(森実孝郎君) 私、先ほど申し上げましたことは、繰り返して恐縮でございますが、当時の作付の動向、経営の収益の動向を考えて奨励金をつけたということを申し上げているわけでございます。したがって、それなりに作物の収益の動向なり作付の動向というものによって、奨励金という誘導助成措置というものは変化することはあり得るということを申し上げているわけでございます。しかし同時に、やはりそれが農家手取りの一部を形成しているという事実はそれなりに評価していかなければならないということを申し上げているわけでございます。
 御指摘がございました法律の問題は、法の二十一条と同時に、政令の十三条でもさらに詳しく書いてございますが、先生御指摘のように、パリティ価格を基準とするということになっておりますが、当該甘味資源作物の生産費、競合作物の状況、物価その他の経済事情という状況にあるわけでございまして、私どもも先ほど申し上げましたように、やはりトータルとして農家の所得をとらえ、収益の動向なり他の作物の価格決定の状況との均衡なりを考えて、なかなか現下の財政事情という非常に大きい経済事情、厳しい状況でございますが、できるだけ努力をしたいという趣旨のことを申し上げているわけでございます。
#90
○川村清一君 局長のそのお話はさっぱり説得力がないんだよ。理論的にちっとも理解できない、これは。法律には、パリティ指数に基づいて決める、そしてそれが基準価格であると。それだから、ことしのパリティ指数は幾らだ、一〇・一%だ。そうすると、昨年のに一〇・一%かかるんだなと、こう聞いたら、そうでもないらしい。それで、物価や経済事情を考慮してやると。あなたの言っている言外には、一〇・一%までいかないようなふうに受け取れるんだ。いま、それじゃ何%にするのだと聞いても、お答えはできませんとあなたは言うから私は聞かないけれどもね。聞きませんけれども、それはあなた、理屈から言ってそうでしょう。法律的に言って一〇・一%上げることになるんだから、上げたらいいじゃないですか。ところが、物価や経済事情だと言うから、物価や経済事情がどうなの、具体的に。そうすると、奨励金はことしはどうするの、奨励金は。
#91
○政府委員(森実孝郎君) これは先ほど申し上げましたように、ビート、バレイショ、カンショ、それから大豆、全体として価格を今週中に決めていかなければならない理由を申し上げたわけでございます。
 御案内のように、実はその四品目とも全部価格支持の仕組みは違っているという事情は御理解いただけているとおりでございます。いわば奨励金のついているものもついていないものもあるわけでございます。私はそのことを申し上げているわけでございまして、いわば全体として農家の手取りを形成している実態を考慮して決めていきたいと申し上げているわけでございます。
#92
○川村清一君 農家の実態を考慮して、農家の手取りを考慮して決めていくというのはまことに結構なんだ。ところが、ことしの農家は、ビート耕作農家あるいはバレイショ耕作農家、それから大豆耕作農家、これはいいんですか。冷害を受けて非常に困っているんだ。ところが、ビートやバレイショは根菜作物ですから、わりあい冷害に強い。強いが、去年よりいいということはないでしょう。それから、てん菜は歩どまりがあるのだ、歩どまりが。歩どまりというものは、また今度は製糖事業が買い入れるときに歩どまりというものが大きな要素になってくる。歩どまりがいいわけないでしょう。そういうようなことの客観的な情勢を考えてみれば、去年より下がるなんという理屈は成り立つわけがない。ただ、それは反別はふえたかもしれない。そうすると、パリティで一〇・一%いったら当然一〇・一%いくべきじゃないか。それからもう一つ、奨励金一千一百円の一〇・一%、これも上げるべきですよ。
 それからもう一つ突っ込めば、こんな奨励金なんというものは別枠にしないで、最低生産者価格の中にこれを織り込むべきですよ。これは本当に全く理論的でしょう、正しいでしょう。これはあなた、私の言っていることを、おまえの言っていることは間違いだとおっしゃるなら、間違いを理論的にちゃんと説明して私を説得してください。私は局長の話を何ぼ聞いてもわからない、そういうやり方は。農家の実態、農家の手取りをふやしたい、農家を主体に考えてやるならば、法律にちゃんとあるんだから、違法行為をやれと言っているわけじゃない。法律どおりやりなさいということを言っている。
 したがって、農安法にあるバレイショの価格にしてもあるいは大豆、なたねの価格にしても、私は問題を持っている。大体農安法の付録第二にあるバレイショ価格の算定方式なんていうもの、これはインチキもはなはだしい。しかし、法律があるからこれ仕方ないけれども。こんなパリティ計算でやっていけばこうなるのも、ちゃんと計算がある。その計算に「r」というやつをあとから掛けるんだよ。「r」というのは何かというと、「甘しょ又は馬鈴しょの供給量と価格との間の弾力性係数に基づき農林水産大臣の定める数値」となっているのだ。農林大臣が適当に定めて、それでパリティで出てきた数字にこれを掛ければどうでも方程式が成り立つでしょう。「P1」イコール何々、こういうやつがそこでイコールになっちゃうでしょう。そうでしょう。理論的にそうなるじゃないか。ちゃんとこう書いてある。
 だから、時間がないからもうやめねばならないけれども、森実局長、あなたは若い優秀な頭のいい人なんだからこの辺のことはわかると思うのだ。だから、ことしのてん菜価格を決めるについては糖安法第二十一条の趣旨を十分わきまえて、そうして農家の実態そして手取りをふやす、こういう観点に立って、少なくとも生産者価格、それからもう一つ奨励金にも一〇・一%を掛けてそれをプラスしていくというと、私の計算では二万円をちょっと超すのだ。少なくとも二万円ぐらいの価格でやらなければ冷害でもって打ちひしがれている農民の方々の期待にこたえることができないのじゃないですか。それを心配してたくさんきょう農民の方々が来ていらっしゃるのだ。農林大臣、そうでしょう。これをやっていただきたいのだ。私はそのほかバレイショもずっとやりたいけれども、時間がないからやめますがね。
 そこで、最後に申し上げることは、原料バレイショ価格もてん菜価格もいわゆる砂糖に影響するのだね。てん菜の場合には糖価に影響するのだ、糖価。そこで、この事業団が買い入れる価格、これをやっぱり農林省で算定するわけでしょう。その場合に糖業者の生産費の実態、物価その他の経済事情、こういうものを十分考慮して、そうして集荷、製造経費、それから石油製品の値上がり、輸送費の大幅値上がり、こういったようなものを十分織り込んで、そうしてこの事業団の買い入れ価格というものをちゃんと算定してもらわなければならないのだ。これが影響してくるのですよ。ストレートでいかないのだ。だから、食管法に出ておるところの、食管法の第四条にある小麦、この小麦の場合はパリティずばりそのものでいくんですよね。小麦なら食管法のやつはパリティそのものずばりいくわけですよ。ところが、あなたが先ほどおっしゃっているように、てん菜だとかバレイショはずばりいかないわけだ。いかないけど書いてあるのだ、そこに。物価等の経済事情を考慮して農林大臣の定める弾力性係数なんていうものがついてくるから、そのままを掛けるというとどうにでも価格がいじくり回されるというような仕組みになっているの、これは。法律的にそういう仕組みになっている。あなた方がいじくり回している、そいつを。そのいじくり回していることに、その行為の犠牲になっているのが日本の農民の方々、畑作農民の方々だ。ですから、ぜひそういう点でしっかり考えて、今週末の価格決定には対処してもらいたい。時間があればもっともっとやりたいんですが、もう時間がない、おまえやめろと言うからやめますけれども、それは頼みますよ、ひとつ。大臣、ちょっとお考えを述べてくださいよ。
#93
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は私も目下この甘味資源――てん菜、サトウキビ、大豆等の価格決定の問題については一生懸命勉強中でございます。本当に申しわけないわけでありますが、ざっくばらんに申し上げて勉強中でございます。いまいろいろお話のありました点、私もうなずけるような点もいろいろとあるわけでございますので、よく事務当局と話し合いをいたしまして、将来どういう方向に持っていくのが本当に日本農政のためになるのか、そういう点から皆さん方の御意見等も十分お聞きいたしまして対処していきたいと、こういう感じでございます。
#94
○委員長(井上吉夫君) 本件に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#95
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#96
○高木正明君 私は大臣に、本論に入る前に、大臣の現在の率直な心境をまずお聞かせをいただきたいと思います。
 私は、日本の農政で最もベテランと言われる農林大臣に素人の私がこれからいろいろな面で質問をさせていただくわけですから、あるいは質問の中に失礼な点があるかと思いますが、その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。
 私が大臣を知ったのは、ちょうどいまから二十年前に、私がいまは亡き佐藤榮作先生のところで政治の勉強をしていたころでありますから、大臣がちょうど初めて当選をなさってきたころではなかったかと思います。大臣は非常に情に厚く、心のやさしい人だったことを私はいま記憶しておりますし、また、現在でも大臣がそういう人だと私は信じております。ところが、この夏の米価決定に至るまでの大臣は非常に冷酷で、全く農民の心を忘れてしまったのではないかということをよく私は聞かされました。しかし、私はそのようには考えておりませんでしたが、特に私の出身地の北海道の農民はことさら大臣の冷たい仕打ちを恨んだものであります。それは実質米価の切り下げで、その上過酷な第二期の減反が非常にも行われようとしたやさきのこのたびの冷害で、まさに農民は二重にも三重にもパンチを浴びたようで、もはやあすの営農目標すら立てられない現状であります。大臣は先般、伺いますと東北地方の冷害視察をなされたそうでありますが、大臣は本当に農民の心を忘れたのでしょうか。私は決してそうだとは思いませんが、農民の途方に暮れた姿を目の当たりに見てきた大臣の現在の率直な心境をまずお聞かせいただきたいと思います。
#97
○国務大臣(亀岡高夫君) 高木議員からの御忠告、心に刻みつけていきたいと思います。私自身は、毫も農家の皆さんに冷酷というような気持ちを持って農林水産大臣としての職責を遂行するというような気持ちはさらさらないわけでございます。政治家でありますから、いやなことでもやらなければならないときもあるわけでございます。そういう点については御忠告をさらに肝に銘じて、本当にこれからの日本の農政をどう持っていったらいいのか、また、そういうときに、国会で御決議をいただいたその年にこういう最も苛酷な冷害という試練も天が与えているわけでありまして、これをどう受けとめてどう対処していかなければならないのかということにつきましては、私は私なりに政治家として考えて今後やっていきたいと、こう思う次第でございます。
 冷害に対処しましては、参議院の本会議でも御答弁申し上げましたとおり、農家の皆さん方が、特にもう収穫皆無といったような状況に追い込まれた農家の皆さん方が、来年の農業再生産に積極的に取り組む意欲を起こしていただけるように冷害対策の万全を期さなければならない、こういう気持ちで取り組んでおる次第でございます。
#98
○高木正明君 それでは本論に入りたいと思いますが、すでにわが党の政調やあるいは農林部会異常気象対策小委員会などから政府に申し入れをしておりまして、それぞれ御検討を取り進め中とは存じますが、私は冷害対策を重点に、あわせててん菜など畑作物価格についてお伺いをいたしてみたいと思います。
 御承知のとおり、六月下旬以降の全国的な低温と日照不足やあるいは多雨などの観測史上でもまれに見る異常気象により、水稲を初め、野菜、果樹など各農作物に著しい成育の不良やあるいは病害などの発生による深刻な被害は過去に例を見ないと言われておりまして、その被害総額は約六千億にも達すると言われておりますが、特に東北、北海道が著しく、直接被害を受けた農家の窮状はきわめて深刻な事態を迎えております。また、関連いたしまして、地域経済にもたらす影響もきわめて多く、関係地方公共団体やあるいは農業団体などが一体となってこれが対策を講じておりますが、国においても、被災地域の救済に万全を期していることは先ほど来から農林水産大臣からお伺いいたしましたけれども、食糧基地としての農村の復興やあるいは地域経済の安定を図ることが最重要課題と私は存じております。重ねて現在の対応状況についてお伺いをいたしたいと思います。
#99
○国務大臣(亀岡高夫君) 高木委員御指摘のとおり、今年は異常気象によりますきわめて激甚な災害、ある地域においてはもう凶作と表現した方が適切な地域もあるというほどの激甚の被害をこうむっておるわけでございます。したがいまして、農林水産省といたしましては、こういう異常気象、七月の中ごろ、七月の末、八月にかけまして、あの当時からこれはちょっとおかしいと、ことしの天気はおかしいなと、こういうことで、とにかく防除、それから肥培管理、技術的ないわゆる冷夏、長雨に対処して秋の収穫を少しでも高めるという努力をするような行政指導を、各農政局を通じて全国的に行ってきたところでございます。八月の末に異常気象対策本部というものを設置をいたしまして、そうして冷害の被害を少しでも少なくしてまいるという努力を続けておったわけでございますけれども、八月になり九月になりましてもう大変なこれは冷害であると、こういうことで、とにかく二期対策等についてはもう九月いっぱいを目標にしておったけれども、これはとてもこういう情勢の中では割り当て等は困難であると、こう判断をいたしまして、十月いっぱいはとにかく冷害対策に全力を挙げて取り組もうと、こういう指示を事務当局にいたしたわけでございます。
 それから、何といっても農業共済の支払いというものが、本払いが年内中にできるようにということと、先ほど来議論になっておりました、特に共済制度そのものに信頼を高める上から言っても、国のいわゆる統計情報部の数字と各県連合会の共済の数字と余りにも隔絶するようなことのないような努力を農林水産省としてもやるべきであるということを指示をいたしまして、さらに天災融資法、激甚災の適用を前提といたしまして通達を出し、そうしてつなぎ融資等も依頼をすると。それから被災地から声の強かった飯米対策でありますとか種子対策でありますとか、さらには救農土木事業の早期実行でありますとか、もろもろの党の方からの御要請等も十分踏んまえまして、そうしてまあ天災融資法、激甚災の政令公布は十一月の十日から十五日の間ころをめどにして、五十一年のときよりも少しでも早く公布をしていくような処置もいまとらせておるところでございます。
 まあ、水産関係等にもいろいろと災害があり、また、林業関係においても冷害のために種苗等の被害もあると、こういうことについても対処をするように指示をいたしてきておるところでございます。
 また、この冷害に加わりまして、九州方面あるいは四国、中国等において台風の被害もこれまた二回にわたってあったと、こういうこともありますので、これらの被災農家に対しましてもその対策の万全を期するように指示をいたして、全力を挙げてやっておるところでございます。
#100
○高木正明君 それでは、金融対策について二、三点御質問をいたしたいと思いますが、まず、先ほど来から大臣の御答弁を聞いておりますと、天災融資法や激甚災害法などはできるだけ早急に政令公布をしたいということで、十一月十日から十五日までをめどにということでありますが、できれば十一月十日をめどに、一日でも早くしてもらいたいということが一点。
 それから、つなぎ融資をしていただくということですからぜひお願いしたいのでありますが、さらに農業近代化資金やあるいはまた農林漁業金融公庫資金などを、もう目いっぱい、先ほど来の御質問にもありましたように、農民は借りておりますので、これらのすでに借りておる資金の償還延長がどうしても必要ではなかろうかと思いますが、この点についてどのように考えておられるか。
 さらにもう一点、被災農家の生活維持のための自作農維持資金の必要枠の拡大が私は必要だと思いますけれども、この点についてどのように考えられるのか。さらにまた、被害の実態や五十一年の冷害で貸し付けを受けた残額がまだ残っておりますが、貸付限度額の引き上げなども十分配慮すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#101
○政府委員(松浦昭君) お尋ねの一点の天災融資法及び激甚災害法の発動時期でございますが、先ほど大臣からまことに懇切に御説明ございましたとおりでございまして、昭和五十一年災のときには十一月の二十九日に政令の公布をいたしたということでございましたが、大臣からの強い御指示でございまして、一日でも早くこの適用をするようにという御指示でございまして、その御指示のもとに、われわれといたしましては、十一月の十日ないし十五日の間をめどにいたしまして、この実施を、適用をできるように最大限のただいま努力をいたしておるところでございます。
 第二のお尋ねでございますところのつなぎ融資の点でございますが、このようなことで、まだ天災融資法の発動をいたしておらない事態でございますので、その間のつなぎの資金ということにつきましてはぜひこれを実施しなければいけないというふうに考えておりまして、九月の二十四日付の経済局長の通達をもちまして、今次の災害の深刻な事態にかんがみ、関係金融機関等に対しまして、被害農林漁業者に対しましてつなぎ融資の措置をとるように依頼をいたしたところでございます。十月十五日現在では、青森県を初めといたしまして、東北各県を中心にこの融資の制度の実施ないしは制度の検討を行っているということでございまして、私ども、引き続きこの点につきまして適切な指導を行ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 次に、既貸付制度資金の償還条件の緩和措置でございますが、この点につきましても、特に今回の冷害等の深刻な事態にかんがみまして、貸付条件の緩和措置をとるようにすでに依頼をいたしております。これも九月の二十四日付の経済局長通達でいたしておりますが、たとえば農林漁業金融公庫資金につきましては、貸し付けを受けました農業者が個別に御相談をいただきますならば、貸付条件の変更、または延滞、元利の支払い方法の変更といったようなことができるようになっておりますので、必要に応じまして償還期限の延長あるいは償還据え置きの設定を行うように指導をいたしている次第でございます。
#102
○政府委員(杉山克己君) 自作農維持資金の問題についてお答えを申し上げます。
 災害関係の融資の枠は現在百三十五億円用意してあるわけでございますが、各地の状況を考えますと、これでは相当に不足するというふうに思われるわけでございます。そこで、その必要枠の確保については大臣からも万全を期せということで御命令を受けており、鋭意努力しているところでございます。現在各県におきまして、被害の実態、それから天災融資法に基づく経営資金等の関連、さらには個々の被災者が既借入金がどの程度残っているか、そういったようなことを含め、資金需要額について取りまとめを行っているところでございます。
#103
○高木正明君 次に、農業補償対策についてお伺いをいたしますが、先ほど共済金の年内支払い、あるいは仮渡しなどの措置も考えておるという話を伺いましたので、私は損害評価に当たって十分実態を把握されて、場合によっては五十一年の冷害を上回る特例措置が必要ではないかと思うのであります。たとえば私どももこの間冷害を視察したときに、現地の方々から、たとえば縦目ふるいの一・七ミリ目を一・八ミリ目にしてもらいたいという強い要望もございました。これについてどのように対応されるのか、お尋ねをしたいと思います。
#104
○国務大臣(亀岡高夫君) この件につきましても、やはり規格外米と私どもは申しましても、その収穫をした農家自身から見れば、本当に一年間の苦労の結晶と、こういう気持ちをぼくは農家の諸君は持っておると思うのです。したがいまして、食糧庁、経済局協力をして、とにかく財政当局ともよく話をつけて、五十一年よりも激甚ということを特に考えて処置をするようにという指示を与えておりまして、きょうの午前中あたり折衝をしたんじゃないかと思いますので、その辺のところを局長の方から御答弁申し上げたいと思います。
#105
○政府委員(松浦昭君) ただいま大臣からおっしゃられましたとおりに、大臣からも非常に強い御指示で、この点につきましても何らかの対策をとるようにということでございまして、いま鋭意検討している状況でございます。
 内容を若干申し上げますと、通常年でございますれば縦目ふるいの一・七ミリメーターの目以上に残りました玄米はほとんど政府買い入れ対象になりますので、水稲共済におきましては、従来からこの基準をもちまして収穫量ということで認定をしてまいったわけでございます。しかしながら、五十一年の災害の際には、ことしと同様、もちろんことしの方がよりひどいわけでございますが、そのときも著しい品質の低下がございました。そこでこれもまた単に低下したというだけではなくて、非常に広範囲にこれが発生したわけでございます。そこで当時の損害評価の指導といたしまして、農業共済組合連合会の評価高をまとめるに当たりまして、実測調査筆のうちで一・七ミリメーター目以上に残ったものでございましても、政府買い入れの基準に達しないということで食糧庁の方で見てそういうふうに判断をいたしたものにつきましては、被害粒、これは砕粒でございますとか、つまり砕けた粒でございますとか、あるいは発芽粒あるいは腐敗粒あるいは黒色粒といったようなものを控除いたしまして、その分は被害と見て認定をするということにいたしておったわけでございます。
 また、このような被害粒を除きましてもなおかつ買い入れ基準に達しないというものにつきましては、搗精試験を行いまして、たとえば青米のように非常に崩れやすいというものにつきましては、これは当然品質が悪うございますから、その搗精歩合の低下分を減収とするという、そういう特例措置を講じた次第でございます。で、この措置をぜひ本年においても講じたいということで目下検討を急いでおるわけでございまして、近くその内容につきましては結論を得まして指示をいたしたいということで考えておる次第でございます。大臣の強い御指示でもございますので、できるだけ近日中にこの指示をいたしたいというふうに考えております。
 なお、先生のおっしゃられました一・八ミリメーターの問題でございますが、この点につきましても、従来からの一・七ミリメーターの目を基本とすることを変更する考えはございませんけれども、冷害によって青未熟米が著しく混入しているという状況でございますので、一・七ミリメーター目では買い入れ基準に達しないものにつきまして再度一・八ミリメーター目で選別して品位を判定すること、こういう手法も含めまして現在検討を行っているという状況でございます。
#106
○高木正明君 次に、被災者の就労対策についてお尋ねをします。
 先ほど大臣の答弁では、被害地域の実情に応じて、公共事業などについてはきわめてひどいところを重点的に行っていきたいという答弁がありました。私はさらに、第三・四半期の公共事業の特別事業枠の配分の時期がいつになるのか、特に東北、北海道はこれからもう二月で雪になってしまいます。雪になってしまうともうとても事業はできませんし、雪の中で仕事を出されても、受ける業者もそれから中身の仕事も満足な仕事ができないのが東北、北海道の実態でございますので、できれば傾斜配分で、雪の降らない時期にすべて事業をやりたいというのがこれは願いでございますので、その面を含めて配分の時期などをお聞かせいただきたいと思います。
#107
○政府委員(渡邊五郎君) 今般の冷害の関連で、三、四・四半期の公共事業につきましては全体で二百四十億円の特別事業費枠を設定いたしまして、農業関係が二百億、林業関係三十億、水産十億という枠を設定いたしまして、被災地を中心にしまして重点的に配分するということにいたしておりますが、この配分の時期につきましては、北海道の冷害の実情なり、積雪寒冷地域であるというような地域の特性もよくわかりますので、できるだけ早く就労確保ができるよう、今週中にも地域ごとに配分を行いたいと、こういうことで現在作業を進めております。
#108
○高木正明君 それでは次に、米の対策についてお尋ねをいたしたいと思いますが、先ほどの質問で大臣の答弁が出ましたが、被災農家のうち飯米にも困る農家があるということで、政府米の売却など通切な措置を講じられたいということで、特別価格を決定するようなお話も伺いましたし、さらにまた代金の延納の話も出ました。それについてでありますが、代金の延納はよろしいんですが、これに伴う金利負担がどうなるのか、さらにまたこの対象基準がどうなのか、この二点についてとりあえず伺いたいと思います。
#109
○政府委員(松本作衞君) 飯米につきましての代金を一年間延長するということで考えておりますが、その際の金利は取らないことにしたいというふうに思っております。
 それから、対象農家のしぼり方につきましては、現在被害の実態等を各県からお聞きいたしておりますが、五十一年の前例等もございますので、それらに即してさらに検討したいというふうに思っております。
#110
○高木正明君 それでは次に、災害によって発生した規格外米の処理についてお伺いをいたしたいと思います。
 第一に、規格外米の検査規格について、五十一年の冷害のときには特別に特例規格を設定をしましたけれども、今回の冷害の実態から見て、未熟粒に対する五十一年産米の特例規格に準じた規格設定のほかに、いわゆる着色粒混入の規格を設定する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#111
○政府委員(松本作衞君) 規格外米につきましては、現在その買い入れにつきまして基準を設定すべく検討をいたしておるわけでございますが、その際に、ただいま御指摘がございましたように、着色粒について問題があるのではないかということでございますが、実は検査規格上の着色粒につきましては、精米をした段階においても色が残るというものについて考えておるわけでございますが、現在、北海道で問題にしております着色粒と言われますものは、相当部分精米をすれば色が取れるというものが多いようでございますので、これらは検査規格上の着色粒ということではないという扱いができるかと思いますので、現地の実態等につきましていま鋭意調査を進めておる段階でございます。
#112
○高木正明君 それでは、早期に買い入れ方針を明示していただくとともに、被害米の実態を把握の上、所要の買い入れ措置が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。
#113
○政府委員(松本作衞君) ただいまこの規格外米の買い入れにつきまして関係当局と折衝をいたし、また現地の実態を把握いたしておるわけでございますが、ただいま御指摘がございましたように、できるだけ早く決定をしたいと思いまして、できるだけまあ来週中ぐらいには方針が決定できるようにしたいと考えております。
#114
○高木正明君 さらに、この自主流通ルートによる販売の援助が必要ではないかと思うんですが、どのように考えておられるでしょうか。
#115
○政府委員(松本作衞君) 規格外米につきましては、できるだけ自主流通米で販売可能なものは販売するということを進める必要があるということで、すでに各都道府県、関係団体等にその旨の指導をして促進方を図っておるわけでございますが、その際の助成措置といたしましては、流通促進奨励金というようなものについての助成措置を講じてまいりたいというふうに思っております。
#116
○高木正明君 時間がございませんので、私は簡単に質問をしてお答えをいただいたわけでありますが、冷害対策については、大臣その他から大変手厚い御配慮があるということを伺いまして非常に私は心強く思いますので、ぜひそのようにこれからも対処していただきたいと思います。
 それで、最後になりますけれども、大臣に御所見を伺っておきたいのでありますが、冷害と同様に、第二期の水田利用再編対策については関係者が非常に深い関心を持っていろいろ論議をなされていることは、大臣御承知のとおりであります。これは今後の農政の基本問題にもかかわる事柄でございますので、これらの現状を踏まえて、巷間言われるように、冷害は冷害だと、二期対策は二期対策だと、これはあくまでも別なんだという冷たい話し方で突っぱねられるのか、それとも、農民があすからの営農目標を立てられるように、あるいは農業の後継者が農家を捨てることのないような希望の持てる農政を行うために、このたびの冷害に基づいて大臣が第二期対策をもう一度考え直す気持ちがあるのかどうか、お伺いをしてみたいと思います。
#117
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど来の冷害の厳しさ、深刻さ、まあ農家が茫然自失しているこの時期に、二期対策は私の口からどうしてももう出す勇気は起きてこないと、こういうことで十月いっぱいは冷害対策に全力を挙げると、こういう方針をしいてきたところでございます。しかし、今国会における自給力強化の御決議等の趣旨も考えなければなりませんし、まあその辺の避けて通れない道ではあるわけでありますけれども、どう決心をしたらいいかということは、私はいま非常に苦悩をいたしておるわけであります。したがいまして、いつも申し上げておるところでございますが、私どもは責任政党として政党政治を行っておるんだと。したがって、やっぱり党の御意見等も十分に承り、そうしてまた国会決議もいただいた国会のお考え等も十分にしんしゃくをいたしまして、そうして十一月冷害対策のめどか大体終わったころに決心をさしていただくようにしたいと、こんな気持ちでおるわけでございます。
#118
○高木正明君 重ねて大臣に要望しておきますが、私は出身地が北海道でありますから、また、二期の減反が北海道に傾斜配分されるんでないかということで、非常に北海道の農民の方々はもう来年の営農目標が立たないということで、もう五〇%を超える転作であれば農業がつぶれてしまうということでございますので、どうか来年以降も、北海道は日本の食糧基地だという閣議決定もいただいておるところでありますから、農民の心の中にともっている、農業のために一生懸命将来ともに働くんだというそのともしびだけはどうか消さないように、ひとつ農林大臣の特段の御配慮をお願いしておきたいと思います。
 次に、五十五年産のてん菜、バレイショでん粉、大豆の価格等についてお伺いをいたしたいと思います。
 先ほど、これらの価格決定は今週末だというお話を伺いましたが、特にてん菜についてお尋ねをしたいと思います。まずこの生産目標と達成の具体的な施策についてでありますが、昭和六十年の目標面積が七万七千ヘクタール、自給率が二八%、生産量が三百八十五万トンとなっておりますが、この達成の方策はいかがでしょうか。
#119
○政府委員(二瓶博君) 五十年に、昭和六十年を目標年次といたします「農産物の需要と生産の長期見通し」というのを策定してございます。その際に、てん菜の生産の面につきましては作付面積、これが七万七千ヘクタール、それから十アール当たりの収量、これを五千キロ、生産量を三百八十五万トンというふうに見通しを立てたわけでございます。近年、このてん菜の生産は非常に順調に推移をいたしております。本年度の生産見込みによりますと、作付面積が六万五千ヘクタールということで、従来最高でございます。それから十アール当たり収量、これも五千二百二十キロということでございまして、生産量が三百三十九万トン。したがいまして、ただいまの六十年の目標に対しまして、生産量としては約九割方の達成の見込みになっておるということでございます。今後とも生産対策等をさらに拡充充実して達成に努力したいと、かように考えております。
#120
○高木正明君 現在でも工場処理能力がもう限度いっぱいだと。で、工場では早期操業だとか、あるいは工場間の転送などにそれぞれ苦心をして処理をしていると聞いておりますが、この問題についてどのようにお考えになっておるでしょうか。
#121
○政府委員(森実孝郎君) 当面六万五千ヘクタール、三百四十万トン前後の生産につきましては、御指摘のように、収穫期の繰り上げによる操業期間の長期化の問題、それから工場間の移送等の措置で対応しなければならないし、これは可能であろうと思っております。それから、さらに第二段階といたしましては、現在の八工場の機械設備の更新時等をとらえまして、能力の増強ということをまずやらなければならないと思います。特に濃縮ジュースタンクの設置等は前向きに取り組まなければならないと思います。
 ただ問題は、今後二、三年後に考えなければならない新営工場の設置という問題がございます。率直に申し上げますと、現在の投資規模から想定いたしますと、なかなか償却できないのじゃないか、採算がとれないんじゃないかという問題もありますし、それから、そういった工場と集荷地域とのつながりにおいて、輸送面あるいはそれぞれの品質、糖度の問題等の問題があると思います。
 さらに、実は糖業全体といたしましては、北海道のビートに対しては新営工場を増設するという需要がありながら、他方においては、輸入糖については八十万トンないし百万トンの製造能力の過剰がございまして、これをいわゆる構造改善と言っておりますが、どう整理していくかという深刻な課題を抱えております。ここら辺は国民経済的に一つの評価をし、合意を取りつけていかなければならないと思いますので、とりあえず第一、第二の手を打ちながら、第三の問題については少し総合的に検討させていただきたいと思っております。
#122
○高木正明君 価格の決定については、今週末に決めるということでありますが、この奨励金については、四十九年以来六年間継続をされてきたことであり、この経過は御承知のとおりでありますが、関係者は原料価格の一部であるとの認識を持っておりますが、いかがでしょうか。
#123
○政府委員(森実孝郎君) 奨励金は二つの面から考えなければならないと思います。確かに、御指摘のようにそれが農家手取りの一部を形成している。したがって、価格の決定に当たっては、総合的に考えなきゃならないという点は御指摘のとおりだと思います。しかし同時に、これは当時の作付の動向とか収益性の動向にかんがみ行政として踏み切りました措置でございまして、今日の時点で、特に奨励金として残っている分についてどう考えるか、これはなかなかむずかしい問題もありますので、両面をとらえながら総合的に検討さしていただきたいと思います。
#124
○高木正明君 これは要望しておきますが、ことしの冷害による農業経営の悪化あるいは生産資材の上昇などがありますので、これらの点を十分配慮して決定をなされますように、特に私は要望をしてこの問題を終わりたいと思います。
 次にもう一点、糖分の取引についてお尋ねをいたしたいと思います。この糖分取引については関係者間でいろいろ検討されているようでありますが、どのようにお考えになっているのか、お伺いをいたしておきたいと思います。
#125
○政府委員(森実孝郎君) 私どもといたしましては、やはり原料農産物であるてん菜という特質から見ても、諸外国の例から見ましても、それからまた営農的に見ましても、糖度を上げる努力をしている農家が報いられなければならないということは、適地適産という点からも、やはりもうそろそろ糖度取引に踏み切っていい時期に来ているのではないかという認識を持っております。従来、十分議論されながらもなかなか実施されませんでした事情というのは、やはり何といっても、操業度の向上のために、どちらかというと生産量の確保ばかりに重点が置かれた。それから地域間になかなかアンバランスがある等の問題があったと思います。しかし基本的には、私どもといたしましては、生産者と糖業者の合意を前提にしながら、そろそろ踏み切る方向で考えたいと思っております。私どもといたしましても、従来から実施しておりました品質向上対策事業あるいは糖分取引推進事業等の成果も出ておりますので、これを踏まえて、道、生産者、糖業者を前向きに指導してまいりたいと思っております。
#126
○高木正明君 もう時間が来たようでありますから、この辺でやめたいと思います。まだありますが、最後に要望しておきます。
 てん菜の糖価でありますが、このてん菜の生産振興と糖業者の健全な発展は、これは車の両輪であります。てん菜糖価の決定につきましても、最近の経済事情などを十分配慮されて決定をなされますように特に要望しておきたいと思います。
 さらにまた、最後に大臣に、くどいようでありますが、先ほど来の御答弁の中で、冷害に対しては手厚い措置がとられることは十分伺いまして、私は大変ありがたく感謝をいたすところであります。ただ問題は、前にも申し上げましたように、二期減反がこれからの農民が農業を一生懸命やっていこうという意欲を持つかどうかということのきわめて重大な瀬戸際に立たされている問題であります。特に、申し上げましたように、閣議決定の中で位置づけられた北海道農業が、もう五〇%を超えたらこれは農業が壊されてしまいますので、どうかその辺も十分お含みをいただきまして、冷害対策が万全に終わった後は、ひとつできるだけ早急に二期対策の面についても御配慮いただき、御決定をなされますように、特に御要望して私は質問を終わりたいと思います。
#127
○中野鉄造君 午前中、本委員会の冒頭に、ことしの冷害の現況について種々報告がなされておりましたが、ことしはその冷害とあわせて、近年まれに見る長雨による水害が続発いたしまして、甚大な農地の被害が発生いたしておるわけでございます。そこで、過日、たまたま佐賀県出身で農民作家として有名な山下惣一氏の寄稿文を読みまして、私も全くその感を一にしたわけでございますので、同氏の書かれております内容を参考に大臣にお伺いいたしたいと思います。
 私も佐賀県の出身でありますが、特に佐賀県の場合は、水害による農地の災害が非常にひどかったわけでございます。そうしてそのために、現在稲刈りが行われておりますが、たんぼは、それこそぬかって機械が入らない。そこで、昔ながらのかま刈りで、べっとり倒状した稲を刈っているわけでございまして、収穫は半分、そうして苦労は倍増、これが今日の実態でございます。しかも、おまけにその災害によって破壊された道路だとか、田畑の災害は、そのままいまなお残されているわけですが、もちろん特にひどい災害個所については復旧工事の申請がなされております。しかし、申請がなされていない分の被害はその数倍に及んでいるわけでございまして、そうした個所は今日なおそのまま放置されているわけですが、なぜそのまま放置されているかと申しますと、ほったらかしにしておった方がむしろ経済的だ、こういう考え方があるわけです。農家の方々で、そういう考えを持っていらっしゃる方が多いわけなんです。というのは、第一、小さな個々の小災害については、なるほどいろいろな補助事業でやってもらえるわけですが、実は工事見積もりを見てみますと、これはひょっとしたら水増しされているのではないかと疑いたくなるような高い価格であるわけですね。したがって、受益者負担が仮に三割といたしましても、お金を払う農家の方々にとっては、その実感としては、まるで実費工事費の七割ぐらいを自分たちが払っているような、そういう思いをするわけなんです。しかもそういう思いをして復旧されたとしても、その面積からとれる米の量とその収入を考えるならば、もう復旧なんかあほらしくて、しない方がましだ、このままほったらかしておいた方がいいわと、こういうような気になってしまう。こういうような農家の方々が非常に多いわけですね。
 このようにして、災害の起こるたびにそれこそ耕地面積は少なくなっていく、荒廃していく、農家は結局じり貧になっていくわけですけれども、こうした意味から、今日、日本の農民の方々こそが日本の国土を豊かに維持し、守っていく使命があると、私はこのように思います。しかしながら、実態は、その意欲さえもいま失いつつあるというようなことでありますので、いま申し述べましたような点について、大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
#128
○国務大臣(亀岡高夫君) 台風によりますところの両度にわたる被災農家につきましては、これは共済金の支払い等、あるいは天災融資法、激甚災の指定等の処置を講じていくことに相なるわけでございます。また一面、施設災害につきましては、これはもう災害復旧という、これはもう三年間に全部復旧をしなければならない仕組みになっておりますので、できるだけ農家の御協力をいただいて、災害復旧に当たりましても二度と再び災害を受けないような配慮を十分にしながら対策を講じていくように各局に指示をいたしておるところでございます。
#129
○中野鉄造君 いまの点については、どうかひとつこれから先、そうした農民の方々に失意させないような積極的な施策をお願いしたいと思います。
 次に、共済金のことについてお尋ねいたしますが、先ほど来、共済金の年内早期支払いということについては大臣もお約束されておりますけれども、これについて私は少し掘り下げてお尋ねいたしますが、まず第一点といたしまして、今回の冷害による被害で国が再保険金として都道府県農業共済組合連合会に支払う金額は、どの程度見込んでおられるのか、それが第一点。第二点として、現在農業共済特別会計の再保険金支払い能力というものがどのくらいあるのか、お尋ねいたします。
#130
○政府委員(松浦昭君) 今回の農作物の被害はきわめて甚大なものがありますけれども、ただいまのところ共済団体の損害評価をやっている段階でございまして、この結果が固まりませんと確定的なことは申し上げられないわけでございます。ただ、ちなみに申し上げますと、五十一年災、五十一年の被害におきましては再保険金が約一千億出ております。今回の災害は五十一年の災害を上回っておりますので、これ以上の金額の再保険金が必要となろうかというふうに考えております。
 それから、現在既定の支払い財源がどの程度かというお尋ねでございますが、再保険金の特別会計に再保険料として農作物関係でございますのが三百億円、積立金として三百億円、計六百億円でございます。
#131
○中野鉄造君 じゃ次に、先ほども質問に出ておりました天災融資資金についてなんです。この利子補給ということについて当初予算が組まれておると思うんですが、今回の冷害による不足額というものはこの当初予算をかなり上回るんじゃないかと思いますが、その差額はどのくらい見込んでおられるのか。それが第一点と、いま一つは、先ほどからいろいろお話にも出ておりました規格外米の買い入れだとか、あるいは種もみの確保だとか、また飯米の確保だとか、こういうようなものについてどの程度国に負担がかかると見込んでおられるのか、お尋ねしたいと思います。
#132
○政府委員(松浦昭君) 天災融資法関係の利子補給金でざいますが、この点につきましても、まだ現在のところその資金の需要額が決定しておりませんので、明確なことは申し上げられませんが、現在天災融資法の利子補給に要するお金として、五十五年度予算に計上されておるものは二億円でございます。しかしながら、本年度の分として歳出をする分はさほどないと思われますので、本年度の資金としてはこの額で十分足りるというふうに考えております。
#133
○政府委員(松本作衞君) 規格外米の問題及び飯米対策に対してどれだけの金額が必要なのかということにつきましては、現在実態を把握しておる段階でございますので、金額としてはまだ明らかにはなっておりませんが、これらの財政負担につきましては、食糧管理特別会計の中で処理をするというふうに考えております。
#134
○政府委員(二瓶博君) 水稲等の次季作用の種子対策の関係でございますが、この面につきましては、過去の事例等も十分参考にしながら、関係の向きと協議をして、現在早急に検討を進めるということで詰めておるわけでございます。ただ、これが財政負担的にどのぐらいかかるかということにつきましては、現在実態把握というようなことで、いろいろ需給調整等もやらせながら実態の把握に努めておる段階でございますので、どの程度の財政負担になるかというのは現段階ではまだ明確ではございません。
#135
○中野鉄造君 もうすでに御承知のように、またいまも御答弁がありましたように、約一千億が不足している。こうなりますと、ちなみに五十一年では一般会計の予備費から四百三億円だったのですか、これが繰り入れられているわけですけれども、今回はどこからその不足額というものを調達されようとするのか、この点をお尋ねしたいと思います。
#136
○政府委員(松浦昭君) 五十一年の場合には、先ほど申し上げましたように、再保険金が約一千億必要でございまして、既定の支払い財源が約五百億、したがいまして、五百億を一般会計から繰り入れたという経緯がございますが、本年の場合には、ことしの災害の態様にかんがみまして、所要額は恐らく五十一年度をかなり上回るものと思われます。しかしながら、これは再保険金の支払いでございまして、当然国の責任でございますので、その支払いにつきましては所要の措置を講ずるという方針でもって臨んでおります。
#137
○中野鉄造君 大蔵省、見えておりますか。――いまも御答弁がありましたように、農水省としては何としてもこれは実行するという御答弁でありますけれども、大蔵省といたしまして、この共済金の不足分だとか、あるいはそれ以外のまあ種もみ確保というものを見ましても五十一年では七億円、その三分の一を国が負担したわけでございますが、こういったようなもろもろのことについて、その準備というものは十分しておられるのか、またその決意をお聞かせいただきたいと思います。
#138
○説明員(的場順三君) 今回の冷害に関連する諸対策につきましてどの程度財源が必要であるかということは、ただいま農林水産省からも御答弁がございましたように、最終的に確定を見ておりません。しかし、御相談がありましたら、これは積極的に前向きに対処したいと思っております。
 ただし、御承知のとおりの一般会計の状況でございまして、財源はきわめて巌しい状況でございます。財源対策については、農林水産省にも種々工夫、努力をしていただく必要があるかと思っておりますが、いずれにしても、農家に御迷惑のかからないように処置いたしたいと思っております。
#139
○中野鉄造君 この点につきましては、どうか、財政の苦しいことは十分承知しておるわけですけれども、農水省は大蔵省と相談した結果、なかなか財政上の事情によってというような、そういったようなことがないように、ひとつ十分努力をしていただきたいし、また大蔵省としても、どうかひとつこうした農民の方々の窮乏に対応できる施策を行っていただきたいと思います。
 次に、年内の共済金の支払いということは、再々大臣も確約されておりますけれども、この共済金の早期支払い、それに関連しまして、少しでも、一日も早くひとつこの共済金を握りたいという農民の方々の熱望にこたえる意味で、仮払いをするということを午前中も御答弁がありましたけれども、これは農業災害補償法施行規則第十八条に基づく仮払いでございますか。確認いたします。
#140
○政府委員(松浦昭君) そのとおりでございます。
#141
○中野鉄造君 じゃ、それを、きょうは十六日でございますが、できればひとつ今月中にでもそれをお払いいただけるかどうか、その点をお尋ねいたします。
#142
○政府委員(松浦昭君) 仮払いにつきましては、午前中にも大臣から御答弁があったとおりでございまして、私どもも積極的に仮払いを行うようにということで指導をすでに行っているところでございますが、何分にも損害の評価の時期等とも関連いたしまして、なかなか、連合会の方でこの仮払いを行う、あるいは組合の方でこれを行うということについては、ややちゅうちょする向きがあったわけでございますが、私どもも農家の、特に皆無作に近いような農家に対しましては、できるだけ支払いをするようにという指導を強くいたしてまいっておりますので、現在までに水稲につきましては、十八連合会六十四組合等で仮渡しを行う予定となっております。この大部分は十月の二十日から十一月の上旬にかけて仮渡しを行う旨の報告を受けておりまして、今後ともさらにこの点の指導は強くいたしてまいりたいというふうに考えております。
 また、果樹につきましては、一連合会四組合等ですでに九月下旬から十月中旬にかけて行っております。
 私どもとしましては、あくまでもこれは連合会ないしは組合の自主的な判断でございますので、強制するわけにはまいりませんけれども、被災農家の実態にできるだけ即応するように大臣も強い御指示をいたしておられますので、さようなことで強くこれを進めてまいりたい。また同時に、必要な再保険金の概算払いの請求もあり次第これを行っていくというつもりでございます。
#143
○中野鉄造君 では次に、救農土木事業についてお尋ねいたしますが、この救農土木事業について、五十一年は二百二十億の公共土木事業の枠を設定されまして、国有林ではたしか五億ないし六億円の事業を実施されたわけなんですが、今回はそれに対して二百四十億の公共土木事業と国有林関係では十億円の枠を設定した旨の発表がなされました。
 しかし、今日の物価、賃金の上昇等を考え合わせてみますと、事業量としては、むしろ予算面からのみ考えるならばそれは縮小しているのではないかと、こういう気がいたすわけでございますが、五十一年と比較して何か内容的に変わったことがあるのかどうか。要するに、五十一年の場合は二百二十億の事業がなされたけれども、現実に農家の方々の手にお金が渡ったのは非常にわずかであったと、こういったようなことで非常に不満が多かったわけなんです。結局土木業者の方々が潤ったということを聞いておりますけれども、今回はそうした轍を踏まない内容であってほしいと、こういうように思うわけですが、すでに通達も出されていると聞いておりますけれども、果たしてこれが通達だけでその目的が果たされるのかどうか、そこの辺をお聞きしたいと思います。
#144
○政府委員(渡邊五郎君) お答えいたします。
 五十一年の際の救農土木事業といたしまして、国費ベースで約百十億円、これは事業費にいたしますと二百二十億円でございまして、これはしかも条件がつきまして、労務費を一定以上の比率以上に高い工種にするというようなことと、被災農家の一定数を雇用するというような条件がございまして、必ずしも所期の目的を達しなかったというような問題がございます。
 そこで、今回三、四半期におきまして国費ベースで二百四十億円、したがいまして事業費ベースで申しますと四百八十億円になりますが、これを被災地を中心に公共事業を促進させるということで、かつ条件といたしまして前回のような厳しい条件よりも、むしろできるだけ労務費を多く占める工種を選択するというようなことで、できるだけ地元の雇用に資するという観点で、事業を早急に実施するという観点で実施しております。
 国有林については、御指摘のように、十億円で地ごしらえあるいは除伐等の事業をすでに営林局を通じて配分いたしまして、早急に対処しているという状況になっております。
#145
○中野鉄造君 この救農土木事業ということが言われておりますが、やはりどうしても土木事業だけでは、機械化が進んでおります今日、余りいま申されたような農家の方々に労賃として入るという金が少ない。したがって歓迎されないという向きもありますもので、もっと雇用比率の高い、いま申されたような造林事業等に重点を置いた立場からの救農対策事業という考え方でひとつ臨むべきではないかと、こう思いますので、この点を強く御要望いたします。
 次に、農水省は救農対策事業というものについて、私が見るところ、どうも年内にほぼこれが限定されているような感がいたしますけれども、この冷害による農家の経済的圧迫というものは、少なくとも年内なんというものじゃなくて、これから恐らく二年、三年という大きな影響というものが出てくるだろう、これは確実であると、こういうように私は思います。したがって、この救農対策事業というものは、来年春先というのはもちろんのこと、今後二年、三年程度の長期にわたって考えるべきじゃないかと思いますが、この点について大臣の御見解をお聞きいたします。
#146
○国務大臣(亀岡高夫君) もう申すまでもなく、御指摘のとおり、私どもも心得てやっていきたいと考えております。
#147
○中野鉄造君 では次に、二期対策との関連でお伺いいたしますが、過日農水大臣は、きょうもおっしゃったわけですけれども、これについては慎重に対処していくと、各方面からの意見を聴取しながら慎重に対処するといったような意味の表明をなさっておるわけです。私お尋ねいたしますが、この慎重に対処するという意味の中には、二期対策ということを凍結するという意味も含まれるわけでしょうか。
#148
○国務大臣(亀岡高夫君) 私は、本会議でも答弁申し上げましたとおり、この冷害の厳しさ、冷害の過酷さ、冷害の影響度合いの大きさ、そういうものはもう私ども十分理解をいたしているところでございます。したがいまして、凍結せよという声のあることも十分承知をいたしておるわけであります。しかし、やはり日本の農政の基本というものを考えましたとき、果たしてそれでいいのだろうかという気持ちも私どもはやっぱり心の中に持たざるを得ない。行政府の立場として、国会の決議をどう受けたらいいのかという問題もあるわけでございます。したがいまして、その辺のところをどう決心をしたらいいかというようなことについては、もう少し党の方とも、国会の方ともよく御意向を伺って、そうしてやっぱり先ほど申し上げましたように、最終的には、農林水産省が幾ら踏ん張ってみましても、農家の協力、県の協力、市町村の協力、また国会の御協力というものがなければ、この仕事はいい成果を上げていくことはできません。せっかく十年かかって五十五年まで本当に血の出るような思いをしながらの御協力ということも考えますとき、その辺のところをどう決心していくかということについては、いまおまえその決心を言えと言われても、私としては申し上げる勇気をまだ持たない、こういうことでございますので、もうしばらく冷害対策に全力投球をさせていただきたい、こう思う次第でございます。
#149
○中野鉄造君 私はいま直ちに確答をしていただきたいというようなことを言っているわけではございませんで、いましばらくはこの冷害対策というものに全力を傾注をしていくと、それはよくわかります。その上で、それとあわせてというか、いずれにしてもこの二期対策というものについては、これはまたどうしてもいずれかの腹を決めなくちゃいけない、それについては慎重に検討すると言われているわけなんですから、その検討というのの中にこの凍結するということも含まれているかどうかをお尋ねしているわけです。
#150
○国務大臣(亀岡高夫君) 何回もお答え申し上げるわけでありますが、有力なる意見として拝聴させていただきたい、こう思います。
#151
○中野鉄造君 有力な意見として聞き置くということでは私はどうもこれは納得がいかないわけでして、凍結ということも含めて検討するという意味であるのかどうか、ただ聞き置くということじゃなくて。くどいようですけれども、もう一回そこのところをお尋ねいたします。
#152
○国務大臣(亀岡高夫君) 農政に精通しておられる先生でありますから、もうその点は十分御理解いただけるんじゃないかなと、こう思います。
#153
○中野鉄造君 農政に精通しているとかしていないとかということはこれは別といたしまして、ことしの問題ですから私はいま聞いているわけですけれども、少なくとも農家並びに各自治体からも、これについては見直せとかあるいは凍結せよとか、そういう強い要請がなされているわけですし、私自身もまた全くそのようにやるべきだと考えております。少なくとも非常なひどい災害を受けたこうした被災地については、ぜひともこれは凍結をすべきだと、こう考えますけれども、この点についてお尋ねいたします。
#154
○国務大臣(亀岡高夫君) 何回も申し上げるわけでありますけれども、この点については、本会議でも答弁申し上げましたように、影響するところも非常に多いわけでございますから、慎重に検討をさしていただきたい。もちろんこれは私も、農業団体、特にこの冷害地帯の農業団体、知事さんあるいは市町村長さんの皆さん方からも、そういういま中野委員が御指摘になったような点も含めて陳情を受けております。しかし、その他の意見もやっぱりないわけではございません、これは。そういう点もどう判断していったらいいのか、これはやっぱり私といたしましても一存で決めていくわけにはまいりませんので、よく与党の方の意向等も十分そんたくをいたしまして決心をしていきたいと、こう考えております。
#155
○中野鉄造君 この件については、どうかひとつくれぐれも、ただ単に聞き置くというようなことではなくて、本当にこういうことも含めてそれこそ慎重に検討をお願いいたしたいと思います。
 次に、ことしのこの冷害というものについて、政府もきわめてこれは深刻に受けとめておられることと思いますけれども、今後もこうしたことしのようなことがないということは、これはだれ人も保証できないわけでございますし、農水省としては、ことしの冷害に対する今後の農業の抵抗力ないしはその体質強化についてどのようにお考えになっているのか。中長期視点からお尋ねをいたしたいと思います。
#156
○政府委員(渡邊五郎君) 中長期の営農に関する問題でございますが、これはこの地域に限りませんが、一般論で申し上げますが、現在、十年後の農業生産の長期的な方向につきまして、かつまた今後の農政に関します見直しにつきましては、御承知のとおり、農政審議会で御審議をいただきまして、近くその方向を御提示いたすようになれると考えております。これらの、特に今回冷害等を受けましたいわゆる山地地帯の問題でございますが、これらの地域は従来からも地域に即応しました営農の類型等各種の検討がなされておりますし、かつ地域の作物の品種等につきましても、それぞれの試験機関等におきまして、地域に適合した営農の方式等をかねがね模索検討を続けておるところでございます。それぞれ時代とともに営農自体の変化はございますが、やはり寒冷地の条件に応じました営農類型を確立するように、今後とも指導していかなければならないと考えております。
#157
○中野鉄造君 私は現地をいろいろ視察して回りまして感じたことですけれども、いわゆる地力が非常に旺盛で管理が行き届いているところとそうでないところでは、その差が歴然としておるというような個所を何カ所か見受けました。そういったような意味から、いまこそ地力の向上対策を図るべきではないかと思いますが、たとえて申しますならば、いわゆる耕種農業と畜産を結合した複合経営の育成を積極的に推進するとか、あるいは堆肥センターとかあるいは堆肥バンクの増設を推進していくべきじゃないかとか、こういうように考えますけれども、先ほどの御答弁よりもいま少しひとつ具体的にお尋ねをいたしたいと思います。
#158
○政府委員(渡邊五郎君) 御指摘のように、現在特にこれら寒冷地帯におきます、特に水田の単作地帯におきましては、一般に水稲単作でしかも専門化する傾向が非常に強いわけでございまして、このことがまた日本の農業におきます担い手の育成との関係で問題のある点でございます。要は、こうした特に耕種部門につきまして、畜産との複合というような形態がなかなか根づかないというところに問題があろうかと思います。これからの方向といたしましては、やはり耕種と畜産とを組み合わした複合の形態におきます担い手の育成というような方向で営農を設計していかなければならない。また、そうした意味での計画的な担い手を確保していく方向に特に進まなければならないと、このように考えております。
#159
○中野鉄造君 終わります。
#160
○中野明君 冷害問題が続いておりますので、引き続いてお尋ねをいたします。
 まず最初に大臣に御意見をお尋ねしたいんですが、今回の冷害で飯米すらなくなったという全滅に近い農家、本当に悲惨なものだと思いますが、こういうこの被害というものを一つの教訓にして、農水省として、一地域画一的な品種をつくるということが、いい面が非常に私は多いと思いますが、しかしながら、わせとおくてあるいは品種を変えるとかというように、農家も当然自衛的な意識もお持ちになるだろうと思いますが、農水省としては、いままで指導方針として大体一地域に画一的に同じような作付品種をするようにと、そういうような指導方針でこられたのか、その辺の事情はどうなんでしょう。
#161
○政府委員(二瓶博君) 品種の選定といいますか、その面の指導でございますが、やはり水稲につきましては、これは早、中、晩の品種があるわけでございます。したがいまして、必ずしもわせ品種のみに偏るというようなことになりますと、またいろいろ災害等の問題もございます。その辺の危険分散という問題もございますし、また労力の配分の問題というようなこともございます。したがいまして、各県におきましては、それぞれ早、中、晩の品種を含めまして奨励品種というものを決めております。その際におきましては、もちろん味がよいというような問題もございましょうが、やはり耐冷性の観点というようなものも織り込んでそれぞれ奨励品種も県として決めておるわけでございますので、そういう中から、やはり農家経営の面から見て、ただいま申し上げましたような角度でもって農家が品種を選定するというような方向で、普及の制度等も活用しながら指導を進めておるというところでございます。
#162
○中野明君 大臣、今回の被害が一つの教訓として、自分の飯米までなくなってしまうという、そういう気象も恐らく世界的に異常な時期に入ったというような説を唱える人もおられるような時代にもなっております。そういう面で、農水省として指導方針の中に、こういう特殊の冷害があったときでも品種によってあるいはおくてとわせによってずいぶん被害が違っていると、こういう極端な例が随所に見られるわけですので、その辺の指導をどのような考え方でなさるつもりなのか、ちょっと。
#163
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のとおり、耐冷性の強い、耐寒性の強い品種の造成ということはこれはもう絶やしてはならない大事な問題でございます。農林水産省におきましても、かつて藤坂系統の耐冷品種によってある程度の冷害は防げるということで今日まで来ておるわけであります。農家においても、非常に冷害に強い品種というものの研究も進められておるわけでございます。一面、うまい米という奨励も実はいたしてきておったわけであります。その辺のところに今回の冷害の被害を大きくした原因があるのではなかろうかなというような感じも私自身持っているわけであります。したがいまして、その辺の、うまくて耐冷性が強くて、しかも多収穫であるというような品種を目標にして、今後やっぱりそういう品種をつくり上げていく努力も研究陣としてはやってほしいということを技術会議の方にも指示をいたしておるところでございます。そういう一面、また官房長からお答えいたしましたように、実は私も福島県の飯館というところに参りましたときに、青年から非常におしかりを受けました。われわれの先祖の時代からこういう冷害というものはもう何回か経験しておると、それなのに農林水産省は一つも足腰の強い農業経営の態様をつくる努力をしてくれていないじゃないかというおしかりを受けたわけでございます。そういう意味において、やっぱり六百メートル以上というようなところで安定した米作が将来できるのかどうかといったような問題、やっぱりこれは一つの反省事項として検討の要があるというふうにも考えて、それぞれの原局に研究をしてもらっているところでございます。
 いずれにいたしましても、今回のような冷害、たとえこのような気象条件になっても収穫のできるようなところに研究陣が全力を挙げて取り組んでいく一つの契機としていかなければならぬと、こういうふうに考えております。
#164
○中野明君 それで、同一品種、たとえ研究が進んだとしても同一品種で同一地域に同じものをおしなべて植えつけると、一つの利点は確かにあると思うんですが、こういう災害のときに全滅してしまう、ひとつ間違えばもうゼロになってしまう、こういう点について、少し片方はやられても片方はやられないと、そういうような指導方針というものはおとりになる考え方があるのかどうかということなんですが。
#165
○国務大臣(亀岡高夫君) それは先ほど二瓶農蚕園芸局長からお答え申し上げたとおりでございまして、やはり農業経営の上からの自衛策としてそういう指導はこれはゆるがせにしてはならないのではないかと、ただし、やはりこれは農家並びに農業団体等ともよく調整をいたしまして、納得の上で進めていかなければならないと、こう考えております。
#166
○中野明君 今後十分これは検討課題にしていただきたいと思います。
 それから、救農事業のことでずいぶん御心配をいただいて手を打っていただいているようでございますが、いままでお聞きする範囲では、要するに既定の予算の範囲内で、既定の予算の枠の中で重点配分をしていこうと、そうして救農事業をやっていこうというようにしか私受け取れないんですが、これは異常災害です。特殊の異常事態が発生したわけですから、大臣を中心にして災害対策本部もおつくりになられたんですが、結局既定の予算以上に、予算をどこかから、一般会計からでも無理して取ってきてもらってそしてこれに振り込まないと、本当の意味で救農にならぬのじゃないか、私はそのように思うわけです。確かに当初ある程度の予算は組んではおられるでしょうけれども、こういう戦後最高というような異常な災害が起こったんですから、それに対して国の方としては、予備費なり一般会計からでもかき集めてでも災害対策いわゆる冷害対策にがさっとお金をつぎ込むと、こういう基本的な考え方でいかないと本当の救農、救済にならぬのじゃないか、このように思うものですから、先ほど来御答弁がありましたように、民有林――民有林の中でも公有林もあります。それから私有林もございます。そういうところは、ただ単に農林金融公庫の融資で、あるいは起債の枠を与えると、その程度のことでは、地方自治体というものはもういま特に過疎地に行きますと財政はパンク寸前ですから、この上お金を貸してやろうといっても措りる元気もないというような実情のところが非常に多いと思うんです。ですから、そういうところに結局災害対策として直接補助をする、公有林が造林で特別に下刈りをする、こういうような事業を起そうとしたときに特別に補助するとか、あるいは私有林に助成をするとか、こういうような、どういうんですか、補助率を高めるとか、何かそういう一つの施策をしてあげないと、ただ既定の予算の枠の中で、災害が起こったから何とかこれをこっちへ振り向けますという程度では、全国的な災害で起こっておるものですから、ちょっと私は最終的に本当の救済にならぬのじゃないかと、そういうふうに思うんですが、この点いかがでございましょうか。
#167
○国務大臣(亀岡高夫君) 私、今度の災害の視察に参りまして特に感じましたのは、早くという要望が非常に強いわけであります。したがいまして、もうすぐに雇用の場を造出、つくり出すことのできる仕事は何か、こういうことになりますと、これから補正なり予備費なりということになりますと、新しく計画をし、設計をし、そうして審査をしてということになりまして、もう雪の降る前にということがどうしてもできにくいと。また、そういうふうになりますと、先ほど来御論議のありましたとおり、機械の面にだいぶとられてしまって、被災地に参りまして、私も、実は五十一年のような救農土木事業では困りますよと、こうあちこちで言われてきておるものですから、特に町村長さん方から強くそういう要請がありましたものですから、できるだけ雇用の場が速やかに造出できる事業といいますと、建設省関係にもお願いはしてありますけれども、農林水産省関係の方が、その賃金面の部分が多いという仕事はやっぱり農林水産省の方でございますので、国有林や、二百四十億というものを雪の降る前に消化することによっていろいろな諸対策でまだ不十分な農家の収入を少しでもふやしていこう、こういうことで実は私はそういう措置を指示いたしたわけでございます。確かに中野委員の仰せのとおり、感情的に、感覚的に考えてまいりますと、災害だ、そら予備費だと、こういくのが筋道かもしれません。しかし、それをやっておったんでは、農家の、本当に現金収入を一日も早くという声になかなかこたえにくいというようなことで、いまのような工夫をさしていただいたと、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。
#168
○中野明君 先ほども大臣、災害の救済というのはこれは長期に見ていかなきゃいかぬと、こういう御答弁もありました。ですから、私はいますぐという意味じゃなしに、戦後最大の被害ですから、来年の予算に、この五十五年度の冷害対策というんですか、これに対する今後の救済にわたるような、そういう予算の枠以外に枠をつくられてそして大蔵省と折衝なさると、それぐらいのお考えがおありかどうか。
#169
○国務大臣(亀岡高夫君) この問題につきましては、来年度の予算編成が十二月になるわけでございますので、その時点まで今年度一応救農事業として二百四十億の線でやらしていただいて、それではどうしてもいかぬというような事態が出てきた場合には御指摘のような点を考えさしていただきたいと、こう思います。
#170
○中野明君 それでは、災害の話が出ておりますので、私、一昨日と昨日沖繩に行っておりましたが、沖繩県ではことしの冷害には意外にお米の方は助かったんですが、ところが、今回の十九号台風でまる二昼夜台風の影響下に置かれて、農産物に大変な被害が出ておるようです。特にキビですね。キビとそれから野菜、この両方、後からの風の方がまた強かったんですか、初めに来て倒れて、また反対側へ倒して起こされたと、こういう現況のようです。いま、農水省の方ではいつごろ台風の被害の実態が掌握できるんでしょうか。
#171
○政府委員(矢崎市朗君) 台風十九号でございますが、十月の十二日に宮古島と沖繩本島の間を通りまして東シナ海を北上し、さらに東方向に方向を変えまして、伊豆諸島を経て十五日未明に東方洋上に去ったと、こういう経過でございますが、沖繩を初め、進路に当たりました各地域で暴風雨によります農作物の被害が発生している模様でございます。現在、県からの報告がいま一部入っておりますが、また全貌は入りません。しかし、現在までわかりましたところでも、沖繩、鹿児島、宮崎を初め、県報告でございますが、百七億ほどの農作物被害がすでに報告されております。私ども、今後県の報告の収束を待ちまして、対応を検討いたしたいというふうに思っております。
#172
○中野明君 この辺も、冷害の災害とあわせて適切な処置をお願いしたいと思います。
 それでは大臣、この間予算委員会で私、オリジナルカロリーのことをお尋ねしたんですが、御答弁が適切な御答弁じゃなかったんですが、時間の関係でそのままはしょってしまいましたので、改めてこのオリジナルカロリーの自給率の現状と、そして政府の、農水省なら農水省の持っておられる、どの程度までそれを向上さしていこうという目標を持っておられるか、この二点だけ。
#173
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は、予算委員会での私の答弁が勘違いをしておりまして適切でなかったわけでございます。
 いわゆるオリジナルカロリー、自給率という問題につきましては、国内で消費される食糧のうちどのくらいの割合を国内生産で賄っているかをカロリーベースで把握をしていく方式であるわけでございます。この場合畜産物は、そのえさのカロリー、この辺がどういう学問上の理由があるのか、私もよく心得てはおりませんけれども、畜産物はそのえさのカロリーに直して計算をしておるというのが、現在のやり方のようでございます。しかしこの方法には、御承知のように、野菜、果実等、これはもうカロリーは非常に低いわけでありますが、国民生活に必要なビタミン、ミネラル等を含み、かつ自給率の高い品目がオリジナルカロリー自給率に十分反映されないという一つの欠点もあるわけであります。また、畜産物を生産に要した飼料のカロリーに直すやり方についての十分なデータがまだそろっておらないということ等の問題が、このオリジナルカロリーの方式にあるわけでございます。したがいまして、オリジナルカロリー自給率については、公式の試算は農林水産省としては行ってはおりません。しかし、一定の仮定を設けまして試算をしてみますと、五十三年度は四五%程度となり、六十五年度もほぼ横ばいの四六%程度になると、こういう試算を一応はいたしておる次第であります。
#174
○中野明君 確かに大臣おっしゃるとおり、これはいろいろオリジナルの問題については問題があると思いますが、いずれにしましても一つの目安として非常に大事な試算であると思いますので、これをできるだけ上げていくということも、自給率の向上ということでは非常に大事なことでございますので、今後検討を加えていただきたいと思います。
 それで時間も経過してまいりましたので、最後に二点だけお尋ねしておきます。
 これは国営の総合農地開発事業のことでございますが、現在国営の総合農地開発事業、幾つかの地域で計画をされておるように思いますが、現状をちょっと御説明いただきたい。
#175
○政府委員(杉山克己君) 国営農地の調査計画の実施に入っておりますところが、五十五年度は内地でもって新規が五地区、それから継続が十地区、北海道で新規が四地区、継続が八地区、合わせて十二地区でございます。それから完了しているものが内地三地区、北海道四地区ということになっております。金額で調査計画費を申し上げますと、内地が四億二千六百万、北海道が二億四千八百万と、現在調査計画の段階のものはこういう状況になっているわけでございます。
#176
○中野明君 今後も幾つかの地域で計画をされているというふうにいまお聞きしましたが、高知県の現状で、現在高知県の西南地区がこの事業の対象として本年から調査が始まったと承知しておりますが、この計画はどういうことになっておりますか。
#177
○政府委員(杉山克己君) いま先生もおっしゃられましたように、高知の西南地区は五十五年度から新たに調査地区として加わったものでございます。この調査計画は、原則として三年間、この期間内に自然的、社会経済的な調査を行うということと、あわせて開発予定地の権利調整を終えるということにいたしております。
 それからまた、この調査計画に引き続きまして、いわゆる全計と称されているわけでございますが、全体実施設計が行われることになります。この期間は通常二年、そしてこれは工事計画に基づきまして、実施設計を行うということにいたしておるわけでございます。
 それから、高知西南地区は相当範囲も広範でございますし、受益予定地が広がっておるということのため、調査計画は慎重に行っていく必要があると考えております。しかし、調査期間、それから全体実施設計期間につきましては、地元の要望もいろいろあることでございますので、今後高知県当局とも十分協議をしながら、できるだけ事業の早期着工が図れるようにしてまいりたい、かように考えております。
#178
○中野明君 計画では六十年までに着工と、このようになっているように私も承知しておりますが、この見通しと、それから高知県は御承知のように、やはり台風がときどきやってまいります。そういうことで、防災対策というものの調査も非常に重要になってまいりますが、この二点どの程度まで考えておられますか。
#179
○政府委員(杉山克己君) いまお答えいたしましたように、地区調査が一般でありますというと三年、それから全体実施設計の期間が二年、五年かかるわけでございます。五十五年から着手いたしますと、大体六十年には事業実施に普通なら取りかかれるということでございます。その間若干手間といいますか、時間がかかることが懸念されますのは、現地の権利関係の調整でございます。これらについて地元あるいは県当局とも十分相談して、できるだけその五年の期間内に終えるということで運びたいと思っておりますし、特段の問題がなければ、お尋ねのように六十年には着工できるような段階に至るものというふうに理解いたしております。
 それから農地保全のための防災対策についてはどうかということでございますが、これは当然せっかく大規模な大事な事業をやるわけでございますから、事業実施に当たりましては、農地保全、防災対策に十分配慮をいたしておるところでございますし、これに必要な事前の調査計画は、これは先ほど申し上げました三カ年の調査計画の一環として織り込んで行っていくことにしているところでございます。
#180
○中野明君 これ、本当に地元でも相当力を入れている事業でございますので、ぜひおくれないように強く要望しておきます。
 それからもう一点は、この地方公共団体が進める畑地帯の総合土地改良事業ですが、これに国が助成をされるということになっております。で、具体的にお伺いをしたいんですが、農水省の方でも、地元で調査の終わったこの室戸市の西山地区というところがありますが、これの調査された現状と見通しをちょっとお聞かせいただきたい。
#181
○政府委員(杉山克己君) 高知県が、東部台地について畑地帯の総合土地改良事業を進めたいということで前から熱心に要請をしておることは私どもも承知いたしております。そのうち特に一番先に早く手がけて今日表に上がってきておりますものとしては、室戸市の畑総の事業がございます。国としても東部台地全体の調査につきましては、五十三年度から畑作用水確保対策基盤整備調査というふうなことを行って高知県の態勢に協力してまいっておるところでございますが、いまの個別の地区の問題につきましては、これは五十六年度予算の問題になってくるわけでございます。五十六年度の事業地区につきましては、これは予算全体の検討の中で本年度末までに事業内容の審査を行うということにいたしております。それからまた、これと並行いたしまして、地元では土地改良法に基づく手続も行われるということになります。それらの結果を総合的に判断した上で決定するということになりますが、御要請の趣旨もよくわかりますので、県当局とも協議してできるだけ前向きに対処したいと、こう考えております。
#182
○中野明君 じゃ以上で終わります。
#183
○下田京子君 大臣、ことしの冷害のひどさは、大臣自身が回られ、福島に行っては後継青年から冷害に強い農業の確立をと訴えられ、青森に行ってはお年寄りから手をついてお願いしますと訴えられたと思うんです。私も東北はもちろん、北海道、数回にわたり各地域を歩きました。で、そのひどさというのは、各他の議員も言われておりますが、まず深刻なところは、耐冷品種がいままで開発された、それがやられている。それからまた各地域で聞くことは、皆さんこんな冷害は初めてだと。特にお母さんたちが率直に言われていたことは、子供の給食費が払えるだろうか、借金をどうして払ったらいいだろう、来年からの農業を考えたときに息子が後を継いでくれるだろうか、こういうことを訴えておりました。
 そして、昔冷害で娘は身売り、いまはお父ちゃんが身売りにも等しいような出かせぎ。そのお父ちゃんの出かせぎでも間に合わなくて御夫婦で出かせぎに行かれているのがいま東北各地で出ております。
 こういう状況の中で、けさほども御報告がありましたように、被害総額で五千六百七十九億、まさに五十一年度を上回っているわけです。とすれば、当然五十一年度を上回る施策があっていいのではなかろうかと皆さんがひとしく思うところではないかと思うんですね。
 そこで、さらにこの冷害と、その中で米価は五十三、五十四と据え置き、そしてまたことしはわずかに二・三%引き上げられたというわけですけれども、地域によっては引き下げのところもあるわけです。それからまた、米にかわっての畜産だとか、あるいは果樹、野菜は過剰で悩んでおりますし、いま畑作物の価格決定を前にして、本当に安心して畑作の営農をどうしていったらいいかという切々たる声もあるわけなんです。
 こういう冷害と、また農業に対する希望の展望の持てないという状況の中で、ひとしおまたその冷害が深刻になっているわけですね。とすれば、繰り返し申しますが、大臣、いままで十分な対応をすると言ってまいりました。温かい政治をやりたいと、こう言ってまいりました。とすれば、その五十一年度同水準の対策でいいのかどうか。その点まず基本的な点をお伺いしたいと思います。
#184
○国務大臣(亀岡高夫君) この冷害対策は、戦後三十数年をけみしまして、何回か厳しい冷害、凶作あるいは台風あるいは地震等の災害を経まして、そうしてその災害ごとに国会で、どういう措置をとれば最も適切に被災農民に立ち上がる勇気を与えることができるかという立場から、法律的にもあらゆる面で整備を急いでこられたことは下田委員も御承知のところでございます。したがいまして、五十一年度の被害よりも大きいから何か特別なことをしなければ冷害対策の万全を期し得ないということは私はないのではないかというふうに私自身は理解しておるわけであります。私も議員の一人として、災害ごとにあらゆる面を通じまして被災農家の気持ちにこたえることのできるような法律の制定に全力を挙げ、そしてその法律を実施してまいりますために何回か法律改正を行い、そうして行政措置を確立をして今日に来ておるわけでありますから、いかに早く、いかに密度の濃いこの法の精神を農家に届けていくかということにまず全力を挙げると、こういう気持ちをもって取り組んだ次第でございます。
 現地にも参りましたし、また、全国に農林水産省から政務次官初め各専門家を派遣いたしまして、全国の状況も私十分聴取をいたしております。したがいまして、やはり青森とか、岩手とか、福島、本当にこれは凶作地帯でございますが、そのほかにも中国山脈の中あるいは九州の山手の部落等には、やはりその部落に限っては収穫皆無のところもないわけではございません。そういうところも十分考えまして、本当に法律で国会が示されたその対策の遺憾なきを期して、そうして被災農家に漏れが起こることのないような配慮を十分にしていくということで、私は農家から信頼される冷害対策ができ、実行できると、こういうような気持ちでおるわけでございます。
#185
○下田京子君 いままでつくられた制度を一日でも早く実施したいというお答えだったかと思うんですが、それでは納得しないと思います。
 しかし、それは指摘にとどめておいて、具体的に以下お尋ねしたい点なんですけれども、大臣が、一日でも早く、そしてまた、十月はできるだけ冷害対策に取り組んで、その後において第二期対策等も考えていきたいと、こういう御答弁をいままでも繰り返されておると思うんです。
 ところで、これは本当に冷害対策を考えてくれているんだろうかと率直に私は疑問を持つわけなんです。といいますのは、大臣、まず冷害対策の三つの大きな柱といったら、まず共済ですよね。それから天災融資法の発動による天災資金。続いてまた自作農維持資金を借りるとかと、これがやっぱり冷害対策の大きな三つの柱と言われています。すると、五十一年度にとった措置をもう二日でも三日でも、あるいは十日でも早くできるようにという作業を進められていることはわかるんです。しかし、その作業日程をずっと追っていきますと、どんなに早くやっても、天災融資法の発動は十一月の初めか中旬でしょう。それから手当てが始まります。そして自創資金の借入手続です。そして、どんなに早くても共済金の支払いは十二月に入るわけですね。とすれば、十月の間は冷害対策を、十一月からは二期対策を、という話になっていますと、日程的に見ても、それはやっぱり二期対策というものが頭にあって、冷害は十分にやりますよ、こう言っていながら、実態としては矛盾していることを言われているんじゃないでしょうか。とすれば、私は二期対策の本格的な論議は後日に譲ることとしまして、冷害対策を十分にやる。いままで敷かれたレール、五十一年度にとられた制度、これを運用して一日でも二日でも早くしたい。とすれば、いまのような日程的なことから見たって、当然、大臣がずうっと言われています、十月中に冷害を、そして十一月になったら二期対策をと言っているけれども、矛盾しているじゃないか。これが一点です。
 それから、その問題で、私はこの冷害対策にさらに力を入れていただくために、具体的には、どれくらいそういう資金が借りられるのか、共済金は幾らもらえるのかといった、その後にいろんな営農計画やら、あるいはそれで冷害対策が十分かどうかということが出てくると思うんですよ。補正はどうするのかということも具体的にはそこで出てくると思うんですよ、共済金の支払いがはっきりしていないうちに組めないわけですから。とすれば、大臣はその二期対策の話を繰り返し言ってますけれども、与党、国会、農業団体、地方公共団体など、関係者の皆さんの意見を聞いて決めたいと、こういうお話ですね。そうしますと、いま二期対策を積極的にやれと言っているのはどこがあるんですか。地方公共団体、全国知事会、やめてくれっておっしゃっているでしょう。農業団体、これも皆さんおっしゃっているでしょう。そして、国会の中で、じゃここで決議でもすればオーケーと言うんでしょうか。残りは与党です。与党の問題ですけれども、これほど関係者の皆さん方がそろって言われている。現実的に冷害対策を重点にやると言ったらば、当然二期対策はもう送ると言ってしかるべきではないか。そして冷害対策に十分な対応をしてほしい、こう思うわけです。これは政治的な答弁をいただきたいと思います。
#186
○国務大臣(亀岡高夫君) 金が全部農家の手元に渡らなければというふうなことで矛盾しているじゃないかということ、現実と矛盾になるのではないかというふうに言っておられますけれども、私は決して矛盾はしていないと、こう思います。それはつなぎ融資というのが、そのためにちゃんともう手はずをとってあるわけでありますから、それはつなぎ融資も何もほったらかしておいて、それで天災融資法を十一月十日から十五日の間に政令を公布するということであるのならそれは矛盾かもしれませんけれども、私どもは、御指摘によるまでもなく、そういう点はもうちゃんと本当に農家の手元に国会の意思に従って資金が届くように、そういうふうに法律であるいは政令で示してあるわけでありますから、それをやっぱり早く実行するところにわれわれ行政府の責任があると、こういうことでやっておるわけでありますから、決して矛盾とは思っておりません。
 それから、二期対策についていろいろ御指摘がありましたけれども、先ほど来答弁しておりますとおり、やっぱり日本の食糧の安定的供給という問題と、農家の発展という問題の責任を負っております農林大臣といたしましては、慎重にも慎重を期して、そうして将来の農政の展望にも間違いなきを期しながら、言論界や学者の先生方等の中にも、また――まあ具体的に申し上げていくとこういう問題は差しさわりが出てきますので、私は遠慮さしていただきますけれども、そういう点も十分しんしゃくをして、慎重にも慎重を期して責任者としては決心をしないとかえって混乱を招くと、こういうふうに私自身考えておりますので、これをもって答弁といたします。
#187
○下田京子君 大臣、大分苦しいと思うんですね。つなぎ融資をやったからといったって、大臣は農業はわかっているわけですから、冷害になったら一番最初に考えるのは、共済金はどのくらいもらえるかなということだと思うんですね。それがないうちに営農計画も立たないんですよ。だから、もう時間がありませんから、全体で三十分ですから私は繰り返しませんけれども、二期対策にしたって、大臣、福島県のことはよく御存じだと思うのであえて申し上げますけれども、ことしの冷害で減収分がおよそ十五万トン。そうすると、ことし割り当てされている減反面積が約一万八千ヘクタール。十五万トンの減収量を面積にしますと約三万五千ヘクタールで、何と二年分に当たる、青森に行けば三年分だということなんです。ですから、これは当然しかるべき措置をとって二期対策を考えるべきだし、冷害に万全の対策をとるべきだと私は思います。
 具体的には、続いて現金収入がどうかという点では、救農事業の問題がやっぱり大きな課題になると思うんです。政府では、もういままでお話しになっておりますように、全体の公共事業の中でいま残っている四割分、総額三千六百億円、それを前倒しでもって三・四半期を中心にして二百四十億円を組むと。そして農業関係で二百億円、林業では三十億、それから水産関係で十億ということですけれども、これが本当に、五十一年のときにあれほど不評を買ったといって大臣自身も認められていることにこたえる内容なのかということなんです。
 私はちょっと具体的に話しますけれども、ことし一番冷害がひどかった青森なんです。五十一年にとった施策のそのときのまとめが出ております。反省も出ておるんです。救農土木事業として五十一年は三種類大きくやられておりますよね。一つは、いまやっているような既決の公共予算の問題です。これは青森県の場合には八十億九千五十一万五千円、実績です。雇用延べ人員が四万三百二十人なんです。当初計画雇用人員の三八%です。そしてその中での賃金部分というのは全予算の中のわずか二・一%です。それから、五十一年は追加公共をやっています。今回は追加公共もやらぬというわけですが、追加公共の方は事業費で実績二十一億七千九百二十三万三千円です。延べ人員が五万九千三百七十一人で、いわゆる既決公共よりも人員は多くなっております。そのパーセントは四八%です、当初の計画人数に対してです。賃金部分はといえば一一%になります。県単事業で起こしているものは、これは事業費が三億四千万ですけれども、雇用延べ人員は五万三千七百五十四人なんですね。そして、これは当初の計画をはるかに上回って一四二%も雇用されている。で、賃金部分はといえば、全事業費の中の六四・七%なんです。こうして見ていきますと、ことし予算に組んでいるいわゆる既公共、既決公共というのは一番評判が悪い、一番問題なんです。一番いいのが、県単の補助事業で組まれたのが一番喜ばれているんです。だから、そういう類のものをという声が大きいわけなんです。私はこの話を後でまた聞きますけれども、その前に、とすれば、政府は起債で見るだとか何かとおっしゃると思うんですけれども、あるいは特交で見るとかということになると思うんですが、その特交の問題でこれがまたくせ者なんですね。いろいろいろいろ聞いて歩いたら、皆さんこのことについてもずいぶん御希望が多いんです。だから、自治省にお尋ねしたいんですけれども、時間の関係で三点にまとめちゃいますので、よろしく。
 ことし五十五年度の予算の中で、地方自治体に行く一般交付金、特別交付金含めてこれは八兆円だと聞いておりますが、うちその特別交付金というのは、特交分六%、これは四千八百四十七億円になりますね。これをたとえば五十一年の冷害のときと同じように計算して、あのときは特交の配分は県分で五十億、それから市町村分で五十六億で、合わせて百六億だったと思うんですが、これを今回の被害額五千六百七十九億でもってその特交を配分した場合に、およそ私の試算ではせいぜい二百五十億円程度になるのじゃなかろうかと、こう思うんですか、金額がどうかというのが一点。
 それから、冷害分の配分を手厚くするということを考えられないか。
 それから三つ目に、特交全体の枠が六%といって決められている。その特交をいろんなことでポイントで落としていくわけですから、冷害部分だからといって特別に総額がふえないので、総額全体をふやすことを検討できないだろうか。
 この三点まとめてお聞きしたいと思います。
#188
○説明員(池ノ内祐司君) 第一の試算でございますが、ただいま先生がおっしゃいましたものは補正係数を含めてのお話じゃないかと思います。現在私どもが把握しておりますのは九月十五日現在の被害額、これが五千六百七十九億円、これは農林省の調査でございます。それに一・五%掛けまして、県市町村分合わせますと約百七十億円ということになります。これは前提といたしましては、現在、被害の程度によります補正係数、これは団体ごとに違っておりますので、これは把握しておりませんので、仮に五十四年度と同様の方法で補正係数を除きまして試算いたしますと約百七十億円と、こういうことになります。
 それから二番目に増額配分ということでございますけれども、御案内のように、先ほどお話ございましたように、ことしの特交総額は四千八百四十七億、約四千八百億円でございます。これを前年度と比べますと、五%の伸びということで非常に窮屈な状態にございます。したがいまして、これは仮に冷害対策だけに全部使うというわけにはまいりませんので、十分な対応というのは非常に困難でございますけれども、個々の団体の財政状況なりあるいは被害状況に応じましてできるだけ配慮はしてまいりたいと、かように考えております。
 それから三番目でございますが、特交総額を増額したらどうかという御提案でございますが、交付税率を改正していただきますと大変私どもありがたいことでございますけれども、現在そういうような状況でもございませんので、現在の総額の枠内でできるだけ対処してまいりたいと、かように考えております。
#189
○下田京子君 大臣、いまお聞きのとおりなんですね。それからまたさっき私が話したとおりですと、もう各自治体から皆さん特交の話やらいろいろ出てくるんですが、私の試算よりもっと低くて、百七十億のその枠をどこへどう配分するかという話なんで、これは大変だと思いますよ。とすると、私は具体的に大臣にこれはお願いしたい点なんです。ぜひ検討していただきたいんです。つまり、いろんな制度的なことで五十一年度のでも運用上や考え方でやれないだろうかという点です。救農事業の具体的な中身で、一つは国有林野特別会計の事業枠をふやしてもらいたい。ことしは約十億ほど、さらに二億ぐらいなんてお話も聞いておりますが、各地を回っておりますと、国有林を抱えているところはとてもこの希望が、多いし評判がいいんですね。これが一つ。
 それから二つ目には、県単で実施する、さっきの青森県の実績を見まして評判がよかった、ああいうものを、たとえばいままでの事業でも国の補助事業として地域特別対策事業だとか、転作促進特別事業だとかというのがございますね。とすれば、冷害対策緊急特別事業みたいなものを起こして、補助事業というかっこうでいわゆる県単で組んだようなものにつけていくことを考えられないだろうか。
 それから三番目には、これは早くやりたいというのと同時に、やっぱり本当に実効あるものをという点では、青森県の例でもわかるように、追加公共ということも考えてもらえないか。こういう三つの具体的な提起をしておきたいと思います。ぜひ検討してもらいたい、どうかという点。
 それからもう一つ、救農事業を起こすときにいろいろ労賃部分の割合を大きくと御指示されているようですけれども、この際にぜひ押さえていただきたいのは、いわゆる三省協定で決められている賃金という問題です。この大きく言って二つを押さえて、ひとつ新たに救農事業問題を考えていただきたい、検討いただきたい。これは政治的なことですから、大臣に、一つ一つの事業をどうするかという御答弁じゃなくて、総合してどうかという点でお聞かせください。
#190
○国務大臣(亀岡高夫君) いま御指摘のあったような問題、私どももずいぶん検討いたしたわけでございます。その結果として、先ほど来申し上げておりますとおり、実は早急なる実施というものを事務当局に私は命じておると、こういうことでございますから御理解をいただきたい。
#191
○下田京子君 早期実施でなくて、私は別の問題として提起していますから、それも含めて御検討いただきたい。それから、特に賃金部分については具体的な指導をいただけるかどうか、これは簡単に御答弁ください。簡単で結構でございます。
#192
○政府委員(杉山克己君) いま契約制度は総価主義といいますか、全体としての見積もりがどうかということで、一番低いものが落札できるということになっておるわけでございまして……
#193
○下田京子君 簡単でいいです、時間がないですから。
#194
○政府委員(杉山克己君) その意味からしますというと、労務費は積算の内訳としてはございますが、これを業者に強制するというようなわけにはなかなかまいらないわけでございます。ただ、公共事業の執行に当たりましては、特に今回の冷害の事情も考えて、そういう農家の就労に資するようにということで一般的な指示をいたしております。そういう中で、会議等を通じて、できるだけ労賃等についても確保が図られるようにということは指導してまいりたいと考えております。
#195
○下田京子君 よろしくお願いします。
 次に、共済の問題なんですけれども、これは細かいことじゃなくて、特例のことで、先ほど縦目の話で一・七ミリを一・八ミリということを考慮するということなんですが、これはぜひ検討いただける方向でやっていただきたい。
 それからもう一つは、これは大臣御存じだと思うんですが、福島県の鹿島町のあれで、加工トマトのことなんです。これは各地で出てきたのですが、畑作の補償問題というか、災害補償というのはまだまだ確立されておりません。特に加工トマトのこの鹿島の場合ですと、十八ヘクタール栽培しておりまして、百七十五万トンが減収し、約六百万円が被害で出ているのですね。だから、これは農家と自治体と国とお互いに考えられないかということをひとつ検討いただけるかどうか、いま即答でなくても、検討いただけるかどうか。
#196
○政府委員(森実孝郎君) 検討はさせていただきますが、当面はやはり共済の問題を前向きに取り組むことであろうと思っております。
#197
○下田京子君 次に、生活問題全体なんですけれども、自治省。特に国民健康保険料の減免問題あるいは地方税の減免問題です。これは農水大臣は通達をお出しになっておりますけれども、それを受けて具体的に聞きましたところが、地方税の場合には、災害被害者に対する地方税の減免措置というのがございますし、国保の場合には、災害による国民健康保険料の減免に伴う特別調整交付金の算定基準というものがあると思うんですが、この基準が四十九年に決められたままなんですね。これではとても救えないというお話なんです。どういうふうに救えないかということで実際を調べてみました。お話し申し上げますが、これは岩手県もそうなんですけれども、具体的な話は山形県の白鷹町というところなんです。いわゆる五十一年のときの実情で調べますと、百二十万以下で該当するのが一千九百九十九世帯ですね。今回調べてみましたら、今回は一千四百一世帯なんです。それから、百六十万以下の場合で見ますと二千四百九十七世帯、当時は。今回は二千八十五世帯なんです。かなり下がっちゃっているんです。で、農家所得、農業所得の方はどうかといえば、それぞれ一二〇%、一五〇%上がっているわけですね。とすれば、一つは基準の改定ができないものだろうか。もう一つは、国保の言ってみればその基準に基づいて減免した市町村に対しては十分の八ですね。十分の八以内でというふうに書かれていると思うんです、一定の基準以上を満たせば。十分の八以内ではなくて、つまり十分の五とか十分の四とかとなると心配ですから、十分の八いっぱい、いわゆる減免をした市町村で基準をきちんと満たしているところについては、それだけ保障されないかということなんです。
#198
○説明員(浅野大三郎君) 住民税の減税の基準の問題でございますけれども、御承知かと思いますが、全体的に所得四百万円以下という枠がございまして、さらに被害の程度によりまして減免の割合を変えるという考え方をとっております。この四百万円に対して大体三割になりますが、百二十万以下というのが全部減免と、こういうことで基準ができておるわけでございます。
 そこで、この四百万円という金額がもとの枠になるわけでございますが、これで見ますと、現実に農業所得の――農業所得てございますから申し上げるまでもございませんが、粗収入から経費を引いたものでございますが、それがもう九八%ぐらいその四百万円の中に入ってしまうというわけでございます。ですから、それの三割という線でございますから、これが低過ぎるということにはならないのではないか。そういうことで、現在のところ基準を変える考えはないということでございます。
 それから、国民健康保険の問題は、実はこれ厚生省所管でございますので……。
#199
○下田京子君 そうです。厚生省、いまのことでお答えいただきたいと思います。
#200
○説明員(古川貞二郎君) 二つございまして、一つは減免の基準でございますけれども、国民健康保険における減免の基準は、住民税の減免を参考にして決めてございますので、十分自治省の住民税の基準の見直しと関係して私どもも検討してまいりたいと、かように考えます。
 それから、特別調整交付金の十分の八ですけれども、国民健康保険の調整交付金については、昭和五十五年度分につきましては明年の二月に、各市町村から県を通じましての申請を待って検討すると、こういうことになるわけでございまして、最終的にはその時点で判断することになりますけれども、これまでの経過から見ますと、冷害等については十分の八いっぱいを交付いたしてございますので、今回の冷害の実情にもかんがみまして、私ども過去のことも考え十分対処してまいりたいと、かように考えております。
#201
○下田京子君 もう時間になっちゃって、郵政省と文部省、おいでいただいているんですが、これはもう後の機会に譲るということにさせてもらうしかないと思うんです。
 最後に、大臣にそれらを含めてお願いしたいことなんですが、いまずっと言ってきたとおりです。
 私が郵政省にお願いしたいと思ったのは、いわゆる出かせぎの電話の設置の問題なんですよ。つまり、ふるさと電話だとか、お正月の電話だとか、いろんな割引制度もございます。そういう点で郵政省と考えてみてくれないかと。
 それから、文部省を呼んでいましたのは、就学援助制度というのがありまして、一定基準になりますと、修学旅行費やそれから給食費やらなんかめんどうを見られる制度があるんです。そういうのを一括で手続したりしてやってもらえないかということなんです。
 出かせぎ問題では、留守家族等のことについても含めて通達は出しているようですけれども、もっときめ細かく血の通ったものをやっていただきたいという点で、最後に、いま自治省、厚生省、文部省、それ相当のところともっと密に連絡をとって対策をしていただきたいという点で最後の御決意をお聞きして終わりたいと思います。
#202
○国務大臣(亀岡高夫君) よくいまの件、事務当局に検討をさせます。
#203
○喜屋武眞榮君 最初に、大臣にお尋ねいたします。
 先般、東北冷害調査に参りまして、特に太陽エネルギーに恵まれ過ぎておる南国沖繩育ちの私からしますというと、よく言われております百聞は一見にしかずとか、あるいは聞きしにまさるという言葉がございますが、まさに東北の冷害の深刻さはショックでございました。驚きでございました。
 それで、結論を先に申し上げますが、いままで多くの方からその救援対策、具体的ないろんな面から要望があったわけでありますが、私も結論的にこの深刻な事実をとらえて、大臣とされて、申し上げるまでもなく、緊急対策そして恒久対策、この二つの面からこれを一刻も早く手を打ってもらわなければいけないと、こう思っておりますが、その二つの面から私再確認いたしたいと思います。
#204
○国務大臣(亀岡高夫君) 御指摘のとおり、誠意をもって全力を挙げて、被災農家の皆さんが来年度の再生産に勇気を持って積極的に取り組むことのできるような環境をつくるための冷害対策の万全を期してまいりたい。あわせて、二回の台風による被災農家につきましても同じ措置を講じていきたいと、こう考えております。
#205
○喜屋武眞榮君 次に、東北では冷害、南の地では鹿児島、沖繩を中心として干ばつと台風の災害があるわけであります。北に冷害、南に台風・干ばつ災害、こういうわけでございまして、実は十一日に東京に戻りましたら、すぐ沖繩が台風進行中であるという情報を受けまして、非常にまたショックを受けたわけでありますが、そういう情勢の中で、私、大臣にまたお尋ねしたいことは、沖繩の第一次産業開発、農水開発の基本姿勢をどのように持っていらっしゃるか、それをお尋ねいたしたいと思います。
#206
○国務大臣(亀岡高夫君) 沖繩はわが国のただ一つの亜熱帯性気候地帯でありまして、やはり日本といたしましては全国的な立場からその特性を生かしていかなければならないと考えておりまして、特に農林水産業の発展が島民の皆さん方から期待をされておるわけでございます。沖繩の発展のために農林水産業の振興というものは大変重要な問題でありますので、私どもといたしましては積極的にその施策を講じてまいりたい。特に、先ほど来のお話にもありましたように、太陽熱に恵まれた沖繩でありますから、これらを有効に利用した冬春の野菜、花卉等の生産の拡大等も今後考えていきたいと思っておりまするし、肉用牛、養豚を中心とする畜産の振興、申し上げるまでもなく、もう何といってもサトウキビあるいはパイナップルといったような日本における唯一の生産地でもございますので、こういう点に大いに力を入れてまいらなければならないと思うわけであります。特に造林、林道等につきましても、やはり育ちが早いという特質も持っておるわけでありますから、これを計画的に整備をしていきたい。さらに、島々が多いわけでありまするし、それぞれの特色を持っておるわけでありますから、これらの特色を生かしまして、漁港、さらには沿岸漁場の整備、開発等を積極的に進めてまいりまして、亜熱帯性の気候を生かした農林水産業の確立を図ってまいりたいと考えております。特に、将来の日本の物価安定という立場から見ましても、沖繩の野菜農業の果たしておりますその立場というものは非常に大きいと。やっぱりこれも積極的に取り組んでいかなければならないなという感じを持っております。
#207
○喜屋武眞榮君 いま具体的に述べていただいたんですが、私が基本姿勢と申しましたのは、日本で亜熱帯地域というのは沖繩県だけでございます。そして、国の施策として技術と資金を注げば年がら年じゅう何でもできるという、こういう特殊性を持っております。ですから、本土でできない寒い時期、こういう時期に、端境期に向けて沖繩で生産をする、こういう考え方に立って、沖繩自体をよくしていただく、結果的にはそうなるわけですが、国民生活、国民食糧の生産基地としての沖繩開発、国土開発の一環として沖繩を重視してもらう。私が基本姿勢と望みたかったのはそういうことでありますが、いかがですか。
#208
○国務大臣(亀岡高夫君) 全く御趣旨のとおりに考えておる次第でございます。亜熱帯唯一の県であると、こういう立場を十分に生かしてまいることが、ひいてはまた全国民のため、沖繩県民のためということでありますので、やはり内地の野菜生産の状況等も十分検討をして調整をいたしまして、摩擦の起こらないような方向で端境期の野菜の基地というふうにしていくべきであるということを実は事務当局にも強く話しておるところでございます。
#209
○喜屋武眞榮君 それでは、先ほど大臣から基幹作目としてのサトウキビ、こういうお話がございましたが、ちょうどそのサトウキビのこれから収穫にかかろうとする大事な時期です。そして、この価格に対する取り決めの直前になっておるわけでありますが、そのサトウキビ価格についてお尋ねいたしたいと思います。
 まず、去年はサトウキビ価格は、たしか十月十七日だったと思うんですが、に決定されました。ところが今年は、ずれて十一月になると、こういうことをお聞きしておりますが、それは事実なのか。また、そうなれば去年は十月、ことしは十一月にずれた、その理由は何なのか、お尋ねいたしたい。
#210
○政府委員(森実孝郎君) サトウキビの価格決定については、十一月に行ってまいりたいと思っております。私ども従来の経験からいたしまして、サトウキビは十月の台風によってかなり影響を受ける側面がございます。できるだけぎりぎりの状況のもとで、よく作柄なりブリックスなりを見きわめて行う方が適切であろうと思います。昨年は、むしろ全体の事情が特殊でございましたので十月に決めさしていただいたというふうに御理解いただきたいと思います。
#211
○喜屋武眞榮君 いまお答えをお聞きしまして、なるほどとこう思ったわけです。台風の被害、こういったことも考慮に入れていただくということも、また、延ばしていただいた理由の中にいわゆるキビ価格決定をするのに有利な条件を見出したいと、こういう御配慮だと私は受けとめておるわけですが、昔から沖繩にはこういう言葉がある。十月に台風がやってきたらその翌年はがしの年だと。がしということは、沖繩ではききんのことを方言ではがしと言うのです。十月台風が来たら翌年はもうがしの年、ききんの年だと。こういうことがずっと台風と沖繩の歴史的なつながりからそう言われておるのです。ですから、ぜひひとつそういうことも十分配慮に入れられて、今度のトン当たりキビ価格の決定については十分考慮に入れて決定していただきたい、こう希望しますが、いかがでしょうか。
#212
○政府委員(森実孝郎君) 台風十九号の被害は現在調査中でございまして、なお来週あたりにならないとまとまらないと思っております。いずれにしましても、災害に対しては有効適切な災害対策が必要と思いますが、糖価決定に当たっても、ブリックスとか歩どまり等はやはり大変台風の影響によってかなり動いてくると思います。私ども、そういった最新のデータによって価格決定の諸元を決めていきたい、このように思っているわけでございます。
#213
○喜屋武眞榮君 それじゃ具体的に尋ねてまいりたいと思いますが、先日の沖繩の農民大会の中で、今度のキビ値は最低トン当たり二万六千円以上、こういう結論を出して、近くその代表が要請に参ると思います。そのことに関連しましてここでお聞きしたいことは、これは例年のことですが、非常に矛盾を感ずることがあるわけです。たとえば五十四年度生産費はトン当たりたしか二万一千七百円だったと記憶しておりますが、ところが五十四年のトン当たり価格は一万九千三百五十円ですね。そうすると、生産費より価格がいつでも低く抑えられておる。それを当然少なくとも生産費を上回るべきである、こう思うんですがね。この矛盾は毎年のようにあるわけなんですね。一体これはどういうわけなのかということなんです。
#214
○政府委員(森実孝郎君) 二つの面があるだろうと思います。もう先生も御案内のように、沖繩のサトウキビ作については剥葉労働という特殊な労働過程にたくさんの時間をかけております。比較的農閑期であって、相当の労働力を投下してそれなりの効果も上げているという見方もありますが、現在のサトウ作の経営のあり方としてこれだけの労働力の投下が要るのかどうかということは前々から議論のある点でございまして、仮にこれを控除して考えますと、非常に沖繩の実はサトウキビのコストは変わってくる。何と申しましても糖度が南西諸島より高いわけでございますので、むしろ割安になってくるというふうな実態もあります。
 そういった点と、もう一つは、やはり非常に大きく生産費が変動する本質を持っておりまして、これを的確に把握することになかなか困難があると思います。こういった点が一つあるということは御理解いただく必要があると思います。
 それから、基本的にはやはり砂糖という商品自体が原料農産物でございまして、やはり国際商品であり、そういった輸入糖と国内糖を一種の調整をしながら行う価格支持の仕組みになっているわけでございまして、そういった価格支持の仕組みから言いまして、いわばコスト主義あるいは生産費・所得補償方式ということをとることにはなかなか問題があるのではないだろうか。また、先ほど申し上げたように、コストの把握自体にいろいろ沖繩のサトウ作については論議すべき点が多いのではないだろうか、このように思っております。
#215
○喜屋武眞榮君 いま、その原因がいわゆる労働力ですね、これにあるということを指摘されましたが、そのとおりだと思います。しかし、沖繩が不必要に労働力をかけておるのじゃなく、やむを得ずそうしなければいかないという理由があるわけなんですね、沖繩の場合。それは何なのか。結局基盤整備の問題や機械力の問題ですね。これが整備されておらないために、どうしても労働時間をよけいかけなければいけないという理由があるわけなんですよ。そのことを十分理解していらっしゃると思うんですが、そこで、基盤整備が北海道あるいは鹿児島と同じ条件になったとするならば、これは一律に論じられていいと思うんですが、沖繩の場合にはこの基盤整備がいわゆる次元が違う。そういうものを同じ物差しを当てた場合にどうしてもかみ合わなくなるんですね。それでお聞きしたいんですが、沖繩の基盤整備の実態はどうなっておりますか。そしてそれを解決するためにどういう計画を持っておられるか、そうしていつまでに本土並みに持っていこうという計画を持っておられるか、それをお聞きしたい。
#216
○政府委員(杉山克己君) 沖繩の畑の整備状況、これは喜屋武先生御指摘のように、国内一般の他の都府県に比べてかなりおくれております。ただ最近では、相当程度回復を見て接近してまいっております。整備状況を具体的に判断する要素は幾つかあると思いますが、その一つは農道の完備の状況であろうかと思います。農道が完備しているものは、たとえば五十年の時点をとってみますと、沖繩は一・七%ということできわめて低く、その当時全国平均一五・二%でございましたから、九分の一程度の整備率だったわけでございます。その後五十五年度末における畑についての整備率は、これはまだ見込みでございますが、二二・一%ということで相当大きく上がってまいっております。全国ももちろんこの段階で上がってまいっておりまして、約三〇・三%というふうに見られております。まだ若干のおくれがあるわけでございます。
 それからいま一つ、整備状況を判断する要素として畑地灌漑の整備率ということがあろうかと思います。これは五十年三月末現在では約二・六%、それから全国がその段階では約三・三%ということで、相当程度おくれを見ておったわけでございます。今日の最新時点の資料はございませんが、やはり格差はある程度残っているというふうに考えております。
 そこで、これをどういうふうに解消していくのかということでございますが、沖繩のおくれている状況を回復するために、従来から、沖繩の国営事業なり補助事業なりの採択条件あるいは補助率といったものについては、特別の優遇措置を講じて強力な推進を図るということにいたしてまいったわけでございます。
 それから予算額につきましても、これは根っこの数字が低いから伸び率が大きいのは当然だという御指摘もあるいはあるかもしれませんが、たとえばここ五年の推移を見てみますというと、昭和五十年には四十一億七千二百万円だったものが、五十五年では百九十五億六千三百万円、まあ五倍まではいっておりませんが、五倍弱と、かなり大きく一般の基盤整備の伸びに比べて飛躍的に伸びているわけでございます。そういう百九十五億というような本年度、五十五年度の予算の中で、国営事業としても現在二カ所、宮良川の地区の農業水利事業でありますとか、名蔵川の地区の全体実施設計の促進を図っておるところでございます。
 それから補助事業としては、灌漑排水事業、圃場整備事業、畑地帯総合土地改良事業、農道整備事業、こういったものを中心に、県営、団体営、それから農用地開発公団営、それぞれ多数地区について事業の推進を図っているところでございます。
 今後何年計画でということでございますが、現在、また国の全体の農産物の需給の見通しあるいは全体の土地改良長期計画についても検討を進めているところでございます。それらとの関連において、今後できるだけ早く沖繩の整備水準を一般の都府県並みに近づけていくということに努力してまいりたいと考えております。
#217
○喜屋武眞榮君 繰り返すようでありますが、やっぱり基盤整備のおくれということがいろいろの面に影響しておることは申し上げるまでもありませんね。ですから、土台を早く共通の広場にしてもらって、本土並みにしてもらって、その上で論じていただくならばお話はわかりますけれども、この基盤は抜きにして現象面だけを、こういうことになりまするというと、どうしてもそこから無理がくる、ちぐはぐがきますね。私よく、基盤整備のおくれをもう二十年おくれておる、二十五年おくれておるということをいまも言いましたが、繰り返すようでありますが、五十年の統計では沖繩が一・七。よく類似県との比較で、鹿児島が一七・五、鳥取が一七、島根が七・七、全国平均が一五・二でしょう。これは事実がもう示しておるんですからね。言葉の問題じゃない、事実が、数字が示しておるんですから。これを早く本土並みに持っていってもらうためには、これはもう本当に加速度的な物差しを当ててもらわぬというと追っつかない。こういうわけですから、ひとつ一段と馬力をかけてくださいますよう。これは何も沖繩だけという意味じゃありません。早く本土並みにしていただく、これが復帰の条件ですからね。本土並みになったら、無理な要求じゃないかと、こう言われてもこれは仕方がないと思うんです。こんなに格差があるんですよ、いま。
 それで関連。一つは生産奨励費の問題。去年は千百円の織り込みでしたが、この生産奨励費を基本価格にどうしても織り込んでもらいたいという強い要望がありますが、いかがでしょうかね。
#218
○政府委員(森実孝郎君) まあ奨励金自体は、御案内のように農家所得の一部を形成している側面もございますが、やはり収益性とか作付面積の動向に応じて支出しているという臨時的な側面もございます。私ども、本年度の価格についてはやはり十一月ごろ決定したいと思っております。その際は、パリティ指数を基準として収益の動向なり他作物とのバランス等も考え、まあ厳しい財政事情のもとでございますが、できるだけ努力したいと思っております。その際、奨励金の問題もあわせて総合的に判断いたしたいと思いますが、先ほど申し上げたような事情にあることは御理解いただきたいと思うわけでございます。
#219
○喜屋武眞榮君 御理解いただきたいとおっしゃることは、まあがまんしてくれということにもなりますが、十分理解いたしてその上に立って要望しておるんですから、さらにこちらの主張も理解していただきたい、こういうことを私は申し上げるわけなんです。
 次に、もう一つの問題は、サトウキビの品種と普及の問題ですね。これは耐台風性の問題や病害虫あるいはブリックスの問題 いろんな面から、沖繩の気候風土に適する品種改良ということが非常に重視されておるわけなんです。その品種改良と普及の現状、これはどうなっておりますか。
#220
○政府委員(二瓶博君) サトウキビの品種改良でございますけれども、これは九州農業試験場温暖地(作物)研究室とそれから沖繩県の農業試験場、沖繩県農業試験場の宮古支場、それから鹿児島県農業試験場徳之島糖業支場というところにおいて品種改良の試験研究をやっておるわけでございます。
 それから普及の方でございますけれども、奨励品種に決定をいたしました品種の普及を図っていくという観点から、鹿児島県とそれから沖繩県と両方に、さとうきび原原種農場という国立のものを置いておりまして、原原種苗の増殖、配布、これを行っているわけでございます。この配布された原原種苗、これは原種圃、さらに採種圃ということで再増殖をされましてサトウキビ生産農家の手元に参るわけでございます。そして、健全無病な優良種苗というものが植えつけられるようにということで考えておりまして、この面に対する助成等も国の方で手当てをしておるということでやっておるわけでございます。
#221
○喜屋武眞榮君 この原原種農場の使命というのは、非常に農民の立場から期待しております。それで、早く農民に配布してもらう、そういうタイミングを早く実現してもらわぬというと、いつまでも試験、試験ではいけない。こういうことなんです。これはすぐ配布の段階に来ておるのか。あるいはいつごろから配布できるのか。そういった見通しもついておりますかね。
#222
○政府委員(二瓶博君) 沖繩にございますサトウキビ原原種農場、これは設置法上こういう原原種農場というものができたわけでございますが、具体的にこの原原種苗の配布というものにつきましては、現在この施設の整備、圃場の整備等も行っておるわけでございますが、五十六年度には一部原原種苗の配布というところまでこぎつけ得るように現在進めておるところでございます。
#223
○喜屋武眞榮君 時間になりましたので最後に――いまの件はこれはぜひひとつ皆期待しておりますから、早く実施に移してもらいたい。よろしくお願いします。
 次には、電力の値上げと沖繩の農業開発の問題。これは非常に企業面からも幅広い大きな直撃を与えておりますが、ここでは農業開発と電力問題。年二回値上げされておるということなんですね。二月一日が四二・四%。先日の十月八日が一九・一八%。これも農業振興に重大な影響を与えておるということなんです、物価を直撃しておることはもちろんでありますが。具体的に申し上げますと、たとえばビニールハウスあるいはスプリンクラーの菊栽培、こういった特殊栽培が盛んにいま広がりつつある。盛り上がりつつある。ところが、この電力値上げで非常に困って、その農業振興にブレーキをかけておる。こういうことで、結論は、農業用電力料金をぜひ考慮してほしい、こう私も思うし、また直接農業従事者もこれを強く要望しておる。これが第一点。これは資源エネルギー庁、見えておりますかな。
 それからもう一点は、マツクイムシの被害が非常に蔓延しております、マツクイムシ。そこで、特に沖繩の特殊ケースとして、基地の中と外の問題。これは地籍の問題の場合にも、基地の外は開発庁、中は防衛施設庁という、同じ土地であっても、金網を隔てて内と外の責任の所在が別なんです。このマツクイムシも基地の中から始まったようにも聞いておりますし、また非常に猛威をふるっておる。で、基地の中の防除対策はどこがやるのか、どのようにやるのか。予算はどうなるのか。基地の外はどのようにやっておられるか。この二点をお聞きしまして、時間になりますので、私の質問を終わります。
#224
○国務大臣(亀岡高夫君) マツクイムシの点につきましては、これはもう沖繩のみならず、内地でもその勢いいまだ収束いたしておりません。非常なしょうけつをきわめておるということで、国会の方で法律もつくっていただいておるわけでございます。したがいまして、米軍基地に関する面は防衛施設庁とよく打ち合わせをいたしまして、これは何といっても駆除をいたしませんと非常に繁殖するわけでございますから、直ちに処置をとるようにいたさせます。また、基地外のマツクイムシにつきましては、林野庁を通じまして強力なる防除体制をとらせるように手配をいたさせたいと思います。
 マツクイムシのお話が出たわけでありますけれども、本当にこれはもう大変なしょうけつをきわめるわけでありまして、松の木が一本もなくなるんじゃないかという錯覚にさえ陥るわけでございます。林野庁といたしましても、いろいろ検討いたしておりまして、最近マツクイムシに非常に強い品種に実は成功しておるということで、何と申しますか、その松の増殖といいますか、そういう方面に今後やっぱり配慮していきたい。マツクイムシの松の木がいっぱいある中で全然枯れないで残っておるような松の木をいろいろと集めまして、採種をいたしましてそれをかけ合わせたり、いろいろなことを試験場でずうっとやってきておりまして、最近、そういう非常にマツクイムシに強い品種ができたということで、そういう品種の奨励という問題ともあわせて対策を講じていきたいと考えております。
#225
○喜屋武眞榮君 基地内ですがね。基地内は米軍の手で米軍の予算でやるべきだと思うんですが、それはどうなっておりますか。
 それから電力の問題について。
#226
○説明員(黒川忠雄君) 米軍基地内のマツクイムシの駆除につきましては、当該地の管理責任者であります米軍によって自主的に行われることが妥当と考えられます。外務省及び防衛施設庁の協力を求めまして、その結果、五十年度以降米軍により駆除が行われてきております。五十四年度の被害に対しては約千本の被害木の伐採と駆除が行われておりまして、五十五年度の被害についても引き続き米軍による駆除が行われるよう、沖繩県が那覇防衛施設局に協力を求めているところであります。適当な駆除が行われるよう、林野庁といたしましても今後一層関係省庁等との連絡を密にしてまいりたいと思っております。
 なお、予算につきましては、これは米軍の予算でありまして詳細についてはちょっと承知しておりませんが、やるということについて協議いたしております。
#227
○説明員(大瀧郁也君) 沖繩の基地内のマツクイムシの防除につきましては、五十年以降、先ほどお話にありましたように米軍によって自主的に伐採して防除すると、そういう方法をとっております。今年度の問題につきましても、九月の末に農林水産省並びに県当局から要請かございました。それに応じまして、十月の六日に米軍、県当局並びに防衛施設庁、その関係者が集まりまして、県当局の指導に沿った防除ができるように強く米軍に要請いたし、米軍もそれを理解いたしまして指示のとおりに措置するべくいま努力しております。そういう次第でございますが、ただし、予算の点等、ちょっと対象の本数が多いので悩みもあるようでございますけれども、予定どおり伐採できるように、私どもも今後米軍に対して強く要請をしていくと、こういうふうに措置していきたいと思っております。
#228
○説明員(堀田俊彦君) 沖繩電力の問題についてお答え申し上げます。
 沖繩電力は、この八月四日でございますが、第二次オイルショックの影響をまともに受けまして、本年二回目の料金改定の申請に至らざるを得ないという状況になったわけでございますが、今回の改定につきましては、沖繩県民のみでなく、本土側の沖繩県に関心を持つ各方面からいろいろな御意見をいただきました。私どもとしましては、電気事業法に基づく諸手続を経まして、経済企画庁とも相談の上、申請三七・二二%のところ、ほぼ半分の一九・一八%ということで、この九月二十七日認可をしたわけでございます。
 沖繩電力の供給規程の中にあります農事用電力の問題でございますが、基本的には、先生御承知のとおり、電気料金というのは原価主義と公平の原則ということで設定をいたしておりますので、ある特定の需要家のために政策的な配慮をするというようなことは原則としてできないわけでございますが、一般に私どもは沖繩電力の料金改定率を経営努力の極限まで求めるという形で切り下げるということで、全体の需用家に与える影響を最も小さくしたと考えております。
 結果といたしまして、農事用電力の今回の改定率は、全体が一九・一八%でございましたけれども、一三・五六%ということにとどまっておりまして、その点から申しますと、農事用電力の需要家に与える影響はその分だけ一般よりも小さかったと言えると考えております。
#229
○委員長(井上吉夫君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#230
○委員長(井上吉夫君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。
 先般、閉会中当委員会が行いました農林水産政策に関する調査のための委員派遣については、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#231
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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