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#1
第093回国会 社会労働委員会 第3号
昭和五十五年十月二十八日(火曜日)
   午前十時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     前島英三郎君     江田 五月君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         片山 甚市君
    理 事
                遠藤 政夫君
                佐々木 満君
                高杉 廸忠君
                小平 芳平君
    委 員
                斎藤 十朗君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                福島 茂夫君
                丸茂 重貞君
                村上 正邦君
                村田 秀三君
                安恒 良一君
                渡部 通子君
                沓脱タケ子君
                柄谷 道一君
                江田 五月君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  園田  直君
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
       労 働 大 臣  藤尾 正行君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       宮澤 喜一君
   政府委員
       大蔵省理財局次
       長        宮本 保孝君
       厚生大臣官房長  吉村  仁君
       厚生省公衆衛生
       局長       大谷 藤郎君
       厚生省医務局長  田中 明夫君
       厚生省社会局長  山下 眞臣君
       厚生省児童家庭
       局長       金田 一郎君
       厚生省保険局長  大和田 潔君
       厚生省年金局長  松田  正君
       社会保険庁年金
       保険部長     新津 博典君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       安原  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する
 法律案(内閣提出)
○厚生年金保険法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○優生保護法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○社会保障制度等に関する調査
 (国立療養所長島愛生園等の所在する離島長島
 と本土間の架橋にかかわる問題に関する決議の
 件)
○公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定
 に基づき、国会の議決を求めるの件(鉄道労働
 組合関係)(第九十二回国会内閣提出、第九十
 三回国会衆議院送付)
○公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定
 に基づき、国会の議決を求めるの件(国鉄労働
 組合関係)(第九十二回国会内閣提出、第九十
 三回国会衆議院送付)
○公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定
 に基づき、国会の議決を求めるの件(国鉄動力
 車労働組合関係)(第九十二回国会内閣提出、
 第九十三回国会衆議院送付)
○公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定
 に基づき、国会の議決を求めるの件(全国鉄施
 設労働組合関係)(第九十二回国会内閣提出、
 第九十三回国会衆議院送付)
○公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定
 に基づき、国会の議決を求めるの件(全国鉄動
 力車労働組合連合会関係)(第九十二回国会内
 閣提出、第九十三回国会衆議院送付)
○公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定
 に基づき、国会の議決を求めるの件(国鉄千葉
 動力車労働組合関係)(第九十二回国会内閣提
 出、第九十三回国会衆議院送付)
○公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定
 に基づき、国会の議決を求めるの件(全逓信労
 働組合関係)(第九十二回国会内閣提出、第九
 十三回国会衆議院送付)
○公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定
 に基づき、国会の議決を求めるの件(全日本郵
 政労働組合関係)(第九十二回国会内閣提出、
 第九十三回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十七日、前島英三郎君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(片山甚市君) こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案及び厚生年金保険法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 両案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○安恒良一君 まず、私はこの厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について質問をしたいと思いますが、第九十一国会では、衆議院におきまして政府・自民党が健康保険法の改正案と絡ませたために、すでに中身についてはかなりの議論がされておったのに成立することができなかった点を、大変私はこの点について残念に思っています。今日多くの年金受給者が本法案の通過を一日千秋の思いで待っていますので、この参議院におきましては今回が初めての審議でありますが、私は、すでに衆議院で、前九十一国会において、社労委員会においてわが党の大原委員を初め各野党の議員からいろいろ質問がされておりますから、これとはタブらないような形で、しかも御承知のように、今国会におきまして、衆議院におきまして私どもが修正を望んでおりました三つの大きい修正点が修正されて本委員会に上程をされておりますので、それらを除外をいたしまして、以下の点について若干の質問を行いたいと思います。
 まず一つは、厚生年金のモデル年金のつくり方について私は少し疑問を持っておりますから、そのことについてお聞きをしたいと思いますが、今回の改正のモデルケースは被保険者期間三十年、平均標準報酬月額十九万八千五百円、これは妻の加算を含んでおります。そして、本年六月から新たに老齢年金を受ける者の標準的な年金額を月額約十三万六千円に引き上げることになっております。
 そこで質問をしたいのは、被保険者期間がだんだん長くなってくるのは確かであります。しかし、私はどうも少し長く取り過ぎているのではないだろうかという考えがします。というのは、四十八年改正は二十七年、五十一年改正は二十八年、五十五年改正は、今回は三十年と、こういうことであります。
 そこでお聞きしたいのですが、最近の、私の手元には昭和五十四年九月の新規裁定者しかありませんが、最近の新規裁定者の中で三十年に満たない人員はどのくらいか、比率はどうなっているのか。それから受給権者全部で言えばどのくらいの人が三十年に満たないのか、その比率はどうなっているのか。私は昭和五十四年九月末の受給者で私どもは計算しておりますが、恐らく厚生省はその後も計算をされていると思いますから、その点についてまずお聞かせを願いたいと思います。
#5
○政府委員(新津博典君) ただいまの御質問の件でございますが、恐縮ですが私の手元にありますのが五十四年九月の数字でございまして、いまのお話で先生すでに御承知と思いますが、五十四年九月での新規裁定者で三十年未満の方が五七・七%、それからそのとき現在ですでに裁定を受けた者全体で見ますと、三十年未満が七七・一%という数字でございます。
#6
○安恒良一君 それならば、私が持っている資料と同じ時点しか新規裁定者がない。
 そこで、大臣ひとつお考え願いたいのですが、五十四年九月新規裁定者でも三十年に満たない人というのが五七・七、約五八%あるわけですね。それから、現在までもらっている人全部では七七・一%が満たないわけですから、わずか二二%ちょっとが満つと。こういうようなところでモデルをとる、モデルというものは少なくとも中枢値でモデルをつくるべきだというふうに私は思いますが。
 それからいま一つ、時間の関係もありますから続いて、それと同時に少なくとも前回比較ができるように、二十八年であるならばこうなるんだと、二十八年でとれば。前回は二十八年でとっていますから。そういうことを私は並記をして、国民にもわかりやすくしなきゃならぬと思いますが、以上の二点について。
 実態はいま私と保険部長のやりとりの中で御理解いただいたと思いますから、私は少なくともやはり新規裁定受給者が、過去の人はなかなか無理でありますが、新規裁定者がやっぱり半分、五〇%のところで年数をとるのがモデル年金だと思うんですね。ところが、いま言ったように、新規裁定者で五七・七ですから、それが三十年満たないんですから。私はこういうことで何となく国民に年金の標準、モデル年金が高いという錯覚を起こしてはいけないと思うんです。実態をやっぱり正確につかんで、国民に年金の実情と改正点を示した方がいいと思いますが、この点についての大臣のお考えを承りたい。
#7
○政府委員(松田正君) ただいまモデル年金の計算方法についてのお尋ねでございますが、今回モデル年金で三十年という期間を計算をいたしましたのは、先生も御承知のように、四十八年当時の考え方をそのまま踏襲をいたしまして計算をいたしたわけでございます。つまり、改正後新たに老齢年金を受けることになる二十年以上の加入期間を有する男子の平均の加入期間を三十年というふうに推定をいたしたわけでございます。確かにおっしゃいますように、中位をとるとかあるいは二十年というような単位でモデル年金を設定すべきではないかと、こういう御意見があろうかと思いますが、今回計算をいたしましたのは、在来の手段を踏襲した結果でございます。したがいまして、モデルのつくり方につきましては、御提案の趣旨もございますので、なお今後検討をいたしてまいりたいと存じておりますけれども、単純に今回計算をいたしました三十年を二十八年に置きかえますと、夫婦で十二万七千九百八十円と、こういう結果に相なろうかと思います。
#8
○国務大臣(園田直君) 御指摘の年金の問題で、国民の方が理解、納得されることはきわめて重要でありますから、御意見を十分承って、今後注意をいたします。
#9
○安恒良一君 それではぜひ大臣、私はいろいろモデルのつくり方はあると思いますが、少なくとも中央位でモデルをつくることが、いわゆる新しく裁定されたらそのうちの五〇%の人はやはり該当するということで初めて私はモデルだと思いますから、この次からの改正には十分こういう私どもの意見も御参考にしていただいてやっていただきたい。
 そこでもう一つ、モデルのつくり方でこれも時間がありませんから、時間があれば少し数字的にいろいろ言いたいんですが、平均標準報酬月額のモデルのとり方についてでありますが、今回いろいろ計算値を出されていること私全部知っていますが、とてもこれをやりとりする時間がありません。そこで、結論だけちょっと申し上げてこれも今後の標準報酬の出し方について御注意を願いたいと思うんですが、御承知のように日本の賃金は年功序列型賃金でありますから、いままでのケースで考えますと、大体五十五歳退職からは賃金が三割から五割安くなるわけですね。ですから私は、厚生年金のモデルというのは日本の賃金労働者の賃金構造と同じように実態に合ってつくらなきゃならぬと。ところが、時間がありませんから細かく申し上げられませんが、今回の標準報酬のとり方は十九万八千五百円となっておりますが、前回の十三万六千四百円から四五・五三%の上昇になっていまして、評価率を一ないし一・四二を加重平均いたしますと一・三六三四となるんです。その分を除去いたしますと六・四%の上昇でありまして、これが二十八年と三十年の差によるアップを考えなくてはなりませんし、五十四年九月の新規裁定者で見ますと二十五年から二十九年の平均と三十年から三十四年の平均でわずか九・四四%しかアップせず、二年分に案分をしますと一・八九%にしかなりません。ですから、どうも最初から高い水準の標準報酬をずっととらえられている。退職時はもう高い数値になっています。これはいまここで細かく数字を挙げてやりとりするのは時間がありませんし、中間は私の方で計算してみますと、やや低いと思われるのです、修正をずっとかけていかれていますから。ですから、私はこのことについて時間がございませんので、やはり標準報酬の月額のとり方にしましても、少なくとも労働省には日本のいわゆるこの賃金労働者の賃金構造の実態調査があるわけですから、そのことをやはりある程度勘案をしてやってもらわないと、単純に修正値をずっと掛けていって出すと実際の日本の労働者の賃金構造とは違ったことになっているわけですね。特に、御承知のようにある一定の年齢まで上がりましてそれから横に行く、そして最後は五十五歳からは賃金がダウンする、これが日本の労働者の現在の、いい悪いは別にいたしましても賃金構造になっていますが、それが大臣、この標準報酬のとり方には反映されてないんです。ですから、私はやはりできるだけ、これから年金問題というのは非常に国民のニーズ、切実な関心を持ちますから、私はできるだけ正確に標準報酬なんかもきちっと出していくということをしないと問題があると思いますし、私は持ち時間が制限されていますからここで数字のやりとりはできません。異論があるなら後で私の部屋に来ていただければ、企画局長でも数理課長でも論争したいと思いますけれど、そういういまも大臣に申し上げましたいま少しやはりこの標準報酬のとり方等は実態に合わせてきちっと算定をしていく、そしてモデル年金を、少なくともモデル年金というのは新規裁定者の五割はそれにおいて適用される、こういうふうに次回の改正からひとつ御検討願いたいと思いますが、いかがですか。
#10
○政府委員(松田正君) 御指摘の点につきましては、先ほど大臣から申し上げましたようにわかりやすいモデル年金、こういうものについて検討をいたしたいと考えております。モデルのとり方につきましては、いろいろ御意見があろうかと思いますが、今回は標準報酬につきましては十九万八千五百円ということで算定をいたしておりますけれども、どういうモデルをつくるかによってそれぞれ若干の相違が出てこようかと思います。先ほど申し上げましたように、そういった点も含めて今後検討してまいりたいと考えます。
#11
○安恒良一君 それでは十分に次回の改正から御検討をお願いをしたいということを申し上げて次に参ります。
 次は、物価上昇に伴う年金のスライド制と加給年金の関係についてお聞きをいたしますが、今回配偶者の加給年金、それから遺族年金の中のいわゆる有子の寡婦及び高齢者の寡婦に加給年金がかなり大幅に引き上げられました。そのことについて私は評価をいたしているわけでありますが、時間がありませんから中身を細かく一つ一つ申し上げられませんが、問題は、厚生年金は御承知のように物価上昇が年間にありますとこれはスライドすると。たとえば去年の改正なんかは実は三%ちょっとでありましたが、それでも修正をいたしました。ところが、厚生年金というのは御承知のように一応五年ごとの再計算と、こういうことになっている。今回は四年目でありますが、あえて大改革をやったわけであります。そういう状況からまいりますと、せっかく今回加給年金をいろいろされたのが、本体の方は物価上昇があるとスライドする。たとえばことしの場合、政府は六・四%以内に抑えたいとこう言っておられますが、なかなかむずかしい状況ですね。いまのところ七、八%。そうしますと、来年度どうしても物価上昇分のスライドは厚生年金も国民年金もやらざるを得ない、こういうことになります。ところがこれでいきますと、加給の分はそのままに据え置かれる。そういうことが五年間も積もりますと非常に加給部面のウエートが低くなります。というのは、これは厚生大臣御承知のように、遺族年金につきまして現在の五割を私たちは七割に上げろ、そして齋藤邦吉厚生大臣との間には、当時院外の国民春闘の皆さん方と齋藤厚生大臣との間に七割に上げる――私たちは八割でありましたが、そういう約束があるわけです。それに基づいて今回は五割を七割に上げるよりも加給年金という形において、一応厚生省の説明によりますと、このような有子の寡婦とか高齢の寡婦は七割近くなる、こういう説明を聞いているわけです。ところが、せっかくこの時点では七割近くなっておっても、スライドがありませんとその七割がまた六割や五割に逆戻りしていく。ところが、事実上加給金という形で――ですから私はこの加給金とスライド、厚生年金法に基づく物価上昇に伴うスライド、これをどうするのかということについての考え方を聞かしてください。
#12
○政府委員(松田正君) 基本年金につきましては、これは御承知のように毎年物価スライドと、こういうことで改定を進めているところでございます。
 加給金それから寡婦の加算につきましては、従来ともスライドをいたしておらないわけでございます。加給金につきましては、御承知のように被用者の妻に対する年金保障のあり方あるいは児童手当等のそういったような児童に対する手当問題、こういったことを考慮しながら適宜改善をしていくという方向が現在では望ましいというふうに私たちは判断をいたしておるわけでございます。また、寡婦年金の寡婦加算につきましても、従来問題になっております被用者の妻の年金のあり方、こういったものとの関連をも考慮しながら決定しなければならないという要素もございますので、適宜社会経済情勢の変動を見ながら改善をしていくという方向が、現在では適当ではないかというふうに考えておるわけでございます。
 ちなみに、今回、いま御指摘がございましたように、在来、加給金につきましてはおおむね国家公務員の給与の扶養手当にそれをにらみながら合わせてまいりましたのを、五十五年度には一万五千円というふうな大幅な引き上げを図りまして、できるだけ実情に合うように措置をいたしたわけでございます。同時に、寡婦加算につきましても同じような考え方で、五十五年度には高齢寡婦につきましては一万円、こういったような大幅な改善を図ったところでございます。
#13
○安恒良一君 そんなこと聞いているのじゃないのですよ。人の質問に正確に答えてください。
 今回、改正をされたことはされたことで、私は評価をしているわけです。しかし大臣、ここのところが大切なんです。いわゆる遺族年金については五割をできるだけ早く七割に上げるという約束があるわけですね。それからまた制度審議会等からの答申は、今回のような加給年金の形で引き上げるよりも遺族年金五割をやはり引き上げるべきだと、こういう意見が制度審からも注文ついているわけです。しかし、厚生省は今回は遺族年金の引き上げ等を加給年金という形の引き上げでやられたわけです。そのことについて論争はおきましょう。いわゆる五割を七割に上げる方がいいのか、率を上げた方がいいのか、加給の形がいいのかということを、これはいろいろ論争があるところですが時間がありません。そこで、私はその実態は実態として見ましても、御承知のように本体の方は物価が上昇すれば、物価が六%、去年なんか三%上昇すれば物価上昇に合わして厚生年金、国民年金は上がっていくわけなんですよ。そうしますと遺族年金の五割に見合う七割にするためにも、今回は遺族年金の有子の寡婦とか高齢者の寡婦等に、またいわゆる加算ができたわけですから、そうすると本体が上がったら、それも私は加給年金のままでいいからやはりスライドしていかないと、遺族年金のいわゆる一応これによって七割近く獲得はできましたと、こう言って担当課長なんか胸張っておるわけですから。七割近くなりましたよとこう言っているわけです。七割近くなったのはことしだけであって、来年、再来年とずっと下がっていくでしょう、だからそれをどうするのですかと聞いている。そうしたら、いやそれは妻のいわゆる国民年金加入の問題から何だかんだ問題がありましてと言って、そんなこともう何年も前から言っておるわけですよ。いつも、いわゆるそういうものについては議論しなければならぬがまだ結論が出てない出てないでずっときているわけです。たとえばサラリーマンの奥さんが国民年金に任意加入していますから、いわゆる妻の年金権の問題との関連とかいろいろあるからと言って、いろいろあると言いながらそのことについては結論をよう出し切らぬわけです、厚生省は。出さないままずっときています。だから、私はそのことをいまここで責めようと思っていませんが、少なくとも物価がたとえばことしのように八%も上がる。来年物価がどうなるかというのは、どうも世界的に見ましても残念ながらこういう物価上昇は続いていくような傾向なんですね。そうしますと、本体の方は毎年毎年物価上昇でスライドする。ところが遺族年金とか、それらの加給分とか、それからいわゆる配偶者の加給分とか、第一子、第二子に対するそれぞれの加給が据え置かれるという点については、ぼくはやっぱり検討する必要があるんじゃないか。今回の改正の一番私は弱いところは、そこにあると思うのです。いまの時点ではつじつま合っていますが、そういう点についてどういうふうにされようとするのか。たとえば一つの例を言うならば、やはり物価の上昇が激しい場合には五年の再計算を待たなくしても加給年金だけの手直しについても考えるなら考えるとか、何か具体的なことを言うてもらわぬと、あれとこれとは結論が出ておりませんからそれを見ましてと、これじゃ答えにならぬです。大臣、ひとつ官僚答弁じゃだめですから大臣答えてください。
#14
○国務大臣(園田直君) いま御指摘の問題ではいろいろ苦労してやりくりをしたわけでありまして、現時点ではまあまあがまんをする。しかし明年、明後年と物価、社会経済状態が変動したらかみ合わなくなるじゃないか、こういう御指摘でありますが、これはごもっともな御指摘であって、これをどのようにするかは、御意見の趣旨を十分踏まえて勉強してみたいと思います。
#15
○安恒良一君 はい、わかりました。それじゃぜひひとつ、物価上昇が続いた場合に、いずれたとえば来年なら来年に、すぐ物価上昇分の厚生年金の引き上げというのは本委員会にもかかってくるわけでありますから、宿題にしておきますからぜひひとつ検討していただきたい。私はぜひ加給年金額でいくならいくで、スライドというものをこれに取り寄せないと公平の原則を欠く、こういうふうに思いますので申し上げておきます。
 次に、障害福祉年金の改革について御質問をしたいと思うのでありますが、大臣御承知のように、国際連合は「完全参加と平等」をテーマといたしまして、一九八一年を国際障害者年にすることを決定しました。私は社会参加の基本は労働参加、すなわち働く意思のあるすべての障害者に対して、就労の機会と雇用の場を具体的に保障することが重要だと思います。しかし障害者の中には、働く意思があっても労働不能の人が多数おるわけです。労働ができない。その場合には、私はこの平等というのは何かというと、人間らしい暮らしが確立できる所得保障が必ず必要だと思います。所得保障が必要だと思うわけであります。
 そこで、私は大臣にお聞きをしたいのでありますが、いわゆる国際障害者年推進本部の副本部長で厚生大臣はあられます。そういたしますと、いわゆる中途障害者と比べ、障害者が現在決定的な不利な扱いになっている、この現状を私は改める必要があるというふうに思います。というのは、御承知のように中途障害者は拠出年金によって障害年金を受けています。ところが、そうでない方は障害福祉年金であります。しかもいま内容を調べてみますと、いわゆる拠出制の障害年金で受給者は十九万八千十五人、障害福祉年金受給者五十三万百五人。圧倒的にいわゆる障害福祉年金受給者が多いわけであります。ところが、障害福祉年金受給者が、今回の改正の中でそれぞれ改正されておりますが、拠出年金の障害年金と障害福祉年金との間には大きな差があります。
 そこで私の提言でありますが、少なくとも今回の改正でいわゆる拠出年金の障害年金の最低が決定されました。できればその金額まで本来障害者の皆さんからたとえば一級障害につきましてはせめて六万円欲しいと、今日の生活実態では六万円欲しいと、こういう強い要求がございますが、財政も伴うことでありますから一遍にまいりませんが、今回の改正案によりますと障害福祉年金は三万三千八百円、一級。二級が二万二千五百円。そして今回の改正案による障害年金の最低保障額が大臣御承知のとおり四万一千八百円になっています。ですからせめて私は公平の原則からいきましても、しかも大臣御注目をいただきたいのでありますが、障害福祉年金を受けている人の障害等級を見ますと圧倒的に一級が多いんです。一級障害の方が多いわけです。これは厚生省の調査によって私は言っている。そういたしますと、少なくとも私は国際障害者年で平等ということを言う以上、改正案による障害福祉年金の最低保障額四万一千円にはまず二級なら二級を上げると、こういう考えを持っていただきたいと思いますが、この点について、これは政策的なことでありますから大臣のお考えを聞かしてください。
#16
○政府委員(松田正君) 御指摘のように障害福祉年金と通常の障害年金との最低保障額の間に差があることは事実でございます。障害福祉年金につきましては、もう御承知のように加入する前にすでに障害を有する者につきましては障害福祉年金、そのほか加入してから一定の要件を満たした者につきましても障害福祉年金が支給されることになっているわけでございます。ただ現在の制度におきましては、やはり制度に加入前の障害につきましてもあらかじめ保険料を納付することを要件にいたしまして将来の障害を担保するような仕組みになっております制度のもとにおきましては、保険料を拠出しているという要件も考慮いたしまして、全く同一に扱うということにつきましては、国民年金その他制度におきましても、同様な取り扱いをいたしますことは非常に困難でございます。障害年金と福祉年金を一本化するという御提案につきましても、いま申し上げましたようなことで困難があろうかと思います。ただ、そういったような障害をお持ちの方について何か別の制度を考えろ、あるいは障害そのものを一本化したようなかっこうで考えるという御意見は他の方面からも出ておりまして、私ども十分承知をいたしているところでございますが、障害等級その他非常に実施上むずかしい問題もございますので、現在のところ、現行の中で一本化を図ることは非常に困難だというふうに考えております。
#17
○安恒良一君 大臣、こういうことだと思うんですよ。いわゆる障害年金受給者と障害福祉年金受給者の違いはどこにあるかというと、片方は拠出制の年金に入っておって、そして障害になったと。それだけのことです。片方の障害福祉年金というのはそうではなくて、大体生来の方が多いわけですね、率直なことを申し上げて。そして掛金を掛けてないと。しかし障害の程度はどちらも一級は一級だし、二級は二級なんですよ。それから同じ人間として要る生活費は全く同じなんです。全く同じなんですよね。そういう場合に私は、いわゆる国民年金においても老齢福祉年金と国民年金とは違いがあるじゃないか。掛金を掛けた人と掛金を掛けない人は同一できないと、こう言われていますね。しかし、それとてもいわゆる制度審や社会保険審議会からは老齢福祉年金が余り低過ぎる、早急に引き上げるように考えろという勧告は何回も出ているわけですね。ところが、いわゆる老齢福祉年金をもらっている人は率直に言ったらお子さんもあるし、それからその前の蓄えもあるわけなんです、ある程度は、七十歳になる前の自分の。そういうどちらかというと健康なんですね。ところが障害者の場合で一級とか二級で労働力が不能だという人について、掛金を掛けているから、掛金をこの人は掛けてないからということで金額の差があっていいんでしょうかということを言っている。
 ですから、私は一遍にできなければ――たとえば私は私なりに財源を検討いたしてみました。たとえば今回の厚生省の改正で四万一千八百円を二級にする。それから、そうしますと一級をそれとの見合いで六万二千七百円にしなければなりません。そういたしますと、約原資がどのくらい要るかというのを計算してみますと千九百六十億原資が要るわけであります、原資が、国家財政としての、いま御承知のように障害福祉年金は国庫負担によってやっておりますから。しかし私は今日国連が国際障害者年ということを大きく打って、わが国では総理が本部長に就任をされ、厚生大臣、総理府長官が副本部長に就任をされて、いわゆる「完全参加と平等」ということを掲げてやる障害年に当たって、片方は拠出をしているから、片方は拠出をしていないんだから今日のような差があっていいんだということでいいんでしょうか。私はそのことについてやはり前向きに体系を一本化するなら一本化する、財源問題をどうするならどうすると、こういう考えが出ていいと思うんです。それを旧態依然として一方は拠出制であります、一方は拠出してないものですからこれでやむを得ませんと言う、だから俗に言うこれを官僚答弁というんですが、だから私は最初から局長に答弁してもらったらそうだろうと思って、政策的なことだから大臣と、こう言っているのに局長が立ち上がってそういう答弁をするんでありますが、私は国際障害者年においてせめて中途障害者と、それから生来の障害者の間に著しく不公平な扱いがあるんだから、これを不公平をなくするように方法、政策というものが考えられないものだろうかと、こういう角度でお聞きをしておりますから、大臣の所見を承りたいと思います。
#18
○国務大臣(園田直君) 保険と年金の差異はいま御指摘された点であると存じます。金を出しておるから余分にもらっていい、出さない方は差をつけてもらうのがあたりまえだという考え方は、これは私のとるべきところではございません。やはりおっしゃいますように保険と違いますから、年金でありますから、なるべくその差を縮めていくことに努力をすべきであって、これまた現行制度の中でどうやりくりをするか、将来どのように直していくか、こういう点は十分御意見を理解いたしましたから、今後検討したいと思います。
#19
○安恒良一君 それじゃ大臣、これは宿題としておきますから、いずれ通常国会になりますと、国際障害者年問題というのは単なる社労委員会だけの問題ではなくなると思うんですね。予算委員会を初め各関係委員会で国際障害者年の中でどうしていくかと、「参加と平等」ということを本当に実現するためにはどうするかということの議論を私は全部で展開をしなきゃならぬと思いますから、いずれ必要なら私は来年の予算委員会で、総理や厚生大臣にさらにこのことについてお聞きをしたいと思いますから、それまでにひとつ原案を、将来どういうふうにしていくのかと、これは率直に言って財源問題もありますから、それらを含めて大臣のお考えを、そのときまでには示していただきたい。きょうのところは、これ以上大臣とやりとりをしましても前進がございませんので、ぜひ来年の国際障害者年にちなんで、ひとついまの障害年金、拠出制の方々と障害福祉年金受給者の間に余りにもハンディがあり過ぎると、こういうことについてどういうふうに是正をするのかということについて、御検討をお願いをしておきたいと思います。
 そこで次にまいりますが、附帯決議の扱い方について大臣はどうお考えかということについて、私は当然附帯決議というものは尊重され、その附帯決議に基づいて制度の改正というものが前進をしなきゃならぬ、ただし、一挙にできることとできないことがございますから、私も附帯決議をつけたから来年すぐできるとは思いませんが、どうも、私まだ国会議員に当選して三年しかなりませんが、当選して以降の附帯決議を全部洗ってみましたし、また委員になる前の附帯決議についても、五十年代に入ってから当参議院社労委員会、衆議院社労委員会でどんな附帯決議がつけられて、どう実行されているかということを実は検証してみました。ところが、これが附帯決議のつけっ放しということが重要なことでたくさんあるわけで、そういう意味で、どうか附帯決議については、当然それは私が聞くまでもなく、それは安恒さん尊重してと、こうお答えになると思いますから、そういうことをいま聞こうと思っておりませんが、中身について二つお聞きをしたいんですが、きょうはそれがために大蔵省からも来ていただいていますが、積立金の管理運用であります。厚生年金、国民年金の積立金の管理運用。
 御承知のように厚生年金の積立金、すでに二十七兆円だと思います。そういうような状況の中で、これは私ちょっと附帯決議を拾ってみましたら、七十七回の五十一年五月二十日の参議院、八十回五十二年五月十九日の参議院社労委員会、八十四回国会五十三年五月九日の参議院、八十七国会五十四年五月二十二日の参議院社労委員会、これと見合ってそれぞれ衆議院の社労委員会でもいわゆる積立金の管理運用について「民主的運用に努めること。」ということで、しかもこれは附帯決議ですから簡単に書いてありますが、その都度委員会でやりとりをしているわけです、やりとりをこの問題でですね。少なくともILO条約等を見ましても、この種の積立金についてはいわゆる使用者側が半分、労働者側が半分、もちろん国庫負担が二割ありますから、そういう労使を中心にして積立金の管理運用を行っていくべきであると、こうされているわけですが、私ども関係審議会では、これは公益委員を含めて満場一致、その都度答申がされています。社会保険審議会、社会保障制度審議会、満場一致答申がされている。また、本委員会における議論、附帯決議についてもそのことが明らかになっておりますが、依然として厚生年金なり国民年金の管理運用について民主的な運用がされておりません。
 御承知のように財政投融資という中に組み込まれまして、審議会の中にはいわゆる被保険者の代表一人も入っておりません。被保険者の代表は。私どもはこういうことではやっぱりいけないと思います。そういう意味で、積立金の管理運用について「民主的運用に努めること。」ということが何回もついているんですが、つきっ放しになっていますが、厚生省としては積立金の民主的管理運用についてどうしようとしているのか。また、きょうは大蔵省からもお見えになっていると思いますから、大蔵省としてはいままでの、しばしばの国会の決議、討論を踏まえ、もしくは制度審、社会保険審議会の答申を踏まえてどのように民主的な運用に努めようとするお考えをお持ちなのか、そのことについてまず聞かしてください。
#20
○政府委員(松田正君) 積立金の運用に関しましては、当委員会、附帯決議等で御意見を賜っているところでございます。積立金につきましては年金給付の原資となるわけでございますので、それを安全かつ有利に管理運用することが基本的な使命でございます。ただ、年金積立金につきましては非常に膨大な量にも上ることでもございますので、国の財政金融にも非常に大きな影響を持つものかと思われます。したがいまして、他の政府資金等と統合いたしまして運用する必要があろうかと思うわけでございますが、この具体的な運用につきましては、年金の関係につきましては、一つは還元融資というようなことで被保険者、関係者のための資金活用を図っているところでございます。
 具体的な運用の仕方につきましても、資金運用審議会には学識経験者を参加をしていただきまして意見の反映に努めているところでございますし、厚生省といたしましても年金問題懇談会というものを大臣の私的諮問機関で現在設けております。そこには労使の代表の方も入っていただきまして、率直な運用についての御意見をかねて賜っているところでございます。さらに、五十五年度におきましては、こういったような御要請を満たすために、特に大蔵省にも年金資金懇談会と、こういったものを設けていただきまして、そこで労使の意見が適切に反映するように今後運営をしていただく予定になっておるところでございます。ちなみに、資金の効率的な運用を図るため、五十五年度におきましては在来になく一千億円の直接の出資を年金福祉事業団にもすることにいたした次第でございます。
#21
○政府委員(宮本保孝君) ただいま先生御指摘の厚生年金及び国民年金の資金の運用につきましてでございます。もっと年金拠出者の意向を反映すべきじゃないかという点にあろうかと思うわけでございますが、この点につきましては、すでに資金運用審議会の委員に社会保険審議会の委員であるとか、あるいは国民年金審議会の委員という方方が含まれておりまして、これによりまして保険料拠出者の意見が反映し得るようにされているわけでございますけれども、いま先生御指摘のような点、あるいは附帯決議というような点も多々ございます。いま厚生省の方からお話ございましたように、私どもといたしましても今年度からはさらにこのような方向を進めますために、資金運用審議会の会長とか、あるいは理財局長が保険料拠出者の代表の方々から御意見をお聞きするという意味で年金資金懇談会――これはまだ仮称でございますけれども、年金資金懇談会といったものを設けるという方向で、現在、具体的に厚生省の方と御相談中でございまして、こういう点も踏まえまして、この年金資金の運用については遺憾なきを期してまいりたいと思っております。
#22
○安恒良一君 大臣ね、聞いてください、こういうことなんですよ。積立金が安全で、しかも高利で有効に、しかも労働者や国民の福祉等々に使われる、こんなことはもうあたりまえなことなんですよね。そこで、お金を出しているのは厚生年金、使用者側が定められた料率の半分、労働者側が半分出しているわけですね。それに政府が二〇%。だから、私が言っていることは当然労働者の代表、被保険者の代表、保険者の代表、それから政府、それじゃ利害当事者だけと言うならば、当然これは学識経験者を入れて、私はそこでどういうふうにするのかということについて議論するのはあたりまえだと思う。というのは、共済年金の運用は実はそうなっているわけですね。いわゆる一部分財政投融資に回す分を除いて、そのほとんどはそれぞれの当事者が中心になって共済年金はどう運用するかということをやっているわけですね。ここで大蔵省の次長はあんなことを答えていますが、お役人は自分たちのやつはちゃんとそういうふうにそれぞれ代表が、いわゆるわかりやすく言うと、保険者と被保険者とで代表を出して、共済年金の資金運用はそれでやっておる。ところが民間である厚生年金と国民年金だけはそこの代表を入れない。たとえばいま言われましたように、資金運用審議会にはだれが入っておるかというと、社会保障制度審議会とか社会保険審議会の会長が一人入っているだけなんですよ。直接の事業主の代表も労働者の代表も入ってない。まだ経営者の場合には、資金運用審議会の中の委員として一部、これは何も厚生年金の代表じゃありませんが、入っておられますが、少なくとも年金を半分掛けている労働者の代表が入って、運用について議論することはこれは当然のことなんですよ。先進資本主義諸国を見て、年金をやっておって労働者の代表を加えないで、勝手に資金運用審議会でやっているような国は一つもない、わが国だけなんだ。
 それでしかも歴代の厚生大臣は答申をもらったときは、今度はひとつそれ実現しますと胸を張って言うわけです。で、大蔵省へ行くと、かつんとやられてまたこう帰ってくる。まあ今度はあなたはナンバーフォアと言われている実力大臣ですから、その意味から言うと今回はきちっとしていただけると思いますけれども、無理なことを言っているわけじゃないんですよね。そういう掛金を出している人の代表をちゃんと出して、そこでせめて共済並みに、共済資金の運用はそういう運用になっているわけですから、同じ年金でも共済だけはそういうふうにちゃんと労使の代表が中心になって共済資金をどう運用していくか、長期ですね、どう運用していくかということをちゃんとやっているんです。お役人は自分たちはやっておきながら、事民間のことになるとがんとしてやらぬと、これじゃこれまた不公平もいいところじゃないか。しかもそのことはもう長年にわたって指摘をされているんです。満場一致それはいまのやり方はよくないから変えなさいと言って、その都度厚生大臣は答申を受け取ると、わかったと、今度は実現に努力しますと、こう言うけれども、なかなか実現できないんですから。どうでしょうか大臣、こういうようなことについて。
 それからいま一つ、この年金資金懇談会はどういう構想になりますか。代表は何名と何名で、どういう権限を持つんですか。何かその方向で前向きになんて、いまごろそんな抽象的なことを言ってもだめなんです。もう何回もこの点は議論をしてきているわけですから、しかも附帯決議にもはっきり、いわゆる民主的な運用ということで「民主的運用に努めること。」民主的な運用というのは、それぞれ拠出をした人の代表が入って、そこで十分に議論をし合ってやると、これが民主的なんです。そういうことを、もうあなた五十年代に入って五回附帯決議がついている。その点についてひとつ、まあ年金懇談会の中身の点はまず局長から答えていただいて、あと大臣としてこれを今後どう処理しようとするのか、あなたの御決意、お考えを聞かせてください。
#23
○政府委員(松田正君) 御指摘の点はごもっともなというふうに感じておりますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたような年金資金の懇談会を大蔵省の方で設置をいたしまして、労使のいろいろな御意見を反映すると、こういうことも一歩前進かというふうに考えているわけでございます。漸次御意見の反映ができますように厚生省としても最大の努力をいたしたいと考えております。
 資金懇談会の構成につきましては、大蔵省の方からお願いをいたしたいと思います。
#24
○政府委員(宮本保孝君) ただいま厚生省と御相談中でございますが、メンバーといたしましては、被保険者側代表、それから事業主側代表、学識経験者などを予定いたしております。
#25
○安恒良一君 そんなことはわかっているんだよ。だから、何名ずつでどういうことになるのかと聞いているんだよ。人の質問を正確に君たち聞きたまえよ、時間がもったいないわな。あたりまえじゃないか。被保険者と事業主と学識経験者を入れるなんて、そんなことはあたりまえで、構成はどうなっているのかと、どういうふうに運営をしていくのかと、こう聞いているんだよ。数はどうなっているんですか。
#26
○政府委員(宮本保孝君) ただいま厚生省と話し中でございまして、現段階では確定いたしておりませんのでお答えのしようがございませんけれども、懇談会が円滑に運営できますように、全体の構成の中でバランスをとって考えていきたいと、こう思っております。
#27
○安恒良一君 大臣お聞きのとおりでございましてね、やっと重たい腰を上げて年金資金懇談会、それは被保険者と事業主と学識経験者ということで、数もまだはっきりしない、どういうことをどういうふうにやるのかということもまだただいま話し中ということで、厚生省は厚生省で大蔵省の方にボールを投げるし、大蔵省は大蔵省でいわゆる厚生省といま話し中ということでボールを投げて、これがいわゆる官僚のやり方なんですよね。ですからひとつ大臣、そこらのことを十分現状認識はされたと思いますから、どういうふうに実力厚生大臣としてこの問題についてやろうとお考えですか、ひとつ考えを聞かせてください。
#28
○国務大臣(園田直君) 積立金は膨大であって、かつまたこれは将来の年金の給付の原資となるべきものでありますから、そういう意味で、他の資金と統合してやるという現在の仕組みは必要であると考えております。だが反面またおっしゃったように、これを出された方々の御意見も十分くんでこれを運用するべきだと思いますが、問題は懇談会、審議会、そういうものをどのように御意見が反映するようにやっていくかと、こういうことだと思いますが、これについては後刻よく安恒委員の御意見も聞いて検討したいと考えております。
#29
○安恒良一君 それではここで私の意見を言って、あとはまたそれぞれ事務当局にも伝えますが、せめて共済年金の資金運用と同じように、私も積立金をやめろとかなんとかそんなことを言っているわけじゃないんですから。それから積立金の活用方法についても、安全でかつ有利に、しかも労働者や国民福祉へと、このことについて意見の違いはないんですよ。問題はそれをどういう審議会なりどういう委員会でやっていくかということで、共済年金並みのやっぱり運営を考えないと、共済年金はそれぞれ当事者がちゃんと自主的にやっているわけですから、そういうことについてひとつ私の意見を申し上げておきますから、御検討を願っておきたいと思います。
 それから、これまた最後のあれですが、厚生年金について、五人未満の事業所の従業員に対する適用促進問題について、これもいまさっき私が読み上げたとおり、毎委員会のたびに附帯決議がついています。そして議論していますね、五人のを。そしてたとえば「具体的方策を樹立し、適用の促進に努めること。」と、こう書いてある。そして労働省関係の保険は五人未満にも適用になっておる。ところが厚生省関係について五人未満が適用になってない。だから同じ労働者で、ある人は国民年金に入っている、ある人は五人以上であると厚生年金に入っておる。それからきょうは健康保険の議論でありませんが、健康保険の場合でも、五人未満の労働者は御承知のように国民健康保険に入っている、五人以上のところであると、政府管掌に入っておる。厚生省だけが五人未満を手をつけ切らない。すでに労働省は卒業して、五人未満のところについて適用すべきものは全部適用し終わっている。同じ政府の中で、労働省でできることがどうして厚生省でできないかということの議論も、大臣、何回もしたんです。そしてその都度附帯決議をつけて、今回は少しは前向きで何か方針が出てくるだろうとこう思ったんですが、まだ何も出てきていないんです。ですから、五人未満の事業所の従業員に対する厚生年金の適用ということは、もう国会の附帯決議であると同時に、これまた関係審議会からもきちっとついておるところなんですが、どこまで検討してどうしようとするのか、決議のつけっ放しで、もう五十年代だけとっても五年間決議のつけっ放しで、少しも前向きに、せめてここまでこうしたいとか、ここにこういうことがありますとか、そういうこともないんですよね。それじゃ何のために附帯決議をつけているのかということになるわけですが、もうこの附帯決議がつき出して相当の年数たっていますからね、具体的な五人未満の事業所の従業員を厚生年金に適用するためにどうするのかという具体策について考え方を聞かしてください。
#30
○政府委員(新津博典君) いわゆる五人未満事業所に対する厚生年金の適用の促進でございますが、ただいま御指摘がございましたようにいろいろと検討して、わずかずつではございますが、現在の法律で決められております任意包括適用の条文に従いまして、適用の拡大を図っておるところでございますが、御指摘がございましたように、なお努力の足らざる点がございまして、今後なお一層努力をしてまいりたいと、かように思っております。
#31
○安恒良一君 これまた全くもうお粗末なことで、議事録読んでごらんなさい。いつもそう言っているんだよ、あんたたちは。そして、それに対して委員から、任意包括じゃだめなんだと。すでに労働省の事例にならって、五人未満についてもきちっと強制適用を厚生年金にしなきゃならぬじゃないかということの議論をいつもされているんですよ、十年一日のごとく。まあ人はかわっているかわかりませんよ、あなたたちあちこち転勤するから。同じ答弁を、大臣ね、ひとつ議事録を読み直してください。いまと同じことをいつも言うんです。それじゃ進歩がないじゃないですか。何のために附帯決議をつけているんです。たとえば、強制適用についてはこういうふうに実態を調査をしましたとか、こうしましたとか、ここにこういうネック点がありますとか、こう言うなら少しずつ前進していると思うけれどもね、いま言ったことはいつも同じことを言うんですよ、過去の議事録見ると。それでは本当にやる気があるのかどうかと。やっぱり行政改革というのはそんなやる気のない人間から改革していかなきゃいけないんじゃないですか。毎年毎年同じこと、本委員会で聞かれると同じことを、てにをはの使い方ちょっと違うだけの答弁をもう五年も六年も繰り返してきた。この点、大臣どうですか。
#32
○国務大臣(園田直君) 事務当局の話では、いろいろ問題あるようではございますが、御意見のとおりでございますから、よく勉強をして、これを推進をいたします。
#33
○安恒良一君 それでは、どうかまた来年の厚生年金の改正を本国会で議論するときには同じ答弁にならないように、少なくとも前向きに検討して、こうしたいとか、ここに問題があるとか、この点はどうなんだろうかと、こういうことであるならば私たちも御相談に応じるし、議論に参加できると思いますから、どうか次回のときにまで、これも宿題にしておきますから、ひとつ前向きに御検討をお願いをしたいと、こういうことを申し上げて厚生年金関係については終わりにしたいと思います。
 次に、同じく同時に提案をされましたこどもの国の問題について少しお聞きをしたいのでありますが、まず、御承知のように、前国会で参議院先議でこどもの国問題は議論をしておりまして、前大臣、それから局長も実はおかわりになっておりますが、しかし私どもはこの問題についてかなり時間をかけまして、一時間半ぐらい私は一問一答を前大臣や竹内さんとやりとりをしていますが、このことについてはそのまま御確認願えるでしょうか。でなければ、また一つ一つ細かくやると、本当のことを言うと、厚生年金と両方を一日で上げることには大変無理があると思いますが、まあ前国会でかなり私を初め各委員が詳細にやりとりしていますから、そのことについて、これは前大臣が答えたことだとか、前局長が答えたことだから知らぬということになると、そこからまず始めなけりゃなりませんが、前国会において大臣並びに局長が答えられたことはそのまま承って結構でょうか。
#34
○国務大臣(園田直君) 当然のことでございます。
#35
○安恒良一君 それならば重複部分を避けまして、議事進行に協力する意味で新しい部面とか、その後の問題点についてまずお聞きをしたいと思います。
 第一点は、設立委員会というものと評議員会というものがある。評議員会については、前回の私とのやりとりで、評議員会の中には利用者団体を加えて運営に万全を期すというやりとりになっておりますが、いまこの法律が通りますと設立委員会というものが設けられるのでありますが、この設立委員会の中にも、私は利用者団体の意向が反映できる者を加えるべきだというふうに思いますが、たとえばオリンピックセンター、いろいろ議論があった末にあのような改組をいたしました。その場合にもちゃんと民主団体の代表も加わりまして、運営に当たって利用者の意向が反映をできるようなことが、これも国会で長年にわたって議論した末に、オリンピックセンターの改組ができたわけですが、そうなっていますので、私は評議員会は当然なことでありますが、設立委員会の中にその利用者団体の意向が反映できるような人を加えて、設立の当初からこれが民主的に、利用者の声が十分反映ができるようなこどもの国へとしていかなきゃならぬと思いますが、この点はいかがでございましょうか。
#36
○政府委員(金田一郎君) 民主化のメリットを生かし、こどもの国の円滑、適正な運営を確保いたしますためには、関係各界の参加協力を得ることが不可欠であると考えております。このため新法人の設立に当たりましても、児童健全育成団体の代表者など、広く関係各界の協力を得て、民意を反映させるように指導してまいりたいと存じておるところでございます。
#37
○安恒良一君 それから、ちょっとこれに入る前に大臣に御注意を申し上げて、今後そんなことがないようにしてもらいたいと思ったんでありますが、私は今回の選挙において、自民党がそれぞれ衆議院、参議院において安定多数をとられたことは事実であります。そのことについて私はどうこう言うんではありませんが、どうもトラの威をかるキツネといいますか、そうなりますと官僚の姿勢までが私は変わってきている。それはいけないことだと思うのですね。選挙というのは与党と野党との間の戦いでありまして、その結果、今回は自民党が安定多数を得られたということであります。
 というのはどういうことかというと、たとえば質問通告制になっていますから、質問とりなら質問とりの政府委員の方に来てもらえばいいことでありますが、やはり答弁の中で重要な問題があると思うときには、こちら側から局長なら局長に出向いてもらいたいということを言って、そして局長に宿題を預けます。預けましたら、当然私は本委員会が始まる前に、そのことについてはきのう預けられた宿題はこうなっていますよと、こういうことの連絡があって委員会運営が正常に行われるようにするのが局長の仕事だと私は思うのです。実は、前回の一般のときにおいても大変けしからぬことがありましたが、これは事務次官、大臣みずからがおとりなしがありましたから、そのことは水に流しました。私は、あえてこのことをここで言う気はありません。しかし、私はきょうこれから議論する問題についても、きのう局長にわざわざ来ていただいて、あしたの審議の中でこれとこれとは非常に問題がある。だから、ひとつ局長、関係団体とも十分話をし、また詰めて考え方を持って来てもらいたいと、こういうことを言っておったんですが、けさほど私がここに参りまして、大臣とお話しされている局長に、あなたどうなっているかと言ったら、あわてて来るわけですね。私は、そういうことではこれからの国会の運営というのは正常にいかぬ。鈴木総理は和の政治と、こう言われておりますね。野党とも十分話し合うべきものは話し合いたい、こう言っておられる。こう言っておられるんですが、役人の姿勢がそういうことでは、総理の言われるとおりの運営に私はならぬと思いますが、その点について大臣どうお考えですか。また、どう改めていただけますか。
#38
○国務大臣(園田直君) 政治全般そうでありますが、特に厚生行政は各界、各方面、特に委員の方方の全幅的な御協力があってこそ完全に遂行されるものであります。したがいまして、国会、特に委員会は、私は委員の方から質問を受け、私が防御する場所であるとは考えておりません。皆さん方の御意見を聞いて、十分理解をして、そして勉強するところは勉強し、実行に移すところは実行する、こういうことで、こちらから進んで連絡をし、御意見を承ることは当然でありまして、いま御指摘の点は今後十分注意をして指導いたします。
#39
○安恒良一君 私は大臣にこんなことを答弁をしていただくことは本当に不本意だし、私も委員会の席上でできるだけこういう発言をしなくて済むようにと思っておったのですが、二回重なりますと、どうも厚生省の官僚の姿勢がトラの威をかるキツネじゃないかと、こう思いますからこの際たしなめておきます。少なくとも内容を聞ける、聞けぬは別にしても、この点はこうだ、あの点はこうだといういわゆるこちらの設問に対して連絡があってしかるべきだと思うんです。何も私が言ったことを全部聞け、こう言っているわけじゃないんです。これはせっかくですが、ここはこの程度ということの連絡はあってしかるべきだ。でなけりゃこれから質問の通告はやめます。もうやめます。質問の通告しないでぶっつけ本番でやることに私はなると思うんですね、ぶっつけ本番でやると、こう思いますから、まあこれはこれ以上、大臣から厳重に御注意をいただくそうでありますから、ひとつまた厚生省の官僚の皆さんも全部聞いておられるから、これでおわかりになったと思いますからそういうふうにしていただきたいと思います。
 そこで質問を続行します。
 まず大臣、設立委員会の中にその利用者の団体の意向が反映できるようにぜひひとつ御配慮をお願いをしたいと思います。
 次に、これもこの前大分議論したんですが、この団体が民間団体になったときに、赤字になったり、営利主義に走ってはいかぬ、そういう中で税の問題が、税法上の問題がいままでの特殊法人と今回の法人との場合には税法上の問題が非常にあるわけでありますから、そこで税法上の問題について、たとえば一つの例を挙げますと、印紙一枚についても必要になってまいりますし、また営利事業と認定される事業が出てくる場合は、いわゆるそれについては税金がまた取られる、こういうことになりますと、社会福祉法人としての独立採算が非常にむずかしくなってきはしないか、そうしますと、勢い入園料の値上げとか、もしくは本来的なこどもの国じゃなくて、営利的なこどもの国に転落をしかねないと思いますが、この税法上の問題なり、税金問題についてどういうふうにしていこうとされているのか、お考えを聞かしてください。
#40
○政府委員(金田一郎君) こどもの国の事業のうち、営利事業につきましては、売店、駐車場、食堂等がございますが、指定法人に対する課税は、これらの事業を経理上全部合わせて収支差がプラスである場合に課税されるものと考えております。
 五十四年度決算における収支差は五百七十八万円でございますが、課税額を私どもで試算いたしてみますと約二百七十万円になるものと思われます。
#41
○安恒良一君 私は大臣、ここのところもきちっとしておいていただきたいと思いますが、やはり一般の営利事業というふうに判断をされて税金が強化されてまいりますと、私は、率直に言って赤字に転落するおそれがあると思うんであります。でありますから、この点について時間がありませんから、細かくこの税金はこうだこうだということはなかなかここで答弁をしてもらうのに時間ありませんし、またいろいろの面で大きく考えて、できるだけ税法上の保護をしていただけるというふうに承っておりますから、そういうことでこれ以上言いませんが、どうかこれが社会福祉法人になった場合でも、税金の面から攻められて、そして赤字に転落をしていく、もしくは運営に支障を来す、こういうことがないような御配慮をぜひ大臣お約束を願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#42
○国務大臣(園田直君) 十分注意をいたします。
#43
○安恒良一君 だんだん私の持ち時間がなくなってきたのでありますが、これは要望だけしておきます。
 この前のときに、これがいわゆる特殊法人から社会福祉法人に移るに当たって、労働条件の変更があってはいけない、いままでの労働条件が全部守られなきゃならぬ、こういうことで当時詳しくやりとりをいたしました。やりとりいたしました中に、労働協約の中で私は何点かを公式、非公式にも当時の局長を呼んで、問題の解決に努めてもらいたいと要望し、努力を約束してくれました。
 全部片づいておったと思ったんですが、きのう当該労働組合に来ていただきましてみますと、協約の中の一部に、上部団体の会議、総会に委員が出席するときの取り扱いについてまだ問題点が残っております。これはここで中身を詰めるべきものではありません、労働協約でありますから。ですから、その点はひとつ十分に御配慮を願って、問題を解決してもらいたいと思いますが、局長、ここのところはいいですか。
#44
○政府委員(金田一郎君) ただいま安恒委員がおっしゃいましたように、この問題は基本的には協会の労使間で決められる問題でございますが、協会当局より十分事情を聞きました上で、状況によりまして適切な指導を行うように考えてまいりたいと思っております。
#45
○安恒良一君 そこで、最後になるんですが、実は前回のやりとりの議事録をきのう私は詳細に検討してみました。そうすると、なぜ特殊法人から民間にするのかということについてお聞きをしましたら、やはり特殊法人だったら規制措置が非常に強く加えられておる、「社会福祉法人に移管することによって弾力的に運営ができるということになれば、より一層当初の健全育成ということの目的も達せられる」と、こういう答弁がございましたし、さらに「従前のように特殊法人ということでございますると、どうしても予算、決算の策定あるいは財産の処分、ないしは寄付金の受け入れ等に当たりましても、その都度主務大臣の認可を要するといったような非常に厳しい監督下に行われておるわけであります。社会福祉法人に運営を委託すると申しますか、移しますことによりまして、こうした手続も不要になるわけであります。そしてまた、法人の主体性に基づいた迅速な的確な対応措置ができると思います。」こういうこと、さらにその中につけ加えて、たとえば「中における催し物の種別の選定、あるいはそれに伴う対外的な折衝に当たりましても一定の枠というものがありまして、」今回はこういうふうになる――「企画がびびってしまうようなこともしばしばございます。そういった面をこの際思い切って子供の世界の動きに合わせて適切な運営ができる、そういったプランニングも実行に移せるといったような形にすることが利用していただく子供さんたちにとっても、いわばその子供さんたちのそのときどきの流れに常に順応しながら」こういうことで、まことに竹内さんはいわゆる特殊法人から社会福祉法人に変わることによって非常に実効が上がるんだということを重ねて強調して答弁された。だから、私たちも、問題があるけれども、そこのところは認識をしてあの法案の処理に当たった。
 ところが、法案条文では予算と事業については認可が必要と書かれているわけですね。そこで、きのう私は局長を呼んで、これは重大だと思ってこのところの詰めを行おうとしたんですが、話がつかないわけですね。私たちが議論をしたときに、それはなぜかということで――予算と事業計画を依然として全部握ってしまっておってあと何が残るかと。役員の任命権とかそんなものですね。私は、少なくとも本当にあなたたちが民間の方がいいとおっしゃるならば、せめて予算、事業についても特殊法人から新しい社会福祉法人に任せるべきであって、肝心のところは依然として主務大臣が認可権を持っているということになると、何のためにじゃ特殊法人から社会福祉法人にしなきゃならぬか、全く実態がわからぬわけですね。
 私たちはもともとこれはいままでどおり特殊法人にしておけという意見なんです。しかし、あなたたちが、そうじゃないんだ、民間に行ったらこういうメリットがあるという説明をくどくどとされておるわけです。ところが、その説明と実態は合ってないんですよ。実態は合ってない。この点についてどのようなお考えをお持ちですか、どうされますか。
#46
○国務大臣(園田直君) 前のやりとりで前局長が、民営移管やった暁は厚生大臣は、予算その他の認可は必要としない意味の答弁をしたようにも承っておりますが、これは誤りでありまして、いまおっしゃいましたとおり、事業計画と予算は厚生大臣の認可を必要とする、こうなっております。前局長の答弁の誤りは訂正をしておわびをいたしておきます。
 なお、厚生大臣が予算と事業計画の認可をするというのは、私は民営移管後も営利に走らず、事業計画を達成をするということが最大の目的であり、二番目には膨大な国有財産を貸し付けておると、こういう点からも事業計画と予算だけは認可を必要とする。そういう意味において、民営になった後、これの行動や運営を束縛するようなことは十分避けるよう注意をいたします。
#47
○安恒良一君 これは私は大変重要な問題だと思いますね。というのは、民営移管のメリット、デメリット論の中心がそこにあったわけですから。それを厚生大臣、前局長の答弁の誤りでありますとだけで私は済む問題じゃないと思うんですね。かなり私も注意深く、きのう全議事録を詳細に読んでみました。そうすると明らかに、たとえばいま大臣がお答えになったように、民営移管になっても営利主義に走ってはいけないから予算と事業計画は認可事項にしますとか、もしくは膨大な土地を無償で貸与するんでありますから、その土地が本当に目的どおり使われているかどうかという意味で、予算とか事業についても主務大臣の認可事項にしますならしますという説明があれば、またそういう論戦を展開してるんですよ、それは、それに基づいて。ところが、そのときにはそういう説明は全然、公式の席上でも非公式の席上でもあってない。ないままで、いや、安恒さん、実はあれは前局長の答弁、間違いであったと、これでは済みません。
 私はやっぱり、前提が大きく狂ってくると法案の扱い方は全然違ってくると思いますから、委員長、大変あれでありますが、ひとつこの問題について、理事会なら理事会で、それだけ前提が大きく狂ったことの、このきょうの法案の取り扱いについてどうしていただけるのか、御相談をぜひお願いをしたい。でなければ、前提がまるっきり大きく食い違ったまま、それをそのままにして本案について議論をさらに進めていくわけには私はいかないと思いますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
#48
○委員長(片山甚市君) ただいま安恒委員から、理事会においてこの問題についての取り扱いの取りまとめの御発言がございました。
 ただいま安恒委員の発言の時間はあと三分でありますから、これから休憩に入りまして、その間御相談をさしていただくことになると思いますが、よろしゅうございますか。――それでは、安恒委員はあと三分ございますから待っていただくことにいたしまして、両案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時二十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#49
○委員長(片山甚市君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案及び厚生年金保険法等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#50
○安恒良一君 午前中の結末どうなったでしょうか。
#51
○国務大臣(園田直君) 前回のこどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案の審議に際し、説明不十分なため答弁の一部に法律案の内容と食い違いがあったことはまことに遺憾であり、おわびして訂正します。
 前回の答弁においては、事業を引き継ぐ社会福祉法人について、予算認可の必要がなくなるような趣旨となっておりましたが、国有財産の無償貸し付けを受ける関係から、また、営利主義に走ることを防止するため、予算及び事業計画は事前に厚生大臣の認可を要することとなっております。
 なお、大臣の認可に当たっては民営化の趣旨を損なわないよう十分配慮してまいる所存であります。
 何とぞ、御了承くださいますよう、よろしくお願いをいたします。
#52
○安恒良一君 いま大臣の御発言の趣旨はわかりました。
 ただ、私はここで明確に、であるからこそ私どもは前回も、こどもの国を社会福祉法人化することに反対をしたゆえんであります。というのは、御承知のようにこの話を詰めれば詰めるほど行政管理庁からどこか一省一局を切れと、一法人を切れと、そこで一応一番被害の少ないところを切って、切ったんだが依然として予算と事業計画は主務大臣が握っておきたいと。これは何も厚生大臣園田さん個人を言っておるわけじゃないですよ。そういう役所のやり方というのは、行政改革のあり方は私は国民を欺瞞するものだと思います。そういう意味で、私はこどもの国をいわゆる社会福祉法人にすることについては反対の意を表明しまして、私の質問を終わりたいと思います。
 以上です。
#53
○高杉廸忠君 私はこどもの国協会の解散に伴う法案と厚生年金保険法の一部を改正する法律案のうちから、特に限られた時間でありますし、議事を進行する立場から、主として厚生年金保険法の一部改正案に関して、企業年金についてお伺いをいたしていきたい、このように考えております。
 最近、とみに企業年金が議論の対象となっておりますが、公的年金の基本的な方向がいまだ決定されず、未解決の問題が多々ある今日、老後の所得保障の基礎となるべき公的年金が、将来の財政上の厳しさを反映させて企業年金によって補完されるのは当然であるとの考えが醸成をされています。定着するとしたら、これは本末転倒であると考えるわけであります。厚生大臣は、わが国の年金制度の中で企業年金をどのように位置づけをされているのか、すなわち公的年金との関係をどのようにしたらよいのか、どういうふうに考えておられるのか、この点をまず明らかにしていただきたい、このように思います。
#54
○政府委員(松田正君) 老後の生活におきまして、安定的に生活を営んでいくというためたは所得保障、その中で公的年金が中心的な役割りを果たすべきものであることには異論がないところであろうかと思います。企業年金は老後における公的年金の補完的な役割りを果たすべきものであるというふうに考えておるわけでございます。特に、私どもが所管をいたしております厚生年金基金等の調整年金、こういったものにつきましては、やはり公的年金との有機的な連関を保ちつつ補完的な役割りを果たすべきもの、かように考えておるわけでございます。
#55
○高杉廸忠君 年金制度の改革については、私は当然、まず公的年金の分野が企業年金に優先すべきである、こういうふうに思うんです。企業年金が公的年金の抜本的改革を逆に規制する結果になりはしないかということを危倶しているからなんですね。公的年金の給付水準の固定化あるいは制度間格差の温存という結果を招きはしないかということですから、いま企業年金の位置づけについて御答弁がありましたが、再度確認の意味で、企業年金の育成に対する考え方をこの際明らかにする必要があると、こういうふうに思いますが、その点はどうでしょうか。
#56
○政府委員(松田正君) 企業年金につきましては、ただいま申し上げましたように公的年金の補完的役割りを果たすものとして、その発展を図ることが必要だと考えておるわけでございます。したがいまして、公的年金に先んじて、あるいはそういったような基金が一人歩きをするということのないように、十分公的年金との関連を考慮しつつ指導してまいりたい。特に企業年金が発展をすることによりまして、現行の公的年金制度間の格差でありますとか、いろいろな矛盾でありますとか、そういったものが助長されるということがあってはもちろんいけないわけでございまして、私どもその点は十分認識の上、企業年金としてのあるべき発展の姿を指導してまいりたい、かように考えております。
#57
○高杉廸忠君 一口に企業年金と言っても税制適格年金、それから厚生年金基金、自社年金のこの三つに区分されますね。それぞれの役割り、機能の相違といったものをどのように認識をされているのか、これが第一であります。なぜこういうことをただすかと言いますと、税制適格年金が発足をしたのが昭和三十七年、厚生年金基金の発足した昭和四十一年、この当時はまだ高齢化社会や公的年金の諸問題に対する国民の関心が十分でなかったことを反映して、この両制度が、本来の位置づけというものを明確にした上で創設されたと見ることは私はできないんではないだろうかと、こういうふうに見ているんです。当時この厚生年金基金または適格年金を採用した企業というのは、たてまえとしては老後保障の確立と充実を掲げたものの、主たる採用の動機としては税法上の優遇措置の利用とか、あるいは退職金負担の長期計画的準備にあった、こういうふうに私は考えているのでありますが、この点についてはどう認識をされておりますか。
#58
○政府委員(松田正君) ただいま御指摘の点は、私たちも同意見でございます。企業年金には、御指摘のように適格年金、あるいは厚生年金基金、それからそれぞれの企業がみずから実施をいたしております自社年金、こういったものがあろうかと思います。
 厚生年金基金は、四十一年にできた制度でございます。それから十数年たちました今日、その機能において、その役割りにおいて、もう一度再検討をすべき時期に来ているかと思いますけれども、公的年金のうちで報酬比例部分について代行するという基本的役目を担っておりますために、給付設計等において若干不自由な点がございます。ただ、給付の上積みをするという点では、非常に有利に設計ができるわけでございますけれども、公的年金との結びつきにおきまして多少範囲が狭いと、こういうデメリットがあろうかと思います。
 それから税制適格年金につきましては、これは御指摘のように昭和三十七年に創設をされた制度でございますが、おっしゃるように退職金の年金化というような問題を含めて設計をされる向きが多いわけでございまして、厚生年金基金よりもはるかに自由に設計ができるわけでございますけれども、公的年金との関係におきましては、その接続面と申しますか、それとの有機的関連においては多少問題があろうかと思うわけでございます。
 自社年金は、みずからの企業が設計をする年金でございますので、これは非常に自由な立場で設計ができるわけでございますけれども、税制上の優遇措置につきましてはなお不十分な点があろうかと思います。
 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように老後の設計、所得保障を確保すると、この中心的存在はやはり公的年金制度でございまして、私どもといたしましても、今後は厚生年金基金のような調整年金を中心にいたしまして、公的年金を補完する役目を一元的に統合する方向で十分検討をしてまいりたい、かように考えております。
#59
○高杉廸忠君 次に、厚生年金基金について伺いたいと思いますけれども、厚生年金基金設立には一企業のみで対応するのには常時千人以上の厚生年金の被保険者が必要ということになっておりますね。ですから、中小企業が単独で設立することはできない。勢い、連合して設立するということになりますね。その要件は企業間に有機的連携が必要ということでありますが、具体的に認可の基準というのはどうなっておりますか。たとえば出資関係にあるとか役員、従業員の交流等々について挙げられると思いますが、ついては私は認可基準の確認をしたい、このような意味でお尋ねをするわけであります。
#60
○政府委員(松田正君) 基金の設立につきまして一番基本になりますのは、対象加入人の数字でございます。単独につきましては現在千人以上、こういうことで政令上決まっておるわけでございます。それから連合形態をとりますとき、これもやはり千人でございます。それから総合組合のようなもの、同種同業のようなものが集まって総合的に基金を設立いたします場合には、これは指導基準といたしましては五千人ということで対象を決めておるようなわけでございます。
#61
○高杉廸忠君 出資関係について、たとえば親会社が関連会社に対して三〇%以上あるとか、そういうものも要件の一つになっておりますか。
#62
○政府委員(松田正君) 連合、総合設立の際に、私どもとしましては一応の指導の目安を考えておるわけでございます。基金は、個々の企業なり職域における個別のニーズに基づいて設立をされるものであります。したがいまして、一つの企業が一つの基金をつくるということの場合には、給与その他全く同じでございますので、非常に設立後の運営が円滑にいくと、こういうことでございますけれども、総合のような場合には、同じ同種同業でございましても、それぞれ企業によりましては給与体系も違う、勤務条件も違う、労働条件も違う、こういうところが生涯長い期間にわたりまして年金ということで生活の一部を保障していくと、こういう仕組みでございますので、そういった場合には、できるだけ財政的な意味も含めての安全度といいますか、確実性を確保する、こういうことで私ども指導基準といたしまして五千人と、こういうことに決めておるわけでございます。ただその場合、総合的な組合でございましても、その基礎にたとえば健康保険組合が設立をされておりますとか、同じ企業グループ、たとえば持ち株を持っているような企業が集まっておりますとか、そういったような横の連帯感が強固と認められるものにつきましてはこれを優先的に認めていこうと、こういうことでございます。
#63
○高杉廸忠君 いまのように要件がありますが、設立に当たっては被保険者の二分の一、また労働組合がある場合には、その労働組合の同意が必要とされているわけですね。で、ある程度労使間の話し合いで設立の機運が醸成されてくるかと思いますけれども、そういう場合に、やはり先ほどのお話では一本化の方向へという御指導もいただいているようでありますが、具体的には、そういう情勢に対して厚生省としては指導といいますか、積極的にどういうような御指導をなされておりますか。それからまた、それを非常に私が感じるのは、PRがちょっと不足しているんではないかというふうな感じがするんですけれども、そういうような点の啓蒙、啓発等々についてはどういうようにいままでされてきたんですか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
#64
○政府委員(松田正君) いま先生御質問の御趣旨は、主として中小企業を対象といたしております総合組合等について特に御意見だと思いますが、現在私どもは、厚生年金基金につきましては、先ほども申し上げましたように、設立を見ましてからすでに十数年の年月を経ているわけでございます。したがいまして、現在の今日的な意味におきまして、その機能なりあるいは役割りというものをもう一度見直すべき時期に来ているのではないかというのが私の基本的な考え方でございます。したがいまして、現在、中小企業が共同で設立いたしておりますのは全基金のうちで二四、五%を占めているわけでございますけれども、しかも加入員にいたしまして四五・六%と、こういうような数字になっております。比較的普及を図ってきたつもりでございます。ただ、個々の申請がございましたときには、やはり都道府県の保険課を通じましていろいろと地域の実情なり組合の実情なり、今後の財政的な運営の確実性、こういったものを主として指導をいたしておるわけでございますけれども、御指摘のようにPRの点につきましては、必ずしも的確な対策ができておったというふうには考えておりませんが、ただ先ほど申し上げておりますように、もう一度厚生年金基金を基本的に見直す時期に当たっているということも踏んまえまして、今後十分に検討してまいりたいと、かように考えております。
#65
○高杉廸忠君 さらに念を押すためにお聞きするんですけれども、認可基準の点で、企業間に有機的連携はなぜ必要だ、こういうふうに思うんですけれども、ちょっとこの点の説明不足があるんじゃないかと思います。それが一つ。
 それから、私は企業間については、そういう意味じゃ設立企業間に運命共同体、こういうような要素が必要だからだろうというふうに思うわけなんですけれども、関連企業グループの設立については、設立のためにはできるだけ制約というものを少なくしていくことがより積極的な方向へ行くように私は思っているんですけれども、ひとつ、そういう観点から、どういうふうにされているか、あるいは確認の意味でお聞きをするわけですけれども。
#66
○政府委員(松田正君) 基金につきましては、これは私から申し上げるまでもなく、複数の企業が一つの基金を設立する場合は特にそうでございますけれども、賃金体系、あるいは定年制、その他いろんな意味での勤務条件、労働条件が違うわけでございます。それで、やはり今後長期間にわたりまして年金給付を続けてまいりますためには、これらの企業間における労使の間で、基金の設立ないしはその運営についての十分な合意が当然必要とされるわけでございます。したがいまして、同種同業でありましても、企業が異なることによりまして、なかなか合意に達することがむずかしいという場合も当然あり得るわけであります。そういう意味で、連合を設立するような場合に当たりましては、主力企業を中心として株式の持ち合い等の連関性、こういったものにひとつ着目をいたしまして、そういった企業相互間の連携を高めているかどうかと、こういう点を一つの判断基準にいたしておるわけでございます。したがいまして、こうした条件を私どもが考えておりますのは、あくまでも行政指導の範囲内でございますけれども、できるだけそれぞれの企業の自主性を尊重するという方向で、今後とも考えていく必要があろうかと思いますが、繰り返しになりますけれども、現在、そういった基金の基本的なあり方につきまして、研究会等を設けまして鋭意検討いたしておりますので、そういった方向ともにらみ合わせながら検討していくと、こういうことに考えたいと思っております。
#67
○高杉廸忠君 そこで、まとめとして私は大臣からぜひお答えをいただきたいと思うんですけれども、いままで企業年金について幾つかの指摘をしてまいりました。大臣も御承知のように、わが国の民間企業というのは年功序列型の賃金とか、終身雇用制の雇用形態、こういうものをとっていることは御承知だろうと思うんです。しかし、今日では、企業は経営政策の一環として、企業の分離あるいは独立、それから外注化等が行われまして、一方、定年延長に絡めて、中高年の労働者の関連企業への転出というのが増大しつつある現状なんです。しかし、年金面では、厚生年金採用企業から適格年金採用企業への移動というのはあるわけなんです。現実にありますが、そうしますと、この年金間が、制度を異にするために、通算の措置というのがない現状なんです。一定年度を超えて転属する場合、そういう中高年の方には、一時金での対処というものを余儀なくされているのが現状なわけなんです。また、適格年金すら導入されていない企業ももちろんあるわけです。先ほど来の質疑でも明らかなように、調整年金と適格退職年金との間には、年金としての効果のねらいという点では同様ですから、これは厚生省も法改正で企業年金を一本化という、こういう大変に方向性を出しておられるわけですから、そういう一本化に具体的に積極的に取り組む必要があると、こう私は思っておりますが、その点についての大臣の御所見を伺い、また、現在一本化についての隘路というものはどういう点が考えられているのか、どういうところにその隘路があるのか、こういうこともあわせてお聞きをしたいと、こう思っております。
#68
○国務大臣(園田直君) 御意見のとおりに、高齢化社会を迎えてだんだん社会が変化してまいりますると、公的年金に加えて、企業年金の役割りは増大をしてきておるわけであります。したがいまして、企業年金の制度そのものも検討しなければなりませんが、特に、いまの通算の問題、格差の問題等は非常な問題でございます。財政の異同、受給資格の要件の認定というのがこの一本化の一つの困難な隘路になっているわけであります。しかしながら、ただいま申し上げましたようなことから、この一本化については真剣に検討すべき必要がありますので、ただいま部内で検討会を設けて、ここで具体的に検討しているところでありますが、御指摘のとおり、前向きで検討していくつもりでございます。
#69
○高杉廸忠君 企業年金については終わりまして、まだ若干時間がありますから、午前の質疑で同僚の安恒委員から多年にわたって指摘をされました。この際大臣から、今後の方向等もございますから御決意等を承りたい、こういうような立場で確認の意味で御質問をいたします。
 これは従来、本委員会が決議をしてまいりました点で、安恒委員が多年にわたって指摘をされましたことを私も拝聴いたしまして、遺憾なことである、こういう立場でお聞きをするわけでありますが、昨年本院の社会労働委員会に、年金制度の改革に際して公的年金制度を通じ、各制度間の整合性、それから受給開始年齢と雇用との連動への配慮、こういうものも要望しているわけです。私は非常に遺憾に思うのは、それを無視したかのように、雇用へ配慮することなく受給開始年齢をおくらせようとする動き、これは、残念だけれども、今回のこの本法改正について政府原案によって私は明らかであったと思うんです。衆議院で修正はされましたものの、雇用との連動について、大臣、どのような配慮を今後なさいますのか。あるいはまた、安恒委員がそれぞれ指摘をいたしました決議の実行について大臣の御決意をひとつ伺いたい、このように思います。
#70
○国務大臣(園田直君) 法律案の御審議をお願いし、審議終了、採決に当たって附帯決議が付せられます。その附帯決議は、これは本文と同じように尊重し、それに向かって努力すべきことは当然でありますが、残念ながら、実情はなかなか実行が行われていない、こういう点は深く反省をいたします。
 ただいまの御指摘の問題についても、附帯決議の趣旨に従って今後努力をいたします。
#71
○高杉廸忠君 最後に、私はあと三分ありますので、こどもの国協会についてのまとめとして大臣から特に伺い、質問を終わりたいと思いますけれども、この際、こどもの国協会の解散に対して、こどもの国の設立に際して、民間事業にするとその性格上安易な運営に流れやすいとして、政府は特殊法人としてこれを立法したわけですね。そういう設置の経緯や沿革を見るときに、明確な理由が、また今回これを解散するということについてどうも私は納得ができないわけであります。そういう納得させるような理由がないまま所管がえをすることは、私は賛成しかねるという立場であります。そういう立場で御質問をし、締めくくりとして申し上げたいと思いますのは、緑豊かな自然の中での児童の健全育成が目的であります。その目的が移管によって侵されるのでは困るわけであります。監督官庁としてどのように今後配慮していくのか。この際、そういう私どもが納得できるようなことについての、ひとつ締めくくりとして大臣から特にお答えをいただきたい。また、商業遊園的な運営に陥ることがないようにどう具体的に対処されていくのか、この点を確認し、さらに午前の安恒委員の質疑を通じて、今日までの厚生省の答弁について遺憾な点がありました。今後そういうことのないように、厳正にやはり指導をしていくべきだと、こういうふうに思います。あわせまして大臣からその方向についての御決意を承り、私の質問を終わりたいと思います。
#72
○国務大臣(園田直君) 政府委員の答弁については先般おわびをしたとおりでありまして、今後十分注意をして、そのようなことがないよう指導監督をしてまいります。
 こどもの国でいろいろ問題はありますが、御指摘のとおり緑豊かな環境地域を子供のために設けるということ、これ一番こどもの国にとって大事なことであります。したがいまして、民営移管になりましても十分厚生大臣はこの点に留意をし、かつまた積極的に各界、各方面の御意見を承り、国庫補助等もいままでと変わりがないように十分補助に力を注ぎ、営利に走らざるよう、真に子供が自然に親しめるような本来の目的を逸脱しないように、これを是正するよう努力をしてまいります。
#73
○小平芳平君 こどもの国協会については私たちも反対したわけでありますが、いま最後に述べられた点と、それから午前中に述べられておりましたが、行政改革の実際の効果を上げることが必要ではないか、ただ、割り当てられた数を、一つの省で一つとか二つとかあるいは一割とか、そういうふうに減らすことによって数合わせだけ、面目だけ立てると。そうして、実際の国庫支出が減るわけでもないし、財政援助をしていたわけでもないし、そういうことで行政改革が大きな成果を上げたというふうなことにはならないということを特に申し上げたいんですが、いかがですか。
#74
○国務大臣(園田直君) 御意見をそのまま承る以外に方法はありません。
#75
○小平芳平君 それから次に、年金の問題について、初めに厚生省当局に技術的な問題についてお尋ねします。
 まず、海外に住所を有する者の年金の取り扱い。年金の国際通算がなされておりません。また、多数の人たちが、私の調査では三カ月以上のいわゆる長期滞在者が十八万人、日本国籍を有する海外永住者が二十五万四千人というふうになっておりますが、これらの人々の中にはいろいろなケースがあるわけです。海外に転勤を命ぜられて海外勤務をしている人たち、あるいは海外の現地企業に出向で行かれる人たち、あるいは国民年金の加入者で海外で働こうとして行かれる方、いろいろなケースがありますが、それらについて厚生省はどう考えておりますか。
#76
○政府委員(松田正君) まず、厚生年金で申し上げますと、海外の事業所に勤務する方につきましては、厚生年金の適用はございません。また、国民年金につきましては、日本国内に住所を有することを要件といたしておりますので、海外にあられる方につきましては適用ができないわけでございます。厚生年金にいたしましても国民年金にいたしましても、まずその対象者をどうするかということは、非常に基本的な問題であることは言うまでもないことでございます。したがいまして、海外に勤務する方あるいは海外にあられる方についての厚生年金なり国民年金の適用という問題は、最も基本的な問題であろうかと思います。
 現在、そういうような適用の状況になっておるわけでございますけれども、海外にあられる方についての厚生年金保険法なりあるいは国民年金法を外国の領域において適用できるかどうか、こういう基本的な問題がございます。つまり、日本の国内法が外国で円滑に適用されるのかどうかと、これにつきましては、現在私どもは否定的に考えておるわけでございまして、基本的にはそういう問題が一つございます。
 なお、個々の適用の仕方の問題といたしましては、たとえば資格を喪失をする、資格を取得する、こういったようなものをどのようにして確認をするか。あるいは海外にあられる方の保険料の徴収、これは自営業者のような場合は特にそうでございますけれども、そういった者の保険料の徴収をどういうようにするか。御承知のように、現在国民年金では印紙徴収ということをたてまえといたしておりますので、そういうような問題がございます。そういうような行政の仕組みからくる複雑な技術的な問題があろうかと思います。同時に、そういったものの法的適用の限界の問題、こういったような問題があろうかと思います。ただ、外国との関係におきましては、年金の通算制度ということにつきましては、アメリカ等とも現在実施を検討いたしているところでございますし、今後ともそういう方向は堅持をしてまいりたいと、かように考えておるわけであります。
#77
○小平芳平君 厚生年金加入者あるいは共済年金の方は、海外へ出張してもそのまま適用になるわけでしょう。ですから、外国まで法令が適用できるかどうかというようなことは、問題なくすでに適用しているんでしょう。
#78
○政府委員(松田正君) 企業の場合で申し上げますと、その企業に身分を所属をいたしまして、長期出張というかっこうで本社の身分を持っているような方につきましては適用をいたしております。
#79
○小平芳平君 ですから、外国までもうすでに適用しているわけでしょう。
#80
○政府委員(松田正君) 外国にある方を適用しているという形態かどうか、その辺はなかなか限界の問題ございますけれども、ただいま申し上げましたのは、長期出張というかっこうで身分がそのまま引き続いて本社の身分になっておると、こういう者についての適用の仕方を申し上げたわけでございます。
#81
○小平芳平君 ですから、本社に身分があって、本人の住所は外国にあるんだけれども、だけれども厚生年金が適用されているんでしょう。
#82
○政府委員(松田正君) ちょっと私の説明が不十分かと思いますけれども、海外出張者とか長期滞在者というのは、国内の事業所に適用されているという考え方をそのまま延長して適用していると、こういう考え方でございます。
#83
○小平芳平君 そのとおりです。
 それで、そのほか、とにかく昭和五十一年十月の予算委員会ですから、ちょうど四年前ですが、そのときに厚生大臣は、検討しますと、三木総理大臣がわざわざ、積極的に取り組みますと言ったんだから、何かもっと検討しているんでしょう。だから、そんなむずかしい、むずかしいということは四年前にさんざん聞いたんですよ。四年前にさんざん聞いたことを四年たってまたむずかしいむずかしいと言っていないで、その間どういう検討をなさったのか、たとえば外国まで法令が適用されるかどうか問題だというならば、厚生省以外のほかの省としかるべき検討をしたとか、あるいは厚生省内部で国民年金の取り扱いはどういう検討をなさったのか、そのことをお尋ねしているんです。
#84
○政府委員(松田正君) 厚生年金なりあるいは国民年金などの、国内法の適用の国際法的な関係につきましては、先ほど申し上げた見解のとおりでございます。ただ、私どもとしましては、こういった海外にある者との関係におきましては、外国人との関係では二国間の問題、これを推進する方向で従来検討をいたしてまいったわけでございます。ただ、先ほど来申し上げておりますように、個々の日本人の適用の問題につきましては、そういう法律上の問題あるいは実際の手続上の問題がございますので、いろいろ研究はいたしてまいりましたけれども、なお適用の方向で決断をするというところまでには至っていないと、こういうことでございます。
#85
○小平芳平君 もう一回申しますと、厚生年金あるいは共済の適用者が、その身分のまま外国へ行った場合は問題ないですね。ところが外国の現地企業に派遣、出向したような場合はすでに日本の年金は切れてしまいます。それが第一点、現地企業に派遣されたような場合。
 それから第二点は、国民年金の強制加入者、これらの方は国民年金を打ち切っていかなくちゃならない。ですから、外国でも国によっては現地の年金に入らなくちゃなりませんが、それが五年、十年で帰ってくる掛け捨てになってしまうんです。日本の国民年金も十年、十五年留守にしたら掛け捨てになってしまうおそれがある。そういう国民年金の強制加入者の場合が第二点。
 第三点は、任意加入、奥さん方が、被用者の妻が国民年金に任意加入している場合、この場合もたとえば外務省に勤務している人の奥さんならば、自分はすでに何年か厚生年金とか国民年金を掛けてきているんだけれども、外交官の妻になったがために十年か十五年か、とにかく半分は海外勤務をしなければならない、そういうふうになったら老齢年金の資格がとれないじゃないかという心配がある。実際にとれない人も出るでしょう。そういう三つのケースについてお答え願いたい、どういう検討をしたか。
#86
○政府委員(松田正君) まず、厚生年金の適用関係につきましては先生お話しのとおりでございます。現状はそういうことでございます。したがいまして、外国人の場合も含めまして、現地で年金制度等の適用がございますと、その分だけ掛け捨てになる、そのとおりでございますがこれらにつきましては、二国間協定を結ぶことによりましてそれぞれの保険料の徴収に基づく給付の調整、こういった方向で努力をしてまいっているところでございます。
 国民年金につきましては、御承知のように国内に住所があるということを被保険者たる要件の基本にいたしております。この問題につきましては、確かに御指摘のように、海外に行っている間適用が打ち切られますので、最長四十年という長い期間を確保できないのではないかと。最低にいたしましても二十五年でございますが、そういう御指摘はまさにそのとおりでございますけれども、住所要件を外すかどうか、これは非常に基本的な問題でございますので、先ほど来申し上げておりますように、その方向づけにつきましてはまだ結論に到達をいたしていないというのが現状でございます。
 それから被用者の妻のような場合、外交官の夫人の場合は一つの適例でございますけれども、こういった方は任意適用で国民年金に入ることができるわけでございます。こういった方が外地に参りますとその分だけブランクになると。これも御指摘のとおりでございますが、最初の国民年金の強制適用の被保険者であります自営業者等につきましても、住所要件をいかにするか、こういうことにつきましては非常にむずかしい問題がございまして、いまだ結論に到達いたしていない状況でございますので、それと同様な意味を持ちまして、任意適用の方につきましてもそういうような便宜措置がとれるかどうか、なお、研究を要すべき問題だというふうに考えております。
#87
○小平芳平君 結局、四年間何の進歩もないですね。四年間何の進んだこともないですね。ただ検討しますとか、むずかしい問題ですねと言うだけです。そうじゃなくて、この問題は何十万という人の年金権に関する問題です。最初に申しましたように、何十万の日本人の年金権に関することなんだ、それをそういうふうにただ検討、検討で済ましていいんですか、というふうに言いたいんですが、大臣いかがですか。大臣はずいぶん外務省で外務大臣も長くおやりになったし、実際に外交官の方で奥さん方が外地へ行くとなると、果たして自分は行かなくちゃならない、そうすれば一体年金が老齢年金に結びつくのかどうかという、いまそういう心配をしているんです、話し合っているんです、皆さんが。
#88
○国務大臣(園田直君) 努力不十分を認めます。問題はあるかもわかりませんが、二国間協定あるいは法律の除外例を設ければ済むことでありますから、これは早急に検討をいたさせます。
#89
○小平芳平君 それで、私はちょっと提案しますが、その前にもう一つお尋ねしますが、二国間協定ですね、いまお話の。二国間協定は日米あるいは日独の話し合いが進んでいるやに聞きましたし、あるいは日米は話し合いがついたと、じゃ係官を出張させるというようなニュースがあったがいかがですか。
#90
○政府委員(松田正君) 日米間の協定の取り扱いにつきましては、昨年の七月に厚生大臣との会談で技術的な討議をしようと、こういう合意に達しております。これを受けまして昨年の十月、ワシントンで具体的な事務当局レベルの検討を行いました。引き続き現在仮のドラフトというようなものが参っているという段階でございまして、この秋から具体的な日米間の折衝に入る予定にいたしておりますけれども、具体的な日程はまだ決まっておりません。
 ドイツの方はかねて折衝いたしておったところでございますが、聞くところによりますと、ドイツの方で、国内法である程度の手当てをしたと、こういうふうに聞いております。
#91
○小平芳平君 国民年金の方は、これは日本国国内だけの手続でこういうことはできるんじゃないかと思いますが、その一つは代理者を定めて、つまり所得税の場合に、納税者が外国に移住するときは納税管理人を定めるというふうになっておりますが、留守中は代理者を定めて保険料を支払ってもらう。それで二年なり三年なり外地の勤務を終えて日本へ戻ってきたら、また本人が払えばいいことであります。それが一つの考え方です。
 第二は、帰国したときに本人の希望によって遡及払いをする。ですから、遡及払いする場合の保険料を幾ら取るかというようなことがあるでしょうけれども、とにかくこれは厚生省が方針を決めればできることじゃないかと思うんです。
 あるいは第三には、海外へ住所を移す場合には前納を認める。二年とか三年とかいう前納を認める。これも厚生省で決めればできることじゃないかと思うんです。
 それから第四、これは一番わけないんですが、空期間として認める。現状では空期間さえも認めてないんです。この期間は全く年金から断ち切られてしまうんですが、空期間として認める。こういうようなことが考えられるんですね。いかがですか。
#92
○政府委員(松田正君) いま御提案になりました四つの考え方、いずれも有意義な御提案かと思います。ただ、第一番目の代理人を選定をするという問題につきましては、本人自体が国外にあるわけでございますので、そういったような絡みをどういうふうに考えるかという問題があろうかと思います。
 それから保険料の前納、後納の問題でございますが、やはりあらかじめ保険料を納めて、つまり予期しないといいますか、将来の事故に対して備えるというたてまえをとっております以上、前納の場合はともかくといたしまして、後納するという方式を一般化するということについては、若干問題があろうかと思います。
 それから空期間として見るというような考え方でございますけれども、これにつきましては任意加入の場合の空期間、それから強制適用の場合の空期間、こういったものをどのように区画整理をしていくかという問題があろうかと思います。
 いずれにいたしましても、いま大臣からお話がございましたように真剣にこれらの問題もあわせて検討をいたしたいと、かように考えております。
#93
○小平芳平君 この四つの提案がそのまま通る、いますぐできるというふうな考えではないわけですが、しかし大臣、とにかく何年か前の日本の国と現在とは違うわけですから、厚生年金保険ができたころの日本と、あるいは国民年金のできたころの日本と現状は変わってきているわけですから、こういう速い国際化時代に立ち向かっているわけですから、ぜひひとつ御努力をお願いしたいと思います。
#94
○国務大臣(園田直君) 本人の意思によってやめるとかあるいは打ち切るとかは別でありますが、制度の上で本人の意思に関係なく、掛けられた金が掛け捨てになるとか打ち切られるとか、これは大変なことでありますから、早急にそれに対する道を考えなきゃならぬと思います。
 なお、いまおっしゃいました四つの問題は、いま承ったばかりでありますが、私の考えではいろいろ事務的な問題はあると思いますが、一番便利な方法じゃないか、しかも本人の意思が入っていると、こういうふうに考えますので、事務当局に早急にこれに対する検討を命じます。
#95
○小平芳平君 この問題はこれで終わりますが、最後に大臣が言われたように、まことに本人の意思にかかわらず制度の欠陥、制度自体が年金から締め出しているわけですから、至急御検討いただきたい。至急に研究していただきたい。以上要望してこの問題を終わります。
 次に、基礎年金構想ということについて、これは五十一年十月二十日に公明党が提案をした基礎年金構想というのがあります。それからちょうど一年おくれて五十二年十月十九日に社会保障制度審議会が建議した基礎年金構想というのがあります。それで両案を比べてみます場合に、大きく変わっている点もありますが、根本的に考え方が違うというわけではないですが、とにかく両案を比較した場合に、いずれもこういう点で共通していると思うんです。それは、現状の年金は非常にアンバランスがある。不公平がある。そこへ基本年金あるいは基礎年金が二階建てで入りますと、そういう不合理な点が総体的に減るであろう。あるいは年金に結びつかない多数の人がいる。多数といったってだんだん減ってくるでしょうけれども、いまだに年金に結びついてない人がいる。そういう方が一人も漏れなくこの基礎年金に入るというような点があろうかと思いますが、こういう点についてどう思いますか。
#96
○政府委員(松田正君) 現在の年金制度は八つほどの制度に分けておりまして、それぞれの立場で年金制度の運営をやっているわけでございます。御指摘のように、現行のそれぞれの制度には不均衡あるいは格差、そういったものがあることも事実でございます。ただ現在の制度はそれぞれ歴史的な経過、歴史的な由来というものがございまして、いろいろな経過を経て今日の姿になっているわけでございまして、私どもといたしましては、現在の制度はそれぞれ整合性を保ちながらできるだけ不均衡のないそれぞれの制度に仕立てていくと、こういうことを現在の基本的な考え方にいたしているところでございます。いまお話のございました公明党あるいは社会保障制度審議会で発表をされました基礎年金構想もほぼ基本的な考え方は同じかと思うわけでございますが、先ほど来申し上げておりますように、現在すでにそれぞれの制度は非常に多くの既得権者、受給権者を抱えておるわけでございます。したがいまして、こういったような方々に対して、現行制度からどのようにして円滑な移行がなし得るのかどうか、また保険料その他それぞれの制度で異なっておりますものを、経過的にどのように考えていくか、さらには全体の費用負担というものをどのように考えていくか、いろいろとむずかしい問題があろうかと思います。確かに基礎年金構想は、現在の年金制度に対する一つの対案として独創的なものであろうかと考えますけれども、私どもとしましては、現在の制度間の格差解消等整合性を保つと、こういう方向で検討していくというのが現在の考え方でございます。
#97
○小平芳平君 今後検討していただければ結構なんですが、この問題は一朝一夕にできるものではないと思うんですが、既得権は、いま局長が説明したようなすでに受給しておられる方は、あるいは将来の受給権者はそのまま権利は発生するんですね。両案ともそういう考えです。いままでの制度で言えばこれだけ支給されたであろうのに基本年金ができたために受給できなくなるとか、減らすとかいう問題にはなっていないんですね、原則的には。だから、これは二階建て年金というものを本格的に検討していただきたいというふうに思います。
 それから、先ほども出たのですが、任意加入ですね、被用者年金の加入者の奥さんの任意加入、この任意加入は、現在何%くらいの人が加入なさったか、あるいは将来どうなさるおつもりか、いかがですか。
#98
○政府委員(松田正君) 現在被用者の奥さん方が任意加入しておりますおよその率は約八〇%でございます。それで、現行制度で被用者の奥さん方に任意加入を認めているわけでございますけれども、やはりこういった問題につきましては、かねて議論がございましたような女性ないしは奥様方の年金権といいますか、年金の主体性にどのようになり得るかというような問題との関連を十分に検討をいたさねばならないかと思うわけでございます。私どもが年金制度の基本的な問題を検討をお願いをいたしました年金制度基本構想懇談会、こういったような場におきましてもいろいろと議論があったところでございますが、なお検討課題として未解決のままでございます。そういうような関連を考慮しながら任意加入制度の改善を考えていくということになろうかと考えております。
#99
○小平芳平君 実際上、八〇%と言えばほとんど加入していらっしゃるわけで、強制加入と同じような結果が起きているんじゃありませんか。そうして、強制加入にした場合には余りにも自営業者あるいは零細企業の事業主、被用者、そういうような異質なものが一つの年金のグループになってしまうというような点、いかがですか。
#100
○政府委員(松田正君) 本来、強制保険であります年金制度におきましては、任意加入という制度は余り好ましい制度でないことは事実でございます。ただ、現在国民年金にはそういう任意加入の道が講ぜられておりますので、この方向をどうするかは早急に検討をしなければならない問題かと思います。この点につきましては、かねて国民年金審議会あるいは婦人の年金ということで社会保険審議会等にもいろいろとお諮りをいたしまして御意見を賜っておるところでございますけれども、なお十分検討を要する問題ということで結論に至っていないというのが実情でございます。
#101
○小平芳平君 だけれど、一方では厚生省は加入を勧めているんですね。それで、任意加入は本来のたてまえに反するみたいなこともおっしゃるんですね。いかがですか。
#102
○政府委員(松田正君) 国民年金制度の中での任意加入の位置づけということにつきましては、なかなかむずかしい問題がございます。これを直ちにカバー率が八〇%ということで強制加入に踏み切る程度のものになっておるのかどうかということも、また先ほど来申し上げておりますように、奥さん方の年金権、こういった問題との兼ね合わせを、やっぱり十分に検討していかなければならないかと思うわけでございます。したがいまして、同じ答弁の繰り返しになろうかと思いますけれども、その辺の基本問題とあわせて今後とも検討をしてまいると、こういうことでございます。
#103
○小平芳平君 これは、いまここで結論が出る問題じゃないと思うんですが、厚生大臣はこの任意加入についてどう考えていらっしゃいますか。
#104
○国務大臣(園田直君) まず、先ほど言われた基礎年金について、非常に有力な御提案で、公明党の提案もよく私了承しておるので一言だけ申し上げたいと存じます。
 世界に例のない高齢化社会を迎えるに当たって、所得保障の中核になる年金制度は、国民が非常に期待しているところであります。その際、御提案のありました基本年金、基礎年金は有力な一つの提案だろうと考えております。ただ、問題は受給者が多い、負担の問題等いろいろ問題がありますので、だからできないというのではなくて、そういう問題を処理しながら、円滑に移行していくのにはどうすればいいか、こういうことはわれわれが研究しなければならぬ問題であると存じます。いずれにいたしましても、御意見等を承りながら整合性のとれた計画性のある年金制度の改革を図らなければならぬと考えております。
 なお、ただいま言われました任意加入の年金の問題でありますが、これはいまのやりとりにもありますとおり、十分御意見を承って検討していかなければならぬ課題であると考えております。
#105
○小平芳平君 次の問題は、老年者年金特別控除がありますが、新聞報道では、一部でしょうが、控除額を引き下げて年金課税を強化するというふうなことが報道されておりましたが、厚生省当局としてはむしろ逆であって、五十六年度予算に臨む態度としては特別控除制度は引き上げるというふうな御意見だと思いますが、いかがですか。
#106
○政府委員(松田正君) いま先生お話がございました、一部新聞で報道されたことは私も承知をいたしております。ただ、私どもといたしましては、御指摘のございましたように、老齢年金というものが老後の生活保障の中核であると、こういう認識を持っておりますので、老年者の特別控除を含めましたそういったような税制全体につきましては、厚生年金の受給者に十分配意をした考え方で今後関係当局と十分に協議をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#107
○小平芳平君 五十年以来七十八万円に据え置かれておりますね。こういう点についていかがですか。
#108
○政府委員(松田正君) 御指摘のように、五十年に老年者年金特別控除が六十万円から七十八万円になったまま現在まで推移をいたしております。確かに御指摘のとおりでございまして、この点も十分留意して今後財政当局とも協議を進めてまいりたい、かように考えております。
#109
○小平芳平君 次に、社会保障の長期計画で、「昭和五十年代前期経済計画」、これには、「長期的目標の達成を目指すため、社会保障長期計画を早期に策定する。」というふうになっておりますね。ですから、今回のこの改正で保険料率の改定に当たっていろんな論議があったのですが、何にしても、まず長期計画がはっきりしないことには論議のしようがないじゃないか。いかがですか。
#110
○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおりでありまして、急激なる人口構造の変化、社会情勢の急変、この際に社会福祉の問題が国民の合意を得、協力を得ることは、その機能を発揮するためにきわめて必要であります。そういう意味において、長期の展望を具体的に立てることは非常に大事な、しかも急ぐ問題であると考えておりますので、関係各審議会の御意見等を承りつつ長期の展望を出すよう、具体的にいま検討しているところでございます。
#111
○小平芳平君 それで、厚生省当局は、保険料改定と関連して長期計画をどう考えていますか。
#112
○政府委員(松田正君) 厚生省のいろいろな行政におきます長期計画、これは非常に重要な問題でございます。ただいま大臣から御答弁があったとおりでございます。その中で、年金がどういう位置づけを受けるか。これは非常に重要な要素でございまして、現在のところ、今回の法案が成立をいたしまして、いろいろな財政的な要件、今後の雇用条件、そういったものを見ながら長期的な計画に取り組んでまいりたい、かように考えております。
#113
○小平芳平君 雇用情勢ですが、午前中も出ておりましたが、雇用との、つまり率直に言って、年金支給開始年齢とそれから、定年とは限りませんが、とにかく職場を引退するとき、そのときが年金に結びつく、支給開始に結びつくということをみんな期待しているんですね。現在、年金保険料払っている人は全部が、自分が年をとる、働けなくなる、定年延長、再雇用その他、何としてもここで職場から引退しなければならないという段階では、年金が支給されるもの、生活が保障されるものというふうに信じて保険料払っているわけでしょう。ですから、五十五歳定年で六十歳から年金が支給されるというような不合理なことが起きないように、六十歳が定年で六十五歳が年金支給開始というような不合理が起きないように、これは申し上げるまでもないことなんですけれども、将来の生活保障が期待されるから保険料を払うのであって、また保険料を払っているということはそれを期待するのであって、理由はいろいろあるでしょうけれども、それを裏切ってはならないと。いかがですか。
#114
○政府委員(松田正君) いま先生お話しの点ごもっともでございます。人生の大半を勤労に費やしまして、老後生活に入るというときに、なおかつ生活の不安定がつきまとうということは、これからの社会ではあってはならないことかと思います。
   〔委員長退席、理事高杉廸忠君着席〕
ただ、年金制度におきましては、老後の生活の中核ではありますけれども、すべてすみずみまで賄うというところまで行くには、なお道のりが遠いという現状かと思います。
 ただ、御指摘の支給開始年齢の問題につきましては、これは単に年金の財政上の計算上そうなるというようなことではないかと思います。つまり、異常な速度と異常な量で老齢化社会を迎える、先進諸国にも例を見ない高齢化社会を迎える日本といたしましては、ピークに達しますと、約二割近くの方がいわゆる老齢化の人口になるわけでございます。厚生年金で申し上げますと、現在八、九人でOBの費用負担をいたしておりますのが、二、三十年後にはわずか三人でOBを養うと、こういうような結果も予想されております。かてて加えて、就業構造の変化、そういったような基本的な社会構造の変化ということを控えております日本といたしましては、この支給開始の年齢の問題は、財政の安定という見地からのみならず、社会全体の問題として真剣に取り組んでいかなければならない問題ではないかというふうに認識をいたしているところでございます。
#115
○国務大臣(園田直君) ちょっといまの答弁は、少し感じがちょっとおかしいと思いますので……。
 急速に高齢化する、したがって、やむを得ずすき間があるんだと、こういうことではなくて、急速に高齢化するからこそ、年金制度と雇用政策の間に、連携は綿密であってすき間が全然ないようにするのが、厚生大臣以下厚生省の努力目標であると考えております。今後労働省とも十分連絡をとって、このすき間がだんだん縮まるように、そして密接に連絡するようにわれわれは努力したいと考えております。
#116
○小平芳平君 最後に、これも過去の委員会でずいぶん問題提起をしたんですが、年金福祉事業団の大規模年金保養基地について、結果としてこの前の委員会では、年金局長は拙速を避けて十分に検討するんだというようなことを言っていたんですが、拙速とは何事かと。
   〔理事高杉廸忠君退席、委員長着席〕
すでにもう三百八十億か、とにかく資金を投下して、その支払いの利息だけで大変じゃないか、ましてや事業を開始したところで、大規模保養基地ができ上がったところでそれほどプラスになるかどうか、つまり黒字が出るかどうかわからない。立地条件から考えて、とてもそういう大規模基地が経営できないのじゃなかろうかというような観測もあるわけですね。とにかく列島改造ブームに乗って役人が土地を買いあさったのが失敗のもとだった、大きな荷物抱えてにっちもさっちもいかなくなったと、そういうような実情にあると思うんです。
 それで、その後の新聞報道で見ますと、大分厚生省が計画を縮小するとか再検討とか、当時は再検討するというふうに答えていたんですが、何か縮小するような計画になったんですか。
#117
○政府委員(松田正君) 一部新聞等で報道されておりましたことは承知をいたしております。大規模年金保養基地の設置、運営につきましては、基本的な考え方を改変をしたということではございませんで、現在候補の予定になっております十一の地域につきまして、一律に機械的に従来の方針を踏襲して設置、運営すべしということではなくて、その後におきます地域の立地条件、交通事情、入り込み需要、こういったような地域の実情に応じた建設計画を立てていくという道を開くということでございまして、基本的には従来の方針は変わりはないわけでございますけれども、たとえば地方公共団体等も積極的に協力をしていくというような地域につきましてはその協力を求める、また運営等につきましても、地域の実情に合った運営ができるところについては、積極的にその方途を開いていこうと、こういうことでございます。
#118
○小平芳平君 そういうことでいいんだろうと思いますが、とにかく利子だけでも大変でしょう。それで、年金の財政というものは貴重な資金ですから、そのとうとい年金の資金を、その土地を買い占めた支払利息と管理するだけで大変にお金がかかるというようなことは決していいとは思えないですね。よい政策とは思えないです。あの大規模保養基地を策定した当時と社会情勢も変わっているのですから、それに対して厚生省の計画も変わっていって当然なんですね。また初めから二百億かけてつくると決まった以上は、何でも二百億かけて何かつくらなくちゃいけないというふうに決まっているわけでもないですね。大臣、いかがですか。
#119
○国務大臣(園田直君) いま局長からお答えしましたとおりでありまして、候補地その他の変更はいたしておりませんが、社会情勢の大幅な変化を踏まえつつ、立地条件その他を調査しておりますが、いま御意見にありましたとおり、私も地元の自治体の協力、参加を得て、いまのような金利その他の問題がなるべく小さくて済むように、各地元からの要望もきわめてしきりでございますから、そういう意味で早く仕事にかかりたい、こう考えております。
#120
○田中正巳君 私は主として、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について短い時間ですが若干の質疑を行いたいと思います。
 第一に、いま小平委員から質疑がございましたが、この法案の中身は、加給年金額の調整、厚生年金について、あるいは寡婦加算の調整、あるいは国民年金についても、いろいろと母子年金及び準母子年金の問題ですとか、老齢年金の調整、一連の規定がありますが、どうも先般大臣から承った趣旨説明には一言もこのことが触れておられないわけであります。大変細かい点だから省略をなさったのかとも思いますが、こうした社会保障の問題というのは、大きな問題もさることながら、小さい問題についても当事者としては相当な関心事でございますので、したがってこれに触れなかったということについては、一体どういう理由なのかよくわかりませんけれども、今後ひとつ、こういう点については十分留意を願いたいというふうに思います。少なくとも院に対して親切な趣旨説明だったとは思われぬわけでございますが、この点いかがでございますか。
#121
○政府委員(松田正君) いま田中先生御指摘の点につきましては、まさにそのとおりでございまして、私ども意図的にそういうわけではございませんけれども、今後ともそういうことのないように注意をいたします。
#122
○田中正巳君 どうも趣旨説明はいいことだけたくさん書いてあって、ちょっとまずくなるようなことは抜いてやっているので、はなはだどうも私としては遺憾であるということを申し上げておきます。
 さて、この厚生年金、国民年金ですが、昭和五十六年に財政再計算をするはずだったのを一年繰り上げて実は実施をしたというものであるらしいのでありますが、この中で、私どもの承るところによると、この法案そのものにはそういうことは書いてありませんが、初めには、いま小平委員の触れられましたように六十五歳支給開始を前提としてこの法案を立案をしておったように私どもは承るわけであります。その後いろんな事情がございまして、これは訓示規定に相なり、そして訓示規定も衆議院の審議の過程でなくなるというふうなことでわれわれ審議をしていますが、この財政再計算の場合において一体六十五歳支給を前提にしての再計算をやったのか、あるいは六十歳のままで再計算をやったのか、その辺はどのようになっておるわけですか。
#123
○政府委員(松田正君) 現在御審議をお願いいたしております厚生年金保険法の財政計算は、六十歳支給を前提といたしておりませんで、六十五歳支給の場合の料率をお願いをいたしたわけでございます。
#124
○田中正巳君 そうしますると、これは、この法律案はかなりいわゆる保険の数理計算の上ですでに最初から狂ってしまったものだというふうに認識をしなければならないと思いますが、いかがでございますか。
#125
○政府委員(松田正君) 法案は六十五歳にするという前提の料率であります。したがいまして当初千分の百九、一〇・九%で実は法律をお願いをいたしておったわけでございますが、これを一〇・六ということで千分の三削減を受けた、修正をされたわけでございます。この点につきましては、満年度ベースで千六百五十億の減少と、こういうことになるわけでございます。
#126
○田中正巳君 聞いてないことを答弁しちゃだめだよ。私の聞いているのは、この法律案はそもそも実は六十五歳支給でもって財政再計算をしたんではなかろうかと、そうだということでしょう。そうすれば、もともとこの法案の基礎になる数理計算はすでにもう狂っているんではないかというふうに思うんだが、そうですかと、こう聞いているわけだから、イエスかノーか言えばいいんです。
#127
○政府委員(松田正君) 御指摘のとおりでございます。
#128
○田中正巳君 そうなりますと、一体われわれがいまお預かりしている法律で、この六十五歳支給と六十歳支給になったときの一体平準保険料はどのぐらいの差が出てくるものですか。
#129
○政府委員(松田正君) 六十歳支給の場合は平準保険料率が二〇・四、千分の二百四でございます。六十五歳の場合は一七・八、千分の百七十八でございます。
#130
○田中正巳君 このぐらい委員各位お聞きのとおり、もうすでにかなりの数理計算の基礎が狂った上にわれわれはこれを審議しなきゃならぬというところにきているわけであります。まあ悪い言葉で言えばこれはできそこなった法律だというふうに私は実は認識をしているわけであります。しかし、とにかくここまで来たんですから、われわれも政治的背景がありますから、何とかひとつ一日も早く成立をさせなきゃならぬものだろうと思って審議を急いでいるわけでございますが、こうした千分の百九という保険料率、これも実際はいまおっしゃったように平準保険料率から見ればかなり低いものであるわけですね、結局。いかがですか。
#131
○政府委員(松田正君) ただいまの数字で申し上げますと、修正率は五二%でございます。
#132
○田中正巳君 約半分しか保険料を納めるかっこうになっていない。これをまたどうしたものですか、さらに千分の三下げるということになったわけでありまして、衆議院で修正がされてきましたんですが、私どもとしてはまことにどうも妙な感じがするわけであります。こうしたことをやることは、すなわち後代に負担を残すだけだというふうに私は思うわけであります。年金財政の健全化ということを考えるときに私は、こうした長期給付であり、長い間の数理計算に立っているものについては、ただいま直ちにその欠落が見えませんけれども、しかしやはり長い間にはこうした誤った措置というものは大きく尾を引き、後代に迷惑をかけるというふうに私は思うんですが、こうした点について政府のお考えはいかがですか。
#133
○政府委員(松田正君) 御指摘の点はまさにそのとおりかと思います。私どもは修正積立方式ということで財政の再計算の時期に少しずつ料率を積み増しをしていくということは、財政的な安定を図ると同時に、後代と現在その利益を享受している方々とそういった世代間の不均衡ができるだけ少なくなるように、財政再計算の時期にそれぞれの積み増しをいたしておるわけでございます。御指摘の点はまさにそのとおりかと思います。
#134
○田中正巳君 まあこれは私どもも国会議員ですから知らぬわけじゃございません。いわゆる前国会における四党合意といったようなものが今日まで尾を引いて、このような修正が衆議院で行われたというふうに私は理解をしております。そもそもこうした政策問題を国会対策の見地からいろいろと定めるということ自体が、私は国会運営としては恐ろしく邪道だというふうに思うわけですが、現実にやってしまったものですから、これは仕方がないと思いますが、これはひとつわれわれ社会労働委員会に所属する者などは、こうした点については十分ひとつ留意をいたし、いやしくも国会対策的見地からこうした専門委員会の意思を無視して、政策がひん曲がることのないようにお互いに留意をしなければならないものだというふうに思うわけでございまして、まあできたことは仕方がございませんが、こうした問題については、今後われわれは大いに注意をしなければならないと思っておるわけであります。
 ところで、この千分の三の保険料率が引き下がったという背景には、仄聞するところこれと同じ扱いになっていた健康保険法の弾力条項との絡み合いがあったというふうに一部から聞くのですが、この点については政府側にお聞きするのもいかがかと思いますが、何ぞお聞きしたことがあったならば、ひとつお漏らしを願いたいと思います。
#135
○政府委員(松田正君) 前通常国会におきまして国対委員長会談の結果、四党合意がなされたということは私たちも承知をいたしております。また健康保険法の料率を千分の九十一に引き上げるということで負担を軽減するという意味合いもあって、そういう話し合いが行われたということも仄聞をいたしておるわけでございますが、その内容については定かではございません。
#136
○田中正巳君 まあ政府側に聞くのも筋違いでございますから、この点についてはひとつ……(「ここで発言するのも筋違いですよ」と発言する者あり)いや、そうではございません。やはり――不規則発言に答えるのもおかしいのですが、やはりわれわれとしてはこうしたことについてのいきさつというもの、伏線というものは否定すべくもないことでございますから、したがってあえてこれについてはやはり触れざるを得まいと思いますが、まあこれについては省略をいたしますが、いずれにしてもこうした保険数理をわきまえないような修正が行われたというこの結果が、これをリカバリーするのに大変な努力が必要になるんじゃないかと私は思うんですが、一体政府はこうした状況を踏まえて、今後とも年金財政の健全化を図っていく自信がございますかどうか、その点をお漏らしを願いたい。
#137
○政府委員(松田正君) ただいま田中先生御指摘のように、当初提案をいたしました千分の百九、これにつきましても将来の財政見通しは必ずしも安定的にいく保証がなかったわけでございます。やはり次の財政再計算の時期には重ねてその辺の再検討を迫られると、こういうことでございました。なおかつ千分の三修正を受けたわけでございますので、長期的に見ますとその財政的な影響は相当大きいものがあろうかと思います。したがいまして、私どもとしましては、まだ法案審議中でございますので、今後の見通しをここで明らかにするということもいかがかと思いますけれども、今後社会経済情勢等の変動を見つつ、またいろいろな諸条件を考慮しつつ、財政的な安定につきましては適切に対処をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#138
○田中正巳君 これで私も質疑をやめますが、要するに私どもとしては、こうした長期計算に基づく年金等につきましては、当面の負担の軽減のみを考えて、長期的な視野をわれわれは忘れてはいけないということを私は言いたかったわけであります。なるほど、いま拠出をする国民には軽い負担を与えて一時的には喜ばれるかもしれませんが、それは年金財政を破綻をさせ、後代に重い負担を残し、それをリカバリーするためには大変な努力が必要になってくるということですから、まじめに考えて、われわれはこうした年金等の法律の扱いについては、長期的視野に立って物事を考えていかなければならないものというふうに私は思っているわけでございますが、大臣、この点についての御所見を承って私の質問を終わります。
#139
○国務大臣(園田直君) いろいろ御注意があったようでありますが、年金の修正については、政党政治でありまして、共産党を除く四党で合意をされた線でありまして、これは各党の社会労働委員会の方々も御承知のことだと私は理解しておるわけであります。なおまた、その修正については私が独断で了承したわけではありませんし、財政当局ともよく相談をしてやったことであります。しかし、御心配の点は十分今後注意をして検討してまいりたいと存じます。
#140
○沓脱タケ子君 一九八〇年代の日本というのは、六十歳以上の老人が二千万近くになるという予想がなされておりますように、かつて経験をしたことのない多くの困難を抱えた高齢化社会の時代を迎えようとしているのは御承知のとおりでございます。それだけにまた、政府及び政治の責任というのはきわめて重大であろうと思うわけでございます。老後保障の根本的な確立を行うためには医療、年金、社会福祉、住宅、仕事などの分野、これが総合的な計画というのが何よりも必要とされているわけでございます。
 で、全体的にお伺いをするという時間的な余裕がありませんので、大臣にまず最初に、いまも御見解が出ていたようでございますけれども、厚生省は当初六十五歳支給で厚生年金改正案をお考えになっておられた。ところが、世論の手厳しい反対に出会って大平内閣は、選挙対策もあってこれをまずいと判断をなさって、附則においてその足がかりを残そうとされた。もう一つの反対の多かったのは、四十歳未満のいわゆる子供のない妻、子なし妻には遺族年金を支給しないという規定、これらについては厳しい国民的な批判が集中をいたしました。大臣、これらのことについての国会修正をどのように受けとめておられるのか。私は国民の意見を中心として厳粛に受けとめていただかなければならないと思うのですけれども、まず最初に、大臣のこの問題についての御見解をお伺いをしておきたいと思います。
#141
○国務大臣(園田直君) 修正の部分については長期の財政上の問題から懸念をしたところでありますが、国会で修正された以上は至上命令でありますから、これを守って忠実にこれを実行していくつもりでございます。
#142
○沓脱タケ子君 ところがね、私は厚生大臣のこの問題の受けとめ方がどうなのかということがきわめて大切だと思いますことは、一方参議院ではきょう審議に初めて入ったわけでございますが、すでに報道によりますと、十月の十八日のこれは新聞等では、年金収支は二、三年先には見直しと、料率のアップ、六十五歳支給、こういうことが報道をされているわけです。で、私はこの態度というのはきわめて問題だと思うんですね。国会でも、衆議院は十六日に通過をしたかもしれませんけれども、参議院ではまだ審議にも入っていないという中で、いま議決をされようとしている、あるいはこれから審議をして議決をされようとしているときに、すでにこの国会修正の内容について、特に大蔵当局は来年の五十七年度予算編成で修正によって圧縮された保険料率の〇・三プロを取り戻すために引き上げると、支給開始年齢を現行六十歳から六十五歳に引き上げると、てなことをもうぬけぬけと言っておられるんですけれども、この態度はきわめて問題だと思う。国会軽視もはなはだしいじゃないですか。厚生省もこの立場ですか。そんなことだったら、これは何のために審議しているのかわからぬのですよ。衆議院通ったらすぐにあれはあかぬのやと、もう五十七年度の予算編成のときはあれもう変えるんやと。参議院まだ審議にも入っていないんですよ。何という態度ですか、これは。
#143
○国務大臣(園田直君) ただいまのおしかりは同じ政府でありますから承りますけれども、本当は大蔵省の方におしかりをしていただくべき筋合いのものであって、私はむしろそのおしかりを期待する側であることを御理解を願いたい。
#144
○沓脱タケ子君 もちろん怒っているのは厚生省に怒ってないので、大蔵当局のやり方というのは国会軽視もはなはだしいと私は思うんですよ。だから厚生大臣も大蔵省と同じお立場ですかということを私はお聞きをしておきたい。というのは、なぜこのことを特に申し上げておかなければならないかというと、すでにたびたびいろんな角度で論議をされておりますように、労働省の高齢者の就労対策については、六十年代に六十歳定年を一般化すると言っているんでしょう、六十年代ですよ。その後は、研究会でさらにぼつぼつ研究すると、こういうことなんですよね。そういうことがいろいろ勘案されて国会修正がやられてきているというふうに私どもは理解している。国民の厳しい要求、批判の中でそういうふうになってきているわけですから。にもかかわらず、来年の予算編成のときにはなどと、しかも参議院でまだ審議にも入っていないというときにそういうことをぬけぬけと言うなどということでは私ども了承しかねるんですが、この点については所管の厚生大臣も同じ立場、大蔵と同じなのか、厚生大臣は違うのか、その辺ははっきりしておいていただきたい。
#145
○国務大臣(園田直君) 厚生大臣は違います。ぬけぬけと言っているなと、私も思います。
#146
○沓脱タケ子君 お言葉を信頼いたしておきます。
 次に、ちょっと余り時間たくさん取れませんから、いろいろと論議が出ている問題ですが、確かめておきたいと思う点を二、三点お願いをしたいと思っています。
 その一つは遺族年金です。遺族年金の引き上げについては、従来から実に各方面からの強い御要望が出されてまいりました。社会保障制度審議会でも、遺族年金の改善は本来、給付率の引き上げによって対処するべきものだということが述べられておりますし、私ども婦人議員の超党派婦人議員懇談会でもこの数年来総理にもたびたび御要望申し上げてまいりましたのは、遺族年金は少なくとも七割以上にしてもらいたいというのが、これは自民党の先生方も含めての一致した御要求でございました。今回なぜ給付率を上げなかったのかというのは、やっぱり制度審の指摘でもありますし、国民的な要求も率として上げるべきだという点の強い要望の中で、なぜ給付率を上げなかったか、簡潔にお伺いをしたい。
#147
○政府委員(松田正君) 定率給付にするかどうかについては、基本的に問題あることは午前中からの審議の過程でもいろいろ議論になったところでございます。今回、大幅に遺族年金の加算を上げましたのは、一つは低い報酬で働いておられた方の御遺族につきましては、定額加算が非常に手厚く行き渡るという利点がございます。もう一つは、妻の任意加入の制度その他そういったような基本的な制度の改正がどのようになっていくかということにつきまして、まだ結論を得てない段階でございますので、そういったような制度改正の基本的な問題との関連を考慮いたしまして、できる限り基本的な改正に支障のない形をとる方が当面は適当ではないかと、こういう判断をいたしたわけでございます。
#148
○沓脱タケ子君 で、加給金をふやすことが悪いとは言わんのです。悪いとは言わないんだけれども、率をふやすというやはり基本のところをきちんと確立をして、加給金も増加をされる、拡大をされるということが望ましいと思うわけでございます。特に、私は、遺族年金というのは水準はまだまだ引き上げる必要があると思うんですね、金額的に申し上げて。で、五十四年の十二月末の給付で言いますと、平均いたしまして四万四千六百四十二円ですね、五万円以下。遺族年金受給者の中の五万以下というのは八四%ですよ。全く最低保障額程度なんですね。だから、こういう点ではもっと引き上げるべきではないかと思いますが、いかがですか。
#149
○政府委員(松田正君) 寡婦についての最低保障額の問題かと思いますが、今回、二子を有する寡婦につきましては五万八百八十三円から六万九千三百円、六十歳以上の高齢寡婦につきましては四万三千八百三十三円から五万一千八百円というふうに改善を見たところでございます。
 なお、いろいろな点についてはなお今後とも続けて研究をしてまいりたいと、かように考えております。
#150
○沓脱タケ子君 それで、この寡婦加算額を引き上げたのですけれどもね、これもやはり問題なので重ねて指摘をしておきたいと思いますのは、加算額はスライドしないでしょう、ここにやっぱり問題があると思うんですね。で、次の再計算期まで加算額を変えないということになれば、当然基本年金の方はスライドをされていく、加算額は据え置きをされるということになるわけですから、実質的な価値の低下になるというのはもう申し上げるまでもありません。そこで私は、どうしてもスライドを適用するのが当然だと思いますけれども、スライドを適用しないんだというんなら物価上昇に見合って毎年、あるいは毎年が無理なら再計算期まで五年間じっと据え置きではなくて、適宜せめて二年に一遍ぐらいは改善をするというような措置をお考えになれるかどうか、その点を私はお聞きをしておきたいと思うんですね。
#151
○政府委員(松田正君) 寡婦加算のスライド制の問題につきましては、当委員会におきましても、最前から御議論のあるところでございます。現行はスライドいたしておりません。したがいまして、基本年金額はふえればその分だけ目減りをして割合が低くなるではないか、これはもう当然のことかと思います。ただ、申し上げておりますように、寡婦の加算につきましては、妻の年金権その他、そういったような問題とも絡み合わせて検討する必要があるということから定額制に踏み切っておるわけでございます。スライドができないのであれば、毎年でもいいから改正すべきではないかという御意見は、貴重な御意見として承っておきたいと考えます。
#152
○沓脱タケ子君 いや、承っておくんではなしに、五年間加算額を据え置きにしておくんではなくて、せめて五年の間に二回なり三回なり、適宜手直しをするという改善をしたらどうかと思うんですよ。そういうことをおやりになるお気持ちはないかどうか聞いている。
#153
○政府委員(松田正君) 御意見の点につきましては、十分研究をしてみたいと思います。
#154
○沓脱タケ子君 これは金額的に最初に申し上げたように、全体として金額は低いわけですから、だから、せめてそのくらいのことはお考えになっていただく必要があるんではないかということで特に申し上げているわけでございます。ぜひ御検討いただいて、実現のできるようにしていただきたいと思います。
 次に、障害年金の改善、特に障害福祉年金の問題についてお伺いをしておきたいと思います。
 厚生省の障害年金というのは、労働能力の完全な喪失、あるいはかなり大幅なかなりの喪失者に支給をされるものですが、それで五十四年の十二月末に見ますと、障害年金の受給者の月額六万円以下という方々が約六〇%、月額ね。これでは従来どおりの、従前生活の水準を維持するということはできないというのは当然でございます。この点はお認めになりますか。
#155
○政府委員(松田正君) そういう額で生活ができるかという御質問でございますけれども、年金は、完全なかっこうですべてを保障するというところまで、現在の年金制度の成熟度その他から申しますと行ってないという事実がございます。そういう意味では、不十分な点があろうかと思います。
#156
○沓脱タケ子君 労働能力を喪失した場合に、その生活保障というのは当然年金が頼りになるわけでございますから、その場合に、これは去年の十二月の末の統計なんですね。これはあなたの方からの伺った統計なんですよ。六万円以下が六〇%、これは従前生活を保障するということはできないのはだれが見ても明らかです。私はこの点が低いので大変だと思いますと同時に、改善を必要とすると思いますと同時に、その低い障害年金と比べても格段に低いのが障害福祉年金、この平均的な支給額、年金額を比べてみますと、拠出制の障害年金ですね、この障害年金といえば一級から三級までありますから、ランクがそれぞれ違いますけれども、しかしこの障害年金の支給額の平均を見ますと、これは五十四年の十二月末ですから、去年の末の統計では年額七十三万円ですね。で、障害福祉年金の方は一級から二級までですが、同じ昨年の十二月末で三十三万五千円ですね、年額。半分以下なんです。格段に低い。厚生省はこういう格差というのを、全体として低いという問題もありますけれども、この障害年金と障害福祉年金の半分以下という大きな格差についてどのように見ておられるのか、お考えをお聞きしたい。
#157
○政府委員(松田正君) 障害福祉年金、それから障害年金との格差の問題につきましては、現在の国民年金制度というものが、保険料拠出ということの社会保険形式をとっております関係上、拠出される方と拠出されない方との相違がある程度あることはやむを得ないというふうに私どもは考えております。
 ただ、午前中にも御議論ございましたように、同じ障害でありながら、片や手厚く片や相対的に薄いということは問題があるのではないかという御指摘については、十分に理解ができるところでございます。こういった問題につきましては、すべて年金制度の中で一から十まで解決するということは非常に困難であろうかと思いますけれども、なお、これらにつきましてもよく検討してまいりたいと考えております。
#158
○沓脱タケ子君 大臣、この問題は朝からも論議の対象になっておるところでございますが、非常に大事な点だと思うわけです。
 で、ことしの五月十五日の三十三回全国盲人福祉大会では決議をやっておられます。その決議によりますと、もう御承知だと思いますけれども、「障害福祉年金を拠出制同等とし、超重度及び老令者加算又は併給を要望する。」という御要望だとか、あるいは「障害福祉年金を障害保障とし、給付金を拠出制と同等に引き上げ、所得制限を撤廃されたい。」等、あるいはこういうのもありますね「障害福祉年金を所得保障から障害保障方式に改正」をしてほしいというふうな御要望などが出ております。これは社会福祉法人日本盲人会連合からも出されている陳情書ですけれども、私一緒に並べて読みましたけれども、こういう要求に対してどうこたえるかというのは私は、今日の時代に厚生省の基本理念をどう持つかということにかかわろうと思うんですが、その点についてどうですか。
#159
○政府委員(松田正君) 先ほども申し上げましたように、同じ障害の方につきましていろいろその生活保障上の差別があるということは、私たちも十分認識はいたしておるわけでございます。
 年金制度について申し上げますと、厚生年金にいたしましても、障害年金、それから老齢年金、いずれも同じ体系の中で実は年金制度ができ上がっておるわけでございます。そういう意味で、確かに障害の場合には障害による所得能力の喪失あるいは減少、老齢年金の場合には老齢という現象による所得能力の減少あるいは喪失と、こういったことに同じ制度の中でそれぞれ対応しておるという仕組みになっておるわけでございまして、老齢年金等とのバランスを考慮しながら、障害年金につきましても現在給付水準が定められておるというのが現状でございます。そういう意味で、年金制度の中ですべてを解決していくということにつきましては、いろいろむずかしい問題があろうかと思いますが、同一の障害につきまして同じような処遇がされたいという御趣旨は十分理解ができるわけでございます。総合的に考えるべきものかというふうに考えております。
 なお、午前中もちょっと触れましたけれども、たとえば障害の年金制度を一元化していくというのも一つの考え方であろうかと思います。これにつきましても、いろいろ検討すべきことがたくさんございますけれども、総合的な見地から障害という問題をとらえていく、こういうことにこれから留意をしていく必要があろうかというふうに考えております。
#160
○沓脱タケ子君 私は厚生省のこの障害保障という理念に対する態度というのが、基本的に問われている問題であろうと思うわけですよね。この障害者年に当たりまして障害者の権利宣言を見ましても、こういうふうに書かれていますよね。「障害者は、経済的社会的保障を受け、相当の生活水準を保つ権利を有する。」というふうな記載もございますし、また、国際障害者年の行動計画の中には「障害者が社会から孤立したり、隔離されたりする事態を生み出すことなく、その生活する社会の必要な地位にとどまったり、任じたりするよう援助し、励ますために、諸事業や給付金について再評価すること。」というのが行動計画にも明記されています、これはね。そういう点から見ますと、これは従来の政府のお考えから出ている施策というのでは、こういう制度になっておるのでやむを得ませんという考え方でいきますと、何というんですか、乏貧的発想というんですか、そういう発想になるんですが、いま申し上げたように、国際的な方向というのは障害保障的な思想に立って対処するべきだという点が明らかにされてきているわけですが、障害者年に当たってこれらの理念というものを、わが国の厚生省でも明確に確立をしていくということがきわめて大事な時点になっているんではないかというふうに思うんですが、その点大臣いかがでしょう。
#161
○国務大臣(園田直君) 障害者に対する障害保障の理念は、これは当然のことであって、厚生省としてもその理念に向かってこれを実現すべく努力すべきであると考えております。
#162
○沓脱タケ子君 そういたしますと、厚生省は障害福祉年金の水準を拠出制の障害年金の水準に一挙には一緒にできないといたしましても、接近をさせていくと、させていきたいという立場で対処なさるのかどうか、その辺はちょっと明確にしていただきたいんです。特に、障害者年を迎えるに当たっていろいろな施策の問題はございましょうけれども、これも重要な問題点の一つでございますので、その点の御決意を明らかにしておいていただきたいと思います。
#163
○国務大臣(園田直君) 格差を縮め及び所得控除についても本人、扶養者義務ともこれは逐次緩和していくべきであると考えております。
#164
○沓脱タケ子君 その格差を縮めていくということの御決意のようでございますので、ちょっと所得制限のところに触れられたような御回答でしたけれども、ちょっと念のためにお聞きをしておきたいのは、大臣、所得制限ですけれども、鈴木内閣は社会保障に対する所得制限を強化するという方向をすでに打ち出しておられますよね。また、昨年の十二月の二十八日の自民党の三役立ち会いで時の竹下大蔵大臣、野呂厚生大臣、伊東官房長官の三大臣の間に交わされた覚書というのが、有名な覚書がございますが、
   〔委員長退席、理事高杉廸忠君着席〕
これによりますと、御承知のように、所得制限については「社会保障施策の所得制限全般についても所要の見直しを進め、昭和五十六年度において、その適正化を図る。」というふうに覚書には書かれているわけでございます。この適正化というのはどういう意味か、このことが厚生大臣いま問われていると思うんですが、この所得制限に絡む重要な政府の施策の中心になってきているように思いますので、ひとつ改めて大臣の御見解をお伺いをしておきたい。
#165
○国務大臣(園田直君) 適正化とは、急激に変化する人口、社会、経済情勢に応じて手落ちのないように適正にやれと、こういう意味であると厚生大臣は解釈をしているところであります。また、そう解釈するのが厚生大臣の義務でございます。
#166
○沓脱タケ子君 それで、昨年もこの問題は覚書が明らかにされまして以後相当問題になったんですね。で、昭和五十三年の五月の九日の社会労働委員会で、時の厚生大臣の小沢大臣がこう言われているんですね。「私は、福祉年金につきまして、本人の所得制限はどうしても引き上げまして、できるだけそういう方々を少なくしたいという気持ちでございます。」というふうに言っておられるんですが、これは最低そこは堅持されるでしょうね。私は、その辺が非常に大事な点だと思いますので、くどいようですけれども、どんどん所得制限で福祉年金受給者が減らされていくというふうなことにしてはならないと、率としてもきわめて少ないですからね。二%弱でしょう、厚生省の御発表でも。二%弱程度の人たちがどんどん所得制限でふやされていくということがあってはならないと、二%ぐらいだから全廃しても知れていると私は思うんだけれども、少なくともふやしてはならないと思うんですが、その点大臣の御見解いかがですか。
#167
○国務大臣(園田直君) 所得制限については御説のとおりでありまして、今般も若干ではありますが、引き上げたところでございます。
#168
○沓脱タケ子君 次に、保険料の引き上げについてお伺いをしたいんですが、今回一般の男子が九・一%を一〇・六%に〇・七五%アップになるわけですね。で、本人負担はその二分の一と。女子は七・三%が八・九%。ですから本人負担は四・四五%ですね。〇・八%のアップで、その後女子については毎年〇・一%ずつ引き上げるという内容でございますが、この保険料の引き上げと労働者の実態との関係で少しお尋ねをしておきたいと思うわけです。
 いま、日本の労働者の生活実態というのはどうなのかという点ですが、いろいろな水準がまだあろうと思いますけれども、下請の製造業の、中小と言いたいですけれども、零細に近い職場で働く労働者の方々の実際の給与明細書を調べてみました。そうしますと、四十一歳の男子で勤続四年です。で、扶養家族二人で超過勤務が四十二時間やられまして、時間外手当が三万八千百九十五円ついておって、実際には総支給額が十九万四千二百三十一円。そしてその中で健康保険の掛金が七千二百円、厚生年金掛金が八千百九十円、差し引き、税等の差し引きをいたしまして支給額というのが十六万九千二百三十三円、十七万弱なんですね。もう一例は、これはことしの九月の給料ですよ、給料明細書。三十八歳の男子労働者です。扶養家族が二人。で、超過勤務もやっておりまして、この方は総支給額が十八万二千百八十二円。健康保険の掛金七千六百円、厚生年金八千六百四十五円、そのほか所得税、住民税等を差っ引きまして、手元に残るのが十四万六千百七十五円という状況でございます。これは一例ですけれどもね。勤務日数は前者は二十四日出勤日数、後者は二十五日ですね。一生懸命働いていても十四万から十七万程度しか手元には入らないと。これで扶養家族を含めて親子が生活をしている。国民総生産――GNPから言うたら、資本主義国世界第二位のわが国ですけれども、実際には中小企業あるいは零細企業の労働者の生活実態というのはこういう状態なんですね。きわめて厳しい状態であるということはどなたでも御理解できると思うわけです。
 ですからそういう中で、厚生省が御調査をなさいました「高齢化社会の社会保障」というのによりますと、「年金の給付と負担」というところで出ております回答は、「これ以上負担を高くしないように」というのが二二・九%、「ある程度の負担はしかたないが、負担が高くならないように工夫すべきだ」というのが五七・五%、両方合わせますと八〇%以上の人たちが急激な負担増というのはもう御免だと、反対だと言っているわけでございます。ここを基本にして、今後も政策を立案すべきではないかと思うわけでございます。したがって今回のような大幅な引き上げというのは、国民の生活実態から言いましてもきわめてしてほしくない、要求に反するということでございますし、そういう点でわが党はこういうやり方については了承しがたいわけでございます。そういう点では、先ほどの御質疑もありましたけれども、労働者の負担が高くならない工夫というものをもっとやるべきだと。で、負担が高くならない工夫の一つに、保険料負担割合の変更というのがあると思うのですよね。先進資本主義国では、折半というところは少ないでしょう。ヨーロッパでは、まあお聞きしてもいいんだけれど、フランスでもイタリアでもオランダでも、労働者の負担というのは三割ないし三割以下ですね。労使折半というところはもうなくなっている。
 そういう点で、こういう必要な保険料の負担割合の工夫というのを本気でやらなければならない段階へいよいよ来ていると思うのですよ。そういう点で、わが党は従来から中小企業には一定の援助をするということも含めて、労働者三、資本家七にするべきであるという主張をずうっと続けてまいっておりますけれども、いよいよこの方式を真剣に検討するべき段階ではないかと思うのですが、この点についてはいかがですか。
#169
○政府委員(松田正君) いま先生御指摘の負担割合の問題でございますが、保険料の労使の負担の割合につきましては、健康保険を初めといたしまして、各種公的年金制度、いずれもわが国では折半の原則を従来維持しているわけでございます。厚生年金におきましても同様でございます。こういうような経過がございますので、すぐに各種被保険者あるいは事業主、この負担割合を変えていくということは現実問題として非常に困難ではないかという認識をいたしております。
#170
○沓脱タケ子君 これは大臣にやっぱりお考えをいただかなければならないのではないかと思うのですが、毎回毎回負担割合を引き上げていく。で、たまたま今回は国会修正で〇・三%ですね、引き下げられると。政府原案よりは引き下げられるということになったのですけれども、それでも働く国民にとっては相当な負担です。というのはね、厚生年金だけではないんですね。健保もすでに提案をされておりますように、掛金の引き上げというのが予定をされているわけですね。そういう状況では、国民の立場からいいますと、そういう年金制度を確立していく上で、少なくとも労働者と資本家とが折半の制度というのは、いまなお今後も続けていくというやり方というのは、この際に一遍見直しをしていただかなければならない、いよいよ解決をしなければならない時期に来ていると思うのですが、真剣な検討が求められてしかるべきだと思うのですが、これは大臣いかがでしょう。
#171
○国務大臣(園田直君) 保険料の負担を高くしないでくれというのは、私の調査で、先ほど発言されたとおり大部分がそうであります。しかしながらその工夫の一つとして、労使の負担を折半から三対七に変えよという一つの御意見でありますけれども、御意見はごもっともだと思いますけれども、実際問題としていろいろな困難な問題があるわけであります。諸外国の例を見ましても、フランス、イギリスはそうではありませんが、アメリカや西ドイツは折半になっておるわけであります。しかし、せっかくの御意見でありますから、よく勉強をいたします。
#172
○沓脱タケ子君 いや、ヨーロッパ諸国は折半の国の方が少ないんですよ。これは時間がないから申し上げませんけれども、その点は諸外国、ヨーロッパ諸国を御検討になって、わが国でも真剣な検討が求められるべきだということを、特に重ねて要望しておきます。
 時間がありませんので、次に参りますが、年金積立金に関連をいたしまして一つお伺いをしたいのは、大規模年金保養基地についてでございます。
 大規模年金保養基地の計画というのは、全国に十一基地十三カ所に設置をし、その費用は年金保険料の積立金を原資とすることとしてスタートしたんですね。昭和四十八年度以降五十二年度までに基地の用地として十三カ所約三百八十八ヘクタールを総額約三百八十億円で取得をしている。計画の進捗状況はどうなっているんですか。
#173
○政府委員(松田正君) 大規模保養年金の基地につきましては、四十八年度にこの事業の開始をいたしたわけでございます。自来、順次用地の取得、基本計画の策定、設計等の事業を順次進めてまいっておりますが、まず用地の取得につきましては昭和五十一年度末をもって全部完了をいたしております。
 それから次の作業といたしましての基本計画の策定につきましては、十一基地中九基地につきましてはすでに大臣の承認を行ったところでございまして、その他の基地につきましては、現在原案を作成をいたしまして、近く承認の運びになろうかと思います。
 それから具体的な保養基地の建設につきましては、兵庫県の三木基地、それから北海道の大沼基地、いずれも建設に着手をいたしまして本年七月に開業をいたしたと、こういうことでございます。それから昨年八月には新潟県の津南基地につきまして基盤整備工事に着手をいたしておりますし、また指宿の基地につきましても本年度中に建設工事にかかる、こういう予定になっておるところでございます。
#174
○沓脱タケ子君 これは時間がもうありませんからあんまり詳しく申し上げられませんけれども、会計検査院で指摘をされているのを見てみますと、「五十三年九月現在、用地取得後四年六箇月ないし一年六箇月を経過しているにもかかわらず、建設予定の十一基地のうち、基本計画について厚生大臣の承認を受けたものが上記の三木及び大沼両基地を含め四基地、基本計画案の策定だけを終えたものが四基地で、残りの三基地は、基本計画案の策定作業すら開始されておらず、それに関する今後の見通しも立っていない状況であり、また、基本計画案の策定だけを終えた四基地についてみると、厚生大臣の承認手続を採らないまま長いもので二年七箇月、短いもので六箇月を経過している状況である。」などと指摘をされていたわけでございます。で、時間がありませんから、この問題についてはきょうは追跡をしませんが、そこで、用地取得費というのは資金運用部資金から借り入れをして、そしてその用地取得をするんですね。さっき申し上げた約三百八十億で用地を取得した。金利負担額は幾らですか。で、これらの用地計画も全部できておらないという状況ですが、維持管理費は一体どのくらいかかっているんですか。
#175
○政府委員(松田正君) 基本計画の策定、工事の着工につきましては、ただいま御指摘があった点は先ほど御説明いたしたとおりでございます。なお、昭和四十八年度から五十四年度末までに支払いました金利は総額で百二十九億でございます。用地の維持管理費は約二億円となっております。
#176
○沓脱タケ子君 金利と維持管理費だけで百三十億を超えるわけですが、これどこから払うんですか。
#177
○政府委員(松田正君) これらの経費は、原資といたしましては、厚生保険、船員保険、国民年金の保険料で払います。
#178
○沓脱タケ子君 そうすると、金利と維持管理費、金利百二十九億と維持管理費二億で百三十一億ですが、これは全く年金の掛金で払っておるわけでしょう。ちょっと漫画みたいなんだけれども、被保険者の掛金を大蔵省の資金運用部資金へ持っていって、その金を借りてきて土地を買うて、それで出てきた利息はまた掛金で支払うというあほみたいな話なんですけれども、そういうことになっているんで、私どもも被保険者の一人だけれども、被保険者から言うたら大規模保養基地どころじゃなくて大規模むだ保養基地と言わざるを得ないと思うんですけれども、やってしもうたことはしようがないというのでは済まないと思うんですね。というのは、責任だけはやっぱり明確にしなくちゃいかぬと思うんです、一つは。責任の第一は厚生大臣経験者の皆さん方に大分責任あるのと違うかと思うんですよ。というのは、基地建設予定地のほとんどが厚生大臣の経験者あるいは厚生政務次官の地元なんですね。これは、兵庫県の三木は渡海元三郎元厚生政務次官の地元ですし、北海道の大沼は先ほど御発言がありました田中正巳元厚生大臣。それで新潟の津南は小沢元厚生大臣のお近くですね。それから岩手県の田老は鈴木善幸総理大臣、元厚生大臣。和歌山県の紀南は早川元厚生大臣。高知県の横浪は塩見俊二元厚生大臣などというふうなことになっているわけです。こんなの見たら国民は変だなあと思うのはあたりまえなんですよ。大臣、こういうのはやっぱりこの辺はっきりせにゃいかぬと思うんですよ。
   〔理事高杉廸忠君退席、委員長着席〕
 さらに重大なのは、もう時間がないので細かく言いませんけれども、重大なのは、基地建設の工事の入札をめぐりまして、大手の建設会社が談合を行ったのではないかと思われる疑惑が濃厚であります。これは昭和五十年にようやく大規模年金保養基地の設置及び運営に関する全体基本計画がまとまった。そうして総額が約二千億に上る大きな工事となることが明らかになりましたところ、ある大手の建設会社において大規模年金保養基地に関する会が開かれた。その席で出された話を記録したメモの写しというのがあるんです。これ一遍大臣ごらんに入れましょう。ちょっと済みません。委員長に一枚と大臣に。上の方をごらんいただきますと、三木というところには竹中と書いてある。北海道の大沼には大林。それから津南には大成なんです。田老と記載されているところにはカですね、鹿島建設の略称らしいですけれども。これは大手建設会社の幹部の間で話し合いをして、そのメモが示すように、独占受注をすることを決めていたということを示しているんですね。
 ところが、そのことが関連建設企業の中にキャッチをされて、巻き返しが起こって共同企業体方式に落ちついたといわれているわけです。その後基地建設の発注は、ずっと見てみますと、当初予定どおり進んではいませんけれども、さっき言うたようにまだ幾つも進んでないけれども、発注された三木、大沼、津南の各基地について見てみますと、とのメモのとおりになってる、実際は。三木の場合は清水、竹中土木、相沢の共同企業体でやっていますけれども、竹中土木が中心になって工事をやっている。これは私、見に行って知っているんですわ。大沼は大林など三社、津南は大成など三社が共同企業体でやっている。それで、年金福祉事業団が建設各社に三木の基地の入札参加の資格審査申請書の提出を通知したのはいつかというと、これは何と昭和五十二年の十二月ですよ。私はこのメモに示されている情報を入手したのが五十二年の夏ごろなんです。ところが、その後の推移を見てみますと、その情報が全く正確であったということを示しているんですね。これは大臣、こういうことは国民の疑惑を生むもとなんです。国民の疑惑を晴らしていくために、特に国民の掛金ですから、調査をされる必要があると思うんですがいかがですか。
#179
○国務大臣(園田直君) よく調べて監督をいたします。
#180
○沓脱タケ子君 私は、きょうは時間がありませんので詳しくお伺いをいたしませんけれども、この大規模保養基地については、すでに新聞等でも最近言われておりますが、政治色の濃い発足だというふうにある新聞では言われている。大規模保養基地は一口で言って失敗だと、時代の変化もさることながら、机上プランを十分確かめもせずに実施し、しかも政治家の介在で話が大きくなってしまったと、交渉経験者は率直に語るというのが新聞記事ですよ。列島改造に便乗し、大きな土地を持っていれば地価の値上がりだけでも幾らでもおつりが出てくると、安易な発想がひそんでいたため、そもそもの計画が大ぶろしき過ぎたなどというのが指摘をされているわけですけれども、会計検査院の意見でも見直しを早急に行う必要があるというふうに言われておりましたが、厚生省のお考えいかがですか。
#181
○政府委員(松田正君) 大規模保養基地の今後のあり方につきましては、先ほども申し上げましたとおり、基本的な考え方は変わっておりませんけれども、その後のいろいろな社会、経済諸条件の変化、地域におきます交通その他の情勢の変化、そういったような地域におきますニードに応じた基地建設ができますような方途を開いて、現実的に処理をしていくと、こういうことで現在、地元、都道府県あるいは市町村も含めた関係者の協力も得る体制をつくる方向で現実的に処理をしてまいると、こういうことでございます。
#182
○沓脱タケ子君 ちょっと時間がありませんので、最後に大臣にお伺いをしておきたいと思いますが、私は国民の年金保険料というのがずさんな運用をされては絶対ならないと思うんですね。しかし、年金保養基地の実態を見ますと、掛金がさっきも言うたような漫画みたいなかっこうになってるでしょう。百三十億の利息なんてなもの、全くむだ金を労働者の掛金で払っているわけですよね。あるいは大建設会社の食い物にされているというふうなこと、あるいは厚生大臣経験者などの政治絡みなどなどというようなことが出ておりますように、まあ少なくとも国民の年金保険料というのは、ずさんな運用というのは絶対に許されないと思うんですね。
 その点で、私は年金の積立金の運用について、午前中も問題になりましたけれども、きわめて大事だと思うんです。今日でも二十七兆でしょう。昭和七十年になりますと百兆を超すんですよ。こんな膨大な金が、掛金をしている被保険者が一口も物を言う条件がなくて、全然関係のない人間が集まって運用の仕方を決めて運用するというふうなことになってまいりますと、こんなむだも出てくる。これはね、被保険者として許されませんよ。どんなことがあっても被保険者の代表が参加をして、民主的な運営のできる状態というものを厚生省が責任を持ってやっぱり設定をするべきです。きょうもね、大蔵省では何やら年金資金懇談会みたいなの、仮称ですけどつくろうと思うてますという話だけれど、大蔵省は大蔵省ですよ。大蔵省に何もかにも任すのだったら、厚生省が年金を扱うという資格なくなるじゃないですか。そこはね、園田大臣、こんな大事な時期ですから、この点はしっかりと、加入者代表の参加がきちんと位置づけられる運営委員会というものを、厚生省の責任でもって明らかに確立をするということをぜひ言明をしていただきたいと思うのですが、その点について、ひとつ最後に御見解をお伺いをしたいと思います。
 で、こどもの国についても二、三点お伺いをしたいと思ったのですが、時間がありませんので、条件が許されたらまたお伺いをさしていただきたいと思います。
#183
○政府委員(松田正君) 年金資金の効率的、民主的な運用につきましては、かねて私どももそういう方向で鋭意努力をいたしているところでございます。今回、大蔵省に年金資金懇談会――仮称でございますけれど設けることにいたしたのも、そういう趣旨のあらわれと御理解を賜りたいと思います。
 なお保険料、いわゆる年金資金につきましては、その量も膨大な量になっておるわけでございます。したがいまして、この運用というものは国全体の財政投融資にきわめて重要な影響を持つものでございます。したがいまして、全体の立場で資金の効率的運用を図るのが適当かと、現在ではそういうふうに考えているところでございます。
#184
○国務大臣(園田直君) お金の使い方は、午前中にも御意見が出ましたが、大事な問題でありますから、各界各方面等の代表者の意見を聞いて、適正に運営するよう努力をいたします。
 なお、保養基地の建設については、むだ金がないように十分監督し、見直すと同時に、地元の自治体等の協力、参加も得て、予定よりもお金が少しでも少なくて済むように研究をいたします。
#185
○柄谷道一君 厚生年金保険法の一部改正案が、さきの国会での自・社・公・民・四党の合意に基づきまして、支給開始年齢に関する訓示規定が削除されたこと、四十歳未満の子のない妻の遺族年金を支給対象から外す一項が削除されたこと、さらに、保険料を政府案から千分の三引き下げることの三点について合意が、修正が成立し、また、五十五年度予算編成時における合意に基づいて所要の改善、修正が行われましたことは、公党間の約束が守られ、議会制民主主義のルールが尊重されたものとして、評価いたしたいと思います。
 しかし、大蔵省にお伺いいたしますが、新聞報道によりますと、大蔵省首脳は、財政再計算期の五年以内にこだわらず、来年末の五十七年度予算編成で、今回の修正により圧縮された保険料率の千分の三を取り戻すために料率を引き上げる、支給開始年齢を六十歳から六十五歳に引き上げるなどを盛り込んだ、再修正を図る方針を固めたと報道されております。その真相についてお伺いいたします。
#186
○説明員(安原正君) 御質問の点でございますが、御承知のとおり、厚生年金につきましては、今後人口の老齢化が急速に進行してまいりますし、それから制度の成熟化が進んでまいります。まあそういうことで、今後の厚生年金のあり方につきましては、年金制度の長期的な安定を確保していく、それから世代間の負担の公平を確保していくということがきわめて重要な課題であると考えております。これらの点等につきまして従来から検討がなされてまいっておりますし、今回の改正でもその検討結果を踏まえた改正も行われておるわけでございますが、今後とも引き続き、そういう諸問題につきまして検討を重ねていくべきものと考えております。
 今後この改正の後、次の再計算あるいは制度改正をどのようにするかということにつきましては、まだその具体的なことは固まっているわけでは毛頭ございません。厚生省が中心になっていろいろお考えいただくべき事柄であろうと考えております。今後、政府部内で厚生省とも十分協議しながら、次の改正に向けまして諸準備、検討作業を政府部内で進めていく、そういう準備ができ、具体案が固まってきた段階で、適切にできるだけ速やかに対処していくということでやっていくべきものと考えております。
#187
○柄谷道一君 もしこの新聞報道のとおりであるとするならば、国会における修正の意思というものとはかかわりなく大蔵省は動くというふうに受けとめざるを得ないわけです。しかし、ただいまの御答弁によりますと、この新聞報道は全く根拠のない誤報である、このように理解してよろしいですか。
#188
○説明員(安原正君) 新聞報道の内容につきましては関知いたしておりません。われわれが大臣から承っておりますところは、ただいまも申し上げましたような趣旨で、厚生年金につきましては長期的ないろいろな問題がございますので、引き続き検討を進めてできるだけ速やかな適切な対処をすべきものと考えておると、そういうぐあいに大臣から承っております。
#189
○柄谷道一君 じゃ、厚生省にお伺いいたします。
 同じ報道によりますと、厚生省も次の財政再計算の時期を早め、三、四年後にはこれを実施して保険料率の大幅アップとともに、支給開始年齢を六十五歳におくらすという判断を固めた、こう報道されております。その内容は、真相はいかがでございますか。
#190
○国務大臣(園田直君) 厚生省のどこから出た意見か知りませんが、現在は御承知のごとく再計算期に当たって法案の審議をお願いしておる段階でございますので、次の再計算の時期はいつになるかは未決定であります。大蔵省がおっしゃったように、大蔵省としては年金の安定財政についていろいろ注意をされていることは事実でございましょう。
#191
○柄谷道一君 それでは大臣の御答弁を素直に受けとめまして、全く再計算期は現在のところ白紙であると、このように受けとめておきます。
 そこで大臣、私は外国でいわゆるリタイヤ風景に接する機会を数多く得ました。また、日本でも多くの先輩が定年で退職するという会合にも出席をいたしました。しかし、私はその長い間御苦労さまでしたという言葉は同じでも、外国のきわめて陽気な雰囲気に比べて、日本の場合はきわめて陰気な雰囲気ではないかと、こう思うのでございます。あすから年金で暮らせる身分になったのだ、うらやましいぜという気持ちを含めて、乾杯して、グッドラックで送り出していく、そういう外国の風景と、働く意思、能力がある、また働かなければならない家庭環境にある、しかしながら、定年という名のもとに職場を去らなければならない、しかも年金の支給開始年齢までには期間がある。それは人生で最も悲しい誕生日であり、送り出す側が湿りがちになるのも当然だと思うのでございます。私は、こうした差は定年という雇用保障制度と年金という所得保障制度が連動しているか、無関係に存在しているか、これに由来するのではないか、こう思います。きわめてこれは実感的な質問でございますが、大臣の御認識をお伺いいたしたい。
#192
○国務大臣(園田直君) 雇用政策と年金制度の間にすき間があることはまことに残念だと考えております。年金ばかりでなくて、医療制度その他についても、働いてそしておやめになるころ、一番体が緩むときでありますが、その時期に、これに対する手当ても急速に変わるわけでありますので、いま御指摘の点は非常に大事であると考えますので、現在はそのようになっておりますが、労働省とも先般来からいろいろ連絡をしておりますが、これから十分連絡を密にして、雇用政策と定年制のすき間がないように努力をする考えでございます。
#193
○柄谷道一君 大臣の所信は理解いたしましたけれども、それでは現実にどうなっているかということを見ますと、政策推進労組会議が五十四年七月時点で加盟組織八百五十四組合の男子の定年年齢を調査いたしております。それによりますと、六十歳定年制度をしくところは二六・一%、六十歳以上の定年制を持つところはわずか〇・五%でございまして、六十歳に未達の定年制を持つところが実に七三・四%を占めておる、こういう実態が発表されております。
 労働省が昭和五十三年に調査しました雇用管理調査によりましても、これは調査の対象が違いますから数字は若干異なりますが、六十歳は三三・七%、六十一歳以上は四・八%で、いわゆる六十歳に達していない会社は約六〇%に及んでいる、これは労働省の調査でございます。私は、労働省が現在行政指導を強化しつつ昭和六十年までに六十歳定年を何とか実施しようというふうに努力されていることは承知いたしております。しかし、いま申し上げたのが率直な実態でございます。
 今後、年金支給開始年齢を六十歳以上に上げていくということになれば、当然いまの大臣の御答弁からしても、定年年齢がそれに相連動していくことが必要でございます。しかし、私は長い私の経験からいたしまして、単なる行政指導だけで定年年齢を六十歳以上に引き上げていくということは、現実きわめて困難ではないか。私は、そういう定年の実態の中で、支給開始年齢だけがひとり歩きしていくということにつきましては、これは大変な問題だろうと思うのでございます。大臣は、これは所管は違いますけれども、国務大臣でございますので、こうした定年の実態と今後の支給開始年齢引き上げの関連についてどう理解していらっしゃいますか。
#194
○国務大臣(園田直君) 私個人は、もともとは定年制に反対という意見を年来主張してきたものでありますが、閣僚としては、いま問題になっております定年制六十五歳ということで各省とも連絡をして努力をしたいと考えております。
#195
○柄谷道一君 大臣、これはお願いといいますか、要請なんでございますが、六十歳以上に定年を延ばしていくと、これ大変なことですよ。行政指導だけでは限界ですよ。とすれば、私たちも別途の法案を提出しておりますけれども、この年金との関連において、やはり定年延長といいますか、高齢者の雇用保障にかかわる法的体系を整備して、これに対応していくということがなければ、老後の不安は今後一層増大されるのみである、このことを指摘いたしまして、これは国務大臣としてこの問題を真剣にひとつお取り上げをいただき、労働省ともその詰めを進めていただきたい、こう要望するものでございます。いかがでございますか。
#196
○国務大臣(園田直君) 御意見は十分理解をし、まじめに受けとめて拝承し、努力をいたします。
#197
○柄谷道一君 大臣にもう一つここで御認識願いたいことは、定年到達者の就業と生活の実態でございます。労働省では昭和五十四年七月から九月にかけまして昭和五十三年度に定年に到達した一万九千百人を対象に調査をし、これの内容を発表しております。これは膨大なものですけれども、それを要約いたしますと、定年到達者の七七・四%がなお引き続いて新しく雇用され働いている。しかも、その者の賃金は、ボーナスを除き所定外給与を含んだ賃金でございますけれども、定年到達後雇用された者の八九・五%がダウンし、その低下幅が三割以上低下した者が五八・一%を占めておる。定年到達後の就職先からさらに転職した者が二三・二%に及んでいる。また、定年到達者の九二・一%は持ち家に住んでおりますけれども、その二四・三%は住宅取得のために借り入れた借金の返済を引き続き行っている。このようなことが労働省調査で明確に浮き彫りされているわけでございます。やはり私は、こうした定年到達者の現在の就業と雇用の実態、これを踏まえた上での年金対策というものが当然考えられなければならないと、こう思うのでございます。いかがでございましょう。
#198
○国務大臣(園田直君) そのとおりであると思いますが、なかなか急速に一遍にはできませんけれども、御意見のような方向へ努力をしてまいります。
#199
○柄谷道一君 いま、私がいろいろ指摘いたしましたのがこれ実態なんですね。しかし、片やわが国の老齢化社会は急速なスピードで迫ってきていることもまた現実でございます。昭和四十五年に六十五歳以上の老人人口が全人口の七%を超えまして国連の定義に基づく老人国の仲間入りをしたわけでございますけれども、それからほぼ十年後の今日、その比率は八・六%と激増いたしました。さらにこれからの増加カーブはさらに上向きになり、昭和八十年には一五・五%、現在の西欧諸国と完全に肩を並べ、昭和八十五年には一六・七%と世界第一位の老人国になるであろう、これは明確に予見される将来像でございます。高齢化のスピードはイギリスの四倍、アメリカの三倍というスピードで迫ってくる。私はこのような高齢化社会到来の、急速な到来の衝撃というものは、社会保障制度はもちろん、雇用、産業、さらには文化や生活慣習にまで及ぶ巨大かつ多様なものであろうと、こう思います。いまこの総合的対応を怠れば、将来に重大な禍根を残すということはもう大臣もよく御承知のところでございます。
 私はこうした現実と将来展望というものを踏まえて考えますと、雇用保障、所得保障、医療保障、福祉保障、さらには生きがいの保障というものを含めた総合性と整合性のある長期計画の樹立、そしてその計画的推進が不可欠なのではないか、単に財政的な理由だけで厚生年金をながめるということは大きな問題があるのではないか、こう思うのでございます。大臣の明確な御所信をお伺いいたします。
#200
○国務大臣(園田直君) 御指摘のとおりでありまして、急激に変化する社会情勢に応じて、雇用、医療、所得の保障、生きがいのある老後の生活等を含めた総合的な計画をつくる必要に急速に迫られておると考えております。政府としては十分その点に留意をして、政府部内で連絡を緊密にして配慮してまいりたいと存じす。
#201
○柄谷道一君 いまの大臣の御所信を裏から読みますと、そういう総合的かつ整合性のある計画が樹立されないまま、財政的理由のみで年金支給開始年齢の引き上げを一人歩きさせるということは適当でないと、こう聞き取れるのでございますが、そのように理解してよろしゅうございますか。
#202
○国務大臣(園田直君) 政府としては、新経済社会七カ年計画、これを踏まえながら、いま御指摘のようなことを急速に進めてまいらなきゃならぬと存じますが、先ほど指摘されたとおり、雇用と年金制度のすき間、医療のすき間、こういうものはいっぱいあるわけでありますから、これを十分自覚しながら早急に長期のプランを進めていきたいと考えます。
#203
○柄谷道一君 私は現在の縦割り行政をただ連絡し調整するというだけで、そういう整合性のある総合プランが果たして確立されるだろうかという率直な疑問を持たざるを得ないわけでございます。
 そこで、これは一つの提言でございますけれども、私は内閣総理大臣のもとに、これは仮称ではございますが、高齢者対策国民会議というようなものを設けまして、政府、さらに学識経験者、労使、こういったものを網羅し、そのプランづくりを行いますとともに、単なるプランづくりを行う機構ではなくて、その実施状況を点検し、その推進を図るというぐらいの国を挙げての体制づくりというものを配慮しなければ、いま大臣のおっしゃいました計画の立案と推進というのがむずかしいのではないか。このことは厚生大臣だけではお決めになれない問題だと思いますけれども、私の提言を受けて大臣も慎重に御検討願って、やはり閣議にそのような構想を提議するというぐらいの決意をお伺いいたしたいわけでございます。いかがでしょうか。
#204
○国務大臣(園田直君) 急速に進む高齢化社会に対する対応の問題は、非常な広範囲に及んで、厚生省だけでよくできるところではございません。ただいま総理府には総理大臣を本部長として、私たちが副本部長になって老人対策の検討をする会をつくっておりますが、ただいまの国民会議的な御意見は非常に御貴重な御意見でありまして、政府だけではなかなかむずかしいかとも存じますので、十分検討して、この会議にただいまの御意見も織り込んで検討をしてみたいと存じます。
#205
○柄谷道一君 次に、厚生年金の管理運用についてお伺いいたします。すでに多くの委員から質問の出てきたところでございますし、大蔵省は、省内に年金資金懇談会を設けるという御答弁があったわけでございますが、私は幾つかの視点からこの問題について、さらに質問で深めてみたいと思います。
 いま、厚生年金と国民年金の積立金は五十五年度末で合計二十九兆五千六百億円に達すると見込まれております。この膨大な積立金はすべて財投資金の原資として大蔵省の資金運用部に預託され、政府によって一元的な運用が行われておるわけでございます。私は十月二十二日の決算委員会でこの管理運用のシステムについて質問したのでございますけれども、大蔵省はかたくなに一元的管理運用のたてまえは絶対に変更できないと答弁されました。私はこれに反論したまま並行線で今日に至っております。そこで第一に、管理運用の民主化、公正化という問題からお伺いいたします。
 年金積立金の資金運用部の運用につきましては、資金運用審議会が設けられておりますが、この審議会の構成は学識経験者のみで、保険料を拠出しておる事業主や被保険者の意見を直接反映できる仕組みにはなっておりません。また資金運用部に預託される積立金のうち、年度増加分の三分の一が還元融資されておりますが、この運用について厚生省当局が主管する懇談会が設けられているだけで、拠出者の意見が十分反映できる体制になっているとは受けとめられません。
 一方共済年金の場合は、積立金の約三分の一を資金運用部に預託しておるだけでございまして、残余の三分の二の運用につきましては拠出者の自主運営をたてまえといたしまして、同数の労使代表による運営審議会が設けられております。
 私は、年金積立金の運用については、本来拠出者の意見が直接かつ十分に反映されるべきであって、少なくても厚生年金の場合といえども、共済年金の場合と同様の預託割合と運用への参加が図られて当然ではないかと思うのでございます。なぜ官民の差別をこの面においてつけるのか、大臣の明確な御答弁をいただきたいと思います。
#206
○国務大臣(園田直君) この問題、御承知のとおりに積立金の量はきわめて莫大であります。しかも、これは将来年金給付の原資になるわけでありますから、確実にしかも有利にこれが運用されることが大事でありますから、現制度のこれを統括して運営するという原則はこれでいいんじゃないかと思いますけれども、その運営について、いまおっしゃいましたような民間あるいは労使その他の方々の御意見が十分反映するようなやり方はしなきゃならぬと、こう考えております。厚生省では懇談会では労使を含む各界の委員、それから審議会では有識者という方で御意見を聞いておりますが、足らざるところがあれば、この構成についてはさらにいろいろ事務当局と相談をいたします。また大蔵省でも、資金運営のための審議会をつくらておるようで、この審議会でもそういう各界の意見が反映するよう、大蔵省には私からもお願いするつもりでございます。
#207
○柄谷道一君 第二は、いま大臣も触れられましたけれども、運用の効率化の問題でございます。その資金運用部に一括運用させまして高い利回りの金が入ってくる。これならまた別の見方もできるでしょう。しかし、私は大臣もたびたび答弁されておりますように、年金財政は今後高齢化社会が進み、受給者が増大していくに伴って次第に厳しくなってくることは趨勢であろうと思うんでございます。こうした中で積立金というものは、絶対財源の拡大を図るという観点から、できる限り有利に運用しなければならぬ、これは当然でございます。しかし、現実に積立金の運用利回り、つまり資金運用部の金利は、これまでの推移を見ますと、共済年金の平均運用利回りよりも低いことは明らかでございます。私は年金制度についてその水準、支給開始年齢、後ほど触れます減額年金制度、スライド制など多くの官民格差がある上に、積立金の運用による財源確保の手段にまで差別をする、これはとうてい理解できないところでございます。いま、この有利な運用ということを大臣述べられたわけでございますけれども、この実態をどう把握、理解しておられますか。
#208
○政府委員(宮本保孝君) 先生いま御指摘の点でございますけれども、確かに、年金資金につきましていろいろ御指摘のあることは承知いたしておりますが、私どもといたしましては、莫大な資金でございます。また先ほど御指摘ございましたように将来の年金の原資になるわけでございまして、確実かつ有利ということの運用でございます。また、私どもといたしましては、郵便貯金などとあわせまして財政投融資計画を組みまして、そして国の財政予算と一体となりました計画を組みまして、資金の効率的な運用を図っているわけでございます。そのために預託の金利、お預かりする金利でございますけれども、最高の金利はおつけすることはなかなかむずかしいんでございます。それはどうしても住宅ローンであるとか、あるいは中小企業金融であるとかいろいろな政策目的に使用をいたす関係もございまして、どうしてもお預かりする金利につきまして、やや最高の利回りよりは低い利回りになるかもしれませんけれども、しかし郵便貯金金利等、その他金利体系全体の中で、できるだけお預かりする金利につきましては有利な利息をつけるように、ずっと努力してまいってきたところでございます。
#209
○柄谷道一君 私の指摘しておりますのは、共済と厚生年金のいわゆる運用利回りは違うんですね。私はその財源確保のための貴重な積立金の運用について、共済と厚生年金が差がつけられておるということはどうしても理解できない、納得できないわけでございます。これは意見でございます。
 第三に、福祉への積極的な運用という視点からでございます。財投融資に使われる年金積立金の使途について見ますと、住宅や生活環境整備など広義に見て、被保険者の福祉に役立つと見られる分野に使われておりますのは、約私の計算では六七%、他は産業振興などに使われております。また還元融資分について、年金福祉事業団を通じて被保険者の福祉に直接役立つ分野に使われておりますのは、私は四五%程度ではないか。他は主として特別地方債などに充てられているのではないかと理解をいたします。私はこの年金制度本来の趣旨に沿って、積立金をより積極的に被保険者の福祉向上のために活用する。一挙にはその比率は増大させることができないとしても、そのような姿勢で年々拡大していく、これが必要ではないかと思います。いかがでしょう。
#210
○政府委員(松田正君) 年金の積立金につきましては、先ほど来議論がございますように、安全かつ確実に管理運用するということは申し上げるまでもないところでございます。年金積立金の性格にかんがみまして、私どもといたしましてはまず第一に、財政投融資計画におきましては特に年金資金等の使途を明らかにいたしまして、それがどのように国民の福祉の向上に役立っておるかということを明らかにするために、そういった分野に重点的に配分をいたしておるつもりでございます。
 それからなお、厚生年金、国民年金の預託金増加額の一定割合、これは原則三割程度でございますけれども、一定割合を還元融資として、年金福祉事業団等を通じまして保険料の拠出者の福祉増進に充てると、こういうことで、最近では、特に被保険者等の需要の高い被保険者住宅等につきましては十分なる資金の手当てがなされますように、重点的に配慮をいたしておるつもりでございます。また、五十五年度からは、これらの住宅資金につきましても金利の引き下げ、六%でございますけれども、そういうふうに、漸次ではありますけれども、被保険者福祉の需要にこたえられますように配慮をいたしてまいったつもりでございます。
#211
○柄谷道一君 局長答弁でございますけれども、拠出している労使の側から見ると、努力はされていると思います。しかし、この実態はまだまだ不満足なものであるという心証が強いことも、これは局長はよく御承知だと思うんですね。
 第四は、これはもうすでに多くの委員から述べられましたので、指摘だけにとどめておきたいと思いますけれども、公的審議会の答申や社労委員会の附帯決議のいわゆる重みについてでございます。
 たび重なる公的審議会の答申、また、たび重なる本院における附帯決議、私は一々ここで読み上げるつもりはございません。しかし、現実には、この答申や附帯決議というものがなかなか採用されずに、やっと懇談会方式というのがいま出かかっているにすぎないわけでございます。私はこれ、大臣、やはり公的審議会の答申や附帯決議というものの重さは重いと思うんですね。一年や二年でできなくても、やはりそのことに対して全力を尽くしたという実績と前進を見たという実績が積み上げられることでなければ、私は行政への信頼というのは低下するだけではないかと思います。この点に対しても御質問しようと思っておりましたが、さきの委員で質問されておりますので指摘だけにとどめておきたい。
 そこで、政策推進労組会議では、年金積立金の管理、運用に関しまして政府・与党に申し入れを行っております。その議事録を見ますと、今年の四月三日、これは与党の社会・労働部会との懇談でございますが、こういう答弁をいただいております。「厚生年金の資金運用への参加については、考え方はその通りだと思っている。とくに運用についての不信感がある限り、料率問題はバナナのタタキ売りになってしまう。」伊藤政調副会長、住社会部会長、安田労働部会長、以下ここに御出席の自民党の先生も副部会長として御出席されております。
 また、五月十三日、自民党・与党首脳との協議におきまして、安倍政調会長以下が御出席になっておりますが、「当面、大蔵大臣の私的諮問機関を設置して、そのなかで意見が反映されるように」したいと、こうお答えになっておるわけです。
 この答弁をつなぎ合わせますと、大蔵省の中に持たれるいわゆる懇談会、これは当面の措置であって、やはり与党といえども基本的には政策推進労組会議の意見に同感である。そこに到達するまでのこれは一里塚である。このように素直に読み取れるわけでございます。いかがでございましょうか。
#212
○政府委員(松田正君) 五十五年度におきまして、先ほど来話が出ております大蔵省の方に年金資金懇談会の設置をいたしまして、直接労使の御意見が反映できるような懇談会を設けるということにつきましては、私どもとしましては一歩前進というふうに考えております。御指摘のように、資金の運用、管理につきましては、拠出者の意向あるいは事業主の意向を十分に反映することが当然でございますので、厚生省といたしましても、この方向で今後とも十分に大蔵側とも協議をしてまいりたい、かように考えております。
#213
○柄谷道一君 大臣、ここでお願いしておきたいんですね。私決算委員会で言ったら、大蔵省の本当にこれは聖域だと、一括運用は聖域だと、本当にかたい姿勢なんですね。私はいま四点にわたっていろいろ問題を指摘いたしました。これは決して聖域じゃないと思うんですね。確かに資金の運用という面からの視点では理解できる面もあります。しかしまたもう一面、拠出者の意向を十分参酌した運用がなされるべきであるというのも、これまた当然の要求だと思うんですね。これはもう門戸を閉ざして聖域だと、一歩も触れさせないということでは私はこの問題の解決はできない。当面懇談会を設けられる、これが第一段階であるかもしれません。次には運用の審議会に労使の代表を入れていくというのもこれは一つの方法かもしれません。やはり着実にこの問題は改善して、これ多年にわたる宿題でございますから、これを前向きかつ前進するように解決をしていくということがなければ、私は、年金問題が審議されるたびにこの問題が際限なく繰り返される、こういうことの繰り返しに終わるのではないかと、こう思うのでございます。大臣、実力大臣でございますので、ひとつ大蔵大臣と十分腹を割って、今後の自主運用に関するひとつ前進の問題について御善処賜りたいと思います。
#214
○国務大臣(園田直君) 先ほど申し上げましたとおりに、これを総括して運営することは大事でありますが、だからといって大蔵省が勝手にやってよいというものではありません。この統合運営というものをやるについても、各界、労使の意見を反映して、意見を承りながらやっていくことは当然でありますから、腹を割って大蔵大臣に御相談を申します。
#215
○柄谷道一君 大蔵省に言っておきます。
 いま、大臣のようなお考えでございますから、あの決算委員会のかたくなな姿勢はこの際もう一度再考願って、十分大臣に、いまの厚生大臣の意のあるところをお伝えおき願いたいと思います。
 それから次に、私は在職老齢年金問題について御質問いたします。
 六十歳を過ぎて働いているために年金がカットされたり、不支給になっている。ところが、同じ職場で共済年金の人は年金の全額をもらっている。これは不公平であり不公正ではないか、そういう率直な声は、定年退職をして第二の人生を踏み出した人から再三聞かれる苦情でございます。私は、厚生省はこんなお考えじゃないかと思うんですね。この問題については、昭和四十年改正、四十四年改正でも改善を積み上げてきたのではないか、これが一つ頭の中にあると思うんです。もう一つは、共済年金も退職が条件だし、高齢在職者には年金を出していない、だから法律上不平等ではないと、こういうお考え、これが基本にあると私は思うんです。
 ところが、現実にはそうは素直に受けとめられないんですね。私は、問題は退職という言葉にあろうと思うんです。退職とは、役所や会社をやめることを指すのではなくて、その年金制度から抜けること、すなわち被保険者や共済組合員といった加入者でなくなることを法律上指しているわけでございます。だから、公務員や公共企業体職員など共済組合の加入者が民間会社や公団、鉄道弘済会に移れば、そこはおおむね厚生年金の適用事業所でございますから、共済年金を退職したとして全額は支給される。しかし、厚生年金から退職することは現実に容易ではございません。定年退職者が官公庁や公共企業体、私立学校、農協など共済組合のあるところに再就職できることはほとんどまれでございます。ほとんど絶無と言っても過言ではないでしょう。しかも五人以上の従業員がいる事業所は厚生年金が適用されております。したがって、働いておって年金がもらえるという職場を探すというのはとうていこれは不可能なんであって、私は五人未満の従業員しかいない零細企業で働くか臨時雇いになるしか、厚生年金の被保険者は退職という要件が発生しない、これが現実なんですね。
 私は法律上の平等不平等という問題ではなくて、こうした現実というものに対して目を注がなければ、生きた意味の政治ではないと思います。しかも、年金のモデルによる標準が十三万六千円でございますから、六十歳になって働かずに年金を受給しようと思えば十三万六千円もらえる、モデルですね。その人が仮に定年到達時点二十五万円の給料をもらっていた。ほとんどの人が行われているように三割賃金がカットされた。十七万五千円の給料、それで再就職するということになりますと、一カ月労働することが差し引き三万九千円の価値にしかならないという現実になるんですね。一方、同じ職場で共済年金から退職をして働いておられる方は年金プラス給料でうらやましい生活をしておられる、そういう実態を見ると、これはもう理屈じゃないですね、実態論として不平等だ、不公平だという感じが生まれるのは私は当然ではないかと思うんです。スウェーデンの国民付加年金制度は、こうした退職を条件としておりません。私は、次の財政再計算期までに厚生省として、諸外国の制度や学識経験者や労使の意見を十分受けとめて、在職老齢年金制度の現実的官民格差の解消を、いかにして行うかということに対して真剣な御討議を願いたいと思うのでございます。在職老齢年金制度は、厚生年金という枠内で考えればそれは一つの制度かもしれません。しかし共済や国民年金というものの総合的な目で見ると不合理が存することは明らかであろうと思うんです。そうした再検討をお約束できますか。
#216
○政府委員(松田正君) いま先生御指摘の点は、世の中の実態といたしましてまさにそのとおりでございますし、同じ職場に働いている方で片や共済の年金を受給しながら働いているという事実もあることも私たち十分承知をいたしております。ただ御指摘のように、現在の退職という概念をどうとらまえるかという常識的な退職というのと、それから制度上の退職という事由に当たるということにつきましては、それぞれの制度を離脱するときに退職という保険事故を発生する、こういうふうに観念をいたしておるたてまえ上、現行のような矛盾と感じられるような現象が起こるのは、現行制度八つに分かれております年金制度のもとではやむを得ないかと思います。ただそういった矛盾をなくしますためには、それぞれの年金制度の基本的な改革が必要でございます。たとえば、基礎年金構想といったようなものをとるとか、いろいろな考え方があるわけでございますが、これを一挙にそこまで持っていくということにつきましては、実際問題としては非常に至難のわざであろうかと思います。したがいまして、私どもとしましては厚生年金、国民年金、他の年金制度を含めまして、それぞれ制度が整合性ある発展を遂げますように、関係閣僚会議あるいは政府間の連絡会議等を通じまして、できるだけそういった方向で調整をしていくということで、現在検討いたしておるところでございます。共済年金につきましても、現在、大蔵省の方でも研究会を設けられ、いろいろな点を研究されているわけでございまして、将来の方向としては、そういったような実態としての不平感がないようなかっこうに、できるだけ近づけるように努力をいたしたい、かように考えております。
#217
○柄谷道一君 もう時間がございませんので、私はいま定年と年金の連動の問題、積立金の管理運用の問題、そして在職老齢年金制度、この三点にしぼって問題を申し上げたんでございますが、私は年金問題の抱えている課題というのは、これに尽きないと思うんですね。多くの制度が分立しておる現在の年金制度を体系的にどう整備し、格差を解消していくのか、これとの関連でナショナルミニマムとしての基礎年金構想をどう位置づけていくのか、ILO百八十二号条約に示される国際水準や高齢者の生活実態に基づき適正な年金水準とは一体何なのか、遺族年金、加給年金、さらに妻の座をどうしてどのようにして確立していくのか、さらに企業年金の位置づけ、制度の立て方、内容、財政、設計の前提条件を一体どうすべきなのか、さらに財源の確保に関する適正な具体的方策を一体どうしていくべきなのか、まさに問題山積というのが厚生年金いわゆる年金制度の持つ現状だろうと思うんです。
 これらの問題につきましては省内で御検討されるのも結構でございますけれども、私は大蔵省主導型であってもいかぬ、そして厚生省と大蔵省がお話し合いになって案がまとまる、それが国会に出てくる、そして野党がその批判をする、そんなことでは抜本策の確立もまた遅々として進まないと思うんです。われわれは年金抜本改正に関する試案を持っております。各政党も恐らくお持ちでございましょう。私は、大臣みずからがそうした各政党のこれからの老齢化社会に対応する具体的政策というものを直接聴取されて、相違点を強調するんではなくて、その中から一致点を見出していく、そういう姿勢というものがなければ、私は年金の抜本改正というものはとうてい実現することはできない、こう信じます。この面に対する大臣の明確な所信をお伺いいたしまして、時間の関係もあり、私の質問を終わりたいと思います。
#218
○国務大臣(園田直君) 各種年金の格差を埋めて縮めていくことも大事でありますが、問題はやはり年金の抜本的改正を図ることが必要であると考えております。ただ、現在の受給者負担、こういう問題をどう円滑にそっちの方へ持っていくかということが一番大事な問題であると考えております。
 なおまた、大蔵省と私の方の関係も、予算折衝のときになってからあわてて数字をめぐって議論するんではなくて、そういう問題を本質的に平素から話し合うということも大事だと考えておりますが、いずれにいたしましても、そういう方向に向かって全力を挙げたいと考えております。
#219
○江田五月君 最初に、こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案について二、三伺います。
 この法律案については本年四月二十二日の当委員会で私どもの新政クラブ、当時は参議院クラブと申しておりましたが、前島英三郎議員が当時の野呂厚生大臣及び関係の方々に幾つかの質問をいたしておりまして、その答えをいただいておりますが、午前中に何か多少やりとりがあったようですが、このお答えを前提にして質問をさしていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうね、もう一度念を押しておきたいと思います。
#220
○政府委員(金田一郎君) 結構でございます。
#221
○江田五月君 その質問のほかに、こうした社会福祉法人ができた場合の監督について、監督が緩過ぎてひもの切れたたこのようになってしまってはいかぬ。あるいは一方で、監督がきつ過ぎるとせっかく社会福祉法人にしたのにそのメリットがなくなるじゃないか。いろいろな見解があろうと思います。これは場合場合によって、緩急自在の監督というものが必要であろうと思いますが、どうもこの法律案を見ますと、解散及び事業の承継に関するだけではなくて、承継した後の指定法人の運営についても、かなり厳しい監督と読める条文が幾つかありまして、第四条三項で、厚生大臣は一定の場合には貸し付けた土地等の所管大臣に通知をしなければならぬ。一号から六号までは大体はっきりしておるんですが、七号はいささか包括的な事情が書いてあります。五条では、その通知がありましたら、今度は厚生大臣の意見を聞いて所管大臣は貸付契約を解除できる。通常、民法で解除権が発生する場合には、それなりの要件があって、単に通知で解除権が出てくるというようなことはない。催告があって是正の措置を講じて、それにも従わないという場合に解除権が生ずるのであります。しかも、この契約が解除されたならば、後に争いがあるような場合であっても解除の意思表示が到達したらというふうに読んでいいのだろうと思いますが、厚生大臣は今度は指定法人に係る指定を取り消すことができる、そして次の社会福祉法人に事業をやらせることができる。何かかなり強い権限のように見えますが、実際どういう運営をやろうとしておられるのか、そのあたりのところを伺っておきたいと思います。
#222
○政府委員(金田一郎君) 法律上の問題につきましては先生非常にお詳しいわけでございますので、私は法律の解釈といいますよりも行政上の立場から申し上げたいと思うわけでございますが、法律上は、厚生大臣から大蔵大臣への通知に基づきまして、大蔵大臣は土地の無償貸付契約の解除を行うことができることになっているわけでございますが、実際問題といたしましては、今回事業を引き継ぎます社会福祉法人に対しまして、事業の運営に支障を生ずることがないように十分指導し、また問題が生じました場合には、利用者が迷惑をこうむることがないように、事実上の調査その他の行政指導を十分行うことによりまして、この解除規定を適用することがないように措置してまいりたいと思っております。したがいまして、ただいま先生お話がございましたこれらの一連の規定は、万一の場合を想定したものであると考えますので、そのように御理解賜れば幸いかと存ずる次第でございます。
#223
○江田五月君 せっかく行政改革をやって特殊法人を民間に移したと。後でごたごたして動きがとれなくなったというようなことになっては、今後の行政改革の動きに非常に支障になってくるわけでありまして、ひとつそういうことがないような、間違いのない運営をお願いをしておきたいと思います。
 次に、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案についての質疑に移ります。
 もうすでにこれまでに、障害福祉年金がいかにも少ないじゃないかという話が何度も出てまいりました。拠出制をたてまえとしている以上やむを得ないのだというようなお話もあったわけですけれども、たとえば重度の障害者特に幼いころから脳性麻痺その他で重度の障害を受けた障害者などの場合には、拠出制といったってこれ現実に拠出を期待できるような状況ではないわけですね。拠出が期待できない者に対して拠出制も拠出してないということもないだろう、余りにもそれは冷たいじゃないですかという気がするのです。もう本当に二歳、三歳ぐらいで脳性麻痺だというようなことが発見されて、ずっと生涯そういう重荷を背負っていかなければならぬと。おまえ金払ってないからだめじゃないかというのはいかにもおかしい。障害福祉年金、重障児の親に給付されます特別児童扶養手当と額が同じですが、今度衆議院の修正によっても一級が月額三万三千八百円、二級が月額二万二千五百円ですか、特別児童扶養手当を下げろという意味では毛頭ありませんが、どうも考えてみると、親に扶養されている重障児のために、その子供が重症の障害児であるということによって、親に扶養によけいにかかる費用の助けとして出る額と、障害福祉年金とが同じだと。しかも所得制限は障害福祉年金の方が厳しい。障害福祉年金の受給者に対しては子供と同じように扱うというような何か冷たい感じがして仕方がないのですけれども、もうちょっと温かみのある答えというのをいただけないものですか。
#224
○政府委員(松田正君) 障害福祉年金と障害年金の関係、あるいは障害福祉年金と特別児童扶養手当との関係、確かに御指摘のような点につきましては私どもも十分その御趣旨は理解ができるところでございます。ただ、当委員会でも御説明申し上げていますとおり、社会保険の方式によりまして保険料徴収ということをたてまえにいたしております国民年金制度の中で、すべてを解決するということは制度のたてまえ上なかなか困難であろうかと思います。しかし、同じ障害であっても福祉年金と障害年金の額に差があるのは不合理ではないか、こういう御指摘については確かにそういう点はあろうかと思います。同じ障害につきまして同じ処遇がなされない、こういう点につきましては確かに御指摘の点があろうかと思います。しかしながら、拠出制をたてまえといたしております関係で、そこに多少の差異があるのは国民年金制度の中では無理であろうかというふうに考えるわけでございますけれども、この点につきましては、単に年金制度のみならずほかの制度との関連等も総合的に考えながら、慎重に研究をしてまいりたいと考えます。
#225
○江田五月君 障害福祉年金を引き上げるというのも一つの方法ですけれども、同時に、障害福祉年金しか受給できない人に対して、より額の高い年金に移行する道を何らかの形で開いていくということも、これも他の打開策かもしれません。この、他の年金に移行する道を開く方法というのがいろいろな方面から提案をされておりまして、たとえばいまの、幼少時にすでに障害者になってしまった者に対して、大体五歳程度になったらもうどういう障害であるかというのははっきりわかるわけで、五歳から二十年拠出をして、障害年金の方に受給資格を与えるというようなことは可能ではないかというような提案もあるようですが、何かひとつ検討をお約束をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
#226
○政府委員(松田正君) お尋ねの点は、幼少の際に障害が明らかになった場合に、何らかの年金制度ないしはそれの類似の制度によって将来の生活を保障する道が開けないかと、こういう御趣旨かと思います。
 国民年金制度の中で処遇が非常に困難であるということは先ほど来るる申し上げているところでございます。ただ、そういった障害児の親御さんがある程度の拠出をいたしまして、障害児の将来を担保するという方策につきましてはいろいろ検討の余地があろうかと思います。こういった他制度との交わり、そういったものを総合的に勉強してみたいと、かように考えます。
#227
○江田五月君 どうも何かはっきりしないんですが、いま特にこういう障害児・者に対する対策というものが必要とされている、急がれているという感じがいたします。それは、来年が国際障害者年、今年の三月に政府に国際障害者年推進本部ができまして、八月には中央心身障害者対策協議会が内閣総理大臣に意見具申をし、その具申を受けて、政府の推進本部で八月十九日に「国際障害者年事業の推進方針」というものを決めておられるわけですが、国際障害者年に当たって障害者の対策というものをひとつ抜本的に、総合的効果的な推進をしていこうじゃないか、その副本部長に厚生大臣はおなりになっているわけでありまして、こういう重大なときに、本部長は内閣総理大臣でありますから、副本部長がいわば中心的な機関車になっていただかなきゃいけないわけですが、その副本部長に園田厚生大臣のような福祉に理解と温かい心をお持ちの実力大臣がなられたということは、恐らく障害者のみならず、この問題に心を砕いている者みんなが非常に期待をしているところだと思いますが、この推進方針に従ってひとつ障害者対策というものの大きな前進を図っていくんだという御決意だと思いますが、そのあたりのところをひとつ厚生大臣、決意を聞いておきたいと思います。
#228
○国務大臣(園田直君) 推進本部では明年度の障害者年が単なる年度ではなくて、お祭り騒ぎにならぬように各特別部会をつくって具体的に検討をいたしており、その中でただいま出された御意見も十分検討していくつもりでありますが、私はその特別部会の中でも特に留意をしておりまするのは、障害者対策の長期の計画を受け持つ部会に、特に留意をしておるわけであります。障害者対策の責任は当然厚生大臣でございます。しかしこれに対する対策は運輸、文部各省を含んだ内閣全般が対応していくべきことでありますから、私はこの推進本部というのは単なる明年度に対する対策を立てる会ではなくて、それが終わりましたならば直ちに、これは総合的な内閣の障害者に対する広範な対策を持続していくべきものだと考えておりますので、そういう点に留意をして推進してまいりたいと考えております。
#229
○江田五月君 各省庁といわば横並びの形の厚生大臣ということではなくて、それもありましょうが、国際障害者年推進対策副本部長としてひとつ機関車の役割りを大いに発揮していただきたいと、大いに期待をしているところですが、この推進方針の中にいろいろなことがありますが、「障害者対策」の一部に「各種福祉施策」として「生活安定のための諸施策の推進」という項目があります。これはその前の中央心身障害者対策協議会での議論等を踏まえてまいりますと、ただいまの障害福祉年金あるいは福祉手当、こういうものをひとつ大いに見直して改めていこうじゃないかというようなことから、こういう文言に帰着をしたというふうに理解をしておりまして、今月二十一日の当委員会で前島委員がそのことについてただしましたが、社会局長からは答弁がありましたが、年金局長からの答弁をいただいておらないので、年金局長、ひとつこの「生活安定のための諸施策の推進」ということについてのまあ御理解をお答えをいただきたいと思います。
#230
○政府委員(松田正君) 先生いま御指摘の点は、障害者に対します生活保障あるいは所得保障、具体的に申し上げますと、障害年金あるいは障害福祉年金あるいはその他のこれに類する諸手当、こういったものの改善強化を図るという趣旨と理解をいたしております。特に年金につきましては、障害福祉年金あるいは障害年金等につきましても、年々その改善方を図っているところでございます。最前から御指摘のような点も含めまして、今後とも年金額の改定を含めまして改善には努力をしてまいりたい、かように考えております。
#231
○江田五月君 ところで近年、財政の困難を理由としてあるいはそのほかの理由から、福祉見直しというようなことが議論になっておる。いま私はこの障害福祉年金等の福祉的な給付の水準が低いじゃないかということを申し上げたんですが、この福祉というものが金がどんどんふえればいいとかあるいは設備がどんどんできればいいと、物と金がこれだけ整ったからそれで福祉がどんどん進んでいるんだというものでないことは、これはまあ大切な点でありまして、財政のことを理由に給付をカットするということであると、この福祉が国政上きわめて優先度の高いものでありますからいささか問題だと思いますが、そうではなくて、これまで物と金に偏り過ぎていた福祉を、もっと社会全体が福祉の心を持った社会に変わっていこうじゃないかというような意味ででしたら、私どもも大いにいままでの福祉というもののあり方というのを見直していかなきゃならぬのじゃないかというような気もいたすわけで、そこで国際障害者年ということを見てまいりますと、この国際障害者年のメーンテーマが「完全参加と平等」ということですね。平等はその一部に経済的な援助によって生活の下支えをしていくんだということがあると思いますが、完全参加にしてもあるいは平等にしてもやっぱり物と金だけじゃ解決がつかない、社会全体がどれだけ障害者に対して温かくこれを受け入れ、障害者もまた社会の中で通常の社会人と同じ社会生活を共有できるか、もちろん能力的にいろいろ限定はあると思いますが、ということが問題になってくるわけで、ことしの一月に、先ほどから申し上げております前島議員が大平前総理に本会議で質問をしたときに、大平前総理から、障害者が家庭や地域社会において健全者と同様に日常生活を営むことができるような配慮を政治、経済、文化各般にわたり行き渡らせていく必要がある、感動的な御質問ということを前置きされてそういうお答えをいただいたわけでありまして、まさにそういうただ物、金ではないことをこれからやっていかなきゃならぬ、それがこの国際障害者年の大きな仕事でもあろうし、そして、そういう物と金ではないところで障害者を大きく温かく包んでいくという社会ができることが、いろいろな物にしても金にしても、より大きな機能を果たすことにつながっていくんだと考えるわけです。で、そういうことを考えてみますと、障害者福祉というのは社会一般が障害者に対する偏見をなくし、障害者も自分たちと同じ基本的人権を持った社会の一員だということを社会が認識し、同時に障害者の方もまた自分たちでできることは自立をしていって、そして社会に積極的に参加をしていくという、そういうことになっていかなきゃいけない。
 そこで、いま私はいろいろな点で障害者に対する偏見が残っており、また障害者側からの完全参加ができにくい場面があると思いますが、特にハンセン氏病のことについていささか聞いておきたいと思いますが、現在、患者がどの程度おって、新規にどの程度発見されているんですか。
#232
○政府委員(大谷藤郎君) ハンセン氏病の患者さんでございますが、療養所に現在入所しておられる方が八千六百六十五人、在宅の患者さんが九百八十五人、合わせて九千六百五十人という数字が統計として上がっております。そのうち新発見の患者さんといたしましては四十四人、そのうち沖繩の方で二十八人という数字になっております。
#233
○江田五月君 四十四人、特に沖繩ではそのうち二十八人といいますと、もう一億一千何百万人という国民の中ですから、新たな発見はまあないに等しいということだろう。その意味では、もういまわが国はハンセン氏病を病気としてはほぼ克服しているといっていいかと思いますが。いま患者というふうにおっしゃった、一体患者というのは何なんだろうかということですね。らい予防法二条で「患者」という規定があるわけで、そして四条の二項には「治ゆ」という言葉もあるわけですけれども、一体「患者」とは何で、「治ゆ」とは何かということをちょっとお教えいただきたいと思います。
#234
○政府委員(大谷藤郎君) 医学的に治癒の概念というのは病気によってさまざまでございまして、すべて身体のいろいろな異状まで修復された状態を指すといたしますならば、これはたとえばハンセン氏病の場合、菌が消失いたしましても相当な体の異状というものが残りますので、その点をどういうふうに考えるのか非常にむずかしい問題でございます。一般にたとえば火傷等でございますと、その傷が修復いたしまして、多少の変形が残りましても、これは治癒ということになりますけれども、ハンセン氏病の場合は、従来から非常に治療がむずかしかった時点におきまして、相当体の後遺症等が残っておりますので、私どもとしては患者という言葉につきましては一般的に医学的に厳密な定義というのはございませんで、そういう意味で私どもはハンセン氏病の場合につきまして、療養所に入って現在治療やリハビリテーションに励んでおられる方々を、一応患者さんということで定義いたしているわけでございます。
#235
○江田五月君 ハンセン氏病の方々に対する厚生行政の実施という点に関しては、かなり患者ということを広くとらえなきゃならないと思います。長い間、わが国はハンセン氏病について隔離政策をとって、とにかく無理やりに連れてきて強制的に療養所に収容してしまう。いまもらい予防法六条ではこの強制的な入所があり、さらに十五条では外出が制限される。非常に厳しい制限なんですね。十六条では「秩序の維持」というようなことがあって、何かありますと三十日を超えない期間で所長が指定した部屋で静居しなければならない。まあ、療養所の中のさらに小さな部屋に押し込めるというふうなことさえ規定してあるような、そういうことになっておるわけですが、どうもこのらい予防法の規定の頭というものは、まだまだハンセン氏病は触れちゃいけないんだ、社会にあっちゃいけないんだ、とにかくどこかもう隔離をして、そして子孫を残さずに絶滅してしまうことが大切なんだというような頭になっているような気がして仕方がないんです。
 しかし一方では、そういう法の立て方と別に、ハンセン氏病の方々に対して、たとえば国民年金法の障害年金一級相当額の給付金を与えるとか、あるいはいろいろな、まだ十分ではないにしても、かなり厚い福祉の手は差し伸べられているわけですが、そういう福祉の手を差し伸べるということについては患者であると。しかし一方の、いまの外出の制限とか秩序の維持とか、そういうようなことに関しては、これはもう患者ということには当たらない、つまり菌は出ていない、外へどんどん出ていってもだれにも感染はしない。社会が一般的に見て、ちょっと感情的なしこりというものはあっても、普通の社会人と同じようにつき合って平気なんだという人がいっぱいおると思うんですが、いかがですか。
#236
○政府委員(大谷藤郎君) 医学の進歩によりまして、現在ハンセン氏病の療養所に入所中の方々は先生御指摘のような点が非常に多いことと存じます。私どもといたしましては、できる限り現在の医学の進歩に応じました適切な判断をもって、先ほど御指摘の条文の運用を図っているところでございまして、現に人権を損なうということがないように運用されているというふうに考えておるわけでございます。
#237
○江田五月君 そこで、これまでのそうした隔離政策というものが、先ほどちょっと前に伺ったように、ハンセン氏病というものがもう非常に日本で少なくなってきたという結果を生んだということはあるのでしょうから、その過去をあえてほじくり出して、だれの責任だというようなことをやるつもりはないのですが、しかし、ハンセン氏病というものに対する国の態度、社会の態度というものはもうそろそろ大きく変わっていかなきゃならない。国際障害者年に当たって、その誤解を国が、あるいは厚生省が率先して解いていくということでなければならない。そうでないと、そうやって障害者というものに対する誤解を解いていくということを一生懸命やっていかないと、障害福祉年金あるいは障害年金、そういうものも本当に与えた金の効果が出てこないというような気がいたしますが、このハンセン氏病対策についてどういう基本的なお考えでいらっしゃるか、大臣のお答えをいただきたいと思います。
#238
○国務大臣(園田直君) 先ほどから御発言をまじめに承っておりましたが、身体障害者に対する問題、社会福祉の問題で、一つは見直しという言葉が使われております。これは非常に大事なことでありますが、間違いますと、財政的につらいからその手当を縮めるというふうにとられることは、大変なこれは間違いでありまして、まさに社会環境の変化に応じて、これに対する政府、国民の心構えを変えるというのが見直しであると考えております。
 なおまた、物と金だけでは対策はできない。これもまた物と金じゃない、心だと。こういうことで、心をふやして物と金を減らせという言葉に使われるおそれもございますが、これも全く違いでありまして、物と金だけでは身体障害者の方々に対する対応の策ではない。その上に、身体障害者の方々がそれぞれの立場においてそのハンディキャップを埋めて、そして社会人と肩を並べて地域づくり、国づくりに貢献されるようにする。また、身体障害者の方々も勇気を持って社会の人と同じように生活をし、働かれるようにするということが身体障害者の方々に対する基本的な考え方でなければならぬと思います。
 そういう意味において、ハンセン氏病に対してもいまこそまさに見直すべきことであります。施設、福祉、いろいろ問題ありますが、一番大事なことは、国民の方々にハンセン氏病に対する正しい理解、そして、こういう方々は隔離をして、人生を生涯、社会から隔離されて、悪い言葉で言えば飼い殺しということにしてはならぬと。こういう方々も、伝染の根源は絶たなきゃなりませんけれども、しかし、社会人と伍して人間社会の中で一つの構成人員としてやっていかれる、こういうふうにわれわれは考え方を根本的に直す、いわゆる見直す時期がいまだと考えております。こういう意味で、療養される方も、またお世話をするわれわれも、その観点から、ひとつ療養される方も勇気を持って、われわれもまた国民に手本を示す意味において、ハンセン氏病で療養される方は社会の一人である、社会づくりの一人である、こういうことを逐次国民の方々に御理解を願うことが一番大事であると考えております。
#239
○江田五月君 大臣の温かい御理解あるお答えをいただきまして、本当に勇気づけられるわけですが、そういう見地に立って障害者の問題で、とにかく世間の誤解の最たるものがハンセン氏病なんですね。これをどうしてもこの誤解を解いていかなきゃならぬと。そこで、国際障害者年事業推進方針の啓発活動と、まあいろいろ書いてありますけれども、具体的に、たとえばハンセン氏病で何かひとつやることがあるのか。それが、きょうこの後決議があると思いますが、例の長島架橋の問題、橋をかけるという問題、もう長い間このハンセン氏病の方々皆さん共通の願いであり、同時にこの島に入所されている方々の悲願でありますけれども、こういう橋を障害者年に当たってどうしてもつくるんだという、何といいますか政策選択をやっていただきたいんです。これはどういう方針、どういうところからどういう方法で金を出すかというようなことはいろいろあると思いますが、金の出し方はいろいろあるんです。それはまた後からいろいろ知恵をしぼればいいんで、その知恵をしぼるために大ぜい、厚生省にもあるいはその他の各省にも優秀な官僚の皆さんがいらっしゃるわけでありまして、ひとつ政策選択としてあそこに橋をつくって、そして長い歴史の中でゆがんだハンセン氏病に対する、ひいては障害者に対する世間の誤解を、政府みずからが解く一歩を踏み出していくんだということを決意をしていただきたい。
 ついせんだって、長島の皆さんが厚生大臣にお会いをしていろいろお願いをしました。厚生大臣から非常に勇気づけられるお答えをいただいておりますが、ひとつこの委員会の席で、大臣にそのことを改めてお伺いをしておきたいと思いますが、いかがですか。
#240
○国務大臣(園田直君) 当委員会の各委員からも、いまの長島架橋の問題は強く要望されたところでございます。これは長い間の願望であり、かつまた療養される方々の非常災害の場合の命を守る点でも大事であると思いますが、一番大事な点は、先ほど申し上げましたこういう方々が隔離された人間ではない、社会構成の一人である、社会復帰だと、こういう意味で私の所管ではありませんが、全力を挙げて各委員の御協力を得てこれを実現したいと考えております。
 政府の方は私が責任を持って努力をいたしますが、どうか費用その他について地元の合意、協力も必要でございますので、厚生省から特に、特別に派遣をして御協力願うようにしておりますが、幸い委員は地元の岡山でありますから、どうかひとつ地元の方は引き受けていただければありがたいと思います。
#241
○委員長(片山甚市君) 江田君、時間です。
#242
○江田五月君 国際障害者年推進本部の副本部長として、先ほどからも申しておりますとおり、単に厚生大臣というだけにとどまらず、この障害者対策ということについて、いわば内閣の中心的な存在になられる厚生大臣、ひとつそういう立場から五十六年度予算でどうしてもこの橋をつけるという政策選択をしていくんだという方向を明らかにしていただくことをお願いをいたしまして、質問を終わります。最後に、その答えだけひとつお願いします。
#243
○国務大臣(園田直君) 各委員の要請もあるのでございまするし、各委員の御協力を得て、ぜひ実現したいと考えております。
#244
○江田五月君 終わります。
#245
○委員長(片山甚市君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#246
○委員長(片山甚市君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案に対する討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もなければ、これより採決に入ります。
 まず、こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#247
○委員長(片山甚市君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、安恒君から発言を求められておりますので、これを許します。安恒君。
#248
○安恒良一君 ただいま可決されましたこどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出をいたします。
 案文を朗読いたします。
   こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項につき格段の努力を払うべきである。
 一、こどもの国の運営に当つては、特殊法人こどもの国協会設立の趣旨である緑豊かな自然中での児童の健全育成の目的が十分生かされるよう特段の配慮をし、かつ、子供の安全を確保するために十分な措置を講ずること。
 二、こどもの国に対し、民間移管後も従来の趣旨に沿い、必要な助成を行い、その整備発展に配慮すること。
 三、特殊法人こどもの国協会の解散に当たり、その職員の処遇については、適正な措置をとること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#249
○委員長(片山甚市君) ただいま安恒君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#250
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、安恒君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、園田厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。園田厚生大臣。
#251
○国務大臣(園田直君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、御趣旨を尊重して格段の努力をいたす所存でございます。
    ―――――――――――――
#252
○委員長(片山甚市君) 次に、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#253
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、高杉君から発言を求められておりますので、これを許します。高杉君。
#254
○高杉廸忠君 ただいま可決されました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
  厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。
一、本格的な高齢化社会の到来を迎え、中高年齢者の雇用の改善と特に適正な給付と公正な負担のあり方を含め公的年金制度全体の抜本的改善を図ること。
二、婦人の年金権のあり方については、被用者の妻の国民年金への任意加入制度との関連も含め総合的な見地から検討を進め、速やかにその確立に努めること。
三、遺族年金については、引き続き改善に努めること。
四、在職老齢年金制度の支給制限の緩和について検討すること。
五、いわゆる経過年金については、その水準のあり方を早急に明らかにするとともに、その一環として福祉年金の充実を図ること。
六、本格的な年金時代を迎えるに当たり、受給者、被保険者に個別的かつ具体的に対応できる年金相談体制の整備を促進するとともに、業務処理体制の強化を図り、もつて国民に対するサービスの向上に一層努めること。
七、年金の給付については、老後の生活安定を図る立場から、業務処理体制の整備とあわせて支払期月、支払回数及び支払方法の制度間の整合について検討すること。
八、すべての年金は、非課税とするように努めること。
九、五人未満事業所の従業員に対する厚生年金保険の適用の問題について、具体的方策を樹立し、その適用の促進に努めること。
十、積立金の管理運用については、極力、有利運用を図るとともに、民主的な運用に努めること。また、被保険者に対する福祉還元についても、なお一層努力すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#255
○委員長(片山甚市君) ただいま高杉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#256
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、高杉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、園田厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。園田厚生大臣。
#257
○国務大臣(園田直君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力をいたす所存でございます。
    ―――――――――――――
#258
○委員長(片山甚市君) 優生保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明はすでに聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もなければ、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、これより採決に入ります。
 優生保護法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#259
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 ただいま可決されました三法案に対する審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#260
○委員長(片山甚市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#261
○委員長(片山甚市君) 社会保障制度等に関する調査を議題といたします。
 高杉君から発言を求められておりますので、これを許します。高杉君。
#262
○高杉廸忠君 私は、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案に係る国立療養所長島愛生園等の所在する離島長島と本土間の架橋にかかわる問題に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   国立療養所長島愛生園等の所在する離島長島と本土間の架橋にかかわる問題に関する決議(案)
  かねてから要請のあつた首題の問題について、政府は、ハンセン氏病対策の万全を期する観点から、今後、関係者の理解と協力を得ながら、最善の努力をすべきである。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いたします。
#263
○委員長(片山甚市君) ただいまの高杉君提出の議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#264
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、園田厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。園田厚生大臣。
#265
○国務大臣(園田直君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたし、その御決議を背景としてその実現に努力をいたす所存でございます。
    ―――――――――――――
#266
○委員長(片山甚市君) 公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(鉄道労働組合関係)、同(国鉄労働組合関係)、同(国鉄動力車労働組合関係)、同(全国鉄施設労働組合関係)、同(全国鉄動力車労働組合連合会関係)、同(国鉄千葉動力車労働組合関係)、同(全逓信労働組合関係)及び同(全日本郵政労働組合関係)、右八件を一括議題といたします。
 まず政府から趣旨説明を聴取いたします。藤尾労働大臣。
#267
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま議題となりました公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(鉄道労働組合関係)外七件につきまして、一括して提案理由を御説明申し上げます。
 昭和五十五年三月以降、日本国有鉄道及び郵政省関係労働組合は、昭和五十五年四月一日以降の賃金引き上げに関する要求を各公共企業体等当局に対し提出し、団体交渉を重ねましたが、解決が困難な事態となり、四月十二日に関係組合または当局の申請により公共企業体等労働委員会の調停段階に入り、さらに五月十四日、同委員会の決議により仲裁手続に移行し、同委員会は、六月十日、日本国有鉄道と鉄道労働組合、国鉄労働組合、国鉄動力車労働組合、全国鉄施設労働組合、全国鉄動力車労働組合連合会及び国鉄千葉動力車労働組合並びに郵政省と全逓信労働組合及び全日本郵政労働組合に対し、本件各仲裁裁定を行ったのであります。
 本件各仲裁裁定は、職員の基準内賃金を、本年四月一日以降、一人当たり基準内賃金の三・〇八%相当額に二千二百八十円を加えた額の原資をもって引き上げることを内容とするものであります。
 政府といたしましては、日本国有鉄道関係では日本国有鉄道経営再建特別措置法案が、また、郵政省関係では郵便法等の一部を改正する法律案がいずれも未成立であり、現段階におきましては、その実施が予算上可能であるとは断定できません。したがいまして、公共企業体等労働関係法第十六条第一項に該当するものと認められますので、同条第二項の規定により、国会に付議し、御審議を願う次第であります。
 何とぞ、よろしく御審議の上、国会の御意思の表明を願いたいと存ずる次第であります。
#268
○委員長(片山甚市君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#269
○委員長(片山甚市君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより右八件を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は御発言を願います。――別に御発言もなければ、これより採決に入ります。
 採決は、日本国有鉄道関係六件と郵政事業関係二件に分けて行います。
 まず、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(鉄道労働組合関係)外五件については、公共企業体等労働委員会の裁定のとおり実施することを承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#270
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、右六件は全会一致をもって公共企業体等労働委員会の裁定のとおり実施することを承認すべきものと決定いたしました。
 次に、公共企業体等労働関係法第十六条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件(全逓信労働組合関係)外一件については、公共企業体等労働委員会の裁定のとおり実施することを承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#271
○委員長(片山甚市君) 全会一致と認めます。よって、右両件は全会一致をもって公共企業体等労働委員会の裁定のとおり実施することを承認すべきものと決定いたしました。
 この際、関係大臣を代表して労働大臣の発言を求めます。藤尾労働大臣。
#272
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま御承認の議決をいただき、まことにありがというございました。私といたしましては、本会議での御承認が得られ次第、速やかに仲裁裁定が実施されるよう努力する所存でございます。
#273
○委員長(片山甚市君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#274
○委員長(片山甚市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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