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1980/11/25 第93回国会 参議院 参議院会議録情報 第093回国会 文教委員会 第8号
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1980/11/25 第93回国会 参議院

参議院会議録情報 第093回国会 文教委員会 第8号

#1
第093回国会 文教委員会 第8号
昭和五十五年十一月二十五日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     下田 京子君     佐藤 昭夫君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     佐藤 昭夫君     下田 京子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         降矢 敬義君
    理 事
                大島 友治君
                世耕 政隆君
                粕谷 照美君
                下田 京子君
    委 員
                井上  裕君
                山東 昭子君
                田沢 智治君
                内藤誉三郎君
                仲川 幸男君
                松浦  功君
                小野  明君
                本岡 昭次君
                柏原 ヤス君
                高木健太郎君
                小西 博行君
   国務大臣
       文 部 大 臣  田中 龍夫君
   政府委員
       文部大臣官房長  鈴木  勲君
       文部省初等中等
       教育局長     三角 哲生君
       文部省大学局長  宮地 貫一君
       文部省管理局長  吉田 壽雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瀧  嘉衛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○昭和四十四年度以後における私立学校教職員共
 済組合からの年金の額の改定に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任に関する件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(降矢敬義君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に下田京子君を指名いたします。
#4
○委員長(降矢敬義君) 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田中文部大臣。
#5
○国務大臣(田中龍夫君) このたび政府から提出いたしました昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 私立学校教職員共済組合が支給いたします既裁定の年金については、昭和四十四年度以後毎年改善措置を講じてきておるところでございまして、昭和五十五年度におきましても、第九十一回国会において成立いたしました昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律によりまして、昭和五十五年四月分以後、その増額改定措置を図ったところでございます。
 本法律案は、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案による厚生年金の年金額の引き上げに伴い、さらに改善を図る必要があるために提出することといたしたのであります。
 次にこの法律案の概要について申し上げます。
 この法律案におきましては、私立学校教職員共済組合法の規定による既裁定の通算退職年金及び通算遺族年金の額を、厚生年金の年金額の引き上げに伴い行われる国公立学校教職員の通算退職年金等の額の改定に準じ、昭和五十五年六月分から増額することといたしております。
 なお、この法律の施行日につきましては、公布の日から施行することといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、十分に御審議の上、速やかに御賛成くださいまするようひとえにお願い申し上げます。
#6
○委員長(降矢敬義君) これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○粕谷照美君 局長にお願いをしますけれども、この法律が成立いたしますと十二月一日からそれぞれ支給ということになりますね。六月から八月までの間の差額、それから九月から十一月までの改定額、この作業というのは通常よりも非常に大きな作業になるかと思いますけれども、法律ができ上がってからそれをやって十分間に合うというふうにお考えですか。いかがですか。
#8
○政府委員(吉田壽雄君) この今回の法律改正に伴う改定の年金額を支給するためには、いろいろな計算等の準備を要することは当然でございますが、これにつきましてはあらかじめ私どもその心組みで現在準備を進めているところでございますので、直近の年金の定期支給日、つまりこの十二月の一日でございますけれども、ことしの十二月一日に支給することができますように、ただいまいろいろと準備を進めているところでございます。
#9
○粕谷照美君 母法になります厚生年金法、これは一体どの日程に上がっておりますか。それとあわせまして、その他の横並びの法律はいつごろ上がっておりますか。
#10
○政府委員(吉田壽雄君) 母法の厚生年金保険法の一部を改正する法律案は、すでに十月三十一日に成立いたしまして、十月三十一日に公布済みでございます。そういう状況になっております。
#11
○粕谷照美君 この法律ずいぶん遅いですね。十二月一日だというのに。そのぎりぎりになって送ってきたという理由はどこにあるんですか。
#12
○政府委員(吉田壽雄君) これにつきましては御案内のことと存じますけれども、さきの通常国会におきましてこの法律案を提案いたしたわけでございますけれども、ああいう国会の事情によりまして廃案となり、この国会に再度提案を申し上げたと、こういう経緯でございます。
#13
○粕谷照美君 放送大学法の審議の途中に一つの法律を送られてきて、そしてそれを先に上げるということ自体が異常なことでありますけれども、そのくらいのことをするのであれば、もっと早くやってきて安心して堂々とその準備を進めるという体制をとるのが私は政府の仕事ではないかと、こういうことを考えて、しかしそれにも増して、そそういう厳しい事情の中で一生懸命に皆さんが努力をしていらっしゃることを、これもまた高く評価をしながら、今後はそのようなことがないように努力をしていただきたいということを要請をいたします。
 それではお伺いいたしますけれども、私学共済に非加盟の学校が本年五月の段階では五十九校、一万四千五百十一人いらっしゃると、こういう答弁が議事録の上に載っておりますけれども、長、短とも非加盟の、人数は載っているんですが、校数がわかりません。また短のみ、長のみそれぞれ人数がわかっておりますが、校数がわかっておりませんけれども、わかりますでしょうか。
#14
○政府委員(吉田壽雄君) 現在、私立学校教職員共済組合の短期並びに長期ともに適用の除外になっておりますいわゆる非加入校でございますけれども、四十校ございます。なお、短期給付のみ適用が除外されている学校が十五校、それから、長期給付のみ適用除外になっている学校が四校と、以上合計いたしますと五十九校になるわけでございます。
#15
○粕谷照美君 昭和四十八年にこれらの学校に対して、加盟に対する特例の措置が法律として出され、なおかつ加入をしなかった、そういう学校だというふうに思いますけれども、これらの学校が私学共済に加入をしないということは、それよりも条件のよい制度を持っているというように理解をしたらよろしいのか、私学共済の方が条件はいいけれども、歴史的なことがあって加入をしないのだというように理解をしたらよろしいのでしょうか。
#16
○政府委員(吉田壽雄君) 大変むずかしい御質問でございますけれども、一般的には長い歴史的な経緯がございまして、そして、そのようないわゆる非加入校が現に存在するということになっていると思うわけでございます。つまり、昭和二十九年に私立学校共済組合が発足いたしました時点で、そういう学校に対しまして選択を認めました。さらに四十九年に再度法律改正を行うに当たって選択を認めた結果、ただいま申し上げたような数字の学校が短期、長期とも、あるいは短期のみあるいは長期のみということで適用除外になっているわけでございますから、これはやはり歴史的な長い経緯がありまして、そして、各学校がそのように選択をしたというふうに私ども見ているわけでございます。
#17
○粕谷照美君 私が質問していますのは、私学共済の方が有利なのか、その入ってこない方の制度の方が有利なのか、ただ歴史的なことである、それだけで私たちを理解させようと思ってもどうも納得がいきません。
#18
○政府委員(吉田壽雄君) 強いてどちらの方が有利と考えるかということでございますけれども、長期給付について言えば、厚生年金保険よりも私立学校共済組合の方が有利であるというふうに私どもは考えているわけでございます。短期給付につきましては、法定給付としては私立学校共済組合の方がいい、有利であるというふうに考えておりますけれども、ただ、先ほど申しましたような、そういう非加入校の場合には組合健保をそれぞれ設けているわけでございますので、そういう組合健保ですと、各学校におきまして、その組合の健康保険組合におきまして、相当財政的にゆとりがあるということで、かなり私学共済よりもまた有利な、そういう給付等も考えられるということで、その辺はそれぞれの非加入校で私学共済に加入した方が有利かどうかということで、総合的に判断をされたのではなかろうかというふうに見ているわけでございます。
#19
○粕谷照美君 その次に移ります。
 七六年に私学共済年金改定に際しまして、社会保障制度審議会から文部大臣あてに答申が出されております。財政確立についての指摘であります。現在の財政はどのような状況になっておりますか。
#20
○政府委員(吉田壽雄君) 私学共済組合の財政状況でございますが、昭和五十四年度すでに決算を終わっておりますので、昭和五十四年度について申し上げますと、五十四年度の長期経理における収入は九百三十八億七千三百万円、それから支出の方は二百十三億四千万円でございまして、その収支差の七百二十五億三千三百万円、これは将来の年金給付のために積み立てておるわけでございます。いままでこの積み立てられた累積額はどのくらいになるかと申しますと、三千八百七億四千二百万というふうになっているわけでございます。昭和五十五年度末、今年度末どのくらいになるかということで推計いたしますと、将来の給付のために準備しておかなければならない計算上の金額、これは責任準備金と称しておりますけれども、責任準備金に対する充足率、責任準備金の何%ぐらいを満たしているかと申しますと、ちょうど九五%相当となっているわけでございます。それから昭和五十五年度の一月、ことしの一月に実施いたしました所要財源率の再計算――財源率再計算は五年ごとにおおむね行うことになっておりますが、その再計算の結果を踏まえまして五十五年の七月から掛金率を千分の六引き上げました。そういうようなために、所要財源率千分の百三十四・四五に対しまして千分の百三十二・二の財源措置がなされておりますので、他の公的年金制度と比較した場合、私学共済の年金財政はまず健全であるというふうに見ているところでございます。大体そういう財政状況でございます。
#21
○粕谷照美君 一九七六年に文部大臣あてに財政確立が指摘されて、一九八〇年にはそのような健全財政になってきたと。四年間の間にこのようになってきたというのは大変な努力だと思いますけれども、この赤字をなくしていったという大きな原因は一体何でしょうか。
#22
○政府委員(吉田壽雄君) いろいろの理由が考えられると思いますが、主として先ほど申しましたように、ことしの一月から所要財源率の再計算をいたしまして、その結果、千分の六掛金率を引き上げたということによるところが最も要素としては大きいというふうに考えております。
#23
○粕谷照美君 組合員の負担によって、学校側もありますけれども、財政を確立していくという態度はちょっと私は問題があるのではないか、こういうふうに考えるんです。そのことはなぜかといいますと、昭和で言いますと三十七年の四月十八日、私学振興会と共済組合との協議決定事項があります。それは私学共済十年史に出ておりますけれども、どのようなことが決められておりますか。
#24
○政府委員(吉田壽雄君) 昭和三十七年の四月十八日付でございますけれども、私立学校振興会並びに私立学校教職員共済組合両者の間に協議決定がなされております。その中の骨子を申し上げますと、私立学校振興会は、これは現在の私学振興財団の前身でございますけれども、「振興会は、共済組合に対して次の助成を行なう。」ということになっておりまして、そのうち一つは「長期給付財源のうち概ね整理資源の二分の一相当額」これは掛金率で申しますと千分の六相当額でございますけれども、そういう助成を振興会から共済組合に対して行う。それからもう一つの柱は「既年金者の年金増額相当額」、これにつきましても、私学振興会から私学共済組合に対して助成を行う、この二つが大きな骨子でございます。
#25
○粕谷照美君 そのことは、昨年度の予算におきましてはどのような形で実現をされておりますか。
#26
○政府委員(吉田壽雄君) この私学振興会の後身であります現在の私学振興財団から私学共済組合に対してどういうような助成を行っているかということでございますが、いま申し上げました長期給付財源のうちのいわゆる整理資源の二分の一相当額、掛金率で申しますと千分の六相当でございますが、これはどういうふうになっているかということでございますけれども、昭和五十三年度で申しますと残念ながらわずか一千万円の助成にとどまりました。昭和五十四年度は二千万円にとどまりました。それから今年度は一応三千万円の見込みでございます。そういう状況で、千分の六には大変ほど遠い、そういう実情となっておるわけでございます。
 なぜそんなに遠く隔たっているかということを申し上げますと、一口に言えば私学振興財団の財政事情が最近きわめて苦しい、そういう困難な事情にあるということに尽きるわけでございます。
 私学振興財団の助成というものは、法律によりまして利益金が生じた場合に行うものとされております。旧私学恩給財団の既年金増額分に対する助成金が年々増大いたしまして、その負担額が大変大きくなっているということも一つ大きな要因をなしておりますけれども、何と申しましても私学振興財団の財政状況がこの数年来大変悪化しておりますので、私学共済に対する助成金が減少してきている、こういうような状況でございます。したがいまして、これは今後まず私学振興財団のそういう収支の改善を図って、それに応じまして助成金を増額するように努力しなければならない、こういうふうに考えているところでございます。
#27
○粕谷照美君 五十五年度分は千分の六というのが四十八億円になるわけですね。四十八億円出してもらうという、こういう協議事項であったのに、金がないからということで三千万円、もう全然問題にもならない数字だというふうに思うわけです。しかし、法律によってということであればそれはそのことで認められるとしましても、しかしこのこと自体は文部省側から当時の管理局長杉江さん、振興課長の平間さん、振興会から理事の岡田さん、それから常務理事の高木さん、共済の理事長の河野さん、常任理事の入江さんというそうそうたる方々がおいでになって、ちゃんと「協議決定事項」と、こういうふうになっているわけですね。この協議決定事項は生きているのかどうなのかという問題点があります。それと同時に、千分の六というこの数字は整理資源の二分の一と、こういうことに基礎を置いているわけでありますから、私学振興財団の負担区分率というのは実際にはもっともっと大きくなるのではないかと思いますが、これはどうでしょう。
#28
○政府委員(吉田壽雄君) 私学振興財団としては、本来はいまお話のございました振興会と共済組合との協議決定事項は、これは当然私学振興財団が振興会に引き継いでいるという認識のもとにこれは現在も生きているというふうに考えているわけでございます。
 しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、これは私学振興財団の財政事情がきわめて悪化している、そういう実情から考えますと、出したくても出せない、こういう状況にあるわけでございますので、私学振興財団としても、また文部省といたしましても、今後私学振興財団の財政の改善を図った上でできるだけそういう協定の趣旨に沿うように努力しなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。
#29
○粕谷照美君 いまの局長の御答弁は、今後の展望と対策についてお話をいただいたものと思いますので、ぜひそのように努力をしていただきたいと思うのですが、私自身はやっぱり利益金の一部の活用として助成を受けるというのであれば、不確実で明記をできないということを当時の文部省としては十分承知をしていなければならなかったはずです。その不確実な部分を承知していながらこのような負担区分を認めたというところに問題点があるのでありまして、さらに今後の文部省側の努力を心から期待するものであります。
 それでは、次に移りますけれども、ここに日本私立大学連盟が出しました「国庫助成対策委員会財政部会報告」というのがあります。その五十三年版を見てみますと、「明日を模索する私立大学」というので非常に新しい活気ある展望が見えてきたような表題になっておりますけれども、五十五年七月に出されました同じレポートは、「茨の道−教学条件の改善と財政の悪化」と、こういう表題であります。非常に厳しい情勢が出てきたということをしみじみ感ずるわけでありますけれども、その五十三年度版の報告書を見てみますと、こういうことが中に書いてありました。
 専任教職員の給与、これについては二分の一助成とあわせて非常勤教職員給与費、所定福利費、退職金支出などは現在補助対象になっていない、これは理にかなわないし、実態から見てもおかしい、そういう意味で実支出の二分の一を助成してもらいたいということを書いているのですけれども、私がいま局長にお伺いをしたいのは、非常勤教職員の給与や福利費や退職支出金なんかが実態から見ておかしいと、実態に合わないと、こういうことを言っているんですけれども、そういう人たちの実態をどのように文部省としてはつかんでいらっしゃいますか。
#30
○政府委員(吉田壽雄君) いま先生の挙げられました日本私立大学連盟のいわば白書とも言うべき「明日を模索する私立大学」の中の一節に、非常勤教職員の給与費とかあるいは所定の福利費、それから退職金支出など、こういうものが補助対象外となっているのはこれは大変おかしいということでございますが、その実情をちょっと申し上げますと、いま私立大学経常費助成でどういうふうに助成の対象をとらえているかと申しますと、非常勤の教職員のうちの教員の給与費それから教職員の福利厚生費につきましては、すでに昭和五十四年度、前年度から経常費助成の対象にしておりまして、これにつきましては私立大学等経常費補助金で措置しているところでございます。
 なお、教職員福利厚生費のうちで私学共済の短期給付に係る設置者負担分につきましては、ただいま昭和五十六年度の概算要求におきまして補助対象とするよう要求している、そういうところでございます。
 その次の退職金のことでございますが、退職金については現在私立大学側におきまして、退職手当のあり方、その財源確保の方策等含めまして退職制度について検討を進めているところでございますので、文部省としましてはその結果を待って対処していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#31
○粕谷照美君 そういう原則的な考え方はいいんですけれども、大体非常勤教員というのはどのような勤務状態の中にいるというように把握をしていらっしゃいますか。
#32
○政府委員(吉田壽雄君) 非常勤の教員の中には、それぞれの大学によりましていろいろな態様があるというふうに私ども見ているわけでございます。つまり、いわゆる常勤でない者ということでいろいろな態様がありますが、たとえば一学年のうちの前期だけのそういう教育、講義、演習等を担当するというような、そういう事例の場合もあると思いますし、あるいは年間を通じまして何単位というようなことで非常勤講師をお願いするというような場合もあろうかと思います。
 また、非常勤の職員につきましては、これにつきましてもいろいろな態様がございまして、たとえば週何回というような、そういう場合もありましょうし、あるいは一カ月を限って委嘱すると、そういうような場合もありましょうし、これはいずれにいたしましても、教職員を含めましていろいろな雇用の形態が非常勤の場合にあり得るというふうに考えております。
#33
○粕谷照美君 いろいろな形態があるというのはわかっているんです。いろいろな形態は、いい方の労働条件といいますか、そういうふうに考えているのか、悪いような労働条件の人が多いというように考えているのか、その辺がきちっとしないんです。いま労働界の中でも一番問題になっているのは、臨時とパートでしょう。こういう人たちに対しても何とか労働基準法を適用させていこうとか、あるいは健保を適用させていこうとかいう動きが出ているときに、一体教育の場に当たる教職員のこれらの臨時、非常勤講師あるいは教職員の人たちの待遇はどうであるかという、こういう質問なんです。私はつかんでいらっしゃらないというふうに思いますから、私自身もいろいろなところを調べてみましたけれども、なかなかそういうことを書いた本がありません。先日、東京地区の私大春闘共闘会議でつくりました「一九七八年度私大の賃金及び労働条件」というものをいただいてまいりましたが、この中にもそういう方々の問題はちょっとしか取り上げられていないんです。「一年契約職員給(長期アルバイト)」のそれぞれの学校の実情がずっと出ておりました。さらにまた「非常勤講師、一年契約職員の交通費及び一時金について」、これも出ておりました。たった二カ所なんです。しかし、これをつくり上げるのも非常な努力が必要であったように伺っております。余り表に出したくというようなこともありまして、この統計をとること自体も問題であったということが出ておりました。それと同時にまた、ちょっと古い本で恐縮なんですけれども、法学セミナー、ジュリストを調べてみましたら、一九七二年に、たまたま昭和四十六年度の国立の非常勤講師が一万二千八百人で、私立の非常勤講師が二万九千人である。教員は、国立では五万人に対して二五%の比率を占め、私立におきましては六万四千人に対して四五%の比率を占めている。このようなことが出されておりましたけれども、私立大学においても国立大学においても非常勤講師というのはなければどうにも学校が運営できないという事情もわかりますけれども、どうもこの辺のところの率が大き過ぎるのではないんだろうかというように考えますが、専任の教師と非常勤の教員の比率といいますか、それ大体どの辺が望ましいというように思いますか。専任教員よりも非常勤の方が多いというのは、これは正常であるのか。専任教員よりは非常勤の方が少ないと、その少なさはいろいろな度がありましょうけれども、それどちらが望ましいというようにお考えでしょうか。――吉田局長ではその辺はちょっとぐあい悪いんじゃないんですかね。大学局長いらっしゃらないですか。いらっしゃらなければ吉田さんで結構です。
#34
○政府委員(吉田壽雄君) 大変むずかしい御質問でお答えなかなかしにくい問題だと思います。国立大学に例をとれば、実態からいたしまして専任の方が圧倒的に多いということで、そういう非常勤が私立大学の場合に非常に多いということは、国立大学に比較すればそれは確かに教育条件あるいは研究条件、そういう点から考えまして余りいい傾向ではないというふうに思われるわけでございます。しかし、一応大学基準上、専任の教員が著しく欠けておりまして、そうしてその欠けているところを非常勤の講師等で補っているということになれば、これはもうはっきり望ましくない、妥当ではないというふうに言い得るわけでございますけれども、一応専任の教員数を満たしておりまして、その上で非常勤講師の数が相当多数に上っているというようなもし状態にあるとすれば、そういう場合には必ずしもそれが望ましくないというふうに言い切るのもいかがかと思われるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、各大学等におきまして苦しい財政事情のもとでいろいろと工夫をこらしてそういうふうな実態が現にできていると思うわけでございますが、今後またそういう面でなるべく専任の教員をふやすということにつきましては、それぞれの大学等とまたいろいろと相談をいたしませんと一概にいまここでどうこうということは申し上げにくい、そういう実態だというふうに心得ているわけでございます。
#35
○粕谷照美君 それぞれの大学と相談いたしませんとと言いますけれども、おやりになる気持ちはありますか。
#36
○政府委員(吉田壽雄君) 異常に非常勤職員が多いという場合には、これはやはり私どもいろんな機会に、それぞれの大学の担当者とその実態あるいは事由等につきまして意見を交わす機会はございますので、もしはなはだしく異常なそういう状況がある大学等につきましては、やはりいろいろと実態を聞きながら相談していきたい、そういう気持ちは持っております。
#37
○粕谷照美君 大学局長おいでのようですからお伺いしますけれども、大変いいことを御答弁いただいたんですが、異常に多いというのはどの程度が異常に多いというように理解してよろしいでしょう。
#38
○政府委員(宮地貫一君) 規定の上から申しますと、兼任の教員の合計数は、全教員数の二分の一を超えないものとするという規定になっておるわけでございまして、したがって、お尋ねは兼任の教員が異常に多いというのはどのような程度かと言えば、その二分の一を著しく超えている状態を指すものと考えます。
#39
○粕谷照美君 わかりました。大変明快であります。では、以後それに従いまして私の方でも若干調査を進めて質問をし、文部省の対策も伺いたいと思っております。
 それでは大学局長にお伺いしますけれども、私立学校は労働基準法第八条の第十二項に該当する事業所であると、こう理解してよろしいですか。
#40
○政府委員(宮地貫一君) そのように理解いたしております。
#41
○粕谷照美君 そうしますと、私学の教職員は労働三法が適用されるわけであります。労働組合結成というのはもう当然の教職員の権利であります。だから、労働組合をつくった、それに加盟をしたということで差別的な取り扱いを受けたり、ただそれだけの理由で首になるというようなことはあってはいけないことだと思いますが、いかがでしょうか。
#42
○政府委員(宮地貫一君) お尋ねの点はきわめて一般論としてのお尋ねというぐあいに承るわけでございますけれども、考え方としては先生御指摘のとおりであろうかと思います。
#43
○粕谷照美君 従来この私立学校が民法の財団法人として運営をされてまいりましたが、しかしそれをその後私立学校法の学校法人、こういう形になって発足をしたその理由は、いろいろな法律解釈論を読んでみますと、一つには法人の運営が少数理事者の専断に陥りやすく、私学の公共性を確保するに適しない。これは財団法人ですね。それから二番目には、役員が特定の同族によって独占をされる可能性が大きいとか、三番目には法人の運営に教育者の意思を反映させる保証がない。それから幾つかこう挙がっておりますけれども、等々であったはずです。したがって、私立学校法に基づく学校法人は昔の民法による財団法人の私立学校とは大きく姿を変えて公共の教育、福祉というようなことを十分に配慮をして運営をされなければならないというふうに考えているんですが、最近もそうですけれども、前近代的な経営センスを持つそういう濃厚な理事者が非常に多いのではないか、そういう具体例がしばしばマスコミをにぎわしております。
 先日、武蔵野音楽学園の組合が二度にわたって文部省に上申書を出していると思います。本来ならば、組合でありますから、理事者と対等の立場に立って交渉するという権利を持っているはずであります。そんなことができなくて、組合ニュースを見ますと、相当話し合いを進めているようでありますけれども、そのことが保証をされないのでありましょうか。とにかくせっぱ詰まって上申書という行動に出たのではないか、こう思われるのでありますけれども、問題点は一体何でしょうか。
#44
○政府委員(吉田壽雄君) 文部大臣あてに上申書が二回出されております。昭和五十四年の八月二日付のものが第一回、それから同年の十月三日付のものが第二回でございまして、この二回にわたりまして武蔵野音楽大学の一部教員の代理人であります四人の弁護士の方から文部大臣あてに上申書が提出されたわけでございます。
 その主な内容を申し上げますと、一つは、大分さかのぼるわけでございますけれども、昭和五十二年に行われました学校法人武蔵野音楽学園の寄付行為の一部につきまして変更がなされたわけでございますけれども、法務局に登記申請をするに当たりまして、その添付書類といたしまして届けられました寄付行為には正本と異なった点が幾つか見られるほか、当該変更に係る内容及び手続につきまして幾つかの誤りが見られるということをまず指摘されております。
 第二といたしまして、理事長及び理事会へ極度の権限が集中されているということで、これは学校法人として望ましくないということでございます。
 それから第三点といたしまして、就業規則につきまして周知義務が学校法人にあるわけですが、その周知義務の違反が見られるというようなこと、あるいは絶対的必要記載事項の不備等があるのではないかというようなことが挙げられております。
 それから第四点として、教授会の無視ないし軽視の傾向が見られるというようなこと、こういう以上四点が主たる指摘事項かと存じます。
 これらの指摘事項につきましては、文部省でその直後調査いたしました結果、法務局への添付書類として届けられました寄付行為については上申書に指摘されているとおりの誤りがあったことが判明したわけですけれども、変更の内容なりあるいは手続上の問題点について、内容について特に法令に違反するものがあるというふうには認められませんでしたし、手続につきましては一部に不備があったことは事実でございますけれども、重大な瑕疵は認められなかったと、そういうふうに私ども判断したところでございます。
 なお、教授会のことにつきましては、大学局の方の所掌でございますので私から答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
#45
○政府委員(宮地貫一君) 教授会の運営についての問題点でございますが、大学当局側の説明によりますと、大学の運営に当たりましては教授会の意見を十分尊重、配慮しているという説明でございます。
#46
○粕谷照美君 大学側の説明だけ聞いていらっしゃるようですけれども、それじゃ上申した人たちの御意見は聞いていらっしゃるんですか。
#47
○政府委員(宮地貫一君) 上申書を持ってこられた方々の御説明は担当者がそれぞれ事情をお伺いいたしました。
#48
○粕谷照美君 伺ってどのような対策をされたかということもお伺いしたかったわけですが、きょうはそれが本題ではありませんから、このようなことが起きなければ一番いいのでありまして、起きた以上は正しく対応していただきたいと思うわけであります。しかし、さっき吉田局長もおっしゃいましたね、文部省に届け出ましたその書類と実際に学校の教師に見せた書類が違っていたというのは、これは大変なことなんですよね。文部省はなめられっ放しだということになりませんか、虚偽の申告をしているわけですからね。しかも重大な寄付行為の変更などについてであります。法令に違反するものでなかった、そんなことでこれに対処されては困るのでありまして、徹底的に文部省自体がこれを調査しなければならない、このように考えるところです。認可を受けなければ効力を生じないのですから。しばしばこのようなことがあったじゃないですか。質問通告をしておりませんからそう触れるわけにもいきませんけれども、昨年度国士舘大学で助成金が二五%カットされて七五%支給されてますでしょう、あれはどういう理由なんですか、お伺いします。
#49
○政府委員(吉田壽雄君) 学校法人国士舘につきましては、ただいま先生がおっしゃられましたように二五%の減額をして補助金を交付いたしております。で、その理由でございますけれども、これは同学校法人につきましては、昭和五十三年度におきまして柴田総長によるところのいわゆる国会対策費の支出問題がございまして、学校側の説明によりますと、これは国士舘の問題が国会で取り上げられていたことから問題解決について協議するために学内関係者による会合を開いたものであって、それに要しました会議費なり交通費等に三百万円を使用した、そういう趣旨の説明をしているわけでございます。しかしながら、文部省といたしましては出納の仕方がきわめて安易でありまして、その使途も必ずしも明確ではなかったということでございますけれども、一応国士舘大学の教育研究活動は正常に行われているというようなことを配慮いたしまして昭和五十三年度については二五%の減額ということで七五%相当を交付したと、こういうことでございます。
 なお昭和五十四年度につきましては、五十三年度で問題となった事柄がその後明快なと申しますか、はっきりした進展を見ておりませんために、五十三年度と同様の措置をして二五%減というふうにいたしている、そういうことでございます。
#50
○粕谷照美君 私が国士舘に触れましたのは、この国士舘の上申書問題から発足をして国会の中で取り上げられてきたから質問を申し上げたのですけれども、つい先日もあの中で問題になりました大西教授のことが解決がつきませんで裁判になりましたね。文部省からも関係の証人として出ていただきますと、そのような場合もありますという内容の文書が出されておりまして、非常に気にしているんですよ。労働組合あるんですからね、ここのところは。そのようなことが解決できないような学校では困るではないか。こんなことも思いましたし、その中にありました先生を、教授会がこの人を採用しようということを決めたけれども、理事者側がそれを認めないために来年、再来年の三月に卒業できない生徒が出るというこのようなことを許しておくわけにはいかないんです。親としてはもう長いこと一生懸命になって子供のために教育費を捻出し、その子供も一生懸命に勉強しているんですから、それだけの条件はきちっと整えていただきたい、強力な指導をしていただきたいと、心から思います。そしてまた暴力行為も相次いでマスコミで報道されております。ちっとも直っていません。それと同時に、先日私のところにも血書の写しなるものが送られてまいりました。何でわいせつ教諭をこうやっているんだという話であります。それらの問題も含めながら国士舘が本当にりっぱな大学になるように今後の御努力を心からお願いをいたします。これは本質的な質問ではありませんので、付随をしていま申し上げました。
 さて、その中でいま武蔵野音楽学園の就業規則の問題でありますけれども、この労働基準監督署は是正勧告を出しているんですね。大体この組合そのものが労基法で言えば八十九条、九十条、百六条に従いまして、とにかく常時十人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成する義務が課せられている。それと同時に労働者代表の意見を聞くべきことを定めているわけです。この労働者代表そのものが問題になってくる。組合を認めないという態度であれば組合つぶしにかかるのは当然であります。そのようなことは私は許されない行為だと思いますし、また百六条では労働者に周知徹底をさせる義務があるんですが、その義務が履行されないというふうに考えております。その他賃金、退職金規定がないとか、そのようなことを勧告の中に出しておりますので、私はこれらの学校に対する御指導も心からお願いをしたいんですが、その中でいよいよこれは私学共済と関係をするわけですけれども、非常勤講師の私学共済加入問題が取り上げられております。その私立学校共済組合が毎年出しておりますこの「組合の概要」という本、非常に持ちやすくて見やすくて大変苦労されたパンフだと思いますけれども、その中に「組合員」とこう書きまして、「1専任でない者、2臨時に使用される者、3その他常時勤務に服しない者などは除かれます。」、こういうふうに書いてありますね。非常勤講師ですから当然共済組合に加入できないと、この文章を読んだ限りではそのように受け取られるわけです。それで、一つ一つ「専任でない者、」という概念はどうか、「臨時に使用される者、」はどういう人を言うのか「常時勤務に服しない者」というのはどういう人を言うのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
#51
○政府委員(吉田壽雄君) お尋ねの件でございますけれども、この組合員の資格につきましては私立学校教職員共済組合法の第十四条の第一項に規定されているとおりでございます。具体的に「専任でない者、」あるいは「臨時に使用される者、」という者はどういう者かというお尋ねでございますけれども、まず「専任でない者、」の具体的な取り扱いでございますけれども、学校法人等から受ける給与をもって主たる生計の使途をしない者というわけでございまして、たとえば医師とかあるいは僧侶とか弁護士とか、そういう他の本業を有する者でございますけれども、この場合には学校法人等から受ける給与がその者の経常的収入全体の六〇%以上であるかどうかが一つの基準になっております。判断の基準はその者の経常的収入の六〇%以上を占めているかどうかが一つのめどとなっているわけでございます。
 次に、「臨時に使用される者、」という意味でございますけれども、これの具体的な取り扱いは、要するに雇用関係の実態が臨時的である者でございまして、たとえば先ほどもちょっと御質問にお答えしたところで申し上げましたけれども、一時的な業務に使用される者あるいはその季節的な業務に使用される者、そういう者でございますけれども、この取り扱いにつきましてはいわば私学共済法の母法とも言うべき健康保険法あるいは厚生年金保険法の取り扱いに準じまして、臨時的な名目によって使用されている場合でも雇用関係の実態が常用的であれば、その名目にかかわらず組合員とすることにいたしております。
 そういうことで、たとえば二カ月以内の期間を定めて雇用された者でありましても、その雇用が引き続き二カ月を超えることとなる場合には三カ月日から、六十一日目から組合員といたしておりますし、また期限の定めのない日々雇用の者が一カ月を超えて引き続いて雇用される場合には二カ月日から組合員とすることといたしております。そういう取り扱いをいたしております。いわゆる非常勤的な職員でありましても、いま申し上げましたような要件を満たす場合には、御指摘の件でございますけれども、私どもは私学共済法第十四条に定める私学共済組合の組合員となるものということで考えているわけでございます。最終的には私学共済組合自身が判断すべき問題ですけれども、おおむねいま申し上げましたように、母法である健康保険あるいは厚生年金保険における被保険者、組合員の認定の仕方と同様の方針に即して認定しているところでございます。
#52
○粕谷照美君 そのような細かなことを組合員はよくわからないわけですよね、非常勤の方々は特に。これ見てみただけで、ああ自分は共済組合の組合員になれないんだなと思わないでしょうかね。あなたがいまおっしゃったようなそういうこともあるのかと普通であったら思うのではないでしょうか。どうでしょう。
#53
○政府委員(吉田壽雄君) 各大学あるいは学校法人等におきまして、具体的に私学共済に関しましてその採用時、雇用時に当たりましてどういうような解説なりあるいは説明を加えているかということは、いま具体的なことはわかりませんけれども、私どもとしてはなるべく採用する側の大学なりあるいは学校法人等がそういういわゆる非常勤職員に対しましてもこの私学共済のこういう取り扱いとなっているということにつきまして親切に説明してほしいと、そういうふうに念願しているわけでございます。
#54
○粕谷照美君 「親切に」と言いましても、私も調査室を呼んでみましたり労働省や厚生省の年金担当者などを呼びましていろいろ質問したんですけれども、非常勤講師が私学共済の組合員になれるかなれないかということで明確な答弁をすぱっと出してきませんでした。いろいろなものを探しながら、そういえばこういうような形で適用できるかもしれませんという答弁がようやく出てまいりまして、それ探すのだけでも二日ほどかかってるんですね。私は、いまのようなあなたのおっしゃったようなことが、あなたには該当しますよというようなことは採用に当たって言ってもらえるなんといったって言うわけないですよ、金出さぬ方がいいのですから。だから、そのことはきちんとしてほしいと思いますね。たとえば出かせぎ労働者、季節労働者だってちゃんと保険に入るように労働省はやってるじゃありませんか。日雇いの人たちだっているじゃないですか。私は私大の非常勤の先生方に日々雇用の日雇いの中に入らぬかと言ったら、幾ら何でも日雇い労働者と非常勤の大学の先生とを同じ保険の中に入れるということはと、こういう答弁が返ってくるんですね。そのとおりだと思います。したがって、あなたがいまおっしゃったような条件で組合に加入できる人たちが何人かいるはずです。全国探してみますとものすごい膨大な非常勤講師でありますから、その人たちを救う方法を早速講じていただきたいと思うのです。いまあなたがおっしゃったようなことは一体どこに書いてありますか。
#55
○政府委員(吉田壽雄君) この点につきましては、従来から私立学校共済組合においてそのような取り扱い、つまり先ほど来申し上げましたように健康保険法あるいは厚生年金保険法における被保険者の取り扱いと同様の趣旨で組合員として認定すると、こういうことになっております。
 で、具体的に健康保険法にそれではどういうふうに書いてあるかということをちょっと申し上げますと、健康保険法の第十三条ノ二というところに、ちょっと読んでみますと、「前条ノ規定ニ拘ラズ左ノ各号ノ一二該当スル者ハ健康保険ノ被保険者トセズ」と、こう書いてありまして、その中の一つに「臨時ニ使用セラルル者ニシテ左ニ掲グルモノ」ということで、(イ)といたしまして「二月以内ノ期間ヲ定メテ使用セラルル者」、それから(口)といたしまして「日日雇入レラルル者」と、この二つの場合にはこれは被保険者とすることができないと、組合員とすることができないと、そういうふうに書いてあるわけでございます。ところが、この下にただし書きがございまして、「但シ(イ)ニ掲グル者」、(イ)に掲ぐる者といいますのは、いま申し上げた「二月以内ノ期間ヲ定メテ使用セラルル者」でございますが、「(イ)ニ掲グル者ニシテ所定ノ期間ヲ超エ引続キ使用セラルルニ至リタルトキ」と、二カ月以内の期間の定めがあるわけですけれども、その二カ月の定めを超えて引き続き使用せられるに至りたる場合と、それからもう一つは「(口)ニ掲グル者ニシテ」、つまり日々雇い入れられる者でございますが、「(口)ニ掲グル者ニシテ一月ヲ超エ引続キ使用セラルルニ至リタルトキハ此ノ限ニ在ラズ」ということで、先ほども申し上げましたけれども、こういう場合には被保険者とすることができると、こういうふうに解せられるわけでございます。同じく厚生年金保険法にもその第十二条におきまして同様の趣旨の規定があるわけでございます。で、私学共済組合におきましては、この健保、厚年の取り扱いと同様の趣旨でもって組合員の取り扱いをするということで一応内規を定めているところでございます。
#56
○粕谷照美君 その内規が「法第十四条関係事務処理要領」という形で存在をするんですね。この存在はそれぞれの私学の担当者が見ているのでしょうか。どうでしょうか。
#57
○政府委員(吉田壽雄君) このことにつきましては私立学校共済組合が各ブロックにおける担当者の会議あるいは全国会議等におきまして、こういう事務処理要綱がございまして、それに即してこういう扱いになっているということで、その旨を各学校法人に伝えるようにそういう説明なり啓蒙というものは行っているというふうに伺っているところでございます。
#58
○粕谷照美君 この武蔵野音楽学園の非常勤講師の方々の出席日数、受け持ち時間数など大変御苦労していただいて私手に入れたんですけれども、常勤の先生と余り変わらないんです。ずいぶんたくさんな時間を持っていらっしゃいます。人によって非常に少ない方もいらっしゃいますけれども、八時間から十二時間担当をしていらっしゃる。大体一般の大学の常勤者と同じ時間数をこなしていらっしゃるわけです。それと同時に週三日以上出勤をしていらっしゃるという実態もあります。そして、そういう方々が十年、長い方で二十年ちょっと勤続をしていらっしゃる。もう大変なことなんですね。そして、この採用に当たっての辞令をちょっと見てみますと、四月一日から二月の二十八日まであなたを採用しますよと、三月は授業がないからお金を払いたくない、来なくてもいいということになるんでしょうかね。普通こういうものは一年契約ということになるのだと思うのですけれども、十一カ月契約、しかも八月は給料を支払いませんよということが明確に書いてある。そうしますと、なかなか組合員になりたくても十回払いですから入れないという実態があるんじゃないですか。大学局長、こういう十一カ月辞令ということは、それは違法だとは言えないでしょうけれども、望ましいことでありますか、どうですか。
#59
○政府委員(宮地貫一君) 非常勤講師の雇用の仕方についてのお尋ねでございまして、やはり個別に契約を行うことになるといたしますと、それぞれ個々の大学におきまして事情は大変異なるものがあろうかと思いますから、一概にこういう契約の仕方が妥当であるとか妥当でないとかということは必ずしも申せないんではないかと考えております。
#60
○粕谷照美君 それでは、こういうことはどうですか。四月一日から採用で二月二十八日までとするという辞令であって、その辞令の中には八月は給料を支払いませんというのは書いてないわけですね。そういうことはどうお考えですか。
#61
○政府委員(宮地貫一君) 八月に実際に授業の担当でございますとか、そういうような事態があるかないか、その辺実態をよく伺ってみないと、現実問題として授業を担当していないケースについて給与の支払いをしないという定め方が適当であるかどうか、その辺の判断であろうかと思いますが、八月においても授業を担当するというような事態があるとしますれば、それはやはり給与を払うのが通常考えられるところではないかと考えます。
#62
○粕谷照美君 こういう非常勤講師の方々にも賞与だとか退職金だとかというような制度がある学校もあるんですね。春闘共闘委員会の資料を見ますと、あるところもあるんですけれども、やっぱり身分をある程度保障するというようなことについての御指導もいただく方が適切ではないんだろうか、こう思いますが、先ほどのように組合加入資格を持ちながら拒否をされているんです。組合が大分交渉しているようでありますけれども、よく考えてだとか、文部省と相談してだとか、そんなことばかり言っているようでありますが、先ほどの吉田局長の御説明によれば、「法第十四条関係事務処理要領」を私は取り寄せまして見てみました。「臨時に使用される者」と、こうありまして、「学校法人等に一時的に使用される者を臨時的名目によって使用されていても雇用関係の実体が常用的であれば名目の如何にかかわらず組合員となる。」と、こう書いてあります。なれるではないのです。なるということとなれるということの違いはどのようなことになりますか。
#63
○政府委員(吉田壽雄君) これは私学共済組合の方でこの事務処理要領を作成し、定めたものでございます。したがって、真意は、どういう解釈が一番正しい解釈か、これはまだよく調べないとわかりませんけれども、普通の解釈では、名目のいかんにかかわらず組合員の扱いをすると、そういうことだと解釈しております。
#64
○粕谷照美君 いまの項目のところも1、2、3とこう三つに分かれまして、それぞれまた詳しい説明があるわけであります。
 その一のところで「この場合臨時とは、採用当時二カ月以内の期間を定めて使用される者で、講習会の講師、事務員、雇員等である。しかし、この者が引き続き雇用されることになった場合は、六十一日目から組合員となる。(三カ月日)又、学校法人等の内規等により、一定期間は臨時又は試に使用する等の試雇期間をおいている場合は、使用された日から組合員となる。」と明確になっているんですね。「となる」ですから選択の余地はないんです。そういう条件の人は組合員にしなければならないと思いますが、いかがですか。
#65
○政府委員(吉田壽雄君) そのとおりだと思います。
#66
○粕谷照美君 そうしますと、その条項に当てはまってなおかつ組合員になれない、拒否をされている者はどうなるんですか。
#67
○政府委員(吉田壽雄君) この組合員として認定するかどうかは、最終的には私立学校共済組合の判断によるということは先ほど申し上げたとおりでございますが、そういうことでもし問題のある学校法人あるいは大学等につきましては、私どもの方が私学共済とともにその実情を調査して、そして明らかに組合員となるべき者がその扱いを受けていないというような場合には、そこを正すように指導したいと考えております。
#68
○粕谷照美君 ぜひそうやっていただきたいと思うのですけれども、この「組合の概要」を見まして、ここの中にも審査会の制度の説明がありまして、「簡易裁判所のようなもの」と、こう説明をしているんですね。だから、組合員から何か問題があったら言ってきてくださいと、この審査会は簡易裁判所のようなものであって、それははいれますとか、はいれませんとかということを明確にするんですということが載っているのですけれども、この辺の審査委員はだれがやっているかということが問題なんです。理事者側の方に軍配を上げるような人たちばかり入っていたのでは、これはこの人たちが救われません。そういう意味も込めまして、いまの問題点も皆さんの方で十分御討議をいただきたいわけですけれども、この審査会の中に教職員を代表するそういう人を入れていくという気持ちはありませんか。私は、教職員という意味では、公立学校共済組合にきちんと労働者側の代表が入っているわけですから、私学共済においても当然入れるべきである、こういう考え方を持って質問いたします。
#69
○政府委員(吉田壽雄君) 審査会につきましては、私学共済法にその規定がございまして、これは委員九人をもって組織するわけでございますが、その構成は、組合員を代表する者、学校法人等を代表する者並びに公益を代表する者、三者構成ということになっておりまして、文部大臣が委嘱することになっております。この組合員を代表する者あるいは学校法人等を代表する者につきましては、私学関係団体に推薦を依頼いたしまして、その推薦に基づいて文部大臣が委嘱していると、こういうのが実態でございます。その際、私どもは、その私学関係団体に対しまして、その推薦に当たりましては学校法人なりあるいは大学の職員、一般の職員のそういう意見が十分反映されるような、代表されるような、そういう組合員の代表を選んでほしいというような指導をいたしているわけでございます。現にことしの四月現在でも組合員代表として三名が文部大臣から委嘱されておりますけれども、その組合員の代表は大学、それから短期大学、それから高等学校のそれぞれ教員から推薦を受けまして最終的に文部大臣から委嘱を申し上げている、そういう状況でございます。
#70
○粕谷照美君 教員というのは管理職ですか、一般の教員でありますか。それとあわせてその九名の中に女性は一体何人ぐらい入っておりますか。
#71
○政府委員(吉田壽雄君) 組合員の代表はこれは管理職ではございません。教授あるいは教諭という普通の教員である、こういうことでございます。
 それから、女性がこの九人の中に入っているかということでございますが、ちょっとこの組合員の代表の一人が、具体的に申し上げますと、東洋女子短期大学の先生でございますが、これが漢字で何と読むのか男性か女性かちょっと判断できませんので大変恐縮に存じております。私ども先生の御意向を体しまして私学共済ともいろいろと検討さしていただきたいと思っております。
#72
○粕谷照美君 「先生の御意向」なんてそんなことじゃなくて、各種委員会には女性を入れますということを総理みずからがおっしゃってすでに五年たっているわけなんですよね。もしそのことが事実できていないとしたならば大変怠慢であると思いますけれども、どうですか。
#73
○政府委員(吉田壽雄君) 大変申しわけないことですけれども、この組合員代表のこのにんべんに土を二つ書く、これが男性か女性かちょっと判断に苦しんでおりますので、いま正確なことがお答えできなくて申しわけなく存じております。いずれにいたしましても、そういうことで、こういう審査会等におきましてもなるべく女性も入れるように私ども私学共済とも十分相談したい、そういうふうに思っております。
#74
○粕谷照美君 これは今回初めて質問したのではなくて、すでに何年か前に私質問していますので入っているものだというふうに信じたいわけであります。にんべんに何と書くかなんといってそんな男か女かわからぬみたいな、そんな答弁じゃおかしいわけですから、ちゃんと入れるということが原則になっていれば、名前なんかキヨシでも男だか女だかわかるというふうにならないと困ります。
 あわせまして、この私学共済というのは標準報酬というような形で掛金を取っておりますね。それを組合員に周知徹底させなければならないんだという、こういうあれがあると思いますけれども、いかがでしょうか。
#75
○政府委員(吉田壽雄君) おっしゃるとおりだと思います。
#76
○粕谷照美君 どうもそのことが行われていないのではないか、こんな事実が非常にたくさん私の耳に一年間に何件か報告をされてまいります。これもきちんと徹底をしていただきたい。特に、先ほどの武蔵野音楽学園では、加入と同時にそういう権利ができ、当然掛金を納めるという義務があるはずだと思っているにもかかわらず、本人がいつ加入したかわからないという実態があって組合が交渉している。そうするとその担当者はそんなこと知らなかった、みんなにそのことは周知徹底されていると思ったなどということを答えているのでありますが、やっぱり非常に細かなことで一つ一つを文部省が指導するというようなものでもないと思いますが、そういう実態も多いんだということを十分承知をしていただきたいと思います。
 それで、大臣にお伺いをするのでありますけれども、教師は尊重されなければならない、教師の身分というのは守られていかなければ本当にいい教育ができない、こういうふうに考えているのですけれども、文部大臣としてはこの私学共済加入問題も含めまして教育に関する教師の身分についてのお考えをお伺いしたいと思います。
#77
○国務大臣(田中龍夫君) 法の定むるところによりまして正しい資格の教師はあくまでも守られていかなければならない、かように考えております。
#78
○粕谷照美君 ところで吉田局長にお伺いしますけれども、毎回毎回この法律が審議をされるたびに附帯決議なるものがつけられます。この附帯決議というのはどの程度の威力があるものだというふうに理解してよろしいんでしょうか。
#79
○政府委員(吉田壽雄君) まあ附帯決議を毎回のようにいただいているわけでございます。私どもはそういう附帯決議、国会における附帯決議でございますから、これを尊重しなければならないということで平素心得ているわけでございます。ただ、その附帯決議の実行ということになります場合、いろいろと財政事情その他制度上のいろいろな関連事項がございますので、附帯決議がすぐ実行に移される、そういうことがなかなか容易でないということも私ども十分承知しているところでございます。
#80
○粕谷照美君 昨年も「長期給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げるよう努めること。」これずいぶん長いことやられていると思いますけれども、この附帯決議というのは効力を上げてきた、あるいは全然上げなかったというように理解をしてよろしい、どうでしょう。
#81
○政府委員(吉田壽雄君) まあ附帯決議の実行ということでございますけれども、全くその附帯決議の線に沿って私ども実施しなかったというわけではございません。過去の幾つかの例を申し上げますと、かなりさかのぼりますけれども、たとえば三十年当時それまで百分の十であった長期給付に対する国庫補助率を百分の十五に引き上げたというようなこと、あるいは昭和四十一年でございますけれども、その百分の十五の国庫補助率を百分の十六に引き上げたというようなこと、それからさらに昭和四十七年でございますけれども、それまで百分の十六であった国庫補助率を百分の十八に引き上げたというようなことで、まあ私どもとしてはできるだけの努力をしたつもりでございます。しかしながら、いまおっしゃられましたように、その後の附帯決議、つまり百分の二十以上に引き上げるということにつきましてはいまだに実現しておりませんことにつきましては私ども大変遺憾に存じておるところでございます。
#82
○粕谷照美君 三十年当時百分の十から十五、十五から十六、そして十六が十八になったと、私は非常に大きな成果だというふうに思います。文部省の皆さんの御健闘、そして大臣の御健闘、本当に心から感謝をするんですが、文部大臣どうでしょう、十八から今度は二十にしてくれというこの先頭に立ってがんばっていただけますでしょうか。
#83
○国務大臣(田中龍夫君) もちろん附帯決議をいただきました以上、事務当局といたしましては全力を尽くしてその実現を期しておる次第でございます。いろいろな制約条件というものを逐次排除しながらこれが努力をいたしておることは御案内のとおりでございます。
#84
○粕谷照美君 一つお伺いしたいんですけれども、さっきの御答弁の中で、私学教職員の退職手当と労災保険の問題について制度化を進めなければならない、こんなことがありましたけれども、具体的にどのような機関でどの辺まで進んでいるのでしょうか。
#85
○政府委員(吉田壽雄君) 先ほど、私立学校の教職員の退職手当の問題につきましては、私学団体の側において鋭意検討中であるということを申し上げましたが、まず退職手当がいま私立学校においてどういう状況になっているかということをかいつまんで申し上げますと、私立学校の教職員の退職金、退職手当は、各学校におきまして長い経緯があるわけでございます。したがいまして、それぞれの学校におきましてそういう経緯等に基づいて退職金が支給されているということでございます。高等学校以下の学校につきましては、各都道府県に退職金に関する団体がすでにできております。これは財団あるいは社団ということで組織されておりますけれども、この退職金団体を設けまして、ここに各学校法人が積み立てを行っておりまして、その積み立てに対しまして都道府県がそれぞれ補助をする、そういう措置が現にとられているところでございます。ところが、大学、短大につきましてはそういうような措置がございませんことは御案内のとおりでございますけれども、現在、先ほど申しましたように、私学団体の側で大学なり短大の退職手当のあり方、あるいはその財源の確保の方策等について鋭意検討を進めているというふうに承知しているわけでございます。そういうようなことでございますので、私ども文部省としてはその結論の内容を見ながら積極的に検討してまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#86
○粕谷照美君 先ほど質問申し上げましたように、労基法適用下の私立学校でありますから、いま労災保険などというのは強制加入でありますね。そのことはだから至急急がなければならないのだと思うのです。いま適用除外かもしれませんけれども、しかし方向としてはすべての労働者にそのようなことを保障しなさいという精神だと思いますけれども、これは急がなければなりませんが、いかがですか。
#87
○政府委員(吉田壽雄君) 労災保険の関係、業務上災害補償制度のこと、いまどういう状況かということを申し上げますと、私学の教職員の業務上の災害補償の問題につきましては、全私学連合、これは大学から幼稚園までの私学団体が連合体として組織されておるわけでございますけれども、全私学連合におきまして小委員会を設けまして検討をいたし、文部省あるいは労働省等とも意見交換をしながら慎重に検討を重ねました結果、昨年でございますけれども、労働者災害補償保険法に基づく災害保険に加入する方針を決定いたしました。これに伴いまして所要の助成措置を講ずるよう文部省に対して要望も出されたわけでございます。
 で、文部省としましては、そういうような状況を踏まえまして、労働者災害補償保険に加入する私立の大学等に係る保険料の支出につきまして、昭和五十五年度から、今年度から私立大学を経常費補助の対象とするよう所要の予算の計上を行いました。また、高等学校以下の私立学校に係る保険料の支出につきましても、都道府県が経常費助成の中で配慮するように都道府県に対して指導をしているところでございます。
 こういうようなことで、私どもとしては私学団体の合意を踏まえまして着々とこの方面の整備を図ってきた、また今後図っていきたいというふうに考えております。
#88
○粕谷照美君 大変いいことだと思うんですね。今度の通常国会で予算が認められれば自動的に加盟をすると、このように理解をしてよろしいのかということと、業務上災害というのは一体どのくらい年間起こるものでありましょうか。
#89
○政府委員(吉田壽雄君) すでに今年度から、昭和五十五年度からこの労働者災害補償保険に係る経常費助成をいたしているところでございます。
 なお、年間どのくらいその対象になる者がおるかということにつきましては、ただいま資料持ち合わせておりませんので、いずれ調べまして先生に御説明申し上げたいというふうに思います。
#90
○粕谷照美君 専任の方々ですとそれは簡単だと思うんですけれども、この場合もまた非常勤の方が問題になるわけですよね。先日、東大の非常勤の雇い人でありました渡辺タキさん、七十二歳という方が業務用のエレベーターで、ごみをバケツの中に入れて、エレベーターが上がってきたものだと思ってこの上に載せたら、たまたまそのエレベーターが上がってこない。そのまますとんと地下四階まで落ちまして首の骨を折って死んだ。こういう事件がありましたね。その渡辺タキさんは東京大学の学長さんの発令で技能補佐員という職名で採用しているんですね。一週間三十時間働く、一日六時間月曜日から金曜日まで、そして朝は九時から十二時十五分まで、三十分休憩で十二時四十五分から十五時三十分まで。こういう労働協約、何というのですか、労働条件で働いているわけです。昭和四十八年の四月から現在まで一年一年更新をしながらやっているということです。四十九年、五十年と、まあ二年間ぐらいになりますかね。来年の三月三十日まで雇用期間があるわけです。給与は一時間五百五十円。扶養家族になっていらっしゃるので、特に短期給付だとか、そういうことは必要ないんだと思いますし、長期なんというのも七十二歳ですから詳しくはわかりませんけれども、必要ないのではないかと思いますが、しかし、これ作業中に死亡しているわけですね。労働災害になるわけなんですよ。このようなこともありますし、まあ学生さんなんかにも、大変体育の時間にあるいは柔道の時間に足を折った、首を折ったなどという災害が出ております。特に勤務者になりますと、通勤途上あるいは帰りですね、往復になりますけれども、この途中の事故などもこれは労災の中に適用される。あの新宿のバス放火事件なんかでも、ずいぶんそのことによって何人かの方々が適用されて救われたということがあるわけです。できるだけたくさんの人たちに、こういう有利な制度に加入ができるようにきちんとその問題点についても指導していただきますように心からお願いをいたします。
 百二十分の予定でありましたけれども、私はこれで二十分カットいたしまして質問を終わります。
#91
○政府委員(吉田壽雄君) 先ほど御質問いただきまして明快なお答えができなかった例の私学共済の審査会のメンバーの中に女性の方が入って、組合員の方がいるかどうかという御質問でございましたが、日高佳さんという先生でございまして、女性でございますので申し添えます。
#92
○委員長(降矢敬義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時六分開会
#93
○委員長(降矢敬義君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#94
○高木健太郎君 最初にちょっとお聞きしたいのは、いただきました資料によりますと、私学共済組合の組合員は三十一万五千幾ら、扶養者が二十七万千五百というぐらいになっております。これを見ますと、組合員の数の方が被扶養者よりも多いということで、ちょっと奇異な感じがいたすわけでございますが、組合員の年齢構成はどういうふうになっているかお聞かせいただきたいと思います。
#95
○政府委員(吉田壽雄君) 私学共済の組合員の年齢構成をほかの国家公務員共済組合あるいは公立学校共済組合との比較で、その年齢別の構成割合を申し上げたいと思います。
 二十歳代の者が全体の何%ぐらいかということでございますが、私学共済の場合には、これは五十四年度末の統計でございますけれども、三七・二%でございます。これに対しまして国家公務員共済組合の方では二八・〇%、公立学校共済組合では二五・五%ということでございまして、私学共済の場合には二十歳代の、つまり二十歳以上三十歳未満の、そういう比較的年齢の若い組合員の方が相当数を占めているということがわかるわけでございます。
 次に三十歳代はどうかと申しますと、三十歳代は、私学共済も国家公務員共済あるいは公立共済も、大体同じぐらいのパーセンテージでございまして、私学共済の場合には二三・五%、国家公務員共済組合――国共済の場合には同じく二三・五%、公立共済の場合には二四・六%と一応なっております。
 次に四十歳代でございますが、四十歳代は、私学共済の方はわりあいと低い。パーセンテージであるのに対しまして、国共済なりあるいは公立共済の方はかなり高くなっております。私学共済は一六・六%でございますが、国共済は二七・六%、また公立共済は二六・八%という数字になっております。
 次に五十歳代でございますが、五十歳代は、私学共済と国共済が大体同じぐらいのパーセンテージでございますが、公立共済ではやや高くなっております。すなわち、私学共済は一二・三%でございますし、国共済は一四・五%でございますけれども、公立共済は二二・〇%ということで公立共済の五十歳代の方はかなりの数を占めております。
 次に六十歳代でございますけれども、これは六十歳以上を全部ひっくるめて申し上げますが、私学共済は九・八%、国共済は二・一%、公立共済は〇・九%ということで、六十歳以上は私学共済の方が他の二つの組合に比べまして大変高いパーセンテージを占めております。
 大体年齢別構成割合は以上のとおりでございます。
#96
○高木健太郎君 いま聞きましたように、二十歳代が非常に多い、それから六十歳代が九・八%で他の国公に比べて非常に多いわけですが、その原因は何だとお考えでしょうか。
#97
○政府委員(吉田壽雄君) 被扶養者が非常に少ないのは、やはり若い、特にこの三十歳未満の未婚の方が大変多数を占めているということ、大体そういうことが最も大なき理由ではないかと思われます。
#98
○高木健太郎君 これ二十歳代の方が多いというのは、何か幼稚園とか小学校とかという、未婚の方というのはそういうところで勤務されている方でございますか。
#99
○政府委員(吉田壽雄君) いま先生がおっしゃいましたように、大体未婚の、特に女子の方が幼稚園において大変多数を占めている、幼稚園における組合員全体の四三・八%の方が女子の組合員でございまして、こういう若い方々が多いということがひいては被扶養者が相対的に他の組合に比べて少ないということの理由かと存じます。
#100
○高木健太郎君 そういうことでは将来もまたこの比率は続くものとお考えでございましょうか。
#101
○政府委員(吉田壽雄君) 当分の間こういう状態が続くと思いますが、遠い将来のことになりますと、やはり社会事情と申しますか、そういう社会的ないろいろな変化も予想されるわけでございまして、将来はやはり組合員の構成も変わってまいり、したがってまた組合員の被扶養者の数も他の組合と同じような傾向を示すのではなかろうか、これは全く推測にすぎませんが、そういう感じがいたすわけでございます。
#102
○高木健太郎君 また六十歳以上の方が一〇%近くあるということは、これは私学でずっとそのままで一〇%になったというのではなくて、国公立の定年退職後私立大学等においでになる方が多いと、そういうことでございましょうか。
#103
○政府委員(吉田壽雄君) いまここに詳細な数字を持ち合わせておりませんですけれども、おっしゃられましたように、国立学校あるいは公立学校を退職されました後に私立学校の教職員になられる方々が比較的多いということのあらわれかと考えているわけでございます。
#104
○高木健太郎君 いま吉田局長からお話ございましたように、私も、この二十歳代の方が現在では非常に多い、しかも未婚の方が多いということでございますが、これらは将来は大きく変わっていくものではないかと思っておりますし、また国公立から私学へ退職後赴任をされるという方がいまのところは非常に多いわけでございますけれども、将来は私立学校でのその方が出ていくということになりますと、この数字は恐らく国公とまた同じような形になってくるのではないかと、こういうふうに考えるわけでございます。
 長期給付が今回の問題でございますが、現在ではこの給付を上げましても三億七千万程度の足しで済むということでございまして、財政的には全く響かないというふうにお考えでございますが、将来的にこれはどのように収支が変わっていくか、その点をひとつお聞かせ願いたい。特に将来的にあるところで収支とんとんになるというふうにお考えかと存じますが、それらはいまのような社会情勢の変化及びそのような国公私立間の関係というようなものを考えに入れて御計算されたのかどうか、そういう点もひとつお聞かせ願いたいと思うんです。
#105
○政府委員(吉田壽雄君) お尋ねの件でございますが、御案内のように、現在私学共済におきまして退職年金、これは減額退職年金を支給されている方々を含むわけでございますが、退職年金の支給対象者が現在の組合員全体との比較においてまだきわめて少ない状況にあるわけでございます。
 ちなみに、昭和五十四年度末における私学共済と他の共済組合とのそういう比較、これは普通、年金の成熟度という言葉でもって呼ばれているわけでございますが、分母に現在の組合員総数が参るわけでございまして、分子に年金の受給者数が来るわけでございます。そのパーセンテージを成熟度というふうに称しておりますけれども、どういう状況になっているかと申しますと、私学共済の場合には二・八七%でございます。これに対しまして国家公務員共済組合、ただしこれは恐縮でございます。昭和五十三年度末の数字でございますが、二一・三五%、それからあとは昭和五十四年度末の数字でございますが、公立学校共済組合の場合には一八・五八%、農林共済の場合には一一・八〇%、そういうふうになっております。また、よく巷間マスコミ等で問題になっております国鉄共済、よけいなことですけれども申し上げますと、四八・八一%と、そういう成熟度になっているわけでございます。
 今後のこの私学共済の成熟度の見通しでございますが、五年後の昭和六十年度で大体四・四%という数字を一応はじいております。それから、十年後の昭和六十五年度においては七・三%程度と、こういう見込みでございます。こういうような状況でございますから、ただいまのところ私学共済の長期給付の経理状況、つまり長期経理の状況ですけれども、これは比較的いまのところ健全な状態であるというふうに言い得るかと思います。
 昭和五十四年度の長期経理の収入、支出をちょっと申し上げますと、収入の方は九百三十八億七千三百万円でございまして、支出は二百十三億四千万円でございます。したがいまして、その収支の差の七百二十五億三千三百万円は将来の年金給付に備えて積み立てているわけでございます。いままでどのくらい積み立てたかとその累計額を申し上げますと、三千八百七億四千二百万円というふうになっているわけでございます。こういうような状況でございまして、当分の間私学共済の長期経理はまず健全な状態であるというふうに言い得るかと存じます。
#106
○高木健太郎君 私申し上げたのは、その計算の中に将来私学の方の二十歳代の人がだんだんふえていく。たとえば結婚をされてもなおそこへ勤務をされるとか、あるいはまた国公立から年をとった方がおいでになるんじゃなくて、私立大学そのもののプロパーの方がふえていくということになると、いまのようにお聞きするところによると二十四年後に飽和の状態になる、バランスのとれたような状態になるということでございますが、これは余り甘く見てはいけないのではないか、十分その点を考慮に入れて計算を絶えず繰り返されるというようなことが大事じゃないかなと思ったのでお聞きしたわけでございます。
#107
○政府委員(吉田壽雄君) 御指摘いただきました点でございますが、当分の間はこの長期経理は一応安泰だというふうに申し上げたわけでございますが、相当二十数年後まで見通しますと、私どものただいまの計算ではやはり二十数年後には赤字に転ずる、そういう見通しが出ております。具体的に申しますと、組合員数は一応昭和六十五年度以降は一定だと仮定いたしまして、また給与の改定率なりあるいは年金の改定率は八%というふうに仮定をいたしまして、それと同時に、資産の運用利回りを、これまた仮定でございますが七%といたしまして、掛金率を据え置くものとして計算いたしますと、単年度の収支では二十四年後の昭和七十九年度に赤字に転じることになる、それから、保有資産は三十二年後の昭和八十七年度に赤字に転ずることになる。一応そういう推計をいたして、将来に対しては私ども準備を怠りなく検討しているところでございます。
#108
○高木健太郎君 このことについてはまた後でお聞きいたすことにしまして、次にお聞き申し上げたいのは、この件には直接関係ございませんが、福祉事業の中で病院が一ということが書いてございます。この病院一にとどめていると、この組合員数三十一万、扶養者二十七万、約六十万の組合員関係者がいるということについてはこの病院はここだけでやるとすれば全く合わない、その点はどのようなことが講じられているのか、その点についてお聞きしたいと思います。
#109
○政府委員(吉田壽雄君) ただいま私学共済が福祉事業として直接経営しております病院は、御案内のとおり下谷病院という一病院にとどまっているわけでございます。この病院一つで、三十二万、近く被扶養者二十七万余を数えるこういう大きな組合の直営の医療機関として果たして十分であるかと申しますと決してそうではございません。そのことは私学共済においても十分承知いたしておるところでございますし、私ども文部省でもそういう意識を十分持っております。しかし、何分にもこの直営の医療機関の経営というものにつきましては大変むずかしい状態にあるわけでございまして、今後そういうものをふやしていくことにつきましてはかなり慎重に検討する必要がある、検討に検討を重ねる必要があるということで、私学共済におきましては非常に慎重に考えているところでございます。そういうことで、現段階においては必要最小限の直営医療機関ということで一病院にとどまっている、そういう状態でございます。
#110
○高木健太郎君 むずかしいという理由は、もしお差し支えなければお聞きしたいんですが、お聞きするところによると何かこの病院は黒字であると、いまこういう総合病院的なものでは黒字であるというところは非常に珍しいわけなんでして、どういうふうになっているのか、そのむずかしい事情ももしお聞かせ願えればお聞かせ願いたい。また最小必要と言うけれども、最小の必要はもちろん満たしてないんじゃないか、こう思いますが、将来の見通しなり御計画なりをお聞かせ願えればありがたいと思うんです。
#111
○政府委員(吉田壽雄君) いまここに細かい数字を持っておりませんけれども、下谷病院が一応黒字ということになっておりますけれども、その外来患者あるいは入院患者等の状況を見ますと、私学共済の組合員あるいは被扶養者以外の方が相当多数に上っておりまして、そのために辛うじて黒字を保っているというふうに聞いているわけでございます。そういう状況で、私学共済の直営病院という場合にはやはり第一義的には相当数のものが私学共済組合員あるいはその被扶養者で占められるべきである、つまり利用されるべきであるというのが通常のあり方かと存じますが、先ほど申しましたようなそういう状況にあるわけでございますので、これからまた第二、第三の直営病院を設置し経営するという場合には、そういう地域の医療需給関係、あるいは医療機関の配置状況、そういうものを十分考えた上で、果たしてどこに直営の医療機関を設置すれば組合員の方あるいは被扶養者の方に最大限御利用いただけるか、そういうことを第一義的に検討する必要があろうかと思うわけでございまして、私学共済におきましても目下そういうことにつきまして慎重に検討しているというふうに承知しているわけでございます。
#112
○高木健太郎君 大変結構なお考えでございますが、まあ東京に一つしかない、しかも下谷にあるというようなことで利用者が少ないのは当然でございますけれども、もしできれば他の現存する総合病院なりに何か契約でもされて組合員の優遇ということも図られるというようなことはお考えでございますか。
#113
○政府委員(吉田壽雄君) 現在、直接他の地方におきまして当該地域における医療機関と私学共済とが契約を結んでいるという事例はないようでございますが、そのことも十分検討する必要があろうかと存じますので、この件につきましてはまた私学共済当局と十分相談をさせていただきたいと存じます。
#114
○高木健太郎君 その点ぜひよろしくお願いしたいと存じます。
 もう一つは、この年金者の中に廃疾者が四百六十六名いるということをお聞きしております。これは五十五年の三月三十一日現在の数だそうですけれども、この廃疾者はどのような大体病気をしておるか、そしてこれらは将来とももう立ち上がれないような人であるのかどうか、この人たちに対する組合としての措置はどのようにしておられるのか、その点もひとつお聞かせ願いたい。
#115
○政府委員(吉田壽雄君) 現在、私ども具体的にそういう数字をまだつかんでおりません。
#116
○高木健太郎君 ぜひこれはお調べいただきまして――私は何もこういう私学の中に特殊な廃疾者がおるとは考えませんけれども、いろいろ統計的に、あるいは将来のこともお考えいただきまして、学校別、地方別にどのような病気が多いか、廃疾者が多いかということはぜひつかまえておかれる必要があるのではないかと思いますので、特によろしくお願いしたいと存じます。
 次に、都道府県からの補助を受けているわけでございますが、千分の八ということですけれども、これは高校までであって、私大では五十三年から打ち切られている。そして、私大の経常費補助、政府の私大に対する経常費補助の中から少し補助しておられるということをお聞きしておるわけでございますが、これらは将来どのようにお考えでおいででございましょうか。
#117
○政府委員(吉田壽雄君) 私学が公教育に果たしておりますそういう役割りにかんがみまして、各都道府県におかれましては私学共済組合に対しまして、昭和二十九年の私学共済の発足時以来、御案内のように長期給付の掛金の千分の八相当額を補助しているわけでございます。しかしながら、最近における都道府県財政の悪化に伴いまして、大学及び短大を補助対象から除外する、あるいは一応は補助対象といたしておりますけれども、その補助対象の月数を減ずるとか、そういう都道府県も出てまいっていることは事実でございます。文部省としては、私学共済法制定当時の国会の附帯決議の御趣旨等もございますので、学校法人やあるいは組合員の掛金の負担の軽減を図るために、今後とも大学なり短大等を除外することのないように、つまり大学から幼稚園に至るすべての学種に対しまして都道府県から補助が行われますように、関係の都道府県に対しましていろいろな機会を通じまして要請をしてまいりたいと、こういうふうに思っているところでございます。で、現在幼稚園から大学に至る全学種、あらゆる学校の種類にわたりまして千分の八相当、満額の補助をいたしております県は、五十四年度現在で三十七県というふうになっております。
#118
○高木健太郎君 この高校までのいわゆる補助費と、大学にもし与えられるとすれば、その補助費の割合はどれぐらいになっておるものでしょうか、全額として。幼稚園から高校まで補助をしておるその全額と、それから私立大学及び短大に対して補助するとしますと、大体どれくらいの割合になるものでしょうか。
#119
○政府委員(吉田壽雄君) お尋ねの件でございますが、昭和五十四年度の数字で申し上げますと、高等学校以下につきましてはほとんど全都道府県が千分の八相当額を補助しておられるわけでして、ちょうど補助率といたしましては九九・八%相当になっております。それに対しまして大学と短期大学と高等専門学校につきましては、本来千分の八相当額を交付すべきところを、当該年度に支給されておりますものは補助率で申しますと四九・三%相当ということでございます。これは先ほど来御指摘にありましたように、大学等高等教育機関につきましてはまだ都道府県の助成が必ずしも十分でない。都道府県の財政が大変苦しくなっているというような主たる理由かと存じますけれども、補助率が大体半分ぐらいにとどまっているという状況でございます。で、この高校以下、それから高等教育機関全部をトータルいたしますと、補助率といたしましては七五・七%相当、本来千分の八相当額を交付すべきところ、その七五・七%相当というところでとどまっている状況でございます。
#120
○高木健太郎君 私お聞きしたのは、高校まで金額としてどれくらいだろうかということでございまして、それをお聞きしたかったわけですが、これは大学のないところもございます。高校のないところはないと思いますが、大学のないところもございますからして、各都道府県でその負担が非常に大きな差ができてくると、こう思いますけれども、高校までの補助金の方が非常に大きいのじゃないか。だから、大学だけのやつを打ち切るということではなくて、もしも打ち切るとすれば、あるいは減額するとすれば、全体として下げるという方が私は大学としてもいいのではないかというふうに思ったのでお聞きしたわけでございます。その点もひとつお調べになっておいていただきたいと思うわけです。
 それでは、時間がございませんので次に進めさせていただきます。
 これは、これと直接関係ないかも存じませんが、私自身これまでの経験から、国公立からあるいは国立から私学へ転任するという場合に年金がどのようになるのか、聞くところによりますと国立なら国立をやめますときにそこで退職金をもらう、そして国立なら国立の年金として、もしもその年数が二十年に満てば国立からもらうわけでしょうが、後私立へ移る。そのときの年金は全体を通算して国立で払うわけじゃなくて、私立と国立とばらばらで払っていく。年数は継続であるけれども、ばらばらにする。そうすると退職時の給与がそういうふうに細切れになりますと安くなるわけですから、いわゆる低いわけですから、それだけ年金も低くなるというようなことから、国立に勤務する人はできるだけほかのところへ移らないで国立なら国立一本で通すと、余り心がけはよくないわけでございますけれども、まあどうしてもそういうことも転勤のときの一つのするかしないかの理由になると、こう思います。私は教育という立場から言いますというと、国立も私立も公立も施設あるいは設備において甲乙がないというふうにあるべきだと、どこででもよく研究、教育ができるというそういう場を与えるべきだと、こういうふうに思うわけです。で、また教育そのものは他の私企業と違いまして開かれたものでなくてはならぬというふうにも思います。で、この国立から私立へそういう人事交流が余りスムーズにいかないということには多くの理由があると思いますけれども、そのうちの一つとして、私はまあこういう年金問題あるいは退職金問題が関係しているのじゃないか、こう思いますので、どのようになっているか、概略的にひとつ御説明をお願いしたいんです。
#121
○政府委員(吉田壽雄君) 現在の共済年金制度を含むいわゆる公的年金制度は、御承知のとおり一般民間企業の被用者とか、あるいは公務員とか、あるいは私立学校の教職員とか、そういうふうにそれぞれの身分なりあるいは職域によりまして、それぞれ独立した年金制度を採用しているわけでございまして、これらの独立した年金制度はそれぞれの組合員の構成等を基礎として運営されているところでございます。したがいまして、これらの公的年金制度を一体として運用する、つまり公的年金を一体として通算するということは先生のおっしゃるとおり全く理想的な姿としてはそうかと存じますけれども、現在の公的年金制度全体の基本にかかわる重要な問題でございまして、いますぐ先生のおっしゃるようにあらゆる年金制度を一本化する、一本に統合するということにつきましてはかなり困難な問題があろうかと存ずるところでございます。現在国家公務員共済組合と地方公務員共済組合との間におきましては年金の給付の上で期間の相互通算がすでに行われております。たとえば国立大学から公立大学の方にかわる、あるいは公立の小学校から国立の附属の小中学校にかわるというような場合には期間の相互通算が行われておりますけれども、これは公務員という同じ身分、同様の職域を基盤として成り立っているというふうに私ども理解しているわけでございます。しかしながら、御指摘のように国立学校と私立学校とあるいは公立学校と私立学校、その相互の間におきましては年金の期間の通算という措置は現在行われておりません。ただ、一つ申し上げますと、現在におきましても、たとえば公立学校の教職員であった期間とそれから私立学校の教職員であった期間とを合算いたしまして二十年以上になる場合には、通算退職年金の制度によりまして通算退職年金の基礎となる期間として通算措置がとられているところでございます。すなわち、公立学校共済組合と私学共済組合それぞれから通算して二十年以上になりますと通算年金が支給される。もうちょっと具体的に申しますと、国立学校に十年勤めて、私立学校に十年勤めたということで合計二十年以上になりますとそれぞれ文部省共済の方から十年の通算年金、それから私学共済の方から十年分に対応する通算年金、そういうものがそれぞれの組合から支給されるというような仕組みになっているところでございます。
#122
○高木健太郎君 国公立の間ではいま局長からお話しになったような方策がとられつつあります。全体のケースではございませんけれどもそういう方法がとられつつある。いま最後にお話しになりましたように通算勤務年数というんですか、そういうものだけでやっておられるということは大変私いいことだと思うわけです。もう一歩進めまして、それらをいまの国公立の間のような形にまで持っていくということが私望ましいことではないかと思いますので、一方は公務員であるという意味で大変困難なところもあろうと存じますが、その点も打破してぜひ国公私立の間の差がないように、そして人事交流が盛んに行われるようにすることが教育の実を上げる非常に大きな要素になるのではないかと思うので、特にお願いを申し上げる次第でございます。
 教官の間ではとにかく交流が行われているわけでございますが、事務員と職員の方ではこれがきわめてまれであると私は思います。国立の間では本省から大学へいろいろ事務官の交流が行われているようでございます。公立におきましてはその公立の中だけで、これは県は違いますけれども、市立の場合にはその市の中だけでの職員の交流が行われているわけでございまして、たとえば教育に全く関係のないある課長なり、部長なりがいきなり大学の事務局長として赴任する。わからないことはないでしょうが、実は研究と教育というものについては、その専門家で長く務めた方の方が私は事務官として適当であろうと思うわけです。こういう意味では私立の職員それから公立の職員それから国立の職員の間の人事交流も私は盛んにすることが教育というものをより発展させる意味合いからいって大事なことだと思いますので、そういう大きな目から国公私立の差をなくしていくという意味でひとつ御研究になっていただきたいと思うのでございます。
 この問題はこれでおきますが、ひとつ文部大臣にもぜひ、たとえば国家試験という場合には大学の入学試験は国公立一緒になってやっております。私学をどのようにしてこれから入れていくかということに大変問題はあろうかと思うわけです。これは財政面の上からも大変困難なことがあって、それぞれ御研究になっていると思います。これらもいわゆる教育というものを全体に一様に高低なくやっていこうとする一つのあらわれであると思うわけでございます。欠点はあってもとにかくりっぱな子弟を育てていくという意味で試みられたことと存じます。今度は学生だけではなくて、そういう教官及び職員の間の交流ということも盛んにして、そして教育の機会均等といいますか、その実を上げられるようにお願いしたいわけでございますが、この点に関して文部大臣のひとつ御意向をお伺いしたい。
#123
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生の御意見につきましては非常に考えさせられるケースも多いと存じます。ぜひそういうふうなことにつきましてなお研究をさしていただきとうございます。
#124
○高木健太郎君 どうぞよろしくお願いします。
 それではちょっとこれと関係はございませんが、医学部における解剖の実習に遺体というものがございます。これの歴史につきましては、朝日新聞なんかにも、朝日新聞の藤田真一氏が非常に詳しい、また大変名文で報告をしておるわけでございます。実は大学の医学部の設置基準には解剖の遺体というものは学生二人について一人だということが決められておりますし、歯学部に対しては四人に一人だということを決められておるわけです。しかし、現状におきましては聞くところによるときわめて不満足な状態にあるというわけです。しかも、それは献体というのではなくてその他のところから入ってきているものの方が多いわけでございます。しかし、現在、このような豊かな経済的に非常に恵まれた状態になってきますと、いままで確保されたそのような遺体というものはなかなか入りにくくなる。これは献血と同様でございまして、血液の方も同様であるというわけでございます。私は死体の解剖というのは単にその中身を知るというだけではなくて、この現世において働き、生きておられた方が、自分の意思によって自分のお世話になった世の中に少しでも尽くそうという意味で献体をされている方が非常に多いわけです。そういう遺体に学生が触れました場合に、学生は初めてここで生死というものを真剣に考えるようになります。しかも、それが献体であればあるだけに学生諸君は非常にそれについて敬虚ないわゆる人命尊厳といいますか、そういうものに打たれて、そうして医の倫理というものもそういうところから出ていくということは沖中教授も言っておられるわけで、米国では非常にりっぱなビニールかプラスチックの標本もできておりますが、やはりプラスチックでは本当の意味の、そういう医の倫理が養えない、私は遺体というものは、設置基準で決められましたように、やはり今後も医学の基礎として、そして医の倫理を確立するものとしてきわめて重大なものであると思うわけでございます。この前、大体の充足率もお聞きいたしましたけれども、日本解剖学会からも献体登録の法制化というものの申請が出ております。また、日本学術会議の第七部の方からも、故大平総理大臣に向かって「献体登録に関する法制化の促進について」という勧告が出ておるわけでございます。この点については、私も非常に重要なことであるだけに、非常にむずかしいところはあっても、ぜひ今後献体がりっぱにいくようにひとつお考えいただいて、どのように現在はそれを進められておるのか、その点をひとつ御説明をお願いしたい。
#125
○政府委員(宮地貫一君) 解剖用の遺体の献体についてのお尋ねでございまして、実は先生からこの前の当委員会におきましても御質問がございまして、充足率その他についてお答えを申し上げたわけでございます。
 ただいまの「献体登録に関する法制化の促進について」の勧告も私ども承知をいたしておるわけでございまして、勧告の趣旨そのものは大変私ども結構なことだと受けとめております。ただ、法制化に当たりまして、本人の意思でございますとか、あるいは遺族の意思との調和の問題、法律の有効性の問題等、制度上及び実態上、いろいろ検討を要する点がなお残されておるわけでございまして、関係省庁とも十分連絡を密にいたしまして、その点は今後慎重に検討さしていただきたいと、かように考えております。医学部の教育におきまして、特に解剖が大事であり、また先生御指摘のように医学教育にとって大変不可欠な問題でもございますし、ただいまお話のございましたような趣旨を生かすように私どもとしては努力をいたしたい、かように考えております。
#126
○高木健太郎君 ある大学の解剖学教室に、その解剖室に入ろうとするときにそこに遺影が四つ、五つ掲げてありまして、それはその町の開業医が自分の遺体をそこにささげたということで、学生は非常にはっとしたと、そういうことから学生は本当の意味の生と死というものを考えるようになった。敬虔な気持ちで遺体に対し、また人間の医療というものをするようになる、これは非常に重要なことであると思いますので、法制化ということも、もしできるならばできるだけ早く、こういうことをされまして、学生にまんべんなく十分な遺体が供給できるように御努力を願いたいと思うわけでございます。
 もう一つは、現在歯科をやる人たちと医学をやる人たちの解剖実習がございますけれども、その他のたとえば看護婦さんであるとか、あるいは各種学校へ行っているようないわゆる診療上であるとか、その他人体に触れる人がたくさんあるわけでございますけれども、それらについては、これは文部省の管轄下ではないと思いますけれども、ひとつ厚生省ともお話し合いをいただきまして、医学と歯学だけの独占物ではないと、ほかに体をさわる人はあるわけでございますから、そういう人たちにも見学の機会を与えるとかというようなことをして、人間に対する尊厳性をそこで学び、また構造をも同時に勉強していくというようなふうに私は努められることが重要ではないかと思うわけでございます。
 同時に、もう時間もございませんので申し上げたいことでございますが、遺体というのは全体の体でございますけれども、いわゆる献血という、血液をやるという、血液はああいう流動性を持っておりますけれども、あれもりっぱな一つの臓器でございます。また角膜であるとかあるいは心臓であるとか腎臓であると、そういう臓器の提供ということも遺体と同様にこれは考えなければならぬ問題でございまして、これは直接文部省には関係ございませんけれども、特に医療関係においては非常に緊密な関係にあるわけでございますので、その点も十分ひとつ厚生省とお打ち合わせをいただいたらどうかというふうに思うわけでございます。どうぞ、いわゆる省としての枠を外れて、人間そのものをひとつ考えるような、余りそういう自分の枠内だけにはまるのじゃなくて、全体の人間医療のためにひとつお考えをいただきたいということを強く要望しておく次第でございます。何か御発言ございましたらお承りたいと思います。
#127
○政府委員(宮地貫一君) 大変教育の基本にかかわる御意見を承ったわけでございまして、私どももそういう趣旨を踏まえまして、御指摘のように十分厚生省その他関係省庁とも教育の進め方につきまして十分検討協議をさしていただきたいと、かように考えます。
#128
○高木健太郎君 いまの遺体の問題はこれで終わりますが、先ほどちょっと忘れたわけですが、国立大学を出まして普通は退職をしますと、六十か六十二、三でやめますので、それから私立大学へ移る方が非常に多いわけです。その場合にある大学では年金をもうもらっているんだからといって、その年金分だけをカットしまして、その上積みに給与を与えるということがよく行われているわけです。もちろん全額を支給している大学もございますけれども、それはごくわずかでございます。一体給与というものは何なのかと考えてみますと、年金とは何だ、給与とは何だというお考えはもちろんあろうと思いますが、時間がございませんからして、私はこのカットしてその残りの分だけの給与をやるというようなことはできるだけやめて、そして年金はその人がこれまで働いたということについてやるので、老後保障という意味ももちろんあるでしょうけれども、そういう意味じゃなくってお礼の意味でやるのだと。そして新しく今度は勤務されたらば、その勤務に対する労働価値として給与を与えられるというのが私は本当でないかと思うわけです。そうでないと、賃金をカットされますというと働く方では、何だここは二十万しかくれてない、おれの年金が二十万あるので、ここでは二十万分だけしか働かなくてもいいんだと、そういう考えになりまして、教育がついおろそかになるのじゃないかと、こういう考えがあるわけです。もしもこれ、学校から出すということになって大変であれば、組合としてもお考えいただくとか何とかして、ここではこれだけいただいているんだから働きがいがあるという意味で、私は給与のことを考えていただいたらどうかなと思うわけで、できるだけそういうカットをされないようにお願いしたいわけです。この点についてひとつ局長お願いしたい。
#129
○政府委員(吉田壽雄君) ただいまの御指摘のありましたように、長い間の私学の給与の実態からいたしますと御指摘のようなそういう傾向があったと思うわけでございます。つまり国立大学を定年で六十なり六十三で退職いたしまして私立大学等に参りますと、よく私立大学の方では国立大学の教員としてやめるときのその現給から支給されるべき年金相当額を差っ引きまして、その差額相当分の給与しか出さない、そういうような私学が相当数あったということは私ども大体承知しているところでございます。で、そういうことがいいか悪いかということになりますと、これは私どもが軽々に申し上げるべき問題ではないと思うわけでございまして、それはどこまでも給与あるいは処遇の問題でございますから、本人とそれから大学あるいは学校法人との間の御相談によりましてしかるべき給与を契約する、そういうことがたてまえでございますので、文部省として直接この問題について個々の大学なり、あるいは学校法人についてとやかく言うべき立場にはないというふうに思っているわけでございます。
 ただ、最近ここ数年間の傾向といたしましては、いま先生がおっしゃられましたようなそういう傾向が徐々に改善されまして、国立学校あるいは公立学校をやめて私立学校へ転じた場合におきましても、当該私立学校における普通の他の教員と同じようなそういう給与体系の中で給与が定められる。つまりその年金支給分は差っ引かれる、実質的に差っ引かれるというような、そういう傾向が徐々になくなりつつあるというふうに私ども聞いているところでございます。そういうことで、この問題はどこまでも本人とそれから私立大学、学校法人との間の問題でございますので、私どもとしてもいま言われましたような方向で、国公立から私学へ転じました場合でも、実質的になるべく給与が下がらないような、そういう処遇を私学側におきましても検討されることは望まれると思うわけでございます。
#130
○高木健太郎君 もう時間も過ぎましたが、私企業に移る場合には、たとえ定年退職して年金をもらう人でありましても、それなりの給与を私は払うと思っておるわけです。払っているんじゃないかと思うわけで、これはどうも学校関係だけで行われていることではないかとも思いますので、できるだけそういうことのないように勤労意欲をなくさないような処置は講ぜられてしかるべきであると思っておるわけでございます。
 ちょっと関係のないことまで聞きまして、また初めに少し私おくれて話すことになりまして大変御迷惑をおかけしました。失礼いたしました。では、これで私の質問は終わります。
#131
○下田京子君 まず私は私学共済の年金財政のあり方ということについて以下お尋ねしたいわけなんですが、ことし財政再計算をされまして七月からいわゆる掛金率が引き上げられたわけでございますけれども、掛金率千分の九十八から千分の百四・五に引き上げられたその主な理由が一体どこにあるのかという点で、財源率の中の数理的保険料率、資料をいただいたところによれば四・二七%、それからまた整理資源率が四・二三%引き上げられるというふうに書いてあるわけなんですが、その主な理由はどういうところにありますでしょう。
#132
○政府委員(吉田壽雄君) 私学共済の長期給付の財源率の再計算につきましては法律上規定はないわけでございますが、大体従来から国家公務員共済組合に準じましておおむね五年ごとに行ってきておるわけでございます。
 で、ことしの一月から引き上げを行ったといいますのは、主としてこの年金の経理の上から考えまして、つまりその長期給付の経理でございます。長期経理の健全性を保つということが共済組合におきましては大変重要なことでございますので、本年の一月に再計算を行った結果、ただいまお話のありましたように、従前の千分の百二十五・九五であったものを千分の八・五増いたしまして千分の百三十四・四五というふうにしたわけでございます。
 退職年金の方は年を追うてベースアップ等が行われます。また退職年金の給付を実際に受ける者の数が年々ふえるというようなことがございますので、先ほど申しましたように、おおむね国家公務員共済組合に準じて何年かに一遍ぐらいは再計算を行って、そしてそれに伴う掛金率の引き上げ等もしていると、こういう実情でございます。
#133
○下田京子君 お答えになってないでしょう。数理的保険料率が四・二七%増になっている、その主な理由はなぜかと。そして、特に一つは私も考えられるわけですよね、昨年の暮れに支給開始年齢が五十五から六十というかっこうで一方的に引き上げられましたから、そこで逆に言えば、その引き上げ要因でなくて引き下げてもいい要因が相当出てくると思うんですね。それにも増して引き上げ要因が生まれたという理由はどこにあるかと。同時に整理資源率の増が四・二三%ほど見込まれているけれども、その理由は何かと、こう聞いているわけです。
#134
○政府委員(吉田壽雄君) 数理的保険料率が千分の四・二七引き上げられた、その増の主な内容。――どうも失礼いたしました。
 いま申し上げますと、要素がおよそ三つございます。
 一つは、平均余命が延びておりますので、その平均余命の延びに伴う増が千分の二・二七四相当でございます。
 それから退職一時金が廃止になりまして、これからは全部通算退職年金の支給対象になるわけでございますが、その通算退職年金の充実を図るために千分の八・四四三相当引き上げる必要があったわけでございます。
 なお、支給開始年齢の引き上げ、五十五歳から六十歳に引き上げるということで、この方はマイナスの要因でございまして、マイナス千分の六・四四六相当でございます。
 こういうことで数理的保険料率をトータルいたしますと、千分の四・二七一の増と、こういうことになるわけでございます。
 それから、整理資源率の方でございますけれども、整理資源率の方は既裁定年金の改定に伴いまして千分の三・二九七相当引き上げる必要が出てまいったということ。
 それから、平均余命の延びに伴いまして、こちらの方も千分の〇・五四四相当引き上げる必要があったということ。
 その他の要因として千分の〇・三八九相当というようなことでトータルいたしますと、千分の四・二三相当を引き上げる必要があったと。
 以上が、保険料率の増の主な理由、内容でございます。
#135
○下田京子君 ところで、そういうことで財源率の計算をされて、負担割合の方なんですけれども、その負担割合の方でお聞きしたいまず第一点は、これも他の委員から、そしてまた従前から繰り返し繰り返し当委員会で質問されていることでございますけれども、その国の負担割合補助率、百分の十八を百分の二十に引き上げるために、先ほどから大臣も全力を尽くしてやるとか、あるいは幾つかの障害を克服してやっていきたいというふうなお話をされておりますけれども、実際どのような理由づけで大蔵にいま折衝なさっているんでしょうか。あるいは他の共済とどのような話をなされているんでしょうか。これが一点。
 それからもう一つは、負担割合のところで、日本私学振興財団から六%ほど見込んでいるわけですけれども、これまた他の委員から、そして歴史的にいろいろとまた議論になっているわけなんですが、この財政再計算のときには、再計算以前と再計算後もきちんとその六%を見込んで負担割合を決めておられるんですね。とすれば、日本私学振興財団からこの六%を確保できるという見通しがあるのかどうか、あるいは、その見通しのために具体的に何か手をお打ちになっているのかどうか、その辺を聞かしてください。
#136
○政府委員(吉田壽雄君) お尋ねが二つあるわけでございますが、第一点の、現在の長期給付に対する国の補助率百分の十八を百分の二十に引き上げるという命題でございますけれども、これにつきましては、私ども毎年この実現に向かって努力いたしているつもりでございますけれども、遺憾ながらまだ実現を見るに至っておりません。
 で、これはどういうところからどういう趣旨で百分の二十ということで要求しているかと申しますと、厚生年金保険におきましてはすでに百分の二十ということで実現をいたしているわけでございます。で、私どもは、いわば母法である厚年が百分の二十でございますので、特に、農林年金と同様の事情にあるわけでございますので、農林年金も現在百分の十八でございますけれども、農林年金と相携えて百分の二十に、厚年並みに引き上げてほしいということを要求してまいっているわけでございます。しかしながら、いろんな他の公的年金制度との関連とか、あるいは財政事情その他いろいろな事情があっていまだにこれが実現を見ていないわけで、その点私どもも大変遺憾に思っているわけでございます。しかし、このことの実現のためには、きょう午前中の御質問に対してもお答え申しましたように、過去において千分の十六あるいは千分の十八にそれぞれ引き上げたというような経緯もございます。そういう実績もありますので、今後とも私どもは粘り強くこの百分の二十の実現のために財政当局と折衝を重ねてまいりたいと、そういうふうに考えているわけでございます。
 それからもう一つの、私学振興財団からの整理資源の助成の問題でございます。これは、昭和二十九年、私学共済組合ができたときからの課題でございます。これにつきましては、きょうの午前中にいただいた御質問の中でもその点が問題になったわけでございますけれども、昭和三十七年の四月に、当時の私学振興会――これは現在の私学振興財団の前身でございますけれども、それと私学共済が協議して、一応整理資源の二分の一相当額を助成するという約束があったわけでございます。しかし、これが今日きわめてりょうりょうたる助成にとどまっていることは御案内のとおりでございます。その理由は、私学振興財団の財政事情が最近非常に悪化しておりますので、いわば私学共済としては補助、助成をしたくともその原資がないということで、前年度は二千万円、今年度は三千万円の見込みということで、そういう低い段階にとどまっているわけでございます。この点につきましては、やはり私学振興財団の収支の改善を図る、あるいは財政の改善を図るということしか当面ないわけでございますので、私どもとしては私学財団と十分に相談しながら、私学財団の経営の改善を図って、その上で私学共済に対するこの整理資源の助成ということにつきましても改善を図らなければならない、こういうふうに承知いたしているところでございます。
#137
○下田京子君 失礼なんですが、局長さん、質問したことに端的にお答えいただきたいと思うんですよ。
 私は、いまの私学振興財団の問題についても、経緯がどうかということをお尋ねしたんじゃないんです。財源再計算のときに、再計算以前も六%としておいた、再計算後も六%と見込んでいる。ところが、実際にはいま局長さんみずから御説明になったような理由にある。しかし、財政再計算のときに、再計算後に六%というものを負担割合で見込んでいるならそれなりの見通しがあってしかるべきではなかろうか。とすれば、その見通しいかんということを私はお尋ねしたつもりでございます。
 で、大臣、時間がないからお尋ねしたいんですけれども、そういうことで、一つは、私がここで申し上げたいことは、財政再計算後確実に引き上げられたのは学校法人とそして組合員ですね。しかし一方で、国または私学財団法人の側で必要なものも出されていない、あるいは国の方ではもう、聞けば、衆議院の附帯決議等では十五回にもわたって百分の二十にせよというのが出されたということですが、それが遅々として進まないということでいま局長さんに聞いたわけですけれども、大蔵に対しての要求している理由としては、厚生年金がもう二十になったんだからということですが、一方で、その後大蔵当局が財政的な理由でと言っていると、そこなんですよ。そごをどういうふうにそれじゃこちらで詰めるかという、そのしかるべき論拠がないといけないと思うんです。財政再計算のたびに確実に上がるのは組合員、そして国はそのことについて負担割合を責任持ってない。しかも、先ほど私が聞きましたが、特に整理資源率の増の理由は、確かに年金の改定と、純然たる改定もあるでしょうけれども、この数年間の経済政策やあるいは政府の政策によって、物価上昇、インフレによるそういう中での改定ということも絡んでくると、これは何も労働者あるいは組合に責任があるものではないと思う。そういう点で大蔵に対して、あるいはそれぞれの機関に対してその理由、根拠を明確にして、財政難が理由だというかっこうでことしもまた折れないように、この点で、その辺の見通しと御決意を大臣から最後にお聞きしたいと思います。
#138
○国務大臣(田中龍夫君) いまの時点におきましては、全力を尽くして農林なり何なり、他の同じような環境にあるものと手を取り合って大蔵省との折衝に全力を挙げるということしか申し上げられないのが現状だろうと思います。ただいま先生の御質問、御説明にもよりますように、十分にそれを修正し累計しなければならない根拠があるにもかかわらず、先生のよく御承知のとおりに、財務当局というものは、そういうふうな正当な理論が幾らあるからといってもなかなかそれをそのとおりには認めないのが実情でございます。その点、先生はよく御承知の上での御質問と思いますが、しかしながら、いまの問題につきましては全力を挙げてその努力をしなければいけない、かように確信しております。
#139
○下田京子君 大臣の決意とそれから意気込み、それはもう高く評価するわけですけれども、大臣のお話にあったように、大蔵当局、財政当局に対しては一方ならぬきちんとした根拠を持って折衝しないとこれは困難であると。ですから、そこのところをきちっと押さえて折衝をいただかなければならないということを私は御指摘しているわけです。
 それから次に、給付の問題なんですけれども、先ほど年金の健全性ということがまず第一だということ、これに異論はございませんけれども、私学共済の成熟度の見通しをちょっとお聞きしたいわけです。五十四年度末では資料によれば私学共済が二・八七、それから国共済が二一・三五、国立共済一八・五八、農林共済が一一・八〇、国鉄共済が四八・八一ということになっておりますが、非常にそういう点では私学共済は財政的にはゆとりがあると、こう見えるわけなんですけれども、今後の成熟度の見通しはどうでしょうか。
#140
○政府委員(吉田壽雄君) 現在はただいま先生のおっしゃられたとおりでございます。
 これからの成熟度の見通しでございますけれども、おおむね五年ごとに試算をして見通しを立てておりますけれども、かいつまんで申し上げますと、五年後の昭和六十年度におきましては、成熟度が四・四%、それから十年後の昭和六十五年度では七・三%というふうに見込んでおります。なお二十年後におきましては一四・三%、三十年後におきましては二四・二%というような見通しを一応立てております。もちろん、ここに、この試算につきましては一定の要件も設定しているわけですけれども、およそ私学共済の成熟度の見通しということになりますとただいま申し上げたような状況でございます。
#141
○下田京子君 そうすると、成熟度の見通し、試算であって、現在の状態から見ているんでしょうから、今後このとおりいくかどうかは別としても他の共済から比べると非常にゆとりがあるということは言えるわけですね。とすれば、私はもう少しいろいろと年金の改善等を図ってしかるべきではなかろうか。一つは国立学校共済との比較で、付加給付の内容で見ればまだ落ち込んでいる部分もありますね。そういう改善もすべきではなかろうかと思いますし、さらにこれはどういう理由なんでしょうね。理由とそれから改善方向と一緒にお聞きしたいわけなんですけれども、国共済の方を見ますと、一人当たりのお給料が、五十四年三月、月額で十七万二千七百九十八円になっている。それから私立学校教職員の場合には、十七万六千百五十四円で、月額は高い。年金種別の需給状況で見れば国共済の方は退職年金が百四十五万五千六百円、ところが私立学校共済は百十七万八千四百円、この疾病も遺族年金もいずれも国共済より低いですね。そういう低い理由がどこにあるのか。また私なりに感じる原因があるわけですが、こういう問題をどういうふうに是正していくおつもりなのか、まとめてひとつお答えください。
#142
○政府委員(吉田壽雄君) 現在在職者の平均給与月額で申しますと、ただいま先生がおっしゃられましたようなそういう数字が一応出ているわけでございます。これは最近の私立学校の平均給与がかなり国立学校に比較をいたしまして、相対的な問題でございますけれども、改善されつつあるというふうに見てよろしいかと存じます。それに対しまして平均の退職年金額が私学共済の方が国共済に比べましてやや低くなっているのはどういう理由かということでございますが、これは基礎となる組合員期間が国共済の場合は三十年を超えているそういう者が大変多数に上っているわけでございます。つまり国立学校等に三十年以上勤務したということで、退職年金を支給されている者が相当数いる。それに対しまして、私学共済の場合にはそれに比べましてやや短い勤務期間で退職していると、そういうようなことの結果年金の額で、平均の額で見ると国共済よりもやや下回っているということになっているかと思うわけでございまして、今後どういうふうに私学共済の退職年金の額を引き上げていくかということはそう簡単なことではございませんけれども、今後は私学共済そのものの給与も国家公務員に比べまして、ことに国立学校に比べましてかなり改善されつつあるということでこの傾向を保持することが当面必要かと思いますが、それと同時に私立学校に勤務するそういう期間がいままでは大体平均をとりますと二十五年ぐらいでございますけれども、これからは私立学校における勤務年数が国共済、国立学校におけると同様のそういう長期間の雇用形態、これがふえることが望まれる、そういうふうに考えているところでございます。
#143
○下田京子君 もう一点ありますよ、給付なんかの。
#144
○政府委員(吉田壽雄君) 失礼しました。
 それから短期給付。いま申し上げましたのはこの長期給付の面でございますが、短期給付の面でございます。短期給付の場合にはこれは法定給付は国家公務員共済組合と全く同一の水準でございます。いま問題になりますのは主としてその法定給付以外の付加給付のことでございます。この付加給付が国家公務員共済組合に比べていいか悪いかという比較論でございますが、これはもう一概に簡単に言えないところでございましてむずかしいわけでございますが、強いて言いますと、具体的に申しますと、私学共済組合の付加給付の方が公立学校組合に比べましてよいと思われるそういうものは四種類あるわけでございます。それから私学共済の付加給付の方が公立学校共済よりも相対的に劣っているというものは一種類ございます。それから給付内容が公立共済とほぼ同水準と、同様のものは七種類と、そういうような状況でございまして、私どもはこの短期給付に関する限り国立共済組合あるいは公立共済組合とほぼ同一の水準にあるというふうに認識している次第でございます。
#145
○下田京子君 大臣にお尋ねしたいわけですけれども、先ほどの退職年金の支給額がなぜ国共済に比べて私共済が低いかという点では勤続年数の話が一つの理由として出されました。確かにそれもあるでしょう。しかし、それだけではないと私は現場でお伺いしているわけなんです。たとえば一点挙げられているのが、ある学校の話なんですけれども、退職時の給料を退職年金として見るかというのと、一年間を平均しちゃうとか何カ月間の以前のやつだとか、どの時点で額をとるかということで大分違うというお話があります。それから自己都合ということと勧奨退職の問題があります。勧奨退職がいいとか悪いとか別にしても、有利な形でもって年金が支給されるようにいろいろと手を打つか打たないかでまた違ってくるんです。それらいろいろ事情があるということを私は聞いております。それだけに、いま局長から言われたような単純なものでもございませんので、一方的に掛金率だけを引き上げるというかっこうの中で国庫補助等々はなかなか進まないということで、また改善部分はそれは若干ずつも改善されているけれども、なかなか見合わないという点についてもう少しやはり検討して改善のために努力いただきたい、こう思うわけです。
#146
○国務大臣(田中龍夫君) 御指摘のとおり、退職に関しましてはやはり少しでも有利な条件でということは当然いろいろと考えられると同時に、またケースケースによっていろんな状況もあると存じます。いま局長からのお話は、御案内のとおり、御質問に対する全体の統計を御説明の資料に申し上げたのでありまして、個々の具体の問題につきましてはまたいろいろときめの細かい問題が多々ございますが、しかし一貫して何とか有利な姿において奉仕したいという、制度の根本から申しまして気持ちの点においては変わりはないのでございます。なお、今後さらにまた一層きめの細かい施策も講じたいと、かように存じております。
   〔委員長退席、理事世耕政隆君着席〕
#147
○下田京子君 次に、私立高校に対する具体的な補助の問題なんですけれども、これは先生方の勤務条件やあるいは給与とも関係しますのでお尋ねしたいわけなんですが、経常費補助が昭和四十五年からやられております。国としては、経常費補助をやることが言ってみれば授業料の値上げを抑えることにもなるだろうというふうなことでいままで言われてきたはずでございますけれども、実際に授業料の軽減にどのようにつながっていたかと。それからまた、この経常費補助ですね、そのことによって公私の格差がどのくらい縮まってきたか、その辺どのようにお考えになってますでしょうか。
#148
○政府委員(吉田壽雄君) 高等学校以下のそういう経常費助成と、それから授業料等いわゆる学生納付金との関係、どういうふうになっているかというお尋ねでございます。
 この経常費助成の趣旨といたしまして、御案内のように、一つはそれぞれの私立学校における教育水準の維持向上ということと、それからもう一つ、いわゆる父兄負担の軽減ということがあるわけです。もちろん、それに合わせて私立学校の経営の健全化を図るということでございますけれども、この高校以下の私学経常費助成を行った結果どういうふうにこの数年間推移しているかと申しますと、高等学校のこの五年間の推移を申し上げますと、昭和四十九年度、この学生納付金は授業料、入学料及び施設整備費等を合計したものについて申し上げているわけでございますが、この学生納付金の対前年度の伸び率でございますけれども、昭和四十九年度では対前年度比二〇・一%増、それから五十年度は四四・九%増でございます。この五十年度の異常な伸びというものは、御案内のように、昭和四十八年度から九年度にかかる例の石油ショックの影響に伴う諸物価の値上げあるいはまた民間、公務員等の給与の引き上げというものとの関連も当然あったというふうに私ども理解しておるわけでございます。それから、五十一年度になりますと、対前年度比で二一・〇%増ということでやや鎮静いたしました。五十二年度は対前年度一二・五%増、五十三年度は一一・五%増、五十四年度は四・七%増ということで、五十四年度でその伸び率が大幅に低減いたしております。五十五年度は三・六%増ということでございまして、五十一年度以降五年間を通してみますと、やはり学生納付金の上げ幅はこう低減の方向に向かっているというようなことで、私どもはやはり経常費助成の影響がこの面にあらわれているというふうに一応認識している次第でございます。
#149
○下田京子君 授業料の軽減にはつながっているでしょう、確かに。だけど、引き下げられたということにはならぬでしょうね。
 それから、局長さん、私さっきから言ってるんです。質問にちょんちょんと答えてくださいというのは、公私の差が縮まったと見るかということも聞いているわけです。
 時間がないですから、私ここで具体的な実例を申し上げたいんですけれども、宮城県の私立学校教職員組合連合会で約一万人の父母にアンケートをとったわけなんです。
   〔理事世耕政隆君退席、委員長着席〕
そのアンケート結果によりますと、一万人のうち回収されたのが七千六百三十二名分戻ってきております。幾つかのことをずうっと聞いているんですけれども、「私立高校に子どもを通わせている父母のみなさんにとって、いま私立学校に最も望みたいことは何ですか。」ということで十項目ほどずうっと出しております。事細かく項目読み上げている時間もないので省かせていただきますけれども、まず第一に挙げてきたのが「私立の学費は高すぎるので、公立と私立の学費の格差をなくしてほしい」、これが八四・五%です。こういうかっこうで出てきております。次に、いろいろありますが、「私立高校へ進学を決めた時の心配ごとでいちばん大きかったことを一つだけ選んで下さい。」ということで、たとえば「父母負担が大きいこと」「公立へ行けぬ劣等感」あるいは「通学途中が心配」だとかという中で、何とこれまた「父母負担が大きいこと」といって答えられたのが四七%なんですね。そして、さらに続くんですけれども、「私立高校へお子さんを進学させた現在、どのようなことを感じておられますか」ということで、「私立へ入れてよかった」、「やはり公立へ行っていたらよかったと思う」というふうなことで聞いているんですけれども、「私立へ入れてよかった」と答えた人が三八・五%ほどいて、その理由はと言えば「子どもがのびのびと高校生活を送っており、明るくなった」、これが圧倒的なんですね。ところが、やはり公立へ入れていればよかったなというふうに答えたその人たちの理由は第一に「父母負担が大きすぎるし、何かとお金がかかりすぎる」というのが九二二%もある。もちろんいろいろ十項目の中で三つほどつけてもいいということですから、全体を一〇〇としてということにはなりませんけれども、そういう形で、とにかく公立に比べて私立はもうお金がかかる、授業料が高いということが圧倒的な理由になってきてるんです。
 そこで、お尋ねしたいわけなんですけれども、一九七八年に文部省としては十五億円の私立高校授業料の直接補助といいますか、そういう概算要求をしたことがあると思うんです。国会でも請願がもう通っておりますし、多くの国民の、また私学に子供さんを通わせている、いまの宮城の例じゃありませんけれども、共通の願いになっているわけですね。文部省がかつてこの概算要求をされた理由、根拠はどこにあったのかという点を改めていまお聞かせください。
#150
○政府委員(吉田壽雄君) 当時そういう都道府県が私学に通う生徒等に対しまして授業料の補助をする場合には、その補助した都道府県に国がその一部を助成するというようなことで要求をしたことは、いまおっしゃるとおり事実でございます。当時は、文部省としましても、やはりこの経常費助成と相並びまして父母負担の軽減を図るということで、つまり国公立の高等学校等に対しまして私立の高等学校における学生納付金がはなはだしく高いという、そういう実情があったために、その父母負担の軽減に資するというようなことで授業料に対する補助ということを、もちろん都道府県を通じての間接補助でございますが、検討したことは事実でございます。しかしながら、そういう授業料に対する補助、実質的には個人補助、個人に対する補助ということになるわけでございますが、いろいろと財政当局と折衝する過程におきまして、当面は私立学校振興助成法に基づく経常費補助を充実することによって父母負担の軽減に資すると、そういうようなことに全力を挙げるべきであるという結論になりまして、さっき申し上げましたそういう授業料に対する補助というものは一応撤回したと、そういう経緯でございます。
#151
○下田京子君 かつて考え方としてやはり授業料の軽減等も考えたのに、いろんな事情があって撤回しちゃったという話らしいんですけれども、大臣ちょっとお尋ねしたいんです。これは衆議院でも十四日の日にちょっとお述べになっているらしいんですが、大蔵省が「歳出百科」で、いま私問題にしております高等学校以下の私立学校に対する問題で、大蔵省の指摘によれば、経常費助成が総額において三四・七%ほどに相当してきておるしということで、今後補助金の極力抑制という点から効果的な配分を検討するということを指摘しているんですね。こういう指摘で、経常費補助そのものを二分の一まで認めようというふうな運動も一方で大きくなっているし、またその経常費補助が授業料の値上げを抑えていく、いわゆる公私の格差是正に大きくつながらないという面を残しているという点で私学助成を見直していくというならまたわかるわけなんですが、その点どういうお考えなのか、大臣にお聞かせいただきたいと思います。
#152
○国務大臣(田中龍夫君) 私学助成の問題は、これはわれわれとしましても非常に重要視しておる中でありますが、その学校自体の経常費の補助の問題と、さらにまた父兄負担の問題と、いろいろの問題を抱えておりますが、当面いたしますこの補助の――客観的に言いますと、補助を打ち切るとか補助を削減するとかという情勢下にありまして、われわれの方もそれに対する対抗といいますか、要請はよほど厳格に、確かにだれが考えても正当であるという点を踏まえて所定の要求をしなければならぬと存じます。いまの経常費の問題におきましても、いろいろな種類もあり、考え方もございましょうが、やはり何といいましてもそのあり方につきましては十分に検討してまいりたいと、かように考えております。
#153
○下田京子君 そのあり方について十分検討するということですけれども、直接私学振興に役立つ方向、そしてまた公私の格差をなくしていく方向、そういう点から検討をいただきたいということはお願いしておきたいと思うんです。それはよろしいですね。
 それで、次にお尋ねしたい点なんですけれども、過疎地域の高校への特別助成の問題、これは、五十三年度から実施されておりますことは私も承知しております。いままで、五十三年度創設当時は三億円、五十四年に四億四千万円、五十五年に四億七千六百万円、そして来年度概算要求では六億六千九百万円やられております。そういうことで、年々と過疎地域に対する特別助成が額的にわずかずつでもふえてきて、また来年に向けて特別額が見込まれているという点で私たちは期待したいわけなんですけれども、その際に留意していただきたい点を二、三挙げたいと思うんです。
 これはもう御承知だと思うんですけれども、全国的にいきましても、とにかく昭和三十五年以来のあの高度経済成長政策に基づいて過疎と過密が非常に極端に出てまいりました。そして、過疎がどんどん進行してまいりました。ですから、過疎地においての私立高校が教育的な中身で幾らがんばっても、絶対的な形でもってもう追いつかないという実情が歴然たるものになっていることは御承知のとおりだと思うんです。特にそれがひのえうまと重なるという点でまた大変なんですね。
 福島県の場合を例に申し上げますと、五十三年で私立、公立学校の入学者総数が三万百六十二人、ところが五十七年を見込みますと二万六千二百十二人、公立学校の入学見込み者等を見まして私立学校の入学見込み者と見ていきますと、私立学校の入学定員の絶対的な過不足というのが出てくるんです。福島県全体で約四千二百六人になります。特にそれは会津地域それから県中と地域によって格差がございますけれども、非常に農村地帯で豪雪地域だとか交通の不便なところだとかいうところで、どんなに先生方が努力してももうどうにもならないというような事態に陥っているという実態、御存じのとおりだと思うんです。
 ここで、かいつまんで、ちょっと長くなりますけれども御紹介したいんですが、会津若松に若松一高というのがございます。この若松一高の場合にはどういう状態だったかといいますと、昭和四十五年当時は入学時生徒数が五百二十二名おりました。五十五年で何人なったかというと、百七名です。当時の約五分の一。じゃ、ここでは先生方どういう教育をなさっているかという点でございますけれども、四つの課題をスローガンに掲げて、一つは「教育内容で選ばれる若一高」ということで、先生方が非常にがんばっておりますし、「学費に頼らない豊かな若一高」ということで、六年間も授業料を値上げしないでがんばっています。それから、「地域に開かれた明るい若一高」ということで、地域の皆さん方に学校の様子を知っていただく、地域と一緒になって運動会等もやられている。地域で子供たちにどんな授業をやっているかということも知らせている。そして最後に、「すばらしい若一高の教師たち」ということで、教師も経営者も皆さん一緒になって非常にいろいろな点でも自己犠牲を払っているんです。労働条件をちなみにお知らせしたいと思いますけれども、福島県下の中で最も賃金の低いのがこの若一高です。それから、育児時間なし、療養休暇なし、育児休暇もありません。寒冷地手当や入試手当、管理職手当もないです。実は途中でどんどん過疎が進行していく中で、経営者側ではもうこれはしようがないからといって、先生方を一方的に首切って縮小しようと、こんな話になった。しかし、それでは減少の一途になるからといってみんなで話し合っていまのような形に持ち返ってきたんですね。ですから、実を言いますと、さっき数字を述べましたけれども、昨年に比べてことしの場合には入学時生徒数が若干上向いている。それから中途で入ってくる生徒もいま年々ふえてきている。非常な努力をされているわけなんです。ですから、こういう状況を踏まえまして、私は、もう時間がないから本当にまとめて申し上げちゃうんですけれども、一つは何といっても授業料の負担軽減につながるような方向での助成のあり方を考えるべきだろうし、あるいは施設や設備の教育条件の改善につながる方向、教職員の賃金などの改善につながる方向、そういう総体的な私学としての持っている教育的な内容が本当に発揮できるような形でこの過疎の特別助成も考えるべきじゃないか、こういうことなんです。
 大変長く申し上げましたけれども、要はそういう努力をどう評価するか、そしてその努力にどうこたえるかということがいま問われているんじゃないかという点で、総じてこれは大臣にまず一言御答弁いただきたいと思います。細かいのは後で局長さんにまた聞きます。
#154
○国務大臣(田中龍夫君) 福島県の例をお話しになりましたが、われわれの選挙区なんかでもそういうところがいろいろございまして、そのいまの過疎対策というものは真剣に取り上げなければならないということもよく存じておりますが、そういういろいろな問題の中にありましてわれわれは文教政策をどう一体遂行していくかということはわが省に与えられました大きな責任でございます。当面いたしました対策につきまして、いままでの問題やらまたいままでいたしました例等につきましてもなお局長からさらに詳細お答えいたします。
#155
○下田京子君 そこで局長お尋ねしたい点なんですけれども、御承知だと思うんですけれども、過疎法が今度変わりましたですね。これは過疎という地域の認識が非常に緩やかになったですね。旧法は非常に激減地域しか見なかった。ですけれども、それが緩慢な人口減少地域も過疎とみなすということになりましたね。とすれば、当然この新しい過疎地域の指定基準に基づいてこの過疎地域というものについて文部省の認識の仕方も変えるべきではなかろうか、これ一点です。
 それからこの基準のとり方なんですけれども、こちらでお話し申し上げますと、過疎地域の特別助成には五十二年をベースにして五十七年見てますね。五十二年をなぜとったかというのは恐らく五十三年から始まったから前年ということで見たんでしょう。それから五十七年をなぜ見ているかというと、それはひのえうまでばっと下がるから見たんでしょう。そう思われるわけなんですけれども、私、やっぱり見るなら、この際基準を、本来ならばその高度経済成長は三十五年当時からがっと激減していっているわけですから、その辺をベースにしておくべきじゃないか、少なくともその十年後、四十五年当時というものを見て考えるべきではないかということを申し上げておきたいわけなんです。
 そして三つ目には、やはりそのひのえうま対策というのはまた別途考えるべきじゃないか、この三点お尋ねしたいと思います。
#156
○政府委員(吉田壽雄君) お尋ねの要点が三点あったわけでございますが、第一のこの過疎地域あるいは過疎私立高校に対する認識を変えるべきではないかというような御趣旨でございますが、いまお話にも出ましたように、現在過疎県としての要件は、昭和五十二年度と昭和五十七年度、この五十七年度がいわゆるひのえうまの年に相当するわけでございますが、この五年間で高等学校の在学可能者数が一〇%以上減少しております都道府県といたしているわけでございますが、昭和五十六年度のただいま概算要求をいたしておりますけれども、この概算要求におきましては、過疎地域対策緊急措置法が今回新たに過疎地域振興特別措置法ということで制定されまして過疎地域の指定要件が改正されたわけでございますが、この過疎高校に対する補助金におきましても、昭和四十五年度と昭和六十年度との十五年間で高等学校在学可能者数が二〇%以上減少する都道府県とするように現在要求しているところでございます。そういうようなことでございまして、私どもは十分にこのひのえうま対策につきましては認識しているつもりでございまして、過疎高校の助成を充実する必要があるということで承知いたしているつもりでございます。
 それから、このひのえうま対策ということでいま申し上げたとおりでございますけれども、この点につきましては各都道府県におかれましてもそれぞれ十分検討いたしまして、過疎高校に対しては特に傾斜配分等で手厚く補助をするようにそれぞれ工夫をこらしているわけでございます。文部省としてはこれに対してどういう策を考えているかということを申し上げますと、およそ三つございます。
 一つはただいま申し上げましたように、都道府県のそのひのえうま対策に即応するようにこの経常費助成を充実していかなければならないということで一つ考えております。
 二つ目は、いわゆる私学振興財団からの融資でございますけれども、従来もこういう過疎私立高校に対する融資を行っておりましたけれども、さらにこの対策として私学振興財団と十分協議しながらこの融資によるところの対応策を考えてまいりたい。
 それからもう一つは、やはり日本育英会によるところの育英資金の貸与があるわけでございますが、これにつきましても育英会並びに各都道府県と十分相談しながら、その過疎私立高校に通学する生徒につきましてはできるだけの応援が図られますように育英資金の貸与の面からもこの対応策を考えてまいりたい、いずれにいたしましても、文部省も、各都道府県それぞれ過疎地域を抱えておりますそういう都道府県と十分相談しながらこの対策に遺憾のないようにできるだけ努力してまいる、そういう考えでございます。
#157
○下田京子君 まあ、いままでと違って積極的な方向でいろいろ検討をということで御答弁いただいておりますので、ぜひそれを期待したいわけなんですけれども、かなりその地域によって実情が異なっていると思います。過密県における過疎の問題もありますでしょうし。ですから、いま局長が御答弁されたように、その県そしてその地域よく御調査されまして、より効果的な、特に私が申し上げたいのは、先ほど会津の若松一高の例に示しましたように六年間も授業料を値上げせず直接はとにかく父母が公私間格差を感じない方向で、中身も充実した方向でと奮闘されているわけですから、そういう努力にこたえるような補助のあり方というものも含めて検討いただきたい、こう思うわけであります。
 で、もう時間がなくなったので最後にまとめて聞きたいわけなんですけれども、いままでずっとお話ししてきましたように、私立高校の父母負担というのはまだまだ大変なものであります。公立に比べて容易でありません。もちろん公立の中でもいろいろ問題があるわけですけれども、その上に御承知のようにことしは北海道、東北が特に史上まれに見る冷害でございます。その大冷害の中で、各地で、途中でもう学業をやめなければならないんじゃないかという訴えが出てきているんです。まあ多くを語ることができないんですけれども、青森県の下北というところで県立高教組で調査した結果が出ております。で、下北といえばここは作況指数がわずか一なんです。そういうところでもって関係各校に調査を出して三百七十三人の回答があったそうですが、その回答者のうち百七十二人が出かせぎ者だそうです。そのうち二十軒が両親そろって出かせぎというような状態になっております。これは私立に限らず公立も大変な状態なんです。そこで、私は、大臣、ここで打てる手は何とか打っていただきたい。私はいろいろあると思うんですけれども、考えられるのはまず一つは育英資金、これ何とかならないだろうかということで、これは関係局長からまず聞くことになると思うんですけれども、一つは、冷害等の場合には災害採用ということで特別にあるはずですね。ですから、五十一年の場合にも実績がある程度あると思うんですけれども、現在こういう制度よくわからないんですね。そして希望をとれば一体その希望したとおり採用されるんだろうかどうなんだろうか、基準はどうなんだろうかなんてことで、いろいろ私どものところにも何というんですか問い合わせが多いわけなんです。そういう点で、この災害時採用というのは一般の場合よりも非常に緊急に、しかも実態に即応して対応できるんだということをちょっと御説明いただきたいことと、それからそのことに関して文部大臣が、できればこの冷害問題も含めてぜひ御一報、指導通達等を出されていただけないだろうかという点なんです。
 申しわけないんですが、あわせてもう一点聞きますけれども、就学援助もそうだと思うんで、これは義務教育が主になるかと思うんですけれども、就学援助の場合にも災害に当たって特別な措置があるということは承知しております。そういう点で、被災農民の子供たちを本当に冷害の犠牲にするなという、そういう観点からできるだけの手を打っていただきたいということで両局長さんから御答弁いただいたその後に、大臣から何とかこの点について、ただ指導しているという電話連絡だけで済ませないで、ひとつ通達等でも出していただけないかということでお答えいただければと思います。
#158
○政府委員(宮地貫一君) 日本育英会の奨学金につきましては、風水害等の災害を受けた者が緊急に奨学金の貸与の必要が生じた場合にはその都度出願ができます災害採用の特別措置を講じておるところでございます。従来からこれら措置によって対処をしてきておりますが、このたびの冷害に際しましても、日本育英会では、冷害の多いと思われます北海道、東北地方につきまして各県支部での見込み調査等もすでに行っておりまして、出願が予想されます高校生数としましては、北海道、東北の七県のおきまして約千四百名程度と見込まれております。これは十一月初旬の調査でございます。日本育英会では、これらの出願に対しましては既定予算の運用によりまして私どもとしては対応いたしたいというぐあいに考えておりまして、特に今回の冷害の採用につきましては積極的に私どもとしても取り組みをいたしたいと、かように考えております。また、基準その他の適用につきましても、冷害ということを十分配慮しました弾力的な運用で臨みたいと、かように考えております。
#159
○政府委員(三角哲生君) ただいまの御質問の就学援助の方の問題につきましては、これは従来とも冷害あるいは台風などにより被災した世帯の児童、生徒でこの就学援助を必要とする者については、その都度適切な認定を行いまして、漏れのないように措置することを指導してまいっておるところでございます。今回の冷害につきましても、かねてからそれぞれの関係の県の当局はもとより、県の議会方面などからもかなり文部省の方へ御連絡ないしは御要請をいただいておりまして、私どもは県当局と連絡を十分にとっておるところでございます。
 で、この就学援助費の予算の枠につきましては、これは関係県に対しまして冷害によりましてこの援助が必要になるものがどのくらい見込まれるか、これを調査して報告するようにお願いしておりまして、おいおい調査の概数等も参っておりますが、その結果を見まして、五十一年度の例もございますので、十分に適切な措置をしてまいるべく関係省とも折衝を重ね、努力をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#160
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま先生の御要望の問題でございますが、全く同感でございます。われわれの方はただいま両局長からお答え申し上げましたように、実は通達という一片の問題よりも、むしろ具体的にきめの細かい指導を、実際に各県あるいはまた各方面からの御要望にこたえて処置をいたしつつございますので、その点はどうぞ御安心いただきます。
#161
○下田京子君 最後に一点だけ。
 きめの細かい指導をやっているということなのですけれども、大臣、そのことを具体的に末端まで行き渡っていただけるように最後に私一つだけ要望しておきたいのです。といいますのは、つまり育英会の場合ですと、たとえば大都市四人家族だったらということで基準がございますね。国公立の場合でしたら一般は四百五万円だとか、あるいは私立だったら四百十六万円だとかってあるわけですが、災害ということですからそういうことにこだわらないわけですよね。で、そういう点でどうなんだろうかという問い合わせも出てくるわけなんです。そういうことを詳しくお話ししてくださいよということで、個々に言う点だといろいろあるでしょうから、通達等、きちんと基準等も示しておやりいただくと実効があるんじゃないかという点で、私は一片の紙切れ指導ではなくて、もっとわかりやすく統一して末端まで行き渡るような指導をという意味でお願いしたわけなので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。終わります。
#162
○委員長(降矢敬義君) 以上で本案に対する本日の審査はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後三時五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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