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1980/11/11 第93回国会 参議院 参議院会議録情報 第093回国会 内閣委員会 第6号
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1980/11/11 第93回国会 参議院

参議院会議録情報 第093回国会 内閣委員会 第6号

#1
第093回国会 内閣委員会 第6号
昭和五十五年十一月十一日(火曜日)
   午前十時三十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月七日
    辞任         補欠選任
    目黒今朝次郎君     片岡 勝治君
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     山内 一郎君     斎藤 十朗君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  ゆう君
    理 事
                藏内 修治君
                竹内  潔君
                矢田部 理君
                藤井 恒男君
    委 員
                板垣  正君
                岡田  広君
                源田  実君
                斎藤 十朗君
                中西 一郎君
                林  寛子君
                堀江 正夫君
                片岡 勝治君
                野田  哲君
                山崎  昇君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                安武 洋子君
                秦   豊君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       中山 太郎君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
   政府委員
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       給与局長     長橋  進君
       行政管理庁長官
       官房審議官    林  伸樹君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       大蔵省主計局次
       長        矢崎 新二君
       林野庁長官    須藤 徹男君
       通商産業大臣官
       房審議官     柴田 益男君
       運輸省海運局長  永井  浩君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  永光 洋一君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       大蔵大臣官房審
       議官       名本 公洲君
       大蔵省理財局国
       有財産総括課長  山口 健治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法
 等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、四国行政監察支局等の設置に関し承認を求
 めるの件(内閣提出、衆議院送付)
○国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○公共企業体職員等共済組合法及び昭和四十二年
 度以後における公共企業体職員等共済組合法に
 規定する共済組合が支給する年金の額の改定に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月七日、目黒今朝次郎君が委員を辞任され、その補欠として片岡勝治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(林ゆう君) 地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、四国行政監察支局等の設置に関し承認を求めるの件を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○山崎昇君 もうすでに、この支分部局の法案につきましては、それぞれの委員から質問もありましたし、またわが党の矢田部委員から、法律論あるいは権限等をめぐりましてかなりな議論が行われております。私は、きわめて技術論になりますが、お聞きをしておきたいと思うわけです。
 まず、長官にお尋ねいたしますが、ことしの九月の十二日に、あなたは閣議でいろいろ御発言なされておりますが、集約いたしますというと大体七点になるのではないかと思っています。そこで、その中に、まあたくさんありますが、今回の支分部局の整理というのは、これは前内閣からの持ち越しの問題であり、またいわゆる機構いじりやあるいは器減らしではありません、あくまでも事務の整理が中心であります。こういうことになっているわけなんですが、どうも私が見た限りそういうことにはなってないのではないか、こういう気がいたします。今日までの議論を聞きましても、結局は何が問題になったかと言えば機構いじりだけであって、整合性もなければ合理性もないのではないか、こういう気がいたしますが、まず行管長官の、総括して私どもの考えに対する見解をお聞きをしたいと思っています。
#5
○国務大臣(中曽根康弘君) 機構いじりに整合性がないではないかという御質問でございますが、そういう御批判もわれわれは耳を傾けなければならぬ点もあると思っております。
 ただ、やっている方の人たちの立場を考えてみますと、なかなか各省の抵抗が実際は強くて、それで、自分たちがこの点が一番大事だと思う点をやりたいと思ってもやれない点もあるいはあったんではないかと、まあ過去の事例を推察してそういうようにも考えて、たとえば一省一局削減というような画一的な処置をやりましたのは、各省みんな一律にがまんしてくれと、そういう方策に出ざるを得なかったんではないかと思います。
 しかし、理想から見れば、みんな各省とも重大な問題やらあるいはむずかしい問題やらあるいは簡素化すべき問題やら、いろいろ抱えているわけでございまして、各省内部のいろんな実情に応じたやり方をやるのが一番理想的なやり方ではないかと思います。
 今回のブロック法案は、いわゆる五十五年行革の案件でございまして、大平内閣におきましてそういう御方針でやりました。これはこれなりに意義があることであると思っております。あの当時は、KDD問題とか鉄建公団の問題とかも起こりまして、非常に激しい世論の批判にさらされた時代でもございまして、そういう中にあって特殊法人その他に手をつけ、あるいはブロック機関等にも手をつけて簡素化を志したものであるのだろうと思います。
 私たちは、それを受けまして、その上に立ってさらに発展すべき課題として、仕事減らしということを次の段階においては推進しょうと考えた次第で、これは大平内閣の当時のそういう御発想をわれわれは是認いたしまして、またそれはそれなりに意味もあるということを痛感いたしまして推進しておる次第なのでございます。
#6
○山崎昇君 大変行管長官に恐縮でありますが、総務長官が十一時から何か勲章の伝達式等ありまして日程があるようでありますから、ちょっと中断しますが、公務員給与について総務長官に一点まずお聞きをしておきたい。
 きょう、衆議院の動向を私ども聞いておりますというと、午前中衆議院の法務委員会で裁判官の給与法が成立をして、午後本会議へ緊急上程して、きょうは裁判官の給与が確定をするようであります。もしそうだとすれば、一体一般公務員や自衛隊も入りますが、そういう公務員の給与について担当である総務長官はどういう考え方でこれから臨もうとするのか、お聞きをしておきたいと思います。
#7
○国務大臣(中山太郎君) 政府といたしましては、十月三十一日、御案内のように公務員に関する給与の改定の閣議決定をいたしまして、十一月四日に関係法案を国会に提出さしていただいたようなことでございます。給与法につきましては、十一月七日に衆議院内閣委員会に付託をして御審議を願っておるということでございまして、関係の各法案を国会で審議している最中でございますが、それぞれ委員会で成立をさしていただくということは、もう政府はもとより当初から期待をいたしておるわけでございます。一般職の給与についても同様でございます。
#8
○山崎昇君 裁判官関係については、御存じのとおり、退職手当や定年制は別個にありますね。しかし検察官等々も含めて、そういうところではある意味ではそう絡んでおらない。一般公務員だけはいろんな法案と絡めて、世間で言うならば人質みたいな扱いをやってくる。特に私は、人事院の総裁もきょうおいでになっておりますが、公務員からスト権を取っておいて第三者の公正な機関だと称して人事院が出すものについて、労働組合にも批判はありますけれども、特にその制度をつくり上げた政府みずから人質みたいなやり方をするということについては、ぼくらどうしても納得ができないんですよ。だから、後で行管長官にもお尋ねしますが、公務員倫理の高揚なんという一項もあるようでありますけれども、公務員の権利は権利できちんと認めて、そして、こういう点は改善するなら改善するということで政治はやらなきゃ私はいかぬのじゃないかと。ところが一般公務員の給与については、正直言ってまだめども何も立っておりません。裁判官だけはきょうやってしまうという、政府部内からいっても私はちぐはぐではないかと思うんだがね。
 重ねて、きょうは公務員法の問題が主力ではありませんから、一点だけあなたに聞いて終えておきたいと思うんですが、少し私は総務長官も公務員の扱いについてはきちんとしてもらいたいと思うんですが、どうですか。
#9
○国務大臣(中山太郎君) 御指摘のように、政府といたしましては公務員の給与に関しては人事院の勧告を尊重する、こういうことで閣議決定をしたようなことでございます。別に、人質にとるとかそういうふうな考え方は毛頭持っておりません。ただ財政事情が、御案内のように、きわめて厳しい中で大蔵省と私どもとが折衝する過程において大蔵省当局が、一般の民間の中小企業の給与体系あるいは退職金の制度あるいは平均の金額あるいは定年制の問題等の調査を踏まえて行うべきだと主張したのでありますが、やはり人事院勧告自身が民間の給与を基盤としていわゆる政府に勧告をすると、それで政府が完全実施をするという慣習が慣熟しておりますから、この退職手当についても定年の制度についても、やはり民間というものを無視して公務員だけ独自の方向をとるべきではないということで、私どもは人事院勧告というものについて尊重をするという姿勢のもとに、これらの問題についても政府としてはひとつ全体的な目で御審議をいただきたい、こういうふうに実は考えを持って政府としては希望しておるようなことでございますが、法案の取り扱い等については国会の問題でございますから、国会におきましてもひとつ御審議を順調に進めていただきたい、このように考えております。
#10
○山崎昇君 それでは、重ねてもう一点だけ聞いておきますが、いま審議はもちろん国会自体で決めますが、巷間、公務員関係の三法については、退職手当あるいは定年制と給与法の改正は切り離して、この国会では給与法の成立を大体図るんだというのが政府与党の方向だとぼくら聞いています。それはこの場で確認していいですか。そういう形でこれから国会としては審議せざるを得ないと思うんですが、それについてあなたの決意だけきょう聞いておきます。
#11
○国務大臣(中山太郎君) 給与法だけを御審議いただくということを私どもが政府として認めるというようなことは、現状では私の立場で申し上げるわけにはまいりません。政府といたしましては、あくまでも国会にお願いをいたしております法案の全部を早期に成立さしていただきたい、このような考え方でございます。
#12
○山崎昇君 それはありきたりの答弁です。そんなことは。しかし、もう国会は十七日までしかないんですね。実際問題として、あなたの言っているようなことにはなかなかならないから、巷間ではそういう方向が伝わっているんで、少なくともあなたが公務員給与を本当に真剣に考えるならば、きょう裁判官が成立するというなら、当然あなたもその決意のもとに政府としてもやっぱり協力しなきゃならぬのじゃないんでしょうか。その点、だから、あなたの決意を聞いているんです。
#13
○国務大臣(中山太郎君) 公務員の給与を担当する所管の大臣といたしましては、年末を控えて公務員の方々に公務員給与の成立が一日も早いことを念願しております。
#14
○山崎昇君 いいです。それで、私どもとしてはそういうかっこうで公務員給与の処理をせざるを得ないであろうと、こう判断をしておきます。
 そこで、大変行管長官、中断して恐縮でありました。重ねてあなたにお聞きをしたいんですが、このあなたの述べております中の一つに、いまもちょっと関連しましたが、公務員倫理の高揚というのが一項入っているように聞いておりますが、これは具体的にどういうことをあなた描いておられるんですか。
#15
○国務大臣(中曽根康弘君) 綱紀を粛正すると同時に勉励して働いていただきまして、税金を納めている国民の御満足を得るような成果を得るように政府としても大いに督励したい、こう考えておるところでございます。
#16
○山崎昇君 いや、そんなことはあたりまえの真ん中であって、改めてあなたが閣議で述べるほどのことではないと思う。しかし、行革の方針の中の一項目として述べるからには、それなりの私は内容がなければならぬじゃないかと思う。そして私はいまあなたが綱紀の粛正と、こう言う。綱紀の粛正と言って一般化されては私は困る。だれが悪いことをやっているのか、だれが綱紀を紊乱しているのか、一般の公務員大衆はそんなことやっておりませんよ。最近起きている事件を見てもほとんど中間管理職ですよ、言うならば。そういう者が何か起こすというと、公務員全体があたかもまずいような報道をされて、そしてあなた方から出てくるのは綱紀粛正の通達だけである。そして、行革の一つの柱として公務員倫理の高揚なんぞというものが出てくる。また、あえて言うならば、大臣その他の一部であっても政治資金規正法の問題等と関連してくる。こういうことを改めなければ、あなた公務員倫理の高揚なんぞできないんじゃないでしょうか。
 それから、いまも総務長官とちょっと議論しておりますが、何か公務員給与を人質みたいにとっておいて、そして綱紀の粛正を図るとか、行政のサービスをやれとか、そんなこと言ったって、これ公務員はなかなか私は納得せぬと思う。そういう意味ではどうもあなたのいまの答弁では私、納得しがたいものがあるんですが、重ねて聞きますが、一体具体的に公務員倫理の高揚というのはそのほか何があるんですか。
#17
○国務大臣(中曽根康弘君) 特別職の公務員も一般職の公務員も、ともかく全体の奉仕者でございまして、税金を払っている国民に対しましては、常に自粛自戒して規律が振粛されている状態で勤務をやらなければならぬと思っております。いろいろ新聞その他で公務員、各種の職種にある人たちのことが報道されたりするたびに国民の皆さんは非常に失望しておるところもあると思います。特に政治の分野におきまするわれわれといたしましては、まず自粛自戒して、率先垂範しなければならぬものであると戒めております。
#18
○山崎昇君 あなたが閣議で言っているほど中身はあんまりありませんな、いま聞いても、ただはでに新聞には報道いたしますけれども、ほとんど中身がない。そして政治家の政治献金の問題にいたしましてもほとんど反省らしいものがない。あるいは高級公務員から始まる一連の汚職事件等についても、これが何か一般大衆に対する通達というかっこうでごまかされちゃう。こういうやり方はやっぱりきちっとしておきませんというと、公務員の倫理なんということは私はできないと思っています。そういう意味では、重ねてあなたに申し上げておきますが、少なくともこういう項目を掲げるからにはそれらしい内容というものはやっぱりきちんとしておいてほしい。しかしこれだけやるわけにいきませんから、きょうはあえてその点だけ指摘をしておきますが、申し上げておきたいと思うんです。
 時間があんまりありませんので、いろいろ聞きたいことあるものですから急いでいきますが、第二点目にあなたにまずお聞きをしておきたいのは、行政管理基本問題研究会というのが宇野さんが長官のときにつくられたように私ども聞いています。そして、これはことしの五月の八日のこの委員会で私が当時宇野さんに聞いたときには、半年以内ぐらいにその結論を得るようにしていきたい、こういうお話でありました。さて、あなたはどういうふうにこれを引き継がれて、もう十一月になるわけでありますが、一体どんな成果がこの行政管理基本問題研究会で出されたのか、お聞きをしておきたいと思います。
#19
○政府委員(佐倉尚君) ただいまのお話の基本問題研究会でございますけれども、お話しのとおり六月に開催いたしまして、九月から若干本格的な審議に入っております。特殊法人の現状等についての実質的審議は九月から始めておるところでございます。今後基本問題研究会のメンバーの先生方及び関係各界の意見を聞いて審議を行っていくところでございますけれども、できるだけ速やかに結論をまとめていただくことになろうかと期待しております。
#20
○山崎昇君 これは改めて、私は議事録ありますが、「少なくとも半年以内にその成果を」と、こう言われた。これからやるということになれば、一体この研究会はどういうことになっていくんだろうか。私はもう一つあなたにお聞きしておきたいのは、これは行管からもらいました民間の研究成果ですね、「今後における政府・公共部門の在り方と行政改革」という行政管理基本問題研究会の研究報告、管理センターから出されております。これを見るというと、かなりな範囲にわたって研究成果が述べられておる。一体こういう民間の研究と――あなた方の方は何か行革というと機構をこしらえて、そして私どもに委員会で追及されるというと半年ぐらいで何どかしますと言うが、現実は何にもしてない。こういう民間のそれなら研究成果というものを行管は一体どういうふうに消化をして、どういうふうにこれをあなた方は生かしているんでしょうか。あなた方がやろうとするこの基本問題研究会とどういうこれは関連あるんだろうか、その点について聞いておきたい。
#21
○政府委員(佐倉尚君) 現在基本問題研究会の方で審議しておりますいま御指摘の特殊法人の問題でございますけれども、これはまあ特殊法人の制度と申しますか、あり方等を理論的に審議お願いしているわけでございます。これは前の行管設置法の特殊法人を調査の対象にするということに関連しまして御指摘がございまして、その際にそういうことを基本問題研究会を通じていろいろ御審議を願うと、御研究を願うということでございまして始めたわけでございますけれども、六月から夏場にかけましていろんな諸般の情勢がございまして、審議が少し長引いておりますけれども、なるべく早くいま申し上げましたような点につきまして御審議をいただき、研究をいただき、まとめていただくことを期待しているわけでございます。
 それから、ただいま御指摘のほかのいろいろな研究成果、そういうものもございますわけでございますが、そういうものにつきましては、私どもとしましても十分それらを総合的に検討して、いま御審議願っております特殊法人の問題につきましては基本問題研究会でも審議を願っているわけでございますので、そういうものを全体に検討して総合的に判断していきたいというふうに考えております。
#22
○山崎昇君 これは特殊法人のことばかりじゃありませんよ。一体行政管理庁というのは何なんですか、それじゃ。行政監理委員会もあって、日常的にあなた方は行政管理について研究しているはずであります。そして民間からは、これは去年の七月の二十七日に出たものです。私もざっと読ましてもらいました。こういうものが民間で、特殊法人ばかりでなしに、かなり広範囲にわたって検討されて出されてくる。そういうものが何にも生かされないで、何か行革というと大臣がかわるたびに新しい機構ができて、それも結末がどうなったのかさっぱりわからぬうちにまた次に移っていく。こういうやり方というのは一体行管のあり方なんだろうか、私は不思議でどうにもならない。さらに自治体との関係で言えば、地方制度調査会の答申も何回か出ている。全国知事会の研究成果もある。そういうものをあなた方何にも検討もせずに、ただ役所で何か研究会みたいなものをつくったら行革が進むような錯覚があるのじゃないでしょうか。そうして委員会で私どもが質問すれば、いや半年以内にやりますとか、いや早急にやりますとか――結末は何も出てこない。これ、やがて時間たったらうやむやになるんじゃないでしょうか。
 こういうことを見ると、本当に行管というのは日常的に何をしているんだろうかというときたま私は自身で疑問にぶつかります。そして皆さん、この報告書によれば「戦後行政改革一覧」というので、どんなことを歴代内閣でやったかも、七ページにありますが、出ております。結局はいろんな機構をつくっていろんなことはやらせるけれども、さっぱりその結末というのはない。そして、新聞だけは大々的にさもさも行政改革をやるような宣伝だけやる、こういうやり方はやっぱり改めなきゃならぬのじゃないでしょうか。どうですか。
#23
○政府委員(佐倉尚君) ただいま御指摘のございましたこれも行政管理基本問題研究会の報告でございますが、「今後における政府・公共部門の在り方と行政改革」というような題のレポートがございます。これももちろん私ども十分検討させていただいておりますし、また、地方とのかかわり合いにおける地方制度調査会等の御意見等も十分われわれは検討しているわけでございます。
 先生おっしゃるように、行政管理庁としましては、行政管理の全体の問題及びその周辺の問題等につきまして常にできるだけ努力はしているつもりでございますけれども、こういう報告書等につきましてもその都度いろいろ目を通して検討し、やはりその日常の、たとえば毎年の行政管理庁における機構、定員等の査定の問題、あるいは監察局におきましては、監察を行う際に十分にそういうものを取り入れて行っているわけでございます。でございまして、特に行政改革というふうに銘打って行っている際にこれらの基本的な問題がなかなか進展しないという御批判は各方面からあるわけでございますけれども、日常の行政管理庁のルーチンワークの中にもこういう報告書の趣旨はなるべく生かすように努力を続けているわけでございまして、先生御指摘の点につきましては、今後ともそういうふうにやっていきたいというふうに考えております。
#24
○山崎昇君 必ず答弁は生かしてやりたいとか、御指摘のとおりやりますとか、結局は何もやってない、結論から言えば。そして、必ずと言っていいぐらい新しい機構をつくって、それがしり切れトンボに終わっちゃう、こういうやり方は私は重ねて指摘をしておきます。
 次に私は、時間がありませんから、残念でありますが問題移りますけれども、たとえば地方事務官問題一つとってみても、昭和二十二年に地方自治法ができてからもうすでに三十三年。「当分の間」という四つの文字のために今日までうやむやになっている。歴代内閣は、私どもが指摘をいたしますというと、必ずと言っていいぐらい解決するような答弁をする。
 そこで、長官にお尋ねいたしますが、福田さんが行管長官のときには、二年以内にこれを廃止して地方に移管しますと言う。大平さんは、五十五年の六月いっぱいにめどをつけますと言う。さてあなたはこれどうされるんだろうか。そして、今日までの国会では、衆議院の地方行政委員会あるいは参議院の地方行政委員会等で何回も附帯決議をつける。あるいは全国知事会、都道府県議長会、市長会等々からも何回かこの問題については意見が述べられる。あるいは地方制度調査会も述べられておる。今日まで何もできてない。あなたは一体これをいつどういうふうにするのか、めどについてお聞きをしておきたい。
#25
○国務大臣(中曽根康弘君) 地方事務官問題は、私も非常に頭の痛い問題でございまして、歴代の内閣がこれを処理すると言ってきておりますことは私も承知しておるところでございます。ただ、中身が非常にむずかしい複雑な内容を込めておりまして、地方公共団体と中央の所管庁との関係の調整に非常に時間がかかっておるわけでございます。運輸省関係の一部において打開が一部つきましたけれども、それ以外の面につきましてはまだ所管庁と地方公共団体の間の調整がうまくできていないということははなはだ遺憾でございまして、引き続いて努力したいと決意しておるところでございます。
#26
○山崎昇君 ですから、あなたはめどをどうするんですか。特にあなたは運輸大臣当時に、当時の行政管理庁長官木村武雄、自治大臣赤澤正道、運輸大臣中曽根康弘。昭和四十三年十一月二十五日、三人で署名したものもある。これどうなりますか。
 だから私は、歴代内閣は必ず、中身がむずかしくて調整がとれません、苦慮しております。そして私どもが質問するというと、ある意味では二年以内だとか、五十五年の六月まではどうしますとか、そういうところまで答弁するが、それまたそれで終わり。
 行革というのは、その都度その都度逃れるだけの話であって、何にも合理性もなけりゃ整合性もないものだから、結局時間が過ぎたらうやむやになっちゃう、こういうあなた方のやり方じゃないんでしょうか。
 いま、あなたは苦慮していると言うが、あなたは一体めどをどうするんですか。きちっとしてくださいよ。
#27
○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘のとおり、この問題は長い間の懸案でございまして、政府の方のスピードがはかばかしくないことは大変申しわけない事態であると思っております。それだけに、なかなか中央所管庁と地方との間の調整がむずかしい内容もございまして、いつまでにという期限を切ることはできませんが、できるだけ解決の糸口を早くつくりまして、そして一つ一つ打開していくように努力していきたいと思っております。
#28
○山崎昇君 本当に「当分の間」という四つの文字で三十三年間放置されて、必ず歴代の内閣はやりますと言って、総理も答えて、結局何もしない。いまあなたに聞いたら、さてこれからですと言う。こういうこと一つできませんで、そして、あなた方は口を開けば行革、行革と、こう言う。後で今度の支分部局についても私は見解を聞きたいと思っていますが、ふたをあけてみたら何の合理性もない。整合性もない。本当に私は、行政管理庁というのは何をしているんだろうか、ふだん。先ほど聞いたら、民間の調査だってろくすっぽあなた方検討してないんじゃないでしょうか。そういう意味で、私はもうきわめて不満だということを述べておきます。
 そこで、本題に入ってまいりますが、行政管理庁に次にお聞きをしたいのは、ブロック機関というのは一体その性格がどういうもので、任務をあなた方はどういうふうに考えておって、それから、ブロック機関を置くという基準はどこに置いて、これは各省で多少の違いは私も認めます。そんなかたくなに考えているわけでありませんが、しかし一定の、ある程度の基準がなければおかしいと思う。そこでブロック機関の性格、任務、設置する基準、そういうものについてどういうお考えなのか、まずお聞きをしたい。
#29
○政府委員(佐倉尚君) 一般にブロック機関というふうに申している機関の性格の御質問でございますけれども、これは本省庁の事務の一部を分掌しまして、当然通常二以上の府県の区域を管轄する国の行政地方支分部局でございます。それで、ブロック機関は一般に国の現地的な事務を広域的な立場に立って実施していくというのが基本的な任務でございますが、さらにその下に下部の機関が置かれるような場合には、当然その下部の機関に対して業務の指導等を行うというのがブロック機関の性格であろうというふうに考えております。
 ブロック機関の配置の基準等につきましてのお話でございますが、これはやはり各省庁の所管行政それぞれいろいろ特性がございますので、そういうものを勘案した上、社会的なあるいは経済的な諸条件あるいは自然的な諸条件等を考慮して配置されているというふうに考えられます。
 わが国の場合、大きく分けてブロック機関が、ただいま先生もお話しのとおり、数が若干いろいろ違うわけでございますけれども、これは、先ほど申し上げました各省庁のそれぞれの所管行政の特殊性等からそういうふうになっているというものと考えられるわけでございます。ブロック機関というのは、これ、法律用語ではもちろんないわけでございますけれども、通常そういうふうに一般的に呼んでいる機関としましては、いま申し上げましたように私どもは考えています。
#30
○山崎昇君 何かわかったようでわからないんですが、このブロック機関、まあ通称ブロック機関と、こう言いますが、置く機関というのは、あなたの方からもらった資料によると、また行政管理を専門とする学者先生なんかの文献等を読んでみても、画一的にはいけませんが、おおむね八ブロック制というのが大体共通した私は認識じゃないんだろうか、こう思っています。そうだとすれば、今度の支分部局で八ブロックあるところが一つ減らしてみたり、またいままでなかったものが八ブロックを改めてつくってみたり、これは一体どういうふうにぼくらは理解したらいいんだろうか。あなた方は、行政管理について検討するわけでありますから、画一的にいかぬまでも、ある程度の基準というものはあってしかるべきだと思う。それは大筋私は、多少オーバーしているところもありますが、八つぐらいが行政単位から言うならば、管轄区域から言うならば大体のコンセンサスみたいになっているんじゃなかろうか、こう理解する一人なんですが、誤りでしょうか。
#31
○政府委員(佐倉尚君) ブロック機関を何ブロックにわが国を分けて配置するかというような問題についてのお話でございます。
 この場合、確かに先生御指摘のとおり、ブロック機関として八つ置いているものが、ほかの数置いているもののうちで比較しますと、数としては一番多いということはあるわけでございます。ただ、ブロック機関には六つしかないもの、あるいは十一以上あるものもございまして、いろいろ数も違うわけでございます。これは、先ほど申し上げました社会的な諸条件あるいは経済的な諸条件、地理的な諸条件等その省庁の所管行政との関連においてそれぞれ設けられているわけでございまして、なるべく効率のいいようにという趣旨をもってその数だけ置かれているというふうに理解できると思います。
 それで、通常八ブロックが一般的な認識になっているんではないかというお話でございますが、まあ数は確かに多いのでございますけれども、それが八ブロックでなければならないということではないとも考えられるわけでございまして、今度のブロックの整理法案というものにつきましては、さらにそのブロック機関につきまして簡素効率化の観点からそれを統合できるものがあるのではないだろうかという発想のもとに各省庁と協議してまとめて審議をお願いしている次第でございます。
 ブロック機関のいまの問題は、一口で申し上げますと、数の問題はやはり各省庁の所管行政の特性と社会経済的な諸条件、地理的な諸条件との関連においてこのようないろんな数のブロック機関が置かれているものというふうに考えられるわけでございます。
#32
○山崎昇君 そこで、一つ一つ聞いていきますが、いまあなたは各省庁の考え方がそれぞれあるから、一番多いのは、八ブロックに割っているのが一番多いとあなた言われた。私もいま手元を見るというと、八ブロックに割っているのが八つあります。あとは財務局が十、あるいは国税庁の十一なんぞというのは多い部類に入る。八より少ないのは農林水産省が一つ少ないとかあります。ありますが、大体大筋は八つに分かれているんじゃないか。だからそういう意味から言うならば、後でも聞きますが、今度の法務省が十四の事務所が八つの局になって、残された六つは、二つは支局で四つは出張所だと、こうなる。言うならば、八ブロックというのがある程度頭にあって法務省の場合には私は八ブロック制にしたんではないかと、こう考えられる。どうして、いま八ブロックあって、そんなにそのブロック制にきずがないのに、しゃにむに削って七にしなきゃならぬのか。いまある十四の事務所を何で八つに分けて、あとは出張所とか支局にしなきゃならぬのか。一体どこにこのブロック機関に対する整合性あるいは合理性というものをあなた方考えてやっているのか私はよくわかりません、正直に言いまして。
 そして、行政管理庁一つとってみましても、今度の設置法を見るというと、まず第一に四国を削って名称は中国四国行政監察局と、こうなる。四国を今度名前をくっつける。それでは困るものだから四国支局というのをつくって、これは中国四国行政監察局の出先機関になる。言うならば中二階です。二階をやめて中二階をつくって、それでも今度はサービスの低下になっちゃいけないというので、あなた方はその下に地方監察局というのをそのまま置く。管轄区域はもとと同じです。一体これはどうしてこんなことせにゃいかぬのですか。なぜ四国監察局をそのままに置いておいていけないのですか。なぜ、中国四国という名前くっつけて、困るから支局にして、その下にいままでどおり四県の地方監察局を置かなければならぬのか。なぜ中二階にせにゃいかぬのか。一体それがどういう行政のメリットがあるんだろうか。言うならば、いままでならば本省があって、四国監察局があって、その下の四県の地方監察局があって事務の流れが行っていた。今度はあなたの方から、本省から中国四国監察局、四国支局、その下の地方監察局、事務の流れから言えば逆じゃないでしょうか。簡素化どころじゃないんじゃないでしょうか。一つよけいなものが入ってくるんじゃないでしょうか。どうしてこういうことをすることが行政改革なんだろうか。
 これはほかの省にも聞きますが、運輸省来ているはずですが、運輸省も何で新潟の海運局をやめて、今度は名前が海運監理部だというが、置いておいて、権限は同じでございます。管轄区域も同じでございます。名称は政令で決めると言うが、きのう呼んで聞いたら、新潟海運監理部だという。これは外から見たら一体何のことだかよくわかりません。あるいは通産省にも聞きますが、鉱山保安監督部を改める。じゃそれはなくなるんですかと聞いたら、いや支部で残りますと、いままでと何にも変わりませんと、行政サービスは何にも低下いたしませんと、こういう話だ。これまた一体何のためにこんなことをしなきゃならぬのか。地方医務局も同じです。これもあなた方から出されました設置法を見るというと、中国四国医務局、困るから、四国に四国医務支局として置いておく。その下にまた出先機関がある。
 何でこんなことをすることが行政の簡素化で、能率化なんだろうか。何の意味があるんだろうか。むしろ複雑化するんじゃないでしょうか。よけいな機構が一つできるんじゃないでしょうか、出先機関が。だから、事務の流れを変えてその仕事のやり方を変えるというのなら、それも一つの方向でしょうから、私どもとしても検討してもいいと思う。しかし、冒頭に申し上げたように、器減らしでもない。機構いじりでもない。行革の方針とは全く違うじゃないでしょうか、出てくる結論というものは。これは長官、何のためにこんなことをおやりになるんですか。これが行政改革ですかね。そして困り果ててどういう文句がついたのか。それは「昭和六十年三月三十一日までに廃止するものとする。」何かそのときになったらこれがなくなるようなニュアンスのことがまた書かれておる。先般の委員会でこれがなくなるんですかと聞いたら、いやそうではありません、そのときまた検討して、なくするかどうするかそのときでありますと、こう言う。一体行革、行革とあなた方大宣伝するけれども、何のためにこんな複雑化して、こんなつまらないことをやるのか、これは長官から私は聞いておきたいと思うんです。
#33
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政を簡素効率化せよというのは国民の皆様方の至上命令であるだろうと思います。また、第一臨調の答弁におきましても、地方出先機関を整理統合せよというようなお考えが示されておったと思います。そういうような事態を踏まえまして、ブロック機関というものに手をつけて、簡素合理化の一端を示していく、そういう方針でこの発想はできたのであるだろうと思います。もちろん、これは十分なものではございません。将来、第二臨調、いまこれから御審議願う調査会におきまして中央と地方との関係をどういうふうにお取り上げになられるか委員の御判断にもよりますが、いまの世論の大勢というものは、中央の所管庁の出先機関をできるだけ整理統合せよと、そういうような世論であるだろうと思います。そういうような時代の傾向を受けまして、そしてまず第一のはしりとして、不十分ではあるけれども各省からいろいろ負担を願ってこのような案ができたのであろう、こう考えております。
 私は今度のブロック整理のやり方が必ずしも十分であるとは思いません。しかし、サービスを低下させない、急激な変化を起こさせない、そういう意味の、いわばソフトランディングの形でいろいろ苦心していまのような形ができておるのでありまして、そういう配慮のほどにつきましては私は御理解していただけるのではないかと思うのであります。
#34
○山崎昇君 整理統合だと言う、配慮だと言う。しかし私は、行政機構というようなものは適当に扱うべきものではないと思っているんです。それはそれなりのやっぱり合理性や整合性がなければ意味がありませんよ。先ほど来申し上げているように、今度の一連のものを見て、どうして「中国四国」という名前に変えて、四国が困るから支局にして、その下にまた都道府県のやつが置かれるのか。何にも変わりないんだが一ランク一つ置く。それならば、四国行政監察局だとか、四国医務局だとか、それが置かれたらなぜ悪いんですか。積極的な意味がどこにあるんですかね。
 そこで私は、各省にも来ていただいていますから、まず通産省にお聞きしますが、鉱山保安監督局をこういうことにするわけですが、一体この積極的な意味は何ですか。
 大蔵省もそうです。財務局もそうでありますが、一体これはどういうことを意味するんだろうか。この間、参考人も来まして意見を聞いた。最後に述べた言葉に、政治不信だけ残るんではないかと言っていた。こんなやり方をしておったらそうなると思うんですよ。
 それから、厚生省はきのう連絡しておりませんが、運輸省、これも一体新潟の海運局が新潟海運監理部になったらどう変わってくるんですか。なぜこんなことをしなきゃならぬのですか。管轄区域も同じ、出張所や支局のあり方も同じ、権限も同じだという、そして形の上では関東海運局の出先機関だと、中間機関みたいになっちゃっている。一体どうしてこんなことをしなければならぬのでしょうか。
 私は重ねて聞きますが、各省一体どういうふうにこれが変わっているのか、簡単にひとつ答弁してほしい。
#35
○政府委員(柴田益男君) 通産省におきましては、四国の鉱山保安監督部が広島に統合され、大阪が名古屋に統合されるわけでございまして、実際上の任務は、先生のお話にもございましたように、事務委任によって従来と変わらないように遂行していくわけでございますけれども、このメリットは何かという御指摘でございますが、その点につきましては、広島と四国あるいは大阪、名古屋、広域的な保安行政ができる、そういう点にわれわれは理解をしているわけでございます。
#36
○説明員(名本公洲君) 九州におきまして財務局を統合するわけでございますが、五十五年度の行政改革におきまして簡素合理化という目的を達成するということが政府として決定を見たわけでございまして、それに当たりまして、財務局を統合いたしますけれども、先ほども大臣からお答えがございましたように、急激な変化というものが、地元に対する行政サービス、それから職員の勤務にかかわる問題等に非常に大きく影響をするということがございますものですから、大臣おっしゃいましたようにソフトランディングということを図ることも考えまして、福岡に支局を置かしていただくという措置をこの法案においてお願いをいたしておるわけでございます。
#37
○政府委員(永井浩君) 新潟の海運監理部の権限でございますが、本法案の附則で海事関係の実体法につきまして改正をお願いしてございます。これによりまして従来の海運局長と同等の権限を行使することができる、こういう措置がとれるわけでございますが、一方、本法案にございますように、関東海運局全般の行政の基礎となりますような調査、企画あるいはそれの調整、取りまとめ、こういったものは関東海運局の本局の方で行う、こういう形になるわけでございます。
#38
○山崎昇君 いまお聞きのとおり、海運局が海運監理部という名称に変わっただけ、中身は管轄区域から権限から何にも変わらずです。設置法を読む限りでは、通産も同じこと、厚生省も同じです。ただ、いままでと違うのは、合併したからその合併したところの出先にかわる、言うならば一つ下がるといいますか、事務がそこを一つ通らなければできないですね。極端なことを言うと、たとえば四国の医務局は何かやろうと思うと、支局ですから、中国四国医務局に行かなければなりません。そこから本省に上がってこなければならぬ。行政のルールはそういうことになります。いままでならば四国の医務局から真っすぐ本省に物事が来る。なぜこれが簡素化になるんですか。なぜこれが効率化になるんですか。一つも権限が何も変わらないという、何でそんなことをしなければならぬものか、どうしても私にはわからない。
 さらに、この「するものとする。」という言葉でありますが、これももう一遍、まず最初に管理庁の見解を聞いておきます。これは六十年の三月三十一日になったらどうなるという、もう一遍この法令解釈についてきちんとした見解を聞いてから私も述べてみたいと思うのですが、まずお聞きをしたい。
#39
○政府委員(佐倉尚君) まず、支局に関する条文の中の条項の「するものとする。」という点でございますけれども、これは、その定められた期間内に、その後に置かれます支局等についてそれをどうするかということを検討して、さらにその段階において立法措置を講じて廃止をするという、現時点における方針を書いたものでございます。
#40
○山崎昇君 そこで、あなたに「するものとする」という法令用語についてちょっとお聞きをしたいんですが、私がここにいま持ってきておりますのは林修三さんの法令用語辞典です。これによりますと、行政には一定の作為を命ずる場合には「しなければならない」という規定の仕方がある。一定の不作為を決める場合には「してはならない」という規定の仕方がある。一定の能力、権利、権限、権能、そういうものを与える場合には「することができる」または「することができない」、こうなる。
 そこで、この「するものとする」という用語でありますけれども、「必ずしも一様でない」という断り方はあるけれども、「「……しなければならない」又は「……する」というような用語であらわすのを適切とするに近いが、さりとて、これらの用語を使うと、感じ、あるいはニュアンスが少しどぎつく出すぎる、」したがって「もう少し緩和した表現を用いる方が適当」と考えて「するものとする」という用語を法令用語として使うと、こうなっています。これが林修三さんの法令用語の解釈です。
 そこで私は、一体どういう事例があるんだろうか。私ども国会議員でありますから、調べてみると国会法の十条があります。この国会法の十条によりますと、「常会の会期は、百五十日間とする。但し、会期中に議員の任期が満限に達する場合には、その満限の日をもつて、会期は終了するものとする。」という表現があります。これは、そのときになって終了するかしないか検討して立法措置でやるなんというものではありません、これは。だから法令用語に関する限りは、六十年の三月三十一日で、どっちかと言えば廃止をするという方向に私どもはあるのではないかというので、関係機関の皆さんはかなりこれは危機感を持っている、あるいは疑心暗鬼でいる。そこで働いておる職員の皆さんも、一体これはどうなっていくんだろうか、こういう心配がある。
 だから、あなたの方は、法令用語としてはそういうことなんだけれども、あなた方の政策かどうか知りませんが、この法令用語を改めて、そのときになったら置くか置かないか改めて検討して、気持ちの上では置きたいという気持ちが強いんでしょうが、そういう形でやっていくんだというふうにお考えなのかどうか。私は法令用語の使い方から言えば疑問を持っていますが、改めてこれは長官から私は聞いておきたい。
#41
○国務大臣(中曽根康弘君) 後から政府委員から補足してもらいますが、「するものとする」というその前後の条文の感触は、廃止したいという希望がやはり基礎にあるんだろうと思うんです。しかし、基礎にそういう希望を持っておっても、これからの推移あるいはその後のいろいろ条件変化等々も考慮してみて、そして改めてどうするかということを立法によって最終的決定をしたい、そういうことではないかと私は思います。
#42
○山崎昇君 そうすると、いま関係機関はかなり心配をしておるし、働いている職員も自分の役所がなくなるのかどうか、あと五年たったらなくなるんではないか、こういう疑心暗鬼で勤務するなんということになれば、公務能率が上がるわけではありません。サービスがうまくいくわけではありません。そういう意味で言うなら、私はこの「するものとする」というようなこんないいかげんな規定は削除すべきではないか。紛らわしいこんな規定は何でつけなきやならぬのか。削除すべきじゃないか。そのときに、あなた方が政策として廃止した方がいいのかそのままがいいのかというのはそのときの政策で、こんなものなくてもやる気になればやれる話ですよ。だから私は強くこういう、つまらない規定と言ったら少しあなた方に言い過ぎになるかもしれませんが、少なくとも関係者に疑心暗鬼を与えるようなこんなつまらない規定というのは廃止すべきである、削除すべきである、こう思うんですが、どうですか。これは修正できませんか。
#43
○政府委員(佐倉尚君) この条項は、いま長官から答弁のありましたように、現段階における方針を明らかにしたものでございます。当然、その経過期間中に行政簡素化の趣旨に照らし、あるいは組織や行政サービスのあり方等十分に検討して結論を得たいと考えているわけでございますけれども、いずれにせよ、その段階で法律的には改めて手続をとる必要があるわけでございます。
 この条項を設けましたのは、この審議をお願いしておりますブロック整理法案の趣旨がやはり行政の簡素効率化ということでございます。それで、その趣旨をさらに徹底させて、六十年三月三十一日までに支局等を廃止するという現段階の方針を明らかにさせていただいたものでございまして、現時点ではそういう方針であるということでございます。
#44
○山崎昇君 そんなことは何も法文で載せる必要はないじゃないですか。これを見た現地の機関に勤務する者あるいは関係する国民の皆さんから言えば、何のためにこんなものを入れるのだろうか、疑心晴鬼ですよ、職員にしたって。六十年の三月三十一日になったらおれの方の役所なくなるかもしれません、関係者もまた、あああの役所なくなるのかもしれません、こんなことであなたどうやって行政やるんですか。だから、私はこんなことを法律に入れることは必要でもないし、思い切ってこの条文については削除すべきだと思う。重ねてこれは強く要請をしておきます。これを削除したからといっても、どうということじゃないです。なぜこんな、関係者に不安を与えるような規定を入れて、現時点だ現時点だ、いろいろお尋ねすれば何の合理性もないような機構改革やっておって、機構だけいじくっておって、事務は何にも変わらぬで、権限も変わらぬで、そしてあたかも行政簡素化やっているような宣伝だけこれ努めるというやり方は不当ですよ、これは。ですから、この規定について私は削除を要請しますが、それは理事会で相談してもらいたい。これは委員長にお願いをしておきます。
 さて、そこで関連して、中二階になったものだから、公務員の給与関係とこの中二階になった存在と一体どうなっていくんだろうかということが心配の一つです。
 そこで、人事院にお聞きします。
 いま俗に言うブロック機関の局がありますが、これの格づけの実態を簡潔に示してもらうと同時に、私の方でも調べておりますが、いままで私の方から指摘したように、たとえば監察局が支局になる、その場合に一体格づけはどうなっていくんだろうか。営林局の場合にはそのままにいたしました。さて、この支分部局法案が通った場合に、新潟の海運局で言うならば、海運局が海運監理部になる。そうなった場合に、一体この格づけはどうなっていくんだろうか。これは人事院の見解を聞いておきます。
#45
○政府委員(長橋進君) お答え申し上げます。
 ブロック機関の格づけにつきましては、いろいろな場面があると思いますが、いまお尋ねの給与上の、恐らく等級決定の場合にどういう基準で等級を決めるかということはやはり重要な課題であろうと思いますが、職務の等級を決定するにつきましては標準職務表というのがございまして、これは職務の困難性を評価する場合の基準として定めたものでございますが、それに基づきまして個々の官職について格づけ評価をするということになろうと思います。
 そこで、管区機関等の組織面からのお尋ねでございますので、そういう組織区分、職務段階の面から見ました場合の評価ということになりますと、標準職務表では、いわゆる管区機関と申しますのは数府県を管轄し、相当の規模を有する地方支分部局ということになっておりますので、したがいまして内部組織の実態、これは今回の機構改革が行われた後でもさようでございますけれども、内部組織がどういうふうになっておるのか、あるいは業務の実態がどうであるのか。あるいはこれは規模にも関係する話でございますけれども、人員構成がどうなっているのかということを総合的に実態に即して判断するということになろうかと思います。したがいまして、ただこれが支局になったからどうのこうのと一律的にストレートにつながっていく話ではないであろう、あくまでも実態を見て判断するということであろうと思います。
#46
○山崎昇君 私もそれを否定して物を言っているんじゃないんです。ところが、私の手元で調べてみるというと、管区の長は指定職がほとんどです。とりわけ私が不思議に思うのは、財務、国税それから農政、通産、建設、これは全部指定職ですね。何かこう見ておりますというと、力の強そうなところは全部これ指定職です。そうでないところは、海運局のごときは指定職が一で一等級が九名、十のうち。何かこういうのを私ども見ているというと、この行政機構と給与の格づけとちぐはぐではないんだろうか、そこにどういう合理性があるんだろうか、どうも私には納得できかねるものがあります。
 そして、行政管理庁を例にとって言えば、今度は四国がなくなって中国に合併する。合併したすぐ下の出先機関は、地方監察局でありますから府県ごとになる。四国の場合には、支局が中国四国の出先で、そのまた出先に県がなる。そうすると、この四国支局というものと中国におきます地方の監察局というものとどういうふうにわれわれながめたらいいのか。ただ、経過的には支局はいままでと同じようなことにいたします。監察局時代と同じようにいたしますと、こうなっている。しかし、行政機構の上で言うと一ランク下がったようにもとれる。一体こういう整合性と公務員の給与体系というものとどういうふうに私どもこれ理解しておいたらいいんだろうか。
 また、逆に言うと法務局は十四の事務所が八つの局になる。そうすると、私は極端なことを言うようでありますが、ブロックの機関に今度はなるわけでありますから、当然これとの均衡を図るということになると、指定職だけふえてきて法務局に関する限りは何か昇格になる、その他の省に関する限りは何か一部降格になっていく、こんなことに将来なり得るんではないかという心配をいたします。だから人事院に聞いているわけなんですが、そういうことはない、権限も管轄区域もすべて同じなんだから従来どおりでやりますと、こういうことなんだろうと思うんですが、どうですか。それは明確にしておいてほしい。そうしませんと、必ずこれは人事管理上私は混乱を招くと思う。その点はどうですか。
#47
○政府委員(長橋進君) 先ほどもお答え申し上げましたけれども、等級決定につきましては、内部組織それから権限、業務の実態、人買構成等を総合勘案して決定いたしておりますので、その決定の仕方、基準の設け方についてはこれ変更するつもりはございませんので、その趣旨を徹底していきたいと思っております。
#48
○山崎昇君 そうすると、私は当面はあなたの言うことで理解していいと思うんですよ。だけれども、六十年の一応限定があるにいたしましても、どうなるかわからないにしても、恐らく私はなくならぬと思っておる一人ですが、そのまま仮に六十年の三月三十一日に来ても廃止をしないということになると、支局のままずうっといきますね、権限もずうっといきます。その場合に、これは行政機構論でいうと一ランク、一つ下になって中二階だからそれらしいような格づけにせねばならぬということで降格――いまおる人を降格するという意味ではありませんが、ランクが下がるなんということはあり得ませんね。設置法上で従来と同じ権限で同じ管轄区域で同じ仕事をやるわけですから、時間がたとうがたつまいが、基準については変わらぬのだということで私は理解をしておきたいと思うんですが、いいですね。
#49
○政府委員(長橋進君) 先ほど管区機関の長につきまして、指定職あるいは一等級というふうにいろいろ分かれておるじゃないかという御指摘がございましたが、そのように、同じブロック機関でございましてもやはり実態に即していろいろ評価が違ってくるわけでございます。したがいまして、今回支局とされた機関につきまして、六十年でございますか、その時点で現在の評価が権限が変わらなければそのまま続くかどうかというお尋ねでございますけれども、それはやはりいまの段階では申し上げかねますけれども、権限、組織――内部組織でございますけれども、業務量それから人員構成、そういったようなものが同じような状態でそのまま継続するということをいたしますとすれば一私はやはり評価の基準としてはそう軽々しく変更すべきものではないであろうというふうに考えております。
#50
○山崎昇君 軽々しく変更すべきものではない、それはしかと私ども承っておきます。少なくとも同じ仕事をやらしておいて、ただ機構だけ変わったから、名称が変わったからということで不利益になるようなことは断じて許されないし、あなたもするつもりはないと言うから、それはそういうふうに理解をしておきたいと思うんです。
 しかし、私が心配なのは、いまこういうようにホットに議論しているときはそれで済む。しかし、やっぱりあなた方もかわる、そのときにはこういう空気というのがわからぬから、いや行政機構の上でいけば一つ下ではないか、そういう論だって私はあり得るという見解を持つ一人なんです。そういう意味で心配をしておりますから、この点は人事院がそういう見解のようですし、恐らく今度の機構改革をやる各省もしかとそれは聞いておいてもらって、そういうことにならぬようにしておきたい。特に大蔵省はなかなか予算上でいろんなことを言うようだけれども、代表してあなたからひとついまの線はきちんとしますということを答弁しておいてもらいたい。
#51
○説明員(名本公洲君) 本日、私は行政大臣としての大臣の側で出席いたしておりまして、主計局サイドでございませんものでございますからちょっとお答えいたしかねますが、先生のお話は担当の局の方に伝えておきたいと思います。
#52
○山崎昇君 それはあなたが主計局でないことは承知の上で、だけどあなた官房審議官だろう、そうしてこういう行政機構をあなた扱っているんでしょう。だから、こういう審議を通じて国会の意思が那辺にあって、それから人事院の見解もそういうことですと、あなた方直接機構改革を扱う省としてはそういう職員の不利にならぬようにやりますということが当然じゃないですか。だから、そういうふうに私はあったものと理解をしておきたいと思います。
 もう私の時間がなくなってきましたから、本来ならもっともっといろいろ聞きたいんですが、次に移ります。農林水産省来ていますか。――あなたに一、二点聞いておきます。
 これは矢田部委員からも目黒委員からも繰り返し質問されたことだと思うんですが、重ねて私からも申し上げておきたいんですが、あの改善特別措置法と今度の支分部局のこの法律との関係で。私は、法律上のテクニック論も交えて言うならば、改善計画の一部を附則なんぞで、こういう形で行政機構論の附則で変更されるような印象を与えるやり方というのは不当だと思っております。だから本来で言うならば、あの附則というのは私はなくしてほしいという見解を持ちますが、なかなかそこまでいかないまでも、これは改善計画と十分勘案をしてやってもらいたい、改めてそれらについての決意を聞いておきたいことが一点。
 それから第二点は、私は林野関係の組合の皆さん、あるいは全農林の皆さんからも聞いておりますが、官側の皆さんから聞いてみても、最近の林野におきます欠員不補充のあり方というのはきわめて過酷に過ぎるんじゃないか、こういう意見がありました。それは私の手元に数字がありますが、定員内職員の場合で言えば八人ぐらいやめなければ一人が補充できないという、定員外の場合で言えば三十四名ぐらいやめなきゃ一人を補充しないという、現業官庁の林野がこんなことで現実にはもはやどうしようもない、こういう意見が私のところへ来ています。一体、林野はどういう実態にあるんだろうか。それから、行政管理庁はどうしてこんな過酷なことをやらなければならぬのか。私は代表して林野のことを聞いておりますが、これは特に現業官庁で日本の緑の問題と関連しますから聞いているわけなんですが、欠員不補充の原則はあるにいたしましても、こういう極端なやり方というのは私は改めるべきだと思うんです。これは行管にも聞きますが、林野庁にも聞いておきたい。
 それから、もう一つ林野に聞いておきますが、私はついおとといまでちょっと二、三日用務がありまして北海道へ行っておりました。最近北海道でも、道庁でもそうでありますが、白ろう病というのがまた大変な状況になってきて、関係者集まって真剣な討論がされているようであります。したがって、これは労働省とも関連いたしますから、公務員災害補償法のときに私は聞いてみたいと思っておりますが、林野として、この白ろう病の問題というのをどうされるのか。だんだんまたふえてきている。特に民有林関係にまたふえてきている。道庁で言うならば道有林関係にもふえてきている。こういう現場職員の災害対策というものについて、特に林野の場合は白ろう病という指定された病気がありますから、そういうものについて林野がどういう対策をお持ちなのか、今後どうされていくのか、あわせてひとつお聞きをしておきたいと思います。
#53
○政府委員(須藤徹男君) 第一点の国有林野事業改善特別措置法と今回の法案との関連でございますが、国有林野事業の改善につきましては、国有林野事業改善特別措置法に基づきまして策定されました改善計画に即して鋭意推進をしているところでございます。この改善計画の計画期間は、昭和五十三年度から六十二年度までの十カ年間でございます。かつその計画事項は、国有林野におきます森林資源の整備充実、事業運営の能率化、要員規模の適正化、組織、機構の簡素化、収入の確保などきわめて広範囲な内容となっております。また、この改善計画につきましては、同法附則第二項に基づきまして、計画期間内において必要に応じ見直し検討が行われることになっておるわけでございます。
 一方、今回の法案におきます営林局に関する規定は、改善計画につき必要な検討を加えることとなっているものの、結論的には営林局という組織、機構のみを対象としているものでございまして、しかも所要の措置を講ずる時限がいわゆる五十五年行政改革の最終年度である昭和五十九年度末とされているものでございます。
 したがって、国有林野事業改善特別措置法に基づきます改善計画の見直し検討と今回の法案との関係は、内部及び時限において全体と一部の関係にあるというふうに考えられるわけでございます。
 改善計画の推進中に営林局についてこのような規定がなされたゆえんは、先ほど来大臣からも御答弁ございましたように、昨今の行政改革に対する強い国民の要請を受けた内閣の方針に基づくものというふうに私どもは理解しておるわけでございます。したがいまして、現実におきましては改善計画を鋭意推進することに努力を詰めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、第二点の国有林野事業の要員問題でございますが、国有林野事業におきましては、近年の伐採量の減少傾向の中で事業運営の能率化が強く求められているところから、これに合わせた要員規模の適正化が改善計画の推進上きわめて重要な課題となっておるのでございます。
 一方、国有林野事業の要員の現状は、伐採量等の事業規模が過去の相当大きかった時期の影響等もありまして、最近の縮減しつつある事業規模に対比してみますと、相対的に過大であるというふうに考えておるわけでございます。したがって、国有林の適正な管理、経営を旨としつつも、当面は、定員内職員につきましては退職協約に基づきます高齢職員の退職の推進と新規採用の抑制によって、また定員外職員につきましては五十二年十二月に制度化を見ました基幹作業職員制度の適正な運用と新規採用の抑制によって、それぞれ要員規模の適正化を進めているところでございます。今後におきましては、当分の間、伐採量等の事業規模の減少傾向が続くこともあって、当面は退職と補充の関係において厳しい情勢は避けられないのでありますが、このような中にありましても、特に定員内職員につきましては高齢職員がきわめて多いという年齢構成上のひずみの改善が国有林経営、組織の保続上とりわけ重要な問題と考えられておりますので、新規採用につきましては長期的観点に立って対処していく必要があるというふうに考えておるのでございます。
 次に、振動障害の問題でございますが、民有林と国有林と分けてお答えを申し上げたいと思いますが、民有林労働者のうち、労働省が振動障害者として認定し療養中の者は五十五年三月末日現在四千八百九名であるというふうに聞いております。振動障害につきましては、これが発生しないようにすることが基本的に重要であるとともに、一たん罹病した者に対する治療に努力することが肝要であるというふうに考えております。このため、関係省庁により構成されております振動障害対策推進関係省庁連絡協議会を設置いたしまして連絡調整を密にしつつ、それぞれ振動障害対策を実施しておりまして、林野庁としましては、予防対策を中心に次のような施策を講じておるのでございます。
 一つは、振動機械使用時間規制等の予防措置の徹底でございます。二つ目は、振動の少ない機械及び代替機械の関発導入でございます。三番目には、特殊健康診断、治療実施体制の整備でございます。四番目は、振動障害対策巡回指導員によります振動障害予防検診等の徹底、これらのことを重点に進めておるわけでございます。
 それから国有林につきましては、認定者数は五十四年度末現在で三千五百三十三名でございますが、最近の新規認定者数は、予防検診対策の拡充に努めてきた結果、減少傾向を示しておるのでございます。対策といたしましては民有林の場合と同じでございますが、振動機械操作時間の規制の徹底、振動の少ない機械及び代替機械の関発導入あるいは振動機械を使用しない他作業との組み合わせ、特殊健康診断の実施ということでございまして、治療対策及び補償といたしましては、温熱療法を中心とした理学療法、運動療法による治療の実施、既設病院への併設ベッドの設置、国家公務員災害補償法に基づきます療養補償、休業補償等の所要の処置を講じておるところでございます。
#54
○政府委員(佐倉尚君) 要員の問題でございますが、私どもから申し上げますと定員管理の問題ということになるわけでございますが、財政再建を推進することは現下の急務であるというふうに思われます。このためには、政府みずからがやはり行政の徹底した簡素効率化を図る、それで減量化を推進していくということがぜひとも必要ではないかというふうに考えております。また、そういう姿勢を示すことによってそれが達成されていくんだというふうに考えておりますが、今後とも国家公務員につきましては、少数精鋭主義の原則にのっとりまして、厳正な定員管理を行っていきたいというふうに考えております。
#55
○山崎昇君 そんなことを聞いたんじゃないよ。
 林野の現場の労働者が仕事をやるのに、いまの定員管理のあり方からいって過酷な欠員不補充を押しつけているではないか。そういうことを改めなければあの緑の山を守ることはできぬではないか。だから、行管としてもあるいは林野庁としても、あるいはきょうは大蔵大臣いませんが、大蔵省は予算定員と称して過酷なやり方をしているじゃないですか。これでは公務の能率は上がるどころじゃない。病人ばかり出てきて、やがては大変なことになるから、したがって欠員の補充等についてはもう少し配慮をしなさいということをあなたに言っているんですよ。その点は取り違えないできちんと答弁しなさい。
 それから、長官、私は先ほど来申し上げているように、今度の支分部局のやり方というのは、本当に合理性もなきゃ整合性もなきゃ何のためにやるのかよくわからない、正直に言って。何で名前だけ変わったら、それで行政簡素化になるのかわからない。二階に中二階つくって何でいいのかわからない。また、権限等の問題についても、矢田部委員から指摘したように、幾つかの未解決の問題がある。ですから、私どもは今度のやり方については不当だと思っていますが、もはや私の質問時間もなくなってきたわけです。残念でありますけれども。
 そこで、長官、最後にあなたに聞いておきたいんですが、こういうやり方であなた方行政改革やるわけなんですが、少なくともそこに勤務している職員、あるいはその結成している団体、言葉をかえて言えば職員組合等々、こういう理由でここはこういう改革をいたします。そういうことを理解させなかったら、何で公務の能率が上がりますか。担当する職員は、住民に向かってどういう説明をしたらいいですか。そういう意味で言うなら、まず第一に、こういう問題等についても十分事前に私はその組合と話し合いをすべきである。それは、結論か出ない場合にはあなた方の権限に基づいて提案するもそれも一つの方法でありましょう。問答無用みたいに、何にも議論しないでこういう不当なものを出してきて、職員に押しつけるというやり方は遺憾だと。したがって、今後またこれからも行政改革等があるでしょうけれども、その際には十分関係する職員あるいはその団体である組合等々と協議をいたしますということを明確にしてほしい。
 ざらには、先般の委員会で私から配置転換等についてあなたの見解を聞いたら、あの昭和四十四年につけました附帯決議のとおりやりますと言うから、それはそれで理解をしておきます。重ねて私は申し上げておきますが、当時の佐藤総理と議論したときに、本人の事前に了解を得るようにいたします。団体等の役員の場合にはその団体とも事前に協議をいたしますということを、了解をとるようにいたします。これが総定員法当時の、代表して佐藤総理の答弁であったわけですから、当然これから配置転換その他等々が行われてくる場合もあるでしょうから、その場合に十分本人の了解を求めるようにしてもらいたい。あるいはそれらと関連する組合側とも十分私は協議するようにしてもらいたいと思うんですが、この点は行管長官から重ねて答弁を願いたいと思います。
 また、林野庁も先ほど答弁ありましたけれども、私は、附則で計画の一部が変更になるようなやり方は、立法技術論としても釈然としないものを持っています。釈然としないものを持っていますから、当然国有林野事業の改善特別措置法は六十二年度まであなた方やるわけですから、十分検討されて、いやしくも軽々な措置をとらぬように、この点だけは明確にしておいてもらいたいと思うんですが、この点は行管長官も、林野庁が行いますあの改善特別措置法に基づいて十分な慎重な検討をしていくわけでありますから、それをあなた方も理解をして、途中からささめを入れないようにしてもらいたい、こう思うんですが、これは林野庁の見解と行政管理庁の見解を聞いておきます。
#56
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回のブロック機関の整理再編成に当たりましては、職員の処遇及び労働条件につきまして適切な配慮を加え、本人の意に反する強制配転が行われることのないように、それぞれの機関の実情や慣行に応じた適切な措置がとられるようにいたしたいと考えます。
 また、林野庁に関しましては、国有林野事業改善特別措置法に基づく昭和六十二年度までの改善計画が進行中でありますので、右計画に基づく改善の進捗状況について十分に考慮することといたしたいと思います。
#57
○政府委員(須藤徹男君) ただいま大臣から御答弁ございましたように、私どもといたしましても慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
#58
○山崎昇君 そこで、私は長官にもう一つ。
 やっぱりいまの職員組合等々は、これはもう社会的な存在ですから、これを無視してあなた方が行政をやろうと言ってもできる仕掛けのものではありません。ですから、ほんとにあなた方が行政能率を上げるとか効率化していくというなら、当該の組合やあるいは地方本部にあります方々や、そういう方々と十分な話し合いをするのが筋道じゃないでしょうか。そういう意味で、職員組合等々との話し合いについて、あなた方十分やってまいります。そういうふうに私は理解をしておきたいと思うんですが、長官の決意を聞いておきたい。
#59
○国務大臣(中曽根康弘君) 公務員法やあるいは法制の原則を曲げることはむずかしいと思います。しかし、実際本人の処遇及び配置問題というものは非常に大事な問題でございますから、事実上各省庁においてそれぞれの慣行もあると思いますし、配慮を加えているのが実情ではないかと思います。これを一律に各省庁同じにやれと言っても、それは無理でありまして、各省庁ごとにおのおのの実情に応じたやり方があると思います。そういうようないままでの慣行等については尊重さるべきであると思います。
#60
○山崎昇君 あなた、回りくどいことを言っているんだけれども、率直に言えば、やはり組合等々もそれぞれ慣行もあるし、省庁ごとのやり方もあるだろうから、それらを勘案しながら話し合いはやっていきたい、こういうあなたの趣旨だと思いますから、私はそういうふうに理解をしておきます。
 もう私の時間はあと二分ぐらいしかありませんが、最後に、衆議院でも触れましたが、プライバシーの保護について一言だけ長官の見解を聞いておきたいと思うんですが、これはもう長官御存じのように、国の行政機関約二十省庁二百九部門ぐらいで三百七台ぐらいのコンピューターが入っています。地方公共団体も約九割近いものはコンピューターを利用していると言われています。あるいは、これは一つのデータでありますけれども、個人データも七億ぐらい入っているとも言われております。そして、地方公共団体の場合には、二十九団体でありますがプライバシーの保護条例をすでに持っているという状況も私ども聞いています。また外国の例を申し上げましても、かなり国際的にもこのプライバシーの保護という問題については進んでいるとぼくら聞いています。
 そういう意味では、これからますますコンピューター化していくわけでありますが、行管として一体このプライバシーの保護というものを今後どういう方針とどういう手順でつくり上げていこうとするのか。
 また、これとうらはらの問題でありますけれども、最近情報公開ということについて大変民間でも研究が進んでおる。あるいは学者先生なんかの意見もかなり最近出ております。また、きょうの新聞を見ましても、外国の例等々もかなり報道されております。そういう意味では、この情報の公開法というものとも関連をして長官の見解を聞いて、私の質問を終えておきたいと思います。
#61
○国務大臣(中曽根康弘君) プライバシーの保護の問題と情報公開の問題は、私は前向きに検討してみたいと思っております。
 まず、プライバシーの保護につきましては、OECD等の勧告もございますし、お示しのとおり最近コンピューターが非常に発達してまいりましてそれがインプットされている、こういう現実が出てきております。したがいまして、人権の保護という面あるいは営業機密の保護と、いろんな面からしましても保護立法というものは私は必要ではないかと考えておりまして、その具体的なやり方等につきましては研究さしてまいりたいと思います。
#62
○矢田部理君 一点だけ、関連して通産省に伺っておきたいと思いますが、以前の質問で私が留保をしておきました鉱山保安監督部長の権限委譲に関して、再度確認的な質問をしておきたいと考えております。
 前回の通産省側の答弁は、率直に言って乱れておりましたので、整理した答弁を含めてお願いをしたいと思うわけでありますが、その内容は、改めて申し上げるまでもなく、四国と大阪にあった鉱山保安監督部をなくして支部にする、そうしますと、部長の権限として鉱山保安法に規定されていたものが一体どうなるのかということについての質問であります。それに対して、行政権限の委任、委譲等については内部委任と外部委任という法学上の概念があるわけでありますが、どういうふうにこの点を考えておられるのか。部長の権限は支部長に移転するんだから大丈夫だと言われておりますが、内部委任的なもので全部かつて持っておった部長の権限が支部長に移るのかどうか。
 関連して伺っておきたいのは、通産省の設置法でありますが、この三十五条によりますと、「局務の一部を分掌させるため、」と「部務の一部を分掌させるため、支部を設置することができる。」というふうになっているわけです。ここで三十五条との関係をどういうふうに考えるかということになるわけでありますが、この三十五条によりますと、全部の委譲を前提としていないんですね、部務の一部を分掌するとなっている。全部委譲ではなくて分掌だということになりますと、どうも部長が持っておった権限の一部しか移転させられないのではないか、内部委任ができないのではないかというふうにも考えられるわけでありますが、この三十五条との関係についてもあわせて答弁をいただきたい。
 以上であります。
#63
○政府委員(柴田益男君) 鉱山保安法上の監督部長の権限を支部長に委任いたしまして、支部長の名において当該権限の行使を行い得る体制にするためには、先生御指摘のとおり、法律の根拠が必要でございます。ただし、われわれが現在考えておりますのは、個別の行政事務の処理を効率的、機動的に遂行するため、いわゆる内部委任と称される委任の方法で、従来保安監督部として行使していた諸権限のうち必要なものにつきまして支部長限りでこの事務を行えるようにするものでございまして、先生ただいま御指摘のとおり、三十五条の関連で、全部を委任するものではなくて必要なものについて委任してまいりたいと、そういうふうに考えております。
#64
○矢田部理君 そうしますと、従来の答弁ですと、変わらないんだと、部がなくなっても支部がありますから大丈夫なんですと、全部そこに権限は委譲しますという誓い方は、少しいささか答弁を変更されるように受けとめられるわけでありますが、そうするとどの権限が委譲し、どの権限が委任しないのかということも明確にしておくべきだと。というのは、鉱山保安監督業務というのはきわめて重大であるばかりでなしに、緊急な課題、権限や責任の問題が発生するわけでありますので、その点はどういうふうに考えるのか。とりわけ住民とか鉱山で働く人々とかいうことについてかかわりが出てくる部門については、これはもう全面的にやっぱりその責任と権限を明確にしないと問題が後に残るというふうになるわけでありますので、その点だけつけ加えて質問して終わります。
#65
○政府委員(柴田益男君) 事務の委任につきましては、鉱山保安法上、鉱山保安法の運用上支障のない限り委任するということでございまして、先生御心配のような点を踏まえまして、今後の内部委任につきましては十分検討してまいりたいと、かように考えております。
#66
○秦豊君 私は九州の財務局問題をまず取り上げてみたいと思いますけれども、これは御高承のとおりであって、今度は逆転が演じられたわけですね。五十一年の行革では熊本が福岡にという話であったのが、今回はまさに逆転して熊本に福岡をと、こうなったわけだから、九州ではこれを南北戦争と呼んだわけですね。
 それで、私は最初に中曽根さんに伺っておきたいんだけれども、最初は、たとえば当該所轄の大蔵省のある首脳にしても、あたかもいま九州場所だけれども、これはまあありていに言って、横綱と十両の勝負だろうと、こう見ていたわけだ。ところが、ことしの三月十二日ごろにどうやら大きな転機があって、三月二十八日だと記憶しますけれども、閣議で取り決めが行われたと、これが長官御存じの経過です。これはもっとずばりと言えば、これも大蔵省ある首脳の発言だけれども、南の布陣はずっしりと重量感があったと。南の布陣というのは、大蔵人脈を中心にした布陣だと、こういうコメントまでついているわけだ。だからはっきり申し上げて、今回のことはまさに熊本、大分、宮崎、鹿児島の四県連合の一応の結束も物を言ったことは事実だけれども、しかしやはり大蔵省の首脳が言っているように、政治力の格差が結論に響いたと、こういう見方を私はなかなか否定しにくいと思うのですよ。
 中曽根長官も、これ、この間もこの場でさんざん論議が行われ、きょうも先輩、同僚議員からさんざん質問が行われたわけだけれども、この前なんかは、あなたはとうとう福岡、熊本というけれども、重要度では甲乙はつけがたいと、どちらかにしなければならぬとすれば、それは歴史のふるさとが残されていくだろうと。そうしたら、方々の席から、あなた何てロマンチックな人なのというふうなまあ不規則発言がかなり明瞭に聞き取れましたけれどもね。私自身も、長いマスコミ生活から、あなたについてのイメージは論理明快、鋭利というふうな印象を持っていたものだから、やっぱり長官になると苦労が絶えないんだなあと思いましたけれどもね。
 特に行管庁長官というのは、どなたがお座りになってもなかなか目覚ましい成果というのは上がりにくいという奇妙なジンクスがありましてね。これは長官個人の抱負や経綸や能力や識見にかかわりなく、歴代内閣全体の基本的な方向と姿勢がそのまま行管庁長官の限界になると、こういう宿命を持っておると思うのですよ。私にもっと言わせれば、言えばですよ、長官の言われたその歴史のふるさとが残されていくだろうなんというのは心外な答弁でありましてね。これは谷千城の熊本鎮台と黒田藩の歴史じゃあるまいし、やはり当今の行政需要とか行政サービスの実態とか、九州における中枢管理機能としての福岡市のありようとか、いろいろなものを公平に考えた場合、やはり中曽根さんらしいひねった答弁ではあり得ても、私は聞こえない答弁だと言わなきゃいけないのです。やはり地域と結びつかない行政サービスはないんだし、それから九州全域の経済活動の活力とか、あるいは熊本の皆さんがおっしゃっているように、財務局を熊本に持ってきたら浮揚効果があるんだ、テークオフと結びつくんだというふうな言い方にも私は説得力を感じない一人なんです。
 だから、あえて今回の北九州財務局を熊本にという今回のあなた方の結論というのは、私はやはり客観性と論拠に欠ける措置であると言わざるを得ないので、何回も何回も答弁をされておりますけれども、改めて中曽根長官のまず答弁をあえて伺っておきたいと思いますよ。
#67
○国務大臣(中曽根康弘君) ここで何回も御答弁申し上げましたが、私は福岡と熊本と比べてみた場合にどちらが重要性があるかと言えば、やはりこれは甲乙つけがたいと、そう思います。いろいろ役所の機能等につきましては、一長一短のものがあると思います。それで、結局同じような重要性を持っている場所であるということになりますれば、最終的にはやっぱり歴史の古さというような形で判定せざるを得ないだろうと、熊本の方は明治二十九年に税務監督局というようなものができて、連綿とした歴史を実は持っておるんです。それが昭和十六年でございましたか、いまのような形になった。福岡の方は戦後、二十三年でございましたか、たしか戦後であったと思います。そういう面からいたしまして、この愛惜度と申しますか、あるいはさらに福岡の場合には相当いろんな官庁があって集積効果もかなりあるようにも思います。それだけにまた重要性もあるわけでございますが、結局は最終的判定をするという場合に、大蔵当局におかれてもう全く困ってしまって、結局はそういう明治二十九年からずっと連綿として続いたところの方に軍配を上げざるを得なかったのではないかと、そういうふうに私は想像しておるわけであります。
#68
○秦豊君 余り行管庁長官としての最高判断に想像がまじっちゃいけませんよ。
 これは自民党のある熊本県選出の代議士の発言なものだから特に名を秘しますけれども、こういう発言が堂々と大見出しで活字になっている。これだけの大蔵人脈と大物がいて南が廃止されでもしたら末代までも熊本は笑い物になるよと、これはかなり長官もよく御存じの中堅以上の代議士の発言ですがね。その一連の報道の中に、たとえばとして園田現厚相、園田前国土庁長官、そして元防衛庁長官坂田氏、そしてさらに南九州財務局長迫水久正氏は大蔵省大先輩迫水久常氏のジュニアというふうなことがずっとコメントが並べられていていまの発言に結びつくんだけれども、想像を交えないであえて重ねてあなたから答弁を求めたいんだけれども、いろいろ展開をされた猛烈な陳情あるいはいわゆる政治工作と言われるものにはあなたの判断は全く影響されていない、非常にすっきりした透き通った結論であったということがあなた断言できますか。
#69
○国務大臣(中曽根康弘君) 政治力によって物が決められたとは思いません。大蔵省が実はこれは決めたわけで、行管庁が決めたわけではない、大蔵省の方針をわれわれは了承したということでありますが、そういう意味で私はそのように拝察したと申し上げたのでございます。やはり明治二十九年からの連綿としたという歴史は重みを持っているんではないかと思います。
#70
○秦豊君 これは中曽根さんにまた伺っておきたいんだけれども、大体いまみたいに国の出先機関というのが増殖する一方であるというのはたとえば旧憲法から現憲法にかわった、つまり地方制度が抜本的に転換をした一九四五年というところがもちろん画期になっているし、内務省から自治省への変化が当然背景にあるわけなんだけれども、これはやはり、たとえば臨調の答申なんか見ましても、いまみたいに出先機関がこれほどのカーブでふえたということはせんじ詰めれば中央省庁、つまり皆さんが公選知事を余り信頼していない、やや警戒的であった、それから中央省庁の権限拡張癖を主たる原因としてとらえているわけですよ。これは、たとえば中曽根長官によれば、そのような臨調の答申の指摘などについてはどう思われます。
#71
○国務大臣(中曽根康弘君) そういう傾向は私は必ずしも否定できないと思います。
#72
○秦豊君 いまでは国の出先機関の存立の基盤、最大の論拠を何に置いていらっしゃるんですか。
#73
○国務大臣(中曽根康弘君) ここでも前に御答弁申し上げましたが、戦前はわりあいに官治行政が強くて、府県知事は内務大臣あるいはそのときの政府が任命して、中央の筋が一貫して全国に通っておった。ところが、新しい憲法のもとに地方自治ということになりまして、分権制度が非常に前進してまいりました。そういう面から、中央所管庁がいろいろ仕事をしていく上について不安を若干感じた。あるいはさらに、非常に行政の膨張期に世界的になりまして、環境であるとかエネルギーであるとか、いろんな問題が出てまいりましたそういうときに、能率的にスピードアップして物事を処理したいという面から、やはり自分の出先を置いて自由に扱った方がやりやすい、そういう便宜的な面もあったんだろうと思います。
 しかしまた、その一面においては、今日の社会経済条件あるいは文明の性格というものが、かなりスピードアップとかあるいはきめの細かさというものを要求されておりまして、ストレートに物をやらぬと住民が満足しないという面も必ずしもなきにしもあらずです。また、地方自治体が必ずしも国民やあるいは県民の期得するどおり能率的にやっていたとは言えない面もあるわけであります。そういういろんな条件からいまのような形になったのであって、この形が私は理想的なものとは思っておりません。大いに改革を要する点があることを確信しております。
#74
○秦豊君 これは財務局に限らぬことなんですが、伺いたいポイントは、たとえば現業とかあるいは現場的な実施事務を所掌をしない、言ってみれば間接部門の出先機関、特にブロック機関ですね、これは今後全国的にどういう視点で見直そうとするんですか。現状でいいとはお考えになってないようですから、どうされるおつもりですか。
#75
○国務大臣(中曽根康弘君) 第一次臨調の答申におきましては、出先機関を整理統合するという方針が示されております。そして、その後現在に至るまで、世論等々を見ましてもまた国会における御論議を見ましても、やはりその傾向の議論が一貫して強く流れているように思います。これらを踏まえまして、恐らく第二次臨調におきまして中央と地方との関係を判断する場合に、議院がどういうふうに御判断なさるか、それによりますけれども、これはやはり相当重大な資料としてお考えになるべきものではないかと思っております。
#76
○秦豊君 念のためにこれは伺っておきたいんですけれども、たとえば今回一連の作業の中で結論に至るまでの、北陸財務局を近畿またはいわゆる東海財務局に、それから四国財務局を中国財務局に統合をすべきではないかという意見具申や検討は一体あったのかなかったのか、どうなんでしょうか。
#77
○説明員(名本公洲君) ただいま先生の御質問は、私、大蔵省の方にどこからかそういうお話があるかなかったかということかと思います。大蔵省といたしましては、南北両財務局を統合することを決定するに当たりましては、先生ただいま御指摘のような点につきましても種々検討をした結果九州の二局を統合するという結論に至ったわけでございまして、全く先生の御指摘の北陸、四国についておよそ何も考えないで九州を考えたというわけのものではございません。
#78
○秦豊君 それから、たとえばこれは管区行政監察局に関係するんだが、行政監察局、地方医務局、四国ではずらっとこう廃止統合する。ところが、同じ四国には別に地方建設局もあれば、通産局もある。こういう出先機関についての検討というのはゼロであったのか、その点どうなんでしょうか。
#79
○政府委員(林伸樹君) 先生御指摘のように、四国にもブロック機関がたくさんあるということは承知しているわけでございますが、私どもの八管区の中でどれか一つ減らすということを考えた場合に、やはり管轄区域なり、あるいは管内の行政機関の数なり、あるいは隣接ブロック機関との関係なりというようなことを総合的に勘案して決めたということでございます。
 ちなみに申しますと、管区のないたとえば北陸――よその省には幾つか管区ございますけれども、わが庁では地方局しかないとか、そういうのがほかにもありますが、四国はそれが今度は非常に大きくあらわれるということでございます。
#80
○秦豊君 あなた方というのは非常に特異な才能を持っていて、特にエリート官僚というのは非常に看板の塗りかえとか、ネーミングとか、キャッチフレーズドはたけているんで、今度の場合もぼくは、たとえば同僚、先輩議員がさんざんいろんな具体的なポイントをついてもどこがどう変わるというのは全くないんですよ。けど、確実に看板は塗りかわっていく。だから、いまから聞くこともその一つなんだけれども、新潟海運局を海運監理部、それから十九の地方貯金局は貯金事務センター、まるで民間機関の名前みたいなものだけれども、改組するということなんだが、事務と組織の内容というのは一体具体的に簡素化されるんですか、そんな自信お持ちですか。
#81
○政府委員(永井浩君) 新潟海運監理部につきましては、対外的な、海運局においでになります国民あるいは関係事業者の方に対する権限は変えないつもりでございます。ただ、行政の基礎となります調査、企画あるいはそれらの調整、取りまとめといった問題につきましては、これを関東海運局に統合して事務の簡素化を図りたい、こういうふうに考えております。
#82
○秦豊君 これは行政庁にぜひとも伺っておきたいんですが、これもぼやけている一つなんだが、たとえば財務局、行監局、医務局、海運局、地方貯金局すべてについて看板をかえる、多くのものについて。今後どう事務が削減され、内部機構が簡素化され、しかも行政サービスが改善されるのかという、それを一体これだけの省庁の中でどこがチェックをし、どうやって点検をするのかというと、やはりこれは行管庁の大きな業務になるでしょう。そうでしょう。それは具体的にどうお進めになるおつもりなのか、伺っておきましょう。
#83
○政府委員(佐倉尚君) 先生のいまのお話は、それぞれのこの法案に盛られておりますブロック機関の統廃合の後どのような組織を置くかということに関連をしているわけでございます。
 これにつきましては、五十六年度の予算編成過程を通じまして、当然ながらこの趣旨にのっとりまして、簡素にして効率的な体制をとっていくというように検討しているわけで、現在その作業を各省と協議のもとに進めているわけでございます。それによりまして、事務の仕方あるいは人員がどのように合理化されるかというのは予算編成のときにやっていくということでございます。
#84
○秦豊君 あなたの言うのをもっと具体的に言えば、来年度予算がもし獲得できれば行政改革推進実施点検各省庁連絡協議会というふうなことになるの。
#85
○政府委員(佐倉尚君) 私どもの方は機構と定員についての問題を予算と並行していろいろ形づくっていくわけでございますので、それを通じましてブロック機関の廃止になった後の機構その他につきまして必要な措置を講じていくということを申し上げたわけでございます。
#86
○秦豊君 余り期待してはならぬということのようだな。
 これは臨時行政調査会の答申なんかにも出ていますけれども、これもさんざん議論された古典的な論議なんだが、たとえば地方制度調査会の最近の意見でも臨調の意見でも同じなんですが、地方出先機関のあり方というのは、言うまでもなく、久しく言われてきた国と地方自治体との間の事務の再配分ですね。具体的には、一体国は地方自治体に何をどう、いつ移譲するのかという権限移譲と事務所掌の移管の問題が当然絡んでくる。それをさらに延長すれば、補助金行政をどう合理化するとか、自治体を規制する――たとえば許可、認可の簡素化を一体具体的にやるつもりがあるのかないのかという問題に全部これ拡大していくし、絡まっていくわけなんです。
 今度のこのいわゆる中曽根行革をずっと見ていて、こういう根本問題というのが余り頭を出していないように思う。踏まえられていないのではないかという疑いを私は持っているんだが、どういうふうに把握し、どういうふうに踏まえてここまで来たんでしょう。
#87
○国務大臣(中曽根康弘君) ここでも申し上げましたように、五十五年行革を見、また第一次臨調の答申等もよく見まして、そして考えたのが、前によく申し上げましたように、減量経営、仕事減らし、それから行政サービスの改善、それからいわゆる八〇年代を展望する政府のビジョン、機構のあり方等を決めていただく委員会をつくる、そういうことでございます。
 それで、これから八〇年代、九〇年代にかけて日本の政府がどういうふうな形であるべきか、その機能はいかなるものであるべきか等々そういう問題につきましては第二臨調で結論を出していただこう、そういう考えに立ちまして、われわれ自体も検討はしておりますが、第二臨調で相当力のこもったものをつくっていただこう、こういう考えでおるわけでございます。
#88
○秦豊君 何かこう聞いていくと、それは第二臨調、やがて法案がこの参議院にも回ってきますよと言われるんだけれども、やはりある基盤と理念を踏まえた中曽根行革でなければ、いま就任して日が浅いからそういう根本問題は全部第二臨調ですよというのは、私は行政最高責任者の一人としてはやはり、失礼ながら、逃げの構えだと言わざるを得ませんよ。
 そこで、たとえばそれに関連するんだけれども、府県単位機関の整理というような問題、じゃこれも臨調ですか。これはもうずっと古くからあって、行管庁は行政監理委員会の検討にまつんだと、これも在来答弁ですよね。
 ところが、最近出されたこれについての行監委員会の意見というのは、私どもから言わせれば、きわめて微温湯的でしかないとしか言いようがない答申なんです。だから、いろんな反応も、専門学者を含めた反応もそろって不評であったということは御存じだろうと思いますが、こういう問題も第二臨調なんですか。
#89
○政府委員(佐倉尚君) 行政監理委員会から御答申いただきました都道府県単位機関の問題でございますが、あの答申に沿った形で、これは第二臨調ということではなく、さしあたりやる問題としてとらえておりますので、現在各省庁と折衝中でございますが、できるだけ早い機会に必要な措置を閣議決定し、またお願いするということをいたしたいと思っています。
#90
○秦豊君 それは、その部分だけはわからぬではないけれども、局長、だけれども、何もかも第二臨調にどうぞよろしくというふうに白紙委任をするんじゃ主管省庁たるあなた方の責任が果たせませんよ。だから、やっぱり付議する前に、行管庁としてはこういう範囲でこういう方向で実はお願いしたいと思うんだが肉づけをよろしくと言うんならぼくはわからぬでもないけれども、そういう素案と基本はおありなんでしょうな。
#91
○政府委員(林伸樹君) 先ほど管理局長からの答弁にありましたように、当面なすべきことは、これはことにもうすでに政府として方針を決めていること、あるいは現に決めつつあることは着実に実施していくということでございますが、それだけでなく、さらにもっとより徹底した行政改革を進めていくにつきましては、八〇年代以降これからの大きな社会経済情勢の変化に即応しましてより広い視野で長期的に見て抜本的な改革をしていく必要があるんじゃないか。ですから、当面やることと、それから長期的なビジョンをつくり抜本的な改革案をつくるということは並行して進めていきたい、こういうことでございます。
#92
○秦豊君 これはさっきの中曽根長官の答弁にも関連するんですけれども、国の出先機関というのを考えた場合に、戦後といまとでは全くもう相貌が違うわけですよね。これは専門家がしばしば述べているんだけれども、たとえば大きく変貌したという現実を踏まえて、あくまでも国が直轄すべき現業というのはちゃんとここにある、国が直接すべきものですね。今度は現場的な実施事務、これはもう言うまでもなく、たとえば登記があるし、それから海上保安があるでしょう。さらに気象なんというものも現場的な実施事務に入りますよね、範囲としては。そういう現場的な実施事務、登記、海上保安、気象などを除いたものは、これは全面的に廃止することが可能ではないかという問題提起がありますよね。まあこれももちろん第二臨調の守備範囲の一つでしょう、そうでしょう、違いますか。
#93
○政府委員(佐倉尚君) 第二臨調でどのような御議論をしていただくのかということは、先生のお話で、前もって政府の方がそれぞれ考えてということもございましょうけれども、第二臨調の先生方の御意見もあろうかと思います。ただいまお話のありましたブロック機関それぞれの現場的機能の強いもの、あるいは若干弱いもの、いろいろございますが、そういうものはやはり都道府県、地方公共団体も国からの機関委任事務をずいぶんやっておりますので、そういうものとの関連等権限の移譲あるいはその事務処理体制の問題、そういうものを全部勘案してやっていくというのはかなり基本的な問題でございますので、第二臨調でも御議論がいただけるのではないかというふうに考えております。
#94
○秦豊君 中曽根長官にぜひ伺っておきたいことがあるんですが、時間のようだからそれを最後にしたいと思いますが、たとえば今後第二臨調ができる、そのこと自体は結構だと思いますよ。ところが、またつくったら非常に概念的な、抽象的な答申、たとえば例の行政の守備範囲論とか、それから行政改革のビジョン第三とか第四とか、こういうものだったら私は屋上屋になるし、実体的な機能を果たす基盤にならないと思うわけなんです。そこで、私は基本的な原理原則を検討してもらうとともに、原理原則を具体的に適用をした、たとえば簡素合理化案とかいう裏づけを持ったプランも同時に出してもらわなければ、私は第二臨調をつくる意味がないと思う。と申し上げる意味合いは、たとえばこれ昭和三十年代、六〇年代からの膨大な答申を幾ら読み返してみたって、あれがなぜいわゆる現実と結びつかなかったかというと、臨調は意見を具申するだけだと、アメリカのフーバー委員会とはわけが違うんだと、その辺にずらずらとたくさん並んでいる審議会みたいなものなんだからあれが限界なんだよ、幾ら野党の議員が声張り上げたってだめなんだ、だめなものはだめなんだと、こういう冷ややかな見方もあるわけだ。
 そこで、こうしたらどうかと私考えているんだけれども、たとえば裏づけになる全体的な年次実施計画、それから一つ一つの改革に関連をした法律とか、それから政令とか省令等をどう改正すべきかという意見、それから毎年度の予算編成の中での行政改革に関連する事項の査定、こういうつまりプランを裏づける基盤ですね、具体的なもの。こういうものもやはりこの第二臨調の具体的な、中曽根長官に対する答申の中にあわせて具備すべきである。そうでないと、答申御苦労さんでしたと、長年にわたり御苦労と、後は各省庁の次官クラスでつくったこういうセクションで処理しますよと、こなしますよと、交通整理しますよと、これでは、その各省庁の次官クラスがつくる機関というのは必ず隠れみのになったり、それから、言っちゃあれだがサボタージュするための合法的なクッションになるんです。だからそれを避けるために、しかもいやしくもあなたが行管長官になっていらっしゃるんだから、いままでの繰り返しではあり得ない。あり得てはいけない。ならば、私の申し上げたような含め方を含めて第二臨調では最後の段階で、仕上げの段階では私が責任を持つ、官僚的なクッションには委ねないという決意を込めて私のいまの質問に答えてもらいたいと思います。
#95
○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる第二臨調におきましては、ここで申し上げましたように、できるだけ具体的な答申を得るように努力いたしますと申し上げました。お示しのように、諸般の問題に関する判断、方針をお示しを願うと同時に、その実行方法につきましても今回はできるだけ具体的にお示し願うように努力したいと思います。
#96
○秦豊君 終わります。
#97
○堀江正夫君 本日まで、四日間にわたりまして、参考人の意見聴取を含めまして詳細な審議が行われてきたわけでございますが、恐らく私の質疑の後採決に移ると思います。
 最後に、私は特に北九州財務局の南への統合による福岡の財務支局の問題につきまして四つの点をお尋ねをいたしたいと、このように思うわけでございます。と申しますのは、今度の地方支分部局の統合の問題で北から南に財務局を統合する、大が小に統合されるというきわめて特殊なケースでございまして、統合された後の北の方の運営というものは大変な問題を抱えておると、このように思うからでございます。もう予定の午前中の審議時間もずいぶん超過をしておりますから、私は一括して四項目御質問いたします。よく聞いておいていただきまして。行管あるいは大蔵の方から質問の後で御返事いただきたいと思います。確認の意味で私は御質問しますので、もう結論だけを簡単に御返事いただきたい、このようにお願いします。
 第一の問題は、政府はこの四日間の審議を通じまして、北九州の財務局を南へ統合しても行政サービスの面では低下させることはないということを再々明言をしておられるわけでございます。ただ、これまでの審議あるいは参考人の意見等からもうかがえますように、北九州財務局の南への統合という問題は行政サービスの大きな低下を招くおそれがあるのではないかという懸念、これ完全にぬぐい去ることもできないんじゃないか、このような気がしてならないわけであります。もちろん、政府の方では最善を尽くされると思います。そこで、六十年の三月には一応廃止されるわけでありますが、統合された後その行政の実態によっては改めてこの組織については再検討する必要が生ずるということは否めないのじゃないかというような気もするわけでございます。そこで、まだやってもいないのに先のことが言えるかというようなことかもしれませんけれども、特に問題があるところでございますので、統合後再検討もあり得るんだという含みも十分に考えておいていただく必要が実際の問題としてはあるんじゃないかと、このように考えますので、あえてこの点をお聞きしたわけでございます。
 第二番目の質問は、いままでの審議の中で金融、証券に関する業務については支局長に権限が委任されるというふうに承っております。あと一つの、国有財産並びに公務員宿舎の実態からします国有財産部門の問題でございます。その管理、処分事務並びに公務員宿舎の総括事務、これなんかについても北の抱えておる業務量その他から見ますと、支局長に全面的にやっぱり委任をされる必要があるんじゃないかと思うわけでありますがどうお考えなのか、それが第二番目の質問でございます。
 第三番目は、行政サービスの低下を来さないようにいろいろ配慮していただく、そのためには、一環として国有財産地方審議会についてその運用を付議案件の重要度に応じてやっていただく必要があるんじゃないか。したがって、その運営についても十分に実態に応ずるように考えなければいけないんじゃないかと、こう思うわけでありますが、その点はどうお考えになっておるか。
 最後は、統合後におきまして、福岡の財務支局は、管理部門と管財部門を中心に簡素合理化を図っていく、このようなお考えだというふうに承っておるわけですが、支局の組織を維持していく上で必要な管理部門、こういった面はもちろん置かれるんだと、支局にしたからといって何が何でも人は減らすんだというようなことはあり得ないんだと、このように理解をしておりますが、いかがでございますか。
 以上、四点でございます。最初に言いましたように、行管からでも大蔵からでも結構でございます、政府としてのお考えを確認をいたしたい、このように存じます。
#98
○説明員(名本公洲君) お答えいたします。
 第一点の、行政サービスの低下を招くおそれがあるという御指摘でございますが、これにつきましては、私どもといたしまして、行政サービスが低下することのないように十分な手当てをいたしてまいりたい、そのような意気込みでまた関係当局との折衝も、これは来年度の予算にかかわることでもございますので十分折衝をしてまいらなければならないというふうに考えております。
 五十九年度末におきます支局を廃止するものとするというサンセット条項に関してでございますけれども、これに関しましては、行政管理庁の方からのお答えもすでにございましたけれども、その時点におきまして、地元の事情、行政サービスの問題そういうふうなものを十分勘案いたしまして、その時点でどういう体制が最も適当であるかという点から十分な検討を加え、判断をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、国有財産関係の点につきましては、国有財産の担当が参っておりますのでそちらから答弁させていただきますが、最後に、支局の管理部門についての御指摘でございます。支局が存在いたし活動してまいるためには管理部門が必要でございます。必要な手当ては、これにつきましても十分やってまいらなければならない、それがありまして初めて行政サービスの維持ということも可能なわけでありまして、そういう面から十分配慮をし関係当局と折衝をしてまいりたい、かように考えております。
#99
○説明員(山口健治君) ただいま堀江先生から御指摘のありました第二の点についてでございますけれども、これは、金融、証券については権限が委任されているけれども、国有財産の管理、処分あるいはその宿舎事務についてはどうなのかという点でございますけれど、この点につきましては、われわれも法案を提出する際に協議を受けまして、いろいろ検討したわけでございます。それで、一応大蔵省といたしましては、これらの国有財産関係事務につきましても、合併後地元の地域住民の行政サービスの低下を来さないように十二分に検討して、そのやり方について配慮していくというふうに考えております。
 それから、先生の御質問の第三点でございますけれども、国有財産地方審議会についてはどうなのかと、福岡中心になったらどうなのかという御指摘でございますけれども、地方審議会と申しますのは、御承知のとおり法律に基づいて財務局ごとに設置されるということになっておりまして、財務局長の諮問に応じまして国有財産の管理及び処分について調査、審議をする、並びにこれに関連する事項を局長に建議するという仕事をやってございます。したがって、南北九州財務局が合併した場合に、この地方審議会というのは九州全体の事案について調査、審議し、また建議するということになっておるわけですけれども、これは他局においては従来からの慣例に従いまして財務局所在地においてずっと開催してきております。しかしながら、このたびのような大きな局が二つ一緒になるという場合にはまあ例外がなくはございませんので、その付議事案の重要度とか、あるいはどれだけの件数がどの地域に存在しているかとか、あるいは国有財産地方審議会の委員さんの出席状況その他を総合的に勘案いたしまして、住民及び関係官署あるいは関係者から支障のないように弾力的に運営を図っていくと、こういうふうに考えております。
#100
○委員長(林ゆう君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#101
○委員長(林ゆう君) それでは速記を起こしてください。
    ―――――――――――――
#102
○委員長(林ゆう君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山内一郎君が委員を辞任され、その補欠として斎藤十朗君が選任されました。
    ―――――――――――――
#103
○委員長(林ゆう君) 他に御発言もなければ、両案件の質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認めます。
 これより両案件を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに両案件の採決に入ります。
 まず、地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#105
○委員長(林ゆう君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、四国行政監察支局等の設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。
 本件を承認することに賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#106
○委員長(林ゆう君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 この際、矢田部君から発言を求められておりますので、これを許します。矢田部君。
#107
○矢田部理君 私は、ただいま可決されました地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    地方支分部局の整理のための行政管理庁設置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 一、政府は、地方支分部局の整理再編成を行うに当っては、国民の立場に立った行政サービスの一層の向上に努め、本法の実施に当っては、行政のサービスの低下をきたさないよう配慮すること。
 二、政府は、本法の実施に当っては、関係機関に勤務する職員の処遇ならびに勤務条件について当該職員の情況をよく勘案するなど誠意をもって対処し、適切な配慮を加えること。
  右決議する。
 以上であります。
#108
○委員長(林ゆう君) ただいま矢田部君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#109
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、矢田部君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 この際、中曽根行政管理庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。中曽根行政管理庁長官。
#110
○国務大臣(中曽根康弘君) 両案件をそれぞれ可決、御承認いただきましてまことにありがとうございました。
 御審議の間におきまして承りました貴重な御意見を体し、一層の行政の改革、合理化に努めてまいる所存でございます。
 また、ただいま御決議がありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、最善の努力をいたしたいと考えております。
 今後ともよろしくお願いいたします。
#111
○委員長(林ゆう君) なお、両案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#112
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後二時再開することとし、休憩いたします。
   午後一時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十分開会
#113
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案並びに公共企業体職員等共済組合法及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
#114
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、このたび、別途、本国会で成立いたしました厚生年金保険法等の一部を改正する法律による年金額の引き上げに伴い、国家公務員共済組合法等の規定により支給されている年金につきまして、年金額の算定の基礎となる定額部分の額及び最低保障額を引き上げようとするものであります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、厚生年金における年金額の引き上げに伴い、退職年金等の額のうち通算退職年金の額の算定方式に準じて算定する場合の定額部分の額及び通算退職年金の定額部分の額を引き上げるごとといたしております。
 第二に、国家公務員共済組合法及び国家公務員共済組合法の長期給付に関する施行法に定める退職金等の最低保障額を引き上げることといたしておりますが、これも厚生年金における年金額の引き上げに伴う改善であります。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#115
○委員長(林ゆう君) 塩川運輸大臣。
#116
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま議題となりました公共企業体職員等共済組合法及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 この法律案は、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等につきまして、別途、会で成立いたしました厚生年金保険法等の一部を改正する法律による厚生年金における年金額の引き上げに伴い、所要の措置を講じようとするものであります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、退職年金等の額の算定方式のうち通算退職年金の額の算定方式に準ずる方式における定額部分の額につきまして、昭和五十五年六月分からその額を引き上げることといたしております。
 また、通算退職年金の額、の算定方式における定額部分の額につきましても、同様にその額を引き上げることといたしております。
 第二に、退職年金等の最低保障額につきまして、昭和五十五年六月分からその額を引き上げることといたしております。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の五、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#117
○委員長(林ゆう君) 以上で両案の説明の聴取は終わりました。
 これより両案に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#118
○野田哲君 まず、公務員の共済年金の諸制度と連動している、そしてその前提になっている公務員の給与の取り扱いについて、きょうは人事院の総裁並びに局長に対して数点お伺いをしておきたいと思います。
 八月八日に人事院の勧告が行われました。それから、これについての政府の最終的な決定が行われたのが十月三十一日であります。いままで本委員会で公務員給与の取り扱いについて、毎年の審議の中で、人事院の勧告に対する政府の決定がおくれ、そうして、さらに法改正がおくれていつも四月からの給与の改定に対する差額の支払いが本人の手に渡るのは十一月の下旬ないしは十二月、こういう状態は問題があるのではないか、こういう点で毎回の議論になっているわけであります。その都度政府の方では、勧告が出ればできるだけ早く政府としてもその取り扱いについて閣議決定を行って、できるだけ早い機会の国会に法案の審議を行えるように提出をする、こういう答弁をしてきているわけでありますが、依然として本年も十月三十一日という時期になっているわけであります。毎年大きな議論になっている問題が、依然として解決をしないで延引をしている。
 ことしの場合も、八月八日から十月三十一日までその決定が延引をしたことについて、人事院の総裁として、公務員の給与を決定していく制度のあり方として、その見解を承りたいと思います。
#119
○政府委員(藤井貞夫君) 給与に関する人事院勧告の早期実施の問題については、いま御指摘に相なりましたように、いままでも何回もこの問題は御議論をいただいております。また、審議を尽くされながら今日に来ておるわけであります。人事院勧告制度の本旨から言いまして、われわれといたしましては、できるだけ早くこれの実現を期したいということで、勧告の時期等につきましても、事務的に大変当局を督励をいたしまして、ぎりぎりのところまで努力を願って早期勧告ということを毎年努力をしております。本年の場合におきましても、おのずから事務的な処理の限界というものがございますので、そう際立ったこともできませんでしたが、われわれはわれわれなりに努力をいたしまして、八月八日ということで勧告をお出しをいたしたような次第でございます。
 この勧告については、申し上げるまでもないことでありますが、早期に実施をしていただく。民間の大部分のところでは四月にさかのぼってこれがすでに行われておるわけでございますので、その分おくれてまいりますと、それだけ公務員の方々にお気の毒な目をおかけするということになるわけです。そういうことで、出す時期も時期でさらにわれわれも勉強はいたしますけれども、これを受けて国会及び内閣においては速やかに実施をしていただくということがたてまえでございまして、この点は勧告自体においても、この内容が実現するために速やかに所要の措置がとられることを切望するということを申し上げてきておるわけでございます。
 今回の場合も、いろいろ事情があったということは、私自身も政府の機関でございますので十分承知はいたしておりますが、しかし勧告制度自体の本来的な性格、趣旨から申しまして、これはやはりもっと早期にやっていただくことが切望にたえないところでありまして、今回もその点から言って、今日まで来ておりますことについては、人事院自体といたしましてはやはり遺憾の念を禁じ得ないということでございます。
#120
○野田哲君 人事院の総裁はいま、もっと早くやってもらいたい、今日まで遷延していることは人事院としては遺憾であると、こういう趣旨のお答えがあったんですが、八月八日に総理に勧告、それから衆参両院議長にも勧告を手渡されたわけですが、以降八月、九月、十月と、この取り扱いをめぐって政府部内で、あるいは与党の間でもいろんな議論がされ、そのことが新聞等でも報道されております。途中経過の中では、これの勧告が曲げられて取り扱われるのじゃないかというような報道もされた経過もあるわけでありますが、そういう状態の中でずっと十月三十一日まで決定が遷延をしている状態の中で、総裁は、八月八日の勧告以降そのような動きが報道されたことに対して、政府なりあるいは衆参両院議長に対して、勧告を行った人事院の総裁としての立場から何かコメント、要請、申し入れ等をされたことがございますか。
#121
○政府委員(藤井貞夫君) 八月の八日に勧告を出しまして、その際には、私が直接に衆参両院の議長さんまた総理大臣にお会いをいたしますとともに、特に給与問題に関係の深い給与問題閣僚会議の関係大臣さんにも直接にお目にかかりまして、内容の概要を説明を申し上げるとともに、これの早期実施をお願いを申し上げたところでございます。
 その後のいろんな情勢の推移等については、新聞紙上等の報道は無論のことでございますが、それ以前に、われわれの方も組織を持っておりますので、十分各関係方面とも密接な連絡をとりながら情報というものを入手をいたしておりまして、刻々にそれに対する対応策というものは講じてまいってきておるところでございます。
 ただ、八月八日に正式の勧告をもちまして、これの早期実施のために必要な措置を早急にやっていただきたいということを正式に申し上げております。
 この趣旨は、国会及び内閣において従来の長い間のしきたりもあるものですから、その方面の努力はなさっていただいておるということは確信をいたしておるところでございまして、それ以来、私の立場において公式な発言はいたしておりませんが、事務当局等を通じては関係各方面と密接な連絡を保ちながら人事院の考え方、人事院の思っておることということは十分に連絡を申し上げて今日まで来ておるということでございます。
#122
○野田哲君 私から申し上げるまでもなく、国家公務員法の中では二十二条で、人事行政改善についての勧告という規定があります。それから二十三条では、法令の制定改廃に関する意見の申し出と、こういうのがございます。
 八月十二日の当委員会でも、私はこの二十二条、二十三条に基づいて申し出るべきことがあるのではないかと、こういうことを総裁に伺ったことがあるわけでありますけれども、今度の場合の経過を見ましても、閣議決定の中でも、この人事院勧告の取り扱いについて他の二つの法案と一緒に成立を期するというような閣議決定がされております。
 どの法案と一緒に成立を期するか、あるいはどうかというようなことは、これは国会で取り扱いを決めることであって、政府が閣議で決めるべきことではないと私は思うんです。また、これは渡辺大蔵大臣にも後で機会があれば伺いたいと思っているんですが、きょうは主として人事院の総裁に伺いたいと思うんですが、人事院の勧告の取り扱いが国会へ出るときに、閣議の決定では昨年もことしも他の制度とセットなんだと、一緒にやらなきゃいけないんだと、こういうふうな取り扱いがされている。あるいは今度の経過の中でも、大蔵大臣もそこにいらっしゃるわけでありますけれども、まあ金がない、勧告どおりやろうとすれば追加を千数百億必要とする。こういうことで財政的な理由がかなり大きく作用している、こういうことでありますけれども、考えてみますと、当初予算で三、四年前までは公務員の給与改善費をずっと長い間五%計上していたものを、昨年は二・五%にし、今度は二%にして、それで財源がないと、こういう言い方になっているわけですが、そこまでくると、今度は当初予算における公務員の給与費の組み方にも問題が出てくるんじゃないか。昨年は二・五%、そしてことしは二%と、こうなったわけですが、その前の年には当初予算で五%組んだものが余っているわけですね。だから、ことしの場合でも三、四年前と同様に五%組んでおれば、これは金がないどころじゃない、金は余りますよと、こういう扱いになるわけです。
 そういう点からして、当初予算の組み方にも問題があるのではないか等々も含めて、人事院としては、毎年毎年私どもも同じような議論をしている、そして、公務員の関係の組合と人事院の総裁や総務長官とも同じようなやりとりをしている、一向に改善されていない。こういう点について、国家公務員法の二十二条あるいは二十三条によって人事行政の改善の勧告なりあるいは法令の制定改廃について意見を申し出るか、いま問題になっている点を何とか改めていくためのきっかけをつくるような意見を申し出るお気持ちは人事院の総裁としてはあるのかないのか、こういう点を伺っておきたいと思うんです。
#123
○政府委員(藤井貞夫君) お話にもございましたように、長い間、給与改善費といたしまして当初予算に見込みを持って五%というものが組まれておりました。それが、大変財政が窮屈になってきたという状況等も踏まえて、財政当局としてはやむを得ざるところであったかと思いますが、去年は二・五%、さらにことしはそれが二%ということに相なったことはお話しのとおりでございます。
 ただ私は、従来の五%が二・五になり、二・五が二になったという際にも国会御審議の場で申し上げておりますように、人事院勧告というものはそれなりの性格を持っておる。これは、公務員の労働権の制約の代償としての措置として当然尊重をしてもらわなければならぬたてまえのものであると。したがいまして、われわれは二%、二・五%ということにはこだわりませんと。あくまで較差を出すその基本方針というものがあるわけですから、その方針は従来どおり踏襲をいたしまして、その結果として出てまいったならば、これはそのままにやはり尊重をしていただかなければ困りますということを繰り返し申し上げてきておったところでございます。また事実、ここ相当長年月にわたってその方針がそのまま格守されて今日まで来ておるというふうに考えておるわけであります。
 いま御指摘に相なりましたように、それでもなお勧告が究極的には受け入れられることがあっても、その早期実施ということではなかなかうまくいかない。これが絶えず毎年のごとく国会論議で繰り返しなされるところであるけれども、一向に改善されないということでございます。この点につきましては、先生専門家ですから裏も表もよく御承知でございますが、総理府等を中心にいたしまして、早期実施のための具体的措置というものを数案用意をいたしまして、あれこれ検討を従来からも続けてきておることは御承知のとおりでございます。しかし、この問題はやはり給与法定主義のたてまえ、あるいは予算とのたてまえ等から申しまして、それぞれにいろいろ難点があり、問題点があることは事実でございます。そういうものを踏み越えてさらに名案があるかということになりますと、遺憾ながらその成案が得られずに今日までに至っているという状況でございます。
 そういうことを踏まえて、私は多少勇み足になって、国会でそういうことを言うとおしかりを受けるかもしらぬがということを言いながら、ひとつこの法案についてはやはり優先審議ということでお願いできないだろうかと、各党でもってそういうことはひとつお話し合いの上で何とかできないものだろうかなという希望を申し上げたこともございます。
 ただ、いまお話しになりました国家公務員法二十二条の問題は、二十二条の解釈問題としてはいろいろ御議論がございましょうが、これは私は一般的な人事行政の勧告ということではなくて、むしろやはり各省庁における具体的な人事行政のやり方等についての改善の意思表示であると、そこに使っていく根拠法令であるという受け取り方をいたしております。また二十三条については、法令の改廃についての意見の申し出でございますから、これはいま御指摘になりましたことを内容に盛り込んでやることは、私はこれはあながち不可能だとは思っておりません。
 ただ、問題といたしましては、いろんな方面に大変深刻な関連を持っておる事柄でございますので、われわれ意見の申し出をするということにつきましても、それなりの本当にやっぱり確信を得て、また各省庁ともある程度の地ならしなり御了解を得てやるということにいたしませんと、これが上すべりになってしまっては何にもならないということでございます。そういう点で、従来からも検討はしながら、なお終局的な意見というものを固めるまでには至っておらないということが現状でございますが、しかし背景というものはいろ
 いろ変わってまいりまするし、なお問題の困難性ということははらみながらも、それらを踏まえて二十三条の運用問題、適用問題としても今後ともさらに真剣に取り組んでまいる所存でございます。
#124
○野田哲君 ことしの勧告の中で、給与制度の全般についての総合的な検討を行うと、こういう点が触れられているわけでありますが、この給与制度の全般についての総合的な検討というのは、いまの人事院の機構の中でおやりになろうと考えておられるのか、それともよく各省庁でやられるように、制度の改革に当たって、諮問機関とか審議会とか、何人かの者を委嘱をしてそこで答申というような形でやるという手順を踏まれるのか、この検討の機構はどういうふうに考えておられますか。
#125
○政府委員(藤井貞夫君) 総合的な人事行政全般についての再検討に着手すべき時期ではないかということを、ことしの給与勧告の際に報告の中で申し述べたのでございます。これは、戦後いままで約三十年を経過をいたしてきたわけであります。それなりに情勢の変化に適応していろいろ改善すべきことは改善しながら今日まで来ておりまして、人事制度としてはまずはほぼ定着をしておるとは思いますが、その後やはりいろんな急激な状況の変化がございます。よく世の中で言われますように、高年齢化であるとかあるいは高学歴化であるとか、あるいは意識の多様化であるとか、いろんなことが言われておるわけでございます。公務員制度といえどもやはりそういう社会経済情勢一般のことと無論無縁ではあり得ないと。その一環として検討をし、対処をしていかなければならぬ問題でございますので、いまの給与制度等を中心といたしまして、俸給制度のあり方、その他根本的な問題から掘り起こしてひとつ検討を開始すべき時期に来ておるのではないかという認識をもったのでございます。
 ただ、お尋ねの点でございますが、これは人事院がそういうことをやろうというのでございますので、はっきり申して人事院は現在のその基本になっておる公務員のあり方あるいは公務員の労働基本権のあり方、それに対する中立的な要するに利益確保機関、保護機関、その性格というものは、これは基本でございます。したがって、私といたしましては、やはり現在の基本的なあり方というものは踏まえながら、それを前提にして、その後の情勢の変化に対応していかなる措置を講ずべきかということを考えてまいるという、これは枠組みとしては基本であろうと思っております。
 その際に、人事院自体は、口幅ったいようでございますけれども、一種の中立的な機関でございます。また、それなりの人員構成にもなっておるというふうに考えております。したがいまして、人事院は組織もスタッフも全部そろっておって、これのやることはりっぱなものだという、そういう思い上がりは持っておりません。持っておりませんから、各方面からの率直な忌憚のない御意見は十分従来からも拝聴しているつもりです。今後とも拝聴してまいりたいと思っておりますが、しかし人事院のやはり性格から申しまして、できるだけの調査、検討はし、資料の収集はやりますが、そういう正式な諮問委員会とか、そういったものを設けて、その答申を受けてということはやりません。これはあくまで人事院の責任においてやってまいる所存でございます。
 ただ、その中にごく専門的なことで、これは専門家の御意見を十分にお聞きした方がいいなというような問題が今後作業を進めていく段階で出てくるかもしれません。現在では、たとえば公務災害の問題とか、そういうことになりますと、われわれの方にも医者はおりますけれども、やはりおのずからそこには限界があるから、専門的なお医者さん、その他の方に御意見を伺って、十分それを参考に取り入れてやっておりますが、そういうことには限らずに、問題の分野においては、そのような措置で一般の御意見を拝聴をするということをやった方がいいという問題が出てくるかもしれません。そういう場合においては、おのずから成案らしきものが出てきた段階あるいはその成案をつくる前の段階で問題点があって、これは一応整理をした方がいいなといったようなことがあれば、そういう施策というものあるいは配慮というものは十分講じてまいる所存でございます。ただ、いまの繰り返しになりますが、人事院としての性格から申して、諮問委員会とかなんとかで答申を得てということは考えておりません。あくまで人事院の責任においてやっていきたい、かように考えております。
#126
○野田哲君 給与制度全体の総合的な検討という問題について、八月の十二日の本委員会で私が、一体どのぐらいの期間で考えていらっしゃいますかというふうに聞いたときには、大体五年ぐらいというふうに答えられたわけですが、それからしばらくしてどこかの新聞が、人事院としてはテンポを速めるというようなことを報道したことがあるわけですが、これは大体いつごろ成案を得るつもりで検討をなさいますか。
#127
○政府委員(藤井貞夫君) 八月十二日に申し上げた基本的な態度は変えておりません。大体五年目途ということで進めてまいりたいと思っておりますし、事柄は大変重要ですから、そう拙速でどうこうというわけにもまいらないことでございます。ただ、余りに何ら目標を立てないでやっていってもということもございますので、おおむね五年間ということを申し上げたのであります。その後新聞で、テンポを速めるとかなんとかございましたが、それは私が責任を持って発表しておることではございませんので、いろんなことが取材の経緯の中には含まれておると思います。また、事務当局の方もいろいろその立場から意見らしいものを申し上げておるということがあろうかと思いますが、基本は変わっておりません。
 ただ、事柄の順序として、五年後にそれを実施に移すということになりますと、当然これは法律の改正その他の諸準備ということが必要でございます。そうなりますと、やはりまず第一次的には五十八年あたりをめどに何らかの具体案をだんだんまとめていくという目標をやって、それからその問題を中心にしてさらに手直しをやる期間、そこで大体の成案らしきものができてこれを法案化して御審議をいただく期間、そういうものを考えてまいりますと、新聞紙上でも報道いたしておりますようなそういうこともそれほどおかしいことではないという順序に相なろうかと思います。ただ実施の目標として、私は、八月十二日に申し上げましたように、大体五年間ということで作業をやらしておるつもりでございます。その点は変わりはございません。
#128
○野田哲君 勧告の文書の中を見ますと、総合的な検討ということで検討課題について大まかに例記をされています。等級の構成とか、昇給制度、それから俸給表の構造――これには昇給制度及び号俸のあり方も含むんだということ、それから職種間の給与の均衡とか、手当相互間の整合性の確保とか、こういうような点をずっと例記をされているわけであります。
 夏の委員会で給与制度の問題を議論したときに山崎議員からも指摘があったわけですけれども、ここに例記をされている等級の構成とかあるいは昇給制度とか俸給表の構造とか、こういう問題になってきますと、この文書の中にも「任用その他の諸制度との関連にも留意しつつ、」ということで任用制度に留意をしつつということに触れられておりますけれども、等級制度や昇給制度や俸給表の構造というのは任用制度と不可分の関係にあるんじゃないかと思うんです。そういたしますと、当然いまの任用という問題についてもメスを入れていく、改革をしていく、こういう検討課題の中に入ってくるべきではないか、こういうふうに考えますが、その点はいかがですか。
#129
○政府委員(藤井貞夫君) その点は御説のとおりでございます。任用制度を離れた独立した給与制度というものはあり得ないわけでありまして、任用、給与その他の職員の利益保護の関係、勤務条件、あらゆるものを全部包括した中で、それぞれの持ち場持ち場を厳守しながら相互の連携を保ちながらやっていかなければならぬ筋合いのものだろうと思います。われわれとしても、給与だけで考えておるわけではございませんで、当然任用との密接な関連というものを重視しなければならぬと思っております。
 特に、本委員会で従来も御指摘をいただいておる問題点でございますたとえば任用の問題にいたしましても、試験制度が現在のままでいいのかというような問題、あるいは昇任試験というようなことを法律で明記しておりながら、従来まで、いろいろな事情もございましたが、行われている試験というものは初めの採用試験だけでございまして、後は昇任というのは大体選考で行われているということがございます。
 しかし、これにつきましては、その後高学歴化というものがどんどん進んでまいりまして、われわれ当初ねらいといたしておりましたたとえば中級試験、これは短大卒を対象にするものですが、中級試験にもいまや四年制の大学卒業者が九〇%受験をするというかっこうになってきており、さらに、高等学校卒を対象にいたします初級試験においても大学卒の者が一〇%を超えるということで、この傾向はますます強くなっていくということが看取されるわけであります。といたしますと、この現実に合うように試験制度あるいは任用制度全般について考えてまいりませんと、将来にわたって職場の人事管理その他の点で大問題が起きるという認識を持っております。
 それらの点を総合的に踏まえながら、それとの関連で給与制度等についても抜本的なひとつ対応策を講じていかなければならぬ、こういう認識でございまして、お話にございましたように、給与制度だけを特に重要なものとしてこれだけを取り上げてやるつもりはございません。総合的に人事行政制度全般の問題として取り組んでまいる所存でございます。
#130
○野田哲君 給与制度全般についての総合的な検討ということになりますと、いま国民の皆さんの間でマスコミを通じてよく問題にされるのは、公務員の生涯給与といいますか、生涯賃金といいますか、これが問題にされているわけなんです。マスコミの報道の中には、当を得たものもあるし、私は当を得ていないものもあると思うんです。そこで、特にいま言われているのは、年金と退職手当と在職中の給与制度、これをひっくるめて、公務員は生涯にこれだけの所得がある、民間に比べてどうかと、こういう比較対照をされいろいろ意見が出されているわけです。したがって、退職手当や年金制度というものは給与と連動しているわけなんですが、いまの世間の公務員の労働条件、待遇についての物の見方にこたえるという意味からすれば、給与制度の全般の総合的な検討という中に公務員の年金とかあるいは退職手当の問題も含めた、つまり試験を受けて公務員に採用されてから死に至るまで、まあ遺族年金もありますが、本人が死亡するまでの間の制度というものを総合的に検討していくと、こういうことに考えなければいけないんじゃないかと思うんですが、この点はいかがですか。
#131
○政府委員(藤井貞夫君) これも御指摘のとおりでありまして、特に最近のようにいわゆる生涯給与との比較、バランスをとっていかなきゃならぬと、そういう要請、これは非常に強くなってきておることは事実でございます。これは、私もやっぱり無視はできない問題だろうという考え方は基本的に持っております。ただこれは、お話にもございましたように、世の中一般に言われておりますことの中には、なるほどなと思って、われわれ謙虚に反省を加えなければならぬ問題もございます。しかしまた、別の点から見ますと、非常に間違ったといいますか、誤解を与えやすい、給与比較の資料において誤解を与えやすい面もなきにしもあらずであります。
 そういう意味で、口幅ったい――ちょっとよけいな話ですけれども、たとえば経済団体等でいろいろ申し上げる退職一時金、退職手当の問題ですね、これについての比較等について、官の方は民よりもこれだけ高いんだということをよく言われます。そういうことで、われわれの方としては事務的にも十分資料等について精査、検討いたしまして、この点についてはこうなんだがどうですかというようなことも、時々刻々その時点でもって連絡をとりながら議論を戦わしております。これは、詳しいことはこういう席上ですから申し上げることは差し控えますが、たとえば昇進の経路等を見ましても、よく例に挙げられるもので局長級、次官級はこうだということを言われますが、それは一般がなるわけじゃないですね。次官というのは、それはそれこそ百人に一人も、何人もいないわけでしょう。そういうようなことにもかかわらず、それがもう、入ったらみんな局長になる、事務次官になるというような計算の仕方、それと民間との対比ですね、そういうやり方ではやっぱり誤解を生むのではないかというような点もございます。これらも、もっとやはり本当にやりかけるのであれば、腰を落ちつけてそれらの精査をやって世の批判に耐えるようなことで比較検討をやっていかなきゃならぬ。これはわれわれの方もそうです。そういう考えの基本に立っております。
 また退職年金、これはこれから御審議いただくことになるわけでしょうが、退職年金一つにいたしましてもいろんな議論が行われております。そういう官民均衡という問題もありますし、それなりにその点はやはり是正すべきだということで、支給年齢等も漸次的に引き上げようというような措置もすでに講じられておることは御承知のとおりであります。
 年金額自体の問題といたしましても、これはやっぱり厚生年金と公務員の共済年金と、それだけを平らに比較しては事柄が十分にならない。民間の場合は、やはりいろいろ企業年金その他も並行して行われているわけですから、そのどの部分をどのぐらい取り入れるかという比較検討の問題はございますが、そういうものを全然無視して、それは別だということにして厚年と共済年金というものをそれだけでもって直に比較するというやり方には、私は大変誤解を招くところがあるんじゃないかと。いわんや、いまのところは、公務員の場合は従来の恩給制度というものがなお続いておるわけで、それを年金制度に吸収しておりますのでいろいろ問題があることはそのとおりですが、比較のやり方等についても十分検討してまいらなきやならぬと思います。
 ただ、いまのところは退職手当については、これは特別職その他もう全部含めております。また公社の関係もございます。ということで、従来からの沿革でこれは総理府が所管しております。また、年金の関係は大蔵省が所管しておられるというわけであります。そういうことで、おのずから限界はございますが、やはり生涯給与というようなそういう比較の仕方というものも十分頭に入れてやっていかなきゃならぬ。その場合にやはり、私の私見ですけれども、給与は給与、それから年金は年金、退職手当は退職手当ということで相互均衡をとっていくと、均衡のとりぐあいというものはいろいろ問題があります。しかし、そういうもので切り離して、それぞれの対応策を均衡をとっていくということ、そうやっていけば全体としてのバランスがとれるわけですから、そういう方向に進むべきではないかというふうに基本的には考えておりますが、それはそれといたしまして、給与制度を考える場合におきましても、年金それから一時金としての退職手当というものとも十分頭に入れながら整合性のある検討、対策としてやってまいりたい、かように考えております。
#132
○野田哲君 いま総裁はそういうふうにおっしゃったわけですが、現実の扱いとして、やはり公務員の給与制度あるいは年金、退職手当を含めてやはり生涯給与といいますか、生涯的な、総合的な検討、比較、こういうものが私はいま望まれていると思うんですが、実際問題としては、大蔵大臣のところで共済年金について、公務員の共済年金制度の基本問題研究会というのがことしの六月に発足をして、公務員の共済年金だけを対象にしての研究会がやられているわけですね。これ二年ぐらいで公務員の共済年金についての結論を出すんだと、こういうふうに進められているというふうに聞いているわけです。
 そうすると、給与制度については、現職のときの公務員の給与制度についてはこれから人事院が五年ぐらいを目途に総合的な検討をやるんだと、こういうふうに言っておられる。片一方、大蔵大臣のところの諮問機関である年金制度の基本問題研究会、これは二年ぐらいで年金制度だけをやっていこうと、こういうふうになっている。国鉄には国鉄で、運輸大臣は帰られたわけですが、国鉄総裁の諮問機関として国鉄の年金問題についての研究会というのがあって、これは一つの結論を出しているわけですね。そういうふうに共済制度をとってみても、それから公務員の給与制度、生涯的な観点から考えてみますと、それぞれのところで細切れに研究会をつくってやっていく、あるいは検討課題を持って検討をやっていくと、こういうふうになって総合的なつながりのある検討という形になっていないんじゃないかと思うんです。
 私は、やはり公務員の生涯を通じて、民間と比較してどうだという議論がたくさんあるわけでありますから、大蔵省の、大蔵大臣の諮問機関としてやっておられる共済年金の基本問題の研究会も、あるいはいろんなところでやっている公務員問題についての研究、退職手当についての研究、検討というようなものを全部ひっくるめて、これから人事院がすべて総合的に公務員については生涯これだけの待遇なんだと、現職のときはこうなんだと、退職時にこうなんだと、それから死ぬときまでにこうなんだと、こういうことの総合的な検討をやられるのが適切な措置じゃないかと、こういうふうに思うんだし、それから役所の扱いとしても公務員の給与制度については人事院がやる、共済年金制度は大蔵省がやる、それから古い大先輩の人たちの恩給は総理府の恩給局がやる、こういうふうに思い思いのところで公務員の問題がやられている。こういうあり方こそ中曽根行管長官のところでやればよかったわけですけれども、これらを含めた総合的な、まとめた取り扱いというものがもういま必要になってきているんじゃないかと思うんですが、総裁それから大蔵大臣――これは質問の予定には大蔵大臣の方には言ってないんですけれども、見解を聞かしてもらいたいと思うんです。
#133
○政府委員(藤井貞夫君) これは、組織、機構の問題は行管の所管でございます。したがって、私からこの場でとやかく申し上げることは差し控えさしていただいた方がいいのではないかと思います。
 ただ、問題があることは事実です。生涯給与ということでいろいろ民間その他でも取り上げられているけれども、それに対してまとめて資料を整備し、まとめて物を言う、説明をするという仕組みになっていないということには、確かにこれは問題はあるんだろうという気はいたします。それだからといって、いまの法律のたてまえ、制度の前提から申し上げまして、人事院でもってそれではすべてやっていくんだというわけにもまいりません。そこにはおのずから限界があるわけであります。ただ、私の気持ちとしては、これは野田さんとも方向としてはそう間違わないと思うんですが、われわれの方としてもできる限りやはりグローバルな点でもって問題をひとつ取り上げてまいりたいと。そういうことでやっていく段階で、年金制度はやはりこういう点がどうだろうかというものが出てくるでしょう。また退職手当についてもかくあるべきではないかと、この点はひとつどうだろうか、こういう方向で考えられないだろうかという問題が出てくるかもしれません。そのときには、表へ出る前にあらかじめやはり御意見も各省庁から聞きましょうし、またわれわれの方からその問題があるごとに連絡をして、その間調整をとりながら出てくるものがかっこうの悪い、でこぼこなものにならないように、これはひとつ各省庁にも協力をお願いをしなければならぬことですが、その点はくれぐれも注意してやっていきたいと思っております。
#134
○国務大臣(渡辺美智雄君) 野田委員の御意見も一つの御意見だと思います。
 ただ、いままで長い間大蔵省が共済年金の担当省というような関係もあって、それで大蔵省では年金関係のことをやってきておると。したがって、共済年金制度の基本問題研究会という点についても、これは各省にまたがっておるものですから、各省の問題をかなり悉知した人をメンバーに集めておりまして、たとえば総評から福田勝さんという方が出てもらっておったり、それから厚生省のOBでは山本正淑さんが出てもらっておったり、それから人事院関係では尾崎さんが出ておるとか、文部省から清水さんが出ておるとか、各省の給与の実態というようなものにもかなり経験、学識のある人を出してやっておりますから、人事院でやらした方がいいのか大蔵省がやった方がいいのか、これは一長一短だと思いますが、ともかく大蔵省でやったからといって特別に不公正なことをやるというわけでもなくて、各省の問題を全部公正にひとつやらせようとしてやっておるところであります。したがって、これをすぐ人事院に持っていくかどうかということは人事院制度の根本問題にも関係ある問題なので、ここで私としてはすぐにお答えをするということはなかなかできないと存じます。
#135
○野田哲君 今回の場合、これはもうすでに基本問題の研究会が発足しているわけですから、それにかれこれ言うつもりはございませんが、これは大蔵大臣、率直に考えてもらいたいと思うのは、ここで公務員の共済年金の問題を審議をしていこうとすれば、本当に必要な大臣にずうっと座っていただこうとすれば、提案をして提案しっ放しで退席されましたけれども、もちろん運輸大臣、それから公務員の給与制度と連動しているし恩給とも関連があるわけですから、総理府の総務長官、それから自治大臣、厚生大臣、これだけ座っていただかないと、共済年金の審議は本当にすべてにわたってはできないんですよ。それだけ年金の扱い一つ考えてみると、国家公務員は大蔵省で扱い、そして国有鉄道、電電公社、専売については運輸省で扱い、地方公務員は自治省で扱い、同じ公務員や国鉄の関係でも大先輩の方は総理府の恩給局で扱いと、こういうふうにばらばらになっているんですよ、年金制度そのものが。それを私は将来やはり年金制度にについての検討そのものも必要だし、同時に、扱う役所もそういうふうにばらばらになっているものを何とかまとめていくことを考えないと整合性のあることになっていかないんじゃないか、こういう意見ですから、これは意見として申し上げておきます。
 そこで、本論にこれから入っていきたいと思うんですが、今回の改正の内容、これはすでに決定をされた厚生年金保険法の改正案に準じていることですから、基本問題についてはそっちの方ですから、ここで私どもがぎりぎりやっても大蔵大臣なり大蔵省の皆さんとしては答える限界があると思うんですが、しかし、やはりかなり問題があると思うんです。
 まず、今回の厚生年金の改正案の政府の原案、大蔵大臣も厚生大臣の経験がおありですから承知されていると思うんですけれども、この政府の原案では、四十歳未満の子のない妻ですね、この人についても配偶者が死亡しても遺族年金については交付しないことになっていた。これが国会審議の過程で修正をされた。一方、この厚生年金の政府原案では、遺族の範囲を限定をするかわりに扶養遺族のある妻について重点的に優遇していこう、こういう見地から寡婦加算の額を大幅に引き上げると、こういう内容になっています。ただ、寡婦自身が自分の年金をもらう場合には若干の調整を行う、こういうふうになっています。以上のように、政府原案では遺族の範囲について年齢等を勘案をして見直していく、そのかわりに受給者の生活実態を勘案して、年金による生活保障の必要性の高いと思われる子供のある寡婦あるいは高年齢の寡婦に重点を置いたものになっていたわけです。これが遺族の範囲が修正をされたために寡婦加算の増額だけが可決をされた、こういう形になっています。
 ところが、公務員の方の共済関係の法案を見ますと、厚生年金と異なって、政府の原案でももともと遺族の範囲を限定しないかわりに寡婦加算についても増額をしない、こういうことになっています。厚生年金にならうというたてまえからすれば、この寡婦加算を増額をするという措置がとられなければ均衡がとれない、こういう形になっていると思うんですが、この点については今後どういうふうに考えておられるか、これはきわめて具体的なことですから、政府委員の方でひとつ答えていただきたいと思います。
#136
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘がございましたように、厚生年金保険法の改正案で、政府原案では四十歳未満のいわゆる子なし若妻と申しておりますが、その方々に遺族年金を支給しないということにしておった部分が議員修正により削除されたということでございます。
 今回、提案いたしております共済年金の改正法案におきましては、寡婦加算の引き上げ等遺族年金の改正の部分を除いているわけでございます。それはどういうわけかと申しますと、国家公務員共済組合審議会におきましていろいろ御議論をいただきました過程で、四十歳未満の子なし若妻に対する遺族年金の支給の問題、それから、それと関連のあった寡婦加算の大幅引き上げの問題、こういったものはいずれもいろいろ多くの問題を含んでおるということで、さらに十分な検討が必要であるというような御答申が公務員共済組合審議会のサイドでは出されたわけでございまして、この御意見を尊重した結果、こういった形の改正法案を提案さしていただいておるという経緯がございます。
 今後どうするかという問題でございますけれども、寡婦加算を含めまして遺族年金の取り扱いをどのようにするかということにつきましては、遺族年金全体の基本的なあり方との関係も考えながら、さらに検討をいたしてまいりたいというのが現在の気持ちでございます。
#137
○野田哲君 この寡婦加算の制度ですけれども、遺族年金の給付水準が各公的年金とも原則として本人の五〇%、こういうふうになっておりまして、これを上げたいということで六〇%あるいは七〇%に、こういうところから出発をしたわけですが、率を上げると本人の年金が高い人ほど非常に高くなると、こういうことで格差が開いてしまう、こういう矛盾があるという理由で、必要な人に重点を置くという生活の態様に応じて定額で上積みをしていくと、こういうことが昭和五十一年度に創設をされて今日に至っていると思うんです。
 したがって、この寡婦加算は遺族年金の水準の引き上げが目的としてつくられた共済年金だけが結局据え置かれると、こういうことになっているのが非常に問題だと思うんですが、しかし、この八万四千円が今度の措置では二十一万円にもなる。こうなりますと、むしろ遺族年金の五〇%水準を六〇%なり七〇%にした方がいいという意見も出てくるんじゃないかというふうに思うわけなんです。共済年金の受給者だけが今回も置いてきぼりを食ったことになるわけですが、共済だけでこれを五〇%を六〇%なり七〇%にするというふうなやり方ができるかと言えば、なかなかそうもいかないんじゃないかと思うんです。そういたしますと、一体遺族年金のあり方について、この給付水準が今後どうあるべきか、こういう点について大蔵省としての考え方を聞かしてもらいたいと思うんです。
#138
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘がございましたように、遺族年金の水準が退職年金の二分の一相当額という水準を基本にいたしまして、それに高齢の寡婦でございますとか有子の寡婦といったようなニーズの多い人に対しまして、それに対応した措置ができますように定額の加算を行っておるということになっておるわけでございます。
 この遺族年金の水準を今後どういうふうに考えていくかという問題は、確かに共済年金の分野におきます大きな問題かと思うわけでございます。ただ、この共済年金における遺族年金の性格は厚生年金の場合とやや異にするところがございまして、受給資格者の要件といたしまして、死亡した組合員と残された遺族との間の生計依存関係を重視した体系になっていると。たとえば残された者の収入が年七十万円、配偶者の場合二百四十万円というものを超えるかどうかといったようなことを判断基準に取り入れたりしているようなこともございまして、若干厚生年金の場合とは遺族の要件等についての考え方も昔から違った考えがあるといったような問題もございまして、こういった遺族年金のあり方につきましては、給付水準の問題と同時に遺族の範囲をどうするかとか、あるいは遺族年金と本人年金との併給調整をどうするかといったようないろんな問題が絡みますので、この点は今後総合的に検討をさせていただく必要がある問題ではないかというふうに思っております。
 こういった問題も、先ほど御指摘のございました共済研究会においても今後御議論が進められていくというふうに思っておりますので、その結果も踏まえまして対処をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#139
○野田哲君 退職年金の問題ですけれども、いままで退職している人、それからこれから退職する人、この退職年金の計算が二つありますね、一般方式、それから通年方式。そうして、この二つの方式で算出してなお最低保障額に達しないときには最低保障額にする、こういうふうな制度になっているわけですが、この通年方式の場合、三十九万六千円という額から計算方式が成り立っているわけですが、これは法律上のもので、この根拠は千六百五十円、これに二百四十カ月分、これを乗じたもの、こういう計算の仕方になっています。ところが、この千六百五十円という法律上の根拠になっている額は、消費者物価の上昇に伴って厚生年金と同様に政令で引き上げられて、五十四年の六月からは一人千六百五十円に一・二〇七を乗じた千九百九十一円五十五銭、こういうふうに読みかえということになっていると思うんです。したがって、法文上は千六百五十円掛ける二百四十カ月、これが基礎になって三十九万六千円となっているが、五十四年六月からは政令で千六百五十円掛ける一・二〇七、千九百九十一円五十五銭掛ける二百四十、こういうことで実際は四十七万七千九百七十二円、こういうふうになっていると思うんです。
 一方、厚生省では厚生年金で五年ごとの財政再計算、これを一年繰り上げて実施をして、本年は政令によるスライドの改定をやめてこの千六百五十円の法律上の額、実際には政令で千九百九十一円五十五銭となっているもの、これを二千五十円として、この二千五十円を法律で規定しょうとしているものだから共済組合の方でも法文上の額である三十九万六千円、実際には政令でこれが四十七万七千九百七十二円となっているものを、これを二千五十円掛ける二百四十、これを根拠にして四十九万二千円、こういうふうになっていると思うんですね。
 すでに述べたように、現在年金を受給している人についても、一般方式が高いか通年方式が高いか、これ一人一人計算することになっています。そこで、昨年の人事院の勧告に見合う年金の増額は、すでに決定をされ図られているわけですが、これらの人々についてもさらに、この法案が通ればもう一度計算をし直して高い金額に決定されることになるんだと思うんですが、そういたしますと、国家公務員の場合で年金受給者の数が三十二万人程度というふうに伺っているわけです。三公社の場合は約三十四万人、こういうふうに言われているわけですが、この法案が成立をしたときに、一体どの程度の人がこれに該当して増額をされ、いつごろまでにこの差額の支払いができるのか、まず大蔵省の所管の国家公務員の関係についてお伺いをいたしたいと思うんです。
#140
○政府委員(矢崎新二君) いま御指摘のございましたように、今回の法案が成立いたしますと、いわゆる通年方式で計算をすることを選択をしている方々の年金額がさらに改定になるわけでございます。どの程度の方々かと申しますと、五十五年一月末現在の共済年金の全受給者のうちで、通年方式を選択しておられます方が約六割強ぐらいでございます。したがいまして、この法案が通ることによりましてこの方々の年金額がふえるわけでございますが、これは今回の分のみを見ますと約一・三%程度の増額ということが上積みされるように推定をしておるわけでございます。
 それからもう一点、いつ支給ができるのかという御指摘でございますが、今国会中に法案が成立いたしますれば、この差額支給は、できる限り精いっぱい処理の努力をいたしまして、年内に御送金できるよう努力することにいたして準備を進めたいと、こう思っております。
#141
○野田哲君 最低保障額の問題を伺いたいと思うんですが、今回のこの改正案では、厚生年金の改正と歩調をそろえたもので、したがって共済組合の方で独自の問題ではないわけでありますから、やりにくい面があるんだと思うんです。しかし、最低保障額という問題につきましては、これはやはり共済制度として特に具体的に検討をされるべきじゃないかという問題があるんだと思うんです。今度の改正案によりますと、退職年金の最低保障額六十八万四千円ということですか、これは厚生年金の標準報酬月額の最低額を三万円から四万五千円に直していることから来ていると思うんです。公務員の共済年金を、最低でも厚生年金の最も低い額は保障するというところから最低保障制度が導入をされているわけですが、しかし年金は二十年以上の在職を必要としているわけですから、月額四万五千円というのではいかにも低いんではないか。公務員の給与の一番低い行政職の(二)のところの五等級の初号で現在六万九千円、勧告では七万一千七百円、こうなっているわけですから、この点につきましてはどう考えているのか。この最低保障額の問題について大蔵省の見解を承りたいと思うんです。
#142
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘の国家公務員共済組合におきます最低保障額は、厚生年金との均衡を考慮して定められておるわけでございまして、御指摘のように、退職年金について言いますと、組合員期間が二十年という前提を置きまして、それから俸給年額を厚生年金の標準報酬の最低額をとりまして、そして通年方式によって計算をした額、これをもとにしまして、さらに配偶者分とそれから子供を〇・五人分と仮定しました扶養加給というものを加算をした額でございまして、今回の改正案によりますと六十八万四千円という年額になるわけでございます。
 この最低保障額の計算の基礎に置きます俸給年額が低過ぎるのではないか、もう少し上げてはどうかというような御指摘かと思うわけでございますが、現行の厚生年金との均衡を考慮しました最低保障額は、共済組合法を制定した当初からこういった考え方をとってきたわけでございまして、こういった一部の問題につきましての考え方を変更するといたしますと、これはまた共済年金全体の給付体系なり給付水準に波及をすることでもございまして、全体との関連を考慮しなければいけないということではないかと思うわけでございまして、この最低保障額の問題だけを切り離して変えていくということは必ずしも適当ではないんじゃないかと、こう考えておるわけでございます。
 なお、先ほども申し上げました本年六月に発足いたしました共済年金の研究会におきまして、こういった共済年金の給付体系等の基本的な問題についても御審議をいただくことにしておりますので、この問題もあわせて御検討いただくということになろうかと思います。その結論を踏まえまして、適切にまた対処をしてまいりたいと、こう現段階では考えておるわけでございます。
#143
○野田哲君 今回の改正案とは直接関係ないんですが、共済制度の問題として、被扶養者の範囲の問題について大蔵省の見解を承っておきたいと思うんです。
 国家公務員の共済組合法、それから公企体の共済組合法で、それぞれ被扶養者の範囲、定義がされているわけですが、この定義はもう御承知のとおりであろうと思いますからここでは繰り返しませんが、これらの規定の中で、その詳細が運用方針で決められておりまして、年額七十万円以上の所得がある者については共済組合の組合員の被扶養者にはなれないことになっていますね。一般職の職員の給与法でも同様に、勤労所得、資産所得、事業所得等の合計額が七十万円程度以上であるものについては扶養手当が支給されない、こういうふうになっているわけです。この点については、先ほどまでここに同席されていたんですが、お帰りになりましたけれども、人事院の給与局長が去る八月十二日の当委員会での同僚議員の質問に答えて、「従来は八等級三号俸のところの年額の半分ということでいわゆる制限額を設けてございましたけれども、」「それなりに扶養控除の問題につきましても限度額の問題につきましても検討しなきゃならぬということになろうかと思います」、こういう意味でこの七十万という所得の定めた金額、これについては検討しなけりゃいけないと、こういう趣旨のことを述べておられるわけです。で、この七十万円、これは給与やあるいは税額とも関連をするわけですが、今後この額を引き上げるべきじゃないかと、こういうふうに思うわけですけれども、大蔵省としては一体この問題、どういうふうに考えておられますか。
#144
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘のように、共済組合の被扶養者の認定が年間所得七十万円程度以上という場合には被扶養者になり得ないという扱いになっておることは御指摘のとおりでございます。これは、一般職給与法上の扶養親族の認定の例でございますとか、あるいは税法上の控除対象配偶者等についての所得金額の制限の取り扱いを参考にいたしまして、こういったようなことを決めてきたわけでございます。共済組合法上の問題といたしましては、被扶養者の範囲は遺族年金の遺族の範囲とも関連する問題でございますので、慎重な取り扱いを必要とするものではないかというふうに考えております。しかしながら、現行の七十万円という制限は四十九年以来据え置かれているということも事実でございまして、その点も考え合わせまして今後検討を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#145
○野田哲君 もう一つ別のケースの問題について、運用上の問題について伺いたいと思うんですが、当委員会では恩給法の審議もやっているわけですが、この恩給法のこの前の改正案の中で、公務扶助料の最低保障額、これを本年六月から遺族加算を加えて年額百十二万四千円、月額九万四千五百円、こういうふうになっているわけです。つまり公務扶助料の最低保障額を受給している人は、仮にその子供が公務員なり三公社の職員であるとすれば、扶養手当月額三千円は支給されない。これはやむを得ないとして、共済組合の被扶養者つまり健康保険が使えないことになるわけです。結局この人は国民健康保険に加入することになるわけです。共済組合の短期給付、つまり健康保険と国民健康保険の給付水準には非常に大きな差がありまして、たとえば付加給付は国民健康保険にはないとか、しかも国民健康保険料も負担をしなければならない。こういうふうに、いずれにしても年金の最低保障額受給者が共済組合の組合員の被扶養者になれないというのは、これはやはり矛盾があるんではないか。少なくとも公務扶助料の最低保障額までは合わせるべきだと思うんですが、この点についてはどうお考えですか。
#146
○政府委員(矢崎新二君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、ただいまもるる申し上げましたように、共済組合法上の被扶養者の範囲というものが遺族年金の遺族の範囲とも関連する問題でございまして、これはもう非常に慎重に取り扱う必要があるというふうに考えておるわけでございまして、公務扶助料の最低保障額に認定基準を合わせるということは問題があるのではないかというふうに考えております。
#147
○野田哲君 いま言われたのはちょっとおかしいんじゃないかと思うんで、これは一遍検討してもらいたいと思うんです。
 それから、例の研究会の問題になるんですが、これからいろいろ問題点は研究されていくことになると思うんですが、この研究会は結論はいつごろ出されることになるんですか。
#148
○政府委員(矢崎新二君) この共済年金制度基本問題研究会は本年六月に発足をしたわけでございますけれども、いろんな問題を御検討願っておるわけですが、大きく分けますと、一つは年金財政を踏まえました職域年金制度としての共済年金のあり方の問題、すなわち給付水準でありますとか、給付要件等に関する問題が一つでございます。それから二番目に、他の公的年金制度との整合性とこれらの給付との調整の問題、それから三番目に、財政問題、これは国鉄共済の問題を含むわけでございますが、そういった財政問題こういった主として三つの問題について御検討を願うことにしておるわけでございます。
 こういったいろんなむずかしい問題を御検討いただくということでございますので、検討期間のめどといたしましては大体二カ年程度の検討期間は最低必要になるのではないかというようなことでいま考えていただいているわけでございます。
#149
○野田哲君 この研究会のこれからの検討課題ですが、あるパンフレットの中で「研究会の発足と共済年金制度の課題」という形で、大蔵省の担当の方の論文といいますか、提言が載っているものがあるんですが、それを見ると、やはり検討課題として一項、二項、三項と挙げているんですが、なぜこの研究会で検討やるのかということで、要するに、高齢化社会に入っていく、公務員についても例外じゃないんだ、高齢化社会に入っていくと、そこで、だんだん成熟度が高くなると、そういう状態の中で年金財政が立ち行かなくなっていくから、公務員制度とも関連をしながら、職域年金としての性格を有するこの年金制度についての給付水準あるいは給付要件等の根本的な見直しを共済サイドから検討していくんだと、こういうふうなことが第一に提起をされているわけですが、明らかにこれを見ると、高齢化社会で成熟度が高まり、負担率が大きくなっていくので立ち行かなくなるから見直しをするんだということ、つまり公務員の共済年金についても下げるための検討だとは言ってないが、文脈をずっと見ると、これはやはり後退させるということのための検討というニュアンスを一読して受けるんですが、そういう方向での検討であっていいんですか。高齢化社会ということの中で後退させるための検討というんでは、私はやはりちょっと問題があるんじゃないかと思うんですが。
#150
○政府委員(矢崎新二君) ただいまのお話の中にもございましたように、今後の日本の社会全体が高齢化社会に急速に近づいていくということは、これは避けられない事実ではないかと思うわけでございます。で、こういった将来の見通しを踏まえまして、現在の世代を支えている私どもといたしまして、将来の子孫に対してどういつだ仕組みのこういう制度を残していくかということはやはり真剣に考えなければならない問題ではないかと思うわけでございまして、これはひとり共済年金制度だけではなくて、厚生年金等も含めた全体の年金システムの直面している大きな問題ではないかと、こう考えておるわけでございます。したがいまして、こういった問題意識を少なくとも持ちながら制度のあり方についての検討をするということは、これは避けられない問題ではないかと思う次第でございます。
 ただ、具体的にしからば給付水準なり負担の水準なりというものについてどういうふうな考え方をしていくかということについては、これは今後のまさに検討課題になるわけでございまして、いま特定の結論を前提にして作業が始まっているということではないというふうに理解をいたしておる次第でございます。
#151
○野田哲君 言葉じりを云々するつもりはないんですが、この論文の中の、課長補佐の、これは諸江さんとおっしゃるんですか、書かれている「共済年金制度の課題」、この中でずっと読んでいきますと「給付の無駄を極力排除し、」と、こういうふうな文章があるんですよ。いまの共済組合で給付が行われていることについて、むだな給付が行われているというふうな認識なんでしょうか。むだな給付があるとすれば何がむだな給付なのか、そういう認識があるとすればそれを承っておきたいと思うんです。
#152
○政府委員(矢崎新二君) 恐らく筆者の趣旨は、仮にそういうことがあるとすればという仮定法を用いて書いたのではないかと思いますけれども、私よく読んでおりませんので具体的にはわかりませんが、要するに、年金制度全体が給付の面で整合性のとれた効率的な仕組みであるべきではないかということを基本的な考え方として述べたのではないかと推測をいたしておるわけでございます。
#153
○野田哲君 共済組合の給付は法律に基づいてやられているわけですから、それがむだな給付は整理していく必要があるんだ、検討が必要なんだと、こういう文言が大蔵省の書かれた文章の中に出てくるとすれば、これは私はかなりゆゆしき問題だと思うんですよ。
 もう一つ、時間が参りましたので承っておきたいと思うんですが、国鉄の年金についてはかなりいま成熟度もほかの共済制度より高い、負担率も財源率も大きい、こういうふうになっているわけですが、大蔵省でいまやっていこうとするこの研究会は、国鉄の共済制度についてもあわせて検討の対象の中に入れているわけですか。
#154
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘のように、国鉄の共済の現状が非常に厳しい状況に直面しておるということは私ども十分認識をいたしておるわけでございます。ただ、これは国鉄のいわゆる成熟度が大変高まってきたと、その成熟の高い時代が現在すでに到来をしたということも一つの大きな原因ではないかと思いますけれども、そういった成熟度が高まってきている問題はいずれの共済年金も潜在的に抱えている問題でございまして、そういう意味で、やはり共済の年金制度全体としてこういった問題を、つまり年金財政の問題を真剣に検討しなければならないということはわれわれの大きな課題かと思います。したがって、その検討の中で国鉄共済の現状というものもやはり検討の対象として十分御審議をしていただくことになるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#155
○野田哲君 時間が参りましたので、大蔵大臣に伺いたいと思うんです。見解を。本来なら運輸大臣並びに国鉄総裁と並んでそれぞれからお答えいただきたいところなんですけれども、改めて日を変えて運輸大臣にはまた伺いたいと思うんです。
 大蔵大臣のところでこれから進めていく共済年金制度の基本問題研究会ですね、これはいまおっしゃったように、国鉄の問題もあわせて検討の対象にするんだという。その国鉄については、すでに国鉄の総裁の諮問機関として国鉄共済年金財政安定化のための研究会と、こういうのが設置をされて五月に研究報告をまとめておられるわけなんです。国鉄は国鉄で、国鉄の年金問題をどうするかというのを国鉄総裁が研究会をつくって答申が出たと。今度はまた、大蔵大臣のところで研究会ができて、ここでもまた国鉄の問題を対象にして検討をやるんだ。こういうふうに、一つの共済年金制度について、国鉄に関して言えば二つも研究会が相前後してできて検討をやっていこうというわけですね。これこそ、むだな給付という言葉を使っておられますが、まさにむだな研究なんですよ、これ。同じ国鉄の共済制度について二つも研究会をつくってやっていこうという、こういうやり方。
 一体大蔵大臣としては、国鉄は国鉄でやり、大蔵省は大蔵省でやるというやり方、当然だとお考えなんでしょうかね。いかがですか。この点見解を承って、なおこの件については、運輸大臣出席のもとで引き続いて国鉄問題については政府に対する質疑を続けさしていただきたいと思うんです。
#156
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国鉄総裁が私的諮問機関としてそのような研究機関を持ち、それによってことしの四月に答申といいますか、取りまとめをしたという話は聞いております。しかし、国鉄たけて――私は国鉄共済というのはこれどんな研究したのか、よくまだ詳しく知りませんが、なかなかやっていけないんじゃないかと。まして国鉄は四十二万人体制から人もうんと減らすというようなこともすでにもう決定をされておって三十五万人体制に減らすと。すそ野がうんとすぼまってしまうわけですから、私はなかなかこれ負担が容易なものじゃないと。したがって、これらの点も考えてこのそれぞれの国家公務員の共済組合等においても、公務員をどんどんふやしていくという時代でなくて、むしろ減らして、それでもう合理化を図っていくというような時代でいくというと、それぞれ独立の共済組合というものがやっていけるのかどうか、そういうような点も考えて幅広く総合的にひとつ検討したいと。
 したがって、もうすでにこれ終わっちゃった話でありますから同時に発足させるというようなものでもございませんので、それはそれなりにどういうふうな御見解なのか、詳しく取り入れて、もう一遍広い視野から検討をしてみたいと、こう考えております。
#157
○委員長(林ゆう君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#158
○委員長(林ゆう君) 速記を起こしてください。
#159
○中尾辰義君 今度の改正法案は、厚生年金法の改正に伴っていわゆる通年方式の定額部分の額の引き上げ、それから通算退職年金の定額の引き上げ、さらに厚生年金にならい最低保障額の引き上げと、この三つが大体大きな柱になっておるわけでございますが、そこで、本案が成立した場合にいわゆるこの通年方式による再計算が行われるわけでありますが、これで二、三、ちょっと聞いてみたいんですが、現在、この年金額改定事務はコンピューターでやられておるわけですけれども、本案が成立後再計算のための改定作業時間はどの程度要するのか。
 それから、今回の改正による改定年金額が十二月の支給月に支給することができるのかどうか。さらに、本案改正による年金額改定該当者等についても御説明を願います。
 以上でございます。
#160
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘の、どの程度の方がまず適用になるかという点でございますが、五十五年一月末現在の共済年金の全受給者のうち、通年方式を選択している方が約六割強でございまして、人数にいたしますと約十九万四千人の方々がこれに該当するわけでございます。で、この法案が通ることによりましてこれらの方々の年金額が約一・三%程度上積みをされていくことになると推定をいたしております。
 それから、どのくらいの期間で支給ができるかという御質問でございますが、この点は、今国会中に法案が成立いたしますれば、その差額につきましてはできる限り急いで事務処理を行いまして、年内に送金できるように努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#161
○中尾辰義君 それから、その通算退職年金受給者の平均在職年数、平均退職年金額、その辺はどうなっていますか。
#162
○政府委員(矢崎新二君) 通算退職年金の受給者数は現在約四下人でございまして、退職年金受給者に対する割合は二%弱ということになっております。
 それからまた、平均年金額は月額約三万五千円でございまして、平均組合員期間は八年程度という状況でございます。
#163
○中尾辰義君 次に、ただいまも野田議員から質問がありましたけれども、この寡婦加算の引き上げの問題ですが、これは昭和五十一年に、遺族年金の給付水準改善のために各公的年金制度及び恩給に寡婦加算制度が設けられたわけであります。その加算額は各年金相互間でばらつきのないように同額に定められたが、現在、新法の遺族年金の寡婦加算額のみが改定をされていないわけで、そこで二、三問題点を、野田議員の質問と少し重複するかもしれませんが、再度ひとつお伺いしたい。
 現在、この厚生年金、恩給、旧令特別年金及び旧法に基づく遺族年金の寡婦加算額は、年額にして、これは本人それから子供が一人、二人ある場合違いますけれども、十二万円または二十一万円となっておる。新法の寡婦加算額は、これも子供の数によりますけれども、本人だけの場合四万八千円、それから、子供の数によって六万円または八万四千円、こういうふうに非常に差があるわけでありますけれども、この新法の寡婦加算額のみが引き上げられていない。そこにこの委員会の不満があって質問もあるわけですが、再度その点についてお伺いしたい。あなたからで結構ですから、厚生年金だけはなぜ大幅に上げたのか。それも追加して、厚生省見えておりませんからあなたの方で代弁して結構です。
#164
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘のとおり、旧令旧法年金にかかわります寡婦加算額につきましては、恩給の措置にならいまして五十五年度の年令額改定法によって恩給と同額の引き上げを行っております。御承知のように、国家公務員の共済組合が現在のような社会保険のシステムの年金制度を発足させましたのは昭和三十四年でございますけれども、それ以前の年金制度は主として恩給でございまして、部雇用人に対して旧法共済制度が実施されていたわけでございます。したがいまして、恩給法との均衡上、現在の共済年金制度の発足以前のいわば旧制度におきます退職した旧令旧でございまして、平均組合員期間は八年程度という状況でございます。
#165
○中尾辰義君 次に、ただいまも野田議員から質問がありましたけれども、この寡婦加算の引き上げの問題ですが、これは昭和五十一年に、遺族年金の給付水準改善のために各公的年金制度及び恩給に寡婦加算制度が設けられたわけであります。その加算額は各年金相互間でばらつきのないように同額に定められたが、現在、新法の遺族年金の寡婦加算額のみが改定をされていないわけで、そこで二、三問題点を、野田議員の質問と少し重複するかもしれませんが、再度ひとつお伺いしたい。
 現在、この厚生年金、恩給、旧令特別年金及び旧法に基づく遺族年金の寡婦加算額は、年額にして、これは本人それから子供が一人、二人ある場合違いますけれども、十二万円または二十一万円となっておる。新法の寡婦加算額は、これも子供の数によりますけれども、本人だけの場合四万八千円、それから、子供の数によって六万円または八万四千円、こういうふうに非常に差があるわけでありますけれども、この新法の寡婦加算額のみが引き上げられていない。そこにこの委員会の不満があって質問もあるわけですが、再度その点についてお伺いしたい。あなたからで結構ですから、厚生年金だけはなぜ大幅に上げたのか。それも追加して、厚生省見えておりませんからあなたの方で代弁して結構です。
#166
○政府委員(矢崎新二君) 御指摘のとおり、旧令旧法年金にかかわります寡婦加算額につきましては、恩給の措置にならいまして五十五年度の年金額改定法によって恩給と同額の引き上げを行っております。御承知のように、国家公務員の共済組合が現在のような社会保険のシステムの年金制度を発足させましたのは昭和三十四年でございますけれども、それ以前の年金制度は主として恩給でございまして、一部雇用人に対して旧法共済制度が実施されていたわけでございます。したがいまして、恩給法との均衡上、現在の共済年金制度の発足以前のいわば旧制度におきます退職した旧令旧法年金にかかわる遺族年金についての寡婦加算はその引き上げを行ったということでございます。しかし、新法の遺族年金の寡婦加算額につきましては、国家公務員共済組合審議会からの答申等も踏まえまして、四十歳未満の子なし妻の取り扱いの問題とともに、今後の検討課題ということになったわけでございまして、今回の改正法案においては引き上げが見送られた次第でございます。
 なお、御指摘の厚生年金において大幅に寡婦加算を引き上げた理由でございますけれども、厚生省の見解によりますと、年金による所得保障の必要性が高いと思われます有子の――子供のある寡婦とかあるいは高齢の寡婦に重点を置いた改善を行うということをいたしまして、そのために子供さんを二人以上持っておられる寡婦の方に対する寡婦加算額を現行の額の二・五倍に相当する一万七千五百円に引き上げたと。それからまた、一人のお子様を有する寡婦の方のあるいは六十歳以上の高齢の寡婦の方、この方々に対する寡婦加算額につきましては月額一万円にそれぞれ引き上げたということを説明をいたしております。
 以上でございます。
#167
○中尾辰義君 それから、ここにいろいろこれはアンバランスがあるわけですのでちょっとお伺いをしますけれども、三十四年以前から公務員であって、三十四年以降公務員年金法の適用を受けたいわゆる更新組合員ですね。更新組合員として退職した者の遺族は、新法期間がわずか一年あるだけでも新法年金の適用となってしまうと。現在寡婦加算額は据え置きとなっておるわけでありまして、こういう人がまともに不利益を受けておるわけです。最低保障適用者の場合には、本年六月分からは旧法年金の適用を受けた方が得となる結果となっておりまして、きわめてこれはバランスを欠くわけです。この不合理につきまして大蔵省はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#168
○政府委員(矢崎新二君) 新法にかかわります遺族年金の寡婦加算額が据え置かれた結果、その面では旧法の遺族年金受給者との間の違いというものが生じていることは事実かと思います。ただ、新法適用者には新法制度に伴ういろいろな計算方式のメリット等が別途あるという点も、これは事実かと思う次第でございます。この寡婦加算を含みます遺族年金の取り扱いをどうするかということは、共済年金制度の中におきます遺族年金の基本的なあり方の問題との関連があるわけでございまして、今後どういつだ遺族年金の仕組みをとっていくかということにつきましては、さらに引き続き検討をしていく必要があるだろうというふうに考えておる次第でございます。
#169
○中尾辰義君 それじゃ大蔵大臣に。いまずっと聞いておられたでしょうけれども、寡婦加算が今度の新法にないわけです。ここに非常に厚生年金の場合とアンバランスがあるんですが、これいま質問したら、いろいろと問題があるので審議会でも検討したいということですが、これは大蔵大臣、この点は早急に是正する必要があると思うんですが、その点大蔵大臣のひとつ御意見を伺ってみたいと思います。この是正について、早急にこれは変えなきゃかなり差があるわけなんです。だからもう一遍この点を審議会に諮るなり、どういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#170
○国務大臣(渡辺美智雄君) 厚生年金と共済年金とはかなり遺族の範囲その他根本的に違っているところがたくさんございます。したがいまして一概にどうということは言えないんでございますが、全体のバランス等については検討をしたいと考えております。
#171
○中尾辰義君 うまい答弁になっていないけれども、検討してもらうそうですから、早急に検討して、このバランスが直るようにやっていただきたいと思います。
 それから次に、最低保障制度の件ですね。これは共済年金の最低保障額は、恩給に準じた最低保障額とそれから厚生年金に準じた最低保障額とから成っておるわけですが、今度の法案では厚生年金に準じた最低保障額を改定すると、こういうふうになっておりますので、若干お伺いをしますが、国家公務員共済年金の場合、各種年金別に最低保障額の適用を受けている者の割合と人数はどのようになっているのか。
#172
○政府委員(矢崎新二君) 退職年金の受給者数は全体で約二十七万九千人となっておりまして、そのうち最低保障対象者数が約三千四百人、割合が一・二%ということになっております。それから、また廃失年金につきましては、受給者数全体で約四千二百人でございまして、そのうち最低保障の対象者数は五百二十人ほどでございますので、その割合は一二・六%ということになっております。それからまた違族年金につきましては、受給者総数が全体で約六万八千人でございまして、そのうち最低保障対象者数が約二万人でございます。割合は二九・三%という状況になっております。
#173
○中尾辰義君 それから最低保障額ですが、厚生年金に準じた最低保障額は、退職年金の場合従前方式によって計算すると八十一万円、こういう計算になる。ところが本法律案による改定額は六十八万四千円、こういうふうになるわけです。大分減るわけです。なぜこういうような従前方式による改定額を定めなかったのか、この辺はいかがですか。
#174
○政府委員(矢崎新二君) 従来から、新法におきます最低保障額は厚生年金との均衡を考えまして算定をするようになっておりまして、退職年金について申し上げますと、組合期間が二十年、それから俸給額を厚年の標準報酬の最低額をとりまして、それを通年方式で計算をした額、こういうものを出しまして、それにさらに配偶者と子供〇・五人分に相当する加給年金額、これを加算すると、そういうことで算定をしているわけでございます。
 ところで、今回の法改正におきましては、国家公務員共済組合法に定める退職年金等の最低保障額のうちで、定額部分と報酬比例部分につきましては厚年の改正に準じて引き上げたわけでございますけれども、先ほど申し上げました算式のうちの加給年金額の部分につきましてはこれを据え置いておるわけでございまして、それは遺族年金の扶養加給を据え置いたのと同様に措置をした結果でございます。この結果として、二十年分の通年方式の額の従来の加給額を加えまして計算いたしますと、六十八万四千円ということになったわけでございます。
 しからば、そういった最低保障額の算出過程で加給部分を据え置いたのはなぜかということでございますが、それは遺族年金の扶養加給を据え置いたのと同じ理由でございまして、厚生年金保険法の改正の考え方は先ほど申し上げたとおりでございまして、夫婦世帯の年金水準の充実といったようなことを考えたように伺っておるわけでございますけれども、共済年金制度につきましては、先ほど来申し上げておりますように、いろいろと遺族年金の水準全体の問題もございますし、それからまた、一般的には共済の場合は加給年金制度を導入していないといったようなこともございまして、加給部分の据え置きをしたというのが理由でございます。こういった問題につきましては、共済年金制度の根幹にかかわります基本的な問題でございますので、制度全体の検討の一環としまして今後とも検討を続けていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#175
○中尾辰義君 次に、遺族年金の方が退職年金より多いケースがあるんです。普通恩給の最低保障額と共済年金の退職年金の最低保障額が、最近は異なった方向に進んでおるように思われるわけです。一方では寡婦加算額が大幅に引き上げられている、旧法年金については事例によりましては遺族年金の方が退職年金よりか高くなっている、こういう結果があるわけでございます。いいですか、たとえばこれは一つのケースだが、本年六月分より旧法等の退職年金の最低保障額は六十五歳未満の場合が五十二万五千円。一方、遺族年金の最低保障額は四十五万五千円、受給者が六十歳以上の寡婦である場合には十二万円の寡婦加算が行われて、合計しますると五十七万五千円が支給されることになる。つまり、遺族年金の方が退職年金より五万円高くなっておる。こういう結果となっているんです。また、厚生年金と違って共済年金には加給制度がないので、最低保障額の水準そのものを定める際単純比較してよいかどうかこれは問題であるわけでありますが、こういう状況を見ますると、共済年金の最低保障制度そのものを検討すべき時期に来ているのじゃないか、こういうふうに考えるんです。これはどうですか大臣。
#176
○政府委員(矢崎新二君) ただいまの御指摘の中で、いわゆる退職年金の水準と遺族年金の水準との逆転現象についての御指摘があったわけでございますけれども、これは、基本的には、本人年金の場合ですと若齢による割り落としを受けるということの結果でございますし、逆に言えば、遺族年金に配慮をしているということかとも思いますので、やむを得ないことではないかと思うわけでございます。この共済年金の最低保障の仕組みをどういうふうにしていくかという点につきましては、年金の給付体系全体との関連も考慮しながら検討をしていく必要があろうかと思っております。
#177
○中尾辰義君 それでは関連で二、三問ちょっとお伺いします。
 先ほども共済年金制度基本問題研究会、これは質問がありましたが、先般の共済年金制度の大幅改正に当たりまして、国家公務員、地方公務員、公共企業体の各共済の代表者から成る共済年金制度懇談会、これは懇談会でしょう、これが設置されたんですが、この懇談会はいまどうなっているのか、これが一つ。
 それから、基本問題研究会とこの懇談会の関係はどうなっているのか。――まあそれたけをお伺いしましょう。
#178
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘の共済年金制度懇談会は、国、地方、それから公企体の各共済組合の関係者の意見の交換をしていただく場といたしまして、五十三年の三月から数回にわたりまして会合を開催していただきまして、共済年金制度の改正についての検討をしていただいたわけでございます。その結果といたしまして、共済年金制度改正の検討項目整理メモというものをまとめていただいたわけでございます。この整理メモの中で、当面早急に取り上げるものとされました事項については、大体五十四年の共済組合法の改正内容に取り入れられたところでございます。こういった経過を経まして、この懇談会は一応の区切りがつけられまして、使命は果たされたのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 今回発足いたしました研究会は、これからの高齢化社会に対応していくための共済年金制度の今後のあり方につきまして広く御検討をいただくために発足をしたわけでございます。この研究会におきましては、御指摘の共済年金制度懇談会の整理メモにつきましても十分参考にしていただきまして検討を進めていただくことになろうかと考えておる次第でございます。
#179
○中尾辰義君 それでは、研究会を構成する委員のメンバーはどういう顔ぶれですか。先ほどちらっとありましたけれども、正式におっしゃってください。
#180
○政府委員(矢崎新二君) この委員会のメンバーは、座長が今井一男先生でいらっしゃいます。共済組合連盟の会長でございます。それから岡安誠先生、これは糖価安定事業団の理事長でいらっしゃいます。それから尾崎朝火先生、これは財団法人日本人事行政研究所の理事長でいらっしゃいます。それから斎藤正夫先生、この方は地方職員共済組合の理事長でいらっしゃいます。それから清水成之先生、この方は日本私学振興財団の常務理事でいらっしゃいます。それから橋本司郎先生、これは朝日新聞社の編集委員でいらっしゃいます。それから平田冨太郎先生、この方は早稲田大学の名誉教授でいらっしゃいます。それから福田勝先生、これは日本労働組合総評議会の国民生活局長でいらっしゃいます。それから船後正道先生、この方は中小企業金融公庫の総裁でいらっしゃいます。それから村上清先生、この方は日本団体生命保険株式会社取締役をしておられます。それから山本正淑先生、財団法人厚生団理事長でいらっしゃいます。
 以上でございます。
#181
○中尾辰義君 それから、国鉄の共済年金の財政の現状と今後の見通しを説明を願いたいと思います。
#182
○政府委員(永光洋一君) 国鉄共済組合年金財政安定化のための研究会は、性格が一応国鉄の総裁の諮問機関ということになっておりまして、運輸省と直接の関係はないんでございます。
 国鉄の共済の財政につきましては、現在、いま申しました研究会等でもいろいろ研究をいたしたわけでありますが、五十四年度決算におきまして国鉄の共済財政は収入が三千七百五十七億、支出が三千八百三十億円となっておりまして、差し引き七十三億円の単年度赤字となっております。さらに、五十五年度につきましても財政状況はきわめて厳しく、予算上百四十四億円の赤字が見込まれております。
 五十六年度以降どういうふうになるかという見通しにつきましては、国鉄総裁の諮問機関であります収支計画策定審議会において現在鋭意検討をしておる段階でありまして、今後いろいろ検討がされるというふうに聞いておりますが、概括いたしますと、国鉄の共済につきましては、やはり事業が縮小重点化の傾向になっておりますので退職者が急増いたしますし、あるいは合理化の問題で三十五万人体制というような職員減、いわゆる成熟度から申しますと、母集団が減りまして、成熟度が非常に急激に高度化するというような傾向にございまして、昭和六十年には成熟度が一〇〇%を超すということも見通されまして、これに伴いまして給付費も非常に急増するという見込みでありますので、非常に国鉄共済年金の財政状況は一段と厳しくなるというふうに見込まれております。
#183
○中尾辰義君 最後に、運輸省と大蔵大臣にちょっとお伺いしますが、昭和五十五年度予算要求の際に、運輸省が国鉄共済年金の負担急増対策として年金対策補給金それから利子補給、これは百三億円の要求を行っているわけでありますが、このような考えをとるに至った経緯についてまずお伺いし、それから、大蔵大臣は国鉄共済組合の年金支払い能力に対する助成を今後どのようにしていこうとお考えになっていらっしゃるか、その二つお伺いして終わります。
#184
○政府委員(永光洋一君) 先ほど国鉄の共済につきまして成熟度のことを申し上げましたが、五十四年度におきましての成熟度は六八・九%ということになっておりまして、したがいまして全般的に現在他の成熟度と申しますか、いわゆる組合員が受給権者との対比でどの程度かと申しますと国鉄が六八・九、電電が一六・五、専売が四三・六、国家公務員連合会非現業が二六・一、こういうような形になっておりまして、これを実質的な平均をいたしますと、大体国鉄の成熟度は他の、いま申しましたところの倍でございまして、したがいまして、いわゆる正常な他の共済組合の成熟度を超えるものについては、これはやはりいろいろ原因があると思いますが、一つには戦争中並びに戦後の時期におきましてのいろんな召集による欠員増を大幅に充当したとか、あるいは引揚者を大幅に、満鉄とかそういう外地の鉄道で働いておられた方を非常に引き受けたとかいうようなかっこうでの要員構成のゆがみが非常に大きな原因になっておりますし、さらにいま申しましたように、輸送構造なり産業構造が変革しましたことに伴いましての、いわゆる社会的な原因によりますところの成熟度の他に比べての著しい成熟度というようなことから、いわゆる平均的に他の共済の成熟度と国鉄の異常部分につきましての、いわゆる国鉄財政が追加費用を旧法につきまして払うわけでございますが、この国鉄財政の企業体の財政状況の関連から、この異常部分につきまして一定の助成をして、そして国鉄財政の観点から、さらにこの共済組合への追加費用の観点から多少の助成をいたしたい、こういう考えで五十四年に要求したものでございます。
#185
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまもお話がございましたが、国鉄の成熟度は六八と、一般公務員の方はまた二六と、これは国鉄だけでなくて、老齢化社会が進みますというと国鉄のような現象があっちこっちにみんな起きてくることが容易に想像されるわけであります。しかしながら、年金制度は保険方式によって運営するというのが基本でございますから、これについて国が特別な財政援助をするということは目下考えておりません。厚生年金の改正案をこの前出したときにも、なかなかそれだけの高福祉といいますか、年金の受給者に対する優遇措置を講じますというとかなりの負担がやはりかかると、これについて若い人たちだけでなかなかこれは持っていけないんではないかというような点等も考えて、この前の厚生年金の改正案を政府が出したときに六十五歳支給ということを出したのは、そういうところにも実は原因があるわけでございます。したがって、これからの国鉄の問題あるいは国家公務員共済の問題等も全部含めまして、やはりどれぐらい負担に結局若い人たちが応じられるのか、こういうようなものも含めてさらに検討を進めてまいりたいと、かように考えております。目下それに対して特別な財政援助を行うという考えはありません。
#186
○委員長(林ゆう君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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