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#1
第093回国会 内閣委員会 第7号
昭和五十五年十一月十三日(木曜日)
   午前十一時三十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月十二日
    辞任         補欠選任
     斎藤 十朗君     山内 一郎君
     片岡 勝治君     穐山  篤君
 十一月十三日
    辞任         補欠選任
     穐山  篤君     片岡 勝治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  ゆう君
    理 事
                藏内 修治君
                竹内  潔君
                矢田部 理君
                藤井 恒男君
    委 員
                板垣  正君
                岡田  広君
                源田  実君
                中西 一郎君
                林  寛子君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                穐山  篤君
                野田  哲君
                山崎  昇君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                安武 洋子君
   衆議院議員
       内閣委員長代理  愛野興一郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       中山 太郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  大村 襄治君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房管理室長    関  通彰君
       総理府人事局長  亀谷 礼次君
       防衛政務次官   山崎  拓君
       防衛庁長官官房
       長        夏目 晴雄君
       防衛庁防衛局長  塩田  章君
       防衛庁人事教育
       局長       佐々 淳行君
       大蔵省主計局次
       長        矢崎 新二君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  永光 洋一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       厚生省医務局管
       理課長      田中 健次君
       厚生省援護局業
       務第一課長    森山喜久雄君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道共
       済事務局長    川野 政史君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○公共企業体職員等共済組合法及び昭和四十二年
 度以後における公共企業体職員等共済組合法に
 規定する共済組合が支給する年金の額の改定に
 関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○防衛庁設置法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十二日、片岡勝治君及び斎藤十朗君が委員を辞任され、その補欠として穐山篤君及び山内一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(林ゆう君) 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案並びに公共企業体職員等共済組合法及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○穐山篤君 本委員会にかかっております改正の直接的な問題はすでに十分解明がされておりますので、いま非常に政治問題になっております国鉄共済組合の問題について少しお伺いをしておきたいと思うわけです。
 昨年十二月二十九日の閣議了解で、国鉄の再建の問題につきまして要綱が明らかになりました。また、今年の昭和五十四年度の監査委員会の監査でも、共済組合の経理問題につきまして指摘をされております。いずれも同じような指摘が行われているわけですが、特に共通して指摘をされておりますのは、「年令構成の歪みから生ずる国鉄の年金問題の重要性にかんがみ、」以下云々というふうに閣議了解でも指摘をしているわけです。やっぱりこの職員の構成問題、なかんずく年齢構成について十分に明らかにしておく必要があるだろうというふうに思いますので、若干の質問をしたいと思います。
 最初に、御案内のとおり成熟度というのがあるしわけですが、昭和四十五年から五十四年までの分につきましてはあらゆる資料に述べられております。さらに、監査委員会の指摘によりますと、昭和六十年度には成熟度が一一四%になるというふうに数値を押さえているわけですが、細かいきちっとした数字についてはともかくとしまして、昭和六十年度は一一四に押さえたわけですから、当然昭和五十六年、七年、八年、九年というものについても、おおむねこういうふうな変化を示すというのは検討されていると思うんですが、その点、運輸省でも国鉄側でも結構ですが、明らかにしてもらいたいと思います。
#5
○説明員(高木文雄君) お答え申し上げます。
 昭和五十五年度の成熟度は七二になっております。五十三年度が六四でございまして、五十四年度が六八、そして五十五年度が七二ということになっております。六十年度は、いまお示しのように一一四と見込んでおります。その途中がどうなるかということにつきましては、実は現在四十二万人おります職員を六十年度には三十五万人まで減らすと、そういうことを前提としておりますが、その年次割りはまだつくっておりません。まだ現在の減量経営計画を年次的にどうやって進めていくかをつくっておりません。退職者の数の方は見込みがつくのでございます。したがって、給付を受ける人の数の見込みはつくのですけれども、掛金を掛ける人の数が年々どうなっていくかというのは計画がまだ立っておりませんものですから、途中時点における成熟度は私どもも算定しておりませんので、ここでお答えすることは御勘弁いただきたいというふうに思います。
#6
○穐山篤君 運輸省と大蔵省にお伺いしますが、昭和六十年度になりました際に、電電あるいは専売というふうな公共企業体それから国家公務員の成熟度ですね、これはどんなふうに押さえておりますか。
#7
○政府委員(永光洋一君) 昭和六十年度、一応推計値でございますが、三公社と国共合わせまして要するに大体五〇ぐらいのところではないかと思います。成熟度。
#8
○政府委員(矢崎新二君) 昭和六十年度におきます国家公務員共済組合の一般職員につきまして成熟度を推計をしております数字は三九・五%ということに見込んでおります。
#9
○穐山篤君 国鉄の側は、いま運輸委員会にかかっております国鉄の財政再建というものがあるわけでありますが、これが七万四千人の要員の合理化を行う、そういう要素も考えながら一一四%というものの数値が推計ができるわけですが、国家公務員にいたしましても、電電あるいは専売につきましても御案内のとおり要員の合理化あるいは行政改革、こういうものが片方に控えているわけですね。もちろんこれはそれぞれの企業によりまして、あるいは公社によりましてその計画の違いはありますけれども、そういうものを考えてみますと、生首は切らないにいたしましても、他の公社及び国家公務員の成熟度というのはいまの五〇%ないし三九・五%以上になる可能性というものがあると思いますけれども、その点いかがですか。
#10
○政府委員(永光洋一君) いま推計で申しました三公社、国共の五〇%六十年度、こういうふうに言いましたが、その推計によりますと、やはり十年後あるいは二十年後にはさらに成熟度は高まる傾向を示しておりますが、一応推定でございますのであれですが、たとえば大体七〇%程度ぐらいまでというような推計がございます。
#11
○穐山篤君 実は私、前の国会で内閣委員を専門に担当しておったのですが、その当時も御案内のとおり、国家公務員の退職手当法の一部改正案が出ておった。
 そこで、国家公務員あるいは地方公務員、さらに含めて三公社の職場を歩いてみますと、退職手当が来年の四月から五%、再来年の四月一日から一〇%ダウンをするとするならば、これは容易ならざる事態だと、退職手当を受ける者の立場から言いますと容易ならざる事態だと、通常五十五、あるいは五十七、八まで勤めておったとしてみても、第二の人生を考えてみますと一〇%ダウンというのは非常に影響が大きい。そこで、職場では来年やめようか、再来年やめようかというふうな、五十歳台の人でありますが、そういう話が非常に聞こえるわけです。現に国鉄の場合につきましても、御案内のとおりその影響が非常に大きいんです。私は国鉄の職場を歩いてみましてそういう相談を現実に受けるわけです。そうしますと、退職者の数といいますのは予想をした以上にふえるのではないだろうか、これは現実の問題として非常に可能性があるというふうに判断をするわけです。その点、国鉄側あるいは国家公務員側、両方からその辺の見通しといいますか、考え方をお聞かせをいただきたいと思います。
#12
○説明員(高木文雄君) 確かに退職金の問題で、退職時点に近づいておる職員の間で情緒不安定になっていることは事実でございます。いまここでちょっと数字を持ち合わせておりませんけれども、ことしの春と申しますか、前年度末と申しますか、やめた職員の数を見ますと、御案内のように、私どもの方は一応五十五歳を一つの目安とし、本人の希望等によって五十八歳までおれることになっておりますが、五十五歳に到達した上で、その時点でやめる人とやめないであと二年なり三年なり勤める人との割合を見ますと、ちょっといま手元に数字ございませんが、昨年の春の場合、一昨年の春の場合と比べましてやめる方を選択する人の数、その比率がふえておるわけでございますが、それがふえておるのは、やっぱりそうした不安感というものも影響しておるということは否定できないと思います。
#13
○政府委員(矢崎新二君) ただいま御指摘の退職手当法の改正の問題は、現在御審議をいただいておるわけでございますけれども、これは所管省でございます総理府が人事院にお願いいたしまして、民間企業の退職金実態調査を基礎にいたしまして民間との均衡を図ろうということで御提案をしているように聞いておるわけでございますが、その影響がどのようになるかということについては、私どもといたしましてこの時点で具体的な推定をいたすことは困難かと思っておる次第でございます。
#14
○穐山篤君 そこで、先ほどもお話がありましたように、国鉄の成熟度が五十四年度、昨年六八・九、ことし七二%、昭和六十年になりますと一一四%という、大変急激に変化をするわけですが、それは過去の要員の需給状況が今日にすべて影響を与えている、こんなふうに考えるのは当然であります。
 そこで、具体的にお伺いしますが、昭和十二年から終戦までの間に兵隊に行った者あるいは身分を国鉄に置きながら軍属で行く、それから新しい輸送力の増強――私も関係しておりましたが、軍需輸送というふうなものがありまして相当の人を採用したわけですね。さらに、終戦から例の定員法までの間に、これまた現実の問題としては戦後の復興という意味もありましてかなりの人を採用をした。それと同時に、戦後になりますと軍人、軍属、あるいは満鉄であるとか、あるいは鮮鉄であるとか、樺太鉄道であるとか、そういう関係者が続々復員をしてきたわけですね。これが今日全部かかわり合いを持っているわけですが、それらの数字を明らかにしてもらいたい。
#15
○説明員(高木文雄君) まず、戦前、昭和十二年から終戦まで、十九年までに新規採用されました、これは要するに応召とか海外派遣とかの穴埋めの分を含め、かつ戦争中の輸送力増強に対応するためのものでございますが、その数は五十八万四千人になります。十二年から十九年までの累計で五十八万四千人が採用数でございます。
 次に、終戦の年の昭和二十年から公社発足まで、二十三年までの採用数が二十五万九千人でございます。
 なお、復員者の数、これは二十年から二十三年までの復員者の数でございますが、これが二十三万九千人、したがいまして二十年から二十三年までの採用と復員とを合わせますと四十九万八千という数になります。
#16
○穐山篤君 いま言われました総合計四十九万八千名は、そのうちの一部はすでに退職をされている方もあるわけですが、ある者は現職職員として活躍をしているわけです。
 そこで、これは本問題解決のために認識をきちんとしておく心要があるわけですが、昭和十二年の国鉄全体の要員はたしか二十四万五、六千人おったわけですね。で、終戦の年には五十一万から五十二万人おったわけですね。そうしますと、輸送力の増強もありますし、それから軍人、軍属の補充というふうなこともあるわけですけれども、要員が二倍以上にこの時点でもなっているわけですね。そうしますと、これが国鉄の好みで要員の需給をとってきたということであるならばともかくとしまして、やはり当時の国策に沿ったものであったというふうに――まあ私は兵隊行きませんでしたけれども、そういうふうにそこの部分については認識をせざるを得ないと思いますけれども、運輸大臣、その点はいかがでしょう。
#17
○国務大臣(塩川正十郎君) 確かに昭和二十年から二十三年の間に復員してこられた方が国鉄に就職されたと、その事実はございますが、全体に占めますところのウエートから申しますとそれほど大きいウエートではないと思うのでございますが、しかし、復員後国鉄で相当数吸収したという事実はございます。
#18
○穐山篤君 高いウエートではないというお話があったわけですが、まあそれは逐次申し上げていきましょう。
 さて、そこで財源率の変化の問題でありますが、今日は対俸給千分でいきますと千分の百四十七を事業主及び組合員が負担をしているわけです。成熟度が上がることによって財源率が変化をする、負担が大きくなるというのは物理的には当然だというふうに思いますが、十年刻みでちょっとお願いしたいと思いますが、昭和五十年、それから昭和四十年、国鉄の財源率はどうだったんでしょうか。
#19
○説明員(川野政史君) 昭和四十年時点で申し上げますと、国鉄の財源率は四十年は千分の九十五でございます。それから五十年で申し上げますと千分の百十七でございます。それから、現在では御承知のとおり千分の百四十七でございます。それでよろしゅうございますか。
#20
○穐山篤君 昭和四十年で九十五ですか。そこはもう一度確かめてみてもらいたい。
#21
○説明員(川野政史君) 失礼しました。
 四十年では百三でございます。訂正いたします。
#22
○穐山篤君 国家公務員の場合、いま四十年、昭和五十年、それから昭和五十三年、この刻みで幾らになっておりますか。
#23
○政府委員(矢崎新二君) 国家公務員の場合の財源率を申し上げますと、四十年度が千分の百五、五十年度が千分の百十・五、現在が千分の百二十三ということに相なっております。
#24
○穐山篤君 国鉄と国家公務員の間にはかなりの乖離がありますが、これは再計算期に十分計算をして物理的に出たものでありますから、機械的に評価をすることは無理があろうと思います。しかし、いずれにしましても、極端に成熟度の違いがここにあらわれているというふうに思います。
 そこで、比較をする意味でお答えだけひとつもらいたいんですが、国鉄の場合、現職職員の平均で結構ですが、一カ月の掛金の金額、それから電電公社の職員の一カ月の掛金、それから国鉄公務員の平均で結構ですが、掛金額はお幾らになっておるでしょうか。
#25
○説明員(川野政史君) 国鉄の場合、十八万円の基本給といたしますと、掛金が一万一千円になります。
#26
○穐山篤君 電電はお幾らですか。
#27
○政府委員(永光洋一君) 一応電電は運輸省で取りまとめておりますが、ちょっといま資料がございませんので、御了承願いたいと思います。
#28
○穐山篤君 公務員は幾らになっていますか。
#29
○政府委員(矢崎新二君) 本俸が二十万円の人で計算しますと、掛金の額が一万三百円ということに相なります。
#30
○穐山篤君 まあ電電、数字がないわけですが、平均給与もあるいは基本給も国鉄よりも多少水準が低いだろうと。それから掛金率も低いと思いますので、数字は国鉄よりもかなり低目だろうと。逆に言いますと、現職の国鉄職員は他に比べて多額の負担を負っていると、こういう認識になるのは当然だというふうに思います。
 さてそこで、この国鉄共済組合の長期経理の収支が非常に悪化をして、御案内のとおりでありますが、これは国鉄共済組合の経営を圧迫するだけではなくて、国鉄の財政にとりましても、あるいは国鉄の経営にとりましても非常に重要な課題になっております。これの改善を図りませんと共済組合の経理も再建できないし、国鉄の再建にも一方ならず悪い影響を及ぼすのは当然だと思うんです。
 そこで、これからの問題になるわけですが、いま運輸委員会で審議しております国鉄の再建法は、昭和六十年度までに再建の土台をつくるということで法律の背景もありますし、具体的な行政措置もありまして、言いかえてみれば、昭和六十年までのものにつきましてはまあおおむねわかります。しかし、各年度の再建計画というものがありませんから、最終的にどういう形になるかということはよくわかりませんけれども、政府の意図というものは何となくわかるような感じがするわけです。
 いま申し上げましたように、昭和六十年までに財政再建の土台をつくるということで片方では法律ができている。さて、昭和六十年までに国鉄共済の再建の展望というものについては、まだそれらしきものも伺ったことがないんですね。これはある意味では政策的なことですから、運輸大臣は、こういう考え方で昭和六十年までにいまパンクしております国鉄共済組合を何とかしたいということで、ある程度の構想はお持ちだと思うんです。その点をお伺いしたい。
#31
○説明員(高木文雄君) いま、私の方の共済組合の収支といいますか、経理を当面六十年度までどういうふうに対処していくかということについて鋭意作業中でございます。来年の四月からは多少財源率を改定せざるを得ないだろうということで、財源率の改定を考えております。さらに追加費用という概念のものがございますが、追加費用につきましても従来まだ見ておりません部分、考えようによっては当然当局側といいますか国鉄側で負担すべき、そしてその負担をすればそれが共済組合の方の経理の改善になりますので、その追加費用をいままでよりは枠を広げて見ていかざるを得ないだろうということで考えております。
 年金全体について将来どうするかということについては、非常に大きな問題で、大蔵省で御検討いただいておりますが、それを一年、二年の間に結論を期待することは非常にむずかしい。その間に共済組合の方が財政的に破綻を来すということではいけませんので、何とか五十九年ないしは六十年までつなげるような計画をいま立てておるところでございまして、その考え方としては、財源率の改定と追加費用の見方の拡大ということによって対処さしていただきたいということで、組合との間でもいろいろ話し合いをしておりますし、関係御当局にもお願い申し上げているところでございます。
#32
○穐山篤君 運輸大臣、私たとえ話をちょっと申し上げますけれども、片方では再建法があって要員計画としては七万四千人も減らす。で、昭和六十年度になりますと成熟度一一四、三十五万人で四十二、三万人の先輩を支えていくということになるわけですね。ですから、これから退職される人もあるいは在職の職員も大変なことなんですよ、ざっくばらんに言って。これは私の素人計算ですけれども、国鉄が一切運賃料金を取らないで全部ただで汽車を動かすということになりますと、切符の製造販売というものは要らなくなるわけですね。出札係も要らないし改札係も要らない、あるいはそれを審査する人も要らない。大ざっぱに計算をしますと九万人ないし十万人になるわけですよ、全然ただで国鉄に乗ってくださいと言ってみても。そこで、なおかつ経営再建法は切符を売りながら七万四千人を合理化をするということですから、七万四千人、言いかえてみれば退職する人も大変だし職場に残る人も大変だ、こういう計算ができるわけです。それからまた、これはたとえ話で恐縮ですけれども、あえて財政再建、収支のつじつまを合わせるという意味で言うわけですが、夜行列車を全部廃止をする、そうしますと十万人以上の人が要らなくなる勘定になるわけです。しかし、赤字であろうが、まあ黒字ではありませんけれども、赤字のさなか、夜行列車は国鉄の公共的な役割りから言ってみて残さなければならぬ。経費がたくさんかかるわけだけれども、なおかつ夜行列車も設定をする、そしてなおかつ四万七千人を合理化するわけですから、そういう意味では非常に大変なんですね。ですから、片方の共済組合の運営の面についても、六十年までの計画、それから六十年以降の長期的な共済組合の経営というものについても、いま国会で審議しております経営再建法と同じぐらいのウエートでものをながめないと問題の解決にならないというふうに思うわけです。
 そこで、運輸大臣にもう一度お伺いするわけですが、いま一生懸命に審査をしておりますものは、経営再建法はとりあえず六十年までとする。同じようなウエートで共済組合のことを考えるとするならば、昭和六十年までのものについて主管の省であります運輸省としても特段の努力をしないと片手落ちになってしまう、私はそういうふうに思うわけですが、その点どうでしょう。
#33
○国務大臣(塩川正十郎君) 御質問にございますように、それは確かに共済と国鉄の再建問題と重要なかかわり合いのあることは私たちも承知いたしておりますが、しかし当面、この六十年までの経営改善計画の中では共済と国鉄の財政とは一応切り離しまして改善計画を作成することになっております。しかし、共済もこれは要するに職員の安定した活動をするために重要な問題でございますので、私たちも重大な関心と、それから努力をいたしておるところでございますが、国鉄再建に際しまして閣議了解、昨年の暮れに行われましたが、その中におきましても年金の問題に触れておるわけであります。それは、「年齢構成の歪みから生ずる国鉄の年金問題の重要性にかんがみ、関係各省庁において抜本的な共済年金対策について検討を進め、早急に結論を得ることとし、これに基づき所要の措置を講ずる。」と、こういうぐあいにうたっておるのでございまして、ただ、この国鉄の共済だけをどうするかということで国鉄なりあるいは運輸省で独自の対策は現在では立てがたい、財政的にも制限ございますし。したがいまして、各共済との関係をどうするかということを、目下、専門家によります検討を進めておる、その結論を待つということにいたしておることが一つでございます。
 それと同時に、共済に対します国鉄の対応といたしましては、現在の国鉄の体質、財政的な体質ではいかんとも対応しがたいこともございますので、そこでいかなる措置が決定されようとも、それに対応し得るだけの体質の改善をいまのうちにしっかりやっておきたいというのがわれわれ六十年度をにらんでの対策であるということでございます。
#34
○穐山篤君 その閣議了解あるいは特別措置法の第二十五条のことば後でまたもう一遍指摘をしたいと思いますが、来年四月一日から自助努力をしなければならぬ、追加費用の枠も拡大を配慮をしなければならぬ、これはよくわかりますが、さて自助努力、現在千分の百四十七ですけれども、国鉄の財力及び組合員、職員の負担能力という点を考えてみた場合に、その自助努力の限界というものもある程度考えなきゃならぬと思うんですね。とてつもない金を負担をさせるわけにはいかないと思うんです。しばしば笑い話でできるけれども、おれたちは先輩の年金をかせぎ出すために鉄道に入ったんじゃない、専売公社に入ったんじゃないという、よく若い人たちの話を聞くわけです。そこで、組合員の賃金あるいは生活、国鉄の足腰の状況から考えてみて、この自助努力の限界というのは大体どういうふうに押さえたならばいいんですか。これは重要な関心事でありますので、国鉄当局あるいは運輸省側として国鉄に要請をする限界と、こういうものが当然あると思うんですね、両方からお伺いしたいと思います。
#35
○説明員(川野政史君) 先生御指摘のとおり、現在国鉄共済組合員の掛金率は一般の民間の方々の厚生年金に比べまして約四割から五割近く、それから公務員その他、他の公社に比べましても二割から三割高いことになっておりまして、私どもとしましてもなかなか頭の痛いところではございますが、来年の四月からの財政計画につきまして、御指摘のとおりもう一段と負担を高めていきませんと財政がもたないということも事実でございます。いま御質問の、限界があるだろうという御指摘でございますが、同じ制度で同じ年金をいただくわけでございますから格差が幾らあってもいいというふうには私ども当然思っておりません。思っておりませんが、現在収支計画策定審議会というのがございまして、これは国鉄総裁の諮問機関になっておりますが、ここで専門家の先生に財政計算を鋭意いま御検討をいただいているところでございまして、その御検討の結果が近々いただけると思いますが、その辺をいただきまして、いま御指摘のような問題につきましてどういうふうに考えたらいいか検討していきたいと思っておりますが、これこれが限界であるとかこれこれが限界であるという数字自体につきましてちょっといまお答えすることは御容赦いただきたいと思います。そういう事情でございます。
#36
○政府委員(永光洋一君) いまの国鉄の話と同じような話になるんでありますが、一つの単独の企業単位としまして共済制度を組んで、しかも給付水準としては他と同様の給付水準ということになりますと、国鉄の場合は掛金率あるいは財源率が他に比べて先ほど申しましたように二、三割高くなっておりまして、その限度と申しますか、それともう一つ、経営上の問題としましては、これ先生御存じと思いますけれども、旧法部分についての年金改定額の部分は国鉄が経営事業体として追加費用で負担することになっております。したがって、問題としては組合員の掛金がどういうふうに上がっていくか、どの程度が限界であるかということ、それからさらに国鉄の経営者としての要するに財源にする分の負担金、八十五・五の部分と、それからさらに追加費用の部分、いま大宗は追加費用の部分が非常に大きいわけでございまして、昭和五十五年度予算でまいりますと、共済の収入のうち掛金が五百八十六億、それから国鉄が負担します負担金が八百十五億、それからさらに旧法の部分につきましての国鉄の負担部分が二千四百三十六億ということでございまして、したがいまして、組合員の方々の掛金の相対的な高さ、それから国鉄の追加費用額、現実には前年度の追加費用部分の実額を負担することになっておりますので、したがいまして二千億円を超える額になっておると、こういうことでございます。
 限度についてどうかというお話でございますが、確かに国鉄経営という観点から見ましたこの追加費用なり負担金について三千億円を超えるものを負担していくということは非常に現在の財政事情から大変であります。今後年金額の改定の将来の含み等を考えますと、さらにふくれるということでございますので、当面は昭和六十年までの経営基盤の確立という国鉄の問題としましては、この追加費用なり負担金についてのいわゆる他の企業、公社と比べての異常部分については一応経常的な損益に入れないで、そして再建の基盤を確立したいと、こう考えておりますが、それは一応形の上でありまして、実際的には非常に大きな負担がある。それから、掛金についても確かにある程度高いということで、将来も高くなっていく点につきましては、われわれも非常に頭が痛い点でございますが、一概にどの程度が限界かという点につきましてはいろいろ問題があるかと思いますので、もう少し検討させていきたいと、こう思っております。
#37
○穐山篤君 いま今井一男先生が代表になっております策定審議会で十分審議をされるというふうには思いますけれども、先ほども申し上げましたように、片方の経営再建特別措置法の方でも相当の苦労を、自助努力をしなければならぬわけですね、片方で。片方ではこの危機的な状況にあります年金財政をこれまた支えなきゃならぬ。国以外のところで助けてくれるところがあれば問題はないわけですが、そういうところはないわけですね。そこで、私はぜひここで十分状況を正しくながめていただきまして、いかに共済経理が悪いといえども組合員の負担の限界というものを考えなきゃならぬと思うんです。そうしませんと、ざっくばらんに申し上げて片方の経営再建の意欲をそいでしまうということも現実の問題としてあるわけです。千分の百四十七双方出し合っているわけですけれども、これが千分の二百だとかあるいは二百幾つだというふうな話になったんでは組合員自身が協力をしなくなる。そういう意味で、思い切って国側も最大限できる配慮をしてもらうと同時に、組合員の負担額を可能な限り抑制をしていくと、そういう配慮がないとうまくないというふうに考えるわけです。その点は大臣どうでしょうか。
#38
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのとおり、これは勤労意欲にも影響があるということは私も認めます。でございますから、できるだけ早くいま検討を進めております専門家によります討議を終えて、具体的な対策を決定してくれることを望んでおるのでございまして、それまでの間にそれじゃ国鉄だけでこの共済を独自で図るということはとうてい不可能でございますので、したがいまして、組合員もやはりいずれはその給付を受ける組合員でございますから、できるだけの努力もまた同時にお願いいたさなければならぬと、非常につらいところではございますけれども、現状は、そういうことでわれわれも努力はいたしますけれども、専門家の結論待ちであるということでございます。
#39
○穐山篤君 大臣、あなた少し混同されているんじゃないかと思うんですが、私はさっきから、昭和六十年までの経営再建の法律をバックにしてこれからやるわけでしょう、それに対応する問題の処理の仕方と、それから六十年以降を分けて先ほどから指摘をしているわけです。大臣は両方を込みで言われているわけですが、そこは少し節目をつけてもらいたいというふうに思うんです。苦しいことはわかりますが、特別措置法の第二十五条「特別の配慮」というのが具体的に明示されているわけですね。ここでは政府は第十八条、「長期資金の無利子貸付け」、それから第十九条の「利子補給」、第二十三条の「償還条件の変更」。「及び前条」といいますのは地方ローカル線にかかわる補助の問題 「に規定するもののほか、日本国有鉄道の経営改善計画の円滑な実施その他その経営の再建を促進するため必要があると認めるときは、日本国有鉄道に対し、財政上の措置その他の措置を講ずるよう特別の配慮をするものとする。」こういうふうに特別措置法では目下審議が行われているわけですね。この意味は、少なくとも日本国有鉄道の経営、本体の経営の問題もありますが、経営に付随をして当然国鉄側が負担をする共済組合の重圧などもありますから、この第二十五条の「特別の配慮」の中では共済組合についても配慮をする、こういうふうに第二十五条というのは読むのが当然だと思うんですが、その点はいかがでしょう。
#40
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねでございますけれども、国鉄の財政というものと、それから共済組合の財政というものはおのずから別個のたてまえになっております。でございますから、このいわゆる国鉄再建法にいいますところの国の財政措置というものは、いわば国鉄本体の体質改善を目標にしておるものでございます。しかし私は、当初にも答えましたように、共済問題というのはやはり国鉄の再建と重大なかかわりはあると、これは私たちも認めておるんですが、だからといって国鉄の財政イコール共済の財政と同じに扱うということではないということを申し上げたいということです。
#41
○穐山篤君 それは次元がそれぞれ違いますから、これはそのとおりだと思うんです。しかし、たとえ話がありますように、患者が手術を医者から受けて、まあ世界的にまれに見る手術であったと、手術は成功したと仮に特別措置法の方を考えてみましょう。ところがその患者は死んでしまったと、共済組合法の方ではどうにもならなくなる、まあそういうたとえが当たるかどうかわかりませんけれども、そういうものだというふうに私は考えるわけです。次元が共済組合の人格と国鉄の人格で違うことはわかりますけれども、これは車の両輪であることは間違いないと思うんです。
 さて、そこで閣議の了解があるわけですね。IIの「行財政上の措置」の「2公的助成等」ということで、いま大臣も言われましたように、これには「年令構成の歪みから生ずる国鉄の年金問題の重要性にかんがみ、関係省庁において抜本的な共済年金対策について検討を進め、早急に結論を得ることとし、これに基づき所要の措置を講ずる。」これは平たく読めば、まず六十年までのものが一つ、節目として。それから体質をよくして、六十年以降のものもかかっているというふうに思うわけですが、ここの部分のゼネラルマネージャーといいますか、主管大臣は運輸大臣だというふうに思いますが、いかがですか。
#42
○政府委員(永光洋一君) 国鉄経営再建という問題の一環としてとらえております。運輸大臣でございます。
#43
○穐山篤君 いま、運輸大臣はこの閣議了解に基づいて国鉄を中心にしながらもなおかつ周りの各種共済年金などを含めて検討しなきゃならぬと思うんですが、これは運輸大臣の諮問機関、昭和五十三年九月二十日の懇談会というものがそれに当たるというふうに理解をしていいんですか、どうですか。
#44
○政府委員(永光洋一君) いまお尋ねの件は、昭和五十三年の九月に、運輸大臣の諮問機関として国鉄共済年金問題懇談会を設けました。そのことだと思いますが、これは国鉄の共済問題が表に出てまいりまして、非常に重要な問題として認識し、それで国鉄共済年金の財政上制度上の諸問題の調査検討をやろうということで、今井先生を座長にお願いしまして種々いろいろ検討を行ったわけであります。いま、この閣議了解の検討の対策の一つの――懇談会はこれと関連があるかと、こういうお話でございますが、これはそもそも昭和五十三年からそういう懇談会をし、いろいろな研究をしておる場でございまして、それでわれわれとしては、この懇談会のいろいろな研究の成果を踏まえながら、しかもこれは国鉄の共済は他の制度とも非常に深くかかわりがあるものですから、そういう面でやはりここにありますように、さらに広い視野から高い見地で検討をしていただきたいというようなことを考えまして、関係省庁において抜本的な共済年金対策の検討をお願いしたい、こういうようなことでございますので、どちらかと申しますと、われわれが一昨年からつくっていろいろ研究した成果というものを別途もう少し広い場で御検討を願ったらどうかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#45
○穐山篤君 そうしますと、これも今井先生が代表になっております国鉄共済組合年金問題懇談会という運輸大臣の諮問機関とは別に、またもう一つの相談の土俵をおつくりになるんですか、いまそういうニュアンスでしたけれども。
#46
○政府委員(永光洋一君) この閣議了解のいわゆる関係省庁においてのいろいろな検討段階の一つの形としまして、ことしの六月に大蔵大臣の私的な研究機関としましての共済年金制度基本問題研究会というものが設けられておることは御存じと思いますけれども、その中で一つの一環として、国鉄共済を含む当面の年金財政対策ということもお取り上げになるというふうなことでございますので、われわれいままでいろいろ検討した結果等も踏まえながら、その研究会等でいろいろ御議論をお願いしたいということを考えておるわけでございます。
#47
○穐山篤君 少し無責任じゃないかと思うんですね。少なくとも公企体の年金の提案者、法律の提出者というのは運輸大臣ですよ。大蔵大臣が何しようとそれはいいんです。それはいろいろな研究することはいいんだけれども、主戦投手であります運輸大臣の責任はどうなるんですかと私は聞いておるわけです。もう一遍具体的に言ってもらいたいですな。
#48
○政府委員(永光洋一君) 責任は、先ほど申しましたように、やはり国鉄の共済につきましては、われわれ運輸省の、運輸大臣が責任を持って遂行していかなければならないと、こう考えるわけですけれども、国鉄の共済問題につきましての取り扱いについていろいろ議論をする場合に、これはいわゆる国鉄、あるいは三公社のみならず、広く国家公務員共済等を含めた広い問題の中で処理をしませんとなかなかいろいろむずかしい問題ございますので、そういう意味から、そういう広い場でのわれわれの問題点をその中で御検討を願うということでございますので、別途のところで責任を回避してほかのところで預けてあると、こういうことと御理解願うと非常に残念だと、こう思っております。
#49
○穐山篤君 それは少しおかしいですよ。確かにことしの春に、多分私は、五月ごろでしたか、当委員会で大蔵大臣の研究機関が設置されるという話について質問をして、その結果、ごく近日中に当時はこの研究会を発足をしたい、そういうお返事があったことはよくわかる。しかし主戦投手は運輸大臣ですよ、運輸大臣が他の大臣の御協力をいただくとか、あるいは知恵をいただくというのは、これは内部事情としてあっても当然だと思うんだけれども、少なくとも国鉄を含む三公社の共済組合法の改正だとか監督だとかというものは運輸大臣が持っているわけです。大蔵大臣じゃないですよ。だから、運輸大臣はどうするんですかと、私聞いているんです。運輸大臣が新しい諮問機関をつくるならつくるでもいいんですよ。あるいは大蔵省に設置されているこの研究機関に対して運輸大臣がお任せをしたいというなら、それも一つの態度だと思う。ところが、主戦投手の運輸大臣の考え方がきちっとしていないというのは、それは責任逃れじゃないか。国鉄の経営再建の方については、もう本当に命をかけているでしょう。共済組合だって同じですよ、命をかけてもらわなきゃならない。その意味で責任大臣としてどうするか、はっきりしてもらいたい。
#50
○政府委員(永光洋一君) ちょっと言葉が足りませんでしたけれども、要するに現在大蔵省でそういうような広範な視野からの御研究を練っておられますので、そのあたりわれわれも参画していろいろ意見を述べ、いろいろそのあたりでの御検討を、結果を踏まえますが、もちろん運輸大臣としまして、運輸省としましてそれらの御意見を踏まえながらわれわれの責任で国鉄の共済の問題については取り組むと、こういうことでございます。
#51
○穐山篤君 何回も同じようなやりとりをしたくないと思いますが――いま大蔵大臣はお見えになったわけですが、大蔵大臣の研究機関として基本問題研究会が設置をされたわけですね。これは大蔵省が財政当局として十分に研究をしたり、あるいは現状認識をきちっとする、将来財政的な分野から展望を切り開きたいという意味で研究会が持たれたのは私はいいことだと思います。ところが、責任大臣の運輸大臣の方は、大蔵省の方のことも見たいと。それはいいですよ、参考にするのは。しかし、大蔵大臣の研究機関がもしお答えを出さなかったらどうするんですか、運輸大臣の責任として。また、大蔵大臣の方ははた迷惑だと思いませんか、どうですか。
 とにかく主戦投手は運輸大臣なんです。運輸大臣がこういうふうにしたいという話がない限り、これは責任省庁としてはお粗末千万だと思う。そんなことで、片方の経営再建の方だけ熱心で、片方については周りをよく見ましてというような話では、これは、国鉄当局もそうだし、国鉄職員もそうだし、また周りのその他の共済組合員だって関心を持っているわけですからね。運輸大臣がそんなような態度では承知するわけにいかないと思うんです。いかがですか。
#52
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、御質問はよく私たちも理解はいたしてはおるんですけれども、しかし五十三年に設置されました懇談会で、こういうぐあいにあるべきだという結論がまだ出てきておらないんです。これはなぜ出てこないのかと言いましたら、やっぱりこれは国鉄の共済だけでということで事が済むような段階ではなくなってきた。もちろん、これ懇談会で結論が出ましても、果たして国鉄自身が財力的にこれが耐え得られるかどうかということも問題になってまいります。そうすると、この資金をどうするかという、助成をどういうぐあいにやるかということも問題になってくる。これが一つ。
 それから、他の共済それぞれにまた結論を出してまいりますと、共済組合がAという公社の共済、Bという公社の共済、これはもしばらばらになってきた場合どうなるのかということもございます。それぞれ共済の沿革も違いますし、成熟度も違います。だから、そういうことになってきても大変だと、そこで国民年金、厚生年金との関係もあるだろうしするので、抜本的に共済年金のあり方というものを考えようというのが大蔵省を中心としていま検討されておる研究会でございますので、そこの結論を待たざるを得ないという状況に現在なってきておるのでございます。
 この結論を出さなかったらとおっしゃいますけれども、それはもう私たちも早急に出してもらいたいと言っておるのでございますが、なかなか大変な制度改正につながるものでございますから、慎重にこれを考えておられるんだと思うんです。その大蔵を中心とした研究会の結論が出てまいりましたら、それを現実に国鉄の共済にどうはめていくかということにつきましては、先ほどお話ございました五十三年に設置されました懇談会等ここらの意見を十分に私たちもくんで、それを具体化していくためのお知恵もおかりいたしたい、こういう関係でございますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。
#53
○穐山篤君 大蔵省にお伺いするわけですが、この六月十三日にできました研究会ですね、これはいまもしばしばお話があるわけですが、どういう点を研究をして、まあ運輸大臣からの言葉じゃありませんけれども、お知恵を運輸大臣におかしになるのか、その点をお伺いします。
#54
○政府委員(矢崎新二君) 私どもの方で設けております共済年金制度基本問題研究会と申しますのは、共済年金全般にわたる問題を検討することを考えておるわけでございますが、共済年金制度は、公的年金制度の一環でありますと同時に、公務員制度等とも関連を持ちます職域年金としての性格も持っておるわけでございまして、そういった性格を踏まえまして多角的かつ総合的な検討をお願いをしておるわけでございます。
 具体的に申し上げますと、まず一つは、年金財政を踏まえました職域年金制度としての共済年金のあり方、たとえば給付水準でありますとか、給付要件をどうするというような問題でございます。それから二番目に、他の公的年金制度との整合性の観点からの検討、それから三つ目に財政問題年金財政の今後のあり方の問題、この中に国鉄共済の問題も含めまして検討をお願いをするということにしておるわけでございます。そういう意味で、国鉄共済の問題も共済制度全体の中の一つの大きな主体でございますから、多角的な検討が必要ではないかと、こう考えておるわけでございます。私どもも国鉄の共済年金財政が非常に困難な状況に直面をしておるということは十分承知いたしておるわけでございまして、そういう意味からもこの研究会におきまして十分な御検討をお願いをしたいと思っておるわけでございます。そしてまた、その審議経過を踏まえつつ運輸省と十分意思の疎通を図りながら国鉄共済年金制度の今後の対策を協議をしてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。
#55
○穐山篤君 大蔵省の方がややこの段階では親切なような感じがします。
 それで、時間が来ましたから最後にまとめてみますが、運輸大臣ね、もはや国鉄共済組合として単独で始末をするといいますか、再建をしていくことはもう全く困難になった、こういう認識のもとにその他の共済組合の制度との整合性を十分に考えなきゃならぬ、あるいは財源上の背景もきちっとしなきゃならぬ。こういうふうにしきりに運輸大臣が周りの状況を見てというのを、私はそういうふうにいま理解をしているわけですが、そういうことでいいんですか。
#56
○国務大臣(塩川正十郎君) 各種共済を統合しろという意見もあることは聞いておりますけれども、いや私はそういうことには何らこだわっておりませんで、研究会の結論を待つということでございますから、その結論を出すのには各共済との関係をいろいろ考慮して出されるんだろうと、こういうことでございます。私はこの研究会の結論を待つということを申し上げておるのでございまして、統合がいいんだ、いや単独がいいんだという議論は私は持っておりません。それは持っておりません。
 それと、もう一つ何でしたか。
#57
○穐山篤君 私も統合だとかなんとかということを早手回しには何にも言ってないんですよ。ただ、国鉄共済組合が単独ではもはや生きていけないという認識に立ったでしょうなということをすず第一に私は聞いたわけです。
#58
○国務大臣(塩川正十郎君) 単独にか合併かということ、これは私はわからぬと、こう言うておruんです。ですから、単独でということかどうかは、私はこれは結論はまだ出るまで申し上げない。
 恐らく御質問の趣旨はこういうことじゃないんですか。国鉄の共済は組合員の掛金とか何かだけではいけないから、だから公的助成がもう当然必要なんだろう、こういう御質問じゃないかと思いますが、いかがですか。
#59
○穐山篤君 先ほど言いましたように、昭和六十年までは労使双方の自助努力、国の特別な配慮というものがあって、まだ金額は私は押さえていませんけれども、おおむね何とかなりそうな感じですね。また、何とかしなきゃならぬわけでしょう。ところが長期的に見ますと、もはや国鉄共済組合が単独で、他のたとえば専売であるとか電電であるとか国家公務員であるとか私学であるとかというふうに、それぞれが再建計画をつくるような調子にはもはやいかない、そういう認識に立っているでしょうなと私はさっきから確認をしているわけですが、大体そうだと思うんですね。
 そうすると、もはや国鉄共済組合単独だけで生き延びることは非常に至難のわざであるので、何らかの再建方策を考えなきゃならぬ。その場合に、周りの条件、言いかえてみれば研究会なり何なりの結論を見ながらやりたいということは、先ほどから私が申し上げておりますように、国鉄を含んで広い立場で、広い土俵の中で国鉄共済組合を含む将来展望を開いていこう、こういうことではないでしょうかと私は聞いているわけです。
#60
○国務大臣(塩川正十郎君) そういう仰せのとおりでございます。
#61
○野田哲君 穐山委員と重複する分野が若干あると思うんですが、主として運輸省所管の公企体の共済問題について伺いたいと思います。
 穐山委員からもいろいろ、特に国鉄の問題について指摘をされておりましたけれども、まず、国鉄の総裁のところに設置された研究会、国鉄共済組合年金財政安定化のための研究会、この研究会が五月の三十日に研究報告をまとめているということですけれども、この中で具体的に提起をされている問題について要点を御説明いただきたいと思います。
#62
○政府委員(永光洋一君) 国鉄共済組合年金財政の安定化に関する研究会ということでございますが、同研究会は国鉄総裁の諮問機関として設置いたしまして、五十三年の四月から二年間にわたりまして検討を重ねた結果を、いま申されましたように五月に国鉄総裁に報告をいたしております。
 その概要といいますか、報告内容の要約をわれわれも拝見させていただきまして、要約いたしますと、まず国鉄共済組合年金制度の沿革と現状を分析しまして、国鉄共済制度の成熟化の過程での問題点を取り上げまして、そして成熟化の今後の高度化に伴いまして所要財源率が非常に増大し、そして他の共済制度との費用負担格差が拡大していくということを指摘いたしております。そして、財政安定化の方策としまして、国家公務員及び他の公共企業体共済組合職員と同一の給付水準を維持しながら費用負担の不均衡を是正するために提案を三つしておりまして、まず事業主が負担すること、それから国の財政負担によること、さらに現行の事業体単位ごとの財政運営を改めまして、財政的に一元化して、各共済組合全員の連帯に基づく共同の負担によったらどうかという三つの選択肢を挙げまして、さらに事業主の負担につきましては、これは国鉄の運賃にはね返るわけでして、利用者の負担というような問題、あるいは現在の国鉄の運賃水準というような問題、国鉄財政の現在の状況から見て無理であろう。あるいは国の財政負担についても、これは各制度の国家負担のあり方についていろいろいま議論されている段階で、これだけということで結論を急ぐのもいろいろ問題があろうと。したがって、残されたものとして先ほど申しました第三番目の選択肢を取り上げまして、さらにその場合に制度間の財政調整方式と年金制度を全面的に統合一元化する考え方を取り上げておりまして、結論としましては、将来の抜本的な対策としては国家公務員及び公共企業体職員グループの共済年金制度の統合一元化の方向を目指すことが適切であるという旨の提言を国鉄総裁あてに同研究会が行っておるのであります。
 以上が大体の要約でございます。
#63
○野田哲君 つまり、国鉄だけではどうにもならないから他の共済組合との一元化、つまり大蔵省へげたを預けた、こういう形ですから、それを先ほどの穐山委員とのやりとり、また重ねて伺うわけですが、所管の運輸大臣としては、国鉄総裁に対して出されたこの研究会の研究報告をどういうふうに受けとめて処理なさろうと考えておられるんですか。報告に出している第三の選択肢、つまり大蔵省へげたを預けてしまう、こういう形で処理をされようと考えておられるわけですか。どうですか。
#64
○政府委員(永光洋一君) それは確かに国鉄総裁への報告でありますが、中身としましていろいろ拝聴すべき点も多いし、われわれ先ほど申しましたように、運輸省の中にも懇談会を設けましていろいろ研究をいたしておりますので、その研究報告につきましてはいろいろわれわれとしても参考にしながら、今後のわれわれの考え方の検討の課題としていきたいと、こう思っておりますし、さらに恐らく今後大蔵省の研究会でこういう問題が取り上げられますときには、一つの検討資料になるものと、こういうふうに考えております。
#65
○野田哲君 いや、あなたがそこで幾ら説明されても、つまり第三の選択肢というのは、いろいろ独自にやられるべきこと、運輸省内であるいは国鉄内部で処理されることはあるいはあるかもわかりませんけれども、基本問題としてはもう国鉄だけではどうにもならないから、年金制度全体をどうするかという中にげたを預けてしまおうと、こういうことなんでしょう。で、運輸省として、運輸大臣としては一体この研究報告をどう扱おうとされておられるわけですか。
#66
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど国鉄部長が言っておりますように、私も――私はこの共済が実はもう一つ私自身が十分にまだ理解ができておりません。でございますから、この報告書をどう評価するかということを、率直に申しまして私自身としては決しかねるような状況でございますが、しかし、国鉄総裁に報告されたことは一つの拝聴すべき意見だということは私は思うております。
 しかし、私は率直に申し上げまして、共済を今後円滑に運営するためには、これにはやっぱり財政問題も絡んでくると、そう思いますと、国鉄としての努力だけではなかなか解決しにくいんじゃないかと思います。そういうことになりますと、結局やっぱり国全体として共済をどう考えるかというこの結論に従っていかざるを得ないんではないかということを私は率直にそう感じておるんです。
#67
○野田哲君 そうなりますと、これは大蔵大臣に伺わなければならないと思うんですが、大蔵大臣のところでこの共済年金制度についての総合的な研究会を設けられたわけですね。これには、この前の委員会での質問の中でも、公企体の問題をも含めて検討課題の対象にするんだと、こういうふうになっておりますが、そうすると、いま一番の難物は国鉄の状態を一体どう扱うのか、成熟度が一二〇%にもなろうとしている、そういうふうに見込まれている。これについて国鉄の総裁が委嘱をした研究会では三つの研究結果が出されている。事業主負担、それから国の負担、これについてはどうもやはりそれぞれ問題がある。結論としてはこれはやはり大蔵省が研究、検討されようとしている共済制度全体の検討課題の中にもうげたを預けるしかないと、こういう形になっていこうとしているわけですね。
 運輸大臣は、どうも先ほど来何回穐山委員と一緒に聞いても全く成算がないというような状態らしいんですが、大蔵大臣としては一体これはどういうふうに考え、検討の中に問題の処理を入れようとなさいますか、この点いかがですか。
#68
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大なり小なり共済組合は似たような問題を抱えておるんです。一番先に早く発足してどんどん人も減っているというような国鉄共済が高齢化社会を一番先に身をもって体験するということになったわけです。ところが、これはほかの組合は関係ないかというと、ほかの組合も物によってはそういうのがいっぱいあるわけですよ。
 この間、私のところに厚生年金から分かれて農林年金というのができたんです。あのときは分かれない方がいいじゃないかというのに、共済の方がいいんだということで無理に大動員をかけて運動して、で、分かれてはみたものの、農家戸数は減る、就労人口は減るということになってきたものだから、もう大体似たような――これほどじゃありませんよ、ありませんけれども、似たような問題にぶつかっていると、したがってたくさんあります。
 ですから、この国鉄の問題は国鉄だけでやると言ってもなかなか大変だというととはよくわかる。しかし、だからといって大変だから大蔵省お金出してくださいと、こう言われましても、これは年金制度というのは保険方式でできているわけですから、たとえばこちらにだけ出すということになると、第二のやつも出すのか、第三も出すのかということになるととてもそれはできるものじゃないと、一部の議論としては国家公務員共済組合等はもう合併したらいいじゃないかという議論もあるんですよね。あるんですが、困った方は合併したくても困らない方はそんな貧乏神――貧乏神と言っちゃちょっと言い過ぎですが、もうお金のないものを、飛び込んでこられたってこっちの財源がなくなっちゃうということで、むしろ拒否反応が強いんじゃないかと、そう思いますね。実際問題として利害が違いますから。しかし、利害が違うからと言ったって、それにはお互いの給付条件とかいろいろ条件が違うわけですよ。そういうことをどういうふうに調整していったらいいのか、やはり負担をもっと持ってもらうと言っても、負担の限界は一体どこなのか、どういうふうに利害調整したならば一緒になってやれるのか、独立ではどうしてももう絶対絶命でだめなのかということをやはり考えていかなければならぬじゃないかと。
 やはり将来の方向としては、なかなかもうだんだん先細りに人数が減るんですから、一遍卒業しちゃった人は元へ戻らないわけですから、やはりすそ野をある程度広くするという方向に行かざるを得ないのかもしれません。しれませんが、利害が違うからすぐに強制的にやらせるなんということはとてもできない。したがって、みんな同じ運命にだんだんなるんですよ、ということもわかってもらった上でどういうふうにしていくか。これはもう根本的に計数上の問題とか、利害の問題とかいろいろございますから、そういうものも含めまして全体的なひとつ抜本的な研究を一遍やろうじゃないかと、当然その中の一環としては国鉄共済ももちろん入るということで研究会をスタートさせたというのが真意だと思います。
#69
○野田哲君 大蔵大臣の方に伺えば、抜本的な検討をやらなきゃいけない段階に来ている。これはもうそのとおりだと思うんですが、やはりいま端的に言われたように、貧乏な共済組合が金があるところへ泣きついてこられてもしようがないと、こういうかっこうになっていますよ、感じとしては。全国あっちこっち行ってみても、共済組合でいろいろ保養施設を持っていらっしゃいますが、国家公務員の共済組合とか、電電公社の共済組合とか、それなりに近代的な設備を持ったいいのを持っておられるが、どこへ行っても国鉄のは木造のあばら屋の本当にもうこんなものいまごろ使う人がいるんかなと思うような施設しかないような状態なんですね。しかし、そうは言っても、これは運輸大臣、共済年金をやめる人には、あなたは三十五万人体制をつくろうとしているわけですから、退職した人には年金を払っていかなければいけないんです。銭がないから払えないというわけにいかないんです。法律的に払えと、こうなっているわけですから。ですから、あなたの方でお手上げの状態だから、すべてもう煮て食おうと焼いて食おうと好きなようにしてくれという形で無責任に大蔵大臣の諮問機関の方へ投げかけても、私はいままでずっと所管してきた運輸大臣としての責任を果たせないと思うんですよ。
 先ほどマウンドに立った主戦投手だという話がありましたが、所管大臣としてはやはり国鉄の共済を一体これからどうして先行き立て直していくか、これはそれなりのやはり定見を持った上で大蔵省で設置された研究会の中へも持ち込んでいくべきじゃないかと思うんです。これはもうきょうやりとりをする時間がありませんから、来年のまた共済年金問題、いずれ来春通常国会で審議をする機会があるわけでありますから、そのときにはやはり運輸省としてはこう考えると、こういう点はもう一回そのときに私は質問いたしますから、アウトラインだけでもぜひひとつ出すべきじゃないか、こう思うんですが、大臣の見解をその点について伺って、終わりたいと思います。
#70
○国務大臣(塩川正十郎君) 野田先生、やっぱり共済が勤労意欲と非常にかかわりがある、これは私も認めておるし、もう非常に私心配しておるんです。ですから、将来の問題についてはこれは研究会でしておるが、当面の問題については、私は国鉄に対してもまた運輸省の責任者に対しましても、破綻を来さないように何らかの措置を講じろと、一時は借入金をしてでもとにかくその不安をなくしろということは努力しております。けれども、それじゃそういうことの積み重ねでいつまでも行けるのかと言ったら行けませんので、だからして一刻も早く大蔵を中心としての研究会でそれを出してもらってこれに行くと、こういうことを主体にしていくということ、これは大体わかっていただけるだろうと思うんですが、まあとにかく当面は心配ないようにわれわれもやっていきますから、どうぞ御理解していただきたいと思います。
#71
○安武洋子君 国鉄の共済の問題についてお伺いいたしますが、先ほどからの論議の中でもはっきりしてまいったように、国鉄の共済は、成熟度が非常に高くて五十四年度の収支を見てみましても、支出の方が七十三億円も収入を上回っているというふうな状況で、この赤字決算の状況というのはいまに限ったことではないわけですけれども、私は国鉄のこの財政状況あるいは来年三月には五年目ごとに行われる財源率の再計算の時期になるわけですけれども、一体国鉄としては今後の見通しをどのようにお持ちなのか、その点をまずお伺いいたします。
#72
○説明員(川野政史君) 国鉄共済組合の財政の現状につきましては、いま先生御指摘のとおり、五十四年度におきましては七十三億円の単年度赤字になっております。五十五年度につきましても財政状況はきわめて厳しくございまして、予算上百四十四億円の赤字が出ると、こういう状況でございます。
 御指摘のように、通常でございますと五年間を単位として財政計算をやり直すわけでございます。五十六年度以降の具体的な収支計画につきましては、現在総裁の諮問機関でありますところの収支計画策定審議会、この審議会で具体的な財政計画につきまして目下鋭意御審議を願っているところでございます。その財政計画の推移、御結論を見まして向こう五年間なりの財政計画を組んでまいりたい、こういう段階でございまして、ただいまこういうような収支になってまいりますということはちょっと申し上げられない段階なんでございます。
    ―――――――――――――
#73
○委員長(林ゆう君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、穐山篤君が委員を辞任され、その補欠として片岡勝治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#74
○安武洋子君 運輸大臣にお伺いいたしますけれども、いま百四十四億の赤字というふうな御答弁もありました。しかし、今後の見通しにつきましては、財政計画というのは収支計画策定審議会で検討中であると、その推移を見たいというふうな御答弁でございます。しかし、この論議の中で国鉄の共済の実情というのは危機的な状態にあるということは、もうはっきりしているわけです。私は、このまま運輸大臣としても手をこまねいておれないと思うんです。こういう状況について一体どのように考えておられるのか、先ほどからの御答弁でもわかりかねるわけです。ただ漫然と審議会の結論を待つだけというようなことでは済まないと思いますけれども、その点をひとつもう一度はっきりしていただきとうございます。
#75
○国務大臣(塩川正十郎君) 国鉄が金が十分にあるとかあるいは十分な蓄積があるということだったら、それはもう私たちもそれを吐き出さしてでもやりたいと、こう思いますよ。しかし現在の国鉄は累積赤字六兆を超す。これ全部借入金に依存しておるし、そして十二兆円の借入金を持っておる。こういう中で、国鉄としてやり得るだけのことというのはおのずから限界が現在はあります。が、しかしながら共済に破綻を来してはいかぬというので、われわれ必死に守っていっておるわけですから、それについては当面借入金をするとかなんかでこれを食いつないでいくことを維持していかなきゃならぬ。そして、一刻も早く共済組合の抜本的な改正という一つの方向が打ち出されてきたならば、それによって共済組合の基本的な立て直しを図っていきたいと、こういう考えです。
#76
○安武洋子君 現在の国鉄、それは私もよく知っております。その国鉄のやり得ることは限界があると大臣御答弁なさいました。やり得ることの限界があるからこそいま政治的な解決が迫られていると思うんです。だから、ここで大臣がひとつどういうふうな基本姿勢を持ってこのことを解決していこうかという姿勢が問われるわけなんです。私はその大臣の基本的な姿勢をお伺いしているわけなんです。
#77
○国務大臣(塩川正十郎君) それは先ほど申しますように、それじゃ国鉄自体の努力、組合員なり国鉄自身の努力で解決するかといったら、私はもう不可能に近いように思います。そうすると、やはりこれは政治的な解決ということによらざるを得ない。それじゃその政治的な解決というのは、国鉄あるいは運輸省だけで結論が出せるかというと、出せません。でございますから、くどいようでございますけれども、先ほど来申しておりますように、共済年金制度基本問題研究会、ここにおける結論を一刻も早く提示してもらうということにわれわれは努力をするということでございまして、それが決まってまいりましたら、それにさらに国鉄としてどのように対応策を講じるかという、その五十三年に設置されました懇談会に諮り、結論を出したいと、こう思っております。
#78
○安武洋子君 大臣は国鉄大臣ではないわけです。運輸大臣として内閣の一員でいらっしゃるわけですから、いまの御答弁というのは何かとてもおかしいわけで、大蔵大臣の研究機関の方にそれこそ問題を預けている、そしてその答申を待つのだというふうな御答弁ですけれども、そうではなくて、やはり内閣の一員として政治的にこの問題をどう解決するということを運輸大臣としてお持ちなのかということを私は先ほどから再三お伺いいたしているわけです。
 そこで、的確な御答弁がないので続けますけれども、国鉄共済組合年金財政安定化のための研究会、この報告でございますけれども、ここでは、年金をめぐる情勢を顧みれば決してなまやさしい平坦なものとは思われない。しかしながら、国鉄共済年金財政の安定化策の成否が今後のわが国全体の年金制度に対する国民の信頼感に大きな影響を与えることを考えるとき、というふうになっているわけです。私は、なるほどこの問題というのは、わが国の年金制度に対する国民の信頼感に大きな影響を与えるからこそ、私は大臣の政治的なやはりお立場での、どういうふうに解決するかという姿勢というのがより一層必要だと思うんです。
 国鉄の共済がこのような危機的な状態になってきたというのは、これは決して国鉄労働者の責任ではないと思います。この国鉄共済の成熟化の原因は、一つはインフレーション、労働者の責任ではありません。そして一つは、戦中とか戦後の国策上の要請に従ったというふうなことで大量の職員を採用している、その職員が退職時期が迫ってきている、これも別に労働者の責任じゃありません。そしていま一つ、合理化の推進によって職員数が減少してきている、減少させられてしまったというのも、これも労働者の責任ではないわけです。さらに、これに今後三十五万人体制だということで、運輸委員会でいま審議をしているわけですけれども、七万四千人の人減らしをするということは一層成熟度に拍車がかかるのみなんです。こういう矛盾を抱えながら、大臣、さらにお伺いしますが、どう一体再建をしようとされているのか、ここはやはり一定の政治的方針を持たない限り再建はできないと思います。いかがでございましょうか。
#79
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねは国鉄の再建と共済との関係をお聞きになっておると思うんですが、共済は確かに私たちも非常な財政窮迫の状況にある、これはもう十分認めておるんです。私は制度の中身はあんまり詳しく知りませんが、しかしこの共済というものをしっかりしておかなければ、やっぱり国鉄で働いておられる方々に将来不安を持たしたらいかぬという、そういう気持ちで私は共済に取り組んでおるんですが、といって、いま先生御承知のように、国鉄でそれじゃ財政窮迫、共済のですよ、共済組合の財政がえらいことになってきた、これはあかんというので、それじゃ国鉄としててこ入れしようかとしたって、これは国鉄自身がもういまはそういう力がないわけなんです。ですから、これはやっぱり制度的な問題として考えざるを得ないということになってきておるのでございます。その点はくどいようでございますが、御理解していただきたいと、こう思うんです。
#80
○安武洋子君 私の方もくどいようですが、大臣が一定の政治的方針を持たれない限り私はこういうことの再建は不可能だということを申し上げたいわけです。ここはやはり鈴木内閣の閣僚の一員としての立場でどう再建するかということをお考え願いとうございます。
 それで、私は国鉄職員の掛金率の問題をお伺いいたしますけれども、他の共済組合と比べて一体どうなっておりましょうか。
#81
○説明員(川野政史君) 三公社は同じ制度でございますから、電電さんが掛金率が千分の四十七・五でございます。専売さんが掛金率四十八。それから公社ではございませんが、郵政さんで五十五・五。それから国家公務員の非現業の連合会、これが五十一・五。財源率を申し上げますと電電さんが一一四、専売さんが一一五、郵政さんが一三三、公務員が一二三と、こういう状況でございます。
#82
○安武洋子君 掛金率の問題ですけれども、掛金率が六・一五、御答弁がございましたが、現在でも他の共済組合と比べて見てみますと高いわけです。他の共済組合に比べて高いのに、来年の三月に財源率の再計算というふうなことになりましていま以上掛金率が引き上げられる。こういうことになると、労働者の負担というのは私は大変なことになると思うんです。
 運輸大臣にお伺いいたしますけれども、労働者の負担を高くするということについて大臣はどういう御所見をお持ちでございましょうか。
#83
○国務大臣(塩川正十郎君) それは、負担を上げるということは、これはもうどの団体にとりましてもそれを構成する組合員にとって犠牲を強いろことですから、それはできるだけ抑制するというのは当然のことだと思うんです。しかし、先ほど来議論しておりますように、ただ単に組合員の問題だけではなくして、国鉄自体の負担もこれもまた実は大変なんです。ですから、できるだけ経理的に許せる範囲内においてはそれは抑制していく方が望ましい、こう思います。
#84
○安武洋子君 私はお願いしておきますが、先ほども申したように、この国鉄の共済の成熟度というのは何も労働者の責任でないということを申し上げました。ですから、その負担を労働者にさらに押しかぶせるというふうな姿勢というのは、もう極力私は避けていただくべきだというふうに思います。そして、こういうふうな共済組合の赤字につきまして、これは国鉄に限ったことでないというのは質疑の中でも出ております。先ほど大蔵大臣もそのようなことをおっしゃっておりました。今後高齢化社会にずっとなっていくわけですから、今後も年金受給者がふえる、他の共済組合にもこれが及んでくるというのは明白なことです。
 国鉄総裁の諮問機関でございます国鉄共済組合年金財政安化のための研究会、これがことしの五月に答申を出しておりますけれども、その中で共済年金制度の統合一元化の方向を打ち出しているわけです。私はこのような共済年金制度の統合一元化ということをもっとやはり広範囲に考えていくべきだというふうに思っているわけです。これは労働者の年金とそれから国民年金、この二本ぐらいに整理統合して、同時に年金の給付を考えていく、やはりこういう方向で抜本的に改革しないことには高齢化社会にはこれからは対応していけないと、年金制度そのものが。だから、年金制度を私はいまこそ抜本的に考え直し、検討を始める時期ではないかと思うわけです。
 そこで伺いますけれども、労働者年金と国民年金の二本建てぐらいにすると、こういう方向で私は検討を始めるべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
#85
○政府委員(矢崎新二君) この年金制度の問題は、非常に沿革等もございまして御承知のような形に制度が分立をしておることは事実でございます。ただいまの先生のお話は一つの考え方かとは思いますが、これまたそれぞれの制度の根幹にかかわる重大な問題でございますので、いまここで直ちにその点についての御意見を申し上げられる状況にはございません。
#86
○安武洋子君 これは政治的な判断ですので、大蔵大臣の御所見を私は伺いたいわけです。
#87
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは一つの考え方だと思いますよ。考え方ですが、いまの時限とはかなり違った時限の考え方であることも間違いないんです。先ほど言ったように、それじゃ同じ問題は医療保険にもあるわけですよ、医療保険でも。この年金でも共済年金、文部省の関係もあるでしょうし、それから地方の問題もあるでしょうし、国家公務員の問題もある。国家公務員とこの三公社五現業の年金を一緒にすると言っても、利害が違うところがいっぱいありますから、それだけでもなかなかそう簡単にいかないという現実が一つある。それは恐らく組合の代表を集めて議論をさしたって、同じ労働者の仲間なんだからあしたからすぐ話がぴしゃっと決まってというわけにはなかなかいかないんですね。
 ですから、将来のうんと先々のことになってくると私は一つの考え方だと思いますが、当面の問題としては、やはりそれぞれの年金の中でできるだけ合理化を図れるものは合理化を図るというようなこともやらなければなりませんし、支給年限の問題等その前にあるんですよね、支給年限の問題。ですから、支給開始年限の問題というのがあって、いままで五十五歳から支給しておったと、ですが、もうとても五十五歳でできないということになるものだから、十何年か知らぬがある余裕期間を置いて六十歳ということをやろうじゃないかということも、やっと重い腰が上がりまして、共済関係の方はそういうふうなことでスタートをしたということなんですね。ですから、それは六十歳でできるのか――もともと厚生年金は六十歳だけれども、厚生年金は六十歳でできないから掛金がいまのように安いのをできませんよと、六十五歳という話が出ているわけですね。
 やはりこういう問題は、後代の世代の人がもう年金いっぱい掛け切れないということになれば支給をもっと繰り延べるというようなこと、これは雇用の問題とも関係する問題ですから、そういうことだけをとって一概に決められるわけにはいきませんが、全体の問題も含めてそういうことも検討するという前の問題がありますね。そうして、最終的にはやはりあなたのおっしゃるようなことも一つの大きな物の考え方だと私は思っています。いますぐそれができるとか、いますぐそれをスタートさせるというようなことの土壌は、そこまでまだ醸成していないということも現実の問題です。
#88
○安武洋子君 私はあすから発足させろというふうな短兵急なことで申し上げてはおりません。しかし、高齢化社会を迎えるというふうな中で、やはり給付の改善も図っていこうという姿勢を持つなら、ここらあたりで抜本的に考えていかなければならないのではなかろうかということで御提案申し上げたわけです。ですから、ぜひ検討していただきたいということを申し添えます。
 それから、懲戒処分者に対する年金の給付制限について伺います。
 事件のありましたあの安川裁判官のような破廉恥な行為をしたというような、そういう人は別にしまして、これは労働争議で懲戒処分というふうなことを前提にしてお考えいただきとうございます。これは附帯決議もなされております。五十四年の十二月二十一日、当委員会でございます。これは自民党も含めまして「懲戒処分者に対する年金の給付制限については、他の公的年金との均衡も考慮して再検討すること。」と、こうなっておりますが、どのような検討をなさっていらっしゃいますでしょうか、お伺いいたします。
#89
○政府委員(矢崎新二君) 現在の共済年金の制度は、御承知のように、公的年金制度として老後等の所得保障機能を持っているわけでございますけれども、それと同時に、公務員法を根拠法としていることに見られますように、公務員制度の一環でもあるわけでございます。したがいまして、この給付制限を全廃するということには問題があるわけでございますけれども、給付制限が厳し過ぎることなどかねてから御指摘があるわけでございますので、附帯決議の御趣旨も踏まえまして、現在、政令改正により緩和する方向で検討はいたしております。ただ、現段階で成案をお示しできろ状況ではございませんけれども、成案ができますれば、関係審議会にお諮りいたしまして進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#90
○安武洋子君 これは、私は給付の制限についてということでお伺いいたしておりますが、政令で、その気になれば閣議決定をやっていただくということでできるわけですから、ぜひ検討を前向きに進めて給付制限をやめていただきたいと、そのことを申し添えさせていただきます。
 続きまして、私、医療労働者の共済年金についてお伺いいたします。
 厚生省に伺いとうございますが、国立の病院とか療養所で働く看護婦さんの年齢構成について伺いとうございます。一体、五十五歳以上の看護婦さんと五十五歳以下の看護婦さんとどのぐらいの人数で、どういう比率になっているか、お答えいただきとうございます。
#91
○説明員(田中健次君) 五十五歳以上の看護婦は現在千三百四十名でございまして、全体の総数が二万六千四百三十三人でございますので、五十五歳以上の方の割合は、率にいたしまして五・一%ということになります。したがいまして、残りの五十五歳以下の方が九四・九%、こういう構成になります。
#92
○安武洋子君 いまのお答えを繰り返しますと、五十五歳以上が千三百四十人で五・一%、五十五歳以下が九四・九%、圧倒的に五十五歳以下でございますね。こういう比率をいま御答弁いただきましたし、また厚生省の第二共済組合の調査、これを拝見いたしますと、五十四年度中に退職した看護婦さんの平均年齢は五十五歳になっております。平均勤続年数は二十九年となっております。私はこの数字にやはり注目をしていただきたいと思います。というのは、一カ月に十日ぐらいは看護婦さんは夜勤をしなければならないということになりますと、五十歳を過ぎればこういう夜勤を伴ったお仕事というのは非常に重労働だ、体にもこたえてくる。しかし、つらいけれども何とかがんばって、年金のつく五十五歳まではがんばり通すんだと、そして年金がついてやっと退職にこぎつけたということで退職していくということがこの数字の中にあらわれていると思うんです。ところが、これが六十歳にならないと年金がもらえないということになりますと、看護婦さんという非常に重労働である夜勤がある、しかも人命を預かるというふうな大変重要な仕事、これはもう体がついていかないと思います。
 こういうことから考えましても、六十歳の年齢の支給開始という、これは私は実情に合わないと思います。やはりこういう年金の給付というのは実情に合わせて、労働の特質によって支給開始年齢、これは考える。看護婦さんの場合などにも労働を考えてやはり支給開始年齢を引き下げることを検討すべきではないかと思いますが、大蔵大臣、御所見いかがでしょうか、前に厚生大臣の経験もおありですし、こういう実情はよく御存じだと思いますが。
#93
○国務大臣(渡辺美智雄君) その勤務の実態につきましては、いまあなたのおっしゃったようなこともございましょうし、また五十歳以上までお勤めになっているという方になれば、それぞれの役付といいますか、いろいろなそういうようなこともありまして、年齢に応じた無理のないような勤務形態というようなものは厚生省でもいろいろ御工夫はなさっておると、そう思いますね。ですから、直ちにそれは五十五歳までまた引き下げろというようなことがうまくいくかどうか、非常にむずかしいんじゃないかという気がいたします。
#94
○安武洋子君 私はあちらこちらで実情をお伺いいたしております。これは役付になっても、いまのこの勤務の条件の中でただ一人でも休む人が出ると、こういう役付の方も夜勤をしなければならない。年齢にかかわりなく、やはりいま置かれている勤務条件というのは厳しいわけなんです。だから、私はこういう実情を踏まえていただいて、やっぱり検討はしていただかなければいまの労働の実情と合わないというのが現実に出ているわけです。だから、大臣に検討をやはりしていただきたいというお願いなんですが、重ねて伺います。いかがですか。
#95
○国務大臣(渡辺美智雄君) ヨーロッパなんかの厚生年金に相当するものを見ましても大体六十五歳なんですよ、支給年齢というのは六十五歳、六十歳でなくて。それで、女子の場合はフランスで五年ぐらい早めて支給するという例がございます。ございますが、私は、全く若い人と同じ勤務をやっているということでもないでしょうし、そこらの実態については所管が違いますから申し上げられませんが、フランスでは六十五歳だけれども、それよりも若く、五歳ぐらい引き下げて支給するという女子の場合の特例はあります。それでも六十歳でございますから……。
#96
○安武洋子君 大臣、ヨーロッパと日本の医療労働者の勤務条件、労働条件はずいぶんと違うわけなんです。そこのところをやはり押えていただいて、私は実情に合うようにしていただかなければならないと思います。
 今度の年齢引き上げというのは官民格差が理由になっておりました、一つは。で、これは厚生年金五十五歳からです。やはり逆格差が生まれていると思うんです。これ逆格差があるから何も厚生年金の方を引き上げろといういうのではなくて、いま申し上げたように、私は、看護婦さんなどの実情に合わないから、労働の特質に合わせた支給開始年齢を検討をされるべきではないかと、こういうことを重ねて伺います。
#97
○国務大臣(渡辺美智雄君) 支給開始年齢だけでどうこうということは言えないんでして、やっぱり掛金の問題があるんですよ、掛金の問題。たとえば日本とか西ドイツの例を、非常によく似ていますからなにしますと、日本はいままで千分の九十一ですよ、厚生年金の場合、一番ポピュラーなやつですからね。向こうは千分の百八十ですよ、百八十。倍払っているんです。掛金を倍。労使折半、そして支給年齢は日本は六十歳、ドイツは六十五歳というようなことをやっておって、しかももらう方は大差ないんですよ、これ。もうすでに十万円年金に現実なっちゃっているんですから。モデルでは厚生年金十三万。したがって、共済組合年金は厚生年金よりも大体上です。いままでは五十五歳支給というようなこともありまして。要するにそれじゃ掛金――もらう方を少なくするんだったら早くもらってもいいんです。それは。もらう方もいっぱい、掛金は少なく、いただく方はいっぱいで出す方は少しと、これはむずかしいなかなか、どう考えても。ですから、ワンセットでできておりますから、支給年齢に重点を置くのなら、いただく方を少し少なくするとか、掛金をよけいにするとか、そういうところで調整すればやってできないことはないだろうと。どの選択をするかという問題だと私は思います。
#98
○安武洋子君 ここは外国の議会じゃなくて、やはり私、いま日本の実情を申し上げた、合わないと。掛金の問題についてもそれは論議があります。私どもは軍事費を削減して、やはりこういうところに回すべきだという主張を持っておりますけれども、これは論議が平行すると思いますし、いまこれを論議している時間がございませんので、実情に合わないから、この支給開始年齢だけについては検討をやはりしていただきたいということを私は強く申し添えておきます。
 それで、医療を守るという立場がやっぱりこの人たちにはあるわけです。そういう立場から重ねて聞きますけれども、現在多くの定員外の職員が医療業務に従事をしております。この定員外の職員というのは、これ厚生省に伺いますけれども、定員内職員と同じような業務を行っているんでしょうか、業務は違うんでしょうか。
#99
○説明員(田中健次君) いまお話ございましたように、国立病院、療養所の定員配置は、ほかの公的な医療機関と比べましてかなり劣っておりまして、そうした苦しい定員事情にあるために、現在、先生御指摘になりましたように、定員外の職員に相当多く仕事をしていただいております。その業務の内容ということでございますけれども、定員外の賃金の看護婦さん等は夜勤をしておらない人が多いというふうな実態がございますけれども、基本的には大差のない仕事をしてもらっております。
#100
○安武洋子君 基本的に大差のない仕事をしている定員外職員ですけれども、仮に定員外職員が医療業務に従事をしない、いないというふうな状態になれば、現在の医療業務というのは一体成り立つと厚生省はお考えでございましょうか。
#101
○説明員(田中健次君) 現在定員外賃金の職員がおよそ六千五百人ばかりいるわけでございまして、主な職種が看護婦あるいはそれを助ける看護助手ということでございます。全体の職員が現存五万二千でございますので、この六千五百という数字は十数%に当たるわけでございまして、私どもはやはりその賃金職員の働きも相合わせて病院の業務が円滑にいっておると、こういうふうに理解をしております。
#102
○安武洋子君 六千五百人の定員外職員、基本的には業務に差がないという、こういう人たちによって医療行政が支えられているということを私は見てみますときに、政府の政策によりまして、同一労働なのに同一の待遇を与えられないということはやはりおかしいと思うんです。現に定員外の人たちは共済組合に加入できないでいるわけです。このことを不合理と思われないんでしょうか、お伺いいたします。
#103
○説明員(田中健次君) 多数の定員外の賃金の職員がいるわけでございます。最も望ましいのはそうした方々を定員化していくと、こういうことでございますけれども、定員事情が非常に厳しゅうございまして、それもなかなか困難でございます。いま、処遇の面で共済組合の関係の話がございましたけれども、私どもとしましては、定員外ということで任用をしておる関係上、どうしてもこれは昭和三十六年の閣議決定がございまして、定員外の職員の常勤化を防ぐというふうな政府部内の統一的な方針がございまして、その任用につきましては年度末あるいは年度当初に一日以上中断をしろと、こういうふうな事情にございます。したがいまして、そういうふうな任用あるいは勤務の実態でございますので、国家公務員の共済組合法の解釈上どうしてもこれは、引き続いて十二月以上雇用されていないというふうなことがございまして、国家公務員共済組合法の要件を満たしておらないということで、共済組合の加入はどうしてもできないというふうな状況でございます。この点につきましては現在すでに政府内で問題になっておりまして、賃金職員が原告になりまして東京地方裁判所で訴訟が行われているというふうな状況でございます。
#104
○安武洋子君 これは、私は大臣にお伺いしたいわけです。先ほども言いましたように六千五百人の看護婦さんとか、主に看護助手とか、こういう方たちによって医療行政が支えられていると。で、ほとんど基本的に業務に差がないという厚生省のお答え、私も現場見ました。これはほとんどもう同じ仕事をしております。こういうことなのに、政府の政策によって同一労働なのに待遇が同じでないと。こういう人たちが共済組合に加入できないでいるということは一体不合理とお答えにならないでしょうかどうでしょうかということを私は大臣にお伺いいたしております。政治的な、政策的なことだから、大臣にお答えいただきたい。
#105
○政府委員(矢崎新二君) ただいまのいわゆる賃金職員の問題でございますけれども、この一年の継続雇用を条件としておりますことについては、やはり共済組合制度が企業内福祉的性格が強いということから来ているわけでございまして、そういう意味からいいまして現在の取り扱いは必ずしも不合理なものではないというふうに考えているわけでございます。
#106
○安武洋子君 いや、とんでもないです。仕事は同じようにしているということで、それを政府の政策によって、雇用のやり方を三月三十一日に一日休ますというふうなことで継続しないとか、そういうふうなことでもっていっているわけでしょう。ですから、こういう定員外の人によって私は医療行政が支えられていると。これはほかにもたくさんの差別があるわけですよ。しかし、いま裁判でも行われているということが御答弁でありましたけれども、私は、共済組合にぐらい加入させろというのは当然の要求だと思います。せめて共済組合に加入さすべきだと、私はこう思いますが、こういう大臣の政治判断をお聞きしておりますので、大蔵大臣、ひとつお答えください。
#107
○政府委員(矢崎新二君) この常勤的非常勤職員に対しまして採用の当初から共済組合員資格を認めるということにつきましては、長期勤務者でない方に対しまして共済の退職年金制度を適用するというふうなことにもなりますし、また、一年未満で退職した場合の掛金の掛け捨ての問題といったようなこともいろいろございまして、これはそう簡単にそういう方向にいくことはできないのではないかというふうに考えているわけでございます。
#108
○安武洋子君 詭弁ですよ。私は実情を知っております。定員外職員のままで何年も放置されている人が本当にたくさんいるじゃありませんか。そこを私はやはり見ていただかなければならない。で、大臣御答弁に立ってくださいませんので、私はこの点を踏まえていただいて、せめて共済組合に加入ぐらいはさすべきだと、要求するのはあたりまえだという立場に立っていただきたいと思います。
 そこで、看護体制の強化ということで、昨年厚生省は四百六十五名の定員の予算化を要求いたしております。ところがわずか七十八名しか認められておりません。厚生省は来年度は三百六十八名要求しておりますけれども、これから査定の中で医療を守るというこの立場をしっかり踏まえていただかないと私はいけないと思うんです。ですから、医療を守るというこういう立場で十分な定員を確保するよう要望いたします。大蔵大臣いかがでございましょうか。
#109
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり。国全体としての国家公務員の数はふやさないと、むしろ三万七千人ぐらい減らすという基本方針を持っておるわけです。しかしながら、その中でも非常に需要が多いという部門を全然ふやさないというわけにはいきませんので、そういうような部門につきましては毎年ある程度ずつふやして、そのかわりそれと同等またはそれ以上のものを他の部門において定員不補充という形で減らしていくということをやっておるわけでございますから、真に必要なものについてはある程度ふやすということはあり得ます。
 しかしながら、定員をどんどんどんどんふやすということによって幾らでも国家公務員がふえていくということでは国民の理解と協力が得られません。したがって、国がどこまで一体やったらいいのか。たとえば、国立病院でそんなに看護婦をどんどんふやさなきゃならないという状態なら、むしろ事業規模を縮小して、民間で幾らでもやれるわけですから、もうどうしても国が国立病院としてやらなければならないものは国がやってもいいが、民間でやれるもの、赤十字でやれるものあるいは公的病院その他のところでやれるようなもの、そういうものについては、国が病院を拡張して看護婦が足らぬ、足らぬと言われても、現在の日本の場合では国民の理解というものはなかなか得にくいと、そう思っております。
 そして、現実にあなたのおっしゃったような部門は――これは国立病院だけじゃありません。私は農林省におって、よく林野庁なんかにも同じ問題がありまして、定員外作業員というのに十何年も勤めているとかどうとかという同じ仕事やっているんじゃないかと。片方はボーナスもらって共済に入っていると、こっちは入っていないというような問題がございます。これには、やはり採用するときの条件というのがありまして、片方はむずかしい試験を受けて入ってきたと、片方はともかくもうちょっとしたお手伝いでいいからというわけで最初入ったんだが、長くやっちゃったと。すると、むずかしい競争条件のもとで入ってきた人とそうでない人と今度は同じ待遇をするんだということになると、なかなかこれもむずかしい問題も実はあるんです。同じ労働組合の中であってもそこにも問題が必ずしもないわけじゃない。でありますから、私は定員外の人はお気の毒だから全部定員内に入れちまえということについては、はいそうですかとはなかなかこれいけないんです。しかし、実情によっては一部分繰り入れをしておるという実情もございますということを申し上げております。
#110
○安武洋子君 私は、定員外の職員の方が気の毒だから定員の中に入れろとは言っておりません。いま厚生省の答弁の中にもあったように、六千五百人の人がどうしても要るんだと、そうして、そういう人たちが医療行政を支えているんだと。だから、定員外職員という形でこういう人たちを置いておく――医療だけではありません。いまおっしゃったように、そのほかのところでもあると、こういう形が不正常なんです。だから私は、国民の合意が得られないだろうとおっしゃいましたけれども、命を守るということで国としてのやはりそういう責任を果たしていただくということであれば、いまいる人ですから、いま働いている人ですから、国民の合意は得られていくと思います。そういうことで、本当にこういういま厚生省から出ている定員の要求ぐらいはきちっと受けとめて、国として医療の責任を持ち、そして定員も確保するという立場に大蔵大臣に立っていただかなければならないと思います。そのことを強く要求申し上げます。
 時間の都合で急ぎますので次にまいりますけれども、元陸海軍従軍看護婦の問題についてお伺いいたします。
 元陸海軍従軍看護婦の慰労金、これにつきまして、厚生省は従軍看護婦の実態調査を行っていらっしゃると思いますけれども、現況はどういうふうになっておりましょうか。
#111
○説明員(森山喜久雄君) 旧陸海軍看護婦の実態調査でございますが、すでにもう調査票を回収いたしまして所要の集計を行っておりますが、この集計もあと数日で終わると、こういうふうな状況になっております。
#112
○安武洋子君 現段階で把握なさっていらっしゃる数字はどれぐらいでございましょう。
#113
○説明員(森山喜久雄君) 回収いたしました調査票は一万三千五百枚でございます。このうちに陸海軍看護婦さんじゃない方が、たとえば日赤救護看護婦さんとか、そういう方がまじっておりまして、これが約二千ございます。ですから、旧陸海軍看護婦という方は一万一千五百、この一万一千五百の中で戦地勤務をされたことのある人、これが約六千でございます。仮にこの六千を兵隊さん並みの加算をつけると、そういたしますと、十二年以上になる方というのが大体千三百ぐらいではないかというふうに考えております。
#114
○安武洋子君 厚生省の実態調査は、当初は十月二十五日までということでございました。それから見ますと約一月延びているわけです。で、いま現在ではまだ全体の集約はできていないということでございますね。いつごろまでになさるんでしょうか。
#115
○説明員(森山喜久雄君) 今週じゆうにまとまると思います。
#116
○安武洋子君 そこで、総理府ではこの問題につきまして来年度の予算要求、これ出しておられますけれども、来年度から支給するという方針、これは変わっておりませんでしょうね。
#117
○政府委員(関通彰君) ただいま厚生省から御答弁ございましたように、本年度実施しました調査の結果が間もなくまとまる予定でございますので、いずれにしましても、その結果を待ちまして、十分関係省庁と協議いたしまして、私どもとしましてもできるだけ早く措置することができるようにいたしたいと、かように考えております。
#118
○安武洋子君 従軍看護婦の方たちというのは、おわかりのように高齢の方たちです。これ従軍看護婦の会の調べでわかっている分で平均六十・七歳という状況です。慰労金の給付というのが一年早いか遅いかというのは、若い人ならそう関係はありませんけれども、こういう人たちにとりましては大変大きな問題です。ですから、いま調査されている人たちの中で確認の済んだ人たちからやはりこの慰労金を早急に支給すべきだと私は思います。
 それで、いまの調査というのは非常に短期間でございましたので、これで漏れたというふうなことで、後刻申請を出してくるというふうな方たちについても追加として対象にされるでしょうね。そのことを念を押しておきます。
#119
○政府委員(開通彰君) いずれにいたしましても、調査結果が間もなくまとまるということでございますので、その結果を十分検討いたしまして適切な対処をいたしたいと、かように考えております。
#120
○安武洋子君 調査の期間が大変短期間です。ですから、必ず漏れて後で追加してくるという人があると思います。ですから、私はその分も必ず対象にしてほしいということを申し添えておきます。
 そこで大蔵大臣、総理府から出されている概算要求につきましてこれから査定に入るわけなんですけれども、どういう姿勢で一体臨まれるかということをお伺いいたします。
#121
○政府委員(矢崎新二君) 旧陸海軍看護婦につきましては、旧日赤の救護看護婦に対します処遇と同様な処遇を講ずるべきではないかという御意見がかねてあるわけでございますけれども、旧日赤看護婦の場合と旧陸海軍看護婦の場合では、その性格でございますとか勤務形態に差異があるといったように、いろいろと問題が多いということも聞いておるわけでございます。旧陸海軍従軍看護婦の方々の当時の実情に関しましては、厚生省でただいま実態調査の取りまとめを行なっておられるところでございますので、この問題につきましては、その結果を待ちまして、実態の把握をいたしまして慎重に検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#122
○安武洋子君 大臣に伺います。
 いま御答弁ございましたけれども、私は大変不満です。この旧日赤の看護婦さんの方たちと旧陸海軍の看護婦さんの方たち、それは従軍したという形とかいろんなことでそういう差異はあっても、やはり国のためにあのとき戦地とか、こういうところに駆り出されたというふうなことで青春をささげているということは、これは変わりがないわけです。国の政策によってこの人たちが従軍看護婦で働いたというこの事実というのは消えません。これに対して私は、もう実態調査もほとんどでき上がっている、しかも総理府から概算要求が出されている。それについてどういう姿勢で査定に当たられるでしょうか。この人たちはもう高齢です。一日も早い支給を待っているわけです。そういう要求に一体こたえられる姿勢をお持ちなのかどうかということをお伺いいたします。
#123
○政府委員(矢崎新二君) ただいまのを少し詳しく申し上げますと、旧陸海軍看護婦の場合は、公募に対しまして応募して採用されたということ、あるいは病院に通勤することが原則でありまして、戦地等における勤務先は兵たん病院の後方にある旧陸海軍病院に勤務したといったようなこと等の点で制度的には旧日赤看護婦の場合と異なった点があることも事実でございます。
 したがいまして、そういうようなことも踏まえまして、厚生省の実態調査の結果を十分拝見さしていただきまして検討をいたしたいと、こう考えておるわけでございまして、ただいまのところ明確な結論をここでお示しする状態にはないわけでございます。
#124
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま主計局次長からお答えいたしましたとおりでございます。
#125
○安武洋子君 私は重ねて申し上げます。
 いろいろの実態の違いとか、そういうようなことは国会の中でいままで何度か論議をされてきた。その論議を重ねた上に立ってここまで来ているわけでしょう。厚生省が実態調査をして、その結果こういうふうに総理府から概算要求も出されている。しかも非常に皆さんは慰労金の給付を待っておられる。高齢者であるということであれば、私は、これは大蔵大臣としてもやっぱりこたえていこうという姿勢を示されるべきだと思います。いかがなんでしょうか、もう一度重ねて伺います。論議はいままでいろいろありました。
#126
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、最終的にはほかとの関連性、これを認めた場合にどういうふうなほかとの影響が――ほかの似たようなのがありますから、そういう関連性の問題も見なきゃなりませんし、それから現在の財政事情というものもございますし、総合的に判断をしなきゃなりません。したがって、ここで私はどうこうということは申し上げられません。もう少し詰めた上でどういうふうな結論を出すか、予算の成立までには方角を決めます。
#127
○安武洋子君 財政事情というお話がございました。
 私は、こういう方たちのところに財政事情をしわ寄せしててはいけないと思います。これはやはり若い時代、国の要請に従ってこういうふうな従軍看護婦として従事をなさった方です。私は財政事情のしわ寄せをこんなところに持っていくべきでないと、これからの査定に当たられるときにそのことを十分配慮していただきたいと大蔵大臣に申し添えます。
 そこで、私は大蔵大臣に一言苦言がございます。
 財政事情ということを大臣はよく言われます。私どもが必要だと考えているこういう従軍看護婦の慰労金の給付についても、いまちゃんとしたお答えがいただけません。私はこういうところはどんどん出すべきだと考えている。大臣はこういうところを節減すべきだと主張なさっている。そしてゼロリストなども発表されたりもする。ところが、大臣御自身が地方自治体の財源を私はむだ遣いをなさっていらっしゃると申し上げたいわけです。
 と申し上げますのは、大臣はこの八月の二十一日、宇都宮の文化会館で藤尾正行労働大臣とともに栃木県の大臣就任県民祝賀大会に御出席をなさっていらっしゃるはずです。これは栃木県提出の資料を見てみますと、この費用は栃木県の場合、総務費の企画費、その中の企画総務費の負担金補助及び交付金から六十万円支出をされております。そのほかにも、西那須野町十万円、益子町十万円、合計八十万円になっております。しかも、こういう地方財政から支出されただけではございません。これには、県の職員が総務部から九名、企画部から六十一名、議会事務局から二名、計七十二名、これは一時から開かれておりますから勤務時間内でございます。勤務時間中に動員をされております。
 大臣は、私は招かれただけだとおっしゃるかもわかりませんけれども、地方財政危機の折から、地方自治体に八十万円の支出、そして職員を勤務時間中に動員をさせているというふうなことをするのは、私は財政難の折からいかがなものであろうかと。しかも、綱紀粛正が国民的な課題になっている、強く要求されているというふうな中で、私、昨日も原国務大臣に申し上げたわけですが、原国務大臣も自治体などの主催する祝賀会に出ておられます。私はその政治姿勢をお直しいただくように申し上げました。渡辺大臣も、私はこういう祝賀会の中で、財政再建は地域エゴを聞いていては絶対にできないので憎まれ役にもなるというふうなあいさつをなさったというふうに聞いております。ここまで言われた大臣として、私はこのような祝賀会に出席なさることは慎まれるべきではないかと、えりを正されるべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
#128
○国務大臣(渡辺美智雄君) 栃木県では恒例でございまして、県から大臣が出た場合は、県を挙げて代表者の皆さんが相談をして、それで祝賀会をやってくれておるんです。しかし、今回は自重してもらいたいという話をしたものですから――普通はかなり料理なんか出たりなんかしてやったんです。昔は。そういうことはやらないということで、最小限度の費用がかかったんでしょう、二千人も集まったといいますから。私よく知りません。知りませんが、それはいろんな各種団体長と県が相談をした結果、ともかく郷土から大臣が出たんだから余り無理なことは言わないようにしようとか、いろいろみんなで集まってお祝いしてくれたし、激励をしてくれたと。事実でございます。しかし、私はこのことが果たして悪いかどうか。私は、はでにやったとかどうとかということならいざ知らず、それによって費用が六十万か幾らか使われたというんでありますから、そのことは奨励すべきものではないけれども、そう悪いことをやったと、出席して悪かったというようには思っておりません、私はひとつも。私は、ともかく、まあ費用の点は会場費ぐらいじゃないかと思っておったんです。何も出るわけでもございませんしね。ですけれども、それはそういう集まった栃木県の団体長の皆さんの自主的判断で、たとえ六十万円かかっても、それ以上に、ひとつみんなが結束をして、栃木県みんな仲よくやろうといったことの方がメリットがあると判断をしてやられたものだと思っております。それだけのことであります。
#129
○安武洋子君 財政危機を叫ばれている大臣です。それが地方自治体のお金、県は六十万、それから先ほど申し上げましたように町からも出ております。八十万。こういうことを私は、やはり地方自治体として当然出すべき種類のお金ではなかろうというふうに思うわけで、ここに対して私は、むだな支出をさせているというふうなことについて悪いことをしたと考えられないというふうな御答弁でございますが、国民はこういう点で綱紀粛正を望んでおります。それと勤務時間中に職員も動員されるというふうなことについても、私はやはりここは綱紀を粛正すべきところだ。こういうようなところに出て悪くないというふうなお考えというのは一向に解せませんが、やはり私は大臣としてえりを正されるべきではないか。再度お伺いをいたします。
#130
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは県の要請によって出席をしてくださいというので、私も万障繰り合わして出席したんです。実は。だから、出席したことが悪いというのなら、県が、計画した人が悪いということになるんでありまして、私はそこまで県知事とか団体長の皆さんのやったことがむだ遣いだというようにここでは断定できないんです。自粛をしてお金をかけないようにやるということはいいんであって、まだ、村とか町とかで運動会をやるとかあるいは何かお祭りをやるというようなことも地方自治の一環でございますから、私は、はでにやったというのだったらばおしかりを受けても差し支えないと思いますが、出席をしたのが悪かったかどうかと言わましても、県の、県民の代表の人が集まって取り決めて、もう質素に最小限度にやったことまで、そういうところも大臣は一切出席をするなと、大臣が出ないで向こうだけでもってやったのならいいというわけにもなかなかいかないのであって、私は質素にそういうことはもうやるべきであるということでございます。
#131
○安武洋子君 では最後に。
 私は、はでにやったかじみにやったかということよりも――自治体から招かれただけだとおっしゃる。しかし、少しお考えになれば、こういう地方自治体がお金を出してやっているということは一目瞭然です。こういうところに大臣として、財政危機、地方財政が危機であるというふうなことで、国の財政も節約に節約を重ねろと、ゼロリストまで出される。その大臣が、八十万ぐらいなら質素でいいじゃないかと、私は招かれただけだ、というふうなことでは済まない。政治家としては、李下に冠を正さず、やはりこういうところには出席なさるべきでないと思います。大臣と原国務大臣以外の方は私費でいろんなプライベートな形でやってなさいます。私は、そういうふうにおやりになるのならやられるべきだということを申し上げまして、質問を終わります。
#132
○峯山昭範君 もう質問終わりましたけれども、先ほどから両大臣の答弁を聞いておりまして、私はどうしてもこの内閣委員会として見逃せない問題が一つあります。
 それは何かと言いますと、この共済の問題は非常に重要な問題であります。それで、塩川運輸大臣の答弁も渡辺大蔵大臣の答弁も、この共済問題につきましては、先ほどから答弁の中でいわゆる共済年金制度基本問題研究会の答申といいますか、取りまとめ、それによって今後解決していきたいと、そういうふうなお考えでありましたですね。大臣、どうですか。
#133
○国務大臣(塩川正十郎君) そのとおりであります。
#134
○峯山昭範君 渡辺大蔵大臣、どうですか。
#135
○政府委員(矢崎新二君) 昨年の国会の附帯決議の御趣旨にも沿うような考え方を持ちまして、ただいまの大蔵省の共済研究会というものを設置して審議をしていただいておるわけでございます。これは私的研究機関でございますので、そこで政策決定がされるというものではございませんで、学識経験者等の御意見を聞いて参考にさせていただいているということでございます。したがいま
 して……
#136
○峯山昭範君 そういうふうにごまかそうとしたってだめなんです。
 大臣、要するにわれわれ内閣委員会としては附帯決議もつけておりますね。運輸大臣は、そのとおりですとおっしゃっているんですから。要するに、こういうふうな機関の意思を――あなたもそうでしょう、この基本問題研究会の意思をまとめて、そして共済の問題を解決しようということについては変わりないんでしょう。どうなんです。簡単で結構です。もう時間ありませんから。
#137
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは結論待ちです。
#138
○峯山昭範君 いま両方の大臣がそのとおりですとおっしゃいました。それが問題なんです。そのことが国家行政組織法の第八条に違反をしているわけです。要するに、これは何ですかといいますと、統一見解もありますけれども、国の行政を左右するいろんな問題については、すべて国家行政組織法第八条のいわゆる行政組織法に基づいてきちっと設置してやらないといけない、こうなっているわけです。しかも予算を支出してはいかぬということにもなっておりまして、皆さん方の報告によりますと、もうすでに先般の答弁の中でも予算が幾らついているということが出ております。われわれとしては、少なくともこの問題についてはもう重大な問題でありますし――われわれこれは重大な問題でないと言っているわけじゃないんです。重大な問題であるから、それだけに行政組織法に基づいてきちっとした審議会なり何なりを設置すべきである。しかも総合調整機関を担当いたしておるたとえば総理府なら総理府に、きちっとしたこういう機関を設置してきちっとした答申を受けるべきである。ただ単に意見を聞いて、法律に基づかない、参考にするというような、いま局長さんは参考にするとおっしゃいましたが、ただ参考にするというだけではこの問題は解決しないわけです。やっぱりきちっとした答弁をいただいて、法律に基づいた機関のきちっとした答申が必要である、そういうことになるんです。ですから、そういうふうな意味では、私はこの問題については審議会とか、こういう問題について何回かこの委員会で議論をいたしております。そういうような意味でも、私はきょうの答弁聞いておりまして見逃すわけにいきませんから、どうしても一言言っておきたかったのでいま言っているわけですが、これだけ重要な問題でありますから、それだけに、ただ単に研究会をこのままにしておかないで、やっぱり渡辺大臣、これはきちっとした法律に基づいた、そういう審議会なりそういうようなものにして、行政改革という面でこれはできない問題もあるかもわかりませんけれども、大事なものは大事なものなんですから、そういうような意味ではきちっとして今後の運営をやっていただきたい、このことを要望しておきたいと私は思います。大臣の御答弁をいただいて終わりたいと思います。
#139
○国務大臣(渡辺美智雄君) いま言ったように、現在の基本問題の研究会は、学識経験者等の意見を聞きまして、それによってもう政策を決定するわけじゃありませんが、貴重な御意見が出ますから、そのあれをもとにいたしまして、最終的には、大蔵省としては既存の国家公務員共済組合審議会という共済組合法に基づいた正規な審議会がございますので、その審議会にかけて最終決定はしたいと、そう思っております。したがって、研究機関と別な審議会をもう一つつくるということは目下考えておりません。
#140
○峯山昭範君 もうやめますけれども、それなら初めからいまある審議会できちっとすればいいんです。要するに。いまある研究会、こちらの方の意見を聞いて、こちらの方の審議会にかけるというんじゃなくて、初めからいまある審議会できちっとすればいいんです。法律に基づいた審議会で。当然必要なんです。それは。
#141
○国務大臣(渡辺美智雄君) それも一つでしょう。それも一つでしょうが、そのほかのいろんな人の意見も聞いて、そしてやっぱりこういう重要な問題ですから、いまあるものはもちろんそこにかけるんですが、その前に、その人たちの意見ばかりでなく、別な人の意見も聞いた上で最終的に練ったものをいまの法制上の国家公務員共済組合審議会ですか、それに諮問をして最終的にはそこで決めていきたい、そういうことを申し上げているんです。
#142
○峯山昭範君 もうやめますけれども、要するにきょうの委員会のこの審議の席上、両大臣ともこの問題の解決については、この基本問題研究会の意見を参考にして取り組むと、こうおっしゃっているわけです。この委員会での正式の答弁なんですよ。ということは、そのこと自体がやっぱり私的な機関、そういう答弁をこういう委員会で正式にするということ自体がこれは問題なんだ。私的なものならもともと委員会にそういうのは出てくるわけはない。もっと逆に言いますと、大臣、こういうような問題は、公式の八条機関というのがあるんですから、八条機関に基づいた審議会の意見を正式に政策に反映させるべきなんです。こういう学者の意見というのは、たとえば防衛問題のときにもありましたけれども、一人一人の意見を一人ずつ書くのはいいんです。ところが、こういう人たちの意見を機関の意思としてまとめるわけですから、まとめるのはいかぬということは閣議決定の中にちゃんとあるじゃないですか。ですから、そういうような意味では、これはもうこれ以上議論はしません。時間がありませんからしませんが、これは重要な問題であるということだけ認識をしていただいて、この問題の解決に私はきちっと努力をしていただきたい、このことだけは申し上げておきたいと思います。
 以上で終わります。
#143
○委員長(林ゆう君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認めます。
 これより両案を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに両案の採決に入ります。
 まず、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#145
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、公共企業体職員等共済組合法及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#146
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後三時十分再開することとし、休憩いたします。
   午後二時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時十七分開会
#148
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。大村防衛庁長官。
#149
○国務大臣(大村襄治君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案の提案の理由及び内容の概要について御説明いたします。
 この法律案は、防衛庁設置法のほか、自衛隊法並びに防衛庁職員給与法の一部改正を内容としております。
 まず、防衛庁設置法の一部改正について御説明いたします。
 これは、自衛官の定数を、海上自衛隊千六百十九人、航空自衛隊七百十二人、計二千三百三十一人増加するためのものであります。これらの増員は、海上自衛隊については、艦艇、航空機の就役等に伴うものであり、航空自衛隊については、航空機の就役等に伴うものであります。
 次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。
 第一は、海上自衛隊の潜水艦部隊の一元的な指揮運用を図るため、司令部及び潜水隊群その他の直轄部隊から成る潜水艦隊を新編して、これを自衛艦隊の編成に加えるものであります。
 第二は、航空自衛隊の補給機能を効果的に発揮させるため、各補給処の業務の統制を行う補給統制処を廃止し、これにかわるものとして、各補給処の業務全般の指揮監督を行う補給本部を航空自衛隊の機関として新設するものであります。
 第三は、人事管理及び編成上の必要性等から自衛官の階級として曹長を新設するものであります。
 第四は、自衛隊の予備勢力を確保するため、陸上自衛隊の予備自衛官二千人を増員するためのものであります。
 最後に、防衛庁職員給与法の一部改正について御説明いたします。
 これは、自衛官の階級として曹長を新設することに伴い、曹長について俸給月額を定めるとともに営外手当を支給することができることとするものであります。
 以上、法律案の提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げましたが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
#150
○委員長(林ゆう君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 この際、暫時休憩いたします。
   午後三時二十分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時三十四分開会
#151
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委委員会を再開いたします。
 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。中山総理府総務長官。
#152
○国務大臣(中山太郎君) ただいま議題となりました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 去る二月二十七日、人事院から、国家公務員法第二十三条の規定に基づき、国会及び内閣に対して国家公務員災害補償法の一部を改正すべき旨の意見の申し出がありました。この法律案は、この人事院からの申し出に基づき、国家公務員災害補償法を改正し、一般職の国家公務員の処遇の改善を図ろうとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 今回の改正は、同じく今国会に提出されております労働者災害補償保険法の改正法案にあります給付改善に対応するものでありまして、その第一は、遺族補償年金の額の改善であります。遺族補償年金の給付水準は、すでにILOの条約及び勧告に示された水準を達成しているところでありますが、遺族の人数区分に応ずる支給率につきましては災害補償の損害賠償的側面から見てなおその改善を図る必要がありますので、遺族が一人の場合を中心にその改善を図り、全体として支給率を平均六・一%引き上げようとするものであります。
 第二は、身体障害に対する評価の改善であります。これは、頭部外傷、脊髄損傷等により神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、またはけい肺等により胸腹部臓器の機能に著しい障害を残している場合の障害の評価について、現在は、常に介護を要する程度の重度の障害を第一級とし、それに次いで重い障害として、終身労務に服することができない程度の障害を第三級として評価しているところでありますが、随時介護を要する程度の障害を新たに第二級として評価することとし、身体障害の評価の改善を行おうとするものであります。
 第三は、障害補償年金差額一時金の支給に関する制度の創設であります。これは、障害補償年金の受給権者がその支給開始後早期に死亡した場合、その間の年金の受給額が軽度の障害者に対して支給される障害補償一時金の額にも達しない場合もあり得ること及び障害補償年金前払一時金の支給に関する制度の創設との均衡上の必要等を考慮して、すでに支給された障害補償年金等の合計額が労働基準法上の障害補償に相当する額に満たないときは、その差額を障害補償年金差額一時金として遺族に支給しようとするものであります。
 第四は、障害補償年金前払一時金の支給に関する制度の創設であります。これは、障害補償年金の受給権者の社会復帰の促進に資するため、その申し出により、労働基準法上の障害補償に相当する額を限度として人事院規則で定める額を障害補償年金前払一時金として支給しようとするものであります。
 第五は、小口資金の貸し付けを受けるための措置であります。これは、年金たる補償の受給権者が一時的に必要とする資金の需要に応ずるため、年金たる補償を担保として国民金融公庫または沖繩振興開発金融公庫から小口の資金の貸し付けが受けられるようにするものであります。
 以上のほか、現在実施されている遺族補償年金に係る一時金に関する規定を整備するとともに、年金たる補償の支給事務の簡素化を図るための措置を講ずることとしております。
 なお、以上の改正は、労働者災害補償保険法の改正法の施行時期に合わせて、第一の遺族補償年金の額の改善、第二の身体障害の評価の改善については公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から実施し、第三の障害補償年金差額一時金の支給に関する制度、第四の障害補償年金前払一時金の支給に関する制度、第五の小口資金の貸し付けを受けるための措置については昭和五十六年十一月一日から実施することといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
#153
○委員長(林ゆう君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院内閣委員長代理理事愛野興一郎君から説明を聴取いたします。愛野君。
#154
○衆議院議員(愛野興一郎君) ただいま議題となりました国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府原案では、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するもののほか、昭和五十六年十一月一日から施行することといたしておりますが、各種改善措置のうち、遺族補償年金の額の引き上げに関する措置については遡及して本年十一月一日から適用することに改めることを適当と認め、これを修正したものであります。
 以上が修正の趣旨であります。
 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#155
○委員長(林ゆう君) 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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