くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第093回国会 内閣委員会 第12号
昭和五十五年十一月二十八日(金曜日)
   午前十時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二十八日
    辞任         補欠選任
     桧垣徳太郎君     岡部 三郎君
     降矢 敬雄君     関口 恵造君
     木島 則夫君     伊藤 郁男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  ゆう君
    理 事
                藏内 修治君
                竹内  潔君
                矢田部 理君
                伊藤 郁男君
    委 員
                板垣  正君
                岡田  広君
                岡部 三郎君
                源田  実君
                関口 恵造君
                中西 一郎君
                林  寛子君
                堀江 正夫君
                片岡 勝治君
                野田  哲君
                山崎  昇君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                安武 洋子君
                秦   豊君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       中山 太郎君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  大村 襄治君
   政府委員
       内閣法制局長官  角田禮次郎君
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       給与局長     長橋  進君
       人事院事務総局
       職員局長     金井 八郎君
       総理府人事局長  亀谷 禮次君
       行政管理政務次
       官        堀内 光雄君
       行政管理庁長官
       官房審議官    林  伸樹君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       防衛庁人事教育
       局長       佐々 淳行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       大蔵省主計局給
       与課長      水谷 文彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○臨時行政調査会設置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願(第三号
 外一〇三件)
○国際障害者年に関する請願(第五号)
○旧軍人・軍属恩給欠格者に対する恩給法等の改
 善に関する請願(第一〇六号)
○靖国神社国家護持に関する請願(第一二一号)
○恩給改善に関する請願(第一九八号)
○国家公務員等の定年制・退職手当法改正反対に
 関する請願(第二五五号外一一七号)
○国家公務員の諸制度改悪反対等に関する請願
 (第二六三号外一二件)
○退職手当法改正反対に関する請願(第四一二号
 外一五三件)
○戦後強制抑留者の処遇改善等に関する請願(第
 四一四号)
○北九州財務局廃止に関する法案に反対し、財務
 局の福岡市存置に関する請願(第五一二号外三
 六件)
○外地派遣旧軍属の処遇改善に関する請願(第七
 二八号外二三件)
○新潟海運局廃止反対に関する請願(第七六五号
 外一五件)
○新潟海運局の存置に関する請願(第七七七号)
○軍国主義化、徴兵制復活反対等に関する請願(
 第七九七号外二件)
○旧満州航空株式会社従業員を恩給法令にいう外
 国特殊機関職員指定に関する請願(第八九五号
 外二件)
○同和対策の充実に関する請願(第八九六号)
○国際障害者年施策実現に関する請願(第一〇二
 一号外一件)
○中小企業専任大臣の設置に関する請願(第一〇
 二五号外一件)
○旧満州棉花協会等を恩給法による外国特殊機関
 指定に関する請願(第一〇九一号外一四件)
○旧中華航空株式会社従業員を恩給法令にいう外
 国特殊機関職員指定に関する請願(第一一五九
 号外一五件)
○同和対策事業特別措置法の強化改正に関する請
 願(第一二七五号)
○徴兵制復活反対等に関する請願(第一二八九号
 外一件)
○国家公務員の労働条件等に関する請願(第一二
 九〇号外八二件)
○同和対策事業特別措置法の一部改正に伴う附帯
 決議の即時具体化に関する請願(第一三〇六
 号)
○鉱山保安行政の縮小反対等に関する請願(第一
 五〇七号)
○軍事費の大幅削減に関する請願(第一九八六号
 外二件)
○国家公務員等の退職手当法改正反対等に関する
 請願(第二〇六八号外一件)
○国家公務員の給与改定等に関する請願(第二〇
 八五号)
○定年制法制化反対等に関する請願(第二一九八
 号外二九件)
○公務員給与に関する人事院勧告完全実施等に関
 する請願(第二三八九号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林ゆう君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、木島則夫君及び降矢敬雄君が委員を辞任され、その補欠として伊藤郁男君及び関口恵造君が選任されました。
#3
○委員長(林ゆう君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に伊藤郁男君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(林ゆう君) 臨時行政調査会設置法案、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与の一部を改正する法律案、以上五案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○野田哲君 私は、主として行政管理庁の長官に対して、第二次臨調設置に当たって、その運営とかあるいは今後の行革問題についての基本的な考え方を伺いながら、あわせて長官に対して幾つかの私ども感じている実情について御報告を申し上げて、それに対する認識をお伺いをいたしたいと考えているわけです。
 まず一つは、本委員会で今回もブロック機関の統廃合についての法案を審議をしたわけでありますけれども、今後もまた行政改革が大きな課題になっているわけですが、これを進めていくに当たって何回か国会審議の場でいろんな角度から議論になっているわけですが、高級公務員の天下りの実態あるいは特殊法人の役員を公務員をやめた後渡り歩いている、この実態に対して私はきちっとした整理をしていかなければ、第一線の現場で働いている公務員諸君にこれから政府が進めていく行政機構改革についての率直な協力を得られないんじゃないか、こういう懸念を持つものなんです。
 参考のために幾つかの例を挙げてみますと、七十の特殊法人の役員の実態を調べてみますと、役員数が四百四十四名。この四百四十四名の役員数に対して、それぞれの公社公団等からの内部の登用の役員は十分の一にも満たないわずか四十名、そして民間からその経験を買われて登用された役員が三十三名、これに対して公務員を退職をしていわゆる天下り公務員、こういう形の役員が実に三百五十六名、パーセントにして八〇%以上これを公務員が占めているわけです。そしてその実態、個々にわたると私は個人の名誉にかかわることがありますから申し上げませんが、公社公団の役員を四つも五つも十数年間にわたって渡り歩いている、その都度大変な高額な、世間からその実態を見ればかなりまゆをひそめるような形の退職金を受けている。政府が、公社公団の役員のいわゆる渡り鳥について年数あるいは回数について閣議決定で制限をしたことがありますが、必ずしもこれは守られていない、依然として渡り歩きの状態が続いているという実態、具体的な資料を私ここへ持っておりますけれども、時間の関係がありますし、個人にわたる問題もありますので、これは省略をいたします。
 それから、高級公務員の地方自治体へのこれもいわゆる天下りの実態、これを見ますと、四十七都道府県に対して自治省から派遣をされている公務員が二百四十二名、その他の省庁から都道府県に派遣されている役員が四百七十名、合わせて七百十二名という公務員が都道府県の総務部長あるいはその他の重要なポストに配置をされているわけです。一県当たり平均十五人という状態ですから、都道府県の主要ポスト、総務部長これは自治省、土木部長これは建設省、農林部長これは農林水産省、こういう形ではほとんど占められている状態であります。
 こういう状態が、やはり第一線の長い間その公社公団で積み上げてこられた職員あるいは都道府県でずっと勤め上げてきた地方公務員の人たちの勤労意欲を阻害をし、そして部内に違和感を醸成をしている状態なんです。こういう状態を私はけじめをつけていかなければ、政府がこれから臨時行政調査会を設置をして行政機構のあるべき姿についてメスを入れていこうとされても、この実態が放置をされたままで機構だけをいじっていく、これでは私は本当の共感を持たれるような行政改革になっていかないんじゃないかと思うんです。こういう実態についての行政管理庁長官の基本的なお考えを伺いたいと思います。
#7
○国務大臣(中曽根康弘君) 遺憾ながら野田委員が御指摘になったような事実は否定し得ないと思いますし、これはまことに申しわけないような状態が継続しておると思います。この中で特にわれわれが関心を持っておりますのは、いわゆる高級公務員の天下りの問題でございまして、ややもすれば、各省庁が公社公団を自分の植民地のように思ってそこへ人事を張りつける、そういうシェアを争っているような感もなきにしもあらずで、そういう批判もございます。これらの点につきましては、いままで内閣も幾つかの制限を設けて規制してきたところでございますけれども、御指摘のとおり必ずしも成果が上がっているとは申されません。やはり部内の優秀な人を簡抜する、そうして励みをつけるとかあるいは民間人を思い切って登用するとか、そういうもう少し斬新的な措置をやる必要があるように私も感じております。
 それから、地方公共団体に対する中央からの派遣でございますけれども、最近は特にそういう現象が目立ってまいりました。地方自治体発足当時はこれほど多くはなかったのでございます。恐らく、これは補助金やらあるいは許可認可等々の関係で地方が中央に依存する形がかなり出てきたと、特に交付金やそのほかの問題で問題が出てきたと、そういうような傾向から地方自治体がそういうふうに走ってきておると思いますが、これは、第一にはやはり地方公共団体がしっかりしてもらわなけりゃならない。地方自治の尊厳性というものを厳守するということは、やはり人事権において知事や市長が厳然たる見識を持つということが一つ大事であると思います。しかし、それと同時に中央の干渉を排除するということもわれわれとして考えなければならぬ点でございまして、これらの点につきましては、自治省ともよく相談してその弊害を是正するようにしてまいりたいと思います。
#8
○野田哲君 きょうは、長官もゆうべ大変遅くまでこの席へおられましたし、私どももこの内閣委員会ゆうべ十時までやっておりますので、質問の細かい点について政府委員を通じてもお耳に入ってないと思うんですけれども、率直にこの場での幾つかの問題について伺いたいと思うんですが、毎回の行政機構改革で地方事務官の問題が議題になり、いついつまでに整理をすると言いながらそれが延びてしまう、また持ち越される、こういう状態の繰り返しが続いています。中曽根長官も長い閣僚経験もお持ちでありますから、予算委員会等でそのいきさつについて担当大臣ではなくても質問のやりとりをお聞きになったことがあるんじゃないかと思いますが、地方自治法が発足をしたときに、その附則で「当分の間」ということで地方事務官という制度が置かれましてもうすでに三十五年近くになろうとしているわけです。
 普通使われる日本語で当分の間というのは、せいぜい一カ月か二カ月というのが当分の間という日本の言葉の常識だろうと思うんですが、地方自治法での「当分の間」という言葉は、実に三十年以上当分の間として続いている驚くべき状態があるわけなんですが、この問題については地方行政委員会で地方自治法の審議の際に何回か決議をされています。それから、予算委員等の、あるいは内閣委員会、地方行政委員会等で関係大臣からお答えがあって、特に行政管理庁長官あるいは総理等から、地方公務員に移管をする、こういう形で速やかに決着をつけるという答弁やらあるいはその趣旨に沿った決議が各党一致でされている。これがいまだに整理がついていない。結局ネックはどこにあるのか。これは各省のやはりなわ張りです。労働省あるいは厚生省、自治省、そういうところのそれぞれ職業安定所や社会保険事務所や陸運事務所を所管をしている各省庁のなわ張りがこの問題のネックになっているわけなんです。これはひとつぜひ勇断を持って結論をつけていかなければならないんじゃないかと思います。
 なお、あわせて結局、これはいままで国会でも何回も議論をされている問題でありますから、政府自身が判断として早急に決着をつけるという方向に向いていくのか、それとも今度設置をされようとする第二次臨時行政調査会の中へこれも持ち込まれるのか、その辺も含めて長官の考えを伺いたいと思うんです。
#9
○国務大臣(中曽根康弘君) 地方事務官の問題は、第一次臨調の答申でも御趣旨に沿った答申が出ておりまして、当分の間というのは、今日までじんぜん日をむなしゅうした感がありますのはまことに遺憾にたえません。私といたしましては、いま当面の国会関係そのほかの仕事が終わりましたら、できるだけ早期にこれを解決すべく努力に入りたいと、こう思っております。
 第二次臨調との関係につきましては、第二次臨調が成立した暁に委員の皆さんの御意見も承って、その御趣旨に従ってどちらでどういうふうにするかということも話してまいりたい、こう思っております。
#10
○野田哲君 これから第二次臨時行政調査会を設置をしてあるべき行政機構の問題について検討を願う、こういうことになれば、一つの大きな課題としては行政機構、役所の機構をどうするかということと、もう一つは公務員の数を一体どうするのか、こういう問題が大きな課題になってくると思うんです。
 特に、これからの財政再建問題とかなりのかかわりを持っているわけですが、財政再建問題とのかかわりで言えば、私は政府の広報として大蔵省が発行をしているこの「財政再建を考える」、このパンフレットがあります。これを見ると、大蔵省も率直な数字を出しているなあという感じを持って受けとめたわけですが、各国の人口千人当たりの公務員数というのをここに図入りでこう出しています。これは経済白書にも出ているわけですけれども、これを見ると、日本の公務員数というのは世間一般で認識されているほど多くないどころか、先進主要国の中では一番低いという状態がはっきり数字であらわれています。イギリスが人口千人当たり公務員の数が百五・四人、西ドイツが八十二・六人、アメリカが八十・七人、フランスが六十七・四人、これに対して日本は四十五・二人、こうなっているわけです。これはいわゆる軍隊も入っているわけですから、日本でこの数字から自衛隊を引くと四十人ぐらいになるというふうに数字の上でははっきり示されているわけです。
 ですから、これを見ると世間一般で認識されているように、日本の公務員は非常に多い、こういう認識とは全然これは違う数字です。そうして、しかも最近の公務員の増員というのはほとんど現場関係、病院の看護婦さんとか、あるいは学校の教員とか、あるいは保育所の保母さんとか、そういうところに占められていて、いわゆるデスクワークに携わる一般職の公務員というのはほとんどふえていないし、国家公務員の場合で言えば、百二十何万人という総数の中で一般職の公務員というのはわずか二十数万人という状態がはっきりあらわれているわけです。
 こういう状態に対して行政管理庁長官としてはどのような御認識をお持ちなのか、この数についてこれから基本的にどういう形で対処されようとされるのか、これをお伺いしておきたいと思います。
#11
○国務大臣(中曽根康弘君) 一般的に見まして、数においても質においても、日本の公務員は国際的比価で考えると優秀であると思います。これは国際学会でも言われていることでありますが、公務員の政策力とか、あるいは廉潔性とか勤勉性とか、そういうような面を見ると、やっぱりフランスと日本の公務員あるいは公務員制度というのはかなり優秀である。政策の継続性とか先見性というものにおいては、やはり私も非常に優秀であるとそう評価しております。
 しかし、これは国際比価で見た場合でありまして、国内的比価で見ますと、日本の労働者の生産性はまた抜群であるわけです。それで、日本の国内同士で見ると、日本の労働者の生産性と公務員の生産性とどっちが優秀であるかというと、これは疑問の問題が出てまいります。そういう面から国民の批判もあるんだろうと思います。また、一面においては、非常に忙しくて非常によくやっているところもありますし、場所によっては、暇で新聞を読んでいるというようなところもあるわけです。これらのものをうまく調整して、みんな生きがいを感じて働かせるようにするということが公務員制度及び管理の大事なポイントであると、そう思っております。そういう面から、行政管理庁としても諸般の改革も加え、また公務員を激励するようにいたしていきたいと、そう思っております。
#12
○野田哲君 これから設置をされる臨時行政調査会、今度は九人ということになっております。人選等の問題、この前、本会議で長官にお伺いをしてお答えをいただいておりますので、重複は省きます。今後の運営につきましては、九人の方々が選ばれ、会長が互選をされた上で、まあ互選か、長官が任命されるのか、会長が決まって会長を中心にして運営はおいおい決まっていくと思うんですが、第一次臨調がかなり膨大な答申を手がけられた。その運営につきましては、私も太田薫委員に何回か、運営とかあるいは検討する課題についてのお手伝いをした経験もあるわけでありますが、大体、運営としては委員が決まってから委員の皆さんが相談されることですから、長官としては余り差し出がましいことは言えない立場にあると思うんですけれども、この前の第一次の臨調の運営等をある程度下敷きにされた形で行政管理庁としては下準備をされていくというようなことに理解をしていいんでしょうか。
#13
○国務大臣(中曽根康弘君) 人間がふえました点は変わりますけれども、おっしゃるとおり、大体そのような趣旨に沿って下準備をしてまいり、またまいりたいと思います。
#14
○野田哲君 これから具体的な中身に入っていく段階になってくると、やはり公務員の諸君いろいろ心配が出てくると思いますし、この前のブロック機関の問題のときにも、ここではいろいろな議論になりました。熊本の財務局がやり玉に上がっていたものが、国会が変わってみたら今度は北九州の方がやり玉に上がっていたとかいうことで、かなり現場の公務員の方たちは心配がつのった経験を持っているわけです。
 先ほど来、国際的な比較での公務員の数の問題、そして公務員としては国際的に比較をした場合には数も多くないし、質も高いと。しかし、まあ民間のあれに比べれば、さらに公務員も努力してほしい、こういう趣旨の長官の御認識を承ったわけでありますが、やはりこれから進めていく過程では、公務員の諸君の協力も日本の行政は受けなければいけないわけでありますから、そういう点で生首を切ったり、あるいは無理な配置転換、たとえば福岡で勤務している公務員が行政機構の改廃のために、子供たちが福岡の高等学校や中学校へ行っているのに熊本へ無理やりかわらなければいけないとか、こういうようなかなり無理なことが心配されるわけですけれども、そのようなことなどについてはできるだけ本人の事情、意向等も尊重しながら、無理な強制配転とか、あるいは出血をしないというようなことをぜひ配慮の中に入れておくべきじゃないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。
#15
○国務大臣(中曽根康弘君) ブロック機関整理の際につけられました附帯決議につきましては、ここで御答弁申し上げましたように、これを尊重してまいりたいと思います。
 第二次臨調に際しましては、これは前に申し上げましたように、委員の自主性を尊重して、そして前提条件等はつけないで、フリーハンドで御判断を願うのが適当であると思います。
 さりながら、やはりこういう時代でございますから、本委員会におけるいろんな問答やあるいは行政管理を行う上から見まして、公務員の立場をよく考えて、憤重な配慮をするということは当然予想されると私は思っております。これらの点につきましては、岩垂委員の御質問に対しまして内閣委員会で御答弁申し上げたとおりであります。
#16
○山崎昇君 余り時間がありませんので、最初集約して行管長官、総務長官、人事院総裁、防衛庁の長官、一括して質問します。
 順次ひとつ答弁願って再質問したいと思うんですが、まず行管長官に一点お聞きしておきますが、いま野田委員から天下りの問題が出ました。そこで私は、この天下りの中でも最も特徴的なのは自治省でありまして、自治省の定数を二十名から二十五名ぐらい上回っております。毎年採用者が。これを全部地方に配置して、二年ぐらいたつと、また引き上げていく。そのときにまた新しい者を配置をする、こういうやり方をとっています。これがどういうことを起こしているかというと、同じ大学を出て中央で採用された者は二十七、八歳で課長で出ていく。地方に採用された者は営々として地方でやって、四十、五十近くなってからやっと課長ぐらいになっていく。こういう問題がやっぱり出てきておる。
 それからさらに、いまのやり方を見ますというと、総務部長、財政課長、地方課長、振興課長、各部の主管課長、あるいは各部の部長、ほとんどはこれ中央出身者です。配置された者ですから。そして、その人事異動は中央の都合によって人事異動が行われる。任期途中であろうが何であろうが、引き上げられる。こういういまやり方が横行しているんです。正直に申し上げまして。そしてこれらのポストというのは、あたかも指定の職みたいに中央で次から次と人がかわって送られていく。だから各自治体の組合等で天下り反対というので、赴任する人は大変です。駅頭で文句を言われたり、あるいは仕事場で文句を言われたり。こういうことを考えますと、真剣に私はこの中央省庁から送られます天下りというものは考えてもらいたい、こう思っています。
 そして私は、何かしら戦前の行政科試験というのが復活しているんではないか。人事院のやっております試験というのは採用試験です。しかし、実際は特定の者は戦前の行政科試験が復活したような状態になっておって、そして採用された者は最初行くときは、地方では見習いと称している。こういうやり方は戦前です。これは。ですから、私はこういうやり方は第二臨調で議論されると思いますけれども、行管庁も十分こういう点は配慮して、この天下りの問題については対処してもらいたい、このことをまず長官に申し上げて答弁を願っておきたいと思います。
 それから、総務長官にお尋ねいたしますが、私は間もなく給与法等が採決になると思う。しかし、一番残念に思いますのは、あなた方がつくって公正な第三者機関だと称する人事院勧告がセット論という形で今日まで扱われるというやり方に対して私は承服できない。あなたは当面総務長官として給与法を出す責任者でありますから、一体こういう事態を招いたあなたは責任をどういうふうに感ずるのか、この点まずあなたに聞いておきたい。
 それから、今度の給与法の中に週休二日制、四週五休制ですが、入ってまいります。これはせっかく制度ができても実際に運用されなければ絵にかいたもちです。また、あの中にも仕事が忙しければ他日にどうとかいろいろ制約があります。私はすべてこれ否定するものではありませんが、それだけ強く出ていきますというと、実際はこれができない、こういうことにもなろうかと心配しておりまして、この四週五休制の実施についてどういう決意を持ってあなたが臨まれるのか、これ第二点としてまず総務長官にお聞きをしておきます。
 それから、人事院総裁に私は三点ほどお聞きいたしますが、一つは、この委員会でもたびたび私はノンキャリアの問題を取り上げました。今度人事院はそれに基づいて係長クラスを何か三十名ぐらい集めまして研修をやったようであります。これはどういう目的で、あるいはどういう内容で、どういう者が対象になったのか、ひとつ御説明願うと同時に、ややもすれば新たな差別が生まれてくる可能性もあるんではないか、こう私は感ぜざるを得ません。しかし、あなたは私の質問に対して新たな差別を導入するようなことはいたしませんと、こういう答弁でありますから、それとの関連でこれから係長クラスなんかの研修というのはどういう計画でやっていかれようとするのか、あわせてその点もお聞きをしておきます。
 それから第二に私はお聞きしておきたいのは、きのうは質問いたしませんでしたけれども、災害補償の問題と関連して、公務員の健康管理というのがこれまた私は大変重要な場面に至っているんじゃないか、最近の人事院の報告は見ておりませんけれども、どうも聞くところによりますというと、かなりやはり事故者が多いように私ども聞いております。したがって、公務員の健康管理という問題について人事院はこれからどういうふうにやっていかれるのか、その点が第二点。
 それから第三点は、総合的検討が行われまして、五十八年ぐらいまでに結論が出されて、六十年ぐらいから公務員制度全般について何か方針を出す予定になっておるようでありますが、それはそれで検討はされるんだと思うんです。しかし私は、個々の公務員にとりましては、給与制度がどうなっていくのか、任用制度がどうなるのか、試験制度がどうなるのか、これは大変重要な課題でありまして、本人の利害にも直接これは関連のある問題でありますから、したがって、当該する労働組合等と十分な意見の交換があってしかるべきではないか、そういう意味では組合との交渉をどういうふうに判断されていくのか、その点が第三点です。
 それから第四点は、それは恒久的な内容になるわけでありますが、当面の問題としてもたくさん抱えています。私も委員会でたびたび申し上げましたが、その中でも私が指摘した一つに、枠外者の問題があります。これは事実上定期昇給が停止です。こういうものを放置しておいたんじゃ困るのではないか、私はこう考えますから、来年勧告があるかどうかわかりませんけれども、当面の問題としてこの枠外者の問題、真剣に考えてもらいたい。
 また、宿日直の問題につきましても私が質問いたしまして、検討するということになっているようでありますけれども、これも将来どういうふうにしていくのか、当面この宿日直手当の問題も含めまして検討願っておきたいと思います。
 それから当面の問題の第三は、調整手当について再検討願いたい。これはもう御存じのとおり東京、大阪の八%、下関が中心のようでありますが六%、大都市であります札幌が三%、こういう状態になっておりまして、もうアンバランスが歴然としております。したがって、この調整手当というものをどうあなた方はこれから見直していくのか、当面これは大変格差が出ておりますから、この点についてどう検討されるか、お聞きをしておきたいと思います。
 それから、防衛庁の長官に二点聞いておきます。
 一点は、きのう公明党の中尾さんから曹長の新設と関連して給与体系が聞かれました。私も不思議に思っているんです。しかし、これはずっと前でありますけれども、准尉という制度をつくったときに、このときにも三尉との給与格差はたった百円でありました。これがまた問題になりまして、一つは、防衛庁におきます給与体系について私が数々の指摘いたしまして、防衛庁では何か研究会つくって検討しているんだそうでありますが、一体どういう検討がされて、いまどういう現状にあるのか。私は、特に職に対して給与を払うというならば、たとえば陸将にいたしましても海将にいたしましても、将という地位を一つとってみましても指定職あり、行(一)があり、行(一)の中でも一等級あり、二等級あり、三つにも四つにも分かれているなんということは職に対する給与とはならない、属人的になっているんではないか、こうさえ判断をしておりまして、かなりたくさんのことを指摘したわけなんですが、一体それがどうなるのか。ただ、きのう来のあなた方の答弁では、人事院が根本的な見直しやっておるから、それに合わせてやっていくんだというようなことになりましたら六十年まで何にもできないということになる。これは、私の指摘に対するあなた方の今日までの答弁とは違う内容になってまいりますから、当面して曹長の新設等があってわずか三百円しか違わぬというんですね。こんなばかな給与体系をつくっておいて何であなた方は管理ができるんだろうか、私は不思議に思っています。そういう意味で防衛庁職員の給与体系のあり方、そして、現在までどういう検討がなされておって、どこに問題があるのか、あなた方は感じているのか、お聞きをしておきたい。
 時間がありませんから、いま何点かについてそれぞれにお尋ねいたしましたが、答えによりましては再度質問することにいたしまして、とりあえず順次ひとつ御回答願いたいと思います。
#17
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいまの自治省の公務員の地方に対する天下りの問題でございますが、最近はとみにそういう御指摘の傾向がありまして、ややもすれば戦前の官治行政に戻るような印象すら与えております。特に総務部長とか、地方課長とか、特定の職がもう既成事実みたいに、特権みたいになりつつあるということははなはだ残念であります。これは、自治省と地方公共団体と両方で見識を持って直さなければならぬポイントであると思っております。自治省の方がもしこれを押しつけがましいことでやるとしたら、これは排除しなければなりませんし、また地方公共団体の首長も憲法で地方自治の本旨ということを保障されておるのでありますから、そういう点については独立、自主性を持って、見識を持ってやはりおやりいただいて、県内なりあるいは市町村内の人材を簡抜すると、そういう方針でやるのが当然のことである、そう思っております。
 ただ自治省等々において、若い者や中堅の者に地方に行ってもらって、そして実地を勉強してもらうと、これはやはり実態を知るという意味においてある程度必要であると思います。ある場合には市町村の助役さんもやってみて市町村業務を見習う、ある場合には福祉事務所へ行ってみて実際いろんなことも勉強してみる、出先の苦労も知ると、そういう点における研修的意味における出先にかかわるということは、これは私はある程度必要であると思いますが、度を超すといかぬ。最近はちょっと度を超していると、そう思いまして是正いたしたいと思います。
#18
○国務大臣(中山太郎君) 山崎委員から、給与公務員三法の一括の扱いを政府が望んだのではないかというおしかりでございますが、政府はこの給与関係法案国会提出に当たりましては、さきの国会に提出いたしまして審査未了となり今国会に再提出をして御審議をお願いしている定年制度法案及び退職手当法の改正法案につきましても、あわせて御審議を願い、成立をさせていただきたいと願望したようなことでございます。
 その背景にあるものは、御案内のようにまことに厳しい財政事情の中で、行政の一層の効率的運営というための定年制度法案及び官民格差の是正のための退職手当法案、こういうことをひとつお願いしたいということでございまして、ひとつこの扱いについては、国権の最高機関である国会の御判断にまつところでございますが、政府の願望であるというふうに御理解を賜りたいと考えております。
 なお、四週五休の問題でございますが、この問題は、この法律が成立をさしていただければ公布の日から六カ月以内ということになっておりますが、政府としては新年度当初からぜひ実施をいたしたい。なお各現場におきまして、むずかしい現場という場所におきましては、その長が現場の方々と相談を申し上げて、事務の支障のないように弾力的な運用をさしていただきたいと、このように考えております。
#19
○政府委員(藤井貞夫君) お答えをいたします。
 最初のノンキャリア問題に関連しての、いわゆる係長級研修の別科の問題についての御質疑でございます。これは、実は中堅幹部の養成というものはどこの省庁でも大変大事なことでございますが、それは必ずしも上級公務員の試験に通った者だけに限るべきではなくて、広くこれは初級であれあるいは中級であれ、それにふさわしい人材というものはやはりしかるべきポストにつけていくと伸びていく。そういう道をつけてまいりますことは当然のことであろうと思います。また、職員の士気を高める上からも大事なことであろうというふうに考えております。
 ただ、現実の姿を見ておりますと、係長研修の実態というものは、何といたしましても数が多いこともございまして、出てまいります者は上級試験の合格者に偏る、そういう傾向が顕著でございます。そこで、この場合、中級、初級の試験の合格者の諸君にももう少し門戸を開放し、その機会を与えてまいりますことが大事ではないか。そういう発想から別科の研修を実施することにいたしたのであります。幸いに、結果は大変成果が上がったのではないかというふうに考えておりますが、それはそれといたしまして、私は機会のあるごとに申し上げておりますように、現在の試験の仕組みというものは、これはやはり考え直すべき時期に来ているのではないかという考え方を持っております。
 御承知のように、現在試験は上級、中級、初級ということに分かれておりまして、上級は大学卒、中級は短大、それから初級は高校であることは御承知のとおりでございますが、最近の実情を見ますと、短大の対象を原則といたしておりまする中級試験に四年制の大学の卒業生が流れ込んできております。結果として、その合格者が九〇%に達するという姿が出てきております。また、これは望ましいことではございませんが、高校程度を対象とする初級の試験、これにも四年制の大学生が一〇%程度、あるいは少しふえる傾向がございますが、こういうものが流れてきておるという傾向がございます。この批判は別です。批判は別ですが、やはり試験区分というものについて何らかの手を打ってまいりませんと、後々大変困るんじゃないかと。同じく職場に入ってきた者が、試験の入口のことは問題外と今度はいたしまして、どうも同じ大学でありながら処遇の仕方がおかしいじゃないかとか、そういうことで大変職場管理上むずかしい問題が起きることは、これは火を見るよりも明らかでございます。
 そういう観点から、早急にやはりこれは試験区分というものについても手を打つべき段階に来ておるんじゃないかと思うんですが、それとの関連において昇級試験というものが、現在制度としては規定されておりながらいろんな事情でいままで行われておりません。やっておりますものは採用試験だけてございます。あとは大体選考――非常に限られた、限定されたところでは昇任試験に似たものをやっておりますが、全般にはやっておりません。
 そこで、私は、これに対処するためにもやはり昇任試験というものを取り入れるべき時期に来ているんじゃないか。これは、試験区分についてはそういう制限を設けずに、あらゆる者に門戸を開いてやる昇任試験、そういうものをやっていくべき時期に来ているんじゃないかという考え方を持っております。それのひとつ地ならしと申しますか、基礎をだんだんつくっていく。また、われわれのこれに対する自信というものをはっきり持ちますためにも、一つのテストパイロット的にやってみることがいかがであろうかという考えで発足をしたわけでございます。
 したがいまして、いま御指摘になりました、また御懸念もございましたように、私たちとしてはこれによって新しい差別を設けるということは絶対あってはならないと思っております。その点は運用上も今後十分注意してまいりたいと考えておる次第でございます。
 それから第二の、公務員の健康管理のことについて御指摘をいただきまして、まことに感謝にたえません。人事院といたしましては、毎年一回公務員の死因調査その他をやっております。そう世間一般とむろん変わったことはございませんですが、やはり特殊な成人病でありますとかそれから循環器系統、それから心臓の関係、そういうような疾患が多くなっておりますし、またいわゆる管理者病といいますか、ストレスということに基づく自殺その他の原因というものもふえる傾向にあるということは事実でございます。
 したがいまして、これに対処するためには、着実な、計画的な健康管理というものをやっていかなきゃならぬということはわれわれも痛感をいたしております。そのためには、御承知のように、ここで具体的例は挙げませんが、定期的な健康診断その他あらゆる手を通じて気をつけておるつもりでございますが、まだまだ、忙しくてなかなかそういうものは行く暇がない、診断を受けるいとまがないとか何とかというようなことでそういうものを受けないというようなことがあって、知らぬ間に病勢が進行するとか、いろんなことが出ておることも事実でございます。
 しかし、公務災害を言う前に、まず第一に大事なのは健康管理であるということは御指摘のとおりでございますので、われわれといたしましては、今後もさらにこの点については精力的にやっていきたいと、かように考えております。
 それから第三の、今回の夏の勧告で、人事院といたしましてはいろんな情勢が変化しつつある中において、これに対応するために人事諸制度というもの、給与、任用その他全部を通じまして総合的な検討を開始すべき時期に来ておるのではないかという提言をいたしたのであります。大体、いま山崎委員も御指摘になりましたように、私といたしましては六十年あたりに実施をしていくという、提案のこれは実施をしていくという目途のもとに、五十八年度あたりをめどにして大体の方向というものを打ち出したいということで、いま事務当局を督励いたしまして作業に入っております。その間においていろいろ御意見を承ってまいることになると思いますが、特に自分自身の身分に関係することですから、組合関係が一番直接的な関心を持つことは当然でございます。そういう意味で、これらの関係の意見というものはそれこそ十二分に聴取をし、また協議もしてまいる所存でございます。幸いに今回の場合は、まだ全部が全部でございませんが、一部の組合においてはもはややはりいろいろ反対とかいうような時期ではないではないか、むしろ土俵に上って対等の立場でひとつ意見を交換しながらいいものをつくっていこうではないかというような声も出ておるということでもございますので、私たちといたしましてはその傾向は大変いいことであろうというふうに評価をいたしておりまして、いろんな機会を通じましてこれについての話し合いは積極的に、さらに精力的に進めてまいるということを申し上げておきたいと思います。
 それから、次の当面の問題でございまして、三点ございます。
 一つは、枠外者の問題でございますが、これは全然放置してそのままにしておくという意味ではございません。特に、いまちょっとほかの問題でもお触れになりましたように、六十年の基本的な問題が結論が出るまではどんなことがあってもほったらかしだというような、そういう投げやりな、また無責任なことは考えておりません。実は、高齢者の昇給停止等の問題もございましたし、また各省庁における枠外者の実態というものも毎年注意を持って調べております。その結果、例年ほど放置しがたいと認められる者がなかったというようなこと、それと高給者の昇給停止との絡みとか、そういう問題で本年は措置をしなかったわけであります。号俸延伸の措置は講じなかったわけでございますが、しかしかなり枠外者の数がふえてまいります傾向は無視できません。そういうことがございますので、実態については一層突き進んだ調査をやりまして、打つべき手は打っていくと、結論が総合的に出るまではほうっておくというんじゃなくて、必要な措置は今後とも機会のあるごとに打っていくという配慮はいたしたいと思っております。
 それから、第二点の問題でありますが、調整手当の関係、これも検討はいたします。実はしかし、地域給の問題といたしまして、これはいわばたな上げみたいなかっこうで今日に来ておって、あえて手を加えておらないわけですが、これがいまの形が非常に恒常的なものであるとは私も思っておりません。ただやはり、毎年調べておりまする地域的な官民の較差の問題等を見てまいりますと、やはりいまの地域区分に対する調整手当の比率とほぼ相似たような、そういう率の差が出ておることもこれは事実でございます。しかし、それがぴたりと正確というわけにもまいりませんので、この点については、これこそ私は根本問題の一環としての地域給の問題地域給と本俸との問題、そういうような観点におきまして、十分深刻にひとつ受けとめて検討をしてまいりたいと思っております。
 それから最後に、宿日直の問題でございます。これにつきましてもことしも民間の調査をいたしました。ある程度数字は動いております。動いておると言うのは、上がっております。やっておるところは動いております。ただ、民間の宿日直の形態というものが、これも御承知のようにだんだん委託と申しますか、警備会社がそれを負担するとかというようなことになっておりまして、いまやむを得ず存置をしておる会社における宿日直の実態というものが大分内容的に変わってきておるということも見受けられるのであります。そこで、もう少しこれは掘り下げて民間の実態も調べて、それの対応で、もしやはりそれに対応するこっちの職種があって、それが処遇として非常にちぐはぐであるという問題が出てまいりますならば、これに対する当然措置は講じてまいらなければなるまいという考えをいたしております。
 以上でございます。
#20
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。
 防衛庁職員の給与につきましては、一般職の国家公務員の給与と均衡をとって定めておりますが、御指摘のございましたとおり、大変複雑な体系になっております。そこで、これらの問題につきましては、先ほど先生の御指摘のありました問題を含めて、現在真剣に検討を行っております。いろいろ関連もございまして大変むずかしい問題ではありますが、先ほどお話のございましたような六十年までというような、そういうことではなく、できるだけ早い時期に結論を得るように努力したいと考えておるところでございます。
 なお、詳細については、必要があれば政府委員に説明さしたいと思います。
#21
○政府委員(佐々淳行君) お答えいたします。
 防衛庁職員の給与に関しましては、かねてから山崎先生より深い関心を持ってしばしば御指導、御叱正をいただいておりまして、私ども大変感謝をいたしておる次第でございます。
 先ほど、昨日の曹長新設に伴う私の答弁でございますが、真剣に本当に検討しておるのかと、こういうお尋ねでございます。研究の状況はどうなっておるかということについてまず申し上げますと、五十三年四月以来、この給与問題につきましての学職経験を有する方々七名をお願いをいたしまして、防衛庁職員給与制度等研究調査会という研究会をつくりまして、過去五回、給与問題の基本にかかわる諸問題について検討いたしております。
 なお、この研究調査会は、念のため申し上げますが、非八条機関――国家行政組織法に基づくところの諮問機関ではござませんで、人事教育局長が参考意見を伺う、こういう研究会でございます。
 この研究課題には、実は山崎先生が過去において御指摘をいただきました俸給表の簡素化、複雑怪奇になっておりますのを、たとえば参事官等俸給表と一般職事務官俸給表を統一してはどうかという問題点、あるいは調整率の問題――御趣旨のように調整率、超過勤務を認めておりませんので、一般職の公安職、警察官の一カ月平均の予算額二十一・五時間の超勤を調整率として本俸加算をしております。これが二十九年決定の数字でございますので、再検討したらどうかという点、あるいは調整率と今度は参事官等俸給表の適用を受ける職員に支給される管理職手当との関係、あるいはただいま御指摘の将(一)、将(二)という、同じ将でありながら二つあるのはおかしいではないか、一本化せよという問題、あるいは各階級の基準俸給表の一般職俸給表との対応の仕方に問題があるんではないか、こういう点、あるいは先ほどお話の出ました調整手当、これは防衛庁の場合には甲地八%及び六%、乙地三%、こういうことになっておりますが、異動あるいは入港等が多いという理由で、警察予備隊の時代からの伝統のようでございますが、そういう均衡を図って平均化しておるというやり方が地域給の本質に反するんではないかという御指摘、さらには医療費の問題、先生御指摘の問題は全部実は検討課題に挙げて真剣にやっておるところでございます。
 また、御指摘がございましてから、人事担当者を欧米に派遣をいたしまして、各国の軍隊の給与の状況、これの調査も資料を持ってまいりまして、その翻訳がほぼ完成した段階でございます。そういう意味で、決して先生の過去の御指摘を等閑視して何もしなかったということではございません。
 それから曹長の問題について、昨日私の答弁に関連いたしまして、ただいま、やはり職に対して給与を与えるべきである、一階級高くなって責任が重くなっているのに対してわずか三百円とはおかしいという御指摘でございますが、まさに御指摘のとおりでございます。自衛官俸給表を先生よく御承知のように点検してみますと、二佐以下十三階級、今度もしも曹長が認められますと十四階級になりますが、これが警察予備隊以来のその歴史的な事情によりまして、公安職(一)特三等級以下公安職(一)及び(二)のわずか七つの等級の中に十四階級がひしめいておる。特に一番ひどいのは昨日申し上げました公安職(一)の五等級でございます。これには三尉、准尉、一曹、二曹と、四階級がこの中に入っておりまして、今度曹長を入れますので格差がどうしても小さくなる、この点は昨日申し上げましたとおり問題点でございまして、これは給与体系全体の見通しを待つまでもなく、なるべく早く検討をし、改善をし、曹長になった方々の士気高揚、待遇の改善に努めたいと考えております。
 将(一)、(二)が分かれておるのはおかしいではないかという点でございますが、これは御承知のように将(一)は指定職、いわゆる指定職ポストでございます。指定職ポストを獲得をいたしまして、何とか将を一つの給与体系にいたしたいと、かように考えておりますが、諸般の事情によりましてまだその実を見ておりませんが、御指摘以来若干ふえております。指定職ポストが五十四になりまして、なお将(二)というのが三十九残っておりますが、過去において少しずつ、徐々に改善方向に向かっておるということをお答え申し上げたいと思います。
 それから、将補が行二というのはおかしいではないかと、これもかねてからの御指摘でございますが、これは改善をされまして、この問題は解決をいたしました。今後行一ということで格づけをしてまいることになっております。
 なお、その他いろいろな問題がございますが、根本的な見直しに関しましては、御承知のように全公務員の給与体系の中における防衛庁職員給与法でございますので、横並び、特にその準用いたしております公安職との関連を十分勘案しながら、関係省庁と慎重な協議をしないことには防衛庁のみではこれはできないものでございまして、幸いにこの今回の改正によりまして四週五休制、しかも四週五休制で勤務時間が年間五十二時間短縮になるわけでございますが、超過勤務の計算にはこれは影響させない。暫定措置としてそういう措置をとり、この制度が整々として行われるようになった段階において見直しをすると、こういう政府の方針でございますので、大きな方向としては幾多の矛盾を――これは防衛庁職員給与法だけでなくて、至るところにこういう矛盾あるわけでございますが、見直しの方向に向かっておりますので、そういう大きな方向に乗ってやるべき仕事と、それから当面何とか私どもで努力をすべき問題とを分けて、できるだけ改善に努めたいと、かように考えております。
#22
○山崎昇君 もう私の時間ありませんから、本来なら詳細にやってみたい点はたくさんありますが、きょうはとどめておきたいと思います。
 ただ、私はいまいろいろ答弁ありましたが、聞いておりましてどうも釈然としないものを感じますのは、私の記憶に間違いなければ、昭和十八年に各庁職員優遇令という勅令が出まして、昔は判任官というのは属、技手と言っておりましたが、これがだんだん戦争が激しくなるんで、給与は上げないで、身分だけは属であるけれども、高等官七等にしたとか八等にしたという各庁職員優遇令というのがありました。何かそれをいま思い出す。たとえば曹だとか准尉だとかつくる。しかし給与のたてまえになってくると何にも変わってこない、困っておりますと、こういうことですね。何かいま私は、そういう戦前の、そういう身分だけ上げておいて給与だけは何にも直さなかったというような、そういうものを私はいま思い出しているわけです。
 ところが、またこれと逆に、昭和三十九年に指定職俸給表というのがつくられた。公務員給与法の職務標準の分析は一つも変わらぬのに、特定の人間だけは指定職俸給表となって月給だけは高くなった、一官一給与。ですからいまの公務員制度の中で、片やそういうところがあり、片や身分だけ何だか上がったようだけれども待遇は全然何もしない、こういうアンバランスなやり方というのがだんだんだんだん高じていまのようになっているのです。
 特に私は、防衛庁の職員給与法について何も賛意を表して言っているわけでありませんが、やはり勤務させるんならさせるようにきちんとしたものをしなきゃいけないんじゃないでしょうか。それをやらずして、なかなか、あなたいま曹のやつ三百円という話出ました。院内食堂のコーヒー二百五十円ですよね。こういうやり方をとっておいて、私は士気の高揚だとかなんとかと言ったっていかぬのじゃないかと思うのですよ。そういう意味で、私は少し声を大きくしておりますが指摘をしているのでありまして、十分ひとつそういう私どもの真意をくんで早急に解決してもらいたい。
 それから人事院も、これから総合的な検討をやるわけでありますけれども、やはりそういう矛盾はきちんと直すような方向だけとってもらいたいし、それから総務長官のいろいろ苦心は苦心で聞きました。聞きましたけれども、あなたの職務としては怠慢だよ、やっぱりね。それは私どもいただくわけにはまいりません。やっぱり人事院制度をあなた自身で、極端な表現を使えばこれは否定をするようなことにもつながりかねない。そういう意味では、公務員から取り上げるものを先に出してきて、制度として勧告されたものをけつにくっつけて人質みたいにするやり方は今後廃止してもらいたい、そういうことのないことだけあなたに申し上げて、私の時間来ましたから、きょうの質問を終えておきます。
#23
○峯山昭範君 初めに、特殊法人の問題についてお伺いをいたします。
 特に最近、特殊法人の問題がずいぶんクローズアップされておりますが、まず大平行革の中で特殊法人の整理統合を進めていらっしゃるわけですが、その現状を初めに、政府委員の方で結構ですが、お伺いします。
#24
○政府委員(佐倉尚君) 先生御指摘の昭和五十五年行政改革の話でございますが、特殊法人の統廃合でございます。これにつきましては、予定の年度がございまして、全部で十八法人これにつきまして取り扱うことになっております。五十五年度中に四つ減、それから五十六年度が七つ、順番に五十七年、五十八年と、順番でございますが、二つ、一つ、一つ、一つということで、六十一年度まで計画ができております。
 このうち、オリンピック記念青少年総合センター、これにつきましては、もうすでに五月にこれが廃止になっております。これから日本学校給食会、あるいは日本学校安全会、これの統合でございますけれども、これは法案を提出中でございます。それから石炭鉱業合理化事業団、これにつきましては、五十五年の十月一日に廃止されました。それから中小企業共済事業団、中小企業振興事業団の統合でございますが、これも五十五年の十月一日に統合。こどもの国協会、これにつきましては法案提出中でございます。
 そのほか、五十六年度以下、先ほどの申し上げましたような数字につきまして目下統廃合を計画しておるわけでございます。
 五十五年度までの現状はいま申し上げました次第でございます。
#25
○峯山昭範君 それで現在特殊法人どのくらい残っているのですか。
#26
○政府委員(佐倉尚君) 現在百九と心得ております。
#27
○峯山昭範君 この百九の特殊法人につきまして、その経営内容等を含めまして行政管理庁の方で洗い直しをやっているそうでございますけれども、最近の新聞報道等によりますと、この洗い直しをやって、特にこの財政再建の役に立たせるために、いわゆる特殊法人から余剰金の吸い上げ等も検討しているというようなことが最近新聞に報道されているわけでございますが、ここら辺のところを現在どの程度の法人の洗い出しをやっていらっしゃるのか、そしてこれはどこら辺をめどに進めていらっしゃるのか、ここら辺のところをちょっと大臣の方からお伺いしたいと思います。
#28
○国務大臣(中曽根康弘君) ことしの八月以来、堀内政務次官が中心になりまして、特殊法人の実態につきまして洗い直しをやっております。それで、各省から財務諸表の提出も求めまして、正式に検討、本格的にやったのは十月からでございまして、大体その中で二十幾つぐらいが対象になりそうだという程度の見当をしております。それを具体的にどうするかということは、これから詰めを行おうということでございまして、目下検討中ということでございます。
    ―――――――――――――
#29
○委員長(林ゆう君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、桧垣徳太郎君が委員を辞任され、その補欠として岡部三郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#30
○峯山昭範君 大臣、これはやっぱり予算の編成とかいろんな関係もありましょうから、ある程度いつごろまでというめどは立っていなければいけないと私は思うんですけれども、そこら辺のところはどうでございましょう。
#31
○国務大臣(中曽根康弘君) おっしゃいますように、来年度予算の編成というものと相応じていまのような検討も終末を告げるようにしたいと、そう思っております。
#32
○峯山昭範君 大臣から二十幾つとおっしゃっておられましたが、新聞報道によりますと二十四団体というのが一応報道されております。
 そこで、特にいま問題になっております電電公社の問題なんですけれども、大臣、電電公社の諮問委員会の方から五十三年に答申が出ているそうでありますが、その答申によりますと、いわゆる「公共的必要余剰の限度」というのがあるんだそうですね。そして、その必要限度いわゆる適正な利益といいますか、そういうふうなものから財務諸表を見て電電公社の適正益、それに対して電電公社の利益というのは、報道によりますと、五十二年には四倍、五十三年には二・七倍、五十四年には二・五倍の利益を上げていると、こういうふうに報道されているわけでございますが、ここら辺のところは大臣も確認をしていらっしゃるわけですか。
#33
○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘になりました諮問委員会のその見解は、大体資本に対して五ないし七%程度がまず適当であろうと、そういうような基準から見ますと、いま御指摘になるような数字が出てくるのではないかと思います。
#34
○峯山昭範君 いま大臣がおっしゃいました適正な利益に対しまして、必要以上の利益につきましては放漫経営を生むというふうな答申もその中にあるんだそうですが、ここら辺の点については大臣はどのようにお考えですか。
#35
○国務大臣(中曽根康弘君) 御指摘になりましたように、その答申の中にはそういう警告的な文章もございます。まさにそういう点も心配しなければならぬと思っております。
#36
○峯山昭範君 当然そういう点につきましても厳しく見直しをしていただきたいと思いますし、そういうふうなきちっとした処置をしていただきたいと私は思うんですけれども、けさのテレビあるいは新聞報道によりますと、電話の問題につきましては、電話利用税というふうなことを考えているというふうな意味の報道がされているわけですが、電話の利用者というのは、最近はもう大部分の家庭に電話が広まっておりますし、またそういう利用税を設けるということはそれ自身が大衆課税につながるあれにもなりますんでね、こういう点については大臣、どういうふうにお考えでございますか。
#37
○国務大臣(中曽根康弘君) 私が当初この問題を考えましたのは、やはりこういう財政窮乏の時を迎えまして、中小企業の皆さんがあの石油危機を乗り切ったような苦労を国もやらなければ御政道まかり通らぬ、そういう意味で中小企業の皆さんが株を売ったり土地を売ったり、あるいはいやな減量経営までやった。国も国有財産あれば売りなさい、あるいは特殊法人も利益あればこの際公債を減らすためにお金を出してもらいたい、あるいは減量経営もやりなさい、そういうような、政治姿勢を正すという意味もありましてやっているので、新聞に報ぜられるところによりますと、電話料金を上げるとか、あるいは利用税を出すとかというようなことが出ておりますが、これは正確な報道ではないのではないか、私たちが考えました趣旨に沿ってはいないと、そう思っております。
#38
○峯山昭範君 それではもう一点、大臣にお伺いしておきたいんですが、審議会の問題であります。
 これは行政管理庁としましても、前々から私この問題ばかりやるんで余りあれなんですが、審議会の整理、統廃合、これなかなか進まないように私思うんですけれども、特にきのうも実は防衛の問題に関しまして当委員会でもずいぶん議論をいたしましたんですけれども、最近のいわゆる私的諮問機関という、これは行政管理庁がいままでからたびたび行政管理局長の通達を出しているわけです。これはもう昭和三十六年から始まりまして昭和三十八年、そして昭和五十一年とたびたび出しておりまして、そのたびに会合の名前等も、初めは審議会とか協議会という名前はいけないということになっておりましたのが、だんだんその後調査会というのも紛らわしい、委員会というのも紛らわしいということになりますと、最近は研究会になりまして、その後検討会ということになりまして、先ほどの局長の答弁の中にも出てまいりましたように、非八条機関なんということを言うているわけですけどね。非八条機関であるということは、非八条機関ですから、八条には差しさわりはないと言っても、その後には機関であることには間違いないということをみずから認めているわけですね、逆に言えば。
 非常にこれはむずかしい問題でありまして、ここら辺のところはもうちょっとわかりやすくきちっとした通達なり何なりをしないと、いわゆる行政改革というのは頭からどんどんどんどんやりましても、結局はしり抜けになっている。そして、そういうふうな都合のいいようなものを次から次とつくると、そういうようなことになりますので、ここのところは行政管理庁がしっかりして処置をしないといけない。長官の座っているそばでもそういうような非八条機関と堂々と発言をして物を言うなんというのは、これは本当に何というのか、無視された感じですね、言うたら。こんなことを言うつもりは全然なかったんですけど、先ほど発言がありましたのでわざわざ言っているわけですが、非常にそういうようなのは私はいかぬと思うんです。そういうような意味で審議会等利用されていない審議会もずいぶんあるわけですし、やっぱりきちっとした統廃合というのはやっていただきたいと思っておりますが、これはどうでしょうか。
#39
○国務大臣(中曽根康弘君) 御趣旨に沿って努力をしてまいりたいと思います。行政管理庁におきましても、各省にそういう警告を発しまして、いまのようなことが行われないように注意してきているところでございますが、最近は研究会とか懇談会とか検討会とか、そういうものがかなりふえておるようであります。ひとつ点検をしまして、そして、もしその趣旨に沿ってないものがあればやめてもらうように警告していきたいと思います。
#40
○峯山昭範君 きょうは法制局長官に御出席をいただきましたので、ちょっとだけ教えていただきたいことがあります。それは何かと言いますと、国家公務員法のいわゆる百条で言います「秘密を守る義務」というやつであります。これ当然国家公務員法「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。」ということが第一項にありまして、後ずっと二項、三項とあるわけでございますが、これと同じのが、実はこれをもとにしてでしょうけれども、自衛隊法の中にも五十九条に同じく「秘密を守る義務」ということで「隊員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」と、隊員がその職を離れた後もやはりその秘密を漏らしてはならないと、こうあるわけであります。
 そこで、私がお伺いしたいのは、この「職務上知ることのできた秘密」というのはどういうことなのか、素人でも非常にわかりやすいように説明をしていただきたいと思うんです。
#41
○政府委員(角田禮次郎君) 秘密の意義につきましては、私どもはこのように解しております。
 秘密とは、一般に知られていない事実であって、他に知られないことについて相当の利益を有するものを言うと、すなわち非公知性と秘匿の必要性の二つの要素を具備している事実であるというふうに言っております。
#42
○峯山昭範君 それがちょっとわかりにくいですけれどもね、この防衛庁の場合は――それは各省庁具体的に言った方がわかりやすいでしょうからお伺いしたいんですが、たとえば防衛庁のいわゆるこの五十九条の「秘密を守る義務」の秘密の中身というのは、少なくとも私が知る限りで言いますと、防衛の中にはやっぱり一般の秘密と防衛の秘密と、こういうように二つあると思うんですが、これはそのとおりですね。
#43
○政府委員(角田禮次郎君) 各省でそれぞれ秘密というものの範囲といいますか、基準というものを決めていると思います。秘密の程度から言いますと、極秘とか、秘とかいうような区別がございます。それから、また内容でいろいろ秘密の種類を分けているかと思いますが、恐らく防衛庁におきましても一般の官庁と同じような秘密と、それから防衛関係の秘密というようなものを実際上区分しておられると思います。
#44
○峯山昭範君 やっぱり防衛庁のそういう秘密というのは、いわゆる長官のところでは余りわからないわけですか。
#45
○政府委員(角田禮次郎君) 具体的にどういう事項が防衛庁において秘密とされているかについては、私どもは承知しておりません。
#46
○峯山昭範君 それでは余り聞いても意味ないですな。この防衛庁で防衛秘密というのは、法律でこういうようなものとこういうようなものが防衛秘密であるというふうにもう決められているわけですね。それで私の手元にある資料によりますと、防衛秘密というのは日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法一条三項に該当するものであると、それからそのほかに同施行令、それから防衛秘密の保護に関する訓令、防衛秘密の保護に関する達、そういうようなものが防衛秘密であって、一般秘密に関する法規は秘密保全に関する訓令、それから秘密保全に関する達等があると、こういうようになっておりまして、それで秘密の区分としていま極秘と秘と、こう長官おっしゃいましたが、防衛庁には機密というのが一番上だそうですね。機密というのがあって、その下が極秘で、その下が秘で、その下が取扱注意と、そういうふうな順番になっているんだそうですね。
 そこで、秘密というのはそういうようなことだそうですが、こういうふうなこの一般的な秘密あるいは防衛秘密あるいはこの秘密の区分、こういうふうなものと、いわゆる職務上知り得た秘密ということとどういうふうにかかわり合いが出てくるのか、これをちょっと。
#47
○政府委員(角田禮次郎君) ただいま言われましたような極秘とか秘とかそういう区分と、職務上知り得た秘密ということとは全く関係がございません。それぞれについて職務上知り得た秘密というものがあり得ると思います。しからば、職務上知り得た秘密というのは何かと言いますと、通常この中には公的な秘密、つまり行政上の秘密であって、行政上の必要によって秘密を保つことそれ自体が要求されているものがございます。それのほかには、一般私人の秘密というものがございます。これを行政機関として知り得た場合には、やはり職務上知り得た秘密ということになるわけでございます。そういうものの中に、程度によって極秘とか秘とか、そういうものがあるということになると思います。
#48
○峯山昭範君 そうしますと、職務上知り得た秘密ということと、いま長官御答弁になりましたように、いわゆる一般的秘密とか、防衛秘密とか、秘密の区分とか、そういうようなものとは直接は関係がないということですね。ということは、逆に言えば、ここに言う秘密とか、こういうふうなものとは別にいわゆる職務上知り得た秘密というのはまた別の区分としてあるわけですね。
#49
○政府委員(角田禮次郎君) ちょっと御質問の意味が私十分に理解できないんですが、要するに職務上知り得た秘密の中に秘密の秘匿の程度、強さによって極秘とか秘密とかそういうものがあるんで、別にあるということではございません。
#50
○峯山昭範君 そうしますと、たとえばもっとわかりやすく言いますと、防衛庁というところは特殊な官庁でございますから、一番初めに長官がおっしゃったように、よそでは知ることのできない業務内容とかいろんなものを含んでいるわけですね。したがって、ここに提出する書類がこれは極秘だ、だから極秘のものを見せてそれで検討して――そうすると、その人はそのことを外に漏らすということは、極秘ですから、見て知るわけですから、これはもうあれですけれども、こういう極秘のものとかあるいは秘密にわたる秘とかというようなものを示さなくても、要するに実際そのものを取り扱う場合、要するに本当は秘密のものいっぱいあるわけです。そのことを書類を見せなくてもいわゆる取り扱いとか、その性能とか、あるいは利用の仕方とか、そういうふうないろんな中身というのがありますね。運用の仕方というのがありますね。そういうふうなものを議論する、そのことは、やっぱりそういうような中身というのは、これは職務上知り得た秘密に入るんですね、やっぱり。どうでしょうか。
#51
○政府委員(角田禮次郎君) 文章だけが秘密ということではなくて、先ほど申し上げたような非公知性と秘匿の必要性を兼ね備えた事実というふうに申し上げたつもりでありますから、そういう具体的な事実を知り得る場合にはその事実そのものが秘密になると、こういうことになると思います。
#52
○峯山昭範君 この問題はこれ以上お伺いしないことにします。これはもう結構です。この問題につきましては、後ほどまた防衛庁と何かの機会に議論をしたいと思います。
 それで、最後に総務長官に二つ、三つお伺いしておきたいと思います。先般から何回か報道もされておりますけれども、十月の末に自民党の首脳と財界の首脳との定期懇談会の席上で、いわゆる財界の方から公務員の年金や退職金が高過ぎると、年金は大蔵省、退職金は総理府ですか、給与は人事院というふうに縦割りになっておると、これは非常におかしいじゃないかというふうな言い分が大分出たそうでありますが、実際問題として、人事院としましてもこの問題については相当いま検討を続けているわけでしょう。そこで、特にこの公務員の人事、給与体系ですね、こういうふうなものは今後どういうふうにした方がいいのか、こういうふうな財界側の話に対して総務長官どういうふうにお考えなのか、ここら辺のところを一遍、財界の要請をどういうふうに受けとめていらっしゃるのか、これは人事院総裁にも関係がありますので、総裁の方から先にお答えいただいて、後ほど長官の方から……。
#53
○政府委員(藤井貞夫君) 近来、生涯給与ということが非常に論議の対象になってまいったのであります。これは、具体的に申せば毎月の給与と、それから退職手当と退職年金、これを合わせてまずは生涯給与というふうな中に含めて論議をしておるというのが実態だろうと思います。この場合に常に論議――論議といいますか、報道機関等で取り上げられておりますことは、公務員の給与、人事院が勧告をする給与というものは退職手当とか年金とかというものを配慮をしてないじゃないか、要するに生涯給与というものから言えば公務員の方が高いんじゃないのか、そういう高いものはそのままにほうっておいて、毎月の給与というものだけは民間との対比で低いからその差額を埋めるというのはおかしいではないか、こういう論議が展開をされておると思います。
 しかし、この問題についてはいろいろ論議すべきことはたくさんあります。私の立場としても申し上げるべきことはたくさんございます。しかし、この席上でそれを申し上げることはあえて差し控えさしていただきたいと思います。
 しかし、それはそれといたしまして、問題があることは事実だろうと思います。毎月の給与というものと退職手当あるいは年金というものは、これは大体いまや公務員の場合のみならず、民間の実態を見ましても同じような体系で支給をされているものでありまして、基本的な勤務条件であるというふうに申して差し支えないのでありまして、これをばらばらにそいつは知らないんだということでは済まされないという段階に来ておると思います。
 したがって、その場合にどういうふうにしていったらいいかということになるわけですが、私は、結論的に簡単に申しますと、事柄のあり筋は給与は給与、それで均衡を保たしめる、退職手当は退職手当、年金は年金、それぞれにおいて均衡を保たしめて、その結果生涯給与というものは均衡を保つということがいいのではないかというふうに思っております。
 ところで、いまお話しになりましたように、これの所管官庁はそれぞれ違っております。いろんな沿革もございます。これも詳しくは申し上げません。沿革がございましてそういうふうになっておるわけですが、その間にやはり有機的な連携、調整というものを図って、斉一的な個々の給与の総合的な総和というものを出して、それと民間との対比というものをやってまいるということがやはり大事なことではないかという感じは持っております。
 ただ、それの技法ということになりますと、これは大変むずかしい。特に退職手当なんかは民間の場合、非常に実態がさまざまでございます。いまや特に企業年金その他の問題も前面に出てまいりまして、それをどういうふうに対比するかということは大変むずかしい問題になってきておりますが、それはそれといたしまして、これはやはり突き詰めていって、そこに納得のできる調査技法を発見をいたしまして、その上に立った確実な、世間に納得のできることをやっていくということが大事ではないかというふうに思っております。
 そのためにはどうすればいいかということですが、これは私の立場からは口幅ったいことでこれ以上の発言は差し控えさしていただきたいと思いますけれども、やはり何らかの方法でそこに総合性を持たせるということのためにいろいろ工夫をしていくということは大事ではないかというふうに考えます。
 それと、もう一点簡単に申し上げますと、われわれの方でやります長期展望、総合的な対策という段階におきまして、やっぱりそれらの問題にも触れて考えてまいりたい、その間において関係の各省庁との調整、連絡の問題も出てくる、現在の時点ではそのように考えております。
#54
○国務大臣(中山太郎君) ただいまの藤井人事院総裁のお話のとおりでございまして、私も全くそのような考え方を持っておりますが、ただいま人事院においては公務員の給与制度等についても検討を始めておられるというふうに聞いておりますので、その結果を待ちたいと考えております。
#55
○峯山昭範君 もうこれで終わります。もう一つだけお伺いしておきます。
 これも人事院勧告のいわゆる制度そのもののあり方を全面的に見直す、そういうことを決めたとか言って、自民党の総務会で今回の給与法の法案提出のかわりに勧告そのものの制度について見直す必要があるということで、そういうことについて総務会で相当議論があって、政調会長も、かねてから問題になっていることだからこの問題についてはしかるべく議論をし見直しをしたい、そういうような意味のことが報道されているわけですけれども、これはやっぱり非常に重要な問題ですし、人事院勧告のあり方そのものはこれは当然私たちがこの委員会で何回も議論してまいりましたし、公務員の皆さん方のいわゆる争議権のかわりに、労働基本権にかわってこういう制度が設けられているわけですから、そういう点からいきますとこれは非常に大変な問題になってくるわけでございますが、この点についてはどういうふうにお考えなのか、総務長官の御所見をお伺いして、私の質問は終わりたいと思います。
#56
○国務大臣(中山太郎君) 大変重大な問題でございますので、総務長官としての意見を改めて述べさせていただきますが、人事院勧告というものは、先生も御指摘のとおり、国家公務員の労働基本権の制約の代償機能であるというふうな基本的な考え方に立っております。それで、人事院勧告による国家公務員の給与の改定の勧告が出ました場合には、総理府といたしましても、かねがね完全実施をするという基本的な姿勢を崩しておりませんし、また過去十年近く完全実施をすることが一つの慣熟した姿を呈してきております。国家公務員の方々の生活の安定、また公務員の方々と政府との信頼関係、労使の信頼関係というものがきわめて重大であるという認識に立って、この制度の存する限り、総務長官といたしましては、人事院勧告の完全実施の線で努力してまいりたい、このように考えております。
#57
○安武洋子君 けさの新聞によりますと、大蔵省は五十六年度予算の編成に当たりまして、国家公務員給与のあり方を全面的に見直しし、来年度のベースアップを凍結する非常手段を検討することになったと、そして、その有力案の一つが来年度当初予算への給与改善費の計上を見送り、そのまま来年度の国家公務員給与のベアを凍結してしまう非常手段、こう報道されております。
 大蔵省に聞きますが、これは事実なのでしょうか。事実とすれば、検討内容をお知らせください。
#58
○説明員(水谷文彦君) 本日の新聞報道をまだ詳細に見ておりませんけれども、給与改善費の計上を中心とした記事ではなかったかと思うわけでございます。
 この給与改善費については、御案内のように、五十三年度予算までは一律五%を計上してまいりまして、五十四年度予算以降、直前の人事院勧告が五%を下回ったということ、あるいは財政状況がまことに厳しいというようなことにかんがみまして、それぞれ二・五%あるいは二%計上ということになったわけでございます。それにつきまして、五十六年度予算におきましてそれをどのように取り扱うかにつきましては、現在五十六年度予算編成のただ中にあるわけでございまして、現段階において私ども具体的な方針を申し上げる段階にないということでお許しをいただきたいと思います。
#59
○安武洋子君 では、そういう方針は持っていないんですね。新聞報道にあるように、高齢者だけでもベアを凍結してしまう、そういうこともやらないですね。
#60
○説明員(水谷文彦君) 新聞報道の、ただいま御指摘のございました高齢者がどうだとか、それにどうだとかいう、それについて私は見ておりませんので申し上げられませんが、いずれにしましても現在具体的な方針を申し上げる段階にないと、いずれにしましても十二月いっぱい予算編成がかかるわけでございまして、この段階で具体的な方針を申し上げるということは大変むずかしいということでお許しをいただきたいと思います。
#61
○安武洋子君 もし大蔵省が新聞報道されているような姿勢をお持ちなら私はとんでもないことだと、これは直ちに中止をすべきだということを強く申し上げます。それに関連して人事院総裁に伺います。
 総裁は、勧告は累年の一つの前例ができ上がっているので、この線は私は崩してもらっては困るし、崩れるべきものでないと考えておりますと、過去に国会で御答弁なさっていらっしゃいます。財政的にどのような措置が行われようとも、給与の実態等調査を行って例年どおり人事院勧告は出す、そしてその勧告はやはり政府に尊重してもらう、こういう姿勢には変わりはございませんでしょうね。イエスかノーかで結構ですので。
#62
○政府委員(藤井貞夫君) 従来の方針を変えるつもりは絶対にございません。
#63
○安武洋子君 総務長官も先ほど御答弁なさっていらっしゃいましたけれども、いま新聞報道がされておりますように、大蔵省で先ほど私が申し上げたようなことが検討されておるやに報道されている中ですので、人事院から、人事院総裁が従来の姿勢を変えないとおっしゃっている、それも踏まえて、総務長官としては人事院勧告が出れば無条件で実施をなさるというふうな立場に変わりはないかということを確認させていただきます。いかがでございますか。
#64
○国務大臣(中山太郎君) 従来の姿勢を変えるものではございません。
#65
○安武洋子君 では、第二次臨調の法案についてお伺いをいたします。
 調査会は、行政上の問題全般について必要に応じて検討を行えるものと、こうなっております。同時に、行管庁としては幾つかの検討課題を提起もされておられます。この検討課題はさらに詳細な形で提起をされていくのかどうか、また現時点で提起すべき検討課題とか、あるいは諮問を求める問題として具体的にどのようなものをお考えになっておられるかどうか、お考えになっておられたら、その内容もお聞かせ願いとうございます。
#66
○国務大臣(中曽根康弘君) こちらから検討課題を提起することはございません。委員の自主的御判断によって検討課題も決めていただく、こういう方針でおります。
#67
○安武洋子君 では、行政管理委員会の「行政改革の推進に関する新たな措置について」、これによりますと、その提言の第一の中で「器減らしもさることながら、仕事減らしと人減らしによる行政の実質的整理に重点を置くべきである」、こういうふうに重ねて述べておられます。したがって、調査会の答申も大幅な人減らしを伴うものになる可能性、これが非常に強いわけです。仮に総定員法、この附帯決議がございますけれども、この附帯決議にある出血整理や配転の本人了承と、こういうふうな歯どめがあったとしても、調査会の答申で公務員の大幅人員削減が提起されてくる、こういうふうになりますと、これがてこになっていわば合法的な人減らしと労働強化、これが推進される懸念というのが非常に強いと言わざるを得ないわけなんです。
 私は、行政が行う国民へのサービスというのと、長官がよく言われる民間企業が利潤の追求のために行う努力というのは、おのずから違うものだというふうに思います。そういう点を御認識なさって、いたずらに公務員労働者の人減らしのみを追求すると、こういうことのないように御配慮はいただけるものでしょうか。その点をお伺いいたします。
#68
○国務大臣(中曽根康弘君) 第二臨調の提起する課題あるいは論議の内容は、これは臨調の委員が独自におやりいただくようにしたいと思って、フリーハンドでやっていただくのが正しいと思います。そのために国民各層を代表し得る見識のある方を選出したいと考えておるわけでございます。
 それで、いまの御質問の趣旨に関することは、先ほど野田委員あるいは衆議院におきまして岩垂委員にお答えしたとおりでございます。
#69
○安武洋子君 私その場を外しております。私の質問にお答えくださいませ。
#70
○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる仕事減らしは直ちに人減らしに通ずるものではないと私は考えます。
#71
○安武洋子君 しかし私は、やはり行政監理委員会、これは長官がいま長でございますわね。ここの中で「器減らしもさることながら」と、この中で人減らしによる行政の実質的整理に重点を置くべきだ、これは重ねての提言です。だから、こういうふうな答申が大幅な人減らしを伴うことになる可能性というのは、これは十分考えられるわけ。だから、私が先ほどから懸念しておりますのは、長官は民間のことをうんと取り上げられて、民間が苦労しているから云々だというふうなことを繰り返しておられる。そしてこれは調査会の方にゆだねるんだと、いろんな議題をとおっしゃりながらも、これは先ほどからも出ておりますように、八条に基づく非常に強力な、いままでよりも格の高い調査会だと聞いております。こういうところからやはり公務員労働者を人員削減すべきだと提案が出てくると、それが推進されていく、こういう危険性はずいぶんとあるわけなんです。私はそういうときに、長官としての基本姿勢として、公務員の人減らしというところにしわ寄せをするものではないんだという確たるやはり態度に立っていただきたい、その点を重ねてお伺いいたします。
#72
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政管理庁長官が第二臨調の委員にいろいろ干渉がましいことを言うことは私は避けた方がいいと思います。そのために、独自の判断で判断をしていただくためにつくっておるわけでございます。そのためにまた労働者の意見を代表する方も委員に入るのは当然であると、こういうふうに考えておるわけでございます。しかし、それがどういうふうな論議になるかということは、恐らく国会の論議あるいは私の答弁等もこれは参考にされるのではないかと思います。
#73
○安武洋子君 それは、長官のいまの御答弁は大いにやはり影響を与えると思います。
 そういう立場で聞きますけれども、では第一次臨調、これは法案成立時点の附帯決議ですけれども、調査会の委員の人選は超党派的に公正を期し、重要法案に当たっては全会一致を原則とする、こういうこととあわせて公務員の人員整理並びに公務員の身分変更を行わない、こういうふうになっております。第二臨調においてもそういう基本姿勢は踏襲なさるという基本姿勢にお立ちでございますか。
#74
○国務大臣(中曽根康弘君) 公務員の身分の取り扱い等につきましては、あくまで慎重にやっていただけるものと確信しております。
#75
○安武洋子君 大変含みがあり過ぎて少しよくわかりませんので重ねてお伺いたしますが、立っていただけるものと思いますとおっしゃいますが、私は長官としての、長官の国会答弁などが大きく影響を与えるであろうということも御自分でお認めになったので、長官の姿勢としては第二次臨調においても第一次臨調の附帯決議、それを踏襲される基本姿勢にお立ちでございましょうねとお伺いいたしております。御答弁願います。
#76
○国務大臣(中曽根康弘君) 第二次臨調でどういうふうな御判断をなさるかということについて、事前に私たちが干渉がましいことは申し上げないのが適当であると思っておる。しかし、その委員になるお方の中には地方の意見を代表するような、そういうお方も入るべきであると思いますし、また労働界の意見を代表するお方も入るべきであるとも思っておる。そういう配慮も加えておりますし、また、その審議の過程におきましては、労働者の代表の方の御意見も承るでありましょうし、地方の代表の皆さんの御意見を承る機会もあると思います。そういう配慮も加えておるわけであります。以上のようなことで、ただいま申し上げましたように私は期待しておるわけでございます。
#77
○安武洋子君 長官の基本姿勢としては、それを期待しているということは、やはり、では第一次臨調のこの附帯決議の線を第二次臨調においても踏襲をするということと受け取らせていただきます。
 時間がないので、情報公開の問題でお伺いいたします。
 五月の閣議了解に基づきまして、十月一日から各省庁の資料公開が行われておりますけれども、各省庁でどういう措置が講じられたか、従来の部外秘だったもので今回の措置で新たに公表されたものはあるのかということをまずお伺いいたします。――ちょっと、時間かないので急いで答えてください。
#78
○政府委員(佐倉尚君) ただいまの問題、直接には私どもの所管ではございません。内閣の方で所管しておりますけれども、承知している限りでは、情報公開に当りまして、お話のとおりに十月から情報提供窓口の設置、目録の作成等必要な措置を各省の連絡会議でいろいろ決めまして実施しております。これにつきまして、詳細にどういうものが公開されているのかということにつきましての詳細は、ちょっと手元に資料がございませんのではっきりわかりませんが、各省庁において適当に――適切な処置を行っているものというふうに考えております。
#79
○安武洋子君 言い間違えた方が正しいんじゃないでしょうか。
 私は、各省庁がこういった措置をやはり広く国民に知らせるべきではないかというふうに思うわけです。
 ところで、一昨日、横浜で神奈川県主催の「開かれた行政をめざして」、こう題しました情報公開のシンポジウムが開かれております。地方自治体が国に先駆けて情報公開、これを進めようとする上で一番障害になるというのがやはり機関委任事務なんです。これに関する情報が含まれないと、御存じのように委任事務が地方事務の七割、八割を占めるわけですから、ほとんど中身が何にもなくなってしまうというふうな問題が指摘されているわけなんです。この点について長官はどうお考えでございましょうか、御所見をお伺いいたします。――長官に言ったのです。
#80
○国務大臣(中曽根康弘君) 政府委員から答弁させます。
#81
○政府委員(佐倉尚君) ただいまのお話、シンポジウムが開かれているということは承知しておりますが、中の議論につきまして詳細存じておりません。ただ、先生お話しの機関委任事務の取り扱いについて当然取り上げられているものと考えております。というのは、この問題はやはり情報公開の問題を考える際にきわめて重要な要素であるというふうに思われますし、その基本的な事項につきましてはこれからも十分に検討していきたいというふうに考えられる問題なのでございます。そういう意図のもとにそれぞれ議論していることと存じております。
#82
○安武洋子君 政府としての考え方を求めております。
 ですから、地方自治体の自由裁量に任せるのか、それとも地方自治体がそういうことをしたい、と思っているのを、いやそれはまかりならぬと政府の方で言われるのかという、私は政府の姿勢をお伺いしております。長官、お願いいたします。
#83
○国務大臣(中曽根康弘君) 非常に私まだその問題を知悉しておりませんので、政府委員から詳細に答弁させます。
#84
○政府委員(佐倉尚君) ただいまの機関委任事務についての問題でございますが、これは地方の問題と絡みますので、なかなか取り扱い慎重に検討すべき事項が多いとは思いますが、国としても当然考えるべき問題でございますので、やはり地方自治体の取り扱いのあり方を見ながら国としても十分考えていく問題であろうというふうに考えております。
#85
○安武洋子君 ちょっとわからないんですけれどもね。
 結局、そうしたら、地方自治体の自由裁量に任せるのかどうなのか。そういう点で、イエスかノーかで答えてください。その方がわかりやすい。
#86
○政府委員(佐倉尚君) 機関委任事務の問題に限定すれば、地方自治体に全面的に任せてしまっていいものであるというふうには考えられないんじゃないかと思います。
#87
○安武洋子君 ということは、じゃ、地方自治体が情報を公開したいと、積極的にやりたいと思っている、その意欲を国としては抑えつける、こういうことになるんですか。
#88
○政府委員(佐倉尚君) 決してそういうことではございませんで、地方自治体がそれぞれの情報公開の問題を取り扱う際にどういうふうに地方自治体としての意見が出てくるか、そういうことをよく見ながら国としての情報公開の態度を決めるべき問題だ、こういうふうに申し上げているわけでございます。
#89
○安武洋子君 よけいわからない。
 地方自治体は情報公開したいと、こう言っているときに、国はどういう態度をとるのかと聞いているんですよ。
#90
○国務大臣(中曽根康弘君) 委任する、委任されたという場合には、委任された方がある特殊の行為をやる場合には、委任した方の了解がなければできないのが筋であると私は思います。
#91
○安武洋子君 わかりました。
 そうしたら、地方自治体がやはり積極的に情報は公開すべきである、事務は委任されているのだけれどもと言っても、国の方でやっぱり抑えるというふうなことに私はいまの御答弁を受け取ります。
 それで長官にお伺いします。いま一つ。私はそんなことではだめだと思うんですよ。何にも国民の要望にこたえていない。情報はもっと、過去の情報もですけれども、いまの情報ももっと公開すべきなんです。
 いま一つ問題がありますのは、企業秘密の問題があるんです。これは公害とか、環境問題について科学的なデータとか、あるいは薬害の問題でも出ておりますけれども、そういう資料、あるいは値上げに当たっても一体こういうことがどこから出てくるのかというふうな資料、この検討というのは国民生活に大きな影響を与えるわけなんです。国民の健康の問題でもあり、生活の問題でもあるというふうな非常に重要なものだと思うんです。当然国民にとっては知る権利が保障されていないといけないと思いますけれども、これがなかなか公開されない。私は、やはりこういうものも積極的に、臨調の答申や法制定を待つまでもなく、政府の姿勢一つでできる、こういうふうに思うんですけれども、この点いかがなんでしょうか。
#92
○国務大臣(中曽根康弘君) その点は、企業の利益つまり企業の秘密とか特許とか、ノーハウとかお得意先とか、いろいろそういう企業の利益の点とそれから公共の利益という点とをどう調和させるかという一番むずかしい判断の問題点であるだろうと思います。その点は、公共の利益という点もまた考えないとカネミのような事件も起こるわけであります。そういう点については慎重に検討してまいるべきであると思います。
#93
○安武洋子君 私はやっぱり積極姿勢に立っていただかないといけないと思うんです。政府の姿勢がそのようになっておりませんと、調査会で情報公開の問題これが検討されましても、国民の求めるような、期待に沿うようなものは出てこないと思うんです。また、その意味で、政府の行政改革の姿勢というのも国民の側に向いた民主的なものにならない、政府がそういう姿勢にならない限り調査会に国民の期待するような行政改革案とか答申を望めない、こういうことにもなります。
 こういう点を私強く指摘いたしまして、与えられた時間が参ってしまいましたので、残念ながらこれで質問を終わります。
#94
○伊藤郁男君 最初に、公務員給与法の問題につきまして総務長官の御見解をただしておきたいと思います。
 ことしもまた給与法案が他の法案と絡められてきわめて政略的に取り扱われてきた、これはもう明白な事実だと思います。閣議決定もおくれましたし、そしてかつ国会の提出もかなり大幅におくれた。そしてこの大詰めに来て、しかも短時間の間にこの問題を審議しなければならぬ、こういうような事態になっているわけでございます。もうこの給与法案は毎年のごとくこういうような状態を繰り返してきておるわけでございます。
 先ほども社会党の委員が指摘をされておりますけれども、まさにこれはもう歴年の悪習になってしまったのではないか、こういうように思います。これは八月の内閣委員会で私も指摘し、各委員も指摘をしてきたところでありまして、こういう悪習はできるだけ早く断ち切る、こういう基本的な方針で臨むべきではないかと思います。そして、やっぱり人勧制度の重要性、その持っている意味を考えまして、人勧が出ましたらできるだけ早く閣議決定を行い、そして一番近い国会の冒頭にこれを提出をして早急に審議を詰める、こういうことが必要だと思います。事はもう国家公務員の数多くの人々の生活にかかわる重要な問題でありますから、そういう悪習をとにかく断ち切る、こういうことを強く私は望んでおきたいと思いますし、その点に関する御意見だけをお伺いをしておきます。
#95
○国務大臣(中山太郎君) 総理府といたしましても、人事院勧告が出てまいれば、一日も早くこれを実施するべく国会にお願いしたいという基本的な考え方は先生と全く変わるものではございません。ただ、今年は財政事情がきわめて厳しい中で、この新たな勧告を完全実施するための財源確保のために財政当局と激しく渡り合うというか、交渉を続けてまいり、十月の末にいわゆる閣議決定をさしていただくというふうな困難な経過をたどった年でございまして、国会提出がおくれましたことは、そのような事情があったことを御理解いただき、今後、私どもとしましては、先生御指摘のとおり人事院勧告が出た場合には速やかにその完全実施のための法案を国会に提出さしていただきたい、このように考えております。
#96
○伊藤郁男君 もう一つ、最近、公務員の職務規律の問題が非常に大きな論議になっておりまして、各方面でこの問題が指摘をされておるわけでございます。やっぱり社会情勢の変化がきわめて激しいときでありますから、公務員自身が時代を先取りするような態度でそのものを処理をしていくということがこれから八〇年代、きわめて重要な課題だと思うんです。ただその日だけが終わればいいというような職務態度あるいは先例主義で事なかれ主義、あるいはまたやり過ぎると他の同僚から白眼視されるから積極的にものをやらない、こういうようなことも指摘をされております。したがって、だから新しいことをできるだけ避けようとする、積極姿勢がなくなってしまう、こういうことも指摘をされているわけでございます。
 しかし、こういうことでは実は行革と関連をいたしまして非常に困るわけでありまして、こういうことのないように十分に指導をやっていただきたいと思います。それと同時に、非常にまじめに職務に励んでおる人もたくさんおるわけでありますから、したがって人勧の問題につきましては、これらの人々の労に報いるためにも積極的な姿勢で対処をし、早急にとにかくこの問題を国会で審議し議了するという積極的なやっぱり態度をますます堅持をしなければならぬと、こういうように思いますので、もう一度御答弁をいただきたい。
#97
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘のとおりでございます。御趣旨を尊重して今後とも努力をしてまいりたいと、かように考えます。
#98
○伊藤郁男君 時間がありませんので次に進みますが、第二次臨調の問題で中曽根長官にお伺いをしておきます。
 鈴木内閣は、行政改革の問題につきまして大平内閣の基本路線を踏襲する旨を明らかにされておるわけでありますが、そういうように受け取ってよろしゅうございますか。
#99
○国務大臣(中曽根康弘君) 大平内閣の政策を踏襲し、さらにこれを発展させる使命があると思います。
#100
○伊藤郁男君 行政改革という問題は、長期的視野に立って、そして計画的に実行されていかなければこれ実を上げ得ない、私はそういうように判断をしているわけでございます。したがって、内閣がかわるたびに重点の置き方が変わったり方針が変わったりすると、これはもう行革がその時点でストップし進んでいかない。これはもう当然だと思うわけでございまして、内閣がかわるたびに目先を変える、そういうような姿勢は行革にとって非常に障害になると、こういうように思いますが、長官の御意見いかがでしょうか。
#101
○国務大臣(中曽根康弘君) 根本的な原則や方針が変わることはよくないと思います。しかし、その上に立ってその政策をさらに発展させ展開していくということは大事であると思います。
#102
○伊藤郁男君 それではお伺いをいたしますけれども、前宇野長官時代ですね、これはことしの二月の衆議院の予算委員会だと思うんですが、議事録で記憶をしているわけでありますが、委員の質問に対しまして、第二次臨調のような大がかりなものをつくってやるつもりはあるのかという質問に対して、そういう必要はないんだと、資料はもうたくさんあるし、とにかくいまのところもう実行あるのみだと、こういう御見解が明らかにされておるわけですね。しかし、中曽根長官、二月から今度のいまの時点、そう大して時間がたってないし、情勢も変化が、私はそんなに大きく変わったものではないと思うわけでありますが、第二次臨調が提起をされてきた、こういうことがあります。したがって、これはもう宇野長官時代とその点については考え方が変わってきたのではないか、こういうように私は思いますし、また同時に、例の宇野長官時代は、行革の進め方の路線について、まず器減らしをやるんだと、その次に仕事減らしだと、そして人減らしにいくんだと、こういう方向ですね。しかし中曽根さん、あなたのこれは九月十二日の閣議決定で出されました「今後の行政改革に関する基本的な考え方」、これを読んでみますと「いわゆる機構いじりや器べらしを重点とするものではない。」こういうように書いてあるんですね。すなわち、宇野長官時代のように器減らしから出発するんじゃなくて、仕事減らしをするのがまず重点だと、これは明らかに前内閣との考え方、重点の置き方が変わってきている、こういうように判断をせざるを得ないわけでありますが、その点もう一度長官の御意見をお伺いをします。
#103
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政改革の目的は、簡素にして効率的な政府をつくる、また行政の機能を充実さしていくということで、その点は一貫していると思います。それで、第二臨調につきましては、坂井委員の御質問に対して宇野君がお答えしたのでありますが、あの答弁の内容は、自分はいま必要ではないと思う、これこれの仕事をいま一生懸命やりたいと思う、しかし御意見は傾聴に値すると思うので検討さしていただきますと、そう答えております。私はその検討の結果をこういうふうな法案として御提出申し上げたのでございます。
 それから、器減らしの問題につきましては、宇野長官のときにかなり努力されて、そして十八特殊法人の統合あるいはブロック機関の整理等々も心がけておりますが、これらの法律を一日も早く通過させるという大きな仕事が残っておりまして、われわれ行政管理庁の力もやはり自分ではかってやりませんととてもいろんなことができるわけでございません。先行列車が八本も線路の上でとまっているのに後続列車を発車することもできないと申し上げました。そういうこともあり、私が着任いたしまして基本的な問題で手がつけていないのは、やはり仕事減らしです。仕事減らしに私の場合は専念をすると。そういうふうにして簡素にして効率的な政府をつくり上げていくというためには、あらゆる角度から努力を積み重ねていくということが必要であって、そのときの政治的な需要あるいは内閣の力、客観情勢、国会の形勢、そういうものを全部読んで、そして、最大に効果のある方法を見出していくというのが政治のあるべき姿であると思いまして、このような道を選んだわけであります。
#104
○伊藤郁男君 私は、最終的に仕事減らしとしましても、機構がそのままあれば仕事があるわけですから、仕事は減っていかないと思うんですね。だから、宇野長官のように器から減らしていくんだ、機構から減らしていくんだという基本路線は、私は、それの方が結果的には行革が進む道ではないか、そのように考えます。
 そこで、この行革を進めるに当たりまして、これはもう前大平総理大臣もこういうような発言をされているわけです。行政改革というのは、戦前戦後を通じて歴代内閣が幾たびか心がけ、そして成功しなかった大変むずかしい問題だと、こういうふうに言われているわけでございます。なぜかと。行政改革をやりますと、常に官僚の抵抗が強く、その壁が打ち破れない。したがって行革が進まないんだと、こういうことを言われているわけでございます。あるいはまた、これはもう高名な大学の教授の方もそういうことをもちろん指摘をされているわけでございます。
 そこで、戦後行革の歴史の中で若干その行革が進んだというような時期を見てみますと、やはり官僚を抑え切るような力を持った政党政治家が行政管理庁の長官になったときが行革が若干でも進んでいる、奇妙にその時期が一致をしているというように私は考えておるわけです。
 たとえば、昭和三十一年当時の河野一郎さん、あるいは昭和三十六年、三十七年当時の川島正次郎さん、あるいは昭和四十三年当時の木村武雄さん、そして前長官の宇野宗佑さんですね。これはみんなもう政党政治家であります。長官も政党政治家であります。だから、行革について国民の期待もまた私は長官に集まっていると、こういうように思いますし、私どもも期待を十分に持っているわけでありますが、しかし、第一臨調でさまざまな問題点が提起をされて、しかも社会情勢、行政需要の変化というものはあの当時と全然違いますけれども、しかし、相当の内容のものが第一臨調で提起をされているわけです。
 長官は、この第一臨調で提起をされたものがどの程度一体実現をされて、消化をされたかというような衆議院内閣委員会の中における質疑の中で、全然手をつけなかったのは九項目程度で三十一項目は大なり小なり手をつけていると。八分どおりやったか、四分どおりに終わったのかは差があるけれども、とにかくかなり手をつけた、こういうようにあなたは言われているわけです。しかし、私は、第一臨調の答申に基づいて政府が積極的に手をつけたというものはそうたくさんない。まあ四割か、あるいはある説によれば五分程度しか実現しなかったんではないかと、こういうような指摘もあるわけであります。
 そういうことでございますので、一体この行革を進めるに当たって、政党政治家としての長官、これが本当に、いままでもう手をつけなかったものを即刻やればやれるものはたくさんあるわけでありまして、そういうものに積極的に手をつけていくという、そういう長官の決意、これをお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
#105
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政改革の大事業を引き受けさせられまして、微力で御期待に沿い得ないことははなはだ遺憾でございますが、今後も全力を尽くしてまじめに努力してまいるつもりでございます。
 第一臨調の成果につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございまして、あの中で内閣府とか、補佐官制度とか、あるいは予算制度の改革とか、わりあいにはでな仕事はやってないと。それらはむしろ膨張期、経済成長期の発想でそういうものが出てきた要素もあるわけであります。しかし、私の代に至りまして、なるたけ行政の実態に切り込んで、そして実のあることを心がけようと、しかも、じみに、うまずたゆまず努力していこうと、そういう方針を持ちましていま懸命な努力をやらさしておりますのは法令の整理でございます。約千八百件あるうち、大体機能を失ったと思われる三百二十件をやめるとか、あるいはそのほかでも、生きてるものでもこれを相当数間引こうとか、あるいは許認可約一万件あるうち、二年間で一千件を整理しようとか、あるいは特殊法人の見直しであるとか、あるいは地方公共団体の定員の抑制を今度初めて手がけましてこれを強く要請すると、こういうような、わりあいにじみちなことを手がけて実効あらしめるようにしてまいりたいと思っておるのでございます。
 はなはだ微力ではございますが、御鞭撻をお願い申し上げる次第でございます。
#106
○委員長(林ゆう君) 他に御発言もなければ、五案の質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認めます。
 臨時行政調査会設置法案の修正について安武君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。安武君。
#108
○安武洋子君 私は、本案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元にお配りいたしました案文のとおりでございます。これによりその趣旨について御説明申し上げます。
 周知のとおり、国・地方とも、財政は破局的とも言うべき深刻な危機に陥っており、また、政官界における不正腐敗が相次いで露呈する中で、不正腐敗と行政経費の浪費を一掃し、大多数の国民に奉仕する清潔でむだのない民主的な行政を実現することはいまや文字どおりの国民的要望になっております。
 しかるに鈴木内閣が、仕事減らしとか、減量経営などと称して進めようとしている行政改革は、国民に対してサービス切り拾てと負担増を迫るとともに、国防、治安、エネルギーなど日米支配層が八〇年代に期待する分野については削減の対象から除外し、国家機構と財政の構造を日米支配層の八〇年代戦略に沿って反動的に再編することを目指すなど、国民本位の民主的行政改革とはおよそほど遠いものと言わなければなりません。
 しかも黙過できないのは、こうした行政改革の基本方向に沿った長期的な行政改革の実践課題を具体化し、それを強力に推進するための機関として臨時行政調査会の設置が提案されたことであります。
 わが党は、こうした目的と位置づけを持った臨時行政調査会設置の提案にくみすることはできません。
 言うまでもなく、民生安定こそ国民主権の現憲法下の行政の基本であります。国民の期待にこたえる当面の行政改革は、清潔な政治、国民への奉仕、地方自治の拡充、公務員の「全体の奉仕者」(憲法)としての役割りの発揮を基準に、民主的に構成、運営される民主的な調査審議機関を設けて進めるべきであります。
 本修正案は、臨時行政調査会を、国民本位の民主的行政改革の実践課題を具体化し、推進する機関として役立てる見地から提案するものであります。
 以下、その概要を申し上げます。
 第一は、臨時行政調査会の設置目的については、政府案を全面修正し、一、国民全体に奉仕する清潔でむだのない民主的な行政の実現に資すること。二、地方自治体の自主性を拡大する方向で国と地方の事務、権限、税財源を再配分し、その民主的で健全な発達に資することを明記することとしたことであります。
 第二は、一、大企業奉仕の諸機構な自衛隊、公安調査庁など国民にとって、不要不急の諸機構とその事務、事業、定員の縮小、廃止。二、地方自治権の拡充強化のための方策を具体化するため所掌事務に所要の修正を加えたことであります。
 第三は、調査会の調査審議に、国民各層の意見が正しく反映できるような委員構成を実現するため、内閣総理大臣の一方的な委員任命方式にしばりをかけることとしたことであります。すなわち調査会は、日本学術会議、地方六団体、労働組合の全国組織及び内閣が推薦する者から両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する委員各三人、計十二人で組織することとしております。
 第四は、調査会の公正民主的な運営を確保するため、一、会議公開の原則。二、公聴会開催主義の原則を新たに明記することとしたことであります。
 以上が修正案提出の理由と修正案の内容の概要であります。
 何とぞ同僚各位が御替同くださることをお願い申し上げて、修正案の趣旨説明を終わります。
#109
○委員長(林ゆう君) ただいまの安武君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。中曽根行政管理庁長官。
#110
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいまの修正案につきましては、政府としては反対であります。
#111
○委員長(林ゆう君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は御発言願います。――別に御発言もないようですから、これより五案並びに修正案について一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#112
○安武洋子君 私は、日本共産党を代表して、臨時行政調査会設置法案に対し、反対の討論を行います。
 いま国民の求めている行政改革は、行政事務と行政機構の野放し的な肥大化を防止し、国民本位でむだのない効率的な行政の確立であり、汚職、腐敗の生まれない清潔で公正な行政を確立することであります。私ども日本共産党も、国民本位の民主的な行政改革を強く求めるものであります。
 ところが、鈴木内閣の行政改革の基本方向は、このような国民の望みにこたえる民主的行政改革ではなく、軍事優先、大企業本位の行政を反動的に再編強化しようとするものであり、本法案によって設置されようとしている第二次臨時行政調査会もまた、この道に沿ったものにならざるを得ないことは明白であります。
 その理由の第一は、改革の検討に当たり、軍事、公安関係の改革や削減の問題を聖域化するという基本が貫かれているという点であります。さきの委員会でも指摘したように、自衛隊の肥大化は年々進んでおり、今年度一般会計適用職員に占める自衛官の割合は四六・五%にまで上っております。限られた予算と行政機構の中で、このような肥大化を放置し進行させることは、他方、福祉や教育など国民生活とかかわりの深い分野での行政サービスの低下を招くことは明白であります。
 第二に、官業と民業のあり方や行政の責任領域の見直しなど、いわゆる仕事減らしの問題であります。政府が目指す仕事減らしの内容は、政府が今回行革関連法案と位置づけて提案した国鉄再建法案を見ても明らかであります。ローカル線の大半は切り捨てるが、大企業の貨物輸送に欠かせない一部幹線は残すというように、国民の生活と利益を無視しながら、もっぱら大企業にどう役立つかがその基本として貫かれております。このような立場での検討は、たとえば、国民の税金で育成され今日に至った官業部門であるたばこやアルコールなどの専売制を廃止して大企業に引き渡したり、福祉や教育、農林漁業、中小企業対策など国民の生活と経営にかかわる行政分野のサービスは切り捨てるという結果を招きかねないという点であります。
 第三は、これら仕事減らしが必然的に公務員の大規模な人減らしや重大な身分変更などにつながるという問題であります。政府は、その行政改革の姿勢として民間の減量経営の努力に呼応すると述べていますが、民間大企業の減量経営が人員削減や労働強化など労働者への犠牲を中心に行われていることは周知のとおりであります。これに呼応するならば、調査会の改革案が公務員労働者に重大な犠牲を強いる大合理化を伴うものになることは目に見えております。
 最後に、調査会の構成と運営についての問題であります。すでに衆議院での審議でも明らかになったように、調査会の委員任命は、第一次臨調と同様、財界中心に行われようとしております。さらに運営についても、会議の傍聴や公聴会の開催、国会への定期的な報告などが明記されておらず、密室化が懸念される状態であります。このような調査会では、その検討や審議の内容が真に国民の要求を反映したものになり得ないことは明白であります。
 私は、以上の立場から本法案に反対であることを申し述べ、討論を終わります。
#113
○委員長(林ゆう君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 臨時行政調査会設置法案の採決を行います。
 まず、安武君提出の修正案を問題に供します。
 安武君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#115
○委員長(林ゆう君) 少数と認めます。よって、安武君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#116
○委員長(林ゆう君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#117
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#118
○委員長(林ゆう君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#119
○委員長(林ゆう君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(林ゆう君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、五法案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#122
○委員長(林ゆう君) これより請願の審査を行います。
 第三号旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願外六百四十七件を議題といたします。
 請願の願意につきましては、お手元の資料で御承知をいただきたいと存じます。
 これらの請願につきましては、理事会におきまして協議いたしました結果、第五号国際障害者年に関する請願外六十六件はいずれも議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第三号旧勲章叙賜者の名誉回復に関する請願外五百八十件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 なお、第一〇六号旧軍人・軍属恩給欠格者に対する恩給法等の改善に関する請願につきましては、願意の一部に検討を要する部分がありますので、その部分を除く旨の意見書案を審査報告書に付することといたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書並びに意見書案の作成は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#125
○委員長(林ゆう君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、両件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#128
○委員長(林ゆう君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(林ゆう君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト