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1980/11/28 第93回国会 参議院 参議院会議録情報 第093回国会 本会議 第12号
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1980/11/28 第93回国会 参議院

参議院会議録情報 第093回国会 本会議 第12号

#1
第093回国会 本会議 第12号
昭和五十五年十一月二十八日(金曜日)
   午後二時五分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十二号
  昭和五十五年十一月二十八日
   午前十時開議
 第一 政治資金規正法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第二 昭和四十四年度以後における私立学校教
  職員共済組合からの年金の額の改定に関する
  法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 第三 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 検察官の俸給等に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 地方公務員災害補償法及び消防団員等公
  務災害補償等共済基金法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案
  (第九十二回国会内閣提出、第九十三回国会
  衆議院送付)
 第七 健康保険法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第八 臨床検査技師、衛生検査技師等に関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 第九 身体障害者雇用促進法の一部を改正する
  法律案(衆議院提出)
 第一〇 防衛庁設置法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
 第一一 国家公務員災害補償法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一二 北上川の水質汚濁防止のための新中和
  処理施設の維持管理に関する請願
 第一三 北方領土復帰実現に関する請願
 第一四 有線音楽放送の正常化に関する請願
  (六件)
 第一五 産炭地域振興臨時措置法等石炭関係六
  法の延長に関する請願(五件)
 第一六 国立療養所邑久光明園及び長島愛生園
  の所在する離島長島・本土間架橋実現に関す
  る請願(二十五件)
 第一七 中央自動車道長野線の建設促進に関す
  る請願(二件)
 第一八 道路財源の強化に関する請願(二件)
 第一九 大都市地域を重点に公共賃貸住宅の建
  設促進に関する請願(二件)
 第二〇 高校新増設に対する国庫補助増額等に
  関する請願(五件)
 第二一 義務教育諸学校の教科用図書の無償給
  与制度の存続に関する請願
 第二二 婦人差別撤廃のため教育課程平等に関
  する請願(二件)
 第二三 教職員定数の最低保障率存続に関する
  請願
 第二四 高校新増設費国庫補助増額等に関する
  請願(十二件)
 第二五 大幅私学助成に関する請願(六件)
 第二六 私学に対する大幅国庫助成等に関する
  請願(十一件)
 第二七 婦人の権利確立に関する請願
 第二八 婦人に対するあらゆる形態の差別の撤
  廃に関する条約の早期批准等に関する請願
  (五件)
 第二九 食料農業政策の確立に関する請願
 第三〇 異常気象による農作物の被害救済措置
  に関する請願
 第三一 農業者年金制度の改正に関する請願
 第三二 漁港の整備促進等に関する請願
 第三三 国民健康保険組合療養給付費補助金の
  増率等に関する請願(五十四件)
 第三四 保育所の建設と施設運営の改善等に関
  する請願(七十件)
 第三五 高齢者の福祉充実に関する請願
 第三六 国立腎センター設立に関する請願(十
  件)
 第三七 中国残留元日本人孤児の里帰りに関す
  る請願
 第三八 難聴幼児対策確立に関する請願
 第三九 未帰還帰国者特別援護措置に関する請
  願(五十一件)
 第四〇 学童保育の制度化等に関る請願(二十
  七件)
 第四一 社会保険診療報酬改定促進に関する請
  願
 第四二 戦時災害援護法制定等に関する請願
 第四三 留守家庭児童対策の充実強化に関す
  る請願(二件)
 第四四 労働行政体制確立に関する請願(七
  件)
 第四五 社会保険診療報酬の引上げに関する請
  願(二件)
 第四六 健康保険による歯科医療充実に関する
  請願(六件)
 第四七 国民健康保険組合の存続強化等に関す
  る請願(六件)
 第四八 社会保険診療報酬の合理的な改定促進
  に関する請願(四件)
 第四九 岩手県における国鉄不通区間の早期復
  旧に関する請願
 第五〇 多摩市の手小荷物配達区域指定に関す
  る請願
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第一一まで
 一、臨時行政調査会設置法案(内閣提出、衆議
  院送付)
 一、一般職の職員の給与に関する法律の一部を
  改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、特別職の職員の給与に関する法律の一部を
  改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 一、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 一、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する
  法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、日程第一二より第五〇までの請願及び物価
  高騰下における建設資材価格安定等に関する
  請願外百十四件の請願
 一、北方領土問題等の解決促進に関する決議案
  (原文兵衛君外七名発議)(委員会審査省略
  要求事件)
 一、委員会の審査及び調査を閉会中も継続する
  の件
     ―――――・―――――
#3
○議長(徳永正利君) これより会議を開きます。
 日程第一 政治資金規正法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。公職選挙法改正に関する特別委員長鳩山威一郎君。
   〔鳩山威一郎君登壇、拍手〕
#4
○鳩山威一郎君 ただいま議題となりました法律案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 本法律案は、政治家個人に係る政治資金の明朗化を図るため、国会議員その他の特定公職の候補者が政治資金を取り扱うべき政治団体を指定することができること、特定公職の候補者が政治活動に関する寄付を指定団体に寄付したときは、指定団体は寄付の総額、内訳を収支報告書に記載し提出すること、同一の者からの年間百万円を超える寄付について寄付者の氏名等を報告すること、指定団体を有しない特定公職の候補者等については、みずから管理する政治活動の寄付について、個人として所定の収支報告書を提出しなければならないこととすること、これらの措置の対象となるべき寄付は金銭等で政令で定めるものに限ることとし、施行期日は昭和五十六年四月一日とすること等を主な内容としております。
 委員会におきましては、鈴木総理大臣の出席を求め慎重な審査を行い、その間、政治浄化と法改正、全国区制度のあり方、国勢調査結果と定数是正、選挙違反の取り締まり状況、五年後の見直し規定等の諸問題について熱心な質疑が行われました。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して小野委員より反対、自由民主党・自由国民会議を代表して降矢委員より賛成、公明党・国民会議を代表して多田委員より反対、日本共産党を代表して山中委員より反対、民社党・国民連合を代表して栗林委員より反対の意見がそれぞれ述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#7
○議長(徳永正利君) 日程第二 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教委員長降矢敬義君。
   〔降矢敬義君登壇、拍手〕
#8
○降矢敬義君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、私立学校教職員共済組合が支給する通算退職年金の額を、厚生年金の引き上げに伴う国・公立学校の教職員の通算退職年金の増額に準じて改定しようとするものであります。
 委員会におきましては、長期経理の今後の見通しと国庫補助率の引き上げ、日本私学振興財団及び都道府県の助成の拡充、私学における労災保険及び退職手当制度の整備のほか、福祉事業の充実、臨時的職員の組合員資格にかかわる諸問題等について熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、大島委員より、長期給付に対する公費助成の拡充等に関する各派共同の附帯決議案が提出され、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#9
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#10
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#11
○議長(徳永正利君) 日程第三 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第四 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長鈴木一弘君。
   〔鈴木一弘君登壇、拍手〕
#12
○鈴木一弘君 ただいま議題となりました二法案について、法務委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 両法案は、一般の政府職員の給与改定に伴い、この例に準じて、裁判官及び検察官の給与を改定しようとするものであります。
 委員会におきましては、一部の裁判官、検察官の給与の据え置きまたは改定時期のおくれに伴う給与体系上の問題、裁判官、検察官の週休二日制の問題、裁判官の受ける相当額の報酬の意味等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知を願います。
 質疑を終わり、別に討論もなく、両法案を順次採決の結果、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(徳永正利君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#14
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#15
○議長(徳永正利君) 日程第五 地方公務員災害補償法及び消防団員等公務災害補償等共済基金法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長亀長友義君。
   〔亀長友義君登壇、拍手〕
#16
○亀長友義君 ただいま議題となりました法律案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 本法律案は、地方公務員の災害補償制度について、国家公務員災害補償制度の改正と同様の措置により、遺族補償年金額の改善、障害補償における等級表の改正、同年金差額一時金及び前払い一時金の創設等、所要の改正を行うことを主な内容とするものであります。
 委員会におきましては、安全管理体制の整備、公務災害認定のあり方等の諸問題について熱心な質疑が行われました。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#18
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#19
○議長(徳永正利君) 日程第六 日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案(第九十二回国会内閣提出、第九十三回国会衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長黒柳明君。
   〔黒柳明君登壇、拍手〕
#20
○黒柳明君 ただい声議題となりました日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
 本法律案は、日本国有鉄道の経営の現状にかんがみ、その経営の再建を促進するため、特例の措置を講じようとするものでありまして、主なる内容は、次のとおりであります。
 第一に、国鉄経営再建の目標を昭和六十年度までに経営の健全性を確保するための基盤を確立し、引き続き、速やかにその事業の収支均衡の回復を図ることとし、その確実な実施を期するため、国鉄に経営改善計画を作成させる等所要の措置を定めております。
 第二に、国鉄は、営業線のうち、一定の基準に該当する地方交通線を選定するものとし、そのうち、一般バス運送事業による輸送を行うことが適当であるものとして政令で定める基準に該当する特定地方交通線を選定し、運輸大臣の承認を受けなければならないこととしております。
 また、特定地方交通線ごとに、協議会を設け、転換後の輸送の確保について協議させることとしており、協議開始後二年を経過し、協議が調わない場合には、国鉄は、当該線の廃止の許可を申請するものとしております。
 このほか、地方交通線の貸し付け及び譲渡、特別運賃の導入、新線建設の特例等について定めております。
 第三に、政府は、特定債務五兆五百九十九億円についてたな上げ措置を講ずるとともに、たな上げされた債務に係る償還資金の無利子貸し付け及び利子補給を行うことができることとするほか、地方交通線に係る補助等について定めております。
 委員会におきましては、委員派遣による地方公聴会の開会及び現地調査、公聴会の開会、地方行政委員会及び商工委員会と連合審査会等慎重な審議が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。
 質疑を終局し、日本社会党目黒理事から、バス輸送等への転換処置は特定地方交通線対策協議会において結論を得てから行うこととするとともに、特別運賃の導入及び新線建設は取りやめる等を内容とする修正案が提出され、同修正案及び原案を一括して討論に付しましたところ、日本社会党目黒理事は、修正案に賛成、原案に反対、自由民主党・自由国民会議山崎理事は、原案に賛成、修正案に反対、公明党・国民会議桑名理事は、原案に反対、修正案に賛成、日本共産党小笠原委員は、原案及び修正案に反対、民社党・国民連合柳澤委員は、原案及び修正案に反対、新政クラブ田委員は、原案に反対、修正案に賛成の意見が述べられ、採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、目黒理事より、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案に係る地方交通線対策等七項目を内容とする附帯決議案が提出され、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#21
○議長(徳永正利君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。目黒今朝次郎君。
   〔目黒今朝次郎君登壇、拍手〕
#22
○目黒今朝次郎君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案について反対の立場から討論を行うものであります。
 まず、反対の第一の理由は、この法案自体が持つ基本的な性格についてどうしても承服できないということであります。
 この法案は、名前の示すとおり、行き詰まった国鉄の経営を再建するための特別措置法であり、その目標を昭和六十年としているのであります。そのため幾つかの柱から成る措置を講ずることとしているわけでありますが、その最大の柱となる地方交通線の扱い、とりわけ特定地方交通線についてその重要な部分を法律で明らかにせずに政令にゆだねているのであります。だれもが承知しているごとく、国鉄の経営は、ひとり国鉄だけのものではありません。全国に張りめぐらされた約二万一千キロにわたる鉄道網が国民生活の経済的あるいは文化的領域に至るあらゆる分野に深くかかわり合いを持っており、それだけに全国民がこの問題に関心を寄せているのであります。こうした国民生活の重要な基盤をなしている国鉄の半数近くを占める地方交通線について、その扱いの主要な点を政令にゆだね、あるいは当面はっきりさせないというやり方は、再建の柱をぼやかしたままその全体を承認せよということであり、政府の意思で欠陥法案を国会に押しつけるものであり、断じて認めることはできません。私は、このように政府が独断専行で行政権限を遂行するために立法府を利用するやり方はきわめて危険であると言わなければなりません。断固として反対の意思を表明するものであります。
 反対の第二の理由は、この法案で示されている具体的な地方交通線の対策についてであります。
 法案では、地方交通線の定義を政令で行い、それらを徹底して合理化することにしていますが、そのうちからさらに政令によりバスに転換すべき線として国鉄から分離する特定地方交通線を定めること、そしてさらに分離後の足の確保の仕方についてのみ関係地方自治体も加えて特定地方交通線対策協議会で相談することとしています。そして、これら廃線を前提として二年間の協議期間を設け、その協議が不調に終われば、国鉄は当初の予定どおりバスに転換するというのであります。まさに問答無用であり、反動的であると言わなければなりません。しかも、地域住民の生活に第一義的に責任を持つべき立場にある地方自治体は、たとえば関係知事においてすら、この協議に当たっても、わずかに主張できることは、そこの線区が政令で定める特定地方交通線の基準に該当するかどうかについての意見の申し出のみであり、その地域における交通の整備との関連で、その線区の存廃について何らの意見の具申はできないようになっておるわけでありまして、これほどばかにしたやり方はないと存じます。これが反対する第二の理由であります。
 反対の第三の理由は、残された地方交通線に対する特別運賃制導入の問題についてであります。
 原案では「収支の改善を図るために」と言っていますが、いまでさえ合理化に次ぐ合理化で国鉄のサービスは年々低下しているのが実情であり、それでもなおかつ国鉄を利用しなければならない層は、たとえば高校への通学生、老人、通院のための病人など、いわゆるマイカーに頼れない方々がきわめて多いのであります。いわばこうした人々はもはや逃げ場のないところに立たされているのであり、新たな割り高運賃を課するということは、こうした人々の逃げ道を閉ざし、生活を見放すということになるわけであります。それだけではありません。こうしたやり方をもってすれば、当然のこととして利用者は一層国鉄から離れるであろうし、その結果はどうなるでありましょうか。今度つくられる特定地方交通線から辛うじて外れたとしても、やがてはまたそれに該当することになり、結局は国鉄から分離される運命になることは明らかでありましょう。これはまさしく政府の施策として国鉄から利用者を追い出すことであり、将来は地方交通線の大部分を国鉄から切り離すための謀略であると断ぜざるを得ません。
 反対の第四の理由は、国鉄にかかわる新線建設の扱いについてであります。
 政府と自民党は、これまでのわれわれの主張に耳を傾げず次々と政治路線を建設してきましたが、このたびの法案でもここだけは巧妙に抜け道をつくっているのであります。国鉄AB線の建設が、特定地方交通線の基準との兼ね合いで、さすがにいまのままでは建設の続行に矛盾があるため、その解消策として、地方鉄道業者や第三セクターなどが経営する場合には建設を進める道を開く理屈立てをしているのであります。国鉄が経営できなくてどうして他の者なら経営が可能なのでしょうか。第三セクターに援助するなら、どうして国鉄にその分助成できないのかきわめて奇妙なのであります。政治路線の建設は相変わらず続くでありましょう。したがって、ここにはもはや政治のねらいは国鉄に対する減量経営、ただそれのみが強調されていることから出てくる施策と見なければなりません。
 反対の第五の理由は、減量経営を目指す国鉄の今後の関係労働者に対する一方的な犠牲の強要についてであります。
 再建の柱の一つに、向こう五年間で七万人を超える要員の削減を計画していますが、もともと三十五万人体制という数字は、国鉄が赤字に転落する前の営業収入に対する当時の人件費の割合から逆算したものであり、それ以上に根拠のあることではありません。今後、毎年一万数千人が国鉄の職場を追われていくわけでありますが、これらの人々に対する退職金の支払いや年金の保障等の措置についても、いまだに不安を解消できるような手だては固まっていないのであります。赤字の責任は政府の交通政策全般に関する対応のまずさにあることはだれしもが認めていることであり、その責任を覆い隠して労働者にそのしわ寄せをすることは、断じて許すことができません。
 以上、私は本法案について特に重要な点についてのみ申し上げました。政府は昨年十二月、閣議了解事項に基づき昭和六十年までに経営再建の基盤を確立すると言明し、そのための必要な施策を講ずるとしていますが、予想される年度に経営の改善の行われる保証はどこにもありません。加えて、開業予定の東北、上越新幹線だけでも年間三千億円に上る赤字が見込まれており、今後の設備投資についてもそのほとんどが借入金に頼るということであります。これでどうして経営改善が可能なのか。借金を返すためにまた借金をするということがこれまで続いており、このことが国鉄財政の破局的な状態に追い込んでおる根源であります。
 特に、社会党は、法案の基本的な部分について修正すべきであることを主張し、審議の早い段階で委員会にその手続をとり、原案と並行しての審議を求めたのは、それだけわれわれも国鉄再建に真剣に努力をしているからであります。しかしながら、与党である自民党は、一たんは合意したものの途中で態度を急変し、審議がすべて完了した段階で、採決直前に取り扱いをすることを終始譲らなかったのであります。われわれの提案の内容が真に国民大多数の声であることに恐れをなしたのでしょうか。いずれにしても、全く理解に苦しむことであり、議会制民主主義を真っ向から否定する暴挙と言わざるを得ません。私は、このことに対し、国民から信託された立法に携わる者として厳重に自民党に抗議をするものであります。
 以上、私は本法案に強く反対する立場から種々申し述べてまいりましたが、最後にもう一度、政府と与党はわが党の真剣なる提案をまじめに検討し、これを受け入れ、手直しをして再提出すべきであることを強く要求いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
#23
○議長(徳永正利君) 桑名義治君。
   〔桑名義治君登壇、拍手〕
#24
○桑名義治君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっております日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案について反対の立場から討論を行うものであります。
 本法案は、六兆円を超える累積赤字を抱え慢性的な経営危機に陥っている国鉄経営の立て直しを図るため、経営改善計画の策定、三十五万人体制の実施、特定地方交通線の廃止、過去債務のたな上げ等の特別措置を定めているものでありますが、法案の審議が進めば進むほど、国鉄財政の再建はもとより、経営の立て直しも不可能であることが明白になる一方、国鉄全体の赤字の一割にも満たない赤字を理由に、地方の実情を無視し、問答無用の強圧的な態度で赤字ローカル線の廃止を強行しようとする政府の姿勢に地域住民の不安と怒りは高まるばかりであります。このような地方交通線廃止の不安にさらされ、悩み、怒っている利用者の立場に立って、以下数点にわたって反対の理由を明らかにしたい。
 反対の第一点は、廃止が予定されている特定地方交通線及び割り高な特別運賃の導入が予定されている地方交通線の選定基準となる政令内容が明確にされていない点であります。
 政府は、この法案の施行により、昭和六十年度までに四千キロに及ぶ特定地方交通線を廃止し、バス輸送に転換しようとしておりますが、法案の審議を通じて一度も対象線区名を明らかにしないのであります。審議の過程で運輸省案なるものが提示されましたが、きわめて機械的な基準案にすぎず、関係各省の了解もとれていないのであります。これでは審議の対象にもならず、関係住民の不安をいたずらに増長するばかりであります。法案の審査に当たり政府は国民の納得できる合理的な基準とそれに基づく具体的な対象線区名を明らかにすべきであります。このような国会軽視の態度は許されないのであります。
 反対の第二点は、通勤通学等地域住民の足として地域住民の生活に不可欠なものとなっている地方交通線を、単にその経営成績だけで、地方の実情を何ら考慮することなく全国一律の画一的な基準に基づいて廃止を強行しようとしている点であります。
 政府の計画どおりに特定地方交通線の廃止が進められますと、特に福岡の筑豊地区や北海道では鉄道網の半分以上が廃止されることになり、壊滅的な被害を受け、地域経済が成り立たなくなるのであります。八〇年代は地方の時代と言われ、地方の地域振興が国民的な課題となっておりますが、産炭地域振興計画、北海道総合開発計画、過疎地域振興計画等の地域振興計画や地方定住圏構想、広域生活圏構想等の地方開発計画との関係を全く無視して、地域の将来性を考慮することなく、現在の輸送実績のみで地方交通線の存廃を決定しようとする政府の態度は、国の他の諸施策との整合性に欠けており、より広い総合的な観点から再検討されるべきであります。
 特に、私は、政令基準を作成するに当たって、地域の将来性を長期的な視野から考慮すべきことを強く主張いたしましたが、運輸大臣はこれに応じようとされないのであります。このような政府の態度は地方の将来の発展に禍根を残すものと言わざるを得ません。
 反対の第三点は、地方交通線に対する割り高な特別運賃制を導入する点についてであります。
 この法案では、地方交通線の運賃は収入の確保に特に配慮して定めると規定しておりますが、これを受けて国鉄総裁は、従来の全国均一運賃制度を改め、地方交通線に五割程度の割り増し運賃を導入することを明らかにしております。さらに国鉄は通学定期の割引率の引き下げも予定しており、これに割り増し運賃が加わりますと、昭和六十年までに通学定期は三倍もの値上げになることが明らかになったのであります。このような地方交通線運賃の大幅な値上げは、それでなくても利用者の少ない地方交通線の国鉄離れに一層の拍車をかけるとともに、他の交通機関への代替ができない老人や学童等の交通弱者に過酷な負担を課することになり、社会的な不公正を拡大するものであります。地方交通線は幹線に比べ列車の運行回数が少なく、駅の無人化等と交通サービスが格段に落ちる上に大幅な割り増し運賃を負担させることは、地域の住民に二重に不利益を課することになり、国鉄運賃法第一条の公正妥当の原則に著しく反するものであり、とうてい容認できないのであります。
 反対の第四点は、第三セクターによる地方交通線運営の道を開き、廃止予定線や建設中のAB線を地方自治体の負担で運営させようとしている点であります。
 もともと国鉄が経営し、多額の赤字を出している地方交通線の運営を地方自治体が出資する第三セクターが引き受けても黒字に転ずるはずはなく、赤字経営となることは必至であり、石破自治大臣自身、新しい財源措置を講じない限り、地方自治体が第三セクター方式で経営することは不可能であることを認めているにもかかわらず、運輸省は第三セクターによる運営に固執しているのであります。このように財源的な裏づけをせずに、本来、国の責任において処理すべき地方交通線の問題を一方的に地方自治体にしわ寄せする運輸省の無責任な態度は許せないのであります。
 反対の第五点は、国鉄財政悪化の原因となっている構造的な赤字要因に対する政府の取り組み方の関係についてであります。
 この法案では、約五兆六百億円に上る過去債務のたな上げを財政再建の柱としておりますが、今後毎年発生する巨額の赤字の取り扱いについて再たな上げを求める国鉄総裁の発言と、再たな上げなど毛頭考えていないとする大蔵大臣の答弁が食い違うなど、政府の方針が不統一のまま残されているのであります。さらに、東北、上越新幹線及び青函トンネルの開業に伴う赤字増加分、職員構成のひずみから来る年金負担や退職金、公共割引の問題等の構造的な要因から来る赤字について、政府の明確な対策が提示されないまま国鉄財政再建計画が進められようとしているのであります。これでは永久に国鉄財政の再建は不可能であると言わざるを得ないのであります。国鉄財政再建のためには、運賃の値上げや地方交通線の廃止等の負担を国民に求める前に、政府みずからその責任において、これらの構造的な赤字要因に対する有効適切な措置を講ずべきであります。
 以上、数点にわたって本法案の問題点を指摘し、反対の理由を明らかにしてまいりましたが、経営再建のためには、国鉄みずからの不断の経営努力が何にも増して必要であるにもかかわらず、具体的な施策が明らかにされないまま、地方自治体や利用者のみに負担を課そうとする本案の内容を認めるわけにはいかないのであります。
 国鉄経営の健全化のめども立たず、地方交通線を廃止して地域の発展を阻害し、利用者たる国民に負担のみを強いる本法案に反対することを明らかにして、私の討論を終わります。(拍手)
#25
○議長(徳永正利君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#26
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#27
○議長(徳永足利君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#28
○議長(徳永正利君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#29
○議長(徳永正利君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数        二百三十七票
 白色票          百三十三票
 青色票            百四票
よって、本案は可決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百三十三名
      安孫子藤吉君    浅野  拡君
      井上 吉夫君    井上  孝君
      井上  裕君    伊江 朝雄君
      岩動 道行君    石破 二朗君
      石本  茂君    板垣  正君
      稲嶺 一郎君    岩上 二郎君
      岩崎 純三君    岩本 政光君
      上田  稔君    植木 光教君
      江島  淳君    衛藤征士郎君
      遠藤  要君    遠藤 政夫君
      小澤 太郎君    大石 武一君
      大河原太一郎君    大木  浩君
      大島 友治君    大鷹 淑子君
      岡田  広君    岡部 三郎君
      長田 裕二君    加藤 武徳君
      梶木 又三君    梶原  清君
      片山 正英君    金井 元彦君
      金丸 三郎君    上條 勝久君
      亀井 久興君    亀長 友義君
      川原新次郎君    河本嘉久蔵君
      木村 睦男君    北  修二君
      楠  正俊君    熊谷太三郎君
      熊谷  弘君    藏内 修治君
      源田  実君    古賀雷四郎君
      後藤 正夫君    郡  祐一君
      佐々木 満君    斎藤栄三郎君
      斎藤 十朗君    坂野 重信君
      坂元 親男君    山東 昭子君
      志村 愛子君    嶋崎  均君
      下条進一郎君    新谷寅三郎君
      菅野 儀作君    鈴木 正一君
      鈴木 省吾君    世耕 政隆君
      関口 恵造君    園田 清充君
      田沢 智治君    田代由紀男君
      田中 正巳君    田原 武雄君
      高木 正明君    高橋 圭三君
      高平 公友君    竹内  潔君
      谷川 寛三君    玉置 和郎君
      塚田十一郎君    土屋 義彦君
      戸塚 進也君    名尾 良孝君
      内藤  健君    内藤誉三郎君
      中西 一郎君    中村 啓一君
      中村 太郎君    中村 禎二君
      中山 太郎君    仲川 幸男君
      鍋島 直紹君    成相 善十君
      西村 尚治君    野呂田芳成君
      長谷 川信君    秦野  章君
      初村滝一郎君    鳩山威一郎君
      林  寛子君    林  ゆう君
      原 文兵衛君    桧垣徳太郎君
      平井 卓志君    福岡日出麿君
      福島 茂夫君    福田 宏一君
      藤井 裕久君    藤田 正明君
      降矢 敬義君    降矢 敬雄君
      細川 護煕君    堀内 俊夫君
      堀江 正夫君    真鍋 賢二君
      前田 勲男君    増岡 康治君
      増田  盛君    町村 金五君
      松浦  功君    松尾 官平君
      丸茂 重貞君    円山 雅也君
      三浦 八水君    宮田  輝君
      村上 正邦君    森下  泰君
      八木 一郎君    安井  謙君
      安田 隆明君    山崎 竜男君
      山内 一郎君    山本 富雄君
      野末 陳平君    前島英三郎君
      森田 重郎君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百四名
      阿具根 登君    青木 薪次君
      赤桐  操君    茜ケ久保重光君
      穐山  篤君    小野  明君
      大木 正吾君    大森  昭君
      加瀬  完君    粕谷 照美君
      片岡 勝治君    片山 甚市君
      川村 清一君    小谷  守君
      小柳  勇君    小山 一平君
      佐藤 三吾君    坂倉 藤吾君
      志苫  裕君    鈴木 和美君
      瀬谷 英行君    田中寿美子君
      高杉 廸忠君    竹田 四郎君
      対馬 孝且君    寺田 熊雄君
      戸叶  武君    野田  哲君
      広田 幸一君    福間 知之君
      藤田  進君    松前 達郎君
      松本 英一君    丸谷 金保君
      宮之原貞光君    村沢  牧君
      村田 秀三君    目黒今朝次郎君
      本岡 昭次君    八百板 正君
      矢田部 理君    安恒 良一君
      山崎  昇君    山田  譲君
      吉田 正雄君    和田 静夫君
      和泉 照雄君    大川 清幸君
      太田 淳夫君    柏原 ヤス君
      黒柳  明君    桑名 義治君
      小平 芳平君    塩出 啓典君
      渋谷 邦彦君    白木義一郎君
      鈴木 一弘君    田代富士男君
      多田 省吾君    高木健太郎君
      鶴岡  洋君    中尾 辰義君
      中野  明君    中野 鉄造君
      二宮 文造君    馬場  富君
      原田  立君    藤原 房雄君
      三木 忠雄君    峯山 昭範君
      宮崎 正義君    矢追 秀彦君
      渡部 通子君    市川 正一君
      上田耕一郎君    小笠原貞子君
      神谷信之助君    沓脱タケ子君
      近藤 忠孝君    佐藤 昭夫君
      下田 京子君    立木  洋君
      宮本 顕治君    安武 洋子君
      山中 郁子君    井上  計君
      伊藤 郁男君    柄谷 道一君
      木島 則夫君    栗林 卓司君
      小西 博行君    田渕 哲也君
      中村 鋭一君    藤井 恒男君
      柳澤 錬造君    江田 五月君
      田  英夫君    秦   豊君
      青島 幸男君    喜屋武眞榮君
      山田  勇君    秋山 長造君
      美濃部亮吉君    山田耕三郎君
     ―――――・―――――
#30
○議長(徳永正利君) 日程第七 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第八 臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第九 身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案
  (いずれも衆議院提出)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長片山甚市君。
   〔片山甚市君登壇、拍手〕
#31
○片山甚市君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、健康保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案の主なる内容は、被保険者本人の初診時及び入院時の一部負担金の額並びに保険料率の上限を引き上げること、家族療養費制度並びに国庫補助制度を改正すること、船員保険法については健康保険法の改正に準じた所要の改正を行うとともに、社会保険診療報酬支払基金の審査に関する規定を整備すること等であります。
 委員会におきましては、健康保険制度の抜本的改善策、保険料率の引き上げと国庫負担との連動、薬価基準と実勢価格の乖離等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党より原案に反対、次いで自由民主党・自由国民会議より原案に賛成、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合よりそれぞれ原案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 次に、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案の主なる内容は、衛生検査所を開設する際の登録を義務化するとともに、立入検査、指示、登録の取り消し等、所要の規制に関する規定を設けること等であります。
 委員会におきましては、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 最後に、身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案の主なる内容は、身体障害者の雇用の促進を図るため、雇用促進事業団が、身体障害者雇用納付金制度に基づき、重度障害者等の雇用管理のための措置及び身体障害者に対する教育訓練を行う事業主、学校法人、社会福祉法人等に対する助成等を行うことができるようにしようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#32
○議長(徳永正利君) 健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。高杉廸忠君。
   〔高杉廸忠君登壇、拍手〕
#33
○高杉廸忠君 私は、ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、日本社会党を代表し、反対の立場を鮮明にして討論を行うものであります。
 医療をめぐる不祥事件が今日ほど社会問題化している時代はいまだかつてなかったのではないでしょうか。国民は医療に対し多くの不安と不信を持っております。これは、同時に事件を初期の段階で防ぎ得なかった行政当局への不信でもあり、また、一部医業に金権体質が持ち込まれていることへの不満でもあります。
 こういう際に議論すべき問題は、いかに医療を健全化し、医療に対する国民の信頼を回復していくかということであったはずであります。それにもかかわらず、政府は、現行医療保険制度に見られる制度間格差、給付水準格差を放置し、政管健保内における財政収支の均衡のみに目を向けた改正をしようとしてまいりました。
 わが党は、基本的な態度として、保険料負担及び窓口における一部負担の増大を図るよりも先に、国民医療費の肥大化に歯どめをかけるための総合的な施策の先行を主張してまいりました。これらが実行されない現在、総合的、抜本的な施策を後回しにした財政対策至上主義の本改正案に断じて賛成できないのであります。わが党は、このような立場から参議院における審議を進めてまいりました。審議を通じ、ある程度の前進を見ている点もありますが、いまだ多くの問題が解明されずに終わっております。
 以下、具体的に反対の理由を申し上げたいと思います。
 第一は、保険料の引き上げと国庫負担の問題であります。
 本案では、保険料率が現行千分の八十から上限千分の九十一の弾力条項となっております。現行の健康保険法においては、保険料率千分の一引き上げるごとに、給付費について国は国庫負担分を千分の八上積みするといういわゆる連動規定が設けられております。しかし、本案では、この連動の規定の発動を凍結させております。そもそも政管健保は、加入者が中小企業に働く労働者で、その財政が収入、給付の両面で脆弱でありまして、社会保障の立場から国が一定の財政負担を負うのは当然であります。そうすることが、去る昭和四十八年保険料率の弾力条項を導入した際に、当時の厚生大臣が今後は労・使・国の三者が応分の負担をしていくと説明していたことにも合致するのではないでしょうか。弾力条項の運用に際し、財政に影響を与えるということが、同時に引き上げへの歯どめにもなるのであります。保険料率千分の一引き上げで二百九十億円の増が図られ、上限まで引き上げれば三千億円もの負担増となるのであります。片方の国庫負担の連動を凍結するのならば、保険料率についても当面必要とする料率を算出し、固定した法定の料率にするというのが道理であります。そうでなければ国民の納得は得られません。
 第二に、国民医療費の抑制についてであります。
 総理は、先般の本案の質疑に際し、本院本会議において「健康保険法が改正されても、当面、医療費の改定を必要とする状況にはない」と答弁をされましたが、委員会におけるわが党の追及に対しては、厚生大臣は「年度内は引き上げない」と答弁をし、総理の答弁はその場しのぎのものであることを示しております。今日のように医療費の伸び率が毎年一〇%を超え、一方労働者の平均賃金上昇率がそれを下回っている段階では、保険料率を引き上げても早晩収支の均衡が困難になると思われます。当面、医療費の改定を行わず、その抑制に全力を挙げることが必要であります。今後の改定は、医業経営実態調査に基づき医業所得の実態を明らかにして、そのあるべき姿を十分検討し、国民医療費の総枠について何らかの歯どめを明示しなければ、医療費の引き上げにとうてい賛成するわけにはいきません。
 第三に、薬価をめぐる諸問題であります。
 今日、医療における過剰投薬、いわゆる薬づけ医療が問題とされております。その原因の一つは、現在の医療保険制度が薬で利ざやがかせげる仕組みになっていることであります。すなわち、保険の薬価基準と実勢価格との間に乖離があることであります。政府も毎年行っている薬価調査の中でその実態を把握しているにもかかわらず、それを明らかにせず、薬価基準引き下げに活用しようとしてこなかったことであります。このような薬価に対する政府の姿勢に対し猛省を促したい点であります。
 第四に、いわゆる検査づけと言われる現行医療に対し鋭いメスが入れられていない点であります。
 現在、わが国の自由開業制のもとでは、高額な医療機器導入に際し何らの規制もなされておりません。それが真の医療サービスにつながるのであるなら問題はありませんが、十分使いこなせないような病院が導入した場合、収入を上げるための検査を助長し、医療の荒廃を招く以外の何物でもないことは、あの富士見産婦人科病院事件等が物語っているところであります。これらに対し何らの規制を今日まで行ってこなかった政府の態度を看過するわけにはまいりません。
 第五に、国民皆保険のもとで、多くの国民が納得できないのが差額ベッド科、付添看護料の自己負担が解消されないことであります。
 入院患者にとって、これらの経済的負担はとうてい耐えられるものではありません。経済的負担を気にかけずに療養に専念できるよう、基準看護においてはこれら自己負担を全廃すべきであります。
 以上、数点にわたって本案に対する反対の理由を申し述べてまいりましたが、このほか給付面で出産に伴う給付の現物給付化の問題、医療供給面で救急、夜間・休日、僻地医療等についても解決を迫られている問題が山積していることを指摘するところであります。
 最後に、私は、わが党の主張であります、いつでも、どこでも、だれもが適正な医療が受けられる医療保険制度の確立を望むとともに、厳正な医療行政を推進し、一日も早く国民の医療に対する不安不信を解消されんことを強く政府に要望いたし、本案に対する反対討論を終わるものであります。(拍手)
#34
○議長(徳永正利君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#35
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 まず、健康保険法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#36
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
 次に、臨床検査技師、衛生検査技師等に関する法律の一部を改正する法律案及び身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#37
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#38
○議長(徳永正利君) 日程第一〇 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案
 日程第一一 国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 及び本日委員長から報告書が提出されました
 臨時行政調査会設置法案
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)を日程に追加し、七案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長林ゆう君。
   〔林ゆう君登壇、拍手〕
#40
○林ゆう君 ただいま議題となりました七法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案は、昭和五十四年度及び五十五年度の自衛隊業務計画に基づくものでありまして、その主な内容は、第一に、防衛庁設置法の一部を改正し、自衛官の定数を海上自衛隊千六百十九人、航空自衛隊七百十二人、計二千三百三十一人を増加すること、第二に、自衛隊法の一部を改正して海上自衛隊に潜水艦隊を新編し、航空自衛隊の機関として補給本部を置くとともに、自衛官の階級として曹長を新設するほか、予備自衛官二千人を増員すること、第三に、防衛庁職員給与法の一部を改正し、新設の曹長について俸給月額を定めること等であります。
 委員会におきましては、内閣総理大臣の出席を求め、慎重な審査を行いましたが、その質疑の主なるものは、極東ソ連軍の増強と脅威の実態、防衛計画大綱の見直し、中期業務見積もりの繰り上げ達成とGNP比一%との関連、総合安全保障構想の内容、有事法制の検討状況、短SAM問題検討会の性格等でありますが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して矢田部理事より反対、自由民主党・自由国民会議を代表して竹内理事より賛成、公明党・国民会議を代表して峯山委員より反対、日本共産党を代表して安武委員より反対、新政クラブを代表して秦委員より反対の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案は、去る二月の人事院の意見の申し出を実施するため、遺族補償年金の額を改善するとともに、障害補償年金差額一時金及び障害補償年金前払い一時金の支給に関する制度を創設するほか、補償の内容を改善整備しようとするものであります。
 なお、衆議院において、遺族補償年金の額の引き上げに関する適用日について所要の修正が行われております。
 委員会における質疑の詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、公務災害の絶滅を期するとともに、補償水準の向上を図るべき旨の附帯決議が行われました。
 次に、臨時行政調査会設置法案は、今後における行政の抜本的な改善を推進し、長期的かつ総合的視点から行政の適正かつ合理的なあり方を検討するため、各界の英知を結集した権威の高い調査審議機関として、委員九人をもって構成する臨時行政調査会を総理府の附属機関として設置しようとするものであります。
 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、人事院勧告を実施するため、一般職の職員の給与について全俸給表の全俸給月額を平均四・四%引き上げるとともに、扶養手当、通勤手当、医師等に対する初任給調整手当を改定するほか、当分の間、四週間につき一の土曜日には勤務を要しないこと等の措置を講じようとするものであります。
 なお、指定職俸給表の改定は本年十月からとするほかは勧告どおり実施することとし、勤務を要しないこととする措置は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内で政令で定める日から施行することとしております。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、一般職の職員の給与改定に準じて特別職の職員の俸給月額等について所要の改定を行おうとするものでありますが、内閣総理大臣及び国務大臣等の俸給月額は据え置くこととしております。
 なお、衆議院において、政務次官等の俸給月額について、昭和五十六年三月までの間はなお従前の例によることとする修正が行われております。
 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は、一般職の職員の給与改定に準じて防衛庁職員の俸給月額等について所要の改定を行うほか、当分の間、四週間につき一の土曜日には勤務を要しないこと等の措置を講じようとするものであります。
 最後に、国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案は、去る八月の人事院勧告を完全実施するため、基準額の適正化を図るとともに、加算額の支給限度額を引き上げるほか、支給額の最高限度額の新設、支給・返納等の要件の整備等を行おうとするものであり、本年八月から適用しようとするものであります。
 委員会におきましては、以上五法律案を便宜一括して審査いたしましたが、質疑の詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わりましたところ、日本共産党を代表して安武委員から、臨時行政調査会設置法案に対し、その設置目的を初め四項目にわたる内容の修正案が提出されました。本修正案は、予算を伴うものでありますので政府の意見を聴取いたしましたところ、中曽根行政管理庁長官より政府としては反対である旨の発言がありました。
 次いで、討論に入り、臨時行政調査会設置法案に対し、日本共産党を代表して安武委員から修正案に賛成、原案に反対する旨の発言がありました。
 次いで、順次採決の結果、まず、臨時行政調査会設置法案は、安武委員提出の修正案を賛成少数をもって否決し、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定し、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 最後に、国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#41
○議長(徳永正利君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。野田哲君。
   〔野田哲君登壇、拍手〕
#42
○野田哲君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました防衛三法案について反対の討論を行うものであります。
 今回の防衛三法案の内容は、自衛官及び予備自衛官の定数の増加、潜水艦隊の新設、自衛官に曹長の階級を設け、そのために給料表の改正を行うという内容のものでありますが、問題はそれだけにとどまらず、その背景となっている軍備増強路線が日本とアジアの平和と民主主義を損なう大きな危険性を持っているからであります。
 私たちが反対の理由として指摘しなければならない第一の点は、政府・与党内に急速に台頭しつつある改憲論と軍備増強論が一体のものであり、きわめて危険な内容のものである点であります。
 自由民主党が自主憲法期成議員同盟の名によって地方自治体にまで持ち込んで進めている改憲運動の目標の一つが、現行憲法の基本理念の一つである第九条を否定しようとするものであることは明らかであります。一九五〇年、アメリカが朝鮮半島で引き起こした侵略戦争の必要性から、日本国憲法を無視し、当時のマッカーサー司令官による一片の指令で法律の裏づけもなく発足をした警察予備隊が、その後保安隊から自衛隊となり、三十年の間にアメリカの要請と政府・自民党の強化策によって漸次その機能を質的にも量的にも拡大して、ついに自衛隊合憲論者をもってしても現行憲法ではおさまり切らない存在になろうとしているのであります。すでに政府及び自由民主党とその周辺からは、自衛隊の持つべき役割りとして、国連軍に名をかりた海外派遣、双務的日米安保条約への改定論から、さらに徴兵制の声すら起こってきています。
 憲法第九条によって「他国に脅威を与えるような兵器は持てない」とする憲法上の政府見解が、今日では、憲法上持てない兵器は「もっぱら他国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられる兵器」というように、政府の憲法解釈が年とともに変わってきております。このように、改憲論と表裏一体の形で進められている自衛隊の増強を認めることは、日本国憲法が高く掲げる平和主義の理念をみずから放棄し、戦争への道を開く改憲論にくみすることに通じるものであり、われわれの断じて相入れないものであります。
 反対の第二点は、今日の自衛隊の増強、防衛費の増額がアメリカの強い要請によるものであり、アメリカの世界戦略に深く組み込まれようとしていることであります。
 本年五月一日の大平・カーター会談において、防衛庁の中期業務見積もりについて、これの早期達成を強く要請され、その要請に基づいて、昭和五十六年度予算要求においては前年比九・七彩増という別枠を認めてこれにこたえようとしていることに示されているように、あるいはまた陸海空自衛隊がそれぞれアメリカ軍との共同演習に積極的に参加していることに見られるように、自衛隊の存在は、ソ連に対抗するアメリカの世界戦略の一環を北東アジアにおいて担おうとする、きわめて危険な存在となってきていることであります。
 第三点は、政府の外交防衛政策では、日本が今日の国際情勢の中で新しい平和の秩序をつくり上げていこうとする構想や努力が欠落し、パワーポリティックスの思想のみが前面に出ていることであります。
 国際紛争を回避し、平和を維持するための国際秩序をつくり上げる手段は、軍備の増強によるパワーゲームによって求められるものではなくて、平和的外交手段によることこそ唯一の道であり、日本がその立場に出ってアジアにおける主導的な役割りを果たすことがアジア太平洋地域の平和的国際秩序をつくり上げる道だと考えるものであります。政府の情報操作によって、特定の国を仮想敵国視し、その国に対して国民の不信感を助長させ、それによって軍事力の増強を図ろうとするやり方は、アジアにおける国際関係の緊張の新たな要因となり、アジアに新たなパワーゲームをつくり出すだけのものであります。
 以上の点から、今回の防衛三法案に強く反対の意を表明するものであります。
 わが国は、かつて無謀な軍部の独走によって、統帥権の独立を主張し、軍事費を別枠にし、国民はそれに対する一切の批判を封じられる中で、日中戦争から第二次世界大戦へと長く暗い侵略戦争に突入していきました。アジアの国々に大変な被害を及ぼした加害者となったのであります。そして国民は、軍事要員として戦場に駆り出された者も非戦闘要員も、ともに現在では想像もできないような悲惨な状態を体験してきました。いま、防衛費に別枠を認めてその戦力の増強を図りながら、一方において憲法第九条の廃止を目指す改憲運動を進め、さらに政府部内で有事立法制定作業を急いでいる姿は、かつて軍事費に臨時軍事費という別枠の措置をとりながら軍備の増強を図り、国民に対しては治安維持法によって一切の批判を封じ、国家総動員法によってすべての国内体制を軍事優先に再編成した当時をほうふつさせ、「この道はいつか来た道」という懸念を深く抱かざるを得ないのであります。
 憲法第九条の平和の理念がそのときどきの政府の恣意的解釈によって変質し、軍備増強への歯どめが薄れ、年々肥大化する日本の軍備に対してアジアの諸国民がすでに不信感、不安感を持ちつつあることは、折に触れて現地から報道されているところであります。北東アジアに連なる細長い日本列島に一億二千万人が生存し、食糧、エネルギーを初めほとんどの資源を海外に依存して、高度に集約化された工業国として成り立っている日本が、国民の平和な暮らしを守り、また国際社会で果たすべき役割りは、軍事大国への道ではなくて、みずからが憲法前文並びに第九条の精神を名実ともに遵守することを内外に宣言し、経済成長の成果を国際社会に正しく還元することによって、アジアに平和な国際秩序をつくり出すことであります。その役割りを日本が果たすべきであることを強く主張して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#43
○議長(徳永正利君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#44
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 まず、防衛庁設置法等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#45
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#46
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 次に、臨時行政調査会設置法案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#47
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#48
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#49
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#50
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#51
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#52
○議長(徳永正利君) この際、日程に追加して、
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長桧垣徳太郎君。
   〔桧垣徳太郎君登壇、拍手〕
#54
○桧垣徳太郎君 ただいま議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案は、議員の歳費月額を明年三月三十一日までの間は従前の額に据え置くこととするものでありまして、委員会におきましては、審査の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#55
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#56
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#57
○議長(徳永正利君) 公害及び交通安全対策特別委員長外九委員長から報告書が提出されました日程第一二より第五〇までの請願並びに本日物価等対策特別委員長及び内閣委員長から報告書が提出されました物価高騰下における建設資材価格安定等に関する請願外百十四件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#59
○議長(徳永正利君) これらの請願は、各委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
#61
○議長(徳永正利君) この際、お諮りいたします。
 原文兵衛君外七名発議に係る北方領土問題等の解決促進に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
 よって、本案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。原文兵衛君。
   〔原文兵衛君登壇、拍手〕
#63
○原文兵衛君 ただいま議題となりました自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブ各会派共同提案に係る北方領土問題等の解決促進に関する決議案につきまして、発議者を代表して提案の趣旨を御説明いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
    北方領土問題等の解決促進に関する決議案
  今日まで、北方領土問題解決促進に関する国会決議が再三行われてきたところであるが、いまなお解決をみないのは、誠に遺憾である。
  よつて政府は次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
 一、北方領土の早期返還の実現を促進するため、諸行事等の設定などを検討すること。
 一、北方地域旧漁業権者等及び北方領土元居住者等に対する救済援護措置を拡充すること。
 一、北方領土隣接地域の振興のための強力な措置を講ずること。
 一、北方領土におけるソ連の軍事的措置の撤回を要求し、北方領土の早期返還をはかり、平和条約を締結して日ソ間の安定的平和友好関係を確立すること。
  右決議する。
 以上であります。
 本院の再三にわたる決議にもかかわらず、北方領土の返還はいまなお実現せず、ソ連が北方領土において新たな軍事力を配備し、増強を続けていることは、日ソ両国の平和友好関係の促進のためにまことに遺憾なことであります。
 それとともに、この北方領土問題が未解決であるため、これに起因する内政上の諸問題についても解決を迫られております。
 よって、本院としても、政府が引き続き北方領土の返還実現に向けて努力するとともに、解決を迫られている内政上の諸問題についても、適切な措置を講ずるよう要請すべきであると考えまして、本決議案を提案する次第であります。
 何とぞ御賛同あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#64
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#65
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 ただいまの決議に対し、中山国務大臣から発言を求められました。中山国務大臣。
   〔国務大臣中山太郎君登壇、拍手〕
#66
○国務大臣(中山太郎君) 政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を体し、北方領土問題の解決のために最大限の努力を払う所存でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
#67
○議長(徳永正利君) この際、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。
    ―――――――――――――
#68
○議長(徳永正利君) 本件は各委員長要求のとおり決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
 よって、本件は各委員長要求のとおり決しました。
     ―――――・―――――
#70
○議長(徳永正利君) 今期国会の議事を終了するに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 今国会は、さきの衆参両院選挙後、初の実質的審議を行う国会として、当面する諸問題に対処するため召集されましたが、各位におかれましては、国民生活に重大な関係を有する議案を初めとし、多くの重要な問題について終始熱心に審議に当たられました。ここに数多くの議案を円満に議了し、会期を終了する運びに至りましたことは、ひとえに各位の御協力のたまものと衷心より感謝の意を表する次第でございます。
 内外の情勢多端の折から、国民が本院に寄せる期待もまた大なるものがあると信じます。
 各位におかれましては、今後とも健康に御留意の上、一層御活躍あらんことを祈ってやみません。(拍手)
 これにて散会いたします。
   午後三時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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