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1980/10/23 第93回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第093回国会 物価問題等に関する特別委員会 第3号
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1980/10/23 第93回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第093回国会 物価問題等に関する特別委員会 第3号

#1
第093回国会 物価問題等に関する特別委員会 第3号
昭和五十五年十月二十三日(木曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 井上  泉君
   理事 青木 正久君 理事 谷  洋一君
   理事 吹田  ナ君 理事 小野 信一君
   理事 武部  文君 理事 長田 武士君
   理事 塩田  晋君
      今枝 敬雄君    小澤  潔君
      狩野 明男君    亀井 善之君
      工藤  巖君    田名部匡省君
      長野 祐也君    牧野 隆守君
      金子 みつ君    春田 重昭君
      中野 寛成君    岩佐 恵美君
      依田  実君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      河本 敏夫君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     橋口  收君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 伊従  寛君
        公正取引委員会
        事務局取引部長 劒持 浩裕君
        経済企画政務次
        官       中島源太郎君
        経済企画庁調整
        局長      井川  博君
        経済企画庁物価
        局長      藤井 直樹君
        通商産業大臣官
        房審議官    神谷 和男君
        資源エネルギー
        庁石油部長   志賀  学君
        中小企業庁計画
        部長      中澤 忠義君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  内田 文夫君
        国土庁土地局次
        長       小笠原正男君
        国土庁土地局土
        地政策課長   渡辺  尚君
        国土庁土地局土
        地利用調整課長 下  壮而君
        国税庁調査査察
        部調査課長   谷   始君
        厚生省環境衛生
        局食品化学課長 藤井 正美君
        食糧庁業務部需
        給課長     近長 武治君
        水産庁漁政部水
        産流通課長   真板 道夫君
        通商産業省機械
        情報産業局車両
        課長      三野 正博君
        中小企業庁計画
        部金融課長   米山 揚城君
        建設大臣官房会
        計課長     杉岡  浩君
        建設大臣官房地
        方厚生課長   青木 保之君
        建設省計画局建
        設業課長    北村広太郎君
        建設省住宅局日
        本住宅公団監理
        官       原  健彦君
        建設省住宅局民
        間住宅課長   浜  典夫君
    ―――――――――――――
十月十八日
 建設資材の価格安定に関する請願(武部文君紹
 介)(第二七六号)
 同(山花貞夫君紹介)(第三八九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○井上委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。牧野隆守君。
#3
○牧野委員 私は、きょうは特に下請企業の実態並びに下請企業が現在直面しておりますいろんな資金問題等について質問をさしていただきたい、このように考えている次第でございます。
 御承知のとおり、公定歩合がいつ引き下げられるかということが巷間非常に大きな関心になっておりまして、特に中小企業、下請企業の立場から見ますと、借りる金利は非常に高い。他方、受け取る手形、これは相当の期間でございまして、これを銀行に持ってまいりまして割り引きますと、その割引率が非常に高いということで、高い金利を払うわ、しかも割引すると多額の手数料を取られるということで、ほとんど資金を借りて操業している下請企業、中小企業の立場から見ますと、利益がほとんど生まれてこないという現状でございまして、それじゃ皆さんどうやって従業員を雇って仕事をしているのか、こう聞きますと、彼らは、私どもだってやはり家族を食べさせ、従業員を生活させなければいかぬ、毎月毎月何とか帳じりを合わせなければいかぬので、結局長時間働いて、そしてわずかな利益を蓄積して、それで帳じりを合わせておるんです、こういう話でございます。
 ことしの夏、国会から派遣されまして、エネルギー調査団の一員として西欧諸国に調査のために行ったわけですが、そのとき、かつて私自身ドイツに駐在いたしておりまして、関係者からいろんな話を聞いたわけですが、彼らの説明によりますと、もう日本にはかなわぬ、日本の商品は安過ぎて、品質がよくて、とうてい抵抗できないのだ、したがって日本からはこれ以上もう商品を出してほしくない、理屈抜きなんだ、もしヨーロッパに商品を輸出するのであれば、量を少なくしてしかも高く売ってくれぬか、そうすればわれわれは日本と協調していけるのだ、こういう話でございました。そして結局彼らは、なぜ日本人はそんなにめちゃくちゃに働くのか、ヨーロッパではより以上に休暇期間を長くしようとするのにかかわらず、日本人はますます汗水たらして働くということは理解できない、こういう状況でございまして、ヨーロッパのああいう立場も私どもの立場から、わからぬこともありませんし、ではこれに対して、どう調整したらいいかということになりますと、私どもとしては、具体的に名案は浮かんでこない。せいぜい日本側で自主規制をするという、その程度でございまして、実は私自身も何らの答えを得ないまま帰国いたしたわけでございますが、実際に帰国いたしまして、ヨーロッパはこういう状況ですよ、君らどうしているのだと聞きますと、いま申しましたとおり、金利は高い、割引率は非常に高い、結局ダブルパンチで利益はない、時間を八時間どころじゃなくて、夜遅くまで働かなければ、われわれは生活できないのだ、こういう状況でございます。
 御承知のとおり、これから日本が低成長の状況において安定するということになりますと、こういう中小企業、下請企業、日本の産業を支えるこういう企業の基本的な安定ということを経済政策の問題として、特に政治の面から取り上げなければならない、このように痛感いたしている次第でございます。
 特に、申すまでもないことでございますが、中小、下請企業というのは経済的には弱い立場にありますが、しかし日本の自由主義国家としての根幹をなす自由企業、個人企業、一番大切な社会の根幹でございまして、これらの操業が常に安定しており、しかも自主的に運営される、こういう体制を確保しなきゃならないということは、わが自由民主党の政策の方向として基本的に大切なことだ、こういうように私自身は認識をいたしている次第でございます。
 そういう立場から考えてみますと、先ほど申しましたように、ただいま非常に高金利の状況でございまして、もちろん政府あるいは日銀金融当局のとる公定歩合政策については、物価の問題等、諸要因があろうかと思いますが、少なくともそういう中小、下請企業の立場から見ますと、いまの高金利政策というのは耐えられないという現状でございまして、いま申し上げましたような日本の自由経済を支える根幹の中小企業、下請対策、これに対して経済体制として彼らの立場を確立しなきゃならぬ、こういう観点から、ただいまの金利政策に対しまして私自身は少なくとも疑問を持っている次第でございます。物価も鎮静いたしておりますし、日本の経済政策の大元締めとして御活躍をしていらっしゃる経済企画庁長官から、ひとつ現在の金利の状況について、もちろん一度に下げるとかいうことはなかなかむずかしいことと思いますが、現有の情勢についての長官の御所見をまず第一に、下請の金利問題等をきょう質問させていただく前に基本的な認識といたしまして承りたいと存じます。
#4
○河本国務大臣 中小企業がわが国の産業で大きな役割りを果たしておる、この点については、全く私も認識が同じでございます。したがって、中小企業対策は国の政策としても一番大事な政策である、この点についても全く同意見でございます。
 しかるに、この中小企業が現在の高い金利水準のために大変困った状態になっておる、現在の金融情勢をどう考えるかということでございますが、私は現在の金利水準は日本の経済の足をいま大きく引っ張っておると思います。たとえば最近設備投資がふえておるとよく言われますが、つぶさにその統計を分析してみますと、ふえておりますのは自己資金を持っておる大企業が中心でありまして、中小企業とか個人企業、こういう中小零細企業の投資は、普通は全民間設備投資のおよそ六割ぐらいを占める非常に大きな役割りを果たしておりますが、この分野はむしろ減っておるという状態であります。なぜ減っておるかといいますと、景気の現状がややかげりが出ておるということもございますけれども、しかし、現在の金利水準の借り入れで設備投資をやったのではとてもやっていけない、そういうことで設備投資が大半は延期されておる、こういう状態でございます。
 したがいまして、現在の金利水準を私どもも何とかできるだけ早く下げたい、こう思っておりまして、先月五日の経済対策におきましても、金融政策は機動的に運営をするということを決めておりますが、機動的に運営をするという意味は、いまの金利水準は非常に高い、だからできるだけ早くこれを下げましょう、これが具体的な内容でございます。しかしながら、公定歩合を引き下げるにいたしましてもいろいろな客観情勢がございまして、日本銀行も総合的にそういう点をお考えになっておるのだと思いますが、幸いに国際収支も予想外にいい方向に進んでおりますし、八月に第一次公定歩合の引き下げをしましたけれども、当時心配されておりました円安の方向には行きませんで、逆に円高の方向にずっと行っておる、こういう動きでもございます。
 さらにまた、最近物価も安定の方向に行っております。卸売物価はおおむね完全に峠を越したと思いますし、それから消費者物価の方もだんだんと安定の方向に行っておりますので、現在の経済情勢を考えますと、日本銀行といたしましても総合的に金融政策についての判断をされる時期が近づいているのではないか、いろいろ工夫をしておられる段階ではないか、このように理解をいたしております。
 結論的に申し上げますと、現在の金利水準が中小企業のみならず経済全体の足を大きく引っ張っておるという認識については全く同意見でございます。
#5
○牧野委員 先ほど申しましたように、私のところへいろんな中小企業の皆さんが相談に来るのですが、いま申しましたように、競争力に打ちかつためにはどうしても設備投資をして生産性、競争力を高めなければならない。高くて借りられない。何かヘビの生殺しみたいな状況であって、自民党を応援して安定政権をつくったんだけれども、ここでしっかり自民党が適切な政策をとってくれなきゃ困るじゃないか、こういう声がちまたに非常に大きいわけでございますが、どうかそういう中小企業、下請企業の立場を十二分に御考慮いただきまして、ぜひとも金利引き下げの方向に御努力を賜りたいと思います。
 ただいま長官からのお話で、全設備投資のうちで中小企業分野においては六〇%を占めると言われておりますが、ひとつ中小企業庁にお伺いしたいのですが、現在の市中金融機関の貸し出し金利がどれくらいになっておるか、昨年と比べてどれくらい高いか、また手形の割引率、これがどの程度になっているか、昨年と比較してどの程度高いか、また政府の金融機関であります商工中金、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫の設備投資に対する融資状況が計画どおり進んでいるかどうか、これらについての現状について御説明をお願いいたしたいと思います。
#6
○米山説明員 お答え申し上げます。
 最近の民間の市中金融機関の中小企業向け金融の金利の現状でございますが、これは日銀の統計によるのでございますが、たとえば相互銀行の貸し出しの平均約定金利、これを見てまいりますと、昨年の半ば以来ずっと上昇を続けてまいっております。本年八月ではこれが八・九八七%という水準になっております。信用金庫は若干高いかと思います。
 それから、手形の割引率の推移でございますが、これもほぼ同様の傾向でございまして、これが本年七月では、たとえば相互銀行の場合には九・四〇五%、それから信用金庫の場合には九・四八〇%、いずれも上昇を続けてきてまいっております。ただし八月には先生御案内のような公定歩合の引き下げがございました。この関係で、たとえば相互銀行の手形割引率を見ますと九・二五六、やや若干低下傾向を示してきておるという現状になっております。
 それから、御質問の第二の政府系機関への設備投資需要、計画また資金需要はどうなっておるかという点だったかと思いますが、まさに先生御指摘のように、主としまして設備投資となりますと中小企業金融公庫が一番大きなウエートを持って需要におこたえしておるのでございますが、この申し込み状況を見てまいりますと、ことしの、昭和五十五年四−六月、これが前年比で八一・五%、かなり低い水準にとどまっております。その後若干増加を見ておりまして、七−九月の実績見込みでこれが前年比約九〇%という状況になってきております。それから国民金融公庫の方でございますが、こちらは設備投資だけではなくて、むしろ日常の運転資金の需要も多いということもございまして若干状況は変わっておりまして、たとえば本年の四−六月で見てまいりますと、申し込み状況で申しまして前年比で一一二・四%、若干の増になっております。それから七−九月の実績見込みでございますが、これが前年比の一〇六・八と、やや落ち込みというふうになっております。ただ最近の状況を見てまいりますと、やや若干設備投資等の盛り上がりもあるようでございまして、最近、この九月末から十月初めにかけましてやや若干増加傾向がある。
 それから今後でございますが、やはり年末には金融の繁忙期を迎えますものですから、その時期ではかなり伸びるんじゃなかろうか、こういうような見通しを持っております。
#7
○牧野委員 いまお伺いしました現状で大体の実情は了解さしていただきました。
 次に、最初申し上げましたように下請関係についてお伺いいたしたいと思います。下請関係につきましては、下請代金支払遅延等防止法で通商産業省あるいは公正取引委員会でいろいろ調査をなさり、また適正に実行されるようにいろんな調査、勧告等が行われておりますが、現在下請代金支払いの現金比率、また支払い手形の期間、これについての現状をぜひお伺いいたしたいと思います。
 実は商取引でございますから、関係企業間ではいわゆる代金決済ということで、下請の実態については御承知のとおり労賃が中心になりますが、あるいは賃加工というような業態も多いわけですが、私の関心は労働賃金に相当する部分が下請に対して主として現金で支払われているかどうか、その比率がどうなっているか。あるいは手形につきまして九十日ないし百二十日ということで行政指導をしておられるように聞いておりますが、その辺の状況がどうなっているか、ひとつお伺いをいたしたいと思います。
#8
○劒持政府委員 ただいま先生から何点かお尋ねいただきましたけれども、現在下請代金の支払い状況がどうなっているかということでございますが、まず支払いにつきましては、最終の期日といいますか納入締め切りから二十四日ぐらいで平均して代金が支払われておるということになっております。それからそれの現金比率ということでございますが、その現金比率は大体五〇%が現金で支払われているということが言えるかと思います。
 それから手形につきまして、繊維関係は九十日、それからそれ以外百二十日ということでございますが、その手形がどういうような手形が出されているかということにつきましては、実は実態を数字でつかんではおりません。しかしながら、最初に申しましたように支払い自体が法律で六十日以内というふうに定められておりますけれども、それをオーバーしている例はほとんどないという点からいきまして、手形につきましても大体割引可能な手形ということで支払われているというふうに考えられます。
#9
○牧野委員 建設省の方にお伺いしたいんですが、土木、建築業関係についてはどういう状況になっておりますか。
#10
○北村説明員 それではお答え申し上げます。
 まず現金比率の点でございますけれども、五十四年の二月に実施いたしました「建設業構造基本調査」でございます。これは三年に一度の調査でございます。これによりますと、下請代金の現金比率、七割以上現金で支払っているものが四九・八%、五割から七割未満一七・〇%、三割から五割未満一九・一%、一割から三割未満一〇・三%、一割未満が三・八%ということになっております。
 それから、手形期間の関係でございます。これも同じ五十四年二月の構造基本調査の結果でございますが、九十日未満のものが一七・六%、九十日から百二十日未満のものが三七・一%、つまり百二十日未満のものが五四・七%、このような結果になっております。
#11
○牧野委員 ただいま政府側から答弁がございましたが、少なくとも私が聞いている範囲内においては、必ずしもただいま御説明のように現金比率が四割ないし五割あるいは手形が規制のとおり九十日ないし百二十日というようには聞いていない次第でございます。そういう実態からきょう実は質問をさしていただいた次第でございます。
 私のところは福井県でございまして、実は繊維関係が非常に多うございます。長年取引をしている大手企業との関係では大体いま御報告のような状況になっておりますが、それらを除きましては、たとえば繊維包装、これは繊維のパッキングでございますが、染料会社で染色をしてそれを包装する。ほとんど全部が人件費でございます。特別設備が要るわけではございません。ほとんど人手によるわけですが、実際は百二十日以上の手形、こういうことで現在非常に苦しい状態になっております。私のところに、何とか商工中金等から金利の安い政策金融をという依頼を受けますが、そういう方法もありませんし、実は何とかがんばってくれというようにしか返事をしていないような状況にございまして、さらに調査を詳細にやっていただいて、問題のある業界が困らないように全力投球していただきたい、このようにお願いをする次第でございます。現実に市中金融機関へ行って金を借りれば、先ほどのとおり金利は払う、片方で手形を持っていけば割引率は高い、特に相互銀行、信用金庫等の関係では、借金をしますと毎月毎月一定の金額を積み立てるわけですが、これは返済資金になるのではなくて返済の期限満了まで積み立てておきまして、それが満期になって相殺するということで、安い金利で貯金を強制させられ、そして高い金利で払っていく。要するにダブル、トリプルの状況でございまして、これは歩積み両建てという従前からのいろいろな問題があるわけでございますが、いずれにしましても現状はそういう状況にあるわけでございまして、何とか労賃については少なくとも一カ月以内に現金または小切手で支払われるような体制をぜひ強化していただきたい、このように考えている次第でございます。
 これは私がドイツ時代に経験いたしたことでございますが、ドイツにありますBDI、西独の産業連盟というところですが、ここでは企業の社会的責任ということで、長い手形を出す企業は経営者として失格だ、こういう不文律がございまして、少なくとも三カ月以上の手形は出さないというのが実は不文律になっている次第でございます。もしそういう長い手形を出せば、あああそこの会社はだめなんだな、あの経営者はだらくさいんだな、こういう評価を受けまして皆さんが警戒して取引をしない、こういうような不文律ができておりまして、私なかなかきちんとした社会であるなと感心いたしたわけでございます。日本におきましても、金融が引き締まってくると親企業の方は手形を延ばす、小さい方は自分の支払いは期限が短くなって受け取りの方が長くなる、こういう形で実は調整が行われている、小さいところにしわ寄せが行くというのが現状でございまして、そういう意味におきましては、当初私の考え方を申し上げましたけれども、これからの低成長時代に入ってその中において景気変動は必ずあるわけですから、何とか親企業、大きい企業の社会的責任というのをもう少し経済体制として整理されないと、これは所管でないかもわかりませんが、長官の御意見をお伺いいたしたいわけでございますが、労賃部分については必ず下請に対しては現金支払いを一〇〇%行う、こういう姿勢というものがこれからの日本の経済体制の中で必要なんではないだろうか。小さいところは弱いですから、仕事が欲しいがゆえにやはり手形でやむを得ません、こうなるわけでございまして、そういう意味におきましては、ドイツの産業連盟の内部において経営者の社会的な責任と申しますか、そういう観点から手形期間を延ばさない、あるいは下請の労賃については原則としてキャッシュで払う、こういう下請企業も安心して下請として働くことができるようなきちっとした社会構造と申しますか経済構造を、何とか政府の姿勢と申しますか、そういう形でできないものであろうか。これは私の願いでもあるわけでございますが、こういう産業構造、これから低成長時代に向かってどういうような体制であるべきか、これについての御所感をひとつ長官からお伺いいたしたい、このように考える次第でございます。
#12
○河本国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたが、日本で中小企業あるいは下請企業というものは非常に大きな役割りを果たしておるわけでございますが、私は中小企業政策というものがうまくいかなければ日本の繁栄はない、こう理解をしております。そういう意味におきまして、親企業が系列企業にしわ寄せをする、そして親企業だけが利益を上げる、こういう考え方はどうしても改める必要があろうかと思うのです。系列企業とともに繁栄をしていく、そういう考え方に立たなければならぬと思います。そういう意味におきまして、やはり中小企業の立場に立って、系列企業の立場に立っていろいろな支払い条件等も考えていかなければならぬ。親企業が特別に困った状態にあれば、それは話し合いで解決しなければならぬ問題だと思いますが、そうでない場合でも、いたずらにしわ寄せをするというようなことは極力避けていかなければならぬ、こういう考え方でございます。
#13
○牧野委員 次に、官公需対策につきまして、二、三の質問をさしていただきたいと思います。
 現在、官公需につきましては、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律というのが制定されておりまして、極力中小企業分野に官公需が行くようにという配慮がなされております。特に、第四条におきましては、閣議決定をいたしまして受注の増大を図るための方針を作成いたしております。毎年この方針は決定いたしておると思いますが、特に最近中小企業の分野の増大について政府としてはどういう措置をとっておるか、質問をいたしたいと思います。
#14
○中澤政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、官公需に対します中小企業の受注機会の増大は非常に大切でございますので、例年、閣議におきまして契約実績をフォローいたしまして、また毎年度の契約目標を設定しております。五十四年度は三五・三%の実績でございましたけれども、五十五年度につきましては、三六・五%というぐあいに一ポイント以上目標を実績に対しまして引き上げまして、まず中小企業者に向かいます官公需の量を確保することを第一に決めております。また同時に、官公需の中小企業に対します各執行機関におきます実施方法につきまして改善を行うべく、これも同じく毎年閣議決定で決めておるわけでございますけれども、本年度につきましても、種々の点でその改善を決めておるという状況でございます。
#15
○牧野委員 官公需のうち一番大きなのは、土木、建築に関する公共事業が一番多いわけでございますが、聞くところによりますと、第一次契約者との間に契約ができた場合には、前渡金と申しますか、先払い、前払い金と申しますか、四〇%ないし五〇%の金額が支払われているというように聞いておりますが、その実態はいかがでございましょう、建設省。
#16
○青木説明員 建設省直轄工事の発注におきましては、工事請負契約書というものを締結いたしまして、その規定によりまして工事請負代金額の十分の四を限度といたしまして、前金払いをいたしておるところでございます。
 なお、このほか選択条項といたしまして、中間前払い金部分払いの制度がございまして、中間前払い金を選択されました場合には、若干条件がございますけれども、おおむね工程が半分以上進みました段階で、先ほどの十分の四の前払い金に十分の二をプラスし、合計して十分の六まで前払い金としてお支払いするということにいたしております。
#17
○牧野委員 そのように政府側あるいは地方公共団体側からは契約と同時にその前払い金を支払っているわけですが、実は聞いておりますと、第一次契約者はその時点でお金をもらう、ところが、必ず下請があるわけでございまして、下請にはお金が行っていない。大体手形で支払われるわけであって、その前渡金は第一次契約者の資金繰りに使われているというように私ども聞いているわけでございますが、下請に対する支払い条件はどういうようになっていますか。
#18
○北村説明員 公共事業で前払い金が行われました場合には、その材料費、労務費等を下請等が分担しています場合に、必要な分については前払いをせよということで指導は行っておるわけでございます。
 先ほど申し上げました五十四年二月の「建設業構造基本調査」によりますと、元請から下請に対して、支払い方法といたしまして前払い金及び部分払い金によって対応する、これは出来形でございます。この両者によって対応しているものが二六%、それから前払いと完成払い、これは二度払いでございますが、これが七・六%ということで、下請に対して前払いを払っている企業は三三・六%、約三分の一という現状にあるわけでございます。
 私どもといたしましては、契約に当たりまして、下請業者が労務の提供だけを行うような下請の場合、これは実は日給月払いでございますので、当面の資金需要はございません。このような場合を除くほかは、できるだけ下請に対して必要な前払いをするようにという指導を行っておりまして、九月五日の閣議決定を受けました景気対策等の一環といたしましても、起業者団体及び発注者側の諸官庁、地方公共団体、市町村に至るまで、一応発注者側の御協力を得まして、その下請に対する前払いの普及について、指導もしておるところでございます。
#19
○牧野委員 実は御承知のとおり、中小建設業というのは各地区非常に多うございまして、実態は、大手受注者の言い分はほとんど一〇〇%聞かなければならないような状況にあるように聞いているわけでございます。特に、聞きますと、契約金額の一割くらいは保証金という形で、三カ月間くらいは元請企業の中にストックされる。したがって、自分で利益を計上しようと思っても、全然お金が入ってこない。しかも手形である。こういう状況にあるわけで、私自身も下請企業からいろんな苦情を聞いているわけでございます。
 これは、先ほど一般論としてお伺いいたしましたけれども、それと同じ考え方に基づけば、政府あるいは公団公社等政府機関、地方自治体、これは国が発注するわけでございまして、前渡金が払われる、あるいは完成と同時に、手形でなくて現金で、政府等は支払いをするわけでございますから、下請等に対しましては、それと同じ条件で関係下請業者に支払いがなされるべきものと私は考えるわけでございます。
 また、不況のときに常に公共事業を増加して、何とか不況を打開しよう、こういうことでございまして、そういう観点から言えば、なおかつ末端まで、手形ではなくて、政府が支払った諸条件に基づいて支払うべきことは当然ではなかろうか、こういうように考えるわけでございます。ただいまの答弁では指導をしているというお答えでございまして、指導をしておるからうまくいくというものではございません。したがって、公共事業等に関しましては、そういう条件をはっきり第一次契約者が下請に部分工事等任せる場合には、それについても親企業が受けると同じ支払い条件を義務づけることは可能であるかどうか、ひとつ御見解をお伺いいたしたいと思います。
#20
○北村説明員 元請と下請との契約条件につきましては、現在標準下請約款というものを中央建設業審議会において作成いたしまして、その普及を図っているところでございます。しかし、この元請下請関係というのは、下請関係が非常に複雑でございまして、二次下請、三次下請、また下請の形態によりましても、実は親企業の一部同然の下請から、完全な独立企業の下請まで種々あるわけでございまして、一律にこれを律することは不可能でございますので、いま現在の下請約款におきましても、非常に弾力的な規定の形態となっているわけでございます。したがいまして今後、先生のおっしゃいましたように、二次以降の下請も含めまして、前払いに関する下請に対する契約状況につきましては、やはり中央建設業審議会の審議の場において御検討願う課題の一つかと思っておりまして、そのためにも、各界のいろいろな実態の把握を兼ねまして、御意見を拝聴することが必要かというふうに考えておりますので、このような方向の努力はいたしたいと考えております。
#21
○牧野委員 元請・下請関係合理化指導要綱、また、建設工事標準下請契約約款、この内容は、私自身はよく承知をいたしております。
 指導要綱によりますと、「下請代金の支払は、できる限り現金払とすること。現金払と手形払を併用する場合であっても、少なくとも労務費相当分については、現金払とすること。」「手形期間は、できる限り短い期間とすること。」と書いてあることを承知いたしております。しかし、建設工事標準下請契約約款全体を見ますと、下請関係者からの主張というのは、第三十四条に、「部分払金等の不払に対する乙の工事中止」ということがあるだけでございまして、それ以外はほとんど親元から下請に対する注文のあり方、これが性格的に中心になっていく、こういうように私自身には、性格的にこの約款の内容が解釈されるわけでございまして、ただいま申し上げましたような観点から、ぜひとも、少なくとも公共事業については、下請に対しては、片方は頭金五〇%近くもらうのだから、その分はストレートにちゃんといくように、これはぜひ徹底をしていただきたいと思います。いまの御答弁は、中央建設業審議会にかけてということでございますが、事務当局から積極的に案を出していただいて、下請の立場を擁護するということを積極的に提案をしていただいて、審議会で前向きの結論をぜひいただきたい、このように強くお願いをいたす次第でございます。何回も繰り返して恐縮でございますが、日本経済の中核がいわゆる中小、下請企業でございまして、これからの低成長時代に備えまして、どうしてもこの立場が十二分に強固にならなければ日本経済の健全な発展はあり得ない、こういう認識にぜひ基づいていただいて、先ほどお願いいたしましたような積極的な下請対策というものを推進していただきたいと強くお願いをいたしまして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。
#22
○井上委員長 金子みつ君。
#23
○金子(み)委員 私は、本日は紙上販売、俗に言う通信販売ですが、その問題と、それから石油の問題、そして最後に物価問題を、総括的なものを少しお尋ねしたいと思います。
 紙上販売の利用者というのは最近非常にふえてきておるようでございますし、さらに今後もその傾向が続くのではないかと思うのですが、公正取引委員会では主婦連合会に対して、五十四年度の紙上販売における価格等の表示に関する実態調査というのを調査委託をなさっていらっしゃいますね。これは五十四年度に限ってなさったのか、あるいは定期的になさっていらっしゃるものなのかということをまず最初に承りたいのですが。
#24
○劒持政府委員 紙上販売における価格等の表示に関する実態調査ということで主婦連合会に委託いたしましたのは、五十四年度に委託するということだけでございます。
#25
○金子(み)委員 そうですか、わかりました。
 それでは、その五十四年度の委託された調査を主婦連合会はなさったわけでして、今年になってから、五十五年の三月、その報告書がまとまりまして、多分公取委員会の方には提出されているのだろうと想像いたしますけれども、長官はまだごらんになっていらっしゃらないかもしれません。かどうかよくわかりませんけれども、きょう申し上げたいと思っていますのは、この調査を主婦連がやったわけですが、対象は、首都圏における主婦五百八十六人が対象になっています。回収率が五百四十五名で九三%、大変によい回収率だと思って、私は感心して、その報告を聞いたわけですけれども、主婦に対する意識調査だったのですが、その結果、通信販売を利用した人というのは四四%あったという報告が出ております。
 ところで、四四%あったのですが、もう一つの調べ方としては、この四四%の利用した人たちのうちの三七%が不満を持っているというのです。大変不満だという意見が出ていた、こういうわけでございます。
 そこで、どんな不満があったのかということについて、主婦連の報告は細々と報告をいたしております。時間の関係もございますので、一つ一つを細々と申し上げることはできないと思いますけれども、問題ではないかなと思われますことを数点取り上げて、私からもお尋ねをしながら御意見がいただきたいというふうに思っているわけでございます。
 まず、どんな問題があるかということでございますが、その一つは、販売価格の表示の問題で、販売価格の表示が非常に多種多様であるということです。たとえば希望小売価格あるいは提供価格、特価、現金価格、平常価格など、大変に多種多様の価格表示が使用されていて、内容は必ずしも明らかではありませんので、消費者としては大変に間違えやすいと申しますか、誤って理解すると申しますか、そういうことが非常に多くて問題だということが言われております。それと、その表示価格、その価格の表示の仕方と関連いたしますけれども、同時に、二重価格の表示を行っているものが非常に多いということなんですね。二重価格表示のもの、たとえばどの程度に二重価格をしているかということでございますけれども、大変はなはだしいと思いますのは、敷物、けだものの皮の敷物ですね、牛の皮だとかトラの皮だとかいろいろございますでしょう。ああいう皮の敷物ですが、これは希望小売価格五万五千円とつけて、そして同時に、実売価格一万七千円と両方書いてあるわけですね。七〇%も差がある。これは最もひどいと思います。そのほか、たとえばロッカー、タンスのようなものは、七万六千円が三万六千五百円、これは五二%ぐらいの違いでございます。あるいは、プルーンエキスというのは、果物のプルーンですね、プルーンをエキスにしたもので、これは不老長寿とかなんとか言っているようですけれども、このプルーンエキスなんというようなものは四七・九%、ロイアルゼリーが四九・二%というふうに、ひどいものは七〇%から、あるいは五〇%、四〇%というような二重価格が示されているわけでございます。
 その二重価格の問題の例を一つ申し上げてみたいと思うのですけれども、いま申し上げましたが、美容健康食品という分類でロイヤルゼリーが挙がってきています。このロイヤルゼリーというのが希望小売価格と特価の開きが大き過ぎるんじゃないかということを私も思います。希望小売価格が一万九千五百円、特価は九千九百円、したがって、差は九千六百円で四九・二%、こういうふうになっております。そしてまた同時に、これは読売新聞で同じ製品の広告が出ておりますが、その読売新聞の同じ製品の広告では、希望小売価格二万四千円、特価一万一千九百円、違うのですね。こういうふうに表示価格がまちまちで大変に問題じゃないかというふうなことを、この価格の点でまず申し上げることができると思うのです。
 そこで、実際に売る価格ですね。実売価格というのでしょうか、いろいろな価格があり過ぎますので、こういった価格の用語を統一することができないものかということなんです。それはいかがでしょう。
#26
○劒持政府委員 通信販売につきまして、価格表示は訪問販売等に関する法律でも価格表示しなければいけないことにはなっているのでございますが、何という名称で価格表示をするかということにつきましては、法律の規制がないようでございますし、景表法におきましても有利に誤認される、取引条件が有利であると誤認されるというところで表示を規制しておりますので、名前の統一を図るというところまでは景表法で実施するというのはやや困難ではないかというふうに考えております。
#27
○金子(み)委員 そうすると、名前の統一が図れないということになれば、これからもいままでと同じようにさまざまな名前の表示があるということになるわけですね。それでも構わぬということですか。
#28
○劒持政府委員 価格表示の問題というよりも、中身が実際のものに比べて著しく有利であるというような価格の表示ということを行った場合に、景表法上は問題になるということでございまして、その名称を問題にするということは無理ではないかというふうに申し上げたわけでございます。
#29
○金子(み)委員 二重価格の問題はどうでしょう。
#30
○劒持政府委員 二重価格の問題は、これは確かに問題がございます。ただ、全般的に二重価格が絶対いかぬということがいいかどうかという問題につきましては、実は二重価格が適正なものである場合には、一般消費者にとりましても商品選択の場合の一つの目安にもなるということも考えられます。したがいまして、二重価格表示を一般的に禁止することはいかがかと思いますが、ただ野放しの二重価格というのは、これはまた問題がございますので、実は公正取引委員会の方で運用基準というのを定めております。
 具体的に申しますと、不当な価格表示に関する景表法第四条第二号の運用基準ということで、二重価格をこういう二重価格ならよろしいという基準を示してあるわけでございますが、それは三つございまして、市価を比較対象とする、一般の市価に比べてどれだけ安いか、市価の定義もいろいろございますけれども、市価との対比。それから、販売業者がする表示につきましては製造業者がつけました希望小売価格というのがございますが、希望小売価格といったようなものとの対比。それからもう一つは、販売業者が自店の旧価格と申しますか、いままで自分が売っていた価格と比べてどれだけ安いかという比較でございますが、その三つにつきましては基準を設けまして、二重価格の表示が行い得るといいますか、これは景表法上問題ないというようなことで通達を出しているわけでございます。
#31
○金子(み)委員 わかりました。それがちゃんと守られているかどうかということはまた別の問題になると思うのです。
 いま一つの問題は、次には契約内容が守られてないという問題がございます。契約内容が守られてないというのは、広告の内容と実際とが違うという意味なんですけれども、たとえば、ここに衣類の例が挙がっておりますが、スポーツウエア、新聞で広告を見たからすぐ注文したら広告の全商品は品切れだといって、在庫品がないからだめだ、こういうふうに言ってきたというのですね。ですから、これはどういうことなのかよくわからないのですが、在庫品だとか、あるいはどれだけを売りますとか、そういったことをきちっと示してあれば、ああもう売れたのかなとわかりますが、それも何もなくて、ただ品物が全部売れてしまったからありません、こういう言い方は非常に誤っているんではないかというふうに考えられる問題が一つあります。
 それからいま一つは、高級ドレスというふうに書いてありますけれども、かなり高いものかもしれませんが、それを七日間着てみようという広告なんですね。無料で七日間着てみようという広告がしてある。そして返品の場合は、そのまま七日以内に返してくださいというふうに書いてあるので、試着してみてサイズなど合わなかったり、あるいは気に入らないものであったならばすぐ返してくださいということなのかと思うのです。七日間無料で着てから返す、こういうふうに理解するわけですね。七日間無料試着というのですから七日間使ってよろしい、こういうことになるのだと思うのですけれども、ところが返品の条件が七日以内ということになると、七日間は着られない、細かいことではありますけれども、そういうところが非常に不親切であるし不誠実じゃないか。実際には早く返さなければならないのだから、七日間なんというのは表示としては不当じゃないか、こういうような報告書があるわけですね。こういう問題はどういうふうにお考えになりますか。
#32
○劒持政府委員 ただいまの全商品が品切れだといった場合でございますが、実は現在、景表法では不当表示といたしまして三つございます。一つは、実際のものに比べて著しく優良であるというふうに一般消費者に誤認させる。それからもう一つは、実際の物に比べて著しく有利であるというふうに誤認させる。この二つが基本的なものでございまして、そのほかに、実は一般消費者に商品、役務の取引について誤認されるおそれのある表示、それにつきましては公正取引委員会の指定するものという三種類がございます。
 現在、いま先生が御指摘になりました点につきましては、どうも優良誤認、有利誤認というのには直接当たらないのではないかというふうに考えられます。したがいましてそういたしますと、四条三号とわれわれ言っておりますけれども、その公正取引委員会の指定する表示に当たるかどうかということであろうかと思いますが、それも実は現在のところジュースの問題、原産国表示の問題、最近不動産のおとり広告の問題、それから商社金融の金利表示の問題、この四つにつきまして公正取引委員会の告示が出ておりますが、それ以外につきましては出ておりません。
 後に先生おっしゃいました、ドレスを七日間着てみよう、それで七日間以内であれば解約可能というのは、いわゆるクーリングオフの問題と絡むことかと思いますが、表示の問題といたしましては、こういった問題につきましては現在景表法上規制するという対象にはなっていないように思われます。
 なお、もう少し具体的に具体例をお示しいただきますと、一号、二号、つまり優良誤認、有利誤認ということに入るかという点があるかと思いますが、それ以外でございますと現在のところではそれを直接対象にしているような規定にはなっておらないというふうに考えております。
#33
○金子(み)委員 いまの分はさらに調べてみるようにいたします。
 その次に問題点として挙げられてきています大きなものは、景品つき販売というのがありますね。景品とか賞品とかというわけですけれども、これを無料だと言って広告しながら、実際には無料でないということで大変に不満があっているようでございます。
 たとえば、一つの例で申しますと、ミニカラー万年筆というのを売っているようなんですが、これは注文書に注文の仕方が書いてあって、このはがきの下のあぶり出し抽せん券、そこを火であぶってください、字が出たときは当たりです、当たった場合にはどこどこへ送ってきてくださいというふうに書いてある。品物が着いた日から七日以内にお金と料金を送ってください、当たった賞品は責任を持って差し上げます、こういうふうに書いてあるわけです。
 そこで万年筆が届いてきて明細書が入っていて、万年筆の代金は二千四百円、手数料、送料等等で計二千七百円。それから当たりは何が当たったかというと、カメラが当たったのですね。一等カメラ無料贈呈品と書いてある。ところが、それも無料贈呈品なんですが、送料とケースの費用を送りなさい、フィルムのお金も送りなさい、したがってあなたの送ってくるお金は合計五千円になります、こういうふうに言ってきたというのですね。景品とか賞品とかいうのは、普通、無償なんですね。無料のものなんですが、無料で差し上げますと書いてあって、しかもその無料品を送るための送料だとかあるいはその付属品のものまで支払わせるというのは大変に不当ではないか、不当表示に当たるのではないかという問題がありますが、こういうようなのはいかがでしょうか。
#34
○劒持政府委員 景品の問題でございますが、実は景表法では景品自体も規制しております。取引額との一定の比率以上の景品は不当な景品ということになるわけでございまして、まずその問題といたしましては、その景品が不当な景品に当たる、つまり限度を超えた景品であるかどうかというのは、景表法上は一つの問題になろうかと思います。
 それから表示の問題といたしましては、これは先生御指摘になった点だと思いますけれども、景品の場合でございましても、実際のものとその景品とを比べてみた場合に非常に粗悪品であったというような場合でありますと、優良誤認という問題になるかもしれませんし、景品でございますから当然ただだと思っておりますと、そこが実は経費がかかるというような点につきましては、場合によりましては有利誤認といいますか、そういうことに該当することも考えられないことはありません。したがいまして、具体的にその契約の中身といいますか、そういうようなものがどういうことであるかということがわかれば、優良誤認、有利誤認という景表法の規定に従いまして措置をとり得るというふうに考えられます。
#35
○金子(み)委員 もう一つ、二つ問題を挙げてみます。
 いま一つは、電子血圧計なのですね。これは医療用具になるわけですね。電子血圧計が通信販売されておるわけです。問題だと思いますことは、この血圧計を使って血圧を測定すると最高と最低とが数字でちかぢかと出るようになっているもののようですが、最低は、低いと出てこない。それから高い方も数字としては低い。このことは、ふだん主治医に血圧を図ってもらっている人が、主治医のところへせっせと行くのが大変だというので、これを買って自分ではかってみたところが大変低目に出てきていたので安心していたら倒れた、こういうような問題があるわけです。大変に問題で、その器械は本当に正確なものだったのだかどうだろうかということで問い合わせてみたというのですね。そうしたら、十ミリくらいの誤差は普通なんだ、だから余り問題はないというふうに言った、こういうふうに申しました。そこで厚生省に、これはいわゆる薬事法で言う医療用具ですから、十ミリくらいの誤差は本当に普通でいいのかということを聞きましたら、そうではなくて、これは四ミリまでの誤差しか認めていないということでございました。これは大変に問題だと思います。非常に危険だと思うわけですね。素人が使うわけです。もともと素人が血圧計を使うこと自体が危険ではあるのですけれども、最近は非常に安易に使っておりますね。しかし、その場合に、本当に信用のできるものでないと販売はむずかしい。私はどうしてこういう間違ったことが起こるのかということを厚生省にも聞いてみたのです。血圧計の検査をしないのかと聞きました、医療用具ですから当然検査があるわけですから。検査はしていると言うのですね。その検査は、メーカーでつくったときに検査をする、こういう仕組みになっているようです。ところがそれが全品について検査していない。抜き取り検査なのです。ですから非常に危険だと思います。こういうことを許していいのかという問題なんですが、通信販売もいろいろの種類があると思いますけれども、これは大変に危険だと思うのです。それから聴診器をつけた中山式血圧計も売っておりますね。これは聴診器を使ったことのない人が聴診器を使って血圧の示点を発見するなんていうことはとてもむずかしいことですから、これも非常に危険だと思います。それで手っ取り早い電子血圧計の方を使うのだと思うのですけれども、これは大変危険だと思うのですが、こういうようなものを紙上販売で許可するということについていかがですか。
#36
○劒持政府委員 紙上販売の問題といたしましてはいろいろ問題がございますけれども、たとえば一つは、メーカーと販売業者が全然違っていて、しかも販売業者が非常にたくさんの、いろいろ雑多な種類の商品を扱っている、しかもそれが新聞とか雑誌とか、そういったマスコミの手段といいますか、そういう媒体を通じまして消費者の目に触れるというような仕組みで紙上販売が行われているわけだろうと思います。したがいまして、そのそれぞれの段階でのチェックが必要だろうと思いますけれども、先生御指摘になりました医療器具等につきましては、やはり人間の健康等に非常に関係のあるものでございますので、製造の段階からもチェックといいますか、そういったようなものが十分行われることが必要であろうかと思いますが、それぞれの段階でのチェックを十分にしていかなければならないものだと考えております。
#37
○金子(み)委員 それぞれの段階で十分チェックをというのは具体的にどういう意味ですか。
#38
○劒持政府委員 メーカー、たとえばいまの血圧計のあれですと、メーカーでございますと厚生省の承認といいますか、医療器具のメーカーとしてのチェックがございます。それからそれを販売する人、販売業者として見ましたら、そういう人の健康に関係あるものでございますので、本当に効能どおりの性能があるのかどうかということを十分チェックしながら販売すべきじゃないか。それからさらに、それを新聞に掲載する場合にも、人の健康に関係するという点であれば、新聞の掲載についての一定の基準があるわけでございますけれども、そういったようなものでのチェックというのがあろうかと思います。最後に、その表示が景表法上の有利誤認ないしは優良誤認ということになりました場合には、これは私どもの方でチェックをいたしまして必要な措置をとる、こういうように考えております。
#39
○金子(み)委員 いまのお話はダブルチェックができるということですね。最終的には公取の方でもチェックをなさる、そういう意味ですか。
#40
○劒持政府委員 景表法に規定いたします優良誤認、有利誤認に該当するかどうかについてチェックをするということでございます。
#41
○金子(み)委員 もう一つあります。それは陸軍軍刀というのです。刀です。この刀は銃砲刀剣類所持等取締法という法律があるわけですね。ですから売る方も買う方もそれぞれ制約があるわけですね。だれにでも不特定多数に通信販売なんかで売るわけにはいかないというしろものだと思うのですね。そういう品物だと思うのですけれども、これはどういうわけで売られているのかというのは非常に疑問だと思うのです。その実物を私は見る時間がございませんで見ていないのですが、帝国陸軍の軍刀で手入れ用具もちゃんとついていて、そして軍旗で包んであったそうです。そして、美術骨とう品であれば話は違うということも考えられるのですが、美術骨とう品とするほどの価値のないものであったという報告を受けているのですけれども、こういうものを通信販売で不特定多数に売る。おもちゃは別でございますね。たとえばモデルガンみたいな、まことに本物みたいに、私どもが見たら本物かもしれないと思うように、その区別がわからないくらいに精巧にできているものもございます。しかし、精巧にできているだけに危険性もあるわけですね。そういうことで、ですからこれもおもちゃであれば別なんでしょうけれども、これは報告によりますと正真正銘の陸軍軍刀で、帝国陸軍とか何か書いてあったようですね。それで軍で使っていた刀であったということがわかったのですけれども、こういうものを扱うことについていかがでございますか。私は非常に問題だと思うのですけれども。
#42
○劒持政府委員 銃砲刀剣類の所持等につきまして別途の法律で規制があるわけでございますので、そこら辺との関係がございますので、これが全部景表法の問題として対処できるかどうかということにつきましては、どうも私どもといたしまして、ちょっとお答えしにくい問題であろうかというふうに思います。
#43
○内田説明員 いまの陸軍軍刀が――いわゆる登録を受けている刀というのは一般的には非常に少ないのだと思うのです。特別な理由があるのがあるかもしれませんけれども、一般的にはそういうものはないと思います。
 したがって、もし陸軍軍刀ということで通信販売されていることがあるとすれば、私ちょっとそういうことを聞いたことがないのでございますけれども、いわゆる模造刀というのですか、本当の刀ではなくて、それを模造したものではないか、こう思うのでございますが、もし本当に陸軍軍刀というものを通信販売しているといたしますれば、刀剣は文化庁の方の登録を受けることになる、県でいきますと教育委員会でございますけれども、そのものが登録を受けていないと、それは登録を受けていない刀を販売した、これを持てば、不法所持ということになりますし、そういう問題での処罰を受けるということになります。
 登録を受けた刀剣であるならば、この販売そのものは法的には規制はされていない、買った者が改めて所有者の変更ということで登録を教育委員会にすれば、そういう販売が可能だということにはなろうかと思います。
#44
○金子(み)委員 警察庁の方に伺いますが、登録したものであれば通信販売でも構わないと。買う人も登録していなければならないわけでしょう。
#45
○内田説明員 刀剣につきましては、これは刀そのものがいわゆる文化財的な価値があるかどうかとか、そういう観点から文化庁の方から登録を受けている。したがって、所持者は、その刀をだれが持つということを法的に規制されてはおらないのでございます。ただ、持った場合は登録簿に所有者の名前を書く、譲渡した場合はその譲渡を受けたということで、改めて登録するということになっておるだけでございます。
#46
○金子(み)委員 この法律の二十一条の二に許可証を提示した場合でなければ銃砲または刀剣類を譲り渡してはならないというのがございますね。そうすると、許可証を提示しなきゃならないのですね、法律で言われているのは。通信販売では許可証を提示できるのですか。
#47
○内田説明員 許可証を提示するというのは、刀の場合も許可を受けた刀剣、それから登録の刀剣とがございます。一般的には、刀剣の場合は圧倒的多数が登録刀剣でございまして、許可を受ける刀剣というのは非常に限られた、いわゆる動物の屠殺用に使う刀だとか、それから特別に神社等で祭礼等に使う刀とか、そういうものを特別に許可を受けておるというのがごく例外的にあるわけでございまして、一般的な日本刀とかそういうものは全部登録刀剣ということで、これはもっぱら文化庁の登録で扱っているわけでございます。
#48
○金子(み)委員 いまの問題はもう少し調べてみることにいたします。ちょっと十分理解できませんでしたが、時間がありませんので、先にいきたいと思います。
 あと一項目だけですが、これは品物に関して、保証するとかあるいは完全保証とかあるいは保証つきとか、何年間保証するとか、いろいろ保証書をつけて売り出しているものが多いわけでございますけれども、通信販売で行っている場合には、保証書がついていない場合が非常に多いというのと、いま一つは保証書がついてきていても何も記入されていないというのですね、空白のまま、白紙のままの保証書がついてきている。
 もう一つの問題は説明書ですが、説明書が外国語で書かれていてわからない。これを訳してみたらば、説明内容じゃなくて全然違うことがあったというようなことがあって、どうして日本語を使わないのだろうという単純な疑問があるわけですが、ここら辺が販売業者たちの、何というのでしょうか、売り方のテクニックなんだろうと思うのですけれども、非常に消費者を愚弄しているし、消費者に対しては親切でないというような問題があります。この保証書のつけ方の問題、何かございますか。
#49
○劒持政府委員 保証書をつけるかつけないか、または保証書に何を記載するかというような問題は、実は景表法以前の問題で、いわば商取引といいますか取引のやり方といいますか、中身の問題ではないかというふうに考えられます。
 そこで、保証書にもし非常に有利な条件が書いてあったりなんかいたしまして、または、書いてなくてそういうふうに誤認きせるようなことがあって、実際にその保証を請求したところがそのとおりにはやってくれないとか、そういうようなことになりました場合に、景表法の有利誤認の問題になるかならないかということではなかろうかと思います。ですから、保証書があるかないか、または保証書に何が書いてあるか書いてないかということ自体が直ちに景表法上の問題になるというのではないのじゃないかというふうに考えられます。
#50
○金子(み)委員 大分時間をとりましたので、この辺でこの問題は打ち切りたいと思いますけれども、最後に委員長にお尋ねしたいのですが、いま聞いていてくださいましたように、いろいろな問題がその報告書の中に包含されているわけです。私はほんの一部だけをいま取り上げたのですけれども、大変にたくさん詳しい報告書が出ております。そういうふうに大変にいろいろな問題があるということがこれでわかるわけですが、商品の広告あるいは内容の説明の仕方あるいは表示の仕方、価格の示し方、いろいろな問題があるわけですが、こういうものに関して、あるものは、先ほど御説明がありましたように一定の規格ができているものもあるようでございますし、基準のあるものもあるようですけれども、これらのものから外れているものもあるように思われますので、この際この報告書を中心にして検討していただいて一定の規定を設けるように考えていただいたらいいのじゃないかと思いますが、そのことについてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
#51
○橋口政府委員 通信販売の性格から申しまして、販売業者もそれから消費者も十分慎重でなければならないと思うわけでございまして、また通信販売の将来性ということも確かにあるわけでございますから、われわれとしても重要な関心を持っておるわけでございます。いまいろいろ御質問がありました諸点だけをとりましても、かなり詳細、広範にわたっておるわけでございますし、またわれわれの行政のサイドから申しましてもまだ未開拓の分野でございますし、それから通産御当局の所管法律としての訪販法というものもあるわけでございまして、この法律の第八条には、もろもろの事項について表示をすることが義務づけられておりますから、訪販法の運用で相当程度解決できる問題もあるのではないかというふうに考えるわけでございます。
 ただ、通信販売、紙上販売に関連しましての広告あるいは景品のあり方、これも当然景表法の対象になる問題でございますから、よく検討してみたいと思っております。必要があれば規制の措置もとってまいりたいと思いますし、不十分であれば、何がしかの規定も必要かというふうに考えておりますが、業界のあり方にも関連をいたすわけでございますけれども、業界の自主規制として公正取引規約をつくるというのも一つの考え方であると思います。規約をおつくりいただいてお互いに規制をしていく、無用な競争を避けるということも必要なことであろうと思います。ただ、業界の実態が規約をつくるような成熟度を持っているかどうか、あるいは規約をつくりましても、余りにも組織率が低いということでは、これは実効性に問題がある等々、あろうかと思いますが、われわれの希望としましては、規約で処理することができれば大変スムーズにいくのではないかと思っておるわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、規制の措置が必要であれば検討いたしたいと思いますし、それから何らかの規定が必要だという結論になれば、これまたさらに検討を深めていきたいというふうに考えておるところでございまして、いずれにいたしましても積極的な姿勢で取り組んでまいりたいと考えております。
#52
○金子(み)委員 どうぞ十分検討してくだすって、消費者の人たちが惑わされたり、不利になったりしないようにお願いしたいと思います。
 その次に、一つ二つ石油の問題でお尋ねしたいのです。
 これは、実はこういうことなんです。そんなに多くの問題じゃないのですが、御承知のように、いまイラン、イラクの戦争がまだ終わらないでおります。その関係で石油の輸出輸入の問題が非常に心配されているわけで、一般の家庭の主婦もその問題を話し合いしているぐらいみんなが心配しているということでございます。もちろん日本の場合は、いまはイランからは一つも入ってこないし、イラクから九%ぐらいですか、それからあとサウジアラビアあたりから三四、五%というふうな入り方をしていることも承知いたしておりますけれども、問題は、政府はいつも備蓄があるから心配はないんだと言っていらっしゃいますね。確かに備蓄はここ数年の間に非常にふえてきております。一九七三年では六十日分、七八年では九十一日分、八〇年、ことしの八月は百十日分、七千四百六十万キロリットルと報告されておりますから、非常にあるということ、これだけあるということはわかるのですけれども、備蓄は全部使い果たすわけにはもちろんいかないわけなんで、そのことを考えると、一体どこまで備蓄を取り崩していってもいいものなのか。もしこれから先原油が入ってこないということがあるとすれば、備蓄でつないでいくよりしようがないということになると思うのですが、その備蓄をどこまで取り崩せるかという問題が一つあると思うのです。それはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、説明していただきたい。
#53
○志賀(学)政府委員 先生からいまお話がございましたように、今後の原油の確保という点については、私どもも非常に心を引き締めて努力していかなければいけないと思っているわけでございます。
 そこで、いまお話がございましたように、日本の備蓄レベルは、八月末現在で民間備蓄が百四日、国家備蓄が七日分ということになっているわけでございます。イラクからの原油の輸入が大体三十九万バレル・パー・デー行われておりまして、平均しますと大体八・五%ぐらいということでございます。単純計算いたしますと、大体備蓄三十日分を取り崩すと一年間もつという計算になります。もちろんその間、たとえばサウジを初めといたします湾岸諸国、この辺にも増産の動きがございます。したがって、世界の原油需給というものを考えてみますと、他のOPEC諸国の増産の動きなどもございますので、イラン、イラクの原油輸出が大体三百八十万バレル・パー・デー前後行っていたのではないかと思うのですけれども、それがそのまま消えっ放しということはないだろうと思っているわけでございます。そういう面で、世界の原油需給というのは、その他の産油国の増産の動きも頭に入れていかなければならないと思います。したがって、三十九万バレル・パー・デーがすとんと落ちて、三十日分の備蓄を取り崩して一年間、こういう単純計算よりもう少し実際は長もちをするのではないかと思います。
 そこで、ランニングストックの問題でございますけれども、確かに全部備蓄を食いつぶすということはもちろんできないわけでございます。民間の場合に、企業によって若干の差はあると思いますけれども、大体四十五日から五十日ぐらいがランニングストックの必要量、企業からの実情聴取などからしまして、大体そういうふうに私ども判断しております。そうしますと、たとえば五十日と考えましても、百四日から五十日でございますから相当な幅があるわけでございます。
 そういうことで、私どもとしては、このイラン、イラクの紛争の一日も早い解決をもちろん望んでいるわけでございますけれども、紛争が解決した後もすぐに輸出が開始されるとは限りませんけれども、そういうことを考えましても、相当期間対応可能と思っております。
#54
○金子(み)委員 確かにおっしゃるように、イラン、イラクの戦争がいつ終わるかわかりませんけれども、たとえ終わっても、すぐには入らないかもしれないですね。ですから、そういうことまでも考えておかなければならないと思うのですが、備蓄を取り崩すことで相当期間持ちこたえられるというふうに私はいま理解したのですけれども、そういうふうな意味に聞こえたのですが、相当期間というのはどれぐらいのことを考えていらっしゃるのかがわからないのと、それからこの際、石油をイラン、東南アジア方面だけ、中近東からだけを考えないで、中国ですとか、あるいはソ連とか、そういう国からも輸入するということを考えることは要らないでしょうか。あるいはさらに先のことを考えて、石油にばかり偏っていないで、石炭ですとか、あるいはその他の問題をこの際考えておく必要はないのか。そのお見通しはいかがでしょうか。
#55
○志賀(学)政府委員 先生のおっしゃるとおりでございまして、石油を考える場合に中近東の重要性はやはり無視できないと思います。ただ、それはそうでございますけれども、やはり日本として、そういう中近東以外の、中国であるとか、あるいはメキシコであるとか、あるいはインドネシアであるとか、そういったいろいろな地域に原油の供給源を分散させていくことが必要だと思っております。そういうことで、まさに私どもといたしましても、中国あるいはメキシコあるいはインドネシアといったいろいろなところとの経済協力その他を深めて、原油の確保ということで努力をしてまいっているわけでございます。
 それからもう一つ、いずれにいたしましても石油に非常に多く依存したままの形で今後日本が続けていくのはいろいろな意味で不安定な面がございます。いろいろな面で制約が出てまいります。そういうことから、代替エネルギー開発のために新しい代替エネルギー開発機構というようなものもつくりまして、石油以外、石炭だとか、あるいはLNGであるとか、あるいは原子力発電、そういったものも踏まえながら、新しい代替エネルギーの確保あるいは技術開発に努めていこうということで現在努力をしているところでございます。
#56
○金子(み)委員 消費者の立場から言えば、石油に限らずエネルギーは必要なときに必要な分だけ手に入って、そして生活が安定すればいいということなわけでございますから、石油石油ということはないと思うのです。ですけれども、いまの日本の状況では石油にもっぱら依存しているという形になっているものですから、そういう不安が出てくるわけなんですね。ですから、いまお話しのように、長い将来の見通しとして、エネルギー対策として、何も石油だけに拘泥する必要はないという考え方をもっとはっきり打ち出していただいて、そして合理的な政策を進めていただきたいというふうに強く要望したいと思います。
 いま申し上げましたように、現在は石油に依存しているわけですので、どうしても石油のことを考えなければいけないものですから、そこでいま一つお尋ねしたいと思いますのは、これが灯油に関係するからなんですね。一般家庭としては灯油の問題は非常に重要な問題なんです。この灯油の問題で実は十八日の朝日新聞に出ていた通産省のモニター調査というのがあります。そのモニター調査の結果、数字を申し上げていると時間がかかりますのであれなんですけれども、端的に申し上げれば、量の心配はないが、高くなったぞ、こういうことなんです。前年同月比、昨年の分と比べますと、店頭価格の場合でも配達価格の場合でも全国的に平均して、十八リットル一かんで四百円ぐらい高くなっているという数字が出ています。大体三八、九%、四〇%ぐらい高くなっているわけなんです。はなはだしいところでは十八リットル千七百五十円、そんな高いところもあるわけですね。ここに報告が出ておりますのは、平均して店頭価格千四百五十八円、それから配達価格千四百九十九円、ですから大体千五百円前後ですね。千五百円前後が平均というふうに報告はされているわけなのですが、中には千七百円以上のところもある。大変に高い灯油が出てきているという問題なのです。
 それで、量は十分あるのになぜ灯油の値段が高くなったのかという大変に素朴な質問が消費者の間から出てくるわけですね。これに対する御説明がいただきたいのです。
 続けてもう一つ申し上げますのは、報告の中にこういう言い方があるのですね。消費量は少なくなった、これはエネルギー節約という政府の指導方針が行き届いた結果じゃないかというふうに考えられるというのですが、まあそれもあるかもしれませんが、省エネ対策で消費量が少なくなったというふうにも考えられるかもしれませんが、実は消費量が少なくなったのは、それだけじゃなくて、もっと大きな原因は、労働者たちの、国民の実質賃金が下がっているわけですね。実質賃金がどんどん下がってきているものですから、買いたくても買えない。精いっぱいやりくりして、そして灯油を手に入れるためにずいぶんやりくりをするのだけれども、ここまでしか買えないということで、いままでよりは三五%も減少しているというのですね。そういうようなことが実態としてあるのですから、灯油の値上がりというのはやはり非常に問題だと思うのです。これから冬に入りますね。ちょうど需要期にも入りますので、ここでなぜ量は十分あるのに価格が値上がりされたのかということが一つと、それから、灯油の価格を引き下げる方向へ持っていくということは考えられないのかということです。価格の引き下げの問題を政策として考えていらっしゃるかどうかというのは長官にお尋ねしたい問題なんですが、その前に、量は十分あるというにもかかわらず価格が上がった理由はどこにあるだろうかというのをまず事務局からお話しいただきたい。
#57
○志賀(学)政府委員 現在灯油の在庫、これは八月末におきまして六百八十万キロリットルということで、私ども実は毎年供給計画というのをつくりまして、特に灯油を初めとする中間三品については供給の安定を図るということで、需要期に入る前にどこまで在庫積み増しをするかという計画をつくっているわけです。本年度の計画におきましては、九月末におきまして六百五十万キロリットルを目標にしようということで計画を組んでおったわけです。その計画に従いまして各企業を指導いたしまして、需要期に入る前にできるだけ早く在庫の積み増しをしようということでやってまいりました。そういったこともございまして、順調に在庫が積み上がって、先ほど申し上げたような在庫量になっておるというわけでございます。
 そういうことで、確かに在庫はたくさんあるではないかというお尋ねでございますけれども、これはむしろこれから需要期に備えるための在庫、非常に季節性が強うございます。需要期に備えるための在庫ということでございまして、灯油が余っておるではないかというのではなくて、これからの消費に備えるための在庫というふうにお考えいただければありがたいというふうに思います。
 ただ、いずれにしても、そうは言っても非常に価格が上がっておるではないかということでございますが、最近の消費価格の推移を灯油について見ますと、六月をピークにいたしまして、最近は七、八、九とやや下降ぎみということでございます。非常に落ちついた動きを示しております。
 ただ、レベルとしては確かに先生おっしゃるように高いわけであります。これはイランの政変以来OPEC諸国が原油価格を非常に速いテンポで引き上げたわけでございます。
 御参考までに申し上げておきますと、イラン政変前、これは五十三年十二月、これがイラン政変前でございますけれども、そのときの原油価格とことしの九月の原油価格、これはCIFベース、日本の通関のCIFで比べてみますと、円建てで、円ベースの価格で二・八倍になっているわけです。原油価格が非常に上がったわけです。それに対して、同じイラン政変前の灯油の価格と九月の価格、これは東京都区部でございますけれども、比べてみますと、二・二倍弱というようなことで、確かに国際レベルとしては非常に上がっているわけでございますけれども、原油価格の値上がりに比べれば低い伸びにとどまっているという状況でございます。
 私どもといたしましては、そういうこともあって、確かに灯油価格が上がって消費者の方は大変だろうというふうに思いますけれども、ただ、現在の灯油の価格というのは、原油価格が上がったことに伴うものということで、この辺はぜひいろいろな面で節約をしていただきまして、努力していっていただきたいというふうに思っております。
#58
○金子(み)委員 消費者の人たちが納得できるような説明をどこかで出していただくといいですね。そういうことを考えていただければいいと思うのです。
 そうすると、灯油の価格引き下げについては努力をしてみようというお考えはないということに理解していいでしょうか。簡単にお願いします。
#59
○志賀(学)政府委員 いずれにいたしましても、灯油を初めとする石油製品につきまして原油価格の高騰などによるコストアップ、これはやはり市場を通じて適正に価格に反映されていくというのはやむを得ないのではないかと私ども思っておるわけでございます。ただ、もちろん原油価格の引き上げに便乗した形での不当な便乗値上げ、あるいはそのほかの売り惜しみであるとか、そういった不当行為、これについて私どもは従来から厳重に監視をしておるわけでございまして、そういう面での監視は今後も続けてまいりますけれども、いずれにしても、価格につきましては、そのコストアップについては市場を通じて適正に反映されていくというのはやむを得ないのではないかというような基本的な考え方でございます。
 ただ……
#60
○井上委員長 簡単に、的確に答えてください。
#61
○志賀(学)政府委員 ただ、今後の見通しといたしまして、為替変動の問題とか、あるいはイラン、イラクの先行き不安の問題なんかございますけれども、比較的落ちついた動きで推移するのではないかと思っております。
#62
○金子(み)委員 価格を引き下げる方針があるかないかという御答弁を長官からもいただきたいと思いますが、その後にお尋ねする一般物価の問題と合わせてお返事をいただければいいと思いますので、先へ進みます。
 大変時間もなくなってまいりましたので、物価問題については一つだけ申し上げて長官のお考えを聞かせていただきたいと思っております。
 それは、もう申し上げるまでもないのですけれども、政府が見通しとしてお立てになった消費者物価指数六・四%というのはみごとにもう突破してしまって、ことしの四月からは八・四、五月八・二、六月八・四、七月が七・七と下がりましたが、八月は八・七、同じ時期に東京都では八・九というふうに上がってきておりますが、こういうふうになってきて大変にお見通しは壊れてしまってきているわけです。この調子でいきますとどういうことになるのか、非常に不安でならないわけでございます。政府は公定歩合を上げたり下げたりしながら調整をして、景気に重点を置いたり物価に重点を置いたり、両にらみであったり、また物価に重点を置いたりと、生き物ですから大変に目まぐるしく方針をお変えになりながら努力をしてこられたということもわからないわけではございませんけれども、物価問題としては問題が非常に大きゅうございます。
 そこで、いろいろな調査がございます。総理府がお出しになった世論調査もありますが、ここの調査なんかを見ていても、去年の十月の総選挙の前、八月の調査では、一番何を新しい政府にしてもらいたいかという希望、要望の中では、物価が四〇%、石油二一%というような数字が挙がっています。それが、ことしの夏の衆参両院の同時選挙になったわけですが、そのときの調査でございますと、物価は四四%にはね上がっているわけでございますね。そして、さらに総理府の調査を見てみますと、これは五十五年十月の発表ですけれども、去年と比べてよくなった生活面というのはないと言っているんですね。だれもがあると言ってない。みんなが軒並み、ない。いろんな品目に分かれておりますけれども、ない。だめなんですね。みんな、よくなった生活面はない。それから悪くなった方はどうかといったらば、これも、軒並み悪くなったという回答が来ている。細かいものは後でゆっくりごらんになってください。そして、将来の生活の見通し、よくなっていくだろうか悪くなっていくだろうかという問いに対しては、悪くなっていくと答えているのが二二あるんですね。よくなっていくと答えている人は二〇です。同じようなものだというのが四九、こういう出方をいたしております。そこで政府に対する要望というのも同時に調査されていますが、政府への要望というのは、物価対策が第一位で、これは七〇%です。七〇%物価対策というのが挙がってきております。これは去年の五月とことしの五月の比較ですが、去年の五月は物価対策は五六%だったんですね。それがことしは七〇%にはね上がっています。同じような問題で上がったものがあるかというので、たとえば税金の問題とか資源エネルギーの問題とかというのが出ておりますけれども、エネルギー対策は一三から二五に上がっていますし、消費者保護政策は一二から一六に上がっているというふうにすべてのものが上がってきていますけれども、ずば抜けて上がっているのが物価対策。非常にみんなが物価対策に対しては政府に期待をし要望をしているということなんです。
 そこでもう時間がございませんのでこれ以上申し上げませんが、ここで長官にお尋ねいたしたいのは、こういうような状態の中で、いま御承知のように、五十五年度の予算編成の際に、修正によって物価対策費五百億というものが準備されることになったわけでございますが、いまのこの時期にこそこの物価対策費五百億を活用すべきではないかというふうに考えます。初めに政府は、この五百億を使うのは狂乱物価のときでなければ使わないという御方針だったようでございますけれども、狂乱物価になってからでは間に合わないので、狂乱物価にいままだならないというお考えかもしれませんけれども、いまこの時点で六・四%が八%台になるというような時期には、やはりこれ以上上がるかもしれませんので、いまここで活用すべきではないかというふうに考えます。
 そこで御案内だと思いますけれども、一昨日二十一日の日に、「緊急物価対策についての申し入れ」を社会党が公明党、民社党と一緒にいたしております。それについて安倍政調会長もおいでになって、そしてまた経企庁からもお見えになっていたというふうに聞いておりますけれども、いろいろ細々と一つ一つ項目を挙げて私どもは申し入れをしたわけでございますが、これについてどのようにお取り扱いになろうと考えていらっしゃるのか、細かいことは申し上げませんが、おわかりになっていらっしゃるでしょうと思いますので、お考えを聞かせていただき、御方針を聞かせていただいた上できょうは質問を終わりたいと思いますので、よろしくお願いします。
#63
○河本国務大臣 二十一日に、与野党四党で予算修正のときに合意した五百億円は、現在消費者物価が高い水準にあるので、六・四%ということしの政府目標を実現するためにこれを使いましょう、こういう合意ができました。それにつきまして野党三党からいろいろ具体的な内容を盛り込んだ御提案がございまして、いま政府の方でもそれを受けましてその案等を参考にさせていただきまして、ここ数日の間に当面の物価対策の案をまとめたい、こう思っております。
#64
○金子(み)委員 どうぞできるだけ早くお出しになっていただくようにお願いします。ありがとうございました。終わります。
#65
○井上委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
#66
○武部委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。井上泉君。
#67
○井上(泉)委員 消費者協会の不正使い込みの問題は、これほど消費者に大きな衝撃を与えたニュースはないと思うわけであります。ましてや商品を生産する企業を管理する通産省の所管の中にあって、しかも唯一の消費者に対するサービス機関と言うべき消費者協会が五年間にわたって一億二千万円も使い込んだということは、こういう状態は一体どうしたところにこういう原因があったのか。これは通産省の方にいろいろ説明を聞くと、この男が一切全部やってきたからということであります。一切やってきたことがいいか悪いかは別といたしましても、役所の使い込みの事件があったら必ずそういうことを言う。住宅公団の使い込みの問題のときも、名前は忘れたのですけれども、その男に請求、支払い一切をやらせておったからこういう結果になった、こういうことを言っておったわけですが、この消費者協会の主たる財源は、聞くところによると自転車振興会等の補助金といいますか交付金といいますか、それと通産省からの補助金、この二つが主たる財源ということを聞くわけですが、収入の項目はそう多くはないと思うので、その収入の項目をお示し願いたいと思います。
#68
○神谷政府委員 御指摘のように、協会は一般的に商品テスト事業、出版事業、教育事業、苦情処理事業等を行っております。このうち苦情処理事業、商品テスト事業、これはその年によりまして若干の動きはございますけれども、これに対しましては国の補助金ないし委託費が交付をされておるわけでございまして、五十四年度で見ました場合に、協会の支出総額三億八千六百万のうち、消費生活改善補助事業費補助金は七千九百万円強、苦情処理委託費が六百二十万円程度でございます。そのほか、自転車振興会から出版事業を主体にいたしまして補助金が交付をされております。これも年によって異なりますが、九千四百万円が交付をされております。
#69
○井上(泉)委員 そうなりますと、たとえば五十四年度をなにした場合に、三億八千六百万円のうち七千九百万円が通産省から、それから競輪の方から、自転車振興会から九千四百万というと約一億七千万円、大半の金がこうした機関からの金でやられておるわけですが、三億八千六百万もの金の中で年に二千万円も穴があいたら困るのがあたりまえだと思うのですが、そんなに豊かな会計でしょうか。
#70
○神谷政府委員 具体的には金はいろいろぐるぐる回っておりますものですから、どの金がどの金という形にはなかなかまいりませんが、基本的に帳じりは借入金という形でこれに穴埋めがなされておったというふうに考えざるを得ないと思います。
#71
○井上(泉)委員 個人の企業でも何でも、年に二千万円も穴があいて、五年も黙って、そこで初めてわかるとかいうようなことをしておったら、長官もおられるわけですが、そんな企業だったらもうつぶれてしまいますよ。それが年間二千万円、総額一億二千万円、こういう金が使われて、それでやっと五年目にわかった。こういうことになるということは、いかに通産省のこういう団体に対する管理というものがあいまいというか本当にそのままで、消費者協会というものをつくっておるから、消費者に対するいわばせめてもの罪滅ぼしとまではいかなくとも、消費者に対しての奉仕とぐらいに考えて、その使い方がどうあろうがこうあろうがいわばこの協会任せ、こういうことで今日まで来たことには間違いないでしょう。
#72
○神谷政府委員 私どもといたしましては、国の補助金につきましては、補助事業が的確に遂行されておるかどうかという観点からは十分な監査を行ってきたつもりでございますし、自転車振興会はまたその立場からの監査を行っておるものと考えられます。一般的に、一般の企業でございますと、このほかに金融機関等からいろいろなチェック等がございまして、資金繰り等というものは御指摘のようなこういう状況がございますと相当苦しくなって回りにくくなる、そこから破綻を来すということはございますが、この協会に関しては、財団法人であるということ、あるいはこれらの比較的公的な事業を遂行しておる公益法人であるというようなことから、銀行等がかなり協力的に貸し出しをしてくださったことが、ある意味では発見がおくれた一つの原因になっておるのではないかと思いますが、これはそのこと自体をどうこう申し上げるのは逆恨みのようなことでございまして、むしろこれが長く発見できなかったことは内部の経理処理体制に不備があったわけでございますし、その不備を十分早期に発見できなかったという面において監督する立場にある私どもが責任を負っており、その点において御批判を受けるということは私どもとしてやむを得ないことであり、当然なことであろうというふうに考えております。
 ただ、先ほど申し上げましたような赤字体質でございまして、経理関係も非常に悪かった。われわれとしてはその面で財務内容あるいは財務の流れといったものをより厳密、詳細にチェックするよう指示をしておったところでございまして、その過程からこの問題が発見できたという状況にございまして、遅かったわけではございますけれども、今後できるだけ協会並びに私ども、両者ともに姿勢を正して、本来の目的たる公益業務を遂行し得るような形に持っていくよう努力すべきものと考えております。
#73
○井上(泉)委員 自転車振興会は約一億近い金を出しておりますが、自転車振興会から、これはどういう名目でこの協会に金を出しておるのでしょうか。ぼくはいろいろ見たけれども、該当する項目がない。
#74
○三野説明員 自転車振興会は自転車競技法に基づいてつくられました特殊法人でございますけれども、法律に基づきまして、競輪の施行者から一定のお金を交付を受けまして、それを原資といたしまして機械工業の振興あるいは公益事業の振興等に補助金を交付しておるわけでございます。本件、日本消費者協会の事業のうち、商品テスト、耐久消費財を中心としました商品テストの成果を一般消費者に知らせることとか、あるいは消費生活コンサルタントあるいはコンシューマーオフィサーといいました消費者専門家を養成する事業といったものが機械工業の振興に寄与するという考えのもとに助成をしているわけでございます。
#75
○井上(泉)委員 そうすると、自転車振興会の金というものは、これは三十億も超すという膨大な金ですが、いろいろなところへそういうことがあれは補助は出される――これは補助というか交付金というか、この金額を決めるのには、消費者協会からの要請で決めますか、通産省の内部で話し合って、お前はこれくらいだ、おれはこれだけ出すというようなことでやるのですか。
#76
○三野説明員 補助金の交付につきましては、そのお金が公共的性格を持っておるものでございますので、自転車振興会の業務方法書で厳しく規制いたしておりますけれども、概略申し上げますと、まず年度の始まります前に、前年度でございますけれども、来年のどういう事業に補助をするかという補助方針というものを日本自転車振興会が通産省と相談をして決めるわけでございます。それが決まりました後、補助金の交付要領、対象とします事業とか主体とか補助率といったものを官報等に公示いたします。通常九月の中旬に行いまして、十月の末までに補助を希望する団体は日本自転車振興会の方に要望書を提出するというのが第一段階でございます。それで、提出されますと、日本自転車振興会は当該団体から事業の内容、目的、効果、資金経理状況等詳しく聞きまして、必要に応じてヒアリング等を行いながら通産省とも相談をして事業計画を決める。その事業計画を通産省に認可申請をいたしますと、私の方ではこれを通産大臣の諮問機関でございます車両競技審議会にお諮りをいたしまして、その御意見をいただいた上で認可をするという段取りになっております。大体三月末に認可いたしまして、翌年度、五十五年度でございますと五十五年の三月に認可をいたしまして、五十五年度その決まったところに従って漸次補助金を交付する、そういう段取りになっております。
#77
○井上(泉)委員 自転車振興会の基金の、こういう金の使い道等につきましては、私はまた機会を改めて質問をすることにいたしたいと思います。
 きょうは消費者協会のことでありまするから、自転車振興会に関する質疑はいたしませんので、お帰りになって結構ですから帰ってください。
 そこで、消費者協会のことですけれども、この事業報告書、これは住宅公団も一緒ですけれども、たとえばこの事業報告書とかいうようなものになりましたならば、どういう事業をしたらどういう事業をしたということを書く。これはいろいろ書くかもしれませんけれども、それと同時に予算書というもの、この日本消費者協会の五十一年度の予算書はこうである、こういう団体というものはなぜ予算書というものをつくってやらないのですか。どうでしょう。
#78
○神谷政府委員 基本的にこの種の団体でも予算統制を適切に行うことが適当であろうというふうに考えますが、その内容については、本来、先生お示しのような特殊法人と異なりまして財団法人でございますので、寄付行為あるいは内部のいわゆる自主的に決めた諸規則によって定められるべき問題と考えております。
#79
○井上(泉)委員 基本的にそのことが必要、こう思うと言うが、基本的ということは、全体を十とすればその中の八割も九割もに相当することですよ。だから、そうするなら、やっぱりこういう会の運営を公正にやって、そして、予算を立て、通産省からこれだけの補助金をもらう、これだけの事業をやってこれだけの事業収益を上げる、あるいは自転車振興会からこれだけもらう、だからそれに基づいてこれだけの仕事をする、そうしてこれだけの給料が要る、これだけの交際費を使うというような仕組みでやれば、私は、五年もそのことが発覚せずに放置をされるということなしに、もうその年々でわかると思う、こう思うわけですが、これは改める気はないですか。
#80
○神谷政府委員 先ほど申し上げましたように、特殊法人と違いまして予算の認可等はございませんが、私どもは報告は受けております。
 それから第二に、問題は、予算書類並びに決算書類というものは一応形の上では整備されておりますが、問題はそれらの財務諸表を作成するに当たって経理担当者がどのような操作を加え修正を加えたかというところにあるわけでございまして、これが発見し得るかし得ないかは、予算統制の問題も御指摘のようにございますが、そのほかに、内部管理体制あるいは場合によりましては外部管理制度の導入といったようなものを考慮しながら、その協会の規模あるいは行っておる事業、そういったものを勘案して個別に決定しあるいは充実していくものと考えられます。
 本件に関して申し上げれば、比較的形は整っておりますけれども、そのチェックの実施状況あるいはいま一歩慎重を期した意味でのチェック体制が不足であったというふうに考えられます。
#81
○井上(泉)委員 それで、予算書と決算書とをまた出していただけましょうか。これは出せるでしょう。
#82
○神谷政府委員 五十三年度までは一応のものが出せます。五十四年度につきましては、一応理事会は決算書を通しましたが、その後御存じのような事件が起きましたので、現在再調整中でございますので、新しく調整済みのものはまだでき上がっておりません。
#83
○井上(泉)委員 私は役人の言葉の使い方というものをとやかく言うものではないですけれども、一応とはどういうことですか。一応あるとかないとかいうことはどういうことですか。
#84
○神谷政府委員 まず形の上では理事会で承認をされたわけでございますから、本来であればそのまま決算書類として一般的に通用するものでございますが、事件が起きて、その決算書類作成の過程において不正があったということが明らかになり、その関係者が起訴された段階におきましては、その決算書類を作成し直そうと理事会の方で現在考えておるようでございますので、それが修正された場合には、前の決算書類は恐らく無効といいますか、取り消されて、新しい決算書類が私どもの方に提出されることになろう、このように考えておりますので、現の時点においては、一応という言葉は、法律用語として厳格に定義した場合に適当であるかどうかはわかりませんが、まだ修正される可能性のある決算書類である、このように御了解いただければ結構でございます。
#85
○井上(泉)委員 そうすると、一応ということは、いわば不十分だ、不十分であるけれども出てきておったことは出てきておった、こういうことですか。
#86
○神谷政府委員 事後的に振り返ると、修正されることになりますので、その意味においては不備な決算書類である、こういうことになろうかと思います。現時点においてはまだ修正が行われておりませんので、形式論で言えば現時点ではこの決算書類が生きておる、こういうことでございます。
#87
○井上(泉)委員 妙なあれですね、役所というもののこういうものに対する取り扱い方というものは。
 そこで、この消費者協会の役員というものはそうそうたるメンバーばかりですが、これは理事会の記録もあるでしょうが、これだけの大学の名誉教授だとかあるいは、大学の教授がたくさんおりますね、日本商工会議所の専務理事だとか日本生産性本部会長、全国農協の常務理事、ほとんどこれは消費者運動に関心を持っておるという、中でもこれは日本消費者協会の専務、消費者団体では関西消費者協会理事長、これもどういうものかわからぬですけれども、こんな人ばかりで、しかも監事はこれも大学の講師、経理担当、専門の先生だということを聞くわけですが、これだけのいわば頭のいい権威者が理事で構成しておって、それでわからぬようななにというものは、これは理事全体の共同責任だと私は思うのですが、どうですか。
#88
○神谷政府委員 事件の全貌が明らかになりました段階において、今回の事件について具体的にどのような原因から起こったか、あるいはその過程においてどのような責任があるとみなされるかというような問題は、協会が理事会を中心として自主的に判断していくべきものと考えます。理事会におきましても、理事会にすべてこの種の経理操作の発見の責任を負わせることは酷かと思いますけれども、それなりの責任は理事の方々は感じておられるものと私どもは考えております。
#89
○井上(泉)委員 あなたは理事会にそれを負わせるのは酷といいましても、財団法人の消費者協会の理事ですから、これは執行の責任があるんですよ。だからそれは理事者としての当然の責任ですから、私は、その責任を負わせるのは酷だと言われるが何が酷だ、むしろきょう私があなたに質問することがかえって酷じゃないかと思うのです。これをつくったときにあなたはどうしておったのか、これにどれだけ関係してきておったのか私は知らぬわけですけれども、私があなたにそういうことを言うのは酷だろうと思うのだ。しかし、あなたはそういう任務を背負っておるからしようがないわけです。私のこの質問を受けてもらわないといけないわけです。私も消費者協会のやってきたことについては評価をしてきておる、それから、その消費者協会の存在というものもこれも評価をしておるわけですが、何かこういうことを機会に協会をつぶしてしまえだとか、あるいはその後通産省はもう予算を出さずに引き揚げてやれとか、こういうふうな話も新聞報道にも載っておったわけですけれども、そういうことが仮にありとするならばこれは大変なことになると思うわけですが、今後の運営についてはどういうふうに考えておるのか、その点承りたいと思います。
#90
○神谷政府委員 私ども所管の財団法人でございますから、本来の目的を十分かつ効率的に達成していけるような法人になってもらいたいと思っておりますし、私どももそのような観点から指導し、援助はいたしたいと考えております。しかし、いずれにいたしましても、独立した財団法人でございまして、私どもはこの財団法人の行う事業の公益性に着目いたしまして国として補助を行っておるものであり、自転車振興会も同様の観点から補助を行っておるものというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、截然とこれを分ければ、この事業の重要性に関しては、今回の事件の有無にかかわらず、私どもはその前後において変化はないというふうに考えられます。しかし問題は、それを負って遂行すべき母体がそのような重要な任務を遂行し得るに足る健全なものとして今後運営していけるかどうかというところに今回の事件を契機としての一番大きな問題があろうか、こういうふうに考えておるわけでございまして、その際検討すべき問題点は二点あると思います。
 第一点は、今回の事件で一億に及ぶ巨額な穴があいておる、しかもそのほかに、これも計算し直しますとまた若干数字が変わる可能性はございますが、まさるとも劣らない、あるいはそれに比肩するような相当程度の赤字をこれまでに抱えております。こういうものを抱えて今後この団体が財政的にどのように再建の道を歩めるかどうかというのが一点でございます。国としてこの種のものの穴埋めに国民の税金を使って補助をしていくということはできないというふうに考えておりますので、この法人自身が今後どのように財政的に立て直していくかというのが第一点でございます。
 第二は、現在のような事件を起こすに至った体質、これに関しては私どもの監督の問題もございますけれども、この法人自身今後このような事件を起こさないと万人から認めてもらえるような体質に変わり得るかどうかというのが二点でございます。
 この二点に関しましては、私どもも御相談し、御指導し、御協力したいと思いますが、基本的にはやはりこの法人全体として検討をし、その再建策を考えていくべきものと考えております。
#91
○井上(泉)委員 その法人は通産省の認可法人でありますし、そしてまた現在の専務理事は通産省の仕事をされておった方がいるし、この協会の運営に当たる理事さんは非常に識見の高い方ですから、そのことで、これでつぶすんだというようなことはお考えにはなるまいだろう、こう思うわけです。やはりそこには二十人という職員もおって、これだけの三億、四億の仕事をしておる、四億の金を使っておるのに、入ってくるのも使うのもそれを全部一人で操作をさせてきた、そういう消費者協会の運営の仕方というものほど恥ずかしい――これは通産省として面目まるつぶれだと私は思うのですよ。そういう団体というものはあるべきじゃないと思いますよ。それで、もっと本当に消費者の今日の要望にこたえて、きょうも午前中の質問の中にもずいぶん消費者の苦情というものがこの席でも述べられたわけですが、そういう消費者の苦情にこたえるためにも、もっと設立の精神に返った機構の立て直しというものをあなたは考える気持ちはないのか。もううるさいからやめてしまえというような気持ちなのか、その点ひとつ承っておきたいと思います。
#92
○神谷政府委員 私どもといたしましては、幾つかの問題点がございますが、ただいま御指摘のこのような事件を再度起こさないような体質改善に関しては、早急にこれに取り組むようすでに協会に指示しておるところであり、また実際問題といたしましては担当課等を中心にしながらいまも御相談をし、今後も御相談をしていくことになろうかと思います。
 しかし、やはり基本的には現に一つの組織体でございますから、この組織体自身がどのように自分の体質の改善をしていくかということに真剣に取り組むのが第一義でございまして、私どもはあくまでお手伝いをし、指導をしていくという立場にあろうかと思います。そうでございません限りは、親方日の丸的にあくまでもすべてを役所に依存するというような体質であれば、これは今後りっぱな仕事を任せるに足る団体とは言えないというふうに考えておりますので、私どもとしてはりっぱにその団体の将来を立て直し得るような道を発見されるよう、真剣に検討されることを期待しておるわけでございます。
#93
○井上(泉)委員 最後にこの問題について私は、ここにも相当数の職員がおるわけですが、職員に責任を転嫁し、職員を犠牲にするようなそういう考え方というものはいささかもあってはならない、一人の悪事のためにみんなが困るような、そういうことがあってはならないと思うわけですが、その点についてのお考え方を承っておきたいと思います。
#94
○神谷政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますように、私どもいまこの協会をどうこうしてしまおうというような考え方ではなくしてむしろ、いかに体質を改善し、現在抱えておる難問を克服していくかという努力に期待し、それをひとつお手伝いしていこう、こういう立場にあるわけでございますから、職員の問題を現時点でどうこうというふうにお答えする立場にはないわけでございます。
 ただ、非常にむずかしい局面にある団体が二十名の職員を抱えておるという現実については、私ども常に真剣に念頭に置きながらこの問題に対処をしておる、こういうふうに御了解いただければ幸いでございます。
#95
○井上(泉)委員 それではちょっと不十分ですから、もう一回……。
 そこで働いておる人は、これはまじめに働いておる人ですから、そのまじめに働いておる人たちが一人のふらちな人のために犠牲になるような、そのことはやはり私は、理事の方がどういうふうに決めようともというようなことではなしに、むしろ理事の方に通産省としては、指導という言葉が不適当なら十分相談をしておくということが大事ではないか、こう思うわけです。大体この人たちは、飯を食うためにここでどうこうする人じゃないですから、みんなそれぞれ豊かな生活を営み得る人ばかりですから、この人たちはどうなろうと関係ないです。ところが、そこで働いておる人は、ここで働いたその給料で飯を食っておるのですから、やはり生活がかかっているし、生活がかかっておる以上は、今度の問題を通じていわゆる内部の機構の整とんというものはやはりこの人たちの意見も聞いてやらなければ、これも一方的に理事の人たちでこんなうるさいことやめてしまえという形に転嫁をせぬように、これはどうしても私は心すべきだと思うわけですが、その点について。
#96
○神谷政府委員 御指摘のように、現在逮捕され、起訴されておる一名がございますし、そのような状況を許した問題については、また刑事上の問題以外にも別途組織体としていろいろ検討し、身を正していくものと考えます。したがいまして、私どもこれが一人の問題であるからあとはすべて知らぬのだという態度でこの問題にすべての人間が取り組むということは、必ずしも適切とは思っておりません。
 しかしながら、今回の事件が職員に非常に大きな影響を与えるおそれがあるという事態、これは他にも、いろいろ不幸な状況で倒産したりする企業でも共通に起こる問題でございますけれども、私ども所管の公益法人でもございますので、監督する官庁の立場といたしましては、その問題に一般の問題以上に真剣に配慮しながら問題を処理していくべきものと考えております。
#97
○井上(泉)委員 もういいです。やりようが悪かったらまた言いますから。
 私は、きょうの午前中の牧野さんや金子さんの質問を聞いておって、本当に問題点を指摘しておる、牧野さんにしても通産局長をやっておった関係か、非常に現実というものをとらえての質問であったと思うわけですが、これは大臣、いま手形割引が九分、九分と言えば結局一割を超すのですけれども、一割を超す手形の金利を払って、これは、一割ももうけがないものを一割もの金利を払ってやっていくというような状態では、とてもじゃないが経営は成り立たない。それからまた、手形が大体九十日、百日とかいうようなことを言っておったのですけれども、私はそんなことはないがなと思って、自分の知っておる範囲のところへずっと電話をかけて、一体手形はどれぐらいかというと、全部百二十日以上。九十日というような手形、そんなものもらえるものか、こういうのがいまの生きた経済の姿ですよ。この生きた経済の姿の中から物価の問題も考えてもらわねばいかぬわけで、そういう点からも、いまの高金利というものが中小企業の事業というものを沈滞をせしめており、そのことが需要の喚起を阻害し、そして消費の停滞をもたらしてきておる。こういう点については大臣は大先輩でありますから、そう理屈を言う必要はないわけですけれども、まだ第二次の公定歩合の引き下げがないわけです。きのう大臣は公定歩合の「第三次引下げを」「再下げではたりぬ」こういうことを言われてなにしたのですが、確かに今日の――大手はいいですよ。大手は、たとえば三菱の機械なんか買うたら、大体三銭五厘から四銭くらいの金利で月賦販売されるのですから、これは高い金利で消費者は払わねばいかぬわけですが、そういう中で金利という問題は第三次引き下げをという旗を上げられたそのお気持ちというものについては、私は賛意を表するものであります。このことはまた物価の値上げを来すのじゃないかというような心配よりも、むしろ物価に悪影響を与えるのじゃなしに、物価をもっと安定をさせて企業に活力を与える、こういうことになると思うわけですけれども、これは大体いつごろの時期に――時期というようなことは言えないけれども、また再値下げもそんなに金融界が混乱をするようなことでは困るわけですが、第二次の引き下げできちっとやったらどうですか。大臣それはどうですか。
#98
○河本国務大臣 政府の金融政策についての基本は、先月の五日に総合経済対策を決めましたときに方針を明らかにしたのですけれども、それは金融政策は機動的に運営をする、こういうことを決定をいたしました。機動的に運営をするということは、非常に抽象的な表現でございますが、その趣旨を申し上げますと、現在の金利水準は非常に高いので、客観情勢が整えばできるだけ早く金利水準を引き下げるような、そして景気の足を引っ張ることのないような、そういう金融政策を進めるべきであるということが機動的な運営という意味の内容でございます。
 幸いに、その後、国際収支の方もだんだんいい方向に向かってまいりましたし、それからまた円高も続いております。それから、物価も大勢としては安定の方向に進んでおりますし、しかも現在の金利水準が景気の足を大きく引っ張っておるという顕著な事実もございますので、日本銀行としては、客観情勢が整ってまいりましたので、いろいろ具体的な進め方を検討しておられる段階だと思うのです。
 それで、過去の経過をちょっと振り返ってみますと、去年の四月、七月、十一月、それからことしの二月、三月と五回引き上げたわけでございますが、この二月、三月の引き上げの際には、当時卸売物価が毎月二%ないし三%上昇しておりまして、狂乱物価前夜である、こういう政府並びに日本銀行が説明をいたしまして、狂乱物価前夜だからこういうことをする必要があるんだ、こういうことで金利水準を高いところに引き上げたのでございますが、現在はそういう条件ではございませんから、二月、三月の客観情勢は解消した、私どもはこのように判断をしておりますから、二月引き上げの時点まで下げるということが望ましい、私は原則的にこのように思っておりますけれども、しかし、そこらあたりの具体的な進め方は、日本銀行がいろいろお考えだと思うのです。
 いまお述べになりましたように、今回一挙にそういう水準まで持っていきますのか、あるいはまた二回ぐらいかけて持っていきますのか、そこらあたりは日本銀行がいろいろと御検討だと思いますけれども、しかし客観的な条件は整いつつある、このように私どもは判断をいたしております。
#99
○井上(泉)委員 ことしの二月の第四次引き上げ以前の六・二五%の水準に持っていくことが必要だという考え方の中でいま御意見を述べられたわけです。午前中の質問の中でも大臣は、中小企業というものを大事にしない限りは日本の経済は成り立っていかないというような話をされておったのですが、まさにそのとおりであって、金利が少少上がっても、大企業は金を借らぬでいいですから金利の問題についてはそう影響はないのじゃないか。現実に庶民が生活をしておる中で、自動車とか何かは別といたしましても、一般商品というものはほとんど中小企業の方がつくっておるわけですから、こういう中小企業の方がつくっておる製品の原価を安くするためには、やはり中小企業者の金利というものは下げなければ中小企業者の製品は安くはならぬ、私はこう思うのです。そういう点からも中小企業者と金利というものは非常に関係を持つものでありますので、大臣に中小企業振興の運営のためにもさらに意欲を高めていただきたい、こういうように思うわけです。
 しかし、何といっても物価を下げなければいかぬ、物価を安定させなければいかぬ。いま安定をしておるといいましても、金子先生の質問の中にもありましたように、物価を何とかしてくれというのが国民の七〇%の願望だと、こういうわけですね。大臣はいま安定をしておるというお気持ちでおられるかもしれませんけれども、国民から見れば、大衆から見れば、こんなに物が高くてやれぬじゃないか、こういう物価高という意識が非常にこびりついておるわけです。そういうこびりついておる意識の中には、今日、野菜の値が上がった、何が上がったということと別に、たとえば土地問題で、住宅を建てたいという民間の住宅需要が非常に低下している。この最大の原因というものは、やはり土地が高いからどうにもならない、こんなに高い土地でどうして家が建てられるのか、もっと物価を下げてくれたらということで、土地も大根も白菜も同じような中で物価高という強烈な印象を受けとめるわけです。そういう点で、土地を取り扱っておる省の責任というものは非常に大きいと私は思うわけですが、こういう土地の異常な値上がりに対して、これをどうして鎮静化し、抑えていくのかという方針をお持ちだと思うわけですが、それをお聞かせ願いたい。
#100
○小笠原説明員 先生御指摘のとおり、一昨年の後半ぐらいから土地の価格の上昇が目立つようになってきております。私どもの方でその原因をいろいろ分析をしてみますと、四十七、八年当時のいわゆる一億総不動産屋の時代、いわば土地の投機的な取引によって地価が大幅に上昇した時代とかなり様相が異なっております。最近の上昇は、たとえば地下鉄の新線ができたあるいは新しい駅ができたということに伴います土地の値打ちがふえる、効用増によって上がってくるのが目立つようなわけでありますが、一般的には、概して申し上げますと、三大都市圏を中心にいたしまして住宅地の上昇が大きい最大の原因は、住宅需要と供給の大変な不均衡であろうかというふうに判断をいたしております。数年前に比べまして宅地に新たに利用転換をされる土地の面積が大変減ってきております。したがいまして、私ども、地価の安定を図りますためには、どうしても宅地需給の不均衡を解消することがポイントであるというふうに思っているわけであります。具体的な手法といたしまして、今国会で御審議をいただいております農住組合法案等によります市街化区域内の農地の宅地への利用転換促進でありますとか、既成市街地の再開発の推進でありますとか、まだ市内に残っております遊休地の活用でありますとか、宅地供給促進のためにどうしても関連して必要になります関連公共施設の整備事業でありますとか、その他財政金融上の措置を講じながら宅地供給をふやすことがポイントであろうというふうに考えている次第であります。
#101
○井上(泉)委員 土地が投機の対象になってきておるこの状態の中で土地の価格を鎮静化するということはなかなか困難だと思うわけですけれども、困難なことにはやはり行政が取り組んで国家がやらなければ、国民は力がないのですから。そういう点で、いま農住法が審議をされておるというようなことを言われておるわけですけれども、農住法によって仮に宅地化ができたといっても、それが高い価格とかいうことになれば大変なことになると思うわけです。そういう点から、もっと公営宅地というか、そういうものを多くつくって、いま平均的サラリーマン、給与所得者が仮に宅地の中で三十坪の家を建てるとするならば、どれだけの宅地があったら六十のときまでに支払いができるか、こういう数字が立つわけですけれども、いまのような宅地の高い中ではとても大変だと思うのですよ。そういう点からもいわゆる公用の宅地を積極的につくっていく、そういう考え方はないでしょうか。
#102
○小笠原説明員 土地が投機の対象になりつつあるのではないかというお尋ねでございましたが、私どもの判断並びに各都道府県からの報告等によりますると、四十七、八年当時と違いまして、現在では、国土利用計画法によります種々の土地の取引に関する届け出、勧告制度の運用等によりまして、いわゆる土地転がしを目的とする取得というのは影をひそめております。一方では不急不要の土地取引に対する融資の抑制等もございますし、あるいはいわゆる短期譲渡所得税で土地転がしに対する譲渡所得に対して大変な重課を行うというような各仕組みが整ってまいりまして、現在では、土地の価格上昇は投機的取引によるものではなくて供給の不足によるものであるというふうに考えておるわけであります。宅地供給策の一例といたしまして先ほど農住組合も申し上げたわけでありますが、これなどは、たとえば土地所有者がそこで賃貸アパートをつくるというようなこともできるわけでありまして、比較的低廉な家賃の賃貸アパート等ができるものではないかという期待をいたしておりますし、遊休地、国公有地の活用などにつきましても、国公有地あるいは公共用地として必要でないものがありますれば、これは極力住宅供給公社なり住宅公団なり、そういう公的な用途に使っていただくようにお願いをしている次第であります。
#103
○井上(泉)委員 そこで住宅公団監理官に、住宅公団の家賃等の問題についてはずいぶん建設委員会のときにも論議をしたわけですが、物価政策の見地からもここ当分公団家賃は値上げしない、こういうことが約束できるかどうか、ひとつ御意見を承りたいと思います。
#104
○原説明員 先生御案内と思いますが、実は五十三年度から、住宅公団におきましては新旧の相互間の家賃が非常に不均衡になっております。と申しますのは、公団ができましたのは三十年でございますが、それ以降五十三年まで家賃の一斉改定というのをいたしておりません。そういったことで不均衡是正のために家賃の改定、これは公営住宅の方式に準じていたしたわけでございますが、こういう家賃の改定というのは、今後引き続き行ってまいりたいと思っておるところでございます。
 ただ、先生御指摘ございましたように、私ども賃貸住宅をつくってまいる上に一番大きな問題になってまいりますのは地価の問題でございます。現在賃貸住宅のコストの中身として申し上げますと、償却費それから地代相当額、これが大きなものでございます。償却費につきましては、年五%という非常に安い金利で、しかも七十年という長期にわたりまして償却するという形をとっておるわけでございますが、地代につきましても、年五%ということでいたしておるわけでございます。しかしこの地代相当分というのは、家賃に占める割合といたしましては、平均いたしますと約三〇%近くになっておるわけでございます。私どもこの用地取得につきましては、できるだけ適地を求めるよう努力しておるところでございますが、賃貸住宅の適地と申しますのは交通の便利のいいところでございます。当然地代が高いわけでございまして、私ども、今後引き続き、安い、よい用地を取得するように努力してまいりたいと思っておるところでございます。
#105
○井上(泉)委員 いや、そうされるのはあたりまえのことで、何も特別に努力をすることではない、そういうことをするのがあなたの任務ですから、それはそうしてもらわなければならぬ。
 そこで、全般的に見てやはり住宅の家賃というのは非常に高いし、公団住宅が絶えず目安になるから、相対的に見た場合に一部地域によって部分的な手直しのところはあるかもしれない、しかし、全体としては公団住宅の家賃は当分上げません、上げさせない方針ですという答弁が政府としてできるかどうか、ひとつ簡単に、あとの問題がたくさんありますから。
#106
○原説明員 私ども建築につきましては、できるだけ規模の大きいものを、それから質のいいものをということでやっております。しかしながら建築費自体は高騰いたしております。また、先ほど申し上げましたように、土地価格自体も高騰しておりまして、やはり家賃の値上がりというのはやむを得ないことではないかと思っております。
#107
○井上(泉)委員 それは、新聞でこれをだれが買うとかいって、何千万円もの公団住宅のあれが出ておったけれども、そんなものは、あなた自身の親から譲り受けた遺産、財産がどれだけあるか知らぬけれども、役所の給料であんなもの買えますか。一般的国民は買えないですよ。一般的国民が買える住宅を提供するようにするのが住宅公団の使命じゃないかと私は思うのですが、もうそのことを言っていたら時間がないので、また次の機会にしたいと思いますが、とにかく家賃の値上げというものは厳重に抑制すべきであるということだけは、私は強く申し入れておきたいと思います。
 そこで、潜在的な物価意識の中で、きょうも金子先生からも出された油の問題ですが、これは石油部長がいろいろ答弁をされておるわけですけれども、油の在庫がこうあってこうなってこうという理屈はもう抜きにして、それだけのものはあるのだから、やはり物価を安定させるためには、そして政府目標の六・四%を達成するためには、ある点から言えばこれは長官の力量が問われておる問題だ、こう私は思うわけです。それを数字の事務的操作によって六・四%におさめたとかいうようなことをされると困るわけで、やはり国民が納得のいく物価の鎮静化を図っていただかなければならぬわけです。その点からも、灯油の予備もたくさんあるのだが、いわば今年度中は灯油の値上げは一切させませんと、こう言うだけの強い行政当局としての発言がなされないものかどうか、その点ひとつ河本長官にお伺いしたいと思います。
#108
○河本国務大臣 油の問題につきましては、先ほど通産省からお話がございました。企画庁でもいろいろ調べておりますが、私は、イラン・イラク戦争によりまして世界全体の油の需給関係はそんなに窮屈にはなっていないと思うのです。しかし長引きますとどういう不測の事態が起こるかもわかりませんが、現時点ではそんなに悪い需給関係にはなっていないと思うのです。ただ、メジャーオイルが世界的な規模で石油製品の便乗値上げ等を相当やっておりまして、これが世界経済全体の足を引っ張る方向にいっておる、こう心配をしております。日本にはまだそういう傾向はありません、通産省が目を光らせておられるせいかと思いますが。
 そういう背景のもとで油の政策をどうするかということですけれども、幸いにいま円高が続いておりますから、円高がさらに定着をするということになりますと、油を上げないような、あるいは場合によっては下げる、そういう方向に持っていく背景ができるのではないかと私は思います。現時点では、一応需給関係を原則として自由価格の形成にまつ、こういういまお話でございますが、円高の傾向でもありますから、私ども物価を預かる者といたしましては、やはりできることならばできるだけ下げる方向に持っていきたい、このように考えております。しかし世界的な情勢等も判断をしなければなりませんので、そこは十分心得まして、通産省とよく打ち合わせをしながら、油の問題については対処していきたいと考えております。
#109
○井上(泉)委員 油全体の問題、総括的にはいま長官の言われたような考えでいいと思うわけですけれども、しかし灯油という一般家庭にすべて通ずる共通の油、これはガソリンが高くなればマイカーをちょっとやめるとかというようないろいろ工夫も出てくるわけですけれども、これから寒い時期を迎えて灯油だけはどうにもならぬし、一般家庭どこも共通のものですから、これは通産省の所管だといいましても、あなたも通産の大ベテランであるし、大先輩でありますから、通産と相談して、せめて一般家庭が使う灯油は、どういう状況があろうとも、いまの見通しから考えて、この冬値上げをしなくともいまの価格以下でこれが供給できるような条件というものがありはしないか、そういう方向に努力をしてもらいたい、私はそう思うので、その点もう一回、灯油に関して長官の方針をお聞かせ願いたいと思うのです。
#110
○河本国務大臣 油の価格、特に灯油の価格を下げる方向に持っていきたいということは、私も心からそう思っておるのですけれども、しかし先ほど来申し上げますように、世界の油の事情がどのように動くのか、それから円高が一体どのように定着をするのか、そういうことがわかりませんので、この段階でこうしますということは、なかなか言い切れないのではないか。しかし灯油というものは、いま家庭で、特に北の方ではお米と同じような役割りを果たしておると言っても過言ではございませんので、その点につきましては、できるだけ安い灯油が入るような方向に石油会社が工夫していただくということを期待しながら、通産省とよく打ち合わせをしていきたいと思います。
#111
○井上(泉)委員 石油部長にお尋ねするわけですが、いまの長官の御発言の内容等を踏まえて、通産省としてもお考えになっていただくことができるかどうか、その点いかがですか。詳しい説明は要りませんから。
#112
○志賀(学)政府委員 ただいま長官からもお答え申し上げましたように、イラン・イラク紛争がどうなるか、あるいは原油価格の問題、為替の問題、いろいろございます。そういった不透明の問題がございますけれども、ただ長官もおっしゃいましたように、円高傾向が続くのであれば、場合によって原油価格の上昇が今後予想されるわけでございますけれども、極力円高の利益によって原油価格の上昇を吸収させていく、それによって極力価格の安定を図っていくという基本的な姿勢で私どもとしても努力してまいりたいというふうに思っております。
#113
○井上(泉)委員 もう結構ですから……。石油業者が非常な利益を上げておるそうした問題については、後刻日を改めて質問することにしたいと思いますが、ここで国税庁にお願いをしておきたいのは、石油会社の非常な好決算が新聞紙上に載っておるわけですが、これらが税金関係でどういうようになっておるのか資料として提出していただくようにお願いをしたいと思います。谷調査課長おいでになっておられるようですが、いいでしょうか。
#114
○谷説明員 石油会社の公示所得金額については申し上げられると思います。
#115
○井上(泉)委員 そうしたものをいただいた上でまた質問することにいたしたいと思います。
 そこでひとつ公取の委員長に、これは質問の予定ではなかったわけですけれども、私どもの田舎でも非常に困った問題で、私も何人かに話を聞いた。自動販売機に入れておるのは、やはりコーラを入れておるからコーラのメーカーが置いておるかと思うと、そうではなしに自動販売機のメーカー、つまり中の商品と物とが違うということできょうの毎日新聞に「自宅前に置くともうかります」と言うて、甘いセールスで、おじいさん、おばあさんが遊んでおるところへ、お宅の前へ置いておいたら非常にもうかりますよ、六十万円で置けますから、八十五万円で置けますから、これは月割り払いでいいから、こういうようなことで甘い言葉で置いて、ひどいところになると、五十戸くらいの部落に二つも三つもある。こういう状態で自動販売機が至るところに置かれて非常にトラブルが起こって、「甘いセールスにご用心」ということで毎日新聞に書かれておるわけですが、これは野放しですかどうなんですか、私はわからぬのですけれども。
#116
○橋口政府委員 自動販売機の設置はわれわれの生活の周辺にも幾つもあるわけでございますし、意外にもうからないというようなうわさ話も私ども聞いておるところでございますが、初めに法律論を申し上げますと、自動販売機の供給業者が一般消費者に対して商品としての自動販売機を売ります場合に、一般消費者が誤認するようなそういう表示なり広告をするということであれば、これは景品表示法の規制の対象になるわけでございますけれども、一体自動販売機を設置される家庭の主婦なりあるいは生活世帯というものが一般消費者なのか事業者なのかという問題があろうかと思います。仮に事業者として設置をしているということになりますと、いわゆる景品表示法の規制の対象にはならないという問題がございます。ただ、そうは申しましても純然たる事業者とそれから一般消費者との境目はきわどいところがあろうかと思いますから、したがいまして、絶対に対象にならないということではございませんが、法律論としてはそういう問題がございます。
 それから、実態の問題としましては、取引条件とかあるいは契約条件等につきましては行政としてはまだ調査をいたしておりませんから、事実関係につきましてはお答えがしにくいわけでございますけれども、ただこれはつけたりでございますが、総員わずか四百二十名の公正取引委員会でございますから、そのうち東京におりますのは三百名強でございますから、事務能力のことも十分考えた上で、御指摘のような問題があれば検討はいたしてみたいと思いますが、いまここでこうだというふうにお答え申し上げるだけの材料を持っておらないということでございます。
#117
○井上(泉)委員 それはたてまえから言いますならばそういうことになると思うわけですが、それじゃこれを置かれた者が、これは本当にこの新聞に書いてあるとおりだ、こう思うて、私も東京あたりでもこういうことが問題になったかなあと、こういうふうに思うたわけです。これを置かれて、解約もさせてくれぬ、それから返品すると言ったら反対に契約違反で訴える、頭金も返してくれない、それで裁判に持ち出すとか、こういうふうなことで、きょうの新聞をごらんになったと思いますが、そういう場合にこれは一体どうなるか。少しでも家計の足しになればいい、こう思うてうちの庭先に置いたのが、逆に電気代にも足らぬ利益率で、しかも月賦は払わなければいかぬ、機械は引き取ってくれない、こういうのはどうやったら抑えることができるか。何かお知恵をかりたいが、ないですか。公取はその窓口じゃないと言うたらちっとも取りすがる場所がないが、どこへ行ったらいいのか。
#118
○橋口政府委員 これしきの問題と申し上げては申しわけないのですけれども、こういうことに関する苦情の訴えというものは実はたくさん公取に来ているわけでございます。したがいまして、さっきもちょっと申し上げましたが、問題が山積をいたしておりますから、この問題につきましても、いろいろ順序があろうかと思いますが、検討はいたしてみたいと思いますし、それから政策論として、弊害が非常に顕著であるということがあればこれは法的な措置が必要になるということであろうかと思います。
#119
○井上(泉)委員 これこそ消費者協会あたりがこういう問題も取り上げてやるくらいのものがなければいかぬと私は思うわけですけれども、窓口は守る、しかし窓口は広げたくないということがいろいろな政府の機関にはあるわけだからやりにくいですが、この問題は次の機会に譲るといたしまして、約束の時間が参りましたので私はこれで終わるわけですが、ひとつ物価を安定さすということをぜひ考えていただいて、本当に生きた経済というか、生きた物価政策を国民の前に示していただくように、大臣に強く要望して私の質問を終わります。
#120
○武部委員長代理 次に、春田重昭君。
#121
○春田委員 私は、まず最初に基本的な問題についてお伺いしたいと思いますが、消費者物価指数の問題でございます。
 いままでの国会答弁で長官は何回も御答弁なさっておるわけでございますが、この消費者物価指数は上半期は七月を除いてずっと八%台で推移をしておるわけでございます。したがって、政府目標の六・四%を達成するためには下半期では四・六%に抑えなければならないという形になっておるわけでございますけれども、この達成に自信がおありなのかどうか、まずお伺いしたいと思います。
#122
○河本国務大臣 上半期は七月を除きましてずっと八%台が続いておりましたので、年度間平均六・四%にするためには下半期、相当の努力が必要でございます。しかし上半期の悪い条件はだんだんと解消されつつある、私はこう思っておりますので、これからの工夫と努力によりまして十分実現の可能性はあると考えております。
#123
○春田委員 上半期の悪影響は解消されつつあるという御答弁でございますけれども、具体的に一体どういうものが解消されるのか、また新たに下半期はどういう手を打っていくのか、もう少し具体的に御答弁いただきたいと思います。
#124
○河本国務大臣 一つは、ことしの春先まで非常な勢いで急上昇しておりました卸売物価がいまは完全に鎮静化しておるということでございます。
 一つは、異常気象がおさまりまして、生鮮食料品の出荷が順調に進んでおるということでございます。
 それから、基本的には日本の生産設備にはなお十分余力がございまして、生活必需品あるいは生活関連の重要な物資あるいはまた国民経済上非常に大切な役割りを果たしておる物資、こういうものにつきましては必要とあらばいつでも増産できる力を日本経済が持っておるということは非常な強味であろう、このように私は考えております。
#125
○春田委員 ところで、この消費者物価指数ですけれども、政府目標、これは努力目標なのか、それとも国民の前に明らかにしたわけでございますから公約的なものなのか、どちらなんですか。
#126
○河本国務大臣 これは政府の経済見通しでございますから、その経済見通しは当然できるだけ実現するようにしなければならぬと考えております。
#127
○春田委員 できるだけ実現しなければならないということでございますので、それはそれなりに一生懸命手を打つけれども、最終六・四%を上回ってもその点はやむを得ない、こういうお考えですか。
#128
○河本国務大臣 この物価目標につきましては、ことしの春のベースアップの際に、政府の方で六・四%ということしの消費者物価の目標は実現をいたしますということを何回も言明をいたしまして、それを背景にことしのベースアップが妥結をした経過がございますから、ほかの経済見通しと違いまして、この消費者物価の六・四%という目標の実現は政府の大きな責任の一つであると考えております。
#129
○春田委員 必ず実現しなければならない、私はそうとるわけでございます。
 そこで、九月五日の経済対策閣僚会議で「経済の現状と経済運営の基本方針」が出されたわけでございますが、この中の「経済の現状」の中の三項目に「一方、物価については、卸売物価は騰勢が鈍化しており、ほぼ山を越したとみられる。消費者物価はなお警戒を要するものの、総じてみれば落ち着きの方向にあるものと判断される。」という形で書かれているわけですね。ということは、九月五日現在では八%台をずっと推移しているわけですね。これと六・四%の関係はどのようにこちらは理解したらいいのですか。
#130
○河本国務大臣 当時におきましても消費者物価のピークは九月だ、このように私どもは理解をいたしておりました。そういう考え方のもとにいまお述べになりましたような表現をしたわけでございます。
#131
○春田委員 先ほど長官から六・四%は必ず実現しなければならないというお話があったわけでございますが、この文章を読んだ段階では、消費者物価そのものは八%を推移しているけれども落ちついているのだということで、何か六・四%は余り重要視してないような感じを持つわけでございます。したがって、消費者物価そのものは落ちついているから景気の方に重点的に施策を転じていくのだという考え方も見えるんですね。その点はどうなんですか。
#132
○河本国務大臣 いや、決してそういうことではございませんで、経過を若干申し上げますと、ことしの夏までは政府の方は景気の方はまず大丈夫だ、しかし物価が非常に心配だというので物価中心の経済運営を進めてまいりました。しかし夏になりまして景気がやや変調を来しましたので、ほっておいたのでは大変なことになるというので、物価になお問題は残っておるけれども、しかし物価対策だけを中心の経済政策を進めるわけにいかない、やはり景気の方にも十分配慮をしながら、物価の方にも引き続いて配慮をしながら、つまり両方に注意をしながら経済運営を進めましょう、そういう方針に転換をした、こういうことでございます。
#133
○春田委員 基本方針にはこういう形で書いてあるけれども、あくまでも消費者物価指数は六・四におさめる、これがいわゆる国民に約束した経済企画庁としての責任である、このように理解していいですね。
#134
○河本国務大臣 そのとおりであります。
#135
○春田委員 そこで、下半期四・六%に抑えなければならないわけでございますけれども、私は諸情勢を勘案したとき非常に厳しいんじゃないかという見方をしているわけでございます。経企庁が出しています消費者物価指数のいわゆる季節商品と季節商品を除く総合というものがございますけれども、この中で野菜、果物、生鮮魚介ですか、それから公共料金と一般商品サービスが出されておりますけれども、全体を一〇〇とした場合おのおののいわゆる占有といいますか、割合は何%ぐらいになりますか。おのおのについて御説明いただきたいと思います。
#136
○藤井(直)政府委員 いま寄与率を持っておりませんが、九月の東京で見てまいりますと全体が八・九%の上昇になっておりますが、季節商品で一五・三%それから季節商品を除く総合で八・三%、さらにその中で公共料金が一二・六%、一般商品サービス七・二%ということになっております。
#137
○春田委員 寄与率でなくして、要するに消費者物価指数全体を一〇〇とした場合、野菜は一〇〇のうち何%を占めるのか、公共料金は何%を占めるのか、そのことなんです。
#138
○藤井(直)政府委員 一般商品で五三・三%それから季節商品八・四%、一般サービス二二・七%、公共料金一五・六%でございます。
#139
○春田委員 ただいま御説明があったように、消費者物価指数全体の割合の中では季節商品というのは八・四%で非常に低いわけですね。さらに野菜だけ取り上げていった場合、三%と聞いております。したがって、公共料金や一般商品サービス、この辺のウエートが非常に高いわけですね。この辺の動きが大きいと消費者物価指数がぐっと上がっちゃうわけです、御存じのとおりだと思うのですが。そこで、先ほど長官のお話では季節商品特に野菜とか生鮮関係が今後は安くなるだろうということでございましたけれども、いまの割合からいったならば、たとえば野菜が全体の三%の割合からすれば、仮に野菜が今後一〇%下がったとしても一〇%掛ける三で〇・三しか下がらないわけですね。二〇%下がったとしても〇・六しか下がらないわけですよ。だから、八%台に行っているのを一挙に四・六に落とすには三・五以上の鎮静をしなかったらいけないわけです。そういう点からいったら季節商品というのは非常に割合が少ないわけでございまして、公共料金や一般商品サービスにウエートをかけなかったらいけないという面がうかがえると思うのですが、この点、確認したいと思うのですがどうですか。
#140
○藤井(直)政府委員 確かに野菜等季節商品のウエートは小さいのでございますが、ただ、たとえばことしの九月の状況を見てみますと、全体で一・七%上がりましたがそのうち季節商品で〇・九%を占めるということでございますから、ウエートは小さいのでございますが、値上がりの状況等によりまして非常に大きな寄与度を示すということがございます。したがって、季節商品の動きは非常に重要だと思っております。しかし、一方その他の季節商品を除く総合のウエートも非常に大きいわけですから、当然私どもとしてこれから下期にかけて前年同月比の上昇率が低下していくことを見込んでおりますが、その場合、季節商品を除く総合においてもその上昇率が下がっていくということが必要でございます。
#141
○春田委員 私は季節商品は野放しであっていいという意味じゃないんで、要するにウエートの大きい公共料金、またその他一般商品等に十分配慮しなかったら四・六に抑えることは非常に厳しいんではないか、そういう見方をしているわけでございまして、当然季節商品もそれなりの対策をしていかぬといけない、私はこのように思っておるわけでございます。
 そこで、公共料金の問題につきまして若干お尋ねしますけれども、公共料金の抑制につきましては経企庁としてはどういう働きといいますか役目といいますか、今日までのいろいろな値上げがございましたけれども、それについてどのようなお立場で抑制をしてきたのか、お伺いしたいと思います。
#142
○藤井(直)政府委員 公共料金の全般的な考え方といたしましては、それぞれの企業体等の経営の徹底した合理化を行うということを前提として、やむを得ざるものに限って取り上げる、そしてまた、その取り上げた場合にも幅を圧縮する、それから時期を延ばすというような形で処理をしてきておるわけでございます。私どもとしても、各省がそれぞれの主務官庁でございますが、個別の案件に応じて、その内容に即して対応してきているわけでございます。たとえばいま提案されております郵便料金等につきましても、当初の案は、はがきを一挙に二十円から四十円に上げるということでございましたけれども、私どもとしては、当初の政府案におきまして、年度中は三十円、翌年度から四十円というふうにして幅を抑えることのほかに、実施時期を、当初七月と言っていたのを十月に延ばすというようなことも協議の過程でやってきたわけでございまして、それぞれについて個別的にそういう調整を従来からしてきておるところでございます。
#143
○春田委員 郵便料金以外に、今後私鉄運賃、タクシー、バス等が申請されていると聞いております。さらに消費者米価の問題は、大体例年なら来年二月から上がるわけです。この辺の歯どめといいますか抑制についてはどのような御見解なんですか。
#144
○藤井(直)政府委員 ただいまおっしゃいましたタクシーについては、現在運輸省に申請が出されております。これがどういう形で処理をされるかということにつきましては、現在運輸省の方で検討しているところでございますが、私どもとしては、もし協議がありますれば、経営の実態等から見て、その内容を厳正に審査していかなければならないと思っております。
 それから、私鉄についてはまだ申請が出ておりません。消費者米価についても、現在全く値上げの動きはございません。
#145
○春田委員 そこで、長官にお尋ねしたいわけでございますが、これらの公共料金が今後予想されているわけでございまして、いずれにいたしましても、今後四・六%に落とすためには、先ほど言ったように、公共料金のウエートが非常に大きいわけですよね。
    〔武部委員長代理退席、委員長着席〕
ところが、かなりこの秋以降、郵便料金とか私鉄、タクシー、バス、それから来年になりますと消費者米価、こういうものが上がってくれば、当然物価に影響するわけでございますから、四・六に抑えることは非常に厳しいのじゃないかという見方をしておりますけれども、この辺も十分読んだ上で、四・六%にいかに抑えるかという御自信はおありなんですか。
#146
○河本国務大臣 公共料金の一部の値上がりはあらかじめ予想されておりましたから、ある程度織り込んでおります。
#147
○春田委員 郵便とか消費者米価はわかりますけれども、タクシーとかバス、私鉄運賃、これらはもうすでに織り込んでいるのですか。
#148
○藤井(直)政府委員 私どもが政府部内で明確にできますのは予算関連、要するに予算に計上したもの、料金の値上げが織り込まれているものは、これは明確に織り込んでおりまして、今年度当初予算におきましては、その関係で〇・八%程度の押し上げ要因になるということで予定をいたしておりました。
#149
○春田委員 予算関連であれば、タクシーとかバスとか私鉄運賃は入りませんね。これは要するに、いま四・六%の中のウエートがございましたけれども、その中に入ってませんね。そう見ていいわけですね。
#150
○藤井(直)政府委員 当初の見通し六・四%の際に、予算関連の公共料金として明らかにしたものは〇・八%でございます。その他のものにつきましては、個別にその年度にどういうものが出てくるかということを想定することは非常に困難でございますし、またその点については、申請を待ってという公共料金の性格上、個別に明らかにすることもできません。そういう意味で、むしろ全体として、予算関連公共料金以外については、全体の推計資金の中でどの程度のものが出るだろうかというようなことはやっておりますが、個別にはそれは計上いたしておりません。
#151
○春田委員 何もこちらも値上げを期待しているのじゃないのですけれども、そういうおそれがあることは十分考えられるわけです。そういう点で、タクシーやバス、私鉄運賃等が出てくれば、当然消費者物価指数を押し上げるわけですから、そういう点からいったら、四・六%は非常にむずかしいのじゃないかと私は思うのですけれども、長官、この点についてもう一回御答弁いただきたいと思います。
#152
○河本国務大臣 いろいろむずかしい問題はたくさんございますけれども、そういう問題を一つ一つ整理しながら、目標の実現を期していきたいと考えております。
#153
○春田委員 そういう希望的観測でございまして、実際そういうものが出てきた場合には、やはり非常に厳しいのじゃないかと私は思うわけでございます。そういう点で、この前もうちの同僚議員の長田議員から質問がございましたように、こういう公共料金は、今後消費者物価を四・六%に抑えるためには凍結すべきであるという主張もしているわけでございまして、私もそのように主張しておきます。
 さらに、これからの灯油の問題が先ほどもございましたけれども、やっぱり相当心配されているわけでございます。――通産省の方、おいでになっていますね。いままでの国会論議の中では、量も確保されている、灯油もここしばらくずっと落ちついてきているという御答弁がされているわけでございますが、イラク・イラン戦争が短期戦から長期戦の様相を帯びてきたという点もありますし、さらに、これから灯油やA重油が相当需要期になってくるわけです。そういう点から、価格のアップの心配というものはないかどうか。先ほども御答弁ございましたけれども、再度御答弁いただきたいと思います。
#154
○志賀(学)政府委員 灯油の供給につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、在庫の現在の備蓄状況などから申しまして、私どもといたしまして、今後需要期に入りますので、先生おっしゃるように需要がふえるわけでございますけれども、供給の安定につきましては十分対応し得るというふうに思っております。
 価格の問題でございますけれども、これは六月をピークにいたしまして、最近の灯油の価格はやや下落ぎみという傾向をたどっております。
 なお、先行きでございますけれども、これは現段階におきまして、イラン・イラク紛争がいつまで続くかとか、あるいは原油価格、これはすでにサウジアラビア、UAE、この辺が八月ないし九月にさかのぼって値上げをしておるわけでございますけれども、そういった問題のほかに、さらに今後原油価格の値上げが波及していくのかどうかといった問題も、やや不透明な点がございます。それから為替レートがどうなるのか。確かにいまは円高でございますけれども、そういった円高傾向が今後も続くか定着するかといったようなことも不透明でございます。ただ、いずれにいたしましても、先ほども申し上げましたように、円高傾向が続くのであれば、私どもとして、原油価格がある程度上昇しても、極力その円高の利益に吸収させるようにして、できるだけその価格を安定させていくという方向で努力してまいりたいというふうに思っております。
#155
○春田委員 ということは、要するに八月一日にさかのぼってサウジが上げた、UAEが九月一日にさかのぼって上げたけれども、これは円高によって相殺されて、いわゆる末端価格には影響ない、こういうことですね。
 そこで、今後は産油国がどういう値上げをしてくるかわからないけれどもというお話でございますし、いわゆる十二月OPEC総会が、何か開かれるとか開かれないとか、いろいろ問題になっておりますけれども、もし仮に産油国そのものが上げてこなかった場合は、灯油の末端価格はこれでずっと維持していく、そう考えていいわけですね。
#156
○志賀(学)政府委員 原油価格は、原油を調達する場合に産油国から直接輸入する場合と、それからスポットで取る場合とございます。スポット市場の価格は、最近やや値上がりを示しております。そういった問題も実はあるわけでございますけれども、私どもとしては、できるだけそのスポット市場の原油価格を刺激しないような形で原油をできるだけ調達するようにということで、現在石油企業を指導しておるところでございますが、ただ、いずれにいたしましても、やはり世界の需給というのが、これはイラン・イラク紛争がどのくらい続くかにもよりますけれども、ある程度長く続いてまいりますと、やはり何がしかの影響は出てこざるを得ないだろうと思っております。そういった問題がございますけれども、円高傾向が続くとすれば極力安定させるように努力していきたい、こういうことでございます。
#157
○春田委員 通産当局は、備蓄は百十一日あるのだからいまは大丈夫ですと言っておるのでしょう。そこへもってきて、いまスポットという話が出ましたけれども、いわゆる石油会社がスポットを買った場合高くなるから、それは値段に反映するかわからないという御答弁だと思うのですけれども、いま原油の備蓄が百十一日あって、スポットなんか買う必要はないのじゃないですか。そういう指導はなされていないのですか。
#158
○志賀(学)政府委員 大体、従来からスポット市場からの調達というのは一〇%くらいずっと調達しておるわけでございます。したがいまして、できるだけスポット市場からの高値買いというのは自粛させるように、私どもとしても指導しているわけでございますけれども、スポットから全く買わないというわけには、これはまいらないというふうに私は思っております。
#159
○春田委員 ことに灯油につきましては、八月の在庫数が九月の目標に近づいているわけであって、相当在庫があるわけですよ。そういう点で量はあるわけですから、そんなスポットを買う必要はないと私は思うのですけれども、昨年の実績からいきましたら、灯油価格でございますが、一月あたりが七百円台だったのが六月に八百円台になり、七月に九百円台になり、八月に千円台になり、九月からは千百円台になりましたね。それからずっと九、十、十一までが千百円台、十二月に千三百円台に一挙に上がっているわけですね。これはいろいろな理由があるかもしれませんけれども、一般的に見たら、需要期になってきたら一遍にこう上がったような感じを持つわけです。そういう点で、ことしになってみればずっと現在までは灯油価格は落ちついてきているわけでしょう。そういう点で、いわゆる産油国そのものが上げなかった場合は、この値段でずっと推移していくと見ていいわけですか。
#160
○志賀(学)政府委員 日本のドルベースの価格が上がらなければ、これはあとはレートの問題でございますから、こういった傾向は続くだろうというふうに思っております。
#161
○春田委員 したがって、八月が千五百九十四円、九月が千五百八十一円ですから、レートが変わらない限り、円高傾向がずっと続く限り、少なくとも年内、これはもうたとえ需要期が来たとしても、灯油はこれ以上上がらない、そう見ていいわけですね。
#162
○志賀(学)政府委員 できるだけ安定するように、私どもとして極力努力してまいりたいというふうに思っております。
#163
○春田委員 次に、この前も問題になっておりました物価対策費五百億円の使途の問題でございますが、これは去る二十一日、公社民と自民党の四党間の合意によりましてある程度詰めがされたわけでございますけれども、長官は昨日の参議院の物特でございますか、十三項目のうち一つ二つぐらいむずかしいけれども、他は全部実現できる、また、したい、このような御答弁をなさったと聞いておりますけれども、間違いございませんか。
#164
○河本国務大臣 そのとおりです。
#165
○春田委員 この一つか二つむずかしいというものはどういう項目なのですか。
#166
○河本国務大臣 たとえば、所得減税とかそういう提案もございますので、そういう点はむずかしいと思います。それからなお、まだ最終的な判断ではございませんが、まだ若干むずかしい点があるかもわかりません。
#167
○春田委員 所得減税の話だけあったわけでございますけれども、何か具体的にわかりませんか。それ以外、この三党申し入れについてはちょっと厳しいというような項目が、長官自身は十三項目のうち一つか二つおっしゃっているわけですから、ちゃんと頭の中にあると思うのですけれども……。資料見せましょうか。
#168
○河本国務大臣 とにかく、物価を下げるための熱心な御提案でございますから、私どももこれを真剣に受けとめまして、いま検討いたしております。その段階で、あらかじめ、これとこれとはできませんと言ってたくさん並べるということも申しわけないことでございますから、できるだけ御趣旨を尊重いたしまして、物価対策上有効な案がまとまるように、いま懸命の努力をしておるところでございまして、もう四、五日待てばまとまると思いますので、もうしばらくお待ちいただきたいと思います。
#169
○春田委員 この五百億円の使途につきましては、大蔵省はもう了解したのですか。
#170
○河本国務大臣 これは四党で予算修正のときに、物価対策に五百億を使うということをお決めになりまして、それを政府が承知いたしまして予算が成立をした結果がございます。したがいまして、四党の方でこういう方向に進めるのだということを御決定になりますと、当然ゴーのサインが出るわけでございますから、これを使っていく、こういうことに相なるかと思います。
#171
○春田委員 社会党、公明党、民社党が使えということで意見が一致しているわけでございますから、あとは自民党の問題だと思うんですね。そこで、党内においても非常に最有力の長官でございますので、その辺も説得されて、ぜひこれが実現方が成るように要望しておきます。
 さらには、もう一点だけお尋ねしたいわけでございますが、この三党要求の中の「生活必需物資の特別価格による提供事業の拡充」という中で第一項目に、現在政府が実行しておりますフードウイーク、これは全国十八都市で年二回やっているわけですかね。それと商業サービスセール、これも十都市で年一回やっているみたいでございますが、これを物価安定のためにこの「十一月から三月まで毎月これを行うとともに、対象都市と店舗を倍増すること。」という要望があるわけでございますが、いま検討中ということでございますが、この点についての長官の御感触をいただきたいと思います。
#172
○藤井(直)政府委員 御提案の第二項目の第一にございます、それは私ども、承知しておりますが、こういうものも含めて現在検討させていただくということでございますので、個別的にいま御意見を申し上げるのは差し控えたいと思います。
#173
○春田委員 これは長官にもう一回確認しますけれども、先ほど、一、二項目はむずかしいものがあるということでございますが、その一、二項目にこれは入っておりませんか。
#174
○河本国務大臣 それは実行に移すつもりでおります。
#175
○春田委員 ぜひ実行していただきたいと要望しておきます。
 さらに、既定経費の中で、物価対策費で三十億円ことし出ているわけですね。これは、例年の推移を私、ずっと調べてみますと、四十九年と五十年には五十億円が使われているわけです。五十一年には四十億円が使われているわけですね。そういう実績もあるわけでございますが、そういう点から言ったら、この三十億円が、年度で比べればぐっと下がっているわけですね。これはもっとふやすべきじゃないかと私は思うのですけれども、来年度予算要求ではどれぐらい要望しておりますか。
#176
○藤井(直)政府委員 今年度三十億円でございまして、現在まで使用した額が約二十三億円でございます。
 それから、来年度の予算要求といたしましては三十一億五千万円要求しております。
#177
○春田委員 時間がそうございませんので、次へ進みたいと思います。
 次に、景気対策の問題でございますが、実質経済成長率政府目標が四・八%でございますが、四月−六月期におきましては、年率に直せば二・四%と非常に低い数字なんですね。現在は十月の下旬でございますけれども、この七月から八月、九月期の見通しは大体出ていると思うのですけれども、この辺の成長はどうなんでしょうか。
#178
○井川政府委員 GNP統計は各種統計が全部出そろった後、その各種統計を加工して出すということで、その期が終わりましてから二カ月たたないと出ません。したがって、七−九月につきましては十一月末ないし十二月というようなことになるわけでございまして、われわれとしてそれがどう出るかは予測はできません。しかしながら、言えますことは、決していい数字にはならないんじゃないか、これは単なる感じでございますけれども、そういう感じはいたします。
#179
○春田委員 いまお話があったように、九月の指数はまだ出ておりませんけれども、七月、八月のそういう個人消費の問題とか設備投資等を見ればやはり非常に厳しい、数字で見てもわかるわけです。そういう点では、この七、八、九の期におきましても低迷するんじゃなかろうかと私は思うわけでございますけれども、これも先ほどと同じように、長官どうですか、四・八%達成、自信はおありですか。
#180
○井川政府委員 上期につきましては先ほど申し上げたような状況でございます。
 実は、この前、総合対策を出しましたときに、そのときの状況に基づきまして年度の見通しを見直してみたわけでございます。しかしながら、下期におきましては、上期好調の設備投資がやはり持続をしている、あるいは輸出も上期ほどではないけれども、やはりある程度の伸びを確保しておる。さらに物価の安定化に従いまして、最も問題である実質個人消費が堅実にふえていくというふうなこと、さらには政府の対策によりまして公共事業を第三・四半期はふやす、第四・四半期も促進的に実行するというようなことになりまして、これらの全体的な効果を総合いたしますと、年度といたしましては多少前後はいたします。たとえば、最終消費支出につきましては、当初の見通しより落ちる、しかし設備投資については当初の政府の見通しよりも多くなるというような入れかわりはございますけれども、大体四・八%の経済成長は実現可能ではないか、こういう暫定試算を出したわけでございます。
#181
○春田委員 しかし、GNPの五三%を占める個人消費がやはり相当冷え込んで低迷しておるわけですね。この辺が私は問題だと思うのです。民間の設備投資は確かに若干そういう点では上向いていますけれども、個人消費、これをどう上向かせていくかというのが今後の課題じゃないかと思うのです。そういう面ではやはり物価対策が必要になってくるわけでございまして、景気と物価というのは相関関係があって非常にむずかしい問題があると思うのですけれども、この個人消費の喚起の問題につきましては、ちょっときょう時間がございませんので、次の機会に譲りたいと思うのです。
 そこで、景気対策の一環として住宅建設の促進を九月五日にも織り込んであるわけでございますけれども、この資料を見ても非常に落ち込んでいるわけですね。この原因はどういう形で見られているのですか。
#182
○井川政府委員 住宅につきましては、中長期的な、あるいは構造的な原因と短期的な原因、両方あるだろうと思います。
 構造的な原因といたしましては、わが国における持ち家比率というふうなものが相当高くなってきた、あるいは空き家比率が非常に少なくなってきたというふうなことがございますし、あるいはまた、建築します層がだんだん低所得層に移ってきている、こういうふうな問題がございます。
 それともう一つ大きい問題が、先ほどから問題になっております地価の高騰、それによる宅地取得の困難性ということがございまして、これは単にここで簡単に対策をとったからすぐそのときから上がるという問題ではないかと思います。
 それからさらに、短期的な問題といたしましては、住宅を取得します場合の住宅ローンの金利が高いというふうなものがございまして、このことによって需要者の方としては少しそこらが安くなるのを待つというふうな感じもあるのではないか、こういうふうに考えております。
#183
○春田委員 住宅の取得につきましては、いまお話があったように非常に土地が高い。また建設資材も非常に高くなってきておるわけですよね。さらに、いま金利の問題がございました。しかし、きのうの新聞を見れば、銀行協会が住宅ローンを引き下げる方向になってきたような話が出ていたわけでございますけれども、それに反比例をするように住宅金融公庫の融資条件を非常に強化しようというのを大蔵省で考えているみたいですね。これは二十一日の新聞で報道されているわけでございますけれども、一般住宅向け融資限度面積を、従来は百二十平米だったやつを百平米に減らす。さらに金利の問題も、一戸建てに住んでいる人については若干高くする。民間木賃アパートに住んでいる人たちは従来の金利五・五%で貸し出すというような、財投を有効に使うという大蔵省のそういう形で、こういう住宅金融公庫の条件が非常に強化されてくるような方針が出されているわけでございますけれども、これは経企庁としてはどういう御見解をお持ちなんですか。
#184
○井川政府委員 具体的には、大蔵省及び建設省の言うような来年度予算要求に絡んで、かつまた財政上の問題ということで議論をされているのではないかと思います。公式にわれわれは聞いていないわけでございますけれども、住宅取得を促進していくというふうな面からいいますと、条件を強化するというのは問題ではないかと、私、個人的にはそう考えております。
#185
○春田委員 長官にも確認しておきたいわけでございますが、九月五日の経済対策では、そういう住宅を促進するという形になっておるわけでございますが、大蔵省は財政再建というたてまえのもとで、こういう形で非常に住宅促進を阻害するような方針を出してきているわけですね。そういう面でも長官としては、これには断固としてこういう方針を撤回するように大蔵省の方に申し入れていただきたいと思うのでございますが、長官としての御見解をお伺いしたいと思うのです。
#186
○河本国務大臣 私は、その件についてはまだ承知しておりませんけれども、ただいまのところ住宅建設が大変落ち込んでおりまして、これが日本経済全体を非常に大きく圧迫をしております。足を引っ張っております。そこで、来年度は住宅建設をどのように計画どおり進めていくかということが非常に大きな課題だと思いますので、そういう観点からいろいろなことを判断していきたいと思います。
#187
○春田委員 最後になりますけれども、これは先ほども質問がございました公定歩合の問題でございます。再引き下げの声が出ているわけですね。これは日銀の専権事項であると思いますけれども、この公定歩合を引き下げた場合は円安の方向になりがちで、物価がそれによって上がっていくのではなかろうかという見方もされます。また、景気浮揚のためには当然これが必要である、こういう点もあるわけでございますけれども、そういう点では非常にむずかしいと思うのですが、長官自身の御見解をお伺いしたいと思います。
#188
○河本国務大臣 八月の第一次公定歩合の引き下げのときにはそういう議論もございまして、公定歩合を引き下げをいたしますと円安になる、そういうおそれありということでございましたが、これが逆になりました背景は、つまりドイツなどは経済が少し悪くなりまして、そしてそれでも公定歩合をいま引き下げる立場にはない、つまり国際収支の問題等からやれない、しかるに日本は国際収支もだんだんとよくなりつつありますし、公定歩合を引き下げる力を持っておる、これは日本経済全体を高く評価しなければならぬ、こういうことからむしろ外資の流入がふえてきた、円高にもなったという逆の現象が起こってまいりました。今回もまずそういう心配はないと私どもも判断をしておりますが、そういう心配がないというのは、円安になる、そういう心配はまずなかろう、こういう判断をいたしておりますが、現に相当高い水準になっておりますから、国際収支、円のレート、物価、それから部分的な不況、こういうものを考えますと、公定歩合についていろいろ判断をしなければならぬ客観的な条件はいま整いつつある、こう思います。日本銀行はそういうことはよく御承知でございまして、そういうことをいま総合的に判断されつつある。いずれ近く結論を出されるであろう、このように期待をしております。
#189
○春田委員 きょうは建設省と公取の方にも来ていただいたわけでございますけれども、何せ限られた時間でございますので、質問事項はあるわけでございますけれども、時間が参ったようでございますので、次の機会に譲らせていただきまして、せっかく御足労いただいたわけでございますけれども、御了解いただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#190
○井上委員長 中野君。
#191
○中野(寛)委員 何かただいまの春田質問の続きをやるようで恐縮ですが、若干お尋ねしたいと思います。
 いまの為替レートの問題でございますけれども、確かに日本経済の持つファンダメンタルズが大変安定している、大変よい状況にあるということで円高基調にあるわけでありますが、これが果たして、適度な段階でとどまるといいますか、落ちついていくということは非常にいいことでありますけれども、いろいろ民間の経済人の方々の話や予測によりますと、これがまた二百十円から二百五円、または二百円以上に上がっていくということがないだろうかという心配もあります。また、そのことが確かに輸入品の値下がりを招き、卸売物価の安定につながると同時に、反面それが流動的であればあるほど、今度はいわゆる景気のかげり、日本経済を脅かす輸出の問題に響いてくる、また同時に、経済摩擦という問題の口実を諸外国に与えることにもつながっていくということ等もありまして、やはり適度なところにおさまっていくということが、安定化するということが大変大事であります。
 現在考えられる国際情勢と為替レートの関係、動向につきまして今後の見通し、こういう面についてはプラス材料だということについては先ほど来何回か聞かせていただいているのでありますけれども、こういうことについては十分注意しなければならないというふうな問題があるとすれば、どのように御認識をしておられますか。その動向の見通しとともに、まずお聞かせをいただきたいと思います。
#192
○河本国務大臣 経常収支の方もだんだんと改善の方向に行っております。それからアメリカ、ヨーロッパの経済が思わしくない、アメリカは底をついたような感じでございますが、ヨーロッパは相当悪い、こういう状態でございまして、しかもオイルダラーというのが非常にたくさん余っておる。投資先が比較的限定されておりまして、そういう関係から日本にも大量に流れてきておりますが、そういうことが円高の背景にあると思うのです。しかし、いまお述べになりましたように、余り高い数字になりますと貿易が大変やりにくくなる、経済の足を引っ張る、こういうことにもなりますので、変動相場制のもとでありますから具体的なことを言うわけにはまいりませんけれども、しかし、やはりほどほどの、日本経済の実力に合ったそういう水準でこれが落ちつきませんと、日本としては大変やりにくい、こういう感じを持っております。
#193
○中野(寛)委員 余り具体的に触れるということをむしろ意図的にお避けになったと思うのでありますが、大体どのくらいの為替レートがいまの日本の経済力その他のことを勘案して適当だとお考えでございましょうか。また、いま当面これからそのことのために経企庁として注意しておられます幾つかのことのうち、典型的なことで御心配の向きがありましたら御答弁いただければと思いますが。
#194
○河本国務大臣 実は私は変動相場制のもとでございますので軽々なことは言えなかったのですけれども、しかし、二年前までくらいは、大体日本経済の実力から言えば二百二、三十円くらいじゃなかろうか、こういうことを機会あるたびに言っておりました。現在は、その後相当合理化も進み、生産性の向上も進んでおりますから、それ以上のレートにも十分耐えられる力を持っておると思います。しかし、具体的にどの見当がいいかということは、現段階のもとでも流動的な要素等もございますから、具体的な数字はちょっと挙げにくい、こういう感じでございます。
#195
○中野(寛)委員 おおよその感覚としてはわかりました。そういう長官の御判断のもとでいわゆる為替レートの条件も、公定歩合の引き下げにある意味では一つの条件となっているということでございました。物価の安定、そしてまた円高基調にあるということ、そういうことを十分配慮しながら景気の回復を図っていく、そのための公定歩合の問題でありますが、私どもも、いまよくうわさをされております一%の引き下げ、私はそれは適当なことではないだろうか、望まれることだ、こう思っておりますけれども、将来の景気回復等のことを考え合わせますと、物価対策に十分気をつけながら、それだけでは済まないのではないのか、また年明けには再引き下げということも、やはりなだらかな経済運営のために考えられる必要があるのではないかという気もむしろするくらいであります。ただ、その場合に預貯金の金利に連動いたしますと、先ほど来のお話のように結局個人消費に影響を及ぼすような、実質賃金の目減りや預貯金の目減りや、そのことから来る消費に対する影響や、またそのことがひいてはそのまま景気に影響を与えてくる、大変慎重な対応が望まれることも事実だと思います。このような今後の公定歩合をめぐる経済運営について、経企庁の立場でどうお考えになっておられますでしょうか。
#196
○河本国務大臣 いま政府の金融政策についての基本的な考え方は、これを経済の実情に合ったように機動的に運用する、こういう基本方針でございます。これは正式に決定しておることでございますが、しかし、機動的に運営をするといいましても、やはり機動的に運営できるような、そういう経済情勢というものをつくり出さなければなりません。それが国際収支であり、円レートであり、物価である、こう思います。
 現在の金利水準が経済全体の足を非常に大きく引っ張っておるということは、これも事実でございますので、どうしてもある程度のところまで引き下げたい、私どもはこういう強い考え方を持っておりますが、そのための客観条件というものをつくらなければならぬ。日銀が動きやすいそういう条件をつくっていかなければならぬ、このように考えまして、いま努力をしておるところでございます。
#197
○中野(寛)委員 そうすると、将来はそういう客観情勢が整っていけば、むしろ公定歩合については今回予測される一%にとどまらず、これをより一層引き下げていく方向というものが望ましいとお考えでしょうか。
#198
○河本国務大臣 さしあたっては、ことしの二月、三月、公定歩合を二回連続引き上げましたが、その際政府と日本銀行の説明は、狂乱物価前夜である、だからこうするのだ、そういう説明でございましたが、確かにあのときは毎月卸売物価が二%あるいは二%以上上がりまして、狂乱物価に近いような状況でございました。
 しかし現在は、卸売物価の方はここずっと安定をしておりますし、九月はマイナス〇・三%、十月の上旬はマイナス〇・五%、こういう安定の方向にいっておりますし、消費者物価はなお若干の問題があるとはいいながら、大勢は安定の方向にいっております。二月、三月の状況ではない、その当時の状況は一応解決された、こう思っておりますので、私どもといたしましては、いまの金利水準が、繰り返しますけれども、経済全体の足を引っ張っておるということを考えますと、第四次引き上げ以前の水準にできるだけ早く戻すということがいまの経済全体の情勢から見て望ましいのじゃないか、こういう判断をしております。
#199
○中野(寛)委員 現在失業者数も約百十八万ですか、というようなことやいろいろなことを考えますときに、景気の回復、私どもも大変望まれるわけでありますが、やはりそのことのためにも、物価対策というものがとりわけ大事であるということを十分注意をしていきたいと思うわけであります。
 そこでその物価の問題でありますけれども、先ほど来も幾たびとなく指摘をされてまいりました。いままでの物価騰勢の主原因の中に、たとえば冷夏の問題も指摘をされました。しかし、季節的な問題というのは、たとえば去年の二度にわたる大型台風のようなこともありましたけれども、季節的な問題というのは十分予測をしなければならぬ、こういう性格のものでもあると思います。
 たとえば冷夏に続いては、今度は厳冬ということにならないのか。すでに一月以上も早く青森では雪が降るというような現象が起こっているわけであります。そうなりますと、結局平年よりも早く、たとえば灯油の需要が高まってくる。また一方では季節野菜に悪影響を及ぼしてくるというふうなことをこれから私ども心配をするわけであります。
 先ほど来の四党合意の五百億円の流用の問題につきましても、なかなか大蔵当局の方は抵抗が厳しいような印象を受けるわけでありますが、これとて、四党合意のといいますか、先般三党で申し入れました内容にしても、私は決してそれが万能の策だと思わないわけであります。幾らかの効果を発揮するであろうけれども、われわれ自身がつくっておいてこう申し上げることはどうかと思いますけれども、しかしまだまだそれも現象面に対する対症療法だという気がしてならぬわけであります。むしろ景気回復のためにも個人消費を伸ばしていく、そのためには物価の安定、とりわけ実質賃金の確保、こういうことは何はさておいてもやらなければならぬ。
 繰り返した質問になるかもしれませんけれども、今日までの物価騰勢の主原因というのを季節的な問題だけにとどめて果たしていいのだろうか。そしてまた、現在円高基調にあるということから、それだけの理由ではないにしても、卸売物価も落ちついている。しかし、そのことだけで甘えていていいのだろうか。むしろ今後の積極的な具体策というものが私はとりわけ望まれるような気がしてならないのでありますけれども、先般八月でしたか、八・九%の物価上昇がありましたときにも、経企庁としても他の省庁と連絡をとりながら具体的な対策を発表する等々、幾たびか私どもは新聞紙上等でも読んできたわけでありますが、その後はっきりとした具体的な物価対策というものが経企庁なりから示されたという記憶が実は余りないのであります。全く発表されなかったわけではありませんけれども、しかし、なるほどとうなずけるものが私どもとしてはまだ考えられないのでありますが、現在なお一層その物価対策について具体的な対策を御検討中でございましょうか。また具体的にこれはということがおありでしょうか。
#200
○河本国務大臣 ことしになりましてから物価が上昇をいたしましたその背景は、やはり何と申しましても、先ほど通産省からも説明がありましたが、一昨年の年末に比べまして石油の輸入価格が円で計算いたしましても二・八倍に急上昇したということ。石油が急上昇いたしますと、石炭その他のいろいろな物資もそれに応じてある程度上がってまいります。日本の経済は生産性の向上がある程度進んでおりますから、加工の段階で大部分は吸収いたしましたけれども、なお吸収し切れないものが相当ございます。私はそのことが物価高の一番大きな背景だ、こう考えております。そこへ異常気象が重なった、こういうことでございますが、企画庁といたしましては、この三月にも七項目の物価対策をまとめております。これは企画庁がまとめまして当時の政府全体の物価対策として決定をしたことでございますが、この九月五日にも御案内のように経済対策を決めますときに、物価対策が当面最大の課題であるということから六項目の物価対策を決めておりますし、それからいま野党三党からの提案を受けまして、それを参考にいたしまして当面どのようなことをしたらいいかということについて、いま案をまとめつつございますが、これも数日の間にはまとまると思います。そういうことで物価には絶えず気を配りまして必要な対策を遅滞なくやっていかなければならぬ、こう思っております。
#201
○中野(寛)委員 なおそのような対策を講じながら、あと残る半年約四・六%に抑えなければ、たびたび言われる六・四%の政府の公約は実現できないことになるわけであります。これは大変な努力が必要、物によってはむしろ値下がりというふうなことさえもなければ、この四・六%というのは実現できないような数字ではないだろうか、このようにも思うわけでありますが、その対策の中心は何になるでありましょう。
#202
○藤井(直)政府委員 一つは、やはり季節商品でございまして、季節商品につきましては、これからの秋冬野菜が順調に育っていくということが必要でございますが、特にその前提としては、作付の面積がふえるとか、それからそれに伴いまして出荷数量がふえるというようなことについての手を打っておくことが大事でございますので、ことしの農林省の中で重要野菜需給調整事業というのがありますが、この中でも秋冬野菜につきまして五%程度ゆとりを持った出荷計画を立ててもらうという指導をしておるわけでございます。そういうような全体の供給量がふえる方向でやるというのが第一でございます。
 そしてさらに、先ほどもちょっと御指摘がありましたが、季節的要因等があるではないかということでございますが、そういう事態にも備えるために、九月に、たとえば契約栽培を沖繩とか鹿児島にやってもらって問題があったときに輸送するとか、それから一部の野菜について保管をして問題があったときに放出するとか、それから予備苗を確保しておくというようなこともやっているわけでございまして、そういうことによって何とか季節商品についての価格安定を期していこうということでございます。
 それから、もう一つの季節商品以外の商品等につきましては三月以来生活必需物資についての価格の関係それから需給関係についての調査、監視ということをやっておりますが、それによって全体の動向を判断して、問題があれば供給の確保のための手を打つということにいたしているわけでございます。そういう対策は引き続き堅持しておりますので、その対策によって不当な値上げがないような努力もしているわけでございます。
 そしてさらに需要期に入りますれば灯油の問題もございますから、灯油価格の安定を何とか図っていくという努力もしなければならないと思っております。そういうような一連の努力を重ねていくことによりまして、現在定着傾向にあります物価を一層浸透させていく、それによって前年同月比の上昇率を下げていくということを考えて、いろいろな対策をとっている状況でございます。
#203
○中野(寛)委員 いまの御答弁に関連してひとつお聞きしたいのですが、季節野菜の問題は、お聞きしますと、むしろ農家の方で、その生産を伸ばしていくそのことのために逆に暴落しないかという心配をする向きがあって、むしろ物価対策の足を引っ張るといいますか、ちょっとこれは言い過ぎかもしれませんが、いわゆる逆な立場から心配している向きがあるということがあります。しかし、それをあえて乗り越え、またそういう方々にもしそういう事態が起こった場合には何らかの補償といいますか、そういうようなこと等も考えるぐらいの思い切った突っ込みが必要だと思うのでありますが、そのようなことについてはどうお考えでしょうか。
#204
○藤井(直)政府委員 先ほども申し上げました重要野菜需給調整事業は、そういうことによって価格が低落したときにその低落したもののめんどうを見るというのがその予算でございます、それから別途野菜供給安定基金というものもありますから、そういう事態が生じたときには適切な手を打てるものだと思っております。
#205
○中野(寛)委員 よほど季節的な事情があって生産が予側した以上に落ち込むというふうなことがなければ、物価対策としては万全の体制がとれていると考えてよろしいでしょうか。
#206
○藤井(直)政府委員 万全と申し上げていいのかどうかあれですが、十分な対策をとっているという気持ちでおります。
#207
○中野(寛)委員 もう一つ、ちょっと話がそれるようですが、生活必需物資の問題等であります。最近よく言われますことに、消費者の意識が変わってきたのではないか。たとえば耐久消費財にいたしましても、いわゆる省エネルギーのPRがかなり浸透してきて、むしろ少々高くても長もちするものを買うという消費者意識がかなり顕著になってきた。そのようなことがある意味ではいまの景気やまたは品物の売り上げ等に影響を与えている。たとえば、スーパーマーケットの売り上げが減ったのに、一方では高級品を取り扱う百貨店の売り上げは順調に伸びているということがはっきり出ているということから、そういう分析をする向きもあるわけでありますけれども、消費者の意識についてどのように考えておられますでしょうか。
#208
○藤井(直)政府委員 大変むずかしい問題でございますし、私から申し上げるのがいいかどうかわからないわけでございますが、われわれがGNP、特にそのうちの個人消費等々のいろいろな問題を取り扱います場合の考え方といたしまして、現段階やはり物価が上がっているために実質個人消費は減っている。と同時に、物価が上がると少し個人の消費性向が下がっていく、こういう傾向がございます。ただ、第一次石油ショックのように大幅な上がり方をしなかったために、今回は消費者の意識が根本的に違うというふうな、そういう上がり方ではございません。それで、ほんのわずかにそういう傾向があるということでございますが、これはやはり消費者心理として、物価が上がるときには買うのを少し手控えようという非常に堅実な、先ほど石油の問題がございましたけれども、上がったらその消費を手控えていく、それが一般のものにもあるんだ。しかし、大きく言って、それではもうあらゆるものをということかといいますと、一方において、先生言われたように、必要なものであれば高いものでも買う、そういう気持ちはある。そこが第一次石油ショックと現在と違うところでございまして、消費者意識が根本的に違ったとは思えない。しかし、物価が上がった分についてはやはり消費を少し手控えていく、そういう堅実な態度であろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#209
○中野(寛)委員 国民の意識がそういう意味では高まってきたといいますか、賢い消費者としてなお一層進歩してきたということが言えるのではないかという気が私もしているわけでありますが、やはりそういう国民の協力が得られる状態である中で、そういう国民の意識が、消費者の意識が高まっている中で、なおかつあれだけの物価の高騰があったということが、逆に言えば、今後の心配の要因としてどうしても私どもは意識的に残るわけであります。ゆえに、先ほど季節野菜、季節商品とか生活必需物資、または灯油の問題を言われましたけれども、しかしこれも、生活必需物資の問題はどうかわかりませんが、これとてもやはり季節によって影響を受ける問題である。今回の場合は、むしろ今度は逆に厳冬の問題を心配しなければならない。また長い冬ということも考えなければならぬだろう。しかし、そのことによってむしろ仕事の量が北日本は減るということだってあり得る。景気が逆に冷え込むということもあり得る。そしてまた同時に、そのことによって収入もしくは賃金が不安定なところへ追い込まれていく。こう悪い方へ悪い方へと物事を考えていくと頭痛の種がやはりたくさん残されている。このことに対しては、たとえば六・四%を達成するために後四・六%に抑えていく。しかしむしろそれは四・六%ではなくて四%だ。かなりのところにむしろ思い切った視点を置いて努力をしていくということが必要なのではないか。いまのままでいきますと、季節的な要因で影響を受ける日本の物価の問題を考えると、むしろ決して好材料はない、こういうふうにさえ私は考えるわけであります。むしろ最近は、政府・自民党さんの中にも、ことしの春の平均賃上げ相場六・九%、これくらいに抑えられたら上等だという意見さえおありのように聞くわけであります。先の見通しのことでありますから、努力するとしかお答えになれないとは思いますけれども、しかしこの見通し、大臣の方は六・四%、これはかなりの自信をお持ちでございましょうか。それとも、この際あえて国民の協力を呼びかけるとか、または何らかのもっともっと強力な対応策というものが望まれるとかというふうな危惧の念を常にお持ちなのでしょうか。こういう心配を持っているんだということは決してマイナスでも何でもない。こういう心配を持っているがゆえに、ひとつみんなで協力しようということを呼びかけることは、いま申し上げましたように、消費者の意識がこれだけ高まっている状態の中ではむしろ大切な望ましい姿勢なんではないかという気が私はするわけでありますので、あえてお聞きしたいわけであります。
#210
○河本国務大臣 簡単に実現できる目標ではございませんで、やはり相当な努力と工夫が引き続いて必要だ、こう思います。
 そこで、今回の五百億円の使途等につきましても、いま野党三党の御意見も参考にいたしておりますけれども、なおそれ以外の御意見も幅広くお聞きをいたしまして、あらゆる知恵をかりまして、そして努力をいたしておりますが、それじゃ、それで十分かといいますと、決して十分ではない。やはり絶えず次から次へきめ細かくフォローアップをしていかなければならぬ、このように考えております。
#211
○中野(寛)委員 この努力目標が達成されることを心から私どもも念じます。が、もしこの六・四%が実現できない、または労働者の実質賃金が低下をする、昨年に比べても低下をする、こういう状態になった場合、先ほど来長官のお答えの中にもございました、政府の六・四%というこの数字のお約束があるがゆえにこの春のベースアップの相場がそこへ落ちついたという御答弁がありましたように、これは言うならば労働者の賃金を決めるための条件、一つの指標になったわけであります。このことをひっくり返して考えれば、六・四%が実現できなかった場合の実質賃金はどう保障するかという問題が残ってくる。これは政治的な責任の問題が残ってくる、こう思うのであります。そういう場合に、大蔵当局は即座にノーと答えるではありましょうけれども、しかし決意として所得減税や物価調整減税等、むしろ政府が責任を持つという立場で、そのようなものをあえて覚悟を決めるといいますか、大変縁起のよくないたとえでありますから、質問もしにくいし、お答えもしにくいかもしれませんが、しかし、それだけの覚悟というものが政府にあるということが望ましい、こう思うのでありますが、いかがでありますか。
#212
○河本国務大臣 いまは政府を挙げてこの目標実現のためにあらゆる努力をしておる最中でございます。そして、この六・四%という政府目標を、政府が当時、達成いたします、こういうことを言明したことを背景にしてことしのベースアップが決まったということもよく承知をしております。それだけ政府の責任も重い、このように考えまして、これはどうしても実現しなければならぬ、こういう考え方でいま臨んでおるというような現状でございますから、もしできなければどうするんだ、そういうことはただいまのところは考えておりませんし、特に財政事情から考えまして、物価調整減税とかあるいは所得減税とかいうことはやりにくい状態でございますから、それだけやはり私どももこの六・四%という目標をどうしても実現しなければならぬ、こういう決意のもとに取り組んでおるということを御理解をしていただきたいと思います。
#213
○中野(寛)委員 先般、九月にヨーロッパを回りましたときに西ドイツにも寄りましたけれども、ちょうどそのとき選挙の真っ最中でございました。与野党を問わず、物価調整減税もしくは所得減税、これが一つの選挙公約になっておりました。大変厳しい財政事情の中で、ドイツといえども財政再建の途上にある、そういう事態の中で、やはり景気を回復させるために個人消費を伸ばさなければならぬ。物価対策と同時に、そのような問題が選挙公約として取り上げられておったのを思い起こすのであります。
 長官は、個人消費を中心にして景気回復策こそ大事だ、そしてそのことによって自然増収も図られ、財政再建にもつながっていく、いわゆる前向きの経済政策が――私はいまの鈴木内閣の中で河本長官のみが、と言っては言い過ぎかもしれませんが、国民の立場からすれば最も希望を持たせてくれる、そのような考え方を今日まで常に主張してこられた大臣だと思うのであります。私は、そういう意味でいまのことをあえて申し上げたのであります。
 所得減税や物価調整減税は、決してなまやさしいことでできることではありません。そしてまた、それをするとお答えくださいと申し上げているのでもない。むしろそのような強い決意を持って物価対策に臨んでいくという政府の姿勢こそが必要ではないかと申し上げたわけであります。いかがでございましょうか。
#214
○河本国務大臣 ここ数カ月間実質国民所得は減っておりますし、しかも、生活は高度化し、同時に、複雑になっておりますから、経費はよけいかかるということでございますから、国民の皆さんの生活はやはり相当苦しい、私はこう思います。それは十分理解をいたしておりまして、このことがまた個人消費が思うように伸びないということにもつながっておる、景気がもう一つうまくいかないということにもつながっておるということもよく理解をしておりますので、これはどうしても六・四%という政府目標は実現しなければならぬ、こういう意気込みでいま取り組んでおるところでございますから、もうしばらく様子を見ていただきたい、こう思います。
#215
○中野(寛)委員 景気回復のために個人消費の問題、それから公定歩合の引き下げ、そしてまた住宅投資が伸びてくること、幾つかの条件が考えられると思います。そしてそのことは、幾たびか私どもも政府サイドのお考え方としても今日まで聞いたり、または新聞報道等で読んできたりしたところでございます。
 先般、これは九月十日付の新聞ですが、日本記者クラブで河本長官が講演をなさった。その中で、今度はもう一つの方の数字、いわゆる実質成長率四・八%、この達成に努力をせなければいかぬということで、具体的に数字を挙げておられるようでございますが、このことについては、この四・八%成長へのこの目標達成のための目標の数字はこのとおりでございましょうか。
#216
○井川政府委員 実はわれわれが暫定試算をいたします場合に、正確に申し上げますと、各期別をきわめて正確に出すということは、これはむしろ不可能に近いような状況でございまして、ある程度の感触を得て年度全体を見渡す、こういうことにいたすわけでございます。
 長官が言われました数字は、われわれが四・八は実現しそうだという暫定試算をします場合にいろいろ想定したもののうちの一つを長官に申し上げ、長官がそれをメンションされたということでございまして、われわれのそうした感触のうちの一つであるということが申し上げられると思います。
#217
○中野(寛)委員 その後、この四月から六月期は前期比〇・六%、年率二・五%、七月から九月期は三・二%と伸び悩んだ、十月から十二月期は六・一%、来年一月から三月へ向かっては五・三%、この見通しはその後変更ありませんか。
#218
○井川政府委員 先ほど申し上げましたように、四半期別はあくまで感触という問題でございますので、これは細かく言えばいろんな数値があるわけでございますけれども、大体の感じはいまのところそうそれと変わったものを持っていないということは申し上げられると思います。
#219
○中野(寛)委員 これも結局年度末を迎えてみないと最終的にはわからないわけでありますが、そうすると、これはここまで感触として数字をお示しになったということは、それほど自信のほどをお示しになったと受けとめてよろしいですか。
#220
○井川政府委員 先ほど申し上げましたように、経済運営よろしきを得まして、物価の安定化傾向を定着さす、そのことによって実質国民消費を上向ける、それからさらに設備投資はきわめて強うございますが、中小企業を中心とする設備投資のダウン傾向に歯どめがかかる、輸出については下期に、上期ほど期待できないにしてもある程度は期待し、そして、かつまた政府の公共事業については下期は促進的に実施をしていくというふうなことになりますれば、大体の感じとしてそういう傾向をたどり、四・八%は実現できるというふうに考えているわけでございます。
#221
○中野(寛)委員 かなり前提条件がつきましたですな。それを一つ一つまた聞いていきますと時間がかかりますから省略いたしますが、そうすると、そういう前提のもとに引き続いて景気がよくなっていけば、来年は五・五%の達成も可能になる、こういうことですね。
#222
○河本国務大臣 五・五%という成長目標は、これは昨年から昭和六十年までの新七カ年計画の平均の成長目標でございます。ことしの一月までは五・七%成長ということを考えておりましたが、第二次オイルショックの悪い影響も考慮いたしまして若干これを下げまして、五・五%という数字に置きかえました。また、物価はおよそ五%ということで、物価の方は少し引き上げた、こういうことが大体の経済運営の主たる目標でございますが、毎年経済の実情に応じまして、それをおおよその中心といたしまして経済運営目標を変えていくわけです。昨年は六・三%成長、ことしは四・八%成長、こういうことで若干少しずつ変わりますが、十二月に最終の判断をしたい、こう思っておりますが、経済企画庁といたしましては、その目標を一応ことしの一月に設定をしておるわけでございますから、条件が整えば何とかこの目標が実現できるような、そういう経済運営を来年はしたい、こういう期待はしておりますけれども、最終の決定はこの十二月にする、こういうことでございます。
#223
○中野(寛)委員 先ほども申し上げましたように、河本長官とりわけ積極経済の持論をお持ちのように私どもは承っておるわけであります。むしろ、物価対策と同時に、十分配慮されながら、景気のてこ入れというものを進めていく、そのことによって成長率をべらぼうに伸ばし過ぎてもまたこれいろいろと国際的に問題を生じるでありましょうが、しかし、現在のこの物特の委員会で財政の問題を取り上げるのもどうかと思いますが、あえて申し上げさせていただければ、この成長の度合いによって財政再建のための自然増収等の期待というものが大いにふくらんでくるということもあろうと思うわけであります。むしろこの機会に私は、長官の持っておられるその積極的な経済運営について国民はそちらに大変大きな期待をかけている、こう申し上げた方がいいのではないかと思うのでありますが、長官御自身、これから、いまおっしゃられた十二月の新しい発表、何もそれまでに限りませんけれども、今後このような将来の景気展望と対策についてどのように現在お考えであるか、お漏らしいただければありがたいと思います。
#224
○河本国務大臣 来年、ことしよりも高目の経済成長をすることができますと、税の自然増収もことしよりもふえると思います。ことしの自然増収は、御案内のように四・八%成長という目標を設定いたしまして四兆六千億、こう想定をいたしまして予算を組みました。ことしよりも強い経済運営ができますと四兆六千億プラスアルファ、こういう数字になりまするし、それから景気が低下をいたしますと四兆六千億マイナスアルファ、こういう数字が出てまいります。しかもその数字は、日本経済の規模が非常に大きくなっておるだけプラス・マイナスのアルファという数字は相当大きな数字になってくる、こう思うのです。もし四兆六千億プラスアルファという税の自然増収が期待できる、そういう経済運営をすることができますならばこれはもう財政再建はきわめて容易になる。逆にマイナスアルファ、自然増収が激減をする、こういうことでありますとこれはもう大変なことになりまして、財政、経済ともに非常にむずかしい状態になってくる、こう思いますので、財政再建ということが大事な課題であるという観点からも、やはりことしよりも景気をよくするという方向に何とか来年の経済を持っていきたいと強く考えておるということでございます。
#225
○中野(寛)委員 最後に、先ほど来の話題の中で一つ触れました、景気の回復の問題にも絡むことでありますし、また物価にも関することでありますが、住宅投資の問題であります。
 先ほど来、同僚議員の質問にも幾たびか出てまいりましたけれども、これは経企庁でお出しになった資料だろうと思いますが、住宅投資、この六月は前年同月比で一八%マイナス、七月で二六・四%マイナス、八月で二三・一%マイナス、昨年に比べて大変な落ち込みようなんでありますけれども、これはやっぱり地価の問題に大変絡んでくる、このように思うのであります。
 先般国土庁長官が十月三日の記者会見で、国土庁と経済企画庁との間で地価抑制策の検討を始めた、こういうことを御発表になっておられるわけでありますけれども、この地価抑制策、私は国土利用計画法が十分――いろいろ先ほど来触れられました、あの適用には二つの条件がある。しかし値上がりがしても、それが投機的なものではないということであれば適用されないというふうなことで、むしろ何かもう無用の長物化したような法律じゃないか、こう思っておるのでありますけれども、これらについての見直し、それから農住法、私はこれは毒にも薬にもならぬと実は思っているわけでありまして、ですから逆に言えば、別に法案審議に反対せんならぬ理由もないなという感じを持つのであります。効果が上がればそれにこしたことはありません、期待はしたいと思いますけれども、なかなか十分な期待はできないんではないか、こう思うのであります。
 地価対策、このことについても私は経企庁長官としても大変御関心をお持ちであって、そしていろいろお考えのところもあるように承っているのでありますが、どのようにお考えでございましょうか。
#226
○河本国務大臣 九月五日の対策を決めますときに、土地の価格が急上昇しておりまして、そのために家が思うように建たない、相当落ち込んでおりまして、いま経済の足をぐっと引っ張っておりますが、そこで地価対策をしっかりやりましょう、こういう趣旨のことを決定いたしたのでございます。それを受けまして、国土庁の長官には地価の引き下げについていろいろ考えてもらいたいということを申し入れまして、国土庁の方でいろいろいま考えていただいておるというのが現状でございます。
#227
○中野(寛)委員 国土庁いかがでしょう。
#228
○渡辺説明員 最近の地価動向につきましては先生もすでに御案内のとおりだと思いますが、やはり三大都市圏の住宅地で値上がりが目立っているということであります。結局、いろいろございますけれども、それに対する当面の対策ということになりますと、どうしてもいわゆる需給ギャップを埋めていかなければいかぬ、つまり何らかの形で宅地の供給の促進を図っていくということが必要になってくる。
 そこで、その中にはたとえば再開発の推進等もあると思いますが、一つには市街化区域の中にまだ相当大量にございます農地を何とかして宅地に転用していこうということが必要になってくるわけでございます。そういうような観点から農住組合法を提出して現在御審議をいただいておるわけでございますが、従来からも四十七、八年ごろのいわば一億総不動産屋と言われた時代の地価の状況があったわけでございますが、そういうものに対するいろいろな制度ができまして、投機的な土地取引に対する抑制というものをやってきておるわけでございますが、それを続けながらいろいろな各般に及びます施策を講じて、いま申しました宅地供給の促進ということをやっていくことが非常に重要であろうというふうに考えております。
 われわれは、現時点におきましては来年の予算要求等あるいは農住組合法案という提出もやっておるわけでございますが、そういったような施策を着実にやっていくことがいま現在においては非常に重要だというふうに考えておりますが、うちの大臣からも指示があったわけでございまして、地価の動向を見ながら鋭意いろいろな対策について検討していきたい。その際どういう形でやっていくかということについても、現在検討をしているところでございます。
#229
○中野(寛)委員 私も大阪圏ですから住んでいてつくづく思いますが、私自身がまだ団地に住んでいますが、これはまじめに国会議員をやっていたら一生一軒家は持てないなと自分でもあきらめています。しかし本当に多くの国民の皆さんが、やはり最後に家族とともに夢を描くのは住宅の問題である。しかし、先ほど来の同僚議員の指摘にもございましたように、特に委員長の御指摘でしたか、とても一般のサラリーマン、勤労者で家を持てる状態はもう三大地域圏ではなくなってきたということ等から考えると、これはよほどの対策を講じてやっていただかないと、投機的なものではないからといって国土利用計画法の地域設定は発動しないとかいろいろなことを言って逃げているようでは、とてもその対応策というのはむずかしいのではないか、こう思えてならぬのであります。
 また余談ですが、たとえば東京圏は畑地が多いのです。大阪圏はたんぼが多いのです。そういう地域事情というふうなことも十分配慮をして、具体的な適用というものを考えていただかないといけないのではないかと思っております。
 時間も来ましたから最後に一つだけお伺いしますが、この国土利用計画法の規制区域の指定要件、これは一回も指定したことはないのですが、投機的取引でない場合でも地価が急激に上昇した場合は指定できるようにするということはできないのか。
 それから、これは法改正の提案ですが、土地取引の届け出面積要件を市街化区域では現在の二千平米から千平米に引き下げることはできないか。これはそれだけで効果を発揮する。いままで二千平米でさえ結構効果を発揮していることは私ども認めます。これを千平米にすることによって、実態に合った対応策ができるのではないだろうか。もう一つは、遊休地の指定の面積要件も現在の二千平米から千平米に引き下げられないか。取得後三年を経過しても未利用状態にある土地は、すべて遊休地に指定するようなことはできないか。幾つかの提案を私どもも今日までしてきているところでございますけれども、このようなかなり強い規制を持ったものもあわせて考えていかなければ効果を発揮しないのではないかという気がいたしますが、端的にお答えいただければありがたいと思います。
#230
○下説明員 国土利用計画法の規制区域制度でございますけれども、御案内のように投機的取引によります地価の高騰が見られます場合に、期間と場所を限定をいたしまして区域を指定をいたしまして、指定されますと細大漏らさず土地取引が許可制になりまして、かつ地価は指定時の地価公示の水準でもって凍結するという、非常に厳しい規制をやるシステムでございます。この仕組みから考えまして、どうもこの制度は土地取引の投機化という緊急異常の事態と申しますか、しかも一過性と申しますか、長続きする要因ではなく非常に一時的な要因によります緊急異常な事態に対処するためにこういう仕組みがとられて、またそれなりの効果があるというふうに期待されておる制度と理解されるわけでございます。そういう緊急異常な一過性の事態でない、たとえば実際の需給のアンバランスという要因によります値上がりに対しまして、こういう強いしかも期間と場所を限定されました仕組みを適用いたしましても、これはかえってその規制されておる期間は、いわば取引が麻痺的な状態になるという懸念もあるわけでございますので、かえって健全な土地取引あるいは円滑な住宅地の供給を阻害するという弊害も出てまいるという問題もございます。また、そういうような強い規制を及ぼします制度が法制的に認められるかという問題も出てこようかと思います。そういうような問題もございますので、この規制区域制度につきまして投機的な要件を外すということにつきましては、問題が大きいのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 届け出制の面積の問題でございますが、これにつきましては、この国土利用計画法が四党共同提案で成立いたしますときに種々御論議がございまして、届け出をさせる制度の効果、それから実際届け出をさせた後、県の段階でいろいろ審査をやりますその事務体制に要する事務量、こういうもののいわば兼ね合いでそういうふうに決まったというふうに承知をしておるわけでございます。ただいまの瞬間をとってみますと、三大圏の住宅地の価格の上昇率というのもやや鈍化をいたしておるようでございまして、ただいまの時点でこの引き下げを直ちに行う必要があるかどうかという点につきましては、私どもといたしましてはその必要はないのではないかというふうに判断をするわけでございますけれども、この点につきましてはいろいろ御指摘もございますので、今後の地価及び土地取引の動向を見ながら、十分検討させていただくべき問題ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#231
○中野(寛)委員 終わりますが、こういうものは大変心理的な影響によって経済も物価も大きく左右される。地価ももちろんそうでありますが、そういうことを考え合わせますと、かなり強い法規制というふうなものがこういう地価の問題についてはとりわけあってもいいのではないか。そのことを発動するかもしれないという危機意識を持たせることだけで地価をおさめる効果というものは大変あるわけであります。また、そういう実際の経験もあるわけであります。その他届け出制の問題等含めましてひとつぜひとも前向きに、そしてこういう法改正の問題は、上がってきた、さあそれから法改正を提案するといったってもう間に合わなくなるわけでありますから、やはりこういうものは先を見越して前向きの姿勢でお取り組みいただくことを私どもとしては強く要求しておきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#232
○井上委員長 岩佐恵美君。
#233
○岩佐委員 消費者物価を六・四%に抑える、この論議がずっと午前中から午後にかけてされているわけですけれども、この中でどうしても六・四%を達成するためにも年末のいわゆる特別対策、これを十分やらなければ大変なことになるのではないかというふうに私は思うわけですけれども、この年末特別対策というようなことについて経済企画庁が特別にお考えになっておられるかどうか、まず最初にお伺いしたいと思います。
#234
○藤井(直)政府委員 私どもとしては、年末年始におきます生活必需物資の需要の増大に対処して、供給をできるだけ確保しておこうということにつきましての必要性は十分認識しておるところでございます。十一月になりましてからこの物価対策を正式に決定したいと思っております。
#235
○岩佐委員 ことしはお米が冷害で大変影響を受けている。そういう中でモチ米が非常に打撃を受けているという話があちこちで聞かれているわけですけれども、きょう農林省の方にお見えをいただいておりますけれども、一体どうなのかという実情について御説明をいただきたいと思います。
#236
○近長説明員 ことしのモチ米の状況はどうかということでございます。本年のお米の生産の状況は近来まれに見る冷害でございます。九月十五日現在の作柄が水稲で九一%でございます。その内容は、ウルチ米、いわゆる普通われわれが主食で食べるお米とそれからモチ米とが分けて調査されておりませんが、恐らくモチ米も相当な打撃を受けているというふうに考えております。現在はそのような状況でございます。
#237
○岩佐委員 ちまたでは、去年の作柄が五十五万トンの生産であった、これがことしは大体六割くらいになるのではないか、そういうような話がされているというふうに聞いているわけですけれども、これは集荷をしてみなければわからないことですから、あくまでも推定を出ないわけですが、しかし、六割というと大変厳しい数字だ。それがもうかなり、私が聞いたのでは生活協同組合のレベルでもそんな話が出ているというふうに聞いているわけですけれども、その点いかがでしょうか。
#238
○近長説明員 本年の生産の全体の状況は以上のとおりでございますが、ことしの状況と五十三年、五十四年のそれぞれのモチ米の作付状況などをちょっと簡単に御説明申し上げておきたいと思います。五十三年産は十三万一千ヘクタールモチ米が作付されました。生産量は五十八万トンでございます。それから五十四年産、昨年でございますが、十二万六千ヘクタールの作付面積でございまして、五十五万トン生産されております。それから本年は、ただいまわれわれの調査によりますと、作付面積は十万六千ヘクタール程度だろうというふうに見ております。収穫量につきましては、まだ作柄が最終的に明らかになっておりませんので判明しがたいというような状況でございます。
 それからなお、現在のモチ米について生産者がどのくらい売ろうとしておるかという状況でございます。五十五年産米のモチ米の生産者の販売予約申込数量、これは自主流通米でございますから、どれだけ売るかということを生産者が申し込むわけでございます。これが二十二万八千トンというふうになっております。他方、需要量につきましては、モチ米はいろいろな需要がございます。通常お米屋さんで売られるモチ米もございますし、それから板もちその他の形でのおもちもございます。それからなお、あられその他いろいろな需要がございます。そういうお米の販売業者、それから米菓と言っておりますが、米菓などの加工業者、こういう実需者から指定法人、これは全国農業協同組合、いわゆる全農、それからもう一つの集荷団体の全集連、この二つが指定法人でございます、この指定法人に対してことしどれだけモチ米を買いたいという購入申込数量は二十二万五千トンになっております。したがって、両者は需給の関係でバランスはおおむねとれている。なお、本年の作柄等から見まして自主流通米の集荷量の確保ということが重要な課題であろうかと思いますので、現在集荷団体にも強力に指導いたしまして集荷促進をしております。
 なお、現在指定法人が約九万四千トンほど五十四年産米を持っております。これは、昨年が非常にモチ米がとれまして需要以上にオーバーしたものでございますから、いまそれだけキャリーオーバーしているわけでございます。約九万四千トンほどございます。
#239
○岩佐委員 例年でいきますと大体全体の生産量の三十万トンが農家の自家消費に回っているということを聞いているわけですけれども、もしそれが自家消費に回るということになると、ことしがたとえば、昨年の一〇〇%ということはもうほとんどあり得ないわけで、それが六割じゃなくて大体八割ぐらいというふうに見ても四十万トンから四十五万トンだということになるわけですね。そのうち三十万トンが自家消費に回るということになると当然余りは十万トンあるいは十五万トンということになるわけで、二十二万五千トンの行き先が決まっているということからすると、農家が持っている、指定法人の在庫をいろいろ合わせても当然大変足りないという数字になるんじゃないか。常識で言うとそういうことが生まれてくるわけですけれども、どうですか。
#240
○近長説明員 御説明申し上げます。
 農家の自家消費は年によって非常に違いが出てまいります。豊作のときは自家消費が非常に多くなりますし、それから不作のときは自家消費が少なくなってくる。それからいま御指摘の数字、三十万トンなのかどうかというところは、実は農家自身が消費する部分と、それからわれわれ縁故米等と言っておりますが、非常に豊作になりますと、親戚でございますとか、あるいは自分の娘の嫁ぎ先でございますとか、あるいは知人とかにおもちとかいろいろな形で、いわゆる正規の流通以外の形で流通する量があろうかと思います。私が先ほど申し上げましたのは、いわゆる食糧管理法に基づきまして自主流通米という形で正規に流通する部分でございます。モチ米につきましては毎年生産者の団体と需要者の団体の間でそれぞれ流通契約をしていただきまして、その流通契約に基づきまして農家としてはどれだけ作付をしたらいいのか、それから需要者の方としては、決められた数量が安定的に確保できるということを主眼とした流通契約を中心にしながら、きちんとした形で流通しているわけでございます。したがいまして、当面このような非常に厳しい生産事情でございますが、われわれとしては正規の流通ルートを見込みまして、生産者が予約をしている数量、これはぜひ確保して、正規に申し込んでおられる需要者の方の需要に応じていきたい、こういうふうに考えております。
#241
○岩佐委員 モチ米について東京都内の調査をちょっとしたわけですけれども、十八社の卸売業者が品物がないとのことで先月あたりから通常の二五%から四〇%しかモチ米を卸さない、そして品物がないので買い付けるのに高くつくということで、もうすでにキロ当たり五十円から百円の値上げをしてきている。また別の卸は、先行き価格がどうなるかわからないので、値段をつけないで仮価格ということで高い価格を押しつけよう、こういうような状態が生まれてきている。これは事実としてあるわけです。こういうことについて農林省は承知しておられるのか、そしてこういう問題について一体どういうふうに対処していくのか、その点について具体的にお伺いしたいと思います。
#242
○近長説明員 現在の五十五年産は確かに不作でございますが、御案内のようにモチ米は普通のお米に比べてどちらかというとおくての方に属しております。それから、本年は作柄が全体的におくれておりますから、言うなればまだこれから集荷が始まっていく、あるいは取り入れが始まっていくというような状況でございます。それからなお、先ほどお話し申し上げましたように、五十四年産は需要以上に生産されておりますから、すでに指定法人では九万四千トンの在庫を持っております。そのうち約三万六千トンほどはまだ流通契約が済んでいないというような状況でございますので、先ほど先生の御指摘の状況は、あるいは先生がお調べになったわけでございますのでそのとおりかと思いますが、実際にはわれわれとしては、少なくとも、正規の小売のお米屋さんが店頭でモチ米を売るのに不自由しないように、今後とも十分指導していきたいと考えております。
#243
○岩佐委員 モチ米についてはすでに農家に対する青田買いがあった、商社が入ったというような風評も流されていて、そして具体的にはそれがいまの卸あるいは小売の段階の影響となって出てきていると私は思うのです。先ほど申し上げたように、数字として絶対に安全ですということは、自家消費の三十万トンがどう動くかによって非常に大きく左右されるわけですから、言い切れない面が大きいと思うわけです。おもちというのは、日本人の生活にとって、もちがなければ正月は迎えられない、年を越せないという大事な商品です。そして、いまのような物価高の中でおもちが高くなるあるいは手に入らない、これは私たち庶民にとってみれば物価問題と同時に大変な生活上のパニック状態に陥る危険さえあると思うわけです。ですから、先ほど言われたように、予約をしているものについては万々確保できるように農林省は絶対責任を持ってやっていくのだ、こういうことが起こらないようにしていくのだということで答弁があったわけですけれども、この点については、絶対にそういうことが約束できるのかということを再度確認していただきたいし、現在都内で起こっている五十円、百円高くなっている、もうすでに高くなりつつあるし、また供給のカットが出ている、その点について、そういうことがないようにすぐに是正をするというようなことをやられるのかどうか、この点を伺いたいと思います。
#244
○近長説明員 モチ米の価格につきましては、基本的にはいわゆる自主流通米でございますので、自主流通米の値決め、例年でございますと十一月に指定法人、つまり生産者の方と、それから実需者とが交渉いたしまして値決めをするわけでございます。昨年、一昨年、相当供給がオーバーいたしましたので前年より下がっております。本年はこういうような需給事情でございますし、それから夏の生産者米価が二・三%のアップでございますが、そういうような事情もございます。いずれにいたしましても、これは売る方と買う方とが自主流通米の価格交渉というような形で決まってくると思いますので、本年の価格が昨年に比べてどういうふうになりますか、いまの段階で私どもの方から申し上げるというような状況ではございませんが、いずれにいたしましても余り不当な価格が実現しないように十分監視していきたいと思います。
 それから次には、実際のモチ米の手当ての問題であろうかと思います。御案内のようにことしの作柄は非常に厳しゅうございまして、九月十五日の作柄の次には十月十五日現在の作柄をいま農林水産省の統計情報部で調べております。そういう状況も見ながら、それから実際の価格の動向等も見ながらも、われわれとしては打てる限りの手をそれぞれの時点に応じながら打っていきたいと考えております。
#245
○岩佐委員 先月からもうすでに出荷制限が始まり、そして価格が上がっている。これはやはり私は異常な傾向に走るということを示しているのじゃないかと思うわけです。危険視するわけです。その点についての農林省の認識というのは、もう一度そこのところを伺っておきたいのですけれども、大したことないと思っておられるのか、それともやはり大変なんだと思っておられるのか、お伺いしたいと思います。
#246
○近長説明員 特に本年のモチ米の需給関係の最大のポイントは、生産がこのような冷害のもとできわめて不作の状態になっているということであろうかと思います。したがって、農林水産省といたしましても、本年の作柄はきわめて異常な事態であると考えておりますので、特にモチ米につきましては、われわれとしても国民の主要な食べ物の一つでございますから、供給安定ということが非常に大事だと思いますので、こういう冷害という事態を十分に念頭に置きながら対策を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#247
○岩佐委員 大臣におもちの問題でここでお願いをするというのは、ずいぶん身近な台所の問題で少し細か過ぎるかなというふうにも思うのですけれども、ただ私は、おもちというのは年末商品の代表みたいなものですし、それからいま農林省から説明があったように、かなり危険な状態にあるということは事実でございますので、やはり政府として物価対策上、このもちの問題については農林省と一緒になって取り組んでいただきたいと要望したいと思うのです。買い占め売り惜しみ防止法という国民生活を守る上での非常に便利な法律もあることですし、その点の御決意を大臣からお伺いしたいと思うのです。
#248
○河本国務大臣 農林省の方でもこの点は非常に重要に考えておられまして、どうしても足りないという場合には緊急輸入してでも国民の皆さんに御迷惑はかけない、そういう方法も考える、こういうお考えのようでございますから、モチ米が足りない、正月におもちが食べられない、しかもそれが高くなる、こういうことのないようによく打ち合わせをいたしまして善処いたします。
#249
○岩佐委員 次にもう一つ、これも年末商品なのですが、アキアジと呼ばれているアキサケです。これはいまがしゅんで、そしてことしは豊漁だという話も聞かれるわけですけれども、それが値段がじりじりと上がってきている。そういうことを私どもの資料でも見ることができます。たとえばことしの卸売価格、シロサケが春には大変品物がだぶついて安くなっていたようですが、七月あたりからキロ千二百二十八円、八月が千三百十六円、そしてこれは大体去年の十月ぐらいに匹敵する価格にすでに上がってきているわけです。豊漁なのになぜ上がっているのか、この原因はどこにあると考えておられるのか、農水省の方にお見えいただいているのでお答えいただきたいと思います。
#250
○真板説明員 アキサケの価格につきましては、先生御指摘のとおり、最近上がってきております。サケは九月の上旬から国内物のシーズンに入りまして、大体十二月で北海道の漁は終わります。それから、十二月から内地の漁に入りまして一月中旬ないし下旬で終わる、これが例年のパターンでございます。この回帰魚を見ておりますと、本年は約二千万尾というような回帰を予想しておりますが、これは五十四年、昨年の二千二百万尾に次ぐ史上第二番目の豊漁になるのではないか、こういうふうに考えている次第でございます。それなのに価格がなぜ上がってくるのか、こういう御質問かと思います。
 これにつきまして若干御説明いたしますと、供給サイドとしてアキアジのほかに北洋物というものがあるわけでございますが、北洋物につきましては、春の日ソ漁業交渉の結果によりまして何とか前年並みの枠を確保したわけでございますが、先生御指摘のように春に国内価格が非常に低迷したものでございますから、輸入物につきましては、アメリカのアラスカ州でございますが、漁業者がストライキを起こしまして漁獲しないというような事態がございまして、昨年五万五千トンの輸入量がございますけれども、ことしはそれが二万五千トンから三万トンという台に減るのではないか、こういうふうな予想がされているわけでございます。さらに、昨年の末はサケ・マスが大分国内に在庫しておったわけでございますが、ことしの春以降に大分放出といいますか、消化が進みまして在庫圧がなくなった、こういうように供給側が減るであろうというような予想があるわけでございます。
 ここで、産地サイドといたしましては、このような供給の減というものを見込みまして、かなりことしは上がるのではないか、こういうような期待を持っておったのは事実でございます。しかし、幸いなことに、先生の御指摘にありました八月の価格は前年に比べましてなお三%の減の水準でございます。さらに、これは東京の塩のサケの価格でございますが、九月の卸売物価も前年同月に比べまして九三ということでなお平静でございます。このように消費地と産地とのいわば価格のギャップがございまして、われわれとしましてはできるだけ産地の高値が消費地に及ばないように努力しているところでございます。
 本日も産地側から荷主の代表、これは産地仲買の代表でございますけれども、それを水産庁に呼びましていろいろ事情を聞いたところでございますけれども、産地側のいわば相場観というものと消費地サイドの相場観とは大いに違う。昨年のサケの消流といいますか消化状況を考えて、消費者が買えるような価格形成を産地でも行うべきだということが一点。それから、適正な価格で産地から消費地に出荷するようにという指示を行っているところでございます。こういうような指示を水産庁から受けたということにつきましてぜひ末端まで、会員のすみずみまで徹底させてくれ、こういうような指示を行っているところでございます。サケは年末惣菜として非常に重要でございますので、これからも消費地価格が安定するように努めてまいりたいと思っております。
#251
○岩佐委員 説明はよくわかったのですけれども、私は農水省からいただいた資料で計算してみて一つ非常に問題だと思ったのは、輸入価格は五十一年にはキロ当たり八百九十五円、それから五十二年が、これはいただいた資料で換算したのですが、千百四円、それから五十三年には千五十円、五十四年は千六十八円、そして五十五年の一月から八月は七百五十四円と下がっているわけです。それなのに価格が下がらないで上がるということは、いま物価高で国民が苦しんでいる中でこういう問題にメスを入れていかないということは、どうしても許されないことだというふうに私は思います。
 それからもう一つは、灯油でも同じですけれども、価格が下がると必ず量を減らすということなわけです。幸いにして輸入が減った。去年に比べると、二万五千から三万トンだと約半分、よくて六割ということになるわけです。
 こういう中で、このサケの問題については農水省が積極的に不当な価格がないようにというふうなことを決意されておられるようですけれども、しかし、それにしても余りにも輸入価格と市販価格が違い過ぎるし、この点をどうしていかれるのか。
 それから、経済企画庁はこの問題について農水省と一緒に経済企画庁なりの監視という役割りがあるのではないかというふうに思うのですが、この点についてもあわせてお伺いしたいと思います。
#252
○真板説明員 輸入物の価格でございますが、確かに一月から八月の平均価格は七百五十円程度ということになっております。これはCIFの価格でございまして、このほかに五%の関税がかかります。それから、輸入諸掛かりといいますか、ポートチャージのたぐいがかかってまいりまして、七百五十円余りが、恐らく港渡しの価格では百五十円ぐらいは上乗せになって、九百円程度の価格にはなっているのじゃないか。そのほかに、これはアラスカあたりで買い付けたものがほとんどだと思いますが、このアラスカでの買い付けから、それからいままでのいろいろな、たとえば金利であるとか、あるいはこれから販売するものであれば倉敷料であるとか、こういうものを考えていきますと、八月の価格でございますと千三百円台で、確かに昨年に比べれば利益が上がっていると思いますが、暴利と言えるような段階ではないのじゃないかと思います。
 しかしながら、先生が御指摘のとおり、サケ・マスは国民生活にとってもなじんでおる魚でございますので、こういうような商品で利益を大いに得ていくというような風潮は好ましくありませんので、今後も機会をとらえまして業者に対して指導してまいりたい、こう考えております。
#253
○藤井(直)政府委員 農林水産省の方でも、すでに現在のサケの価格について、産地が高くて消費地の方は落ちついているという事情に着目して、適正な出荷を行うような指導をしておられるわけでございますが、今後ともよく連絡をとってこの問題に対処していきたいと思っております。
#254
○岩佐委員 さらに、ひね、それからひねひね物ですね、古い物がさばけたというのは年産表示をするようになったからだという説明がありましたけれども、これは買う方にとってみれば年産表示というのがあった方がいいし、またいわゆる在庫を多くして買い占めするということも防げるので、これは今後とも続けていくべきだというふうに思いますけれども、何かそれに対してやめるべきだというような声も出ているというふうに聞いていますけれども、その辺、農水省はいかがですか。
#255
○真板説明員 先生御指摘のとおり、昨年あるいは一昨年に輸入しましたサケ・マスあるいは北洋でとれましたサケ・マスが在庫として残っている。この一年間残ったものをひね、二年ものはひねひね、三年以上は大ひね、こういうような業界用語で呼んでおるわけでございますけれども、こういうものと、それから新しくとれたものとが品質においてかなり差があるわけでございます。産地、特に北海道の道東地区の産地におきましては、新しいものはそれなりの評価がされるべきである、こういうような考え方から、出荷業者の集まりであります荷主組合で申し合わせをいたしまして、年表示をするようになったわけでございます。私の聞いておりますのは、参加している業者は大体五割程度、こういうように承知しておるわけでございますけれども、量的に見ますとそれを超えるのではないか、つまり大方の出荷業者が入っておりますので、量としてはかなりのウエートにいくのではないかと考えております。こういうような方向に対しまして、在庫として残るおそれがある場合には不利になるような業者にとりましては、この年産表示がついておりますと、かえって後からたたかれる原因になるというようなことを懸念いたしまして反対であるというような声も確かにあるわけでございますが、これは消費者にとって利益になるような方向で今後とも十分に指導してまいりたいと思います。
#256
○岩佐委員 次に、過酸化水素の問題について伺いたいと思います。
 私は四月二日の決算委員会、前回の国会でこの問題を取り上げたわけですが、厚生省が十月一日から過酸化水素の残留をしてはいけないということで、事実上の使用禁止というようなことに踏み切るということであったわけですが、実際には検査方法が、現在五ppmが残留限界であるという実態、それから添加物リストから全く外すということではなくて、残留ゼロである場合には使用は許すのだというようなことがあるわけで、実際には結局使われるということで、しり抜け規制ではないかというふうなことが言われているわけです。私はこの点について追及して、十月一日の施行までには何とか五ppm残留をもっと厳しくする、そういう方法を考え出したいのだというふうに聞いていたわけです。
 それからもう一つ、いままで出回っているものについて、それは過酸化水素を使っているか使っていないか消費者にはわからない、だから表示は徹底的にすべきだ。本当は売られないのが一番いいわけですけれども、どうしても売るというのであれば、かずのこ業者救済ということでどうしても厚生省が言うのであれば、それは消費者が選択をして、これはあるかないかということがわかるように変えるようにということでの要望をしてあるわけですけれども、この点について一体どうなっているのか、持ち時間も余りありませんので、ごく簡単に答弁をいただきたいと思います。
#257
○藤井説明員 先生御指摘のように、過酸化水素の極微量定量法につきましては、実験室内では完成いたしているわけでございますが、この実験手法が約五時間かかるというために、機械的な監視に用いるという点においては応用を私ども断念いたしております。しかしながら、製造技術の評価あるいは大量に処理された過酸化水素の残存、こういったものについて、研究的に過酸化水素の存在を確かめていくのには使い得るのではないか、そういうように考えているわけでございます。
 また、過酸化水素の使用につきましては、幸いにいたしましてシラス並びに魚の練り製品についてはもう全く使われていないというように聞いております。
 また、過酸化水素が使用されている食品につきましては、これは法律上過去にさかのぼってそれを禁止するというわけにもいきかねるというところから、かずのこの一部については、年末、過去過酸化水素で処理されたものが出回るということは予想いたしております。ただ、これにつきましても、すでに北海道の方で各保健所を動員いたしまして、現在の分析技術でございますが、過酸化水素が検出されない程度の製品として出荷されるというような状況に監視されていると聞いております。
#258
○岩佐委員 時間が来ているのですけれども、もう一問、アワビの問題について御質問をさせていただきたいのです。きょう、私は、サケだとか、かずのこだとか、アワビだとか、まるで一杯飲みたくなるような商品ばかり並べましたけれども、それに免じまして少し時間の延長を許していただきたいと思うのですが、委員長、ちょっとこの商品を提示をさせていただきたいと思います。
 これは、日魯漁業、日本水産、極洋、この三社がつくっておりますチリ産の、アワビじゃなくてあわびもどき、名前が違うコンコレパスというもので、全くアワビとかなり似ているらしいんですけれど、アワビではないものであるわけですね。これが、この表示で見ていただいてもわかるように、「あわび水煮」と書いてあるわけですね。それから、アワビの写真があるわけですね。これを見ると、もう本当に消費者はアワビの水煮だというので、これで晩酌をやるということになるんだと思うのですが、私は非常に問題だと思うのは、日本水産やあるいは日魯、極洋、こういうところは、違うものを消費者に誤認させるようなこういう表示をして売るということは、やってはいけないというふうに知っているはずだと思うのですね。これを堂々とやっている。これはもう消費者、国民をなめた、ばかにした話だというふうに思うわけです。そして、この値段というのは、日本産のアワビに比べて輸入価格は四分の一の価格であるわけです。ところが実際にはアワビに比べて七割ぐらい、三割安ぐらいで売られていて、どちらかというとアワビに似せることによって高く売りつけるというふうなことをやっているわけです。
 たまたまこれが東京都の試買検査というところでひっかかって、はっきりとわかったから、これは景表法違反だということで取り締まりがされるようですけれども、農水省にしてもやはり監督不行き届きということがあると思うし、それから公正取引委員会ももっと徹底して、こういう大会社は消費者対策室みたいなのを持っているわけですから、こういうことはもっと徹底して言わなければいけない、二度とこういうことが起こるようにしてはいけないというふうに自覚をすべきだと思います。
 私自身はもうすでにお話をして、過去に出回っているものを何かチリアワビ(ロコガイ)というふうなラベルをつくって、これをぺたっとどこかに張りつけるだけで済ませるんだという話でしたので、これは問題だ、流通過程にあるものは全部、絵表示でもって消費者は一番先にこれはアワビかと思って買うわけですから、これは何とか是正すべきなんじゃないか、ペナルティーの意味でもきちんとやらせるべきだということで要望をしていたわけですけれども、何かきょう伺ったところによると、是正をする。流通しているものについても是正するし、今後の問題についても是正するという話があったわけですけれども、その点について、農水省来ておられるので、ごく簡単にその経過をお話しいただきたい。
 それから、公正取引委員会は、この問題、今後こういうことが起こらないようにしていただきたいし、あるいは東京都に権限委譲して東京都がこういうことをやって摘発したということについては、これはもっともっと積極的にやってもらいたいことでもありますし、その辺の今後の取り組みについて、これも簡単に言っていただきたいと思います。
#259
○真板説明員 先生御指摘のロコガイでございますが、これは生物学的に見ますとアッキガイという科に属するわけでございます。それに対しまして、日本で言われておりますアワビはミミガイという科に属しておるわけでございます。したがいまして、生物的に見ますと全然違いますし、それから形態的にも、片方は一枚貝に対しまして巻き貝ということで、違うわけでございます。ただ、巻き貝の巻き方が多少緩いためにアワビのような形態をしておるわけでございます。
 こういうような新しいものにつきましての流通の命名というものが非常に問題となるわけでございまして、前はアワビと称してどうも流通しているということで、本年の五月に実は東京都から連絡を受けていたわけでございます。それからこれは水産庁も公正取引委員会もさらに東京都も入りまして、どうしたらいいかということを十分協議していたわけでございますが、業界団体でございます日本水産物輸入協会というところが中心になりましてようやくこの名称を決めたわけでございます。その名称はチリアワビ、ただいま委員の先生方で回しておられますようなものでチリアワビ(ロコ貝)というような名前にしたわけでございます。これはちょっと名前としては異名でございますけれども、英語で流通名を調べますと、チリアンアバロンという名前になっております。これは訳しますとチリアワビということでございまして、国際的にも、本当のアワビではないのですが、アワビということで流通しておるようでございます。これをただ名前を統一したということではなくて、まず流通に当たりましては字の大きさ、これをチリアワビと書きまして字の大きさも統一していく、それからさらに(ロコ貝)という、アワビでないということを明らかにするための表示もチリアワビと同じくらいの字でしっかり識別するような表示にする、それからさらに、一般消費者にはなかなかなじみがないということで業界を挙げてPRする、さらにステッカーも、これはかん詰めのみならず、珍味のたぐいでウニアワビというような形で売られておりますので、これにもつけるというようなことを申し合わせたわけでございます。
 さらに、かん詰めにつきましては、特に東京都から指摘を受けましたので、絵のかき方も現在はいかにもアワビらしいようなかっこうをしておるのですが、これを実は裏返しますと、へそのようにとんがっております。そういうところをあらわすような図柄をつける、さらに、英語で表示する場合でも、〇〇ロコスというような、アバロンという言葉も使わないということではっきりさせようということでございます。さらに、現在流通しているものの表示の改善につきましては、先生のお手元にございますように、紛らわしい絵の上にステッカーを張って見えないようにするということをするわけでございます。
 それからさらにラベル巻きの商品でございますが、たとえばこういうのはラベル巻きの商品でございますが、ラベルをはがしまして張り直す。それから印刷かんにつきましては、われわれの言葉ではシルバーコーティングと言っておりますが、上に白く塗りましてまた印刷し直すというようなことで、消費者に間違えられないようなことをやっていきたいということで、本日から準備に入りまして、でき次第実行していくことを考えております。
 それから価格の面でございますが、価格はほとんど七割程度、こういうふうに先ほど御質問がございましたけれども、私ども調べてみますと、一グラム当たりの価格で計算しますと、日本産のアワビの水煮は二十二円に対しましてチリアワビの水煮は四・六円、これは比にいたしましてチリアワビのものは五分の一くらいの価格で売られておるわけでございます。
#260
○劒持政府委員 本件につきましては、不当景品類及び不当表示防止法の関係の事務を東京都に一部お願いしておりますけれども、その関係で出てきたものでございまして、いま水産庁の方からも御説明がありましたような、消費者行政といいますか、流通行政としてもかなり手厚い指導といいますか対策をとっておられるようでございますが、景表法の関係でも東京都としてどういうような改善指導を行うかということを見守ってまいりたいというふうに考えております。
#261
○岩佐委員 終わります。
#262
○井上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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