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#1
第093回国会 石炭対策特別委員会 第6号
昭和五十五年十一月十三日(木曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 森中 守義君
   理事 金子 岩三君 理事 楢橋  進君
   理事 三原 朝雄君 理事 岡田 利春君
   理事 中西 績介君 理事 鍛冶  清君
   理事 小渕 正義君
      太田 誠一君    北口  博君
      久間 章生君    倉成  正君
      古賀  誠君    保利 耕輔君
      渡辺 省一君    塚田 庄平君
      細谷 治嘉君    八木  昇君
      小沢 和秋君    石原健太郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  田中 六助君
 出席政府委員
        資源エネルギー
        庁石炭部長   福川 伸次君
 委員外の出席者
        文部大臣官房総
        務課長     古村 澄一君
        資源エネルギー
        庁石炭部計画課
        長       弘津 匡啓君
        資源エネルギー
        庁石炭部産炭地
        域振興課長   鈴木 英夫君
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部業
        務課地方交通線
        対策室長    金子 史生君
        労働省職業安定
        局失業対策部長 加藤  孝君
        建設省道路局地
        方道課長    山科 喜一君
        自治省財政局調
        整室長     井下登喜男君
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十三日
 辞任         補欠選任
  八木  昇君     細谷 治嘉君
同日
 辞任         補欠選任
  細谷 治嘉君     八木  昇君
    ―――――――――――――
十一月十三日
 危険ぼた山の崩壊防止及び整備に関する緊急措
 置法案(小柳勇君外一名提出、参法第一号)(
 予)
同月六日
 産炭地域振興臨時措置法外五法の期限延長に関
 する請願(麻生太郎君紹介)(第九八七号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第一〇三三号)
 同(小沢和秋君紹介)(第一一四四号)
同月七日
 産炭地域振興臨時措置法外五法の期限延長に関
 する請願(細谷治嘉君紹介)(第一一八七号)
 同(中西積介君紹介)(第一三四七号)
同月八日
 産炭地域振興臨時措置法外五法の期限延長に関
 する請願(三原朝雄君紹介)(第一三七七号)
同月十日
 産炭地域振興臨時措置法外五法の期限延長に関
 する請願(三浦久君紹介)(第一六六八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十一月十一日
 石炭政策に関する陳情書外二件(玉名市議会議
 長中山新次郎外二名)(第一五四号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石炭対策に関する件(産炭地域振興に関する問
 題)
     ――――◇―――――
#2
○森中委員長 これより会議を開きます。
 石炭対策に関する件について調査を進めます。
 まず、去る十日の産炭地域振興審議会の答申について、政府から説明を聴取いたします。通商産業大臣田中六助君。
#3
○田中(六)国務大臣 委員会の御審議に先立ちまして、産炭地域振興審議会の答申につきまして御報告申し上げます。
 御案内のとおり、産炭地域振興対策の基本法であります産炭地域振興臨時措置法の有効期限が来年の十一月に参ります。このため、今後における産炭地域振興対策のあり方につきまして、本年六月二日、産炭地域振興審議会に御検討をお願いいたしておったところ、この審議会におきましては、笹生仁日本大学教授を座長とする小委員会を中心に、約五カ月間調査審議を賜った結果、去る十一月十日答申をまとめていただきました。
 通産省といたしましては、今後、この答申を尊重いたしまして、法律の延長を初め、産炭地域の実情に即した諸施策の合理的かつ効率的な推進に一層の努力をしていく考えでございます。
 答申の要旨は政府委員に説明させますが、産炭地域振興対策の推進に当たり、今後一層の御支援を賜りますようお願い申し上げます。
 最後になりましたが、私は、去る十月二十九日から十一月六日までオーストラリア、シンガポール、インドネシアの三カ国を公式訪問いたしました。今回の訪問におきましては、各国の首脳と終始友好的な雰囲気のもとで率直な意見交換を行いまして、各国との相互理解の一層の推進、経済関係の拡大、そして発展を図る上で大きな意義があったと考えております。その間、特にオーストラリアにおきましては、石炭開発に係ります諸問題がメーンテーマの一つとなった次第でございます。
 国会開会中の海外出張でございましたが、幸いにしてこの委員会の委員長を初め委員の方々の御理解あるおかげをもちまして、無事大任を果たすことができました。改めて厚く御礼申し上げます。
 簡単でございますが、これをもちまして私のごあいさつと御報告を終わりたいと思います。(拍手)
#4
○森中委員長 ただいまの通産大臣の説明に対して、福川石炭部長から補足説明を求められておりますので、これを許します。福川石炭部長。
#5
○福川政府委員 ただいま大臣から報告のありました産炭地域振興審議会の答申の要旨等につきまして、補足して御説明申し上げます。
 まず、同審議会の審議経過について申し上げたいと存じます。
 本年六月二日に同審議会に対しまして諮問事項についての御検討をお願いいたしました。同審議会ではこれを受けまして、具体的な検討を進めるため、笹生仁日本大学教授を座長に、黒田穣一、小林悦夫、沢本守幸、徳田博美、西村友裕、新田庚一、細金正人、横手正の各委員による小委員会が設けられました。
 小委員会は、六月十三日に第一回の会合を開き、以来八回にわたって慎重な調査審議が重ねられました。ときには疑問点について個別に関係者の御説明を受け、あるいは委員同士の意見調整の場を別途設けるなどして答申としておまとめいただいた次第でございます。
 また、小委員会は、審議に先立ちまして産炭地域の現状をできる限り的確に把握するため、産炭地域における経済的社会的疲弊の状況と当面する課題及び政府の諸施策の内容と問題点などについて調査されました。すなわち、第一に、審議会の四つの地域部会、関係道県及び関係市町村などの関係者から要望、意見を広く聴取されるとともに、北海道石狩地域、九州筑豊地域の現地に赴き、これらの地域の実態を視察し、生活環境の修復の状況、残されている課題等を調査されました。また関係各省庁からも、産炭地域振興のための諸施策の内容、これまでの実績、各省庁間の協力状況などについても説明を受けられました。
 審議は、これらの調査結果を踏まえた上で、国民経済全体の観点と公平かつ広い視野に立って極力明快な方向づけを行うべく努力されました。
 次に、答申の要旨について申し上げたいと存じます。
 答申は、まず産炭地域の現状認識について、過去十九年間の対策の推進が関係地方公共団体、地元住民等の努力と相まって相応の成果をおさめつつあるとしております。しかしながら、現状認識の中心は六条市町村等多くの産炭地域市町村の現状に置かれ、これらの市町村では今日なお経済的社会的疲弊は十分には解消されていないとしております。すなわち、これらの市町村では厳しい雇用失業状態が続いており、生活保護者も多く、高齢化が進み、他方老朽化した炭鉱住宅などの問題を抱えていること、さらには、これらの地域においては所得水準が低く、財政事情も困窮していることを指摘し、したがって、産炭地域振興の目的は十分には達成されていないと認めております。一次に、現状認識を受けて、産炭地域振興の今後の基本的方向について述べております。すなわち、産炭地域振興対策の継続と国の役割りの重要性を前提とした上で、特に次の二点について地元関係者の努力の必要性について強調してございます。
 その第一は、産炭地域振興に当たり、地元関係者はそれぞれの役割りと責任の重要性についての認識を新たにし、従来にも増して主体的かつ自立的な努力を払うことが不可欠であるとし、第二に、その方向づけとして、広域的な地域発展を一層図るべきだと述べてあります。具体的には、産炭地域内の近隣市町村が地域特性等に応じて機能の分担を行いつつ、一つの経済生活圏として一体的に発展するといった発展形態の導入を示唆しております。第三に、このため、関係道県が産炭地域市町村と協力して経済生活圏別の発展計画を取りまとめ、作成すべきことを指摘しております。このような地元関係者の努力に呼応して、国としても所要の措置を講ずるべきこともあわせて述べてございます。
 次に、産炭地域振興対策の具体的な展開について述べてあります。
 まず、産炭地域振興臨時措置法の延長問題について、今後における広域的な地域発展に要する期間等を考慮して十年の延長とするのが適当であるとしております。ただし、この延長に関しては二つの条件が付されてあります。第一は、産炭地域関係者は、同法の延長に伴う関連施策の実施が広く国民の負担によって行われていることを十分認識し、残された期間内に産炭地域振興の目的を達成するよう最大限の努力を払うべきだとしております。第二に、同法の延長期間内であっても、産炭地域振興の目的を達成したと評価される経済生活圏に属する市町村については、他の一般的な対策にゆだねることにより、自立的かつ恒常的な発展への道を歩ませるべきだとしております。
 次に、産炭地域振興のための具体的施策について述べてあります。
 既存の施策については、その継続と弾力的運用を確保し、特に広域的な地域発展という観点に立って、その効率的活用を促していくべきであるという基本的な考え方を明らかにしております。その際、特に配慮を要する点として、幾つかの点を挙げてあります。その中には、産業の振興、雇用の拡大と就労事業の合理的運営、基盤の整備、とりわけ広域交通体系の整備と広域的な地域発展に資する特定事業への支援措置、疲弊の著しい市町村に対する財政援助の配慮、旧炭鉱跡地に対する調査の必要性などがあります。
 最後に、関係各省庁、地方公共団体相互の緊密化について述べてあります。
 答申の要旨は以上のとおりでありますが、審議会の経過などで出ました意見を踏まえ、若干補足をさせていただきたいと思います。
 まず、「産炭地域振興の今後の基本的方向」に関して、広域的な地域発展を促進していくためには、関係市町村が相互に協力し、創意工夫しつつ、みずからの発展すべき方向を模索することが強く要請されております。このことは、単に製造業の導入を図ればよいということだけではなく、地域特性等に応じた適性産業を育成し、あるいは都市的機能の充実等複眼的な将来ビジョンを持つ必要があることを意味しております。また、生産中の石炭鉱山が所在する圏域においては、特に強靱な地域構造の計画的な形成に十分配慮しておく必要のあることも意味しております。
 また、これらの具現化のための経済生活圏別の発展計画の作成に当たっては、関係道県による大所高所からの調整、取りまとめがきわめて重要であり、関係道県の一層の努力と、国による指導、助言も必要であると考えます。
 次に、産炭地域振興臨時措置法の延長問題については、小委員会において種々の意見がございました。それは、産炭地域振興は、鉱害等との調整を要するなど、他の地域振興にない特異性があることは認めつつも、これを延長期間との関係でどうしんしゃくすべきか、また、産炭地域関係者の一層の努力を喚起する観点から、十年よりは短い期間にすべきであるなどの意見もございました。かかる議論の結果、十年を適当とする結論となりましたが、産炭地域関係者は、この十年の延長の重さを念頭に置いて努力すべきであるという意見が強く出されておりました。
 関連して、地域指定の問題についても、一部の市町村については、いますぐにも指定を解除すべきであるという意見もございました。しかしながら、広域的な地域発展の必要性との関係もあり、経済生活圏単位での評価をすべきであるとの結論が得られました。また、産炭地域振興の目的を達成したと評価する基準については、早い時期に検討がなされることが適当であるとの意見がございました。具体的施策については、特に既存の施策の有効な活用を図るべきであるとの意見のほか、広域的な地域発展を誘導し、助長するため、特定の事業に対する調整費的な助成措置をぜひ実現すべきであるという意見もございました。
 以上、簡単ではございますが、今回の答申の要旨などについて、補足して御説明させていただきました。
    ―――――――――――――
#6
○森中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保利耕輔君。
#7
○保利委員 田中通産大臣には、御就任以来、通産行政並びに種々の政治問題について取り組んでこられて、また、ただいまお話のございましたように、オーストラリアに御出張なされ、そして石炭問題等についてお話し合いをしておいでになりました。この御労苦に対して、まずもって心から敬意を表するものでございます。
 去る十一月の十日に、産炭地域振興審議会から「産炭地域振興対策の今後のあり方について」ということで答申が出されたわけでございまして、ただいまその内容について福川石炭部長からお話があったわけでございます。私は、与えられた時間がきわめて短い時間でございますので、二、三、この答申等の問題につきまして政府の御意見を伺いたいと思うものでございます。
 この答申にもありますように、またこの法律の第一条に書いてございます「目的」の項にもございますように、産炭地域におきます鉱工業等の急速かつ計画的な発展と石炭需要の安定的拡大を図ることを目的として、この法律は昭和三十六年にでき上がり、また昭和四十六年にさらに十年間の期間延長をされて、その期限がまさに切れようとしているわけでございます。今回の答申によりますと、産炭地域の現状にかんがみて、その有効期間をさらに十年延長することが必要であるという指摘がなされているのは、この答申の四ページにも出ているところでございまして、いま部長からの御説明でも、そのように述べられたわけでございます。
 二十年という長い期間、この法律が存在をしたということを考えてみて、ここらで過去二十年、この法律がどのように機能してきたのか、そしてどのような効果を上げてきたのか、振り返って考えてみる必要があるんではないかということを私もつくづく感ずるわけでございます。この法律の第一条に、急速かつ計画的に産炭地における鉱工業の発展を図るということが書いてございます。こういった意味合いにおきまして、今回の答申というものを政府としてはどのように受けとめておられるか、大臣から御所見を賜れれば幸いでございます。
#8
○田中(六)国務大臣 いま保利委員御指摘のとおり、この産炭地域振興臨時措置法というのは十九年間にわたって施行されておりまして、来年の十一月に期限が切れるわけでございます。私ども、審議会の答申を今月の十日に受けたわけでございますけれども、過去約二十年間の来し方を考え、果たして産炭地の振興ができたかどうかということを顧みまして、その地域の産業の誘致の状況、それから生活保護者あるいは炭住街、いろいろな要素を考えますときに、必ずしもこの臨時措置法の第一条の目的に沿う状態に至っていないという判断のもとにいます。
 したがって、この審議会の答申を受ける過程におきまして、審議会でいろいろな議論が出されたようで、逐一事務当局から報告を聞いておりましたけれども、十年では長過ぎる、三年あるいは五年、いろいろな論があったようでございます。しかし、笹生座長初め非常に慎重審議をしていただきまして、もう十年間やらなければならないという結論に達したわけでございます。
 私は、十年間というのは、いまの時代にすれば非常に長い時間じゃないかと思いますし、それだけに、いろいろな施策ができてなかったという証拠にもなるのじゃないかと思います。ただ願わくは、十年という年月は長いようでございますけれども、これを効率よくやらなければ、幾ら十年間とは言いながら、あっと言う間に過ぎてしまうであろう。また、これをうまくやることによって、本当に密度の高い年月にもなるし、これは私ども関係各省庁が十分連絡し合うことも必要でございますけれども、この答申の中にもありますように、地元の自立という精神、地元関係者のそういう精神がなければ、この十年間も無為に過ごされる可能性もありますし、私は、私どもの環境づくりに一生懸命努力し、国会にもまたお願いして、臨時措置法の整備には努めるわけでございますけれども、ともあれ地元関係者の自立という考えが底流になければならない、そういう思いをしておる現状でございます。
#9
○保利委員 ただいま通産大臣からお話がございました。私の地元でも昔の唐津炭鉱あるいは杵島炭鉱というような産炭地がございまして、そこが現在まだ一部疲弊したまま取り残されているという状態を見るにつけて、この法律がさらに十年間延長され、そしてこの地域がさらに浮かび上がってくるように諸施策が講ぜられることを地域の住民は大変に望んでいるわけでございます。私も、その点から、その延長につきまして、政府におかれましても格段の努力をしていただきますようにお願いを申し上げるわけでございます。
 さて、時間もございませんので余りよけいなことをおしゃべりするのはいかがかと思いますが、「急速かつ計画的な発展」ということがこの法律の第一条に書いてあるということから考えて、私は急速な発展ということから少し物を考えてみました。
 私は、長い間ある機械関係の会社に勤めまして、輸出関係の仕事をしてまいったわけでございます。特にヨーロッパ関係に輸出をするという仕事をしてまいりました。十年ぐらい前からいろいろと日欧間の貿易摩擦の問題が出てまいりました。機械工業の部品でありますが、これを現地で生産する必要性が生じてきたわけであります。
 機械工業の部品と申しますれば、精密度を要するためにまず西ドイツに工場をつくろうということを考えたわけであります。大変にいい条件がございましたけれども、労賃が高いということで西ドイツは落としたわけでございます。その次にフランスの某会社から提携の申し出があり、フランスも検討の対象に入れたわけでございますが、提携先との話がつかず、またフランス語でやるコミュニケーションの問題等も意識して、これも落としたわけでございます。
 最後にイギリスが残りました。イギリスの政府は、外国からの企業誘致に大変に熱心でありまして、特にイギリスの旧産炭地、ここに工場を持ってこようということについては大変な努力を払っておられたわけであります。そして、有利な条件を外国のメーカーに提出し、かつては荒れ果てた旧産炭地が、いまや工場が林立とまではまいりませんが数多くでき上がって、そしてりっぱな工場地帯として生まれ変わっております。
 これをやりますためには、付帯設備でございます住宅でありますとか上下水道あるいは学校、病院等の設備を政府の力によってつくり上げて、そしてその基盤を整備した上で外国のメーカーの誘致をやった。しかも、投資金額に対して二〇%割り戻しをするというようなインセンティブまで出しまして、そしてこの産炭地域をりっぱに復活させたという例を私は身をもって体験いたしております。
 そういうことから考えますと、急速かつ計画的な振興というものはまさにこういうことじゃなかったのかというふうに考えられるわけでございまして、そういったことを一つの例として私は御報告申し上げたいのでございます。ひとつ御参考にされた上、今後十年間にそういった地域が浮揚してまいりますように格段の努力をお願い申し上げたいと思います。
 この答申の中で、政府が産炭地の鉱工業の発展に果たすべき役割りが非常に大事だということを言っておるのと同時に、地元関係者においても主体的あるいは自主的な努力を払うことが不可欠であるということを言われております。この点につきまして、政府としては地元関係者に具体的にどういうようなことを要望されるのか、もしお考えがありましたら御答弁いただければ幸いであります。
#10
○福川政府委員 産炭地域におきましてその振興のための成果を上げてまいりますためには、それぞれ個々の地域におきましてそれぞれの特性を生かして、抱えております問題を解決していくということが重要でございまして、そのためには地元関係者がどのように創意工夫をこらしていくかということが一つの重要なかぎになるのではないかと思っております。この答申を貫きます精神の中にも、従来のハードウエアの整備と同時に、ソフトウエアを生かした形でその地域の特色を生かして、それぞれの圏域の中で、ある場合は鉱工業、ある場合は農業、ある場合は都市産業といったようなものを有機的に結び合わせていくということが必要で、そのためには地域関係者がこの点について十分創意工夫をこらしていくということが重要だという御指摘であろうと考えております。
 具体的に申しますならば、この関係の道県がその圏域ごとに、一つのブロック単位ごとに関係市町村と協力いたしまして、それぞれの圏域の中でどのようなビジョンを描いていくのがいいのか、その方策について御検討いただき、その圏域ごとの発展計画としてお取りまとめいただく、政府はまたそれを基盤にいたしまして、産炭地域振興基本計画あるいは実施計画ということとの有機的な連関をたどってつくっていくというようなことで、それぞれの特色を生かしていく。そのためには、地元関係者の創意工夫、発意ということが非常に重要である、そういうような展開を、私どももこの答申を受けてこれからも強く期待をしてまいりたい、また必要な助言等も続けてまいりたいと現段階では考えております。
#11
○保利委員 ありがとうございました。地元関係者と私どもも一致協力して地元の発展のためにがんばってまいりたいと思っております。
 時間がございませんので、あと一問だけ伺わせていただきます。
 「産炭地域振興対策の目的を達成したと認められる状態に至った地域」は云々ということがこの答申の中に出ております。いわゆる卒業生と地元では言っておる条項でございますが、この目的を達成したかどうかの判断基準についてはいまのところどのようなことを考えておられるか、御答弁いただければ幸いであります。
#12
○福川政府委員 産炭地域の振興のためには、石炭鉱業の不況によりますその地域の疲弊、これを克服していこうということで所要の各般の助成措置が講ぜられておるわけでございまして、その立場から申しますならば、そのような指定をいたしました条件、これを克服する、そのような条件に適合するように地域が回復してくるということの状態をなるべく早くつくるということが非常に重要であろうと思っております。したがいまして、答申におきましてもそのような趣旨で書かれておるわけでございますが、その場合の評価の基準は「地域指定の基準を勘案し、地域の振興の実態を端的に表わす内容のものによってなされるべきである。」というふうに書かれております。したがいまして、地域の指定につきましては、委員御高承のとおり、財政力指数あるいは生活保護世帯の状況、失業の状態等々を総合的に勘案いたしまして指定されるわけでございますが、私どももこの圏域全体を見て、いま申し上げたような基準を取り入れて判断をいたしたいと思っております。
 ちょうだいいたしましたこの答申に基づいて、しからば具体的にいかにするのかという点につきましては、この答申の趣旨を尊重いたしまして、今後この延長法を国会で御審議いただき、成立いたしました暁におきまして、現在の体系で申しますならば基本計画あるいは実施計画、その中で具体的に明確にいたしていきたいと考えております。
#13
○保利委員 いま、卒業生の問題についてこれから考えていくのだというお話がございました。大変に微妙な問題でございます。ひとつ慎重に御審議をいただきますようにお願いを申し上げます。
 最後に一つ要望事項でございますが、歴史の流れとして、石炭産業が衰微してこれが石油に置きかわってきた、これは一つの歴史的な事実としてあるいはやむを得なかったのかもしれません。いろいろと議論はございますが、私はそのように受けとめております。しかし、長い間にわたって日本のエネルギーを供給してきた石炭産業、そして石炭を産出し続けたこの産炭地というものが今日なお疲弊した姿でいる、いわば昔お国のために役立ってきた石炭というものを産出してきたところが大変に昔の後遺症に悩まされているという状態が、私、県下を回りましてもあるいは九州地域を回りましても、ほかの地域でも、随所に見られるわけでございます。
 特に現在、ひどい後遺症として石炭鉱害の問題が私どもの県でもまだ深刻に残っているわけでございます。できるだけ早くこの後遺症を取り除いてやることがどうしても必要なのではないか、これはまた国の力でなければできないのではないかということをつくづく感じているわけでございます。今日までも長い問いろいろと施策を講じていただきました。なおしかし、その傷跡が残っているということを御認識賜りたいと思っております。多くの農地でありますとかあるいは家屋あるいは道路、水路、また私の県におきましては果樹園等におきましても石炭鉱害を受けているわけでございまして、しかもなお多くのところが未認定の形で残されているわけでございます。
 山にミカンを植えた、農業振興という見地からミカンを植えた。ところが、その山には昔石炭を掘った占い坑道が残っているということを知らずにミカンを植えた。しかし十年くらいたってみるとどうもなりが悪い。調べてみると、実は古い坑道があったということでございまして、それについて鉱害の認定を出しておるが、まだ認められないというようなところもございます。あるいは地域的に非常にアンバランスな認められ方をしているというようなこともあるようでございます。こういったことにつきましてもひとつ格段の御配慮を賜りますように、この席をかりましてお願い申し上げる次第でございます。最後でございますが、鉱害の復旧等について政府の御見解がございましたらばお聞かせ願いたいと思います。
#14
○田中(六)国務大臣 ただいま石炭鉱害の問題を御指摘でございますけれども、この産炭地域振興臨時措置法が、答申によりまして国会で十年間の延長が決まり、その関連の法案として当然鉱害の法案が次に控えておるわけでございまして、私どもも、この鉱害問題につきましても、保利委員御指摘のように、石炭を掘ったそのアフターケアの問題で、国土の保全、民生の安定という大きな鉱害法の目的もこれを達成しなければなりませんし、保利委員御指摘の点を十分頭に入れて、鉱害問題についても対処していきたいというふうに考えます。
#15
○保利委員 いろいろ貴重な御意見を賜りましてありがとうございました。終わります。
#16
○森中委員長 以上で保利耕輔君の質問は終わりました。
 引き続き中西積介君の質問を行います。中西君。
#17
○中西(績)委員 時間が当初予定されておりましたよりも制限をされましたので、大変恐縮ですけれども、御答弁についてはできるだけ簡潔にお願いをしながら質問を申し上げたいと存じます。
 「産炭地域振興対策の今後のあり方について」審議会の答申がありましたので、これを中心にしまして質問をしていきたいと思っています。
 そこで、この産炭地域振興対策の経緯については、一応いままでの概要的なものはわかるわけでありますけれども、その後に出ます産炭地域についての現状認識、この部分から質問を申し上げたいと存じます。
 特にいまこれを読んでみますと、目的達成の程度がどのような中身で評価されたかということが私は大変重要なかかわりを将来的に持ってくると思いますので、この点、何を基準にして評価をしたのか、この点を事務当局の方からまずお答えいただきたいと思います。
#18
○福川政府委員 産炭地域の現状認識に関しましては、雇用失業情勢あるいは全国水準を上回る率の生活保護者の滞留、高年齢層の拡大等々の問題が指摘されております。答申にも書かれておりますように、全体として見ると、産炭地域全体としては相応の成果をおさめつつあると言っておりますが、特に六条地域を中心にいたしましてはまだ疲弊は十分解消に至っていないというようなことでございます。
 一例をとりまして、たとえば鉱工業出荷額は、全国全体で三十五年と五十四年と対比いたしますと十・六倍になっております。産炭地については八・五倍、六条市町村についてはかなり回復いたしまして十七倍という数字にはなっております。しかしながら、生活保護世帯の割合あるいは有効求人倍率といったような水準は、産炭地域あるいは六条市町村ともども全国水準をかなり下回っておるわけでございます。したがいまして、ある程度海岸立地に近いところあるいは都市化の進んだ地域等につきましては、かなりの成果をおさめつつあるけれども、六条市町村につきましては、いま申し上げましたような諸指標等から見て、まだ疲弊は解消に至っていないという判断をなさったものと考えております。
#19
○中西(績)委員 いま答弁ございましたように、この指数をずっと見てみますと、人口の面におきましても、全国的には増加の傾向、ところが六条の場合には依然としてこれがまだ落ち込みを大きく残しておる。あるいは有効求人倍率等につきましても、全国の半分以下、特に六条地域におきましては、これが半分以下どころでなしに、さらに四分の一くらいになるわけですね。
 こういうぐあいにすべてのものを見ていきますと、財政力指数についてもやはり依然として半分以下であるし、はなはだしいところにおきましては、たとえば筑豊の一地域あるいは佐賀の一地域におきましては、これが一七%程度しかまだない、あるいは一三%程度しかないという、こういう極端に低い地域がありますね。
 そういうことを考えてまいりますと、いま言われた、一定の回復は見られると言いますけれども、立地条件のよい地域がやはりそれに該当するのであって、特に六条地域、内陸部においては、依然としてこの落ち込みは続いておるし、むしろ財政的な面等を見ますとかえって悪くなっておる、こう認識をするわけですけれども、この点、それでよろしいですか。
#20
○福川政府委員 先ほど申しましたように、都市化の進んだ地域あるいは海岸の大規模工業立地あるいはその周辺の地域といったようなところにつきましては、かなり産業も進出し、所得効果ももたらしておるように思います。しかしながら、内陸部におきましては、かなり団地等の造成は進んではおりますけれども、まだ必ずしも企業の誘致等が進んでいないといったような問題がございます。したがいまして、この答申の中にも「産業の振興」という項目がございますけれども、今後ともその地域の特性に応じた産業の振興ということの必要性があろうかと考えております。
#21
○中西(績)委員 そこで、内陸部でそのような状況が残っておるということは何が原因であるのか、この点を分析されましたか。
#22
○福川政府委員 特に内陸部の六条市町村につきましては、従来石炭鉱業及び石炭の関連企業への依存度が高く、それがエネルギー革命ということの影響で非常に大きな影響を受け、必然的にその地域の疲弊が著しかったというふうに考えております。それで石炭にかわります他の産業の立地が進まない、あるいはその基盤の整備がおくれているというようなことに相なったものと考えております。先ほどもお話がいろいろ出ましたように、比較的立地条件に恵まれた地域につきましてはある程度の産業の振興という点がございましたが、内陸部に関しましては、いま申し上げましたような事情でこの疲弊の回復がおくれておるというふうに考えております。
#23
○中西(績)委員 その原因が、いま言われましたように石炭にかわる産業なりそういうものが全くないということ、したがって、立地的なものあるいは基盤整備等が不十分であるということの意味は、既存の産炭地振興対策の欠陥がそこにあったのではないかと私は思うわけです。
 大臣にお伺いしますけれども、大臣は特にこの地域出身の方でありますし、こういう点については十分御理解いただけると思いますけれども、いま言われたようないろいろな原因というものが、やはりいままで二十年間の振興対策、法的な措置からすべてを見ましても欠陥があったのではないか、そう私は理解をしたいと思うのですけれども、この点どうでしょうか。
#24
○田中(六)国務大臣 約十九年間、産炭地域振興臨時措置法が施行されておったわけでございますけれども、目ぼしい回復がなされていない。それは財政力指数、その他生活保護者、企業の誘致、生産出荷率、そういう指数にすべてあらわれておるわけでございますし、雇用の状況などもそうでございます。したがって、一生懸命努力は市町村もしたでしょうし、私どももしたつもりではございますけれども、やはりこれが実質的に行われていないという実情は、どこかに大きな欠陥があったというふうに考えざるを得ないと思います。
#25
○中西(績)委員 そうなりますと、その欠陥を克服することができなかったということになりますと、現状認識としては、やはり依然としてどこかに問題があるわけでありますから、それを補うという基本姿勢が必要になってくると私は思います。そうしますと、この三番目の、三ページにあります「産炭地域振興の今後の基本的方向」ということにかかわってくるわけですね。いま言う欠陥がこれによってすべて補われていくかどうかということをやはり具体的に検討してみる必要があろうと思います。
 きょうは審議会の皆さんにお聞きできないわけなので、一応審議会の意見を十分聴取をしておる政府の方が来られておりますから、その点で理解をしながらこれから論議をしてみたいと思います。
 そこでまず第一に、ここを見ますと、「今日における産炭地域の現状にかんがみ、」云々ということから始まりまして、当面なお継続していくことが必要であると考え、その振興のために国の担うべき役割りは重要である、こういう位置づけがしてあります。ところがその後に、計画的に施策の推進を図る必要があるけれども、同時に地方と、こういうふうに文章が記述されてありまして、この点をちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、いままでの一番欠陥であったものといえば、私はこう考えるのです。
 国の担うべき役割りは大変重要である、ところが第三条におきましては、審議会の意見を聞いて産炭地域振興基本計画を定めなければならないとあって、その計画は確かにこれに定められてありますね。そしてその第四条に実施計画。関係行政機関の長と協議をしてこれを告示する、こうなっています。ところが、私つぶさに見ましても、基本計画は確かにある、実施計画はありますけれども、その計画が年次的に目標達成を決めるなり何なりして出されておらない、これが一つです。
 それからもう一つは、その計画があっても財源措置なり何なりの責任が不明確である、こういう点からいたしますと、結局各省庁集まって確かにいろいろ計画はするでしょう。これはあらゆるものを包含して、なかなか多くのものがそれぞれの地域にわたってあります。ところが、これはまさにそれぞれの省庁が勝手にばらばらな中で計画を立てたのではないか、したがって、総合性なりあるいは実現を目指す、そういう具体的なものは何もそこには出てこない、こういう感じがするわけですけれども、この点はどうですか。
#26
○福川政府委員 この法律におきましては、産炭地域振興の基本的な事項を基本計画に、それから地域別の展開を実施計画において定めるということになっております。中西委員御指摘のように、年次別の計画にはなっておりませんが、産炭地域の振興の特性というのが、年次別にその計画をつくっていく上にも構造的な問題を多く抱えているということのために、年次計画はつくらないということになっておると思います。
 しかしながら、この実施に当たりましては、国あるいは地方公共団体がそれぞれの立場でその実現に努力をするということにこの法律の体系もなっておりますし、また、政府でこの基本計画あるいは実施計画をつくりますときにも、関係省庁とは十分連絡をとっておりますし、産炭地域振興審議会には関係省庁もメンバーに入っていただいてこれをつくっておるわけでございます。逐次各省庁との連絡調整も図り、また地元の意見も必要に応じて聴取をするということにいたしておるわけでございまして、私どももその総合的かつ円滑な実施には従来十分配慮はしてきたつもりでございます。
 また、その財政の裏づけという御指摘もございましたが、別途自治省におきましては交付税の配分等々につきまして特段の配慮を払っていただいておると理解いたしておりますし、実施計画の円滑な実施ということのためにはそれなりの配慮があるものと考えております。
 また、この審議会の答申がございますように、関係省庁間の連絡調整あるいは地方公共団体等との意見の集約あるいは新しいアイデアの発掘等につきましては、もちろん今後とも十分努力をし、必要に応じた改善は図っていかなければならないと認識をいたしております。
#27
○中西(績)委員 いまお答えがありましたように、年次計画はないけれども各省庁間の連絡を密にして努力はしておるのだと、そして地元の意見も十分配慮してあるという答弁のようです。これには間違いないと思います。ところが、前国会、九十一通常国会までの間でいろいろ討論をいたしてまいりました。そのときに、地元から県知事だとかあるいは石炭鉱業連盟の代表者なりいろいろ参りましたし、さらにまた、われわれが国政調査で地方に出ていって聞いたいろいろな意見と、それから通産当局の方がいま言われたような言い方とずいぶん違いがあるんですね。
 私これを指摘するのは、いままで国と県が、前国会でも言ったのですけれども、ボールの投げ合いみたいにして責任のなすり合いみたいなことをやっておるという感じがしてならないわけなんです。計画は立てるけれども、それを推進をするところがどこにもないのです。ですから、お聞きをしますけれども、いま地元の意見を十分配慮しておるということを言っておるのですけれども、国と自治体が同一テーブルで協議をし、一体的になっていままでやってきたかどうか、この点どうですか。
#28
○福川政府委員 産炭地域振興実施計画の策定に当たりましては、私どもでも地方自治体の意向を十分聴取した上で関係省庁との意見の調整を図っておりますし、また、各省連絡会で毎年一回現地調査を行っており、またその過程で地方公共団体の意見あるいは御要望を聴取する、そしてこれを振興対策の中にできる限り織り込んでいくということで従来ともやってまいったわけでございます。私どもも、今回いただきました御答申の中にも「従来にも増して緊密化されるべきである。」という御答申をいただいておりますので、この点につきましては、今後の法律が延長等の措置が講ぜられました暁には十分努力をしてまいらなければならない重要なポイントであると考えております。
#29
○中西(績)委員 そこで、現地調査をし、意見を聴取しまして、振興対策の中にそれを組み込んでいく、こういうことでありますけれども、結局私が言っているのは、いままで各地方とそれから通産省当局の言われておることに全くすれ違いみたいなかっこうのものがあったわけなんです。ですから、いま聴取はしたと言うけれども、その中身は、その地域に即応したものを具体的にどう立案し、計画していくか、そういうことがお互い合意の中でなされたかということを私は聞いているのです。同一テーブルに着いて論議をし、そして一定の内容が合意の中でなされていったかどうかということをお聞きしているのですが、それはどうでしょう。
#30
○福川政府委員 基本計画あるいは実施計画を策定をいたします過程には、産炭地域振興審議会の意見を聞くことになっております。関係各省庁の代表の方と同時に、それぞれ産炭地域の関係の知事等も、代表の方も御参加をいただいております。したがいまして、私どももその計画をつくります過程で十分意見を聞くと同時に、またその審議会の審議の過程におきましても、それぞれの地域の意見は十分配慮されてきたものと考えております。
#31
○中西(績)委員 そういままで言われてきたから問題だということになるんです。なぜなら、そうなるとまた今度、知事の方も悪いということになるんだ。そういうことが全然言われていないかということになるんですよ。いままではどうしてもそこが、お互いに国の責任で国がしてくれないのだという言い方になり、片や計画もないのだという言い方になり、そういうかっこうになって、いままでそこでコンセンサスが果たしてあったかどうかということすらも疑われるような形になってきておる。だから私は、その点を特に指摘をしておるところなんです。
 ですから、いま言われたように、審議会がある場合には各省庁の意見も入るだろうし、あるいは知事なり代表者が入るから、意見は入っていますということできわめて形式的なもので終わって、それで済んでおる。そういうところにやはり問題があったわけですから、これから後この点は一つ問題として残します。
 そこで、時間がありませんから……。そうなってまいりますと、今度一番問題は何かといいますと、その後にあります、地元関係者においても、主体的、自主的努力が不可欠であるという言い方をし、そしてこれを今度は、広域的に発展させる条件は効率的に総合的対策を実施をしていくことが条件なんだ。そしてその後に、圏域全体の計画を立てて集中的に推進をしていくことが大変重要です、こうなっていますね。ところが、先ほどのような論議になってまいりますと、現行の法律体系の中で、じゃあどこが今度は推進を集中的にやる場合の中心的な役割りを担っていくのか、この点をひとつ明確にしてください。
#32
○福川政府委員 中西委員御指摘のように、今後特に地元の自主性それから地域の特性を生かしていくということになりますと、その実行面でいろいろな改善工夫がなされなければならないということは、この答申の思想にも流れておりまして、今後特に方向として、広域的な発展を図っていくということのために、それを一つの経済生活圏域の中でどのような位置づけをしていくかということについて、市町村と道県の役割りに大いに期待をしているという思想がございます。これはそれをもとにいたしまして、実施計画あるいは基本計画にそれを反映させていくということに相なると思っております。
 いま、そのような広域的な発展について、そのような計画は、あくまでも地元の発意と委員御指摘の合意があるべきだということは、私どももそのように考えておりますが、それぞれの地元の発意に基づきまして、その実質的な裏づけとする実施計画の円滑な実施のための整備の促進ということにつきましては、法律の七条にもございますように、国及び地方公共団体がそれぞれの立場で努力をしていくということであろうかと思います。したがいまして、それぞれの役割り分担それから将来の方向につきまして、地元道県あるいは市町村さらに国というものが十分コンセンサスを得て、それで所期の効果を達成するように、それぞれの立場で努力をしていくということであろうと思います。
#33
○中西(績)委員 先ほどの答弁にあったかどうか、ちょっとお伺いしますけれども、落ちたんじゃないかと思うのでちょっとさかのぼりますが、財源措置等については、年次計画に伴うようなあるいはこの計画に伴うようなそういう法律的な何かありますか。
#34
○福川政府委員 先ほど大変簡単に触れましたので失礼いたしましたが、現在、自治省におきましては、普通交付税及び特別交付税の配分ということに当たりまして、産炭市町村に対しては特段の配慮を払っているわけでございます。また、そのほか、産炭地域振興臨時措置法におきましても、関係の条文におきまして必要に応じて財政的な援助措置が講ぜられております。
#35
○中西(績)委員 そこで、大臣にちょっとお聞かせいただきたいと思うのは、いま言われましたように十九年間にわたる産炭地振興がなかなか軌道に乗らない、それはやはり欠陥があるだろう、こういう認識であったわけでありますけれども、その欠陥がじゃ何かということになると、先ほど言われましたように、石炭にかわるべき立地的条件だとか基盤整備だとか、いろいろな問題がどうしてもそこには欠けておる、こういうことを言っているわけですね。そうなってまいりますと、それを今度補うということにならなければ、基本的な方向づけなり何なりが出てこないのではないかと私は思うわけなんです。
 いま質問をいたしましたところでは、結局最終的なものは市町村あるいは道県、七条におきましてそれぞれの立場でそれぞれがという言い方になっています。ということになると依然として、先ほど私が指摘をしておりますように、政府、行政の分野、それから地方自治体、県あるいは市町村それぞれがそのように責任を持つべきだということになっていますけれども、その中核になってやる、これがどうしてもこれでは出てこないのですね。ですから絶えず、私が言いますように、国と県あるいは市町村との間でお互いに責任のなすり合いみたいなことが行われておって、どうしてもそこがうまくいかないというのがいままでの欠陥だと私は見てきているのです。
 ですから、そこら辺の一番中心になる、だれが責任を持って、だれがどこでやるんだというようなところあたりをもう少し明確にする必要があると私は思うのですけれども、この点は大臣どうでしょう。
#36
○田中(六)国務大臣 基本計画、実施計画、そういう連動さしたところに国、県、市町村あるいは私企業の一つの責任者、そういう連帯が生まれてきて、結局責任のなすり合いで、結果的には何も生まないというような繰り返しが過去十九年間あったのではあるまいかという反省は、中西委員指摘するまでもなく私自身にもあります。それならどうしたらいいのかということなんですけれども、いまこの答申にうたわれているような、中西委員御指摘のような、私もそう感じておるような、言葉としてはいまそう言わざるを得ない一つの羅列があると思います。
 実態面でどうなっておるかというと、たとえば私の田川、筑豊地帯を考えた場合にどういうものが残っておるかというと、やはり強力な政府の指示によった飯塚の自衛隊、田川市のフィルター工場、これは全部政府の関係です。あとは私企業で、来るとか来ないとか、条件の整備、いろいろな問題、それはみんな手を抜いておったわけではないのです。知事初め私どもも、中西さんもそうでしょう。しかし私企業の限界があって、条件というものがありまして、産炭地という特殊情勢だからこういうふうにしてほしい。
 たとえば、これも具体的な例を挙げて説明申し上げますけれども、福岡県の京都郡の苅田町に日産が来る、日産を苅田町に誘致するにはその子会社の四つは田川市、郡、少なくとも筑豊地帯に持ってこようという前提条件を一生懸命やるわけです。しかし、いろいろな諸条件、私企業でございますので利益、損得を勘定するわけで、福岡県どころか、はるかかなたの大分県に十幾つも行くわけですね。そういうようなことを考えてみますと、これはやはり政府関係の大きな力が中心にならなければ、産炭地振興というようなことは絵にかいたもちになるおそれがあるんじゃないかという気もするわけです。
 それならばどうするかということでございます。御承知のように、筑豊地帯は最初は繊維関係、縫製関係、これは婦女子、若年労働者。最も中高年齢の雇用の拡大を願ったいろいろな工業あるいは仕事というものは来ないわけですね。そういうようなことを考えてみますときに、先ほどから繰り返しておりますように、これは予算の責任者でもある政府がやはり大きな力を発揮して、また条件などについてもかなりの責任を持った体制を持たなければ、根の強い工場誘致というものはできないんじゃないかという反省があります。
 しからば具体的にどうするかということなんですけれども、いま私が指摘しました反省点からスタートして、これをこれから基本計画、実施計画にどういうふうに発展させていくかということで、この答申に盛られておるいろいろな、一つの言葉でございますけれども、これは一つのプロセスとして当然あるべきことで、またあらなければならない過程でございまして、その間にこれから私どもがこれを実現するにはどうしたらいいかということを、いまの答申に書かれておる過程、プロセスを経た一つの相談事で、その中で私どもが強力に持っていく以外にないのではないかというような気持ちがしておりまして、これは思いつきみたいなことじゃなくて、そういう観点からじっくり腰をおろして考えなくちゃならぬのじゃないかという気がいたします。
#37
○中西(績)委員 内容的には、いまお答えいただきましたように、いままで浮揚できなかった一番大きな問題点をどう埋めていくかということで、文章上ではこういうかっこうになっていますけれども、具体的には、それぞれが、三者が鼎立をするような形でなくて、そこには国なり政府なりの行政の力によってそれをさらに強力に推進するということがやはり必要だ、こういう認識のようでありますけれども、そういう点において一定の役割りをどこかが果たさなくてはならぬ、その果たす役割りをこの法律事項の中にどこかうたい込むようにすればと私は思うのですね。
 それは後でまた申し上げますけれども、いずれにいたしましても、こういう状況ですから、確かにいままでのような三者が鼎立みたいな論議ではとうてい不可能ですから、そこでその次に入ります。
 その次にありますように、これらを計画していく場合には、いままでは広域的な地域発展を図る総合計画が欠けておったという視点が、特に経済生活圏としてのまとまり以降三ページから四ページの初めにずっと書かれています。これを見ますと、経済生活圏としてのまとまりがないとか発展の目標がない、あるいは圏域内の市町村の位置づけ、役割りが不明確である、あるいは振興事業間の調整、優先度、これらが決定されなかったというように、ずっと総合性に欠けた面が明らかにされてます。
 そうなってまいりますと、先ほど大臣が言われました振興実施計画、これを実効性のあるものとしてつくり上げていくという場合に、こういうものをすべて補わなくてはならぬということになってくるわけです。そうしますと、また先ほどに返りますけれども、関係道県だとか市町村の協力、これによって経済生活圏別の発展計画が作成されなくてはならぬということになってくるわけですね。
 そういうことになりますと、先ほどのような現地調査に行った場合の意見聴取程度だとか、あるいは審議会の中で知事の意見を聞く程度だとかいうことでなしに、今度は、計画を立てる場合には、先ほど大臣も言われましたように、やはり政府の力がその中心的な役割りを果たしながらやるということになるわけです。それを前提にして、地域のそういう意見、意向というものが十分入ったものにならなくてはならぬと思うのですね。一緒にやるということになればなおさらのことです。ですからその点で、計画作成の場合に、市町村、県、こういう皆さんの意見を十分聞いた上で、今度は国が責任を持って計画をもう一度練り直していく、こういうように理解をしてよろしいかどうか。
#38
○福川政府委員 中西委員御指摘のとおりに、従来からも広域的な発展ということは、この産炭地域振興臨時措置法の一つの思想だったと思いますが、この答申にも盛られておりますように、そこについては必ずしも十分成果を上げる状況にはなかったということが指摘されておるわけでございます。最近定住圏構想が出され、自治省で広域市町村圏、また建設省でも広域生活圏等々の諸構想が出ておりますが、それぞれの地域の中でそれぞれの市町村がすべて同じことをするのではなくて、広域的なまとまり、広域的な役割り分担というようなことを考えながら、立地条件を生かして、それぞれの生きた特性、機能を生かしていくということが重要であるというふうに、この答申はうたっておるものと理解をいたしております。
 そのために、ここにございますように、関係道県においては産炭地域市町村と協力の上、それぞれの経済生活圏別の発展計画をつくっていくように、こういうことに相なっておるわけでございまして、そういう意味で、御指摘のとおりに国といたしましても、その道県あるいは産炭地域市町村のこういった施策、努力と相まちまして、相呼応いたしまして、いろいろございます既存の施策の有機的な活用を図っていくということが必要であろうというふうに思っております。
#39
○中西(績)委員 したがって、先ほど大臣が答えられましたように、やはり国がそういう責任を持って主導的な役割りを示しながら、そこに多くの皆さんの意見、その地域の特性なり、そういうものが十分しんしゃくされた中での計画立案というものが必要だ、私はいまの答弁はこう理解をしたいと思いますが、よろしいですか。
#40
○福川政府委員 そういう趣旨で申し上げたわけでございます。
#41
○中西(績)委員 そこで次に、今後の産炭地域振興対策の具体的な展開になるわけでありますけれども、その前に、まず私が大臣にお聞きしたいと思いますのは、産炭地域における振興対策、この法律の第一条を見ますと目的が明らかにされておりますけれども、急速な計画的な発展云々とあって、やはりこれは鉱工業中心の振興策に限定されておる感じが非常に強くするわけです。ところが私が指摘をしたいと思いますのは、こういう地域であればあるほど、教育、文化などを含めて社会開発を行っていくことがきわめて重要であろうと思います。ということになりますと、人間を尊重するということを踏まえた上で、教育、文化というものが重点的に施策として取り上げられていく中で、初めて先ほど大臣の言った人間の自立性についても、郷土愛についても、そこから生まれてくるのではないかと私は考えるわけです。
 それなしには、労働者の定住意識なりこういうものは生まれてこないと思うのです。何と申しましても、人がどうするかということで大変重要でありますだけに、この点、教育、文化を初めとする社会開発、人間尊重を中心に据えたこういうものが必要だと思います。したがって、第一条のこの目的の中に教育、文化なりがやはり位置づけされるべきではないか、こう考えるのですけれども、この点はどうでしょう。
#42
○田中(六)国務大臣 この法律ができ上がりまして十九年間、二十年間たっておるわけでございまして、私どもはいま一九八〇年代を臨んで次世代ということを問題にしているわけで、二十年前に目的を掲げた、それが一言一句変わってないというようなことはおかしなことだと思います。したがって、特にパーティシペーション、参加ということが大きく議題になっておりますし、私もASEAN諸国を九月と今回で五カ国全部回ったわけでございますけれども、私自身のドクトリンの中の第四項目目に人づくりということを標榜したわけでございます。これからの次世代、特に産炭地というようなところは、やはり人間づくり、郷土づくり、郷土愛、そういうものが基盤になければ産業の育成もむしろ魂が入らない、中西委員御指摘のとおりだと私も思います。
 したがって、今回この答申によって臨時措置法が十年間延長という、まあどっちかというとありがたい答申をしておるわけでございますので、この十年間を生かすも殺すも、本当に大切な一分刻みの時間帯だと私は思います。したがって、諸法案につきましては国会で皆さんの十分な御討議をいただいて、そういう人づくり、あるいは人間というものの関係、人間と社会との関係、そういうものも含めて御審議をしていただいたら非常に幸いだというふうに思います。
#43
○中西(績)委員 いま大臣の答弁がありましたように、この点の重要性というものをお認めになるわけでありますから、きょうは深く論議をする時間を持ち合わせませんから国後に回しますけれども、その点だけはひとつお認め願って、後でまたいろいろ論議をさせていただきたいと思います。
 そこで、文部省にちょっと聞きますけれども、文部省もこの産炭地域振興のための連絡協議会の中に入っておられるはずでありますから、その際、いま通産大臣がこういう地域においては特に教育、文化というものが大変重要だという認識をされておるわけですから、文部省はこの点を否定したりはなさらないと思いますが、この点の重要性は認識をされておるかどうか。
#44
○古村説明員 文部省におきましても、産炭地域における人づくりは大変重要であるということから、従来からも学校施設について特別のかさ上げをやったり、あるいは教員の定数の加配をやったりというふうなことをやっておりますが、今後とも十分検討してまいりたいと考えております。
#45
○中西(績)委員 したがって、この法の改正のときには特にその点について第一条に教育、文化というものをやはり入れていくべきではないか。ただかさ上げだとか具体的な細かい点だけでなしに、基本的なものをどう認識をされるか、この点について。
#46
○古村説明員 そういった機会がございましたら、十分通産省と連絡を密にして検討してまいりたいと考えております。
#47
○中西(績)委員 この点は大変重要ですから、連絡を密にしていくということでなしに、いま一番問題になっている中学校の現状なり高等学校の現状等を考えていきますと、やはり文部省がそういう点をきわめて重要視し、地域的にどうするがというぐらいに考えていかないと、ただ教室あるいは教員の数ということだけではだめなんで、広域的に地域的に物をとらえるということが大変重要ですから、ぜひこの点を入れるくらいの決意がなくてはならぬと思うのです。ですから連絡ということでなく、そのときにちゃんとした意見を、通産省にそのことを申し述べ、むしろ皆さんがこれを入れるというくらいの強硬な決意をしてもらわなければいかぬと思うのですが、その点はどうでしょう。
#48
○古村説明員 文部省におきましても、産炭地におきますそういった地域的な振興を図るための人づくりなり教育、文化というものは非常に重要だということについては先生と同じ意見を持っておるわけでございまして、この法律の所管省であります通産省との十分な連絡をとりながら、これについて遺憾なきを期していきたい、こういうふうに思っております。
#49
○中西(績)委員 その点、十分今度の連絡会議なり――むしろ文部大臣が出向いていってでもそれくらいの意見を吐くくらいにしてもらいたいと思います。
 そこで、次に入りますが、産炭地域振興臨時措置法の延長について十年間というのが一応出ています。時間がなくなってきましたが、産炭地域の特性あるいは経験上からしてこの年限を出されたようでありますけれども、その十年という根拠、この点について。
#50
○福川政府委員 答申にもございますように、今後におきまして広域的な地域発展を図っていくということに要する期間、それから産炭地域振興の特性、さらにまた従来の経験等を考慮して、総合的に判断して十年が適当であるというふうに審議会としては御判断になったものと考えております。もちろん、議論の過程の中で、広域的な発展を考えるという意味ですと数年ではあるいは短いのではないか、あるいは鉱害等々の調整を要するということであれば、これもまた数年では短いのではないかという意見もございますし、また一方、関係者の努力を促すという意味では数年程度でいいのではないかという意見と、もっと短く努力を促すべきであるという意見と両方ございました。
 いま申し上げましたように、今後の広域的な発展の実効を期すということでは、ちょっと数年では短いのではないだろうか。しかしまた、余り長くするということになると、なるべく早い機会にこの産炭地域の疲弊を回復して、他の地域政策に吸収していこう、早期にこの効果を上げるというようなことを考えられて、総合的に十年ということになったものと考えております。
#51
○中西(績)委員 いろいろ理由はあるようでありますけれども、一応十年としておることに対しては、一つの刻みとしては認めざるを得ないわけですね。そうした場合に、ただ十年で切られておれば問題はないのですけれども、その後に、五ページのところに書いてありますように「経済生活圏としてのまとまりとしてみても、産炭地域振興対策の目的を達成したと認められる状態に至った地域については、」云々と書かれていますが、この場合、広域的な地域発展をいま目指しておるわけでありますから、そのときにこの目的達成をする場合これを省くということになるんだが、具体的にお聞きしますが、たとえば、その一つの経済生活圏というのはどういうくくりをするのですか。この産炭地域振興の基本計画の中に掲げられてありますように、九地域の区分がありますね。こういう程度なんですか、それはどういう中身になるんでしょうか。
#52
○福川政府委員 今後の経済生活圏の範囲につきましては、この答申の趣旨を私どもも十分検討して、あわせてまた他の地域開発計画の整合性などに配慮しながら、産炭地域の特質、経済生活圏としての影響の範囲等を考えて、具体的に検討してまいりたいと思っております。
 いま具体的に、九つの地域指定はそのままであるかどうかということでございますが、この答申の趣旨は、その九つの地域そのままということではなくて、それぞれの中で、いま幾つかございました定住圏構想とか、あるいは広域市町村圏とか地方生活圏とか、いろいろな構想がございます。そういった地域開発政策との整合性を考えながらその生活圏を考えていくということになるものと考えております。
#53
○中西(績)委員 それでは、まだこの九地域区分ということではない、新たに考えるというように理解をしてよろしいのですか。
#54
○福川政府委員 私どもは、答申の趣旨はそういうことであろうと理解しております。
#55
○中西(績)委員 それでは、その場合の評価ですね。もしこれを達成したら除外をしていくことになるわけでありますから、その場合の評価についてお聞きしたいと思うのですけれども、具体的にどういう基準を設定して、この振興の実態、こういう中身についてはどう設定をしていくつもりなのか。この点は何か明らかにされていますか。
#56
○福川政府委員 この答申の中にありますように、この指定を解除していきます評価は、地域指定の場合の基準を勘案して、「地域の振興の実態を端的に表わす内容のものによってなされるべきである。」というふうに重ねて書かれております。もちろん地域に特別な措置を講じておるわけでございますから、指定いたしましたその基準、これを達成したということは本来この地域振興の目的を達成したと考えられると思いますので、地域指定をいたしますときの基準、たとえば財政力指数でありますとか、あるいはその他の経済諸事情、これを総合的に考えていくということでございまして、私どももこれを明確にする意味でこの答申をさらに具体的に検討いたしまして、要すれば、将来つくります基本計画あるいは実施計画の中でその点を明らかにしていくのが適当ではなかろうかと考えております。
#57
○中西(績)委員 それは審議会なり何なりでそういう基準になるものをちゃんと設定をして、それによって全部しんしゃくしていくということになるのですか。
#58
○福川政府委員 御高承のとおり、地域指定につきましては産炭地域振興審議会にもお諮りをいたしますし、基本計画、実施計画も審議会にお諮りをすることになっております。したがいまして、ちょうだいいたしましたものをさらにより具体的なものにいたしまして、審議会にもお諮りをすることを考えております。
#59
○中西(績)委員 ただ問題は、それを機械的にやられると、いま足切りはしてないけれども、数年経過をした後にはこういう措置をとるということになっておりますから、総合的計画の中で、たとえば交通体系なり何なりが十分とられていけばいいのだけれども、それがとられる前に、この地域指定がどういうふうになるかわかりませんから、A、Bがどういうふうになっていくかわかりませんから、そうした場合に道路網なら道路網をいま考えた場合に、もしその地域は途中で抜けるとかいうようなことになった場合には、これは大変なことになるわけですね。いち早くそういうものがちゃんと設定をされたり、あるいは施策として確立をされていけばいいのですけれども、その前にその地域だけが浮き彫りにされて十分ですということになってきた場合には、これは大変なことになると思いますが、そういう場合には、今度総合的に勘案をするという、先ほどから言われているその中にそういうものは入るのですか。
#60
○福川政府委員 この「一般的な対策に委ねる」かどうかという判断は、広域的な経済生活圏として評価をするということでございますから、それは私ども幾つかの事情を総合的に考えなければならないと思っております。また、いま御指摘のようなケースもございますが、一部関係委員からも審議会において出された意見でございますが、あるいは場合によっては経過措置というようなことも考えてもらいたいという御意見がございまして、答申にもそのような趣旨が付加されております。
#61
○中西(績)委員 じゃこの点は、きょうは時間がありませんからまた後でいろいろ論議をしていきたいと思います。
 次に、「諸施策の効率的活用」の中で、きょう労働省おいでになっていますからその部分だけ聞きたいと思いますが、この六ページに「産炭地域に係る就労事業についても、引き続きその合理的運営を図っていく必要がある。」と書いてありますが、就労事業については従来どおり労働省もそのように関係の省庁会議なり何なりの中では積極的に発言していく、あるいはこれを維持していくという考え方でおられるかどうか、この点どうでしょう。
#62
○加藤説明員 答申が出されました段階で、いま直ちにこの事業を具体的にどうこうしていくということを考えているわけではございませんが、いずれにいたしましても、この両事業につきまして、特に緊就事業につきましてその高齢化、あるいはその事業の効率性といったような問題についてもいろいろ御批判をいただいております。そういうようなことも含めまして、今回のこの答申を率直に受けとめまして、合理的な運営を図りながら今後この事業を継続実施していく、こういう考え方でおります。
#63
○中西(績)委員 じゃその次に、建設省おいでですか。その後にあります「基盤の整備」の中で、先ほどの委員の発言の中にもありましたように、基盤整備についてはまだたくさん問題がございますけれども、きょうは限定をいたしまして、「交通体系の整備を進めるべきである。」ということで、たとえば私が住んでおる筑豊地域におきましても、実施計画の中に「筑豊地域」というのがありまして、その中で「道路」につきましても明らかにされています。「二百号、二百一号及び三百二十二号の整備を促進する。」ということになっておるわけでありますけれども、この産炭地域の内部の道路網というのはある程度でき上がりつつあります。
 ところが、肝心の経済圏、たとえば北九州だとか福岡だとか、あるいは今度は港との関係で、苅田という港がございますけれども、そういう関係を、道路によって体系を十分つくり上げていかなくちゃならぬわけでありますけれども、この点国道関係が一番おくれておるわけですね。ですから、これから後この答申に基づいて交通体系ということを考えていった場合に、国道等については特別しんしゃくをする、こういう態度がいままであったのか、これからはどうするのか、この点についてお尋ねします。
#64
○山科説明員 産炭地域等も含めまして、特別立法関係につきましては、これまでも予算の配分については重点的にやってきているところでございます。御指摘の二百号、二百一号あるいは三百二十二号等、いわゆる産炭地域とほかの大都市あるいは主要都市等を結ぶ路線につきましても、国庫補助事業あるいは直轄事業あるいは有料道路事業等、それぞれ精いっぱいやっておるところでございますが、先生御指摘のとおり、なかなかその成果が上がっておらないというのが現状でございます。
#65
○中西(績)委員 上がっておらないということで済まされると、基盤整備ということでこれが一つの目安になってくるわけですね。それがなされておらないし、ということになれば、将来的には、やはりそういうふうに産炭地域という特定の地域であるということでもって特別の措置をするかどうか、その点どうでしょう。
#66
○山科説明員 いままでと同じように特別に予算配分をしていきたい、このように考えております。
#67
○中西(績)委員 この点はいままでのようなことでやったんでは、たとえば三百二十二号線だけを考えてみても百年かかるんですよ。これでは産炭地域はいつまでたっても浮揚できるという可能性はないんですから、この点は十分考えてください。よろしいですね。
 「交通体系」の中でもう一つ国鉄の問題がございます。国鉄の方の問題でありますから運輸省に。
 特に国鉄再建法が衆議院では通過していま参議院で論議されていますけれども、これとのかかわりになってくるわけですね。特にこの地域における交通体系整備はきわめて重要であります。いまこうしてだんだん浮揚していこうという、将来的には北九州経済圏あるいは福岡経済圏の中でのそういうベッドタウン的なもの、あるいはいまいろいろ政府が力を入れて工場誘致なり何なりをしていくという過程の中では、一定の人口増そしてそこの浮揚というものは認められるわけですね。またそうなくちゃならぬわけなんですけれども、そのときに、これを今度は全部外していきますよというのがあるわけですね。この線を見ますと、福岡県で二千人以下に該当するのが大体十一線あります。そうしますと、関係のあるものをずっと見ていきますと佐賀線まで含めると九線ですね。十一線の中の九線がそうなんですが、この点についてはどのようにお考えになるのか、この時期に。どうでしょう。
#68
○金子説明員 御説明いたします。
 国鉄の地方交通線対策は、単に国鉄の財政再建という観点からのみならず、輸送需要に適合いたしました地域における効率的な交通体系の形成という観点からもぜひ推進する必要があるというふうに考えておりますので、地方交通線対策と今回の答申というものが相反するというふうには私ども考えておりません。
#69
○中西(績)委員 ちょっと理解できないのですが、相反することにはならぬと言うけれども、ここをもう少し詰めておきたいと思うのですが、大変重要です。
 いま言われました点からいたしますと、これに明らかにされております二千名以下の特定地方交通線ということになるわけでありますけれども、産炭地のそういう振興を図っていく際にそれがどうして関係ないのか、一致するということがどうして言えるんでしょう。
#70
○金子説明員 御説明いたします。
 たとえば、現行の「産炭地域振興実施計画」におきましても、筑豊地域の鉄道につきましてこういう記述がございます。「この地域における輸送需要の動向に対応しつつ、既設鉄道の整備を図る」というふうにされております。鉄道の整備がその地域の輸送需要との関係でとらえられているというふうに私ども理解しておりまして、輸送需要の観点から、効率的な地域交通体系の形成を図ろうとする今回の地方交通線対策というものとは決して矛盾しないというように考えております。
#71
○中西(績)委員 問題は現状ですね、ずっと減ってきたその時期をはかって認識するのと、これが将来的に高揚していこうという、そういう長中期にわたる、十年にわたる計画の中で物を考えなくちゃならぬわけですね。いまあなたが言われておりますように「既設鉄道の整備を図るとともに、油須原線の建設を行う。」ということまで入っているわけですけれども、いまあなたが言われるように、その前段にある「輸送需要の動向に対応」するということにあなたは力点を置いて考えられているけれども、そういうことになってまいりますと、将来的なそういう展望とのかかわりについてはどうお考えですか。
#72
○金子説明員 御説明いたします。
 私ども、特定地方交通線、これは転換の対象になります路線でございますけれども、その基準は今後政令で定めていくことにいたしておりますけれども、その政令を定めるに当たりまして将来の開発計画、たとえば昭和六十年度、これは一応国鉄再建のめどとなっておりますけれども、法案でも明らかになっておりますけれども、六十年度までに具体的な開発計画があって、それが確実に輸送需要に反映するという客観的な保証があるような場合には、そういったものも過去の輸送密度に加味したい、加えて算定したい、かように考えております。
#73
○中西(績)委員 したがって、六十年度ということになりますと、もう年度的にはあと四年ですね。そうなってきた場合には、これから通産当局なりがこの地域の開発をいち早く始めないと、鉄道まですべてはぎ取られてしまうという結果になってくるわけなんです。
 そういう意味で、大臣にちょっとお聞かせいただきたいと思いますけれども、いま言われた労働省の関係におきましてもいわゆる就労事業の関係、交通体系、道路網は建設省の関係、それから国鉄関係について、いち早くそういう体制づくりをしておかないと、なかなかうまくいかないということになってくるわけですけれども、その点について、あわせての決意、国鉄に対する見解とあわせましてお述べ願いたいと思います。
#74
○田中(六)国務大臣 この振興法は十年間の延長でございます。いま聞きますと、鉄道ローカル線の方は六十年、あと四、五年、労働省の方も果たして十年間を目安に考えているか、疑問の点もございますし、すべてを総合的に判断すると、やはり中西さんの満足するような答弁をすぐすかさずぼんと出せるような――私、プロパーの問題なれば何とか答えられるのでございますけれども、やはり鉄道の計画もございますし、労働省の方もそれぞれの予算の裏づけのこともございます。したがって、他省のことを責任を持っては言えませんけれども、私どもは十年の延長という答申を受けているわけでございますので、国会の審議もこの十年を削ることはないと思います。
 したがって、この産炭地域振興臨時措置法の十年間延長は確実にされます。その十年と、それぞれの年月の各省との関係、経済全体の整合性、そういうものを考えた上で、私どもも措置しなければなりませんし、その点は各省との連絡を十分にとって善処していかなければならないという決意でございます。
#75
○中西(績)委員 その点はうんとがんばってもらわなきゃならぬと思いますから、地域の民意あるいはその地域全体の開発ということを十分念頭に置かれて、各省庁との関係をまとめていただきたいと思います。
#76
○森中委員長 細谷治嘉君から関連質問を求められておりますので、これを許します。細谷君。
#77
○細谷委員 一点だけ質問しておきたい。
 答申が十日に出たわけでありますが、その七ページに「疲弊の著しい市町村に対する財政援助について、一層の配慮が望まれる。」こうなっておるわけです。この日本語を常識的に読みますと、財政援助について引き続き配慮が望まれるというよりも、一層の配慮が望まれるということは、従来よりももっと前向きで積極的にという意味を込めておるのではないか、こう思うのです。
 そこで、新聞等で伺いますと、大蔵省は、財政再建に名をかりまして、この市町村に対する財政援助をカットすることについて財政審議会に諮問しているわけですよ。そうなってまいりますと、この十日に産炭地域振興審議会が「一層の配慮が望まれる。」と答申をしているところへもってきて、一方大蔵省の財政当局の方は、これをカットしちゃえ。言ってみますと、十一条の補助率のかさ上げなんというのはやめちゃえ、こういうことを諮問しているということになりますと、閣内不統一でありますし、この審議会の産炭地に対する認識と全く違った認識を財政当局が持っている。
 これは通産大臣、ちょうどオーストラリアに行っているときにどうも諮問したようでありますけれども、空き巣をねらわれたように私は思っているのですよ。こんなことにならないように、ひとつきちっと歯どめをしておきませんと、これを審議する価値がなくなってしまうと思うのです。その辺ひとつ通産大臣の決意のほどを承りたい。
#78
○福川政府委員 大臣の御答弁の前に、この答申の趣旨につきまして、ちょっと簡単に御説明させていただきます。
 いま御指摘の七ページの、「地方公共団体に対する財政援助」の項目につきましては、「疲弊の著しい市町村に対する財政援助について、一層の配慮が望まれる。」この趣旨は、審議会等の議論の過程におきまして、たとえば普通交付税とか特別交付税とかいうようなもののうち、産炭地域に係る特別の配分が従来も十分なされておるわけでございますが、この審議会におきましては、当該措置を継続するとともに、今後ともさらに必要がございますれば、重点的な配分ということについて必要な配慮を要請しているというのが、この答申の趣旨でございます。
 それから、いま委員御指摘の、法十一条のかさ上げ措置につきまして、大蔵省がそういう特別のかさ上げ措置を打ち切りたいという意向で検討が内部的になされているということが報ぜられておるわけでございますが、私どもといたしましては、産業基盤の整備等きわめて重要な問題でございますので、このかさ上げ措置の継続の方向で、大蔵財政当局と精力的に折衝したいと、事務的には考えております。
#79
○田中(六)国務大臣 いま福川石炭部長が答えたとおりでございまして、財政再建ということもあるでしょうけれども、私どもは、この審議会の答申、半年にわたって慎重審議された答申を受けたわけでございまして、この答申の趣旨を十分尊重しなければなりませんし、それを実現すべく一生懸命努力すると同時に、大蔵省との食い違いが生じた場合は、それを穴埋めするように、細谷委員にもお約束申し上げたいと思います。
#80
○細谷委員 産炭地域振興臨時措置法の延長問題のほかに、たとえば新産工特の問題、あるいは鉱害に対する財政措置の問題、一連の地方財政対策というのが全部五十六年に期限切れになるのですよ。大きな問題になっている。それを大蔵省は全部外しちゃうというのですから。部長が答えたように、もし十一条のかさ上げが削られたら――それはがんばると言うのですけれども、そのほかの交付税とかなんとかを頼みにしているという、そんな、こっちがいかぬならこっちへ行くということでは、この答申の方針に沿っておりませんから、大臣もひとつその姿勢を貫いていただきたい。この「一層の配慮」を間違いなく守り通していただかぬと議論になりませんから。
 これだけ申し上げて、私の関連質問を終わります。
#81
○森中委員長 答弁要りますか。
#82
○細谷委員 結構です。
#83
○中西(績)委員 以上、いろいろあれしましたけれども、まだ細かい点等については残っておりますので、また後日十分質問をさしていただきたいと思います。特に自治省、きょうおいでいただきましたけれども、そこまで入りませんでしたので、大変恐縮でしたけれども、以上で終わります。
#84
○森中委員長 以上で中西積介君の質問は終わりました。
 引き続き鍛冶清君の質問を行います。鍛冶君。
#85
○鍛冶委員 最初に大臣にお尋ねをいたしますが、いままでいろいろな質問がなされましたので、なるべく重複は避けて質問をさしていただくつもりですが、重なる点がございましたら御容赦をいただきたいと思います。
 先ほど大臣が御答弁されました中で、いままでの産炭地の施策にどこかに欠陥があったという御答弁がございました。欠陥があったということを認められた上で、どこかということで不確定な表現でおっしゃっているわけですが、今回出されましたこの産炭地域振興審議会の答申、これの中に、どこかに欠陥があったという御認識の点はすべて改められた形で、新しい形でこの提示がされているのかどうか、まずそれをお尋ねをいたしたいと思います。
#86
○田中(六)国務大臣 私が申し上げたのは、十九年間、約二十年間この法律が施行されておりまして、それがさらに十年間延長ということでございますので、先ほどから事務当局の答弁にもございましたように、数年間とかあるいは五年間とかいろいろ問題があったわけでございますけれども、結論として十年間の延長をやったわけでございまして、十年間というのは、審議会の委員の方々も、十年間という長期の延長をしたことは、過去十九年間の中に必ずしも満足すべきことがなかった、欠陥があったという証拠にもなろうか。私もまたそのように思いますし、審議会のこの答申を私どもが受けてこれを尊重すべく義務づけられておりますので、これを十分尊重の上、国会にまた延長の御審議をお願いするわけでございまして、私どももそういう気持ちでやると同時に、国会の審議の方も十分よろしくお願いしたいという心境でございます。
#87
○鍛冶委員 この法の延長については十年、もう通産当局としてはこの審議会答申を受けて確定的に提案をなさるという御決意のようにお伺いをいたしましたが、改めてその点を御確認の意味でお尋ねをするということと、延長される場合には、単純延長としてやられるのか、それとも法改正というものを考えながら延長を考えられるのか、その点を一つ。
 それからさらに、審議会の答申にあります内容は、すべて一〇〇%通産省は受けて、それを具体化した施策として国会の審議に持ち上げてくる、こういうおつもりなのか。また足りない点があれば、つけ加えてやるという点があれば、お聞かせをいただければと思います。
#88
○福川政府委員 私ども、この答申を十日にちょうだいをいたしたわけでございます。私どもとしては、この答申を尊重いたしまして、この法律の延長を初め、地域の実情に即した施策を推進していくということで関係省庁とも十分これから協議し、努力をしてまいりたいと思っております。
 この答申の趣旨は、いろいろな運用上の改善等々の御指摘がございます。私どもも、これは十分尊重してまいりたいと思いますが、御答申の趣旨は、法律に関しましては十年程度の延長ということを御答申の趣旨といたしております。もちろん立法作業に関しましては、ほかの内閣法制局等々との調整もございます。また、閣議としてのお取り扱いもございますので、どのような形の法案にして国会に提出するかという点は、まだいま申し上げられるべき段階にはございませんが、先ほど申しましたようなこの審議会の答申の趣旨を尊重いたしまして、この法案の作成準備に当たりたいというふうに思っております。
#89
○鍛冶委員 それでは、あといろいろと重複を避けて飛ばしまして、この答申の中で、広域的な地域発展を図るよう「関係道県においては、産炭地域市町村と協力の上経済生活圏別の発展計画を作成」するようにというふうなことで述べられておるわけでありますが、これは先ほども質問がございましたけれども、この経済生活圏ということについては、具体的な腹案としてはもう大体でき上がっているのか、これからの問題なのか、どういう形で今後確定をされていくのか、その点お尋ねをいたします。
#90
○福川政府委員 答申におきましては、この経済生活圏に関しまして「産炭地域振興の観点を踏まえ、既存の広域的な生活圏域との調和を図りつつ一つの経済生活圏として」のまとまりがあるというような表現が使われておるわけでございます。その意味についてでございますが、「産炭地域振興の観点を踏まえ、」というのは、産炭地域振興が石炭の不況による疲弊の著しい石炭産出地域、すなわち六条地域の疲弊の解消を主たる目的としながら、これをサポートする周辺地域を含めて施策の対象としているという特質から考えまして、恐らく原則として六条地域を中心とした圏域の設定ということになるのではないだろうかと思っております。
 さらに「広域的な生活圏域との調和を図りつつ」とは、原則として、たとえば自治省でお考えになっておられます広域市町村圏、あるいは国土庁で考えられております定住圏、あるいは建設省の広域生活圏といったようなことがございますので、その辺のお考え方を考慮しながら、これをさらに具体的に考えて詰めてまいりたいというふうになっておるわけでございます。いますぐ具体的に九つの地域の中をこのように分けて生活圏をつくっていくんだというところまでまだ作業は進んでおりません。
#91
○鍛冶委員 その作業の場合は、通産当局が相談を受けながら、地元の県並びに市町村等の意見を吸い上げて策定をしていく、こういうことになりますか。
#92
○福川政府委員 この答申に流れます大きな思想として、いま申し上げましたような広域的な生活圏別の発展を志向する、同時にまた、地域の自主性を尊重するという二つの大きな思想があるわけでございます。今後、この生活圏別の発展計画を関係道県が産炭地域市町村と協力の上、おつくりになっていただくという過程におきまして、私どもも地元の意見を十分尊重してまいりたいと思っております。
#93
○鍛冶委員 私の地元には田川地域があるわけですが、かつて田川の市並びに郡で、これは経済圏の一つになるかどうかわかりませんけれども、いわゆる市町村合併という形での動きがあったことがございます。これはやはり経済圏という立場からも、また対国との問題の上からもいろいろな意味で、これは、あるいはいい流れかなという気が私はせぬでもないわけですが、こういう経済圏、生活圏というものが策定をされ、確定を地元と相談しながらされました場合に、こういうものが市町村合併という形で動いていくということも考えられるのではないかというような気もいたしますが、そういう点についての通産当局のお考えはどういうことでしょうか、お伺いをいたしたいと思います。
#94
○福川政府委員 今回の答申におきましても、今後産炭地域の一層効率的な発展を促進するために、広域的なまとまりのもとでの発展を志向するというポイントが指摘されておるわけでございます。そういう観点からいきますと、鍛冶委員御指摘のように、市町村合併に進んでいく、発展していくということも、そういう意味ではそれなりの効果があるという方向であろうと思っております。しかしながら、それぞれの市町村のあり方という問題につきましてはいろいろな事情がございますし、市町村の合併の問題というのは、その地方公共団体におきまして、地域の発展に資するというような、いろいろな観点からケース・バイ・ケースで考えられるべき問題であろうというふうに思うわけでございます。したがって、私どもの方も、市町村合併に仮にいかないにいたしましても、何らかの形で広域的な発展を図っていくための地域特性の機能を高めていく、そのために相互の連携を高めていくという方向で努力はしてまいりたいと思っております。
#95
○鍛冶委員 そこで、先ほども質問が出ておりました、この振興対策の目的を達成したと評価される経済生活圏に属する市町村については、指定解除というような形のことがこれにもうたわれているようでありますが、この評価について、これは再度、地域の実態を客観的に示す形でやはり決められるべきだと思いますが、これははっきりとした形でもう決められているのか。また、決めるとすればどういう形でお考えになっているのか、具体的なお答えをいただきたいと思います。
#96
○福川政府委員 この答申におきましては、その指定を解除する評価の仕方といたしまして、「地域指定の基準を勘案し、地域の振興の実態を端的に表わす内容のものによってなされるべきである。」ということでございます。
 したがいまして、この趣旨といたしましては、この地域指定がたとえば財政力指数でございますとか、あるいは生活保護家庭の割合でありますとか、あるいは雇用問題とか、いろいろな総合的な判断のもとに、主として財政力指数を中心にいたしまして指定がなされておるわけでございます。市町村の統計というのはいろいろ制約もございまして、これは一律にどのような基準でというのはいますぐ私どもも成案は得ておりませんけれども、いま申し上げましたような幾つかの要素を考えて、地域指定のときの基準を参考にいたしまして、これを決めてまいりたいと思っておりますが、将来におきましては、これは一応明らかにするという意味で、基本計画あるいは実施計画、その中で明らかにしてまいりたいというふうに考えております。
#97
○鍛冶委員 そこで、こういう経済圏ごとに振興を図りながらいろいろな施策を講じていくというのは、私も大変いい方向へ行きつつある、こう思うわけでありますが、この生活経済圏なり地域なりというものがまだ決まってないという御答弁であります。これが大体地域が決まってまいりました場合に、その地域によって、この答申の中にもありますように、いろいろな特質があると思いますし、またさらにそこを浮揚していくというためには、これは工業中心か産業中心か商業中心か、いろいろあると思うので、それに伴う地域策定と同時に、目標といいますか計画、浮揚のためにはこういうことをやりたい、ここまでやりたいというような計画なり目標が当然出てくると思いますが、その目標というものは、それぞれ地域でいろいろと検討させ、吸い上げてそれを実行させていくという形にされるのかどうか、その点お伺いをいたします。
#98
○福川政府委員 それぞれの生活経済圏の中でどのような発展形態を志向していくのがいいかということは、先ほども委員の御指摘がございましたように、関係道県で産炭地域市町村と協力の上つくられて、その方向が打ち立てられていくと思います。
 それで、ここで地域の指定を解除する場合の一つの考え方といたしまして、地域の指定は非常に疲弊の著しい地域ということになっておるわけでございます。したがいまして、それぞれの生活圏は特色のある形でその発展の方向を探求し計画をつくっていくと思うわけでございますが、その疲弊の程度、これはもう大体改善された、そこは各地域に共通するような考え方、いま地域指定は、地方の財政力指数でそれぞれの地域を横並びで指定をいたしておるわけでございますが、そういうある程度一般的な基準ということの方が指定の趣旨から言うと適当なのではないだろうかというふうに思っております。
 もとより、そのような水準に達するかどうかということのために、いま鍛冶委員お話しのように、ある地域において、その地域のある部分は工業地域、ある部分はサービス産業、ある部分は都市的産業といったようなことで分担して発展はされていくということにはなると思いますが、指定の考え方は、いま申し上げましたように、ある程度共通の尺度で考えていくことの方がいいのではないかと思っております。
#99
○鍛冶委員 次にお尋ねしようと思ったことを先取りで若干御答弁いただいて、大変ありがたかったのですが、そういう財政力指数とか失業率とか生活保護率とか、そんなのがいろいろ出てくるわけですが、解除する場合には、そういうことだけではからずに、やはりそこの地域の目標なりを設定させた上で、その達成の内容というものも見きわめながら、加味して、十分やはり配慮して評価というものをすべきであろう、こう思うわけです。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
一応のお答えをいただいたのですが、それは入れる方向でぜひ考えるべきであると思いますが、この点について再度お尋ねをいたします。
#100
○福川政府委員 その計画をつくります過程で、それぞれの産炭地域の疲弊の解消ということを目標にしていくわけでございます。したがいまして、この計画の内容というものは、その疲弊を解消するという立場からいえば、そこは有機的連関のあることであるわけでございます。したがいまして、もちろんここで指定を解除するかどうかという点につきましては、先ほどもここで論議がございましたように、総合的な判断ということが必要になろうと思います。あるいは必要に応じて経過措置も考えるというようなことも必要になろうかと思っております。いまの御指摘の点につきましては、私どももそこは有機的な連関のある要素であるというふうに理解をいたしております。
#101
○鍛冶委員 解除の場合は、生活圏の定められたその範囲で、一市町村だけで判定するのではないということですね。ひとつそれは確認の意味で御質問します。
 それから、ただいま経過措置ということが出ましたが、経過措置としてはどういう形でお考えになっていくのか、それもあわせてお尋ねをいたします。
#102
○福川政府委員 いま広域経済圏、広域的な生活経済圏で考えていく場合に、一つ一つの市町村でその解除を考えるのか、総合的に考えるのか、端的に申しますと、たとえば一つの広域生活圏の中に一つの市町村だけが基準を達成したというような場合にはどうするのかというお尋ねでございますが、そこは一つの生活圏のまとまりとして、全体として評価すべきものではなかろうかというふうに考えております。
 それから、経過措置につきましては、これはどの事例でどのように考えていくかという点は、まだ私ども具体的に念頭にはないわけでございますが、恐らくここで考えられておると思いますのは、たとえばある目的を達成をして、ある事業が継続しているというような、そのときの計画とその後の実施状況等を勘案して考えていくべきものではないかというふうに思います。
#103
○鍛冶委員 過去、過疎法なんかの解除の場合は、三年ぐらいの経過措置をとったというようなこともあるようですが、そういった形をとっていくということでしょうか。
#104
○福川政府委員 これも、審議会でもある特定の類似の例を引かれまして、たとえば一年とか二年とかいうような経過的な措置ということが考えてもらえないかということでございました。
    〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
したがいまして、そのときの具体的なケースによってでございますけれども、恐らくある一定の期間を置いて解除をしていくというようなことになるのではないかと思います。
#105
○鍛冶委員 では、もう時間もありませんので、先に行かしていただきますが、旧炭鉱跡地の対策です。これは答申の中でも、権利関係整理云々というようなことも触れられておるわけですが、これはやはり現地では大変困っている問題がずいぶんあるわけです。こういう点についての対処は、具体的にどのようになさっていかれるのか、お尋ねをいたします。
#106
○福川政府委員 答申でも指摘されておりますように、旧炭鉱跡地の中には、その整備活用を図ろうといたしましても、鉱業財団の抵当に入っているとか、いろいろ権利関係が錯綜いたしておりまして、また必ずしもその実態が明らかになっていないケースもございます。また、土地所有者の利用の意図が明らかにされないまま放置されているものもございます。また、担保が非常に重複して入っているというようなこともございます。また、特定の担保に入っているものもあれば、あるいは鉱業財団の一部を組成しているというような問題がございまして、実は非常に複雑な問題が絡んでおるわけでございます。
 これらの問題の解決につきましては、関係地方公共団体においては十分いろいろ実態を御調査になり、また問題点の整理を行われ、またその利用計画ということについても市町村で、あるいは地方公共団体でいろいろな折衝を行うというようなことが行われておるケースもございますし、またそのような方向は大変好ましいというふうに思っておるわけでございます。
 炭鉱跡地の利用というのは、いま委員御指摘のように一つの大きな課題でもございますので、このような関係地方公共団体あるいは関係事業者等の努力に対しましては私どもも必要な助言を行うと同時に、また私どもといたしましても、その必要な調査を行い、跡地の利用問題ということについての問題の解明、あるいは必要があればどのような措置を講じていくのが解決に役立つかということも研究をしてまいりたいと思います。
#107
○鍛冶委員 前々回ですか大臣にお尋ねをした中で、特定事業促進調整費の問題をお答えをいただきました。その折に大臣は、答申が出ておらないので出てからお答えをさせていただきたいというふうな御答弁があったのですが、これは大臣からでなくても結構でございますけれども、この特定事業促進調整費の性格及び内容、これについては十一条の絡みもあるようでありますけれども、大蔵省ではやはり大変厳しい考え方を持っておるようであります。ちょっと時間もありませんので、その点簡明にお答えいただきたい。
#108
○田中(六)国務大臣 さきの委員会で、鍛冶委員御指摘のことで私はあいまいな答えをしておりましたけれども、今回答申が出ておりますし、大蔵省は、遠くの方で反対のような意向のうわさも聞いておりますけれども、私どもはこの調整費はちゃんと五十六年度に一応計上しておりますし、私も担当の大臣として、これの完遂には一生懸命努力していこうというように思っております。
#109
○鍛冶委員 最後にそれでは大臣にお尋ねいたしますが、これは直接には関係ございませんけれども、いま私が大臣と同じ選挙区でいろいろ産炭地を回っておりまして痛感することは、やはり教育の問題であります。
 特に、炭鉱の栄えた時代、それから炭鉱がなくなっていきまして、それから大変苦しい時代、こういった時代から今日に及んでおるわけですが、そのころ直接体験をされたいわば大人の方々、こういう方と、それからいますでに次の世代として小中学校等に学び、また青年として活躍している方々はやはりその当時のことは体で身をもって知ってはいないと思います。したがって、子供の時代というのはどうしてもまねるということが多いわけですが、親の言っていることを聞きながらそれをしていく形というものがあるのではないだろうか。
 そこで、新しいこういう答申が出た機会に、新しい形でやはり教育というものをしっかりとした形で特に取り上げながら、産炭地の問題、将来大きく伸びるために教育を考えながら、それを基底にしていかないと、本当の意味での復興というものはなされないというような気がいたすわけでございますが、こういう点についての大臣の御感想並びに今後の御決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#110
○田中(六)国務大臣 産炭地の教育、社会的な情勢、そういう点は鍛冶委員はもう痛いほど御承知のことでございまして、私もそこで育っておりますので、十分承知しているつもりでございます。したがって、こういう法案の延長の機会に、さらに人づくり、教育、社会情勢、そういうものを勘案して十分考えていかなければならないというふうに考えております。
#111
○鍛冶委員 質問を終わります。ありがとうございました。
#112
○森中委員長 以上で鍛冶清君の質問は終わりました。
 引き続き小渕正義君の質問を行います。小渕正義君。
#113
○小渕(正)委員 私は長崎なんですけれども、長崎で産炭地として私の周辺を見ますと、主に島になりますが、伊王島とか香焼とか大島、崎戸、大体こういうふうな地域があるわけでありますが、その炭鉱が閉山されてから今日までの経緯を見ますと、大島だけは大阪造船の誘致に成功いたしまして、過疎化現象から脱しておるわけでありますが、端的に言いますと崎戸とか伊王島とかは全然状況は変化なしで、過疎現象の中で今日まで推移しておる、こういう実情であります。したがいまして、私は、産炭地域振興対策の法律の効果によって地域振興が図られたというようなことは、私の周辺で見る限りにおいてはほとんど考えられない。
 そういう点から考えまして、今回また十年延長ということになっておるわけでありますが、ただ単なる後ろ向きの対策だけであっては、これを何年延長しようと同じことの繰り返しになるのじゃないか、私はまたそういう一面の危惧を持たざるを得ない感じがするわけであります。そういう点をいろいろ考えまして、本当に法案の目指すところが実効が上がって地域振興ができ上がり、そういう形でああいうところができ上がったというような一つのモデルケース的なものがあれば、どういう地域にそういうのがあるのか、参考までにお尋ねしたいわけでありますが、いかがでしょうか。
#114
○福川政府委員 先ほども当委員会でも御議論がございましたように、六条市町村を中心にいたしましては、まだ失業状態あるいは生活保護者の滞留等々の非常な問題を抱えている地域がございますが、また他方、ある程度都市化が進んだ地域あるいは海岸立地等に有利な地域といったようなものについては、鉱工業の発展というようなことから経済水準が回復している例がございます。評価についてはまだいろいろ御議論がありますが、一般的に申しますと、たとえばいわき地域とかあるいは宇部の地域というようなあたりはそういうような鉱工業がかなりコンビナートとして集中し、またそれなりの経済効果を上げておるというようなケースもあったかと思います。
#115
○小渕(正)委員 実は先ほども一つの議論の対象になっておるようでありますが、今回の答申案の中で特に新しく盛られた中に、「経済生活圏に属する市町村」が自立でき得るような状態になった場合における除外ということがこの中に盛られておるわけであります。その点についていろいろ質疑が先ほどから交わされておりましたが、結果的にそのような地域がこれからは存在し得るというふうにお思いですか。答申案の中にこれは出ていますから、そういう可能性のある地域がかなりいろいろ出てきているのじゃないかなという感じもするのでありますが、行政当局としてそこらあたりに対する見通しはいかがですか。
#116
○福川政府委員 御指摘がございますように、地域指定の解除、評価ということについては今後さらに基準を明確にするようにということでございますので、いまここでここら辺が、この地域が大体そのような指定の解除になるようなことではないかという点については、まだ申し上げる段階にはないわけでございます。
 しかしながら、この本来の趣旨が産炭地域の疲弊を急速に解消したいということでございますので、本来この目的がそういうことでございますので、その目的を達成するように地方公共団体を含めまして努力してまいらなければならないと思っております。
#117
○小渕(正)委員 あと一つ、私ちょっと私の身近な中で感じておる点があるのです。
 先ほど例を挙げましたように、長崎市周辺の中にそういう炭鉱閉山のある産炭地ということで地域指定をされた市町村がございます。その中で、本当に財政基盤その他がもうなくなってすべて国に頼らざるを得ない、そういう疲弊したような市町村と、もうまさに日本一と言われるような財政基盤の確立された市町村があるわけですね。しかしそれもやはり産炭地なんですね。そういう中で、産炭地関係外から客観的に見るならば、余りにもその差があり過ぎる。ただ炭鉱があったという意味だけで地域指定されているということについて、いろいろ国の、また別の角度からのそういうものが行われるということについて、そういう財政面から見た場合に、ちょっと平等感を欠くのじゃないかという感じなきにしもあらずなんですが、こういう問題についてはいかがお考えですか。
#118
○福川政府委員 御指摘のように、それぞれ市町村も、工場の立地あるいはその他の社会的な諸機能の相違によりまして、同じ産炭地域の中でもかなり財政的な基盤に差が生じてきているということがあろうかと思います。もちろん、一つの地域が発展をしてまいりますと、それはある程度他の地域にも波及をしていくという効果もございますし、また、それぞれおくれております地域につきましては、その問題を解明をしていく。
 解明をしていく過程で、たとえば産炭地域振興臨時措置法も一つの手段でございます、あるいはそのほか、地方交付税、また特別交付税といったような財政手段も講ぜられておりまして、そういう疲弊のものを何とか引き上げていくという方向で、なおかつまた、それぞれの関連の市町村との広域的な連関、有機的連関をつけながら、それをできるだけ平準化の方向に持っていくということが必要ではなかろうか。いま、地方財政等でもいろいろ問題がございますけれども、そのような幾つかの平準化を図るような措置がございますので、それの効率的な運用ということがぜひ必要ではなかろうかと思います。
#119
○小渕(正)委員 次に、今回この答申案が出されて、それから行政当局は作業を進められて閣議決定をしていよいよ出されてくると思いますが、その時期についてはいまのところ、これからだということで、先ほどの御質問の中でも明らかではございませんでしたが、大体の作業のスケジュールその他からいった大まかなめどをどこらあたりに置かれてやられるのか、大まかなあれで結構ですが、そういった日程的なめどについてお尋ねいたしたいと思います。
#120
○福川政府委員 また今後、政府部内で関係方面といろいろ調整してまいりますので、明確なスケジュールを申し上げる段階にはございませんが、国会への法律案の提出ということにつきましては、通常、予算関係法案と予算関連でない法案とに分けられるわけでございますが、私どもとしても、この法案の性格をどのように位置づけていくかのいろいろな議論がまだ内閣でも済んでおりませんので申し上げかねますけれども、私どもとしても、他の法案とそうそごを来さないタイミングで十分御審議がいただける余裕を持って準備を進めたいと思っております。
#121
○小渕(正)委員 お言葉としては理解できますが、大体どこらあたりなのかというめどはいまのお話ではちょっとわかりにくいのですが、それ以上どうしても言えないということでありますればやむを得ませんが、いままで皆さん方は実際にこういった専門家で仕事をやられておるわけですから、大体この手順で行き、いつごろだということぐらいは言ってもいいんじゃないかという気がするのですが、いかがでしょうか。
#122
○福川政府委員 今後予算編成が行われ、予算が国会に提出され、それで予算委員会の審議等がございまして、そこらを勘案されながら法案の提出の時期が内閣として決められております。通常の例で申しますれば大体二月、あるいは物によっては三月というあたりが提出時期ではなかろうかと思います。
#123
○小渕(正)委員 次に、コールセンターの現在の計画といいますか、そういうものについて少しお尋ねしたいと思います。
 コールセンターの必要性については、もういまさら論をまつまでもないと思います。したがって、そういう意味では石油代替エネルギーを推進するための大きな仕事としてこのコールセンターの建設があると思うのでありますが、これが今日段階でどこらあたりまで計画が練られ、候補地の作業がある程度進んでおるのかどうか、現状についての御説明をいただきたいと思います。
#124
○福川政府委員 コールセンターにつきましては現在、たとえば北九州市の響灘につきまして小規模なコールセンター、大体年間取り扱い数量二百万トン程度でございますが、その建設が進んでおるわけでございます。多分今年度あるいは明年度でその建設が済むかと思っております。
 そのほか、北海道の苫小牧におきまして大規模なコールセンターをつくろうということで、設立準備委員会が持たれております。この点につきましては、私どもの方でかねてから基本設計調査というものを実施をしてまいりましたが、現在、北海道で道を含め関係需要家等によりまして設立の準備委員会が持たれて、今後の作業を検討しておられる段階でございます。また、長崎県の崎戸につきましては、長崎県の調査が現在大詰めに来ている、終結に近づいておるという段階だと伺っております。今後それがまとまりますれば、地方自治体あるいはユーザー等の関係者間でその検討が行われまして、それを具体的に進めていくというふうになるものと思っておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、コールセンターの建設は、いま委員も御指摘のとおりに非常に重要な意味がございます。今後の運営に当たりましては、その港湾の条件あるいは需要家との連関、それから地元の理解協力といったようなことが不可欠でございまして、長崎県の崎戸につきましては、そのような調査結果がまとまり、関係者間での検討が進められてまいるというふうな段階だと思っております。
#125
○小渕(正)委員 いまお話に出ました崎戸というのが、産炭地の中での炭鉱が閉山されて以来今日まで、全然新しい産業の誘致ができないで過疎化現象を呈している非常に代表的な地域でございます。したがいまして、先ほどお話がありましたが、県挙げて、自治体挙げて何とかこのコールセンターを誘致して、それを一つの新しい再生のきっかけにしようということで、そういう意味でのお互いの世論形成その他すべてでき上がっておると思います。
 問題は、そういう専門的な立地条件とか何かいろいろあり得るでしょうけれども、そういう産炭地の中でいろいろな施策をしながらも、地理的な条件その他ありまして非常にむずかしい、振興ができないような地域でございますので、そういう意味で、このコールセンターというものは、地域性から見ましても、地理的条件から見ましても、私は非常に条件にかなっているというふうに思います。また、地元もそういう意味では大いに受け入れるということで積極的に推進しようとしておるわけでありますので、産炭地域の振興という中の一つの大きなあれとしてとらえていただいて、計画の場合にぜひこれを推進していただくようお願いしたいと思うのであります。
 次に、これは大臣の決意を聞きたいと思うわけでありますが、要するに、今回こういうふうにしてまた十年延長。今日取り残されているといいますか、今日まで十九年間地域振興についてはいろいろ努力されたにかかわらず、これがなお十年間今後延長せねばいかぬ。そういうことを考えますと、いままでのようなやり方だけではただいままでの繰り返しで、後ろ向きの対策だけでまた十年が終わってしまうのじゃないかという気がするわけです。
 それで、実は長崎の場合にも一つの例を挙げますならば、松浦市がございます。これは長崎県北松浦郡という中小炭鉱が三百近くあった産炭地を控えた市でございます。この松浦市がそういった産炭地の中の代表的な都市として、それで現在実は九州最大の火力発電所建設の基地にしようということで、電発と九電とが中心になりまして二百万キロワットぐらいの発電所建設をしようという計画、動きがあるわけです。
 これは松浦市を中心にした産炭地の背景にあるそういう産炭地振興の経済浮上の一つのきっかけにしていこうということで、実はかなり話が進んでいるわけでありますが、残念ながら、いままでの動きを見ていますと、単なる電発とか九電の当事者と漁民との関係だけで問題がいろいろやられておる。もちろん松浦市を挙げてこの問題については何とか積極的に取り組もうという姿勢はあります、県もあります。
 ところが、実際の作業の進め方を見てみますと、結果的には単なる漁民に対する電力会社関係との、当事者同士の話だけの進め方になりまして、本当の意味における松浦市と北松を含めた産炭地振興の大きなあれになるんだという、そういう地域全体の一つのプロジェクトとしてとらまえて推進していこうという雰囲気にどうしてもならない。単なる関係者だけ、漁民対あれだけになってしまう。
 これからこういう産炭地振興のいろいろな計画を立案しながら進めていこうとしても、そういうやり方だけでは、全体の本当の意味における理解を得て進めるということにならぬじゃないかという気が私はするわけです。一部の、それぞれの関係者だけにおける利害得失、エゴ的な関係だけで問題が処理されていくようであっては、一つの産炭地振興としての効果が上がらぬのじゃないかと思うのです。
 端的な例が、先ほど出しました伊王島でも、実は一ころLPGの基地にしようかという一つの話も出たのでありますが、そこの地域の漁民の反対でだめになる。本当に地域振興をどうするか、これを全体のものとしてプロジェクトという形の中でやろうという雰囲気といいますか、そういう傾向がないわけですね。ややもすると、そういう単なる関係者だけの間における話し合いになってしまう。私は、こういう形はあちこちでも出てくるのじゃないかと思うわけです。
 したがいまして、ぜひひとつ、これから十年間延長するわけでありますから、それが本当に生きた金としてこれから生かされる、いままでのように単なる後ろ向き対策だけに金がどんどん使われていくだけであってはもったいないと思いますから、そういう意味では国が一つの強力な政策の方向性を持ちながら、それぞれの地域における指導もやっていただかぬことには、単なる当事者だけの話し合いの中ではこういう地域振興というところまではなかなか話がまとまっていかぬのじゃないか、一、二の例を見ながら私はそういう感じが率直にするわけです。
 したがいまして、今回通産大臣としては一つの決意をお述べになっておるようでありましたが、行政サイドの中においてそれぞれ所管官庁の問題があるかもわかりませんけれども、ひとつぜひ産炭地振興、しかもそれぞれの地域にお互いが何らかの産業を持ち込みながら地域振興を図ろうという場合において、国がもっともっと指導助言するような積極的な姿勢をもって臨んでいただきたい。こうならなくては、単なる当事者だけの話し合いによって話がまただめになっていく可能性がこれからも私は続くんじゃないかという危惧も持ちますので、そういう意味においてひとつ大臣の決意等をぜひお願いしたい、かように思うわけです。
#126
○田中(六)国務大臣 これからの十年間は大きな節目だと思います。したがって、幸いに産炭地振興審議会の答申が十年間延長というふうに出ておりますので、これにのっとって臨時措置法も法案の審議をしていただこうと考えておりますし、政府はもちろん大きな責任を持って、この十年間を密度のある質的な向上、そういうものを目指した臨時措置法にしたいと思いますし、小渕委員御指摘の点を踏まえて、一生懸命努力していきたいというふうに考えます。
#127
○小渕委員 終わります。
#128
○森中委員長 以上で小渕正義君の質問は終わりました。
 引き続き小沢和秋君の質問を行います。小沢和秋君。
#129
○小沢(和)委員 私も、この機会に大臣に答申とそれに関連する若干の問題をお尋ねしたいと思うのです。
 先ほど、これまでの産炭地振興政策がどういう成果をおさめたかということについて議論をされまして、政府側も十分成果が上がったとは言えないという認識だということがわかりましたけれども、しかし私は、筑豊を選挙区に持っておる者として、いつも見ておって感ずるのは、これまでの政府の施策というのは失敗に終わっておるのではないかということなんです。たとえば鉱工業を急速に発展させると言いますけれども、一番肝心の男子雇用型と言われるような中核的な企業というのはとうとう今日に至るまで全く立地することがない。筑豊の失業、貧困、こういうようなものは基本的には変わりがない。だから私は、これは失敗だったと言わざるを得ないと思うのです。
 まず最初にお尋ねをしたいのは、なぜそういうような結果に終わったかということです。私は、これは国の責任がいままでの産振法では明確でなかったということにあるんじゃないかと思うのです。確かに計画は立てなきゃいかぬ、それから土地の造成などはやらなきゃいかぬ、あるいは来るとなったら融資やらあるいは税の減免とか、そういうようなことはやるけれども、肝心の、企業をどうしてもそこに張りつけるために国が努力をするということについて明確な責任というのがない、そこに一番大きな問題があったんじゃないかと私は思うのですが、その点どうお考えでしょうか。
#130
○田中(六)国務大臣 十九年間のこの法律の施行でございますので、それをさらに十年間延長、十年間というのは、先ほどもいろいろ申し上げておりますとおり、考えようによっては非常に長い延長だと思います。長い延長をしなければならなかったということは産炭地振興が十分でなかったという証左にもなると思います。したがって、これは私どもの責任もやはりあるというふうな率直な感じを申し上げておるわけでございますけれども、石炭勘定は御承知のように非常に膨大な予算でございますし、これをむだ遣いするというようなことは私どもは考えなくちゃいけませんので……。
 ただ企業というものは、少なくとも私どもは自由主義の体制、私企業でございますので、企業の採算性というようなことを考えた場合に、必ずしも政府が無理やりに張りつけて、ここにこうしなさいというようなことは――誘致、誘導というものは一生懸命努力しておりますけれども、その内容が男子雇用型ではなくて婦女子雇用型、しかも中高年層を予定しておるのが若年層というようなちぐはぐなこともございますし、私企業というものとの兼ね合いもございます。したがって、あれこれ理想的なことは考えた点もありましたけれども、それがうまくいかない点もあります。したがって、そういう過去十九年間を総ざらいして、反省の上に加えてこれから対処をしていかなければならないと思います。
 また、それならば十九年間が振興法があってむだだったかと言いますと、いろいろな労働問題あるいはこれを含めました雇用問題、これがなかった場合の産炭地はどうだったかということを考えますと、それは全く大変なことでございまして、やはりあったからこそ少なくとも現状が維持できたのではないか。これからまた十年間でございますので、十分考えて、私どもも環境づくりがうまくいくように一生懸命、過去の反省も加えて努力をしなければいけないというふうに思います。
#131
○小沢(和)委員 いま国も一生懸命やったんだというお話なんですけれども、私は、この前宮田団地の問題を例に出しましたからもう一言そのことを言いたいと思うのです。
 国がいろいろやったと言うけれども、私が地元の町長に、宮田に、あのときはトヨタですが、トヨタが進出するような努力を国もいろいろやったと言っているけれども、あなた知っていますかと言ったら、いや知りませんねと言うわけです。それで、帰ってきて当局の方に、国として具体的にどういう努力をやったかを私に示してもらいたいと言ってもう一遍お尋ねをしたところが、いやそれは公団の方がいろいろやっておりますという話なんです。公団がやったというのは国がやったということとは違うと私は思うのです。
 トヨタのアメリカ進出とかあるいはイラン日本石油化学ですか、ああいうような問題でいろいろあなた方自身が動いていらっしゃるけれども、ああいうふうな調子で、目に見えるように努力してくれているなというふうなことはやはりこれまでなかったのじゃないかと思うのですよ。だから、そういう点でこれまで、地元はそれこそ自分たちの振興のことですから必死になってきたと思うけれども、国はその点での責任を十分果たしたと言えない。その反省の上に立たないというと、これからの十年間という期限を持っても、私は本当に実りあるものにならないのじゃないかというふうに感ずるわけです。
 だから、大臣としては、これまでの国の努力で十分でなかったというふうに考えるとすればそれはどういう点か、今後の施策の中に国のやり方としてどういう点を改めるというふうに今度の答申ではなってくるのか、そこのところを私のわかるように説明してください。
#132
○福川政府委員 企業誘致に関しましては、いま大臣からの御答弁もございましたが、企業がどこに立地をするかというのは最終的には企業が判断するということでございまして、政府といたしましても企業誘致のための具体的な活動といたしまして、たとえば環境を整備をする、地域振興整備公団等が中心になりまして土地の造成等の整備を図っていく、あるいはまたそのための融資等を行っていく。また、誘致をいたしますために工業団地の説明会、あるいは必要な立地についての情報提供といったようなことをいたしておるわけでございます。
 一応政府の役割りといたしましてはそういった環境整備が中心になるわけでございますが、またそれぞれいま申し上げました土地造成、あるいは融資機能、あるいはその他の広報活動といったようなものは、公団がそれを整備をしていくということになっております。もとより私どもでも、あるいはまた国土庁でも立地問題というものを担当いたしておるわけでございまして、政府といたしましてもそのような必要な情報の提供とかあるいは勧誘活動というものは行っているわけでございます。
 そういういろいろな努力をいたしておるわけでございますが、むしろ立地いたしました場合に十分採算に乗る、あるいは雇用効果が出てくるというようなことで、いま申し上げましたような環境の整備に重点に置いておるわけでございます。もとより立地についての最終的な判断は企業がいたすことになるわけでございまして、そのために私どもも十分な支援体制ということをとっていくのは当然だろうと思っております。
#133
○小沢(和)委員 私の聞いていることにずばっと答えていただきたいのです。国がいままでやってきたことがこれで十分だったと考えているのか、反省点があるのかということを私お尋ねしているわけですよ。簡潔に言ってください。
#134
○福川政府委員 従来産炭地の立地につきましては、いま申しましたように、地域振興整備公団を中心にいたしまして説明会あるいは土地造成あるいは企業の誘致等を十分やってまいりました。しかし、まだ十分土地につきまして企業が進出をし切っていない。先ほどもいろいろ御議論がございましたように、内陸部につきましてはまだ進出が十分でないという事情がございます。私どもも、地域振興整備公団等も含めまして、政府全体としてそのような努力はさらに一層していかなければならぬと思っております。その意味では、私ども至らぬ点は十分さらに反省はいたしてまいりますが、政府全体としての努力はぜひ続けていきたいと思っております。
#135
○小沢(和)委員 努力はしたいというのですけれども、いま聞いていると率直に言って中身がないと思うのですよ。だから、たとえば地元などからよく話が出るけれども、政府に関係のあるいろいろな工場などを、たとえば国鉄とか電電とかよく名前は出ますけれども、そういうような具体的な検討を進めてこの十九年間やってきたら、私はもっと進んだのじゃないかと思う。そういうような点での、今後どこをどう改めていくという反省、今後の対策というのがなければ、私はこれから十年間期限を延長しても、これは余り大きな成果は期待できないのじゃないかと思うのですよ。
 それで、私は今回の答申を読んでみたのですが、全体として見るというとこれまでの延長、むしろこの十年間にどうスムーズに撤退作業を進めていくかという感じがするわけですね。何年かごとにずっと見直しては、少しでもよくなったところは切っていくんだというようなことが今度ははっきり書いてあるとか、あるいは国の責任ということも一言触れていますけれども、しかし、県とか地元の方にこれから一生懸命うんと中心になってやってもらう。そうすると、これは聞きようによっては、何か国の方はだんだん後ろに下がっていくというようにも聞こえないことはないんですよ。だから、私はそういう点で、いままでの反省に立って国がもっと前に出て一生懸命にやるというんじゃなくて、どうもだんだん引く、そっちの方が私は答申としては目立って仕方がないんですよ。果たしてそういうような手法で、これからの十年間にこれで本当に打ち切ってもいいと言えるような状況ができるのか、そこのところをもう一遍、今後のそういう手法の新しい部分も含めて、あなた方がこう確信を持っておるという点をひとつ示していただきたい。
#136
○福川政府委員 今回の答申の中に流れます大きな思想として、広域的な発展を図っていく、一つの経済生活圏の中でそれぞれの機能を分担し合って地域の特性を生かしていく、それが非常に重要なことである。先ほど申しましたように、ハードウエアと同時にソフトウエアもまた十分活用していかなければならない、こういうことに大きな思想があると理解をいたしております。
 いま政府が引いていくんではないかという御指摘がございましたが、今後そういう地域的な発展、それぞれ地域の特性を生かしていくということになりますと、もとよりそれは地域の自発性、自主性というのが基調になるわけでございまして、この答申にもございますように、従来ともすれば、もちろん法律の思想の中にあったわけですけれども、その広域的な発展を図っていくという点について欠けるうらみがあったということを指摘をいたしておるわけでございまして、そのような機能の分担ということの上に立って今後の産炭地域の振興を図ろうということでございまして、もとより政府がこれを手を引いていくというわけではございませんで、地域の自発性、自主性を十分尊重しながら国も一緒になってやっていくということでございます。
 十年ということを先ほど大臣も強調いたしておりますように、大変重みのある十年でございまして、私どもも今後そのような足らざる点を補い、いまの運用面の改善を図りながら、この十年間には何とかその疲弊した状態を改善をし、他の地域と同様な状態に持っていくというようなことは、いま申し上げましたような地域における有機的な連関、総合的な施策の展開ということでぜひ実現をしてまいりたいと思っております。
#137
○小沢(和)委員 いろいろ説明をしていただいても、これまでに比べて具体的にどう前進するであろうということについて私としてはどうも展望を持つことができない。だから、それは今後さらに議論をしてまいりたいと思うのです。
 時間も気になるようですから、あと一、二具体的な問題でお尋ねをしたいと思うのです。
 これはぜひ大臣にお答えを願いたいと思うのですけれども、先ほども教育や文化を筑豊で高めていくことが非常に重要だということを指摘されましたけれども、私も全く同感なんです。たとえば企業の誘致をするということで会社などに話をしに行っても、いや、地元でのそういう子弟の教育なども不安があるというようなことで断られちゃった。それがネックになったというようなことも私聞いたこともあるぐらいですよ。
 だから、その点で私ぜひ大臣にも骨を折って実現してもらいたいということできようお尋ねをしたいと思いますのは、飯塚への九州工業大学の建設の問題ですね。大臣も御存じのとおり、これは何年がかりかの問題で、三年間調査費もついて来年度からその創設事務費をつけるように踏み切っていくかどうか、つまり、本格的な建設にかかっていくかどうかという段階にいまあると承知をしているわけですけれども、この間地元の方と一緒に文部省の担当者に会ったら、大蔵省としては新しい事業というのは一切この際はやらないということで非常に心配だというような話をしておられたわけです。
 せっかく調査してそういうような一つの結論を得て、文部省としてはいよいよやろうかという構えになっているときに、そういう財政難でつぶれてしまうというようなことになったのでは、私は、これはどうしても納得ができないし、地元のイメージアップのためにも、国立の工業大学のしかも情報系の学部という、非常に時代の先端を行くような学部をここに持ってくるということは、今後の発展にとって、一つや二つの大きな工場を持ってくる以上の非常に大きな力になるのじゃないかという気さえするわけです。これの今後の実現のために、大臣としては産炭地振興という立場から、ぜひこの際積極的に動いてしかるべきではないかというように私は考えますけれども、この点はどうでしょう。
#138
○田中(六)国務大臣 この学校の件につきましては、九工大の一学部にするのか、工大そのものにするのかという決定はなされてないと思いますけれども、つくるということにつきましては、ここにおられる三原先生とか麻生先生とかが非常に御努力なさって、つくるということは決まっておりますので、私は、そのとおりになるというふうに確信しております。
#139
○小沢(和)委員 それでは、それがことし財政危機だということでつまずいたりしていかないように、あなたとしてもその立場でがんばっていただきたいと思うのです。
 もう一つお尋ねしたいと思いますのは、産炭地の振興を図っていく上では財政問題というのがいつも非常に大きいわけですね。その点で、私は二点まとめてお尋ねをしておきたいと思うのです。
 一つは、先ほども話が出たかと思いますが、いわゆる十一条の特別のかさ上げ、これの対象を広げていくようにしたいという考え方が、今度の答申でも示されていると思います。それで、この調整費については予算化に全力を挙げるということはいま大臣もおっしゃったし、それは結構だと思うのですけれども、どういうようなことに対象を広げるのかということについて、この間私が、筑豊では子供の非行化が非常に多いし、児童館をつくりたいというような声もよく聞くのだけれども、こういうようなのは新たに入るのかということをお尋ねしたら、それはいま検討中のことだからということで、私いわば保留しておるような気持ちでおったのだけれども、こういうのはこの拡大の対象になるのか、私が例示したようなのは入るのかということを、この機会だからお答えを願いたい。
 それからもう一つは、地方自治体が財政的に非常にきつい。これに対するいろいろな援助がこれまでもやられてきたわけです。その中で特に大きな力を発揮したと思うのは、普通交付税の産炭地補正ですが、これはたしか五十六年度までの臨時措置だったように記憶をしているわけです。もうすでに年次を追ってここ二、三年減ってきているわけですが、これはまだまだ打ち切れるような状態じゃない。私の選挙区の中で言うと山田なんというところは、まだ財政力指数〇・一三というようなひどい状態です。全国の平均が〇・六ぐらいですか、だからそれから見ても全くお話にならぬわけで、そういう疲弊のひどいところに対して特別これが大きな力になっておったという点では、この延長なども含めて措置をされるというふうにこの答申の内容を読んでおいてよいかどうか、この点もお尋ねしたいと思います。
#140
○福川政府委員 いまのお尋ねの特定事業促進調整額制度の内容でございますが、私どもとして考えておりますのは、広域的な共同施設事業、それから市町村の機能分担を高めるような事業、あるいは教育、文化、福祉等の基盤整備的な事業ということを大まかに考えております。調整費的なものでございますので、まだ具体的な内容を細かく詰めるべきものではなくて、今後予算当局と十分詰めてまいるわけでございます。
 いまお尋ねの児童館が入るかどうかという点については、私どもいまここでそれははっきり入りますということは、まだ予算折衝をこれからいたす時期でございますので申しかねますが、十分検討させていただきます。
 それから、普通交付税の産炭地補正の問題について、この答申は五十六年度以降の措置についても触れておるかということでございますが、これも十年間の延長ということで、今後とも引き続き一層の配慮を図れということでございますので、私どもとしては、そのような方向でこの答申は示唆されておるものと理解をいたしております。
#141
○小沢(和)委員 終わります。
#142
○森中委員長 以上で本日の質疑は終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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