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#1
第093回国会 環境委員会 第2号
昭和五十五年十一月十一日(火曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 山崎平八郎君
   理事 中村正三郎君 理事 吹田  ナ君
   理事 野口 幸一君 理事 馬場  昇君
   理事 岡本 富夫君 理事 中井  洽君
      奥田 幹生君    田原  隆君
      玉生 孝久君    橋本龍太郎君
      畑 英次郎君    土井たか子君
      山本 政弘君    竹内 勝彦君
      木下敬之助君    藤田 スミ君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 鯨岡 兵輔君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       北村 和男君
        環境庁企画調整
        局長      藤森 昭一君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 七野  護君
        環境庁自然保護
        局長      正田 泰央君
        環境庁大気保全
        局長      三浦 大助君
        環境庁水質保全
        局長      馬場 道夫君
        通商産業大臣官
        房審議官    植田 守昭君
 委員外の出席者
        外務大臣官房外
        務参事官    遠藤  実君
        厚生省環境衛生
        局水道環境部水
        道整備課長   田中  収君
        水産庁研究部漁
        場保全課長   川崎 君男君
        通商産業大臣官
        房参事官    弓削田英一君
        通商産業省基礎
        産業局化学製品
        課長      鈴木  晃君
        運輸省航空局飛
        行場部長    山本  長君
        海上保安庁警備
        救難部海上公害
        課長      土屋  彬君
        気象庁気象研究
        所長      小林寿太郎君
        自治省財政局準
        公営企業室長  飯田 久人君
        自治省財政局調
        整室長     井下登喜男君
        環境委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 環境保全の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吹田ナ君。
#3
○吹田委員 それでは、許されております時間の範囲内でお伺いいたします。
 過般の本委員会で、長官が冒頭に所信表明をなさいましたが、その内容につきまして、私はまことに心強く受けとめたわけであります。特に、その所信表明の中で長官は次のように言っていらっしゃるのです。「使命の重大さを痛感するとともに、環境行政推進の任に当たることに大きな誇りと意欲を感じている次第であります。」云々と、こうあるわけですね。これは私としては本当に敬意を表するわけであります。
 そこで、これを踏まえましてお尋ねするわけでありますが、きょうは、時間もありませんので、下水道問題だけにしぼってお伺いをしてみたい、こう思うわけであります。
 下水問題について触れてみたいのでありますけれども、ただ残念なことは、長官は所信表明の中で下水道問題については一切触れていらっしゃらぬわけでありまして、この点はどういうわけでお触れにならなかったのか、まずちょっとお伺いをしてみたいと思います。
#4
○鯨岡国務大臣 所信表明の中で、余り時間が長くなるといけませんので申し上げませんでしたが、水の問題については当然心配しているわけでありまして、水の問題を心配するということになれば、当然下水の問題について心配しなければならぬことであります。下水の問題について特にその項について触れなかったことはまことに残念ですが、時間等の関係から水の心配に含めたことを御了承いただきたいと思います。
#5
○吹田委員 承知いたしました。
 環境庁にお伺いしたいのですけれども、わが国は、国民所得の総額では世界の第二位と言われておるわけでありますが、それだけの経済発展を遂げているということでありますけれども、それにふさわしい日本の環境整備というものができておるとお思いであるかどうか、まずその点を基本的にお伺いしておきたいと思うのです。
#6
○馬場政府委員 大変むずかしい御質問でございますけれども、経済的には経済大国と言われるようになっておるわけでございます。そういう意味で、環境対策、水の問題についてどうかということでございますが、私ども、水質保全対策につきまして、いろいろな苦い経験等を経まして、かなり充実してきておるというふうに考えておるわけでございますけれども、まだ、何といいますか、後追いの、どちらかと言えばそちらの方の施策に追われておるということでございまして、さらに今後とも相当充実をしていかなければならぬというふうに考えるわけでございます。
#7
○吹田委員 かなり充実しておると思うというような意見でありますが、私はそういう感じを持っていないわけであります。現下の環境整備の中で、特に下水整備というような問題が環境庁で占める割合はどの程度の比重で考えておられるか知りませんが、いずれにしても、その普及率はかなりおくれている。かなり進んでおるといういまのお言葉に対しては抵抗を覚えるわけであります。その辺について、それではわが国の下水道の普及率というものが、先進国の中で一体どの程度のところに位しておるのか、これをまず示してください。
#8
○馬場政府委員 失礼いたしました。先ほどは、水質保全対策全般につきまして、かってに比べればかなり充実してきたというふうに申し上げたわけでございまして、下水道につきましては、おっしゃるとおり、先進国といたしましては非常に低い普及率でございます。五十四年度末で推定いたしますと約二八%程度ということでございまして、欧米先進国におきましては七〇%から九〇%のような普及率でございます。文明国といいますか、先進国の尺度を何ではかるかという問題いろいろございますけれども、下水道で見る限りはまだ非常に低いというのが率直なところでございます。
#9
○吹田委員 ただいまお話がありましたように、非常に低いわけですね。昨年の八月に都市計画中央審議会が今後の下水計画というもののあり方について答申をしておるわけですが、その中で、昭和七十五年で大都市、地方都市の隔てなく市街地についての下水道を完全に整備する、さらにまた、農山漁村を中心にその集落というものを整備するというようなことで九〇%までに引き上げる、こう言っておるわけですね。事実それができるであろうかどうであろうかということを私は非常に心配するわけであります。いま局長おっしゃいましたように、アメリカでは、これはずいぶん前のことになりますけれども、一九六八年、いまから十二年前にすでに七一%いっておる。イギリスが一九七六年で、これは四年前でありますが九七%。オランダが十一年前に九〇%までいっており、西ドイツが三年前で八八%いっておるというのに比べますと、わが国の第四次の下水道整備がこの年度で終わるわけでありますが、これが完全に整備されたとしましても三〇%であります。こういった実態から見まして、ずいぶんとおくれておると思うのですね。こういったことについては、中央審議会が出しております答申について、環境庁としてどういうふうな心構えでおられるのか、その辺をちょっと伺っておきたいと思うのです。
#10
○馬場政府委員 都市計画審議会で意欲的な御答申をされておるわけでございますが、建設省におかれましても、それに基づきまして、また来年度第五次の五カ年計画ということでやっておられるわけでございます。私どもも、生活排水のウエートがますます高くなっております水質の現状から見まして、下水道の整備がぜひ必要であるという認識に立っておるわけでございまして、そういう意味で、長官を初め私ども、下水道整備には全面的に応援し、また推進してもらうというようなことで、長官からも私ども事務当局にまた強く指示を受けておるわけでございます。
#11
○吹田委員 建設省の五十六年以降の五カ年計画は、私は資料をいろいろといただきまして調べてみますと、十七兆四千億というものをやる、これを五カ年間に完全に実施するんだ、こういう構えであります。これは構えでありますが、これが認められ、これを実際にやりましても、まだ五五%ですね。まだずいぶんとおくれているわけであります。こういったこと、また、本当に五五%になるだろうかどうだろうかという心配は、今日までの足取りを見ますと、毎年一、二%ずつしかいっていないのですね。そういった点からしますと、この計画では、年五%ずつの普及率というものでいかないと五五%にならないわけですね。これはおわかりいただけると思うのであります。
 そういう点について、私は、建設省は一生懸命構えておるのでしょうけれども、建設省だけにその責任を任せて必ずやれるのであろうかどうであろうか、こういう心配があるわけであります。これが一点でありますが、第一、これだけ先進国からしておくれてきたという理由はどこにその原因があったかという点について、まず大臣からお答えいただけませんか。
#12
○鯨岡国務大臣 どういうわけでおくれてきたかということについては、先ほど局長がその一端を、言葉は少なかったですが申し上げましたとおり、経済の成長ということに重点を置いてずっとやってまいりました。おかげさまで御承知のとおり経済は伸びたのですが、生活のための資本投下というものが非常に少なかったというところに原因があろう、これはだれでもわかることですが、それ以外のことは考えられないわけであります。
 たとえば、いま吹田委員大変御心配でございますが、東京都のことだけを言うてみましても、いま吹田委員からお話しのように、イギリスが一九七六年で何と九七%、オランダが九〇%、西ドイツが八八%なんというときに、日本は二八%ですから。そこで、いま十七兆からのお金をかけて六十年までに五五%にしよう、こういうことなんですから、お話にならない。けれども、そのお話にならないことができるかできないかということの御懸念もいまおありのようでございましたが、私も全くそう思います。いま十七兆というお金をこの下水のことだけにかけるということは、財政の面からいってなかなか容易でないと思います。思いますが、これは何としてもやってもらわなければならぬ。
 というのは、われわれ水質をよくしようと思って一雄懸命やっております。たとえば、東京湾なんかは一時非常に汚かったのですが、やや汚いのがとまりました。幾らかきれいになったような感じがいたしますが、またそのきれいになる度合いがとまりました。そういう状態、これは下水をやる以外にはない。それから、琵琶湖にしても霞ケ浦にしても諏訪湖にしても、穏やかじゃない汚さなのです。これはいろいろ原因がありますが、その主要なる原因は下水道の不完備ということでありますから、これはどうしても全力を挙げてやらなければならない。何と驚くべきことに東京都の区部で現在七二%。しかも、いまお話しのように、五十三年から五十四年までに何%よくなったかというと、七〇%が七二%になったのですから。たったの二%ですから。
 だから、吹田委員がいま御心配のように、この調子でやっていたのでは目標を達せられないではないかという御心配は、実は私も痛切にいたしておるわけであります。建設省だけに骨を折らせようなんという気持ちはありません。先生方の御協力をいただいて、全力を挙げて下水問題に取り組みたい、こう考えているわけであります。
#13
○吹田委員 非常に意欲的な長官のお答えをいただいたのでありますが、私は、このおくれておる原因、これを実際に現地に当てはめていきますと、やはり財政的な地方自治体に対する負担の問題がきわめて大きい、これが結局今日下水道整備の推進を阻んでおると思うのですよ。確かに名目的には、補助対象分に対する補助率というものが内容的に低いとは言えないのです。ところが、現実の現地における下水道整備事業をやる都道府県及び市町村の状態というものは、事業全体から見ますと、事業全体から関連事業まで入れますと、その補助率というものはごくごく一部分である、こうなるわけであります。こういった点で市町村が非常に困っているのですけれども、きょうは建設省がおりませんので、これは私の手違いで建設省に連絡不十分でありましたものですから、これまた後日やらなければならぬと思うのですが、自治省はいらっしゃると思うのです。
 自治省は、こういった市町村が非常に困っているのですけれども、これに対しまして、自治省が持つ役割りとしましての補助金に対する残額の起債の問題とか、あるいは補助金の全くつかない部分の単独起債の問題とか、そういった配慮の問題、あるいは元利償還の問題、こういったことについて、下水問題にきわめて熱心に取り組んでおられるとすれば、今後どのようにしようとしておられるのか、あるいは、それはもう全くだめだよ、こういう御意見か、その辺をちょっと伺っておきたいと思います。
#14
○飯田説明員 下水道事業にかかわります地方債につきましては、地方財政の状況及び事業の緊急性を勘案いたしまして、その充当率につきまして昭和五十二年度以降臨時的に引き上げてまいっております。
 下水道にかかわります建設財源は、御承知のとおり国庫補助金、それから地方債、それから受益者負担金等をもって賄われるものでございますので、これ以上充当率を引き上げるということは困難でございますが、受益者負担金あるいは使用料等の状況を勘案しつつ弾力的に運用すべく、ただいま検討中でございます。
#15
○吹田委員 自治省というのは地方の時代を実現するための省だというふうに考えてもいいのではないかと思うのであります。特に都道府県、市町村の味方である唯一の省であります。したがって、財源問題についてはひとつ意欲的に取り組んでいただかなければならぬ。先ほど環境庁長官も言っておられますように、非常におくれておるということを現実に認めておられますが、これは各省とも考えていかなければならぬ問題だと思うのでありまして、後ほどまたちょっと触れるのでありますが、さらにひとつ前向きでこの問題を御検討願いたい、このことを申し上げておきます。
 私は、それ以外に生活排水の問題等についてもちょっと触れたいのでありますが、きょうは時間がありませんから、これはまた次のときに譲りまして、閉鎖性水域におけるわが国の一般の河川の流況というものが、御承知のように非常に変動が大きいわけですね。ですから、渇水期になりますともう全く水が出ない。そういった関係で下水はそれにたれ流しておる。そうして、一たび大雨、洪水と、こうなりますと、これが全部河口へ持つていくということで、しばらくは閉鎖性水域ではそれが汚濁として呈しておるわけですが、こういった状況等はやはり河川の問題の整理を相当やらなければならぬということが建設省に対しても言えるわけでありますが、特に都市河川の浄化という問題は、生活排水の占める割合が非常に高いわけですね。これは長官もいま御指摘になりましたとおりでありますが、このきめの細かい生活排水の対策というものが樹立されることが最も強く望まれるのでありますが、私は、こういった点について環境庁としてお考えがあれば、この際伺っておきたいと思います。
#16
○馬場政府委員 ただいま御指摘のございましたように、特に閉鎖性水域におきます生活排水のウエートが非常に高いわけでございまして、たとえば東京湾で見ますと、約六割ぐらいが生活排水に起因する。瀬戸内海等で見ましても、四割強が生活排水でございます。そういうものが直接あるいは河川を通して入ってくるわけでございます。そこで、生活排水対策といたしまして、先ほど来御指摘のございました下水道の整備が基本でございますけれども、それに加えまして、何といいますか、かなりの面がたれ流しになっておる生活雑排水の問題でございます。そこをどうするかという問題が一つの大きな課題でございまして、私どもの方も、来年度から生活雑排水に対する対策の樹立ということで、現在予算要求をしておるわけでございますが、そういうものも含めまして、生活雑排水対策あるいはその他の屎尿対策等について、相当充実をしていかなければならぬというように考えておるわけでございますし、また、総量規制等を通じまして、それの計画的な削減を図っていかなければならぬというように考えているわけでございます。
#17
○吹田委員 いま東京湾の例が出ましたが、私は瀬戸内海に面しておるところに生活基盤を置いておるわけでありますが、瀬戸内海におきましても、最近は工場や事業所における問題の負荷量というものはむしろ減少しておる。そうして生活排水というものが、いま御指摘のように非常にふえているわけであります。瀬戸内海において四十七年が二〇・八%、五十一年が三四・五%、五十二年になりまして四三・九%という割合を占めておるのですね。そういった状況というものをやはり軽々しく考えてはならない。いまのお答えでは、具体的な内容はありませんで、ただ何とか努力しようと思うという意欲をお示しになったわけでありますが、下水の普及率につきましても、瀬戸内海においては大阪が五七%、兵庫が四四%という普及率です。これは人口のかなり過密な地域に普及率が高いのですが、しかし、十三府県の中で、奈良は一三%、和歌山に至っては二%の普及率、あるいは山口、広島というのが二〇%、四国においては二〇%になっていないのですね、ほとんどの県が十数%。こういう下水の普及率が非常に低いということが、とりもなおさず瀬戸内海の汚染というものに今日非常に関係を持っておるわけでありまして、こういった状況では、非常に環境庁の責任問題として許されないことになってくるのではないか、一日も早くこの問題について声を大にしてもらわなければならぬ、こう思うのでありますが、この内海について、特に瀬戸内についての環境庁の考え方、姿勢というものを、いま一度お聞かせいただきたいと思うのです。
#18
○馬場政府委員 瀬戸内海の生活排水の問題でございますが、ただいま御指摘のように、下水道の普及率がまだ非常に低いわけでございます。そこで、私どもも、瀬戸内海について、本年度から五十九年度を目標に、水質の総量規制の実施をいたしておるわけでございまして、その中でやはり最大の問題は、下水道の整備を中心とする生活排水対策でございまして、そこで、私ども、建設省等ともいろいろ協議を重ねまして、瀬戸内海の全域に限りますと現状約三三%程度の普及率でございますが、これを五十九年度に約四八%程度、これはまた県の方とも十分協議いたしまして、県の中でもいろいろ関係方面と協議を重ねて県計画でつくったものでございますけれども、約四八%程度まで上げていこうということでございます。いずれにいたしましても、それでもまだ低いわけでございますけれども、四八%に上げるだけでも相当の苦労、努力を要するというように考えておるわけでございまして、五十九年度以降も関係方面の御協力を得ましてさらに努力をいたしまして、積極的に下水道対策を推進してまいりたいというように考えるわけでございます。
#19
○吹田委員 まことに意欲的な御意見をいただきました。
 そこで、長官にお伺いするのでありますが、環境庁は、各省庁に対する勧告とか助言とかあるいは指摘とかということをできるわけでありますから、これは言うてみれば、環境整備については中心的立場に立っておるわけであります。こういったイニシアチブをとらなければならぬ環境庁として、下水問題が特別おくれておるということについて、今後の問題として、五十四年八月に出されました都市計画中央審議会の答申というものに沿って、あるいはそれ以上に速度を速めさすという、こういう問題に取り組んでいかなければならぬと思うのであります。特に、五十六年以降の五カ年計画をいま建設省が作成いたしまして、いまから大蔵省と交渉ですが、これを作成するに当たっては、十分環境庁の御意見というものが入っておるのであるかどうなのか、環境庁がイニシアチブをとってつくったものであるのかどうなのか、この点もひとつ伺っておきたいと思うのです。
#20
○馬場政府委員 新しい五カ年計画策定の建設省の原案につきましては、建設省と私ども十分協議をいたしておりまして、私どもの希望も十分申し上げまして、そういうものも反映されているというふうに考えているわけでございます。
#21
○吹田委員 それならば、いよいよ五十六年度予算の作業の直前に入ってまいっておりますが、まあ大蔵省は財政難問題でこれは恐らくつべこべ言うだろうと思うのですけれども、この際、環境庁長官とされましてはどのような態度で臨もうとしておられるのか。少なくとも、私は、大蔵大臣に対して、あるいは自治大臣や建設大臣と手を組んで、閣議で総理の前で、相当な息巻いた根性で進んでもらわぬとなかなかむずかしいのではないか、こう思うのでありますが、長官いかがですか。
#22
○鯨岡国務大臣 先ほども御指摘があってお答えいたしましたとおり現在二八%、それで、いまわれわれが建設省あたりと十分に詰めて立てた計画が六十年までで五五%、こういうことがそれでもできればまだいいですが、去年からことしあたりへの推進の状態を見ていると、吹田委員御指摘のように、去年からことしの推進の状態を伸ばしていったのではとてもできない。ですから、十七兆という膨大な、いまの財政の中ではやはり大変なことでございますが、幾ら大変でもこれができないと大変なことになっちゃう。後から始末するときにはもっともっとよけいお金がかかるというようなことになりますし、これは方々に影響するところ大きいですから、各方面に御協力を求めて、いま御指摘のような重大な決意をもってこれが実行に邁進したい、こう考えております。
#23
○吹田委員 いまおっしゃったように、昔から貧乏人の手戻りというのがありまして、当面金がないから少しずつその修理をしていこうというので古家の造作をしますが、一回りぐるっと家の修理をしようというころにはもう建てかえなければならぬ、今度はばっさりやりかえる。こういうことで手戻りがくるという意味の表現を年寄りがしておるのですけれども、わが国はいま貧乏でないわけですから、そういう手戻りのくるようなことがあってはならない。だから、ここでやはり閣議一本の姿でこの下水問題に取り組む。特に環境庁として今度の閣議等には出して、長官としては関係省庁と手を組んでこの問題を総理に十分配慮願うような態度で臨んでいただかなければならぬと思うのですが、最後にもう一度お伺いしたいと思います。
#24
○鯨岡国務大臣 霞ケ浦を見に行ったときもそうでしたが、琵琶湖を見に行ったときもそうです、東京湾でもそうです、すべてそうですが、瀬戸内海だってそうだと思いますが、私の見たところでは、あのヘドロを退治しなければどうにもならぬという感じがいたします。ところがヘドロを退治するということは容易なことでない。このヘドロの持って行き場所がない。これについてはまことに残念ながらどうしたらいいかわからないという状態なので、もうこれ以上ヘドロをためないということも重大な問題です。下水が不完備だということはヘドロがどんどんたまるということなんです。だから、いままことにいい御指摘でしたが、貧乏人の手戻りになりまして、お金がないからといってじんぜん日を送っていると、後でもってどかんと物すごいお金をかけないとどうにもならないというような状態にならないものでもない心その心配があります。どんな表現で申し上げたら御納得がいただけるかわかりませんが、重大な決意で、皆さんの御協力をいただきながらこれをやりたい。しかし、財政もなかなか容易でないことはわれわれの理解するところですから、せっかくひとつ努力したい、こう考えているわけであります。どうぞよろしくお願いいたします。
#25
○吹田委員 時間が参りましたから、私はこれでとどめますが、どうかひとつ長官におかれましても、先ほどからの信念のほどを具体的にひとつあらわしていただくようにお願いしたいと思いますし、政党政治のたてまえから、われわれ与党としましても、自由民主党としましても、この問題については大いに今後がんばっていかなければならぬ、こういうことについては御協力を申し上げたいと思う次第であります。
 大変きょうは、短時間でありましたが、適切なお答えをいただきましてありがとうございました。
 終わります。
#26
○山崎委員長 中村正三郎君。
#27
○中村(正三郎)委員 本委員会でもって、本年の九月でございますが、四日間沖繩県の公害対策及び環境保全状況の実情調査を行いました。それに関連いたしまして、先般米軍基地の騒音対策については御質問させていただいたわけでございますが、そのときに質問ができませんでした、もう一つ、沖繩県からの陳情を受けた問題がございます。それは海の汚染の問題でございますが、その問題について質問させていただきます。
 これは沖繩県八重山群島の内原石垣市長から、この問題が非常に深刻であるのでこの問題にしぼって陳情するということで話がございまして 帰りに環境委員長が記者会見で、これはこういうことのないように取り締まりの強化等考えなければいけないということを表明して帰ってきた問題でございます。
 これは、タンカーから排出された油が原因と見られます廃油ボール等による水産被害、自然環境への影響、サンゴ礁の破壊等の問題でございますが、この廃油ボールが、高度経済成長期にタンカーの航行等ふえましたときから大変多く出まして、本州にも大分漂着いたしましたが、沖繩には特に東海岸に多く漂着しておりまして、それが、いろいろ条約ができましたり、また取り締まりの強化、また経済が石油ショック以来少しスローダウンしたというようなことで減ったのでございますが、ここに来てまた急にふえ出したという現状だそうであります。本年七月に発生した廃油ボールの漂着等は汚染が特に著しくて、海岸の延長が二十三キロメートル、除却作業に要した日数が十四日、作業人員は延べ二千七百九十二人を動員いたしまして、千四百四十万円という膨大な費用がかかったわけでございます。こうした石油ショック後減ったものがまたふえる傾向にあるということは、先ほど環境庁長官から、東京湾は、きれいになったのが、また少しきれいになる傾向がとまっておるのじゃないかというようなお話がございましたが、大変問題であると思うわけでございまして、こういった現状の調査は、環境庁、行われましたでしょうかということと、また、海上保安庁におかれまして、こういった調査を行い、取り締まりの強化等対策を行っているかどうかということでございます。そして、この取り締まり、大変むずかしいことだと思うのでございますが、この廃油ボールの原因と見られる油の排出は大体公海上で出されるものが大部分ではないかと思われるわけでございまして、さらに外国船籍の船から出されるものが多いのではないかと思うわけでございます。こういったものの取り締まりの現状と、いままでこれのどういった成果が上がっておるのか、また、これからふえてきた状況に対応してどのような取り締まり体制の強化ということをお考えになっているか、環境庁と海上保安庁にお伺いしたいと思います。
#28
○鯨岡国務大臣 沖繩への御視察、まことに御苦労さまでございました。
 その際にこの問題について陳情を受けられたそうでございますが、わざわざ沖繩から私どもの方へも参りまして、話を承りました。早速各方面に対して、一体だれがやったのかということをつかみたいと私は思いまして調査を委託したのでございますが、まことに残念ながら、いまのところあの沖繩の海を汚した犯人はつかまっておらないわけでございます。まことに残念なんです。しかしながら、こういうことがだんだんふえてまいりましたらば困りますので、各方面にせっかく努力をいたしましていま調査をいたしまして、それから二度とこういうことのないようにするためにはどうしたらいいのか、盛んにいまやっているところでありますが、詳細は関係局長から答弁させます。
#29
○馬場政府委員 沖繩で廃油ボールによる海洋汚染が発生いたしまして、私ども関係方面に調査の依頼をいたしたわけでございますが、ただいま長官から御指摘のように、その詳細な内容等につきましてはまだ十分でない状況でございます。
 そこで、私ども、このようなことが今後起こってはならないというように考えておるわけでございまして、そういう意味で、この沖繩だけではございませんで前からいろいろ問題がございました。そこで、従来から運輸省なりあるいは海上保安庁等に対しまして、関係業界の指導あるいは取り締まり体制の整備等について要望をいたしてきたところでございますが、沖繩の問題が出ましてから、再度私どもも、運輸省に対しまして、この対策について十分の措置をとっていただきたいということを申し上げたわけでございます。そこで、運輸省におかれましても、関係業界に対しまして、タンカーの廃油処理に対する法令の励行につきまして、海上保安庁長官なりそういうところから、関係業界なりあるいは外国の船舶協会等に対しまして指導を行っておられると聞いておるわけでございますが、私どもも大変重要な問題だと思っておるわけでございまして、今後ともこういう問題につきまして、関係方面にいろいろの点につきまして要請してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#30
○土屋説明員 お答えいたします。
 海上保安庁といたしましては、本邦の南津から南西諸島の沿岸に至りますタンカーの通常の航路、タンカールートと申しておりますが、これが約一千マイルございます。ここに航空機十機、うちヘリコプター二機を入れまして、それからヘリコプター搭載型巡視船二隻、これはヘリコプター一機ずつを搭載いたしております、その他最寄りの保安部署からの大型船九隻、こういったようなものを投入いたしまして、日夜監視に努めておるわけでございますが、先般の沖繩の大量廃油ボールの漂着以来、この航空機によりますところの監視取り締まりを強化いたしております。これは飛行時間数等を多く増加させる、そういったようなことで対処いたしております。
 なお、これにかんがみましてということで、南西諸島の基地に配属いたします航空機の増強を図っておりまして、五十六年の六月までには那覇航空基地にヘリコプター一機、石垣航空基地に中型飛行機一機をそれぞれ増強することに決まっておりますし、また、五十六年度予算におきましても、同型機をそれぞれ一機ずつさらに要求しまして、ヘリ二機、航空機二機という二機二機体制を確立いたしたいと思っております。
 それから、外国船による公海上での違法排出があるのではないかというお話でございますが、御指摘のような現象が確かに見られるわけでございまして、私ども、こういった領海外での外国船の違法行為に対しましては、油濁防止条約に基づきまして旗国通報という、旗国に対してその事実を通報し処罰を求めるという手続をとっておりまして、四十六年度から始まりましたこの制度にのっとりまして、現在まで約百五十二件の通報を行いまして二十九件の回答を得ております。非常に回答率が悪いわけでございまして、機会あるごとに国連のIMCOの場等でこういった条約に基づく回報義務、これを履行するようにPRをお願いいたすとともに、ことしからは、六カ月以上待ちましても回報の来ないものにつきましては、外務省と相談の上、さらに回報を求めるといったような措置を講じていくつもりでおります。
 なお、先ほどもございましたように、外国船協会、日本の船主協会に対しましても、この事件以来文書を発しまして、船員のモラルの向上を呼びかけておりまして、その効果はあるのではないかというふうに考えております。
#31
○中村(正三郎)委員 いま外国船についての対策をやっておられることを伺ったのですが、これはますます強化して、外務省ともタイアップしてやっていただかなければいけないことだと思うのですが、何しろ回答率が大変低いですね。百五十二件話をして二十九件しか回答が来ない。大変低いですね。一九五四年に締結されました油による海水の汚濁の防止のための国際条約、この十条にあるわけですが、これは通告することになっておりますね。そういうことを相手の国が、法令上罰するに十分な証拠があると認めたらこれはやるということになっているのですが、たとえばパナマのことをよく聞くのですが、リベリア等はいいけれども、パナマみたいな全くのペーパーカンパニー、タックスヘーブンのある国では、そこの船籍船が、そこに会社がない、全く実体がないということで罰せられないのじゃないかということを伺っているわけです。恐らくこういうところは回答がないのだと私は思うわけですが、こういったことを現実をとらえて実際に有効に取り締まれなければしょうがないのですから、国際条約がこれではしり抜けなんじゃないか。皆さん取り締まっていて思われませんでしょうか。自分たちでつかまえて通報しても有効に取り締まってくれない、ここいらについて、もっと国際条約、法律まで問題にするようなことをやられたらどうかと思うのですが、その点について御所見を伺いたいと思います。
#32
○土屋説明員 御指摘のように、パナマは四十三件のうち全く回答がない唯一の国でございますが、これは便宜置籍船のその便宜置籍のあり方が国によって非常に複雑で、私どももよくつかめておらないわけで、そこらに起因する問題ではなかろうかと思います。なお、これをもって即条約改正というようなことになるのかどうか、私答弁の立場にございませんが、行く行くは海洋法条約等が制定されますれば、二百海里ゾーン内におけるところの油濁防止等に関しては沿岸国の管轄権が行使されるというように仄聞しておりますので、近い将来ではそういう方向にいけるのではないか、こういうふうに思っております。
#33
○中村(正三郎)委員 こういうのを実効あるものにしないと、幾ら環境庁でいい基準をつくってそれを達成しようとか環境保全しようと言っても、お題目に終わってしまうわけでございまして、そういう面でなお一層の研究と実際の行動を起こしていただきたいと要望する次第です。
 そして、この沖繩に限らず、本州の近くの海洋の汚染ということもあるわけでございますが、これも非常に一時うるさくなって取り締まり等が強化されてからきれいになったわけでございますが、ここまた少しおかしな状況が見られるような気がいたします。私どもの選挙区は千葉県でございますが、千葉県の漁民大会が数日前に行われたのですが、そのときまた漁場の油汚染の対策をどうにかしてくれということが出てまいりました。そして漁民の皆さんに、毎回毎回やっているのに何か成果があるのかいと聞いたら、いや毎回やってもよくならないのでもうくたびれちゃったのですよというようなことでございました。私の選挙区の先でございますので、よく海に出ることもございます。そうしますと、油を排出したり何かする連中も利口になっておりまして、湾内では排出しないで、出たところ、見つからないところでだあっとやるわけですね。これは見た人ならばびっくりするような状態でやられているのが現実です。恐らく海上保安庁は御存じだと思いますが、夜陰に乗じて、それから霧で視界の悪いときは大変な状況があります。これに対する取り締まりは航空機等で行っておられると思うのですが、たとえばそういう霧が出たときなんか、あそこに船を持っていって待ち構えておってとっつかまえちゃうとか、そういうくらいのことを考えていかないとつかまらない、なくならないのじゃないか。モラルという話がさっきちょっと出ましたが、いま日本に年間数トンという麻薬が密輸されているわけです。ピストルも入ってくるわけです。こういうのを持ち込むやつがいる現状でそういう人のモラルを信用したってしようがないのですよ。これは取り締まっていかなければ全くお題目に終わるのです。
 環境庁長官、大変いつも意欲的に御発言なさって、われわれ御信頼申し上げているのですが、環境庁長官が幾ら声を大きくして言われても、とらえやすい川の汚染とか下水、こういったものは押さえられるでしょう。自動車も、出してくるものは押さえられるかもしれない。海の中でこういう違法行為をばあっとやるやつを取り締まるのはどうやったらいいのか。環境庁長官の立場で、ただ大きな声を出して言われるだけでなく、環境庁のこのいい基準を実効あらしめるためにはどのようなお考えで対処していかれるつもりか、そこいらを伺いたいと思います。
#34
○鯨岡国務大臣 この問題について私の役所で、私も頭を悩まして、どうしたらいいだろう、とにかくいま言われたように、モラルと言ったって、モラルがあればそんなことやるわけないのですから、どうしたらいいだろうということでもっていろいろやったのですが、結論的に言いますと、まだ考えはまとまらないのです。
 ただ、いまでもあるらしいのですが、お金を取っておいて、それで漁業に被害を与えたような場合には原因者負担のようなことでやるのですが、漁業以外のところに、たとえば海水浴場が汚れたというようなところには及んでいないのです。いずれにしても、船を持っている人から相当お金を取っておいて、何にもなかったら返してやる、だれがやったのだかわからないときにはその金を使うぞ、相当の金を使えば、これはもう大変だから、みんながそれぞれが仲間でもって少し自粛しようではないかということになるのではないかなんて、ちょっと乱暴かもしれませんが、私はそんな案も提案したりしていませっかくやっているところですが、いましばらくと言ってもどのくらいかわかりませんけれども、鋭意ひとつ検討さしていただきたいと思います。またいい知恵があったら教えていただきたいと思います。
#35
○中村(正三郎)委員 海上保安庁の方、よく聞いておいていただきたいわけですが、こうやってわれわれ食いつくわけですが、そちらの取り締まりが有効なものでないとどうしようもないというのが現実でございます。そして、よく小型船舶等が港の前に泊まっておって、漁船を臨検したりなんか海上保安庁の船が一日じゅう泊まってやっておるわけですよ。あんな暇があったら漁場へぶっ飛んでいってとっつかまえればいいですよ、密輸をしたり油を流すやつを。そのくらいのつもりでやっていただきたいと思います。
 また、被害が出てしまった場合の救済措置でございますけれども、いま長官からもちょっとお話がございました。水産庁にお伺いしたいわけでございますが、漁場油濁被害救済基金でございますか、これで漁業被害等の救済がなされているわけでございますが、現在の基金、余り多くないように聞いているのですが、こういったことで十分な対応がいまできているのだろうかどうかということですね。拡大をする必要があるなら、そういう御検討をされているだろうか。それからまた、この沖繩の廃油ボールによる汚染についても、漁場の被害がはっきりしてくればこれによろ救済ができるものだろうか。この点についてお伺いしたいと思います。
#36
○川崎説明員 お答えいたします。
 油濁につきましては、水帳庁が調査したところによりますと、最近沿岸漁業等が拡大しているということもございまして、年による変動はございますが、趨勢としては、御指摘ありましたようにむしろ増加しておるという事実がございます。しかも、被害の件数の七制、これは件数でございますが、七割が原因者不明というような問題点を含んでおるわけでございます。水産庁といたしましては、先生御指摘のように、原因者不胆の油濁被害につきまして、関係省等の御協力を得まして、五十年三月に財団法人の漁場油濁被害救済基金を設立いたしまして、被害漁業者に対する救済措置の実施に当たっているところでございます。いままで申請のありました案件につきましてはすべて処理できております。沖繩の件につきましても、七月に被害がありましたが、これもすでに漁業被害並びに清掃防除事業費を支払っております。今後ともこの基金の救済措置については充実に努めてまいりたい、こう考えております。
 ただ、油濁による漁業の被害の防止のためには、こういう被害が起こってからの措置以前に、基本的には御指摘のとおり、関係法令の厳正な運用と不法投棄に対する監視、取り締まりの強化が必要であることは申すまでもないことでございまして、従来から関係省庁に対してこの点についてもお願いしてきている次第でございます。
#37
○中村(正三郎)委員 ありがとうございました。漁業者は大変困っているようでございますので、こういったものを拡充させて適切な救済措置をとられるようにお願い申し上げます。
 そして、先ほど環境庁長官からお話ございましたが、漁業者についてはこういう汚濁した場合の救済措置があるわけでございますが、それでない部分には救済措置がないのが現状のようでございます。たとえば沖繩の場合、観光の目玉商品でございますあの白い海岸、またサンゴ礁のきれいな海ということでございますけれども、こういったものが汚れても何の救済措置もない。そして、沖繩はいまは観光に頼る割合が県GNPの一〇・八%、千四百億円だそうでございますが、このような状態を続けますと、沖繩の観光産業にも影響して、沖繩県の発展にも非常な害になると思いますので、こういうことについても環境庁の方で何とかするような方法を、関係省庁に働きかけるなり、何か手を打っていただきたいと思うわけでございます。そして、繰り返しになりますが、環境庁が幾ら張り切って基準をつくっても、取り締まりができなければ何にもならないということでございます。そういったことで、環境庁長官、非常に張り切っておられるのでございますが、関係省庁を指導するよう努力していろいろ進めていただきたいと思います。
 また、ちょっと余談になりますが、たとえばアセスメント法案のことにつきましても、先般来環境庁長官は大変意欲を持って御説明されまして、これを法制化に向かって進むのだということでお話ございましたけれども、その後どうも話がはっきりわからない。あのとき私は、この前の質問で、これは理解を求めるように業界側また関係省庁がお打ち合わせをされて進められたらということを申し上げたわけでございますが、どうもいつまでたってももたもたしているというような感じを国民の方が受ける、そして新聞ではぱっぱとアドバルーンが上がるというような現象が見られるわけでございますけれども、やはりどうなっているのか、これをはっきり国民の前にも示して、こういう方針で行くんだということを、環境庁長官から再びいまの状況等御説明いただきたい。
#38
○鯨岡国務大臣 最初の問題からお答えいたしますが、油を流すことはいけないのです。いけないけれども、夜なんかに流してしまうやつがいて、だれが流したのだかわからない。そういうことのために漁業が痛めつけられる。それはかわいそうだ。当然のことながら、それは何とかしてあげなければならぬ。そこで、基金をつくってそれでやっているのですが、お魚以外のところは、海水浴場とかそういうようなところはそれは及んでいない、これは不公平だと私は思うのです。そういう不心得な者によって損害を受けた者が損害の受けっ放しというのはないですから、先ほど私が申し上げましたように、相当なお金を取っておいて、そういう事態がなかったら返してあげますよ、そういう事態があったらそれでもって補いをつけるというようなことにしなければならないと思っておりますので、その線でひとつ指導してまいりたい、こう考えているわけでございます。
 アセスについて御激励いただいて痛み入るわけですが、アセスについては政府の考えはまとまっているわけでございます。ことしの五月でしたか、各関係省庁の間で案はまとまっているわけであります。ただ、油の問題等に関係して新しいエネルギーを開発しなければならないと考えておられる向きは、それによってそういうものがおくれたり何かしないだろうかという心配をなさる、これは私は立場上当然のことだと思います。そこで、私の方としては、せっかくその方々と話し合って、そういう心配はありませんよ、また仮にあるならばそれこそアセスをしなければならぬじゃないですか。私は、経済の発展はどこまでもしなければなりませんが、人の生命や健康を犠牲にした経済の発展というものは考えられない。そんなことは私が言わないでも、だれだってそう思っているに違いないのですから、われわれの意欲が十分でないからアセスについて御理解がいただけないのかもしれない。そうだとすればまことに申しわけのないことでありますから、経済界にでもどこにでも、私自身もしくは関係者が出向いて行って、せっかく納得をしていただくために努力をいたします。そして、来年の通常国会には国会で御審議をいただいて、権威あるルールをひとつつくっていただきたい。それが転ばぬ先のつえであり、かつてわれわれは経済のために一生懸命やりました。その目的は達しました。達しましたけれども、病気になったり何かした苦い経験があるのですから、その同じ悔いをもう一回繰り返すというようなばかなことのないように十分に対策を立てる、そのためのアセスメントですから、御理解をいただくために全力を挙げるつもりでおります。どうぞひとつよろしくお願いをいたします。
#39
○中村(正三郎)委員 環境庁長官だけに責任があるわけでもありませんけれども、いろいろな人にお会いしてみますと、やはりまだ理解をいただいていない面があるようでございますので、こういう点、大変でございましょうが、御努力賜りまして進められますようにお願い申し上げまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
#40
○山崎委員長 土井たか子君。
#41
○土井委員 当委員会の前回の質問で、私はNOxの総量規制についてお尋ねをいたしましたが、この問題が非常に大事な段階になってまいりましたので、今回も引き続きお尋ねを続けたいと思います。
 懸案のNOx総量規制が、先月十月の末ごろ、通産省や厚生省などの関係省庁といよいよ環境庁も調整にお入りになったようでありますが、このNOxの総量規制は、法的に見ますと、すでにSOxについての総量規制が整備されているというふうな前例もございますが、どのようなお取り扱いになるのか。それは法律改正ということになるのか、政令を改正するということになるのか、あるいはそういうことなくして一連の行政指導という手続だけで事足りるというふうに考えているのか。いかがでございますか。
#42
○三浦政府委員 これは政令を改正いたしまして、物の指定つまり窒素酸化物の指定、それから地域の指定、これをやるわけでございます。
#43
○土井委員 その政令改正作業というのは、現状はどの程度まで進んでおりますか。
#44
○三浦政府委員 これはこの前御答弁で申し上げましたが、調査の対象は六地域あったわけでございますが、現在東京、神奈川、愛知、大阪、この四県の評価が大体終わりまして、この四つについてはまず総量規制が必要だろうということでいま協議に入ったわけでございますが、この政令の改正を来年の早期にやりたいということで、いま作業を進めております。
#45
○土井委員 来年の早期にやりたいという御意思をいまここで披瀝されたわけでございますが、そうすると、政令改正の中で、対象になった六地域の中の四地域については大体必要だということが、およそ出されました調査報告の中身からも具体的に掌握できる、あと二地域についてこの作業はまだ現在継続中であるというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
#46
○三浦政府委員 二地域につきましては、一応調査結果をいただいてございますが、まだもう少し補完的にいろんな御検討をいただいた方がいいのじゃないかということで、いま県と協議をしておる段階でございます。まとまり次第、こちらで判断いたしましてまた協議に入りたいと思っております。
#47
○土井委員 さて、この調査というのは、名称として大気汚染源規制調査と言うことができると思うのですが、中身について、原則的なことになるかと思いますけれども、一つまず確認を申し上げたいと思うのです。
 NOxの昭和五十二年度現在の現状と、昭和六十年という将来のNOx、NO2の環境濃度をシミュレーション手法によって予測をしてその評価を行う、それを各種規制の効果などを分析する、こういう中身に理解をいたしておいてよろしゅうございますか。
#48
○三浦政府委員 先生おっしゃるとおり、六十年にどうなるかという評価をしておるわけでございます。
#49
○土井委員 六十年の予測値をここでいろいろ調査しながら勘案するということでございますから、素人判断をいたしましても非常にむずかしいということは一応言えるのですが、御案内のとおりに、実はこれについてはもういろんな手法がございまして、どういう手法によるかというそこに問題の一つがあるだろうと思うのですね。
 それで、ここでちょっとお伺いをしたいのですが、ことしの六月から七月ごろ非常に話題になりました経団連の環境安全委員会が作成された「大都市におけるN02環境濃度の予測と今後の対応について」というレポートがあることは御存じだと思いますが、もちろん御存じですね。
#50
○三浦政府委員 読ましていただいております。
#51
○土井委員 そうすると、この中で非常に問題になるのは、いろいろありますけれども、どういうふうな手法を用いて予測値を出していらっしゃるのですか。
#52
○三浦政府委員 経団連のあれは私はちょっといま詳しくは忘れましたが、私どものやっている方法と違いまして、一口で申し上げますと、非常に定性的な見方をしているというふうな判断を私しております。
#53
○土井委員 定性的とおっしゃるのはどういうことなんですか。
#54
○三浦政府委員 簡易ロールバック法という手法でございます。
#55
○土井委員 いまおっしゃった簡易ロールバック手法というのを用いて、総量規制予定の六地域についての予測をされているようでありますが、この予測結果を見ますと、六地域について言うならば、一般測定局の上位三局の平均値というのがそれぞれずっと出ておりますけれども、ppbという単位で申し上げますと、東京特別区等については六二ppb、横浜とか川崎市などは五九・三ppb、名古屋市等は五六・三ppb、大阪市等は五九・七ppb、神戸市等は五二・七ppb、北九州市等は五六・三ppbとなっておりまして、東京を除きましてほぼ〇・〇六ppm以内に入るという結果が出ております。これはこのとおりですね。この手法で行われた結果を見ますと、予測値というのはこのように出ておりますが、これも確認させていただきますが、そのようになっておりますね。
#56
○三浦政府委員 いまここに細かい報告書を持ってきませんでしたので、大体先生のおっしゃるような方向だと思います。
#57
○土井委員 そこで、結論めいてここに出ている中身といたしましては、総量規制を新たに実施しなくても、これまで実施されまたは実施が予定されている規制の効果によって、一般環境測定局がN02環境基準を十分達成できる見通しを得たというふうなことが結論として述べられている。これも確認をしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#58
○三浦政府委員 ただいま先生おっしゃった経団連の調査では、そういうふうになっておるそうでございます。
#59
○土井委員 そうしますと、これはどうなんでしょうね、環境庁それから先ほどおっしゃった四都府県の調査結果と、いま私が取り上げてここで問題にいたしました経団連レポートとの間では、昭和六十年における予測結果が違った形になって出ているのですが、この違いの原因、よって来るべき由来と申しますか、それは一体どの辺にあるのですか。
#60
○三浦政府委員 まず、調査の方法が私どもの調査と全く違うわけでございます。それからもう一つは、経団連の方の調査は一般大気測定局の結果でございまして、私の方は当然沿道も含めて考えている、その辺に大きな違いがございます。
#61
○土井委員 測定方法が違うというのは本当に基本的なことですね。違いも違い大変な大違いというふうに申し上げなければならないぐらい基本的なことだと思いますが、もう一つは、車道の沿道が対象になっていない。これなんかはやはり測定対象が違うという意味でまた基本的だと私は思うのです。一応この点はひとつ確認をさせていただきたいと思うのですが、N02について新基準が出されましたときに、環境庁から通達が出ているはずでございますが、その通達によりますと、「道路沿道のうち、一般公衆が通常生活している地域又は場所については、環境基準が適用される」、はっきりこう述べられておりますので、今回の総量規制についていろいろ予測値を調査する内容についても、沿道というのを対象として考えなければならないというふうに理解してよろしゅうございますね。いかがですか。
#62
○三浦政府委員 環境基準と申しますのは、国民の健康保護を追求して設定されたものでございます。したがって、たとえ道路の近くでありましても、一般国民がそこに住んでいるというところであれば対策が必要であるというふうに私ども考えております。
#63
○土井委員 それはいまは一般論を述べられたので、私の質問に対してお答えになっていらっしゃらないのですが、総量規制について予測値を調査する対象として考えるべきであるかどうか、この点はどうなんですか。
#64
○三浦政府委員 対象として考えるべきであるというふうに私どもは考えております。
#65
○土井委員 そこで、沿道ということについてもいろいろ問題がありはしないかと思われるわけであります。どの程度までを沿道というふうに理解して考えていっていいか。道路から何メーター、またどういうふうな手法で沿道について調査を進めていかなければならないか、このあたりについては、具体的ないろいろな指導なりそれから指示なりを環境庁としてはお出しになりましたか。いかがですか。
#66
○三浦政府委員 道路も含めまして一キロ四方のメッシュを切ってやらしておるわけでございます。したがいまして、道路から何メートルとかそういうものは言っておりませんで、全部道路も中に含めてやっていただいているということでございます。
#67
○土井委員 道路も含めて一キロメーターメッシュでこの測定をするということが、環境庁としては指示されている中身でありますか。この点をもう一度確認をします。
#68
○三浦政府委員 正確に一キロメートルということは言ってありませんけれども、これは常識的に各県でも一キロメートルでおやりいただいておるわけでございますが、道路を含めてということは言ってございます。
#69
○土井委員 さて、この問題についての取り扱い方というので、各自治体ではやはり取り扱いにいろいろ差があるようであります。これは一律に論ずるわけにはいかない。その中身では、いま御答弁の中でもしかと言ったということではないがというふうな御答弁の向きなので、環境庁の方から、この辺の環境庁なりのお考えがどういうものであるかということがもう一つはっきり明示されているならば、この辺の取り扱い方についても、恐らく自治体の方も迷うことなくいろいろとこういう問題に対して取り扱いが進められたのではないかと思われる向きがあるわけですが、そうすると、一般測定局だけでなしに、いま環境庁のお立場からすれば、自動車の排ガス測定局というのも一つは予測値を測定することのためにしっかりと置いて、そして、この予測値をそれによって調査を進めるということがどうしてもこの節必要であろうと思いますけれども、この点はいかがでございますか。
#70
○三浦政府委員 私ども、都道府県の方には一応手法細目として手法は示してございます。県の方でも非常に連絡を密にしていただきまして、いつも相談に来ておりますし、こちらからも何回か伺っておるということで、県の方で迷うということはないと思いますが、予測方法と申しますのは、環境濃度の予測計算では、一つは工場の煙突のような点の煙源、それから二番目は道路のような線の煙源、それから三番目は一般家庭のような面の煙源別に、それぞれについて風の強いときとかあるいは風のないというときに別に拡散式があるわけでございます。こういったものを組み合わせて地域の環境濃度を計算しているということでございまして、こういう拡散式につきましては、研究機関から幾つかの方式が提案されておるわけでございますが、この中の基本的なものを組み立てて私どもお示しをしておるということでございます。
#71
○土井委員 専門的に技術論をいろいろとお伺いすれば、専門的知識を持ち合わせていないと、それについては理解が非常にむずかしいという問題になっていくと思うのですが、端的にいまの環境庁がお持ちになっていらっしゃる姿勢を言うならば、こういうことになるのではないかと私自身は理解しております。もし間違っていれば、このことをひとつ訂正していただきたいと思うのですが、環境基準というのは、工業専用地区や車道上なんかのように人の通常生活をしていない地域を除くあらゆる地域でまずは達成されることを前提として考えておる。その前提に立ってNOxの総量規制について言うならば、〇・〇六ppmの達成についても、シミュレーションの調査をした全メッシュで達成することを前提にしている、そうしてさらに、その点から言うと、一般測定局、自動車の排ガス測定局の全測定局を満足させなければならない、そういう全測定局で満足させられていなければならない、こういうふうに考えていいのじゃないかというふうに理解しているのですが、これはいかがですか。
#72
○三浦政府委員 基本的には先生おっしゃるとおりでございます。たとえば、一地点だけ沿道に〇・〇六を超えるところがあったというような場合には、県と相談いたしまして、県がそこは六十年までにこういう対策をとるから大丈夫だ、こう胸をたたかれるなら、私ども別にこだわりません。県の意向を尊重いたしますが、原則的には先生ただいまおっしゃったとおりでございます。
#73
○土井委員 原則的にはいまこのような考え方で事に処していくということが必要なのだろうと思いますけれども、そうすると、いま四地域については、調査結果からすると、もうすでに六十年予測値で〇・〇六ppmをオーバーする、したがって総量規制が必要だ、こういう結果に立ち至っているわけですね。あと残る二地域、すなわち県で言うと兵庫県と福岡県ですね、この地域について言えば、もう一度手法や調査方法などについても、再検討という意味も含めてさらに調査を進める必要がある向きを先ほどお答えになりましたが、どの点がいま一番のひっかかりになっているのですか。
#74
○鯨岡国務大臣 先ほどからお話を承っていて、まことにごもっともな御質問でございます。〇・〇六ppmということが限度でございます、これは私の方で決めたわけであります。ところが、どうもいろいろな情勢からそれ以上になりそうだというようなところを決めて総量規制をしたい。そこで、それらはこれだけの地域だといって六地域をやったのですが、それで、先生先ほどから言われたように、同じ物差しじゃなければしようがありませんから、同じ物差しを示してこれでひとつ調査してください、こう調査を依頼したところが、兵庫児と福岡県は、六十年までに〇・〇六ppm大丈夫でございましょう、こういうふうに言ってきた。ところが、四地区はそうでない。どうもおかしい。だからもう一遍調べてくださいということをその両地区に頼んでいるというのがいまの現状でございます。ひとつ御了解をいただきたいと思います。
#75
○土井委員 いま、四地区はそれはオーバーする、しかし二地区はオーバーしない、どうもおかしい、もう一度調査をというふうに頼んだ次第だ、長官はそうおっしゃいましたが、どうもおかしいというのは何がおかしいのですか。これは手法の点で違いがあるのですか、その調査対象に違いがあるのですか。いかがなんですか。
#76
○三浦政府委員 兵庫県につきましてはちょっと変わった手法を一部採用しておりますが、手法につきましては私ども細かくは申しません。要するに、六十年を目安とした整合性といいますか、それがきちっとしていればいいわけでございますから。
 ただ、兵庫県につきましては、一つは、〇・〇六どうも達成できそうだ、こういう報告がございましたので、本当かいな、四十三号線なんかいろいろ問題が控えておって大丈夫ですか、もう一度点検してくださいということと、それから、関係の市がそれぞれシミュレーションをやっておりますのでその辺も十分相談してくださいよ、こういう意味で申し上げてございます。
 それから、福岡県は、ちょっと兵庫県と同じに論ずるわけにはまいりませんで、福岡につきましては、あそこはかなりいろいろな大規模プロジェクトが用意されておりますので、そういうことも含めて、もう一度、大丈夫ですか、こういう問題の投げかけ方をしておるわけでございます。
#77
○土井委員 いま四十三号線の問題を引き合いに出されているわけですが、これは、先日環境庁長官も非常にお忙しい中を自動車公害の激甚地域である国道四十三号線の視察にわざわざおいでをいただいた場所でもあります。長官自身も激甚地域の中にお住まいですから、四十三号線については同じような激甚地域だということを前提に、しかし大変ひどいということもお感じ取りになってそのときの感想を漏らされているのを私も聞いた一人でございますが、さて、いま問題になっている兵庫県について言うと、国道四十三号線の沿道の問題を非常に深刻な問題として受けとめながら、ここで神戸、尼崎市等という対象地域というのを認識されているとわれわれは理解しているのです。その神戸について言うならば、ことしの十月十四日に大都市大気担当部課長会議というのがあったことを御承知で、環境庁からも大気保全局の柳下課長補佐さんがこの場所に御出席ですが、神戸市の方から出されている中身を見ますと、NOxシミュレーション結果によると、神戸市の場合は、沿道地域は他の大都市と同様、昭和六十年においても環境基準を満足しないと出ているのです。神戸市については確かに満足しないということを具体的に調査結果で出していらっしゃるわけですが、神戸市がそういう満足しないという結果をお出しになり、兵庫県の場合は満足するという結果を出しておられるのですが、神戸市の出しておられる調査と兵庫県の出しておられる調査と、調査結果において、沿道について言うならば、どれくらい差が出るのですか。もちろん、神戸市の調査もごらんになった上でいろいろこの問題についての対処を環境庁としてはされている、このことを前提に置いて私はお伺いします。
#78
○三浦政府委員 神戸市につきましては、うちの方で示した調査方法でやっておるというふうに私ども報告は聞いておりますが、まだ研究結果は出てきておりません。ただ、先ほど先生から御指摘ございましたように、神戸市の方は沿道は非常に問題だ、こういうことを聞いておるものですから、兵庫県の方に対して、市とも十分連絡をとってください、こう申し上げておるわけでございます。
#79
○土井委員 一つは、そこにどうも問題のあり方として考え直していかなければならない点がありそうです。大体その対象地域にされるについては、いろいろな連絡は県を通じ府を通じ道を通じておやりになる、こういう姿勢でいままで臨んでこられている。中身を決定するのは知事の権限でもありますから、したがって、そういうことからすると、自治体といってもそれぞれの府県に対して連絡するというかっこうになるかもしれませんが、いま対象地域にされているのは、昨年の八月にSOxのK値地域区分というものをベースに考えられたそれぞれの大都市なんですね。だから、その大都市に対してそれぞれ直接連絡なさるということも非常に必要なんじゃないか。たとえば神戸市のことについてはどの程度直接掌握されているかということは、いまのお答えからするとどうも定かには聞こえてこない。やはりそれぞれの対象地になっている大都市に対して、環境庁から直接連絡をつけられるということが非常に大切なんじゃないかと思います。県を通しての公式の話じゃなくて、大都市も参加した公式の話ということを進められることが大変必要じゃないかと思われるのですが、これはいかがですか。
#80
○三浦政府委員 環境庁といたしましては、やはり県、市町村、こういう段階がございますので、県を頭越しに通り越したようないろいろな交渉はなかなかしづろうございまして、一応現段階では県を通じてやっておりますが、私ども決して市と没交渉というわけではございません。先ほど先生御意見ございましたように、いろいろな会合には出席しておりますし、また、市の方からもときどきいろいろ御連絡に来ていただいております。そういう情報を踏まえながら県にお話を申し上げているということでございます。
#81
○土井委員 いま私ここに、兵庫県の方から「播磨地域大気環境影響評価」について、「窒素酸化物汚染予測手法編」というのが五十四年の三月に出ているのを持ってまいりましたが、これを見ておりますと、「一般環境濃度評価地点」という部分で、「道路中心より五十メートル以内にあるメッシュ中点は除外した」という、この測定方法でやっておられるようであります。これは、環境庁としてもこういう方法については是認をなさるのですか、いかがですか。
#82
○三浦政府委員 それは兵庫県が産業公害防止協会と一緒に開発した手法ではないかと思いますが、たしか私、昭和五十年ごろからやっていると聞いております。
 手法につきましては、先ほどから申し上げますように、いろいろな手法がございまして、私ども基本的なものは県に示してございますが、なお県でいままでいろいろ調査を独自にやってきておる、そういう継続性のいろいろな県の調査というのは尊重しなければいけませんので、一応その手法については私ども一々うるさくは申し上げておりません。ただ、それによって、その結果との整合性がどうか、この点を私ども一番気にしてチェックをしているわけでございます。確かに、それによりますと、県の方は一応調査方法といたしましては沿道に近い測定局を外しております。沿道は沿道で別にやっております。その調査方法がちょっと私どもと違った方法だ、こういうことでございます。
#83
○土井委員 沿道は沿道で別に外してやっておられる。その沿道も、違った測定方法からすると、数値の上でどれくらい違いが出るのですか。これは大事な問題だから、ひとつ参考までに知らしておいていただきたい。いろいろな手法があるけれども、どの手法が正しいか、どの手法が間違っているかというのは即断できません。非常にむずかしい問題がその手法それぞれの特徴点としてあるだろうと思うのです。だから、そういうことも一応私は踏まえながら、その点についてひとつ聞かせておいていただきたいなと思います。
#84
○三浦政府委員 非常にむずかしい手法がたくさんございまして、お答えしにくいのですが、私どもいろいろ検討しておりまして、県の沿道の調査の結果によりますと、これは全く私、学者の先生方から聞いた感触でお答えして恐縮でございますが、どうも三割くらい違うんじゃないかなということを先生方が言っておりますので、さように私ども思っているわけでございます。
#85
○土井委員 そうすると、その結果の予測値というのが非常に違ってくるわけですね。ですから、手法にもいろいろあるでありましょうけれども、肝心かなめの大切なのは、環境庁の立場でもなければ兵庫県の立場でもない、神戸市の立場でもない、各府県の立場でもない、やっぱり住んでおられる住民の健康ですからね。住民の生活を保全するという問題ですから、その焦点を忘れないで、こういう問題にいかに対処するかというところで環境庁もいま苦慮されているのじゃないか、そういうふうに私たちも思います。
 この数値をちょっと見ただけでも、国道四十三号線の沿道について、昭和六十年を考えた場合に、〇・〇六ppmというのを、それ以下のところで満足できるかどうか、私どもは非常に不安です。素人目で見ましても、実は例の環境庁から出ます大気汚染の年次報告、あの中身に明記されている数字を見てまいりますと、たとえば神戸と尼崎との間にある国道四十三号線、それぞれの状況がどうなっているかというのが、数字を見た場合に浮かび出てまいります。西宮の場合も、津門川という地点が自動車排出ガス測定局として兵庫県の場合にあるわけですが、基礎値と申しましょうか、基準値としてとるあの昭和五十二年度〇・〇七一だったのが、五十三年度には〇・〇七五にふえています。同じく武道場であるとか教育会館ビルであるとか等々は、いずれも全部非常にふえていっている。そして今度は、対象地になった尼崎に入りますと、東難波では、昭和五十二年度が〇・〇六五だったのが、五十三年度には〇・〇七二になっています。非常にふえているのです。武庫川も、五十三年度が〇・〇五二だったのが、五十三年度には〇・〇六二になっているのです。したがって、これの中身は増加していっている現象なんです。このままでいきますと、昭和六十年度に〇・〇六PPmというのを満足できるかどうかと言ったら、恐らくむずかしいでしょうというのは、これは素人目にもはっきり数字として出てきているわけなんですが、その辺は、もちろんもう一度調査をし直すということも含めてどういうふうな対策が必要だというふうに環境庁としてはお考えですか。
#86
○三浦政府委員 確かに先生おっしゃるように、二酸化窒素の濃度は、全国的にも横ばいかちょっと悪化ということが出ておりますけれども、ただ、今回私どもこうして調査しておりますと、六十年目安にいろいろ計算をやってみますと、自動車の排ガス規制が効いてまいりましてかなりよくなっておるわけでございます。これにつきましては、もちろん私ども、固定発生源対策も必要でございますけれども、移動発生源対策つまり自動車対策もやらなければいかぬということで、自動車単体の排ガス規制、交通管理あるいは沿道の緑化とか遮蔽の設置といったことをいままでやってきておるわけでございますけれども、何分それだけでは足りませんので、いま中央公害審議会にいろいろ交通公害対策を諮問しておるようなわけでございまして、沿道は沿道でまた全力を挙げてやっておりまして、先生いま御指摘のところは、六十年になりますとかなり排ガス規制は効いてくるのじゃないだろうかと考えておるわけでございます。
#87
○土井委員 排ガス規制の中身というのはもちろん発生源対策として大切なんですけれども、そうだからといって、どれくらいその数値が落ちるかというのは、予測の上で具体的に数字が出ますか。これもなかなかむずかしいですよ。五十二年度から五十三年度にかけても排ガス規制はかなり効いているはずなんです。にもかかわらず、五十三年度で数字がこれだけ、非常に上がっている。だから、そういうことからすると、排ガス規制というのは絶対手を引いてはだめで、これは大切な問題で、その点も強力に推しながら、しかしそれでは十分に功を奏しないだろうということも考えなければいけない。だから、別にこういうことに対する対策というのを、先ほど申し上げた沿道に対して総量規制ということにしっかり取り組む中で、どういうことをお考えになっていらっしゃるかということもあわせて承っておかないと、これはどうにもならない問題だと思います。長官、どうでしょう。
#88
○三浦政府委員 ただいま先生おっしゃいました点につきまして、自動車の排ガス規制につきましては、五十六年規制、七年規制、もう告示を済ませてございます。したがって、六十年になりますとかなり減るのじゃないだろうか、こう申し上げておるわけでございますが、なお、ことし建設省の方で提案いたしました沿道整備法も通りましたので、こういったものも円滑に実施できるようにして、とにかく交通公害対策は、私どももこれはこれとして全力を挙げて取り組んでいこうという姿勢でやっておるわけでございます。
#89
○土井委員 この沿道整備法というのは、確かに一定の効果は発揮するだろうと思います。しかし、どうもこれだけでは抜本策にまだまだほど違い。既存の幹線道踏に対して立ち退きとか居住地の規制なんというようなことになりますと、既得権に対しての私権の侵害という問題もあったりして、非常にむずかしい問題になりますけれども、今後どうなんでしょう、幹線道路とか新幹線とか、それから国の方が管理する第一種空港であるとか等々の建設のときには、その周辺に対してやはり住宅に対する規制というものが考えられてしかるべきだと思うのですが、これは建設省の所管でもあるかもしれません、建設省との間でそういう話し合いを環境庁としてはお進めになっていらっしゃいますか。
#90
○三浦政府委員 先生ただいま御指摘の点につきましては、中央公害対策審議会の方で、現在交通部会で審議しておる中でいま一番問題になっておりますのは、やはり物流問題、土地利用問題でございます。この二点を今度分科会ができましてこれからさらに細かい審議に入ることになっておりますので、それらの審議を踏まえた上でまた関係各省とも相談してやってまいりたいと考えております。
#91
○土井委員 いろいろ相談してやっていきたいとおっしゃいますけれども、やはり所管が、こういうのは建設省だ、やれこの問題になったら運輸省だ。これはしかし環境問題だから、両省にまたがる問題ではあるけれども、環境庁を抜きにしては考えられない。縦割り行政の弊害がいつも具体的な問題になりますと出てまいりまして、問題を持って走りますとたらい回しに遭うというのが、いつも味わう非常に苦い市民、住民の経験なんです。こういう問題もひとつ、せっかく中公審の方でいま審議中でいらっしゃるわけですが、やはり政府間レベルでは横のつながりというのをつけていただいて、環境庁が中心になってやっていただくということも中身に入れてお考えを詰めていただきたいと思いますが、いかがですか。
#92
○鯨岡国務大臣 だんだんのお話を承って、私は土井委員のお話、非常に納得できるわけです。私どもの方としては、〇・〇六というゾーンを決めたわけですから、どういう事情があろうと、それ以上では困るのです。どういう事情があろうと、それ以上では、先ほど土井委員がお話しのように、住民の健康に影響が出てきますから、あらゆる方途を講じて、縦割り行政であろうが横であろうが、何でも構いませんが、とにかくだれにでも言ってその基準を守っていただくようにやっていきたい、こう思っているのです。
 そこで、兵庫県などはどうも危ないなという感じがいたしましたから、土井委員にもお願いしてあの辺を視察したわけでございます。ところが、大丈夫でしょうなんというようなことを言っているから、本当ですかということで、もう一遍調べてみてください、こういうことで調べてもらっているわけでございますから、どうぞひとつ御了承願いたいと思います。
#93
○土井委員 どうぞ御了承願いたいとおっしゃるのですが、兵庫県は兵庫県で一たん調査結果を出して、六十年には〇・〇六ppmを満足できるという調査内容だったということを、もう一度撤回して新たにやり直すというのは、なかなかこれも大変なことだろうと思うのです。もし兵庫県がいまのままで〇・〇六ppm満足します、できますというふうな調査内容が相も変わらず同じような中身で継続されるというふうなことになってくれば、総量規制についての先ほどの政令の改正の中身としてはどういうかっこうになるのですか。
#94
○三浦政府委員 もし現在の調査結果で大丈夫だということになりますと、私どもあらゆる点からこれは検討いたします。いたしてみて、なおこういう対策があるから大丈夫だという確信がおありなら、〇・〇六を満足するということになれば総量規制の対象から外すということもあり得ます。
#95
○土井委員 こういう対策がということを具体的にそうすると示さなければならない。六十年には〇・〇六ppmが満足できるという、その満足をさせるべき具体的対策を示す、そういうことなんですね。そのことをはっきり兵庫県の方から示さなければならない、こういうかっこうになるわけですか。
#96
○鯨岡国務大臣 私どもの方としては、兵庫県が〇・〇六ppm大丈夫ですと言うことに対して、大丈夫かなという疑惑の念が正直言ってないわけではない。だから、もう一遍調べてくださいとお願いしている。それは理由のないことじゃない。兵庫県を代表する神戸市などが、〇・〇六ppmだめですと言っているのです。ですから、もう一遍調べてくださいということを言っているので、いまのところはその段階です。ところが、どうやってみても大丈夫なんですと言う以上は、どういう方法を講じて大丈夫なのか、われわれに示していただかなければ、われわれ納得できませんから、それは必ず示してくださるものと思います。それを検討した結果、なるほどな、それじゃ大丈夫かなと思えば、いま局長の言ったようなことになるでしょう。けれども、思わなければ、なおひとつ検討しなければならない、こういうことになると思います。それはこれから先のことですから、しばらくひとつお待ちを願いたい、こう思います。
#97
○土井委員 そうすると、いま長官がおっしゃったとおり、これから先のことですからいましばらく時間をとおっしゃっているわけですが、事と次第によれば、来年年頭早々政令に対しての改正に踏り切りたいとおっしゃっている作業は延びるかもしれない、そのことの中身によって延びるかもしれない、これも答えるのですね。
#98
○鯨岡国務大臣 こちらの方はもう〇・〇六がちょっと危なそうだというところが東京も大阪も名古屋もあるのですから、それはどんどんやりますよ。それで、そっちはひとつ後回しになるというようなこともあるかもしれませんが、しかしながら、事はおもしろがってやっているわけではありませんから、住民の健康を心配してやっていることですから、前段申し上げましたように、作業がおくれていれば決まった方を先に、おくれておる方に合わせるわけにいきませんから、決まった方を先にやるという見切り発車もありますが、片っ方の方だってそうじんぜん日を送るわけにまいりません。せっかく督促をして、われわれが納得をしたやり方をやりたい、こう考えております。
#99
○土井委員 そうすると、それは見切り発車もあり得るということもいま大臣は御答弁の中で言われつつ、しかしいつまでもそうそう時間を野方図に先に先にと延ばしていくわけにもいかない。これはやはり住民の立場からすると、いつまでもこういう問題に対してずるずるとどうなるかわからないというようなことでは、これはもう実際問題救われないと思うのです。兵庫県との話し合いも、そういう点からすると、この期限というものがやはり大まかに考えられてしかるべきだと思いますが、それはどのようなお考えですか。
#100
○三浦政府委員 この問題、実は、兵庫県の結果が出てくるまで私どもは各省折衝を待っておろうと思ったのですが、待てなかったものですから、四地域先に始まったようなわけでございまして、いつごろと言いますが、知事さんが何か外遊しておった、したがって知事さんが帰ってくるまで待ってくださいということで、これから何か上の方と相談するようでございますので、ともかく私ども、いまその結果を待っておるわけでございます。
#101
○土井委員 そうすると、見通しとすれば、それは環境庁はひたすら待っていらっしゃるのだけれども、いつまでもというわけではないのでしょう。年内にそういうことに対してのおおよその目安というのはつけられそうですが。
#102
○三浦政府委員 まだそう事務的におくれているわけではございませんので、ともかく早くお返事をくださいということですので、ひとつお返事があるまでお待ち願いたいと思います。
#103
○土井委員 非常にいわく微妙な問題でありまして、段階からいっても、いま非常に大切な段階であろうと思いますから、少し時間を待って、また改めてこれについては質問を続行していきたいと思っています。
 さて、あと一問だけお伺いしたいのですが、健康被害補償地域で、指定地域に新しい事業所、施設というのをつくらないようにという申し合わせを、いわゆる立地規制を環境庁と通産省との間でなすったはずであると思いますが、この中身は一体どういうことでございますか。
#104
○藤森政府委員 いまのお尋ねの件につきましては、ただいま私ども、そうした事実をよく確認しておりませんが、至急に調べて御返答申し上げたいと思います。
#105
○土井委員 これは通産省側にお尋ねいたしましょう。環境庁と通産省との間でこの問題に対しての申し合わせがあったはずなのですが……。
#106
○植田政府委員 その件につきましては、私自身は現在聞いておりませんので、後で至急調べてみたいと思います。
#107
○土井委員 いまお伺いした限りでは、環境庁も通産省も非常に不熱心です。この問題に対してさほど重視されてこなかったということが非常によくわかる気がします。それでは、ひとつこれを両者で調べてきてください。しっかり調べておいて出直してもらいたいと思うのです。よろしいですか。ここでこれについていろいろ、こうじゃないか、ああじゃないかと質問をやったって、またまたそれはどうもかみ合わないことに恐らくなると私は思いますから、調べて出直してください。
 まだほかにお伺いしたい問題もありますが、時間はまだ少し残っているかもしれませんが、きょうはこれで質問を終えまして、この残り時間はまた次回に譲ることをひとつ委員長の方で御配慮いただければ非常に幸いだと思います。ありがとうございました。
#108
○山崎委員長 午後一時十五分より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十四分開議
#109
○山崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。岡本富夫君。
#110
○岡本委員 私は、最初に、公害対策基本法の十九条「公害防止計画の作成」につきまして、内閣総理大臣が指定をして、そして公害防止計画を立て、それに対して二十三条の「地方公共団体に対する財政措置」、こういうように法で規定されております。そこで、それを受けまして四十六年の五月二十六日、公害防止に関する財政上の特別措置、この法律を施行されまして、その後、この公害防止計画についてどの程度進み、どういうようになったのか、これをひとつ御説明を願いたいと思います。
#111
○藤森政府委員 お答えを申し上げます。
 基本法十九条に基づく公害防止計画は、先生ただいま御指摘のとおり、四十六年以降逐次策定をされまして、現在では一次から七次にわたりまして全国四十七地域について防止計画が策定をされております。これにつきまして、同じように先生が御指摘の、公害防止対策事業に対する財政特別措置法というものも同時に裏打ちの形で施行をされまして、財政面から、たとえばかさ上げであるとかあるいは起債の特例であるとかいうふうな財政措置を講じまして、このことによりまして、現在では公害防止計画は地方における公害防止のための地域計画としまして大変大きな成果を上げておる、かように考えております。
#112
○岡本委員 そこで、第七次まで行われましたが、その後の計画は現在あるのかないのか、これをひとつお聞きしたい。
#113
○藤森政府委員 過去におきましてもそうでございましたけれども、公害防止計画の対象となる地域につきましては、ただいま申しましたように大きな成果を上げておりますけれども、特に大きな大都市等に関しましては、なかなか公害防止の面の十分な実績を上げるということが困難な問題もございます。それからまた、最近のように都市生活型公害というようなことで、新しいスタイルの公害も出てまいりました。したがいまして、私どもとしましては、今後ともその必要に応じて公害防止計画の改定、延長等の措置が必要であろう、かように考えております。
#114
○岡本委員 そこで、この計画が立てられ、まだ継続中のところもあります。たとえば第六次地域あるいは第七次地域においては、ほとんど防止計画を立てただけであって、まだまだ進んでない。各地域においてもそうでありますから、この財政特別措置法、これが五十六年三月三十一日で大体効力を失うということでありますから、これはやはり続けなければならぬと思うのですが、報道によりますと、大蔵省はこの公害防止対策事業に対する国の財政援助を打ち切ろうというような報道が出ておるわけです。これは自治省の関係になるわけですが、自治省はこれについてどういうようにお考えになっておるのか、ひとつお聞きしたい。
#115
○井下説明員 先生御指摘のとおり、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律は本年度末で期限切れになるわけでございます。正確に申しますと、三月三十一日までの間に公害防止計画を策定いたしました場合は、その計画期間は引き続き有効なわけでございますが、いずれにいたしましても、法律としては三月三十一日で切れる、こういう状態になるわけでございます。
 そこで、先ほど環境庁の企画調整局長の方からもお答えございましたように、過去十年間やってまいりまして、この公害防止計画に基づく事業が十分に成果を上げたか、つまり目標が十分達成されたかといいますと、新しい型の公害等も含めまして必ずしも十分ではない、これからますますやっていかなければならない問題もあるということでございます。
 そこで、自治省といたしましては、国の財政等も大変厳しい折からでございますけれども、国民の健康で文化的な生活を確保するためにはやはり公害対策というのが基本でございますから、それを裏打ちするために、地方公共団体等が行う公害防止対策事業を推進する上で支障がないように、この財特法について必要な期間の延長を図ってまいりたいと考えております。
#116
○岡本委員 その必要な期間というのはどのくらいに自治省としては踏んでいるのですか。
#117
○井下説明員 まだ確定的ではございませんが、一応十年間ということで考えております。
#118
○岡本委員 長官、非常に財政の緊迫というときでありますけれども、公害防止、環境保全というのは、やはり何と申しましても、狭い日本の国土、特に過密都市、こういうところではどうしても必要でありますから、十分ひとつ大蔵省とかけ合ってもらって、環境庁としては一番力を入れてもらわなければならぬと思うのですが、環境庁長官の決意をひとつお聞かせいただきたい。
#119
○鯨岡国務大臣 いま自治省がお答えいたしましたとおり、とにかく十年間延長しなければならぬ。それで、これを計画していたときとはまた様相も多少異なってまいりまして、このごろは廃棄物の問題だとか、交通公害の問題だとかいうものも加わってきたわけであります。前の問題が十分に解決したとは言えない状態のところへそういうものが加わってきたという現状にかんがみて、おっしゃるとおり、財政的にはきわめて緊迫している状態であることは十分承知ですが、それでもこれはぜひ十年間延長したい。せっかく努力をするつもりでおります。
#120
○岡本委員 これはひとつ特段の力を入れていただきたいと要求いたしておきます。
 次に、環境庁の基本姿勢についてお伺いいたします。
 けさほどもアセスメントの問題が出てまいりましたけれども、報道あるいはまた与党の中をちょこちょこ聞いてみますと、アセスメント法案がこの国会に提出されるのはどうも非常にむずかしいような状態です。これは、五十四年ですかの予算の修正のときも、実はこの問題を野党の私たちはやかましく言いまして、どうしてもアセスメント法案を提出できるようにしてもらいたいということの了承を受けたこともあります。ところが、いまの状態を見ますと、せっかく政府部内で決まったけれども、これがなかなか提出できない。次の国会に本当に出てくるのかどうかも非常に心配なのであります。この間ちょっと報道を見ておりますと、経団連が非常に反対しているから、これに対して話し合ってもよいというような長官のお話がございましたけれども、向こうから聞きに来るのを待っておってはなかなかお話にならないと思うのです。その間にどんどん各地方自治体では条例がつくられていくということでありますから、この条例の方が強くて、環境庁から出された方がやわらかいとなりますと、また混乱が起こる。こういうことを考えますと、この国会は仕方がありませんから、来国会には必ず出せるように努力をするとのお話が最前ありましたけれども、では、どういう方法で経団連に対して話し込み、説得するのか、ひとつこの点をお聞きしておきたいと思います。
#121
○鯨岡国務大臣 経団連が反対しているからという御発言でございましたが、私は、反対しているというふうには考えておらないのです。ただ、私どもの考えていることを十分に御理解いただいていないのではないかと考えているわけでございます。経団連と申しますか、突き詰めて言えば、発電所などをつくろうということを考えておられる方々、発電所をつくらなければならぬというふうに思っておられる方々、そして私はその考え方に対して何らの疑義を差しはさむものではありません。これは、どなたでもそうでしょうが、油に依存することを少なくしようと考えている、それが主要な命題だと言っているわが国において、油に依存しない発電所をつくるということについては重大関心がありますから、それはいいのですが、やはり転ばぬ先のつえですから、かつてわれわれが経済成長を急ぐの余りいろいろな被害を受けて、いまでも苦しんでおる方がおられるのですから、そういうことのないようにあらかじめ予測をして対策を立てられるものなら対策を立てておく。思わざることが起こったのと、予定していたことが起こったのでは、ずいぶんやり方も違うだろうと思います。そういう意味で、政府の中ではもうまとまりましたので、ぜひ来るべき通常国会には衆参両院の先生方の御審議をいただいて、権威あるルールづくりをいたしたいと考えているわけであります。その考え方のどこのところに疑義を持たれるのかよくわかりません。ですから、お尋ねがあればお答えいたしますよというような消極的な態度ではいけない、それはおっしゃるとおりでございます。そこで、私どもの方からそういう話を申し上げたいのでひとつそういう場所をつくってもらいたいということを申し入れてございます。ごく最近にそういうことになる運びでございます。
#122
○岡本委員 いまのお話によると、大体、電事連ですか、発電所関係の方が理解してないというようなお話でありましたけれども、これは長官、お忙しいと思いますけれども、やはりいつか出向いて、そして九電力ですか、この技術者あるいは社長級と一遍話し合ってみたらどうですか。あなたの方からセットをして、あるいは呼ぶとか、そうしないと解決しないのじゃないですか。またぞろ次の国会で、環境庁の姿勢は非常に前向きだけれども、できない。これはできなければ話にならないわけですからね。そういうお考えはどうでございましょうか。
#123
○鯨岡国務大臣 お話しをいただくまでもなく、私どもの方からそういう申し入れをしてございます。私は、こちらへいらっしゃい、お話ししますからというような態度をとっておらないつもりであります。どこへでも出向いていって、御理解をいただくために汗を流したい、こう考えておるわけであります。
#124
○岡本委員 これはひとつぜひ早急に手を打っていただかないと、また次の国会もむずかしい。非常に心配な面がありますので重ねて要望をいたしておきます。
 そこで、長官がこの閥所信を表明なさいました中で、地球的規模の環境問題懇談会で地球的規模の環境保全についていろいろと御検討されておるということでありますが、この内容をひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
#125
○鯨岡国務大臣 環境庁が生まれて来年で十年になるわけですが、環境庁の発足の端緒になりましたものは、御承知のとおり四日市におけるぜんそくのような病気が多発いたしまして、それは何が原因だろうかということで、そうしたらあそこのコンビナートから出る排気ガス等そういうものが原因であるということから、これは大変だ、こういうことになりまして、その被害者に対していまだに救済を続け、また認定患者の認定作業も進め、また一方において、そうやっているうちに水俣病だのイタイイタイ病だのということになりまして、悲惨な患者がまだいるわけでございます。
 そういうことをずっと続けて今日までやっているのですが、再びそういうことが起こっては大変だということで、水に対する基準をつくったり、大気に対する基準をつくったり、いろいろそういう問題が起こらないようにということを、国会の方の御審議などもいただいて進めてまいったわけでありますが、そうやっているうちに、一方、一九七二年ですか三年ですか、ローマ・クラブ、わが国からも大来佐武郎先住なども御出席になられたのですが、ローマ・クラブで、これから先行き地球はこのままでいると、人間は対策はいろいろなことをやるでしょうから、だからそうなるとは一概に言えないけれども、何にもしないでこのまま経済が成長していくととんでもないことになるぞという警鐘を乱打いたしまして、それから昭和四十七年、八年でしたか、国連で人間環境会議というストックホルムの会議がありまして、それで地球的にそういう問題を心配する機運がどこの国でも盛んになりまして、もちろん国連でも盛んになりまして、わが国でもそういうことを研究している学者先生方はおられるわけでありますが、過般総理大臣から私呼ばれまして、日本でもこれだけの経済が国民の力でできたのだから、やはり世界のそういう機運におくれないで、また世界的な会議でもあったときには日本が応分なノーハウを提供できるようにひとつ準備をしておく必要があるだろう、こういう御示唆もありまして、そこで、地球的規模の懇談会というようなものをつくりまして、それで先ほど申し上げました大来佐武郎先生に座長になっていただいて、斯界の権威を集めて会議を開くこときのうで三回でございます。ことしじゅうに一つの目標をつくりたいと思っておるのです。これでことしじゅうに何か決めようなんて言ったってそれはできることじゃありませんから、そういう権威ある方々に、こういうときに日本はどういうことを研究していくことが必要であるかというような道しるべをことしじゅうにつくっていただいて、その御答申をいただいて、その御答申の内容によってわれわれは来年の計画を立てていきたい、こういうふうに考えているわけであります。
 いま地球には四十二億くらい人間が住んでいるのですが、紀元二〇〇〇年というときにはどのくらいになるだろうか、いろいろ予測があるようですが、どんな内輪に見積もっても六十億をちょっと超えるという、それ以下の人はいないのです。どんなに内輪に見積もっても六十億を超える。紀元二〇五〇年には百億になるであろう、こう言われておる。そうなりますと、一体水は大丈夫か、食べ物は大丈夫か、大気は大丈夫か、いろいろなことが心配になります。先ほども申し上げましたように、人間はいろいろ知恵がありますから、何かするでしょう。何かするでしょうから、そう破滅的なことを予測するわけではありませんが、もし何にもしないでこのまま経済が五%ぐらいずつ進んでいったとすれば、紀元二〇〇〇年には、日本の経済だけとってみても倍になるわけですから、その倍の経済をこの中でどうやったらやれるのか、そういう点も考えていかなければなりませんし、自然の状態が崩れていくという問題についても考えていかなければなりません。当面の問題でないのでなかなか国民に理解をしていただけないのですが、私といたしましては、これほど重要な問題はない、そう考えて取り組んでいるわけでございます。
#126
○岡本委員 昭和四十二年から私ずっと当委員会に籍を置いて、いろいろと公害問題あるいは環境問題について討議をしてきましたので、長官がおっしゃった地球的規模、これは非常に必要だということで私たちもずいぶん論議をしたこともあるのですが、代々の長官はなかなかここまで踏み切らなかった。どっちかというと、公害対策基本法に基づいて後追い行政といいますか、四十五年の公害国会のように、大変な状態でそれを抑えるだけで精いっぱいだったということもわかるわけですけれども、やはり後追い行政でなくして、それを先取りをして再び荒廃しないようにしていくというあなたの考え方、私は非常に賛成でありますが、それにつきましては、必要なのは、現在の公害対策基本法でもってこういうことをやっていこうというのはなかなか無理だと私は思うのです。そこで、私たち一遍、もう大分になりますけれども、環境保全基本法というものを国会に提案をいたしまして、もちろん野党の案ですから廃案になってしまったわけですけれども、その後提出はいたしておりませんけれども、そういった環境を保全していくという観点の仮称環境保全基本法、こう言いますけれども、そういうものをお考えになるつもりはないのか、これをひとつお聞きしたいと思うのですが、いかがですか。
#127
○鯨岡国務大臣 二十一世紀になったときの地球はどうなるかというようなことで、斯界の権威を集めて勉強をさせていただいておりますが、その中で感じますことは、われわれはいままで自然を征服し自然を利用してやってきた。どれだけ利用できるか、どれだけ征服できるかということでやってきたのですが、どうやらそれは間違いではなかったか、少しおごり高ぶった考えではないか。そんなことでやっていれば、われわれ一代は何とかなるかもしれないし、まあ二、三代は何とかなるでしょうが、将来ずっと長いことを考えていくと、とんでもないことになって、地球は壊れちゃって人間が住めなくなるのじゃないか。自然というものに生かしていただいているんだから、そこを考えなければならぬじゃないかなんということを思うわけでございます。そうして、これはますますもって国民の方に理解していただかなければどうにもならないことですが、理解していただきにくいことは花樹なところそう思いますが、幾ら理解していただきにくくても、それに対して政治は努力していかなければならぬ、こう思いますが、そう考えてまいりますと、一歩進めたいま先生の言われたような法律なども用意しなければならないかとも思いますが、まだそれは先のことでございまして、いましばらく御猶予いただきたいと思います。
#128
○岡本委員 実は環境基準をお決めになるにつきましても、たとえばNOxが〇・〇二から六に緩和されたというようなこともありますし、それからいろいろな環境基準を決めるにつきまして、自然の浄化力というものがあるわけですね。たとえば、海がきれいになるのは海浜の浜があって、そしてあれによって浄化される。海浜がなくなると浄化しなくなる。だからどんどん汚れていく。こういうものを考えますと、私は、環境保全基本法の中から、要するに、自然が浄化していくだけの中から基準を決める。そうしますと、いま長官がおっしゃったような、何というか、いつまでもいい環境は残っていく。ところが、現在の環境基準というのはそうではない。
 こういうことを考えますと、私はぜひひとつ、いま長官はわりにまじめな前向きな答弁がございましたけれども、環境保全基本法というようなものをつくって、その中から基準を決めていくというようにしていくのが正しいのではないか。そうしますと、なかなかそれに達成しにくいという場合もございましょうけれども、それにはやはり若干余裕を見て、そしてそれに向かって達成していく。いままでの基準も大体五年とかあるいは十年というような達成の期間を残しておりますけれども……。そこで、各業界あるいは企業にしましても、基準を少しずつ何といいますか強めていかれると、これは非常に困るのです。なぜかと申しますと、これだけの設備をして、それで基準を達成した、また基準が新しくできて、また設備をしなければならぬ、こういうことで、各産業においても、初めからそこまでの基準を決めてあればそれに向かっての設備ができた、設備の二重投資だ、こういうことを言われる方もあるわけです。したがいまして、いま地球的規模のいろいろな研究をなさっておりますけれども、それに対するところの今後の環境保全についての基準の決め方、あるいはまた、本当に環境を守っていこうとするところのあり方についての御一考を願いたい、私はこう思うのですが、いかがでしょうか。
#129
○鯨岡国務大臣 とてもむずかしいことで、先生、これはやはり国民の生活のために、どこの省でもみんな今日的なことを考え、今日的なことばかりじゃありますまいけれども、主として今日的なことを考えてやっているのですが、私は、環境庁は、今日的なこともちろん十分必要ではありますが、相当の部分をあしたに目を向けなければならない。それだけに、大仰に言えば政治哲学というようなものを踏まえていかなければならないものだと思います。ですから、環境基準というようなものをできるだけ科学的に、そうむやみなことを言うたってできないものはできないのですから、できるはずだと思われるぎりぎりのところを企業にもお願いをして、多分に出費もかかるでしょうし、それが製品に転嫁されれば国民だって困るのですし、また製品に転嫁されないわけがないのですから。税金のことばかり心配していても、もし私どもの方で環境基準をうんときつくすればそれだけお金がかかる。お金がかかれば、そこでできる製品に転嫁される。そうすれば物価が上がる。国民生活に影響があるわけですから、それらのことも全然無関心でいるというわけにはいきませんが、それをやりながら、しかも、このごろは一歩進めてアメニティーとか言って快適な生活というのは何かというところまで進んできているわけでございます。ただ、そういうことでございますから、どこのところをつかまえてやっていいか。そこで私は、斯界の権威を集めて、その辺どう考えたらいいんでしょうかというようなことでせっかく御検討いただいているわけでございますので、しばらくひとつ御猶予をいただきたい、こう思います。
#130
○岡本委員 ぜひこれは私は、基準が決まっていて、わずかなものでも蓄積していけばこれはどうしようもありませんから、できるだけ自然浄化するためにはどのくらいだという、この研究はまだ実は余りできていないように思うのです。せっかくですから今後はそういう面を研究していただいて、全部が全部すぐやれといいますと、それはいまおっしゃったようにいろいろとコストにかかってくると思いますけれども、やはり人間が生活していくためには、将来どうなるかという予測が必要であろうと私は思うのです。
 そこで、最近、これは相当将来の問題になるわけですけれども、フロンガス問題についてひとつお聞きしたいのですが、このフロンガスによって大気の成層圏のオゾンが破壊されて、そして皮膚がんを増加させるという米国の学者の発表、そしてアメリカの環境保護庁あたりでもいろいろとこの問題について研究されてフロンガスの規制をしておる、こういう内容のものでありますけれども、環境庁が本年九月にまとめたフロンガス問題についての報告書の内容、これについてひとつ御説明をお願いしたいと思います。
#131
○七野政府委員 フロンガス問題につきまして、先生御指摘のとおり、本年の九月に「フロンガス問題について」という報告書を環境庁の方で取りまとめてございます。
 簡単に申し上げますと、環境庁がこれまで実施してきておりますいろんな調査研究の成果をもとにいたしまして、まず第一点が、フロンガス問題についての科学的な議論の現状、いまいろいろな議論がなされておりますが、その議論の現状、第二点目は、フロンガスの消費量と用途、それから第三点が、フロンガス問題に関する各国の動向、先ほど先生御指摘のように、アメリカではすでにスプレーの禁止とかいろんなことをやっておりますが、そういう各国の動向、これについて取りまとめたものでございます。
 以上でございます。
#132
○岡本委員 そこで、米国ではあるいはまた各国においてもフロンガスの規制については――いまできていないのは日本とオーストラリアだけですね。特にこういった先見的予防措置、これについて環境庁はどういうようにお考えになっておるのか、ひとつお聞きしたい。
#133
○七野政府委員 このフロンガス問題につきましては、いま申し上げましたように、五十二年にこの問題が指摘されております。環境庁といたしましていろいろな調査研究を実施してきたところでございますが、このフロンガスの問題をいろいろ考えました場合に、科学的になお不確定な部分もございます。ただ、オゾン層の減少が実証された時点でフロンガス放出の削減の対策を講じるというようなことでは手おくれになる可能性があると考えられますし、フロンガス問題は、全地球的かつ長期的な問題で、国際的な立場からも協調が求められてきておりますので、環境庁といたしましても、地球規模における新しい形の環境汚染問題として深い関心を持って対処しておる次第でございまして、現在国内のいろんな状況がございますが、その放出量を可能な限り低減化する努力を行っていきたいと現在考えております。
#134
○岡本委員 気象庁来ていますか。――気象庁が研究されました状態を御説明いただきたいと思います。
#135
○小林説明員 私どもは、昭和五十二年に環境庁のお力添えをいただきまして、公害防止等試験研究費によりまして、フロンにつきまして研究を現在も続けているところでございます。
 ただいまの先生の御質問に対しましてお答えいたしますが、昭和五十三年と五十四年にかけまして、これは航空機による対流圏――対流圏と申しますのは地上から高さ約十キロぐらいの範囲でございますが、実際には飛行機を使いますもので、大体二キロぐらいから七、八キロの高さにかかりまして、地域につきましては、わかりやすく申し上げますと、平塚あたりを中心にしました五百キロメートル平方の四角と申しますか、そういった地域にわたって観測してまいっております。それで、私どもの観測の結果を申し上げますと、平均濃度と申しますか、フロンはわりあいと安定なものでございまして、季節変化等もないということで、私どもの観測をみな平均いたしました値でございますが、そういった平均濃度で申しますと、これはppmの百万分の一の単位で申し上げますが、フロン11につきましては五十三年で一六五、五十四年では一八一、フロン12につきましては五十三年が二八〇、五十四年が二八五というふうな値をとっております。フロンガスと申しますのは揮発性のものでございますので、成層圏にまで拡散してまいるわけでございます。したがって、成層圏になりますと飛行機で観測するというのは大変むずかしゅうございますので、気球を使いまして空気を採集して、それを地上で拾いまして実験室で分析するというふうな方法でやっておるわけですが、これは私ども筑波で風船を揚げまして昨年やりました結果を申し上げますと、高さ十七・七キロでフロン11は七一、フロン12は一五六、高さ二十三キロでフロン11は三〇、フロン12は一〇〇、それからさらに高さは上がりまして、高度二六・六キロメートルでフロン11は九・三、フロン12は七六というふうに、高度によって減少しているという結果が出ております。
 以上でございます。
#136
○岡本委員 そうしますと、気象庁の調査結果は、対流圏で一九七八年にフロン11が一六五、これが七九年には一八一にふえている。それから12が二八〇の分が二八五にふえているというように、少しずつふえておるような状態でございますね。民間の学者の方が、これは東大の理学部の富永教授のデータによりますと、これは低いところでやったようでありますけれども、データの結果が非常に高い。
 この両方を考えますと、かつてPCBが、いまも問題になっておりますけれども、この日本の国土で相当な問題を起こしておるわけでございますが、外国では、アメリカあたりはもう早くからこれをとめておった。ところが日本は、それをとめずにそのままいったものですから、pCB問題で非常に困った状態が起こり、まだ現在もそれが続いておるような状態なんですね。
 そういうことを考えますと、このフロンガス問題についても、先ほど長官が全地球的な環境の問題に取り組んでおるということでありますから、これは相当真剣にいまのうちに取り組んでおかないと取り返しのつかないことが起こるのではないか。そういうことで、昨年十一月十六日、わが党の古川君が、これは公害対策部会長でありましたが、前の土屋長官にこの対策について申し入れをいたしておりました。その後、環境庁としてはこれについてどういうような手を打たれたのか、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
#137
○鯨岡国務大臣 細かいことについてはいま関係者からお話をいたしたとおりでありますが、私は素人ですからよくわからないのですが、厚さ十センチくらいのいろいろ研究の成果の書物を見せられたりしたのです。相当研究はしているようです。しかし、私が聞いたところでは、そしてこれは間違いのないところらしいのですが、フロンガスというのは、直接さわったり何かしてそれで害があるものではない。だから、普通われわれがPCBや何かで問題にしているのとはちょっとわけが違う。頭のスプレーなんかに使いますね。これで当たったところががんになるとかそういうことでも何でもない。上の方に行くとオゾン地帯を破壊して、そのために紫外線が強く当たるから、皮膚の白い人なんかは特にがんになりやすいというようなことから問題になってきたことは御承知のとおりであります。しかも、これは地球的な問題ですから、アメリカが、自分のところだけやったってしようがないので、太陽からのことですからひとつ日本も協力してもらいたい、ヨーロッパも協力してもらいたいということで、ヨーロッパの方ではその使用を規制したということは、先ほどお答えしたとおりであります。日本でも何もやっていないわけじゃないので、通産省の方とも連絡をとって、これを使うことをなるべく少なくしていこうということで、目下検討中でございます。ただ、日本は、あれは燃えませんからスプレーなんかにいいだろう。燃えてもいいということになると、危険性は伴いますけれども簡単なんですが、なかなかそう簡単に変えるわけにもいかないしということで、いろいろ検討しながら、でも使用は少なくしていこう。それで、アメリカの方面はスプレーが多いのですね。それと比べれば、冷房機なんかに使うのは比較的に少ない。日本はスプレーの方は少なくて冷房機の方に多いというようなことがありますので、業界の方とも連絡の上、なるべく少なく使うように、そしてできるならば代替のものを使えるようにというようなことを指導している段階であります。
#138
○岡本委員 報道によりますと、日本とオーストラリアですか、ここだけがまだ規制をしていない、ほかは皆規制されておるというようなことでありますが、恐らくこれはまたOECDの環境委員会あたりで問題が出てくるのではないか、こういうように考えられるわけです。
 外務省、この問題では何も連絡ありませんか。
#139
○鯨岡国務大臣 これはUNEPでも採択しているのです、なるべく使わないようにということで。
#140
○遠藤説明員 フロンガスの問題につきましては、OECDでは来る十二月の二日から四日までの環境委員会におきまして、この問題の検討を行うということになっております。そのための準備といたしまして、十月にすでにフロンの専門家会合というのがパリで開かれまして、この会合にわが国からこの問題に関連して、検討している状況につきまして報告をいたしております。
#141
○岡本委員 私の方の調査によりますと、五十四年度は出ていないのですけれども、五十三年度は約七万三千トン生産されておるわけでございます。もちろん機器の中に入る閉鎖性、スプレーなんかのような開放性と分かれておるわけでありますけれども、閉鎖性にしましても、やはり見ておりますと、いろいろと機器を移動したりするときにフロンガスが外に出てしまうということですから、フロンの代替品を早急に研究をして、各国のようにフロンガスの規制をやらなければならないのじゃないか。極力使わないようにいたしておりますということでは、ちょっと済まないのではないかと私は思うのです。十二月のOECDの会合に出たときに、恐らく日本の態度が相当厳しく非難されるのではないかと思うわけですが、通産省の考え方をお聞きしたいのですが、いかがですか。
#142
○鈴木説明員 この問題につきましては、全地球的な問題でございますので、われわれとしても深い関心を持っているわけでございます。しかし、先ほどもちょっと環境庁の方から御説明がございましたように、まだ科学的に解明すべき点も残っているということ等もございまして、現時点で法律規制等を行うのはやや時期尚早ではないかと考えているわけでございます。ただ、この問題が提起されまして以降、関係業界といたしましても対応の努力をすでに払っておりまして、エアゾールの使用量等につきましては現実に減少しておるわけでございます。それから通産省といたしましても、代替物の開発等、削減のために必要な方策の検討を今後とも一図進めるよう関係業界にお願いしているわけでございます。しかし、わが国におきましては、先ほどもちょっとございましたが、LPGを代替物として法律上認められてないということとか、それからまた別途中小企業等の問題もあるわけでございます。しかし、こういった問題を踏まえながら、今後関係官庁と密接な連絡をとって検討を進めてまいりたいというふうに脅えております。
#143
○岡本委員 余り時間がありませんからこればかりやっているわけにいかないのですが、長官、こういった全地球的な規模の問題はすぐに、先ほど言ったようにPCB――PCBも飲んだらすぐにというわけではありませんから、毒性でありますけれども、蓄積されて取り返しがつかなくなる。そしてオゾンが減少する。またオゾンをつくる機械があればよろしい、それがなかなかないかもわからぬ。ということになりますと、気がついたときにはだめだったということになってはぐあいが悪いというわけで、恐らくアメリカなど各国でもこうした規制をしているのではないかと思うのです。したがって、いま科学的な根拠、あるいは中小企業だからと言ったって、中小企業だって悪いことをすれば悪いわけですから、代替品を一番早く見つけるとか、あるいはまた便利だからそれを使うとか、PCBだって、大きなトランスが小さいもので済むのですからこれは便利だということで今日こういう状態になっているわけですから、再度研究をしていただき、そして、OECDの会合に行ったときにも日本はこうしますと言えるような結論を早く出してやっていただければ幸いじゃないかと思うのです。この前も私たちOECDの環境問題で行きましたときも、日本は環境に対してはたれ流しだという非常に強い批判があったことがあるのです。私たちはそのときそんなことは言えませんから、一遍日本に見に来いということで、向こうの環境局長かなんかが日本に来たことがありますけれども、ちょうどそのときは日本は、東京は非常に晴れておりまして、なかなかきれいじゃないかということを言っておりましたけれども、水俣病やあるいはいろいろな病気の根源である世界に類のない公害先進国であった、こういうことを考えますと、非常に風当たりが強いのではないか、こう思います。したがって、早くこの結論を出していただいて規制をし、世界の環境問題におくれをとらないようにしていただきたい、これをお願いしておきます。
 余り時間がありませんから進みますが、次に、長官は環境教育について非常に御熱心であると承っております。しからば、環境教育の具体的な中身、これをひとつお聞かせ願いたいと思うのですが、いかがですか。
#144
○鯨岡国務大臣 これはなかなかむずかしいことでございますが、私は、さきに文部大臣と相談し、総理府総務長官とも相談して、環境問題というのはその大半が、何%とは言えませんが、環境教育の問題である、こういうふうにとらえまして、そのことでいろいろ会議をして、学校教育の中でも環境教育というようなことをしてもらいたいということを申し上げたわけであります。現に学校教育でやっているんですね。たとえば、県ごとにその県の自然と県民とのかかわり合い、それがいかに大事なものであるか、そしてその自然をどうやって大事にしていくかというような問題については、小学校は小学校、中学校は中学校、高校は高校というように、副読本などを使って盛んに教育をしている面もあります。それから、私はいろいろな機会に出て、テレビを通じたりラジオを通じたりあるいは文書を通じたりしてお母様方に、まだ学校へ上がらないうちに、汚す人は私で片づける人はあなたというようなことでないように、人に迷惑をかけない、自分でされていやなことは人にしない、こういう教育をしてもらうというようなことを呼びかけているわけであります。また業者にも、売れればいいというものじゃないですから、たとえば、テレビなんかでジュースの広告をするんだったら、そのときにはそのスクリーンの片端の方にかんは自分で始末しましょうというようなことを響いてもらう、そして呼びかけてもらうというような、教育と言ってはなんですが、あらゆる機会を通じて呼びかけをするということが必要だといま考えて、その方面で進んでいるわけであります。
#145
○岡本委員 あなたとそれから文部大臣と総理府総務長官、この「環境問題の根は教育問題にある」、これを読ましていただきました。そこで、こう考えておるとかあるいはまた要請したとか、こういうことでありますけれども、たとえば、いまおっしゃった母親教育あるいは胎児教育、こういう問題について、たとえばお母さん方の教育が一番よくできるのは妊産婦の保健所なんですね。あるいは産婦人科です。ここでは栄養の問題とかそういう問題の教育はしますけれども、こういった環境問題についての教育はいままでなかったと思うのです。したがって、私は、そのあたりで一つの教育を一項目入れてなさることも大切ではないか、こういうようにも考えておるのです。長官の御所見を承ります。
#146
○鯨岡国務大臣 どうもありがとうございました。
 妊産婦、赤ん坊が産まれる前にどうしても行かなければならぬところは、保健所であり産婦人科のお医者さんでありますが、そういうところでこういう問題を何となく理解していただけるように、何となくという意味は、強制的でなしに理解して、お母様方がみずからそう思っていただけるような運動を展開することは、御示唆のとおりであります。重要な参考にいたしたいと思います。
#147
○岡本委員 時間がなくなりましたので、最後に飲料水の基準について厚生省にお聞きしておきたいのですが、飲料水の中にトリハロメタンですか、こういうハロゲンの化合物が非常に入っておる。塩素の基準は現在決まっておりますけれども、トリハロメタンの基準はまだ決めていない。各地方自治体におきまして、水道管理者やあるいはまた首長が住民から聞かれて困っておるのがこの問題なんです。塩素処理に対して、最近は水が非常に汚くなってきた、こういうことでトリハロメタンの基準を決めなければならない、こういうことになっておるのですが、厚生省の見解を聞きたい。しかも、アメリカの環境保護庁では発ガン性があるというわけで〇・一ppmというような基準をつくっているわけです。わが国にはそれがない。これについての見解と、いつごろこの基準を決めるのか、これをお聞きしておきたいと思うのです。
#148
○田中説明員 水道水中にトリハロメタンがあるわけでございますが、これは原水中にも若干ございますけれども、原水中の有機質が浄水場に取り入れられまして処理あるいは消毒等に使います塩素と化合いたしましてトリハロメタンが発生するのが主なところでございます。
 厚生省におきましても、この問題を重視いたしまして、全く新しい問題ではございましたけれども、五十一年度から測定方法――従来この測定方法がまちまちでございましたので、統一的な測定方法を採用するために検討を始めまして、すでに測定方法の案ができております。その他、トリハロメタンの除去方法あるいは毒性に関する影響というようなものを現在も研究を進めております。これら継続中のものもございますけれども、この問題につきましては、当面の対処方針を明らかにする必要がございますので、現在各分野の専門家の意見を伺っている最中でございまして、早急に検討を進めた上で、年内を目標に当面の方針を定めて、水道事業体に対して指導を行いたいと思っておる次第でございます。
#149
○岡本委員 じゃ、約束の時間ですからこれで終わりますけれども、早急にこれも決めて――いま実態調査もまだ行われていないと思うのです。したがって、私たちの毎日飲んでいる大切な水ですから、いままでは大変少なかったようでありますけれども、最近はずいぶん都市化が進んで飲料水が非常に汚れてきたと思うのですが、ことしじゅうに決めるということでありますから了解いたします。
 これで質問を終わります。
#150
○山崎委員長 藤田スミ君。
#151
○藤田(ス)委員 まず最初に、秋田県大館市の同和鉱業花岡鉱業所の地盤沈下の問題についてお伺いをしたいと思います。
 この問題は、去る九月の十一日に環境庁の方にも地元から陳情が行っているはずですし、それから通産省の方にも行っているはずでございますので、まず最初に、環境庁からその対応、それから通産省からは、どういうふうに対応され、現在これについてどう理解していらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
#152
○馬場政府委員 秋田県の鉱山の採掘による地盤沈下の問題でございますが、私ども、地元の方からお見えになりまして実情をお聞きしたわけでございますが、地下水の採取によります地盤沈下につきましては環境庁で所管しておるわけでございますが、鉱物の採掘によります地盤沈下につきましては、鉱山行政の中でやっておりまして、通産省の方にその旨申し上げ、また通産省の方に行かれて実情を説明されたことになっております。
#153
○弓削田説明員 ただいま先生御指摘のございましたように、九月十一日の日に私ども本件についての御陳情を受けたわけでございます。通産省といたしましては、直ちに仙台鉱山保安監督部長を通じまして仙台鉱山部長に対しまして、秋田県及び大館市と連絡をとりながら当事者間で話し合いを行い、円満に解決できるよう指示したところでございまして、先生御案内のとおり、本件につきましては、昭和四十七年度に桜町の被害者の方々と同和鉱業との間、双方の間で話し合いをし、合意を見た、こういう経緯もございまして、その際大館市が中に入りまして仲介の労をとった、こういうことでございますので、私ども、本問題については、基本的に当事者間で解決するのが妥当である、こういう観点からそのような措置をとってまいったわけでございます。
#154
○藤田(ス)委員 四十七年に桜町の方と話し合いをして協定書を結んだということは私も承知しておりますけれども、それでこの問題が終わったということではないわけなんです。そうじゃないわけです。その点について御理解をいただくために少し御説明をここでさせていただいて、もう少し通産省の方でこの問題について理解を深めていただきたいと思うのです。
 私現地に行ってまいりましたけれども、これは桜町の地図なんです。この下に鉱山があったわけなんです。この色の塗っておりますところが、四十七年の協定書で特に顕著なところということで一部補償があったことは事実です。しかし、この地図、ちょっと離れているからわかりにくいでしょうが、この地図を見ていただいてもわかりますように、この区域の中でも四軒ほど色を塗ってないです。つまり補償がないわけです。こういうふうに全然周りが色を塗ってないところで色の塗ってあるのは、ここだけ補償があったわけです。現地の町会が持っている四十七年の協定書が結ばれる前に企業の側と町内会が寄って全戸の被害の状況というのを調査した内容を私は見せてもらいましたけれども、そのときにも、なるほどこの色の塗ってあるところは顕著にあらわれているけれども、色の塗ってないところでも、かなり家屋の被害だとかそういうものがあったということがはっきりしているわけです。ところが、会社の方は、もう補償が終わったじゃないか、そうしてこの問題はもう終息したんだという報告をどうも通産省の方にもされていたのじゃなかろうかと思うのです。そうですか。
#155
○弓削田説明員 先生御指摘のとおり、昭和四十七年の十二月に、桜町の鉱害問題につきましては地元の被害者の方々の同意を取りつけまして、それに基づいて所要の移転措置あるいは補修等の鉱害の補償と並びまして排水溝の整備その他環境面の整備をやってきたわけでございます。ただ、この協定書の中にも、先生御存じかと思いますが、今後問題が生じた場合は双方で協議するというような条項もございます。これに基づいて双方協議の上解決するのが筋じゃないか、こういうふうに私ども考えているわけでございます。
#156
○藤田(ス)委員 指導はぜひともしていただきたいのです。
 もう少し説明をしますと、私が実際に行ってきましたところでは、ここに写真がありますのでぜひとも見ていただきたいのです。およそ通常じゃないわけですね。これは花岡鉱山が持っている鉄道なんですが、この鉄道は毎年かさ上げを一メートルぐらいしているわけです。だから、踏切の場所とそれから離れた道路との差というものは五メートルぐらい出てきているわけです。それから、これは川なんですが、この川が、ちょっと見えにくいでしょうが、とにかく水面が護岸と全然並行してないわけですね。見ていたら錯覚が起こるような状況なんです。これは家屋なんですが、家屋も柱が、老朽家屋というのは北だったら北へずっと傾くのが普通なんですが、ハッチを開いたように北に傾いている柱と東に振っている柱があるのですね。だから屋根が割れているわけです。そういうことで、これは床の亀裂ですが、挙げれば切りがありません。ブロックなんかも気がついたら離れているし、今度気がついたらひっついているということで、地元の人は非常に不安が大きいわけです、このブロックの亀裂にしても。
 そういうことで、企業の方は、協定書の問題についても、四十七年に話し合いをしてこれでもう終わった、そうしてその時点でもう沈下も終わったということを言うわけです。だから、いまから補償しようと思ったら、いまから新たにどれだけの沈下をしていくかということを測定して、それから話し合いをしなければいかぬというようなことさえ言うわけです。
 私がこの地図を持ってきたのは、一目見ても大体おわかりいただけると思いますが、これは一キロ四方ぐらいの小さなところなんですよ。たまたま町内会の構成上一区とか二区とか三区とか四区とかと隣組を分けているのですね。道路が確かに走っていますけれども、この道路なんというのは、この前の廊下よりももっと狭いのです。だから、企業が言うように、もうこれで全部終わったなんというような問題じゃないし、それから同時に、いま始まった問題じゃないわけです。その点では、通産省が今日までそういうことについて監督指導の立場にあったわけですから、そういう点で安全性の確認というものについても一体どういうふうにされてきたのかなということを思わざるを得ないわけですね。こういう廃鉱の跡の沈下の問題について、企業の側からそういうふうに、もう沈下は終わりましたと言って、その後測定器さえ抜いてしまって、そうして測定もしないでもう終わったんだということで放置していることに対して、通産省は一体どこまで指導しておられたのかなというふうに本当に疑問を持ったわけなんですが、この点重ねてお答え願いたいわけです。
#157
○弓削田説明員 従来から堂屋敷鉱床の採掘に伴う問題につきましては、私ども非常に重要な問題というふうに考えていたわけでございまして、こういう観点から、仙台鉱山保安監督部から会社側に、採掘に伴います地盤の沈下状況を測定するように昭和三十五年に指示をいたさせまして、と同時に、その結果につきましては監督部の方に報告をさせる等、地盤沈下による鉱害防止対策を私どもとしては進めてまいったわけでございます。
 また、本堂屋敷鉱は、四十七年の四月でございますが、実は採掘終了になっておるわけでございますが、この採掘終了の後にも、測定結果に基づきまして地盤沈下の動向を十分われわれとして注意すると同時に、採掘跡の水位の測定状況等の検査を実施してきたところでございます。
 測定に関しては、先生からいまお話がございましたように、四十九年でやめたじゃないかというような御議論があったわけでございますが、この件に関しましては、会社側と桜町の被害者の方々との、協定と申しますか確認に基づきまして、地盤沈下は終わったという双方の合意を見たものでございますから、その時点で沈下の測量はやめた、こういういきさつがございます。
#158
○藤田(ス)委員 大体この協定そのものも本当は私はいろいろ疑問を持っているわけです。これはここでの議論じゃないですから言いませんけれども、しかし、先ほども言いましたように、この問題はその時点から沈下が終わったなんというような結論を、何ぼ住民と話し合って協定書をつくったにしろ、これは沈下が終わったという協定書じゃないわけですね。そうでしょう。これは顕著に被害のあるところについての被害補償はやったけれども、沈下が終わったような話じゃないわけですよね。また、そんなことを科学的な根拠もなしに住民と企業とが勝手に決めるわけにいきませんからね。その点で、その測定を怠り、かつ通産省の方がそれをうのみにして、今日もなお非常に激しい被害が起こっているにもかかわらず放置された責任ということを私は言いたいわけです。これは全国の廃坑の教訓にもなると思いますので、一度ぜひ行ってみてください。本当に目を履うばかりと言いたいような現状になっていますから。その上に住んでいる者がどんな不安を持っているかということは、実際に調査をしていただいたらわかると思いますし、いま通産省が調査をしていただくということで、会社が、あの時点でもう沈下は終わったんだということで、今日住民との話し合いをなかなか誠実に受けようとしないその姿勢も改まっていくと思いますので、その点はぜひ調査をしていただきたいと思います。
 最後に、この問題については、私は、やはり鉱業法で定められた鉱害の賠償義務という点では、その義務を企業が負うべきだというふうに考えますので、この点はその義務に基づいて企業は誠実に住民と話し合いをするようにということで、改めて通産省の方から厳しい指導をしていただきたいと考えるわけです。
#159
○弓削田説明員 ただいま沈下の測量を両者の協定によってやめたじゃないかというおしかりをいただいたわけでございますが、実は若干説明の足りない点がございまして、先生御案内のとおり、この近傍の鉱床の採掘深度は大体地表下百四十メーター前後、こういうところを実は掘っているわけでございます。私ども、地盤沈下につきましては、特に石炭でいろいろ大きな経験を持っているわけでございますが、この種の深度での採掘でございますと、採掘終了しまして二年以内にはほとんど終結する、こういうのがわれわれの一般的な技術的な常識でございまして、こういうこともございまして、私どもとしては地盤沈下の測量を打ち切った、こういうことでございますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
 それから、現地調査の問題でございますが、通産省といたしましては、これまでも本件に関しまして、住民サイドから被害状況をお聞きすると同時に、また会社側からも事情聴取を行ってまいったわけでございます。本件につきましては、先生も御案内のとおり、これから当事者同士で事実関係の確認あるいは損害の有無等について話し合いが行われようとしている、こういう段階にございまして、当面、このような話し合いの推移を見守り、必要があれば現地調査を行うこと等について検討してまいりたい、こういうように思うわけでございます。
 さらに、当省といたしましては、先ほど冒頭に申し上げましたように、本件は基本的には当事者双方の協議に基づいて決められるべきが筋である、こういうことで考えておるわけでございまして、本問題の重要性にかんがみまして、住民サイド並びに会社側から実情を十分聞くと同時に、地元大館市とも緊密な連絡をとりながら、事実関係の確認、損害の有無等について、当事者間の話し合いが早急に開かれるように努めてきたところでございます。今後とも話し合いが円滑に進むように、会社側に対しまして所要の指導をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#160
○藤田(ス)委員 常識では二年たったら測定をやめる、これが常識だということですけれども、その常識を破った状態が出ている。同時に、その協定書を結ぶとき自身、会社の非常に横暴な姿勢の中から、こういう狭い区域の中での、みぞ一つ越えた家に補償があり、こっち側には補償がないというような姿勢から今日の問題も出てきている。両方相まった問題だと思いますけれども、とにかく私も今後推移を見せていただいて、通産省の方にはしばしばこれから御要望を続けていきたい。そして、こういう問題は一日も早く解決し、住民が安心して暮らせるようにぜひとも御努力をいただきたいし、私の方もそういうことで見詰めていきたいと思います。どうもありがとうございました。この問題は終わります。
 続きまして、関西新国際空港の問題についてお伺いをしたいと思います。
 運輸省の方は十一月四日に関西新国際空港の計画修正案を発表されております。これを私、非常に簡単な資料ですけれども見せてもらっているわけですが、当初の計画では、地元の了解さえ得られれば五十八年から六十九年までの十一年間に完成させて七十年から実際に活用していくということであったのですが、この修正案によりますと、二十数年かけてその計画が延々と五期に分かれて進められるということになってきているわけです。
 この資料の中を見ますと、土砂についても比較的短期間に埋め立て工事を土砂でやることになっていたが、埋め立て土量についての節減を進めるために、一部適宜廃棄物も活用することにした、こういうようなことも書かれております。それから、こういうことになれば、長期にわたって海の上を廃棄物を績んだ船などがまた運航するのかなと思いますし、それからアクセスの活用もずいぶん変わってくるのかなというようなことも考えます。それから、廃棄物を護岸内でしょうけれども投棄するということになれば、そこの汚濁の問題はどうかなとか、それから、そこの汚れた水が海の中に来たときに、廃棄物の汚れたものが海にどういう影響を与えていくのかなというようなことがいろいろ考えられるわけですね。そういうことでは、これまで行ってきた計画案に基づくアセスメントも、当然この長期化された修正案に基づいて見直さなければならない部分が出てくるのじゃなかろうか、こういうふうに私は考えるわけですが、環境庁はこの問題についてどういう御見解をお持ちか、まずお伺いをしたいわけです。
#161
○鯨岡国務大臣 おっしゃるとおり当初の計画から大分縮小された計画になったというふうに聞いておりますが、それならばそれで、いま言われたとおりの諸般の問題について十分なアセスメントが行われなければならない、そう考えております。
#162
○藤田(ス)委員 運輸省はどうですか。
#163
○山本説明員 アセスメントは当然に空港建設計画を前提として行うべきものでございます。諸般の情勢から、先生御質問のとおり、空港の最終の姿というものは当初私どもが計画をしていたものと変えないということでございますが、その建設の過程と申しますか、その手順といいますか、あるいは時期的なものも含めまして、そういった建設計画について今回見直しを行ったということでございまして、当然アセスメントというものは建設計画に沿ってまとめなければならぬというものでございますので、長官お答えのとおり、現在取りまとめ中でございます影響評価案の中に今回の建設計画の修正というものも織り込んで作成しなければならない、かように考えております。
#164
○藤田(ス)委員 それでは、次の問題なんですが、この四十九年の第一次答申では、現在の大阪国際空港の公害の抜本的な騒音対策として、しかもこれは緊急な課題でありという位置づけで、現空港廃止を前提にすることを新空港建設の最大の理由にしているというふうに思うわけです。運輸省は現在も現空港の存廃の問題は開港時点までに決めるのだと言っておられるわけですが、新たな計画案が出された段階で、この存続問題についてはどういうふうに対応していかれようとしているのか。
#165
○山本説明員 現空港の存廃問題は、運輸省におきましても何度か運輸省の見解を表明しておるわけでございます。
 先生御存じであろうと考えますが、伊丹空港周辺から空港存廃問題に関する調停事案というものが公害等調整委員会の方へ提出されておりまして、これが長年懸案であったわけでございますけれども、ことしの六月三十日に所定の手続を経た上で成立をいたしました。この調停条項は、国は、現在の大阪国際空港の存廃を決定するために必要な諸資料について集め、今後調査研究していく、それからまた、その調査研究の過程で、この申請人ら及び関係地方公共団体に適宜その調査の結果を開示して、意見を十分聴取すること。それから最後に、伊丹空港の存廃については、国はその責任において、関西国際空港開港時までにこれを決定すること。こういう三項目の調停が成立したわけでございます。これは、公害等調整委員会の所定の手続を経て、そして約二万名の周辺の調停団との間で合意をした内容でございます。
 したがいまして、運輸省といたしましては、この調停条項に示されましたところにのっとりまして、関西国際空港の建設が政府として決定されました後、速やかに調査検討を行い、そして関西国際空港が開港するまでに結論を出す、こういう約束どおりにやってまいりたい、かように考えております。
#166
○藤田(ス)委員 その調停の中で言われている存廃というのは、何も存続するという話じゃないですからね。そうでしょう。廃止か存続かを決めるという話ですよね。その点で今度の計画書を見ますと、一番最初の、六十五年の開港する時点での処理能力というのは十三万回なんですね。それで、このときの関西圏の航空需要予測というのを見ましたら、これが二十万回とあるわけです。さらに二期工事に入りまして、七十年のときには十六万回にふえますが、需要は二十三万回、それから三期工事は、能力二十万回で需要は二十七万回、八十年まで行きましたら、二十二万回に新空港はなりますけれども、需要は二十九万回、八十九年では二十六万回の能力は持つけれども需要は三十三万回と、これはどこまで行っても需要予測とマッチしてこないのですね。
 最初の計画のときは、たしか最初は十六万回で出発するということでしたから、最初の段階では、十三万回という現空港を廃止しても可能だという話は何となくわかるわけです。だから、住民と詰めをして、地元の自治体とも詰めをして、そして存廃問題については決めるのだなというような話についても、廃止という話がわかるわけです。廃止をするということが決まっても、そういうことになるのだなとわかるのですが、今度の修正計画では、これはいつまでたってもずっと需要予測を能力の方が下回っているわけですね。こうなりますと、やはり併用を前提にした修正案だというふうに考えざるを得なくなるのですが、この点ではどうでしょうか。
#167
○山本説明員 将来の、需要想定については、相当長い先のことでございまして、いろいろ議論のあるところでございます。先生お示しになったその関西地区の需要というのは、運輸省が関西国際空港の審議会の部会において出した資料であろうと思いますが、その需要と空港計画との関係というのは、なかなかむずかしい問題でございまして、確かに将来におきまして、昭和六十五年あるいは七十五年、ある時点において想定されます需要に対して、関西国際空港、新しい空港一空港のみで十分に対応できるかどうかということになりますと、先生御指摘のとおり、能力が不足するということが予想される。需要の見方によってでございますけれども、そういう予想も成り立つわけでございます。
 ただ、先生のおっしゃいました六十五年約二十万回、それに対して、今回の修正計画によります関西国際空港の離発着能力が十三万回だ、こういう御指摘につきましては、飛行場の能力といいますのは最終的に滑走路の能力によって決まってまいるものでございます。当初われわれが計画としております、六十五年までにつくり上げたいと考えております滑走路の能力は約十六万回でございます。それに対して、ターミナル地区の標準的な能力がその計画によりますと約十三万回と算定されるということでございまして、ターミナル地区の混雑度合いの見方によりましては、いままでの経験的な数字から見ますと、二割ないし二割五分程度はアローアンスがあるわけでございまして、需要に対して十六万回、つまり十三万回の標準能力でございますけれども、十六万回程度の需要にはたえ得ると考えている次第でございます。したがいまして、関西地区全体の需要に対しては八割程度はカバーできるのではないかと考えております。
 ただ、そういたしましてもなお不足するではないかという御指摘であろうかと思いますが、現在の大阪空港自身、需要に対してきわめて供給力が少のうございますし、他の地方空港におきましても、需要に対して供給が不足しているという事態はよく見られる現象でございます。これは空港だけに限らず、道路、下水、すべてにわたって、需要に対して供給が過小であるという事態は日本の社会においてはよく見られる現象でございます。そういった需要と供給との関係で、新しい空港一つだけだから、したがって過小であるから、したがって伊丹存続だという議論にはすぐには結びつかないのではないか。つまり、そういった需要供給との関係をどう判断するか。これは、国、地方を含めて、そういう状態をどのように考え、どういうふうに処理していくかという判断の中で、現在の伊丹空港の問題を処理していく、判断していく必要があるのではないか、かように考えておる次第でございます。
#168
○藤田(ス)委員 私は、何も現空港を存続するという意味で言っているのと違うのです。現在の空港を廃止することを前提にしてつくる新空港が、修正案ではさっぱり話の筋が合わないじゃないかという意味で申し上げているのです。その需要予測が初めからそういうふうに満たされないものだという言い方をされるとしたら、新空港の答申の中で言う需要が拡大するというもう一つの理由になっている部分もきわめて根拠がおかしくなると思うのです。だから、現空港の廃止もおかしくなる、需要予測の方も非常にあいまいな議論になってきたというのが、今度の修正案の中から出てきた問題じゃなかろうか。この問題については、もともと財政上の問題が一番大きな理由になって修正案が出されたと報道筋でも伝えておりますので、それなら、もっと謙虚に原点に返って運輸省は考えてみるべきじゃないか。こういうふうに果てしないほど長い長い遠い遠い話をいきなりぽんと持ち出してきて、そうして、それに必要なアクセスだとかアセスメントだとかいうこともさらに求められているにもかかわらず、相変わらず五十六年度には四十一億という概算要求も出しておられる、こういう姿勢が私は納得できないと考えるわけです。この問題は、引き続いて今後もあると思いますので、きょうはおきます。
 新空港の修正案が出された中で、もし仮に併存していくとしたら、なおさら新空港の方は夜間の利用に期待するところが非常に多くなると思いますので、特にここで騒音の問題について若干お聞きしておきたいと思うのです。
 もともと、新空港の環境問題と言えば、住民にとっては、夜間はどうなるのかという一番大きな心配があるわけです。新空港は日本でもたった一つ二十四時間空港として計画されております。しかも、運輸省の資料を見せていただきましたが、この中では、夜九時から十一時の間には二、三分に一機、十一時から十二時までの間は四、五分に一機、夜中の零時から一時の間に十分間に一機ぐらいの割合で離発着するという資料も出されておりましたけれども、陸地から沖合い五キロということでWECPNLの線を引くと大丈夫なんだということで説明され、新聞にもそういうふうに載っております。しかし、ここは農村もありますし、漁村もありますし、そういう点では夜の時間があすの労働に非常に大事な地域なんです。そこで、環境庁次官も出席をされておるわけですが、航空審議会でも検討されたと思いますが、環境庁としては、夜間の騒音の問題について十分に検討するべきだと私は思いますが、環境庁の方はどういう御見解をお持ちか、お聞きしたいわけです。
#169
○藤森政府委員 過般の航空審議会におきましては、私どもは、環境影響評価を行う前提となる関西地域における今後の経済社会活動それから環境保全対策等を考慮した将来の環境の状況がまだ明確ではないということ、それから周辺地域の整備計画及び埋め立ての土砂の採取に係る環境影響が必ずしも明確でないというような理由からいたしまして、現時点における意見を述べることを留保いたしております。しかし、先生お尋ねの件につきましては、今後空港計画案とあわせて提示されると予想しておりますが、環境影響評価書案でございますが、その中において、御指摘のような地域における環境保全の観点から、騒音の海域のみならず陸上における状況を記載し、これに慎重に対処する、これは当然必要なことだと考えております。
#170
○藤田(ス)委員 そこで、運輸省にお聞きしたいのですが、航空審に出された資料では、環境基準であるコンターは書かれておりますけれども、そして今度はこのコンターが岬町付近のところでは若干陸地にかかるというので一度振られて、もうこれでかからないということで、これも心配はなくなったというような御説明をしておられるわけですが、環境庁は、陸上における地域までどの範囲に及ぶのかやはり予測を示すべきだと言っておられるわけです。運輸省はどうなんですか。
#171
○山本説明員 運輸省が審議会に示しました資料は、おっしゃるとおり、WECPNL七十のコンター図でございます。先生の御質問は、さらに六十五あるいは六十、そういったコンター図なりを示したらどうかというお尋ねと承りますが、騒音コンター図と申しますのは、音のエネルギーをそこにあらわしておるわけでございまして、だんだんだんだんとWECPNLの値が小さくなるに従ってだんだん精度が落ちてくる、こういう技術的な問題がございます。七十WECPNLを書きます作業におきましても、技術的に非常に苦労があり、その中で一番これがいいだろうということで、その中でも精度の高いものを出しておる次第でございます。ただ、WECPNLというのは非常に複雑な計算式をもってなされますので、WECPNLでその陸域にかかるものについて出すことはなかなか技術的にむずかしいようでございます。ただ、実際に耳に聞こえる音の大きさというものは、いわゆるホンあるいはデシベルAということで言われております。通常ホンと言われておる値でございますけれども、この値につきましては、先般、昨年の五月及び十月に実機飛行をやっておりまして、想定される飛行経路を飛んで、そして海域にたしか四カ所であったと思いますが、陸域に三十何カ所、合計三十五、六カ所でもって音を測定しております。そして、その評価は当然にホンでもってあらわされておるわけでございまして、もちろん陸域においては三十カ所ちょっとの大阪湾集辺の地域においてホンで示されたものがございます。その資料をもとにいたしまして、どの程度離れておれば何ホンの音になるか、こういうふうなことがわかるように、このアセスメントの中におきましてごらんになればわかるように、われわれその環境影響評価書をまとめていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#172
○藤田(ス)委員 そうですか。ホンで線を引いて、住民がわかるように示していただくということなんですね。そういうことでいいんですね。私も、WECPNLでこの七十を六十五に、あるいは六十にどう来るかなんていうふうな説明では困ると思うんですよ。ホンで示していただくということでいいんですね。
#173
○山本説明員 現在取りまとめ中でございますので、最終の姿をここで確定的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、いま作業中のものは、飛行経路からのダイレクトな距離によって、住んでおられる方が、自分のところが飛行経路からたとえば七キロ離れているとか八キロ離れているということを前提とすれば、音の大きさはホンにしてどれくらいになるかということがわかるような資料としたい、こういうように考えておる次第でございます。
#174
○藤田(ス)委員 私は実は、例のボーイング747の問題について現大阪空港で問題になりましたときに、何キロ離れているとどれぐらいの音になるかという資料に基づいて一定の計算をしてみたのです。そのときに、これは少し古いのですが、厚生省の方が厚生省委託で騒音影響調査研究会というのが出されている資料がございますね。ここには、距離減衰勾配は距離が二倍になればマイナス十一デシベル、高度二百メートルではマイナス八デシベルとなる、こういう資料がございましたので、この辺を根拠にして、この間運輸省にお伺いしたときには、ホンではなかなか示せないなんて私に言われましたので、運輸省の方からいただいた資料をもとにして、この間の現空港のボーイング747のこの資料と合わせながら、一体どれくらいホンが陸地に影響してくるだろうかという計算をしてみたわけです。いま現在、距離が離れていくと、倍になるとマイナス十一デシベルになるんだという根拠というのはいまでも余り変わっていないと思うのですが、どうですか。変わっていますか。距離が倍になるとマイナス十一デシベルになるという……
#175
○山本説明員 そういう研究はわれわれの方でしておるわけでございますが、きょうそういう具体的な数字について用意をしてまいりませんでした。そういった音の量と距離との関係に関する一つの算式と申しますか、そういったものは変わるものではないというふうに考えますが、いま申されました数字自身について手持ちで持ってまいりませんでしたので、正確にはお答えしかねます。
#176
○藤田(ス)委員 大阪空港で調査されたボーイング747のこれは御存じですね。コースから十五キロ離れたらどういうふうに変化をし、かつ、コースからこっち側へこう離れたら、三・五キロ離れたらどういうふうにホンが変化するかというこの一覧表、これは運輸省からいただいたのですから、後でごらんになってください。とにかく私が線を引いたらこういうふうになるわけです。これは私が素人で一生懸命知恵をしぼって考えた線ですから、あるいは反論があるかもしれません。だから、前もってホンがどれぐらい陸地に影響してくるか教えてほしいと何度も申し上げたはずなんですが、そういうことについてはなかなか具体的な資料をいただけませんでしたので、線を引いたわけです。
 そうすると、七十ホンはなるほど海の中を走っていますが、六十ホンになると大分陸地の方に来るわけです。五十ホンになりますと、かなり陸地の方に入ってくるわけですね。これが夜聞こえたら眠れるでしょうかね。うるささの基準では、確かに道路わきなどはいろいろ基準を決めて、公共なんだからがまんしろということになっていますけれども、それでも住宅地は夜五十ホンを超えますと、やはりやかまし過ぎて眠れないということで、夜間の基準は五十五ホン以下にせよというこういう基準も決められているわけですね。そういうものと照らすと、この陸地に及ぼす影響、特に夜どういうふうに影響してきて、私たちはそれで眠れなくなるんじゃなかろうかという不安については、私は、運輸省ははっきりと示していただきたい、騒音は心配ないというようなそういう言い方で済ましてしまうことのないように、特に要望しておきたいと思います。
 時間がなくなりましたので、最後にお答えをいただきたいわけですが、和歌山県の方からも、知事の方から夜間の実機飛行についてはぜひともやってもらいたいということの要望が出ているようです。新聞報道によりますと、目下検討中というお答えが二カ月ぐらい前に出されたそうなんですが、もうその検討が十分終わっている時期じゃなかろうかと思いますので、最後にこの点についてはどういうふうにされるのか。あわせて、岬町も一度振ったことによってどういうふうに影響が変わってくるのか。あの当日は、運輸省の調査では六十五ホンという数値を出しておられました。その六十五ホンというのに対して、住民の方は、いや七十五ホンだったというようなことも出ていますけれども、しかし、一度振ったことによって実際にどういうふうにあの実機飛行から変わったのかということが問題でしょうし、特に、和歌山の方からも言われている夜間の実機飛行、これは和歌山だけではありませんが、住民にとっては非常に大事な問題ですので、あわせてこの点をお答えいただいて、終わりにしていきたいと思います。
#177
○山本説明員 夜間の実機飛行テストを実施せよという強い要望がございますことは、十分承知しているところでございます。検討中ということばかりではないかというおしかりでございますけれども、これは御理解願いたいと思うのでございますが、飛行機が操縦士がよく見えない状態のもとにおきまして飛行する場合には、これはたくさんのパイロットあるいは飛行機に対する援助、支援の体制があって初めて飛んでおるわけでございます。電波でもって飛行機を誘導しておりますし、あるいは管制でもって飛行機を監視しているとか、あるいは管制官から適当な指示を出すという形でもって、パイロットが見えない状態におきまして飛行機が安全に飛行できるわけでございます。そういった航行援助の体制ができない状態におきまして、飛行機を見えない状態において飛ばすということはできないわけでございます。御存じのように、あの関西新空港の候補地に向かって飛行機が飛び、あそこの海上の滑走路がつくられるであろうという想定地点に向かって飛行機がおりてくる、またそれから飛び上がる、海面まで行きまして上がるというふうなこと、そういった航行援助施設がない状態におきまして実施することについては、安全上の見地から非常に問題があるわけでございます。さればレーダーで誘導するというふうな方法も検討いたしておるわけでございますけれども、レーダーは、飛行機が下へおりますと、四千フィート程度以下におりますとレーダーが効かなくなる、こういうまた難点もございます。そういった技術上の観点から、やはり御要望は何とかしたいという私たちの願いと同時に、安全上の見地からするところの技術的な問題というものとの間で悩んでおるわけでございますが、しかし、非常に強い希望でございますので、昼間と全く同じような方法でやるということはできないと思うのでございますけれども、何か取ってかわるいい方法がないか、現在なお検討をしておる、こういう段階でございます。
 それから、滑走路の方向を一度振ったことによりますその飛行経路に沿った実機飛行につきましても、われわれといたしましては、関係機関と調整の上、できるだけ早い機会に実施をしたい、こういうふうに努力したいと考えている次第でございます。
#178
○藤田(ス)委員 えらいどうも遅くなりまして申しわけございません。
 最後に長官、若干あわてて質問しましたので御理解いただきにくかったかもしれませんが、とにかく二十四時間という日本で初めてできる空港だというふうになっているわけです、これはまだ決定じゃありませんけれども。しかし、そういう点では、相当前もってやはりどういう状態になるのかということを本当に住民がよくわかって、理解をして、それで可否判断も進めていくということでなければ、つくったわ、そこから物すごい眠られない人が出てくるわ、いらいらやらいっぱい出てきて困るというようなことでは、これは話になりませんので、この点については環境庁の御見解というのは先ほどお聞かせいただきましたけれども、住民によくわかるようなそういう調査結果を明らかにしていただきたいし、夜間の問題については特に神経を使って、困難でしょうが、実機飛行もやり、あらゆるパターンを使いながら判断を進めていくということで、長官としてのお立場を最後にお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
#179
○鯨岡国務大臣 どこの場合でも同じですが、いま当面関西国際空港の場合、十分にいま考えられている知識を使って予測して、でき上がった後でこんなはずじゃなかったということのないように十分やりたいと思っております。
#180
○藤田(ス)委員 どうもありがとうございました。
#181
○山崎委員長 次回は、来る十四日金曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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