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1949/03/18 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 予算委員会 第17号
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1949/03/18 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 予算委員会 第17号

#1
第007回国会 予算委員会 第17号
昭和二十五年三月十八日(土曜日)
   午前十一時二分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員佐伯卯四郎君辞任につき、そ
の補欠として伊達源一郎君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
  本日の議会に付した事件
○昭和二十五年度一般会計予算(内閣
 提出・衆議院送付)
○昭和二十五年度特別会計予算(内閣
 提出・衆議院送付)
○昭和二十五年度政府関係機関予算
 (内閣提出・衆議院送付)
○本委員会の運営に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山田佐一君) 只今から会議を開きます。通告順によつて発言を許可いたします。赤木君。
#3
○赤木正雄君 文部大臣に簡單なことでありますが、お尋ね申上げます。科学技術振興のために、二十五年度からは国費を以て留学するものをお考えになつているような御答弁が書いてありました。私の希望といたしましては、御承知の通りに戰前からややもすると科学技術は欧米より劣つていました。殊に戰争中非常に劣りましたから、科学技術のために向うに勉強に行くことは非常に大事でございます。ただ行つて、その人が自分で研究したことを自分の頭だけに收めて置くということは余りに勿体ないのです。戰前にも方々に留学しましたが、ややもするとその報告書というものは非常に簡單なもので、殆んどお坐なりの報告書で、何らその報告書を見ても外の人々の参考にならない、こういうものが非常に多いのであります。でありますからして、丁度いい機会でありますから、今後国の費用を以て勉強に行く人は、これはひとり文部省のみならず、一般の各省にも通ずることでありますが、向うでよく勉強したこと、よく見て来たことを立派な報告にしてどつか、国に保管する。そうすると内地の人がそれを見て非常に参考になる。又同じ見て来る場所も、これは文部省の御承知の通りに、戰前には日本人が非常にロンドン或いは方々に留学しましたが、昨日見学に来て又今日見学に来る、何故日本人は同じところをああいうふうに沢山の人が交る交るに来るんだろう、これは英国、ドイツが非常に不思議がつていたことです。それでありますからして、尚国の費用も少いことでありますので、今後留学に行くのに予めテーマを持つて行く、そうしてでき得るならばそのテーマに基いて十分研究して欲しい。今までのように留学といいながら、ややもすると表面的のオーバーフレツジヒの関係になつてしまう、それは止めてほしい。それを今申した通りに、内地の人が若し自分の頭で向うの見て来たこと、勉強したことを読んで咀嚼し、又見て来た人以上にそれが効果があるように考えて欲しい。これは丁度二十五年度から先程申した通りに留学する人があるならば、丁度いい機会でありますから、そういうお考えを文部大臣はお持ちになつているか、又お持ちになつて欲しい、これをお伺いします。
#4
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 赤木さんの只今の御意見は私も大体同感であります。お話に出ましたのは、二十五年度から初めて終戰後行われることに予定されております科学技術輸入についての研究者派遣ということだと思います。今まで二十四年度におきましても留学生派遣はいたしました。百五十……昨年の九月五十名、この一月が五十名、まだ殖えるようでありますが、その金は日本の金でありませんで、アメリカの方の金で行くのであります。そうしてこれは專ら大学に行きまして、理論的な、学問的な研究を自分の專門について深めて行くという趣旨で行つておるわけであります。従つてその方は今のお話と多少性質が違うと思います。けれども新たに計画されておる科学技術輸入についての派遣は、確かに御意見のような点も十分兼ねて行かなければならんと私も考えております。そうしてこれは実は文部省がやるのでございませんで、日本学術会議の方と政府との連絡機金になつております科学技術協議会というのがありまして、そこが專ら扱つております。そうしてこれで行く人達については、学校の研究室、或いは講義をやつておるという人とは違つて、向うで以て選定をしておるわけでありまして、多くは役所、会社方面の実際にやつておられる方々が多いんじやないかと思います。無論学界の人、大学の人も入りますけれども、普通の留学とは違つております。そうして外国に行くについて、それぞれやはり今までやつておられます專門的なテーマを土台にして、そのテーマを持つて行かれるということになつておりますから、赤木さんの御希望になりましたような結果が非常に得られ易いわけであります。又科学技術協議会としてもそういうことを考えておるでありましようし、この派遣の趣旨も、單なる本人の学術研究の進歩ということだけでなくて、日本の産業界に取つて必要な新らしい科学技術の輸入ということを主として行くということになつておりますから、御意見のような趣旨に必ず添えるだろうと思つております。又そういうふうに私の方からも科学技術協議会の方に希望いたすことにしたいと思います。ただ今までは実は研究して帰つて来られて発表したいと思いましても、発表するについても相当に費用がかかるわけであります。売れるような本でありますと出版社が自由に引受けますけれども、大部分はそうでないんですから、やはり発表についての経費が必要で、それの出所に困つて発表ができなかつたという事情もあつたかと思います。併し二十五年度の予算からは科学研究費の中にそういう研究発表に対する助成の予算が計上されておりますから、それも或る程度役に立つだろうというようなことで御希望に添うようにできるんじやないか、文部省も全くその点同感でありますから、御了承を頂きたいと考えております。
#5
○岩間正男君 私は先ず最初に文相に質したいのであります。これは日本の文教政策との連関もあり、現在採られておる文教政策の性格を知る上に非常に重大だと思うのであります。その点から先ずお伺いしたいのでありますが、これは嘗て池田蔵相の放言問題がありましたときに、本院におきましても問題になつたのでありますが、文相は日教組の会見席上におきまして、やはり同じようなことを言つておられる、もう日本のそういう企業者の問題は三、四ケ月先になつて考えるべきだ、それまでに潰れるものは潰すべきだ、死ぬ者に薬をやつても無駄だというようなことが日教組の教育新聞に出ておるのでありますが、この問題は文教の府の責任者であられる文相が現在の日本の産業の崩壞状態に対してどういうような感想を持つておられるか。その点を質すことが私は日本の文教政策の性格を検討する上において非常に重要だと思いますので、このように事実があつたかどうか、この点について先ずお伺いしたいと思います。
#6
○国務大臣(高瀬荘太郎君) お答えいたします。参議院の緊急質問の中に今岩間さんの言われたような趣旨のことが言われたということをあとで私は聞きました。いろいろ調べたり、考えてみたところによりますと、質問者は今岩間さんも挙げられた教育新聞に出ておりました記事に基いて言われたのだろうと思われるのであります。私は教員組合の幹部とときどき会つて議論をいたしております。その際に私がそういうことを言つたということで新聞に出たのだろうと思います。併しあの新聞通りのことを私は言つておりません。それは教員組合の幹部とも会つてどうしてそんなことを言つたのだということを言つたのであります。ただ併しそういうふうに故意に取つて新聞に書かれたのではないかと思う節は、私がまあいろいろ教員組合の人達と話をしておる間に出た問題で、やはり現在の産業界経済界の状況についての話も出たわけであります。そのときに私は、とにかくインフレが收束したあとの日本経済界の変動ということは考えなければならない、そして経済変動の中に一つの整理過程というものがあるということは事実なんだ、こういうことは言つたのです。併しその整理過程を勝手に放任して、経済界にそれがために及ぼす影響を放つておいていいということは一言も言つておりません。それに対して適当な処置を講じ、整理過程における犠牲を少くし、整理過程を円滑に経過させなければならないのだ、それについては一方において伸びる健全な産業を発展させ、又失業対策を十分やつて行くべきであつてと……、これを言つておるのであります。これを言わないで、整理過程のことだけを新聞に取上げて、ああいうふうに而も私が言つた言葉自体でなく取上げられておるということは、私としては心外に思つておるのであります。質問に対しましては、こういうお答えをいたします。
#7
○岩間正男君 これは日教組の新聞のプレスコードの問題になると思われるのでありますから、文相が只今そういう事実は言つていない、非常にまあ誇大して表現された、こういうことになりますと、問題は別なことになるのでありますから、この点私は今日の段階においてこれを深く追及しようとは思わないのであります。尚これは日教組に十分質してみれば明らかなことなのでありますが、とにかくこういうようなまあ池田放言ということが、世の中の非常な大きな問題になつて、それから文相の心境を質しておりますから少し情勢は違つておると思いますが、私は苟くも一国の文教の最高責任者がこのような考えを持つて、そうしていられるということは自分としても信ぜられないのだとこういうふうに考えておつたのでありますが、この点について今の答弁を得てやや安心したわけであります。併し問題は尚、果して日教組の新聞がプレスコード違反をやつたかどうか、尚我々としては問題を明らかにして見たいと考えております。この問題を、いつまでもこれに拘わつておられませんからこれくらいにいたしますが、次にお伺いしたいことは、今一番大きな問題になつておることは、今度のシヤウプ勧告によりまして、義務教育費国庫負担法が廃止になつて、そうして従来半額を国庫から出しておつた教員の俸給費がここで地方財政に委ねられる、こういう形になつたために、非常にこれは教育費の独立の問題として大きく今世の中に写り、これが各地方におきましても非常にこの問題が日本の現在の教育の実情と合せ考えて、重要な問題としてまあ大写しになつておるわけであります。これに対しまして文部省が、標準教育費法案を提出される、こういう運びになつておると伺つておるのでありますが、これが現在どのような経過を辿つておるか、聞くところによれば、もう明日中にでも提出されるというようなことになつておりますが、先ずその経過について概略の説明を求めたいと思います。特に地方行政委員会の方におきまして、この標準教育費法案というものについては、いろいろ議論があつたようでありますが、そういうところとの関連において問題の経過を考えたいと思います。
#8
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 平衡交付金制度と関連いたしまして、義務教育費の確保に関する法律案を現在準備いたして手続中であります。この問題で過日も実はこの委員会で御質問を受けまして大体お答えをしたのでありますが、御質問の要点だけをお答えしようと思います。
 平衡交付金制度と関連して平衡交付金法というものが一方において近く提案されるのでありますが、この平衡交付金法によりまして、教育についても標準的経費というものが、地方の予算に計上されるわけであります、併しその場合に義務教育について地方の事情で勝手な予算計上が行われるというようなことになり、又義務教育に対する予算支出というものが、地方事情で以て勝手にされるということになりますと、義務教育本来の性質に反する結果になるから、義務教育というものは憲法によつて保障されておる権利であり、そうして義務章ある国家的の仕事でありまして、国家として責任を負わなければならない義務であります。従つてこれだけは一般地方行政費とは特の殊取扱いをする必要がある、こういう趣旨から、特に義務教育の経費だけの立法を考えたのであります。どういうことをこれは必要とするかと申しますと、義務教育を実施するについて必要なる経費を合理的に綿密に計算をするようにということと、それを各地方が受けて守つて行くということ、これが骨子であります。法案の骨子はそういう点にあります。この法案を作るにつきましての今までの経過を話せということでありましたが、法案ができるまでの経過におきましては、地方自治庁と文部省との間に意見の違いが相当にありました。どういう点で意見の違いがあつたかと申しますと、地方自治庁としては平衡交付金制度は新たに地方財政の運用を今までよりも自由に自主的にしようというためにできた制度である、それに対して義務教育の経費であるからといつて、特にそれだけを今までよりもむしろ特に拘束を加えるようなふうにすることは問違つておるのだ、やはり義務教育に関する経費も、一般地方行政費と同様に平衡交付金との関連においては、地方の自由を尊重してやらなければならない。こういうところに地方自治庁の主張がありました。ところが文部省としては、先程申したような理由で、義務教育については特殊な理由もあり、又特に重大性を持つておる点から、これは特殊な扱いをすべきであるという点で、意見の違いがあつたわけであります。それで可なり長い間両方会つて、検討をして参りまして、なかなか意見の一致がむずかしかつたのでありますが、併し結局閣議におきましても、義務教育の特殊性、重要性というものを全部認められることになりまして、この特別な法案を提出するということに決定をいたしたのであります。これは現在は、無論閣議は全員一致決定をいたしまして、そして関係方面に手続中であります。多分二、三日中には国会提案の運びになるものと私は予定しております。従つてこの法案ができるまでの過程におきましては、いろいろと違つた意見もあつたのでありますけれども、それを調整をし、話合をしまして、完全に意見が一致して提案をするということになつたのでありますから、現在におきましては何ら意見の不一致は政府においてないのでありまして、自治庁もこれを承認し、自治庁管轄の国務大臣も納得をし、承認をしてくれて提案するということになつておるのでありまして、少しも意見の違いは現在においてはない筈であります。
#9
○木村禧八郎君 議事進行について……。この予算審議はですね。前の内村委員の提出された動議に基いてこの審議の仕方をですね、地方税法及び平衡交付金に関する法律案は正式に提出されていないけれども、我々は予算審議を遅らせるのは困るから、国民に対しても相済まんから審議を急ぐという建前で、変則的ながらやつておる。ところが政府の約束はこの間の言明では今週末、即ち本日です。本日地方税法が国会に提出される。平衡交付金に関する法律案は来週早々国会へ提出される。そういう点を了承してですね、そうして変則的なこの予算審議に入つたわけであります。果して政府は本日国会に地方税法を提出されたのか、或いは又来週早々平衡交付金に関する法律案を提出されるのか、この点を明らかにしませんと、我々審議する上において、この間政府側から我々に述べたこと、我々が了承してこの審議をしているということが意味をなさなくなつて来ると思う。建前が非常におかしくなつて来ると思う。この点を明らかにするために、この税法が、地方税法が果して国会へ提出されたのかどうか、この点。それから来週早々平衡交付金に関する法律案が提出されるのかどうか、明らかにしたいと思うのです。そのためにこの点が分かると……。増田官房長官なり、或いは大蔵大臣なり、本多国務相なり、吉田首相なり出席の下に、この点を明らかにしたいと思う。
#10
○委員長(山田佐一君) 了承いたしました。
#11
○内村清次君 併せまして、私委員長に希望したいことは、これは私が動議を出しました点につきましても、只今木村委員から述べられた通りであります。一応政府の説明を聞きまして、了承をして審議に入りましたのですが、ただ問題は、その当時私からも述べておりましたように、この予算を提出されました責任者であるところの総理大臣が、先ずこれは責任といたしましても本委員会に出席をして、そうして当初この予算提出の趣意、或いは又一般質問に対するところの答弁をなされることが責任上最も妥当であるということも申したわけであります。当時総理は、決して自分は国会を軽視してはいないということの御発言でもあつたようでありまするが、この委員会の希望がかように当然なる行政の責任者としての総理に是非来て頂きたいという空気というものは、一致しておることだと思います。それに対しまして総理が今日まで御出席ならないという事実は、又同時に聞きますれば、昨日院内における増田官房長官は記者団会見におきまして、吉田総理がこの予算委員会に御出席にならないことは、予算委員会自体から通知がない、いわゆる出席要求がないというようなことのために出席をしないのであつて、決して予算委員会そのものに対するところの出席をみずから拒否している態度ではない、こういうことを発言しておられる。これは重大なことであると思う。私は当時のその状態におきましても、総理のあの御態度等につきましては、甚だしく不満であつたことは、表明いたしおつた通りでありますが、そういうようなお考え、而も又政府部内におきましてもそういうような食い違つた言葉で新聞を通じ、或いは又国民全体に対しまして疑惑のあるような、迷うようなことが報道されるということは、これは本員といたしましても、この点を看過することはできないと思うのです。この故におきまして是非委員長から総理を出席さして頂き、この問題に対しましての御態度、同時に又これは政府の方ではこの予算審議を急速にやつて頂きたいというような御希望もあるのでしよう。勿論我々といたしましてもその希望は国民の即ち希望と一致しまして、熱心に予算審議を図りたいという熱意を持つておるのでありまするが、そういうような不合理な点が積み重なつておるから、この点を御解決にならないと、いわゆる予算審議上、今後の予算審議上重大な蹉跌が起りはせんかと憂いますために、委員長にこの交渉の御進行を願いたいと思います。
#12
○岩間正男君 今のに併せて……。これは十五日の本委員会においても私は緊急動議を以て委員長にお願いしたのでありますが、当然最初からの申合せによつて、衆議院の方が終れば、参議院の方に全部閣僚が揃つて出て来る。そこでそのために併行審議をしないで、向うが終つてからこの審議をやることになつていたと思います。この点私も審議をやるには、総理からその点これは総括的な質問をして、それから入るのが当然の順序だからこの点について是非質問して頂きたいということを私は申上げた。それであの日の審議は打切つたのではないかと思いますが、その点の経過も委員長から御報告を頂きたい。今の内村君の発言によりますと、そこに案外話の食い違いもあるので、委員長の取られた態度と、それから今言つた増田官房長官の話の内容と食い違いがありますので、本委員会としては重要な問題でありますから……。
#13
○委員長(山田佐一君) お答えいたします。委員長といたしましては総理の出席を求めまして、地方交付金及び平衡交付金の問題につきましての最高責任者たる総理大臣の答弁を承わりまして、大体内村君の動議のなには了承いたしました。木村委員からも、法律は出んけれども、やや全貌が明らかになつたから審議は進めるということになりました。尚引続き総理が始終出席するということは望ましいことではありまするけれども、総理といたしましても非常に外の御用があられることと、もう一つ老齡でもあられますし、持病も持つておりますので、全部出席ということができにくい。併し二十二日、二十三日には必ず出るから、こういう申出がありまして、その辺は理事会及び個人々々の折衝において了承を得ておることと私は存じております。総理は二十二日、二十三日には必ず二日連日出席をいたしますから、その二日間において総理に質問は集中して頂きまして、その前に関係各大臣の質疑を大体やつて頂きまして、二日間出ますから……。尚それで足らなければ又要求いたしまして、総理も健康の続く限り、暇のできる限りは出席するということを申しておられますから、その辺は御了承を願いたいと思います。
#14
○岩木哲夫君 それは委員長お話が違うと思うのです。本多国務大臣が、地方税法は今週末、即ち本日、平衡交付金は来週早々、来週早々とは月曜日だという話であります。月曜日は、本日のところ来ておりませんが、地方税法に関しましては本日提出されねばならないのであります。で審議をそれでは続行するということの條件は、本日までに地方税法に関する法律案が出るという條件で、大綱が分つたから審議を続行するということでありまして、第一委員室において理事会を開催いたしたときに、特に私よりその約束が違つた場合には、予算審議に対しましての態度は重大なる変更を生ずることを御了承願いたいという條件付きで、あの決議をした筈であります。その條件というのは即ち重大なる條件でありまして、本日尚生きてぴんぴんしていると思うのであります。従つて本日政府の御約束の、而もその席上は総理もおられての本多国務大臣の声明でありますから、総理もそれを了承している、承知している、約束していることであるのであります。それが本日出ないということになりますれば、今申しました予算審議上に対します我々の態度は重大なる変更を加えなければならんということが條件でありますから、この際委員長は総理大臣並びに本多国務相その他関係大臣の出席を求めて、これに対しまする政府の答弁を求めるまで暫時休憩されんことを望みます。尚今内村委員からも指摘されましたが、増田長官が参議院側から総理大臣の出席を要求しないから出ないのだというようなばかげたことを報道するがごときは実に以ての外であります。かようなことが委員長自身も百も二百も合点承知であつて、参議院の審議が開始されるには、先ず総理の劈頭出席によつて総括質問によつて開始されることを望むことが、いかな委員長でも耳にたこ程も聽いておられると思う。それを二十二日には来る筈だからとか、御老体とかといつたようなことで、かようなことを貴重なる参議院の予算委員長といたしまして、かような考えを持ち、かような態度を持たれるということは、重大なる我々が委員長に対する信任問題にも及ばざるを得ないとかように思うのでありますが、かかる言動は即時取消しを要求すると共に、又総理大臣の出席を併せて要求いたします。
#15
○委員長(山田佐一君) お答えいたします。私は本日提出せられたかされんかということは存じませんので、若し総理大臣が……。
#16
○岩木哲夫君 ですから私は責任ある大臣の出席を求めて、求めるまで暫時本委員会を休憩されることを望みます。かような動議を提出いたします。
#17
○木村禧八郎君 先程委員長が私が本委員会において本多国務相の税法案に対する、税法案として出して来る内容がはつきり分れば法律案が出なくても審議する上に支障がないであろう、こういうことを私がここで発言して、本多国務相から今週末、即ち本日までに地方税法は大体出る。来週早々平衡交付金が出る。そういう予定の下にあの内容を了解されたわけです。私がその質疑をしまして、それでああいう本多国務相から答弁を得ましたけれども、それを以て審議を続行していいということにならなかつたのでありまして、私の発言をも一つの條件とし、そうして理事会を開いて、理事会の結果決つた点は文書を以て作成してある筈です。その中には今週末に税法が出るということ、それから来週早々平衡交付金の法律が出るということが一つの條件になつている筈です。ですからそれがやはり出ませんと、この間の内村委員の動議を再確認した趣旨と違うわけでして、ですから至急出したのか出さないのか確かめて頂きたい。
#18
○委員長(山田佐一君) 今までの皆さんのおつしやることは分りますが、あのときの決議も本多国務相より発表がありましたように、期間切迫の折から予算審議を促進せしめるため変則ながら一応これを了承の上、本予算の審議をするとしてありますが、私は(木村禧八郎君「委員長、その前も……」と述ぶ)その前も原則としては遺憾であるということを総理も表明しておられます。若し出なければ、私はこちらから請求しなくても、最高責任者たる総理大臣及び官房長官、本多国務大臣の方から申出て来まして、かく確約をいたしましたけれども、出られませんので甚だ不本意であるけれども審議して呉れとか何とか言うて来るのが私は本当だと思いますので、そうこちらから急がなくてもいいのじやないかと本員は存じておる次第であります。併し諸君がここで審議を打切つてその返事があるまで待つとおつしやるが、ここに係りもおりますから、こちらから向うに聽かせにやりまして、その返事を待つてからでいいのではないかと思います。審議は審議で、国民も本予算の成立を待望しております。これがどうなりますか、或いは修正意見も出ましようか、これが通りませんで、或いは暫定予算を組むということになりますと、常に皆さんも公務員に非常に御同情をなさつておる、公務員諸君も或いは徹夜をしなければなりません、何もしなければならんということになりましようから、審議だけはどうか進めて頂きたい。
#19
○木村禧八郎君 我々は審議を遅らしておるのではない。委員長の御発言ですと、何か我々が審議を遅らせるというような御発言ですが、そういう御発言はいけないと思うのです。建前ははつきりしなければいけないと思う。早く、今直ぐでも問題は解決するのです。ですから早く……。
#20
○委員長(山田佐一君) 聽くということはよろしいが、直ぐに審議を打切るということをおつしやるから、それで私は聽くだけは聽いて見ましよう。(「休憩々々」と呼ぶ者あり)
#21
○岩木哲夫君 私の動議は、暫次休憩して、(「賛成」と呼ぶ者あり)政府の責任者の出席を求めて、そうして審議をいたしたい。
#22
○委員長(山田佐一君) 定足数も足りませんから……。(「それぢや全部駄目じやないか」と呼ぶ者あり)速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#23
○委員長(山田佐一君) 速記を始めて下さい。
 それでは暫く休憩をいたします。
   午前十一時四十一分休憩
   ―――――・―――――
   午前十一時五十五分開会
#24
○委員長(山田佐一君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。
 先刻の動議に従いまして本多国務相の出席を求めまして大体の経緯を承わることにいたします。
#25
○国務大臣(本多市郎君) 前回地方税改正法案の提案時期につきまして御質問がありまして、総理と私から御答弁申上げたのでございますが、あの御答弁申上げましたときに見通しをつけましたその根拠になつておる問題、條件と申しますが、そういうものには、状態には少しも変化がないのでございます。従つて本日中にも司令部の承認が得られて提案できるのではないかと期待しつつ待つておるのでございまして、只今のところ全く司令部の技術的、手続的の審査の段階でございまして、ただ併し今、今日中にも提案できるかということになりますと、今日只今まで承認が得られないでおるのでありますから、今日中に提案するということは困難ではないかと思います。尚向うと折衝いたしましたどういう状態になつておるかということの詳細につきましては、委員長にお願いをいたしまして、これは御懇談を申上げたいと思います。
#26
○岩木哲夫君 先日本多国務大臣は総理も御出席のこの席上で今週末には必ず出るから、出すからとの言明によりまして本参議院の予算委員会といたしましてはウエートの大きい、而も密接不可分な地方税法の提出というものは併行せなければならんという建前でありましたが、併せて本多国務大臣のその内容の説明等の一端もありましたので、提出するまで暫定的に審議をする方針を以ちまして本日まで来たのであります。最後に予算委員会の理事会におきましても若し本日までに提出されない場合におきましては、参議院の予算委員会としてはこれが審議につきまして重大なる関心を有し、方針を改めて決定する旨を條件付といたしまして、本日まで本多国務大臣の言明を信頼し、その内容を諒といたしまして、今日まで審議いたしたのでありまするが、只今のお話によりますれば、本日提出は絶望と考えられます。従つて大臣が先日約束されたことが只今のお言葉によりますれば違うのであります。その違う方便を司令部の方に転嫁藉口いたしておるということは、甚だ遺憾でありまして、苟くも一国の国務大臣がこれらの法案の出す見通しにつきまして、この予算委員会で言明したいということは重大なるそこに食言と申しますが、約束が違う点があります。こういう点につきましてその責任を質したいと思います。
#27
○国務大臣(本多市郎君) 前回総理に、今週中に地方税の改正案は提出できる見込みであるということを実は総理が御答弁申上げました根拠は、私が司令部と折衝いたしましたあの段階における見通しとして総理に伝え、総理がその見込みをお話いたした次第でございますが、そのときの状態と何ら変らない状態のままで、実は提出が遅れている状態でございまして、これは日本の政府で一方的に如何ともすることのできない事情でございますから、尚懇談会等におきましてお話申上げたいと存じますけれども、どうぞ御了承願いたいと存じます。
#28
○委員長(山田佐一君) 速記を止めて懇談いたしたいと思いますが……。
#29
○岩木哲夫君 何ともいたしかたないというようなことを政府は都合の悪いときにはかようなことに先方に藉口と言いますが、便乗しましてかような言葉を使われるのであります。都合のよいときには政府の責任においてとこういうことを言われる。かような両刀を使われて委員会なり、国民を惑わすような態度、言動をとられるということは、誠に我々として遺憾なことであります。而もかような見通しの千軍万馬の達練の国務大臣が、そういう今日までの司令部との折衝には幾多の法律案につきましての沢山の折衝が長年続けられたと思うのであります。こういう経験から鑑みましても、凡そこの法律案が何日頃OKが取れるか、どういう事情になるかぐらいの見通しは、今日の問題でなくして、随分衆議院の予算委員会におきましても審議当時からの問題になつて、その見通しにつきましては、あれやこれや透徹した御見解を持つておつたと考えるのであります。最後のとどのつまり、参議院の予算委員会において質したところ、これ責任ある回答としてかようなことを言われて、そして予算審議を進められるという動議を作られたということは、私は重大な責任問題であろうと思いまするし、又参議院の予算委員会を侮辱したものだと思うのであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)かような見解に対しまして重ねて大臣の御見解を伺いたい。
#30
○国務大臣(本多市郎君) 先般のお話申上げました見込通りに進行しなかつたことは誠に遺憾に存じております。予算委員会におかれましても、事情を御了承下さいまして、その見込の前提となつている事情から御了承下さつたものと解釈いたしておる次第でございます。
#31
○岩間正男君 実に大臣の責任観念のないことに驚いた。というのは若しもあのとき地方税法案が出されなかつたならば、それを待つてどこまでも審議をやらないという強硬意見があつたわけです。併しながらこの予算審議の現状段階において、国民が非常に待望しておるのに対して、我々としてはまあ一応の説明があつたのだからそれを了承することでやつた方がいいのじやないかという、こういうような意見があつたので、そういう点からも考慮して、そこで我々に必ず出すという、そういうような言明、殊にあのとき本多国務相の答弁を聞いておると閣議において地方税法は土曜日、それから平衡交付金の法案については、これは月曜日出すということが決つたということを言われておつたのであります。我々は閣議で決定したものは、苟もそういうようないろいろな事情によつて変更されたということは考慮の中に無論ない。従つてそれを我々は一筋に信じてやつておつたのでありますから、そういうことからいいますと結果においては政府は明らかに我々を欺瞞し、そして三日この予算審議に追込んだということになりますから、この責任をどうするか、この点をもう一回はつきり言つて貰いたい。閣議の決定というものはどういうものであるか、それから大臣言明というものはどういうものであるか、そしてそのときは遺憾でありましたが、情勢の変化によつてというようなことの口上をいつでも使われておつて、果して正しい国政の運営ができるかどうか、この点をはつきり答弁を願いたいのであります。
#32
○国務大臣(本多市郎君) 最前から重ねてお話があることでございますが、実は司令部方面の承認を取れるか否かということは、日本の政府の閣議で決まることではないのでございますから、必ずいついつかに出すということは政府として言えることではありませんし、又先日もこういう事情でございますから、いつ頃には提案できる見込でございますということを申上げたのでございまして、若しあの当時に総理から申上げたことが、必ず出せるんだというふうにお取りになつておると、それはその当時申上げたことと違うのでありまして、政府は誠意を以て関係方面にも折衝し、見込を立てて申上げたその見込が、見込通りに行かないで遅れるのではないかと今日考えられる段階にあるという事情でございます。
#33
○城義臣君 共産党の方では欺瞞だとか何とかいわれるが、これはまあ閣議の解釈は御随意であります。併しながら見通しというものは、これは間違うこともあり得るのが一般社会の通念である。従つて我々はその事情をよく聞いて、果して欺瞞であるかないかということを質すためにもこの際懇談に入つてその事情を具さに拜聽したいと思う。私は懇談会に入ることの動議を提出いたします。
#34
○委員長(山田佐一君) 城君が動議を出されて、懇談会に入るようにというのですが。……(「賛成」「賛成じやない」と呼ぶ者あり)
#35
○岩間正男君 城君はああいうことをいわれますが、今までの経過を御存じないからだろうと思う。(「知つている」と呼ぶ者あり)三日も四日も我々は吉田総理の出席を待つて、そうしてこれは実に重大なる問題であり、この地方税法との関連において総合的に予算を審議すべき重大な問題であるというので、我々は三日も総理の出席を待つて決定した問題である。それに対しての答弁に見通しが、そのときによつて変るとか何とかいうが、普通の小さな問題とは違うのだ。今のようなそういうような馬鹿げた言葉が與党の中から出て来るということは重大問題だ。而もあなた達もこの決定に対して承服して、満場一致で決定された筈なんだ。これに対して今のような言葉が出ることは私は非常に遺憾に思います。だから今の点について更に本多国務相に伺いますが、今のあなたの御答弁によりますというと、政府を信じたのは我々が悪いというような答弁になりますか。そうなりませんか。もう一遍併せて伺いたい。そうなりますか。あなたの責任において……。
#36
○国務大臣(本多市郎君) 政府といたしましても、一日も早く提案いたしたいというので全力を盡している次第でございまして、その事情を申上げ、あの段階における見通しとしては、これは御了承下さつて審議を始めて頂いたことと考えます。
#37
○委員長(山田佐一君) 懇談会に入つて……。
#38
○木村禧八郎君 その事情をお聞きするために懇談会を開いて懇談することについては別に不賛成じやないのですけれども、実は本多国務相の御答弁によると、何か政府には何ら責任がないというような我々に印象を與えるものですから、やはり我々にあれだけのことを御答弁なさつた以上は、政府において見通しが違つたこと、努力の足らなかつたこと、これについては相済まなかつたと、測定を誤つたことについては、やはり責任を負わなければならない。そういうことは率直に言われる必要がある。これにはOKを呉れないから仕方がないというのではなくて、大体呉れると思つたけれども、やはりその見通しについて誤算があつたと、その誤算についてはこれからお伺いするのでありますけれども、内容については国民は誰も知らないわけです。政府がやはり政府として責任を以て我々に対処し、国民に対処しなければならないのであつて、背後において司令部がOKを呉れる呉れないかということを我々の前に出して来るべきものではないと思う。そういう意味において、あくまで誤算があつたこと、努力が足らなかつたこと、この内容について只今から伺いますが、間違つたことについてははつきり、間違つておつたことは明らかに間違つているのですから、その点についてははつきり釈明される必要があるのであります。
#39
○国務大臣(本多市郎君) これはお話の通りでございまして、全く最前も申上げました通りに見込み通りに、行かないのではないかという状態に今日ありますことは、誠に申訳ないと存じております。ただ余り突きつめた御質問でありましたために、そこまで御答弁申上げることはなかつたのでありますけれども……。
#40
○委員長(山田佐一君) どうです。この際懇談に移りましたら。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#41
○委員長(山田佐一君) それでは速記を止めて懇談に入りたいと思います。
   午後零時十一分懇談会に移る
   ―――――・―――――
   午後零時二十二分懇談会を終る
#42
○委員長(山田佐一君) それでは一時間休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時三分開会
#43
○委員長(山田佐一君) 休憩前に引続き会議を開きます。
#44
○内村清次君 私は本日の委員会におきまして、本多国務相の地方税法に対する見込違いの答弁を聽いたのでございまするが、この件につきましては、岩木委員からお話しになりまして、この二十二日から吉田総理が御出席になるということは、委員長からも御発言があつたわけでありますが、この点は本予算委員会の審議を円滑にいたしまする重大なる根本となるのでございまするからして、是非総理の御出席を強く要望いたして置く次第でございます。
#45
○委員長(山田佐一君) 了承いたしました。
#46
○岩木哲夫君 午前中の本委員会におきまする問題につきまして、私はこの際政府の責任において言明された地方税法関係その他の法律案が、本日に至つても未だ出ておらないこの実情によりまして、且つ以前の委員会の決議の趣旨にも基きまして、本委員会は地方税法及び平衡交付金関係の法律案が出るまで本委員会の審議が困難と考えられまするから、開催を延期して頂きたい。但し二十二日の朝になつてもまだ出ておらないということでありますれば、そのときは改めて本委員会を開催して、その後の審議をどうするかという問題で御協議を願うことにいたしたいという考えを以て、以上の動議を提出いたします。
#47
○委員長(山田佐一君) 只今岩木君の言われるのは、地方税法及び平衡交付金の提案が遅れたから、一応それが二十二日までには出る見通しということを政府も言うておられまするから、それまで、政府の警告を與える意味において、本予算委員会の審議をこの程度に止めて、本日はこれを以て散会したい。而して今後の審議は二十二日を待つて、果して出るか出ないか、それを見た上において、本委員会の審議の態度は取決めるということでありまするから、さよういたしまして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(山田佐一君) 御異議ないと認めます。それではさよう決しました。本日はこれを以て散会いたします。
   午後二時六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山田 佐一君
   理事
           内村 清次君
           岩木 哲夫君
           高橋龍太郎君
           田村 文吉君
           寺尾  博君
           岩間 正男君
           木村禧八郎君
           岩男 仁藏君
   委員
           岩崎正三郎君
           羽生 三七君
          池田宇右衞門君
           石坂 豊一君
           岡崎 真一君
           小林米三郎君
           城  義臣君
           堀  末治君
           小林 勝馬君
           鈴木 順一君
           赤木 正雄君
           飯田精太郎君
           井上なつゑ君
           西郷吉之助君
           伊達源一郎君
           藤野 繁雄君
  国務大臣
   文 部 大 臣 高瀬荘太郎君
   国 務 大 臣 青木 孝義君
   国 務 大 臣 本多 市郎君
  政府委員
   文部事務官
   (大学学術局
   長)      剱木 亨弘君
   経済安定事務官
   (動力局長)  増岡 尚士君
   経済安定事務官
   (財政金融局
   長)      内田 常雄君
   経済安定事務官
   (物価庁第一部
   長)      渡邊喜久造君
   経済安定事務官
   (経済安定本部
   総裁官房労働室
   長)      石井 通則君
ソース: 国立国会図書館
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