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#1
第093回国会 科学技術委員会 第6号
昭和五十五年十一月二十六日(水曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 塚原 俊平君
   理事 小沢 一郎君 理事 日野 市朗君
   理事 八木  昇君 理事 草野  威君
      伊藤宗一郎君    金子 岩三君
      登坂重次郎君    前田 正男君
      村上  勇君    北山 愛郎君
      上坂  昇君    村山 喜一君
      吉浦 忠治君    和田 一仁君
      瀬崎 博義君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      中川 一郎君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     下邨 昭三君
        科学技術庁原子
        力局長     石渡 鷹雄君
        科学技術庁原子
        力安全局長   赤羽 信久君
 委員外の出席者
        資源エネルギー
        庁長官官房原子
        力産業課長   田辺 俊彦君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全管
        理課長     平田辰一郎君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団副
        理事長)    飯田 正美君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団理
        事)      熱田 禧房君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団理
        事)      迫田 泰章君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団理
        事)     伊勢谷三樹郎君
        科学技術委員会
        調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 閉会中審査に関する件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○塚原委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が海外出張中でございますので、その間、委員長の指定によりまして、私が委員長の職務を行います。
 この際、御報告申し上げます。
 本委員会に付託になりました請願は、原子力船むつの定係港撤去に関する協定履行に関する請願二件であります。これらの請願の取り扱いについては、先ほど理事会において協議いたしたのでありますが、委員会での採否の決定は保留することになりましたので、さよう御了承願います。
     ――――◇―――――
#3
○塚原委員長代理 閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興の基本施策に関する件
 原子力の開発利用とその安全確保に関する件
 宇宙開発に関する件
 海洋開発に関する件
以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○塚原委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#5
○塚原委員長代理 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興の基本施策に関する件について、本日、参考人として、動力炉・核燃料開発事業団副理事長飯田正美君、同理事熱田禧房君、同理事迫田泰章君及び同理事伊勢谷三樹郎君から意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○塚原委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#7
○塚原委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。日野市朗君。
#8
○日野委員 私は、いわゆる国のナショナルプロジェクトというもののあり方について、最近とみに疑問を感ぜざるを得ないところでございます。
 今国会におきましても、日本原子力船事業団がもうかなりいろいろな追及を受けたわけでありますが、私は、原子力船事業団のみが特別に問題点が多いということではなかろうというふうに思うのですね。原子力船事業団がこの委員会でもずいぶん追及を受け、また「むつ」開発に伴う問題点の指摘をされて、原子力船事業団の役員の方々それから科学技術庁もずいぶん苦労されたようでありますが、私は、この際、こういったプロジェクトのあり方そのものをもう一度考え直してみる必要がありはしないかということを痛切に感じているわけであります。
 原子力船事業団が、恐らくいろんないままでの運営の中で大分御苦労をなさってこられたことは、これはわれわれ追及する側としてもよく推測できるのでありますが、これは単に「むつ」の事業団の人々だけが非難されるべきものではなくて、同じような性格づけを持ってつくられたいろんな事業団やナショナルプロジェクトを推進する主体があるわけでございますが、そういう方々に共通の悩みを、恐らくこの原子力船開発事業団は中にはらんでいたんだというふうに私は思います。それが「むつ」に関するいろんな不手際から顕在化しただけではなかろうかというような感じを実は持っております。
 それで、きょうはナショナルプロジェクトのあり方についてまずお伺いをし、それから、ほかにいっぱいある中から、きょうは動燃の方々においでをいただきまして、動燃の持っている問題点なんかについてお伺いをしたいと思いますので、どうぞ忌憚のない御意見をお開かせいただければというふうに思っているわけでございます。私、これでいろいろどこかぼろを見つけて、そこをあばき立てていこうということでは決してございませんで、本当に悩みがあったらお聞かせをいただいて、前向きに問題の処理を進めてまいりたいというふうに思ってする質問でございますから、どうぞそこいらは誤解のないようにひとつお願いをいたしたいと思います。
 まず、ナショナルプロジェクトのあり方についてでございますが、大山委員会などの意見を通じて、原子力船事業団は非常に多くの問題点が指摘されましたけれども、私、その委員会の報告なんかを読ましていただいて感ずることは、ナショナルプロジェクトとして国の側の関与というところに大きな問題点がやっぱりあったのだろうというふうに思います。
 これは、エネルギー問題や何かについて、将来を見通しながら国の側が開発にかかわり合っていくという基本的な態度そのものについては、私は別に異をはさむものではありません。ただ問題は、そういうナショナルプロジェクトを進めていくに当たって、いろいろ民間がどのようにこれにかかわり合っていくのか、また民間の持っている活力というようなもの、民間の持っているエネルギーといったようなものをどのようにうまく組み合わせていくかという点になると、そこいらの兼ね合いは非常にむずかしいものがあろうかと思います。
 私は、原船事業団を見て、そこいらが非常に中途半端ではなかったのかというような感じが実はいたします。一方では、国の側でどんどん金を出して、そして国の側の人も出して監督をしながら進めていく。それと、民間の側がその中にうまく組み入れられなかったのではなかろうか。もっと民間の側がうまく組み入れられていて、本気になって原船事業団を進めていこうというような気魄を持ってその中に入っていたならば、ああいう事故も未然に防げたのではなかろうかというふうな感じが実はするわけであります。
 私、こうやって見ておりまして、そこいらのところが非常にあいまいにされていたのではないかというような感じがいたしますので、これからのナショナルプロジェクトを進めるに当たって、国の側の関与と民間との兼ね合いというものは、非常に微妙な問題があろうかと思いますけれども、私は、この際思い切って、どうせこういった事業を進めるのであれば、国の側が莫大な投資をこれからも続けていくというよりは、むしろ民間でそういったプロジェクトによる何らかの成果を本当に期待するのであれば、民間にもっともっとウエートを置くべきではないかというふうな意見にならざるを得ないのですが、ここいらについてはどうでしょうか。
#9
○石渡政府委員 お答え申し上げます。
 ナショナルプロジェクトということで呼ばれているわけでございますが、その性格といたしましては、まず国として、そのプロジェクトを推進すべきであるというふうな判断あるいはそういう要求があり、またそのプロジェクト自身が、非常に大型かつ長期間の原子炉開発を要するという基本的な性格があるプロジェクトであろうと思うわけでございます。そこで考え出されたと申しますか、経験的に事業団という方式、すなわち国の予算あるいは組織をある程度枠組みとして利用し、しかも民間の活力あるいは人材を十二分に活用するという、それぞれの長所を組み合わせた組織として事業団方式というものが生まれてきたと私、理解しているわけでございます。
 こういう大型の研究開発に非常になれている国といたしましては、ソ連のことはよく存じませんが、私どもは、米国における技術開発の例を常に参考にしてきているわけでございます。
 日本の場合、先生の御意見でございますが、民間の活力あるいは長所というものは十二分に評価できるわけでありますが、そういう非常に大型かつ多大の資金と、そして長年月を要するようなプロジェクトを民間が果たして抱え得るのかどうかという点が、従来からあった問題であったかと考えるわけでございます。そして、その当時、昭和三十年あるいは昭和四十年時代に、枠組みは国が責任を持ち、その中で働いていただく民間の人材を十分に活用するのだという考え方が、一番妥当な、また一番いい方法であったろうということは、十分想像できるわけでございます。
 それでは、その経験をもとに、今日さらに次の何か変わった方法が考え得るかということでございますけれども、そういう意味では、特に原子力開発といった特殊な分野につきまして、民間の活力あるいは組織といったものが、大きなプロジェクトを仮に国から予算なりを伴った形で依頼されたにいたしましても、その期待に十分こたえ得るかどうかという点につきましては、まだいささか不安を感ずるわけでございます。
 ただ、先生御指摘のように、それでは事業団方式というものが一〇〇%皆の期待に沿ってきているのかという点につきましては、ただいま御例示がございました船のケース、非常に難航してきたわけでございます。そういう面も、弱点もあるのだということを十分認識しながら、ほかの事業団につきましてもその運営を図っていかなければならないと思うわけでございます。
 特に各プロジェクトにつきましては、その初期の段階から、将来を十分見通した理念のもとにプロジェクト計画が組まれ、そして計画的に、また弾力的に研究開発が進められていかなければならないものであったという大山先生のリポートの御指摘は、私どもに対して非常に警鐘を与えていただいたものだと考えます。そういう御批判も十分くみながら今後の運営を図っていかなければならない、このように考えているわけでございます。御意見ではございますが、いまの段階で、金は政府から、研究の組織なりまた運営そのものは民間でということに、まだ直ちに踏み切る時期ではないだろう、このように考えるわけでございます。
#10
○日野委員 こういうナショナルプロジェクトを組みますと、どうしても一つの政策的な目標の方が、国の方が先に行ってしまう。そして、一般的に民間が望んでいるものとの意識のずれが出てくるという点は、非常に大きいのではなかろうかと私、思います。
 船の事業団について言うならば、現在原子力船に対する需要といいますか、そういったものは必ずしも大きくないにもかかわらず、原船事業団の方はどんどんしりをたたかれるというような現実、こういう現実もあったろうと私は思います。ここについてのコメントは不要であります。答弁としては、そこのところは答えていただかなくて結構ですという意味です、そこのところは前にもずいぶんやりましたから。
 宇宙開発についても、そのほかの動燃事業団なんかについても、国の政策の方がどんどん先走りをしてしまって、一般の意識がそれについていかないのだというようなことが間々指摘され得るのではないかと思うのですが、そこいらを、必要なものは何かということを国の方できちんと見てとって、無理をさせないというような態度も必要になってこようかと思うのですね。これが民間ですと、そこいらは反応は非常に敏感であります。そんなものをいまやってどうするのだというようなことで、さっさと見切りをつけるわけでありますが、そういった無理が、国の財政事情が非常に悪いにもかかわらず巨大な投資をするというようなところにもあらわれてくるのであって、これは財政上も非常に大きな問題だというふうに思わざるを得ないのでありますが、そこいらについてはどのような御感想を持っておいででしょうか。
#11
○石渡政府委員 ただいま動燃の例を引かれての御指摘かと思いますが、私ども、動燃で進められております各プロジェクトを頭に置きまして、そう現実離れしたと申しますか、現実の需要から離れたプロジェクトが現在進められているというふうには思っていないわけでございます。
 特に核燃料サイクル関係のプロジェクト、濃縮あるいは再処理のプロジェクトにつきましては、むしろ出おくれたという反省を持っているわけでございます。また新型炉の開発につきましても、なかなか計画どおり進まないという御指摘はございましたが、やはり現今の国としての技術的な、またエネルギー政策上の必要性から申しまして、むしろおくれぎみであったという反省をしているわけでございまして、たまたま船の例との御比較で御議論でございますが、動燃のプロジェクトにつきましては、そういう現実の需要と進められている開発計画のずれといったものは、私どもは感じていないわけでございます。
#12
○日野委員 これは私の中で熟した考えではありませんけれども、必ずしも熟してはいないというふうに私自身も思うのですが、感想的に申し上げれば、余りにも国の方でけつをたたき過ぎる。たとえば再処理にしても、それからいろいろな動力炉関係についても、けつをたたき過ぎて、また事業団というものも、一たんそういう組織ができ上がれば、成果を非常に求められる。自分たちもやらなければならないという使命感というようなものを持つ。そのことから、忘れてはならない側面、たとえば安全性の面であるとかそういった面を、ややもすれば甘く見てしまうという全体の姿勢が出てくることは、厳に戒めなければならないところであろうと私は思うのです。
 国の側の科学技術政策、その中にはめ込まれた動燃事業団の業務、これらについて、非常に急げ急げ、こういうふうにけつをたたき過ぎるというような実態が、ややもすればあるのじゃないかというような不安を、私、実は感じてならないわけであります。それから、やっている業務内容も、果たして国の側のこれだけの投資を十分に生かし切るだけの仕事がやられているのかどうか、こういう点についても疑問を持たざるを得ないような点があるわけであります。そういうことで、急ぎ過ぎる、非常に国の側で、政策的な観点から急がせ過ぎるというようなことがないかどうか、そこいらをひとつ、これからの覚悟をも含めてお聞かせいただきたいと思います。
#13
○石渡政府委員 動燃事業団の設立の目的でございますが、計画的かつ効率的に研究開発を行うのだということでございまして、これらを十分担保するために、原子力委員会での基本計画等の策定あるいはプロジェクトの節目節目におきましての十分なチェック・アンド・レビューといったものを経て、それぞれのプロジェクトは進められているわけでございます。
 御指摘ではございますが、そうやたらにしりをたたいて、急げ急げということでプロジェクトを進めているという実態はございません。むしろ慎重に、そして効率的にという点を特に注意をいたしまして、それぞれのプロジェクトの推進を図っているというのが実態でございます。しりを非常にたたき過ぎるのではないかという御指摘ではございますが、私どもは、そういうつもりはございませんが、また、もしそういうふうに映るという面がございますれば、私ども十分反省をし、十分な注意を払いながら、それぞれのプロジェクトを進めてまいりたい。
 また、そういうチェックの役割りを果たします原子力委員会あるいはそれぞれの専門部会といった組織も十分活用いたしまして、私ども原子力委員会の事務当局という立場に立ちましても、それぞれの研究開発の実施部門、それをチェックする部門、そのバランスのとれた運営ということで今後とも進めてまいりたい、このように考えております。
#14
○日野委員 いずれにしても、国の側の投資というものは大変なものであります。動燃事業団を見ても、いまここに私の手元にありますのは昭和五十五年三月三十一日現在のものでありますから、これは昭和五十四年度の貸借対照表ということになろうかと思います。
 ここには「欠損金」として二千五百五十一億余の計上がございます。これは繰越欠損金と当期の純損失、二つの合算額のようでありますが、かなり多くの欠損金。これは、とりもなおさず、国や民間からの拠出金を合わせてこれを運用しての欠損金という科目での計上ということになりますが、莫大なものであろうかと思います。
 ところで、この欠損金の経理上の処理の仕方についてちょっと伺っておきます。
 この欠損金を「負債及び資本の部」の中にこれは計上をするわけでありますが、貸借対照表の作成ということになると、ここの部に載せることになろうかと思います。欠損金の性格とその処理の仕方、会計原則上の問題にもなってまいりますが、かいつまんでちょっと説明をしておいていただきましょうか。
#15
○迫田参考人 動燃事業団が事業を行うに際しましては、国の方からお金をいただいておるわけでございますが、それが出資金という項目とそれから補助金という、大きく分けますと二つの項目をいただいているわけであります。
 補助金は、本社経費のように一般の管理費系統、それから出資金は事業系統の金、こう御理解いただければいいと思いますが、資本金でいただいた金で、仮に研究をするというときに、機械設備をつくります。それが次年度以降、減価償却という形で損益計算書に出てまいりますが、それは損失というかっこうに出ます。それから研究開発をやる場合がございますが、それは当年度で費用に載せます。そういうものが損失と計上されまして、一方、事業団自体としては企業ではございませんので、それに見合うもうけといいますか、そういう収入はないわけでございます。したがって、先ほど申し上げました減価償却費あるいは当年度の研究開発について固定資産ではない一般の経費、そういうものが損金で計上されますので、その分だけが当該年度の損失に計上されて、それが次年度以降に繰り越されてまいりまして、五十四年度末では二千五百五十一億ばかりの欠損金になっておるということでございます。
#16
○日野委員 これは資本金というふうに呼びますと、一般的には企業会計における資本金――出資金という場合、資本金ということをすぐ連想しがちでありますが、そういったものと全くこれは性格が違う金が国から出ていくというような形になって、欠損金というのは非常に膨大な額として対照表上の処理をされていくわけであります。この額を見てみますと、何としてもこれは非常に額が多いわけですね。こういう額は、出資金というような呼び名をつけるよりは、むしろ実態に沿った補助金というような形で国の方で出資する方がいいのではないかというような考え方も成り立ち得るわけなんですが、ここらについてのお考えは、国の側としていかがでしょうか。
#17
○石渡政府委員 先ほども参考人から御説明申し上げましたが、国の出資ということと補助金と二つに分かれておりまして、現在、人件費等の一般管理系統の費用に対しては補助金、それから研究設備等の投資に対しては出資金という形で行われているわけでございます。
 御指摘のように、全額といいますか、補助金とすれば欠損金という形で残らないではないかという御指摘でございますが、特に研究開発関係の経費に充てられるものも補助金にするということについては、若干の難点があるわけでございます。まず、研究開発はそれぞれ息の長い研究開発でございますので、成果が上がってくるまでには相当の期間を要するということでございまして、いずれ何らかの成果は上がってくるわけでございますが、その成果に対しましては、国として出資という形で、ある持ち分と申しますか、ある権利を保有しておいた方が国にとって有利ではないかというような判断、また、ナショナルプロジェクトでございますので、それぞれのプロジェクトに対する主導権と申しますか、国が主体性を持って進めるという性格から申しまして、やはり補助金ということよりも出資金の方が性格上なじみがあるのではないかという点。さらには、補助金につきましては、当然のことでございますが、使い方について非常に厳しい制約がございまして、何年にもわたって長期的に投資をしていくという場合に、補助金では非常に使いにくいと申しますか、なじまないという実態もあるわけでございまして、そういうようなことが幾つか重なって、現在の出資金及び補助金という形におさまっているというのが現状であるわけでございます。
 一方、私どもといたしましても、年々欠損金という金額がだんだん大きくなっていくという点については、はなはだ奇妙と申しますか、奇妙とは違うわけなんでございますけれども、かっこうが悪いという実感を持っておりますけれども、現在、横並びの話といたしまして、一般にもそういうふうに処理されているという実態にあるということでございますので、そういう意味で、にわかにこの制度をいじるということには、なかなかならないだろうという実感を持っているわけでございます。
#18
○日野委員 いま、出資金としておいた方がいいのだという話は、一応これは名前のつけようだというようなところも一部ございますね。要は、問題は、国の側がいかにそれぞれのプロジェクトを推進する事業団なり法人なりにコントロールの機能を持ち得るのかという、そこは行政指導において十分にカバーできるものだというふうに私は思うのです。
 ただ、私、ここで非常に奇妙に思いますのは、こういうプロジェクトをつくって、出資金という名前の金を出す。それでは事業団の負担するといいますか、事業団が持つ積極財産、消極財産、これらについて一体どれだけの権利や義務を国が負担するのかという問題は、なかなかわかりにくい点でありますが、この事業団の欠損金――欠損金という名目が、すぐに国の責任として負担する金であるかどうかということはまた別として、よく株式会社の場合は有限責任である、個人の場合は無限責任であるというような話をいたしますが、この事業団の債権債務については、国としては有限責任なんでしょうか、無限責任なんでしょうか。
#19
○石渡政府委員 国は、事業団に対して出資者の立場にあるわけでございますが、そういう立場から、仮に事業団が解散するという場合には、その残余財産の分配を受けることにはなっているわけでございます。
 それで、この場合の残余財産の分配につきましては、仮に事業団が債務を弁済いたしましてなお残りがあるという事態で、出資額に応じて、その出資額を限度として分配を受けられるということになっているわけでございます。
 ただ、債務を弁済し切れない場合には、逆に出資者がその割合に応じまして弁済を行うというケースがあり得るわけでございますが、事業団の場合にはそういうことは定めていないわけでございます。したがって、マイナスになっている場合には、それ以上の出資義務は負わないということでございますので、その点に着目いたしますと、出資者は残余財産がなければ分配を受けられないということでございますので、出資金を限って責任を有するという立場での有限責任であるというふうに判断されると考えます。
#20
○日野委員 動燃事業団について解散をする、清算手続をどうするなどということは、また後で法律で決めることなのでございましょうけれども、かなり重い負担を将来背負わざるを得ない立場ではないかなと私は思うのです。
 というのは、核燃料それから核関係の動力炉をいじるわけでありますから、当然廃炉の処理をも含めて廃棄物の処理はかなり後々まで、先の長いアフターサービスをしなければいかぬことになりますね。これらの処理は一体どういうふうにするわけなんでしょうか。そういう基本的な構想なしに、プロジェクトだけ進めていこうというわけにはちょっとまいりませんね。そこらはどのようにお考えですか。
#21
○石渡政府委員 廃棄物は、低レベル、高レベルあるわけでございますが、廃炉も含めまして廃棄物の処理、処分の体制あるいは技術開発といったことも、この動燃自身の開発すべきプロジェクトとして非常に重要な位置づけがされているわけでございます。
 ただ、タイミングといたしましては、まだ緒についたという段階ではございますけれども、その技術をみずから開発し、そして最後には処分ということまで、動燃が恐らく事実上将来ともしょっていく任務になるのであろう、このように考えているわけでございまして、動燃のケースを考えてみますと、みずからその技術を開発し、みずからがその処理あるいは処分の任に当たるという性格の特殊法人になっていくのではないか。これはまだ個人的な考えではございますが、そのように考えているわけでございます。
#22
○日野委員 これは、一般の企業なんかであれば最初の設立をするときから、法人格をなくして全部清算手続が終わって解散してというレールはきちんと敷かれているわけですね。ところが、このような事業団についてそのレールが全くないというのは、非常に奇異な感じが私はするわけです。先の方のレールも敷かずに、まずさしあたって事業団の発足だけさせてしまう、そして国の金をどんどんつぎ込んでいく、それから民間からも金を吸い集めていくということになると、そういうプロジェクトのあり方といいますか、プロジェクト推進主体のあり方というものについて、私は非常に病的な感じがするのですが、そのことはまた別の機会に問題といたしましょう。
 ただ、この膨大な負債というか、全然生産部門ではない部門に膨大な資金の投下を国としてはこれからもやらざるを得ないのだ、たとえば廃炉をどのように処理していくかという、そういった資本の投下は国としてやらざるを得ないのだということになることだけは間違いないですね。
#23
○石渡政府委員 当面は、こういう状態が続くと思います。
#24
○日野委員 まあ、その問題についてはまた別の機会に取り上げることもあろうと思います。
 それで、いまマイナスの財産の方の話ばかりしたわけですが、動燃はもうからないのだというお話が先ほどから出ているのですけれども、私は必ずしもそうばかりではなかろうというふうに思うのですね。動燃としては、会計の仕方まできちんと決められておりますし、財務諸表も出さなくちゃいかぬということで、財産の蓄積ということはそれなりにいろいろ努力をしなければならないと思うわけであります。もちろん動燃の業務というのは、動燃事業団法の二十三条にいろいろ書いてあるとおり、研究とか開発というようなことが主な業務の内容になってくるわけでありますが、これらからかなりの財産は取得できると私は思うのですね。
 たとえば工業所有権の関係がございます。五十四年度の財産目録を見てみますと、固定資産の部の「動力炉資産」の関係で「特許権」とか「実用新案権」が一応計上されているわけでありますが、私はこれらを見て、この特許権や実用新案権というのは、もっと価値があってしかるべきものではないかというような感じがいたします。ここでは、たとえば「特許権」を見ますと、「液体金属中の不純物検出法等」ということで「等」の字がついてまとめられておりますが、これらの工業所有権は本当はもっともっとあってしかるべきだろうし、もっと高く評価してしかるべきものもいっぱいあるのではなかろうかというふうにも思うのですが、これらは大体何件ぐらいあって、どのような評価方法をもって評価されているのか、概略御説明いただきたいと思います。
#25
○迫田参考人 御説明いたします。
 工業所有権の件数でございますが、本年の九月三十日現在、工業所有権は二百三十九件でございます。
 そして、これの評価の方法でございますが、現在、当事業団で評価いたしておりますのは、その工業所有権の出願料あるいは弁理士の報酬、その他登録に要する費用を取得価額としてバランスシート上に評価をするという原則で評価をいたしております。工業所有権の評価方法といたしましては、その工業所有権の取得の基礎となった試験研究費用に幾らかかったかというものを取得価額に計上するという方法もあるわけではございますが、どの試験研究費がこの工業所有権に結びつくかということは、把握が非常にむずかしい問題でございまして、一般の会社におきましても、他から工業所有権を購入したら別でございますが、自分のところで開発をした工業所有権というものは損金でというか、その試験研究費で落としていくというのが通常でございます。したがって、企業会計原則上は保守主義というのが原則でございますので、幾らに評価するかというのは、まだ売れもしないものでございますが、自分では価値があると思って幾らで評価をするというのは非常にむずかしゅうございまして、それで、実際の取得価額で評価をするというのが一般的な原則になっておるようでございますので、当事業団もそれに従っておるわけでございます。中には、いざ使うときには、いろいろ将来価値があるものがあるとは思いますが、これをバランスシート上に評価をして計上するというのは、なかなかむずかしいのが現状でございます。
#26
○日野委員 いまおっしゃられた保守主義、これはまさに理由のあるところでありまして、そのように扱われておることは私もよく知っているのでございますが、これは利益との見合いがあって、そういう取り扱いを企業なんかはやらざるを得ないことはよくわかるのです。ただ、この事業団なんかになりますと、そのような配慮をするのは必ずしも妥当ではないようにも私、思うのですけれども、いかがでございましょうか。
#27
○迫田参考人 先ほど来、バランスシート上の欠損金のお話がございましたので、それに関連してちょっと……。
 御指摘のように、二千五百五十一億ばかりの欠損金がございます。この意味は、資本金五千百三十一億のうち二千五百何がしは食いつぶしておるというか、実際に減価をしておるということでございまして、これはバランスシート上の計算過程で出るわけでございまして、この二千五百五十一億を動燃事業団が借金をしておるというわけではございません。それは固定負債として三百六十四億がございますが、これは問題というか、一般企業で言えば、幾ら負債を負っておるかというのが問題だろうと思いますが、そういう認識でわれわれはおるわけでございます。それで五十四年度で言いますと、五百五十三億ばかりの純損失が出ておりますので、これを余り出さないために、取得した工業所有権を幾らに評価するのかちょっと問題でございますが、一番手っ取り早いといいますか、考えられるのは、そのために幾ら試験研究費を投じたかということを、何がしかの推定をしてやればできないことはないと思いますが、それは、現実の処理としては、動燃全体が試験研究機関でございますので非常にむずかしいということで、一般の企業会計で行われているような処理方法をとっておるのが現在の状況でございます。
#28
○日野委員 二百三十九件に及ぶ工業所有権がある、これなんかは残余財産として分配する場合、どんなふうな分配をすることになるかというのが一つの大きな問題になってくることになりますね。その場合、どんなふうな分配になるのかという点がまず一つ、どうしても行き当たらざるを得ない疑問でございますので、どんなふうになるのでしょうか。
#29
○石渡政府委員 まだ現実の問題ではございませんので、一般論になってしまうわけでございますが、動燃事業団法の第四十二条で、事業団が解散した場合には、残余財産があるときは各出資者にその出資額を限度として残余財産を分配するということになっておりまして、工業所有権の場合も、残余財産として残った場合にはこの規定によりまして出資者に分配されるということになると考えます。この具体的な方法でございますが、やはり原則的には、それぞれの工業所有権を金銭的に評価する、そして金銭という形で分配することになると考えるわけでございます。具体的には、その時点におきまして、その生産に携わる者が各出資者と協議をして決めていくということになろうかと存じます。
#30
○日野委員 先ほどから私、言っていますのは、観念的には、これはいずれ残余財産を分配するということは考えなくちゃいかぬ。その場合、国の膨大な投資をしてきて開発して自分のものとした工業所有権を一体どうするかということは、国として非常に重大な関心を持たざるを得ないので、私、ここのところをしつこく聞きました。そこらについても、帳簿上の評価にすぎないという考え方をとらずに、きちんとした評価は必要になるであろうということをここでは私、指摘をしておきたいと思います。いずれまた別の機会にここなんかも聞きたいのです。
 ところで、これとも関係するわけですが、事業団の職員は出向者とプロパーの職員と二通りに分かれるわけですが、出向者の比率はいまどのようになっておりますか。
#31
○迫田参考人 事業団の職員の中には出向者がございます。どの程度かというお話でございますが、これは五十五年十一月一日現在で、総人員二千六百二十二名のうち国からの出向者九十九名、民間から四百五十五名、計五百五十四名で、総人員二千六百二十二名の二一%に当たります。
#32
○日野委員 問題は民間からの出向者でございますけれども、民間からの出向者は大体どのくらいの期間、事業団に平均していることになっているのでしょう。そして、民間から来た出向者はいろいろな研究部門なんかに入りますと、そこで得たいろいろな技術、ノーハウというようなものを、それぞれ自分が出てきた元の事業体にもたらすことになると思いますが、そこいらと、その事業団との財産的な関係といいますか、工業所有権なんかをめぐっての関係はどのようにお考えになっておられますか。
#33
○迫田参考人 民間からの出向の期間でございますが、例外は別といたしまして、二ないし三年したら出向元へ帰るというのが現状でございます。
 事業団が発足した際に、先生十分御承知でございますが、この事業団がいろいろな開発を行うに際しましては、原研、大学、国公立の試験研究機関あるいは民間企業等からの参加を求めて、官民一体となってプロジェクトを推進する、こういう性格で事業団が発足して現在まで来ておるわけでございます。したがいまして、民間からそれ相応の技術を持った人に来てもらいまして、動燃の研究開発に役立てていただいて帰っていただくというのが現在の状況だろうかと思います。
#34
○日野委員 当初より民間からそうやって出向してきた人たちは、動燃でいろいろ研究をやるその成果というのは、そのまま出向元の事業体に持ち帰る。これは当然のことというふうに考えてよろしゅうございますか。
#35
○迫田参考人 事業団に出向していただいておる出向職員につきましては、事業団のいろいろな規定がございますが、そういう諸規定、動燃の職員でございますので当然その規定を遵守していただく。したがいまして、業務の成果、その発表、寄稿あるいは工業所有権等につきましては、それぞれ事業団職員としての制約を受けております。それから、開発上重要な資料等は開示制限を課しております。開示制限を受けておるような資料につきましては、出向解除の時点で、出向元へ帰られるときに返還を求めて返していただくということでございます。ただ、頭の中に入っておったものを置いていけというわけにいきませんので、事業団で二、三年いろいろ研究に携わったということがその人のプラスになれば、そのプラスを持って民間に帰られるということはあろうかと思います。
#36
○日野委員 出向元は、事業団に自分のところの社員なり従業員を出向させれば、かなり多くのメリットがあるわけでございます。では、どういったところから出向者を採るのかということは、やはり大きな問題になってこようかと思いますが、一体どういう基準で出向者を採っているのでしょうか。
#37
○迫田参考人 具体的にどういう人を採るかということでございますが、動燃はいろいろな仕事をやっておりますので、それにふさわしい知識、経験を有していた人を動燃が採用しまして、動燃の研究に役立つような人に来ていただくというのが一般的に言えば方針でございます。
#38
○日野委員 方針としてはそれは当然のことです。まさか数学しかやったことのない人を再処理のどこかの部門で使おうかといったって、それはなかなか無理なことでございまして、一般的にはよくわかるのですが、国としてナショナルプロジェクトを推進するためにやっている事業団だということになれば、ある程度の基準というものは必要になってくるのではなかろうかと思うのです。たとえば、そこらの何か小さい核関係の仕事をやっているところから、ではうちからも使ってください、なかなか優秀な男ですよということを言ってこられた場合、一体どうするのかという問題がありますので、やはりそこらはちゃんとした基準でもないと、出向者の受け入れについては大企業からばかり受け入れるとか、そういった問題が出てきはしないかというような心配を持たざるを得ないのですが、いかがでございますか。
#39
○迫田参考人 実際に出向していただいているのは、確かに大企業が多いと思います。というのは、どうしても動燃事業団の研究開発に必要な人員というのはそういうところにいるというのが現実でございます。ただ、実際に採用する場合に、個々の会社に話すというのはいろいろな部面で問題があろうかと思いますので、そういう業界の集まりといいますか、何々工業会というようなものがございますが、そういうところを通じて人選を依頼するというのが実情でございます。
#40
○日野委員 そうすると、人選もそういった業界に任している、勢い、でかいところからばかり人が集まってくる、当然動燃でいろいろやったことの蓄積も大企業や何かの方に多く流れていく、そのように考えてよろしゅうございますね。
#41
○迫田参考人 だれを出すかというのを全く向こうのといいますか、民間の会社に任せるということはございません。こちらで必要な人員、どういう職種でどういう知識にたけた人が必要かということを基準として動燃に出向していただいておるわけでございまして、それがまさに動燃の事業、研究開発を推進するのに役立っておるとわれわれは考えておるわけでございます。
#42
○日野委員 人の問題ですが、そうやって動燃に来ていろいろ知識を身につける、そのこと自体は悪くはないのでしょうけれども、動燃が得た情報、ノーハウ、こういったものがどんどん民間の大企業に流れていくことが、果たして国でこれだけの投資をしながら進めているプロジェクトとして妥当なものであるかどうか、国側はどういうふうにお考えになりますか。
#43
○石渡政府委員 官民の力を結集してというたてまえから申しますと、そういうできるだけ優秀な方に来ていただいて、一緒になって研究開発を進めていただくということについては、その比率についてはいろいろ御意見がございましょうが、そういったような点はあっていい姿だと思っております。ただ、非常に貴重な、技術的な知識が無制限に流れてしまうというようなことについては、それなりの規制と申しますか、チェックがなされるべきであろうと思うわけでございます。先ほど来参考人も、その点についてそれなりの措置はしておるということを申し上げていたと理解したわけでございますが、そういう点につきまして疑義のないように私どもも気をつけてまいりたいと思っております。
#44
○日野委員 原船事業団についての大山レポートだったと思うのですが、出向者は事業団に来て技術を盗む、そこまでの言葉を使っていたかどうか、いま記憶が定かでありませんけれども、技術を自分たちのものにしていくことだけを目標にしていたような節もあるという指摘もありましたので、ここらは、国として膨大な金をつぎ込んでいるのですから、国の財産として残すべきものはきちんとしておかなくてはいかぬと思うのです。
 同じような観点から見ますと、事業団に対する民間からの拠出金、これについても問題は大分あると思うのです。拠出金の中には出資もありますし、出損金もある。出資と出損金については、それぞれ残余財産の分配請求権――請求権というところまで言葉を使っておりませんが、それにあずかる権利が一応あるのだというような考え方がとられているようであります。そうすると、ここでいろいろ開発した貴重な財産が、そういった拠出金を出したところにばかり流れていく。また拠出金を出したものがその成果を利用する可能性を持つわけでありますが、拠出金を求める場合にも何らかの基準をもって求めているわけですか。
#45
○迫田参考人 拠出金といいますと、出資金、出指金、寄付金、三種類ございますが、これを相手方といいますか、民間から求めておるわけでございます。企業の考え方といたしまして、大別いたしまして電力会社、それから原子力の五グループのメーカー、銀行協会等から拠出を求めておるわけでございます。実際に募金に当たりましては、電力会社の場合は電気事業連合会、原子力五グループの場合は日本電気工業会等に拠出方の取りまとめを依頼いたしまして、拠出をいただいておるというのが現状でございます。
#46
○日野委員 拠出を求めるに当たって、その比率として、大体かかる金のうちどの程度を民間からの拠出金に求めようとしておられるのか、実績はどうなのか、いかがでございますか。
#47
○石渡政府委員 民間の拠出を求めたケースといたしましては、一件が新型転換炉「ふげん」のケースでございます。それからもう一件が、これから拠出を求めていくわけでございますが、高速増殖炉「もんじゅ」の建設費についてでございます。
 基本的な考え方は、それぞれのプロジェクトごとに拠出していただく民間サイドと十分協議をして決めていくということでございますけれども、新型転換炉の場合は、建設費のちょうど半分に相当する三百四十二億の民間拠出が行われたわけでございます。高速増殖炉の場合は、全体で約四千億と推定されておりますので、その二割に相当いたします八百億円の民間拠出を予定しているわけでございます。この両者のそれぞれの金額が決まってまいりました基本的な考え方は、大体同程度の軽水炉を建設する費用を民間からの拠出に期待するというのが、金額が決まってくる基本的な考え方であったというふうに理解をしているわけでございます。
#48
○日野委員 「もんじゅ」については、最初は半分は民間からということだったという話はわかったのですが、実績としてどうですか、半分民間からの拠出を得られるわけですか。
#49
○石渡政府委員 「ふげん」につきましては、完全に五〇%に相当する拠出を得たわけでございます。それから「もんじゅ」につきまして、当初、やはり「ふげん」と同じようにという考え方があったのは事実でございますが、その当時「もんじゅ」の建設費は約三百五十億円ぐらいであろうというふうに想定されていたわけでございます。その後の検討によりまして、約十倍以上、四千億ぐらいかかるということでございますので、いきなり半分ということではなくて、やはり同程度の電気出力の軽水炉の建設費に相当する額というような考え方で、原子力委員会で検討の結果そういう考え方に傾きまして、約二割に相当する八百億円の拠出を求めるということに落ちついたわけでございます。
#50
○日野委員 どうなんですか、これは当初の目標、少なくとも比率の点から言えば大幅に後退せざるを得なかったわけでありますが、もっと出してくれと民間に言って、民間は出すのですか、それとも民間は出さないのですか。
#51
○石渡政府委員 やはり民間の負担能力といったこと、それから高速増殖炉の実用化の時期等に絡みます期待されるであろう利益といったこと等々が総合的に配慮されまして、この金額あるいは比率が決まってきたという次第でございます。
#52
○日野委員 民間というのは敏感ですから、自分たちに役に立たないと思ったら金を出さない。それは非常に敏感だと思うのです。先ほど私が言いました民間の感覚と政治の感覚といいますか、政治的なプランニングのギャップといいますか、そこらはかなり大きいような感じがするのですが、率直に言ってどうですか、その感覚のずれはあるのかないのか。
#53
○石渡政府委員 それぞれ立場の相違から来る判断の相違というのはあり得るかと思いますが、そのプロジェクトの必要性、重要性についてはそう認識が違っているわけでもございませんので、十分話し合いによって一致点が見出せるということかと考えます。
#54
○日野委員 実はもっと質問があったのですが、ちょっと時間がありませんから、どうせこれは後でまた別の機会をとらえて、同じ問題については少しシリーズ的にやりたいと私は思いますので、次の機会に譲ります。
 きょうは、これで終わります。
#55
○塚原委員長代理 八木昇君。
#56
○八木委員 大臣は四十五分にしばらくの時間退席されるそうですから、二問ぐらいしか聞けないかと思うのですが、大臣に二、三御質問をいたしたいと思います。
 一つは「むつ」の問題です。参議院でさんざん質問があったのでありましょうが、またきょう参議院で法案は成立したそうでありますが、今度大臣は佐世保の方に行かれたようであります。そのとき受けられた印象ですね。もちろん期限内に修理を完了して、佐世保から「むつ」は出ていくというお考えに変わりはないと思うのですが、実際に現地に行かれて、修理は完了したとしても出ていく先がまだ決まらないということから佐世保になおとどまる、それはもうほとんどできないという印象を受けられたと思うのです。だとするならば、今後一体どうなさるおつもりか。そして、それは再び大湊の方に、何とかということで話をしていかれるのではないかと思うのですけれども、そういう点について最初に大臣のお考えを伺いたいと思います。
#57
○中川国務大臣 今回佐世保に参りましたのは、就任当時から、一度地元の皆さんにあいさつをしたい、関係者にお礼も申し上げたい、さらには「むつ」の工事の進捗状況、工事状況を視察いたしたいと思っておりましたが、機会を得ませんで、先般行ってまいったわけでございます。
 感想としては、工事は非常に順調に、まじめに一生懸命やっておりまして、第一期工事は予定どおりできるのではないかというふうに思っております。第二期工事については、いま事業団と業界との間で話し合っておりまして、そう遠くない機会に発注も行われるという状況であり、総計いたしましてこれが期限内にできるかどうか、何としても期限内にやりたいということで努力をしておる状況でございます。
 地元との話し合いでは、主として五者協定を守ってほしいということ。中でも特に関心が深かったのが、新定係港を決めてもらいたい。決まらぬということを理由にして居座るのではないかというような御意見もありましたが、私としては、新定係港を早急に決定をして五者協定を守ると同時に、したがって居座るというようなことは考えておりません。そこで、新定係港については陸奥湾の大湊にもう一度御検討願えないかということで御提示してございます。それに対して水産関係者からは、増養殖をやっておるところであるから、四者協定が守られないことは遺憾である上に、増養殖に影響のある大湊は困る、こういう返事が来ております。しかし、私の方としては、今度は安全なものにして増養殖には影響を与えないから、それでもなおかつ与えた場合には責任を持ちますからどうかということで、ボールを投げ返してございます。一方、知事さんの方からは、安全性について地元が納得できるものでなければならないという意見がありました。その安全性について納得のいくようにいま詰めておりまして、月末には知事さんと私との間でそういった点についての話し合いを持つことになっております。こういうことで地元の皆さんに御説明をして帰ってきたということでございます。
 その後日程が詰まりまして、二十八日、あさってには、安全性について私と知事さんの間に話し合いをして、少なくとも、知事さんや市長さんもお越しいただくようになりますが、なるほどという案を示したい、こう思っておるところでございます。
#58
○八木委員 時間がないのですが、佐世保の方について申しますと、朝日新聞が西日本地域では記事で報道をいたしておるのです。
 SSKの坪内社長は、二十四日朝の新聞に載っておるところによりますと、「むつ」はもともと政府、県、市などがSSK抜きで五者協定を結び、黙ってSSKに入ってきた、しかも造船所中央の岸壁を使っているために修繕船の工事等ができない、月に一億円の利益をふいにしておる、月四千万円の係船料では引き合わない、メリットがない以上、来年十月の期限が来たら出ていってもらうと明言をしておるわけであります。これは、あるいはお読みでないかもしれないと思って発表をしたわけです。
 そこで、大湊との交渉をされるについては、知事や市長がどういうふうに言うかは別としまして、一体「むつ」を今後どうするのかということを明らかにしていただかなければ、皆さん納得をしないと思うのですが、どういうふうになさるのですか。大湊港の岸壁で出力上昇試験をやる、あるいはそうではなくて、知事あたりがもし考えるとしても、洋上か何かで一定のテストあるいはほかの地域で一定のテストがなされて、安全だということが明らかになってからしか受け入れるとしても受け入れられないというようなことを言っておるような報道もあるわけですが、いきなり佐世保を出て洋上テストをやって、それから陸奥へ行くというようなことなのかどうなのか。
 それから、「むつ」はあと五年間で期限が切れるのですが、五カ年間たった後には事業団としてはどうなさるのであるか。陸奥の岸壁に半永久的に係留し続けるおつもりなのかどうなのか。そこいら辺についての政府の見解、そういうもの等を、この際明らかにしておいていただきたいということです。これは細々とした答弁は要りませんから、大臣から御答弁いただきたいと思います。
#59
○中川国務大臣 SSKの坪内社長の記事は、私も読んでございます。そういった主張を持っておることも承知いたしております。
 それから「むつ」の今後でございますが、大湊に帰った場合どういう試験の方法をやるのか、あるいは準備も要りますし、試験をやった後どうするか、長期的なこと、短期的なこと、いろいろございますが、実は長期的なことだけはっきり言えるのは、実験航海を行って、五年間になるかあるいはそれをオーバーするか、かなり長期の間試験船として運転航海を行って、次の経済船をつくるまでのデータをとる船として使命を果たさせたい、これははっきり言えると思います。その過程をどういうふうな形でやっていくかについては、知事さんとの間でその辺を話し合いたいと思っておりますので、いまここで科学技術庁としては洋上試験をやることに踏み切ったとかいうようなことは、もうちょっと時間をかしていただいて、知事さんとの話し合いができた段階で明らかにいたしたいと存じます。長期的な構想はそういうことでございます。
#60
○八木委員 そこで、いま質問をいたしましたから、ついでにそれにかかわる部分を局長に伺いたいのですが、いまのようなことではとうてい話し合いがつかないと私は思うのです。それで、佐世保の場合には核封印をして、そして単に遮蔽を中心とする修理の工事をやるということであったのですが、今度は違うわけですね。でありますから、そこいら辺は具体的に明らかにされなければならない、こう思うのです。
 それから、特にいま大臣に質問をしたのですけれども、「むつ」を後一体どうするのか、つなぎっ放しで五十年も百年も大湊港の岸壁に置いておくのか、あるいは何か船体ごとおかの上に揚げるというのか、あるいは、それは事実上不可能なことだと思うのですけれども、原子炉だけは取り外してどこかへ持っていくというのか、そういったところまで当然問題になると思います。そこいら辺の見解を明らかにしてもらいたい、かように思います。
 それと、少し前の方に戻りますけれども、やはり非常な懸念というのは、岸壁でのテストをやるとしても、あるいは洋上でその後やる場合でも、事故が起きないという保証はないわけです。そういうことについての懸念等は当然強く出されると思いますから、そこの点も含めてお答えをいただきたいと思います。
#61
○石渡政府委員 昨年、原子力委員会の原子力船研究開発専門部会で、「むつ」の利用と申しますか活用方法につきましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、十分なデータの取得に努めて、その成果を次の経済性を重視した改良舶用炉の研究開発に十分フィードバックするんだということ、それから「むつ」をそういう研究材料として十二分に活用いたしました後は、「むつ」という船の一生を通じてのデータを取り尽くすんだということで、いわゆる解役と申しますか、そういうことまでのステップを考えるという前提に立っております。
 したがいまして、そう何十年もつなぐということでなくて、そのころまでに開発されておりますでありましょう廃炉技術研究の成果あるいは海外でのサバンナ号、オット・ハーン号の事例等も参考にいたしまして、一番合理的な方法で恐らく解役ということになろうかと思いますが、恐らくその時期といたしましては、改良舶用炉の研究開発等のスケジュールも含めまして、十年ないし十五年後という話になろうかと思っております。
 それから、少し前の話といたしまして、実験の進みぐあい、また進め方、どのようにやるか、またその安全性をどのように十二分に担保していくかということにつきましては、現在県の当局ともいろいろ技術的な話を詰めている段階でございまして、当然先生の御指摘のような点につきましても、目下、非常にホットな議論を交わしているというのが現状でございまして、できるだけ早く両者の合意に至りたい、このように考えているわけでございます。
#62
○八木委員 きょうは、実はほかのことを質問しようと思っておるのですけれども、ちょっと参考までにお聞きをしておきたいと思うのですが、原子力潜水艦がずいぶん多くすでに就役をしておるわけですね。古い型のものはやはり事故が起きたりしておる、原因はわかりませんけれども。先般ソ連の原子力潜水艦の事故がございましたが、そういう原子力潜水艦等の退役原潜といいますか、そういうふうなものは一体どういうふうに処分をしておるのか、そういうことを研究なさっておるでしょうか。そして何らかの把握をなさっておるでしょうか。
#63
○石渡政府委員 潜水艦に関します情報につきましては、私ども一切入手をしておりません。ただ、任務を終えました船をどう処分しているのかという点につきましては、確かに興味のあるデータでございますので、何とか情報を得たいものだと思います。
#64
○八木委員 もともと原子力艦船というのは、そういうやはり大きな問題を抱えておるんだということを指摘しておくにとどめたいと思います。
 そこで低レベル廃棄物の海洋投棄問題について、これもほんの二、三、この機会に伺っておきたいと思うのです。
 第二次の説明団ですか、が行かれたですね。サイパン島で八日に行われたということでございますが、今後第三次等を派遣されるようでありますけれども、そういうふうに一回り、太平洋諸国を回ることによって、一定の、古い言葉で恐縮ですが、仁義を尽くした、こういうふうにお考えになるわけですか。
#65
○赤羽政府委員 御指摘のように、八月に首脳グループに対しまして、まず説明をいたしました。そのときにかなり多くのところから、そこに来られているのは知事やそういった首脳の方でございますので、もう少し詳しい話をそれぞれの国に来て説明してくれという要求がございました。それにこたえまして、御指摘のように今回三つのチームを派遣いたしました。主として技術的な説明、安全性の説明等を行いつつあるわけでございます。そういう事情でございますので、技術的な説明を何もしないということに対して、一つの、御指摘のような仁義になるかもしれませんけれども、あくまでもまず第一段階の当方の考え方を申し上げるという段階だと考えておりまして、これですべて終わりと考えておるわけではございません。
#66
○八木委員 そこで、これも新聞の報ずるところによりますと、先方は当然この第二次の説明団の説明にも納得をしなかったようでございますが、その席に出席をしたデービス教授の指摘の点は、時間の関係上省きますが、カマチョ知事は次のように述べた、こう報道しております。「今回の説明でも、なおデータが足りない。われわれが欲しいのは、安全評価のための生物、海洋学調査の結果、安全解析の前提と計算経過、放射能の食物連鎖の評価法、ドラムかん内の放射性物質の内訳、高圧試験結果など、すべてのデータであり、これをもとにわれわれ自身で科学的な検討を加えたい」と、そういう強い不満の意を述べた、こういうふうに報道されておりますが、大体そうであったのかどうか。
 そこで、今度の一連の説明団が終わった後、どうなさるおつもりか。いまのようなものを改めて、すでにそういうデータがそろっておるならば、これは全部データもそろえて説明しなければ、とうてい先方は納得をしないと思うのですが、そうでないとするならば、十分のデータがないとするならば、それだけのことをやはりきちっとやった上でなければ、次の説明といってもそれはできない、こういうふうに思うのですが、その点お答えいただきたい。
#67
○赤羽政府委員 カマチョ知事の発言についての報道でございますが、多分会議の始まるあいさつ等で、あるいは終わりのあいさつ等でなされた発言かと思われます。具体的にはもっと突っ込んだ説明をいたしておりますし、質問もございました。
 それから、ただいま御指摘のようなデータにつきましては、ほとんど完備しておりますので、相当分を渡してあります。ただ、翻訳のできてないものがございます。そういうものについては、口頭で説明するとか、あるいは今後英文化してわかりやすくする努力も一部するとかいうことをしていかなければいけませんが、ほとんど全部、先様の要求にはこたえたつもりでございます。
 それからなお、マリアナ以外の島につきましては、話の深さがいろいろございまして、それぞれ要求がございます。まだ説明中でございますので、全部帰ってまいりましたら、それぞれの要求に応じた資料を送る、あるいは説明を再度行うというようなことを今後続けていきたいと思っております。
#68
○八木委員 どうもいまの答弁では私にはよくわからないのですが、大臣は、そういった関係国の了承なしに強行することは事実上できないと明確に答弁をされた。そうすると、今度また第三次の説明団が行くでしょうが、結果は第二次の場合と同じようなことでありましょう。しかし、それは一応今回説明をさらにしたのであって、また後日何らかの方法を講じたいというような御答弁のようでございましたけれども、それは結局、同じことではないかと思うのです。
 だとするならば、日本政府としては何らかの再検討ということが考えられなければならないのではないか。そういうお考えがあるかどうか。たとえば当分の間、やはりまだ試験投棄以前になすべきことを徹底的にやるとか、そして海洋投棄の試験投棄は当分の間は断念するとか、あるいは当初予定しておった投棄地点の変更あるいは再検討、そういうものを考えるとか等々のお考えはないのかどうか、そこら辺をお答えいただきたい。そうでないとするならば、一体どういう見通しをお持ちになり、そうしてやれるとお考えになっておるのか。
#69
○赤羽政府委員 ただいままでに派遣しました、結局国別ということでは、それぞれ第一回の説明を行っているわけでございます。まだ全部終わっておりませんので総括できませんが、いままで得ました感触では、説明に従いまして、科学的、技術的な理解はかなり深まっていると認識しております。
 ただし、各国が一様に申しておりますのは、技術的な科学的な安全性だけではなくて、やはり心情的なものもあるし、それから説明だけでわからない、もし万一何かあった場合の対策とか、そういったことにさらに話を進めなければならないという感触の国もございます。
 いずれにしましても、こういう基礎的な説明をまず始めた段階でございますので、相手の出方により、今後さらに科学的な説明を深めるか、あるいはほかの総合的な説明に進んでいくか、いろいろ国によって段階があると思います。その段階を進めながら理解を深めていきたいと思っておりますので、現在まだ計画を変更するとか、投棄地点を再検討するとか、そういう段階には至っていないと考えております。
#70
○八木委員 すでに海洋投棄が世界的にほぼ一般化しつつあるとか、そういう情勢であればまた別といたしまして、私は、事実上非常に困難だというふうに感じております。一時海洋投棄をやったアメリカ等においても、近年はやっていないわけでございます。それは、事情は日本と異なると思いますけれども、将来ともこれは問題になると思います。それはまた将来に譲りたいと思います。
 委員会がもうしばらくないと思いますので、きょうのところは非常に羅列的な質問になるのですけれども、次に旭化成の化学交換法によるところのウラン濃縮研究設備の問題について質問をいたしたいと思います。
 いま安全審査が行われておるということでございますが、どのぐらいの期間がかかるものでしょうか。
#71
○赤羽政府委員 旭化成のウラン濃縮研究施設につきまして、原子炉等規制法によります核燃料物質使用許可申請という形で十一月五日に申請を受理し、以後安全審査中でございます。御承知のように、われわれのところでは、技術顧問を加えまして厳重な審査、たとえば臨界の安全とか、放射線管理とか、環境安全、耐震、そういったいろいろな観点から審査を行っております。顧問を入れての審査でございますし、段階を追っての審査でございますので、ある程度時間が必要かと思われます。現在のところ、まだいつ終わるという見通しを申し上げられる段階まで進んでおりません。
#72
○八木委員 その申請書及び添付書類と申しますか添付資料と申しますか、そういうものの一切をいただけましょうか。
#73
○赤羽政府委員 核燃料関係の申請書等の書類につきましては、いままで行政の措置が終わった後で公開するという方針でまいりました。これはなぜかと申しますと、燃料関係の申請につきましては内容が千差万別でありますし、それから研究開発段階のものは商業機密等が多うございますので、公開に当たってそういう点を整理しなければなりません。これの作業がちょっと時間がかかりますので、いままで措置後に公開するという方針できたわけでございます。
#74
○八木委員 それでは、さらに伺いますが、現在の計画では、この旭化成の濃縮研究設備は昭和六十年度までで一応完成する、総事業費百二十億円、うち三分の二の八十億円が国庫補助ということだそうでございますが、これについては私は問題点が幾つかあると思います。今後もさらに政府の補助があり得るのではないかというふうに考えられるわけです。
 そこで、参考までに伺っておきたいのですけれども、いま人形峠で動燃事業団がやっております濃縮設備、これについて基礎的研究は理研でやったのでしょうか、そのときに費やした費用、それからそれを動燃の方が引き継いでから今日までに要した費用を説明してくれませんか。
#75
○石渡政府委員 お答え申し上げます。
 動燃事業団におきます遠心分離法によるウラン濃縮技術の開発の費用でございますけれども、御指摘のようにすべて国からの出資金で賄われているわけでございます。
 歴史的には、まず理研で基礎的な研究が昭和三十四年度から三十七年度まで行われました。費用は三千九百万円でございます。それから、その技術が原子燃料公社に引き継がれまして、昭和三十八年から四十一年まで約三千万円で引き続き開発が進められたわけでございます。この基礎的な研究をベースにいたしまして動燃事業団に肩がわりいたしまして、昭和四十二年度から五十四年度まで、累計で約八百億円を支出してきているということでございます。
#76
○八木委員 相当膨大な費用を要するものであると思うのです。すでに八百億だというのですが、それは遠心分離機が現在四千台施設されておりますね。これにプラス三千台が来年十月ごろまでで完成する。この分に幾らぐらいの費用を要するのか。
 そうして、以上で一応パイロットプラントを終わったということにすぎないのでありまして、次に今度は原型プラントを今年度から設計を始めておる。五十七年度に着工をし、六十年に運転開始というのでありますが、これに一体どのぐらいの費用を要するものであるか。
 そうして、このいわゆる原型プラントと称するものは、直ちに営業運転ということになり得るものなのかどうか。そうでないとするならば、さらに今度は本格的な設備をするということになるわけでしょうが、いずれにしても膨大な経費を要するものであるというふうに考えられますので、そこら辺の数字を説明してください。
#77
○石渡政府委員 人形峠のパイロットプラントについてのお尋ねでございますが、このパイロットプラントのみを取り上げてみますと、大体建設関係で六百億円弱ということでございます。能力は一応五十トン程度ということでございますが、現在動燃が考えております原型プラントは、その四、五倍の規模のものを考えているようでございます。
 ただ、先生御存じのように、千台、三千台、三千台と分けて、それぞれ機体の改良を加えつつ製作をし設置をしてきたわけでございまして、そういうやや手づくりに近いプロセスでございますので、一台一台の遠心機の価格は大分高いわけでございます。これは、研究開発の段階でございますので、やむを得ないという事情があるわけでございますが、次の原型プラントを考えます場合には、むしろこの開発の視点は、遠心機の量産によりますコストダウンということが大きなテーマになるわけでございまして、規模は大きくなるものの、そういう機体、遠心機のコストダウンということが図れますれば、規模といたしましては恐らく年間二百五十トン程度のものを考えるわけでございますけれども、規模はふえるにしろ、機械が非常に安くなるということでございますので、先ほどパイロットプラントで約六百億円と申しましたが、それから大きく上回るということではなかろうというふうに考えております。その理由は、主として遠心機のコストダウンが図られる、またコストダウンを図るというのが、原型プラントをやるとすればそれのメリットである、このように考えるわけであります。
 それから、原型プラントが、すなわちいわゆるコマーシャルのものであるかというお尋ねでございますが、私どもの考えといたしましては、これもまだ一つのステップでございまして、もっと規模を大きくして、量産効果ということをねらってコストダウンを図らないと、いわゆるコマーシャルプラントとしての位置づけはできないというふうに考えております。
 ただ、それじゃ原型プラントがまた中途半端なものであるということでも困りますので、むしろいまの考え方といたしましては、大きなコマーシャルプラントを考え、その一部を先食いするという形での原型プラントの建設ということが考えられないものかというようなことを考えている次第でございます。
 いずれにしましても、原型プラントの位置づけにつきましては、これから原子力委員会等で議論を十分詰めていこうという段階でございますので、原型プラントそのものの、やる、やらない、あるいはどういうものであるかということについては、まだ明確に申し上げる段階にはないことでございます。
#78
○八木委員 私がくどくどとこういうことを聞いておりますのは、旭化成がいまから始めますものについても、やはり相当の経費を要することになるのではないか。それで、現在の百二十億の計画というのは、いわゆる初期のモデルプラントと言えるものだというふうに聞いております。そうすると、次の段階、次の段階、さらにもう次の段階ということも考えられるかと思うのです。そうしますと、これは膨大な経費になっていく。
 それで、これは民間私企業であるところの旭化成にそれをやらせる、そして国が補助をしていく。今後もずっと補助を続けられるのかどうか。
 たとえば、これは問題が違いますけれども、再処理事業についてはいわゆる再処理会社というのが、電力会社等の出資によってすでに発足をしておりますけれども、それについては事前に政府関係の機関でもって、再処理については十分――十分であるかどうか、すでに相当やってこられたわけでありますから、それを引き継いでやるわけでありますし、電力会社は何といったって大資本で、九つありますし、そうしてこの再処理をしたものは電力会社自身がこれを消費するわけでありますから、次元が異なると私は思うのです。一体、いきなり民間私企業にこのようにやらせていくことが適切なのかどうかという懸念であります。しかも、この化学法というのはまだ世界で実用の例がないわけでしょう。遠心分離法の場合よりもずっとまだ初歩的なものであるということを考えますときに、一体どういうことになっていくのですか、先々は。
#79
○石渡政府委員 まず、化学法によりますウラン濃縮の技術的な特色でございますが、非常に小規模でもって、わりあいにコストが安くいけるのではないかという点が非常に魅力の一つになっているわけでございます。そういう意味で、いま手がけ始めましたウラン濃縮のモデルプラントにつきましては、五十八年度までに完成をさせまして、その後二年ほど運転をしてみる、六十年度には、その運転の成果を十分踏まえまして、技術的あるいは経済的評価が行われるというところまで決まっているわけでございます。その後、果たしてわれわれの目算どおりに、小規模でもって、しかも六十年度までの建設あるいは運転の成果を評価して、小規模ながら十分次のステップに進め得るものであるかどうかということを、その時点で慎重に判断しなければならないというふうに考えているわけでございます。したがいまして、六十年度で一応研究開発の段階は終わるのだということでございまして、その評価がどうされるかということが大きな問題になるわけでございます。
 繰り返して申し上げますが、先ほど遠心分離による濃縮につきましていろいろ数字を申し上げたわけでございますが、遠心分離は、まさにたくさんの分離機を数多く置きまして、その量産効果ということでコストダウンを図っていくということが一つの特色となっている技術でございますし、化学法につきましてはその逆と申しますか、相当小規模でコスト的に安く濃縮できる可能性があるんだという点が非常に特色になっているのだという点をぜひ御理解賜りたいと存じます。
#80
○八木委員 そこで、もう一つ、やはり私どもが疑問を抱く点があるのですけれども、この旭化成の研究設備については、いわゆるノーハウですね、秘密技術の情報と申しますか、そういうものをすべて政府は把握しておるのですか。
 私は、技術的なことは詳しくありませんけれども、特許庁あたりから公表されるものは、一番肝心なところというのは明らかにはされていないというふうに聞いているのです。たとえばウラン溶液を投入する、そのウラン溶液をつくるについて一体どうするのか。何か酸によって溶かして溶液をつくるらしい。そのところまではわかっていても、一体どういう酸を用いてどうしてつくられた溶液であるか、あるいは交換樹脂そのものの内容というようなこと等は一切わからないわけですね。安全審査の際の申請書類や添付書類を見たってわからないと思う。政府は一体ノーハウをすべて把握しておるのかどうか。それを知らないで、その肝心なところは知らないでおるとするならば、そういうものに国の金をどんどんこれからつぎ込んでいくということは問題ではないのか。そのすべてを知っておる、把握しておるというならば、少なくとも国会の科学技術委員会のわれわれには、そこまで内容を明らかにしてもらわなければならぬ。これは初めてやることですし、しかも国の金を使ってやることですからね。いかがでしょう。
#81
○石渡政府委員 旭化成が長年にわたりまして開発してまいりました方法、主としてノーハウが主体になるわけでございますが、今回のこの技術の開発を政府としても援助するという決定を下すに当たりましては、非常に限られた専門家の十分なチェックを経たわけでございます。その結果として、少なくとも政府といたしましては、助成を行うという判断を下すに足る範囲での技術の内容は把握したわけでございます。そういう意味で、一企業であります旭化成が、企業のノーハウと申しますか、それを非常に大事にしているという立場と、しかし、こういう非常に重要な技術であり、それを国として開発してもらいたいという判断、この二つがございまして、総合的に判断が下された、このように御理解を賜りたいと思います。
#82
○八木委員 きわめて微妙な、抽象的な答弁でありまして、本来ならば、こういうものは何らかの公的機関でやるべきだという考えを持つのですけれども、それはそれといたしまして、それは国庫補助をしていくのが適切であるということの判断ができる程度のところまでのノーハウは把握したというような答弁でしょう。非常に了解しがたいのですが、それらの議論はまた将来にゆだねるとしまして、それでは、政府として把握し得た範囲内の部分まではわれわれに知らしていただけますか。
#83
○石渡政府委員 旭化成が、企業が非常に苦労して技術開発した内容であるという点を強く主張しております実態が現在ございますので、企業の財産権といったような観点から、現時点でのノーハウの公開は差し控えさしていただきたいと存ずるわけでございます。この技術開発が進みまして、完成に近づいた段階での判断もまたあろうかと思いますが、現時点ではそのようにお答えをさしていただきます。
#84
○八木委員 私の方も、それは将来の問題として当面はゆだねておきたいと思います。
 時間がなくなってまいりましたので、あとは通産関係ですけれども、原子力発電所における低レベル廃棄物の焼却設備の問題と、アスファルト固化設備といいますか固化装置の問題について、ほんの一、二点だけこの際、確かめておきたいと思います。
 まず、このそれぞれについての装置、設備の詳細図、フローシートあるいは説明書、そういうものをいただけるでしょうか。
#85
○平田説明員 先生いま御要求の設備の図面、それからフローシート、説明の文書ですね、これにつきましては、先生に差し上げることは可能でございます。
#86
○八木委員 その内容等については、いずれ後日の質問に譲らざるを得ないのでありますけれども、この際ちょっと伺っておきたいと思いますのは、いわゆる低レベル、高レベルという問題ですが、これは政府としては当然、ロンドン条約で明らかにされておる基準に基づいておるわけでしょうね。
#87
○田辺説明員 そのとおりでございます。
#88
○八木委員 そうだといたしますならば、その解釈ですが、高レベル放射性廃棄物は、アルファ核種でトン当たり一キュリーを超すもの、それからベータあるいはガンマ核種では半減期半年以上のものはトン当たり百キュリーを超すもの、半減期半年未満のものはトン当たり百万キュリーを超すもの、そのどれか一つでも該当しておれば、それは高レベル廃棄物ということだというふうに理解をしております。当然のことだと思いますけれども、そうであるかどうか。
 それから、特に低レベル廃棄物の中で気体廃棄物系のフィルター、使用済みの樹脂、これは低レベル放射性廃棄物の範疇の中に入っておりますけれども、原子力発電所から出てきますこの二つのものについて、トン当たりのキュリーを核種別に大体どの程度のものであるか、あわせて説明をしていただけませんか。といいますのは、フィルターというのは、当然放射能をそこへ吸収するものでありますし、樹脂も同様であります。だから相当数の放射能を帯びておる、こういうふうに常識的に考えられますから……。
#89
○平田説明員 先ほど先生の御指摘の低レベル、高レベルの問題でございますが、田辺課長の方から御答弁申し上げました分類につきましては、ロンドン条約におきます海洋投棄のできない放射性廃棄物等、高レベル廃棄物等を定義しておるわけでございまして、一般の原子力発電所におきます、俗に言っております低レベル、中レベル、高レベルとは概念が違うものでございまして、あくまでも海洋投棄という観点から定義したものでございますので、その点で私どもは、いま先生がおっしゃったような形では、発電所の内部の廃棄物につきましては分類してないわけでございます。
#90
○八木委員 厳密には分類をしていないというお話ですけれども、しかし、移動させる場合等には当然分類がないと困ると私は思うのです。それは海洋投棄はしなくても、発電所内にずっと保管しておく場合がすべてだとは限らないでしょう、そのドラムかんを移動するという場合だってあり得るわけですから。そこら辺を突っ込む時間がないのですが、それでは、いま私の質問については答えられませんか。いまのフィルターや樹脂のトン当たりの核種別のキュリーは一体どのくらいの数値のものであるかということについては、把握をしておられないのですか。
#91
○平田説明員 先生の御指摘の点につきましては、いまここに正確なデータは持ち合わせておりませんが、一般的に申し上げまして、フィルター、交換樹脂その他、いずれもその辺は千差万別だろうと思います。
 それから、フィルターとか樹脂につきましては、現在発電所内に保管、貯蔵しておるわけでございますけれども、この辺の先生御指摘の運搬の点につきましては、サイト外に出して公道等を移動する場合には、御承知のとおり基準がございます。ただし、発電所の中において移動する場合につきましては時間との関係でございまして、移動する従事者、従業員の被曝量がどのぐらいになるかという問題につきましては、その物質に対するアクセスする時間によりますから、その点も加味して当然放射線管理が行われているわけでございます。
#92
○八木委員 もう時間がないのであと一問で終わらざるを得ないので、また将来質問します。
 ただ、私がこういう点をなぜいま聞いたかといいますと、焼却をしたりあるいはアスファルト固化することによって、焼却の場合には容積が四十分の一ということになる、アスファルト固化する場合には容積が五分の一になる、そういうことであるとするならば、いまのドラムかん四十本分のものが、ドラムかん一本分の灰になるわけですね。そうすると、その灰を詰めた焼却後のドラムかんというものは、相当高レベルの――低レベルの範疇を超えるという状況になり得るのではないかという疑問からの質問なんです、私の質問は。それで、そういうことになるとするならば、その最終的な処分方法もまだ研究中という状態で、一体そういうことが適切なのかということをさらに具体的に聞きたいものですから、そういう意味でお答えいただきたい。
#93
○平田説明員 灰にする場合でございますから、現在焼却している話を先生おっしゃったのだろうと思いますが、焼却につきましては一概には――一つ一つのものについているキュリー数というのは違いますが、一般的に申し上げますと、一トン当たり十のマイナス五乗キュリー程度の作業着とか手袋とか布とか紙とかという可燃性の雑固体を焼却するわけでございます。これらを仮に十のマイナス五乗といたしまして、四十分の一に減容するということになりますと、これの四十倍でございますから、一トン当たりにつきまして四掛ける十のマイナス四乗ということでございます。灰そのものはまた別の基準がございまして、直ちに海洋投棄できるわけではございませんが、四掛ける十のマイナス四乗キュリーが一トン当たりということになりますと、この数字そのものは放射能レベルという観点からでは海洋投棄には何ら支障のないものでございます。したがって、放射線レベルの観点からだけいま申し上げましたけれども、これで物すごく強力な高レベルの放能性廃棄物になるというようなことではないという点をここで申し添えさせていただきたいと思います。
#94
○八木委員 きょうはこれで質問を終わりますけれども、いまのような抽象的な答弁ではどうしようもないので、実際のドラムかんの状態の数値等を挙げての御答弁がなければいかぬと思うのですけれども、そこら辺は将来にゆだねます。
 きょうは、一応これで終わります。
#95
○塚原委員長代理 瀬崎博義君。
#96
○瀬崎委員 私、この前の本委員会で、動燃事業団で起こりました三つの具体的な事実、一つは、五月二十二日に再処理施設除染保守セル内のフィルター交換作業で起こりました作業員の被曝問題、手部に八・五七レム三十分間で被曝があった問題。これは事故もさることながら、赤旗で報道されて初めて政府が公表した、一種の事故隠しがあったことや、また職場結婚された青年に対して思想干渉が行われたことや、あるいは職場から共産勢力を排除することを目的としたと思われる研修会があったことを示して、動燃の運営が原子力三原則とは全く相入れないものとなっているのではないか、こういう指摘をしたわけであります。
 きょうは、それぞれ動燃事業団の方から具体的な説明を求めることになっているのでありますが、事が日本の原子力開発の基本にかかわる重大なことであるだけに、具体的な質問に入る前に、まず大臣の所信を伺っておきたいと思うのです。
 といいますのは、繰り返しになりますが、原子力三原則は、「原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」と原子力基本法に定められているわけです。また、そもそも動燃事業団というのが、その原子力基本法によって政府の監督のもとに設立されているわけなんです。
 私がわざわざ説明するまでもないことですが、この原子力基本法にわざわざ設立を明記している開発機関というのはたった二つ、原子力研究所とこの動燃事業団しかないわけです。まさにその重要な位置づけというものが法的に明確にされているわけですね。いわば政府の代表的な原子力の研究開発機関と言わなければなりません。ですから、こういう機関においては、率先して三原則に基づく民主的な運営が守られなければならない。そしてその基礎は、憲法が定めている基本的人権、思想信条の自由が守られることではないか、こう思います。政府の監督のもとにつくられた研究機関と基本法が明記しているのであります。したがって、政府は、常に厳格な監督指導を行って、この基本法の精神、原子力三原則を守った運営が行われておるかどうか、このことを監督指導する責任が第一義的に政府にあると思うのですが、いかがでしょう。
#97
○中川国務大臣 そのとおりだと思います。
#98
○瀬崎委員 以下、動燃事業団の方に伺いますが、いまの大臣の答弁を十分念頭に置いて答えていただきたいと思います。
 なお、中川長官は、この前の本委員会でもこういう答弁をされております。「もう少し事業団の方で調べてみた上でひとつ考えてみたいとは思いますが、思想信条の自由は保障されなければなりませんし、人権は尊重されなければならぬ、この立場は守るように指導してまいりたいと存じます。」こういう答弁がありますね。その監督のもとに、当然調査等行われたと私は確信いたします。
 多くを繰り返しませんが、まず、市毛さんという二十七歳の青年が職場結婚をされた問題ですね。媒酌人を頼んだ職場の室長から、「君も結婚するのだから、これを節としておとなしくしていた方がいいのではないか」こういう話があった。ところがその後、室長代理からずいぶんと時間をかけて、「余り目立たない方がいい、労務からいろいろ情報が入ってくる」とか「現在の警察も結局戦前の特高の延長で、思想チェックがメーンだ」、本人にしてみれば、いわゆる圧力を感じさせられるような発言を受けた。本人に対してのみならず、招待をしていた仲間、同僚に対しても、「市毛の結婚式に出ると、君の将来は保証しかねる」とか「あいつとは一線を引け」とか、どうしても結婚式に出るというなら、受付とかカメラマンとか目立つようなことはしない方がよい、ずいぶんと具体的な、見方によっては注意かもしれませんが、明らかに思想干渉ですね。こういうことがあったという問題であります。
 そういうわけで、私も、調査をするという金岩副理事長の答弁に対して、特につけ加えておきました。というのも、常識的に考えますと、一生一代の結婚式なんですから、無事に何とか結婚式が済ませられるものだったら、仮に私が報告したような事実があったとしても、本人が胸の中におさめておこう、これが常ではないか。しかし、余りにも事が深刻であっただけに、職場の多くの青年や仲間たちのためにも、人権侵害、思想信条の自由に対する干渉、これを自分たちだけの幸せと引きかえにできない、こういう決意、私もそういう思い悩んでいる姿を見ながら胸を打たれたわけだし、よくよくのことであった、こう考えるのが至当だ。ですから、そういう点を十分くんで、長官の言葉もあることだし、慎重な、誠意のある調査と今後の措置を検討するように、こう言っておいたんです。
 そういう配慮のもとに行われたであろう調査の結果、そして、どういう措置をとっておられるのか、伺いたいと思います。
#99
○飯田参考人 先般の先生の御指摘によりまして、まず第一の結婚式の問題につきまして、本人及び対象となった人々について調査をいたしました。
 まず、室長代理が対象になっておりましたが、本人に聞きましたところ、結婚式の出席に関して個人的に話をしたのであって、決して御指摘のような、職制を通じての圧力をかけるというような意図は全然なかった。現に室長は仲人として、また室長代理は主賓として結婚式に出席しておりまして、祝辞も述べております。また、結婚式は出席者百名以上、非常に盛大に行われたと聞いておりまして、動燃事業団としましてはもちろんのこと、職員の結婚あるいは結婚式について、職制をもって干渉するなどというようなことは決して行っておりません。今回の調査につきましても、そのような事実が認められないと私は思っております。
 あと細かい調査内容につきまして御指摘がございましたら、労務担当理事の熱田理事から御説明を申し上げたいと思います。
#100
○瀬崎委員 いま、個別に結婚についていろいろ話をしたんだということなんですが、まず私がここで指摘しましたそれぞれの職制の発言、そういう事実はあったのか、なかったんですか。
#101
○熱田参考人 私は、総務と人事を担当しております。
 職制を通じて計画的に、組織的に結婚の関係に介入したんじゃないかというお尋ねでございますが……(瀬崎委員「私が指摘した発言という事実はあったかどうかだ」と呼ぶ)その発言の内容を個々に当たってみますと、室長の方のお話は、自分が媒酌人を受けるについて、これから長い人生への門出だということで、日ごろ自分の感じておる忠告といいますか注意を一、二、個人的な立場で申し上げたんだ、こういうことでございます。
#102
○瀬崎委員 きょうは当事者本人も、それから同僚も何人かこの席に傍聴にみえているんです。それほど本人は真剣なんだし、また職場の関心も深いという問題なんです。だから、通り一遍のことで済まそうということがないようにと、私は念に念を押して大臣の答弁も事前に求め、またこの前の金岩副理事長に対しても、本人の気持ちを察して十分なことをしなさいよと言ってあるわけです。
 媒酌人を頼まれた室長が、自分の日ごろ思っていることがつい口に出て、ある意味での注意をしたんだ、これはいいとしましょう。では、直接仲人を頼まれたわけでもない室長代理が本人を呼んだことは事実なんだし、またそこで言っていることも恐らく確認されていると思います。また、他の招待を受けている人に対してまで、他のいろいろな職制が出席しない方がよいなどと言っている事実、これは一体どう見たらいいのですか。
#103
○熱田参考人 室長代理の方のお話でございますけれども、室長代理は、御指摘のような言葉では言わなかった、こういうことでございます。
#104
○瀬崎委員 動燃の方、結婚された本人にも直接調査をしたのですか、してないのですか。
#105
○熱田参考人 本人の方も、現地の管理担当の部長を通じてお話をお聞きしております。
#106
○瀬崎委員 では、室長代理が、私がこの場でこういうことを言ったと言っておるのですが、そういう事実を市毛青年本人は否定していますか。
#107
○塚原委員長代理 参考人は、委員長の指名を受けてから答弁をしてください。
#108
○熱田参考人 市毛君から私は直接お話を受けたわけではありません。大洗工学センターの担当の部長がお尋ねされたわけでありまして、そのレポートは書面をもって私もちょうだいしでおります。おりますが、その中では、市毛君はそういうふうに言われたんだということは、市毛君の陳述書といいますか、その発言の中には載っております。
#109
○瀬崎委員 副理事長、きょうは理事長がいないんだから事実上の責任者として答えてほしいのですが、これでは調査になっていないのです。そうでしょう。当事者の片方は、明らかにこういう自分の思想信条に対して、結婚と引きかえにいろいろと干渉を受けた、こう理解しているわけでしょう。片方は言ってないと言うかもしれないけれども。
 だから、こういうふうな問題がなぜ起こるのか、そこを究明するのが責任者の仕事ではないか、こういうことなんですよ。もう一遍これはやり直さなければいけないと思いますが、いかがですか。
#110
○飯田参考人 確かに誤解があったと思うのです。片一方は圧力をかけたつもりはない。受けた方は圧力を受けたと感じた。こういったことがなぜ起こるのか。これは、やはり職場のみんなが仲よく仕事をするという雰囲気をつくっていかなければいけない。私自身といたしましても、明るい職場づくりというのがかねてからの信条でございます。こういった信念に立って、お互いに誤解のないように常に話し合いの場をつくって、職場融和ということに今後とも動燃事業団としてはやっていきたい、このように考えております。
#111
○瀬崎委員 この問題がこんなにまで深刻になってくるのは、一つは、先ほども言ったように、直接動燃事業団というのは原子力基本法によって設立されている機関なんですよ。だから、まあモデル的に民主的運営が行われていなければならない、そういう職場なんですよ。にもかかわらず、こういう事件が起こってくる。ここにやはり注目が集まるわけです。
 いま一つは、この問題だけではなくて、先ほど言ったように、事故があっても隠そう隠そうとする。また、三十分間ではあるが作業員にハレムを超えるような被曝があった、これは重大だ、二度とこういうことを起こさないように早速手を打ち、また問題も公表して信頼を得るように努める、こうでなければならないのが、この反対のことが行われている。あるいは研修会の内容、こういうものが一連続いているわけですね。こういうものと結びついて、いま言われた、誤解とあなたたちは言うけれども、そういう大きな理解の相違が当局側と技術者側とで起こってくるわけですね。こういう点で、市毛青年本人がわざわざ国会にまで出してもらいたいと訴えた気持ちに対して、認識が不足していると私は思いますよ。
 ですから、本当に明るい職場を目指しているのなら、少なくとも理事クラスの人が直接市毛青年に会って、なおよくその気持ちを聞いてみよう、そのぐらいの理解があってもいいのじゃないですか。担当の理事として、書類だけに目を通した限りというのはどうかと思いますね。いかがです。
#112
○熱田参考人 御指摘のことでありますが、実は私自身、市毛君と面識もございません。国会でこの件が出ましてから、私が一面識もないのにいきなり本人にお会いしてということもどうかと思いまして、所属の部長を通じてお話をしていただいた方が、本人もざっくばらんに気がねなく言えるのじゃないか、こういう私の判断で、人事の担当の次長と現地の担当部長にお話を聞くように指示した次第でございます。そこはちょっとお考えの違いがあるかと思いますけれども、また時間がございますれば、後ほど市毛君から私が直接お話をお聞きする用意もございます。
#113
○瀬崎委員 話が矛盾するのですね。部長に任した方がざっくばらんに言えるだろう。ざっくばらんに言ったことをあなた方が取り上げているのなら、私は深くは追いません。だけれども、どちらかと言えば室長や室長代理の発言にウエートを置いて答弁をするから、それだったらざっくばらんに聞いたことにならないですよ。本人とも連絡の上、やはり本当に意思の疎通を図り、明るい職場にしようというなら、私は会ってみられることも必要ではないかと思います。
 次に、研修会の方の問題であります。
 この前私が読み上げました感想文は、大洗事業所の副主任研究員のものなんですね。「今回の研修の目的は、突き詰めれば、日共の労組支配を完全に排除することにあると思う。そのため、職場で問題のある人の影響力をできるだけ小さくするよう、まず「仕事がよくできるりっぱな人だ」というイメージを特に若年層に与えない方向に持っていこうと考えている。」私の紹介したのはこれだけでありますが、一応調査はされているようでありますね。まず、私が指摘した事実があったかなかったかということ。
 続いて、私はそのときに、だれがどんな講義をしたのか報告してほしいということを求めておきました。お答えをいただきたいと思います。
#114
○熱田参考人 前段にお話のございましたその感想文は、研修員として出席なさった谷賢君が感想文として書いたということは事実でございます。
 次に、どういう講師がというお話でございますが、これはそのときの研修員のことであるのか、あるいは全体的な――階層別の場合でも一年に二十回近い研修会がございます。専門的な研修も二十回ぐらいあるかと思いますが、それらの過程においてどういう講師がどういうことを言ったか、やったかということは、もちろん調べればわかりますが、日本産業訓練協会の方やほかの研究所の方からも、いわゆる動燃の中の職員だけでなくて、外から見た第三者的な専門家のお話、指導を受けた方がよかろうということで、講師は広範囲にわたっておりますので、何日何時にだれがどうということはいまここでお答えできないわけでございます。
#115
○瀬崎委員 いいかげんな言い逃れはよしなさいよ。年間二十回ほどやっている研修会をまとめてこんな感想文になったようなことを言っているけれども、あなたの方から名前を言われたから私の方もはっきり言いますが、その谷副主任研究員の感想文には、「今回の研修は初めて組合役員の選挙を経験した大洗にとって、きわめてタイムリーであった。」と書いてあるのです。七月の研修に参加したその結果としてこういう感想文が生まれたことは明らかじゃないですか。そう思いませんか。
#116
○熱田参考人 それは、いまの感想文の文面を見れば確かにそのとおりでございます。
#117
○瀬崎委員 しかも、年間二十回ほどやっている研修会のいわばまとめ的な感想文がここに凝結しているというのなら、一連の研修会が全部この種の印象を与えるような研修会になっているということをあなたは答えているじゃないですか。そういうことでいま動燃は研修会をやっているのですか。
#118
○熱田参考人 研修の目的は、申し上げるまでもございません、基礎知識、業務知識の啓発、充実、さらに新しく管理職になる方の管理能力、統括能力といいますか、管理者の立場になりますといろいろの服務規定、全体の関係のことがございますので、そういう教育、訓練をするということでございます。
 お触れになりました思想信条の云々ということにつきましては、私ども全然考えてもおりませんし、また計画にも乗っていないわけでございます。感想文の中でそういう表現が出たということにつきまして、私もびっくりしておるようなわけでございます。どういう表現の仕方をしたか、またそれをどのように受けとめたかということも一々承知してはおりません。おりませんが、基本的には、そういう人権に触れるようなことはしない、していない、あり得べからざることである、こう思っております。
#119
○瀬崎委員 では、この感想文は、動燃事業団の幹部の方は、最高は一体どのクラスまで目を通しておったのですか。
#120
○熱田参考人 それは、研修会の主管元であります人事の方からの指示によって、各事業所へお帰りになった後で感想文を書くようになっておるということでございまして、感想文になりますと、たとえばその講習のやり方について、あそこがまずかった、ここをこうした方がいい、あるいはあの人のやり方はこうだと、個人的な批判にも及ぶことがございますので、そのときには労務課長あてに提出して、その労務課以外の関係の人には見せないのだよ、そういうお話し合いの条件をつけて本人に書いてもらっております。したがって、実は私も、この感想文は、前回御指摘のときに、そういう感想文があったかということを初めて知ったようなわけでございます。
#121
○瀬崎委員 それじゃ、労務課長は見ているということになりますね。こんなことはあり得べからざることだ、そんなことは絶対にしていないということが現に感想文として出たときに、なぜその担当課長は直ちに講習の内容を調べるとか、研修会のあり方がこのままでいいかどうか検討しなかったのですか、あるいはまた上司にこういう感想文が出たということを報告しなかったのですか、この責任は一体どうなるのですか。
#122
○熱田参考人 それは大洗の工学センターの方の労務課長に提出された書面でございます。その大洗の労務課長の方から本店の人事課長あてに書類が送達されておるはずでございますが、御指摘のように、それが、その内容について通り一遍の感想文としてでなくて、その中身がそのようになっておったのだから、だからそのことについては所属長に、上に申達すべきでなかったかということは、まさに御指摘のとおりだと思います。
#123
○瀬崎委員 それと同時に、その研修会の内容が、こういう共産党を支持するような思想の持ち主を排除するというふうなことになっていない、だとすれば副主任研究員の谷さんが勝手に想像したことになるでしょう。もし、そういう講義が行われていないのに、こんな感想文を勝手に書くような人が副主任研究員だとしたら、それこそ動燃事業団はお寒いと言わなければならぬ。重大な開発や研究を担う副主任研究員が、こういうようなものを勝手に書いて点数をかせぐというような人がずらっと並んでおったら、これこそ大変なんですよ。そんなことは常識的に考えられないでしょう。その講義の内容、研修の内容に、少なくとも感想文に書かれているような、それに触れるような問題があったからこそこういうのが出てきた、こう考えるのが私は至当だと思うのですよ。
 こういう点では、大臣自身が、思想信条は守らなければならぬ、こうおっしゃっておるのですから、厳重に注意をして、研修全部について一遍総チェックといいますか、総点検をしていただきたいと思います。大臣の答弁を求めます。――しっかり答えるならいいが。
#124
○飯田参考人 いま熱田理事が申しましたとおり、動燃事業団の研修の目的というのは、あくまでも監督者能力を養うということが目的でございまして、特定の思想信条を有する者というだけの理由でそれを排除するというような意図は全然ございません。しかし、あのような感想文が出たということについて、私どもといたしましては、動燃事業団の研修目的が十分達成されてないということの上に立って、研修目的を一層徹底するように今後注意を払うようにいたしたい、このように考えております。
#125
○瀬崎委員 これまでの研修のやり方については、十分な反省をするということなんですね。確認しておきたいと思います。
#126
○飯田参考人 もう少しよく内容を調べてみたいと思いますが、徹底していなかったということだけはありますので、さらに動燃事業団の研修の目的を徹底させるということでまいりたいと思います。
#127
○瀬崎委員 動燃事業団の東海事業所の技術部検査課、これはどういう検査を行っている課ですか、一言で答えてください。
#128
○飯田参考人 これは、主として燃料被覆管の非破壊検査を行っているところでございます。
#129
○瀬崎委員 私どもが動燃事業団に聞いたところでは、昭和五十年と五十五年を比較しまして、五十年のときには動燃の正規職員が四十六人検査に当たっていた。そのとき下請の職員は十七人である。それが五十五年、現在は、正規職員は三十二人に減り、逆に下請職員の方が二十七人にふえている、こういう事実を聞いたのでありますが、間違いありませんね。
#130
○飯田参考人 間違いございません。
#131
○瀬崎委員 燃料検査、この中には「常陽」とか「ふげん」の燃料検査も入っているようですね。こういう非常に重要な部門でどんどん下請に仕事が回されていっていること自体、大変な問題だと思うのです。しかし、私が聞いたところでは、この検査課の材料試験のベテラン職員、約七年ほど従事しておった椎名定さんという方、この方がことしの四月からは検査の仕事を外されて、いまでは駐車場の案内図かきとか、いわゆる庶務的な仕事に回されていると聞いているわけですよ。まず、こういう事実があるかどうかということも聞いておきたいのであります。
 もちろん誤解のないように言っておきます。私は、何も本人から、こういう仕事は不満だということを直接聞いたわけでも何でもないのです。いろいろわれわれが動燃の実態を調べている中でこういう事実を知った。御本人はよくできた人で、事業団から与えられた仕事は庶務的な仕事でありますが、この際何でも一生懸命やるべきだ、こういう信念のもとにりっぱに職務をやっていらっしゃるそうです。仲間がそのことをおっしゃっております。しかし、同時に、大事な仕事を、一方で下請をふやしておきながら、その道のベテランを他の部門に回す。なぜその専門の技術を生かそうとしないのだろうか、こういう疑問だけはわれわれは残るわけですね。
 人事の通達みたいなもの、月報ですか、出ているのですが、その中にも「人材育成には自主性と創造性二重課主義」というのがありまして、「人材育成にとって重要なことは、個々人に自主性と創造性を身に付けさせることである。」ここで各種研修をやるということを書いた上で「それは、職場の空気や、仕事のあり方が、人材開発的になっているかということである。」このことからすれば、文字どおり能力のある人にどんどん意欲を持って仕事をやってもらえるようにする、そのことがこの方針ではないかと思われるのですが、これにも反しているような気がするのですね、いかがですか。
#132
○飯田参考人 全般的に申しまして、動燃事業団はいま非常に仕事がふえてきております。五十年と五十五年と比べまして、たとえばFBRの「もんじゅ」もだんだん建設が近づいてきておりますし、再処理工場も運転を開始しております。また人形峠では濃縮工場も運転をしておる。そういった非常に仕事がふえてきておるのですが、人員の確保がなかなかむずかしいわけでございます。したがって、事業団といたしましては、定型化した仕事は逐次業者に委託する、こういう方針をとっております。この燃料の被覆管の非破壊検査というのは、その後非常に技術が進歩いたしまして、一部コンピューター化もいたしております。そういったことで事業団としては、これは定格化した、したがって業者に順次移していっていい仕事であるという判断をいたしておるわけでございます。そして、優秀な従業員は他の大事な仕事に振り向ける、このように考えておるわけでございます。
#133
○瀬崎委員 七年間も従事したその非破壊検査の大事な技術者ですね、それを他の部門の、その技術が生きるような部門に回しているのならわれわれも疑問は持ちません。ところが、この椎名さんという方は、組合の役員もしていらっしゃるし、活動家でもある。何かしらわれわれには、他のいろんな一連の事件と関連して、思想信条のゆえに仕事を差別されているのではないか、先ほどの感想文とどうしても結びついてくるのですよ。「職場で問題のある人の影響力」、つまり当局が好ましくないと思っている思想の持ち主ということでしょう。その「影響力をできるだけ小さくするよう、まず「仕事がよくできるりっぱな人だ」というイメージを特に若年層に与えない」ようにする、これはたまたま感想文にあらわれたのではなくて、ちゃんと事実が存在する、こういう感じがしてならないのですね。当然そういう誤解を受けるようなことは避けるべきである。そして、一遍よく調べられまして、本当にいま言われるような有能な人で、その部署で人が要らないのなら、その技術が生きるような適切な部署を探すべきだと私は思います。そういうことの検討を強く要求しておきたいと思うのです。
 そういう意味では、去年の組合役員選挙に対しても、当局の干渉というのはずいぶんひどかったらしくて、技術部の検査開発課あるいは検査業務課では、課長と課長代理が係会議、こういうものをやって「動燃は仕事よりも「思想」を重視している。分会推せんというのは」共産党「に利用されることだ。彼らとは、趣味や仕事の上でも付き合うな」、思想のよしあしによってその人物を評価する、こんな訓示をしている。しかもこれは、当局の言う問題のある人のいる第一係ではやられてなくて、その他の係四つでやられている。明らかに差別がそこに行われている。この件については、新いばらき新聞にまで載っているのです。
 引用しますと、「組合選挙にみせた管理職の(姿勢)は、原子力施設における(事故隠し)に、どこか似ているとはいえないだろうか――。この方こそ「危険思想」である。根は深い。」一般新聞にこんなことを書かれるまで、いまの動燃の職場に対しては不信感が出てきているわけですね。これはきわめて不名誉だし、日本の原子力開発にとって不幸なことだと思うのです。
 先ほどの椎名さんの問題と組合の役員選挙に対する干渉の問題について、動燃の説明を求めたいと思います。
#134
○熱田参考人 いま特定の椎名君というお名前が出ましたけれども、実は椎名君の職場転勤のことも私としては初耳でございます。早速帰ってからその辺の事情を聴取したいと思います。
 それから第二の組合選挙のことでございますけれども、これは基本的に組合は別途自主なものでございまして、会社側、事業団側として組合選挙にどうこう介入する筋合いでもございませんし、また介入もしておりません。しかし、御指摘のような誤解もあるようでございますので、その辺は私ども、これから反省をして対応していきたいと思います。
#135
○瀬崎委員 最後に大臣に伺っておきたいのですが、冒頭、私の主張に同意を表明されたのです。しかし、これだけ相次いで動燃で非民主的な事件が起こってまいりますと、これはやはり体質的にも問題がある。根本から間違いを犯しておるのではないかという危惧も持たれます。ぜひ大臣としてもよく事情を聴取されまして、必要な指示とかあるいは通達とかそういう処置を、民主的な運営回復の具体的措置をとっていただきたいと思うのです。
 答弁をいただいて、終わりたいと思います。
#136
○中川国務大臣 原子力基本法に書いてございますように、自主、民主、公開が最大の原則でございます。原子力基本法に書かれるまでもなく、そういった思想信条は自由であるという立場に立って、民主的な明るい職場をつくることに最善の努力をしてまいります。
#137
○塚原委員長代理 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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