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#1
第093回国会 建設委員会土地及び住宅問題に関する小委員会 第2号
昭和五十五年十二月十一日(木曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席小委員
   小委員長 村岡 兼造君
      鹿野 道彦君    鴨田利太郎君
      桜井  新君    中村  靖君
      小野 信一君    中村  茂君
      伏木 和雄君    渡辺 武三君
 小委員外の出席者
        建 設 委 員 林  百郎君
        建 設 委 員 甘利  正君
        国土庁土地局長 山岡 一男君
        国土庁土地局次
        長       小笠原正男君
        国土庁土地局土
        地政策課長   渡辺  尚君
        国土庁土地局土
        地利用調整課長 下  壮而君
        建設省計画局長 宮繁  護君
        建設省計画局参
        事官      松本  弘君
        建設省計画局宅
        地開発課長   清水 達雄君
        建設省計画局宅
        地企画室長   市川 一朗君
        建設省都市局参
        事官      京須  実君
        建設省住宅局住
        宅政策課長   伊藤 茂史君
        建設委員会調査
        室長      川口 京村君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 土地及び住宅問題に関する件(当面の土地対策)
     ――――◇―――――
#2
○村岡小委員長 これより土地及び住宅問題に関する小委員会を開会いたします。
 この際、お諮りをいたします。
 本小委員会における日本共産党及び新自由クラブの小委員外委員の出席発言につきましては、理事会の申し合わせもあり、オブザーバーとして小委員長において随時これを許可いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○村岡小委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○村岡小委員長 土地及び住宅問題に関する件について調査を進めます。
 この際、当面の土地対策について、政府から説明を聴取いたします。山岡土地局長。
#5
○山岡説明員 当面の土地対策について御報告せよということでございます。お手元に資料等も準備いたしましたので、それにも即しながら、簡単に御説明させていただきたいと思います。
 私ども、土地対策につきましては、長期的な対策、それからこれから御説明します当面の対策と二つあるというふうに考えております。御理解いただくために、最初に長期的な物の考え方という点につきまして御報告したいと思いますが、私ども、土地対策といたしまして、長期的には現在の三全総を着実に実施をすることだというふうに考えております。三全総で考えておりますいろいろな対策がございますけれども、三全総ができます場合にわれわれに与えられた与件というものがございます。与件の二、三についてこの際付言をさせていただきたいと思います。
 まず第一は、わが国の国土の現況でございます。わが国の国土は、約四千の島嶼、三千キロメートルにわたります列島ということでございます。正確な面積は三十七万七千六百八十二平方キロ、これは五十四年一月一日現在の国土面積でございます。そのうちで火山地、山地、丘陵地、そういうものが七四%を占めております。残りの台地及び段丘、低地二六%というようなところに大部分の人口が現在住んでおりまして、密度の高い居住をなしております。このあたりのことは、実は資料にまだ入っておりません。
 第二番目の与件といたしましては、現在の土地利用の状況でございます。これはお手元にお配りしました資料の四十一ページをごらんいただきますと「わが国の国土利用の現状」昭和五十三年のものが載っております。ここで見ていただきますと、農用地、森林、原野、この三つを足しますと三千百万ヘクタールになりまして、約八三%を占めるということになります。水面、河川、それから道路を合わせまして二百十六万ヘクタール、宅地が百三十四万ヘクタールということでございまして、この国土利用の状況は、当然のことながら毎年変わってまいっております。いわゆる農用、林業的な使用がだんだん減りまして、道路なり宅地がふえるというかっこうで、土地利用は変わってまいっております。これが与えられたわが国土の与件でございます。
 さらに、将来人口等についての推計がございます。十六世紀には一千万人と言われておりましたわが国の人口が、現在一億一千六百万を超えております。六十五年には一億二千八百万人、それから二十一世紀初頭には一億三千七百万人というのが三全総の推定数字でございます。その際に、人口はいわゆる停止人口に達しまして、ふえもしない減りもしないという時代が来るというふうに推定されております。ただ、この数字につきましては、最近の出生率の低下等からやはり下方修正をする必要があるということで、現在検討がなされておりますけれども、いずれにいたしましても一億三千万人台の停止人口を迎えるのが将来人口の推計でございます。
 その人口の中身につきまして、やはり老齢化が進むという推定がなされております。六十五歳以上人口が昭和五十年では七・九%ということでございましたけれども、七十五年には一三・九%、いわゆる人生五十から七十五という時代が来るというふうに推定がなされております。
 学歴につきましても、十八歳以上に占めます高専卒以上の方々の予測が、五十年が一四%、七十五年は二八%というふうに、高学歴化が進むという推定がなされております。いわゆる文化的な環境への欲求が非常に強まるというふうなことでございます。
 さらにもう一つの推定といたしまして、都市化の進展ということが見込まれております。昭和五十年では都市人口が五七%ということでございましたけれども、六十五年には六七%、七十五年には七一・五%、国民の約七割が都市部に住むという推計がなされております。したがいまして、産業構造も変化をするだろうという推定でございます。
 これらの推定をトータルいたしますと、複雑な地形で、狭い可住地で、水資源も制約を受けながら、その中で一億三千万人余の人口がうまく住まなければならぬというのが、われわれに与えられた長期的な命題でございます。したがいまして、そのためには、国土全体を均衡ある活用を図るということでございまして、長期的に見た土地対策の実現ということにつきましては、そういうものを実現することが最終の目的であるということが言えると思います。
 一億三千数百万人がそういうふうな三十七万平方キロの中の限られた可住地に住むということで非常にむずかしいのではないかということもございますけれども、これはおかしな推計でございますが、一億三千万人ぐらいの人が全部大人だという推定をいたしまして一カ所に集まると、淡路島の何分の一かで済むというふうなことでございます。それがうまく日本じゅうを活用するということでございますので、私ども後世の子孫のために、現在われわれが英知をしぼれば、そういうような方向はうまくいくだろうというふうに思っておるわけでございます。
 いまのは駄弁でございましたけれども、そういうふうな長期の目標ということと同時に、土地につきましては、公共性の非常に強いものであるということと同時に、やはり経済財である一面がございます。したがいまして、地価問題というものは、経済情勢とともにいろいろと変化をしてまいっております。
 御理解賜るために、最近までの簡単な経緯を御説明させていただきたいと思います。
 お手元の資料の四十六ページ、折り込みがございます。「土地問題の変遷と土地対策の経緯」という題で一覧表をつくっております。土地問題、土地問題と私ども申しておりますけれども、今日的に土地問題というものを整理をいたしてみますと、まあ少し簡単に書いておりますけれども、売り惜しみということから始まりまして、仮需要の発生、土地利用の混乱、地価の高騰、宅地需給の不均衡、もちろんこういうふうにはっきりと年代別に追ったわけではございませんで、錯綜いたしておりますけれども、こういうものが当面の土地問題ということでわれわれは認識いたしておるわけでございます。
 そういうような土地問題が生じましたのは、上の方にございます昭和三十年代が初めてであったというふうに思っております。戦後、昭和三十年ごろまでの間は、戦災の復興ということもございましたし、旧軍施設の放出ということもございまして、今日的な土地問題は余りなかったわけでございます。昭和三十年代の初めに預金の利子率を上回る土地の値上がりが生じました。まず最初に起きました問題は売り惜しみということでございました。その後、朝鮮動乱等を契機といたしまして、経済が高度成長に変化をいたしまして、そのために、やはり土地の値がだんだん上がってまいりました。昭和三十年代は、「地価の長期動向」というところを見ていただきますと、六大都市の工業地中心ということで、むしろ住宅地を上回る値上がりがございました。設備投資がどんどん行われてきた。そのために、どちらかと申しますと土地の値段がだんだん上がってくる、預金の利子を上回って伸びていくというような時代が続きましたので、そういうことになりますと、土地はもうかるという気持ちが生じてまいりました。そこで仮需要の発生、いわゆる投機的取引が起こったというのがその次の問題でございます。
 昭和三十年代の半ばから昭和五十年代の初めにかけまして、人口と産業の大都市集中が起きました。特に四十年代前半はそれが非常にひどかったわけでございます。人口、産業が都市に集中いたしますと、いわゆる企業の三要素、人と金と土地という中で、人は田舎の過疎を生みながら集まりました。お金は株式投資ということで集まりました。残る一つの土地だけは、たとえば三大圏に集中いたしました企業にとりましても限られたものでございました。北海道から持ってくるわけにいかないということでございまして、勢い土地に対しましていろいろな要望が集中いたしました。そのために土地も値上がりをするという問題、さらにスプロール的な市街地の拡大ということが起きました。いわゆる土地利用の混乱という問題がつけ加わったわけでございます。
 さらに、昭和四十年代の後半になりますと、いわゆる金融緩和と過剰流動性をバックにいたしまして、日本じゅうで土地が買いまくられました。いわゆる一億総不動産屋という事態が生じてまいりました。そのために地価の狂騰、乱開発という事態が生じました。
 その後、五十年代に入りまして、経済基調が安定成長ということに変わりました。さらに各種の対策を講じられまして、一時安定期が続いたわけでございますけれども、最近ではさらに、それらの施策の少し効き過ぎと申しましょうか、逆に供給が足らないという問題が起きまして、これが現下の大きな問題になっておるわけでございます。
 その間に政府といたしましてどういう対策を講じたかというのが下の欄でございまして、昭和三十年代は、将来の地価公示の施行を頭に描きながら不動産鑑定評価に関する法律をつくりましたり、新しく公団をつくりましたり、新住宅市街地開発法というものも整備をいたしました。
 四十年代には、売り惜しみに対しまして、いわゆる長期の分離軽課という新しい税制を実施をいたしました。四十五、六、七、八、九、十と二年刻みで分離比例、一〇、一五、二〇というふうに上げていくというふうな、早くお売りになった方が得ですよというふうな税制でございました。仮需要の発生に対しましては、短期の分離重課という制度がとられました。いわゆる譲渡益の四〇%、または総合課税の一一〇%、いずれか高い方というきわめて厳しい税制でございます。土地利用の混乱に対しましては、新都市計画法が四十三年に制定をされ、農業地の振興のためには農振法が四十四年に制定をされました。
 四十年代の後半の一億総不動産屋、いわゆる投機的取引の横行ということに対しましてそのころにとられました対策は、四十八年にA、B農地の宅地並み課税、それから同じく四十八年に法人の譲渡益重課、同じく特別土地保有税というふうに、税制上も投機抑制のための税制がとられましたし、森林法以下、ここにずっと法律が並んでおりますけれども、いずれも認可、許可というようなものにつきまして範囲を広げる、もしくは新しく認可の制度をつくるというふうなことで厳しく規制をする方向に法律改正が行われました。
 その頂点といたしまして、国土利用計画法ができたわけでございます。これは御案内のとおり、四党共同ということで、議員提案で成立いたしました法律でございます。釈迦に説法でございますので御説明は申しませんけれども、お手元に「国土利用計画法の体系」というのを一枚入れております。中で、いわゆる計画法的分野、規制法的分野というふうに分けてチャートをつくっておりますけれども、やはり一つの計画面といたしましては、国土利用計画というのを、全国計画、都道府県計画、市町村計画というふうに、上位から下位まで連櫓をしてつくるということが一つでございます。そのうち全国計画と都道府県計画に基礎を置きまして、土地利用基本計画というのをつくることになっております。これは現在四十七都道府県すべてに作成済みでございまして、現在見直し作業中でございます。御案内のとおり、全国を五地域区分に分けまして、それらの間の利用調整についての調整方針も全部書いてあるというふうなものが土地利用基本計画でございます。いわゆる土地利用の規制の上位計画ということになっておりまして、その下に都市計画区域、農振地域、森林地域、自然公園地域等々、個別規制法の規制がそれに基づいてなされておる、相互連関をしながら土地利用の規制をしていくということでございます。
 さらに、土地の規制につきまして、土地取引の規制――この委員会で今後一番問題になろうかと思われる問題でございますけれども、いわゆる土地取引の許可制、それから土地取引の届け出制というようなものが行われております。さらに遊休土地に関する措置というのも法律の中に入っておるわけでございます。これについては、将来別途御論議いただくチャンスがあると思いますので、チャートの御説明だけにさしていただきたいと思います。
 その後、昭和五十年代に入りまして、そういうふうな対策が非常に成果を上げたと申しますか、そのために、最近に至りましては、効用増もございますけれども、いろいろと需給の不均衡ということが中心の問題になってまいりました。五十年以降、税制の見直しなり、農住組合の設立なり、その他いろいろな意味で供給促進という見地から対策を講じつつあるというのが現状でございます。
 時間がございませんので、ごく簡単に今後の御説明をさしていただきたいと思いますが、まず一ページ、二ページを開いていただきますと、これは今後におきます宅地供給必要量の見通しということでございます。どれくらいの宅地が必要だと考えておるかということでございます。二ページの表にございますように、三全総では、五十一年から六十五年までに十九万ヘクタール全国で土地が必要だというふうに推定いたしております。これを単純に十五で割りますと一万二千六百七十、約一万三千ヘクタールでございます。それから建設省でお立てになりました住宅五計につきましても六万六千ヘクタール、五年間に新規宅地が必要だという推計がなされました。これも単純に五で割りますと一万三千二百ということになりまして、おおむね一万三千ヘクタールくらい、年度平均で供給があればいいなというのが、いろいろな推定によります需給の見通しでございます。
 三ページ、四ページを見ていただきますと、これは建設省でやっていただきました住宅需要実態調査の推計のトータル表でございます。四ページの表に五十三年と四十八年を並べて書いてございますけれども、全国ベースで見ていただきますと、「住宅に困っている」という欄の上の方、五十三年が三八・九%、四十八年が三五・一%というふうに、皆さんの住宅に対します生活水準の向上等を反映いたしまして、五十三年の方がむしろ困っている人がふえているというような数字になっております。三大都市圏でも、当然のことながら全国平均より高くなっておりまして、五十三年が四二・一、四十八年が三八ということになっております。それも、住宅に困っている理由は、やはり狭い、古い、設備が悪いというのが多いわけでございますが、最近の時世を反映いたしまして、プライバシーが守れない、ばい煙等の公害があるというようなものもあるわけでございます。オールジャパンで見ますと、家賃が高いというところは三・五ということになっております。
 六ページの表を見ていただきますと、同じく住宅需要実態調査の中身でございますけれども、住宅のことにつきまして改善計画を持っておる、現にそのためにいろいろなことをやっておるという方々が全国で三八・二、三大都市圏で四〇・一ということでございます。そのうち特に新築、家の購入、土地のみ購入というふうに土地に直接関連があるものを見ますと、下の「改善計画の内容」というところにございます小計欄でございますが、全国では四五・八%の方々が土地に対する計画を持っていらっしゃるということでございます。したがいまして、私どもやや長期的に見ますと、今後も相当需要が堅調だと見ておるわけでございます。
 七ページ、八ページが、最近の住宅用地を買っていらっしゃる方々の実態でございます。
 まず、八ページの図を見ていただきますと、職業別ではサラリーマン、いわゆる会社員、公務員及び団体職員という方々が六四・九%を占めております。表の五は所得階層別の構成でございますけれども、そのうちで二百万円未満、三百万円、それから三百万円から四百万円、この三つのところを足しますと六八・三%ということになります。それから表の六でございますけれども、年齢階層別に見ますと、三十歳代、四十歳代、これを足しますと六二・四%ということになります。したがいまして、全体の中で六割以上を占めるというものがイメージされるといたしますと、サラリーマンで年収が四百万円以下で三十歳代から四十歳代にかけての方が中心になって住宅用地を買っていらっしゃるという状況でございます。
 これにつきましては、いろいろな見方がございます。私ども現在仮説をつくっておりまして、その仮説の勉強をいたしておりますが、今後五十五年に行われました国勢調査の結果等からさらに分析をしてみたいと思っておりますけれども、いわゆるベビーブーム時期の出生者の方々が相当たくさん大都市に集中しているということがだんだん明らかになってまいっております。大都市に定着なさる人たちの中には、大学を卒業して就職なさる方、高等学校を卒業してそこで職業を持たれる方が大体中心でございますけれども、そういう方々の中でそういう年齢階層の方が非常に多いという感じでございます。たとえば昭和三十年と昭和五十年の国勢調査だけを調べてみましても、そういうふうなベビーブーム時期の階層の方が含まれている年齢層というものが、東京圏で申しますと、三十年の国調のときよりは五十年の国調のときは七割ふえておる、大阪でも七割ふえておるというような状況でございまして、大都市圏におきましては、そういうふうな、まさに現在家を欲するようなベビーブーム期の方々が多く集中しておる、企業も集中したというふうな二重苦を背負っておるというふうなことであろうかと推測をいたしております。
 九ページ、十ページは、住宅用地購入者の方々の年齢階層別にどのようにお金を調達なさっておるかという表でございますが、当然のことながら三十歳代、四十歳代あたりを見ますと、過半が借入金ということでございまして、なかなか楽ではないということでございます。
 以上が需要の方の実態でございますが、さらに供給の方々の実態を見ていただきますと、これも建設省の調べによるものでございますが、十二ページにございますように、四十七年をピークにいたしまして、五十三年まで供給量がずっと減ってまいっております。推計では、五十三年は四十七年度の大体六割程度ということになっております。特にその中でも民間供給は半分を切っておるということでございます。
 圏域別に見ますと、表の七でございますけれども、三大都市圏では四十七年がピーク、七千九百ということでございますが、五十三年では三千七百ということで四三%にダウンしている。いずれにしろ、一万三千ヘクタールくらい欲しいなと言っておりますのにこういうふうな供給の状況で、一万ヘクタールを切っているというのが最近の状況でございます。
 十四ページでございますけれども、これも建設省の資料でございますが、しかしながら、五十年まで漸減をいたしました開発許可、区画整理事業認可面積というものが五十年以後次第に伸びてまいっております。これは懐妊期間がございますので直ちに右から左に出るというものではございませんけれども、将来にやや回復の兆しを見せているというふうに判断いたしております。
 十五ページ、十六ページでございますが、この中で、今度は企業がどのように現在住宅地の供給に寄与しているかという問題でございます。十五ページにございますように、住宅地の供給企業、いわゆるデベロッパーは事業期間が長期化をしてきている、それから有効宅地率が低下をしているというようなことで問題意識を持っておりますが、同時に、販売用土地の在庫に不足感を持つものが非常に多いということでございます。
 十六ページの表の八でございますけれども、三大都市圏を例にとってみますと、在庫が少ない、それから在庫が当面一年程度はあります、この二つを合わせまして大体六四%から七七、八%ということでございまして、一年以下しか在庫がないというものが全体の七割を占めているというふうな見込みでございます。
 今後の宅地素地の取得の見通しにつきましては、下の表の九にございますように、取得は非常に困難である、もしくは困難であるという方々が九割を占めておるということでございまして、先行き、企業も非常に不安感を持っておるということでございます。
 十八ページは、巷間で言われております、そういうことのために住宅の敷地が狭くなっておるじゃないかという話でございます。だんだん是正はされてまいっておりますけれども、百平方メートル未満の一戸建て住宅の比率、一番上の方を見ていただきますと、やはり東京都区部では五六・二、大阪府では五七・七というようなことになっておりまして、依然として過半を占めているというのが実情でございました。
 いままでがいわゆる供給側の関係でございます。
 最近の地価の動向につきまして以下述べております。二十ページの上の表を見ていただきますと、これは五十五年の都道府県地価調査を行いました際のトータル数字でございます。都市計画区域内で見ていただきますと、全国平均の計が九・八%ということになっております。下に括弧で書いておりますのは、その半年前の地価公示の際の数字でございます。全国平均では一〇%でございました。しかし、この都道府県地価調査も、地価公示も、いずれを見ましても、やはり平均を超えておりますのは住宅地、宅地見込み地、準工業地ということでございまして、住宅の建つところがやはり平均を上回って伸びているということでございます。その中でも特に三大圏のところを見ていただきますと、住宅だけ見ていただきましても全国平均を超えておるのは三大圏でございます。したがいまして、三大圏の住宅地中心型というパターンで地価が最近は上がっておるというふうな状況でございます。
 図の六を見ていただきますと、最近の地価の変動率の推移でございます。これは四半期ごとにその地価公示の中から五百五十地点を時系列的に押さえましてその伸び率を見ておるものでございますが、下にございますように、昨年の第二・四半期が三カ月ごとの一番値上がり、いわゆる風速といたしましてはトップでございまして、その後だんだん右下がりになっております。一番上が住宅地でございまして、特に三大圏の住宅地でございますが、四半期別を見ますと、四・〇から最近では二・八というふうに三カ月ごとの風速は鈍化の傾向にあります。しかしながら、やはり依然として伸びておるわけでございまして、地価については警戒をなお要すると見ております。
 二十二ページは「地価公示価格変動率の推移」ということでございまして、表の十一の方で見ていただきますと、四十八年、四十九年、これはいずれも一年前の一年間の値上がり率を示したものでございますが、三〇・九、三二・四ということでございました。五十年に、これは諸外国も一般にこういう趨勢があったわけでございますが、三角が立ちまして、その後〇・五、一・五、二・五、五・二、一〇・〇というふうに上がってまいったというのが過去の地価公示の変動率の推移でございます。
 ただ、表の十二を見ていただきますと、四十八年、四十九年、五十五年、この三年を比べておりますけれども、やはり相当さま変わりをいたしております。やはり四十八年、四十九年にはいろいろな地域が全部上がっておりますけれども、特に五十五年では準工業地だとか住宅地が中心に上がっているということでございまして、多少のさま変わりが見られるということでございます。
 それから二十四ページ、表が横になって入っておりますけれども、「長期的な地価の推移」でございます。地価公示等につきましては、比較的新しいものでございますので、ここにございますのは全国市街地価格指数ということでございまして、不動産研究所が全国の百四十都市、一都市十地点、いわゆる千四百地点につきまして時系列的に指数を発表いたしております。三月と九月に発表いたしておりますが、そのうちの三月分をとりましてここに一覧表をつくってみたものでございます。ここに、三十六年ごろに一つ大きな山があります。いわゆる岩戸景気と言われた時代でございます。その後景気が低迷いたしまして、なべ底景気という時代を過ぎたわけでございますが、四十七、八年当時にもう一度、一億総不動産屋と言われた、いわゆる投機的取引横行の時代がございました。その後、先ほど申し上げました国土利用計画法その他の対策が講ぜられましたので、五十年以降はこのような経過でじりじりと地価が上がっているというふうに御理解賜りたいと思います。
 二十六ページでございますが、そういうふうな売買による土地取引件数がどのように推移したかということでございます。四十八年には三百五十万件でございました。四十九年には二百八十万件でございました。それ以後、五十年から五十二年ごろまでは大体二百四、五十万件で推移をいたしました。このころからいろいろと税制その他の手直し等もしていただきました。五十三年には二百六十五万件、五十四年には二百七十六万件というふうに取引件数が再び逐次ふえてまいっております。特に東京圏、大阪圏は八・二とか七・四というふうに、五十四年度ではやや高い伸び率を示しております。地方圏におきましても、四十九年以来ずうっと五十二年までは三角がついておるわけでございますが、五十三年から初めて増に転じました。五十四年も引き続き増というふうな経過をたどっております。
 それらのものに対しまして、国土利用計画法によります土地取引の規制をどの程度やっているのかというのが二十八ページでございます。最近におきます届け出及び事前確認申請の状況でございますが、五十一年が約二十四万件台ということでございまして、先ほど申し上げました取引件数から見ますと、件数では一割弱、不動産取得税の課税対象面積で見ますと、おおむね二割五分程度というものをカバーしてまいっておるということでございます。恐らくこの小委員会でも、この届け出の対象を引き下げることの可否等が今後問題になろうかと思います。
 これも蛇足でございますが、二千平方メートル以上というふうに、市街化区域内の面積の条件が決められました当時のことを振り返ってみますと、当時の御論議の中身は、やはり施行能力ということが一つございました。機関委任事務でございまして、地方公共団体に人件費補助などもいたしておるわけでございますが、そういうものを通じての施行能力の問題、それからいわゆる大きなものと申しますか、二千平方メートル以上のものにつきまして規制をりっぱにやっておけばそれ以下のものは見習うだろうというような波及効果、それから他の法律との並び、たとえば公有地拡大法その他税法等との横並びということを考慮されまして、二千平方メートルが当時決められたわけでございます。最近の事情によりまして、今後十分検討していきたいと思っております。
 それから三十ページは、個人住宅用地の利用開始予定時の構成の推移でございます。これは、ここに言いたかったことは、毎年、買ってから一年以内に実用に供される個人の用地が非常にふえているということでございまして、逐次実需化しているということを申し上げたかったわけでございます。
 三十二ページが、企業の販売用土地の取引状況でございまして、図の九にございますように、いわゆる土地取引におきまして、取得とそれから売却というのが四十九年ごろから交差をいたしまして、むしろ取得よりも売却が上回っているというのが続いてまいっております。
 表の十五にございますのが「販売用土地の利用状況」でございまして、ここにございますように、都市計画区域内で見ますと、三大都市圏で見ましても、市街化区域内に八千ヘクタール、調整区域に一万一千八百ヘクタールあるわけでございます。そのうちで未着手のものが三千二百六十一ヘクタール、市街化区域内。市街化調整区域に一万ヘクタールあるということでございます。こういうものにつきましての今後の利用促進というものも課題の一つでございます。
 三十四ページは、先ほど申し上げました企業のそういうふうな土地の推移等につきまして、もう少し詳しく見たものでございます。これは五十三年から国民所得統計にかえまして、新SNAという方式を現在とって、国民経済計算ということで経済企画庁が数字をつくっておられます。それの中の土地につきまして、土地の純購入と純売却というかっこうでまとめてみたものでございます。この摘要にございますように、斜めの線は家計でございます。いわゆる農家なりわれわれ個人ということでございます。それから点々が打ってございますのが非金融法人企業、いわゆるデベロッパーでございます。白が金融機関、縦線が一般政府、いわゆる国なり地方公共団体なりということでございます。純計でございますので、当然のことながら上、下見合うわけでございますけれども、この表にございますように、四十七年、四十八年には非常に大きい取引がなされました。家計が相当売却をいたしまして、デベロッパーが中心になって買っております。その後、四十九年以後、各種施策によりまして厳しくされたという点もございまして、ずうっと取引が減ってまいりました。五十二年のときには、昭和四十五年を下回る純計になっております。
 さらに、その内訳といたしまして、先ほど申し上げましたように、このころになりますと、デベロッパーの方はむしろ売却の方に回っております。五十三年もさらにその傾向がふえておりまして、デベロッパーの売りが相当ふえておる。逆に家計の方で売っておりますものは、四十八年当時から比べますと十分の一ぐらいということに減っておるということでございます。したがいまして、こういうものをやはりそういうふうな宅地供給市場に出すということが大きな問題であるという意識を持っております。
 三十六ページ、これはたびたび御説明した数字でございますけれども、そういうものの対象として、市街化区域内農地の面積の推移でございます。五十四年には、全国では二十二万ヘクタール、三大都市圏では九万五千ヘクタールというふうな市街化区域内農地があるわけでございます。
 三十八ページを見ていただきますと、これは東京圏におきましてそういうものがどこに賦存しているかという調査をやったわけでございますが、既成市街地の中に、合計欄で見ていただきますと五二・一%がある。別な見方をいたしますと、用途地域の中では、いわゆる住居系の地域、一種住専、二種住専、住居地域というところにその九〇・四%が入っておるというのが東京圏における農地の現況でございます。その中で、いろいろな都市開発事業等が全然手をつけられていないというものが約九割あるわけでございまして、やはりこういうものにつきまして、供給の側に回していただくということは今後大事だなというふうに考えられるわけでございます。
 四十ページは、それとあわせまして東京圏の今後十年間ぐらいの農家の方々の農地の利用意思を聞いたわけでございます。この表につきましては、見方が甘いといつも言われましたけれども、いわゆるじんぜんとしていつまでも農業を続けたいという方が四五%、あとの方は、農業も続けたいけれども大部分とか一部とか半分ぐらいはとかいろいろ限定はございますが、他へ転用してもよいがと思っていらっしゃる方もあるということでございまして、このあたりでやはり新しい組織なりノーハウなりを提供したらうまくいくのかなというのが、この前御可決いただきました農住組合法案を考えました基礎になったわけでございます。これは最近のデータをとりあえず申し上げたということでございます。
 最後に、当面の対策の取りまとめでございますけれども、折り込みの四十七ページを見ていただきたいと思います。
 先ほど来申し上げましたようなことを念頭に置きながら、私ども、土地対策を進めていくべきであるというふうに考えておりますけれども、これ一つでいいという対策は土地対策にはないのじゃないかというふうに実は考えております。
 そこで、やはり当面の対策を講じます際に、われわれの正面の敵は何かということになりますと、地価が値上がりを続けているということであろうというふうに思います。したがいまして、ややわかりやすくと申しますか、いろいろとむずかしい理論もあると思いますけれども、現象的に値上がりの要因をとらえて分析をいたしますと、ここにございますように、一つは効用の増、一つは投機的土地取引、一つは宅地の需給の不均衡というものに原因があるのではないかと分析をいたしました。
 その効用増につきましては、ここにございますように、付近に交通機関ができたとか云々という場合で、その土地のいわゆる品位、品質、品等が上がるということでございまして、やむを得ない値上がりというふうに見ておりますけれども、問題といたしましては、その右に括孤で書いてございますように、開発利益の吸収という問題がございます。この点につきまして、現在、土地の値上がりということにつきましては、右側の括弧に書いてございますように、固定資産税、都市計画税などの三年ごとの見直しだとか、その他ここにございますいろいろな税制等によりまして相当程度吸収されておるというふうに私どもは見ておるわけでございます。
 二番目の原因でございます投機的土地取引につきましては、土地を商品視するものでございましてきわめて反社会的なものである、一番悪い原因だというふうに私ども思っております。したがいまして、これは今後におきましても引き続きかたく抑え込まなければならないというふうに考えております。
 それに対して現在とっております対策は、ここにございますように三つ挙げておりますけれども、一つは国土利用計画法の的確な運用ということでございます。この中には先ほど申し上げました届け出制による土地取引規制がございます。しかし、これもやはりこの小委員会で問題になると思いますけれども、そういう反社会的な商品として取り扱う土地の取引ということでございますので、そういうものにつきましてはいわゆる届け出制じゃなくてその下の許可制というものもあると思いますけれども、契約自由の範囲内におきましてはこの届け出制による土地取引規制が相当効果を上げておるのではないかというふうに見ております。
 規制区域の指定及び土地取引の許可制につきましては、ここにございます「土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、及び地価が急激に上昇する場合」というのが指定の要件でございます。遅滞なくそういうことを発動するというためには、絶えずそういうような状況を監視する必要があります。
 したがいまして、土地取引動向等の監視ということに相当力を入れてまいっております。規制区域指定事前調査は、現在二百三十七地域、ずっと毎年やってきておるわけでございますが、ことしからは特にその中でホットなものと推定されるものがあった場合にはもっと詳細な調査をするという意味で、二百三十七地域の約一割に当たります二十四地域分の予算を計上いたしております。規制区域の地域別調査の方では、土地取引の実情、地価の実情、投機の実情等について三カ月ごとに調査をいたしておるものでございます。特別詳細調査の方は、さらに仮登記とか取引の内容まで立ち至りまして月別に調査を行うというものでございます。そういう状況を絶えず監視をしながら、必要があれば随時規制区域の指定を行うというのが私どもの基本的な姿勢でございます。目下のところ、各都道府県でこういう調査をしておるさなかにおきまして、投機的取引はないというふうな報告を受けておるわけでございます。
 投機的土地取引抑制のもう一つの対策といたしまして、税制による抑制がございます。これはいずれも良好なものに対しては優遇特例措置ができておりますけれども、いわゆる短期重課、それから法人重課、特別土地保有税というようなものが現在施行されておりまして、非常に投機の抑制に効果を上げております。特にこの短期重課等につきましては、計算をしてみますと、たとえば土地を買いまして一七、八%の値上がりを見込んだとしましても、こういう税制のもとでは五年後の利回りは三%強にすぎない、十年たっても四%強にすぎないというふうなことになります。そういうことになりますと、いわゆる自分の金でやるのならもっと別なもうかる投資がある、借金をしてやれば損だ、こういうふうな税制でございます。私どもはこういうふうな短期重課税制につきましてはなお堅持をしてまいりたいと思っております。
 それから、融資の抑制ということでございます。これもいわゆる造成だとかというふうなものに対する融資ではございませんで、更地の取引ということにつきましては中身を十分検討してやるという趣旨でございまして、五十四年の二月から大蔵省がきつく指令を出しております。ときどきの調査におきましてその割合等も見ておりまして、厳重な監視をいたしております。
 この三つの対策で十分投機的土地取引の抑制はできるし、現に抑制しておるというふうに私どもは見ておるわけでございます。
 残る一つが宅地の需給の不均衡という問題でございます。先ほど来申し上げましたように、約一万三千ヘクタールぐらい欲しいなということに対しまして一万ヘクタールを切る供給に終わっておるという実情から見まして、ついそういうふうなものにつきましては買い進みが行われておる、これが値上がりの原因の非常に重要な部分を占めておるというふうに見ておるわけでございます。したがいまして、宅地の需給の不均衡に対する対策といたしましては、需要を抑えるか供給をふやすか、この二つしか方法はないわけでございます。しかしながら、先ほど最近住宅を買っていらっしゃる需要層のことを申し上げましたように、こういう方々につきまして、やはり現在そういうふうな需要を抑え込むというのはいかがなものか、政策的にはやはりどうしても供給促進ということの方が本筋であろうというふうに私ども考えております。
 そこで、そうなると、それでは供給を促進するためにはどういう対策があるのだということになりますが、やはり一つは利用されていない土地を活用する、一つは再開発を促進する、一つは農地等の転換を促進する、この三つが対策の重点ではないかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、ここに並べてございますが、宅地需給の長期見通しをつくるとか、計画的宅地開発事業のための財政上、金融上の措置を講ずるとか、再開発を促進するとか、線引きの見直しもやるとか、土地利用転換の推進のためにいろいろな対策を講ずるとか、同時に土地税制の改善にも努力をする。それらのものを総合的に対策を講じまして、いわゆる未利用地の活用、再開発の促進、農地転換の促進というふうなことにつきまして促進をしてまいりたい。現に講じておる対策はここに書いてあるわけでございますが、今後におきましても、そういう見地でなお総合的な対策について模索し、推進していきたいと考えておるわけでございます。
 結論的に申しますと、引き続き投機的な土地取引は抑制しながら供給を促進するということが必要でございまして、これ一つの対策というのではなくて、それらのものにつきまして総合的な対策を引き続き講じてまいりたい、こういうふうに考えているのが現状でございます。
 やや時間を超過いたしましたけれども、資料の説明は以上で終わらせていただきたいと思います。
#6
○村岡小委員長 以上で説明は終わりました。
 これより懇談に入りますが、関係者以外の方には退席をお願いいたしまして、この際、暫時休憩をいたしたいと思います。
    午前十一時十八分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕




ソース: 国立国会図書館
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