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#1
第093回国会 建設委員会 第5号
昭和五十五年十月二十九日(水曜日)
    午後四時四分開議
 出席委員
   委員長 稲村 利幸君
   理事 池田 行彦君 理事 内海 英男君
   理事 中村  靖君 理事 村岡 兼造君
   理事 木間  章君 理事 中村  茂君
   理事 伏木 和雄君 理事 渡辺 武三君
      狩野 明男君    金丸  信君
      鴨田利太郎君    北村 義和君
      桜井  新君    田村 良平君
      竹中 修一君    谷  洋一君
      登坂重次郎君    中西 啓介君
      堀之内久男君    村田敬次郎君
      井上 普方君    小野 信一君
      山花 貞夫君    横山 利秋君
      薮仲 義彦君    林  保夫君
      瀬崎 博義君    林  百郎君
      甘利  正君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 原 健三郎君
 出席政府委員
        国土政務次官  大塚 雄司君
        国土庁長官官房
        長       谷村 昭一君
        国土庁土地局長 山岡 一男君
        建設省計画局長 宮繁  護君
        建設省都市局長 升本 達夫君
        建設省住宅局長 豊蔵  一君
 委員外の出席者
        建設委員会調査
        室長      川口 京村君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月二十八日
 辞任         補欠選任
  竹中 修一君     佐々木義武君
  横山 利秋君     上坂  昇君
同日
 辞任         補欠選任
  佐々木義武君     竹中 修一君
  上坂  昇君     横山 利秋君
同月二十九日
 辞任         補欠選任
  大野  明君     北村 義和君
  鹿野 道彦君     狩野 明男君
同日
 辞任         補欠選任
  狩野 明男君     鹿野 道彦君
  北村 義和君     大野  明君
    ―――――――――――――
十月二十五日
 国立療養所邑久光明園及び長島愛生園所在の長
 島、本土間架橋に関する請願(橋本龍太郎君紹
 介)(第三九七号)
 同(山口鶴男君紹介)(第四一〇号)
 同(玉城栄一君紹介)(第五一九号)
 国民本位の住宅政策推進等に関する請願(瀬崎
 博義君紹介)(第四二五号)
 同(林百郎君紹介)(第四二六号)
 同外三件(中村茂君紹介)(第四七六号)
 道路整備の促進に関する請願(赤城宗徳君紹介)
 (第四七五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農住組合法案(内閣提出第一三号)
     ――――◇―――――
#2
○稲村委員長 これより会議を開きます。
 農住組合法案を議題といたします。
 別に質疑の申し出もありませんので、これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。中村靖君。
#3
○中村(靖)委員 私は、自由民主党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました農住組合法案に対しまして、賛成の意向を表明するものであります。
 本法律案は、大都市地域において、住宅地等の供給を促進し、あわせて市街化区域内農地所有者等の経済的社会的地位の向上を図るため、農地所有者等が協同して、当面の営農の継続を図りつつ農地を円滑に住宅地化するため、農住組合を設立することができるものとし、農住組合制度の対象地域、組合の事業内容、組合の組織等について所要の規定を整備したものであります。
 委員各位には御承知のごとく、最近の地価上昇は効用増によるものもありますが、宅地需給の不均衡がその主因であり、特に宅地需要の強い三大都市圏においては、宅地供給の促進を図ることが、当面の土地政策の緊急課題となっております。
 しかしながら現在、三大都市圏の市街化区域内には、約九万五千ヘクタールの農地があり、今後の主要な宅地供給源として期待されておりますものの、引き続き営農の継続を希望する農家も数多くあり、その宅地化は十分に進んでいないのが現状でありますから、本農住組合制度の内容及び本制度の活用による宅地の供給施策は、現下の土地対策にきわめて現実的かつ有効な施策であると言うべきであります。
 以上申し述べた理由により、私は本法律案につきまして賛成するものであり、委員各位の御賛同をお願いする次第であります。(拍手)
#4
○稲村委員長 木間章君。
#5
○木間委員 私は日本社会党を代表して、反対の立場で討論を申し上げたいと思います。
 政府は、最近の地価上昇の原因は、土地の効用増と宅地需給の不均衡にあるとして、土地政策の緊急課題は宅地供給を強力に推進することとしておりますが、地価上昇の根本原因は、政府の今日までの土地政策の無策から、特に地価の上昇率が預金利子率をはるかに上回り、しかも市街化区域であっても、都市施設の段階的な整備計画等がなされていない、いわゆる市街化進行地域、都市基盤未整備地区を放置しているところにあるのであって、この農住組合法でも解決できるものではありません。
 以下、順次農住組合法に対して申し上げてみたいと思います。
 第一は、農住組合制度の設立が予定される都市の形態が全く明確でないことであります。すなわち、市街化区域のスプロール化した状態が予想され、その地域では都市施設の後追いが余儀なくされ、結果的には大変な地方財政の負担を招くということであります。
 第二は、農住組合が設立できる農家と設立できない農家との区別の問題でありますが、設立できる農家にいたしましても住宅経営などがうまくいくかどうか。また、当面の営農でありますから、十年の期間が過ぎた後も営農地区が存続できないような事情が発生しないか、その際の生活再建はどのようなものであるか。後者の設立できない農家は、それでは当面どのような生活設計を図ればよいのか。この辺が全く不明確で、要するに本制度は市街化区域農家の今後の生活に重大な影響を及ぼす制度であります。
 第三は、住宅経営等が予定される事業が、すなわち、農家の不動産兼業の見通しと成否の問題であります。恐らくこの分野には不動産専門の業者等が入り込み、農家にとって事志と違う結果となるおそれが多分にあり、また、とのことは、地価上昇の新たな原因になるおそれがあります。
 第四は、農住組合の組織でありますが、准組合員の実態が不明確であり、また准組合員が一切の請求権、議決権を有しないということは、准組合員の実態の不明確とも関連して、今後いろいろな問題を起こすおそれがあり、また非民主的なルールと言わざるを得ないのであります。第五は、第二の問題とも関連いたしますが、農住組合の営農地区、生産緑地以外の農地に対する宅地並み課税の問題であります。
 実に本制度は、農住組合か宅地並み課税かのいずれかの選択を迫る制度であります。それでは、面積、要件等で農住組合を設立できない農家はどうしたらよいのでしょうか。
 以上が、わが党が農住組合法案に反対する主たる理由でありますが、わが党は、市街化区域内農地に対する政策として、かねてより登録農地制度、地方自治体に土地信託制度を創設することなどを提案、主張していることは御承知のとおりであります。
 以上、反対の理由を述べましたが、わが党の宅地住宅政策は、宅地の安定供給と、良質にして低廉な公共賃貸住宅の建設にあることを主張いたしまして、私の反対討論を終わらせていただきます。(拍手)
#6
○稲村委員長 林百郎君。
#7
○林(百)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま提案されております農住組合法案に対して、反対の討論を行います。
 最近の大都市圏の土地、住宅問題をこれほどまでに深刻化させました原因は、自民党政府の長い間の失政の結果にほかなりません。高度成長時代を通じて無秩序な人口の大都市への集中と乱開発を放任、助長して、大企業、大地主の土地等に対する投機的利益を保障して、一方では、庶民には過重な住宅費の負担を負わせるいわゆる持ち家主義、民間自力建設中心の土地、住宅政策を押しつけた結果の破綻は明白であります。
 反対の第一の理由は、本来政府が実施しなければならない土地政策は、大企業が三大都市圏市街化区域内で所有する国土庁の発表によってすら八千ヘクタールもある販売用宅地を公的に収用するなど、有効に活用し、投機的土地取引の規制、遊休地に対する税制の強化等の総合的施策であります。ところが、今回政府がとった措置は、農地の吐き出しだけをねらったものにすぎません。これが反対の第一の理由であります。
 また第二には、三大都市圏の市街化区域内農地所有者の大部分、たとえば東京圏の九七%の農民は、長期にわたって農業の継続を熱望しております。さらに三大都市圏内農地は、緑のオープンスペースとしてあるいは生鮮野菜の供給基地として、都市住民に積極的な役割りを果たしているわけでございます。
 ところが政府は、本法と宅地並み課税の完全実施とは直接連動はしないと言明しておりますものの、質疑の中で、農住組合に入れば一時的にではあれ免税措置が受けられるということから、宅地並み課税の完全実施が市街化区域内農民に農住組合への加入を促進する間接的な効果を上げることに期待をしていることは明らかでありまして、これを示唆する答弁が行われておるわけでございます。したがって、組合に入らなければ宅地並み課税の実施、組合に入っても当分の間は免除、いずれは宅地並み課税が実施され、事実上市街化区域内農業がつぶされていくようなことになることは明らかであります。そしてそれが宅地化されるということも明白でございます。これが第二の反対の理由であります。
 第三の反対の理由は、せっかく農民が積極的に農住組合を設立しましても、民間金融機関や民間デベロッパーの介入、支配の危険性があるにもかかわらず、本法案にはそれを防ぐ有効な措置が何ら講じられていないということです。この点については原長官も、そんなことになれば困るという危険性が存在することを認められた答弁もされております。
 日本共産党は、土地の投機的買い占めや銀行の土地融資の規制を初め、地価の高騰を抑えて地価の安定を図る緊急措置をとって、国民の生活用地確保のため、国や自治体の所有地の拡大、そして民間宅地開発の指導の強化など、強力な土地対策をとることを要求するとともに、都市圏の農地の果たす重要な役割りを正しく評価して、営農の意欲を持っている農民を、税金の面からやむなく農地を手放させるような宅地並み課税には反対いたしまして、以上の諸理由によって本法案に反対をする次第であります。(拍手)
#8
○稲村委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#9
○稲村委員長 これより採決に入ります。
 農住組合法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#10
○稲村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#11
○稲村委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、村岡兼造君外五名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブの六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。村岡兼造君。
#12
○村岡委員 ただいま議題となりました農住組合法案に対する附帯決議案について、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブを代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、すでに質疑の過程におきまして委員各位におかれましては十分承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    農住組合法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、住宅、宅地の供給に当たっては、大都市地域において良質低廉な公共賃貸住宅の建設と宅地の安定供給を促進するとともに、強力な地価対策の推進に努めること。
 二、農住組合の営農地区の設定に当たっては、都市の緑と空間の保持及び生鮮な食品等の供給に配慮して、適切な指導をすること。
   また、農住組合の健全かつ民主的な運営に万全を期すること。
 三、農住組合が行う住宅地の譲渡については、公的賃貸住宅用地への活用に配意するとともに、国及び地方公共団体は、農住組合が行う事業に対し積極的に助言・指導すること。
   また、農住組合が行う住宅の供給は、賃貸住宅に配意するとともに、住宅の家賃又は譲渡価格については、適切な指導をするよう努めること。
 四、農住組合の住宅地の造成に伴う関連公共施設の整備については、配慮に努めること。
 五、本法といわゆる宅地並み課税との関係について、誤解をきたさないよう努めること。
   右決議する。
以上であります。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#13
○稲村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#14
○稲村委員長 起立総員。よって、村岡兼造君外五名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、原国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。原国土庁長官。
#15
○原国務大臣 本委員会におかれましては、本法案につきまして熱心な御審議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げる次第でございます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めるとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分体して努力いたしていく所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 どうもありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○稲村委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○稲村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
#18
○稲村委員長 次回は、来る十一月七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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