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#1
第093回国会 商工委員会 第1号
本国会召集日(昭和五十五年九月二十九日)(月
曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の
とおりである。
   委員長 野中 英二君
   理事 梶山 静六君 理事 辻  英雄君
   理事 原田昇左右君 理事 渡部 恒三君
   理事 後藤  茂君 理事 清水  勇君
   理事 北側 義一君 理事 宮田 早苗君
      天野 公義君    植竹 繁雄君
      浦野 烋興君    小川 平二君
      奥田 幹生君    粕谷  茂君
      島村 宜伸君    田原  隆君
      泰道 三八君    橋口  隆君
      鳩山 邦夫君    林  義郎君
      松永  光君    水平 豊彦君
      宮下 創平君    粟山  明君
      森   清君    渡辺 秀央君
      上坂  昇君    城地 豊司君
      藤田 高敏君    水田  稔君
      山本 幸一君    渡辺 三郎君
      長田 武士君    武田 一夫君
      横手 文雄君    小林 政子君
      渡辺  貢君    伊藤 公介君
      阿部 昭吾君
―――――――――――――――――――――
昭和五十五年十月十七日(金曜日)委員長の指名
で、次のとおり小委員及び小委員長を選任した。
 エネルギー・鉱物資源問題小委員
      植竹 繁雄君    浦野 烋興君
      奥田 幹生君    島村 宜伸君
      田原  隆君    橋口  隆君
      原田昇左右君    水平 豊彦君
      宮下 創平君    粟山  明君
      渡辺 秀央君    後藤  茂君
      城地 豊司君    藤田 高敏君
      水田  稔君    長田 武士君
      北側 義一君    宮田 早苗君
      渡辺  貢君    伊藤 公介君
 エネルギー・鉱物資源問題小委員長
                島村 宜伸君
 流通問題小委員
      天野 公義君    小川 平二君
      梶山 静六君    粕谷  茂君
      泰道 三八君    辻  英雄君
      鳩山 邦夫君    林  義郎君
      松永  光君    森   清君
      渡部 恒三君    上坂  昇君
      清水  勇君    山本 幸一君
      渡辺 三郎君    北側 義一君
      武田 一夫君    横手 文雄君
      小林 政子君    伊藤 公介君
 流通問題小委員長       渡辺 三郎君
―――――――――――――――――――――
昭和五十五年十月十七日(金曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 野中 英二君
   理事 梶山 静六君 理事 辻  英雄君
   理事 原田昇左右君 理事 後藤  茂君
   理事 清水  勇君 理事 北側 義一君
      天野 公義君    浦野 烋興君
      奥田 幹生君    粕谷  茂君
      島村 宜伸君    泰道 三八君
      橋口  隆君    鳩山 邦夫君
      林  義郎君    松永  光君
      水平 豊彦君    宮下 創平君
      粟山  明君    森   清君
      上坂  昇君    城地 豊司君
      水田  稔君    山本 幸一君
      武田 一夫君    塩田  晋君
      小林 政子君    渡辺  貢君
      伊藤 公介君    阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  田中 六助君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      河本 敏夫君
 出席政府委員
        経済企画庁長官
        官房長     禿河 徹映君
        経済企画庁調整
        局長      井川  博君
        経済企画庁物価
        局長      藤井 直樹君
        通商産業大臣官
        房長      杉山 和男君
        通商産業省機械
        情報産業局長  栗原 昭平君
        通商産業省生活
        産業局長    若杉 和夫君
        資源エネルギー
        庁長官     森山 信吾君
        中小企業庁長官 児玉 清隆君
 委員外の出席者
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月九日
 辞任         補欠選任
  伊藤 公介君     小杉  隆君
同日
 辞任         補欠選任
  小杉  隆君     伊藤 公介君
同月十七日
 辞任         補欠選任
  横手 文雄君     塩田  晋君
同日
 辞任         補欠選任
  塩田  晋君     横手 文雄君
    ―――――――――――――
十月十三日
 灯油の価格抑制等に関する請願(岡田利春君紹
 介)(第五二号)
 同(斎藤実君紹介)(第五三号)
 同外一件(安井吉典君紹介)(第五四号)
 同(塚田庄平君紹介)(第一六四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十月十六日
 家庭用灯油の価格抑制に関する陳情書(北海道
 議会議長西尾六七)(第四九号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 小委員会設置に関する件
 通商産業の基本施策に関する件
 経済の計画及び総合調整に関する件
     ――――◇―――――
#2
○野中委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 通商産業の基本施策に関する事項
 中小企業に関する事項
 資源エネルギーに関する事項
 特許及び工業技術に関する事項
 経済の計画及び総合調整に関する事項
 私的独占の禁止及び公正取引に関する事項
 鉱業と一般公益との調整等に関する事項以上の各事項につきまして、議長に対し、国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○野中委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。
 鉱物及びエネルギー資源に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなるエネルギー・鉱物資源問題小委員会
及び
 流通問題に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなる流通問題小委員会を、それぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 両小委員会の小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 両小委員会の小委員及び小委員長は、委員長において追って指名し、公報をもってお知らせいたします。
 なお、小委員及び小委員長の辞任、補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#8
○野中委員長 通商産業の基本施策に関する件並びに経済の計画及び総合調整に関する件について調査を進めます。
 この際、通商産業大臣及び経済企画庁長官から、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。田中通商産業大臣。
#9
○田中(六)国務大臣 第九十三回国会における商工委員会の御審議に先立ちまして、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し述べます。
 わが国経済は、第一次石油危機以降の相次ぐ石油価格の上昇にもかかわらず、欧米諸国に比して順調な成長を遂げてまいりました。物価動向や雇用情勢も比較的安定しております。このような過去におけるわが国経済の実績は、諸外国からも高く評価されております。
 しかしながら、今後のわが国経済をめぐる環境は決して楽観してよいものではありません。世界経済はいまだ景気停滞や物価上昇に悩まされているほか、エネルギー問題、南北問題など世界が解決すべき課題は山積しております。国際政治情勢は今後とも流動的に推移すると考えられます。国内に目を転じますと、資源エネルギー上の制約や高齢化の進展など、長期的に解決を迫られている問題が残されています。
 八〇年代を迎えてわが国が直面するこれら諸困難を乗り切るためには、過去におけると同様に国民と政府が一致協力してその高い適応力を発揮する必要があります。私は、このような認識のもとに、情勢に応じた機敏かつ適確な対応と民間活力の最大限の発揮を基本とし、今後の通商産業行政を推進する所存であります。
 まず、わが国の今後の経済運営について申し上げます。
 最近のわが国の経済動向を見ますと、昨年来の原油価格の大幅な上昇の影響に加えて、前倒し需要の反動や冷夏の影響もあり、景気は総じて増勢鈍化の傾向にあります。他方、物価面では、卸売物価の騰勢はほぼ峠を越したものと見られ、消費者物価も落ちつきの方向にあります。
 このような情勢のもとで、去る八月末には公定歩合の引き下げが行われました。九月上旬には、今後の経済運営の基本方針としていわゆる物価と景気の両にらみの政策運営を行うこととし、消費者物価が政府見通し程度におさまるよう引き続き物価の安定に努力を傾けるとともに、公共事業の円滑な執行など、景気を維持するために必要な一連の対策を決定いたしました。
 しかしながら、経済の先行きは依然予断を許しません。国際石油清勢、円相場の動向など不透明な要素も多く、また、最近の財政事情にかんがみ、景気が一たん冷え込んだ場合の浮揚手段には制約があります。今後の経済運営に誤りなきを期するために、経済の現状、見通しについて現在ほど適確な認識と判断を求められているときはありません。
 通商産業省としては実態経済の動向把握に全力を挙げるとともに、今後とも政策対応のおくれを厳に避け、産業界、とりわけ中小企業の実情を踏まえ、機動的な対応により物価の安定と国際的な期待にこたえた持続的成長を維持すべく、経済運営に遺憾なきを期してまいります。
 さらに、中長期的観点からは、民間設備投資の役割りは従来にも増して重要なものとなっております。エネルギー制約を克服しつつ供給力確保や生産性の向上及びこれらを通じた物価の安定、さらには雇用機会の確保を図るため、今後とも設備投資の健全な伸長が必要であります。このため、通商産業省は所要の投資環境の整備に努める所存であります。
 次に、エネルギー政策について申し上げます。
 さきのベニス・サミットにおいては、エネルギー問題の解決が各国共通の最重要課題であることで意見の一致を見ました。イラン・イラク紛争に見られるごとく、不安定な国際情勢を背景にエネルギー安全保障の確立はわが国にとっての最大の政策課題であります。
 わが国は、イラン政変に端を発したいわゆる第二次石油危機を、省エネルギー努力や石油代替エネルギーへの転換努力により、国民と政府が一体となって克服してまいりました。
 また、このたびのイラン・イラク紛争により、この地域からの石油供給に支障が生じつつあります。しかしながら、世界の石油需給を見ますと、紛争前には一日当たり二百万ないし三百万バレルの供給余剰があったと言われています。また、さきのOPEC特別総会後、一部産油国においては減産の動きもあったやに伝えられましたが、紛争発生後はこのような動きも差し控えられ、むしろ一部の産油国は増産の動きを示しているようであります。他方、先進国の備蓄水準も、国際エネルギー機関、IEA加盟国で百四十日分の備蓄があります。さらに、イラン・イラク紛争に伴う輸出量減少に対しては、同機関加盟各国は当面備蓄の取り崩しで対処し、スポットの高値買いを自粛するよう申し合わせを行いました。わが国もこの申し合わせに即して先般石油各社に対し、所要の指導を行ったところであります。
 国内の石油需給につきましても、昨年来の石油消費節減対策が着々と成果を挙げたこともあり、現在までのところ、本年の石油消費量は顕著な減少となりました。備蓄水準も第一次石油危機直前の六十日、イラン政変直前の九十日を大きく上回り、本年八月末現在で民間備蓄百四日、政府備蓄七日の計百十一日分に達しております。特に国民生活に密着する灯油在庫については、八月末で約六百八十万キロリットルと石油供給計画における九月末の水準を大幅に上回っており、需給、価格とも安定しております。
 このような内外の石油需給、備蓄の状況により、国民の冷静な対応があれば当面石油供給面における不安はありません。通商産業省としては引き続き紛争の動向を注視するとともに、冬場の需要期に向けて七%の石油消費節減の一層の徹底を図る所存であります。
 しかしながら、国際石油情勢の根底には産油国の資源温存政策の強化や政治的不安定性など楽観を許さない要因が存在しております。中長期的に国際石油需給が逼迫化の方向に向かうことは避けられないものと見られます。
 このような諸状況を踏まえ、石油安定供給を図るためには供給源の分散化を図ることが不可欠であります。
 このため通商産業省としては、産油国との人的交流、経済協力を通じ、中東産油国のみならず、アジア及び中南米諸国などからの石油輸入の確保に努めることにいたします、あわせて内外の石油開発を推進するとともに、政策原油の輸入など原油の多面的な確保に一層の努力を傾注してまいります。また、世界の需給状況に応じて引き続き備蓄の増強を図る所存であります。
 さらに、わが国経済の将来にわたる絶ゆまぬ発展を確保するため、石油代替エネルギーを最大限に活用し、また、産業、民生、運輸各分野における省エネルギーを推進することにより、いわゆる脱石油社会を速やかに実現しなければなりません。
 ベニス・サミットにおける国際的合意を踏まえつつ、今後十年間に輸入石油の依存度を五〇%に引き下げることを目標として、原子力、石炭、太陽熱など石油代替エネルギーの開発導入を強力に推進してまいります。本年十月には新エネルギー総合開発機構が発足いたしました。今後は同機構を中核として、石油代替エネルギーの開発導入のための施策の一層の充実強化を図ることといたします。
 また、電源の開発につきましては、原子力を初めとする石油代替電源の積極的な導入の推進を図る所存であります。
 特に、原子力は、今後における電源の中核を担うエネルギー源であります。わが国では、現在約手五百万キロワットの原子力発電設備が稼働しております。将来にわたってエネルギーの安定供給の確保を図っていくためには、昭和六十五年度までに原子力発電所を五千万キロワット強の規模に拡大するとの目標をぜひとも達成する必要があります。
 しかしながら、原子力発電所についてはその建設、立地が円滑に進まず、計画から運転開始まで十数年の長期を要するという実態にあります。このような状況ではわが国の将来のエネルギー確保ははなはだおぼつかないものと言わざるを得ません。現在、世界の原子力発電設備は運転中のものだけでも約一億四千万キロワットにも達しております。原子力発電の安全性、有効性については、このような世界の実績が何にも増して雄弁に物語っています。
 私は、原子力発電の促進を図るため、世界の大きな流れを踏まえて、国民各位の一層の御理解と御協力を得るべく、全力を傾注してまいる覚悟であります。
 通商産業省は、原子力を初めとする石油代替電源の開発と立地の推進を図るため、安全性の確保と環境の保全に十分留意するとともに、地元福祉の向上、地域経済の振興のため所要の施策の抜本的強化を図ることとしております。とりわけ原子力発電については、地元住民や地方公共団体との間断なき対話を通じて、その円滑な立地に努力を払ってまいる所存であります。
 また、今後わが国において原子力の本格的な開発、利用を進めていくためには、その基盤の整備を図ることが重要であります。ことに再処理、ウラン濃縮の事業化の推進など、自主的核燃料サイクルの確立は焦眉の急となっております。また、軽水炉の次の世代を目指し、あるいは軽水炉を補完するものとして、高速増殖炉などの新型動力炉の研究、技術開発の促進を図る必要があります。
 通商産業省としては、これらの政策課題について関係省庁の力を結集し、総合的な観点に立って施策の推進を図ってまいる所存であります。
 省エネルギーにつきましては、当面の石油消費節減対策とあわせて、工場における省エネルギーやエネルギー消費機器の技術開発などにより、エネルギーの使用の合理化をさらに推進いたします。また、わが国産業構造の省エネルギー化を強力に進めてまいります。
 なお、今後の石炭対策につきましては、中長期的な展望に立って、新石炭時代にふさわしい石炭政策の方針を早急に確立すべく、現在石炭鉱業審議会及び産炭地域振興審議会において検討をお願いしております。
 次に、対外経済政策について申し上げます。
 世界経済は、現在インフレ、景気後退、国際収支不均衡などの困難な問題を抱えております。こうした情勢を背景に、各国においては保護貿易王義の動きが強まる傾向にあります。しかし、世界経済の健全な発展のためには、関係諸国政府との緊密な協力のもとに自由貿易体制を維持強化していくことが肝要であります。
 このため、わが国としては、東京ラウンドで合意された諸協定の円滑な実施に努めております。
 また、米国、ECとの通商関係においては、相手国の市場動向にも十分配慮した節度ある輸出を行うとともに、日・EC間の産業協力のような幅広い協力を通じて摩擦なき対外経済関係の形成に努めてまいります。
 さらに、最近の国際エネルギー情勢にかんがみ、私は、エネルギー外交に積極的に取り組みたいと考えております。国際エネルギー機関を通ずる先進国間協調を進めるとともに、産油国との積極的な対話と相互協力関係の強化に努める所存であります。
 私は、できる限り早い機会に産油国を訪問したいと考えております。
 また、国際社会におけるわが国の責務を十分認識するとともに、発展途上国との相互依存関係がとりわけ深いわが国としては、政府開発援助、貿易、直接投資を有機的に結合した総合的経済協力を推進いたします。大規模経済協力プロジェクトの推進や、エネルギー、人づくりに重点を置いた技術協力の推進を通じて、南北問題の国際的解決にも一層の貢献を行うことが重要であります。
 特に中国、ASEANなど近隣諸国との関係の緊密化、豪州を含む環太平洋地域との交流の促進にも一層力を入れてまいる所存であります。
 九月に私はフィリピン、マレーシア、ビルマ、タイの四カ国を訪問いたしました。その際、私は、わが国のすぐれた経済力、技術、ノーハウをこれら諸国との協力関係の中で一層生かしていくことが重要であることを痛感いたしました。今回の訪問に当たり、私は、エネルギー問題の解決、中小企業の振興、製品輸出の開発、拡大、人づくりに対する協力という四つの基本原則に基づき、これら諸国との協力関係を深めるべきである旨を提案し、各国首脳の賛同を得ることができました。こうした協調関係の確立は、世界経済の調和ある発展にも貢献するものと信ずる次第であります。
 次に、技術政策について申し上げます。
 わが国がさらに発展を持続していくためには、技術立国への道を歩んでいく必要があります。今後将来に向けてわが国はエネルギー制約のもとに社会の活力を維持し、国民生活の質を一層向上させるという困難な課題に直面しております。その解決のための有力な手段として、技術開発に寄せられる期待はきわめて大きいものがあります。導入技術に依存したわが国が、今後とも世界の先端を行く技術立国としての地位を確保するためには、官民のポテンシャルを最大限に活用しつつ、創造的な自主技術開発を行うことが不可欠であります。
 このため、九〇年代に開花が期待される次世代産業の確立に必要な基盤技術の開発を推進することといたします。また、エネルギー技術については、サンシャイン計画、ムーンライト計画を引き続き実施してまいる所存であります。
 さらに、新たな産業ニーズにこたえるため、大型工業技術プロジェクトを推進するとともに、資源探査を初めとして新たな利用分野の開拓が期待される宇宙産業や情報産業、航空機産業、原子力機器産業などの技術先端産業を育成し、産業構造の創造的知識集約化を進めていく方針であります。
 次に、中小企業政策について申し上げます。
 昨今の景気のかげりは特に中小企業に色濃くあらわれております。中小企業の倒産件数は引き続き高水準で推移しているほか、生産は五月以来連続して減少しております。このため、今後の経済運営に当たっては中小企業の経営の安定に万全の配慮を期してまいる所存であります。
 中長期的に見ても中小企業をめぐる環境は、エネルギーコストの急上昇、国民ニーズの多様化、中小企業の国際化、地域経済社会における役割りの増大など、著しく変化しております。中小企業はこれらの課題の克服を迫られています。このような環境の中にあって、中小企業が活力ある多数として、今後ともわが国経済の発展の基盤となって健全な成長を遂げていくことが重要であります。
 このため、通商産業省としては、中小企業大学校の拡充などソフトな経営資源の充実、地場産業振興対策の推進や海外投資の円滑化に努めております。また、資金調達の円滑化、小規模事業対策などにつき、引き続きその強化拡充を図ってまいる所存であります。
 ただいま申し上げました諸施策とあわせて、産業の適正配置や産業保安対策、環境保全対策を推進することにより、安全で魅力ある地域経済社会の形成に努めてまいります。
 特にガス保安対策については、静岡のガス事故の教訓を生かし、二度と同種の事故を起こすことのないよう、対策の強化に万全を期する所存であります。
 また、国民のニーズに即応した良質な住宅の開発や製品安全対策、消費者行政の強化など国民生活に密着した対策にも積極的に取り組んでまいります。
 以上、通商産業行政を展開します上での所信の一端を申し述べました。
 私は、内外環境が従前にも増して厳しいこの時期に通商産業行政を担当することとなり、その責務の重大さを痛感いたしております。激動する諸情勢を十分に把握し、発生する諸問題に対しては適確な判断と果断かつ迅速な決断を行い、国民各位の御理解と御協力のもとに強力に通商産業行政を推進してまいる決意であります。
 また、その過程においては、民間活力の最大限の発揮を基調としつつ、これに対し政府が支援しあるいは環境づくりを行うことにより、官民双方の密接な協力が図られなければならないと考えている次第であります。
 委員各位におかれましても一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げまして、私のあいさつといたします。(拍手)
#10
○野中委員長 次に、河本経済企画庁長官。
#11
○河本国務大臣 当委員会が開催されるに当たりまして、当面する経済情勢と経済運営の基本的方向について、所信の一端を申し述べたいと存じます。
 わが国経済は、五十三年末以降の第二次石油危機のため再び試練に見舞われ、特に国際収支や物価の面で大きな影響を受けました。
 これに対し、国民の賢明かつ冷静な対応の結果、これまでのところ第二次石油危機の影響が深刻化する事態を避けることができました。国際的にも良好な成果を上げたとして高い評価を得ております。しかし、石油危機の試練が完全に終わったわけではなく、また、イラン・イラク紛争など不透明要因もあり、わが国経済を安定成長路線に定着させるためにはなお一層の努力が必要であります。
 最近のわが国経済の動向を見ますと、物価については、卸売物価は本年四月をピークに騰勢が鈍化し、ほぼ峠を越えたものと思われます。消費者物価は二月以降おおむね前年同月比八%台の上昇が続いており、夏の異常気象の野菜への影響等なお警戒を要する面があるものの、基調的には落ちつきの方向にあると判断をしております。
 一方、景気については昨年から本年の初めにかけ比較的順調な拡大が続いてまいりましたが、このところかげりとも目される状況が見られるに至りました。
 国内需要は民間設備投資が堅調な増勢を続けているものの、民間最終消費が伸び悩み、民間住宅投資が停滞するなど、総じて増勢が鈍化しております。これに伴い生産、出荷の拡大テンポも次第に緩やかなものとなっております。
 また、企業の収益は好調が続いていると見られますが、今後の動向については慎重な見方がなされております。
 この間、雇用は昨年来の改善傾向を続けている反面、企業倒産は高水準で推移をしております。
 輸出はこれまでのところ順調な増加を続けてまいりましたが、欧米の景気は総じて停滞を示しており、わが国の輸出をめぐる環境は必ずしも手放しで楽観しがたい状況となっております。
 以上のような経済の現状を見ますと、今後の経済運営のあり方としては、物価と景気の両方を注意深く見守り、早目早目に的確な対策を講ずることが何よりも肝要であります。
 このような考え方のもとに、政府は去る九月五日の経済対策閣僚会議で、物価の安定と景気の維持を図ることを基本方針とし、公共事業等の円滑な執行、金融政策の機動的運営、物価対策の推進等八項目の経済対策を決定した次第であります。
 次に、この八項目の経済対策についてその概要を申し述べます。
 まず、公共事業等の執行につきましては、最近の経済情勢を考慮し、地域の実態、現状等に十分配慮しながら、下期においては前年度に比べ相当程度の伸び率を確保することとし、当面、第三・四半期の契約目標額を前年比三〇%程度増加させることとしております。
 さらに、住宅建設の促進、民間設備投資の推進、エネルギー対策の推進を図るほか、調和ある対外経済関係の形成に努めてまいります。
 金融政策につきましては、今後とも内外の経済動向及び国際通貨情勢を見守りながら機動的に運営することが必要であります。そのためにも、政府としては物価の安定を図るなど、金融政策の機動的な運営ができるような条件整備に努めてまいる所存であります。
 また、中小企業を取り巻く厳しい環境にかんがみ、中小企業対策の円滑な推進に十分配慮いたします。中小企業に対する円滑な金融の確保、倒産防止対策の機動的な運用、中小企業向け官公需発注の目標達成等に努めてまいります。
 物価の安定はあらゆる経済政策の基本であり、国民生活安定の基礎であります。同時に、物価の安定はひいては国内需要の着実な拡大につながり、経済の安定的成長に資するものであると考えております。このような観点から、物価の落ちつき傾向を定着させることを目指し、物価対策に特に重点を置いております。
 このため、通貨供給量を監視しながら、生活関連物資及び国民経済上重要な物資については、需給、価格動向の調査、監視を行い、必要に応じ供給の確保を図ってまいります。また、野菜等生鮮食料品の安定的供給に努める等各般の物価対策を積極的に進めてまいります。
 今般の経済対策は、民間部門中心の成長を維持するために必要な環境整備を行おうとするものであり、経済の実態を踏まえ、政府としては可能な限りの工夫と努力をしたものであります。
 わが国経済は、民間部門を中心とした旺盛な成長力を有しております。早目早目の環境整備により、着実な経済の発展が可能であると信じております。
 今般の経済対策により、わが国経済は下期から再び堅実な拡大傾向を回復し、年度全体として政府見通し程度の実質成長率が確保される見込みであります。
 物価については、天候不順の影響や原油価格の動向等厳しい情勢にありますが、物価対策を引き続き強力に推進することにより、消費者物価の上昇率が政府見通し程度におさまるよう最大限の努力を傾けてまいる所存であります。
 国際収支は大幅な赤字が続いておりますが、今後漸次改善の方向に向かうものと期待をされます。
 以上、最近の経済情勢と今後の経済運営の基本的方向について所信の一端を申し述べました。
 今日、石油問題等わが国経済を取り巻く環境には厳しいものがありますが、政府はあらゆる努力を払い、国民各位の期待に十分こたえる政策の展開を図ってまいる決意であります。
 本委員会の皆様方の御理解と御支援を切にお願い申し上げます。(拍手)
#12
○野中委員長 次回は、来る二十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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