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#1
第093回国会 商工委員会 第3号
昭和五十五年十月二十四日(金曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 野中 英二君
   理事 梶山 静六君 理事 辻  英雄君
   理事 原田昇左右君 理事 渡部 恒三君
   理事 清水  勇君 理事 北側 義一君
   理事 宮田 早苗君
      天野 公義君    植竹 繁雄君
      浦野 烋興君    奥田 幹生君
      粕谷  茂君    島村 宜伸君
      田原  隆君    泰道 三八君
      橋口  隆君    鳩山 邦夫君
      水平 豊彦君    粟山  明君
      森   清君    渡辺 秀央君
      上坂  昇君    水田  稔君
      山本 幸一君    渡辺 三郎君
      長田 武士君    武田 一夫君
      小林 政子君    伊藤 公介君
      阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  田中 六助君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      河本 敏夫君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局経済部長 伊従  寛君
        経済企画政務次
        官       中島源太郎君
        経済企画庁調整
        局長      井川  博君
        経済企画庁物価
        局審議官    齋藤 成雄君
        経済企画庁調査
        局長      田中誠一郎君
        科学技術庁長官
        官房審議官   高岡 敬展君
        科学技術庁原子
        力安全局次長  後藤  宏君
        通商産業大臣官
        房審議官    柴田 益男君
        通商産業大臣官
        房審議官    神谷 和男君
        通商産業省通商
        政策局長    藤原 一郎君
        通商産業省通商
        政策局次長   真野  温君
        通商産業省貿易
        局長      古田 徳昌君
        通商産業省立地
        公害局長    松村 克之君
        資源エネルギー
        庁長官     森山 信吾君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       児玉 勝臣君
        資源エネルギー
        庁石油部長   志賀  学君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   福川 伸次君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 石井 賢吾君
 委員外の出席者
        消防庁危険物規
        制課長     椎名  泰君
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小委員会における参考人出頭要求に関する件
 通商産業の基本施策に関する件
 経済の計画及び総合調整に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
     ――――◇―――――
#2
○野中委員長 これより会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 来る二十八日の流通問題小委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいとの小委員長からの申し出があります。
 つきましては、小委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○野中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○野中委員長 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北側義一君。
#5
○北側委員 時間が五十六分ということで、余りありませんので、早速質疑に入らせていただきたい、こう考えております。
 先般の河本経済企画庁長官のごあいさつの中の今後の経済運営の基本方針、この中に「物価と景気の両方を注意深く見守り、早目早目に的確な対策を講ずることが何よりも肝要」、このようにおっしゃっておられるわけであります。今年度当初における景気の見通しは、上半期が楽観、下半期が警戒、このように言われておったと思うのですが、その上半期における実質経済成長率は一−三月期が一・八%、四−六月期が〇・六%、このように聞いております。そうしますと、政府の見通しの経済成長率四・八%、この成長に対しましては、下半期におきまして二・四%の成長をしなくてはならないわけでありますが、見通しとしては下半期どのように考えておられるのか、まずこれをお伺いしたいと思います。
#6
○河本国務大臣 景気動向は、四月−六月の数字はもうすでに御案内のとおりでありますが、七月−九月も弱含みであろう、こう思っております。四−六の数字よりは若干よくなるかもわかりませんが、やはり依然として弱含みであろう。ただ、九月五日に八項の経済対策を決めましたので、これが予定どおり進んでいくということをいま力いっぱいやっておるわけでございます。それが成功いたしますと、下半期は、十月以降は相当力を回復をするであろう、こう思っております。そして、年度間の四・八%という目標はおおむね達成できるであろう。ただ、しかし、下半期の力一つにかかっておりますので、どうしても八項目の九月の決定を強力に、きめ細かく成功させるようにしたい、こう思っております。
#7
○北側委員 長官は、下半期の見通しについては九月五日のいわゆる八項目、この問題が非常に重要である、こういう仰せですが、下半期の経済対策としてのこの八項目の対策を実行していく上にとりまして、非常にむずかしい問題がたくさんあるのじゃないか、このように私考えておるわけです。私は商工の方は今度初めてで、勉強不足の点もあろうかと思うのですが、率直に私自身が考えましたことをお尋ねしてまいりたい、こう考えております。
 まず、公共事業の執行ですが、これを「第三・四半期の契約目標額を前年比三〇%程度増加させる」、このようにおっしゃっておられます。この公共事業につきましても、その内容によりまして非常に景気によい影響を及ぼすような公共事業もありましょうし、また、用地買収等に非常に大きな金がかかって景気にそう大きく影響しない、こういう公共事業もあろうかと思うのです。そういう点で、公共事業の選別ということが非常に大事ではないか、これについて長官としてはどのように対応なさるのか、これが一点です。
 二点目に、住宅建設の促進ですが、長官が先日答弁なさっておられるとおり、いわゆる地価の高騰と建設資材の高騰、これらが非常に著しいので、最近のいわゆる三大都市圏におけるマンション建設を見ておりましても売れ残りが非常に出ておる、こういうことを聞いておるわけです。また、一戸建てのいわゆる分譲住宅、建て売り業者の話を聞きますと、これにつきましてもやはり同じようなことが言われております。というのは、地価と建設資材の高騰によりまして、勤労国民の所得というものとそれから住宅の分譲価格というもの、これがいわゆる所得と価格の乖離が非常に激しい、だから売れ残りが非常に出てきておる、また、建てても売れない、こういう状況がいま出てきておるのが実情ではないか、こう考えております。これに対してもやはり抜本的な対策というものを考えなければなかなかこれは解決できる問題ではない、こう私は考えておるわけです。これは直接の担当は国土庁の分野でありますが、これに対しても長官としてどのようにプッシュなさっていかれるのか。
 また三番目には、ことしの冷夏によりまして、夏物の商品を扱っております企業、これらが在庫が非常に大幅に増加しておる、こういうことも言われております。
 また、四番目には、「物価の安定はひいては国内需要の着実な拡大につながり、」このようなお言葉もあったわけでありますが、勤労世帯の実質的な収入と消費者物価の上昇率を見ましても、国内需要が強まるということは非常にむずかしいのではないか、こういう考えを私自身は持っておるわけです。ましてや冷害で、あの東北地方の個人消費というものが最近徐々に落ちてきておる、こういうことも私聞いておるわけです。
 また、エネルギー問題につきましても、「エネルギー対策の推進を図る」、こうおっしゃっておられるわけですが、本年度の新規電源開発目標二千百万キロワット、このように言われておったわけですが、新聞報道等では、達成見通しは約二百二十万キロワット、約一〇%強、このような状況と言われておるわけです。
 これに対しまして、いわゆる景気四・八%達成のために、これらに対しての具体的な長官としてのお考えなりまた行動、こういうものがありましたらお答え願いたいと思います。
#8
○河本国務大臣 公共事業は、例年を見ますと完全執行した場合でも大体九八%前後でございますが、それはいま御指摘がございましたように用地買収がどうしても解決をしないところが出てまいります。それで二%前後は繰り延べになる、こういうことでございまして、用地買収による影響はある程度出てまいります。しかしこれは例年のことでございますから、このことで特別に悪い影響がことし出てくるということではございません。先般の決定では昨年の第三・四半期に比べまして三〇%公共事業の執行をふやすということを言っておりますけれども、しかし、昨年の第三・四半期の事業量が非常に少なかったものですから、三割ふやしましても中央関係では七、八千億にしかならない、こういうことでございまして、ある程度のいい影響は出てまいりますけれども、このこと自体が決め手になるとかそういうものでは決してございません。シェアとしてはきわめて小さい、こう思っております。むしろ住宅建設などの金額の方がはるかに大きいわけでございまして、いまもお話がございましたが、実は住宅建設が計画よりもずいぶん落ち込んでおります。建設省にお聞きいたしますと一七%ぐらい落ち込むのではないかと言われておりますが、あるいはいまの情勢では二割近く落ち込む危険性もなきにしもあらずである。二割近く落ち込みますと三十万戸からの家が計画より減るということでございます。これはもう大変なことでございまして、景気の足を非常に大きく引っ張ります。この背景はやはり土地問題が最大の原因になっておる、私はこう思うのです。現在の金利水準も非常に高くなって、金利負担が非常に重いということも一つの原因でございます。それから建築費そのものが高くなっているということも原因でございます。所得の伸びが低いということも原因でございます。いろいろ原因がございまして土地問題だけではありませんが、やはり土地問題が最大のがんになっておる、こういう感じがいたします。だから、住宅建設計画が予定どおり進むということのためにはいろいろなことをやらなければなりませんが、やはりこの問題を解決しなければならぬと思いますけれども、この問題の解決は政府全体が当たっていく必要があろうかと思うのです。むしろ私は国を挙げての最大の課題じゃないか、こういう感じを持っております。国土庁、建設省でもいろいろ苦心をしておられますけれども、やはり国全体としてこれに取り組んでいって土地対策をバックアップしていくということが必要だ、このように思います。
 それから投資も、大企業の投資は相当伸びておりますけれども中小企業の投資が減っております。これは現在の金利水準が非常に高い、とてもいまの金利水準で、しかも比較的金融が窮屈でありますから借りにくい、こういう情勢のもとで投資ができないという傾向が非常に強いように思います。
 したがいまして、住宅と中小企業投資を考えてみましても現在の金利が非常に高いことは事実でありまして、御案内のようにことしの二月、三月、狂乱物価前夜だということで、事実当時狂乱物価前夜の状態になっておりました。卸売物価が月に二%あるいは二%以上伸びるということでございますから、そういう表現もあながちオーバーではなかったと思いますが、そういう情勢のもとでこれは大変だ、どうしても金融によって物価にある程度水をかけなければならぬということで、思い切った公定歩合の引き上げをしたわけでありますが、現在はしかし情勢がすっかり変わってしまったと思うのです。卸売物価は完全に鎮静化しておりますし、消費者物価も大体安定の方向に行きつつございます。九月がピークではないかと思っておるのですが、そういうことでございますからこの金融政策も実情にあったようにやはり進めることが必要だと思います。先月五日に金融政策は機動的に運営するということを政府の方で正式に決めておりますが、この意味は、いまの金利水準は非常に高いから景気の足を引っ張っておる、できるだけ早く現在の金利水準を下げましょうというのがその具体的な意味でございますが、こういう問題もございます。
 それから電力投資につきましては、これは通産省からお答えになるのがいいと思いますが、いまの二百万キロという数字は十月までの数字でございまして、下半期、電源開発を促進しておられる責任の省である通産省におきましても力いっぱいやっておられるようでございますから、相当ふえるのではないか、こう思っております。
 まだほかにも八項目でございますから幾つか対策があるのですけれども、一つだけでは問題が解決いたしませんで、この八項目を並行して強力に進めていく、これがぜひ必要である。これに成功いたしませんと来年の経済運営も大変むずかしくなりますので、来年を展望しながらこの八項目の政策を強力に進めることがいま当面の課題であろう、こう思っております。
#9
○北側委員 いまの日本の財政事情等考えますと失敗が許されない、そういう状況ではないか、こう考えております。そういう意味におきまして先ほど長官おっしゃっておられる、所信表明でおっしゃったとおり早目早目に的確な措置を講じていっていただきたい、こういうことを要望いたしておきます。
 次に公取委員会にお尋ねするのですが、先般の九日の予算委員会におきましてわが党の正木政審会長が取り上げました問題ですが、粗鋼、エチレン、紙パルプ、小棒、塩化ビニール樹脂、この五品目について一部のこれらの企業が価格維持のために減産の動きがあり、調査をなさっておられる、こういうことで質問をなさったわけでありますが、中間報告で結構ですからその実態を伺いたいと思います。
#10
○伊従政府委員 先生御指摘の五業種につきましては現在減産の点につきまして実態を調査中でございます。この調査は先週からヒヤリングに入りましたので、現在の段階ではまだその実態について中間的な御報告をする段階にはございません。
#11
○北側委員 けさの新聞報道によりますと、公取委員長が記者会見なさって発表なさったことが報道されておるわけです。私、これを見まして、当然この記事内容につきましては、確定的なものではないかもわかりませんが、通産省からも事情聴取する、また一部の新聞では通産省の業界担当課長が業界の集まりに出席して、そうして減産の演説をやっておる、こういう報道がなされておるわけです。そこで、このようなことが事実とするならば物価にも非常に影響してくるわけです。たとえば、現在本年度の消費者物価上昇率六・四%、この達成というのは非常にむずかしい段階にあるのではないか、私はこう考えております。そういう点に関しましてもこういう問題は非常に大きく影響してくるのではないか、こういう考えを私自身が持っておるわけですが、これについて通産大臣、何か御意見ありましたら……。
#12
○田中(六)国務大臣 消費者物価を本年度六・四%に目標どおり抑えるということにつきましては、あくまで私どもはこの目標に向かって物価を鎮静化させるべく万全の努力をいたさなければなりませんけれども、現状といたしましては七月が前年同期比七・七%、八月が八・七%、九月が八・九%と、そのトレンドがまあまあ安定化の方向にあるということは言えますけれども、ちょっとレベルが高い。したがって、これに対する対策としては河本企画庁長官非常に御苦心なさっておられますし、私どもも、御承知のように冷夏というようなことで野菜の値上がりなど一時的なものもありますので、そういうものを加味して、それから将来の展望、そういうものを十分考えて物価対策をやっていきたい。ただ懸念されますのは海外要因、つまり石油の値上がりがどんどんしておりますし、これが日本に石油製品とかいうもので加わってくるわけでございますので、そういうどうにも日本だけでコントロールできない面も出てきます。しかし国内で制御できるものは企画庁長官の御指示を得まして私どもも万全の措置を講じていかなければならないというように思っております。
#13
○北側委員 いま通産大臣から御答弁いただいたんですが、物価の六・四%を達成するためにも、そういう一部の粗鋼業者がしめし合わせて、そして減産をするということはやはり独禁法上も問題があるんじゃないか、こう思うのですが、この問題はまだ中間報告、これから調べるということですからやめておきましょう。その時点でまた質問させていただきたいと思います。
 物価を押し上げる要因としてことしの秋から来年にかけまして相次いで郵便、私鉄、タクシー、こういう公共料金が値上げされる予定になっているわけです。このようなことが起こりますと、いま通産大臣が言われたような事柄も関連して、この六・四%の見通し達成は非常にむずかしいのじゃないか、こう私は思うのですが、これらに対してどのように対応なさるのか、経企庁長官からお答え願いたいと思います。
#14
○河本国務大臣 ことし上半期の消費者物価が、七月は七%でしたが、それ以外の月はずっと八%台が続きましたので、下半期は平均で四・六%にしないと政府目標は達成できない、それは非常にむずかしいのではないか、こういう御質問だと思います。
 確かに上半期はそういう傾向でございましたが、十月以降はだんだんと下がる方向にいっております。九月がピークだ、私はこう思っておるのです。それは異常気象がこの夏ずっと続きまして、そのために生鮮食料品が相当暴騰いたしました。生鮮食料品の消費者物価に占めるシェアは比較的小さいのですけれども、その値動きの幅が非常に大きいものですから、消費者物価そのものに与える影響は結果的には相当大きくなってまいります。幸いに異常気象もおさまりまして生鮮食料品の出荷も順調になりましたし、最近卸売物価が非常に順調に推移しておりまして、ずっといい傾向になっております。この影響も順次出てくるであろう、こう思っております。十月の数字は月末に発表することになっておりますが、いままでのところは相当低い水準が出てくるのではないか、さらにこれを受けまして十一月、十二月とだんだん低い水準にしたい、こう思っております。むずかしい条件が相当ございますのでよほどの工夫と努力が必要でございますが、政府目標を実現しますということを政府が約束いたしたものですからことしのベースアップもおさまった、こういうこともございますから、この政府目標はどうしても実現しなければならない、こういうことで政府を挙げていま懸命に取り組んでおるところでございます。
#15
○北側委員 ではいままでの問題はそれくらいにいたしまして、個々の問題についてお伺いしてまいりたい、こう考えております。
 一つ通産省にお聞きしたいのですが、国民生活に密着した消費者行政の強化に関連しまして、いわゆる金の先物取引について、大手の商品取引業者が金の私設市場の開設を計画しておる問題で、通産省が事情聴取をなさっておるということを聞いておるわけでありますが、金の先物取引について昭和五十二年四月二十一日には全国商品取引所連合会会長あてに通産省から通達が出されておるわけです。その通達はこれです。このような通達が出されておるわけでありますが、商品取引業者の私設金市場開設への動きとこの昭和五十二年四月二十一日の通達につきましての関連はどのように考えられるのか、これをお伺いしたいと思います。
#16
○神谷政府委員 先生御指摘のように、五十二年にただいま御紹介になりましたような通達を私どもの方から出しております。金のブラックマーケット問題は従来より非常に多くの事件を引き起こしておりまして、私ども関係者協力してこれに対処しておるわけでございまして、その一環としてこの通達を出したわけでございます。この通達が現在どういうポジションにあるか、最近一部の商品取引員も参加をして私設の金市場を設立する動きがあるという問題に関連して、この動きと通達との関連をどう考えるか、こういう御指摘であろうかと思います。
 私ども、現在の金の流通状況等から見まして、金の市場の創設に積極的になるには時期尚早と考えておるわけでございますけれども、御承知のような経済体制でございますので、個々の取引すべてについてこれをいい悪いということはなかなかむずかしいわけでございますが、この通達を出しました際にわれわれが念頭に置いておりました、これらの市場に関連した取引ないし一般大衆の勧誘で大衆にトラブルが発生するようなおそれが強いような場合には、それらの動きに対しては私ども抑制的な指導をしてまいるべきであると考えておりますし、また、商品取引所法に基づいての市場以外のところでの市場に取引員が参加をして、そこで不測の事態に遭遇し、財務基盤が悪化した場合には商品取引所の健全な発展そのものにも悪影響を及ぼすおそれがある、こういう観点から、そのようなおそれのあるものには参加しないようにという指導をしておるわけでございまして、私どもこの市場がどのような市場になっていくのか、その動きを現在非常に関心を持って注視しております。その関連でこの通達の精神は生きており、その趣旨に沿った指導は行われていくべきものと考えております。
#17
○北側委員 私も正常な取引はいいと思うのです。ところが、金の先物取引問題については、いままで当委員会また予算委員会等でたびたび取り上げられておるわけです。なるほど被害の方は警察の方々の非常な努力によりまして一時よりうんと下火になってきておるようでありますが、最近になりまして、商取法第八条の逆転見解や香港金市場開設に勢いを得たといいましょうか、悪徳業者が復活してきている、そういう新聞報道が昨日の朝日にも載せられておるわけです。今後被害がふえる可能性も多分にあるのではないか、こういう危惧を私は持っておるわけでありますが、これらに対して今後どのように対応されるのか、それを伺いたいと思います。
#18
○神谷政府委員 最近の金の悪質取引、御指摘のように被害は下降線を描いておるわけでございますが、その中での新しい問題点、留意すべき問題点はまさに先生御指摘の二点でございまして、八条問題というのは制度の基本にかかわる問題でございます。それから香港の商品取引所に関しましては、従来から小豆その他の品物が上場されておりまして、これが日本で一般大衆を勧誘して被害を起こす可能性は秘めておったわけでございますが、これまでのところそれほど大きな問題は起きておりません。しかし、御指摘の金が上場されましてからどのような動きになるかということに関しては、われわれも動向を十分注視いたしております。私どもの消費者相談窓口にはまだ香港の金の問題での御相談は来ておりませんが、新聞等も取り上げておるような可能性は非常に持っておりますので、これらの問題を含めまして商品等の取引問題研究会というものを、御指摘の八条解釈問題の逆転以降早急に私どもの局内に設置をいたしまして、現在鋭意これらの新しい動き、新しい展開にどのように対応していくかを検討中でございます。
#19
○北側委員 金取引問題に関しましては、ことしの二月の商工委員会と予算委員会で森山資源エネルギー庁長官がいろいろ答弁をなさっておられるわけです。私、ここに議事録を持っておるわけですが、議事録を読みますと時間がありませんし、大体答弁なさったことは長官御存じだと思いますが、この答弁なさった発言について、現在の状況を見ますと、悪徳業者も撲滅されないどころか復活、そういう可能性が多分にあるわけです。最近通産省の方には余り被害が届けられておらない、こういうお話ですが、実態は通産省に届け出をするよりも――御存じない点がたくさんあるのではないか、私はこう思うのです。そういう状況の中で、中には株式会社を設立して香港金市場と業務提携をして先物取引を勧誘し、被害に遭った人が現におられるわけです。このような状況から、森山長官が二月に答弁なさったのですが、新しい対策、すなわち登録業法とか商取法の解釈が、本来の立法趣旨から見ますと、法制局の見解等によりまして変化してきておるのではないか。商取法八条の改正、これを考えなければいけない時期に来ておるのではないかというような考えを私自身が持つわけでありますが、それに対しまして資源エネルギー庁長官のお考えを伺いたいと思います。
#20
○森山(信)政府委員 ことしの二月商工委員会及び予算委員会で私答弁いたしまして、その趣旨は、昨年の十二月に設立いたしました日本金地金流通協会、これを通しまして登録店制度を普及するという施策をとっておりますので、いましばらくその施策の推移を見守らしていただきたい。その結果、なお悪徳業者がはびこるような事態が改善されなければ新しい対策を講じたい、こういう答弁をしたわけでございます。
 そこで、先ほど先生もちょっとおっしゃいましたように、私どもが社団法人を設立いたしましてから幸いにいたしまして被害がだんだんと減少しておるという傾向にあるというふうに私どもは認識いたしております。通産省が若干認識が足りないんじゃないか、実態を把握してないんじゃないかという御指摘もございましたけれども、私どもの把握ではかなり改善の兆しが見えておるということでございまして、いま申し上げた社団法人の成果をなお一層普及させることによりまして対応していきたい、かように考えます。
 なお商取法上の問題は、現在担当部局におきましてこれは基本的な問題として検討を続けておるわけでございます。
#21
○北側委員 なるほど言われるとおりそういう事件は減ってきておるわけですが、しかし、先ほど申し上げましたように、最近の商取法八条の逆転見解または香港金市場の開設、こういったものに伴いまして事件がふえる可能性がありますので、八条問題につきましては、いろいろこれは検討な・さるということですからひとつしっかり検討なさって、被害者がたくさん出てから手を打つようでは私は遅いと思いますので、その点要望しておきます。
 時間がありませんので、次に移らせていただきます。
 先般の通産大臣の所信表明の中に、「静岡のガス事故の教訓を生かし、二度と同種の事故を起こすことのないよう、対策の強化に万全を期する所存であります。」このように通産大臣おっしゃっておられるわけであります。そこで、具体的にどのような対策の強化をなされるのかお伺いしたいと思います。
#22
○児玉(勝)政府委員 お答えいたします。
 具体的な問題といたしましては、何よりもガス漏れを発生させないことが一番重要でありますし、さらに万一ガス漏れが発生した場合にも、これを早期に発見して必要な緊急措置を講ずるということが基本的な考えであると思っております。そのような観点から導管漏洩検査の強化等によるガス漏れ防止対策、それからガス漏れ警報器設備の設置義務づけ等によるガス漏れの早期発見対策及び緊急ガス遮断装置の設置義務づけ、ガス事業者の保安体制の充実等による緊急時対策を中心として、保安対策を強化してまいりたいと思っております。この点につきましては、ただいまガス事業大都市対策調査会地下街対策専門委員会の意見を聞いておりますので、早急にその結論をまとめたい、こう考えております。
#23
○北側委員 たとえばこれは昨日いただいた資料ですが、「当面の地下街ガス保安対策について」を出しておられるわけです。いま言われたようなことはここに書いてあるわけでありますが、たとえば「地下街のガスの使用場所においては、ガス栓を過流出防止機構付コック、ネジ機構付コック」、このように改める。いろいろとずっと書いてあるわけです。これらを義務づけなさるについて、やはり百三十五カ所の地下街を総点検なさって、また再度その結果によってやはり非常にガス漏れの危険があるということで、今度は地下室ですか、そういうように、またいわゆる地上の建物についても総点検をなさるように指示なされたとか、こう聞いておるわけです。こういうことになりますと、義務づけされましたことによりまして相当莫大な費用がかかってくるのではないか、こう思うのですが、それについてどれぐらい費用がかかるものなのか、もしおわかりでしたらお答え願いたいと思うのです。
#24
○石井政府委員 前回の地下街一斉点検によりますいろいろな問題点についての解消に当たりまして、費用のほどはさしたることはない、これまでのところでは数千円のオーダーでほとんどの問題点の解消が行われたということを聞いておりますが、いま先生御指摘のように、今後安全装置の取り付け等義務づけを行ってまいりますが、それらにつきましても原則としては需要家の負担ということになるわけでございます。この義務づけ及びそういった装置の普及を図っていくという観点からいたしますと、需要家の負担の軽減を図るということが必要でございます。そういう観点で、五十六年度の予算におきましてガス漏れ警報器にかかわる開銀を通じますリース制度を開始しようということで現在検討しておるところでございますし、さらにこの地下街対策専門委員会の結論に応じまして中小企業金融の諸制度、こういうものを活用することによって需要家の負担軽減を図ろうということで今後検討してまいりたいというふうに思っております。
 それから、お尋ねの具体的にどの程度の負担になるかということにつきましては、ちょっと手元にまだ資料がございませんので、いずれ御報告をさせていただきたいというふうに思っております。
#25
○北側委員 これは一つの例ですが、実は大阪の阪急の茨木の駅前に昭和四十四年十二月に完成しました市街地改造ビルがあるわけです。ここを先般の総点検によりまして調べたわけでありますが、地下街に飲食店が約四十軒、一階から六階までを管理会社が管理しておる。なお三階から六階までが住宅である、これは分譲住宅です。この九月に地下街のガス総点検が通達によって行われたわけですが、その結果判明したものが、本管が腐食しているのでこれを取りかえなければならない、それについては約百三十万円かかる。ただし、これは付帯工事が別で、付帯工事を入れると約一千万になるのではないか。また、床下の枝管ですね、これも十二月に総点検が予定されておるというのです。これにかかる費用、これは現在は入っておらないわけです。
 なお、ガス遮断装置、この設置につきましても約三百万円、ガス漏れ警報器、これをつけますと百四十件で、このように膨大な金額になってくるというのです。この負担を一体どのようにするのか。当然建物の中においてはその建物の所有者が負担すべきである、こういうお答えのようにいま私聞いておったわけでありますが、しかし、これはいろいろな問題がうんと出てぐるのではないかと思うのです。かなりのやはり助成措置というものを講じなければ、全国的にこれをやりますと莫大な金がかかってくるのではないか、こう私は思うわけです。いまは地下街あたりと連絡協議会等持たれていろいろ話をなされておるそうでありますが、新聞報道等によりますと、先般の百三十五地下街だけでこういう費用が恐らく六十五億近くかかるのではないか、こう報道されておりました。そうしますと、なおその前に、今回総点検をまたさらにずっとやっていかれた場合に相当な金額になるのではないか、私はこういう予想をしておるわけです。中金等の助成措置をいま言っておられるようですが、それだけで果たしてできるかどうか、ここらは私非常に疑問視しておるわけです。やはりここで人命尊重の上からも、再度こういうガス爆発事故を起こさないためにもやはり国として何らかの対策を、いわゆる助成措置の対策をやらなければいけないのではないか、こういう考えを私は持っておるのですが、通産大臣、これについてどうお考えでしょうか。
#26
○石井政府委員 御指摘の百三十五の地下街の点検によりまして、たとえば導管四十九カ所の少量のガス漏れにつきましては、導管の取りかえの措置等を講じましたし、あるいは接続管あるいはゴム管でございますが、そういうものの取りかえ等をすべて実施をいたしたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、その費用は大したことはないというふうにわれわれ思っておるわけでございます。
 しかし、いま先生御指摘のように事柄が人命にかかわる問題でございますし、費用がかかるからといって放置するわけにはまいりませんので、そういう必要に応じまして中小企業関係の金融諸制度を活用して、できるだけ費用の負担の軽減を図るということで検討してまいりたいと思っております。
#27
○北側委員 この問題ももう少し総点検が進んでまいりますと、もっといろいろ問題が出てくると思うのです。その時点でもう一度この問題に触れてみたいと思います。
 次に、先般の静岡駅前のゴールデン地下街のガス爆発についても異口同音に言われましたことは、ガスの遮断装置、この弁を早く締めなければいけなかったんじゃないかということが言われたわけです。天六のガス爆発につきましても、私現場に行ったわけですが、今回も行ったわけです。そこでいつも言われることは、自治体消防とのいわゆる権限の問題でいつも論議されておるわけですが、私、時間がないので端的にお伺いしたいのです。
 たとえばああいう静岡ガス爆発のようなガス漏れによりましてガス爆発が起こる可能性、また起こった場合、そういう場合に一番早く到着するのは消防署員であろう、こう考えるわけです。その消防署員がガス遮断装置の弁を締める権限を有しておるのか有しておらないのか、消防庁でもどっちでも結構です。率直に答弁いただきたいと思うのです。
#28
○石井政府委員 通産省といたしましては、消防法二十九条等の規定によりまして、緊急避難措置として事故防止のための遮断装置を締めること、これは消防法に与えられた権限ではないかというふうに思っております。かつ、ガス事業法におきましても、特段それを疎外するような規定は現在ございません。
#29
○北側委員 では、消防庁にお尋ねしますが、消防法二十九条というのは、これは消火活動の規定でガス漏れ段階での防災についての規定ではない、こう私は思っておるのですが、それはどうでしょうか。
#30
○椎名説明員 消防法二十九条は、本来いわゆる破壊消防を原則として考えている次第でございます。したがいまして、このガス事業者のことにつきましては通産省の指導権限のもとにある、そういう考えでおります。
#31
○北側委員 だから資源エネルギー庁、いま答弁なさったのは見解に相違があるでしょう。どうなさいますか。
#32
○石井政府委員 私どもといたしましては、緊急時におきまして消防機関がガス遮断装置を停止し得るかどうかということに関しましては、ガス事業者と消防機関との実質的な連携を強化することによりまして、消防機関がガスの緊急遮断ができるように、必要な範囲でガス導管図面等を常に消防の方に提供しておく、あるいはそれの訓練にガス事業者が参加する、そういうような実際的な連携によりまして、これを実現することができるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#33
○北側委員 では、たとえば消防署員がいわゆるガス遮断弁の操作をして、それによって他人ないしガス事業者に損失を生じた場合、その補償をしなければならないということが消防法ではうたわれておるわけです。その場合、その損失についてどうあなたは――もちろん通産省ですから消防法は御存じないでしょうが、事実、そう書いてあるのです。消防庁も通産省もこれについての見解、どうですか。
#34
○椎名説明員 消防法の二十九条の三項にはやはり損失補償ということがございまして、この二十九条を適用いたしますとそういう損失補償の問題が必ずかかってまいります。したがいまして、ガス事業法によることが最も適切ではないか、そういうふうに考えているわけでございます。
 それから、仮に文理上消防法の二十九条の方でやれということになったといたしましても、その損失補償の問題あるいは現在の状態では配管等の図面が把握できておりません。したがいまして、非常にむずかしいというような感じを持っている次第でございます。
#35
○石井政府委員 先ほどちょっと申し上げましたように、かかる事故の再発を防止するための一番大切なことは、消防機関がそういった遮断弁を操作できるような知識、要するに導管にかかわる図面等をあらかじめガス事業者が消防機関に提供しておくこと、それからそれに必要な操作用具を提供しておくこと、そういったことによりまして実質的に双方の連携によってガス事故の再発を防止するということが根幹ではなかろうかと思っております。
 同時に、先ほど先生の御質問にございましたように、ガス事業者から損失補償を求められるのではないかというような御意見がございましたが、これらにつきましても、緊急時における申し合わせをガス事業者と消防機関の間におきましてあらかじめ作成しておくということによって、実質的に回避できる面も多かろうかと思いますので、私どもといたしましてはそういった方向で、かつ現に地元におきましてはガス事業者と消防機関との話し合いを始めたいということもございますので、そういった方向でガス事業者を指導してまいりたいというふうに思っております。
#36
○北側委員 このようにいわゆる消防法二十九条の三項、損失補償とかこういう問題、それと関連しますと、やはり消防署員としては条文でこのようなことがうたわれておる以上は、ちょっとコックを締めるといったって締められないと思うのです、正直に申し上げて。そこらを通産省はこれから話し合いされるということですが、やはり条文に入れてあることは一番強いわけです。被害者から条文にこう載っておるではないか、こう言われた場合に、話し合いでこうなっておりますと言ったって、これは裁判をやったって消防署の方は勝てる見込みはないと思うのです。やはり静岡のガス爆発を見ましても、天六のガス爆発を見ましても、一たんガス爆発が起こった場合、非常に被害が大きいわけです。そういう点をひとつ考慮していただいて、これは通産大臣にお願いしたいのですが、この点やはりこの際きちんと決着をつけていただくように何とかしてもらいたい。私、このことは強く要望いたしたいのですが、いかがでしょうか。
#37
○田中(六)国務大臣 いま委員御指摘のようなことは、長い間通産省と自治省の消防機関関係の人との話し合いがずっとあるわけです。私どもはやはりそれぞれの運用、つまりいままでのガス事業法で十分と言わなくても、今回も静岡のガス爆発を契機に、いままで四省関係の省庁で連絡会議をやっておりましたけれども、静岡のガス爆発以降、通産省も参加いたしまして協議を重ねておりますし、いままでも配管図の図面の資料の提供とか、あるいは作業具の提供というようなことは十分やっておりますし、さらに保安体制ということから、それを目的とする限り、セクト主義はそれぞれないでしょうけれども、ガス事業者もそれから消防機関関係も、人命にかかわる問題でございますので、いままでの運用をさらに共同体制をしいていけばいいんだということで、いま消防機関関係、自治省に私どもの考えを提示して御検討願って、まだ返事は参りませんけれども、一段一段とそういう保安体制の強化という観点から協議、相談を続けていきたいというふうに考えております。
#38
○北側委員 時間がないのでこれで終わりますが、やはり法律の条文で決められたことがじゃまになりまして、そして法律改正まで持っていかなければ実際の問題としてできないのではないかという考え方を私は持っておるわけです。そういう連絡会議か何かで取り決めを行った、しかし実際にそういうガス爆発が起こった場合に、消防法にそのような損失補償という問題がある以上は、うかつにガス遮断装置の弁を締める、これはちょっとできないと思いますよ。私はそこらの矛盾をきちんと解決しなければ、ああいう静岡のガス爆発のような事件が今後起きた場合に、これは非常に問題になってくると思うのです。やはり人命尊重の上から、どうしてもこの問題だけは何とかひとつよく知恵をしぼっていただいて、そして万全を期していただきたい。このことを私は要望いたしまして質疑を終わりたいと思います。
#39
○野中委員長 宮田早苗君。
#40
○宮田委員 最初に質問いたしますのは、実は通産省だけの問題ではないのですが、関係が非常に深いものでございますから、一応二、三通産省としての考え方を聞かしていただきたいということで質問いたしますので、通産省としてのお答えをお願いするわけです。
 それはイラン・イラク紛争と海外建設工事問題についてであります。
 今度の紛争地域でございますイラン、イラクにはプラントやあるいはまた建設、輸出、船舶の就航等に携わる相当数の日本人労働者がいるわけでございます。たとえばこの地域で建設工事に携わっております労働者だけでも紛争発生のときには約二千人というふうに言われておりますが、これらの人々の安全確保のために政府はどのような対策を講じておられるか、まずその点をお聞かせ願いたい、こう思います。
#41
○真野政府委員 ただいまイラン、イラクのいろいろなプロジェクト関係、その他も含めまして在留邦人はイランで十月十八日現在で約千五百七十名でございます。それからイラク関係で在留邦人、これは十月二十日現在でございますけれども、千六百八十六名と聞いております。この中にはもちろん先生御指摘のプロジェクト関係の労務者のほかに、技術者とかあるいは大使館員、その他全部含んだ数字でございますが、この在留邦人の安全確保問題につきましては、私どもとしても最重要課題と考えておりまして、これについて万全を期す考え方でおります。現在までのところ、これは現地の事情が中心でございますので、主として在外公館を中心にいろいろな情報なり対応策ももちろんやっておりますし、政府ベースでも外務省を通じましていろいろな安全確保についての働きかけをいたしております。現地大使及びこちら側で、たとえば先ごろイラクの特使が参りましたが、これに対しても政府首脳から再三申し入れてございます。ただ、何分これは現地の状況いかんということでございますから、いろいろな安全問題については現地の大使館を中心に、現地の企業の代表その他常時連絡をとりながら安全確保のために万全を期す、こういうことで処理いたしております。なお、当初このイラン、イラク地域には合計しまして約四千四、五百人おりましたが、イラク関係ではかなりの数がもうすでに出国しておる状況でございまして、その場の状況、空襲の状況とか現地の安全の状況を見ながら、これの安全確保に最大の努力を傾けてまいるつもりでございます。
#42
○宮田委員 これに関連して、この地域には日本企業の海外建設工事に日本人の労働者だけでなしに、第三国の労働者を従事させることがあると思うわけです。こういう人々に万一のことがございました場合に、単に一企業だけの責任では終わらなくなる。ひいては日本の国際信用にかかわる問題にも関係するわけでございますが、これらの人々に対する安全確保といいますか、そういう面についての対策はどういうふうにお考えになっているか、お聞かせ願いたいと思います。
#43
○神谷政府委員 海外で工事を行っております企業に雇用されます第三国人、外国人の身分保障の問題あるいは安全対策の問題につきましては、基本的にはその工事を行っております国の法令に基づいて締結されます雇用契約に基づくことが第一点。それからその雇用されております外国人の属する国の大使館あるいは領事館が、その国の国民の安全保護という観点からこれに関与してくるというのが第二点でございまして、これらを総合的に勘案しながらケース・バイ・ケースに対策が講じられていくというのが基本的な考え方でございます。
 現実の問題といたしましては、御指摘のようにかなり多数の人たちが雇用されておるケースというのがございます。それらにつきましては、各企業が個別にそれらの属する国の大使館、領事館等と相談しながらその安全問題を判断し、対策を講じておる、こういう状況でございまして、現在までのところ、どちらかと申し上げますと、むしろ第三国人の被雇用者の方が日本人に先立って帰国しておるという例が多いわけでございまして、全般的に御指摘のような問題が起こることを回避するために企業が自主的にそのように行っており、個別契約上の問題はまた自後に検討する、こういう立場で対処をいたしております。
#44
○宮田委員 もう一つは、国内での公共事業の抑制ということに伴いまして、各建設会社の海外での工事受注というのが相当にふえているわけです。五十四年度の受注額が五千二百五十七億ということになっておるようです。その四五%がイラク一国に集中しておるということでございますだけに、特にこれらのところで働いております人々の安全ということについては格段の御配慮をしていただかないと、ますますふえつつございますだけに、これから労働者の確保というのがなかなかむずかしくなるのじゃないかと思いますので要望しておく次第です。
 そこで、今回のような紛争によって工事に損失が生じた場合、これを補償いたしますのは海外建設工事保険ということになっておるようですが、この保険では現地からの引き揚げや再進出の費用等は全く補償されていないわけで「また、工事中断によって代金支払いが中断している間に資金が必要となった場合は企業が独自でつなぎ資金をつける、こういうことになると思います。そこで、海外建設工事に対する危険負担体制ということが非常に不十分というふうに思われるわけでございますだけに、政府は海外建設工事保険の拡充等、海外建設工事に対する危険負担体制の整備、このために対策を講ずるべきじゃないかと思いますが、その点についてはどのようなお考えを持っておられるか、お聞きします。
#45
○古田政府委員 海外建設工事につきましては、先生御指摘のように海外建設工事保険を掛けるケースが非常に多いわけでございますが、この海外建設工事保険につきましては、約款によりましてこうむった損失をてん補するわけでございますが、そのてん補いたしますケースにつきましては、まず第一が工事代金についてでございまして、この工事代金につきましては、通常工事の進捗に応じまして回収することとなっておりますが、これが予定どおり支払われずに、一定期間以上支払いが遅延する場合、そういう場合がございます。
 それから二番目に、海外建設工事に使われております日本側が持ち込んだ建設機械等を外国政府によって没収された場合とか、あるいはこれらの機械等が戦争等によって被害を受けて使えなくなった場合といったものにつきましては、これはまたその損失をカバーしていくという形になっているわけでございます。
 そういうことで、この保険制度自体はいわば金融ではございませんので、つなぎ融資というような仕組みはもちろん入っておりませんし、それからそういうふうに運用もむずかしいといいますか、できないわけでございます。しかし、仮に工事代金の支払いが遅延しまして、いわゆる保険事故が発生しまして保険金が支払われるというようなことになりまして、後からその代金が回収できたというふうなことになりますと、その回収できた段階で国庫にその代金分を納付していただくということになりますので、結果的にはつなぎ融資的な効果を持つようなケースも出てくるのじゃないかというふうに考えております。
 それからもう一つ、作業員の引き揚げや工事再開に要する費用につきましては、これも先生御指摘のとおり直接保険の対象にはなっていないというのが現状でございますが、これは海外建設工事の当初の契約額に含まれておりませんので保険の対象にならないということでございます。
 ただ、これらの中断費用を最終的に発注者と受注者のどちらで負担するかということが問題として残ることになるかと思いますが、これにつきましては、今後当事者間の交渉によって決められていくということになろうかと思います。仮にこれを日本側がある程度負担するということになりましても、先ほど申し上げましたような保険制度自体の性格からしまして、保険金の支払いの対象にするのは非常にむずかしいというのが現状ではないかと思います。
#46
○宮田委員 次に、このイラン、イラクの紛争については、現在の情勢では解決の見通しというのがなかなかむずかしいのじゃないかというふうに推察をするわけです。
 そこで通産大臣にお聞きするわけですが、大臣は国会でたびたび石油備蓄が百十一日分あるので、消費節約に努めるならば、たとえイラン、イラクからの石油が一、二年とまっても備蓄の放出で賄えると言っておられるわけです。もちろん国民は節約に努めること必要でございますが、この点について若干の不安もあるわけでございまして、大臣は国会でしょっちゅう言っておられますけれども、もう一遍念のために、国民に安心をさせるためにもなりましょうからお考えを聞かせていただきたいということです。
#47
○田中(六)国務大臣 宮田委員御指摘のように、確かに中長期的に見た場合に、必ずしも安心だというようなことは相手のあることだから言えないかもわかりませんけれども、まず、短期的に私ども見た場合に、きょうも実は政府の方でエネルギー対策閣僚会議をやったわけでございますが、その際も、政府の方針といたしまして三つの柱できょうの会議は決定したわけでございますが、第一に、現状はどうかということが問題でございまして、それはイラン、イラクの紛争が現実にあったとしても、当分の間、当面安心だ。それは国会でもたびたび言明いたしましたように、また宮田委員御指摘のように、政府、民間を含めまして百十一日分ある。イランの方は御承知のようにもうすでに七月からストップしております。イラクの方は九月の二十三日からストップしておりますけれども、このイラク分の三十九万バレル・パー・デーでございますが、それがストップしても十分一、二年はある。特に政府備蓄の七日分でございますが、これが最近の報告によると近く十日分ぐらいになるというようなこともございますし、さらに、国民の皆様を含めまして全体のことしになっての消費節約ということが、七%節約をお願いしているわけでございますが、これが順調にいっておりますし、冬季を迎えてますますこの七%の自粛というものが完璧に行われるならばまあ安心だということで、灯油初めその他の中間三品も、いまだぶついておるというようなことは完璧に言えないかもしれませんけれども、市場の状況を見ておりますと、価格が大幅に上がるということもない現実でございますし、売り惜しみ買いだめあるいは便乗値上げということにつきましては、私どもこれを十分ウォッチしてチェックをしていく。それから、ただいま申しました、国民の七%節約の協力、全体的な協調ムードというものがあるならば短期的には心配ない。
 それで、私どもさらにきょうの閣僚会議で決めましたのは、十二月一日を節約デーということにいたしまして、総理からも談話を出してもらうというようなことできめの細かい対策をこれからもとっていけば安心じゃないか。
 国際的にも、IEAに対しても、それぞれ二十一カ国は平均百四十日分の備蓄がございますし、これの相互の調整をし合うこともそれぞれの国でやってくれる方向にございますし、さらにもう一つ、楽観論で恐縮でございますが、サウジアラビアあたりでも十万バレルから百万バレルの間増産へ向かおうという空気もございますし、あれこれ内外の諸情勢を考えれば、一方において非常に緊迫情勢があるにもかかわらず、そういう緩和の方向あるいはまあまあ安心だという方向もございますし、私どもの政府のコントロール、国民の皆様の御協力があれば乗り切っていかれるのじゃないかという現状認識を持っております。
#48
○宮田委員 おっしゃるように短期的な石油需給ということについてはよいといたしましても、中長期的には不安定要因が多い、こう思うのです。
 去る五月のIEAの第五回閣僚理事会の結果を見ますと、IEAの事務局の見通しでは、一九八五年の石油輸入は、現行のグループ目標値一日当たり二千六百二十万バレルを四百万バレルぐらい下回るべきであるというふうな試算をしておるわけです。わが国は、昭和六十年度の石油輸入目標として、昨年八月の長期エネルギー需給暫定見通しで一日当たり六百三十万バレルと予測しておられるわけでございますが、この数字の変更があり得るかどうかということをひとつ聞かしていただきたい、こう思います。
#49
○田中(六)国務大臣 確かにIEAは理事会でその検討を進めておりますけれども、いま御指摘のような、一五%程度に当たるのでしょうけれども、それの削減をしろというような決定はないわけです。しかし、将来どういうことになるのかということは将来の問題でございますけれども、私どもの心構えといたしましては、あるいは政府といたしましては、長期エネルギー需給暫定見通しの中心となっております六十年に六百三十万バレル・パー・デーをこれからも堅持していくという方針は変えておりませんし、それはIEAの中でもそういうような認識を得ておりますし、今後この方針で進めていこうというふうに考えております。
#50
○宮田委員 いずれにいたしましても石油に依存いたします度合いの高いわが国でございますだけに、早急な石油代替エネルギーの開発導入が望まれるところでございますが、当面代替エネルギーの柱と言われます原子力、そして輸入石炭、LNGの開発導入の現状と見通しについてお伺いしたいと思います。
#51
○田中(六)国務大臣 御承知のように、新エネルギー機構が国会の皆様のおかげで十月一日から発足しておりますし、これは十分機能を発揮させなければなりません。私どもも代替エネルギーということの観点から、この機能の充実には万全の措置をとりたいと思います。
 いま宮田委員御指摘の原子力発電の問題でございますが、御承知のように日本全国で二十一基ございまして、建設中のあるいは建設準備中のものがそれぞれ七基ずつございますし、合わせて三十五基が予定されております。しかし原子力発電所につきましては、十年後にその容量を二一、二から二三%くらいに持っていく、あるいはそれをキロワットにいたしますと五千百ー五千三百万キロワットというふうなことに予定しておりますけれども、現実はなかなかそのように進まないようなところもございますが、何とか計画どおりの実現に向かっていかなければいけない。それで、石油にかわる石炭の問題でございますが、これも貯炭場の問題あるいは灰捨て場の問題などいろいろネックもございます。また、LNGの問題につきましても、これは一番理想的ではございますが、御承知のようにIEAでのLNGを余り火力発電あたりに使わないような措置をとれというような話もありますし、それぞれ問題がございます。したがって、計画どおりにはまいらないかもわかりませんけれども、先ほど申しましたように、日本の産業立地あるいは国民生活という観点から見ますと、石油依存ということで非常に脆弱な状態にございますし、これの克服はどうしてもやらなければならない至上命題でございますので、一生懸命努力していきます。
 それから、きょうのエネルギー対策推進閣僚会議でも決まった三番目の柱の中で、私どもは電源立地という問題で火力発電三基、これは石炭火力でございますが、北海道に一つ、中国電力関係で二つ、一つは山口県の柳井のLNGでございますが、そういう発電所三つを要対策重要電源として、いままである二十五の中に加えて閣議決定をしていただきました。
 いずれにしてもそのように万全の措置をとっていこうと考えておりますし、事務当局も十二月初めには新潟の刈羽の発電所のオープンの公聴会に出席してやる態勢をとったり、あの手この手で国民の皆さんにもお願いすると同時に、私どもも万遺漏のない政策の推進に努力しておる現状でございます。
#52
○宮田委員 少し具体的にお聞きしようと思いますが、まず一つは、石油代替エネルギーの推進母体としてことしの五月に公布施行を見ました石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律、いわゆる石油代替エネルギー法、これで十月一日設立をいたしました新エネルギー総合開発機構の設立概要、それから陣容について、理事等のメンバー構成を含めて御説明をひとつしていただきたい、こう思います。
#53
○森山(信)政府委員 御指摘のとおり十月一日に新エネルギー総合開発機構を設立させていただいたわけでございます。私ども、五十五年度といいましょうか、今後中長期の代替エネルギー開発の中核母体ということで大変喜びにたえないと思っておる次第でございます。
 その人員は役員が十名おります。これは理事長、副理事長、それから理事七名、監事が一人ということで役員十名でございます。なお行政改革との関連もございましたので、従来ございました石炭鉱業合理化事業団の役員数と全く同じ役員数で、事業はいままでの事業プラス新エネルギーの研究開発、新しい分野も含めまして役員の数は従来と変わっていないということで運営をさせております。なお職員につきましては三百二十七名の方々がおられまして、いま申し上げました役員十名と合わせますと三百三十七名、こういうことで運営をいたしております。このほかに新しいアイデアといたしまして運営委員会の制度を設けておりまして、これは七名の方に委員を委嘱いたしておりますし、それから石炭関係につきましては石炭鉱業管理委員の方を四名委嘱いたしております。先ほど申し上げました三百三十七名の方と別個にいま申し上げました運営委員と管理委員は任命されておるという状況でございます。
 それから新機構の組織は、大きく分けまして新エネルギーの部門と石炭鉱業合理化関係の部門と二つございます。人間の配置を申し上げますと、まず新エネルギーの部門につきましては八十七名の方がこの部門を担当いたしておるということでございまして、組織といたしますと二部と五つの部屋を設けております。それから石炭鉱業合理化本部といたしまして五つの部と地方支部、従来からございました地方支部を含めまして東京の方、いわゆる本部の方に六十八名、地方支部に百二十三名の方々が配属されておるということでございます。このほかに、新エネルギーと石炭の共通の管理部門といたしまして四十九名の方が配置されておる、以上のような編成でスタートをさせていただいた次第でございます。
#54
○宮田委員 また、十月二十二日の読売、日経新聞によりますと、同法律に基づく供給目標の策定もされたことになっておりますが、政府としてひとつ御説明をしていただきたい、こう思います。
#55
○森山(信)政府委員 石油代替エネルギーの開発導入促進法の第三条によりまして、政府は石油代替エネルギーの供給目標を作成することになっております。いつまでに作成しなければならないかという法律上の規定はございませんけれども、この法律の大きなポイントが二つございまして、先ほど御説明いたしました機構の設立と、それからもう一つのポイントはいま御指摘の供給目標をつくることでございます。しかも機構の方はすでに発足したわけでございますから、法律のもう一つのポイントでございます供給目標の方もいつまでもゆっくりしておるわけにはいかぬということでございまして、できるだけ早くつくりたいということで現在作業を進めております。従来からございました長期エネルギー需給暫定見通しとの関係が問題になってくるわけでございますけれども、私どもはとりあえず現行の需給暫定見通しをベースにいたしながら、供給目標というものをできるだけ早く決めていきたいということでございまして、現在は総合エネルギー調査会需給部会の下に企画専門委員会をつくっていただいておりまして、そこの委員会で案を検討していただいているという段階でございます。世の中に少し出ました数字はそのたたき台の一つとして検討いただいているものでございますけれども、いま申し上げておりますように委員会で検討していただいている最中でございますから、あの数字がそのとおりに決まるかどうかは別問題、現在検討中ということでございます。
#56
○宮田委員 石炭開発促進について、石炭に限って若干お伺いするわけですが、石油代替エネルギー法によって今後具体的に対処されると思うわけですが、まずこの開発可能な国々、どことどこを対象にいまお考えであるかということ、おわかりでございましたらひとつお知らせ願いたいと思います。
#57
○福川政府委員 海外炭の輸入につきましては、従来原料炭が中心を占めておりましたが、最近一般炭への需要が急速に拡大いたしております。従来、原料炭の輸入につきましては豪州あるいはアメリカが中心でございました。さらにカナダからの輸入もございました。今後一般炭の輸入がふえてくるということでございますので、私どもその資源の保有国ということから考えてみまして、豪州、カナダ、中国あるいはアメリカ、そのほかの地域で賦存の可能性のある国の開発に協力する、あるいは長期引き取り体制をつくっていくということで考えたいと思っております。
#58
○宮田委員 その場合の開発の方法についてお考えを聞かしていただきたい。といいますのは、新会社を設立して開発をなさるものか、既存の会社をして開発という方向に向かわしめるものか、またその場合の政府の立場はどういうふうな形になるのかということをお聞きいたします。
#59
○福川政府委員 開発の参加の形態についてのお尋ねでございますが、これは国によりケースによりいろいろな形態があろうかと思います。
 まず日本側につきましては、それぞれ商社あるいは日本の鉱山会社、それからまた電力業界につきましては電力九社、それに電発を加えまして十社で一つの会社をつくってそういう協力を進めるという体制をつくっております。
 現地におきましては、それぞれの国の資源開発政策がございますが、可能な範囲で合弁会社を新規に設立して、相手国の企業と協力してやっていくという形態もございますし、あるいはまた融資買炭というような形でやっていくものもございます。それは国によりかなり形態は異なっておりますが、相手国の資源政策との協調をとりながら、わが国として十分な引き取りができるような企業形態ということで進めてまいりたいと考えております。
#60
○宮田委員 ちょっとむずかしい質問になるかと思いますが、これから開発なさるわけでございまして、なかなかその見通しというのは困難と思いますが、今日の情勢からいたしますと石炭自体どうしても輸入をふやさなければならぬ、そのために漠然とこのごろ十年後でないといまから開発いたします石炭は入ってこないんだぞというようなことが言われておるようでございますけれども、こういう漠然としたことでなしに、この法律の適用によって開発なさる場合の一番早く入ってくる荷、大体いつごろを希望されておるかということを教えていただきたいと思います。
#61
○福川政府委員 御承知のように、原料炭につきましては昭和四十年ごろから開発輸入の機運が高まってまいりまして、四十年代半ばから日本が開発に参加いたしました石炭が入ってまいっております。
 一般炭につきましては最近非常に関心が高まっておりまして、すでにこの法律の施行前から一般炭についての協力ということも徐々に進められつつありまして、現在二十を超えるプロジェクトが相手国の企業とでいろいろ話し合われております。その中で、一般炭で日本が開発協力に参加いたしましたもので一番早いのはいつかということでございますが、いま豪州で進めております一般炭のプロジェクトではかなり進んでいるものがございまして、一般炭のうちで一つは来年の後半から豪州から出炭ができるということでございまして、それが日本に入ってくることを期待いたしております。
#62
○宮田委員 そこで、もう一つの大きな問題としてお聞きしておかなければなりませんのは、その石炭の受け入れについてでございます。何しろ石油にかわる石炭ということでございますだけに、その量たるや膨大になる、こう思うのです。また膨大な石炭が入ってきましても、国内での輸送ということを考えますと、供給需要の関係もまた考えながら広大な貯炭場が必要になってくるわけでございますが、この点について考えられておると思いますが、特にどれだけの量が入り、それを受け入れるためにはどれだけのセンターが必要かということを考えながら決めていかなければならぬと思いますが、そういう面についてはどのようなお考えをお持ちかということを聞かしていただきたい、こう思います。
#63
○福川政府委員 石炭の輸入が非常にふえてまいるわけでございまして、御案内のとおり一般炭は五十四年度で百六十八万トンでございましたが、昭和六十年度には二千二百万トン、六十五年度には五千三百五十万トンという数字がエネルギー長期需給暫定見通しでは見込まれております。それを引き取ってまいります過程で大きな問題は、御指摘のとおりインフラストラクチュアの問題が大きな問題であろうと思っております。
 これはまず搬出いたします輸出国の方のインフラストラクチュアの整備が大事でございまして、また国内に持ってまいりましたときにそれをどこに揚げるかという搬入設備が非常に大事であろうと思っております。私どもはそれをコールチェーンと称しまして、現地の山から日本の需要家に持ってまいります引き取り体制を確立していくということを輸入炭につきましての一つの大きな政策の柱として取り組んでまいりたいと思っております。
 コールセンターにつきましてはいろいろな考え方があろうかと思いますが、輸送面の合理化あるいはストックパイル機能、それから地元のエネルギー消費型産業への貢献といったような効果が期待できると思います。もちろん企業によりましては個別にコールセンターを持って、搬入いたしました石炭をそのまま使うという企業もございますが、しかし周辺に石炭を需要いたします幾つかの企業が存在いたします場合には、集中的にコールセンターということで処理をする方がより合理的ではなかろうかというふうに思います。その場合には関係の需要業界との連携、引き取りの保証、それからまた土地の確保あるいは地元の理解ということが前提であろうかと思いますので、これから長期に引き取ってまいります前提といたしまして、そのようなコールセンターの立地ということをそれぞれの需要との関係、地元との関係を見ながら進めていきたい。現にいま北海道あるいは九州などでかなり大規模なコールセンターの計画が検討されております。
#64
○宮田委員 もう一つ国内石炭についてちょっとお伺いしておきたいのは、二千万トンという目標を掲げておりながらなかなかそれが実行できない。依然として千七百五十万トン程度ですか。しかも二千万トン目標を達成できないにもかかわらず、貯炭というのが国内炭に限って非常に多いわけです。もちろんいまは少し下がっておるようですけれども、この原因は何ですか。その点をおっしゃっていただきたいと思います。
#65
○福川政府委員 先生御指摘のとおりに、五十三年度あるいは五十四年度にはかなり国内炭の貯炭が増加いたしました。五十三年度末には三百四十六万トン、五十四年度末の貯炭もほぼ五十三年度と同じ程度に増加をいたしました。これにつきましては、一つは円レートの上昇に伴います内外炭の格差が拡大して国内炭への需要が落ちた。それからまた、鉄鋼、粗鋼生産が低迷していたというようなことから国内炭の需要が落ち込みましたためにそのような需給ギャップが生じたものと思っております。しかしながら、最近におきましては油炭の格差の状況がかなり変わってまいりまして、石炭の見直しというような動きもございまして、一般炭の需要を中心といたしまして石炭の需要がかなり改善をいたしております。現在では八月末で、先ほどの三百五十万トンを超えます貯炭が二百八十四万トンに減少いたしておりまして、さらに五十五年度末には貯炭は百五十万程度に減少するという見込みでございます。
#66
○宮田委員 要望として申し上げておきたいのは、やはり国内資源でございますだけにこれの活用というのは十分に配慮していただきたい。幸いなことに貯炭もどんどん減っておることですし、そのことによって二千万トンにだんだん近づくような方策を講じていただきたいということを特に要望しておきます。
 次に、原子力問題についてお伺いいたしますのは、原子力発電推進のための一つのネックと言われております放射性廃棄物の処理、処分方策として海洋投棄が現在世界的な問題になっておるわけです。科学技術庁としてわが国のとるべき方策について、まず低レベルの海洋投棄の関係についてのお考えを一つと、それから高レベルの廃棄物の処理、処分、この二つの問題についてお伺いいたします。
#67
○後藤政府委員 御質問のとおり、ただいま原子力開発を推進するに当たりましては、この開発に伴って発生してまいります低レベルの放射性廃棄物の処理を十分つけておきませんと、今後の地元における問題あるいは新規の立地の問題といったようなことに大きな問題が起こることは必至でございます。こういった観点から科学技術庁、特に原子力委員会におきまして早くからこの問題についての検討が行われておりまして、五十一年十月に低レベルの放射性廃棄物につきましては、陸地処分と海洋処分とを組み合わせて処分するという方針が出されております。これに即しまして、その後科学技術庁を中心に幾つかの準備を進めている段階でございます。
 第一の準備は、何と申し上げましてもこのうちの海洋処分等をやってまいりますためには、海というものが日本の場合非常に大事な意味合いを持っておりますので、その安全性につきまして十分な検討を行わなければならない。そのためにまず処分海域、候補海域等につきます海洋調査を四十七年から四十九年、それから五十二年から五十五年と二回にわたりましていろいろと細かく調べておりますし、また、投棄される予定の固化体等が深海底に無事にソフトランディングするかどうかといったことにつきまして、高圧水槽における実験、実際の候補水域における模擬投下体の投下による実験等によっての安全性を確認するといったような、各種の安全性のための実験をしておりますし、さらに第三に、そういったいろいろな調査だとか実験等を踏まえまして、これが本当に海洋の汚染につながらないかどうかといったことについての安全性の確認のための安全評価を慎重に進めてきておりまして、本件につきましては、まず行政庁としての安全評価を五十一年の八月に済ました上で、念には念を入れるということで、五十四年の十月に原子力安全委員会におけるダブルチェックを済ませまして、試験的な海洋投棄を含めまして、海洋投棄については全く人間環境に無視し得るような影響しかないということを確認いたしまして、いま安全性についての最後の段階でございます試験的に海洋投棄を進めてみて、その結果としていままで進めてきた各種の安全評価が正しいかどうかということを確認しようという段階に来ております。
 第二の準備は、実はこういう海洋処分をいたしますためには国際的な枠組みがございます。これはロンドン条約という海洋に対する投棄物を規制する条約がございます。いわばこの国際条約に乗って日本は十分適法な形で海洋投棄を進めたいといったことがございまして、こういった国際条約の加盟につきましてはこの春に国会の御承認を得まして、十一月四日に加盟批准手続が完全に終わる段階を迎えております。なお国際的な手続には、こういう海洋投棄については相互に監視し合いながら安全を期していくという機構が、OECDの原子力機関NEAによる国際監視機構という形でございます。これにつきましての加盟を目下いろいろ関係各省と相談しておる段階でございます。
 第三の準備は、実はこういった試験的な海洋投棄を進めていきますためには、国内の漁業界を初めといたします関係者、また、先生御案内のとおり周辺太平洋諸国といったところの理解を得なければならない。実は現在この点につきまして最大限の努力を注いでおる状況でございまして、まだなお国内の漁業界その他の関係業界の御理解も十分に得ていない段階でございますので、こういった国内外の理解といったことについての努力を目下非常に力を入れて進めている次第でございます。
#68
○宮田委員 もう一つの問題は、使用済み核燃料の再処理についてひとつお伺いをしたいということなんでございます。
 申すまでもなく原子力に依存する度合いというのが、さっき大臣もおっしゃいましたように相当大きくなってきますと、この問題についての処理を外国に頼るわけにはいかないわけでございまして、そういう問題についていろいろ計画はされておるようでございますが、抽象的で結構でございますから、お考えがありましたらお聞かせ願いたいと思います。
#69
○児玉(勝)政府委員 ただいま先生おっしゃいましたように、原子力発電を推進する上で、何といいましても核燃料サイクルのかなめでございます再処理工場の整備ということが緊急の重要な課題でございます。そこで、ことしの三月一日に日本原燃サービス株式会社を設立いたしまして、その会社によりまして第二次再処理工場を設立するということにしてございます。これは年間約千二百トンということで、昭和六十五年に稼働開始という計画で進んでおる状況でございます。
#70
○高岡政府委員 先ほどお尋ねのございました放射性の廃棄物のレベルの高いと申しますか、高レベルの廃棄物の処理処分の計画はどうなっておるかという点につきまして簡単に御説明申し上げます。
 御説明申し上げる必要はないかと思いますけれども、ハイレベルの廃棄物と申しますのは使用済み燃料の再処理をいたす段階で、ウランの核分裂物質が廃液のかっこうで分離されるというものが大部分でございます。でございますから、たとえ、はトン当たりにいたしますと百万キュリーというような大変な放射能を持っておるというものでございますが、ただ、量が非常にわずかでございまして、先ほどお話のありました低レベルの廃棄物につきましてはたとえばドラムかんで二十万本とか三十万本とかの大量のものが出ておりますけれども、この高レベルの廃棄物につきましては、昭和五十二年度から東海村で再処理工場が運転されておりまして、六十七立方メートルの廃液が分離されておるだけでございます。この廃液を安全に留意しながら当面貯蔵タンクにためておりますけれども、長期的にはこれを固化をして安全に処理するということが必要でございます。でございますから、固化のための研究開発を進めております。
 それから、非常に長い期間にわたっての問題としましては、そういった固化されたものを安全に地層の中に貯蔵するということが考えられておりまして、このためのいろいろな検討を進めておるという段階でございます。
#71
○宮田委員 次は省エネルギーについて。
 昨年は目標の五%、千五百万キロリットルを達成したわけでございまして、大変結構と思います。ことしは七%、二千万キロリットルということになっておりますが、達成の見通しをひとつお伺いしたいと思います。
#72
○森山(信)政府委員 御指摘の七%の消費節約を数字で申し上げますと二千万キロリットルということになります。昨年は五%の節約をいたしまして千五百万キロリットルの石油を節約したわけでございます。一方、ただいま現在は今年度の上半期が終わった段階でございまして、上半期の石油の販売状況を見ますと、昨年の同期に比べまして約一割ダウン、正確に言いますと八九・九%という数字になっておりますので、石油製品の売れ行きが、ことしの上半期はかなり節約が進んだと考えております。したがいまして、この上半期のテンポがそのまま下半期にいきますと悠々と七%達成すると考えておりますが、先生も御案内のとおり、石油の消費節約は冬場が本番でございまして、これから特に暖房がどうなるかによりまして節約の結果が左右されるわけでございます。
 そこで、けさも総合エネルギー対策推進閣僚会議でその点をお願いいたしまして、従来からやっておりました暖房を十八度C以下に抑える、これを一番大きなポイントにいたしまして、そのほか現在やっておりますもろもろの省エネルギー運動を強化する。新しく特に省エネルギーのためにつけ加えたメニューはございませんけれども、従来ございましたメニューを総合的に推進することによりまして七%の達成を図っていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#73
○宮田委員 次に大陸棚海底油田の共同開発についてお伺いをいたします。
 この日韓大陸棚の開発について、すでに試掘が行われておるわけでございますが、その経過と今日の実態を御説明願いたいということと、いろいろ新聞報道等を見ておりますと、せっかくの協定をして、埋蔵量が可能性としては非常に期待が大きい。にもかかわらず、この開発の進捗の度合いが遅いように見えるわけです。何でどんどんやってくれないかという気もするわけでございますが、思い切ってたくさんやれない原因は何かということもあわせてお願いをいたします。
#74
○志賀(学)政府委員 日韓大陸棚の開発につきましては、五十三年に協定と開発のための特別措置法、これを国会の方でお通しいただきまして施行されたわけでございます。その後開発権者の指定であるとかあるいは共同開発事業契約の認可であるとか、そういった所定の手続を終わりまして、昨年の秋から具体的な探鉱作業に入っております。
 具体的に申し上げますと、第五小区域、それから第七小区域、第八小区域、ここにおきまして日韓両国の開発権者によりまして物理探査が行われたわけでございます。その物理探査の結果を踏まえまして試掘に入ったわけでございますが、まず第五小区域におきまして、これは日本側が操業管理者でございますが、ことしの五月初旬から七月の初旬まで試掘を行ったわけでございます。この試掘の結果は残念ながら商業化可能の炭化水素を発見するに至らなかったというふうに聞いております。
 それから引き続きまして七月の初旬から第七小区域の試掘作業に入っておりまして、これは韓国側が操業管理者でございますけれども、その試掘作業はそろそろ終了の段階というふうに聞いております。
 第八小区域につきましては、現在物理探査の結果の解析を行っておるという状況でございます。
 私ども、いずれにいたしましてもこういう石油の探鉱開発というのは非常に息の長い仕事でございますので、そういう観点からこの試掘の結果なども判断していく必要があると思っております。
 なお、その進捗状況が遅いのではないかという御指摘でございますが、確かに第五小区域一本打ち、それから第七小区域一本打つ、こういうことで、あるいはどうも遅いのではないかというお感じをお持ちかと思います。私どももできるだけ作業を急ぐように会社の方には言っておるわけでございますけれども、ただこの石油の探鉱という作業は、物理探査をやる、それから試掘を打つ、その試掘を打った結果を、たとえばコアサンプルの分析をするとかいろいろな分析作業をやるわけでございます。そういった物理探査あるいは試掘の結果、この辺を踏まえながら、それでは次の試掘をどこに打ったらいいのかというのを相当専門的に慎重に検討しながら進めていく、これは一方におきまして最も効率的に探鉱を行っていくという観点も一つございます。そういう観点から、その試掘の結果をそれぞれ踏まえながら次の試掘地点を決定していく、こういうやり方が通常のようでございます。
 そういうことで、現在まで二本の試掘が行われているにとどまっているわけでございますけれども、私どもといたしまして、できるだけ作業を早くするようにということで、会社の方には指導を続けていくつもりでございます。それからもう一つの問題は、漁業調整の問題が実はございます。漁業との調整というのはこれまた同時に非常に重要な問題でございます。実際問題としては漁業調整にかなりの時間が割かれるというのも実態でございます。
#75
○宮田委員 最後に要望しておきますが、このエネルギー問題といいますのは、私が申すまでもなく、石炭一つとりましても特に貯炭場の問題、その立地、石油一つとりましても備蓄基地の関係のもの、あるいは原子力一つとりましても安全性の問題等々、どれ一つとりましてもやらなければならぬ問題ばかり、こう思っております。避けて通るわけにいかぬわけでございますから、通産大臣に、期待も大きいだけに思い切って問題に取り組んでいただきたいということを特に要望いたしまして質問を終わります。ありがとうございました。
#76
○野中委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時三十一分休憩
    ―――――――――――――
    午後一時二十五分開議
#77
○野中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小林政子君。
#78
○小林(政)委員 河本経済企画庁長官は、さきの所信表明の中で、わが国経済は第二次石油危機を乗り越え国際的にも良好な成果を上げたと高い評価を得ている、このように述べておられます。ところが国民経済の現状を私ども見てみますときに、実際には大きな企業は高収益を上げておりますけれども、中小企業は倒産件数がそれこそ史上最高と言われるような深刻な事態になっております。九月の中小企業倒産は負債額一千万円以上で千六百八件にも達し、危機ラインを突破したと言われておりますけれども、その特徴は建設業や小売業など、いわゆる国民生活と密着したこうしたところが一番大きな影響を受けているわけでございます。したがって、現在のこの不況のもとで企業の倒産というものが続出をしていると認識をいたしておりますけれども、大臣の認識、先日所信表明でお述べになられたことと比べると、大分違うのではないだろうか、私はこのように思います。
 確かに長官も景気のかげりというものを重視されるということを言われておりますけれども、それでは景気のかげりの最大の原因はどこに根差しているとお考えになっていらっしゃるのか、まずお伺いいたしたいと思います。
#79
○河本国務大臣 日本経済の現状はいまお話があったとおり、ほぼそれに近いと思います。明るい面もありますが、少しかげりの出始めた暗い面も相当ある、こういう感じでございます。
 そこで暗い面はどういう分野かといいますと、一つは住宅の建設が非常に沈滞をしておりまして、予定よりも二割見当も落ち込んでおる。それから中小企業の倒産が前年に比べましてざっと二割見当も多いということ、あるいは鉄の生産なども最近は一年前に比べましてざっと一割減っておるという状態でございます。あるいはまた国民の消費活動も相当落ち込んでおりまして、思うように伸びないという面がございますが、やはり背景には石油が異常に高くなったという背景があるということが一つございますし、世界経済がまた全体として悪いということも背景としてあります。ことしの前半までよかった景気の状態が、いま申し上げましたような暗い面も出てまいりましたので、この暗い面が大きくなる前に、深くなる前に適当な手を打たなければならぬというので、先月八項目の対策を決めまして、特に中小企業に対しましては特別の配慮が必要である、そういうことも決めまして、いま八項目の対策を強力に実施しておるというのが現状でございます。
#80
○小林(政)委員 中小企業の売り上げが大変減っているという最悪の状態、この原因というのは、労働者の実質賃金が物価の上昇に追いつかないで、事実伸び悩んでいる、物価上昇をはるかに下回っている、こういう現状が一つにはあると思いますし、また勤労世帯はそういう状態の中でがまぐちをかたく閉めてしまって購買力そのものが落ちている、このことが主要な原因ではないかというふうに私は見ておりますけれども、そこへ加えて一連の公共料金の値上げ、四月以来電気料金、ガス料金も大幅に上がっておりますし、石油製品を初めとする大企業製品や、また原材料費の値上げもここへ来てはなはだしいと思うのです。こうした問題があることは周知の事実でございますので、恐らく長官もその点はお認めになっていらっしゃると思いますけれども、こうした民間消費、経済の消費の伸びを解決する、こういうことは一つには国民の購買力を本当に高めていく、このこと以外にないのではないかなというふうに思いますけれども、この対策について具体的に明らかにしていただきたいと思います。
#81
○河本国務大臣 先ほど八項目の対策を立てておるということを申し上げましたが、その中の一つの大きな柱が物価対策であります。やはり消費者物価が政府の見通しよりも高くなっておるというところに国民の消費活動が停滞しておるという背景もございます。家の建たない一つの理由もそこにあるわけでございまして、消費者物価が安定をするということが国民生活の安定にもつながり、同時に景気をよくする一つの大きな原動力である、こういう考え方に基づきまして、消費者物価対策を強力に進めましょうということを先月決めまして、その対策として六項目の具体策を決定いたしております。
#82
○小林(政)委員 物価を抑えて賃上げを実現する、あるいはまた、現状では減税だとか社会保障の拡充などによって国民の購買力を高めていく、このことが一番大事なことではないかと私は思いますが、経済運営のかじ取りとしてこの点についてどのような見解をお持ちですか、お伺いをいたしたいと思います。
#83
○河本国務大臣 消費者物価につきましては、私は九月がピークだと思います。まあ九月は異常気象ということもありまして予想外に高い水準になりましたが、十月は相当低くなると思うのです。月末にその数字が出てまいりますけれども。そして、ことしの後半は全体としては四・六%見当に抑え込みたい、こう思っております。それは後半の平均でございますからもちろん十月にはそこまで参りませんけれども、だんだんと下がる傾向は出てきておると思います。
 そこで、いま減税というお話がございましたが、いまの財政事情から見ますととてもそういうことができる状態ではございませんので、とにもかくにも消費者物価を下げることによって国民生活を安定の方向に持っていきたい、これに全力を尽くしたいというのがいまの政府の考え方でございます。
#84
○小林(政)委員 それでは次に、通産大臣お見えでございますので質問をいたしたいと思います。
 これは本日本会議で可決をいたしてしまいました地方支分部局の整理の問題で、いわゆる行政改革法案が通ったわけでございますけれども、具体的に関連がございますので、私はこの際、通産省に対して質問をしたいというふうに思います。
 これは大阪、四国の鉱山保安監督部を廃止して、名古屋あるいはまた広島鉱山保安監督部と統廃合を行うというものでありますが、私は、鉱山保安監督部そのものがいままでどういう役割りを果たしてきていたかということなどについて、具体的に現地へ参りまして実際に調査もし、話も聞き、見てもまいりました。そうした中で、鉱山で働いている労働者の危害防止あるいはまた鉱山から流れ出るいろいろな坑廃水などの処理や製錬所の周辺住民を鉱害から守っていく上で、鉱山保安監督行政というものがどんなに大切なものであるか、重視をしていかなければならない問題かということを私は感じました。
 ところが、鉱山保安法の第一条の目的でも「この法律は、鉱山労働者に対する危害を防止するとともに鉱害を防止し、鉱物資源の合理的開発を図ることを目的とする。」ということがはっきりとうたわれているわけですね。しかもこうした重要な役割りを果たしている、またこれからも果たさなければならないこの鉱山保安行政という問題が、実際には今回一省庁一ブロック当たり削減をするという機械的な基準に基づいてやられるということは、今後大きな問題が発生するのではないか、鉱山保安行政が後退すればすぐにでも非常に危険な状態が、災害が発生する可能性があるのではないか、こういうことを私は現地を見てまいりました実感として持っておりますし、大臣はこうした大事な鉱山保安行政の重要性というものについてどのような認識をお持ちになっていらっしゃるのか、まずその点をお伺いいたしたいと思います。
#85
○田中(六)国務大臣 小林委員御指摘の鉱害問題を含めた保安体制をどう思うかということでございますが、私どもは鉱害に対する保安というもの、それから鉱山、マイニングも金属もメタルも含みましての鉱害というものにつきましては、いままでも現在も、それから将来とも十分考えていかなくてはいかぬ問題だと思っておりますし、人命はもちろん、ポリューションつまり公害、そういうものに対しましても万全を期していかなければならないというふうに考えております。
 ただ、今回の機構改革で大阪保安部を名古屋に、それから四国の方を広島にというように機構の一元化をやったわけでございますけれども、機構が縮小されましても私どもは質的に十分配慮して、これから先も保安に万全を期さなければならないというふうに考えております。
#86
○小林(政)委員 私自身三日間にわたって現地調査をしてまいりましたが、その中で私は、京都の大谷鉱山では山の坑口から二百メートルも下の坑道へおりて切り羽までずっと歩いていきまして、鉱山労働者が危険な状態のもとで仕事をしている、こういう実態も見せてもらいましたし、それからまた兵庫県の生野町、ここでは三菱金属の生野鉱山の鉱滓堆積場、これは山の上にあるんです。これも実際に現地まで行って見てまいりました。この中で鉱山監督官の人たちが水のしたたり落ちるような暗渠の中をずっとずぶぬれになって実際に鉱滓堆積場の巡回検査をやっている。あるいはまた、道のない山の中で危険な休廃止鉱山を見つけて、そしてその調査や対策を講じている、こういう仕事をやっているのを見ました。しかも大阪鉱山保安監督部は二府五県の管内に持っている山を対象にしておりますけれども、坑内の鉱害防止の監督あるいは堆積場、坑廃水の処理、鉱煙問題、こういった問題などについても検査をきちっと行い、さらに、私が聞いたのでは約千近く休廃止鉱山があるということでございますけれども、こうした問題などについても対策をとる、こういうこともやっているというお話を伺って、見たり聞いたりしてまいりました。鉱山の災害とそして鉱害の防止のために、さらに国内資源の開発という点から見ても、どうしても安定確保を図っていく、保安行政を強めていくということは一体のものだと痛感をいたしました。そして、本当に困難な中でお仕事をされている監督官の皆さんの仕事ぶりに、何か本当に胸を打たれるような思いがいたしました。こうした鉱山保安行政の強化ということは今後ますます必要ではないか、私はこういうことも痛感をいたしましたけれども、拡充をすべきではありませんか。整理縮小の対象にするのではなくて、もっと人員を確保し予算もふやして、乏しい日本の資源の開発をやっている鉱山の開発を進めると同時に、さらには安全対策、保安対策をやっていくためにはどうしても予算と人員の増が必要ではないかということを痛感してまいりましたけれども、そういう立場に立って大臣は検討をされる御意思はございませんか。
#87
○松村政府委員 お答えいたします。
 いま先生から鉱山保安行政についての非常に御理解のあるお言葉をいただきまして感激しているところでございます。
 御指摘がございましたように、休廃止鉱山につきましては四十六年末に調査をしたところ、その数が五千鉱山以上あるということでございまして、その後これを五十二年までの間に精密な調査をいたしました結果、その中で何らかの措置が必要と思われるものが八百九十三鉱山もあったわけでございます。これらにつきましては、現在一部は鉱害防止工事の補助事業対象として逐次所要の工事を行っておりますし、またその残りにつきましては、巡回検査等を実施して鉱害防止をいたしているわけでございます。現在ではこれらの巡回検査の対象になっております鉱山の数が全国で四百七十二鉱山、うち大阪管区では五十八鉱山ということになっているわけでございますが、このような休廃止鉱山対策あるいはその他の鉱害防止対策を推進いたしますために、従来から鉱山保安監督局部におきまして鉱害防止課を設置するとか、必要な人員の確保のために努力してきたわけでございます。また、予算的に申しましても鉱害防止事業に必要な経費の確保ということには努力をしてきたわけでございますが、もちろん今後とも公害問題あるいは環境問題の重要性からいたしまして、私ども所管の衝に当たる者といたしまして、必要に応じまして所要の人員、経費等の確保を図り、また休廃止鉱山の鉱害防止対策を進めるという点ではさらに努力を続けていきたい、こういうふうに考えております。
#88
○小林(政)委員 鉱山の場合には他産業に比べても災害の率が大変多いという政府の統計数字も出ておりますし、また、坑道をどんどん深く掘っていくというような状況の中で非常に危険度も伴っている、こういうことで具体的にはこの災害防止の努力についてはされているという通達も見せてもらいました。しかし、実際には災害の予防をやらなければいけない。私自身が坑道に入りまして、実際に天井というのですか、そこを棒でこういうふうにあれしますと鉱滓がぱらぱら落ちてくるのです。常時実際に予防をやっていかなければいけないということと、それからまた保安技術の指導を企業者側に強めていかなければいけないし、保安教育の一層の充実、拡充を図っていくということも非常に大事なことだと私は思いますけれども、いまの人員では、たとえば大谷鉱山の場合でも一生懸命やろうとしても、大谷鉱山だけの例をとりましても実際には十七の切り羽のうち一回に三カ所から四カ所しか検査はできない、こういう事実も言われておりましたし、事実事業量に対して六〇%くらいしかそれを行うことができない、こういう状態というのは非常に危険だと私は思っております。もっと人手をふやし、予算も獲得して乏しい資源を本当に発掘している中小鉱山、そしてそこで働いている鉱山労働者の人たちの立場に立って通産大臣は積極的にこの問題については取り組んでもらいたい、こういうふうに思いますし、鉱山の保安業務の後退ということはあり得ないのですか。
#89
○田中(六)国務大臣 先ほども申し上げましたように、人命尊重、そして公害のばらまきということのないように常日ごろ配慮しておりまして、今回の機構改革で機構が多少縮小したところもございますけれども、人員、つまり首切りというようなことは全く行っておりませず、適切な統廃合だと思っておりますし、保安の面で支障があるならば、御指摘のような人員増加というようなことも当然将来とも考えなければならないと思っております。
#90
○小林(政)委員 保安業務の後退はあり得ないということですか。
#91
○田中(六)国務大臣 保安というのは非常に大事なことでございますので、実質的に後退というようなことはないように一生懸命努力していこうと思います。
#92
○小林(政)委員 私は、鉱山の保安業務の後退はないんだ、しかし機構の問題については統廃合をやったんだ、こういうことは何回説明を聞いても実際問題としてよくわからないのですよ。理解できません。
 では、具体的にお聞きしたいと思うのですけれども、これは一体何のための行革なんですか。実際にこうした必要性があって、しかも今後強めていかなければいけない、あるいは後退はしない、いままでの業務に支障を来すというようなことは本当に起こらないのでしょうか。大臣もう一度お伺いしたいと思います。
#93
○田中(六)国務大臣 機構の面には拡大する場合もあり、縮小する場合もあり、現実に鉱山そのものが減っておるわけでございますので、そういうものに合わせて機構を考えたわけでございます。しかし、小林委員も御指摘のように、私もたびたびいま答えていますように、保安業務に支障を来すようなことは全くいけないことでございますので、この保安業務に支障のないように最大限の努力はしなければなりませんし、現実の段階で機構を縮小いたしましても保安業務には差し支えないという判断からこれを行ったわけでございますし、これからもしも保安業務に支障を来すというようなことになりますれば、人員とかいう面でも考えなければならないというふうに思います。
#94
○小林(政)委員 休廃止鉱山の数も立地公害局が示している数字などははるかに超える、こういう実態がありますし、自治体に委託していろいろと調べてもらってもいますということでしたけれども、それによっても相当数危険個所が発見されているということも言われていますし、鉱山保安の予防的な措置からもこういう対策はなおざりにできないと思うのです。私はこういう点を考えると、確かに監督官の皆さん方の努力で最近大きなものはできるだけ出さないという措置がとられていて、実際に災害の件数は減ってきてはいますけれども、しかし一歩間違えば大きな災害に発展するという可能性を秘めているわけですから、私はこの点については十分な措置をとってもらわなければ困る、こういうふうに思います。よろしいですか。
#95
○田中(六)国務大臣 御指摘のように十分な対策、処置を講じていきたいというふうに考えます。
#96
○小林(政)委員 時間の関係で、私は次に石油問題についてお伺いをしたいと思います。
 通産省は八次にわたる石油製品の値上げについて具体的にどのような態度をいままでとってこられましたか。本年一月二十九日の衆議院の本会議で佐々木前通産大臣は、「製品価格に関しましては、原油代上昇等のコストアップについては、市場を通じて適正に反映することはやむを得ないものと考える」と述べて、製品価格の上昇は必ずしも不当なものではないと考えると言っておられますけれども、便乗値上げではなかったとお考えになっているのでしょうか。
#97
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘のように、昨年の三月から五十五年の四月にかけまして八回の仕切り価格の値上げを行ったわけでございますけれども、これは産油国の原油公式販売価格の引き上げあるいはスポット相場の上昇、そういったような原油調達コストが上昇したことから、元売り各社がコストアップ分について仕切り価格の引き上げを行ったということでございます。なお、本年の六月末から七月にかけましては公式販売価格は引き上げられたわけでございますけれども、反面円高というものがあったわけでございまして、そういうものを勘案して元売り各社は価格の引き下げを行ったわけでございます。いずれにいたしましても、この間私どもといたしましては元売り各社から原油調達コストの上昇の状況あるいは為替レートをどう見ておるか、そういったようなことをよく事情を聴取いたしまして、仮にも便乗的な値上げがないように十分なチェックをしてまいったわけでございます。
#98
○小林(政)委員 ちょっと具体的に伺っていきたいと思いますけれども、第二次石油危機の始まりました七八年、昭和五十三年十二月と五十五年八月、ことしの八月現在と比較して、原油の値上がり分というのはどうなっているのですか、オールジャパンで結構ですから教えてもらいたいと思います。
#99
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。
 先生お尋ねのCIF価格の動きでございますけれども、卸価格とCIFの関係でございますが、大体私どもの見ているところでは、CIF価格の上昇は一月後に卸売物価に響くというように見ております。そういう意味で五十三年の十一月と、それからこれは現在手元にあるのが九月までの数字でございますので、その一月前ということで八月で比べさせていただきますけれども、CIF価格の増加額というのは大体キロリットル三万二千円でございます。
#100
○小林(政)委員 そうしますと、今度は石油製品価格の方はどうなっていますか。これもいまと同じように、いまおっしゃった基礎は昭和五十三年の十一月ですか、そしてことしの八月現在、この価格の値上げについて説明をしてもらいたいと思います。いまのは原油ですね。
#101
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、八回値上げをし、一回引き下げをしたわけでございますけれども、元売り価格の引き上げ状況というのは各社によってまちまちでございます。したがいまして一概に申し上げられないわけでございますけれども、日銀卸売物価指数をベースにいたしまして、たとえば灯油について計算をしてまいりますと、五十三年の十二月から五十五年の九月までの値上げ幅というのはキロリットル当たり約三万九千円でございます。
#102
○小林(政)委員 そうしますと、いま指数ではなくて具体的な額でおっしゃってくださったので、私どもとしてはそこに開きが出てくる分、これは便乗値上げと確認したいんですけれども、どうなんですか。
#103
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。
 確かにただいまお答え申し上げましたように灯油の値上がり額とCIFの値上がり額と差がございます。大体七千円くらいの数字が出てまいります。ただ、石油製品の元売り仕切り価格と申しますのは、原油のCIF価格のほかに石油税とかあるいは精製費、販売管理費、金利、そういった諸要素から構成されておるわけでございます。したがいまして私ども元売り価格の改定に当たりまして、この原油輸入の価格の見直しだけではなくて、こういった諸経費についてもいろいろ事情を聞いているわけでございます。そういった面での見直しも当然必要になってくるわけでございます。また特に申し上げますと、石油のCIF価格が上がりますとそれに伴いまして当然増大してくるというのもございます。たとえば石油税あるいは製油所の中の自家燃費と申しましょうか、そういったもの、あるいはユーザンス金利、そういったものも原油の価格が上がりますと当然にふえてくる、こういった要素もございます。そういったものを総合して考えてまいりますと、私どもの見るところでは、原油価格の値上げ幅に比べて石油製品価格の値上げ幅が多い、それは便乗値上げではないかという御指摘でございますけれども、必ずしもそういうものではないというふうに思っております。
#104
○小林(政)委員 いままで通産省の方で具体的な価格をなかなかお出しにならないというようなことで、私どもの方も実は通産省あるいは日銀、大蔵省からいただきました資料をもとにして計算してみました。たとえば灯油の場合、日銀の物価指数年報によれば、昭和五十年の灯油の平均卸売価格は二万九千八十円、昭和五十三年十二月の灯油の卸売物価指数は五十年を平均一〇〇とした場合には九九・〇%となっていますので、それを掛け算をして額を出しますと二万八千七百八十九円になります。つまり昭和五十三年の十二月時点の灯油の卸売価格は二万八千七百八十九円になるわけです。さらに本年八月の灯油の卸売物価指数を見てみますと二三一二・〇%となっていますから、同じやり方で計算をしてみますと本年八月の灯油価格は六万七千七百五十六円ということになります。つまり昭和五十三年十二月から本年八月までの一年九カ月間に灯油の卸売価格は三万八千九百六十七円も値上がりしているということでございます。原油値上げ幅と比較をしてみますとやはり相当の、約八千円からの開きが出てまいります。これはいまのお話ですといろいろ諸経費もかかるあるいは税金の分もある、こういうようなことでございましたけれども、実際問題として石油元売り各社の五十四年度、五十五年三月決算の有価証券報告書を見てみますと、原油の占める原材料費、つまり原油代は日石では九八・一%、丸善では九三・九%、三菱では九七・一%、興亜石油では九四・四%となっております。原油代以外の二%から六%のその額がどうして八千円、一万円もの差になってあらわれてくるのか。このことはだれが見たって、決算の結果から見ても明らかに便乗値上げと言わなければならないのではないか、このように思いますけれども、具体的にお答えをいただきたいと思います。
#105
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、確かに石油製品に占めます原油価格の比重というのは大きいわけでございますけれども、原油コストが上がるに伴いまして、たとえばユーザンスに伴いまして調達する融資金額がふえるわけでございますね、そうしますとユーザンス金利が当然ふえる、あるいは先ほど申し上げましたように自家燃費、これは原油を精製する途中の一種のロスと申しましょうか、そういうものでございますけれども、そういったものも当然原油コストと同じように上がるわけでございますね。そういったことから見ますと、先ほども申し上げましたように現在の原油コストの上昇に見合う製品価格は必ずしも便乗的なものではないというふうに思っております。
#106
○小林(政)委員 資料がなくてわかりにくかったと存じますので……(小林(政)委員、資料を示す)
 それでは、いまいろいろと御意見がございましたけれども、具体的にお伺いをしたいと思います。
 石油元売り十三社の五十四年度決算、これはどの程度の利益を上げていたのか、経常利益はどのくらいになっているのか、こういう点をまずお伺いいたしたいと思います。
#107
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。
 五十四年度の石油会社の決算でございまけれども、十三社ベースで申し上げますと経常利益千七百五十七億でございます。
#108
○小林(政)委員 それは五十四年度の決算を言われたのですね。(志賀(学)政府委員「はい」と呼ぶ)結局五十年度はマイナス四百九十八億円の経常利益でございましたけれども、五十一年度は千五百二億円、五十二年度は千五百七十二億円、五十三年度は三百二十二億円、五十四年度はただいまおっしゃったように千七百五十七億円、本当に相当大きな経常利益を上げているということにはならないのですか。
#109
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。
 確かに五十三年度の元売り十三社の経常利益は三百二十二億でございます。したがいまして五十四年度は五十三年度に比べますと非常に大幅な経常利益の増額でございます。ただ、この五十三年度という年はガソリンの乱売合戦というのがございまして、石油各社の経営状況が非常に悪化した年度でございます。
 御参考までに申し上げますと、五十三年度の元売り十三社の売上高経常利益率は〇・三三%という状況でございまして、五十三年度の製造業平均の売上高経常利益率と申しますのは三・四九%でございます。この数字からもおわかりいただけますように、五十三年度は元売り十三社の経営状況というのが非常に悪化した年である、その年に比べますと非常に大幅な増加であるというふうに理解しております。
#110
○小林(政)委員 いまのは説明になってないんじゃないですか。いろいろ言われていますけれども、ともかく五十二年度、五十三年度、五十四年度の決算をずっと私どもも見てみますと、五十四年度の場合は為替差損で落とした分を足してみますと四千二十一億円のもうけになっているんですね。ですから、実際にはこれは相当の額になるということが言えると思います。これはやはり便乗値上げがなければこういう数字は出てこないんじゃないか、私はこのように思うのですけれども、いかがでしょう。
#111
○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。
 確かに五十四年度の経常利益千七百五十七億に対しまして為替差損、これが二千二百六十四億でございます。したがいまして、この為替差損を考慮いたしまして考えてみましても、実質的な損を調整いたしますと恐らく三千億ぐらい、そういうふうにいたしましても先ほど申し上げました売上高経常利益率というのは恐らく二上二%ぐらいということでございまして、いずれにいたしましても製造業の平均に比べますとかなり低い水準にあるというふうに思っております。
 それで、私どもといたしまして、先般来申し上げておりますように元売り価格の引き上げに際して十分なチェックをやっておるわけでございまして、経営状況から言って必ずしも便乗的な値上げがあったというふうには私どもとしては考えていないわけでございます。
#112
○小林(政)委員 納得できないです。決算でこれだけの経常利益をふくらましているということは、ではどういうところを計算すれば国民に納得させることができるんですか。便乗値上げとしか考えようがないではありませんか。もう時間もなくなってまいりましたが、明らかに便乗値上げが行われていたというふうに断定せざるを得ません。
 そして問題は、これからの冬場を迎えまして、いま国民の中にはことしの灯油の値段はどうなるんだろうか、こういう不安が一層広がっていることも御承知のとおりです。これは大臣にお伺いをいたしたいと思いますけれども、このことが非常にいま重要になってきていると思うのです。便乗値上げをして、そしてそれは大したことではないんだというような見解に立つということは許されないと思うのです。やはり冬場の需要期を迎えて灯油の価格安定のために、元売りに対して実際に価格を引き下げさせる、あるいは行政指導を行う、こういったお考えを大臣はお持ちでしょうか。
#113
○田中(六)国務大臣 私どもは、灯油を初め各油種による価格に対しまして、通産本省はもちろん各通産局あるいはそれらに関連する機関で、便乗値上げ、つまり売り惜しみ買いだめというようなものがないように十分ウォッチしまして、現実に国民の皆様、非常に冷静に対処しております。したがって、むしろどの油種も値下がり傾向にありまして、私どもはこのペースを乱すことなく、これからもそういう便乗値上げのないように努力していこうというふうに思っております。
#114
○小林(政)委員 確かに灯油の場合は六月から若干値下がりの傾向が出ておりますけれども、しかしこれから寒くなるのです。十月を迎えて実際にいままでの分よりも私は上がるのじゃないか、こういう見方をいたしております。事実石油業界だとか、工業用石油については業界がいま盛んに交渉をやって、需要と供給との関係も含めて価格交渉もやって、C重油の価格の決定だとか、あるいは鉄鋼、電力会社の使うその価格はどうすべきかというような交渉をやっています。しかし国民は一事実上そういう体制を持っておりませんし、現に十月十日の日本経済新聞によれば、C重油は二千六百円の値下げが決まったということも報道されておりますし、また十月二十一日の新聞では、ナフサが二千六百円値下げされるということが報道されております。実際に石油業界と交渉手段を持っていない国民、しかも本当にこれから寒さに向かって灯油を消費する国民、こういう人たちに対して、実際は大臣が行政指導の中で石油業法十五条を発動するなりあるいは何らかの措置をとって便乗値上げというものを抑えていく、こういう姿勢が必要ではないかというふうに私は思いますけれども、その点を伺って私の質問を終わりたいと思います。
#115
○田中(六)国務大臣 小林委員御指摘の心配は私どもももちろんしております。しかし私どもは、市場メカニズムと申しますか、需要と供給による一つの価格決定という、市場に一応任しておくということで、さきのオイル危機のときも国民の皆様がうまくそれで適応をやってくださいまして、世界もびっくりするような結果が出たわけでございます。したがって、このたびも市場メカニズムに価格は一応任しておいた方がいいという判断でございますけれども、やはり冬場に向かって一番最盛の需要期になるわけでございますので、この点、小林委員の配慮も入れて、十分監視しながら便乗値上げがないように努めたいと思いますが、便乗値上げみたいなことがどこかであるならば、それなりに厳しい対処をしてまいりたいというふうに思っております。
#116
○野中委員長 次回は、来る一二十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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