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#1
第093回国会 農林水産委員会 第1号
本国会召集日(昭和五十五年九月二十九日)(月
曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の
とおりである。
   委員長 田邉 國男君
   理事 菊池福治郎君 理事 津島 雄二君
   理事 羽田  孜君 理事 福島 譲二君
   理事 新盛 辰雄君 理事 松沢 俊昭君
   理事 武田 一夫君 理事 稲富 稜人君
      逢沢 英雄君    上草 義輝君
      小里 貞利君    亀井 善之君
      川田 正則君    岸田 文武君
      北口  博君    北村 義和君
      近藤 元次君    佐藤  隆君
      菅波  茂君    田名部匡省君
      高橋 辰夫君    玉沢徳一郎君
      丹羽 兵助君    保利 耕輔君
      三池  信君    渡辺 省一君
      小川 国彦君    串原 義直君
      島田 琢郎君    田中 恒利君
      竹内  猛君    日野 市朗君
      安井 吉典君    吉浦 忠治君
      神田  厚君    近藤  豊君
      寺前  巖君    野間 友一君
      木村 守男君
―――――――――――――――――――――
昭和五十五年十月十五日(水曜日)
    午前十時五分開議
 出席委員
   委員長 田邉 國男君
   理事 菊池福治郎君 理事 津島 雄二君
   理事 羽田  孜君 理事 福島 譲二君
   理事 新盛 辰雄君 理事 松沢 俊昭君
   理事 武田 一夫君
      逢沢 英雄君    上草 義輝君
      亀井 善之君    川田 正則君
      岸田 文武君    北口  博君
      北村 義和君    佐藤  隆君
      菅波  茂君    田名部匡省君
      玉沢徳一郎君    丹羽 兵助君
      保利 耕輔君    三池  信君
      渡辺 省一君    小川 国彦君
      串原 義直君    島田 琢郎君
      田中 恒利君    竹内  猛君
      日野 市朗君    安井 吉典君
      吉浦 忠治君    神田  厚君
      近藤  豊君    寺前  巖君
      野間 友一君    木村 守男君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  亀岡 高夫君
 出席政府委員
        農林水産大臣官
        房長      渡邊 五郎君
        農林水産省経済
        局長      松浦  昭君
        農林水産省構造
        改善局長    杉山 克己君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    二瓶  博君
        農林水産省食品
        流通局長    森実 孝郎君
        農林水産技術会
        議事務局長   川嶋 良一君
        食糧庁長官   松本 作衞君
 委員外の出席者
        農林水産省経済
        局統計情報部長 関根 秋男君
        農林水産委員会
        調査室長    小沼  勇君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月十四日
 辞任         補欠選任
  木村 守男君     石原健太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  石原健太郎君     木村 守男君
    ―――――――――――――
十月七日
 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第一一号)
同月十三日
 食料農業政策の確立に関する請願(北口博君紹
 介)(第一五号)
 道営圃場整備事業通年施行地区農家に対する休
 耕奨励金の増額等に関する請願(安井吉典君紹
 介)(第五〇号)
 食糧自給政策の確立及び水田利用再編対策に関
 する請願(安井吉典君紹介)(第五一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 農林水産業の振興に関する件(昭和五十五年産
 畑作物の価格問題等)
     ――――◇―――――
#2
○田邉委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 すなわち
 一、農林水産業の振興に関する事項
 二、農林水産物に関する事項
 三、農林水産業団体に関する事項
 四、農林水産金融に関する事項
 五、農林漁業災害補償制度に関する事項
以上の各事項について、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、国政調査の承認を要求することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
     ――――◇―――――
#4
○田邉委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 てん菜、てん菜糖、芋、でん粉及び大豆をめぐる最近の情勢について政府から説明を聴取いたします。森実食品流通局長。
#5
○森実政府委員 お手元にお配りいたしております「てん菜及びてん菜糖関係資料」並びに「いも、でん粉関係資料」について簡単に御説明を申し上げます。
    〔田邉委員長退席、羽田委員長代理着席〕
 まず最初に、てん菜の関係の資料をお開きいただきたいと思います。
 一ページに最近の砂糖の需給の動向が出ております。ごらんいただいてわかりますように、総需要量は停滞、微減の傾向にございます。一方生産の方は、国内産糖が精糖換算ですでに七十万トンの水準に達しておりまして、増加の動向をたどっております。これに合わせまして、輸入実績は微減というのが昨今の姿になっております。一番右側に一人当たりの消費量が出ておりますが、これも若干減少ぎみでございます。
 二ページに国際糖価の推移についての資料がついております。ごらんいただくとわかりますように、四十九年以来の価格の高騰は大体五十一年の夏場に収束いたしまして、その後百ポンドから百二十ポンドの水準で経過しておりましたものが、昨年の秋以降急騰を示しまして、特に本年の二月、五月、九月等が一つの節目となって、なお高い水準で乱高下しております。スポットでは二月の段階で三百ポンド、また五月、九月の段階においては三百五十ポンドを超えた時点があります。平均でも三百二十ないし四十ポンドという動向でございます。
 三ページは国内糖価の動向についてであります。卸売価格、小売価格とも、当然のことながら、国際糖価の上昇を反映して、昨年の秋以降上昇を示しておりますが、どちらかと申しますと、全体としては弱含みでございます。特に今年の六月からいわゆる上限価格を平均輸入価格が突破いたしましたために、いわば安定資金の取り崩し、その他価格の安定措置を講じておりますので、この数カ月間は国際糖価の動向に関係ない水準でほぼ安定して弱含みであるということであります。
 四ページに生産、実績に関する資料がございます。作付面積も、ごらんいただくとわかりますように、底では四万二千ヘクタールだったものが、最近では六万五千ヘクタールまで回復しておりますし、ヘクタール当たり収量も高い水準になってきております。生産量も三百三、四十万トンという数字になっておりますし、歩どまりもほぼ良好な動きを示しております。
 五ページは、てん菜の最低生産者価格及び事業団買い入れ価格の推移を整理したものでございます。なお、括弧内は奨励金を加算しました手取り価格でございます。
 六ページに生産費の推移の資料がございます。てん菜につきましては、ごらんいただくとわかりますように、十アール当たりの労働時間がかなり短縮されてきております。一方収量は、もちろん年度による変動はかなりありますが、かなり高い水準で安定の段階に入りつつあるわけでございます。
 七ページに関係予算が書いてございます。(1)が価格対策の事業団交付金の経過を書いたものでございます。これはサトウキビ関係も一括して整理をしております。それから生産対策は、それぞれ1から5まで主要な経費を五十四年から五十六年について試算したものでございます。
 次に「いも、でん粉関係資料」について御説明申し上げます。
 一ページをお開き願いたいと思います。カンショ及び春植えバレイショの生産動向が書いてございます。カンショにつきましては作付面積は最近停滞ぎみでございますが、収量は比較的順調な伸びを示しております。それから春植えバレイショ、特に北海道の部分をごらんいただきたいと思いますが、作付面積は大体横並びになっておりますが、反収は大体順調な増加を示しております。
 それから二ページ、三ページはカンショと春植えバレイショの作付面積と収穫予想量が出ております。これをごらんいただきますとわかりますように、まずカンショにつきましては、二ページにございますように、作況指数は九七ということになっておりまして、十アール当たり収量は二千二百十キロという水準になっております。大体平年作程度あるいはやや良好な状態、地域によって差がございますが平年作程度とごらんいただいていいと思います。
 それから三ページは春植えバレイショでございます。三ページにございますように、バレイショはむしろ作況指数は一〇一で良好な状態でございます。特に北海道につきましては一一〇という作況指数になっております。その結果、北海道の収穫量は二百三十五万五千トンと想定されているわけでございます。
 それから、四ページに最近のでん粉の年次別の生産事情が整理してあります。カンショでん粉、バレイショでん粉、小麦でん粉、コーンスターチでございますが、合計の欄をごらんいただくとわかりますように、でん粉全体は、旺盛な需要を反映して生産量はトータルとしてはふえております。国内産の甘でん、馬でんはおおむね最近数年間は三十五万トン前後の水準で停滞状況にあるという状況でございます。五十一年がバレイショでん粉が非常にたくさん生産が行われた年度ということがおわかりいただけると思います。
 それから五ページに総合的な需給表が書いてございます。供給の方は、ここにごらんいただきますように百六十万トンのラインでございます。そして需要は、やはり依然として水あめ、ブドウ糖が主力でございますが、すでにこれが九十五万トン、異性化糖の進出等がありまして九十五万トンのラインに達しております。その他のものが、これも年々微増を続けておりまして六十八万トンというラインになっております。
 六ページは、でん粉価格の推移でございます。大体安定した水準をたどっております。
 七ページは、ブドウ糖、水あめの価格の動向を書いたものでございます。
 八ページは、芋の原料基準価格及びでん粉、カンショ平切り干しの政府の買い入れ基準価格の経過を整理したものでございます。
 九ページからは生産費の推移が出ております。
 まず原料用カンショでございますが、ここにございますように労働時間は大体そう大きく変わっておりません。収量は比較的高い水準でございますが、そう急速には伸びているという状況にはまだございません。停滞ぎみの状況でございます。これに対して、十ページをごらんいただくとおわかりいただけますように、バレイショでん粉の方は労働時間も大幅に短縮されておりまして、また十アール当たりの収量も非常に順調な伸びの趨勢にあるということが御理解いただけると思います。
 十一ページに、でん粉対策関係の予算が書いてございます。
 なお、十二ページに農業パリティ指数の推移がございます。
 以上でございます。
#6
○羽田委員長代理 次に、二瓶農蚕園芸局長。
#7
○二瓶政府委員 お手元に「昭和五十五年産大豆基準価格関係資料」という資料を御配付申し上げてありますが、一ページをお開きいただきたいと思います。
 大豆の年次別の生産状況を収録したものでございます。全国というのが右の方にございますが、ごらんいただきますと、作付面積でございますが、五十二年七万九千三百ヘクタールというのが一番底でございます。五十三年から水田利用再編対策等もスタートいたしまして、十二万台に乗ったわけでございますが、その後作付面積は伸びてまいっておりまして、五十五年産では十四万二千ヘクタールということに相なっております。それから十アール当たり収量でございますけれども、五十五年は括弧で百二十四キログラムと書いてございますが、これは全国推計をいたしておりますので括弧にいたしておりますが、ことしは冷害の関係もございまして前年よりは収量は落ちております。したがいまして収穫量につきましては、前年よりも作付面積がふえてございますが収量の関係で減っておる、こういうことでございます。
 それから二ページは、九月の十九日統計情報部が公表いたしました全国の作付面積と九月一日現在の主産県の予想収穫量でございます。作付面積は対前年一〇九%ということで、九%の増加に相なっております。
 それから三ページ目は、これは主産県の作付面積と予想収穫量でございます。右から三段目に作況指数がございますが、主産県の作況は九〇ということでございます。
 それから四ページに作柄概況がございます。省略をいたします。
 それから五ページでございますが、これは年次別の需給状況ということでございます。需要の面で、特に製油用、こちらの方が徐々に伸びてまいっております。これが大宗でございまして、需要計で、五十五年見込みで四百四十八万四千トンというふうに相なっております。これに見合って供給をするわけでございますが、主として製油用を中心に輸入がふえてきておるということで、五十五年は四百三十二万三千トンと見込んでおるわけでございます。国産の出回りは十四万七千というふうな見込みにいたしております。なお、下の方には長期見通しを一応掲載してございますが、現在の試算のものを収録をいたしております。
 それから六ページは、これは価格の推移でございます。
    〔羽田委員長代理退席、委員長着席〕
CIF価格が左から三段目にございますが、五十三年が六万一千台になっております。なお、最近時点の昨年の十月から月別に収録をしておりまして、八月まで収録をしてございます。なお、一番右のところに国産大豆の販売価格というのが載ってございますが、五十一年、五十二年、これは国産大豆の販売価格が非常に高うございまして、一万数千円ということになったわけでございますが、五十三年は先ほど申し上げましたような大豊作がございまして、四千七百円程度になったわけでございます。最近時点ではこれよりも千円アップの五千七百円台ということになろうかと思っております。
 それから七ページが大豆の基準価格の推移でございます。この中ほどに書いてございます生産振興奨励補助金三千五百円、これを五十二年から価格本体に織り込んだわけでございます。したがいまして形式的には四二・三%の価格のアップということになりますが、手取りといたしましては六・六%のアップということでございます。
 それから八ページがパリティの推移でございます。
 それから九ページが生産費の推移でございまして、上の方の枠に囲んだのが十アール当たり、下の方が六十キログラム当たりということでございます。一番右のところに第二次生産費というのがございますが、十アール当たりで四万三千二百八十円ということで、五十三年より四・八%ほどのアップになっております。ただ六十キロ当たりに見ますと、これは反収が下がっているということもございまして、六十キログラム当たりでは前年の八千百幾らというのに対して一万円台に乗っておるということでございます。
 それから十ページが交付金の交付実績でございます。年によりまして大分変動があるわけでございますが、特に五十二年十億でございましたけれども、五十三年が対象の数量がふえた、あるいは先ほど申し上げましたような豊作によります国産大豆の価格が下がったということから、交付金単価がふえまして、そういうことから百七十四億ということになりまして、五十四年産の大豆は今年度予算で一応百七十五億を計上をいたしておるということでございます。
 それから十一ページが大豆の生産振興対策関係予算ということでございます。五十六年度はさらに増額要求をいたしておるということでございます。
 以上、簡単でございますけれども、説明を終わらせていただきます。
    ―――――――――――――
#8
○田邉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田琢郎君。
#9
○島田委員 いよいよ本年度の最終の価格であります畑作三品、サトウキビがまだ残っておりますけれども、最終ラウンドを迎えたわけであります。いま作柄予想について政府側から概況が説明されておりましたからおおよそ承知をいたしましたが、もう少しはっきりさせるために、てん菜と芋でん粉、それから大豆と三つに区切りまして、まずてん菜からお尋ねをしてまいります。
 ただいま政府が押さえておりますことしの作況予想、収量予想といったようなものが示されておるわけでありますが、もう一遍てん菜についてお尋ねをしておきます。
 面積、単位当たり収量、したがって総収量といった面の数字的な点を明らかにしてほしいと思いますが、あわせてその中の水田転作分というのが一体どういうことになっておるのか、この点をまずお尋ねいたします。
#10
○二瓶政府委員 今年産の予想収量でございますが、まずてん菜の作付面積、これは六万五千ヘクタールということで、前年産に比べまして六千百ヘクタール、一割の増加ということでございます。それから十アール当たり収量でございますけれども、初期生育は良好に推移いたしたわけでございますが、御案内のように七月以降の気象が低温寡照に推移したということもございまして、生育の抑制等が見られたわけでございます。したがいまして、史上最高の豊作でございました前年産に比べますと八%減ということでございますが、しかし相当の高い水準かと思いますが、五千二百二十キロという反収と見ております。したがいまして、予想収穫量としては三百三十九万トンということで、ほぼ前年並みというふうに見込まれております。
 なお、転作のビートの関係でございますけれども、てん菜につきましては特定作物というふうに位置づけましてその推進を図っておるわけでございます。したがいまして近年増加傾向にございます。具体的に申し上げますと、五十五年度は、六月三十日現在の実施見込みが一番最近のデータでございますが、これでは六千六百二十ヘクタールということで、前年実績に比べまして二千百三十一ヘクタール、四七・五%というふうに急増をいたしております。てん菜の全作付面積の一〇・二%というのがこの稲転ビートのウエートでございます。
 以上でございます。
#11
○島田委員 ことしは冷害の年になりまして、東北、北海道におきます大事な水稲作は大変残念な結果に終わりそうな気配の中で、畑作の主力になっておりますてん菜がいま御報告のような状況でほぼ収穫ができるというのは大変慶賀にたえないところでありまして、政府自身も閣議で七万七千ヘクタール、おおよそ三〇%の自給率を目標にして進めております甘味対策の立場からいって大変喜んでいい、こういうふうに考えておるわけであります。不幸中の幸いといいますか、畑作に大きな冷害の影響が出なかったというのは、私も北海道に住む者の一人として大変うれしく思っておるわけであります。しかしながら、ややもすると農家の間に不安材料となって出てまいりますのが、てん菜がこんなにいいのだから価格がまた豊作貧乏みたいな結果になるのでないだろうか、したがって、今度の価格決定に当たっては政府の決定を非常に神経質に見守っているというのが農家の心情であるというふうに私は理解をしているのであります。
 さて、この際、目標自給率に近づきつつあるというふうに私は喜んでいる一人であります。しかしながら、現場におきましてもう一つ心配がありますのは、ビートは大根のまま食べるわけにはいかない作物でありまして、当然砂糖にしなければいけない。そういたしますと、現状八工場の処理能力というのに大変心配がございます。昨年も一部操業の日数が予想以上に延びまして、三月以降の処理については大変危惧をいたしましたが、幸い天候が助けをしてくれましてそんなに大きなロスを出さないで処理をすることができました。しかし、いま御報告のとおり三百四十万トンという原料ビートを抱えるわけでありますから、処理に対して相当真剣に取り組まないと、せっかくつくったものが最終盤でロスばかりで砂糖ができないといったような結果にもこれはなりかねません。私は年来、七万七千ヘクタールの閣議決定の後を受けて早急にそこへ持っていくための受けざらづくりが必要だということを言ってまいりました。いままでは幸い私が言ったようなことにならないで八工場で十分処理ができてまいりました。これは国内糖業の皆さんの大いなる努力によるものであって、私はその点は敬意を表するわけであります。しかし物理的な問題はやがて大きな壁にぶち当たるという心配を私もいたしておりまして、やはりこの際政府としては、言葉としては適切であるかどうかわかりませんが、やはり完全処理をして砂糖をつくるというところまでの受けざらづくりに真剣に検討を加えなければならない時期に来ているのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、その前に、いまのような一〇%水準で来年も再来年も伸びていくなどと考えるということはきわめてむずかしいと思うのでありますけれども、しかし、いま北海道にとって、作物を並べて見ている中ではだれが何と言ったってビート抜きにして経営はできない。つまり、ローテーションの問題一つ考えましても、あるいは将来の地力を維持していくという大事な基本の問題にしても、ビートというのは重要作物の一つとしてこれからも依然農家の間に定着し続けていくであろう、こう考えますと、政府の施策よろしきを得れば私は七万七千ヘクタールの目標達成はそんなに困難ではない、こんなふうに実は見通しを持っている一人であります。
 したがって、私がいま申し上げました単にこれを完全処理するというそういう受けざらだけではなくて、いま御報告の最後にありました稲転のこういう問題だって、今後さらに政府としては北海道の米に対して大変厳しい制約を加えるというような考え方がありますから、私はこれ以上稲転のビートがふえるということには賛成ではありませんけれども、しかし、何をつくればいいかというふうに混乱をいたしてまいりますと、当然単位当たり収量を目指した作物に指向せざるを得ない。そうなってまいりますとビートに作付指向が流れるというのは避けることができないのではないか。ですから、この辺のところは、これから第二期減反政策に対して私どもは物申してまいりますが、北海道にこれ以上の水田の転作を強要するというようなことになれば、あわせて皆さん方がお困りになるような作物の方に流れていくという危険性が当然考えられる。こういう相関関係を持っているということを大臣しっかり腹に置いていていただきませんと、単に北海道の稲をつぶしてしまえばいいんだということだけでは済まないという問題になっていくわけであります。
 そしてまた、いままでは転作の後作としてビートづくりが可能な土地がある程度残っていました。しかし、これから水田から移行する場合には、湿田であって、ビートをまいたって適切でないということがわかっていてもまかなければならぬということだって起こり得る。これではビートのいわゆる砂糖づくりの本命としては逆行するものだというふうに私は考えるので、そこに本命を置いたビートの面積の拡大というようなことは限度があるし、やるべきではない。そうなってまいりますと、畑作の中におきますローテーションを考えたビートづくりということになるのが当然であります。そういたしますと、これは逆説的になりますけれども、七万七千ヘクタールのそれでは面積確保はなかなか困難だということにもなりかねません。しかし、テンポが落ちるというぐらいのところでいってくれればいいですけれども、また面積が停滞するあるいは減退する、こういうふうな形にもなりかねないといったような問題も出てまいりましょうが、当面その問題は別にいたしまして、三百三十万トン、四十万トンという原料ビートを抱え込んでこれからいくということは、北海道のビートづくりとしては一つ考えに置いておかなければならない点だろう。こうなりますと、受けざらづくりというものは急がなければならない。こういう点についての構想が政府当局におありなのかどうか、その点をお聞きをしたいと私は思うのです。
#12
○森実政府委員 御指摘のように五十五年産につきましては約三百四十万トンという生産が見込まれているわけでございます。これにつきましては、五十五年産自体の問題としては、やはり収穫期の繰り上げによる操業期間の長期化という問題と、それからもう一つは、工場能力に不足を生ずる集荷地域の原料につきましては、最寄りの他工場への輸送等の措置をとっていかなければならないと思っております。五十五年産については当面これらの措置で吸収できるというふうに私ども見ております。
 しかし御指摘のように、今後さらに増反が進み増収が図られた場合どうかということは、なかなかむずかしい問題があると思います。率直に申し上げますと、現在新工場の建設やビートの搾汁工場の新設等のプログラムがございます。私ども、まずビートの搾汁工場のプログラムについてはできるだけ政府としても具体化について検討する必要があるのではなかろうかと思っておりますが、新工場につきましてはなかなか問題が多うございます。一つは、経営採算上これだけの大型の投資が可能なのかどうか、回収できるのかどうかという問題がございます。それからもう一つは、現実にはこれから増反される地域については、先生御指摘のように、輸送コストの点でかなり制約のある地域が多くなってくるという問題もあります。さらに、稲転ビートについてはまさに御指摘のような問題、つまり奨励金との兼ね合いの問題とか糖度の問題、こういった問題もあるわけでございます。またこのほか、実は先国会で成立いたしました特例法の論議の過程でも御指摘がありましたように、わが国の現在の輸入糖は約百万トン、少なく見積もっても八十万トンの過剰設備を持っております。一方においてこれだけの過剰設備をどうやって廃棄を進めていくかという問題、こちらで増設を図るという問題、率直に申し上げましてなかなかむずかしいジレンマがあるわけでございます。
 しかし、私どもやはり七万七千ヘクタールという一つの目標は、いろいろむずかしい問題があっても、ひとつ取り組まなければならない課題であろうと思っております。こういう意味で、御指摘の点も含めまして、段階を分けながら総合的な検討ということを今後続けていく必要があると思っております。
#13
○島田委員 お示しになりましたような努力を私はぜひひとつしっかりおやりいただきたい、まずきょうは激励を申し上げておきたいと思います。
 さて、価格が近々決まるという予想でありますが、いつお決めになりますか。
#14
○森実政府委員 甘味資源関係につきましては、サトウキビについては十一月の中旬を予定しておりますが、ビート、バレイショ、カンショのでん粉関係につきましては、法制上の定めもございますので、できれば今週末には決定したいということで鋭意折衝中でございます。
#15
○島田委員 法律によりますとその方式は決まっているわけであります。パリティの御発表もあったわけでありますが、はじき出すパリティは幾らでありますか。
#16
○森実政府委員 従来のルールで計算いたしますとプラス一〇・〇九、切り上げましてアップ率は一〇・一%程度になると思います。
#17
○島田委員 そうすると、おおよそことしの価格に一〇・一掛ければ答えが出るわけでありますが、そのように受け取っていいわけですね。
#18
○森実政府委員 御案内のように現在ビートの価格については、基準価格とそれ以外に奨励金もございます。基準価格についてはやはりパリティ方式というものを頭に置いて基準として決めるべきものであろうと考えております。
#19
○島田委員 どうもその辺あいまいでありまして、法律的にはパリティで決める、パリティは一〇・一であります。昨年の農家手取り価格は御承知のとおり一万九千九十円であります。一〇・一掛けると二万円台に乗る、そう理解していいのですか。
#20
○森実政府委員 先ほども申し上げましたように、農家の実質手取り価格を規定しておりますのは基準価格以外に奨励金もあるわけでございまして、やはり基準価格については私はパリティを基準として決めるべきものであろうと考えております。御案内のように法律の規定では、農業パリティ価格を基準として再生産の確保を図ることを旨として定められる最低生産者価格ということになっておりまして、これに奨励金をさらに追加するというのが現実の姿になっているわけでございます。
#21
○島田委員 しかし従来農家の手取り価格、農家としては、われわれとしてはこれがトン当たりのビートの価格であります、こういうふうにもうこれは定着しているわけですね。ですから、そんなごちゃごちゃいろんなことをやらないで、単純に計算されていいのじゃないですか。私の計算によれば二万一千十六円、こうなるわけでありますが、奨励金だのなんだのとごちゃごちゃおっしゃっていますけれども、しかし、もう五十二年以降、先ほども御報告にあったように奨励金は確かに区分的にはあるけれども、農家のいわゆるトン当たりの価格としては昨年一万九千九十円ということでわれわれも生産に取り組んできたのですから、いまになって奨励金は別でやりますなんというふうに言われても、それは生産農家の感情としては容認できないということになるわけでありまして、これはいじらずに、すかっとわかりやすく、パリティを一〇・一しかないものを私は二〇・一に上げろなんて言っているのじゃありませんので、パリティどおりにきわめて単純明快に掛け算をやられてはいかがですか、そうすれば二万一千円になるじゃないですか、こうわかりやすくひとつ計算される、それがやはり農林行政の最も国民に対するわかりやすいやり方だというふうに私は考えるのですが、いかがです。
#22
○森実政府委員 いろいろな御議論があることは承知しております。私ども現在政府部内で関係各省とも論議を進めている過程でございまして、まだ結論を出しているわけではございませんが、一つは非常に厳しい財政事情にあるということは御賢察いただく必要があると思いますし、またほかの作目の価格決定とのバランスというものをやはり本年産の農産物全体として考えていかなければならぬ。他方、ビートにつきましては収益性が非常に好転している、労働時間も短縮し労働報酬も上がってきている。それからもう一つは、現在の奨励金自体は、いわば四十九年当時、収益性の低下等を背景にしながら、パリティ方式自体が年間の変化を織り込んでいない方式であったためにとられたという面もあるわけでございますが、五十年以降パリティ方式も年間の変化を織り込む方式に改善されている事情があるということ、そういったこともございますし、またさらに、砂糖の価格安定制度全体の枠組みでやはり合理化目標価格との関係も考えていかなければならないと思います。そういったことを頭に置きながら総合的に勘案して決めていきたいと思っております。
#23
○島田委員 どうも説明を聞いておりますと、私の勘ぐりかもしれませんが、基本価格は、これは法律の制約がありますから、すかっとパリティで計算をする、しかし、奨励金は別であります、これは麦のときにもおやりになりました、なたねのときにもそれをやりました。その方式を頭に置いていまお答えになっているのではないかな、こう思うのですが、ビートを二万一千円、これは要求はいつもはもっと高いですよ。しかし、最近の経済事情、経済事情というよりは国の財政事情を農家の側も十分考えに置いて、恐らく大臣のところにも森実局長のところにも要求は法外な要求書を持っていってはいないと思うのです、二万一千円と私は承知をいたしております。二万一千円以上。まあ以上と言えばどこまでかという話はありますけれども、しかし、実に常識的な要求ですね。それはいまおっしゃったように、ビートだけが特別なことを要求するということもいかがなものか、あるいは国の台所の状態もやはりわれわれ一国民として考えなければならぬ、私は要求の実にささやかな姿勢がそこにあらわれているというふうに考えてみるべきではないかと思うのです。それを逆手におとりになるというのはちょっと冷たいのじゃありませんか。素直に二万一千円を要求しているのであれば、二万一千円よしわかった、計算すればそうなるのだから、おまえさんら常識的な要求をされたのだから、これにこたえようではないか、こうお考えになるのが私は政府当局のいわゆる常識ある姿勢であり、しかも農民に対する温かい思いやりの気持ちではないかと思うのです。どうも奨励金がどうのこうのと言われると私は一言言いたくなってしまうのでありますが、一体ビートの二万一千円というのは、そんなにほかの作物に比べてとてつもない法外な価格だとお考えになっているのでしょうか、いかがでしょうか。
#24
○森実政府委員 御指摘がございました二万一千円という要求自体について私どもとやかく申し上げる性質のものでもないと思いますし、また私の率直な心境といたしましては、ようやく糖価安定制度自体も定着してまいりまして、いわばそういった要求というものが非常に何か落ちついた形で行われるようになってきたということは先生御指摘のように私も受けとめております。ただ私が申し上げておりますことは、やはり作目間のバランスというものもございますし、それから現実の問題としては非常に価格支持財源が不足して財政上厳しいという事情もありますし、さらにビート等につきましては反収も上がり労働時間も短縮されて非常に収益性が上がってきている、いまの生産費や価格との関係等を見ますと非常に良好な状態にある、こういう状態もあるわけでございます。もちろん本年、北海道冷害があるわけでございまして、やはりビートやバレイショが非常に作がいいといって、それだけの理由で、私どももいわばそれだけの理由でカットしていく、切っていくということが適当であるとは思っておりません。総合的に農家所得の安定を図らなければならぬということも考えなければならぬと思っておりますけれども、なかなかそういったむずかしい状況もありますので、今後御指摘の点も頭に置きながらできるだけ合理的な価格決定を行えるように努力してまいりたいと思っております。
#25
○島田委員 まあ検討いたしますということでありますが、検討願う材料として私はもう一言申し上げておきたいのです。
 横並びというお話も政府部内においては重要な一つの判断材料だということは、それはわからないではありません。しかし、実は私はパリティの一〇・一だって、正直言うと実態と違うのではないかという感じがするのですよ。そのことをいま論議はいたしません。ただ、こういうことは一口に言って言えるのではないですか。
 農家の経営の状況というのは全くパリティと無関係に非常に悪化している、こういうことを私は前提にして申し上げたいのですが、最近調査をいたしました資料によりましてちょっと挙げてみますと、農村の物価と賃金指数というのが発表になりました。いろいろございますが、特に経営の中で重要な部門を占めますのが生産資材であります。これは前年同期、六月に比較したものでありますが、五十四年の六月と五十五年の六月の対比であります。これで見ますと生産資材が一三・九%上昇したと発表になっているんですね。これはとてもパリティの一〇・一では追いつかない数字でございます。しかもその中で、当然のこととは言いますものの、光熱動力費の関係が四九・一%と大変なアップなんですね。これは石油の値上がりによるものであることは当然であります。しかもビートのことですから北海道に限定をいたしました資料によりますと、いまの五十四年六月対五十五年六月の比較で言いますと、支庁別に分けてございますが、経営が悪化しているという状態を示すところは実に一二九・四%アップしている。これは組合員勘定による残高を比較したものでございます。農家個々の経営の悪化を示す一つの指標でありますが、それによりますと、釧路支庁でありますが一八四・八%、さらに最も高いのがあります。宗谷地方でありますが二一七・二%、さらに根室が一二九・四と続いております。これは酪農の関係の地域でありますから、当然資材の高騰といったようなものがもろにかぶるという地域でございましょう。これだけ、一年間に借金が倍にふえるというふうな状況、いま農家の経営が悪化しているという一つの証拠として言えるのではないだろうか。特にビートの主産地と言われます十勝や北見も例外ではないわけでして、私の地元の北見でも、組合員勘定のいわゆる残高比較では前年同月の六月で一二六・五%、いわゆる借金がふえております。赤字になっております。十勝でさえも一二二・六。十勝は畑作の主産地でありますが、畑作地帯の、ビートを中心にしてあるいは芋を主作にしてつくっております地帯においてさえも決して経営はよくなっておらぬばかりか、悪化している。
 こう考えますと、それは財政事情とか横並びの問題とかいろいろありましょうけれども、生産者価格の決定でありますから、農家の経営がどういう状況になっているかということを頭に置いてやはりお決めになるということでないと私どもは納得ができないのですよ。そういうことを考えますと、局長は、生産性が高まっている、あるいはビートの反収も上がったし労働生産性も高まっている、こうおっしゃるけれども、末端の経営の状況は必ずしも好転していないばかりかむしろ悪化しているということがこの数字によってうかがい知れると思うのです。この点を十分頭に置いてお考え願いたい、私はこう思っています。いまの発表は私が作為的につくったものではございません。当然局長の目でも見ていただく資料でありまして、公表されているものでございますから、こういう点も十分考えに置いて価格の決定に当たっていただくということを私は強く要請しておきたいと思うのですが、私のこの指摘に対してはいかがでしょうか。
#26
○森実政府委員 先生御指摘のように、最近の農家経営の状況は、たとえば御指摘がありました借入金の残高の動きとかあるいはまた個々の資材費の動きとか生活状況等から、決して楽な状態ではなくて、なかなかむずかしい段階にあることは私も否定するところではございません。また同時に、北海道につきましては今回の冷害の影響というものも農家経営全体として大きくかぶさっていることも事実だろうと思います。申すまでもなくビート自体は、ビートだけをつくっているというわけではなくていわば畑作経営のローテーションの一つとして含まれているわけでございます。率直に申し上げますと、生産費と従来の価格との関係、最近の生産性の向上の動き等を見ますと、ビート自体は単品として見れば非常に有利な状況になっていることは事実でございます。しかし、私先ほど申し上げましたようにビートはビートだけ、バレイショでん粉はバレイショでん粉だけというふうに孤立的にとらえないで、全体として均衡のとれた価格ということで適正に決めていかなければならないと申し上げましたことは、まさにそういう点も頭に置いていることでございまして、なお今後いろいろ検討したいと思いますが、そういった心情は御理解を賜りたいと思っております。
#27
○島田委員 この点はまたわが党議員から同じような質問がなされるものと思いますから、私は時間の関係で先に進みます。
 次に、芋でん粉の関係についてお尋ねをいたします。
 芋でん粉を考えます場合にどうしても問題になりますのが政府の手持ちでん粉と輸入のトウモロコシの関係であります。従来からでん粉処理のメカニズムがございまして、抱き合わせミックス販売という方式をとって政府の手持ちのでん粉の処理に当たってこられた。しかしこのメカニズムも、私も数年前にちょっと指摘をしたことがございますが、国内産でん粉、馬でん一に対してトウモロコシでん粉のコーンスターチを五トンなり五・五トンなり抱き合わせをする。これはコンスタントに動いているときはいいけれども、一たんでん粉、馬でんの在庫といいますか政府の手持ちがふえまして、その処理に当たろうとすると、必然的にコーンスターチをたくさん持ってこないと処理できないといったようなことになりかねない。だからときには抱き合わせの比率を変えたりしましてやってきましたが、一対五・五というのは目いっぱいでありますといったようなやり方で壁につかえた。そうするとでん粉を処理するためにはコーンスターチの量を入れてきてやらないといけないし、もう一つは関税がそこにひっかかってくるものですから、一次関税は無税でありますが、二次関税でこれは十五円ほどかかっておりますね。この関税のところにも手をつけないとこの問題が処理できないという、まさに三すくみみたいな状態に陥る危険性がある。この点を私どもは非常に心配して、このメカニズムについての再検討が必要ではないかということを言ってきました。これは五十三年か五十二年の年であったと思いますが、私がそういう指摘をいたしまして、比率をもう少し変えたりいたしました。また五・五に戻ってきました。そうすると、いまも発表にありましたように、コーンスターチ、トウモロコシの輸入量というのは百万トンを超えて百十一万トンとさっき御発表になっておりました。これは痛しかゆしでありまして、わが方のでん粉の処理をせいと言うとコーンスターチがふえてくるといったようなことになってしまう。しかもそれを比率を変えようとすると壁にぶち当たる、また関税の問題にもひっかかる、こういうことになってくるという点がございますが、現状のこの馬でんの処理の状況というのはすんなりいっているのかどうか、その点ちょっと心配ですからお答え願いたいと思います。
#28
○森実政府委員 確かに御指摘のように現在のタリフクォータの制度は、一つの予定調和の上に立っている制度であるということは私も本質上否定できない点だろうと思います。幸い昨今の状況を見ますと、でん粉全体の消費量は比較的順調に伸びております。その枠内で余り大きな矛盾なり破綻を来さないで経過してきているという経過がございます。恐らく先生御指摘のありましたのは五十二年のころだろうと思いますが、五十年、五十一年の過剰のでん粉を政府は十二万五千トン買ったわけでございます。これははっきり政府としても決意いたしまして市場隔離を続けてきたわけでございますが、本年はすでに二万五千トンを異性化糖の需要の増大によって消化しておりまして、またさらに今後も消化できるのではないだろうかと思っております。当面私どもは、総合的に考えますといまの制度をできるだけ的確に運用しながら、他方においては、不安材料となる国内産でん粉の過剰がある場合は市場隔離を確実に行っていくという仕組みを維持すべきものではなかろうかと思っております。御指摘の点についてはさらに今後も状況を見ながら、十分頭に置いて検討いたしたいと思います。
#29
○島田委員 そうすると、いまのところ十万トンほどの隔離でん粉の見通しも大体立っている、うまく回っていくはずだ、したがって関割制度を当然続けていくわけでありますが、抱き合わせ販売の比率を変えるなんというような必要はない、うまくいく、こういうふうにお考えになっている、こう理解していいわけですか。
#30
○森実政府委員 率直に申し上げまして、私やはり抱き合わせ販売の比率という問題は、でん粉の国内の需給動向、価格の動向、さらに国際価格の動向等も見ていかなければならぬ点があると思います。そういう意味において、やはり各種の諸元を見ながら、ある程度弾力的に状況に応じて対応せざるを得ない本質があると思います。ただ目下のところでは、大体いまの抱き合わせ比率でやっていけるのではないだろうか。しかしまたいろいろ問題があれば検討しなければならない点があることは否定いたしません。十分常時状況を見ながら対応を考えていかなければならないと思っております。
#31
○島田委員 それから最近の傾向を見ますと、バレイショにつきましてはほとんどでん粉にしまして売っていくという傾向が強い。なかなか生は限度がございますから、生で処理をする、食べていただくという量は、そう思い切ってふえるという見通しにはない。
 ところで、最近農家の方々は、でん粉にするために委託加工という方式をとっておられるのでありますが、これまた石油事情などが非常に大きく反映をいたしまして、加工費がどんどん上がっている。ですから、政府がお決めになっております行政指導価格なんというものもなかなか実態は守られない、加工費の部分に相当食われてしまう、こういう実態があります。したがって、加工費の見方というものについても、最近の石油を中心にしたこういう事情を十分に参酌されて、バレイショの価格決定に当たって思い切って取り組んでいただかないと、実態と乖離してしまうというふうに私は見ているのであります。加工費の実態というのはどういうふうになっているのか、資料的におつかまえになっていらっしゃいましょうか。もしありましたら発表願いたいと思うのです。
#32
○森実政府委員 現在の制度のもとでバレイショでん粉の価格を決めますときは、先生御指摘のように原料価格以外に加工費を適正に織り込むことが当然の前提になるわけでございます。例年私ども、加工費の動向は所要の調査を行って、これを最近時点の物価状況で修正する方法をとっております。なかなか厳しい状況下ではございますが、できるだけ実態に即応した加工費の見方、特に光熱費の見方、燃料費の見方等については配慮していく必要があると思いまして、現在作業を進めているところでございます。
#33
○島田委員 ところで、でん粉の歩どまりといいますか、ライマン価の問題でありますが、現在は幾らですか。
#34
○森実政府委員 バレイショでん粉の織り込み歩どまりにつきましては、現在一六・五という歩どまりになっております。
#35
○島田委員 年によって気候的にも大変左右されるこのライマン価、つまり歩どまりというのは微妙なものでありますから、想定されたとおり一六・五%でとまる場合ととまらない場合といろいろあります。ところが、最近もう少し歩どまりがあるのではないかというようなことが言われまして、比率を高めていこうというような動きがあるやに聞いているのですが、それは実態的にもっとお調べになって――私は、むしろ一六・五ではちょっと高いのではないかというふうに現場では調査をいたしているわけでありますが、そういうお考えはないわけですね。
#36
○森実政府委員 歩どまりは、御指摘のように年々の生育状況、気象等の影響によってかなり動く点がございます。私ども見るところでは、率直に申し上げますと、バレイショについてカンショとの対比で考えますと、歩どまりはそう大きく変化していないのではないだろうか。本年もことしの作況、生育状況等のスポットの調査は出てきておりますが、そういったものから見ますと、大体いまの水準が妥当ではないかと思いますが、なお資料に即して現在その点は加工費同様精査中でございます。十分実態を反映させたいと思っております。
#37
○島田委員 それじゃ歩どまり比率は、いまのところはいじらないと考えるというふうに理解していいですね。
#38
○森実政府委員 まだ最終的に結論は出しておりませんけれども、私は、いまの比率を維持するのがおおむね妥当ではなかろうかというふうに見ております。
#39
○島田委員 それから、バレイショをつくっております農家の間に、四、五年前から大変重大な事態が起こりまして、それはシスト線虫という問題であります。これは私も前々国会でも取り上げまして、対策を政府にも迫りました。その後、私の指摘に近い形で御努力を願っているということは私も承知をいたしております。それに対していちゃもんをつけるつもりはございません。ただ現場を歩きますと、まだまだ対策が十分でないので蔓延をしていくのではないかという心配が一部にございます。一部出先の指導の中でも混乱があったようでありまして、この防除対策についても、蔓延を防ぐというような方向に切りかえをいたしましたのか、徹底的な駆除対策ができないというふうな状態に陥りまして、この点についても農林省から現に現場を指導願った経過があるわけでありますが、このシスト線虫対策は現在どのように進められているのか、これは二瓶局長に伺います。
#40
○二瓶政府委員 バレイショのシスト線虫対策でございますが、四十七年に後志支庁管内で見つかりまして、さらに五十二年に網走支庁管内に見つかったというようなことで、それ以来シスト線虫対策に前向きに取り組んでいるわけでございます。
 具体的な対策といたしましては、一つは土壌検診によりまして本線虫の発生状況を的確に把握するというのが大事だと思っております。これに対してはいろいろ検診器具の助成等もやったわけでございます。それから本線虫が発見されて以来、一つは何と言いましても発生地の土壌消毒を実施するということが必要であり、これを特殊病害虫の緊急防除費補助ということで補助をいたしまして、これの消毒の実施をやってまいっておる。それから適正な輪作の指導ということも必要だと考えております。やはり寄主の植物というものとの絡みが線虫にはあるわけでございますから、そういう輪作の指導というのを行ってきております。
 他方また特別研究などをいろいろやっておりまして、抵抗性の品種ツニカというのも見つかりましたので、これは元来はドイツからのものでございますが、これを五十六年度から一般農家に配付するように現在種苗の増殖をやっておるところでございます。こういうようなことで、このシスト線虫対策につきましては今後とも力を入れてやっていきたい、かように考えております。
#41
○島田委員 いまツニカのお話がありましたが、いつから配付できるという体制ですか、いまちょっと聞き漏らしたので。
 ついでにお聞きしますが、これは現在のところどれくらいの俵数といいますか、種芋として出せる体制が整っているのか。何俵ぐらいあるのですか。それから、これをどこで種子栽培しているのか。
#42
○二瓶政府委員 抵抗性品種のツニカの増殖の状況でございますけれども、原原種圃なり原種圃、採種圃、こういうものにつきましては五十三年以来やってまいっておりますが、五十六年に一般圃場に対しては大体六十ヘクタール作付できますほどこれは供給ができる、こういう見込みにいたしております。五十六年度からでございます。五十七年はさらに三百三十ヘクタール一般圃場で栽培できるようにしたいということでございます。それから原種圃の方は当然道の方でやっておられますし、採種圃の方は農家の方に委託して採種をお願いしておる、こういう状況でございます。
#43
○島田委員 芋を終わりまして、最後に大豆、豆類についてお尋ねいたします。
 せっかく畑作共済制度が発足いたしまして、大いに農家が期待をしていたこの制度でありますが、残念ながら私の見る限りにおいては、まだなかなか徹底といったところにいかない。やはり従来共済制度というのは悪いイメージがつきまとっておりまして、たとえば麦共済などは、あんなものというくらい皆さん方から拒否される制度の一つであります。これも制度の改正がありまして、穂発芽の麦に対しても価格方式を一部取り入れるといったような改正をやりました。それもなかなか徹底しておりません。麦に対しても、まだ依然として麦共済というのはさっぱりわれわれのためにならぬものだというイメージを払拭し切れないでいるという状況にございます。
 いわんや豆に至りましてはなかなか皆さんが取りつきにくい。どこに問題があるのだろうといろいろ調べてみておるわけでありますが、足切りの問題これは一部改正がなされましたけれども、これも徹底していない。特に豆というのは、小豆に至ってはきわめて投機性の高いものだ。またインゲンその他の一般の豆類にしても、そのときの相場によって大きく振り回される。せっかくいいものをつくっても豊作貧乏などというものが常について回る。したがって、Pに加えてPとQとを抱き合わせるような、そういう制度でないとなかなか皆さんが取っつけないのじゃないか。つまり、価格方式というものも一部取り入れるような共済制度というものが出てこないとなかなか理解がしにくいのではないかと私は見ているのであります。
 その点で、ことし制度の改善をやったばかりのところで不幸にして冷害を受ける、こういうようなことで、北海道の豆づくりもことしは大変な年になりました。こんなときに畑作共済が本当に農家の皆さんのはだに触れるような助けになってくれるということがないと、私はせっかくつくっても制度としての意味がないのじゃないかとさえ思っているのであります。制度の改正という問題はなかなか取り組みづらい点があるということもよくわかるわけでありますけれども、やはり畑作共済制度がせっかく発足をしたのでありますから、皆さんに喜んでこの制度に加入してもらうということがぜひ前提として必要だというふうに私は考えておりますので、この点についてひとつお考えをお聞かせ願いたい、こう思うのです。
#44
○松浦(昭)政府委員 畑作物共済につきましては、昭和四十九年から五十三年までの五年間の試験実施を行いまして、関係各方面の御意見もいろいろと承りましてようやく五十四年度から実施をしたばかりでございます。
 この制度がなかった時代ということを考えてみますると、今回の特に豆類を中心といたしました大きな被害に対しまして、それに対する対応策があったということは、私どもやはりこの制度を実施しておいてよかったというふうに思うわけでございますけれども、しかしながらその点につきまして、これから改善いたさなければならぬということはいろいろとあるというふうに思っております。しかしながら、何分にも五十四年度に本格実施をいたしましたばかりでございまして、今後実績を積み重ねまして、その推移も十分見守りながら今後の改善策というものを考えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#45
○島田委員 ところで、いま芋のところで価格決定のことには触れませんでしたが、これは後ほどまた安井委員の方からお触れになると思います。私は時間がなくなってしまいましたから先に急がざるを得ないのでありますが、最後に大豆の価格の問題でちょっとお尋ねをしておきます。
 大豆は、私は年来の主張として、国内においてこれほどなきに等しいところまで落ち込みまして、先ほど二瓶局長の御報告によると、ようやく三年目で倍の面積になった、しかしことしはまた冷害の影響を受けて反収は落ちちゃった、こういう状況でありまして、一進一退を繰り返しながらなかなか自給率を向上させるということはむずかしい。そういう意味では私はこれからの畑作物の一つの戦略的な位置づけをする必要があるのではないか。何といっても大豆の輸入は大変な量に達しておりますし、日常のわれわれの生活にとって欠かすことのできない作物である、食糧の一つであるということが言えるわけでありますが、これをひとつ思い切った増産対策、自給率の向上といったような面に向けて努力をする必要がある。
 そのためには大豆の価格は米一俵と同じでいいのではないか、これが年来の私の主張であります。米と同じ値段、水準に引き上げるべきだ。そういう点ではややそれに近くなっておりますけれども、反収がもう一つ上がっていかない作物でありますから、いまのような反収の状況から言いますと、むしろ米よりも高くなければこれはとてもつくれない。そのほかにハトの被害もありますし、また虫も食いますし、なかなか大豆はつくりづらい作物です。特に限られた地域につくりますとハトの集中攻撃を受ける。だから農家の皆さんは、芽の生えてくる時期だけでもいいから特別な狩猟解禁期間を設けて、鉄砲でばんばん撃ちまくれるような許可がもらえぬのかという切なる声さえあるわけでありまして、それくらいハトの攻撃はすさまじいのです。これはハトにやられますと、とてもことしの秋なんか待たないうちに、てっくり返して何かまかなかったらもうだめであります。ですからそういう対策についても、これは笑い話ではなくて真剣に御検討いただく必要があるのではないかというふうに考えるのです。そういう意味において大豆の価格決定というのは――これからの大豆は面積的にも収量的にも伸びていく一つの大きな要素を持っている。もちろんそのほかには品種改良とかあるいは種を安定的に供給するとか、またもう一つは完全機械化ができるような機械の開発とかいったものが必要であることはもう言うまでもありません。
 重ねて申し上げておきますが、北海道にとってだけではなくて、畑作経営をやっていく者にとって大事な輪作作物の一つであるという位置づけをきちっとして、大豆の増産に政府は本腰を入れてやるのだ、こういう姿勢をいま見せていただく必要があると私は考えているのです。その重要な時期の価格決定でありますが、どのようにお考えになっていらっしゃるか。もう時間が二分ほどしかありませんから、簡単にお聞かせを願いたいと思います。
#46
○二瓶政府委員 先生御指摘のとおり、大豆はいわば戦略作物といいますか、そういう角度の畑作物であるというふうに認識をいたしております。したがいまして、価格対策のみならず、生産対策その他の施策を強化充実していくべきであろう、かように考えております。
 具体的な大豆の基準価格の面でございますけれども、これにつきましては大豆なたね交付金暫定措置法に基づきまして、農業パリティ指数及び生産事情その他の経済事情を参酌いたしまして、大豆の再生産を確保するということを旨として従来からも決定しているわけでございますが、本年産の基準価格につきましても、同法の定めるところに従いまして適正な価格水準に決定したいということで、まあ具体的には、非常に厳しい財政事情もございます、あるいは他の行政価格とのバランスの問題もございますし、ただいま申し上げましたような大豆の農業の位置づけというような面もございますし、それらの面も総合的に勘案をして適正に決定をしたいということで、現在鋭意検討中でございます。
#47
○島田委員 最後に大臣、普通の大臣なら居眠りしているところでありますが、あなたはいまのやりとりを一生懸命お聞きのようでありますので、いまのやりとりの中で御所見があれば承りたい、こう思うのであります。
#48
○亀岡国務大臣 御議論の中にもありましたとおり、今後の日本の自給力向上をかち取っていくためには、どうしても畑作の振興という問題を真っ正面から取り上げてこれに取り組まなければならないということは、先ほど来御指摘のあったとおりでございます。したがいまして、これを実現してまいりますためには、従来日本の農政そのものが、どちらかと言いますと研究体制の中から、また、農政に関係する技術者の中においても、米麦中心というような傾向が非常に強かったということは否定し得ない事実であるわけでございます。したがいまして、畑作振興等について、大豆の問題、小豆の問題、さらにはなたねの問題等々、戦後相当日本の農業の中に実在しておりましたものが、本当にうたかたのごとく農家から栽培されなくなってきたという現実も踏まえなければならぬと思うのであります。なぜそうなったか、研究陣が米麦を研究しなければ農業技術者という立場を確保していけないような環境というものがやはり日本の農業界の中にあったのではないか、私はこう思うわけであります。
 したがいまして、先ほど来御指摘のありましたとおり、そういう研究陣の中で新品種の研究、新品種の造成、固定化、こういう問題について水稲以上の努力をしなければならない、こういうことを私は感じまして、農林大臣就任早々、畑作の基本は試験研究で新品種だ、しかるところ小麦なんかの新品種の研究は一時ストップしておった、こういう情勢もございます。大麦は、ビール麦等の新品種がどんどん増産されて増収にもなってきておるということもございます。北海道のてん菜糖などの今日の成功を見ておりますのも、やはり新品種の研究に非常な努力がなされておる。ところが、大豆とかそういう面についての研究が、試験研究陣の諸君には本当に悪いかもしれませんけれども、細々とやられてきておる。これに対してもっともっと力を入れていかなければいかぬということで、私も就任早々研究所をあちこち回りまして技術者の諸君を督励し、なおかつ来年度の予算要求に当たりましても、こういう試験研究の概算要求の比率を高くして要求しなさい、こういう指示も与えておる次第でございます。
 と同時に、何としても国際競争という面から、安い物が入ってくるということで、農家の方々がなかなかこれに太刀打ちできないということで法律でいろいろ保護をいたしましても、なたね等のごときはもう消えてなくなろうとしておるわけであります。そういう面から考えますと、やはり国際性ということも今後日本の遠き将来の農業のことを考えます際には十分考慮しなければいかぬ、こういうことで、幸い国会で御決議もいただいて、食糧自給力を強化しなさい、そのためには農地法関係の三法も成立させてあげますよという国会の御意向も十分踏まえまして、規模拡大という面にもいろいろとこれから取り組んでいかなければならないというふうに考えて、これまた来年度の予算要求におきましても積極的な姿勢で要求をしておるわけでございまして、これからの畑作振興に対しましては、生産性の向上と同時に、価格の問題等も十分農家の立場を考えてやっていかなければならない、こう考えております。
#49
○田邉委員長 新盛辰雄君。
#50
○新盛委員 農産物価格安定法に基づいてこれからの御決定をしようとしているのですが、私は、きょうはまず特にカンショでん粉を中心にした諸問題についてお聞きしますけれども、まず最近のカンショなどの収益性について説明願いたいと思います。
#51
○二瓶政府委員 最近の原料用カンショについて申し上げますと、十アール当たりの生産費が大体八万円前後、それから所得の方は十アール当たり四万五千円前後で推移をいたしてきております。過般発表になりました五十四年産の生産費調査で見ますと、十アール当たりの収量が前年に比べて五%ほど減少したということに伴いまして、粗収益が約七万五千円、それから所得の方は四万三千五百円ということで、前年に比べますとそれぞれ七・六%、六・一%の減ということに相なっておるわけでございます。
#52
○新盛委員 その原因についてどういうふうに把握をしておられますか。
#53
○二瓶政府委員 五十四年そのものにつきましては収量が若干減ったことが影響したということがございますけれども、基本的に見ますと、この反収の関係が停滞をしておるということが一つの原因であろうと思いますし、さらに作付規模が零細であるという実態がある。それから収穫作業等につきましても、掘り取り機の導入等の機械化といいますか、そういうものが十分図られていないという実態がありまして、やや停滞的に推移をしておるということではなかろうか、かように考えております。
#54
○新盛委員 生産意欲が減退をしつつあるという傾向は、先ほど大臣が表明されているお話とはうらはらになるわけですが、こうした状況になってきますと、やはり基準価格の決定のあり方とかあるいは農家の手取り、取引指導価格というような面において問題があるのじゃないか。幾ら難儀をしてつくってみても前年と比べて落ち込んでくる、こういう状況であれば生産意欲はどんどん減退するのはあたりまえでありまして、そうしたことについてこれからの展望としてどういうふうにお考えになっているのですか。
#55
○森実政府委員 御指摘のように、カンショについてはバレイショと異なり、取引指導価格の制度が維持されているわけでございます。私ども、この取引指導価格をどういうふうに考えていくかという基本的な枠組みを維持しながら検討したいと思っております。
 具体的には、先生の御指摘のような収益性の動向もありますし、また他方においては他の農産物価格とのバランスという問題もありますし、また一方バレイショに比較いたしますと、相対的には有利な仕組みが一応堅持されているという実態もありますので、そういったところを総合的に考えて決めてまいりたいと思っております。
#56
○新盛委員 実はきょうここでいただいた芋、でん粉関係のこの資料から見まして、カンショの作付面積は前年度に比べて九百ヘクタール、一%の増加だ。六万四千八百ヘクタールになっているわけですね。このうち鹿児島は作付面積が二万一千四百、そして予想収穫量が四十九万六千五百というふうに出ております。鹿児島、宮崎、熊本、長崎、静岡、千葉、茨城、主産県をこうして例に挙げていますが、ことしの五十五年産は、作柄として、作況指数というのですか、この資料から見ますと千葉県あるいは静岡県では平年並み、茨城、長崎、宮崎、そして鹿児島はやや不良、指数で言いますと九七、こういう状況になっているのですけれども、これは全体的に、収穫をした五十四年産の場合、そして五十五年、このように比較をしますと、前年度対比としては不良というふうに位置づけるのですか。
#57
○二瓶政府委員 ただいま先生からお話ございましたように、主産県の予想収穫量ということで見ますと、全国的に主産県では作況指数九七ということでございますので、作柄がやや不良というふうに見込まれておるわけでございます。
#58
○新盛委員 そうした状況の中にありますだけに、今度の畑作物の価格の決定というのは農民の皆さんにとってみれば再生産への意欲をどう持つかという面で非常に注目をしておられるわけであります。先ほど島田委員の方から詳細にその内容についても追及しましたが、今回の場合、パリティ方式を貫いていくんだという従来の方針をとっておられるわけでありますが、すでに麦の価格も決まり、そしてたばこの価格も決まったわけですけれども、その決まった比率から見ますと恐らく、今回一〇・〇九%、パリティの指数は示しているけれども、そのとおりは、大蔵省当局その他等があってうまくいかないだろう、ある意味では麦あるいはたばこ、そうした決定に見られたように下方修正をするんじゃないかという不安があるわけですね。そうしたことで先ほども質問が出ているのですが、どうも横並び、横並びという考え方、そのことは全体の米価の問題、その後の農作物の価格の決定その他に大きく影響する面もございますけれども、ここでもう一回お尋ねしますが、畑作物価格をパリティ方式でいくというのは農林省がそういう方針をとっているのですか、それとも自民党の農水部会がそういうふうに決めたからその筋でいくんだということなんですか、まずそこのところをお聞かせいただきたい。
#59
○森実政府委員 私どもといたしましては、つまり農林省といたしましてはやはりパリティ指数を基準として、収益性の動向、他の作物とのバランス等を総合的に勘案して決定してまいりたいと考えているわけでございます。
#60
○新盛委員 農産物価格安定法の第五条によりますと、これは生産費所得――この方式をとる中で、さらに経済的な事情という、いわゆる変化が生ずるであろう、そうした問題も十分に組み入れて出すのだというふうになっているわけですが、これまでこのパリティの上昇部分の相当額で一応の政治的配慮があって決めるという方式になっていますが、五十二年以来、五十三年の二・一%から五十二年の六・四%などの比較的小幅に決まったいきさつはありますが、ことしは第二次の石油ショック、ある意味でいろいろな条件が加味されておりまして、だから一〇・〇九%、一〇・一%、こういうことになっているわけですね。だからこうしたことをそのまま当てはめるということがいまの経済的な状況の中では当然のことではないか、そう理解するのは、これは農民だけではなくて、生産者の皆さんの方がそういうふうに実感として感じておられるわけですね。百歩譲ってこのパリティ方式だけをとるのだとおっしゃるならば、そのまま維持をすることが正しいのじゃないか、そう思うのですが、どうですか。
#61
○森実政府委員 先生御案内のように、現在カンショにつきましては、いわゆる基準となる買い入れ価格以外に行政上の指導価格を設置しております。その意味ではかなり巨額の奨励措置が講ぜられているという実態がありまして、これは価格安定制度の仕組みとしては、仕組み自体としては、バレイショ等に比較すると有利な仕組みという形になっているという事実がございます。私先ほど申し上げましたことは、いわば農業パリティ指数というものを基準としながら再生産の確保等を十分考慮して、参酌して決めたいということを申し上げておりまして、農業パリティ指数だけで決めていくということではないわけでございます。同時に、経済事情といたしましてやはり農政全体としては作目間の価格決定のバランスの問題というものも頭に置かなければならない事情もあると思っておりますし、またなかなか厳しいいまの財政事情、政府としてはやはりそれなりに受けとめていかなければならないだろうと思っているわけでございます。
#62
○新盛委員 昨年のこの率でいきますと三・三%、これは原料基準価格がそうですが、昨年は御承知のとおりトンで二万四千百三十円、そして大体畑で出す風袋込みといいますか三十七・五キロですね、九百五円。それに取引指導価格があるわけですが、これは政府が介入するわけですけれども、三十七・五キロ当たり千二百三十五円、こういうふうになっているのですけれども、昨年のこうした状況の中でその総額といいますか、二十二億だとかあるいは今度はどれぐらいになるだろうかとかいろいろ話がありますが、昨年の実績はどうでしょうか。
#63
○森実政府委員 五十四年を例に申し上げますと、原料基準価格自体は五十三年の八百七十六円に対して五十四年は九百五円、それから取引指導価格は五十三年の千百九十五円に対して五十四年は千二百三十五円ということになっております。
#64
○新盛委員 そこで、これからの買い入れ基準価格ということに入っていくわけですが、いままでも生産費の中で議論がありますように、原料の運賃、加工経費、そうしたものを加えて生産者団体からも十分に意見を聞いた上で農林水産大臣が決めるということになっているのが、この第五条で買い入れ基準価格の決定に当たってなっていますね。そういう中で生産者団体の意見などというのはどういう場面でお聞きになるのですか。そしてまた多くの要求が出されているわけですが、そうしたことについて把握をされる実態はどうなっているのか、お聞かせをいただきたいと思うのです。
#65
○森実政府委員 先ほど申し上げましたように、今週末には価格決定を政府としては行いたいと思っております。その後において私ども、農業団体に正式に決定しました価格については説明をいたしたいと思っております。なお、農業団体からは各般の御要請も出ておりまして、こういった事情については従来からもいろいろ検討しているところでございます。
#66
○新盛委員 各農業団体あるいはそれぞれ働いている労働者団体、農業の労働者の皆さん方からもいろいろ要求が出されているわけなんです。そうした中で、特にこれからのカンショでん粉の製造経費という、いわゆるでん粉化していく場合の価格の決定ということについて、いま申し上げました第五条による内容を加味することになるわけでありますが、燃料費、電力費、包装費、消耗品費あるいは修繕費、そうしたことについて、それぞれ各団体その実態を把握されるのには幾つかの方式があると思うのですけれども、その内容把握について政府が一定の、燃料費はこれだけ暴騰した、電力費も、たとえばカンショの場合は九州電力が五〇・六%値上げをしたのでどれだけになりますという計算は出ているのです、資料は細かく持っておりますが。そうしたことに対する配慮というのは政府はどういうふうにお考えになっているのですか。
#67
○森実政府委員 バレイショでん粉同様カンショでん粉につきましても、やはりでん粉自体の買い入れ価格を政府は決めるわけでございまして、当然加工経費、流通経費については積算に織り込まなければならないわけでございます。私ども年々一定の様式で調査をしておりまして、さらにそれをできるだけ新しい時点の物価修正をするという手法を従来からとっているわけでございます。この点につきましては本年もできるだけ事情がしんしゃく、反映できるよう努めたいということで現在調整をしております。
 なお、先ほど若干答弁に不正確な点がありましたので修正をさしていただきますが、生産者団体といたしましては全農及び全澱連に十七日に正式な形で十分意見を聞くということにしておりますが、具体的な要請はすでに出ておりまして、そういったものについては検討しておるところでございます。
#68
○新盛委員 そうした意見などを徴して決定される今回のカンショの原価問題あるいは取引価格、いわゆる農家の手取り、そしてでん粉の製造に当たる問題ですね、この問題は結局つまるところは再生産に向けて意欲を持たせる、そのためには大蔵当局のいろんな問題はあるけれども、いま折衝中で十七日ごろ決めるというのですから、今回はそのことも加味するんだが、どの程度になるということは発表できませんか。また予想としては麦とかあるいはたばこという例があるわけですから、そのことについて横並びだとか余り体裁の振り合いを見るとかじゃなくて、現実に生産農家に対する、あるいはでん粉加工業者に対する、企業家に対して希望を持たせる内容ですね、そのことを明らかにできませんか。
#69
○森実政府委員 先ほど申し上げましたように今週末には価格を決めたいと思いまして現在折衝中でございます。私どもといたしましてはまず本体の原料価格をどう見るかという問題、並びに御指摘の流通、加工経費をどう見るか、これも費目によって細かく分かれておるわけでございます。そういった点について業界等の要望あるいは私どもの調査等を踏まえながら現在折衝中でございますが、まだ内容が詰まっているという状況ではございません。ごく政府内部の検討の段階でございますのでまだどこにも発表しておりません。その点は中間段階でございますから御勘弁いただきたいと思います。
#70
○新盛委員 その感触は、三・三%という五十三年、五十四年のこの間の決定の状況から踏まえまして、ゼロではないことはさっきのパリティ指数の計上の方式からいってもはっきり理解できるわけですが、それは生産者、農家に希望を与えられるのですか。ここはひとつ大臣、大蔵省との関係もございましょうが、現実の問題としてその姿勢というか決意をお伺いしたいと思うのです。
#71
○亀岡国務大臣 先ほど来の議論にもありましたとおり、やはり適地適作といいますか、カンショを主作目にせざるを得ないような地域の特性というものがあるわけでございます。したがいまして、価格決定の際には、法律に規定してありますとおり農家の立場に立った価格を決定したいというのが農林水産大臣としての気持ちでございますが、その他の経済事情でありますとか物価でありますとかいろいろなことを考えて決めなさい、こういうふうに法律には指示してあるわけでございます。したがいまして、それを私どもはプラスの方向にして農家の立場を強く主張していく。財政当局の方としては、余り生産者価格を上げれば物価に悪影響を及ぼす、財政事情苦しい中でもあるというのが向こうの言い分でございます。ちょうちょうはっしとやって両方の接点がいつも農産物価格の決定の一つの形をなしてきておる。こういうことでございますので、先ほど来申し上げておりますとおり、その地域地域の農家の気持ちを体しながら全力を挙げて価格決定に取り組んでおりますので、ひとつ御了承をいただきたい。
#72
○新盛委員 積極的に取り組んでいただいていることに敬意を表しますが、さらに一段とこうした生産者あるいはでん粉加工業者に対する前向きのお取り組みをいただきたいと要望しておきます。
 そこで、零細なカンショでん粉の企業の実態をどういうふうに認識をしておられるかということであります。特定地域カンショでん粉の企業に対して、排水処理施設の助成措置として昭和五十三年六月以降引き続いて予算措置をされておるわけでありますが、今後の展望としてどういうふうにお考えになっているかお聞かせをいただきたいと思うのです。
#73
○森実政府委員 御指摘の南九州地区のカンショ作の特殊性にかんがみ実施しておりますカンショでん粉工場の排水処理の施設整備でございます。これは五十三年から四カ年計画で実施しております。当初は実は六十六工場、六十六セットを対象として発足いたしましたが、カンショ生産が当初の予想をかなり上回りまして、五十五年には計画を直しまして七十一工場、八十六セットに拡充いたしまして設置をいたしたいということでございます。事業発足以来すでに三十七工場、四十八セットの排水処理施設を設置しております。残りの三十四工場、三十八セットについても施設整備が図られるよう、現在五十六年度の予算要求において県とも協力しながらその確保に努めているところでございます。
#74
○新盛委員 この国内産芋でん粉企業の公害防止対策というのは非常に重要なことでありますし、業界は全力を挙げておられるわけでありますが、こうした設備等になりますと政府の補助をということになるわけでありまして、一段とこの面の力添えをお願いしたいし、また製造設備の効率的な、あるいは合理的な、ある意味では新鋭の設備をいま七十一カ所、八十六セット、こうおっしゃいましたが、相当これも資金がつくわけですし、そして融資という形になってまいりますとこれはまた返済をしなければならない問題もございますから、長期低利の融資制度、こうしたことについて配慮があるかどうか。もちろん従来もそうやっていただいておるわけですけれども、この点についても一段と努力をいただきたいと思いますが、現状のところこの低利子融資の方向というのはどういうようにお考えになっていますか。
#75
○森実政府委員 私どもこの点につきましては、いまの補助事業でまず完成させることを基本としておりますが、補助残の分については、まさに御指摘の点もありまして、これは県と協議いたしまして県が現在利子補給をやっております。これを国の補助とあわせて行えるように今後とも努めてまいりたいと思っております。
#76
○新盛委員 次に、販売調整計画の遂行に支障がないようにということなんですけれども、特定原料用のカンショ特別集荷奨励金、これはバレイショの場合十万トン余っているものですからどうもよくはないということになっていますが、カンショの方はこれからも継続をしてやっていただけるのですね。
#77
○森実政府委員 御指摘の点はいわゆる取引指導価格の一部について実施されております財政負担をどう見るかという問題でございます。現在三百三十円、これは取引指導価格と原料基準価格との差額、いわば奨励金に当たる分でございますが、このうち二百二十円を国庫が負担しているわけでございます。今日の状況から見ますとやはりなかなか財政も苦しいわけでございますし、取引指導価格が年々上がっていくわけで、これを年々財政負担でふやしていくという状況はいまの財政事情ではなかなかむずかしいという主張が片やあるわけでございますが、いまのでん粉メーカーの負担能力というものにもおのずから限度があると思います。ことしは異性化糖の進出によって若干の好材料もありますが、過当競争もあるわけでございましてなかなかむずかしい。そういう意味でできるだけ現実に即して業界負担のふえ方が少ないように、私どもも今後折衝に当たって配慮し努力してまいりたいと思っております。価格の決定とあわせてこの点も現在いろいろ調査し検討しているところでございます。
#78
○新盛委員 時間がございませんので、最後にサトウキビの問題について少し触れておきます。
 サトウキビについては大体来月二十日前後になるわけですから、もう一回この委員会で十分に論議をしたいと思うのですが、ここで政府にぜひ、これからのお取り組みの面も含めて理解をしていただきたいのは、沖繩及び鹿児島の南西諸島が中心になっている農業の基幹作物であることは間違いありません。この振興、発展が地域の経済に大きく影響するわけですから、国内のまた甘味資源の一環として砂糖の自給率向上のためにどうしても必要なサトウキビ問題であります。十九号台風があっという間に過ぎ去って、沖繩のサトウキビはほとんど全滅じゃないか。昨年は干ばつでもってひどい目に遭った。生産者価格の決定についてはぜひひとつ干ばつや台風あるいは病虫害のこうしたことも加味しながら、土地基盤の整備、排水設備、生活、生産環境、こうしたことに一層の努力をしていただきますが、私どもは現状の中で、パリティ方式でおとりになるとおっしゃっていますが、昨年三・三%ですけれども、サトウキビはトン当たり二万六千円以上はぜひひとつ考えてほしい。そしてまた奨励金も、これは従来そうでありますが、トン当たり一千百円ですか、これは全額基本価格に織り込んでほしい。こういう地元の要求もあるわけですし、再生産が十分確保できるように、生産費所得補償方式をぜひ取り入れていただく。従来もまたそういうふうになっていたのですけれども、途中からいろいろな経済的な状況等ということで、先ほど議論しましたように少しその辺が方向が変わってきている。この最低生産者価格を、生産者農家が満足するというところまではまいりませんが、そのことの経済性を配慮してほしいということで、これからサトウキビの経営改善総合対策事業、こういうのをつくってぜひひとつ新しい体制でやっていただきたい。当面は、てん菜やカンショやでん粉や、こうしたいまの芋、でん粉の関係がございますから、サトウキビについてはもう一回別途委員会で議論をしていただくことを前提にして御要望申し上げますので、ひとつ前向きな御検討をいただきたいと思います。要望して終わります。
#79
○田邉委員長 この際、午後一時から再開することとし、暫時休憩いたします。
    午前十一時五十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五分開議
#80
○田邉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。安井吉典君。
#81
○安井委員 私の時間は二十九分ですから、端的に伺っていきたいと思いますが、まず、午前中の島田、新盛両委員と政府側とのやりとりを伺っておりまして、ぜひ大臣にお答えをいただきたいと思うのは、私は、時間がないものですから各品目分けて言わないで、いわゆる畑作三品の共通の課題、今度の段階における一番大きな問題は、やはり奨励金を基準価格の中に織り込むべきだという主張がこちらからあって、それに対する拒否回答といいますか、その点が一番大事なことであるように思うわけであります。
 大豆についてはもうすでに織り込み済みです。ですから、そういうことからいって、ビートについても芋類についても同じように織り込みが行われて、農家の手取り価格というのが問題なわけですから、あるいは取引価格といいますか、それが本来基準価格であるべきだと私は思うのです。どうでしょうか、大臣。
#82
○森実政府委員 私からちょっと事情だけを申し上げますと、御案内のように、現在ビートにつきましては奨励金が残っております。しかし、これはすでに相当部分は価格に織り込んでおりまして、残った一部についても買い入れ価格自体には織り込んでいるという経過があるわけでございます。それから、バレイショについては現在奨励金は残っておりません。サツマイモにつきましては、いわゆる指導価格と基準価格とに格差があって、それが奨励金と同じ効果を果たしているというふうにそれぞれ仕組みが違うわけでございます。
 そのような意味で、奨励金を価格に織り込むかどうか。確かに、御指摘のように、奨励金は実質的に農家手取りを形成しているということは私どもも評価しなければなりませんが、それぞれ作目の支持の仕組みが違っているという事情もございますし、収益性等にも差がございますので、画一的に処理することは現時点ではなかなか困難ではなかろうかと思っているわけでございます。
#83
○安井委員 各作物別のバランスということも一つあるわけですよ。そういう意味から言えば、大豆、バレイショの方は織り込み済みで、ビートとサツマイモの方はこれは別だ、そういう置き方をそのままにしておくことが私はおかしいと思うのです。だから、一階建てと二階建てにして、基準価格と奨励金を、まあ、サツマイモの場合はちょつと違いますけれども、いずれにしてもその一階建て、二階建てを足したものが農家としては手取りなんですよ。それから大豆についてもジャガイモについてもそうなんですからね。なぜこの二つの品目だけが残されているのか、それがどうしてもわからない。あくまでも農家の立場から問題を考えるべきだと思うのですが、どうですか。
#84
○森実政府委員 先生御指摘のように、農家の立場からは、まさに実質的な所得をトータルは形成しているということは私どもも考えているわけでございます。ただ、若干誤解があるといけませんので、この際もう一回言わせていただきたいと思いますのは、バレイショについては実は奨励金自体はないわけになっておりますし、織り込んでもいないわけでございます。そういう意味で、やはり奨励金というのは、全体として収益性が悪いとか、あるいはむしろ作付が減少している、そういう状況のもとで生産力を増強していく、農家の収益を上げていくという、いわば経過的な措置としてやっているわけでございまして、価格に織り込むべき分については従来からも織り込むものとしてきたわけでございますが、しかし、これは何と申しましても、それぞれの作物の収益性なり何なりの動向で決めなければならない要素もあるわけでございまして、画一的に織り込むということについては、現実的に作目によっていささか差があるのではなかろうかと思っているわけでございます。
#85
○安井委員 それは納得できないのですけれども、仮に奨励金は別建てだというふうに認めるにしても、先ほどの局長の御答弁の中では、本体の基準価格に対してパリティを掛けていくのは当然だが奨励金は別だという、何か奨励金だけまま子扱いにしなければいけないということを強調し過ぎるような思いが私はするわけです、結論としてきちっとしたことじゃないのかもしれませんけれども。だから、それだけは別ですよということは、果たしてそれで作物別にバランスがとれるのかどうかということになりますね、奨励金のあるものとないものとあるわけですから。仮に奨励金というものを認めるにしても、基準価格をパリティアップするなら、奨励金も同じようにパリティアップしなければ農家の所得は確保できないじゃないですか。生産奨励というのは生産を励ます意味だろうが、その生産のための諸経費はみんなパリティアップしているわけですから、掛けるのはあたりまえじゃないか。それを何か別扱いにするという言い方、これはおかしいと思うのですがどうですか。
#86
○森実政府委員 答弁に舌足らずの点があるいはありましたかもしれないと思いますが、私が申し上げましたのは、全体として奨励金も含めた価格として農家の再生産を確保するという視点で私どもも考えなければいかぬということは申し上げているわけでございます。その意味で、ごく形式的な理屈で言うならば、いわゆる本体の価格自体のパリティを基準としてどう考えるかという議論は法律上の議論であるわけでございまして、私の先ほどからの答弁でその点は御理解いただけたと思うわけでございますが、奨励金を含めた全体の価格というものについて触れているわけでございます。その点はひとつ御理解を賜りたいと思います。
 それからもう一つは、奨励金は切るけれども基本価格はそのままパリティアップするのだという趣旨では申し上げたつもりはございません。全体としての価格を考える場合において、やはり収益性の動向なり他の作物とのバランスを考えるべきだろう。と申しますのは、作物によって算定方式も仕組みも全部違うわけでございますから、私どもも実質に着目しなければならないという見方をしているわけでございます。ただ、基本価格と奨励金と二本立ちで実質価格が形成されているような品目については、もし調整を図るとすれば、本体で調整をするのではなくて奨励金部分で調整するのがきわめて常識的ではなかろうか、こういう意味で申し上げたわけでございますので、その点はひとつ御理解を賜りたいと思います。
#87
○安井委員 それについて特に言いたいのは、麦、なたねの場合に農林水産省は前科一犯をやっているわけですよ。パリティだパリティだと言いながら、五十一年までさかのぼって基準価格を分けてやる、何としてもこれを分けて、奨励金を落とす形で全体のレベルが上がるやつを抑えようとする、そういう苦肉の策を今日までやっているものですから、その前科一犯を今度また前科二犯ということで重ねられては困るのです。そのことで私は言っているわけです。まあ、麦の場合ああいうことをやったのですが、大豆の場合ですよ。大豆の場合も、いま奨励金は一緒になっていますけれども、麦と同じようにあるいはなたねと同じように切り離して、奨励金を無理やりつくって操作をしようという措置はまさかなさらぬと思いますが、どうですか。
#88
○二瓶政府委員 大豆の基準価格につきましては、交付金暫定措置法の定めるところによりまして適正に決めたい、かように考え、現在検討中でございます。その際に、具体的なやり方といたしまして、現在四−八のパリティは一〇・一ということでございますけれども、具体的に決めます際に、いままで決めました価格との横並びなり、今回決めます甘味資源作物等との関連なり、あるいは厳しい財政事情の問題なり、いろいろ総合的に勘案して決めなくてはならぬ、かように思っておるわけでございます。
 したがいまして、今後具体的にどうやっていくか。確かに、大豆につきましては、本体部分と三千五百円という奨励金を織り込んだものと両方によりまして価格という形で従来決まっていることは事実でございますけれども、その辺の具体的なやり方につきましては、さらにただいま申し上げましたような点等を総合的に勘案して固めていきたい、かように考えております。
#89
○安井委員 大臣に一つはっきりしていただきたいのですが、麦の例があるけれども、麦へならえという号令は困りますよ。そういういいかげんな仕組みじゃなしに、農家の手取りが問題なんですから、一緒に合わせて一本、こういう考え方を私は失っていただきたくない。どうですか。
#90
○亀岡国務大臣 安井委員御承知のとおり、作目ごとにいろいろな沿革、経緯があって、法律に定められておる範囲内でそれぞれの処置を講じて価格決定をさせていただいておるわけでございますから、局長から答弁申し上げましたような線で、農林省としてはあくまでも生産者の立場というものを中心にして決定をしていきたい、こういう気持ちで、いまそれぞれの局を通じて財政当局と折衝をさせておる次第でございます。
#91
○安井委員 あくまで生産者の立場を十分考えてやるというお気持ちですね。
#92
○亀岡国務大臣 就任以来その趣旨を貫いてきておるつもりでございます。
#93
○安井委員 抽象論じゃだめですよ。きちっと数字であらわしていただきたいと思います。
 それから、てん菜あるいは芋類も、製糖過程あるいはでん粉製造過程が価格構成の上で非常に大事になるわけでありますが、これは同じようにどちらの場合も経費が物すごく上がっているわけですね。私どもの聞くところでは、たとえばビート糖の工場の製糖経費の中でも、特にC重油などは何と指数二〇六、燃料費、光熱費は全体のコストの中の五六%を占めるのだそうですからね。それがそんな大きな値上がりを示している。運賃も同じです。これはでん粉の場合も全く同様だと思うのですが、そういう状況を明確に反映していただかなければならぬと思いますけれども、どうですか。
#94
○森実政府委員 ビート糖及びでん粉の価格決定に当たりましては、加工経費を最近時点の実態に合わせて織り込むことは必要なことと考えております。私ども年々所要の調査をやっておりますので、できるだけ新しい時点で実態に合わせました調整を図りまして、織り込んでまいりたいと思っております。燃料費等でも、もちろん重油を使っているメーカーだけではございませんが、重油を使っているものについてはできるだけ新しいスポットの価格等を織り込んでいくというふうに努めてまいりたいと思っております。
#95
○安井委員 砂糖売り渡し臨時特例法の延長が一応決まっているわけですが、これは一年半やそこらの延長ではなしに恒久化すべきではないか。そして、糖安法の中に当然織り込む、そこまでいかなければ基本的な問題の解決にならぬのではないか。特に砂糖の問題がどんどん重要さを増していくという段階において、そこまでお考えを持つべきではないかと思うのですが、どうですか。
#96
○森実政府委員 御指摘のように、国内産糖の円滑な価格支持を図るためには、砂糖の何らかの形での需給調整の必要ということは私どもも痛感しておるところでございます。
 特例法につきましては、先国会末に議員立法で延長された経緯がございます。私どももその趣旨を十分尊重し、運用の改善に努力をしたいと思っておるわけでございますが、特例法自体の問題につきましては、やはり何といっても非常に基本問題がございます。一つは、やはり国際的には輸入規制につながる問題ということで、国際的な摩擦という問題がある。それからもう一つは、膨大なこの消費される砂糖についてユーザーの立場から反対が非常に強く、お菓子屋さん初めその他のユーザーの立場から反対も強いし、物価問題という視点で消費者からの議論もあるわけでございます。それからもう一つは、この法制自体が実は独占禁止法自体の適用除外という性格を持っておるわけでございますので、そこら辺のいわばカルテル的なものをどう評価するかという問題もあります。そういう意味で、私ども、いまのように国際価格が乱高下している時期は別でございますが、価格が平静化した段階において果たしてそのまま特例法の延長を図ることができるかどうか、また妥当かどうかについては、かなり議論をしていただかなければならないし、検討を要する問題だと思います。しかし、広い意味での需給調整の安定措置は、当委員会でも前からも御決議のあることでございますし、私どもも重要な課題だと思っております。そういう意味で、この問題につきましてはさらに実態的に検討を進めてまいりたいと思っております。
#97
○安井委員 なお議論のあるところですが、短い時間では尽くせませんので、ぜひさらに前向きの検討をお願いしておきたいと思います。
 次に、ことしの冷害の状況の中で幾つかの問題が出ているわけでありますが、たとえば北海道などは雑豆がかなり大きな要素を占めているわけですが、それが輸入物との競合で苦しむ状況もあります。そういう場合でも、できる限り国内産の雑豆を優先的に消流するという考え方で輸入の方を進めるということが必要ではないかと思うのですが、下期の外貨割り当てはすでに終わっておるようですが、発券はまだだというように聞いております。だから冷害の状況で国内産がどれだけとれるのか、どこまでの供給能力があるのかということをしっかり見きわめてから発券をするというような、国内産優先のための慎重な運びをぜひお願いしておかなければならぬと思いますが、どうですか。
#98
○二瓶政府委員 小豆、インゲン等いわゆる雑豆と言われておりますが、これにつきましては、現在IQ制度、関税割り当て制度をとって保護をいたしておるわけでございます。そこで、国内産のもので不足をする分につきまして輸入割り当てをするという物の考え方で従来からもやっておりますし、今後ともその考え方でやっていきたいと思っております。
 ことしは、小豆を初めといたしまして冷害によりまして生産が大分落ちた。小豆などは作付面積が北海道では三万ヘクタールを切ったということもございまして、需給推算をもちろんやりまして、その上で不足分を輸入するということで、ことしの下期の分につきましては十月の初めに輸入公表をいたしました。具体的な発券の方はまだ相当先になろうかと思いますけれども、その辺は十分慎重にやっておるつもりでございます。
#99
○安井委員 同じく冷害で大豆もかなりの被害を受けているわけでありますが、さきにも例があるのですが、今回の場合も臨時に五等検を設ける等、新しい下位等級をつくるというような運びをぜひやるべきではないかと思います。
 それからもう一つついでに、米の規格外の設定については大臣もすでに何度も言明されているわけです。ただ、現地で、規格外米の規格といいますか、その設定が余りきつければ、せっかく設定してくれてもありがたみがない、具体的なその設定規格がどうあるのかということについていろいろ問題が出てきている。特にことしは着色粒が多いわけですね。カメムシ被害のひどい粒と、それから褐色の粒、精米すればとれるようなものもあるわけなんですが、そういう状況の中で着色粒の見方、これは五十一年のときの設定基準がありますけれども、あれのままでやってはきついのでもっと緩めてほしいという陳情が来ています。
 それからもう一つは、規格外米は必ず政府が買うのかどうか、そのこともこの際明確にしていただきたいと思います。この間この委員会が冷害対策について決議をした中でも、規格外米を政府が買い上げすることという一項目があり、農林水産大臣も善処を約束されているわけです。ですから、一つは大豆の下位等級の問題、一つは規格外米の問題をお答えいただきたいと思います。
#100
○亀岡国務大臣 災害によりまして発生しております規格外米につきましては、とりあえず自主流通米として販売する道を開くことにいたしまして、もうすでに先月の二十六日に関係筋に指示をいたしたところでございます。また、本年の被害の発生状況にかんがみまして、農林水産省としては、できるだけ速やかに規格外米の発生量、その品質等について実態を十分に把握いたしまして、自主流通米として流通することが困難な分については、主食用として充当し得るものにつき、過去の五十一年の冷害のときに講じました例に準じまして、関係方面と協議の上その取り扱いに遺憾のないようにしたいと考えておるわけでございます。できるだけ今週中か来週中にでもその結論を得たい、こう考えておるわけであります。
 それから、御指摘のありました着色粒の混入したお米でございますが、主食用としての円滑な流通が望みにくいという情勢にもありますので、検査規格においても着色粒の項目を特に設けて、その混入を一定率に規制をいたしておるところでございます。五十一年のときにも実はこの基準をもってやってまいっておりまして、今回特にこの基準で支障があるというふうにはいまのところ考えておりませんので、この基準を緩和するということは大変困難ではないか、こう思っている次第でございます。
#101
○松本(作)政府委員 規格外米の取り扱いにつきましては、ただいま大臣からお答えしたとおりでございますが、なお、御指摘がございました着色粒でございますが、北海道におきまして現在発生しております着色粒と言われておりますものを拝見させていただいたわけでございますが、これは必ずしもいわゆる規格上の着色粒ということではなくて、着色して見えるということでございます。精米いたします場合には必ずしも残らないというものもございますので、これらにつきましては着色粒という取り扱いでなくて取り扱うことができると考えておりますので、その辺のところを十分に検査官にも慎重に検討させるようにしていきたいと思っております。
 それから、大豆につきましては、従来四等級まででございましたものを、今後五等級を設けたいということで現在検討をいたしております。
#102
○安井委員 ここで言う着色粒というのは、精米をして白くなるものはそうじゃないのだということを明確にすれば、これはもうかなり着色粒という範疇から外れて等級の中に入っていく可能性もあるわけですね。だから、精米をして白くなるものは着色粒としないということでいいわけですね。特に政府買い上げの問題について、大臣、これは明確にしていただかなければ、自主流通米でと言ったって、たとえば北海道なら北海道で大変な量が出てくる。それを自主流通米で北海道の中だけで処理せよと言ったって、とてもできるようなものにならぬのじゃないかと思うのです。これはどのくらいになるか私もわかりませんけれども。前回は政府買い上げをやっているわけです、五十一年のときには。亀岡大臣になって政府買い上げをやらぬ、勝手に自主流通米でやれというのは少しおかしいと思う。農政に特に練達な亀岡さんですからね。政府買い上げはやるのでしょう。
#103
○亀岡国務大臣 いまその買い入れをしようということで、農林省だけでも決められませんものですから、御趣旨を体していまやっておるところでございますので、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
#104
○安井委員 結論はいつごろ出ますか。
#105
○松本(作)政府委員 来週中ぐらいに結論を出したいと思っております。
#106
○安井委員 最後に、畑作というのは、水田と畑とそれから畜産、酪農の部門と分けてみても、水田の部門はこれ以上さらに面積をふやしたりなどというような可能性は今日の段階では薄いわけです。したがって、日本農業の中でこれからの新しい戦略部門というのは畑作だと思います。水田をやめてでも畑にいけと政府は奨励しているのですよ。ですから、国会があの解散直前に決議した自給力の確保というのも、実は日本の畑作をもっともっと強力なものにしていくということに言いかえればなるわけですね。ところが、それに対する構えが今日の段階にどうも政府におありになるように見受けられないので、日本の今後の畑作の未来図はこうなんだということ、それをバックアップする生産や流通や価格やその他あらゆる体制はこういうふうに整うのだということ、そういう未来図といいますか青写真をこの際明確にすべきではないかということ、これが一つ。
 それからもう一つ、畑作の問題は輸入の問題ともろにぶつかるわけです。ストレートに外国の農産物と競合してくるわけです。ですから、輸入を野放しにしていけば、幾らこちらで伸そうなことを言ったってつぶれてしまうわけですね。だから、あくまでも国内産を中心にすべきであって、輸入を抑えていくという考え方が私は非常に大切な問題だと思います。その二点について、大臣から伺います。
#107
○亀岡国務大臣 午前中にもお答え申し上げたわけでございますが、畑作面積からいたしましても、耕地面積の約四割を保有しているわけでありまして、農業経営上重要な地位にあることは御指摘のとおりでございます。特に、畑作物には麦とかあるいは大豆とか、外国から買っておるものが非常に多いという点を考えますとき、御指摘のありました国会決議、自給力強化の決議に沿うためにも、どうしてもその分野の振興策を強力に進めなければならない、こう考えておるわけでございます。
 したがいまして、農政の見直しという観点から農政審議会に諮問をいたしておりまして、将来の農政の見直しとそれから各作目ごとの長期展望、長期見通しというものを近く答申をいただくことになっておるわけでございますので、それらを参考にいたしまして、強力なる畑作振興の施策を実行していかなければならない、こういうふうに考えまして、実は来年度の予算編成に際しましても、地域農業に適合いたしました近代的営農機械施設の導入やらあるいは土地基盤の整備やら生産組織の育成等を図るようにいたしておるところでございます。
 したがいまして、外国から輸入しておる麦でありますとか大豆でありますとかの十年後の自給率というものを決定いたしますと、当然外国から入ってくる分はそれだけ少なくなってくる、それだけ自給力が上がるということでありますから、大豆でありますとか、小麦でありますとか、飼料作物でありますとか、そういう面については、先ほどお答えしたような線で強力に施策を展開いたしますとともに、趣旨といたしましては、豆等も、全部油にするようなものまで自給するということはなかなか困難でございますので、少なくとも豆腐であるとか納豆であるとか、あるいはみその一部であるとか、現在はそういう食用は三〇%くらいの自給率を持っているわけでありますが、これを六〇%くらいまで伸ばしていく。国内で使うものは国内でつくる。小麦等においても、日本めん類等に向けている分は国内の小麦で賄っていくという目標を立てて、畑作の振興を期していきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
 外国からの輸入につきましては、できるだけ抑制をしていくという方向をいままでも心がけておるわけでありますし、今後もそういう点については十分日本農業の立場を考えまして慎重に対処していきたい、こう考えておるわけであります。
#108
○田邉委員長 武田一夫君。
#109
○武田委員 畑作物価格決定を目前にいたしまして、価格決定等について政府の所見をお伺いいたします。
 カンショ、バレイショなどいわゆる甘味資源作物あるいは大豆等は、五十五年価格決定につきましては、午前中からいろいろと質疑がございましたが、パリティ方式による決定が慣例化してきたわけでございます。今回も同じ方式をとるのが当然のことでないかという論議がございまして、いろいろ政府のお考えもあったわけでございますが、今回この決定に当たりましていろいろと当局のお考えを聞いておりますと、財政的な事情とかあるいはまた他作物とのバランスを考えてこういうやり方を改めなければならないというようなことでございますが、確認の意味におきまして、今回は、いままでやってきた方式を改めて、いわゆる算定方式を別な形で行うということに決めたものかどうか、その点確認したいと思うのです。
#110
○森実政府委員 私どもといたしましては、やはりパリティ価格を基準としながら作物ごとの最近の収益性の動向、他の作物とのバランス等の事情を十分勘案して決定したいということを申し上げているわけでございます。
 御案内のように、奨励金等の問題につきましては、作目によって奨励金のあるものもないものもございますし、また支持の仕組みも違うわけでございます。しかし、私ども、奨励金がトータルとしては実質的な農家価格を形成しているということは十分考えているわけでございまして、そのトータルについてやはりそれなりに、いま申し上げたような幾つかの要素を総合的に考えて決めてまいりたいということを申し上げているわけでございます。
#111
○武田委員 上げ幅を抑えようということで、六月の麦あるいはなたね同様の奨励金を外しての算定ということは、要するに下方修正を行うんだ。他作物との価格のバランス云々ということは言いますが、これはこういうことでもってバランスをとることだけ意図してそういう作業を進めながら、生産農家の生活設計あるいは言われるところの再生産の云々というそういう基本的な農家側の事情というものを、私は十分に考えていかなければならないと思うのですが、そういうことは十分に踏まえた上でそうした方式を行っていくのか、その点もう一度伺いたいのです。
#112
○森実政府委員 まだ具体的な内容を決定しているわけではございませんが、たとえばビートにつきましては、最近反収も労働生産性も非常に向上してきて、収益性も上がっているという事情もありますし、バレイショもまた同様の事情でございます。一方、カンショは、同じでん粉をつくる原料でありながら、やはりバレイショに比べれば取引指導価格という制度的には比較的恵まれた保護があるという事情もあります。そういった状況をトータルとして考えるということを申し上げているわけでございまして、やはり再生産の確保という視点は十分参酌していかなければならないと思っているわけでございます。
#113
○武田委員 こうした作目というのは、その地域の、北海道あるいは沖繩、鹿児島等においては、われわれの宮城県で言えば米がその地域の中心的な産業として生活の糧であると同じように、基幹的な作目でございますから、そういう点を十分踏まえながらの措置でなければその農家の皆さん方は大変御苦労なさる、当然そのことは御理解いただけると思うのであります。
 奨励金などについて見てみましても、てん菜、サトウキビを例に挙げますと、五十二年からずっと毎年下がっていますね、たとえばてん菜については五十二年が二千八十円が五十四年には千百円、サトウキビが二千九十円が五十四年には千百円と。また、そのときの農家の手取りなどを見てみますと、上がるときは少なく、下がるときはぐんと下がるのも一つのデータで明らかですね。たとえば五十二年と五十三年のパーセントで見ると、五十二年が一〇六・六%、それが一〇一・九%、ぐんと下がっちゃっていますね。サトウキビにおいても五十二年では一〇七・四%の手取り、それが五十三年では一〇一・九%、五十四年が一〇三・三%。てん菜の場合は五十四年が一〇三・四%。大体同じような傾向で、上がるときには非常に少なく、下がるときにはぐんと落ち込むということであれば、これはもう農家の方々にとっては、こうした算定の改悪と私は思うのですが、こういうふうにそのときどきの農家の所得の変動というもの、これはずいぶん心配の種だと思うのですね。今後こういうことがあるとするならば、仕事をするにしましても手につかないと思うのです。こういう点については十分御配慮なさってのそういう方向、作業を進めているものかどうか、この点も心配なものですから伺っておきたいと思うのです。
#114
○森実政府委員 御指摘のように、アップ率には年々かなり相違がございます。たとえばビートについて申しますと、四十九年は実は狂乱物価の後を受けまして奨励金と合わせると七五・二も上がっている、サトウキビが五〇%、そういったような経過をとっているわけでございます。その後物価が鎮静化するにつれてアップ率は下がってきておりますし、特に五十年のごときはむしろマイナスになっているという実態があるわけでございます。私どもといたしましては、極力経済事情の反映に努めるという考え方のもとに運営してきているわけでございます。
 御指摘のございました奨励金につきましても、一部のもの、たとえばビート等については、当初は三千八百九十円でございましたが、全体をアップしながら、しかもこのうち千百円が現在奨励金として残っているという形になっているわけでございますが、ある程度価格の本体として評価すべき部分、安定化した部分についてはそれを織り込んでいるというふうな過程をたどっているわけでございまして、私どもといたしましても、トータルとしての農家所得ができるだけバランスがとれて再生産の確保が図れるようにするという趣旨で運用してきたつもりでございまして、本年もその点は十分頭に置いて価格決定に努力をいたしたいと思っているわけでございます。
#115
○武田委員 大臣にお尋ねいたしますが、五十三年の十月、当委員会におきましてもこの問題については決議を六党一致しましてしておるわけでありまして、第一項目をちょっと読ましていただきます。「てん菜の生産者価格については、前年度最低生産者価格に奨励金を加えた額に農業パリティ指数を乗じた価格、最近における労賃、物価等の上昇等を考慮し、農家の所得と再生産の確保が十分図られる価格水準に引き上げること。」等々の決議の案を出しまして、これは全党一致で採択して、その当時の中川大臣からも、その点について努力しながら趣旨に沿うという御回答もいただいているわけであります。
 この中で、「農家の所得と再生産の確保」、特に要素としての労賃とか物価等の上昇というものが、これは米の場合などでもたびたび問題にされる。特に労働賃金、いわゆる働いている方々は自分たちの労働力というのが適正に評価されているかということに対する非常な不信がございます。こういう点、この要素の中に占めるもの、それから物価の上昇というものをきちっと農家の生活感情を踏まえた上での数値をとっておるものかということに対する不信というのはいつもぬぐい切れないわけでありますが、そういうようなことが結局は農政に対する不信となってくる。こういうものは約束してもいつのときも単なる約束でおしまいでないかということで、厳しい批判もあるわけでありますが、その点について、今回の価格決定に当たっては、こうした農家の不信や批判というものを一掃できるようなそういう十分の配慮を私はお願いしたい、こう思うわけでありますが、大臣の御見解と御所見を伺いたい。
#116
○亀岡国務大臣 武田委員御承知のように、ビート並びに大豆等の畑作物の価格決定については、砂糖の価格安定等に関する法律並びに農産物価格安定法という法律によることは当然でございます。それに「農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準とし、物価その他の経済事情を参酌し、甘味資源作物の再生産を確保することを旨として定める」、さらに農産物価格安定法におきましては、「政令の定めるところにより、農業パリティ指数に基き算出した価格、生産費及び需給事情その他の経済事情を参しやくして定める」、このように法律でその価格決定の根拠が示されておるわけでございます。農林水産省といたしましては、この法律のよって来るゆえんを十二分に考慮いたしまして毎年の価格決定をさしていただいておるわけでございます。先ほどお示しになりました当委員会の決議、これはもう尊重いたさなければならぬことは私ども十分承知をいたし、先ほど申し上げたように、御趣旨を体しまして、農林水産省といたしましては、十二分に再生産に意欲を燃やし得るという立場に立って、財政当局とも最終段階まで全力を挙げてわが省の意向を貫きたい、こういう気持ちでやっておりますので、しばらく時間をかしていただきたいと思います。
#117
○武田委員 法律というのは、農家あるいは国民を守る、安心して生活できるように、そういう方向への運営が根本でございますので、どうかそういう点の御配慮で、大臣のいまの決意を実行の中で具体的にあらわしていただくことを要望します。
 次に移ります。
 畑作の振興についてちょっとお尋ねしますが、これからは畑作振興というのは一層の力を入れるこれからの日本の農業の課題だ、私こう思っておるわけでありますが、現状はどういうふうな状況なのか。要するに、政府が考えている一つの目標というものがその目標どおりいっているものかどうか、そういう畑作振興の現状について伺いたいと思うのです。
 昭和五十三年九月二十七日のこの委員会におきまして、わが党の瀬野委員が二瓶局長にいろいろ質問しているわけでありますが、そのときに局長さんからずいぶん細かに畑作振興についての具体的なお考えをお聞きいたしました。畑地基盤の整備を進める、地域の実情に即した合理的な輪作体系を確立する、畜産との有機的な結びつきにより地力の維持増大を図る、高性能の機械なり施設なりを導入する、品種の改良、栽培技術の問題、融資面の充実も図る等々、いろいろとるる述べていただきました。
 そこで、こうしたものがそれ以来どのような経過でどういうふうになっているかというのを、二、三の具体的な例を取り上げてまず御説明をいただきながら、畑作振興というのはこのようにいま政府の考えている方向に進んでいるんだという状況をちょっと聞かしてもらえればありがたい、こう思うわけであります。
#118
○二瓶政府委員 畑作につきましては、先ほども大臣からもお答えがございましたように、耕地面積におきましても四割強のウエートを持っておりますし、農業の総産出額中でも約四割程度のウエートを持っておるということで、そういう意味では非常に重要な地位を占めておるわけでございます。したがいまして、麦、大豆、甘味資源作物等やはり基幹的な作物であるということから、従来から地域の実態に応じて振興を図ってきておるわけでございます。それで、麦、大豆、てん菜等につきましては、農業生産総合振興対策ということで五十四年度から五百億の予算を計上いたしておりますが、これを逐次強化をいたしまして、ただいま先生からお話しございましたような小規模の土地基盤整備なり集団営農用機械の導入あるいは共同利用施設の整備というようなことで、生産の拡大なり合理的な作付体系の確立等を総合的にやってまいっております。
 なお、ただいま申し上げましたような生産総合の対策に盛り込まれていない芋類なり工芸作物あるいはサトウキビというようなものにつきましても、それぞれその振興対策を進めてまいってきておるということでございます。
 具体的にそういうことでどうなっているかというようなお尋ねでございますが、麦にいたしましても大豆にいたしましても、一時は大分作付面積等も落ち込んだわけでございますけれども、水田再編という問題もあったとは思いますが、生産振興奨励補助金というようなものを四十九年度から交付をした、そういうものを五十二年からはまた価格に織り込んだというようなこともやってまいっておりますので、作付面積の方も麦にいたしましても大豆にいたしましても最近は非常に増加傾向にあるということが言えると思っております。
#119
○武田委員 いろいろとなさっているものもございますが、私は、いま局長さんが前にお答えになった五つばかりの項目の中での一つの基盤整備の問題、これをちょっとお尋ねしたいのですが、畑地帯の基盤整備はどうなっているか。それから農道とか畑灌、区画形状等ございますが、この進捗率というのはどういうふうなものか。一生懸命なさっているから大体頭の中にあるのじゃないかと思うのです。いま農道完全整備、これはどのくらいの進捗率でしょうか。
#120
○二瓶政府委員 生産総合などでやっていますのはいわゆる非公共事業でございますので、まさに小規模の基盤整備といいますか、表層排水とかそういういろいろな角度のものでございます。したがいまして、公共事業として畑地関係についていろいろな整備の予算を計上いたしておりますが、この辺の進捗状況等につきましては、構造改善局の方でございますので、後ほどそちらの方からお答えを申し上げたいと思っております。
#121
○武田委員 実は私もこの点心配であっちこっち歩きますと、どうもこれはおくれているのが目立つわけです。わが宮城県、東北を見ましても、これはずいぶんおくれている。一つは米を中心にやってきたという点もありますでしょう。私この間九州にも行ってきました。九州も農業県と言われる長崎あるいは福岡等ちょっと見てきたのであります。そこでも気がついたのですが、やはりこれはどうもおくれているところが多いような気がした。ちょっと調べてみましたら、農道の完全整備がまだ一五・二%である。一部整備を含めて四一・七%というような状況である。それから畑灌については三・三%。これで非常に事故が起こっている。これは災害でもこの間ちょっと取り上げたのです。それから区画形状、これがちょっとよくて四六・一%。こういうような状況でして、この点相当なおくれのあるところ、特に畑灌の三・三%ということは、これから転作を進めていく上においては相当重要な課題ではなかろうか。
 こういうことを思うにつけて、また聞きますと、そういうような整備に大変希望者が多いというわけです。やりたいのだけれども金が来ない、何とかしてもらえないかという要望も非常に多いということでございますので、畑作振興の上から積極的にこの点もチェックしまして、手を加えていって、農家の皆さん方が安心して畑作経営に取り組めるようにすべきじゃないか、こういうふうに思うのですが、いかがでございますか。
#122
○亀岡国務大臣 御指摘のとおり、公共事業の面におきまして、水田に比べまして畑作面における土地基盤の整備というものは非常におくれておるというふうに私自身も思っておるところでございます。したがいまして、大きく水田転作等を今日までもやってきたわけでありますが、そういう農業基盤をめぐる環境等の変化に応じまして畑作に大いに力を入れなければならないということは、先ほど来申し上げてきているところでございますので、今年度におきましても、今日までにおきましても公共事業の予算の中でいわゆる畑地灌漑といったような、あるいは畑地の圃場整備でありますとか、畑地の基盤整備に対する事業費の充当率を高めてきておるところでございまして、来年度も御指摘のような線で予算要求をいたしておるわけでございます。
 特に、この畑地灌漑というのは、もう砂地帯でありますとか、あるいは凍霜害の多い地帯でありますとか、あるいは比較的干ばつの常襲地帯でありますとか、そういうところにこの施設を施さなければ、真の安定した畑作振興というものは期し得られないということは、もう農家の人自身が一番よく知っているわけでありまして、御指摘のとおり非常に希望が多いということも十分承知いたしておりますから、今後もそういう面に大きく力を尽くしていきたい。恐らく農政審議会からのいろいろな答申の中にも、そういう点は御指摘がいただけるのではないか、こう考えております。
#123
○武田委員 ぜひそうした配慮をお願いしたいと思います。
 次いで、畑作の輪作経営の強化をして、健康な土づくりというもの、これも取り上げる一つの大きな今後の課題になってくるのじゃないか。私は、その時期をいまと見ているわけでありますが、地力の増強対策、こういう面での対応というのは、これは十分なものかどうか。それで、私は、輪作体系というものの確立ということは、いろいろと農家の皆さん方も御苦労なさっている、こういうことを考えたときに、輪作奨励金などのようなものを給付することも検討しながら、やはり国あるいは耕作者が一体になって、畑作振興のために、日本のこれからの農業の発展のための一つの目標というものにしていったらどんなものかなというふうに考えているわけでありますが、その点についていかがでございますか。
#124
○二瓶政府委員 畑作の輪作経営の強化を図る、このことは、御指摘のとおり輪作障害防止という面でも非常に効果があるわけでございます。そういうために、具体的に輪作奨励金というようなものを交付するというようなことを考えるべきではないかということでございますが、この面につきましては、農林省内部におきましても相当詰めて検討したことはございます。
 ただ、これにはなかなか難点がございまして、輪作奨励金というのはむずかしいのではないかというような一応の方向でございます。と申しますのは、まず、合理的な輪作を推進するということで、仮に地域別に、禾本科の作物がどうである、あるいは根菜類でありますものがどうである、それから豆類がどうだというようなことで、地域別にも一応の生産の目標といいますか、そういうものを策定をしたといたしましても、なかなかやはり作物ごとの収益性の差がある。
    〔委員長退席、福島委員長代理着席〕
ある作物が非常にもうかるといいますか、収益性が高いということになりますと、なかなかその目標どおりに達成するということが、もうかるものに集中するというようなことで、保証されがたいということがどうもあるのではないか。それから個々の畑作農家によりまして、経営規模なり耕地条件なり作付状況というようなものが異なるわけでございます。したがいまして、適正な輪作体系を導入するように進めていくということではございますが、それでは具体的に適正な輪作というのはどうなのか、不適正なのと適正なのとの仕分けの物差しをどうするかということになりますと、なかなか具体的な物差しを地域に即して決めていくというのが至難ではないかというような点。それから、適正なということを考えますと、どうも山寄りの地帯やら何やらになりますと、やはり経営規模の関係もございまして、適正なのをやりたくても、耕地的な制約その他でそういうものができない。そうすれば奨励金はもらえないというようなことが出はせぬかというようなこと等もございますし、また、奨励金を交付するとなれば、その適正な輪作をやったということの確認をしませんといかぬわけでございますが、これの確認事務が非常にむずかしいのではないか。特に輪作ということになりますと、四年輪作とか三年輪作とか、いろいろございますので、適正だと思って交付をした、三年目の輪作を見ると必ずしも適正でなかったから補助金返還だというようなことになると、これは実務上は非常にむずかしいのではないかというようなこともございまして、輪作奨励金という問題は、十分検討したことはございますけれども、これはなかなか実施に踏み切れないのではないかというような一応の方向になっております。
#125
○武田委員 それから連作障害というものの原因がまだ解明されていないと聞いているのですが、こうした研究というのはどういうふうなことになっていますか。
#126
○二瓶政府委員 連作障害でございますけれども、これの原因ということにつきましては技術会議等におきましていろいろ検討をしてもらっておるわけでございますけれども、作物によりましてまた地域によりまして必ずしも一様ではございませんし、また、原因そのものがどうも明確でないというようなものも多いわけでございます。今後この連作障害の原因の究明をするということで、技術会議を中心にいたしまして、連作土壌におきます微生物学的あるいは理化学的特性というようなものについて解明をさらに進めていく。さらにまた、この対策として、地力の維持向上なり、土壌病害虫の抑止を中心にいたしました畑地の管理のやり方、こういうものの開発というような試験研究等を、技術会議中心で進めておるという現状でございます。
#127
○武田委員 大臣にこの点についてお願いがあるのです。私はいろいろな県庁その他のいろいろなところに行きますと、どうも技術屋さんというのが非常に歓迎されていないのですな。歓迎されていないというのは、出世しないというのですよ。要するに、庶務関係の方々は出世するけれども、技術屋さんというのはなかなか出世しないというんで、若い連中もやはり出世意欲は持っていますね。こういう一つの技術関係の研究所というものが、一年や二年で答えは出ないし、何か品種改良なんかになると七、八年もかかるというものがある。そういうことで、一生懸命やったものが評価されないという不満を持っておるのにときどきぶつかるわけです。
 この間も岩手県に行きまして、ある三十代の中堅の技術屋さんに聞きましたら、そういう傾向があるんだと言うのですね。ほかの方ではどうだと言えば、ほかの方もそうだ。私もいろいろ聞いてみると、学術関係の研究機関に対する予算の取りつけも、どちらかというと、たとえば私は文部省なんかでも指摘したのですが、研究機関のいわゆるそういう研究に対する予算も非常に少ない。それで一生懸命研究をやっている方々は苦労しているというような共通の悩みがあるのです。そういう意味で、こうした技術というものによっても、いろいろ農業の多大のいわゆる発展に御苦労をなさっている方々が意欲を持って取り組めるような、そういう土壌というものはつくっておかなければいけないのではないか。先輩がそうですから、私、大学に行って聞きましたら、細菌の研究を志望する学生というのは最近余りいないのだそうです。それで細菌学の、たとえば海においても土壌においてもそういうところの研究は日本は非常におくれているんだということも聞きましたけれども、そういうことがもし事実だとすれば、私が聞いた――局長さんは首をひねっておりますけれども、私も実際当たって聞いている事実の中での話でありますが、もしそういうことがあるとすれば遺憾だと思いますので、その点については、ひとつ答弁はよろしゅうございますから、頭の中に入れていただいて、今後いろいろなところでのそういうものをよく事情を調べながら、そういうことがないように御配慮いただきたい、こういうふうにお願いします。
 次に、時間がなくなりますので、最後に畑作共済についてお尋ねしますが、いろいろと農林水産省でもこの共済について力を入れようとしているわけでありますが、野菜について共済制度がどういうふうな状況になっているのか、いまどういう種類のものを共済の対象にしようと研究しているのか、今後どういうものがその種類として名前が挙がっているものか、その点をまず説明をしていただきたいと思います。
#128
○松浦(昭)政府委員 畑作物共済につきましては、昭和五十四年度から六作目、つまりバレイショ、大豆、小豆、インゲン、てん菜及びサトウキビを対象にいたしまして本格実施に入ったところでございますが、これら以外の畑作物につきましては、必要かつ可能なものから逐次共済制度を実施していくということに考えておりまして、現在のところは、野菜につきましては、施設共済といたしまして施設の中にあります野菜は対象にいたしておりますが、いわゆる露地野菜につきましてはまだ実施をいたしておりません。現在調査検討中のものといたしましては、キャベツ、白菜、レタス、スイカ、タマネギにつきまして調査をいたしているという状況でございます。
#129
○武田委員 キャベツ等々はいま研究しているということですが、大体どのくらいの期間でこれらが一つの制度の中に取り入れられるのかという見通し、この点どうですか。
#130
○松浦(昭)政府委員 これらの作目につきましては、現在の段階では、保険の需要がどの程度あるか、あるいはその生産物の出荷その他につきましての基礎的な調査をやっている段階でございまして、何分にもこれらの共済をいたすということになりますと、一つは危険分散がどの程度できるかということとか、あるいは保険需要がどの程度あるかとか、あるいは料率の設定のための基礎的な資料がどの程度あるかとか、あるいは共済金額の設定、損害評価のやり方、その他いろいろむずかしい問題がございますので、いまいつからこれらが実施できるかということはちょっとお答えをいたしかねる状態でございます。
#131
○武田委員 実は今回長雨と冷害で大変な被害に遭ったのですが、米の方にはずいぶんお力を入れていただいていますが、野菜もやはりずいぶん被害を受けているのは御承知だと思います。私の地元でちょっと一例を申し上げますと、五人の専業農家が金を出し合って、一億円の金を借りまして二十ヘクタールの野菜生産団地をつくりましたが、今回そこは大体キャベツ、大根はもう全滅でございまして、全体の予想収穫高は二千六百万くらいであろうというところですが、それが約一千二、三百万から一千五百万くらい、半分くらいがだめです。これは聞きましたところが、これからはやはり米だけではいかぬということで、五人の専業農家が力を合わせて牧草地を買いましてそれでやった。高いところにあるわけでありますが、設備等の不備がちょっとあったことも事実なんですが、雨にやられて全部流され、大根は全部腐って中にすが入って食べられないということで皆廃棄処分です。こういうケースの方々が来年からは二千万か一千万くらいずつ借りたお金を払わなくてはいけない。ところが、今回はこういう方々は全然救済対象になっていない。この調子でいくと、こういう賢明なる農家を救済することができないとするならば、これは大変なことではないか、お気の毒であるということを考えると、そうした共済の問題については早く検討、研究しながら実施の方向に入っていくことと、大根などもその中に入れてほしい。というのは、大根は最近加工用としてあちこちでつくっているケースが多くなりました。ですから、こういうような方々を一日も早く救済する方策として、私は共済というものは一つの大きな頼りになるものだと思うのですが、こういうような共済ができるまでの間の救済というものは一般的な災害対策で救済するしかないものかどうか、この点ちょっとお話しいただきたいと思います。
#132
○松浦(昭)政府委員 畑作物共済につきましても、たとえばホップとか茶とか、こういうわりあい共済に乗りやすい、保険設計ができやすいものにつきましては、できるだけ早く実施をしたいというふうに考えているわけでございますけれども、露地野菜につきましては、実は昭和五十二年から調査研究を始めているわけでございますけれども、何分にも出荷時期によりまして価格差が著しいという問題がございますし、それから、災害によりまして広範囲に収穫が減少するというふうなケースがありました場合には価格が上昇するということがございまして、なかなか保険設計が仕組めない分野でございます。そのために時間がかかっているということでございます。特に、ただいまお尋ねのいわゆる土物でございます大根でございますけれども、これは損害評価の困難性その他危険分散、いろいろな問題もございまして、その設計がなかなかむずかしくて、まだ調査の対象にもしていなかったというような状況でございますが、先生のお話でもございますので、栽培の実態あるいは保険需要等を見まして、今後検討してまいりたいというふうに考えます。
 なお、非常に大きな被害が起こっている地域もございますので、さような農家に対しましては、天災融資法その他の制度融資というものは当然考えられるわけでございます。
    〔福島委員長代理退席、委員長着席〕
#133
○武田委員 それでは、時間が来ましたから終わります。
#134
○田邉委員長 神田厚君。
#135
○神田委員 カンショ、バレイショなど甘味資源作物と大豆の五十五年度産価格の決定に当たりまして、これらの問題につきまして御質問を申し上げます。
 まず、この問題は各委員からも質問が出されておりましたけれども、従来パリティ方式をとっておりまして、その慣例化しているパリティ方式の完全実施という措置がとられてきたわけでありますけれども、今回はどうもそういう様子ではない、こういうふうなことが言われております。大蔵、農林両省での折衝の中で大蔵省がこれはまずいということならば、それは大蔵省の言い方としてわかるわけでありますけれども、農林省の方も今回は何か妙に遠慮した形で価格決定に当たっているというふうにわれわれも感じておりますし、一般にもそういう報道がされている。しかしながら、このパリティの完全実施というのは過去ずっとやられてきたわけでありますから、今回もしもこういうことをしないということならば、なぜパリティの完全実施をしないというふうに方針を転換したのか、その辺をお聞かせいただきたいのであります。
#136
○森実政府委員 私ども、パリティ方式を採用しないということは言っておりません。やはりパリティ指数を基準として考えていく。その場合、農家の生産なり収益の動向とか、作目間のバランスを考えて合理的な価格決定をしてまいりたいということを申し上げているわけでございます。
 そこでこの畑作物については、先生も御指摘のようにいろいろな異質な形で作目によって奨励金というものが支出されているわけでございまして、私どもも奨励金が一方において実質的な手取りを形成しているという側面は評価しているところでございまして、トータルとしての農家の手取りということで、やはりパリティを基準としながら、一方では収益性やバランスを考えて合理的な価格決定をしてまいりたいという趣旨のことを申し上げているわけでございます。
#137
○神田委員 収益性やバランスの判断ということでありますけれども、パリティ方式を堅持してそれできちんと出していくということは、それなりの理屈づけがあったわけであります。したがいまして、今回、ことしからそういうふうにこれを急に変えていくということは、結局は大蔵省のいわゆる財政負担に対する出し渋りといいますか、そういう考え方に左右されているように私どもは判断をしているのでございますが、その辺の大蔵との折衝の関係はどういうふうになっておりますか。
#138
○森実政府委員 現在まだ大蔵省と折衝中でございまして、ゴールに到着しているわけではございません。私どもも基本的にはパリティを基準として、収益性を考え、バランスも考えという形で議論をしているわけでございます。
 ただ、ちょっと御理解を賜りたいと思うわけでございますが、先ほどから申し上げておりますように、奨励金という問題をどう考えるかという議論は確かにあると思います。確かに奨励金というのは収益や生産増強に応じて臨時的な誘導手段としての支出でございますが、しかしそれなりにやはり定着した部分があるわけでございまして、これはわれわれも従来から価格に繰り入れてきた部分もあるわけでございます。そういう意味で、私どもは奨励金も含めて農家手取り全体という形で、パリティを基準としながら、収益性も考え相互のバランスも考えていく、従来の価格決定、本年度の全体の農産物価格が抑制的に推移してきている経過、そういった事情を考えて折衝しているわけでございます。財政事情ということは当然大蔵省は強く主張されるところでございますし、それはやはり経済事情の重要な要素として政府内部における議論を決定するときの要素になることは事実だろうと思いますが、私どもがもろに財政事情で農林省としてはできませんというふうに申し上げているわけではなくて、政府部内の価格決定に当たってそういう議論が十分あるということを申し上げたわけでございます。
#139
○神田委員 私は、従来どおりこのパリティ方式の中で、しかも奨励金の取り扱いを操作するというようなことではなくて、従来どおりの形で、いわゆる麦並みということではないような形で結論を出していただく努力をしていただきたい、こういうふうに要望したいと思っております。
 なお、大臣にお伺いしたいのでありますが、これから農政の長期的な展望の中で畑作物の位置づけというのをどういうふうにしていったらいいのか。自給率向上やその他の問題がいろいろ出ておりますけれども、そういう中で、特に地方におきまして地方産業として大事な産業になっておりますサトウキビあるいはてん菜、こういうものにつきまして、農政の長期見通しの中では、いま甘味資源等の問題で審議をしておりますこれらの畑作物についてどういうふうな位置づけをしてこれを取り扱おうとしておるのか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
#140
○亀岡国務大臣 農林水産省の試算いたしております昭和六十五年度を目標年次とする長期見通しにおいては、いま御指摘のありました作物につきましては、一応次のような位置づけを試算として農政審議会の方にお出しいたしてあるわけでございます。
 これは基準年次を五十三年度といたしておるわけでございますが、てん菜につきましては、てん菜の適作地域における作付の拡大により、面積は三割程度の増、生産量といたしましては四割程度の増加を見込んでおるということでございます。
 芋類につきましては、これはカンショも含むわけでございますが、需要はでん粉原料用が減少をし、食用が横ばいというふうに見ておりまして、全体として一割程度の減少と一応見込んでおりまして、これに対応して生産も若干減少をするというとらえ方をいたしております。
 バレイショにつきましては、需要はでん粉原料用が減少をするものの加工食品用が増加をするであろう、こういう見方をいたしておりまして、全体として一割程度増加をする、したがいまして生産も一割程度の増産を昭和六十五年度には見込むというふうに考えております。
 また大豆につきましては、国産大豆の用途である豆腐、納豆用の需要は一割程度増加するであろう、こう見込んでおるわけでありますが、現在でも大豆の自給率は非常に低く、三割程度。これは食用の大豆でございますが、三割程度。今後転作大豆の作付増を中心に生産の拡大を図りまして、六十五年度には豆腐、納豆用の六割程度を賄うことを見込んでおる次第でございます。
#141
○神田委員 数の上で、数量といいますか、そういうものでの目標についてはおっしゃられましたような形で出されていることについてはよくわかっております。
 ただ、このことにつきましても、大豆やその他の自給率の問題あるいはそれらの価格の問題等につきましてはいろいろ問題がある。ですから、そういうふうなことで全体的に数字を挙げておっしやるならば、それは日本の農政の中ではどういう位置づけになるんだろうか、これはどういうことなんでございますか。
#142
○亀岡国務大臣 先ほど来申し上げてきておりますとおり、今後の日本農業の八〇年代の青写真、二十一世紀に向かっての理想像というようなことを考えました際に、国民の食生活体系の動向、どういう好みを持って食生活をしていくかというようなことを基本といたしまして、そこから需要量をはじき、そして一つの各作目ごとの長期見通しをつくって、それに基づいて生産構造を考えていく、こういうことになろうかと思います。したがいまして、その生産構造の中において各適地適作という面をどのように実行していくか、こういうことになりますと、日本農業といたしましては、せっかくつくっても非常に高いものにつくということであっては、長期に一〇〇%保護助成というような形でやっていったのでは真の農政にはほど遠いものになってしまうのではないか、こういう考え方もできるわけでありますから、どうしても生産性を上げろ、それがためには、農地法を初めといたしまして農用地利用増進法、農業委員会法、いわゆる農地関連三法をことしの春に国会でおつくりいただいた、この御趣旨も、生産性の高い農業をやれ、やるように指導しろという御意向であるというふうに私ども受けとめまして、実はただいまそういう点を十分考慮した上で農政審議会に対する諮問を申し上げておるわけであります。
 したがいまして、近くこの答申をいただくことができますので、それを参考にいたしまして、とにかくいろいろな面で、基盤整備からいきましてもおくれておりますところの畑作関係というものに大きく力をいたしていくようにしてまいりたい。日本農業に対する畑作の位置づけをそういうところにきちんと置いていかなければならない、こういう考え方で実は来年度からの予算編成等もいたしておる次第でございます。
#143
○神田委員 よくわかりましたが、一つ抜けておるのは価格問題です。
 それでは、そういうふうな考え方に沿ってその価格的な問題についてはどういうふうにしていくのか。つまり大豆でも何でも、いま国産大豆、余り値段もよくない、こういうふうな形になっておりますし、増産すれば増産しただけ値段が落ちてしまうようなものでも困るわけでありますから、これらの全般の価格問題についてはどういうふうな方針をお持ちでありますか。
#144
○亀岡国務大臣 やはりある程度の規模拡大をして生産性の高い農業経営ができ上がる、今後十年かかりますか二十年かかりますかわかりませんけれども、その努力は私どもとしてはやはりやってまいらなければならないわけでございます。しかし、それまではどうしても農業の――農業だけでそれを実現しろ、こう言われましてもこれはとうてい農家自身では不可能でございますので、どうしてもいろいろな面における、やはり納税者並びに全国民の理解と協力を得ながら強力な基盤整備でありますとかあるいはある程度の価格に対する保証措置でありますとか、そういうものをやりながら、そしてやがては、理想として申し上げるならば、国際農業に対してもひけをとらない足腰の強い農業が展開できるような理想を目指して私ども行政当局者といたしましては最善の努力を尽くしてまいる。それまでの間は、やはり納税者、税金による国家並びに地方自治体の保護ということを、再生産の意欲を放棄しないようにやはりやっていかなければいかぬ、こういうつもりでおります。
#145
○神田委員 再生産の意欲を喪失しないようにというのは、非常に後ろ向きというか、前向きな議論ではないようですね。意欲を喪失しない、喪失をしないというよりも、むしろそういう再生産の意欲をかき立てて生産に励めるというのが前向きでございますから、大臣の途中までのお話は大変わかったのでありますが、その辺のところは少し、国際競争力をつけるまでの過程というのが一番大事で苦しいときなんでありますから、もちろん消費者やその他の納税者の気持ちもわかりますけれども、何といいましても農業の、いわゆる農産物については、食糧の問題でありますから、そういう意味で国民食糧の確保という大きな大前提があるわけでありますから、そういう意味では途中の過程のところをもう少し手厚くしていただく議論が必要ではないか、こういうふうに思って要望しておきたいと思います。
 それでは具体的に、たとえばてん菜の問題につきましてちょっとお尋ねをしたいのでありますけれども、現在の生産の状況というのはどういうふうになっておりますでしょうか。
#146
○二瓶政府委員 てん菜の生産の状況がどうかというお尋ねでございますが、てん菜につきましては最近増加傾向にございます。五十四年の作付面積は五万八千九百ヘクタール、生産量は三百三十四万トンと相なっております。五十五年、本年でございますが、本年は作付面積が一〇%ほど増加をいたしました。反収の方は昨年が史上最高でございますので、相当高い水準にはなっておりますが、昨年と比べますと八%ほど減少するということでございます。収量といたしましては三百三十九万トンということでほぼ前年並みという生産が見込まれる、かように考えております。
#147
○神田委員 てん菜の生産がかなり多くなってきているという状況の中で、いわゆる製糖能力もひとつもう少し考えていかなければならないのではないだろうかというような議論もあるようでありますが、その辺はいかがでございますか。
#148
○森実政府委員 確かに御指摘のように本年度約六万五千ヘクタールの大増反になりまして、不足感が出てきております。そこで、ことしの数量大体三百三十九万トン程度ではないかと見込んでおりますが、これにつきましては収穫期の繰り上げによる操業期間を延ばすということと、それから原料集荷地域を配置がえいたしまして、他工場への輸送を図るという措置を講じて大体対応できるのではないかと思っております。
 そこで設備投資の問題でございます。当面私どもとしてはやはりまず既存工場の設備更新、設備の近代化、増設に重点を置くべきであろう、そういう意味でたとえばビートの裁断とか搾汁部門の能力アップのための投資とか濃縮ジュースタンクの設置等の投資という問題をまず推進する必要があるのではないかと思っております。ただ、今後なお一本調子にこういった増産傾向が続くかどうかということは、稲転との絡みもございますがなかなかむずかしい点も農業自体としてもございますし、さらにまた新設工場の設置ということはかなりまとまった大きな投資になります。いろいろ試算をしてみますといまの状態ではなかなか償却できないという問題もありますし、また新しく輸送コストがどうなってくるかということも集荷との関係で出てまいります。さらに新しく予定しております地域の糖分、糖度の問題もあります。さらに先ほども申し上げましたが、実は輸入糖の設備自体が約百万トンに近い過剰を抱えておりまして、一方において増設、他方において廃棄というまさにジレンマに悩んでいる点もございまして、新工場の増設の問題については、ひとつ総合的にビート対策を少し検討する中でもう少し時間をいただいて検討させていただきたいと思っております。
#149
○神田委員 そうすると、いまの局長の答弁を聞いておりますと、てん菜の生産の問題については、いわゆるこれ以上の生産拡大ということについては余り歓迎をしない、つまり抑制するような考え方もあるいはお持ちなんでございましょうか。
#150
○森実政府委員 先ほど申し上げましたように、六万五千ヘクタールは現在の設備能力で大体やれる、さらにある程度の増反に対しては私ども部分的な改良、設備投資でやっていけるのじゃないか。問題は、たとえば七万七千ヘクタールとか八万ヘクタールということになると、これは増反される場所の立地にもよるわけでございますので、率直に言うとなかなかむずかしい問題がある、そういった意味で少し総合的にビートの農業経営の問題とあわせて検討させていただきたいということでございまして、いま直ちに大型の設備投資のプロジェクトをすぐ作動するというところまではなかなか決心がつきかねる点があるということを申し上げたわけで、ニュートラルでございまして、決して抑制的という意味では申し上げたつもりではございません。
#151
○神田委員 水田地帯における転作作物としてこれを定着させるということが大方針としてあるわけでありますから、そういう意味から言いますれば、やはり思い切った設備投資をしながらその地域での振興を図っていくということが私はベターだと思うのです。そういう意味で、なおいろいろなリスクの問題、いろいろあるというふうな説明でありますが、特に北海道農業の、これからまた米減反やその他の強化というような状況の中で、やはり北海道農民の生きる道をてん菜に求めるということも一つあるわけでありますから、そういう意味ではこれらの問題については前向きに考えていただきたい、こういうふうに要望したいと思います。いかがでございますか。
#152
○森実政府委員 御趣旨も十分理解できるところでございまして、具体的な現実的可能性という意味で私どもも詰めたいと思っております。
#153
○神田委員 それでは土地基盤整備。この土地基盤整備について非常にまだ物足らないというふうな声がたくさんあるわけでありまして、あるいは土地改良事業を行っても、地元の負担が非常に多いというような要望がありますが、その辺につきましては軽減措置やその他についてどういうふうなお考えでございますか。
#154
○杉山(克)政府委員 先ほど大臣から答弁申し上げましたように、従来水田地帯に比べて畑地帯の基盤整備が大変おくれておったわけでございます。そこで、ここ数年来畑地帯の総合整備なりあるいは造成といったことを公共事業の中でも重点として取り上げるようになってまいっております。お尋ねは特に北海道のてん菜畑の問題についてであろうかと存じますが、どのぐらい整備されているかということを申し上げますと、これは予算の推移で申し上げますが、たとえば昭和五十年ごろでございますと、金額的には、てん菜関係の基盤整備の事業費は、これは国費ベースでございますが二十六億円。それがその後三十一億、三十九億、五十三億、七十二億とふえてまいっておりまして、五十五年度は七十四億二千百万円ということでございます。この中で各種の国営の事業なりあるいは補助事業を行っているわけでございます。たとえば国営の灌漑排水事業でありますとか畑地帯の総合土地改良パイロット事業でありますとか農用地開発事業、補助事業といたしましては灌漑排水事業、畑地帯総合土地改良事業、農道整備事業、こういった事業を取り上げてまいっておるわけでございます。今後ともこういう畑地帯の土地基盤の整備につきましては、てん菜が北海道の基幹作物でもあり、ますます重要性を増しているという実態も反映して、即応するようにできるだけ整備を進めてまいりたいと考えております。
 負担の問題につきましては、従来から北海道につきましては、補助率等につきましてもそれから事業費の配分につきましても一般に比べてかなり優遇されるような措置がとられでおるところでございます。これらも実態に応じましてできるだけ努力してまいりたいというように考えております。
#155
○神田委員 次に、芋でん粉の方の問題に少し移らしてもらいます。
 もちろん、原料基準価格の適正な引き上げということについては先ほど来一般的に申し上げているところでございますけれども、特に原料カンショの指導価格、この問題につきまして、財政負担を求めて適切に引き上げよという要望が強いわけでありますが、この辺につきましてはどういうふうにお考えでありますか。
#156
○森実政府委員 カンショにつきましては取引指導価格を設定しております。これと原料基準価格との差額はいわば奨励金的な性格を持っているわけでございます。私どもとしてはトータルとしての取引指導価格を適正に改定していくという視点で検討しております。その意味で、トータルとしてやはり収益性の問題、バレイショでん粉等の比較等を頭に置いて検討いたしたいと思っております。
 そこで問題は、これを財政負担で引き上げるかどうかという問題でございます。これは基本的には糖業者、つまりでん粉メーカーが支払うものの一部を財政が肩がわりするかどうかという本質に属する問題でございます。これにつきましては、率直に言うとストレートに財政負担が年々急増している状況もございます。これ以外にメーカーがどの程度の負担能力を持っているかを十分精査をする必要があると思います。確かにことしは過当競争等による悪材料もございますが、異性化糖の増産等による好材料も出てきております。そういった点を考えまして、十分その負担能力も考えながら現実的に対処したいと思います。いずれにせよ財政負担が増加する結果になることは事実だろうと私は思います。それをどの程度にするかという問題だろうと思います。
#157
○神田委員 われわれとしましては、財政負担が増加するからある程度抑えるのだということではなくて、やはり従来どおりの方式でひとつこれを適正に上げてほしいという要望をしているわけでございます。この芋でん粉の問題で、先ほどの見通しの中でも触れられましたかと思うのでありますが、この消費の問題につきましてもそんなに大幅に上がっていくというわけではなく、一つはたとえばカンショなどの新規用途の開発研究、こういう中でエネルギー転化の問題があるわけであります。南米等では芋のエネルギー転化ということがかなり成功しているというふうに聞いておりますが、日本では農林省としては、これは通産省の管轄でもあるかもしれませんけれども、こういう農産物のエネルギー転化の問題について、特に芋などについてお考えがおありでしょうか。
#158
○森実政府委員 所管が各局にまたがっておりますので、便宜私から最近の事情だけ御説明申し上げます。
 現在国際的に燃料アルコール化が進んでおりますのは実はサトウキビでございます。ブラジル、豪州、タイ等がそのプロジェクトをある程度軌道に乗せております。特にブラジルは進めております。サトウキビ自体は全体としてはかなり割高なんでございますが、アルコール化には実は膨大なエネルギーが要ります。サトウキビの場合は茎葉をそのまま利用できて追加エネルギーが余り必要がないというメリットがありまして、そういう意味でまずサトウキビから軌道に乗っているという点があるわけでございます。これに対して芋類につきましては実は追加エネルギーが要る。いろいろな試算がございますが、製品に対して大体八四%相当のエネルギーが要るという試算もあるわけでございます。そういう意味で芋類は世界的にも必ずしも現実化しないという悩みがあります。
 なお、日本の例にシフトして簡単に事情を申し上げますと、実はいま国内の発酵アルコールは粗留アルコールと糖みつの輸入品を原料にしております。これを国内の芋に切りかえる場合は、いまの原料指導価格の三分の一の価格にしないとそろばんが合わないという大変な格差があるという事情も御理解をいただきたいと思います。
 むしろ、いろいろ問題はありますが、甘味資源全体としてサトウキビが国際的にかなりアルコール化が進む、その中ででん粉も含めた甘味資源の需給関係がどう変わってくるか、その中でわが国の甘味資源対策をどう考えるか、こういう視点の総合的な検討が現実的であり、必要ではないかということで、さらに検討を進めたいと思っております。
#159
○神田委員 最後に、大豆の問題でひとつ御質問申し上げます。
 この所得の補償の問題は先ほど来御質問申し上げておりますので省かしていただきまして、水田利用再編対策の実施の中で大豆の作付面積は非常に多くなっております。ただこの中で、つくる方にも責任があるのでありますが、品種の問題でどうもうまくいいものができないということがあるようでありますが、優良品種の開発についてはどういうふうになっているのか、さらには、国産大豆の利用を促進するためにどういうふうな方策を考えておられるのか、この二点につきまして御質問申し上げます。
#160
○川嶋政府委員 大豆の品種改良につきましては、各地の農業試験場で実施をいたしておりまして、国立の場合ですと北海道、東北、九州、また各都道府県、特に国が委託をしております北海道、長野、こういったところで実施をいたしております。これまでいろいろ品種を出しているわけでございますが、最近の状況にかんがみまして、昭和五十年に作物関係育種基本計画というものをつくりましてさらに強化を図っているところでございます。北海道ですと、すでにトヨスズとかキタムスメ、本州ですとエンレイとかシロセンナリとか、いろいろ優良品種が出まして普及をしているわけでございます。
 先生御指摘のように、どうもいままでの大豆の品種というのは、非常に悪い条件の中で何とか安定して生産が上がるようにということでやっておりますので、諸条件が複雑でございまして、なかなか思い切って反収の上がる品種ができておりません。こういった点につきましては今後とも重点を置いて研究を進めていこうということでいま努力をしているところでございます。
 それから、大豆の加工関係でございますが、これは国の研究機関としましては食品総合研究所というのがございまして、ここで豆腐の加工適性ですとか国産大豆の品質との関係とか、いろいろ研究をしております。その成果につきましてはいろいろ講習等を用いまして関係の業者等にも普及をいたしております。また、民間の団体等につきましても食品工業の技術開発ということで助成事業をいたしておりますが、この中でも大豆を原料とした加工技術の助成をいたしております。しかし、こういった点につきましてはさらに一層研究を進めてまいりたいというように考えております。
#161
○神田委員 いろいろ御質問申し上げましたが、最終的にはこの畑作物価格の問題につきまして、どうかひとつ生産農民の期待を裏切らない価格の決定をお願いいたしまして質問を終わらせていただきます。
#162
○田邉委員長 寺前巖君。
#163
○寺前委員 朝からいろいろ論議もございましたから、ダブらないように私のぜひ聞いておきたいことにしぼって二、三点だけお尋ねをしたいと思います。
 農民にとって、畑作物の価格決定というのは安定した生産をする上において重要な位置を占めます。また国民にとっては、甘味資源を初めとしてこれらの問題は、生活を安定させるためには安定供給が向上することを願います。そこに糖価安定法なり甘味資源特別措置法なりの果たす役割りが出てくると思うわけです。
 そこでお聞きしたいと思いますのは、甘味資源特別措置法の第一条には、砂糖類の自給度の向上に資するということをあえてうたっているわけですが、昭和三十九年のこの法施行直後の四十年の自給率を見ると、当時三〇先の自給率がありました。自給度の向上に資するとして特別措置法をつくっているのに今日二三%の自給率に下がっているということは、何のためにこの法律をつくってやったか疑わざるを得ないということに結果としてなるではありませんか。自給度の向上のために一体政府はどのようにしようとしているのか、計画的に方針を持っているのか、具体的にお示しを願いたいというのが一つです。
 もう一つは、自給度の向上のためには農民の皆さん方がこれをやってよかったなと言える価格の引き上げというのか安定がなければならないことになるでしょう。少なくともパリティの指数で一〇%前後が言われている今日です。当然それに匹敵するような価格の向上を皆さん方は決定されるであろうと思うけれども、価格の持つ意義が大きいだけに、その点に対する見解を明らかにされたい。
 二点についてお答えをいただきたいと思います。
#164
○森実政府委員 まず自給度の問題についてお答えいたします。
 過去の数字をまず事実に即して申し上げますと、国内産糖の生産量は昭和三十年が十万トンでございました。昭和四十年には五十四万トンになっております。その後四十五万トンから五十万トン台の推移を経てまいりましたが、五十二年には六十万トンを超え、五十四年は七十一万一千トンになっております。総需要量自体は実は昭和四十年代までは順調に伸びてきて、五十年代に入って停滞動向に入ったということでございます。したがって、自給率についてたまたまとらえれば、確かに昭和四十年が非常に生産が多かったためにその後一応下がったという形になっておりますが、現在ではおおむね二五%程度の自給率を確保できている、七十万トンという数量を生産しているという事実がございます。
 それから二番目は価格の問題でございます。先般来御指摘もあった点でございますが、私どもとしては、ビートについては反収も順調に伸びております、反当労働時間も非常に減ってきております、そういう意味においては非常に収益力が良好である、いまの生産費をはるかに上回る実質的な価格になっているということは御理解いただけるとおりでございまして、ことしも六万五千ヘクタールという作付になったのもそういう状況が反映したものと理解しております。私どもといたしましては、いわば奨励金を含めた実質的な手取り全体について、パリティを基準にしながらそういった収益性の動向や他の作物とのバランスを考えて総合的に考えてまいりたい、もちろん再生産の確保についてはそういった意味で十分配慮を払ってまいりたいと思っているわけでございます。
#165
○寺前委員 甘味資源の消費が高まっているから実は量としてはふやしたんだというのがお答えだと思うのです。ところが、法律ではやはり自給度を高めよということを指摘しているわけです。要するに、日本の国民についての需要に対しては日本で生産をして、そして責任を持ってやっていこうじゃないか、こういうふうに計画的にやりなさいということを法律の精神としてはうたっていると思うのです。その立場から見たときに、いまのように自給度はやはり下がっていることは客観的事実です。ですから自給率そのものを高める、外国に依存しなくてもいい方向というのは、どの程度をいつまでにどうしたいのだということをはっきりしなければいけないのじゃないでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
#166
○森実政府委員 御指摘のように自給度即自給率というふうに考えるかどうかは私は若干議論のある点だろうと思いますが、自給率について申しましても、昭和五十年は一五・六%であったものが、その後一七・五、二〇・六、二一・九、昨年は二四・六と上がりまして、ことしは二五%を超えるという形で、自給率はここのところ着実に上がっているという見方をしております。私ども、現在部内で検討中の長期見通しにおいては、将来は三割を超える自給率ということを頭に置いて今後考えてまいりたいと思っているわけでございます。
#167
○寺前委員 私、繰り返しませんけれども、法律をつくった時点においては、消費の度合いは違うにしても自給率は三割あったんだという事実からやはり物を見なければいけないと思うのです。時間の都合もありますからこれ以上言いませんけれども。ですから少なくとも、いまのお話では六十五年には三割を目指したいというのがお答えだと思いますから、率として言うならば、この法律をつくった段階の率に六十五年にはしていきたいとおっしゃる以上は、やはりそこには具体的な手だてをあわせて考えてもらわないと絵にかいたもちになってしまうではないか。確かにそれ以後の話の率の向上というのは、おっしゃるとおり率として向上していることは事実でしょうけれども、今後の問題として積極策としての手だてはどうするのかという問題については十分検討されたいということを申し上げておきたいと思います。
 第二番目に大豆についてお伺いをしたいと思います。
 大豆については、私が言うまでもなくこれまた自給率というのは非常に低い段階にあることはもうきわめて明確です。その生産の振興を図るためにはいろいろな総合的な要件が要るでしょう。その一つは何といっても先ほどの質問の中にありましたように、その地域に適した優良品種の研究開発、種子の安定供給という問題が考えられなければならない重要な問題としてあると思うのです。
 私、この間うちから農林水産技術会議事務局が出された「作物の育種 その回顧と展望」という本を読ましていただいたり、いろいろな皆さん方が出されている書数を読ましていただいたわけですが、その文章を読んでいると、こういう指摘があります。「大豆品種は地域適応の範囲が狭く、緯度が二度変われば品種の生態系は全く変わる。」ということであるんだ。先ほども御指摘がありましたが、現在育種試験地数は五カ所である。ところが昭和三十六年度には七カ所国営の育種試験地があったんだ。せめて三十六年並みの事態に整えなかったならば、いま大豆の品種は水田の再編の中で、たんぼの中でつくられている事態が全体の中で大きな位置を占めつつあるという過程を考えたときに、当然考えなければならない国自身の措置ではないだろうか。また先ほど御説明申し上げました「作物の育種」という、この本を読んでいましたら、「昭和四十年代に大豆が衰退するに及んで原種決定試験を中止する都道府県農業試験場が出て、昭和四十年には合計五十カ所の本・支・分場で実施していたものが五十四年には二十五カ所となった。また需要が減少したために原採種圃事業費も打ち切る府県が多くなった、最近は復活してきている県もあるけれども。」という指摘がこの本自身にもあるわけです。
 私はこういうことを考えるにつけても、いま自給率を高めようじゃないかという国会決議を過般やりました。そして現実には大豆についての研究の中断的な状況というのがここの指摘のとおりにも起こっているわけです。ところが研究というのはすぐ復活せよというだけでは追いつかない。しかも大量に水田を再編してやっていこうということになったら、この分野の研究というのは急がなければならないんではないだろうか。そういう点で、国自身が一体試験場をどうする気なんだ、三十六年当時の状況に戻そうというのかどうか。あるいはまた都道府県が行っておった原種決定試験場というものをどうするんだとか、あるいは原採種圃事業をどうするんだとか、そういうものをもっと援助して具体的に拡大強化していくということを必要としているように私は思うのですが、そこの施策はどうする気なのか、具体的に御説明をいただきたいと思います。
#168
○亀岡国務大臣 農林水産省といたしましては、米の需給のバランスをとるという大命題を果たしてまいりますためにも、この畑作振興というものに重点的な力を入れなければならないということは先ほど来たびたび申し上げたところであります。しかるところ、午前中にも申し上げだとおり、豆類とかあるいはなたねとか、さらには小麦類とかのいわゆる試験研究、品種改良、技術開発、栽培の管理の技術的な検討、そういう面に対する力の入れ方というのは、寺前君がいま読み上げられたとおりの経過をたどっていることは私も承知をいたしておるわけであります。
 何といっても、農業生産というのはおてんとうさまの光と空気と大地の力というのがもとになるわけでありますから、これらを重視した措置を行政の中にきちんとしていかなければならぬことは申すまでもないわけでありますけれども、先ほど武田委員からも御指摘のありましたとおり、日本の国そのものが技術をもっともっと大事にすべきではないかとさえ思われるほど、優秀な技術者全部、と言わないまでも国外に出てしまっておる。頭脳の流出ということも言われておるわけでありますが、そういう点やはり農林関係も反省しなければならないと私はかねがね思っておったわけであります。したがいまして、就任早々、筑波のいわゆる十三の試験研究を統合した試験場に一番先に行ってみました。確かに圃場も相当広大なものを持っておりますし、技術陣もそろっております。大豆の研究、本委員会でもたびたび問題になっております飼料米の研究等々、相当真剣に積極的に行われております。しかし今日までの点を考えますと、行政改革とか行政整理とかでねらい撃ちにされるのはどうしても弱いところであるというふうなところで、私もこの間災害視察に行ったときですら、林業試験場が定員を削減されたというようなことで非常に住民の反発を買っているという事態にも遭遇いたしましたが、そういうふうに試験研究機関というものをもっともっと大事にしていかなければならぬということを、私も就任以来農林省の中で強く主張をし続けておるわけであります。
 そうして、ここでこういうことを申し上げていいのかどうかわかりませんけれども、私は代議士になる前から農林省に出入りをしてみまして、同じく東京大学を出ましても、農学部を出た人がなかなか局長になれないというのをもう三十数年の間この目で見てきているわけです。そして戦前はどうだったのかなということを考えてみますと、やはり農林省出身の坂田英一先生とか岸良一さんとかああいう方々、技術者であって農林省の幹部の経験を持たれた方々にお話を聞いてみましても、なかなか指導的な地位、ポストにはなれない、こういうことを聞いておったわけでありますが、戦後そういうことで農学部を出た方が局長になったというのは、私の知る限り任田君ただ一人であるというような感じも持つわけであります。そういうところに私どもとしても反省する点があるのではないか。その辺の心構えから反省をし改革をして、そして何といっても技術開発、日本の自動車産業が二十年も遅くスタートをして世界一になった、農業だっていまこれだけの状態で非常に苦労しておるけれども、あらゆる努力をすることによって国際的な競争に負けないだけのものをつくり上げることができないというはずはないじゃないか、まず技術開発、品種改良、そういう点に取り組むべきであるというようなことを、就任早々憎まれ口をたたきながら、実は概算要求の際には技術関係と山関係、それから土地基盤整備、この三つを強く指示をいたしたわけでありますから、どうぞひとつそういう意味におきましても、今後適切なる御指導を賜りたいと思う次第でございます。
#169
○寺前委員 一般論の気持ちはわかりましたけれども、しかし、事大豆について言うならば、先ほど指摘しましたように、原種事業というのが、かつては五十あったものが、五十四年には二十五になるという指摘が農林水産技術会議の文書の中に出てくるわけですね。私もちょっと調べてみたら、五十三年度段階には、原原種事業というのはもう県ではどこもやってない。原種事業でやっと二十三県だ、採種事業では十二県だ、これが五十三年度段階の姿です。これでは大々的に自給率を高めていくという態勢にないことはきわめて明確です。だから、少なくとも原原種事業とか原種事業とか採種事業、こういうものは各県でやるということをやらさなかったならば、全面的に自給率を高めていくというこの大豆の仕事はできないことになるんじゃないだろうか。専門分野で担当しておられる局はどこか知りませんけれども、この問題について全面的な援助をやってやらなかったら、本当に中断に近い状態に現実は存在しているんだということを認識される必要がある。そうでない限り、大豆をいまやらせておりますなんて言っても、品種そのものが優良でないという事態が現実に、たとえば茨城県、わが農林水産省の試験場が集中しているあの県一つとってみても私はそういう感じがするわけです。そこは一体どういうふうにやっていくつもりか、具体的に御説明いただきたいと思うのです。
#170
○二瓶政府委員 原採種圃等の設置状況につきまして具体的なお尋ねでございますが、五十三年、ただいま先生おっしゃるとおりでございます。原原種圃をやっていました県は五十三年はございません。原種圃が二十三県、採種圃が十二県ということでございます。したがいまして、今後大豆の自給率を高める、あるいは転作という面においても大豆を大いに導入してもらいたいということでございますので、五十四年は二十県、五十五年は三十一県というふうに原原種圃の方も県で手がけてもらう。それから原種圃の方につきましては、五十三年二十三県を、五十四年二十九県、五十五年三十三県、採種圃の方は五十三年十二県を、五十四年十九県、五十五年二十二県、それから五十五年におきましては特に特別増殖圃ということで、優良な品種等につきまして早く普及の段階におろせるようにというための増殖圃を新規に考えておりまして、これは十四県ということでございます。
 なお、いまは県の設置件数を申し上げましたが、当然面積的にはこの原種圃なり採種圃の面積は相当拡大をしておるということで、確かにこの優良種子の供給確保というのは非常に大事なことでございますので、今後ともこれの整備強化には力を入れていきたい、かように考えております。(寺前委員「国はどうするんです、先ほど質問したけれども、五試験場だけれども昔は七試験場あった」と呼ぶ)試験研究の関係は技術会議の方からお答えを申し上げます。
#171
○川嶋政府委員 試験研究の重点の問題につきましては、長期的な展望に立ちながらなおそのときどきの状況に応じましてバランスをとってやっていくということがございますので、いろいろと試験研究の変遷には経過がございます。しかし実質的には、基本的なものは長期的な展望のもとに遂行されておりますので、それなりに継続をいたしております。そういうことからいいまして、三十六年当時に比べて一時、若干試験地等が減少いたしましたけれども、その後、昭和五十年度に策定をいたしました作物関係育種基本計画によりましてさらに強化をいたしまして、最近では三十六年当時よりは強化をされております。さらに、当時なかったもので畑作研究センター、あるいは大豆に関する一元的な試験研究の推進のための総合研究官、そういったようなものも設置をいたしまして、最近はかなり強化をいたしております。まだ日数が浅い関係もございまして、これからいろいろそういったような点での成果が出るものと期待をいたしております。
 県の方で採種あるいは個々の現地試験、こういったものは制度上ただいま説明がありましたような変化がございますけれども、最近の水田利用再編の試験研究におきましてそういった点は現実にカバーをいたしまして、この三、四年の試験の結果、今年度新しく三品種が登録をされました。これは、最近のそういった制度を乗り越えた全国的な協力的な研究の成果ではないかというふうに思っております。今後ともさらに強力な研究を進めてまいりたい、こう考えております。
#172
○寺前委員 ちょっと要領よくお答えをいただきたいと思うのです。
 農林省が八月でしたか出した「水田利用再編対策について」というプリントをいただきました。その中を見てみますと、「主要転作作物の米に対する収益性の格差は、最新のデータでなお検討する必要があるが、相対価格関係の是正や単収等の生産性の向上によって、都府県でみても、傾向としては、縮まりつつあると考えられる。」ということで、「主要農作物の収益性の推移」というところを見ると、大豆が五十二年度二万五千四百三十六円であったものが、五十三年度約一万円上がって三万五千百九十三円になったというふうに、非常に収益性が高まったという指摘がここにあるわけです。ところが、実際に都府県の十アール当たりの収量の状況を見てみますと、昭和三十五年から昭和三十九年の平均は百二十七キログラムだ。昭和五十年から五十四年の五年間の平均を見ると百二十九キログラムだ。ここ二十年間の反収というものは、大豆の場合に決して大幅に向上していると言えない状況にあるというふうに言えると思うのです。そこで、実際にそこからとれる状況というのを見てみると、このように決して上がっていないのに、全体としては格差は縮まってきているという指摘がここに出てくるわけです。
 主要転作作物の収益性の問題ですが、このような大豆の生産費調査というのは、いろいろ聞いてみると実際には畑大豆の生産費調査だけをやっているようで、都府県の場合に、転作大豆についてわずかのところしかサンプル調査をやっていないというのが実態のようです。全体として大豆がどういう状況になっているかということを本当に調べようと思うならば、畑の分野だけではなくして転作の分野についても生産費調査や収量調査というのをきちんとやっていかなかったならば、正しい態度を打ち出していくことはできないのではないか。ですから私は、その点できちんと生産費調査や収量調査をやることが今後必要ではないかということを一つ指摘をしたいと思うのです。
 第二番目に、またこういうふうに畑の作物を中心にしての調査だけで格差を云々するということは、したがってこれは冒険的な判断の仕方になる。転作奨励金を引き下げようという動きがあるけれども、冷害の被害も大変なときに、このような問題はその基礎になる数字自身においても問題があると思うから、決して奨励金は引き下げるべきではないというのが私の第二の聞きたい点です。お答えをいただきたいと思うのです。
#173
○関根説明員 質問の第一点は、大豆につきまして、畑作だけでなくして田作の大豆についても生産費調査を拡充すべきではないか、こういう御趣旨だと思います。私ども田作大豆につきましては、転作の推進に対応いたしまして、実は五十一年度から生産費調査をやっておるわけでございますが、お話のように事例的な調査でございまして、必ずしもそれで十分なものであるというふうに思っておるわけではございません。
 田作大豆の拡充につきましては、一つは、生産費調査といいますのはやはり平均的な生産費を出すものであるというふうに思うわけでございまして、田作大豆をつくっております農家の方々が次の年も引き続いてそういう大豆をつくる、こういうような継続性の問題も実はあるわけでございます。
 それから、もう一つの問題は私どもの内部の問題でございますけれども、全体の統計調査の業務量を割り振っておる、こういう関係もございまして、これを拡充します場合にはそういうものとの調整も図ることが必要であるというような問題もございます。しかしながら、先生がおっしゃるように田作大豆の面積はふえておりますので、私どもといたしましても、いろいろな問題はありますけれども、そういう問題についてはこれから十分検討をしていきたいというふうに思っておるところでございます。
#174
○寺前委員 前回の委員会で試験研究の問題について私は質問をしました。エネルギーの費用がずいぶん上がったために研究費に障害を与えるという事態が生まれている。また、エネルギーを使わなければならない研究施設が使われない事態が生まれている。これに対するお答えとして、今後とも各研究機関とも十分協力して、研究に支障のないように努力してまいりたいというお話でございました。ところが、現実的に依然として解決をしているというふうには私は思えないのです。
 参考のために五十年度以来の人当研究費の問題について例示をしてみたいと思うのです。この筑波一円におけるところの人当研究費を見ますと、純研究費に使われているのは五十年度で六一・九%、五十一年度で六〇・四%、五十二年度で五四・七%、五十三年度で五二・四%、五十四年度で六二.四%、いずれにしても純研究費に使われているのは五割ないし六割です。ところが五十五年度は、べらぼうにエネルギーが上がるという事態の中で、四月から五月段階で、このままいったら一六%しか純研究費に使えぬじゃないかということが出てきたから研究所の中で大騒ぎになりました。そこで何とかということでエネルギーの節約ということを行っていました。エネルギーの節約をやっても節約には限界があります、エネルギー自身が研究に関係しているから。ですからその後の七月、八月という経過を経るに及んで、実際には二割からせいぜい三割というところまで純研究費が使われるということになってきた。すなわち従来の半分しか人当研究費は使えないという事態が生まれている。
 一方、エネルギーを使うところの施設の側はどうか。この間私はずっと見て回ったら、たとえば畜産試験場では、二十三億五千九百万円というお金を使ってつくったところの牛の環境変化の研究のズートロンという施設が、試運転はやったけれどもそれで中止されたままになっている。二十三億からの金を注ぎ込んでおきながら、畜産の非常にいい研究をしようとしていながら、これがエネルギーを食うということでとまったままだ。人当研究費は半分に減るわ、つくったものが実際には使えない。問題はきわめて明確だ。エネルギーに対するところの特別の予算を組まなかったら、電気代が五割近く上がっているのだからこういう結果になるのはあたりまえのことだ。このあたりまえのことを処置しないで節約だけで事を済まそうとしたって、これは研究にはならない。研究に障害を与えないとおっしゃったけれども、研究に障害を与えないとおっしゃるんだったら、この施設がとまっている姿をどうするのか。従来は六割近く研究費に使われておったものが二割から三割しか使えない事態になっているこの人当研究費を、少なくとも五割以上使えるような状況に戻していくという処置をしなければいかぬじゃないか。
 こういう研究機関というのは節約には限界がある。食品総合研究所へ行ったら冷凍関係のものはとまっている。冷蔵庫がとまっている。家の冷蔵庫とは違いますよ、研究所の冷蔵庫というのは。この事態をこのまま放置するのか。あるいは家畜衛生試験場へ行ったら五台、鶏用のアイソレーターがあったけれども、これがストップしたままになっている。せっかく千八百万円の金を使ってつくった施設が研究に使われないで放置してある。
 私はこれらの現実的事実を見たときに、いま大臣は研究の重要性を指摘されたけれども、予備費を使うなり、緊急にここへ金を使うという処置を打つ必要があるのではないか。私は大臣には廊下でもお話をしたのです。来年もこのような事態のままで放置するのか、この問題に対するはっきりした御答弁をいただいて私は質問を終わりたいと思うのです。
#175
○亀岡国務大臣 私も就任して間もなくですが筑波に参りまして、その点、私なりに認識をいたしました。そうして技術会議のみならず事務当局に対しましても、石油が非常に安い時代に計画した施設であるから、これはそのままにしておいたのでは大変なことになるよ、したがって、その対策を十分練って試験研究に万遺憾なきを期さなければいけませんよということを命じまして、事務当局としても――これは農林省だけじゃございません、筑波の研究機関全部を通じて言えることでありますので、政府としても対策を講じなければならぬということで、財政当局と寄り寄り協議中でございます。
#176
○寺前委員 私は重ねて大臣に、責任を持って人当研究費が従来どおり使われるように処置してほしい、せっかくつくった施設が動くようにしてもらいたい。よろしいでしょうか、その点しかとお願いしたいと思います。
#177
○亀岡国務大臣 せっかく世界的なああいう施設をつくったわけでありますから、宝の持ちぐされになりませんように、これは国民に対する私どもの責任でありますから、その点はきちんといたします。
#178
○寺前委員 終わります。
#179
○田邉委員長 次回は、来る二十二日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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