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1949/03/29 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 予算委員会 第24号
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1949/03/29 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 予算委員会 第24号

#1
第007回国会 予算委員会 第24号
昭和二十五年三月二十九日(水曜日)
   午前十一時四十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員境野清雄君及び櫻内辰郎君辞
任につき、その補欠として小林勝馬君
及び平野善治郎を議長において指名し
た。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十五年度政府関係機関予算補
 正(機第一号)(内閣提出・衆議院
 送付)
○昭和二十五度一般会計予算(内閣提
 出・衆議院送付)
○昭和二十五年度特別会計予算(内閣
 提出・衆議院送付)
○昭和二十五年度政府関係機関予算
 (内閣提出・衆議院送付)
○理事の辞任及び補欠選任の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山田佐一君) 只今より開会いたします。本委員会は本日を以て一般質疑を一応終了し、明三十日は地方税に関する質疑を行い、三十一日より分科会に入りたいと思いまするが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山田佐一君) 御異議ないと認めます。さよう決しました。
#4
○委員長(山田佐一君) 次に昨日衆議院より二十五年度政府関係機関予算補正第一号が回付されました。本審査に入りたいと思います。質疑のおありの方は私の手許まで御通告をお願いいたします。それでは通告順によつて発言を許可いたします。
#5
○岩木哲夫君 極く二、三点掻い摘んで農林大臣に質問いたしたいと思います。成るべく重複を避けたいと思うわけですが、今回の超均衡予算というものにつきましての農林大臣は、将來人口がますます増加いたしつつある現状に鑑み、将來に考慮いたしまして、大体農業計画或いは食糧計画と申しますか、特に食糧需給計画についての問題に関連いたしまして輸入食糧というものを相当大きなウエートとする。国内生産増強というものをやや軽んじておるような点が現われておるのであります。
 超均衡予算の内容につきましての諸般の検討は相当各方面で盡されたと思うのでありますが、農林大臣はこうした人口増加、或いは自立経済への目標といたしましての国内の食糧自給態勢を確立せねばならないという見解をしばしば委員会で発表されておるのでありますが、大体農林大臣は日本の現在の状態で自給度と申しますか、生産目標を幾らに立てておられるのか、その自給度の目標、食糧生産増強の目標を一応承わりたい。
#6
○国務大臣(森幸太郎君) お答えいたします。
 御承知の現在は二合七勺という基準配給量が適正であるか、適正でないかということは問題でありますが、取敢えず今政府といたしましては二合七勺というものを消費者に配給する基準量と定めておるのであります。この二合七勺の基準量を定めておる以上は政府の責任としてこれだけの食糧は確保しなければならんというのが第一要件であります。
 然るに日本の国内需要の状況を見ますと、二合七勺というものは必ずしも完全なものではありません。できるだけその質を向上いたしまして、戰前の二千五百カロリーまで上したいという気持は持つておりますが、今はこれを許されないのでありますから、一応二合七勺の基準量を適当と認めました場合に、二合七勺の消費者に対する供給をどういうふうに求めるかというのがその次の問題であります。
 ところがこの二合七勺の配給を基準として参りますと、少くとも六千万石程度のものが必要となつて來るのであります。そこで農業者に対しましては米において約三千万石、麦類、雑穀等におきまして二千四百万石を割当てて供出を要請いたしておるのでありますが、それではどうしても足りませんから、ここに百五十万乃至二百万トンの外国食糧を輸入してこの二合七勺の責任を果すことになるのであります。
 ところがこの内地に生産を予定いたしておりまする六千万石というものが完全に供出できるかできないか、これが重要な問題であるのであります。二十四年度におきましては、三千万石ばかり割当いたしまして、それが二十五年度の生産計画におきましても大体同量の割当をいたしておるのでありますが、然るにこの割当が不当である、多過ぎるというような問題が起つて來るのであります。仮にこれを適正な割当といたしまして、これが適正に供出されるといたしましても、ときによりましてこれを補正減額しなければならないというようなことも日本の從來の歴史から見てあるのでありますので、ここで輸入食糧に対して幾らかの余裕を求めるということが政府としては当然考えざるを得ない問題になつて参るのであります。從つて日本の八千二百万の人口に対して、農民は自分で作つたものを食べるといたしましても、ここに六千万石前後のいわゆる配給食糧というものを確保するということが今日の場合といたしましては是非必要でありますので、それを確保するために政府といたしましては、農家が割当られた割当量を完全に供出して呉れるように予定いたしております。又輸入食糧も予定量輸入するように努力を図る。これが今日食糧の需給政策に対しまして考えておる中心点であります。
#7
○岩木哲夫君 二合七勺を目標としての需給観に立つて生産目標を立てておるということがありますが、然らば日本の農業経営、こうしたことは後でお尋ねしたいと思いますが、現在の国際農産物価はもとより農産加工品等すべて、或いは蚕糸につきましても、林業につきましても総まくりに現在の農業経営というもので果して農村の経済維持というものが、昨日和田委員も指摘されましたが、果して維持できるかどうか。将來の農業経営の目標は主食というような方面に重点を置くのか、或いは貿易という観点で、農民がこれにも相当大きな役割を以て進むという農業経営の方針を立てるのか。現在主食につきましてはパリテイー計算その他諸般の実情から現在の政府の供出価格、收買価格では再生産にも十分でないような状態で、農村におきましては必ずしも将來明るい目標があるとは見られない。而も零細農化しておる現在の状態で維持育成という問題は、資金面においても、畜産、機械化におきましても相当困難な問題があるのであります。ただ日本の農家をして二合七勺の自給にできるだけ努力するような育成指導方針による将來の日本の農業という問題と、又価格面におきましては消費者には相当の補給金を援助いたしますが、生産者には援助するどころでなく逆に価格面において、收買価格において再生産のできないような価格に虐待しておるというと語弊があるかも知れませんが、相当抑制を加えておるというような経緯で果して日本の農業が米の二合七勺というしがらみによつていつまでも縛られて行く、農地改革はされましたが殆んど昔の農奴のごとき状態にある。国際食糧の将來の憂慮すべき需給面の圧迫等から考え、而も現在政府がとられておる農業の振興、農業の復興、或いは食糧の收買価格等が相当犠性を受けておるという状態で果して日本の農業経営というものが主食のみの重点的な状態で行くということは誠に農民のために由々しき事態だとも考えるのでありますが、将來国際貿易の農産生産物の割合というものはどういうような方法を以て行くのか、この点におきまする一応農林大臣の考え方を承つて置きたい。
#8
○国務大臣(森幸太郎君) 先程お尋ね頂いたのと今のは観点を異にしてお答えいたさなければならんと思います。日本の農業の状態は御承知の通り、申すまでもなく穀物生産が最も適当な條件に置かれておるのであります。併しながら戰争以來、食糧は欠乏いたしまして食糧以外のものを生産し又生産することが農業経営の上において有利であるという場合でありましても、それを一時的ではありますが、犧牲として主食の生産を強要して参つたのであります。勿論戰争のために輸出が止まつておりましたが、蚕糸業というものも非常に重大な農家の副業でありますが、それを一時輸出の方におきましても停止いたしておりましたが、生産の方におきましてもそれを停止いたしまして、食糧増産に一途に進めて來たわけであります。併しながらこれは農業経営を犧牲にして日本の戰後の食糧確保のために農民に犧牲を強いて來たとも言い得られるのであります。併しながら日本の農業が総体的に食糧生産ということに條件附けられておるのでありますが、これは国内の食糧を充すに尚足らないのでありまするから、この條件に向けられておるところの農業に対しましては、飽くまでも食糧増産の面において活動をして貰わなければならんと存じます。併しながら今無理に食糧生産に方向を転換いたしておりましたというようなものは、農業経営の面に立返えりまして、養蚕の方面に復帰するものは、これは養蚕に復帰する、又輸出のできるものは園芸、果樹等に転換いたした方がその農業経営のためにいいというものならば、これはその方面に転換して行くと、この自由の立場に置くことが、私は当然と思うのであります。而して日本の人口と、狹隘の本土の関係から申しまして、食糧は足らんのであります。併しまだ内地において施すべき術が沢山ありますので、現在の各種農産物の生産量を殖やす、増加するということには、あらゆる角度からこれを努力いたしまして、生産を高めて行きまするが、農業経営の面から見ますると、食糧を生産するよりも、輸出的な農産物を作つた方がいい、こういう場合におきまして、又輸出でなしに国内消費のものにおきましても、農業経営の上においては、米を作るよりも、或いは麦を作るよりも適当だというものは、これはその地方の農業経営の実態の上においてこれを取入れて行くという方針に持つて行かなければならんと思うのであります。余りにも今日まで食糧々々というので、あらゆる農業経営の各面について犧牲を拂わしておつたということは事実でありますので、今後は農業経営を本位として考えます場合においては、そういう経営の実体に合うような組織に改めて参りまして、そうして主食生産に重点を置くべき方針に対しましては、できるだけ増産を図りまして、そうして尚足らざるものに対しましては、日本の工業力の振興によつて輸出をいたしまして、そうしてこの輸出の力によつて食糧を確保する、という途が今後とるべき方法でないかと、かように考えておるわけであります。
#9
○岩木哲夫君 お説は、話が辻褄が合うのか、合わないのか、ちよつと私も疑問を感ずるのですが、問題は二合七勺が、まあ三合か、とにかく自給度を高めて行くという、主食の自給範囲の指導できるものはしようと思うのだが、併しながら国際貿易上必要なる例えば養蚕であるとか、園芸、果樹とかいつたような、農村工業品等をやるのが有利な場合には、そういう方法も採りたいということで、まあ二兎を追うておるわけでありますが、これは或る場合において、二兎を追わざるを得ないことも考えられるのでありますが、問題は、農業経営というものは、食糧の自給点というものを重点的に指導育成して行くのか、或いは農村の経済採算主義と申しますか、採算主義に指導して行くのか、從つて主食の耕地割当の問題等につきましても、将來こういつたことはやるような考えか、やらないのか、つまり二合七勺という主食の重点主義の農村指導というのであるならば、耕地の割当ということの指導も、固いか、柔いか、とにかく指導もして行かなければならんわけでありますが、ただ農産物は一年乃至は一年半経たなければできないというような準備及び育成、刈取り、すべての調製期間を踏んでおるといつたような問題に対して、国際価格、国際物資需給といつたような問題と、なかなか並行駈足ができないのでありまして、ここに農村の経済指導の上におきましては、重大な将來問題に日本は直面しておると思うのでありますが、この点は或る地域は、例えば主食自給本位であるならば、それの十分再生産もでき、農村経営、農業生活ができまするような経済状態を政府が助成して行かなければならんが、貿易面に重点を置く方面におきましては、いわゆる国際物価というものと睨み合せてやらなければならんというような地域と、或いはそういう作物、或いは園芸等の指導というものは大体もう政府といたしましては立てなければならん。これは後でも質問いたしたいのでありますが、国際食糧の一環に曝される日本の現在の農村経営、食糧事情というものから考えますれば、誠にこの農村恐慌と申しますか、農業恐慌というものは、不幸にして段々迫つて來て、現在のいろいろ関税の方面において都合による制約を受ける、外国の都合主義に制約を受けるような場合を考えますれば、由々しき事態であろうと思うのであります。一度その農村の経済が破局を來しますれば、到底一月や二月の商業、工業部面と違つて深刻であるし、又それが非常に根深い大きな問題となつて日本の食糧事情はもとより日本の経済事情の根幹を搖がすようなことになると思うのであります。こうした方面にどういう政策なり、目標を立てておるのか。日本の自立経済の構想に農業部面、或いは農村部面がどういうようなウエートに置かれておるのかという問題と結び付けまして、誠に大きな問題と思うのでありますが、この点は昨日和田委員からもこうしたような点を指摘をされましたが、農林大臣は明確な御構想を吐露されなかつたのでありますが、なかなか重大問題でありまするので、重ねてこの点を承つて置きたい。
#10
○国務大臣(森幸太郎君) いろいろ御意見を拜聽したわけでありますが、今後日本が自由な立場になりまして、自由な貿易をなし得るような段階が何年後に來るか存じませんが、その場合におきまして、農村に影響を受けるのは海外の農産物の価格問題であります。現在におきましては、御承知の通り南方諸国の米にしましても非常に割高であります。又アメリカ方面から小麦を輸入しましても、小麦協定が成立いたしまして最後の年に参りました場合において、現在の小麦価格と大体同一ぐらいの程度になるような計数が立つわけであります。併し南方の諸国の米と申しましても、生産国においては相当安いのであります。その中間のいろいろの手数のために、非常に高くついて來るわけでありますが、今後自主的な貿易をなし得る場合におきましては、更にもつと安い食糧が入る可能性があるのであります。そういうことが先ず第一に日本の農業に非常な影響を及ぼして参るのであります。そういう時期に参りますと、今日のような食糧を統制する、或いは配給するとかいうような価格問題も、自由な立場になつて來ざるを得ないと思うのであります。そういう段階に入りましては、政府といたしましては、お説のような立場でなしに、農村保護を一層強化する意味におきまして、農産物の価格政策ということを当然考えなければならんと存じます。関税問題につきましても永遠に食糧に対する関税を廃止したらどうかという示唆を受けたわけでありますが、政府といたしましては断じてさようなことはでき得ない。今日自由的な関税を許されない場合におきましても、関税制度を設けておるわけでありまするから、今後におきましてはこの制度を持つておることによつて、力強い関税政策を採ることを主張いたしまして、そうしてこの関税政策によつて、内地の産業を保護して行くということは当然なことでありますので、そういう場合におきましては、国の内外を通じての食糧を、政府がこれを管理いたしまして、そうして農村の再生産をなし得るような価格を維持するということに努めなければこの農村というものの維持ができません。又農村を維持するということが、日本の国を維持することになるのでありますので、その点におきましては十分なる政策を以て進む考えであります。
#11
○岩木哲夫君 もう一点だけこの点について伺つて置きたいのは、農産物資の価格政策を当然考えなければならんということは、関税の問題と不可分な関連がありまして、誠に重大な問題でありますが、農産物の価格を統制せねばならんという政策と、現在自由党が採られておる一定のものは統制するが、一定のものは自由にする、或る時期においては、全部自由にしようという政策というものにつきましては、どうも終始一貫……九原則に基いて関係方面から農産物価の価格を統制強化して、供出も強化せねばならんというものと最近の自由党の政策というものとは、まあ自由党の公約もあるかも知れませんが、相当最近矛盾を生ぜるような態度をとられておるのであります。然らば、政府が食糧を管理する、或いは農産物価を統制強化する、管理するといつたようなときに対しまして、果して日本の財政が過去におきまするような米穀法でありますか、米穀搗精法時代のような工合に、あのときの国の予算が米穀搗精法に使われた割合というものは厖大なものであります。で、現在の状態以上に……現在まあ今回の予算においては、もう各委員から指摘いたしております通りに、農業関係に対します農業復興予算というものは極めて微弱でありまして、誠にこれが日本の自立経済の農業復興の構造かと思いますれば、情けないと我々は思つておるのでありますが、これは、如何に指摘いたしましても、どうもピントが合わないのでありまして、かような状態を現在取られておつて、将來はいよいよ価格政策を強化して、政府が食糧なり価格を管理せねばならんという動向というものは、その資金面におきまして、国費を使う上においては非常に厖大なることが考えられなければならんのであります。ところが一面、国際物価、農産物価の低落、過剰状態から、果して日本のそういう価格統制、管理政策というものが、国際的な需給価格面に耐え得られるような方策が実際良心的に立てられるのかどうかという点を一点お聞きいたしたいのであります。
#12
○国務大臣(森幸太郎君) 日本の食糧の増産につきましては、予算面において甚だ貧弱であるという御批判でありますが、農業経営というものは、工業、商業と違いまして資本を投じてその資本の投じた割合において生産が上るという性質のものではないのでありまして、長い伝統的な農業、実に今日想像いたしましても、この日本中の耕土を手の掌でなぜて歩く、除草する、なぜて歩く、一株々々手で植えて歩くという誠に非科学的な原始産業であります。こういう産業に対しまして投資して、その投資に対して、投資に比例して收穫が上るという性質のものではないのであります。今日の日本の農業の実体を正視いたしまして、この農業がどこに欠点があるか、どこが阻害されておるか、どこが惠まれないかという、この欠点を捉えてその弊害を除去し、これを改めて行くということがこの農業を助長する上において取るべき手段と考えておるのであります。これは生産力増強のための考え方でありますが、海外に対しましての食糧政策につきましては、先程申しました、海外の食糧が日本に輸入される、ダンピングをされるというような場合において、関税政策によつてこれに対抗して行く、できるだけ海外からの食糧を少くして行くということに努力するのは当然でありますが、限られたる国土で、年々増加するこの人口を抱えて行くのでありますから生産力には限度がありますし、人口の増加には限度がないのであります。從つてどうしてもここに或る程度の限界に達した場合におきましても、相変らず国外の食糧に依存しなければならない部分もあるのでありますから、その部分を今日はガリオア資金のために安易に輸入されておりますが、将來においてはそういう問題が打消されて來るのであります。そこで日本の工業力の発展によりまして、そうして輸出力を盛んにして、そうして日本の食糧問題を解決いたして行くということが将來取るべき途と思うのであります。これはベルギーの例を取りましても、人口が多く国土が狹くても二合八勺とか三合とかいうような吝なことを言わずして国民が生活しておるということは、国民の大きな労力が輸出工業力に向けられておるということから、食糧問題が問題なく解決して行くということが見られるのであります。日本におきましても将來そういう考え方で行かなければならんと思いますが、併しながら日本に余力があることであつては申訳ないのでありまして、日本の生産力はあらゆる角度からこれを十二分に活用して、残されたものの資力、生産力を発揮して、国内自給度を高めて行くということをいたすべきであるとかように考えておるわけであります。
#13
○岩木哲夫君 農林大臣は二本の手や足で、簡單に言えば原始的な農業体制をできるだけ改善して行かなければならん、或いは助成をしなければならんということで、農業には厖大な資本の必要もなければ投資の考えも必要がないというような御意見でありますが、どうしても日本の農業経営なり食糧の自給度を高めて行く上においては、蓄力、機械力、或いはその他技術のいろいろな発展、導入改善と共に、一面それだけ余つた労力によつて農村工業を発展し、或いは畜産加工等の製品をできるだけ多くして、国際物資といたしましての農村生産品を増強して、少しでも現在の主食面においての……、政府の、将來価格を統制しよう、管理しよう……農家から買入れる価格というものは現在ですら相当抑圧されて、再生産が困難な形で抑圧されているのでありますが、将來国際物資に押される日本の食糧物資の価格管理の方法は非常に下積の状態に置かれる、こういつたようなことで、こうした状態を考えますれば、現在の原始的方法ではますます悲惨な状態になるから、できるだけ蓄力、機械力或いはその他の技術を改善、導入、増大して、そうして一面余つた労力を農村工業、畜産加工品等によつていろいろの製品を輸出物資として生産増強せしめて、農村経済というものを維持して行かなければ、現在のただ漠然とした成行き的の状態によつて、そう資本も要らないのだというような考え方のみによつて終始されるということは、私は重大な問題だと考えておるのであります。こういう点につきましては、政府として從來の農業指導、或いは農政方面の考え方を是非根本的に……こうした国際貿易の、或いは国際価格の、国際物資の嵐の中に置かれる日本の貧弱な農業経営の前途というものに対する見極めと、殊に動向というものを確立しなければ、どうしても段々農村は貧弱化して行く、段段農村は困難化して行くという虞れを深く抱くものでありますから、こういう方面に対して是非……、折角自由党の大きな農業政策を担任されておる農林大臣といたしましては、少し角度を変えて御方針を立てられることが必要ではないかと私は思うわけであります。これは意見になりますから、御返答を承わる必要もないのですが、私は次にお尋ねいたしたいのは、現在の日本の食糧の需給計画と申しますか、需給におきまして、來るべき米穀年度におきましては、食糧年度におきましては、政府は大凡そ千九百万石の手持があるということを発表、予想されておりますが、最近のストックの状態から見ますれば、或いはもつとあるのではないか、もつと余る傾向になるのではないか。これは三百四十五万トンが、或いは三百七十五万トンに増加し、或いは最近の諸般の状態等から見まして、非常に外国から入つて來るものも増大するし、国内における配給面におきまするいろいろな整備等から考えまして、千九百万石以上の手持が食糧年度には生ずるのではないかと、かように思いますが、その辺は如何でありますか。
#14
○国務大臣(森幸太郎君) 先程も申上げました通り、日本の食糧の需給推算は国内生産面におきましても、又輸入計画の数量におきましても、必ずしもこれが計画通り入り得ないというような不安定な考えもありますので、食糧配給の責任を持ちます政府といたしましては、できるだけの安全性の数字によつて終始いたしておるのであります。二十五年の今年の四月一日の持越高を現在見込んでおりますのは、二千百七十二万七千石でありますが、それに二十五年産の国内のものを買入れ、又輸入食糧の三百十五万トンが入る。こういう計画をいたしまして、主要食糧の需要高を考えて参りますと、二十六年四月の一日の持越高におきましては、二千三百六十七万九千石となるのであります。トン数に直しまして三百五十五万二千トン、こういう数字が出て來るのであります。
#15
○岩木哲夫君 現在政府はまあ我々から見れば、必要以上のストックを持つておると思うのであります。戰前におきましても五、六百万石の、端境期持ちで十分国内操作ができておつたのであります。もとよりその当時は六千万人くらいの人口で、今日は八千二、三百万人くらいの状態等から見まして、或いはそれ以上に需給操作の方面に手持の必要があるかも知れませんけれども、とにかく我々の推定では、恐らく約二千四、五百万石の手持になるのではないかと思うようなことは、恐らく我が国始まつて以來の厖大な食糧手持であります。これがために現在もう農林大臣も御案内の通り、津々浦々の倉庫まで一杯食糧が詰つて、相当の金利もかかれば、保管料もかかるし、非常なロスも生じておつて国家的に金額に現わしますれば、数百億に近い無駄が現在繰返されておるような実情であります。この上政府は更に三百七十五万トンのものを四百万トン近く、三百九十五万トンもの輸入、計画ではないが、押し付けられるでもないが、必然止むを得ざる輸入を見込まなければならないというような状態から考えますれば、誠に現在二合七勺で配給をいたしておる消費者面から見れば、もつと操作の仕方があるのではないか。政府は四百五十六億の食糧輸入の価格調整金を出しておりまするが、この上かような厖大な価格調整金を出す程、この上食糧を輸入せねばならんという必要はどういう点にあるのでありますか、承わりたいと思います。
#16
○国務大臣(森幸太郎君) これは先程も申しました通り、いろいろ国産、輸入等の食糧についての不安定があるのでありまして、いつかもここでお答えいたしましたが、三百四十万トンと申しましても、そのうちに百六十万トンというものはガリオアとして入つて來るのであります。その他の数量は日本の貿易力によつて輸入される、こういう見方に立つておるのであります。これは各南方諸国との輸出入関係によりまして、先方からこういう食糧を取り、こちらから先方の要求するものをやるというバーター制によつてこういう計画が立つておつたのであります。併しこれは一応年度初めにおいてこういう計画を立てておつたのでありますが、日本の食糧事情が今申しました国内生産の不安定であるという点から考えましても、この程度の食糧を確保するということが必要と考えましてこの計画を立てたようなわけであります。
#17
○岩木哲夫君 国内食糧需給が不安定だということはどういうところを根拠に持つておるのか私は分らぬのでありますが、これは途方もない御見解であるわけでありますが、ガリオアでこれこれ入ると申しますが、ガリオアなるものは本委員会におきまして先般來大蔵大臣に質問いたしますれば、これは救済と申しますか、我々国民は有難くアメリカから頂戴したものだ、かように思われるのでありますが、決してそうではない。債務の状態に置かれる。もとより講和会議の結果によつてどうなるか分りませんが、やはり日本……国、国民としての債務の状態に置かれるというわけであります。又コンマーシヤル・フアンドで入るものにつきましても、その見返りの輸出物資というものはやはり日本のあらゆる犠牲におきまして出しておるのでありますから、商業資金で入る分につきましても非常な、ここには問題があるのでありまして、こうした貴重な商業資金で入ることならば、食糧以外に鉄鉱であるとか、或いは肥料であるとか、塩であるとか、或いはその他の棉花、羊毛であるとかいうような、必要な物資の輸入がもつと高度に考えられなきやならんのでありまして、今大臣は国内における需給がやはり心配だからと言つておられますが、私が先程申しました通り戰前ですら五、六百万石の端境期手持があつたらもう十分な操作ができる。米穀統制法のときに未曾有の政府が買上げをしたときに一千八十何万石でありました。このために政府は非常な赤字、これがために国民に厖大な税金を課し、而もこの米が買入れ当時から非常な安値で国内にその後投売りされたというような事態等を考えましても、今日今政府発表によりましても二千三百六十何万石ということを予想される。我々においてはこれがもつと、三百万石も五百万石も余計になるのではないかという考えすらある。こうした状態に何故こうした、好んで、ガリオアと申しましても日本の債務に置かれる状態であると、貴重な貿易物資を余る食糧を以て輸入せにやならんか、その上に尚輸入せにやならんかという点につきましては、どうしても国民として合点が行かんのでありますが、この点は重ねて承わりたい。
#18
○国務大臣(森幸太郎君) これは食糧を輸出いたしたいという南方諸国の産業状態が、御承知のように日本より綿製品、機械、肥料、化学薬品等が欲しいという国ばかりでありまして、例えば韓国のごときも非常に戰後復興を急いでおりまして、日本から枕木であるとか、電柱であるとか、機械類というようなものを所望しておるのであります。然らば朝鮮に対して何を日本が買つて呉れるかというと、のりと米しかない。こういうような状況であります。ビルマにいたしましても、インドネシア方面、シヤム方面におきましても、やはり日本のそういう生産資材が欲しい。そうして向うにある物は、たまたまゴム類であるとかという程度でありまして、石油類は別途に管理しているので、米よりない。こういう国との貿易をするという立場において、この米ということがコンマーシヤルにおける計画が立てられておるわけであります。併しながら日本といたしましては、要らん米を沢山貰う必要はないのでありますが、日本は先程申上げましたように、日本の食糧は不安定と申しましたが、実に政府としては三百万石程度の供出を要求いたしましても尚これがスムースに供出ができない。いろいろな問題が起りまして、殊に農民の団体等の考え、輿論といたしましては、それだけ日本の政府の考えているような供出をすれば、百姓は食う物がないというような極端な意思表示までされておるような状態でありまして、政府の考えておる国内の生産確保ということが供出の量において非常に不安定である。昨年も知事会議において、千三百万石減收だというような報告を受けまして、非常に供出面において不安に置かれた状態であるのであります。こういう状態から見ましても、遂に補正或いは免責制度等を採りまして、二百四十万石の補正をして貰う、七十万石に近い免責補正をしなければならんというような状態であります。一面においては二合七勺ができてもできなくても、政府といたしましては、その数字において六千万石なら六千万石という数字を一応確保する必要がありますので、できるだけの安全性を以て輸入計画も立てておるわけであります。
#19
○岩木哲夫君 どうも大臣の説明はピンと來ないので、まあそんなことは殆んど常識上あり得ないことでありますが、知事が減收申請をして、割当減額を要望する声などもあるから、なかなか油断ならないということをおつしやいましたが、それは一つの理屈であろうと思いますが、実際問題としてかような無用なものを、食糧を無用とは申しませんが、必要以上に余りにも厖大な国帑を費しておる。
   〔委員長退席、理事堀越儀郎君委員長席に着く〕
これもアメリカの援助資金で或いは全部を入れるという場合におきましては、或る意味におきまして感覚の角度は違いますけれども、商業資金を持つて入れなければならんというようなことにおきましてはなかなかこれはもう重大な問題でありまして、恐らく私はこうした無駄によつて、総合的に一千億内外の国民の負担が増大しておるのじやないか。それだけ日本から物資を輸出せにやならんというような状態であれば、現在まだ大都会におきましては闇買をして行かなければ足らないという実情から、非常に消費者におきましては、米が二合七勺で足らないから闇買いをせにやならん、政府の配給価格の倍以上の価格で闇買いをしなければならんというような実情に対して、かような厖大な手持があるならば、何らかの別途の方法で、保管料や鼠に食われることのないように放出する計画がなければならんのであります。もとより二合七勺基準を上げられないという基本的なことがあるようでありますが、仮に二合七勺の増配基準ができましても、或いは希望配給、希望によつては三合以内の、三勺くらいのものは配給ができるとか、或いは消費者が買えるとかいう状態、又は業務用と外食、業務用等に対しても、かように厖大な食糧を手持して、倉に寢さして置くというような無駄のないような工合の別個の方法が当然考えられなければならないと思いますが、こういうことについて農林大臣はどのような努力をされておりますか、飼いたい。
#20
○国務大臣(森幸太郎君) この需給推算によりまして、無理をすれば増配もできないこともないのであります。併しながら本年の六月の頃に至りまして、いよいよこの米国の日本に対する援助資金の年度が切替えられます場合において、明年度に、一九五一年会計年度における日本に対する援助の見通しもつきました上におきましては、相当の考慮が拂われていいのであろうと考えているのであります。今日におきましては、今御了承がありましたように、二合七勺より余計やつちやいけないということがはつきりされておりますので、学校の兒童の給食の上に、或いは労務者に対する加配等におきましては、特別の事情のあるものにつきましては、相当この一月から増配をいたしておるのであります。学校給食におきましても、パンを支給するような方途も考えておりますので、できるだけこの生活の面におきまして、闇で買うということのないようにいたしているわけであります。
#21
○岩木哲夫君 学校給食、労務者における特別給食は微細な問題でありまして、特に学校給食においては、別途のアメリカの示唆によつてやられるものであろうと思うのでありまして、とにかくかような厖大なものがあるに拘わらず、基準は改変しなくても、折角自由党が供出完了後のものは自由販売だというような観点も結び付けて、当然基準は二合七勺であつても、三合の範囲内で、つまり三勺ぐらいの程度なら、希望者によつては販売するというようなことが仮にありましても、現在の二千四五百万石の手持予想、供給過剩の状態に対して、ほんの微々たる問題であると思うのであります。いずれにいたしましても、こうした特別の措置が、当然考慮しなければ、ガリオアにいたしましても、或いはコンマーシヤル・フアンドにいたしましても、こういう無駄な食糧を敢て入れる必要はないので、こうして入れるならば、当然消費者に対するそういう特別の措置が講ぜられることが是非必要なことが一点と、若しそうでないならば、輸入食糧をもつと減らさなければ、今申上げます通り、非常にこの上の我々国民の負担というものは増大する一方でありまして、いわゆる金融の上においても、資金面においても、あらゆる面においても、非常に無駄が多いと思うのでありますが、こうした点につきまして、もつと積極的な考え方を持たれる必要がありましないかと思いますが、この点を承わりたい。
#22
○国務大臣(森幸太郎君) 基準量の増加につきましては、今お答えいたした通りであります。ただ政府として考えておりますことは、この四月からは、精白度を一層加えますこと、それから政府においても、その歩率を一層高めまして、そうして質のいいものを配給いたしたいという措置をとつているわけであります。尚輸入食糧につきましては、日本の食糧事情の状況に鑑みまして、できるだけこれの輸入に対しては考慮を拂いたいと、かように考えている次第であります。
#23
○岩木哲夫君 それではもう一点お尋ねいたしたいのは、政府は今回の一般予算に計上されておりまする食糧輸入計画につきましての見積価格でありますが、予算編成の積算基礎でありまする輸入食糧の買入価格と申しますか、見積価格は幾らであつて、最近の国際市場、日本の買入価格は幾らでありますか。米及び小麦の場合において承わりたい。
#24
○国務大臣(森幸太郎君) 輸入食糧は、その産地々々において価格が変つて來るのであります。從つて今ここに数字を持つておりませんので、後刻事務当局に調査いたさしまして、各生産地別の価格なり、輸入する価格がどうなるかということをお答えいたします。
#25
○岩木哲夫君 それでは、他の委員会で政府委員が公示された点を二、三、例を挙げましてお尋ねいたしますが、政府は米の場合にはCIFで百六十九ドル、それが現在百四十二ドル乃至百二十九ドルぐらいな状態である。小麦は政府の予算は百六十二ドル見当を予想しているが、現在はやはり九十一ドル、国際小麦協定に入れば八十一ドル半に、或いはそれより六十七ドルぐらいになるであろうというような最近の状態と、予算編成当時の見積りの相違を指摘されておるのでありますが、大体かように解釈して間違いありませんか。
#26
○国務大臣(森幸太郎君) どこかの委員会で事務当局がさように申上げたと思いますが、今詳しい数字は私、持つて……細かい数字持つておりません。いずれ正確な数字を提示いたします。
#27
○岩木哲夫君 これは正確な数字が今大臣から公表されませんから、私の論拠が非常に薄弱になるかも知れませんが、今私が申上げたことは大体事実と我々は承知しておる。最近シヤムで、ビルマでありますか、シヤムで、買入価格が百二十九ドルであるし、朝鮮は先般の十万トンが百四十二ドルであつたことはもう新聞にも発表されておるところであります。小麦におきましても、今申上げました通り、最近の輸入価格は九十一ドルであることも間違いないのであります。そのような状態から見ますれば、四百五十六億の輸入調整金、補給金におきましては、相当の余剩金が出て來ると我々は思うておるのでありますが、農林大臣はかように解釈をされておりますかどうか、承わりたい。
#28
○国務大臣(森幸太郎君) 事務的のことでありますが、細かいことを今申上げるべき数字を持つておりませんので、結論におきましては、お話のようになるかと思いますが、私、数字を今持つておりませんので、何ともお答えができないのであります。
#29
○岩木哲夫君 これは丁度大蔵大臣がおられないから、お聞きしたいと思いますが、機会を得てお尋ねしたいのは、これはもう農林省内におきましても、四百五十六億の価格調整金に余剩が出るということは、閣内におきましても肯定しておる事実であります。で、こういつた場合に、四百五十六億の価格調整金の予算を当然修正せにやならんと思うわけでありますが、こういうことでありますれば、農林大臣はこの調整金を修正する意図がありますかどうか、農林大臣として、承わりたい。
#30
○国務大臣(森幸太郎君) 特別会計は大蔵省の所管になつておるのであります。殊に輸入物資に対しましては、安本もこれに介在いたしておりまして、大蔵省所管によつて処理して行くことになりまして、農林省といたしましては、そういう問題には事実上タツチしないことになつておるのであります。
   〔理事堀越儀郎君退席、委員長着席〕
#31
○岩木哲夫君 それではその問題は後の問題にいたしますが、農林大臣はこれから現在の配給実情等から見て、とうもろこしであるとか、らい麦であとか、或いは高梁であるとか、大麦であるとかといつたようなものは代替配給の中に入れる考えでありますか、入れないお考えでありますか、これをお伺いしたい。
#32
○国務大臣(森幸太郎君) 從來国内生産のものに対しましては、供出は認めておりますが、代替配給には用いておりません。輸入食糧につきましては、とうもろこしが相当輸入されるような予定になつておるのでありますが、これらに向つては、できるだけ輸入を減らすという処置をとりつつあるのであります。らい麦或いはえん麦というようなものにつきましては、左程の輸入量でもないのでありまして、これは他の方面に使用するという途もあるわけでありますが、とうもろこし等もできるだけこれは他の原料に廻すというような処置をとつておるわけであります。
#33
○岩木哲夫君 そうしますと農林大臣のお考えでは、こうしたものは一般配給食糧の中に入れずに、例えば飼料であるとか、他の方面に廻すという御趣旨でありますが、そういうことになりますれば、現在政府がこうしたものを輸入計画を取られておる、約金額にいたしますれば価格補給金四十八億というものは当然予算で浮いて來る勘定になると思うのです。かように解釈いたしましてよろしうございますか、お尋ねいたします。
#34
○国務大臣(森幸太郎君) 食糧といたしまして総括的に輸入されて参るのであります。で、三百七十万トンと言いましても、食糧といたしましては三百四十万トンと考えておるわけでありますので、これらに対して補給金を出します場合においてはその用途がいずれになりましても同じ立場において補給金を出さざるを得ない。こういうことと承知願いたいと存じます。
#35
○委員長(山田佐一君) お諮りいたしますが、午後の都合もありますが、大体……。
#36
○岩木哲夫君 もうちよつとです。後残りますから、まだ残つちやいけませんから、成るべく、もう僅かですから……それは大臣大変なお感違いじやないか知らんと思います。食糧の場合に、配給食糧の場合に価格補給金を出すというのであつて、飼料の場合には別個の問題であろうと思いますから、これはその輸入価格補給金の問題につきましては、今大臣のお考えの通り、これは配給食糧の中に入れないということであるならば、当然輸入価格の補給金の問題につきましても変化が生じて來る、かように思うておるわけでありますが、如何ですか。若し何でしたら河野主計局長でも一応この辺は承つて置きたい。
#37
○国務大臣(森幸太郎君) 先程申しましたように、食糧として輸入されるのでありまするから、これの補給金の取扱は今申したようなことと存じます。あなたの御意見に対しましては、尚事務当局にもその考え方について協議をいたして、後刻御返事をいたします。
#38
○岩木哲夫君 もう一点お尋ねしますが、大体輸入食糧というものは農林大臣は米を重点的に考えておるのか、小麦を重点的に考えておるのか、それはもう向う様の成行きによつてやるのかどうか。凡そ農林大臣といたしましては、その計画というものがなくてはならんと思うのであります。で、これが消費者に及ぼす問題と、又生産者に及ぼす問題とは非常に将來日本の農業指導、主食食糧問題を取扱う上におきましても、生産者のみならず消費者におきましても、重大な問題であると思うのでありますが、この点を一応お考えを承わりたいことが一点と、それからまあこれは大臣にしては厭なことかも知れませんが、最近の例えばビルマの買入価格でも百三十ドルであります。こうしたものを石換算にいたしますれば、六千円乃至七千円になると思うのでありますが、日本の農家からは四千三百円で收買していながらビルマや朝鮮米におきましては約八千五百円になると思います。FOBの四十二ドルでありますから、CIFにいたしますれば八千円か八千五百円になります。日本の農家から四千三百円くらいで收買して置いて、朝鮮の農家やビルマの農家にそういう高い価格で御奉仕しなければならん。而もこれは日本の血税から賄われるという問題につきましては相当これから問題が激しく起る。これは全般的な議論であります。こうしたような問題につきまして、農林大臣は実際農民に対してどういう考え方で相見えるおつもりですか。
#39
○国務大臣(森幸太郎君) できる限りこの輸入食糧の安からんことを祈つておるわけでありますが、現在は非常に割高になつております。その割高になつておるのはこの中間の経費が非常に高い。今日本の船が使えないとか、或いは向うの輸出の価格がはつきりしないというような点で、例えばビルマにいたしましても、ビルマにおける価格は非常に安い。ところが日本に持つて來る間に非常に中間の経費がかかつて高くなる。こういうような関係でありますので、今後はそういう経費をできるだけ安くするように、日本の船を用い、又先方に政府の係官等を駐在させまして、そうして買付等も行わせまして、そういう中間経費のできるだけ安いものを持つて來させたいと、かように考えておるわけであります。この二十五年度における輸入計画につきましても、これは日本だけで決定するわけではないのでありまして、御承知の通りの順序を踏んで來ておるのでありますが、いろいろなものを輸入するという計画はないのでありまして、やはり小麦、大麦、米というようなものを主要として考えておるのであります。大体二十五年の四月から二十六年の三月までの計画は三百十六万三千トンということになつておるのでありますが、そのうちガリオアとして百五十万トンが小麦で見られておるわけであります。その他小麦ではオーストラリア、アルゼンチン、カナダ等から輸入いたしまして、大麦はスターリング地域、エジプト等、それから米はビルマ、シヤム、朝鮮、エジプト等。こういうふうにこの地域から輸入する計画を立てておるのでありますが、米、麦、大麦、大体この三種をやりたいと考えておるのであります。
#40
○岩木哲夫君 農林大臣、私がお尋ねいたしておるのは本年の計画を承つておるのじやないのでありまして、先般も或るところで非常にこの問題が激論が討かわされたのであります。これは安本の人も、農林省の人もおられた席上でありますが、計画はそれはもう向う様の計画かも知れませんが、苟くも日本が商業資金で将來買わなければならんという場合については、米地域、いわゆる米を輸入する方法によるのか、できるだけ小麦によるのかどつちか。或いはその割合というものは、目標はいろいろこちらの貿易の関係にもよることでありますが、凡そこれは立てなければならんのであるということは、日本の小麦の生産目標、米の生産目標、或いは価格の方面、これは生産者の方面でありますが、消費者におきましても、相当この問題は政府の成行き主義では困る。又政府自体におきましても当然小麦の価格というものと米の価格というものは非常な開きがあるということは、これは御承知の通りであります。そうしたような工合から見ましても、国の予算を立てる関係から見ましても、或いは貿易計画を立てる上におきましても、これは非常に重要な問題でありまして、大体目標はどういう目標を考えられておるのかということを私はお聽きしたのであります。
 それから最近向うの船で、外国食糧を積入れるのは向うの船だというお話でありますが、これは大臣お考え違いではないかと思うのでありますが、極く最近では殆んど日本船であることは御承知の通り、而も日本船が最近非常にチヤーターが安くなつて來ておるのであります。そうしたことから当初FOBで計画された輸入価格の問題、輸入計画の問題におきましても、外国船の場合は、例えばビルマと日本が五ドルであつたのが、日本船では二ドルで十分幾らでも船があるというような事態で、政府の食糧輸入計画の上におきましても、又価格差補給金の上におきましても、相当の異変が私は起つておると思うのであります。でありますから、この点などはもつと御研究を願つて置きたいと思います。先程申上げました米か、小麦地域であるかという目標は、日本の貿易計画の上におきましても、生産計画の上におきましても、消費計画の上におきましても、政府の予算を立てる上におきましても重大な問題であります。だからこの点の、成行き主義であるのか、どうであるのかを承つて置きたいと思います。
#41
○国務大臣(森幸太郎君) これは貿易の予算が御承知の通りできておりまして、大体輸入、輸出の調節の関係がありまして、これは閣僚審議会におきまして時期的な輸入、輸出の計画を立てて行くのであります。今申しましたように、食糧輸入の計画でありまするが、輸入計画につきましても予算の範囲内におきましてその時期等を勘案いたしまして、そうして閣僚審議会において決定するということになつておるわけであります。ただ徒らに向うから來るからというので、無方針、無定見で輸入するということではないのでありますから、御了承願いたいと思います。
#42
○岩木哲夫君 まだお聽きしたいこともありますけれども、一応打切つて置きます。
#43
○委員長(山田佐一君) それでは一時半まで休憩いたします。
   午後霊時五十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十五分開会
#44
○委員長(山田佐一君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。この際大蔵長臣より発言を求められております。大蔵大臣。
#45
○国務大臣(池田勇人君) 本日午前予算委員会の審議の状況を報告かたがた暫定予算を編成しなければ三月三十一日までに議了し得ないという見込を申出まして、暫定予算を持つて参りましたところ、暫時予算を提案することは相成らん、こういうことに相成りましたのでございます。まだ質問者も相当おありのようでございまするが、政府といたしましては、できるだけ審議を急いで頂きまして、今年度中に議了することを切望しお願いする次第でございます。
#46
○木村禧八郎君 お伺いいたしまするが、財政法第三十條は何のためにあるか一応お伺いして置きたい。
#47
○国務大臣(池田勇人君) 暫定予算の措置をとり得ることになつておりまするから、私としては暫時予算を持つて参つたのでございます。向うといたしましては暫定予算の提出はいかない。こういう意見であるのであります。
#48
○木村禧八郎君 政府が暫定予算を申出で、それが組むことができないということは財政法第三十條の規定に私は反するのじやないかと思うのです。それで今後若しかそういうことになれば、財政法第三十條は要らないことになると思うのです。それで今のお話は今後もずつと暫定予算というものは組むことができない、そういうことになるのか、或いは今回に限つてそういうことなのか、その点お伺いしたいと思います。
#49
○国務大臣(池田勇人君) 財政法第三十條の暫定予算の編成は今後考えられるのであります。ただ私が申上げましたのは、本日暫定予算を持つて参りましたところ、それに対してOKが來ないので、私としては今回限りのことと考えておるのであります。将來のことは考えておりません。
#50
○木村禧八郎君 仮に、これは大蔵大臣御存じないと思いますが、本日午前中この予算審議を円満に進めるために、各理事集まりまして、大体三日頃までに上げるように協力するということになりまして、大体そういう線で行けば円満にこの予算審議が進められるという申合せになつたのでございますが、仮に三日頃までに予算が上るとして、日割予算を組まなければならなくなりますが、三日間ぐらい日割予算を組んで何か財界とか、或いはその他に非常に実害がある、こういうふうに大蔵大臣はお考えになりますか。
#51
○国務大臣(池田勇人君) 本日打合会で三日に議了なさるということは、関係方面から帰りましてからお聞きしたのであります。私の考えておりました暫定予算も大体三、四日程度のものと考えまして、主として一日に発生いたしますところの国債の利拂償還、並びに恩給の支拂の財源等、一つ疑問に思いましたのは補正第一号でお願いいたしておりますところの五十二億円の進駐軍宿舍の分を入れるか入れないかという問題を持つて行つたのであります。然るところ、暫定予算は適当でない、許可するわけには行かない、こういうことに相成つたのであります。
#52
○木村禧八郎君 これまでまあ財政法第三十條がありますので、政府は何回も暫定予算を組んで來ておるわけでありまして、それで一向財政の運用その他に支障がまあ一応なく行われて來たのでありまして、我々としては今回に限つてどうしてこの暫定予算を組むことが困難になつて來たのか、それが実に了解に苦しむわけであります。折角予算の審議が円満に行く見通しがつき、而も三日間くらいの日割予算を暫定的に組んでも実害がない。又三日間くらい延長はることによつて、一応理事会の話合によつて、まあ非常に不十分ながらとにかくこの予算を十分一応審議し得るという、お互いにそれだけの気持を持つことによつて、この予算の審議を一応終り得る態勢になつておる。そうなれば国民に対しても、参議院としても予算を完全にではありませんが、相当十分に審議し得た、こういう一応責務を果せる。こういうことになつたに拘わらず、実害のないのに拘わらず、三十條の規定によつて暫定予算を組み得るに拘わらず、それが組み得ないということになると、参議院における予算審議というものは非常に制限されてしまつて、それで非常に無意味になつて來るということを、我々通感せざるを得ないのです。この点については大蔵大臣は参議院における午前中の予算審議を円満に進めるという申合せを大蔵大臣は知らなかつたわけであります。その後の又事情によつては或いは認められるかも知れないと思うのですが、その点はどうなのですか。
#53
○国務大臣(池田勇人君) 私の暫定予算を持つて参りましたのも二、三日、三、四日のつもりで只今申上げました程度のものを持つて行つておるのであります。從いましてGHQといたしましても、二、三日、三、四日ということを考えられてからのことだと思います。
#54
○木下源吾君 今のお話ですが、委員会の方で、国会の方でどうしても審議しなければならない、そのためには最小限度來月の三日まで、こういうように一応話合がついておるわけです。この場合政府と関係方面との関係は今承つたのでありますが、実際にやはり三日まで必要としてやつておつたならば、その結果はどうなるのですか。
#55
○国務大臣(池田勇人君) 政府といたしましては暫定予算が出し得ない状況に相成りましたので、成るべく早く御審議をお願いいたしたいという段階でございます。
#56
○木下源吾君 その政府の御希望はよく分るのですが、先程から……。でも国会の方でどうしても三日までかかるということになつた場合にはどういうことになりますかということをお訊きしておるのです。
#57
○国務大臣(池田勇人君) 只今その場合についての措置は、ここでお答え申上げる段階でないと思います。
#58
○木下源吾君 それを承りたいと思うのですよ。これは、そのことはここで言われないとおつしやるけれども、政府は、我々は国民の立場から一生懸命やつておるわけです。それでもどうしてもそれを放棄してでもその前に上げて呉れというならば、それが若し上らない場合にはどういうことになるということを、やはり政府はこれを一つ披瀝して頂きたい。
#59
○国務大臣(池田勇人君) 今考えておるのでございまして、今ここで申上げるわけには参りません。
#60
○木下源吾君 それでは、從來暫定予算は認められておりました。これは又財政府によつても決められておる。たまたま今回に限つて、吉田内閣に限つて、これは許されない、こういうことになるならば、一種の吉田内閣に対する不信任ではございますまいか。
#61
○国務大臣(池田勇人君) 吉田内閣におきましても從來暫定予算を作つたことは御承知の通りであります。而して今回限りと私は了承しておるのでございまして、吉田内閣に対する不信任とは私は考えておりません。
#62
○木下源吾君 政府もとにかくにも、四日なり三日なりのことは延びるであろう、政府もこれを止むを得ないとお考えになつたからこそ、あなたの方で暫定予算を持つて行かれたと思う。この点は政府も参議院の予算委員会の態度を正しくお認めになつた結果だと思うのであります。そこでそういう確信の下にお出でになつたとするならば、そのときには只今もお聞きの通り、まだこちらの方の協力してできるだけ愼重にこれを審議して三日に上げようということを決める前です。これは今度お帰りになつてみたところがそうなつておるというのであるから、この模様をあなたの方から再びもう一度足をお運びになつて、この事情をお話をするというくらいのあなたの方で御盡力をなさることは当り前でないかと思う。只今お伺いすると、ただ私の方もそう考えて四日くらいを見通して行つたんだということをおつしやつておるんだが、そのときの條件と今とは違うのであつて、この予算委員会の協力的態度、同時に何故それまでかかるかという国民に対する我々の愼重審議をしなければならない事情等を、ここで今承われば分るのでありますから、それを持つて政府の方では、これを誠意を以て再び御交渉になるというのが、私は態度として正しいのではないか、かように考えるのですが、その点はどうですか。
#63
○国務大臣(池田勇人君) 私が帰りましてから知つたことでございますので、再度係官か私かが参つて交渉してもよろしうございます。御希望ならばいたしますが、見通しといたしましては私は駄目だと考えております。
#64
○木下源吾君 いや、御希望といつて、それはそういう意味ではないのです。政府のとるべき自主的の態度としてそれは私はやらなければならないのではないか。若しもその結果、どうしてもならないということであるならば、如何なる理由であるか、そのことをやはり我々は聞きたい。私共すでに地方財政法の二日間はどうしても審議を必要とすると考えておりましたけれども、尚これを一日に短縮して勉強してやろうと、こういうことまでして日にちを切詰めたわけであります。決して徒らに、曾て総理大臣が言うたような徒らに我々がこの審議をサボつてやつておるというように、そういうように臆測してとられるような事情ではない。このことをよく我々の委員会の模様を、その実際を一つ提げて、最後的御交渉が私は必要である、望ましいと、こう考えますので、只今も御希望とあればというような、そういうことではなかなか困難ではないかと、かように考えます。
#65
○国務大臣(池田勇人君) 実は三日か或いは四日には多分議了できるだろうという見通しは申しておるのであります。そういう前提の下にノーということに相成りましたのでございます。この事態は後刻直ちに報告して向うに申出でて再考を促してもいいと思うのでありますが、何分にも時間も切迫しておることでもありますから、私が行かずにこちらにおりたいと思います。この事情は向うに話してもいいと思います。ただ見通しはなかなか困難ではないかと思います。
#66
○内村清次君 私二つばかりお伺いいたしますが、大蔵大臣のお話を聞きますと、今日午前中に関係方面と暫定予算で御折衝になつた。そのときに大蔵大臣即ち政府を通じて国会にこのOKを得られない事情をよく伝えて、そして審議の点について考慮して貰えるような点のお伝えがあつたかどうかということが先ず第一点。
#67
○国務大臣(池田勇人君) 国会に伝えろということはございませんでした。政府といたしましてできるだけ通過に努力せられたいということはお話ございました。
#68
○内村清次君 そういたしますると、大蔵大臣は先程から御答弁の内容を伺いますると、三日四日のいわゆる国会審議が延びる予定もお考えであるということと、そのときに当つての即ち政府としては尚暫定予算その他についての何と申しまするか、政府の責任上の点については尚努力の余地もまだ持つておるというような御答弁の内容であつたと思いまするが、そうしますると、国会の審議につきましては聊かも拘束をするというような思召はないのであるかどうか、この点伺いたい。
#69
○国務大臣(池田勇人君) 国会の審議を拘束するつもりは私はございません。從いまして質問なさる方も相当まだ残つておられるかと思います。自分といたしましては暫定予算を出すことが適当だと考えて持つて行つた次第でございます。
#70
○岩木哲夫君 ちよつと一点お尋ねして置きたいのですが、国会法に参議院においては予算案が回付されてから三十日間の審議期間があるわけであります。それを我々におきましてはできるだけ早く政府の御趣旨も酌んで鋭意努力いたしたいというので今日まで來て、そして今日の午前中に、三日までに努力せよと、これは特に從來政府の方に非常に濃厚の協力態勢の現われておりまする緑風会の田村委員からの御発言でありましたから、與党の自由党の方々もその点を御支特になつた。我々理事会におきましては、まあ野党と申しましては語弊がありますが、野党側から三日ということは希望したのではない。政府の方の立場の方の点を十二分に汲入れてから三日までに上げるということで協力して貰いたいという與党側の申入れであつたのに対しまして、その御趣旨を諒といたしまして、野党側といたしましては政府側の三日という御趣旨に対して協力賛成をすることでまあ理事会としては決めたのであります。先程も申上げまする通り三十日間の審議期間があつたのでありますが、四月三日に上げまするということはまだ三十日にならんことは御承知の通りであります。ところが飜つて今日までの審議振りを、或いは政府閣僚各位の御出席振りなどはすでにしばしば指摘いたしておりまする通り必ずしも十分でない。むしろこう審議を遅らかした責任は政府側にありと認められる点が多かつたのであります。そういう事態に鑑みまして、若し政府のそういう希望通り年度内までにこれが上らなかつた場合の責任というものは議会が負うべきではない、政府が負うべきものである、よつて生ずるいろいろの問題は政府が負うべきものだ、かような解釈を我々は取りたいと思いますが、政府の御意見を承わりたい。
#71
○国務大臣(池田勇人君) 私は年度内に通過を切望し、又努力いたしたいと考えておるのであります。通過或いは議了しなかつたときの責任問題につきましてはここで申上げることができないと思います。
#72
○岩間正男君 二点ばかり伺いたいのであります。先程のお話では暫定予算のOKが取れないと、こういうお話でありましたが、そのOKの取れなかつた理由について蔵相は聞いて來られたかどうか。これは少くともこれだけの重大な問題でありますから、蔵相は何故にOKが出されなかつたかということについては子供の使いじやないから確かめて來られたと思いますが、OKの取れなかつた理由についてここでお述べを願いたい。
#73
○国務大臣(池田勇人君) 私はその理由につきましては、公開の席上で申上げる自由を持ておりません。
#74
○岩間正男君 それでは聞いてはおられるのですか。
#75
○国務大臣(池田勇人君) 理由と目すべきものは聞いております。併しノーという理由がこうだという理由は挙げられません。
#76
○岩間正男君 先程木村委員からも出されましたように、財政法三十條という法律に、それが正しく運用されることに支障が出たわけですか。それだけの重大問題を今蔵相が目すべき理由などということで我々は了承することはできない。これは国会の権威の問題です。だから蔵相はもう一度いらつしやつて再び我々国会を納得させ得るだけの理由を聞いて來られるなら別問題でありますが、あやふやな何だか訳の分らないような理由によつて国会が……、そのような今国会に対して一つの何と言いますか、我々委員会に対して蔵相は懇願されたのでありますけれども、その懇願を聞き、聞いていいかどうかという判断をする資料がないと我々思うのであります。この点が一つでありますから、是非蔵相はこれからこの点を再度確かめられる必要があるし、もう一つは木下委員が言われましたように国会の審議の状況についてこれは十分にやはり向うに話されることが必要だと思います。この先の問題についてはこれは蔵相の意向を確かめたいと思います。
#77
○国務大臣(池田勇人君) 只今申上げましたように、公開の席上では言わない方がいいと私は考えておるのであります。
#78
○岩間正男君 これは日本の国民に非常に重要な関連を持つ問題でありますから、公開の場所で言えないということはそうないことだと私は思います。やはり明らかにそういう形でこの問題がされないで、国会並びに政府の関係において、いろいろなことが運営されて行くと、これは非常に重大問題であると思いますので、是非この点を明らかにされることを、私は蔵相の当然の建前として要求したいと思うのであります。
 その次にお伺いしたいのは、この問題は飽くまで政府の問題で我が国会の問題ではない。こういうふうに考えますけれども、これは蔵相はどういう見解をとられますか。
#79
○国務大臣(池田勇人君) これは政府が暫定予算を提出できないようになつたという事情をお話申上げているのでございまして、国会のどうこうという問題ではないと考えます。
#80
○岡田宗司君 これが国会の問題ではない。こういうことになつて参りますというと、我々としてはやはり国会法に從つた予算委員会の運営を続けて行く以外はないと思います。私はこの際明らかにして置きたいことは、国会に対しまして関係方面の方からこの予算の審議に対して、何か伝達があつたかどうか。その点一つ委員長にお伺いしたいのであります。
#81
○委員長(山田佐一君) 私に直接あつたかというお話ですか……。私に直接にはありませんが、私の承つたのは非公式ではありますけれども、官房長官から承わりました。いずれ大蔵大臣が正式に委員会へ発表なさる、こういうことを承つて來ております。
#82
○岡田宗司君 それは政府に対して伝えられたことは、官房長官から委員長に伝えられたことであつて、国会に対して直接伝えられたことは何もない。こういうことでございますか。
#83
○委員長(山田佐一君) 国会に対しての通告は議長へ行かれることだと存じます。
#84
○岡田宗司君 議長に対してはまだそういう通告はないわけでございますか。
#85
○委員長(山田佐一君) それは私の関知するところではありません。
#86
○岡田宗司君 若し議長にあるとすれば、恐らく委員長に通達すると私共は解しますが……。
#87
○委員長(山田佐一君) さように存じております。
#88
○岡田宗司君 それがないとすれば、通告はないと、こう解釈してよろしうございますか。
#89
○委員長(山田佐一君) 今ないからないということは私には分りません。
#90
○岡田宗司君 現在においては、国会に対しては関係方面の方から何ら通達はない、こう解釈してよろしうございますか。
#91
○委員長(山田佐一君) それは議長に聞いて見ませんから私としては判断はできません。
#92
○岡田宗司君 それでは、国会の方に対してそういう申入れがあつたかどうか、委員長の方から一応確かめて頂きたいと思います。
#93
○委員長(山田佐一君) 畏まりました。承知いたしました。
#94
○岩間正男君 私の先の質問があつたのでありますけれども、結局暫定予算を組むことができないということは、政府の問題であつて国会の問題じやない。これは明らかにされたことでありますが、そうなりますと、政府の責任の問題を、国会にこれを押付けるという形になつて來ると思うのであります。我々は飽くまで自主的に、今の蔵相の懇願を聞くかどうかということは、国会の判断においてやればいいのでありますが、今までの運営のうちに、ともすると政府の責任問題が国会に押付けられて混同しておつたという点があると思うのです。この点はやはり飽くまで国会の権威の点からこういうことが必要だろうと私は思いますので、蔵相のお話は一応聞棄てて置く。それから今の私は蔵相がもう一度いらつしやるなら、当然これはOKが取れなかつた内容をもつとはつきり……我我じやありませんよ。日本国民が納得できるような状態において、はつきりしていらつしやることが重要だと思いますので、これ以上私達余り何する必要はないと思いますのですが、如何でございましよう。
#95
○木村禧八郎君 ちよつと一点だけ、OKが取れないということは財政法第三十條の規定がこれが活きていないというように大蔵大臣は御解釈されますか。
#96
○国務大臣(池田勇人君) 先程申上げましたように活きていないと申上げておりません。暫定予算は今の場合出すべきではない、こういう向うの意見であるのであります。
#97
○木村禧八郎君 そのお話は分つたのですが、大蔵大臣は日本国民として日本の大蔵大臣として、財政法において内閣がそういうことができることになつておるが、そういう努力をされたのですか。その自由が許されないということになると、この財政法の條項はとにかく今の瞬間においては活きていない、停止されておる、こういうふうに大蔵大臣としてですよ、日本の大蔵大臣として考えられたか、内閣の一員として……。
#98
○国務大臣(池田勇人君) 財政法の暫定予算編成権の規定はすべて活きております。ただ今の場合暫定予算は出すことはできない、こういう向うからの話であるのであります。
#99
○木村禧八郎君 併しそこなんです、今の場合というのは政府がその自由を得るために努めたわけですね、一応大蔵大臣は三日の日割予算をお作りになつて了解を求めるために行かれたわけですね。だからこれは三十條の規定によつてできますから、大蔵大臣は努められた、内閣はその自由があるから努められたけれども、自由が與えられなかつたということになると三十條の規定はこの場合活きて來ないことになる、それでもやはり活きておるとお考えでございますか。
#100
○国務大臣(池田勇人君) 三十條の規定が活きておつてもそういう場合があるのであります。
#101
○木村禧八郎君 それはどういう場合でございますか。
#102
○国務大臣(池田勇人君) 今回のような場合と心得ております。(笑声)
#103
○木村禧八郎君 それじやよろしうございます。
#104
○委員長(山田佐一君) 先刻の岡田君の何にお答えいたします。
 只今議長に聞きましたらGHQからの正式の通達はありませんが、官房長官からの通達があつて了承しております。こういうことでありました。以上お答えいたします。
#105
○岡田宗司君 といたしますれば、議会に対して何ら審議権を制限するような、そういう通達がないということでありますれば、我々といたしましてはやはり議会の職責といたしまして、この審議を飽くまで続けて行くことが国民に対する我々の義務だろうと思うのであります。(「異議なし」と呼ぶ者あり)その点につきましては我々は飽くまでも議会としての責任を果して行きたい、こう考えておる。それが大体において三日までかかる、こういうことでありますが、政府はその間暫定予算が出せないということになつて参りますと、その財政の運用上におきまして起るいろいろな問題があると思いますが、それを先ず私共は具体的に承知いたしたいと思います。大蔵大臣にその点をやや具体的に御説明願いたいと思います。
#106
○国務大臣(池田勇人君) そういう場合は予想いたしたくないのであります。かるが故に事情を申述べまして、早急に御審議、議了をお願いいたしておる次第であるのであります。ただ万が一そういうふうになつた場合におきましては、四月の一日に予定しております先程申上げました恩給の支拂いは困難、そうして国債の支拂い、借換えが困難、そうして四月の一日を以て契約を完了しようというスキヤツプの出ております五十二億の進駐軍の住宅が予約ができない、その他細かい問題を申上げますると、外国為替特別会計におきまする金繰りが困難であるという問題等が発生いたします。
#107
○岡田宗司君 それらの問題が三日遅れましたために、例えば政府はそれについて更に利子等を計上して支出しなければならんというような問題が起つて來るのでありますか、その点をお伺いいたしたい。
#108
○国務大臣(池田勇人君) ちよつと何ですか。
#109
○岡田宗司君 利子です。
#110
○国務大臣(池田勇人君) その解決の問題につきましては、今研究中で申上げる段階に立至つておりません。私といたしましては先程から申上げておりまするように年度内に議了して頂くようにお願いしておる次第であるのであります。
#111
○岡田宗司君 この問題は相当重大であろうと思うのであります。尚国会側としてもこれは愼重に考えなければならん問題がありますので、一応休憩して頂きましてそうして理事の間において、この問題についての処置をもう一度考えるというふうに進めたら如何かと思います。
#112
○委員長(山田佐一君) お諮りをいたしますが、ここで休憩をいたしますのも会期切迫の折から誠に遺憾と存じますので、会議の方は田村君に代つて頂きまして、残余の理事によつて向うで打合せをして貰いたいと思いまするが、それで御了承を頂けますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○委員長(山田佐一君) それではさようにいたします。内閣総理大臣が見えましたから総理に対する質問を藤野君にお願いいたしたいと思いますが、総理は三時半にお発ちだそうでありますから成るべくそれまでに完結するようにお願いいたします。
   〔委員長退席、理事田村文吉君委員長席に着く〕
#114
○藤野繁雄君 私は経済危機を打開する国民運動について御質問したいと思うのであります。マツカーサー元帥は昨年十二月十五日農協成立二週年の記念日に当つて声明書を発表されたのであります。その声明書によつて見まするというと、農業協同組合が設立せられたのは千九百四十七年二月十五日であつた。この日以來日本の農民は恐らく世界協同組合運動史上にも例を見ない、組織の拡大を果した、こういうふうにお述べになつておるのであります。然るにその後数ケ月になる今日の状態はどうであるかと考えて見まするというと、農民が低米価、肥料、電力料金等の値上り、課税の重圧等のために、赤字経営となつて資金難に陷つて、その結果農業の生産力の増進、農民の経済的、社会的地位の向上を図り、併せて国民経済の発展を期することを目的としたところの農業協同組合は市町村の單位農業協同組合も都道府県の連合会も全国の連合会もすべて行詰つて如何ともすることができない状態に立至つたのであります。この状態に立至つたために農協自身の力、又農民の力のみでは如何ともすることができないところの状態に立至つたのであります。首相はこの窮状の立至つたところの農協に対して如何なる対策をお考えであるか、お伺いしたいのであります。
#115
○国務大臣(吉田茂君) 農業協同組合に対する御質問でありますが、政府としては組合の発達、その仕事の助成については十分注意をいたすつもりでおります。
#116
○藤野繁雄君 昭和七八年のころを回顧して見ますというと、農山漁村が非常な苦境に陷つたのでありますが、これは御承知の通りであります。当時の政府は一大決心を以て相当額の予算を計上し、国民運動として農山漁村の経済更生運動を行なつたのであります。政府は行詰つておるところの農山漁村の更生の一大国民運動を起される考えはないか。農山漁村は国民の半数以上を占めているのであつて、この農山漁村が経済的に行詰つたならば、直ちに商工業者にも影響し、国民全体にも惡影響を及ぼし共倒れの状態に陷るのであります。今や我が国は農山漁村の苦境が契機となつて、日一日と滅亡へ突進しつつあるかのように考えられるのでありまして、この苦境の打開のために前例に做つて農山漁村の振興のための一大国民運動を起すのが適当と信ずるのでありますが、この国民運動を起される意思があるかどうか、この点お伺いしたいのであります。
#117
○国務大臣(吉田茂君) 農山漁村の復興、振興については、お説の通り政府としてもこれを決して軽々に考えておるわけでありませんが、曾ての救済運動のごとき運動を起すことは今日政府は考えておりません。併しながら一般経済の復興の一環としての農村の振興を図りたいと思つております。
#118
○藤野繁雄君 次に食糧自給対策についてお尋ねしたいのであります。これは今まで各委員からいろいろと述べられておるのでありますが、私は具体的のものを以て質問したいと思うのであります。昨年食確法が通過する際に民主自由党の決議事項として閣議の了解事項があるのであります。それは昨年十一月二十五日であります。その了解事項によつて見まするというと、農地の災害復旧防止及び改良事業については政府みずから計画を立て、又は適切な助成を行なつて、予算上並びに資金上の措置につき極力努力する、こういうふうな決議が、了解事項があるのでありますが、昭和二十四年度の状況を見てみますと、土地改良、或いは災害復旧に対する補助金が非常に少いのであります。又資金的にも非常に少いのでありまして、殊に甚だしいのは昭和二十四年度においては、見返資金から十九億の資金を融通すると、こういうふうなことを政府は予定しておられたのでありますが、現在において一文の貸付もないというようなことは、非常に遺憾なのであります。又昭和二十五年度の予算におきましてでも、いろいろと土地改良や災害復旧に対する計画は立つておるのでありますが、いよいよ資金を融通するという段になつたらば、現在のように手続が煩雑では、その融資が殆んど困難じやなかろうかと、こう考えられるのであります。閣議の了解事項である土地改良及び災害復旧について、今申上げたように、二十四年度は、計画は立つておるけれども、全く金は出さないというふうな状況であることを、首相は知つておられるかどうか。若し知つておられたならば、これに対するところの対策はどう考えておられるか、お伺いしたいのであります。
#119
○国務大臣(池田勇人君) お話の通り、食糧増産等につきまして計画を立て、昭和二十五年度におきましては、二十四年度よりも、土地改良、或いは開墾、干拓等に、相当金額を増加をいたしております。又災害復旧も、これは結局は食糧増産の本であるのでありまするが、こういう金額にも相当の増加をいたしておるのであります。お話の、昭和二十四年度に、見返資金から農業関係に一つも出なかつた、又政府は十九億の計画をしたのではないかというお話もございますが、その通りでございまして、一応政府で計画いたしました十九億というのは、はつきり決まつたわけではないのでございまして、前そういう計画を持つておつたということだけであるのであります。御承知の通りに、見返資金を使用いたします場合には、大体こちらの計画を立てまして、先方の承認を得ることになつておるのであります。これは農業関係ばかりではございません。外の方面でも、初め我々が一応素案として考えておりましたことは、余り実行できなかつた。ただ水力の発電、或いは造船、製鉄、石炭の方には、大体二百五十億の予定の金額が出たのでありまするが、農村関係の方は、実は誠に遺憾でございますが、出なかつたのでございます。最近に至りまして、私は少くとも一億円ぐらいでも出したいというので、努力いたしておりますが、これはまだはつきり結果を申上げる段階には至つておりません。併し二十五年度におきましては、予算においてそういうふうに殖やしましたと同時に、見返資金におきましても、国有林関係に三十億円出すとか、或いは農村方面に五十億円の予定をいたしておるのでございまして、二十五年度におきましては、極力この予定通りに農村関係の方へ金を出したい、こういう考えの下に進んでおる次第でございます。
#120
○藤野繁雄君 次に私は、食糧問題の解決はいも類の増産にあるということを考えるのであります。いも類は反当收量が最も多いのであります。それで食糧が不足したときには、このいも類に依存しなくちやならないということで、あらゆる方法を講じていもの増産に努めたのであります。そのためにいもは相当増加したのでありますが、今回いろいろな事情で統制が外れたのでありますが、このいも類を将來食糧として利用するためには、加工利用の方法を十分に研究したならば、食糧の自給態勢は整えると信ずるのであります。こういうふうなことに政府も考えられまして、昨年の十二月九日には閣議決定になつておるのであります。その閣議決定によつて見まするというと、いも類の統制撤廃後における生産加工及び流通対策要綱というようなものを、閣議で決定しておられるのであります。その要綱によつて見ましたならば、次の経費を二十五年度予算に計上する。一、いも類の良質品種への転換助成施設経費、二、いも類の他作物への転換助成施設経費、三、いも類の加工工業の振興対策費、こういうふうなものが、次の二十五年度で予算的措置を講ずると、こういうふうな閣議の決定になつているにも拘わらず、昭和二十五年度の予算を拜見して見まするというと、この閣議決定が実行になつていないのでございます。総理大臣は閣議決定を実行される意思があるのであるかどうか、この点をお伺いしたいのであります。
#121
○国務大臣(小澤佐重喜君) お話の通りに、閣議決定をいたしましたのでありましたが、正式に予算面には現われておりませんけれども、見返資金の運用、或いはその他の会計から運用いたしまして、運用の面において、只今の方針通り実行する考えであります。
#122
○藤野繁雄君 私の計算によれば、この金額は数億の金で足ると思うのであります。今大臣からの話によつて見るというと、運用によつてやるという言質をとつたのでありまするから、必ず実行して頂くようにお願いしたいと思うのであります。更に私の調査したところによれば、徳川時代の三大飢饉と言われるところのものが、享保、天明、天保の三回あるのであります。而して、この飢饉のうちの享保の飢饉が一番大であつて、この享保の飢饉は蝗虫による稻作の被害で、その結果、中国、四国、九州、殆んど全部が被害を蒙つて、餓死したところの者が非常に多いのであります。ただ併し、そのうちで餓死しないところが一つある。それは長崎県の大村藩で、いもを栽培しておつて、これを食糧に供したからである。こういうふうな歴史があるのであります。又最近の新聞によつて見まするというと、中国は非常な飢饉に脅やかされて、餓死者が数千人になると、こういうふうなことも聞いております。食糧は、不足の分は海外に求めなくちやならないのでありますが、海外の依存度が多いということだつたならば、一旦面白くないところの事件が突発したならば、食糧の不安に駆られて、国民が非常に混乱な状態に陷ると、こう考えるのであります。從いまして、食糧を自然のために、国民生活に安定を與えるために、いも類に対しては最善の施策を講じなければならない、かように考えるのでありますが、これに対する更に御意見を承わりたいと思うのであります。
#123
○国務大臣(小澤佐重喜君) お答えしますが、お話のように、日本食糧問題につきましては、自給度を最高限に発揮いたしまして、それをやります。尚足らんところだけを輸入に求めるという方針で政府も考えておりますので、御指摘の点をいも類に限らず、主食、雑穀等その他全般の方針をそのようにして行きたいと考えております。
#124
○理事(田村文吉君) 質問は終了いたしたようでありますから暫く休憩いたします。
   午後三時九分休憩
   ―――――・―――――
   午後六時四十八分開会
#125
○委員長(山田佐一君) では休憩前に引続きまして会議を開きます。暫定予算の作成について関係筋の折衝の結果を午前大蔵大臣より当委員会に対して申出がありましたので、午後理事会において協議の結果、午前に決定して御報告を申上げました通り、本委員会においては三十一日より分科会へ入るということを御承認を願つておりました。尚内定といたしまして理事会においては四月三日を目標に審議を続行するということでありました。やはりそのように現在の段階においとは、本委員会は予定通り審議を続行いたしたいと思いまするから、政府においては然るべく善処せられんことを望むという理事会の結果になりました。
 以上御報告を申上げます。それにつきまして大蔵大臣から発言を求められております。池田大蔵大臣。
#126
○国務大臣(池田勇人君) 暫定予算の編成につきましては先刻申上げた通りでございまして、暫定予算の編成についてのOKが参らないのであります。併し今委員長から申されましたように、理事会のそういう御希望がございまするならば、再度関係方面の意向を確かめて見たいと思つております。
#127
○委員長(山田佐一君) 小川君、大蔵大臣に御質問がありますか。
#128
○小川友三君 あります。
#129
○委員長(山田佐一君) それでは小川友三君。
#130
○小川友三君 大蔵大臣にお尋ねいたしますが、市中の十一の大銀行が中小企業金融を專門にやるというこの問題につきまして、この資金は一般預金からも廻すのですか、それとも見返資金の方から幾らか廻して頂けますか。見返資金の方から廻して頂きたいのですが、或いは大蔵省の預金部からお廻しになりますか。それとも日銀の別枠手形というのがありますね。商業手形がありますが、ああいうものでお廻しになりますか。
#131
○国務大臣(池田勇人君) 市中の十一大銀行が東京並びに大阪、名古屋等におきまして、三十五個所の中小企業專門の店舗を設けまして、中小企業金融に乘出すということは前から我々も勧奬し、実現方を期持しておつたのでありますが、先般いよいよ実施することに相成つたのでございます。これが融資の本は、原則として勿論大銀行の自己資金によるのが原則であります。併し我々といたしましては、見返資金の中からも、又日本銀行の別枠融資の中からも、又できれば預金部資金の中からも、いろいろな方法でできるだけ沢山出したいという考えを以て進んでおります。
#132
○小川友三君 そこでその金額ですが、金額は見返資金の方から二百億ぐらい何とか廻して頂きたいと思いますが、それから別枠手形は、今のところ金融に五百億ぐらい出ておりますけれども、それを中小企業の方に二、三百億廻して頂きたい。合計七、八百億台程中小企業の運営がつかないように現在なつておる筈でございますので、こういう点について特に大蔵大臣は中小企業の問題につきましてはうんと勉強、御盡力を願いたいという見方を持つておりますので、市中の十一大銀行の外に、まだ地方銀行で預金に五十億、百億あるのが相当ありますからして、その十一銀行でなく、地方銀行の方々にも御協力を願つて、できれば七、八百億の中小企業に対する融資が実現をするような希望を持つておりますが、この点につきまして、大蔵大臣のお見込をお願い申上げます。又それから見返資金問題は、大蔵大臣の御盡力で二百億ぐらいは何とかなると思いますけれどもその筋の御連絡の経過、或いはこれから交渉するお見込か、こういうものを御発表願いたい。
#133
○国務大臣(池田勇人君) 中小企業金融に見返資金から二百億円出すということはなかなか困難ではないかと思います。私企業に対しますま投資は、大体全体で四百億円を予定しております。中小企業金融と申しましても、大企業に貸出したのが相当中小企業にも行くのでございます。特に中小企業に直接出す分として、見返資金から二百億円を出すことはなかなか困難じやないかと思います。この金融は二百億になるか、五百億になるか、それは分りませんが、とにかく見返資金につきましてもできるだけ行くようにいたしますし、又見返資金によつて債務償還した金額についても、これもできるだけ行くようにしたい。それから日銀の今までの別枠についても、将來相当殖やして行きたい、こういう考えを持つておりますので、或いはこれらを合せて七、八百億出るのではないかと思います。
#134
○小川友三君 それから各税務署を視察して参りましたところから判断をいたしまして、税務署職員の制服について大蔵大臣に特に考慮を賜わりたい。又御意見を承わりたいのですが、税務署の職員が非常に骨を折つて頂いておりますが、各税務署で、署長よりも下級官吏の方が一万五千円も二万円もする洋服を着ておる。それが間違いの基であるというわけで、洋服がいいから、つい喫茶店へ行くとか、喫茶店へ行つた者がダンスホール、或いは終いには芸者買いに行く。そこでのこの税務署の職員は、お巡りさんとは違いますが、制服を着て、そうしてきらびやかな格好をしないというような工合にすると、どの職員も同じ服で行くから、制服では芸者買いにも行かれない。こういう制服を着て行けば、被服費も非常に助かるという点で、これは実現を是非して貰いたい。これはどこの税務署へ行つても分りますが、人によつてべらぼうにいい洋服を着ています。これは月給だけではとても買えないという見通しがつきますから、それはどこから入つて來るか分りませんが、とにかく制服を決めるというのは、税務署の官吏の人々が非常にやり易くなるかと思いますが、この点につきまして大蔵大臣は制服を着せるというお考えがありますかどうか。是非制服を作つて貰いたいと思いますが、その点が一つと、それから各税務署では殆んど自転車がないわけです。ボロ自転車が何台かありますが、自転車がないからして、どうしても電車に乘つかつたり、歩くと、調査が大体推定で以てやつてしまう。毎日歩くから、例えば機械業者とか或いは薬局等を見る場合に、先ず五、六軒程廻つて、大体推定で以て割当てるというような方法を採つております。聞くところによれば、職員が百五十人いて、自転車が八台か九台しかない。それもパンクしてなかなか廻り切れないというわけでありますから、調べて廻る官吏についても、一人一台ずつ是非これは自転車を配給して頂きたいのであります。調査の足でありますからして、この点について、どこの税務署でも、自転車が二十台、三十台不足しておりますが、この自転車があれば、相当調べられて、正当な徴税ができるということを言つておりますが、この点について大蔵大臣は主管大臣でおられますので、是非これを実行して貰いたいと思います。自転車が大分暴落して、売れないで困つているくらい自転車がありますので、是非この点を実行して頂きたいのでありますが、大臣の御意見を承わりたい。
#135
○国務大臣(池田勇人君) 税務官吏の制服の問題でございますが、これは相当以前から検討はされておつたのでありますが、経費の点その他で問題がありまして、実行に至つておりません。これは利害得失があるのであります。小川君のおつしやるように、非常にいいところもあるのでありますが、又着る方になつて見ますと、強ち喜ばないというような状況があります。十数年前から検討はしておりますが、そのままになつております。
 次に、税務署の自転車の問題でありますが、これはやはり地方の税務署で、可なり自転車が要るのでありますが、一昨年來相当自転車を殖やしまして、一税務署に二、三十台ぐらいは廻つているかと思います。併しこれは必要なものでありますので、できるだけ殖やしたいという考えでおります。
#136
○小川友三君 今度は、通産大臣としての池田先生にお尋ねいたしますが、貿易公団のことですが、貿易公団の拂下価格が非常に高かつたり、非常に安かつたりして迷惑しておりますが、その一例を申しますと、喘息の薬でエフエドリンというのをガリオア資金の中から貿易公団は買いました。それを去年の十一月には、一キロ三万円で、仮価格で金を納めろというので、私の会社で三百万円買つた。外のところでも買つている。ところが現在一キロ僅かに八千円にダンピングしているのであります。去年の十一月が一キロ三万円して、今年になつたところが、一キロ八千円です。ところが外の品物を調べて見ると、やはり非常に安くなつている。そこで買い込んだ人は、高く買つて、それが下つてしまつて、非常に困つているから、仮価格なんだから、金を返して呉れという請求をしましても、返して呉れない。そこで公団の方で調べて見ますと、エフエドリンは年寄りの使う喘息の薬ですから、原価が僅かに一キロ、貿易公団の実際の人件費を入れまして僅かに一キロ三千五百円なんです。それを八倍強にこれを売つておるという方法をとつて、売れないから今度はダンピングしておるというような方法をとつておるのですが、貿易公団のいわゆる販売価格につきましては、特に通産大臣としましてよくお調べを賜つて、そうして国民が僅か三月か四月の間に八分と一とか、五分の一でダンピングされては成り立ちませんので、この点につきましてお伺いすることと、仮価格で売つたものは、仮に金を積んであるのですから、今売つておる安い物ですからそれだけの価格を品物で呉れるなり、金を返して呉れるなりという方法をとつて頂きたいのですが、この点につきまして、大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。
#137
○国務大臣(池田勇人君) 貿易公団の滯貨売拂いにつきましては、適正な価格で適当なときに売るように努力いたしておるのであります。
 お話の薬につきましては、やはりぜん息の薬は存じませんが、先般も或る薬を得ようといたしましたところ、一定の有効期間がございます。そのようなものになりますと、有効期間が切迫いたしますと、極く安く売らなければならない。こういう薬自体の持つ特殊性によりまして、非常に安く売らなければならんような場合もあるのであります。お話の点は十分御尤もの点がありますので、十分検討いたしたいと考えております。
#138
○小川友三君 それから地方銀行に対しまして、中小企業金融をやらして頂きたいのですが、この点につきまして地方銀行が、例えば五十億以上の預金を持つておるという程度のところに、やはり仮に中小金融專門の行を大蔵大臣は許可して頂きたいのですが、これを許可されますると、又相当中小企業者が楽になりますから、この点につきましては十一行だけで食止めないで、相当内容のいいところはどんどんやらせるというような方法を取つて頂きたいと思いますが、御所見は如何ですか。
#139
○国務大臣(池田勇人君) 地方銀行は余り大企業への金融はやつていない、余りやつていない、相当やつておることはやつておりますけれども、主としてやはり百万とか、二百万とか、或いは三百万以下くらいの金融が多いのでございます。特に支店を設けなくても、私は今までの指導によりまして、相当中小企業に行くのではないかと考えます。最近大企業に行くような傾向がございますが、成るべくそういうことのないように指導はいたしております。從いまして地方銀行が特に地方におきまして、中小企業專門の支店を設けるということは、大銀行ほどの効果はないのじやないかと考えております。
#140
○委員長(山田佐一君) よろしゆうございますか。それでは川上君。
#141
○川上嘉君 大蔵大臣に税制問題について先ず質問いたします。税金更正決定を繞りまして、目下いろいろの紛争事件が捲き起つておるわけでありまするが、その起きておる、大体採上げておる問題は、更正決定の一括返上。その理由は、大体実情に副うていない、実額調査が不十分である。かような理由と、更に異議申立に対する調査が十二分になされていないのにも拘わらず、滯納整理をするとか、或いは差押公売をする、こういつたようなことは不当である。かような運動が起きておるわけであります。そこで大蔵大臣にお尋ねしたいことは、現在の税務署の態勢で以てどの程度の実額調査をなし得るか、つまり実額調査をなし得る能力をお伺いしたいのであります。
#142
○国務大臣(池田勇人君) 我々といたしましては、課税の適正を期しますために、できるだけ実額調査をやつて行きたいという考えを持つておるわけであります。併し何分にも只今のところ、経済界の変動が激しいのと、一つは税務官吏の素質機能がまだ十分でありませんので、なかなか十分な調査が行なつていないのでありますが、御承知の通り取引高税の撤廃、織物消費税の撤廃、或いは土地家屋に対しまする事務の移管等によりまして、大体八、九千人の人員の節減ができるのであります。然るところ、これを節減せずに所得税の中心に、或いは法人税にこの人員を持つて参りましたならば、税務官吏の素質の向上と相俟ちまして、昭和二十五年度におきましては相当実額調査ができると考えておるのであります。
#143
○川上嘉君 本年度におきましては、大体どの程度の実額調査ができたのでありますか。大体概略で結構であります。
#144
○国務大臣(池田勇人君) これは川上君御承知の通りに、税務署によつて可なり違うのであります。私は大体一割前後を期待いたしておるのでありますが、税務署によりましては一割五分或いは二割やつていた所もあると思います。併し又一割にも足らん所もあると考えております。
#145
○川上嘉君 問題はこの実額調査ができないというところに大きな問題があるわけでありますが、このためにはもとより税制、それから税制の面と同じように税務職員の問題があるわけでありますが、本年度はその徴税費は、税金を徴收するところの経費、つまり人件費、諸手当一切を含んだ徴税費が前年度より九億八千万円も減額に相成つておる。これはどういう理由でしようか。
#146
○国務大臣(池田勇人君) これは昨年は急激に殖えましたので、諸統計費、その他それに伴う経費が大きく要つたのであります。從いまして只今のところは先程申上げましたように取引高税等の撤廃によりまして人員を減らさなければならいのを減らさずに、今まで通りの措置で行きますので、仕事に対しましては相当の人員強化ができたと考えております。尚又紛争処理機関といたしまして千五百人の新らたな増員をいたしまして、税務の施行の円滑を期したいと考えておるのであります。
#147
○川上嘉君 人員の増員については、取引高税、或いは織物消費税、或いは土地家屋の移管等によつて相当浮かんで來る。こういうような見解をとつておられるようでありますが、果してその程度の陣容で以て、從來のこういつた税金をめぐるところの紛争を処理するだけのことができる効果があるかどうかといつたような点については、私は大蔵大臣とは別の意見を持つておるのであります。現在においても人員が非常に少い。それから出張する人も旅費が非常に不足しておる。それからいろいろの諸設備においても非常に不備欠陷だらけである。こういつた点が結局は課税の面において不適正、不公平となつて現われておる。これは税制のの欠陷と同じように、大きな欠陷である。かように指摘せざるを得ないのであります。税制が公平に制定され、公平、適正に実施されるような税制が制定されるということを我々は念願して止まないのでありますが、その制定されたところの税法が飽くまでも公平に、合理的に、無理がなく実施されなければならない。かように考えるのであります。このためにはどうしても人員を増員する。或いは素質を向上して実際の実額調査をするところの旅費を一切含んだところの徴税費をもつて引上げることが急務であります。かように考えるのであります。このことは常に私は税制の改革と並んでこの徴税費の大巾引上げを今日まで強力に主張して來たのであります。然るにこういつた問題に対して政府は積極的な対策を講じようとしない。そのために今日のような税金問題を廻つて面白くない運動、面白くないどころか幾多の悲劇が起きている。從いまして右の措置を講ずることが急務である、私は特に急務であると考えるのであります。それにも拘わらず徴税費を前年度より減らすということはどうも不合理な話である。かように考えざるを得ないのであります。政府はシヤウプ勧告に基いて今回の税法を改正するのだ、かように常に宣伝もし又その通りに行なつておるのでありまするが、ところが面白いことには自分達に都合のいい面では忠実に守つておるが、都合の惡い面はこれを削除しておる。只今の徴税費の問題におきましてもシヤウプは次のように勧告しております。「俸給は有能者を誘引する。引留めるに十分な程高くすべきである。医療、住居など被傭者の厚生施設の充実に注意を拂うべきである。」又更に腐敗と賄賂に項においても同じようなことを強調しているのであります。現在問題を惡化させておる特殊な要因として、税務官吏の人多数が若年で未経験且つ薄給であること、税率が高過ぎること、及び闇市場の活動が普遍的であることなどを指摘しています。そうしてこれらの問題の解決策は一つは、より良き給與と訓練である、かようにはつきりと指摘し勧告しているのであります。尚徴税費の大巾の増額につきましても、事務設備と運用近代化の仕事は重大である。その達成には絶えず活溌に努力することが必要である。この努力は不十分な歳出予算によつて妨害さるべきものではない。かようなことを言うております。尚更に続いてこの近代化計画が結果としてもたらす徴税額の増大、或いは税の公平適正によつてこういつた徴税費は何倍となく補われるであろう。かように勧告しておるのであります。このシヤウプ勧告には私は全く同感であります。而もこういつた措置に対して何らの措置も講じない。いつたい大蔵大臣はこの程度の徴税費で、それから今言つたような取引高税とか、織物消費税、或いは土地家屋の事務の移管等によつて浮んで來る、そういつた人員によつて果して現在の税務の事務が乘り切れると、この程度で十二分だと満足しておられるのかお伺いしたいのであります。
#148
○国務大臣(池田勇人君) 徴税費の総額において七八億減少しているから、非常に低い予算を作つたのではないかというお話でありますが、これは先程申しましたように税制が非常に簡素化いたしまして、そうして又納税人員も相当減るのであります。それにも拘らず人員を殖やそうといたしておるのであります。而も総体において減りましたのは、昨年殖えた徴税費の外取引高税、織物消費税の交付金がまだ七八億円あるのであります。決して減つてはおりません。今我々はできるだけ行政機構を簡素化し、人員を少くしようと努力いたしておるのであります。税務官吏だけは仕事が非常に減つたに拘わらず人員を殖やそうとしているのであります。私はいろいろな厚生施設その他につきましても考えておりますが、税務が必要である、そうむちやくちやに人を殖やしたからといつたつて、運行がうまく行くのではない、急激に殖やしたならば、却つて事務を阻害する場合も起り得るのであります。從いまして私は仕事が減つたのであるけれども、又納税人員も非常に少くなつているけれども、現状よりも或る程度殖やす、そして素質の向上を図つた方がいいと考えておるのであります。從つて只今御審議を願つております予算でやつて行つたような場合、今年度或いは昨年度よりも余程來年度は税務の改善ができると確信いたしております。
#149
○川上嘉君 お話を承わりますと、納税人員が減つたから仕事の手間が省けるというような御見解でありますが、納税者が減つたからその仕事の手間が減るというような理窟は成り立たないのであります。これは納税者の対象となるものは全部であつて、一応はそれを全部調査して見なければ分らない、調査した結果、いろいろな扶養控除とか、必要な経費を差引いて残つた納税者の数、これを選り拔くまでには相当な手間がかかつておるのでありまして、実際最後まで残つた納税者の数だけで納税人員を割当てて、そうして税務官吏一人に対する納税者の割当がこうだという、こういうような御見解は間違いだと思うのであります。納税人員の、たとえ百人であろうと、その納税人員百人を選り拔くまでには、基礎的な仕事として、少くとも千人以上の調査対象がいるのであります。從いまして今の大蔵大臣の御見解は間違いであります。
 更に今の徴税費の問題につきましてお伺いいたしたいのでありますが、然らば現在の陣容で足りる、成る程現在の陣容で足りるように仕事を整理して貰いたいのであります。ところが現在、先程からも再々申上げます通りに、全国各地におきまして市民大会が数百名、又は数千名を動員して開かれております。デモ隊が税務署に押しかけて、そうして更正決定を白紙に返上しよう、或いは令書の一括返上をしよう、こういつた運動が展開されておるのであります。或いは税金の負担故に自殺したとか、或いは一家心中をしたとか、こういつた数々の悲劇が新聞で報道されているのであります。特に非常に悲しむべきことでありまするが、税務職員に物を売つてはならない、或いは税務職員と口をきいてはならない、こういつた運動さえも起きている。更に差押え物件を購入するものは血も涙もない人間である、こういつた問題が起きているのであります。こういつた問題を解決するにはどうすればいいか。人員はこのまま据置くとしても、こういつた問題をなくするためにはどういう対策を講ずべきであるか。こういつた点について大蔵大臣の御見解を一つ御発表願います。
#150
○国務大臣(池田勇人君) 川上君は納税者が減つても調べるのは同じだとおつしやいますが、それは違います。私も多年やつております。あなたもおやりになつていると思いますが、それは国民全般が対象になる、これは理窟でございましよう、いろいろ免税点が下つたり、扶養家族の控除が下りますと、一定限度以内というものは下へおろしてしまうのでありますから、仕事の分量は非常に減つて來るということは確かであります。
 次に税金の問題でいろいろな苦情があるのであります。これは私も認めております。これをなくするためには税法を国民生活に合つた、国民の実際に合つたような税法に改正いたしますると同時に、税務執行を余程注意してやらなければいかん。即ち課税に無理のない適正な方法で行かなければならない。そうして又納税者が納め易いような面倒を見なければならん、こう考えておるのであります。
#151
○川上嘉君 今一番問題の喧ましいのは所得税であります。尚今度も直接国税中心主義で一応この所得税が主となつておりますが、これは所得税の問題をめぐるところの、こういつた紛争を税制上から解決すべき一番重要な点については、これは何と言つても税率を下げるということ、基礎控除を下げるということが肝要でありまするが、現在上程されている改正案程度で果してこれができるかどうか、こういつた点に満足しておられるのかどうか、大蔵大臣の御見解をお伺いします。
#152
○国務大臣(池田勇人君) 他の機会で申上げております通り、今の税金はやはり相当高いのであります。我々はできるだけ財政規模を縮少しまして來年度減税することにいたしたのでありまするが、二十六年度におきましてもできるだけ税の軽減を図つて国民の負担を少くし、税に対する文句の起らないようなことに進んで行きたいと思います。
#153
○川上嘉君 今回上程されております税法通りに税金を徴收しますというと相当な増税になります。これは数字的には相当減る、かようなことを政府は宣伝されておるのでありまするが、税法通りに実施すれば、少くとも課税は相当な額に上ります。このことにつきましては大蔵大臣が曾て次のようなことを言うておられます。税務官吏が法規に書いてある税制と自分の胸のうちにあるいわば胸三寸といつたような二つの物差があつて、本当の仕事は胸三寸でやつて置きながら説明は何かと税法に当嵌めようとしている。これは大蔵大臣が去年の財政の九月号の別册で述べております。このように税務署が税法通りに一杯々々課税するというと相当な税額に上るのです。ところが税務署員は飽くまでも税法を忠実に守らなくちやならない。だから忠実に守り得るような税制を作らなくちやならない。今の段階においては忠実にこれを守れば、納税者は皆潰れなくちやならない。それで從來の課税というものは、只今大蔵大臣の今の言葉にも現れております通り、相当税務署の手心によつて斟酌されて、ぎりぎり一杯取つていない。税法ぎりぎり一杯取つていないでも二十三年度におきましては、或いは本年度におきましても、税金は殺人税金、或いは徴税税金と、こう言つて物凄い摩擦が納税者と税務当局の間に起きておるわけであります。これはやはり税務署員が法律を守つて忠実に実施しても、決して国民から非難を受けない、或いは憎まれもしない、そうして税法通りにさえやれば、公平適正に課税されるような税法ができなくちやならない。ところが先程から申上げましたように、税率が余り高いとか、或いは基礎控除が余りに少ない、このためにこういつた問題が起きているのであります。青色申告におきましても同様のことが言えると思います。只今申上げました通りに正直に帳簿をつけて、ぎりぎり一杯の所得を税務署に申告した場合、どういう結果になるかということは大蔵大臣も只今の大臣の言からして十二分にお分りのことと思います。從いまして問題は税率をもつと下げる、或いは基礎控除をもつと大巾に引上げない限り、幾ら政府が青色申告を宣伝しても、或いは申告を正直にやれとか、或いは税務職員に対して苛酷に監査をやつても、監視をやつても、結局何ら効果がない、かように私は考えるのであります。現在の税率基礎控除についての御見解をもう一度念のためにお伺いいたします。
#154
○国務大臣(池田勇人君) お話のような点がありますことは、私のみならず、シヤウプ博士も言つておるのであります。それは最高税率八十五というふうな税率で参りますると、今のようなことが起つて來るのであります。從いまして私はどうしても国税として税率はやはり五十五とか、或いは高くても六十ぐらいで止めるべきものだという考えの下に、今回の税制改正をいたしたのであります。併し先程申上げましたように、できるだけ税は少なくしなければいけません。又特に所得税につきましてはそういう感が深いのであります。併し片一方で財政需要があります関係上、こういう日本の置かれておりまする現状でありますので、幾ら減税に努力いたしましても、二十五年度は九百億円程度しかできなかつたのであります。私はこれを以て満足いたしてはおりません。來るべき予算編成に対しましてはもつと減税する、まだまだ減税する、こういう方針で進んでいるのであります。
#155
○川上嘉君 今の政府の案の税率は非常に殖えるところがあるのです。そういつた税率のやり方には勿論反対でありますが、基礎控除についてもつと上げなくちやいけない。これは私が改めてここで申上げるまでもなく、大体各国の免税点を邦貨に換算いたしますと、アメリカが八十六万円、イギリスが四十三万円、西ドイツでさえも二十二万円、こうなつております。これから見ると、日本の基礎控除の二万五千円というものは、全くお話にならない程、苛酷な程低額なものでありまして、この点が改正されない限りこれはいくら青色申告の実施をしたつて、いくら公平適正な課税をやるんだと宣伝しても、何にもならない、かように私は考えるのであります。先程からも申上げました通り、現在の税法は相当な手心によつて課税されているので、これが税法一杯々々に取ろうとすれば相当な額に昇るのである、去年あれだけの問題を起してさえも実際の所得額の七〇%、乃至六〇%程度しか課税されていない。かように考えます。税法通りに実施した場合と、そうでない場合と比較いたしますと、少くとも七〇%、六〇%程度しか課税されていない。それにも拘わらずもう納税者は殆んど潰れる寸前まで行つている。かようなことに相成つておりますが、今回提案されました税制は、從來の税制から考えて見まして画期的な改革とは言うものの、極めて徴々たる改革であつて、從來の不合理、こういつた点を是正する、合理化するには全く殆んど無力に近いものである。かように考えるのであります。從いまして念のためにここで更にお聽きしたいことは、現在政府が上程している税法、その税法通り税務職員が忠実に実施した場合、果して今年度より減額になるかどうか、正直に税務職員が税法通り税金を取つた場合に、政府の言うごとく果して減税になるかどうか、この点について大蔵大臣の御見解を御発表願います。
#156
○国務大臣(池田勇人君) 基礎控除の問題を為替レートで言うということは、私は非常に誤まられる問題と思うのであります。その国の財政状況によつて考えなければなりません。又基礎控際ばかりでなく、税率その他の問題を考えなければならないのであります。而して私は今の財政状況から申しますると、この程度で我慢しなきやならないのではないか、シヤウプ博士は基礎控除を二万四千円と勧告されたのであります。私はこれを二万五千円にした。千円を引上げたことによつて三十八億円の減收になるのであります。あなたのおつしやるように、西ドイツの二十二万円にすると、所得税はどうなるかということをお考え願いたいと思うのであります。中小商工業者、或いは農業者の問題をおつしやいますが、勤労階級はこれで税金を徴收しておるのであります。だからあなたのおつしやるように、農業者或いは中小商工業者からは七割五分しか取つていないとか、七割六分しか取つていないというのじやない。それはその年の徴收歩合が七割五分とか七割六分になつておるのであります。翌年度に廻ることを考えてからの問題であるのであります。そう御承知置きを願いたいと思います。
 尚所得税につきましては、先程來申上げますように、とにかく財政の状況によりまして、できるだけ減らしたい、併しやむを得ないので今の程度で我慢いたしておるのであります。而してこの税法を適用し税務官吏が最も忠実に働かれたならば予算だけ取れるか、或いは予算以上になるのじやないか、こういう御議論でありまするが、私は予算程度しか取れないと思います。これは今年度の中小商工業者、或いは農業者を対象といたしまする申告納税は、三月の十日現在におきまして予算の千七百億円に対しまして五百六十億円まだ足らない、五百六十億円足りないのでございます。こういう状況から考えまして、税務官吏が最も忠実に働いて頂いて、そうして今の税法を施行いたしまして、申告納税は予算だけしか取れないと考えております。
#157
○川上嘉君 私は担税力があるかどうか、取り得る取れないかは別問題として、少くとも数字的に課税できる分をお尋ねしておるのであります。現在上程されておる税法通りに、その税法そのままに実施するとすれば、少くとも課税は相当な数に上る。そうして政府の今までの考え方は從來の税法には欠陷があつたのだ、併し今度は大体正当な税法である、かような点に立つて、正当の税法であるが故に、これは忠実に飽くまでも税法通りに実施しなければならん、かようなことになるというと、相当な増税になる、これは実際に徴收された額はどれだけか別問題としても、少くとも課税の通知が納税者に行く、そういつた通知の総額は從來よりも異常に増額になる。こういうことを私は指摘しているのであります。そこで從來は、つまり先程からも申上げております通り、又大蔵大臣も申しておられます通り、税務官吏が、法規に書いてある税制と、それから自分らの胸の中にあるいわゆる胸三寸といつたようなものと、二つの物指しで課税しているというような、この不合理ですね。この不合理は依然として今後残らなければならん。それがために、幾多の問題が起きて來る。税法と自分の胸三寸というような、この両方の物指しで課税しようとする。ここに大きな問題があるのであります。そのために課税の不公平、不適正な問題が起き、更に税務署に対する非難が起きて、税務署の職員に対してはものを言うな、物を売るなというような運動が起きるのでありまして、こういつたいろいろな不合理、不都合を是正するためには、どうしても税制の面と、更に同時に徴税の面からこれを引出さなければならない、こういつた点に、非常に消極的である。消極的であるばかりでなく、何ら熱意がない。熱意がないにも拘らず、この点に積極的な対策を講ぜずして税法上の減税を叫び、更に効率的な適正な課税を叫ぶ、これは全く單なる宣伝に過ぎない、かように私は指摘せざるを得ないのであります。尚税率とか、或いは基礎控除の点につきまして、大蔵大臣は大蔵大臣としての御見解があるのでございましようが、私は大蔵大臣の説には飽くまでも反対であります。
 尚、更に今回こういつた問題の対策として、苦情相談所が設置されるようでありまするが、その構想についてお伺いいたします。
#158
○国務大臣(池田勇人君) なかなか我々と違つたお考えを持つておられるようでございまするが、私は川上君のおつしやる数字的、理論的根拠に賛成できないのであります。この税法を忠実に税務官吏の努力におきまして施行いたしましても、予算以上にはなかなか取り難いと考えておるのであります。
 紛争処理機関の問題につきましては、大体千五百人の人を充てまして、まだ配置は決つておりませんが、主なる税務署には一々置きたい。殊に都市中心に置いて行くという考えで行つております。一処理機関に何人かということははつきり決つておりませんが、ところによりまして人員も違つて來るのじやないか。若し人員が違わなければ、一定の單位の二倍、或いは三倍というふうで、事務の多いところには沢山の人を置く、こういう観念でございます。
#159
○委員長(山田佐一君) 川上君、成るたけ一つ簡潔に願います。後がつかえておりますから……。
#160
○川上嘉君 極めて簡單に申上げます。それはですね、今の僕の忠実にという言葉はですね、ちよつと忠実にという言葉は語弊がありますが、嚴格に、こういう工合に訂正して貰いたい。税法を嚴格に実施した場合は、私がいろいろ申上げましたような結果になる、かように訂正願います。更に最近いろいろ税務署に対する非難がありますので、この税務職員を取締り、或いは監視するという意味において監査官の権限を強化するというようなことが伝えられております。今の税務職員のいろいろな非難となつておる点を是正するためには、私が以上申上げました点を是正することこそ根本問題である、かように私は考えております。そういつた問題を解決して、然る後にこういたつ税務官吏を監査する監査官の制度を強化するという工合に行くべきである、かように考えておるのですが、その監査官の権限を強化するといつたような点の構想についてお伺いいたします。
#161
○国務大臣(池田勇人君) 税務の執行の円滑を期しますためには、税法を合理的なものにすると同時に、その執行に当ります税務職員の待遇改善なり、素質向上を図つて行かなければならんということは当然であるのであります。我々はこの意味におきまして税制を改正いたしまするし、又税務官吏の事務分量の適正化等を図つて行く、又他面税務官吏の中にも不心得の者があるのでありまして、これは極く一部分ではございまするが、今までの様子から見ますると不正事件をなす人もたまにはあるのでありますが、これを内部的に取締るために一定の監査官をおきまして、そうしてこれを指導監督、或いは被疑があつた場合におきましての糾彈制度を設けるのであります。
#162
○川上嘉君 繰返して申上げますが、現在の税務官吏に対するいろいろな非難の的となつておる立場をはつきりとするためには、やはり以上申上げましたような税制の方面、又徴税の方面、いろいろな方面の不合理を是正することこそ根本問題である。こういうことを更に繰返して強調いたしておきます。
 次に待遇の問題でありますが、この問題につきましても再三申上げております通り、税務職員の待遇……、税務職員を優遇することこそが現在の税制を公平適正にする先ず前提である、かようなことをシヤウプ博士は指摘されております。尚一般給與ベースにおきましては、人事院の勧告もあります。この問題を繞つては各委員からも、又本会議におきましても、相当活溌にすでに論議されましたので、私はここで念のため更にお伺いいたすのでありまするが、政府は六三〇七円ベースを絶対に引上げる意思はないのかどうか、この点をもう一度お伺いいたします。
#163
○国務大臣(池田勇人君) 度々お答え申上げましたように、六三〇七円ベースは今のところ訂正する意思はございません。
#164
○川上嘉君 その理由と或いはその他の点につきましては、一切ここでは省略いたしまして、それでは例えばベースの引上げ不可能であるならば、昇給をするとか或いは何らかの一時手当等の措置をとる用意があるのかどうか、この点につていお伺いいたします。
#165
○国務大臣(池田勇人君) 公務員の実質賃金の向上につきましては、あらゆる手を今研究いたしておりますが、ただここで申上げる段階に至つておりません。
#166
○川上嘉君 次に賠償撤去業務についてお伺いいたしますが、この業務がどの程度まで進捗しておるか、進捗状況について大体の概要をお伺いいたします。
#167
○国務大臣(池田勇人君) 賠償撤去業務の進捗状況と申しますと、どこに重点を置いてお答えしていいか分りませんのですが……。
#168
○川上嘉君 それは大蔵部内の管財職員の業務の状態です。
#169
○国務大臣(池田勇人君) 大蔵省管財局におきまして、賠償に指定されました設備その他を管理いたし、解除になりましたものも相当あります。又管理の手続も非常に簡素になりましたために、定員が四千二百人程度でありましたものが、只今は余程少くなつております。二千五、六百名ぐらいで管理していると考えております。
#170
○川上嘉君 大体撤去済みの工場が十八ヶ所ぐらいあるので、この十八工場に勤めていた從業員が四月一日を期して行政部への切換えに相成るように聞いておりますが、この点についてお伺いいたします。
#171
○国務大臣(池田勇人君) 只今申上げましたように、事務が非常に減つて参りますので、段々と辞めて行つておると聞いておるのであります。四月一日からどれだけ減るかという数字は私は持つておりませんが、当初よりは余程人員は減つて來ておると申上げられるのであります。
#172
○川上嘉君 今後において、現在大体この業務に從事している者が二千八百有余人おりまするが、こういつた人達の身分は十二分に保障されているのかどうか、又賠償撤去業務が済むことによつて、こうした人達の人員の配置転換とか、或いは退職手当の問題だとか、こういつた問題に対して対策ができているのかどうかお伺いいたします。
#173
○国務大臣(池田勇人君) 昨年の今頃は四千二百人おつたのが、今のように二千七、八百人に減つておるのであります。その間におきましては、我々はできるだけ他に就職を見付けられるように盡力もいたしておりますし、配置転換等、あらゆる措置を講じまして、辞めて行かれる人のために努力をいたしておる状況であるのであります。
#174
○川上嘉君 近々從業員の人員整理があるといつたようなことを聞かされているのでありまするが、この点について一つお伺いいたします。
#175
○国務大臣(池田勇人君) 特に人員整理というような気持は持つておりません。事務が減つて來ますので、段々辞めて行かれるという状況であると考えます。
#176
○川上嘉君 辞めて行くというのですが、自然退職ですか、それとも整理による退職でしようか。
#177
○国務大臣(池田勇人君) 今賠償事務が急激に向うから指令その他によつてなくなるということも考えられませんので、普通言われるような整理ということはまだ聞いておりません。併し事務が段々少くなつて來るにつれまして、配置転換その他適当な方法をとつている、こうお答えするのであります。
#178
○川上嘉君 今の大蔵大臣のお言葉を聽いて誠に安心したのでありますが、実は二、三日前からこういつた問題を廻つて、当局と從業員側といろいろと墾談が持たれている。それによりますというと、第二次行政整理と絡んで相当な整理があるというようなことを聞かさてれてるのでありますが、そういつたことは毛頭ないというような大蔵大臣の言を承わりまして誠に安心いたしました。
 それから、もとより我々は終戰処理費の削減に対しては大賛成であります。それから賠償撤去打切りに対しても大賛成であります。ところが從來そこに從事した從事員はどうするかという問題が大きな問題でありまして、その打切りによつて、その從事員の配置転換とか、或いは行政部への切換えとか、或いは退職手当の問題、こういつた問題については、これは当然に打切り或いは削減されることは決つておるのですから、今から具体的な対策を立ててもらいたい。最後にもう一回念を押しておきます。そういつた行政整理は全然政府は考えていない、こういうように私は了解いたしましたが、それで差支えないでしようか。
#179
○国務大臣(池田勇人君) これは行政整理ということは、私は適切な言葉ではないのではないかと思います。御承知の通り賠償を指定されている工場その他の管理をいたしているのであります。で相当沢山ございますが、向うから賠償の指定が解除になりましたときには自然その人は要らなくなつて來るわけであります。これは行政整理という問題ではないと思います。そうして或る程度の工場の指定が解除になつた場合におきましては、人員が要らなくなりますから、御承知の通り我々はできるだけそういう形につきまして配置転換、退職については努力し、そう余り文句も聞かずにやつて來ておるのであります。今後におきましては指定工場が解除になりました場合にはこれは起つて來ると思います。併しこれは行政整理ということではなしに、事柄の性質上私はもう当然予期して、常にそういうことを予期しながら人員の配置転換その他のことをやつて來ておるのでありますから、御了承願います。
#180
○川上嘉君 それでは近々にはそういつた大巾に人員を減らすというようなことは起きない、近々にはそういつた問題が上つていない、こういうふうに了解して差支えないのでしようか。
#181
○国務大臣(池田勇人君) 只今のところでは聞いておりませんが、指定解除は向うさんでおやりになることでありますので、私共の方ではつきりお答え申上げられません。
#182
○小林勝馬君 大多数の質問は各委員において行われたことと思いますから、二、三の点について御質問申上げたいと思います。
 先ず最初に今川上君からいろいろとお話が出たのでございますけれども、最近反税運動が非常に猛烈になつておる実情でございまして、例えば福岡の国税局におきましても、一月におきましては三件、二月におきましては九件、三月におきましてはその数倍に当る二十六件も反税運動が起つておる。これに対しては金詰り乃至いろいろの問題があるだろうと思いますけれども、これに対する大蔵省の御意向としては、今後はどういうふうに措置され、どういうふうにやられる御意図であるか、税務署の職員としてはこれ以上は危い、身の危險に曝されるというような実情を目の当り見て來たのでありますが、この点について大蔵大臣の御所見を承わりたいと思います。
#183
○国務大臣(池田勇人君) 各地に反税運動が起つておりますることは誠に遺憾とするところであります。お話しの通りに、九州におきましては福岡が最も盛んのようであります。我々といたしましては、税務の機能の適正円滑を期するべく極力税務職員を督励いたしまして、反税運動が起らないようにいたしております。いろいろな問題が介在いたしておりまして、税金の高い問題もございましよう。併し又それ以外のもので相当にくむべき反税運動もなかにはあるのであります。從いまして先般も閣議決定いたしまして、反税運動のために極端な暴挙が行われる場合におきましては断乎として取締る、こういう決意をいたしまして促しておる状態であるのであります。私は事柄が分つて來ればそういうことは段々に少なくなつて來ると思うのでありますが、税金が高いということを利用いたしまして、外の面での場合もございますので、こういう場合につきましては断乎取締るつもりで参つております。
#184
○小林勝馬君 只今の御答弁で税務職員も安心して仕事ができるのじやないかと思いますけれども、より一層御注意になつて徴税の問題に当られんことを御希望申上げます。
 次に先般から本会議におきましても決議案その他におきまして、郵便年金乃至は保險金の運用再開の問題がしばしば提案されておるのでございますけれども、一部に伝え聞きますところによりますと、大蔵官僚の一部の方がこれに対して、非常に反対であるというような御意見も承つておりまするが、現在どのような状態であり、尚又いつこれをもとの郵政省にこれを運用させる御意図であるのか承わりたいと思います。
#185
○国務大臣(池田勇人君) この問題本会議でもお答え申上げましたように、両院の決議を尊重し、閣議決定を昨年九月にいたしまして、そうして昭和二十一年の一月に出ました統合運用の覚書の変更方を交渉いたしておるのであります。先方におきましてもこちらの事情が大分分つて参りましたので、私は早晩解決する問題ではないかと想像いたしております。大蔵省の一部の者が反対しておるというふうなことがございまするが、私は嚴重に言いつけましてそういうことはございませんでございますから、御了承願いたいと思います。
#186
○小林勝馬君 この郵便年金並びに保險金の運用再開の問題は随分古くから言われておる問題でありまして、これによつて逓信從業員が、例えば募集をするとか、いろんな点に非常に支障を來たしておるというような点もあるわけでございまして、例えばこの運用再開が從來通り郵政省においてこれはでき得るならば、例えば地方自治の問題につきましても、あらゆる点で完全にこれを取り行われるように相成りましたときは、この募集その他の点が非常に有利に展開されるのじやないかと、より以上の効果があるのじやないかと、かように考えられますので、できるだけこれを早急に再開されるように大蔵大臣としても御盡力を願いたいと、かように思うのでございますが……。
 次に電話公債の問題でございますが、先般から少額の部分については電話公債を返還するというふうにお伝えになつておるようでございますが、現在は千八百円の既定の取付料のみにおいて電話は設置されておる。併しこれが昨年以前の人は三万八千円ですかの金額を、皆これを拂つて漸くこれを取付けさしたというような実情でございまして、この段階におきまして非常に一年前に引いた人と、現在の人との差があり過ぎるのじやないかと思います。そういう点からいたしまして、これは早急に返済すべきであると思うのでございますが、いつ、どういうふうなことで御返済になる御意図であるか、承わりたい。
#187
○政府委員(河野一之君) 電話公債につきましては、できるだけ早い機会に償還いたしたいと思いまして、二十五年度予算にも相当額を計上しております。電気通信の会計の切換えでできるだけ早くやりたいと思つております。
#188
○小林勝馬君 これは電気通信の予算の中から拂うのではなくて、一般予算にこの前は振り入れたのではないかと思いますけれども、これはどういうふうになつておりますか。
#189
○政府委員(河野一之君) 電気通信事業の金でございます。
#190
○小林勝馬君 然らばこれを早急に解決して頂くことにお願いして置きたいと思いますが……。
 次に船舶公団が廃止されまして相当の金額を乘せなくちやならない実情でありますが、船主におきましては、あらゆる面からこの代金を市中銀行に依存することは到底でき得ない実情でありますが、これに対して船舶金融公庫乃至はそれに相当すべきものを今どのようにお考えになつて、どのようにこの問題を処理して行かれる御意図であるか、承わりたい。
#191
○国務大臣(池田勇人君) 船舶公団を通じまして融資いたしました分につきましては、船舶公団廃止後は、復金からの貸付も同様政府において引き継いで、持分を引き継ぐことにいたしておりますから、民間の方には影響がないと思います。
#192
○小林勝馬君 現在までの分は政府において引き継いで行かれるけれども、今後の問題に対して船舶金融公庫乃至はそういうものに匹敵するものを御設置相成る予定であるのかどうかということを承わりたい。
#193
○国務大臣(池田勇人君) 船舶公団のようなものを作りまして、造船の方の融資機関を置くという考え方は止めまして、今度は民間の方が自分の金で運営して行くように、そうしてその場合には見返資金等から融資すると、こういう段階で進めたいと思います。
#194
○小林勝馬君 民間の方で船舶公団に匹敵するものを作るということは、どういうふうなあれで作るわけですか。政府がそれに資金を、見返資金から與えるという今の御説明ですけれども、民間の人にどういうようなあれでやらせるのか、ちよつと承わりたい。
#195
○国務大臣(池田勇人君) 船舶公団とか、船舶金融金庫とか、こういうようなものは作らないのでございます。民間の船舶業者が自分の発意で作られる場合におきましては、そのときに見返資金を特に融通する、こういう考えであります。
#196
○小林勝馬君 次に、これに関連しまして、船舶運営会の廃止に伴う資金として、四十二億の予算を取つてあるのでございますけれども、これは如何ような内容になつておりますか、承わりたいと思います。
#197
○国務大臣(池田勇人君) これは船舶運営会は廃止しまして、外洋船に対して、繋船補助の形式で船舶管理委員会を設けて、そこから補助費を出して行く、こういう考えであつたのであります。最近関係方面との話がありまして、この外航船のみならず、一定のものの繋船補助として前の案より少し変つた考え方が起つて参つております。
#198
○小林勝馬君 船舶管理委員会の方に廻わされるということはよく分つておりますが、四十二億を如何ようにお使いになり、如何ようにこれを処理されるのかが承りたいので、例えば現在の船舶運営会が廃止された場合においては、相当数の失業者も、又相当の繋船もでき得るのじやないか、外洋船に適しない船舶もあり得る。尚又、外洋船に向けることが却つて不経済になるものも起り得るのでございます。こういう点からいたしまして、四十二億ばかりの金でありますけれども、これは失業船員に退職資金乃至はいろいろのものまで予算に計上してあるのかどうか、そういう点を承わりたい。
#199
○国務大臣(池田勇人君) 船舶管理委員会の下に、外航適格船補助として出して行くという考え方が変りまして、外航のものには補助しない、外航に補助しない、内航船に対しまして繋船補助として出そう、こういうことに相成つたのであります。今出し方については、更に検討を加えておるのであります。
#200
○小林勝馬君 繋船補助費というのは、船主側にのみ、これを補助されるのか、これに対して、いわゆる船舶運営会の解散に伴ういろいろな失業船員、その他に対しての給與にも廻わされる御意図であるか、承わりたい。
#201
○政府委員(河野一之君) 大蔵大臣が言われました通りでありまして、当初は船舶運営会を解散いたしまして、商船管理委員会にする、そうして四十二億の補助金を計上いたしておつたのでありますが、その中には、船舶運営会に解散に伴なう退職手当等も入つておるわけであります。新しく最近関係方面からの指令によつてやります分は、内地の、内航船につきまして一定の條件の下に繋船補助をやる。從いまして、四十二億の予算の中から、当然船舶運営会の職員の退職手当等も出されるわけで、ただ一般の運営会の補助のやり方が変つて來たというだけであります。
#202
○小林勝馬君 この船舶運営会の職員の退職資金は、現金では支給しないというふうに今流布されておりますけれども、これはいかような案でおやりになる御意図でありますか。
#203
○国務大臣(池田勇人君) 現金でやる考えでございます。別に支給方法を考えておるわけじやございません。
#204
○小林勝馬君 次に海上保安庁の問題でございますけれども、海上保安庁の予算の点は多少増額されておりますが、この海上保安庁の武器その他に対しましてはいかようにこれをおやりになる御予定でありますか。
#205
○国務大臣(池田勇人君) 海上保安庁の予算の殖えましたのは、武装と申しますか、何か少し武器を殖やすことにいたしたのであります。どの程度の武器を持つことになつたか私は詳しくは存じません。
#206
○小林勝馬君 この問題も海上保安庁の武器の問題が非常に問題になつておるのでございまして、これは大蔵大臣よりもむしろ総理大臣に承わりたいと思つておつたのですが、一面におきましては余りにこれに武器を持たせるのもどうかという問題もありますけれども、実際問題として、あのボロ船で違反船を追つかけて行つても武器一つない海上保安庁の巡視艇においては、何ら仕事ができ得ていないような実情であるのでありまして、多少の船舶の優秀船を建造いたしましても追つつかないのじやないかとかように考えます。これは大蔵大臣じやなくても、又後で分科会でもお聞きいたしたいと思います。
 次に身体障害者の補助金の問題でございますけれども、これはいかように今お考えになつておりますか、承わりたいと思います。
#207
○政府委員(河野一之君) 身体障害者につきましては、生活保護法の適用によりまして適当の措置を取つておるわけであります。ただ厚生省の予算におきまして、そういつた身体障害者は、殊に戰争関係の障害者につきましては、義肢その他の支給に相当の予算を計上しております。
#208
○小林勝馬君 先程から身体障害者並びに未亡人の福祉の問題その他に対して、非常に予算が少いという問題で、あらゆる方面からこれを検討されておるようでございますけれども、今の御説明では大蔵省としては、正確な御説明ができないようでございますから、これは後程又厚生大臣に承わることにいたして私の質問を終ります。
#209
○深川タマヱ君 最近大蔵省では新財源のために、婦人用煙草を御発売になりまして婦人に喫煙を奬励されるやに伺つておりますが、それは事実でございましようか。
#210
○国務大臣(池田勇人君) 私はそういうことを考えもいたしません。又事務当局の方から聞いてもおりません。
#211
○深川タマヱ君 近頃はインド方面から参りますお米が極めて惡臭でありまして、国民が困窮いたしております。いずれ南方へ購買力を附與いたしますためになさつておいでになることとは存じますが、これが続きますと大変惡臭である上に味が惡うございますので困るのでありますが、朝鮮、台湾方面に暫らくお御厄介になりまして、親しく馴れております味の良いお米をバーターで入れるようにはならないんでございましようか。
#212
○国務大臣(池田勇人君) 御尤もな御質問でございまして、我々はできるだけ食べ馴れました朝鮮米、台湾米の方を買いたい考えで行つておるのであります。最近も朝鮮米を一万トン輸入いたすことにいたしました。今後も韓国とのバーター貿易の進展を図りまして、そうして向うからできるだけ米を入れたいという考えで進んでおるのであります。何分にもやはり東南アジア方面とのバーター貿易におきましてもやはり向うから米をという話がありますので、米を取つておるのでありまするが、たとえ取るにいたしましても一つ優良な米を取るように努力いたしたいと考えております。
#213
○深川タマヱ君 私達は二十四年度の財政支出は、大体二十四年度の税收で賄うように考えておりますが、逐一週間くらい前に新聞紙上に発表されたのによりますと、もう今年度はあと少ししか残つておりませんのに、まだ税收は六十五%のように聞いておりますが、してみますと一体これからの財政支出は政府は何で賄つておいでになりますか、大蔵省証券もお出しにならないといたしますと、政府が最も恐れておいでになりますインフレになりつつあると思うのであります。この間の消息を承りたいと思います。
#214
○国務大臣(池田勇人君) 大体政府の昭和二十四年度の歳出、歳入はとんとんで予定しておるのであります。ただ税の方で中小企業者、或いは農業者を根幹といたしまする申告納税、所得税の申告納税分一千七百億円に対しまして、これは六十五%しか入つておりません。先程申上げましたように一千七百億円に対しまして一千百四十億円しか入つていないのであります。これは三月十日現在でございます。併し申告納税の分は五百六十億もまだこれから入ることになつておるのでございますが、幸いに勤労階級の納められまする源泉課税の所得税、これは相当黒字でございます。又法人の税金、或いは酒の税金が相当黒字でありまするので、大体租税におきましては申告納税が非常に減收を來たしましても、とんとんで行けるんじやないかという見通しをつけておるのでございます。而して税收以外の問題で申しますると、終戰処理費その他不用額が、政府が歳出を見込んでおりました分よりも、それだけ要らない金額が合計九十五億程ございます。それから政府が收入を予定しておりました分で、赤字が、租税收入を除きまして專売益金の四十五億とか、或いは価格差益金の三、四十億こういう收入不足額がございますので、或る程度税の方で一、二十億ぐらいの自然増收がないと、これはやり切れんのではないかという見通しを立てておりまするが、これは私の今申上げたのは一応の概算でありまして、只今のところこの大蔵省証券等の借入金をしなくても何とか年度が越せるのではないかという状態であるのであります。
#215
○深川タマヱ君 大変よいことを伺いました。勤労所得税とか酒などで大変黒字が出ているそうでございますので、してみますと只今日本では未亡人が百八十八万、平均一人三・八人の子供を負わされている人が身売りをしている。女性が貞操を売ることによつて失業救済の一つに数えられておる。これは政府の方針ではございませんが、実際問題としてそういうような状態もございますし、傷痍軍人等は予算が少のうございまして、非常に体力を消耗いたしておりますし、戰災孤兒等も一日三十五円ばかりの食費でございますので、一つこういう方面にこの黒字の分を大巾にお割き願いたいと思うのであります。私共ここへ参りまして土木の予算を調べさせて頂いておりますけれども、正直なところ議員でも土木の予算がはつきりお分りになる方はどのくらいあるかと私不思議に思つておるのであります。例えばこの頃の質問に対します御答弁を伺つておりましても、半分だけは具体的に案をお立てになつているようでありますけれども、このどこの山をどれだけとか、どこの川をどれだけということで予算をお立てになつておるようでありますが、あとの半分くらいのものは具体的な案が立つておらないような御答弁を伺つておりますが、何分土木の経費なんというものは大変かかりますので、そういう杜撰な計算を一方でなさつておいでになりますし、一方では命に別條のある方面は、僅か二億や三億の金で大変惠まれておりませんが、こういう方面に一つもつと御関心をお持ちになりまして、できるだけ余つた黒字の予算でこの方に大巾に割いて頂きたいと思うのでありますが、これに対して……。
#216
○国務大臣(池田勇人君) 勤労所得税、或いは法人税、酒税で出ました黒字が申告納税の赤字を埋める程度であるとこう申上げておるのでございまして、余り昨年度、即ち二十三年度のような自然増收や或いは不用額は出ないのでございます。次に公共事業費等の土木関係の分に予算が非常に杜撰ではないかという御質問でございますが、これは大体関係の省では一年間にこういうところへ使うという予定は立つておるのであります。ただ支拂予算を付けます場合におきまして、ぎりぎりやつておる、区切つてやつておるという程度で決して濫費したり、杜撰な計画でやつておるのではございません。
#217
○深川タマヱ君 序でだからお聞きいたしますけれども、杜撰に計算はなさつておらんそうでございますので、私個人の場合を考えましても、一体どこの川にどれだけ予算がかかるといいましても、公聽会でもお開きになつて專門家でも沢山集めて、砂利は幾ら、セメントは幾らで、一坪の経費は幾らというところまで詳しく出して頂きませんと、從つてお役人と業者とが結託されて胡麻化しても国民代表はさつぱり胡麻化されて審議できない状態でございますから、今回は間に合いませんけれども、この後はこの方面にもつと正確な予算を組立てて頂きたいということを希望申上げまして、次の質問を申上げます。
 それから次は経済の民主化についてお尋ね申しますが、終戰後の日本は至上命令として経済の民主化を要求されております。然るに自由党の政府の経済政策は、至上命令である経済民主化に甚だしく違反しつつあるように思うのであります。一体自由党の政府は誰の懐に資本蓄積をされるつもりでいられるのか、先ずそれから伺いたい。
#218
○国務大臣(池田勇人君) 国民全体の力によつて資本蓄積を計画いたしておるのであります。
#219
○深川タマヱ君 それが若し理想であつたならば極めて結構だと思いますが、私共の考えでは自由党のなさるところは大資本、大企業家の懐に資本を蓄積……(「ノーノー」、「そうだそうだ」と呼ぶ者あり」)私共が考えますのは、将來の日本は、(「民主党の方は尚ひどいよ」と呼ぶ者あり)初めての質問でございますので暫く御靜聽を願います。
 私共の考えでは大資本家、大企業家を作るのではなく、又甚だしい貧乏人も作るのではない。勤労者及び中小商工業者農民の懐において民族資本を作つて大体中産階級を沢山殖やしたい、これが経済の民主化であろうと思うのであります。只今政府の税制を見ましても、金融の方面を見ましても、全く大資本、大企業中心のように思うのでありますが、果して大蔵大臣がなさつておりますことが理想に適つておると考えておいでになりましようか。
#220
○国務大臣(池田勇人君) どういう論拠でおつしやるか分りませんが、私は課税におきましても行過ぎた課税はよくないと、例えば多分何でございましよう、最高税率を八十五を五十五に下げたということで、こういうところで大企業家に対して特典を與えておるという、こういうお考えであると思いますが、これは五百万円超の八五%を五十万円超五五%にいたしましたのは、中央地方を通じまして大体所得に対しましての課税は七割程度、富裕税を入れまして七割から七割五分程度でいいのじやないか。これはイギリスなんかでも戰争中は所得に対して九七・二五%、こういう高率な課税をいたしておりましたが、日本におきましてこういうことをやりますと、先程川上君のお話がありましたごとく、非常に税が苛酷になりまして、税の行政が曲げられるという結果を來しますので、中央地方の合計の所得の負担を考えまして七〇%、富裕税を加えますると七五%程度になる場合もありまするが、その程度の負担でいいのではないか。併しながら又一般中産階級、或いは農民、中小商工業者の方に対しましても私は相当の減税をして、上も下も同じように資本蓄積をして行きたい。こういう考えの下にやつておるのであります。
#221
○深川タマヱ君 金融のことでありますけれども、今回債務償還に千五百億お使いになりますが、あれなども大蔵大臣は一度銀行に返しても銀行から更に業者に金融をするのであるからというので……、国債の償還のことでございますが、一度国債償還しても大銀行の懐に金が返されましても、それが金融資本となつて一般国民を潤おすとおつしやいますけれども、事実はやはり大企業に金融されて中小商工業者がその恩典に與つていない、この事実によつて見ましても、若し大蔵大臣がさようにこの経済民主化、民族資本を蓄積なされるお考えであつたら、この際の国債償還などはお見合せになりまして、そのまま税金で取るものを、それをそのまま国民の懐ろにお残しになりますならば、各人の経済力に応じた賃金が国民の懐ろに留まるのでありますので、これこそ経済の民主化に合うのじやないかと思うのでありまするけれども、この一つの例を挙げて御説明願いたいと思います。
#222
○国務大臣(池田勇人君) 私は今年一つの減税をしてもいないのならそういう御意見もありましようが、私は他の機会でたびたび申上げましたごとく、財政規模を少くいたしまして先ず減税に充てる、而してその次には国土資源の保護、産業の復興に充てるべく公共事業費その他を殖やし、然る後に債務償還をしよう、こういう考えでいるのであります。債務償還をいたします理由は、今外国から援助を受けておる場合でございますから、これを債務償還せずに全部減税に充ててしまつたならば、国民の生活水準を上げず貯蓄すればよろしうございますけれども、今減税の分は全部貯蓄にし得る状態ではありませんので、ほどほどに各方面に便利のよいように減税もし、事業も興し、債務償還もしようとするのであります。これまで債務償還をいたしましたものが銀行に、或いは預金部に還ります。その金があなたのおつしやるように大企業ばかりに行くのだということはこれは独断だろうと思うのであります。私は大企業に行きましても、日本の産業組織から申しますると大企業の下請けをしておりまするところの下請業者の方にも流れるのであります。これは日本ばかりでございません。アメリカにおきましても五十人以下の工場が全工場の九割を占めております。日本はこれ以上になつておると思いますが、大企業に出したから中小企業一般国民に流れないのだ、こういうことは独断だと思うのであります。併し中小企業に直接出した方がよい場合も勿論ありますので、私は他の機会に御審議願つておりますように、この債務償還をした金が適当に使われますように、農林中金、或いは商工中金等を増資し、そうして商工債券、農工債券を出しまして、これが農業の方面にも、又中小商工業の方面にも間接に行くようないろいろな方法を考えてやつておるのであります。
#223
○深川タマヱ君 その問題について、もう少し進めたいと思うのでありますが、皆さん大変お急ぎのようでありますから、問題の方向を変えてみたいと思います。中小商工業が非常に苦しんでおるようでありますが、その原因にはいろいろあると存じますけれども、何分手取り早く取付き易い仕事でございますので、終戰以來各同業者の数が非常に殖えて、大体三倍位になつておるというのが一つの困窮の原因だろうと思います。これに対しまして、自由党の政府では來る九月頃までに激しい自由競争によつて優勝劣敗自然淘汰の姿によつてより分ける。そうしてじたばたする人をなくする方針のように聞いておるのでありますが、果してそうなのか。それともこの数をそのまま存続されるのか。その根本方針を伺いたい。
#224
○国務大臣(池田勇人君) 日本の産業の育成、或いは合理化につきましては、いろいろな方法があると思うのでありますが、実は私は外国に対しましての競争力、日本の産業経済をより高度にいたします場合におきましては、或る程度の配置転換ということもなければならんと思うのであります。で中小企業のお困りの原因は、これは税金の高かつた原因もありましよう。又金詰りの原因もありましよう。併し金詰りの原因といたしましても銀行の貸澁りもありましようし、又中小商工業者の側におきまして信用状態の足りないという点もあると思うのでありますが、実情を調べますというと、やはりその中小商工業者の中で十分に合理化をし、良い品物を安く作るという努力の足りない人も中にはあるということを聞いておるのであります。我々はこういうことによりまして仕事が少くなるのを止めて頂くために、中小企業の方におきましても、できるだけ良い品物を安く作るように努力して頂くために、こういう方面につきましては、政府としてあらゆる努力援助をして行きたいと思うのであります。いろいろな方法があると思うのでありまするが、中小企業者自体におきましても、余程努力を願わなければならん場合も相当あると考えておるのであります。
#225
○深川タマヱ君 中小商工業者の数が非常に多いのをお認めになりまして、配置転換の必要ありと仰せになりましたが、して見ますと具体的にはどういう方法で配置転換をなさいますのか、即ち転業の場合の受入れ態勢であります。甚だしい自由競争によつて自然淘汰というのは余りにも資本主義の手荒い方法でございますので、何かその計画をお立てになりまして、保護しつつなさることが必要だと思うのでありますけれども、それについてお伺いします。
#226
○国務大臣(池田勇人君) 各種の業種を一律に申上げることは困難かと思うのであります。我々といたしましては、只今産業別に企業合理化の委員会を拵えまして検討を続けております。この際といたしましては、大企業におきましても中小企業の育成に力を盡して頂きたいと思うのであります。又中小企業の方におきましても大企業に密着するとか、或いは自分独自でいい品物を安く作るというふうな努力をされて頂きたいと考えております。我々といたしましても合理化とか、或いはいろいろな方面でその中小企業の育成発達に邁進して行きたいと考えております。
#227
○深川タマヱ君 その次、売行をよくするとインフレになるからといつも大蔵大臣は御答弁になつておいでになりますけれども、これは余りにも杜撰な考え方じやないかと失礼でございますけれども思うのでございます。だからこの自由党内閣は不景気内閣だと国民が言うのではないかと思うのでありますが、これでは中小商工業者も助かることはございませんので、売行きをよくいたしましても、それだけ生産が増えればいいのだ、売行をよくいたしませんと、消費者に対する回転度数を多くして、少い資本を多い資本に使うということもできないと思うのでありますけれども、これについてもう少し詳しい御説明を願いたいと思います。
#228
○国務大臣(池田勇人君) 只今は国内市場だけではないのであります。良い品物を安く作れば外国にも出て行くのであります。私は売行きがよくなればインフレになるというような、そんな簡單な誤つた言葉を言つた覚えはないのであります。
#229
○深川タマヱ君 外国貿易の方法によりまして、売行きを図られるお考えがあるやに伺いますが、して見ますと、日本の戰前の五五%ですか、その貿易の比率を占めますところの中共との貿易の再開はいつ頃のお見通しでありますか。
#230
○国務大臣(池田勇人君) 中共貿易については先般新聞に国務省の発表が出ておりますが、まだ具体的な措置は私は聞いておりません。ただ只今では向うとの貿易の決済の関係機関がないために、余り貿易を期待できないのでありますが、最近におきましては徐々に行われておるのであります。例えばバーター制によりまして大豆とか、落花生とか、或いは油脂原料、石炭等が参つております。こちらの方からは纖維、機械部分品、或いは薬品等が参つておる状況であるのであります。昨年の七月頃からだんだん殖えて行くようでございます。これ以外につきましても香港を仲継といたしまして、或る程度の貿易が行われておることは御承知の通りであります。
#231
○深川タマヱ君 近頃中小企業の合同が頻りに行なわれておりますが、この結果は個人所得税と違いまして法人税に替ると思います。法人税と勤労所得税になりますと、率の関係上税收が少なくなると思いますが、その穴埋めについてどう考えておりますか。
#232
○国務大臣(池田勇人君) 昔から個人企業が法人企業に移り替ることはその例があるのでありますが、最近におきまして個人企業が法人に変る場合が相当顯著になりました。從いましてそうなりますと法人税が殖え、そうして又今まで個人企業であつた方が法人から給與を貰う、こういうことになりますので、先般御説明申上げました勤労所得税並びに法人税が殖え、中小企業に対する申告納税が減つたというのもそういう現われではないかと考えております。
#233
○深川タマヱ君 それから來年減税さすために、今年この程度の税を取立てるのだということを屡々伺うのでありますが、どうも私は本末顛倒しているのであつて、來年税金を減らしてやるから今年無理に重い税金をかけるというのでなくて、むしろそれならば今年税金を安くしておきまして手許に幾らか金を留めさしておいて、儲かつたら來年少々殖やしてもいいという方が筋が通るのじやないかと思うのでありますけれども……。
#234
○国務大臣(池田勇人君) 來年度、再來年度と申しますのは会計年度のことであります。御承知の通り所得税等につきましては、もう昭和二十五年から減税になつているのであります。国税におきまして九百億円の減税になつているのであります。又二十六年に参りましても、私はできるだけ昭和二十五年中に財政上の縮小を図りまして二十六年度も亦減税しよう、こういうふうに考えております。二十五年度におきまして、国税におきまして九百億円減税した、その御審議をお願いしていることを御承知願いたいと思います。
#235
○深川タマヱ君 自立経済のために、少々重い税だけれどもかけられるそうでありますが、この自立経済についてでありますが、又アメリカから今援助して貰つているのでありますけれども、それに対しまして昨年以來見返資金というものを国民から税で取立てておりますので、若し先方から貰わなくてもただ買えるように思います。併し若しそうしたときは、今見返資金で長期建設事業、何かしておりますが、その資金がなくなるだろうということでございますけれども、そのときは、即ちアメリカが見てくれなくなるときは、講和会議も開かれまして終戰処理費も要らなくなるのじやないか、その処理費で建設事業もできるのじやないか、して見ると、そろそろ自立ができるので、無理に自立経済のために国債を償還してしまわなくてもいいのじやないかと思うのですが、間違つておりますでしようか。
#236
○国務大臣(池田勇人君) 大体お金には日本で使うお金と外国で役に立つお金があるのであります。アメリカからの援助物資がなくなつて來ますと、その金はそれだけのものは、我々が饑餓輸出か何かで持つて行かなければならん、貸してくれれば別でございますが千五百億円という援助物資に相当するものを国内から持出さなければならん、而して片一方の終戰処理費というものは、内容を御覧になればお分りと思いますが、我々の同胞が使つておるのであります。即ち二十数万人の月給になります。或いは鉄道とか通信の使用料であります。これは外貨にはなかなか換え難うございます。それで私は今アメリカの援助があります場合において減税もしましようし、復興もしようし、そうしてなくなつた場合において急に饑餓輸出をしなくてもいいように、産業復興の方に使うべく債務償還しよう、こういう考えであるのであります。
#237
○深川タマヱ君 序でにお伺いしますが、アメリカからの援助、あれは一体贈與なのでございましようか、債務を生じつつあるのでございましようか、これはかかることは分つておらなければならないことで、案外国民の間に不明瞭になつておりますので、この際伺つて置きたいと思います。
#238
○国務大臣(池田勇人君) 私はいろいろな方面から考えまして、日本国の債務と心得ております。併しこの債務と心得たものは、じや返すかと申しますと、返さなければならんものだと考えておるのであります。で從來からの例を申しますると、イタリアの国で示すがごとく、講和会議におきましても棒引きされております。返さなくてもいいということになつておるのであります。併し只今のところでは私は債務と心得うべしという考えの下に準備をいたしておるのであります。
#239
○深川タマヱ君 最後に外資に対しまして、税率を引下げるようにすると、ときどき新聞で見るのでありますが、自由党の政府の御方針を伺いたいと思います。
#240
○国務大臣(池田勇人君) 我が国の産業復興のためには、併し我々の資本蓄積だけでは不十分であります。從いまして私といたしましては、日本の経済復興に役立つ外資がどんどん入つて來るように期待いたします。又日本の経済復興に必要な外国技術者の内地に來られることも望ましいことと考えまして、この二点に対しまして特別の措置を講じたいというので、只今案を練つておる次第でございます。
#241
○川上嘉君 さつき質問の途中で人に取られましたので続いてもう二三点質問することにいたします。
#242
○委員長(山田佐一君) 川上君、別に途中で取つたわけではないのですから、その前にちよつと木村君から発言を求められておりますから、木村君のが済んでから、又時間があつたらお願いいたします。では木村禧八郎君。
#243
○木村禧八郎君 私は最後でいいのですよ。
#244
○委員長(山田佐一君) 時間はそう掛りませんか。
#245
○川上嘉君 それははつきり分らないのです。(「委員長しつかり進行しろ」と呼ぶ者あり)
#246
○委員長(山田佐一君) なるべく時間は……。
#247
○川上嘉君 なるべく早くやります。
#248
○委員長(山田佐一君) 凡そどのくらいですか。
#249
○川上嘉君 十五六分でしよう。
#250
○委員長(山田佐一君) 十五六分を嚴守して下さい。では川上君。
#251
○川上嘉君 現在問題を起しております更正決定についてお尋ねいたします。
 大蔵大臣は再々言明しているのでありまするが、本年度以降は、割当目標額というものは設けない。勿論これは税法上こういつたものがあるのじやなくして、勿論のことでありまするが、併しそうはいうものの実質的においては、目標額割当なるものの圧力に苦しめられている。この例は現在方々に起つておる運動で、つまり更正決定は割当だから返上するのだ。実情に即していない。こういつた運動が展開されておるわけであります。現に政府でも、或いは料飲とか、或いは旅館業者は相当苦しい。中でもまあ高級種目に近いものと、こう認められておるわけでありますが、この高級種目であるところの旅館業者、料飲組合でさえも、こういつた現在の更正決定に対する反対運動を起しておるのであります。実は私はわざわざ京都から呼ばれましたので、京都に行つたのでありますが、京都で旅館業者、或いは料飲の連中が税金、更正決定に対する反対運動を展開したのであります。その理由は、向うの言い分は、大体税務署との折衝の結果、前年度に対する十七割増ということは決まつたと、この十七割増というものも、本当に自分達は止むに止まれず、涙を呑んで呑んだのだと、ところがその後国税局からの指示によつて二十一割になつたのだと、それじや一年間税務署の職員は、署長初め一体何をしておつたか。一年間やつた調査は、国税局から來て一週間か二週間でやつたその調査によつて、それが簡單に曲げられるものならば、税務職員、署長以下全部辞めるべきだ。一年間そういつた者を高い俸給を拂つて養つて置く必要がない。こういつた運動が展開されておるのであります。更に九州方面におきましても、先程もお話があつたのでありますが、福岡におきましても、更に久留米におきましても更正決定の反対運動が起きております。尚宮崎県におきましては宮崎税務署管内、更に延岡管内、或いは大分県におきましては中津税務署、宇佐税務署、国東税務署、臼杵税務署、日田税務署、その管内において猛烈な運動が展開されておるのであります。尚鹿兒島県におきましても加治木、鹿兒島で起つております。從來鹿兒島県下におきましてはかかる運動はなかつたのでありますが、三月十八日、二十二日においてそれぞれ相当大きな大会が開かれておるのであります。こういつた点から申しますと、実質的にやはり依然として目標割当なるものの圧力に苦しめられておる。又先程申しました通り非難の的が殆んど税務職員になつておる。して見ますというと、こういつた現在の税金の取り方の不合理のために納税者も苦しみ、それ以上に政府と納税者の板挾みになつておるのは税務職員である。ところが税務職員に対する先程の攻撃、税務職員が非難の的になつておることは先程申上げた通りでありますが、こういつた点に対して政府は税金に対する一切の責任を税務署に転嫁しておる。税務署は單独の官庁でもなければ会社でもない、政府の作る、政府の立案した税率によつて、政府の命令によつて税金を課税し徴收しているのだ、ところが一切の責任を税務署に転嫁しておる。從つて現在こうして我々が税法を審議しておる、予算を審議しておる際にも、大体税金問題で国会にデモを押しかけるということではなくして、税務署へどんどん国民が押しかけて行く、こういつた現状は大蔵大臣はどう見ておられるのかどうか、尚こういつた一切の責任は政府にあると私は、こう考えるのでありますが、こういつた点に対する大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。
#252
○国務大臣(池田勇人君) 税務の執行につきまして、政府並びに税務署は一体であります。御質問の点がどこにあるか分りませんが、割当課税という言葉でございますが、割当課税とは川上さんはどういう定義で言つておられるのでありますか、その点はつきり分りませんが……。
#253
○川上嘉君 先程申上げました通り、税法上にはそういつたことはないのです。割当課税といつたそういうものもない。ところがあなた達が神様のように尊敬しておられるシヤウプ氏もはつきり言つておられます。割当目標額というものが、確かにあつた。若し割当目標課税なくしてその機能を発揮できなければ所得税はよろしく撤廃した方がよいと、かようにきめつけております。更に目標額を作るというような技術が他の国で採用されておるのを聞いたことがない。かようにシヤウプが日本の從來のやり方を皮肉つております。これはシウヤプ博士が僅か一箇月來て見ただけで、こういうことを言つておるのであります。この点は十分大蔵大臣に私から詳しく説明しないでもお分りと思いますが、税法上は絶対そういうことはありません。ないが現実においてはそういつたことがあつた。このことはシヤウプ自身がすでに証明しております。こういつたことは絶対やらないと言いながら、現在現実的に、やはりそういつた運動が展開されておる。これで大体お分りになりましたでしようか。
#254
○国務大臣(池田勇人君) 他の機会でも申上げましたごとく、私が大蔵大臣になりましてから割当課税は一切いたしておりません。あなたのお話は、組合協定等によりまして組合との話合で、例えば百人の組合員のうち、十人か十五人を調べて今年の状況はこうだから、この旅館組合は全体としてこのくらいの所得の申告をなさつたらどうです。こういうふうな折衝のあればありましよう。併しこれは割当課税というべきものでなく、若しそういう折衝が惡いとするならば、シヤウプ博士のように全然折衝を止めてもいい。これを割当課税と川上君がおつしやるならば……、税務の執行上、税務署長が或る組合の申告を慫慂するために、そういうことを昔は相当やつておりました。私は原則として、そういうことは止めた方がいいというのでありますが、中にはそういうようなことをやつておると思います。例えば床屋さんの組合或いは旅館の組合などに、そういうことをやることはあると思います。これは私は割当課税というべき筋合のものではないと思います。
#255
○川上嘉君 大蔵大臣の見解はそうでありましよう。実質的にはそうである。現在税務署職員が殆んど国民から蛇蝎のごとく嫌われておる、非難の的となつておる、こういう事実を知つておりますか。
#256
○国務大臣(池田勇人君) 中には執行が惡かつたりなんかする税務職員は非難の的となりましよう。私は税務官吏が税法上命ずるところによりまして、適正なことをやつて行くならば、その非難は的外れの非難でございまして意に介することはないと思うのでございます。附加えて申上げますが、若しあなたがおつしやるように旅館組合にこのくらいの程度の申告をなさいということが割当課税とするならば、そういうことは全然止めさしてもいいのであります。そういうことは税法上勧めたものでないのでありまして、そういうようなことは納税者の方も、そういうことがあつたら承知しないで申告しなければいい、それを割当課税として非難するということは私は実情にそぐわんと思います。
#257
○川上嘉君 もう一点その答弁は的外れになつておりますから、つまり今の税金問題に対して不合理か……、納税者は常に税務署に押しかけてくる、このことは取りも直さず政府は一切の責任を税務署に転嫁しているということに結論づけられる。現在においては、じやあなたは大蔵省に押しかけて來たら国会に來て堂々と陳情したりしてやればいい。それを税務署に直接皆行つて税務署に圧力を加えるというのはその原因がどこにあるか、そういう税務署員に対して責任を転嫁しながら政府はこれを傍観するのかどうか、尚現在こういう問題に対して積極的な対策を立てておられるのかどうか。この点をお伺いしたいのです。
#258
○国務大臣(池田勇人君) 大蔵大臣以下、以下と申しますと語弊がありますが、大蔵省も国税庁も税務署もみな政府でございます。これは御了承願いたいと思います。何も税務署が大蔵省と国民の間に板ばさみになつておるという言葉は、私は不適当だと思いのであります。而してお話しの通りに税務の執行につきまして、いろいろな苦情が出ていることも十分知つております。私は税務職員と同様に、これにつきましては心を悩ましているものであります。決して税務署員だけにそんなものを自分としてさせるという気持は毛頭持つておりません。從いまして我々といたしましてはできるだけこの苦情のないように、苦情相談所を設けるとか、或いは異議申立の処理機関を設けるということを早急にやりまして、国民の怨嗟の的にならないようないろいろな制度を置きますとともに、我々全税務関係の職員はそういうことのないように心掛けて行きたい、併し中には納税者の方におきましても、不当に騒ぎ立てられる人がなきにしもあらずでありますから、そういう場合におきましては断乎たる処置を取る、こういうことは先程他の委員に答弁した通りであります。
#259
○木村禧八郎君 これまで御質問いたしましたが、納得の行かない点がございましたから最後に簡單に御答弁願いたいと思うのでありますが、先ず安本長官にお伺いいたしたいのであります。それは昨日大蔵大臣にお伺いいたしたのでありますが、この資金計画の方で見返資金の方について、この我々に配付された予算説明書に出ておりますところによると、五百億が債務償還それから公共投資が四百億、私企業投資が四百億、それから予備が二百八十億でありますが、この私企業投資の内容、これは直接見返資金から産業に貸出しをするとこういう資金でございますかどうか、それは安本長官にお伺いしたい、資金計画として大蔵大臣には昨日お伺いしたのでありますから安本長官に……。
#260
○国務大臣(青木孝義君) これは私企業投資の分は銀行を通して貸出すものもあります。いわゆる直接投資というような形のものもあります。
#261
○木村禧八郎君 これはその私企業投資については内容ができておると思う、大体プランができておると思うのです。その銀行等を通してやるというのはどういう意味でありますか、私はそういうふうに了解してないのであります。これについては前に安本の銀行資金局長の内田氏から大蔵委員会だかで資金計画について話を聞いたことがあるのであります。そこでこの直接私企業投資についての四百億が……。
#262
○国務大臣(青木孝義君) それは御承知かと思いますが、我々のところで計画を一応立てます。その場合に今回まだすべて決定しておるというわけではございませんが、中小企業に対する分、これは銀行を通して貸すというわけであります。
#263
○木村禧八郎君 分りました、それ以外は直接投資になるのでありますね、それ以外は……。
#264
○国務大臣(青木孝義君) 大体そういうことになつております。
#265
○木村禧八郎君 そうしますと、昨日の大蔵大臣の御答弁と違うのですな。それは、今後の金融政策上重要な問題が起つて來ると思うのです。というのは、或いは興銀とか、北拓とか、勧銀とか、そういう銀行が今度増資します。増資株を見返りで持つという問題が起つて來るのですね。引受ける。それに対して二十倍の債券を発行できるということになるのです。そこでそういう相当大きな資金がそこで作れるわけです。作れるわけですね。それはもう二、三百億の相当大きい金額になつて來ると思うのです。それにこの資金計画の中に含まれているかと御質問をしたら、大体そういうことは予定して、この資金計画に入つていると思うと、こういう答弁だつたのです。ところでこれは、その特殊銀行の増資の問題、債券の発行の問題は、この資金計画が作られた後に起つて來た問題だと私は承知しているんですが、從つてそれまで見通して私は資金計画の中の含まれていないと思うのです。若しそういうことになつて來ますと、今のお話を聞きますと、中小企業に対して、大体銀行を通して貸付ける。その他は直接投資であるとしますと、この資金計画が変つて來ると思うのです。直接投資を止めてその分を今度は増資株を引受ける。こういう形になつて來る。或いはそうしなければ、債務償還の五百億を、これを減らして、それを国債償還の中から、そういう株式を引受ける。そういうように変つて來ると思うのです。この点はどうでございますか、資金計画に非常な変りが出て來るのであつて、大蔵大臣と安本長官の今の御答弁ではどうも喰違があり、納得ができないのです。
#266
○国務大臣(池田勇人君) 何も喰違いはないのであります。で二十五年度の見返資金の運用計画におきましても、予備費はあるわけでございます。で而もこの前答弁した日に向うからOKが來ましたから、今年度の分から金融機関の出費もできるわけでございます。よろしゆうございますか。併し、だから私企業の四百億円というものは、只今のところは安本長官の言われるように一応十二億円、私はもつと殖やそうと思つておりますが、四百億にあるのであります。而して銀行への直接投資の分は私企業にやるとも言つておりませんし、或いは來年度の予算、或いは今年度出せるかも分らなかつたのであります。これは今年度の繰越金の問題であり、又來年度の繰越金の問題である。大体この見返資金の運用につきましては、御承知の通りに一応公企業、或いは債務償還と言つておりまするが、これは或る程度の融通ができるのであります。而して又外の会計と違いまして、これにつきましては相当向うと密接な関係がありますので、今例えば三十億なり五十億なり出資いたしましても、全体の千数百億に対して非常な影響があるかという問題ではございません。而もこの三十億とか四十億とかいう今年度の資金計画に影響いたします問題が、二十倍にしたところの長期資金に影響するのであります。この点はこの前お話いたしまして了解を得たのであります。資金計画を作るときにはあれが決つていなかつたじやないかというお話があつたか分りませんが、もともと資金計画は安本で計画されまして、相談に応じるのであります、大蔵大臣が……。而して大蔵大臣はこの資金計画を見ましたときには、腹に持つておるのでありますから、御了承を願いたいと思います。
#267
○木村禧八郎君 ですから先程お伺いしたのは、増資株を引受けて債券発行をするときに問題になるのであつて、大体それが問題になるから今お聞きしているわけなんで、それで債券を発行したけれども、それが信用インフレになるかならないかの問題とも関連して來るのである。それが金融政策その他に非常な影響があるので御質問しているわけなんですが、大蔵大臣は通貨の発行量が抑えるから、発行量をあまり変えないから、日本銀行券の発行量を変えないから、増資株に対して二十倍の債券を発行しても、何等かの形でその蓄積資金がそつちに行くのだからそれは信用インフレにならないと、こういうお話であつたと思います。
 併しながらその場合に大蔵大臣にお伺いしたいのは、二十五年度の通貨の発行量をどういうふうに予定されておるか、どの程度に通貨の発行量を予定されていますか。その点ちよつとお伺いしたい。
#268
○国務大臣(池田勇人君) 通貨の発行量を抑えるから信用インフレにならんと言つたのではないのであります。資金計画というものは、御覧の通りに通貨の発行は大体同様といたしまして、計画を立てると思うのであります。而して第二段の御質問の、通貨の発行をどう見ておるかという御質問でありますが、通貨の発行というものは経済界の変動、その他産業の状況、いろいろな点から來るのでございまして、今からこうでなければならん、ああでなければならんということはなかなか困難な問題でございます。で、安本から発表いたしました資金計画というのは、大体通貨が……、通貨というと誤解があるといけませんから、日本銀行券の発行高はどれだけだという同じ場合において、どういうことになるか、即ち貯蓄がどれだけできるか、財政資金がどれだけ民間に廻わるか、而してそのような財政資金の使用、見返資金の使用、それによりまして、長期資金がどうなるか、短期資金がどうなるか、こういうのが一応の資金計画であるのであります。
#269
○木村禧八郎君 併し大蔵大臣の御答弁を伺いますと、通貨の発行量は、予め予定できないのであつて、結果として分つて來るというような御答弁ですが、これまで例えば前に例の五千七百八十億の、民自党の予算を作つたとき、ああいうときでも、一応通貨はどのくらい、まあ千億なら千億……、五百四十億殖えてもいい。大体そういう目標で予算を組む、或いは資金計画を立てるわけですね。通貨発行審議会ではなぜああいうものがあるかといえば、一応通貨発行審議会においては、年度末にはどのくらいの通貨量になるものとして予想してやる。それでなければ金融政策、或いは通貨政策というものは立たないわけです。結果から言つてですね。ただ通貨の量の発行から決まるというのでは。ですから二十五年度予算なり、或いは二十五年度の資金計画を立てるときには、資金計画に対応してどのくらいの通貨の発行量を予定しているかという目標がある筈です。なければおかしい、若しないというならば、今の三千五百億なら三千五百億の大体この通貨量を維持して行くと、こういうお考えなのかどうか。
#270
○国務大臣(池田勇人君) 先程申上げましたように年によつて異動はございますが、多分その方は、通貨の発行高が変らないものという前提の下に作つたのであります。だからあなたのおつしやるように通貨の発行高に異動がある、即ち今年の四月一日の発行高と、來年の四月一日の発行高において千億円の増加があるというなら、その資金計画は変つて参ります。その資金計画というものは増減がないものとして、どうなるかという計画であるのでありますから、御了承願います。
#271
○木村禧八郎君 それですから質問しておるのです。それで大蔵大臣は今度の銀行の増資株を見返資金で引受ける、そうしてその増資に対して二十倍の債券を発行する場合、その債券を又見返資金で引受けるかも知れん、或いは又預金部資金で引受けると、併しそれが日本銀行の担保力になるんです、融資の。日本銀行で金を貸してくれる融資の対象になるわけです。そこで、それを担保にして日本銀行が通貨を出せば、信用インフレになつて來るわけですね。ですからそれの信用インフレを作る素地がそこにできて來る、その場合に対して、大蔵大臣は、いや通貨の方でそう出さないからということは、殖やさないからということは、日本銀行において、そういう債券を日銀で引受けると、買うと、又オペレーシヨンの対象にすると、そういうことをしないということになれば、その通りであると思うのです、大蔵大臣の言われた通り。だから大蔵大臣の言われるのは、じや通貨の方で加減するからといえば、結局そういう債券類は日本銀行でオペレーシヨンの対象にしないと、そういうことになれば、成程信用インフレは起らない。今大蔵大臣は、インフレの危險性がある。消費インフレの危險があると言つておられますが、その消費インフレそのものが、私はそういうことがあり得るかは問題で、まあ議論になりますからやりませんが、むしろそういう形での信用インフレの危險の方があると思う。増資株に対して、その二十倍の債券を発行して、これを日本銀行でオペレーシヨンの対象にすれば、それは信用インフレになる。そういうところが、やはりドツジさんの心配される点になつて來るのではないかと思う。消費インフレではない、むしろ信用インフレが問題になつて來ると思う。そこで私は、この資金計画について御質問しておるわけなんです。ですから、その点は、この間大蔵大臣は、いや通貨の方の発行を多くしないからということは、即ちそれをオペレーシヨンの対象にしないと、そういうことになつて來なければならん筈だと思う。そうすると、大蔵大臣は、今後の増資株並びにそれに基いて発行される債券、これは日本銀行のオペレーシヨンの対象にしないと、そういうお考えでありますか。
#272
○国務大臣(池田勇人君) 日本銀行をオペレーシヨンの対象にしなかつたならば、大変なデフレであります。そこで申上げますが、今銀行が日本銀行から借り出します場合におきましては、国債が担保になつておるわけでございます。国債を今度償還したときに、銀行にはお金ができます。そこで銀行が長期資金に直ぐ出すかといつたら、出しにくい点が多いというので、興銀とか勧銀の債券を引き受ける。そうして社債を普通銀行が持つ。その国債償還によつて持つた分については、日本銀行の担保にしなければ、非常なデフレになることは当然であります。そこで五十億を予定されまして、二十倍というと、千億円の銀行債になる。これが日銀の担保になつたならば、又銀行では国債が七、八百億円しかない、それを止めて、千億円が加算して、日銀の対象になつたら、大変な信用インフレ、これはそうでございましようが、国債を先ず償還して、その国債の代りに銀行債券が伸びたわけです。その限度においては、日銀が担保にしなければ、これはデフレになるのであります。又預金部が民間から引上げます数百億円の金を、これを銀行に償還いたします。銀行に貸出す。或いは又、見返資金から債務償還としてやつたり、或いは一般会計から債務償還としてやります。預金部から六億円なら六百億円償還して、預金部がそのまま貸出しておつたならば、非常なデフレになります。そこで、金融債を日本銀行のマーケツト・オペレーシヨンの対象にする限度もありましよう、その後の状況によつてその額も違いましよう、少くとも償還されました市中銀行の国債だけは日本銀行のマーケツト・オペレーシヨンの対象にしなければ、非常なデフレになつて來るのであります。
#273
○木村禧八郎君 そこがよく分らないのですが、例えば増資しまして、その増資株を見返資金で持つと、見返資金で持つというときには、見返資金で持たなければ、それは直接投資というような形で金が出て來るわけです。直接投資の代りに銀行の増資を引受けると、そうすると銀行にこれは金が行くわけです。その間において、金のヴオリウム、通貨のヴオリウムにおいては何ら変りはないわけですね。にも拘らず、その株を日本銀行のオペレーシヨンの対象にしたら、それだけ日本銀行から通貨は多く出て來る、そういうことになりませんですか。いわゆる擬制資本をここに作るわけです。その擬制資本を日本銀行に持つて行つて、日本銀行のオペレーシヨンの対象にすれば、通貨が新しく出て來ることは明らかだと思う。ただ見返資金で株を持つてその株が民間に出ているだけならいいのです。その株が日銀の担保となつてオペレーシヨンの対象になれば通貨が新しく出て來る。だからこれは信用インフレの因になる。特に大蔵大臣が言われたように今度は一千億円も銀行債券が出て來る。それを全部オペレーシヨンの対象にしたらこれは大変なインフレになる。それを見返資金で持つ、或いは預金部で持つということは何ら通貨のボリユームには一つも変化がない。直接投資として出るものか株の引受という形で出るだけであつて、そこで非常なデフレになるということは、そうなる筈はないのです。そんなことはつちともない。ただ通貨の出かたが違うだけです。通貨のボリユームについてはちつとも変りがない。日本銀行でそれをオペレーシヨンで買上げるからこそ信用インフレが起る。むしろ今後の日本のインフレーシヨンの危險性が日本ではどこにあるかと言えば、消費インフレにあるのではなく、今度の増資株によつて、それの二十倍の銀行債を発行して、それを日本銀行がオペレーシヨンの対象にして、そうして新しく通貨をどんどん増出して行くということが行われればここに信用インフレが起る。それがインフレになつて行く危險性がある。それが又消費インフレという形になる、というような形でそういうところにインフレの危險性がある。これが一つの最近の、今後このデフレが更に強化されると或いは又これがインフレになる。そういうことが非常に問題の焦点になつていますが、その問題の焦点になつているその一つの点はそこにある。大蔵大臣は今言われましたが、その銀行債券なり或いは株を、増資株を日銀でこのオペレーシヨンの対象になる。非常なデフレになるという議論はどうしても分らない。通貨のボリユームにはちつとも変りはない。デフレにならないと思う。この点はどうなのですか。
#274
○国務大臣(池田勇人君) 私の考えは見返資金は国民から出た金であるので、そこに寝かして置きますとデフレになります。(「そういう意味ではないが」と呼ぶ者あり)そうしてその金を、銀行の持つておりまする国債を償還いたします。その償還せられたものが金融債に代るのであります。その金融債は今度は日本銀行のマーケツトオペレーシヨンが対象にならなければ、今の現状が、国債が対象になつておるのであります。それは代つてくるのであります。從つてそれは信用インフレになりません。今の国債を異常にどんどん発行いたしまして、そうしてやつた場合にはあなたのお話のような点がありましようが……、だから対象にはおのずから限度があります。こういうことを申上げます。
#275
○木村禧八郎君 その点は分りました。公債償還の限度においてということであればいいと思うのです。ですから、併しそれを超える場合には、危險性があるわけです。そこで先程も資金計画につきまして、そういうことが考えられておつたかどうかということが非常な問題になるわけでして、非常に何かくどいようで、妙なところにこだわつて質問しておるようですけれども、今の、今後インフレの危險があるという点はそこにあるのであつて、從つてこの問題は、相当十分考えて行かなければならない、どうもこれまでのお話では、そこが納得が行かなかつたわけでして、今の話でやはり公債の、国債の限度以外に、やはりそれを超過すれば、インフレの危險がある(「少しそうなつた方がいい」「少しインフレはやつた方がいい」と呼ぶ者あり)はつきりしたインフレではいけない、デイス・インフレでなければいけないわけですから……。ところが今インフレになつておるのは……、(「もういいじやないか」と呼ぶ者あり)それではそれは分りました。インフレの危險性がある、信用インフレの危險性があることは分りました。それから次に、前に大蔵大臣にちよつと伺つたことですが、調べてから御答弁するということだつたんですが、これは簡單ですから……、例の国有財産の拂下げの問題、これは今日も本会議で吉川末次郎君が旧軍港のあれを転換する場合の拂下げの問題、軍用財産、そういうものと関連して国有財産の拂下げを委託する形で、こういうものは今後どういうふうにして行なわれる考えであるか、そういう個々の営利会社に委託するか、或いはもつとそういういろいろなスキヤンダルみたいなものが起らないような一つの機関を作るお考えであるか、その二点についてお伺いします。
#276
○国務大臣(池田勇人君) 先般都不動産の問題で、ここで御質問があつたり、或いは本会議で私が何とか関係しておるようなあれがあつたようです。私は関係してはおりません。今委託しておりますのは信託会社と、それから個人会社ではまだ実は詳細に読んでいないのでございますが、個人会社も相当あるのであります。而してこの取扱います物件は一定額以下のものでございます。而も只今までは財産税の物納になつたものだけに限つております。從いまして、この売拂が例えば目拔きのところで二坪とか、或いは三坪とかいうような場合もあるのであります。で一般国有財産につきましては、これはもう特別の規定がございまして、大蔵省管財局が直接にやり、或いは財務局で殆んど全部やつております。それから財産税の物納の分につきまして、ごく小さいものについて信託会社その他の個人会社に一定の標準の下に委託しておるのであります。国有財産の全体から申しますと殆んど僅か、而も物納財産に限られておるのであります。それから都不動産に特別の便宜を與えるとか、こういうことはございません。
#277
○木村禧八郎君 法務総裁に伺つたんですが、法務総裁は、都不動産の社長田村何と言いますか、あの人は追放令違反で告発されておるという御答弁であつたのです。そこで大蔵省の管財局長以下その問題に関連して取調べを受けたことがあるんですか。それで大蔵大臣は相当いろいろな風説があるのに対して調べて見るというお話でありましたが、お調べになつて見たのでありますか、その点……。
#278
○国務大臣(池田勇人君) 今物納財産につきましての資料を貰つておりますし、それから田村秀吉君が追放令関係で取調べを受けたことも事実であります。而してそのときの調書を私は見ました。而して饗応になつておるという問題は、国有財産局長以下二十数名が、中野のモナミで洋食を一回食べたことがございます。それと次に東京財務局の国有財産部長が転勤の際に一度饗応になつております。それから東京財務局の次席が札幌の国有財産部長に参りますときに、一回晝飯だつたかを会食いたしております。こういう事実は認めております。私は田村秀吉君が学校の先輩であります。それから人蔵省の参與官をしておる関係上個人的には知つておりまするが、こういう問題で一度も飯を食べたこともございません。何ら関係はないのであります。この機会にはつきり申上げて置きます。
#279
○木村禧八郎君 それは大蔵大臣個人がそういうことに関係があるということは私も質問をいたしたことがございません。私は大蔵大臣の部下の監査の立場において大蔵大臣に質問したのでありますが、そういう追放令違反で告発されているということをはつきり法務総裁から聞きましたが、そういう人にそういう饗応その他軽い饗応でもされたということになると、大蔵省の監督の立場におられる大蔵大臣としては、仮にそれは軽くても、いいということにはならないと思うのですが、それは非常に疑惑をいろいろ招くのであつて、この点においては大蔵大臣はどういうふうにお考えですか。
#280
○国務大臣(池田勇人君) 私、一身上のことにつきましては、木村さんの質問があつたから言つたのではないので、本会議その他でありましたからこの機会を借りて申上げたのであります。お話の通りに官吏が御馳走になるということは余り芳しいことではございません。私共局長その他は旧知の間でありますので、前から知つておつた関係で、そういうことなしにちよつと洋食を喰べる程度のものは、私としては非常に監督不行届であつたと責められる程のことではないのじやないかと考えるのであります。ただ問題が問題でありますので、田村君が取調を受けますときに、検察庁の方には分つております。それで大した問題ではないから、勿論不問に附せられることと私は想像いたしております。パージの方であつても、会食をして惡いということはないのでありますので、ただ役人として成るべくそういう機会はないことを私は望んでおりますが、あつたからといつてこれを特に糾彈するということは私もせずにこういう機会は成るべくないことを、将來愼しむようにということは申して置いた次第であります。
#281
○木村禧八郎君 私はこの問題を取上げたのは或る特定の個人を困らせるとかなんとかいう意味じやなく、国有財産の拂下げのやり方ですね、これについていろいろな弊害があるということは聞いておるわけです。殊に小さい会社なんかに委託した場合に、それによつてその間に入るブローカー的なものによつていろいろ弊害があるということを聞いておるんです。たまたまその一例のような都不動産の問題が起つたので、今後そういう物納財産でありますか、こういうものを拂下げるにはもつと公正にそういう疑惑を起さないように、又非常になんか詐欺的なものに引つかかつたようなことも聞くのでありますが、こういう点については、今後大蔵大臣はそういうことのないように善処さるべきだと思うんです。それについてはどういうお考えでございますか。それで私はもう少し何か公的機関のような形にしたら、例えば今の信託会社、いろいろそういう担当している、依託しておるそういうものを一緒にして公団というと誤幣がありますが、そういうふうな公的性質を帶びた機関によつて取扱わせる、こういう考えはありませんか。
#282
○国務大臣(池田勇人君) そういうことは初め考えたのでございますが、極くこの御承知の通りに非常に小さい件数でございます。只今特別の売り方をいたしましたものが六千百二十一件で、売上高が二億八千四百万円、こういう極く件数の小さいものばかりであるのであります。併してこれの取扱いとして指定いたしましたものは第一信託とか、或いは東海銀行、日本信託、神戸銀行、第四銀行、三和銀行、興業銀行、秋田銀行、北陸銀行、安田信託、三菱信託、三井信託、住友信託、野村銀行、東京急行電鉄株式会社、茨木住宅株式会社、山梨殖産株式会社、都土地住宅株式会社、岸本不動産株式会社、こういうふうなのでありまして、銀行や或いは都不動産、山梨殖産とか、川口商事とかいうふうに中にちよいちよい入つておるのであります。そうして銀行とか、信託会社のような、なかなか国の国有財産の極く少部分でございますから、信託会社なんかの場合なかなか効果が挙らないのでございます。これは自然特別のものでありますから、こういうふうなことになつておるのでございます。今ここに大きい会社組織にいたしましてやつてもこれは理窟だけ合つて実際の取引は殆んどできないと思います。こういう状況でございまして、今の制度で十分監督して行けば却つて効果が挙がるのではないかという気持を持つております。
#283
○木村禧八郎君 手数料の五分は……。
#284
○国務大臣(池田勇人君) これは手数料は五分ということになつておりますが、とても五分ではいかんようでございます。例えば土地を分割して売り出しをするような場合、二坪くらいのものがある。それを売つたり買つたりしますと五分ではどうしても売れにくい。こういうので今五分ではなしに、一万円以下のものは五分ではなく、五分に一割を加算する。こういう制度に変えておるようでありますが、そのときの売れ行きの状態によりまして、この制度を変えておりますが、この制度にいたしましても、今の二十九の指定会社が……銀行、信託その他の会社がありますが、二十九が同様に取扱つております。都土地ばかりが特に不当なことをやつてはいないのであります。
#285
○木村禧八郎君 その手数料はどういう形で決めるのですか。五分というのはどういうところで決めるわけですか。
#286
○国務大臣(池田勇人君) これは一定の売上げ金額の五分でございますが、五万円以上は五分と決めるが、一万円以下の場合、或いは三万円以下には原則の五分に、又一番少いのは一割をかける。或いは五万円以下は三分か五分となります。だから五万円以下が五分ならば、四万円売つたものにつきましては、原則の五分と五分で四千円の手数料、こういうことになるわけでございます。
#287
○木村禧八郎君 それをどこで決めるのですか。五分ということを決める機関はどこなのですか。
#288
○国務大臣(池田勇人君) これは大蔵省で決めるのであります。
#289
○木村禧八郎君 大蔵省で決める……。それが今大蔵大臣の御答弁だと、五分ということになつているのですが、それ以外に又いろいろな措置が考えられているといわれておりますが、そういうことは、例えば五分と決まつているのは、本当は決められた五分以上取つてはいけないのではないのですか。
#290
○国務大臣(池田勇人君) 原則は五分でございます。そうして例えば一万円の商いをしますというときに、五分だと五百円、併し一万円の場合五分では気の毒だから、そこで一割加算すると、一万円の場合は千五百円、それから四万円の場合は五万円以下だから、原則は四万円の五分の二千円、それに五万円以下だから又その五分を加算して、二千円加えて四千円、合計一割、こういうことになつて、これは大蔵省で決めるのであります。そこで五分で計算したから全部五分でやれとおつしやつても、一万円の商いでありまして、五百円では電車賃、日当その他から考えて少いから少し金額に加算する規定を設けておるのであります。
#291
○木村禧八郎君 五万円以下のものについてはどんな小さいものでも一件につき二千五百円、こういう手数料を都不動産で取つているということを聞いたのです。
#292
○国務大臣(池田勇人君) 都不動産で取れば、東海銀行も取つておりましようし、三井信託でも取つておると思います。
#293
○木村禧八郎君 それは大蔵省でそういうふうな取り方を決めたわけですか。
#294
○国務大臣(池田勇人君) 勿論そうで、大蔵省が金を拂うわけでありますから、大蔵省で決めました。
#295
○木村禧八郎君 ところが大蔵省の方は、売り渡す方の人と、買う方の人と両方から手数料を取つている事実は、それは大蔵省でそういうふうに決めたのですか。
#296
○国務大臣(池田勇人君) 両方から取るとは私決めていないと思います。大蔵省が売り手にこれだけは拂えという命令はございますが、ただ大蔵省が売却を委託しているのでありますから、手数料は大蔵省から拂う。然るところ、この中に入つた人がそういうことをすればそれは大蔵省の関知しないところであります。併しこの場合につきましては、そういうことがありますれば、大蔵省としては指定業者でございますから、監督はいたさなければならんと思います。(「終了」「終了」と呼ぶ者あり)
#297
○木村禧八郎君 まだいろいろな点についてお伺いしたいことがございますが、大綱について御質問しましたから、後細かいことは分科会その他で質問させて頂きます。私の質問はこれで終ります。
#298
○委員長(山田佐一君) この際お諮りいたします。
 理事の伊達源一郎君より、理由を付して理事の辞任を申出られております。許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#299
○委員長(山田佐一君) 御異議ないと認めます。
 ついてはその補欠互選は、先例によりまして、委員長が指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#300
○委員長(山田佐一君) 御異議ないものと認めます。委員長は高橋龍太郎君を理事に指名いたします。
#301
○羽生三七君 私はほんの一分か二分でよろしいのですか安本長官にお尋ねいたします。非常に簡單なことでございます。今朝程の毎日新聞に、政府は総司令部から、日本経済の将來について、一定の目安を置くような長期計画を立案するよう命ぜられたという報道がございますが、これは事実でございますか。
#302
○国務大臣(青木孝義君) 只今事務当局にも聞いて見ましたが、まださようなものは参つておらんそうであります。
#303
○羽生三七君 結構でございます。
#304
○委員長(山田佐一君) それでよろしうございますね。(「議事進行」と呼ぶ者あり)これで一般質問は一応終了したものと認めます。明日は主として地方税法の問題について御審議を願います。
#305
○岩間正男君 一応終了というようなことに打合せになつたのでありますから、私も一応その点は認めますけれども、ただ代表質問というのは、実は終つていないわけですね蔵相に。だから明日の地方税の合間でいいですけれども、これは是非質したいことがあるわけなんです。大体時間は三十分と予定しておる。それからもう一つは、この前の石油問題は資料を求め、尚通産大臣としての見解を質した点は、殆んどこれは御答弁なかつたのですが、この点は是非明らかにしなければならない。
 それから私の関係では、農林大臣に、農村の潜在失業者の人口統計について、やはり要求して、これについて説明を求めることになつておるのでありますが、この点もまだ明らかになつておりませんので、この点はつきり農相に明日の都合を確めて置いて頂きたい。これだけをお諮りいたします。
#306
○委員長(山田佐一君) お答えいたします。大蔵大臣は先刻私が申上げましたように、関係筋へ午前中はお出になつて折衝をなさる。午後は現在の状況では、終日本委員会に出席なされておるという御返事でありました。さよう御了承願います。
 それでは、本日はこれを以て散会いたします。
   午後九時二十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山田 佐一君
   理事
           岩木 哲夫君
           伊達源一郎君
           田村 文吉君
           寺尾  博君
           堀越 儀郎君
           岩間 正男君
           木村禧八郎君
           岩男 仁藏君
   委員
           岡田 宗司君
           木下 源吾君
           下條 恭兵君
           和田 博雄君
           羽生 三七君
           森下 政一君
          池田宇右衞門君
           石坂 豊一君
           岡崎 真一君
           小串 清一君
           島津 忠彦君
           城  義臣君
           團  伊能君
           横尾  龍君
           堀  末治君
           小林 勝馬君
           深川タマヱ君
           木内キヤウ君
           赤木 正雄君
           飯田精太郎君
           井上なつゑ君
           西郷吉之助君
           玉置吉之丞君
           藤野 繁雄君
           帆足  計君
           川上  嘉君
           藤田 芳雄君
           小川 友三君
  国務大臣
   内閣総理大臣
   外 務 大 臣 吉田  茂君
   大 蔵 大 臣
   通商産業大臣  池田 勇人君
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
   郵 政 大 臣
   電気通信大臣  小澤佐重喜君
   国 務 大 臣 増田甲子七君
   国 務 大 臣 青木 孝義君
  政府委員
   内閣官房副長官 菅野 義丸君
   大蔵事務官
   (大臣官房長
   官)      森永貞一郎君
   大蔵事務官
   (主計局長)  河野 一之君
   大蔵事務官
   (外資委員会事
   務局長)    賀屋 正雄君
   大蔵事務官
   (理財局見返資
   金課長)    大島 寛一君
   農林財務次官  坂本  實君
   経済安定事務官
   (大臣官房長) 平井富三郎君
   経済安定事務官
   (大臣官房次
   長)      河野 通一君
   経済安定事務官
   (生産局長兼動
   力局長)    増岡 尚士君
   経済安定事務官
   (経済金融局
   長)      内田 常雄君
   経済安定事務官
   (貿易局長)  谷林 正敏君
   経済安定事務官
   (総裁官房労働
   室長)     石井 通則君
ソース: 国立国会図書館
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