くにさくロゴ
1949/04/02 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 予算委員会 第26号
姉妹サイト
 
1949/04/02 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 予算委員会 第26号

#1
第007回国会 予算委員会 第26号
昭和二十五年四月二日(日曜日)
   午後二時五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月三十日委員玉置吉之丞君、松村眞
一郎君、木内四郎君、前之園喜一郎君
及び下條恭兵君辞任につき、その補欠
として宇都宮登君、佐伯卯四郎君、安
達良助君、小畑哲夫君及び門田定藏君
を議長において指名した。
三月三十一日委員岩崎正三郎君及び寺
尾博君辞任につき、その補欠として村
尾重雄君及び松村眞一郎君を議長にお
いて指名した。
四月一日委員團伊能君、宇都宮登君、
佐伯卯四郎君、小畑哲夫君及び村尾重
雄君辞任につき、その補欠として鈴木
安孝君、玉置吉之丞君、寺尾博君、前
之園喜一郎君及び岩崎正三郎君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十五年度一般会計予算(内閣
 提出・衆議院送付)
○昭和二十五年度特別会計予算(内閣
 提出・衆議院送付)
○昭和二十五年度政府関係機関予算
 (内閣提出・衆議院送付)
○昭和二十五年度政府関係機関予算補
 正(機第一号)(内閣提出・衆議院
 送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山田佐一君) 只今より会議を開きます。
 本日の議題は、昭和二十五年度一般会計予算、昭和二十五年度特別会計予算、昭和二十五年度政府関係機関予算及び昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第1号)であります。
 先ず各分科会主査よりの報告を求めます。第一分科会主査高橋龍太郎君。
  ―――――――――――――
   予算委員会第一分科会審査報告書
昭和二十五年度一般会計予算、昭和二十五年度特別会計予算、昭和二十五年度政府関係機関予算中皇室所管、国会所管、裁判所所管、会計検査院所管、内閣所管、総理府所管、大蔵省所管及び他分科所管外事項の部を審査し、衆議院議決案を否決すべきものと議決した。よつて報告する。
 昭和二十五年四月一日
    予算委員会第一分科会
        主査 高橋龍太郎
 予算委員長 山田 佐一殿
  ―――――――――――――
#3
○高橋龍太郎君 第一分科会の経過報告。
 予算委員会第一分科会に付議せられました案件は、昭和二十五年度一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算中、皇室、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府、大蔵省及び他分科所管外事項に属するものであります。これら付託せられました予算の説明は省略いたしまして、直ちに分科会における審議の経過を御報告いたします。
 先ず各関係当局より、その所管予算の説明があり、これに対し委員側から、皇室費の内容、徴税方法の改善問題、固定資産税の過重負担、農業協同組合に対する課税免除問題、地方財政平衡交付金法成立遅延の場合の措置、賠償工場廃止の場合における管財職員の配置転換問題、煙草民営問題等につき熱心なる質疑あり、これに対し、関係政府委員より懇切なる答弁がありましたが、西郷委員より質疑打切りの動議が提出せられ、満場一致これを可決し、更に討論はこれを予算委員会に讓るべきことを可決して、採決に入りましたところ、多数を以て、付託せられた案件は否決すべきものと決せられました。右御報告申上げます。
#4
○委員長(山田佐一君) 第二分科会主査岩木哲夫君。
  ―――――――――――――
   予算委員会第二分科会審査報告書
昭和二十五年度一般会計予算、昭和二十五年度特別会計予算及び昭和二十五年度政府関係機関予算中法務府所管、外務省所管、文部省所管及び厚生省所管の部の審査し、参議院議決案通り可決すべきものと議決した。よつて報告する。
 昭和二十五年四月一日
    予算委員会第二分科会
        主査 岩木 哲夫
 予算委員長 山田 佐一殿
  ―――――――――――――
#5
○岩木哲夫君 第二分科会に審査を付託せられました案件は、昭和二十五年度の一般会計予算、特別会計予算及び政府関係機関予算中、法務府、外務省、文部省及び厚生省各所管の予算に関するものであります。これら付託せられました予算の説明は省略させて頂きまして、直ちに分科会におきまする主なる質疑応答につきまして、簡單に摘出御報告いたします。
 先ず法務府所管の予算につきましては、刑務所におきまする印刷作業に対し、全国の印刷業者が非常なる反対をいたしておるが、これは不当に民間業者を圧迫するものではないかとの質疑に対し、政府側より、刑務所の印刷作業は、大体官庁関係のものが多く、能力にも限度があるので、業者を圧迫するような虞れはないと思う。いずれ当該法案審議の際、詳細な資料を提出するから、それによつて十分納得して頂けると思う旨の答弁があり、又最近の刑務所は雑然たる大工場の観があるが、予算上の收入を確保するため作業に熟練した受刑者が留め置かれる虞れはないかとの質疑に対し、これは教育刑主義の根本方針に基いて各人に適した作業をさせているのであつて、作業能率が上るからといつて釈放の時期に影響することはないとの答弁がありました。
 その他都心部の刑務所の郊外への移転、青少年犯罪の増加及び惡質化の傾向、旧陸海軍将校調査、引揚調査、不正入国外国人送還等の問題について質疑応答がありました。
 次に外務省所管の予算につきましては、講和問題を控え、日本に対する世界輿論の好転が極めて必要な今日、国際文化事業費百十七万円というのは余りにも少額に過ぎるではないか、又これに関連して外務省は将来日本の国際関係を大々的に進展せしめるという積極的な気魄を持つてやつているか、それが予算にどういうふうに現われているかとの質疑に対し、政府側より正式の外交ができない今日、仕事の上でも又予算の面でも消極的に見えるのは止むを得ないが、将来に対する準備は十分にいたしておる旨の答弁がありました。
 その他外務省研修所、在外事務所、ユネスコ協力会、阿波丸事件処理費、ソ連関係出版物入手難打開策等について質疑応答がありました。
 更に文部省所管の予算につきましては、義務教育費全額国庫負担の原則が変更されたことによつて、教育の機会均等が守われる結果となるのではないかとの質疑に対し、政府側より国が義務教育費の最低額を保証する意味において、今回の標準教育費確保の措置は義務教育費全額国庫負担と全く同一であるから、そのような結果は来さないと信ずる旨の答弁があり、又標準教育費の單価三千二百円は低きに失し、教員の俸給等は二十四年度の実績を下廻つておるではないかとの質疑に対し、この單価は確保すべき最低限度を示したもので、実際には下廻るようなことはない旨の答弁がありました。又教職員を国家公務員から外す考えがあるかとの質疑に対し、文部大臣より、教職員の身分待遇については特殊の考慮を拂う必要があるので、教育公務員というようなものを考えている旨の答弁がありました。
 その他六・三制建築費補助の配分方法、見返資金二億円で図書館建設の件、国宝の維持保存に必要な経費、青少年の不良化防止対策等について質疑応答がありました。
 最後に厚生省所管の予算につきましては、社会保障制度調査のため三千万円を計上しているが、この制度は、いつからどの程度に実施するつもりかとの質疑に対し、厚生大臣より社会保障制度審議会よりの答弁が六、七月頃出る予定であるから、それを待つて具体化に努力したいとの答弁があり、又日本の人口をどの程度に制限する方針であるかとの質疑に対し、政府としては今のところ人口を抑えるという確定的な方針は立てていないとの答弁があり、尚昭和二十四年の人口動態について詳細な説明がありました。その他厚生関係全般に亘る広汎な諸問題について質疑応答がありました。
 かくて本分科会に付託せられました各予算案に対しましては、討論を省略して採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。
#6
○委員長(山田佐一君) 第三分科会主査田東文吉君。
  ―――――――――――――
   予算委員会第三分科会審査報告書
昭和二十五年度一般会計予算、昭和二十五年度特別会計予算、昭和二十五年度政府関係機関予算中農林省所管、通商産業省所管、建設省所管及び経済安定本部所管の部を審査し、衆議院議決案を否決すべきものと議決した。よつて報告する。
 昭和二十五年四月一日
    予算委員会第三分科会
        主査 田村 文吉
 予算委員長 山田 佐一殿
  ―――――――――――――
#7
○田村文吉君 第三分科会の報告をいたします。
 第三分科会に審査を付託せられましたる件は、昭和二十五年度一般会計予算、昭和二十五年度特別会計予算及び昭和二十五年度政府関係機関予算中農林、通商産業、建設、経済安定本部各省所管の予算に関するものであります。これら付託せられました予算の説明は省略させて頂き、直ちに分科会における主なる質疑応答を御報告いたします。
 先ず農林省所管の予算について、輸入食糧の予算を見ると、契約高としては、三百十六万三千トンであるのに、予算には三百四十万トン分が計上されている、これを金額で換算すると約八十億円余ることになる、これはどうするつもりかとの質疑に対し、政府側より剩余金額が相当額に上れば次の国会で補正することになるとの答弁があり、国際小麦協定加入が拒否されているが、若しこれに加入したとすれば、五ケ年後の最終年における輸入価格はトン当り六十七ドルとすることになつている。一方国内産の食糧は将来統制を外せば値段は今より高くなり、結局輸入食糧と余り差がなくなる。一概に加入するのが有利とは考えられないが政府はどう思うかとの質疑に対し、政府側より十分検討して見る必要があるとの応答がありました。
 通商産業省予算については、中小企業の対策が叫ばれているが、どのくらいを中小企業として扱つているのか、地方によつては二郡に一ケ所くらいしか援助の対象になつていない、もつと小規模の企業に対しても融資する等の方策はないかとの質疑に対しては、資本金三百万円、従業員二百人未満くらいが目標となつている、これで全体の八三%に達する、中小企業に対する金融問題は当局も重要視して日銀に強く要望の結果昨今幾らかそれが現われ始めたが、当局としてはこれに満足せず、中小企業專門の特別な晝夜銀行を計画し実現の見通しもできたとの応答がありました。
 その他盲目貿易下にある現在、ポンド地域との協定貿易は発展の可能性があるか、クレームが伝えられているが、相当ひどい品が行つていると思う、輸出検査はどうしているか、インドネシヤ平価切下げ後の影響はどうか、船舶管理委員会に四十二億円の予算を計上して補助をする建前となつているが、繋般が相当多量に上ると見られる現状から予算に剩余金を生じないか、配炭公団の赤字は四十三億円程度で止まる見込か等の質疑がありました。
 次に経済安定本部予算については、限られた領土において食糧増産を図るには、干拓事業が最も重要である。十三億円の予算では少額に失する、多額の債務償還の一部を割いて、例えばあと十二億円も出せば立所に完成するものが沢山ある、当局はもつと熱意と関心を持つて欲しいとの要望があり、価格調整費中肥料も前年度より減額されているが、その結果肥料が高くなつて農家が買い澁り増産を鈍らせる虞れもあるので、むしろ補給金は減らさないで成るべく肥料値段を安く農民に提供して増産を図り、それによつて輸入食糧を減ずればその方の価格調整費は自然に不要となるから、大局的に考えて、その方が良策ではないか、との質疑に対しては根本的には農産物価をどうするかの問題で簡單には言い切れないとの応答がありました。
 最後に建設省所管の予算については、公共事業費中の旅費積算の基礎を伺いたいとの質疑に対し、政府側より出張目的に応じて員数と標準地とを定め、年間を通算して予算化するもので、雇員とか三級官、二級官、一級官という職階別による單価を積算の基礎としていないとの応答がありました。
 かくて討論に入り、和田委員より、社会党を代表して一括返上論の立場から反対を表明し、その理由として、二十五年度予算全体を考えて見るに、二十四年度予算で一応インフレが收束したと見られるに拘わらず、二十五年度予算は依然として超均衡予算になつている。そこで当然にこれを救済すべき対策があつて然るべきなのに、二十五年度予算面にはそれが極めて不十分である旨述べられ、平野委員より民主党を代表して反対の旨開陳、その理由として民主党は農業振興策として二百四十億円、中小企業援助として百億円をそれぞれ追加修正案を考慮しているからと述べられました。又藤野委員より緑風会を代表して不本意ながら次の希望條件を附して賛成する旨表明せられました。一、国土開発については速かに具体案を作成し予算上の措置を講ずること。二、食糧の国内自給度を向上し、国民経済を安定せしむるため、土地改良事業費の増額、これに要する融資等の手続の簡單化、芋類その他主要食糧の生産、加工、貯蔵等に一般の考慮を拂うこと。三、農村関係組合の育成強化を図ること。四、国家事務に要する経費は地方自治体に負担せしめないこと。五、男女群島は漁業資源の開発及び日本の気象観測に重大なる関係あるにつき、速かに具体策を立て実行すること。次いで池田委員より自由党を代表して賛成、岩男委員より無所属懇談会を代表して、和田委員の所論に全面的同感の理由を以て反対するとそれぞれ述べられました。
 以上を以て討論を終局し採決の結果、本分科会に付託せられた予算案は多数を以て否決すべきものと決定いたしました。ここに御報告申上げます。(拍手)
#8
○委員長(山田佐一君) 第四分科会主査森下政一君。
  ―――――――――――――
   予算委員会第四分科会審査報告書
昭和二十五年度一般会計予算、昭和二十五年度特別会計予算、昭和二十五年度政府関係機関予算中運輸省所管、郵政省所管、電気通信省所管及び労働省所管事項の部を審査し、衆議院議決案通り可決すべきものと議決した。よつて報告する。
 昭和二十五年四月一日
    予算委員会第四分科会
        主査 森下 政一
 予算委員会 山田 佐一殿
  ―――――――――――――
#9
○森下政一君 第四分科会に付託せられました運輸、郵政、電気通信及び労働の四省所管の昭和二十五年度一般会計、特別会計及び政府関係機関の各予算について審査の経過並びに結果を御報告申上げます。
 分科会は昨三十一日午前中にこれら予算の内容についての説明を聽取し、午後より順次に質疑に入つたのであります。
 主なる質疑は、先ず運輸省所管については、鉄道の民営と国営の標準、小運搬対策、日本国有鉄道については、予算の重点、物件費、定員及び減価償却の問題、郵政省所管については、商船管理委員会に対する予算の内容、簡易生命保險及び郵便年金特別会計の独立採算並びに海難局の予算の問題、又電気通信省所管については、電話の復旧状況、海上保安関係の予算の内容並びに建設工事の合理化の問題、又労働省所管予算については、緊急失業対策費の内容、職業補導並びに労働基準局の業務等に関するものであり、その他各予算の細目に亘つて深更に至るまで各委員より熱心なる質疑が続けられ、政府側より又これに対し懇切なる応答があつたのであります。
 かくて本日午後質疑を終了し討論に入りまして、内村委員より、日本国有鉄道予算については、一、第一次国鉄裁定の残額支給に対しては速かにこれが義務履行を完遂するための予算を編成すべきである。二、国鉄裁定を尊重して給與予算六十七億程度の人件費を増額すべきである。三、裁定第二項の実質賃金の充実をはつきりと四十億程度に具体化すべきである。四、第一次裁定第三項の賞與制度については、その制度を確立し、業務の合理化及び消耗品節約等によつて配分率を確定せよ。五、予算総則第十一條を削除して組合員との団体交渉による給與の適正を図るべきである。六、客貨車の建造を逐次増加して旅客サービスの向上、列車の増発をなすべきである。七、国鉄電化を促進して企業の採算性を向上し、輸送力の増強を図るべきである。
 労働省所管予算については、一、緊急失業対策費は少額にして、その救済人員は九万六千に過ぎないから、その増額を図るべきである。二、自由労働者に対しては、職業安定所施設を拡充強化し、職業の斡旋に遺憾なきよう取計ろうべきである。三、失業保險の国庫負担額を増額すべきである。
 又各省を通じ公務員の給與ベースは人事院勧告通りの給與額とすべきである。という強い要望があり、この要望に副わない原案に反対、次いで石坂委員より賛成、又小林委員より反対の、それぞれ意見の開陳があり、討論を終り、採決に付しましたところ、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。
 以上御報告申上げます。
#10
○委員長(山田佐一君) これで各分科会主査の報告は終了いたしました。この際お諮りいたしますのは、昭和二十五年度政府関係機関予算補正機第一号の質疑を行いたいと思います。各自の所要所間は一人十五分以内といたしまして……改めます、全部で一時間といたしたいと思います。各自に自粛せられまして時間を嚴守せられんことを望みます。併し答弁する大臣がまだ見えておりませんから、十五分間程休憩をいたしたいと思います。
   午後二時二十八分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時三十三分開会
#11
○委員長(山田佐一君) 休憩前に引続きまして質疑をいたします。
 通告順によつて発言を許可いたします。木村君。
#12
○木村禧八郎君 政府関係機関予算補正につきまして簡單に一点だけ一つお伺いして置きたいと思うのです。大蔵大臣にお伺いいたしたしのでございますが、これまで各委員から見返資金の性格についていろいろ質問がございましたが、その点について大蔵大臣からたびたび御答弁がございましたが、最後に私は納得の行かない点が一つ残つたものでありますから、その点についてはつきりして置きたいと思いますので御質問申上げます。それはこれまでの大蔵大臣の御答弁ですと、援助資金は、エイド・ファンドは、日本の債務である、それから見返資金は日本政府のものである、即ち日本政府の所有である、所有権は日本の政府にある。そうしてエイド・ファンドは債務である。こういうお話であつたのです。そうしますと、債務という場合には所有権は日本にはない、所有権は日本にないのであつて、それを使う処分権が日本にあるということになる。そこで見返資金の方は日本政府のものであるというと、それは所有権もあり、処分権も両方あるわけです。そうしますと、処分権が日本政府にある以上、これは所有権があるのです。処分権も当然日本の政府にあるのでありますから、この点については、これまで大臣からお話があつたような、この日本政府が運用する場合にいろいろな制限があるわけでございまして、所有権も処分権も日本政府にありながらいろいろな制限があるということは、これはどうしても納得行かないのでありまして、まあ占領下にある以上これは止むを得ない点も多々あると思うのでありますが、今後その所有権が日本政府にあるという以上は、大蔵大臣はこの運用について更に日本政府が自発的にいろいろな計画を立ててその方向において使えるようにどの程度までこれが努力して、それが実現することが可能であるか、この点について更にお伺いしたいのであります。エイド・ファンドは債務であつて、そうしてエイド・ファンドと見返資金との間にやはり関係があるとすると、見返資金は日本政府のものでないように思われるのです。この点がどうもはつきりしないのです。そこで今後その点を大蔵大臣ははつきりして頂きたい。はつきりするように努力されたい。これは今後日本経済再建には非常な重要な点であると思うのでありまして、特に国会においてもこの点は我々は強調する必要があるのです。所有権が日本の政府にありながらこれが自由に行かないこと、この点について今後大蔵大臣はどういうふうに、所有権が日本の政府にあるのであるから、この自主的な使用についてどの程度に努力し、どの程度に考えられるか、その見通しについてお伺いしたいのであります。更にこの補正予算に示された住宅建設は今後もこういうことは相当あり得るかどうか、その点です。それから見返資金は日本の政府の所有でありますので、その使い方は日本の政府に自由が一応與えられておるわけでありますが、この建設計画は日本政府がみずから進んでこういう計画をしたのであるかどうか、この点についてお尋むしたいのであります。
#13
○国務大臣(池田勇人君) 見返資金援助物資のことと見返資金特別会計のことは岩木委員にこの前お話申上げた通りでありまして、即ち私経済におきましても米を一石借りますと、これは米の一石代は債務と私は考えております。併しその米を売つて四千二百五十円できた、その四千二百五十円は私の所有権でありまして、併し借りている場合におきまして、その借りた四千二百五十円の使途につきまして制限を受けることは借りた場合の契約によつて成立ち得るのであります。国際間においてそういうことがどうかという問題があるのでありますが、占領地下においてこういうものについては相談してやれということに相成つておるのであります。これで木村さんもお分りだと思います。次に自主的に動かすようにしろというお話でございまするが、我々はその通りに努力いたしまして、大体今までにおきましては、日本政府において使途を決めて、そういて承認を得るようにいたしております。今回の見返資金によりまして進駐軍の住宅建設につきましては初め従来通りの終戰処理費であるかどうかという問題につきまして検討いたしたのでありまするが、いろいろな事情がありまして、その事情というのは予算を組替える、増税によつて資金を調達するという困難さよりも見返資金を使つた方が簡便であるし、又その外の理由もありましたので、見返資金を使うことにいたしたのであります。建てます場所につきましては進駐軍関係の住宅でございまするからそれに必要な場所に建てる考えでおるのであります。
#14
○木村禧八郎君 只今の御答弁でですね、まだはつきりしない点が一つどうしても残つているのですが、仮にこれまでまあ援助資金として相当の額の援助を受けて来ましたが、これが最後にまあ講和條約によつて償還が決まるとして、そのとき仮に債務であるから返すとした場合、返す場合、これは援助資金に相当する金額を返せばいい、それは債務であるから金額を返せばいいという解釈と、若しか見返資金が、やはり債務という形、援助資金という緊り、実質的には債務であるということになつた場合、若しかその援助資金が返せなかつた場合は、見返資金でいろいろ運用しているそのものが担保のような形になるのですね。担保のような形になつて、それが担保源のこの実行という形になる可能性はないのでありますか。
#15
○国務大臣(池田勇人君) 見返資金をまあ債務と心得ておりますが、従来の例を見ますと免除せられております。こういうことは專ら講和会議によつて決まることでございまして、今からどうこう考える必要はないと思うのであります。
#16
○木村禧八郎君 それは今大蔵大臣は見返資金は債務だというふうに御答弁になつたのですが、前の今までの御答弁の態度と違うのです。(「全く違う」と呼ぶ者あり)エイド・ファンドは債務である。併し見返資金は日本政府のものである。即ち所有権は日本政府のものである。そういう御答弁であつたのであります。その点が又違つて来たと思います。
#17
○国務大臣(池田勇人君) 見返資金に相当するもの並びに見返資金特別会計ができる前のエイド・ファンドのことを言つておるのであります。(「食違いがある」と呼ぶ者あり)
#18
○木村禧八郎君 それは少し又おかしいと思うのでありますが、見返資金特別会計ができる前のですか。できる前の援助資金はですね、これは債務で、それは見返資金特別会計がないんですから、エイド・ファンド一本になるわけです。併し見返資金特別会計というものはできてしまうのですから、できたあとにおいてはこれはどういうことになるのですか。その前のあととはどういうふうに違うのですか。
#19
○国務大臣(池田勇人君) 見返資金に相当するエイド・ファンド並びに見返資金設定前のエイド・ファンドこれを言つているのであります。
#20
○木村禧八郎君 それじややはり債務であるということを、はつきり大蔵大臣が言われれば納得するのであるが、エイド・ファンドが債務であつて、見返資金が債務でなく切離されてそれが日本の所有であると、所有権が日本政府にあるというようにこれまで御答弁されたから、所有権は日本政府にあるのにその運用がそう自主的にできないのか、こういうことを問題にして御質問しているのです。そうしますと実質的には結局今の御答弁ではやはり債務である。見返資金も債務である。こういうふうに了解してよろしうございますね。
#21
○国務大臣(池田勇人君) 初めお答えした通りであります。例を以て、お答えした通りであります。(「おかしいな」と呼ぶ者あり)
#22
○木村禧八郎君 その例は、私はあの例によればやはり債務であります。一升米を借りると、それを返さなければならない。ところが、一升米を借りて一升米を返す場合には、仮にそれを売つてお金にしても、返すときには、そのお金で物を買つて又返さなければならない。債務と売買と違うのであります。債権、債務と売買と違うのであります。売買の場合には所有権も処分権も移ります。併しながら債権、債務の場合は処分権は移るけれども所有権は移らない。だから担保の実行の問題になるということが分る。その場合に今我々が一番気にするのは、例えば見返資金でいろいろなものを運用しております。それが結局担保という形に実質的にならないかどうか。返す場合にそれが非常に重要な問題だと思うのです。自主的にそうならないかどうか。返すときにはただその金額を返せばいいのだと、何億ドルという金額を返せばいい。ところが日本政府のものであるというならば、金額を日本政府で勝手にいろいろな資金を調達して返せばいい。ところが債務ということになると、これは担保源ということになつて、今運用しておるものが、それが若し返せない場合は、向うの所有に移るという形に出て来る。そういう疑念はないのであるかどうか。
#23
○国務大臣(池田勇人君) 前から申上げましたように、見返資金を運用いたしましたものがエイド・ファンドの担保になるというようなことは私は考えておりません。
#24
○木村禧八郎君 答弁が全く的を外れていると思うのです。我々が今心配しているのは、日本経済再建の今後について心配しているのは、実質的に、形式とかいうそういうものではなく、今後若しエイド・ファンドが返せなかつた場合、今エイド・ファンドと見合いになつている見返資金で運用しているそのものが担保になるのか。担保という形で所有権が向うへ移るのかどうか。この点だけ最後にお伺いします。
#25
○国務大臣(池田勇人君) 見返資金で以て運用いたしましたものは、只今のところエイド・ファンドの担保にはなつておりません。返すことになりましても、それが当然向うへ行くのではなくて、若し……そういう問題は講和條約によつて決まるべき問題と考えます。
#26
○木村禧八郎君 それじややはりはつきりいたしませんが、最後に、前にですね、調べて御答弁するという点がありましたから、一点だけお伺いします。それは今度の公務償還、債務償還の場合、財閥解体の際に渡した公債、これも償還されるかどうか。これについては大蔵大臣は財閥解体の際に公債を渡しておるかどうかはつきりしていないと言つておりましたが、御答弁に……この点はどうなのですか。
#27
○国務大臣(池田勇人君) あのままで調査しておりません。いずれあとの機会に調査してお答えいたします。ただ私の今の考えでは、財閥に対しまして公債は交付していないと考えております。
#28
○木村禧八郎君 調査していなくて、調査しないと考えて、若しそうだつたら今の御答弁はどうするのですか。我々はいいからかんに質問しているのではない。政府が答弁を保留しているものについては、我々はちやんとノートして、いつか答弁があるものとして待つている、いつでも……。ところがこちらで催促しなければいつでも調査して答弁していない。これまでに非常に私は不誠意だと思う。そういう答弁の仕方は……これまで調査していませんという御答弁は……私はこれ以上質問いたしません。誠意を私は認めません。
#29
○岩木哲夫君 ちよつと一点だけ大蔵大臣にお尋ねして見たいことは、やはり今回の旧債券償還は強制的に償還をやるのか、特に民間手持のものであります日本銀行と一般市中銀行のそれとは多少性格は違いましようが、日本銀行の場合、或いは一般市中銀行の手持の旧債券は強制償還をするのか、合意償還をするのか、或いは希望償還をするのか、この点を一つ承つて見たいのであります。
#30
○国務大臣(池田勇人君) 強制償還という言葉が私には分りませんが、国債は事前償還、いわゆる買入償還、いろいろな償還の方法があります。これは政府の発起に……
#31
○岩木哲夫君 そうすると一般市中銀行がこれを要望しなかつたならば、或いは応じなかつたならばどういうことにいたすつもりですか。予定の債務償還の額に達する場合、達しない場合等を考慮いたしまして、如何ような措置を講ぜられますか、承わりたいと思います。
#32
○国務大臣(池田勇人君) 私はそういうことはないと考えております。若し償還を希望しないような場合におきましては、償還を希望する方からやつて結構だと思つております。
#33
○岩木哲夫君 本日の朝日新聞紙上にも現われておりますが、これはかねて一般市中銀行界の輿論であることは大臣も先刻御承知のことでありまするが、一般市中銀行手持の旧債券については諸種の事情から詳しく申上げる必要はありませんが、希望しないというようなものがあるとの見解が大蔵省内の有力な見解といたしまして、朝日新聞が責任ある記事といたされまして、本日三百億ぐらいの金額は減額が妥当であろうということすら非公式ながら見解として発表されておるような実情であります。減額三百億が妥当であるかどうかは別問題といたしまして、こういう見解のすでにあることは大蔵大臣も先刻御承知のことであります。従つて一般市中銀行が債券の償還を喜ばない、或いは肯んじない、或いは希望しないといつたような場合に対しまする大蔵大臣、政府のやはり処置、見解というものは、是非重要な問題として重ねて承つて置きたいと思います。
#34
○国務大臣(池田勇人君) 私も朝日新聞の記事を読みました。併しあれはいろいろな仮定の問題があるのであります。千二百八十億の債務償還のうち国債償還に当てられる金額は九百億ばかりあると思うのであります。而してこの償還をいつするかという問題によつて銀行が償還を欲するとか、欲しないとかということになるのです。あれは單に私は想像の記事だと考えます。従つて今三分五厘の国債、或いは四分、五分、五分五厘の国債を償還するということは、そう大して異論のある問題でないと思います。九百億程度の償還をする場合におきましても、預金部におきましては六百億余りを持つておるのですから、日本銀行ばかりの国債の償還の予算じやないのであります。今後の金融情勢によつてこういうことは変つて来るのでありまして、私は十分九百億ぐらいの償還は来年度中におきましてはできると考えております。
#35
○岩木哲夫君 大蔵大臣ができるだろうという希望は、どういう方法によつてその希望が達成されるのでありますか。と申上げることは、そこが強制的に、手持の債券の割合、或いは未期限の公債の種類等によつて強制的に割当てて償還を命ずるのか、或いは銀行自体の希望によつて償還を政府に申込んで来た場合にそれに政府が応ずるのか、その辺を承わりたい。
#36
○国務大臣(池田勇人君) そのときどきの事情によりましていろいろな方法があると考えております。
#37
○木村禧八郎君 大蔵大臣は公債を発行するときにどういう條件で発行されるのでありますか。
#38
○国務大臣(池田勇人君) 公債発行の條件は証券に書いております通りであります。
#39
○木村禧八郎君 それならば、先程大蔵大臣は発行者の都合によつて公債を償還できる、そういうことはできるのでありますか。いわゆる発行者の都合によつて……
#40
○国務大臣(池田勇人君) 買入償還の程度がありますので、事実上は発行者の考え通りに償還できると思います。
#41
○木村禧八郎君 それは契約によつてそうなるのじやありませんか。公債によつて、公債の裏に契約が書いてありまして、発行者において繰上償還をすることができるという、そういう契約がなければできないのであります。発行條件というものがあつて、その契約に基いて発行し、そうして繰上償還の契約が含まれておるときに発行者の意思によつて償還ができる。それがない場合はできないと思いますが、それがない場合でも償還できるというのですか。
#42
○国務大臣(池田勇人君) 日本の国債は概ね買入償還ができることになつておりますから、申上げておるのであります。
#43
○木村禧八郎君 概ねと言つても、それはできないものもあるのですね。
#44
○国務大臣(池田勇人君) お調べになつたら分りましようが、買入償還のできない公債は殆んどございません。
#45
○木村禧八郎君 そのことと償還できるということとは違うと思います。そういうふうに御答弁になるならば分りますが、ところが先程は、これは発行者の自由に公債は償還できる、そういうものじやなく、公債は公債契約によつて発行し、契約によつて償還できるわけでありますから、その点御答弁は私は違うと思うのであります。
#46
○岩木哲夫君 もう一点だけお尋ねして置きたいのは、未期限の旧債券償還は、各債券の額面通りに今回償還するのでありますか。例えば昭和三十年の期限の旧債券につきまして、仮に本年度これを償還する場合には、百円の額面のものは百円で償還するのでありますか。この辺を一つ伺いたいと思います。
#47
○国務大臣(池田勇人君) 経済上の原則によつてやるのでありまして、そういうことはいたしません。
#48
○岡田宗司君 補正予算についてお伺いいたします。進駐軍用の家屋二千戸建てることになりますが、これによりまして、終戰後から政府によつて借上げまして、そうして進駐軍用にされておりまする日本人所有の家屋が非常に沢山ある。それが、これが建設されましたときに二千戸解放されるのか、或いはそれより少いのであるか、その点についてお伺いいたします。
#49
○国務大臣(池田勇人君) 只今接收いたしておりまする日本人所有の普通の住宅の借入とこれとは全然別個なものであります。この二千戸は北海道地区、それから仙台、東京地区にもございます。横浜地区にもありますが、今まで接收しておる家屋とは全然別個の考え方でこれは概ね地方に建てられるのであります。
#50
○岡田宗司君 若しこれによつてですね。解放されないということになりますというと、これはまあ推定でありますが、それだけ進駐軍がこういう家屋を要する人が沢山入つて来るということになつて来るわけでありまして、私共といたしましては、最近の事情から、これを建てることによりまして、日本人の家屋というものが解放されるものであろうと想像しておつたが、尚最近若干のものが解除されておるのでありますが、今後も、考え方は別個であるといたしましても、事実上の問題として、解除されるものが出て来る見込かどうか、お伺いしたい。
#51
○国務大臣(池田勇人君) 進駐軍の計画によるものでございまして、私からとやこう申上げる資料は持つておりません。今後建てます二千戸は、従来軍用舎におられる人がその家族を呼んだり、或いはいろいろな事情で建てられるのであります。そうして日本人所有の家屋の接收されたものの解除になりますのは、これは別個の状況で解除になると、それとは別に計画を立てていると聞いております。
#52
○岡田宗司君 この五十二億五千万円と、二千戸と申しますというと、これは一戸当りの県設費が高いもののように私共には考えられるのですが、実際今度建てられるものは、坪当りどれくらいの建設費になつているんですか。
#53
○政府委員(東條猛猪君) 御質問にお答えいたしますためには、やはり具体的な設計でございますとか、それから構造でございますとか、そういう内容が詳細判明いたしておりませんと、御答弁できないわけでありますが、只今の段階におきましては、まだ関係方面その他におきまして、十分にその辺の詳細につきましての計画は、どの程度に進捗いたしておりまするか、私共といたしましても、まだ承知をいたしていない次第であります。従いましてこの二千戸で以てこの金が要るという程度に実は申上げる外、只今の段階におきましてはいたし方がないと、かようにお答え申上げる外ありません。
#54
○岡田宗司君 まだはつきり分らないというので、これは止むを得ないことでございますが、大体その従来のものから見てですね、建設費は安くなつておりますとか……
#55
○政府委員(東條猛猪君) これも只今申上げました趣旨を実は概ね繰返して申すより外ないのでございまするが、具体的な設計、かれこれを見ませんと、何とも申上げかねまするが、大体工事費の單価その他が、以前進駐軍の住宅、或いは兵舎等が建設いたされました当時に比ベまして、割安になつておるのが、これがまあ本件を離れましての常識でございまするから、その程度、或る程度の割安は希望できるのじやなかろうかと、かように考えております。
#56
○委員長(山田佐一君) 岡田さんに申上げますが、所要時間三十分なり一時間の中で、岩間君が残つておりますから成るべく簡潔にお願いいたします。
#57
○岡田宗司君 もう五分ぐらいですから……連合国軍人等住宅公社法案によりまするというと、第二十六條に「政府は、公社が住宅を建設するための用地として国有財産たる土地又は地上権を必要とするときは、国有財産法の規定にかかわらず、これらのものを無償で公社に使用させることができる。」と、こうなつておりますが、今度の住宅は全部これは国有地にできるものであるかどうか。
#58
○政府委員(東條猛猪君) 私共が一応この五十二億五千六百万の積算の内容といたしまして承知いたしておりまするところの極く大ざつぱな内訳でありますが、工事別の金額の分類を見てみますと、実は余り大きな敷地の買收費という項目が予定いたされておりませんので、その多くは国有地に建てられることになるのではなかろうかと存じておりますが、その辺の点につきましても実は余り具体的な内容を只今承知いたしておりませんので、この程度の答弁でもつて……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○岡田宗司君 そういたしますとまださつぱり何も分らん。ところが過日大蔵大臣のお話ですと、予算が成立しないというと、四月一日にスキャッピングの何によりまして、四月一日に契約をしなければならんのだというふうに言われたと思うのでございますが、さつぱり内容がはつきりしないものにどうして四月一日に契約をしなければならんのですか。(「その通り」と呼ぶ者あり)
#60
○国務大臣(池田勇人君) この問題は特別調達庁がおやりになつているのであります。で、特別調達庁ではいろいろな計画を立てられまして、どこの地区に何戸、どこの地区に何戸、こういうふうな計画を立つて話が進んでおると伺つております。
#61
○岡田宗司君 そういたしますと、本日の予算が委員会にこの予算がかけられるならば、当然特別調達庁からどなたかおいでにならなければならん筈だと思うのでありますが、お見えになつていないのは甚だ不誠意だ、こう考えざる得ない。それから、この公社のいろいろな事務その他は特別調達庁の予算の中から出すと、こういうことになつておるのでありますが、この特別調達庁の予算の、現在までの予算の中で出すのかどうかという点をお伺いします。現在じやない、今度組まれただけの予算の中から出すのですか。
#62
○国務大臣(池田勇人君) 特別調達庁の予算というのは終戰処理費から出すのでございます。
#63
○岡田宗君 そうしますというと、その分は終戰処理費の中から出して今二十五年度予算に計上されておる分の中で以て、それ以上別に組まないわけでございますね。
#64
○国務大臣(池田勇人君) お話の通りでございます。組みません。
#65
○岡田宗司君 私の質問はこれで終ります。
#66
○岩間正男君 私も二、三点伺いたいのでありますが、先ず最初に先程の木村委員の質問に対し、蔵相は米の例を挙げて言われたのでありますが、米を一石借りた、それを四千二百五十円で売つた、併しそれは借りたなら自分の物であるけれども、それについては貸した方の條件が附く、こういうことでありますが、同じような見返資金と、それから援助資金の関係において、そういうことを、まあ例証を挙げて言われたのでありますけれども、その條件が非常に問題になつて来るのじやないか。で、この点そうすると、これは日本の今後の運営に対しまして、この見返資金なり運営に対しまして、非常にこれは大きな関心を持たざるを得ないのでありますけれども、このような重要な條件があると考えられるこの見返資金に対しまして、それとの関係で援助資金を借るり場合に、これに対して国会に諮るということは、非常に重要だと考えるのでございますが、こういう処置をなぜとられなかつたのでございますか。その点先ず伺いたい。
#67
○国務大臣(池田勇人君) それは見返資金特別会計法の制定のときにお話申上げた通りであります。
#68
○岩間正男君 この條件はそれでは明らかにされておりますか。その法案の條件については分らないと我々は考えておりますが、それについては……
#69
○国務大臣(池田勇人君) これは見返資金特別会計法制定のときに衆議院の決議もあります。又別個に日本がポツダム宣言を受諾したことから来ることだと私は考えておるのであります。
#70
○岩間正男君 そういう大ざつぱな答弁では私は承服できない。そういう大ざつぱな答弁で、具体的にはどんどんその線と違うようなことも行われていないと言えない。そういう実態に対して国会は今日非常に関心を持たなくちやならんのでありますが、当然そのような條件の限度というものがあるだろうと思う。これに対して蔵相は一体なぜ国会のこういう重要な問題を、最初にそもそも援助資金を入れて見返資金を設定するときにお諮りにならなかつたのでありますか。
#71
○国務大臣(池田勇人君) 別にお諮りしなくても特別会計法によつてやつております。今占領治下におきまして、この会計については向うの承認を受ける。こういことに相成つておるのであります。
#72
○岩間正男君 私は今のそういう答弁では不満であります、併し質問を続けます。そこで私がお聞きしたいのは今度のこの住宅の法案によりますと、十二年間に借家料を拂う、これはそれに入つておる人の給料の中から拂うということが決められておるのでありますが、そうするというと、十二年間というこの期間が問題でありますけれども十二年間、これはなんでございますか、進駐軍が日本に滯在される、こういうことの裏書と思うのでありますが、この点は如何ですか。
#73
○国務大臣(池田勇人君) 家を建てて十二年間で償却するということと、進駐軍がこちらにおられる期間とは別個の問題であります。
#74
○岩間正男君 これは別個の問題でこれは一蹴されておる問題じやないと思う。これは一年ぐらいでもうその家を返す、こういう形だつたのですね。十二年目のことをわざわざこういう法案に謳うということはおかしいと思うのでありますが、その点は今の答弁では満足できません。
#75
○国務大臣(池田勇人君) 家を建てて十二年間で償却するということになつておるから進駐軍も十二年間おつて下さいとは考えていないのであります。全然別個の問題で、御了解できなければいたし方ないと思います。
#76
○岩間正男君 講話会議が済めばこれはポツダム宣言によつて進駐軍はこれは日本を引揚げなくちやならないことになつておるのです。そうして講和は今世界の大勢の中で非常に促進され、それを望まれて、これは関係国の大部分の国がそれを望んでおる。こういう状態の中で十二年の期限もつくような一体住宅を建設するということが必要であるかどうか。それでそういうふうな判断をこれは政府は持たれて建てられておるのであるか、その点明らかに答弁されたい。
#77
○国務大臣(池田勇人君) 進駐軍の住宅がなくて非常に困つておられるのであります。而して向うからも住宅を建てたらどうかというスキャッピングがありましたので、こちらも建てることに決定いたしました。
#78
○岩間正男君 まあ頬かぶり的答弁としか認められません。なぜかというと、日本の軍事基地化の問題がこれは非常に大きな問題になつておる。そうし世界の輿論の中でもそういうものが反映されて我々に伝つておる。日本の国民も大部分今日では知つておる。こういう連関の中でこの問題がやはり我々としては関心を持たざるを得ないのであります。例えばどういうふうにこれは、この住宅建設の問題が世界の輿論の中に反映されておるかというと、こういう例がある。I・N・Sのジョン・リッチ氏は次のように述ベておる。「総司令部の日本政府に対する占領軍用住宅二千戸建設指令は講和條約後も日本に基地を保有しようとするアメリカの計画を最もよく物語る一例であるとみられる……これら計画では十二年間に借家料によつて建設費を償還するということになつている。計画の意義の軽重は別としてもおよそ何年間アメリカが日本に基地を保有する意向であるかについて若干の示唆を與えるものであろう」。こういうふうなことが述べられておるのでありますが、そうしますとこれは講和條約の締結後における日本の体制、この問題と切離してこの住宅設定の問題というものは我々は考え得られないような点が多々ある。こういうふうに思うが、従つてこういうような問題が世界の輿論によつても提供されておるのでありますから、日本政府といたしましてはこういう問題に対して疑惑を一掃するということは非常に重要であると思うのでありますが、これは総理がいないのでありますが、総理に実際伺いたいのでありますが、蔵相としてはこの法案を出しておる責任者としてどういうふうな考えを持つておられるか。この点を伺いたい。
#79
○国務大臣(池田勇人君) いろいろなことを想像される方はおありでしよう。殊に岩間君も想像せられておるのでありますが、我々はこの際としては必要な措置と考えて予算審議を願つておるのであります。
#80
○岩間正男君 これは民族の将来にとつて重要な問題でありますから、政府は疑惑が残らないようにこういう問題を明らかにして、そうして今後本当に日本がポツダム宣言によつて約束したところにこの平和体制を確立して、そうして戰争の原因にはならないし、又戰争の基地などというものを日本では設定しないという断平たる見解を表明する立場にあると思うのでありますが、こういう点について甚だ生温いし、又国民の目がそういうものに対して釈然としないものを持つているということを指摘し得ると思う。
 次に伺いたいのでありますが、今度の二千戸の外に更に二千戸というようなものが考えられておるということを聞いておるのでありますが、これは事実どうでありますか。
#81
○国務大臣(池田勇人君) 私は一切聞いておりません。
#82
○岩間正男君 随分惡い耳で、そういう点を、これは蔵相は聞いておらないないと言うて流されるのでありますけれども、この問題は具体的にこういう事実が明白になつたときにやはり政府は知らないと言つてお逃げになるつもりですか。
#83
○国務大臣(池田勇人君) そういうことは私は聞いていないのであります。そうして又そういうことはないと考えております。
#84
○岩間正男君 さつきの政府委員の説明といい、今の蔵相の説明といいですね、実に知らん、存ぜんの頬かぶり主義であるる。こんなことで国民の目をくらまそうとするのでなくて、本当に日本の政府であるなら、これは日本の利益のためにはつきりとした態度を確立して貰いたい。こういうところに吉田内閣の性格がはつきり現われておると我々はそう断ぜざるを得ない。更に連関してお伺いいたしたいことは、今日本においては戰災者、引揚者、こういう人達が住宅難で非常に苦しんでおるのであります。そうして中には壕舎に住まつておる人もまだこれは相当な多くの数だと思うのであります。最近の情勢におきましては日傭労働者なんか、この寒さのために、朝友達がどうもやつて来ないから壕舎にやつて来て戸を開けて見ると、親子相抱いて死んでおる。こういうような実例もある。従つて日本の住宅難は非常に深刻な問題であります。そのうちにおいて、今度の住宅営団の予算が百五十億と思うのでありますが、そのうち五十二億というようなもので進駐軍の家屋住居が設定されておる。そうして一方におきましてはあとの残りの九十何億かが日本の因つておる住宅難を緩和する費用となると思うのでありますが、こういう点について政府はどういうような一体見解を持たれるか。これを伺いたい。
#85
○国務大臣(池田勇人君) 戰争によりまして住宅は非常に少くなりました。従つて終戰後直ちに住宅建設に掛からなければならなかつたのでありますが、今までの内閣は余り住宅を建てていなかつたのであります。(「吉田内閣もな」と呼ぶ者あり)それで我々は来年度におきましてお話の百五十億と別に公共事業費の方にも組入れまして、大体百八十億程度の住宅を建てようといたしておるのであります。而して進駐軍住宅を今回五十二億で建てますことは、これは別の意味において必要であるというので御審議を願つておるのであります。
#86
○岩間正男君 最初予算の大綱が示されましたときに、予算を組んでおる過程におきまして、見返資金から百億というようなことがありましたが、これは相当日本の人民の住宅がこれによつて増設されるのでと期待しておつたわけでありますが、実際開いて見ますと、その五十二億がこのように進駐軍の二千戸の住宅ということに充てられておることは、日本の国民がこれは非常に失望した。こういうふうに考えてる。(「違う違う」と呼ぶ者あり)
 最後にお聽きしたいのですが、この問題についてはこれは反対が許されない。こういうことをよく流布しておるものがあるのでありますけれども、これは我々の見解では、飽くまでも政府が自主的にこのような案を国会に提出したと、こういうように思うのでありますが、この点は如何ですか。
#87
○国務大臣(池田勇人君) 先程申上げましたように、進駐軍で住宅に非常に困つておる。住宅を建てるようにしろ。こういうスキャッピングが参つております。我々もその事情を十分了知いたしておりますので予算を策定した次第であります。
#88
○岩間正男君 私達は困つておるかどうか、それは詳しく分らないけれども、併し日本の今の住宅難の実情と比べてそこのところは非常に違うのではないか。従つて政府としても一体何を先にすべきであるか。こういう点は当然明らかになつておると思うのであります。こういうような予算の組み方に今の内閣の性格がはつきり出ておる、こう解釈せざるを得ない。併しこれはこの問題をなんぼ続けても知らん、存ぜんの答弁でありますから、私の質問はこれで打切ります。
  [委員長退席、理事堀越儀郎君委
  員長席に着く]
#89
○理事(堀越儀郎君) 補正予算についての質問はこれで終了したものと認めまして、続いて二十五年度予算に対する質問を続行いたします。通告順によつて発言を許します。岡田宗司君。
#90
○岡田宗司君 引続いての予算委員会の討議並びに各分料会における討議を通じまして、私共は債務償還の問題が一番大きな問題になつておつたように思うのであります。二十四年度の予算は歳相はディス・インフレの予算である。こういうふうに言われておつたのでありまするが、その現われましたる予算を見ますというと、私は蔵相とは見解を異にいたすのでありますけれども、デフレーションを惹き起しておるのであります。二十五年度の予算も二十四年度の予算とその性格は同じでありまして、恐らくこれが施行されましたならば、更にデフレーションが促進されるであろうということが明らかなのであります。而もその中心をなすものは何かといえば債務償還の問題であろうと思うのであります。先程木村君並びに岩間君も指摘されましたように、現在債務償還につきましては銀行方面におきましても希望をしておらん、こういうようなことが漸次明らかになつているのでありまして、なぜこれが希望しておらんかということにつきましては詳しく申上げませんが、そういうような状況にあるのでありまして、過日の公聽会におきましてもそういう意見が述べられておつたのであります。で、大蔵大臣は千二百億の債務償還を年度内において必ずおやりになるつもりであるか、或いは今後の経済情勢によりまして、予算の当初におきましてそういうふうに予定されておつても、途中におきましてその債務償還を減少するようにするか、その点について先ずお伺いしたいのであります。
#91
○国務大臣(池田勇人君) 二十四年度予算と二十五年度予算と同じようなもんだとお考えになることは非常な誤まりでございます。大変な違いがあるのであります。総額におきましても七千四百億円の歳入歳出予算と六千四百億円の歳入歳出予算、大変な違いがあるのであります。而して内容におきましても、二十四年度においては減税を一つもいたしませんでした。然るに二十五年度におきましては、実質上九百億円の減税をいたしております。而して又直接事業を殖やしますために公共事業その他におきまして二十四年度よりも歳出を沢山しております。こうやつても尚且つ債務償還の必要があり、又いろいろな情勢から債務償還をしなければならん今の日本の財政経済の状況であるのであります。これはたびたび申上げた通りでありまして、二十四年度予算と二十五年度予算と同じであるというふうにお考えになりましたらとんでもないことだと思つているわけであります。而して今年度におきまして、債務償還千二百八十億の償還は私は必ずやる予定でおるのであります。
#92
○岡田宗司君 予算の大きさが違つていることも存じております。又公共事業費等におきましても増額されていることも存じております。併しその本質と、財政の作用から昨年の予算と同じようなものを現わすであろうということを私は申上げたのであります。
 次にお伺いしたいのは昨年の予算の施行、特に復金債の償還その他によりまして、銀行の手持等も非常に多くなつている、又昨年の予算の施行の結果、銀行は非常に有利な立場に置かれるようになつて参りまして、過日明らかになつたところでありますが、日本銀行を初め各銀行の利益というのは非常に大きくなつて参つたのであります。これは二十四年度予算の性格を現わすものであろう、つまり銀行資本、金融資本を強める結果になるであろうと我々が予想しておつたことを明らかに現わしているものと言わざるを得ないのであります。而もその利益を莫大なのであります。本年度に入りましてから銀行の利子の引下げをやりましたが、更に蔵相は今日のこの銀行の非常に大きな利益の状態から見まして、利率の引下げをおやりになるように指導するつもりであるか、その点をお伺いしたいと思います。
   〔理事堀越儀郎君退席、委員長着席〕
#93
○国務大臣(池田勇人君) 三月で終ります決算期におきましては、昨年の九月の一厘下げしか響いておりませんが、二月一日にありました原則としての二厘下げは一ケ月半しか響いてないのであります。従いまして三月期は相当利益が上つて参りましたが、来るべき九月の決算期におきましては二月一日の原則としての二厘下げ、又四月十日から行う予定でありましたところの原則としての一厘下げ、これが全面的に響いて参りますので、預金の増加が相当ありましても、又国債償還によります運用、利鞘の上昇を見ましても、余り九月には響かないと思います。併し御質問の金利につきましては、私はできるだけ早い機会にできるだけ沢山下げたい、こういうことをたびたび申上げましたが、金利政策は動かしておりません。今後ともできるだけ引下げて産業の復興に貢献いたしたいと考えておるのであります。
#94
○岡田宗司君 次に今次の予算について、相当価格差補給金は減少されておるのであります。併しながら尚価格差補給金を少くしてもいいと思われるものがあるように思われるのであります。第一に肥料のうちの硝安の価格差補給金として十三億七千万円程計上されておるのでありますが、硫安が日本におきましても相当大量生産され、又石灰窒素の生産も相当上昇して参りまして、窒素肥料につきましては、大体において戰前の水準に近く回復しつつあるのであります。ところがアメリカからずつと硝安が入つております。この硝安は農民が使うことを非常に欲しない。そうしてこれは輸入しなくても済むものであろうと思うのです。これの輸入を止めまして、そうして十三億七千万円の補給金を削ることができると思うのでありますが、その点について蔵相の見解を伺いたいと思うのであります。
#95
○国務大臣(池田勇人君) 国内物資の価格差補給金、或いは輸入物資の輸入に対しまする補給金、これは私はできるだけ少くしたいというので、昨年の四月以来努力して来ておるのであります。只今のところ輸入補給金並びに価格差補給金、合せて九百億円の御審議を願つておるのでございますが、情勢によりましては今までの私の方針通りできるだけ減らして行きたいと考えておるのであります。敢て硝安に限りません、大豆その他につきましてもできるだけ減らしたいという考えで進んでおります。
#96
○岡田宗司君 更に一般の補給金につきましても、最近輸入されます小麦等の値下り、或いは又米等の値下りによりまして食糧の補給金も相当多額に浮くと思うのでありますが、この補給金の浮く額につきまして、例えば上半期においてどれくらい浮くか、その見通しについてお伺いしたいのであります。
#97
○国務大臣(池田勇人君) なかなかこれは計算がむずかしいのでございます。向うの小麦なりの価格の下落状況によつて余程違つて参るのであります。又米を輸入いたしますにしてもシヤム米を輸入するか、或いは朝鮮米を輸入するかによりまして、又パーター契約の決め方によりまして違うので、上半期にどれだけ浮くかということは只今計算は困難だと思います。
#98
○岡田宗司君 次にお伺いしたいことは、最近物価が漸次下落の方向にあるのであります。補給金撤廃のものは別でありますが、そうでないものは漸次下落の方向にある。又運賃にいたしましても旅費のうち二等で約三分の一程減つたのでありますが、そういたしますと予算に組まれております物件費なんか、やはりそれに伴つて尚節約ができるのではないか、或いは又旅費等も若干節約ができるのではないかと思うのでありますが、例えば物件費を一割ぐらい節約するといたしまして、尚旅費を若干節約するといたしまして、どのくらいのものが節約できるか、それをお伺いしたいと思います。
#99
○国務大臣(池田勇人君) 物件費一割節約ということを物価が下落傾向にあるから節約できるのじやないかというお話でございますが、私はなかなかそんなに物件費が一割減るというふうには只今考えておりません。旅費も少くなるだろうというお話でございますが、民間では私鉄運賃の値上げとか、ガス料金の値上げとか、いろいろな値上げが今議論になつておるような状況であるのであります。従いまして旅費がどれぐらい、物件費がどれぐらいかということを今申上げる資料も持つておりませんが、お話のようになつて呉れればよろしうございますが、なかなかならないのじやないかと思います。若し物件費を一割減らすとどれぐらいになるかということは政府委員からお答えいたします。
#100
○政府委員(河野一之君) 物件費はいろいろございまして、岡田さんのおつしやる経費がそのどれに該当するか非常に問題でありますが、一般会計、特別会計、それから政府関係合計いたしまして二兆四千五百億程ございます。併しそのうち大分部は公団の物資買取費であります。例えば米でありますれば約四千億あります。肥料でもやはり千億程度ございますので、いわゆるおつしやる物件費というものは一人当りの平均が六千円、一般会計で六千円に四十万を掛けますと二十四億であります。従つてその一割ということになりますと二億四千万ということになります。旅費は一般会計におきまして約八十億、特別会計において約六十億でありますから、合計いたしまして百四十億の一割としますれば十五億程度になります。
#101
○岡田宗司君 次にお伺いしたいのは中小企業対策につきまして過日大蔵大臣は中小企業銀行を設立するというようなお話もあつたのでありますが、中小企業銀行の資金は一体どれぐらいにされる、そうしてそれがどのくらいの融通をすることになるのか、その点構想をお伺いしたいのであります。
#102
○国務大臣(池田勇人君) 東京、大阪に中小企業專門の銀行を設立する、こういうお話があるということを申上げたのであります。只今のところそういう方針で寄り寄り実業家の間に話があるようでございますが、まだ具体化しておりません。その際申上げました十一大銀行の支店三十五ケ所は設置に決まります。そうして場所も殆んど決まりかけておると思います。新たに設立する銀行の資本金、運用資金につきましては、まだ具体化していないようであります。
#103
○岡田宗司君 政府自身としては、例えば中小企業に対しまして、特別に融資をする金庫というようなものを政府出資で作るお考えはございませんか。
#104
○国務大臣(池田勇人君) 新たに作る考えは持つておりません。それよりも商工中金とか、或いは農林中金の方の出資を増しましてそうして長期債券を発行せしめて、これによつて中小企業の融資をしたい、こういうふうに考えております。
 尚この機会に木村君にお答えいたしますが、財閥に交付します国債は私の想像通りまだ一つもやつておりません。御承知の通りこの財閥に指定された人の所有株全部を処分して、そうしてその費用を差引いて、それから交付することになるのであります。従いまして私の想像通りまだ交付いたしおりません。ただ財閥に指定された人が生活にお困りになるときは、必要な生活費だけを現金で交付した例はございます。
#105
○岡田宗司君 次に地方税の問題についてお伺いしたいのでありますが、地方税法が来て地方税法についての論議がいろいろされましたが、全体として見まして地方税が増額になつておるのでありますが、特に附加価値税、或いは固定資産税等の増加によりまして、家賃なんかに響くところが非常に大きい。或いは又農業協同組合のごときも、そのために潰れてしまいそうになるものが二千ぐらいも出て来そうだというような状況にもなつているのであります。尚これが中小企業に及ぼす影響も非常に大きいのであります。更にこの地方税を例えば百億ぐらい減税いたしまして、そのくらい地方財政平衡交付金の方を増すというようなお考えはないかどうか、お伺いしたいのであります。
#106
○国務大臣(池田勇人君) 平衡交付金を増して、地方の徴收する税を少くするという考えは持つておりません。ただ私はこの機会に申上げたいのは、附加価値税にいたしましても、固定資産税にいたしましても、大体附加価値税の方につきましては四百二十五億円、固定資産税の方において五百二十五億円を予定いたしておりますので、地方公共団体はできるだけ歳出を少くし、そうして附加価値税も標準税率になつておるのでありますから、余りお取りにならないようにして頂きたい。そうして又固定資産税につきましても、初年度はああいうような規定でやつておりますが、次年度からは調整できるようになつておりますので、とにかく国民の負担をできるだけ少からしめるために、国と同様に財政機構をできるだけ少くして、減税に邁進して行きたいと、私は地方関係の方々に、この機会にお願いいたしたいと思うのであります。今の税率は施行当初でございますから、余程大事を取りまして、地方に財源が少くなつて、赤字を出すようなことがあつてはならないというので、相当ゆとりのある見方を初年度はいたしておりますが、従いましてこういうことを地方公共団体におきまして十分了知せられまして、その地方の財政計画を立てて頂きたいと思うのであります。
#107
○岡田宗司君 次にお伺いしたいことは、最近健康保險、国民健康保險等が非常に行詰つて来ているのであります。これは御承知のことと思うのでありますが、これらに対しまして、赤字の負担をもつと国庫においてして頂けないものかどうか、更に失業保險、或いは日傭労働者の失業保險等を拡充できないかどうか、そういうことについて補正予計を組まれるような場合にはお考え願えるかどうかお伺いしたいと思います。
#108
○国務大臣(池田勇人君) 国民健康保險につきましては、最近におきまして即ち昨年の一月頃から非常にこの制度が活用されました。昨年の十二月頃特に支拂金に困るという状態になつたのは岡田君も御承知の通りであります。政府はこの際善処いたしまして、保險金を法律で決められた程度の増額をいたしました、そうして又保險料徴收に万全をいたしまして切拔け得たのであります。二十五年度におきましては、国民健康保險或いは一般の健康保險につきましても、事務費を増額いたしておるので、即ち国庫で負担しまする事務費が三割と五割であつたのを七割と五割に上げた、こういうふうにいたしまして、できるだけ国民健康保險等の拡充強化を図つたり、それから又失業保險につきましても、事情によりましては、私はいわゆる社会保障制度のあの趣旨を酌みまして、できるだけ実はいたして行きたいと考えております。
#109
○岡田宗司君 大蔵大臣が渡米をなさるということでありますが、その渡米の目的はいわゆるドツジ方式による予算が、いろいろ国内の経済状態に行詰りを来している、そういうことからしてこれの修正或いは何か変更を懇請に行くというようなことでお出でになるのかどうか、お伺いしたい。
#110
○国務大臣(池田勇人君) 私がアメリカへ行くということが新聞には載つていたようでありますが、自分は一つも考えておりまん。たとえ万が一行くにいたしましても、私はこの政策の変換のために行くということは毛頭ございません。これだけははつきり申上げて置きます。私は今まで御審議願つておりまする財政金融政策で、そうして二十五年度をやつて行こうといたしておるのであります。たとえ万が一行つたといたしましても、政策変更のために行つたものではないと御了承願います。
#111
○委員長(山田佐一君) 岡田さんに申上げますが、大体時間が参りましたから、成るべく時間内に……
#112
○岡田宗司君 最後に先程からいろいろ議論になつておりました債務償還を減少する、或いは価格調整費が今後少くなる、或いは物件費等の節約等、その他二十四年度の剩余も尚若干ある、こういうとこからいたしまして、補正予算を組む、そうしてその際に今私が申上げましたようないろいろのものを支出し、或いは公務員の給與ベースを改訂する、そういうような補正予算を参議院の選挙の後に召集されますところの国会において出すというおつもりはないか、その点をお伺いしたい。
#113
○国務大臣(池田勇人君) 只今の補正予算を組むつもりがあるかどうかという御質問に対しましては、補正予算は組まなくてもやつて行けるだろう、併しこういうことはその場合の国情、即ち財政経済事情、国民の生活事情等から考えるべきでありまして、補正予算を出さんとも言えませんし、出すとも言えないのであります。この点はもう問題にしなくてもお分りだろうと思います。
#114
○岡田宗司君 終りました。
#115
○岩木哲夫君 民主党は今日までの質問で結了し、総括質問は省略いたします。
#116
○帆足計君 私予算委員会の開始以来質問を申込んでおりましたが、只今申上げます一点だけを、その機を失しましたので、誠に恐縮でございますがお許しを願いたいと思います。法務総裁お見えのことと存じますが……ちよつとお見えになるまでお待ちしましようか。法務総裁と文部大臣に聽いて頂きたいのです。
#117
○委員長(山田佐一君) それでは法務総裁と文部大臣の御出席になつてから御質問を願います。
#118
○木村禧八郎君 私はこれまで非常に長く質問いたしましたので、総括質問としては簡單に二点だけ質問いたします。
#119
○委員長(山田佐一君) どうぞ時間内ゆつくり……
#120
○木村禧八郎君 第一点は二十五年度予算を実行した場合、先程岡田委員も質問したのですが、それはいろいろな形においては二十四年度予算と違う面もありますが、性格においては旧債務償還という性格が非常に大きく出ておりますので、我々が予想した通り二十四年度はやはりデフレになつたのですから、二十五年予算においてはやはりこの予算案を実行した結果、大蔵大臣はデフレの傾向がひどくなると考えないかどうか、いわゆる今まで言われたようなディス・インフレの線で行くと思うかどうか、デフレにならないかどうか、これが第一点。
 第二は給與ベースは依然としてやはり絶対に変えない方針であるかどうか、この二点について……
#121
○国務大臣(池田勇人君) 二十五年度の予算を執行いたしまして、デフレになるとは考えておりません。私は相当直接税も殖えて参りまして、明るくなつて参ると思います。尚公務員の給與ベースは、たびたび申上げまする通りに、この予算案では上げないことで組んでおります。又私は本年度は給與ベースを上げずに、実質賃金の向上を図るということで行きたいと考えております。
#122
○岩間正男君 ただ一点だけ伺いたいと思うのであります。
 今度の予算が遅れました、年度内に成立を見なかつたのであります。それで暫定予算は組めない、こういうような段階になつているのでありますが、これに対して蔵相はこういう事態を惹き起した今までの政府の怠慢、これは後で詳しく討論のとき申上げたいと思うのでありますけれども、こういう事態を惹き起してこれは非常にいろいろな政治的な責任の問題だと思うのでありますが、蔵相はこのような責任をどのように果される覚悟があるか。もつと具体的に突つ込んで申上げるならば、この際責任を負うて職を辞される覚悟があるかどうか、この点を伺いたいと思います。
#123
○国務大臣(池田勇人君) 後から申上げまするが、この際辞職する考えは私にはございません。併し総理大臣の任命でありますので、総理大臣にお聽き願いたいと思います。私は辞める気持は毛頭ございません。今度の問題でですよ。而して先の問題の政府の責任云云ということがございましたが、私は先般木村委員からのお話がありました通りに、若しこれが年度内に通過しないような場合には、暫定予算が是非とも必要であるというので関係方面に三度参りました。自分で行つたのは二度であります。而して暫定予算が組めないということは三月三十一日以前に二回ここで申上げておるのであります。私は吉田内閣の大蔵大臣といたしまして、できるだけのことはいたしたのであります。併し如何せん、予算の編成をいたしましても、国会提出には進駐軍の承認がなければ出せない、こういうことを岩間君はつきり胸に置いて頂きたいと思います。私としてはできるでけのことはいたしたのであります。で審議が三十一日までできなかつたというのは、誠に遺憾ではございまするが、私としては万全を盡したということを御了承願いたいと思います。
#124
○岩間正男君 責任の問題は依然として保留されると思います。我々はこの責任を明確ならしめることが日本人の今後の国政に上においても非常に重要だ、このことを一言申上げて私の総括質問は終ります。
#125
○小川友三君 大蔵大臣に一つ。今の予算の編成は、大蔵大臣が申された通り非常な困難な情勢でありまして、よく大蔵大臣が病気にもならないでやつていらつしやる点については、私は満腔の職意を表しながら少しお伺いをいたします。
 中小企業問題ですが、中小企業のいわゆる金融対策につきまして、とにかく司令部に対する大蔵大臣の顔は、財政経済方面においては正しく私はナンバー・ワンと見ておる。ですから大蔵大臣が数回に亘つて粘つて貰いますれば中小企業金融問題は、私は容易に打開できると、こう思つておりますのですが、この点につきまして今後もあることですから、大蔵大臣には十年でも二十年でも私はやつて貰いたいのですが、大蔵大臣はどうしても中小企業に対して見返資金の中から百億円ぐらいやつて貰いたいのですから、御所見を一つ、大蔵大臣の御答弁によつては大いに票が今度動くのですから、乾坤一擲の頭腦明晰なところで御努力の点等についてざつくばらんに御所見を伺いたい。
#126
○国務大臣(池田勇人君) 日本の産業の母体は中小企業にあるのであります。これは十分承知いたしております。就任以来努力を重ねて参つております。殊に二十四年度の予算の執行から中小企業に皺が寄ることは初めから分つておりますが、昨年八月、殊に昨年末以来あらゆる努力を重ねて参りました。併し如何せん、インフレから安定への経過的な問題としましては相当困難があるのであります。私の今までの努力でもまだ十分ではございません。併し今度におきましては、今までのあれに加えるに、見返資金の増額だとか、或いは中小企業に対しまする金融の補償の問題、この補償の問題を只今向うと話をいたしておるのであります。私はここで一々申上げられませんが、中小企業が日本の産業の母体であるという点に鑑みまして、全力をこの方面に向けて向きたいと思うのであります。何分にも直接に中小企業に関する対策ということもさることながら、日本の経済を、日本の産業をうまく行くようにして行くのが根本であるのであります。私はそのところに狙いを置きまして、そうして中小企業のために、金融のみならず、いろいろな点からできるだけ育成発達をせしむるような努力を今後とも続けて行きたいと考えております。
#127
○小川友三君 よく分りました。それで大蔵大臣はまあ終戰後の大蔵大臣としては極めて優秀なんですから、私は国民を限りなく愛していらつしやる、国民を限りなく愛する程の心を以て面倒を見ていらつしやる、又面倒を見なければならないという立場に置かれていらつしやるんです。国民を限りなく愛していらつしやる点においては、民自党を愛していらつしやる度合より、大蔵大臣としては国民を愛していらつしやる度合が大きいと思います。愛問答になりますけれども……それを言葉を盡してお伺い申上げたいと思います。
#128
○国務大臣(池田勇人君) 政治家としてよりも、国民として国民を最も愛するものでなければならないのであります。私は民自党に入党したのは、各政党のうちで、最も国民を愛する政党が自由党であると考えて入党したのであります。
#129
○小川友三君 そこで限りなく国民を愛する大蔵大臣の気持はよく分りました。そこで愛していらつしやるんですから、国民の公僕である国家公務員一切を含む者の賃金ベースの問題ですが、国家公務員で親の脛をかじつている者はとにかくとして、大体九九%が今知僚から借金しておるとか、大蔵大臣に借金している人はいないと思いますが、幾らかいるかも知れません(笑声)それ程借金をしてどうやらこうやら苦して生活をしていらつしやるのですから、国民を限りなく愛する、不減の業績を残す大蔵大臣として、大蔵大臣になつて貰いたい、又必ずなり得ると私は思つておるのであります。たとえ賃金ベースを、たとえ五百円でも三百円でも、多い程結構ですが……先程社会党の先生が質問されたときに、物件費がちよつと下れば、先ず二億五千万円下るという見通しは先ず正しい。今後一年間のうち相当下りますよ。又安く買つて貰いたい。そこで幾らかでも大蔵大臣は情勢の見通しによりまして、そうした物件費やいろいろな変化によつて、この幅が出た場合、そうした場合は、こう幾らか、今まで借金をずうつと終戰後約五年間、この赤字を続けているのが国家公務員の生活でありますから、限りなく愛して、又民自党も限りなく愛していらつしやる。私するものが六百六十七億といわれ、配付税に相当するものが二十四年度におきましては七百四十五億円程度で、配付税に相当するものは多少減つている。それから補助金、これが三百五億といわれております。補助金については二十四年度補助金はどのくらいあつたかお伺いいたしたいのですが、そうしますとその残りは七十八億ということになるわけです。それで平衡交付金と言われますが、平衡交付金制度によつて殖える分は本年度二十五年度で七十八億円、こういう計算になつておりますが、そういたしますと地方財政がそんなに豊かになると、こういうふうには言えないのじやないかと思うのです。この点はどういうふうにお考えですか。
#130
○国務大臣(本多市郎君) これは平衡交付金の内容についてはお話の通り従来の配付税、補助金を総合した程度でありますから殖えておらないのでありますが、今回の災害の全額国庫負担、その他のものを総合いたしますと、八百億くらいの増にはなると考えております。
#131
○木村禧八郎君 八百億くらいの増になる、その根拠がよく分らないのですが。
#132
○政府委員(奧野誠亮君) 昭和二十四年度の国庫支出金の総額は一千六百五億円であります。それに対しまして昭和二十五年度の国庫支出金は二千三十六億円で、この分だけで四百三十一億円の増になります。その内訳を申上げますと、昨年の昭和二十四年度の一千六百五億円は、地方配付税が六百六十七億円であり、普通の補助金が五百二十四億円であります。それから公共事業の補助金のうちで災害の分が二百二十億円、その他の分が百九十二億円ということになつております。これに対しまして昭和二十五年度では普通補助金のうち、平衡交付金に相当の部分が繰入れられます関係上、五百二十四億円のものが二百四十億円に下つて参ります。それに対しまして災害の二百二十億円が四百二十九億円に殖えて参ります。更に公共事業の補助金百九十二億円が二百七十七億円に殖え、更に失業対策事業補助金が四十億円、地方配付税が平衡交付金に変つて千五十億円、差引きましてこの分だけで四百三十一億円の増になります。更に地方税その他を合せまして八百数十億円の増になるわけであります。
#133
○木村禧八郎君 その内容については、公共事業費その他については後で又お伺いして参りますが、この平衡交付金に関する限りにおいてはそんなに殖えていないわけですな。
#134
○政府委員(奧野誠亮君) 昨年の地方配付税は六百六十七億円でありまして、二十五年度の地方財政平衡交付金が一千五十億円、そのうち三百五億円の補助金の振替わつた部分がありますから、この部分を差引きますと七百四十五億円になります。昭和二十四年度の地方配付税の額が六百六十七億円でありますから、差引七十八億殖えたことになるわけであります。ざつと八十億円ぐらいが殖えたことになります。
#135
○木村禧八郎君 ですから交付金に関する限りにおいては、先程申上げましたのは、これは藤田武夫氏が衆議院で公述された数字を拜借したのですから正確かどうかは分りませんが、今のお話によりましても大体八十億見当、こういうふうなお話であつたのであります。ですから平衡交付金に関する限りにおいてはそんなに殖えたと、著しく殖えたということは言えないと思うのです。それはその通りでいいわけなのですか、そういうふうに了承して……
#136
○国務大臣(本多市郎君) それは数字で明らかな通り、そのくらいのところでございます。
#137
○木村禧八郎君 次に御質問いたしたいのですが、まだこの法律案が出ておりませんから、大体本多国務大臣の先程お述べになつた提案理由、政府の考えておる構想について御質問したいと思うのですが、平衡交付金法案、これによつて先程御説明がありましたが、結局これは地方に対して一般国民の最低水準の行政をやられるための金を、これを平衡交付金から出して、これで調整を図つて行くという趣旨だと思うのですが、先程の提案理由の御説明において、結局地方団体の標準行政費と地方団体の標準的な税收入、それとの差引の不足をこれで補う、こういう話だつた。そこでこの標準行政費とそれから標準税收入、これはどういうふうにして決めるか、決め方についても一応はお話がありましたが、具体的にこの決め方が非常な問題になつて来ると思いますので、又世間に大蔵省の考え方、或いは地方自治庁の考え方等いろいろあるように聞いておりますが、この標準行政費とそれから標準税收入、これをどういうふうにして決めるか、この二つについて御説明願いたい。
#138
○国務大臣(本多市郎君) これは最前概要説明のときにも申上げました通り綿密な基準を、普遍的な基準を定めなければならないと考えております。実は法案が提出をされますと、そういう基準も法案の中に予定いたしておるのでございますが、例えば行政費につきましては人口、面積、土木事業方面ですと河の長さとか、道路の面積、又教育費につきましては学校数、学級数、兒童数というような、そういうものを詳細に、これは專門的に検討して基準を決めて行きまして、これによつて標準財政需要額を決定いたしたいと考えております。更に標準税收入額につきましては、それぞれ地方団体から資料を集めまして、その資料とそれから政府の関係しておりまする行政機関から提出いたします資料等もこれを集めまして、そうして税法上の標準税率で算定をして標準額を決める、こういうことに考えております、但しその経費の点につきましても、收入の点につきましても全額を平衡交付金の査定基準に従いますと弊害も生じて来ようと思いますので、七割を標準とすることにいたしております。例えば税について税を少く取れば、全額それが平衡交付金で調整されるということになりますと、どうも税が少くなりがちで、徴税意欲を減退いたしますから、七割程度は平衡交付金の算定基準になるから、三割まではやはり徴税意欲が働けるといよ余地を残して計算するというふうにいたしたいと考えております。
#139
○木村禧八郎君 標準税率ですか、それから標準税收入、これは地方自治団体ごとに自由にそれ以上取つてもいいわけですか。
#140
○国務大臣(本多市郎君) 標準税率の上には制限税率がそれぞれ定まつておりますが、その制限税率の範囲内においては標準税率まで自由であります。又その標準税率以下も届出だけで幾ら安く取つても自由ということに法律上はなつております。併しこれは余り極端な場合には、勿論政府といたしましても、いろいろ勧告するような措置を取るようなことがあるかも知れませんけれども、それは決して法律上の権力による措置ではないのでございまして、法律上、上下自由ということになつております。
#141
○木村禧八郎君 そうしますと、住民税でも、附加価値税でも、固定資産税でも、一応政府は枠を作られたわけですね。それ以上実際において取れるという場合は、これは当然予想されるわけですね。
#142
○国務大臣(本多市郎君) これは地方市町村は、極めて身近に課税標準等も算定して調査することができるのでありますから、その課税標準を調査し、その上で幾ら歳入がなければならんというところとも睨み合せまして、低い税率で以て予定の歳入が得られれば差支ないのでございます。
#143
○木村禧八郎君 そうしますと、例えば国税において九百億とか、七百億とか言われておりますが、それだけ減税する。地方税において約四百億増税すると言つても、これは一応標準税率によつて考えた減税であつて、それが実際に四百億地方について増税になる、こういうふうに制限されたものでない。事情によつてはそれ以上地方によつて税金が取れる場合もあると了解してよいわけですか。
#144
○国務大臣(本多市郎君) お話の通りであります。これは政府といたしまして期待しておりますところは、地方団を教育の方に取入れられて行くのか、電報を平仮名に変更される御意図があるのか承わりたい。
#145
○国務大臣(高瀬荘太郎君) お答えいたします。お話のように現在は平仮名中心でやつておる現状でありまして、お話のような不便があり、過渡期にいろいろ困つておることは事実であります。従いましてやはり片仮名についてももう少し考慮する必要があるということについては、私も考えていろいろ検討いたしております。
#146
○小林勝馬君 只今文部大臣は研究する……研究だけでは実際問題として困るので、現実に今子供が困つておることです。而も携わつておる従事者なんかは……今度は特に電気通信大臣に承わりたいのですが、今後はそれじや平仮名の方だけしか知らないから片仮名の教育を技術者にも授けられるが、授けても一般的に国民が分らなければ国民が困るという問題が出て来るのじやないか。平仮名に電報を変更される御意思があるか承わりたいと思う。
#147
○国務大臣(小澤佐重喜君) 小林君にお答えしますが、お話の通り電気通信省は電報を全部片仮名で用いております。併し文部省の方針で、只今のように、全然今後片仮名を廃するという方針が決まりますれば、当然それに即応いたしまして平仮名の電報というようなことを考慮しますけれども、現在ではまだ考えておりません。
#148
○小林勝馬君 文部省の意向は決まらないから云々と言われるけれども、現実には決まつて、片仮名は教えていないのじやないのですか。教えていない子供が大きくなつた場合はどうお考えになるのか。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)
#149
○国務大臣(小澤佐重喜君) 文部省の方では現実には教えておりませんが、今後教えることについて考慮するというのが文部大臣の答弁だと思います。それが全然認められなくなつたような場合には、電報の方も平仮名ということを考慮いたします。こういう意味であります。
#150
○小林勝馬君 それじや過渡期において教えられなかつた子供が大きくなつたときは、全然分らないということになる。平仮名は全部分つておる、全部の国民は平仮名は知つておるから、平仮名に変更されることが当然であると思うのですが、その点は如何でございますか。
#151
○国務大臣(小澤佐重喜君) 過渡期というものについてはいろいろ支障のある面が多いのでありまして、全般がそういうふうになりますればいつでもそういうふうに変更することは吝かではありません。
#152
○小林勝馬君 今承わりますと、過渡期のやつは仕方がない、それでは国民が電報なんか分らない人が出て来ても仕方がないと、政府当局は考えておられるようでありますけれども、こういうことでは立派な……今小川君から大分褒められた自由党はおかしな政治をやつておるのではないかと、我々は痛感せざるを得ないのであります。現に私共の子供に電報を見せても読めない。読めないようなことを政府機関が真先にやつておられて、これを変更しようとする意思もないということでは、甚だ私共としては遺憾でありまして、(「親爺が惡い」と呼ぶ者あり)現在電気通信省において使われておる諸機械その他も一切合切片仮名にしておつて、これを変更するのにはなかなかむずかしいと思うのですけれども、平仮名ならば読めるし又できるわけでありますから、これを直ちに変更すべきであると、私共はかように考えます。(「いつそのこと、皆点字にしようや」と呼ぶ者あり)
#153
○委員長(山田佐一君) 小林君、もうよろしうございますか……。次に帆足計君。
#154
○帆足計君 法務総裁はお見えになりますか。
#155
○委員長(山田佐一君) 今文部大臣は見えておりますから、文部大臣に……
#156
○帆足計君 できますれば文部大臣と一緒でないと、同じことを二度申上げることになるのは……
#157
○委員長(山田佐一君) それでは暫く休憩いたしましようか。
#158
○帆足計君 仕方がありませんければ次官でも……
#159
○委員長(山田佐一君) 政務次官は……帆足さん、御質問の中味だけ言つて頂けませんか。局長でよければ局長ならば……次官はないのだそうです、法務庁に……
#160
○帆足計君 局長は見えられるのですか。
#161
○委員長(山田佐一君) 何局長ですか。
#162
○帆足計君 私は書物の発売禁止のことについての政府の監督をお尋ねしたいのです。
#163
○委員長(山田佐一君) 一応帆足委員、質疑をお進め下さいまして、他の国務大臣がおりますから、分ることは国務大臣がお答えをいたしまして、分らんことは後から御答弁を申上げます。(「駄目、駄目」と呼ぶ者あり)
#164
○帆足計君 多分お分りにならんじやないかと思いますが、と申しますのは、実は私自身にも落度があつたのです。検閲の問題についてはこれは重要な憲法上の問題ですから、国務大臣中重要な担当の方がおられるものと最初は考えておりまして、極めて常識的に文部大臣あたりが御相当かと思いまして、この予算委員会の最初から文部大臣にお尋ねするように通告いたしておりました。ところがその後そう信じておりましたところが、そうでなくて、地方自治庁に委してあるということでありますので、本多国務大臣と思いましたらいやそうでない……。それではどうも法務総裁らしいということでありましたので、法務総裁只今お見えになつておりましたから安心しておりましたところが、どちらかへお出掛けになりましたが、今日は予算総会の最後の日でありますから、まさか御連絡のつかない御外出はなさらないと思いますから、暫くお待ちして結構です。
#165
○委員長(山田佐一君) あと質問者はないのです。これで大体お終いでありまするから、あなたのあとには質疑の通告者はありませんから、暫くここで休憩いたしましようか。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#166
○委員長(山田佐一君) それでは速記を始めて下さい。帆足計君。
#167
○帆足計君 只今の質問につきましては、私の方でも若干手続上の手落がございまして、皆さんに御迷惑を掛けましたことをお詫びいたしますが、同時に検閲に対しまして御質問したいと存じたのでありますけれども、只今憲法におきまして検閲の制度は私は廃止されておるものと了承しておりますが、事実上風紀の名において書物に対して発禁等の措置が行われておりますことは御承知の通りでございます。このような措置に対しまして、どの国務大臣がそれに対して責任を持たれておりまするか。只今政府委員の二、三の方にお尋ねしましても、明確なる御返答がないこと自体が、この問題の重大性を私は意味しておると存じます。従いまして恐らくこの問題の御担当であられる法務総裁に深く考えて頂かなければならんのでありまするけれども、同時に文化に関係のある文部大臣が御出席でございますからお尋ねいたすのであります。
 終戰直後私共が言論の自由を、又思想の自由を與えられましたときに、尚警視庁の一保安係がデカメロンや、アラビアンナイトを近いうちに発売禁止にしようと思うという談話を新聞に発表しております。私は国民に対してこれ程の重大な侮辱はないと忿懣の念を抑え難い思いでこの新聞を見ました。その後西鶴の一代物が伏字のないまま発売されるようになりました。私は古典に対する愛着と、若干の好奇心とを持ちましてこれを通読いたしましたところが、これは非常に難解なる古文で、私共程度の国文学の教養におきましては、読むことも非常に困難であります。そうしてその文章の意味を悟ることすら非常にむずかしい古典でございました。このようなものを過去において発売禁止にしていたという日本の專制制度の愚かさをそのとき更に深く痛感いたしました。ところが今度突如としてアメリカのベスト・セラーの裸者と死者が発売禁止になりました。驚きまして私共も自分の意見を新聞に書いたのでございまするが、囂々たる輿論の反撃を受けまして、やがて警視庁当局はこれを取消しました。その後この問題につきまして、そういう問題は各地方の警察がおやりになつておるかのごとくでございまして、大阪又は東京の風紀係のところに、まあ風紀係が独断專行したのではどうも済まないから、文化人の諮問委員会でも作ろうかというような意見が出ておりまして。私はこういう問題をパンパンの取締と同様の部局ですることがそもそも間違つておることを痛感いたします。従いましてこの問題につきましては更に次の国会におきましても我々引続きまして検討し、これに対する国民の監督をどういうふうにすればいいかということをこの際愼重に考えねばならん。又文化関係並びに思想と言論の自由に対する責任を持つておられる関係大臣におきましても、是非この問題を考えて頂き、又国会の文化に関する常任委員会におきましてすでに御論議されておることとは思いますけれども、その結論を全国民の納得の行くような形において実現して頂くことを要求せねばならんと感じておる次第でございます。警視庁の風紀係などというものは御承知のようにパンパンの取締とか又歴然たる秘密のエロ出版物の取締を同じくされるところと存じます。そういうような特殊のことを取扱つておる人達が、世界並びに日本の古典の文献であるとか、又現在の有数なる文学書や芸術作品に対しまして、勝手に容喙してそれを直接に処置する方法、完全なる方法がないというような現状は私はこれは非常に遺憾のことと思います。従いまして法務総裁がおられるならば法務総裁の所見を先ずお伺いしたいのですが、この裸者と死者、この著述を文部大臣は文学作品とお考えになつておられるかどうか。
 それから第二に、その発売禁止が新聞に出ましたときに、如何なる感想を抱かれたか、私は若しこの問題が文部大臣又は法務総裁のお耳に止つたならば、直ちにみずからこの問題の解決に直ぐ乘出されるのが至当であろうと思いまするが、それに対して国務大臣として如何なる見解と責任を感じておられるか、そうして又この問題につきましては今後どのような措置を、どのようにしてこの問題を民主的解決をお図りになり、このような失態を二度とないようにし、国民の言論と出版の自由に対して私共が安心しておられるようなこの状況をもたらすのには、どのような改変が必要とお考えになられるか。先ずこの点についてお伺いしたいと思います。
#168
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 只今御質問でもお話がありましたように、現在は出版法も廃止されておりまして、出版の自由、思想の自由というものが嚴重に尊重されておるわけであります。この立場から文部省は依然こういうような書物の文化的な内容等についての判断、検閲ということは一切しないということになつておるわけであります。従いましてお話にありましたような処置は全然文部省と関係なく行われるものであります。従つてそういう処置が行われます標準も、その出版物の内容の文化的価値と、或いは文学的な価値というものとは全然別個の見地からこれが行われているわけでありまして、つまり社会秩序破壞とか、或いは公共福祉という、そういうものの見地から取締的な立場で行われるわけであります。ですから如何に文化的価値が高い、文学的価値も高い作品でありましても、その見地からいつて処置を必要とするという場合にはこれが行われる結果になります。で、裸者と死者の問題について私の見解がどうかというお尋ねでありましたが、この問題はやはり形があれを読んでどう感ずるかということは、これは個人的な問題になつて参ります。そしてこれに対する文化的な方面での措置というものは文部省として行わないのであります。この措置を行う方面の、責任方面での判断に待つより外ないことと私は考えております。
#169
○帆足計君 御担当の大臣が法務総裁であるとしますならば、これを文部大臣に御質問申上げてあれするのも私は恐縮と存ずる次第でありますが、これは只今同じ内閣に席を連ねておられます共同責任もございますし、又文化の問題も御担当になつております学者出身の大臣としまして、この問題につきまして私は深い御理解を持たれておることと確信しまして、更にお尋ねするわけでありまするが、只今のように、その風紀の取締とか、その他の観点から取締をするということでありましたが、それならばいよいよこれは重大でありまして、ましてやそれを一警視庁の下級俗吏がその権能を握るがごときは言語道断でありまして、又警視庁の下級俗吏の諮問に応ずるようなそういう文化人は私はなかろうと思います。そういうところに諮問委員会を作つて見ても場所が惡い。場所が惡いから仮に私共が任命されたつてお断りしようと思います。そしてこの問題につきましてはもう少し場所のよいところにそういう問題の決定を、決定権を與えねばならん。少くともアメリカ程度の国でベスト・セラーの一つになつたような書物が発禁になるというようなことは、少くともその問題は法務総裁の耳に入つておる。又文部大臣の耳にすでに入つておるくらいのことでなければ私はならん問題ではなかろうかと思います。又この問題を今後審議します、即ち検閲を廃止しましたけれども、その他の観点からこういう芸術作品に対しまして、その内容を審議しまするような委員会は少くとも文部大臣がこれに関與し、又は国会の文化、文教に関する委員会が、その委員の人選に当られ、そして最終の決定は少くとも法務総裁、文部大臣等のお耳に十分入り、又必要とあれば最終の判断は国会又は国会にあります文化、文教関係の常任委員会の目を通されて決めるというようなことでなければ文化国家とは言えないと思います。警視庁の下級役人でデカメロンを発売禁止にしようとか、今日は少し天気がよいからアラビアンナイトをぼつぼつ発売禁止にしようかなどといつた風紀係は早速罷めさせる必要があります。又裸者と死者の問題をあのように軽率に取扱つた方々には、以後そういう問題に絶対にタッチして貰わないような処置をして頂かねばならんと思います。又この問題は不幸にして東京だけではなくて、東京は東京、大阪は大阪となつておるように新聞で承知いたしました。これは私は又驚いたのでありまして、時の警察の保安係輩がそういう芸術作品に対する、それを国民の眼に触れさすか触れさせんかという重要問題をそこで決めるということが許されておることは、実に時代鎖誤も甚だしいと思います。従いまして只今申上げましたことについての文部大臣の御所見を伺い、それに対しまして今後研究し、更に改善されようとする意思が、文教及び思想の自由に対して深い関心を担当大臣として持つておられるかどうかということを伺いたいと思います。
#170
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 先程お答えいたしましたように、現在行われております措置は、文化の内容についての判断から来る措置では全然ないものであります。制度上そういうものであります。ですから如何に文学的価値、芸術的価値が高くても、さつきの取締的見地から必要があるという場合には、これが実行されるのであります。ただそういう見地からの取締が果して妥当であるかどうかということになりますと、いろいろ問題があり、批判があると思います。それが滅茶に行われるということになれば、間接には芸術的価値、文化的価値も傷付られるという結果になりますので、文部省の立場から申しますれば、無論そういう制度もできるだけ愼重にやつて貰わなければならないと、そういうことは考えておるのであります。ですからその制度そのものの現在ある欠陷等を改善しなければならないというような点につきましては始終考えて行くべき問題でありまして、文部省としても無論関心は持ちますけれども、併し文部省の立場で以て、今言つたような見地が以て、これを処置するということはこれはできないことであります。
#171
○帆足計君 私は、今の文部大臣のお答えは、この問題の改善は始終考えて置かねばならん問題であるというお答えでありましたけれども、それは始終の問題ではなくて、もうそういうことは改善せんでいいような、民主的制度を作つて貰わなければならん問題ではないかと思います。又制度上直接文部省においてそれを所管し、それを取締ることが只今の権能でないといたしましても、文化に対して責任を持つておられる文部大臣として、閣議において政府に対する共同の責任という意味におきまして、現在の制度がそういう欠陷を生むということが事実においてすでに現われております以上、この問題はこの際一つ検討して、そうして民主化の実の挙がるように研究したいというくらいの御答弁あつて然るべきと思いますが、さように了承していいものでありましようか。文部大臣はこの裸者と死者の判断の失敗が、制度上の欠陷にあるということに感づいておられましようか。制度上に欠陷があるというならば、改善の必要をこの際認めるというようにお考えでありましようか。伺いたいと思います。
#172
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 無論現在の制度が全く完璧無比なものであろうとは私も信じておりませんので、お話にありましたような点も輿論でもいろいろ問題になつたことも承知しておりますから、やはり制度そのものか、その運用か、それらの点については検討する必要があるのじやなかろうかと私は考えております。この制度の検討改善については無論希望するところであります。
#173
○帆足計君 本日は遺憾ながら法務総裁がお留守でもございますので、文化について御見識を持つておられる文部大臣に十分私の思うことも申述べた次第でありまするから、その実が挙がりまするよう一応両大臣で御相談下さいますことをお願いいたしまして私の質問を打切ります。
#174
○委員長(山田佐一君) 帆足さんよろしうございますか。
#175
○帆足計君 よろしうございます。
#176
○委員長(山田佐一君) 質疑の通告者は全部終了いたしました。この程度を以て質疑は終了いたしたものと認め、討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(山田佐一君) 御異議ないものと認めます。つきましてはお諮りをいたします。各党代表の討論は大体二十分以内として頂きたいと思いまするが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(山田佐一君) それではさよういたしました。各自お守りを願います。それでは通告順によつて討論をお願いいたします。内村清次君。
#179
○内村清次君 私は日本社会党を代表いたしまして、昭和二十五年度予算案に反対の討論をなすものであります。
 先ず反対の論旨に移ります前に、本予算案の審議に当りまして、国会軽視をせずと言明せられました吉田総理大臣が委員会出席僅か七回、而も短時間の出席のために未だ総理に対する質疑を残じておられる委員もあるに拘わらず本日の最終の予算委員会にも出席されずに本予算案の討論に入ることを甚だ遺憾とするものであります。更に政府は地方税法、地方財政、平衡交付金法等の重要なる法案の提出が遅れておりまして、地方財政平衡交付金法案のごときは未だ提出を見ない状態でありまして、審議上甚だ齟齬を来しましたことは挙げて政府の責任であることをここに明確にして置きたいのであります。
 反対の第一の理由を挙げますると、本予算案の基本的性格が全く日本経済の現状にそぐわないデフレ的性格を更に深刻化するところの必要以上の超均衡予算であるという点であります。それにつきまして具体的にはいろいろの論点が挙げられまするが、その最大の主要因といたしまして、巨額の債務償還と見返資金特別会計の二点が挙げられるのであります。即ち本予算案におきまして総計千二百二十三億に及ぶ巨額の債務償還がなされておりますが、これは主といたしまして国民からの税收入、又は援助の物資の拂下代金から出されておるのでありまして、このいずれもが国民所得よりの資金の吸上げとなるものであります。これが円滑に再放出されない限り、それだけ均衡予算の限度を超えた打撃を金詰りの産業界に與えるものであります。特にこの資金放出が市中銀行を通じまして、間接に行われまするが故に、旧財閥の独占企業のみに資金が廻りまして、一般産業や中小企業に與える打撃は誠に甚大なものがあるのであります。この方式につきましては二十四年度中一年間すでに産業界はひどく苦しめられまして来たのでありまするが、現に産業界は勿論のこと、この債務償還によりまして相当利益を挙げておると言われておりまするところの市中銀行でさえも余りに過度な債務償還のため手持国債や預金準備に不足いたしまして反対を強く唱えられておることは公聽会及び委員会でもよく論議せられておるところであります。
 第二に挙げまするところの反対理由は、その基本的方式と方向についてであります。即ち日本経済とか、産業構造の実情を少しも考慮してないのでありまして、全く十九世紀的な自由経済方式、それも金融資本中心のやり方でありまして、そのデフレ政策を強要しておるという点を挙げたいのであります。例えば補給金の削減方法に例を取つて見ますると、一方におきましては多くの輸入補給金を計上しておりまするが、他方国内重要産業の補給金につきましては早急に無計画、無準備に補給金削減を強行して、これを自由経済方式であるとか、或いは又は国際価格への鞘寄せであるとか申されておるのでありまするが、併しながらこのようなやり方は日本経済の基本的方向に対しまして誠に恐るべき結果を生ずるものでありまして、この点につきましては世論又強くこれを批判しておるのであります。即ち採算面からのみ企業の存廃が決められて行くといたしましたならば、今まで国家の助成によりまして成立して来ましたところの重工業は如何に国民経済的に重要でありましてもその存立が危くなるのであります。これに対しまして纖維などの軽工業は国際価格から見まして極めて採算が良好でありまするから、この方面に資本の集中が行われると予想せられます。併しながらこの輸出に対しましてはアジア諸国の工業化と共にこれ又この期待というものが勿論寄せられない点におきまして現状は甚だ遺憾であります。その結果は日本の産業水準は停頓いたしまして生産、生活水準も戰前以下の線で固定化さるる虞れがあるのであります。又弱肉強食の結果中小企業の大部分が立ち行かなくなりまして資本の集中と失業者の増大、社会不安の激化という結果となります。而も軽工業中心の低賃金、ダンピング輸出というさながら戰前の帝国主義的の産業構造に逆転するものと言わざるを得ないのであります。このことは日本民主化の経済基礎を崩懷いたさせまして、又経済の自立化を逆に不可能とするというところの反動的且つ非自主的の政策でありまして、この基本的方向に対しまして私共は真正面から反対をいたしたいのであります。
 第三の反対理由は、非自主的な盲目貿易と輸入補給金政策は徒らに国内産業や、又は農業を萎縮いたさせましてデフレ恐慌を激化するに過ぎないという点であります。即ち一方では国内重要産業の補給金を無計画に削減することを急ぎながら、他方におきましては多額の補給金が計上されておるのであります。而も必要でないところの品物や、日本でも自給し得るところの物でも輸入いたしまして、これを国内で安く売るために補給金がつけられておるのであります。例えば硝安は日本では必要がないのに十三億七千万円の補給金がつけられて輸入されておるのであります。その他ゴム、赤燐、化学薬品等幾多の例がありまするが、中でも食糧につきましては三百七十四万トンの輸入は四百五十六億の巨額な補給金を伴いまする上に、この食糧の輸入は低米価と不況に苦しんでおりまするところの農民に更に大打撃を與えるものでありまして、これでは国内産業を抑圧いたしまして、外国産業とその恐慌輸入を奬励せられているというような極めて非自主的な貿易政策であることを指摘したいのであります。これではドツジ・ラインが本来目的といたしておりましたところの、経済の自立化とは全く逆な対外依存の日本経済という結果に陷るのでありまして、この点につきましても我々は承服し難い点であります。
 第四の反対理由は、このデフレ予算の基本的方向が勤労大衆を犠牲にいたしまして、ただ一方的に金融資本の強化のみを図らんとするところのいわゆる一将功成つて万骨枯るるというがごときものでありまして、国民の同甘、同苦の連帶性を甚だしく傷付けまして社会不安を激成するところの要因を孕んでおるという点であります。即ち債務償還その他今後の財経政策の中心が日銀を中心といたしますところの金融機関に握られておりまして、而も八大銀行は四割から七割までの高利益率を一つ挙げております。これと繋がつておりまするところの独占大企業即ち電力、造船、化学、纖維等はこれ又高率の收益率を示しておることも明らかであります。金融資本は強化されておるのでありまするが、この度政府が宣伝いたしておりまするところのシャウプ氏によるところの税の軽減という点におきましても、著しく資本の軽減のみにこれが充てられまして、一般に資本蓄積のための税制改革であると言われておるのであります。例えば低額の給與所得者特に独身者などは地方税が四百億の増徴を勘案いたしますると、実に二倍乃至三倍の負担加重となる、これは政府の計数によりましてもこの点が明らかになつておるのであります。一方労働者に対しましては国鉄の裁定、地方裁判所の判決、人事院の勧告問題などで明らかでありまするように政府みずからが法を無視いたしましてまでも六千三百円の低賃金を固定化いたしまして、財源が十分にあるに拘わらず敢て改訂しないゆえんのものは実に低賃金、首切りの合理化によるところの低コスト・ダンピングをより強化しておるという残酷な意思の表現であるということを言わざるを得ないのであります。このことは中小企業者に対しましても同樣でありまして、又農民に対しましても同樣であります。社会保障、失業対策にいたしましても、四百万の失業者に対しまして公共事業費の人件費を入れまして僅かに二十万位の救済にしか過ぎないという点を勘案いたしますると、憲法に示されておりまするところの勤労権は剥奪されましたと同時に生存権さえも脅かされておるというような現状であるのであります。農地改革費は切捨てられ、農業改良費も徹底的に削減されておるに拘わらず、一方で観光事業のための道路改善費等に多額の公共事業費が使用せられておりますなど、全く勤労大衆の常識を以ていたしましては理解し難いところの予算の編成がなされておりまして、日本経済の安定も、民生の安定も、日本の自主的再建も望めないものであるということが明瞭となつておりまするが故に、政府に本予算案の組替、修正を要求いたしまして、ここに本年度予算案の返上を日本社会党は表明いたすものであります。(拍手)
#180
○委員長(山田佐一君) ちよつとお諮りをいたします。只今議題になつておりまする議案をば、もう一応明確にいたして置きたいと思います。質疑中は四案を一括して質疑いたしておりましたが、議事の取り廻し上討論は補正予算案は切離しまして、昭和二十五年度一般会計予算、昭和二十五年度特別会算予算及び昭和二十五年度政府関係機関予算の三案の御討論を願うことにいたします。即ちこの補正予算だけは別に御討論を願いまして、三案の御討論を願うことにいたします。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。内村君の今の討論もそのおつもりでいたされたことと思いまして申上げて置きます。よろしく御了承を願います。次に通告者堀越儀郎君。
#181
○堀越儀郎君 私は緑風会の多数を(笑声)代表いたしまして、本予算に賛成を表するものであります。併しながら現在の国情から考えまして、国民が重税に喘ぐこの状況をよく察しまして、緑風会といたしましては将来政府が減税に努力せられんことの警告を発して、本予算に賛意を表するのであります。その理由を私は申述べたいと思うのであります。政府は従前から減税を非常に誇大に吹聽しているかのごとき感があるのであります。併しながら現在の実際を見ますると、増税に喘いで、増税のために破綻をし、非常な苦境を生んでいることは事実であります。大蔵大臣はたびたび政府としては税法によつてのみ納税をさせるといつておられまするが、実際問題としては、その地方々々にいわゆる割当と申しまするか予想額があつて、その予想額を納めさせるために、税務官吏が非常に無理をして、そのために国民が非常な迷惑を蒙つていることは事実であります。而も二十四年度においては、二百億の減税になり、二十五年度においては七百十三億の減税、合計九百十三億の減税になる、これを大きく誇張しているのでありまするが、地方税においては二十四年度は一千五百億、二十五年度においては千九百億、差引四百億の増税になるのであります。又二十四年度補正予算によつて二百億の減税になつたと申すのでありますが、一方において貨物運賃の値上げなり、米価の消費価格の引上げなり、或いは補給金の打切り等によつて、生計費の上昇があつたために、大部分はその方に吸收されておりますのであります。こう考えますると、如何に贔屓目に見ても、三百億はむずかしいのであります。而も地方においてシャウプ勧告案によつて従前四百億の寄附があつたと仮定いたし、そのうち三百億は税金化してしまつたのであります。あとの百億を任意寄附に委せるように取計らつたようでありますが、地方財政の逼迫から考えて、或いは六・三制の問題にも明らかに現われているように、今後も四百億のうち三百億は強制的のものになり、あとの百億で済まそうという政府の意図は恐らく裏切られて、更に更に多くの寄附金が増されることになると、実際において減税々々と国民の負担が軽くなるかのごとく宣伝をしておられても、いざとなると増税になる虞れがあるのであります。併しながら戰争後五ケ年を経過しておりまする再建途上において、我々国民がこれだけの税の負担をしなければ、日本が国際復帰ができないのだと納得ができるならば、国民は或いは喜んで納税するかも分らないのであります。納得をさせないで一方において減税であり、国民負担の軽減であるとのみその声を大にして、実際問題から考えますると、只今私が指摘いたしましたように、恐らく増税になるのではないかという考えが非常に濃厚なのであります。これが中小企業の破綻を来し、日本の産業の破壞になる虞れがありまするので、緑風会としては、将来財源を十分に検討して減税に努力せられんことを、私は期待するのであります。その財源は十分見付かる筈であります。一つの例を申上げますると債務償還であります。本来度の償還が一千二百七十六億円、これは結局国債償還によつて金融支配力を増すという結果になるのであります。大衆課税の三千三百九十億円、一般会計の七五%に当るのでありまするが、この債務償還の財源は大衆にあるのであります。大衆負担による財源によつて二十四年度、二十五年度引続を償還を行うということは、我々の納得の行かんところであります。即ち大衆の負担によつて債務を償還し、これを金融機関に廻す。更に金融機関を通じて資本蓄積に充てようとする政府の意図であると考えられるのであります。併しながらこの金が幸いにして一般産業の面に流れ、中小企業が救われるならば、これは我々又その考えを迎えることができるのでありまするが、従前の金融業者の考えからいたしますると、大部分は大企業に融資せられる虞れが十分にあるのであります。つまり考え方にいたしますと、大企業というものは大衆の犠牲において支えられているという結果になりはしないか。この融資の面において十分な考慮を拂つて、中小企業に十分な考慮を拂われんことを希望するのでありまするが、それ故に我々緑風会としては、本年度予算において減税を行なうという意図の下から、本年度一般会計からするところの二十四年度長期債務の会計は三千八百億円でありますが、最低の五割七分に過ぎないのであります。今日国民の個人経済の困難の場合、国の債務償還をする必要は認めないという意味から五百億の債務償還を減税に充てよう、更に従前から問題になり、先程大蔵大臣が言明せられたように、価格調整補給金というものを削減して減税に充てよう、殊に輸入食糧の価格調整補給金においては優に二百億はその方に振向けられるものであるとして、我々緑風会としては八百三十億のこの財源によつて、所得税の軽減によつて国民負担の軽減を図ろうということを意図して努力したのでありまするが、不幸にしてOKは得られない、アプルーヴァルは得られなかつたのであります。(「それで賛成するのはおかしい」と呼ぶ者あり)敢え現在の占領下においては私は賛成せざるを得ないのでありまするが、将来この問題を考慮して政府の十分な努力をせられることを希望して私の賛成演説を終ります。(拍手)
#182
○委員長(山田佐一君) 安達良助君。
#183
○安達良助君 私は民主党を代表いたしまして昭和二十五年度本予算案に対し反対するものであります。
 政府は今回一般、特別両会計並びに政府関係機関の予算案を以て、昭和六年以来初めての均衡予算であり、名予算であると称しておるが、この予算こそ吸上超過の予算であり、従つて逆に不均衡予算であり、デフレ強化予算であることは私共のしばしば指摘したところでございます。しかのみならず政府は予算に重大なる関連性を持つ平衡交付金に関する法律並びに地方財政委員会に関する法案と並行して予算の審議をでき得なかつたことは最も遺憾とするところでございます。現下の国情は極端なる金詰りと過重なる税金旋風の下に中小企業、農業、漁業を初めといたしまして各産業は殆んど倒壞の道を辿つております。国民生活は極度の不安と焦燥に喘いでおる現状であることは今更ここで申上げるまでもないのであります。かかる現状においてなされる国家予算の編成は租税の軽減を図り、而うして各産業の振興対策に力を盡し、更に賃金ベースの適正なる改善により有効需要を喚び起しまして、以て極端なデフレよりディス・インフレへの線に安定せしめる必要があるのであります。然るに政府の提出せる昭和二十五年度の予算を検討するに、国民所得を昭和二十三年の極端なるインフレ時代の所得を基準といたしまして過大に算定し、その基礎の下に頗る過重なる徴税を断行せんとしておるのであります。その上地方税においては巨額の増税を企図し、附加価値税、固定資産税等の惡税を用意し、これを敢行せんとすることを併せて考えるならば、その結果といたしまして国民に極めて重い税金を課する重税予算と言わなければなりません。かかる重税に対しては国民は如何にして耐え得られるでありましようか。今日においてすら各産業は殆んど潰滅し、税金の滯納は極度に増大し、金詰りの樣相はますます深刻化し、中小企業の破産等不景気は企業と言わず家計と言わず、これを破滅の淵に追込まんとしておるのでありまして、ここに本予算の強行を敢てするならば、更に悲惨なる苦境に立至ることは火を見るよりも明らかなことでございます。更に本予算の使途において私共の納得できないことは中小企業の振興に対して頗る冷淡なこと、更に農漁業に対しても殆んど見るべき支出をなしていないこと等を挙げられるが、一方国民の厚生福利のための社会保障費の僅少なこと、教育文化に積極的な対策がないこと、及び国家公務員の給與を改善せざること等、我が党本来の主張と相反することは私共の断じて同調できざるところであります。(「偉いぞ」と呼ぶ者あり)尚私共が本予算において最も強く反対する問題は、悲惨なる苦境の中における国民の血であるところの税金を以て、期限の未だ違い債務の償還に巨額の金額を支出することであります。(「そうだ、そうだ」と呼ぶ者あり)このことについて政府は債務償還により銀行に預金が入り、その結果中小企業並びに農漁業に滲透するとの意見を発表しておるも、現下のデフレ政策の下においては、政府の保証なき投資は市中銀行において絶対に行う筈がなく、そのまま日本銀行に返還され、何らの金詰りの打開策にはならないばかりではなく、却つて極度の混乱を招来する虞れなしとは言えないのであります。よつて我が党は政府に対し債務償還を期限の到来するもの以外は全部これを停止し、農漁業の振興、中小企業の振興、更には重税の軽減、公務員の給與ベース改善、社会保障対策、並びに教育文化等を強調する意味を以て歳入の財源において補正を主張するものであります。その歳入の財源といたしましては、債務償還金五百億、価格調整費の削減百九十二億、物件費の節減において百十億、二十四年度剩余金見込七十億、合計八百七十二億、これを歳出面においては農業復興費に二百億、中小企業振興費に百億、地方税軽減に百億、公務員給與改訂において三百九十五億、社会保障対策費において五十四億、教育文化費において二十三億、合計八百七十二億の増を図り、産業文化国家の健全なる育成に資すべく強く要求するものであります。併しながら頑冥なる政府は私共の主張と相反する本予算案を提出し、而もこれが修正が許されない客観情勢にありますので、我々は殺人的本予算に対し、断乎として反対するものであります。(拍手)(「その通り」と呼ぶ者あり)
#184
○委員長(山田佐一君) 城義臣君。
#185
○城義臣君 私は自由党を代表いたしまして、付託されたる各予算案に対し賛成の意を表するものであります。理由はくどくどしく言うまでもなく、(「言えない」と呼ぶ者あり)野党の諸君はいろいろと罵詈讒謗を浴びせておりますけれども、国民の良識は吉田内閣に取りました(「残酷だ」と呼ぶ者あり)健全な予算案に対しましては、よくその真意を了解しておるものと固く確信をいたしておるものであります。(拍手、「へーい」と呼ぶ者あり)詳細につきましては、本会議に讓りまして述べることといたしまするが、私共は空宣伝を避け、時間の空費回転を避けるためにこの点で止めたいと思います。(「賛成できないのだろう」と呼ぶ者あり)(拍手)
#186
○委員長(山田佐一君) 藤田芳雄君。
#187
○藤田芳雄君 私は第三クラブを代表いたしまして、二十五年度予算に反対の意を表するものであります。先に二十四年度の予算が作られましたときに補正ができましたときに、すでに二十五年度予算の性格より決定しておりまして、いわゆる財政政策的には二十四年度の補正及び五年度の予算は、一貫したものであることは提出の際の説明及び首相の施政演説によりましても明らかなのであります。その二十四年度予算の行いました結果を見ますと、御覧のように先程来いろいろ挙げられますように中小企業では破綻をし、潰れて行くものが沢山ある一般国民は購買力を失つて、その日の生活に困つておる。農家は直ぐその以前までの景気はどこへやら、そのときの收入さえ吐出してしまつて尚足りずに今ではやり繰りでさえつかない状況に追込まれておる。そこで二十四年度予算が如何なる目標に立てられたかというと、これはインフレ阻止、防止ということが眼目であつた。その点については一応成功したのでありますが、結果は行過ぎまして、ディス・インフレがいわゆるデフレになつてしまつた。而も現在に至つては非常な恐慌にまで立至つておるのである。
 そこでここで政策の変更が考えられ、二十五年度予算は当然そうした結果に鑑みまして、先程来社会党及び民主党の議員の方々が言われましたような線に沿つて修正されねばならなかつたと思うのであります。然るにその方針をそのまま持つて来まして、先程は二十四年度と五年度の予算は違うのである。というお話があり、それは形式的には違つておる。どこが違うかというと、二十四年度よりも五年度のものが尚デフレを強くされていろいろ計上された部面が違つておる。だから言い換えれば二十五年度予算は二十四年度予算より以上デフレを来すための予算であるということができる。その意味におきまして到底賛成するわけにはいかんのであります。結局はどうなるか。政府においては盛んに減税々々と笛を吹きますけれども、国民はちつとも踊つておりません。なぜか。それは宣伝する方はどうしてもそう言わなければごまかしがつかない、(笑声、「本当だよ」と呼ぶ者あり)一生懸命に言わなければごまかしがつかない。一方又余り言い過ぎているもんですからどうもついて行けない、如何に宣伝されてもそれに踊るわけには行かない、それが実状なんです。その実際を見ますというと、歳出の面にも歳入の面にもそれが具体的に現われている。いわゆる歳入の面におきまして、先程来成る程国庫の所得税方面においては幾分の減額は考えられるのでありますが、それも実際当つて見なければ分らないと思う。そういう面が随分あるのであります。然るに地方税におきましては、確実に増税となつております。而もその増税の内容を見ますというと、最も心配に堪えないのは、四百億の寄附金を止めて、そして税によつて賄うようにするということ、ところがその四百億の寄附金の内容を調べて見ますというと、恐らく政府で取上げました金の行先と、その寄附された先とは違うと思う。それが同一に行くならば、予定したごとく、或いは寄附金を税に転換したと言い得るかも知れませんけれども、全然使われる中味が違つて参りますというと、どうしても見るものはやはり寄附として残る、言い換えれば、それだけの増税になるのですから、先程来惡税々々と言われますが、惡税より以上にそうした数の魔術が後に潜んでいるということを考えなければならんと思う。尚歳出面におきましては、予算編成に矛盾がある。例えば物価は横這いであると言つて編成されている。然るに事実においては、物価は下つている。公務員の給與の問題になつて来ると、物価が下つているから実質的に賃金として上るのだ。(「その通り」と呼ぶ者あり)それならば物件費において余る筈だ、なぜ物件費を減らさないのか、(「議論を蒸し返えすな」と呼ぶ者あり)物件費の方が正しいとするならば、いわゆる公務員の給與の方を何とかしなければならん。これは明らかな事実だと思う。その点何ら考慮されておらん。言い換えれば、初めちよつと口を滑べらして、ベースは変更しないと言つた。一遍言つたもんですから、その面子を守るために(笑声)否が応でも、無理をされても変えないという事実は、実はこの予算委員会の質問の過程におきまして、吉田首相は公務員の困つていることは分る。何とかできるならやつて上げたい、できるだけ早い機会において余計にして上げたいということを明らかに言つている。(「口だけ」と呼ぶ者あり)然るに池田蔵相は、ベースは絶対に上げませんと言つている。尚又中味を考えますというと、或る国務大臣は、実質的に七千四百円になるようにしてやるというようなことを言つている。一体七千四百円にしてやるということと、七千四百円のベースにするということと、どこが違うか。それがために及ぼす財政上の影響はどうなる。矛盾も甚だしいことを次々と言つて、そしてごまかしている。或いは先程来指摘された債務償還、不急の債務償還ということは、最も大きな罪惡だとさえ私は思う。(「その通り」と呼ぶ者あり)恐らくは国民誰しもこの債務償還の内容を聞いたならば唖然とするだろうと思う。先程城委員の方から我が党の予算は国民の大多数が支持するのであると言われた。(「その通り」と呼ぶ者あり)恐らくは次の選挙のときに、この内容を明らかにされましたならば、恐らくはその通りとおつしやる事実になるかどうか、これこそ刮目して見るべきものがあると思うのであります。若しもそれを確信して言われるならば、予定の通りの自由党の選挙対策が不成功に終つた場合には、当然その責任を負うて善処すべきものであると私は思うのであります。事実におきまして公務員の給與が非常に困つておるということを承知しておりながら、これを上げることができないでおるということは、ただ一片の面子だけである。而も国を本当に愛する気持がない。先程愛問答がありましたが、全くその通りだと私も思う。公務員が給與が不足ならば、いわゆる国の行政面において惡の行われることは必至なんであります。食えなければ人間は何かしらやらなければいけない。食わんで死んで行けばあれはどうかしていると言われる。(笑声)決して褒めやしない。(「そうだ」と呼ぶ者あり)今までの実例がそうであります。食えなくなれば何とかして食つて行かなければならん。何をして食うのであるか。思い半ばに過ぎるものがあるのであります。そういうことから考えましても、給與の改善ということは国家の行政を完全に行う意味において、特に強く考えなければならん問題だと思う。只今申上げましたように、五年度はそうした面において四年度より以上に惡いところが違つて来るということになります。到底こうした予算には賛成することができませんので、返上いたしたいと思うのであります。(拍手)
#188
○委員長(山田佐一君) 木村禧八郎君。
#189
○木村禧八郎君 私は労働者農民党を代表いたしましてこれら予算案に反対するものであります。反対の論拠を述べる前に先程社会党の内村委員も指摘されました通り、この際明らかにして置かなければならないことがあるのであります。それは本予算審議に当りまして、政府は未だに平衡交付金法を提出しないということ、又吉田総理初め閣僚の出席が著しく惡く、そのために審議を遅らせて、我々は十二分にこの重大な予算を審議できなかつたということは、財政民主化の精神に反しまして極めて遺憾に存ずる次第であります。
 反対の論拠は四つであります。
 その第一はこの予算案を実施する場合、我が国の経済がどうなつておるか、この我が国経済の認識に対して正しい見解を持たなければこの予算を実施した場合惡影響を與えるのでありますが、この我が国の経済の実情認識が間違つておるということ、政府は経済は安定し、デイス・インフレと言つておりますが、これまでの予算審議の経過に徴しまして、これが明らかにデフレであるということはもう議論の余地がなくなつております。その証拠には政府が経済を安定しておるその証拠として挙げております通貨、物価、賃金、生産等はこれはただ指数が変らないだけである。その中味、その実は著しく変更しており、そうして不安定なんであります。そのために失業が生じ、滯貨が増大し、自殺、心中が増加して社会不安が起つておるのであります。これを以て経済が安定しておるということは絶対に言えないと思う。二十四年度予算実行の結果、明らかにデフレの段階に入つておる。不安定となつておるのに更にこれまで各委員の述べられました通り、千二百億の公債償還を含む超均衡デフレ予算を実行すれば、経済状態は更に激化して恐慌の段階に入ることはもう明らかであります。それにも拘わらず政府はその裏付として何らの対策を用意していないということは、この審議を通じて明らかになつたのであります。この点は、我々この予算案に賛成することができない第一の理由であります。
 第二の反対理由は、この予算編成の基礎となつております四つの條件は、日本経済の実情に反しているのでありまして、ただ反しているばかりでなく、日本経済の民主的再建を妨げるものであつて、却つて有害であると考えるのであります。即ち本予算案編成の第一の條件は、給與ベースを引上げない。絶対に引上げないということがその條件になつておりますが、その根拠を、我々は予算審議を通じて幾度も質したのでありますが、どうしても明快にならない。政府は、賃金と物価が惡循環するから引上げない、或いは又財源がないから引上げない。そういうことを以て引上げない根拠にしておりますが、この予算審議の過程においてこのデフレの段階に入つて、給與ベースを引上げて、賃金と物価が惡循環するかしないか、もう論ずる余地はない。むしろ物価が非常に下つて行くのを食い止めて、そうしてむしろ給與ベースを引上げることはデイス・インフレの線に戻す、それが明らかなんであります。又不換紙幣を増発しないで賃金と物価が惡循環する筈がない。我々は、超均衡予算を均衡予算に戻して、その範囲で給與を引上げると主張しているのであります。それは賃金と物価が決して惡循環しない。更に財源がないと言いますけれども、各委員が申上されましたように、債務償還を緩和すれば、ここに明らかに財源があるのであります。又物件費を節約すれば明らかに財源があるのであります。賃金と物価が惡循環しない。而も財源がある。それだのに何故に給與ベースを引上げないのか、この点について吉田首相に質しましたところ、何でもかんでも上げないのだ、合理的根拠がなくても何でも上げないのだ、こういうふうに仰せられた。これは、合理的な民主的な政治の運営とは言えないと思うのであります。更に政府は、この予算案編成の第二の條件として、即ち予算積算の基礎としまして、パリティー指数が大体一割上るものと計算しております。先程藤田委員は、物価が落しているのに、政府は物価が横這いになると、こういうふうに考えると言つておりましたが、実はこの予算編成の基礎となつているパリティー指数は一割上ることになります。従いまして更に物価が下ればその間に非常に二重搾取が出て来るのでありまして、従つて物件費は非常に過大に計上されている、こういうふうに見ざるを得ないのであります。この点私は、この予算編成の第二の條件、これは私は間違つている、日本の今の経済の実情から見て間違つている。更に予算編成の基礎條件となる第三は、統制を撤廃して国内経済、対外経済に基いて古典的な自由経済方式の復活を前提としているということであります。日本経済の戰後の実情がどういうふうになつているかということは、もう明らかでありまして、この点についてはくどくどしく述べる必要はない。どうしても総合計画的な経済は、合理的な民主的な統制を基礎としなければ、この敗戰後の日本の経済の民主的な自立再建は絶対不可能であります。にも拘わらず、古典的な弱肉強食的な自由競争経済の復活は、労働者と農民、中小業者等の犠牲によつて戰争前のごとく、独占的大資本の利益のために、経済再建を行うことになるものでありまして、この点我々絶対反対です。一体何のために多くの沢山の血を流し、そうして多くの物質的な犠牲を拂つたのであるか、このような悲惨な戰争をしたにも拘わらず、戰後において復活せられる経済というものは戰前と同じようである、これでは何らの進歩がないと思うのであります。更に予算編成の基礎條件の第四は、アメリカの援助が少くなるに従つて輸出を殖やす、こういうことを建前としておる。これが即ち自立復興の予算であると言つておりますが、この輸出貿易の将来については、最近実業界においても楽観しておりません。その大きな原因が一ドル三百六十円と為替相場が決定した以後において著しく情勢が変つておるために、情勢が激変しておるために円高になつておる、こういう点にあると思うのです。この予算案の基礎になつておる貿易計画は、これは楽観に過ぎておりまして、これを基にして今後の予算を実行して行つたならば、非常な齟齬が起るということを私は断ぜざるを得ないのです。この点が我々この予算案に賛成できない第二点であります。
 第三の反対理由は、すでに各委員から御指摘がありましたように、予算内客が日本経済の民主的な自立再建にとつて極めて有害であるという点であります。即ち歳入におきましては、シャウプ勧告に基いて中央地方を通ずる減税を以て大幅の減税を行う、それから租税負担を公平化するということを政府は公約したのでありますが、この予算内容を見ますると、政府は七百億中央において減税する、地方において四百億増税する差引三百億の減税となるというけれども、公約通りに減税できないことは、この予算審議を通じてますますはつきりして来たのであります。更に租税負担の公平化を謳つておりますが、審議の経過から我々は却つて、却つてです、租税負担は不公平になる。その第一の理由は、これはすでに今度の税制改革の法案が上程されたときに、我々反対討論したときに述ベましたから長く述べませんが、二十三年度のインフレ時代の国民所得を基礎にしてこの税制改革をしておるということが、今回の税制改革による税の負担を不公平、不均衡にする一番大きな原因だと思うのであります。更に又高額所得者、或いは法人に著しく減税しまして、低額所得者、或いは勤労者、そういう面に対して減税が少い。又国税で減税される人と地方税において増税される人とが違うのでありまして、地方税で増税されても、国税で減税されなければそれだけ増税になる。こういうように負担が不均衡になる。地方税制改革自体を見ましても、更に非常な問題があると思うのです。こういう面から見ましても、私はこの歳入面について、この予算案は私は適当でない、賛成できないわけであります。歳出面につきましては、債務償還が多過ぎる、それからこの自立復興予算として、復興のために九百億も公共事業費を計上していると言いますけれども、この審議の経過において明らかになつたことは、これまで地方団体で行なつた公共事業を今度中央の負担において行う。そのために公共事業費として計上されておる程事業の量は殖えないのであります。従つて政府は九百億公共事業費は計上したから、それで有効需要を刺激して景気がよくなるかのごとく言つておりますが、事実は相違しております。歳出面においても、又歳入面におきましても景気政策、或いは社会政策、こういうものをちつとも考えておらない。こういう点において私はこの予算内容から見ても、この予算案に賛成できないのであります。更に反対の第四点は、この財政と密接な関係がある金融政策におきまして非常な不合理な点を含んでおるのであります。第一に財政デフレを信用インフレで調整しようとしておりますが、もうそれはすでに限界に来てしまつたこと、それから低金利政策を更に徹底すると言つておりますけれども、それは極めて微温的な金利引下げでありまして、独占的な金融資本家の力に押されて十分に低金利政策ができない。国際金利と国内金利と比較するに明らかであります。更に第三には著しく銀行保護に陷つている。これは銀行の利益が著しく大きくなつておることを見れば明らかであります。更に又設備資金対策にも行詰つておる。長期金融対策にも株式対策にもこれは行詰つておる。これは破綻しております。更に又中小企業対策に対しては、今金融政策を中心にしておりますが、先程民主党の代表の方が言われました通りに、これは中小企業者の二割程度の者に対する金融対策である。零細な中小企業者、八割を占める零細な中小企業者に対する金融対策になつていない。従つて吉田内閣は全然中小企業対策がないといつてもよろしいと思うのであります。これを要するに金融政策の破綻は、財政と金融を分離しまして、そうして営利的な私企業的な金融機関に非常に重要な金融の仕事を委せて、これに対して金融機関が公共化されていない。こういう点に根本の原因があると思う。ですから私はどうしても金融機関をもう少し社会化して、そうして見返資金などは金融機関に債務償還で返さないで、見返資金は政府が直接計画的に運用し、投資しなければならん。この点において財政と密接な関係にある金融政策に対して根本的に反対なのであります。
 以上の論点を以ちまして我々はこの予算案に反対するのでありますが、この予算を実行した後においてどういう現象が起るかということについては、重大な関心を我々は拂つて置かなければならん。それについては先程大蔵大臣に私は質して置きましたが、大蔵大臣はやはりデイス・インフレであると言つておりますが、私は著しいデフレになる、これは事実が恐らく示すであろうと思います。私は恐らく本年十月頃になれば、中小企業者は非常な倒産を生じ、農民は農業恐慌に襲われ、勤労者は今の低賃金で非常な困苦に陷ることは明らかであると思います。デフレよりも恐慌的な状態に陷る。そのために非常な社会不安が訪れるであろうということを、私はここではつきりと予想して置きます。この責任は明らかに私は政府にあると思うのであります。これに対して何らの用意をしていないのであります。経済学者の言葉でエコノミック・マンという言葉がありますがこのエコノミック・マンということは、感情も愛情もない、ヒユーマニティというものが全然ない。利潤追求、採算のみを求めて、いわゆるシヤイロック的の人物をエコノミック・マンと言うことは御承知の通りであります。(「大した学者だ」と呼ぶ者あり)これが中小業者が倒産して自殺してもいたし方ない。こういうことを放言される池田蔵相の性格であり、それは吉田内格の性格なのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)このために却つて不景気がますます深刻になつて多くの犠牲者が生じますが、これに対してシヤイロック的なエコノミック・マンのような態度によつて、結局は整理される者はされて、死ぬ者は死んで、そうして大蔵大臣の言うところの十月の安定が来るのではないか。こうなつたならば労働者、農民、中小業者が如何に悲惨となるか。これはもう明らかである。
 そこで我が党はこの不景気、デフレを打開するためには、第一に援均衡予算を均衡予算に直す。そのためには旧債務償還は著しくこれを減小すること。第二にその旧債務償還を止める財源によつて更に減税をし、給與ベースを引上げ、更に農産物価格も適当に引上げ、大衆の購買力を増大して景気をよくするということ。そうして資金とか資材その他について総合的な計画を立て、日本経済の安定再建について目標を明らかにして、そうして人心を明るくするということ。第四にこの日本経済の安定再建を長期化するために中国、極東等の貿易の促進を図る。そのためには反動的性格を有する吉田民主党内閣であつては我々が主張するところの……。(「自由党だ」、「しつかりして呉れ」と呼ぶ者あり)民自党内閣……(「自由党」と呼ぶ者あり)自由党に本当の……。(笑声)それは我々が主張するところの政策は実行できない。従つて我々が主張する政策を実行するためには、進歩的な政党が提携して政局を担当する。(「その通り」と呼ぶ者あり)そのためには一日も早く吉田内閣を打倒し、吉田内閣早く辞めて貰う。これが結論であります。
 こういう観点から労働者農民党は、この残酷な予算案に断乎として反対するものであります。(拍手)
#190
○委員長(山田佐一君) 岩間正男君。
#191
○岩間正男君 私は日本共産党を代表して只今議題となりました予算案に対しまして絶対反対の意見を表明するものであります。
 その前に如何に本委員会におけるところの予算審議に対しまして政府側が非民主的であつたかということは、前の諸君によりましてお話がありましたのでその点は省略したいと思うのでありますが、ただここで問題にして置かなければならないのは、この審議遅延の大きな原因をみずから作つておりながら、その責任をまるで国会に転嫁するような言辞をしばしば弄しておる。そうして恬として省みない。こういうような態度が持続されるとするならば、これは甚だ遺憾な態度と言わなければならん。ポツダム宣言並びに新憲法の精神を全く蹂躪するものでありまして、強くその責任を我々は追及したいと思うのであります。
 本予算案の性格を検討するために、私達は最近における国内情勢は勿論のことでありますが、国際情勢、我が国を繞る国際関係の動向について検討して見ることが必要じやないかと思うのであります。簡單にこの点に触れて見たいと思いますが、対日講和問題につきましては最近いわゆる外電によりますと、極めて急速な展開をなしておるような動向がございます。この切掛けをなしたものは、去る二月中ソ友好同盟條約にあると我々は考えるのでありますが、あれ以来アメリカ、イギリスを中心とする欧米諸国家間にも対日早期締結の声が盛んになつて来たのであります。又オーストラリア外相スペンダー氏が、全面的講和でなければ不満足であると言われたように、これは早期全面講和の問題として取上げられておるのであります。ソヴィエト同盟副首相のモロトフ氏、それからマレンコフ氏、世界における二大陣営、帝国主義、資本主義陣営と、社会主義、人民民主主義の陣営とは共存が可能であるということをしばしばこれらの人達は申述べておりますが、これに応じましてアチソン米国務長官が、両陣営の共存が可能であるということを言明されておるのであります。然るにこのような国際情勢に全く反しまして、吉田内閣を以て代表されますところの日本の反動勢力は、現在のこの予算を組むに当りまして、軍事的植民地化の方向に歩を進めるような明らかな方向を取り、これに即応したところの予算を編成しておるのであります。このような体制の中で、日本の今の情勢が次に来たらんとする世界大戰、反ソ反共戰の特徴は、極東におけるところの前線基地として強化されるような樣子が起つておることは外電がしばしば報じておるところであります。このような中におきまするところの予算の反人民的な性格、反民主的な性格についてはしばしばこれまで我が党の指摘したところであります。それを本予算の上の指摘して見たいと思うのでありますが、先ず第一に、本予算案は内外独占資本の要請する軍事産業を復活し、日本経済を全体として軍事的に再編成して行くこと、そのような方向の挺子としてこの予算が編成されておるということ、(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)又そのためには政治と言わず、経済と言わず、国全体が自主性を失い、隷属化するような傾向がはつきり起つておるのであります。本予算案の性格は軍事的、植民地的予算であると先ず言わなければならないのであります。
 第二に、当然の帰結としまして内外独占資本家の利益のために全人民、労働者、農民、中小企業者、又は民族産業家といわれる産業資本家をも含めまして、全部の勤労者が犠牲を強要されておるのであります。つまり本予算は大衆收奪のための反人民的予算であります。このような予算案の根本性格につきまして、尚具体的に触れて見ますと、先ず歳出の方面においてこれを見ますというと、公共事業費でありますが、これは二十四年度に比べまして約六割増の九百九十億が支出されることになつておりますが、果してこれがどのような方向に使われておるかといいますと、例えば道路建設五ケ年計画ということがいわれております。道路の建設改良は、併しながら主として太平洋岸と日本海岸を結ぶものに重点が置かれておる。又地方の産業道路や農村の道路は、このために全く顧みられないというようなことになつております。又それ程交通量のないところで、而も並行線のあるようなところに広い大幅の道路ができておる、こういうような傾向が最近強化されておるのであります。これは丁度ヒットラーが政権獲得後に先ず第一に着手したものは何であるかというと、これは公共事業であつたということを我々は想起しなければならないのであります。(「そんなら公共事業を止めたらいいじやないか」と呼ぶ者あり)このようにして名前は公共事業でありますけれども、その蔭には戰争準備への危機が大きく隠されておる、(「ノーノー」と呼ぶ者あり)こういうところに公共事業そのものをはつきり我々は検討することが今後においてもこれは十分に必要であるということを指摘せざるを得ないのであります。又河川にせよ、港湾にせよ、海上保安施設の増強にしましても、これが如何なる政治的意図を以て計画せられ、又使用せられておるかということの問題であります。現在の吉田内閣を以てしましては、これが軍事的方面に使用される危險性が十分にあることをここで我々は警告せざるを得ないのであります。(「宣伝々々」と呼ぶ者あり)更に地方財政平衡交付金一千五十億が一体何を狙つておるか、この交付金の性格について検討を加えます。第一、これによつて中央の地方支配が今後強化される、地方税法改正で地方に独立の財源を持たせ、地方自治を強めるということを政府は表面謳つておる。併し事実はこの平衡交付金を以ちまして地方行政を支配し得るような体制を強化しておるのである。又この交付金の分配に当りまして、地方財政委員会がその権力を握ることになるのでありますが、この地方財政委員会そのものが、果して人民の意思を代表して、これによつて構成されるものかどうか、今まで数多くの委員会というものが終戰後作られたのでありますが、これらの委員会そのものがどのような性格を持つて来たかということを我々はここで思い起せばはつきりこのような性格を今から指摘することができるのであります。又交付金は、例えば全国十四ケ所の特別開発地域のように、軍事的重要地点に重点的に配分することも、このようなやり方によつてこの委員会の運営如何によりましては可能性が出て来るのでありまして、こういうような平衡交付金につきまして十分なる検討の目を向けなければならないと思うのであります。
 第三に問題になりますのは、他の同僚諸君からもしばしば繰返された債務償還の問題であります。この見返資金を含めまして約一千二百三十億に上るところの巨大な債務償還は、要するに金融機関、特に銀行手持の国債を買上げることになるのでありますが、この点は言うまでもなく金融機関の資金を豊富にし、金融による産業支配を著しく強化するものであることは明らかであります。而も最近のように経済恐慌の形がはつきり現われておる、人民の生活が非常に極限まで追い詰められておる、こういうさ中におきまして、このような債務償還が行われておるものは、この性格につきましては、心ある者は何人と雖もこの乱暴な措置に対しまして、激しい憤りを感ぜざるを得ないのであります。而も二十五年度におきまして償還期限の到来しておる国債は一体幾らあるか、これは僅かに八億三千万円に過ぎない、そういうようなのにも拘わらず、それに何百倍するところの厖大なる国債を返還するのでありますから、この政策が如何に反人民的であり、又独占資本位の露骨な政策であるかということは、私がここで指摘するまでもないことであります。その外に尚終戰処理費、価格補給金、司法警察費、徴税費などの反人民的な、弾圧的な費目が挙げ得るのであります。
 ここで特に附言して置きたいのでありますが、先にもちよつと触れました対日援助見返資金の問題であります。アメリカの対日援助資金というものは我が国にとつて有効なる債務であるということは、これは周知の通りであります。先程の蔵相の答弁でも明らかであり、本委員会におきましても、しばしば繰返されたところの問題であります。これのそれに見合うところの円貨を積立てましてこの見返資金ができておるのでありますが、これは明らかに日本国民での懐からできたものであります。この点につきましては吉田総理の、質問に対する諸種の答弁によつても明らかになつており、又両院におけるところの質問の中におきましても、蔵相は明白に、見返資金は日本国民のものであるということを断言せられておるのであります。即ち援助物資を国民に売拂つた代金と、国民の税金によつてできておるところの輸入補給金とを積立てたものが見返資金でありますから、これは当然そのことは言うまでもないことである。だが先程の補充質問の中でも繰返したのでありますが、この見返資金の運用の方向、ここが非常に大きな問題である。日本国民のものであるならば、これは国会で当然この運用につきましては十全の責任を負わなければならないのでありますけれども、現在はどうなつておるか、政府が負うということになつておりますけれども、併しこれは名目だけでありまして、これにつきましては一々大きな制限の前に我々は晒されておるのであります。こういうような見返資金につきましては十分に我々は今後国民的な関心を深めて行かなければならん。今日この問題について十分な検討がなされ、関心が持たれるというような段階には至つておらないのでありますけれども、我々は殊に長期資金が非常に欠乏して今後この見返資金の占める位置というものは日本経済の中において甚だ重要な位置を持つものでありますから、これに対して深い関心を持たなければならないと思うのであります。先程も問題になり後程上程されると思うのでありますけれども、このような見返資金が例えば連合軍用の住宅建設のために五十二億も使われておる。こういうような使用の方法につきましては、我々はこれに反対せざるを得ない。日本国民の金が我々の自由に使えないという事実、これは單に戰争に負けたからということだけではないのでありまして、我が国が今や全く植民地化し、隷属化しつつあるという事実を雄弁に物語つておるということを私は言わざるを得ないのであります。
 以上大体歳出の面について見て参つたのでありますが、歳入の面に目を転じますというと、歳入の中心問題になるのは税金の問題であります。シャウプ勧告を基礎とした今回の税制改革におきまして、政府は盛んに減税を宣伝しておりますが、これをまともに受取つておるものは誰もいなのであります。極く一部の独占資本の外国資本並びに外国人にとつては減税になるかも知れない。併し勤労者によつては逆に甚だしい増税になることは労働者や農民は勿論、資本家さえも今日は認めざるを得ない形になつておる。これは自由党の諸君と雖もちやんと肝の底に分つておられるところなんです。この点は更に私はこの国税の問題につきましては、しばしば触れられておりますのでここには詳しく申上げません。
 地方財政の面についてここで触れることが必要だと思うのであります。先にも述べましたように、政府が予算審議に当りまして支障があることは百も承知しながら、地方財政法を国会に提出しなかつたというのはこれは何であるか、その本当の原因は何であるか、これは関係方面との手続において遅れておるということを政府は言つておりますけれども、併しこれは表面の理由に過ぎないのであります。若しこのような地方税法の正体がはつきり明るみに晒されて、この惡法の姿が大衆の前に現われたならば、この結果は非常に自由党内閣に不利だということを誰よりも政府自身が知つておるからであります。であるからこの提案を遅らしたのであります。
 地方税の問題につきまして簡單にその特長的な点について触れて見ますと、先ず国家財政の收奪、軍事的な使用から起るためのいろいろな皺を全部地方財政に寄せておるということであります。
 又昨年度の予算の性格と今年度の予算の性格において大きな相違点の一つはこの国家財政と地方財政の比重がはつきり変つておるということ、こういうところからいろいろ今後の具体的な施策の変化が起つて来るのであります。更に平衡交付金は先程も申したのでありますが、これは地方財政を操作するための誘い水であり、これをやり繰りし、これも操作するためのものとして作られた。こういうような性格を持つておることは、例えば平衡交付金を出すために七割地方におけるところの負担がなされなければ後の三割分についてはこれを出さないであろうし、又出しても取上げるかも知れない。こういうような平衡交付金法案はこれははつきり出されていないのでありますから、現在におきましては明らかなものではありませんけれども、我々の耳にしたこの性格のうちにはつきり出ておるのであります。更に税金の額の問題でありますが、住民税、附加価値税、固定資産税によるところの大増税は実に物凄いことになる。若し税法に謳われておる通りの税を全部取立てますと大体約三千四百億になるのであります。政府はこれを見込としまして千九百億といつておるのであります。併しながら現在の苦しい地方財政におきましてこれらの税法が出されれば、その極限までぎりぎり取るというような形に追込まれる。こういうようなことになりますと、政府は今鳴物入りで宣伝をしておりますが、三百億の減税どころか、国税、地方値を通じて見ますときに約一千億以上の大増税となる。こういうことがはつきり出ておるのでありまして、この点につきましては民自党内閣時代から大いに宣伝されたものがはつきり今後のこの予算の遂行によつて国民大衆の前に全く襲い掛かつて来るのであります。(「ノー、ノー」と呼ぶ者あり)又附加価値税、固定資産税これらによりまして、こういうものが非常に收奪的に取られることによりまして物価は非常に値上げとなり、その値上げは大衆負担に転嫁されて来る。殊に労働階級に対するところの影響は非常にこれによつて強化されざるを得ない。つまり固定資産に再評価によるところの償却部門を認める、或いは貸倒準備金を認める。こういうような方向で資金部門というものは非常に減らされておる。こういうことによりまして当然これは低資金、首切り、物価の値上げということが惹き起される。このようにしまして二重、三重の收奪が勤労階級に向つて来る。
 尚ここで我々が注目しなければならないのは、今後の給與体系の性格というものは、このような地方税の強化によつて全く一変されてしまうだろうということであります。昨日あのような形で、実に国会史に記録され、而も甚だこれは嫌な記録の姿であります、あのような形で通つたあの給與法案、あれを以て六千三百円の線を堅持するということは、今後公務員の生活水準に一般賃金も頭を揃えさせ或いはそれ以下に追込んで来る。こういう傾向がこのような財政計画のうちからはつきり現われて来ております。これは大いに注目しなければならない。このような形で、而も恐らく現在の大衆の生活の状態におきましては税金は取れない。だからこれをぎりぎりまで取るためにいろいろ税務機構の強化とか、取締規則というものを非常に強化して、そしてひどいのになりますと女の子の身体検査まで自由にする。こういうところまで追込んでおる(「ノー、ノー、」と呼ぶ者あり)全く惡代官的のやり方である。(笑声)こういうようなことを我々は今までこの目ではつきり見て来たのであります。併しこういうようなやり方を取れば地方財政は赤裸にならざるを得ないのであります。こういうようなところまでに我々を追込んであるのでありまして、吉田内閣に対するはつきりして人民の反撃が今から予想される次第であります。(「それこそ共産党の宣伝だ」と呼ぶ者あり)このような世界無比の惡法であるからこそ政府は人民の前にこの真相を示すことができなかつた。特にここで指摘して置きますのは参議院選挙を前にして、この勇気が出なかつたということは誠に尤もであると言つてよいことを、私はそういう点から皆さんに同情せざるを得ない。自由党がこれを隠そうとした意図については同情せざるを得ない。(「余計なお世話だ、そんな同情はやめて呉れ」と呼ぶ者あり)
 以上述べた二十五年度予算の根本的性格は軍事的植民地化を促進し、人民の大收奪の上に内外独占資本の利益のみを図る亡国的な予算でありますが、この予算を実行したときにはわが国民の生活は誠に驚くべき壞滅の状態に陷るということは、これは申上げるまでもない、国の独立は根本から潰されて来るということは明らかであります予算の編成には言うまでもなく六千三百円の低賃金水準と四千二百五十円の低米価がその根柢をなしているのでありますが、最近におけるところの経済恐慌の深まりは国民生活をいよいよ破滅させているのであります。(「委員長時間を守らせろよ」と呼ぶ者あり)U・Pのアーネスト・ホープライト氏は公平な観察者の意見として最近の新聞に次のように報じております。「反インフれ政策下の日本人の生活は、インフレ時代よりも苦しくなつた、地方新聞に引用された警察当局の資料によれば東京の自殺者の七〇%は経済的苦痛がその原因である。」ということを述べているものであります。
#192
○委員長(山田佐一君) 岩間君持時間が来ましたから御注意を申上げます。
#193
○岩間正男君 こういうような形を以ちまして今後大きな收奪が起ることは明らかなのでありまして、我々はこのような危險を含むところの予算に対しましては(「賛成か」と呼ぶ者あり)全面的に反対を表し、その組替を要求するものであります。
#194
○委員長(山田佐一君) 帆足計君。
#195
○帆足計君 緑風会は如何なる政府に対しましても常に一党一派の利害に制約されず、是々非々の立場よりその民心と見識に従つて行動することを以て良識ある議員集団として自他共に任じておる次第であります。従いまして私は今日自己の良識に良心に従いまして少数意見を述べたいと思います。先程敬愛する同僚の堀越儀郎議員から我々緑風会は七百五十億に及び修正案を準備いたしまして極力努力した次第を述べましたけれども、これに対しまして我々審議の或る範囲の自由な……尚政府におきましては何ら政計の根本的修正の意図なきころが明らかになりましたので遺憾ながら私は本予算に対しまして強く反対の意を表明するものであります。(拍手)
 先ず第一に現下の日本経済が一応惡性のインフレを乘越えたと申すものの現在行過ぎのデフレのために如何に困難な状況に置かれており、大きな袋小路の中に入つてしまつて、この袋小路を打破することなくしては国の再建が不可能であるということは只今まで各議員が縷々として述べられたところでございます。敗戰日本の現状はどうなつておるかと申しますと、四つの島の中に八千万の国民の食べるべき先ず食糧即ち胃の腑は戰前の七割程度でございます。そしてアメリカからの援助食糧を入れて尚且つ我らの胃の腑は辛うじで八、九割という現状でありまして、国民経済の心臓をなす工業はどうであるか、これは戰前の辛うじて七割というところでございます。脈搏は尚結滯を示しております。然らば我々の呼吸はどうであるか、はく息は戰前の辛うじて二割九分、吸う息はアメリカからの援助物資を入れて辛うじて四割五分、呼吸は尚促迫の状況であります。尚然らば国民経済の総合的な健康状況はどうであるか当時に比べて二千万近くの入口が殖え、引揚同胞の六百万を迎え、年に殖える二百万の人口を抱えて、これらのことを考慮に入れますると国民一人当りの生活水準は概ね戰争前の六割前後であります。盗難又は戰災に遇つた方々は戰前の五割にも充たない苦しい生活に喘いでおる状態であります。この国民経済の実態を通してどうして国が安定しておると申されるでありましよう。(「安定しつつあるのだ」と呼ぶ者あり)従いましてそのことについてはあとで申述べます。それらの状況を見ますると、敗戰祖国の復興のために如何に今後多くの努力が我我においてなされなければならんか、又国の再建の目標が全国民に示され、希望を持つて進むような体制が作られねばならんかということを痛感する次第でございます。申すまでもなく国民経済の安定は綜合的観点からなされねばなりません。国家財政の安定はその一環に過ぎないのでありまして、国民経済の実態の安定、即ち人口、食糧並びに生産のバランスが必要である。更にもう一つは国際收支の安定が必要でございます。この三者の安定が不可分に結合され、綜合的目標に向つて国民が奮起するという体制でなければ、この敗戰国国の復興も困難ではあるまいかと存ずるのであります。
   〔委員長退席、理事堀越儀郎君委員長席に着く〕
然るに政府の施策を見ますると、現在政府の施策は財政面にのみ偏重いたしまして、食糧問題、電源の開発、中小商工業の振興、住宅の復興、アジア貿易の振興、なかんずく新中国との貿易の再開、並びに国民最低生活の安定、行政の合理化並びにそれによる税負担の軽減、又は結核の対策、その他国民大衆のための社会保障の充実等につきまして著しくこれを軽視しておるばかりか、すでに数千丈の断崖から転落して旧態を止めんまでに負傷、重傷を負つておりまするところの敗戰日本経済に対して向うべき再建の目標すら示されていないという実情でございます。日本は朝鮮、台湾、満洲その他正当なる又は不当なる一切の特権を放棄いたしました。そしてこの荒廃した島の中に戰前に比べて更に二千万も多い人口、而も本年度の末には八千三百七十万にも達するという人口が生きて行かねばならんわけでありますけれども、この切実なる苦しみを補いまするためには現在年々多額のアメリカからの援助物資が補給されておりまして、昨年度においては四億ドルを超え、円にして一千五百億、一戸当り一万円にも近い惠みを他国から受け、尚それらのものは終戰以来十五億ドルに達しておる現状でございます。然るが故に敗戰祖国の真相は私共又は国民各位が常識的に考えておられるよりも遥かに深刻なものであるということを私共は自覚しなければならないのではなかろうかと思います。かく考えますると敗戰の日本はアジアの断崖に生えた一本の松の木のようなものでございます。この松の木が曾て、七千数百万の人口を養い得たゆえんは何でありましよう。その根が曾ては広く且つ深く満洲、朝鮮、台湾等に張つており、そこから不当な又は正当なる栄養を吸つて、それによつて千五百万の人口を養つて参りました。又その葉は生糸としてアメリカに伸び、織物並びに船として東南洋に伸び、それによつて約二千万近くの人口を養つて参りました。然るに、現状はどうでありましよう。その根は一本もありません。文字通り一本もありません。その葉は、生糸は戰前の二割を欠け、織物は三割を欠け、船の八割五分は海底の藻屑と消え、その葉は即ち三割以上刈取られてしまいました。こうしてこの根も葉もない盆栽の中に、八千万の人口が生きて行き、年に二百万の人口が殖えるという状況でございます。而して、これに対しましてアメリカは、年一千五百億円に及ぶ如露の水を海を隔ててかけておるのでありますけれども、この水が仮に続いたとしましても、この根も葉もない盆栽は、ぶよぶよとなつてしまうでありましよう。若しこの水が渇れたならば、この盆栽は枯れざるを得ません。かくのごとき重大なる状況を前にして、果して政府の努力は、又政府の目標は、国民のすべてに理解されておるでありましようか。戰に負けたということは、悲痛なる運命でありますけれども、敗戰の事実から我々がまだ深く学んでいないということは、もつと大きな悲劇であると私は思います。これに対しまして、年々アメリカからの援助物資は、日本の敗戰の一種の償いになつておるわけでありますけれども、若しこの償いが両三年にして皆無となるとしたら、我我はその如露の水のなくならないうちに根を生やし葉を培うことを、今から準備しなければならないと思います。経済九原則とは、かくのごとき趣旨において我々に課せられた課題であると思いますけれども、これに対処する日本国民の態度は、飽くまでも自主的態度を以てこれを理解し、協力せねばならんのではないかと思います。このように考えますると、私は敗戰の日本に課せられておりまする課題が、只今三つあると思います。第一には、朝鮮、台湾、満洲その他一切の外の不当なる特権を放棄した我々は、外に失いしものを、先ず国内に耕す準備をいたさねばなりません。そのためには、食糧の増産と電源の開発が中核となるでありましよう。第二には、更に足らざるところを貿易と海運によつてこれを獲得せねばなりません。この二つのことに全力を注ぐ態勢を今のうちに作つて置かなければ、援助物資の切れたときに、如何に悲鳴を挙げても、もはや追付かないことを知らねばならないと思います。而も、この二つの困難なる戰の過程において、国民大衆の生活安定のために、その社会保障のために、全力を注ぐ態勢を更に考えて置かなければならないと思います。このように考えますると、先ず第一に、アメリカからの好意ある援助を、只今のように漫然たる形体において使用してはならないと思います。私はこの援助資金を最も効果的に使うためには、先ず民族再建の方法論が確立しておらねばならず、その方法論は、敗戰の祖国の立地條件に適い、又その民族の夢と伝統とを活かすような、而もそれに科学技術の裏付のあるような目標を示されなければならないと思います。然るが故に、第一には、先ず援助資金の三分の一を、少くとも総合的な食糧増産、農業技術の改善、治水治山の方面に使用すべきであると思います。第二には、その三分の一を、電源の開発、鉄道の電化、合理化資金、科学技術の振興、勤労者住宅の復興、並びに結核対策その他の社会保障制度に使用すべきであると思います。第三には、海運貿易並びに輸出中小工業の振興のために使用すべきであると思います。このような合理的な目標を立て、自由のための合理的計画の下に、農村と工業、労資力を合せて復興へ全努力を注いでのみ、祖国の安定と希望とは漸くにして到達し得るのでありまして、にも拘わらず、政府は何らかかることを顧慮せず、古くさい十八世紀のマルサス主義に終始し、目標なき自由経済と弱肉強食主義の下に、四千万トンの石炭すらすでに過剰生産になるがごとき実情で、果してこの敗戰の国民が生きて行けるのでありましようか。現状を見まするならば、輸出の停滯、設備資金の枯渇、電力の不足、中小企業の倒産、科学技術の沈滯、失業の増大、犯罪の増加等もはや国民として堪えんとしても堪えることのできない袋小路に入つておりますることは、皆様の見らるるがごとくであります。この袋小路を打開することなしには、もはや日本経済は一歩も前進し得ない情勢におかれておると、我々は考えるのでございます。
 従いまして、私共は、提案されました政府の提出予算を愼重に審議検討いたしました結果、次の諸点につきまして、政府に警告いたしたいのであります。
 第一には、これ程の敗戰の痛手を負い、父祖三代に亘る一切の資産を防棄し、光輝ある帝国の名も、一度も侵されたことのない国土というような言葉も、すべてが無意味になつてしまつたこの裸の国が、如何なる目標と理念の下に行くべきかを、この際明確にすべきであると思います。これらの課題につきましては、私はでき得べくんば、本会議におきまして、各党、国民の前に衆議を討わせ、その方法論を決めるべきであると思います。敗戰日本の再建は、祖国の立地條件と民族の伝統に立脚し、科学技術の裏付のある復興の目標の下になされなければならないと思います。この復興目標は、繰返して申上げますると、第一には、食糧の増産でございます。食糧の増産、農家経済の安定、協同組合の育成、農業技術の進歩、治水治山、これが第一でございましよう。御承知のように、フィジオクラットの、重農学派の学説は、資本主義経済の勃興のときの最初の言葉でございました。敗戰の祖国が今みずからを振り返り、第一歩を踏み出そうとしまするならば、先ず農村の改革、孤立した農民に力を與えなければならないと思います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)農業の進歩なくして、工業の発展は絶対にあり得ないことを、我々は工業家として、農村の各位に愬えたいと思います。
 第二には、食糧を耕すと同時に、この国土を耕さねばなりません。敷島の大和の国と呼ばれておるこの祖国の、どこに重点を置いて耕すか、私は機会あるごとに叫んでおりまするけれども、それは申すまでもなく、水力電源の開発でございます。水力電源の開発を骨子とし、或いは鉄道の電化を図り、農村並びに家庭の電化を推進し、科学技術を振興し、教育を実際化し、又勤労者の住宅を一日も早く復興し、失業救済のために盡すべき手を盡し、結核対策その他の社会保障制度を充実する、これらの努力に、財政と見返資金は重点的に使用されねばならんと思います。
 第三に、繰返して申上げますが、日本は、島国というよりも、海の国であり、貿易の国であることを、一刻も忘れることなく、海運と貿易の振興、特にアジア貿易、なかんずく中日貿易の再建のために全力を盡さなければ、この敗戰の国は復興できないと思います。このように考えますると、結論として、国家財政の予算の組み方も、見返資金の運用の方法も、この民族自立の大目標に集中し、この目標との均衡において立てられなくてはならんのではないかと思います。従いまして、現在の国家予算に見られまするように、財政資金中の巨額の部分を、国民経済が尚病床にありまする今日、單に過去の債務の償還に充てるがごときことは、当を得ないも甚だしきものでありまして、これらの資金を私は暫く延期し、将来産業復興の実の挙りました後にそういうものを拂うこととして、産業資金、財政資金、その他国民貯蓄を、国民産業の復興と勤労者生活の安定と、この二つの重点に向つて支出し更に行政を合理化し、浪費を節約し、それによつて得たところの資金の余剩は挙つて国民の税負担軽減に充てるとう心組が必要であろうと思います。私はかくのごとき諸点を政府に要望し警告し、そうして遺憾ながら本予算に反対するものであります。(拍手)(「当選確実だ」と呼ぶ者あり)
   〔理事堀越儀郎君退席、委員長着席〕
#196
○委員長(山田佐一君) 小川友三君。
○小川友三君(「簡單、簡單」と呼ぶ者あり)私が、一週間前から新聞で、予算委員会は二十一対二十三で野党側が勝つであろう、その中に民自党系の小川友三も入つておつた。どの新聞を見ましても入つております。ところが日本の勤労大衆の現状と農民大衆の現状と中小企業者の現状とも見たときに、(笑声)私は今まで吉田内閣を大いに支持しており、民自党の超党員的存在でありましたけれども、この勤労大衆並びに中小企業者、農民を救う熱意のないこの予算のために私は敢て今日これから反対演説をするものであります。(拍手、笑声)
 公務員の給與ベースを改訂して……こんな簡單なことが、親心さえあれば、愛さえあれば誰もでき得るのであります。これをやらないで、弱い者いじめをして、そうして国鉄のごときは、ストライキを禁止されて、そうしてお前達は借金でも何でもして、水でも何でも飮んでおれというような、薄情な暴政に近い政治は長続きしないのであります。(「そうだ、そうだ」と呼ぶ者あり)本当の国民の懷に飛び込んだ立派な政治だ、立派な政府だという政治を何故民自党内閣はとらないのか。八千三百万の同胞のうち本当の大資本家だけが儲かつて儲かつてしようがない、インフレ時分に百億の金を貸したものはこのデフレになれば三倍、五倍のの金を回收して、一遍に富が殖えるのが大金融資本家の現状であります。こうした状態を完全に把握しておるから、社会党、民主党の專門家各位が今七十三日間に亘つて奮闘し、又第三クラブの方、共産党の方、労働者農民党の方、緑風会の権威者の方々が反対をして、(「その通り」と呼ぶ者あり)政府に修正を迫つておるにも拘わらず、なぜ政府は我らの声に応えないで、予算案を修正しようとなぜしないのですか。私はこの予算案の反対に当つて少し理由を申上げます。
 給與ベースを改訂して五百億くらいの給與を殖やしても、勤労大衆はそれを以て栄養をとる、或いは生活をする……これは消耗しているのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)中小企業、農民達に回転されるのであつて、勤労大衆は一銭も自分の懷に入れられない。天井裏に金を隠す余裕はない。(「その通り」と呼ぶ者あり)何が何でも殖やして呉れなければならない。中小企業者を救済するには国家公務員の給與ベースを変えれば中小企業者に活が入る。勤労大衆が銘仙が無制限に暴落しても買えない。(笑声)上野広小路の露店で三反千円でもまだ買えないのか、勤労大衆はこんなに金がないのかと言つてテキ屋まで泣いている。(笑声)今全国の脳病院は重税に苦しんで気の狂つた人が、どこの脳病院でも超満員です。今税金問題を、今度の予算では下がるといいますけれども、まだ昭和二十四年度の税が一千億円以上まだ拂えない。だから今度も又プラスされる。一千億以上の滯納があるのであります。どこの税務署でも、これの五百円から二千円くらいの差押をしておる。今日私が来るときに、鎌倉で、薬屋が全部店から商品から差押えられておりました。どうすることもできないから明日あたり死のうと思うけれども、小川友三さん何か途がありますか(笑声)と、こういうような状態です。国民はどんどん自殺している。気の弱い人は気が狂つて、そうして脳病院に入つて呻吟しておるという状態です。気違いを製造するところの予算です。気違い製造予算です。(拍手)(笑声)重税で苦しんでおる国民が最もはつり分つておるのにこの重税を改訂するという熱意がない。今木村先生のお話じやないけれども、間もなく私は倒れると思う。本当に国民の懷に飛び込んで、あああの大蔵大臣でよかつた、あああの総理大臣で、あああの文部大臣で助かつたと……、郵便配達というと一番なりが惡い、何とかして呉れと郵政大臣にお話したのだけれども、話ばかりで何にもならない。国家公務員で郵便配達くらいなりの惡い者はいない。なりの惡い者なら郵便配達だというくらいです。そうした人を何とかして助けて呉れと頼んでおるのです。国家公務員百八十七万人くらいを一挙に救わなくちや政治とは言われない。(「請願する者與えられず」と、呼ぶ者あり)本当だ。社会党並びに労働者農民党、民主党に天下を渡してしまつて、そうしてもう一遍お前の方でやつて見ろと内閣をさらけ出して、国民を救うだけの大雅量がなければならん。あそこでもここでも自殺をしておる。一人の人間の生命は死ぬよりも重い。あの人間は死んだ、税金で苦しんで死んだという。若し小川友三が総理大臣であつたならば、税金で苦しんで死んだということを聞いたら政権を投げ出す。そのくらいの熱意と誠意を持つて、全霊を打込んで、予算編成に人間の限りを盡してやつて頂きたいのであります。(「陳情しておるのか」と呼ぶ者あり)すでに博愛の政治を主張して親米博愛勤労党を結成したが、博愛の精神あれば民自党でも共産党でも社会党でも私はこれを支持いたしまして、そうして八千三百万の同胞の幸福を図つて行くという私は雅量を持つておる。この予算案に対しまして勤労大衆をないがしろにし、農民をないがしろにし、地方税によつてうんと税金を(「巻き上る」と呼ぶ者あり)巻き上げる、そうした惡政に対しまして私は池田大蔵大臣とはいい仲ですけれども、私は八千三百万の搾られておる勤労大衆を代表して、農民、中小企業者を代表いたしまして断乎反対いたします。
#197
○委員長(山田佐一君) これで討論の通告者は終了いたしました。他に御発言もなければ討論は終局いたしたものと認めて御異議ありませんか……。御異議ないものと……。(「議事進行について」と呼ぶ者あり)
#198
○木下源吾君 この際採決に当りまして、その結果の数をですね、賛成反対の数を明確にすることを提議いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#199
○委員長(山田佐一君) 次に昭和二十五年度政府関係機関予算補正について討論をお願いいたします。採決はこれが済んでからにいたします。
#200
○内村清次君 私は昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第一号)につきましては、討論を省略し直ちに採決に入られんことの動議を提出いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#201
○委員長(山田佐一君) それでは只今の内村君の動議のごとく決しまして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#202
○委員長(山田佐一君) 御異議なきものと認めます。
 それでは討論は終結したものと認めます。これより採決に入ります。
 昭和二十五年度一般会計予算、昭和二十五年度特別会計予算及び昭和二十五年度政府関係機関予算について採決をいたします。
 先程各主査より報告がありました通り、第一分科所管については否決。第二分科所管については可決。第三文科所管につていは否決。第四分科所管については可決であります。
 右の三案に御賛成の方の起立を求めます。
   [起立者少数]
   [「賛成」「十二名」だと呼ぶ者あり]
#203
○委員長(山田佐一君) 少数であります。(「駄目だ、駄目だ」「数を言え数を」「ぼやぼやするな」と呼ぶ者あり)
#204
○委員長(山田佐一君) 賛成十二名であります。
 念のために反対の方の御起立を願います。
   [起立者多数]
   [「二十三名」と呼ぶ者あり]
#205
○委員長(山田佐一君) 二十三名、可決多数であります。(拍手)
   [「否決だ」と呼ぶ者あり]
#206
○委員長(山田佐一君) 否決。よつて三案は否決すべきものと決定いたしました。(拍手)
  ―――――――――――――
#207
○委員長(山田佐一君) 次に昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第一号)について採決をいたします。
 本案に賛成の方の起立を求めます。(「賛成」と呼ぶ者あり)
   [起立者少数]
#208
○委員長(山田佐一君) 十二名、少数であります。念のためにこれも起立を求めます。反対の方の起立を求めます。
   [起立者多数]
#209
○委員長(山田佐一君) 二十三名、多数であります。
 よつて本案も否決せられました。(拍手)
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長において四案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   [「異議なし」と呼ぶ者あり]
#210
○委員長(山田佐一君) 御異議ないと認めます。
 それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の署名を附することになつておりますから、四案を否とせられた方は順次御署名を願います。
  多数意見当者署名
    岩崎正三郎  内村 清次
    岡田 宗司  木下 源吾
    和田 博雄  羽生 三七
    門田 定藏  森下 政一
    安達 良助  淺井 一郎
    岩木 哲夫  小林 勝馬
    木内キヤウ  平野善治郎
   前之園喜一郎  西郷吉之助
    帆足  計  岩男 仁藏
    川上  嘉  藤田 芳雄
    木村禧八郎  岩間 正男
    小川 友三
#211
○委員長(山田佐一君) 御署名漏れはございませんか。
   [「まだまだ」「署名漏れがある」と呼ぶ者あり]
#212
○委員長(山田佐一君) 御署名漏れはございませんか。ないと認めます。本日はこれを以て散会いたします。
   午後六時五十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山田 佐一君
   理事
           内村 清次君
           岩木 哲夫君
           高橋龍太郎君
           田村 文吉君
           堀越 儀郎君
           岩間 正男君
           木村禧八郎君
           岩男 仁藏君
   委員
           岩崎正三郎君
           岡田 宗司君
           木下 源吾君
           和田 博雄君
           羽生 三七君
           門田 定藏君
           森下 政一君
           石坂 豊一君
           岡崎 真一君
           島津 忠彦君
           鈴木 安孝君
           城  義臣君
           堀  末治君
           安達 良助君
           淺井 一郎君
           木内キヤウ君
           小林 勝馬君
           平野善治郎君
          前之園喜一郎君
           赤木 正雄君
           飯田精太郎君
           井上なつゑ君
           西郷吉之助君
           玉置吉之丞君
           帆足  計君
           松村眞一郎君
           川上  嘉君
           藤田 芳雄君
           小川 友三君
  国務大臣
   法 務 総 裁 殖田 俊吉君
   大 蔵 大 臣
   通商産業大臣  池田 勇人君
   文 部 大 臣 高瀬荘太郎君
   厚 生 大 臣 林  讓治君
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
   郵 政 大 臣
   電気通信大臣  小澤佐重喜君
   労 働 大 臣 鈴木 正文君
   建 設 大 臣 益谷 秀次君
   国 務 大 臣 青木 孝義君
   国 務 大 臣 本多 市郎君
   国 務 大 臣 増田甲子七君
  政府委員
   内閣官房副長官 菅野 義丸君
   行政管理政務次
   官       一松 政二君
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   大蔵事務官
   (大臣官房長) 森永貞一郎君
   大蔵事務官
   (主計局長)  河野 一之君
   大蔵事務官
   (主計局次長) 東條 猛猪君
   大蔵事務官
   (主税局長)  平田敬一郎君
   通商産業政務次
   官       宮幡  靖君
   運輸事務官
   (大臣官房長) 荒木茂久二君
   運輸事務官
   (海運局長)  岡田 修一君
   運輸事務官
   (鉄道監督局
   長)      足羽 則之君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト