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1980/11/06 第93回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第093回国会 地方行政委員会 第4号
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1980/11/06 第93回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第093回国会 地方行政委員会 第4号

#1
第093回国会 地方行政委員会 第4号
昭和五十五年十一月六日(木曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 左藤  恵君
   理事 石川 要三君 理事 工藤  巖君
   理事 中山 利生君 理事 安田 貴六君
   理事 小川 省吾君 理事 佐藤 敬治君
   理事 石田幸四郎君 理事 青山  丘君
      池田  淳君    臼井日出男君
      小澤  潔君    小渡 三郎君
      片岡 清一君    亀井 静香君
      久間 章生君    塩谷 一夫君
      野呂 恭一君    松野 幸泰君
      五十嵐広三君    加藤 万吉君
      細谷 治嘉君    松本 幸男君
      斎藤  実君    部谷 孝之君
      岩佐 恵美君    三谷 秀治君
      田島  衞君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 石破 二朗君
 出席政府委員
        自治省行政局長 砂子田 隆君
        自治省行政局公
        務員部長    宮尾  盤君
        自治省財政局長 土屋 佳照君
        自治省税務局長 石原 信雄君
        消防庁次長   鹿児島重治君
 委員外の出席者
        防衛施設庁総務
        部補償課長   南雲  彬君
        防衛施設庁施設
        部連絡調整官  深作 和夫君
        国土庁計画・調
        整局計画課長  長沢 哲夫君
        外務省北米局安
        全保障課長   丹波  実君
        大蔵省主計局共
        済課長     野尻 栄典君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   内海  孚君
        文部省管理局福
        利課長     荻原 博達君
        厚生省社会局保
        護課長     加藤 栄一君
        厚生省年金局企
        画課長     長尾 立子君
        林野庁指導部治
        山課長     松本 廣治君
        資源エネルギー
        庁石油部備蓄課
        長       米村 紀幸君
        地方行政委員会
        調査室長    岡田 純夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月四日
 辞任         補欠選任
  小澤  潔君     田村  元君
  田島  衞君     山口 敏夫君
同日
 辞任         補欠選任
  田村  元君     小澤  潔君
  山口 敏夫君     田島  衞君
    ―――――――――――――
十一月一日
 産休補助教員の制度改善に関する請願(石田幸
 四郎君紹介)(第八八〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一六号)
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件
     ――――◇―――――
#2
○左藤委員長 これより会議を開きます。
 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川省吾君。
#3
○小川(省)委員 厚生年金保険法に連動をした本法律案については、結構なものであり賛意を表するものでありますが、これの幾つかの点について御質問をいたしたいと思います。
 過去何回かのこの法律案の審議において附帯決議をつけてまいりました。その附帯決議の内容とその扱いについて、政府がその後どのように検討をしておるのか、その状況について伺いたいと思います。
 まず懲戒処分者に対する年金の給付制限の検討についてでございます。私がよく委員会審議の中で申し述べておりますように、国を滅亡させた日本の戦犯の恩給の扶助料でありますけれども、これについては何らの給付制限がなされておりません。しかし一般の懲戒処分者については、最高二〇%の給付制限がついております。まして、労働運動などによる処分者などにも制限が付されるなどということは、何としても納得ができません。かつて大蔵省は、これら処分者に対する給付制限については、少し厳し過ぎるような感じもするので検討をしたいと述べておられましたけれども、これらの点について現在どのような検討がなされ、どうしていかれようとしておるのか、お答えをいただきたいと思っております。
#4
○野尻説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘ございましたように、私ども、国家公務員共済組合につきましては、大蔵委員会におきまして同じように懲戒処分者等に対する給付制限についての見直しを行うようにという附帯決議をちょうだいしているわけでございます。御承知のように現在の共済年金は、公的年金制度の一環としての位置づけに組み込まれていると同時に、国家公務員法あるいは地方公務員法という法律を根拠法としてできていることにも見られますように、やはり公務員制度の一環という位置も失っていないわけでございます。したがいまして、給付制限そのものを全廃するということにつきましては、いささか問題が多かろうと考えておるわけでございますけれども、現在の給付制限の仕方が若干厳し過ぎるのではないかという御指摘は、かねてから各方面からも御批判いただいております。
 そこで、この現在の給付制限のやり方につきまして、どういう方法で再検討するか、実は現在のところ関係各省間でその緩和の仕方につきまして協議を進めている段階でございます。御承知のように共済組合は、国家公務員、地方公務員、三公社の職員あるいは農林漁業の団体職員、私立学校の教職員といったように五つの法律に分かれたグループによって成り立っておりますので、関係省庁間の協議をいま進めておる段階でございます。
#5
○小川(省)委員 ひとつ早急に協議を進めていただきたいと思います。何といっても厳し過ぎるし、戦犯などの点についても給付制限がないわけでございますから、そういう点では軽減をするように、もっと給付制限をなくするようにぜひひとつ御配慮をいただきたいと思っております。
 次に、長期給付に対する公的負担の問題についてでございます。
 事実本年度は、長い懸案でありました一五%から一六%にいたしたわけでありますが、今後どのように他の年金との整合性を持って増加をしていかれようとしているのか、来年度は一七%にするのかどうか、これらの点の今後の方針について伺いたいと思います。
#6
○野尻説明員 公的負担の割合につきまして、たとえば厚生年金が現在二〇%の国庫負担ということとの兼ね合いから、現在の共済年金の負担割合はそれと均衡を失しているから、バランスのとれたものに将来検討していくようにという附帯決議をいただいていることはよく承知しております。
 ただ、この公的年金制度に対する公的な負担のあり方というものにつきましては、その制度間のバランスをとっていかなければならないことは当然でございまして、そのバランスのとり方を給付に対する一定の割合、一六%とか二〇%とかいう割合でそろえることが正しいのか、また別の方法でその公的負担部分のバランスをとっていくのか、非常にむずかしい問題があろうかと思います。
 現在、確かに各公的年金制度間の負担割合が、数字だけから見ますと一応不統一な印象を持たれると思われますが、この国庫負担の割合は、各制度の給付水準の差あるいは加入者の負担能力等がいろいろ考慮された結果、おおむねこの辺でバランスがとれるのではないかということから、それぞれ決められてきていたという沿革がございます。したがいまして、これを来年一七にまた引き上げるということは、実はいまのところ考えておりませんが、今後高齢化社会を迎えるに当たりまして、公的年金全体の国庫負担のあり方の問題につきましては、さらに十分真剣な検討を行った上、そのバランスが保たれるように検討は続けてまいりたいと考えている次第でございます。
#7
○小川(省)委員 十分に検討してそのバランスをとるということでございますから、来年とは言いませんけれども、年金間の整合性があるようにぜひひとつ調整をとっていただきたい、このことを強くお願いをいたしておきたいと思います。
 さて、自治省にお尋ねをいたしますが、今回の改正で通算退職年金の定額部分の引き上げがされるわけでありますが、これは厚生年金の引き上げと全く同一でございますか。
#8
○宮尾政府委員 厚生年金の考え方と全く同じにいたしておるわけでございます。
#9
○小川(省)委員 最低保障額の引き上げでございますけれども、本年基本年金部分は引き上げられますが、加給年金額の部分は引き上げられていないようであります。これは寡婦年金の引き上げを見送ったといいますか避けたためだろうと思うのでありますが、この辺の状況はどうなっているのか、寡婦年金は次の通常国会で手を加えて提案をしてくる意思がおありかどうか、伺いたいと思います。
#10
○宮尾政府委員 厚生年金における寡婦加算額の大幅な引き上げ措置があったわけでございますが、共済年金制度ではその措置を見送っておるわけでございます。これにつきましては、寡婦加算の引き上げと対応いたしまして所要の調整規定等を設けるというような厚生年金法案の内容でございましたので、その点について共済年金ではさらに検討を詰めてみなければならない問題があるということから、この点については見送ることにいたしたわけでございますが、今後この問題につきましては、遺族年金の基本的なあり方との関係も十分考慮をいたしながら、関係省庁とも十分協議をしてこの問題の取り扱いについて調整を図った上で、地方公務員共済組合審議会等の御意見も伺ってできるだけ早い機会に成案を得たいというふうに考えておる次第でございます。
#11
○小川(省)委員 そうすると、寡婦年金の引き上げについてはできるだけ早い機会にということでございますから、次期の国会の中で審議会に諮るわけでございますけれども、そういう上で出されてくるというふうに理解をしてよろしいわけでございますか。
#12
○宮尾政府委員 先ほど申し上げましたような検討を関係省庁とも十分行って、その成案が得られ、審議会の御意見もよろしいということになれば、そういう段取りでいきたいと思っております。
#13
○小川(省)委員 寡婦年金の引き上げは、この問題の遺族年金の引き上げとは若干性格を異にしておるわけでありますが、一応厚生年金でそういうぐあいになったわけでありますから、ぜひひとつこの地方公務員共済組合法についても寡婦年金を引き上げていただきたい、早い機会に成案を得ていただくように強く望んでおきます。
 次に、ちょっとこれはむずかしい問題でありますが、退職年次の古い年金受給者ほど実は著しく低い年金の額をもらっておるわけでありまして、これらの人たちから大変強い声でこの是正を図ってくれという声が上がっておるわけであります。これはたび重なるベースアップ等によるものが主要な原因であろうと思われますけれども、四十年代に一回再評価をして調整をしたことがあったわけでありますが、今後も実はこういう退職年次の古い人の年金額については再評価をして、著しく低い人の年金額を調整をしていただきたいと思いますけれども、今後の考え方をお尋ねをいたしたいと思います。
#14
○宮尾政府委員 退職年金は、基本的には退職をしたときの給料と在職年数というものによって決定されるわけでございますので、長年公務員として勤務をした者について見ますと、同じ官職、同一在職年というような人が退職した場合であっても、退職時の給料は一般的に後に退職した者ほど有利になりますので、退職後長期間を経過した人ほど最近やめた退職者に比べて低い傾向があるということは、御指摘のとおりでございます。
 そこで、なぜこういう格差が出てくるかということでございますが、これはベースアップという形ではあらわれない給与制度の改正あるいは運用の変更、こういったようなものが積み重なって出てくるというふうに考えられるわけでございまして、したがってそういった格差につきましては、物によりましては調整することが適当であるものもあるわけでございます。そこで、いま御質問の中にもございましたように、従前も恩給制度に準じまして、昭和四十八年度に長期在職の七十歳以上の老齢者の年金につきまして特例措置を講じたという経緯があるわけでございます。しかしながら、なお退職時によりまして格差が認められることは確かでございますし、特に古い方々が低い水準にあるということも御指摘のとおりでございます。
 ただこの問題は、恩給制度とかあるいは共済年金制度全体を通ずる問題でございますので、そういった問題について今後どうしていくかということについて、関係省庁とも協議をしながら検討してまいりたいというふうに思っております。
#15
○小川(省)委員 いまもお答えの中にありましたように、事実四十八年度に特例措置を講じたわけですね。確かに古い年次の人の年金額というのは大変低いわけでございますから、今後も適当な機会をとらえて関係省庁と協議をして、ぜひひとつ救済のできるような措置を講じていただきたい、このことを強く申し述べておきたいと思っています。
 次に、前回の改正で、消防職員等重労働に勤務をする者については、支給の特例の措置を設けて五十五歳で支給開始とすることになりまして、掛金等もそれに伴って本年の七月ごろより約千分の四・五程度上積みをして納付をされているのが実態であります。この点について、幾つかの点をお尋ねいたしたいと思っております。
 この五十五歳の支給開始という特例ができたことによって従来の慣行を変えてといいますか、いわゆる勧奨年齢が一般職員と区別をして早められるなんということはなすべきことではないと思っておりますけれども、そういうことはないというふうに判断をしてよろしゅうございますか。
#16
○宮尾政府委員 共済年金の支給開始年齢をどう決めるかということにつきましては、一般的に稼得能力の減退あるいは喪失というものに着目をして線を決める、こういうものでございますが、消防職員についてそういう特例を設けたというのは、消防職員の職務の内容とかあるいは勤務の実態等から見まして、年金制度上一般職員とは異なった特例を設ける必要がある、こういうことから制度化されたものであるわけでございます。
 それでは、その勧奨退職年齢というものをどういうふうに設定をするかということでございますが、これはそれぞれの地方団体の職員の全般的な年齢構成がどうなっているか、あるいは昇進管理等の面からどういう必要性があるかというような人事管理上の要請によって決められるものでございますので、共済年金の支給開始年齢について消防職員に特例措置が設けられたからということが、直ちに勧奨退職年齢をどうするかということにつながるものではないというふうに考えておる次第でございます。
#17
○小川(省)委員 わかりました。共済年金の支給開始年齢が人事管理上の勧奨退職年齢と見合うものではないというごとだと思うのでありますが、そのとおりの御答弁で結構だというふうに思っています。
 次に、五十五歳を超えて退職をする消防吏員は、本人都合の形式をとっても、実際には勤務の特殊性からやめざるを得ない状態になるケースが多いわけであります。したがって、本人の非違による退職の場合を除いてすべて勧奨の扱いとするべきであると思いますが、いかがでございますか。
#18
○宮尾政府委員 先ほど申し上げましたように、消防職員の退職年金の支給開始年齢につきましては、その職務の内容とか勤務実態等から申しまして一般職員と同じように扱うことは妥当でないという考え方に立ち、また国家公務員共済組合制度におきます自衛官の取り扱いとの均衡ということも考慮をいたしまして、消防司令以下の職員で引き続いて二十年以上消防職員として在職をして、かつその者の事情によらないで退職を余儀なくされたという要件が備われば支給開始年齢の特例を認める、こういうことで定められておるわけでございます。したがって、そういう要件になっておりますので、それらの要件を満たさない、たとえば自己都合による退職者などについては、五十五歳という特例の取り扱いをすることはできないわけでございます。
 ただ、二十年以上の在職者についての勧奨による退職者はこの特例措置があるわけでございますが、勧奨退職の取り扱いというのは退職勧奨要綱というようなものを明確につくって、そしてそれに基づいて退職の勧奨がなされたことによって退職した者を対象とする、こういう取り扱いにいたしておりますことから、一部の地方団体におきましては勧奨退職制度を必ずしも設けていないというところがあるようでございまして、そういうところではこの対象にならないではないかという問題が出てまいります。
 私どもといたしましては、やはり明確な要綱に基づいてやっていただくというところでその取り扱いをしていきたいと考えておりますので、そういう要綱を設けていない団体につきましては、勧奨退職をやる以上そういう要綱を設けてやるように指導をいたしまして、各団体間における不均衡が生じないように十分指導をしてまいりたいと考えております。
#19
○小川(省)委員 はい、わかりました。余りいいことではないけれども、ぜひひとつ要綱の整備をお願いをいたしたいと思っています。
 それから、消防吏員の勤務期間が二十年近くになって、本人の意思にかかわりなく消防吏員から一般部局への勤務変更といいますか、身分変更をさせられるようなことは適当ではないというふうに考えておりますけれども、この点はいかがですか。
#20
○鹿児島政府委員 御承知のように、消防職員はきわめて専門的な職種でございます。したがいまして、専門的な職種を十分に遂行いたしますためには、できるだけ長期間在職していただくということが基本的な前提でございまして、去る六月に消防審議会から答申が出されておりますが、その中でも消防職員の専門性を尊重するように、こういう指摘がなされておるところでございます。
 私どもといたしましては、できる限り専門的職種の実態に即応いたしまして長期間在職していただくように指導してまいりたい、かように考えております。
#21
○小川(省)委員 二十年で資格の取得ができるわけでありますから、二十年近くになって配置がえをされるようなことは適切ではないというふうに思っておりますので、ぜひひとつそのように御指導をいただきたいというふうに思っております。
 それから最後に、消防吏員の勤務期間が二十年を超えている場合には、消防吏員として退職させるようにすべきだと考えておりますが、この点についてはいかがですか。
#22
○鹿児島政府委員 先ほどお答えいたしましたとおり、消防職員の専門化の要請というものが大変強まっておるわけでございますが、そういう中で、消防と他の職種の間におきます人事の異動というものが一般的にも非常に少ないわけでございます。異なる職種間の人事の異動というものが仮に行われます場合におきましても、それはそれぞれの地方団体の特殊な事情によるものというぐあいに理解しているわけでございます。他の職種に異動するような場合には、退職の際に消防職員として退職するのが通常であるというぐあいに私ども考えておりますので、そのような方向に従いまして指導してまいりたい、かように考えております。
#23
○小川(省)委員 以上お尋ねをいたしてまいったわけでありますが、特に特例で五十五歳支給開始というふうなことになったわけでありますから、それをとらえて別個の問題である人事管理上のいわゆる勧奨退職年齢等と履き違えてやられるような自治体があると、私どもはそういうことがあっては困るというふうに思っておりますので、それらの点について十分に配慮した上でぜひひとつ指導をお願いをしたい、このことを強く申し述べて私の質問を終わります。
#24
○左藤委員長 石田幸四郎君。
#25
○石田(幸)委員 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、私は賛成の立場でございますが、基本的な問題について若干質疑をいたしたいと存ずる次第でございます。
 まず、大蔵省にお伺いをするわけでございますが、十月六日付の日経のトップに年金課税の強化の問題が報道されておるわけでございます。これは大蔵省の方針ということで報道されておるわけでございますが、この報道によりますれば「年金制度の定着が事実上、所得税減税につながってしまう点を考慮したもの。」であるということで、「老齢年金の所得控除額引き下げ、遺族年金を課税付象に加える」というようなことになるわけでございます。こういうふうになりますと、極端に言えば、年金を何のためにもらうかというようなことにまで論議が進んでしまうわけでありまして、老後の生活保障ということを考えれば、課税強化の方向というのはきわめて遺憾な方向である、こういうふうに思わざるを得ないわけです。これはいわゆる世代間の不公平を解消せねばならぬという問題のとらえ方はそれなりにわかるとしましても、やはり最低生活保障というような立場から考えれば余り課税を強化すべきでない、こういうふうに感ずるわけでございます。
 それにつきまして大蔵省の方から、これが方針としてすでに決定されたものかどうか、それからこの検討経過の御報告をお願いをしたい。それからもう一点、もしこのように方針決定ということであれば、実施時期はいつごろというふうにお考えになっておられるのか、そこら辺の御報告をちょうだいしたい、こう思います。
#26
○内海説明員 お答え申し上げます。
 ただいまお示しの新聞記事の内容あるいは大蔵省の方針決定と伝えられているものについては、私ども関知しておりません。ただ問題意識といたしまして、現在の私どもの問題意識なり政府の税制調査会において検討されております問題点をかいつまんで申し上げますと、こういうことでございます。
 ただいまお話がございましたように、老齢社会化を迎えまして、わが国の年金課税のあり方というのは大変むずかしい問題を含んでおります。すなわち、わが国の年金課税は、まず社会保険料控除、社会保険料を払う掛金の段階におきまして所得控除をいたします。そこで税金がかからないことになっております。今度はもらいます段階、つまり年金を受けます段階におきまして、公的老齢年金の場合には給与所得控除が適用になります。給与所得控除は、本来は勤務に伴う経費を概算的に控除するという意味なんですが、年金をもらっておられる場合にはそういったいわゆる経費はないわけでございますが、これをまず引きまして、それから六十五歳以上で所得一千万以下の方の場合には、七十八万円という特別な老齢年金控除があるわけでございます。そういう意味で実際問題としては、通常の公的年金については実質的には課税されていないというのが現状でございます。
 つまり、掛金の段階でも所得から控除され、もらう段階でも課税されていないというのがわが国の状態であるわけでございまして、これは各国の例に比べますと、たとえばアメリカにおきましては、まず掛金を払う段階では所得税を払った後の所得から掛金を払うのだけれども、もらうところでは全部非課税にしてもらうとか、あるいは英国は、同様に掛金の段階では所得税を払った後からその掛金を払う、つまり所得控除されないわけで、今度もらう段階では特別な控除というのはないのですが、老齢者について一般的な控除がある、こういうやり方をしているわけです。
 ですから、わが国が現在、たとえば厚生年金を例にとりますと、一人の老人を十二・四人が支えているという形のものが、昭和八十五年になりますと、三人の加入者が一人の老人を支えるというような時代を迎えてくるわけでございまして、その辺年金課税のあり方がどうあるべきか、特に所得がほかにたくさんあるような場合でもこのような形でいいのだろうかとか、いろいろ問題があるわけでございまして、この点税制調査会におきましても、今後重要な検討課題ということで受けとめて検討しなければならないということになっております。
 ただ、重ねて申し上げるようですが、先ほどのお示しの新聞記事のように、短絡して直ちにどうこうという考え、あるいはそういう態度は全く持っておりませんので、念のため申し上げます。
#27
○石田(幸)委員 概要を御説明いただいたわけでございますが、いわゆるその方向で今後検討する、こういうことになっておるわけですが、そこら辺の考え方をちょっと……。
#28
○内海説明員 お答え申し上げます。
 新聞で出ておりますような内容というよりも、まず掛金の段階でどういうふうに取り扱い、今度は年金の段階でどう取り扱い、年金の場合に他に多額の所得のある人の場合をどう取り扱いというふうに、もっと幅の広くかつきめ細かい問題を総合的に検討し、かつ外国の例なども踏まえながら、あるいは外国の積み重ねてまいりました経験を踏まえながら検討しなければならないと思っておるわけでして、お示しのような新聞記事の方向で云々ということ、そういう短絡した考え方ではございません。
#29
○石田(幸)委員 この問題は老齢化社会を迎えて大変重要な問題でございますので、御検討されるについても、これは慎重の上にも慎重に御検討をいただきたい。御要望申し上げるわけでございます。
 厚生省、お見えになっていますか。――恐縮でございますが、いま大蔵省の御説明ですと、まだ短絡的にそういう方向づけをしたわけではないというお話ではございますけれども、これは将来の年金問題に大変大きな波紋を投げかけているわけでございまして、特に年金を受ける方については、多額の所得いわゆる高所得者は別としまして、平均的な年金を受ける人については、私は税の強化をすべきでないというふうに考えておるわけでございますが、厚生省にもし御意見がありましたらばお伺いをいたしたい。
#30
○長尾説明員 お答えを申し上げます。
 ただいま大蔵省の方から御説明を申し上げましたように、現在の公的年金給付のうち老齢年金と通算老齢年金につきましては、給与所得として課税されておるわけでございます。
 現行の制度におきますと、年間所得が一千万円以下で年齢が六十五歳以上の老年者である場合には、老年者年金特別控除という形で、年額七十八万円が控除されるという特例が設けられているわけでございます。
 私どもの年金関係の審議会、社会保険審議会等におきましては、この老齢年金につきまして、先生御指摘のように、本来、老齢者の実態を考えると非課税にすべきであるという御意見をいただいておりますし、社会労働委員会の御審議におきましても、非課税の方向でというような附帯決議をいただいておるわけでございます。
 私どもといたしましては、老齢年金が老後の所得保障の中核であるという事実にかんがみまして、昭和五十六年度の税制改正におきましては、厚生年金等の老齢年金の受給者に十分配意するという立場に立って、関係当局と十分折衝してまいりたい、かように存じておる次第でございます。
#31
○石田(幸)委員 それでは厚生省の方にも、特にこの点についてはひとつ十分な対応をしていただきたいことを要望を申し上げておく次第でございます。
 それから、自治省の方にお伺いをいたしたいわけでございますが、昨年の本委員会において、「共済組合制度に関する基本的事項について一元的に調査審議をする機関の設置について検討を行うこと。」というような附帯決議が行われておるわけでございますが、この問題についてその後どのような対処の方向になっているか、この点についてまず御報告をちょうだいをしたい。
#32
○宮尾政府委員 昨年の附帯決議におきまして、一元的な処理をする機関をという御意見をちょうだいをしておるわけでございますが、この点につきましては、本年の六月から共済年金制度基本問題研究会を設置をいたしまして、そこで共済年金制度全体の基本的な問題について研究をする、こういうことにいたしております。
 若干その構成等について申し上げますと、委員十一名をもって構成をしております。
 その研究対象といいますか事項といたしましては、一つは、職域年金制度としての共済年金のあり方、つまり給付水準をどうするかとか給付要件、年金財政に関する将来展望、こういったようなものについてどう考えるかというような点が内容でございます。それから第二は、他の公的年金制度との整合性及び調整、こういったことを研究課題にしております。
 なお、そういったことに関連する問題等についても研究をいたしまして、年金制度の基本的なあり方について結論を得たい、こういうことにいたしておるわけでございます。
#33
○石田(幸)委員 それでは、そのいろいろな検討事項があるわけでございますが、年金財政の将来展望の問題について、自治省の考えを少しお伺いをしたいわけでございます。
 これは基本問題研究会を発足させてやっているわけですから、それらの論議の発展とあわせて考えなければならない問題だと思うのでございますが、たとえば国鉄共済なんかの場合は最近大変これが大きな問題になっておりまして、国鉄財政再建の非常に大きなネックになっておるわけですね。そういうようなことを考えますと、一体地方公務員共済の場合将来どういうような傾向になっていくか、これは非常に問題ではないかと思っているわけです。
 一つは、前回も質疑をいたしましたが、地方公務員の定数というわけにはいかないとは思いますが、将来どんな方向でこれが増加していくべきだということをお考えになっているか。これはやはりかなり大きな問題で、将来展望、そういった面でもひとつ踏まえておかなければならない。それからもう一つの論議としまして、いま六十歳定年が問題になっているわけですね。この法律が通過したという場合には、一体この年金財政はどういうふうになっていくのか。さらにその延長上として六十五歳定年という時代も来るかもしれない、それもそう遠くない将来にこれが国会でも議論の対象になろうか、私はそういうような予測をいたしておるわけですけれども、そういう地方公務員の増加傾向という問題それから六十歳定年という問題、こういう二つの問題を踏まえたときに、一体地方公務員の共済制度というものは財政的にどういうような推移をしていくと予測されているのか、ここら辺の見解を承りたいわけです。
#34
○宮尾政府委員 大変むずかしい将来予測の問題でございますが、一つは、まず御質問の中にありました定年制度というようなものが実現をした場合、年金受給者との関係がどういうふうになっていくのかということが一つあろうかと思いますが、大体いま地方公共団体の職員の退職年齢、平均一番多いところは五十八歳くらいであります。したがいまして、仮にいま定年制度ができますと在職期間が二年延びるということになりますから、そういう意味では現職として給料をもらって勤務をする、そのかわり年金は受給をしないでいいわけですから、そういう面では年金財政にプラスになる要素はあろうかと思います。ただ、将来非常に老齢化が進んでまいります。そして平均寿命が延びてまいりますから、受給期間が非常に長くなるというようなことがありまして、そういった問題はどういうことになるのかということが一つあるわけでございます。
 それから、地方公務員の全体の数というものが一体どのくらいふえるのかということも絡んでまいります。いまの地方公務員の定数というのがどうなっていくのか、総員がどうなっていくということはなかなか予測がつきませんので、それは現在の総員と同じだという仮に前提を置きまして、そしていまの年齢構成等から見て受給者数がどういうふうに将来なるかということを推計をしてみますと、現在年金受給者は五十二年度では四十八万人です。それが六十五年度ころには百十万人、それから昭和七十五年度には百四十五万人くらい、こういうふうになるものと見込んでおるわけです。したがいましてその職員の総数は動かない、こういう前提でやっておりますから、成熟度というものも非常に高くなる、こういうことになるわけです。
 そういうことを基礎にいたしまして、また将来の年金財政はどんな状況になるのかということも、これも非常に粗っぽい推計しかできないわけでございますが、たとえばベースアップと年金の改定率を仮に五%と見込む、それから組合数を一定とする、こういう前提を立てまして約二十年間くらいの粗い推計をやってみますと、まず収支の状況ですが、現在五十三年度では収支差額というのは八千億黒になっております。したがって、これが積立金の方に回っていくことになります。現在五十三年度までに積み立ててある積立金は五兆六千億、こういうことになっておりますが、それがたとえば六十五年度あたりの推計では、まだ収支差額というものは六千億くらいあろうと見込まれます。しかし昭和七十年ころには収支差額が赤になりまして、そして積立金を少しずつ食っていくという状況が出てまいろう、こういうふうに推計をいたしております。
 もちろんこのいまの前提は、先ほど申し上げました前提条件のほかに、財源率をいまのままで据え置いたという仮定のもとに計算をしておるわけでございます。したがいまして、財源率を何らかの形で将来上げるという前提があればまたこの計算というものは相当変わってくる、こういうことになるわけでございますが、一応その財源率を据え置いた場合の収支見通し等についてはいまのような状況でございます。
#35
○石田(幸)委員 昭和七十年度には赤字になっていく、要するに積立金を取り崩していかなければならぬというふうなお話でございましたが、そういたしますとあと約十五年、こういうことになりますね。いずれにしてもいまのお話でございますと、公務員の増加というものを見込んでない粗試算といいますかそういうことでございますから、これはやはり傾向は微増という傾向にいかざるを得ないであろう。いろいろな地域住民の行政サービスに対する、要求に対する多様化というのが考えられますので、減るという傾向にはならぬでしょう。やはりふえますわね。したがって、これはこれなりの問題があるわけでございます。
 そうしますと、少なくともいまの財源率据え置きという考え方に立てば、あるいはまたこの問題を考えるとしましても、いずれにしてももう十五年先にはそういう方向が来るわけだから、その後の見通しを研究してもらわなければいかぬ、出してもらわなければいかぬ、こういうふうに思うのですけれども、それは先ほどお話がございました共済年金制度基本問題研究会の方に期待をしておる、こういうことになりますか。
#36
○宮尾政府委員 将来予測が非常に厳しいということは、単に地方公務員共済組合だけでなくて他の共済組合制度も同様でございますし、また公的年金制度全体を通じて今後の老齢化社会を迎えてそういう財政問題をどうするか、これは共通の非常に大きな問題でございます。したがいまして私どもとしましては、これは共済グループの研究会でございますが、共済年金制度について、いまのような将来見通しを踏まえてどういうふうにしていくのかということを少し時間をかけながら基本的に検討をしていただきたいし、またしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#37
○石田(幸)委員 厚生省にちょっとお伺いをいたしますが、いまもお話がございましたように、共済制度等も考えてみますと将来展望はそう明るい材料はないわけで、そういった意味でこの年金制度全般について考えなければならない。社会保障制度審議会でも、いわゆる二階建て年金制度が議論をされてきたわけでございますけれども、いずれにしてもここ数年のうちにこれらの年金制度というものを基本的にもう一歩拡充しなければならない、そういう時代に入っているわけで、そういう点に対する見通しはどうなっておるでしょうか。
#38
○長尾説明員 御説明を申し上げます。
 私どもが所管いたしております厚生年金におきましても、ただいまお話のございました各共済組合と同様な、ある意味ではそれ以上の問題を将来にはらんでおるわけでございます。私ども、大体三十年くらいの将来を考えますと、被保険者数は全体といたしまして、人口の動向から見まして三割程度は増加するのではないかというふうに考えておりますが、老齢年金受給者は現在の約五倍程度になるというような見込みでございまして、給付費の方は八倍になるというふうな状況が予想されておるわけでございます。
 先生御指摘のように、高齢化社会というものを目前にいたしまして、年金制度全般にわたりまして総合的な観点から見直しをしなければならないということは、御指摘のとおりであると思っております。五十四年の四月に、私どもの大臣の私的諮問機関でございます基本懇から年金制度全般をにらみました御意見をいただいたわけでございますが、公的年金制度全般の一元化問題ということにつきましては、現実的には各制度の不均衡の是正、各制度間の調整というところから手をつけていくということが最もふさわしい方向ではないかという御示唆をいただいているわけでございます。
 これは先生御承知のように、現在わが国の公的年金制度は八つに分かれておるわけでございますが、それぞれ目的を異にいたしておりますし、またそれぞれいろいろな沿革を持って今日に至っております。そして、現実には相当な数の受給者が存在しておるわけでございます。こういった現実を踏まえますと、一挙に一つの制度において一元化をしていくということにはさまざまな問題点があるのではないかと思うわけでございます。
 共済年金につきましては、先ほども自治省から御説明がございましたように、基本的な問題点について御検討が始められておるわけでございますが、今後公的年金制度全般をにらみまして何らかの方向の調整を考えます場合には、共済組合と厚生年金、被用者年金相互におきますいろいろな現在の制度の中にありますそれぞれの問題点といいますか、そういうものをどういうような長期的な観点から調整していくかという、現実的な検討がきわめて重要ではないかというふうに考えておるわけでございます。私どもといたしましては、共済年金の現在の検討につきまして非常に大きい期待を寄せておるわけでございます。
 御承知のように公的年金制度全般につきましては、関係閣僚懇談会を設けていわば閣僚レベルの検討をいたすということになっておりますし、また事務的には、公的年金制度調整連絡会議というものを設けまして御相談をいたしておるわけでございますが、先生の御趣旨に沿いまして今後とも検討を進めてまいりたい、かように考えております。
#39
○石田(幸)委員 もう時間が来ましたのでこれで終わりにいたしますが、大臣に一つお願いをしておきます。
 この前もお願いをしましたが、地方公務員のいわゆる全体像――人数の上でですね、これはいろいろな影響が出てきますので、一つの増加傾向とかいろいろなデータの出し方があると思うのですけれども、こういう問題も踏まえると将来展望の上で、十年後、二十年後大体このぐらいの方向に推移をするのじゃないかぐらいの見通しはやはりつけていただく必要があろうかと存じます。この問題はまた機会を改めて議論をいたしたいと思いますが、ぜひ自治省におかれましても御検討をいただきたい、これを御要望申し上げまして終わりにします。
#40
○左藤委員長 部谷孝之君。
#41
○部谷委員 このたびの改正は、厚生年金保険制度の改正に伴う改正ということになっておりまして、ことしの五月、第九十一通常国会で本委員会で可決された原案と内容を同じくしております。そして五月の委員会の質疑の中で私は、厚生年金保険法の改正内容の中で一つの大きな柱となっております遺族年金における寡婦加節の大幅な引き上げ、これを共済年金制度では見送っておりますけれども、これでは公的年金制度間の整合性が失われるのではないか、こういう質疑をいたしました。
 そのときの御説明では、厚生年金では寡婦加算の非常に大幅な引き上げの措置、これは寡婦加算を受ける者が同時に他の年金制度の年金を受ける場合には給付の調整の措置を講ずるという改正、そういうものと、もう一つは、四十歳未満無子の寡婦については原則として遺族年金を支給しないという改正措置、それと一体のものとして寡婦加算額を引き上げたというふうな御説明をいただきました。
 しかし、今国会におきまして厚生年金法は、四十歳未満無子の寡婦に対する遺族年金を支給しないという改正措置を削除して修正をしたわけでございます。つまり、厚生年金ではさらにマイナス分がなくなっていわばプラス分が残ったということになると思うのでございますが、厚生年金とのバランスの上でさらに制度間の整合性が失われることになると思うのであります。この点について何か改善措置をお考えなのかどうか、まずお尋ねをいたします。
#42
○宮尾政府委員 御質問にございましたように厚生年金保険法は、国会での御審議の過程で調整規定等について修正が加えられまして、結果といたしましては寡婦加算額の引き上げを行う、その分についてはそれだけの改善措置ということになったわけでございます。したがいまして、共済年金制度ではその問題についてはなお慎重に検討しなければならない、こういう考え方から、寡婦加算額の引き上げに伴う改正措置を見送っておるわけでございますので、結果といたしましてはいま御質問にありましたように、厚生年金で改善措置を講じたものが共済年金の方ではまだその措置が講じられてないという結果になってまいります。
 したがいましてこの問題は、共済年金制度の問題としてやはり早急にその考え方を詰めていかなければならない問題だというふうに考えておりますが、その点については遺族年金の基本的なあり方の問題とかそういった問題等も十分考慮をしながら、共済年金、幾つかの省庁にまたがっておりますので、関係省庁とも十分協議をしまた審議会等の御意見も承った上で、できるだけ早く成案を得たいというふうに考えている次第でございます。
#43
○部谷委員 いまの御答弁ですと、寡婦加算の問題につきましては遺族年金の基本的なあり方の問題が一つと、それから先ほどの寡婦加算額の給付調整やあるいは遺族範囲の見直し等々の問題、これとのかかわり、さらにはまた地方公務員共済組合審議会、こうしたものの答申も得なければならないが、そうした問題について検討していきたいということであったと思うわけでございます。そういたしますと、いま申しましたような整合性を失われておるという立場に立つならば、早急に地方公務員共済組合審議会を再度開いていただく、かける、こういう措置が必要になってくるのではないかと私は思うのですが、そうした必要性をお認めなのかどうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#44
○宮尾政府委員 地方公務員共済組合審議会にいずれこれは諮ってまいらなければならないわけですが、その前に審議会にお諮りをする私どもの考え方というものを、各共済制度を通じましてどういうふうにしていくかということを十分詰めなければなりません。したがいまして、そういう作業を関係省庁と詰めまして、大体こういう考え方ということがまとまれば早急に審議会にお諮り脅して、どういう改正措置を行うかということの成案をできるだけ早く得るようにしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#45
○部谷委員 先刻、寡婦のみに大幅な加算を行った場合、遺族年金の基本的なあり方という点でさらに検討の必要があるというふうなお話があったわけですが、これに関連をいたしまして遺族年金の支給率、これは地方公務員等共済組合法の九十三条で五〇%ということになっております。従来、この五〇%の引き上げにつきまして政府も積極的であったというふうに聞いておりますが、最近では当面の措置といたしまして寡婦加算の増額でいわばその場しのぎの措置をとってきた、こういうふうに言えると思うのですが、この五〇%という数字の根拠は一体どこにあるのか。夫婦の一方が亡くなったから半分というのでは、いかにも機械的過ぎると思うのであります。特に附帯決議につきましても毎回七〇%への引き上げ、こういうことを繰り返しておるわけでございますが、この点はいかがでございましょうか、お尋ねいたします。
#46
○宮尾政府委員 五〇%の根拠は何かということはなかなかむずかしいあれでございますが、これは恩給制度の仕組みとか他の公的年金制度の仕組みというようなものを受けまして、共済年金における遺族年金の支給率は退職年金の百分の五十、こういうことになっておるわけでございます。ですから、もちろんそれが妥当であるかどうかという議論はかねがねあるわけでございまして、国会におきましても、それを少なくとも七〇%くらいに引き上げるべきであるというような附帯決議もちょうだいをいたしておるわけでございます。この点はかねがね検討しなければならない課題であるわけでございます。
 これまでのいろいろな検討の中で私どもが考えておりますことは、遺族年金の支給率をそういうように一律に引き上げることにいたしますと、遺族に対する所得保障という面から見た場合に、遺族の方でありましても非常に所得のある方もありますし、ない方もある、そういう観点からすると一律に引き上げることは、所得の多い人たちのところも引き上げることになりますからかえって不均衡が出てくるのではないか、こういうことが一つございます。
 そのほかにも、そういうことに伴ういろいろな年金制度上の問題を十分詰めてかからないと、簡単に一律に相当程度引き上げるということの結論が出せないと考えておるわけでございまして、大分長い間の課題ではありますが、さらに今後の検討課題というふうにしておるわけでございます。
 ただ、遺族年金を受ける方々の中で妻である人たちにつきましては、そういう給付改善の方策というものは特に積極的に講じていく必要があるだろう、こういう考え方から、支給率の問題は別といたしまして、昭和五十一年度からは寡婦加算という制度を設け、額も五十三年度、五十四年度とそれを順次引き上げて、実質的にそういう特に恵まれない寡婦の方々に改善措置を手厚くする、こういう方向をとってまいっておるわけでございます。
 したがいましてその改善の結果、個別にケースはいろいろあれですが、きわめて平均的な計算をしてみますと、一番所得の少ない方々を対象にした最低保障額で見てみますと、退職年金の最低保障額の約七九%くらいになっております。それから、それに寡婦加算を加えると最低保障額は約九割くらいまでいっている。ですから、非常に所得の少ない階層のところでは、そういう手厚い改善措置がなされてはきておるわけです。
 なお、今回厚生年金保険法が成立をいたしましたことによって寡婦加算額が大幅に引き上がった、その問題を今後私どもとしても年金制度の問題として取り組んでいく、こういうことでありますので、一律引き上げというのは基本的に検討しなければならないなかなかむずかしい問題でございますが、必要な改善措置は今後ともできるだけ手厚く講ずるように努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
#47
○部谷委員 次に、退職年金最低保障額と廃疾年金の問題でございますが、退職年金の最低保障額と廃疾年金の二級の保障、二級廃疾、これの保障が実は同一の水準になっております。
 ところで、廃疾といいますと、言うならば就業が困難と見なければならないのでありまして、法の別表の廃疾三級の状態のところを読んでみますと「傷病がなおらないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの」こういうふうに決めておるのでありまして、ここの項目に掲げられたような人が一般の退職年金額を下回ることは少し適当ではないのではないかというふうに私は感ずるのでございますが、二級と最低保障とをそろえた理由はどこにあるのか。私はむしろ三級を最低保障のところまで引き上げるべきではないか、こういうふうに考えるのでございますが、御見解をいただきたいと思います。
#48
○宮尾政府委員 ただいまの御質問の点でございますが、これは厚生年金における取り扱い等も考慮しながら決めておるわけでございまして、厚生年金におきましては二級の障害年金の最低支給額と老齢年金の最低支給額とは同額という方法にしております。したがいまして、共済制度でもこれと同じような考え方に立ちまして、二級の廃疾年金の最低保障額と退職年金の最低保障額を同額にする、こういう扱いといたしておるわけでございます。
 それで、その退職年金は、御存じのように二十年以上組合員期間を持っていなければ退職年金の受給資格は出ないわけでございますが、廃疾年金の場合には、一年以上の組合員期間があれば廃疾年金の受給資格があるわけでございますね。ですから、そういう意味で非常に在職期間が短くてそういう状態になられた方々であっても、少なくとも最低限これだけのものは保障しましょう、こういう考え方に立って廃疾年金の最低保障額の組み立てをしておるというふうに考えるわけでございます。
 それで、いま御質問にありましたように、三級のところでそろえたらどうかというのは、それは確かに一つの考え方でございますが、二級のところでその退職年金の最低保障額とバランスをとっているというやり方も、要はその最低保障額をどれだけ引き上げるかということに帰結するわけでございます。ですからそういう点で、仮にいまの制度のままであっても最低保障額の引き上げが随時必要に応じて行われれば、それなりの所得保障の効果というものは出てまいるわけでございます。そういう意味で、これまでも最低保障額の引き上げというものはたびたびやってまいりましたが、今後ともそういう観点に立ちまして、所要の改善措置がいまの制度でも十分講じられるように努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
#49
○部谷委員 いまの問題ですが、過去の経緯は私はわかりませんけれども、先ほど申し上げましたような法律あるいは別表の中に書いてあります文言、そういうものを読み合わしてみますと、退職年金の最低保障額の線まで少なくも三級は引き上げられなければならないではないかという一つの政策的な問題を提起したわけでありまして、そういうことでありますので、私は、今後やはりそのような廃疾者に対する配慮というものは、退職年金額そのものの引き上げも当然のことながら、あわせてそういう面での配慮が当然必要ではないかということを申し上げたわけですが、重ねていかがでしょうか。
#50
○宮尾政府委員 この最低保障額の定めは、これは共済年金も一つの大きな意味での公的年金の一環でございますから、厚生年金保険法で定めておる金額に合わせておるわけでございます。ですから、これは共済制度独自でその仕組みを考えるということはなかなかむずかしいわけでございます。
 ただ、先生の御提案のような考え方というものも確かに一つの考え方ではあるというふうに思いますが、これは全体を通じてどういうふうにしていくかという問題でございますので、私どもとしては、廃疾年金の最低保障額の全体の底上げというものが、必要に応じてそのときそのときに十分なされるようにいまの制度の中でも十分配慮していきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
#51
○部谷委員 年金に対する課税問題についてお尋ねするように通告しておったのですが、先ほど石田先生の方から詳しい御質問がございましたので、私は重複を避けたいと思いますが、ただ十月の日経では、税制調査会でそういうものが盛り込まれるであろうというふうな予測の記事がありました。けさ各紙がそれぞれ――私は、けさ朝日新聞しか見ておりませんけれども、恐らくそれぞれ出たと思うのですが、税制調査会の答申の骨子、そういうものを朝日新聞は載せておりましたけれども、その中にはいまの遺族年金等に対する課税措置がされるようなそういう内容が見当たらなかったわけなんですが、その点はいかがなんでしょうか。
#52
○内海説明員 お答え申し上げます。
 税制調査会の中期税制のあり方についての答申は、明日政府に対して行われる予定でございます。したがって現在いろいろな形で新聞に出ておりますのは、そういう限界が当然あるわけでございまして、その内容をどの程度反映しているものかについては、まだ税制調査会で審議中でございますので差し控えさせていただきたいと思っております。
 ただ、お尋ねの年金の問題につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、直ちに今回どういうという結論ではなくて、先ほど東部谷委員からも御指摘のありました老齢化社会というものを迎えて、年金課税の公平で適正なあり方というものがいかにあるべきかという点は、今後の宿題として問題提起されることになるであろうというふうに考えております。
#53
○部谷委員 ということで、課税関係に対する質疑を省略いたしますので、少し時間が余りましたので、九十一国会で行われました附帯決議の中で一、二問題点を指摘し、お尋ねをしてみたいと思います。
 附帯決議の第一番目の「退職年金の支給開始年齢を六十歳に引き上げるに当つては、将来の雇用保障との関連に充分配慮し、段階的に退職勧しよう年齢等を引き上げてゆくよう指導に努める」ということになっておるわけですが、いま定年制の問題等々きわめて大きな問題で、これらの詰めが行われておる段階でありますけれども、こうした定年制と勧奨年齢の問題、これはその後どのような御検討が行われておるか、御答弁をいただきたいと思います。
#54
○宮尾政府委員 年金受給資格の年齢とそれから現実の退職年齢というものにすき間がないということが、私どもとしては基本的に望ましいというふうに考えておるわけです。
 そこで、定年制との絡みということでございますが、今回提案をいたしております定年制というのは、原則として六十年に六十歳、こういうことを基準にしたいと考えておるわけでございまして、したがって定年制が仮に設けられたといたしましても、共済年金の支給開始年齢というのは原則的に六十歳になりましたけれども、まだ五十五歳から経過的に約二十年近くかけて一歳ずつ上がっていく、こういうことになりますから、定年退職をされたとしても支給開始年齢はすでに到達をした人たちが全部であります。そういう意味でそういうギャップは生じない、定年制度が設けられた場合でも雇用の問題と年金支給の間にはギャップが出ない、こういうふうに私どもは考えておるわけでございます。
#55
○部谷委員 それから五番目の「共済組合制度に関する基本的事項について一元的に調査審議をする機関の設置について検討を行う」、この点はいかがでございましょうか。
#56
○宮尾政府委員 この点につきましては、附帯決議等の御趣旨も踏まえまして、ことしの六月から共済年金制度全体を通ずる問題を検討しようということで、学識経験者十一名から成ります研究会を発足をいたしております。そして、そこで共済年金の基本的な問題あるいは他の公的年金制度との調整等の問題いろいろ基本的に検討をすることにいたしております。
#57
○部谷委員 六番目の「特例年金制度の創設に当っては、特定事務従事地方公務員の実態を十分に把握し、この制度の運用に万全を期すること。」というふうになっておるわけですが、この点御答弁をお願いします。
#58
○宮尾政府委員 特定事務従事職員の特例年金制度の問題につきましては、政省令等を改正をいたしまして所要の改善措置を講じたわけでございます。その運用等の面につきましても、この制度の基本的な考え方に合ったような運用をしようということで所要の検討をいままでやってきておりますが、なお今後制度運用についてその趣旨に沿うような運用ができるように十分配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
#59
○部谷委員 終わります。
#60
○左藤委員長 岩佐恵美君。
#61
○岩佐委員 きょう私は、五十三年ですか三谷議員が質問しております産休代替教員それから育児休業代替教員、この問題についてお伺いをしたいと思います。
 きょうは文部省の方に来ていただいておりますけれども、この教員の方々の待遇について現在どうなっているか、御説明をいただきたいと思います。
#62
○荻原説明員 お答え申し上げます。
 産休代替職員につきましては、その身分取り扱いその他は、臨時的であるという点を除きましては正規に採用された教員と同じ職務を行っておるものでございます。
#63
○岩佐委員 正規の教員が産休あるいは育児休暇をとる場合に、それを補助するために教員資格を持った人が任命されているということですが、こういう人がいないと現状では学校教育が成り立たないのではないかというふうに思いますけれども、その点はいかがですか。
#64
○荻原説明員 御承知のとおり産休代替教員というのは、女子教員の産休期間その仕事を代替して教育を行う職務でございますので、一般の教員と全く同じような重要な仕事に従事している教員でございます。
#65
○岩佐委員 私がもう少し伺いたかったのは、現在の教育制度のもとで育児休暇やあるいは産休をとる教員が発生する、それに対してその代替教員がおられるわけですけれども、この方々の仕事の内容が重要だということはもちろんですけれども、その存在そのものがなければ成り立たないことになっているのではないか、その点についてお答えいただきたいと思います。
#66
○荻原説明員 先生のおっしゃるとおりでございます。
#67
○岩佐委員 育児休業代替教員、それから産休代替教員の数が一体どのくらいに上っているのか、五十二年、三年、四年、それぞれの数をお示しをいただきたいと思います。
#68
○荻原説明員 お答えいたします。
 一応小中高の合計で申し上げたいと思います。年度別に申し上げますと、五十二年度は合計で育児休業代替教員が二千七百三十五名でございます。それから産休代替教員が五千八百五十人。五十三年度が、育児休業代替教員が三千二百七十八人、それから産休代替教員が六千三百六十九人でございます。それから五十四年度、これはちょっと説明が落ちましたけれども、各年度とも五月一日現在の数字でございます。五十四年度、五月一日現在で育児休業の代替教員が三千九百九十一人、産休代替教員が六千五百二十九人でございます。
#69
○岩佐委員 いま説明いただいたように、この数は五月一日現在ということですね。そうしますと、産休代替教員あるいは育児休業代替教員に任用されていた人の数であるわけですから、一年間を通して見ますと、各年度ごとおよそ三倍から四倍の人たちが任用されているというふうに推定されると思いますけれども、このような人たちがどういう年金に加入をしておるのか、その点についての実態調査をされたことがありますか。
#70
○荻原説明員 どの年金に加入しているか、調査したことございません。
#71
○岩佐委員 正規の教員ですと共済加入ということになるわけですけれども、現在の資格あるいは待遇ということから言ったら、先ほどから御説明いただいているように通常の正規の採用教員と同様の扱いになっているわけですけれども、年金加入の問題が共済に入れない、そういう状況に置かれているわけです。この点について文部省はどういうふうにお考えになっておられるのか、伺いたいと思います。
#72
○荻原説明員 公立学校でございますが、公立学校共済組合の加入要件というのは、御承知のとおり地方公務員等共済組合法にその要件が書いてございまして、それに照らして要件を満たしている者について組合員として認定をするということに相なっておるわけでございますが、その要件は御承知のとおり、継続的に雇用されることになっている常勤職員ということになっておりますので、それに該当する場合には加入を認定するし、要件に該当しない者については加入できない、そういうことになっておるわけでございます。したがいまして産休代替職員の大部分の方々については、その要件を欠いておりますので加入できないというのが現状でございます。
#73
○岩佐委員 現在、説明いただいたように産休代替要員あるいは育児休暇代替要員、こういう方々がおられないと教育が成り立たない、そういう状況になっている中でこういう方々が共済年金に加入できないで、恐らく国民年金あるいは厚生年金に加入をされておられるのだと思いますけれども、そういう不利な条件に置かれているという点について、たとえば長い間代替教員をやってきて正規に採用されたという場合に年金の問題が通算されないということで、何とか通算してほしいという要望が来ているわけでございます。当委員会でも、冒頭申し上げましたように三谷議員が取り上げておりますし、また請願でも採択をされているということでございます。この点について再度文部省に伺いたいと思いますし、また自治省自体もこの点について、その後どのような対応をしてこられたのか、伺いたいと思います。
#74
○荻原説明員 先生いまお話がございましたように、委員会で請願が採択されたこともよく承知いたしておりますし、それから私のところにも直接関係の方々が見えまして何度か陳情を承っておりますので、中身については十分承知しておるつもりでございます。それから、事柄につきましては関係の方々が直接自治省にも行かれたと思いますけれども、私の方からもこういう要望があるということについてはお話ししてございます。それらの内容については、十分研究をさせていただいておりますけれども、先ほど来申し上げますように法律上資格要件が欠けておる場合には、私の方は公立学校共済組合をお預かりしておるわけですが、いずれにいたしましても法律の要件が欠けておるものについては、現在のところどうにもならないという状況でございます。
#75
○宮尾政府委員 産休代替職員等についての御要望等は承っておるわけでございますが、地方公務員共済組合制度というのは、十分御承知のことかと思いますが、保険制度というものは継続的な雇用関係が前提で成り立つ、こういう基本的な考え方に立ちまして、原則として常勤の職員について組合員資格を与える、こういう考え方に立っておるわけでございます。ただ、非常勤であっても常勤的な実態がある者についてはいろいろな議論があります。そこでその取り扱いといたしまして、非常勤職員であっても常勤の地方公務員について定められておる勤務時間以上の勤務した日が引き続いて十二月を超えて、かつ十二月を超えた後におきましても引き続き同じような勤務時間によって勤務することが続いておる場合、そういう人たちについては、その十二月経過後の非常勤職員の期間であっても年金受給資格の基礎期間として認めましょうということで、非常勤職員についてそういう幅を広げる措置を講じておるわけでございます。したがいまして、非常勤職員についてのそのような措置は、常勤を前提にしながらも常勤的な実態がある者についてはそういう措置を講ずるという、いわば特例的な措置になっておるわけでございます。
 そこで、産休代替職員あるいは育児休業期間中の代替職員、こういう方々については、いまのような非常勤職員の扱いを当てはめてみましても、これは共済組合制度の中でそういう資格期間としての取り扱いをすることができないような形になっております。この点については、非常勤職員で年金受給資格の基礎期間として認められるようなそういう組合員期間を持たない人はその他にもたくさんあるわけでございますから、そういうこととのバランスからいきましても認めることはむずかしいというふうに考えておるわけでございます。
#76
○岩佐委員 再度文部省に伺いたいと思います。
 研究をしたということですけれども、私が先ほど、こういう教員の方々はどういう年金に加入しているか実態を知っていますかと聞いたことに対して、知っておられないという回答だったわけですね。それで研究をしているということ、これは非常に矛盾するのじゃないか、まじめにやっていないのじゃないかという気がするわけです。三谷議員に対して、任用制度との関係もあるので研究する、そういう答弁がかつてあるわけですが、この点についてどういう形で研究されたのですか。
#77
○荻原説明員 先ほど来、職務の中身については大変重要な責任を負っているということは申し上げたわけでございますが、共済組合の加入というものが必ずしもそういう職務と関連なく、継続する常勤的な雇用という点に着目をして組合員の資格を認めておるわけでございますので、基本的にはその継続的な任用になるかならないか、あるいはそういうふうにすることができるかできないかという点については、私の方の地方課長がこの委員会で御説明申し上げたとおりであると思いますけれども、そういう点につきましては引き続きなお検討、研究をするというふうにいたしたいと考えておる次第でございます。
#78
○岩佐委員 この代替教員の問題については、熟練度からいっても非常に厳しいものを要求される、そういう大事な職務だと私は思っています。それは、たとえば一年間受け持ちの先生が決まっていて、その方が産休あるいは育休をとられてお休みになる。そうしますと新しい先生というか、その生徒たちになじまない先生が来られて、そうして何カ月間か、あるいは育児休暇の場合には一年受け持つことになるわけですね。そうしますと、早く生徒になじまなくてはならない。そういうことからいうと、非常に熟練度を要する重要な職務だと思います。だから、文部省の方でそういうことを十分――先ほどからいろいろ説明が出ているわけですけれども、単なる臨時職員という形で考えるのかどうかという点をもう一度考え直していただきたいと思います。私はいろいろ伺っている中で、たとえばこれは三谷議員も前に指摘をしておりますけれども、Aさんという六十三歳の方がおられまして、戦前六年間教員をやっておられた。これは正規の教員でしたわけですが、戦後産休補助教員の期間が四年半ある。任用期間としては合計すると四年間になる。正規採用されて十三年になるけれども、産休補助教員の期間が通算されないために、実際は二十年以上教員として働いてきているけれども年金加入期間は二十年にならない、そういうような方がおられます。Bさんという方もやはり同じで、産休補助期間が任用された期間で七年と九カ月あっても、それが通算されないために二十年にならない、そういうケースです。
 こういう人たちの多くは戦前教員をやっていて、そうして戦争のために教職から一時離れざるを得ない。教育に対する情熱、そういうものをずっと持ち続けておられて、戦後再び教員となろうとしたけれども、いろいろな事情で産休補助の教員を続けてこられた。そういう方々の場合に、仕事の内容も正規の教員と変わることなく補助教員として努力をしてこられたわけです。産休補助教員を正規採用の教員にというような運動をこの方々はずっと続けてこられて、そしてそういう希望がかなって、四十年度から産休経験六年以上、五十歳までの枠で特別選考の機会が与えられて、正規職員になられた方々がかなりおられます。ところが産休補助の期間は加入期間として算定されないというために、非常に高齢になっても働かなければならぬというような状況に置かれているわけです。共済年金でも、いわゆる公務員でなかった戦前の日本医療職員あるいは日本赤十字社の救護員などの期間を資格取得期間に通算している、そういう例もあるわけですから、直接自治体が雇用した産休補助教員あるいは育児補助教員、こういう方々の期間を期間だけでも通算の対象にする、これは全く無理な話ではないのじゃないかと思います。
 特にこの方々で問題が大きいのは、中学校、高等学校の専科産休補助の特別選考、これは四十九年から初めて実施されたわけです。ですから、こういう方々は正規に採用される期間が遅くなるということで、四十年に採用された方々とまた違うハンディを負う。非常にそういう方々の切々たる訴えがあるわけですけれども、私はこれは本当にもう一度初心に返って検討し直す必要があるのじゃないかと思うわけですが、その点いかがでしょうか。
#79
○宮尾政府委員 産休代替職員あるいは育児休業期間中の代替職員、こういった方々の職務内容が非常に重要であるということについては、私どももそのように考えておるわけでございます。ただ、共済年金制度というものがいわゆる保険制度によっておるわけでございまして、そういう保険制度を成立させるためには、やはり継続的な雇用というものを前提にした人たちで組合員を構成して、そして保険グループの中で年金制度を成り立たせていく、こういう仕組みでございますので、代替職員の方々の職務内容が低いということを申し上げているわけでは決してございませんけれども、保険制度の仕組みとして、いまの仕組みをとる以上これはなかなかむずかしい、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
#80
○岩佐委員 いま申し上げました例は、戦争をはさんでという特殊な事情があるわけです。戦争というのは別に本人たちが望んでそういうふうな状態に陥ったわけではないわけですから、これは一つの犠牲であるというふうに言えると思いますし、こういう方々がかなり未亡人になられて、子供を抱えながら苦しい時期を厳しい産休代替教員あるいは育児休暇代替教員としてがんばってこられたわけです。この方々は期間を通算してくださいと言っているので、その間の年金も全部加算しろと言っているわけではないので、血が通った行政であるならば、非常に頭のいい方々がそろっておられるわけですから、そのくらいの何らかの救済というのはできるはずだと私は思うのです。それなりにいままでいろいろな年金関係では努力をされてきておられるという実績もあるわけですから、私は最後に大臣にこの点についてお伺いをしたいと思います。
#81
○石破国務大臣 お答えいたします。
 公務員部長がお答え申し上げましたとおり、制度としてどうにもならないということであります。そういう特別の方々のために地方公務員共済制度の基本を崩すわけにはまいりませんが、その他の方法でただいま御要望のありましたような点におこたえすることができないものかどうか、さらに検討させていただきたいと思います。
#82
○岩佐委員 次に、先ほどから問題が出ております恩給、厚生年金では寡婦加算が子供二人の方で八万四千円が二十一万円に、子供一人の方で六万円が十二万円、そして六十歳以上の寡婦の場合には四万八千円が十二万にそれぞれ引き上げられるということが決まっているわけですけれども、いつも地方公務員共済というのは、恩給あるいは厚生年金との並びだというふうに自治省は繰り返し言っておられるわけですが、この恩給あるいは厚生年金と共済との支給に、同じ寡婦でありながら大きな差が生ずるというのは問題だと思います。すぐにでも是正の措置をとるべきだと思いますけれども、その点についていかがでしょうか。
#83
○宮尾政府委員 寡婦加算の引き上げを見送っておるわけでございますが、これは厚生年金保険法の法案におきましては、その他のいろいろな所要の調整規定あるいは子なし若妻の寡婦の取り扱い、こういったものについての問題もありまして、私どもとしてはなお検討を要する、こういうことで実は見送ったわけでございます。法案が国会で修正されまして成立をいたしましたので、御指摘のように共済制度と厚生年金との間では差ができるわけでございますが、この問題については私どもも政府間で早急に詰めまして、共済年金制度としてどう取り扱うか、この成案をできるだけ早く得るようにいたしたいと考えております。
#84
○岩佐委員 終わります。
#85
○左藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#86
○左藤委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#87
○左藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○左藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#89
○左藤委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時五十七分開議
#90
○左藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渡三郎君。
#91
○小渡委員 私は、地方自治体の発展をこいねがいながら、特に沖繩県にいろいろな問題が内在いたしておりますので、それをまず最初に質問をいたしまして、その後一般的な地方行財政に関することを質問したいと存じます。
 まず第一点ですが、これは自治省を初め外務省もそれから農林省も通産省もまた防衛施設庁も皆おわかりだとは思いますけれども、去る二十九日に、沖繩の中部地区に米軍のハンセン基地という基地がございます。この基地は演習場でございまして、実は恩納岳を中心として山岳地帯が全部軍用地になっております。提供地域でございますが、そこで実弾演習が行われた。その中で火災が起きまして、四日間燃え続けたわけでございます。その被害は非常に大きいと言われております。現在まだ調査中ですから、具体的な被害状況というのはまだ出てないようでございますけれども・いろいろ各関係市町村が発表したところによりますと、大体五十万坪が焼けてしまったわけです。
 ことに問題になるのは、開放された軍用地の跡にリュウキュウマツを数万本も植えつけましたけれども、それがほとんど被害を受けているということが報ぜられております。その事実をおわかりでございますか。まず外務省にお答えいただきたいと思います。
#92
○丹波説明員 お答えいたします。
 沖繩に安保条約に基づきますところの基地が非常に多様に存在しておりまして、そのために種々のことからふだん沖繩県民にいろいろな御心配や迷惑をおかけしておることは、私たちにとっても大変頭の痛いことだと考えております。ただいま先生御指摘になりました山火事の問題につきましては、先生自身御指摘されましたように、被害状況が現在どのようなものであるかというのはまさに現地防衛施設局及び米軍、主として米軍が調査中という段階でございますので、いま先生が御指摘されました山林の問題につきましては、どのような被害が及んでおるのかということにつきましてはまだ承知しておらない段階にございます。
#93
○小渡委員 施設庁、いかがですか。
#94
○深作説明員 お答えいたします。
 ただいま外務省の方が申し上げましたように、この被害につきましては、実は昨日から現地那覇局が現地に入りまして調査を開始したところでございます。きのうから調査を始めましたものですから、まだ全部を把握いたしておりません。判明次第いろいろ検討いたしたい、こういうふうに思っております。
#95
○小渡委員 私は、被害状況をいま説明せよと言っているわけではないのです。そういう火災事故が発生したという事実を知っているのか知っていないのか、これが私の質問なんですよ。きのうもちゃんと事前に質問の予告をしておりますから、それぞれおわかりだろうとは思いますけれども、ただ非常に問題になるのは、沖繩が広大な面積ではない、一島であるということなんですね。しかも島でありますから、実弾演習場としていま提供されている金武、恩納両町村にまたがる広大な地域は、本当に民間と隣接しているところであるという一つの認識がまずないといかぬと私は思うのですよ。特に今度の火災につきましては、金武の町長が二十九日に防衛施設庁に参りまして、類焼している火災の状況がきわめて大きいので何とか対策をしてくれという要請をしているのですけれども、それに対して十分こたえていない、こういう事実がありますけれども、それはおわかりですか。
#96
○深作説明員 今度のキャンプ・ハンセンにおきます山火事は二十九日の演習の際発生したものでございますが、ただいまお話のございました金武町長から、那覇施設局に対しまして三十日に消火活動をやってほしいという要請を受けまして、那覇局は早速米軍司令部に対しまして消火活動について問い合わせをいたしましたところ、従来からもそうでございますが、大体着弾地域内という場合にはなかなか消火活動がむずかしいものでございますから、それを踏まえまして米軍は、着弾区域外に延焼するおそれがある場合には直ちに消火活動を開始するよう態勢を整えておるという返事を三十日にいただいております。
 なお、この件につきましては、その後なかなか山火事がおさまらないものですから、中央におきましても三十一日、在日米軍に消火活動を促進するよう申し入れ、米軍も三十一日から消火活動を開始したというふうに承知いたしております。
#97
○小渡委員 三十日に金武町長が防衛施設局に、消火活動を開始してくれという要請をしているのです。ですがその日は即応されてなかったので、金武町長はやむを得ず三十一日には米海兵隊司令部に直訴をしているのです。こういう事実があるのです。そして直訴をしまして、もう二十九日から燃え出して三十一日になっているわけですから、大変な火の勢いになっているわけです。そういう状況で、それじゃ米軍がどの程度の消火活動をやれるのかということで、これはまた金武の町長は期待しているわけだけれども、実際は兵隊を動員しまして、そしてほうきみたいなものを持ってきてこれで火をたたいているのです。消防自動車どころじゃないのです。また、ヘリコプターを飛ばして化学薬品で消火するなんという、そんなことじゃないのです。ハエたたきをやっているわけです。これじゃ火を消すわけにいかないのだ。これが米軍の消火体制なんですよ。そういう事実、おわかりですか。
#98
○深作説明員 米軍が消火活動を開始した日時あるいは行動につきましては、いま先生お話しのとおり三十一日から開始をいたしまして、不発弾もあることですからなかなか消火作業を大々的に行えないということで、兵隊約六十名出動いたしまして、伐採等延焼を防ぐ努力をしたというふうに承知をいたしておりますが、なお米軍の方ではヘリコプター二機を動員いたしまして、散水消火活動を行ったというふうには承知いたしております。
#99
○小渡委員 報道によりますと、私が聞いた範囲ではヘリコプターで散水をやっているのだ、水まきをやっているわけです。これはバケツで水を運んでばらまいているようなものなんです。これは全然消火の役をなさなかったのです。それで後自衛隊が出動することになるわけでございますけれども、問題は不発弾がごろごろしているということがおかしいのです。本土における演習地等でも、演習が終わりましたら不発弾を全部撤去するのが通例となっているようでございますけれども、沖繩の場合は撃ったら撃ちっ放しなんですね。だからその中に入れないのです。入ったら、不発弾が爆発するのですから危ないのです。だから金武町の消防自動車も恩納村の消防自動車も石川の消防自動車も、みんな隣村の消防自動車が駆けつけてはいるけれども中に入れないのです。危なくて入れない、こういう状況があるわけです。そういう状況があるということは間違いないですね、いかがですか。
#100
○深作説明員 消火体制につきましては、米軍も消防自動車約六台をキャンプ・ハンセン内に待機させたというふうに聞いておりますし、また周辺市町村の消防団等もいろいろそこに駆けつけたということは、新聞報道で承知いたしております。
#101
○小渡委員 大臣にお尋ねをしたいのですが、地方自治体で沖繩県には、いま私がちょっと質問しやりとりをしているような事実が現にあるわけです。復帰前は米軍と民間との間で消防協定、これが結ばれていたのです。その結ばれた内容というのはどういう内容かといいますと、民間は消防体制いわゆる消火機器類、自動車等が整備されていない、米軍側には整備されているから、もし民間で災害が起きた場合、火災が起きた場合には軍が応援をするという協力体制であったわけです。だから、民間から協力するということは全然ありませんでした。復帰してもう十年になろうとしておりますけれども、いわゆる米軍と民間との消火協定というのですか、消防協定、防災協定、それはどのようになっているのでございましょうか。消防庁でもだれでも結構です、ひとつお答えいただけますか。
#102
○南雲説明員 直接の所管ではございませんが、承知している範囲について申し上げます。
 昭和四十年九月、これは施政権下でございますが、在沖繩の消防関係の責任部隊と基地周辺の三十六市町村との間で、先生おっしゃられましたような趣旨の協定ができてございます。ただ、これは施政権下にできたということであって、現在では米軍の方では、これはそのまま有効には働かないのだという解釈をしておるようでございまして、現時点ではこのような協定はないようでございます。
#103
○小渡委員 所管の違う防衛施設庁にお尋ねするのもおかしいのでございますけれども、実際沖繩には全国の基地の五二、三%程度が現にあるわけでございまして、毎年いろいろな災害が起きているわけですね。火災につきましても、今度ほどの大火というのはもう復帰前からもなかったわけでございまして、今度が一番大きいものと言われているわけです。しかしこれに大体類したものは、一九六五年にもございました、六九年にもございました。そのたびに米軍側は、とにかく二度と火災を起こさないようにいたしますという誓約をするけれども、やはり起きてくるわけですよ。したがって消火体制、消防体制というのは私はきちっとしていなければいかぬ、このように思うわけです。したがって米軍もそれから施設庁も、自衛隊を含めまして市町村もみんな一体となって、防災体制というのですか、そういうものを早急に確立する必要がある、それは制度化する必要があると私は思うのですが、いかがですか。
#104
○石破国務大臣 小渡委員の御指摘の点、十分承知しておりませんでしたので、的確なお答えになるかどうかわかりませんけれども、御質問を拝聴いたしておりましてよほど考えなければいかぬということを痛感いたしました。沖繩県は、復帰はいたしましたけれども、まだ十年になっていないはずであります。もともと市町村の消防力は弱い上に、復帰後まだ年月がたっていない。沖繩の施政権が米軍にありますときは、米軍が消防についてもある程度の責任を持つという体制があったのが、いまそれがないというのは御指摘のとおりでありますので、自治省だけで、消防庁だけでどうこうというわけにはまいらぬと思いますけれども、関係の外務省なり防衛庁と責任を持って連絡した上で、御納得いきますように、御安心のいきますように早急に措置いたします。
#105
○小渡委員 大臣の実に御丁寧な御答弁をいただきまして本当に痛み入っておりますが、ぜひ確立していただきたいと思います。
 次に外務省ですが、私はどうも、沖繩の米軍基地の中で特に北部の演習場と中部の演習場、この二つの地域における米軍の行動は地位協定違反じゃないかなと思っているのですよ。そこをちょっとお尋ねしたいのですが、地位協定の第三条三項には「合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払って行なわなければならない。」こういうぐあいにうたわれているのですよ。
 そこでどこがおかしいかというと、施設及び区域内における作業なんです。私は、演習は作業だと思っているのですよ。少なくとも、提供された地域の中の訓練場というところがございますでしょう。訓練場の中で行われている作業というのは、ぼくは訓練だと思うのです、演習だと思うのですよ。そうなりますと、その作業が「公共の安全に妥当な考慮を払って行なわなければならない。」こういうぐあいになっております。公共の安全に妥当な考慮が本当に払われているかということなんですよ。これは全く払われていないのですよ、あの演習地に関する限り。
 どうしてかといいますと、米軍が必要と感じたならば二十年も三十年もかかって生育されている樹木を、ブルドーザーやトラクターを持ってきて勝手に切り開いてしまって道をつくるわけですよ。これは言うならば、公共の安全に妥当な考慮が本当に払われているのか。そしてその辺は、沖繩は狭いところですから、北部や中部の一部の山岳地帯が飲み水に必要な涵養林なんです。その辺はダムもたくさんあるのですよ。だから勝手に振る舞って道路をつくられたり樹木を伐採したりということは、水源地に及ぼす影響は非常に大きいわけです。公共の安全に妥当な考慮が払われているとは全然考えられないのです。どのように解しますか、お答えください。
#106
○丹波説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、地位協定第三条三項には「合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は、公共の安全に妥当な考慮を払って行なわなければならない。」こういうぐあいに規定されておるわけで、まず第一点の作業の意味でございますけれども、これは英語でもオペレーションズという言葉を使っておりまして、私たちとしては施設、区域内における米軍の一般的活動は大体これに含まれる、そういう意味で先生が御指摘のとおり、米軍の演習もこれに入るという考え方をとっております。
 この規定は、米軍の活動とわが国の公共の安全や国民生活の調和を図るという観点から規定されておるわけでございまして、この場合「妥当な考慮」とは何かということが結局問題になるんだろうと思うのですけれども、具体的な基準というものは地位協定には書いてございません。したがって、アメリカ側の活動の必要性とわが国の公共の秩序と国民生活に対する影響との関係において、個々の事案について判断されるべきであるという考え方をとっております。したがって過去におきましても、この規定から見てアメリカの行動は妥当な考慮というものが払われてないと判断された場合には、施設庁なり外務省からその都度米軍側に注意喚起を行ったり、合同委員会で問題提起を行ってきておるわけです。
 現在、先生が御指摘になりました個々の施設、区域内における活動につきましても、せっかくの御指摘でございますので、実態がどのような活動であるかということを調べさせていただきまして、われわれとして米軍に対するしかるべき措置をとっていきたい、こういうふうに考えております。
#107
○小渡委員 米軍は、公共の安全に妥当な考慮を払うような行動をしていなければいけないと私は思うのですよ。北部の訓練場なんかはダムが六つもあるのです。したがって、その訓練場を使用するのにはしかるべき条件が付せられております。ノグチゲラを初めとして、野鳥ではございますけれども沖繩にしかいないという貴重な鳥、そういうものを殺さないようにとか森林を伐採しないようにとか、あるいはまた高度何メーターまでの空域を使用するべしとか訓練中は民家に立ち入るなとか、いろいろな条件をつけられてはいるのです。いますけれども、しかしそういう制約があったにしましても、ある日突然照明弾が人家の屋根の上に落ちてみたり破片が飛んできてみたり、いろいろなことが過去においてあるわけです。その都度、再びこういうことはいたしませんということで合意されたということが発表されるわけです。しかし、そういう基地があって実弾演習をする限り、本当に一兵卒に至るまでみんなが公共の安全に妥当な考慮を払わぬといかないのだという意識を持たない限り、また同じような事故が起きてくる、私はこのように見るわけです。したがって外務省ももっと米軍に対しまして、あなた方は一体何回同じことばかり誓約するのかという強い姿勢が必要だとぼくは思いますよ。
 沖繩というのは本当に特殊な地域なんですよ。全く狭いところですから、そんな大陸じゃございませんから、ちょっと山を掘り起こしても翌日はもう海浜はみんな赤くなっているのです。そのぐらい公害があるところですから、県民感情を少しでも逆なでするようなことは一切やってはいけない、こういう強い姿勢が必要だとぼくは思うのですよ。強くこれは要請しておきます。またいずれかの機会に同じようなことが不幸にしてあるならば、また同じようなことをここで言わなければならないからです。そういう不幸を私は望んでおりません。
 次に林野庁でございますが、森林法二十七条の適用でございますけれども、これはもう中身は私は知っておりますからお尋ねすることはやめます。ただ最後の一点だけをお答えください。森林法二十七条の保安林の指定でございますけれども、沖繩の水源涵養林というのはこの訓練場二つしかないのですよ、沖繩本島では。ほかには涵養林らしいものはないわけなんです。だから非常に貴重な財産であるわけです。沖繩の問題を今後解決するときには、真っ先に考えなければいかぬのは電気と水だとみんなが言っているのです。政治家という政治家、あらゆる政治家がそう言っている。沖繩問題を将来解決していく上には電気と水以外にはない、こう言っている。その水を確保する源になるところが演習場なんですよ。そういう事実があるということをまず認識してもらわぬといかぬですね。
 そこで保安林の指定でございますけれども、それが提供施設であるならば除外されるのだということになっているぐらいは私は百も承知していますよ。しかしあの演習場というのは、北部の場合は年間百八十日ぐらいしか使わないのです。それ以外は使っていないのですよ。ところがこれを保安林に指定しないと、何をしでかすかわからないわけです。現に宜野座の基地では、宜野座村というところに関係しているその演習場では、戦車の道路をつくって物すごい問題を沖繩で起こした過去の事例もございます。北部の訓練場で将来何が起きてくるかわからないわけです。こういうことから沖繩の人々の水の問題を確保するために、言うなれば生命を守るためにと、大げさではございますけれどもそう言わざるを得ません。そういう意味でも、保安林の指定をどうしてもやってもらわなければならないと思うのですよ。それは地位協定があるからできないのだとか、あるいは提供施設だからできないのだというようなことであるならば、それを何とか提供施設でもできるような方法はないのかどうか、これを検討してほしいのですよ。別に金がかかるわけでもないし、これに財源が必要だということはないですよ。大した財源ではない。指定すれば、アメリカがそれを知ってもらえば……。一体その森林、現在だれが管理しているかと言えばアメリカが管理している。アメリカが管理してアメリカが勝手にやっている。これが県民に及ぼす影響が非常に大きい。この辺をぼくは言っているわけです。
 特にまた立木につきましては、これまでは提供してないという説もあるわけですよ。だから今回の場合でも、いち早く那覇の防衛施設局長は何と言っているか。立木に対する補償は当然考えなければならない、こう言っている。それまで提供しているならば別に補償する必要はないですよ、初めから。提供はしてないはずなんです。その辺に対する見解を含めて御答弁願います。
#108
○松本説明員 ただいま御指摘の点についてお答え申し上げたいと思います。
 御指摘のとおり沖繩県における保安林の指定につきましては、現在、五十二年度から始まっております第三期の保安林整備計画に基づきまして進めておるところでございますが、今後ともその促進に努めることは当然でございますけれども、基地内の森林につきましては保安林制度の目的と施設、区域の提供目的の達成との間に非常に調整つきがたい問題がございまして、現時点では保安林として指定して管理するということが適当でないというふうに考えております。
 しかしながら先生御指摘のとおり、基地内の森林というのは水の上でも大変重要なところであるということは十分認識しておりまして、この基地内の森林の管理ができるだけ適切に行えますように、話し合い等によりまして米軍の理解を得ていくことが必要であろうと考えております。林野庁といたしましても、御指摘の趣旨を踏まえまして、関係機関とも十分協議しながら今後対応を図ってまいりたいと思っております。
#109
○小渡委員 森林法二十七条の適用につきましても、それが法制上できないとするならば、林野庁としても、直接沖繩の提供された施設の中の森林いわゆる山林はどうなっているのか、これはわが国の国土でございますから、どうなっているのか、そういうところを十分踏査されて、そしてアメリカに対してもこれらの緑の資源をいかに大事にしていくかということを確約して、そして県民には再び迷惑をかけないというような強い約束と姿勢が必要だ、私はこのように思うわけでございます。
 次に、地方税についてでございますけれども、沖繩県には地方税法の第四条三項によりまして、法定外課税の一つとしまして石油価格調整税というのがあるわけです。これは先刻おわかりと思います。その石油価格調整税が五十七年三月三十一日でもって切れるのです。有効期間が切れるのですね。これは時限なんです。
 そこで、石油価格調整税の役割りは一体何であるかといいますと、沖繩県は本当に離島に次ぐ離島でございまして、離島の集まりが沖繩県でございます。したがって県内の離島の石油製品の価格の調整費としまして、本島で売る石油の値段もまた離島で売る石油の値段もその価格は同一である、いわゆる言うなれば離島航路補助あるいは運搬賃補助というような形のものなんですね。そういうことで運用をいたしておりますけれども、その額はざっと四億程度になるわけでございます。これが、五十七年といいますともう再来年でございます。五十七年の三月三十一日で切れるのでございますけれども、これをさらに延長さしていただくように要請をしたいと思うのですが、自治大臣、ひとつ御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#110
○石原政府委員 ただいま御指摘の石油価格調整税ですか、これは沖繩県が法定外普通税として条例をもって課しているものでございます。御指摘のとおり、これは五十六年度いっぱいで期限が到来いたします。法定外普通税の場合、これを延長するかどうかにつきましては、第一義的には課税団体であります沖繩県が判断されるわけであります。必要性があるということで御相談がありました場合に延長を許可するかどうか、これは自治大臣の所管ということになります。この点につきましては、沖繩県の御意向等も伺いながら延長の可否について判断してまいりたい。現段階ではまだ御相談はいただいておりませんので、その時点でよく御相談に乗ってまいりたい、このように考えております。
#111
○小渡委員 自治大臣、いまの件でございますけれども、これはあと一年とちょっとしかないわけですよね。年度とすれば、もう五十六年度で終わりということになるわけなんです。これはもちろん法定外税ですから沖繩県が条例で定めたわけでございますけれども、母法としましては地方税法の第四条第三項によるわけなんです。したがって三月三十一日で、もうちょっとしかございません。どうせ県から要請が来るのは間違いございません、いまそういう作業を実はやっておるところでございます。したがって、こういう要請がありました折にはぜひ御検討をいただきまして、離島と沖繩本島との石油の価格差をなくすための措置としてこれを使っているわけでございますから、お認めをいただくようにひとつお願いをしたい、このように思うわけでございます。
#112
○石破国務大臣 要請がございますれば、小渡委員が御要望になりましたとおり措置するつもりであります。
#113
○小渡委員 ありがとうございました。
 次に、石油貯蔵施設立地対策等に対する交付金でございますけれども、石炭及び石油対策特会法の附則二項で定められておりますように、これもやはり時限でございまして五十七年三月三十一日で切れるわけでございます。ところが、これは既設の分については四カ年間継続して交付金が支出されております。そうして新設のものについては二カ年継続、こういうことになり、一キロリットル当たりそれぞれ四十円と八百円、こういうことになつているのでございますけれども、ことしの暮れまでに、もうすでに沖繩石油基地に第二期工事として大体三百五十万キロリットル許容のタンクの建設許可を出しております。それで年内に着工するだろうと言われているのでございますけれども、その場合、五十三年から始まったこの交付金につきましては、これは沖繩に関するものですが、五十六年度で全部完結しているわけです。これからもまた継続してもらわないと困るわけです。これは交付金額がざっと三十億近い、こういう金額でございます。そういうことで、これはエネルギー庁ですね、どのようにお考えであるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#114
○米村説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、現行の石炭石油特別会計は五十六年度末の時限立法になっておりますが、これは設立の経緯がございまして、石炭対策関係諸法の適用期限に合わせてこういう形になっておるわけでございます。したがいまして、あくまでもこれは石炭対策との関連におきまして五十六年度末に見直そうという趣旨でございまして、石油関連につきましてはその時点で必要な見直しがありますものの、基本的には中長期的に施策を進めていかなくてはならない、こういうふうに考えております。したがいまして通産省といたしましては、石炭石油特別会計は五十七年度以降も引き続き維持していく必要があると考えております。
 石油備蓄関連につきましても、民間備蓄九十日の達成維持、それから国家備蓄三千万キロリットルの達成ということで、かなり長期的に施設の建設を進めていかなくてはなりませんので、この特会法の期限延長の絡みでこの交付金につきましてもぜひ延長していかなくてはならない、かように考えております。
#115
○小渡委員 資源エネルギー庁、もうよろしいです、よくわかりました。結構なことです。
 それでは私がいまから申し上げることは、共同通信の調査によって出された数字をもとにいたしまして所見を述べながら大臣の御見解をお伺いしたい、こういうように思っております。
 石油ショック以来、地方財政は大変危機に瀕したとよく言われているわけでございますけれども、高度成長から安定成長そしてまた低成長ということになりますと、地方自治体としてはその運営が非常に財政的に苦しいということはいろいろなデータではっきりしているわけでございます。この共同通信の調査によりますと、地方財政が危機に瀕しているということについて国と地方とどちらに一体責任があると思うのかという問いに対しまして、国、地方、両方ともその責任があるんだというのが実に七三・六%を占めているわけです。どちらかと言えば国なんだというような言い方で答えているのは、一七%ぐらいしかないわけでございます。言うなれば、都道府県の知事さんもそれから市町村長さんなんかも、三割自治だと言われながらもみんなやはり地方の財政に対しては責任の自覚度が、それぞれ国ばかりにあるのではなくてわれわれにもあるんだという認識が高いというような感じを持つわけです。
 全国知事会あたりでも、地方自治体が地方財政再建のためにできることはおのずから限界があるのだ、だから根本的には国と地方を通ずる行政の事務だとかあるいは財源の再配分とか、それから地方財政制度というような制度の抜本的な改善を図らなければいけないのだという要請はこれは五十年来ずっと続いていると思うのです。今年度の全国知事会からの要望書が私の手元にございますけれども、これも同じようなことが言われているのです。五十五年七月十一日、これは知事会の委員会で決められたものでございますけれども、そういうことを言っているわけですね。
 そういうときに、今度国の方からは、自治省として自治体に対して、安易に国の財政措置を期待するばかりではなくて、地域の問題はみずからの責任で処理することを基本として、地域住民の福祉向上のために人件費とかあるいは経費支出の効率化とか事業の重点的な実施を徹底的に行って、行財政の運営のあり方を抜本的に見直す必要が地方自治体自体にあるんだというようなことで再三にわたってくぎを刺しているわけです。そうすると、これは意見が合わないのですよ、両方の意見が。知事の方からはそういう要請、今度は自治省からはいま私が申し上げたようなことが通達される。言うなれば、私はこれは何だか平行線みたいな感じがするのですが、そんなやりとりの中でどういう結果が出ておりますか、いい結果が出ておりますか。前進しておりますか、していませんか。その辺ちょっとお聞かせいただけませんかな。
#116
○石破国務大臣 数字的なこと等につきましては所管の政府委員からお答え申し上げるかと思いますけれども、石油ショック以後地方財政が非常に苦しくなっておりますことは国、地方共通の問題と考えております。どっちの責任だという点でありますけれども、いみじくも石油ショックという言葉で表現されておりますとおり、責任は石油にある。とにかく一挙に四倍に石油が上がったわけでありますから、これはもう国の責任というわけにもいかないと私は思います。といって、地方の責任ではもとよりない。相協力してこの苦況を打開しなければならぬというのが今日の実情だと思います。
 そこで、高度成長期から低成長期になりますと、あれこれと問題が起こっております。地方自治体でも考えなければならぬ点、国で考えなければならぬ点、それぞれあります。従来からあったことでありますけれども、毎年毎年政府は地方自治体に要望し、地方自治体はまた自分らの立場で政府に要望してきておりますが、過去に関しまする限り、両方とも不満足ながらも何とか相協力して地域住民の要望にこたえておるというのが今日までの姿だと思います。
 来年以降さらに環境は苦しいものになると思います。政府におきましても、今回御審議いただいております第二次臨時行政制度調査会と申しましたか、そういうものを設置しましたのも原則は国の行政機構についてでありますけれども、関連しまする地方自治体の行政の簡素合理化についても要望するというような次第にいたしておるわけであります。国、地方相協力してあらゆる努力を払って善処しなければならない、かように考えております。
#117
○土屋政府委員 基本的な点で大臣からお答えがあったわけでございますが、御指摘のとおり国、地方を通じて大きな財政の赤字をしょい込んでおる状況でございます。この責任はということになりますと、まさに国とか地方とかと申しますよりは、経済の情勢変化によりまして税収がそれほど上がってこない。しかしながら、一定の行政水準というものは維持しなければならないし、場合によっては景気浮揚のために借金をしてでも仕事を進める。いろいろな国民の要請等もございまして今日に至っておりますが、お示しのございましたようにこの五年間、ほとんど毎年大幅な赤字を出しておりまして、すでに交付税特別会計の借入残高でも七兆七千億になるといったようなこと、また地方債の累増も大変なものになっておるわけでございますが、その都度国としては地方財政の運営ができますように、借入金なりその他の措置をとりまして措置してきておるわけでございまして、それなりの地方財政の運営には支障のないように措置をしてきたつもりでございます。そういった意味では、国は今後とも地方財政の運営が円滑にいくように措置していくという責任はあると思っておるわけでございます。
 ただ、そうは言いながらもどんどん赤字が累積をいたしまして、このままでは財政は放置できないという現在に至っておるわけでございますので、私どもとしても直ちにしからば国民の負担をふやしていいのかということになりますと、やはり国民の声としても国、地方を通ずる行財政の簡素合理化といった要請も強いわけでございますから、やはり国、地方を通じて御指摘のように私どもは行政の簡素合理化を図りながら、地方団体自体においても当然のことながら行政を見直し、あるいはまた機構その他いろいろな面において節減を図りながら、経費の効率的な使用ということに努力をしていかなければならないということでございまして、そういった意味では財政の再建という点で国、地方ともに同じ立場に立って推進をしておるということでございます。
 ただ、そういう中でも地方の役割りというものは重大なものがございます。そういった行政が円滑にできますように、私どもの立場としては必要な財源措置は十分講じていかなければならないというふうに考えております。
#118
○小渡委員 必要な財源措置を十分に考えなければいかぬとおっしゃっておられるわけでございますけれども、地方財政危機打開のために国が最優先でやるべきものは一体何なんだという問いに対しまして、これも全国知事会の統計でございますけれども、これから出ているのは地方交付税率の引き上げが六二・三%を占めておるのですよ。そのほか超過負担の解消など国庫補助金負担制度の改善合理化、これが三七・八%を占めているわけです。こんなことから見まして、これは高度成長の時代だったならば国税三税の自然増によって交付税も伸びてまいりますでしょう。しかし現在のような状況では、いまも御説明あったようになかなかそれは期待できるものではないわけです。しかし、故大平総理大臣が大蔵大臣の時代、五十一年三月四日の衆議院予算委員会でこの問題について御答弁なさっておるのです。何とおっしゃっておるかというと、制度と実態との乖離がある以上、地方交付税率の改定を含む地方行財政の見直しは政府の責任だと述べていらっしゃるのですよ。ところが今日まで三二%はちっとも変わらないわけですね。理由は何でしょうか、お聞かせください。
#119
○土屋政府委員 お示しのように地方財政が困窮の状態にございますけれども、地方交付税は引き上げておりません。御承知のように地方交付税法第六条の三の第二項には、地方の財源不足というものが引き続いて巨額なものである場合は行財政の改善とか、あるいはまた地方交付税率の引き上げをすべきであるということがあるわけでございますから、私どもも十分それを踏まえて毎年地方財政対策の際は国庫当局とも相談をしておるわけでございます。そういったことで、毎年交付税率の引き上げは要請しておるわけでございますけれども、御承知のように国、地方を通じて財政が非常に悪化をしておる状況でございまして、国自体も大幅な特例公債を発行するというような状況でもございます。そういった中で国と地方との間のいわば恒久的な財源配分の方式でございます交付税率を直ちに変えるということはなかなか容易ではなくて、その都度議論は平行したままで詰まらない。そういった状況の中でも、どうしても財源対策は進めなければなりませんので、必要な交付税の量は確保する。しかしいま申し上げたような状況でございますから、結果的には交付税特別会計で借り入れをするといったような状況でございますが、五十三年度以降その返済については、国が二分の一は実質負担をするといったような方式等も取り入れまして措置をしてきておるわけでございます。
 基本的には、おっしゃいますように交付税法第六条の三の第二項の趣旨を踏まえて生かしていくべきだと思っておりますが、諸般の事情から政府内部で検討されました結果、ただいま申し上げたような措置を今日までとってきております。それは一つのまた交付税法第六条の三の第二項の財政上の改善措置であるというふうに私どもは考えておるわけでございますけれども、これで十分であるとは決して思っていないわけでございまして、今後の経済の状況あるいは国の財政の推移等を見ながら、私どもとしてはよりよい方法を考えていかなければならないというふうに考えております。
#120
○小渡委員 御答弁で私は理解しないわけじゃございませんけれども、いまおっしゃった地方交付税法の第六条の三の二項、これはちょっと読んでみましたら「毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が引き続き」云々、「各地方団体について算定した額の合算額と著しく異なることとなった場合においては、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率」三二%の「変更を行うものとする。」というぐあいになっておりますし、しかも、亡くなられた大平総理大臣が五十一年に衆議院の予算委員会で御答弁なさったことは、当時私も地方自治体におりましたが、それにあずかっていた者は大きな期待を実は持っているわけなんですよ。それは特会の借り入れとかいろいろな措置を講じながら交付税に必要な額は何とか生み出してくるということはわかりはしますけれども、しかしその乖離というのはなかなか埋まるものではございませんので、何かもっと方法はないものだろうか、また現に責任ある人がおっしゃっていることはきちっとしていかなければならぬ、このように私は考えているわけです。
 もう時間があと八分しかございませんので、次に補助金制度についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
 これも全国知事会でありまして、超過負担を生じやすい国の補助金制度の問題点は一体どういう点かという質問に対する回答でございますが、八九%、約九〇%が補助基準が実際より低過ぎるのだ、こういうことを言っているのです。ところがその補助基準の中でも単価差については、これは皆さんの方としては知事会や市長会の要請等も十分受けてそう問題はないようでございます。しかし、数量差と対象差はいかんともしがたいものがあるようでございますね。対象差としては、たとえば保母の産休だとか事故休に伴う代替職員の賃金とか学校建設のときの門だとかへいだとかさくだとかあるいは渡り廊下とか、そういうものに対する補助が対象外にされている。それから数量につきましても、児童生徒の一人当たりの補助基準の面積が、地方自治体が要請している単価と皆さん方が査定されるのとは違う。ところが問題は実態だと私は思うのですね。したがって、六団体と自治省の方も一緒になって、数量差とか対象差というのは本当にあるものだろうか、これを実際に調査をされる必要があるのではないか、そういうところからこういう問題はなくなってくるのではないかという感じがするのですが、いかがでございましょうか。
#121
○石破国務大臣 超過負担の問題でありますけれども、地方財政の問題としましては、できれば交付税率などを上げてもらうのが一番いいのですけれども、これはむずかしいものですから、まともな解決ではありませんが、それでまあ納得しておるわけです。一番困りますのはその超過負担の問題であります。ここ十年以上、毎年毎年超過負担の解消には政府も努力してまいっておりますけれども、御指摘のとおり毎年毎年超過負担という現実が生じております。単価差はともかくといたしまして、特に数量でありますが、必ずしもどっちだけが悪いということは言いかねると思います。地方自治体とされましても、せっかく施設をつくるんだ、なるほど国の示しておる補助基準でもいいのだけれども、これは先々のことを考えるともうちょっと大きい方がいいとか、もうちょっと堅牢なものの方がいいとか、こういう御要望が出るだろう。その際に国も財源に限りがありますから、どうもそこまではごめんどうを見かねます、そこで超過負担ということになるわけでありますが、いずれにしましても地方自治体が納得されないような超過負担の解消、これは政府の責任でありますから努力いたしたいと思います。
#122
○小渡委員 またお言葉を返すようで大変恐縮ではございますけれども、おっしゃることも私はよく承知をいたしておりますが、必ずしも数量ばかりではなくて、学校をつくる場合の補助対象から外されているもの、しかもそれは学校としてはどうしても必要なもの、門だとかさくだとかへい、こういうのは一体どうなんでしょうね。ぼくはそこのところがちょっとわからないのです。
 もう一つは、地方六団体の実態調査では、保育を明確にして区分することだ。これは機関委任事務のことですよ。団体委任事務ですよ。だから、事務処理と経営負担の責任を一致させるんだというのが何と九三・三%を占めているのです。
 こういう実態を十分とらえられて、地方行政が円滑に進められるように格段のお力を注いでいただきたいと要請をいたしまして、まだあるのですけれども、きわめて残念ですが終わります。
#123
○左藤委員長 斎藤実君。
#124
○斎藤(実)委員 大臣、国と地方の財政が非常に厳しい状況でございます。特に地方自治体は莫大な赤字を抱えて、来年度も相当赤字が出るだろうと見込まれておるわけですね。その中で地方自治体には、学校だとか道路あるいは下水、公園、福祉施設その他住民の要望はきわめて多いわけですね。そこで、地方の時代と言われておりまして、この地域住民の要望にこたえるために政府もいろいろ構想を打ち出しておられるわけですね。たとえば自治省が広域市町村圏、建設省は地方生活圏、国土庁はモデル定住圏、それぞれ構想を打ち出しておるわけです。私は、この三つの構想の基本的な考えというもの、どういうところからこういう発想が出たのかですね、まず基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。
#125
○石破国務大臣 お答えいたします。
 私も、もう自治大臣を拝命しましてから三カ月余になるのでありますけれども、まことにのみ込みの遅い男でありまして、いまお挙げになりました三者がどういう点で違うのかということを明確に御説明するだけの能力がございません。担当の政府委員から答弁をさせますので、お聞き取りいただきたいと思います。
#126
○砂子田政府委員 田園都市構想あるいは定住圏構想というものの具体的な展開、大平総理が提唱されておりましたこの問題をそれぞれの関係各省におきまして、それぞれの立場からその所管に応じた施策を講じてきてまいっておるわけであります。特に私たちが所掌しております新広域市町村計画につきましては自治省が行う、地方生活圏につきましては建設省が行う、それから定住圏の整備計画については国土庁が行う、そういう取り組み方を現在いたしておるわけであります。先ほどのお説のとおりであります。
 広域市町村圏の計画というのはすでに御案内のとおり、実は昭和四十四年以来住民生活というのが大変都市化されてまいりまして、それと同時に大変な広域化をされてまいりました。そのための地域社会づくりをするということのための対応として全国的に実はつくってまいったものであります。この間に広域市町村圏のためになされました事業費というのは、約六兆円に近い額が投資されておるわけであります。
 この広域市町村計画を進めてまいりまして十年たつこの間に、新しい田園都市国家構想、先ほど申し上げましたような思想が出てまいりまして、この広域市町村計画の地域づくりと申しますか、そういうものを新しい角度から新広域市町村計画というふうにつくり変えたわけであります。
 従前の広域市町村計画というのは、どちらかと申しますと個別の事務の広域行政処理ということを対応としてやってきてまいったものでありますが、新広域市町村計画というのはそれに対しまして地域の経営と申しますか、そういうものを総合的な立場からもう一回見直した広域行政をしようじゃないかという観点に立ちまして、新広域市町村計画というものをつくったわけであります。これは御案内のとおり、広域市町村計画というものの実績を踏まえまして新しい地域社会経済というものに対応するための一つの方法でありまして、田園都市国家構想の理念に即したものであるというふうにわれわれは理解をいたしておるわけであります。
 それから、どうも建設省のことまでもお話を申し上げるのは恐縮でありますが、地方生活圏の問題というのは、本来公共投資と申しますか建設省所管に係りますいろいろな公共事業、そういうものを一つの圏域の中に効果的に投資をしていこうというものであるように理解をいたしております。これも実は広域市町村計画というのが十年前にできましたときに、建設省と相談をしながらつくっていったものであります。
 ただ、モデル定住圏の整備計画というのを私が申し上げるのは、これまた国土庁からお話を申し上げるのが筋かとは思いますが、これもたまたま田園都市国家構想というものができ、第三次全国総合開発計画というのができまして、その中の一つの整備計画として進められておるものでありますが、これはいわば地域整備の新しいシステムを開発していこうというものでございまして、全国におおむね四十カ所のモデルをつくる、それを推し進めていこうという考えのものであります。
 したがいまして実は一番問題になりますのは、広域市町村計画というものと定住圏構想整備計画とがどうもいつも公共団体の間で問題になるということが、この二つの間の大きい地域的な問題になっているのだと思いますが、私の方はこの両計画が持ちます対象事業というものにつきましては、基本的に差異はないものだと思っております。そして新広域市町村計画におきましては、いま申し上げましたパイロットのそういうような整備計画ができるわけでありますから、それもやはり取り入れて計画の策定を中に突っ込んでもいいじゃないかというふうに考えておりまして、その間の計画をつくるときにもし両方にそごができるようであれば、私の方と国土庁との間でよく協議をしながら進めていきたいというふうに考えておるわけであります。
#127
○斎藤(実)委員 自治省の広域市町村圏の計画と建設省の地方生活圏の計画、これは地方整備制度によりましてすでに制度ができてから約十年になっていますね。これはこれで私は理解をしている一人です。ただ国土庁のモデル定住圏計画、これは各該当の市町村は、一体どういうやり方あるいは構想、目的なのかというふうに大分戸惑っているところがあるのですね。うちの県や市はちょっとお断りしたいというところも出てきている。神奈川県ではモデル定住圏の指定を断っているというふうに聞いているのですが、どうしてこういうことになるのか。国土庁来ていますか、御説明いただきたいと思います。
#128
○長沢説明員 お答え申し上げます。
 ただいま自治省の方から、三つの圏域行政の関係につきましては大変的確なお答えをいただいたわけでありますが、そのときにいみじくも申されましたように、モデル定住圏計画というのは新しい地域整備の新しいシステムづくりをねらったものだということでございます。広域市町村圏計画も発足は十年前でございましたけれども、三全総の時代の新しい要請にこたえて新広域市町村圏計画ということで出発しておりますし、建設省の方の地方生活圏もやはり三全総時代の定住構想推進、田園都市国家構想の基盤をつくる意味の定住構想推進という基本的な考え方で軌を一にしてやっているものだというふうに考えております。
 したがいまして、どこに違いがあるのかというお尋ねでございますけれども、基本的な考え方においてはむしろ方向を一にするものだというふうに考えております。ただ計画手法といたしまして、広域市町村圏計画の場合には広域行政主体の総合的な行政計画が中心になっておるのに対しまして、モデル定住圏計画というのはそういった各省の各種の圏域行政の効果とそれから住民の主体的、一体的な活動、地域行動の効果とが相まちまして新しい生活圏域づくり、定住条件の整備が進むことをねらったものでございます。
 そういう関係に立っておりますので、計画手法の面で、モデル定住圏計画の場合には各地域の自主的な選択と合意に基づきまして、その地域の特性あるいは住民ニーズを踏まえて重点的な課題を抜き出して、それを自主的な努力によって推進していく、それを各省の施策によって支援する、こういう計画手法をとっているところが、広域市町村圏計画の場合計画手法の点で違う点が出てくると思いますが、考え方の基本はそういうことで同じでありまして、圏域整備、圏域行政というのは生活圏そのものが重層的なものでございますから、それぞれの行政の目的、機能に応じてオーバーラップして行われていってむしろ総合的な効果を発揮する、こういうふうに理解されるわけでありまして、この点地方自治体が、何分新しいシステムの最初の試みでございますので、最初であるというところに伴う試行錯誤の過程がある程度避けられない面があろうかと思います。そういう意味であるいは戸惑いの声もお聞きになることがあろうかと思いますけれども、今回のモデル定住圏計画策定過程でいろいろな話し合いが行われておりますので、その話し合いの過程で漸次その圏域行政の相互関係についての理解も浸透してきているのじゃないか、こういうふうに考えております。
 具体的におっしゃっていただきました神奈川県の問題でございますが、これまた県、市町村の選択の問題でございますので、国土庁のサイドからああせい、こうせいという立場にはないわけでございますけれども、モデル定住圏のモデルとしての意味は、そういう新しい圏域整備の手法としてできるだけ全国的な普遍性を持った地域について先導的な効果をねらって進めるものでございます。神奈川県は御承知のように大都市圏域に入っておりまして、そういう意味のモデルとしての意味をなす地域が県の方で判断をしてなかなか見つからない、こういう判断から当面モデル定住圏計画の策定を見合わせているというふうに承知しております。
#129
○斎藤(実)委員 モデル定住圏の指定の構想について私も理解はしないわけではないのですが、この構想は各省庁との連携なりあるいは調整ということで大変むずかしいのではないかというふうに私は思うのです。地方自治体が整備計画に合わせてつくるわけですね。地域の雇用情報だとかあるいは産業情報を管理する雇用労働センターの設置を計画に盛り込んだとしても、これは労働省は前例がない、補助金は無理というような話も聞いておるわけです。また国立大学の設置についても、モデル定住圏計画に入れてもこれが文部省の計画と合わない場合があるのではないか。その他にも研究所などを目玉としているところもあるようでございますが、こうした各省との調整はうまくいくんですか、この点について伺いたいと思います。
#130
○長沢説明員 モデル定住圏計画には特別事業という項目がございまして、それぞれの圏域でその圏域整備の重点課題にこたえるべく特別事業が行われます。その特別事業に対して関係省庁が積極的、優先的な配慮をするという形で支援体制を組んでいるのが現在のモデル定住圏計画でございます。
 その場合に、現行の行財政制度の中で支援体制が組めるものと組めないものがございますが、今回策定を見た計画の中では、各省が一応現行の行財政制度の枠内で支援できるものについてモデル定住圏計画の事業として推進する場合には優先的な配慮をする、こういう形で進めてまいっておりまして、単独事業で考える場合にはその枠が外れるわけですけれども、関係省庁が持っております補助金を当てにしてと言ったら語弊がございますが、それを当てにしてやろうとする限り現行の行財政制度の枠の中でという制約が今回の第一回の計画では加わってございます。
 もう少し長期的、根本的に考えますと、行財政制度の中で改善を図るべき問題点というのがおのずからその定住圏計画推進の過程で出てまいりまして、それを順次取り上げて解決を図っていくというのが私どものとっている基本的な姿勢でございます。
#131
○斎藤(実)委員 では、この問題はまた後で機会があれば突っ込んだ討議をしたいと思います。
 自治省にお尋ねをしますが、自治省は来年度から十カ年計画で全国の広域市町村圏で文化、保健、医療、スポーツ、レクリエーションなどの各種施設からなる大規模中核複合施設の整備に対する補助金制度の創設を予定しているようでございます。聞くところによると三十億円を要求しているようでございますが、この見通しについて伺いたいと思います。
#132
○砂子田政府委員 御案内のとおり八〇年代と申しますか文化の時代と申しますか、そういうことにふさわしい住民の高度なニーズに対応するということ、あるいは世代でありますとか性別でありますとか職業というものを超えた幅広い交流の場にしたいということで、いまお話しの大規模中核複合施設というものについて予算の要求を行っているわけであります。これは実は本年度、整備計画の策定費補助といたしまして十カ所ほど一億八千万の予算が計上されております。五十六年度はさらにこれを拡張したいとは思っておりますが、この計画策定費がつきました十カ所につきまして来年新しく建設費の補助を要求しているのが三十億円でございます。
 これにつきましては、こういう時期でもありますし、大変困難なことではあると思いますが、公共団体の方からも総合補助金としてのこういう建設費補助は大変魅力的でもありますし、あるいは先ほど申し上げましたこれからの時代に即応するととのためにも、こういう一つの総合補助金があることが住民のニーズにこたえることにもなり得るわけでありますので、私の方は現在大蔵省を初め関係方面に対して鋭意説明をいたしておりまして、理解を求めていこうと思っておる段階でございます。
#133
○斎藤(実)委員 この制度を創設しますと、現在各省にまたがっている各種施設整備に対する補助金が今回の新しい大規模複合施設の補助金制度に統合されてしまうのか、あるいは別建てになるのか、いかがでしょう。
#134
○砂子田政府委員 お話の大規模の中核複合施設というのをつくりますことは、先ほど申し上げましたように全国市長会でありますとかその他公共団体から大変要望がございまして、総合補助金ということでいま要求をいたしておるわけであります。もちろんこれは広域市町村圏単位の複合的な施設ということで建設をしようと考えておりますので、総合的な補助金ということが最も適当ではないかと考えておるわけであります。
 ただ、市町村以下のレベルのこういう施設につきまして、各省庁それぞれの個別補助金を持っておりまして、それぞれの行政目的に対応しながらその補助金の交付をいたしておるわけでもあります。そういう意味では、この個別補助金というものもそれなりに交付されることがあり得ることは当然考えられることでありますが、私たちの方といたしましては先ほど申し上げましたように、この総合補助金の理解を関係方面に深めながら、これが獲得できるように努力をしていきたいと考えているわけでもあります。
#135
○斎藤(実)委員 時間が余りありませんので、別の問題に入りたいと思います。
 生活保護の問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、一級、二級、三級とございますね。この級地の問題についてまずお尋ねしたいと思うのですが、生活保護の級地の格づけの基準は一体どうなっているのか、伺いたい。
#136
○加藤説明員 御説明申し上げます。
 生活保護の基準におきましては、いまお話のありましたように級地制度を設けておりますが、この級地は、その当該の地域におきます一般の方々の生活水準、生活実態というものを最低生活上に反映させるということを目的にして設けられておりまして、級地の指定区分はいまお話のありましたように一級から三級までございまして、市町村の行政区域ごとに設定することにしております。
 級地区分につきましては、従来から生活水準が最も高い東京都の区部、それから十大都市並びにそれと同様の生活水準にあります周辺の市、そういうものを一級地にしております。それから生活水準がそれに次ぐ県庁所在地等の市、そういう市を二級地ということにしております。さらにそれ以外の市町村、これは三級地ということになっております。
#137
○斎藤(実)委員 格づけの基準については理解をいたしましたが、算定方式に基づいて一級地と二級地の見直しは、最近ではいつごろ行われましたか。
#138
○加藤説明員 最近の見直しは――通常、見直しと申しますのは、各市町村の状況が変化すると住民の生活水準もそれに伴って変わりますので、常にそういう状況の把握を心がけておりまして、二年ないし三年置きに見直しを行っておりますが、直近の見直しは昭和五十二年十月に行っております。
#139
○斎藤(実)委員 五十二年十月からでございますから、もう三年経過しているわけですね。大分矛盾もあるようでございますので、住民の生活水準あるいは消費水準、物価水準等を当然考慮に入れて見直しをすべきではないかと思うのですね。
 たとえば一つの例を申し上げますと、北海道の中で札幌を中心とした地域なんですが、札幌市と隣の江別市が一級なのですね。ところが札幌の隣の小樽市、恵庭市、苫小牧、千歳、こういうところは二級になっているのです。だれが見てもこれは本当に札幌圏なのですね。生活水準もあるいは地域的に見ても当然一級地にすべきではないかというふうに思うわけでございます。これは三年たっているわけですから、矛盾といいますか不公平といいますか、こういうものを当然見直すべきではないか。いかがですか。
#140
○加藤説明員 お話ございましたように、ちょうど前回の見直しから三年を経過しておりますので、現在、全国全市町村の消費支出並びにそれらに関します資料を収集いたしまして見直しの作業中でございます。まだ完全には終了しておりませんが、その作業の完了を待ちまして、なるべく早い時期にしてまいることにいたしたいと考えておりますけれども、個々の市町村につきましては現在それぞれについて検討中でございます。可能な限り各市町村における消費水準等の生活実態について測定を行いまして、実態に即した見直しをいたしたいということで努力中でございます。
#141
○斎藤(実)委員 ぜひひとつ実態に即した見直しを早急にやられるよう要望を申し上げたいと思います。
 それから積雪寒冷地帯の除雪についてお尋ねをしたいのです。と申しますのは、北陸、東北、北海道を含めて、大量に雪が降りますと各市町村がブルドーザーで除雪をするわけです。ところが、最近はそれをトラックに乗せて排雪ですね、どこかへ持っていってくれという要望が強くて、各市町村は除雪の膨大な費用で悩んでいるわけですが、各市町村の基準財政需要額には実際に除雪にかかった費用の二分の一程度しか算入されていないわけですね。これは地方自治体にとっては非常に大きな負担だし、夜中にかけてやるわけですから費用も非常にかさむということで、地方財政を非常に圧迫しているわけです。特に札幌市の例をとりますと、昭和五十五年度では三十七億かかっているわけです。この基準財政需要額の実際にかかった支出の二分の一というのはちょっと厳しいのではないか、これはもう少し基準を上げるべきではないかと思うのですが、いかがですか。
#142
○土屋政府委員 積雪寒冷地帯におきましては、地域の特性からいろいろな増加財政需要があることは私どもも承知しておりますし、そういったことから増加財政需要額につきましては、従来からたとえば運搬排雪費等も基準財政需要額に算入しており、年々その充実を図ってきておるつもりでございます。たとえば五十五年度におきましても、除雪人夫賃の単価アップとかあるいは道路除雪機械の技術料、燃料費といったものの単価アップ等を含めまして、所要の改正を行って充実を図っておるところでございます。
 なお、いろいろな状況等を見て検討に値するものは将来とも検討する必要があると思っておりますが、ただ普通交付税の算定におきましては、通常時における道路除雪費等を想定して算定を行っておるわけでございますから、異常な豪雪の場合等になりますと、それのみでは対応し得ないという場合もございますので、そういった増高経費につきましては、豪雪の程度とかあるいは団体の財政の実態等を勘案いたしまして、現在でも特別交付税で措置をするといったようなことであわせて措置しておる次第でございます。
 なお私どもとしては、実態に即応してできるだけの配慮は今後ともいたしていきたいと思っております。
#143
○斎藤(実)委員 ぜひひとつ、積雪寒冷地帯の実情に即した処置をお願いしておきたいと思います。
 それから新産業都市の問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、中核都市では新産都市の指定を受けますと、道路、街路、公園、学校、下水、その他の建設についての補助金が国から出て、その補助金のまた上積みになるわけですね。したがって地方自治体は、この指定を受けたことによりまして相当計画を立てて事業を行っているわけです。この特別措置ができましたのは昭和四十年からでありまして、五十五年度、本年度までであります。新産都市に指定をされた中核都市はまだまだ事業の半ばだ。私は、これはもう少し延長してもらいたいという陳情を全国の各市町村から受けているわけでございます。
 例をとって申し上げますと、札幌市でも五十五年度は四十億を計上して事業をやっておるのが、財政上の問題等もございましてなかなか五十五年度だけでおさまらないわけです。これは札幌市だけじゃなくて、やはり全国の都市もそういう希望があるんではないか、したがってこの特別措置の延長について十分また考えるべきではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
#144
○土屋政府委員 新産業都市及び工業整備特別地域につきましては、いわゆる新産工特基本計画に基づきまして整備が進められてきておるわけでございますが、なおお示しのように目標を達成するに至っておりませんし、特に生活関連施設等の整備がおくれておるというふうにも聞いておるわけでございます。こういった地域は、三全総の定住構想を進める上でも重要な役割りを持っておると思っておりますが、国土庁におきましては、新たに六十年度を目標とする計画に改定するということにしておられると聞いております。そうなってまいりますと、今後の計画の実施に際しまして、関係地方公共団体の財政負担が多額に上るということになってまいることが予想されますので、新産工特地区の計画的な整備を円滑に進めるという意味から財政特別措置の継続が必要であるというふうに考えておりますので、自治省としては適用期限の延長を図ってまいりたいというふうに考えております。
#145
○斎藤(実)委員 ぜひひとつ延長をやっていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 それから大都市でございます指定都市、これの財政事情が非常に窮迫をしているということで、指定都市の抱えている問題というのはたくさんあるわけですね。
 それで大臣、指定都市特に大都市に対する財政的な援助といいますか、何らかの形の自主財源が確保できるような施策をとるべきではないかと私は思うのですね。もちろん、普通の市町村の財政事情というものも私はわかります。しかし大都市の財政事情というのはまた別なんです。そういうことで、大都市特に指定都市についての財政的な援助というものを何らかの形で考えなければならぬと思うのですが、大臣いかがですか。
#146
○石破国務大臣 いわゆる政令指定都市におきましては、他の市にないような行政需要があるはずでありまして、自治省におきましてもその辺の算定に間違いはなかったと思いますけれども、念のため、その辺の細部の点につきまして正確に担当の局長から御答弁申し上げます。
#147
○土屋政府委員 お示しのように、指定都市なり大都市の財政需要というのは、その地域の特性に応じたそれなりのものがいろいろあると思っております。そういった意味から、従来からも私どもは都市計画税の税率アップとかあるいは法人税割の税率アップとか事業所税を新たに設けるとか、いろいろな措置をとって自主財源の増強を図ってきたところでございます。現在でもいろいろと大都市地域の方からは、そういった地域の実態に応じた税財源の増強を図ってもらいたいという要望がございます。私どもとしてもできるだけ、具体的には交付税算定なりあるいは特別交付税なりでいろいろな実態に応じた措置はしておりますけれども、基本的にそういった自主財源の増強ということになりますと、これは府県へ市町村通じてのいろいろな大きな問題もございますので、なお今後検討すべき事柄だと思っております。おっしゃいました意味については、十分心得て作業を進めたいと思っております。
#148
○斎藤(実)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。
#149
○左藤委員長 次回は、明七日午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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