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1980/11/04 第93回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第093回国会 本会議 第11号
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1980/11/04 第93回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第093回国会 本会議 第11号

#1
第093回国会 本会議 第11号
昭和五十五年十一月四日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第九号
  昭和五十五年十一月四日
    午後一時開議
 第一 日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案
    (第九十二回国会、内閣提出)
 第二 千九百八十年の食糧援助規約の締結につ
    いて承認を求めるの件
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 日程第一 日本国有鉄道経営再建促進特別措置
  法案(第九十二回国会、内閣提出)
 日程第二 千九百八十年の食糧援助規約の締結
  について承認を求めるの件
 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 公共企業体職員等共済組合法及び昭和四十二年
  度以後における公共企業体職員等共済組合法
  に規定する共済組合が支給する年金の額の改
  定に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
    午後一時五分開議
#2
○議長(福田一君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(福田一君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 金子みつ君から、十一月七日より十七日まで十一日間、飛鳥田一雄君から、十一月八日より十七日まで十日間、河上民雄君から、十一月十日より十七日まで八日間、右いずれも海外旅行のため、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第一 日本国有鉄道経営再建促進特別措
  置法案(第九十二回国会、内閣提出)
#5
○議長(福田一君) 日程第一、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。運輸委員長小此木彦三郎君。
    ―――――――――――――
 日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔小此木彦三郎君登壇〕
#6
○小此木彦三郎君 ただいま議題となりました日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 国鉄はこれまでわが国の基幹的交通機関としてその機能を果たしてまいりましたが、その累積赤字は昭和五十四年度末におきまして六兆円を超え、このまま推移すれば将来国民に巨額な負担を課することとなることは明らかであります。
 このため、本案は、昭和五十四年十二月二十九日の「日本国有鉄道の再建について」の閣議了解に基づき、職員三十五万人体制の実現など経営改善計画の適切な実施、バス転換を含む地方交通線対策の推進及び債務のたな上げ等の国の援助措置の強化等、国鉄の経営の再建を促進するためとるべき特別措置について定めようとするものであります。
 まず、本案の主な内容について申し上げますと、
 第一に、国鉄経営の再建目標を、昭和六十年度までにその経営の健全性を確保するための基盤を確立することとし、引き続き、速やかにその事業の収支の均衡の回復を図ることとしております。
 第二に、国鉄の経営の再建のための措置の確実な実施を期するため、国鉄に経営改善計画を作成させ、毎事業年度その実施状況を検討させることとするとともに、その経営の再建の促進に関する監査を充実するため、国鉄の監査委員会の委員を一人増員することとしております。
 第三に、国鉄は、幹線鉄道網を形成する営業線以外の営業線で、その運営の改善のために適切な措置を講じたとしても、なお収支の均衡を確保することが困難である地方交通線、及び地方交通線のうち鉄道による輸送にかえて一般バス運送事業による輸送を行うことが適当である特定地方交通線を、政令で定める基準によって選定し、運輸大臣の承認を受けるとともに都道府県知事に通知をすることとし、都道府県知事は、その意見を運輸大臣に申し出ることができることとしております。
 また、特定地方交通線については、その転換について必要となる輸送の確保について、特定地方交通線対策協議会を設け、協議させることとするとともに、協議開始後二年を経過し、協議が調わないことが明らかであると認められる場合には、国鉄は、当該特定地方交通線の廃止の許可を申請するものといたしております。
 第四に、地方交通線の貸し付け及び譲渡の道を開くこと等、地域における輸送の確保に配慮しつつ、バスまたは地方鉄道等への転換するための措置を講ずることとするとともに、地方鉄道業者の申し出による国鉄新線の建設を行うことができる道を開く等の措置を定め、なお、地方交通線についての特別運賃の導入を規定しております。
 第五に、国鉄に対する援助措置の強化を図るため、昭和五十四年度末の債務のうち五兆五百九十九億円の債務についてたな上げを行うとともに、たな上げされた債務に係る償還資金の無利子貸し付け及び利子補給を行うことができることとするほか、地方交通線対策として、特定地方交通線の転換の円滑な実施を図るための措置に要する費用、及び特定地方交通線の転換後の一般バス運送事業または地方鉄道事業の運営費用、並びに地方交通線の運営費用の補助を行うことができることといたしております。
 本案と同趣旨の法律案が第九十一回国会に提出され、質疑を行ったのでありますが、解散のため審査未了となったので、本案が前特別国会の七月十七日に再び提出され、今国会に継続審査となったのであります。
 本案につきましては、去る十月十四日塩川運輸大臣から提案理由の説明を聴取した後、審査に入り、長時間にわたり熱心、活発なる質疑が行われたほか、公聴会、現地調査、地方公聴会、参考人よりの意見聴取、内閣総理大臣に対する質疑等きわめて慎重な審査を行ったのであります。
 かくて、去る十月二十四日、日本社会党久保三郎君から、バス輸送等への転換処置は、特定地方交通線対策協議会において結論を得てから行うこととするとともに、新線建設、特別運賃の導入は取りやめる等を内容とする修正案が提出され、三十一日、同修正案及び自由民主党加藤六月君外三名から提出された法案成立のおくれに伴う所要措置を内容とする修正案並びに原案を一括して討論に付しましたところ、自由民主党及び新自由クラブは、自由民主党の修正案及び修正部分を除く原案に賛成、日本社会党の修正案に反対、日本社会党及び公明党・国民会議は、日本社会党の修正案に賛成、自由民主党の修正案及び原案に反対、民社党・国民連合及び日本共産党は、自由民主党及び日本社会党の修正案並びに原案に反対の意見が述べられました。
 引き続き採決を行いましたところ、日本社会党提出の修正案は賛成少数をもって否決され、自由民主党提出の修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(福田一君) 討論の通告があります。順次これを許します。吉原米治君。
    〔吉原米治君登壇〕
#8
○吉原米治君 今日まで審議を進めてまいりました日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案に対して、私は、日本社会党を代表し、そして、いま、全国で廃止が予定されている特定地方交通線を抱え、悩み、そして不安にさらされている多くの沿線利用者の立場から、強く政府原案に反対の意見を表明するものであります。(拍手)
 反対理由の第一は、本法案は「公共の福祉を増進する」という日本国有鉄道法の目的に反し、公共性を無視し、もっぱら経済的効率のみを追求し、そうでなくとも過疎に悩む地域住民の願いに耳を傾けようとせず、一方的に特定地方交通線の切り捨てによって、政府、国鉄の今日までの経営に対する無策、無責任ぶりを隠蔽しようとしているものであって、断じて容認できないものでございます。(拍手)
 反対理由の第二は、国鉄経営のあり方に根本的なメスを加えようとする姿勢がうかがえないことであります。
 すなわち、国鉄労使の努力ではいかんともしがたい構造的欠損に対する補てん策や、また、政府と国鉄の持つべき負担区分を依然として明確にしようとする考えがないことであります。たとえば、いま国鉄は十兆円を超える長期借入金を抱えておりますが、この中身はそのほとんどが新幹線建設などを含む先行投資に使われているものでありますから、政府がこれを肩がわりすれば、たちどころにその金利相当額約八千億の赤字は解消できるのであります。
 第三は、本法案中、最も非民主的であると指摘せざるを得ないいわゆる見切り発車条項であります。
 地域交通の維持整備については、現下の急務であり、政府も、去る十月三日、省令を発し、地域における国鉄を含め総合交通体系はいかにあるべきかを検討し始めたばかりであります。その矢先に、一方的に、地域の動脈とも言える特定地方交通線を廃止して、その後始末を相談しようとするような対策協議会の持ち方は、まさに問答無用、超権力的な発想と言わざるを得ないのであります。(拍手)より広範囲な関係者の意見を聞き、その理解と納得の上でのやり方でない限り、対策協議会の運営すら円滑にいかないことは明らかであります。
 反対理由の第四は、特別運賃制の導入であります。
 すでに明らかになっておりますように、都市部と地方とでは、民営交通との間に運賃格差が大きくなっていることは言うまでもありませんが、かと言って、地方交通線の運賃を引き上げれば、民営と比較して安い運賃が魅力の一つになって利用している老人、婦人、身障者、通学生など、俗に交通弱者と言われている利用客を逆に国鉄利用から追い出す結果となり、値上げどおりの増収は期待できず、賢明な再建策とは言えないのであります。むしろ都市部の国鉄の運賃を引き下げ調整することによって、乗客を国鉄側に誘導すべきが真の再建策であると判断するものであります。
 第五は、政令基準が不明確であることであります。
 審議の過程でしばしば指摘してきたところでありますが、いまだに運輸省だけの案が提示されているにすぎませんし、またその運用も不明瞭であります。このままでは政府、国鉄当局に全く白紙委任せよと言われていると同じでありまして、とうてい容認できるものではありません。(拍手)
 第六は、新線建設についてであります。
 わが党は、国鉄の経営上あるいは地域交通体系整備のために必要な新線建設は当然国鉄の責任で建設すべきものだと考えておりますが、政府原案では、廃止しようとしている特定地方交通線以下の乗車密度しか見込まれない線区であっても、第三セクターなどで経営を引き受ける者があればこの建設工事を継続するといたしております。これは結果的にむだな投資となる可能性が強いばかりでなく、新たに政治路線の道を開くものであって、とうてい賛成することができないものであります。
 以上が反対理由の主たる問題点でありますが、今日までローカル線の現地調査に各地に出かけてみましても、いま切り捨てが想定される特定地方交通線を抱えている沿線市町村では、せっかく計画をした定住圏構想やあるいは過疎対策などをどうするのか、また、通学生などを初めとする交通弱者の足をどう守っていくのか、真剣に悩んでいる現状であります。
 したがいまして、政府原案が成立することによって与える影響は甚大であると同時に、事態の深刻さを憂慮いたしまして、わが党は、過日、修正案を提出したところであります。この修正案こそ、現実にマッチした、真に国鉄再建に役立つ建設的な修正案であると確信いたしているものであります。(拍手)
 原案にこだわらず素直に見直し、もって基幹的公共交通としての国鉄の使命を全うされるよう強く要請するものであります。
 政府、国鉄当局の猛省を促し、反対討論を終わります。(拍手)
#9
○議長(福田一君) 関谷勝嗣君。
    〔関谷勝嗣君登壇〕
#10
○関谷勝嗣君 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となりました日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案につき、委員会の修正及び修正部分を除く原案に賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 国鉄は、過去において国内輸送の大動脈として、国民生活の向上及び経済の発展に寄与してまいったのでありますが、経済の高度成長期を迎えた昭和三十年代から、自動車等の他の交通機関の発達によりその独占的地位は徐々に低下し、そのシェアは国鉄発足当時に比べ、旅客六〇%が二五%に、貨物五二%が一〇%と激減し、その独占的地位を喪失したのであります。
 また、国鉄の経営は、昭和三十九年度に赤字に転落して以来、たびたび再建計画を立てたにもかかわらず年々悪化の度合いを強め、特に最近数年間は八千億円ないし九千億円もの赤字を計上し、本年度は一兆円以上の赤字が予測され、さらに六十年度においては、退職金、年金の異常分と東北、上越新幹線の開業後の赤字だけでも一兆円を超えることが予想されるのであります。まさに国鉄の経営は破産状態であり、民間企業で言えば、会社更生法適用の状態と言っても過言ではないと存じます。
 私は、かかる状態に立ち至ったことは、国鉄に内在する種々の構造的問題と、それに対する十分なる認識及び対策が行われなかったところに大きな原因が存すると思うのでありますが、今回の再建対策に基づく本案については、かかる構造的問題に対する具体的対策が樹立されており、高く評価をいたすものであります。
 まず、構造的問題の第一として、産業構造の変化と相まって自動車の普及及び航空機の発達等、輸送構造の変革の問題があります。
 ヨーロッパの鉄道におきましては、この問題に対処するため、バス転換を含むローカル線の廃止、人員の削減等、減量政策を早くから進めているのであります。その結果、イギリスの国鉄は、一九五五年すなわち昭和三十年に、営業キロ三万キロ、職員数五十六万三千人であったのが、一九七八年すなわち昭和五十三年には、営業キロにおいて一万七千キロ、職員数において二十四万人と、それぞれ約半分に減少したのであります。これに対し、わが国鉄は、営業キロにおいて逆に新線建設により千キロ増加し、職員数はわずか二万人しか減少しておらないのであります。その対策の遅延を示すものであります。
 わが国におけるローカル線問題は、昭和四十三年の国鉄諮問委員会の意見書「ローカル線の輸送をいかにするか」においては、八十三線区二千六百キロは速やかに自動車輸送にゆだねるべき旨の勧告が行われ、次いで四十四年九月の閣議決定において地方閑散線の転換の促進の決定があり、さらに四十七年の「国鉄財政新再建対策要綱」においては、「地方閑散線は、五年以内に撤去する。ただし、地元が存続を希望する路線については、地方公共団体がその赤字額の三分の一を補助するものとし、国は地方公共団体の支出に応じ、その金額の一・五倍を支出する。」こととし、百二十五億円が予算化されたのでありますが、関係地方公共団体の同意が必要であるということになったため、この計画は進展せず今日に至っておるのであります。
 昭和五十二年十月、衆議院運輸委員会は「国鉄再建の基本方向」を提言し、国鉄のあり方として、「都市間旅客輸送、大都市圏旅客輸送及び大量定型貨物輸送の分野を中心に企業的経営を行うとともに、その他の効率性の低い分野は他の輸送機関との関連において効率的な輸送体系を形成するための施策を講ずべきこと」を指摘し、これが同年十二月の閣議了解となり、さらに五十四年十二月の閣議了解においては、「輸送需要が少なく、鉄道特性が発揮し難い分野については、輸送力、営業範囲の縮小等の減量化施策を講ずる。」ことが打ち出され、地方交通線の転換措置の具体的内容が明記され、今回初めて法律案として本案が提案されたのであります。
 今回の法律案は、五十四年一月の「国鉄ローカル線問題について」の運輸政策審議会の答申の内容に沿ったものでありますが、国民経済的観点に立って地域における効率的公共輸送サービスを確保しようとするもので、きわめて適切な措置であると賛意を表するものであります。
 次に、減量政策としての要員削減の問題について申し上げます。
 いままでの国鉄再建計画におきましては、昭和四十四年の第一次計画において六万人の縮減、第二次の四十七年、四十八年における計画において十一万人の縮減計画を立てたのでありますが、いずれも十分実効を上げ得ず、四万人の縮減にとどまっております。
 今回の再建対策は、昭和六十年度までに七万四千人を縮減し、三十五万人体制を実現しようというもので、この計画は、国鉄みずからが作成した「国鉄再建の基本構想案」に基づいたものであり、これにより営業収入に対する一般人件費の比率でおおむね五〇%としようとしていることは、国鉄経営の改善に大いに資するものがあると賛意を表するものであります。国鉄再建は、まず国鉄みずからの努力によって行うべきことは言うまでもないところでありまして、労使一丸となってこの三十五万人体制を実現することが、国鉄再建の第一歩であると存じます。
 国鉄の構造的問題の第二は、国鉄の限界を超えた負担の問題であります。
 国鉄は、言うまでもなく公共企業体であります。それは、公共性を持つとともに企業性を持つものであります。この公共性と企業性の問題が明確でないままに、国鉄が公共企業体として発足以来今日まで来ているところに構造的欠損問題が存すると思います。
 国鉄が赤字に転落する前年である昭和三十八年に、国鉄諮問委員会は、その答申において、「国鉄は「企業性」を阻まれて来たが故に、その得べかりし「収益力」を発揮しないで来た。また同時に、「公共性」の名によって過大なる公共負担を負わされて来たが、それが今日の国鉄のある所以である。」と述べているのであります。
 現在、この問題は、国鉄の負担の限界を超える構造的欠損の問題と指摘され、さきに述べた運輸委員会の「国鉄再建の基本方向」の提言においても、「公的助成を含む所要の対策を講ずべきこと」が提唱され、五十二年の閣議了解はこれをそのまま継承し、さらに五十四年の閣議了解においては、「国鉄のいわゆる構造的問題等に対し、行財政上の措置を講ずる」旨の決定が行われたのであります。
 本案は、これに基づき過去債務のたな上げを行うとともに、地方交通線の転換対策のための助成等を規定しているので、まことに時宜を得た適切なものと賛意を表するものであります。
 しかしながら、国鉄経営の改善のためには、運賃上の公共割引、退職金、年金問題の抜本的対策等、国鉄のみではいかんともしがたい問題が残存いたしておりますので、政府においては、可及的速やかにその具体的施策を講ずることを強く要望するものであります。
 最後に、昭和六十年度において国鉄の経営の健全性を確保するための基盤を確立し、引き続いて事業の収支の回復を図ろうとする国鉄経営の再建の目標は、国鉄経営の現状に沿った適切妥当なものと存じますが、この目標達成のためには、ドルショック、石油ショック等幾多の難局を乗り越えた民間企業、たとえば大幅な施設及び人員の削減によって不況の脱出を図った造船企業等のような企業努力を、国鉄労使は一体となって行わなければなりません。その上に立って、国鉄の限界を超えるものについては、国の助成及び地方公共団体の支援、さらには国民の国鉄の現状に対する深い理解と協力によって、国鉄の経営再建が達せられんことを心から切望いたし、私の賛成討論を終わるものであります。(拍手)
#11
○議長(福田一君) 三浦久君。
    〔三浦久君登壇〕
#12
○三浦久君 私は、日本共産党を代表して、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 まず最初に、私は、今日の重大な国鉄危機を招いた政府・自民党の責任を厳しく糾弾するものであります。(拍手)
 国鉄の経営危機が叫ばれているさなかに、政府は、大企業のための景気対策のために、国鉄の財政の実態を無視して次から次へと過大な設備投資を押しつけてまいりました。そうして、これらの設備投資をすべて国鉄の借金でやらせ、国の出資を怠ってきたのであります。要するに、政府が国鉄を大企業、大銀行の利権あさりの対象として利用させてきたととろに今日の国鉄の財政危機の真の原因があるのであり、政府の責任はまことに重大であると言わなければなりません。(拍手)
 次に、本法案に対し反対の理由を述べます。
 反対の第一の理由は、本法案の国鉄再建対策はきわめて反国民的、反労働者的、しかも大企業本位のものであり、国鉄赤字の真の原因にメスを入れるものにはなっておらず、これではとうてい国鉄の再建は不可能だからであります。
 そもそも、国鉄赤字の真の原因は、第一に、さきに述べましたように、政府がこれまで一貫して国鉄に対し、公共交通機関にふさわしい国の財政措置を講じてこなかったことなのであります。
 国鉄の膨大な設備投資を借金に次ぐ借金で賄ってきたため、大企業、大銀行が保有している鉄道債券を初めとする国鉄の長期負債は十兆円以上に上り、その利払いだけで年間約八千三百億円という巨額なものになっているのであります。これは一日当たり二十三億円、毎秒毎秒二万六千円の利息を払っているという驚くべき状況なのであります。
 大企業、大銀行が鉄道債券として所有している債権だけでも現在五兆三千億円に及び、その元利償還だけでも毎年六千億円にも上っています。国民や労働者に犠牲を強要しながら大企業、大銀行には指一本触れず、確実に元利を支払い続けていくのです。それだけではなく、今後も引き続き借金依存の設備投資を続けようとしております。これではますます利子負担がふくれ上がり、国鉄の財政危機を一層破局に導くことは明々白々であります。(拍手)
 次は、貨物の赤字であります。
 五十三年度の国鉄赤字の約七割は貨物の赤字であります。国鉄が赤字に転落をいたしました一九六四年以降のこの十五年間に、貨物輸送による赤字は実に四兆円以上に上っております。一方、旅客は七千億円弱で、貨物の累積赤字は旅客の累積赤字の五・六倍にも及んでいます。
 しかし、政府の貨物対策は、要員削減などの対策で一時逃れにとりつくろおうとしているだけであり、貨物輸送量をふやそうともしていないのであります。その上、旅客には高く大企業貨物には安い国鉄の運賃体系には全く手を触れようとせず、貨物赤字はたれ流しというありさまなのであります。
 また、大企業の営業方針に振り回された結果、国鉄の貨物投資で莫大なむだ遣いが発生していることも、わが党の追及で明らかになっております。たとえば自動車運送用の専用貨車四百九十二両がさびついたまま放置をされているとか、また、トヨタ自動車のために建設をされた岡多線が、トヨタの都合による輸送量の激減で、開業後わずか十年で廃止対象路線となっているのはその典型的なものであります。しかも、国鉄は、この岡多線が廃止された後も借料を今後二十年間にわたって毎年毎年十六億円も支払い続けなければならないのであります。
 大企業の言いなりの貨物輸送を根本的に改めることこそがいまこそ求められているのでありますが、このように国鉄赤字の真の原因に何らメスを入れようとしない政府・自民党の国鉄再建対策では、再建などとうてい不可能だと言わなければならないのであります。(拍手)
 反対理由の第二は、本法案で義務づけている国鉄の経営改善計画が、もうけ本位の国鉄、大企業奉仕の国鉄づくりを強力に推し進め、国鉄の公共性を放棄しようとするものにほかならないからであります。
 政府は、国鉄の役割りを三つの分野、すなわち都市間旅客輸送、大都市圏旅客輸送、大量定型貨物輸送に限定しようとしているのであります。要するに、旅客輸送はもうかる路線だけ営業をいたします、一方、貨物は幾ら赤字になっても大企業のために専念いたしますと、こういうのであります。これは、いま国民が求めている真の国鉄の再建とは全く逆行するものだと言わなければならないのであります。(拍手)
 政府の国鉄再建対策は、まず第一に、来年度の一〇%値上げを初めとする毎年連続の運賃の値上げ、そうしてその上、国鉄営業線の約半分を占めるローカル線への五〇%にも及ぶ特別割り増し運賃制の導入、通学定期の際限のない値上げなど、利用者にたえがたい負担を求めようとしているのであります。
 この運賃の値上げは、乗客の国鉄離れを一層促進し、ますます国民を国鉄から遠ざけるものとなっていくことは、この五年間で乗客が二三%も減少をしている事実によっても明瞭であります。
 また、三十五万人体制は、労働者に労働強化を強制するだけではなく、窓口業務の委託等に見られるようなサービスの低下、さらに車両などの検査、修繕という中心的なものまでも下請化をし、安全輸送を著しく脅かすものになっているのであります。
 国鉄の公共的使命の切り捨ての中でも、地方ローカル線の一方的な廃止は、とりわけきわめて重大であると言わなければなりません。政府のローカル線対策は、国鉄路線が住民生活と地域経済に果たしている役割りを正しく見ようとせず、ただ利用人員の大小のみでその扱いを決定しようとしていることであります。
 六十年度までに切り捨てられようとしているローカル線の赤字は九百九十五億円であり、全体の赤字八千三百億円の約一二%にしかすぎないのであります。東海道本線の一年間の赤字だけでも千三百六十億円になっているわけでありますから、ローカル線の赤字よりもはるかに大きいのであります。
 ところが、政府は、地域の発展に欠くことのできないローカル線を二年間の協議で一方的に廃止できるといういわゆる見切り発車条項まで規定して、路線の切り捨てを強行しようとしているのであります。
 このような国鉄再建に名をかりたファッショ的なやり方に対して、全国津々浦々から反対の声が巻き起こっているのは、きわめて当然なことであると言わなければなりません。(拍手)
 最後に、私は、本法案が法的に致命的な欠陥を持つものであり、本来政府において速やかに撤回されるべきものであることを強く指摘をしたいと思うのであります。
 廃止対象路線を選定する際に不可欠な一つ一つの営業線の名称、起点、終点は、本来、法律で定めなければならないものであります。にもかかわらず、本法案にはその定めがなく、また、道路法第五条のごとき法律による政令委任もありません。したがって、政府は、本来法律事項である営業線の名称、起点、終点を政令で定めることはできないわけであります。その結果、政府は、このままでは廃止対象路線の選定もできないことになり、まさに本法案は致命的欠陥法案であると言わなければなりません。
 しかるに、政府は、わが党の指摘に対し、何ら明確な法的根拠を示すこともなく、廃止対象路線の選定を政令で定めると強弁をいたしておるのであります。これでは、住民にとって廃止か存続かという重大な路線選定を政府が自由に行うことができることになり、まさに白紙委任にほかなりません。
 このような白紙委任は、国会中心主義をとる憲法に明白に違反しており、本法案の欠陥性を遺憾なく浮き立たせるものになっていると言わなければならないのであります。
 国鉄を真に国民本位に再建する方向は、わが党が繰り返し提言してきたように、国の財政責任を明確にするとともに、大企業本位の運賃体系の是正、浪費の根絶など、国鉄の財政制度を根本的に民主化することであります。あわせて、陸上貨物輸送での国鉄の役割りを高めるなど、国民本位の輸送力増強政策への転換を図ることなのであります。
 運輸委員会で発言をされた提言なるものは、基本的には、国鉄財政を破綻に追い込んだ自民党政府の責任を免罪し、反国民的国鉄再建対策をより一層推進させようとするものにほかなりません。
 わが党は、今後とも国鉄の民主的再建のため全力を挙げて闘うことを表明し、反対討論を終わります。(拍手)
#13
○議長(福田一君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#14
○議長(福田一君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#15
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日程第二 千九百八十年の食糧援助規約の締
  結について承認を求めるの件
#16
○議長(福田一君) 日程第二、千九百八十年の食糧援助規約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長奥田敬和君。
    〔奥田敬和君登壇〕
#17
○奥田敬和君 ただいま議題となりました千九百八十年の食糧援助規約の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本規約は、本年三月六日、ロンドンで開催された関係国政府間会議において採択されたものでありまして、千九百七十一年の国際小麦協定を構成する食糧援助規約にかわるものであります。
 その内容は、開発途上国に対し、毎年一千万トン以上の食糧を援助するという世界食糧会議の定めた目標を達成するため、加盟国が年間最小拠出量として、合計七百五十九万二千トンの穀物またはこれにかわる現金を開発途上国に援助すること等について規定しております。
 本件は、十月九日外務委員会に付託され、十月二十二日伊東外務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行いましたが、その詳細は会議録により御承知を願います。
 かくて、去る十月三十一日質疑を終了し、採決を行いました結果、多数をもって承認すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○議長(福田一君) 採決いたします。
 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#19
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。
     ――――◇―――――
#20
○鹿野道彦君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、公共企業体職員等共済組合法及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#21
○議長(福田一君) 鹿野道彦君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 公共企業体職員等共済組合法及び昭和四十二
  年度以後における公共企業体職員等共済組
  合法に規定する共済組合が支給する年金の
  額の改定に関する法律の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
#23
○議長(福田一君) 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案、公共企業体職員等共済組合法及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長綿貫民輔君。
    〔綿貫民輔君登壇〕
#24
○綿貫民輔君 ただいま議題となりました国家公務員及び公共企業体職員の共済年金関係の二法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 両法律案は、別途今国会に提出され、すでに成立いたしました厚生年金保険法等の一部を改正する法律による年金の額の引き上げに伴いまして、国家公務員共済組合法等の規定及び公共企業体職員等共済組合法等の規定により支給されている年金につきまして、年金額の算定の基礎となる定額部分の額及び最低保障額を引き上げようとするもので、その主な内容を申し上げますと、
 第一に、退職年金等の額のうち通算退職年金の額の算定方式に準じて算定する場合の定額部分の額及び通算退職年金の定額部分の額を、本年六月分から引き上げることといたしております。
 第二に、退職年金等の最低保障額を、本年六月分から引き上げることといたしております。
 以上が両法律案の概要であります。
 両法律案につきましては、本日渡辺大蔵大臣及び塩川運輸大臣からそれぞれ提案理由の説明を聴取した後、質疑を省略して直ちに採決に入りました結果、両案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#25
○議長(福田一君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
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#27
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十分散会
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 出席国務大臣
        外 務 大 臣 伊東 正義君
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        運 輸 大 臣 塩川正十郎君
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ソース: 国立国会図書館
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