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#1
第093回国会 本会議 第16号
昭和五十五年十一月十七日(月曜日)
 議事日程 第十四号
  昭和五十五年十一月十七日
    午前十時開議
 第一 こどもの国協会の解散及び事業の承継に
    関する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 会期延長の件
    午後七時二十四分開議
#2
○議長(福田一君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 会期延長の件
#3
○議長(福田一君) 会期延長の件につきお諮りいたします。
 本国会の会期を十一月二十九日まで十二日間延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。
 本件につき討論の通告があります。順次これを許します。川本敏美君。
    〔川本敏美君登壇〕
#4
○川本敏美君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました第九十三回臨時国会の会期を十二日間延長しようとする提案に、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 いまさら申し上げるまでもなく、わが国会は、一定の限られた期間だけ開会されるいわゆる会期制を採用しています。このことは、各会期ごとに一定の意思と性格とを持った国会が独立しており、前国会の意思をもって次の国会を拘束することをなくするため、会期独立、会期不継続の基本原則に基づいて、もしその会期中に成立を見ない案件はこれを廃案にするとともに、国民にとって重要な案件は特別な議決をもって継続案件とすることができるという、先輩諸賢の国会運営についての政治的配慮を加えた深い英知の上に成り立っている制度でありまして、今日、わが国会においては、この会期制度が、憲法の精神に基づく議会制民主主義を守る根幹となっているのであります。(拍手)
 しかるに、政府・自民党は、多数をかさに、会期制の本旨を踏みにじり、その場逃れの御都合主義で会期延長問題を安易に考え、最近は各国会ごとに大幅な会期延長を強行しており、このたび重なる暴挙は、議会制度を守る上からも断じて許すことはできないのであります。(拍手)
 わが国会の会期制度は厳しく遵守すべきものでありまして、国会運営の原点とも言うべき基本的ルールであります。相撲で言えば土俵に相当するものであります。この土俵を、政府と自民党の無定見な便宜主義で勝手に大きくすることは、民主主義の名において許すことはできません。(拍手)
 この国会の冒頭において議決されました五十日間という会期は、政府・自民党の提案に基づくものであります。この会期を守り抜くことが議会制度を守る基本的ルールであり、いかなる理屈をつけても、これを勝手に延長しようとする態度は断じて許すことはできません。(拍手)
 これが私の第一の反対理由であります。
 そもそも、この第九十三臨時国会は、さきの特別国会で発足した鈴木新内閣の施政の方針とその政治姿勢を、国会の論議を通じて国民の前に明らかにするとともに、当面する外交方針や資源・エネルギー対策を初め、不況や冷害、物価の高騰で不安におののく国民生活を守るため、必要かつ緊急の課題を処理するための国会であったはずであります。国民もまた、この臨時国会にそのような期待をしてまいったところであります。
 しかるに、政府・自民党は、一連の航空機汚職を初めとする政治腐敗の絶滅、政治倫理の確立という、国民が一番期待していた課題には背を向け、社会党を初め野党の強い主張を退け、衆議院の航空機輸入調査特別委員会を廃止し、一切の政治腐敗を国民の前から覆い隠すため狂奔したことを初めとして、さらに、奥野法務大臣の誤った記憶に基づく押しつけ憲法論に依拠した憲法改正発言や、防衛予算の別枠増額のための論議などに血道を上げ、いたずらに時間を空費し、そのあげくの果てに、会期十二日間の延長を企図するがごときは、まことに無責任きわまると言わなければなりません。(拍手)
 まして、今臨時国会の特徴は、あめとむちというマスコミの表現にもあるごとく、法案抱き合わせや法案の提出を故意におくらせるなどの戦術により、立法府である国会の意思を拘束しようとする政府・与党の悪らつな国会運営の方針であります。
 それは、年金法案と健保改悪案の抱き合わせを初めとして、憲法で保障された労働者の基本的権利であるスト権を公務員や公共企業体労働者から奪った、その権利の保障として制度化された公労委の仲裁裁定の実施を、慣行を無視して二十六年ぶりの議決案件としたり、あるいは人事院勧告に基づく公務員の給与改定案件を、その退職手当改正案や定年制法案とワンセットにして切り離さないなどという、憲法無視の方針を政府・与党の問に繰り返し確認しつつ、党利党略に基づく国会運営に終始し、その結果として、五十日間を費やしてきょうまでに成立した法律案は、政府提出の三十一件のうちわずかに八件、条約案一件となったのであります。これが国民を代表する国会の意思であることを冷静に受けとめ、尊重することが民主政治であり、その責任は挙げて政府・与党にあると断じてはばからないところであります。(拍手)
 これが私の反対理由の第二であります。
 和の政治をスローガンに掲げ、たなぼた式にすい星のごとく登場した鈴木内閣も、四カ月を経た今日、そのベールもはげ落ちて、いまやその支持率は急速にダウンをしています。この国会を通じて明らかになった鈴木内閣の言う和の政治とは、多数の国民の合意と納得の政治を目指すものではなく、大きい圧力に迎合する以外の何物でもない、いわゆる事なかれ主義の政治であります。和があってもばらばらで、ぶよぶよでやわらかく、その上、ずうたいは大きいけれど目方は軽い、死の星と言われる土星のような内閣だと言われるのも当然であります。(拍手)
 倫理綱領の決定、公選法や政治資金規正法の改正については、議院証言法の改正が先決だとするがごとき態度はその最たるものであり、灰色高官の復権やその叙勲に至っては、直角内閣の正体を暴露したものであって、国民感情を逆なでするその無軌道ぶりは目を覆うものがあります。(拍手)鈴木総理を評して、代表世話人とか閣僚会議議長というニックネームさえつけられているのであります。
 いまこそ政府は、その誤りを率直に認め、平和外交を基軸とし、資源・エネルギー対策を初め、冷害に苦しむ農民の期待にこたえるための農政の転換、不況のもとで戦後最高の倒産記録を更新しつつある中小企業の救済、急速なテンポで進む高齢化社会への対応など、国民の求める緊急課題の解決を目指すべきであります。
 すなわち、国鉄再建に名をかりた四千キロ八十八路線に及ぶ地方ローカル線の廃止のごときは、過疎地や内陸地方都市を切り捨てんとする政策であり、また、物価値上げの引き金ともなり、国民生活を大きく圧迫するおそれのある郵便料金の大幅値上げ法案、さらには、労使間の協定により当事者間で協定するはずの公務員の退職手当、定年制法案や、憲法を空洞化し、死の商人と呼ばれる防衛産業に奉仕するための防衛三法、健康保険の国庫負担金の凍結などは、切り離し、すべて廃案とし、公正な第三者である人事院の勧告に基づく公務員の給与関係法案を本日中に可決、成立させるとともに、政治腐敗を根こそぎ絶滅し、政界の浄化を図ることにより、国民の政治に対する信頼を回復するため、潔く出直す決意を持って、この臨時国会は本日をもって閉会することを提案するものであります。
 以上、私の会期十二日間延長に対する反対理由を申し上げ、討論を終わります。(拍手)
#5
○議長(福田一君) 小沢一郎君。
    〔小沢一郎君登壇〕
#6
○小沢一郎君 私は、ただいま議長から発議されました、この国会の会期を十一月十八日から十一月二十九日まで十二日間延長する件につき、自由民主党を代表して、賛成の討論をいたすものであります。(拍手)
 第九十三回臨時国会は、本日十七日をもって会期が終了することになっていますが、この臨時国会は、さきの衆参同時選挙において国民より安定多数の議席を与えられた、わが自由民主党の鈴木内閣が成立して初めて迎えた重要な国会であります。
 その主な任務は、亡くなられた大平総理の施政を引き継いで、第九十一回国会で廃案となった重要法案を成立させ、国民生活の安定、財政の再建、行政改革の促進等を図るとともに、公務員の給与改正を行うことにあるのであります。
 ところが、はなはだ遺憾ながら、会期末になっても、国民生活に直結する健康保険法等の改正案と公務員給与改正案及び一連の公務員共済年金法案、また、財政再建の一翼をなす国鉄財政再建法案、郵便法等の改正案、公務員関係三法案、行政改革推進のための臨時行政調査会設置法案及び国の安全保障確保のための防衛二法案等が、いまだ成立を見ていないのであります。
 これらの残されている重要法案は、いずれも今後の国政の進路を定めるものであり、これらを成立させ、国民の期待にこたえることは、国権の最高機関としての国会の責務と言わなければなりません。(拍手)
 そのためには、必要最小限の会期の延長が絶対に必要であります。議長の発議はこの趣旨によるものであり、わが自由民主党はこれに賛成するものであります。
 以上をもって、賛成討論を終わります。(拍手)
#7
○議長(福田一君) 草野威君。
    〔草野威君登壇〕
#8
○草野威君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました今臨時国会の会期十二日間延長の件に対しまして、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 その理由の第一は、今臨時国会の会期幅は、自民党側から提案されたものであります。
 しかるに、審議日数の不足を理由に会期延長を強行することは、国会運営の見通しの甘さをみずから暴露するものであり、まさに政府・自民党の御都合主義の最たるものであり、国会を私物化する以外の何物でもありません。(拍手)
 第二に、今国会に課せられた使命は、内外の厳しい政治経済情勢の中で、いかに国民生活を防衛し、向上させるかであります。
 しかるに、政府・自民党は、国鉄、郵政職員の給与引き上げの仲裁裁定実施を、財政難を理由に国会に議決案件として提案し、それに国鉄再建と郵便料金値上げの両法案を絡め、仲裁裁定の実施を国会運営の道具にするなど、野党の再三にわたる早期実施の要求を拒否し、あまつさえ、人事院勧告の公務員給与法案の提出をも意図的におくらせ、野党が反対する法案との一括審議を要求いたしました。
 また、さきの通常国会において四党で合意した年金、健保両法案も、たび重なる自民党の横やりで、成立が著しく引き延ばされたのであります。
 このようなこそくな手段を弄しながら会期延長を強行する姿勢は、言語道断であります。
 理由の第三は、国民生活に多大な影響を及ぼす国鉄再建法案と郵便料金値上げ法案の成立をもくろんだ延長であることが明白であることであります。
 すなわち、郵便料金値上げ法案は、公共料金や諸物価高騰の引き金となるものであり、国鉄再建法案は、政府並びに国鉄当局の経営再建の失敗を国民に転嫁するものであり、地方交通線の撤廃と割り高運賃により地域住民と自治体に負担を強いるものであります。
 かかる法案の成立を目指す政府・自民党の党利党略に満ちた会期延長は断じて容認することができません。
 私は、以上の観点から、政府・自民党提案の今臨時国会の会期延長には、その理由に何ら正当性がなく、不当きわまるものであることから強く反対し、討論を終わります。(拍手)
#9
○議長(福田一君) 横手文雄君。
    〔横手文雄君登壇〕
#10
○横手文雄君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま提案をされました本臨時国会の会期延長案に対し、強く反対の態度を表明するものであります。(拍手)
 いまさら言うまでもなく、本臨時国会は鈴木内閣が発足して以来初めての本格的な国会であり、それだけに与党自民党は、懸案の諸問題について、真摯かつ責任ある態度をもって国会運営に当たるべきは当然なのであります。
 しかるに、憲法論争における閣内不統一の露呈、四党合意による年金法改正案及び健康保険法改正案をめぐっての政府と自民党間の政策調整の不手際、とりわけ財政当局並びに官僚の専横的な態度に振り回されるという実態を見るとき、政府を抱える与党として、議会政治に確信と自信を持ち得ない無力ぶりを余すところなく見せつけたと言わなければなりません。
 議会政治とはすなわち政党政治であり、政党政治とは議会と国民に対し責任を負うことであります。したがって、会期不継続の原則に立って定められた会期に、両院を通じて、提出された議案の処理を済ませるだけの責任能力を発揮しなければなりません。
 われわれは、野党にあるといえども、こうした議会政治のルールを尊重して、議案審議の促進に努力したのであります。したがって、与党の弱体性と議会運営の不手際による会期延長について共同の責任を負うなどとうていできるものではありません。
 私は、この際、鈴木総理を初め自民党議員諸君に対し、一言苦言を呈したいのであります。
 それは、本臨時国会の直前に、会期を何日間とするかについての打ち合わせがあった際、わが党は、本国会に提出が予想される議案並びに推測される与野党間の事情、そしてこれまでの議会運営の経験に照らして、会期を六十日間とするように提案をしたのであります。にもにかからず、自民党は、それだけの会期は必要なしとして五十日間を主張し、決定したことを思い出していただきたい。
 当時は、さきの特別国会が鈴木内閣の都合で何らの議案も審議せずに終了したこともあって、本臨時国会においては解散前からの懸案の処理が注目を集めていたのであります。したがって、むしろ自民党こそ最も長い会期を主張すると国民は見ていたのであります。
 それが五十日間で十分とした背景を探るとき、第一には、多数を占めた与党が数を頼りに力で押し切ろうと考えていたのではないか、第二は、マスコミにも報道されたような野党の無力感を真に受けて、国会を甘く見たのではないか、第三には、巷間うわさされているように、一部野党との間に何らかの政治的取引をもくろんでいたのではないかという見方もありますが、もし本当に政府・自民党がこうした判断に立っていたとするならば、議会政治を冒涜するもはなはだしいと言わなければなりません。(拍手)
 私は、この際、改めて、国会運営に対する自民党の真摯な反省を求める次第であります。
 重ねて強調したいことは、自民党の議案の取り扱いに関してであります。野党はもちろん与党も賛成である法案をもって、国会審議全体の取引材料にするがごとき態度は断じて許せません。
 具体的に申し上げますならば、公務員給与改定法案を、野党に異議のある法案と絡めて審議を求めて譲らないやり方であります。いわゆる人質をとってみずからの意を全うせんとする卑劣きわまりない方法がこの国会で公然と行われるとするならば、国民は一体どう考えるでありましょうか。根強い政治不信感を一層増幅させるばかりか、場合によっては、それを決定的なものにするおそれすらあるのであります。
 国民の政治不信を解消するためには、政治倫理の確立による明朗な政界にすることとあわせて、国会自身が、理のあることは理にかなって正々堂々と運営することによって、国民の理解を求めることが重要なのであります。特に、自民党が両院において多数を占めて以来の国民が抱く政治への不安、疑問は、理不尽な国会運営が行われるのではないかということに集約されているのであります。
 私は、ここに、こうした誤った政治に政府・自民党が手を染めないことこそ、政治不信を解消する大きな一つの道であることを忠告し、本臨時国会の会期延長案に対する反対の討論を終わります。(拍手)
#11
○議長(福田一君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#12
○議長(福田一君) 採決いたします。
 会期を十一月二十九日まで十二日間延長するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#13
○議長(福田一君) 起立多数。よって、会期は十二日間延長するに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#14
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時四十九分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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