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1979/05/07 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 エネルギー対策特別委員会 第5号
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1979/05/07 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 エネルギー対策特別委員会 第5号

#1
第091回国会 エネルギー対策特別委員会 第5号
昭和五十五年五月七日(水曜日)
   午前十時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     田代由紀男君     降矢 敬雄君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     阿具根 登君     大森  昭君
     浜本 万三君     吉田 正雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉田  実君
    理 事
                降矢 敬雄君
                三浦 八水君
                馬場  富君
                市川 正一君
    委 員
                岩動 道行君
                河本嘉久蔵君
                高橋 圭三君
                竹内  潔君
                野呂田芳成君
                林  寛子君
                大森  昭君
                丸谷 金保君
                吉田 正雄君
                中尾 辰義君
                下田 京子君
   衆議院議員
       修正案提出者   清水  勇君
   国務大臣
       通商産業大臣   佐々木義武君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房審議官    高岡 敬展君
       外務大臣官房審
       議官       三宅 和助君
       外務省中南米局
       長        大鷹  正君
       外務省経済局次
       長        羽澄 光彦君
       通商産業大臣官
       房審議官     若杉 和夫君
       通商産業大臣官
       房審議官     尾島  巖君
       通商産業省通商
       政策局次長    真野  温君
       工業技術院長   石坂 誠一君
       資源エネルギー
       庁長官      森山 信吾君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        児玉 勝臣君
       資源エネルギー
       庁石油部長    志賀  学君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    高瀬 郁彌君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  安田 佳三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       外務省欧亜局西
       欧第一課長    西村 元彦君
       外務省経済局外
       務参事官     国広 道彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関
 する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(吉田実君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告申し上げます。
 四月二十五日、田代由紀男君が委員を辞任され、その補欠として降矢敬雄君が選任されました。
 また、四月二十八日、阿具根登君及び浜本万三君が委員を辞任され、その補欠として大森昭君及び吉田正雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(吉田実君) 次に、理事の辞任及び補欠選任の件についてお諮りいたします。
 高橋圭三君及び竹内潔君から、文書をもって、都合により理事を辞任いたしたい旨の申し出がありました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉田実君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、ただいまの辞任に伴う理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(吉田実君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に降矢敬雄君及び三浦八水君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(吉田実君) 石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。佐々木通産大臣。
#7
○国務大臣(佐々木義武君) 石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 エネルギーは、申すまでもなく国民生活の安定と国民経済の円滑な運営に欠くことのできない要素であります。特に、エネルギー供給の大宗を石油に依存し、かつ石油のほぼ全量を海外からの輸入に依存せざるを得ないわが国にとりまして、エネルギーの安定的な供給を確保することは、国の将来を左右する最重要政策課題であります。
 しかし、最近の石油をめぐる国際情勢は、一段と不安定化の様相を強めており、中長期的にも、世界の石油需給はますます逼迫するものと見られますが、わが国のエネルギー事情もそれに応じて、今後ますます厳しさを増すものと思われます。
 かかる情勢下において、主要先進国中、最も石油依存度が高く、きわめて脆弱なエネルギー供給構造を有するわが国といたしましては、省エネルギーの推進、石油の安定供給の確保に万全を期するとともに、石油代替エネルギーの開発及び導入を強力に推進し、石油依存度の低下を図ることが、エネルギー・セキュリティーを確保し、あわせてわが国に課せられた国際的責務を果たす上で喫緊の課題となっているのであります。
 かかる状況にかんがみ、昭和五十五年度を石油代替エネルギー元年と位置づけ、石油代替エネルギーの開発及び導入を促進するための体制を確立することといたしました。
 この一環といたしまして、石油代替エネルギーの供給目標及び事業者に対する導入指針を策定し、あわせて石油代替エネルギーの開発のための推進母体として新エネルギー総合開発機構を設立するなど、石油代替エネルギーの開発及び導入を総合的に進めるために必要な措置を講ずることを内容といたしまして、この法律案を提出いたした次第であります。
 次に、この法案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 第一は、石油代替エネルギーの供給目標の策定についてであります。
 通商産業大臣は、総合的なエネルギーの供給の確保の見地から、開発及び導入を行うべき石油代替エネルギーに関する供給目標を閣議決定を経て定め、公表するものとしております。
 第二は、石油代替エネルギーの導入指針の策定についてであります。
 通商産業大臣は、工場または事業場における石油代替エネルギーの導入を促進するため、石油代替エネルギーの供給の状況、石油代替エネルギーに係る技術水準等の事情を勘案して導入すべき石油代替エネルギーの種類及び導入の方法に関し、事業者に対する指針を定めることとしております。
 さらに、この導入指針に定める事項について、通商産業大臣及び当該工場に係る事業所管大臣は、必要に応じ事業者に対して指導及び助言を行うこととしております。
 第三は、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進を図るために必要な財政上の措置等についてであります。
 政府は、石油代替エネルギーの開発及び導入を促進するため、必要な財政上、金融上及び税制上の措置を講ずるとともに、広報活動等により国民の理解と協力を求めるよう努めることとしております。
 さらに、石油代替エネルギーに関する試験研究を行う者に対して、国有の試験研究施設を時価よりも低い代価で使用させる等、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に資する科学技術の振興を図るための措置を講ずることとしております。
 第四は、新エネルギー総合開発機構についてであります。
 新エネルギー総合開発機構は、本法に基づき、石油代替エネルギーの開発を推進するための中核的機関として設立される特殊法人であります。
 この機構は、官民の能力を結集して、石油代替エネルギーに関する技術の開発、地熱資源及び海外炭資源の開発に対する助成その他石油代替エネルギーの開発等の促進のために必要な業務を総合的に行う法人であります。
 なお、この機構の設立に伴い、石炭鉱業合理化事業団は解散いたしますが、現在、同事業団が行っている石炭鉱業の合理化及び安定のための業務はすべて遺漏なきよう機構が承継することとしており、本法案におきましてはそのための所要の規定を置くこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 以上であります。
#8
○委員長(吉田実君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員清水勇君から説明を聴取いたします。清水勇君。
#9
○衆議院議員(清水勇君) 石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案の衆議院における修正点につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の第一点は、石油代替エネルギーの供給目標に関する第三条第三項中「内閣総理大臣の推進する原子力の開発及び利用に関する基本的な政策」を「原子力基本法第二条に規定する基本方針に基づいて行われる原子力に関する基本的な政策」に改めることでありまして、原子力の研究開発は、本法とは別の体系で行われるものであることをより明確にする趣旨であります。
 第二点は、財政上の措置等に関する第七条に、政府は、国内に存する石油代替エネルギー源の地域の特性に応じた開発及び導入の促進について十分に配慮しなければならない旨の規定を加えるものでありまして、ローカルエネルギーの開発及び利用の促進を図ろうとするものであります。
 第三点は、機構の業務範囲に関する第三十九条第一項に、石油代替エネルギーに関する情報の収集及び提供を行うものとする規定を加えるものでありまして、機構に、石油代替エネルギーに関する情報センター的な役割りを果たさせようとするものであります。
 以上が修正の趣旨であります。よろしく御審議をお願い申し上げます。
#10
○委員長(吉田実君) 以上で本案の趣旨説明及び修正部分についての説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○吉田正雄君 本法の質疑に入る前に、通産省における職員の勤務状況等について、当初にお尋ねいたしたいと思います。
 実は、先般、通産省の職員組合の代表の方が見えまして、通産省における職員の勤務、とりわけ国会開会中における超過勤務というものが非常にふえておるということで健康上の心配があるという点の話がございました。それと関連して、特に国会議員に対しても、委員会の審議に向けての事前の政府側の質問取りに対して協力できる面が幾つかあるのではないかという点の要望書というものもわれわれに出されたわけです。そういう点でお尋ねいたしたいと思います。
 まず、第一点は、通常の勤務体制と勤務時間の実態がどうなっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#12
○政府委員(若杉和夫君) 通産省本省におきます通常の勤務体制でございますが、まず、勤務時間につきましては、時差通勤の実施ということで三段階に分かれております。そのうち七〇%の職員が九時半から十七時四十五分という時間帯で勤務いたしてございます。
#13
○吉田正雄君 通常の場合の超勤の状況はどんなですか。
#14
○政府委員(若杉和夫君) 超過勤務につきましては繁閑がございますけれども、また部局によって違いますけれども、通常、年平均という概念でとらえますと、一〇ないし一五%の本省職員が午後八時以降も残って残業しておるという実情でございます。
#15
○吉田正雄君 本来、通常の勤務状況においては超過勤務というのはあってはいけないと思うのです。法に定められた勤務時間内に勤務というのは終了すべきでなければいけないと思うのです。ところが、いまお尋ねいたしますと、年平均で一〇%から一五%の職員が八時以降も残っておるということは、率直に言って仕事のやり方が下手なのか、あるいはやらなくてもいい仕事をむだにやっておるのか、そうではなくて本当に職員定数が足りないのか、この辺はどのように検討されたのですか。
#16
○政府委員(若杉和夫君) 通産省におきましては、御承知のように、その業務範囲が資源エネルギー問題あるいは経済貿易問題等々、非常に突発的、臨時的に絶えず仕事が起こってまいる状況でございます。定員の確保の方につきましても努力いたしておりまして、不急不要といいますか、職員はできるだけ減らす、大事な忙しいところに回すという努力もいたしております。しかしながら、さような範囲で通産省の業務範囲が広い、それから重要な突発的な仕事が非常に多い業務分担をいたしておりますので、合理化努力その他は一生懸命やっておりますけれども、どうしても残業が多くなっているというのが残念ながら実情でございます。
#17
○吉田正雄君 超勤の最も多い時期と、それから超勤の時間とはどんなですか。
#18
○政府委員(若杉和夫君) 超過勤務が多い時期はおおむね下期になります。十一月ぐらいから三月ぐらいまでにかけてがまず季節的に多いわけでございます。率直に言いまして、それは予算編成期、国会開会中ということに符合いたします。この時期には、先ほど申しました一〇ないし一五という幅の上の方に張りついておりまして、一五%強の職員が午後八時以降残業しておるという実情でございます。
#19
○吉田正雄君 職員組合の調査によりますと、二月二十日それから二十一日の二日間、本省職員に対する超勤の実態調査が行われておるのです。これを見ますと、たとえば二十一日などは、午後十時から十時半にかけて、大臣官房だけで五十人、それから通商政策局で四十九人、貿易局十二人、産業政策局二十七人、立地公害局三十二人、基礎産業局二十三人、機械情報産業局五十六人、生活産業局二十七人、資源エネルギー庁が午後十時半現在で百七十人、それから中小企業庁が十八人、工業技術院八人、合計四百七十二人も午後十時半現在で残っておるのです。私はこれはちょっと異常じゃないかと思うのです。そして、その実態調査の後のこの要望書の中には「国会関連業務は慢性的残業状態を生じさせている主たる要因の一つとなっています。」と、つまり、われわれにも何か責任があるような、国会運営そのものが責任があるのじゃないかというふうにも受けとめられるそういう内容になっておるのです。ここでは「『国会待機』は、空振りも多く、又作成した答弁資料も実際には使われずに終ることも多いなど、極めて非効率なものだと言えます。」と、こういうふうに指摘しているわけです。だから「『質問とり』というものは、答弁者側の必要性から行われるものであり、省内の待機のやり方など、答弁者の側にも問題があることも事実です。」という指摘があるわけです。これは議員の皆さん、特に野党の議員の皆さんが一番よく御存じなんですけれども、与党の先生方は余り御存じないかもわからないのですが、前日もしくは前々日質問をとりに参ります。そして質問要項の内容を詳しく説明すればするほど答弁側はそれについて詳細な答弁書、大臣、局長の読み上げる原稿というものを担当者が書く、こういうことになるわけです。私は、質問に対する答弁要項というのは一体だれが書くべきなのか、こんなに五百人近くも国会答弁のために残業させてやること自体おかしいのじゃないかと思うのです。私は、キャリア組と呼ばれる少なくとも課長以上の責任者が責任を持って国会答弁をやる、政府答弁者というのは決まっておるわけですから、そういう点で答弁書作成のあり方について抜本的に私は変える必要があるのじゃないかというふうに思うのですが、その点はどのようにお考えになっていますか。
#20
○政府委員(若杉和夫君) 答弁書の作成は原則として課長がやることになっております。ただ、実際は課長補佐クラスが書いて課長がチェックするということも行われております。先ほど四百数十人と言われましたが、事実そういうときもあろうかと思いますが、われわれの方で三月、予算総括のころの一週間ぐらいを調べました実情ですと十一時ごろ残っているのが約二百五十人で、やっぱりそう違いはないのでございますが、四百五十人はちょっと私も常識的に多いと思いましたが、われわれの方の官側で調べたのでは二百五十人という数字もありますから、やっぱり相当多いわけでございまして、課長だけじゃなくて課長補佐、係長ぐらいが残っているという実情にございます。率直に言いまして、私どもも八時以降はチャイムを鳴らして帰るようにとか、あるいは八時以降総点検して本当に必要な者だけを残すようにとかいう指導はいたしております。しかし、実際はなかなか、こんなことを言ってはなんですが、参加意識というのも課員にありまして、みんなでやろうという気がある課も多いわけでございます。そういうことで、どうしても係長あるいは一般の係員もがんばって残るというケースもあります。できるだけそういうことはないように合理化するように努力はいたしておりますし、今後もそういう努力は続けたいと思っております。
#21
○吉田正雄君 これは国会の側としても、政府の事前の質問内容に対する問い合わせ、これをどの程度に答えておったらいいのか、こういう状況を聞かされますとまた考えざるを得ないというふうに思うのです。本当に大綱だけ答えておけばいいのか。詳細な答弁をもらうためには詳細な事前の質問要旨というものを明らかにしておくことも必要なんです。この辺のバランスというのは非常にむずかしいと思うのですけれども、私をして言わしむれば、政策立案、法案作成の政府当局としては、当然いかなる観点から質問が出ても事前に十分準備というものが整えられていなければいけないと思うのです。その時点になって何百人も残して答弁書を作成する作業を徹夜でやるなんというのは、私はこれは異常だと思うのです。
 さらに、私が聞くところによりますと、たとえば原子力関係の問題ですと、私はよく科学技術特別委員会や商工委員会でもやりますけれども、電力会社の職員までが待機しているということを聞いているのです。国会対策班というのがあるのだそうです。この人たちが場合によっては徹夜で残っておって政府答弁を電力会社の職員がかわって書いて通産に持っていくということも実は聞いておるのです。これは大臣もエネルギー庁長官もよく聞いておいてください。実態を調べてください。そういうことを私は現に電力会社の職員から聞いたのですから、これは間違いないです。
 そういうことで、私は、基本的には行政改革と関連した職員の勤務条件について無理があるのじゃないかと思うのです。そういう点で業務内容と職員定数というものが果たして均衡を保っておるのかどうか。先ほど来の説明でも年間を通じて一〇%から一五%の職員が八時以降も残っておるというのは、私はこれは正常じゃないと思うのです。やっぱり改善すべきだと思うのです。ここではこの問題が中心でありませんからやめますけれども、そういう点で今後改善される意思があるのかどうなのか。これは大臣からお聞きしたいと思うのですが、大臣いかがですか。
#22
○国務大臣(佐々木義武君) 私は、大臣としてよりはむしろ一国会議員として申し上げたいのですけれども、各国の議会の例を見ますと、日本的な例は余りないのでありまして、大概国会議員同士で議論して、自分で法案を出して、そして質疑なするのも議員同士でやっていくというのが通例かと思います。日本はそうじゃなくて、一切行政府で、ほとんど全部と言ってよいほど出しまして、そして国会対行政府というような関係で国会運営が進められているわけですから、おのずからやはり行政府の任務を果たそうとすれば仕事がふえろわけでございます。ですから、いまの行政簡素化の要請とはまことに矛盾した関係になるわけでございますけれども、さらばといって行政需要が、先ほどもお話がございましたように、本来の行政任務がふえているほかに対国会との関係等もあってなかなかその間の調整というのはむずかしいわけでございますけれども、できれば事務の簡素化と効率化でこれを切り抜ければお話しのように一番よろしいのでございますけれども、しかしなかなかそういうわけにもまいりません。したがいまして、どうしてもやむを得ないという分野に関しましては、やはり機構を整備したり定員の増加ということは、これはやむを得ぬことかと思います。お話しのように業務を簡素化したり効率化することは当然でありますけれども、それのみではとてもさばき切れないという場合には、やはりこれは定員をふやすか機構を重点的に配備がえするかというようなことが必要かと思いますので、適正な執務体制を整備するためにさらに一層努力してみたいと思います。
#23
○吉田正雄君 それじゃ、とにかく正常じゃないということは実態から大臣もおわかりだと思いますから、これは大臣一人の責任でありませんので、それぞれの管理責任者においてさらに今後一層の改善と努力を要請してこの問題は終わります。
 それでは、本題に入りまして、最初に、本法案の主要な条文について幾つかお尋ねいたします。
 第一条の「目的」のところでは、「石油代替エネルギーの開発及び導入を総合的に進めるために必要な措置を講ずることにより、」云々というふうに書いてありますけれども、この場合、開発の目標となるのは総合エネルギー調査会需給部会が五十四年の八月三十一日に発表いたしました長期エネルギー需給暫定見通しというものを想定し、あるいはそれを目標として進められるのかどうなのか、この点をまず最初にお聞きいたします。
#24
○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘のございました長期エネルギー需給暫定見通し、総合エネルギー調査会需給部会の中間報告でございますけれども、形式的に申し上げますと、この暫定見通しと直接のかかわりを持つものではないわけでございます。本法案の中の代替エネルギーの供給目標、第三条に掲げられてございます供給目標を中心にいたしまして推進するというたてまえになっているわけでございます。しかしながら、現実の問題といたしまして、先ほど先生からお話のございましたように、昨年の八月にこういった一つの指針になるべき答申をいただいておりますので、それをベースにしながら供給目標を検討しつつこの法案の目的を遂行することをさせていただきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#25
○吉田正雄君 それは三条のところでお聞きしたらいいのか。――いま、それじゃ聞きましょうか。
 そうすると、その供給目標というのは何を基準にしてやられるのですか。これは長期エネルギー需給暫定見通しとは直接関係がないというふうにおっしゃっているわけですけれども、日本におけるエネルギーの需給の見通しというのは、これは政府は従来長期エネルギー需給暫定見通しに沿って計画されてきたと思うのです。それと直接関係がなくて第三条にいうところの供給目標に従って定めていくのだと言う。それでは、その供給目標は何をよりどころとして定められるのですか。
#26
○政府委員(森山信吾君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、この法案に沿いましてお答え申し上げますと、暫定見通しと法案上の供給目標とは直接のかかわりはないというお答えを申し上げたわけでございますけれども、現実の問題といたしまして、私どもが供給目標を掲げる場合の、作業をする場合の一つの前提といたしましての需給部会の答申、つまり暫定見通しがそのベースになるということは、事実関係としては私どもはそういうふうに考えている次第でございます。
#27
○吉田正雄君 それでは次に、第二条の各号に石油代替エネルギーについての定義が述べてございます。詳細はよろしいのですけれども、この第二条の一号から四号まで定める主要な内容ですね、主要なものは何かということを最初にお聞かせ願いたいと思うのです。
#28
○政府委員(尾島巖君) この第二条におきましては石油代替エネルギーを定義しているわけでございますけれども、石油にかわって用いられるエネルギーという意味で一号から四号までを規定いたしております。
 一号は、「石油に代えて燃焼の用に供される物」、つまり燃料でございます。これは、たとえば石炭、LNG、アルコール、石炭液化油というようなものが考えられると思います。
 第二号は、石油を熱源といたしまして得られる熱にかえて使用される熱ということで、原子力それから太陽熱というようなものが例として考えられます。
 第三号は、その熱をさらに変換して得られる動力ということで、水力、波力、風力というような動力が考えられます。
 それから第四号は、その動力を電気にかえるわけですが、「電気に代えて使用される電気」ということで、例といたしましては太陽光発電によって得られた電気というようなものが考えられます。
 このように、第二条におきましては石油にかえて得られるエネルギーということで四つのレベルにおきましておのおのそのエネルギーを規定いたしまして、それに対応するものを石油代替エネルギーというふうに規定いたしておるわけでございます。
#29
○吉田正雄君 バイオマスはこのうちの第一号に入ると解してよろしいわけなんですか。バイオマスというのはここでは想定いたしておりませんか。
#30
○政府委員(尾島巖君) バイオマスエネルギーにつきましては、いまちょっと私も申し上げましたけれども、アルコールというようなものが得られるわけですが、それは燃料ということで一号に入ろうかと思います。
#31
○吉田正雄君 次は、三条についてお尋ねいたしますが、いまも長官の方から代替エネルギーの供給目標のことでお話がありましたが、代替エネルギーのうちというよりも、供給目標の中で第三項では原子力にかかわる部分については衆議院で修正されてまいりましたけれども、「原子力基本法第二条に規定する基本方針に基づいて行われる原子力に関する基本的な政策について」というふうになっておるわけです。これは供給目標そのものについての定めであるわけですけれども、本法律の全体をながめてみますと、この法律の目的というのは、原子力を除くその他の石油代替エネルギーの研究開発、導入というものを目的とする新エネルギー開発機構、そこに法律の主要な目的というものがあるのではないか。また、先ほどの衆議院側の修正の趣旨説明にもそのように書いてあるわけです。もっと端的に言いますと、原子力発電、原子力の開発、導入等については本法に直接よるのではなくて従来からも行われてきているわけです。その他の法体系によって、あるいは予算措置によって行われてきておるわけであって、あくまでも本法律というのは、供給目標では一応定めるけれども開発その他の導入等については本法律では定めないのだというふうに理解してよろしいのかどうか、この辺をお聞かせ願いたいと思うのです。
#32
○政府委員(森山信吾君) 御指摘のとおりだというふうに考えております。
 つまり原子力関係につきましては、いまお話のございましたように、従来から原子力基本法に従いまして別途の法体系で対策を講じているわけでございまして、ただいま御審議いただいております代替エネルギーの開発及び導入促進法につきましては、供給目標のポイントと、それから新エネルギー開発機構という二つのポイントがあるわけでございまして、後段に申し上げました新しい機構では原子力を除くほかの石油代替エネルギーにつきましての開発をさせていただきたいという趣旨で法案をお出ししている次第でございます。
#33
○吉田正雄君 次に、先ほども、供給目標というのは一応長期エネルギー需給暫定見通しというものを念頭に置きながら作成する、こういうお話があったわけです。
 そこで、お尋ねいたしますが、まず第一点として、イラン情勢や、本日からOPEC総会がまた開催されるわけですけれども、原油の確保というものがますます厳しい状況を迎えていることは御承知のとおりですけれども、そこで従来の見通Lを変更する必要があるのかどうなのか。長期エネルギー需給暫定見通しによりますと、昭和六十年、六十五年というぐあいに輸入石油は三億六千六百万キロリットルという数字がずっと並べてあるわけですけれども、これについて再検討する必要があるのかどうなのか。原油確保の見通しとあわせて、この検討性の有無についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#34
○政府委員(森山信吾君) 暫定見通しにおきます輸入石油の確保の関係は、いまお話のございましたように、六十年度、六十五年度、七十年度、それぞれ三億六千六百万キロリッターという想定をしておるわけでございます。これを日量に直しますと六百三十万バレルということでございまして、現在は御承知のとおりに五百四十万バレル・パー・デーということで石油の確保を図っているわけでございまして、六百三十万バレルという数字は昨年の東京サミットあるいはIEA等の会議におきまして日本側の一つの目標として定められたところでございまして、それがベースになりまして暫定見通しをつくっておるわけでございます。
 いまお話のございました、イランの問題等々から三億六千万キロリッターの石油の確保を見直す必要があるのではないかという御質問がございましたけれども、私どもはイランの問題が直ちにこの三億六千万キロリッターの数字とかかわりが出てきたというふうには考えておりませんで、イランの問題は確かにコマーシャルな問題として現在大変むずかしい問題を抱えておりますけれども、その問題とは別に六百三十万バレル・パー・デー、つまり年間三億六千万キロリッターは確保するというような考え方でおりますので、イランの問題を契機にいたしましてこの数字を変えていくということは現在のところ考えていない次第でございます。
#35
○吉田正雄君 考えていない。あるいは希望的観測としてそれは大丈夫だろうということなのか、確固たるそういう見通しをお持ちの上で三億六千六百万キロリットルは大丈夫、こういうことなんですか。どっちなんですか。
#36
○政府委員(森山信吾君) 確固たる信念を持って三億六千万確保するというふうに申し上げたいわけでございますけれども、これは中長期の見通しでございますから大変むずかしい問題がございます、正直に言いまして。ただ、イランの現在の状態から判断いたしまして、直ちにこれを変える必要はないということでございまして、ただ、中長期の国際的な石油需給関係から見ますと、三億六千万という数字は大変むずかしいような感じがいたします。しかしながら、私どもはそこをいかにうまく安定的に確保していくかということが私どもに課せられた最大の課題であるという認識を持っておりますので、全力を挙げて三億六千万キロリッターの輸入石油の確保に邁進いたしたい、こういう気持ちでいる次第でございます。
#37
○吉田正雄君 従来もエネルギー需給暫定見通しの変更が行われているわけです。ですから、信念とか希望的観測ではこの量というのは確保できないということは、これは明らかなわけです。今回のOPEC総会がどういう結論を出すかわかりませんが、さらに資源保存の観点からもますます厳しくなっていくだろうということは、これは常識的には想定できると思うのです。そういう点で私はやはり希望的観測に基づく計画の樹立というのは非常にまずいのじゃないかというふうに思いますので、その点は今後の供給目標の設定に当たっては、やっぱり厳しい見通しに立った目標の設定というものを要望しておきたいと思うのです。
 そこで、この需給暫定見通しの省エネルギー率というところを見ますと、六十年度で一二・一%、それから六十五年度が一四・八%、七〇年度が一七・一%というぐあいになっております。そして「省エネルギー率は、昭和四十八年度を基準としている。」という注釈がついておるのですけれども、どうもはっきりしないわけです。どのような対策によって実現できるのか、また、この数字がはじき出された根拠といいますか、算定に当たっての考え方といいますか、それがどうもはっきりいたしませんので、この省エネルギー率の数字が出てきた根拠というものをもう少し明らかにしていただきたいと思いますし、単にこれが数字合わせとして出てきたのでは困るので、具体的にどういう内容を持っているのかということも明らかにする必要があると思うのです。先般、例の省エネ法案が通ったときにも、各産業界に対する具体的な省エネルギーの量的なものというものは明示されないで訓示規定的な内容に終わっているわけです。それでは困るわけですから、そういう点でもう少しここの省エネルギーについて確固たる見通しがないと大幅に狂ってくるのではないかというふうに思いますので、この点の御説明をお願いしたいと思います。
#38
○政府委員(森山信吾君) 先ほど来御質問のございました需給暫定見通し、これの算定根拠でございますけれども、一つは、輸入石油の見方をどうするかというのが前提条件としてございます。それからもう一つの前提条件は、中長期の日本の経済成長をどう見るかということでございまして、第一点につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、サミットあるいはIEAで国際的に合意いたしました数字をベースにいたしているわけでございます。それから経済成長につきましては、経済社会七カ年計画、これをベースにいたしまして成長率をはじき出しているわけでございます。
 それからもう一つ、エネルギーの弾性値というのがございまして、ボンのサミットで先進国間でおおむね〇・八程度にしようではないかというような、これは合意というところまでは至っておりませんけれども、各首脳の話し合いがございまして、その弾性値をどう見るかということでおのずから省エネルギー率というものがはじき出されてくるわけでございまして、御参考までに申し上げますと、六十年度までの弾性値を〇・七七というふうに見たわけでございます。これは先ほど申し上げましたボン・サミットの〇・八を上回らないというような考え方に基づくものでございますし、それから六十五年度に〇・七五、それから七十年に〇・七二というふうに、おおむね〇・八をやや下回るようなところで弾性値をはじき出したということでございまして、この三つの相関関係からはじき出してまいりますとおのずから省エネルギーの量というものが出てくるわけでございまして、これが先ほど御指摘のございました昭和四十八年の水準と、いま申し上げました数字とをバランスしてまいりますと、六十年に一二・一%、六十五年に一四・八、七十年度に一七・一%、こういう省エネルギー率がはじき出されたということでございます。
 前回の需給見通しよりもやや上回っておるということでございますけれども、これは輸入石油の上限が決められたということと、成長率が経済企画庁でおつくりになった、これは政府全体の見通しでございますけれども、そういうものから算定されたということでございまして、一二・一ないし一四・八という数字が大変厳しいという御意見もございますし、逆にもう少し省エネルギー率を上げた方がいいのではないかという御意見もございます。私どもはいろいろ御意見をちょうだいしているわけでございますけれども、いま申し上げましたような計算ではじき出した数字でございますから、これを何とか達成いたしたいということでございまして、しからばどういう方法で達成するかということになりますと、端的に言いまして二つの方法があるのじゃないかと思います。
 一つは、現在政府がとっております七%成長率、これは別に法律に基づくものでもございませんし、言ってみますと、国民の皆様方に私どもがアピールいたしまして、節約を呼びかけるという一つの、言葉は悪いのですが、精神運動的なものが一つあろうかと思います。それから先ほどお話のございましたエネルギー使用の合理化に関する法律、略称省エネルギー法と言っておりますけれども、この法律に基づきまして、これも確かに強制力はないわけでございますけれども、一般工場に対する措置、あるいは建築物に対する措置、あるいは機械器具等に対する措置、こういったものを通じまして先ほど申し上げましたような数値の省エネルギー率を達成いたしたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#39
○吉田正雄君 こういう計画をつくるときの私はむずかしさだと思うのですけれども、とにかく石油というものは絶対条件で、これはこちら側で机の上の数字で石油がふえたり減ったりするわけではないわけですから、そういう点ではそこが前提になっていくということはわかるのです。しかし、考えてみますと、いま述べられました経済見通し、経済成長率、それからエネルギー弾性値、これも非常に厳しい数字だと思うのです。そうやって逆算したような形でこの省エネルギー率というものがはじき出されてきておるということで、私は、この長期需給暫定見通しどおりに今後スムーズにエネルギー需給がいくかどうかというのは、かかってそこにあるのではないかという感じがするわけです。
 そこで、さらにお尋ねいたしたいのですが、もう一つ、この計画の中で原子力の施設利用率は何%ぐらいに見て計画が出てきたのか、そこのところをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#40
○政府委員(安田佳三君) 原子力の稼働率の見込みにつきましては、昭和六十年度はおおむね六六・五%から六七・五%、六十五年度におきましては六八%ないし六八・五%、七十年度においては六九%程度というふうに見込んでおります。
#41
○吉田正雄君 この間の電気料金の算定に当たって電力会社の申請の設備利用率とそれに対する通産省の査定では、たしか一%程度でしたか、上に設定されたと思うのですが、これは数字を幾ら上に上げてみたって現実に原発が稼働しなければしょうがない話でして、いまの数字を聞きますと、今日までの日本の原発の設備利用率の実態から見ますと非常にかけ離れた数字です。これは非常に高過ぎるのじゃないですか。こういう数字で計算するから需給暫定見通しというものが狂ってくる。これは素人が見たってすぐわかるわけです。この点はどのようにお考えになっているのですか。希望的観測ではこれは困るわけです。
#42
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま先生おっしゃいますように、原子力発電所が運転開始いたしましてからの全トータルの稼働率というのは五二・六%でございますが、そういう意味では現在の想定は若干高いと言えるかもしれません。しかしながら、その低い内容というのは、全体二十一基あるうちの約三分の一のものが四〇%以下ということでございますので、その四〇%以下についてどういう原因で稼働率が低いのかというのを検討してみますと、福島の一号、二号、三号というのがSCC対策問題で長期にわたってとまっておりますし、それから美浜の一号、二号というのは、これはまたSG機器の対策ということでいまとまっております。そんなことで、それらの諸対策が終わりますとそれ以外の発電所と同じほどのいわゆる稼働率になろうかと思います。したがいまして、そういう非常に低位にありますものの発電所が逐次保修されますと上位の原子力発電所と同じような運転が期待できる、そういう面からいきますと六〇%台というのは実現可能であるというふうに考えております。
#43
○吉田正雄君 その数字どおりの、計画どおりの設備利用率になるということを私どもも希望しますけれども、しかし、原発を推進したいという気持ちから実現不可能なこういう数字を並べること自体、私はやっぱりこれは原発を推進する側にとってもまずいのじゃないかという感じがするのです。これは世界的にもこんな数字が当てはまるというふうにごらんになっておりますか。どうですか。
#44
○政府委員(児玉勝臣君) 外国の例をとりましても六〇%台の稼働率というのは十分実現可能である、こういうふうに考えております。
#45
○吉田正雄君 ここに掲げてある数字は、六十年、六十五年度というふうなこれから五年先、十年先の設備利用率ですから、将来の話をここでやっても決着はつかないと思うのですけれども、ただ、過去の実態からすれば、いまもお認めになったように六〇%への到達というのは相当困難性が予想されますし、いわんや七十年度では六九%、つまり七〇%という設備利用率、私はこれは大変な数字だと思うのです。そういう楽観的な数字でこの需給暫定見通しをつくること自体に私は問題があると思うので、そういう点でもう少し厳しく見直す必要があるのじゃないかというふうに思います。
 これは長官にお願いしておきたいと思うのです。もう一回過去の実績、それから現状の日本の稼働しておる原発の実態というものをごらんになればおわかりだと思うのです。いま福島の第一号とか第三号炉の稼働率、設備利用率が非常に悪い、だからこれは修理が終われば設備利用率は上がるのじゃないかという説明なんですけれども、この説明は過去にもあったことなんです。七七年、昭和五十二年にも大改修が行われたわけです。そしてこれで大丈夫と言ってまた今度の大改修なんです。ですから、この前も申し上げましたように、原発の専門家に言わせれば福島第一号炉というのはあれは廃炉処分にすべきが妥当だという意見が非常に強いのです。実は部内でもそういう声が非常に強いということを私は聞いておるのです。あそこに数十億円もかけて、大体私は、今度の福島の修理も六月に終わる予定になっておりますが、さらに一ヵ月ないし二ヵ月ぐらい延びるのじゃないかというふうに思っておりますけれども、あの給水スパージャーの取りかえが今回二回目ですが、新型にしたといってももともと原子炉の設計本体そのものが変わっているわけじゃないわけですから、そういう点で給水スパージャーの取りかえだけでなくて、あらゆる基本的な配管の取りかえが全部今回行われているわけです。しかし、これがまた二、三年後に再び取りかえなければならぬという状況を否定する状況、条件も全然ないわけです。それを考えますと、いまの児玉審議官の答弁は余りにも楽観的過ぎるというふうに思うのです。私はむしろ、ここで予言という言い方は変ですけれども、どうも過去の科学的な実績を見れば、また二、三年後なり三、四年後に再び給水スパージャーを取りかえなければならぬというふうな状況が出てくるのじゃないかというおそれを持っておるのです。そうでないことを望みますけれども。そういう点で、とりわけ推進する人にとってはなかなか厳しい見方をするということはできないことなんです。アメリカへ行ったときも、議会の担当者が言っておりました。推進する人は安全だとか大丈夫だとか効率がいいということを言わなかったならば推進することにならないので、必要以上にそういうことを言っているのだろうということを言っておりましたけれども、そういうことにならないように私は特にお願いいたしたいと思うのです。
 そこで、もう一つ、需給暫定見通しでお尋ねいたしたいと思いますのは、「新燃料油、新エネルギー、その他」という項目がございますけれども、これはまさに本法案と最も密接に関連する部分であるわけです。そこで、ここのところでは六十年度に五百二十万キロリットル、構成比〇…九%、六十五年度三千八百五十万キロリットル、五・五%、それから七十年度が六千百万キロリットル、七・六%というふうになっておりますけれども、ここの注釈のところでも「新燃料油、新エネルギー、その他には、石炭液化油、オイルサンド油、オイルシェール油、アルコール燃料、太陽エネルギー、薪炭等を含む。」ということになっておるわけです。これは非常に重要な項目でありますし、特に七十年度では七・六%という相当の構成比になるわけです。したがって、六十年度、六十五年度、七十年度におけるそれぞれの石炭液化油、オイルサンド、オイルシェール、アルコール、太陽エネルギー、薪炭等の区分ごとの容量がどうなっておるのかということをお聞かせ願いたい。
#46
○政府委員(安田佳三君) ただいまの先生の御質問にお答えする前に、先ほど私が申し上げました設備利用率につきまして、若干舌足らずの点を補足させていただきたいと思います。
 設備利用率は、先ほど申し上げましたような数字を見込んでおるわけでございますが、ただ、先ほどの暫定見通しにおきます数字は年度末時点でございますので、その年度末におきます設備の残高から見ました見かけ上の利用率ということになりますとこれが暫定見通しに書いてあるわけでございますが、それにおきまして見込みました数字は、六十年度はおおむね五八%から六一%程度、六十五年度は六〇%から六三%程度、そして七十年度は六五%程度というものを見込みまして、それが暫定需給見通しの中に組み入れられているということになっておるわけでございますので、この点補足させていただきます。
#47
○政府委員(森山信吾君) 御質問のございました新燃料油の内訳についてお答え申し上げます。
 六十年度について申し上げますと、新燃料油といたしまして百八十万キロリッター。その内訳は、石炭液化油が十万、オイルサンド油、オイルシェール油が二十万、アルコール系燃料が百五十万、合計いたしまして新燃料油百八十万でございます。それから太陽エネルギーといたしまして二百十万キロリッター、その他百三十万ということで、合計五百二十万キロリッターでございます。
 なお、六十五年につきましては、新燃料油が二千九百八十万でございまして、その内訳は、石炭液化油が二千二百六十万、オイルサンド、オイルシェール油が六十万、アルコール系燃料が六百六十万。次に太陽エネルギーが六百五十万キロリッター、その他が二百二十万で、合計いたしまして三千八百五十万キロリッターということでございます。
 七十年度につきましては、新燃料油が四千八百二十万で、内訳は、石炭液化油が三千七百万、それからオイルサンド、オイルシェールが二百万、アルコール系燃料が九百二十万。太陽エネルギーが千二十万、その他が二百六十万。合計いたしまして六千百万。
 こういう状況でございます。
#48
○吉田正雄君 そういたしますと、オイルサンド油であるとかオイルシェール油の比率は余り高くないのですけれども、高くなくても一応この計画の中に入っておるわけですから、そこで、今度の新機構の中ではこのオイルサンド、オイルシェールの取り扱いが余りはっきり出ていないのじゃないかと思うのですけれども、これはどのように取り扱われるのかどうなのか、お聞かせ願いたいと思うのです。
#49
○政府委員(尾島巖君) オイルシェール、タールサンドにつきましては、資源開発の形態及び製品が石油にきわめて近いために従来から石油対策の一環として施策を進めてまいっておるところでございます。また、これらの開発につきましてもすでに民間を主体とする体制が組まれております。新機構におきましては、海外炭、地熱、太陽エネルギー等、その開発、導入のために新たな政策努力を要する分野を中心にいたしまして実施いたすことといたしまして、既存の政策ですでに推進されてきているオイルシェール、タールサンドの開発につきましては既存の推進母体を中心に開発を図っていきたいという考え方で新機構には含めておりません。
 以上でございます。
#50
○吉田正雄君 次に、第三条の第二項では「供給目標は、」「環境の保全に留意しつつ定めるものとする。」というぐあいに述べてあります。ところが、けさの新聞報道によりましても、きのう自民党の商工部会とか環境部会では、政府が提出を予定いたしておりました環境アセスメント法案についてきわめて否定的なといいますか、開発を優先する立場から環境アセスメント法案というのはむしろ開発を規制するというそういうことになるのじゃないかというふうなことで、商工部会では圧倒的に反対、それから環境部会ではまとまらなかったというふうなことで、国民の期待とは非常に逆の方向にどうも向いているような感じがするわけです。しかし私は、政府としてはそういう自民党の意向もあるかもわかりませんけれどもこの国会に提出するのだというふうなことでずっと進んできたと思うのです。そこで、法案が提出されるかされないかは別にしまして、この法案ではとにかく「環境の保全に留意しつつ」ということが述べられておるわけです。具体的にはどのような配慮をされるのか。たとえば地熱開発についても、先般、環境庁から国立公園内における開発についてクレームがついておるわけです。そういう点で、これは何も地熱だけに限らないわけです、石炭火力の場合でも原子力の場合でも。とうとう福島の場合には環境中にコバルト60がついに出てきた。微量ですけれどもコバルト60が環境中に出たのです。非常に重要なことですし、魚介類や海草類にもいままでなかった、原子力発電所からとしか考えられないそういう核種というものが出てきたということなので、これは非常に人類にとっても大変なことだと思うのです。そういう点で放射能というものをいかに環境から有効に、しかも安全に隔離するかということは重大な課題だと思うのです。それらを含めまして、とにかくここで定めるところの「環境の保全に留意しつつ」というものについてどのような決意とどのような対策をもって臨まれようとするのか。さらには住民との合意をどのように求めていくのか、あるいは環境庁との意見調整をどのように図っていくのか。基本的には一体開発を優先させるのか、あるいは環境保全というものを優先させるのか。これはどっちがどっちということでなくて、そのバランスという言い方もあると思うのですけれども、しかし重点をどちらに置くかによって私は非常にこの取り扱いというものが違ってくると思うので、その点を明らかにしていただきたいと思うのです。
#51
○政府委員(森山信吾君) 第三条第二項に、御指摘の「環境の保全に留意しつつ」という文言が入っておるわけでございまして、これは端的に言いますと、通商産業省で供給目標の原案をつくるわけでございますから、原案作成者の一つの配慮条件という受けとめ方がございます。
 それからもう一つは、やはり環境保全問題は環境庁でいろいろと広い角度から御担当いただいておりますので、環境庁の御意見を十分に聞かなければならないというような受けとめ方をしておるわけでございまして、原案作成者の段階とそれから専門の方の御意見とのすり合わせをこの場で行いたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#52
○吉田正雄君 私の聞くところでは、環境アセスメント法案でも通産省が一番抵抗したというふうにも聞いておりますし、そういうことで私は、この法案は通産省が中心になって提案されている法案なんですけれども、一面で「環境の保全に留意しつつ」と言いながら本当の姿勢というものは一体どこにあるのかということを非常に疑問を持ってながめておる国民が多いのではないかというふうに思うのです。そういう点でいまの長官の答弁も非常に抽象的なんです。だから、私がお尋ねいたしましたように、一体開発優先でどんどんいくということなのか、そうではなくて本当に環境の保全というものについて十分な配慮を払っていくという、どちらに一体重点を置くかによって私は全然違ってくると思うのです。どういうことなんですか、そこのところは。
#53
○政府委員(森山信吾君) 開発が優先するか環境が優先するかという問題は、これは大変むずかしい問題でございまして、私どもの立場から言いますとエネルギーの安定供給ということが至上命令になるわけでございますので、開発を中心に考えたいところでございますけれども、やはり環境問題というのは広く国民生活の観点に立ちますと、これは大変重要な問題でございますから、先ほど先生もおっしゃいましたように、開発と環境の保全をバランスをとっていくということが大変いいことではないかと思うわけでございまして、私どもが提出させていただきました法案の中で「環境の保全に留意しつつ」という文章を入れておりますのも一そういった配慮に基づくものでございます。本来的に申し上げますと、つまり新エネルギーの開発を目的とした法案でございますから、そういったものが優先されるというような考え方も一方ではないわけじゃないと思いますけれども、やはり総合的な観点での調整ということがどうしても必要になってくるという気持ちを十分私ども持っておりますので、特にこの「環境保全に留意」するという文章を入れた趣旨はそういうところにあるというふうに御理解を賜りたいと思う次第でございます。
#54
○吉田正雄君 その点、くれぐれも要望しておきたいと思うのです。
 次に、第三条の第五項。供給目標の改定は閣議を経なければならないのかどうか。同様に、第六項の場合も単に通産大臣が改定すれば足りるのかどうなのか。この点はどうなっておるでしょうか。
#55
○政府委員(森山信吾君) 第三条第四項で「通商産業大臣は、供給目標を定めるときは、閣議の決定を経なければならない。」という規定がございまして、私どもの認識では必ず閣議の決定が行われる必要がある、こういうふうな認識を持っております。
 それから第五項に改定の場合の規定がございますけれども、この改定の際も閣議の決定を必要とするという認識でおります。
#56
○吉田正雄君 次に、第五条の第一項の「石油代替エネルギーの導入の指針」は具体的にはどのようなことを考えておいでになりましょうか。
#57
○政府委員(尾島巖君) 石油代替エネルギーを開発いたしまして、それを実際に使用者が使用して、その使用の拡大を図っていくためにはやはりそれ相応なりに指導してまいらなければならないと思いますけれども、その中で特に大口エネルギー消費者であります工場、事業場に対しましては、その導入の指針というのをはっきり示して、これによりまして導入を図ってまいりたいというわけでございます。
 それで、実際にどういう指針を考えているかということでございますけれども、これはまず第一に、石油代替エネルギーの供給状況というのを勘案いたしまして、石油にかわって用いられるエネルギーが十分に供給されていなければならないわけであります。さらに、それを使用する際の技術水準なり、あるいは立地条件なり、いろいろな点を勘案いたしまして、ある特定の工場、事業場がその特定の石油代替エネルギーを使用することが適当だと思う者に対しまして、こうすればその特定の石油代替エネルギーを使用することが可能であるということを積極的に示しまして、そちらの方向に指導してまいりたいと思っております。実際には、たとえば石炭とか、LNGですとか、あるいは産業用ソーラーシステム、そういうものを導入することが適当だと認められるような場合にはこうすれば導入できるという形で示していきたい、こう考えております。
#58
○吉田正雄君 私は、この第五条の第一項で言う指針の作成というのは、現在の工場の実態、エネルギー使用の状況、こういうものを十分に見定めてからでないと机上の計画あるいは上から実態を無視した押しつけ的な指針というものになる危険性があるのじゃないかというふうに思うのです。
 そこで、特に第六条との関連も出てくるわけですけれども、仮に指針がつくられたとして指導及び助言をやるというときに、先ほどは大口の工場というふうなことが出たのですけれども、一体対象となる工場はどの程度の規模までを想定されておるのか。あるいは単なる工場だけでなくて、事業者全体として、ある事業者がどれだけのエネルギーを使用しているのかということをまずとらえて、さらに工場といいますか、企業全体を考え、その次に事業所単位を考えていくというふうにきめ細かなそこまでのことを考えての指導、助言になっていくのか。
 その場合に、指針の作成ともあわせて事前の調査というものが私は大変な作業になるのじゃないかというふうに思うので、そうだとすると、仮に事前の調査をやるとするならばだれが主体になってやるのかという問題が出てまいりますし、あるいはあらかじめ実態把握ということで全事業者に対して申告なり報告をさせるというふうなことがあるのかどうなのか。さらには、通産大臣と所管大臣との区別をどこでやるのか。こういう点で非常に大きな問題というものが出てくるわけです。その際に、また自治体が果たす役割りというものがあるのかどうなのか、こういう問題も出てくると思うのです。さらに、そういう指導、助言をやった場合に、施設の変更であるとかというふうなことで資金的な問題も出てくるわけです。
 これは第七条のところで「財政上の措置等」というふうなことが定められておりますけれども、そういう点で指導、助言をやった以上、その変更に伴う財政上のめんどう等についての具体的などういう内容というものがあるのかどうなのか、今後どういうふうに考えていかれるのか。ここのところが、非常に私は第六条というものが重要な条文ではないかというふうに思いますので、もう少し詳細に御説明をお願いいたします。
#59
○政府委員(尾島巖君) 第六条におきましては、第五条に定めて公表することになっております導入指針に定める事項につきまして個々の工場、事業場に対しまして指導、助言を行いまして、石油代替エネルギーの使用を指導してまいるということにいたしているわけでございます。
 いま先生がおっしゃいましたように、どういう対象に向けてやったらいいかということにつきましては、その事前の実態調査ということは必要になってこようかと思います。通産省におきましても、そのエネルギー消費の実態がどのようになっているかということにつきましては、五十五年度から新しい統計を作成するようにいたしておりますし、またそれを補完する形で大口工場につきましてはその消費の実態につきまして調査を行いたいというふうに考えておるわけでございます。そういうような調査に基づきまして、一方におきまして石油代替エネルギーの供給状況を勘案しつつ、経済的、技術的にその導入が可能なような工場に対しましては指針を定め、個別にその工場、事業場に対しまして、このようにすればこういうような代替エネルギーは導入できますということで指導いたしまして、その導入、利用の拡大を図ってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#60
○吉田正雄君 ちょっと長々と質問したからあれだったと思うのですが、これは新機構でやるということですか、通産省でやるということですか。どういうことになりますか。
#61
○政府委員(尾島巖君) 後に出てまいります新エネルギー総合開発機構は新エネルギーの開発をやっていくものでございまして、五条、六条は通産省、それから六条の指導、助言は通産省及び事業所管省がやってまいることになっております。
#62
○吉田正雄君 そうすると、各地方通産局を通じてずっと行うということになっていくわけですか。個々の事業所、工場等に対して個々具体的に指導、助言するということですから、これは日本全国の事業所、工場の数といったらこれは大変な数になるのでして、調査一つやるにしても大変な作業だと思うのです。その調査結果に基づいてさらにまた具体的な指導をやるという場合に、あなたの工場はここのところまでは石油でいいけれども、ここからここはLNGにかえなさいとか、石炭にかえなさいという数量的なものまで含めたり、さらにはそれに必要な施設、設備の変更なり機械の導入ということまで個々具体的に指導されるわけですか。
#63
○政府委員(尾島巖君) この石油代替エネルギーをこのように指導、助言という形で導入を図っていきますのは、一挙にすべての工場、事業場に対してやるということは無理かと思います。と申しますのは、石油代替エネルギーと申しましても種種ございまして、それを実際に工場、事業場で使用する場合に、技術的、経済的に可能かどうかということは事情によって大分異なってまいるのではないか、こう思っておる次第でございます。したがいまして、これをやってまいりますのは、大口の工場、事業場に対しまして典型的な形でこの導入ができるというような指針をつくり、それなさらにその業界、団体等を利用いたしましてそのような指導、助言を行っていくということで、徐徐にこの普及を図ってまいりたいという考え方をいたしております。
#64
○吉田正雄君 だんだんわかってきたのですが、大規模といいますか、おおよそどの程度を考えておいでになるのですか。全部というのは私は無理だと思うのです。中小企業まで一切合財といったら、私は幾ら通産省が有能な官庁であっても、これは不可能に近いことだと思うので、その大口というものの想定は大体どんなところを考えておいでになるのですか。
#65
○政府委員(尾島巖君) 石油代替エネルギーはいろいろございますので、たとえば何キロリットル以上使用する者というようなことで画一的に切って対象幾らというふうにするのは無理ではないかと思います。したがいまして、この政策を進めていく上に効果があります大口工場、たとえば鉄鋼とか、セメントとか、電力ですとか、そういうような大口工場でどのように導入が図っていけるか、あるいはLNGのガスの供給区域でどのような設備転換をすれば使用可能かというようなことを検討いたしまして、個別具体的に徐々にやってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#66
○吉田正雄君 指針は大体いつごろまでにつくられる予定になっておりますか。
#67
○政府委員(尾島巖君) できるだけ急いでやりたいと思っておりますが、はっきり時期はいまのところ言えないのは残念ですけれども、できるだけ急いで、この法案が成立し、その実際の運用ができる段階に至った時点においては徐々にスタートを始めたいと思っております。
#68
○吉田正雄君 次に、第七条の「財政上の措置等」についてお尋ねいたしますが、ここでは「必要な財政上、金融上及び税制上の措置を講ずるよう努めなければならない。」というふうになっておりますけれども、これも大変なむずかしい問題だと思うのです。財政上の措置といっても補助金もあればいろんな内容があると思うので、具体的にはおおよそいまどんなことをお考えになっておりますか。
#69
○政府委員(尾島巖君) 第七条の「財政上の措置等」は、一方におきましてエネルギー使用者に対しまして石油代替エネルギーの導入を義務づけている関係から、政府の努力義務といたしましてその開発及び導入を促進するために必要な財政上、金融上及び税制上の措置を講ずるようにいたしておるわけでございます。
 実際にどのような措置を講ずるようにしておるかということにつきましては、五十五年度から実施される措置といたしましては、財政上の措置は、電源開発促進対策特別会計に電源多様化勘定を新設して電源の多様化を進めるとか、あるいは石炭・石油対策特別会計に石油勘定を改組いたしまして石油代替エネルギーの対策をもあわせて進められるようにするとかいうことでございます。
 それから金融上の措置といたしましては、日本開発銀行に一般産業における石油代替エネルギー利用促進融資制度というのを創設いたしまして、石油代替エネルギーの設備転換に対しまして低利融資を図っていく、あるいは既存の関連財投項目の拡充を行っております。
 また、税制上の措置といたしましては、石油代替エネルギーの利用設備の特別償却制度、これを新たに創設いたしまして、初年度二割の特別償却を認めるというような措置を講じております。
 また、別の観点からは、電源特会の拡充を図るために電源開発促進税の税率引き上げを行いまして財源確保を図るということもこの措置の一環として考えられようかと思います。
#70
○吉田正雄君 新制度が発足する当初ですから、いまの説明で大体わかったような気がするのですが、全体の輪郭はまだはっきりしないと思うので、これはこれからだんだん固まってくるのじゃないかと思いますから、これ以上聞いてもどうもそれ以上のものは出そうもないのでこの点はそれでやめますが、ただ、第二項を衆議院側で追加修正を行ったわけです。私は、この追加修正の趣旨からいたしまして石油代替エネルギーの積極的な開発、導入、利用は事業者それから国民の意識の変革が重要だと思うのです。単に国が号令を下してもそう簡単に進むものではないのじゃないかと思います。
 そこで、自治体の果たす役割りというものがこれからますます大きくなってくるのじゃないかと思うのです。これは地方の時代なんという単なるキャッチフレーズではありませんけれども、とりわけこの代替エネルギーというものを促進するために地方自治体がますます積極的に取り組む必要もありますし、その効果も私は非常に出てくるのではないかと思います。現に多くの都道府県では自主的な立場から代替エネルギーの研究開発、導入に取り組んでおりますし、幾つかの自治体ではそれなりの成果も上げておるということを見聞いたしております。そういう自治体の実態や本法律がねらうところからしても、私は国としてこれら自治体の果たす役割りを一層高め、さらに有効なものにしていくためにも、この第七条の「財政上、金融上及び税制」――税制はどうかと思いますが、財政上、金融上等の措置について国が積極的にこれらの自治体に対して援助をすべきではないかというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。
#71
○政府委員(尾島巖君) 先生御指摘のとおり、この第二項は、今後ローカルエネルギーの開発それから利用の拡大を図っていく上に十分配慮しろということを言っておるわけでございます。このローカルエネルギーを開発、導入していく上には、当面地方自治体が主導的な役割りを担っていくということが期待されておりますし、このような観点から、この二項の趣旨を踏まえまして国としても地方公共団体に対しまして積極的な支援を行っていきたいと考えているわけでございます。
 五十五年度予算におきましては、地方自治体が中心になりまして、その地域の代替エネルギーの賦存状況の調査ですとか、あるいは開発可能性について調査するものに対しまして、十八都道府県分でございますけれども、その調査に対しまして補助する予算を計上いたしております。
#72
○吉田正雄君 私は、この法案に基づいて新エネルギー機構というものが積極的に、私は石油の代替という言い方はどうも余り好ましくないと思っているので、これから人類のエネルギーというのは、化石燃料がいずれ枯渇するということは明らかなわけですから、そういう点で私は新しいエネルギーとして積極的に開発していく必要があるだろうと思いますし、特に私たち人類が使用いたしておりますエネルギーというのは、これは全部太陽エネルギーが、化石燃料もそうですが、転換したものにほかならないわけですし、太陽エネルギーというのは直接的な太陽エネルギーというものがほとんどであるわけです。そういう点でこれをどう有効に利用するかということが人類の将来におけるエネルギーの確保にとって必要欠くべからざるものであるわけです。
 そこで、私は、石油の確保や原子力の開発ということもありますが、原子力にしてもいずれはウラン燃料等これは有限であって、現在確認されている資源量からするならばこれを代替エネルギーの中心に据えて置くこと自体非常に問題があろうかと思いますし、しかも、このウラン燃料自体日本は資源として余り持っていない。これも海外に依存しておるということは間違いないわけです。したがって、食糧と同じく私はエネルギーの自給率というものをどう高めるかということがエネルギー問題の解決にとって非常に重要だと思うわけです。
 そこで、太陽光あるいは太陽熱エネルギー、それから風力・波力エネルギーあるいは潮汐エネルギー、さらには地熱エネルギー、そして水力エネルギーというぐあいにいろいろあるわけなんですが、ひっくるめてサンシャイン計画と言ったりいろんな言われ方がしておりますけれども、それぞれのエネルギーについて日本としてどれだけのものが開発できるのか、お手元に資料があろうかと思いますので、お聞かせ願いたいと思うのです。
 たとえて言いますと、水力の場合、各省庁でもそれぞれの立場で調査もされてきておると思うのです。ただ、水力等の場合考えますと、経済的に成り立つといいますか、電力事業者の立場から、たとえば千キロワット以上というふうな、ある程度の規模以上のものについての調査ということは行われていると思うのですけれども、今後は地方自治体あるいはその他の団体が自主的に開発していくということを考えた場合、たとえば百キロワット程度のものであっても開発していく必要性が出てくると思うのです。そういう点で、たとえば水力でもどの程度の包蔵エネルギーがあるのか、その実態がどうなっているのか、お聞かせ願いたいと思うのです。これは水力に限らず、いま申し上げましたものでどういうふうな計算をされているのか、わかったらお聞かせ願いたいと思います。
#73
○政府委員(安田佳三君) 水力について申し上げますと、水力開発は比較的進んでいるわけでございますが、まだ未開発の包蔵水力もございます。昭和五十四年三月時点でざっと見渡しますと、約千三百五十万キロワットが未開発包蔵水力だというふうに把握されているわけでございます。この中には電力会社以外のものの水力開発地点も含まれておりますが、それらの地点につきましては経済性の観点から小規模地点は対象といたしておりません。しかし、今日非常に厳しいエネルギー情勢にございますので、石油代替電源開発促進の一環といたしまして、また、先生御指摘のように、国産のエネルギーを有効に活用するという観点からも農業用水等を利用する小規模水力といえども積極的に開発を進めてまいることが必要だと考えております。
 その実態がどうかという点につきましては、本年度から四カ年計画でもちまして、従来対象とされておりませんでしたような小規模な地点、これも含めまして水力開発地点計画策定調査を実施いたしまして、そして未開発の包蔵水力というものを見直すことによりまして、見込みといたしましてはその包蔵水力量は千八百五十万キロワットぐらいまで拡大されるものではなかろうかというふうに見込んでおります。
#74
○吉田正雄君 きのうエネ庁の方から、わが国の包蔵水力の資料、これをいただいたのです。きのうも私注文しておいたのですけれども、私が言った資料じゃないわけです。この程度のまとめた資料なら聞かなくてもわかっておるのです。私が言ったのは、千キロワット以上とかそうではなくて、もうちょっと詳細な調査資料があるはずなので、その資料というものを欲しいということを申し上げたのですけれども、それが出てこなかったわけです。少しきのう文句言っておいたのですけれども。そういうことで、いまの千三百五十三万キロワットというこの内容は何キロワット以上のものですか。ただ経済性じゃなくて、どうなっているのですか、これは。未開発の一般水力が千三百五十三万キロワット包蔵水力としてあるというふうにいまおっしゃっているわけでしょう。これはどこまでのものを集めたのですか。
#75
○政府委員(安田佳三君) まず、先生からいろいろ資料の御要求があったわけでございますが、その時点におきましては先生の御要望のようなふうに分類いたしておりませんでした。その後、おしかりをいただくかもわかりませんが、昨日超勤をいたしまして、そしていろいろと階層別にも計算してみたわけでございます。この資料、直ちにお出しできるかどうか、もう少し見なければなりません。と申しますのは、一カ地点しかないようなところもございますから、直ちにお出しできるかどうかはわかりませんが、その後、階層別にもいろいろ分類いたしてみました。ただ、この数字は一千キロワット以上でございます。したがいまして、先ほど申しました数字も一千キロワット以上のものを申し上げたわけでございます。それ以下のものにつきましては、これは推定することはなかなか困難でございますが、千キロワット未満の開発可能地点というものをきわめて大胆に推定いたしますと、これはまだ現実に数字がございませんのできわめて大胆に推定いたしますと、千キロワット未満の開発可能地点はおよそ百万キロワット程度ではなかろうかというふうに考えておりますが、これも先ほど申し上げました調査の際にいろいろ検討いたしたいというふうに考えておるところでございます。
#76
○吉田正雄君 これも大事な話で、当初に申し上げておったことと関連しますからお尋ねいたしますが、いまもちょっと安田部長の方から話がありましたが、私はこれはきのう夕方五時半ごろいただいたのですけれども、わが国の包蔵水力、これは五十四年三月末現在で通産省がまとめてある資料です、この資料は。いいですか。これは残業しなければまとめられない資料ですか。私が言ったのは、現にある資料を下さいと言っているのです。いま残業してまとめましたみたいな言い方もしていますけれども、五十四年三月の資料が何できのう残業しなければまとまらないのですか。そういうことをやっているからむだな仕事を職員にさせる結果になっているのです。私は何も残業してまとめてくれなんて一言も言っていない。現にある資料を出してくださいと言ったのです。それを皆さんがわざわざ、まとまった資料を持ってくればいいものを、この一枚の紙切れにまとめるためにわざわざこれはむだな手数をかけてやったのですよ。しかも、わかりの悪いというか、これは中身を見たってさっぱりわからない。結果しかまとまっていない資料、わからない資料を無理につくるためにむだな時間とむだな労力を費やしているのです。そういう点で私は、請求した資料にも正確にこたえていない、むだな仕事を職員にさせているこれは典型的な例だと思うのです。そういうことでもうちょっと詳しい資料、これをまとめてください、これだけのものをやるわけですから。皆さん方のこの代替エネルギーの供給目標を定めるためにも、今後の開発のためにも、いまおっしゃるとおりだったらきわめてずさんなまだ調査結果しか得られていないということで、正確な供給目標をそれでは定められません。もし定められるのだったらきちんと出していただきたい。何か資料でも隠してあるのですか。隠してなかったら出してください。
 それからその他の太陽光・熱エネルギー、風力・波力エネルギー、潮汐エネルギー等はどのように現状で把握されているのか。
#77
○政府委員(安田佳三君) ちょっと先生から御指摘がありましたのでお答えさせていただきますが、先生のところに提出いたしました資料は、その時点において手持ちの資料を提出させていただきました。その際、先生からいろいろおしかりをいただきましたので、それで急遽いろいろとさらにまとめるためにゆうべ残業したわけでございますので、先生に御提出申し上げた資料は従来の資料でございます。
#78
○政府委員(石坂誠一君) ただいま太陽、風力、潮力、波力、水力等についてのポテンシャル量に関する御質問がございましたのでございますけれども、実は潜在的に持つ量というものと実際に技術的にこれが使える量とは大変な差があるわけでございます。たとえて申しますと、太陽エネルギーは一平方メーター当たり一キロワットの熱量が地球、地上に届いておる、こういうように言われておりますけれども、曇りの日もあれば夜もある、あるいは技術的に考えましても、それをどういう効率で電気なりあるいはその他のエネルギーに転換できるかというような問題もございます。したがいまして、いまこのくらいのポテンシャルがあるということを申し上げましても余りそれは意味がないのではないだろうかというようにも判断しておるわけでございます。むしろ大事なことは、一体どのくらいの効率でエネルギーが転換できるのか、あるいはもうちょっと詳しく言いますと、一体そういったエネルギーを発生するためにまたいろいろな装置をつくるというようなことになりますと、その装置をつくるためにまたエネルギーがかかるわけでございますから、そういう面も十分考えて将来の有効エネルギー量をこれから時間をかけて見通していくというのがいまの立場ではないかと思っておるわけでございます。いずれにしましても、そういった数字を出すためには、やはりいまのような基礎的な段階からもう少し開発の仕事に移した段階でだんだんにそういう問題がはっきりしていくだろう、こういうふうに考えているわけでございます。
#79
○吉田正雄君 鶏が先か卵が先かみたいないまお話なんですけれども、私はやはり両方から迫っていく必要があると思うのです。これは資源エネルギー庁でも、たとえばNIRAを初めあるいは松下技研等いろいろなところに研究委託されているわけです。そこでは一定の数字というものも出ておるわけです。だから、そういうものは研究をやっていってから調べればいいということではないと思うのです。おおよそどの程度のエネルギーが得られるのかということの計算がなくていたずらに研究を進めてみても、研究の規模を定める上からも私はそれは無視はできないと思うのです。そういう点でいまの発言はちょっとどうもいただけないのです。全然つかんでいないのですか。そんなことないでしょう。いろんな委託研究を出されているじゃないですか。私のところでも三つも四つも数字はありますよ。それをどのようにつかんでおいでになるのか。おっしゃることはわかります。雨の日もあれば晴天の日もあれば、しかし年平均してどれだけのエネルギーというのはこれは当然出てきているわけですから、それをお聞かせ願いたいと言っているのです。
#80
○政府委員(石坂誠一君) いろいろな数字が出ておりますが、たとえば地熱で申しますと三千万キロワットぐらいの包蔵量があるだろうというように言われているわけでございます。そういった大づかみの数量というものは、研究開発する一つのコールとして非常に重要な数字であるということはおっしゃるとおりであるというようにとらえております。ただ、私が申し上げたいのは、たとえば、いろいろな意味での自然エネルギーを利用する場合に、それ以上のエネルギーがかかっては何もならないわけでございますから、そういった点もよく考え、かつまた装置そのものの効率等もよく考えて、はっきりしたものにして公式の発表をすべきではないだろうかということを申し上げたわけでございます。
#81
○吉田正雄君 それじゃ、資料として、現段階でまとまった資料があると思いますから、ありましたら資料をいただきたいと思うのです。どのように通産としてはまとまっているのか一応知りたいと思いますから。よろしゅうございますか。
#82
○政府委員(石坂誠一君) ただいまの資料の提出の件でございますが、私どもの手持ちの範囲で、多少願望も含めたというような形になるかもしれませんけれども、先生のお手元までお届けいたします。
#83
○吉田正雄君 次に、新エネルギー開発機構について若干お尋ねいたします。
 当初の予定では公団にするというふうに聞いておったわけです。これは新聞等でもそのように報道されておりましたけれども、その後特殊法人の機構に変わってきたわけですが、その変わった理由、それから公団と機構でどのように違うのか、機構の方がメリットがあるのか、そこをお聞かせ願いたいと思います。
#84
○政府委員(森山信吾君) 確かに、昨年予算要求の段階におきましては公団を新設いたしたいという要求を出したわけでございます。もともと公団も第三セクターでございますから、私どもは、新しいエネルギーの開発に取り組むためには第三セクター方式がよろしいのではないかということでございまして、公団の要求を出したわけでございます。しかしながら、やはり何か新しい新機軸を打ち出したい、新エネルギーの開発という未来に向かってのチャレンジをしたいという熱望がございましたので、公団が決して悪いというわけじゃないのでございますけれども、何となく公社、公団に対する世の中の見方がマイナス面ばかりに目が向けられた時代でもございましたので、本来的に持っております第三セクターのよさを引っ張り出すためのいい知恵はないかというふうに考えまして、それには名称も、従来のいわゆる公社、公団とは違うような形の名称にひとつしたらどうかというような考え方もございまして、あれこれ知恵をしぼりまして新エネルギー総合開発機構というようなことにさせていただいたわけでございます。本質的には、冒頭に申し上げましたように第三セクターでいくべきであるという考え方は貫いたつもりでおりまして、俗に言います官民一体と申しましょうか、民間の活力をフルに発揮できるようなシステムを考えたいということから、いまお出しいたしておりますような形になっていったという経過でございます。
#85
○吉田正雄君 民間の活力を十分活用するということは非常に結構なことなんですけれども、これは単なる抽象的な言い方でなくて、具体的に民間の活力をどういうぐあいにして活用されるという考え方なんですか。どうもはっきりしないのです、言葉としてはわかるのですけれども。
#86
○政府委員(森山信吾君) まず、出資が一つあると思いますけれども、政府の出資につきましては法文上規定がございまして、第十四条第一項に四十七億という数字が書かれておりますけれども、これは事業資金等を含めまして四十七億でございまして、いわゆる設立のための出資金といたしましては六億円ということを考えておるわけでございまして、政府の出資に対しまして民間といたしましてもバランスのとれた出資をしてもらいたいということでございまして、出資は官民ともにそれぞれの出資をするということが一つあろうかと思います。
 それから次は機構の中身でございますけれども、まず組織といたしまして、この法案の中にも書かれております運営委員会という制度を織り込んでおるわけでございますけれども、この運営委員会、ほかの政府機関等にもございますが、今回新たな観点で私どもが考えましたことは、運営委員会の機能というものを相当大幅なものにいたしたいということでございます。たとえば二十一条にその権限が書かれてございますが、「機構の予算、事業計画及び資金計画並びに決算は、委員会の議決を経なければならない。」とございまして、ほかの政府機関よりは相当強い権限を与えておるということでございまして、この運営委員の方々には民間の方を任命させていただきたいというふうに考えておりますので、そこで民間の活力がフルに発揮できる一つの手がかりになるのではないかという考え方がございます。
 それからいわゆる職員の構成でございますけれども、この機構で分担させていただきます新たなる技術研究開発につきましては、もちろんパブリックセクターに従事しておられる方にもりっぱな方がいらっしゃいますけれども、広く民間の方にそういった人材を求めていくことによりまして、民間の活力が生かされるのじゃないかというふうに考えておりまして、いま申し上げましたことを要約いたしますと、出資及び運営委員会の人選あるいは職員の人材発掘、そういったことを通じまして民間の活力をフルに引っ張り出したい、こういうようなことを考えている次第でございます。
#87
○吉田正雄君 いま御説明がありましたように、この運営委員会の権限が非常に大きいだけに、この選任に当たっては慎重な配慮がなされなければいけないと思うのです。いまのお話ですと民間からということで、これは当然国家公務員が兼任するというわけにいかぬわけでしょうからそうなると思うのですが、選任の基準とかその方法、これをどのようにお考えになっておるのか。特に私は、この法案の趣旨からしても、従来のように単に産業界の代表とか、あるいはもっと端的に言って官僚のOBがこれを占めるというふうなことになったのではまずいのじゃないかと思うのです。いわゆる一般市民とか消費者代表というふうな、そういう人たちも私は積極的にこの委員に任命していくべきではないかというふうに考えておりますが、これについてはどのようにお考えになっておりますか。
#88
○政府委員(森山信吾君) 運営委員は法案上では七名という定数を設けておるわけでございまして、一般的に申し上げますと、この七名の方がそれぞれ違った角度で人選がされてしかるべきではないかというふうに考えております。特定の分野の方に集中いたしますと、どうしても機構の運営が特定の方に傾きがちでございますから、いろいろな価値観を持っておられるような方々をそれぞれ別個の観点でお選びするというのが一番至当ではないか、これは非常に抽象的な表現でございますけれども。ただ一つ言えますことは、やはり代替エネルギーの開発という大きな目標がございますから、全くエネルギーに素人の方の集団でも因りますし、逆に言いまして、エネルギーの専門家ばかりですとまた山の中に閉じこもり過ぎるという非難もなきにしもあらずというようなことでございますので、そういった専門家の方々を一部、あるいはユーザーの代表の方々を一部、それから国民の声を反映されるような方も一部というようなつもりを現在私自身は考えておるわけでございまして、これは何となくいま心の中で考えているということでございます。と申しますのは、ただいま法案を御審議いただいておる最中でございますから心の中で考えているということでございまして、法案を成立させていただきました暁には、少し皆様方の御意見を聞いて、いま私が考えておりますようなことを具体化するような作業を進めさせていただきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#89
○吉田正雄君 この運営委員の選任に当たっては、私要望いたしておきたいと思うのですけれども、特にアメリカ等の場合には、各種のいろんな審議会とか委員会には積極的に市民を選出しているという例もありますし、たとえば先般のスリーマイルアイランドのあの原発事故、ああいう非常に技術的な問題を含んだ調査委員会であっても地元の主婦をこの委員に選んでおる。素人の目からながめるということがきわめて重要である、とかく専門ばかに陥りやすいというあれがありますから。そういう点で、この法律を本当に有効に運営し将来のエネルギー計画がりっぱなものになるためにも、私はやっぱり、表現はいろいろあろうかと思うのですけれども、本当に市民代表と言ったらいいのでしょうか、国民代表と言ったらいいのでしょうか、私はそういう人を入れることの意義というものを積極的に認めていただきたいし、ぜひ配慮していただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 それからいまもちょっとお話がありましたが、この新機構の業務ですけれども、新機構の職員が全部で三百三十七人というふうになっておりますが、そのうち石炭鉱業合理化事業本部が百九十一人で、これはいままでの石炭鉱業合理化事業団のスタッフの皆さんがこのままずっとここにお入りになるというふうに思いますけれども、その他を見ますと、技術開発本部が四十八人、それから地熱調査部が十四人、企画・業務部が二十五人、計八十七人というものがこの新機構の代替エネルギー研究開発の中心的な人たちになっていくのじゃないかと思うのですが、これだけの大事業をやるということになりますと、果たしてこれだけの人数で一体どこまでのことがやれるのかという不安も出てくるわけです。当然全部やるということにはならぬわけですし、またそれはそういう機構でもないと思いますので、掲げてあります主要業務ですね、たとえば「新エネルギー対策の推進母体について」、これは法案の中にもありますけれども、この主な業務についてこの新機構が分担をするのはどこの段階までなのか、これをお聞かせ願いたいと思うのです。たとえば「新エネルギー技術開発」というところで、(イ)、(ロ)、(ハ)と、たとえば「石炭液化」あるいは「熱水利用発電、深層熱水供給システム」あるいは「太陽光発電、産業用ソーラーシステム」というふうにいろいろあるのですけれども、それぞれの業務で一体どこまでをこの新機構が分担するのか。これが明確でないとこれまた困るのじゃないかと思いますから、そこをお聞かせ願いたいのです。
#90
○政府委員(尾島巖君) 新エネルギー総合開発機構の業務の範囲につきましては三十九条に規定してあるとおりでございます。いまお話のありました技術開発につきましては、「その企業化の促進を図ることが国民経済上特に必要なものの開発」ということで、基礎研究段階のものはおのおのその試験研究機関で研究開発をやっていただくということで、それからさらに発展いたしましてプラント開発等の開発段階あるいは実証段階に入っていったもので商業化一歩手前のものまでの中で、特に国民経済上必要だと思った重要な技術開発を取り上げてやってまいろうということがこの新エネルギー総合開発機構の業務の範囲でございます。したがいまして、たとえば石炭液化をやる場合にも、そのプラント開発の段階に達したものを実用化段階にまで持っていく開発業務を行うわけでございます。そういうような開発段階におきましても、他方では基礎的な要素研究等も必要になってまいりますので、そういうものはその関連の研究機関にゆだねてやっていきたいということでございます。
 なお、この新機構では、一部民間に研究委託することができる規定を置いておりまして、その方が効率的だと思う場合には、その開発業務の一部を委託して開発を進めるということができるようにいたしております。
#91
○吉田正雄君 これからできる新開発機構ですから、すべてがすっきりとまだ割り切れておるというふうには思いませんけれども、この技術開発に成功した場合、実用化ということになってくると、またいろんな問題が出てくるのじゃないかというふうに思うわけです。たとえば太陽光発電あるいはソーラーシステム、これらについてもコスト上の問題がいろいろ出てくるとか、そういうことで、その実用化普及対策についてはどのようにお考えになっているのですか。質問の意味わかりますでしょうか。
#92
○政府委員(尾島巖君) 幸いなことに技術開発に成功した場合には、その技術を利用して実用に供し得るものとなった場合には、わが国におきますエネルギー供給の確保に資するとの観点から、その技術が広く普及いたしまして積極的に企業化が行われることが期待されているわけでございます。したがいまして、この開発の成果が広く一般に供されるように、その技術の特性に応じまして、機構自体がその普及促進に当たってまいりたいというふうに考えております。
#93
○吉田正雄君 これは予算のところで聞いた方がいいのかもわかりませんけれども、たとえば予算面でソーラーシステムの普及促進というのが五十三億円盛ってあるわけです。これは具体的にその内容というのは何を考えておりますか。
#94
○政府委員(森山信吾君) ソーラーシステムの普及につきましては、これは新機構でやるという考え方ではございませんで、この成果普及につきましては別途の形で助成するということでございまして、たとえば一つは公的施設に対します設置の補助、これは対象は地方自治体が設置いたします施設、これは福祉施設等が中心になるわけでございますけれども、こういったものに対します補助、あるいは住宅及び事業用の施設に対する低利融資事業ということでございまして、この低利融資事業を行うためには現在ございますソーラーシステム協会を利用いたしまして、そこに対する基金助成等を行いまして、その基金から生じます果実を対象にいたしまして低利融資を行うというようなことを考えておるわけでございまして、新機構で直接やる領分ではないということでございます。と申しますのは、先ほど答弁申し上げましたように、すでに実用化の段階に入っているというものにつきましては新機構の業務の対象とはいたしておりませんで、これはむしろ成果普及という考え方がありますから、そういった形で予算上は特別会計の予算に入っておりますけれども、事業の主体といたしますれば、いま申し上げましたように新機構とは別個の観点から成果を普及させていただきたい、こういうような考え方でいるわけでございます。
#95
○吉田正雄君 この業務の中に、たとえて言いますと、「海外における石炭資源の開発に必要な資金に係る債務の保証」というのがございますが、この債務の保証というのはどこまで認められるのか。これは予算があくまでも優先するということで考えていくのか、それとも事業内容に制限を設けていくのか。たとえば開発に鉄道を敷くことが必要だというふうな場合に、その鉄道を敷く者に対する債務まで保証するのかどうなのか。これはどの辺まで考えておいでになるでしょうか。
#96
○政府委員(高瀬郁彌君) 債務保証の問題でございますけれども、これは民間資金を十分活用しようということで考えておりまして、対象設備は一応石炭の生産に直結する設備を中心に考えていこうというふうに考えております。しかしながら設備投資のことでございますから、サイト別にいろいろな内容がございます。変化がございます。可能な限り見ていこうという方向ではございますが、かなり不特定多数の者に使用されるようなインフラについては、いまのところ対象には考えておらないということでございます。
#97
○吉田正雄君 次に、日本地熱資源開発促進センターの有する権利義務のうち、寄付行為第四条第七号の事業を承継できるようになっておるわけです。センターとの話し合いの内容がどうなっておるのか、それからこの事業に限った理由がどうなのか、お聞かせ願いたいと思います。
#98
○政府委員(尾島巖君) 地熱開発センターの事業の一部を新機構が引き継ぐことにいたしておりますが、これは同センターの債務保証業務でございます。この債務保証の業務は、この新機構におきまして地熱開発を進める上で重要な一つの手段といたしまして債務保証業務を本則といたしましてやっていくことにいたしております。したがいまして、この新機構の業務を円滑に、かつ地熱センターとの間で効率的に運営していくためには、同センターの債務保証事業を引き継ぐことが適当だというふうに考えまして、附則第十三条のように申し出を受けましてそれを引き継ぐという形にいたしたわけでございます。その申し出は、同センターの理事会の議決を経まして引き継ぎ申し出書を作成して提出を受け、それで引き継ぎをされるという形にいたしております。われわれといたしましては、債務保証業務を新機構で、そのセンターがやっておりました業務を引き継いで、さらに拡大して円滑にできるように期待いたしておるわけでございます。
#99
○吉田正雄君 これはセンターの方から積極的にそういう申し入れがあったのか、あるいは通産として本法案の施行に当たってはその方がより望ましいという判断でセンターの方に積極的に働きかけられた結果こういうふうになったのか、どちらが主導権を持って話し合いをされたのでしょうか。
#100
○政府委員(森山信吾君) 率直に申し上げますと、いま先生のおっしゃいました後者の方でございまして、私の方は、地熱センターの業務を吸収する方がより効率的な仕事ができるのじゃないかという判断をしたわけでございます。しかしながら、これは別個の法人でございますので、政府機関でもございませんし、いわゆる民間の法人でございますから、政府の力でその業務を取り上げるというようなかっこうになりましてもこれはやっぱり行き過ぎではないかということでございまして、私どもが発想いたしましてセンターの方で同意をするという状態になりますれば私どもの考えどおりにさせていただきたいということで、条文上も申し出を受けてという条項を入れさせていただいた、こういうことでございます。
#101
○吉田正雄君 次に、石炭合理化対策についてでありますけれども、第六次の計画が来年度で切れることになっておりますが、切れた後についてはどのように考えておいでになりますでしょうか。
#102
○政府委員(高瀬郁彌君) 国内炭対策の基本法というのは、先生御指摘のとおり石炭鉱業合理化臨時措置法でございます。これは五十七年三月期限切れということになっております。これに対しまして、具体的な政策というのは、石炭鉱業審議会というのがございまして、そこで現在六次答申というのが出ております。この機関といいますのは、国内炭を維持していこう、それから海外炭を積極的に開発していこう、それから海外石炭を利用するためにはどうしても利用技術が必要である、利用技術の開発をしようという三本柱でいまやっているわけでございます。したがいまして、法の期限が切れるという問題、それから石炭に対する見直しが世界的規模で行われている事情等々を考えますと、やはり新たな政策を用意する必要があるのではないかということで、今後段階的に石炭の利用を内外を含めて図っていくという方向で、近く石炭鉱業審議会に諮問し、その上で法律の延長等を含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
#103
○吉田正雄君 先ほども申し上げましたように、石炭資源もやっぱり海外に依存する割合というものがだんだん高まっていくと思うのです。そういう点で、私はイギリスや西独と比較して今日石炭の事情がこういうふうになったということについては、余りにも石油に依存し過ぎたということも言えるのじゃないかというふうに思うわけです。そして一たん廃鉱にしますと、これを再建するということになると大変な資金が必要でしょうし、むしろ新規に開発するよりもよけい金がかかるというふうな部分も出てくるのじゃないかと思うのです。しかし、将来のことを考えますと、炭価には外国炭と国内炭では差があると思うのですが、しかし、逐次私はこの価格の格差というものも縮まってくるような傾向にあるのじゃないかという感じがいたします。
 そこで、国内炭については、従来はスクラップ対策が中心で進んできたような感じがするのですけれども、この長期エネルギー需給暫定見通しによりますと、国内炭についてはこれは二千万トンでずうっと今後もいくような計画になっておりますが、しかし、石油の今後の確保の見通しであるとか、あるいは海外炭の価格の値上がり、あるいは原子力等についてもウラン資源の確保というものがだんだん厳しくなってくるのじゃないかというふうに思うわけです。そこで、私は国内炭の再開発にこれから積極的に取り組んでいく必要があるのではないかというふうに思うのです。したがって、法案の単なる延長とか、従来計画の機械的な延長でなくて、抜本的に、この法案ができるのを契機にしてもう少し基本的に見直しを行ったらどうかというふうに思うのですが、その点についての御見解はいかがでしょうか。
#104
○政府委員(高瀬郁彌君) 先生御指摘の再開発問題につきましてはすでに議論がなされておりまして、とりあえず、既存の炭鉱がかなり老朽化しておりますので、これが深部に深くなったりそれから坑口から遠くなっていくことを防ごうということで既存炭鉱の周辺の開発をどうするかということが議論なされまして、それにつきましてはすでに法律の措置を行っております。そういうことで既存炭鉱の老朽化を防ぐ政策はもうすでにやっております。そのほか、五十年、五十一年にかけまして、日本国内の新規に開発できるところはないだろうかということで調査をすでに開始しておりまして、若干その中で相対的に優位であるという個所が二ヵ所ほど見つかっています。しかしながら、何分にも労働力確保問題それから環境問題等等問題点が多々ありまして、これを具体化するにはまだ若干の検討を要するのじゃないかというふうに感じています。したがって、今後の見直しにつきましても、第六次答申の二千万トン程度を維持するという問題を中心にして御議論いただくということで、いま審議会に臨む諸準備をしているというのが現状でございます。
#105
○吉田正雄君 次に、資金の長期的計画と財源についてお尋ねいたしたいと思うのです。
 配付されました予算書なり資料等を見ましても、長期的な見通しというものが必ずしも明確ではないわけです。さらに財源についても、従来の原重油関税、石油税の配分であるとか、あるいは新たな財源としては電源開発促進税の税率引き上げということがあるのですけれども、この長期的な資金計画と財源についてどのような検討がなされたのか、当初にお聞きいたします。
#106
○政府委員(森山信吾君) まず、私どもが代替エネルギー開発に取り組みたいというその期間は、五十五年度から昭和六十五年度までを見通した計画をつくりたいということでございまして、十一年間でございます。
 財源につきましては、一般会計で賄った方がいいのか、あるいは目的税的ないわゆる特別会計で賄った方がいいのかという議論をずいぶんしてみたわけでございますけれども、二つの考え方から特別会計の方がいいのではないかという結論に私どもは到達したわけでございます。
 その一つは、代替エネルギーの開発がどうしても特定の受益者を対象にして行われるものである。先ほど答弁いたしましたように、ある程度実用化のめどがついたものを加速的に発展させるための対策費でございますから受益者がある程度特定されるということで、そういう方々に受益者としての御負担をいただくのが至当ではなかろうかという考え方が一つ。それからもう一つは、一般会計でございますと、その都度の財政規模によりまして支出の方が変動する危険性がございますから、こういった中長期で取り組むべき代替エネルギーの開発というものはある程度はっきりした収入見込みがあった方がよろしい。こういうような二つの考え方から特別会計の方にお願いした次第でございまして、その特別会計の中身は、いまお話のございましたように二つの特別会計から成り立っておるわけでございます。
 一つは、石油及び石油代替エネルギー、いわゆる石特会計と称するものが一つございますし、もう一つは電源開発促進特別会計、いわゆる電源特会と称するものでございまして、この特別会計をベースにいたしまして財源手当てを考えていったというのが実情でございます。
 そこで、石特会計につきましては、原重油関税と石油税がその財源になっているわけでございまして、原重油関税は御承知のとおりキロリッター当たり六百四十円という収入がございますので、これをそのまま適用させていただきたいということでございます。
 それから石油税につきましては、三・五%という税率がございまして、これは従価税でございますから、原油の値段が上がってまいりますと収入の方もだんだんと上がってくるというシステムでございまして、この石油税の収入のうちの一部を石油代替エネルギーの開発に使わせていただきたいということでいわゆる使途拡大、使途変更といいましょうか、使途拡大の法案を別途お出ししているわけでございます。
 それから電源開発促進税につきましては、従来キロワットアワー当たり八銭五厘でございましたものを三十銭にアップさせていただきたいというお願いをしておりまして、二十一銭五厘の分をいわゆる電力関係の代替エネルギーの開発に使わせていただきたい。
 そういう財源対策の仕組みを考えまして、十一年間の収入を考えてみますと大体三兆円ぐらいの収入があるのではないかということでございます。特別会計別に申し上げますと、石特会計で約一兆五千億、それから電源特会で約一兆五千億ということでございまして、合計いたしまして三兆円ということでございます。
 その三兆円の使い方でございますけれども、新機構に使わせていただきたいと思っておりますのが約半分の一兆五千億ということでございます。
 こういったことで財源手当てを私どもなりに考えさせていただいているわけでございますけれども、いま別途大蔵委員会の方で税法と特会法の御審議をいただいておるわけでございますから、私どものお願いしております機構とその財源、両々相まちまして代替エネルギーの開発に取り組みさせていただきたい、こういうふうに念願しておる次第でございます。
#107
○吉田正雄君 従来からも揮発油税であるとか、あるいは地方道路税、あるいは軽油引取税、こういうものが道路にばかり使われているのは問題があるのじゃないかという論議もあったわけです。今回のこの新機構の発足に当たって、いま説明のあった財源確保の検討の段階でこれらの税制について検討をどのようにされたのか、お聞かせ願いたいと思います。
#108
○政府委員(森山信吾君) いわゆるエネルギー関係の税金はたくさんございまして、現在十種類ございます。いま御指摘のように揮発油税もその一部でございまして、半分近くを揮発油税収入で賄っておるわけでございますが、合計いたしまして五十四年度には三兆三千億ほどのエネルギー関係からの税収があるという見込みになっております。そのうちの六割以上のものが道路財源に使われるということでございまして、いろいろな御意見がございます。率直に申し上げましてございます。道路にばかり金を回さずにエネルギーに回したらどうかという御意見もございますし、私どもも内心そういう気持ちでおるわけでございますけれども、また、この税の仕組みあるいは道路関係の特別会計の仕組み等が長年の経験あるいはその考え方の積み上げによって出されたものでございますので、この際一挙に税の仕組み全体を考え直すというところまでは至らなかったということでございます。いろいろまた影響する分野が多過ぎるということもございまして、エネルギー関係の税制につきましての抜本的な変革と申しましょうか、改革と申しましょうか、それは行われなかったというのが偽らざる実情でございます。私どもは、そういった意味で、別途の観点から代替エネルギーの開発のための財源手当てをする必要があるということで先ほど申し上げたような税制のお願いをしておるというのが実情でございます。
#109
○吉田正雄君 原重油関税から得られる千五百六十九億円を二つに分けて、石炭勘定の方に千二百五十七億円、それから石油及び石油代替エネルギー勘定の方に三百十二億円というふうに割り振ってあるのですけれども、これは今後もずっと一定の率で割り振るというふうに考えておいでになるのか、毎年度その都度その都度事業内容を検討して、予算の要求が出てくると思うのですが、その段階で割り振りを考えていくのかというのが第一点です。
 それから電源開発促進税。これは大変どうも評判が悪くて、大蔵部会等でもいろいろ論議をされておると思うのですが、私たちが当初本法案について非常に大きな疑問を持ったといいますのは、石油代替エネルギーの開発に名をかりて原発の開発のねらいが主ではないかという疑問を持ったといいますのは、この電源開発促進税を、ただいまも話がありましたように、一キロワットアワー八銭五厘であったものを三十銭に大幅に引き上げた、その引き上げた財源約十カ月分で八百二十七億円の五四・五%というものが実は原子力関係に振り向けられるということであって、まさに「羊頭を懸げて狗肉を売る」ものではないかというそういう感じを持ったのです。したがって、私は原子力については、当初の説明にもありましたように、原子力基本法やその他の法体系に基づいて従来もずっと推進してきているわけです。新たにまた電源開発促進税を大幅に引き上げた。その引き上げる理由というのが、代替エネルギーの開発ですということを理由にして引き上げておりながら、実はその五四・五%というものが原子力関係に回っていくという点に非常に疑問を持っているのです。これはむしろ従来の体系の中で消化すべきであって、私は引き上げられた分については全面的にその他の石油代替エネルギーに振り向けるべきではないかという考えを持っているのです。その方がまたこの法案との関係も非常にすっきりしてくるのじゃないかというふうに思うのですけれども、何でここに入れたのか、油と水のような関係なものですから、その点お聞かせ願いたいと思います。
#110
○政府委員(森山信吾君) まず、第一点の原重油関税の取り扱いでございますが、御承知のとおり、相当前、昭和三十年代の初めごろにいわゆる石炭から石油への転換が行われたということで、それに対します措置としての原重油関税の制度がございましたから、やはり石炭対策に主として振り向けられるという基本的な考え方があったわけでございますし、現にあるわけでございます。形式的に申し上げますと、石特会計法第四条に規定がございまして、毎年度石炭対策及び石油対策に必要な費用を勘案して各年度の予算で定めることという規定があるわけでございますので、形式的な言い方を申し上げますと、毎年予算の収入状況あるいは予算要求の状況というものを勘案いたしまして決めるということになっておるわけでございますが、現実には石炭対策が中心になって行われるということが当分の間続くのではないかという考え方を持っておるわけでございます。
 それから第二点に御質問がございました電源開発促進税を大幅にアップして原子力に振り向けるのではないか、むしろ代替エネルギーの開発に名をかりて原子力の推進を図るのではないかという御指摘に対しましては、先ほどの私の答弁と関係あるわけでございまして、十一年間の収入見込みが約三兆円と申し上げました。そのうちの半分を新エネルギー開発機構で使わせていただきたいというふうに考えております。それからほかの、つまり新エネルギー開発機構で直接やる業務ではなくて、たとえば、先ほどちょっと申し上げましたソーラーシステム等の新機構でやるよりもほかの機関でやっていただいた方がよろしいと思われるようなものにつきましては別途の形で代替エネルギーの開発を促進していただくわけでございまして、その分が約五千億見込まれておるわけでございますので、合計いたしますと約二兆円、三分の二は原子力以外のところで使わせていただくということでございますので、あくまでも電源開発促進税の引き上げの目的は原子力を除く代替エネルギーの開発に主眼があるというふうに御理解を賜れば大変ありがたいと思う次第でございます。
#111
○委員長(吉田実君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時五十分まで休憩いたします。
   午後零時四十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十七分開会
#112
○委員長(吉田実君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案を議題とし、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#113
○岩動道行君 最初に、ユーゴスラビアの大統領でありましたチトー大統領がこのほど逝去されましたことに対し、日本国民の一人として、国会議員の一人として、さらにまた私ども有志議員で日本・ユーゴスラビア友好議員連盟を持っておりますが、そのメンバー、副会長としても、この機会に謹んで哀悼の意を表したいと思います。
 同時に、第三世界の先頭を切って世界の平和のため緊張緩和のために大きな役割りを果たしてこられたチトー大統領の死去ということが今後世界の情勢をどのように変動させてまいるか、大きな問題でございます。これは政治的な国際的な問題であると同時に、バルカンといういわば国際紛争の火種であった歴史的な地域でもありまするし、あるいはまた中東と非常に接近した地域でもございます。そして米ソの間において、あるいは中国を加えていわゆる大国が、ユーゴスラビアの今後の体制、そして第三世界がどのように動いていくかということにも大きな影響があり、ひいてはこれが世界のエネルギー事情にも影響しないとは言えないような重大なモメントであろうかと思います。
 この機会に、大平総理大臣が急遽予定を変更してベオグラードに参ってチトー大統領の葬儀に参列されるということは、まことに時宜を得たものと思いまするが、その機会にいろいろな国の首脳が一堂に集まるわけであります。したがって、そういう機会にまた、チトー大統領の死を悼むとともに、今後の世界の平和と繁栄とそして私ども日本が果たしていかなければならない使命からそのような機会を十分に活用して重要な国々の人々と総理がお話をする機会をぜひ持っていただきたいと思いまするが、外務省としてはこの機会にどのようなことを日本国の総理大臣にやってもらうつもりでおるか、まず、この点を伺っておきたいと思います。
#114
○説明員(西村元彦君) お答え申し上げます。ただいま欧亜局長の武藤は大平総理に随行いたすべくボンに向かいましたので、不肖西欧一課長西村がかわりにお答えさせていただきます。
 大平総理におかれましては、岩動先生が御指摘になりましたように、わが国全体の弔意を表明すべく、急遽カナダの御訪問の予定を変更されましてベオグラードに向かわれておられる次第でございます。まだ向かわれておられる途中でございまして現地には到着しておられません。
 ただいまの先生の、外務省としては総理に何を期待するのかという御質問に対しましては、私、必ずしも外務省全体を代表いたしまして申し上げる立場にはございませんけれども、省員の一員としては、この際、総理が、まず第一に、日本全国民を代表いたしまして現地において心から哀悼の意を表明していただくべくベオグラードに赴かれ、その御任務を全うされるということを衷心からお願いしている次第でございまして、私ども政府職員の一員といたしまして、これを成功さすべく全力を尽くしている次第でございます。
 第二に、これはただいまの主目的がともかく全体的な比重から申しますと圧倒的重要性を持つわけでございますが、岩動先生御指摘のように、その機会に、世界各国から同じように故チトー大統領の偉業をたたえるべく、またユーゴ国民へ哀悼の意を表すべく、主義、社会体制、政治体制、主張等を超えまして世界各国から代表的な指導者がベオグラードに参集されるというふうに承っております。この機会にわが国を代表する大平総理におかれましても、葬儀の合間を見まして、もし物理的な余裕がございますようでございましたならば、親しく個人的なコンタクト、ごあいさつといったような機会を持たれることは、これまた日本全体として国際交流の側面から非常に重要なことであると存じております。しかしながら、繰り返しになりますが、私ども政府職員といたしましては、やはり葬儀への総理の御出席、そしてこれを全うされることが最も重要なポイントであるというふうに認識いたしております。
 以上でございます。
#115
○岩動道行君 もちろんチトー大統領の偉大な業績をたたえ、そして哀悼の意を表することが唯一の目的であり、またそれでよろしいわけでありまするが、せっかくの機会でありまするから、やはり中東諸国にもまだ大平総理は訪問もしておりません。フランスの大統領は何回も行っている。こういうことから考えましても、そういう機会にハウ・ドゥー・ユー・ドゥーと、そしてまた従来の石油を供給してもらっておることに対する感謝と今後のことについて、あいさつ程度のことは少なくともする機会をぜひつくるように外務省からも現地の方に直ちに要望として伝えていただきたい。ぜひそのような行動もとっていただきたいということを要望しておきます。
 さて、エネルギーの問題は、何と言いまして水油を中心として国際的な問題でございます。そういう意味において、いま新エネルギーを開発するための法案を審議するわけでありまするが、しかし、これで日本のエネルギー問題が解決するわけではございません。何といっても石油あるいは水力、石炭、原子力、こういうような大きな柱がきちんとしていなければなりません。そういう意味において、まず、私は資源エネルギー外交、これが必ずしも十分だとは思えない節もありますが、通産大臣は就任後IEAの会議に出られ、あるいはインドネシアを訪問される等、さらにまた先般は中国を訪問する等、活発に活動しておられまするが、中東にはまだおいでになっていないと思いますが、おいでになる御計画はおありでしょうか。
#116
○国務大臣(佐々木義武君) 国会が済みましたら、ぜひひとつ参りたいと思いまして、特にサウジアラビアとの関係では合同委員会を今度は向こうで開くことになっておりますので、私も参加したいと思っております。まだ日程等は十分に決めてございませんけれども。
#117
○岩動道行君 最近、中国を訪問されたわけですが、石炭の問題あるいは中国原油の問題等についてどのようなお話し合いをして、どのような成果を得て帰られたか、この機会にお聞かせいただきたいと思います。
#118
○国務大臣(佐々木義武君) ただいまお話しのとおり、四月二十七日から五月四日まで私は中国へ行ってまいりました。主たる任務は、資源エネルギー問題あるいは技術交流の問題が主なテーマでございました。
 華国鋒総理、それから余秋里副総理、康世恩副総理の御三方と、それから大臣クラスでは李強対外貿易部長、唐克冶金工業部長、高揚文石炭工業部長の三大臣。総理、副総理二人と三大臣の六名の方が中心になりましてそれぞれ会談を持ったわけでございますけれども、総理との関係は表敬訪問的な面が主でございますので、一応これは抜きまして、その他会談をした皆さんを中心にいたしまして、ただいま御指摘のございました特にエネルギー問題に対してどういう主な話し合いがあったかという点でございますけれども、まず、石油でございますが、石油に関しましては、中国の方では探査、調査と申しますか、これに非常にいま力を入れておりまして、その最中でございますけれども、いままでは、御承知のように海洋油田の探査等には渤海を初め黄海あるいは中国南部の海洋でそれぞれ各国が分担いたしましていま進めていることは御承知のとおりでございます。この方は従来どおり、また近く、わが方でも調査の専門機関ができましたので向こう側との調印等の問題がございますけれども、いずれにいたしましても海洋油田の方は従来の線をそのまま強力に進めていただくことにいたしまして、私ども今度参りまして特にお願い申し上げましたのは、外国企業には許していなかった大陸の油田探鉱開発に参加させてもらえまいかという申し入れをいたしました。大港油田、ただいまこれは油を出しているところでございますけれども、及びその他の渤海湾陸上の油田等の探鉱開発に対しては、どうぞ日本も参加して一緒にやってまいりたいというお話がございまして、原則的な合意がなされたわけでございます。その他の奥地の油田等に関しましても、こちらの方で計画がございましたらいかようにでも協力したいという話がございまして、これも進めようかと考えておりますので、この点は非常に大きい収穫じゃなかろうかと思っております。中国の大陸の油田は大変大規模なものばかりでございまして、将来大変望みの持てるところじゃなかろうかという感じがいたしました。
 それから石炭でございますけれども、石炭に関しましては、輸銀の開発ローンがいま出されているわけでございますけれども、向こうからは七つのプロジェクトを出してございましたが、そのうちの三カ地点に関しましては合意に達しまして、それは近く正式な調印になると思います。残りの四カ地点と、向こう側から合弁あるいは補償方式で開発したいという四つの申し込みがございましたが、これともう一つ、私の方から大同炭鉱等その他も合わせまして、そういう輸銀ローンの対象になっている四カ地点、あるいは合弁、補償方式の四カ地点、その他大同等あわせましたそういう地点の扱いをどうするかという問題でいろいろディスカッションした結果、向こう側は、輸銀ローン対象の四カ地点の調査をまず急いでもらいたいというお話でございまして、私どもの方は、それはもちろんそうですけれども、その他の地点も同時にできれば調査したいというお話をいたしましたところ、それではこの問題をいつ、どういう時期に、どういうふうに調査を進めるかさらに検討してみようということで検討を約して帰ってまいりました。
 それから石炭液化でございますけれども、これは日中で共同研究をぜひやりたいということで基本的には合意いたしまして、六月に日本からミッションを派遣することで帰ってまいりました。
 それから日中の長期貿易取り決め。これは従来からあるわけでございますけれども、これに関連いたしまして、まず八五年に石炭を一千万トンわが方としては引き取る用意があるけれども、日本側の需要家の希望に合致した炭種について、あるいは価格等について合意に達したならばひとつぜひわが方としてはそれを引き取りたいというお話を申し上げましたところ、中国側といたしましては、それではその一千万トンの内訳はどうなっているのですか、一般炭と粘結炭との区別はどうなっているか、炭質あるいは炭種等の詳細が欲しい、ぜひその資料をちょうだいしたい。そうすることによりまして、向こうは輸送機関との兼ね合いもございますから、そういう点もあわせて考えて希望に沿えるようにいたしたいという申し出がございまして、近く資料をこちらから提出することにして帰ってまいりました。
 それから油の八一年、八二年の量でございますけれども、中国側はいま石油の方は生産が余り伸びておらぬのに消費が大変ふえておりまして、従来約束したとおりの数量を日本に輸出するということは大変困難な事情にあるように見受けられました。しかし、八一年度等につきましては最大限の努力を払いたいという発言がございまして、今年度下半期にこれに関しましてもう少し具体的な話に入るということにして帰ってまいりました。と申しますのは、ちょうど、華総理も申しておりましたが、ただいま、いままでのいろいろな開発計画の調整期に入っておりまして、その調整をしている最中でございまして、五年計画あるいは十年計画、恐らくことしいっぱいくらいかかるだろうと思っておりますが、それをつくっている最中なので、そういう点が正確に決まってくれば大変こういう問題を扱うのに扱いいいというお話でございまして、それではもう少し中国の計画が進むのを待ってということで下半期ということにいたしてまいりました。
 それから技術協力の問題でございますけれども、これは経営管理に関する技術協力センターを北京に設置したらどうだろうということを提案いたしまして、大変結構なことだということで、これも具体的な今後の取り運びになろうと考えております。その他いろいろ、研修生の受け入れとか、あるいはこちらからの技術者、専門家の派遣だとか、あるいは水力開発のフィージビリティースタディーの調査団を送るとかいったようなたくさんの項目がございましたけれども、それはほとんど技術協力に関しましては合意に達した次第でございます。
 最後に、華総理に会いました際に、向こうはちょうどただいま新しい計画をつくっている最中だと申すものですから、それじゃ通産省の事務次官以下ベテランを派遣するので、日本側のいままでの体験等いろいろ話したいから、あるいは八〇年代のビジョンなんというものもこのほどできましたので、そういう点も参考までに聞いてもらえないかと言いましたら、大変喜んでくれまして、ぜひひとつ派遣してもらいたい、二回ばかり繰り返して向こうはいつごろよこしてくれるかというので話がございまして、これはこの夏くらいには送りたいと思っております。
 大体、以上が主な内容でございますけれども、私が参りまして一番痛感いたしましたのは、いま岩動先生も御指摘のとおり、やはり人事の交流と申しますか、往来が激しくなることが一番国交を密にするもとだと思いますし、同時に、日本は経済協力あるいは技術協力が可能なわけでございますから、そういう面を通じまして両国が結ばれるということは、とりもなおさず資源エネルギー外交に結びつくわけでございますので、大変そういう点は重要なことだということを痛感してまいりましたような次第でございます。
#119
○岩動道行君 訪中結果についてかなり詳しい御報告を承りましたが、原油について大体予定しておった数量が八〇年はどうも太りそうもない、八一年になれば何とか努力してということでございますが、こうなってくると、実は中国の原油に余り大きな期待をかけ、あるいは日本の需給計画の中にどのように組み込んでいくのか、これは大変問題だろうと思います。
 もう一つ、中国の油は、いま大港油田の話が出ましたが、あそこは、私も行ってまいりましたが、いわゆる重質油であります。したがって、この重質油を日本で精製してまいるためには特別な装置が必要になってまいります。これが石油業界においても大変大きな問題であり、巨額な投資も必要であるということになってまいりますると、中国原油の活用ということについてはいろいろな面から慎重に検討し、そして日本の原油を確保する上での計画性に狂いのないようにやっていただかなければならないと思いますが、この点についてどうお考えになっているか、どのようにお進めになるか。
 それから中国の近代化のためにいま資源エネルギーの開発に日本が積極的に協力してまいることは大変結構であります。と同時に、これが国際緊張緩和そして十億の中国国民の生活の向上、それに役立つことは大変結構でありまするが、同時に、東南アジア諸国との関係において十分に調整のとれた協力態勢でなければなりません。そういう意味において先回も私申し上げたと思いまするが、中国との科学技術協力協定を華国鋒主席が日本に来られたときに結ばれるような話を聞いておりますし、その点で進んでいると思いまするが、その前にインドネシアとの科学技術協力協定をぜひやっていただくようにということを外務大臣にも強く要請いたし、大来外務大臣もこれを私どもに確約しておられたわけでありますが、その辺の関係は現在どうなっているのか。通産省が余り積極的でない、いわゆる発展途上国との科学技術協力協定については余り前向きではないという話も耳に入ってまいりますので、この際、この点について簡明にひとつ大臣からお話を承っておきたいと思います。
#120
○国務大臣(佐々木義武君) 私の言い方が悪かったかもしれませんけれども、八〇年の本年度分の原油は予定どおり八百万トンを向こうで出すことになっておりますので、これは問題ございません。これは李強大臣がこの前見えましたときに大体決めてくれましたので、これはそのままでございます。八一年の九百万トン、八二年の千五百万トン、これが問題のところでございまして、とりあえず八一年だけでもというので、この秋に協議に入ることになっていますけれども、さらにこの長期計画を、いままでのが八二年で切れますので、それから先の問題を協議して決めるということになっておりますから、そういう問題にこの秋から入っていくというふうに考えております。
 それから重質油の問題でございますけれども、これはお説のとおり確かに重質油でございますが、ただ、さっき申しました大港油田の深部に深く入りますと非常に軽質油が出るような話もございまして、日本側で今度試掘しようという話をしてまいりましたのは、深い深部の方にボーリングを入れようという話でございます。それでございますから、ただ、重質油でもたしか中国の油は硫黄分が少ないのが取り柄でございまして、その限りにおいては電力会社等には向く種類ではなかろうかと思います。
 それから技術協力協定に関しましては、通商政策局次長から御説明させます。
#121
○政府委員(真野温君) ただいま先生から御指摘ございました科学技術協力協定、これは御指摘のとおり、現在中国と交渉中であるほか、インドネシア等からもいろいろ要請がございます。私どもこの科学技術協力協定の場合に、両国間の科学技術の協力、これはいろいろなそれぞれの国の体制の違いとか、現実に進んでいる状況がございますので、私どもとしては、現在いろいろ行われております民間ベース、政府ベースを含めていろいろな科学技術の協力がございますので、それを実効あらしめるような仕組みにいたしたい、こう考えているわけでございまして、現在もすでにインドネシア等とは、政府関係機関それから民間を含めていろいろございます、そういうものが実際に有効に機能するように、逆にこういう一つのシステムを重ねることによって屋上屋を重ねるような形になりますとかえって関係機関の技術協力、研究協力に関する意気込みを阻害いたしますので、そういうことのないような仕組みをできるだけ早くつくりたい、こういうことで両者の関係を調整いたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#122
○岩動道行君 そんなことを聞いているのじゃないのです。そういうことはわかっているから、そういう問題を克服して――もうすでに華国鋒主席もやがておいでになる。インドネシアの方はもっと前から話が進んでいる。それを早くやっていただきたいということは前々から私は政府に要望してきているのです。そこで、いっそのような調印ができる見込みであるのか、そのことを伺っているのです。
#123
○政府委員(真野温君) ただいまお話がございました中国との科学技術協力協定につきましては、私ども鋭意作業を急ぎまして、今回大臣訪中のときに向こう側に案文を提示してございます。したがって、早急にこれを可能な限り詰めまして、華国鋒総理訪日のときまでに間に合うように努力いたしたいと思っております。
#124
○岩動道行君 インドネシアはどうだと聞いている。
#125
○政府委員(真野温君) インドネシアにつきましては、私ちょっと精細なスケジュールをただいま承知いたしておりませんけれども、これもできるだけ、先ほど申し上げましたような方向で進めるということは基本として変わりございません。
#126
○岩動道行君 そのように私はかねてから、中国の方はどんどん進むけれども、インドネシア等については余り進まない、そのことを指摘して強く要請してきている。大臣、これはよくひとつ心得てください、ぜひ速やかにやるように。次の委員会の機会にインドネシアについての科学技術協力協定は大体いつ調印ができるかというくらいのめどをひとつお示しいただきたいと思います。
 そこで、問題を先に進めますが、通産大臣は中国等に行って重要なエネルギー問題についてのお話し合いをしてこられて大変結構だったと思いますが、大平総理がアメリカ、メキシコ、カナダ三国を訪問して、特にメキシコにおいてはメキシコ原油の増量についての話し合いをされたと思います。現在十万バレル、それを三十万バレルまでふやしてほしい、こういう要請をされたと思いますが、新聞報道によると、それに対する確約は得られなかった、むしろメキシコ側からいろいろな経済協力の要請があって、日本側がそれにこたえられるかどうかということで増量の話は決まらなかったというふうにも伝えられておりまするが、その辺のいきさつと見通しを伺っておきたいし、それからカナダにつきましては、報告はどこまでとっておられるかわかりませんが、カナダもまた資源エネルギーの大きな国であります。ことにLNGの供給源としては大事な国でもあります。あるいはまた原子力の問題については、CANDUの商業炉として非常に成功している炉をつくっている国でもあります。したがって、このようなことについて、前回大臣からもこの点についてはさらに研究、検討を続けるということになっているのだということでありましたが、総理が行かれて、しかも向こうの政府が新しくまたかわったわけです。そういう点から見まして、このCANDUの問題については新しい話があったのかどうか、その辺もこの機会に伺っておきたいと思います。
#127
○政府委員(森山信吾君) 資源エネルギーの観点から今回の総理のメキシコあるいはカナダの御訪問の成果についてお答えしておきたいと思います。
 まず、メキシコでございますが、いま先生御指摘のございましたように、三十万バレルという数字が新聞紙上等で喧伝されたわけでございまして、あたかも総理が行かれますと直ちに三十万バレルの石油の供給が約束されるかのような印象があったわけでございますけれども、私どもエネルギー行政を担当しておる立場から申し上げますと、現在十万バレルの約束がございますものを一挙に三倍にするというのは物理的になかなか困難ではないのかという気持ちを正直に持っておったわけでございまして、これは下手いたしますと、三十万バレルじゃなくてその辺が大変あいまいになる危険性すら感じておったわけでございます。しかしながら、総理が現実に行かれまして大統領と直接お話し合いをされまして、結論的には一九八二年までに三十万バレルまで増加されるようにとの日本側の希望と期待に対しまして、メキシコ側は日本の要請を十分配慮する、政治的な配慮と善意をもって対処する、こういう結論に到達したわけでございまして、これは私は大平総理の大変な成果ではないか、こう思う次第でございます。
 先ほど申し上げましたように、エネルギー、特に石油の立場から見ますと、十万バレルが三十万バレルになるということは大変な問題でございまして、現在メキシコが考えております生産計画、これも当初各国が考えたほど膨大なものではないわけでございまして、具体的にどの程度になるかはメキシコ側の判断によって決められるわけでございますけれども、私どもは日量二百五十万バレルという生産計画がしばらくの間続くのではないかという見通しを持っておりますので、そういった見通しから見ますと、この段階ではっきりと幾ら幾らという数字が出ることは、これははなはだ物理的にも困難であったのではないか、その中を一九八二年という数字と三十万バレルという数字が共同コミュニケの中に織り込まれたことは大変な成果であったのではないかというふうに感じておりまして、あと、おっしゃいましたような経済協力の問題等々もございますから、日本とメキシコの両国の関係をより緊密化することによりまして、総理がお決めいただきました数字を現実のものとしていくことが必要になってくるのではないか、こういう考え方を持っているわけでございます。
 それからカナダにつきましては、まだ最終的な報告は入っておりませんけれども、特に御指摘のございましたCANDU炉についてお答え申し上げますと、トルドー首相の方から、CANDU炉の問題につきまして日本側の対応策を再検討してほしいというお申し入れがございました。日本側といたしますれば原子力委員会の昨年の結論がございますけれども、政府といたしましてはCANDU炉はやはり魅力のある炉というふうな考え方をいたしておりますので、直ちにいま導入の問題を結論づけるというわけにはまいらないと思いますけれども、CANDU炉につきましての基礎的なスタディーは続けていく必要があるのではないかということでございまして、そういう趣旨のお答えを申し上げたわけでございます。若干、御答弁申し上げることが役人の域を脱するかもしれませんが、必要に応じましては政府機関の政府職員から成る調査団を派遣することも検討させていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、また、随行いたしました当省職員の帰国を待ちまして詳細な報告を聴取し対策を講じてまいりたい、かように考えている次第でございます。
#128
○岩動道行君 メキシコとの関係は大変いい報告であったと思いますが、なお、カナダのトルドー首相からCANDU炉についての話し合いが持ち出されて、いま長官は、事務方としては行き過ぎかもしれないがミッションを出してみたいということでありますが、これはぜひそのように前向きに取り組んでいただきたいと思います。操業率というものが大変高い、安全な原子炉の一つの型でありまするから、したがって、原子力発電の多様化という観点からも私はCANDU炉というものは積極的に速やかに取り入れるような方向で検討していただきたい。これは科学技術庁の方では必ずしも前向きではないようなことにもなって一つの結論が出ておりますが、しかし、油や石炭や、その他資源エネルギーの多様化、供給源の多様化という観点から見ましても、やはり炉の多様化もぜひ必要であるし、しかも高速増殖炉の関係でそれをだめにするとか、そういったようなこととはまた違う一つのバイパスといいますか、そういう効用性は十分にあるわけでありまするから、これは大臣がひとつ積極的に前向きに政府部内で意見を取りまとめて取り組んでいただきたいということをこの機会に要望申し上げておきます。
 なお、先ほどサウジの方にも大臣はぜひ行ってみたいということでございましたが、ベオグラードにいろいろな国の方が見えると思いますが、その機会に中近東の人々も見えると思います。と同時に、PLOのアラファト議長もあるいは出席されるかもしれない。そういうときには、ひとつ大平総理は積極的に握手して、そうしてパレスチナ人民の基本的な権利を支持するという、直接大平総理からそういう機会をつくっていただきたい。このことを外務省に申し上げ、また閣僚の一人として通産大臣からもぜひ進言しておいていただきたいと思いますので、これも要望申し上げておきます。
 と、申しまするのは、サウジでも、パレスチナ問題、PLOに対する接近の姿勢いかんによっては油の問題に大きなかかわり合いがあるということで、日本の油と中東の油とパレスチナ問題とは切っても切れない非常に深い密接な関係を持たせて中東の産油国は考えているわけでありまするから、この点についてはぜひ積極的にやっていただきたい。アメリカよりもフランスよりもどの国よりも日本は最もパレスチナ問題については理解を示し、独立国家創設のための支持の意思の表明もしているわけでありまするから、外交関係がない、あるいは国家がない、領土がないというだけで敬遠するというようなことでなしに、もっと実質的な外交を展開することによってアラブ諸国と日本との緊密な関係を樹立いたし、そうして原油の確保にも大きな成果を上げることができるような努力をしていただきたいということを、この機会に要望しておきたいと思います。
 そこで、当面、イランの人質問題で日本に対する原油の船積みが先月来停止されております。一方、メジャーズの方もイランの関係から日本に対する供給削減が大幅に行われている。こういうことから日本の現在の原油事情、これは心配ないのかどうか。この点について、政府の方から実情と対策を伺っておきたいと思います。
#129
○政府委員(森山信吾君) 現在、日本が年間に購入いたしております石油が約三億二千万キロリッター弱でございまして、これを日量に直しますと五百四十万バレル・パー・デーということでございます。この五百四十万バレルを原油に限って申し上げますと約四百八十万バレルということでございまして、これをいかに手当てするかということが一番大きな課題ではないかと思う次第でございます。
 いまお話のございましたメジャーズの地位が相対的に低下しておりまして、一ころは日本の輸入原油のうちの八割近いところまでメジャーズに依存した時代がございますけれども、それがだんだん低下してまいっておりまして、ことしに入りましてからは四五%程度に落ち込んでおるわけでございまして、相対的に逆にいわゆるDD、GG原油のウエートが高まっておりまして、いまでは大体メジャーズと同じぐらいの四五%ぐらいのシェアを占めておるということになっておるわけでございます。
 そこで、ことし五十五年度の見通しから申し上げますと、四百八十万バレルの原油の調達につきましてほぼその手当てはできておるのではないかという見通しを持っておるわけでございますけれども、現実にイランの問題がどう展開していくかということによりまして、供給先がかなり変動してくる危険性はあろうかと思います。しかしながら、四百八十万バレルのうちのいわゆるスポット依存率というものをどの程度と見るかということによってそれも違ってくるわけでございまして、私どもはイランの原油が入ってこなくなった分をほかの供給先へ切りかえていくという考え方ではなくて、できるだけスポット依存率を低下せしめるという政策をとっておりまして、イランの原油はそれなりに置いておきましてスポット依存率、これは昨年末は一四%あったわけでございますけれども、このスポット依存率をできるだけ低くするということに全力を集中しておるわけでございます。そのためにはできるだけ供給先を多角化するということでございまして、先ほどお話のございましたメキシコもその一つでございますし、あるいは中東の国もございますし、あるいはまた中国あるいはインドネシア、こういったところにおきます増量の問題、これはGGベースあるいはDDベースでの増量の期待を持ってしかるべき方策を講じておるということでございます。全体として見ますと、四百八十万バレルの原油はことしに限って申し上げますとほぼ見通しはつきかかっておるという段階ではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#130
○岩動道行君 イランからの船積みが停止になって、普通ならば相当の混乱が起こるはずでありましたが、それなしにやってこられたということは、通産省、政府の行政が非常にうまくやられているというふうに私は考えて評価いたします。と同時に、これは備蓄の結果でもあろうと思います。
 そこで、問題は、備蓄がいま何日ぐらいあるのか、きのう現在どれくらいかわかりませんけれども、私はかねてから九十日程度では不十分ではないか、いざという場合を考えたならばせめて百八十日分くらいは必要ではないかということはたびたび申し上げてきているのですが、これは民間の人たちもそういう意見を持っている方もございます。あなた方の先輩の生田君もそういうことを言っているわけであります。これはぜひそのような方向に向かって、一挙にそのような増量はできないにしましても、できるだけ供給を確保しながら一方において節約してそうしてためていくという非常にむずかしいやり方ではありまするが、そういうやり方で逐次備蓄の日数というものをふやしていく、このことをぜひ考えていただきたい、これは要望しておきます。
 そこで、前にも申し上げたのですが、長期エネルギー需給暫定見通し、これは直していくべきものではないかということを申し上げましたが、大臣はしばらくこれでやらせてみてくれ、こういうことでありますので、それはそれといたしましても、いずれにいたしましても石炭、水力、原子力、LNG、こういったようなものがやはり柱であって、いわゆる新エネルギー、地熱というものは補完的な役割りしか果たし得ない。最近、「ソフト・エネルギー・パス」という本を書いたロビンズが日本にやってきて、これが大変ブームみたいになっておりますが、しかし、いわゆる新エネルギーで日本のエネルギー問題が解決するはずはございません。また、世界各国を見ましても、それでエネルギー問題が解決するはずもございません。あるいはそれによって国の経済成長が維持されるわけでもございません。したがって、私どもは、どうしてもこのエネルギーの需給関係において柱は何であるかということをよく現実的に見きわめた上で政策を進めていかなければならない。
 そこで、今回の法案ではいわゆる新エネルギーでありまして、しかもその中には、石油代替エネルギーということでございまするが原子力は入っておりません。原子力はまた別途にこれを推進するという方針でありまして、これは私も了承いたしておるわけでありますが、この新エネルギーの中で石炭液化、これがいかにも日本のエネルギーを解決するかのような幻想を抱かせている面があるのではないか。この点についてもっと、非常に高くつくとか、長年月を要するとか、あるいは日本では液化するだけの石炭資源というものがないとか、こういったようなことをよく見きわめて国民にもわからせながら、そして石炭液化の技術をむしろこれは国外に提供することによって海外でのエネルギー事情を脱石油に向けさせる、それが日本の原油供給確保にもつながってまいる、そういう相関関係でむしろ考えるべきものではないかというふうにも考えるわけであります。
 また、地熱につきましても、これはかねてからローカルエネルギーとしては貴重なものであるからぜひ進めるようにということを私は申してまいりましたし、今回の法案の審議の過程においても、衆議院の附帯決議においてはそのような認識で国会審議が進められてきております。本委員会においても、私はそのような認識を持ってこのようなローカルエネルギーはそれなりの役割りと開発を進めてまいるという姿勢で進んでもらいたい、かように考えるわけでありますが、特に地熱については新しく開発調査をしなければならない。新しく制度を今回設けて予算も計上されたわけです。つまり地熱開発促進調査制度というものが新しく設けられた。これは国が先導的な役割りをして総合調査を行っていく、そして企業調査を早期に導入してまいるというのが目的でありますが、これは調査対象地域が本年度の予算では二十六億であり、地域は一応三カ地域ということになっております。これは我田引水ではないのですが、岩手県の松川の地熱発電所は日本で最初の地熱発電所であります。そして第二の地熱発電所もまた岩手県内のつい近くに、葛根田の地熱発電所がすでに運転しております。このようにこの地帯は地熱発電のいわば宝庫とも言うべきところであります。そういう意味から私はたとえば八幡平東部の地域においてこの調査の対象とするというようなことも考えてしかるべきではないかと思いますが、この三地域については現在どのように政府では考えておられるか、この機会に伺っておきたいと思います。
#131
○政府委員(安田佳三君) 先生が御指摘になりましたように、地熱は日本に賦存します貴重な国産エネルギー資源でございまして、エネルギーの安定供給及び電源の多様化という観点から積極的に開発を推進することが必要でございます。そこで、総合エネルギー調査会需給部会の見通しによりましても大幅に拡大するという目標を掲げているところでございます。その目標を達成いたしますために、昭和五十五年度から、いま先生がお述べになりました民間の開発を誘導するための地熱開発促進調査などを新たに実施するということにいたしたわけでございます。そのほかに、開発企業が行います調査井の掘削に対する補助、あるいは開発資金に対する債務保証制度なども実施するわけでございますが、いま御指摘になりました地熱開発促進調査につきましては、これは五十五年度において三地点を実施することになっております。この地点の調査を実施いたしますものは、十月に発足が予定されております、いま御審議をいただいております新機構において実施されることとなっているわけでございます。
 そこで、その三地点がどこになるかという地点の選定でございますが、これは現在段階におきましてはまだ確定を見ておりません。今後各種の実情等を調べました上で検討することといたしておりますが、いま御指摘になりましたように、岩手県、秋田県の境の付近は地熱の宝庫でございます。松川、葛根田、その他いろいろと既存の地熱の湧出地域もございます。また八幡平東部というものもこれはきわめて有望な地点であるというふうに承知いたしておりますし、また地元の方々からもその実情を伺っているところでございます。それらの実情等を十分踏まえました上でどの地点を選定するか等につきましては、今後有識者の意見等も聞きながら進めてまいりたいというふうに考えております。
#132
○岩動道行君 地熱開発は単なるエネルギーとして発電用だけではなくて、その地域の集中暖房であるとか、あるいは施設園芸であるとか、多目的な活用のできる自然エネルギーでございまするから、ぜひ積極的にこれは進めていただきたい、このことを特に改めて要望いたしておきます。
 さて、時間も残り少なくなりましたので、今回の法案の中で一つの目玉は何といっても財源でありまするが、これは大蔵委員会の方でただいま審議中でございます。三兆円程度の資金を予定しているその財源の電源開発促進税、これに対しては残念ながら野党各党は反対しておられます。一方において、やはり新エネルギー開発については意欲的な姿勢を示しておられます。私は、そういう意味において若干財源もひとつ野党の皆さんも考えていただきたいので、ぜひ反対しないようにひとつよろしく御検討、御審議、御協力をいただきたい、かように考えておるわけであります。
 さて、この新エネルギー総合開発機構の運営がやはり一番私は問題であり、そのプログラムをどうしてつくっていくのか、そしてルールをつくっていくのか。これは理事長の権限であるかもしれませんが、やはり運営委員会、これは先ほどの吉田さんの質問に対する長官の答弁にもありましたように、運営委員会に重点を置いてそれに大きな権限を与えている、これは確かに結構なことであります。そして民間も、政府六億に対しておおむね四億程度のものを出資するというふうに私は聞いております。そういう形の中において、ぜひこの運営委員会、これはりっぱなもの、強力なもの、指導的なものをつくっていただきたい。この人選はきわめて重要であると思います。そして学者も必要でありましょうが、やはり日本の産業経済を動かしていく大きな問題でありまするから一そういうところから大物をひとつぜひ委員長に選ばれるような、そういうことで大臣には特別な御配慮をいただきたいと思いますが、この点についてのお考えを伺いたい。
 なお、時間もありませんので、もう一つだけ質問いたしておきますが、前々から私は予算委員会等でも申し上げてまいりましたが、今回の法案審議の過程においてもエネルギー白書をつくったらどうかという附帯決議も衆議院では出ております。結構だと思います。と同時に、国民がエネルギー問題についての理解が必ずしも十分ではない。しかも今回のエネルギーの新しい開発については非常に複雑な仕組みになっておって、われわれでもなかなか理解がしにくい。ましてや国民一般はわかりにくいと思います。そうして原子力だけではなくて、日本全体のエネルギーが一体どういうふうに賄われているのか、どのような仕組みで国民はエネルギーを活用しているのか、こういったようなことから、私は白書のみならずエネルギー博物館を、総合的なものをつくったらどうかということを提案してまいりました。そして二年前の予算委員会において通産大臣はこれを検討しますということを申されたのですが、検討の結果はどうなっているのか。少なくとも来年度の予算には、そのような博物館をつくって、そうして子供のときからエネルギー問題に理解を示す、社会的な教育も行っていく、そういう施設は、私は百億、二百億出しても決してむだではない、むしろその方がエネルギーを節約して国民がりっぱな経済産業生活を送ることができると思う。そういう意味において私はエネルギー博物館はぜひつくっていただきたい。そのための調査費ぐらいは五十六年度予算でとるくらいの意気込みでやっていただきたいと思いまするが、もう二年もたっておりまするから、この点について政府から伺っておきたいし、最後は大臣から確約をいただきたいと思います。
#133
○国務大臣(佐々木義武君) この機構の理事長の選任問題でございますけれども、これはお説のとおり私どもも考えておりますので、そういう線に沿うて選びたいと思っております。
 エネルギー白書の話は、私、実は初めて聞くわけでございますけれども、お話しのように、そういうものがあれば大変結構なことでございますので、省内でも検討してみたいと思います。
 エネルギー博物館の問題も、引き継ぎを私は受けておりませんけれども、しかし、これは大変おもしろい着想と申しますか、失礼でございますが、いい着想だと思いますので、来年の予算にはできますれば出してみたいと思っております。
#134
○岩動道行君 大臣の答弁を信頼して私の質問を終わります。
#135
○馬場富君 最初に、日本のエネルギー問題について、最近非常に大変厳しい環境の状況ができてきております。そういう中で特にいま大きい影響を持っておるのは、アメリカのイラン制裁に対する日本やヨーロッパ諸国への要請に対して、これがどのように現在理解されておるか、この点について外務省の方から説明いただきたいと思います。
#136
○説明員(国広道彦君) 御説明申し上げます。
 御存じのとおり、米国は去る四月七日にイランとの関係を全面的に絶ちまして、いまは食糧と医薬品の輸出以外の点につきましてほとんど全面的にイランとの関係を絶っております。これは申すまでもなく、人質の早期解放のために米国がとり得る措置として米国としてとったわけでございますが、その際に、わが国を含む友好諸国に対しまして、米国の努力を支援するよう要請がございました。当時の要請といたしましては、米国としてはすでに全面的にそういう措置をとりましたし、昨年の十二月に国連の安全保障理事会で経済制裁決議が提出されまして、これはソ連の拒否権によって成立はしませんでしたけれども十カ国の賛成を得た決議がございます。そういうことを背景としまして協力してほしいということでございました。内容を大別しますと、一つは、安保理決議に沿った経済措置とそれからそのほかの非経済措置、その中の最も大きなことは外交関係の縮小、それから将来の事態の推移いかんによっては外交関係を絶つということも検討してほしいというような要請でございました。
 これを受けまして、わが国としましても、テヘランに人質が半年にわたってとらわれたままでおりますこの事態は国際法秩序を破壊するものとして許容できないという立場から、人質の早期解放の努力にはできるだけの協力をすべきであるという立場でございますが、その具体的な施策につきましては、わが方部内でも検討してまいったわけでございます。そのときに、EC九カ国が四月の九日か十日でございましたが、まず第一に、共同でイラン政府に対して人質の早期解放を申し入れ、それをそれぞれの大使が帰国して本国に説明をするという提案をしまして、わが国にもその共同歩調をとるよう呼びかけがございました。政府といたしましても、その要望に沿いまして共同の行動をとったわけでございます。
 その後、四月の二十一、二十二日にECの外相会議がございまして、そこでEC九カ国が一緒になりまして、その人質の早期解放を目指しましてイランに対して一定の措置をとる決定をいたしました。これに先立ちまして、外務大臣もルクセンブルクに赴かれまして、主要な国の外務大臣と意見交換をされました。その結果は、御存じのとおり経済措置の分とそれから非経済措置の分に分けました決定が行われました。わが政府も、これに対して基本的に協調していくという基本方針を決めまして、これを発表したのでございます。
 その中で、非経済的措置につきましては、すでにわが国もその他の国も実行しております。
 経済措置につきましては、とりあえずやるべきことといたしまして二つのことをいたしました。
 一つは、イランに向けての輸出の新規の契約は当面自粛するということにつきまして、政府の方から関係業界に協力を要請したことが一つでございますが、いま一つは、武器の輸出につきまして、ECの国と歩調を合わせて武器の輸出はやらない。これは御存じのとおり、わが国は以前から武器の輸出はどの国に対してもやっておりませんので、その点は単なる確認でございますが、そういう措置をとりました。これは大体ECの国ほぼ同じような措置をとっております。
 続きまして、その他の面で、国連安保理決議案に盛られております経済制裁措置に該当することの実施につきましては、来る五月十七日にECの九カ国外相が再び集まりまして、その時点までに人質の早期解放につきまして決定的な進展が見られない場合には、その経済措置をとっていくという方向に移行するというふうに申し合わせております。
 先ほど申しました、わが国が基本的にはEC諸国と協調していくという点につきましては、この点も含まれておりますが、今後の推移は、まずこれから約十日間の今後の推移がございますし、それからさらに五月十七日の時点でECの外相がどういう判断をするかということ、その判断を受けまして、わが政府がどうこれから判断するかということに至るわけでございます。
 簡単でございますが、以上御説明いたしました。
#137
○馬場富君 そこで、第二次制裁措置、十七日以降に予定されておるわけですけれども、この具体的な内容と、日本はこれに対してどのような決意をしているのか、またこれに対してどのような見通しを考えているのか、説明していただきたいと思います。
#138
○説明員(国広道彦君) ECが、先ほど申しました九カ国の外相間で確認いたしました後、米国の人質救出計画の失敗という事件がございました。そういうこともございまして、EC九カ国外相会議の決定をその後EC首脳会議で確認いたしまして、それをもちましてECの代表及びわが在イラン大使がイラン側に人質の早期解放について申し入れを行うことになっております。それが現時点までに実現しておりません。また形を変えた形で近日中に何らかの申し入れが行われると思いますが、現在のところまだ行われておりません。そういうこともございまして、その後の事態が本来予想したテンポで進んでいないということはございますが、しかしながら、五月十七日の時点でECの九ヵ国の外相が集まりまして判断するということにつきましては何らの変更もございませんし、そのときにどういう判断が行われるかということは、今後のその時点に至るまでの進展を中心に考えるわけでございまして、わが方といたしましては、好ましい進展があることを切に希望している次第でございます。そのときにどういう判定が行われるであろうかということは、ECの外相会議で決められることでございますので、本日ここで予測を申し上げますことは差し控えさせていただきたいと思います。
#139
○馬場富君 先ほどの質問に出ておりましたが、イランは、御存じのように日本の石油供給国として大きい地位を占めておるわけです。その点について、エネルギーの問題についても外交上の状況から推しても重要な立場にあるのがイランと日本との関係でございます。こういうときにこういう制裁問題等について、より慎重な態度が非常に要望されてくるという点、このあたりと日本のいまのエネルギーの問題等考えて、通産大臣はどのようにここらあたりの問題を考えておりますか。
#140
○政府委員(森山信吾君) いまイランとの原油の取引に関しまして紛争が起こっておることは、馬場先生よく御承知のとおりでございまして、たまたま四月一日付をもちまして、従来の価格に二ドルないし二ドル五十の上乗せをしたいという通告があったのが契機になって経済問題、商業問題といった方がよろしいかと思いますけれども、そういった問題でいま紛争が起こっておるわけでございます。折あしく、アメリカの対イラン経済制裁の問題がその直後に出てまいりましたので、あたかも日本側がアメリカの経済制裁の一環としてイランとの間の原油の取引を停止するかのごとき印象が持たれがちでございますけれども、これはいま申し上げましたように、紛争の原因は値上げを通告してきたということにあるわけでございますので、私どもはイランとの商売上の紛争は経済制裁とは全く関係のないものというふうに理解いたしております。ECの外相会議でも同じような考え方がございまして、経済制裁の一環としては全然この問題を考えていないというのが実情でございまして、私どもは、商業上、いわゆる取引上の一つの紛争ということで本件を粘り強く解決するように努力してまいりたいということでございますし、四月二十一日以降船積みが停止されておりますけれども、これは原油の船積みが停止されているということでございまして、ほかの石油製品、たとえば重油でございますとか、あるいはLPガス等につきましては依然として取引は継続されておるということでございますので、いま申し上げましたように、全く原油取引に関して価格の折り合いがついていないということというふうに理解いたしておりますので、今後粘り強く価格の交渉を続けていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
#141
○馬場富君 そこで、もちろん価格の問題に端を発していま供給停止になっておるということは理解できますが、そういう一連の制裁問題が今後アメリカとイラン、あるいは米ソの問題等で厳しくなってきたときに、その制裁というものは全然影響ないかどうか、ここらあたりの見きわめが非常に大事ですけれども、その点、この問題の今後のことについて外務省と通産大臣の見解を聞かせてもらいたいと思います。
#142
○説明員(国広道彦君) 御案内のとおり、イランからの石油の供給が現在とだえているということは、わが国のエネルギー供給確保の面から大変重大な問題でございます。しかしながら、このとだえているという現状は、先ほどエネルギー庁長官から御説明ありましたように、やむを得ざる経緯をたどってこうなってきておるものでございます。私どもとしましては、制裁の武器に石油を使うということは国連の安保理決議の中でも想定されておりませんで、そういう事態は避けたいということで今日に至っております。人質の早期解放が一日も早く実現することを祈りまして、そういう解決さえ実現すれば、イランと日本との間は非常に大きな友好関係発展の素地がございます。それをぜひとも広げていきたい。それからそれに至る間におきましても無用な摩擦はできるだけ避けて、わが国として必要な石油資源の確保にはできるだけ障害を少なくしたいというふうに考えております。
#143
○国務大臣(佐々木義武君) イランからの石油の船積み停止の問題はいままでお話ししたとおりでございます。その結果、わが国にどういう影響を持っているかと申しますと、まだ停止して間もないことでもございますし、停止前の船がぼちぼち入ってきている程度でございまして、そういう状況を踏んまえ、世界のエネルギー状況も石油の状況は緩和した需給関係にもございますし、先ほど来お話がございましたように備蓄も九十五日程度持っておりますので、しばらくの間は需給関係には危機感を持ったようなことはあり得ないし、またそうすべきでないと考えております。といいましても、そのままほうっておくわけにいきませんので、わが方といたしましては、そういう状態を踏んまえつつ、イラン以外の産油国からできるだけ多量に直接取引等で原油を入手したいものということでそれぞれ各国へ働きかけてございますので、そのうちだんだん効果が出てくるものと期待しております。
#144
○馬場富君 次に、やはりイランの関連で、先日イラン・日本石油化学のイラン側代表が日本人事務職員六名の強制送還を通告してきておりますが、これはどういう原因でしょうか。
#145
○政府委員(真野温君) 最近、先生御指摘のようにイラン石油化学についていろいろ報道が日本の新聞に出ておりますが、それに関連してかなりの部分、いろいろなかなか正確にはそのような事実がない場合がございます。政府特使派遣その他の問題についても、現在そのような検討は行っておりません。
#146
○馬場富君 私の聞いておるのは、いかなることが原因でそういうことになったのか。外務省の力でも結構ですし、通産側でも結構です。これは単に三井プロジェクトの責任というわけにいきません。これは国が出資したいわゆるナショナルプロジェクトの形態になっております。そういうことで、そんな責任のない答弁はないじゃないですか。しっかりひとつ答弁してください、原因は何だということを。
#147
○政府委員(真野温君) いま先生の御指摘の点について、若干私の方御質問を誤解しておりまして申しわけございません。
 いろいろイランの石油化学につきましては、従来から日本側の当事者でありますICDCという会社とそれから向こう側のNPC、イラン側の石油化学の会社、この二つが親会社でございまして、それに子会社のかっこうでIJPC、イラン石油化学というのが現地法人でございます。イラン側からは、このIJPCの運用に絡みまして従来からいろいろな経営上の問題として要請が出ております。そういう一環としていろいろ経費の削減等でこういう要請をしておるということは聞いておりますが、これについて具体的には経営の問題として日本側の当事者も処理いたすということでありまして、これについて特別の政治的あるいは客観的な意味でいろいろな政治的な意味合いはないというふうに私ども考えております。
#148
○馬場富君 あなたの話を聞いておると新聞の報道は全部うそということになるわけですけれども、イラン代表等の発言が新聞等にも詳細に載っておりますけれども、場合によっては契約破棄ということまで発言されておるわけです。だから、こういう点については何かきちっとした原因がある、経営上の問題だけということではなくて。やはりイラン側が日本側に対してうまくいかないことの不満という問題があるわけです。これはどういうことかという、それはやはりプロジェクトがやっておったとしても、先ほど来話しておるように、やはり政府にどういう状況かを掌握するだけの責任が私はあると思うんです。そういう点でどういうようなところが向こうが不満に思っておる点なのか、明確に答弁してもらいたいと思います。
#149
○政府委員(真野温君) 現在イランの石油化学、IJPCの経営につきましては、先ほど申し上げましたように、日本側の当事者でありますICDCという会社が日本にございますが、ここを中心に日本側の考え方をまとめておる状況でございます。これにつきましては、御指摘のようないろいろな点を含めまして私どももいろいろ連絡を受けておるところでございます。イラン側が、この石油化学について基本的には一つのイラン側としても必要なプロジェクトということで、これを建設を推進したいという考え方を持っておりますし、私ども日本側としましても、これは日本の一つのナショナルプロジェクトとして推進するという立場は基本的に変わりございません。そういう意味でいろいろな面での交渉を鋭意積み重ねておりまして、イラン側のいろいろな要請が出ておるのも事実でございます。これに対しては経営上の判断その他を含めまして、日本側としても誠意を持って対応するということで議論いたしております。
 イラン側がいろいろ最近新聞報道等で申しておる点につきましては、これは必ずしも全部正確に、日本側の当事者であるICDCに言っておることとは違いますし、むしろ、これは具体的な協力関係として当事者間の話を尊重してこれに対して誠実にこたえていくという形をとっておるわけでございます。ただ、現実の問題としまして、昨年のイランの革命以来なかなか現地の作業状況が進まないという事情がございまして、それに対してやや作業のおくれが出ておるのは事実でございます。それに対してこれから日・イラン双方として具体的に工事をどう進めていくか、こういうことを検討しておりまして、近く日本側のICDCの山下社長がイランに参りまして、そういう双方の問題をさらに詰め検討し、これからの事業の促進をやるということになっておるわけでございます。
#150
○馬場富君 イラン革命以後この問題が中断していることは事実でしょう。そういう点で、監督官庁である通産といまの実施側の三井プロジェクトとそういう点でよく向こうとの食い違いの点が話し合いがされて、新聞等で何点か言われておるような問題点、食い違いがはっきりあるかどうかということは確認していますか。
#151
○政府委員(真野温君) 新聞報道の中身がそのままイラン側、日本側の対立点ということではございませんで、むしろこれからイランの石油化学プロジェクトを進めるために具体的な工事をどうやっていくか、どういうような作業人員が必要かというようなことをこちら側で詰めまして向こう側の要請に応じてこれから話し合いに入る、こういうことになろうかと思います。今後の作業手続についてでございます。
#152
○馬場富君 その点については、通産としては積極的にそれを早く推進するよう指導しておるというふうに理解してよろしゅうございますか。
 それからきょうの新聞報道等によりますと、政府はこの石油化学プロジェクトに対して誠意を持って完成させる意思があるということをイラン政府に伝えるように和田大使に訓令をした、こういうように報道されておりますが、この点はどうでしょうか。
#153
○政府委員(真野温君) 先生御指摘のとおり、私どもとしても、これは日本としてイランとの長期的な関係のためにぜひ完成すべきプロジェクトとして政府としてできる限りのことをバックアップしていくという姿勢に変わりございませんし、またこれからの建設を進める上において積極的に民間側も指導してまいるという考え方でおります。
 もう一つ、第二点でございますが、ただいま和田大使に対する訓令の点でございますが、これは従来からこのプロジェクトについては日本側として積極的に完成する意図ありということは再々イラン側に和田大使を通じ、あるいはこちら側からも意思を伝えておりまして、その一環としてこのようなことが報道されたものと思います。
#154
○馬場富君 それでは、この点について誠意を持って通産も当たっておるということですが、報道等によれば、日本に誠意がなければやはり工事等も外国ですね、その関係にこれをゆだねることもあるというような報道等もなされておりますが、そういうような動きが事実あるかどうかという点。
 それからこれに対して、いま三井プロジェクトの社長が向こうとの交渉に出かける、こう言っていますが、これに対して話し合いによって妥結ができる見通しが立っておるかどうか。
 この二点、明確にお願いしたいと思います。
#155
○政府委員(真野温君) 若干、先ほど申し上げました新聞報道の一部にイランの石油化学を外国、東欧諸国だと思いますが、日本側のを肩がわるというふうな申し出があったやに報道されておりますが、実態的に私どもそのような事実を把握しておりません。また客観的に見ましても、そこで挙げられたような国々にはこのプロジェクトを遂行するだけの技術的な力はそれほどないのではないかという客観的な感じがいたします。
 それから第二点。これから三井グループ、ICDCの山下社長がイラン側と交渉に入る。これにつきましては、すでに三月にも山下社長が向こうへ行かれましてイラン側といろいろな協議をいたしまして、それに基づいてこれからの工事をするということについて具体的に打ち合わせをいたす予定になっておりまして、これは個々の企業の経営判断の問題、実際上のプロジェクトを担当する企業の経営判断なり技術能力、全体の状況でございますので、双方の意見を合致させて必ず進められるものと確信しております。
#156
○馬場富君 それからイランの原油供給のカットのことで、先ほど通産大臣は、これに対して供給源をやはり転換して多方面で供給を賄えるよう進めていくというような答弁がございました。もちろん、先ほど質問も出ていましたように、いわゆる備蓄等の賄いによって一時はしのがれるとしても、このイランの原油供給のカットというのは、具体的にどこの国でどのように進められるという目標があるか、説明していただきたいと思います。
#157
○政府委員(森山信吾君) 現在、イランから長期契約で買っております数量が一日当たり五十三万バレルでございまして、四百八十万バレル日本全体としての購入量に対しまして一一%程度のシェアを占めているわけでございますから、これが入ってこないということになるとまことに大変なことになるということでございます。そこで、先ほど来お答え申し上げましたとおり、何とかこの油の購入の継続をいたしたいというのが私どもの基本的な考え方でございまして、値段の二ドルないし二ドル五十値上げしてきた分を撤回していただきたいという交渉を粘り強くやることが一つの大きな仕事ではないかということでそういうことをやっておるわけでございます。
 他方、先ほども岩動先生の御質問に対して私御答弁したところでございますけれども、日本全体として四百八十万バレルの原油を購入する際に、従来わりに高いシェアでございましたいわゆるスポット物の比率というものをできるだけ引き下げていこうということがまた一つの課題ではないかということでございまして、現在日本が買っております供給先をできるだけ多角化していくと同時に、それぞれの国からの増量をお願いするということが基本姿勢でございまして、たとえば中国あるいはインドネシアあるいはメキシコ等々の国、あるいは中東の国々、イラクでございますとか、あるいはアラブ首長国連邦、そういった日本が比較的いわゆるお得意先と考えておりますような国々に対しまして、幅広い交渉を続けておるということでございまして、一部報道されましたクウェートからある程度の増量が可能になるということもある部分につきましてはそのとおりでございまして、たとえば日本の某精製会社が従来三万バレル程度クウェートから買っておりましたのが十一万バレルに増量ができた、つまり八万バレルの増量ができたということも一つの事実としてございますし、そのほかいろいろございますけれども、これははなはだ申しわけないのでございますが、現在盛んに交渉をやっておる最中でございまして、どこの国とどれだけの増量の交渉をやるということが明るみに出ますと、また商売上いろいろな支障も出てまいりますので、ここで明らかにすることは御勘弁いただきたいと思う次第でございますけれども、先ほど申し上げましたような国々に対しまして、できるだけ多くの量を確保するような交渉を現在進めておるというふうに御理解いただければ大変ありがたいと思う次第でございます。
#158
○馬場富君 いま説明されたように、また具体的に、私はいま数字をすぐ即座に聞こうというわけじゃございませんが、これは実際、備蓄というのはやはり将来はなくなるわけですから、そういう点でいけばやはり供給源というのは、一つは買うところだけは確保しておかなければ、その見通しが立たなければ困るわけですから、この点について多方面で増量を考えておるという大臣や長官の答弁ですが、それは信頼しますけれども、先ほどもう一つの、いま長官の言葉から出た中でメキシコの問題がありますけれども、これは先ほど質問されましたけれども、大平さんのは成功だったとおっしゃっていましたけれども、何ら変化のないのが成功だという話は私は理解できませんし、そういう点でやはりある程度までいかれる状況から、今度特にメキシコやカナダについてはエネルギー等を考えられた上での一つは訪問であったというように聞いておりますし、またそうであると思いますが、そういう点については、やはりこれは話だけで終わった、新聞等でいけば結局いわゆる外交儀礼で終わったのじゃないかというようなことも出ておりますけれども、事実増量の確約はできなかったわけです。この一つの原因は先ほども出ていましたけれども、具体的にはっきりしたものがございますか、これはこうすればこの点については前進があるかどうかという点について。答弁いただきたいと思います。
#159
○政府委員(森山信吾君) まず、第一点の方からお答え申し上げますと、メキシコの油は、現在、歴年ベースでの第一・四半期は二万五千バレルが入ってくるということでございまして、十万バレルと申しますのは第四・四半期、つまり十月以降ということでございますので、現在イランとの間に紛争が継続中でございますけれども、十万バレルから二万五千バレルを引きました七万五千バレルというのはいわゆる増量というふうな期待として私どもはカウントしておるわけでございます。それがまず第一点でございます。
 第二点の八二年までに三十万バレルという数字、これをいかなる方策を講ずれば具体化するかということに関しましては、私どもは端的に申し上げまして、経済協力と油の供給はパッケージとは考えていないわけでございまして、日本とメキシコの関係がより経済的にも社会的にもあるいは文化的にも緊密になることがそういった関係を樹立する一番いい方法ではないか、そういった関係が樹立された暁に石油の供給も行われ、日本から経済協力も行われるという姿が望ましいというような基本的な考え方を持っておるわけでございまして、これはメキシコ側もそういうふうに理解しておるものと考えております。ただ、現実の問題といたしまして、メキシコが現在直面いたしておりますいろいろな経済協力案件、日本に特に期待したいようなものもあるわけでございまして、そういうものにどう日本が協力していくかということがメキシコから見た一つの解決の方法ではなかろうかということは感じ取られるわけでございますけれども、しからば具体的にどのプロジェクトに幾ら経済協力をすれば油がこれだけ供給できるというような直接的なリンクはないというふうに理解しておるところでございます。
#160
○馬場富君 具体的な例が新聞等にも、また閣僚の中からの発言が出ておりますけれども、やはり鉄鋼三プロジェクトに対する一千億円の円借款等とか、そういうような何か希望がやはり具体的に出たというようなことが報道されておりますし、政府の方からの発言の中からも出ておりますが、こういうような問題等があったということはわれわれも事実のように見受けるわけですけれども、一つはメキシコに対する原油対策も、そういう点についての甘さがあったのではないかという点ですが、この点どうでしょうか。
#161
○政府委員(森山信吾君) メキシコの原油の生産能力の観点、それからどこの産油国でもそうでございますけれども、このところ大変資源温存政策ということがとられておるわけでございますので、かつて先進国がメキシコに対する増産期待というものがありましたのに対しまして、メキシコ側は必ずしもそれにこたえるだけの増産はする意思はないというのが偽らざる実情じゃないかと思う次第でございます。
 そこで、現在はおおむね二百五十万バレル程度の生産規模になっているのじゃないかというふうに見ておりますけれども、これがそう急速には発展していかないであろうということも予想されるところでございまして、そういった生産規模、生産能力ということから勘案いたしますと、十万バレル日本に対して一九八〇年に行います供給を来年から直ちに三倍にするということは、メキシコ側にとりまして大変困難なことではないのか、こういう気持ちがしておるわけでございます。
 そこで、私どもは、いかに現実の問題として段階的に三十万に持っていくかということを考える必要があるということでございまして、そういった意味で八二年までに三十万バレルという大枠を今回の総理訪問で示されたことは成功であったのではないかということでございまして、いま申し上げましたように、段階的に八二年までに三十万バレルに持っていくという対策を私どもは進めていきたいというふうに考えます。それに対しまして、メキシコ側も、直接経済協力とのリンクはございませんけれども、たとえば日本に供給するための量を拡大するためには港湾の施設を拡張するというようなことも必要になってくると思いますし、いわゆるインフラストラクチュア的なものの整備が伴いませんと対日供給の増量が不可能になるという問題から見ますと、単にメキシコに対して資金協力をするということだけではなくて、日本にしかるべき量を確保するためにもそういったインフラストラクチュアの整備には協力していくという姿勢が必要になってくるのではないかということで、その意味では石油の確保と資金協力とはある意味でリンクしているのかと、こういう感じを持っておるわけでございますから、両方の対策を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#162
○馬場富君 そこをはっきりしておいてください。経済協力の面は事実あるのでしょう。そういう面で、結局、前提としての問題点が出てきておるということだけは確かでしょう、円借款との問題等については。
 それともう一つは、いまあなたの言われるように、やはり第三世界の産油国がいわゆる資源の恒久化という点に非常に神経的になってきておるという点について、これは私たちもやはり理解しなければいかぬと思うのですが、そういう点で特に経済問題よりも恒久的な対策を考えながらこのメキシコ問題については臨まなければならぬというものの印象を受けたわけです。そういう点での、特に石油は燃料より原料へというような考え方等も産油国等に強くなってきておる。こういう点等も挙げられておるのですが、これに対して日本としてはどう考えていますか。
#163
○政府委員(森山信吾君) 長い目で見てまいりますと、石油を燃料から原料へという目的に使うということはまことに至当な考え方ではないかと思うわけでございますけれども、やはり現在の世界のエネルギー需給関係から見まして、直ちに石油を、燃料をやめまして原料的な使い方にするということには問題があるのではないかということでございます。産油国自身もいわゆる代替エネルギーの開発に全力を挙げておるという実情がございますし、現在御審議いただいておりますように、日本を含めたほかの先進国もいち早く代替エネルギーの開発を実現したいと思ってせっかく努力しているところでございますので、そういった政策が実りまして、本当に石油というものを原料として使えるという段階になりますればそれなりの対応があると思うわけでございますけれども、ここしばらくはやはり石油がいわゆる燃料、エネルギーとしての重要な地位を占めることは間違いない事実ではなかろうかという感じがいたします。しかしながら、むやみやたらに石油をエネルギーとして使うということになりますと、それぞれ産油国におきましては枯渇性の資源でございますから先行きに不安感を与えるということでございまして、将来代替エネルギーが開発されて石油というものが単に燃料として使われるだけじゃなくて原料として使われるという目標が達成される、その目標をつくるということがいまの先決問題ではないか、こういう認識は私どもも持っておりますし、産油国もそういうふうな目標を持っているのではないか、こういうふうに考えている次第でございます。
#164
○馬場富君 そこで、総合して考えますと、やはりメキシコの供給の増量ということは、相手側の立場をよく理解した上での進め方によって、一挙に三倍とかそういう形じゃなくて、やはり向こうの状況を理解した上での両国関係の推進によって今後段階的に伸ばしていくという行き方の方が至当なような考えを持つわけですが、この点はどうでしょうか。
#165
○政府委員(森山信吾君) 全く私も同感でございまして、日本だけの事情で、つまり日本が石油の手当てが非常にむずかしくなったので、ことし十万バレル買っておりますものを来年から一挙に三倍にしてくれというのは余りにも日本中心の考え方にすぎるのではないかということでございまして、先ほどお答え申し上げましたとおり、一九八二年、これは恐らく八二年末ということになろうと思いますけれども、段階的にふやしていきまして、それで二年半先に三十万バレルになる、こういう期待を日本側が表明したわけでございまして、それが一挙になるものでもございませんし、メキシコ側の原油の見方、原油をどう見ていくか、あるいは生産能力をどう段階的にふやしていくか、これはメキシコ側の事情がございますから、そのメキシコ側の事情というものと十分すり合わせをした上で日本が買わせていただく、こういうような姿勢が望ましいのではないかということでございまして、あくまでも今回の総理の御訪墨は、そういった意味で中期的に見た日墨関係のあり方を決められたということで、そういう意味で私どもは大変評価をしておる次第でございまして、いま馬場先生のお述べになりましたお考え方と全く一致しておる考え方ではないか、こういうふうに考えている次第でございます。
#166
○馬場富君 次に、先ほどの御質問に出ましたが、カナダを訪問された総理がCANDU炉の原子炉の日本への導入というのを勧められたという点や、きょう昼あたりの報道でいくと、石炭について積極的に供給しようというような意見が出たというようなことが報道されておりますが、石油については全然ノーであったという状況が報道されていますが、この点はどうでしょうか。
#167
○政府委員(森山信吾君) カナダは本来的に非常に石油に対しまして保守的な考え方を持っている国でございまして、カナダで開発されました石油、これは石油関連、タールサンド、オイルサンド等も含めまして同じような扱いでございますけれども、国外へは出さないという考え方を従来からとり続けておる国でございますので、カナダの石油に余り期待することはむずかしいのではないかという考え方を持っております。
 しかしながら、カナダはその他の資源、たとえば石炭も非常に豊富なところでございますし、また、いわゆる鉱物資源以外にも木材資源あるいは漁業資源等々非常に資源に恵まれた国でございますので、そういった意味での幅広い資源的なおつき合いはできるのではないかというふうに考えます。
 ただ、カナダ側からいたしますと、単に一次製品を、つまりいま申し上げました石炭とかあるいは木材等々のものを日本に供給するというだけではなくて、工業製品をぜひ日本との取引の対象にしてほしいというような考え方を持っておる国でございますので、そういった意味で、先ほどお話のございましたCANDU炉の問題等もカナダの主張としては十分に理解できるということでございますので、今後は、単にそういった資源だけカナダから供給を受けるということだけではなくて、いわゆる二次製品、いわゆる加工されたものの貿易も含めたカナダとのおつき合いを考えていく必要があるのではないか、こういうふうに考えております。
#168
○馬場富君 次に、サハリン沖の石油開発について質問いたします。
 これも対ソ経済制裁より除外されるのではないかというような報道が先日なされましたが、これもやはりその関係開発企業等から考えていけば早急に解決しなければ支障を生じてくるという問題でもありますが、この点はどうなりましたか。
#169
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。
 このサハリン沖の開発でございますけれども、これは昭和五十年一月に日本側とソ連側との間で基本契約を締結いたしまして、五十一年から実際の探鉱に入っておるところでございます。現在、このサハリンの自然環境から申しまして、大体探鉱の実際の作業ができますのは夏場に限られておりまして、そういう意味で現在探鉱作業を実施しておりませんけれども、他方におきまして、アメリカ側の探鉱機械あるいは探鉱に必要な技術的なサービス、そういった面でのアメリカの協力がないとなかなかできにくいということも事実でございます。そういうことから申しまして、私どもといたしましては、このサハリン石油開発プロジェクトというのが、すでに五十一年から実際の作業に入っておる日本にとってもエネルギー供給という面からきわめて重要なプロジェクトであるということで、通産省といたしましても、あるいは外務省を通じましてもいろいろな機会をつかまえましてアメリカ側に要請をしてまいりましたし、理解を深めるべく最大限の努力をしてきたところでございます。
 それで、現在の状況でございますけれども、現在、これらのアメリカの協力にまたなければならない機械あるいはサービス、そういった点についてアメリカ側においても私どもとしてはかなり理解を深めてくれたというふうに承知しておりまして、現在アメリカ政府の部内で審査が進められておるというふうに承知しております。私どもといたしましては、近いうちにこれらの機械あるいはサービスについてのアメリカ側の承認がおりるということを期待しておるわけでございまして、会社側におきましてもことしの夏の作業のための準備というものをすでに進めつつあるというのが現状でございます。
#170
○馬場富君 これはやはり経済制裁ということですね。石油関連機器がアメリカの輸出禁止品目に入っておるということがストップの原因だ、こういうふうに言われておりますが、結局、契約等を見ますと、やはり探鉱を請け負っておるのは日本側であるということ、そういう点で活動ができなくて損失するのは日本だということで、結局、探鉱資金の返済とか、不成功で終わった場合にはもろに日本側が損害を受けてしまうということになるので、これは対ソ制裁じゃなくて日本が制裁別されておるようなものだということになるわけです。このようなことは意味をなさぬものであるし、そういう点でこれは日本としてもこれだけの資金を投じてきておる、またこれからの輸入問題等についても重要な問題ですので、大臣からこの点の見解をひとつ聞かせてもらいたいと思います。
#171
○政府委員(志賀学君) ただいま馬場先生からお話がございましたように、私どもとして日本へのエネルギーの供給ソースとしてきわめて重要なプロジェクトであるということでございますし、日本側がまさに先生御指摘のようにすでにかなりの資金を投入してまいっております。したがいまして、その辺の事情についてアメリカ側の理解を求めてきているわけでございまして、私どもとしてはこのプロジェクトの遂行について特段の努力をさらに続けてまいりたいというふうに考えております。
#172
○馬場富君 それで、いわゆる制裁から除外されるということになれば開発できるわけですけれども、そうした場合のこの開発の規模とか、石油の埋蔵量とか、いま非常に有望だということを問い七おりますが、どのような供給の見通しができるか、この点について説明してもらいたいと思います。
#173
○政府委員(志賀学君) このプロジェクトと申しますのは、まず対象地域でございますが、これは二地区に分かれておりまして、サハリン島の陸だなの北東部それから南西部、この二地域に分かれておるわけでございます。この探鉱に対しまして、日本側として成功払いのクレジット、探鉱用の恒久設備のクレジット、ローカルコストに対するクレジット、こういったものを供与しておるわけでございます。出てきた油に対しましては、石油の五〇%を日本側が取るという契約になっておるわけでございます。
 現在までの状況でございますけれども、すでに試掘を完了いたしました数が十坑でございまして、これは北東部で七坑、南西部で三坑ということで、合計いたしまして十坑の試掘をすでに完了しております。その結果といたしまして、北東部におきましてオドプト構造という構造とチャイウオ構造という二つの有望な構造を発見しております。このチャイウオ構造の方で申しますと、これは試掘を一本打ちまして成功したわけでございますが、これの結果といたしまして、大体原油べースで千五百バレル・パー・デーぐらいの石油が出る、それに付随いたしまして天然ガスがかなりの量出てきた、こういうようなことになっております。
 なお、今後このオドプト構造、チャイウオ構造――このオドプト構造について申しますと、これは五坑の試掘を行ったわけでございますが、そのうち四坑がすでに成功しておるということでございます。今後このオドプト構造、チャイウオ構造につきましてさらに試掘を行いまして、その上で埋蔵量の推定をするということになるわけでございます。したがいまして、現段階において若干このオドプト構造等についてその地質構造が複雑であるということもございまして、埋蔵量について現段階ではなかなかはっきりしたことが申し上げられない状況でございます。ただ、現在までの試掘の状況から申しますと、かなり有望であるというふうに私どもは理解しております。
#174
○馬場富君 計画の中には、これが実現すると北海道へのパイプラインによる供給等も実は考えられるというような計画があると聞いておりますが、この点はどうでしょうか。
#175
○政府委員(志賀学君) このプロジェクトの計画自身にはパイプラインの構想というのはございません。ただ、北海道の地元におきましてこのパイプラインを敷設したらどうかというようなことで検討が進められておるというふうに承知しております。
#176
○馬場富君 次に、大臣が中国へ行っていらっしゃいまして、先ほどいろんな報告を聞きましてこの質問については尽きるわけですが、ただ一点、やはり中国原油の問題でございますが、そういう点についてかなり日本に対する、いわゆる一九八二年一千五百万トン、こういう目標についての実現が厳しいというようなことが新聞等でも報道されておりますし、大臣の言葉の中からも、そういう点で中国の需要もふえてきておるというような弁明もございましたが、ここらあたりの問題とあわせて、大臣の説明の中で、やはり日本が開発において協力すればかなりまだ新しい地域での開発も可能だ、こういうようなことも出ておりましたが、そういうものを総合いたしまして、やはり中国の需要といわゆる量、日本に対する輸出という問題を考えてみたときに、やはり新しい開発が日本の協力によって順調に進められれば日本への供給もかなりふえてくると見ていいかどうか、この点、一点お聞かせいただきたいと思います。
#177
○国務大臣(佐々木義武君) 中国では、先ほども私申し上げましたように、石油の探査に大変な重点を置いておりまして、採掘の方はいわば従というふうな進め方をとっております。したがいまして、八二年の長期計画、わが方に対する長期の輸出入の貿易計画でございますけれども、これに関しましては生産の伸びがそれほどないのに対しまして国内消費がどんどんふえていって大変困難な状況に至っておることは事実のようでございます。しかし、それにもかかわりませず、日本との約束をできるだけ実行したいというので最大限の努力を払っているというお話でございました。
 私どもは、それに対しまして消費の節約のような、日本は非常に工場の節約等が進んでおりますので原単位はこれほど下がっておりますよ、要すれば、節約とかあるいは転換等の、ボイラーの切りかえ等の問題に関しまして日本の技術を中国へ持ってきまして節約を進められないものだろうかというふうな提案もしてみまして、向こうもぜひできたらそういう石油消費の節約面に努力を払いたいという希望も持っておるようでございました。そういう点も今後話していけばある程度のものは出てくるかとも存じますけれども、いずれにいたしましても、短期でここ一、二年の問題というよりは、相当長期に見て埋蔵量はたくさんあるようでございますから、それの採掘を共同してひとつやっていこうじゃないかという、探査の状況とあわせまして、そういう強い希望を持っておりましたので、私どももあすあさっての問題もさることながら、やはり中国との間は長い目で問題を解決した方がいいのじゃなかろうかという感じを非常に強く持ったわけでございます。決して来年、再来年の問題をそのままそれはとうてい不可能であると言っているわけではないのでありまして、それはそれで向こうは最大限の努力はするけれども、しかしそれにも増して将来に対して探査あるいは採掘を進めていくのが一番重要ではなかろうか、こういう趣旨でございましたので、そういう趣旨でどういうところをそれじゃ共同してやっていくかという話を中心に進めてまいった次第でございます。
#178
○馬場富君 次に、原油価格の問題ですが、公示価格が一月、二月、四月、こういう形で再値上げをずっとしてきておりますが、実勢はいまどんな状況か、ひとつ説明してもらいたいと思います。
#179
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。
 産油国におきましては、昨年の後半以降いわゆるGSPの引き上げを相次いで実施してきたわけでございます。ことしに入りましても、一月一日付、それから二月一日、二月四日、あるいは三月。これは産油国によってばらばらでございますけれども、幾つかの国においてこの一月一日のGSPの引き上げはかなりオーバーオールに行われたわけでございますが、その後もぼつぼつ行われておる。最近において四月一日からイランがGSPの引き上げを通告してきた、こういうことは御案内のとおりでございます。
 そこで、現在の価格がどのくらいかということでございますけれども、日本の通関のCIFベースの価格で申し上げますと、そういった相次いだ産油国側の価格引き上げを反映いたしまして、三月の通関CIF価格で申し上げますとバレル当たり三十一ドル七十五セントというようなことになっております。これは昨年の一月に比べますと約二・三倍というようなレベルに達しております。
 今後の見通しでございますけれども、これは今後の原油需給がどうなるか、いろいろなファクターが働いてくるわけでございまして、なかなか見通しとしてはむずかしいわけでございますが、総じて申しますと、最近の原油需給というのは、全般的にやや緩和傾向にあるというようなこと、そういうようなことなども考慮し、あるいは世界的に備蓄の水準が非常に高くなっています、そういったことも考慮して考えてみますと、ことしの原油価格については少なくとも昨年のような大幅な値上がりというのが続くというようなことはないのではないかというような期待を私どもは持っているわけでございます。さらに中長期的に見てみました場合には、これはIEAその他の見通しにおきましても、中長期的にはやはり全般的な原油の需給がタイト化する、あるいは供給構造の変化というのがなお続くことが予想されます。そういったことから申しまして、中長期的に見ますとやはり原油の価格というのは上昇傾向をたどるだろうというふうに私どもとしては判断しておるわけでございます。
#180
○馬場富君 私ども新聞情報等を見ておっても、四月に入ってからでもやはりかなり広範囲に値上げが報道されてきております。そういう状況から推しまして、ひとつ長官に、そのものずばり、これはやはりいろんな専門家たちの意見も、五十ドル、七十ドルというような声も出ておるわけですけれども、そういう点で、ひとつ長官に、ここらあたりで原油価格の高騰等についての見通しを聞かせていただきたいと思います。
#181
○政府委員(森山信吾君) 大変むずかしい御質問でございますけれども、端的に申し上げまして、去る三月に電気料金あるいはガス料金の認可をいたしました際に、ことしの原油をどう見るかということの作業をやったわけでございますが、このときは三十二ドル強という計算をしたわけでございます。いま石油部長からお答え申し上げましたとおり、ことしの世界の需給関係から見ましてそう大幅な値上げはないという判断をいたしたものでございますから、三十二ドル強でことしいっぱいは推移するという見方で電気料金、ガス料金の算定の根拠にさせていただいたわけでございまして、この考え方はいまでも変わっておりません。
 ただ、イランが予想に反しまして二ドルないし二ドル五十値上げしてきたということは大変変化要因になっているわけでございますけれども、これにつきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、この値上げを撤回してくれという要求を続けておりますから、根気強く値上げを撤回してもらうべく努力してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。国によりましては逆にいわゆるプレミアムを下げてきている国もございます。したがいまして、そのGSP、GSPと申しますのは政府公式販売価格でございますけれども、その産油国政府の公式販売価格が若干上がる要因はあろうかと思いますけれども、逆にプレミアムが下がってくるということもございますので、その辺の差し引きを考えますと、イランの動向を別にいたしまして考えますと、そう大きな変化はことしはないのではないかという考え方を持っております。
 きょう実はOPECの臨時総会がサウジアラビアのタイフで行われておりますけれども、恐らくきょうから行われております臨時総会では具体的な値上げの話は出てこないという判断をいたしておりまして、恐らく中長期に見ました場合の原油価格を決定する仕組みについての議論が行われているのではないか、こういうことを私どもは予測しているわけでございます。ただ、六月の九日にアルジェで行われますOPECの定時総会、このときには具体的な値上げの問題が議論される可能性はあるだろう、こういうふうに判断いたしております。ただ、先ほど来しばしば申し上げておりますように、ことしの需給が大変緩和いたしておりますし、それから先進国の備蓄が平均いたしましていま百三十五日分ございますから、去年イランの大騒動が起こったときのような客観情勢ではないということから、そうむちゃくちゃな値上げはあるまいという判断をいたしております。
 OPECを大別しますと、いわゆる穏健派とそれから急進派とあることは御承知のとおりでございまして、急進派の方はできるだけ値段を上げていきたいということに対しまして、穏健派の方は統一価格を実施したいということでございます。現在は、穏健派の代表と言われておりますサウジアラビア、これの代表油種でございますアラビアンライトが二十六ドルでございます。一番高いのはリビアとかアルジェリアの三十四ドル強というのが一番高い油でございまして、その間にかなりな差、八ドル以上の差があるわけでございますから、ここで統一価格を直ちに実施することはなかなかむずかしいのではないかという見通しを持っておりますので、しからば統一価格を実施する要件は何かということになりますと、急進派の方ができるだけ値段を下げて、それから穏健派の方がそれに値段を近づけるというやり方が一つはあると思いますし、逆に急進派の方の値段を据え置きまして穏健派の方の値段をそれに近づけるというやり方、いろいろバリエーションはあると思いますけれども、余りにも格差がいまの段階では大き過ぎますから、なかなか統一価格の実現はそう容易なことではない、こういう判断しておるわけでございます。
 以上がことしに関する見通しでございますけれども、中長期に見ました場合に、いま先生御指摘になりましたように、五十ドルとか六十ドルとかいう予測がございます。これは過去の経験値あるいは過去のパターン等をなぞって考えますと確かにそういう可能性はあるわけでございますけれども、石油価格は、単に産油国が先進国、消費国に対して売るという価格だけではなくて、その価格が産油国における物価にまたはね返ってくるという面もあるわけでございます。産油国はそれぞれ国土建設をやっておるわけでございますから、いろいろな先進国からプロジェクトを買う、あるいは資材等を買うという問題もございますので、油の値段を上げることが、先進国に対する脅威であると同時に産油国にとってもまた大変な問題となるリンクを伴うものでございますから、そう簡単に従来どおりのパターンで数十ドル、五十ドル、九十ドルというところまで上がるかどうかはちょっと問題があるということでございますし、もう一つの要因は代替エネルギーの開発動向にかかるのじゃないかと思います。いまのところは、産油国は油を中心にした値段の決め方をいたしておりますけれども、つまり競争相手がないわけでございますから、今後代替エネルギーが出てきてどの程度のコストで代替エネルギーが開発されるかによって油の価格が決められる、そういうような価格決定メカニズムのためにも代替エネルギーの開発を急がなくちゃならぬ、こういうことになろうと思いますので、だんだんと価格決定のメカニズムが複雑になってくるだろうという予測だけはできますので、直ちに数十ドルの原油価格が実現するということは言いがたいのではないか、こういう感じがいたしておる次第でございます。
#182
○馬場富君 見通しをお尋ねしましたが、そういう点でイランの政変からいまのメキシコの問題を通しましても、やはり一貫していまいろんな個個の状況はあるようですけれども、大勢としては、産油国がエネルギーのそういう点の資源の恒久化ということに総体的に踏み切っておる、大きい流れは。これをわれわれは理解した上での石油の需給対策を考えていかなければならぬ。そういう点で、従来のように何とか方法さえ講じれば増量は考えるという行き方ではなくて、やはり産油国側にもそういう思想があり考え方があるということを考えたならば、やはりこれは消費国である日本もそこらあたりの点にポイントを置いた対等を考えていかなければならぬ。
 こういう点でいろんな新しい、この前の長期需給見通し等も通産で立てられておりますけれども、先ほども何点か質問に出ましたので私は細かい質問については避けますけれども、たとえば新燃料油あるいは新エネルギーその他の問題等のずっとここに上昇率が掲げてありますけれども、ここらあたりについても、かなり研究途上のものにはコスト的に問題のあるものがずいぶん多いわけです。また、具体的な例を言えば、先ほども出ました石炭の液化問題等についても、かなり実現はできたとしてもコストの面で非常に無理な点があるというようなことが、実際できたとしてもそれは現実使えない、コスト的には無理だというようなことも出ておるものがかなりここの計画の中に盛り込まれてきておる。こういう点で非常に現実性を欠いておりますが、輸入石油の見通しの中で五十二年から七十年とずっと輸入石油の増量が計画されておりますけれども、こういうもの一つとってみましても、これは五十二年度で石油を原価に直してみるとやはり年間十五兆ぐらいの金額になる。これが六十五年から七十年になるとこれは二十五兆ぐらいの金額になる。これは日本の一つの経済成長にも何も関係なしにお金を出すだけだという問題に影響してくるわけです。そういう点で、やはりエネルギーの供給ということとあわせて、ここらあたりで日本も思い切った代替エネルギーの実現ができる可能性のあるところにもつともっと集中的に力を入れていって、そしてその分だけ輸入石油がカットされてきたならば、国内で考えていけば生産性にも大きい影響を与えていくことにもなる。
 こういう点で、私は先日もフランスのエネルギーの十カ年計画を見ておりまして、それは私たちに原子力の増大等については問題点はございますけれども、非常に日本の需給見通しと比べてみて、非常に現実的な、実際できる可能性のあるものを、きちっと計画を立てておりますが、こういう点、日本の需給の見通しというのは非常に理論的な、机上的なものがあるわけです。この点、私はもっともっとここらあたりを考え、いまのような考え方に立って私はこの需給見通しをしっかりと考え直さなければならない、こう思うわけですが、この点どうでしょうか。
#183
○国務大臣(佐々木義武君) フランスの十カ年計画に関しましては、私、出張中でございましたので詳しい内容はまだ承知しておりませんけれども、私、去年十二月のIEAの閣僚理事会に出席した際に、フランスの要路の皆さんにいろいろ話を聞いてみたのですけれども、あの国は資源状況は日本と非常に酷似した国でありまして、国内には石油は全然ございません。石炭も大してない。しかし、政策は非常に思い切った大胆な政策を立てておる。今後五カ年間で発電量の半数は原子力発電、十カ年後には三分の二を原子力発電にしたい。そして、これからの新しい発電はもちろん油を使うのは厳禁でございますけれども、古い、いままでの油を使っておった発電も原子力発電に切りかえるのだという大変雄大な構想で、現実にやっているのかと言ったら、二カ月に九十万キロぐらいの原子力発電が一基ずつ現実にできていっているのです。ですから、絶え間なくずっとできていくような計画になっておりまして、反対運動はないのかと言ったら、フランスではありませんと。そういうところは非常に各国と違ったところでございまして、技術も非常に進んでいます。
 私、マルクールとノルマンジー、両方行ったのですけれども、マルクールは御承知のようにFBR、高速増殖炉の原型炉がいま非常に順調に動いておりまして、ただいま英国、ドイツですか、オランダか忘れましたけれども、三ヵ国でスーパーフェニックスという増殖炉の実証炉をただいま建設中で、再来年にはできるはずでございます。それが完成して実証炉がうまくいきますれば高速増殖炉の実際の実用段階に入っていくわけですから日本よりは少なくとも十年ぐらい進んでいる。米国よりも進んでいます。日本よりはもちろんでございますけれども。
 そういうことで、特に日本人が非常に危険視しております再処理工場なんというのは、マルクールのは川のそばでやっているわけですから実に平然としてやっておりますし、ノルマンジーでいま大きいのをつくってやっておりますけれども、それも見に行きましたけれども、これは牧場に牛がおりまして、これこのとおり別に何でもないのだというような説明をしてございました。というようなことで、今度の十カ年計画も恐らくそうだと思いますけれども、向こうは原子力を中心にした計画であることは事実でございまして、そういう点では日本とは大分これは趣が違うなという実は感じがしてございます。
#184
○馬場富君 最後ですが、長官の方から……。
 このエネルギーの長期需給暫定見通し、これは先ほどどなたかも指摘されておりましたが、私も過去から何点か指摘してまいりましたし、そういう点でもう一歩、やはり政策ですから、現実性に乏しいものについては、長期計画とはいえ、ひとつカットして、もっともっと現実性のあるもので計画をきちっと立てたものに持っていくべきじゃないのか。だから、やはりそういう点でこの需給見通しというのは非常に現実性がないという点で、先ほど話した一つの石炭液化の問題等につきましても指摘しましたけれども、あらゆる面でそういうことが言えるわけです。この点について、長官どうでしょうか。
#185
○政府委員(森山信吾君) 従来つくっておりましたエネルギーの長期見通し、ともすれば計画倒れになったという実情でございます、それは率直に私どもは反省しているわけでございますけれども。従来も代替エネルギーの開発につきましては努力をしてまいったわけでございますが、代替エネルギーの開発がうまくいかないとその分を石油にかぶせてしまうという悪い癖があったのではないかと思います。といいますのは、石油が比較的安定的に、かつ安い値段で買えたということもございますので、どうしても甘さがあったのではないかという気がいたしております。しかしながら、特にこの一年あるいは二年ぐらい前から輸入石油に対する見方が大変シビアになってまいりまして、御高承のとおり、昨年の東京サミットあるいはIEA等におきましても各国の輸入石油の上限を決めるというようなことになってきたわけでございますので、従来のように計画がうまくいかないとその分を輸入石油にかぶせるというやり方がとれなくなってきたという現実がございまして、昨年の八月に答申をいただきました長期エネルギー需給暫定見通しの一番大きな特色は、輸入石油をもうこれ以上ふやすことはできないということに今回の需給見通しの大きな特徴があるのではないか、こう思っておる次第でございます。したがいまして、輸入石油の比率を一定に置きまして、あと経済社会の発展を一定といたしますと、そのギャップを埋めるものはどうしても代替エネルギーでなければならないわけでございまして、従来のような甘い考え方で代替エネルギーの開発に取り組むわけにはまいらない、こういうことになろうかと思います。
 そこで、それぞれの各項目について見ますと、昨年八月の分につきまして、たとえば原子力につきましては三千万キロワットと書いてありますものが現実には二千八百万程度しかできないではないかという御指摘もございますし、それからいまお話しの新燃料油等につきましても大変シビアな見方がございますので、そういった面をどう調整していくかということは大きな課題ではなかろうかと思います。
 そこで、ただいま御審議いただいております法案を成立させていただきました暁には、第三条によりまして供給目標を作成することになっておりますので、いまお話のございました長期エネルギー需給暫定見通しをベースにしながら現実的な――現実的なと申しますのもこの程度でよかろうということではなくて、政策を織り込んで実現可能な数量を供給目標に掲げていく、こういうようなやり方をさせていただきまして、本当に国民こぞって達成すべき目標というものをつくり上げていきたい、こういうふうに考えておりますので、よろしく御指導、御声援を賜りたいと思う次第でございます。
#186
○下田京子君 大臣は、今回の石油代替エネルギー法の提案理由の説明の中で、昭和五十五年度を石油代替エネルギー元年と位置づけてやっていきたい、こういうふうに話されております。思い起こしますと、五十三年度にはエネルギー元年というふうなことも大変言われたかと思います。いずれにいたしましても、政府がここ二、三年エネルギー政策を強化していこうというその姿勢のあらわれかな、こう思うわけですけれども、問題は、こういうエネルギー政策を戦後何十年と進めてきた従来の政策を踏襲するもの、あるいはその反省に当たって新たにまた進めていくものかということが大変重要かと思うのです。私どもは繰り返しいままでも指摘してまいりましたけれども、エネルギー政策の基本は、何といってもやっぱり自主的で、しかも民主的で、そして総合的なものでなければならない、こういうふうに思うわけなんです。そういう立場の一つの反省点に立ちまして進められるのかどうか。まず最初に、いままでのエネルギー政策についての何か反省点、教訓等がございましたらお聞かせいただきたいと思うわけです。
#187
○国務大臣(佐々木義武君) 石油代替エネルギー元年と申しましたのは、いままでもエネルギーが日本の一番重要な対策としてその解決を迫られている問題であるということは国民ひとしく認めるところでございますけれども、しからばどうするかという問題に関しては、どうも数年前から強く叫ばれておるにもかかわりませず、少し油の供給が緩んでまいりますとその危機感は薄れまして、そしてやはり油に頼っていくという安易な道を選んできたのは事実かと思います。そういうことでございますから、今度のイランの問題を契機にいたしまして第二次の石油危機のような状況を呈したものですから、これを機会にいままでのような油だけの対策、言うなれば油の安定供給とか、あるいは備蓄とか、あるいは節約とかいったようなそういう政策だけでは今後の長期にわたっての展望としては日本はやっていけぬぞ、この際思い切って従来の政策はそのまま進めることにいたしまして、さらに一層竿頭一歩を進めまして油にかわるものをひとつつくっていこうじゃないか、それが最大の道じゃなかろうかということでこの発想が出てきたわけでございまして、したがって油にかわるもの、油オンリーでなくて油にかわるものを進めていこう。ところが、油にかわるものといたしましては、いままでは原子力発電を中心にして考えておったのですけれども、なかなか立地問題等いろいろございまして、思うように進まない。そうだといたしますと、もう少し観点を変えて、原子力とかあるいは石炭あるいはLNGとかいった一番基本になる油の代替エネルギーもさることながら、日本独自のと申しますか、国内に賦存する消耗しない天然エネルギーと申しますか、そういうようなものにもこの際思い切って力を注ごうじゃないかということで、従来の発想をもう少し幅広くいたしまして、そして地熱とか、あるいは太陽熱とか、風力とか、あるいはバイオマスとかいったようなものもこの際あわせて開発すべきだということでこの代替エネルギー新機構というものを考えて、それでひとつ従来の進めておるのにさらに付加して、当分は補完的ではありますけれども、将来はこれが主力になっていくだろうという意味で、長期の展望に立ってこの問題を進めていくのが一番よろしかろうということで、石油代替エネルギー元年と言っては少し言い過ぎでございますけれども、そういう意味のエネルギー元年と理解していただければありがたいと思います。
#188
○下田京子君 私は、こういう総合的なエネルギー政策を進めるに当たっての基本的な政治の姿勢とでもいいますか、そういう点でお尋ねしたつもりなんですが、大臣の方は、いままでやってきたのは余りにも油に頼り過ぎたから、これからは油以外の原子力から、LNGから、いろいろなものを、地熱も含めてやっていきたいのだ、こういうお話。それはそれとして重要でございますが、問題は、エネルギーの供給を総合的にどう進めていくかというよって立つ基盤、これは私どもはっきり申しますと、いままでのようにアメリカ任せ、あるいは一定の大手企業任せというふうなかっこうで進めていったのではやっぱり問題じゃないか。問題は、何といっても第一には国内資源の復興や開発を自主的、民主的にどう行うか、それからさらには国際的に見ましても、自主的な資源外交をどうしていくのか、あるいはエネルギーの消費の問題、抑制の問題についても自国で自律的にどう進めるか、そしてまた四つ目には、いまお話しになりました新エネルギーの開発、あるいは等等含めた利用、そういう総合的な問題を進めていく上での基本的な姿勢、これは従来どおりじゃいけません、やっぱり新たに自主的、民主的な立場に立って行う必要があるのではなかろうか、こういうふうに考えているわけなんですけれども、そういう点での基本的な姿勢とでも申しますでしょうか、大臣に再度お尋ねしたいと思います。
#189
○国務大臣(佐々木義武君) 私も、このエネルギー問題というのは長くやった一人でございますけれども、戦後まず考えましたのは、御承知のように水主火従でありまして、まず日本の水を思い切って活用しようということで、水の総合利用というものを考えました。いまの電源開発株式会社ができたのもそのあらわれでございますけれども、要するに、水から出るエネルギーを日本の再建に使おうというのが根本でありまして、同時に、石炭も当時は五千五百万トンぐらい日本で掘れましたから、だんだん水の問題がある程度開発も進みますと今度は石炭の問題に入りまして、火主水従というふうな時代に入ってきたわけです。その当時までは、お話しのように、国内ではまだ外貨も不足でございますし、おっしゃるような国内の自主的な資源に頼って国づくりをしていくというような着想でございましたけれども、しかし、だんだんそれも限界にまいりまして石炭も二千万トンが大体限度、水力も大規模の開発というものはもうございませんというふうになってまいりますと、やはりほかのエネルギーに頼らざるを得ない。何に頼っていったかというと当時非常に出てきました油、安くて便利で多量に入手できる油にどんどん入っていった。そして油を中心にした経済になってきたということ。そのこと自体は、お話しのようにあるいは自主性を欠いたといえば欠いたかもしれません。しかし、油を中心にして産業を興して、それで輸出をして、その代金で油を買っていくという循環を繰り返していたわけですから、決して他国に頼っていたわけではないわけでございますけれども、しかし、だんだん油自体が、数年前、特にローマクラブ等から、資源は有限だぞ、油もそんなにふんだんにはないぞ、やがて数量的にも需給関係がアンバランスになるときが必ず来るという予言が出ましてから世界的にも考えが大分変わってまいりまして、そうこうしている間に第一次石油ショック、今度の第二次石油ショックというようなそういう転換を経てきたものだと思います。
 したがいまして、お話しのように、もう一度国内の自主資源に頼れといっても、水力とか石炭にはそれほど頼れる道はないのでありまして、若干はございますけれども、大量に頼るわけにいかない。そういたしますと、いままでのようにそれじゃ油でいけるか、これもだめだということになりますと、何かやっぱりいままでと変わったもの、違ったものを編み出していく以外にないということが、先ほどのを繰り返すようで、もう申しませんけれども、代替エネルギー開発の着想になってきたものだというふうに考えてございます。
#190
○下田京子君 いまの議論はまた私もお話し申し上げたいと思うのですが、改めてお尋ねしたい点は、いま代替エネルギーを早急に開発しなければならないという最たる理由は何でございましょうか。
#191
○国務大臣(佐々木義武君) 先ほど申しましたように、いまのエネルギー政策の主力というのは、何といたしましても油が中心でありまして、当面は油の安定供給、あるいは節約、あるいは備蓄といったようなものに大半のエネルギーを使うわけでございますけれども、それのみをもってしては数年たたずして、これはもたぬぞ、もう油が数量的にも思うように入ってこない、あるいは値段がいまのようにどんどん上がっていくということであれば国内経済がもたない、こういう両面から考えまして、どうしても新しいエネルギー政策というものを編み出す以外にしようがないということがやはり問題の中心かと思っております。
#192
○下田京子君 いまのお話ですと、非常に油が逼迫している、だから代替エネルギーの開発だということなんですが、逆にそれじゃ石油が入手できれば代替エネルギーの開発問題というのはそれほど緊急ではないというふうな理解も成り立つものでしょうか。
#193
○国務大臣(佐々木義武君) しばしばそういう経験を繰り返してきたものですから、それは今度は繰り返すまい。いわゆる代替エネルギー元年というのはそういう意味で、少しぐらいまた緩むことがあっても、当面の問題には余り注意と申しますか、それにのみとらわれないでやはり長期を目指していまから新しいエネルギーを開発していく、こういうことだと思っております。
#194
○下田京子君 先ほどの御説明の中で、世界の石油が非常に足りないというお話なんですけれども、その時期とかあるいはその具体的な根拠、おわかりでしたら説明いただきたいと思うのです。
#195
○国務大臣(佐々木義武君) これはいろいろなデータがございます。アメリカのCIAの資料などは米国では一番よく使っておるようですけれども、私どもがやっぱり一番信憑をおきますのはIEAの資料でございまして、第一次石油ショック以来その対策としてできました消費国間の機関がございまして、これは国際的なエネルギーの消費国の機関でございますが、その機関で検討し発表しておるものがやはり一番信憑性があるのじゃないかと思っております。
 その見通しでは、大体八五年くらいから油の需給がアンバランスになっていく、自後だんだんそのアンバランスがひどくなっていきますよという見通しで、ほぼそれが国際的にも一つの定説のように定着しつつあるのじゃないかと考えております。と申しますのは、おととしサウジアラビアに行きまして、ヤマニ石油相にお会いしていろいろこういう問題をディスカスした際も、それはもうそのとおりだ、そういう考えで今後やっぱり政策を進めるべきだという一応の考えでございまして、産油国の一番の油に明るい人ですら同じことを言うわけですし、消費国の勢力が知恵をしぼって出す結論もほぼ同じでありますれば大体そこら辺は一つの真実として受け取っていいのじゃないかというふうに実は考えてございます。
#196
○下田京子君 一九八五年からアンバランスが出てくるというお話で、そもそもの根拠はIEAの資料等によるのだ、こういうことなんですけれども、実際、石油というものは、これはいろいろいままでも議論になっていると思うのですけれども、地球そのものが有限であれば石油だってそれは限られております。しかし、あと何年もつだろうかということの議論につきましては、かなりいろいろ変わるわけです。といいますのは、これは資料等を見ましても、世界の石油の可採年数がどのくらいあるだろうかというのは年ごとによって違うわけです。実際のその年度末の確認埋蔵量と、そしてまたその年のいわゆる生産量とで見ましてあと何年もつ、こういう議論が常に過去やられてきたわけです。
 数字を申し上げますと、一九六九年だと思うのです。これは年度末の埋蔵量で四千八百六億バレルだったと思うのです。その時点ではあと三十年ちょっとなんだよ、こういう話が出ておりました。ところが、その翌年、わずか一年後に確認埋蔵量が六千二百七億バレルというふうなかっこうになりまして、一年たたずにあと三十五年もちますよという議論がまた出てくるわけです。ずっとまた、ちょうど十年近くになりますが、十年までもいきませんか、一九七六年の数字で見ますと、やっぱりこの時点であと三十年だ、こういうまた議論になるわけなんです。ですから、実際にIEAの資料が絶対的なものなんだというふうな見方ということは問題ではなかろうか、こういう点をひとつお聞きしたいわけです。
 同時に、一緒に聞きたいわけですけれども、特にOPEC諸国のいま資源温存というかっこうでもって非常に生産削減の要求というのが出ております。こういうことについてどういうふうに評価されているのか、その辺を聞かせていただきたいと思います。
#197
○国務大臣(佐々木義武君) 私の申し上げましたのは、何十年に油が枯渇するとか、そういう意味で申したのではございません。それは幾らでも説があると思います。そうじゃなくて、需給がアンバランスになるという意味でございます。
 その一つの一番大きい根拠は、開発と申しますか、新資源の発見と申しますか、油の発見がなかなか採掘の増加に伴ってパラレルにいっているかというとそういうふうになっておらぬというのが一つ。もう一つは、やはり産出国は油を燃料として使うのはもったいない、あくまでもこれは原料として使うべきだという風潮が大変出てきているということ。それからもう一つは、産油国が自分の将来を考えまして、この際、油が枯渇した場合には自分の国づくりが不可能になるわけでございますので、なるべく長くこれを使っていきたいという要求であることは間違いございません。そういう点から考えますと、いままでのように需要があるからといって生産をどんどん増すかというとそういうわけにいきませんので、だんだんやっぱり締まっていくのじゃないか。需要もずいぶん節約しておりますけれども、しかしこれは必ずしもそんなに急にダウンするわけじゃない。そういうことを考えていきますと、やはり需給関係は数年後には相当タイトなものになっていくだろうという見通しが一番支配的だ。それが正しいか、絶対かといいますと、これは日本におってとてもそういうことを言えるほどデータがあるわけでもございません。ですから、世界の権威ある研究所等で出します資料をそれぞれあんばいしてみまして、大体ここら辺が本当じゃなかろうかというふうに判断する以外に私はしようの方法がない。ですから、ある資料を持ってきてこれは違いますとこう言ってきても、やっぱりこれはおかしいのでありまして、世界の常識はこういうのが大体の趨勢だろうと思えば、それに従って、それを目安にして国内で対策を立てていくのが政府としての正しい仕事じゃなかろうかと考えております。
#198
○下田京子君 私は、IEAの問題と同時に、産油国のいま行っている政策に対しての御認識がどうかという点もお尋ねしたつもりなんですけれども、時間の関係もございますから……。
 その点では、いま大臣がお話しになったいわゆるIEAというもの、あるいはサミットとか、こういった国々というのはどちらかといえば消費を中心とした同盟国が参加されていると思うのです。問題は、産油国側、OPEC等がどういうふうな考え方を持っているのか、それにどういうふうに対応していくかということが非常に大事だと思うのです。その点では大臣はもう少しやっぱり目を向けて、日本のこれからのいわゆる総合的なエネルギーの開発計画というものを考えなければならないと思うのです。
 御承知だと思うのですけれども、これはイラクの石油相が、いろいろとOPECが何を目指すかということで発言をされております。四点ほど言われているその中で私もこれは大変重要だなと思いましたので、そのうち具体的に掲げられております新国際経済秩序のあり方という点で以下六点ぐらいについての考え方を述べているのです。私は具体的に、これに対してどうかということでお聞きしたいと思うのです。
 その第一は、差別的貿易制限政策を撤廃してもらいたい。二つ目には、途上国の輸出原料価格安定帯の保証。三つ目に、途上国の経済開発への支持と公正な価格での近代技術のこれら諸国への移転の促進。四つ目に、途上国の債務構造を再検計して支払い重荷を軽減する問題。それから五つ日に、搾取とは違う条件で途上国への資本の流れを促すこと。六つ目に、第三世界における多国籍企業の行動の規制。
 私は、これが一点ずつどうかということで聞くつもりはございませんが、こういうふうな六点にわたって新国際経済秩序のあり方ということについてはっきりと述べられているわけなんです。すなわち、こういう産油国の意見というものをどれほど踏まえておやりになっていこうとしていらっしゃるのかということについてお聞きしたいわけです。
#199
○政府委員(森山信吾君) 産油国、特にOPECが中心になりまして考えております新国際秩序の問題につきましては、数年前にIEAができましたときにフランスが提唱いたしまして産消対話もやろうではないかということから起こった問題だという認識を持っております。御承知のとおり、
 フランスはIEAに加盟しなかったわけでございまして、フランスはIEAに加盟するかわりに産油国と消費国の対話を提案いたしまして、いわゆる国際経済協力会議、CIECと呼んでおりますけれども、この会議を開設いたしまして、私の記憶ではたしか四つぐらいのグループに分かれて議論をしたと思います。私はそのエネルギーの代表で当時出た記憶があるわけでございますけれども、いまお述べになりました六点は、それぞれの項目といたしまして新国際秩序の提案が産油国からなされたわけでございまして、この流れがいまのOPECの主要な流れになっていることも事実でございます。現在サウジアラビアで行われておりますOPECの臨時総会におきましても、いまお述べになりましたような、特に発展途上国への援助の問題あるいはテクノロジートランスファーの問題等々の議論が行われておるわけでございまして、これは私ども消費国としては十分に注目に値する問題ではないか、こういうふうに考えております。
 問題は、先ほど申し上げましたように、産消対話、産油国と消費国の対話というものが再び復活する可能性があるかどうかという問題でございまして、私どもは基本的には産油国との対話が復活することは望ましいという気持ちを持っております。しかしながら、新国際秩序という大変大きな問題で産油国と消費国が議論することが果たしていいのかどうか、つまり国連という場で、グローバルの立場でこういった新国際秩序というものが議論されるべきであって、単にエネルギーの問題に関しまして産油国と消費国が話し合いすることが適当であるかどうかということにつきましてはかなりな疑問があるというのが現状でございます。と申しますのは、先ほど申し上げました国際経済協力会議というものが必ずしも成功裏に終わったわけではないという過去の経験から照らしまして、単にエネルギーを中心にしたそういう対話の復活というものが妥当であるかどうかにつきましては問題もございますし、それからメキシコの大統領が同じような新国際秩序的な考え方を国連の場に提出したということもございまして、私どもはグローバルな立場でそういう議論をすべきではないかという基本的な考え方を持っているわけでございます。しかしながら、いま下田先生の御指摘になりましたように、産油国の考え方というものを常に消費国が十分に認識しておるという態度もこれは必要なことではないかということでございまして、私どもはそれなりの情報収集にも努めておりますし、産油国の考え方に即した対応策というものを考えていかざるを得ない、そういう立場にあることの認識は十分持っておるつもりでございます。
#200
○下田京子君 認識としては持っているというお話なんですが、問題は具体的にどうするかということがいま求められていると思うのです。
 ここで、やはりメキシコとの今回の総理の訪問に際しての話し合いでも、若干先ほどの他の委員の話にもありましたが、私どもと政府との考えでは評価が違っておるようですけれども、いずれにしましても現在アメリカがイランに行っている制裁等、こういうことについて日本が独自な立場でどうするかというふうなことがやっぱり求められているわけですね。非常に産油国と消費国との話し合いというものが必要であるし、またその産油国の状況というものをしっかり踏まえて、そういう産油国の国づくりということも考えながらわが国日本のエネルギー政策というものはこれは非常に大事だ、こうおっしゃっているならば即座にイランに対してでもアメリカ追随的な外交政策というものをおやめいただかなければなりませんし、それから望ましいと言われたすなわち話し合いの問題では、即刻イランとも価格交渉も含めて話し合いをする、そういうことをいまお考えなのかどうかという点で、これは大臣からお答えいただければと思うのです。
#201
○国務大臣(佐々木義武君) 私どもは、アメリカに対しましては人質の問題も含めて平和裏に問題を解決すべきであって武力等による解決はいけませんぞということを強く主張しておりまして、それをしも追随と言うならばあえて追随でも結構だと思いますけれども、決して私どもは追随だとは考えておりません。そして、まず平和をこの際この問題に絡めて乱してはいかぬ、これだけは厳に守ってもらいたいということで、国是として進んでおることは御承知のとおりでございます。まず、それを前提にいたしまして、ヨーロッパも同じ考えでございますから、同じ立場にある日本とヨーロッパが、この問題の解決に対しましてはそれでは一緒にひとつ同一歩調をとりながら、アメリカの基本的な人質の解放、人質ということ自体はこれは国際法に違反してもおりますし、また世界秩序に対する重大な脅威でございますから、これは何としても早く解決しなければいかぬ、その解決のためにひとつ共同歩調をとって平和裏にこの問題をおさめようというのが基本かと思います。
 いまのお話はその問題とは別でございまして、先ほど長官からもお話がございましたように、産油国側と消費国側で会合して、お互いに理解し合う意味で一堂に会して話し合ったらどうだという話は前々からあるのでございます。あるのでございますけれども、先ほど御提示になったような問題もございまして、産油国側では、自分ら産油国だけでむしろ応ずるよりは、発展途上国と申しますか、共通利益があるわけでございますから、そういう国々とも一緒になってそしてこの問題を処理したいというふうに提案しておるものですから、できれば国連等の場でそういう問題をした方がいいのじゃないかという議論も当然出てくるわけでございます。したがいまして、大消費国側と生産国側とが相対してというそういう着想も一つの考え方ではございますけれども、幾たびか試みましてまだそれは実を結んでいないわけでございますから、むしろそれよりは個別的にそれぞれの国との資源外交と申しますか、エネルギー外交を進めながら、わが国のようにエネルギーのない国では、供給安定、安定供給と申しますか、供給個所をさらに分散して、そして安全な道を選ぼうという政策の方がむしろ現実的であり具体的だということで、そういう方向で進めておるのでございます。でございますから、決して別に対米追随外交だというふうに考えてはございません。
#202
○下田京子君 考える考えないの論評を伺っているだけじゃなくて、私は具体的にイランと、石油問題、価格等も含めて、本当にイランの経済の発展という方向も含めつつ、わが国の石油の今後の入手という問題も含めて話し合うつもりはないのか、こういう点も踏まえていま質問したつもりなんです。大臣は、そういうことでない、いろいろ人質問題まで発展されてお答えがあったようですけれども、問題は、やっぱり言葉ではなくて具体的な実際的な行動だと思うわけです。さっきも大臣、一番最初に申されましたけれども、最初は水資源の利用から始まって、国内資源をいろいろ見てきたけれども、とにかく国内炭ももうだめになった。そして、いみじくも話されましたけれども、石油が安いのだということで石油におんぶしてきた。しかし、最近はその石油がだめになったからということで、今度は原子力だということで大分力を入れてきましたが、この原子力問題では安全性を問われて、大変また立地問題で悩んでおる。そしたら、また今度は石炭だというかっこうなんですが、その石炭はどちらかと言えば国内炭じゃなくていわゆる海外炭だというふうなかっこうで、次がだめなら次だよ、本当に花から花にチョウチョが渡り歩くように、総合的と言いつつ、むしろ総合的ではなくて総花的に、しかも自主性な欠いているのじゃないかというふうなことを私たちは思うわけなんです。
 問題は、最初に立ち返りますけれども、いま石油代替エネルギーの開発ということを進めていく上に大切な問題は、まず自主的でなければならない、そして同時に総合的にきちんと自国の今後の見通しを持っておやりいただけるかどうか、こういう点だと思うのです。この点について再度御答弁いただきたいと思います。
#203
○国務大臣(佐々木義武君) 前々から申し上げますように、エネルギー問題はやっぱり時間とマス、量の兼ね合いでありまして、計画を立てるためには経済の成長等をまず考えまして、それにどれほどエネルギーが要るか、そのエネルギーを何で賄うかという点を分析してまいりまして、そして油をだんだん減らしていくのであれば、それにかわって何を一体伸ばすべきか、伸びるかどうか、そういう吟味をしてそうしていくのでございまして、お話しのように花から花へ飛ぶというのじゃないので、そういうふうに立てていきますと、これを伸ばそうと思っても伸びぬ場合もございます。
 でございますから、ただ、たとえばホワイトエナジーと言っても、それはなるほどエネルギーには違いありませんけれども、それじゃ日本のエネルギーを賄い得る量が出ますかといいますとそうはいかない。そうしますと、そればかりに頼っているわけにいきませんから、やはり大量に頼れるものとしては原子力だとか、あるいはLNGだとか、海外炭だとかということになるのはこれは当然でありまして、別にしょっちゅう政策を変えているわけでも何でもございません。言うなれば不動の姿勢で進めているつもりでございますけれども、しかし、さらばといってそれだけでよろしいかというと、日本のような特殊なエネルギー資源国ではそればかりじゃいかぬので、ただいまは微量であっても、当面の役に立たなくとも、将来を考えて進めるべきものは進めるべきだ、こういうことでございますので、そんな長い、二十一世紀の中ごろにやっとできるような核融合だとか、水素エネルギーだとか、そんなものを何でやるのだとあるいはおしかりをこうむるかもしれませんけれども、これはこれでやっぱりやらなければいかぬものなのでございまして、そういう意味で、言うなれば、むしろ私どもの考え方自体が総合性を持っているのじゃないかというふうに実は自負している次第でございます。
#204
○下田京子君 具体的にお尋ねしていきますけれども、本法案の第三条の中で代替エネルギーの供給目標を定めることになっております。従来は、これに準ずるものとして長期見通しというものが一応あったわけですけれども、この見通しのほかに今回新たに法律の中ではっきりとうたって供給目標を定めるというふうにしたその根拠は何かおありなんでしょうか。
#205
○政府委員(尾島巖君) この法律の目的は、わが国の経済の石油に対する依存度を軽減していくというところにございます。このために石油代替エネルギーの開発及び導入を総合的に進めていかなければならないということになるわけでございますけれども、石油代替エネルギーの開発、導入というのは非常に長期にわたるリードタイムが必要であり、また巨額な資金の投資が必要となってくるわけでございます。これを総合的に円滑に効果的に進めていくためにはやはりその目標というのがどうしても必要になってくるわけでございます。こういう意味におきまして、今後この供給目標が、石油代替エネルギーの開発、導入について官民挙げての努力目標として役割りを果たすことが期待されているわけでございます。また、民間のエネルギー消費者にとりましてもこれが目安となってその対応を図っていくということになるわけでございます。
#206
○下田京子君 そうすると、努力目標というものにはっきり法的な根拠を持たせていくのだというふうに解してよろしいですか。
#207
○政府委員(尾島巖君) 御指摘のとおりでございます。
#208
○下田京子君 それでお尋ねしたいのは、この供給目標の中にはもちろん原子力は含まれるわけですね。
#209
○政府委員(尾島巖君) 原子力も含まれます。
#210
○下田京子君 さらに、具体的にお尋ねしたいのは、第三条の第三項について、まず政府原案の方なんですけれども、「内閣総理大臣の推進する原子力の開発及び利用に関する基本的な政策について」云々というふうなことをうたっていますが、この基本となるものは当然原子力基本法の第二条でうたっておりますいわゆる自主、民主、公開というこの三原則を踏まえてやられるべきものであるというふうに理解してよろしいですか。
#211
○国務大臣(佐々木義武君) 最も重要なのは、平和の目的に限るということでございます。そして、いま申しました三原則がその中心かと思います。
#212
○下田京子君 それじゃ、修正案の方でちょっとお尋ねしたいのですけれども、この第三条の第三項のところの考え方は、いま言ったような方向で修正されているわけですけれども、とすれば、内容的には余り変わっていないのか、あるいはまた別な計画をお持ちになろうとしているのか、どちらなんでしょうか。ひとつ、はっきりさせていただけませんか。
#213
○政府委員(尾島巖君) この修正案につきまして政府委員の方から説明するのはどうかと思いますけれども、趣旨説明にございますとおり、原子力基本法第二条に規定する基本方針に基づいて行われる原子力に関する基本的な政策について十分配慮するというふうになっておりまして、従来の表現よりはこの原子力開発につきましては原子力基本法に基づいて進めていくということをより明確にしたものというふうに受け取っておるわけでございます。
#214
○下田京子君 そうしますと、さっき大臣から政府原案の話で、特に原子力基本法の平和というところが大事なんだというお話がございまして、修正案の部分では、それをより明確にさせる意味で出たのだというふうに政府側は理解している、こういうことだと思います。とすれば、根本的な点では相違がないのじゃないかというふうに私は理解しますけれども、政府もそのように理解しておりますでしょうか。
#215
○国務大臣(佐々木義武君) 平和の目的に限るというのは大変軽いようでございますけれども、そうではございませんで、これが一番重要な問題でございます。なるがゆえに、バイラテラルな相互一条約あるいは多角的な国際条約等によりまして、日本が原子力発電その他原子力燃料等を平和の目的に限って使っていくのかどうかということをインスペクトするために、条約に基づきましてウィーンの監査員が常時と言ってもよいほど数名日本に参りまして、しょっちゅう調べているというくらい、何が一番問題かといえばその点が一番問題なのでありまして、ドイツのいまの反原子力問題なんというのは、むしろ発電炉が危険だとかなんとかという問題ではないのだそうでありまして、それが転換するのじゃないかということが一番向こうの反原子力問題の運動の中心のようでございます。
 日本でもやはりそうでございまして、根本はそれでございまして、私ども原子力基本法をつくった本人でございますけれども、そのときに何が一番問題だったかというと、その枠を外してはいけませんぞ、これだけは絶対に守らなければいかぬということでいままで来たのでありまして、そのことが二条に一番強くうたわれているわけでございます。そして、それに続いて、それをギャランティーする意味で三項が、三つの法則が出てきているわけでございますから、やはり私は、その項は決して軽く考えるのじゃなくて一番中心問題として考えるべきだというふうに考えています。
#216
○下田京子君 大変御丁寧な説明でわかりました。
 ただ、問題は、供給目標の中に原子力が含まれるのは当然。そして、しかもその供給目標にかかわる部分で具体的にどうするかということもこの法律の中に入っているわけなんですが、長期目標の方を見ますと、私これは大変だなと思いましたのは、現在建設中のものが七基です。運転中のものが二十一基、建設準備中のものが七基、合わせて三十五基ございまして、全体でもってこれは認められている出力二千七百八十八万キロワットということになるわけで、七十年度を見通した場合に、この見通しによりますとおよそ七千八百万キロワットというふうなことを出しておるわけです。これは設備の計画じゃなくて、言ってみればエネルギーの計画ですから、実際にこれだけのエネルギーが供給されるということになった場合、どれほどの原子力が建設されることになるのだろうか、こう考えたわけなんです。いま政府で、いろいろ聞きますと、これからは一基大体百万キロワットのものを考えていきたい、こんなお話です。単純に、まさか一〇〇%稼働というものはございませんけれども、そういった場合でもこれからの差を見ますと、およそ五十基ということになります。その稼働率状況によってまた大変変わるわけなんで、とにかく現在の建設準備中のものも含めて三十五基という上に、五十基あるいは七十基、八十基というものが新たに建設されなければこれだけの目標が原子力においては保証されない、日本じゅうまさに原子力の発電所というふうなかっこうになるのじゃなかろうか、こういうふうに思うわけなんです。
 そこで、私お聞きしたい点は、まず原子力はこの安全性が確認されたものというふうな御認識で始まっているのかどうか。それから二つ目には、国民のコンセンサスを得られているというふうな御認識なのかどうか、この点をお聞きしたいわけです。
#217
○国務大臣(佐々木義武君) 原子力発電炉が安全なりや否やという問題でございますけれども、それは大変安全なものだという議論も成り立ちますし、安全でないという議論も成り立つかもしれません。確かに、ヨーロッパなどへ行ってみますと、ドイツあるいはフランス等で、同じ軽水炉でありますけれども、みずから安全性を確認しつつ自分でつくり上げていったという炉に関しては、私は行ってみまして完全に安全だと思いました。ですけれども、日本はそれじゃみずからこの安全性を自分でつくり上げているのかと申しますと必ずしもそうはいきません。でございますから、アメリカで何か軽水炉の事故が起こりますと、すぐ日本は炉をとめなければいかぬ。ヨーロッパでは平気でそのまま動かしているわけです。何らの事故もない。でございますから、やはりこれはみずからの手でつくり上げていく、安全な炉をつくるというのが一番の根本でございまして、その点では最近非常に私は日本も変わってきていると思います。原子力研究所あるいは通産関係の各研究所等でこの問題に集中して研究を進めていますから、ずいぶん日本も自信を持ってやれるような時代に入っているのじゃないかという感じがいたします。さらばといって、これはもちろん安心のできる問題ではございませんから用心には用心を重ねていかなければいけませんし、また特に検査、審査等に対しては権威を持ってやらなければいけませんので、御存じのように安全委員会をつくりまして、日本では一番権威のある機関が、通産省でみずから審査をする以外にダブってこれをやるという入念なやり方で審査をしていますので、まずまずという感じがいたします。
 それからコンセンサスの問題。これは一番重要な問題でございますけれども、最近のコンセンサスというのはどういうふうにテストするかと申しますと、やはり世論調査のような調査しか方法がないわけでございます。そういう面から見ますと内閣の統計等が、それはひが目で見れば幾らでも見れるでしょうけれども、しかし私どもの考えたところでは、やっぱりそういう世論調査的なもので見ますと順次変わってまいりまして、いまや昔とは全然違った様子を帯びているのじゃなかろうかと思います。正確な資料をいま持ち合わせてもおりませんので恐縮でございますけれども、たしか青年会議所等でもずいぶん変わった見方をしておるようでもございますし、世論はずいぶん変わってきたのじゃないかと思います。しかし、これではまだ不十分でございますので、さらに理解を深めるように、また協力を得られるように不断の努力が必要だということは申すまでもございませんけれども、しかし、ずいぶん認識は変わってきているように私は考えます。
#218
○下田京子君 政府としては安全性の確立の方向でいろいろ努力しているということで御説明があったと思うのです。そのことは、逆に言えば安全だということが全く保証されたというふうには見られないということを裏づけていることにもなると思うのです。ですから、私はここで大臣に提起したい点は、そういうことで努力しているかしていないかということとはまた別な問題として、いまいみじくも大臣がお話しになりました、アメリカで事故があれば、さて日本の安全はということでそれを問われるような状況だというそういう現況の原子力の運転状況です。とすれば、こういう安全性の確認されていない原子力発電所なるものはやっぱり当面供給目標から外すべきじゃないか、この点について私は特に主張したいわけなんですけれども、いかがでしょうか。
#219
○国務大臣(佐々木義武君) 日本はそれほど用心をしておりますので、故障的なとめ方はしていますけれども、第三者に対する被害あるいは人畜、財宝に対する損害といったような事故は一回もございません。軽水炉というのは大体ないのです。スリーマイルアイランドの問題でも別にけがした人もなし、あれによってどうというような問題はないのですから。ですから、ただ、安全じゃない安全じゃないと言うだけでは、これまた安全でないのでありまして、やっぱりみずから安全に対して自信を持つほど原子工学的に勉強もし、あるいは自分で炉をつくり上げていく、自信を持ってやっていくという体制、あるいは運転に対してもっといままでより入念な人的あるいは物的な監査といったような問題、あるいはさっき申しましたように審査等のオーソライズ、この人らがよろしいというものであればまず安全と見てよろしいのじゃないかというふうな行き方というふうなことをやっぱり考えていくべきだと思います。
 お話しのように、そんなに危険なものであれば私は世界でいまのような軽水炉がそんなにたくさん運転しているわけがないのでありまして、特に、この前にも申しましたかと思いますけれども、ソ連などは物すごい勢いで原子力発電をやっているわけでございます。フランスしかり。北海でああいう油田を発見した英国ですら、去年の暮れに参りましたときに英国のエネルギー相が言っていましたけれども、軽水炉の発電にもう一遍自分の方は踏み切るのだという閣議決定をしたなんと言っておりましたけれども、そういうことはありようがないわけでございまして、特に資源の少ない日本といたしましては、やはりこの問題は慎重を要し、安全に対して深甚な注意を払うということはもちろんでございますけれども、さらばといってこれを全然お話しのようにやめてしまったらどうだという議論は、ちょっとこれは私ども賛成できないと思っています。
#220
○下田京子君 スリーマイルアイランドで全然問題がなかった、人が死んでいなかったから問題じゃないのだというふうな考え方はやっぱり問題です。
 それからもう一つは、私は、つまり原子力のいまのいろんな研究そのものを全部やめちゃえなんてことを、そんなむちゃなことを言っているのではないのでして、供給目標の中に法的な根拠も持たせて、何年までにはどういうかっこうでということで、単なる努力目標だけじゃなくてきちっとその裏づけをつけた、そういうところからは外して、そしてもっと真剣にこの原子力のあり方という問題について、根本的な技術開発も含めて自主的、民主的な立場でこれから進めるべきじゃないか、こういうことを私は申し上げているわけなんです。
#221
○国務大臣(佐々木義武君) 私は、二十数年、初代からこの問題に取り組んでいるわけでございますけれども、別にスリーマイルアイランドの問題はお話しのような意味で言ったのじゃございません。それはそれで教訓として受けとめまして、日本の安全委員会では真剣に、けさの新聞にも載っていましたけれども、それから得ました教訓をいかにわが国にアダプトするかということで真剣に考えていることは事実でございます。ただ、ああいう事故が起きましたけれども、お話しのように、別に人畜に害がなかったじゃありませんかということだけを、事実を申し上げただけのことでございまして、なるがゆえに、原子力発電に対して安全は絶対だというふうなことを私申し上げたわけではございません。それはそれで、やはり安全というものに対しては注意を払っていくべきである。だから、もう間違いない実情でありまして、そういうことで現にやっています。非常な精力を注いでやっているわけでございます。
 それから目標の問題でございますけれども、一応目標というのは、資本主義の国家でございますから、それを閣議で決めたからといって必ずそれでやらなければ罰を食うとかいう性格のものではないのでありまして、本質的にはやっぱり努力目標であることは間違いございません。でございますから、ただ従来と違うのはどういう点が違うかと申しますと、それに対する手段等がある程度裏づけされた上の私は計画になっていくのじゃなかろうか。ちょうど、たとえば道路何ヵ年計画あるいは港湾何カ年計画というためには、経済企画庁の何カ年計画という経済計画があって、そしてどれくらいの資金量がここには出るか、そういうものを配分して五カ年で道路にはこれほどで賄えるというふうなことで閣議決定をやっておるわけでございますから、そういう意味の計画でありまして、それが決まったから必ずその数字は一つもたがえずにやるべきだというのは、これは私は資本主義の計画としてはそういうことはありようがないわけでございますから、本質的には努力目標とみなしていっていいのじゃないかと思います。
#222
○下田京子君 私は、具体的な点でさらにお話を進めたかったのですけれども、いまの大臣のお話を聞いていまして、このまま、はいそうですかと黙っておれない問題は、スリーマイル島の問題で人的な被害もなかったからだということを断言されているのです。これは非常に問題なんです。これはいままでも国会の中でも非常にいろいろ議論がされてきたわけです。この点での御認識を私は改めていただきたい。これが一点。
 それからもう一つの問題は、いままでいわゆる努力目標としていわゆる原子力の発電計画等々いうものもやってきたわけです。ですから、改めて事ここに及んで法的な根拠まで持たせて供給目標の中に入れるということは必要ないのじゃないか。むしろそういうやり方こそ国民的なコンセンサスを得る上で逆行するのじゃないか。もっとしかるべき立場から安全性を重視し、そして自主的な立場での技術開発等も含めたこれからの原子力行政と、全体的な踏まえ方の上に立って総合的なエネルギーの開発ということを考えるべきじゃないか、こういうことを私は申し上げているわけなんです。
#223
○国務大臣(佐々木義武君) お言葉を返すようでまことに失礼ですけれども、総合性というものを維持するのであれば、やはりエネルギーの長期計画というものを立てる場合には、その総合性の中には、原子力をやらなければ別ですけれども、原子力発電を進めるのであれば、それをのかして総合性というものはあり得ないわけでありまして、先ほどから繰り返すように、経済成長するために何ぼのエネルギーが要るのだ、そのエネルギーを何で賄うかというところに総合性が出てくるわけでありまして、その一翼を担わないのであれば別ですけれども、担うのであれば、やはりのせておくのが本当じゃないかと私は思います。
 それからスリーマイルアイランドの問題は、お話しのように、もし私の言い方が間違っておればそれは訂正いたしますけれども、もっと深い意味で下田先生おっしゃっているのであれば、あるいは長い将来放射線なるものが一体人体にどういう影響を及ぼすとかといったような問題から発すれば、あるいはいろいろなケースが出てくるかもしれません。そういう意味だとすれば、あるいは私の発言は少し軽率だったかもしれません。
#224
○下田京子君 スリーマイル島の結果と評価等については、軽率どころか問題を含んでいるということをあえて私も申し上げておきます、再度。
 それから総合的な問題では、私最初に申し上げましたけれども、国内の資源の活用問題等、これはまた後日の質問で続けたいわけですが、仮に、先ほど申されました石油が安いからどんどんどんどん買ってきたのだよと言っておりますが、そういうところに日本の国の政府の自主性があったのかなという問題なんです。つまり石油が安いといって石油に頼っているようなときに、国際的に見ればメジャーを中心にしてあちこちの石炭鉱区を買いあさっていたという事実がいろんな情報でもって明らかになっているわけなんです。そして、大臣が、総合的にというならば原子力ももちろんと言っていますが、片や国内資源の石炭問題についても二千万トン体制ということはずっと言っているわけなんです。しかし、その二千万トン体制はどうして維持していくのかということは明らかにまだなっていないわけなんです。こういった点は後日に譲ることにいたしまして、そういう点からの今後の政策の基本として、よって立つべき姿勢というものは、いままでのような形じゃなくて新たに考えなければならないのではないかということを指摘しておきたいと思います。
#225
○政府委員(森山信吾君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたことの裏から私は申し上げてみたいと思うのでございますが、これまでとってまいりましたエネルギー政策は、私どもはそのときそのときに応じたエネルギー構造をいかにうまく活用していくかということにあったのではないかと思う次第でございます。
 そこで、水力から始まりまして石油の話まで大臣が申されたわけでございますが、一番客観的にベストなエネルギーを確保するというのがエネルギー政策当局に課せられた課題であったのではないかと思うわけでございまして、この構造がやはりおのずから変わっていくという姿も事実でございますから、その変化にいかにうまく対応するかということもまたわれわれに課せられた課題ではなかろうかということでございまして、その客観情勢に逆行いたしましてエネルギー構造を余り硬直化するということになりますと大問題であるということになろうかと思います。これまでとってまいりました政策は、私どもは私どもなりにうまくいったのではないかというふうに思っておりますので……
#226
○下田京子君 うまくいっていない。だから危機が出たのじゃないですか。
#227
○政府委員(森山信吾君) 私どもはうまくいったのではないかというふうに思っておりますが、今後いままでのような状態が構造的に続けば問題が起こるという認識もございますから、その構造な早く変えなくちゃいかぬ。そのために現在御審議をいただいております代替エネルギーの開発にいち早く取り組みをさせていただきたいということでございますので、その辺をよく御理解を賜りたいと思う次第でございますが、御指摘の自主的云云の件は、ある意味では国産エネルギー自給率の向上の問題とも関連があるのかもしれませんけれども、その点につきましては、私どもは十分に国内資源の活用ということにつきましては考えてみたい、こういうふうに考えます。
#228
○委員長(吉田実君) 本案に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後五時二十五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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