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1979/05/14 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 航空機輸入に関する調査特別委員会 第2号
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1979/05/14 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 航空機輸入に関する調査特別委員会 第2号

#1
第091回国会 航空機輸入に関する調査特別委員会 第2号
昭和五十五年五月十四日(水曜日)
   午前十時十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月九日
    辞任         補欠選任
     野田  哲君     村田 秀三君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     村田 秀三君     野田  哲君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     三治 重信君     柳澤 錬造君
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     野田  哲君     戸叶  武君
     久保  亘君     村田 秀三君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         森下  泰君
    理 事
                岩崎 純三君
                遠藤 政夫君
                穐山  篤君
                中尾 辰義君
                神谷信之助君
    委 員
                浅野  拡君
                熊谷  弘君
                田原 武雄君
                戸塚 進也君
                成相 善十君
                降矢 敬義君
                山本 富雄君
                寺田 熊雄君
                戸叶  武君
                村田 秀三君
                橋本  敦君
                柳澤 錬造君
                市川 房枝君
   国務大臣
       法 務 大 臣  倉石 忠雄君
   政府委員
       法務省刑事局長  前田  宏君
       法務省入国管理
       局長       小杉 照夫君
       国税庁長官    磯邊 律男君
       国税庁直税部長  矢島錦一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥村 俊光君
   説明員
       大蔵省国際金融
       局企画課長    関   要君
       運輸省航空局監
       理部監督課長   早川  章君
       自治省行政局選
       挙部政治資金課
       長        緒方信一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○航空機輸入に関する調査
 (航空機輸入に関する件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(森下泰君) ただいまから航空機輸入に関する調査特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 昨十三日、三治重信君が委員を辞任され、その補欠として柳澤錬造君が選任されました。
 また、本日、野田哲君及び久保亘君が委員を辞任され、その補欠として戸叶武君及び村田秀三君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(森下泰君) 次に、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在、理事が欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(森下泰君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に穐山篤君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(森下泰君) 航空機輸入に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○寺田熊雄君 まず、おさらいのようになりますが、衆議院の航特で刑事局長は、K・ハマダと浜田幸一が同一人物であることは否定しないと言われました。それで、一応浜田幸一氏として質問をするわけですが、浜田氏のラスベガスのサンズホテルにおける債務を負った行為、これは検察官が東京地裁で出した冒頭陳述書には賭博による債務というところまでは書いてありませんが、これはまあ大体明らかなようでありますが、この賭博行為、これは日本の刑法では当然百八十五条の構成要件に該当しておるようですが、刑法第三条から四条までの規定で日本の刑法を適用できない、刑法の適用外になっておると思いますが、この点いかがでしょう。
#7
○政府委員(前田宏君) ただいま寺田委員も仰せになりましたように、過日の冒頭陳述の補充訂正におきましては、債務の発生原因については触れていないわけでございまして、したがいまして、どういう行為が行われたかというごとも明らかにはされていないわけでございます。したがいまして、いまお尋ねの賭博ということでございますが、その具体的な内容もおのずから明らかでないわけでございまして、そういう意味ではお答えがしにくいわけでございますけれども、一般論として賭博罪に当たる行為が国外で行われたというふうになりました場合には、いま御指摘のとおりの結論になろうと思います。
#8
○寺田熊雄君 これはまあ浜田幸一氏自身が賭博をやったことを自認しておりますから余り事実をあいまいにしないで、やはり国民がもうよく承知しておることは一応そういう趣旨でお答えをいただきたいと思うんです。
 それから検察官は、このサンズホテルにおける賭博での債務を、百五十万ドルであったものを百三十万ドルとし、そしてこれを小佐野賢治が代払いしたという事実を東京地裁で主張しておられるわけでしょう。
#9
○政府委員(前田宏君) 過日の冒頭陳述の補充訂正におきましては、ただいま御指摘のように、サンズホテルに対する百二十万ドルの債務につきまして、小佐野被告人がこれを支払い保証をしてその弁済を順次行っていたという事実を主張し、これを立証していこうというごとになっているわけでございます。
#10
○寺田熊雄君 この浜田幸一氏がサンズホテルに対して債務を負った行為、それからまた、この債務を小佐野賢治氏が現実に代払いしたか、保証債務の履行としてこの支払いをしたか、それとも浜田氏が主張しておられるように自分でこれを支払ったという、いずれにいたしましてもこれは外為法違反であることは疑いないんですが、ただ、おさらいの意味で、外為法違反のどの条文に該当するか、これは大蔵省当局にちょっと御説明をいただきたいと思うんです。
#11
○説明員(関要君) 委員も御承知のとおり、外為法は居住者と非居住者との間で債権の発生等の当事者となること、また外国へ向けて支払い等をすることにつきまして全面的に禁止をかけまして、それを必要に応じて政省令等で解除をしていく、こういう構成をとっております。したがいまして、ただいまの居住者と非居住者間に貸し付けとか保証とか、あるいはその弁済等のための支払いというような行為が行われました場合には、ただいまのような規定を規制しております外為法の第三十条あるいは第二十七条、こういったところに関連が出てくるということは言えるように思われます。
#12
○寺田熊雄君 ここで私の方から時間の関係もありますので積極的に申し上げますが、いまの浜田幸一氏がサンズホテルとの間で債務を負担するという行為は、外為法の第三十条第三号に該当すると思いますが、いかがでしょうか。それからこの債務を支払ったということが、小佐野が支払ったか浜田が支払ったかは別といたしまして、いずれにいたしましても、外為法二十七条の一項一号と二号に該当すると思いますが、いかがでしょう。
#13
○説明員(関要君) 私どもは事実関係というものを詳しく承知しておりませんので、あくまで一般論としてのお答えということでお許しを願いたいわけでございますが、ただいま先生御指摘のように、居住者と非居住者間の債権の発生の当事者となるという関連で貸し付け及び保証の行為、それからまたそういった貸し付けの弁済のために支払うという行為、これは先生御指摘の条文と関連がしてくるというふうに考えております。
#14
○寺田熊雄君 大蔵大臣の許可を得ずにこういう行為をした場合の罰則についてちょっと御説明をいただきます。簡単にひとつ、時間の関係があるから。
#15
○説明員(関要君) 仮にただいま申し上げました外為法第二十七条第一項または第三十条の規定に違反した者につきましては、外為法第七十条の罰則が適用になると思います。
#16
○寺田熊雄君 その刑をちょっと言ってください。
#17
○説明員(関要君) 第七十条の罰則に対する刑罰は、「三年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金」「又はこれを併科する。」と、こういうことになっております。
#18
○寺田熊雄君 なお浜田氏は、国会議員を辞任した場合、その際に記者会見をいたしておりますね。その記者会見で、末尾というか締めくくりの発言といたしまして――これは後で聞きましょう、ちょっといま撤回します。
 刑事局長、この記者会見をした際に浜田幸一氏は、私が財産を売り払い、外為法違反を犯してまでしてそれを支払ったということを記者会見で告げておる事実は、あなたもお聞きになりましたか。
#19
○政府委員(前田宏君) 浜田幸一氏が記者会見の席でそういうような発言をされたという報道があったことは承知いたしております。
#20
○寺田熊雄君 そこで、浜田氏が財産を売り払った行為というものを私どもフォローしてみますと、もうすでにこれは国税庁長官が衆議院の航特ではっきりとお答えになっておられますね。安房郡富浦町多田良字堂坂一二〇七番地一番の山林四千二百三十八平方メートルほか四筆の山林、これは合計して一万九千九百八十平方メートル、約六千坪ぐらいになると思いますが、この山林、登記簿謄本をとってみますと、これは浜田幸一から株式会社竹中工務店に四十八年十二月十四日の売買を原因として所有権移転登記がなされております。その所有権移転登記がなされた日は四十八年十二月二十八日ということになっていますが、この点は国税庁長官が御自分で言っておられるわけですが、ただ、当時の富浦町のこの時点における評価、これを調べてみますと、五筆合計で八十三万七千六百七十一円ということになっております。この価格が国税庁長官のお答えですと三億六千万円ほどでありますが、この富浦町の当時の評価とは非常にかけ離れておりますが、この点について別段疑問はお持ちになりませんでしたか。
#21
○政府委員(磯邊律男君) 土地の評価でありますから、いろいろなケースによって売買の価格が決まってくると思います。一般的に市町村で評価しております土地の価格というのは低いのが通常でございますし、それからまた売買実例等もぴたりと合っているといったようなものがありましたら比較も可能でありますけれども、必ずしもそういった適当な物件がない。しかし、感覚として見た場合には、若干当時の売買実例よりは売買価格が、値段が高いなという感じは持った次第でございます。
#22
○寺田熊雄君 これは私、ある報道機関の方と話をしましたときに、その方は、間に不動産業者が入っているんだということを言われたんですが、その間に入っているというのは、単なる仲介なのか、あるいは中間でやはりこの買い受け人となっておったという意味か、よくそこのところはわかりませんが、この点は登記簿上は浜田から竹中工務店に直接所有権が移転されていますね。これは国税当局としては直接の売買だというふうに把握していらっしゃるのでしょうか。それともだれかがおって、売買は、中間におるのだけれども、その中間の登記を省略して直接登記がしてあるというふうに認めていらっしゃるのか。その点どうでしょう。
#23
○政府委員(磯邊律男君) 私どもの当時の資料によりますと、中間に入ったということ、不動産業者が中間に入ったということの事実は把握しておりません。
#24
○寺田熊雄君 刑事局長は、この浜田から竹中工務店への山林五筆の売買の事実、これは把握しておられますか。
#25
○政府委員(前田宏君) ただいま国税庁長官からもお答えがございましたように、過日の衆議院の委員会でもその点が御指摘になってお答えがあったところでございますので、そういう意味で承知いたしております。
#26
○寺田熊雄君 この点が衆議院の航特で大変問題になりまして、国税庁長官はこの売買による可処分所得を二億九千五百万円というふうに答弁しておられます。この可処分所得を浜田氏がどのように処分したか、これは国税当局はフォローされましたか。
#27
○政府委員(磯邊律男君) 御承知のように、税金を支払った後の所得の処分につきましては、国税庁としては一般的に申しまして、その後の資金の使途までは追及しないというのが私たちの立場でございます。
#28
○寺田熊雄君 浜田氏は、自分で財産を売り払って米国での賭博の負債を返したということを記者会見で主張しておるようです。この売買代金というのはいつ浜田氏が入手したかということはこういう航特での重要な課題でありますので、やはり国税庁において調査されてもいいのじゃないかという気がしますが、これはどうでしょう。
#29
○政府委員(磯邊律男君) 私ども、浜田氏とそれから小佐野氏との間のそういった貸借関係といいますのは、過日の検察官の冒陳の補充訂正によって初めて承知したといったような状況でございます。したがいまして、現在まだ公判係属中でございますし、それから今後公判廷において当事者の間でどういった論争が行われ、どういった証拠が提出されるかということはわれわれは全くわかりませんけれども、少なくとも一方において、法廷においてそういった論争が行われているという間は、それが特に除斥期間に問題がなければ、私どもとしてはその公判廷の推移を見ながら税務上の処理をしてまいりたい、また、従来からもいろいろな同じような刑事事件等につきましてはそういうふうに処理いたしておりますから、今回の浜田氏の問題につきましてもやはりしばらく公判廷の推移を見守りたい、かように考えておる次第でございます。
#30
○寺田熊雄君 刑事局長は、証拠に基づいて、小佐野が浜田の債務を百二十万ドルに値引きして、これを四十八年の一月に五十五万ドル、四十八年の四月二十八日ごろに二十万ドル、四十八年の七月に二十五万ドル、そして最終は、このロッキード事件で関連を持ってまいります四十八年の十一月三日にクラッターから受領した二十万ドルを支払ったというふうに、これはこの冒陳でも言っておられますし、それから航特委でもそういうふうに答弁しておられますね。
 そういたしますと、先ほどの浜田氏の山林の売却代金、これで支払ったかどうかということはまず否定的に考えざるを得ない。というのは、このサンズホテルに対する債務の支払いというのは、いずれも四十八年の一月から十一月までの四回で終了しておるわけであります。ところが、この浜田が竹中工務店に山林を売却したというのは、四十八年の十二月十四日に契約をし、十二月の二十八日に移転登記をしておるというのでありますから時期的に合わない。竹中工務店のような大手のしっかりとした業者が売買契約以前に、また所有権移転登記の以前に代金を浜田に支払うというようなそういう変則的な取引をしたというようなことはとうてい考え得られないわけですね。
 したがって、国税庁長官が衆議院の航特で言われておる、この山林売買が三億六千二百万円である、可処分所得が二億九千五百万円である、この代金なるものは刑事局長が主張しておられるサンズホテルに対する百二十万ドルの支払いとは無縁のものである、こう理解せざるを得ない。この点は刑事局長と国税庁長官のお二方にお尋ねしますが、どうでしょう。
#31
○政府委員(前田宏君) 去る三月六日の検察官の冒頭陳述の補充訂正におきまして主張しております事実は、ただいま寺田委員が仰せになりましたように、百二十万ドルの債務の支払いを四十八年の一月から十一月にかけて行った、こういう主張をし、これを今後立証しよう、こういうことでございまして、まだそれが確定されたわけではもちろんないわけでございますが、検察官の主張としてはそういうことに相なっておるわけでございます。
 一方、先ほど来御指摘のように、先ほどの問題の土地の売買は登記によれば四十八年の十二月に売買がされ登記もされておるということでございまして、登記と実際の売買代金の授受ということにずれがあるということも絶無ではないと思いますけれども、先ほどもお話のございましたように、登記が済んで代金が払われるだろうというのがまた多いだろうというふうに思います。そういう両方を前提といたしますと、時期の点でずれがあると申しますか、逆になると申しますか、そういう関係に相なるだろうと思います。
#32
○政府委員(磯邊律男君) 浜田氏の約三億六千万円の代金の受領は、その売買契約いたしましたのは昭和四十八年十二月の十四日でありますけれども、その十二月十四日付で約三億六千万円の受け払いが行われたわけであります。
 ただ、先ほど御答弁いたしましたように、私たちとしましては、その可処分所得がどういうふうに処分されたかということにつきまして、そこまでの調査はいたしておりませんので、この売買代金、それによる可処分所得というものが、いつ、何にその後使われたかということについては全く関知してないということでございます。
#33
○寺田熊雄君 浜田氏は自分の財産を売り払ってこの賭博による債務を支払ったということを極力主張しておられるようであります。いまお話をしたように、山林の売買で得た代金、これとサンズホテルに対して現実に小佐野が支払ったとするその支払い時期とが時期的にこれは合わない。したがって、両者を結びつけることはできないといたしますと、浜田氏がこの山林を売り払った代金をどうしたかということのほかに、これとは一たん離れまして、もし浜田氏が自分で財産を売り払って支払ったということが事実だと仮定をいたしますと、これは国税庁長官が衆議院の航特でも答弁しておられますように、税務署が把握できないような方法でこういう巨額の金を取得したと見ざるを得ない。そうでないとすると、それは彼の四十七年から五十年に至るまでの所得計算などからいたしまして脱税をしたというふうに理解せざるを得ない、そうなりますね。これはいかがでしょう、国税庁長官。
#34
○政府委員(磯邊律男君) 私が衆議院でもそれからまた当委員会におきましても御答弁を申し上げておりますのは、浜田氏の四十八年の所得の額とその内容について申し上げたわけでございます。ただ、御承知のように、もしそれ以外の何か利益があるとすれば、たとえば株式による売買益であるとか、それから源泉選択をいたしまして分離課税の適用を受けております利子配当所得であるとか、そういった所得が考えられるわけでありますけれども、それについては御高承のように税法上申告の義務はございませんので、必ずしもそういった事実があったからといって脱税の疑いを持つということにはならないわけでございます。
 いずれにいたしましても、私どもとしましては、四十八年の所得、つまり四十九年の申告でございますので、もう五年以上たっておりますので、現時点といたしましては、それを調査する方法はないというのが事実でございます。
#35
○寺田熊雄君 私がお話ししたのはそうではなくて、この山林売買によって浜田氏が支払ったということが時期的にとても結論づけられないといたしますと、あなたが衆議院の航特で答弁していらっしゃるように、それは株の売買とかあるいは預貯金の源泉利子所得とかそういうもの、つまりそれは税務署が把握しがたいし、また株の場合は五十回以下、二十万株以内という条件を満たす場合には申告の必要がない。預貯金の利子も当時は三〇%でしたかね、これは源泉で引かれるから税務署に申告の要もないということになる。しかし、そのいずれかによらざる限りは、山林売買以外の何らかの所得で支払ったとすると、当然それは脱税になるでしょうということをお尋ねしたわけです。
#36
○政府委員(磯邊律男君) もしそういった税法上で申告を要しないという所得以外の所得があって、それで支払われたということになりますと、それはやはり所得税法違反という疑いが持たれるわけであります。ただ、私どもといたしましては、別にいま調査する権限がございませんけれども、たとえば借入金によってこれを支払ったといったような場合には、これは単なる資金繰り上の問題でございますので税務の申告には関係ないということになりますし、現時点においては何とも私どもとしては御答弁できないというのでございます。
#37
○寺田熊雄君 ただ、借入金で支払ったということになりますと、そういう巨額の借入金を支払うだけの収入が、所得がその後年度から出てこなければいけませんね。もしそれは国税庁長官の言うように借入金で支払ったという事実があるとすると、それを支払うだけの後年度の所得が果たして正当に申告されているかどうかということを当然国税庁当局としては御調査にならなければいかぬのじゃないでしょうか。
#38
○政府委員(磯邊律男君) 私がその借入金云々と申し上げましたのは、借入金があったということを申し上げたわけではなくて、一般に債務を弁済する場合には、やはり借入金によって弁済しておいて、それからその後資産を処分して借入金の返済に充てるといったようなケースもあり得るということを申し上げたわけでございます。
 したがいまして、浜田氏の場合がどのケースに該当するのかということは、私どもとしてはいま何とも資料もございませんのでお答えすることができないわけでありまして、それから同時にまた浜田氏自身の資産、財産、債務明細表等を見ましても、そういった四十八年分の申告の場合に多額の借入金が残っておるという事実もございませんので、その後の調査は私どもとしてはいたしてないということでございます。
#39
○寺田熊雄君 浜田氏に多額の負債が残っておるという事実もなかったということでありますが、それからまた貯金の利息で支払ったということになりますと、そんなに巨額な利息を生むような元金を彼が所有しておったということになりますと、当然それ以前の所得がかなりの大きな所得でなければそういう預貯金を生むことはできませんね。この点は、ですから彼の四十八年以前の所得というのは大体そんな巨額の所得があったようには思えないわけでしょう。だから、そんな巨額の預貯金を生むような所得があったというようなことはあなた方としても把握しておられないでしょう。
#40
○政府委員(磯邊律男君) 御承知のように、一千万円以上の所得の申告があった場合にはこれは公示されるわけでありますけれども、過去の公示額等をさかのぼって検討してみましたが、特にそういった巨額の利子を生むような所得あるいは財産の取得等があったという事実はわれわれは把握しておりません。
#41
○寺田熊雄君 そういたしますと、これは全部該当しないものを切っていきますと、つまり四十八年の山林売買によって取得した代金もこれは時期的に合わない、それからそんなに税務当局が把握できないような利子を生むような預貯金の存在も、あるいはその預貯金を生むような大変な所得というようなものもとても確認しておらない、借入金を後年度で払ったというようなそんな所得も確認できないということになると、彼が財産を売り払って処分したというその財産というものは、仮にそれが事実だとしても、株式の売買ということによらなければ脱税である。これ、二者のいずれかを選択せざるを得ないでしょう。
#42
○政府委員(磯邊律男君) 実は、私どもとしましては、その浜田氏自身がいつどれだけの債務を負って、それをいつどれだけ返済したかということに対しては全く事実をつかんでないわけでございます。基本的にはそういった債権債務の存在、それからその弁済の事実、そういったことがはっきりしなければ課税上の問題が出てこないわけでありますけれども、その事実を今後の公判廷の推移等によりまして確認するといいますか明らかにしていただきまして、その上に立って税務上それがいわゆる所得税法違反、つまり脱税に結びつくかどうかということを検討していきたいと、このように考えているわけでございます。
#43
○寺田熊雄君 いま国税庁長官は、公判廷におけるいろいろ立証の推移を見て税務上の処置を考えるとおっしゃったんですが、刑事局長としては、浜田氏がああいう法廷外で強気の発言はするけれども、あなたとしてはあくまでも小佐野氏が百二十万ドルを支払ったということを立証する自信はおありなんでしょうね。その自信がおありだとすると、浜田氏の言う強がりはこれは事実でないということが必然的に出てまいりますが、この点いかがなんでしょう。
#44
○政府委員(前田宏君) 毎々申しておりますように、過日の冒頭陳述の補充訂正におきましては、K・ハマダというふうに表示してある人が百二十万ドルの債務をサンズホテルに負っておって、それを小佐野被告人が支払い保証という形で支払っていたということを述べておるわけでございまして、また、その述べておる主張、事実、これは今後の立証の問題でございますけれども、それを立証するべき証拠といたしまして数点の証拠の取り調べ請求もしておるわけでございます。したがいまして、検察の立場といたしましては現段階ではそういうふうな主張を維持できるものというふうに考えているわけでございますが、何分にも公判のことでございまして、被告弁護人側の争い方もございましょうし、また裁判所の御判断もあるわけでございますので、今後どういうふうに確定されていくかということは、当然のことながら今後の問題でございます。
#45
○寺田熊雄君 いま私は、株の売買以外には仮に浜田氏の言うことが事実だとしても考えられない、それはいまいろんな理由を挙げてそう結論づけたわけですが、四十八年中に株の売買をしたかとか、四十九年中に同じように株の売買をして巨額の利益を得たかというようなことは、これは国税庁当局としてはこういう点の調査はなさらぬのでしょうか、どうなんです。
#46
○政府委員(磯邊律男君) 御高承のように、有価証券の譲渡益を申告する場合は、たとえば事業譲渡類似の株式の売買であるとか、あるいは買い占めによってそれを特定の人に売りつけて得た利益であるとか、そういったことは特殊なケースはございますけれども、一般的に言いますと、当時の税法におきましては年間二十万株かつ五十回以上でなければ譲渡所得というものは申告する必要はないわけであります。私たちは、しかしそういっても、そういった二十万株を超え、かつ五十回を超えておるような株式の売買がないかということは、一般論としていろいろな資料は収集しておるところでございますが、ただいまのところ浜田氏に関してそういった事実があったという資料は把握しておりません。
#47
○寺田熊雄君 なお、浜田氏は五十五年四月十日自民党を離党いたしまして国会議員を辞任しております。その記者会見の際に、「国会議員をやめて総決算をするという状況の中で、私はこの会見のあと検察庁にも私の取った行動を報告する。加罰を受ける問題があれば受けよう」という趣旨の発言をしたというふうに報ぜられております。そういう浜田氏の言う検察庁に対する報告なるものはあったんでしょうか。
#48
○政府委員(前田宏君) その当時の報道でそういう記事があったことは私も承知しておりますが、いまお尋ねのように、浜田氏が検察庁の方に報告といいますか、そういうことをなさったということは聞いておりません。
#49
○寺田熊雄君 それからこれは衆議院の航特でも出たことでありますが、浜田氏は、現在は木更津市から富津市に住居を移しておるようでありますね、この住居の敷地約八百坪、二千四百五十一平米の土地は四十八年中に購入しておるようでありますが、これは税務当局としては把握しておられますか。把握しておるといたしますと、当然その売買価格は幾らであり、その金の入手経路はどうであるかというようなことを御調査になるべきでありますが、この点いかがでしょう。
#50
○政府委員(磯邊律男君) 浜田氏が五十四年中に自宅を取得されたという事実は把握しておりまして、それに対しましては一般の納税者と同じように、所轄の税務署の方からこの土地建物を取得するためにどういった資金からそれが取得されたかといういわゆる資金の出所を調べるためのお尋ねというのを出しておりまして、浜田氏からもその回答は来ております。それによりますと、御承知のように、土地につきましては、四十三年から四十八年にかけましてそれぞれ取得しておられます。それから家屋につきましては、五十四年の七月に家屋を取得されておるわけでありますけれども、この場合の家屋につきましての取得代金の調達方法というのも御本人から回答が来ておりまして、一応家屋につきましてはその取得代金とその代金の調達方法というのは、つじつまが合っておると言ったら変でございますけれども、明らかにされておるというのが事実でございます。ただ、その土地の取得につきましては、現在私の方で取得価格はわかっておりますけれども、それについての資料というものは現在持っておりませんのでここでは御答弁できないということでございます。
#51
○寺田熊雄君 これは国税庁長官、幾らで取得したか、また家屋を幾らで建設したかというようなこと、別段特に秘匿を要することでもないようですが、これは明らかにしていただくわけにはいきませんか。
#52
○政府委員(磯邊律男君) これは寺田先生御承知のように国政調査権と守秘義務との関係がございます。これにつきましては、昭和四十九年十二月二十三日のこの参議院の予算委員会におきまして内閣声明が出されて国政調査権と守秘義務との関連についての見解を申し上げさせていただいたわけでございますが、ただ、今回のこういった航特といった特別委員会におきましては、真相を明らかにするという特別な目的を持たれて設置された委員会であるというふうに私も承っておりますので、先例となってすべての今後の税務資料というものにつきまして国会ですべて御答弁申し上げるということではなくて、特別なケースとしてできる限りの資料の提供はさせていただきたいと、かように考えております。
#53
○寺田熊雄君 そうしますと、いま御答弁をなさるんじゃなくて、資料として提出するという御趣旨ですね。
#54
○政府委員(磯邊律男君) ここで私たちがいまわかっております事実について申し上げますと、土地の取得につきましては四十三年十二月、四十八年一月、四十八年二月、三回にわたりましてそれぞれ取得しておられます。取得価格の合計は二千三百一万円ということになっているわけであります。この当時の資金の出所につきましては、私どもとしては現在資料を持ち合わせがございません。
 この取得されました土地の上に五十四年七月十五日に家屋をつくられたわけでありますけれども、その取得価格が七千九百五十万円であります。それにつきましては資金の出所といたしまして、借入金五百万円、それから貸付金の返済を受けたのが一千万円、それからその他給与、賞与、手持ち現金等で二千万円、合計して八千万円ということで家屋の取得代金を調達したというのが御本人からの回答でございます。
 ちょっと失礼しました。ただいま借入金が五百万円と申しましたが、五千万円でございます。失礼いたしました。
#55
○寺田熊雄君 そうすると、その資金の入手経路については別段不信はお持ちじゃないというふうに、それはそういうふうにお伺いしていいんですか。
#56
○政府委員(磯邊律男君) ただいま御本人の方から税務署に対しましての回答が出ましたその限りにおきましては、一応つじつまが合っておると申しますか、理屈に合った資金の調達であるというふうに私たちは考えております。
#57
○寺田熊雄君 また話がちょっと戻るようでありますが、先ほど刑事局長は、浜田氏が自分で財産を処分してこのサンズホテルに対する債務を支払ったと言い立てておっても、検察としては自己の主張を立証する自信があるということを、そういう趣旨の表現の主張をなさいましたね。東京地裁で証拠調べの請求をなさったサンズホテルの損益計算書、K・ハマダに対する個人別貸付元帳カード、またその補助元帳、支払受領証というのはコピーでありますが、これは私ども法律的な主張としては、これらの書面のうち支払受領証以外のものは刑事訴訟法第三百二十三条の二号書面であるというふうな御主張と聞いておりますが、そうでしょうか。それから支払受領証は三百二十一条の一項三号書面として提出されたように聞いておりますが、その点に間違いないですか。
#58
○政府委員(前田宏君) お尋ねで仰せになりました条文をあるいはちょっと聞き違ったかもしれませんけれども、まずいわゆる損益計算書でございますが、これは三百二十三条の二号であろうと思います。それから勘定元帳のカードとかまた支払受領証、これもやはり三百二十三条の問題であろうと思います。
 また、同意にはなりませんでしたホテルの役員等の書簡といいますか書面がございますが、これは結局同意になりませんでしたので、そういう該当条文といいますか、事が問題になっていないわけでございます。
#59
○寺田熊雄君 そうしますと、少なくも損益計算書であるとか個人別貸付元帳とかいうようないま刑事局長が言われた三百二十三条の二号書面というのは、これはもしもアメリカ側の証人が出頭しないということになりますと、かなりなこれは信憑力のある書証として採用される可能性というのは強いと判断せざるを得ませんが、これはそういうふうに理解していいでしょう。
#60
○政府委員(前田宏君) 過日取り調べ請求をいたしました証拠の中で、同意されて採用になりましたものは先ほど来のお話にございました損益計算書だけでございまして、またサンズホテルの役員等の書面については不同意ということでございます。その他のものにつきましては弁護人の意見というものが留保されておるわけでございます。したがいまして、どのような主張を被告弁護人側がされるかということもまだわからない点でございますし、それがまた一つの争点になるかもしれないというふうに考えておるわけでございます。
 したがいまして、ただいま仰せのように採用される可能性は強いかということでございますわけですが、検察官側といたしましては、当然これが刑訴法のそれぞれの条文に当たるという主張をすると思いますけれども、それをどのように被告弁護人側が対応し、またそれについて裁判所がどう御判断になるかということは今後の問題ということでございますので、見通しということをいまここで私が申し上げるのは適当でないと思います。
#61
○寺田熊雄君 これは入管局長にお尋ねをしますが、入管局長は衆議院の航特に浜田幸一氏と小佐野賢治氏の出入国の一覧表をお出しになっておられますね。私もその衆議院の方から入手をいたしまして調べてみますと、かなり浜田氏は小佐野氏と一緒に行動をしておることが多いようですね。ことに四十七年の九月一日におけるニクソンと田中角榮氏とのハワイ会談、このときも八月二十九日に小佐野氏と浜田氏はJALの七二便で一緒に行っておる。帰りもJALの七一便で九月の三日に帰国しておる。そのほか調べてみますと、一緒にハワイあるいはアメリカに行った回数が非常に多いようであります。ハワイ会談のときは金丸信、竹下登氏なども行っておりますが、これは翌日田中氏や大平氏と一緒に出かけておる、小佐野氏とは別行動をとっておる。
 そのことを一つ一つ言うてみるのも何ですけれども、このハワイ会談の前、四十七年の四月二十七日の出国、それから四十七年の十月十四日の入国、この四十七年十月十四日の入国では、三日ほど違いますけれども、入国をしたのは浜田氏と小佐野氏は一緒であります。それからいまさきに申し上げた四月二十七日の出国。入国もやはり同じように行動しておりますし、四十八年一月十九日の入国を調べてみましても、それは出国が一日違いである、入国は一緒である。それから四十八年十一月二日の出国、これも一緒に出まして十一月八日一緒に入国しておる。これはいずれも飛行便は同一の飛行便であります。それから四十九年一月十一日に出国しておりまして、一月十六日に入国しておる、これも同じ飛行便で出入国しておる。四十九年四月二十七日、これも出国が同じ、それから五月六日の入国も同じ。四十九年十月二日の出国も同じ飛行便であり、入国も十月九日に同じ飛行便で入国しておる。そういたしますと、合計して八回にわたって全く同じ飛行便で出入国しておる、そういう事実が明らかになっておりますが、この点はお認めになりますか。
#62
○政府委員(小杉照夫君) ただいま先生が御指摘になられましたとおり、前後八回にわたりまして同一便または至近の便で出帰国した事例がございます。
#63
○寺田熊雄君 私は、その八回の同一便あるいけきわめて至近の便で出入国をともにしておるということの中で、とりわけハワイ会談で一緒に行き一緒に帰っておるという事実を重く見るわけです。それから四十八年十一月三日に検察官が主張しておられる二十万ドルの支払いをした、また、それをクラッター氏から小佐野氏が受け取ったというその時点においても浜田と小佐野が同一の行動をとっておるということをことのほか重く見ざるを得ません。
 そういう浜田と小佐野がきわめて重要な時点において終始行動をともにしておるということのほかに、私どもがこれは疑いなく認められる点は、浜田氏が児玉譽士夫氏の書生であったという事実であります。児玉のことを先生と呼んでいるというのはこれはまあ公知の事実であります。これは児玉と浜田との関係。それから小佐野と浜田との関係は、いま言ったようにきわめて重要な時点で出入国をともにしておるその以前から、つまり浜田氏が千葉県の県会議員時代、三十七年から土地を幾たびか小佐野に買ってもらっておる、自己の経営する君津興産の不動産の売買というものはすべて小佐野に対して売却したものである、そして小佐野をおやじと呼んでおったという。
 それから今度は田中との関連を調べてみますと、田中角榮氏が自民党の幹事長でありました昭和四十四年に浜田氏は衆議院に第二回目の出馬をしておる。そのときに田中氏に特に取り入って自民党の公認を得たのであると、そういう事実があります。これはサンデー毎日の鈴木棟一と言われる記者が農林省の政務次官室で浜田氏からそういう説明を得たということでありまして、これは私どもはかなり信憑力のある報道であるというふうに見ております。また、今回浜田氏がパリに行ってしまったということも同じサンデー毎日の記者がこれを探知して一緒の飛行機でパリに行ったというそういうサンデー毎日の記事もある。週刊誌の記事といえども私どもはやはりその中に非常な真実があればこれをくみ取っていかなければなりませんし、その前に週刊文春ですか、浜田氏が小佐野氏と一緒にラスベガスに行って賭博行為を行ったということをいち早く報道しておるようでありますが、そのときは余り注目を引きませんでしたけれども、これが後日に至って真実であるということがやはり立証されてきておるということになりますと、こういう記事というものはかなり信憑力があるというふうに見ざるを得ない。
 そうといたしますと、これはそういういろいろな資料を総合いたしますと、ロッキードの田中、小佐野、それから児玉、この三人の巨魁と浜田氏との関係というのはきわめて緊密な関係にある。むしろこれはロッキード四人男と、四人組と称しても差し支えないくらい緊密な関係にある。そういう事実を考えますと、これは児玉から、ロッキードから取得します報酬の一部分を小佐野へ支払ってもらう、小佐野への五億円の一部として支払いをする、そういう受け渡しに浜田氏も当然これは関与しておったのではなかろうかという疑惑を抱かざるを得ません。いま申し上げたようないろいろ資料からこれはどうもかなり深く浜田氏は関与しておるんじゃないだろうかと。四十八年十一月三日の受け渡しの際も同行しておったわけでしょう。これはわれわれがそういう疑惑を抱くとしても、そこにかなり合理的な根拠があるというふうにわれわれは考えるんですが、これは刑事局長いかがでしょう。
#64
○政府委員(前田宏君) 浜田氏と田中氏あるいは小佐野氏、また児玉氏との関係につきまして、先ほど来御指摘のような報道と申しますか週刊誌の記事等がございますことは私も承知しているところでございます。その記事につきまして特に信憑性を疑うあるいは否定するというものでもございませんけれども、そういうことでありますから、お三人のあるいは四人の方の間柄というものが個人的な関係あるいは売買の取引の関係あるいは政治活動の分野での関係、いろいろな面でそれなりに緊密といいますか関係がおありだったろうということは想像するにかたくないところでございますけれども、それだからといって、いわゆるロッキード事件につきまして四人の方が非常に深いかかわり合いを持っているということには直ちにはまいらないのではないか。従来のロッキード事件の捜査あるいは公判の審理、そういうものを通じまして、それをうかがわせるような事実はまだ出ていないということでもございますし、直ちにそういうことできめつけるというようなこともいかがかというふうに思うわけでございます。
#65
○寺田熊雄君 しかし、これは公判の立証というようなわけにはまいらぬので、そういういろいろな諸般の資料からわれわれがそういうふうな疑惑を持つとしてもそれはきわめて自然な推理ではなかろうかと考えるんです。そういう意味でお尋ねをしている。これはどうですか、きわめて自然な推理だとは思われませんか。
#66
○政府委員(前田宏君) 寺田委員の推理につきまして、それをとやかく申し上げる立場にないわけでございまして、そういうことで御了承いただきたいと思います。
#67
○寺田熊雄君 これで終わります。
#68
○中尾辰義君 最初に法務大臣にお伺いしますが、今回のK・ハマダ賭博事件が起きて、国民の政治不信を招いたことに対しまして、大臣として、また自民党の党員としてどのように責任を感じておられるか、まずお伺いしたいと思います。
#69
○国務大臣(倉石忠雄君) お互い国会議員といたしましては、努めて身辺を清潔にいたしまして、いやしくも国民の代表として恥ずかしからぬ行動をとるべき責任があると思っておる一人でございます。したがって、そういう角度からこのたびの伝えられるような事件につきましてはまことに遺憾であるという感じを持っております。
#70
○中尾辰義君 それでは、大臣、あなた御自身の立場から、浜田幸一氏が野党がこぞって証人喚問の要求をしている最中にヨーロッパに行かれたことをどう考えられておるのか。また、証人喚問要求に対する御見解をどうお持ちですか、法務大臣として、お伺いします。
#71
○国務大臣(倉石忠雄君) 浜田幸一君がいわゆる航特の証言に立つことを拒否するためにパリに行ったかどうかということにつきましては、私ども実際の事実をよく存じません。そういう意思であったかどうかということもわからない段階におきましては何とも私の立場からお答えをいたしかねる次第でございます。
#72
○中尾辰義君 もう一つ、証人喚問に対する御見解。
#73
○国務大臣(倉石忠雄君) これはもう国会がおやりになることでございますので、とかくの批判はいたすべきではないと思います。
#74
○中尾辰義君 それじゃもう一つお伺いしますが、大臣は、裁判の経過及び検事調書から浜田氏とロッキード事件とのかかわりをどのように考えていらっしゃるか。また、浜田問題とロッキード事件とのかかわりが全くないとすれば、どのような根拠に基づいておるのか、お伺いしたい。
#75
○国務大臣(倉石忠雄君) いわゆるロッキード事件に浜田幸一君が直接の関係があるという報告をいままで受けておりませんので、そういうことはいま自信がないのでありますが、先ほど寺田さんと刑事局長との間でそれに関する似通ったお話が質疑応答されまして速記にも残っておるわけであります。ああいうところまで私は実は詳しい報告を受けておりませんので何ともお答えをいたしかねるわけでございます。
#76
○中尾辰義君 それでは、以下刑事局長に若干お伺いしたいと思います。
 裁判史上全く例がないと言われる浜田問題に関連をいたしましてロッキード公判のためにサンズホテルの支配人等を証人申請しておりますが、いまだにホテル側からの回答は聞かれないのか、すでに回答があったのか、その辺の感触について局長からお伺いしたい。
#77
○政府委員(前田宏君) お尋ねのサンズホテルの支配人等につきましては、去る四月十日の公判におきまして検察官側から証人の取り調べ請求がございまして、裁判所で取り調べる旨の決定がなされたわけでございます。その期日は六月十九日ということに予定されておるわけでございまして、そのためには裁判所の方から本人の方に対しまして証人としての呼び出しと申しますか、召喚の手続がなされるわけでございます。この手続は去る四月二十九日になされておるというふうに聞いております。しかし、その手続に対しまして、証人側と申しますか本人側の方からまだ出るとも出ないとも回答がないというふうに聞いておるわけでございます。
#78
○中尾辰義君 それでは、これも確認の意味でお伺いしますが、刑事局長に検事調書の面から二十万ドルの使途についてお伺いしたいわけですけれども、浜田氏は、支払い肩がわりは一切受けておらないと、自力弁済を主張しておるわけでありますが、ロスの空港で小佐野被告が受け取ったとされる二十万ドル、これはどう流れたと刑事局長は理解されておるのか。
#79
○政府委員(前田宏君) 検事調書というお言葉がございましたが、検察官の手持ちの証拠という意味でお答えをするわけでございますが、これまでも申し上げておりますように、去る三月六日の冒頭陳述の補充訂正におきまして、従来から問題になっておりましたいわゆる二十万ドル、これがどこに行ったのかということが従来問題であったわけでございますが、そのことにつきまして、いま申しました冒頭陳述の補充訂正では、受け取った当日に小佐野被告人がサンズホテルに支払ったというふうに検察官としては認めておりまして、そういう主張をし、これを今後の裁判の過程で立証をしていくというふうに考えているわけでございます。
#80
○中尾辰義君 それからこれも何遍も確認の意味も含めて聞きますが、K・ハマダなる人物が浜田氏であることは、これはサンズホテル側からとった補充調書で明らかになっているのか、その辺いかがですか。
#81
○政府委員(前田宏君) この点は公判の審理に関係いたしますので若干専門的といいますか技術的なお答えになって恐縮でございますけれども、従来から申しておりますように、先ほど申しました検察官の冒頭陳述の補充訂正の上ではK・ハマダという表示の仕方をしておるわけでございます。これはなぜそういうことをしたかということが問題と言えば問題にされるわけでございますけれども、これは先ほども申しました二十万ドルの使途について検察官が立証をしていく、その立証をするための証拠の上で、これはアメリカの方から入手したいろいろな証拠があるわけでございますけれども、その証拠の上で、英文であることもございましてK・ハマダという表示が事実なされておるわけでございます。したがいまして、その表示に即した表現を検察官としても用いておるわけでございます。
 したがいまして、そういうことからもおわかりいただけるかと思いますけれども、現段階におきましては冒頭陳述の補充訂正がなされたということ、また、その冒頭陳述の補充訂正で立証をしようとしていく事実を証明する証拠の取り調べ請求をしたということ、そこまでが現段階の公判の状況であるわけでございまして、その内容はまだ損益計算書を除きまして法廷に出ていないわけでございます。しかも、この証拠と申しますのは、いわゆる司法取り決めに基づきまして特にアメリカの司法省の方から入手した証拠であるという特別な事情もございまして、公判で明らかにならない以上は公にしてはならないという制約もそこであるわけでございますので、現段階ではそれ以上のことが申しかねるということで御了承を賜りたいわけでございます。
#82
○中尾辰義君 検事調書では、小佐野被告が賭博の債務を肩がわりしたと、弁済したことになっているわけですが、ところが浜田氏は自力弁済を主張しておるわけであります。そこで、もし浜田氏の証人喚問が行われて、浜田氏が自力弁済をしたと、そういうような証言をしたらこれは偽証ということになりますか。その辺いかがです。
#83
○政府委員(前田宏君) お尋ねからも明らかなように、大変仮定論といいますか、仮定の事実の上に立ってのお尋ねでございますのでお答えがしかねるわけでございます。と申しますのは、現在、改めて申すまでもないと思いますけれども、浜田氏が証人として喚問されるかどうかということ自体決まっておりませんわけでございますし、また仮に喚問されるということになりました場合でも、どのような証言をされるかということは私どもとしては予測できない状況にあるわけでございます。そのような現段階におきまして、たとえばこういうことを述べたら偽証になる、あるいはならないというようなことをあらかじめ私の立場から申し上げるというのは、そういう状況からいたしましてどうも適当ではないのじゃないかというふうにも考えますので、お答えは差し控えさしていただきたいわけでございます。
#84
○中尾辰義君 それでは、運輸省は見えていますか、運輸省で結構ですが、浜田氏が、これは四十七年十月八日出国と出入国記録にあるわけでありますが、このときロサンゼルスに向けての小佐野氏のチャーター機であったと、こういうふうに聞いているんですが、これは事実でありますか。
#85
○説明員(早川章君) お答えいたします。
 ただいま御質問のございました四十七年十月八日の前後に日本航空がロサンゼルスの方ヘチャーターを飛ばしたという、まず十月八日にそれを飛ばしたということはございませんで、その時期は非常に数が少のうございますが、飛ばしましたチャーター機は用機者がアメリカの方であるとかいうような形でございますので、私どもで調べました範囲では、日本航空のチャーター機が十月八日に運航されたということはないというふうに申し上げられると思います。
#86
○中尾辰義君 一般のあれですか。
#87
○説明員(早川章君) はい。
#88
○中尾辰義君 このときに、同機に小川吉衛さんという会社の社長さんが同乗しておりましたか。
#89
○説明員(早川章君) ただいまもお答え申し上げましたとおり、そのチャーター便が、小佐野氏によってチャーターされた飛行機が飛んだという事実は確認いたしません。同時に、その飛行機にどのような方が乗っておられたかということも、日本航空に残っておりますクーポンとかそういうものはすでに社内規定で二年ないし一年程度でみんな破棄されておりまして、仮にチャーターがあったとしてもそういうものが残っていないということであろうかと思います。なお、念のためでございますけれども、チャーター機が飛んでいないということを先ほどお答えをしたところでございます。
#90
○中尾辰義君 それでは、チャーター機じゃなかったけど定期便で行ったと、こういうことですか。
#91
○説明員(早川章君) 私どもで小佐野氏がどのようにして行かれたということについては現在特に調べておりませんですけれども、おいでになったとすれば、定期便で行かれたということではないだろうかと思います。
#92
○中尾辰義君 刑事局長にお伺いしますが、朝日新聞の四月十六日の報道によりますと、小川さんは「六人がとばくに参加し、全部で八十万ドル(二億四千万円)負けた。一部は個人で返したが、とばくをしたときは小佐野さんの金で遊んだ」と語ったと伝えられておる。こういうふうに出ておるわけですが、この発言について刑事局長はどのような見解を持っておられるのか、いかがでしょうか、これは衆議院でも質問があったわけですけれども。
#93
○政府委員(前田宏君) ただいま御引用のような新聞報道がございましたことは、私も承知しておるところでございます。ただ、その中で小川という方が述べておられますことが、今回問題となっておりますサンズホテルに対する百二十万ドルの債務発生という時期と同一のことであるかどうかということが新聞報道の上でははっきりしないわけでございますので、そこにも一つ問題があろうかと思いますが、仮に同一の機会であるという前提に立ちますと、先ほど来申しておりますように、冒頭陳述で述べておりますことは、いまの記事とは食い違っている点があるということになるわけでございます。
#94
○中尾辰義君 それでは、浜田氏がバカラ賭博をやって負けた金額について、ほぼ新聞等で報道されたものと理解してよろしいと、こういうような発言をしておるわけですね。これは浜田氏個人で百五十万ドル負けたのではないため大体そのくらいというふうに言ったのではなかろうかと思うわけですが、ここら辺のところを同行者からそのときの具体的な事情について事情聴取はされましかかどうか。
#95
○政府委員(前田宏君) 御指摘のような報道がございまして、その中で浜田氏がいまおっしゃいましたような発言をされておったようでございます。ただ、その趣旨がどういうことであるのか、報道の上からでははかりがたいような点もあるわけでございます。いま中尾委員も仰せになりましたように、個人でなくて他の方も一緒なので金額が特定しないというか確定しないという意味であるかというような気もいたしますけれども、そういうこともその報道の上ではいずれともはっきりしていないわけでございます。
 それはそれといたしまして、冒頭陳述で述べておりますのは、K・ハマダというふうに表示しておる人がサンズホテルで百五十万ドルの債務を負って、それが百二十万ドルということになったということで、その弁済を小佐野被告人が順次やっていったということを主張し、その事実を今後立証していこうと、こういうことになっておるわけでございます。
 その立証のための証拠の上では、内容的に詳しいことは申しかねる点もあるわけでございますけれども、私の理解しておりますところでは、検察官が提出を予定し、取り調べを請求いたしました証拠の上では、ホテル側の理解といいますか、帳簿上の整理といいますか、つまり債権者の立場にあるホテル側の帳簿上の整理としては、債務者はK・ハマダという一人の人ということで整理がされていると、こういうことに理解をしておるわけでございます。
#96
○中尾辰義君 それから浜田氏がこれほどの多額の負債をして自力弁済したということは、これは土地を売却しても私は不可能じゃないかと思うわけであります。
 そこで、四十八年一月児玉氏の自宅で盗まれたことになっております例の五億円相当の米ドル小切手ですね、これは実はこの資金の捻出のための芝居であるというそういうような見方もあるわけですが、この辺はいかがですか。また、児玉被告に対してこのことについて聴取されたことがあるかどうか。
#97
○政府委員(前田宏君) お尋ねは、浜田氏がアメリカでの債務について自分の財産を処分されて弁済をしたと、こういう御主張をされておると、そのことを前提としてのお尋ねであるように思いますけれども、先ほど来申しておりますように、検察官の冒頭陳述の補充訂正ではそういうようなことにはなっていないと申しますか、ということでもございます。
 一方、いまお尋ねのいわゆる盗難小切手の問題でございますが、このことは前々から問題にされておるところでございます。しかし、当時と申しますか現在でもそうでございますけれども、検察当局といたしましては、その盗難という事実はやはり事実としてあったというふうに見ているというふうに私は承知しておるわけでございます。そうなりますと、芝居云々という見方、これも一つの見方でございますからあえて否定するわけでもございませんけれども、従来の捜査の過程を通じての理解というものでは、そういうことではなくて、やはり事実は事実としてあったというふうに考えておるわけでございます。
 なお、そのことにつきまして、児玉氏につきましても事情は聴取しておりますが、明快な供述は得られていないわけでございますけれども、その供述を通じましても盗難という事実はやはりあったのじゃないかというふうな見方になっているというのが実態でございます。
#98
○中尾辰義君 それじゃ次に、クラッター氏が確かに渡したとする嘱託尋問調書、及び五十三年九月極秘現場検証が行われ、ロス空港のプライベートルームで四十八年十一月三日午後四時十五分前後と、場所と時間まで明確にされているこの二十万ドル、これの授受に対して小佐野被告はいまだに否定をしておるわけでありますが、検察、法務当局はこの二十万ドルの使途について賭博の借金の最後の支払いに使われたということを明言できる証拠を持っておるのかどうか、その辺をひとつ。
#99
○政府委員(前田宏君) 二十万ドルの授受の事実につきましては、ただいま仰せになりましたように、小佐野ルートの公判におきまして被告人が終始否定をし今日に至っているところでございます。その小佐野被告人側の主張の中で、検察官は二十万ドルを小在野被告人が受領したというふうに言っているけれども、受け取ったとすればそれはどこへ行ったのかは明らかにされていないじゃないかと、こういうような反論のようなこともされていたわけでございます。検察官側といたしましては、先ほど御引用のような情況証拠等も収集いたしまして、二十万ドルの授受の事実についての立証に努めてきたわけでございますけれども、いま申しましたようなことで被告人側の争い方が非常に強いということもございまして、また、いま申しましたように、使途、つまり使い道でございますが、明らかにされていないじゃないかというような指摘も受けましたので、その後も鋭意そのことにつきまして捜査を続けておりましたところ、今回問題になっておりますように、その二十万ドルというものがサンズホテルに支払われたということで使途が明らかになったというふうに検察官側としては見ているわけでございます。
 ただ、それはあくまで検察官側の見方でございまして、どう今後の公判で主張をし立証をし、その間において被告弁護人側がいろいろとまた防御的な活動をされるという過程があるわけでございますので、その結果裁判所でどういうような御判断になるかということはこれから先のことでございますので、最後までそういうことが裁判で確定されるかどうかということまでは私の立場でいま申しかねるわけでございます。
#100
○中尾辰義君 次に、去る三月六日に検察側が出した新しい証拠なるものは、実はこれは弁護側が提出したサンズホテルの損益計算書、これは一九七一年と七二年の分であったわけでありますが、重大なことは、この中に売掛金の支払いスケジュールがあって、一九七三年一月十五日五十万ドル、同年四月一日二十五万ドル、同年七月一日に二十五万ドル、十月一日に二十万ドルとなっており、了承したのは、顧客となっておるわけでありますが、この顧客というのは小佐野被告のことと理解してよろしいのかどうか、その辺いかがですか。
#101
○政府委員(前田宏君) 御指摘のように、三月六日の公判におきまして検察官がサンズホテルの損益計算書を証拠として取り調べるようにという請求をいたしております。この損益計算書は、いまお言葉にもございましたように、以前に弁護人側の証拠として取り調べの請求がありまして取り調べが行われたものを今回改めて検察官側の証拠として取り調べを請求するという形に相なったものでございまして、これはその後被告人、弁護人側も異論を述べられないので採用になっておるわけでございます。
 ところで、その損益計算書を証拠として取り調べてほしいという請求をいたしますにつきまして立証事項、つまりどういうことを立証するかということを述べることになっておりまして、その立証事項、立証の趣旨ということの中に、いま御指摘のような顧客という表現がされております。それは事実でございますが、これは検察官の請求証拠目録の記載によりますと、顧客の、同年、つまり一九七二年十月中のゲームによる百二十万ドルが含まれていること、こういう表現になっておるわけでございまして、そういうことと、その他の取り調べ請求をいたしましてまだ採用になっていない証拠、これがほかにあるわけでございますが、それらの証拠の請求証拠目録、これらを総合いたしますと、中身はまだ公になっていないわけでございますけれども、いま申しましたように検察官側としての請求目録の表現からいたしますと、この顧客というのはむしろ債務者にその後なっておるK・ハマダという人の方を指すような感じがするわけでございまして、御指摘ではK・ハマダではなくてK・オサノではないかということでございましたが、むしろ逆のような感じを持っておるわけでございます。
#102
○中尾辰義君 次に、サンズホテル副社長兼総括支配人らの四十八年一月二十五日付の「K・オサノの取引」の書面では、K・ハマダなる者の百五十万ドルの債務についてK・オサノが交渉、百二十万ドルに値引きしてもらい、支払うことを約束したとなっておるわけでありますが、こういう点から見ても顧客というのは小佐野被告ではなかろうかと、そういうふうに思うんですが、その辺はいかがですか。
#103
○政府委員(前田宏君) ただいま御指摘のリチャード・G・ダナー外三名の作成に係ります「K・オサノの取引」と題する書面の写しというものにつきまして検察官が取り調べ請求をしたこと、またその取り調べ請求をするにつきまして先ほども申しましたようなことで立証趣旨というものを述べておるわけでございます。しかし、この書面自体は弁護人の方で証拠とすることについて同意をされませんでしたので、結局裁判所にはまだ出ていない。まだ日の目を見ていないといいますか、そういう状況にあるわけでございます。
 したがいまして、内容そのものについて申し上げられない点もあるわけでございますが、先ほども申しておりますような検察官の請求証拠目録の記載、その中での立証趣旨の記載、この中にいま仰せのありましたような表現の文言がございます。これも先ほどのお尋ねにつきましてお答えしたところと同様な結論になろうかと思いますけれども、ここで記載されておりますことは、K・ハマダという人がサンズホテルの書類の上では債務者になっておる、その返済についてK・オサノと表示されている人が交渉をして値引きをしてもらったと、こういうことが書かれておるわけでございますので、先ほどの顧客ということはむしろ債務者の方をやはり指しているのじゃないかということがこの点からもうかがえるわけでございます。そうなりますと、いまおっしゃいましたように顧客というのがK・オサノと表示されている人であるかどうかということになりますと、むしろK・ハマダと表示されている人というふうに見た方が当たるのではないかというふうに思うわけでございます。
#104
○中尾辰義君 これで終わりますけれども、結論として、浜田氏のこの賭博返済は小佐野氏が肩がわりをして、しかも最後の返済を約束した二十万ドルはクラッター氏から授受したということと符合をするし、いろいろそういう面から考えて浜田氏の自力弁済はないと考えられるわけですが、その辺いかがでしょうか。
 これで終わります。
#105
○政府委員(前田宏君) ただいまのお尋ねの中で、細かいことでお言葉を返すようでございますけれども、検察官の冒頭陳述の補充訂正の文面の上では、賭博で負けた金の返済ということは表示されていないわけでございます。それからその債務について、K・ハマダと表示されている人がどういう方法で支払ったかということになりますと、現段階におきます検察官側の主張としては、それを小佐野被告人が支払い保証という形で支払ったというふうに主張をし、それを立証していこうということになっておるわけでございますので、K・ハマダと表示されている人が自分で払ったというふうな事実としては検察官は見ていないということになるわけでございます。
#106
○神谷信之助君 児玉譽士夫に流れた金のうち、五億円分だけがドル建ての部分があります。なぜかそういうドル建ての金がまじっています。この五億円についてコーチャンは嘱託尋問調書で百六十六万六千六百六十七ドルの額の十四枚のドル小切手が、これは小佐野抱き込みのための児玉の請求にこたえる五億円であるという趣旨を述べています。そして小佐野が浜田に肩がわりして百二十万ドル返済が始まったその直前の四十八年一月三日にこれが盗難に遭っています。そして返済は四十八年の一月十五日五十万ドル、四月二十八日二十五万ドル、七月十二日二十五万ドル、そして残額二十万ドルは十一月三日クラッターからロサンゼルス空港で受け取った二十万ドルを充てたと、こういうことになっているわけですが、こういう一連の事実を見ますと、この賭博事件がロッキード事件の解明の上で重要な位置を占めているというように考えられるわけです。
 そこで、刑事局長に聞きますが、浜田は百二十万ドルは自分で返済をしたと主張しておりますし、それから小佐野も自分は払っていないというわけですが、検察の調べではこの点についてはどういうことになりますか。
#107
○政府委員(前田宏君) 冒頭陳述の補充訂正の上で、K・ハマダというふうな表示になっている人が債務を負っておりまして、その債務の最後の分と申しますか、その二十万ドルがだれによって払われたかということでございますが、再々申しておりますように、検察官の冒頭陳述の補充訂正の上におきましては、その二十万ドルというのは、クラッター氏から小佐野被告人が受領したとされるその二十万ドルがサンズホテルに支払われたというふうに見られるということで、そういう事実を検察官として主張をし、これを今後の立証によって立証していこうと、こういう態度でおるわけでございます。したがいまして、浜田氏のいろいろな発言もございますし、また公判での被告人側の対応ぶりもいろいろとあるわけでございますけれども、そういうことはそういうこととして検察官としてはどうともできないわけでございますけれども、検察官側といたしましては、二十万ドルの受領の事実というものが偽証罪の成否に直接かかわる重要なことでございますので、また先ほどもお答えしたかと思いますけれども、二十万ドルを受け取ったとすれば、その人はどうだということが公判で問題になっておるというようなことからいたしまして、鋭意その点を究明をいたしましたところ、現段階における検察官側の見方としては、クラッター氏から受け取った二十万ドルがこれに充てられたというふうに見ておりまして、それを今後主張し、立証していこうということでございます。
#108
○神谷信之助君 先ほど申し上げました返済日ですね、この返済日、その日にはすべて小佐野被告は渡米中であることが入国管理局の資料で明らかであります。浜田の方は四十八年の一月の十五日と、それから十一月三日、この二回の返済時以外は国内にいたということになります。したがって、浜田自身の返済は不可能ではないかというように思われるわけですが、この辺はいかがですか。
#109
○政府委員(前田宏君) 浜田氏ということでのお尋ねでございますが、それを前提といたしまして浜田氏が何回かアメリカに行っておられると。その出入国の状況につきましてはすでに入管当局の御説明等もございまして、いま御指摘のような関係になっているわけでございますから、その面からにいたしますと、御本人が自分で行ってそこで自分の手で払われたということにはならないというような客観的な状況になるかと思います。ただ、どういうことでお返しになったかということを述べておられるのかということになりますと、その具体的なことは必ずしも明確でないわけでございますから、そういう意味におきましては、まああったかないかということは何とも言えないといえば言えないような状況にあるわけでございます。
#110
○神谷信之助君 そこで、お尋ねしますが、アメリカのFBI、それから移民局、財務局などが五十二年の三月ごろ小佐野の交友関係等の捜査をしたということを聞いておりますが、当然これは日米司法の共助協力協定があるわけですから日本の捜査当局にも連絡があったり、あるいはそのことを現地で、行かれたわけですから、お気づきになったかと思いますが、その対象にサンズホテルがあったのか、あるいは日本からの資金の流れについてどういう状況、そういう点についても明らかになっていたのかどうか、この辺についてお答えいただきたいと思います。
#111
○政府委員(前田宏君) ただいまのお尋ねでございますが、いわゆるアメリカのFBIが小佐野氏のことについて何か捜査的なことをしたというようなお話でございますけれども、率直に申しまして、そういうようなことについて具体的にわが方の検察当局が内容を聞いておるということの報告には接しておりません。
#112
○神谷信之助君 それはおかしいんじゃないですか、新聞で報道もされているわけですね。当時伊藤刑事局長は、この種の問題についてもそういう報道をされている内容については捜査当局は当然深い関心を持っている、承知していると思いますという趣旨の答弁をなさっていますね。だから、それについて全く関心も持たずにそのことについて調べもしなかったということであれば、一体これは怠慢ではないかというそしりを免れないと思うんですが、いかがですか。
#113
○政府委員(前田宏君) 私が申しましたのはそういうことではなかったつもりでございまして、そういうことが当時問題になって、当然問題になったとすれば検察当局も十分知っておるということであることは事実でございますが、その結果として具体的に何か事件の処理について参考になるといいますか、というようなことがあったかどうかということについては、これという報告を聞いていないということを申したわけでございます。
#114
○神谷信之助君 そうすると、膨大なロッキード社関係のアメリカの資料、それをこちらから検事さんが行ってずっと調べて、その中で必要なものは日本へ持って帰ってこられたわけですが、そういう膨大ないろいろな資料の中にこういったものも含まれて、それは本件に直接関係ないということで特にとりたてて持って帰ったということじゃないという意味ですか。
#115
○政府委員(前田宏君) 御指摘のように、アメリカの協力によりましていろいろと証拠の提供を受けております。その提供を受けました証拠につきましては、事件の捜査あるいは公判の立証に必要なもの、また役に立つものは最大限利用さしていただいておるわけでございますが、どういうものをどれだけ調べてきたか、持ってきたかということの詳細までは承知しておりませんけれども、私の理解しております限りでは、いろいろ貴重なものがたくさんあって、役立つものはすべて利用さしてもらっているというふうに聞いておるわけでございます。
#116
○神谷信之助君 ちょっとその点ではもうひとつ理解ができないんですが、たとえば児玉に渡った五億円、それは領収書で、渡ったことは確認ができた。しかし、その使途についてはまだ明確にされていない。それが一体どこで何のために使われたのかということも明らかではない。しかし、片一方、二十万ドルについては、これはロッキード社の金で、それは小佐野が受け取ってホテルに払った。全体の債務額は百二十万ドルで、残りの百万ドル、これも小佐野が払った。そうすると、この百万ドルもロッキード社の金ではないかと、そういう疑い、疑惑が当然起こってあたりまえじゃないかと。大体児玉の方はロッキード社に対して日本円で現金でということを注文しておる中で、特別にドル小切手が運ばれていた。盗難その他いろいろな事情がありますが、この辺は不明確ではありますけれども、いずれにしても二十万ドルがロスで渡されておるんですね。だとすれば、百二十万ドルは肩がわりし、そのうちの二十万ドルはロッキード社の金、残りの百万ドル、肩がわりをした百万ドルは、これはロッキード社の金ではないのか、そういう疑いを持っても当然だし、だとすれば、こういったいわゆるロッキード社の金がアメリカに還流された疑いから行われたこういうFBIの捜査について重大な関心を持つのはあたりまえじゃないかというように思うんですが、この辺いかがですか。
#117
○政府委員(前田宏君) 先ほどもお話のございましたように、児玉氏へ渡ったとされている金の使途が明確でないということは前々から問題になっておるところでございますが、これは捜査当局といたしましても鋭意捜査をしたわけでございますけれども、児玉氏本人が体のぐあいが悪いというようなことも一つの理由かと思いますけれども、結局解明できないままになっておるというようなことでございます。
 また、いま御指摘のように、百二十万ドルのうちで二十万ドルだけは解明されたような形になっておるが、その他の金はどうなっているかということでございまして、御疑問はまことにごもっともであろうと思います。ただ、率直に申しまして、現在検察官側が力を注いでおりますことは、議院証言法違反の事実の中で二十万ドルの授受があったかなかったかということが大きな争点になっており、被告弁護人側ではその事実を否定をし、いろいろとその裏づけをするような証拠をもう出して防御活動を展開しておられるわけでございます。したがいまして、その点が当面の大きな争点であるということから、検察官側といたしましても、従来の立証活動に加えて、今度問題になりましたような冒頭陳述の補充訂正をしたという経緯がございまして、そういうことから二十万ドルについてはようやくその使途について見当がついたということでございまして、それ以前ではそのこと自体もわからなかったというような状況にあるわけでございます。
 そのようなことで、捜査が不十分ではないかというような御批判はもちろんあろうかと思いますし、疑いが持たれることも当然かと思いますけれども、従来の捜査におきまして、もちろん最大限の努力は尽くしたわけでございますけれども、未解明の分野が多々残っておったということは、これは否定できないところでございます。
#118
○神谷信之助君 そうしますと、二十万ドルはロッキード社の金であると。百万ドルについてもこれはロッキード社の金であるかどうか、少なくともその疑いは否定できない、ロッキード社の金であるかも知れない、そういう状態だというように思います。
 そこで、かつてこのサンズ・カジノの上がりがニクソンへの政治献金になっていた事実、これは御存じでしょうか。簡単にひとつお願いします。
#119
○政府委員(前田宏君) そういうようなことが報道で出ておったことを聞いております。
#120
○神谷信之助君 このニクソンの資金集めの中心人物の一人がサンズ・カジノの支配人のダナー氏であります。四十七年当時、十一月七日の大統領選挙に向けてこのダナー氏は活発に動いていたわけで、そのダナー氏は七三年、昭和四十八年の末にアメリカ上院のウオーターゲート特別調査委員会の秘密聴聞会で次のような証言をしています。
 一つは、ヒューズ系のホテル・カジノからの現金五万ドル、これは七〇年七月三日サンクレメントで、また七〇年の八月二十日には五万ドルをギービスケーンでレボゾ氏、ニクソン親友の実業家に渡している。もう一つは、七二年の四月ごろに、七二年の大統領選の資金をラスベガスのヒューズ系の組織から獲得するように指示をされて、これもうまく事を解決したという趣旨の証言をしています。これらを含めて、このダナー氏の動きについて当然捜査当局は関心を払っておられるだろうし、また証人としての申請もなさっているわけですから、これらについてのひとつ捜査当局の考えをお聞きしたいと思います。
#121
○政府委員(前田宏君) ただいま仰せになりましたような証言がアメリカの国会でなされたという報道、これは私ども承知しておりますし、検察当局としても当然承知しておることでございますが、何分にもこのことと現在公判で審理が行われておりますいわゆるロッキード事件とのつながりということになりますと、大変漠としたという言葉が当たるかどうかわかりませんけれども、明確なつながりはどうもそれだけでは出てこないように思っておるわけでございます。もちろんいろいろな間接的なこと、またさらに状況証拠的なこと、これにつきましては常時注意をいたしまして、公判の立証に必要な限度におきましてはそれを究明し、また活用するということは当然でございますが、いま現在、このことと現在公判中のロッキード事件とのことにつきまして、どういう具体的なかかわり合いがあるかということについて明確なことを承知していないわけでございます。
#122
○神谷信之助君 検事調書によりますと、ニクソンは四十七年八月三十一日のハワイ会談におきまして、「全日空がトライスターに決めてもらえれば非常に助かる」ということを田中角榮に述べ、田中角榮をして、「外国の大統領はなかなか商売熱心ですな」とあきれさせたというくだりがあります。この事実から私は今回の賭博事件の性格が浮かび上がってくるのではないかというように思うんです。
 つまり、企業献金が禁止されているアメリカで、ニクソンがロッキード社から献金を受けるためにはどうしても迂回路をつくる必要がある。当時カジノつきのホテル買収の努力を一生懸命やっていたのは小佐野氏でもある。したがって、小佐野氏もこのニクソンに献金をしたいという考えがあったかもしれない。そこで、ロッキード社から児玉に入り、それから小佐野に渡り、そしてサンズホテルを経てニクソンにと、このダナー支配人を通じてですね、という流れをつくったのではなかったか。賭博の債務は、小佐野からサンズ・カジノへ向けての資金ルート、これをつくるためのもので、浜田氏はその一役を買ったというように考えることも可能になってくる。こういった点について検察当局の方はどういうようにお考えでしょうか。
#123
○政府委員(前田宏君) ただいま委員の方で、今回の問題になっている賭博事件と称せられているものとロッキード事件、さらにはニクソン元大統領への献金というものを関連づけていろいろと、推理という言葉が適当かどうかわかりませんけれども、関係づけた御見解を示されたわけでございます。なるほどそういうような関係になるという見方もあり得ないことはないかなというふうに拝聴しておったわけでございますけれども、従来の捜査、公判の過程を通じましては、そういうような明確なつながりというものはどうも浮かんでいなかったように理解をしておるわけでございます。のみならず、当面の二十万ドルの授受、またサンズホテルの支払いにつきましては、検察当局といたしましては、現段階では、この前の冒頭陳述の補充訂正にありますような事実を主張し、これを立証していこうというところにとどまっており、またそのことについて立証活動に努めるという態度を持っておるわけでございまして、それが先ほどのお話でございますと、何か一種のからくり的なことであるようなお話でございますけれども、現在のところはそういう見方はされていないというふうに理解をしているわけでございます。
#124
○神谷信之助君 これらの最後に委員長に申し上げたいんですが、検察当局は、ロッキード問題を刑法に触れる部分について捜査をし、そして公判が維持できるそういう証拠を集めるということになるわけですね。ですから、それ以外のロッキード問題の全貌を全部公開をするという状態、そういう任務は持っていないですね、法務当局、検察庁の方は。しかし、国会の方はこのロッキード問題の全貌を明らかにし、そしてその中に介在をする政治家の政治的、道義的責任を明らかにしなければならない。こういう立場から言いますと、たとえば先ほど申し上げたアメリカ側へ還流したのではないかと、そしてニクソンに献金になったのではないかという見方も成り立つ。こうなりますと、この事実は、当事者である浜田幸一氏がここで証人として喚問され、真実を述べることによって究明せざるを得ない、こういうふうに思います。
 さらに、四十七年の十月五日から十四日、小佐野氏はアメリカへ行きました。これはきわめて重大な決定を国防会議が十月九日にしている時期ですが、この時期に五日と十四日に小佐野氏はコーチャンと会談をしている。そして嘱託尋問調書によりますと、この五日のときにはけんか別れをしたけれども、十四日には態度が一変しておったというのが調書に明らかになっておる。いつも一緒に出発をする浜田氏がこのときは三日おくれて十月八日に東京を出発しております。この間に陰謀説が生まれ、そしてそれが児玉の努力、工作によって変わった、中曽根氏やらそれらによって変わったというそういう事件があった。十月九日には国防会議がある、その前日に事態が好転したということを含めて小佐野に報告方行って、そして小佐野、コーチャンの関係が十四日に一変するという状況が生まれた。この点でも浜田氏がこれらに介在をしていた疑いがきわめて濃厚です。
 あるいは十月十四日の小佐野・コーチャン会談で、十六日に小佐野氏は田中角榮、若狭と会うという話を持ち出しています。ちょうどその十六日には浜田氏は砂防会館で田中角榮氏と会っています。この点でもひとつ明らかにしてもらう問題がある。しかも浜田氏は、先ほど言いましたあのニクソン、田中のハワイ会談に小佐野賢治とハワイへ先乗りをして、そして行動をともにしています。
 したがって、こういったいろいろなことを考えてみますと、いずれにしても、このロッキード事件の事実を解明する上で浜田幸一氏を証人として喚問し、その真実を明らかにするということは、ロッキード事件解明にとって非常に重要なかぎを握る証人だと言わなければならない。したがって、委員長に浜田幸一氏の証人喚問をお願いしたいと思いますので、ひとつ理事会で検討していただきたいということを申し上げて終わりたいと思います。
#125
○柳澤錬造君 時間が余りありませんから簡潔にお聞きをしてまいりたいと思います。
 浜田氏が四月十日の記者会見で、昭和四十七年十月ラスベガスのサンズホテル賭博場で百五十万ドル近い額の債務を負ったということは認めているわけです。そのほかにも検察側が主張しております、小佐野氏がロサンゼルス空港でロ社から受領した二十万ドルを浜田氏の債務肩がわりの最後の支払い分としてホテルに支払いました、十一月三日に。またさらに五十万ドルの大負けをしたということもいろいろと報道されているわけでございます。
 浜田氏の申告所得を見ますと、昭和四十七年分が千五百三十七万円、四十八年が三億四千百七十九万円、四十九年が千六百十一万円、その後は五十四年までずっと千百万台から千二百万台のところにあるわけなんです。このような収入の状態で一度に何億というふうな賭博をやること自体が善通の常識では考えられないことなんです。たとえ賭博であったにしても、負けた金というのはこれは当然支払わなければならない債務であることは本人も十分承知の上で行ったことだと思うのです。何らかのことで支払うというそういう判断がなければとてもできるものではないと思うのです。
 そこで、浜田氏がさきの記者会見で、借金は自分の手で返したんだと言っているわけなんです。確かに債務支払いのあった昭和四十八年は三億四千百七十九万という異常に高い申告をしているのですが、これももちろん土地の売却代金も含めてのことなんです。それにしましても四億円からの借金が払える内容ではございません。そうなってきますと、申告所得以外に何らかの所得がなければならないはずなんです。
 その辺について検察庁にお聞きをするのですが、この四十七年の負債分四億五千万円なり、四十八年の負け分一億三千七百万円の支払い状況について本人から事情を聴取したのかどうか、そこからお聞きをしてまいります。
#126
○政府委員(前田宏君) お尋ねは、いま仰せになりましたように、浜田氏が記者会見等で、相当多額な債務を負った、その債務は自分が弁済したということを述べておられるわけでございまして、そのことを前提にして、つまり浜田氏が債務は自分で払ったのだという前提に立って、そうだとすると所得が少ないからもっとほかに別な所得があるのじゃないかというふうなお尋ねになっているのだろうと思います。
 しかし、再々申しておりますように、過般の冒頭陳述の補充訂正で、K・ハマダという名前で表示しております人が多額の債務を負っておった、その債務は小佐野被告人が支払い保証という形で順次支払っていったというふうに見ておりまして、そういう主張をし、そのことを今後立証していこうと、こういう立場に検察側としてはあるわけでございます。したがいまして、K・ハマダと表示されている人が自分で払ったというふうには見ていないのが現在の立場でございますから、お尋ねの前提とはその意味でいわば前提が異なっておるというふうになるわけであろうと思います。
 もとより、いま申しておりますことは検察官側の主張であり、今後の立証によることでございますから、それがどのようなことになるかということは今後の問題であるわけでございまして、仮にそのことがまた覆される、争われるということも想定しないわけではございませんから、それなりの対応は検察当局といたしましてもしておるわけでございますけれども、それはやはり今後の公判の推移にかかわることでございまして、現段階で申し上げられることは、先ほど来申し上げておりますように、K・ハマダという名前で表示している人の債務については、その人自身が支払ったということではなくて、被告人小佐野氏が支払い保証という形で支払ったという立場をとっておるというふうに御理解をいただきたいわけでございます。
#127
○柳澤錬造君 その程度の答弁では納得できないんだけれども、時間がないから……。
 国税庁はいらっしゃいますか、国税庁の方としては、その申告所得の見直しというか、そういうことをおやりになったのかどうか。おやりになったら、その結果はどういうことであるか簡単にお答えいただきたいです。
#128
○政府委員(矢島錦一郎君) お答えいたします。
 いま先生御質問の点につきましては、債務がどの程度あるのかとか、あるいは除斥期間が経過して調査権が及ぶかどうかという問題、いろいろな問題ございますが、先ほど来長官が申し上げておりますように、四十八年、たとえば譲渡の問題とか、あるいは五十四年の新築の問題、たとえばお尋ねをお願いするとかいったようなことによりまして机上審理なりなんなり適切な措置をとったっもりでございますが、最近その調査というものについては特に行ったことはございません。
#129
○柳澤錬造君 行っていない……。
#130
○政府委員(矢島錦一郎君) はい。
#131
○柳澤錬造君 これだけの大きな問題を何で行わないかということが私は国民の側から見たら納得いかないことだと思うのです。恐らく国民の場合においてならば、家屋を一つ買ったにしても、その買った金はどこから来たのだといってかなり皆さん方から調べられるわけでしょう、国税庁。
 それで、いま何でそれをお調べにならないんだと言っていてももう時間がないからあれですが、もう一つ自治省の方へお聞きしたいのです。
 この浜田さんの関係している政治団体、吾往会とか幸風会とか、いろいろこういうのについてお金の収支についてのお調べをなされたかどうかお聞きをいたします。
#132
○説明員(緒方信一郎君) お答えいたします。
 ただいま名前をお挙げになりました吾往会という会は四十七年に設立をされました政治団体でございますが、官報で公表されました収支報告書は一応調べてございます。それから幸風会とおっしゃいましたのは、これは五十一年十月に設立されて届け出がされておりますので、ただいま問題にされております期間とは関係がない、には設立されておりません。
 一応数字を申し上げましょうか……。吾往会の方につきましては、四十七年の下期の収入が三千八百万円、支出が三千四百五十四万九千三百五十四円、四十八年の上期は、収入が百二十万円、支出が三百九十九万五千九百四十五円、四十八年の下期は、収入が二千二百二十四万円、支出が一千百二十七万六千九百九十九円、四十九年の上期は、収入が二千三百四十万円、支出が二千八百十四万四千八百八十五円、それから四十九年の下期が、収入は一千百八十万円、支出が一千三百九十五万八千四百五十三円、それから五十年の上期につきましては、収入が五百十万円、支出が五百七十九万五千四百五十三円、五十年の下期につきましては、収入が九百二万円、支出が一千五百三万六千七百四円、かようになっております。
#133
○柳澤錬造君 これは刑事局長にお聞きします。この浜田氏の百二十万ドルの債務の問題、それを小佐野さんが保証した云々ということでもってアメリカのサンズホテルの副社長初め四人を証人に喚問するということをお決めになった。六月十九日にその証人として出頭してくれという手続をおとりになっていると思うのですが、その後の進捗状況がどうなっているのか、来れるのかどうなのか。もしも、出席できないんだというようなことなんかも新聞でちらちら見るんだけれども、そういうときは検察庁はどういうことをおとりになろうとしているかということです。
#134
○政府委員(前田宏君) ただいまお尋ねにもございましたように、六月十九日ということで証人自身に対しまして裁判所の方から召喚の手続がとられておるわけでございます。しかし、これに対しまして、現在のところまで、その御本人たちから出頭するともしないともいう回答がないという状況にあるというふうに聞いております。
 したがいまして、第二のお尋ねでございますが、来ないということになりました場合にどうするかということでございますが、まだ来るかどうかわからないということでもございますので、仮に来ない場合にどうしたらいいかということは、検察当局といたしましては当然考えているところと思います。ただ、その場合にいろいろなことが考えられるわけでございますけれども、その場合の立証につきましてどういう方法で対処するかということは、またそれに対して弁護人側がいろいろと対応されて、言葉は適当でないかと思いますけれども、反撃もされるということが予想されるところでございますので、それを考えますと、現時点で検察官としてはこういうことをやる予定であるということを申し上げますことは、相手方に便利を与えるというようなことにもなりかねないわけでございますので、お許しをいただきたいわけでございます。
#135
○柳澤錬造君 時間が参りましたので終わりたいと思うのですが、最後に法務大臣に御要望を申し上げておきたいと思うのです。
 浜田さんのこの事件というのは、四億五千万円、それからさらにいまの五十万ドルがどこまであれかということは明確にまだまだいってないわけだけれども、しかし、これも新聞報道その他でもう言われておるわけなんで、両方を含めれば六億近いお金をばくちですったということなんです。いまの日本人の常識では考えられないことなわけなんです。ですから、そういう点で、いろいろ疑惑も生まれているわけなんで、そういう点については政府の方としてもそういう良識ある国民が十分に納得できるような解明をしていただきたいと思うのです。
 それから委員長の方にもお願いをしておきますけれども、なかなか委員会も開かれません。ですから、そういう点で十分な審議もできないと思うのですけれども、一番国民がそういう疑惑を持っていることについて真相がどうなんだといって明らかにしてやる、それが私はこの国会といいますか、この場のやっぱり責任だと思うわけなんです。ですから、そういう点でもって十分にそういう御配慮も賜りたい。そういう意味からもやはり浜田さん自身を証人としてお呼びをいただいて、そして国民の前でもって浜田さん自身の口から真相はこうですということが明らかになるようなそういうことのお進めをいただきたいという御配慮をお願いして、私の質問を終わります。
#136
○市川房枝君 まず、法務大臣に伺いたいと思います。
 昨年の五月二十八日に開かれました本委員会で、元防衛庁長官松野頼三氏を証人として喚問、委員の皆様方から質問がありました。ここで松野氏は、ダグラス、グラマン社から約五億円もらったが、届け出もしなかったし、税金も払っていたいし、自分の正しいと思ったことに使ったと言明されました。検察当局からは告発もされず、名前も発表されませんでした。もちろんその理由があったでしょうけれども、しかし、これに対して一般国民は非常に憤慨をし、昨年十月の総選挙で選挙区の有権者によって松野氏は裁かれ、落選されました。このことについての法務大臣の御感想をまず伺いたいと思います。
#137
○国務大臣(倉石忠雄君) 松野君の刑事責任については私とやかく申し上げませんけれども、政治家としてはただいまお話のありましたように総選挙において地元の厳しい判断を受けたわけでございます。私どもお互い政治家として働いております者は、やはり先ほどもお答えいたしましたように、まず身辺をきれいにして、いやしくも国民の指弾を受けるようなことのないように慎んで行動しなければならぬということを痛感する次第でございます。
#138
○市川房枝君 昨年からことしにかけまして、税理士政治連盟による税理士法改正についての政界への贈賄事件、KDDによる莫大な交際費の官界や政界への贈与事件があり、国民一般の注意を集めました。ところが、両事件とも政官界への摘発には及ばず、国民はまたかということで非常な不満を持っております。税理士の方は東京地検で、KDDの方は警視庁でそれぞれ調査に苦労されたことは知っておりますけれども、政官界へのメスを入れることがなく終わってしまいました。証拠がつかまらなかったからとおっしゃるでしょうけれども、国民としては納得ができず、政治不信はますます強くなっております。このことについては刑事局長からちょっと御説明をいただきたいと思います。
#139
○政府委員(前田宏君) ただいま市川先生からいろいろとお話がございましたように、最近いろいろと汚職事件と申しますか、疑惑事件と申しますか、いろいろなことが続いて起こっておりました。そのことにつきまして国民の御関心が高いこと、また、国会におかれましてもいろいろと御指摘を受け、また御議論があったこと、これは私ども十分承知しておりますし、検察当局また警察当局におきましても、その点は重々承知した上で事に当たったものというふうに理解しておるわけでございます。いろいろと疑惑的なことにつきましてもそれなりの努力を尽くしたわけでございます。
 念のために申しますと、まだ税政連事件につきましては処分が決まっているわけではございませんし、KDD事件はおおむね捜査が終局に近づいているということは明らかでございますけれども、まだ最終的な捜査結果というものについての詳しい報告は受けていない状況でございますが、それはそれといたしまして、いろいろな疑惑と呼ばれるものにつきまして、それが犯罪になるかならないかという観点から事に当たりますのが捜査当局の責任であるわけでございます。その意味におきまして最大限の努力は尽くしたつもりでございますが、いま先生がおっしゃいましたように、国民の方々の広い意味での期待というものにはあるいは沿っていないという御批判もあろうかと思います。ただ、弁解がましいわけではございませんけれども、捜査当局というものはやはり刑事事件になるかならないかということで事に当たるわけでございまして、広い意味で疑惑ということが言われましても、それが犯罪の疑いがないというものもあるわけでございます。したがいまして、その全部について解明するということは捜査当局の権限外と言えば権限外のことでもあるわけでございますので、その点は御理解を賜りたいわけでございます。
#140
○市川房枝君 法務大臣にもう一つ伺いたいと思います。
 大平内閣は、第一次組閣の当時から、政治の倫理化、モラルの確立等を政策の第一に掲げてこられました。ところが、いま申しました三つの事件は、いずれも大平内閣になってから発覚した事件でございます。ことにKDDでの疑惑の中心ともなっている元郵政大臣は大平派で首相側近の方だと言われております。賭博等で議員を辞任し、パリに出発されました浜田幸一氏は飛行機の中で、KDDには指揮権を発動したんだということをおっしゃったと大きく新聞で伝えられております。指揮権の発動は法務大臣の権限でございますね。そういう事実は表には出ておりませんけれども、法務大臣からそのことについて伺いたいし、もしそうでないというのでしたら、やっぱり国民の前に口を大きく、絶対にそうしてはいないんだということをこの機会におっしゃっていただきたいと思います。
#141
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまお尋ねの件につきまして、おっしゃるとおり、指揮権の発動というのは法務大臣が考えることであるかもしれなませんけれども、私はたびたび国会でも申し上げておりますように、検察の人々に対しては全面的な信頼を持っております。したがって、一生懸命で捜査をいたしました結果の判断について、私がいわゆる指揮権を発動してそれを曲げるというふうなことは絶対にいたしておりません。
#142
○市川房枝君 そうでなくてはならぬと思いますが、それを伺いまして幾らか安心しました。ありがとうございました。
 私の質問はこれで終わります。
#143
○委員長(森下泰君) 以上をもちまして本日の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#144
○委員長(森下泰君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 航空機輸入に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(森下泰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○委員長(森下泰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#147
○委員長(森下泰君) 穐山君。
#148
○穐山篤君 私は、自由民主党を除きます各会派の賛同を得まして、いま問題になっております浜田幸一氏を証人として喚問すべきことについて動議を提出いたします。
#149
○委員長(森下泰君) ただいま穐山君より御提出がございました動議につきましては、理事各位とその取り扱いについて協議をしたいと存じます。直ちに理事会を開きますので、暫時休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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