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1979/02/13 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第2号
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1979/02/13 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第2号

#1
第091回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第2号
昭和五十五年二月十三日(水曜日)
   午前十一時五十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十三日
    辞任         補欠選任
     原 文兵衛君     熊谷  弘君
     平井 卓志君     成相 善十君
     二木 謙吾君     降矢 敬義君
     降矢 敬雄君     鈴木 正一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小山 一平君
    理 事
                福島 茂夫君
                坂倉 藤吾君
                沓脱タケ子君
                柳澤 錬造君
   委 員
                熊谷  弘君
                鈴木 正一君
                高平 公友君
                成相 善十君
                藤井 丙午君
                降矢 敬義君
                宮田  輝君
                上林繁次郎君
                前島英三郎君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  地崎宇三郎君
       建 設 大 臣  渡辺 栄一君
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    後藤田正晴君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       小渕 恵三君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  土屋 義彦君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       三島  孟君
       警察庁交通局長  杉原  正君
       公害等調整委員
       会委員長     青木 義人君
       環境政務次官   山東 昭子君
       環境庁長官官房
       長        正田 泰央君
       環境庁長官官房
       審議官      石川  丘君
       環境庁長官官房
       会計課長     神戸 芳郎君
       環境庁企画調整
       局長       金子 太郎君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  本田  正君
       環境庁自然保護
       局長       藤森 昭一君
       環境庁大気保全
       局長       三浦 大助君
       環境庁水質保全
       局長       馬場 道夫君
       通商産業大臣官
       房審議官     松原 治世君
       運輸大臣官房総
       務審議官     永井  浩君
       建設省道路局長  山根  孟君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   参考人
       公害防止事業団
       理事長      城戸 謙次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関
 する調査
 (公害及び環境保全対策の基本施策に関する
 件)
 (昭和五十五年度環境庁関係予算に関する件)
 (昭和五十五年度各省庁の環境保全関係予算に
 関する件)
 (公害等調整委員会の事務概況に関する件)
 (公害防止事業団の事業及び予算に関する件)
 (交通安全対策の基本施策に関する件)
 (昭和五十五年度陸上交通安全対策関係予算に
 関する件)
 (昭和五十五年度交通警察の運営に関する件)
 (昭和五十五年度海上交通及び航空交通安全対
 策関係予算に関する件)
 (昭和五十五年度道路交通安全対策関係予算に
 関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小山一平君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、原文兵衛君、平井卓志君、二木謙吾君及び降矢敬雄君が委員を辞任され、その補欠として熊谷弘君、成相善十君、降矢敬義君及び鈴木正一君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(小山一平君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日の委員会に参考人として公害防止事業団理事長城戸謙次君の出席を求め、同事業団の事業及び予算について説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小山一平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(小山一平君) 公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題といたします。
 公害及び環境保全対策の基本施策に関する件について所信を聴取いたします。土屋環境庁長官。
#6
○国務大臣(土屋義彦君) 第九十一回国会における参議院公害及び交通安全対策特別委員会の御審議に先立ち、環境行政に関する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 環境問題は、国民生活とのかかわり合いがきわめて深い問題であります。そして、この問題を取り扱う環境行政は、公害から国民の健康と生活環境を守るとともに、かけがえのない自然を保護し、さらに快適な生活環境を確保するという重大な使命を担っております。
 私は、昨年十一月環境庁長官に就任以来この問題に取り組んでまいりましたが、いまさらながら任重くして道険しと責任の重大さを深く痛感いたしております。
 わが国の環境行政を顧みますと、公害対策基本法制定以来すでに十二年、また、環境庁発足以来はや八年が経過いたしました。
 この間、政府は、地方公共団体と協力し、激化するに至った公害の防除、また、急速に失われつつあった自然環境の保護に真剣に取り組んでまいりました。その結果、今日では、幸いにしてかつてのような危機的な状況を脱することができました。しかし、なお、環境基準の達成、維持に向けて一層の努力を払っていかなければならない分野が残されており、自然環境につきましても、その適切な保護が依然として重要な課題となっております。
 また、現在深刻な問題となっている交通公害や閉鎖性水域における水質汚濁の問題に見られるように、公害のあらわれ方も、生産活動に起因するものばかりでなく、人口及び社会経済活動の都市集中に起因し、日常生活に関係するものの比重が増してきております。このような問題に対処するためには、単に発生源に対する規制だけではなく、さまざまな政策手段を組み合わせ、総合的な対策を検討する必要があります。
 そして、今後の環境行政を推進するに当たって何よりも基本としなければならないことは、環境汚染を未然に防止していくことであります。
 開発事業等の実施に当たって環境影響評価を行うことは、環境汚染の未然防止を図る上で不可欠であり、その制度化は国際的な趨勢となっております。
 特に、わが国は、かつての著しい環境汚染を経験しており、この苦い経験を踏まえ、環境汚染の未然防止に万全を期すことが環境庁に課せられました大きな責務であると考えております。
 さらに、環境保全についての国民の意識は、公害の防除にとどまらず、自然の緑や水辺に恵まれた潤いのある快適な環境の実現を求めており、これに対応した施策を推進することも今後の重要な課題であると考えております。
 私は、環境庁長官として、以上のような基本的認識に立って、次のような事項を重点として、環境行政の推進に誠心誠意最大限の努力を払う所存であります。
 第一に、長期的総合的な視点に立った環境政策の展開を図ってまいりたいと思います。
 経済の安定成長への移行、エネルギーの需給構造の変化等社会経済条件の変化を踏まえ、一九八〇年代の環境政策の基本的方向について展望を行うこととしております。とりわけ、エネルギー問題は、わが国が当面する非常に重大な問題でありますが、これに対しましても環境保全の面からの配慮を加え、かつての公害の苦い経験を繰り返さないようにしてまいらなければなりません。このため、中長期的な視点も踏まえて総合的な検討を行うことといたしております。特に、石炭利用の拡大に伴って大気環境への影響などが懸念されますので、調査検討を進めるとともに、必要に応じ各般の措置を講じてまいる所存であります。
 また、よりよい環境を積極的に確保していくため、快適な環境づくりのための施策の検討を進めるとともに、身近な自然との触れ合いを図るための施策の拡充、地域の特性に応じた環境管理の推進を図ることといたしております。
 第二に、環境汚染の未然防止の徹底であります。
 各種の開発事業等の実施に当たりましては、環境影響評価を行い、環境保全を十分に配慮すべきことは、だれしもが認めるところであります。すでに各方面において環境影響評価が実施されておりますが、環境庁としましてはその法制度化に向けて最大限の努力をしていく覚悟でございます。
 また、われわれの日常生活に深いかかわり合いを持っておりまする化学物質に関しましては、環境汚染を未然に防止するため、その安全性の総点検調査を進めてまいります。
 第三に、公害防止対策についてさらに積極的な推進を図る.ことといたしております。
 自動車、航空機、鉄道等による交通公害は、地域住民の日々の生活にとってきわめて深刻な問題となっております。私は、交通公害対策が今後の最重点課題の一つであると考えております。
 この問題の根本的な解決を図るためには、まず現在行われておりまする自動車を初め各交通機関ごとの発生源対策や周辺対策等を一層拡充強化することであります。さらに、中長期的な対策として、環境保全の観点から望ましい交通体系や都市構造への転換を促すような新たな施策について重点的に検討を行い、総合的な交通公害対策を樹立し推進していくことが必要であります。
 また、特に問題の大きい大型自動車について緊急に講ずべき対策を検討する等、交通公害対策の確立に向けて本腰を入れて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、大気汚染の防止につきましては、これまでに固定発生源や自動車について数次にわたってその規制の強化を図ってきたところであります。その結果、大気汚染の状況は、全体的にはかなり改善されてまいりましたが、なお、環境基準の達成、維持に向けて今後一層の努力が要請されております。
 特に、窒素酸化物対策につきましては、環境基準に照らして対策の緊急度の高い地域において実施中の調査の結果を踏まえ、固定発生源について総量規制の導入を速やかに図る所存であります。また、ディーゼル車、重量ガソリン車等の第二段階の規制に向けて引き続き技術評価を進める等、対策の強化促進を図ってまいることといたしております。
 さらに、長期的な観点から各種大気汚染物質の対策を最適な手順で進めるための手法の検討、ディーゼル排出ガスの影響調査等を行い、総合的な大気汚染対策を推進してまいります。
 水質保全対策につきましては、閉鎖性水域における水質保全の問題が当面の最重要課題であります。現在問題となっておりまする有機汚濁や富栄養化の現象は、産業活動に起因するもののほか、われわれの日常生活に起因するものもかなりの比重を占めており、これら多様な発生源に対応した総合的な対策の推進が要請されております。
 このため、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の三海域につきましては、すでに昨年の六月に総量削減の基本方針を定め、現在これに基づき関係都府県において実施のための準備が進められているところであります。水質総量規制の早期かつ円滑な実施に向けて今後とも努力してまいりたいと考えております。
 これらの海域と並んで、湖沼における環境保全対策の推進が急務であります。湖沼は、河川や海域に比べて環境基準の達成がおくれており、今後特に強力に対策を講じていく必要のある分野と考えております。湖沼の特性に応じた水質管理指針の策定のための調査検討を行うとともに、特に早急に総合的な対策が要請されている琵琶湖について総量規制の導入に向けて調査を行うことといたしております。
 また、近年、内湾、湖沼等において富栄養化及び赤潮による障害が特に問題となっております。これに対処するため、瀬戸内海における燐削減対策に引き続き、伊勢湾においても必要な調査を進め、その削減方策を検討するほか、赤潮発生機構の総合解析調査を進める等、その施策の強化を図ることといたしております。
 以上のような諸対策のほか、地盤沈下対策を初め、騒音、振動及び悪臭対策、廃棄物対策、海洋汚染対策等につきましても一層の充実強化を図ってまいりたいと考えております。
 第四に、公害による健康被害者の救済のための施策の推進であります。
 公害による健康被害を受け苦しんでおられる方方に対しまして、その迅速かつ公正な保護を図るよう万全を期することは、私たちの務めであります。
 このため、公害健康被害補償制度の円滑な実施に一層の努力を傾注してまいる所存であり、特に、補償給付の支給等に必要な財源を引き続き確保するため、所要の法改正をお願いしているところでございます。
 水俣病対策につきましては、水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の円滑な実施等により認定業務の促進を図るとともに、国立水俣病研究センターの研究体制の充実強化を図ることといたしております。
 第五に、自然環境の保全であります。
 自然は、生命をはぐくむ母胎であり、人間生活に限りない恩恵を与えてくれます。また、自然は、一たび失われると回復が著しく困難であり、この貴重な自然を守り育て、後世に伝えることは、私たちの大きな使命であります。
 この使命を果たすべく、長期的な視点に立って、自然環境保全対策をさらに積極的に推進してまいる所存でありますが、特に、今後の施策の展開に当たっては、すぐれた景観やかけがえのない自然の保護と並んで、私たちの日常の暮らしに潤いと安らぎをもたらす身近な自然との交流の場の確保にも力を注いでまいりたいと考えております。
 このため、都道府県立自然公園内の国民休養地に対する施設整備の助成の拡充を図るとともに、首都圏自然歩道整備のための調査を行うことといたしております。
 また、鳥獣保護対策につきましては、国設鳥獣保護区を中心としてその充実を図ってまいりたいと考えております。
 最後に、国立公害研究所の充実強化等、環境行政の基盤の充実であります。
 複雑多様な環境問題に適確に対処し、長期的な視点に立った環境行政を推進していくためには、その基礎となる科学的知見の蓄積が必要不可欠であります。
 国立公害研究所は、昨年設立五周年を迎え、国際的に見ましてもきわめて高い水準の研究所に育ってまいりましたが、今後とも一層の充実強化を図ることといたしております。
 また、環境問題の国際的な広がりにかんがみ、この分野における国際的な協力の強化にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上、私の所信の一端を申し述べましたが、環境行政の推進に当たりましては、国民の声に耳を傾けていかなければならないことは言うまでもありません。
 今日、経済の安定成長への移行、エネルギー需給構造の変化等、わが国の社会全体が大きな転換期を迎えております。私は、このような情勢のもとに、どのような困難があろうとも、国民の健康の保護、生活環境及び自然環境の保全という環境行政の原点に立って、より高い環境の質の実現を目指して誠心誠意全力を尽くす覚悟でございます。
 本委員会及び委員各位におかれましては、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますよう心からお願い申し上げる次第であります。
#7
○委員長(小山一平君) 交通安全対策の基本施策に関する件について関係大臣から順次所信を聴取いたします。小渕総理府総務長官。
#8
○国務大臣(小渕恵三君) 今国会における交通安全対策に関する審議が開始されるに当たり、交通安全対策に関し一言所信を申し述べます。
 わが国の交通事故による死者数は、昭和四十六年以降連続九年間にわたり減少を続け、昨年一年間の死者数は、対前年比三・七%減の八千四百六十一人となり、過去の最高であった昭和四十五年の交通事故死者数の半減を目指すものとした第二次交通安全基本計画の目標達成を目前にするに至っております。
 しかしながら、なお年間六十万人にも及ぶ交通事故による死傷者が生じており、また、交通事故発生件数についてはわずかながらも昨年に引き続き増加する等、交通情勢は決して楽観を許さないものがあります。
 今日、わが国における自動車の保有台数は三千七百万台に上り、運転免許保有者数も四千万人を超える等、本格的な車社会、国民皆免許時代を迎え、国民を交通事故の脅威から守り交通安全を確保することは、大きな政治的課題であると言わなければなりません。
 私は、昨年十一月総理府総務長官に就任し、交通対策本部長の職責を担うこととなりましたが、第二次交通安全基本計画の最終年度を迎えるに当たり、交通安全は国民福祉の根幹であるとの認識のもとに、国民各位の御理解と御協力をいただき、各省庁の緊密な連携のもとに、交通安全対策におけるこれまでの成果とこれからの厳しい情勢を踏まえ、交通安全施設等の整備を初め、交通安全運動、交通安全教育の充実を図ること等を重点として総合的な交通安全対策を強力に推進する所存であります。
 このような施策の実現を図るため、昭和五十五年度の予算編成に当たりましては、関係省庁の陸上交通安全対策関係の予算の調整を行い、交通安全施設等の整備を初めとする道路交通環境の整備、交通安全思想の普及、安全運転の確保、交通事故被害者の救済等、各般にわたりきめ細かな配慮をいたしました次第であります。
 なお、総理府といたしましては、交通安全思想の普及活動の推進及び交通事故被害者の救済等のほか、沖繩県交通方法変更に伴う特別事業につきましても特段の配慮をいたしました。
 以上、交通安全対策に関し所信の一端を申し述べましたが、委員各位の深い御理解と格段の御協力をお願いいたします。
#9
○委員長(小山一平君) 後藤田国家公安委員会委員長。
#10
○国務大臣(後藤田正晴君) 本日、公害及び交通安全対策特別委員会が開催されるに当たりまして、一言ごあいさつ申し上げまするとともに、所信の一端を申し述べまして、一層の御指導を賜りたいと存じます。
 委員各位には、平素から交通安全の問題について多大の御尽力をいただいており、まことに感謝にたえません。昨年の交通情勢は、運転免許保有者数が四千万人を突破し、車両保有台数も一層増加するという状況の中で推移いたしましたが、関係機関、団体との連携による総合対策の推進と、新しい交通秩序の確立を期した改正道路交通法の運用等によりまして、交通事故による死者数は、八千四百六十一人と、前年に比べて三・七%減少し、昭和四十六年以降、九年連続交通事故死者数減少という成果を上げることができました。
 しかしながら、年間の交通事故による死傷者は、いまだ約六十万人にも達しており、依然として交通事故防止が緊要な課題であることに変わりはないのでございます。また、自動車交通による騒音、振動、大気汚染等が生活環境に及ぼす影響も見逃すことのできない問題でございます。
 さらには、最近における厳しい国際石油情勢に伴う省エネルギーの要請等、道路交通にかかわる諸情勢もますます複雑、困難なものになることが予想されるのでおります。
 警察といたしましては、このような情勢を踏まえながら、国民各位の理解と協力のもとに、運転者対策を初めとする交通事故防止対策を強力に推進するとともに、地域住民の平穏な生活環境を確保するための諸施策を一層充実強化し、自動車交通と人間生活との調和のとれた車社会の建設のために今後一層努力する所存でございます。
 委員各位の一段の御指導と御鞭撻を賜りまするようお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。
#11
○委員長(小山一平君) 地崎運輸大臣。
#12
○国務大臣(地崎宇三郎君) 運輸省における交通安全対策に関し所信を申し述べます。
 人命の安全の確保は、交通運輸に関する施策の基本であります。
 運輸省におきましても、交通安全対策を最も重要な施策の一つとして、全省の組織を挙げて取り組んでおります。
 最近におけるわが国経済の著しい発展及び国民生活の向上に対応し、交通運輸活動は著しく活発となり、今後とも一層発展することが考えられますが、交通安全対策は量的な拡大に対応するのみならず、技術の進展による交通運輸活動の高度化等の質的な変化に対応する対策も講じていかなければならないものと思います。
 まず、交通が展開される場としての港湾、航路、空港等において、今後ますますふくそうし大型化する交通運輸活動の安全を確保できるよう、交通環境の整備に努めていく必要があります。
 次は、高速大量輸送を可能とした船舶や飛行機の大型化あるいは自動車、モーターボート等の大衆への普及に対応して、輸送機器自身の安全性の確保のため、これらの機器の構造についてその安全性を高めるとともに、検査体制の充実を図ることが何よりも必要であります。
 さらに、高速化、ふくそう化する交通を組織的に整理し、事故発生を未然に防止するためには、交通の安全管理のための体制を機材の面でも組織の面でも充実し、不断の進歩によって交通の変化に対応する必要があります。
 また、交通運輸活動は、個々の人と組織がこれを運営するものでありますので、これらの人々がその安全を守るための十分な知識と技術を持ち、常に安全確保の責務の重大性を自覚して行動することが必要でありますので、関係者の教育訓練に努め、安全意識の向上を呼びかけていくことが重要であります。
 このほか、交通における安全性を高めるためには、安全面における技術の進歩が何より重要であり、この面においても努力を傾注することが必要であります。
 私は、以上のような視点から、今後の運輸交通における安全確保のための諸対策に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、当面緊急かつ重点的に実施する施策につきまして、陸、海、空に分けてその概要を御説明申し上げます。
 第一に、陸上交通の安全対策であります。
 まず、鉄軌道交通の安全につきましては、踏切道の事故対策として、引き続き立体交差化、構造改良及び保安設備の整備を強力に進めるとともに、運転事故を防止するため列車集中制御装置、自動列車制御装置等の運転保安施設を充実するほか、運転要員に対する訓練指導の徹底を図ることにより、鉄軌道事故の絶滅に万全を期する所存であります。
 次に、自動車交通の安全につきましては、自動車の検査体制の充実、自動車整備事業の指導監督の強化、過積載防止のための指導を徹底するとともに、特に、大型トラックの左折事故防止のための車両構造の改善を図ってまいる考えであります。
 さらに、被害者の救済対策としては、自動車損害賠償保障制度の適切な運用を図るほか、自動車事故対策センターの業務内容の充実、交通遺児育成基金制度の創設等の措置を講じてまいる所存であります。
 第二に、海上交通の安全対策であります。
 まず、施設面の対策として、港湾及び航路の整備を計画的に推進するほか、航路標識の整備充実に努めてまいります。
 また、船舶の運航に従事する者に対し、海上交通法規の遵守、運航管理の徹底、安全運航等の指導を強化し、強制水先制度を充実するほか、本年四月より太平洋北西部及び東南アジア海域における世界航行警報業務の運用を開始することといたしております。
 さらに、船舶の安全性の一層の向上を図るため、検査体制の充実並びに検査対象船舶の拡大を予定しております。
 一方、海上保安庁においては、鋭意増強中の巡視船艇及び航空機を効率的に運用し、海難救助体制を強化していく所存であります。
 第三に、航空の安全対策であります。
 まず、航空交通管制の充実を図るため、航空路監視レーダー及び空港監視レーダーを逐次整備してまいりますほか、航空事業者に対し、運航管理及び機材整備の業務を一層適正化するよう指導を行い、安全の確保に万全を期してまいる考えであります。
 最後に、あらゆる交通機関の安全な運行にとってきわめて重要な問題であるところの地震、台風、集中豪雨等の異常な自然現象の早期、適確な把握とその予警報を行うため気象業務体制の一層の充実強化を図ってまいりたいと考えております。
 以上、運輸省においてとろうとする交通安全対策の概要について申し述べましたが、これらの施策の実施につきましては、関係者の積極的な協力を得ることが何よりも重要でありますので、委員長初め委員各位におかれましても何とぞよろしく御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
#13
○委員長(小山一平君) 次に、昭和五十五年度環境庁関係予算及び昭和五十五年度各省庁の環境保全関係予算について、順次説明を聴取いたします。正田官房長。
#14
○政府委員(正田泰央君) 昭和五十五年度の環境庁関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
 昭和五十五年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、環境庁予算要求額は四百四十八億五千三百三十六万二千円であり、これを前年度の予算額四百二十四億九千七百四十三万円と比較すると、増加額は二十三億五千五百九十三万二千円であり、その増加率は五・五%であります。
 次に、予算要求額の主要な項目について御説明いたします。
 第一に、公害対策について申し上げます。
 まず、環境保全企画調整等の経費については、環境影響評価制度を確立推進するための経費、瀬戸内海の環境保全対策を推進する経費及び公害防止計画策定を推進する経費のほか、新たに、一九八〇年代における環境政策の展望を検討するための経費及び石油代替エネルギーとしての石炭利用拡大に伴う環境影響について総合的に調査検討する経費等、これらをあわせて四億六千五百九十四万円を計上しているところであります。
 次に、公害健康被害補償対策費については、公害健康被害補償制度の円滑な実施を図るほか、水俣病の認定業務を促進することとし、これらの経費として百八十七億六千九百八十八万円を計上しております。
 公害防止事業団につきましては、事業団の事業運営に必要な事務費等の助成費として三十九億七千二百十六万円を計上しております。
 次に、大気汚染等防止対策の経費については、新たに、石炭の消費の増大等に対応して大気質についての汚染防止対策の調査検討を行うほか、窒素酸化物対策として、総量規制の円滑な実施を期して発生源における窒素酸化物総量の測定方法を確立するための調査検討を実施するとともに、健康影響調査を行うなど、大気汚染物質対策の推進を図ることとし、また、交通公害防止対策を推進するため、新たに大型車について緊急に講ずべき施策の検討を行うとともに、従来に引き続き、自動車公害、騒音、振動及び悪臭についての対策を推進するための調査を行うなど七億七千九百四十二万円を計上いたしております。
 水質汚濁防止対策の経費については、富栄養化及び赤潮対策として、新たに伊勢湾の燐削減のための実態調査を行い、また、湖沼環境保全対策として、湖沼の特性に応じた水質管理指針策定たのめの調査検討及び琵琶湖について総量規制を導入するための調査を行うほか、従来に引き続き、総量規制の実効を期するため、所要の調査について助成するとともに、瀬戸内海環境保全対策及び水質管理についての対策等を推進するための調査を行うなど九億八千七百七十八万円を計上しております。
 このほか、地盤沈下及び廃棄物対策費として一億一千八百八十一万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として二億六百九十一万円をそれぞれ計上しているところであります。
 次に、公害監視等設備整備費については、地方公共団体の監視測定体制等の整備に必要な経費として十一億九千三百四十七万円を計上しております。
 公害の防止等に関する調査研究の推進のための経費については、科学的な調査及び試験研究を一層促進するため、総額四十四億五千八百五十九万円を計上しております。
 このうち、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究経費として三十二億四千八百四十四万円を環境庁において一括計上し、各省庁の試験研究機関等における試験研究の総合的推進を図ることとしております。
 また、光化学スモッグに関する調査研究費及び公害による健康被害、大気汚染、水質汚濁、自然環境保全等に関する調査研究費として九億七千七百六十七万円を計上し、必要な調査研究を進めることとしているほか、環境保全総合調査研究促進調整費として二億三千二百四十七万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関連する調査研究の総合的調整を図ることとしております。
 さらに、科学的な行政を推進するため、国立公害研究所の機能を充実強化することとし、これに必要な経費として四十二億三千二百七十万円、国立水俣病研究センターに必要な経費として三億二千四十二万円、公害研修所に必要な経費として一億二百九十一万円を計上しております。
 第二に、自然環境の保全対策及び施設整備について申し上げます。
 まず、自然環境の保全対策及び自然公園等の維持管理等経費については、五十三及び五十四年度に実施した自然環境保全法に基づく自然環境保全基礎調査の結果について集計、整理等を行うほか、新たに首都圏自然歩道整備のための調査を実施するなど十億三百三十七万円を計上しております。
 このほか、交付公債による民有地の買い上げ制度の運用に必要な経費として九億九千五百二十一万円を計上しております。
 鳥獣保護については、国設鳥獣保護区の管理強化を図るほか、特定鳥獣の保護事業及び渡り鳥の保護対策を推進するなど一億八千百四十二万円を計上しているところであります。
 さらに、自然公園等の整備を図るため必要な施設整備費として三十一億八千二百五十三万円を計上しております。
 以上が環境庁予算の概要でありますが、このほか、建設省所管予算として、国立公害研究所等の施設整備のため十九億七千百五十九万円、国庫債務負担行為六億八百五十三万円がそれぞれ計上されております。
 以上をもちまして、昭和五十五年度の環境庁関係予算の御説明を終わります。
#15
○委員長(小山一平君) 渡辺建設大臣がお見えになりましたので、この際所信を聴取いたします。渡辺建設大臣。
#16
○国務大臣(渡辺栄一君) 交通安全対策に関する諸施策について御審議をお願いするに当たり、一言所信を申し述べたいと存じます。
 御承知のとおり、わが国の経済、社会の発展に伴い、道路交通需要はますます増大かつ多様化しており、これに対処するため、政府としては、昭和五十三年度を初年度とする第八次道路整備五カ年計画に基づき、道路事業の積極的な推進を図っているところであります。
 申すまでもなく、道路交通、特に自動車交通の増加は、反面交通事故の多発をもたらしております。
 しかし、近年においては、関係者の懸命の努力によって、死傷者はピーク時に比し著しく減少しておりますが、その数は昨年一年間でなお約六十万人余に及び、交通安全をめぐる情勢は依然として憂慮すべき状況にあります。
 かかる事態に対処するため、昭和五十五年度は、厳しい財政事情ではございますが、より一層強力に交通安全対策の推進を図ってまいる所存であります。
 まず、道路を新たに建設する場合におきましては、交通安全対策基本法の精神にのっとり、交通安全施設等の完備した道路を整備することとしております。
 次に、既存の道路につきましては、昭和四十一年度以降交通安全施設等整備事業に関する計画により、総合的かつ計画的に交通安全施設等の整備拡充を図ってまいりましたが、引き続き、本年度は、昭和五十一年度を初年度とする第二次交通安全施設等整備事業五カ年計画の最終年度として交通安全施設等の整備を進めてまいりたいと考えております。この場合、特に弱い立場にある歩行者、自転車利用者を交通事故から守るための施設の整備に重点を置くこととしております。
 さらに、道路の改築事業におきましても、交通の安全を確保するため歩道等の設置、バイパスの建設、自転車専用道路及び歩行者専用道路の整備等の事業を行い、また、落石、法面崩落、なだれ等の危険を防止するため、道路防災事業を強力に推進してまいることとしております。
 また、踏切道における交通事故の防止と交通の円滑化を図るため、引き続き、立体交差化等の事業を推進することとしております。この場合、多数の踏切が連続する中心市街地等においては、これらを同時に除却する連続立体交差事業を推進してまいることとしております。
 次に、居住地区内における交通事故を防止し、居住環境の改善を図るための居住環境整備事業及び中心商業業務地区等における道路交通の安全と円滑化を図るための総合都市交通施設整備事業を推進するとともに、通勤通学等のための自転車駐車場整備事業等自転車駐車場対策を推進することとしております。
 また、交通事故防止及び児童、青少年の心身の健全な発達に資するため、第二次都市公園等整備五カ年計画の最終年度として、都市における国民の日常生活に密着した児童公園等の基幹公園及び緑道の緊急かつ計画的な整備の推進を図ることとしております。
 最後に、道路管理体制を強化して道路交通の安全の確保と交通の円滑化を図ることとしております。特に、道路法及び車両制限令に違反する車両の通行に対する指導及び取り締まりを強化するとともに、道路交通に関する情報の収集及び提供について、体制の強化拡充を推進することとしております。
 以上、交通安全に関する諸施策について所信の一端を申し述べましたが、交通事故防止のため今後一層徹底した総合的な交通安全施策を強力に推進していく決意でありますので、委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻を賜りまするよう、よろしくお願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
#17
○委員長(小山一平君) 次に、金子企画調整局長。
#18
○政府委員(金子太郎君) 各省庁の昭和五十五年度環境保全経費等の概要について御説明いたします。
 まず、歳出予算について御説明いたします。
 昭和五十五年度における環境保全経費の総額は一兆一千六百六十四億円であり、前年度の当初予算に比べ四百十億円、三・六%の増加となっております。
 このうち、一般会計分は一兆三百七十九億円であり、前年度の当初予算に比し百七十七億円の増加となっており、また、各特別会計分は一千二百八十五億円であり、前年度に比し二百三十四億円の増加となっております。
 次に、事項別に主要な項目について御説明いたします。
 第一に、各種基準等の設定としては、環境庁の大気汚染防止対策に係る経費三億三百万円、水質汚濁防止対策費一億三千二百万円など、総額九億六千四百万円を計上しております。
 第二に、監視取り締まりの強化のため、総額七十五億三千三百万円を計上しております。
 このうち主要なものは、環境庁の公害監視等設備整備経費十一億九千三百万円、環境庁、厚生省、通商産業省等に計上されている化学物質安全確保対策費五億円、運輸省の自動車公害審査体制の強化費二十七億八千六百万円、海上公害監視取締体制の強化費二億六千九百万円、警察庁の公害関係事犯の取締強化費三億六千八百万円などであります。
 第三に、公害防止事業助成のため、総額百十一億四千百万円を計上しております。
 このうち主要なものは、環境庁の公害防止事業団助成等経費三十九億七千二百万円、農林水産省の畜産複合地域環境対策事業費二十七億八千七百万円、漁場環境保全対策費十七億八千万円、養殖共済赤潮特約事業費六億百万円、通商産業省の金属鉱業事業団事業運営費九億九千八百万円などであります。
 第四に、公害防止関係公共事業等の推進のため、総額九千七百二十四億六千二百万円を計上しております。
 このうち主要なものは、建設省等に計上されている下水道事業費六千八百九億五千八百万円、公共用飛行場周辺及び防衛施設周辺における騒音問題に対処するため、運輸省の八百九十六億五百万円、防衛施設庁の七百六十九億四千三百万円、厚生省、運輸省等に計上されている廃棄物処理施設整備費七百六十三億七千三百万円、地盤沈下対策として農林水産省の地盤沈下対策事業費六十一億九千万円、通商産業省の工業用水道事業費三十二億三千九百万円、建設省等の緩衝緑地整備事業費五十一億一千九百万円、通商産業省の休廃止鉱山鉱害防止工事費四十一億一千六百万円、運輸省の海洋環境整備事業費二十五億五千三百万円、港湾公害防止対策事業費二十二億九千七百万円、農林水産省等の公害防除特別土地改良事業費十六億六千五百万円などであります。
 第五に、公害防止調査研究の推進のため、総額四百三十億六千九百万円を計上しております。
 このうち主要なものは、環境庁の国立公害研究所経費四十二億三千三百万円、国立機関公害防止等試験研究費三十二億四千八百万円、通商産業省の大型工業技術研究開発費七十五億八千万円、新エネルギー技術研究開発経費七十一億二千二百万円、通商産業省等の省エルギー技術研究開発経費六十九億七千八百万円などであります。
 第六に、公害被害者保護対策の充実のため、環境庁の公害健康被害補償対策経費百八十七億七千万円など総額で百九十五億九千五百万円を計上しております。
 第七に、自然保護対策の推進のため、総額一千五十六億八千百万円を計上しております。
 このうち主要なものは、環境庁の自然公園等施設整備費三十一億八千三百万円、建設省等の公園事業費七百九十七億二千五百万円、古都及び緑地保全事業費二十三億五千五百万円、文部省の史跡等の買い上げ及び整備費八十二億九千六百万円、運輸省の港湾環境整備事業費三十一億五千二百万円、運輸省等の海岸環境整備事業費二十七億七千九百万円などであります。
 第八に、その他として、総額で五十九億四千万円を計上しております。
 次に、公害防止関係財政投融資の概要について御説明いたします。
 昭和五十五年度における公害防止関係財政投融資は、貸付規模等において総額一兆三千五百四十二億円を予定しており、前年度の当初計画額に比べ、百十一億円の増加となっております。
 機関別の内訳としては、公害防止事業団が契約規模で六百八十億円、日本開発銀行が貸付規模で八百二十億円、中小企業金融公庫が貸付規模で五百二十億円、国民金融公庫が貸付規模で七十五億円、大阪国際空港周辺整備機構が事業規模で四十億円、金属鉱業事業団が貸付規模で三十四億円、農林漁業金融公庫が貸付規模で三十億円、日本私学振興財団が貸付規模で七億円をそれぞれ予定しております。
 また、地方公共団体の下水道整備、廃棄物処理施設整備等の事業を推進するため、地方債計画において一兆一千三百二十六億円を予定しております。
 最後に、環境保全関係税制改正措置については、公害防止用設備、無公害化生産設備及び廃棄物再生処理用設備の特別償却制度について、適用期限の到来するものは二年延長し、あわせて対象設備の範囲の縮減及び償却割合の引き下げを行うこと等を内容とする改正を行うこととしております。
 以上をもちまして、昭和五十五年度の各省庁の環境保全経費等の説明を終わります。
#19
○委員長(小山一平君) 次に、公害等調整委員会の事務概況について説明を聴取いたします。青木公害等調整委員会委員長。
#20
○政府委員(青木義人君) 公害等調整委員会が昭和五十四年中に行いました公害紛争の処理に関する事務及び五十五年度総理府所管一般会計公害等調整委員会予算案について御説明申し上げます。
 まず、公害紛争の処理に関する事務の概要について申し上げます。
 昭和五十四年中に当委員会に係属しました公害紛争事件は、調停事件百八件及び被害と加害行為との間の因果関係について判断を求められた原因裁定事件一件の計百九件でございます。
 その内訳は、水俣病に関する調停事件九十一件、大阪国際空港騒音被害に関する調停事件十七件、仙台湾における養殖ノリ被害原因裁定申請事件一件でございます。
 昭和五十四年中に処理が終結しましたものは、水俣病に関する調停事件三十五件、申請人数八十八人でございます。これらは、水俣病と認定された患者に対するチッソ株式会社の損害賠償について、患者個々人ごとに具体的な支払い金額等を定める調停を成立させたものであります。
 その他、終結を見ていない事件につきましては、目下鋭意手続を進めているところであります。
 次に、全国の公害苦情の実態について申し上げます。当委員会の調査によれば、昭和五十三年度の総苦情件数は約七万件となっております。この苦情件数は、昭和四十七年度をピークに以後減少を続けましたが、五十二年度以降はほぼ横ばい状態になっております。これを公害の種類別に見ますと、騒音、振動に関する苦情が最も多く、三六%を占め、次いで、悪臭二二%、大気汚染一五%、水質汚濁一四%の順であり、これらで全体の八七%を占めております。
 以上の結果を踏まえ、当委員会といたしましては、公害苦情相談指導者研修会等の実施、公害苦情処理の参考資料の作成、配布、あるいは個別の事案についての指導、助言等、地方公共団体が行う公害に関する苦情の処理について積極的に指導等を行っているところであります。
 引き続き、昭和五十五年度の公害等調整委員会の予算案につきまして、その概要を御説明いたします。
 昭和五十五年度の総理府所管一般会計歳出予算案のうち公害等調整委員会の予算の総額は、三億五千七十五万円でありまして、これを前年度の当初歳出予算額と比較いたしますと、七百七十八万円の増額となっております。予算案の内訳は、当委員会に係属する事案の審理及び一般事務処理等のための経費五千九百万円、公害苦情の実態を調査し、その処理についての指導、研修及び情報提供等を実施するための経費三千百五十三万円のほか、人件費であります。
 以上が昭和五十四年中に公害等調整委員会が行ってまいりました公害等紛争の処理に関する事務及び昭和五十五年度の予算案の概要でございます。なにとぞよろしくお願いいたします。
#21
○委員長(小山一平君) 次に、公害防止事業団の事業及び予算について説明を聴取いたします。城戸公害防止事業団理事長。
#22
○参考人(城戸謙次君) 公害防止事業団の事業の概況について御説明申し上げます。
 当事業団は、発足以来昭和五十四年十二月末までの間において、造成建設事業については二百五件、二千四百三十六億円、貸付事業については三千七十九件、五千四十二億円、合計七千四百七十八億円の事業を実施してまいりました。
 造成建設事業の内訳としまして、共同公害防止施設は事業費二十五億円で十九件を完成譲渡し、共同利用建物は事業費五百六十一億円で六十六件中四十八件を完成譲渡し、工場移転用地は事業費八百十九億円で八十九件中七十九件を完成譲渡しております。また、共同福利施設は三十一件中二十三件を完成譲渡し、現在施行中の八件を含めた総事業費は一千三十一億円であります。
 一方、貸付事業につきましては、昭和五十四年度は十二月末までに六十九件、百三億円の貸付契約を行っております。
 次に、当事業団の昭和五十五年度予算案については、環境庁より御説明があったとおりでありまして、契約ベースで六百八十億円、その内訳は、造成建設事業が四百五十億円、貸付事業が二百三十億円であります。
 以上のような事業の進展に応じまして、これを遂行するための事務費等として三十九億円が交付金予算となっております。
 以上が、簡単ではありますが、公害防止事業団の事業及び昭和五十五年度の予算案につきましての概況でございます。よろしくお願い申し上げます。
#23
○委員長(小山一平君) 次に、昭和五十五年度陸上交通安全対策関係予算について説明を聴取いたします。三島交通安全対策室長。
#24
○政府委員(三島孟君) 昭和五十五年度の陸上交通安全対策関係予算につきまして、お手元に配付してあります予算調書によりまして関係各省庁の分を一括して御説明申し上げます。
 昭和五十五年度の予算総額は一ページの上段に示しますように九千三百七十七億一千六百万円でありまして、昨今の厳しい財政事情を反映して、前年度予算額九千八百九十億一千百万円に比べまして五・二%の減少となっております。
 以下、各項目ごとに説明いたしますと、一ページの1道路交通環境の整備につきましては八千五百七億五千五百万円、対前年度比五・八%減を計上しております。
 (1)の交通安全施設等の整備は、第二次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画の最終年度といたしまして一千二百十六億九千四百万円、対前年度比〇・八%減を計上しております。この内訳は、(ア)の交通管制システムの整備(警察庁分)が百六十億三千四百万円、対前年度比五・〇%減となっております。これは交通管制センター、信号機、道路標識等の交通安全施設の整備に要する費用について補助するための経費でございます。また、(イ)の特定交通安全施設等の整備(建設省分)は一千五十六億六千万円でありまして、全体の道路予算が減少した中でほぼ前年度並みの予算を計上しております。これは歩道、自転車道、立体横断施設、道路照明等の交通安全施設の整備に要する費用について国が負担し、または補助するための経費でございます。
 なお、昭和五十五年度に最終年度を迎える第二次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画につきましては、全体で一〇二・〇%、うち公安委員会分九四・九%、道路管理者分一〇三・九%の達成状況となり、若干ながら計画を上回ることとなります。
 (2)の改築事業による交通安全対策事業(建設省分)は四千五百七十二億三千五百万円、対前年度比五・二%減となっております。これは、現道拡幅による歩道等の交通安全施設の設置並びに現道に歩道等の設置が困難な区間における小規模バイパスの建設等に要する費用について国が負担し、または補助するための経費でございます。
 (3)の道路防災対策事業(建設省分)は八百二十二億九千九百万円、対前年度比三・九%減となっております。落石、なだれ等を防止するための道路施設の整備、路肩整備、交通危険個所の局部改良等に要する費用について国が負担し、または補助するための経費でございます。
 (4)の踏切道の立体交差化等は八百六十四億一千二百万円、対前年度比三・六%減となっております。この内訳は、(ア)の踏切保安設備の整備(運輸省分)が三十五億九千二百万円、対前年度比二・四%増、(イ)の踏切道の立体交差化等(建設省分)が八百二十八億二千万円、対前年度比三・九%減でございます。
 二ページに移りまして、(5)の交通安全対策特別交付金(自治省分)は四百九十一億五千三百万円でありまして、対前年度比三〇・六%減となっております。これは交通反則金の収入額に相当する金額を交通安全施設の設置に要する費用に充てるため地方公共団体に交付するものでございます。
 (6)の基幹公園の整備(建設省分)は第二次都市公園等整備五カ年計画の最終年度といたしまして五百九億七千三百万円、対前年度比四・三%増を計上しております。子供の遊び場を確保するための児童公園等の住区基幹公園及び総合公園等の都市基幹公園の整備に要する費用について補助するための経費でございます。
 (7)の緑道の整備(建設省分)は十二億一千三百万円、対前年度比一八・三%増となっております。これは基幹公園の整備と同じく第二次都市公園等整備五カ年計画に基づくものでございまして、路上における遊びや運動による事故を防止し、市街地における都市生活の安全性及び快適性の確保を図るための緑道の整備に要する費用について補助するための経費でございます。
 (8)の居住環境整備事業等(建設省分)は七億七千五百万円、対前年度比〇・九%増となっております。これは幹線街路に囲まれた居住地区内の交通事故を防止し、居住環境の改善を図るため、補助幹線街路、区画街路、歩行者専用道等を総合的に整備する費用について補助するための経費でございます。
 (9)の自転車駐車場整備事業等(建設省分)の(ア)の自転車駐車場整備事業は、通勤通学等のための自転車利用の増大に対処するため、鉄道駅周辺等で行われる自転車駐車場の整備に要する費用について補助するための経費でございますが、今後実施計画により定まるものでございまして金額は未定となっております。
 三ページに移りまして、(10)の総合都市交通施設整備事業(建設省分)は、都市の商業業務地区等の都心部、特に駅前周辺等における道路交通施設整備を総合的に実施するために要する費用について補助する経費でございますが、今後実施計画により定まるものでございまして金額は未定となっております。
 (11)の市町村基礎体力つくり・スポーツ振興事業(学校体育施設開放事業)(文部省分)は十億百万円、対前年度比三・二%減となっております。
 2の交通安全思想の普及につきましては二億三千二百万円、対前年度比一四・八%増となっております。
 この内訳は、(1)のダンプカー事業者に対する交通安全指導のための経費(総理府分)二千七百万円、対前年度比八・三%増、(2)の交通安全母親活動推進事業(総理府分)の委託事業等九千九百万円、対前年度比三三・八%増となっております。
 四ページに移りまして、3の安全運転の確保につきましては三百八十二億五千六百万円、対前年度比一二・九%増となっております。
 (1)の運転者対策の推進(警察庁分)は四千百万円、対前年度比一三・二%増で、教育環境の充実、指導者の資質の向上等に要する費用について国が負担し、または補助するための経費でございます。
 (2)の運転者管理センターの運営(警察庁分)は五億四千五百万円、対前年度比一四・七%増で、同センターの電子計算組織等の運営経費でございます。
 (3)の交通取締用車両等の整備(警察庁分)は十五億六千六百万円、対前年度比三一・〇%増となっております。
 (4)の交通取締体制の充実強化(警察庁分)は十四億三千三百万円、対前年度比七・〇%増となっております。
 このほか主なものとして(8)の自動車検査施設の増設、民間車検を行う指定整備工場の監督体制の強化等に要する経費(運輸省分)三百三十億四千万円、対前年度比一二・七%増等がございます。
 五ページに移りまして、4の被害者の救済につきましては四百七十八億二千九百万円、対前年度比六・六%減となっております。
 (1)の救急業務施設の整備(自治省分)は二億八百万円、対前年度比六・八%減となっております。
 (2)の救急医療施設の整備等(厚生省分)は九十四億八千三百万円、対前年度比一〇・一%増となっております。これは救急医療の体系的整備を図るため、初期救急医療体制、その後方病院としての第二次救急医療体制、さらに重篤救急患者を対象とする救命救急センターの整備とあわせて広域救急医療情報センターの整備等を推進することといたしております。
 このほか主なものとして(5)の通勤災害保護制度の実施(労働省分)は三百十三億一千三百万円、対前年度比一三・〇%減で、通勤災害について被災労働者及びその遺族の保護を図るための経費でございます。
 (6)の交通事故相談活動の強化(総理府分)は三億五千八百万円、対前年度比四・二%増となっております。既設の交通事故相談所の充実を図るとともに、支所を増設する費用について補助するための経費でございます。
 六ページに移りまして、(8)の自動車損害賠償責任再保険特別会計による補助等(運輸省分)は六十二億三百万円、対前年度比八・七%増となっております。この内訳として、(ア)の自動車事故対策センターに対する助成費は四十六億八百万円、対前年度比六・五%増を計上し、(イ)の被害者救済等は、交通事故相談業務、救急医療施設の整備等に要する経費について補助するための経費十五億九千五百万円、対前年度比一五・六%増で、この中には新規事業として交通遺児育成基金事業に対する補助が含まれております。
 5のその他は調査研究費でございますが、総額六億四千四百万円、対前年度比七・三%減となっております。
 以上、昭和五十五年度陸上交通安全対策関係予算について御説明申し上げました。
#25
○委員長(小山一平君) 次に、昭和五十五年度交通警察の運営について説明を聴取いたします。杉原交通局長。
#26
○政府委員(杉原正君) お手元に配付いたしました資料によりまして、昭和五十四年中の交通事故の概況と昭和五十五年中の交通警察の重点施策につきまして御説明をいたします。
 まず、「昭和五十四年中の交通事故発生状況」の資料によりまして、交通事故の概況について御説明をいたします。
 初めに、一ページの一の概況にありますように、前年に比べまして死者数につきましては減少をいたしておりますが、発生件数と負傷者の数は残念ながらわずかに増加をいたしております。特に、昨年は運転免許保有者数が六月の時点で四千万人を突破いたしましたのを初め、運転免許を必要とする車両の保有台数も十月末で約四千九百万台を数えるような情勢でございます。非常に厳しい情勢ではございましたが、関係機関、団体との連携によります総合対策の推進と国民の皆さん方の御協力、さらには改正道交法の運用等によりまして、交通事故による死者数は昭和四十六年以降九年連続減少するという成果を上げることができたのでございます。しかしながら、交通死亡事故は減少しつつあるといいますが、この数は発生後二十四時間以内のものに限られておりますし、しかも交通事故死者は不慮の災害による犠牲者の約半数を占めているという状況等がございますし、また、交通事故自体は先ほど申しましたように逆に増加する傾向にあるわけでございまして、内容的に見ましても解決すべき多くの問題があるように考えます。
 昨年発生しました交通死亡事故につきまして特徴を一ページから三ページにかけて記載してございますが、その要点について申し上げたいと思います。
 まず問題点の一つは、一ページの2の(1)にありますように、都道府県間の事故率に大変な較差があるということでございます。人口十万人当たりの死者数を都道府県別について見ますと、全国平均が七・三五人であるのに対しまして、最も高いところは高知の一三・一二人、最も低いところは東京の二・三八人ということでございまして、大変な較差があるわけでございます。
 問題点の二は、二ページから三ページにかけてありますように、死者の総数の中に占める歩行者と自転車利用者の死者の比率が非常に高いということでございます。全体の死者の中に占める比率は、歩行者が三四・三%と依然として高いわけでございますが、自転車利用者の一一・九%と合わせますと四六・二%になっておりまして、いわゆる交通弱者と言われる者の死者の比率が大変に高くなっている。これを欧米の主要国と比較してみますと、二ページに参考として書いてありますように、日本の場合は交通弱者の死亡率が非常に高いということが言えると思います。
 問題の三は、年齢別に見た場合には、二ページの(3)にありますように、他の年齢層が全部減少をしているのに対しまして、六十歳以上の老人層だけが絶対数で増加をしているということが特徴であろうというふうに思います。
 問題の四は、三ページの(4)にありますように、原動機付自転車と自動二輪車乗車中の死者が増加しているということでございます。特に、二輪車の保有台数の伸びに伴って事故も増加をいたしておりまして、前年と比較しましても原動機付自転車は一%、自動二輪車については三・三%、それぞれ増加をいたしております。
 問題点の五は、三ページの(5)にありますように、事故の第一当事者別に見ますと、事業用乗用自動車いわゆるハイタク、それに原動機付自転車などによるものが増加をいたしてあります。
 以上が昨年中におきます交通事故の概況でございますが、交通警察といたしましては、この減少傾向を長期的に定着させるための諸施策を強力に推進してまいりたいと考えておりますが、特に本年は死者、死亡事故の連続十年の減少を図り、それによって昭和四十五年のピーク時における交通事故死者数の半減目標を達成しようとする年でありますので、関係機関、団体との連携のもとにその目標達成に向かって努力していきたいと考えております。
 そこで、お手元に配付いたしました「昭和五十五年中における交通警察の運営」という資料に基づきまして本年の交通警察の取り組み方について申し上げたいと思います。
 まず一ページをごらんいただきたいと思いますが、八〇年代におきます交通警察の運営につきましては、これまでの七〇年代の成果の上に立って長期的展望のもとに所要の施策を推進していかなければなりませんが、道路交通にかかる情勢がますます複雑多様化することが予想されております。国民の交通対策に寄せる期待はさらに大きくなっていくもあと考えられるのでございます。特に国民皆免許によります大量交通時代の幕あけを迎えまして、従来の運転免許行政からドライバー行政への大きな転換を迫られておることや、さらには交通量の著しい増加に伴って交通公害のない平穏な暮らしを求める国民の要望などが一層強まってきておるわけでございます。
 したがいまして、これからの交通警察の運営に当たりましては、国民の理解と協力のもとに、真に国民行政としての交通警察行政の確立を図るという認識のもとに、新しい車社会に適応した施策の方向づけを行っていく必要があると考えております。
 そこで、本年は、この資料の二ページから三ページにかけてありますように三点ございまして、一つは歩行者等の交通の安全及び国民生活の平穏を確保するための施策の推進、第二にドライバー対策の推進と交通秩序の確保、第三に総合力を結集させるための体制の整備、この三つを重点目標にして各種の交通安全対策を展開していきたいと考えております。
 これらの重点目標の具体的な推進方策につきましては資料を御参照賜ることにいたしまして、説明を終わらせていただきます。
#27
○委員長(小山一平君) 次に、昭和五十五年度海上交通及び航空交通安全対策関係予算について説明を聴取いたします。永井総務審議官。
#28
○政府委員(永井浩君) 昭和五十五年度の海上交通及び航空交通安全対策関係予算について御説明申し上げます。お手元にお配りしてございます資料に基づきまして御説明をさしていただきます。
 まず最初に海上交通安全対策関係予算でございますが、合計で九百二十七億九千万円を計上してございます。この額は五十四年度に比べ二六・七%の減となっておりますが、このような減額となりました主な理由は、一つには港湾等の整備のうち従来交通安全対策関係予算に計上しておりました防波堤、泊地等の経費の一部が他の事項の予算として計上されたためでございます。
 さらに二番目といたしまして、海上保安庁関係の巡視船艇の整備の予算につきまして継続分が減少したために数字的には減額予算となったものでございます。
 各項目について簡単に御説明をいたします。まず一の交通環境の整備といたしまして五百七十六億九千六百万円を計上してございます。
 (1)の港湾等の整備といたしまして四百七十九億二千九百万円を計上しておりますが、これは東京湾口等の航路整備のための経費、避難港の整備のための経費、それから防波堤、泊地等の整備のための経費でございますが、特に防波堤、泊地等の整備につきましては、ちなみに昨年五十四年度と同様に経理区分いたしますと、ほぼ同額の予算と相なるわけでございます。
 次に、(2)の航路標識の整備でございますが、これは灯台等の光波標識、ロラン、デッカ等の電波標識の整備を行うための経費でございます。
 次に、2の船舶の安全性の確保といたしまして一億四千九百万円を計上してございます。
 内訳といたしましては、まず、(1)の船舶の安全基準の整備等につきましては、危険物の運搬船等に対する安全基準を整備するための経費でございます。
 (2)の船舶検査の充実は、当省が直接行います船舶検査の経費、それと、国にかわりまして小型船の検査を行います日本小型船舶検査機構に対する出資のための経費が計上されてございます。
 3の安全な運航の確保といたしまして百二十六億六千六百万円を計上しております。
 (1)の海上交通関係法令の周知徹底等は、巡視船艇による交通整理、取り締まりのほか、特に浦賀水道航路等における巡視船艇の常時配備による指導取り締まり業務に要する経費が含まれております。
 (2)の海上交通に関する情報の充実といたしましては、海図の刊行等の水路業務及び海洋気象情報の提供等の海洋気象業務の充実のための経費でございます。
 ページを繰っていただきまして、(3)の運航管理の適正化等といたしまして、旅客航路事業者に対する監査、指導の経費を計上してございます。
 (4)の船員の資質の向上等といたしましては、(1)の船員養成機関の充実といたしまして、航海訓練所、海員学校、海技大学校における教育等の充実のための経費が計上されておりますが、この中には、航海訓練所の大成丸の二年計画の二年目の経費三十八億五千百万円が含まれております。(2)の海技従事者国家試験の実施等といたしまして、船舶職員の資格試験のための経費を計上してございます。
 最後に、4の警備救難体制の整備といたしまして二百二十二億七千九百万円を計上しておりますが、(1)の巡視船艇及び航空機の整備強化といたしまして、ヘリコプター搭載型巡視船、千トン型巡視船を初めとする巡視船艇の増強、代替建造、航空機の増強及び航空基地の整備を行うための経費二百十三億二千万円がございます。巡視船艇及び航空機の整備につきましては、二百海里時代に対応いたしまして引き続きこれを行ってまいりたいと考えております。なお、五十五年度の新規分につきましては、五十四年度の新規分よりも巡視船艇の隻数、航空機の機数、予算額についていずれも増加しております。
 それから(2)の海難救助・海上防災体制の整備といたしまして、海上防災体制及び海上保安通信体制の充実強化を図るための経費九億五千九百万円が計上してございます。
 以上が海上交通安全対策関係の経費でございます。
 次に、ページを繰っていただきまして、航空交通安全対策関係予算について説明さしていただきます。
 合計で千八百九十六億三千二百万円を計上してございます。これは前年度と比べまして九・一%の増加となっております。
 次に、その各項目について御説明申し上げますが、まず、1の交通環境の整備といたしまして千八百二十三億三百万円を計上してございます。
 (1)の空港の整備、維持運営といたしましては、滑走路等の空港施設あるいはILS等の空港用航空保安無線施設の整備、運営のための経費千六百六十億九千七百万円が計上されてございます。
 (2)の航空路の整備、維持運営といたしましては、航空路監視レーダー等の航空機管制施設、航空保安無線施設等の整備及び維持運営のため経費百六十二億六百万円でございます。
 次に、2の航空安全対策の推進といたしまして七十二億四千七百万円を計上してございます。
 まず、(1)の航空安全対策といたしまして、航空機の耐空証明検査、機長の路線資格審査等を行うための経費一億三百万円が計上されてございます。
 それから(2)の航空機乗員の養成といたしまして、パイロットの養成をいたします航空大学校、管制官の養成をいたします航空保安大学校の教育等の充実のための経費が計上されてございます。
 (4)の航空保安施設の検査でございますが、航空保安施設の運用状況について航空機による飛行検査等を行うための経費が計上されてございます。
 さらに、(5)の航空気象施設の整備、維持運営といたしまして、航空気象施設設備の整備等業務の充実のための経費が計上されてございます。
 最後に3のその他でございますが、衛星航法に関する実験的研究、その他航空交通の安全確保のための技術的研究を行うための経費として八千二百万円を計上してございます。
 以上が航空交通安全対策関係予算でございます。
 これをもちまして、海上交通及び航空交通安全対策関係の予算の説明を終わります。
#29
○委員長(小山一平君) 次に、昭和五十五年度道路交通安全対策関係予算について説明を聴取いたします。
#30
○政府委員(山根孟君) 昭和五十五年度におきます建設省の交通安全に関する施策につきまして、お手元の資料「交通安全施策について」によりまして御説明申し上げます。
 第一は、一ページからの交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法に基づく事業等でございます。これまで道路交通上弱い立場にあります歩行者、自転車利用者の安全を確保するための歩道、自転車道の整備を最重点といたしますほか、立体横断施設、防護さく、道路標識等各種の交通安全施設等の整備を推進してまいっておりますが、昭和五十五年度におきましては、三ページにございますように、特定交通安全施設等整備事業費千四百五十八億日余を計上いたしております。
 また、一般の道路の改築事業におきまして、現道に歩道等の設置が困難な区間におきましては、通過交通を処理いたします小規模バイパスの建設、現道拡幅など交通安全に寄与する事業に約六千百五十二億円を予定しております。
 第二は、五ページにございます道路防災対策事業であります。飛騨川バス転落事故以来、危険個所を重点的に整備をしてまいっておるところでありまして、昭和五十五年度におきましては約千百八十五億円を計上いたしております。
 第三は、六ページからの踏切道の立体交差化等事業であります。八ページにありますように、事業費約千二百三十億円をもちまして単独立体交差化事業三百四十カ所及び連続立体交差化事業七十一カ所を実施することといたしております。
 第四は、九ページの大規模自転車道の整備事業であります。道路整備事業の一環といたしまして、事業費約百十七億円をもって継続事業四十四路線、新規四路線の整備を進めていくことといたしております。
 第五は、十一ページからの都市交通環境整備事業についてであります。まず、居住環境整備事業等といたしまして、十三ページにありますように、事業費約十五億円をもって新規三カ所を含む十七カ所の事業、六カ所の調査、次に総合都市交通施設整備事業として、中心業務地域の都市交通施設の総合的整備、十四ページの自転車駐車場整備、十五ページの民間自転車駐車場の整備、自動車駐車場の整備、十六ページにございます都市公園整備事業として約千二百七十六億円の事業費による住区基幹公園、都市基幹公園及び緑道二千六百十四カ所の整備をそれぞれ実施することといたしております。
 第六は、十九ページからの道路の管理についてであります。道路交通の安全を確保するための不法占用物件の排除や、地下埋設物に対する監査の強化、事業費二百三十八億円をもちましての共同溝の整備の促進、二十ページの大型車、重量車に対する事故防止対策の強化、財団法人日本道路交通情報センターを中心といたします道路交通情報の収集、提供の一層の充実を図ることといたしております。
 第七はその他でございますが、二十三ページにございます高速自動車国道における救急対策がございます。昭和五十五年度は約十八億円を見込みその拡充を図ることといたしております。
 次に二十四ページのトンネル等における自動車の火災事故防止対策についてであります。昨年七月に発生をいたしました東名高速道路日本坂トンネル事故の教訓にかんがみまして、建設省におきましてはトンネル非常用施設の技術基準の見直しを進めるとともに、可変式情報板等の設置の推進、危険物積載車両の指導取り締まりの強化、関係機関との連絡協調体制の整備等、所要の施策を講じ、トンネル内におきますこの種の事故の防止の徹底を期しているところでございます。
 次に、二十五ページにございます道路交通の安全に関する調査研究であります。昭和五十五年度は約六億円をもって交通安全施設等の整備に関連する調査研究を実施することといたしております。
 最後に、二十六ページにございます建設業者に対する交通安全についての指導でありますが、今後とも交通事故の防止の徹底について強力に指導を進めてまいる方針であります。
 以上、簡単でございますが、昭和五十五年度の建設省の交通安全施策についての説明を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
#31
○委員長(小山一平君) 以上で所信及び説明の聴取は終わります。
 質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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