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1949/02/17 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 本会議 第19号
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1949/02/17 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 本会議 第19号

#1
第007回国会 本会議 第19号
昭和二十五年二月十七日(金曜日)
   午前十時三十九分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第十七号
  昭和二十五年二月十七日
   午前十時開議
 第一 常任委員長辞任の件
 第二 外航配船促進に関する決議案(小林勝馬君外二十一名発議)(委員会審査省略要求事件)
 第三 日本学術会議法の一部を改正する法律案(内閣提出)(委員長報告)
 第四 連合国軍の需要に応じ連合国軍のために労務に服する者等に支拂うべき給料その他の給與の支拂事務の処理の特例に関する法律案(内閣提出)(委員長報告)
 第五 水先法の一部を改正する法律案(内閣提出)(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。
 この際、御報告いたしたいことがございます。先般我が国国会議員一行がマサチューセッツ州議会を視察するに当り、同州の上下両院は、本年一月三十日共同決議をなし、その決議文がマツカーサー元帥宛送付せられ、総司令部民政局長ホイツトニー准将より議長に伝達されました。右共同決議の要旨は次の通りであります。
  マサチューセッツ州議会は、日本国国会議員の来訪に対し歓待の意を表すると共に、一行の接待のため特に上下両院議員六名よりなる委員会を設けることとし、一行が本会議及び各種委員会の議事を見学し、米国人の抱懷する個人尊嚴の観念、国政の民主的運営並びに列国国民と友誼相和し、かち得たる平和の惠福等を熟知し得るように便宜を供與するものである。
 右御報告申上げます。
   〔拍手起る〕
 尚、本件に関し、議長はマサチューセッツ州議会の好意に対し深甚の謝意を表する旨、ホイツトニー准将に伝達方依頼することといたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#4
○議長(佐藤尚武君) 日程第一、常任委員長辞任の件。去る十一日、通商産業委員長小畑哲夫君及び決算委員長奧主一郎君から、それぞれ委員長を辞任いたしたい旨の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて本件は許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#6
○議長(佐藤尚武君) この際、日程に追加して、只今欠員となりました通商産業委員長及び決算委員長の選挙を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。
#8
○島村軍次君 只今欠員となりました通商産業委員長及び決算委員長の選挙は、成規の手続を省略して、議長において指名せられんことの動議を提出いたします。
#9
○小串清一君 只今の島村君の動議に請成いたします。
#10
○議長(佐藤尚武君) 島村君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて議長は通商産業委員長に高橋啓君を、決算委員長に谷口弥三郎君を指名いたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#12
○議長(佐藤尚武君) 日程第二、外航配船促進に関する決議案、(小林勝馬君外二十一名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題といたします。本決議案につきましては、小林勝馬君外二十一名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を判略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。小林勝馬君。
    ―――――――――――――
   〔小林勝馬君登壇、拍手〕
#14
○小林勝馬君 只今議題となりました外航配船促進に関する決議案に関し、発議者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申上げます。先ず案文を朗読いたします。
   外航配船促進に関する決議
  日本船舶による輸出入物資の輸送は、わが国経済自立上、国際收支改善の見地より、はた又民間自由貿易の不可欠の要件として、その制約は占領下の現在止むを得ない事情があるとはいえ、可及的に緩和せらるべきである。
  特に経済九原則の実施と均衡国家財政の確立とのため、船舶運営会予算の極度に圧縮された現在、商業的ベースによる外航配船の促進は、船主経済自立上の絶対條件となつている。よつて政府は、邦船の商業的ベースによる外舶配船促進の意義と重要性とを認識し、これが実現のため速かに最大の努力を拂われんことを要求する。
  右決議する。
 以上が決議文でありますが、決議の理由を申述べますれば、
 第一に、戰前の本邦海運は、対内的には国内産業の動脈をなし、対外的には本邦貿易の足として、その伸張に寄與すると共に、外国間の貨物輸送にも従事し、商品貿易の入超尻をカバーする唯一の貿易外收入として、それ自体重要な輸出産業の一つであつたのであります。即ち戰前のノーマルな経済状態にあつた一九三〇年乃至一九三四年当時の我が国の保有船腹は約四百万総トンで、そのうち約七五%乃至八〇%に当る三百万総トン以上は外国航路に就航し、その貿易貨物積取状況を見まするに、雑貨を除いた主要輸入貨物は、重要貨物約六百万トン、客積貨物約三百万トンで、その七五%は本邦船が輸入していたのであります。更に戰前における商品貿易と海運関係の收入との関係は、一九三〇年乃至一九三四年の商品貿易は平均七千万円の入超であるのに対しまして、貿易外收入のうちで海運関係の純收入は平均一億二千万円であつたのであります。商品貿易のアンバランスをカバーする唯一の外貨受取勘定であつたのでございまして、これを主要商品輸出額と比較いたしますと、生糸、綿織物に次いで常に第三位を占め、重要な見えざる輸出であつたのでございます。
 第二といたしまして、戰後我が国の貿易事情を見ますると、昭和二十四年三月までの輸入総額はガリオア及びエロア物資を含めまして約十三億ドルでありますが、同期間内の輸出は約四億五千万ドルでありまして、輸入額は輸出額の約三倍に達しておる現状であります。これが原因としましては、国際市場の狹隘化、本邦輸出規模の貧困、交易條件の不利等、種々の悪條件が挙げられるのでありますが、なかんずく入超の一人要因として考えられますものは海上運賃の負担の増大であるのでございます。戰後輸入品価格中、運賃の占める割合は戰前に比べまして著しくその比率を高めまして、輸出品平均五%、輸入品平均二四%となつております。特に輸入基礎物資である鉄鉱石、石炭、塩、石油等は相当の高率を示して、昭和二十三年の輸入総額約六億八千万ドルのうち、運賃の負担総額は一億ドルを算する厖大な額を示しておるのでございます。而も貿易貨物の積取は、日本港湾における日本船と外国船の外国貿易貨物の荷役実績から判断いたしますと、その約七五%が外国船に依存しておりまして、戰後の貿易外收支は厖大な赤字となつておるのであります。日本船舶による外航配船は、貿易外收支の改善、貿易の振興、延いては我が国経済の自立発展に欠くべからざる要件として、これが実現促進は現下喫緊の急務と考えられるのであります。
 第三といたしまして、現在の我が国の保有船腹は約百六十万総トンであり、而もその大半は性能低劣な御承知の戰時標準型船若しくは老朽の在来船でありまして、外航適格船、いわゆる国際船級取得船は僅かに十万総トン程度に過ぎない。この外航適格船の整備充実という重要な観点から、政府においては昭和二十四年度造船計画を立て、着々これが進捗中であり、更に又A型改裝が漸次実現されつつあり、これが完成の曉は約六十万総トンとなるのであります。併しながら連合軍の好意によりまして現在外航に従事しておる主な日本船舶は、貨物船約七万重量トン、油槽船二十万重量トンでありまして、外航適格船の相当部分は止むなく内航に従事せなければならない実情でありまして、一方荷動きの激減と相待ちまして内航は船腹過剩に陷り、現在船舶運営会所属船について見ましても約六十三万重量トンの指示待滯船を余儀なくされておる結果に相成るのでございまして、これにより船主経済に重大なる悪影響を與えていることは私がここで申述べるまでもないことでございます。更に経済九原則の実施によりまして、現在船舶運営会予算は極度に圧縮され、又一方昭和二十五年度には船舶運営会の廃止と、これに伴う僅かな予算で商船管理委員会が設置される方針と聞いておりますが、我が国の海運界の現状を見まするときに、外航配船を現状のまま放置して、かかる政策を強行することは、徒らに海運産業の危機を深刻ならしめるばかりであり、商業的ベースによる外航配船の実現こそ現下海運界の混迷を打開し得る唯一の活路として、この促進が待望されるのでございます。
 次に第四といたしまして、然らば外航配船制約の現状はどうであるかと申しますと、鋼船百総トン以上の日本船舶はすべて連合軍の監督の下に置かれ、就航区域、船型、速力等、諸種の制限を受け、あまつさえ被占領国としての国際法上の地位から、自由に輸出入物資の輸送を行い得る段階に立ち至つていないのでありまして、総司令部の好意による海外配船の日本船の現状はすべて、第一の連合軍の手により相手国と折衝して一隻ごとの配船を決定し、配船日取、運賃、その他運送條件等は盡く総司令部の決定に委ねられておるのであります。第二に、被占領国である我が国の日本船舶は通商航海條約に定める保護若しくは保障も受けず、日本国旗を掲揚して海外に航行することも許されておらない状態であるのでございます。日本の全船舶は連合国側の管理下にあり、これらが海外に配船を許されるのは総司令部の責任と保障の下においてのみ可能であることは言を待たないのでございます。併しながら一般貿易は国家管理貿易から漸次移行して、昨今民間自由貿易体制が確立されつつあるのであるから、これら民間貿易を主体としての民間海運業者をして、商業的基礎の下に、貿易の実際に即応し、荷主との運送契約の締結、外国港湾における積荷、食糧の入手、バンカーの補給等が可能となるようにされるべきであると考えるものでございます。
 勿論、商業的ベースによる自由運航体制を確立するためには、現在の総司令部の管理を解き、講和條約が締結され、国際法上の平時に復帰する日を待たねばならないことは申すまでもないことでございます。併し日本船舶の商業的ベースによる外航配給の促進は現下の我が国の焦眉の急務でありまして、その実現を先程申しました講和締結の日まで徒らに手を拱いて待つことはできない状態でございまして、被占領下の止むを得ない事情があるとはいえ、これは可及的緩和に努むべきであることは申すまでもないことであり、尚又相当の成果が期待し得られると信じて疑わないのでございます。
 よつて、ここに政府が外航配船促進のため速かに次の諸條件が充足されるよう最大の努力を拂われることを要求する次第であります。その第一点といたしまして、対日援助物資をも含めて、我が国輸出入物資の日本船積取割合を増大させること。第二点としまして、C・T・Sが現在行なつておる運賃その他運送條件の決定をでき得る限り緩和せられたいこと。第三点として、日本船航行区域に関し連合軍の包括的承認が與えられること、即ち一九四五年十二月十日附の緩和、即ちコムナムヒ・メモ・ナンバー一〇〇七の緩和であるのでございます。第四点といたしまして、外国港における食糧入手、燃料、罐水補給等を自由に行い得るよう措置せられたいこと。第五点としまして、日本海運業者の外地支店、出張所の設置可能なること、並びに外国商社に代理店を委嘱し得ること。第六点としまして、外国為替管理委員会管理の海運特別勘定の設定等の方法による外貨支拂の便宜が講ぜられること。第七点として、その他、日本船に対し通商航海條約が成立しているのとほぼ同一の待遇が與えられること等を、強力に実現されることを希望するものであります。
 以上が外航配船促進に関する決議案の趣旨でございますが、政府は現下我が国経済自立上、国際收支改善の見地より、更に民間貿易の不可欠の要件として、商業的ベースによる外航配給の促進に適宜なる措置を樹立して、これが実現のため速かに最大の努力を拂われんことを要望して止まない次第でございます。以上を以ちまして趣旨説明を終りますが、何とぞ満場の諸君の御賛同を賜わりたく存じます。(拍手)
#15
○議長(佐藤尚武君) 本決議案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。早川愼一君。
   〔早川愼一君登壇、拍手〕
#16
○早川愼一君 只今上程されました外航配船促進に関する決議案につきまして、私は緑風会を代表いたしまして、ここに賛意を表するものであります。
 我が国がその経済的特殊性のために、貿易及び海運の振興を図らねば経済的自立性を確保し得ないことは今更申上げるまでもございませんが、敗戰後におきまして、日本経済の変貌は、貿易及び海運のこのような役割を著しく重大化しておりますることは何人も否定し得ないところであると思うのであります。かかる事情に鑑みまして先般の第六臨時国会におきましては、貿易の飛躍的増大を図ることを目途といたしまして、外国為替及び外国貿易管理法を制定するの法的措置をとられましたことは諸君の御承知のところであります。併しながら海運につきましては、戰時中に粗製濫造されました大型船舶の改造と新造に対しまして、連合国総司令部の好意ある理解によりまして見返資金の融通が行われましたに止まり、日本船舶の外国航路の就航につきましては嚴格なる制限を受けておりまして、日本輸出入物資の大半は外国船舶によつて輸送せられ、大量の日本船舶は国内海運貨物の荷動き不振と相待ちまして、空しく各港に繋船せられるの悲運にあるのでありまして、この間我々は政府より何らの積極的政策を示されていないのであります。先程申上げました通り、海運が日本経済自立上大きな役割を與えられているにも拘わらず、このように逆境に放置されておりまするときに当りまして、外航配船促進に関する決議を決定いたしますことは、政府を鞭撻し、外航配船実現の端緒たらしめ、以て日本経済自立の一道程を画するの意義あるものと信じて疑わないのであります。この際、私は政府に対し、外航配船を実現し、且つ又円滑に実施せしむるために、次の諸施策の実現を要望するものであります。
 即ち第一点は、全面的に自由な外航配船が差当り困難でありまするならば、日本船舶による米国援助物資輸送割合の増大乃至は日本船舶の自由航行の区域についての包括的承認を得るよう関係筋に懇請することであります。第二の点は、将来の貿易構成にマツチした商船隊の整備を図ると共に、巨額に上る船舶建造資金につきましては、海外における先進海運諸国の施設に倣いまして、国家助成施設たる海事金融機関を創設することであります。第三点は、戰時中大量に速成教育されました船員の改善充実を図ることであります。第四点は、海外諸国に海運代表を派遣しまして、外航配船の円滑なる実施を図ることであります。
 最後に、幹は老婆心ながら海運業界に対しまして一言要望いたしまして、外航配船に関する決議案の賛成演説を終ろうと思うのであります。日本海運が国際海運市場からその姿を沒しましてから今や数年と相成るのでありますが、この間、政府統制方策のために、海運業者は概ね單なる船舶管理人の立場に置かれるに至つたのであります。曾て世界的海運人として常に国際海運事情を把握し、適時適切なる措置をとつておられましたのでありますが、この長い冬眠期間におきまして、世界の経済的構造は著しく変貌しておるのであります。私は日本海運界が今尚十分なる実力を保有しておるものと信じて疑わないのでありますが、現在の悲境に挫けることなく、常に調査研究を怠ることなく、外航配船実現の曉は響の音に応ずるごとく運営に万全を期せられるよう、更に一層の準備を進められんことを切望するものであります。かくいたしまして、関係官民の努力によりまして、少くとも日本貿易物資の半分は日本船舶により輸送を担当するの日の一日も近からんことを念願して結びといたしたいと思います。(拍手)
#17
○議長(佐藤尚武君) 横尾龍君。
   〔横尾龍君登壇、拍手〕
#18
○横尾龍君 只今議題と相成つておりまする外航配船促進決議案に対し私は民主自由党を代表いたしまして賛意を表するものでございます。
 提案の理由につきましては小林君より詳細に御説明がありました通りで、皆さんもよく御了承のことと存じますが、一言附加えたいのでございます。
 第一次欧洲大戰後より昭和の初期までにおきましては、海運界並びにこれに関連がある造船工業は極度の苦境に陷つたのでありますが、たまたま船質改善即ち古船に代えるに優秀船の建造と海運界先輩諸氏の御努力により漸次回復いたしまして、我が国の商船は当時の国際水準に達しておつたのでございます。従いまして貿易外に多額の外貨を獲得いたしまして、我が国の経済界に多大の貢献をいたしましたことはすでに御承知の通りであります。然るに戰時中に外航に適する船は殆んど全部を喪失し、急造の能率のよくない、いわゆる戰時標準型の船となつたのでございまして、敗戰後は輸出入の貨物はすべて外国船により輸送せられておりましたが、昭和二十三年度即ち第四次造船計画までに建造せられた船舶の中に少数ながら有資格の外航に適する船の建造を許可せられ、一方、貿易貨物の輸送も漸次許可されて来たのであります。併し尚、輸出入貨物の大部分は外国船によつて輸送せられておる現状であります。従いまして、これに要する多額の運賃、保險料を支拂わなければなりません。且つ又貿易業者としてはその商取引におきまして、自国船を使用するのに比し、傭船及び手続等に甚だしく不便不利を受けつつあるのであります。幸いに連合軍の御好意によりまして、昭和二十四年度の建造船は全部外航に適する優秀船の建造が許可され、その上に在来の戰時標準型船のうちA型船も多数外航に適するように改裝することが許され、更に又在来の大型油槽戰時標準船も同樣改裝いたしますれば、本年末には外航適格船は実に八十万余の総トンに達する見込であります。よつてこの際、外航を促進させて貰うことができますれば、我が国の海運界も漸次立ち直り、貿易の振興に寄與することができますし、同時に又海運界に密接なる関係を有する船造工業並びにその関連産業も現時の悲境を脱することができるのでございます。貿易の振興、生産の増強は国家再建の一要素であることは論を待たないのでありますから、各位の御賛同を得まして、同案の成立を切望するものであります。(拍手)
#19
○議長(佐藤尚武君) 小泉秀吉君。
   〔小泉秀吉君登壇、拍手〕
#20
○小泉秀吉君 只今上程されました外航配船促進に関する決議案につきまして、私は日本社会党を代表して、賛意を表するものであります。幾多の理由がございまするが、すでに提案者並びに賛成の方々から私の申したところの殆んど全部が盡されておりまするので、多少重複する嫌いがありますが、極めて簡單に一点だけ申上げて見たいと思います。
 日本の国際收支は戰前におきましても商品貿易の收支尻は赤字であつて、その赤字は海運收入を太宗とする金額によつて均衡が保たれてあるということは諸君の御承知の通りであり、すでに提案理由にも説明されたようでございまするが、敗戰によりまして厖大なる資源地帶を失つたのみならず、その狹小な所に八千万以上の人口を養つて行かなければならないというような只今の情勢におきましては、必然的に工業用資材、石油、食糧等の厖大なる輸入を増加することになりまして、その輸出貿易を振興して貿易收支の均衡を図りますために、現在国を挙げて努力をしておるのでありまするが、遺憾ながら諸般の事情のために、米国の対日援助によりまして辛うじて破綻を免かれておるというような状態でございます。併しながら経済的に自立できない国に政治的自由はあり得ないのでありまして、貿易收支の不均衡は是非とも解決されなければならない問題であろうと存じます。誠に日本経済政策の重点は国際收支の均衡確保に置かなければならぬと信ずるものでございます。然らば国際收支の均衡はどのようにして確保すべきでありましようか。戰前の海軍收入は、国際收支上その他、金額におきまして、実に先程も申されましたように生糸並びに綿織物に次ぐ大きな割合を占めておりますが、戰後におきまする諸般の事情を検討いたしまするときに、国際收支の均衡を確保し日本の再建自立を図る方途を再び海運に求めるの結論に到達せざるを得ないのであります。戰前六百万トンの大商船隊を擁して、世界第三位の海運国として七つの海に雄飛した日本海運も、甚大なる戰禍を蒙りまして、外国航路に就航し得る船腹は極めて微々たる惨状を呈したのでありまするが、連合国総司令部の理解ある指導と関係官民の熱意によりまして、一万トン型船舶の改造も、又新造計画も、先刻来詳細にお話がありましたように着々進捗いたしまして、外航配船の態勢は日一日と整備されつつあるのでございます。又一方、外国との貿易條件も、本年の一月からCIF輸出、FOB輸入取引が実施されることに相成つておるのであります。かような事態におきまして、外航配給に関する本決議案の上程されましたことは、誠に時宜に適した措置と存ずる次第であります。
 最に一点申し置きたいことは、海外における海運界の間におきまして、日本船舶の外航配船はそれぞれの自国海運を不利益な立場に置くものとして、これに反対する向きもあるやに聞いておることについてであります。資源に乏しく、多数の人口を抱いておる日本は、海運貿易による立国を国是としない限りその経済的自立は不可能であり、従つて政治的自由は望むことはできず、かくては世界平和に寄與するゆえんではないと信ずるものであります。又日本は世界に先駆して、新憲法によつて戰争を放擲しておるのでありまして、従いまして、その商船隊が予備軍となる虞れもないし、又獲得した外貨が戰争の武器と化する虞れも全くないのであります。一方、海運業の経営につきましても、企業民主化法令の制定によりまして、財閥や独占的経営形態から離脱しており、又海運労働者である船員につきましては高度の労働條件を規定する新船員法の実施されておりまする現在、低賃金を武器として国際海運市場において不当に外国海運を圧迫する虞れは全くないと言い得るのであります。これらの事情は海外における海運界も必ずや認識するものと信じて疑わないのであります。
 更に私は船員の立場から、只今のように日本船が海外の貿易に従事することのできないということがすでに五年も続いており、これからもいつ講和が締結されるか分らないというような、こういう状態におきまして、日本の船並びに船員が僅かに内国航路並びに特定の少数の海域にのみ航行することができるというような状態が継続するならば、如何に整備した教育機関、或いは商船大学というようなものを作りましても、恐らくは日本の曾て七つの海に雄飛したような海運は段々その跡を絶つて、船はできても終いには船に乘る優秀な海員がなくなつてしまうのではないかというようなことを憂えるものでありますので、かような意味におきまして、本員はこの決議案に全幅の賛意を表する次第であります。(拍手)
#21
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
#22
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)
 只今の決議に対し運輸大臣より発言を求められました。大屋運輸大臣。
   〔国務大臣大屋晋三君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(大屋晋三君) 我が国民経済に占める海運の重要性に鑑みまして、現在日本船舶に加えられておりまする諸種の制限の緩和を速かに実現するため、従来機会あるごとに関係方面に懇請して参つたのでありますが、未だに実現を見ず、誠に遺憾に存ずる次第であります。本日、本院におきまして、日本船舶の外航配船促進に関する決議案が採択せられ、政府に対し深い理解と積極的協力を寄せられましたことは、誠に感謝に堪えない次第であります。政府におきましては、今後一層この問題の解決に懸命の努力を拂い、この決議に副い、一日も速かに新船の建造及び戰時標準型船の改造により外洋適格船の整備を図りますと共に、これらの船舶を以て外航に配船せられます場合には、現在各種の制約の緩和を図り、商業的べースによる運航体制に移し、貿易の振興に資し、国際收支の改善に寄與せしめたい所存であります。(拍手)
     ―――――・―――――
#24
○議長(佐藤尚武君) 日程第三、日本学術会議法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。文部委員長田中耕太郎君。
    ―――――――――――――
   〔田中耕太郎君登壇、拍手〕
#25
○田中耕太郎君 上程になりました日本学術会議法の一部を改正する法律案につきまして、政府提案理由並びに質疑応答からして、極く大体におきまして改正の要点を先ず御説明申上げて置きたいと存じます。
 その第一点は、第七條に国会議員と学術会議会員との関係につきましての規定を新設したことでございます。第七條の第四項といたしまして「会員は国会議員を兼ねることを妨げない」ということにいたしたのでございます。この点につきましては、現に国会議員であり同時に学術会議会員である者もあるのでございます。で、現状を変更することにはなつておりませんのみならず、尚、規定の上におきましては衆議院議員選挙法と参議院議員選挙法との間に食い違いがございますので、その前者におきましては、議員と学術会議会員とが両立しないようなふうになつております。ところが参議院議員選挙法におきましては何ら規定が存在しておりません。御承知のように本院の決議で以て学術会議会員にもなれるようなふうになつております。従つてその点につきまして、現在仮に衆議院の選挙が行われましたとしまして、学術会議会員は立候補するためには学術会議会員をやめなければならないようなわけになつております。従つてその点はやめないでも済むように、そのまま立候補できるようにいたしたわけでございます。で、これは学術会議なるものの特殊性に基いておるので、一般官公吏、公務員と違つた性格を持つておるところからかように規定されたのでございます。
 第二点は第十七條の改正でございまして、この第十七條は、科学者であつて会員の被選挙権、選挙権を有する者の資格について規定しておるのでございます。その中で、現行法によりますると、その科学者の範囲を限りますのに「科学又は技術の研究者であつて、研究論の若しくは業績報告又はこれに代るべき所属の学会若しくは研究機関の責任者の証明により、研究者であることが証明される者でなければならない」ということになつておりますが、併しこの所属の学会若しくは研究機関の責任者の証明だけでは不十分な場合もあり得ることを考えまして、第二項を改正いたしまして、選挙管理会によつて認定せられた者でなければならないといたしたわけでございます。
 要しまするのに、この二つの改正点は現在の状態を特に著しく変更するものではないので、むしろ現在の不明な点を明瞭にした趣旨でございます。討論の段階におきましては、藤田委員から只今申上げましたような趣旨で以て賛成の意見が開陳せられまして、全会一致で以て可決すべきものと決定いたしました次第でございます。
 右御報告を終ります。(拍手)
#26
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
#27
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#28
○議長(佐藤尚武君) 日程第四、連合国軍の需要に応じ連合国庫のために労務に服する者等に支拂うべき給料その他の給與の支拂事務の処理の特例に関する法律案(内閣提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事黒田英雄君。
    ―――――――――――――
   〔黒田英雄君登壇、拍手〕
#29
○黒田英雄君 只今上程されました連合国庫の需要に応じ連合国軍のために労務に服する者等に支拂うべき給料その他の給與の支拂事務の処理の特例に関する法律案につきまして、大蔵委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 本案は連合国庫の需要に応じまして連合国庫のために労務に服する者及び公共事業に使用せられておりまする労務者に対する給與金は、労働基準法によりまして通貨で直接労務者に支拂わなければならないことになつておるのであります。然るに現在の支拂の状況を見ますというと。地区によりましては賃金の支拂額が月額数千万円にも達する所もあるのでありまして、支拂機関の位置、設備又は人員等の関係で、直接現金の支拂が困難な場合がありまするので、大蔵大臣の定めるところによりまして、日本銀行以外の銀行にその支拂事務の一部を委託することができるという特例を設けまして、給與金の支拂を迅速且つ確実にしようとするものであります。
 委員会におきましては種々熱心なる質疑応答が交わされたのでありますが、その詳細は速記録によつて御承知願いたいと思います。かくて質疑を終了いたしまして、討論に入り、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものなりと決定した次第であります。右御報告いたします。(拍手)
#30
○議長(佐藤尚武君) 本案に対し討論の通告がございます。発言を許します。中野重治君。
   〔中野重治君登壇、拍手〕
#31
○中野重治君 この法案に日本共産党は反対するものであります。その理由を簡單に説明いたします。
 これは賃金の支拂を或る部分改善するような見せかけをとつておりますが、内容は改善というふうなことに関係がないばかりでなく、進駐軍関係の労働者、及びどしどし失業者を出されておりますが、これが公共事業に吸收される、この公共事業に吸收される厖大な日本人労働力を安くて豊富な軍事労働力として吸上げるためのパイプに油を注いで、これを滑らかにする、そういう性質を持つております。その点で我々はこれに根本的に反対するものであります。その説明を簡單にします。
 これは政府の説明によつて、只今委員長は説明を速記録に讓られて、なさらなかつたようでありますが、これはいずれ我々も速記録も調べますが、昨日の労働委員会で労働大臣がこういうことを言つております。進駐軍関係労働者の賃金支拂の基礎に関係のある政令百十七号を池田大蔵大臣との話合いで一応廃止することになつておる、こういうことを言つておる。つまり、これによつて進駐軍関係の労働者の賃金は自由に切下げられる基礎が開かれておる。又これを土台にしてその他の労働者の賃金もどしどし切下げられるところの可能性が非常に大きく開かれている。これが昨日の労働大臣の説明であります。それだから、簡單に言えば、進駐軍関係の労働者への賃金支拂をよくするために特別の手を打つと、こう言つたところで、その支拂われるべき賃金は無限に切下げられる途が開いているのでありますから、これは非常に僞善的な改善に過ぎない。それから同じく昨日十六日の労働大臣に言葉によれば、この緊急失業対策費四十億というものは、その性格上、軍事的な方向へ使われておるということが明らかになつておる。現に鈴木労働大臣の言葉を使えば、殆んどロハのような労働力、それをこの公共事業に結び付けて、そうしてこれを軍事労働力に転化して行くのが非常にいい、公共事業という名前でそして失業者をどしどし吸收して行つて、これを軍事労働力に転化することの方が甚だよいということを一方において言つております。それから一昨日の建設委員会では東條政府委員の説明があつて、ここでも見返資金による公共事業費は軍事的に使われることが明らかになつておる。現に土地改良に関する費用は実際には農地災害の復旧には全然使われておらない。今後も使わないということが明らかになつておる。こういうところから見まして、この賃金支拂を改善するように見えるところのこの特例というものは、実はここにも書いてありますように、連合軍の需要に応じ連合国軍のために労務に服する者、及び公共事業費又は米国対日援助見返資金による公共事業に使用される労働者全般、これは相当厖大な労働力でありますが、これを軍事的な方向に動かして、その一点にだけ賃金支拂の便宜策を講ずるということでありますから、これは非常に平和を建前とする日本において犯罪的な性質のものになつて来ます。而もそれが実際においては見せかけに過ぎないということは、政令百十七号の廃止によつてもすでに証明されておる。(「内容がよく分らんのじやないか」と呼ぶ者あり)日本において現に進駐軍関係の労働者、公共事業費又は米国対日援助見返資金による公共事業に働いておる労働者自身が、軍事的に転化される労働力に対してのみ賃金支拂の改善策が講ぜられるというようなことは、彼ら自身これに対して強く反対しておる。こういうふうに使用される金はすべてこれを平和産業に振り向けられなければならない。これが、この法律の改正が適用されるようなそういう労働者自身の要求でもあります。又これは我が党の要求でもある。それだから日本の労働力を大きく軍事的な方法に持つて行こうとするこういう犯罪的なやり方、而もそれを見せかけの僞善的な方法でやろうとするやり方には、我々は明らかに反対するものであります。(拍手)
#32
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#33
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#34
○議長(佐藤尚武君) 日程第五、水先法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長中山壽彦君。
    ―――――――――――――
   〔中山壽彦君登壇、拍手〕
#35
○中山壽彦君 只今議題となりました水先法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 この法律案によりまして改正しようとしまする要点は次の三点であります。即ち第一点は、急速に水先入を置く必要がありまする場合において、水先人の免許の要件を緩和することであり、第二点は、以前に水先人であつた者に対し水先人の免許を與えようとする場合において、必要に応じ試験を行うことができるようにすることであり、第三点は、新たに水先区を設定することであります。
 これらの改正は、急速に水先人を充足せしめる途を開くと共に、最近出入外国船の急増いたしました和歌山県の下津を水先区としようとするものでありまして、いずれも必要且つ適切なる措置でありますので、本委員会におきましては、二月十六日愼重に審議の上、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 右簡單に御報告をいたします。(拍手)
#36
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#37
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#38
○議長(佐藤尚武君) 大蔵大臣から過日の自由討議における門屋盛一君の質問に対して答弁のため発言を求められました。この際、許可いたします。池田大蔵大臣。
   〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(池田勇人君) 先般門屋議員より昭和二十五年度の予算案につきまして、債務償還の額が非常に多いではないか、千二百数十億円の根拠並びに債務償還をせずに公共事業費その他緊急な経費を使うべきではないか、こういう御議論があつたようであります。これにつきまして私の考えを申述べてお答えにいたしたいと思います。
 御承知の通り昭和二十五年度の歳入歳出は六千六百十四億でございまして、昨年の予算よりも非常な減り方をいたしておるのであります。これが減りました理由は、価格調整費におきまして九百億円余、又一般会計から特別会計或いは政府関係の機関へ出資或いは貸付けます金額がこれ又一千億円近い減少を示しておる結果であるのであります。而してかく経費の減りましたものを如何に使うかという問題になりまして、私といたしましては、先ず減税に金額を持つて行き、而して又国土復旧に対しての公共事業費を盛り、そうして資本蓄積のために債務償還をする、こういう考えで予算を組んだのであります。従いまして前年度に比べましては減税を七百億円いたします。又公共事業費等必要な経費に数百億円の増加をいたします。そうして残りを債務償還にいたしたのであります。千二百八十億円の債務償還の内容は、二十三年度の剩余金四百十二億円の半額の二百六億円は、これは当然導政法によりまして国債の償還に充てなければなりません。而して又現在の国債の万分の百十六の三分の一、これはやはり法律によつて償還することになつておるのであります。この金額が十億円ばかりでございます。尚、借入金の償還期限の到来いたします分が六億円余りあります。そうしますと二百二十二億円というものは財政法上当然なさなければならぬ債務償還であるのであります。而して一般会計から別に五百億円の債務償還をいたしましたのは、先程申上げましたように資本蓄積のためであるのであります。併しこの五百億円を一般会計から債務償還いたしまするその根拠は、今我々の持しておりますデイス・インフレ政策というものは、政府並びに地方を通じて借金をしないという政策であるのであります。国の方で五百億円返しましても、地方の方で只今四百億円ばかりの債務を殖やして行こうといたしておるのであります。だから国では債務償還いたしまするが、地方団体では債務を殖やしておる。で、国と地方を通じて見れば、別に債務償還したことにはならないのであります。五百億円を債務償還いたしました根拠は、この五百億円余裕が出て来た中には復興金額金庫からの繰入れが百八十七億円あるのであります。この復興金額金庫から一般会計への繰入れは、何が故にこうなつて来るかと申しますと、御承知の通りに本年度におきまして見返資金から六百二十三億円の復金債の償還をいたします。そうして又一般会計から三百億円の償還をいたします。今まで復金が債券を発行しておりましたところの一千億円近い金はもう今年度で拂つてしまいました。で復金の債券は国のものになつておるのであります。この債券額は一千億円ばかりであります。この一千億円を回收して一般会計へ入れるのであります。この基は見返資金から債券を償還しておるのでありますから、本当の国民の負担による債務償還ではないのであります。この金額は、百八十七億円の中で見返資金によつてやつたものが七割ぐらいと考えますというと、百数十億円というものは当然見返資金即ちアメリカの納税者の負担によつて償還することに相成るのであります。そうしますると、残りの三百二三十億円というものが国民の税によつて償還することになるのでありますが、地方の方で三百億乃至四百億の地方債を発行いたしますので、財政的には税によつて債務償還をするということにはならないのであります。而も又千二百八十億円のうち、別に五百億円というものを見返資金から償還するのでありますが、この見返資金は御承知の通りに千五百億円に相成つておるのであります。このうち公共事業に四百億円使い、或いは私企業の直接投資に四百億円使う、そうして二百数十億円を翌年度へ繰越することになつておるのであります。或る人は曰く、全部公共事業に使つたらよい、或いは私企業に直接投資をした方がよい、こういう考えでありますが、私といたしましては、大体公企業にも私企業にも政府が直接投資すると同時に、やはり今までの債務を償還いたしまして、銀行から銀行家の創意工夫によりまして重点的に必要な産業へ金を流すことも一つの方法であると考えまして、かくいたしたような次第であるのであります。こんなに債務償還ができます主なる理由は、一つには政府の経費の非常に節約いたしましたことと、一つはアメリカの援助資金があることであるのであります。我々は今後共政府の経費を節約いたしまして減税或いは公共事業に持つて参りますが、アメリカの援助というものはいつまでも長く期待はできません。従いまして、この機会において直接投資に使うことは勿論でありますが、相当部分を債務の償還に充て、将来の我が国の財政を健全に導いて行かなければならぬというのが念願であるのであります。かような理由によりまして、今年は千二百八十億円の債務償還をいたしたのであります。この二十五年度においてそういたしました。二十五年度において千二百十八億円の債務償還をいたしましたことは非常に多いということが問題になつておるのでありますが、二十四年度におきましては御承知の通りに千五百数十億、二十五年度よりも二十四年度の方でもつて債務償還をしておるということは御承知の通りであります。私は日本の経済が安定の度を強めますると同時に、この債務償還も将来は段々減つて行つて然るべきではないかと考えております。(拍手)
     ―――――・―――――
#40
○議長(佐藤尚武君) この際お諮りいたします。栗栖赳夫君から病気のため十二日間請暇の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。
 本日の議事日程はこれにて終了いたしました。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十八分散会
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○本日の会議に付した事件
 一、渡米議員団に対する米国マサチユーセツツ州議会の共同決議に関する報告
 一、日程第一 常任委員長辞任の件
 一、常任委員長の選挙
 一、日程第二 外航配船促進に関する決議案
 一、日程第三 日本学術会議法の一部を改正する法律案
 一、日程第四 連合国軍の需要に応じ連合国軍のために労務に服する者等に支拂うべき給料その他の給與の支拂事務の処理の特例に関する法律案
 一、日程第五 水先法の一部を改正する法律案
 一、門屋盛一君の質疑に対する大蔵大臣の答弁
 一、議員の請暇
ソース: 国立国会図書館
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