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1979/04/01 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 予算委員会第四分科会 第3号
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1979/04/01 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 予算委員会第四分科会 第3号

#1
第091回国会 予算委員会第四分科会 第3号
昭和五十五年四月一日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   分科担当委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     内藤  功君     神谷信之助君
     山田  勇君     喜屋武眞榮君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     広田 幸一君     赤桐  操君
     赤桐  操君     勝又 武一君
     村沢  牧君     穐山  篤君
     穐山  篤君     高杉 廸忠君
     柏原 ヤス君     内田 善利君
     神谷信之助君     橋本  敦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    主 査         亀長 友義君
    副主査         原田  立君
    分科担当委員
                石本  茂君
                鈴木 正一君
                真鍋 賢二君
                穐山  篤君
                勝又 武一君
                高杉 廸忠君
                広田 幸一君
                村沢  牧君
                内田 善利君
                柏原 ヤス君
                神谷信之助君
                橋本  敦君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  野呂 恭一君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  土屋 義彦君
   政府委員
       人事院事務総局
       給与局長     長橋  進君
       環境庁長官官房
       長        正田 泰央君
       環境庁長官官房
       審議官      石川  丘君
       環境庁長官官房
       会計課長     神戸 芳郎君
       環境庁企画調整
       局長       金子 太郎君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  本田  正君
       環境庁自然保護
       局長       藤森 昭一君
       環境庁大気保全
       局長       三浦 大助君
       環境庁水質保全
       局長       馬場 道夫君
       厚生大臣官房会
       計課長      小林 功典君
       厚生省公衆衛生
       局長       大谷 藤郎君
       厚生省環境衛生
       局長       榊  孝悌君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部長  山村 勝美君
       厚生省医務局長  田中 明夫君
       厚生省薬務局長  山崎  圭君
       厚生省社会局長  山下 眞臣君
       厚生省児童家庭
       局長       竹内 嘉巳君
       厚生省保険局長  石野 清治君
       厚生省援護局長  松田  正君
   説明員
       文部省大学局医
       学教育課長    川村 恒明君
       文部省管理局教
       育施設部助成課
       長        横瀬 庄次君
       労働省労働基準
       局監督課長    岡部 晃三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十五年度政府関係機関予算(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(亀長友義君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 昨三十一日、内藤功君及び山田勇君が分科担当委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君及び喜屋武眞榮君が分科担当委員に選任されました。
#3
○主査(亀長友義君) 昭和五十五年度総予算中、環境庁及び厚生省所管を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。広田幸一君。
#4
○広田幸一君 私は質問に入る前に、大臣に若干意見を確認をして質問に入りたいと思います。
 医療財政が三Kの一つとしてやかましく言われまして、厚生省としてもいろいろ苦労されて努力されておることは私もよく承知しております。私は、医療問題というのは、最終的には国民一人一人が自分の健康は自分で守っていくという、そういう理念に立たなければいけないと思います。それからもう一つは、やっぱり医療機関が良心的に協力する。両者相まって私は、年々この増大をする医療費の節減はできる、こういうふうに思っておるわけですが、一方難病――非常に重い病気にかかって困っておる人たちに対してはできるだけのやっぱりめんどうを見てあげる、これが私はいわゆる国の医療行政の基本でなければならない、こういうふうに思っておるわけですが、そういう点について大臣のひとつ見解をまずお聞きして質問に入りたいと思います。簡潔に御答弁願いたい。
#5
○国務大臣(野呂恭一君) 広田先生御指摘のとおりだと私も考えます。医療行政を進めるに当たって、今日の医学、医術の進歩、あるいは人口構造の高齢化などに伴いまして疾病構造が大きく変化をしてきておるわけでございますから、それにどう対応していくか、
   〔主査退席、副主査着席〕
またもう一つは、地域のいろいろの実情に応じた医療体制を整備して、国民みずからの健康管理とともに、これを補い、それを育てていく医療体制というものが大変必要なことでないかと考えるわけでございます。
 したがって、大きな医療需要に関しましては、医療施設の体系的な整備はもちろんでありますし、医師、看護婦の医療従事者の養成、確保とともに、その医療に当たるべき的確な行政指導をも十分果たし得ながら国民のいろいろのニーズにこたえていくということが大変大事な今後の医療行政の目標でなかろうか、かように考える次第でございます。
#6
○広田幸一君 ちょっと私の意図した質問に大臣は、気持ちはわかるんですけれども、焦点をしぼって意見を拝聴することができなかったうらみもありますが、これから私は難病中の難病でありますところの腎臓、特に人工透析、その問題に関連をして数点質問をしますが、何せ時間がありませんので、質問も要点をよく質問したいと思いますけれども、簡潔に御答弁を願いたい。
 まず一つは、いわゆる人工透析中における食事の提供の問題、これは私が一昨年の十月に保健局長に質問しまして、保健局長の方からは、全国でばらばらで出すところと出さないところとがあると、そういうところはきちっと厚生省の方がいいぐあいに指導すると、こういうふうに答弁されておるのでありますけれども、私の承知しておる限りにおいては、かなりのところで提供されていない。ばらばらになっておるわけですね。そういう実態をどういうふうに掌握しておられるのか、御答弁願いたい。
#7
○政府委員(石野清治君) 一昨年、社労委員会で広田委員の方からそういう御指摘がございました。私どもも各都道府県の方に対しまして、そういうことではいけないということで、実はその指摘されました翌年の一月の課長会議におきましてその旨を強く申し上げまして、すぐ是正するように指導いたしたわけでございますが、さらに今年の一月の課長会議、それから全国の医療専門官会議というものを持っておりますが、そこにおきましても具体的にこの例示をいたしまして、こういう問題については即刻是正するように措置をいたしたわけでございます。県によってまだ若干のばらつきがあるようでございますけれども、県によりましては正式に文書をもって、各医療機関の方に指導しておるところもございます。そういう実情でございまして、まだ全国的に全部一律にというわけにはまいりませんけれども、相当是正されてきたというふうに考えておるわけでございます。
#8
○広田幸一君 局長ね、やっぱり私も二、三の自治体に行ってみたんですけれども、厚生省の方が出しておるこの通知にやっぱり問題がある。「透析時間中に食事が供される場合であっても、所定点数に含まれるものである」と、これの解釈がまちまちなんですよね。これがはっきりしておれば私はいまのようなまちまちな混乱は起きていない。医療機関によっては、出そうと思えば出すし、出すまいと思えば出さないという勝手な解釈になるわけですね。しかも県なんかは公的機関ですから、自分のところが出すということになれば、県内の民間のそういう医療機関に対しても出しなさいという、そういう指導をしなければならないという立場になると思うんですね。そういう点からしますと、いろいろ課長会議等で徹底をさしておられるということでありますけれども、私は少なくとも中国五県の場合を調べてみましたら、中国五県では公的機関はこれは出していないというふうに把握しておるわけです。ですから、それをしてみますと、全国四十七都道府県の中で出しておるというところは比較的少ないではないかと思うんで、私はこの論争をあなたとここでやってみてもなかなか尽きないと思いますので、この解釈をはっきりしてもらうように、私はできるだけ近い時期にひとつお願いをしたい。
 いま局長の方からどうしますという答弁ができなければ後で結構でありますから、委員会に対して、あるいは私に対して、この解釈はこういうふうにしますと、こういうふうにひとつしていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#9
○政府委員(石野清治君) 再三の指導にもかかわらず徹底しないということにつきましては、私ども大変遺憾に思っておるわけでございまして、いま先生のおっしゃいました点について、私どももっと明確な指示をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#10
○広田幸一君 続きまして私は、透析患者が非常にふえておるわけですね。四十九年末で九千二百四十五名であったものが五十四年度の末には三万六百三名。この数字はそんなに違っていないと思うんですが、非常にふえておるわけですが、なぜこういうふうにふえるのかという原因でございますね、この原因と、非常に難病ですからそれを防止する、予防するための措置はどういうふうにやっておるのか、ひとつこれも時間がありませんから簡潔に御答弁願いたい。
#11
○政府委員(大谷藤郎君) 腎不全患者の数は確かに数の上では増加しておりすけれども、これは先ほどからお話しの人工透析技術が最近非常に発達いたしまして患者さんが累積いたしまして、結果として数が非常にふえておるというふうに私どもは理解しているわけでございます。腎不全と申しますのはいろいろな腎臓の病気の最後の像でございまして、そういった最初の腎臓の病気というものを食いとめることが、結局腎不全患者というものを減らすことになる、透析の患者さんを減らすことになるという観点で、私どもは現在難病対策の中で腎糸球体障害調査研究班というのを全国の大学の先生方を横断的に班編成していただきまして、この原因の究明ということに非常に力を入れているわけでございます。
 ちなみに申し上げますと、腎不全の原因になります病気には、たとえば感染、つまりいろんな腎盂腎炎でありますとか糸球体腎炎、あるいは腎結核というふうな感染によるもの、また退行性変化によって起こるもの、膠原病によって起こるもの、あるいは代謝性疾患によって起こるもの、先天性異常によって起こるものと、いろいろむずかしい原因がございまして、そういった原因を究明してその予防策を図るということが一番肝心なものと考えて、それに努力をいたしている次第でございます。
#12
○広田幸一君 これは専門でない私がそういうことを申し上げると、あるいは問題が起きるかもしれませんが、いまは大分是正されてきたと思うんですけれども、透析医療機関というのは非常に収益を上げておったという事実があるわけですね。現在は多少是正されておるかと思うんですが、それで簡単に――簡単という表現は誤りがあるかもしれぬが、この患者は透析患者だというふうに認定をする認定の仕方が比較的安易、お医者さんから言うと安易と言っちゃ怒られるかもしれませんが、私は鳥取県の中央病院に行ってこの間調べたんですが、あそこは検討会というものを開いておりまして、そしてそういう患者があればもう関係のお医者さんが集まって、本当にこの患者は透析患者にしなきゃならないのかということをあらゆる角度から検討する。本人の家族に意見を聞くとかいろんなことをして、あるいは生活条件を聞くとかそんな方法をとってやっておる。簡単にこれは人工透析にしますと、昔は非常に収益があるものですから職員にほう賞金をやって患者を連れてきたというような極端な例も事実あったわけですから、そういうことを考えてみますと、若干そういうことがあるではないかということを私は危惧する。
 それからもう一つは、いまおっしゃったですけれども、小学校の義務教育のときから検尿するわけですね。あのときにネフローゼがあると。ところが小学校、中学校、高等学校に行くとずっと忘れてしまって、大人になったときにこれになる。ですから、私はそういう学校のときの、検尿のときのデータをもって追跡治療をずっとしていけば私は少なくなるんではないかということをあるお医者さんから聞いたわけですね。こういう点はやっぱり文部省と厚生省とが連携をとってやればできることではないかと、こういうふうに思っておるわけです。なぜ私がこの人工透析のことを言うかといいますと、本人も実際どんなことがあったって、どんなに天候が悪くても、どんなに遠い距離でも病院に行かなければ、透析しなければ死ぬるという、本当に気の毒な病気ですから、それからしかも医療費が非常に高くつく。そういう意味で私はこういう原因についてもっと厚生省もいろいろ研究機関を持って研究しておられるということですけれども、そういう点私は素人なりに思うんですが、私の言っておることは全く間違いかどうか、ひとつ見解をお聞かせいただきたいと思います。
#13
○政府委員(田中明夫君) 先生御指摘のような話は、私どもも耳にするわけでございますけれど、実際にそういうことがあるというようなことを見聞したわけではございません。ただ、そういうような話もございますので、厚生省では昭和四十八年に腎臓病の専門家による腎不全対策委員会を組織いたしまして、人工透析の療法の適正な基準を作成して公表いたしました。それとともに専門家の集団であります人工透析研究会に委託いたしまして、毎年研修会を実施しまして、この適正基準を、医師あるいは看護婦等の関係職員を対象として周知徹底を図っているところでございますが、今後ともこの努力を推進してまいりたいと思っております。
#14
○広田幸一君 数字が示しておりますように非常にふえておるわけですから、さっき局長がおっしゃったように、確かにいまごろそういう人工透析といういい機械ができてからやっぱりそれに入りたいということはわかるわけですけれども、余り極端に伸びておるように感じますので、ひとつ本人もそうですし、医療費もかかることですから、今後十分にこれが対策に努力してもらいたいということを要望しておきたいと思います。
 次は、問題の移植の登録でございます。これも私がいろいろ資料取ってみたところ、五十二年の六月からこういう普及会が登録制度をとっておるわけですが、ことしの五十五年の二月現在で八千四百六十九名なんですね。私はこれは伸びが非常に低いと思うんですが、なぜ伸びていないのか、この点お聞かせいただきたい。
#15
○政府委員(田中明夫君) 先生御指摘のとおり、腎臓提供者の登録事業というのは昭和五十二年の六月から腎臓移植普及会が実施しておるわけでございますが、五十二年度におきましては、従来からたまっていたそういう登録希望者がおったわけで、一応五十二年度末までに三千三百名余が登録されたわけでございます。で、五十三年度の一年間は千三百九十五人ということでずっと数が減っております。ただ、一般的なこの腎移植についての知識の普及あるいは関係者の努力等によりまして順次ふえてきておりますようで、五十五年度につきましては、これはまだ二月の末までの数字でございますけれども、一応十一カ月で三千七百七十人という数になっておりますので、私どもは今後ともこの腎提供につきまして国民の理解を得るように、あらゆる機会を通じて啓蒙等努力してまいりたいと思っております。
#16
○広田幸一君 まあ経過はわかるわけですけれども、私はこの間五十五年一月十九日の日本医事新報で見たんですけれども、
   〔副主査退席、主査着席〕
筑波大学の臨床医学系外科、同じく社会医学系公衆衛生学、これは岩崎、加納、こういった教授によってやられておるんですが、この筑波大学において腎移植について意識調査をやっておるわけです。局長見られたかどうか知りませんが、私も見まして、本当にもういろんなことを考えてりっぱな私は意識調査ができておると思うんですね。あれを見ますと、六〇%から七〇%の人たちが腎臓を移植してもよろしいと、人類愛という立場からやって上げていいとなっているわけです。ところが、事実は登録してないというのは、やっぱり勧誘、啓蒙宣伝が足りないとか、自分が普及会に行ってやらないとかということが大きな原因だろうと思っておるわけですね。
 ですから、私は今後そういう啓蒙、普及をすれば急速に伸びるんではないかというふうに判断をするわけですが、私も実は登録しておるわけです。もう当初から登録しておるわけですが、社団法人の腎臓移植普及会というのが新橋にありまして、私は行ってここでいろいろ何したんですが、ところが、ここの財政というものは企業の寄付とか個人の寄付でやっておるわけですね。財政がないわけです。確かに政府の方から若干の補助金は出ておりますけれども、本当に事務費程度でありまして、啓蒙普及というような段階に行かないわけですね。ですから私はこういうのにもっと力を入れるべきではないか。しかも、いわゆる腎臓移植に関する法律、大臣も御承知のように去年の十二月にいろんな経過をたどってせっかくできておるわけですから、私はこういう法律ができた以上は国も責任を持って啓蒙し、移植した場合にはそれなりの補助をしていくというやっぱり義務といいますかね、責任というものが政府にもあると思うんですがね。私はそういう意味で大臣にこの問題について積極的に、予算で見ると余り伸びてないように私は思うんですが、ひとつ大臣の前向きな御答弁をいただきたいと思います。
#17
○国務大臣(野呂恭一君) 先般制定されました角膜及び腎臓の移植に関する法律、せっかくこの法律ができたわけでございます。この腎臓移植の普及に対して大きな寄与をされるものでございまして、したがって、この患者に対する励ましになり、またお医者さんに対しての大きな励ましであると思います。したがって、医療行政の面からも大変有意義なことでございますから、これをどのように普及するかということが大変大事な問題でありまして、御指摘のようにこの普及に関しまして、普及会に対する助成費も必ずしも多いわけでございません。普及費に対しまして五十五年度も御承知のとおり百六十八万九千円程度でございます。これはさらに経費を、何といいますか、補助金をふやしながら、この普及に一層努めてまいらなければならない、かように考える次第でございます。
#18
○広田幸一君 大臣、そういうことでひとつがんばっていただきたいと思いますが、ひとつ具体的に認識を深めてもらいたいと思うんですが、これは生体移植と死体移植がありますが、生体移植の方はなかなか問題があるということは私は承知しておりますので、これからは死体移植の方に積極的に取り組まなければならないと思うんですが、いま大臣おっしゃった、大体死体移植の場合は取り出すお医者さんや看護婦さんのそういう費用に大体二十万ほどかかっておるというふうに聞いておるわけです。その半分は普及会が出し、半分を国が出しておるというふうになっておるわけですが、普及会の方へ聞いてみますと本当に金がないようであります。ですから、二分の一の国の補助率をもっと高めるとかというような方法はないものか。具体的には五十四年度に百九十六万六千円というものが出ておるわけですね。これは二十件に対する補助としてそれだけ出ておるわけです。ところが、実際は二十三件あるそうです。そうしますと、三件分が足りないわけでしょう。ですから、これなんかは後で継ぎ足しができないものかどうなのか、そういうふうなこともあるんで、国も予算の関係があると思いますけれども、最初は二十件ぐらいであろうと思っておったのが二十三件になったわけですから、これは普及会の事情もあるわけですから、予算措置では何とかならないものかどうか、この点をお聞きしておきたいと思います。
#19
○政府委員(田中明夫君) 腎の摘出の費用は大体先生御指摘のとおり二十万円の単価ということで組んでいるわけでございますが、ケースによってはそれじゃとても足りないというようなことも聞いておりますし、結局いまお話のあった数の面でも、あるいは一件当たりの単価につきましても、いろいろと普及会の方に御迷惑をかけているという面があるのではないかと私どもも思っておりますので、今後とも必要な予算の獲得に努力してまいりたいと思います。
#20
○広田幸一君 そのようなひとつ今後御努力をお願いしておきます。
 あと二点ありますが、時間がなかったら一点だけで終わりますが、実は大臣、こういう問題があるわけです。これは私も気がつかなかったんですが、私の県でありますが、一つの郡がありまして、その郡は町村が九つあるわけです。その中の東郷町という町には透析患者が三名おるわけです。三人いらっしゃるわけです。他の町村にはいない。それで保険料をずっと、健保を比較してみますと、御承知のように年間高額医療の補償があるとは言いながら九百万から一千万円かかるわけですから、非常に医療費がかさみまして、各世帯当たりの保険料がずいぶん高くなっておるわけですね。そういうことを取り上げると患者の人にも非常に悪いんですけれども、実際不均衡の結果になっておるわけです。現在国保の財政の補助制度というものはございまして、一般の給付交付金とそれから調整と緊急と三つあるわけですが、何かそういうものを査定をするという言葉になりますか、査定をするときに特にそうした医療費のかさんでおる自治体については特別に配慮するというか、配分の場合に補助金をするとかというようなことを前向きに私は検討する必要もあるではないかと、こういうふうに考えるわけでありますが、大臣でも結構ですし、関係者の方から御答弁願いたいと思います。
#21
○政府委員(石野清治君) 国民健康保険におきます医療費の助成でございますが、御案内のとおり定率の四〇%で補助いたしておりますが、そのほかにたとえば人工透析等によりまして医療費が急にふえるという市町村がございます。そういう場合につきましては、財政調整交付金というものでその市町村間のアンバランスを是正するということで援助をいたしておるわけでございますが、これがちなみにいま御審議願っております五十五年度予算で申しますと、その財政調整交付金だけで約二千二十二億に上っております。これによりまして相当な市町村につきましては全部というわけにはまいりませんけれども、大半のそういう医療費の不均衡の是正という点につきましては十分対処できるというふうに考えておるわけでございます。
#22
○広田幸一君 現にある制度の中で人工透析患者の医療等についても考慮されているということですか。
#23
○政府委員(石野清治君) そのとおりでございます。
#24
○広田幸一君 そうしますと、私が先ほど申し上げた一つの郡の中で透析患者があるところ、ないところで、きょうちょっと資料を事前に渡せばよかったのですが、実は細かくやったやつがあるんですね。ですからそこの町はほかの町村に比べて、村は別です。大体同じような規模に比べて世帯のそれが高いんですわね、かなりね。ですからそのことが確かに考慮されておるでしょうけれども、部分的に見ますと、一つの郡単位で見ますと考慮されていないというふうに思うんですが、いやより考慮されてもらいたいと思うんですが、その点いかがですか。
#25
○政府委員(石野清治君) その郡単位の市町村で見ますと確かにまだアンバランスがございます。これはしかし根っこの数字がもともと医療費が高いわけでございまして、一〇〇%国庫補助をいたしておるわけでございませんので、これを全部是正しろというのは大変無理な話でございます。私の方はそういう二千二十二億の予算の中で、できるだけいま先生のおっしゃったような意味のアンバランスを是正して、保険料の負担の平準化というものについて財政措置でやっていると、こういう方向でございますので、なおそれは検討させていただきたいと思うわけでございます。
#26
○広田幸一君 局長、そうしますと県単位でいろいろと考えるでしょうね。ですからたとえば県の単位においてそういう不均衡といいますか、そういうのを県がチェックしてそれを何か添付して国の方にそういう要請をするということは、県の責任においてそういうようなことは制度的にはないわけですか。また将来、そういうものを考える余裕というかね、そういう考え方はあるのかないのか、その点をお聞かせいただきたい。
#27
○政府委員(石野清治君) 県単位というよりも、むしろ私の方は全国の市町村を全部おしなべて考えておるわけでございますが、その際にも、各市町村の実情によってまちまちでございますので、その実情を十分私の方は把握した上で、その財政調整交付金の交付をいたしておるということでございますので、先生のおっしゃるような先ほど申しました一〇〇%是正というのはこれはできないことでございますけれども、その範囲内でできるだけその不均衡を是正するという方向で今後とも進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
#28
○広田幸一君 全国の数千ある町村を分けてやるわけですから大変なことだろうと思うんですが、町村にとりますとやっぱり大きな問題であるわけですから、こういう点については将来目をひとつ向けてもらって、できるだけ均衡をとれるような配慮、善処方をお願いをしておきたいと思います。
 ちょうど時間が来ましたので、私の質問を終わります。
#29
○主査(亀長友義君) 広田君の質問はこれにて終了いたしました。
    ―――――――――――――
#30
○主査(亀長友義君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、広田幸一君が分科担当委員を辞任され、その補欠として赤桐操君が分科担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#31
○主査(亀長友義君) 村沢牧君。
#32
○村沢牧君 合成洗剤の追放について、住民や自治体の運動の盛り上がりにより、環境庁が燐を含んだ合成洗剤の使用禁止に踏み切ったということは、おくればせながら一歩前進でありますけれども、環境庁のこの決定あるいは要請を受けて、各省庁はどのように対応しているか、最初にお聞きをします。
#33
○政府委員(馬場道夫君) ただいま先生からお話ございましたように、先般、富栄養化対策の一環といたしまして、燐を含む合成洗剤の使用の自粛を打ち出したわけでございますが、私ども環境庁が率先して実施をするということにいたしたわけでございますが、それにあわせまして、関係の省庁につきましても協力方を要請をいたしまして、文書でもって要請をいたしたわけでございます。また、私どもの担当官がそれぞれ出向きまして、いろいろ出先機関等に対します指導の要請をいたしておる段階でございます。要請をいたしましてからまだ日にちがたっておりませんので、具体的のことはあれでございますが、私どもは十分御協力をいただけるものというふうに考えておるわけでございます。
#34
○村沢牧君 長官、せっかく環境庁が踏み切ったんですから、ぜひ各省庁とも環境庁の要請に基づいて、積極的な対策をとるように長官としてもより一層強力な要請なり閣議等における措置をとるべきだと思いますが、どうですか。
#35
○国務大臣(土屋義彦君) この問題につきましては、先月二十五日の閣議におきまして、関係省庁、各閣僚に対しましても、積極的に協力をしていただきますように強く要請をいたした次第であります。
#36
○村沢牧君 合成洗剤を使用しないという指導方針は、政府の機関だけでなくて、地方団体にも要請すべきものだというふうに思うんです。合成洗剤の追放に向けての取り組みは、琵琶湖の条例を初めとして、地方団体の方が進んでおり、現在三十余の都道府県、七十余の市町村が何らかの具体的な取り組みをしておりますけれども、しかし全国的な行動にはなっておりません。合成洗剤を追放しようとする住民の要求に対して、むしろ批判的な自治体すらあるわけなんです。したがって、地方団体に対して環境庁の考え方を通達をし、その行政指導を高めることが必要ではないか。特に、汚染のはなはだしい湖沼、河川等のある自治体には、強力な指導が必要だというふうに思いますが、長官はどのように考えられますか。
#37
○国務大臣(土屋義彦君) 先生まったく御指摘のとおりでございまして、私は特にこの問題に対しまして深い関心を持ち、昨年環境庁長官を拝命いたしました直後、霞ケ浦、それからまた続いて東京湾を視察いたしまして、固定発生源のみならず、やっぱり総合的な対策を早急に立てなければならないということを深く痛感をいたした次第でございます。
 ただいま御指摘の、まだ有燐洗剤の扱い等について何らかの措置を講じておらない地方自治体に対しましては、今後閉鎖性水域における水質保全を図る観点から、必要に応じまして要請、指導を行ってまいりたいと、かように考えております。
#38
○村沢牧君 全国的に指導を行うといってもむずかしいことだというふうに思うんですけれども、特に汚染のはなはだしい湖沼等を持っている周域の市町村、これに対してはより積極的な指導を環境庁としてとってもらうように要請をしておきます。
 そこで私は、時間がありませんから具体的な湖沼について質問をして、環境庁の見解を聞きたいというふうに思うのですけれども、水質汚染のはなはだしい湖沼として諏訪湖あるいは霞ケ浦、琵琶湖、これらが筆頭に挙げられておるわけでありますけれども、特に、諏訪湖の汚染は急速に進んでおります。諏訪湖のようになったんでは遅過ぎるということで滋賀県の県民の声が琵琶湖条例をつくったというように聞いておるわけでありますけれども、環境庁もこの湖のことについていろいろ調査をしておるようでありますが、諏訪湖に対してどのような診断をしておりますか。
#39
○政府委員(馬場道夫君) 諏訪湖の水質汚濁の問題でございますが、諏訪湖につきましては、諏訪湖の水質保全を図るために四十六年の五月に諏訪湖の全域につきまして環境基準を設定をいたしたわけでございます。湖沼のA類型という形では三PPMという環境基準でございますけれども、さらに県におきまして四十八年から上乗せの排水基準を適用しておるわけでございまして、周辺から流入いたします汚水等の影響によりまして水質状況は芳しくないわけでございます。特に、八月から十月ころにかけまして湖面にアオコ等が発生をするというような状況が見られるわけでございまして、有機汚濁の代表的な指標でございますCODにつきましても異常にその期間は高くなっているという状況でございまして、私どもの調査で見ますと、有機汚濁の代表的な指標でございますCODにつきまして環境基準をかなり超えております。二倍から三倍程度のような形になっておるわけでございます。
 それからまた、窒素、燐等のいわゆる富栄養化を示す状況、指標を見てまいりましても、いわゆる富栄養化に入ったと言われるような指標から見ますと、それをかなりオーバーをしておるというようなことでございまして、そういう意味におきましてかなり諏訪湖の水質については重要な段階に来ているというような認識をいたしておるわけでございます。
#40
○村沢牧君 環境庁はそのような水域あるいは湖沼に対して対策指針を定める作業を進めておるというふうに聞いておるわけですけれども、諏訪湖水域における燐の水質目標あるいは指導指針というべきものはいつごろまとめて示されるんですか。
#41
○政府委員(馬場道夫君) 私ども富栄養化対策を総合的に実施をするというような観点から、いろんな作業を進めておるわけでございます。その中の一環といたしまして富栄養化にとって非常に大事な窒素なりあるいは燐等の環境中における目標、水質目標と申しましょうか、そういう目標を設定をするという作業を行っておるわけでございまして、昨年の十二月に専門家の方々に委嘱をいたしまして、窒素、燐等の水質目標検討会を環境庁の中に設けまして、そこで鋭意検討をいたしておるわけでございます。そこで、私どもやはり緊急度から申し上げまして、特に湖沼についての富栄養化の進行が著しいわけでございますので、まず湖沼につきまして湖沼の燐についての水質目標を設定をしようということで当面作業を進めておるわけでございまして、それにつきましては、私どもことしの夏ごろをめどに水質目標を明らかにしたいというように考えておるわけでございます。したがいまして、それが済んでからまた海域における燐であるとかあるいは湖沼における窒素とか、そういう作業に移りたいと思うわけでございますが、湖沼の燐につきましては夏ごろをめどに目標を示しまして、それを今度は行政的にいかに適用していくかという作業がその後に残るかと思います。
#42
○村沢牧君 環境庁も認めておられますように、かなり環境基準を超えた状態が発生しておりますから、いま答弁のありましたこの目標なり指導指針はなるべく早くやっていただくように、特に要請をしておきたいというように思うんです。
 そこで、諏訪湖の汚濁の原因は家庭や工場の排水処理が不十分なまま河川に流入をされておる、それに対する環境整備の施設の立ちおくれによるものである、一口に言えばこういうことだというふうに思うんですけれども、これら汚濁の要素に合成洗剤の成分が含まれていることも大きな原因であることは否定することはできないと思うんですけれども、環境庁としてはどういう見解を持っていますか。
#43
○政府委員(馬場道夫君) 閉鎖性水域におきます富栄養化の要因、これはいろんな要因が重なり合ってきておるわけでございますけれども、工場排水あるいは生活排水その他農林畜産業、そういうようなもろもろの発生源からの栄養塩類の流入というようなことで、富栄養化が進行しているというように思うわけでございますが、諏訪湖の中におきますそれぞれの役割りと申しますかあれを見てみますと、いわゆる家庭排水系統によります燐の負荷が約五七%程度を占めております、これは長野県の調査でございますけれども。そこで、家庭排水の中で合成洗剤がどのくらい占めるかという、燐でございますけれども、ごく大ざっぱに申し上げまして四割程度というように見ていいんではなかろうかと思います。そういたしますと、諏訪湖におきます燐の負荷のうち約二割程度が合成洗剤からの燐に由来するものではなかろうかというような、ごく大ざっぱな推計でございますけれども、そういうことになるんではなかろうかと思っております。
#44
○村沢牧君 諏訪湖の燐が多いということは合成洗剤も起因をしておるんだと、そのことはお認めになるわけですね、したがって。そこで諏訪湖を救おうとして県や市町村では流域下水道の施設作業等を進めておって、それに多くの期待をかけているわけです。しかし、下水道だけで諏訪湖はきれいになるであろうかという疑問があるんです。アオコの発生などの富栄養化の要因物質である燐を削除しなければ諏訪湖はきれいにならない。そこでこの下水道工事を進めておる長野県土木部は、諏訪湖の有機汚濁予測と処理システムの評価、こういうのを行っておるわけでありますが、それを見ますると、諏訪湖に負荷する燐の七五%、窒素の五〇%が下水道に流入するけれども、仮に下水道流入分を一〇〇%除去したとしても残量の負荷によって富栄養化限界をはるかに超えると、こういうふうに公表しておるんですけれども、これに対してどのように考えますか。
#45
○政府委員(馬場道夫君) 先ほど来申し上げておりますように富栄養化の要因、いろいろ発生源が多岐にわたるわけでございまして、したがいまして、富栄養化を防止するために何か一つの事業をやればいいというものではないと思っております。やはりいろんな施策を総合的にやって初めて効果が出るというように考えておるわけでございまして、下水道につきましても非常に有効ではございますけれども、通常の下水道の処理におきまして燐、窒素の除去率というのは四割程度とも言われておりますし、全部ができるわけではございませんし、三次処理という問題が出てくるわけでございますけれども、これも非常に膨大な金がかかるというようなことでございますので、やはり下水道だけでそれを処理するという点は非常にむずかしいし、また非効率的ではなかろうかというように考えておるわけでございます。
#46
○村沢牧君 かなり多額の金をかけてそのような浄化施設なり下水道をつくっておりますが、それだけでもっていま答弁のあるように処理することができない。そうすると諏訪湖をきれいにするには地域の住民やあるいはいろいろ産業による発生源での負荷量削減を積極的にする努力を払ってこなければならない、これが必要不可欠だと思うのですね。その手段の一つとして合成洗剤を使用しないことが大切だと、こういう地域の住民の要求もあるんですけれども、これらの要求というか、考え方についてはどういう評価をされるんですか。
#47
○政府委員(馬場道夫君) 私ども諏訪湖地域におきまして、実は公害防止計画というものを持っておるわけでございます。これは公害対策会議の議を経て政府で決めたものでございますが、これの諏訪湖の浄化対策といたしまして、下水道の整備、これはもちろん掲げておるわけでございますけれども、そのほかにもろもろの排水規制の強化であるとかあるいは屎尿処理施設の整備、あるいはその他の公共用水域の浄化対策といたしましていろいろその地域周辺に住んでおられる方々の協力の問題等もうたっておるわけでございます。そこで私どもは、やはり先ほど申し上げましたように、合成洗剤からの燐の負荷というものも一定率あるわけでございます。そういう意味におきましてやはり下水道の整備なりあるいはいま申し上げましたようなその他の施策とあわせまして、やはり住民の方々のそういう御協力がないとなかなかむずかしいというように思うわけでございまして、そういう中でやはり合成洗剤につきまして低燐化あるいは無燐化あるいは石けんというようなものへの指導、PRということも非常に大事ではなかろうかと思うわけでございます。ちなみに長野県におきましては、県でそのような趣旨から全県的にそういう運動をやろうというようなことで協議会を設置するというような動きもあるようでございます。したがいまして、私どもやはりそういう県がそういう指導をされるということはこれは正しい方向ではなかろうかというように考えておるわけでございます。
#48
○村沢牧君 環境庁長官、いまお聞きのようにいろんな施設をやってもなかなか湖水が浄化できないと。そこでやっぱり家庭なり企業なりでもってそういう原因となるものを使わないことが一番大事だと思うのですけれども、そこでお話があったように県では県の施設に対して禁止しよう、関係者の皆さんいち早くやったのですけれども、なかなか湖周辺の市町村がそこまで踏み切れない、そういう状態におるのですから、環境庁としても日本で全国的に見て汚濁のはなはだしい湖でありますから積極的に指導する、要請をする、そういうことが必要であろうと思って私は最初に質問したんですけれども、どうでしょうか。
#49
○国務大臣(土屋義彦君) もう先生御指摘のとおりでございまして、今後環境庁におきましては、この閉鎖性水域における水質保全の立場から各自治体に対しましてもいろいろ要請、御指導、御相談等に積極的にあずかってまいりたい、かように考えております。
#50
○村沢牧君 相談にあずかるということだけではなくてね、皆さんが見ても基準を超えているのだから、これは何とかしなさいというやっぱり前向きの要請をぜひすべきだと思うのですよ。
#51
○国務大臣(土屋義彦君) 先生の御意思を体しまして前向きで対処してまいりたいと思います。
#52
○村沢牧君 いままで国や県の見解は、湖沼や河川の水質汚濁の原因は、合成洗剤の成分もあるけれども、このことは認めながら、台所や洗たくなどで使用基準を守れば大丈夫だと、こういう指導が一般的になされておったわけですね。しかし、環境面から見れば個々の家庭は基準量を守ったとしても、それが合流されて富栄養化となってくるわけですね。したがって各人が使用の限度量だけ守っておればいいのだという、こういう見解は誤りであると私は思うのですが、どうですか。
#53
○政府委員(馬場道夫君) 私どもは閉鎖性水域に入りますもろもろの汚濁源からの燐の流入を極力抑えよう、なるべく少なくしようというようなことでこの対策を進めてきておるわけでございますが、合成洗剤につきましても、そういう意味で私どもはなるべく一つは業界等につきましては低燐化の要請あるいは無燐化の要請等を続けるとともに、一般の方々にはやはり低燐のものをなるべく適正に使用するということで、燐の流入の負荷を少なくしようということにいたして指導してきたわけでございますが、やはり最近の富栄養化の状況は著しく、また、いろいろ対無燐洗剤への技術開発であるとか、あるいは石けんにおける生産体制の問題であるとか、そういうものもかなりのめどがつき始めた段階でございまして、そういう意味で、私ども先ほど打ち出したような低燐、無燐あるいは石けんというような、幅広くそういう意味で行い得る状況に来ているのではなかろうかというように判断をいたしておるわけでございまして、したがいまして、私どもも諸般の情勢を考えながら一歩一歩前進をしてきているというふうに思っているわけでございます。
#54
○村沢牧君 一歩一歩前進はしているけれども、私の質問は、家庭の使用量が一定の量を守っていれば大丈夫だという見解に対してどういうふうに考えるかを聞いているんです。
#55
○政府委員(馬場道夫君) やはりなるべく量の問題と、それから量はもちろんそういう意味で適正量なり少なく使うということが必要でございますし、それから使うものにつきましても、やはり燐の少ないもの、燐のないもの、そういうものを使うことが正しいというように考えるわけであります。
#56
○村沢牧君 いま無燐化洗剤という答弁もあったわけでありますけれども、国や県の行政指導は、有燐合成洗剤をなくすれば大丈夫だと、そのことに限っているわけでありますけれども、燐を除いた無燐洗剤なら絶対大丈夫かと、こういうことが問題になってくるわけですね。無燐洗剤は非イオン系界面活性剤を主剤としておるわけでありますけれども、環境庁の化学物質環境調査では非イオン系界面活性剤が河川を汚染をしているという事実も発表しているわけなんです。これもいままでのように合成洗剤のわずか十分の一程度の量なら別として、これから二十万トン、三十万トン、大量にこの無燐洗剤というものが出てくるということになれば、環境面から見て絶対大丈夫だと言い切れるかどうか、その辺どうですか。
#57
○政府委員(馬場道夫君) ただいまのお話でございますが、特に非イオン系の合成洗剤なりそういうものがここに出てきて、今後量がふえるという可能性もあるわけでございますけれども、おっしゃるように、環境庁の調査によりましても、現在の段階では環境面への影響につきましても特に心配するようなあれはないわけでございますけれども、これがさらに量がふえてきたときにどうなるかという問題があるわけでございます。そういう意味で、何といいますか、モニタリングといいますか、その辺の環境への影響監視につきましては十分な配慮が必要であろうというように考えておるわけでございます。
#58
○村沢牧君 無燐洗剤の人体に及ぼす影響なり環境面に及ぼす影響、このことについては他の委員会でもいろいろとわが党同僚議員によっても論議をされているようでありますが、私はきょうは余り時間がありませんから、そのことについては深くは入りませんけれども、その前に一つ聞いておくんですが、諏訪湖周辺の団体の中には、合成洗剤を粉石けんに切りかえると燐はなくなる反面BODがふえる、BODも規制の対象であるから、無燐洗剤を使いなさいといっても簡単にそうはいきませんよという考え方を持っている人もあるわけですね。なるほどそういう意見も学者の中にあります。ありますけれども、やっぱり粉石けんの方が分解しやすい。したがって燐を含んだ洗剤よりも粉石けんの方がいいんだという実証もあるわけですね。その辺の見解はどうでしょうか。
#59
○政府委員(馬場道夫君) 合成洗剤から石けんへ転換を行った場合にいろいろ議論が出ますのが、いま先生のおっしゃいましたBOD、COD等の有機汚濁がふえる、そういう見解があるわけでございます。この点につきましては、確かにBOD等は相当ふえることは事実でございます。ただ、非常に分解性がいいということもこれまた事実でございまして、したがいまして、発生をいたしました当初は確かに有機汚濁負荷はふえるだろうと思います。大きくなると思います。しかし、環境中に残存している間に非常に分解をいたしますので、それはそれほど大きな問題にはならぬだろうというようにこれまで言われておるわけでございます。そういう面で、私ども石けんに転換した場合に水質保全上特に問題はないというふうに考えておるわけでございますけれども、なおいろいろ分解性の問題とかその他の問題についてはいろんな議論がございますので、私どもの方といたしましても、この辺につきましてはもう少しいろんなデータなり知見の収集を図ってまいりたいと思っているわけでございます。
#60
○村沢牧君 ただ実験室の中で実験すればそういう結果も出てくると思いますが、それが放流された場合にどうなるか、このことについて地元なりの要請があったら環境庁も積極的に調査をする。そういう姿勢でおってもらいたいというふうに思いますが、よろしいですか。
#61
○政府委員(馬場道夫君) 私どももいろんな技術的な問題なりそういう面で御相談等には十分応じられると思います。
#62
○村沢牧君 時間がありませんが、厚生省に一点伺っておきますが、最近メーカーは世論の高まりと批判を受けて新しい無燐洗剤を発売しようとしているわけでありますが、いままで発売をされているいわゆる無燐洗剤あるいはこれから発売される無燐洗剤ですね、人体に対して影響力は絶対にないと言い切れますか。環境面については先ほどお話があったように問題があるという答弁なんですけれども、どうですか。
#63
○政府委員(榊孝悌君) 合成洗剤には、台所用等いろいろなものがあるわけでございますが、お話しのように、主要な界面活性剤といたしましては、いわゆるLASあるいはAOS等の陰イオン系の界面活性剤、さらにはAE等の界面活性剤も配合をされておるわけでございますが、これらの界面活性剤につきましては、実はすでに科学技術庁の特別研究促進調整費によりましていろんな実験結果が出ております。また、各種のいろんな実験研究文献等もございまして、現段階におきましては、その安全性につきましては特に問題はないというふうにわれわれ考えております。
#64
○村沢牧君 無燐洗剤が非イオン系ないし高級アルコール系の界面活性剤が生体に対しては有害ではないか、こういう説があるわけですね。それが直ちに人体に影響しないとしても、河川や湖沼の魚介類や微生物に悪影響を及ぼす、それが食物関連で人体にも大きな影響を及ぼしてくる、あるいは河川に入るまでに下水道処理の段階で完全に処理できない、こういう有力な見解もあるわけなんです。これらについてはこの短い時間の中で厚生省と討論する時間がありませんから、ともかく問題点を私は指摘をしておきます。
 そこで、時間がまいりましたから長官に最後に質問し要請するのですけれども、合成洗剤については健康面から、あるいは環境面からいろいろと問題が指摘をされておるわけなんです。しかし、厚生省のような見解を持って大丈夫だと言っておっても、結果から見て人体にも大きな影響を及ぼした、これはただ合成洗剤だけではなくて、水俣病なんかも物語っているわけですね。したがって、疑わしい、危ないというものについては環境庁としても積極的に、使わないようにやっぱり指導を強力に強めてもらいたいと思うんですが、どうでしょうか。
#65
○国務大臣(土屋義彦君) 先ほど来るる御答弁申し上げましたとおり、今回発表いたしました有燐洗剤の使用自粛等の措置は、閉鎖性水域における総合的な富栄養化対策の一環といたしまして盛り込んだものでございますが、ただいま先生の御指摘の点等につきましては、厚生省ともよく御相談申し上げまして対処してまいりたいと思います。
#66
○主査(亀長友義君) 村沢君の質疑は終了いたしました。
 次に柏原ヤス君。
#67
○柏原ヤス君 母子保健法についてお尋ねいたします。
 橋本前大臣がこの母子保健法について、何度か見直しを表明してきておりましたが、野呂厚生大臣もこの点、母子保健法は見直しをし、改正の必要があると、こういう御認識でいらっしゃるのでしょうか。いかがですか。
#68
○国務大臣(野呂恭一君) 母子保健に関係いたしておりますこの社会環境に大きな変化と、そして急速な高齢化社会が始まってまいっておるわけでございます。そういう環境変化に勘案いたしまして、現行の母子保健の施策の見直しだけでなくて、高齢化社会を今後どうこれに対応していくか、あるいは静止人口を迎える二十一世紀を展望しながら、新たな立場から家庭、保健対策のあり方を検討する必要があることは言うまでもございません。したがいまして、各分野の専門家の御協力を仰ぎまして、昨年の六月に家庭保健基本問題検討委員会を発足させまして、長期的な展望に立ち、さらにまた多角的な観点から、母子保健の新しい制度、施策の検討をお願いをいたしておるところでございます。母子保健法の改正につきましては、こうした検討の結果を踏まえまして、その改正に取り組んでまいる所存でございます。
#69
○柏原ヤス君 そこで、改正をする方針であるということでございますが、それに大きな期待をかけてもう少し具体的にお聞きいたしたいと思います。
 この前の橋本大臣が家庭保健基本問題検討委員会を設置して、そしてその検討を依頼したわけですが、こうした委員会でいずれ結論としてこれが意見書あるいは報告書と呼ばれるようなもので提出されると、このように理解していてよろしいでしょうか。
#70
○政府委員(竹内嘉巳君) 昨年六月にスタートいたしましたときに、私どもおよそ御検討いただく期間を約二年ということで、委員会の先生方とのお話し合いの上で予定を一応立てた。それにしたがいまして、現在フリートーキング一通り終わりまして、少し問題を整理しながら、さらに各小委員ごとに検討を続けておりますので、意見書の形になろうかと思いますけれども、おおむね予定の明年六、七月ごろにはそれがいただけるのではなかろうかというふうに期待をいたしておるところでございます。
#71
○柏原ヤス君 いまお話がございましたように、昨年の六月に発足した、これに対して、ある報道によりますと、九月二十日前後、去年のですね、全体会議でこれをまとめると、こういうようなふうになっていたようなんですね。ことしになってもまだこの検討項目がまとまっていないと、そのように聞いておりますし、いまのお話でもまとまったというお話はございません。との検討項目はいつごろまとまるのか。いかがですか。
#72
○政府委員(竹内嘉巳君) 検討項目といたしまして、昨年の秋に全体委員会で各三人の小委員からの報告に基づきまして、一応整理されましたものとして現在それに従って順次検討を行っておるわけであります。まず第一点は、二十一世紀の家庭保健に関連する社会経済因子というテーマで検討をしよう。第二点は、家庭保健と母子保健というものの理念というものを明らかにしたい。第三点として、家庭保健と母子保健のシステム、仕組みをどのようにあるべきかという問題。それから第四点として、家庭保健と健康教育という問題。第五点として、家庭保健と、それから心身障害の発生予防という問題。この五点が一応主なテーマとして検討しようということになりまして、それに関連いたしまして、実はいわゆる分娩給付の問題あるいは育児休業の問題、婦人労働の問題、あるいはまた健康審査と保健指導の具体的な問題、あるいは家庭保健に関連するマンパワーと申しますか、要員確保、養成等の問題といったようなことが、先ほど申しました五つの大きな検討項目に関連をして、それぞれの小委員会でさらに細かく検討をするという形でいま進められておるわけでございます。
#73
○柏原ヤス君 そうした様子を何回か聞かせてほしいというふうに厚生省にお願いしたんですけれども、フリートーキングでやっているんだからそれは資料として出せないというようなお話がございまして、非常に歯がゆく思って、この検討項目がいつごろできるのかというようなことをここでお聞きしたわけでございますが、できればいま局長さんお答えくださったことの資料を私の方にいただきたいと思うんです。そして、重ねてしつこいように申し上げますけれども、この予定したとおり来年の五十六年春までにその報告書が必ずできる、おくれましたなんということはないでしょうね。
#74
○政府委員(竹内嘉巳君) 検討委員会につきまして、その運営あるいは対外的な発表等につきましては、実は委員長に御一任申し上げたという形になりまして、当初の委員会でのお互いの内輪の約束で、対外的な発表については委員長に全部一任をするという形をとっておりましたものですから、私どもとして委員長にお断りもせずに出すわけにもまいりませんし、また委員長と御相談をいたしましたときに、そういう項目の中身について検討していくことで、項目だけを見てその内容を推察されていろいろな議論が起こることも余り好ましくないので、検討項目それ自体は国会等での御質疑に当たって必要な範囲ならやむを得ないといたしましても、一般的な公表はむしろもうしばらく、それぞれの項目のさらに内訳と申しますか、内容がもう少し固まって方向づけができた段階がいいのではないか、こういう御意見でございましたので、大変恐縮でございましたが、私どもとしては内容等についての公表を差し控えさしていただいたわけでございますので、御了承いただきたいと思います。
 なお、委員長並びに各小委員長も予定どおり意見書をまとめるということについては大変熱心に進展をしておられますので、私どもとしてはできるだけ予定どおり進められるようにお願い申し上げ、事務当局として最大の努力を続けてまいりたい、かように考えております。
#75
○柏原ヤス君 そこで、そうした検討委員会とは別に、政府の部内でこの母子保健法の見直しを並行して進めるというようなこと、検討委員会の報告を受けてすぐに改正の原案を作成して、中央児童福祉審議会、これに諮問をする。こういうスムーズに提案するための準備、これを進めるべきではないかと思いますが、政府部内での作業というものがやられているのかどうか、この点いかがでしょうか。
#76
○政府委員(竹内嘉巳君) 当然のことでございますけれども、検討委員会の事務当局も私どもも承っておりますし、また委員会の検討の個別項目について、もし委員会の意見書発表前にでも早急に手をつけるべき事項があれば、また五十六年度予算においても実行に移したい、かように考えておりまするし、御指摘のように、意見書が出た、それから初めて部内で検討を始めるというようなことは絶対にないように私どもも十分心がけておるところでございます。
#77
○柏原ヤス君 この委員会の検討内容、そしてその報告に大きな期待を持っている一人でございますが、それは一日も早く改正案を出したいという思いから申し上げているので、来年中とか来年の末、こういうあるめどをつけた改正案、これができるでしょうか、どうでしょうか。
#78
○政府委員(竹内嘉巳君) 私どもとしては、先ほど申しましたように、来年の六、七月ごろに意見書がまとまりますれば、実はそれをベースにいたしまして早急に、並行して準備もいたしておりますので、それに伴う予算的な措置も五十七年度予算に間に合うように、そして五十七年といいますか、五十六年の暮れから始まります通常国会に所要の法案が提出できるように、私どもとしてもそういう期待を持って作業を続けておりますので、できるだけ何と申しますか、やはり委員会の方の――私どもが拘束するわけにはまいりませんからなかなか確言はいたしかねますけれども、少なくとも事務当局としてはそういうスケジュールに忠実に従って進めておるつもりでございます。
#79
○柏原ヤス君 このことは前の橋本大臣が非常に御熱心であったわけでございますが、いまの厚生大臣、その点は少しも変わらないと、改正案は必ず出すというお一言をいただきたいと思います。
#80
○国務大臣(野呂恭一君) わが国の人口構造が急速に高齢化を迎えておる、しかも出生率が低下をしておる。したがいまして、二十一世紀を展望いたしますると、次代の社会を支える子供たちを健やかに育てていくということがきわめて私は国家的な課題でなかろうか。そういう観点からいたしましても、ライフサイクルの基盤でございますこの乳幼児期におきまする健康を擁護し、確保するための母子保健施策というものは、急ぎこれに対する対応をつくり上げていくということが私は厚生行政の上でも緊急の課題でなかろうか、かように考えますので、先ほど局長から答弁いたしておりますとおり、この検討委員会の結論を踏まえ、また内部的な厚生省のいろいろの準備作業を並行しながら御趣旨の点に対応できるように準備を進めてまいり、改正に取り組んでまいりたい、かように考える次第でございます。
#81
○柏原ヤス君 それでは次に、妊産婦の健康診査についてお尋ねいたします。
 妊娠した婦人が体の調子がおかしいというので病院に行く。そこで妊娠とわかる。妊婦に必要ないろいろな検査が行われて妊娠だということがわかるわけですが、普通どういう検査が行われ、それに要する費用として幾らぐらいかかっているか、御承知でしょうか。
#82
○政府委員(竹内嘉巳君) 通常妊娠をしたという自覚症状といいますか、身体の違和的なものをお感じになる時期というものは人によってさまざまでございますけれども、通常俗に妊娠三ヵ月ぐらいが母子健康手帳の申請時期としては一番多いようでございます。その時点におきまして、保健所におきまして母子健康手帳を交付いたしますと同時に、その段階でもまず第一回の保健所では健診をいたしております。
 で健診項目は、問診及び診察、それから梅毒の血清反応検査、血液検査、血圧検査、それから尿化学の検査といったようなものを中心にいたしまして行っておりまして、いまの保健所で行っておりますこの妊婦の健診単価といたしましては五十四年度で一回当たり二千四百五十円という単価で対応しておるところでございます。
#83
○柏原ヤス君 私がお聞きしているのは、普通、妊娠だかどうだかわからないけれども、何となく体の調子がおかしい、もしやというので診察を受けに病院に行くわけですね。そのときにどんな検査が行われるのか。そして幾らぐらい、妊娠ですよと言われたその病院からお金を払わされているか、これが御承知かどうか。
#84
○政府委員(竹内嘉巳君) 一般に妊娠、つまり通常の正常の妊娠状態というものにつきましては、医療保険の実は対象になっておりません。そのために、私どもとして国の方で医療費等につきましてのいわば御承知のように社会保険の診療報酬の点数表というもので診療行為についての経費を私どもは理解をしておるわけでございますけれども、そういった意味で、そうなりますと一般的には初診料あるいはある程度の診断料ということになりますが、正常の妊娠ですよというときには、いわゆる医療行為としてではなくて、単なる健康診断という形になりますために、これは医療保険といいますか、医療行為としての診療報酬の規制外になりますために、私どもとして具体的に、全国的にこれは幾らでございますというお答えはちょっといたしかねまして、いわば医師の通常の何といいますか慣行料金によらざるを得ないのではないかというふうに理解をいたしております。
#85
○柏原ヤス君 局長さんが男でいらっしゃるし、奥さんが妊娠するしないなんというもう年代もお過ぎになったようなんで、実際のところはおわかりにならないようなんですね。ところが、実際は自分が妊娠しましたと、それから母子健康手帳ももらいました、無料受診券ももらいましたという準備整えてそして行くんじゃなくて、手ぶらでもしやというんで行くわけですね。ですから、そこで行われる検査というのは、やはりお医者さんが、これはただのかぜじゃないなと、もしや妊娠じゃないか、じゃあそれを検査しましょうということになるわけですよね。
 そこで一つの例ですけれども、妊娠であるかどうかということを調べる検査が、まあ診察する、尿の検査をする、貧血検査をする、血圧測定をする、そして保健指導をする、そして梅毒の血清反応検査をすると、いろいろな検査をして初めて妊娠だと、そしてそれに対する費用は、局長さんおっしゃったように、これは自己負担になるわけですね。調べてみますと、七千円から九千円、多く取るところは一万円以上のお金を取ってるわけなんです。この現状というものを認めていただいて、いやそんなことはないと言っちゃえばそれきりですけれども、ないんじゃなくて、実際そうなんですよね。そこで、母子健康手帳を持っていない、無料受診券を使えないと、そういう中で、そういう一番妊産婦が受ける健診の中でお金のかかる健診が自己負担で行われている。そこでちょっとお聞きしたいんですが、仮に事前に母子健康手帳をもらって――昔は診断書をもらわないと母子健康手帳もいただけなかったそうですけれども、いまは診断書がなくても、自分で、どうも妊娠しましたと、こう言って手帳もらえばもらえると、そういうふうにもらって、はっきりしてないけれども、もらって病院に行き、初回としての、初めての健診としてのこうした何種類かの、さっき申し上げたのは六種類ですけれども、こうしたお金のかかる検査を受けに行けば、この無料の受診券というのは適用されるかどうか。その点いかがでしょうか。
#86
○政府委員(竹内嘉巳君) 妊娠しているかどうかということについての診察といいますか、診断、それ自体は先生御指摘のように何種類かの検査を行って初めて確認される場合もございましょうし、きわめて何と申しますか、単純な生理的な検査で確認できる場合もあるというふうに伺っております。したがいまして、私ども御本人が明らかに妊娠ということで母子健康手帳を交付を受けられますれば、それ以後の保健所における健康診査はすべて公費負担と申しますか、無料で先ほど申しましたように梅毒血清反応、あるいは血液、血圧、尿化学等の検査については行っておるわけでございます。それから、そのほかに保健所に行くことが交通事情、あるいは家庭の事情その他でむずかしい場合に、近くの民間あるいは国公立を含めましての一般病院で受ける場合につきましては、通常妊娠中については二回公費で健診が受けられるという仕組みをとっておりますので、御指摘、特にいまの御質問の点が母子健康手帳を持ってからということであれば、ただいま申し上げたような形で費用負担を公費で行うという形での健診がなされているというふうに理解をいたしております。
#87
○柏原ヤス君 もう一度お尋ねするんですけれども、病院に行って、そしていろいろな検査を受けるわけですね。それがとてもお金がかかると。そのお金がかかるのを母子手帳についている無料の券ですね、その無料の券というのは、前期と後期とこう分かれてますでしょう、その前期のあの券で受けられるかどうかといいますか、無料の受診券が適用されるかどうか。適用されるとかされないとか、そういうもっとはっきりしたお答えいただけないんでしょうか。
#88
○政府委員(竹内嘉巳君) 母子健康手帳を受領されたという前提に立たれておるのならば、前期の分として無料の健診が受けられるというふうに私どもは指導をいたしております。
#89
○柏原ヤス君 じゃ、そのお金のかかる最初の健診というものは、あの無料の受診券で受けられるんですね。
#90
○政府委員(竹内嘉巳君) 母子健康手帳を受けられた後という前提に関して、私どもは御質問の点については無料の健診が受けられますというふうにお答えをいたしておきます。
#91
○柏原ヤス君 そうしますと、私もこのお金のかかる諸検査を伴う初回の検査、これに無料受診券が適用されてほしい、また適用してこそたった二回しか出していないあの無料の受診券が、一番お金のかかる最初の検査に使われないということは非常に矛盾じゃないかと。そこを使えるようにしたいと、こう思って重ねてお聞きするわけですけれども、それは適用されるんだとこういうお話ですから、それじゃ今度は自分が検査を受ける場合には適用されるような方法で受け方の工夫ですね、私は妊娠したらしいからといって母子健康手帳をもらっちゃうと。そして行って初めて検査を受ける前に無料受診券を使うということはいいということですね。
#92
○政府委員(竹内嘉巳君) 確認の意味で繰り返して申し上げますけれども、私どもは先ほど先生が御指摘ありましたように、現在母子健康手帳は必ずしも医師もしくは助産婦の診断書を添えなければ母子健康手帳が交付されないということにはなっておりません。本人の申し出に基づいて母子健康手帳が交付されます。交付された母子健康手帳に付随しております前期、後期のそれぞれ無料の受診券別ございますので、その前期の受診券で最初の妊娠についての検査をお受けいただければ、その部分については公費負担になりますということを申し上げているわけです。
#93
○柏原ヤス君 そうすると受け方ですよね。妊産婦の受け方ですね。ところがそうやって受ければ、初回の検査もそんな一万円もかかるようなお金使わないでできますよと。だから、そういうやり方でやりなさいと、こういうふうに言えばいいわけですね。ところが一人一人にそういうことはなかなか言えない。そういうふうに頭使って最初にもうもらっちゃって、そして一万円以上払うのをただで済ましたと。お人のいい人はただ行って、そして一万円以上の検査のお金を払っていると、こういうことですけれども、お金を払っている人の方が多いんですよね。ですから、それをお金も一応払うけれども、本当はいま局長さんおっしゃるように初回の諸検査というものも公費負担でできるのだと言うんだったら、そこを何とか、そういうことを知らないで払った人のことも救えるような、そういう工夫というものはできないも万でしょうか。
#94
○政府委員(竹内嘉巳君) くどいようでございますけれども、保健所では年に数回集団健診というものを行っております。で、妊娠したということで母子健康手帳を受け取られた方は、その母子健康手帳を提示されれば、その保健所での無料の集団の妊婦健診が受けられまするし、そのほかに二回ないし三回は少なくとも保健所での妊婦としての健康診査が受けられるわけでございます。先生のいま御質疑を承っておりまして、若干お互いにすれ違いかなというふうに私いま一つ感じましたのは、先生のおっしゃっておられる意味が、妊娠しているかどうかはっきりしない方が、妊娠しているという診断を受けるという、つまり診断を受けるという意味の、妊娠しているかどうかの診断のための検査という場合と、妊娠しているので妊婦に対する、先ほど言った、私の申し上げました五、六項目の健診を受けるということとの違いがあるんではないかと、微妙でございますけれども、そういう感じがいたすわけでございます。私どもとしては、先ほど申しましたように、血液検査あるいは血圧検査、尿化学検査といったような妊婦についての健康診査につきましては、母子健康手帳をお受け取りになれば前期、後期二回は保健所以外の一般の機関でも受けられまするし、もし保健所であれば、もう回数はそれとは別に無料でお受けいただくことができる。ただし、妊娠しているかどうかということについての診断を求めるということになりますと、これは保健所では、保健所の何といいますか機能として、保健所が妊娠しているかどうかといういわば医学的な診断機能を行う場所に実はなっていないものですから、その場合にはやはりお医者さんなりあるいは助産婦さんなりの診断をお受けいただいて確認をしていただくということになろうかと思います。
 ですから、私の申し上げたいのは、むしろ妊娠をしていると判断されたときには、保健所で母子健康手帳をまずお受けいただく、そしてその母子健康手帳の前期の受診券でその最寄りの医療機関なりあるいは健康手帳を示して保健所での健康診査をお受けいただければ、自然にといいますか、自然にと言うと大変妙な言い方でございますけれども、おのずからその妊娠ということに関しての健康上のデータが示されるわけでございますから、それによって妊婦の健康を守っていくという目的も果たされ得るし、経済的にも原則としては保健所を御利用いただく限りにおいては費用の負担というものはないはずだ、まあ地理的事情その他の事情でやむを得ず保健所が利用できなければ、その前期の受診券で一般の医療機関で先ほど申しました妊婦としての健康診査は公費で受けることができますと、こういう趣旨のことを申し上げているわけでございます。
 先生はそのときに先ほど七、八千円から一万円を超えるいろいろな検査と、こうおっしゃいましたのは、妊娠しているかどうかを確認するための、医者がそのための検査というのと、妊婦についての健康診査というのは若干そこは違うわけでございます。私どもがいまカバーをいたしておりますのは妊婦に対する健康診査を公費でカバーをいたしております。という点で非常に微妙な食い違いがあるわけでございます。
#95
○柏原ヤス君 そうですね。
 そこでもう一回お聞きするんですが、そうすると、妊娠してからの検査だと、ただのは。妊娠したかしないかのその境目のところはあの券ではだめだということでしょう。
#96
○政府委員(竹内嘉巳君) 妊娠しているか否かの診断を求めるという場合は、していない場合もあるわけでございます。ですから、その限りにおいては母子健康手帳を、私の申し上げたいのは……。
#97
○柏原ヤス君 してる場合はを聞いているのよね。してない場合なんか聞いてないじゃない。
#98
○政府委員(竹内嘉巳君) ですから、私の申し上げたいのは、現在母子健康手帳は、診断書がなくとも妊娠しているという申し出に基づいて交付されますというまずそれが第一点。で、交付された前期の妊婦の健康診査をお受けになればおのずから妊娠しているかどうかということ自体がその健康診査の結果からも明らかになりますよということを申し上げているわけでございます。
#99
○柏原ヤス君 そんなことわかっているのよ。
#100
○政府委員(竹内嘉巳君) いや、ですから、そこが非常に私どもとしてはむずかしいと思いますので……。
#101
○柏原ヤス君 わかりました。それじゃもう一回お聞きしますけど、一番費用のかかるその初診の検査は無料受診券は適用されないということですね。
#102
○政府委員(竹内嘉巳君) 初診のというお言葉で私どもも答弁が非常に何かむずかしくなるわけでございますけれども、母子健康手帳とは無関係に、妊娠しているかどうか、その点を確かめるための診断をお受けになるという部分については公費負担はいたしておりません。
#103
○柏原ヤス君 時間がたちますので次の問題に移ります。
 健診の回数ですけれども、無料健診二回と。これ十回分ぐらいにできないかどうか。それからまとめてお聞きしますが、産後の健診、これは一回ぐらいしてもいいんじゃないかと、この点どうでしょうか。それから、できれば健康管理というたてまえから健康診査も行っていいんじゃないか、非常に貧血の女性が多いと聞いておりますが、この貧血というものが未熟児あるいは脳障害の原因になる、また出血の原因でもあると聞いておりますけれども、こういう貧血の対応を確認するという検査も研究の結果もうできていると、こういうことですから、この健診というのはやはり予防のためで、本人に自覚させるという立場からも私は妊娠前に行うと。そして妊娠してからじゃもう間に合わないんですから、健全な母体をつくるという意味でやるべきじゃないかと、こういうふうに考えますが、この点いかがでしょうか。
#104
○政府委員(竹内嘉巳君) まず妊婦の健康診査の回数でございますが、先ほどから繰り返して申しましたように、一般の医療機関でお受けいただくときには前期、後期というふうに二回というふうにいたしておりまして、保健所につきましては、先ほど申しましたように、集団健診は年に数回必ず行っておりまするほか、個別にお受けいただくというときに必ずしも回数の制限はいたしておりませんけれども、実績から見ますと、平均して大体二回ないし三回お受けいただいておるようでございます。
 で、妊婦の場合の健康診査の回数をよりふやすようにという御指摘でございますが、この点につきましても何回ぐらいがいいのか、この辺も私ども専門家の意見を聞きながら検討をさしていただきたいと思います。
 それから、産婦についての健康診査でございますが、出産後一カ月以内の健康管理というのは、出産をしたあるいは出産に立ち会った医師なり助産婦自身が、その立場として当然に一カ月以内の健康管理については、分娩に立ち会いあるいは分娩に介助いたしました医師もしくは助産婦が行うというのが仕組みとしては当然のことでございますが、そのほかに保健所におきましても産婦の健診事業というのは行っておるところでございます。ただ、その産婦についていま恐らく先生の御質問の主体は、分娩に立ち会った医療機関なり助産婦、助産所においても、一カ月以内の健康管理に要する費用が公費負担になっていないおそれがございますので、その部分について公費負担をという御趣旨かと思いますけれども、その点についてはまだ、御指摘のように、いまの段階では十分になっておりませんので、この点も努力はさしていただきたいと、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
 それから貧血等につきましてでございますが、貧血あるいはいわゆる黄疸、それからその他妊娠中毒症として対応されておりますものは、生まれてきた場合の赤ちゃんの場合には別に養育医療の対象になりますが、妊産婦につきましては、私ども妊娠中毒症対策としてこれは公費負担の方式で、つまり妊娠中毒症があるということになれば公費負担をいたしておりますが、であるか否かの検査につきましては、一般的な妊婦もしくは産婦の健康診査の項目で確認をするという形をとっております。
#105
○柏原ヤス君 新生児の問題に移りたいと思いますが、先天性代謝異常検査事業、この検査事業の実施状況、実施率何%になっておりますか。
#106
○政府委員(竹内嘉巳君) 先天性の代謝異常の検査は都道府県とかあるいは指定都市の地方衛生研究所で実施しておるところでございまして、検査の実施率でございますけれども、検査の五十三年度の実績で申しますと、百三十六万人の検査、受診がございました。一カ月当たりにいたしますと、十一万三千人程度、その中でさらに再検査を受けられるという方たちが約一割足らずの一万八百人程度というような実施の状態でございます。大体、先天性の代謝異常の検査全体の実施率といたしますと、約七五、六%程度、要するに対象になっている子供全数に対して、というふうに私どもとしては理解しておりますので、もう少しこれは実施率を高めていくということに努力はいたしたい、かように考えております。
#107
○柏原ヤス君 非常に促進されていると私は思っております。
 それで要望があるんですが、これは費用の問題で、一歳半の健診、三歳児健診のように新生児健診の一環として、採血料も含めて公費負担はできないか。大体採血料が二千五百円あるいは場所によっては三千円とられておりますが、この点どうでしょうか。
#108
○政府委員(竹内嘉巳君) 御指摘のように、検査料それ自体については補助をいたしておるわけでございますが、採血料にまではいたしておりません。採血は、新生児の検査は何回か行われますけれども、一回採血を行うことで大体クレチンあるいはその他の代謝異常検査なども一通り間に合いますので、いまのところ、御指摘のように大体二千五百円前後が平均的な採血料であろうかと思います。この点まで実は公費負担の対象ということに及んでおりません。この点、私どもも財政当局とも十分相談をして、そういう方向が実現できるように今後とも努力を続けさしていただきたい。私どもも決して要らないというつもりはございませんが、なかなかいろいろな面につきまして、まだ至らない点がございますものですから、そこまで手が回りかねたというのが実情でございまして、この点今後とも十分努力をさしていただきたいと思います。
#109
○柏原ヤス君 市でこれを低所得者にですけれども無料にしている。また、市立病院などで非常に安くやっているところなどもございますので、これを普及させるためにも費用を自己負担させない.ようにしていただきたいと思うわけです。
 これに関連して、先天異常の発見、このために現在どういう検査、またどういう方法が医療機関で行われているか、御存じであったらお聞かせいただきたいと思います。
#110
○政府委員(大谷藤郎君) 私、所管でございませんからあれでございますが、先天性代謝異常の検査は、現在五つ行われているわけでございますね。そのほかにも二十種類あるいはもっとあるのじゃないかということが言われております。それから、代謝異常だけでなしに、その他の先天性奇形の問題につきましても、いろいろ発見の方法等もこれは妊娠中毒も含めましていろいろ言われているわけでございまして、これから二十年、三十年後の医学はそういった問題にできるだけ早くアプローチして、不幸な子供を生まないようにしようと、こういうふうになっておりまして、現在児童局所管の研究費、また私どもの方の研究費でもこの問題には非常に重点を置いて研究を進めているところでございます。
#111
○柏原ヤス君 これは私、ある医学雑誌を見たのですけれども、羊水穿刺、これを実施すると非常に危険だと、正常な胎児も自然流産させてしまうという危険性が多いと。だから超音波装置の利用をすべきだというような内容の記事がございました。そのほか、先天異常の発見に内視鏡使用の検査、こういうものも考えられているという報告なんですが、やはり危険性が高いと指摘しております。異常の発見というものは大切なことで、また、できれば本当に結構なことなんですが、やはり母体や胎児にかえって障害をもたらすということがあってはならないと思います。こうした考え方、方法について、どんなふうにお考えですか。
#112
○政府委員(竹内嘉巳君) 非常に医学の専門分野に立ち至ったことになりますと、私どもとしてはなかなか行政当局としてお答えにくい問題がございますが、基本的には私どもは先生御指摘のように、検査それ自体が胎児にあるいは乳幼児にあるいは母体に危険を及ぼすということであっては、いわば角をためて牛を殺すのたぐいになりかねません。私どもとしてはやはり先天性の代謝異常あるいは免疫不全といったような将来ハンディキャップを残すおそれのあるそういった異常問題につきましての早期発見ということが大切ではございますけれども、早期発見のためのいわばより安全な、そしてより的確な検査というものを進めるという意味で、現在心身障害研究の中でもこの問題には重点を置きまして、特に、現在チームとしては今度大阪大学の学長になられました山村教授を中心にしながら代謝異常問題についての検査方法あるいは検査の範囲、対象を広げる問題等についての研究をお願いをいたしておりまして、その成果を待ちながら逐次これを行政上に反映をさしていくという努力を続けていきたいと思っております。
#113
○柏原ヤス君 一歳半児童健診についてお聞きいたしますが、実施主体、これを市町村にしたわけですが、この理由は何でしょうか。
#114
○政府委員(竹内嘉巳君) 赤ちゃんが生まれましたときの新生児につきましては、保健指導、訪問指導あるいは出産時の健康診査などが行われているわけでございます。それから一般的に人間のライフサイクルの中で一つの基点となるということで三歳児健診というのが母子保健法上も義務的に規制されまして、非常に効率が高いわけでございます。ただ、幼児の健康の保持増進あるいは心身障害の早期発見とかあるいは若干のハンディキャップがあった場合の進行の未然防止ということを目的として考えてみますと、幼児の初期の段階で、つまり、一歳半の段階で身体の発育やあるいは精神発達に関するいろいろなデータをとることが容易でもあると同時に、将来にわたっての一つのポイントになるというようなことで、一歳六カ月というものについて着目をして、実は昭和五十二年度からスタートをしたわけであります。
 ただこの段階で、私どもがスタートするに当たりまして、一般的に実はこれは公衆衛生局の所管でございますけれども、これまでもっぱら保健所というものの中で、機能の中で対人保健サービスについては市町村段階にできるだけおろしていこうという基本的な方向がございまして、そのために保健所はもう当然対人保健サービスをやっているわけでございますけれども、市町村の保健センターというものを逐次整備拡充をしていくという流れにできるだけ沿っていきたいということで、市町村にこの一歳六カ月の健康診査をお願いをするということにいたしたわけでございます。
#115
○柏原ヤス君 それで三歳児健診も市町村でやるような、その方がいいというふうにお思いになっていますか。
#116
○政府委員(竹内嘉巳君) 私どもも基本的に一番最初に先生から御質問いただきました母子保健というものの制度の抜本的な見直しを行うための作業を続けておりますが、あり方としては、公衆衛生行政の中の一つの分野でもございまするので、そちらの方での基本的な流れである対人保健サービスは、市町村を実施主体にするということが望ましいという基本線に沿いまして、現在は保健所つまり都道府県、指定都市段階で三歳児健診を行っておりますけれども、制度の抜本改正のときには市町村にそろえていくという方向が当然予定されるのではなかろうかと、これはまだ確言をする段階に至っておりませんけれども、私見を交えて恐縮でございますが、そういう感じがいたしております。
#117
○柏原ヤス君 実施率について五十四年度の見通しとして、調べてみますと、市町村の数では八七・七%、それから受診者の数が一般健診が六八・四%、歯科健診が五四・八%とこうなっていますが、これは市町村数の八七・七%の中の一般健診、歯科健診のパーセントが出ているわけですね。全国の一歳半児を対象とすると大体百七十万、それに対する一般健診の受診率、歯科健診の受診率はずっと悪いわけなんですね。一般健診は五〇%、歯科健診では四〇%という状態ですが、この未実施の市町村、なぜできないか、この理由をお聞かせいただきたい。
#118
○政府委員(竹内嘉巳君) 一歳半の健康診査は実は五十二年にスタートしたばかりでございます。それだけに市町村段階でのいわば受け入れ体制が必ずしも十分でない、つまり受け入れ体制が十分でないということは、裏返しますと、それをやるための、健診を行うための要員がなかなか確保できないというケース、あるいは地域保健医療のシステムとしてそれぞれの関係団体の協力体制がなかなか整いにくいような面がある、幾つか理由がございますけれども、主なものはやはり要員確保の問題、それから関係のところの協力体制をつくるのに少し手間取るというようなことが私どもとしては理由ではないかというふうに受けとめております。
 これの解消については、行政指導も都道府県あるいは保健所にも強力にお願いをいたしまして逐次これは向上をいたしてまいりますので、できるだけ早い機会に全市町村に相当高率なところまで、少なくとも全市町村で全児童を対象として八五%から九〇%の実施率の確保というのが当面の私どもの行政目標でございます。
#119
○柏原ヤス君 一般健診だけではなくて精密検診、これがなければやはり健診の本当の目的は達せられないんじゃないか、片手落ちだと、この精密検診こそ行うべきだと、こう思っておりますが、今後どうでしょうか。
#120
○政府委員(竹内嘉巳君) 御指摘のとおり、一般の健康診査だけでなお再検診が必要だと思われる人たち、あるいは特に問題のある場合には当然精密検診を行わなければなりませんが、私どものいまの段階で、まだ実はそこまで実施体制が行き届いておりません。残念だと思っております。
 ただ基本的には、まず第一としては、その一般健診それ自体が所要の行政目標としての全児童、全市町村についての相当の実績が確保できることをまず第一目標にいたしまして、それから精密検診の問題にも当然入ってまいりたいと。ただ、精密検診それ自体になりますと、その内容が、非常に検診の内容が高度になりますために一般の市町村でその体制が全部整え切れない面等もございますので、その辺についての都道府県の協力体制との絡みもございますので、若干準備期間を要するんではなかろうかということで、私どもとしては前向きに検討は続けさせていただいております。
#121
○柏原ヤス君 いずれ母子保健法が改正されたときには直すであろうと思われますが、低体重児、二千五百グラム、これについて母子保健法の十八条に「低体重児の届出」ということで二千五百グラム以下となっております。WHOの勧告によりますと、低体重児は二千五百グラム未満と、こうなっているわけですね。やはりWHOの勧告に合わせた方がいいと、こういうふうに思います。その点どうか。
 それからもう一つは、未熟児という言葉、これから受ける感じ、いろいろ意見があるようですので、もしできればこの未熟児という言葉を別な言い方をしてはどうかと、この二点。
#122
○政府委員(竹内嘉巳君) 御指摘をいただきましたように、WHOの一つの基準というのは各国共通の一つのインデックスでございますので、そういった方向でいずれ私どもは当然改めていかなければならぬと思っております。
 それから、未熟児という表現の問題、確かに非常に誤解を受けやすい問題がございますので、できるだけ早い機会に――といって、いまのところこれは行政上の用語というよりもやや医学的な用語という関係もございますので、行政面だけでこうした用語の問題が整理つくということはなかなかむずかしいと思いますけれども、関係の学会等とも十分連絡をし御要望申し上げながら、そういう誤解を受けやすい用語を正していくということについても検討させていただきたいと思います。
#123
○柏原ヤス君 母子保健のまとめとして、母子健康手帳について何点か改善の要望を申し上げたいと思うんですが、まず先ほどから問題になっております先天性代謝異常検査、これをこの母子健康手帳の中に項目を新設してほしい。それから、一歳半健診の項目、これも新設してほしい。身長や体重の乳児身体発育値、これをあらわしたグラフがございますが、四十五年調査ということで、もう十年前で非常に古い、これを新しい調査に基づいたグラフにすべきじゃないか。その他目次をつけるとか見出しをつけるというような母子健康手帳を見やすくする、こういう点を改良していただきたい。
 これは新潟市でつくっている母子健康手帳ですけれども、いま要望として申し上げたことをすでに取り入れているわけなんですね。非常によくできているように思いますので、国でこういうものをつくっていただいた方がいいと思いますのでその何点か取り上げて申し上げましたけれども、その点いかがでしょうか。
#124
○政府委員(竹内嘉巳君) 御指摘いただきましたような先天性代謝異常の問題、それから一歳六カ月児の健康診査の結果の記入欄等につきましては、私どもも現在準備はいたしておりますが、できるだけ早い機会に改正をいたしたいと思います。
 それから、乳幼児の健康のグラフのもとになりました数字は、昭和四十五年の幼児の健康調査の結果で示したものでございまして、これは十年ごとに調査を行うことになっておりまして、この五十五年度に十年目の調査を行いますので、その結果でこの母子健康手帳の記載のグラフのベースとしての各数字等も改めるという予定にいたしております。
 その他御指摘をいただきました点について、十分母子健康手帳が母子保健それ自体に、あるいはお母さんたちにお役に立つように改定するにやぶさかでございませんので、御指導いただきながら直していきたいと思っております。
#125
○柏原ヤス君 時間が参りましたので最後に大臣にお聞きしたいんですが、この母子健康手帳は一応就学前の幼児までの記入になっております。その後引き続き小学校、中学校、こうした義務教育においても学校保健というものが考えられていく、こういうものも連続して考えていくわけです。その後も引き続き記入していきたいと、こういうふうに考えますと、国民健康手帳制度というようなものを別につくって自分自身の健康づくり、あるいは保健管理のための手帳があってもいいんじゃないかと、こういうふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
#126
○国務大臣(野呂恭一君) ライフサイクル全体の問題としてもいま検討しなきゃならぬ問題でございまして、検討委員会の項目の中にもそういった問題について、今後どう扱っていくべきかということが検討されることであろうと思うわけでございます。御意思を踏まえまして厚生省としてもそういうことをどういたしていくかということについて、十分研究してみたいと考えております。
#127
○柏原ヤス君 終わります。
#128
○主査(亀長友義君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
#129
○主査(亀長友義君) ただいまから予算委員会第四分科会を再開いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、村沢牧君、赤桐操君及び柏原ヤス君が分科担当委員を辞任され、その補欠として穐山篤君、勝又武一君及び内田善利君が分科担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#130
○主査(亀長友義君) 休憩前に引き続き、昭和五十五年度総予算中、環境庁及び厚生省所管を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。神谷信之君。
#131
○神谷信之助君 きょうはほとんど保育所関係が占めますが、福祉施設関係の措置費のうちで地域区分の問題についてまず最初にお尋ねしたいと思います。
 厚生省にお尋ねしますが、これ保育所中心で結構ですが、保育所の措置費の関係の地域区分、これはどういうようにして決めておられるか。まず伺います。
#132
○政府委員(竹内嘉巳君) 保育所の職員の給与につきましては、国家公務員の等級号俸に格づけをした上で算定を行うというように、国家公務員に準じて取り扱いを行っておるところであります。したがいまして、地域給と申しますか、調整手当につきましても、人事院規則に定める地域を準用して算定を行っておるところでございます。したがいまして、人事院規則に定められた甲地、乙地という、それにいわばそのまま右へならえをするというのをこれを原則といたしております。
#133
○神谷信之助君 具体的には違う点があるでしょう。その点ちょっとお願いします。
#134
○政府委員(竹内嘉巳君) 先ほどお答えいたしましたように、原則と申しましたのは、実は局部的にやや無理な点があったわけであります。と申しますのは、人事院規則によりますときに官署指定で乙地も甲地に、あるいは無級地は乙地というケースがあるわけでありますけれども、官署がないために指定漏れになっておる。しかし、実態としてはそのまま甲地もしくは乙地であることが客観的にしかるべきというものが、首都圏あるいは近畿圏に若干あるわけでございます。したがいまして、例外措置としたしまして昭和四十九年度に東京、いわゆる首都圏もしくは近畿圏であって市であるということ、つまり市町村のうちの市であるということ、そして現在まで甲地、乙地の適用がない。しかも三方が官署指定あるいは地域指定のある上位の支給地域で取り囲まれておるという実態に即しまして、そういう場合に限って例外的に若干の市につきまして支給区分を乙地という措置をとっておることは、これはまあいわばきわめて例外の措置でございますけれども、そういう原則は踏まえた上で、人事院規則でいう国の官署がないということのためによって起こる不利益をカバーをするという措置をとっておるところでございます。
#135
○神谷信之助君 保育所の措置費関係の通達ですね、見ますと、いまおっしゃった理由から与野市、鳩ケ谷市、習志野市、日野市、多摩市、摂津市、藤井寺市、松原市、羽曳野市、これは五十一年に九市が追加をされているわけですね。それ以後そういう措置をとっておられないわけですが、そのことによって今日矛盾が起こっておらないんですか。
#136
○政府委員(竹内嘉巳君) 私どもこれは都道府県の方からの数字とか、あるいはそういった官署がないためによる不利益等についての御要望をいただいて、その問題についていわば客観的にその理由に、先ほど申しましたような原則に当てはまるところは逐次拾っていくという姿勢については現在も変わってはおりません。
 ただ措置費という性格上、単純に私どもでいま一方的にここならよかろうというふうに恣意的に行うわけにもまいりませんので、それぞれの都道府県側の意見と、それから具体的なデータを取りまとめていただいた上で、私どもで判断をした上でまた財政当局とも十分協議をしながら、この問題には弾力的に対応するという姿勢については変わってはいないつもりでございます。
#137
○神谷信之助君 これはどうなんですか。現実に矛盾が起こっておって、したがって、厚生省としては人事院にそういう点での地域給といいますか、地域区分の、あるいは地域指定の変更なんかをずっと要望をされてきたんじゃなかったんですか。
#138
○政府委員(竹内嘉巳君) 最初に申しましたように、私どもとしては人事院規則で定められていくということが一番望ましいわけでありますけれども、なかなかそれが思うようにいかない場合に、現実に若干の矛盾を生じたといいますか、不利益を生ずることが明らかというときに、いわば官署指定という方式によるひずみを是正するという意味での、例外措置をとっているわけでございまして、その限りでは官署指定がなくても、基本的にその地域がそれぞれしかるべき級地に指定されるということが行われれば、私どもとしては一番本来望ましい姿だというふうには理解しておりまして、そういう意味で近畿圏、首都圏につきましては、人事院側にもこれらについてはできるだけ実情に即して整理されることを、御要望は申し上げておるところでございます。
#139
○神谷信之助君 これちょっと大臣ごらんいただきたいと思うんですがね。これが近畿圏の級地区分なんです。(地図提示)この色のところがいわゆる甲地ですね。八%つく、調整手当。それからこの色が三%つくところ。それからちょっとこの赤い色がありますが、これが先ほど厚生省で独自の措置を五十一年になさったところです。
 そうしますと、この京都市、これは八%ですが、隣の宇治市、それから向日市、ここは三%、あとは白地になっていましたね。これはいまずっと人口急増地帯で都市化が進んで、この地域給が非常に、この白地のところに住んでおって京都市に勤めれば八%つくわけですわね。それで京都市に住んでおるんだけれどもこの白地のところの役所に勤めれば、これは三%あるいはゼロになるわけですね、白地は。こういう矛盾があるわけです。
 ですから、なかなか人事院のこれは級地指定まだ変えないものですから現実にはどうなっているかというと、宇治市も、それからここの城陽市、それから久御山町、八幡町、それから向日市、長岡京市、大山崎町、田辺町、大体ここら辺。それから亀岡市ですね。これは市の条例あるいは町の条例で独自に、京都市と同じように八%の調整手当を出しているわけです。市自身が、あるいは市や町がそれぞれ財政負担をして、そうして出しているわけです。
 ところが、厚生省からくる措置費の基準はいま言ったようにそこは三%もしくはゼロできますね。そうしますと、公立の保育所の保母さんの場合はそういう条例がありますから、八%実際現実には市から持ち出して出している。ところが、民間の保育所の方の保母さんの方にいくのは厚生省からくる金中心ですから三%もしくはゼロになるわけです。
 で、公立、私立のこの保母さんの給与をできるだけ、民間の方はどうしても低いわけですから、それはいろいろな措置をして厚生省の方でも平等にしていくといいますか、均一化していく、そういうことで公務員給与に基づいて、民間の保母さんに対しても措置費をとっておるんだけれども、どうしてもこの部分は片っ方は八%もらう、片っ方はゼロですから、八%分の差というのは非常に大きくなってくるわけですね。これは民間の保母さんは、だからその分はもらえないということになってくる。この点から言いましても、私は非常に大きな矛盾が起こってきていると思うんです。
 東京都の近辺でもそうなんです。これは東京都の近辺ですがね。(地図提示)それで前に決めたやつを基礎にしていますから、東京都でこの葉山とか逗子とかいうところまで全部八%だけれども、この新しく人口急増している千葉とか、こちらの側は、埼玉とか、この辺もまあ白が多いわけですね。こういう矛盾した状況が起こってきているんです。基本的な、私は先ほどおっしゃっているように、人事院の地域区分を変更する必要がきているというように思うんですが、この点についてまず人事院の方のちょっと御意見聞かしていただきたいと思います。
#140
○政府委員(長橋進君) お答え申し上げます。
 現在、現行の調整手当でいえば昭和四十二年に創設されたものでございますが、当時勤務地手当として暫定手当がございまして、暫定手当が調整手当に移行したということになっておりまして、その間いわゆる支給地域区分についていろいろ問題がございましたけれども、その移行についての経緯につきましては先生御存じと思いますので、御指摘のように、最近の人口の集中化とそれからあるいは交通、経済事情の発展、変化というものがございまして、御指摘のように、一部につきましては必ずしも実情に即していないという点も見受けられると思いますけれども、しかし、全体の手直しということになりますといろいろむずかしい問題もございまして、現在のところその支給地域区分の全般的な手直しということにつきまして、やはり慎重な態度で臨んでいかなきゃならぬということで、関係資料等をいろいろ集めまして検討はしておりますけれども、なかなかむずかしい問題があるというような状況でございます。
#141
○神谷信之助君 これは五十三年の八月十五日の衆議院の内閣委員会でわが党の柴田議員が人事院総裁にこの問題をただしています。当時人事院総裁は、大都市圏の変化に対応ができていないという事実をお認めになって、この変更を検討するというようにお答えになっているんですがね、四十二年以来やってない。それ以後ずっと都市への人口集中、それから都市の外延化といいますか、外へ広がってきていますから非常に矛盾は大きいんですね。公務員が国家公務員法に基づいて、しかもまた給与法その他に基づいて、そしてさらには人事院規則に基づいて給与を受けるのに、少なくとも公平性を欠く事態、状態というのが今日まで続いているわけですね。だから、これはその不公平の状態が起こっていれば公平性を確保する意味からも、人事院の任務としてもこれは早急に解決をしなきゃならぬ問題ではないかと。人事院の方はそのことになかなか検討、検討と言って実際にやらないもんですから、今度は厚生省の方は福祉関係のそういう職員に対する措置がやれないと。自治体は自治体で議会でかなりやりますから、そうしなかったら人材集めるわけにもいかぬのだし、それから住民感情もありますからね。これはまあそれなりに京都市並みにしていくという、これは当然措置すると。そうするとますます不平等というか、不公平がより具体的に鋭く出てきているという状況になっているんですがね。この辺についてはどうお考えでしょうか。
#142
○政府委員(長橋進君) 確かに先ほども申し上げましたように、一部には実情に適しない個所も出ておるということは十分承知してございますけれども、やはり手直しということになりますと、相当制度的には大幅な改正ということになりますし、これは要するに国家公務員の給与を官民比較しました場合に地域別にその均衡を図るということでございますので、したがいまして、その大幅手直しとなりますと今日のように官民較差幅の少ないときでございますとなかなかむずかしい問題でございますし、さらには、一部上げる地域が出るということは配分上の相対関係の是正ということもございますので、やはり下げなきゃならぬところも出てくるというような非常にむずかしい問題もございまして、なかなか地域区分の全体的な手直しということはむずかしい問題でございますけれども、しかし、やはり支給地域区分につきましてはその適正を維持するということは大事でございますので、したがって、その資料を集めて検討は続けていきたいというふうに考えております。
 なお、一部補完措置として官署指定というものもございますので、場合によりましてはそういう官署指定等を用いていたしておるということでございます。
#143
○神谷信之助君 まあ官署指定も行われておるわけですが、たとえばこれは宇治市の官署指定を見ますと十二ですか、宇治市所在の官署が十二カ所あって、そのうち八%の官署指定が四カ所になっていますね。あとはされてないんです。されたところはたとえば京都大学の宇治地区の施設がありますが、これで官署指定八%だと、その隣の自衛隊の補給基地がありますが、これも自衛隊の方で八%と同じにされています。ところが、同じように宇治市の大久保に自衛隊の基地がありますね。これは最近まで、この時期ぐらいにはまだたんぼが多かったんです。現在はずっと住宅街になってしまった。こっちの五カ所の地域よりも住宅地に変貌してますね、新しく。だから官署指定をなさっているところでも部分、部分でしてあるところ、してないところとあるという状況がこれも生まれてますから、官署指定の措置も考えてやってもらいたいと思いますが、厚生省の方はそういう官署指定があった場合には、措置費にどういう影響してくるんですか。
#144
○政府委員(竹内嘉巳君) 先ほども申し上げましたように、官署指定がある場合と、それからその官署がないために対象にならない場合と、こういうケースが出てまいりますので、そういう意味で決して本来の原則を崩すということは余り好ましくはないけれども、やむを得ず先ほど申しましたような例外措置でできるだけ現実的に対応せざるを得ないという、特に民間福祉施設の立場を考慮して配慮していたわけでございますが、ただいまの御質問のように、官署指定が同じ市内でも違うといいますか、特に町村合併が行われた場合の扱いなどがございますので一概に言い切れませんが、私どもとしては、そういう立場で人事院にできるだけ速やかな改定をお願いしながらもそれまでの間、例外措置で矛盾点といいますか、ひずみと理解されるものを解決していくという方法をとっておるわけでございます。
#145
○神谷信之助君 それじゃ、五十一年以来そういう例外措置がやられておりませんから、ひとつこの段階で東京近郊なりあるいは近畿、私は具体的には京都の問題出しましたけれども、そういった点ひとつ検討してもらって、人事院の方で官署指定がどの程度進むか、これもあるでしょうが、仮にそれが進まない場合でも、いまおっしゃっているそういう例外措置ですね、これ五十一年以来とまっているわけですから、それ以後の変化を見て、もうちょうど五年たちますから、五十五年なり五十六年度へ向けてひとつ具体的に措置をしてもらうということをお考えいただきたいと思うんですが、その辺はどうですか。
#146
○政府委員(竹内嘉巳君) 先ほども申し上げましたように、決してそのまま行わないというつもりはございません。人事院サイドの方の作業の状況も十分配慮さしていただいて、地元の都道府県の所管課、所管部局との意見も十分徴しながら弾力的に対処していきたいと思っております。なお、これも財政当局との調整などもございますので、確約ということについてはなかなかむずかしゅうございますけれども、できるだけ現実的なひずみはなくしていきませんと、特にもう民間の福祉施設というもののあり方を考えますときに問題が多いと思いますので、前向きに対処さしていただきたいというふうに思います。
#147
○神谷信之助君 この問題、最後にひとつ大臣にお願いしておきますが、保育所の問題はこの予算委員会の総括質問でも私がお尋ねしたと思いますし、それから先般の地方行政委員会で超過負担との関連で幾つかの問題を指摘しました。きょう、そういう不平等といいますか、それが早く解決する必要があるので指摘をして、まあ事務当局の方はその方向へ行くんですけれども、問題は人事院の方の作業、人事院がやると全国的な規模でやらないかぬということになりますと、財政負担も物すごくなりますからなかなかむずかしくなるんですね。したがって、次善の策としてはいま局長が言っているような、そういう例外措置をやらなきゃいかぬと、これでも問題は財政になりますから、大蔵省との関係が非常にネックになると思います。その点厚生大臣ひとつ、いまの局長も言ってますが、民間の保育施設、福祉施設というのは非常に、慈善事業から出発してますから、そういう点での労働条件の低い状況というのは、なかなか長い間残っていますので、この充実を図るためにもひとつがんばってもらいたいと思うんですが、その意見といいますか、決意を聞かしておいていただきたいと思います。
#148
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘の調整手当の問題は、国家公務員の取り扱いに準じて現状やってきておるわけでございますが、しかし間々例外処置も講じておるということでございまして、やっぱり実態に応じた形で、特に民間の保育所の職員の調整手当との間に大きな較差が生まれるということは、保育行政を推進する上にやっぱり問題点があると思います。ただ、これは保育所だけでございませんので、その他の福祉施設全体にも波及することでございますので、かなり財政上の……
#149
○神谷信之助君 これは保育所が大部分ですからね。
#150
○国務大臣(野呂恭一君) はい。いろいろ問題があると思いますが、大蔵当局とも十分話し合いを進めまして努力をいたしていきたいと、かように存じております。
#151
○神谷信之助君 人事院の方もひとつその点努力をしていただくことにして、これで結構でございますから、よろしく頼みます。
 じゃ、次の問題ですが、これは先般のこの予算委員会の婦人問題の集中審議のところでわが党の安武議員がちょっと触れた問題で、いわゆる国民健康保険の制度の中の傷病手当、出産手当が任意給付になっているために、どこの自治体でも条例でこれを支給するという措置をしていない。そのために、業者婦人あるいは業者の家庭で御主人が病気で倒れたりすると大変な事態になるということで、大臣に要望されまして、大臣の方も中小業者の要望が非常に強いので、そのひとつ御意見に従って見直しを考えてみたいという趣旨の御答弁があったようでございます。
 これに関連して、私はもう少しお尋ねしておきたいと思うんですが、厚生省の方でこの問題――ほかの健康保険あるいは共済組合等は休業補償あるいは傷病補償といいますか、あるいは出産手当の制度、強制給付になっていますが、国保だけがなぜ任意給付になっているのか、これを強制給付にする上で、一体どういう点に問題点があるというようにお考えか、ちょっとその辺をお伺いしたいと思います。
#152
○政府委員(石野清治君) 国民健康保険のこれは制度の問題にまたがる問題でございますが、御案内のとおり、国保につきましては農民とか自営業者、そういうグループ、いわば給与所得者以外の人たちを中心にいたしました制度でございます。したがいまして、いわば被用者のように、勤めておってそれが病気になって所得が喪失するという問題と質が異なる問題でございます。たとえて申しますと、夫婦、子供でたとえば自営業を営んでいるというような場合に、もし奥さんが病気になったというような場合に、一体その営業所得がどの程度失われるのかということにつきまして見ますと、個々ばらばらの実態でございます。しかも、国保の保険料そのものの算定の基礎となりまする所得というのは、通常前年所得という形でとっているわけでございますがその場合には、営業所得以外のいろいろな所得、この中には利子所得とかいろんなものがございます。そういうもので失われた所得分をどの程度だと把握するのは非常に困難な問題が一つございます。これは行政上の問題でございます。それからもう一つは、財政的な問題がございまして、御存じのとおり、国保の方は老人医療とかあるいは高額医療の伸びが非常に多うございまして、実際上国家財政非常に厳しい中でも二兆一千億という予算を組んで補助金を出しているわけでございます。しかも、こういうものをやるとなりますと、これは政管の場合で例を挙げてみますと、傷病手当金だけで一千億以上の金がかかる。国保にいたしますと大変な金になるわけでございまして、こういう状態の中で傷病手当金なりあるいは出産手当金を給付するということは財政的にきわめて困難だと、こういうことでございます。
#153
○神谷信之助君 現実には、特に農業の場合には、病気になって農業がやれないといっても自然に成長しますから、そういう意味では相当長期にならなければ、休業を補償するという必要が起こってこないという事情がある。したがって、当初出発したときには農民が非常に多かったわけですから、それなりに必要に応じて条例でやりなさいという、そういうことでもよかったわけです。ところが今日ではいわゆる中小業者がずっと加入してその率がふえてくると、今度は自営業者の場合はそうはいかぬ。一カ月休めばそれだけの収入がもう全くなくなるという、そういう業態も出てくるわけで、この問題は非常に、特に自営業者の中に、なぜわれわれだけがほかの健康保険その他と差別をされるのかという問題が一つあります。それから、確かに老人医療費が国保財政に大きな影響を与えることは事実ですが、しかし、それがいまの国保に加入している人たちとの関係で見ると、元気な間は健康保険組合へ入っていて、退職してから、お年寄りになってからというと何ですが、それが国保に入ってくるわけですね。そうすると、実際の業者で加入している人から言うと、そのことのためにそういう休業あるいは傷病手当なり出産手当が出ないというのは納得がいかないという不満が残るのは事実でございます。
 それで、それからもう一ついろいろ認定の問題をおっしゃっているのですけれども、一つは、自営業者皆確定申告をしているわけですね。それに基づいて税を徴収されていますから、ですから一定の収入というものをある程度捕捉する可能性、条件というものがあるいうように思いますし、それから業種別の国保ですね、たとえば、土建あるいは芸能国保とかいうのがありますが、これなんかは全部定額制をとっている場合もあります。だから、いずれにしてもいろんな方法を考えればいいんじゃないかというように思うのです。それから財政上の問題も確かにあります。しかし、これは対象者の点から言いますと、特に老人医療の関係なんか考えれば社会保障的色彩がきわめて強い内容を持っているわけで、それも保険制度で全部処理しようというところに一つば無理があるし、それからもう一つは、自治体側から見ますと、事務費の負担金、国民健康保険法の規定にもかかわらず実際には実額の約六割ぐらいしか来ていない。それでそれがちゃんと来るだけでも、四割残り来れば、ある程度条例で決めて自治体自身でも実施ができるというところもできてくるわけね。もちろん、それだけの財源だけでは足りませんが、一つの口を開くことは可能になってくる。
 そういう点も考え合わせまして、私は先般、大臣の方もひとつ前向きで見直しをしてみたいというようにお答えになっておりますが、いろんな確かにそういう隘路があることはわかりますが、ひとつ積極的に実現を図ってもらうように、もう時間がありませんのでその点についての最後に大臣のお考えを聞いて終わりたいと思います。
#154
○政府委員(石野清治君) 大臣、お答えいたします前に私からちょっと申し上げますが、いま申し上げましたように行政上の認定の仕方の問題、それから財政上の問題、特に、財政上の問題が非常に大きな問題でございます。老人医療の問題を別個にいろいろ検討いたしておりますので、それと並行いたしまして国保制度については見直しをしなければならぬものと思っておりますが、この問題について前向きということになりますと、私どもとしては消極的にならざるを得ない、こういうことでございます。
#155
○神谷信之助君 そう言うてあなた一言言われてもこっちも困る。ひとつ大臣前向きで答弁してもらいたい。
#156
○国務大臣(野呂恭一君) 昨日、社会保障制度審議会にも老人保健医療制度についての見直しの上に立っての諮問をいたしておるわけでございます。これに並行して厚生省としても検討をしなければならない問題、やっぱり大きな情勢の変化というものが来ておるわけでございますから、必ずしも現行でいけるとは考えておりません。しかし、国保全体の中においてこれをどのように解決していくか検討をして、できるだけ御趣旨の線に沿えるように努力はいたしますが、なかなか国保全体にもっと大きな問題がたくさん横たわっておるという点も御理解を賜りたい、かように存じます。
#157
○主査(亀長友義君) 神谷君の質問は終わりました。
 次に勝又武一君。
#158
○勝又武一君 三月二十二日の予算委員会一般質問におきまして、スモン患者のうちで投薬証明のない者につきまして、私の質問に対して厚生大臣は、政府が受諾した内容を製薬三社に対して同様に実施するように責任を持って指導に当たるとお話されましたが、その後、その進展状況なり結果はいかがなっておるでしょうか。
#159
○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。
 先般お尋ねがございましたときにおきましても、またその後におきましても、投薬証明のない者についての東京地方裁判所の所見につきまして、国としてはもちろん直ちにお受けするという回答をいたしたわけでございますが、製薬会社に対しまして、国の基本方針に従うよう強く要請してまいっておりまして、現在もなお鋭意その指導に努めているところでございます。
#160
○勝又武一君 それでは、観点をちょっと変えてお聞きをいたしますが、スモン患者数につきまして、実は私が国会に出まして初めて五十二年の十月に質問しましたときに、厚生省の御答弁は一万一千人、こう答えられておりましたが、今回、スモン研究班等が相当研究をされて発表されている数字によりますと何人になりますか。
#161
○政府委員(山崎圭君) 先般スモン研究班のある研究グループが、それぞれ下部に分かれておるわけでございますが、死亡統計から見まして、一部の地域でスモン研究班が掌握しておりますものと照らし合わせてみた結果、ほぼ二倍に上るのではないかと、こういうことが発表されております。
#162
○勝又武一君 私は当時、これ五十二年の十月でしたけれども、二万とか三万ぐらいになるんじゃないかという御指摘もしたことがありました。そういう意味でいま考えてみますと、いまの二倍にもなるという研究班の御説明にもありますように、患者数がそういうふうにやっぱり潜在的に多い。これはやはりスモン患者と医療機関では認定されていて、しかし、実際投薬証明がないと。そういうような実情にある人は、そのうちのどのくらいになっているんでしょうか。
#163
○政府委員(山崎圭君) いま申しましたのは、ある方の御意見でございますけれども、調査研究班それ自身が二倍という結論を確定的に出したとも思えない節がございますが、いずれにしましても、投薬証明が得られないとかという患者さんにつきましては、私ども詳細にその内容を掌握しているわけではございません。ある方に言わせれば、投薬証明が得られない方が相当いるのではないかという程度のことしか掌握できておりません。
#164
○勝又武一君 それでは、また逆にお伺いしますけれども、そういう意味で、スモン患者と認定をされていながら訴訟を起こしていない人というのはどのぐらいありますか。
#165
○政府委員(山崎圭君) スモン研究班の一万一千七名というのが報告されているのを私どもはそのまま受け取っておるわけでございますが、現在提訴患者が五千百八十七名でございます。そういう意味では約五千に近い方々が提訴をしてないというふうにも思われるわけでございます。
#166
○勝又武一君 そうしますと、人数は二万とか三万とか、潜在的にも指摘をされているわけでありますが、スモン患者と認定されながら訴訟をしないというのは、やはり投薬証明がないとか、その投薬証明が非常に不十分だと、そういうことで提訴をためらっている人が非常に多いと、こういうように現状を把握していいんじゃないんでしょうか。その点はいかがですか。
#167
○政府委員(山崎圭君) 厳密な意味でスモン患者と認定されたということではございませんで、当時の調査によりましてスモン患者であろうと、こういうふうに医療機関から報告をされた者が一万一千名でございますが、その中において、いま先生御指摘のように、投薬証明書やカルテの取得ができないと、こういう要因、原因によって提訴に踏み切っておられないという方は相当数に上ると、こういうふうには受けとめておるわけでございます。
#168
○勝又武一君 そうしますと、私はいまの時点でやはり一番重要だと思いますのは、例の三月七日の東京地裁内田裁判長の勧告ということになっていくと思いますね。だから、政府は、ああいう受諾する方針を出していらっしゃるんですから、そうすると、それに対して製薬三社側が検討中ということで保留をしているという、もうここにしか問題点は帰着しない、そういうように思います。そして、確かに一万一千幾人のうちの五千とか六千とかという未提訴者もありますけれど、二万、三万という類推をされる実質的な患者ということに対する責任を思いますと、政府の製薬三社側に対する指導ということがどこまで現実的に効果を持ってくるかということがやはり問題だというように私は思うわけです。
 そこで、もう一つさらにお聞きをしたいんですが、私はやっぱり、製薬会社が考え方を変えなければ解決にならないというふうに思いますけれど、過日のこれは三月三十日の新聞ですが、二十九日高知地裁で開かれたスモンの和解交渉で、田辺製薬は、診断書に記入された日時から三年以上経過して提訴した原告患者には損害賠償を請求する権利はない。つまり、民法の規定を適用して、三年以上経過して提訴した場合には損害賠償の請求権がないというこの主張ですね、はなはだもって私は、政府のいままでの方針なりあるいは東京地裁の勧告等からいけば、まさにこのことは引き延ばし戦術以外の何物でもないというように感じますが、政府のお考えはいかがですか。
#169
○政府委員(山崎圭君) 新聞によります件につきまして、私どもも田辺に確認をしたわけでございますが、御指摘のように、高知地裁の和解の場におきまして田辺製薬は、患者一名につきまして、四十九年九月に投薬証明書が得られた、あるいは診断書が得られた、したがってその時点において損害なり加害者を知ったのであるから、提訴時、つまり五十二年十月においては損害賠償請求権はすでに時効によって消滅しているというたぐいの主張をしたと、こういうことでございます。ただ、これはいま初めてここに至って田辺がとった態度ではございませんで、実は和解に踏み切る前から田辺はこの種の主張を訴訟において繰り返しておった、こういうことでございまして、いわば訴訟上の、何といいますか、攻撃防御手段といいますか、原・被告の間におけるそういう主張がそのまま和解の席にも持ち込まれたと、こういうふうに受けとめているわけでございます。
 ただ、いずれにしましても、これはいわば法律問題でございまして、法律上もむずかしい解釈もあるようでございますので、私どもといたしましては、田辺と原告との間で十分和解の席で協議を続けていただきたい、それで円満にこの問題の解決に導いていかれるように期待を強く持っておるところでございます。
#170
○勝又武一君 大臣にお伺いします。
 いま再三局長の答弁がありましたが、私も二十二日に大臣にもお伺いしまして、大臣も誠心誠意事に当たっているんだと、そして何としても製薬会社側のこの責任ある処置をするというお話が大臣からもございました。私はその際にも申し上げたんですが、このようにやはり検討、検討で引き延ばすという状況になってきている。そしてまた、いまのような高知のようなことも出てきますと、ますます事態をこじらせる以外にない、だから私はやっぱり政府が決断を持って、責任をとって何らかの新しい具体策といいますか、たとえば、この間も私申し上げましたけれども、製薬会社側の代表者を国会に喚問するとか、何らかの具体策をとっていただかないと政府の責任になるというように思いますが、大臣のこの際の対処の仕方について御見解を承りたい。
#171
○国務大臣(野呂恭一君) 国といたしましては、スモン問題の早期解決を図ることが基本方針でございます。この間の東京地裁の所見に対しましても、国はそれに従って和解を進めてまいっておるわけでございますが、製薬企業に対しましては、この前私も一製薬企業の社長以下幹部ともすでに会っておるわけでございます。また、担当の局長は連日製薬企業側と接触をいたしておるわけでございます。私どもは誠心誠意製薬企業側に説得に当たっておるわけでございますが、ただ、言葉で説得と申しましてもなかなか簡単なものではないというふうに、その困難について私どもは非常に苦慮しておるわけでございます。しかしながら、国の方針等に従って製薬企業におきましても速やかに円満な解決が図られますように、厚生大臣としては今後とも誠心誠意努力をさしていただくということを申し上げる以外にないのでございます。
 国会で証人として喚問する、参考人としてお呼びになるとかいうことは国会自体の問題でございますので、私どもはそれがいいとも悪いとも申し上げることではないと存じます。ただ、国としては従来の方針どおりに早期に和解の解決を進めたいということで努力をいたしておるわけでございます。
#172
○勝又武一君 スモンで最後にもう一つ伺いますが、スモンの患者の本当の願いというのは、自分の体をもとの体に戻してくれということに私はもう尽きるというぐらいに思います。そういう意味で、日本のいまの医療水準のこの最高技術を総動員すれば、根本的な治療方法の開発というのも私は不可能ではないというように思うんですけれども、厚生省としていかがですか。
#173
○政府委員(山崎圭君) 私ども患者さん方のいわゆる恒久対策といいますか、そういう問題についても十分努力して予算的にも配慮してきたつもりでございますが、たとえば京都に国立療養所の宇多野病院というのがございますが、そこをスモンの患者さんのための治療研究施設と考えまして、特別に病棟を整備いたしまして研究棟その他もあわせ兼ね備える、こういうような姿で五十五年度中には開けるような運びで予算的な措置も昨年度からとってきてまいっております。
#174
○勝又武一君 それはどの程度の金額なんですか。
#175
○政府委員(山崎圭君) 金額的には全体の国立療養所の特別会計の枠の中でございますので、ただ、規模といたしましては病床として四十床ということで、さらに特殊診療棟を整備いたしましたり、機能訓練棟を考えましたり、そういうことでやってまいっておるわけでございます。
#176
○勝又武一君 大臣ね、これは最後に伺いますけれども、たしか、戦後結核が大変な時期がありましたね。私もその当時教育に携わっていましてわかっていますけれども、教員に圧倒的に多くて、もうきわめて最重点的な国の総力を挙げて結核対策ということをおやりになったんです。だから私は、いま政府がそこまで責任を感じていらっしゃるんですから、四十床程度のベッドの話じゃないと思うんですよ。わかっているだけでも一万一千幾人、二万、三万の潜在、しかも国がここまで責任を感じていらっしゃる。国の責任をお感じになっているわけでしょう。ですから、ここからいけば私は京都の四十ベッド程度じゃなくって、もっと抜本的にやっぱり戦後の結核に投じたような全総動員するというぐらいのことがあってしかるべきだ、これは総力を挙げてこの点での開発、あるいは重点的な予算措置、そうしてせめて東に一つとか西に一つという程度でない抜本的な治療開発ということに力を注いでいただきたい、こう考えますが、いかがですか。
#177
○国務大臣(野呂恭一君) いま御指摘になりましたのは、スモン病に対する専門病院を新しく開設したということでございまして、その他国立療養所あるいは医療機関挙げてこのスモン患者の救済にこれは治療の上において当たらなければならないということでございます。決して専門病院をたくさんつくれということだけでなくて、私は医療機関挙げてスモン患者の救済に当たるべく、今後研究開発も進めていくということが厚生省として当然のことである、かように考えております。
#178
○勝又武一君 きょうは与えられた時間がきわめて少ないので、スモンにつきましては、さらにまた検討してまいりたいという機会を別に持ちたいと思っております。
 次に、環境庁に対しまして、これも前回の三月二十二日の際に御質問申し上げました富士山ろくのライオンサファリの問題についてでありますが、当日、私の質問いたしました水質汚染について、特に水質検査用の観測井戸から大腸菌が検出された点の指摘ですね。それについての調査と、どう対処されたのか、その結果についてお聞きいたします。
#179
○政府委員(馬場道夫君) 大腸菌の問題でございますが、昨年の十二月とことしの一月にサファリ地区内の井戸から検出いたしました検体から大腸菌が検出をされたわけでございますが、その後、採水設備の改善を図って改めて採水をいたしたわけでございます。採水と申しますのは、従来の採水につきましては、井戸から出ましたものを下水槽に入れてそれをバケツで採水をしたということでございますが、直接井戸から採水いたしておったわけでございますが、そういうような改善をいたしまして、起業者による採水を二月十八日、それから静岡県と関係三市二町の立ち会いによります採水を二月二十七日に行ったわけでございますが……
#180
○勝又武一君 経過はいいですよ。結論だけ言ってくださいよ、やった結果を。
#181
○政府委員(馬場道夫君) その結果は大腸菌は検出されなかったということでございます。
 しかし、私どもは、一度でも大腸菌が出ましたので重要な問題と考えておりますので、静岡県に対しまして連続採水を行う等の措置を指示したわけでございます。その後、そういうことによりまして原因究明を行うように指示いたしておりまして、四月から当分の間、連続採水を実施するように県において指導しているということでございます。
#182
○勝又武一君 国立の遺伝学研究所、三島にございますが、そこの岡教授、それから元富士山測候所の所長をやっておりました藤村さん、この方々が指摘していることで二、三ありますので、ひとつ伺いたいんですが、一つは、会社側が言う土壌還元されるということについて、このお二人の専門家の皆さんは非常に現地を知っていらっしゃるわけですから、この現地の土地のいわゆる自浄能力――土によって自然に浄化される、こういうことは不可能だ、自浄能力はない、土によっての自然浄化はされない、こういうように指摘をしています。それから同時に、大変あそこは地震に弱い地質層なんだということを指摘していますが、この点はいかがですか。
#183
○政府委員(馬場道夫君) 土壌の自浄能力の問題でございますが、確かにあの地域の土壌を見ますと、土層の非常に薄いところもございます。ローム層でも二十センチからあるいは三十センチぐらいの範囲内にいろいろ分布しているということのようでございまして、そういう土壌の薄い地域での動物の放し飼いにつきましては御指摘のような問題の御懸念もございますので、そういうところは極力避ける必要があろうかと思います。この件につきましても、県に対してさらに調査を行うよう指導しておる段階でございます。改めて県から報告受けた上で、そういう直接地下水に流入しないようにいろいろ指導してまいりたいと思っているわけでございます。
#184
○勝又武一君 複合汚染の心配がきわめて指摘されていますが、この点はいかがですか。
#185
○政府委員(馬場道夫君) これは厚生省の方からお答えいただいた方がいいと思います。
#186
○政府委員(大谷藤郎君) 富士サファリで飼育予定しております動物につきましてはアメリカから購入されまして、大分県にあるサファリで獣医師によって監視、隔離されまして、一定期間置きましてからそちらの方へ持っていくというふうに私どもとしては聞いておりまして、わが国の一般の他の動物と同じような種類のものであるというふうに理解しております。
#187
○勝又武一君 もう一つ国立遺伝研の岡教授が指摘をしている例の伝染病、細菌、ビールス汚染の問題ですが、特にライオン、トラなどの野生動物の伝染病、細菌やビールス汚染について、岡教授は沼津地裁に陳述書を出されているんです。朝日新聞にも意見を公表しているんです。政府はこれらの野生動物は検疫からも除外されている。全くの無防備だという指摘があるんですが、この点はいかがですか。
#188
○政府委員(大谷藤郎君) 人畜共通感染症としてのウイルスは日本脳炎とか、あるいは狂犬病等幾つかの疾病が私どもとしては承知しているわけでございますけれども、これも先ほど申し上げましたように、他の動物と同じような状態であるということで理解をしているわけでございます。
#189
○勝又武一君 やっていらっしゃらないわけですね。どうなんですか。
#190
○政府委員(大谷藤郎君) そういうわけで、輸入の際に動物園で一定の監視をやっているというふうなことで、他の動物と同じように私どもは理解をしているわけでございます。
#191
○勝又武一君 検疫から除外されているというのは、そうすると、そういうことはないんですか。
#192
○政府委員(大谷藤郎君) 国際衛生規則ではコレラ、天然痘、黄熱病等四種の伝染病だけについて検疫をするというふうに決められているわけでございます。
#193
○勝又武一君 そうしますと、一切そういうことは、何というのですかね、ライオンサファリの野生動物等についてのいわゆる定期的な検査等を実施する必要はございませんか。
#194
○政府委員(大谷藤郎君) 先ほどから申し上げておりますように、私どもとしては一応危険はないものというふうに考えておりますけれども、もし予測しないような人畜伝染病が発生いたしました場合には、これは伝染病予防法を発動いたしまして、汚染のある物質について必要な措置をとると、こういうふうになっておりますけれども、従来から、世界的に見ましてもそういう例は聞いておらないわけでございます。
#195
○勝又武一君 国立遺伝研の専門教授の見解でありますので、私はやはり万が一発生したら云々ということでは大変国としても責任がなさ過ぎるんじゃないだろうか。そういうことが考えられます。そういう意味でぜひひとつこれはいろいろなわ張りを越えて、こういう問題については政府において、上水道に、水質汚染の問題にかかわるわけですから、これは環境庁なのか、厚生省なのか、どこなのか、ぜひこれらについては御検討をいただきたい。責任を持ってひとつ対処していただきたいというように思います。
 そこで環境庁長官お伺いしたいんですが、これも環境庁長官よく御存じのように、富士山は一つの県の富士山じゃない。日本の富士山であり、世界の富士山だと思いますし、このライオンサファリのいわゆる国立公園のすぐそば、しかも公園の一部もこのサファリの地域内にやや一部入ると、こういう問題もあるわけです。いろいろと地元では問題がありますので、富士の保全、いわゆる富士山ろくの問題というのは単なる県だけに任せるのではなくって、日本の問題といいますか、日本政府の問題としてやはりいろいろこういう問題について大臣としても対処していただきたいというように考えますが、この点についてはどんな見解をお持ちになるでしょうか。
#196
○国務大臣(土屋義彦君) 私的なことにわたって大変恐縮でございますが、私も静岡県の出身でございますので、この問題につきましては深い関心を持っておるような次第でございます。先ほど勝又先生御指摘のとおり、富士山はわが国を代表するものでございまして、あの美しい景観はみんなで守ってまいらねばならないと思います。特に自然公園法の適正な運用を図るとともに、また公園の区域外の地域の開発に対しましても自然環境保全の見地から、今後、関係各県に対しましても強力な助言、指導を行ってまいりたいと、かように考えております。
 それから、ちょっと一言。先ほど来御指摘の問題につきましては、去る一月二十四日、勝又先生の御案内で富士箱根愛鷹の自然と生活環境を守る住民協議会の代表の方々が環境庁へもお見えになりまして、動物の排せつ物による地下水の汚染防止対策の重要性というものを私は深く認識いたしまして、もちろん環境庁におきましても静岡県とも十分連絡はとっておりますが、私自身も関根副知事に対しまして電話で陳情の趣旨をお伝えいたしたような次第であります。またその後、衆参両院におきましてもこの問題が取り上げられ、また先般の予算委員会におきましても勝又先生が御指摘になられましたので、再度私は環境保全に対しまして十分配慮するよう県当局に対しましても厳命をいたした次第であります。
#197
○勝又武一君 日本野鳥の会の会長の中西悟堂さんを初めとして荒垣秀雄、古谷綱正、扇谷正造、尾崎一雄さん等、敬称略しましたが、これらのいわゆる著名な文化人が名を連ねて反対をされているんです。その趣旨は、やはり動物の保護に反する、それから野鳥保護の立場からも絶対反対だと、こういうふうに言っていらっしゃるわけですね。きわめて非文化的、非教育的であり、動物虐待だと、こうも言っているわけでありまして、私は本来、動物自然公園というのはアフリカ等の草原で自由に活動性あふれる動物に接してこそ、自然公園だと。日本のサファリというのはどう考えても似て非なるものだというように考えるわけですが、そういう意味で、本来的な意味から言って大変離れてきている、非常に企業化してきているんじゃないかという心配を持ちますが、これらの著名人の指摘されている点や、それから本来の自然公園と離れてきているんじゃないかというようなこれらの点については、長官いかがお考えでしょう。
#198
○国務大臣(土屋義彦君) サファリパークのようなものにつきましては、いろいろな考え方もあるかと思いますが、私個人といたしましては、全く気候、風土の異なる土地に異国のライオンだとか象を連れてきて展示をすることは不つり合いと思われますし、必ずしも好ましいことではないと、かように思っております。
#199
○勝又武一君 特に私は、きょうこういうところで厚生省、環境庁の人しかいらっしゃいませんので、なおこのライオンサファリ問題はこの間の予算委員会でも指摘をしましたが、交通渋帯の問題もございます。それから、特に駿河湾東海沖大地震立法と、こういう関係から、きわめてフェンスが軟弱であるというような指摘もありますし、非常に多角的な問題をはらんでおります。やはり総体としては環境庁なり厚生省なりが主体と思いますので、ぜひひとつそれぞれの省庁のなわ張りを越えまして、いま御指摘が、御見解もありましたので、今後ともこれらの点が十分富士山ろくにふさわしくないような状態ができるだけなくなりますように、御検討をお願いをして質問を終わりたいと思います。
#200
○主査(亀長友義君) 勝又君の質疑はこれにて終了いたしました。
 次に内田善利君。
#201
○内田善利君 まず最初に環境アセスメント法案の要綱について質問したいと思います。
 過去環境庁としては国会にこの法案を提出されて、四回も流れておるわけですが、私ども公明党としてはいち早く国会に提示いたしまして、何とかして公害の防止を図るべきだと、そういう立場から今日まで見てまいりましたが、今回二十八日、関係閣僚会議で環境アセスメント法案の要綱が決定したようでございますが、国会も会期末まであと一カ月半になっておりますし、一体今回は、また流れるのではないかという心配と、この法案の内容について、いつ法案が出てくるのか、この辺について法案のスケジュールはどういうふうになっているのか、まずお伺いしたいと思います。
#202
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。
 さきの自民党と社公民三党との話し合いによりまして、自民党の方から内閣に対しまして要請があり、去る三月四日に関係閣僚会議を内閣に設置をしていただきまして、三月十三日に第一回の会議を開催していただきまして以来、問題点ごとに鋭意調整を行い、先ほど御指摘のとおり三月二十八日に第三回の会議におきまして法案の要綱の決定をいただいたのでございます。私といたしましては、これに基づきまして詳細な詰めを急ぎ、関係省庁とも協議の上早急に成案を得まして、与党にも諮りまして国会に提出をさしていただくように最大限の努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#203
○内田善利君 両院の審議日数等を考えまして、もうそろそろその期限に近づいているんじゃないか、このように思いますが、その見通しはまだわかりませんか。
#204
○政府委員(金子太郎君) 要綱を決めていただいたわけでございますけれども、要綱の内容を法案化する過程で、特に要綱決定していただきます最終段階で都市計画法との調整を、当初の原案ではアセスメント法の附則で都市計画法を直すという考え方に立っておったのでございますが、その最終段階で、これを本則の中で都市計画法の特例として調整を行うということに急転直下決まりました関係上、都市計画法という非常に手続の詳細、精密な法律との調整を図らなければならなくなりました。そういう関係がございまして、法案を詰めるのに若干日時が必要となっております。
 しかしながら、御指摘のとおり、本件は私どももぜひ国会提出を早期にいたしたいという考え方でおりますので、関係省庁ともよく相談いたしまして、できれば中旬にはお諮り申し上げられるような状態に持ち込みたいというふうに努力しているところでございます。
#205
○内田善利君 大体わかりました。
 それでは、この環境アセスメント法の目的及び基本的な仕組みなんですが、これは開発が環境に及ぼす影響を事前に予測、評価し、公害を未然に防ごうとするということ。二番目は住民と地方自治体に評価の結果を公開し、意見を聞いていこうとするということだと思うんですが、この点について、長官の御意見をお伺いしたいと思います。
#206
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。
 環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業につきましては、何と申しましても地域住民の理解と協力がなくいたしまして進めることはできません。地域住民の意見を聞くことが、このアセスメント制度の重要な柱でございます。また中公審答申にもございますように、地域住民からは事業の実施が環境に及ぼす影響についての、生活者としての情報の提供が期待されており、このことからも、アセスメント制度においては地域住民の意見を聞くことを考えておる次第でございます。
#207
○内田善利君 長官の御意見非常によくわかるわけですが、この法案要綱を見ますと、今回提出予定の法案の中身は住民参加を大きく規制している、いままでの考え方からですね、あるいはいままでの法案の中身などから後退しているんじゃないかということを感じます。それから自治体の自主性を無視しているんじゃないか。こういうこともこの要綱を見まして感ずるわけですが、どちらかと言えば早く提出したいと、関係省庁を納得させて――環境庁の御意向よくわかるわけですが、少しアセスメントの手法に目が行ってしまって、その精神が骨抜きになっているんじゃないか、こういうことを感ずるわけですが、この点はいかがでしょう。
#208
○政府委員(金子太郎君) 住民の意見を聞き入れる点につきましては、私どもも最大限の努力をしてまいったつもりでございますけれども、中公審及び関係省庁とお諮り申し上げました結果、地域住民からは地域における生活者としての情報、すなわち事業者が気がつかないような幾つかの問題について、生活者としての指摘というようなものが期待できる。したがいまして、そういうもので事業者のいろいろな分析なり考え方なりを補うことが必要である。こういう見地から現在のような案をつくっているということでございます。
 もちろん、この点につきましては理想的な立場から言えばより広くした方がいいとか、いろいろなお考え方があろうかと思いますけれども、私どもはアセスメント制度の円滑な運用ということを考えまして、現在、情報公開法の制定がまだ日程に上がっていないというような日本の現実におきましては、この程度の考え方が適当なものであろうかというふうに考えた次第でございます。
#209
○内田善利君 私が考えますところでは、公聴会の義務づけも今度はされておりませんし、また地域住民というのも限定されておりますし、環境庁のこの要綱わからぬではありませんけれども、やはり広く住民の意見を聞くということ、それと住民と環境影響評価をした専門機関との間のギャップといいますか、コンピューターを駆使してできてきた評価書あるいは準備書を見る場合に非常に困難を伴うのじゃないか、こう思うわけですね。したがいまして、やはり住民の側でもそういった指導的な立場にある専門家というような人たちがこの評価書を見て、そして地域住民を指導していくとか教えていくとか、そういうことをやらない限り、せっかくできた法案がなかなか困難なものになるのじゃないか、こういうふうに考えるわけですが、この点はどのようにお考えですか。
#210
○政府委員(金子太郎君) この要綱におきます考え方は、地域の問題につきましては地域住民の意見を聞きますほかに、当該地域を管轄する地方公共団体の長、すなわち知事さんに意見を述べていただく。その知事さんは、関係市町村長の意見あるいは県内のさまざまな立場からする意見、場合によっては専門的な立場からする意見、こういうようなものをあらゆる角度から検討し、勘案していただく。また、御承知のとおり知事さんは手足として環境部というような組織、スタッフを持っておりますので、専門的な検討も可能なお立場にあられるわけでございますので、その知事さんにそのような情報を総合していただきまして、知事意見として事業者に述べていただく。そうして、住民の意見と知事さんの意見を勘案して事業者が評価書をつくるという仕組みにいたしまして、環境庁長官は、そのでき上がった評価書について環境を守る最終的な責任者という立場からさらに意見を述べる。その環境庁長官の評価書についての意見と、それから評価書の内容、この二つをしんしゃくいたしまして、主務大臣がみずから事業決定を行う際、あるいは許認可等の処分を行う際にこれをしんしゃくすると、こういう立場をとったわけでございます。これはやはり関係各省庁との長時間にわたる詰めをいたしました結果、現在の制度等を前提といたしまして、こういう流れにするのが一番妥当であろうと、こういう結論になったという次第でございます。
#211
○内田善利君 この要綱の第二の「対象事業等」ですが、この中の(5)ですね、「電気工作物の新設等」というのが入っておりますが、これは水力、火力、原子力発電所等を含むわけですか。
#212
○政府委員(金子太郎君) この要綱の第二の「対象事業等」の一の(5)の電気工作物の中には、一応原子力発電所も含まれると、このように解釈いたしております。したがいまして、ただいま御質問いただきましたものはすべて入ることとなりますが、なお、放射線による環境への影響につきましては、御承知のとおり、従来から環境行政とは別個の体系で対処されておりますので、この法案では対象とならない。具体的に申しますと、温排水等について私どもの方が対象とすると、こういうことになろうかと思います。
#213
○内田善利君 この評価の対象を、公害を及ぼすようなこういうものだけに限らないで、生活環境あるいは歴史環境、そういったものに対する影響については触れられていないわけですが、この点はどういうことになっておりますか。
#214
○政府委員(金子太郎君) この法律の対象といたしておりますのは、公害対策基本法に定められております典型七公害と自然環境保全法が対象といたしております自然環境だけでございまして、お説のように文化財、電波障害、日照、地下水、こういうようなものを対象といたしておりません。
 本件につきましては、より広い立場から、そういう公害対策基本法や自然環境保全法以外の法域をも包含すべきであるという有力な意見がございまして、私どももせめてそういう種類のものと手続的にあわせ行い得るような、そういうことはできないかと考えた段階がございますけれども、やはり環境庁の所管というものが公害対策基本法と自然環境保全法という二つの法域に限定されている現状があり、かっこのアセスメント法案の策定の段階で、その法域を広げるというようなことは一応考えない、こういう前提で各省と考え方をすり合わせをせざるを得なかったというようなこともございましてそのように限定されていると、こういう次第でございます。
#215
○内田善利君 自然環境保全法ですか、それと公害対策基本法に基づいてやったということでございますが、せっかく環境影響評価をやるわけですから、いま言ったような問題も対象にした方がいいなと思うんですが、これにつきましていままで何回も話題に出ておりますが、環境保全基本法ですね、これを制定する考えは長官にはございませんか。
#216
○国務大臣(土屋義彦君) ただいま検討の課題と考えまして取り組んでおる次第であります。
#217
○内田善利君 現在、自治体で北海道と川崎市だけですか、環境影響評価条例を出しているところは。これらの二地区で条例を出してアセスメントやっているわけですが、両自治体では第三者機関を設けて、事業者からの報告書を審査するというやり方をやっているようですが、この環境庁のアセスメント法が成立いたしますと、こういった機関、制度はどういうことになるんでしょうか。
#218
○政府委員(金子太郎君) 第三者による評価機関を設けるかどうかというのは確かにアセスメント法を策定する上の大きな問題点でございますが、たとえばアメリカでもCEQというような政府機関がやっておりますし、私どもは政府機関による判断、すなわち主務大臣による最終的な判断で公共事業等を施行していいと、日本の現状はそれでやっていけると、こういうふうに考えて、あえて第三者機関による判断を求めないと、こういう立場をとった次第でございます。
#219
○内田善利君 それはよくわかるんですが、こういう二自治体がいますでに条例を設けてやっているわけですね。第三者機関を使ってやっているわけですが、これはこのままやっていいわけかどうかという問題なんです。
#220
○政府委員(金子太郎君) この要綱に基づきまして法律ができました暁に、北海道及び川崎市の条例とでき上がるであろう法律との関係がどのようになるか、現在の段階ではまだ十分に正確なことを申し上げられない事情にございますが、大ざっぱに申しまして、この法案はアセスメントを事業者に義務づけるというところに著しい特色がございまして、それと別個の立場から知事さんや市長さんがアセスメントのためのいろいろな手続をなさることについては、これは事業者を義務づけない限りにおきまして自由であると、こういう解釈をとっておりますので、その辺が、条例は条例としてそのまま残るのか、あるいは条例の一部が新しくできる法律により先占されてしまうことになるのか、そこはまだ見きわめがついていないという状態にございます。
#221
○内田善利君 第五ですか、「地方公共団体が、当該地域の環境に影響を及ぼす事業について環境影響評価に関し必要な施策を講ずる場合においては、この法律の趣旨を尊重して行うものとすること。」となっておりますが、それから七ですね、これは地方自治体に上乗せ条例を禁止していると、そのように思うんですが、いまのお話聞いておりますと、そうでもないのかなと。そうなると、公聴会をどうしてもやるべきだと知事が判断した場合には、そういう義務づけができるのか、あるいは縦覧期間をもう少し延長することができるのか、あるいは対象事業をもっと広げるとか、あるいはアセスメントの専門機関について第三者機関を使ってもいいのか、そういった条例を制定することができるのかどうかという問題ですが、この点はどうですか。
#222
○政府委員(金子太郎君) 本件につきましても条文をはっきり確定した上でないと断定的なことは申し上げられないとは思いますが、現在までにこの要綱制定作業の過程で非常に明らかになってまいりましたことはまずこの法律が対象とする事業につきましては、原則としてこの法律が法域を先占する。したがいまして、先ほど言われました縦覧期間などはこの法律の定めに従うと、こういうことになろうかと思いますけれども、この法律の対象事業以外の事業については、条例で必要な規定が定められる。また、この法律が対象とする事業であります場合でも、知事さんが事業者に対して意見を述べるに当たりまして公聴会を開いたり、審議会を持って審議会の意見を聞いたりすることはそれは自由であると、こういうふうな考え方にございます。
 それから、一般的に地方公共団体が環境影響評価に関しまして施策を講ずる場合、これは条例を出す、要綱を決める、規則をつくる、その他いろいろな内容を含むと思いますけれども、こういう場合にはこの法律の趣旨を尊重して行うものとするということは、たとえばこの法律は環境に影響を及ぼす事業の中でも非常に大きいものをまずつかまえて対象事業としている、あるいはその結果地方公共団体をまたがるような事業が数多く予想される、そういう場合には手続はこの法律の手続に従うのが適当である、あるいはこの法律の手続とバランスを考えて、地方公共団体でさまざまな制度なり施策なりをお決めになることが適当であると、こういう趣旨のものでございます。
#223
○内田善利君 北海道と川崎市では第三者機関がやっているわけですが、事業者主体が影響評価をやるということは何といいますか、うまくいけばいいですけれども、いままで環境影響評価法はなくても、各事業体がやってきておるわけですね。通産省は通産省なりに、あるいは建設省は建設省なりに、評価をやりながら事業を進めてきているわけですが、ところが四日市とか、あるいは岡山県とか、あるいは鹿島とか影響評価をやって、そして仕事を進めながら公害が発生しているという現実があるわけですね。ですから、できるならば川崎市あるいは北海道がやっているように、権威ある第三者機関が専門評価をすることが望ましいと、そのように思うわけですね。開発者、事業者自体が影響評価をするということは、やはり開発を進めたいという気持ちで、そういう意向で評価をするに違いないと思います。人情としてですね。ですから、できれば第三者機関、専門機関が必要ではないかと、そういったことで川崎市も北海道も踏み切ったんではないかと思うんですが、環境影響評価をする権威のあるそういう専門機関を養成するといいますか、そういった対策を講ずべきではないかと思うんですが、これは中公審でも指摘があっているわけですね。ですから、そういう対策を講ずべきではないかと思うんですが、そういう考えは全然ありませんか。
#224
○政府委員(金子太郎君) 御承知のとおり環境影響評価は、調査から始まりまして、科学的な予測を行い、最終的には評価を行うというシステムでございますので、その調査、予測、評価というものが適正に行われることが一番肝要なポイントでございます。で、この環境影響評価に関する調査、予測等の機関は近年ようやく育ち始めたという段階でございまして、まだ十分な成長を遂げているとは言えないというふうに考えております。その点では内田委員の御意見と全く同感でございます。私どもも、御指摘のございましたとおり、中公審の答申でも言われておりますし、今後、その調査機関の育成を図るという問題については、最大限の努力をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
#225
○内田善利君 この環境アセスメント法が開発の免罪符になるのではないかという意見、あるいは健康被害補償制度の見直しと絡めているのではないかと、そういった声が出ておるわけですが、この点についてまず長官の御所見をお伺いしたいと思います。
#226
○国務大臣(土屋義彦君) 環境影響評価法案の国会提出と公害健康被害補償法の見直しとは全く別個の問題であるということを明確に御答弁を申し上げておきたいのでございます。私といたしましては、この環境影響評価法の国会提出を最重点課題といたしまして、ただいま全力を挙げて最大限の努力をいたしておる次第でございます。
 それからまた、免罪符になるんではないかという御意見でございますが、さようなことはございません。今日、環境の公害の防止にとどまらず、やはりこの公害の未然防止、これが環境行政の重要な課題でございまして、さような意味におきましても、環境影響評価法案の法律としての制度化を図るということが最大の急務であると、さように私は考えておるような次第でございます。
#227
○内田善利君 これは三月の二十五日の新聞ですが、経団連が公害健康被害補償制度を廃止の方針を決めたという文書が出ておるわけですが、私はその中身についてはまあ経団連のことですから問いません。ただ、内田公三経団連産業部長の話として最後に、
  あの文書は産業界内部を調整するため、一つの方針を打ち出したもので、加盟各業界団体を通じて個々の企業にまでおろしている。内容は何も非人道的なことが書かれているわけではない。患者切り捨てなど考えてはいない。我々が不合理だと思うのは、ここからですが、
 亜硫酸ガスによる大気汚染が大幅に改善されているにもかかわらず、公害病認定患者は減るどころか全体的に増えていることである。
 こういうことを経団連の産業部長の内田さんが、これは記者に対して話されたんだと思うんですが、私もこのとおりだと思うんですね。「亜硫酸ガスによる大気汚染が大幅に改善されているにもかかわらず、公害病認定患者は減るどころか全体的に増えている」と、これはどのようにお考えでしょう。まずお聞きしたいと思います。
#228
○政府委員(本田正君) 大気の汚染の中で確かに御指摘のようにSOxというのは最近非常に下がっております。ただ、そのSOxの低下だけをもって大気の汚染が改善されたかどうかについては、あとまだNOxあるいは浮遊粉じんとか、そういったものも考えながら判断しなくちゃいけないと存じます。ただ、NOxが横ばいだ、それから浮遊粉じんも横ばいだ、SOxは低下しているということになりますと、かつてのきわめて危機的な大気の汚染状況からはもう脱しまして、過去に比べればきわめて大気の汚染は改善されたというふうに存じております。
 それから、にもかかわらず患者が依然として増加するんじゃないか、こういうことでございますけれども、これは御承知のとおり公害健康被害補償法に申しますところの公害病、第一種の公害病というのは四つの疾病がございまして、気管支ぜん息とか、慢性気管支炎とかという四つの疾病がございます。それはいずれも非特異性の疾病と申しますか、ほかのいろいろな原因によってくるぜん息というのは一般にそうでございます。非特異性の疾病であるがために、これは大気の汚染とは関係なく全国どこにでも一定の発生率をもって発生するわけでございます。そういった非特異性の疾病であるという理由が一つ。
 それから地域指定をいたしますと、その地域の、いわゆる認定患者になるための申請手続が要るわけでございますが、その申請者が一度にどっと出てくるというわけでは決してございませんで、何年もかかりまして出てまいるわけでございます。大体過去の例で言いますと、地域が指定されて五年ぐらいたちますと大体横ばい状態になってぐる、こういうこと等からいたしまして、私は大気の汚染の改善が確かに進んでいるわけでございますけれども、そういった地域指定からの期間がまだまだ一番新しいところで二年ぐらいしかたっておりませんので、そういった意味で患者はふえていくと、こういうぶ参に分析いたしております。
#229
○内田善利君 そう言われますけれども、環境庁は昭和四十七年一月に浮遊粒子状物質については環境基準を設定されたわけですね。それ以降これは五十二年度ですけれども、全国百七十七測定局があって、そのうちわずか二四・三%、四十三局だけが環境基準を達成しておるわけですね。ですから、もうすでにこの年で、五十二年ですから環境基準を設定してから数年もたつというのに手がつけられてない。しかも、これは大阪の放射線研究所のデータですけれども、浮遊粒子汚染の主犯はディーゼルの排気だということが発表になっておるようですけれども、このディーゼルエンジンが、浮遊粒子の寄与率一八%に達しておるということですが、こういうことから特にディーゼルエンジンはいまは乗用車にも利用されようとしている。そういうことで、車に対する規制、そういったものが全然、特にディーゼル車に対する規制がなされてない。そういうことで浮遊粉じんについての対策が全くなされてない。そのように思うわけですが、この点はどのように対策を講じてこられたか、また今後は講じていかれるのかお聞きしたいと思います。
#230
○政府委員(正田泰央君) 担当局長がちょっと参っておりませんので、後ほど至急お答えいたしますので、大気保全局長から最初に答えさせていただきたいと思いますが……。
#231
○内田善利君 大気保全局長――それじゃいいです。
#232
○国務大臣(土屋義彦君) 専門家がおりませんので当たっておるかどうかわかりませんが、先生御指摘のとおり、今日特に大型トラックディーゼル車等々社会的な大きな問題でもございますし、また一九八〇年代の環境行政の重要な柱であろうと私はかように考えておるような次第でございます。私は長官を拝命いたしました直後、特に首都圏と近畿圏を結ぶ東名高速道路の川崎インターチェンジを中心といたしまして、物流対策も含め視察いたしまして典型七公害のうちの三つを騒音、振動、先ほど先生が御指摘になられました大気汚染に対する影響等々視察いたしまして、本当に沿道の住民の皆さん方に大変御迷惑をかけておるという実態を承知をいたしたのでございます。庁内におきましても検討会を設けていろいろ検討いたしておりますが、私といたしましてもこの問題を幅広く勉強したいということで専門家、学者からなる懇話会を設けまして、第一回を一月二十一日に開き、近々第二回目のこれらに対する懇話会を開くことになっておりまして、七月ごろをめどといたしまして庁内の検討会とまた懇談会の意見を総合いたしまして、中央公害対策審議会に対しまして諮問をいたそうかと、かように考えておる次第でございます。
#233
○内田善利君 まあSOx、あるいはNOxは横ばい、SOxは減ってきたと、しかし大気汚染公害病患者がふえているという原因の一つに浮遊粉じんがあると思うんですね。一〇ミクロン以下の重金属対策、これはぜひひとつ大気汚染防止という関係から手をつけていただきたい。いままで何をやられたか私も存じておりませんので、ぜひひとつこの問題については手をつけないと、自動車の排気ガスによる浮遊粉じんによる被害がふえているのじゃないかと、こう思いますので、この点よろしくお願いしたいと思います。
 次に、イタイイタイ病についてお伺いしたいと思いますが、長崎県の厳原町の佐須地区、椎根地区、これは昭和四十一年から、特に四十三年富山県のイタイイタイ病認定以来、公害特別委員会で私も言い続けてきたわけですが、今日になってもまだ認定されてないという状況でございますので、
   〔主査退席、副主査着席〕
もうここまできましたら特に昨年の十一月二十九日、イタイイタイ病及び慢性カドミウム中毒に関する総合的研究班による報告が出されております。それからWHOによる中間報告もなされております。こういう段階にきていまだにイタイイタイ病とカドミウムとの関係といいますか、関連性といいますか、あるいはカドミウム汚染と腎障害との関係性、こういったことについてもう結論を出していいんじゃないか。ところがまだシロでもないクロでもない、まだ検討を要すると、こういうことで非常に慎重なのは結構だと思いますが、汚染状況はだんだんだんだん減少していくわけですね。それと健康被害との関係、こういったものもだんだん薄れてくるのじゃないかと、こういうふうに考えるわけですが、厳原町の佐須地区の汚染状況、それと住民の健康調査との関係、この点についてお伺いしたいと思いますが、まずカドミウムとイタイイタイ病との関連性、カドミウム汚染と腎障害との関連性についてどのようにお考えになっておるのか、まずお聞きしたいと思います。
#234
○政府委員(本田正君) カドミウムとそのイタイイタイ病との関係につきましては、先生御存じのように昭和四十二年に厚生省の見解が出ておりまして、それ以来見解をめぐりましていろいろと議論があるわけでございます。そこで私どもでは四十四年からいま先生御指摘になりましたイタイイタイ病及び慢性カドミウム中毒に関する総合的研究班というものを結成していただきまして、識者からなる研究を以来続けておるわけであります。そのさなかに、実は富山県の神通川流域以外にイタイイタイ病があるということになりますと、これは大変なことでございます。そういったことがないように、また、あれば一刻も早く発見しなくちゃいけません。そういったことで、調査研究をやっていただいたわけでございます。その間になかなか――なかなかと言っちゃあれですが、イタイイタイ病患者は富山県神通川流域以外には発見できずに現在まで至っております。そこで、おいおいと研究でわかったことは、これも御指摘の腎機能異常といいますか、腎臓との関係、カドミウムとの。これが非常に深いんじゃなかろうかということが浮き彫りになってきたために昭和五十一年から新たに健康調査の要綱を変えまして、そしてカドミウム汚染の比較的高い七県にお願いいたしまして、健康調査を行った。この目的というのは、イタイイタイ病患者がいやしないかという懸念からでございます。それが一つ。それから、腎機能異常に及ぼすとすれば、どういった機序、メカニズムによって及ぼしているんだろうかということを解明するために行われたわけでございます。そういったことで結論が、おっしゃったように、去年の十一月に総合研究班で解析をお願いしました結果、カドミウムと腎機能異常との関係においては、七県の中で関連性が認められた県もあったと、ただ一方、認められない県もあったということでございます。そこで、非常に因果関係といいますか、そういったことについて結論を出しますにはまだもう少し必要な研究があるんじゃなかろうかという御指摘もその報告の中にあるわけでございます。
 そういったことで、やはり何といいましても、原因があって結果が出るということが学問的に解明されませんことには、これはみだりにイタイイタイ病ということを認定できないわけでございますので、そういった研究あるいは調査の経緯をたどって現在に至っておりますけれども、今後とも総合研究班に引き続いて検討をお願いしているわけでございますが、一刻も早く事実が解明されるということを期待しながら、研究班にお願いしているのが現状でございます。
#235
○内田善利君 七県を一緒に調査されて、七県の汚染状況と被害状況が同一でなかったから結論が出なかったと、こういうわけですか。
#236
○政府委員(本田正君) 量反応関係と申しますか、どれくらいの量が人体に入ったときにどういう反応が起こるかということを実はつかみたかったわけでございます。ところが、各県における汚染状況というもの、それから住民がどれくらいの汚染状況によって水から米から、あるいは野菜からカドミウムを摂取したかという量の関係が、どうしても今回の調査では各県ばらばらでつかみようがなかった。そういうこともいろいろカドミウムと腎機能異常というものを特定できなかった原因の一つであろうと思います。研究班も指摘しておりますけれども、量反応関係を、もう少しこれも詰めてみる必要があると、こういう御指摘をいただいております。
#237
○内田善利君 どの県があったかということは、これはお聞きしていいですか。三県だけは、三地区について腎機能異常障害があった、他の県はなかったと。こういうことで結論が出てないように思うんですが、本田部長は三月五日の衆議院の第一分科会で、谷口委員の質問に対して、「カドミウムと腎機能異常の因果関係が特定できたならばこれは公害病に認定できるのかどうか。」という質問に対して、「公害病として認定するためには、カドミウムと腎機能異常というものの因果関係がある程度はっきりするということ、学問と申しますか、いわゆるはっきりするということが必要でございます。と同時に、腎機能異常というものがいわゆる病気であるかどうかということの決定も必要だと思います。この二つを満足すれば、公害病として認定することはできると存じます。」このように御答弁いただいているわけですが、この二点については結論は出ているんじゃないかと素人なりにこの程度だったら認定できるのではないか、カドミウムの汚染、長いことカドミウムの入った水を飲んでいた、お米を食べていたという疫学的な結果と、腎機能異常が出たという因果関係ですね、これは他の四県はなかったかもしれないけれども、三県についてはカドミウムの汚染状況とそれを摂取した状況、そうして腎機能障害の異常ということを考えると特定できるのじゃないかと素人的に考えるわけですが、五十一年度の長崎での健康診断のときには、カドミウムと腎機能異常について関連は否定できないという人が二人いたわけですね。これは治療が望ましい。治療が望ましいということは、当然病気であるということになると思うんですが、五十二年度分の調査につきましては、二年後の五十四年十一月に、昨年ですね、関連性がある。五人は医師の指導が望ましいと結果として出ているわけですね。
 五十一年二月環境庁は、腎障害が治療を必要とし、かつカドミウムとの因果関係が明らかであれば新たに公害病として認定できると、こういう方針を出しておるわけですが、これだけからすれば当然カドミウム汚染と何というのですか、腎機能異常ということで、慢性中毒ということで認定できるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#238
○政府委員(本田正君) 五十一年から五十三年まで七県をやりましたものの中で、確かに御指摘のように三県、長崎、石川、秋田でございますけれども、そこの地域におきましては、カドミウムと腎機能異常との間に因果関係がありとこれは統計学的にですね、ありと。ところが、ほかの県につきましてはないと出たわけであります。これは全国で原理、原則というのは一つであるはずでございます。カドミウムと腎機能異常が因果関係があるのかないのかということにつきましては、ある県ではありと判断され、ある県ではないと、これは非常におかしなことであります。原則でございますから、本当にあるのだったらどこにもあるだろうし、本当になければどこにもない、こういうふうになるべきだと思います。そういったことから長崎県だけ確かに御指摘のように取り上げてみますと、一件あるようにございますけれども、しからば果たして、世界各国の共通する因果関係というものがそこだけで断定できるのかということになりますと、残念ながらそこだけではできないということでございます。そういう原理、原則といいますか、カドミウムという物質とそれから人体に及ぼす腎機能異常との間の関係が。そういうことで現在のところ長崎県だけを見ればあたかもそうあるがごとく見えますけれども、全国的に見ればまだ断定できないと、こういう段階であるわけでございます。学問的にそういう段階だというふうに御解釈いただきたいと存じます。
#239
○内田善利君 学問的にそういうことかもしれませんが、実際は長崎の場合も、兵庫県の生野の場合も、私は両方とも二、三回ずつ行っておりますが、長崎の場合はもっと多く行っておりますけれども、また、富山県の婦中町にも四、五回行っておりますが、みんな状況が違うわけでしょう。行かれましたか、長崎行かれましたか。
#240
○政府委員(本田正君) 長崎県へは行っておりません。
#241
○内田善利君 婦中町の場合は、各農家の家に神通川ですか、ずうっと水を引いて、小溝を引いて家の中で炊事をし、洗面をし、お風呂にも使い、家の土間に水を引いてそれを使っていたわけですから、なるほど被害が出るわけだなと、こう思います。
 それから佐須地区の椎根に行きますと、井戸水という井戸水は全部、私は昭和四十三年だったと思いますが、これぐらいのコンクリートのふたをしてあるんです、もう。これは工場がやったんです、鉱山が。そして飲ませないようにしたわけですね。それ以前の飲んだ方々が問題なんじゃないかと。この調査を見ますと、お米の五十二年産米とか四十九年産米とか、そういった米の被害状況によって、しかも四十七年産米、五十二年産米ですね、一・〇PPmとかなんとか、そういうところの汚染地区ということで、一律に七県とも米の、産出米の汚染度によって汚染地区というふうに決められておるようですが、私はそうじゃなくて、あの佐須地区に行ったら道を歩いていても鉛の、亜鉛の鉱石があちこち散らばっているわけです。もう地区そのものが汚染されております。そういったところで育った人と私は当然違うんじゃないかと。婦中町のように、あのように家の中までどの家も小溝のようにして一メーターよりもまだ狭いぐらいの溝を家の中まで引いて、それで炊事をし、洗面をし、家事用水に使ってきた。そういうところで十年、二十、三十、四十年育ってきた方々が被害を受けている。それと同一視するわけには、佐須地区の場合は婦中町と同一視するわけにはいかない。しかし、やはりひどい汚染の中で育っていられる。
 ですから、イタイイタイ病まではいかなくても腎臓障害の段階までは来ているんじゃないか。中には骨粗しょう症を伴った骨軟化症出ているわけでしょう、解剖所見によって。亡くなった方を解剖するということは、これはちょっともう手おくれだと思うんですね。そうなる前にやはり健康診断をしてやるべきじゃないかと、こう思って、私も何回もそういった――本当に歩いている姿を見ても起居動作を見てもかわいそうなおばあちゃんおられました。そういう方々がみんな亡くなられました。一体いつになったらこの人たちが救われるのかなという思いをしながら今日まで来ておりますけれども、もうすでに十何年たった今日、いまだにその結論が出ない。私はシロかクロか早く結論を出してあげるべきじゃないか。この際こういう結果が出ました。だからこれに基づいて環境庁としても行政措置を講ずべきじゃないかと思うんですが、この点いかがでしょうか。
#242
○政府委員(本田正君) いま御指摘の住民健康調査というのは、総合研究班が別途ございましていろんな角度からの検討を実はしているわけです。何とかカドミウムとそれから少なくとも腎機能異常との間において何かもう少ししゃきっとした結論が出ないかということで、たとえば大型の動物実験、サルでございますけれども八十五匹使いまして微量カドミウムの長期投与ということで実験をいたしております。それからそのほか総合研究でございますからいろいろな研究項目を立てて研究班の中でやっておられる。その中の一つの疫学調査として、今回の調査があったわけです。したがって、カドミウムとそれから少なくとも腎機能異常との関係を特定するには、そういったものの総合的な判断ということも私は必要だろうと思うわけです。たまたま今回、疫学調査として出てきた結果だけをもちまして、これを長崎県にプラス、よその県ではマイナスと出た結果をもって、長崎県だけが因果関係があるんだと、カドミウムという物質と人体の障害との間に関係があるんだということが、現状特定できないということをぜひ御理解賜りたいと存ずるわけでございます。
#243
○内田善利君 それじゃ婦中町だけは断定できないということと同じになると思うのですが、富山県だけは断定できないと。だけど富山県だけでもうイタイイタイ病の認定ができているわけです。やはりその場所その場所によって、兵庫県の生野の場合にはやはりその疫学的な関係が違うわけですから、そういった環境の状況もよく調査した上で決定すべきじゃないかと思いますね。
   〔副主査退席、主査着席〕
ぜひひとつ本田部長には佐須地区に行ってその環境汚染状況を見ていただきたいと、このように思いますね。
 それから時間がありませんので最後に入りますが、イタイイタイ病の発症にはカドミウムが必要な役割りを果たしている。これはカドミウムの人体影響等について環境保健の国際的な判定条件、クライテリアづくりを進めているWHOのカドミウムに関するクライテリア専門家会議が、最近イタイイタイ病とカドミウムとの関連性を認める、こういう内容を盛り込んだ中間報告書を厚生省並びに環境庁の両省庁へ送ってきているわけですが、これについて重松公衆衛生院疫学部長も非常に有意義な内容だと評価しておられるようですけれども、環境庁長官はこれをどのように受けとめておられるのか。同報告書は、行政に役立ててもらうのがねらいだということでございますが、この取り扱いについてどのようにしていかれるのか、お聞きしたいと思います。
#244
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。
 WHOのクライテリアにつきましては、幾つかの点におきまして日本初め各国の専門委員の間で意見が分かれておりますために、今後なお検討が続けられるものと聞いております。したがいまして、環境庁といたしましては、WHOでのこの検討の推移を見守りつつ慎重に対処してまいりたいと考えております。
#245
○政府委員(本田正君) いま長官からお答えあったとおりでございまして、WHOのクライテリアづくりというのがもう数年前から始まっておりまして、なかなか各国で意見がまとまらない、いろんな意見がある。また一方、各国で研究がおいおいと進んでまいる、そういう過程にあるわけでございます。確かに御指摘のようにことしの三月ですね、WHOからぽんと報告書が、中間報告書といわゆる称されるものを送ってきたのでございますけれども、これを見ますと、普通送付状がついて、これはWHOのクライテリアなのかどういう性格の文書なのかが普通はくるのでございますけれども、それが添付されてないわけです。したがって、果たしてこれがWHOのクライテリアかどうかということを判断しかねているのが率直に言って現状でございます。中身を訳させてみますと、その内容は昭和五十年までにいろいろ意見が取り交わされたそれのまとめとほとんど一致いたしております。したがいまして、五十年以降にいろんな国から、日本が主でございますけれども、先ほどお名前挙げていただきました重松先生あたりもジュネーブに出かけられまして専門家会議に参加しておられますけれども、いろんなその後の研究成果を踏まえての意見がWHOに提出されております。で、申し上げましたように、今回送られてきたのは五十年までの中間取りまとめ報告であると、こういうふうに私どもは解しております。
#246
○内田善利君 それじゃ五十年以降は違っていると、そういうことになるんですか。中間報告ですから、こういった方向で行政に役立ててもらいたいということで、重松疫学部長は何か副会長かなんかされているそうですが、そういった非常に権威のある私は報告じゃないかと思うんですが、そういったことでカドミウムとイタイイタイ病との関連性について必要な役割りを果たしているということについて私はこれを認め、そして特に今回カドミウム汚染と腎機能障害、腎機能異常ですかとの関係性を認め、健康被害補償法に定める指定地域にするという前向きの方向でこの問題には取り組んでいただきたい、こういう何といいますか絶好の機会ではないかと、こう思うんですが、この点について長官どのようにお考えでしょう。
#247
○政府委員(本田正君) 重松先生自体がおっしゃっているんですけれども、確認いたしましてカドミとイタイイタイ病との関係は厚生省見解が否定されていない現状においてあります、これは。が、その間のメカニズム、さらには腎機能異常との関係というものはこれはまだまだいろいろ議論が五十年以降されているのは確かでございます。決してこれが最終取りまとめでないわけでございまして、中身を先ほど申し上げましたように訳させてみますと、五十年までにいろいろ議論があったことのまとめとして送付されております。御指摘のように、私どもは決してこれが否定という観点から調査研究をお願いしているわけじゃなくて、できますならば因果関係をはっきり学問的にさしていただきますならば、先ほどお読み上げいただきましたような二つの要因、つまり因果関係が特定できること、それから腎機能異常というものがこれが病気なのかどうか。病気の一歩手前かもしれません。いわゆる機能が異常でございます、腎臓異常でございませんので。そういったことが整理されますならば、これは健康被害補償法に言うところの公害病として認定地域も指定され認定されると、こういうことに相なるわけでございますが、現状においてはまだそこまでいってないということです。しかしながら、できるだけ早くそういった解明がされますように、日ごろから私どもは研究班にも実はよくお願いしているところでございます。
#248
○内田善利君 そう言われますとまた私も質問したくなるんですが、そういうふうに行政が非常に慎重であることはいいと思いますけれども、もう十何年たっているわけですね。現代の医学でこれが解明できないということはもう不思議でなりませんし、結果を見ますと、カドミウム汚染地区では異常があったという例が出ているわけですから、よその県に出てないからということでこれが差しとめられるということは問題じゃないかと思うんですね。そういうことなので、島の佐須地区では東邦亜鉛の方で公害認定の前に保健対策ということで七百万円の補償といいますか、契約がなされたわけですね。これはやはり行政に対する、会社側もそうだし、地元被害者もやはりこういった問題について行政は頼りにならない、そういうことからこういうことが出てきたんじゃないかと、このように思うんですが、長官、こういった問題について前向きの対策を講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#249
○国務大臣(土屋義彦君) 先ほど来先生のカドミウムに対する切実な御意見を拝聴いたしまして身の引き締まる思いをいたした次第でございます。私といたしましても、今後本問題と前向きでひとつ真剣に取り組んでまいりたいと、かように思っています。
#250
○主査(亀長友義君) 内田君の質疑はこれにて終了いたしました。
 次に穐山君。
#251
○穐山篤君 通称筋短縮と言われております拘縮症者の患者数ですね、これはごく一番新しい数字でどんな状況になっておりますか。
#252
○政府委員(竹内嘉巳君) お答えいたします。
 都道府県からの報告で、昭和五十二年十一月末現在の数字でございますが、大腿四頭筋拘縮症については四千百十九人、三角筋拘縮症につきましては四百七十八名、それから臀筋拘縮症につきましては三十四人というのが、いわゆるAクラスと申しますか、専門医療機関に受診することが必要として指導を受けた患者というふうに報告を受けております。
#253
○穐山篤君 この中には、いわゆる観察の必要ありという数字も含まれているのですか。これは除外をしているのですか。
#254
○政府委員(竹内嘉巳君) 健康診査を実施いたしましたときに二つに区分をいたしておりまして、専門医療機関に受診するように指導するというものと、それから現段階でははっきり筋拘縮症とまでは認められないけれども、経過によっては症状の発現もあるので、定期的に保健所等の療育相談を活用する必要があるというものとの二つに分けておりまして、先ほど申しましたのは専門医療機関に受診する必要があるという部分でございまして、経過によってはという数字を合わせますと、総数では五千二十六名、大腿四頭筋拘縮症では四千七百十四名、三角筋拘縮症では百七十八名、臀筋拘縮症では百三十四名という数字になっております。
#255
○穐山篤君 地域によってずいぶんこれは違いがあると思うのですが、いわゆる多発地区と言われております県ですね、上から十ぐらい挙げてみていただきたいのです。
#256
○政府委員(竹内嘉巳君) 患者数の多いところということになろうかと思いますけれども、先ほど申しましたAランクの部分について申しますと、北海道で九百五十九名、それから順番でいきますと、人口割りでは非常に高いんですが、山梨が四百四十二名、それから京都が二百五十五名、以下福島県が二百八名、それから長野県が百九十四名、岩手県百五十名、青森県百四十一名、それからその前に東京都が百五十五名、富山県百七十名という数字がございます。
#257
○穐山篤君 この短縮症という症状は、筋肉注射した直後に症状のあらわれるものと、それから小学校あるいは中学校の成長過程で発見されるものもあるわけでして、やっぱりこれはできるだけ観察の要ありというものも含めて、十分ひとつ御調査をいただきたいと、この点は要望をしておきたいと思うのです。いいですね。
 それから、筋短縮症というのは、少なくとも何にもしなければ出るものじゃないのですね。肩に注射をするか大腿部に注射を打つか、あるいは臀部に打つか、必ず医師が注射液を使って注射器で筋肉注射をして起きるものですね。ですから専門的な追求、分析というのはあるにいたしましても、少なくともそこの中には医師とそれから薬と注射をした場所、これが相互関係になるだろうと思うのですね。もっと細かく言うならば、抗生物質にしろあるいは解熱剤としての注射を打つにいたしましても、場所が問題にもなるだろうし、薬の注射液の種類も問題になるだろうし、それから回数も問題になる、こういうふうに思うわけですが、そこには医師と薬と注射とこの関連があると思うんです。注射をしていなければこういうものは発生をしないわけです。私はそういう意味で、少なくともこの発生の原因については最小限度、医師のところから話をするならば、医師と、それから注射液をつくっております製薬会社とそれを監督指導しております国、この三つが関与をしていると思うんですが、その点いかがですか。
#258
○政府委員(田中明夫君) 御指摘のとおり、筋拘縮症の原因については、現在筋肉注射によるという意見が一般的でございます。しかし、さらに突っ込んでまいりますと、先生がいま言われました注射の薬剤によるものであるか、あるいは注射の部位、方法等によるものか、あるいは頻回注射というようなことによるものかという点につきましては、まだ必ずしも解明されていないわけでございまして、現在でも研究が続けられておるわけでございます。どこに原因があるかということによりまして、先ほど挙げられました製薬会社、医師あるいは国というような関係者の責任も違ってくるのではないかというふうに考えられますが、いずれにいたしましても、御案内のとおり、この問題は現在裁判所で係争中の問題でございますので、私どもとして意見を余り述べることは差し控えたいというふうに考えております。
#259
○穐山篤君 厚生省自身としては、この原因の追求、究明、解明というのは御自身でやられているんですか。
#260
○政府委員(田中明夫君) 厚生省の特別研究費を用いまして、学者の先生に原因の究明とその予防及び診断、治療というような点につきまして研究いただいているわけでございまして、診断、治療についての研究は大体まとまったというように聞いておりますが、原因及び疾病の予防という点につきましては、まだ研究が続行しているということでございます。
#261
○穐山篤君 診断とその治療の方法は解明されたと。いいんですか。ここは非常に大切なことなもんですから、正確にひとつ言っていただきたい。
#262
○政府委員(田中明夫君) ちょっと私の表現が誤っていたようでございますが、診断につきましては、一遍診断基準が出されたわけでございますが、その後さらに検討をしていくということだそうでございます。それから治療方法につきましては、現在研究の結果を取りまとめ中であるということでございます。
#263
○穐山篤君 他の病気でも、原因はよくわからないけれども、治療の方法があるという奇妙な話も聞くわけですが、それではいま裁判が山梨あるいは愛知などでも行われているわけですね、東京地裁、名古屋地裁とか。国は、この地裁の裁判に当たって、原因のところについて何らかの意思表示をされたことがあるんですか、あるいはまた求められたことがあるんですか。
#264
○政府委員(田中明夫君) この点、裁判におきまして、私が了解しておりますのは、原告側から、国の厚生大臣が薬事法の規定に基づいて医薬品の安全性を確認し、国民の生命、健康に対する被害の発生を未然に防止する義務及び医薬品の安全性の追跡義務を負っている。それからまた、厚生大臣は医師法の第二十四条の二に基づきまして、医師に対して必要な指示を行い、公衆衛生上重大な危害を防止する義務があるという主張をされておると了解しております。
 国といたしましては、第一点につきましては、確かに厚生大臣が薬事法に基づいて医薬品の製造許可及びその製造の承認を行う権限を有し、行っているわけでございますが、この筋肉注射に使われました注射剤の品質、規格は諸外国の規格とほぼ同一であり、品質的には何ら劣らないと考えておりますし、諸外国においては、注射剤が関与するような本症の症候報告はきわめて少ないというような事実もあるわけでございますので、その点、薬事法に基づきまして製造の許可を行ったということについては、誤った点がなかったのではないかというような考え方をしておるわけでございます。
 また、承認後行政指導によって医薬品の安全対策を行っておりますが、これは別に義務ということではないというふうに考えているわけでございます。また、厚生大臣が医師法の第二十四条の二に基づきまして、医師に対して必要な指示を行うという点につきましては、この規定が、厚生大臣が公衆衛生の向上及び増進を図るという一般的な行政的な責務があるという規定でございますので、いわゆる権利義務というような意味での義務ではないというような考え方に立っております。
#265
○穐山篤君 学会が昭和五十一年の二月と七月に注射に関する提言というのを学会でやってますね。それに各医師会、医師が耳を傾けたのではないかと思われますが、昭和五十一年以降はわりあいに発見者が少ないんですね。ごく最近一人東京であった模様ですが、因果関係なしとしないというふうに私は思いますが、基本的なところはまた別な場所で、時間の許すところで改めて議論をしたいと思います。
 さてそこで、患者なり要注意者の年齢分布を見てみますと、かなりの部分が小学校に入校している、あるいは中には中学校もおりますし、部分的にはすでに二十歳を越えた人もいるわけです。私の出身しております山梨県でも小学校で五十五校、中学校で十二校、大部分は小学校ですが中学校の人も多いのです。そこで治療をどうするかという問題はありますけれども、とりあえず厚生省が行っております福祉対策、拘縮症の諸君に対する福祉対策あるいは家庭に対する生活指導といいますか、そういうものについてはどういうふうにおやりになっているのですか。あるいはまた、これからさらに強化をされようとしているのですか。具体的にお願いします。
#266
○政府委員(竹内嘉巳君) 筋拘縮症の患者とされまたはその疑いのある場合、私ども全国の保健所のうち、現在八百五十二カ所ございますが、そのうち六百六カ所を療育指定保健所という形で指定をいたしまして、先生の御指摘のあった山梨県について言えば、八カ所のうちすべてを療育指定保健所というふうにいたしまして、こうした患者もしくはその疑いのある場合についての必要な療育相談なり療育の指導を行うということをやっておりますが、その際に、必要に応じて、児童福祉法による育成医療によりまして手術等による治療効果がある場合にはその給付を行うというようなことをやっております。なお、一般的にも母子保健事業の中においての健康診査あるいは訪問指導等も行っておりますが、基本的にはいわゆる肢体不自由児についての福祉措置というものをこの筋拘縮症の患者またはその疑いのある人たちについても適用いたしまして早期発見に努めるとともに、育成医療のほかこれについての発生予防のための特別研究を、先ほど医務局長から答弁がありましたようにやっておるところであります。
 保護対策としては、経済給付としては、障害の程度の重軽に応じまして特別児童扶養手当を支給するほか、施設への入所の問題あるいは通園施設での療育訓練と申しますか、そういった問題、それから補装具、日常生活用具の支給というもの、それから、特に重度の障害児の家庭の場合には家庭奉仕員の派遣、それから家庭でやむを得ない事情等がありましたときの緊急一時保護事業といったようなことを福祉対策として筋拘縮症患者、またはその疑いのある場合についての対策として進めております。
 今後ともこういった面で、特に一番重点を置いてまいりたいと思いますのは、家族のあるいは御本人の不安という問題があろうと思います。もっぱら療育相談あるいは療育の指導という問題でそれぞれ個別に起こるニーズというものを慎重に的確に把握しながら福祉の増進ということに努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
#267
○穐山篤君 先ほども指摘をしましたように、小中学生、部分的に高校もあるわけですが、やはり学校内の教育施設、手っ取り早い話をしますと、トイレの使用さえも通常の子供さんとは違っているわけです。大体座れないという人があるのです。足を伸ばせない、そういうことを考えてみますと、学校内におきます、特に多発地域の学校対策というのはないがしろにするわけにいかないと思うのですが、具体的に文部省の方でお答えをいただきます。
#268
○説明員(横瀬庄次君) 小中学校の学校の施設の設計につきましては、設置者でございます市町村の裁量に属することでございますが、文部省といたしましては、その施設の設計について望ましいあり方を学校施設設計指針というもので指導してございます。御指摘の筋拘縮症児など小中学校に在学いたします身体障害児に対する施設整備上の配慮につきましては、五十三年の十月にこうした要望が非常に強く出されまして、そういったことにかんがみまして学校施設設計指針を改めまして、いま御指摘の洋式便所の便器を設けたりあるいは手すりを設けるというようなことについて、学校の実態に応じて必要な配慮をするようにという一項を設けまして指導しているところでございます。これに基づきまして、各都道府県の施設の担当課長会議といったようなところで、地域にそういった児童生徒が存在する場合、あるいはそれが予測される場合には、学校の建物の新増改築の際、あるいは既存校舎につきましても改修の機会をとらえましてそういった配慮をするようにという指導を特に行っております。今後ともこうした機会にはそういった指導を続けてまいりたいというふうに考えております。
#269
○穐山篤君 その施設の改良をする場合の財政的な裏づけというのはどういうふうにされるのですか。
#270
○説明員(横瀬庄次君) 学校施設の新増改築をする場合の国庫補助制度といたしまして、義務教育諸学校施設費国庫負担法という法律に基づきまして補助を、国庫負担を行っておるわけでございます。したがいまして、そういった場合にはこれらの施設の工事費を国庫補助の対象にしてございますので、当然手すりとかあるいは洋式トイレとかそういったものについては補助を行っているところでございます。ただ、既存の校舎等につきまして改修をするという費用につきましては、これはただいま申し上げました法律の制度の上にございませんで、これは制度上地方交付税の方に積算されておりまして、設置者がそれに基づいて執行するというたてまえになっております。
#271
○穐山篤君 教育面ではもう一つ問題があるのは、知恵おくれがないようにという意味のまた先生方の、あるいは教育委員会の配慮もありますが、体力がある意味では劣っているわけですね。そこでできるだけ格差が生じないように、あるいは劣等感を持たないようにという意味で、山梨県の場合には県単で若干名でありますけれども、教師を多発地区に派遣をしているわけです。その成果、効果というのは非常に上がっておりますし、また地域でもあるいは親御さんからも相当評価されて感謝されているわけです。しかし、こういうのを県単というのに任せるのは余りいい傾向ではないと思うのです。この辺でひとつ文部省全体として教師の配置なんかについても検討する時期ではないかと思うのです。これは時間の関係がありますので要望だけしておきます。
 最後に、文部省の方にお伺いしますが、山梨医科大学、きょう四月一日ですから、きょう開設をされたと思うのですが、この大学並びに付属病院の医師、教授ですね、先生の配置をめぐりまして現に患者の親なりあるいは関係者との間にトラブルがあることは御存じですか。
#272
○説明員(川村恒明君) ただいまお尋ねの山梨医科大学の教官人事でございますけれども、先生御承知のように、山梨医科大学は法律上五十三年の十月に設置せられまして、本年の四月から学生の受け入れを開始するということでございます。
 具体的には、教官の人事につきましては、五十三年十月に創設せられて以来全国から教官を募集いたしまして、それで教官の組織を整えたということでございます。この教官組織を整えておる最中に、整形外科の教授の選考において先生御指摘のような若干の問題があったということは承知しております。
#273
○穐山篤君 実は昨年、県に準備委員会ができたときに、いまも話がありますように、整形外科の医者の配置の問題について実は地元では薄々感じまして、文部省あるいは厚生省、それから山梨県知事に対して、新しくできます医療機関が県民の信頼を得られないようなことであっては困ると、地元は当時、具体的に固有名詞を挙げて皆さん方にも要望されたわけですが、その心配がそのまま的中したわけです。私も介添え役として文部省に、だれだれという名前は挙げませんでしたけれども、新しく医科大学が設置されるに当たって、特に山梨県の場合には筋短縮症にしろあるいは地方病という特別なものが多いわけです。そういうことを考えてみると、地域医療に大いに貢献をしてもらわなきゃ困る。その段階で紛争があっては困るから、文部省に十分配慮をされたしというふうに要請をしてあったわけですが、そのとおりに実はなってしまったわけなんだ。皆さん責任をお感じになっていませんか。
#274
○説明員(川村恒明君) ただいま先生お話しのように、整形医学の教授の選考をめぐっていろいろ御要望があったことは承知しておりますけれども、ただ問題は、これは大学の教官人事の問題でございます。やはり私どもとしては、この大学の教官人事について文部省は直接具体の形で介入をするということは適当ではないと思っておりますので、個別の問題としては、そのことについては差し控えさしていただきたい。
 ただ、山梨医科大学は、ほかの無医大県解消計画でつくられた医科大学と同様、やはりこれは地域の医療をよくする、医師の地域的な偏在を是正し、地域の医療水準を上げるということがその設置の重要な目的になっておりますから、今後大学の運営に当たって、できるだけ地元の方々の御要望には沿うように運営上努力はしてもらいたい、そういうことで大学の方に従前からも指導しておりますし、今後とも指導してまいりたいと思って
 おるわけでございます。
#275
○穐山篤君 私どもも個人個人の人事に介入するつもりはないんだけれども、とにかく当初から心配をされていたわけです。そういうことはまたないように努力をしてほしいということを、二度三度要請をしてあったわけです。そういうことが事前になければいまのような御答弁でも私は満足しますけれども、あれだけ口を酸っぱくして紛争がないように十分措置をされたいと言っておったんだけれども、そういう結果になった。また現にもめているわけです。具体的にそれがどういうふうにはね返るかといいますと……
#276
○主査(亀長友義君) 時間です。
#277
○穐山篤君 はい、わかりました。
 治療をするために山梨県の患者が東京に来る、富山の病院に行く、福島なり宮城県の病院に行ってもらう。これは経済的な分野でも、山梨県内の人は非常に不満を持っているわけです。
 それから、私は専門的な知識はありませんが、短縮症の病型に対する認識の違いがまず第一にあるわけです。それから、治療の方法についても、学会の中の少数意見の方というふうに私ども見ているわけです。ですから、なかなか親の信頼、県民の信頼というのは得られないままにいまもめているわけです。そこで、厚生大臣、人事のことですからなかなかむずかしいと思いますけれども、現実にそういうふうに紛争が続いているわけです。患者も親も迷惑が現にかかっているわけですね。だれかが乗り出して調整をしなければこの紛争というのはそのまま続いてしまうし、せっかく新設をした医科大学の社会的な評価というのは失われてしまうわけです。そこで、何とか方法を関係者の間で相談をしてもらわないといまのまま紛争の状態が続いていく、こういうふうに考えられますが、その点ひとつ御努力をしていただけませんでしょうか、厚生大臣に伺います。
#278
○国務大臣(野呂恭一君) 文部大臣あてに、注射による筋短縮症から子供を守る全国協議会にいろいろ申し入れ書も出ておるようでございます。これは見せていただきまして私も感じますのは、先ほど文部省自体も大学の自治の問題である、こういうことで、したがって直接介入はできない。大学の当局を初め、地域の関係者で速やかに解決が図られることを期待する以外に、いま厚生省が乗り出して、その問題に対して果たして対応できるかどうか大変むずかしい問題であるとは思いますが、いろいろ文部大臣とも知恵をしぼって、やっぱり地域医療の上にも特にこういう病で困られておるこういう立場の方々の立場に立って何かいい解決策がないか、それをひとつ考えてみたい。しかし、それじゃ厚生省が責任を持って大学へ行ってこういう問題、この人事問題こうすべきだということも言える立場ではございませんので、そこは関係の文部大臣と一応話し合って何か解決策がないかどうか、そういう知恵をひとつしぼってみたい、こういうふうに思います。
#279
○穐山篤君 強く要望しておきます。
 終わります。
#280
○主査(亀長友義君) 穐山君の質疑はこれにて終了いたしました。
    ―――――――――――――
#281
○主査(亀長友義君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、神谷信之助君及び穐山篤君が分科担当委員を辞任され、その補欠として橋本敦君及び高杉廸忠君が分科担当委員に選任になりました。
#282
○主査(亀長友義君) 次に高杉君。
#283
○高杉廸忠君 私は、老人ホーム及び特別養護老人ホームにかかわる費用徴収基準の問題につきまして、厚生大臣並びに関係当局に御質問をいたしたいと存じます。
 この問題につきましては、去る三月十八日本院社会労働委員会において質問をいたしましたが、時間の関係で十分意を尽くせませんでしたので、引き続き本日質問をさせていただきますが、そこで、これまでの質問で大臣が明らかにされた事項について確認の意味で伺いたいと存じます。
 大臣は、この件に関しまして第一に、少なくとも費用徴収に値する施設、すなわち施設の整備が肝要であり、施設改善については青写真を出しますと答えられ、第二に、費用徴収に当たっては何よりも制度の発足について円満な理解を得、入所者のお年寄り、そして施設側とも合意を得たい。第三に、実施については慎重に検討し、四月実施は時間的にも困難であろう、こういうような旨を述べられました。整備計画の策定、四月実施の事実上の断念を述べられましたが、以上のように私は理解しておりますけれども、このように理解してよろしいでしょうか、まずお伺いをいたします。
#284
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘のように、四党の中で合意した点について、具体的に厚生省としては今後実施を進めていく段階においていろいろ工夫すべきものは工夫いたしたい、こういうことで、先ほど御指摘になった点は私もそのような努力を続けてまいりたいということを考えておるわけでございます。
 ただ、青写真、つまり計画の問題についてはいろいろこれは具体的に、どういうような形で進めていくべきか、計画的に今後老人ホームなどの施設の改善を進めていくことにおいては、これは言うまでもありませんが、それぞれの地域地域によって事情も違うことでございますので、国がその計画を青写真という形で出す、この青写真の解釈、それには少し問題あるかと思いますが、趣旨はそのとおりでございます。
#285
○高杉廸忠君 それでは、いま大臣からお答えいただきましたが、整備計画の策定について具体的に局長にお尋ねをいたしたいと思うんですけれども、いま大臣が述べられました点について、具体的にどういうような整備計画が進んでおられるか、これが第一であります。
 第二は、いつごろ御提示がいただけますか。時期的に整備計画の見通し等もひとつお示しをいただきたい。
 それから、念のために申し上げておきますけれども、個室化というのは、私どもは個室のことを言っているんで、一人部屋であることは言うまでもないんで、個室化とは一人部屋をつくるということでありますから、私はこの際個室化という紛らわしい言葉でなくて、個室のやはり計画を進めるというふうに、前提として確認をしていきたいと思います。その点についてお示しをいただきたいと思うんです。
#286
○政府委員(山下眞臣君) 老人福祉施設の整備につきまして、従来から、まず寝たきり老人等を対象といたします特別養護老人ホーム、これが大変不足をいたしておりますので、これの増設ということを一つの重点といたしてきたわけでございます。ただいま御指摘になりました養護老人ホームにつきましては、実は全体の数といたしましては大体足りてきておる、定員を若干入所者が割っている状態を生じてきておるわけでございます。しかしながら、お話にございますように、その中にはかつての保護施設時代の養老施設から老人福祉法に基づく養護老人ホームに転化をしてまいりましたいわば古い施設がございまして、いまなお四人部屋等の多人数部屋を持っているところがございます。したがいまして、これらの施設の改築ということにつきましては、従来から努力をいたしてきております。御指摘のような考え方に基づきまして、私どもといたしましてはこれを重点として取り上げたい、こういう考えを持っておるわけでございますが、これを国が直接やるものじゃございませんので、何年に何カ所というぐあいな具体的計画というものを策定するということは大変困難だと思うんですが、その年度年度に出てまいりました施設につきまして重点的にこれを推進してまいりたい、こういう考え方を持っております。
 なお、個室化ということにつきましては、昭和四十九年か五十年ごろから従来の大規模のものではなくて、少なくとも一部屋二人以下ということでつくるようにという指導をいたし、そのような考え方のもとに補助をいたしてきておるわけでございます。もちろん一人部屋でありましても差し支えがないわけでございます。帰するところすべて一人部屋に持っていくということにつきましては、一人当たりの施設の平米数の増加ということになっていくわけでございますが、五十五年度におきましてもこれを二十二平米から二十四・六平米に引き上げるという措置を講じてきております。五十五年度の二十四・六平米という一人当たりの基準面積でやりますと、やりようにもよるわけでございますけれども、相当のものが一人部屋として建設することが可能だと考えております。ただ、全部を一人部屋というわけにはなかなかまいりませんのは、やはり御夫婦で入所される場合とか、そういう場合も考慮していかなきゃなりませんが、目標につきましては先生御指摘のとおり、個室化、一人部屋を目標として努力を続けていくという考え方を持っております。
#287
○高杉廸忠君 去る三月十八日の本院社会労働委員会において、関係者の皆さんから陳情がありまして、私も大臣に御要請を申し上げました。肝心の費用徴収基準そのものについては触れずにまいりましたが、そこできょうは、基準そのものについて見解を伺いたいと思っているわけなんです。
 先ほど大臣から御答弁がありまして、確認もいただきましたが、御承知のとおりに、去る三月七日の衆議院予算委員会総括質問に際しまして、わが党の大出議員が、自民、社会公明、民社、四党国会対策委員長合意による昭和五十五年度国家予算の修正内容も発表いたしまして、大平内閣総理大臣に確認を求めましたが、これに対しまして大平総理は、五十五年度予算の執行に当たり合意の内容を十分尊重をする、この旨を述べられております。このことは当然厚生大臣も御出席でありますし、御承知のとおりだろうと思いますし、先ほど御確認もいただきました。
 そこで、大臣に伺いますが、その合意事項の(三)細かい点は申し上げませんけれども、老人ホームの入所者の費用徴収について三項で明記をされております。老人ホーム入所者の費用徴収に関する件がありますが、「老人ホーム入所者の費用徴収については、今後の実施状況を見極めながら、引き続き費用負担の適正化に配慮する。」、こうなっておるわけであります。これまた大臣として当然尊重いただけるものと、こういうふうに存じますけれども、確認の意味で伺いたいと思いますが、大臣いかがでございましょう。
#288
○国務大臣(野呂恭一君) 総理が五十五年度予算執行に当たりまして、合意の内容を十分尊重するということを述べられたわけでございます。さらにまた、老人ホームにおきまする費用徴収基準の改定につきまして、三党と自民党の国会対策委員長との間に「老人ホーム入所者の費用徴収については、今後の実施状況を見極めながら、引き続き費用負担の適正化に配慮する。」と。この合意事項につきましては、厚生大臣といたしまして十分尊重していくつもりでございます。
#289
○高杉廸忠君 この四党国会対策委員長合意には、これを推進いたしました社会党、公明党、民社党三党の合意がありまして、適正化につきましては今後まず三党間の論議が始まってまいろうかというふうに考えるところでありますが、わが党の場合、まず武藤政審会長のもとで検討がなされることになるわけなんです。そこで、このような意味を含めまして、今回厚生省が提示をされました本人費用徴収基準額表案ですね、これを拝見いたしますと問題点がかなりあるように見受けるわけです。
 その第一は、上げ幅の問題であります。これはいろいろと工夫はされているとは思いますけれども、いささか大幅に過ぎないかというふうに感じられるわけです。たとえばこれまで無料であった年収百万のところを見ますと、月額について八万三千円余りの人から二万六千二百円、これは収入の三一・四%に当たるわけであります。無料の境界線としてありました百三十二万、これを見ますと、これは月額十一万に当たる場合ですけれども、月に四万七千五百円、これは実に収入の四三・一一%にも当たるわけであります。これでは非常に弱い者いじめになるような印象を受けるわけですけれども、この点の考えはいかがですか。これが一つであります。
 第二の点は、去る二月二十一日の衆議院の社会労働委員会の山本政弘委員の質問に対しまして、山下社会局長は、五十四年三月調査結果として養護老人ホーム一人部屋が〇・五%、二人部屋が三一・三%、三人部屋が九・二%、四人部屋が五四・一%、五人部屋が二・三%、六人部屋以上が二・六%、こういうふうにお答えになっているわけですね。これらの部屋の利用者に対して、新しい基準案では、一人から三人部屋は満額負担、四人部屋は一〇%引き、六人部屋は二〇%を減額すると、こういうふうになっているわけです。これを拝見しまして感じますことは、プライバシーというものについてどうも行政側の感覚というのが違っているんではないか、こういうふうに思うんです。
 そこで私は、具体的に例を挙げて申し上げたいと思いますが、最初に第一の点と第二の点を申し上げましたが、その点についてまず伺います。
#290
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおり、従来は年金収入等は非課税所得でございますので、そこから徴収されておらなかった。新たに徴収されるという意味で御負担感が出るかとは思うんでございますが、ただいま先生、八万円のところで二万三千二百円の月の徴収額になるわけでございます。年金がもし八万円あるといたしますと、手元には五万六千八百円残るということに相なるわけでございます。しかも、これは年金が月十万円なら十万円あればそれをそのままちょうだいするということではございませんで、必要な経費は全部差っ引く。税金はもちろん、保険料ももちろん、かかった医療費がございますれば医療費も差っ引く。それからもし非常にまれな例だとは思いますけれども、御本人が老人ホームに入所しておられる、片やお孫さんが外におられてその人のめんどうを見なきゃならぬというようなことでありますならば、それに必要な経費も差っ引くということで、本当に手元に残って自分でお払いできる金、それを計算をいたしまして、八万のところで二万三千円、それでなおかつ五万六千八百円程度は手元に残るようにという配慮をいたしておるのでございまして、決してこの案が負担の中で無理のあるものというふうには私ども考えておりませんのでございます。非常に高いところで、百三十万のところで五万円を超える負担になるということでございますが、それでもやはり手元に残る金は、もう七万近いものが残るわけでございまして、その点の配慮はいたしておるつもりでございます。
 なお、衆議院でお答え申し上げましたとおりの、現在の一人部屋から六人部屋にわたります状況に相なっていることは御指摘のとおりでございます。そういったこともございまして、先ほどお尋ねがございましたようなことで、近時数年間におきましては、二人部屋以下のいわゆる個室化を目標として推進をいたしてきておりますし、今後ともその線で推進をいたしてまいりたいと思うわけでございます。
 暫定的な措置といたしまして、四人部屋以上のところにつきまして、お話ございましたような環境の点も考慮いたしまして、割引と申しますか、負担を低くするという配慮もいたしておるところでございまして、私どもといたしましても、今後の養護あるいは軽費というような老人ホームにおきましてプライバシー、個室化ということにつきましての努力は一層続けてまいりたいと考えている次第でございます。
#291
○高杉廸忠君 私どもが調査をいたしまして、これは正しいということではないんですが、比較をしてみたんですが、これは旅館や民宿の宿泊料、こういう点も老人ホームと対比をいたしまして、当然旅館や民宿でありますから施設だとか場所、設備などによって異なりますけれども、これにあらわれましたプライバシーという点で見ますと、非常に私は参考にすべき点が多いんじゃないかと、こういうふうに見るんです。
 例を挙げてみますと、旅館の場合、八畳で一人が利用するときには、標準で申し上げますと一泊が一万五千円。これは四人で八畳部屋を利用しますと大体一万円ということで、一人についての減額率から見ると三一二・三%と、こういうふうになるんです。ただし、決して老人ホームが、全く旅館並みあるいは民宿並みでいいというふうには私は申し上げるんじゃなくて、一つの例として、旅館でも一人の泊まったときの利用と四人が一部屋を利用した場合の利用率から減額率を見ますと、いまのような老人ホームに入所されている方々の減額率よりはるかに旅館や民宿の方がいいんです。事細かに例を申し上げますと、時間的な制約があって申し上げられませんけれども、民宿なんかは非常にその減額率が多いんですね。
 ですから、そういう点についても私は、引き続き適正化を図るという方向でいま努力をされていると思うんです。あくまでもこの表は私は案であると思っているわけなんです。したがって、先ほど大臣からお話しのように、実施についても、あるいはこの基準表についても、四党合意の線に沿って慎重に、あるいは適正な基準についても御努力されるという方向でありますから、ぜひともこの実施については、減額率等についても再検討をいただいて、そしてなるほどというようにお年寄りの方々、お入りになっている方々が理解ができるよう、納得ができるようなものにしていくべきだ、こういうふうに考えているわけであります。
 特に、プライバシーの点については、これは大臣に申し上げるまでもなく、老人ホームは営利事業ではないにしても、老人ホームの場合には、一生の終わりに当たる時期を心安らかにという温かい配慮が私はあってしかるべきだ、こういうふうに思うんです。この点大臣、いかがでしょう。
#292
○国務大臣(野呂恭一君) いままでに私もいろいろお答えを申し上げておるわけでございますが、四党の合意の線に基づきまして、なお具体的にお詰めをいただいたならば、その趣旨を尊重いたしまして適切に対処してまいりたいと思います。
 私は、今度の費用徴収の改善におきまして問題になることは、理解が得られることが大事である。いままで全然徴収されていなかった方に、いきなり徴収するというところにやはり一つの問題があるのではないか。あるいはまた、いまのようなプライバシーを尊重するという意味で、そのホームのあり方それ自体にもやはりこの費用徴収についても検討することも必要であろうかと思います。そういう面を含めまして四党合意が得られますならば、具体的なその方法について十分検討し、御趣旨の点を踏まえまして、理解の得られるような方向に努力をいたしてまいりたいと、かように考えます。
#293
○高杉廸忠君 特別養護老人ホームのことについてちょっとこの際伺っておきたいんです。
 都下のある特別養護老人ホームの園長さんから私は伺ったんですけれども、ここでは三十六平米の部屋に六人が入っている。そうしますと、ベッドを六台入れているのがやっとだ、こういうふうなことを言われているわけであります。ところが、ここの老人ホームのお年寄りの四五%というのは、おむつをしておられるお年寄りなんです。したがって、この六人の部屋に必ず二人か三人おむつをしておられるお年寄りがいるわけであります。しかも、スペースの関係などがあって一日に六回のおむつの交換が人の前で行われるわけです。そうすると、大体おむつをやっておられる方というのは比較的に意識がはっきりしておられる方々ですから、こうなりますと特別養護老人ホームに入っていることがいやになると、こういうお年寄りの方からの訴えがあるわけです。私は、いま大臣がプライバシーの尊重というようなことも言われましたし、人間の尊厳を守ることとして、ホームであってもプライバシーというのが尊重されるような個室化というものを、個室というものをやはり早急に計画をすべきではないだろうか、こういうふうに思っているわけです。
 また、特別養護老人ホームの問題については、個室についてはまあいろんな意見があることはわかるわけであります。しかし、寝たきりで生活をされているわけでありますから、一日中ベッドにおられると。たとえば窓のあけたてにしても、あるいはベッドのきしむ音やたばこを吸う吸わない、こういうことから細かい点が絶えず同居の方方のトラブルになるわけであります。私はそういう意味でも、ホームの個室の問題については、養護老人ホームですと、一人で大ぜいの方から逃げ出すというようなことで散歩することもできるんですが、寝たきりの方々はそういうわけにいかないわけでございます。しかも全体の一〇%、十人に一人はトイレの中でわずかに自分を取り戻すということをこれは園長から聞いた話であります。普通の人には理解ができないんですと、こういうような園長の訴えがあるわけなんです。こういうようなことについて、私は特別養護の老人ホームの医療のあり方や基本的に申し上げたいことがたくさんありますけれども、限られた時間でありますから後日に譲るにしても、スペースに関するおむつの交換やあるいはまた動けないことによる相互の関係、こういうようなことからプライバシーが侵害されているこの事実について、大臣はどういうようにお考えなんでしょうか。
#294
○政府委員(山下眞臣君) ちょっと大臣がお答えになります前に一言。
 実は、中央社会福祉審議会におきましても、長年この問題は研究をいたしてきておるわけでございまして、養護老人ホームあるいは軽費老人ホームにつきましては個室化推進ということが強調されておるわけでございますが、特別養護老人ホームにつきましては、御承知のような寝たきりの方でございます。寝たきりという特殊性、あるいは介護の必要性、あるいは話し相手をやはりほしいというような状態、そういったこと等もございまして、必ずしも一人で個室におるということがいいのかという点にはなお研究すべき疑問点が残っておるというふうに理解をいたしておるわけでございます。しかしながら、やはりそのプライバシー、これは考慮しなければならないということで、一人当たり面積の拡張は、もう先ほどの養護と同じに、五十五年度においても二十四・六平米に広げまして、大部屋では、四人部屋ではございますけれども、それをカーテンで間を仕切りまして、必要に応じてプライバシーは守れるというような工夫は大いにしていただくように推進をいたしておるわけでございますが、寝たきりの特養の対象の方を一人部屋に、個室へというのは必ずしも問題がないことはないのじゃないかというふうな感じでおります。
 養護につきましては、先ほど申し上げたようなことでございます。
#295
○国務大臣(野呂恭一君) 私も特別養護老人ホームを二、三訪ねて状況を知ることができたわけでございますが、いろいろ厚生省としてはそれなりに努力をいたしておるわけでございますが、しかし、御趣旨の点を踏まえまして、今後プライバシーの侵害にならないような形で何とか工夫を進めてまいるように、今後厚生省としても努力いたしたいと思います。
#296
○高杉廸忠君 集約の意味で最後にお願いも申し上げ、大臣からお答えをいただいて終わりたいと思うのですけれども、いままで御質問をしてまいりましたことになりますと、どうしても費用徴収以前の問題というのが実は先決であろうと、こういうふうに思っているわけなんです。現在、すでに扶養義務者の方からの費用徴収が行われているわけですね。私はそういう一本建てで費用徴収というのが十分ではないかという意見を持っている一人であります。どうしてもこの新しく費用徴収を入所者の方からおやりになると、こういうふうになるなら、先ほども申し上げましたとおりに、お年寄りの方や施設の方々も喜んで御協力ができる、こんなに施設がよくなったなら私たちも少しでも負担をしてもというようなお気持ちになるような、やっぱり改善なり、温かい手を差し伸べるという行政の手、これがやはり先決ではないかと、こういうふうに思うんです。私はそういう意味でも、いま大臣なり局長からお答えをいただきました改善計画についても、早急にこれをひとつ御提出をいただきたいし、そういう意味では、いま申し上げました、お年寄りの方にも施設の方にも合意が得られて円滑に実施ができるように、こういうことを望んでいるわけであります。
 したがって、その問題については、私どもとしても早急に問題点を整理いたしまして、四党の国会対策委員長の合意の線に沿って、私たちは、私たちについてその結論が早急に出ますような作業を進めていきたい、こういうふうに考えているわけであります。したがって、この四党の合意が得られるならば、当然私は厚生大臣としても尊重されるということはお答えいただけると思うんですけれども、私はそういうことを含めて、最初に確認を含めて申し上げました実施の時期、合意の内容、そして適正化の努力、こういうことを、大臣としていままでもお答えいただきましたが、これらの線に沿っていままで幾つか提言したことも含めまして、実施について十分な配慮をいただけるかどうか、これを最後に確認をし、まあある意味ではお願いをする部分もありましたが、確認をいたしまして終わりたいと思うのです。最後に大臣からの御所見をいただいて終わります。
#297
○国務大臣(野呂恭一君) いろいろ御提言を含めて、御趣旨の点は十分厚生省として努力をいたしまして、少なくも入所者の正しい理解あるいは管理者にとっても非常な協力の得られるような方法、したがって、必ずしも時間を急ぎ、無理をしないように進めてまいらなければならないと私は考えております。このことについては担当局長とも毎日のように話し合っておるということでございます。したがいまして、四党で詰められた合意事項ができますれば、それをその趣旨を尊重いたしまして、十分対処してまいりたいと、かように考えております。
#298
○主査(亀長友義君) 高杉君の質問はこれにて終了いたしました。
 橋本敦君。
#299
○橋本敦君 大臣、私は大阪にあります社会福祉法人大阪暁明館の問題について質問をするわけです。
 大臣はもちろん大阪のこの病院を御存じないと思いますけれども、私がきょうこの問題を取り上げて質問をいたします趣旨は、実はこの病院というのは、実に地域に密着して貧しい人たちに対する医療を進めてまいった伝統のあるよい病院でございます。ところが、最近この病院に、人事問題研究所というそこの代表取締役をやっております清水増三という人が常務理事に就任をいたしまして、そしてその清水一派の理事を引き込む、こういう経過がございまして、この人事問題研究所というのは、定款で営業目的を見ますと、病院、社会福祉、そういったことはまるで関係ございませんで、人事調査だとか、企業コンサルタント、労務対策コンサルタント、これを営業目的にしている会社ですね。だから、その清水本人もみずから労務屋と、まあこう言ったりしておるわけですが、こういう人が入って来てから、実はこの病院が労働組合に対するいろんな弾圧、そしてまた医療の荒廃、そういうことを含めて、伝統のあるこの病院が実は大変な状況になっております。しかも、ここの病院長として中西さんが長年の間研さんを積まれ努力されてきたんですが、この中西さんが病院経営問題について意見を述べる、主張する、これがうるさいというので、理事も病院長も解職をする、こういう暴挙までありまして、何としてもこの伝統のある病院を政府自身の指導も強めながら、よい病院としての伝統を守り発展させなくちゃならぬ、そういう立場と願いを込めて私はきょう質問をしたいと、こう思っておるわけであります。
 いまお話しをした中西院長のいわゆる解職事件については、幸い昨日、大阪地方裁判所で地位保全の仮処分決定が出まして、理事として取り扱い、かつ院長として病院は取り扱いなさいという、こういう完璧な勝利の決定が出まして、皆さん大変喜んでおられるわけであります。この裁判所の判断の中でも、この病院については、この病院は「病める人すべてに平等に良質の医療を提供し、決して営利主義には走らないことを根本方針として病院の拡大発展に全力を注ぎ」云々というように、中西院長を中心とする努力が裁判所でも認定されているとおりですね。
 ところが、この病院については、いろいろな意味で経理の乱脈といいますか、病院経営についての不当な事項がたくさんございまして、その点の一つについては大阪府が監査をいたしました結果、これは厚生省もお持ちだと思いますが、五十三年十一月一日の大阪府の監査結果に基づきまして、一つは、法人の行う業務内容や予算、決算について十分に審議されていないという状況についての指摘があります。そしてまた、資産の管理及び資金の経理責任の所在が不明確で、経理規程等を定め会計組織における責任者の位置づけ及び事務手続を明確にしなくちゃならぬ、こういったことも指摘されている。これはもう法人として初歩的のまずさが指摘されていますね。そしてさらに、基本財産の担保提供については、厚生大臣の事前の承認を得なければならないのにこれを得ないで担保に供されている、この手続については早急に改善しなくちゃならぬということが指摘されている、こういう状態があるわけです。
 大体、社会福祉法人の基本財産というのはなぜ大臣の認可を得なければ処分もしくは担保に供してはならないか、これはもう言うまでもなく明らかですが、社会福祉法人取扱要領、三十九年一月十日付で厚生省がお決めになっておられますが、そこで基本財産についてはどういうように指導を強める方向を明らかにされておりますか。
#300
○政府委員(山下眞臣君) この大阪暁明館の基本財産の管理につきまして、御指摘のとおりに大阪府が調査を行いましたところ、大臣の承認を受けずに担保に供しておったという事実、あるいは不動産は原則として基本財産に組み入れていただくという方針で指導をいたしておりますが、それが編入されていないという事実が判明をいたしたわけでございます。その線につきまして、直ちに大阪府知事から文書をもって指導をいたしておりまして、ちょうど、ことしになります年がえの時期ぐらいに、この基本財産の担保承認の手続及び不動産の基本財産への繰り入れという手続をいたしたいということで、現在、府庁にその申請書が提出されておる、府庁でただいまそれを審査をいたしておる段階ということで改善へ向かっての努力をいたしておるという状態でございます。
#301
○橋本敦君 いまの問題も、中西院長が何遍も一大阪府に監督強化を要求をする、あるいは監査を請求をする、こういうことの結果出てきたわけでしてね。事後承認の手続をいまやっておるといいますけれども、厚生省は本来事後承認でいいという考えはもちろんないでしょう、基本財産の繰り入れについても担保提供についても。たとえば、いま私が指摘した社会福祉法人取扱要領でも、基本財産は、法人存立の基礎となるものであるから、厚生大臣の事前の承認を受けなきゃならぬということを明示してある。しかもわざわざそれにつけ加え、この「基本財産の処分又は担保提供の承認の申請は、事業を開始したり、資金の借入れが決定した後に形式的に行われることが多いので、かかることのないように、計画がかたまった段階で、事前にこれらの申請を行うように指導すること。」と、わざわざ厚生省は指導方針を明らかにしていますね。こういう指導方針が貫徹されなかったというのは、一つは府庁の監督が十分にいっていなかったということ、ひいては厚生省自体が、せっかくこういうりっぱな通達を出しながら、地方の社会福祉法人について監督指導体制がやっぱりその点では抜かっておったという点について御反省はありませんか。
#302
○政府委員(山下眞臣君) 御指摘のとおり、担保提供等につきましては、事前にこれを承認していただくというのがもう当然の考えでございまして、まあいま指導いたしていますのは、遅まきながら事後的にもそれをきちっとするようにということでございます。御指摘の点、私どもといたしましても反省をいたしまして、今後ともできるだけの努力をさしていただきます。
#303
○橋本敦君 もう一つ、この暁明館をめぐって経理上の不明確な問題というのが実は指摘をされてきたんです。
 この病院は、東京リースから二十一億という金を借り、新館建設その他をやってきたわけですが、その金利も高いことからこれを借りかえるという話が出まして、実は十億円を五十二年になりまして協栄生命から借りかえるということになりました。
 ところで、この経過について、中西病院長が大阪府への監査請求でも指摘しておりますが、約四億五千万に上る使途不明もしくは不正な金の支出があるのではないかという点が指摘をされた。この関係で、私ひとつ大臣にちょっとこの資料を見ていただきたいんですが、(資料を手渡す)この借りかえにだれが世話をしたかということになりますと、五十二年当時大蔵大臣をなさっていた坊大蔵大臣、その秘書である田口日出夫さん、これが絡んでいるわけです。
 いまお示ししている資料を説明いたしますと、これはその借りかえに絡んで、灘工産がこの病院の者を坊大蔵大臣のところへ連れていったりしてあっせんをして、「立替金明細表」と書いてありますね、一番上に。この借りかえにこういった金が要った、合計四千六十四万四千円。この金を病院に支払いなさいということで病院側に持ってきた文書であるわけです。これは灘工産の酒井常務のメモであります。
 これで続んでいただきますと、一番上の五十二年一月二十一日に東京行き、大蔵省坊大臣面会云云と、こうありますね。これ、東京へ行くのに一月二十一日に費用が三百二十一万七千円もかかったという請求が来ている。これはもう想像できません。四月三日のところを見ていただきますと、「三回目東京 社長と酒井 田口秘書官宅及大臣議員会館行き 本場大島紬二反及現金」、これだけ持っていったと、そしてこれが三百七十六万五千円、こうなっております。六月五日を見ていただきますと、また東京へ行って、坊大蔵大臣の田口秘書に面会、大臣に面会、「此の内病院百五十万出す」と、こうありますね。こういうことで、坊大蔵大臣にお世話を頼んで協栄生命から金を借りかえたと、こういうことですが、いまそこに指摘してあるこの関係で、坊代議士及び田口秘書に関連をする明細を総計いたしますと、一千百九十二万七千円プラスアルファと、こうなってくるわけであります。私はこの坊大蔵大臣がどういう関係で知り合ったか知りませんが、金の借りかえに対して、病院がいま経営に苦難しているというのでお世話願うのはいいですよ。いいですが、安い金利のところを借りたいというのに、その運動費だけで大臣関係一千万以上、そして合計でいまこの資料で示した四千万円もの金をこういうことで病院に請求してくる。これはもう金を借りかえて利子を安くしたって追っつきません。追っつかない以上に、坊大蔵大臣と言えばそれはもう大蔵省の一番最高責任者ですから、協栄生命に対する監督権をお持ちの大臣、それが協栄生命に借りかえを世話してやるのに、こういうようなお金を秘書官を通じて、政治献金か何か知りませんがもらった、あるいは灘工産が連れていって出した。こういう不明朗なことは、社会福祉法人という、そういうところであるべからざる問題だと私は思うんですね。生活保護者に対して無料あるいは低額料金で診療するという社会福祉法人の本来の任務を真剣に貫いていこうとしている病院、これが、灘工産だとかあるいは坊大蔵大臣の秘書官が介入をしてこういうことが起こるというのは、私はあり得べからざる、あってはならぬことだと思うのですが、こういうことがある。これは裁判所でも証人が出まして、田口秘書官あてに金が行っているということは証言もしております。
 大臣、私聞きたいんですが、こういう支出を社会福祉法人がしなきゃならぬという問題は、これはおかしいんじゃないでしょうか。こういう点について、会計監査というのは指導官庁はもっと厳しくやらなくちゃならぬのではないでしょうか。
 第三番目に、私は、大臣だったらお世話なさっても大島つむぎだとかこんなものはあなたはおもらいにならぬと思いますよ。ところが坊さんのところへ持っていったという。こういうことは、大臣としてこれは政治的には、道義的にはやってほしくない行為じゃないかと私は思う。社会福祉法人という病院でこういうことがあったとしたら、大臣どうお考えですか。
#304
○国務大臣(野呂恭一君) まあいろいろ疑念を持たれたりあるいは疑いを受ける行為は、政治の場面においては特に慎まなきゃならぬことは言うまでもありません。とりわけ社会福祉関係の法人自体にそういう疑いがあるというようなことは望ましいことではもちろんございません。私は、福祉というものに対しては、清純なそういう環境の中で正しく行われることは言うまでもないことだというふうに考えるわけでございます。
 ただ、この事件につきましては、その後大阪府が五十三年十一月に調査を行ったわけでございますが、その事実は確認されなかったという報告をわれわれは受け取っておるわけでございます。もし御指摘のようなことが事実であるとするのならば、今後大阪府とも協議しながら、こうした社会福祉法人の指導に対しては十分対処していかなければならぬと、かように考えております。
#305
○橋本敦君 基本的には大臣のおっしゃることは私もよく理解できます。まさにこういう病院の金の借りかえに絡んでこういうことがあっちゃならぬ。それでいまおっしゃった、大阪府の監査に関してこういう事実が出ていなかったとおっしゃいました。問題はそこなんです。大阪府の監査が徹底的に正しくいっていないというところに一つ問題が残っているんです。
 そこで、私は大臣にはっきりお願いしたいのは、私は坊大蔵大臣のこの問題をことさら取り上げようとするのじゃありませんよ。一例として示しておる。だから、大阪府の監査は一応この問題について徹底的に詰めていませんので、事は重大ですから、さらに大阪府を指導して会計上のこの問題について監査を強める、再監査をするということを、大阪府と協議をして指導してもらいたい。それをやってもらわないとこの疑念は残っていきます。いかがですか。
#306
○国務大臣(野呂恭一君) 大阪府と協議して対処してまいりたい、かように考えます。
#307
○橋本敦君 この病院が本当にいい病院として伝統を生かして地域に奉仕するためには、この病院で勤務する皆さんの労働条件も適正に保障されなくちゃなりませんね。社会に奉仕するということで、ずいぶん自己犠牲で皆さん本当によくがんばってこられた。その実態をひとつ大臣に聞いてほしいんですけれども、特に看護婦さんの労働条件というのは、私は聞いてびっくりするぐらい大変なんですね。これはどこの病院でも、看護婦さんの当直や夜勤問題が問題になります。特にこの病院はひどいんです。
 労働省に伺いますが、最近労働省は、「病院における看護婦等の労働条件に係る調査的監督の実施結果の概要」というのをことしの一月ということでお出しになりまして、私は非常にいい調査をなさったと思いますが、この調査から見ていかがですか。病院における看護婦さんを含む女子労働、これに対しての労基法違反等の事実はかなりあったのではありませんか。
#308
○説明員(岡部晃三君) 病院に勤務いたします看護婦等の労働条件につきましては、かねてから長時間労働、休日労働あるいは宿日直勤務等の労働時間管理の不適正あるいはまた割り増し賃金の不適正な支払い、就業規則の未整備等々、いろいろ問題が認められているところでございます。ここ数年、私どもの労働基準監督機関におきましても、病院を監督指導の重点対象としてとらえているわけでございます。先生御指摘の、昨年度行いました実態調査、それに伴う調査的監督におきましても以上のような問題が出てきておりましたので、その労働基準法等の違反率を見てまいりますというと、八〇%以上、八六・二%という全産業の状況から見て非常に高い違反率が示されているところでございます。私どもといたしましては、さらに病院につきましては重点として今後とも継続していくつもりでございます。
#309
○橋本敦君 特に看護婦さんの一人夜勤というのはこれは大変なことですが、一カ月平均の夜勤日数をいまお話しの資料から拝見いたしますと、一カ月で十三日以上も夜勤があるというような激しい実態については、この資料の十三ページを見ますと、十三日以上というのはわずかに一・一%にすぎない。労働条件がきつくても大体一カ月に夜勤というのは八日ないし十日というのが多いようですね。十三日以上というのは本当に調査なさった中ではごくわずかである。労働省としては、大体この看護婦さんの夜勤というのは、病院の看護婦、社会福祉施設の保母さん等について、深夜業が多いと認められる者のうち、まず深夜業を含む夜勤日数が一カ月の三分の一、つまり十日を超える者を対象として順次その減少を図りたいという方向で今日まで努力されてきたことは間違いありませんか。
#310
○説明員(岡部晃三君) 私ども昭和四十八年に通牒を全国的に流しまして、中小企業あるいは一部の長時間労働の実態のある部面につきまして指導を行ったわけでございますが、その中に、女子の深夜業の問題といたしまして特に病院の看護婦につきまして通達を出したわけでございます。これは夜勤日数が一カ月の三分の一を超えるものを対象といたしまして順次その日数の減少を図る、こういうことで現在に至っております。
#311
○橋本敦君 暁明館の実態について労働省は御存じでしょうか。
#312
○説明員(岡部晃三君) 実は暁明館の問題につきましては、大阪労働基準局管内西野田労働基準監督署におきまして、昨年の六月に二度にわたりまして投書の形の申告があったわけでございます。その内容は、特に深夜の勤務につきまして非常に多い者では十五回にわたる者があるというふうな訴えがあったようでございます。同監督署におきましては、七月に臨検監督を行いまして、その結果、女子の時間外労働の問題あるいは休日労働の問題につきまして違反を発見できまして、是正勧告を行ったような次第でございます。
#313
○橋本敦君 大臣、お聞きのように、理事者は経営自体にこういう状態である。看護婦さんはそういう理事者の体制の中で、全国でもまれな労働強化を強いられている。一人夜勤が、暁明館はもう平均して十四日以上になっていますから、これはもう大変なものなんです。こういうことを通じて医療破壊というのがまた一方で深まってまいりまして、病院ベッド数を減らす、あるいは入院患者を拒否する、あるいはこの間は医者が患者を殴打するというような事件まで出て新聞に出た。これはもう大変なことですよ。そしてまた、労働組合に対しては、全員不起訴になりましたけれども、大変な刑事弾圧、いわゆる団交拒否はする。こういう清水という労務屋が入ってきて、まさに医療破壊も労働者弾圧もともに進みながらこの病院の伝統が汚されようとしている。これは私は大変な問題だと思うんですね。
 そこで、もう時間がありませんから詳しくは論じませんけれども、一体厚生省は、こういう社会福祉法人の病院経営が、本当に社会に奉仕できるような、そういう体制として進むようにどういう指導をやっておられるのだろうか、厚生省自身の指導として私は伺いたいんです。
 その一つに、五十四年、昨年に厚生省は、「社会福祉法人監督指導要綱の制定について」というのをわざわざおつくりになりました。読んでみますと、私は非常にりっぱだと思いますよ。「社会福祉法人は、きわめて公共性の高い組織であり、健全な社会福祉事業の経営と公正な法人運営を維持することによって国民の負託にこたえることが要請される」、そのとおりですね。こういうようになるために、理事の問題にしろ、経理の問題にしろ、基本財産の問題にしろ、ということで指導要綱をわざわざおつくりになっている。こういう指導がもっとうまくいっていれば、私はこういう混乱は起こらなかったと、こう思うんですね。そういう点について、現在この病院がこういう状況になっていることについて、私は、人事にいたずらに介入というのはむずかしいとしても、抜本的に、厚生省がおつくりになったこの指導要綱に基づいて全面的な指導を強化される必要がある。大阪府にも、その点について、暁明館に対する指導は積極的に本来の任務が果たせるようにもっと熱意を持って指導するということを大臣としては御指示になる必要がある、こういう状況だと思いますが、やっていただけますか。
#314
○国務大臣(野呂恭一君) 労使問題、人事問題については、そう簡単に介入できないことではございますけれども、大変いろんな不祥な問題が運営上において心配されておるわけでございますから、厚生省としては、大阪府にもっと積極的な指導を進めてまいりたいと思います。
 先ほども申し上げておったわけでありますが、私はまだこの暁開館というのを見たことがありませんし、その実態がどんなものか、いまお話を承りましてこれは大変なことだというふうに思いますので、早速係官等を派遣いたしまして、具体的にその運営が適正化できるように進めていくような努力をいたしたいと、かように考えております。
#315
○橋本敦君 大臣の積極的な御答弁をいただきまして私も喜んでおりますが、たとえば、大臣、いま仮処分の決定がきのう出たというお話をしました。裁判官がこの決定を出す少し前に、この中西院長の代理人である弁護団にちょっと来てほしいと。行きますと、こういう話なんです。いまの常務理事である清水さんたちは、もしも裁判所が中西院長の裁判を勝たして地位保全を認めるならば、病院は支払い手形はもう落とさぬで、経営自体をもうストップさして、病院自体をもう経営できないようにしてしまう、こういうことを裁判官に言った。裁判官はびっくりして、弁護人を呼んで、こういうことを言っとるけれども、裁判所が決定を出して病院がつぶれると、こうなったら大変だと、大丈夫なんでしょうかと。弁護団にこういう話をわざわざ裁判所は心配してされる。私は、そんなことを言うようじゃもってのほかだ。社会福祉法人、これを進めるために経営に全力を挙げる、この任務でしょう。自分が首切ったその裁判で、裁判所で負けたら手形も落とさぬぞ、病院つぶすぞ、こういうことを裁判所にも公然と言っていくと、こういうことですからね。厚生省は「社会福祉法人取扱要領」の中ではっきりこうおっしゃってます。「理事は、社会福祉事業について熱意と理解を有し、かつ、実際に法人運営の職責を果たしうる者であること。」と、こういう指導をされている。りっぱですよね。まるで逆さまなことをやっているんです。
 だから、いま大臣がおっしゃったように、係官等も派遣をして、何とかこの伝統ある病院が、職員もお医者さんも地域も一体になってよい病院として今後も発展するように、せっかくの御指導、御援助をお願いしたい。そのことを重ねてお願いして、きょうの質問を終わります。
#316
○主査(亀長友義君) 橋本君の質問は以上で終了いたしました。
 喜屋武眞榮君。
#317
○喜屋武眞榮君 私は初めに厚生大臣にお伺いいたします。
 沖繩の戦後処理は、三十五年たった今日なお取り残されておる問題がたくさんございます。そして、むずかしいものほど取り残されております。しかも、そのむずかしいものがきわめて重要な問題でございます。そういう未処理の中で、最近厚生大臣が沖繩に参られまして、非常に沖繩の関係者を勇気づけ希望を与えておられる。このことは大変私もうれしく思います。
 そこで、去る三月二十六日に、問題は、沖繩戦における戦傷病者の六歳未満の問題に対して、新川トミ子さん含めて三名の代表が厚生大臣に訴えておることが報道されております。そして結論を申し上げますと、この訴えは、国家の引き起こした戦争によって肉体が破壊された者に対しては、国家が補償するのは当然であると思うと、こういうことを厚生大臣に訴えておる。このことに対して大臣は、沖繩は戦場になったところであり、年齢のいかんにかかわらず援護措置を講ずべきだ、援護法が適用できるよう五十五年度から実態調査に入りたいと、こうお答えになって励ましておられると、こういうことが報道されておりますが、これは間違いがないでしょうね。大臣、お伺いしておきます。
#318
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほど私の方へお訪ねになって一いまお話しのように、沖繩の戦没者については、当然沖繩が戦場であったという点を十分認識いたしまして、援護法を適用いたしておることは御承知のとおりでございます。しかし、軍の要請によって戦闘に参加した者を準軍属として処遇している場合におきまして、六歳未満の戦傷者に対してはいままで援護法の適用を受けていないということでございますが、今後の沖繩の特殊事情を踏まえて、戦闘に参加した者の個々のやっぱり実態に着目しなければならない。したがって、年齢制限というものは私は適当でないというふうに考えまして、その実態の上に立って援護法に基づく適正な処遇をしてまいりたいということでお約束を申し上げたわけでございます。御趣旨の点はそのとおりでございます。
#319
○喜屋武眞榮君 いまの御答弁の中で、沖繩の特殊事情ということと実態を踏まえてというこの二つの御答弁に対して、私は裏づけたいと思います。
 私も沖繩戦の奇跡的な生き残りであります。それで沖繩戦の特殊事情と申しますと、まず第一点は、わが国の国内唯一の決戦場であった、八十余日にわたって、唯一の決戦場であったということが一つ。第二点は、前線も銃後もない、いわゆる兵も民も入り乱れて、追いつ追われつ、軍民入り乱れての戦争であったということが二つ。三つは、島であるために、沖繩自体が離島であるために、しかも沖繩本島が島であるために、県民は一般民は戦場から離脱することが、逃げることができない、こういう特殊事情。四は、軍人よりも兵隊よりも県民の戦死傷者が、死んだ者や傷を受けた者が軍人よりも多いというこの事実を、これは見落としてはいけないということなんですよ。一体、世界戦史の中で、兵隊よりもその民の犠牲が大きかったという戦争は、犠牲が大きいということは私は寡聞にして聞きません。沖繩戦の様相はそれなんですよ。兵隊よりも軍人よりも、戦を先頭に立ってやる軍人よりも県民の死傷者が多かった、こういうことなんです。
 そういう中で負傷した六歳未満の子らですよ。あの当時の二歳、六歳、いまもう四十近くなっておるんですよ。三十五、六から四十になっておるんですよ。その三十数年にわたって戦争で受けた傷の後遺症、義手、義足、義眼とか、もろもろの受けた後遺症、そうして精神的な苦痛をしょわされて今日まで生き延びてきた。しかも経済的な苦しみ、しかも人道的立場から――私のところへもよく代表が来ますが、三十五、六になって、実にすばらしい体格の女性ですが、負傷したがために結婚もできないでいまだに義足をがらがら引きずって私のうちまで訪ねて来るんです。この悲壮な姿を見たときに、一体国はどうしてくれるのか、戦争というこの悲惨な悲劇が、このように沖繩の六歳未満の方々を今日までこのように苦しめておいて、何ら国はそれに援助の手を差し伸べていないというこのことは、私は許せないと思うんです。このことを私は戦争体験生き残りの証言人として裏づけたい、特殊事情を。いま特殊事情とおっしゃったものの中身を私は申し上げたわけなんです。
 次に気になりますことは、去る決算委員会での私の、喜屋武の質問に対して、六歳未満でも、国との関係で戦闘参加者と評価されるのであれば、援護法に基づいてすべて処置されるよう積極的に検討すると、こういう答弁がこの前決算委員会であったわけなんですよ。この答弁と、いま検討をしてとおっしゃる言葉とを突き合わした場合に、何かひっかかるものがあるんです。私は結論として、こういう沖繩戦の特殊事情下においては、あなたは該当します、あなたは該当しませんというケース・バイ・ケースによって区別ができないということが沖繩戦の実態なんですよ。だから、六歳以下は無条件にこの援護法を適用すべきである、こういう前提に立たなければいけないということなんですが、大臣どうでしょうか。
#320
○政府委員(松田正君) 沖繩におきます援護法の適用につきましては、先ほど大臣から申し上げましたように、それぞれの実態に応じてできるだけ適切な措置をとれるよう、積極的に適用については十分検討して行っているところでございます。御承知のように、援護法はその性格から申し上げまして、国と一定の使用関係にあった者、こういった者を対象といたしまして適用をする、これが基本的な考え方でございます。したがいまして、沖繩におきます特殊事情の中で、いわゆる戦闘参加者、法の許す範囲の戦闘参加者という範疇の中で現実にどの程度の者が含まれていくかということを、われわれは積極的に運用上どう適用できるかということを検討しているわけでございまして、一般の戦災者と同様な意味でのすべての者に援護法を適用するということは、現行法上きわめて困難でございます。
#321
○喜屋武眞榮君 そうすると、このように受けとめていいですね。大臣がいわゆる沖繩戦の特殊事情を踏まえて、まず第一前提ですね、そして援護法というものをそのまま乗っかけるということには問題があるとするなら、この援護法に基づいてすべて処遇されるよう積極的に検討を進めていく、こういう答弁もこの前あったわけですがね。だから結論は、こういう沖繩の特殊事情、これは国が引き起こした戦争の犠牲であることは間違いありませんから、国が責任を持ってそれに対処すべきである、これも当然な話でありますね。当然の要求であると、こういう前提に立って、ひとつこの方々が救われるように――十分慎重を期して検討をされることは結構でありますよ。慎重を期して検討したがだめだったと、こういう結論になってはこれはその慎重な検討が後ろ向きであって、積極的に検討したということにはならぬ、こう思いますので、どうかひとつ、私があえて沖繩戦の生き残りとして証言をいたしましたのもそこにあるわけでありますので、慎重を期して、そして積極的に処遇されるように前向きで検討してもらうと、このことに対するひとつ確約をしていただきたいが、いかがですか。
#322
○国務大臣(野呂恭一君) いろいろ沖繩の戦争中におきまする特殊事情ということをお述べになったわけでございます。それは十分理解をさしていただいておるわけであります。そういう特殊事情を踏まえて、戦闘に参加した者に対して当然援護法を適用しておるわけでございます。従来から、七歳以上の方もそれならばすべてけがした人は、戦争中にけがしたのが戦闘参加でなかろうとあろうと、沖繩県の人は全部それならば援護法を適用しているというわけではないわけでございます。今回私が特に考えなきゃならぬと思うのは、六歳以下は援護法を適用していない、つまり年齢の制限をしておることには問題があるのではないか。したがいまして、当然六歳以下の方にありましても、戦闘に参加したという個々の実態というものの上に立って援護法の適用をすべきではないかということを申し上げておるのであります。ただ、戦争中に戦闘に参加しないけれどもけがしたから――しかし、沖繩の戦闘状況というのは全体的にいうと大変に複雑なものがあって、その見分けがつかないではないか、だからすべてけがした者は援護法の適用を受けるべきだという、そういうことではないのであります。つまり、戦闘に参加した者の個々の実態というものを慎重に考えていくのであって、年齢制限という従来のあり方は撤廃すべきである。したがって、そういう対応をしてまいりたいということを申し上げたわけでございます。
#323
○喜屋武眞榮君 結果的には全面適用されることを私は期待いたしております。
 そこで、大臣のお答えに、五十五年度から実態調査に入りたいと、こう言っておられますが、その実態の調査は現時点でどうなっておるのであるか。その予算措置はどうなっておるのであるか、それをお聞きしたいと思う。
#324
○政府委員(松田正君) 先ほど来大臣から申し上げておりますとおり、救護法の適用の問題でございます。したがいまして、六歳未満の方が何人いるとか、どういうことということじゃなくて、法律を戦闘参加者ということで適用いたします場合に、どのような実情にあるかという調査は当然私どもが決定する場合にいたすわけでございます。ただ、いわゆる実態調査ということではなしに、個々の方々がどういう実情のもとでけがをされ、どういう程度のけがをされておるかという個々の実情は調査をいたしますけれども、いわゆる実態調査ということは現在のところ考えておらないわけでございます。ただ、私ども実情がよくわかりませんので、その点につきましては十分沖繩県とも現在協議を進めているという段階でございます。
#325
○喜屋武眞榮君 どうも詭弁を弄しておられるようなんで、実態調査ということと個々のケースを検討するということとどこが違うんですか。
#326
○政府委員(松田正君) いわゆる私どもが実態調査という言葉から受け取りました感じは、いわゆる調査票を配ったり、いわゆる一般的な実態調査をするというふうに私たち受け取ったわけでございます。そういったことをするまでもなく、個々の法の適用の問題でございますので、実情を知るには個々の人間の適用関係をまずはっきりさせるということが先決ではないかというふうに考えておるわけでございます。
#327
○喜屋武眞榮君 個々の調査をするには、何名おるかということをまず知らぬといけませんね、過去において。それはどうなっておりますか。
#328
○政府委員(松田正君) そういう全般的なものにつきましては、現在県の方といろいろと打ち合わせをいたしておる段階でございます。
#329
○喜屋武眞榮君 そうすると、予算措置はどうなっておりますか。
#330
○政府委員(松田正君) いま申し上げましたようなことを考えておりますので、予算措置は必要でないというふうに考えております。
#331
○喜屋武眞榮君 そうしますと、大臣が五十五年度から実態調査に入りたいと、救護法が適用できるよう五十五年度から実態調査に入りたいということをおっしゃっておられますが、予算の措置がないのに調査ができますか。どうですか。
#332
○国務大臣(野呂恭一君) 戦闘に参加した者の個個の実態というものは、これは沖繩県の方でももうすでに掌握されておるものと私どもは聞いておるわけです。したがいまして、沖繩県と十分個々の問題について話し合いを進めて、五十五年度の現在予算審議を願っておりますその中で十分運用できるものであるというふうに考えておるのでありまして、新しく予算をまた追加しなきゃならぬとか、そういうものではないと、中で十分含み得るものだというふうに私は考えておるわけでございます。
#333
○喜屋武眞榮君 具体的にまあ上がってくれば、それを裏づける予算はちゃんと考えられると、こういう御見解ですね。じゃそのようにひとつぜひ希望を失望に置きかえぬように、これは戦後処理の中で、非常に最近関係者が切実に要求しておることは大臣もよく御存じと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、サリドマイド被害児についてお尋ねしたいんですが、沖繩は、本土におけるいろんなケースが時間的ずれをもって及んでくる、いろんな意味においてですね。こういう過程があるわけですが、このサリドマイド被害児が全国でどれぐらいおるか。また沖繩の実態はどうなっておりますか。ちょっとお聞きしたいと思います。
#334
○政府委員(山崎圭君) お答えいたします。
 現在全国で三百六名のサリドマイド児でございます。この中で沖繩県の方は六人、かように相なっております。
#335
○喜屋武眞榮君 その認定と申しますか、認定までの手続の手順はどうなっておりますか。
#336
○政府委員(山崎圭君) 被害児として認定を受けるためには、私ども厚生省の薬務局に直接お申し出をいただいても結構でございますし、あるいは財団法人「いしずえ」というサリドマイド児のための福祉の向上を図る財団法人が発足しておりますが、そこを経由された上で申し出いただいても結構だと、こういうことに相なっております。
#337
○喜屋武眞榮君 沖繩の場合、地理的に遠いということと、それからまだそれに対する理解が十分いっていないということと、それから経済的な負担能力がない、いろんな悪条件があるわけでありますが、それで次のことを私は沖繩の場合に――まず第一点は、交通費、宿泊費がよけいかかる。ある個人を例にとりますと、本人の交通費、付き添いの交通費、宿泊、該当者一人を本土まで連れていくのに約二十万円かかると、こういうことが言われておるんですよ。それで二つ目に、本人、付添人の費用を負担してほしいということと、承りますと、五億円の元金があって、それがもとになってこの法人は組織されておる、こういうことも聞いておりますが、沖繩の場合、六人中検診を受けておるのは二人ですか、三名ですか――私は二人と聞いておりますがね。そうすると、六名のうち二人しか検診を受けていない理由も、いま申し上げた条件からそのように阻まれておると、こう見てとっていいと思うんですがね。そういう点、特別の御配慮がしてほしいんですが、どうでしょう。
#338
○政府委員(山崎圭君) 認定の問題と離れまして、先ほど申しましたように、財団法人「いしずえ」という、そういう法人がすでに設立されて、被害児のためのいろいろな福祉活動をやっておりますが、その福祉活動の一つに健康診断といいますか、総合精密検診事業というものがございまして、サリドマイドの方々の、サリドマイドそれ自身じゃなくて、全体の健康の診断ですね、これを福祉活動として希望者に、希望者を募りまして行っておるわけでございます。確かに、これは五十一年からこういう事業が始まったわけでございますが、当初は、本人の交通費のみならず付添人の交通費もめんどうを見ておったようであります。ところが、だんだんにサリドマイドのお子さんも成長してまいりまして、必ずしも親御さん御一緒にということでもなかろうと、こういうような御判断もあって、しかも全員をやるのでなくて希望した方だけに限ってやるという意味合いもございましょうか、いずれにしましても、その財団法人としましては、御本人の旅費とかそれから健康診断費とか入院費とか、一週間ぐらい入院させて検診をやるんですが、それは負担いたしますが、付添人の方はちょっと御遠慮願いたいと、こういうようなことを、五十四年度からそういうふうに決めた、かように聞いておるわけでございまして、せっかく先生のお話もございますが、財団それ自身の事業としてやっておられる、こういうことでもございますし、特に私どもから強く指導をするということもなにかと思いますが、よく相談してみたいと思っております。
#339
○喜屋武眞榮君 重ねてお願い申し上げますが、一律に線を引くのでなくして、どうしても父兄の付き添いを必要とする者がおるわけですね。そういうところをひとつケース・バイ・ケースで、本人はもちろん、どうしても付添人の費用負担も、このように実情に即して検討をしていただいて、ひとつ厚生省としてもアドバイスをしていただきたい、こう思うんです。
 それからもう一つ、補装具ですね。補装具を注文して、一カ年後にしか来ないという実例があるんですね。そうすると、一カ年の間にはその子供は成長しておりますから、一カ年前に注文したものはもう間に合わない、こういう矛盾が出て、いわゆる使いものにならぬと、こういうことが現実問題としてその関係者から訴えられておりますが、これもひとつ何とか注文したら早目にそれが支給されるように、間に合うようにならぬと実際に役に立たないと、こういうこともありますので、その点も含めてひとつ要望いたしておきます。
 それでぜひ要望にこたえていただきたいもう一つは、先ほど申し上げました地理的にも遠いいろんな悪条件がありますので、沖繩の県立病院にサリドマイド被害児の専門機関、それから専門医師を配置してほしいという強い要望があるんです。これ第一希望です。もしそれが無理であるならば、せめて年に一度は検診のための専門の医師団を沖繩に派遣してほしいと、こういう強い要望があります。この要望にこたえてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#340
○政府委員(山崎圭君) 三点ばかりの御要請がございましたが、第一点は先ほど申したようなことで御了解、御理解賜りたいと思いますが、補装具の点につきましては、個別詳細に私承知しておりませんので、いまお話しのように、一年もたってからというようなことではこれは実情に沿わないし、患者さんのためにもなるまいと、こういうことを強く感じますので、早速その辺は調査いたしまして検討してみたいと、こういうふうに思います。
 それから第三点の専門医の配置あるいは派遣という問題につきましては、とりわけてサリドマイドのための専門医というよりは、恐らく整形外科の問題その他であろうと思いますので、その辺もひとつ関係局、医務局等とも相談して善処いたしたいと、かように思います。
#341
○喜屋武眞榮君 いまの点もひとつぜひ要望にこたえていただきたいということを重ねて申し入れます。
 次に、パーキンソン病について申し上げたいんですが、まず、特定疾患治療研究事業の対象疾患、こんな長たらしい、むずかしい名称ですが、一言で言うと難病、難病とこう言っておりますね。これがたしか十九番目の難病指定だったと私記憶いたしておりますが、それが五十三年の十月一日から実施されておりますね。それで五十五年度の予算措置はどのようになっておるのであるか。また、その患者の実態は全国はどうなっているか、全国の実態はどうなっているか。それに関連して沖繩はどうなっているか、それをまずお尋ねして、その裏づけの予算までお願いします。
#342
○政府委員(大谷藤郎君) 五十五年度につきましては、前年と同じようにパーキンソン病については治療、研究いたすことになっております。つまり、パーキンソンにつきましては、状態によりまして一度から五度までのうち、三度から五度につきましてを治療研究費の対象にいたしております。これにつきましては、患者さんのうち全国で約三、四万人のパーキンソンの患者さんがおられると言われておりますけれども、そのうち約七二・八%が三度から五度の患者さんに該当するわけでございます。この点につきましては、私ども一度、二度、この軽い状態の方につきましても、先生前回のときにも御指摘になっているわけでございますけれども、これにつきましては、私どもとしては他の難病等との均衡の問題もございますし、また現在これに使われておりますLドーパという薬が、発病初期から使うのがいいのかどうかというのは専門家の間でも意見が分かれておるというふうな事情でございまして、そういった事情も勘案いたしまして、現在のところ三度以上のパーキンソンの患者さんに治療研究費を充てている、こういう状況でございます。
 しかしながら、最近このLドーパ以外にもパーキンソン病の薬というのが開発されそうな状況になっておりまして、五十四年度におきましては、そういった問題について一層進展すればこれが非常に初期の患者さんに役立つのではなかろうかということで、変性性神経疾患調査研究班というものを設けまして、治療法の研究ということに一番の重点を置くということにいたしている次第でございます。
#343
○喜屋武眞榮君 沖繩の実態はどうなっているの、沖繩の方は。
#344
○政府委員(大谷藤郎君) 沖繩の数字、いま正確な数字をあれしておりませんが、約百人ぐらいではなかろうかというふうに思います。
#345
○喜屋武眞榮君 百人ですね。いまのお答えに対して私意見がありますが、この一度から五度、一度から五段階ありますね。それを三段階から無料支給と、こういうことになっておりますね。ところが、このパーキンソンが結局一度からだんだん二、三、四と、こう重くなりますね。そうすると、重くなった三度からは適用するが、一、二は適用しないと。逆に言うならば、軽いうちに早く治療しておけば、この進度を食いとめることができる。重くなってから適用するよりも、早く適用した方が結果的にはいいのではないかと私は思うんですが、どうもその点矛盾を感じますが、どうですか。
#346
○政府委員(大谷藤郎君) 一度、二度につきましては、体のバランスの障害がまだ伴わないという状態の軽い状態でございます。そういうわけで、先ほど申しましたように、他の難病との絡みもあるということを一点申し上げました。そのほかにLドーパという薬、これは症状を抑える薬でございまして、パーキンソンという病気は非常に長年、何十年にわたる病気でございまして、非常に軽い日常生活を営める状況から寝たきりの状態になるというふうに非常に長い経過がございまして、このLドーパを何十年にわたって使い続けるということができないわけなんです。ですから、いつの時点において――いまのLドーパだけの状態であれば、いつの時点に使うかという問題が、これが専門医に課せられた非常にむずかしい診断の決め手になるわけです。したがいまして、私どもの考えでは、一番初期の段階からこの薬を使い切ってしまいますと、現在の状況ではパーキンソンの患者さんの治療のためにならない、こういう意見があるわけでございまして、これは専門家の間でも意見が分かれているところでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、しかしそれでは絶望的なのかと申せば、最近、ちょっと話のついででございますから申し上げますけれども、Lドーパのほかに抗コリン剤でありますとか、アマンダジンあるいはブロモクリプチンというふうな新しい薬を一緒に使えばもう少しLドーパがうまく使えるのではないかというふうなことが言われておりまして、これにつきまして、先ほども申し上げましたように、私どもとしては鋭意開発研究をいたす必要があるということでその方の調査研究に力を入れている、こういう状況でございます。
#347
○主査(亀長友義君) 所定の時間を過ぎておりますので、もう一問ぐらいにしてください。
#348
○喜屋武眞榮君 それで提案ですが、実は二、三日前にこのパーキンソン友の会の会長さん以下役員が見えまして、ブレーンバンク、それを自分たちが死んでいくまでに脳を献納してこの病気を解明してぜひひとつその原因を探求してもらって、この病気が不治の病にならぬようにと、そういった崇高なお気持ちで来られて、私も本当に涙が出る思いがいたしたんですが、もう時間がありませんので、それで、柿本教授にそのことを提案したら、具体的に教授の回答がここにあるんですよ。これを読みますというと、なるほどこれは具体的な提案でありますので、これを大臣に御参考までに見ていただいて、ぜひひとつブレーンバンクの設立ができますように、そうして本当に崇高なこの申し出に対して、ぜひひとつ困難ではあっても国は全力を傾けて日本の医学の進歩のために、開発のためにひとつ実にしていただきたい、実現していただきたい、こういう要望を申し上げまして大臣のお答えを求めたい。
 一言、環境庁長官に、すみませんが……。
#349
○主査(亀長友義君) 簡単にしてください。
#350
○喜屋武眞榮君 せっかくおいでいただきまして……。結論を急ぎます。
 沖繩というところは非常に自然の美、空も海も陸も美しい、これが沖繩の宝でございます。ところが、現実は裏腹に、陸は破壊され、海も汚染されようとしており、そうしてまた空も爆音公害で大変なきょうこのごろの沖繩であります。そうして沖繩建設の目標は、平和で明るく豊かな沖繩づくり、県づくりということが目標であるわけなんですが、この現実とこの目標は全く裏腹な沖繩であります。環境庁長官とされて、この現実の沖繩をどのように受けとめていらっしゃるか、また、これをどうすればよろしい、こうおっしゃるのか、その御見解を承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
#351
○国務大臣(野呂恭一君) 先ほど御指摘の点につきましては、専門家の意見を十分お聞きをいたしましてこれに対応してまいりたい、かように考えております。
#352
○国務大臣(土屋義彦君) お答え申し上げます。
 先ほど来先生の御質疑を拝聴いたしまして、私も長年にわたって第二次大戦で亡くなられた遺族の問題等につき直接関係をしてまいりました一人として、本当に胸の痛くなるような思いをいたしたような次第でございます。何といたしましても、戦禍で荒れた沖繩、かつてのような緑ある空も美しい、川も美しい、海のきれいな沖繩に取り戻すように、環境庁長官といたしましても環境庁の先頭に立って最善の努力をいたしてまいらねばならぬ決意を新たにいたしたような次第であります。
#353
○主査(亀長友義君) 以上をもちまして環境庁及び厚生省所管に対する質疑は終了いたしました。
 明日は午前十時から分科会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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