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1949/02/27 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 本会議 第20号
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1949/02/27 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 本会議 第20号

#1
第007回国会 本会議 第20号
昭和二十五年二月二十七日(月曜日)
   午前十一時四十二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第十八号
  昭和二十五年二月二十七日
   午前十時開議
 第一 簡易生命保險法の一部を改正する法律案(内閣提出)(委員長報告)
 第二 郵便年金法の一部を改正する法律案(内閣提出)(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。
 この際、日程第一、簡易生命保險法の一部を改正する法律案、日程第二、郵便年金法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。郵政委員会理事渡邊甚吉君。
    ―――――――――――――
   〔渡邊甚吉君登壇、拍手〕
#5
○渡邊甚吉君 只今議題となりました簡易生命保險法の一部を改正する法律案及び郵便年金法の一部を改正する法律案の郵政委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 簡易生命保險法の一部を改正する法律案は、保險金削減期間内に被保險者が日本脳炎によつて死亡いたしました場合に、十種伝染病による死亡と同様、保險金全額を支拂うこととし、又災害死亡保險金倍額拂いの條項を昭和二十一年十月一日以後に締結された契約にも遡及して適用すると共に、行政簡素化のため、簡易保險郵便年金事業審議会を郵政審議会に吸收することとし、現行の契約乘換に関る條項を削除しようとするものであります。委員会は法案の内容を精査すると共に、簡易保險事業経営上の重要問題についても審議したのでありますが、以下質疑応答の主要なるものを御報告いたしたいと思います。
 先ず災害死亡倍額拂いの條項を昭和二十一年十月一日以降の契約のみに適用し、それ以前の契約に遡及しないのは不公平ではないかという質問に対しましては、政府より、それ以前の契約は乘換整理の対象たる小額契約であるから遡及適用を避けたいということでありました。又廢疾に対しても保險金相当額を支拂う意思がありかとの質問に対しましては、経理状態と睨み合せて将来改正したいという答弁がありました。又去る第五国会において両院の決議があつた積立金運用事務の郵政省復元問題に関しましては、その筋との折衝経過について郵政大臣より詳細な説明があり、尚、山田委員よりは、二十五年度予算上、預金部よりの本積立金に対する利子繰入金の利率四分五厘は低きに過ぎる感があるので、預金部資金運用利廻の向上実績に応じ、年度当初に遡つて繰入利子の引上げをなし得るような彈力性のある協定を、郵政、大蔵両省において締結せられたい旨の希望がありました。かくして討論採決に入りましたところ、全員一致可決すべきものと決定いたしたのであります。
 次に郵便年金法の一部を改正する法律案は、郵便年金を契約し得る最低制限額が現在六千円でありますのを、経済事情の推移に鑑み、三千円に引下げようとするものであります。本案に対しては格別の質問もなく、討論採決の結果、これ又全員一致可決すべきものと決定いたしたのであります。
 右御報告いたします。(拍手)
#6
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#7
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
   〔内村清次君発言の許可を求む〕
#8
○議長(佐藤尚武君) 内村清次君。
#9
○内村清次君 本員はこの際、国鉄仲裁裁定に関する東京地方裁判所の判決に対する政府の処置に関して緊急質問をすることの動議を提出いたします。
#10
○門屋盛一君 内村君の動議に賛成します。
#11
○議長(佐藤尚武君) 内村君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許可いたします。内村清次君。
   〔内村清次君登壇、拍手〕
#13
○内村清次君 私は去る二月二十五日、国鉄裁定に関する東京地方裁判所の判決と、これに対する政府の態度につきまして緊急質問をいたしたいのでございます。
 本判決は、平和的、合法的運動を原則とする労働組合は勿論、国民ひとしく注目待望して、国際的にも日本の労働運動の前途に一つの道を與えたものでありまして、権勢に屈せず、極めて明快に公正に正邪を処断いたしましたものでありまして、司法権の独立尊嚴のために誠に欣快に堪えないところであると思うのであります。
 判決は主文において、「仲裁委員会が国鉄と労働組合間の賃金ベース及び年末賞與金の支給に関する紛争について、昭和二十四年十二月二日なした裁定に国鉄公社は従わなければならない。」と判決いたしておるのであります。本問題に関しましては、改めて詳しく申述べまするまでもなく、昨年十二月二日、公共企業体仲裁委員会で決定いたしました裁定につきまして、政府はその全額支拂を拒否し、十五億五百万円の内拂に止めたのでありまするが、これに対しまして、労働組合を初めといたしまして、世論一般は、これは政府の違法行為であると非難いたしまして、参議院は昨年末院議を以てその全額支拂を議決したことは、議員諸氏のはつきりと記憶しておられるところであると思うのであります。然るに、政府はみずからの違法行為を欺瞞するために、衆議院に絶対多数の議席を持つておりまするのを幸いといたしまして、残余の額の支拂を拒否せしめて、これを国会の議決がなかつたものと詐称しておるのであります。即ち十二月二十四日、政府の回答せられました衆議院の議長の回答公文書におきましては、国鉄裁定は国会において承認がなかつた点を通告いたしております。これは明らかに衆議院の決定のみを一方的に取上げて、全額を支拂うべしと嚴たる議決を行なつたこの参議院の議決を無視いたしておるのでありまして、かかる政府の国会無視の非民主的な行為がしばしばとられておるのでありますが、我々は国会と民主主義を守るために嚴重にこの責任を追及するものであります。
 この政府の企図いたしましたる国会不承認の問題につきましては、この裁判の判決の理由書におきまして、誠に適切に次のごとく申しておるのであります。即ち「裁定は争議権に代る生存権の保障の裁判的制度であり、この裁定の効力の発生を国会の承認にかからしむる理由は少しもない。国会は單に財政上の観点から承認か否かをなし得るに過ぎず、裁定自体の当否を決することは許されない」と、はつきりと国会の裁定に対する権限を正しく規定しておるのであります。従つて我々は、裁定に関して国会が取扱うべきところの問題は、この裁定の予算上の財源についてのみその当否を論ずべきであることは、はつきりと法律上の解釈を司法上からもこれを裏付けられておることを認めるものであります。而もこの予算上の問題につきましては、判決には次のような理由を述べておるのであります。即ち「又予算上、資金上不可能とは、国鉄内部の資金では賄えないところの資金を意味して、予算の流用、移用又は予備費で賄い得る資金はその範囲外である。尤も流用などについては、内閣又は大蔵大臣の合目的性の考慮により自由裁量に任せられると言えるが、本仲裁裁定に基く債務の履行の場合についてまで、これらの自由裁量に属するといたしたならば、仲裁制度は否意味となつて、これに代る適切な制度がないにも拘わらず、国鉄職員から争議権、団体交渉権の実体を奪うこととなつて、憲法に違反する結果を来たすものである。」と言つておるのであります。更に又この「決定不承認が法規裁量である以上は、予算の移、流用玉は予備費の使用が客観的に見て実質的に可能である限り、予算上、資金上不可能と称すべきものではなくして、裁定の履行は可能と言える。裁判所において裁定に基く債権の給付を命じ得ることは当然である。」と申しておるのであります。かくのごとく明確に予等上、資金上の流用による全額支拂が判決として下つておりますることは、我々は本院におきまして、この点につきましては強く正しく主張して来たところでありまして、加賀山国鉄公社総裁も、曾ての労働、運輸の合同委員会の席上及びハン・ストの收拾時におきましても、裁定の実施については「当事者として当然拘束を受ける。」又「政府に対しては十分責任を以て交渉する、正式の手続をして大蔵大臣に全額支拂のための予算流用の措置を構ずる」と確約いたしておるのであります。更に大蔵大臣に対しましても、二十七億の追加予算の申請も提出いたしておるのであります。然るにここに奇怪なことには、二月二十六日、東京地方裁判所の判決に対しまして、総裁談といたして逆に「政府と協議するが、不服として上訴することになるであろう。」と放言しておるのであります。且つ又増田官房長官は「裁決が政治の分野に入ることは反対である。」などという暴言を吐いておられるのであります。政府の非行を反省もせず、ますます法律無視の暴政を行わんとするがごとき言動をなしておるのであります。ここにおいて私は事態は誠に緊急なものであると認めまして、次の諸点につきまして、吉田総理並びに関係大臣に質問をいたしたいのでございます。
 第一点は、加賀山総裁の以上ごとき言動は、当然円滑に運用せらるべきところの国鉄の業務に大きな波紋を混乱を與えるものでありまして、五十万従業員の勤労意欲を阻害し、国鉄並びに政府への信頼感を全く喪失せしむるところの二言的行為である。更に又公労法第十七條に規定せられておりますところの、一方的に罷業や怠業を煽動する者はこれを罷免することができるという條文は、まさに総裁御自身に適用されるものと認めるものであります。更に又、日本国有鉄道法第二十二條におきまして、「内閣は、総裁に職務上の義務違反その他総裁たるに適しない非行があると認めた場合には、監理委員会の同意を得て、これを罷免することができる。」と規定されておるのであります。参議院の議決を履行せず、公述人としての証言を履行せず、まさに職務上の義務違反者であります。この総裁の責任は当然即ち国鉄法に該当するものであると思うのでありまするが、総理はこれを罷免する意思があるかどうか、理由を付けて説明して頂きたいと思うのであります。
 第二点に、増田官房長官は、司法が政治上の分野に入るのは不可なりと言つて、理解し得ぬところの暴言を吐いておられるのでありますが、然らばお聞きしたいのであります。昨年末、衆議院が仲裁裁定そのものの否認等の行為をとつて行政並びに仲裁の裁判的制度に容捨なく侵入いたしましたときに、政府みずからがこれを行わしめて、且つ又、これを唯一の理由として裁定を拒否する等の暴政をとられておるのであります。これは労働運動の最終的裁判制度を侵害し、冒涜するものと言わざるを得ないのであります。更に又、みずから反省もせず、異なつた他の意思を飽くまでも非難屈服せしめようとする官房長官及び内閣の性格は、明らかに反動であり、フアツシヨ内閣であると申すことは又当然と言わなければならないと思うのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)かくのごとき法律の嚴守につきましては、立法府たる参議院が院議を以て決定し、これまで司法権の独立と法の尊嚴という点につきまして東京地方裁判所が確乎たる判決を下したる以上は、政府はこれに対して如何なる処置をとらんとするのであるか。更に上訴する意思があるかどうか。司法権が政治に侵害しておるというその根拠をお伺いしたいのであります。又総理を初め関係各大臣は、かかる裁判所の判決に対しまして、今日まで法に違反し、又立法府に責任を転嫁するがごとき言動を常にとつておられる、その責任は如何にしてとろうとするのであるか、辞任をして不明を国民の前に陳謝すべきであると思うが、この点に対する御答弁を要求するものであります。
 第三点といたしましては、かくのごとく明確に全額支拂の判決が下されて、たとえ国会が不承認を議決しても、本裁定の性質、内容から見て、後日支出が可能となつたときに履行せられても、その目的即ち全額支拂を意味しておりまするが、これを達し得る裁定であるならば有効に存続し得ると明確に判決を下しておるのであります。政府は後日予算流用の許可をなさるべきは当然のことと思われるのでありますが、政府のこの点、実行を確言するかどうかにつきまして、これは大蔵大臣に御答弁を要求するものであります。
 私は最後に政府に警告して置きたいことは、この判決で尚も政府及び会社が不明の点を反省せずに、参議院や司法機関で当然と認めているところの法律が守られないといたすならば、今回の賃金ベース改訂問題と相待つて事態は不測の方向に発展するとさえ考えられるのであります。即ち判決の理由書におきまして、裁定は争議権に代る生存権の保障の裁判的制度であると明言せられまして、若し政府が国鉄従業員の最後の権利まで蹂躪することがあるといたしましたならば、公社職員も又正当防衛権を以てこれに対抗するものでありまして、すでに国会共闘委員会に集まりました民主的労働組合員はそのような態度をとらざるを得ないという態勢にまで来ておることも御承知の通りであります。万一かかる不測の事態を生じました場合、我々は、今まで最後の生存権をすら蹂躪して、法律を無視し、人事院の勧告をも拒絶するがごとき政府の暴政に、その挑発の責任ありと申さざるを得ないと思うのであります。かかる事態が生じました場合、政府はその責任を如何にしてとろうとするのであるか。極めて重大なことでありまするから、愼重にして且つ明快に総理及び関係大臣の答弁を要求するものでございます。(拍手)
   〔国務大臣増田甲子七君登壇〕
#14
○国務大臣(増田甲子七君) 内村君の御質疑にお答え申上げます。
 先ず第一に、我々は今回国鉄関係の裁定についてなされた仮処分の判決については、法理上の解釈から見まして不服不満の観念を持つております。でございまするから、内村君も御質疑されましたが、早速上訴をいたしたい、こう思つております。
 それから内村君は判決の内容を指摘されて種々論議されましたから、そのうち一部政府に対する質疑の点について私も御答弁申し上げます。
 先ず第一に、判決は、国会は裁定の内容の妥当か不妥当かについて審議する機能がないのであるという判決の文章があるということを言われましたが、私はこの点については判決と根本的に観念の違つた見解を持つておるのでございます。国会は国権の最高機関である、あらゆる事項について私は審議することができる、こう確信しておるのであります。(「ノーノー」と呼ぶ者あり)而して裁定が妥当か不妥当であるかを認定しなかつたならば、あの第十六條第二項のいわゆる承認を與えるか否かはできないのでございます。従いまして、判決の文章と違いまして、国会は裁定の内容の妥当、不妥当、合法、非合法、あらゆる点において審議できる、又すべきであると、こう考えておるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)
 それから、その次に第十六條第一項というものは法規裁量か自由裁量か、我々は自由裁量と考えております。この点は恐らく争いの点になるでございましよう。従つて我々は上訴をいたすつもりでございます。即ち法規裁量といたしますと、予算上不可能とかいうような問題も起きないのでございまして、第十六條第一項が死んでしまう。結局我々は判決と同様に、国民諸君殊に労働者諸君の生存権は、健康にして文化的な生存をなすということについての権利は、最も尊重しなければならぬと思つております。併しながら今日憲法の條章がございまして、これらの諸権利、基本的人権は、公共の福祉の範囲内において認められる、これ又憲法に明定してあるのでございまして、予算上不可能であつても裁定の内容を実施しなくてはならぬということになりますと、結局、今政治上の一番大きな問題である税金の問題或いは運賃の問題というようなものが又々深刻化する。即ち税金は減税するを得ざるのみならず、御承知のごとく、内村君は最もよく運輸関係について御経験がありますから御存じのごとく、一般会計から三十億を廻しまして漸く三月末プラス・マイナス零というところになるところでございましたけれども、今回十五億五百万円の流用をいたしましたために、三月末には一般会計即ち税金から三十億の流用がありましても、尚且つ八億ぐらいの赤字になると言つて歎いておる状況でございます。従いまして、税金に基礎を持つているところの一般会計から、より多くの繰入がなされなければならず、又運賃等も値上げをしなくてはならない。即ち公共の福祉というような條件に触れて来るのであります。でありまするから、労働者諸君の団結権なり或いは罷業権その他の権利、又一般国民の享受せられるべき生存権等も、公共の福祉というような範囲を明定いたしました国家公務員法或いは公共企業体労働関係法というようなものの制約を受けておるのであります。即ち予算上無理な、不当な支出はしないでもよろしい、予算上可能な範囲において、できるだけ生存権を尊重し、又労働者諸君の労働権を尊重しろというのが、第十六條第一項の精神であり、又これについての認定をし、審議をされるのが、第十六條第二項による国会の権能であると我々は確信しておる次第でございます。(拍手、「了解」と呼ぶ者あり)
#15
○議長(佐藤尚武君) 今暫らくお待ちを願います。運輸大臣は出席を約されておりますから……。(「総理はどうした」と呼ぶ者あり)総理大臣並びに大蔵大臣の答弁は他日に留保されております。
   〔内村清次君「大蔵大臣は院内にいるのじやないですか」と述ぶ〕
#16
○議長(佐藤尚武君) 大蔵大臣は衆議院の予算委員会でどうしても手が外せないということを今断わつて参りました。
   〔「本会議の方が大切だよ」と呼ぶ者あり、門屋盛一君「小委員会の申合せの違反になる。総理の出席ができないということを承認しているが、大蔵大臣は出席することになつている、あなたの方で勝手に留保すると言つても、出席を約されている、又予算委員会と参議院の本会議と、委員会のウエイトについては、一つのルールが決まつているわけだ」と述ぶ〕
   〔国務大臣大屋晋三君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(大屋晋三君) 只今の内村君の御質問に対しましてお答えいたします。
 一昨日土曜日に国鉄裁定に対しまして仮処分の判決が下りましたが、政府といたしましては、何分一昨日の今日で、詳細な態度を決めておりません。尚、加賀山総裁の態度につきまして、不都合ではないかというような御質問であつたそうでありますが、政府は加賀山君の言動に対して何ら不都合の点を認めないのであります。(笑声、拍手)
   〔「委員会と本会議を混同しては困る」「そんなことをやると議長彈劾演説をやるぞ」「法務総裁」「議長しつかりしろ」「休憩」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(佐藤尚武君) 先程の私の発言を訂正いたします。大蔵大臣の出席を待つこととなりました。
   〔「当り前だ」「休憩」「默つて待つている、雛祭みたいだな」と呼ぶ者あり〕
   〔栗山良夫君「議長、発言を求めます」と述ぶ〕
   〔「大臣が来るまで待つのは悪例になる、休憩して小委員会を開け」と呼ぶ者あり〕
#19
○議長(佐藤尚武君) 議事の都合によりまして暫時休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時五十五分開議
#20
○議長(佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 先程の内村清次君の緊急質問に対する答弁のため、大蔵大臣から発言を求められております。この際許可いたします。池田大蔵大臣。
   〔国務大臣池田勇人君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(池田勇人君) 本日午前、本議場におきまして、内村清次議員より、国鉄の問題に関し、先般東京地方裁判所において判決のありましたあの判決に従つて、政府は予算の流用につき許可を與えるべきではないかという御質問があつたそうであります。私は本問題に関しましては、従来本国会におきまして自分の意見を申述べておりまする通りに、予算の流用を許可する考えは持つておりません。(拍手)
   〔内村清次君発言の許可を求む〕
#22
○議長(佐藤尚武君) 内村君の再質問を許可いたします。内村清次君。
   〔内村清次君登壇、拍手〕
#23
○内村清次君 国鉄裁定問題につきましての東京地方裁判所の判決の誠に我が国の合法的な労働運動に及ぼす影響の重大性に鑑みまして、政府の責任者である吉田総理及び関係大臣に質問したのでありまするが、吉田総理の出席を見ず、又先程の答弁の中におきまして、増田官房長官は、みずからのこの違法行為を反省せずして、上訴すると明言されておるのでありまするが、この増田長官は、内閣の如何なる資格として、いわゆる内閣の代表者として発言せられたのであるか。この点が私達はまだ納得行かないところでありまして、いわゆる公労法によりまして、今回の裁定問題があらゆる法律的な最終裁定であるという点も今回の判決においても明らかでありまするが、又この公共企業体になりましたのが一昨年の六月でありまするが、その直接の監督者は、これは運用上は総裁でありまして、監督は運輸大臣である。その運輸大臣が、先程の答弁によりますると、一昨日、土曜日に国鉄裁定に対して仮処分の判決が下されましたが、政府といたしましては何分一昨日のことで詳細な態度を決めておりません、こういうような発言をしておる。こういうような直接監督者が何ら態度を決めておらないというのに、この増田長官は如何なる資格で上訴するというような、こういうような点を発言されておるのであるか。この点が私達がまだどうも納得行かない点でございます。
 それと、もう一つは加賀山総裁に対しまして、私はこの際、いわゆる国鉄法第二十二條によつて、本院のこの嚴粛なる議決に対するところの忠実なる履行者じやない、こういう観点から、二十二條に照らして、これを罷免すべきであるということを提言いたしておりますが、これに対しましての運輸大臣の答弁も又要を得ておりません。而も又占今大蔵大臣がいわゆる今回の判定に対しましての答弁といたしまして、何ら予算流用、全額支拂に対しても、これは前回の国会で答えた通りに、考えておらないというような発言をいたしておられまするが、この判決の内容の中に次のようなことが示されているのであります。「日本国有鉄道法の第三十六條、財政法の第三十三條第二項、予算決算及び会計令の第十七條によつて、大蔵大臣の承認がなければ予算の経費の全額を流用し得ないが、その流用によつて裁定の履行が可能となるときには、大蔵大臣の公共企業体労働関係法第一條第二項にいうところの、この法律で定める手続に関與する関係者の一人としてその流用を承認する義務を負い、その資金の支出は予算上可能である。」かように判定せられているのであります。然らばこの公共企業体労働関係法第一條第二項にどういうことが謳われているかと申しますと、いわゆるこの「手続に関與する関係者は、経済的紛争をできるだけ防止し、且つ、主張の不一致を友好的に調整するために、最大限の努力を盡さなければならない。」という規定を以ちまして、そうして、この公共企業体従業員の罷業権を剥奪いたしておるのであります。こういうような重要な問題につきまして、今尚、予算の流用もしない、而も又公共企業体が独立採算制を以ちまして、そうして財政経済をこの線に沿うて運用して行こうというような点に対しましても、これを剥奪する、これを阻害するようなことを今尚考えておられることは、全くこれは日本の労働組合の運動を本当に非合法に外らす張本人であると私は考えていいと存じます。(「その通り」と呼ぶ者あり)
 第二の点は、曾て政府職員、即ち行政機関の職員定員法の際におきまして、あのような国鉄におきましては九万五千というような首切りをやつていることは御承知の通りであります。そのときに私もこの席において質問いたしましたように、退職手当金はこれは政令で、即ち一方的に決めております。当然これはああいうような首切りをやるといたしましたならば、その法律の中に退職して行く人達の老後を、又その退職後の生計を考えて、規定に従つて支出すべきでありまするけれどもが、そういうようなことは政令で決めている。而も又増田長官も今日言つておられたようでありまするが、赤字である、赤字であると言つておる、この公共企業体の経理内容から五十四億という金を以て退職者に対する退職金をやつておる。五十四億の金を流用しておる。どういう費目流用をしておるか分りませんが、この点につきましても私は運輸委員会で運輸大臣に答弁を求めましたときに、これは、五十四億は確かに流用をしておるということも発言いたしております。こういうようなことをしながら、今回いわゆる仲裁裁定という、あの公労法の平和的な解決の法律條文に従つて、專門の方々が四ケ月も費し、同時に又その関係労組の方々が今日まで忍ぶべからざるを忍んで、そうして平和的解決を求めておるに拘わらず、一方には、自分の都合のよう問題につきましては、これは国民の知らないうちに予算流用をやつている。そうして、こういうような恐らく又更に正当防衛的なことが発生することも予測されるような、こういう事態に対してさえ、今尚その言葉を堅持しておるというがごときことは、誠に大蔵大臣といたしまして不見識極まる問題であると私は思いますが、これに対しまして大蔵大臣は、この法律上からしてなぜ流用ができないのであるか、同時に又加賀山総裁が二十七億の予算追加を、これを法律に従つて申請したときに、なぜこれに対してその流用を許可しなかつたのか、この点を明らかにして頂きたいと私はかように考えまして、再質問をいたした次第であります。(拍手)
   〔国務大臣池田勇人君登壇〕
#24
○国務大臣(池田勇人君) 再質問のうち私に関しまする点につきましてお答えを申上げます。
 先ず第一は、私は今回の東京地方裁判所のあの判決には承服し難いのであります。従いまして適当な措置を今後とることを閣員といたしましてここに申上げて置きます。尚、公共企業体労働関係法第十六條によりまして、私はあの裁定は政府を拘束するものでないという考えの下に、今までの措置をとつておるのであります。而して退職のときに数十億を出したではないか、こういうお話であります。勿論行政整理のためにできるだけ退職金を出しておるのであります。而してその後におきましても仲裁裁定の趣旨を尊重いたしまして、十五億五百万円を出しておることは御承知の通りであります。
 次に加賀山総裁が今後予算の流用を申請したならばどうするかという御質問でありまするが、私は只今のところ予算の流用を許可する考えは持つておりません。先程の答えと同様でございます。(拍手)
#25
○議長(佐藤尚武君) 日本の議事日程はこれにて終了いたしました。
 次会は明日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時九分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、日程第一 簡易生命保險法の一部を改正する法律案
 一、日程第二 郵便年金法の一部を改正する法律案
 一、国鉄仲裁裁定に関する東京地方裁判所の判決に対する政府の処置に関する緊急質問
ソース: 国立国会図書館
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