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1979/03/18 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 建設委員会 第4号
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1979/03/18 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 建設委員会 第4号

#1
第091回国会 建設委員会 第4号
昭和五十五年三月十八日(火曜日)
   午前十時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     藤田  進君
     赤桐  操君     小谷  守君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大塚  喬君
    理 事
                降矢 敬義君
                増岡 康治君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                植木 光教君
                遠藤  要君
                上條 勝久君
                寺下 岩蔵君
                中村 禎二君
                小谷  守君
                藤田  進君
                内田 善利君
                二宮 文造君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
   国務大臣
       建 設 大 臣  渡辺 栄一君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  園田 清充君
   政府委員
       国土庁土地局長  山岡 一男君
       建設政務次官   竹中 修一君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設省計画局長  宮繁  護君
       建設省都市局長  升本 達夫君
       建設省都市局参
       事官       吉田 公二君
       建設省住宅局長  関口  洋君
       建設省住宅局参
       事官       大田 敏彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   説明員
       大蔵省銀行局特
       別金融課長    中田 一男君
       厚生省社会局更
       生課長      板山 賢治君
       厚生省社会局老
       人福祉課長    大西 孝夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公営住宅法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法
 の一部を改正する法律案(内閣提出)
○国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大塚喬君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 公営住宅法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
#3
○茜ケ久保重光君 長い間の懸案でありました公営住宅に対する独身者の入居について、今回、建設省では、遅きに失した感はありますけれども、とにかく条件づきでありますけれども、独身者の入居を認める前向きの法の改正案を出されました。この点は、率直に言って、建設省、建設大臣の御意向を多とするものであります。
 しかし、まだこれは欲を言えば切りがないことでありますけれども、やはりいろいろと問題点がございまして、この際、もう少し思い切った措置をしていただいた方がいいのではないかということもあるわけであります。いま申しますように、当局としてはかなり思い切った御措置であると思いますが、受ける方の立場から言うと、まだまだということでありますね。以下、そういうことを踏まえながら若干の質問をしたいと思っております。
 実を言うと、私は、国会の運営について意見を持っておるのでありますが、どうもいまの国会というのは、質問と答弁、その一定の時間を終わると、それで終わってしまう。国会というか議員というか、国民の意向がわりあい法律に反映するのが少ないんです。私は、かつて委員会の運営に対して討論方式を主張したことがある。いつも思うんですが、自民党の皆さん方は聞きっ放しで、言いたいことはあると思うんです。最近は、質問が出てきましたが、委員会によっては全然自民党の諸君は質問されない。聞きっ放し。私が与党だったら議員をやめようと思っていますよ。私は、やっぱり与党の皆さん方が法案に対して意見を言い、大臣や局長に質問するよりも、むしろ議員同士で討論をして、討論した中から生まれたものが法案に反映されていけばいいと思うんです。これから質問をするんですよと先に質問も通告をして、答弁を用意されている、そういったことは個人的ですが余り賛成ではない。いま参議院の改革案をやっておりますが、できたら、これは討論方式にして、与党の皆さん方にもどんどん言っていただいて、野党と与党が討論しながら合意するときに、すばらしいものが生まれる。もちろん法案の内容は当局が出してもいいから、その討論をしながら、その法案をすばらしいものに持っていくという努力はしたいと思っています。これは私の一つの思想でございますが。
 いま申しましたように、非常に当局の御支援で、昭和二十六年の公営住宅法制定当時からのこれは問題でありましたが、その当時独身者を除外されたのは、公営住宅の供給は当分そこまで手が伸びない、これが大きな理由でしたね。今日は、公営住宅がそこまで、すでにもうある程度余裕ができて独身者にも供給できるという状態になったことが大きな原因か、あるいはまた長い間の独身者の入居を期待した、いわゆる入居希望者の期待にこたえるために、まだまだ公営住宅もそう余裕があるというんではないけれども、そういう期待者に対するこたえとしてこういうことにされたのか、あるいは両方かもしれませんが、その点についてひとつ大臣の御所見を伺いたい、こう思います。
#4
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいまの御質問でございますが、御承知のように、最近の公営住宅の応募倍率は若干低下をしてきておることは事実でございますけれども、まだ大都市を中心としてその需要は相当大きなものがあるというふうに考えております。ただ、老人、身体障害者等につきましては、単身者でございましても公営住宅へ入居するようにしてほしい、こういう要望は相当強くなっておるわけでありますし、また、最近の公営住宅のストックの状況も、これらの公営住宅への入居を認めることも可能であるのではないかというふうに私どもは考えておるわけでありまして、今回、こういうようなものにつきまして公営住宅への入居を認めることとした次第でございます。
 したがいまして居住水準の向上という住宅政策の目標に沿いまして、家族数に応じました住宅への住みかえを促進していきたいと思っておりますので、その中で公営住宅につきましても小規模住宅、たとえば1K、1DK及び2K、これらを単身者用の住宅として開放していきたいというふうに考えております。当面、このような措置を講じてまいりますが、今後も、鋭意努力をしてまいりたい、かように考えております。
#5
○茜ケ久保重光君 かなりの入居希望者があるわけですが、今後、これを機会に、公営住宅をつくる当事者に対して、百戸つくる場合にはそのうちの何%かは独身者向けの住宅をつくることが望ましいと申しますか、あるいはもっと強くこれだけのパーセントのものをつくるべきであると、これはちょっと強くなりますが、そういうふうな指導というものはむずかしいものでございますか。
#6
○政府委員(関口洋君) 先生の御指摘は、ただいま大臣が御答弁しましたように、今回の措置は既存の住宅の単身者用への振替ということに主眼点を置いておるわけでございますが、今後、新たにつくる必要があるのではないかというお尋ねかと思います。
 私ども、今回の措置を決めます場合に、その点についても考慮したわけでございますが、大体、いま大臣がお答えしましたものに該当する戸数が総体で四十万戸程度あろうかというふうに推定いたしております。あと、それらの方たちの入れかわり、いわゆる入退居でございますが、これが年間七・八%ぐらいだったと思いますが、ございますので、そうしますと、掛け算いたしますと年間約三万戸ぐらいの供給がこの振替措置によって期待できる。それで年間三万戸ぐらいのものがあれば、当面、いろんな御要望に対応できるという考え方に立っております。それらの実績を踏まえながら、これからの将来の方策というものについてはなお検討を進めてまいりたい、かように考えております。
#7
○茜ケ久保重光君 最近の公営住宅の応募者は、全国平均で見ますと、五十二年度が三・三倍、五十三年度が二・五倍と低下しているようであります。しかし、本当に公営住宅を必要とする大都市圏では、東京都が十三・五倍、政令指定都市では六・四倍とやはりまだ非常に高いわけですね。第三期住宅建設五カ年計画では公営住宅を四十九万五千戸達成するということになっておりますが、東京都や政令指定都市の達成状況というものはいまどうなっているのか。
#8
○政府委員(関口洋君) 政令指定都市等につきましての公営住宅の建設計画というものは、先生御案内のとおりに、法律的には定められておりませんが、それぞれの指定都市におきまして独自に五カ年間の市営住宅の建設計画を定めておられます。それによりますと、東京都及び政令指定都市の合計の計画戸数は十一万二千三百戸でございまして、これに対して昭和五十一年度から五十四年度までの四カ年間の建設戸数の実績なり、あるいはその実績見込みによりますと、六万九千三百七十三戸ということになりまして、進捗率は六一・八%ということに相なっております。
#9
○茜ケ久保重光君 それはやっぱり六一%で低いですよね。その理由はやっぱり宅地問題ですか、このいわゆる四〇%前後の未達成な原因は。
#10
○政府委員(関口洋君) 全般的に公営住宅の建設をめぐる問題として私どもが把握しておりますのは、いま先生御指摘のまず用地の取得難の問題でございます。これにはいろんな理由がございますが、実は、公営住宅に入居を希望される方は、大体、私どもの言葉で申しますと立地限定層と申しますか、いわゆる職場にできるだけ近いところに住まれるということを希望される方が非常に多うございまして、そういう意味でできるだけ通勤に便利なところを確保しようと思いますと、いま申し上げましたような用地の取得難ということが浮かび上がってくるわけでございまして、これの解決策といたしましては、地方債の単価の引き上げであるとか、あるいは建てかえ事業の促進であるとか、こういうことによってできるだけ土地の便利なところへ新たな住宅の建設が可能となるように鋭意努力いたしております。
 なお、そのほかに、これも先生御案内のとおりに、関連公共施設の整備の問題がございまして、これにつきましての地元との調整も一つの課題でございますが、これにつきましては五十三年度から例の住宅宅地関連公共施設整備費という制度をつくっていただきまして、連年増加さしていただいておりますので、今後は、これらの措置を通じまして建設がスムーズにいくように努力をしてまいりたい、かように思っております。
#11
○茜ケ久保重光君 最近、政府の住宅政策は持ち家志向が非常に強くなっております。むしろ強過ぎるんではないかと思われるぐらいなんですね。第三期の公的資金住宅三百五十万戸も住宅金融公庫の進捗見込み一三〇%でやっと計画を消化しているにすぎません。一方、公団住宅では、計画三十一万戸に対してこれまたやっと半分の十七万戸前後しか達成できない。
 五十六年度を初年度とする新しい五カ年計画が始まるわけでありますが、その中での公営住宅、公団住宅の位置づけをどのように考えておられるのか、大臣の御所見をお聞かせいただきたい。
#12
○国務大臣(渡辺栄一君) 持ち家、借家という住宅の所有関係でございますけれども、基本的には、国民の需要動向に即しまして施策の方向を決めるべきものだというふうに私ども考えております。
 最近、国民の持ち家取得に対しまする強い需要があるわけでございますが、これに対しましては公庫融資住宅の資金の確保を図ってまいったつもりであります。無抽せん方式あるいは限度の引き上げ、償還期間の延伸等もやってまいったわけであります。一方、公営・公団賃貸住宅の建設がただいま御指摘のように停滞しておるというのは事実であると思います。これは関連公共公益施設の整備にかかわりまする財政負担についての地方公共団体との調整が非常にむずかしいという問題、あるいは用地の取得が困難であるというようなことが主な要因でございますけれども、私どもは、五十五年度予算におきましても、この住宅宅地関連公共施設整備促進事業につきましては五割増、九百億という大幅な拡充をいたしております。なお、用地費の単価等を引き上げるというような措置を講じておりまして、極力、公的賃貸住宅の供給が促進できまするように、できる限り施策の充実強化を図っておる次第でございます。
 昭和五十六年度を初年度とする第四期住宅建設五カ年計画の策定についてのお話がございましたけれども、これに先立ちまして、住宅政策全体を見直すために、住宅宅地審議会に「新しい住宅事情に対応する住宅政策の基本的体系はいかにあるべきか」ということを諮問いたしておりまして、ただいま御審議をいただいておりますが、その審議の結果を待ちまして、住宅政策全体での中での御指摘のような公的賃貸住宅政策の役割りにつきましても明確に打ち出してまいりたい、かように考えております。
#13
○茜ケ久保重光君 すべての国民にりっぱな住宅を所得に応じて供給することが住宅政策の基本であることは当然であります。ところが、現在、そのような対策が十分でないから無理をして持ち家取得に向かう、過大なローン負担や、一方でミニ開発の促進に拍車をかける要因となっているようであります。
 他方、政府は、今後はライフサイクルに応じた住みかえが進むと見ているようでありますが、所得・世帯構成などに応じた住宅の供給という面からも、公的な賃貸住宅の果たす役割りは決して小さいとは言えません。りっぱな公的賃貸住宅のストックを相当数有することは住宅対策としてかなりのウエートを置いて取り組むべきであろうと考えるのでありますが、この点に対して建設大臣の強力な御対処を期待しているのでありますが、いかがでございましょうか。
#14
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいま先生のお説のように、現行の住宅政策は、すべての国民がその家族構成あるいは居住地域等に応じまして良好な環境のもとに一定水準以上の住宅を確保できるようにするという基本的な考え方は、私ども、同じように考えております。そういうような基本に立ちまして、低所得階層及び都市勤労者等の中所得階層のための公共賃貸住宅の建設ということ、及び住宅建設に対しまする低利融資等を行うことによりまして、国民の居住水準の向上あるいは住居費負担の軽減ということにつきまして努力をいたしてきておるところでございます。
 最近の住宅事情を調べてみますと、全体といたしましては居住水準の着実な向上が見られるというふうに私ども考えておりますけれども、大都市圏の借家居住世帯の居住水準を中心としまして、なお問題が残っておることは私ども十分承知をいたしておりますが、これらの居住水準の向上を図りますことは今後の住宅政策の大きな課題であるというふうに私どもは認識をいたしております。そのような課題にこたえるために、良質な公的賃貸住宅の供給が必要であるという御意見でございますが、そういう意味におきましては、鋭意、努力をいたしておるつもりでございます。
#15
○茜ケ久保重光君 住宅局長、これはこの関連で聞くのだが、住宅ローンを借りて持ち家をつくった人の数は把握できていないかな。大体どのくらいか、これは概数、大体の見当でいいのだが、わからぬかな、どうだろう。
#16
○政府委員(関口洋君) 申しわけございませんが、数字をまだ把握いたしておりません。
#17
○茜ケ久保重光君 あちこちで一家心中や何かをやる人が大分出てきている。こういうのは無理をして家を持つために結局家と心中することになるわけですね。これはやはりこういうことが起こるのは、いま大臣がお答えになったが、公的な良質な賃貸住宅がかなりできればあるいはそういうことはないかもしれない。まあしかし、人によってはどうしても自分の家が持ちたいというので、近くにりっぱな賃貸住宅があっても借りずに無理をしてつくるという人もありましょう。しかし、大部分の人は、いいものを手近に借りることができれば、そうでないと思うんですね。そういう意味で、ひとつぜひ、片方で住宅ローンで一家心中するようなことが起こらぬような住宅政策を御遂行願いたいと思います。
 次に、五十三年度の住宅統計調査によりますと、住宅ストックは持ち家が六〇・四%、借家が三九・四%であります。特に持ち家のウエートが高まった実態を示しておりますが、この中で公営の借家は五・三%、公団・公社の借家は二・二%、公的賃貸住宅の合計でも七・五%ということになっております。わが社会党は、公的賃貸住宅の充実を図る立場から、住宅ストックの三〇%は公共賃貸住宅で確保するという目標を持っているのであります。しかし、現状はいま申し上げますように低いのであります。特に、公営の借家が五・三%では給与住宅五・七%より低い。このような実態は国の住宅政策の貧困さを示すものと言わざるを得ないのでありますが、建設省の御見解はどうであるか伺います。
#18
○国務大臣(渡辺栄一君) その前に、先ほどローンのお話がございましたけれども、これは私ども非常に経済情勢の変化といいますか、最近のそういうようなものに対しましても心配いたしておりまして、今回の公定歩合の引き上げにつきましても、極力、住宅ローンの金利につきましては最善の配慮をしてもらいたいと財政当局にも強く要請をいたしてきたところでございます。
 なお、無理をしてローンを借りたというのもあると思いますが、経済情勢の変化によって収入の減ってくる人もあると思うんですね。そういうわけで、いろいろな環境の変化によってローン返済に非常な困難を生じまして、お話しのような一家心中であるとか悲惨な現実が事実としてあることも承知をしております。それに対処いたしますために、私ども、いろいろ折衝いたしまして、各地区の銀行協会の中に相談所というものをいまつくらせておりまして、そこで現実の問題に対処して、悩みであるとか将来のあり方であるとか、その対策等について謙虚な相談に乗る仕組みをつくっておりまして、そういうことで、極力、ローン問題については償還の期間の延伸でありますとか、あるいは段階的な償還方法であるとか、いろいろな方策を講じておりますけれども、今後とも、そういう問題につきましては注意をいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
 後段のただいまの御質問につきましては、局長から御説明をさしたいと思います。
#19
○政府委員(関口洋君) 先生ただいま五十二年の住宅統計調査に基づきまして、ストックとしての公営住宅なり公共賃貸住宅のシェアをお示しになられまして、数字はまことにそのとおりでございますが、ただ、これを別の角度から見てみますと、四十八年にやはり同じように住宅統計調査をやっておりまして、それから五十三年にやったわけでございます。
 四十八年と五十三年の増加率をとってみますと、全体では住宅総数が一二%増でございますけれども、公営なり公団住宅等の公共賃貸住宅は、これに対しまして二二・四%増ということになっておりまして、持ち家の一四・二%に比べてみましても、このグループの伸び率が一番高いということでございまして、そういう意味から、鋭意これらに努力をしてきたということにつきましては御理解を賜りたい、かように考えるような次第でございます。
#20
○茜ケ久保重光君 公営住宅の建設が、先ほど指摘したように、非常に進まない。その大きな原因は、いま局長も言われたように、用地の確保が一番問題だ、さらに関連公共施設の不備があります。こういうことがネックになっているとすれば、その対策が必要になってきますね。そういう点に対して、建設省は、どのような対策を考えておるのか。宅地開発公団ですか、これが将来住宅公団と合併するような構想が出ていますが、あれなどをつくったのも一つのねらいではあったでしょうが、きのうもテレビでやっていましたが、余り実効が上がっていない。実効が上がらぬから住宅公団と併合するんでしょう。
 特に、また、土地価格の上昇というのがさらに困難にしている。せっかくつくっても家賃がかなり高くなってくる。そうしますと、なかなか低所得勤労者の諸君には入りたくても入れないということも起こってまいります。それに対して、政府としては、財源あるいは助成の内容等についていろいろと配慮すべきであると思います。こういうことに対して、当面、建設省はどういう対策を考えておられるか。もちろん、いろいろとやっていることは、これはもう当然です。しかし、実際には効果がなかなか上がっていない、したがって公営住宅の建設が進まぬ、こういうのでありますが、ひとつその辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
#21
○政府委員(関口洋君) いわゆる公営住宅建設のための用地の取得対策といたしましては、従来から、地方債の用地費単価の適正化なり、あるいは先行取得制度の活用あるいは公営住宅敷地整備事業の推進、こういうものをやってきたわけでございますが、今回、公営住宅法の一部改正の中に、単身入居の問題とあわせて、建てかえ事業を積極的に推進するための法改正もお願いいたしております。こういう建てかえ事業を積極的に推進することによりまして、用地取得対策の充実を図っていきたい、かように考えているような次第でございます。
 また、関連公共公益施設の整備の対策といたしましては、先ほど来申し上げております住宅宅地関連公共施設整備促進事業の拡大のほかに、地域関連施設の整備に対する助成措置なり、あるいは公営住宅の関連環境整備助成事業、こういう制度もつくっておりまして、これらによって円滑に推進を図ってまいりたい、かように考えております。
 なお、先生の御指摘にもございましたいわゆる家賃の高額化対策として、どういう方策を講ずるつもりかという点につきましては、来年度、新たに家賃対策補助制度を創設さしていただきたいということを、これは予算措置でございますけれども、考えております。この内容は、最近の地価なり、あるいは建築費の上昇によりまして公営住宅の家賃限度額が残念ながら高額化、要するに高くなるという傾向を示しております。それで、それぞれの公営住宅の事業実施主体では入居者の負担能力等も勘案いたしまして、家賃限度額を下回る家賃というのをお決めになるところがございまして、その場合には、その差額が結局その当該地方公共団体の負担となっております。これを是正するために、五十五年度以降管理開始される公営住宅を対象にいたしまして、第一種公営住宅にあってはその差額の二分の一、第二種公営住宅及び改良住宅につきましては同じようにその差額の三分の二を公共団体に補助いたしまして、少しでも公共団体の負担軽減に役立てたい、かように考えております。
#22
○茜ケ久保重光君 そういうことでかなり公営住宅の建設の促進ができるという自信がおありですか。いまあなたがおっしゃったそういう対策をやって、いま停滞している公営住宅の建設がかなり促進できるという確信、いわゆるめどがおありでしょうか、いかがでしょう。
#23
○政府委員(関口洋君) 私ども、当面の一番の配慮しておる事項は、率直に申し上げまして、私どもが考えております計画上の戸数を円滑に促進していただくだけの体制づくりがいままでまだ欠けておったんじゃないかという点でございまして、そういう意味から、以上のような制度をつくっていただきますと、公共団体の方も国の考えに即応して御協力いただけるものと、かように考えております。
#24
○茜ケ久保重光君 大臣にひとつぜひ促進するようにお願いしたいと思います。
 次に、この法案の改正点の内容でありますが、公営住宅法十七条で入居者資格の一つとして現に同居家族のいる者としていましたが、今回の改正では「政令で定める者」は同居家族を必要としないように改める。現在は同居家族のいることが条件でありますが、今回の改正では「政令で定める者」。具体的に「政令で定める者」というのは何を予定しているか、この点をひとつ明確にお願いします。
#25
○政府委員(関口洋君) 具体的に挙げますと、戦傷病者、それから六十歳以上の方、身体障害者、生活保護を受けておられる方、それから五十歳以上の女子の方、こういう方を政令で定めたい、かように考えております。
#26
○茜ケ久保重光君 いまおっしゃった人たちで、現在、独身住宅に入りたいという希望を持っていると思われる数は確保していらっしゃるんですか。大体、どのぐらいの数の人が入りたいという希望を持っているのか、この点はわかりませんか。
#27
○政府委員(関口洋君) ただいま私が御説明しました対象と政令で決めたいという方が何人ぐらいおるのかというお尋ねかと思いますが、これにつきましては、非常に粗い推計でございますが、おおむね四十万人から四十五万人程度になるのではないか。これは誤解のないようにもう一遍御説明いたしますが、いま私が挙げました分類に該当される方で、いわゆる借家でございますか、こういうところに入っておられる方は大体四十万から四十五万人ぐらいになるものと、非常に粗い推計で申しわけございませんが、そういうふうに推計いたしております。
#28
○茜ケ久保重光君 現在、借家に入っていて、ここで公営住宅にかわりたいという希望を持っているような人は全然推計していませんか。
#29
○政府委員(関口洋君) 個々の方の御意向をまだ確かめておりませんし、また、なかなかそういうことは困難がございますので、私どもとしてはまだつかんでおりません。
#30
○茜ケ久保重光君 いま政令指定をされる中で、戦傷病者とか身体障害者というのは、その状態によって何か規制があるのか、これはもう無条件か。また五十歳以上の女子というしぼり方をしていますね。五十歳という制限をつくったその根拠は何か。
 実を言いますと、独身婦人連盟という組織があるんですが、この方たちに私陳情を受けたんですが、この人たちは特に四十五歳まで下げてもらいたいという非常に大きな希望と期待があるわけですね。その五十歳がいいか四十五歳がいいか、私自身もこれはどうということは言えませんが、しかし、独身婦人連盟に結集されている独身婦人の方たちは強く四十五歳を主張されている。そうしますと、五十歳というのが何かこれでなくちゃならぬという非常に大事な条件があるなら別として、もしそれでなければ四十五歳まで下げてもいいんじゃないか、こういう気がするんですが、これに対する大臣のひとつ御意見を――。
#31
○国務大臣(渡辺栄一君) 私も、大いに婦人は大切にしなきゃならぬと思っておりますけれども、今回、私どもが考えましたのは、現在五十歳から五十九歳の年齢層の女子というのは、御承知のような第二次世界大戦によりまして、結婚対象となるべき男子を非常に失った層だと思うのでございます。そういうような意味合いにおきまして、私どもは、社会的な事情等を勘案いたしまして、とりあえずこれらの皆様の居住の安定を図るという意味で五十歳以上というふうに、今回は、そのような政令で進めさしていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#32
○茜ケ久保重光君 前段の戦傷病者。
#33
○政府委員(関口洋君) 先ほど先生から戦傷病者なり身体障害者の範囲を具体的にどうするのかというお尋ねもございましたので、その辺を補足御答弁さしていただきますと、身体障害者の方の範囲につきましては、現在すでに、先生御案内のとおりに、身体障害者世帯向け特定目的住宅というのがございます。いわゆる家族の中に身体障害者がおられるという方につきましては、特定目的住宅ということで、いままでも建設をしてきたわけでございますが、結果的にはその範囲と合わせたい、かように考えております。
 具体的には、身体障害者福祉法施行規則別表第五号の四級程度以上の障害がある方を要件とさしていただきたい。
 なお、世帯向けの特定目的住宅と違いまして、単身で入居されるわけでございますので、以上の四級程度という要件とあわせて、御自分で生活を営む、この生活というのはサラリーとかそういう意味じゃございませんけれども、御自分で日常生活を営むことができるという要件もあわせて検討さしていただきたい、かように考えております。
 それから、ただいまの女性の方のお話でございますが、ごく簡単に申しますと、ちょうど現在五十歳の方はいわゆる終戦時十五歳の年齢であったということになるわけでございまして、そういう意味から申しましても、ただいま大臣が御説明しましたように、終戦時十五歳でございますから、相当余裕を持って決めたというふうに私どもは考えておるような次第でございます。
#34
○茜ケ久保重光君 そこで、五十歳というのは戦争犠牲者という意味にとっておられる。もちろん戦争犠牲者もこれは大事でありますが、これからは戦争犠牲者じゃなくて、一般の方々の独身者が非常にふえつつあるようですね。当国会の職員でもかなりありますよ。かなりの年輩になった方が独身でいらっしゃる。これはいろいろな条件がありましょうが、事実はそうなんですね。今後、だんだんふえていく可能性があります。したがいまして戦争犠牲者という特殊なグループを対象にされることも決して私はいけないとは申しませんが、これからふえるであろう戦争とは無関係な独身婦人、そういった方々に対する手厚い国の施策というのが必要だと思うんですね。これはいやおうなしにふえておりますから、実際。したがいまして、この法律でいまここで私は決して幾歳に下げなさいとは申しませんが、今後の見通しとしては、そういうことも勘案しながらぜひ対処してもらいたい。これは要望でございます。
 そこで、単身入居者に振り向ける住宅の規模はどのくらいを予定しておられるか、また全国ではそれはどのくらいあるのか。身障者を入居させる場合、既存の公営住宅の改善、改造といいますか、恐らくは特に身障者などは二階でも三階でもいいわけにはいきませんでしょうし、これは当然一階でなければなりませんでしょうし、いろんなことがありまして実際には入居困難なものがふえると思うんでありますが、具体的には現存の住宅を何か改造される考えはあるのか。
 さらに、先ほどもちょっと触れましたが、今後建設される公営住宅について必ず何%かの独身者用住宅をつくることが望ましいということを申しました。何かそういうことに対する指導はできないかと言ったのでありますが、私は、そうなりますと、ここではひとつぜひそういう方向を示唆する必要があるような気がするんですね。ただ単に公営住宅の建設を地方公共団体に任せておくんじゃなくて、建設省として、先ほどもちょっと触れましたが、何%かは独身者用の住宅としてもう最初から建築をするような指導をすべきであるということを私は強く言うわけですが、そういうことに対する何かお考えをこの際伺っておきたいと思います。
#35
○政府委員(関口洋君) 単身者用に振り向ける住宅の規模は、現在のところ、先ほど大臣がお答えいたしましたように、1K、1DK及び2Kを考えておりまして、これに該当しますストックは約四十万戸程度あるというふうに考えております。
 それから、第二点の、そういう既存住宅に入居していただく場合に改造が必要ではないかという点でございますが、私どもも、老人、身体障害者等の方にお入りいただく場合には、修繕が必要であろうかというふうに考えております。ただ、その程度は、若干の設備等の改善、これによって当面は賄えるんではないかというふうに考えております。
 それから、第三点の、新たに建設する必要があるのではないかという御指摘につきましては、ただいま住宅宅地審議会においていろいろ住宅政策の基本問題を御検討いただいておりますので、その審議とあわせて私どもも検討さしていただきたい、かように考えております。
#36
○茜ケ久保重光君 大臣、これは公営住宅でありませんが、日本住宅公団ではかつて独身者の住宅をつくっておられたようですが、最近は余りつくっていないのではないかと思うのですね。せっかく公営住宅に独身者を入れるということが決まった時点で、住宅公団も、これは公的なものでありますから、住宅公団でも独身者用の住宅をつくっていく必要があるのではないか。また、これこそ、先ほどの話ではないが、今後住宅公団が住宅を建てる場合には、新設戸数の何%かは独身者向けをつくるようひとつ指示をしてもらいたい。先ほどは公営住宅は余り強く申しませんでしたが、公団住宅はひとつ強く要請をして、今後かなりの独身者用住宅をつくることを期待したいと思うのですが、この点いかがでしょうか。
#37
○政府委員(関口洋君) 住宅公団は、実は、すでに、先生御案内のとおりに、単身者の住宅需要にこたえるために、キッチンつきの一居室の賃貸住宅を建設してまいってきております。それらのストックの状況を御報告さしていただきますと、1Kが約一万戸それから1DKが四万五千戸ございます。でかなり既存のストックも持っておるわけでございますが、ただいま先生御指摘の、今後住宅公団でも大いにつくるべきではないかというお話でございますが、いろいろ最近でも建設をいたしておりまして、五十四年度におきまして管理開始、俗に入居を認める、お入りになっていただくという住宅は一Kで三百十戸1DKで六百十六戸ございます。こういう状況でございますので、これからも需要の実態に即しまして住宅公団もよく検討をするように指示したい、かように考えております。
#38
○国務大臣(渡辺栄一君) 先ほど以来、局長が御説明しておるとおりでございますが、先ほど単身婦人の入居につきまして戦争犠牲者を対象にしておるのかというようなお言葉があったわけでございますが、これはたまたまその年代の皆様がそういうような意味では非常に恵まれていない社会情勢がございますので、今回は、そのような社会政策上の意味も含めまして、当面、五十歳以上といたしたわけでございまして、今後は、全体の住宅政策の中で、また私ども慎重に検討してまいりたいと思っております。そのことをちょっと申し上げておきたいと思います。
#39
○茜ケ久保重光君 さきに建設省が五十三年三月に実施しました「公営住宅への単身入居に関する調査」によりますと、公営住宅への単身入居を認めることの是非について消極的、中立的と答えた事業主体が八三%にも達しております。公営住宅の建設・管理主体があくまでも地方公共団体にある以上は、法改正をいたしましても、こういう状態では円滑な実施が困難ではないかと危惧するものであります。そういうような心配がある以上、建設省としては、これに対する指導監督が必要であると思うのでありますが、適切な措置ができるかどうか、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。
#40
○政府委員(関口洋君) 先生の御指摘の五十三年の状況はおっしゃるとおりでございますけれども、その中でもあえてコメントをさしていただきますと、いま手元にちょっと資料を持ち合わしておりませんのであるいは違っておるかもしれませんが、管理している戸数の比率で申しますと、賛成しておられる事業主体の管理戸数は大体四六%、五割ぐらいその当時もうすでにあったんではないかというふうに考えております。いずれにいたしましても、その当時は私どもの方針もまだ確定しておりませんで、公共団体の意向を聞きながらこの単身入居問題を相ともに研究してまいるという段階でのいろんな問題点をむしろ指摘してもらったというのが調査の報告の骨子でございます。
 その場合に、公共団体側から心配点として出てまいったのが、一口に申しますと管理上の問題ということで言われておりますが、具体的には入居される方がお年を召した方が主体になりますために、病気になられたとか、あるいは万一けがをなさったとかというような事故が起きた場合にどういうふうにしていったらいいのかという点が一番の課題であったわけでございます。その後、私どもも、そういう意向を受けまして厚生省とも十分協議をいたしまして、さらに厚生省から各県も指導してもらって、結局、公営住宅の管理主体だけでそういう問題は解決できませんので、それぞれの公共団体で厚生担当部局と連絡を緊密にとり、いろんな対応策も勉強してまいったという経緯がございます。それで私どもとしては体制が整ったと思いまして、今回、法律の改正をお願いしたという経緯でございます。したがって過去において消極的であったから法律を改正しても実効が上がらぬではないかという御心配は必要ないんではなかろうかというふうにいま考えております。
#41
○茜ケ久保重光君 そうであれば大変結構なんですが、なかなかそう簡単にいかぬと思うんですよ、地方公共団体はね。したがって、これを実効を上げるためには、いま厚生省の話も出ましたが、私はやはり福祉関係と大きな関連があると思うんですよ。したがいまして公共団体がそういうことに余り心配をしないで済むような積極的な対策なり施策をやっていただく。でなければ仏つくって魂入らずで、せっかくこういうような長い懸案を解決するのに、やってみたけれども実効は上がらなかったと、これではかえっていけませんから、これは、大臣ね、ひとつ厚生大臣などともよく話し合いをされまして、何かがあった場合には、そういった面で福祉対策としてひとつ重点的にやる、こういったことをぜひ考えていただきたい、こう思うんです。
#42
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいまの先生の御発言は非常に大事な問題でございまして、今回、法の改正をお願いいたしまして、このような政策を打ち出したわけでございますけれども、これが実際に成果が上がるということでなければ意味がないわけでございまして、お話しのとおりに、厚生省を初め関係各省庁あるいは地方公共団体と十分密接な連絡をとりまして、鋭意、対策を講ずるように努力をしたい、かように考えております。
#43
○茜ケ久保重光君 次に、建てかえ事業についてお伺いします。
 公営住宅の建設が、先ほども指摘されましたように、宅地難でなかなか思うように進まない。これは全く、必ずしもだれの責任ということよりも、日本の狭い土地の中で来るべき状態が来たとしか言えないのであります。
 そこで、今度老朽化した公営住宅の建てかえを円滑にやりたい、そのためにはいままでのいろんな条件を緩和してもということでありますが、実は、私自身が戦争中に建った公営住宅に入っておりました、買わぬと言うのにしゃにむに買わされてしまったんですが。さらにまた、私の近所にも古い市営住宅がございます。それを市が建てかえようとしていろいろと折衝しましたが、なかなか簡単にまいりません。しかし、最近はやや状況が変わってきたようにも思います。新しいところに建て得ないということで、既設の古い住宅を建てかえることはやっぱり市民感情としても必要だという点が出てきておるようでありまして、ややその点は解決に向かっているようでありますけれども、そういう点で、現在、五十戸建っている平家建ての木造住宅、それを壊して耐火住宅を建てる、多いところでは二倍も三倍もの戸数が建っているようでありますが、しかし、いま言ったように、なかなかそう簡単にはいきません。
 こういうことに対して、建設省では、どういうふうな指導をして建てかえのスムーズな進行を図ろうとしておられるのか、その対策をお伺いします。
#44
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいま建てかえ事業の推進についての問題点等について御質問がございましたが、公営住宅の建てかえ事業によりまする建設戸数は最近だんだん増加をいたしておりまして、昭和五十四年度では約一万三千戸の計画でありますが、全体からいいますと約二割弱というところまできておるわけでございます。
 私は、公営住宅の建てかえ事業というのは、今後の住宅政策の上からいきましても、また都市整備等の面からいきましても非常に重要であると考えておるわけでございまして、一層推進を図ってまいりたいと思っておりますが、今日まで、昭和四十九年度からこの建てかえ事業の基本計画の策定あるいは説明会の開催等に対しまする経費の補助というのもやってまいりました。五十三年度からは、建てかえ事業に伴いまして、現入居者の移転に必要な費用、また昭和五十三年度からは建設工事期間中の現入居者の仮住居としての民間住宅等の借り上げに要する費用等を国庫補助対象とする。また、現入居者及び周辺住民の理解と協力を得るように全力を挙げてきたところでございます。また、現入居者の意向によりましては、分譲住宅を供給することが必要な場合には、昭和五十年度から建てかえ事業とあわせまして地方住宅供給公社等が分譲住宅を建設することができるというようなこと等も考慮いたしておるわけであります。なお、さらに、今回の法改正によりまして建てかえ事業の施行要件を緩和して、最近の情勢に合わせまして事業が促進できるようにいたしたい、かように考えて、いま努力をいたしておるところでございます。
#45
○茜ケ久保重光君 次に、公営住宅の入居者の選抜問題についてお伺いをいたします。
 現在、一般には、いわゆる公開抽せん制で行っているのが多いようでありますが、大都市を中心に入居志望者が非常に多い実情を考えますと、いわゆる抽せんということも、これはもちろん公平という点では結構でありますが、より困窮度の高いと申しますか、いろんな条件でどうしても公営住宅に入らなければ容易でないという者もあるわけでありますね。そういう者に対しても、公開抽せん制を実施しながらも、何らかの考慮があっていいんではないかという気がするわけです。片一方では高い給料を取っている者が公営住宅に居座っているという問題もあるようでありますが、これは何年か前に入った人でありましょうが、そういう点も何か考慮して、入居者の決定について、何と申しますか、温かいというか人間味というか、そういったものを具体的に入居者の上に示し得ないものかどうか、これに対して、現在の実態の説明とともに、あわせてお尋ねしたい。
#46
○政府委員(関口洋君) まず、選考方法の実態から御説明をさせていただきます。
 私どもは、昭和五十三年の十月に、全都道府県及び人口十万以上の市合計二百二十四事業主体につきまして選考方法を調査したわけでございますが、その際に、一番多いのはやはりいま先生お話しの抽せん制度でございまして、これが百四十事業主体ございます。それから、同時に、いわゆる何らかの意味で困窮度評価を行うという事業主体、登録制度をとっておる事業主体が十三、それからポイント制度をとっている事業主体が二十五、それから登録制度とポイント制度の併用、これが三十六。したがいまして七十四事業主体がいま先生がおっしゃいましたような何らかの意味での困窮度を考えて選考に当たるという体制をしいておるわけでありますけれども、ここに移行するまでにはそれぞれの事業主体はかなりの御苦労を経験されたとお伺いしております。
 それは、一つは、困窮度評価の場合のいわゆる客観性の確保の問題、それと同時に、それぞれの個人の方の住宅事情をかなり詳細に調べなければいけませんので、俗に言う事務量がふえるとかいうような問題もございますし、それからまた地域の住宅事情をどういうふうに生かしていったらいいかというような問題もございます。そういう意味から、私どもとしても、先生御指摘のように、困窮度評価を何らかの形で取り入れるために以後も検討を進めておるわけでございますが、まだまとまっておりませんので、いまの段階では、それぞれの事業主体の御判断にまっておるという状況でございます。ただ、先ほど来御説明しましたように、勉強してすでに踏み切っておる事業主体もございますので、この点、あわせて御理解を賜りたい、かように考えております。
#47
○茜ケ久保重光君 局長、いまの七十何団体かが困窮度を加味して優先してやっていると言いましたね。その中で、その困窮度を優先とか、それを考えて入居者を決定しているという団体で、何かほかの人たちからの苦情とか、いわゆる困窮者優先入居をさせるというようなことで一般の公開抽せんによる応募者の中から問題が出たとか、あるいはそれで困っているという事例はないかどうか、あったらこの点について御説明を願いたい。
#48
○政府委員(関口洋君) 具体的にそういう事情を私どもまだ把握いたしておりませんので、まことに申しわけございませんが、至急勉強させていただきたい、かように思っております。
#49
○茜ケ久保重光君 調べて、何か問題があるかどうか。いま私が提起したように、困窮者を何とかしてもらいたいという要望をしたんだが、ところが現にいまやっているところがある。そのやっているところも、問題が多くあって収拾できないということでは困るわけだから、もしスムーズにいっているなら、それをやっぱりできるだけ多くの事業主体にやってもらわなくちゃならぬということでありますから、済みませんが、別に緊急じゃないけれども、何かの機会にそういうことをやっているところの実態が調べられたら、その実態の調査の結果をちょっとお知らせ願いたい、これは一つの要望です。
#50
○政府委員(関口洋君) できるだけ早く調査をいたしまして御報告さしていただきたい、かように考えます。
#51
○茜ケ久保重光君 それじゃ、建設大臣に、公営・公団住宅の払い下げについて、三点ばかり一括してお尋ねいたします。
 第一は、公営住宅について払い下げ問題がいろいろあります。実は、八王子市などではこの問題が出ておるようであります。公共財産という性格、また公営住宅の建設を促進すべきだという立場から、払い下げることは極力認めない方針で対処すべきだということをわれわれは主張しているのであります。
 第一点、これに対して大臣はどうお考えか。
 第二点は、この公営住宅の払い下げ問題に関連して、公団住宅の払い下げを以前に打ち出された。当委員会でも論議されましたが、これも、同じような観点から、払い下げをすべきではないと考えております。その後、この問題についてどのような条件になっているのか、これもひとつお示し願いたい。
 第三点は、公団住宅の払い下げについては、空き家問題に関連して、公営住宅に転用したらどうかという問題がこれまた以前論議されました。その後、検討が進められているかどうか、この結論はどうであるか。その三点について大臣の御所見をお伺いしたい。
#52
○国務大臣(渡辺栄一君) 公営住宅の払い下げにつきましては、三大都市圏など、公営住宅の需要の強い地域につきましては、公有地の有効利用を図るために、原則として、建てかえによりまして居住環境の整備と戸数の増加を図るということを考えておるわけであります。その他の地域にありましては、その地域の住宅事情、その他の情勢を総合的に勘案いたしまして処分を決定するという方向を打ち出しておるわけでございます。
 なお、お尋ねの公団住宅の払い下げにつきましては、公団の賃貸住宅に居住しておられまする方々の中には、相当長期間にわたりまして当該住宅に継続して居住をしておられまして、その地域に定着したいという希望を持っておられる人たちも多く、払い下げを希望しておられるという方々も多いように承っておりますので、そういう方々におこたえを申し上げるために、いま建設省の中に次官を中心とする委員会を設置いたしまして、日本住宅公団と宅地開発公団との統合によりまして新公団を設立するための具体的な方途を検討いたしておりますけれども、それとあわせまして具体的には検討をいたしてまいりたいと思っております。いずれ具体的な成案が出ました場合には、当然、委員会にもお諮りをいたしたい、かように考えております。
 なお、いま御質問のございました公団の空き家を公営住宅に転用する問題につきましては、局長から御答弁をさせていただきたいと思います。
#53
○政府委員(関口洋君) 公団の空き家を公営住宅に転用することにつきましての検討状況につきまして、結果を御報告させていただきます。
 御指摘をいただきましてから、五十三年七月ごろから具体的に十七団地、約八千戸を対象といたしまして、それぞれの地元地方公共団体の意向を聴取し、さらにそのうちの数団地につきましては、公営住宅としての需要の有無につきまして、それぞれ公共団体と一緒に調査をし、個別に折衝を進めてきたわけでございますが、まことに残念ながら、その需要面の方で行き詰まりまして、結果的に公営住宅への転用は断念せざるを得なかったという経緯がございます。
 その理由でございますが、公団住宅を公営住宅にします場合には、当然のことながら、価格なり家賃の問題がございますけれども、基本的には、ただいま申しましたように、公営住宅にお入りになる方にいわゆる立地限定層が多い、これは通勤その他に余り時間を割けないという方が多いというのが大体公営住宅に入居する方の特色でございます。
 一方、検討対象といたしました公団住宅は非常に、当然のことでございますけれども、規模の大きいものが多くて、したがって、そういう大量のものを公営住宅に転用しても、いわば需要がこれに伴わないということで断念せざるを得なかったということでございます。
 それから一方、しからば、この問題の発端になりましたのはいわゆる未入居問題が発端になったわけでございますが、その辺がどうなったのかという点もあわせて御報告させていただきますと、公営住宅への転用を断念いたしましてから、公団は、逐次、公団住宅として募集を開始してまいりまして、現在、募集後、一部の住宅が未入居になっておりますけれども、それも大した比率ではなくて、入居していただいておりますので、今後、私どもとしては、公団がより一層公団住宅として入居者の募集その他に努力するように指導してまいりたい、かように考えております。
#54
○茜ケ久保重光君 結局、いま公団で空き家になっているというのは、いろんな条件が悪いというわけだな、悪ければ公営住宅にしてもしようがないということです。
 それから、たとえば百戸ぐらいの建物のうちで三十戸あいている、これだけを公営にするということも容易じゃないだろうし、空き家といっても、なかなか条件が合わぬということだな。無理にもいけないだろうが、ちょっとむずかしい問題で、聞いている方もなかなかむずかしいと思う。しかし、公営住宅がふえることはいいことなんだから、ひとつ努力だけはしてもらうということ以外にない。
 そこで、最後に家賃問題なんだが、時間もたくさんないから、もういろいろこちらから言わぬ。質問内容はそちらへいっているから、家賃問題について一括して答弁してください。
#55
○政府委員(関口洋君) 家賃につきまして、まず実情を御報告さしていただきます。
 昭和五十三年度に管理開始された公営住宅、これは中層耐火構造を例にとりまして御説明さしていただきたいんでございますけれども、平均家賃は一種住宅で二万六千三百六十五円、二種住宅で一万七千三百二十四円でございます。一方、これらの住宅のいわゆる平均家賃限度額、いわば取れる限度でございますけれども、これは一種住宅で三万一千百四十五円、二種住宅で二万二千九百五十円でございまして、大体対比いたしますと、この平均家賃限度額に対しまして実際に徴収されております平均家賃は、一種では八五%、二種では七五%、これぐらいの状況でございます。
 一方、ただいま御説明しましたように、平均家賃限度額が高額化する傾向を示しておりますので、いわば負担能力を勘案して決定される家賃が家賃限度額を下回り、その差額が地方公共団体の負担になりますので、先ほど来御答弁いたしておりますように、昭和五十五年度におきましては家賃対策補助ということで、この地方公共団体の負担を軽減するために、昭和五十五年度以降管理開始される公営住宅を対象にいたしまして、一種公営住宅では二分の一、第二種公営住宅及び改良住宅につきましては三分の二を地方公共団体に補助して地方公共団体の負担軽減に充てたい、かように思っております。
 それから、そのほか、いわば公営住宅の家賃とそれから入居者の収入との対比を御説明さしていただきますと、ただいま申し上げました五十三年度管理開始されたものについて見ますと、第一種は一三・五%、第二種は一〇・八%でございまして、一般的に適正な負担の限度内であるというふうに私どもは考えております。
 さらに、入居者の収入基準の上限、下限、これの算定の考え方でございますけれども、公営住宅の収入基準は、全般的に全世帯の収入分位の下位から三分の一までの世帯をカバーできる所得水準で収入基準の上限を切っております。なお、第二種住宅は、第一種住宅の家賃を支払うことができない程度の低額所得者を対象といたしておりますので、この収入基準の上限は、第一種住宅の家賃あるいは世帯収入の増加等を考慮しまして、第一種住宅よりは低い水準で設定しておるというのが実情でございます。
 以上で、家賃問題につきましての答弁を終わらしていただきます。
#56
○茜ケ久保重光君 これで質問を終わりますが、大臣、余り家賃が高くちゃ容易じゃないから、できるだけ家賃は上げぬように、高くならぬようにひとつ極力抑えて、まあ少しは国が財政負担をしてもしようがない面もあるのだから、ぜひ今後は家賃を余り上げないように、高い家賃のうちを建てぬように、極力、大臣の政治的な手腕を期待して、質問を終わります。
#57
○委員長(大塚喬君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時四十五分より再開いたします。
   午前十一時三十分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時五十三分開会
#58
○委員長(大塚喬君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公営住宅法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
#59
○降矢敬義君 私は、公営住宅法の改正に関連して、若干の問題について御質問申し上げたいと思います。
 まず第一番に、先ほど同僚の先生からも御質問がありましたが、この第三期住宅建設五カ年計画の達成の状況をいろいろ御報告がありましたが、私は、もう少し住宅局長に、達成状況というものを量の面から見る見方、それからもう一つは質の面から見てどうかということについて少し御意見を承りたいと思っています。
 端的に言いまして、量のアンバランスで公営住宅、公団住宅、こういうものの達成率が悪い、これは第二期の場合もそうでありましたし、先ほど同僚の先生からその原因についての御質問もありました。しかし、そのところを基礎に置きながら全体として八百六十万戸の達成状況を見ましても、最近の状況から見ると、どうしても百万戸ぐらい足らないんじゃないかと、全体の問題が私は一つあるような気がいたしてなりません。
 それからもう一つは、質の問題では、居住水準の問題と同時に、地域的に住宅の計画の達成についてばらつきがあるし、恐らく南関東やその他の地域について、大都市周辺では、どうも公営住宅、公団住宅を中心にして停滞しておって、全体として住宅の計画に対する達成状況というものをかなり低いものにしている。先般の建設白書あるいは局長の答弁では、おおむね順調にいっているというお話がありましたが、私は、そういう中身の点から見ると、決して順調にいっているとは思わないんですが、その辺のところを踏まえて実は教えていただきたい。
 それから同時に、時間もありませんので、いろんなことを申し上げて一緒に御答弁願いたいんですが、第二期計画、第三期計画から今日までの経過を見まして、持ち家志向というものがかなり顕著になってきていることは私自身も認めるわけでありまして、その点は第三期計画の公庫融資住宅が一三〇%の達成率というような状況からしても読めるわけでありますし、その他五十三年度のおたくでお調べになりました住宅調査なんかの結果から見てもわかるわけでありますが、全体として質の問題から達成の中身として、そんな傾向として受け取っていいのかどうか。これは次の第四期計画をつくるときの一つの視点になると私は思いますので、その点もあわせてお答えを願いたいと思います。
#60
○政府委員(関口洋君) まず、第三期住宅建設五カ年計画の進捗状況につきまして御説明をさせていただきますが、先生御案内でございますから、ごくかいつまんで御説明をさしていただきます。
 要しまするに、五十三年度までの建設戸数は、公的資金住宅二百十三万九千五百戸で、進捗率は六一・一%でございます。民間自力建設住宅は二百六十九万三千戸で、進捗率は五二%でございまして、合計四百八十三万二千五百戸、進捗率が五六・二%でございます。それに五十四年度及び五十五年度の公的資金住宅についての計画戸数を上乗せいたしますと、これらが達成されますと、最終的な進捗率は公的資金住宅については一〇六・八%となるわけでございますが、公営住宅及び公団住宅は、昨今の建設の停滞を反映いたしまして予定どおりの戸数は確保できないという点は御指摘のとおりでございます。
 なお、八百六十万戸ができるのかという点は、これらの公的資金住宅のほかに、民間自力建設住宅の動向が非常に大きく左右いたしますが、これにつきましても、このところ減少傾向を示しておりますので、御指摘のとおり、あるいは八百六十万戸というものは総体的に確保が困難かという感じを率直に申し上げて持っております。
 そこで、その次に、そういう公営住宅、公団住宅の進捗状況が落ち込んでいるけれども、その原因をどう把握しているのか、また公庫住宅をふやした背景、これらについての御質問でございますが、公営・公団住宅が計画戸数に対しまして建設が停滞しておりますのは、たびたび申し上げますように、用地取得難あるいは関連公共公益施設の整備にかかる財政負担についての地方公共団体との調整の難航、これを反映いたしておるものというふうに私どもは考えております。一方、公庫住宅は、先生御指摘のとおりに、計画戸数に対しまして大幅な増加を見せておりますが、これは国民の持ち家に対する根強い需要にこたえるためにとった措置でございます。
 以上、あるいは先生の御質問に対して答弁が不十分かと思いますが、一応、私からお答えをさせていただきます。
 それから、持ち家志向の方向をどう見ているのかという点でございますが、建設着工統計によりますと、最近の所有関係別の住宅建設、これは持ち家と分譲住宅を合わせまして全体の七割程度と、いわゆる四十年代の五、六割に比べて増加を見せております。その傾向を反映いたしまして、五十三年の住宅統計調査によりますと、戦後初めて大都市圏に居住します世帯の持ち家率が上昇して、全国の住宅総数に占める持ち家ストックの割合は六割を超えるという状況に相なっております。
 一方、これは結果でございますが、しからば、それはどういうものを反映しているのかという点の分析をいたしまして、同じように五十三年に実施されました住宅需要実態調査による結果につきまして御報告をさせていただきますと、現在借家に居住している世帯で具体的に住宅の改善計画をお持ちの方のうち、新築なり購入等、持ち家による改善を計画されておる世帯が八割に達しまして、同じように四十八年の住宅需要実態調査、これでは七割でございましたので、七割に比べて八割に増加するという傾向を示しております。これらは国民のいわゆる持ち家志向の高まりを反映いたしておるものというふうに私どもは分析をしておる次第でございます。
#61
○降矢敬義君 持ち家の指向が非常に強くなったと、借家に住んでいる人も、いま御指摘のように、改善したいという場合には持ち家にいきたいというのが八割になったということは御指摘のとおりで、私もそう思います。
 そこで、新五カ年計画を策定するいま作業にかかっていると承っておるわけでありますが、この持ち家志向というものと公的賃貸住宅というものをどういうふうに考えていくのか。これがもう今度の私は新しい住宅計画の一つのポイントだと思うんです。持ち家計画についてもう少し言いますと、もう何回も言っていますが、持ち家志向はよくわかるんでありますが、最も端的に言うとミニ開発に押し込んでいったあの経過、あるいは、大変いい制度を設けましたが、親子二世代のローン制度、こういうものはやっぱり持ち家政策を推進する、非常に持ち家政策を志向する中でなかなかむずかしいなと、つまり逆に言えば持ち家政策推進の環境というものが非常にむずかしくなってきたんじゃないかというふうに私は思っているわけです。そこで、新しい五カ年計画をつくるについてその辺をどう考えるのか。
 もう少し数字を言いますと、第二期五カ年計画において公営住宅のウエートというのは、計画では一五・五%、実績は一四・五%、これは公的住宅の中のウエートです。つまり下がってきている、達成率ももちろんその場合は下がった。今度第三期五カ年計画では、公営住宅のウエートは、計算上、つまり三百五十万戸の公的資金住宅の中で一二・八%、しかし、先般の御説明でも達成率が仮に七八%とすれば、全体は三百七十三万戸で公的資金住宅はふえます、二十三万戸ふえるわけでありますが、それは公庫住宅がふえるからでありまして、公営住宅のウエートは十万ぐらい少なくなって九・三%、公団住宅は八・八%から半分の四%台に落ちてしまう。
 そこで、私は、この持ち家志向というものを大きな恐らく柱にされることは賛成でありますが、同時に、公的賃貸住宅である公営住宅ないしは公団住宅の役割りというものを新しい五カ年計画でどういうふうに考えていくのか、これが私は非常に大事な問題であり、私にもお教えをいただきたい点でありますので、この点についての御答弁をお願いしたいと思います。
#62
○政府委員(関口洋君) 私ども、公共賃貸住宅の役割りは、公営につきましてはいわゆる低所得層向けのもの、それから公団住宅につきましては都市の勤労者向けの賃貸住宅というふうに考えております。
 いま先生が御指摘の、公営なり公団の役割りが五カ年計画の達成の上において下がってきておるじゃないかという点は、この五カ年の当初に予定されました公営住宅なり公団住宅の戸数といわば実績見込み及び計画を達した数字の割合、これからしますと御指摘のとおりでございますが、これはいわば弁解がましいのでございますけれども、計画上はかなりのウエートを置いてその建設の促進を図ったわけでございますが、たびたび申し上げますように、諸般の事情から、遺憾ながら建設が停滞しておるという結果の反映でございまして、この五カ年期間中に私どもが公営住宅なり公団住宅の建設促進に力を抜いた結果ではないということにつきましては御理解を賜りたい、かように思う次第でございます。
 なお、持ち家と同時に、これらの公共賃貸住宅につきまして、どういう役割りを次期五カ年の中で期待をしておるのかという点でございますが、たびたび申し上げますように、最近の住宅事情を見ますと、全体として居住水準が着実に向上していく中で、大都市圏の借家居住世帯を中心になおかつまだ力を入れなければならないという面が残っておることも遺憾ながら事実でございます。私どもは、こういう面に力を入れるための方策として、公営なり公団なりの公共賃貸住宅の役割りをそういうものに見出していきたい、かように思っているような次第でございますが、具体的にどうするのかという点につきましては、住宅政策全般の問題を含めまして、昨年来、住宅宅地審議会に「新しい住宅事情に対応する住宅政策の基本的体系はいかにあるべきか」という命題で御諮問をし、現在、御審議をいただいておりますので、正確には、その審議会の御答申を待って、次期五カ年計画策定の中で公共賃貸住宅の役割りを明らかにしてまいりたい、かように考えております。
#63
○降矢敬義君 局長、ちょっと、審議会に諮問をしてその公的賃貸住宅の役割りというものを考えていかなきゃならぬのだろうかなと私は疑問に思っています。むしろ、やっぱり建設省当局として、この持ち家政策の環境が悪化していることは間違いがない、また、いろんな、もう時間がありませんので私は言いませんが、別の資料から見て、建設省自体も持ち家というものがある程度一巡した、もうこれ以上伸びろと言ったってなかなか伸びがたい、こういう見方をしていることも私は事実だと思っています。そのこと自体は私は決して間違っているとは思っていない。そうであるがゆえに、単に住宅で大都市周辺が困っているからという、そういう発想でいいんだろうか。つまり、これ以上持ち家というものをどんどん推進するには環境が悪い。地価も上がった、建設資材も上がる、それからベースアップも低成長で、ローンを借りてもむずかしい。言葉は悪いけれどもローン地獄という言葉すらある。そういう中で一つの資産形成としての持ち家は政府の政策として私たちも賛成でありますが、同時に、持ち家が一巡して全体として持ち家政策の推進に環境が非常に悪くなって、もう持ち家は無理だという人たちに対する国の住宅政策というあり方が、実は、公的住宅に求められてくるのではないだろうかというのが私の見解であります。
 ぜひ、私は、局長さんにもお考え願いたいのは、やっぱり低成長時代の住宅政策として、先ほどもありましたように、量よりも質の時代に入った。しかし、そこには持とうとしてもなかなか客観的に持てないそういう層があって、そういうものに対する国の住宅政策というものを公的賃貸住宅で求めていくべきではないのかなというのが私の基本的なこれからの住宅政策に対する物の見方でありますが、この点についてはもう一度大臣の所見を改めて承りたい。
 もう一つつけ加えますと、国民の資産形成としての持ち家、これはもう大賛成でありますが、同時に、それを推進する反面、公共的な賃貸住宅が単にそれを補助するものなんだろうか。つまり、どんどん月給が上がって、みんなが建てられる環境で建てる時代のそういう持ち家政策というものの推進と、低成長でなかなかむずかしくなったときのそういう時代にある公的住宅のあり方というものは、単に持ち家政策をサポート、補充するというだけでいいんだろうかなというのが私の率直な気持ちでありますので、その辺についての大臣の御見解を承っておきたいと思います。
#64
○国務大臣(渡辺栄一君) もちろん、私どもは、持ち家政策は推進をしなきゃならぬ環境にあると思っておりますけれども、やはり地域によりまして、また、その実態に即しまして、賃貸住宅も、特に四、五人向けの住宅等は不足をいたしておると言っておりますが、その意味ではそれぞれに適切に対処していかなきゃならぬと思っております。
 先ほど局長が御説明いたしましたように、もう重複は避けますけれども、五十三年の住宅統計調査によりましても量的な充足は進んでおる、また居住水準も着実に向上しておるのでございますけれども、大都市圏の借家世帯を中心にいたしました問題が依然残されておる、そしてまた、その居住水準の改善が重要な課題になる、こう言っておるわけでございますから、私どもは、これらの認識に立って進めてまいらねばならぬと思っております。
 また、これも先ほどお話をしておったのでありますが、住環境全般への広がりを見せた住宅に対する要望というものが住宅事情実態調査でも明らかになっておるわけでございますけれども、なお、持ち家取得によりまする居住水準の改善に対しまする要望も相当強いものとなっておる、このような状態でございますので、わが国の住宅事情は、量的充足は一段と進展をしてまいりましたけれども、質的にもなおかなり改善をされておるように見受けられまするけれども、しかし、なお根強い国民の要望が残っておる、こういうふうに私どもは認識をしておりまして、今後とも、これら国民の住宅に対する需要動向を十分見きわめながら適切な施策の推進を図ってまいりまして、良質な住宅の供給を図る、また引き続いて居住水準の着実な向上を図るということに重点を置いて進めてまいりたいと考えております。
 第四期住宅建設五カ年計画につきましては、すでに昭和五十四年九月十一日から住宅宅地審議会に対しまして「新しい住宅事情に対応する住宅政策の基本的体系はいかにあるべきか」ということにつきましての御諮問を申し上げまして、御審議をいただいておるところでありますので、この検討結果を待ちまして、私どもは、政策課題を踏まえ、策定をしてまいりたいと考えております。
 なお、ただいまお話のございました大都市地域でも公営住宅の建設を促進すべきではないかという問題でございまするが、いま申し上げましたようなことでありまして、大都市圏の借家居住世帯を中心に居住水準にも問題が残っておる、そういう意味で、今後とも、低所得者階層に対しまする公営住宅の建設は一層促進をいたしてまいる必要がある。お話しのように、土地の問題、資材の問題、建築費の高騰等、いろいろ考え合わせますと非常に厳しい環境も予想されるわけでございますから、そのような考え方で進むべきではないかと考えております。
 なお、最近の東京、大阪等の大都市地域を中心といたしまして、公営住宅の建設には停滞が見られておるということも事実でございますが、これはやはり公共団体との調整がむずかしい、あるいは用地の取得が困難である、建てかえ事業におきまする入居者等との交渉が難航をきわめておるというようなところに問題点もあろうと思いますが、このような状況に対処いたしまするために従来からいろいろ対策を講じてきておりまするけれども、昭和五十五年度におきましても、この住宅宅地関連公共施設整備促進事業は五割増という大幅な拡充をいたしました。なお、地方債の用地費起債の単価を引き上げる、建てかえ事業の積極的な推進等の措置を講じまして、公営住宅の建設につきましても一層これを促進いたし、公的賃貸住宅につきましても十分配慮をいたしてまいりたい、かように考えております。
#65
○降矢敬義君 大変御丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 それがいいのかどうかお答えいただかないんですが、要するに、私の考え方は、持ち家政策は進めたい、それはいいことだ、しかし、進めるについてはなかなかむずかしい環境になってきている。そういうときに、たとえばあえてそれの一つのうみの出方としてはミニ開発、どうしても無理をすればああいう開発にならざるを得ない。それから同時に、公営住宅は大体いま古いやつは都心のいいところにある。今度の建てかえ政策というのは私は賛成であります。そうすれば、そこをやはり払い下げでなしに建てかえを進めていただきたいと私は思います。都市計画上の施設といいますか、都市の施設として環境も整備し、そこに何年ももつようなそういう住宅をつくって、そういうものが公営住宅として今後維持展開されるべきものじゃないのかなというのが私の気持ちであります。その辺は住宅宅地審議会でも御検討をぜひしていただきたいし、いろいろな意見があると思います。だから、私は、従来の延長線上にある公営住宅あるいは公的賃貸住宅という考え方が新しい経済環境の中で一体妥当するものなのかどうかということをぜひ御検討をしていただきたい。これは私の希望だけ申し上げておきます。
 そこで、家賃の問題について二、三お聞きいたしたいと思いますが、先ほどもいろいろお話がありましたので重複は私は避けたいと思っております。
 一つは、現在、古い昔建てた第一種公営住宅と最近建てた第二種公営住宅で家賃の逆転現象というのがあるのかないのか、もしあるとすれば、この辺をどんなふうに是正していくのがいいのか、あるいはそうでなくて入っている人もそれで満足しているからそれでいいのか、その辺をひとつお教え願いたいと思います。
#66
○政府委員(関口洋君) いわゆる新旧家賃のアンバランスなり、あるいは第一種と第二種の逆転現象の問題でございますが、公営住宅の家賃は、先生御案内のとおりに、建設原価に基づいて決定するということにしておりますので、管理開始後、相当期間にわたりまして据え置いたり、あるいは激変を避けるための小幅の是正、これにとどめた場合には、相対的に古い公営住宅の家賃は新しいものに比べまして非常に低額になり、中には第一種と第二種が逆転するという現象を生ずることもあることは事実でございます。この中には、新築の公営住宅の規模を年々改善しておりますので、後年度ほど家賃が相対的に高額となりますので、いわゆる逆転につきましてやむを得ない場合もあるわけでございますが、いずれにしましても新旧家賃に著しい不均衡を生じないように、また、極端に高額な新規家賃はある程度抑制するとか、さらには、御指摘のございました既存の公営住宅の家賃については適時適切に見直しを行うというふうなことを事業主体に指導してまいりたい、かように思っております。
#67
○降矢敬義君 それから、もう一つは、いわゆる所得制限で収入超過になって法律的には割り増し家賃なり、同時にまた立ち退いていただいて、それにふさわしい人に入っていただかなきゃならぬ、こういう制度になっているわけでありますが、事実は、一体、どんなふうになっておるのか。私は、公平の原則からしても地方団体を十分に御指導していただいて、昔は何かごね得があったような話も聞いておりますので、最近の事情はどうなっておるのか、それをぜひお示しいただきたい。
 それから、もう一つは、公営住宅の空き家率というのは、大都市、東京では四%弱とか、あるいは大阪では六%という話も聞いておりますが、こういう空き家というのは、大体、老朽かあるいは新築で高い家賃のものかどちらかだと私は思います、これは私の推測でありますが。老朽住宅については、改装をすれば、なお空き家を埋められるようなこともあるのではないだろうか。場合によってはそれを建てかえに持っていってもいいわけでありますが、そういう御指導なり、あるいは実情はどうなっておるのか、二点についてお伺いをいたしたいと思います。
#68
○政府委員(関口洋君) まず、収入超過者に対して各事業主体がどういう措置をとっているのかという点から御説明さしていただきたいと思います。
 収入超過者につきましては、割り増し賃料を徴収できるということが公営住宅法二十一条の二の規定にございますが、これにつきましては約一千六百三の事業主体がそういうものを徴収できる条例を制定いたして徴収いたしております。これの収入超過者は大体二十八万戸余あるというふうに推定されておりますが、それに対しまして大体二十七万九千戸、これは五十三年の例でございますが、について割り増し賃料を徴収いたしておるという状況を私どもは把握いたしております。
 それから公営住宅の空き家の問題でございますが、私どもが調べました空き家は、実は、新築の公営住宅の空き家でございまして、これは五十四年十月の調査でございますけれども、五十三年度中に募集開始した新築の公営住宅の空き家について見ますと四・二%でございまして、総じて大量の空き家は発生していないんじゃないかというふうに考えております。これの原因の主なものは、交通の便が不便である、立地の問題、あるいは収入基準による入居資格の問題さらには数団地の募集時期が重なったことによる応募者の偏在等が挙げられまして、これについては、まず立地につきまして、先ほど来御答弁申し上げておりますように、公営住宅に入居される方は公団住宅等に比べまして立地限定層の方が多いという現実に着眼をいたしまして、できるだけ便利なところにつくるように努力をいたしておりまして、それに必要な用地費の起債単価の改定措置、あるいは建てかえ事業によりまする立地改善、こういうものを進めてまいりたい、かように思っております。
 なお、収入基準につきましては、全国の世帯収入の伸び等を考慮しまして、昭和五十四年十一月に改定を行いまして、改善を図った次第でございます。
 御質問の中に出てまいりましたいわゆる既設公営住宅の空き家でございますけれども、これについては小規模のいわば1Kだとか1DKについては空き家が発生しておるということは耳にいたしておりますけれども、まだ、申しわけございませんが、その辺についての詳細な調査はいたしておりません。
#69
○降矢敬義君 家賃に位置づけまして、家賃補助のことについて先ほど同僚の先生からも御質問が一番最後に一括してありましたですが、そこで重複を避けていきたいと思いますが、家賃が高くなる、それに対する対策として今回の家賃対策補助という制度、それから起債とか、今回の制度は全く地方公共団体の負担を軽減するという、そういう目的だけでありますか、ほかに別な目的があるのか、それからなぜそういうものを――悪いことじゃないんですよ、悪いことじゃないんですが、なぜそういうものを今回つくるようになったのか。従来、いろんな意味での超過負担問題とか何かありましたものですから、そういうものを頭に置きながらつくられたのか、その点をまずお伺いいたしたいと思います。
#70
○政府委員(関口洋君) 家賃対策補助の背景でございますが、公営住宅の家賃は、御案内のように、建設単価に基づいて決定されるということになりますので、地価なり建築費が上昇しますと、同様でございますけれども新設公営住宅の家賃はある程度高額になってまいるわけでございます。そこで、私どもは家賃限度額というものを決めておるわけでございますが、事業主体の中には、この家賃限度いっぱいを取ると入居者の適正な負担能力を上回る事態が生ずるということを懸念されまして、俗称政策家賃というふうに私どもは呼んでおりますが、家賃限度額以下の家賃を設定しまして、その低い家賃で徴収されるという事業主体があるわけでございます。そうしますと、その間に地方公共団体のいわゆる単独負担の問題が生じますので、今回、家賃対策補助によりましてその単独負担についての軽減を図る、こういう考え方でございまして、したがって地方公共団体の負担軽減を図るだけが目的ではないということは先生御指摘のとおりでございます。
#71
○降矢敬義君 端的にお伺いしますが、予算額は八億六千二百万ですね。そうですね、この予算額は。
#72
○政府委員(関口洋君) はい、そうです。
#73
○降矢敬義君 多いのか少ないのか実際わからないわけですね、これでは。多いなんて私にはとっても見当がつかないということなんですが、先ほども一種公営には二分の一、二種公営・改良住宅が三分の二、差額を補助するという話でありましたが、この点について、細かい話になりまして恐縮ですが、八億幾らというのは一体どういう根拠で出されたのか。私には多いのか少ないのか全然見当がつかない。もう少し言えば、これは大都会、大都市圏の公営住宅にしか適用にならないんじゃないだろうかという気がしています。
 それから、もう一つは、先ほどの御質問と答弁にもありましたが、五十五年度管理開始されるものから適用されるんだという話でありまして、そうすると過去のものについては余りこういう適用を受けるものはないという御判断なのか。それから五十五年度管理開始されるというのは具体的にはどういうふうになるのか、五十五年度から新しく入居されるそのものを言うのか、その辺もあわせて御答弁願いたいと思います。
#74
○政府委員(関口洋君) 家賃限度額を既設の公営住宅についてまでなぜやらなかったのかという御質問でございますが、いままでは、ただいま申し上げましたような家賃限度額と実際の事業主体が徴収される家賃との間の差額が比較的生ずる場合が少なかったということでございますけれども、ただいま先生御指摘がございましたように、これは地価なり建築費の上昇の結果家賃限度額が高額化するという事態を踏まえて私どもがとった措置でございまして、したがって、結果的に、大都市の方が家賃限度額と実際の家賃との間の格差が広がる傾向にございますので、その点は、制度は全国適用でございますけれども、実際に適用される例は大都市地域の公営住宅の方が多くなろうということは御指摘のとおりでございます。
 そこで、その次に、五十五年度以降管理開始される公営住宅というのは実際に入居が行われるという意味かというお尋ねかと思いますが、この点につきましては御指摘のとおりでございます。
#75
○降矢敬義君 私は、この制度は大変ありがたい制度だと思っておるんでありますが、ただ、私のこの調べが間違っていなければ、五十三年、四年度を見ますと、東京都の公営住宅の家賃収入が約二百六十億で、いまあなたがおっしゃった政策でまけておるというのは百九十六億と、ほとんどもう似たような金額を政策でまけているわけですね。だから、どうもやっぱりその辺多少、将来に向かってというのは財源の問題もありましょうしいろんなことがあると思いますが、現実は大都会では、どうもこの辺、やっぱりもう少し事実を調べて将来ぜひお考えを願っていい問題じゃないのかなと思います。
 というのは、私は、その前提に、冒頭申し上げたとおり、これからの公営住宅、賃貸住宅のあり方というものは多少変わってくるんだなという私の認識があるものですから、あえてそういうことを申し上げるんでありまして、その点が違えばこれはまた水かけ論で、将来議論をされなきゃいかぬ問題だろうと思っております。
 次に、公営住宅の建てかえをめぐる問題について少し御質問いたしたいと思います。この点も先ほどの同僚の先生から御質問がございましたので、私は重複を避けて申し上げたいと思うのであります。
 まず第一番に、今回の建てかえに関する法改正によって建てかえ事業が非常に促進されるというふうにお考えかどうか、促進効果はどのように考えておられるのか。逆に言えば、古い公営住宅を建てかえていくことは、都市計画上からも住宅政策上からも非常に大事なので、賛成であります。しかし、今度の改正によって、いままで建てかえに伴ういろんなネックがあったと思いますが、そのネックが除かれていく、もう改正の対象になっているところは除かれていく。そういう意味で非常に促進効果が大きいと考えているし、また、あなた方もそうだと思うんですが、その辺どう受けとめておられますか。現地の事情に即して、もしわかればお教えを願いたいと思います。
#76
○政府委員(関口洋君) 初めに、先ほど来の御答弁の中で、私が先生の御指摘に気づくべきだったにもかかわらず答弁をおくらしておりました点、おわびして補足的に答弁さしていただきます。
 先生は、公営住宅につきまして建設を促進したり、あるいは老朽化した公営住宅の建てかえは居住環境の改善にあわせて役に立つので、いわば都市構成上の中でそういうものをはっきり位置づけるべきじゃないかという御意見かと思いますが、この点につきましては、私どもも、そういう立場で今後進めていかなければならないと思っております。いわゆる住宅需要実態調査にも明らかなように、これからはいわゆる住宅を単体としてつくっていくんではなしに、周辺の居住環境の整備とあわせてつくっていかないと、国民の俗に言うニーズに合いませんので、そういう意味から、今後とも、総合的な街づくりと居住環境整備の重要性が高まってまいりますので、公営住宅の建設に当たっても周辺環境の整備と一体とした建設を進めてまいりたい、かように思うような次第でございます。
 そこで、建てかえ事業の問題につきましても、同じような観点から促進を図っていきたいと思うわけでございますが、今回お願いしております改正によりまして建てかえ事業の促進効果をごく概括的に御説明さしていただきますと、従来は、旧住宅の戸数の二倍以上の新しい住宅が建たなければ法定建てかえと認めないという制度だったんでございますけれども、新しく建つ家の規模が大きくなっていくに従って二倍以上が無理になってまいりましたので、今回、実情に即応して改正できますようにお願いをしておるわけでございます。
 これが私どもがお願いしておりますとおりにお認めいただけますと、法定建てかえ事業といたしまして建てかえを施行する際に必要な移転料であるとか、仮住居借り上げ費用を国庫補助対象として公共団体に助成することができることとなりますので、公共団体にとっても仕事がやりやすくなる、かように考えておるような次第でございます。
#77
○降矢敬義君 この公営住宅の建てかえに関連して二点お伺いいたしたいと思います。
 一つは、公営住宅の建設は中高層に限られているわけでありまして、ある意味じゃ画一的だなという感じがいたします。むしろ地域の事情に即してタウンハウスとか、そういうものの手法を取り入れる必要があると思うけれども、どうお考えでありますかということが一点であります。これは五十四年度の建設白書の中でもこの点について多少触れられておりますし、アンケート調査などもやるというようなことが記入されていますが、そういう点をどう受けとめておられるのか。
 それから、もう一つ、今度この公営住宅の建てかえの法律によって少なくとも促進される要素が出てきたわけでありますし、いま御答弁がありましたように、移転料とかなんとかを補助するということでありますので、大変結構でありますが、現在、省エネルギーという観点から太陽熱を利用するソーラーシステムというものを国を挙げて考えておりますし、個人住宅ではかなり普及しているし、それから、大臣も御案内のとおり、地方団体の施設についてはソーラーシステムをやっているときには国として補助金も出すということもことしの予算で決まったわけであります。なかなか技術的には恐らくむずかしいんだろうと思います。私も二、三見ておりますし、たとえば保育所とか幼稚園とかにはかなり取り入れておりますが、この公営住宅である程度の改装が必要であり、そうすれば技術的になかなかむずかしいのかなという気がいたしますけれども、建設省として、公営住宅あるいは今後の公団住宅、公的住宅の取り組み方とこのソーラーシステムとの関係について、いままでどのような研究をし、今後どのような考え方をお持ちであるのかもあわせてお伺いいたしたいと思います。
#78
○政府委員(関口洋君) まず、公営住宅の建てかえの場合に、テラスハウスなりタウンハウスの建設について研究しているか、あるいはどこかでやった例があるかということでございますが、タウンハウス等の計画をどういうふうに推進していったらいいかという点につきましては、五十四年度に、本年度でございますが、タウンハウス方式の普及促進策につきまして予算を計上いたしまして、集中的に取り組んでおります。なお、私どもが研究に取りかかる前に、おおむね五十二年ごろからでございますが、茨城県、群馬県、佐賀県等、これは新規建設の団地でございますけれども、では、このタウンハウス等を導入いたしまして、居住者の方からおおむね好評を得ているという事実がございます。今後とも、できるだけ早く統一的な手法を確立いたしまして推進に努めてまいりたい、かように考えております。
 それから、第二に、省エネルギー、なかんずく太陽熱利用の問題でございますが、省エネルギー全般につきましては、先般の法律に従いまして、二月の末に建設大臣告示でもって住宅についての熱損失係数という形で、いわば省エネルギーの基準を決めて、これから普及を図っていくという段階でございますが、この前に、もうすでに公庫住宅、公庫融資等におきましては、いわゆる断熱化工事に対する割り増し貸し付けを行っておりますし、本年度からは、省エネルギーの第一歩でございます、給湯であるとか、そういうものについての太陽熱利用の施設あるいは熱効率のいい器具に対して割り増し貸し付けを行うということにいたしております。一方、公団におきましては、本格的なソーラーハウス、これの導入に備えまして、ちょっと年数は定かでございませんが、五十三年に川崎市に職員住宅をつくりまして、ただいま実験を開始し、それによって安定的な技術が得られれば、公団住宅につきまして、これから応用をしていくという段階でございます。一方、公営住宅につきましても、断熱構造の強化、あるいは太陽熱利用によります給湯、暖房等のシステムの積極的な導入を図っておりまして、まだ実際に実施したのは長野県における二つの団地でございますけれども、これについては給湯なり暖房なりにつきまして先生御指摘のような太陽熱利用のシステムを導入いたしております。
#79
○降矢敬義君 ただいまの群馬県や埼王県におけるタウンハウスというのはかなり評価をしているように私も答弁を聞きましたし、また、公的住宅にソーラーシステムを取り入れるということは、やっぱり普及するのは、需要者、使う人が普及を積極的にやらなければ、単にソーラーシステムを開発する側で何ぼこれをやっても私はだめだと思っております。
 そういう意味におきましても、建設省の公的住宅、いまのたとえば公庫住宅に割り増しの融資をする、大変結構で私もいいと思っておりますが、自分がつくるものについて、あるいは地方団体がつくるものについて、そういうものを積極的に取り入れていく。また、その取り入れるための技術的な開発、これは建設省の研究所もあることでありますし、ただいま公団住宅についての実験もおやりになっているということでありますし、こういう点についてはぜひ積極的に本当に取り組んでもらいたい。もちろん、それをやることによって日本のエネルギーに対するみんなの感覚、気持ちも大分変わってくると私は思いますので、この点についての大臣の御所見を承りたいと思います。
#80
○国務大臣(渡辺栄一君) 先生のお話のとおりでございまして、今回の予算等につきましても省エネルギーの問題につきましては真剣に取り組んでおるわけでございますが、そういうような意味におきましては公的住宅につきまして積極的にこれに取り組んでまいらねばなりませんし、ただいま局長が説明いたしましたように、いろいろな技術開発等も進めておりますから、これらの問題をあわせまして、今回発足をいたします新公団におきましても、これを積極的にひとつ取り上げていくように指導してまいりたい、かように考えております。
#81
○降矢敬義君 そこで、締めくくりの段階に参りましたので、大臣に、再度、今後の新しは五カ年計画の方向について、たとえば去年の十月ですか、住宅宅地審議会にいろいろ検討をお願いしておる。拾ってみますと、住宅過剰時代に入ったとか、あるいは住宅需要というのは安定的に今後推移するとか、あるいは持ち家や良質の賃貸住宅の供給というのは必要であるとか、大きなテーマのもとにいろいろ新しい計画を立てられているわけであります。
 大臣は、この前、二月二十一日の私の質問に対して、住宅基本法というものをつくって、その中に住宅政策に対する哲学というものをはっきりさしていかなきゃならぬということを御答弁なさっておられます。私も全く同感でありますが、最後に、再度、住宅基本法を制定する、または第四期五カ年計画とあわせて考えていくという大臣の御答弁もありましたが、もう少し中身に触れた大臣のお考えをお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#82
○国務大臣(渡辺栄一君) 私は、まず住宅政策に対する基本的な考え方を決めまして、それに合わせまして具体的な五カ年計画というものは樹立すべきものであるとかねて主張いたしてきておるわけであります。すでに野党の一部からこれらに類する法案等も一部提出をされておるような現状でございますが、また、政府といたしましては、住宅基本法、仮称でございますけれども、こういうものに対して取り組んではきておりますけれども、法案を提出する段階まで至っておらないわけでありまして、これは非常に私といたしましては必要な課題であると考えております。そういう意味で八〇年代の住宅政策について、先ほど御説明いたしましたように、第四期住宅建設五カ年計画の策定のためにただいま住宅宅地審議会に対しまして御諮問を申し上げておりまして、いろいろ御審議をいただいておるところでありますが、ただいま御審議をいただいておる過程でございまして、御審議の内容等につきましては、いずれ時期を見まして御発表申し上げることになると思いますけれども、現在、内容についてはまだ触れることになっておりませんし、そこまで固まっておりません。
 したがいまして先生の御質問に対しまして具体的な内容を申し上げる段階まで至っておりませんけれども、少なくとも、その内容としましては、住宅政策の基本的な理念あるいは住宅建設促進のための施策の方向というようなものを示してまいりますけれども、私は、先ほど以来先生のお話にありましたように、持ち家政策も推進してまいりますけれども、大都市等を中心といたしました低所得層あるいは流動層に対しまするいわゆる公的賃貸住宅等の問題もございますが、当然、そういうことになってまいりますと、最近の地価あるいは資材の高騰等を考えますと、やはり厳しい状態も予想されるわけでありますから、そういうふうな事態に対処いたしまして、住宅政策の基本である所期の目的が達成できるようなことに対しますることにつきましては、国としての政策の責任ももちろん相当重くなってまいります。一面、また地方公共団体の負うべき責務といいますか、そういうものも明示しなきゃなりませんでしょうし、また国民の住宅に対する立場というものも明確にしていかなきゃならぬと思っております。
 そういうようなことを踏まえながら、一番問題になってくるのは、やっぱり私は家賃補助のような問題がいろいろ議論の対象になるのではないかと思っておりますけれども、現段階でその内容を詳しく申し上げる段階でありませんけれども、いま申しましたような基本的な理念あるいは住宅建設促進のための施策の方向等、住宅政策の基本的事項と申しますか、そういうことにつきまして鋭意検討を進めまして、私といたしましては、五カ年計画がスタートいたしまする場合には、基本法もあわせて御審議がいただけるように、今後、努力をしてまいりたい、このように指示をいたしておるところでございます。
#83
○降矢敬義君 終わります。
#84
○二宮文造君 私は、引き続いて公営住宅法の一部を改正する法律案について質問をいたすわけでありますけれども、その前に、住宅行政全般の問題について若干伺っておきたいと思います。
   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
 御承知のように、住宅建設をめぐる環境は、宅地供給の減少とか、それから地価の値上がり、それに加えて住宅ローンの金利のアップあるいは建築資材の高騰、手間賃の上昇などで、総体的にまことに厳しい状況にある、こう言わなきゃなりません。
 ところで、先ごろ住宅問題調査会が五十五年度の住宅着工予測をまとめているわけですけれども、それによりますと、大分落ち込むんじゃないか。たとえば五十三年から五十四年は、これは五十三年度が百四十九万、それから五十四年度が百四十六万、要するに、ここで三万戸落ち込んでいますが、それよりもさらに五十五年度は落ち込んで百三十五万戸程度じゃないだろうか、あるいは金利のアップがもう少し大きいと百三十三万戸程度に落ち込むんじゃないだろうか、このように言われておりますが、まず、建設省のそういう面での見通しを最初に伺っておきたい。
#85
○政府委員(関口洋君) もう先生は御事情にお詳しいので、あえて繰り返すまでもないかと思いますが、最近の住宅建設の動向につきまして若干コメントしておきますと、住宅事情の改善状況に加えて、世帯数の増勢が鈍化し、また大都市地域への人口流入の鎮静化、こういう要因がございまして、建設戸数面では安定的に推移いたしてきておるわけでございます。
 そこで、いま御指摘の、住宅問題調査会が百三十五万戸と推定しているが、それについて建設省はどう見ているのかという問題でございますが、私ども、昭和五十五年度の住宅建設戸数につきまして、公式には推計しておりませんけれども、感じではなはだ失礼でございますが、申し上げますと、いままでは安定的に推移してきたわけでございますけれども、民間資金による住宅、これが先生御指摘のような事情等がございまして、現在、減少傾向を示しております。これがいつごろ回復に向かうかということでございますけれども、早急な回復は見込めないという事情がございますので、五十四年度に比べましてやや下回ることは覚悟しておかなければいかぬだろうと思っておりますけれども、住宅問題調査会が言われるような百三十五万戸にまでは落ち込まないだろうと、はなはだ漠としたお答えで恐縮でございますけれども、要するに百三十五万戸まで落ち込む、こういうことは考えられないというふうにいまのところ思っております。
#86
○二宮文造君 そういう情勢の中で、先ほど、大臣も、五十六年度からの第四期住宅建設五カ年計画についていま審議中であると。内容に至ってはまだちょっと固まってないけれども、基本的な考え方等について触れられましたけれども、一部報道されているところによりますと、まず、五十六年度から公営住宅の建設戸数を徐々に減らしていく、いま伝えられるところですよ、五カ年計画の中身として。それから公団住宅は賃貸を減らして分譲をふやす。また住宅金融公庫の融資は充実をしていく。要するに、方向性とすれば、公的住宅の持ち家と賃貸の比率を七、三ぐらいにして、持ち家の比重を高めるというようなことが大体中身として議論されていくんではないだろうか。また、その方向で五カ年計画が設定されるんではないか、こう言われておりますけれども、この点はいかがですか。
#87
○政府委員(関口洋君) はなはだ失礼でございますけれども、事実関係から先に申し上げますと、先ほど来御答弁申し上げておりますように、現在、住宅宅地審議会で鋭意御検討中でございますので、私ども、先走っていわゆる住宅建設五カ年計画の骨子を定めるというふうなことはいたしておりませんので、こういうような、報ぜられたことは事実でございますけれども、御指摘のような方針を固めたわけではございませんので、御了承のほどお願いいたします。
#88
○国務大臣(渡辺栄一君) いま局長が御答弁をいたしたとおりでございまして、先生のお話しのような内容を固めておるとか、そういう方針を決めて御審議を願っておるとか、そういう事実はございません。これから、先ほど以来申し上げておりますような方針に基づきまして、慎重にひとつ御検討願った結果を踏まえて進めてまいりたい、かように考えております。
#89
○二宮文造君 もうすでに大臣から、先ほど同僚議員の質問に一応お答えになっているわけですけれども、しかし、われわれが感ずるところは、どうやら住宅行政というのは持ち家志向に変わってきている、これはもう否めない事実だろうと思うんです。しかし、また一方、庶民にとっては持ち家というのは相変わらず高ねの花、それがますます厳しい状況になってきておりますから、そういう意味では住宅金融公庫の融資を充実するということは結構ですけれども、しかし、本来、政府がやるべき公営住宅や公団住宅、この建設を縮小していく、先ほど大臣からあわせ考えていくという答弁がありましたから、これは繰り返すことになりますけれども、やはりこの賃貸住宅、公的住宅、これの縮小というものにはわれわれは賛成できないし、この点については格段の配慮をいただきたい。恐縮ですが、繰り返して答弁いただきたいと思います。
#90
○国務大臣(渡辺栄一君) 先生の御指摘の問題でございますけれども、私は持ち家か賃貸住宅かという問題につきましては、基本的には国民の需要動向に即して施策の方向を決めるべきものであるというふうに考えておりまして、最近持ち家志向が非常に強いということは、またこれは事実でございますが、さように考えております。
 そこで、公的援助によりまする住宅の供給に当たりましては、大都市地域を重点として低所得者層、社会的流動層等に対しまして必要な量の公的賃貸住宅を供給してまいりたいと考えております。そして持ち家志向の強い層に対しましては長期低利の融資を行いまして、あるいはまた公的分譲住宅を供給する等も考えてまいりますが、要するに、地域の特性及び国民の住宅需要の動向に即しましてバランスのとれた供給を図る必要があるというふうに私は認識をいたしておるつもりでございます。
 今後の住宅政策を進める上におきまして公営住宅及び公団住宅が果たすべき役割りというものにつきましては、先ほど来申し上げておりまするように、現在御審議を願っておりまする住宅宅地審議会に諮問中でありまして、「新しい住宅事情に対応する住宅政策の基本的体系はいかにあるべきか」という審議の中であわせ御審議を願ってまいりたいと思っておりますので、その経過を踏まえまして進めてまいりたいと思います。
 ただ、新公団を第四期五カ年計画とあわせてスタートをしたいと思っておりますが、まだこれは仮定でございまして結論ではございませんけれども、仮称でいわゆる都市整備公団というようなことをいま言っておりまして、住宅という名称を外しておりますので、これが何かその実体をあらわすもののようなふうに思惑をされる面もございまするけれども、名称もこれは固まって決めたわけではございませんので、あくまでも仮称でございますし、内容につきましても、そういう意味でただいま鋭意御検討を願っておる段階でございますから、そういう私どもの真意につきましては御了承願いたいと思うわけでございます。
#91
○二宮文造君 非常に気を使った答弁をいただきました。
 次に、住宅建設の資材価格の安定の問題について若干お伺いしておきたいんですが、もう御承知のように、木材、合板、セメント、生コン、骨材、それから電線、アルミサッシ、塩ビ管、タイル、断熱材、新建材、とにかく住宅用建設資材が軒並みに急騰をしております。それが住宅建設費を大幅に押し上げておりますが、ひとつこの価格動向の見通しをどうお持ちになっているのかお伺いしておきたい。
#92
○政府委員(宮繁護君) 住宅用の建設資材の価格も、これまで原油価格それから原木価格、最近に至りまして銅の地金等の高騰、また円安傾向が定着をしてまいりました、そういった影響を受けまして、いまお話しのようにかなりの高騰が見られるわけでございます。二月の日銀の卸売物価指数で見ますと、建設材料平均で昨年同期に比べまして一六%程度の上昇になっております。なお、ちなみにこの卸売物価の総平均は二一%程度になっております。
 今後の価格の動向につきましては、まずコストの面で原油価格の動向あるいは円相場の動向など不確実な要因がございますし、原油その他の上昇を生産性の向上の面でどの程度吸収できるかというような問題もございまして、見通しを述べるのは大変むずかしゅうございますけれども、少なくとも資材メーカーの供給能力が不足をし需要が超過をするために値上がりするということはなかろうかと考えております。
 それで、住宅用の建設資材のうち、主な資材につきましてその動向を見てみますと、まず木材でございますけれども、昨年の春から夏にかけまして原木、特に東南アジア関係の産地価格が高くなりまして、それに円安の傾向が拍車をかけまして、製材、合板ともかなり高騰しました。それ以降、原木価格に頭打ちの傾向が見られましたし、また原木の入荷も順調に推移したこと等もありまして、小康状態を維持しておりました。しかし、年末から年初にかけまして、原木の反騰を契機にいたしまして反発傾向を示しつつありますけれども、現在の需要の伸び悩み等から見まして、今後は、余り大幅な値上がりはないものと期待いたしております。
 次に、セメントでございますが、昨年の秋に燃料の重油の高騰に伴いまして一五%程度の値上がりが見られましたが、さらに最近に至りまして、メーカーは、重油の大幅な高騰等を理由にいたしまして、現在トン当たり三千円以上の値上げを提示しまして、需要者側と話し合いを進めている状況でございます。セメントの今後の価格動向につきましては、原油価格あるいはまた電力料金等の引き上げもございますので、そういったコスト要因に左右されるのであろうと考えられます。なお、このセメント価格の上昇が当然に生コンクリート、コンクリートの二次製品等に波及しつつある状況でございます。
 それから、小形の棒鋼につきましては、好調な輸出に支えられまして、メーカーは売り腰が強く、じり高傾向を示しております。現在、通産省の指導で高炉ビレットの放出が実施されることも決まりましていろいろ対策を講じておりますので、第一次のオイルショック時に見られたような大幅な値上がりは生じないのではなかろうかと考えております。なお、鋼材につきましては、高炉メーカーが四月以降トン当たり一一%前後の値上げを発表しまして、現在ユーザーとの話し合いに入っておる。大体、以上のような状況でございます。
#93
○二宮文造君 いまの答弁を伺っておりますと、要するに、原木あるいは原油の値上がりあるいは円安、そういうふうな外的な要件で価格が高騰されているという説明の方が主力だったのですけれども、もっとこう当たってみますと、投機的な体質とか思惑ですね、これが加味されているということも利は否めない事実だろうと思うのです。したがって、やはりこういう時期になってまいりますと、当面、資材の急騰を防ぐために、売り惜しみとか、あるいは買いあさりとか生産調整などというような、そういう面については、そういう価格のつり上げ行為を厳しく監視するというふうな必要が出てきたんではないか、こう思うのですが、これに対する対応はどうですか。
#94
○政府委員(宮繁護君) いまお話しのように、第一次の石油ショックのときは、消費者、メーカーともやや異常な行動がございまして、価格がいわゆる便乗値上げその他の問題も出てきたことは事実でございます。しかし、今回の石油価格の上昇に伴います物価上昇に対応する消費者あるいはメーカーの態度もかなり合理的な秩序のある対応をしていると思います。しかし、一部には、いま御指摘のような行動もないとは言い切れないと思います。
 それで建設省の方では、各地方建設局を単位に設置してございます公共事業の施行対策地方協議会というのがございまして、ここは農林水産省、通産省、運輸省、労働省、県等もこれに入っていただいておりますし、資材の生産者団体の代表者等も参加をしていただいておりまして、ここで資材の需給、価格動向につきまして情報の交換等もやっております。また、いま御指摘のありましたような売り惜しみとか買いだめとか便乗値上げ、こういったものにつきましても十分の監視に努めているところでございます。
 なお、全国二十五の都道府県におきまして、資材の使用者側と販売者側のそれぞれ二十社、合計四十社でございますけれども、そういう人たちにモニターをお願いしまして、資材の価格、需給、在庫の実態につきまして毎月情報を集めておりまして、これらを公表いたしまして、生産活動あるいは購買等の活動の参考にもしてもらっております。
 なお、これらの情報をもとに、通産省とかあるいは農林省といったような関係省庁にも緊密な連絡をとりながら、建築資材の便乗値上げの防止、需給の安定化に今後さらに一層努力してまいりたいと考えております。
#95
○二宮文造君 個々にいろいろな対策も考えられますけれども、たとえば木材等について、国内の森林資源の活用、これに対する抜本的な対策とか、あるいは木材の備蓄の充実とか、あるいは市場価格の乱高下を防止するために公共的な流通市場の創設とか、そういうふうなものもあわせ考えなければならないんじゃないか、このようにも思うんですけれども、そういう場合、たとえば農林省あたりと、いわゆる関係省庁間でたとえばこの木材のそういう問題について協議をなさっているんですか、その中身はどういうふうなことでしょうか。
#96
○政府委員(関口洋君) 木材の需給及び価格の動向等に対処しまして、先生御指摘のような需給なり価格の安定に資するというために、昭和五十年に木材需給対策中央協議会、これが設置されております。構成メンバーは学識経験者、木材関係の業界の代表者、それに役所側としては林野庁、これは事務局を御担当になっておられますが、そのほか通産省、大蔵省、経済企画庁、それに建設省、これが入って先生御指摘のような打ち合わせを絶えず行っておる次第でございます。
 それから、価格の乱高下を防ぐために木材の備蓄が必要だという御指摘でございますが、これにつきましては、林野庁の方の肝いりで財団法人日本木材備蓄機構、これが四十九年に国の助成によりまして設置されて、いわゆる備蓄あるいは市況動向によりまして所要の放出というものを担当しておられるわけでございます。
 それから、もう一つの流通機構の合理化の問題でございますが、現在の木材の市売り市場、これも率直に申しまして林野庁の調べをそのまま引用さしていただきたいのでございますが、総数は五百四十八あるというふうに承っております。主体は会社が三百二十四、組合が二百二十、残り若干が個人その他ということになっておりまして、それで先生御指摘のいわゆる公共的な流通市場、これを創設するという件につきまして、いろいろ関係省庁間で協議したわけでございますけれども、現在のところ、既存の民間の木材市場あるいは木材の問屋、こういう筋との調整がまだ目鼻がついておりませんので、申しわけございませんが、現時点では、この流通市場の創設につきましてめどが立っていない、こういう状況でございます。
#97
○二宮文造君 先ほどの建築資材の卸売物価の値上がりですね、二月の卸売物価のあれが前年同期比で一六%アップだ、こういう話ですが、私、いまなぜ木材をあれしたかといいますと、二月の十五日、これは財団法人建設物価調査会、この資料を私持っているんですが、たとえば米ツガ、これが一二四――二四%ですね。それからエゾマツ、これが一三五ですから三五%の前年同期の値上がり、それからラワンの平割りが一六二、ですから六二%の前年同期の値上がりと、特に資材の中でもこういう値上がりが著しいわけです。したがいまして特にこの木材の対策というものには鋭意気を使っていただきたい、こういう意味でいま木材だけ一つ取り上げたわけですが、こういうふうな状況の中で総合的な建設資材の安定供給といいますか、価格あるいは供給面の安定対策が必要だと思いますが、大臣、この点についてどうお考えになりますか、また何をされようとしますか。
#98
○国務大臣(渡辺栄一君) お説のとおりでございまして、私は、住宅建設の促進並びに公共事業を円滑に推進するというためには建築資材の価格並びに供給の安定ということはきわめて重要な課題である、このように考えております。特に、最近の建設資材の値上がり傾向等につきましては私も非常な関心を持って見守っておるところでございますが、これまでの価格の上昇は、基本的には原油、原木等の原材料の高騰、円安の定着など、海外要因が非常に大きく影響しておるのではないかというふうに認識をいたしておりまするが、供給者におきましてもコストアップの要因等をできるだけ企業努力で吸収するように一層努力をしていただくということを考えておるところでございます。建設省といたしましては、今後とも、先生のお話のような安定供給を図るために、通産省あるいは林野庁、関係省庁と緊密な連絡をとって万全を期してまいりたいというふうに考えております。
 同時に、公共事業施行対策地方協議会、先ほど御説明いたしましたけれども、ここら等も大いに活用いたしまして、資材の価格、需給動向等を把握するように努めてまいりました。主要資材につきましては、先行き三カ月までの需要を予想いたしまして、これを公表するというようなこと等も励行いたしまして、あらゆる努力を傾注してまいりたいと考えております。
 なお、関係業界とは随時情報交換を行いまして、これらの対策を強化してまいりたいと思いますが、今後とも、建築資材の価格及び需給の安定化につきましては一層の配慮をいたしてまいりたい、かように考えております。
#99
○二宮文造君 次に、在日外国人に対して、このたび、住宅金融公庫の融資の窓口を開くということは先般お伺いをしましたけれども、それに関連して、外国系金融機関への業務の委託方針についてお伺いをしておきたいと思うんです。
 最初に伺いますが、現在、外国系金融機関というのは一体どれくらいありますか。
#100
○説明員(中田一男君) 現在、信用組合という形で七十八、信用金庫という形態で一つ、合計七十九ございます。
#101
○二宮文造君 それで政府関係の金融機関のうちで商工組合中央金庫あるいは中小企業金融公庫、環境衛生金融公庫、この三機関がすでにこれらの外国系の金融機関へ業務を委託してその道を開いているわけですけれども、この移り変わりですね、そのことについて若干説明をいただきたい。
#102
○説明員(中田一男君) 政府関係金融機関のうちでも、その金融機関の性格等を見まして徐々に外国系の金融機関への業務委託もやってまいっておるわけでございますが、まず一番初めにスタートしましたのは商工組合中央金庫のケースでございまして、四十七年度に五機関を指定いたしました。その後、四十八年度に八機関、五十年度に二機関、五十一年度に四機関、五十三年度に二機関というふうに徐々にふやしてまいりまして、現在、二十一機関でございます。
 それから中小企業金融公庫の場合は、五十年度からスタートいたしまして、五十年度には三機関、五十一年度は四機関、五十三年度には六機関というふうにふやしてまいりまして、現在、十三機関でございます。
 環境衛生金融公庫につきましては、本年度、五十四年度からスタートいたしまして、五機関に対して代理業務の委託を行っております。
#103
○二宮文造君 それで、これらの業務の委託、いわゆる委託契約ですね、これを締結する場合に、相手の金融機関を指定するのか、それとも相手の金融機関の方からの申し出を尊重するのか、これは一体どういう方向でやられていますか。
#104
○説明員(中田一男君) 政府関係金融機関の場合、相手方から代理業務の受託を行いたいという御希望がありました場合に、現在では大体二年に一回、そういう御希望のあるところをまとめまして、そして個別に、御希望のあった金融機関の経営の健全性でございますとか、あるいは業務委託をして十分処理能力があるかどうかというふうな点でございますとか、そういうことを審査しました上で、利用者の便利、また政府系金融機関の性格等を加味しまして、業務委託をする方がベターであるというふうに判断いたしましたところに指定を行っておるという現状でございます。
#105
○二宮文造君 そういうことでしょうね。
 二年ごとに見直しをしながら、たとえば最初に始まった商工組合中央金庫の場合は、四十七年度には五機関であった、それが漸次ふえてきて二十一機関になった。あるいは中小企業金融公庫の場合も、当初五十年には三機関、それが今日十三機関。それから環境衛生は昨年始まったところですから、五機関から始まった。こういう変遷をたどっているのはその趣旨だろうと思うんです。
 ところで、本年の四月一日から、先ほども言いましたように、在日外国人に対して住宅金融公庫の融資が開放される、こういう運びになったわけですが、やはり融資を受けるその人の立場から言いますと、日ごろ取引のあるところ、そういうところに話し合いをするというのはまことにベターなわけですね。そういう意味で住宅金融公庫が外国系の金融機関に業務を委託する、それを予定している、こういうふうに聞いておりますが、この点いかがでしょう。
#106
○説明員(中田一男君) 住宅公庫につきましては、ちょうど五十四年度に代理業務の指定を行いまして、本来ですと五十五年度はお休みで、五十六年度にやるというような方針でいたわけでございます。で住宅公庫が四月一日から在日外国人向けの貸し付けを行うというふうにいたしましたけれども、住宅公庫自体、現在、業務委託窓口が全国でもう九千五百店舗ぐらいございまして、各都市都市に行き渡っておるということもございまして、当初は一年間置いて来年度からやったらどうだろうかという考えもあったのでございますけれども、住宅公庫といたしましても外国人向けの貸し付けというのは初めての経験でございますし、ことし暫定的にまず大都会の代表的なところでも指定して、少し経験を積んで将来に備えるということも一つの考え方だろうかと思いまして、現在、五機関程度指定したらどうだろうかということを建設省と御相談しておるところでございます。
#107
○二宮文造君 いま五機関程度というお話がございましたけれども、その所在都市はどこですか。
#108
○説明員(中田一男君) 代表的な大都市ということで、東京とか大阪を考えておるわけでございます。
#109
○二宮文造君 それじゃ、やっぱり委託契約をしなきゃならぬと思うのですが、その委託契約の締結ですね、これはいつごろまでに完了させる予定をお持ちでございますか。
#110
○説明員(中田一男君) 具体的には住宅公庫でやっておりますので、私、現在のところ詳しい日程までは承知いたしておりませんが、五十五年度から外国人貸し付けを受け付ける。また、恐らく第一回の個人向けの受け付けというのが間もなく始まるだろうと思いますが、できればそれまでに間に合うようにできると一番いいんじゃないかと思っておりますけれども、具体的な日程はまだ承知しておりません。
#111
○二宮文造君 要するに、いまお話があったように四月一日から窓口を開く。しかも五十五年度の第一回の個人向けの住宅融資申し込みの受け付け、これは四月の下旬かあるいは五月の上旬ごろから始まる、こう私どもも予測をしているわけですから、せっかくここまで話が煮詰まったんですから、それに間に合うように金融公庫の方も対応してもらいたい、こう思うのです。
 確かに代理業務をやっているところが全国津々浦々にあることは承知しています。ただ、冒頭に言いましたように、在日外国人にとってみれば、日ごろ取引をしているところ、これは信用状況もよくわかりますし、お互いに日ごろの取引を通じて気脈を通じていますから、そういうところが委託業務を開始できればよほど便利だと思うのですね。いまお話を伺いますと、大都市の東京、大阪を中心にして五機関程度を予定しているということですが、この五機関以外に、やはり委託契約の締結を要望する金融機関が出てくるだろうと私は予想するわけです。その場合は一体どう対処されますか。申し出がすでに出ているかどうかは私もよく知りませんけれども、恐らくそういう扱いをすることになりますと、政府の方で予定している以外の金融機関も、ぜひ私どもでというふうな要望も出てくると思いますが、その場合は、どう処理されますか。
#112
○説明員(中田一男君) そういう機関がございましたら、また来年度は見直しを行うつもりでございますし、それぞれの要望がありました機関の、先ほども申しましたように、個別の経営内容とか、いろいろなことを見ながら、ステップ・バイ・ステップにふやしてまいるというようなことになろうかと思います。
#113
○二宮文造君 ちょっと私先ほど聞き漏らしたんですが、あなたの答弁の中に住宅金融公庫、これは昨年からすでにそういうあれはやっているんですか、五機関について。
#114
○説明員(中田一男君) 違います。
#115
○二宮文造君 違うでしょう。外国系の金融機関については今回が初めてになるわけでしょう。ですから、要するに二年ごとに見直しとかなんとかおっしゃっているけれども、ことしが初めてでしょう。したがって四月の下旬ないし五月の上旬から受け付けが始まるわけですから、それに呼応して、先ほどおっしゃった五機関以外の金融機関もやっぱり要望が出てくると思うんです。
 その点については、五機関、大体その程度を予定していますということだけじゃなしに、すでにたとえば商工組合中央金庫は二十一機関やっているわけでしょう、あるいは中小企業金融公庫は十三機関やっている。そういう面で、業務は違いますけれども、すでに政府系の金融機関とのそういうことはやっているわけですから、その点も加味しながら、五機関ということに限定しないで、もう少し幅広く受け付けをされたらいかがだろうか。結局、相手に対して親切なやり方というのは窓口が広い方が親切なやり方なんです。その点いかがですか。それとも別に委託基準というのが明確にあって、ことしは五機関程度しか認められないんだということに答弁があるのか、この点はいかがですか、私は広げた方が都合がいいと思うんですが。
#116
○政府委員(関口洋君) 金融機関の問題につきましては、率直に申しまして私どもだけで物事を処理するのは適当を欠きますので、絶えず大蔵省と御相談をしておるわけでございますが、いま先生御指摘の、いわば初めからもう少し幅広く機関を指定すべきではないかという御意見、あるいはそういうことも考えられるかと思いますけれども、とにかく、先生御案内のとおりに、四月の募集から問に合わせていきたい、そうしますと四月の一日には態勢をとっておく必要があろうかと、かように思っております。で、それに備えましてかねて公庫の受託金融機関としての処理の業務に習熟しておいていただかなければならない事情がございますので、当初は五機関で発足をし、それから、先ほど大蔵省の課長が申し上げましたように、逐次、拡大を図っていくというのがいまの段階では最も現実的な対応の仕方ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
#117
○二宮文造君 これは大臣にやっぱり聞かにゃならなくなりました。
 まあわかります、何といいますか、橋をたたいてなかなか渡らないというのがどこかの仕事のようでございますから、それはもう大事をとって慎重にされることはわかりますけれども、要するに第一回の受け付けに問に合わさなきゃならぬというのは、今度やる五機関も一緒なわけですね。したがって、その五機関を若干幅を広げた方が、大都会といいましても、東京、大阪以外にもあるわけです。しかも、先ほどから何度も申し上げているように、日ごろ取引をしている金融機関というのはお互いにその事情がよくわかっている。こういう面もありますし、事務の処理能力についてはこれはまたひとつ適切に指導していただいて、もしも五機関以外に委託契約の締結を要望する機関が出てきた場合、大事をとる意味はわかりますけれども、やはりここは相手方の便宜というものを考えて幅を持たして対処をされた方がよろしいんではないか、こう思いますが、ひとつここは、大臣、締めくくっていただきたいと思います。
#118
○国務大臣(渡辺栄一君) 私どもは、公庫が貸し付けをするに当たりまして、やはり申し込みの受理、審査、それらの業務を全国の銀行等の金融機関に委託をいたしまして、国民が公庫資金利用に際して不便を来さないように、公募業務の取り扱いの窓口として、先ほど以来お話のありますように、全国で約九千五百店舗を配置しておるわけでございます。したがって、今回の公庫の外国人貸し付けが開始されましても、現在の窓口で十分対処できるのではないかと考えておりますけれども、外国人の公庫資金利用の一層の利便を図るという意味におきまして、適切な組織と能力を有する一部の外国系金融機関への委託業務を認める方向で検討いたしておるわけでございますが、具体的な指定に当たりましては、公庫の指導体制あるいは受託金融機関の適切な組織と能力、当該地域の住宅の需要というようなものを勘案してまいるつもりでございまして、当面、五機関を指定するという予定でおりますけれども、これはいまお話しのように地域も限定されておるわけでございます。したがって将来に向かいましては漸次ひとつこれを拡大していくという考え方を持ちまして指導してまいりたい、かように考えておるわけであります。
#119
○二宮文造君 非常に前向きなお話ですが、今度はこれだ、将来はということで二段構えの御答弁があったようですが、私の要望は、事務の処理能力というのは確かに問題です。それから経営基盤の確実なもの、これも確かに問題です。しかし、もしそういう物差しにかなうのであれば、今回も若干地域を広げてやっていただきたいという要望をここで申し上げておきます。これはひとつ大臣の方で御検討をいただきたい。
#120
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいまの御意見につきましては、慎重に検討いたしてみたいと思います。
#121
○二宮文造君 これに関連しまして、国金の方もいわゆる在日外国人に窓口を開きますね、予定でしょう。
#122
○説明員(中田一男君) 国民金融公庫の貸し付けにつきましても、四月一日から外国人向けの貸し付けを行うというふうに予定しております。
#123
○二宮文造君 その場合は、外国系の金融機関に委託業務はお考えになっていませんか。
#124
○説明員(中田一男君) 国民公庫につきましては、昭和二十四年にこの金融公庫ができました当時は全国に支店も二十ぐらいしかございませんで、代理業務を相当活発にやっておったわけでございます。しかしながら、昭和三十年代から四十年代にかけまして、国民公庫の貸し付けは直貸し方式がいいというような方針に転換いたしまして、店舗網も整備してまいりました。
 したがいまして、その後の、たとえば四十五年以降をとって考えてみますと、国民公庫の代理店というのは、離島でございますとか、あるいは僻地でございますとか、町まで、国民公庫の支店まで出てくるのに不便な場所にございます金融機関の支店を対象にしまして業務の委託をしておるというような状況でございますので、委託の考え方が住宅公庫やあるいは商工組合中央金庫、中小企業金融公庫なんかと若干違っておりまして、現在のところ、外国人信用組合に対して代理業務を委託することは考えておりません。
#125
○二宮文造君 しかし、これは将来の問題になりますが、やはりそういう相手方の利便というものを考えてあげるならば、こういう国金の業務委託についても、将来は、外国系の金融機関にも窓口を開く方向で御検討をお願いしたい、こう思うわけです。これはもう要望ですが、何かありますか。
#126
○説明員(中田一男君) 将来の問題といたしまして、検討してまいりたいと思います。
#127
○二宮文造君 じゃ次に、また問題が変わりますけれども、土地対策の問題についてお伺いをしたい。
 大蔵省、結構です。どうもありがとうございました。
 計画局長、宅地の供給量が昭和四十七年をピークに減少傾向をたどっておりますが、計画的な宅地開発の停滞している要因、これはどう分析をされておりますか。また、それに対してどういう手を打ってこられたか、この点、総括的にお答えいただきたい。
#128
○政府委員(宮繁護君) いま御指摘のとおり、昭和四十七年をピークにいたしまして、その後におきます新市街地で農地とか山林原野から新しく宅地に造成されます宅地の造成量というものがかなり落ち込んでまいっております。近年では一万ヘクタールを割るのではないかと考えられます。
 ただ、最近の現象としまして、この宅地の供給量の先行的な指標でございます開発許可の面積とか、土地区画整理事業の認可面積が五十年、五十一年を底といたしまして若干上昇に転じております。これはいますぐ宅地の供給量につながるものではございませんけれども、数年後には、これが宅地の供給としてあらわれてくるわけでございまして、今後はやや増大基調に向かうのではないかと考えておりますけれども、現在のところは、いま御指摘のとおりでございます。
 この最も大きい原因は、一般的に立地条件のいい開発予定地が少なくなってきたことが原因でございますけれども、また、市街化区域の農地等の素地の宅地利用への転換の停滞が見られます。この停滞の原因は、土地が何と申しましても資産として保有するのに適当であること、また高度成長時代には山林原野、農地の地主さんが資金需要がございまして、これを手放す動機もかなり強かったわけですけれども、最近そういう資金需要の動機が低くなっておるというようなこと、そういうことで素地の宅地利用への転換が非常に停滞しておること、また、この素地の価格が高値安定をいたしまして、同時に関連の公共公益施設の整備費が増大してまいりまして、宅地開発の事業採算の見通しが悪化いたしますことによりまして宅地開発事業の意欲が減少しておることも一つの原因でございます。さらに、地方公共団体で人口抑制策をとるところが大変多うございまして、開発の抑制策をとっていること、また土地税制が土地の流動化を阻害しておった、こういうふうなことが原因として考えられるわけでございます。
 これらにつきまして、建設省では、計画的な宅地開発を推進いたしますとか、あるいはまた民間の優良な宅地開発に対しまして政策金融を拡大していくこと、また関連の公共公益施設の整備の拡充推進を図りまして宅地開発業者並びに地方公共団体の負担を軽減していく措置、あるいはまた最近の傾向といたしまして職住近接のマンション志向が強くなってまいっておりまして、既成市街地の既存の住宅宅地あるいは工場敷地等の高度利用が非常に重要な課題になってまいっておりますので、都市の再開発によります土地の有効利用の推進、あるいは、先ほども言いましたが、土地税制の改善、こういったような諸施策を総合的に推進しておるところでございますけれども、大変むずかしい問題でございますので、今後とも、あらゆる施策を総合的に展開するというようなことで対処してまいりたいと考えております。
#129
○二宮文造君 いま第四期の住宅建設五カ年計画というのが審議されている最中ですからちょっとむずかしいかもわかりませんけれども、それに合わせて六十年までに新規の宅地の必要量というのは一体どれぐらいにお考えになっているのか、これはちょっと計算がむずかしいかもわかりませんけれども、おおむねで結構です。
#130
○政府委員(宮繁護君) 現在、住宅の五カ年計画の見直しをやっておりますので、実は、これに合わせまして現在検討いたしております。
 それで、いまの五カ年計画では約六万六千ヘクタールの新規の住宅宅地が必要だと見込んでおりますが、これはいわばきわめてマクロな数字でございます。今後は、もう少し府県レベルまでおろしまして、昭和五十六年度から六十年度までの前期の五カ年、それから六十一年度から六十五年までの後期の五カ年、合わせまして十カ年を計画期間といたしまして宅地需給の見通しをつくっていきたい。これは御承知のとおり宅地の造成にはかなり時間がかかりますので、五カ年の計画では短過ぎるというようなことで十カ年を考えております。宅地の実態を把握したり、また国民のニーズが那辺にあるかを探求し、また取得能力その他の点も十分考えまして将来の宅地の水準を設定する。同時に、全国計画の三全総というのがございまして、これでは五十一年から六十年まで約十二万八千ヘクタールの住宅地の必要量を見込んでおりますけれども、これも非常にマクロの数字でございますから、こういった三全総の計画とか、あるいは首都圏、近畿圏、中部圏、それぞれ圏域別の計画もございますし、そういった計画あるいは社会資本の五カ年計画等もございますから、そういうものを十分踏まえた上で府県別の人口計画、住宅計画、こういうものを十分頭に入れまして宅地の需要を推計して供給とのバランスをとる、こういう作業を鋭意いま続けておるところでございまして、五十五年度中には見通しを得たいと考えております。
#131
○二宮文造君 三全総では五十一年から六十年まで、これは市街地における新規宅地が十二万八千ヘクタール、それから今度は五十一年から六十五年までを見通して十九万ヘクタール、こういうふうに宅地を計算されておりますが、しかし、いまの状況でいきますと非常にむずかしいという一言に尽きると思うんです。
 そこで、たとえば土地税制の緩和ということもいま盛んにおっしゃっておられましたけれども、それが果たして宅地の供給増加につながるかどうか、これも問題の多いところだろうと思います。たとえば住宅産業開発協会とかあるいは全国宅地建物取引業協会連合会、こういうところでは宅地供給の観点から都市計画法の線引きの見直しを求めている、これが非常に要望が強いわけですし、また、私も、あちこち歩いておりまして、ああ、あそこがなあというようなところが間々あるわけです。この点、線引きの見直しというものにどう対応されるのか、大臣には後で伺いますから、最初に都市局長に伺います。
#132
○政府委員(升本達夫君) ただいままでのところの線引きの見直しの状況について数字の御説明を申し上げさしていただきたいと思います。
 現在、線引きが行われております都市計画区域の数が三百十二全国でございまして、このうち現在見直しの対象として考えておりますのが二百九十七区域ございます。このうち、ことしの三月十五日現在におきまして、すでに線引きの完了いたしましたものが百七十六区域、現在手続中のものが十五区域、さらに今後調整を行い、線引きの修正が行われる予定のものが十六区域、それから五十五年度以降において線引きの修正が行われるべきものが三十五区域、その他残りの五十五区域については線引きの見直し検討を行いました結果、とりあえずはこのままでいこうという現時点で判断をいたしておる区域でございます。
 以上が線引き見直しの現行状況でございます。
#133
○二宮文造君 拡大比率はどれぐらいになります。
#134
○政府委員(升本達夫君) 先ほど申し上げました三月十五日現在までに完了いたしました百七十六区域について申し上げますと、拡大された分、それからさらに縮小された分差し引きでございますが、差し引きで申し上げまして、全国で三万六千六百十九ヘクタール、率にいたしますと四・九%の増ということになっております。
#135
○二宮文造君 それで、大臣、これはPRの面があると思うんですが、紙面そのものがPRの紙面で、それを直ちに大臣にぶっつけるのも大変恐縮ですけれども、日経の三月十四日の「トップに聞く」ということで、御承知のように大臣との一問一答が載っております。
 その中で、線引きの見直しについて、いろいろ宅地の供給について述べられまして、あるいは関連公共施設整備の促進とか、あるいは民間の宅地供給を計画的に進めるとか、公的あるいは公団による宅地開発とか再開発と並べて、「また市街化調整区域の線引き見直しと」大臣はこう言われておりまして、「打つ手はいろいろあります。線引き見直しについてはいろいろ言われながら、まだ東京は遅れていたわけですからね。これは都知事とも話をしまして、とにかく、東京都もやりますということになりました。実際、駅ができたとか何とかいうようなところが、宅地化が進められないというのはおかしな話で、今後も宅地供給という観点から調整区域の見直しはできる限りやりたい。」こういうことで、きわめて積極的な線引きの見直しについての大臣の所信をここで述べられております。
 で確かに線引きの見直しはやられておりますけれども、いま伺った話によりますと、拡大の比率というのはもうそう大してパーセンテージは大きくありませんね。昨年の見直し完了が百五十九、それでプラス・マイナスして四・八%の拡大の率。それが先ほどまた時点を変えて百七十六とおっしゃいましたか、完了したのが。そして四・九ということですから、若干伸びておりますけれども、しかし、まだ線引きの見直しの問題についてはもう少し積極的にやらなければならないと思うんですが、この点はいかがでございますか、大臣の所信を。
#136
○国務大臣(渡辺栄一君) 先ほど計画局長が申しましたように、税制緩和とあわせまして、いろいろな総合的な宅地供給策を講じてまいりますという中に線引きの見直しの問題ももちろん入っておるわけでございますけれども、私は、そういう意味でこの問題には非常な関心を持っておりますので、昨年、都知事と御懇談を申し上げましたときに、東京都はまだ実施をしておらないわけでありますから、これは鋭意ひとつ宅地供給を促進するという意味で、そういう観点に立って見直しをしていただきたい、やりましょうというお話が初めてだと思うんでございますが、前進を見ることになったと思っております。
 そこで、都市計画法におきまする市街化区域及び市街化調整区域の区分、すなわち線引きでございますが、おおむね五年ごとに実施をされるということになっておりまして、都市計画に関しまする基礎調査の成果に基づきまして見直しを行うというたてまえにいたしております。現在進めております見直しにつきましては、一般的には市街化区域内の人口が当初想定したほど増加していない、市街化区域内に農地等の宅地化可能区域が相当残存しておるというような事情がございまして、新たに市街化区域に編入するところにつきましては、もう現在は、宅地供給促進の観点から、良好な宅地供給が計画的に行われるいわゆる開発区域を中心として行うという方向で指導をいたしておるところでございます。
 なお、良好な住宅宅地の供給が非常に重要な課題となっております大都市地域につきましては、現在、昭和五十四年十二月三十一日の資料によりましても、先ほどのような全国的には数字になっておりましても、三大都市圏八千九百ヘクタール、首都圏五千五百ヘクタールということでございまして、これを非常に必要とする地域が、お話しのように、まだ拡大をされておらないわけでございますので、そういうような大都市地域につきましては、特にひとつ計画的な住宅宅地供給に資する、こういう点を重点といたしまして私は対処してまいりたい、かように考えておりまして、良好な住宅宅地供給に直接つながる地域につきましては、市街化区域への編入または開発許可について弾力的に対応するように強力に指導してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#137
○二宮文造君 そういう計画的な宅地開発の停滞、いまの話も含めまして、問題は、地価が非常に騰勢を強めているということが大変心配されるわけです。最近の地価の動向について、土地局長。
#138
○政府委員(山岡一男君) 一番最近の地価の動向を示す情報といたしまして一月三十一日に土地鑑定委員会が発表いたしました地価動向調査がございます。これは全国から五百五十地点を選びまして、四半期ごとに鑑定結果を公表するものでございますが、それを累計いたしますと一年間の変動率の大まかな推定ができます。
 それによりますと、全国では昨年一年間で九%の上昇ということになっております。その中で住宅地が一一・五%、商業地は五・六%、調整区域内の宅地が四・五%というふうに相なっております。で平均を超えておりますのは住宅地でございまして、さらにその住宅地の一一・五%を超えておりますのは三大圏の一五%ということでございまして、大計市地域におきまして住宅地の上昇値が高いというのが現状でございます。間もなく一万七千地点を超えます点を対象といたします地価公示を四月の初めにいたしますが、恐らく大勢は余り変わらぬだろうというふうに考えております。
 このように大都市の住宅地域の上昇値が高いという原因でございますけれども、交通体系の整備とか公共事業の進捗等による効用の増大というものもございますけれども、先生御指摘のように、住宅地に対する需要に対しまして供給の不足ということが主な原因であろうというふうにただいまは考えておる次第でございます。
#139
○二宮文造君 いま土地局長から公示地価のいわゆる動向、このお話があったんですが、それは一月の三十一日ですね。ところが、その前の一月の十四日に、これは民間ですけども、ミサワホームの総合研究所が発表しました店頭価格調査、あの店頭価格調査によりますと、首都圏の年間の上昇率が平均二八%、土地局長が言われたのは、東京圏では住宅地は一六・四%とおっしゃいましたけれども、店頭の価格調査では首都圏の平均年間上昇率が二八%、近畿圏が平均一九・六%、こういうふうな数字が出ているわけです。これをとりますと、これはもうまさに四十七年、四十八年当時の異常な土地ブームを背景にしたいわゆる狂乱地価、これに近い値上がりですね。ですから、たとえて言いますともう地価はいわゆる警戒水域を超えて危険水域に入ってきた、こういうふうに見ざるを得ないわけですが、どうですか。
 四月の公示価格のあれも大したあれにはならぬということは一月の三十一日の数字を頭に置いていらしているわけですが、民間ではありますけれども、店頭価格調査との間に相当乖離がありますね。ですから、少し土地価格に対する認識が楽観的じゃないんだろうかというふうな感じがいたしますけれども、今後の見通しはどうですか。
#140
○政府委員(山岡一男君) 先生のいまのお話の中にございましたミサワホームの分でございますが、これも先生のお話にもございましたとおり、店頭表示価格を聞き取り、もしくは歩いて書き取ったということで、いわゆる呼び値だと言われているものだと思います。特に中身といたしましても、ミサワホームは五十三年の十二月一日から五十四年十二月一日を対象にしたというふうに申されておりますし、特に東京圏とおっしゃるのは東京通勤圏ということだそうでございまして、直ちに比較は困難かと思いますけれども、私ども、店頭価格というので直ちに取引が行われているというふうには思っておりませんので、やはり地価公示を基準にした価格が基準ではないのかというふうにいまでは思っております。
 ただ、四十七、八年当時と現在と相当違う点がございます。四十七、八年当時の地価上昇はいわゆる過剰流動性をバックにいたしまして全地域、全地目にわたりまして三〇%を超えるような大幅な上昇があったわけでございます。それに対しまして最近の地価動向調査によりますと、先ほど申しましたとおり、全国計では九%ということでございまして、四十七、八年当時のような事情とは相当さま変わりをしておるというふうに思っております。
 さらに四十七、八年当時になかった三つの対策が現在とられております。一つは、四十九年に施行されました、現在私ども担当さしていただいております国土利用計画法の制定等でございます。それからもう一つは、短期譲渡所得の重課等によります投機の抑制のための税制でございます。もう一つは、土地関連融資の抑制でございます。この三つの対策がとられておりますので、四十七、八年当時のような状況とは根本的に状況が違っておるというふうに思っております。
 今後の地価動向の見通しでございますが、長期にわたっての見通しは大変困難でございますが、当面の見通しといたしましては、金融等の地価に関連する諸指標の動向等から見まして、四十七、八年当時のような狂乱地価は絶対ないというふうに私ども考えておるわけでございます。ただ、今後の地価動向につきましては監視をさらに強化する、そして地価安定のための先ほど来出ておりましたような総合的対策を力を合わせて強力に推進していくということが目下の任務であろうというふうに考えておる次第でございます。
#141
○二宮文造君 土地局長といささか認識を異にするんですが、店頭価格は呼び値であると、非常にもうあっさり片づけられましたけれども、しかし、それじゃ公示価格に対する一般の人々の信頼度というのは、あれはもうまさに参考資料にしかすぎないと、むしろ店頭価格を呼び値と土地局長はおっしゃったけれども、それに対する信頼度と公示価格に対する信頼度と比べますと、公示価格に対する信頼度の方がはるかにないんですよ。ですから、そういうものの数字を並べて四十七年、四十八年の狂乱時代には及んでいないというところに、私は、あなたの地価に対するまだひとつ楽観的なお考えがあるんじゃないだろうか、これがまた地価の急騰に拍車をかけるようなことになりゃしないかと思うわけです。
 しかも当時とは状況が違うと、いわゆる国土利用計画法が制定されたと。じゃその国土利用計画法に私問題を移してみたいんですが、いわゆる規制区域の活用というものが規定されております。で投機的な取引が相当範囲にわたり集中して行われるおそれがあり、地価が急激に上昇するおそれがある、よく言われております「おそれ」「おそれ」ですね。その場合において、この利用計画法の指定は可能なんですか、どうなんですか。
#142
○政府委員(山岡一男君) 国土利用計画法十二条で言います「おそれがある」という場合でございますけれども、単にその危険が考えられるとか、その可能性があるということではございませんで、私ども、その地域におきます地価の趨勢、土地利用の変化の動向、特に将来におきます土地利用の見通しなどから見まして、土地の投機的取引が行われたり、地価の急激な上昇等が生ずることが客観的に見て相当程度確実であるという場合がおそれがあるということであろうと思っております。しかし、このような意味でのおそれがございまして、投機的取引の相当範囲にわたる集中、それから地価の急激な上昇の双方についてあるというような場合には、客観的に認める場合でございますけれども、規制区域の指定の要件には該当するんだというふうに考えております。
#143
○二宮文造君 それじゃ具体的にお伺いいたしますけれども、地域振興整備公団のニュータウンとかあるいは関越自動車道のいわゆるビッグプロジェクトがこうがっちゃんこした、そういう新潟県の長岡市とか、あるいは東北・上越新幹線に新交通システムの併設が決定した埼玉県の伊奈町、これは新聞等の報道によりますと非常に宅地が急騰をした。しかし、規制区域の指定はされておりませんね。じゃ指定要件のどこが欠けていて、こういう急騰した地域においても規制区域の指定ができなかったのか、あるいはしなかったのか、この点御説明いただきたい。
#144
○政府委員(山岡一男君) 先生おっしゃいましたいずれの場合におきましても、これらの開発を見越した地価の高騰もしくは土地取引の投機化の可能性というものが考えられるということでございまして、これらの地域におきます取引の動向、それから地価の動向につきまして、先生御案内でございますけれども、規制区域指定のための事前調査というのを行っております。
 特に、埼玉県の伊奈町につきましては、埼玉県において普通の事前調査よりも特別に濃密な監視を現在も行っているところでございます。これらの調査計画を見ますと、いずれの地域におきましても、土地取引につきまして特に異常な動きがあるとは認められない。規制区域の指定要件である土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中し、またはそのおそれがあるという事態に立ち至ってはいないというふうなのが現在までの報告でございます。しかしながら、確かにこれらの地域につきまして監視を要する区域であることについては否めないと思います。したがって、今後とも、県当局と緊密に連絡をとりながら、その対応に遺憾なきを期していきたいと考えております。
#145
○二宮文造君 これは私もちょっと理解できないんですがね。たとえば伊奈町の私新聞の切り抜きを持っているわけですが、五十三年五月の入札で一平方メートル当たりの最高価格が五万五千百四十三円。
   〔理事茜ケ久保重光君退席、理事増岡康治
   君着席〕
 ところが、新交通システムが入ってくる、あるいは東北・上越新幹線にガイドウエーバスが併設されるというような条件が加わって、最高値が九万千六百円にはね上がった、こう言われておりますね。これは急騰じゃないんでしょうか。五十三年五月の入札では五万五千百四十三円、そして十一月これが九万千六百円、大変な値上がりじゃないんでしょうか。
#146
○政府委員(山岡一男君) 伊奈町におきますその事例でございますけれども、伊奈町の地域の中には市街化区域が二カ所ございます。その中の土地区画整理の場合の保留地の処分におきまして、そういう事態が起こったことは事実でございます。実際には募集分の四十五倍、二千三百八十一件という申し込みがございまして、落札価格も予定価格を大変に上回るという事態があったことは事実でございます。これは広く公告を行いまして多数の申込者を一括いたしまして行った入札という特殊な状況によるものであろうというふうに思っております。直ちにこれらから投機的な土地取引が集中して行われたということには当たらないとは考えておりますけれども、さらに県といたしましてもいろいろな是正措置を講じましたが、われわれといたしましては、これを一つの警鐘として受けとめまして、埼玉県当局と緊密な連絡をとりまして濃密な監視の態勢をとったわけでございます。さらに保留地売却方式の改善等の措置も将来にわたって講じていただくことにいたしました。これらの措置の効果もございまして、その後、異常な取引は行われていないというふうに報告を受けているわけでございます。
#147
○二宮文造君 私、先ほどの日にちを訂正しておきます。前回は五十三年の五月、それから今回は五十四年の五月、一年たった二回目の入札で、これは訂正しておきます。
 しかし、その後は大したことはないとおっしゃいますけれども、これが一つの前例になって、土地価格というのは、一たん高値が出ますと、それ以下には絶対にならない。むしろそれを土台にしてはね上がっていく、しかも倍率のパーセントは大きい、これだけはひとつ御承知いただきたいと思うのです。
 それで国土庁の発表の地価変動率表によりますと、五十四年一月一日から五十五年の一月一日の間に、先ほどもお話があったように、住宅地が東京圏で一六・四%、大阪圏で一二・九%、名古屋圏で一三・六%と上昇している。私はこれはやっぱり急激に上昇したと見ざるを得ないと思うのですが、これはその中で規制区域の指定要件を満たすような地域はなかったとこう御判断になりますか、これは三大各圏の平均ですから。
#148
○政府委員(山岡一男君) 御指摘のとおりでございまして、大都市地域におきます住宅地中心という意味の値上がりは相当あるわけでございます。宅地需要に対しまして効用の増または供給の不足ということがその主因であろうと思っておりまして、規制区域指定の要件である投機的な土地取引が行われる徴候は、いまのところ、ないというふうに考えております。
 現在、土地取引の蓋然性の高い地域につきましては、先ほども申し上げましたとおり、規制区域の指定事前調査を全国で二百三十七カ所について実施をいたしております。この結果によりましても、投機的な土地取引が行われている徴候が認められないというのが最近までの受けておる報告でございます。
 また、最近の土地取引の動向等を見ましても、売買による土地所有権の移転件数、これが昭和五十年以降、全体としてはおおむね安定的に推移をしておる。最近やや増加の傾向を見せておりますけれども、住宅着工等の土地の実需要に対しましてバランスのとれた動きを示している。それから大都市の周辺部及び地方都市を中心とした昭和四十七年、四十八年当時の上昇とは若干さま変わりいたしておりまして、最近の地価上昇は比較的都心に近い住宅地に集中している、この点から見ても実需を反映したものだと考えられます。
 それから国土利用計画法によりまして届け出案件がございますけれども、利用目的別の構成を見ましても、住宅地それから資産保有等の構成比を見ますと、大きな変化が見られず、実需に基づかない取引が増加しているというようなものはその面からも見られないわけでございます。
 それから、さらに四十七、八年当時、企業がきわめて旺盛な土地の買収を行ったわけでございますが、最近の企業の土地保有状況を見ましても、販売用地はむしろ減少いたしておりまして、売りに回っているというような状況でございます。
 それやこれやを合わせ判断いたしますと、投機的な土地取引が現在行われているおそれはないのではないかというふうに私ども判断をいたしておるわけでございます。しかし、こういうものはいつ起きるかわからないという点もございます。先ほど申し上げましたような三のつ対策をがっちりやっている限り私ども問題はないと考えておりますけれども、地価の動向につきましては絶えず監視をすることが必要でございます。したがいまして一層監視を強化いたしまして、必要な場合には機動的に規制区域の指定ができるように、本制度の運用に万全を期していきたいと考えておる次第でございます。
#149
○二宮文造君 ちょっとさかのぼりますけれども、五十三年の六月八日に、私は、本委員会で調査のあり方についてただしまして、規制区域指定事前詳細調査とは別に、今度は新規に二十四地域を対象にした規制区域指定事前特別詳細調査費、これが予算計上されています。そうしますと、前のいわゆる事前詳細調査とそれから今度の特別詳細調査、これはどう違うのか、また、その予算計上の必要性というものについて御説明をいただきたい。
#150
○政府委員(山岡一男君) 規制区域制度の適確な運用を図りたいということで、先生いまお話しございました事前詳細調査をやってまいったわけでございますが、これは蓋然性の認められる地域は網羅できるようにということで運用してまいりましたので、対象は相当広くとって実施してまいっております。そのために、たとえば四半期別の調査なども中に入っておりまして、調査の精度なりスピード等の面では限界がございます。この結果のみによって直ちに規制区域の指定を行うのは不十分じゃないのかという先年度の先生の御指摘もあったわけでございますが、私どもも、最近の地価動向等にかんがみましてこの内容の充実を図ることにしたいと考えたものでございます。
 埼玉県の伊奈町などの経験等にかんがみまして、実際に伊奈町で地点数を相当ふやす。月ごとにいろんな指標を全部見る。それから、たとえば取引の内容も仮登記に至るようなところまで細目まで見る。さらに取引の内容等についても立ち入って調査をするというようなところまで実は伊奈町でやっておるわけでございまして、そういうものを全体として生かしたいというのが来年度から要求いたしておりますいわゆる特別詳細調査でございます。
 所要の予算として二十四地域というのを要求いたしておりますけれども、これは現在のところ二十四地域候補地があるというわけではございませんで、二百三十七の約一割ということで二十四地域の予算を計上しているものでございます。必要がございます場合には、これはもっと運用上はふやしてもいいと思っております。
 ただ、特別詳細調査におきましては、先ほども触れましたけれども、従来の調査に比べまして地価動向調査を大幅に拡充をしたい。四半期ごとに把握したデータを月別にまとめるようにしたい。計数的なデータのほかに土地取引の内容に立ち入って調査を行う等の事項を加えることにしたいというようなことを内容にいたしまして、詳細にわたり、かつ迅速に土地取引の動向を把握することができるように、現在も内容について検討をいたしておるところでございます。
#151
○二宮文造君 いまの答弁を整理してみますと、事前詳細調査だけで指定の網をかけるというのはいささかどうかと思う、したがっていわゆる特別詳細調査、これをやるべきだと。とすると、特別詳細調査を実施する二十四地域というのは、一体、どういう地域なのかということが一つ問題になってきますし、あわせて一月の十八日の閣議で国土庁長官の方から「高騰を続ける地価に歯止めをかけるため、規制区域の指定を検討する」こう非常に強い姿勢で発言をされておりますけれども、この国土庁長官の発言とそれから特別詳細調査をやるべき二十四地域、この関係をどう理解したらいいのか、これはいかがでしょう。
#152
○政府委員(山岡一男君) 特別詳細調査につきましては、先ほど申し上げましたとおり、従来から行っております規制区域指定事前調査の地域別の調査、全国二百三十七従来やってきたわけでございますが、そういうものの結果、地価の高騰及び土地取引の投機化の蓋然性が特に強いと判断される地域につきまして、濃密な監視を実施し、必要がある場合には適時適切に処置がとれるようにということとあわせまして、取引の投機化をも牽制する効果もあろうかというふうに思って行うものでございます。したがいまして、その対象地域につきましては、今後、地域別調査の結果を中心といたしまして、地域ごとの必要性に応じまして、その都度、定められるものだと思っております。現在、具体的な対象地域として定めておるわけではないわけでございますけれども、最近の地価及び開発の状況等から見まして、実際には三大圏とか大規模な面的開発計画が重複するような場合、そういうところにウエートを置いて考えることになるかなというふうに考えております。
 これにつきましては、昨年来先生の御指摘もございましたので、土地取引の動向監視システムというのを新しく体系づけて新年度から実施したいと考えております。
 考え方の基本といたしましては、まず全市町村につきまして概況調査をやる。概況調査の結果、監視の要否が出てきました場合には地域別調査に移る、これがいままでの事前調査でございます。その中身といたしまして、土地取引指標、地価動向指標、開発動向指標等につきまして分析をいたしますし、それから四半期ごとの土地取引の動向、地価の動向についての指標を得る。さらに、特別な監視の要否が判定されました場合には、特別詳細調査に移る。こうなりますと、地点数もふやしますし、中身も一カ月ごとにいたしますというようなことで濃密な調査をしていきたいということでございます。
 なお、御質問の中にございました閣議における長官の発言でございますけれども、規制区域制度の趣旨に沿い、土地取引の動向については絶えず監視を行って、必要な場合は機動的かつ効果的に規制区域の指定を行うという考え方に立って本制度の運用に当たるという決意を述べたものだというふうに長官からも聞いております。具体的な地域を念頭に置いて発言されたものではございません。
#153
○二宮文造君 要するに、規制区域の指定というのは、地価の抑制を図るということをその主眼に置いた伝家の宝刀みたいなものですね。
 ところが、お話を聞いていますと、非常に慎重の上にも慎重で、われわれから見ますと、投機的な取引が行われて現地の地価が上昇してしまって、その後で調査をして指定をしても、後の祭りで何ら効果を発揮しない。ですから、私が考えるのは、特別詳細調査を行わなきゃならぬような地域が仮にあるとするならば、むしろ法の趣旨から考えて、規制区域の指定を行って、そしてその投機的な取引や地価の高騰を早目に防いでいく、そういうところに法の趣旨がある。慎重にやられることは非常に結構ですけれども、地価の抑制と法の趣旨との関連から考えてみますと、どうも慎重に過ぎるんではないかという心配が出てきます。
 この件について土地局長にもし一言あれば伺いたいし、また、大臣の方も、この規制区域の指定の問題についてもう少しぱっぱとやるべきではないか、それがいま求められているんではないか、またそういう情勢ではないかなと、こう私は思うんですが、その件について締めくくっていただきたい。
#154
○政府委員(山岡一男君) 規制区域の指定につきましては、十二条に基づいて知事さんが原則として判断なさるというたてまえになっております。それも法律を読みますと、できるということで書いてあるわけではございませんで、「規制区域として指定するものとする。」という表現になっております。したがいまして、そういう事態があったときには遅滞なく指定なさるということだと思います。
 ただ、そういうふうに抜き打ち的に指定はできるわけでございますけれども、最終的には、二週間以内の土地利用審査会の判断を経まして、そういう判断で、その知事さんの判断が間違っておるというふうなことでございますと、さかのぼって効力を失うというような性格のものでございます。許可制度としましては、重大な私権の制限をもたらすものであるばかりではございませんで、私ども現下の急務でございます良好な住宅地の供給もしくは各種公共事業の施行等の実需に基づく取引にも相当影響を与えるということでございますので、その発動については、本当に投機という実態につきまして的確に把握した上で、要件に該当するかどうかというふうな判断を知事さんがなさることが必要だと思っております。
 そういうふうな知事の判断と、それから知事さんが新しい判断をなされる場合の武器といたしまして、特別詳細調査というようなものを非常に迅速、的確な動向把握を行うための手段ということといたしまして考えたわけでございます。今後のそういうふうなものの運用の面で、私は、大いに効果を発揮するというふうに考えておる次第でございます。
#155
○国務大臣(渡辺栄一君) 建設省としましては、宅地供給というのは住宅政策の前提でございますので、これを進めてまいりますのには、やはり地価の安定というものが最前提であると思います。また、最近の経済情報を見ますと、私は、物価の高騰というものは、一面におきまして、このような厳しい宿命的な土地の少ない日本でありますから、それはどうしても土地に志向してくるという意味で、それが地価の高騰におのずから影響を与えましょうし、それがまた場合によりましては非常にインフレ傾向に拍車をかけるということも憂慮せねばならぬと思っております。
 私は、閣議で国土庁長官から発議がありましたときには、即座に賛成の意を表した一人でございます。同時に、国土利用計画法の制定におきましても、与野党議員の皆様と一緒になりまして、その成立に努力をいたした一人でございます。したがいまして所管庁としてこの運用について非常に慎重を期せられるのは当然なことでありまして、私どもよく理解をいたすところでありますけれども、そういうような意味におきましては、私は、やはりこの特別詳細調査はどしどしやる、同時に、調査の結果必要であると判断をされる場合には、必要な措置を講ずべきものである。お話がございましたように、伝家の宝刀という言葉がございましたけれども、これはもういつでも抜ける、いつでも抜くよという姿勢でなければ、私どもは、この法律をつくった意味がない、こう思っておりますので、そういう強力な姿勢で私は臨んでいただきたいということを念願しております。
#156
○二宮文造君 時間が来ましたが、肝心の法案の改正の問題について若干触れておきたいんです。
 今朝来、もうすでに問題点の二点はあらゆる角度から御検討がありまして、たとえば「政令で定める者」――六十歳以上の老人あるいは身体障害者あるいは生活保護受給者、さらには戦傷病者、五十歳以上の女性と、この件については独身女性の場合の年齢制限を四十五歳までに引き下げたらどうかという御意見もあったようですが、私も同感でございます。これは一つ加えておきたいと思います。
 それから、大体、傾向として単身世帯が非常にふえていく傾向にあることも事実でございますので、新たに単身者向けの公営住宅の建設というものも配慮すべきではないか。お話を伺いますと、小さいものを大きく建てかえて、あいたところにというふうなお考えが先に立っているようでありますけれども、先ほども申し上げたように、単身世帯がふえていくという傾向の中で、あながち建てかえという、そして空き家になった分を充てていくということだけで処理できるかどうか、これは非常に私は疑問になると思いますので、この独身女性の年齢の引き下げの問題とか、あるいは単身者向けの公営住宅を新たに建設する、こういうことについての大臣の御所見をまずお伺いしたいと思います。
#157
○国務大臣(渡辺栄一君) 先ほど以来いろいろ御議論のあるところでございますが、婦人の五十歳以上というのは四十五歳以上にしたらどうかというような御意見もあったわけでありますが、今回は、局長が説明いたしましたように、社会的に不利な情勢におられまする婦人の皆様を一応五十歳ないし五十九歳と想定いたしておりまして、それらを含めまして住居の問題を解決してあげるというような意味で、当面、五十歳以上というふうに今回は政令で決めさせていただきたいと思っております。
 同時に、単身世帯がふえておりますことも承知をしておりますが、年々三万戸程度の供給ができるのではないかという御答弁も申し上げておるわけでございますけれども、私どもも、今後、全体的な住宅政策を推進していく立場におきまして、これらの問題につきましても十分ひとつ配慮に置きまして検討を進めてまいりたい、かように考えております。
#158
○二宮文造君 済みません、もうあと二問あります。
 一つは、非常に細かいことですが、こんなことでいいのかなと思う問題なのでお伺いしますが、公営住宅建設の基準では、十九条の第一項に浴室を設けなければならない、こう規定されておりますが、現在の公営住宅には、いまは浴室が設置されていると思います。しかし、浴室はあっても浴槽がない、こういう公営住宅が多いんですが、これは、一体、浴室を設けなければならないと規定していて、浴室のスペースはつくっていて浴槽は御勝手にということはちょっといただけないようなやり方じゃないかと思うんですが、この点はどうですか。
#159
○政府委員(関口洋君) 現在建設されております公営住宅には、先生御案内のとおりに、すべて浴室が設置されておりますが、浴槽につきましては、それぞれの事業主体が地域の実情を考慮して対処するというたてまえにしておりまして、実際に事業主体みずからが浴槽を設置している公営住宅の割合は二割程度ということでございます。この理由でございますけれども、いわゆる浴槽はある一定期間がたちますと取りかえたり、浴室と違いまして恒常的なものではないので入居者に御負担をいただく。もし仮に公営住宅の事業主体の方で設置するという場合に、設置した例をいろいろ調べてみますと、いわゆる維持修繕をどうするかというような問題等もあって、実際には二割程度にとどまっておるというのが実情でございます。
#160
○二宮文造君 ですから、それはお上の仕事じゃないですかね。建設基準じゃ浴室は設けなきゃならぬ、字が浴室だからスペースだけつくりゃいいと。費用をどこが持つかどうかということはこれはまた政治の決める問題でしてね、入居者から見ますと、こんなことでいいのかというふうにやっぱり政治不信につながってきますので、これはひとつ善処をして、ましてや今度単身者に開放される場合、対象が六十歳以上のお年寄りとか、五十歳以上の独身女性とかという方々が対象になるわけですから、特にこういうことには配慮をしていただきたい。
 それから、次に、第二の柱であります建てかえ事業の戸数の要件の緩和ですが、これもお話し合いがございましたので一点だけにして終わりたいと思いますが、従来九五%であった起債充当率が五十五年度から一〇%減の八五%になった。これはいろいろ理由があるんでしょうけれども、しかし、建てかえを進めていく上にいろいろの財政的な負担も出てきましょうし、やっぱりこれを前向きに進めていくためには起債充当率を従来のように回復する努力をされるべきではないか。この点はひとつ大臣にその努力をお願いし、また大臣の所信を伺って終わりにしたい、このように思います。
#161
○国務大臣(渡辺栄一君) 昭和五十五年度の公営住宅建設事業の起債の充当率が九五%が八五%となりましたのは、私は、厳しい五十五年度の財政事情の中で地方財政の情勢を踏まえましてその健全な運営を図るためにとられたものでございまして、地方財政全体の見地から講ぜられました措置としては私は理解をいたしておるつもりであります。なお、これによりまして公営住宅の建設の推進に大きな支障を来すことはないものというふうに私は理解いたしておりますが、今後の財政事情その他を十分注意をいたしまして、これらの問題がいろいろと考慮すべき必要を生じましたときには格別の配慮をせねばならぬ、かように考えておる次第でございます。
#162
○上田耕一郎君 私は、ただいま議題となりました公営住宅法の一部改正問題と、若干時間が余りましたら都市整備公団問題についてお伺いしたいと思います。
 まず、公営住宅法の第十七条の改正問題ですが、御承知のように、これまでも非常に大きな問題になってきた問題です。戦後、核家族化が進んだわけですけれども、住宅は狭いということでお年寄りの住む部屋が公営、公団ともほとんど考慮されていないということのために、たとえばお年寄りのたらい回しだとか、あるいは家出だとか、家を出て民間アパートに入ると今度は追い立てを迫られるというようなことで、ひどい場合には自殺というような非常に悲惨な社会問題も多かったわけです。福岡ではひとり暮らし裁判と言われる問題で、公営住宅法の第十七条は憲法違反ではないかという裁判も行われているという事実もあります。それから障害者の問題でもやはり公営住宅に単身入居は認められていなかったために、ひとり暮らしのお年寄り以上に非常に悲惨な事件が多かったわけで、身体障害者の方々の最大の悩みの一つは住宅問題だと言われております。中野、広島などでの調査によりますと、単身の身障者の場合、約半数が公営住宅への入居を希望しているという調査結果もあるわけで、これまで非常に大きな運動も起きてまいりましたし、私どもも国会で取り上げてまいりましたし、去年は参議院で建設委員会では請願も採択されるという事態でした。この点で多少遅きに失したという残念さは残りますけれども、ようやくこの第十七条の改正が日の目を見たということは私どもも大変よいことだと考えております。
 それで午前中から幾つかの質疑がありましたが、まず、この法律が改正されると自治体が条例で入居資格を決めていくことになると思うんですけれども、その自治体が条例で決める入居資格との関係ですね、これはどのようにお考えなのでしょうか。
#163
○政府委員(関口洋君) 公営住宅の入居者の具備すべき条件というのは、やはり公営住宅行政の基本にかかわる問題でございますので、その基本的な範囲については法律、あるいはその細部は政令というもので規定をしておるわけでございます。
 なお、いま先生御指摘の地方公共団体の条例におきましては、法令に規定された入居者の具備すべき条件以外に、いわば条件を付加するということになっておりまして、実際に調べてみますと、条例で付加している要件は、東京都の場合は、たとえば東京都内に居住していることだとか、それから兵庫県の場合は、現に県内に住所または勤務場所を有する者であること、ということで居住要件が加わっておるというのが通例でございます。
#164
○上田耕一郎君 お年寄り、それから身障者その他の者で政令で定める内容としては、戦傷病者、六十歳以上、身体障害者、生活保護受給者、五十歳以上の女子ということになるというんですけれども、こういう方々の場合、やっぱり家賃減額という問題が当然起きると思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#165
○政府委員(関口洋君) 生活保護を受給されておる方につきましては、私ども、第二種公営住宅という制度を用意しておりますし、たしか厚生省の方で生活援護措置の中でその家賃等についても見ていただいておる、かように承知いたしております。
#166
○上田耕一郎君 さて、どういう入れ物になるかという点ですけれども、午前中からも大体これまでの空き家を充てるということで約三万戸というような数字を答弁されておられるわけですけれども、空き家が発生するというんですが、この空き家ですね、どうしても年度の古いところが多いわけですね。そういうところにこういうお年寄り、それから身障者の方々が入っていくということになると、古い空き家ばかり充てていくということになると将来いろいろな問題も起きかねないので、やはり新規建設というものも考えていかなければならないと思うんですけれども、その供給計画あるいは新規建設の計画、この点はどういう展望をお持ちでしょうか。
#167
○政府委員(関口洋君) 先般来御説明さしていただいておりますように、当面は、空き家で約三万戸程度発生するものと思っておりますので、これによって対応をさしていただきたい。
 将来の問題として、どういう展望を持っておるかということでございますが、この点につきましては現在の住宅宅地審議会の審議の検討結果等を待ちまして、どういうふうに位置づけていくか検討さしていただきたい、かように考えております。
#168
○上田耕一郎君 新しく住宅建設五カ年計画がつくられることになりますけれども、その中では、こういう単身入居者のための新規の供給計画、こういうものは当面考えていないんでしょうか。
#169
○政府委員(関口洋君) くどいようでございますけれども、当面は、いままでの既存住宅を単身用に振り向けるということで間に合いますので、かなり先の問題として検討を進めにゃいかぬ、かように考えております。
#170
○上田耕一郎君 かなり先の問題というと、次の五カ年計画ですね、これは含まれていないんですか。
   〔理事増岡康治君退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
#171
○政府委員(関口洋君) いま当面の検討としては、特別予定をいたしておりません。
#172
○上田耕一郎君 やはり実際を見てということになるかもしれませんけれども、積極的に検討をぜひしていただきたいと思います。
 それから次に、建設省が五十三年三月に「公営住宅への単身入居に関する調査」をおやりになった。その調査の結果を見ますと、大きな自治体、大事業主体はこの単身入居に関して積極的だというんですけれども、自治体の数で言うと、中小になるんでしょうけれども、半数以上は消極的だと。その理由は、管理上問題が多い、発病だとか事故だとか、こういうものが予想されるためというデータが出ていると言われておりますけれども、この問題について、建設省としては、そういう一部自治体の消極意見、これは大体解決できたと考えておられるんでしょうか。
#173
○政府委員(関口洋君) この五十三年のときの検討は、いわば公営住宅への単身入居問題に取り組むとしたらどういう問題が予想されるかという点が主として議論されたものでございまして、むしろ私の方から積極的に意見を言うというよりは、現実に公営住宅を管理しておられる事業主体の方から虚心坦懐に問題点を指摘していただいて、私の方がその対応策を考えるという立場でまとめたものでございます。したがいまして各事業主体から率直な御意見が出まして、その中の大きな問題点として、ただいま先生御指摘の問題が出たわけでございます。
 それ以後、私どもも厚生省と御相談をし、さらに各公共団体でも厚生担当部局と御相談をしまして、今後のいわば連絡協調体制がほぼ整った、かように思いますので、今回、公営住宅法の改正に踏み切った、こういうことでございます。
#174
○上田耕一郎君 踏み切ったのは非常にいいことなんですけれども、言われている管理上の問題ですね、発病とか事故とか、こういう点については、建設省としては、どういう積極的な対処方針をお持ちでしょうか。
#175
○政府委員(関口洋君) 発病されたり、あるいは事故が起きる場合は、まず家族が別に住んでおられる場合には、その家族との連絡を早急にとり、さらにまた厚生担当部局の御援助をいただきまして、しかるべき治療方策を講じていただく。さらにまた、場合によっては、いわゆる寝たっきりというような事態が発生すれば、厚生援護施設への移転ということもあわせて検討する、かように考えております。
#176
○上田耕一郎君 厚生省の方おいでになっていますか。――ただいま厚生省ともいろいろ協議し、連絡し合ったと言われましたけれども、いまの問題について述べていただきたいと思います。
#177
○説明員(大西孝夫君) お答え申し上げます。
 厚生省におきましても、今回の法改正に伴いまして、いろいろ今後想定される問題につきまして、鋭意検討を内部的に進めておる段階でございますが、ひとり暮らしの老人がたとえば入居いたしました場合に、当然、体は弱ってまいりますし、いろいろそういう意味でそのひとり暮らしの生活が続けられるかどうかという面について、福祉のサイドから福祉機関あるいは福祉関係者が常時見守っていくという体制をつくることが必要であろうと考えております。また、不幸にしてそういう方々が、そういう配慮をした後、なおやはり入居していくことは困難になるというような事態がまいりました場合には、老人ホーム等の施設に入居できるように適切に配意していく、そういう体制も整えたい、そういう方向で現在いろいろ検討しているところでございます。
#178
○上田耕一郎君 いまの御答弁にもありましたように、対象がひとり暮らしのお年寄りあるいは身障者なのですから、やはり非常にきめ細かい配慮というのが今度の施策に本当に命を与えるために必要な問題だと思います。
 それで、その点に関連して、特に単身の障害者用住宅について幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 私、先日、予算委員会でも、国際障害者年に関連してこの問題でお伺いしたんですけれども、そのとき官房長から、障害者世帯を対象とする特定目的の公営住宅、これを五十四年度は六百十九戸建設しているという御答弁がありました。つまり、障害者世帯を対象とする特定目的公営住宅というのはこれまでもあったわけですけれども、これについてたとえば中央心身障害者対策協議会の第三。プロジェクトチームから「心身障害者の生活環境改善の方向」という文書も出ておりますけれども、この住宅はどのような指針に基づいて運用されておりますか。
#179
○政府委員(関口洋君) 公営住宅のうちの障害者同居世帯の住宅でございますけれども、これにつきましては、入られる方のことを考えまして、従来からスロープだとか手すり、あるいは車いすによる利用が可能な設備の設置、こういうものを個々具体の設計において配慮するように指導をいたしておりますし、また、規模の問題につきましても、いわゆる十五平米の規模増を特例として認めるということで、設備と広さ、そういう両面について配慮してまいっております。
#180
○上田耕一郎君 この文書を見ますと、やっぱりきめ細かい配慮が必要なことが書かれていて、たとえば視覚障害者向き、聴覚障害者向き、肢体不自由者向きの各住宅の設計の基本的考えについては次のようなことが必要だと――一々述べませんけれども、細かくいろいろ規定されております。それから、こういう「心身障害者向公営住宅においては、特別の設計がなされたものについては工事費の増額部分を国庫補助の対象とする。」ということが必要だということまで述べられているわけです。
 で、この特定目的公営住宅と今度新しく生まれることになる単身の障害者用住宅とは何が違うかというと、言うまでもなく、片方は単独で入居する、つまり健常者の助けなしに、障害者だけがひとりで単身で入居して生活するというケースになるわけで、文字どおりひとり暮らしの障害者ということになるわけです。その意味では、特定目的公営住宅に関してこの第三プロジェクトチームがいろいろ配慮が必要な問題を述べている以上に、さまざまな新しい問題点が必要になってくるということなので、せっかく制度面でこういう入居への道を開いたわけですから、単身用の住宅のためにも具体的なプラン、指針、そういう理念が当然必要になってくると思うんですが、現状のままでは、さあ空き家があいたというので、じゃ単身の障害者の方どうぞといっても、さて聴覚障害者の方あるいは視力障害者の方、肢体不自由者の方に、さあそのまま入れますよというような空き家がないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#181
○政府委員(関口洋君) ただいま御説明しました、いわゆる特定目的の、障害者の方と同居している世帯が入られる住宅と今度の単身入居との関係につきまして、私ども配慮すべき点は、たとえば障害の程度は同じ基準で考えるとしても、片一方の方は御家族の方がその障害者の方のいわゆる介護と申しますか、世話をきちっとしていただけるわけですが、お一人で入られる場合には、私ども、公営住宅を管理している事業主体の方では原則としまして、そういう能力がないわけでございます。したがいまして単身者用の公営住宅にお入りになっていただく方につきましては、障害の程度という要件とあわせて、実際に自立して御自分で生活が可能という要件もあわせて検討していかなきゃいかぬだろう、かように考えております。そういう意味から、大体、単身用でございますので、お入りになられる方は自立できる方ということを前提といたしまして、既存住宅の振り向けに踏み切ったわけでございます。
 自立できるという前提でございますので、若干の設備の改善、これは必要でございますけれども、そう大幅に全部つくり変えるという程度のものは必要なかろう、かようにいまのところは考えております。
#182
○上田耕一郎君 若干の設備の改善というのは、たとえば具体的にはどの程度ですか。
#183
○政府委員(関口洋君) 入られる障害者の方によりまして相当違うと思いますが、先ほど申しましたように、共通の要素としては手すり、それから廊下が滑らないようにするとか、あるいは車いすを御利用になる方のためには、これは当然二階、三階は無理でございますけれども、一階の場合でもスロープ式で昇降がある程度可能というような問題、さらには洗面関係の設備等について配慮をしなければならない、かように考えております。
#184
○上田耕一郎君 その点厚生省の見解はいかがでしょうか。
#185
○説明員(板山賢治君) 今回、単身入居の道を開いていただきましたことは、先生の御指摘のとおり、障害者の人たちにとりましては大変ありがたいことだと、このような声が寄せられております。
 御指摘の中央心身協で第三プロジェクトチームが作成しましたレポート、これは実は建設省も幹事方として参加をしていただきまして、一緒に検討をした結果でございます。障害者向けの住宅設備構造等につきましては、建設省といたしましてもこういった方向で御配慮をいただいている、大変に私たちも前向きな方向が出ていることを喜んでいるわけでございますが、身体障害者福祉対策の面からも、公営住宅の設備構造その他には限界がありますので、障害者のために、たとえば特殊浴槽というもの、先ほど浴室の話が出ましけれども、ふろ場を給付する、特殊浴槽の給付という、これは日常生活用具という名前のもとに身体障害者福祉対策として給付をすることの道が開けているわけでございますが、あるいは聾唖者のためにはサウンドマスターというようなものもある、いろんな日常生活用具なども給付することを通して、この公営住宅がより便利な形で使えるように障害者対策としても努力をしてまいりたい、このように考えております。
#186
○上田耕一郎君 建設省も御存じのように、これまで単身の障害者用住宅として、東京の中野区で民間アパートを借り上げてやった実例が一つあるわけです。私、この中野の身障者アパートを調査してみたんですけれども、全国最初のケースで恐らく他に例のない施策をやってみて非常に喜ばれているわけです。
 七八年十月に実施して、現在、二むね十八名が入居している。民間のアパートを区で借り上げて、それを又貸しする方式で、利用料としては収入に応じて三千円から三万円の十三ランクに分けてある。和室六畳、台所約三畳、あと押し入れ、水洗トイレなどがついていますね。中野ではいま十八室だが、さらにあと二むね建てて四むね三十二室までにしていきたいという抱負を持っているようです。実際にこの身障者アパートに入っている方の声を聞きますと、これまで民間アパートにいたんだが、両足が不自由で、二階に住んでいたので、階の上りおりに一番困った。トイレが和式で大変困った。その点、今度の身障者アパートは、トイレは洋式になったし、一階で便利だし助かる、家賃もおかげでほんのわずかで済むといって非常に喜んでおられました。
 こういう点で、自治体が一つのこういうことをやっているわけですけれども、いろいろ具体的にさまざまな施設を中野区でやってきましてね、火災予防のために各部屋に自動火災報知機を設置している。消火器もつけてある。呼び鈴は、耳の不自由な方のためにはブザーとともに点滅する予備灯というのもつけてある。それからガスコンロも安全性を考慮して区が設置してある。全部区の負担だ。それから建て主の方にも協力してもらって、建設の時点で手すり部分は安全に改良して段差をなくしたとか、階段も緩やかなスロープにしたとか、物干し場も下につくった。二階のベランダ部分は全部階段つきにして避難できるようにしたとか、いろいろ配慮をしているわけですね。
 こういう配慮というのがあって初めて喜ばれるわけで、いまの御答弁でも、いろいろ制約もあるけれども幾つかの範囲ではやりたいというお話でしたけれども、どうなんでしょうね、公営住宅建設基準をも見直して、先ほど私がもっと新規に立てろという供給計画の問題も触れましたけれども、それからまた家賃の問題も触れたんですけれども、住宅の構造、規格、設備、こういう点について建設基準を見直して、本当に単身身障者のために喜ばれる住宅にするということを進めるべきではないか、そういう配慮を行うべきではないかというふうに考えるんですが、建設省いかがでしょうか。
#187
○政府委員(関口洋君) 中野区の事例につきましては、中野区がいろいろ御苦心をなさっておられることについては心から敬意を表するわけでございますけれども、先ほど来御説明しますように、公営住宅の分野におきましても特定目的公営住宅といたしまして、設計その他できめ細かく配慮するということはいたしておるつもりでございます。
 問題は、そういう中野区方式をとるか、あるいは公営住宅としてそういうものを取り入れていくかという、どちらの道が一番いいのかという点になろうかと思いますが、私どもは、手前みそかもしれませんけれども、やはり公営住宅方式で、新しくつくる場合は当初からきちっとした設計をし、それから福祉担当部局とも連携を図るという意味で、今後とも、公営住宅の分野で積極的に対応してまいりたい、かように考えております。
#188
○上田耕一郎君 これは、大臣、いかがですか。先日、予算委員会で私の質問に対して一層努力してまいりたいと大臣から答弁をいただいたんですけれども、国際障害者年でもあり、今度の積極的な措置をすぐにではなくとも、やはり新規建設ということも当然問題になってくるし、基準の見直しも含めて、設備、構造など、これを始めればどんどんまた要求が出てくるわけで、その要求に積極的にこたえる姿勢をいまから整えておく必要があるんじゃないかと思うので、そういう基準、設備、構造の問題、ひとつ展望をお聞かせいただきたいと思います。
#189
○国務大臣(渡辺栄一君) 障害者年も迎えるわけでございますし、私どもも、できる限り身体障害者に対しまする福祉政策は進めねばならぬ、当然、住宅政策といたしましても、そういう配意をしてまいりたいと考えております。
 障害者同居世帯等が障害者の日常生活に適するような規模あるいは設備を有する住宅を確保することができるようにするということを十分考えてまいりたいと考えておりまして、従来より、障害者の同居いたしまする世帯に対しましては、規模、設備等の面で配慮した身体障害者世帯向け特定目的公営住宅の供給をいたしておるということは申し上げたとおりでございますが、さらに、公団住宅への入居の優遇あるいは住宅金融公庫の割り増し貸し付け等を行っております。また、単身の身体障害者につきましては、今回、公営住宅に入居できまするように新たな制度を改正いたしたいということで御審議をいただいておるわけでございますから、私どもは、今後とも、福祉行政との連携をとりながらこれら施策の充実を図ってまいりたいと思いますが、単身入居の制度は、今回、初めて法の改正等をお願いするわけでございますから、これらの制度が今後実際に運用される状態を十分把握いたしまして、その情勢を十分勘案しながら、将来に向かいましては十分ひとつ検討してまいるようにいたしたいと考えております。
#190
○上田耕一郎君 ひとつぜひ積極的にやっていただきたい、こう思います。
 それから、中野では、身障者アパートより先に、昭和五十年からひとり暮らしのお年寄りのアパート、これも実施している。これはいまでは世田谷、杉並、練馬にも広がっております。中野の老人アパートはいま七むね六十九室ですけれども、五十六年度にはもっとふやして十むね九十三室にまでふやしたいと。
 これはどうしてこういうのを始めたかというと、これは中野の区役所福祉課の人が「住宅」という雑誌の七九年五月号に「一人暮らし老人アパート調査報告」という論文を書いてますが、これを読むと、最初、区役所に、民間アパートにいたんだが追い立てを食ったというので、どうしたらいいだろうかと相談に来た人がいる。最初どうにもならなかったけれども、それから手をつけてこれを始めたというんです。この論文にある申し込み理由のデータを見ますと、立ち退き要求を受け住宅劣悪一六・七%、立ち退き要求を受けている三二・二%、住居が劣悪である三九%。だからやっぱり立ち退きを迫られているという人が五〇%ぐらいあるという状況なんですね。
 中野のこの老人アパート、身障者アパートは、いま建設省も評価しているというお話がありましたけれども、区の単独事業で、何の補助もないということなんですが、こういう自治体の積極的な施策に対して何らかの財政的援助、こういうのはできないんだろうかということ。同時に、先ほど空き家に対する単身者入居のための施設改善のお話もありましたけれども、このようにやはり国庫補助、これが必要だろう。結局、お金の問題、大蔵省の問題にもなるんでしょうけれども、そこら辺の自治体への援助、それから施設の改善、新しい設備、構造の改造、こういうものについての財政的な援助の方向についてお考えをお伺いしたいと思います。
#191
○政府委員(関口洋君) 先ほど中野区の場合に申し上げたように、私どもとしては、やはり公営住宅の分野で取り組んでまいりたい、かように思っておりますので、中野区の方にまで財政援助をするというよりは、中野区がやはり単独でおやりになっておる方がよけい行政面でもいいんじゃなかろうかという考えで、ただいまのところ、財政援助をするという考えは持ち合わしておりません。
 それから既存住宅の、いずれにしましても、修繕を要するわけでございますが、これは原則といたしまして自立できる方にお入りいただくので、その改修の程度もいわば修繕という範疇に入る、かように考えまして、それぞれの事業主体の方で御負担をいただく。ただ、今後、実際に行ってみまして、あるいは相当程度の改修が必要となってくるような事態が生じた場合には、改めてどういうふうに対応するか検討をさしていただきたい、かように考えております。
#192
○上田耕一郎君 先ほど、厚生省の方が、第三プロジェクトチームのこの改善方法というのは建設省も参加してつくられたと言われましたが、これは特別目的の公営身障者住宅ですけれども、先ほども言いましたが、心身障害者向け公営住宅においては、特別の設計がなされたものについては、工事費の増額分を国庫補助の対象とするというふうに書かれているわけですね。結局、先ほどから議論している、どのぐらい喜ばれるような改善をするかというのは金の問題になるでしょう。公営住宅の範囲内で、修繕の範囲でやるというふうに住宅局長が言われたのでは、これはかなり喜ばれる改善というのはなかなかできないわけでしょう。だから、あなた方も参加してつくられたこの文書には国庫補助の対象にするということを書いてあるわけだから、建設省としては、本当に国庫補助の対象にさせて、そういう喜ばれるような特別設計をもっともっと盛り込むという姿勢をやっぱり示すべきだと思うんですがね、これは、大臣、いかがでしょう。
#193
○国務大臣(渡辺栄一君) この問題は、先ほど申しましたように、いよいよ皆様の御協力によりまして新しくスタートをするわけでございますから、その情勢を十分把握いたしながら、慎重に検討してまいりたい、かように考えております。
#194
○上田耕一郎君 慎重かつ積極的にお願いしたいと思います。
 それから、今度の一部改正法案の附則に「この法律は、公布の日から施行する。ただし、第十七条の改正規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」ということになっておる。身障者団体その他からは、とにかくこれ早く入りたいと。来年の五月に空き家の一般募集もある。だから、なるべく早くこれを施行するように日を決めて、地方自治体の方は、法律の施行以後、条例を改めるわけで、そのつくった条例を議会にかけるわけですね。だから、十二月議会にかかれば、十二月あるいは二月になるかもしれませんが、なるべく早く議会に諮って、五月の一般空き家募集にはどうしてもやってほしい。ここでまたおくれて、いままで二年も三年も待ってきたのが、また一年おくれるというのは困るということなので、法律が成立いたしましたら、この附則の項目をできるだけ早く施行してほしいという要望が強いわけですけれども、お願いします。
#195
○政府委員(関口洋君) 「六月を超えない範囲内」ということにいたしましたのは、ただいま先生のお話にも出ましたように、公営住宅の管理に必要な事項を条例で定めるということが必要となりますので、その辺の準備期間を織り込んだということ。その他、厚生担当部局との具体的な対応策、そういうものを確立するというための期間でございまして、私どもも、できるだけ早く施行したいという気持ちには変わりはございません。
#196
○上田耕一郎君 次に、第二十三条の一部改正に移ります。
 この法改正で、戸数要件ですね、二倍から一・二倍以上になったことは非常に自治体も歓迎していますが、この政令の案では、木造一・七倍、簡易耐火平家一・五倍、同二階は丁二倍ということになっているわけです。東京都の建てかえ計画を見ると、木造が三万二千戸、簡易耐火四千戸が対象で、どの自治体を見ても建てかえの中心はやっぱり木造なんですね。そうすると、この木造の場合、今度せっかく改正していただいても二倍が一・七倍ということになったにすぎなくなってしまうわけです。木造の場合、一・七倍というのは何を根拠にして決められたんですか。
#197
○政府委員(関口洋君) これは倍率は四十四年の改正で二倍というのが入ったわけでございますが、まず、建てかえ対象になる住宅の方から御説明さしていただきますと、一種木造、これは大体三十三平米、それから二種の木造が二十六・四平米でございますが、これを四十四年当時、一種中耐なり二種中耐に建てかえるとなりますと、当時の二戸当たり床面積が一種中耐では四十三平米、したがって建蔽率その他で計算いたしますと三・三倍になる、あるいは二種の中耐は三十九・七平米でございましたので、同じような計算をすると二・八倍でございますか、になるということで、一番俗に言う建てかえ効率の悪い二種の簡易耐火二階建て、これを二種の中耐に切りかえる場合でも二倍になるというようなことから戸数倍率を二倍に決めておったわけでございますが、その後、逐年新しく供給される公営住宅の規模を拡大してまいりまして、五十五年度におきまして、たとえば一種中耐は七十平米を予定いたしておりますが、これをこの規模で建てかえるとなれば戸数倍率は二倍に落ちますし、二種の中耐でも六十六・七平米の規模を考えておるものですから戸数倍率は一・七倍に落ちるということで、いずれにいたしましても、古い一種なり二種なりの木造住宅を建てかえるといたしましても一・七倍からせいぜい二倍ぐらいにしかならないというところで、木造住宅の場合には一・七倍、かようにしたいと思っておる次第でございます。
#198
○上田耕一郎君 やっぱり大都市圏の実態をもっとよくつかむべきだと思うんですね。東京都の実績では、昭和五十三年一・三倍、それから五十四年丁二倍、大阪ではいまの実情は一・五倍で、これもだんだん一・二倍に近づきつつあるということなんですね。
 これはなぜこうなるかというと、御承知と思うんですけれども、やっぱり周辺住民の要求、それから住んでいる住民自身の要求、これが非常に強いわけです。それで周辺住民から出てくる要望というのは、これは東京都の調査によりますと、公団保育所、老人施設などを設置してほしい、周辺の道路も整備してほしい、それから住宅は余りむねを高くしないでほしい、配置も考えてほしい、日照時間も確保してほしい、電波障害が起こらぬようにしてほしい、プライバシーでのぞかれたりされたら困る、風害、騒音、それから工事場の安全管理、こういう要求が周りの住民からどんどん出てくるわけですね。で、住んでいる住民自身もやはり質のよい住宅をと、古い昔の公営住宅じゃなくて建設省自身が考えているような方向でいろいろ要望も出てくるわけでしょう。そうしますと、いろいろ公園をつくったり周りの環境を考えたりしていくわけです。だから、そうやりますと、もとの戸数を割っているところまで生まれる。そうでないと建てかえができないというようなことが三大都市圏では出てくるわけですね。
 それで、この公営住宅法の第二十三条の目的を見ますと、公住法では「公営住宅の建設を促進し、及び公営住宅の居住環境を整備するため」というのが建てかえの目的にちゃんとうたってあるわけだから、前の方の戸数だけじゃなくて、居住環境整備というこの二十三条でうたわれている目的のところをやっぱりよく見て考えなければいかぬ。それを木造の場合には一・七倍というのは、少なくとも三大都市圏には全く当てはまらないわけです。
 で、今度、北区の西が丘の北稲C団地というところを私も見てきたんですけれども、ここはもと十二戸で、戸数は同じで十二戸なんですよ。これはちゃんと児童公園なんかできていて、三階建てなんですが、周りの近所の人はこう言っているんですね、古い家が建てかえられてすっきりした、日当たりがよくて見通しも悪くないし、公園ができて子供が喜んでいる、都営でよかった、マンションなんか建てられたらもう大変だったというので、本当に都営でよかったと言って、周りが喜んでいるような実例もあるんですね。ですから、そういう点をやっぱりよく考えていただいて、この木造一・七倍ということが政令の案にあるんですけれども、法律で一・二倍以上とこう定めて、あとはもう少し自治体の自主性に任せる、特に三大都市圏の場合には行政上よく配慮するということをしていただかないと、せっかくこの建てかえ事業の推進のための新しい改正がまた生きない。何か特別の緩和措置が必要じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#199
○政府委員(関口洋君) 御承知のとおりに、建てかえの対象となります団地はおおむね利便性の高い良好な土地でございます。一方、公営住宅の場合、新規用地を取得することは非常にむずかしくなっておりますので、建てかえ事業は、極力、土地の高度利用を図りまして、できるだけ多くの公営住宅を建設することが望ましいというふうに私どもは考えております。そういう意味から、建設戸数倍率は旧住宅の戸数密度あるいはその構造、階数によって決まっておりますけれども、一・二倍を相当上回るということも先ほど御説明しましたように当然考えられますので、私どもとしては、できるだけ土地を有効に使うという観点も建てかえの場合に必要だと、かように考えておる次第でございます。
#200
○上田耕一郎君 そうしますと、この木造一・七倍が一・二倍ぐらいになる、法律には合っているわけですね。そういう場合は、法定建てかえじゃなくて、任意建てかえということになるんですか。
#201
○政府委員(関口洋君) 一・二倍といたしましたのは、二種の簡易耐火二階建てのものを二種の中耐に建てかえるという場合には、新しく建てるものの規模が高くなりますので、一・二倍しか建てられないという状況を考えて、最低を一・二倍としたわけでございます。したがいまして、政令におきましては、そういう既存の建物とそれから新しく建てる建物との関係を考えまして段階的に決めていきたい、かように考えております。
 いまお話しの、木造住宅を建てかえる場合に、何らかの理由で先ほど申しました一・七倍を確保できないということになれば、これは先生御案内のいわゆる任意建てかえということでこの仕事を進めざるを得ない、かように考えております。
#202
○上田耕一郎君 どうもやっぱり実態と少し離れた、冷たい姿勢だと思うんですね。
 もう一つ、実態と離れた点があるんですけれども、建てかえ事業の要件には面積が千五百平米以上ということがあるんですが、これは今回改正されていない。これも実情に合わない。
 たとえば、東京の場合は、五百平米以上のものを建てかえ対象にしていて、昨年の実績を見ますと、六十団地、三千五百戸のうち半分がこの要件に当てはまらない、法定建てかえ事業にならない、任意建てかえということにやっぱりなってしまうわけですね。さっき例に挙げた北区西が丘の北稲C団地などもやっぱりそうなんです。ところが、次々に狭小の団地の建てかえということを手がけていかなければ三大都市圏の場合には進まなくなっているというのが実情であります。現在、東京の場合、面積要件でアウトになっているのが三〇%程度ある。将来これは四〇%になるだろうと言われているんですね。だから、この千五百平米という面積要件も、この緩和を実情に合わせて考えないといけないというように思うんです。
 それで、この法定建てかえでなくて、任意建てかえになると、どのぐらいじゃ自治体が財政負担を負わなければならないかというと、法定建てかえの場合には国から移転料が補助として二分の一出るわけですね。で、そのほかどういう費用が出るのか、実際に必要か、建設省いかがですか、建てかえの場合、自治体の負担です。
#203
○政府委員(関口洋君) 法定建たてかえの場合に地方公共団体に対する特別の助成措置としては、先生がただいま御指摘になりました移転料のほかに、仮住居の借り上げ費がございます。
#204
○上田耕一郎君 それはだから国が援助するのでしょう。この援助する分以外に、仮住居の借り上げだとかあるいは移転料、そのほかに自治体がどういう負担をやっているか、御存じですか。
#205
○政府委員(関口洋君) 私まだそこまで情勢を把握しておりませんので、把握しましたら、後日、御報告させていただきたいと思います。
#206
○上田耕一郎君 実際には協力費という、建てかえに協力してくださるというので十二万円出ていたり、そのほかにもいろいろあるんですよ。これを全部明らかにしたら大変なことになるんで、逆に建設省から締められると困るというふうに自治体では言っているぐらい、本当にこの建えかえを住民に賛成してもらって進めるためにはいろいろなことがかかるわけですね。それが任意建てかえになると全部自己負担になる。前回、私、ここで質問したときに、たとえば二階の場合にも、建設費については国庫補助が出るというのを住宅局長から答弁をいただいて非常にプラスだったんですが、そのほかにこういうものがやっぱりかかるわけですね、住宅借り上げとか協力費とか移転料とか。そういう点で、こういう国の援助をもう少し考える必要がある。
 一つは、先ほどから申しておりますような一・二倍、一・七倍というところの倍率の戸数条件の問題の緩和措置を考えるべきということ、それから面積要件ですね、これも考える必要があるんですけれども、同時に、現行移転費、これもさしあたりふやす必要もあるんではないかと思うんですが、この現行移転費というのは一体いつ決まったんですか。それで物価も上がっているので、適正な額に改正すべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
#207
○政府委員(関口洋君) この移転料の制度をつくりましたのは昭和五十二年でございます。その当時は移転件数一件当たり五万円というのが限度額でございましたが、これを五十三年には五万五千円に、五十四年には五万七千円に、さらに五十五年にはこれを六万一千円に引き上げていきたい、かように毎年この引き上げに努力しておる次第でございます。
#208
○上田耕一郎君 もう時間が参りましたので終わりますけれども、都市整備公団(仮称)の問題については残念ながら質問することができませんでしたが、建てかえ要件の問題というのは、本当に何度も強調いたしますように、公営住宅に住んでいる住民の協力と周辺住民の協力を得て進めていく、そして居住環境を本当によくしていく、都市問題の改善にも資するという意味で進めるためには、私はまだまだ改善すべき点があると思うんです。
 もうこれで終わりにいたしますけれども、建設大臣、私がいま指摘したような幾つかの問題ですね、どうも住宅局長はいまの範囲内ではかなり厳しい態度をおとりになりましたけれども、実際にこれを進めようとすると、私が指摘したような問題と本格的に取り組んで検討していかないとならないんだと確信しておりますけれども、大臣、ひとつ御所見をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#209
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいまの建てかえ事業の要件でございますが、これはいまいろいろ御説明をいたしましたような事情によりまして、当面、スタートをさしていただきたいと思っておるわけでございます。
 これは最近の公営住宅の床面積が非常に増大しておるという問題と、それから事業主体からの強い要望がございます。これらを考慮いたしまして、なお建てかえ戸数の倍率要件も緩和いたしまして建てかえ事業の有効適切な実施、促進を図りたい、こういうことを考えてやろうとするものでございまして、今回、法改正をお願いしておるわけでございますが、これがスタートいたしまして、その実施状況等も十分把握をいたしまして、その上でいろいろ問題がございますれば、私どもも、十分それらの問題につきましては検討をしてまいりたいと思っておりますが、当面は、今回の措置によりましてとりあえず建てかえ事業の推進を図るように全力を挙げてやらしていきたい、かように考えておりますので、御了承願いたいと思います。
#210
○理事(茜ケ久保重光君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、赤桐操君及び松本英一君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君及び藤田進君が選任されました。
#211
○栗林卓司君 公営住宅法の一部改正についてお尋ねをいたします。
 御提案の中身をごく大まかに申し上げますと、同居親族のない単身者の入居希望が大変多い。普通世帯に対する割合を見ますと二・五%になる。一方では、空き家が出るようになってきた。大体七%ぐらいで、需給の緩和も進んで五十三年度では二・五倍になってきた。住宅宅地審議会の答申もあれば、請願、諸団体の要望もある。そこで単身者の入居を認める。大体三万戸ぐらいが提供できるんではなかろうか、というのが大まかに言って御提案の内容だと思うんです。
 それ自体、大変結構だと思うんですが、ただ、今回の改正がはしなくもひとり暮らしの問題に直面をさせられたという面があろうかと思いますんで、いま私が申し上げた中身についてそれぞれお尋ねをしていきたいんですが、最初申し上げた同居親族のない単身者、いわばひとり暮らしの人がふえてきたということは歓迎すべきことなのか、そうではないのか、この点についてはどう考えておられますか。
#212
○政府委員(関口洋君) ひとり暮らしの方を、御老人あるいは身体障害者という方に限って申し上げれば、私どもは、一方で家庭基盤の充実ということでできるだけ多家族の同居ということがこれからの日本の社会のために必要だと考えておりますので、そういう見地からすれば、ふえること自体、率直に申し上げて、そう歓迎すべきことではないんじゃなかろうか、こういう感じもします。しかしながら、個人の生活の問題でございますから、それぞれやむを得ない事情がおありになって老人のひとり暮らしがふえておると思うわけでございまして、そういう面では、やはりその実態をよく注目いたしまして、それぞれの施策を講じていかなければならない、かように考えております。
#213
○栗林卓司君 ある資料によりますと、これは国勢調査が基礎のようですけれども、六十五歳以上の人たちはどう暮らしているのか。昭和三十五廣から五十年までずっと追ってみますと、昭和三十五年、子供と別居してしかも一人で暮らしているというのは二十万人でした。それが年々ずうっとふえて五十年では六十万人、趨勢としてはまだふえる傾向がある。この傾向がいいかどうかということになると、実は、私、いまの御回答に全く同感でありまして、老人にせよ身障者にせよ、ひとり暮らしをするというのは、そこにやっぱり不幸の影を感ずるんでありまして、これをどうやってなくするかというのがまず前もっての政策の根幹だと思います。
 とはいうものの現実にはふえてきているわけでありまして、今回の改正でひとり暮らしの老人の方々だけを例にとりますと、それを入居対象にします、結構であります。その結果として、これは想定の話ですけれども、ある公営住宅の半分以上がひとり暮らしの老人になっちゃう。そういうこともないとは言えないと思うんです。そのときのその公営住宅というのは、どういう性格の建物になると考えておられますか。
#214
○政府委員(関口洋君) 実は、先生御指摘の点、私どもも非常に率直に申しまして悩んでおったところでございますが、私も余りそういうひとり暮らしの御老人なりあるいは身体障害者の方の実態にさほど詳しいわけじゃございませんので、あるいは厚生省の方からの御答弁が適切かと思いますが、私の聞いておる範囲では、できるだけ普通の生活をしていきたい、いわば特別に一棟の中に、悪い言葉でございますけれども、隔離されるというようなことは好まないんじゃなかろうかという不安もございます。そういう点もあれこれ考えたわけでございますが、結局、私どもとしましては、御要望を社会的要請と受けとめまして、今回の改正に踏み切ったような次第でございます。
#215
○栗林卓司君 私、この改正案はもっともだと思うんですよ。だんだん倍率も減ってきたし、空き家も出てきたし、じゃ有効に活用しようかということですから、それはそれでいいんだけれども、ただ、そういう単身者の入居希望がふえてきた、要望も出ている、答申もある、その背景にあるものにいやでも直面をせざるを得ないということもこれ事実でしてね。
 住宅というのは長期にわたるストックでありますから、たとえば六十の御老人を入れる、翌年また一人入れる、次また一人入れる。これを考えていきますと、ある公営住宅の中で半分以上がひとり暮らしの老人になるということだって十分考えられる。ただ、問題は、その公営住宅というのはどういう性格のものなんだろうか。その点はしっかりわきまえておかないと、この制度の改正はいまの解決案としては結構ですけれども、将来、ではこれを制度として残していった場合にどういう問題が出るんだろうかということは、いまから考えておかなきゃいけない。
 そこで、では改めて伺いますけれども、ひとり暮らしの老人というのは、今後、どのように数の面でなると展望しておられますか。
#216
○政府委員(関口洋君) 実は、数の面で私ども特別の資料を持っておりません、申しわけございませんが。結局、国勢調査の数字しかございませんが、四十五年、普通世帯対比で単身世帯は一〇・八%でございましたが、五十年の国勢調査ではそれが十三・五%にふえておるということでございます。一方、老人層がふえていくというのは、日本がだんだん中高年齢層に人口構成がシフトしてまいりますので、こういう傾向は今後強まりこそすれ弱まることはないんじゃないかというふうにいまのところ考えております。
#217
○栗林卓司君 強まることが予想されるとしますと、結局、限りある公営住宅に入居の資格を与えていくわけですから、先ほどの私の心配も当然出てくる。そこで、このひとり暮らしの単身の住居の場合、二人以上の特に夫婦を前提にした場合に、その暮らしに比べると生活防衛力というのは大変乏しい、これは間違いないと思うんです。
 一つ卑近な例を挙げますと、独身寮なんかの例をとりますと、独身寮というのは一人一人が寝泊まりする部屋があればいいんではなくて、独身寮の管理をする人がこれはもう必ず要るんです。ひとり暮らしというのはもともとそういうものなんです。それが夫婦になる、二人以上いる。そうなると、その辺のところはそれぞれに自分で解決をしてくださいというので、その辺の管理までしなくても済む。ところが、ある公営住宅である日、半分以上がひとり暮らしの御老人になってしまう。そのときにその公営住宅にいわば独身寮における管理人のごとき特別の人を置く必要がないのか、その点はどう考えておられますか。
#218
○政府委員(関口洋君) 一般論で申しわけございませんが、公営住宅につきまして公営住宅法の二十三条で「公営住宅及びその環境を良好な状態に維持するよう入居者に必要な指導を与えるために公営住宅監理員を置かなければならない。」こう決まっております。これらの人の努力に私どもは期待したい、かように思っておる次第でございます。
#219
○栗林卓司君 厚生省おられますか。――一般的に、ひとり暮らしの老人ということになると、例の在宅介護の問題があるわけですが、あちらこちらにぱらぱらとあるひとり暮らしではなくて、まとまったところに、しかも困ったことに、公的住宅にまとまってひとり暮らしの老人がお住まいになる、これをもう想定しなければいかぬわけですね。
 というのは、公営住宅である以上、街の一般社会に比べて条件が悪いということはないわけだから、より有利な条件の中で自分のひとり暮らしをしていきたいというので、そこにやはり要望が集まってくるかもしれない。その現実に対して、厚生省とすると、やっぱり何らか特別なその部分に対する対策をしていかなければいけないのじゃないか。いまたまたま建設省の方は条文を読んで管理人を置かなければいけませんと言われたけれども、それと連動させながら何がしかの知恵をいまから働かしておく必要はないのか。
#220
○説明員(大西孝夫君) お答えいたします。
 先生御指摘の事例から申しますと、形態的には非常に老人ホームに近い形態になってくると思いますが、基本的に違います点は、それはやはり集合住宅ということであって、老人ホームのようにいわばお世話をする人々がいない。個々の生活はそれぞれに独立した生活であるという点で一線を画するものがあろうと思います。
 しかしながら、そういう形態になってまいりますと、老人福祉のいわゆる在宅福祉サービスの面から、たとえばホームヘルパーを派遣しますとか、あるいは介護人を派遣しますとか、福祉電話を設置するとか、それから日常生活用具という特殊のベッド等をお貸しするとかいうような事業、これは現在各家庭に散らばっているひとり暮らし老人対策でございますが、こういうものをいわば一カ所のそういう集合住宅的なところにサービスを行っていくということで、福祉の面から言えば、やや効率的なサービスを行えるという面もあろうと思いますが、逆にそういうことのためにいわば福祉村的になりまして、一般社会からややどうしても隔離するような色彩が出てくることも考えられます。そういう意味では、老人ばかりが集まる住宅ということではなくて、でき得ればいろいろな世代の人々が一緒に交われるような形態の住宅でいつまでもいてほしいという気は、私どもとしては、するわけでございます。
#221
○栗林卓司君 それは全くもっともなんですね。ただ、いろいろな世代の人がまじり合いながらそういう住宅の場をつくっていきたいということになると、これ理屈で申し上げているんじゃなくて、単身者に対する入居というのは制限をつけないで入居していくのが一番正しいのです。ところが、制限をつけて、六十歳以上ですよ、こういう人ですよと、こうしていくとその層だけがかたまってきちゃうんです。すると、結局、いまのあなたの御意見にもかかわらず、それは老人あるいは身障者のある隔離生活場所、そうなる可能性が非常に高いという点についてはどう考えられますか。
#222
○説明員(大西孝夫君) 非常にむずかしい御質問でございますけれども、御指摘になる点は、一つ.には、今後、建設省の方でこの公営住宅政策をどういう形で進めていくかということもあろうと思いますが、私どもの方におきましても、仮にそういう形態が出てきた場合には、これに対して、しかるべく、一つは、そういう援護を要する老人がいる場合には、それに対するサービスを充実し、同時に、その地域における各世代との交流を図れるような、逆の形で、その地帯が仮に老人の集団住宅的なものであったとしても、それを取り巻く地域の人々との交流を進めるというような形で、そういう隔離というような現象が起こらないような施策を福祉のサイドから進める必要があろうかという気もいたします。
#223
○政府委員(関口洋君) ただいま先生のお話の中に、単身入居を認める以上は広く門戸を開放して、いろんな単身の人が同一のむねの中に居住するようにした方がいいのじゃなかろうかという御意見がございましたので、その点につきまして私どもの考えを御説明さしていただきたいと思います。
 一般的に申しまして、現在、民間の供給される住宅につきましては規模の小さいものが非常に多いものでございまして、したがいまして単身者全般の住宅事情を調べてみますと、いまでも世帯持ちの方に比べて住宅事情は比較的いいんではなかろうか、かように考えております。しかしながら、その中におきましても、老人の単身の方あるいは身体障害者の単身の方につきましては、いろいろの社会的制約がございまして、住宅困窮度は逼迫をしておる、かように考えたものでございますから、特に、それらの方について居住の安定を図る必要があるという立場から、政令で限定的に単身入居の道を開くとさしていただいたわけでございます。
 そうしますと、先ほど来先生から出されておりますような問題が生じますが、私どもは、個々の団地によって事情がかなり変わってまいりますけれども、たとえば多摩ニュータウンというような非常に大きな団地を御想定いただきますと、あれは完成すれば人口はあの中だけでは三十万は優に収容できるというような団地でございます。したがいまして、仮にあるむねが全部老人の方が入っておられるとしましても、やはり街全体の構成として、そういう形は今後日本の社会において生ずる現象として私どもは対処していかなければならぬではなかろうか、かように考えております。
#224
○栗林卓司君 年代別に親世代と子世代の見合う関係を見ますと、たまたまこの論文がそう書いてあるので、そのまま申し上げるんですけれども、恐らくそうだと思います。大体一世代というのは三十年として見ていいんだろう、普通そう言われていますから、私もそうだと思います。三十年で比べますと、たとえば六十五歳から六十九歳とその下の三十五歳から三十九歳、七十歳から七十四歳と四十歳から四十四歳、以降同じに並べまして下の世代が上を養う、恐らくそういう実態関係に多くの場合あると思います。
 これで見ますと、三十歳から三十九歳、これが六十歳から六十九歳を養う比率が異常に高い。この辺のところに戦後の出生率の低下が鮮やかに出ているんです。もともといまの家庭というのは子供二人ぐらいしかつくらない。二人ぐらいしかつくらないというのは、二組の夫婦で二組の夫婦しかできないんです。従来は親のめんどうを子供が見ろやと、こう言ってきましたけれども、二組の夫婦が二組の夫婦でめんどうを見ていたんじゃ下がたまらない、親の方もそれを見るのに耐えかねる。したがって、どっちかが欠けてしまうと、ひとり暮らしの老人となって、年金プラスアルファの暮らしをどうしても立てていく。私は、こんなことが一面ではひとり暮らし老人が非常にふえてきた理由ではないかと思うんです。しかも、これからそれはふえることがあっても、先ほどお話しのように、減ることはない。この問題、ではどうしたらいいのかということを考えるのが実は先決である。たまたまいま出ているひとり暮らしがあるんで、公営住宅に入れましょうか、これは結構なんですよ。結構なんだけど、それとあわせて、いまのこの生活実態に見合いながら、どういう住宅政策をわれわれが立てていったらいいんだろうかという点がやはりこの法案とからめて考えていかなければいかぬところだと思うんです。
 さっき、公営住宅の半分以上が老人になったらどうですかという質問をしたんだけど、厚生省の方、御異論ないと思いますが、老人ホームのような施設中心、施設偏重の老人福祉に対して、最近、反省が非常に強い。隔離してはいかぬ、街の中に、人込みの中に老人を置けというのが最近の傾向だと思うんです。
 そこで、じゃ老人の方々にいつでも質問しますと、たとえば同じ家で子供夫婦と暮らすのが理想的だと思いますかと聞きますと、四四%がそうです。私は近所で暮らしたいと思います、三一%。合わせて七五%。これはいつ統計をとってみてもこういうかっこうだと思う。しかも、その人に、ではお子さんの夫婦と同じ家で暮らせませんかと聞くと、いや大丈夫ですとお答えになるのが八七%。
 これから、いままでも建設省は御努力でございますけれども、三世代が一つの屋根の下で住めるということをやっぱり住宅建設の基本にしていくべきじゃないか。ですから、今回の一部改正はいいんですよ。いいんだけど、三世代一っの屋根の下で住める住宅の供給を、公営だろうと民営だろうと、基本にしていかなきゃいけない。ここまでは御異論ないと思うんです。ただ、三世代の家を一体だれがつくるのか。やっぱりそれは若者たちが金をためながらつくっていくのが半分じゃないか。その若者たちがいま高い家賃で狭いところで暮らしている。この問題をほうっておいていいのか、これもやっぱり単身居住なんです。したがって、この点も、今回の改正案はこれでいいんだけど、あわせて将来のことを考えていくと、若い単身者に対してやはり公的住宅を供給していくのがある意味ではいま急務かもしらぬという点については、どう考えますか。
#225
○政府委員(関口洋君) 公営住宅の本質は、言葉は悪いんでございますけれども、いわば低所得者層に対する住宅の供給というふうに性格づけられておるわけでございますが、この低所得者層というものを分析いたしますと、これも言葉は悪いんですけれども、一生涯低所得の方と、それから俗に言う成長階層と両方に分かれておるのは御案内のとおりでございます。それで、それらのことに着目いたしまして、私どもとしましては、いわゆるライフステージに応じた住宅の供給ということに主眼点を置きまして従来から住宅政策を考えておるわけでございまして、大きくは公共賃貸と持ち家との関係、さらに公共賃貸の中におきましても公団住宅と公営住宅との機能分担、こういう問題についても従来からいろいろと努力をしてきたわけでございます。
 そういう意味で、今後とも、それぞれの住宅の役割り、そういうものをより一層明らかにいたしまして、若いうちの住まい方とそれからある一定年齢に達したときの住まい方、それと所得要件、こういうものを組み合わせて今後の住宅政策の基本となるような事項につきましてただいま住宅宅地審議会で鋭意御検討をお願いしておるような次第でございます。御答申を待ちまして、私どもも、はっきりした方向を打ち出していきたい、かように考えております。
#226
○栗林卓司君 ぜひ、せっかく御勉強いただきたいと思います。
 ただ、いま持ち家の場合と賃貸の場合と分けて言われたんだけれども、どうも持ち家の比重が高まってきましてね、賃貸の方が年とともに影が薄くなってきたというのがこれまでなんだけど、たとえばいま独身のことを言ったんだけど、低所得の夫婦を考えてみた場合でも、住宅金融公庫で借りて、無理してでもつくった方が家賃より安いやというので、むしろ申し込みが多い。そこまで、いろんな原因がありますけれども、持ち家に向かって非常に偏っている。そこで手に入るものというのはせいぜいミニ開発ぐらいのもうささやかなストックしか手に入らない。あんなものでは三世代はとても住めない。
 したがって、本当は、独身の場合、しかも比較的低所得の若い夫婦の場合、これは家賃の安い公共住宅が提供されていることがいまおっしゃったライフサイクルの面では私は必要だと思う。ところが、片一方では、公共住宅の方は伸び悩んでいるわけです。事情はまた別にありますよ。しかも、主流を占めるのはやっぱり住宅金融金庫を中心にした持ち家なんだ。この点が御議論をされているんだろうと思いますけれども、いま言われたライフサイクルに見合った住宅の供給を民間と公的部門でいかにうまく組み合わしていくのか、ライフサイクルと言うからにはそれぞれの所得の人生設計とも絡んでいるわけでありまして、そう見ていくと、いろいろと大きく変えていかなければいけない部分が相当あるはずでありまして、それも含めて御勉強いただくと理解してよろしいですか。
#227
○政府委員(関口洋君) 先生の御期待に沿えるかどうかは別といたしまして、ただいま御指摘がございましたようなことにつきましても十分検討をさしていただきたい、かように考えております。
#228
○栗林卓司君 では、あと一点で質問はもうやめます。
 身障者ですけれども、先ほど来いろいろ御議論がありました。身障者はどういう住宅がいいかということでいろんな御研究があるものを拝見しました。これもまあ空き家が出てくるんで、この際、活用しようかという今回の提案は結構なんですよ。ただ、身障者の場合は、ひとり暮らし老人の場合と違って、これはやはりそれぞれの特別対策が必要なんだろうと思います。部屋さえあればいい、住宅さえあればいいというんではなくて、目の見えない人には目の見えない人に見合った家、耳の聞こえない人には耳の聞こえない人に見合った家、それぞれの個別対策が今度は必要なんです。したがって、本当は、身障者のことを全部考えるんだったら、民間だろうと公営だろうと、一階は全部あけ渡せと、それでずいぶん違いますよ。いま住宅公団では御努力中ですけれども、しかし、民間のアパートにしても一階は身障者にしなさい、エレベーターのストップ階の正面は身障者にしなさいという運動をあえて行いながら、個々の対策だと思う。そして今回の一部改正案は、私は、冒頭申し上げておりますように、結構だと思います。結構だと思いますが、この改正案がはしなくもこういった問題にまさに建設省を真っ正面から向かわした結果にも相なったと思います。その面で、今後、一層の御努力をお願いしておきたいと思います。
#229
○理事(茜ケ久保重光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようでありますから、これより直ちに採決に入ります。
 公営住宅法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#230
○理事(茜ケ久保重光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
   〔理事茜ケ久保重光君退席、理事増岡康治
   君着席〕
#231
○理事(増岡康治君) この際、茜ケ久保君から発言を求められておりますので、これを許します。茜ケ久保君。
#232
○茜ケ久保重光君 私は、ただいま可決されました公営住宅法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党の各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    公営住宅法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行にあたり、次の事項について、適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、公営住宅の建設を促進するため、地方自治体の用地確保、関連公共公益施設整備等のための財源及び地方債の充当率について、国は一層の配慮を行うこと。
 二、入居者の家賃負担の軽減のため、家賃補助の増額を図ること。
 三、公営住宅の入居にあたつては、登録制度の採用等困窮度に応じて入居できるよう改善に努めること。
 四、公営住宅の明渡しの請求については、入居者と十分に話し合うとともに他の公的資金による住居への入居等について特別の配慮を行うこと。
 五、既設低層公営住宅については、土地の有効利用を図るためにも建替を促進するとともに、居住環境の整備の向上に努めること。その際新家賃については負担軽減と激変緩和のための配慮をすること。なお、三大都市圏については小規模建替に対しても財政援助の検討をすること。
 六、身体障害者等の単身入居にあたつては、既存の公営住宅の改造等に国の財政援助等の配慮をすること。
  右決議する。
 以上でございます。
#233
○理事(増岡康治君) ただいま茜ケ久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成する方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#234
○理事(増岡康治君) 全会一致と認めます。よって、茜ケ久保君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、渡辺建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡辺建設大臣。
#235
○国務大臣(渡辺栄一君) 公営住宅法の一部を改正する法律案の御審議をお願いいたしまして以来、本委員会におかれましては、熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
   〔理事増岡康治君退席、理事茜ケ久保重光
   君着席〕
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後、その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に体して努力する所存でございます。ここにこの法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
#236
○理事(茜ケ久保重光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#237
○理事(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#238
○理事(茜ケ久保重光君) 次に、宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案及び国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。渡辺建設大臣。
#239
○国務大臣(渡辺栄一君) ただいま議題となりました宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 最近、世代、世帯構成等に応じた住宅の住みかえ需要の増大、職住近接の要請の高まり等により、住宅の需要構造の変化が進行し、中古住宅を含む不動産の流通量が増大しつつあります。
 このような傾向のもとにおいて、宅地建物取引の態様は多様化し、その内容も複雑化してきておりますが、これに伴い、宅地建物取引に関する紛争件数が増加し、また、一部業者による悪質な事例も後を絶たない現状にあります。
 この事態に対処して宅地建物の購入者等の利益を保護するため、宅地建物取引業者について、免許基準の強化等により、その資質の向上を図るとともに、その業務に関する規制を強化して取引の公正を期する必要があります。
 また、増大し多様化する不動産の流通の円滑化を図るため、立ちおくれている不動産流通市場の整備、近代化を推進する必要があります。
 以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、宅地建物取引業法についてでありますが、第一に、免許の基準について、宅地建物取引業者が免許の取り消し等を受けた場合において新たな免許を受けることができない期間を三年から五年に延長し、また、免許の取り消し分の聴聞の公示が行われた後、廃業等の届出を行った者は、届出の日から五年間は免許を受けることができないとする等、免許の基準を強化することといたしております。
 第二に、重要事項説明の徹底を図るため、事務所に置かれる取引主任者の数を増加させるととももに、都道府県知事の発行する取引主任者証の提示の義務づけ、三年ごとの講習の受講の義務づけを行うことといたしております。
 第三に、営業保証金の額は、主たる事務所及びその他の事務所ごとに、取引の実情等を考慮して、政令で定めるものとし、実情に応じた額とすることといたしております。
 第四に、誇大広告等の禁止の強化、取引態様の明示の充実及び重要事項説明の充実につきましては、従前の規制をさらに強化することにより、購入者等の利益の一層の保護を図ることといたしております。
 第五に、宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地または建物について、一定の場合を除き、みずから売り主となる売買契約を締結してはならないことといたしております。
 第六に、売買等の媒介の契約につきましては、契約内容の書面化を義務づけて契約関係が不明確なために生ずる紛争を未然に防止するとともに、専任媒介契約について依頼者保護の見地から所要の規制を行うことといたしております。
 第七に、事務所等以外の場所における宅地または建物の買い受けの申し込み等につきましては、五日以内は、書面により撤回等を行うことができることとし、いわゆるクーリングオフの制度を取り入れることといたしております。
 第八に、宅地建物取引業保証協会につきましては、弁済業務保証金分担金の額は、営業保証金と同様政令で定めることとし、また、弁済業務保証金準備金は、建設大臣の承認を受けて、保証協会の業務の実施の費用に充て、または宅地建物取引業の健全な発達に寄与する事業に出指することができることといたしております。
 第九に、宅地建物取引業に関する以上の改正に関連して、監督処分及び罰則等の規定について、所要の改正を行うことといたしております。
 次に、積立式宅地建物販売業法につきましては、宅地建物取引業法と同様、許可の取り消しを受けた場合等において許可を受けることができない期間を三年から五年に延長する等、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきまするようお願い申し上げます。
#240
○理事(茜ケ久保重光君) 園田国土庁長官。
#241
○国務大臣(園田清充君) ただいま議題となりました国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその趣旨を御説明申し上げます。
 国土調査は、国土の開発、利用等に資するため、国土の実態を科学的かつ総合的に調査することを目的として行われるものであり、その成果は、具体的に開発を進め、あるいは、土地利用計画を策定するに当って必要な基礎となるものであります。
 国土の適正な利用により健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展を図ることが今日の国土行政の主要な課題となっておりますが、これにこたえるためには、その基礎となる国土調査の促進がぜひとも必要であります。
 このような国土調査の重要性にかんがみ、その計画的実施を促進するため、政府は、国土調査促進特別措置法に基づき昭和四十五年度を初年度とする十カ年計画を策定して事業を進めてまいりました。
 この計画は、昭和五十四年度をもって終了することとなっておりますが、なお、今後とも計画的に実施を促進すべき必要性も高いものでありますので、さらに、新たな十カ年計画を策定する必要があると考えられます。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、内閣総理大臣が新たに昭和五十五年度を初年度とする国土調査事業十カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないものとすることを内容とするものであります。
 以上がこの法律案の提出の理由及びその要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げます。
#242
○理事(茜ケ久保重光君) 以上で両案の趣旨説明は終わりました。
 両案の審査は後日に譲りたいと思います。
#243
○理事(茜ケ久保重光君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#244
○理事(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#245
○理事(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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