くにさくロゴ
1979/04/24 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 建設委員会 第11号
姉妹サイト
 
1979/04/24 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 建設委員会 第11号

#1
第091回国会 建設委員会 第11号
昭和五十五年四月二十四日(木曜日)
   午後一時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     内田 善利君     太田 淳夫君
     小巻 敏雄君     上田耕一郎君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     太田 淳夫君     内田 善利君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大塚  喬君
    理 事
                降矢 敬義君
                増岡 康治君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                植木 光教君
                上田  稔君
                遠藤  要君
                中村 禎二君
                内田 善利君
                栗林 卓司君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       小渕 恵三君
   政府委員
       内閣官房内閣審
       議室長
       兼内閣総理大臣
       官房審議室長   清水  汪君
       内閣総理大臣官
       房管理室長    関  通彰君
       建設省都市局長  升本 達夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     中嶋 計広君
       文化庁文化財保
       護部長      山中 昌裕君
       農林水産省構造
       改善局計画部地
       域計画課長    川村 浩一君
       農林水産省農蚕
       園芸局農蚕企画
       室長       吉國  隆君
       自治省財政局財
       務調査官     平林 忠正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○明日香村における歴史的風土の保存及び生活環
 境の整備等に関する特別措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大塚喬君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、小巻敏雄君が委員を辞任され、その補欠として上田耕一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大塚喬君) 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案を議題といたします。
 まず、先般当委員会が行いました本案審査のための委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。茜ヶ久保君。
#4
○茜ケ久保重光君 先般、当委員会で行いました明日香村特別措置法案審査のための現地報告を申し上げます。
 去る三月二十一、二十二日の両日、大塚委員長、増田理事、増岡理事、内田委員、上田委員、栗林委員と私、茜ヶ久保は、明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法案の審査に資するため、奈良県に行き、明日香村の主な関係施設、史跡等を視察するとともに、県・村当局及び村民の代表等より、明日香村における現状と対策並びに今回の特別措置法案に関し、意見を聴取いたしました。
 以下、その説明事項をまとめ、調査の概要について御報告いたします。
 昭和三十一年に阪合、高市、飛鳥の三村が同時合併して、今日の明日香村が誕生したのであります。東西七・六キロ、南北六・六キロ、行政区域面積二千四百四ヘクタールの村域を概観するに、東南部には竜門、高取山地が大きく取り巻くように広がり、その支脈が西北に延びて、末端は余り高くない丘陵に変わり、波状に起伏しており、また、大和盆地に続く北に開けた部分には、大和三山が点在し、そのほぼ中央部を飛鳥川が北流して形成された飛鳥盆地ともいうべき盆地が広がっています。この地域一帯が、いわゆる六世紀後半から七世紀にわたる古代飛鳥の舞台となった中心地域と目されております。万葉集に歌われたゆかりの地は多く、宮跡、寺院跡、陵墓、古墳等、数多くの遺構、遺跡が分布していると言われ、現在は、比較的戸数の多い岡、飛鳥といった集落が立地しているほか、水田が広がっています。
 しかしながら、歴史上の飛鳥というのは、いまでは、一般的に飛鳥川の流域から大和三山に囲まれた明日香村を中心にして橿原市、桜井市、高取町などの一部を含めた広い地域を指していると言われております。
 今日、明日香村は、千六百四十七世帯、人口七千百人の小さな村であり、昭和五十年までは減少を続けていた人口は、最近に至って微増傾向になっています。また、財政状況は、昭和五十三年度の財政力指数〇・二二三、昭和五十四年度の基準財政収入額一億六千万円程度というきわめて財政力の脆弱な自治体であります。
 また、本村の産業別就業人口の推移を見ると、昭和四十年――四十五年までは、第一次産業に占める割合が四九・四一%と高水準にあり、農業主軸の就業構造でありましたが、五十四年十月現在においては、第一次二八・五%と大きくダウンし、第二次二四・七%、第三次は四六・八%となり、大きく変化しております。全戸数の五六%を占める農家戸数を持ちながら、専業農家は、わずか一五%にすぎず、兼業農家のうちでも、第二種兼業農家が非常に多く、比率が高くなってきております。この就業構造の変化は、都市近郊農村の特徴でもある兼業機会の増大や通勤圏の拡大等によって奈良、大阪方面に昼間の人口流出となったものと見られております。
 また、本村の土地利用形態は、全面積の五七・四%が山林であり、農耕地は二一・一%、宅地三・五%、その他公共用地等一八%という割合で利用されており、丘陵に入り込んだところの棚田及び飛鳥盆地等では水田として耕作されているほか、山ろくの畑には樹園地としてミカン栽培等が行われております。なお、集落もこの丘陵地形のくぼ地に点在しており、少し高い場所に登ると、大和棟の屋根だけが重なって見えるという特異な景観を呈しているのであります。
 このような明日香村には、特別史跡として石舞台古墳、高松塚古墳、史跡として大官大寺跡など十二カ所、その他陵墓、目的不明の不思議な石造物など、広い地域にわたって遺跡等が分布していると言われております。
 現在、明日香村では、全面積の約九〇%が何らかの特別な規制を受けております。文化財保護法に基づく史跡指定地を初め、古都保存法による歴史的風土保存区域、同特別保存地区、県風致条例による風致地区及び県自然環境保全条例による景観保全地区などであり、この他に都市計画法等に基づいて地域区分が定められております。中でも風致地区は村域の五二・二%が指定されており、山間部の畑、入谷、阿部山などの地域を除くだけであると言われております。このため、都市近郊の近代的農業である施設園芸のハウス栽培について、特に歴史的風土特別地区内は原則として禁止していると言われております。もちろん、許可されても高さ一・五メートル以下のものに限るとなっております。
 また、集落の家屋の新築、改築等については、建物の高さ制限のほか、建蔽率は十分の二から十分の三となっています。改築の場合は、改築後の建物の位置、形態及び意匠が改築の行われた土地の周辺の風致と調和がとれていること、さらに建物の形態について、屋根は勾配屋根とし、黒色かわらぶきとすることなどのほか、風土特別地区にあっては、建築確認申請に当たって予定される建築物の土地についての発掘調査を行った上でなければ許可が得られないということでございます。
 昭和四十五年十二月、政府は、飛鳥保存に関する方針を閣議で決定しております。建設省は、昭和四十六年に、飛鳥歴史公園として祝一尺石舞台、甘樫丘の三地区に、また、四十七年に、塚古墳壁画が発見されたことにより高松塚周辺を加え、四地区、総面積四十七ヘクタールの国営公園を周辺地域の歴史的風土と調和した景観とするよう、特性を生かして整備を行っていると言われ、すでに祝戸、石舞台地区は完成、他の二地区は整備中となっています。文化庁は、奥山地区に出土品を中心とした国立飛鳥資料館を、また、閣議の決定方針により設立された財団法人飛鳥保存財団は、近鉄飛鳥駅前に総合案内所、祝戸地区国営公園内に研修宿泊所、高松塚周辺地区国営公園内に高松塚の実物模型や出土品を展示した高松塚壁画館を経営、管理しております。その他、道路、周遊歩道、駐車場等の整備も図られてきております。
 一方、国民一般の明日香への関心は順次高まり、特に高松塚の発見がこれに拍車をかけ、今日では年間百五十万とも言われる観光客が押し寄せていると言われます。このため交通公害、空きかんの散乱など観光公害が発生しているなどによって住民の被害者意識が高まり、さまざまな規制に対する保障を含めて飛鳥保存事業に対する世評は厳しいものがあるということを感じます。
 また、県は、明日香特別措置法に対処するために、村整備基金に五十五年度の県負担分として一億二千五百万円を支出、さらに初年度の基金運用補助金として五千万円を別途計上しているということであります。
 基金の運用については、建築物などのデザイン規制に伴う助成とか、近代農業での規制で損失を受ける農業などへの補てん、ごみなど観光公害の対策などが考えられるであろうなどと県当局は言っておりましたが、本問題は今後の大きな課題というべきでありましょう。その他、県当局から、本法案に関係して、政党の要望、明日香村整備計画に基づく公共事業の実施方向、施設園芸作物等の価格安定のための施策、保存のための土地利用規制の緩和等について説明がありました。
 次いで、明日香村及び住民の代表からの意見の内容について事項をまとめ、要旨を申し上げます。
 一、明日香村における歴史的風土の保存の必要
  性は大多数の村民は認めているが、保存のた
  めの規制が強過ぎるので緩和する必要がある
  ということがございます。
 二、明日香村整備基金については、住民の生活
  の安定策のための運用及び物価上昇に伴う目
  減りが生じないよう、将来を見通し、スライ
  ド制を導入するか、または一定の時期に見直
  しを希望しております。
 三、特別措置法ということで、現在村民の気持
  ちは右に左にと揺れ動いておりますが、保存
  するに当たっては、村民の生活の安定が確保
  されなければ、真の保存はできないというこ
  と。観光公害についての対策を実施してもら
  いたいという要望。
 四、歴史的風土の保存は、住民の理解と協力が
  なければ生きた保存はできるものではありま
  せん。資料館の建設、公園の整備等は観光客
  のためのものであって、地元民のためとは言
  えない。農林業、地場産業の育成と振興対策
  が必要であること。
 五、施設園芸のハウス栽培についての規制の緩
  和と構造規格の拡大緩和を図ってもらいた
  い。規格及び規制を緩和しても資金及び労働
  力の面で施設増加ということにはすぐにはな
  らないということ。
 六、建物の新築等に対して規制が厳し過ぎ、手
  続等に日数がかかり過ぎる、簡素化をする必
  要があるということ。
 七、土地に対する利用規制が先行しているが、
  米の生産調整の対象から除外すること。その
  他の意見でありました。
 次に、本調査を総括して、一言、所見を申し上げます。
 今日まで、飛鳥の遺構、遺跡が保存され、明日香村の歴史的風土が良好な状態で維持されてきたのは、明日香村及び村民の深い理解と協力にあり、基本的にはあらゆる土地利用の規制等に耐えながらも維持されてきた農業構造にあると思われます。この農業構造の維持増進が結果的には歴史的風土の保存につながることであり、生活が確保された上で、そこに住む住民の保存に対する意識が先行しなければ生きた保存はできないということでありましょう。したがって、かかる広域にわたる文化的遺産に対する保存行政を進めるには、住民の協力的な主導により、自治体、国、民間があらゆる助言、指導、援助を行うことが一番望ましい保存に対する姿勢であります。
 このような観点から、次の点について十分に配慮すべきであると考えます。
 一、農業構造の維持増進を図るため、農業後継
  者の育成に努めるとともに、農業の振興及び
  基盤整備のための施策について推進するこ
  と。
 二、第一種歴史的風土保存地区については、米
  の生産調整について特別に配慮すること。ま
  た、住民の生活安定を図るための農林産物に
  対する価格安定対策を推進すること。
 三、都市近郊農村の近代的農業である施設園芸
  のビニールハウスに対しては、土地の利用形
  態を勘案し、地域によって弾力的に設置を認
  めるよう配慮すること。
 四、整備基金については、将来著しい経済変動
  が生じた場合には適切な配慮を行うこと。ま
  た、同基金による収入は住民の意向を反映し
  て適正な使用に努めること。
 五、建築物の建築許可申請の簡素化、迅速化を
  図り、保存地区の土地買い取り請求に対して
  は、できる限り速やかに処置されることが望
  ましいこと。
 以上であります。
 なお、木調査団は、平城宮跡、国立飛鳥歴史資料館、石舞台古墳、甘樫丘、高松塚古墳等を視察いたしました。
 最後に、明日香特別措置法案については、奈良県、明日香村及び総代会、村民が挙げて賛意を表するとともに、その成立を鶴首していること。今国会におけるこの法案の早期成立についての要望がありましたことを申し添えておきます。
 以上が今回の調査の概要であります。
 今回の調査に当たり、各方面から本調査に対して協力を賜りましたことをここに深く感謝申し上げ、御報告を終わります。
#5
○委員長(大塚喬君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 これより本案の質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○茜ケ久保重光君 ただいまかなり長文な報告を申し上げました。これは先ほど申し上げました各理事、委員の協力によってできたものであります。
 私は、建設委員会の調査と社会党議員団による独自な調査と二回参りましたが、いろいろとお聞きしたいことや主張したいことがございますけれども、いま報告でも触れたように、村当局、村民は非常に早い成立を期待されているのであります。したがいまして、余りくどくどと申し上げることは避けますけれども、何としてもこれだけは聞いておかぬと、あるいは注文しておかぬということがありますので、以下、時間の範囲内で御質問なり要望をしたいと思っております。
 私は、この質問の内容は全部当局にお見せしたんだから、くれぐれも答弁はひとつ簡潔に、なるべく時間をとらぬようにお願いしたい。余分なことをおっしゃると、また今度はこちらも重ねて質問しなくちゃなりませんから、要請した質問に対して的確、簡潔な答弁をお願いしたいと思います。
 まず、総務長官に憲法についての御意見、御所信を伺いたいと思います。
 憲法第九十五条は「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の佳局の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」となっております。この件に対して、総務長官は衆議院でもいろいろと答弁をせられておりますが、どうも私どもはやはりこの特別法は九十五条の適用を受けるべきものではなかろうか、こういう思いがするわけであります。
 総務長官は、衆議院でのこの件に対する見解を、地方公共団体の組織、権能及び運営について制約するものでないから、この特別法には住民投票は必要でないということを言っておられました。しかし、これは一見そういうふうに受け取れますけれども、第九十五条は、ただ単に地方公共団体の組織、権能及び運営について制約するというだけを指しているんじゃないんじゃないか、こう思うわけですね。この特別法は、以下いろいろと御質問申し上げますが、これは村民の生活なりあるいは私有権に対しての制約を加える。私は、組織や運営の制約よりもむしろ村民の生活、私権、そういったものを広く強く規制するという観点から、これはやはり明日香の特別法は憲法九十五条の住民投票が望ましい。また、これは必要欠くべからざるものと思うんですが、重ねて総務長官の見解をお尋ねいたしたい。
#7
○国務大臣(小渕恵三君) 憲法九十五条に対する考え方を委員はお述べになられたかと思いますけれども、私ども、政府といたしましては、今度の明日香特別措置法を提出いたしまするに当たりまして十分法的な背景というものも勉強いたしたつもりでございます。
 したがいまして、御指摘のありましたように、特定の地方公共団体の組織、権能及び運営について他の一般の地方公共団体と異なる特別の定めをする場合に、憲法九十五条は地方公共団体の自治権の侵害を防止することを目的とするものであって、前に申し上げたような問題にのみ適用があるものと解釈をいたしておるわけでございます。本法案は、保存計画の作成、保存地区に関する都市計画の決定について古都保存法の特例を定めるとともに、住民の生活環境等の整備に関して国等が講ずべき特別の措置を定めておるものでありまして、明日香村の組織、権能及び運営に対する制約ではないので、本法案は憲法九十五条の特別法に該当しないものであるという考え方に基づいて提出をいたしておるわけでございます。
 なお、この問題に関しましては、衆議院におきましても、内閣法制局長官並びに衆議院の法制局長からもこの措置法については憲法九十五条に該当しない旨の答弁がされておりますので、私どもといたしましては、重ねてでございますが、この憲法九十五条に抵触はいたさない、こう考えておる次第でございます。
#8
○茜ケ久保重光君 政府の答弁は、そういうことになるだろうとは思います。ただ、ぼくは衆議院時代に内閣委員を大分したんですが、内閣の法制局長官というのは法律の解釈を時の政府の都合のいいようにしか解釈しないんだな。これは大概ずっとそうなんだ。それは政府の番頭だからしようがないとしても、さらにまた、国会の法制局長も、政府に独立しているわけだけれども、やはり答弁を聞いていると、それが出てくるんだな。したがって、この九十五条の問題も、いま総務長官がおっしゃったように、やはり聞いていると政府の言うとおりに答弁される。総務長官の答弁を補足というか強化するというか、バックアップしているわけだ。
 これは内閣とすりゃそういう答弁が出てくるとは思うけれども、しかし、この憲法第九十五条は、一応「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。」何も地方公共団体の組織や運営についてだけではないと思うんだ。むしろ、先ほどぼくが言ったように、村民の生活をいろいろ規制し、私権を規制し、たとえば家をつくるのに高さが幾らでなけりゃならぬとか、屋根をどうしなくちゃならぬとか、色をどうしろとか、全く住民生活をがんじがらめに縛りつける特別法案だ。だから、私は、むしろ村の行政や組織を制約する以上に、地域住民の基本的人権や私有権やいろいろな制約があると思うので、したがって、総務長官のせっかくの答弁であるし、いろいろなことがあるとしても、これは私はやはりわれわれ国会議員としてはそう簡単にそうですかでは下がることはできない。
 そうは言ってみても、私は政治家の一人ですけれども、総務長官から九十五条を適用しますと、これは答弁は返ってこないな。しかし、政府としては、そういうことをやっぱり踏まえて、佳局の立場に立って温かい行政なり、政治の流れが村民に伝えられなければ、今後、このすばらしい明日香の歴史的風土あるいはいろいろな状態が維持できないと思うんですね。したがって、これはもうこれ以上九十五条を言うのはあれですから、そうくどくは申しませんが、総務長官、あなたは上州の出だ、上州は情に厚い土地だ、しかも総務長官は特に上州の中でもそういうすぐれたものを持っておられる。やっぱり長官のそういった気持ちが私はやはり今後のこの法律の施行に大きく影響する。そこで九十五条を適用するということは言わぬが、九十五条のいわゆるこの気持ちを体して、踏まえてこの法律を今後施行していくぐらいの所信と決意は表明してもらってもこれは悪くないと思う。いかがですか。
#9
○国務大臣(小渕恵三君) 憲法九十五条は、新憲法の中で国会の制定する法律が地方の自治権を侵害してはならないという、この条項については深く敬意を表する条項だと理解をいたしております。しかし、今度の法律案については、この条項の適用をすることに該当しないというたてまえであることは申し上げたとおりでございます。
 そこで、委員の御指摘を理解をさしていただければ、要は地方自治体あるいはそこに住居いたします、この問題で言えば明日香村民の方々の意思を十分踏まえながら本法は施行していかなきゃならないという御指摘と理解をいたしますれば、まことにおっしゃるとおりだろうと思います。この法律が提案に至ります間については、地方自治体としては特に奈良県あるいは本明日香村の当局並びに県民、村民の御意思を十分拝しながら法律制定の努力をいたしたつもりでございますので、そうした住民のお気持ちを十分配意しながら法律も成案を得てきたことでございますし、本法を施行さしていただくようになりますれば、その意思を十分踏まえながら施行いたしていくことは言うまでもないことと考えている次第でございます。
#10
○茜ケ久保重光君 ひとつぜひそういうことでやっていただきたい、こう願っております。
 質問を進めますが、今度のこの法律案の中に、第一条ですが、これは衆議院の審議の過程で一応修正ということになってはおりますけれども、まだ私どもが受け取ったこの議案にはちゃんとここにあるんです。いわゆる「国を愛する心の涵養」ということがあります。これはいま言ったように、衆議院で一応修正議決されておりますことは御承知のとおりでありますが、これは総務長官の個人のもちろん意思ではないのだけれども、どうもこういうのがちょいちょいと出てくるということはわれわれにはやはり気になるんですね。これはもう何か第二次世界大戦前のことをちらちらと感じる。
 国会の外には、毎日、毎日、軍歌が流れ、表立ってやられている。これはそんな心配はないと言ってしまえばそれまでですが、しかし、第二次世界大戦の前夜も国民一般はそう思っていなかったわけです。ところが、寝て起きてみたら真珠湾攻撃がやられた。私がこう言えば、その答弁はそんなことは絶対ありませんという答弁が返ってくるかもしれぬけれども、しかし、物事はそこまで考えぬとわれわれ国会議員はいかぬと思うんです。政府のおっしゃることを御無理ごもっともでやっておったんではこれはどうにもならない。いま何遍も申しますように、一応衆議院の審議の過程で修正にはなっていますけれども、私どもとしては、一言、このことについて触れておかなければならぬ責務があると思うんです。
 というのは、私自身は、相当戦争反対でがんばってきて、そのために刑務所にも四年ばかりつながれた経験があります。何もしないのに、ちょっと来いと引っ張られて、治安維持法違反ということで四年も刑務所の臭い飯を食わされた。これは本当にたまったものじゃない。国を愛する心、決して悪いと言いませんよ、国を愛することは。しかし、国を愛するということはへたに曲がってまいりますとえらいことになる。前のいわゆる古都保存法は国土を愛するということなんです。その辺はまだいいと思う。国を愛する、愛国心となると、これにはいろんな問題がある。
 そこで、総務長官にこれはぜひ要望をしたいんでありますが、次にいろんなことが出てくる場合に、こういうことが出ないようにぜひひとつ対処してもらいたい。したがいまして、ここで改めて国を愛する心を涵養するということがどういうふうにして出てきたのか、そしてまた、これを衆議院の審議過程で削除された時点における政府の、これは長官とは申しません、政府のこれに対するひとつ処置をお聞かせ願いたいと思います。
#11
○国務大臣(小渕恵三君) この明日香法を御提出いたしまするに当たりまして、私どもが考えましたのは、現在の行政区画の中で明日香村というものが存在しておりますけれども、明日香という地区は、言うまでもありませんが、わが国日本にとりまして、律令国家発祥の地でありますし、いわば日本が法治国家として内外とも認められたというきわめて特記すべき時代でありますし、また学者の説などによりますれば、この時期に初めて日本という国号が対外的にも呼称されるようになったということでもありますし、また仏教文化の成果が花開いた時代であり、かつまた万葉の一時期という華々しい日本文化が花開いた時期であると考えますれば、まさにこの明日香地域というものはわが日本にとりましてのふるさとと言っても過言でない地区であろう。したがいまして、こうした地区を今日的な国民がいま一度思い起こしまして、この地区の歴史的風土を守り抜くというその認識を深めていくということは、とりもなおさず、この日本の国を愛する気持ちにつながるものである、こういうことを念頭に置きながら、この第一条の目的としておるところの歴史的風土の保存をするための国の施策とあわせて住民対策を図っていこうという二つの目的を達しようということでございます。
 したがいまして、やや誤解というわけではありませんが、この「国を愛する心の涵養」自体がやや目的のように御理解を願ってはおらないかと思いますけれども、あくまでも本法律案は、そのことを十分考えの中に入れながら、申し上げたような二つの目的を達成するということでございますので、ごく素直にお受けとめいただきたいというのが趣旨でございます。先ほど委員のおっしゃられました、かつての愛国心というものがいろいろ戦争その他に結びついたという御議論もあることも、私ども、歴史を勉強する中で承知はいたしておりますけれども、あくまでも本法律案を提出いたしまする過程におきましては、そのような考え方は毛頭持つものではありませんで、日本の祖先、日本のふるさと、こういうものが現明日香村を中心にして発祥し、そのことを明日香村民を初めとして多くの皆さんのお力によって守り抜いてきた、そのことをまた現下一億一千万の国民が等しい気持ちになって保存していこうということの気持ちがすなわち国を愛する気持ちにも通ずるのではないか、こういった気持ちを込めまして、この中に文章化いたした次第でございますので御理解を願いたい、こう私どもはお願いしておるわけでございますが、しかし、衆議院段階におきまして、あえてこの字句を挿入することなくしても、この法律の目的は達成されるであろうという衆議院における御意思によりまして、この点につきましては、修正議決されておるような次第でございます。
#12
○茜ケ久保重光君 長官と議論する気はないんですが、われわれとしては、いろんな長い歴史を踏んできた者としては、ひっかかるものがある。いま長官も言われるように、これは目的じゃないと、目的じゃないのになぜ出てくるか、ここにやっぱり問題があるんだな。これは長官を責めるんじゃない。いわゆる目的でなければ何もこんなものは出る必要がないんです。この法案はこの言葉がなくとも完全にもう成り立っている。それにもかかわらず、やはり出てくるところに何か一つ流れるものを感じるわけです。
 したがって、議論はしませんが、国を愛する心を国民に養ってもらいたかったら、もっと日本を住みよい、これは明日香村だけじゃない、日本全体を住みよい、不安のない国土にしてもらえば、これはもうみんな国を愛する心が大きくなってくる。これはもう私はそう思う。これはいまもいろんな問題が起きているでしょう、政治でも経済でもいろんなことが。こういうことは結論として言えるんじゃないかと思うんですが、これは私の一つの気持ちを申し上げただけでございますから、御答弁には及びません。
 次に、地区指定による点について建設省にお伺いします。
 現在、明日香村の八九・八%の地域が厳しい土地利用規制を受けております。また、今回の法案の附則八条、すなわち古都保存法に新設される第七条の二の規定によって、明日香村全域を第一種または第二種の歴史的風土保存地区に線引きされ、従来の特別保存地区及び保存区域とは違った形の色塗りの区分がなされることになっております。
 現行の特別保存地区が、新法に言う第一種の保存地区に該当するものと解釈してよいのか。また、現在の特別保存地区よりも拡大して第一種の保存地区を指定しようという考えなのか。この特別保存地区では非常に土地利用の面で厳しい規制が出ております。住民はその点非常に困っているのが実態であります。
 また、第二種になる地区でも、風致地区の指定ということなど制限を受けることにもなっております。もちろん風致地区の指定に当たっては第一種から第二種、第三種までの地区の区分があり、行為制限に対しても若干の差はあるのですが、住民は、この特別法の制定によって現在以上に厳しい規制になるのではないかという心配をしておられます。当然でしょう。その点どうなのか。また、一切の行為に対して許可制をとるというのかどうか、その点ひとつ建設省当局の御答弁を願います。
#13
○政府委員(升本達夫君) おただしの第一点でございますが、第一種歴史的風土保存地区は、歴史上重要な遺跡や建造物などの文化的資産と周囲の環境とが一体となって明日香村における歴史的風土の中心的な部分を構成している地域というふうに考えられるわけでございまして、現に存する歴史的風土をその状態において保存する必要のある地域について定めることを考えております。現行古都保存法によります歴史的風土特別保存地区に相当する地区というふうに考えておる次第でございます。しかしながら、第一種歴史的風土保存地区の具体の区域につきましては、現行の特別保存地区を基本といたしますが、若干、実際の指定に当たりまして拡大した地域について指定が行われるということを考えているところでございます。その広がりは余り大きな広がりに至らない範囲で、若干、地域の拡大を考えております。
 それから第二点のおただしでございますが、第一種歴史的風土保存地区及び第二種歴史的風土保存地区が明日香村の全域について定められることになりますと、建築物の建築、宅地の造成等の行為は、通常一般のいわゆる管理行為あるいはまた軽易な行為、そういったものを除きましては、知事の許可を受けなければならないということになるわけでございますが、第一種歴史的風土保存地区につきましては、政令におきまして、現在行政指導を含めて古都保存法の特別保存地区で実施されているものとほぼ同水準の規制を定めることを予定いたしております。
 また、第二種の保存地区につきましては、住民の方々の生産活動に対する配慮を念頭に置きまして、現在自主規制を求めておりますビニールハウスにつきましては、歴史的風土と著しく不調和なものを除きまして、原則として認めることといたします等、ほぼ風致地区条例等によりまして明日香村において現在実施されているものと同じ水準の規制を考えているところでございます。
 したがいまして、この法案によります第一種及び第二種歴史的風土保存地区における規制を通じまして、現行の諸規制に比べて格段に厳しくなるというようなことはないというふうに御理解をいただきたいと思う次第でございます。
#14
○茜ケ久保重光君 法案の附則第八条で古都保存法を改正し、同法第七条の二を新設しておりますが、これは明日香特別法と同じような措置を他の市町村にも講ずる余地を持たせると思うんですが、この明日香特別法を除いて、ほかにどのような市町村がこの第七条の二の規定に当てはまるものであるか、また、それを考えておられるとすれば、どのような地区にどのような関係でそれを当てはめようとされているか。
#15
○政府委員(清水汪君) ただいまお尋ねの点でございますが、この改正をいたしました古都保存法の七条の二の規定におきましては、ただいま御指摘のように、一般的な規定の仕方をしておるわけでございます。ただ、その一般的と申しましても、そこに要件が書いてございまして、一つの地方公共団体の全域にわたって歴史的風土の保存を図ることが必要である、そういうような特殊の状況のものについての特例的な手続を別に法律の形で定めるということをうたっているわけでございます。
 で、今回は、それに該当するものとして、現在御審議いただいておりますこの明日香村につきましての特別措置法ということでございますけれども、さて、それでは、ほかの地域でそのような該当の事例が現在考えられているかということでございますれば、それは現在私どもとしては考えておらない、現実の問題としては他にこれに該当するようなものはございませんということをお答え申し上げたいと思います。
#16
○茜ケ久保重光君 やたらとあちこちにこうやられたんでは、それは大変なことだから、これは慎重にやってもらって、明日香というのは本当にもう特別だと思うから、本当に慎重にお願いしたい。
 次に、歴史的環境保存に対する考え方に二通りの方法があると思うんです。その第一は、地域住民の理解と協力で行う住民主導型のものと、第二は、国が地域地区あるいは建造物群を選んで保存する方法であります。
   〔委員長退席、理事増岡康治君着席〕
 しかし、広い地域の場合には、国からおりてくる保存方法では生きた真の保存にならない、廃墟的な保存になるおそれが多分にあると思うんです。生きた保存は、その地域に生活している住民が本当に保存に協力するという方向のものが真の保存であろうと思うんです。明日香村の場合、やはり私はそれを実証していると思うんですね。この明日香の歴史的風土保存もそうした方向で、もちろんいままでは住民の、何というか、自由意思による長い間の協力があったと思うんですが、今後は、こういう法律ができるんでありますから、なお一層そういうものを助長しなきゃならぬと思うんです。でなければ、本当の保存はできないと思うんです。
 埋蔵文化財的な遺構、遺跡と風土保存をあわせ持つ明日香村は、現実の生活的要求をどのように共存せしめるかということになろうと思うんです。従来は、ややともすれば地域の居住性の向上ということから、道路の整備であったり上下水道、公園といった公共事業的な施設整備にすぎなかったように思うんです。この法律の整備計画でもそのような傾向のものが考えられていると思うんだが、そのような施設整備は一般社会の向上発展によって普通の地域でも当然整備されることになるのであって、特定された地域だけの問題ではないと思うんです。今回のこの法案でも、また従来の古都保存法の適用を受けている明日香村は、あらゆる面で規制を受け、私有財産でありながら自分の思うようにならない、住民は自分の生活というものに疑念を持つことになろうと思うんです。そう考えてくると、住民の基本的人権という問題に突き当たってくるわけですが、住民に対する生活保障はどういうふうに考えていかれるのか、これは総務長官にひとつ適切な御説明をお願いします。
#17
○国務大臣(小渕恵三君) 明日香村における歴史的風土の保存と並行して地元住民の生活が成り立つよう配慮すべきであるということは、歴史的風土審議会の答申におきましてもうたわれているところでございます。本法案におきましては、第二種歴史的風土保存地区を著しい現状の変更を抑制する地区として、御指摘にありましたようないろいろな制限を加えておるわけでございます。
 これに対して、全村にわたるこうした規制に対する住民の理解と協力を得る措置といたしまして、一つとして、明日香村整備計画に基づいて村が行う事業に対する国の特別助成等、二つに、歴史的風土の保存と住民生活の安定向上のための細かな事業を行うための明日香村整備基金の造成に要する経費に対する補助、第三に、明日香村の反域において行為の規制が行われた場合における損失補償、土地の買い入れが円滑に行えるようこれに対する経費に対する国の負担、四、土地の買い入れに伴う譲渡益に対する課税についての特別控除、五、明日香村の区域内における固定資産税の課税免除等が行われても村の財政に支障が生じないよう、これに伴う減収額に対する地方交付税の基準財政収入額の算定上の所要の措置等の方策を講じ、村民生活に支障がないように十分配慮いたしてまいりたい、このように考えております。
 茜ヶ久保委員も御指摘ありましたように、この地区を保存するために明日香村民には、長きにわたりまして各般の制約の中でありながら歴史的な風土保存のために大変御苦労をいただいたわけでございます。みずからの私権を制約されながら、この歴史的風土並びに多くの文化財を保存することは、ひとり明日香村のことのみならず、わが日本全体の大切な財産を保持するという崇高な精神に支えられながら、あえて種々の制約を甘受してきたことを私どもは深く改めて敬意と感謝をささげておる次第でございます。
 したがいまして、先ほど申し上げましたような処置を講ずることによりまして、多年にわたりまして御苦労いただきましたことに対してお報いをいたしますと同時に、改めて村民の理解と協力を得ながら、国としても、それにふさわしい対応を行うことによりまして、なお引き続き日本のこの文化的遺産を守り抜くために御協力をいただきたいということでございますので、各般にわたりまして全力を挙げて御協力を申し上げていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#18
○茜ケ久保重光君 そのとおりだと思うんですね。ただ、実際に住民の生活の安定と向上をどうやってやるか、たとえば今日まで十年間に明日香村には百億の資金がつぎ込まれたんですね。しかし、この十年間に百億という明日香村に対する財政の投入が、村民の生活と全然関係がないとは言わぬけれども、ほとんどこれはもう公共事業に費やされ、一部の土建業者はもうかったけれども、その百億という金が村民の生活の安定や向上にどう役立ったかというと、村民はそれにみな否定的な考えを持っております。しかし、百億という金を使って公共事業をしたんだから、かなりそういう面ではできたんでしょう。
 今後は、いま長官も言われたように、長い間の協力に対して、具体的にじゃ住民の生活の安定と向上をどうやっていくのか、これは、長官じゃなくてもいいから総理府のだれか、ひとつ具体的に、こうして村民の生活の安定と向上に役立つんだということをおっしゃってもらいたい。
#19
○説明員(中嶋計広君) ただいま長官の方から御答弁申し上げました中にもございますことですが、一つは、今回の法律によりまして明日香村整備計画というのをつくろうといたしております。これは村民の方々が将来の生活設計を描くに当たりまして、自分たちの身の回りの生活環境がどのように整備されていくのか、その具体的な展望を与えられませんとなかなか生活設計が立たないということがございますので、長期にわたります生活環境の整備あるいは産業基盤の整備等につきましての計画を定めようとしているわけでございます。これは奈良県知事が定めまして国の承認をとるといったような手続をとるわけでございますが、その過程におきましては十分地元住民の意向というものを反映して策定するということにいたしてまいりたいというふうに考えております。
 つくり上げました計画を円滑に遂行いたしまして所期の目的を達成するために、この法律によりまして、一つは、そのうちの特定の事業につきましては国が特別の財政上の助成を行うということを考えております。それからまた、特別の財政上の助成のほかにも、地方債、これはいろんな事業をやります場合に地方債を財源にするわけでございますが、そういった地方債につきまして、できるだけ長期低利の資金で引き受けるように配慮するといったようなことも考える、また、政府が技術上あるいは財政上の配慮等も加えるといったことを考えております。このようなことによりまして、住民が将来にわたりまして安心して自分たちの身の回りの生活環境がどのように整備されていくのかという展望を持った上で生活設計を立てられるというふうに考えてまいりたいということが第一点でございます。
 それから第二点といたしまして、そのようなことをするにいたしましても、県とか村とか、あるいは国が直轄で事業をやるといったようなことには限度がございます。住民の生活の面から見てまいりますと、もっときめの細かい配慮、もっときめの細かい施策というものが必要であろうということで、そういったものは、できるだけ住民が自主的に運営するような財源を持ちまして、住民が自分たちの意思によって運営していく、自分たちの考えでもって対策を講じていくということが望ましいであろうという発想から、明日香村整備基金というものを村に設けるということを考えました。これも地元から大変強い要望があって、それを受けたわけでございます。それに対しまして国が一定の補助を行うということにいたしております。
 整備計画を立てまして、それを円滑に遂行するための施策をいろいろ講じていくということと、地元から大変強い要望のありました明日香村整備基金を造成するに当たりまして、国が補助いたしましてその造成をお助けしていくという、これを二つの柱と考えているわけでございます。
#20
○茜ケ久保重光君 説明を聞いているとわかったような気もするけれども、具体的にやっぱり生活環境整備も大事だし、後から触れますが、農業の問題、あるいは隣接地帯との土地の問題というのもありますね、そういうものが一体どういうふうに具体的になっていくかはっきりしないんですね。それは後でお尋ねしますが、いまの御答弁を聞いて、言葉の上ではわかるような気もするんだけど、実際明日香村の村民の皆さん方が日常生活を通じてどのように生活が安定し向上していくかということになると、いままでの御答弁ではなかなかびんとこないんじゃないか、こう思うわけです。しかし余り追及しませんが、ひとつ言葉だけじゃなくて、具体的にぜひそういうことがスムーズにいくようにお願いをしたいと思います。
 次に、保存のあり方についてお尋ねをします。
 先ほど御報告申し上げた調査報告にも述べておきましたが、明日香村の歴史的環境、これは地下遺構とか遺跡等でありますが、の保存に対しては、住民の保存意識の高まりと国、自治体の積極的な援助がなければ生きた保存ができないことは当然でありましょう。さきにも触れましたが、あくまで住民の保存に対する熱意がなければこれはどうにもならない。そこで、明日香保存が、また遺跡、遺構が保存されてきたのは、基本的には、いわゆる明日香の地区の農業構造にあったろうと思うんです。また農民の皆さん方も、明日香の遺跡を保存してきたのはわれわれ農民であるという自負をお持ちのようであります。当然でしょう。その構造の保存が結果的には明日香遺跡の保存であり、農業構造上の保存が歴史的風土の保存となるのは当然である。したがって農業を維持し増進するためには、将来の見通しも必要であるが、どんな農業振興策が考えられるか。
 私は、第一種のみならず、第二種の保存地区であっても、米の生産調整を除外したらどうかと思っているし、また、施設園芸のハウス栽培でも、第二種地区などではむしろ積極的にやらした方がいいのではなかろうかと思います。もちろん不適当な地域が中にあるとすれば、それはもちろん除くことは当然でしょう。農業に対して積極的な姿勢で対処しないことにはとうてい保存はむずかしいと思うんだが、総務長官と農林当局にお伺いしたい。むしろこれは具体的な問題ですから、農林省当局からひとつお答えを願います。
#21
○説明員(川村浩一君) ただいま御意見にもございましたように、農林水産省といたしましても、明日香村における歴史的風土の保存と民生の安定の上に農業がきわめて重要な役割りを果たしているように考えております。このような見地から、今後、明日香村及び奈良県御当局の御意向も十分お伺いしつつ、明日香村における農業の振興と農村の環境整備のための施策につきましては積極的な御支援を申し上げるつもりでございます。
 具体的な支援方策としては、われわれとしては、四点考えておりますが、まず第一点といたしましては、この法案におきます特別助成の対象になっておりますように、農業関係の公共事業、さらには林業関係の基盤整備としての林道開設、これにつきまして特別助成の対象として、これは周辺の大都市圏法によっては農業関係の基盤整備が入っておりませんが、明日香村に限って農林業の基盤整備あるいは農村の環境整備の面の公共事業を特別助成の対象にしていくというのが第一点でございます。
 それから第二点は、近代化施設につきまして、これは特別助成の対象にはなっておりませんが、基金の運用益の助成対象としてこれを積極的に活用さしていただきながら、いわば非公共といいますか、農業近代化施設の施設設備についてもできる限り御支援をしていく、こういう方向で総理府と十分御相談をしてまいりたい。
 第三点は、公共事業及び非公共事業を通じまして明日香村から御要望のあります農林省の施策につきましては、これを採択面において優先的に配慮してまいるつもりでございます。
 さらに第四点といたしまして、ただいま御指摘もございましたが、明日香村の農業振興を特に図ります場合に、やはりビニールハウスを利用した施設園芸というものが一つの中軸になってまいると思いますので、建設省御当局とも十分相談の上、この施設園芸が一つの軸になって農業振興が図られますよう、農業振興と開発規制との調和という点に十分配慮してまいるつもりでございます。
 なお、米の生産調整の問題につきましては、御承知のように、全国的に非常にむずかしい問題の中で、各市町村あるいは農家の御理解、御協力を得てやっております非常にむずかしい局面があることを御理解賜りたいというふうに存じます。
#22
○茜ケ久保重光君 衆議院の審議過程を見てもわかるんですが、米の生産調整、これはいろいろな問題があるんだが、これはわかります。だけど、これは法律でやるわけでもないし、農林省が一応指導的にやっているわけだから、これは違反してもいいとは言わぬけれども、これはやっぱり農民が、おれはもう絶対反対だと言ってやらなければこれはどうしようもないわけでしょう。ですが、日本の農民は非常におとなしくって、お上のおっしゃることは何でも聞くというような体質が残っておりますから、やっている。
 しかし、私は、明日香村に行ってみて、いまも言うように、やはり明日香の遺跡を守ってこれたのは農業だということは、これは皆認めている。したがって農民の皆さんもそう自負していらっしゃる。そこで、国会としても、明日香村だけは米の生産調整をやめろということは、これは言ってみることは言っても差し支えない。しかし、いろいろと関係するということをおっしゃるけれども、日本全国どこを探しても――特別保存地区があったりすることはありますよ、橿原にもあるだろうし、桜井にもあるだろう、しかし、村全体を全部やっているところはないんだな。いま政府委員が答弁したように、当分するということはないとおっしゃる。これは特殊中の特殊なんだ。こういうところに、政府が勝手に網をかぶせながら、農民の皆さん方が非常に熱望されているいわゆる生産調整を幾らかかげんすることができないばかなことはないと思う、そんな政治なんかないと思う。
 米の生産調整をやめたからといって明日香村の農村が繁栄するとか大変なことになるということはない。しかし、農民の皆さん方は、いわゆるビニールハウスも、これはそろばんをはじけばもうかるかもしれないが、やはり米をつくることに対する農民の一つの心理状態。それから、一面には、明日香はいろんな意味で制約されるけれども、全国でただ一つ明日香村の農民だけは米の生産調整はしなくても済むんだという気持ちは、これは非常に私は大事にしなくちゃならぬと思う。勝手に網をかぶせて、あとは何にもないじゃいかぬと思う。こう言ってみても、農林省の諸君は、御説ごもっとも、明日香村の調整はやめましょうと、これはとても言えぬわな。それはわかる。しかし、そういった気持ちを持ってやれば、何らかの形で明日香村の農民の皆さん方にこういう法律ができてよかったという気持ちが生まれると思う。そういうことを私はひしひしと感じていかなきゃいかぬと思う。このままではどうしようもない。
 そこで、国会にも附帯決議というのがある。もし衆議院でできなかったら、参議院では附帯決議をつけて、政府は明日香村における米の生産調整について特別な配慮をしなさいという決議をつければ、これはやはり政府は何らかの措置をしなくちゃならぬ。そのくらいやっぱり国会はしなけりゃ、私は、本当に何というか、この法案を通しても村民の皆さん方が困るということになるといかぬ。あと基金の問題もありますけれども、そういう意味でぜひひとつこれは、もう私長く言ったのは、現地へ二度行ってみて、そういうことを私は非常に痛切に感じたんだ。そのことが、いまさっき言ったように、農民の皆さん方の収入を大きくするとかしないとかじゃなくって、農民の皆さん方の気持ちをそういう形で何とかあらわしたい。これは国会議員としての私はやっぱり責任を感じる。
 そこで、きょう、局長に来いと言ったら、局長は何か農林水産委員会で来れぬと、何も局長が偉い、課長は偉くないとは言わぬ。だけれども、責任のある答弁をしてほしい。その場限りじゃ困る。したがって、いま言ったことはわかったと思うんだが、答弁も、生産調整を明日香村はやめますとは言えぬにしても、国会の意思を体してできるだけ農民の皆さん方の御要望に沿うような努力をしますぐらいの答弁は出てもいいと思う。ひとつ関係者がいたら、これは強要するんじゃないよ、強要するんじゃないが、一応、こちらからそういうことを言っておきたい。
#23
○説明員(吉國隆君) 該当地区の農家の方々がいろいろな規制下で大変苦労しながら生産調整に関しましても、ある程度の御協力をいただいておるという実情でございます。先生御承知と存じますが、水田利用再編対策と現在の生産調整の制度を呼んでおるわけでございますが、この制度におきましては、先生もおっしゃられましたように、非常にむずかしい条件下で全国各地いろいろな困難な事情がある中でお進めをいただいておるということでございまして、制度の内容といたしましては、国から各都道府県に対しまして目標面積を配分させていただきまして、これは一定の客観的な基準に従いまして配分をいたしまして、それから先は各都道府県知事、市町村長において各地域の個々の農業事情というものを勘案しながら御配分をいただくということで、地方公共団体の御協力をいただきながら全国的に進めておるという状況に相なっておるわけでございます。
 明日香村につきましても、奈良県御当局におきましては、そういった農業事情なり、あるいは歴史的風土との関係ということを独自にお考えになって、明日香村に対する目標の配分で若干の調整を加えておられるというふうに伺っております。
 国の段階でどの地区に対してどの程度の目標がいくべきであるといったようなことを指示いたしますという点につきましては、地域地域によって国は必ずしも農業事情というものを詳しく存じ上げておりませんし、また、地域間の公平といった面からどういった配分が適切かという点につきましても、やはり地域の事情に精通しておられる地方公共団体にお願いせざるを得ない、こういった実情にあるということを御了解いただきたいというふうに思います。
#24
○茜ケ久保重光君 そんなことはわかっているんだよ。だけれども、やっぱり県は国の意向を考えざるを得ない。実際にはそうなるにしても、県がもし仮にいろんなことを講じて明日香村におけるそういったことをやろうとしても、国が後ろからばすっと、何というか、にらんでいるとできないわけだ。したがって、先ほど言ったように、あなたが調整をやめますということは言えぬということはわかっている。しかし、県や自治体がそういう一つの幅を持った仕事ができるような状態を、農林省は、こう何というか、ちょっと適当な言葉がないんだが、県が国、農林省に遠慮しないでやれるような一つの雰囲気を持つことが私は大事だと思う。
 これは答弁要らぬよ、答弁しなくてもいいが、したがって、先ほど言ったように、これはこういうことを言っていればいつまでたっても同じ答弁が返ってくるんだから、これ以上言わぬけれども、国会という一つの場で何らかの意思表示があったならば、これはやはり国の行政機関はそれに沿って考慮する必要があるわけだから、そのことをあなたはきょうひとり農林省を代表して含んでおいてもらいたい。答弁は必要ありません。そのことを申し上げて、この問題を一応おしまいにします。
 次に、第四条第三項で整備計画の事項を掲げているのだが、この中で下水道整備は大和川流域下水道の一環として考えているのか。地下遺構等との関係で下水道は非常に困難ではないかと言われているんだが、実施は可能なのかどうか。
 また、住民の住宅の整備に関する事項を掲げているんだが、どのような住宅の整備を予定しているのか。もし公営住宅を予定しているとすれば、明日香村で過去どの程度の公営住宅が建設をされてきたか、その実情はどうなっているか説明を願いたいと思います。
#25
○政府委員(升本達夫君) 第一点の下水道についてのおただしでございますが、明日香村の下水道は大和川流域下水道の関連公共下水道事業として昭和五十六年度から事業に着手する予定でおります。現在、具体的な事業実施の計画について検討中のところであります。事業の実施に当たりまして、おただしのように、地下遺構との調整の問題等が起こることが十分考えられるところでございますけれども、これは具体の事例に当たりまして、その都度、十分な協議、調整を図りながら事業を進めるように指導をいたしてまいりたいと考えております。
 それから第二点の住宅の整備に関するおただしでございますが、住宅の整備につきましては、この四条に申します住宅の整備は、村のつくります村営住宅に限りませんで、県営その他を含めた公的住宅全般にわたって計画を定めることができるというふうに考えておるわけでございますが、当面は、明日香村の村営の公営住宅の建設の予定はございませんけれども、今後、この整備計画を策定するに当たりまして、将来の可能性を確保するという意味で条項の中に規定を入れさしていただいたものでございます。
 それから、最後に、現在までの明日香村における公営住宅建設の実績でございますけれども、昭和二十八年から三十八年までの間に合計八十二戸の住宅が建設されておりますけれども、三十九年以降は建設されておりません。
#26
○茜ケ久保重光君 その下水道工事、これは遺構、遺跡との関係で、たとえば家を建てるのに一一掘ってみるでしょう、下水道となると、かなり下を通すわけでしょう。これはそう簡単にいくのかな。どこでも掘ってもいいというわけにもいかないだろうし、その辺どうなんです。それは君の答弁を聞いていると、さっと言ったけれども、そんな、君、簡単にいくとは思えないんだが、どうだろう。
#27
○政府委員(升本達夫君) 私ども、現段階でどういう場所にどういう地下遺構があるのか具体的には把握をいたしておりませんので、これからの調査の段階を経て、下水道整備の全体計画並びに具体にその部分の実施に当たって調査を重ねていくよりいたし方がないと思っております。その調査の過程で、あるいは迂回を必要とするような場合もございましょうし、あるいは特殊な工法を使わなければならない場合も出てこようかと思いますけれども、それは個々具体のケースに即して努力をいたしていくということになろうかと思います。その地下遺構が非常に大きなものであって、かなりの広がりの部分について下水道の既定の計画どおり進み得ないということもあるいは将来あり得るかもしれません。その場合には、やはり全体計画の見直しとか、あるいは部分的に処理をするとか、いろいろその際に当たって応用問題として解決していくことになろうかという趣旨で申し上げた次第でございます。
#28
○茜ケ久保重光君 その点、あそこに遺跡の研究所みたいなものがあるな、そういうところと協力してやらなければいかぬわな、単独じゃとてもできないんだから。それはひとつ遺憾のないようにやって、せっかく残す風土なんだから、下水道のできるのは結構だが、そのために遺跡を壊しても困るので慎重にひとつお願いしたいと思う。
 次に、総務長官にお伺いしますが、基金の問題、整備基金を五年間で合計三十億お積みになって、その利息でいろいろとやろうとおっしゃるんだが、どうも三十億、まあ財政逼迫の現状から三十億でも政府はよく出したとおっしゃるかもしれぬけれども、出さないより出した方がいいに決まっているから、三十億でも私は決して悪いとは言わぬけれども、現実としますと最初百億だった、八十億、五十億とだんだん値切られて三十億。いろんなことを見ると、私は、多ければ多いほどいいんだが、百億と言わぬでも五十億くらいは最低限必要じゃないかと感じてきたわけです。いまもそれは変わりません。しかし、これは衆議院でもいろいろやってこられたんだが、結局、それはどうにもならぬ。
 そこで、すぐに五年の間にそう財政状態が裕福になるとも考えられないので、私は、含みとしては、五年の期間があるんだから、その間に財政的なゆとりができたならば、これを五十億にふやすということもあってよかろうと思う。さらに、また、物価高等がどんどん進みますと、最初予定したものが使えなくなる。一方では、何かスライドとは言わぬが、この基金に対して、一応、三十億という金額に対してはいまここで修正をしろということは申しませんけれども、いわゆる経済の好況が出現した場合には五年間に見直しをするということぐらいはあってもいいんじゃないか、こう思うわけですね。総務長官がお金をお出しになるわけじゃないけれども、そのくらいのおもんばかりはあってしかるべきと思うんですが、長官はいかがお考えでしょうかお伺いします。
#29
○国務大臣(小渕恵三君) 今回の整備基金につきましては、御案内のように、国、県合わせて三十億の基金を設けることになっておるわけでございますが、いまほども御質問の中でもありましたように、大変現下国家財政窮迫の折でございまして、今次五十五年度予算編成に当たりましても、この基金に助成をいたしますることに対しましては、私ども、総理府と大蔵省との予算折衝におきましても最終的に大臣折衝という形になりまして、最後竹下大蔵大臣の決断をもってお認めをいただいたというような経緯もございまして、今時点におきましては精いっぱいの金額であるとひとつ御理解をいただきたいわけでございます。
 なお、これからこの法律案をお認めいただきまして、年次的に積み上げていきますまずはスタートを五十五年度から出発さしていただくわけでございますので、向後におけるお約束をこの場面でいたすということは大変しにくいわけでございますので、この点も御理解をいただきたいと思います。
 ただ、衆議院の段階におきまして、私も、経済の予想し得ないような大変動というものも、好ましいことではありませんけれども、生きた経済社会の中で起こり得ることも否定し得ないことでもございますので、そうしたような事態におきましては、この基金の額等につきましても見直すこともあり得るのではないかと御答弁を申し上げましたが、そうしたことで今後積み立てをいたしまするのに五年間必要といたしますので、その時点あたりが、この基金によって生じました利子による果実が村当局の懸命な運営によりまして十分その成果を上げるものと期待をいたしておりますが、そのお仕事なども十分検討さしていただく時期ではないかというようなことも衆議院の段階で私御答弁申し上げましたが、いずれにいたしましても、額につきましては、御指摘のように、多いことはそれだけ多くの果実を生み出すわけでございますので好ましいことだとは存じまするけれども、この三十億をもって村当局が県、国等とも十分御意見も聞いていただきまして、懸命な運用益を生み出すことによりまして実績を上げていただくものだと思っているわけであります。
 いろいろつらつら申し上げましたが、要は、いずれの時期にか実績を見ながら、経済の予想し得ないような変動その他によりましてせっかくの果実が総体的に減衰するというようなことになりました段階におきましては、十分検討すべき課題である、このように認識をいたしております。
#30
○茜ケ久保重光君 冒頭も言ったように、決して三十億は多いと思わぬけれども、よく出したと思うんだ。それはやっぱり小渕総務長官と竹下大蔵大臣のこれはまた目に見えない一つの関係があったことだと私は想像するんだ。あるいは小渕総務長官でなかったら三十億出なかったかもしれない、それはぼくはやはり言葉にあらわせないものがあったと思う。したがって、ついでと言っちゃ悪いけれども、そういうふうな面で事が決まったんだから、またさらにひとつそこのところを押して竹下君にもうちょっと出させるようなことも、これはわれわれがバックアップするから、ひとつできるだけやってもらいたいと、こう念願をする次第です。答弁は要りません。御苦労でした。それから三十億出してもらったことに対しては一応これは敬意を表します。
 農林省にまたお伺いしたいと思いますが、この特定事業に対する助成の対象に、特に農林業関係を対象に加えているのは最も妥当な措置だと思っております。一般に大都市圏の財政特別措置法の対象としている特定事業より拡大された方向にあるとも思うんです。この明日香村は農業主体の構造が適切であり、この農業対策に対してどのような内容を持つものを考えておられるのか。今後、こういう法律ができていろいろなことが次々に実施をされるわけですが、その中で明日香村の農業はどういうふうなことで進めていくのが一番よいと考えておられるか、この点をひとつ。
#31
○説明員(川村浩一君) 明日香村の具体的な農業振興の今後の方向につきましては、明日香村に関します整備計画をつくる前に、村御当局及び県御当局と十分お打ち合わせをしながら、その方向づけをしてまいりたいというように考えておりますが、従来まで県及び村の御当局からお伺いした範囲内でわれわれが考えている方向を申し上げますと、やはり明日香村の中におきまして農業の立地条件というのがかなり地域差がございます。大きく分けますと三つの類型に分かれるんではないかというように考えております。
 第一のグループといいますのは、いわば第一種保存地区の問題がございますが、ここはやはり稲作が主体をなしながら、現状をできる限り維持しつつ歴史的風土の保存との調和を図っていくということになりますので稲作が中心であるということになりますと、稲作について、その生産性を上げ、あるいはコストダウンをしていく、そういう意味での施策というものが中心になってくるんではないか。たとえば田植えにつきまして農協等が中心になって田植えの共同育苗施設をつくっていく。あるいは稲作作業につきまして生産組織をつくりながら効率的な稲作作業をやっていく。あるいは収穫したもみにつきまして、これをミニライスセンターといいますか、小規模な乾燥調製施設というようなものを共同施設で置いていく。さらにそこにおける揚排水施設の整備も考えていく。こういうものが施策の中心になっていこうかと思います。
 第二のグループとして考えておりますのが、比較的それ以外の平場の野菜あるいは果樹が中心になる地帯でございますが、ここでは野菜面につきましてビニールハウスを主体にしました集約的な施設園芸というものの振興を図っていく。果樹につきましては、ミカンがかなりございますが、御承知のようにミカンについては現在価格が非常に下がりまして、いわゆるミカンの減反問題がございます。そういう意味では、従来の温州ミカンを晩柑類等にいわば改植していくという形でミカン農業の振興を図っていく。それから一部でございますが、やはりブドウについて巨峰等大房系のブドウを導入して新値をしていくという方向も考えられるのではないかと思います。
 それから第三のグループは主として山間部でございますが、山間部につきましてはなかなか農業で一本立ちということはむずかしゅうございますので、たとえばシイタケ栽培と合わせた複合経営を考えていく。あるいは花木の栽培といろいろ組み合わせた経営パターンを考えていく。そういうような複合経営的な形が第三のいわば山間部における農業振興の方向ではないかというふうに思っております。
 いずれにしましても、地区ごとにその地域の特性を生かして、いわばきめ細かい振興策を、今後、村御当局、県御当局と十分御相談の上進めてまいりたいというように考えております。
#32
○茜ケ久保重光君 いま言われたことで大体よかろうと思うんだ。ただ、実際に具体的にそれがやっぱり実施されぬと意味がないんだから、いま最後におっしゃった県や村と相談していく、それはひとつ村や県から言ってくるのを待っているんではなくて、農林省が主導的にどんどんひとつ行って指導する、あるいは要請する、そういう形で、法律は国がつくるけれども、あとのことは村や県が来なけりゃ知らぬじゃいかぬので、積極的に農林省自体がいまあなたがおっしゃったことを推進するという、ひとつこれはあなた大臣にかわって決意を表明してください。
#33
○説明員(川村浩一君) ただいま御指摘ございましたように、われわれも明日香村における農業振興がこの明日香村の歴史的風土保存の上にきわめて重要な役割りを果たしているというように考えておりますので、この法律が成立いたしました暁におきましては、
   〔理事増岡康治君退席、委員長着席〕
農業振興は基本的には地元の農家の方々、村の方々のお考えというものが前提にありますが、やはり専門家の立場からいろいろ現地できめ細かいアドバイスをしていくということも重要であると考えておりますので、法案成立後、できるだけ早い機会に、一度本省の専門家を含むメンバーで現地にお伺いをして、いろいろ調査をしたり、村当局あるいは農家の方とお話し合いをした上で、積極的なアドバイスをしてまいるつもりでございます。
#34
○茜ケ久保重光君 都市局長、ビニールハウス、これも少しどうかと思うんだがな、もちろん、君、飛鳥時代にはビニールハウスはなかったわな。だけど、君、飛鳥時代になくていまあるものはビニールハウスだけじゃないんだ、ほかにもたくさんあるんだ。どうも少しビニールハウスをこう何かいろいろ文句をつけ過ぎるような気がするんだな。いろいろ言わぬが、地下遺構を壊したりすることは困るけれども、ただ景観だけでぼくはビニールハウスを一いま農林省が言われたように、やっぱりこういう園芸は将来農村の一つの中心課題なんだな、減反も問題だが、ビニールハウスも問題だな。この辺をひとつよく農民の皆さんと話し合って、何かいい方法を考えたいと思うのだ。ぼくは現地へ行ったんだ。白いのがたくさんあって見苦しければ迷彩をすればいい、ビニールに迷彩を。保温状態の問題もありますからね、そういうことを考えてビニールに迷彩をつけてきれいにしたらいいと思う。いろんな方法がある。ただ、いかぬ、いかぬでは済まぬと思う。
 そこで、都市局長、そういう点をよく勘案して、このビニールハウスに対する対策も、現地農民や村の皆さんと相談をしながら、何かいい方法をひとつ考え出していく。将来ビニール園芸農業が推進できるような対策を立ててもらいたいと思うが、その決意いかん。
#35
○政府委員(升本達夫君) 先ほど来先生からたびたび御指摘になっておられますように、明日香村が農業立村ということを目指されておられる以上、あながちビニールハウスだからいかぬというようなことでいくことには限度があるということは、私ども、十分承知をいたしておるつもりでございます。そこで、いわゆるヒニールハウス――ビニールハウスと言われているものにもいろいろな形状、いろいろな態様のものがあるかと思うわけでございますけれども、とにかく全面一律に禁止ということはもう申し上げるつもりはございません。
 第一種の保存地区におきましては、余り大きなもの、要するに規模が余り大きいのはどうかと。一定の規模以下で、それから年じゅうずっと使うようなものでないもの、いわば一時的な使用というふうに考えられるもの。それから形がぽつぽつと、ビニールキャップというようなものでございましょうか、そういうようなかっこうでつくられるもの、こういうようなものはやっぱり許可できるという方向で考えさしていただきたい。
 それから第二種の地区につきましては、これは抽象的な表現で恐縮でございますけれども、周囲の歴史的風土と著しく不調和なものを除き、原則的に許可するという方向で考えておりまして、なお具体的な内容につきましては、これは歴史的風土審議会の御意見を伺った上で決めさしていただくわけでございますけれども、なお、その場合にも、農林水産省御当局とも十分御相談申し上げて、先生がおっしゃっておられるような趣旨にできるだけ反しないように、必要限度の規制にとどまるように努力をいたしてまいるつもりでございます。
#36
○茜ケ久保重光君 ひとつやっぱり何といったって農業中心だったんだから、よく考えて対処してもらいたいと思います。
 次に、自治省見えているね、続いて三点ばかりお伺いします。
 第一点は、第四条に規定されている整備計画に盛られる事業と第五条に規定されている特定事業の事項とがどこかかみ合わない。明日香村が単独事業として河川事業については実施する事業がないということで、河川は第五条から外されていると思うのですが、住宅に対してはどうだろうかということなんです。公営住宅を対象とする明日香村の対応は、当面ないとしても、全く予測も立たないという状況であって、必要がないというのではないと思うんです。そういった点をひとつ明らかにしてもらいたいと思うわけです。
#37
○政府委員(升本達夫君) おただしの点につきましては、この法律五条に申します特定事業が昭和五十五年から六十四年までの間に行われる事業ということでとらえておるわけでございまして、明日香村の公営住宅の建設予定が、この期間には、ございませんので省かしていただいておるということでございます。なお、将来、必要が生じましたときには、政令の改正等によりまして対象に含められるように検討をいたしたいと思っております。
#38
○茜ケ久保重光君 自治省。
#39
○説明員(平林忠正君) いまお尋ねの件については、建設省の方からお答え申し上げました。
#40
○茜ケ久保重光君 今度は財政面だから、これは自治省だな。
 さきの報告でも示しましたが、明日香村は人口が七千人余り、五十三年の財政力指数は〇・二二三、五十四年度の財政需要額は十八億五千万円程度ですが、これは学校建築が入っているから伸びたんであって、平年度では大体十二、三億円程度と言われております。しかも、その村税入は一億六千万円程度で非常に財政的に貧困な地方公共団体と言うことができるでしょう。厳しい規制の中で村財政をどのように強化していくか。
 また、明日香村が行う特定事業に対して対処する財政力があるかどうか非常に疑問でございます。法案の第五条第二項では「国の負担割合を超えて国が負担し、又は補助することとなる額の交付に関し必要な事項は、政令で定める。」と規定しておりますが、政令では、どのようなことを内容とするものなのかどうか、この明日香村の財政の長期見通しをどういうふうに見ているのか、ひとつあわせて御説明願います。
#41
○説明員(平林忠正君) 明日香村の財政状況につきましては、ただいまお話がございましたように、確かに余り裕福な団体というふうには考えられないわけであります。この明日香村の整備計画というものを、現在、奈良県において明日香村の意見を聞きまして素案を検討中でありまして、それに基づいて具体的なこの計画における所要財源が確定をしてくるわけでありますけれども、この計一画策定の段階におきまして、法律が要請をしております必要な生活環境及び産業基盤の整備水準の確保を図ることといたし、なお明日香村の財政負担の見通し等も十分に勘案をして、その計画というものが定められるというふうに考えているところであります。
 自治省といたしましても、県なり村から個別の御相談があれば、もちろんその過程におきまして十分御相談に応ずるとともに、明日香村整備計画に定められました事業につきましては、それが円滑に推進されますように、必要に応じて十分協力をしてまいりたいというふうに考えております。
#42
○茜ケ久保重光君 もう一点、村財政収入との関連で、この法案の附則第七条で地方交付税法の一部改正を行うとなっておりますが、その改正の趣旨、内容はどんなものですか。
#43
○説明員(平林忠正君) 明日香法案によりますと、明日香村の区域が古都保存法に決められます特別保存地区として位置づけられるということになっておりますが、そうしたしますと、いわゆる開発行為等の規制がされるという事情にかんがみまして、明日香村がその区域内の土地または家屋に重て課する固定資産税を−――地方税法の第六条に減免なり不均一課税の規定がございますが、その規定に基づいて村が固定資産税を免除なりあるいは不均一課税をした場合に、地方交付税の計算上は、それを基準財政収入額に算入をしないという扱いをするということでございます。
#44
○茜ケ久保重光君 次に、法第七条で「国は、」「明旦香村整備計画が円滑に達成されるよう、財政上及び技術上」配慮することを義務づけておりますが、その内容となるものは、どのようなものに対して配慮するというのか。もちろん明日香村には地下遺構、遺跡等埋蔵文化財といったものが非常に多いのです、その発掘調査を実施されている。住民に対しても、また住民の生活に迷惑をかけるようなことがあってはならぬと思うのでありますが、この辺の指導、援助をどう考えておるのか、ひとつそういうものの取り組みを説明願います。
#45
○政府委員(清水汪君) ただいまの第七条でございますが、たとえば国庫補助対象事業の採択に当たりまして、明日香村の整備計画に定められているところの事業を優先的に採択するというような配慮をするということが一つ考えられるわけでございますし、それからまた、たとえば奈良県あるいは明日香村から要請がございましたような場合に、この明日香村整備計画に定められているそのほかいろいろの事業がございます、文化財に関する事業というのもあるわけでございまして、ただいま先生がお挙げになりましたような、そういう事業につきまして必要な技術的な助言をするとか、あるいは指導を行う、あるいは場合によりましては技術者を派遣して援助するというようなことが将来考えられるであろうということから、このように五条及び六条のほかに、さらに一般的な規定としてこのような規定を置いたという趣旨でございます。
#46
○茜ケ久保重光君 文化庁見えていますね。――文化財保護法の第四章では、埋蔵文化財に対する規定が設けられており、第五十七条の五の規定では、遺跡と認められるものを発見した場合の届け出義務とか行為の停止または禁止命令が出せる規定があります。この明日香村は多くの史跡、古墳等埋蔵文化財があるわけですが、その中には宮跡、寺院跡等、地下遺構、遺跡が広範な地域にわたって存在しております。したがって、この特別保存地区内での史跡指定区域にある住民は、新たに建築物を新築、増改築する場合には発掘調査を行う義務がつけられている。これに伴って、発掘調査をして遺跡らしいものがなかった場合、また、調査の結果遺跡が見つかった場合、いずれにしても、そこに居住する住民は精神的経済的な負担を大きく受けることになると思うんだが、これに対する補償はどういうふうになっているのか。これは文化庁のひとつ御見解と趣旨とをお聞かせ願いたいと思います。
#47
○説明員(山中昌裕君) 埋蔵文化財があるということが相当の確度において推定されます土地を文化財保護法では埋蔵文化財包蔵地と、こう申しておりますが、全国で約三十万カ所あると見込まれております。
 いま先生申されましたとおり、そこにおいて土木工事などを行います場合には、工事着手の六十日前までに文化庁長官に届け出て、指示を受けることが必要とされております。ただ、この六十日の期間を、法律に六十日とあるからといってゆっくり構えておっては、その間、やはり全国の住民の方々に迷惑をかけるわけでございますので、私どもとしていま行っておりますのは、まず第一に、この時間でございますね、これを最大限短縮する。時間の短縮で必要なのは、市町村段階、県段階、国段階とそれぞれこれは考古の専門家の審査でございますからある程度の時間がかかりますが、その時間を最大限に短縮してまいる、この面で第一に努力する。そして昨年から、軽易なものにつきましては県の教育委員会の判断で、その専門職員の立ち会いのもとにもう工事を進めていただく、こういう処理を昨年から始めたわけでございます。
 で五十四年の実態で申し上げますと、明日香村から届け出がございましたのが五十三件ございますが、県の判断で、県の専門家の立ち合いで進めていただいたものが四十一件でございます。文化庁まで上がってまいりまして正式に発掘調査の段階に至ったのが十二件でございます。まず、そういう方法で、できる限りこの時間の短縮を図る。
 それから第二番目には、発掘に当たります地方公共団体の専門家、これは考古の専門家でございますが、その方々の技術水準を高めていく。考古の専門調査でございますから、機械力を導入して短縮するというわけにはちょっとまいりませんが、技術水準を高めてまいりますと、相当程度調査の時間が短縮してまいります。それについては奈良にちょうど国立の文化財研究所がございますので、そこに埋蔵文化財センターというものを設けまして、そういう地方公共団体の専門職員の専門研修を行うということをいたしておりましてその面から調査そのものの時間を短くして、住民生活への影響を最小限に食いとめるという努力を重ねております。
 特に、明日香村関係の場合につきまして申し上げますと、幸いにしてこの近くに国立では国立の文化財研究所もございますし、それから県立でも橿原考古学研究所、こういうものもございます。明日香村がこういう発掘調査を行いますだけでなしに、国の研究所、県の研究所も協力体制をとるようにいたしておりまして、それでそういう発掘調査に当たって住民生活への影響を最小限に食いとめる、こういう方向でいま努力しているところでございます。
#48
○茜ケ久保重光君 先ほどからお聞きのように、明日香村というところは非常に財政規模の弱い――これはまあ失礼な言い方ですが、村税が一億六千万しか出ないところですから、今後、この法律を施行するに当たってはいろいろな問題点が出てくるので、それに対しては、文化庁としても、できる限り思い切った施策を講じてもらいたい、これは要望です。
 次に、明日香のいろいろな伝承宮跡に対する発掘調査が行われているようでありますが、現在の発掘調査のテンポで進んだとすれば、今後、どの程度の年数で明日香村のそういったいわゆる遺跡あるいは宮跡等の発掘が終了するのか。また、これら調査が終わった後のこういう遺構、遺跡の保存がどういうふうなことになるのか、また、なった方がいいのか、こういう点をひとつお伺いしたいと思います。
#49
○説明員(山中昌裕君) 飛鳥の地域におきます文化財として後世にまで史跡に指定して残す、こういう必要がある重要な遺跡については国と県と村が協力して調査しておりますが、現在までのところ、大きなものを例に挙げて申しますと、国の研究所で学術調査いたしましたのは、飛鳥浄御原宮跡と推定されております土地とか、あるいは大官大寺の跡とか十四の遺跡がございます。それからまた、県立の橿原考古学研究所の学術調査としては、飛鳥板蓋宮跡と伝えられております場所とか、あるいは島宮の跡、それから明日香村が大学の協力を得まして、すでに全国的に知られております高松塚古墳とかマルコ山古墳、檜前宮跡の伝承地、こういう学術調査を行っております。また、さきの御質問で申し上げましたが、このほか土木工事等において発掘調査を行いますのは年に十数件あるわけでございます。
 こういった中で、特に重要で後世にまで残す、いわば史跡に指定されたものの今後の調査のスケジュールがどのようになるかということでございますが、個々の遺跡の状況によりまして変わってまいりますが、たとえば川原寺跡というような場合には大体二年ぐらいと推定されております。それから飛鳥稲淵宮殿跡、これは大体三年ぐらいと推定されております。大官大寺は相当進みましたので、あと五年ぐらいと想定されております。ただ、問題なのは、飛鳥浄御原宮跡の推定地とか飛鳥板蓋宮跡と伝えられておりますところは歴史上もきわめて重要な遺跡でありまして、これは相当大規模な遺跡になります。現在までにわかっておりますのはそのほんの一部でございまして、これについてはなお相当の年月がかかるものと考えられております。
 それから、こういう重要な遺跡について、それを調査が終わった段階でどうするのかということでございますが、こういう重要なもので後世に伝えられるべきものということがはっきりしてまいりましたものについては、土地所有者の方々とよくお話し合いしまして、史跡指定、それから史跡としての整備、こういうことで活用してまいる方向で対処していきたいと思っております。
#50
○茜ケ久保重光君 ぼくらは素人ですからわからないんですが、たとえば建物なんかはそのままあれしている、ところが明日香の場合はほとんど地下でしょう。たとえば甘樫丘に立って旧飛鳥村をながめて、あそこは何宮だったかな、旧飛鳥村の一帯にある大きな宮跡ね、みんなたんぼと村でしょう、だからその地下に遺跡があると言ってもわからないわけだな。
 そういうところはある程度発掘をして現状がわかったら、それは全部でなくてもある程度ずつ表に出して、そして一般のいわゆる人にも、ははあこれがかつての大宮殿の跡かということが現実にわかるようなことはできないのか、できるならばそれが望ましいと思うのだが、平城宮跡、あそこは大分出ていますね、それからほかに模型もできている。模型はぼくは余りぴんとこないと思うのだな。現実に掘って出た遺跡の状態が何らかの形で一般の人の目につくような保存法というか展示というか、できないものかどうか、いかがなものでしょう。
#51
○説明員(山中昌裕君) いま先生申されましたように、りっぱな遺跡についてそういう形で整備したいというのが実は私どもの念願でございますが、平城宮跡とかあるいは藤原宮跡のように唐の制度をいわば取り入れて大きな街路を形成する、こういう形で集積された形である宮殿ではございませんで、実は、この明日香の場合には、いろいろなものが村内に分散しておるというところが技術的に非常にむずかしいわけでございます。
 まず、いろんな文献その他から判断いたしまして、ここに推定されるというところでいま当たりをつけているわけでございますが、実際にこれを調査さしていただく場合にも、本当にそこにあるんだということが相当確実でないと土地の所有者の方々はなかなか調査に応じてくださらないという難点があるわけでございます。そこで、たまたまそこに建物を建てるというようなことになりますと、これはもうどうしても発掘調査しなければならない。そういう際に発見され、そしてこれが周りに広がっているというようなことからだんだん調査をして進めていくというようになっていままできたわけでございます。ただ、そういう工事等を待たずにも、事前にそういう分布調査と申しますか、あるいは範囲の確認調査と申しますか、これができますと一番望ましいわけでございまして、たとえば大官大寺のような、これはずっと農地でございますが、これは冬場などにお借りして、それで掘って調査しまして、それからまたもとのように埋め戻しまして、順々に調査してまいるということで相当姿が明らかになってきたものもあるわけでございます。今後、非常にいま明日香の村民の方々にも保存の熱意が高まっておりますので、そういうような方向をできるだけお話し合いしてまいりたい、このように考えております。
#52
○茜ケ久保重光君 できれば、だれでも一目見てわかるようになれば一番いいと思うのですね、いろいろ条件はありましょうが。
 それから、これはこの法案と直接関係がありませんが、日本全国にある天皇陵は確認できているのが幾つあるか、いまもしわかっていれば、数だけでいいが、お答え願いたい。
#53
○説明員(山中昌裕君) 天皇陵の場合には、皇室の祭祀の対象として宮内庁で管理いたしておりまして、その資料を見ればわかるのでございますが、いま手元にございませんのでお答え申し上げるわけにまいりません。
#54
○茜ケ久保重光君 総理府、とにかく明日香村はあの狭い土地に観光客が殺到するのだな。年間百万とも百五十万とも言われているのですが、道は狭いし、道路も余り新しい道はできていないので曲がりくねっている道も多いし、そこへ観光バスあるいはマイカー等が殺到する、観光公害というのがひどいですね。これは総務長官も向こうへ行かれたからわかると思うんですが、この観光公害に対して何とか手を打たなければ、あんまりひどくなると、村民の皆さんも、遺跡、遺構がたくさんあって村全体が日本の重要な文化財ということの気持ちがどこかへ吹っ飛んで、こんなことならもうこういう法律なんかできぬ方がいいというような気持ちが起こりつつある面がありますね。いつか行ったときに、婦人会長さんはそのことを非常に強い言葉で言っておりました、始末に困ると。一番困るのは、たんぼの中に空きかんなんかをどんどん捨てられること。
 これは総務長官に何とかしろと言っても無理な点ではありますけれども、しかし、何かいい方策を考えてもらわぬと、さらにまた観光客がふえると思うんですね。したがって何らか村や県とも協議されて、ひとつ村民の皆さん方が迷惑しないような状態をつくるための方策をぜひ考えてほしい、また実施してほしい、こう思うんです。いかがなものでしょうか。
#55
○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘のように、明日香村は、中でも高松塚古墳の発見以降、多くの方方が村を訪れておるわけでございまして、特に最近は古代史ブームというようなこともあるのでありましょうか、大変多数の方々が村を訪れることによって、大方は真摯な気持ちでその歴史的風土をめでながら、それにふさわしい行動をとっておると思いますが、しかし、中には村、村民に大変御迷惑をかける方も多いと聞いておりまして、大変残念に思っておるわけでございます。この法律が適用されてますますこの地区に対する国民の認識、国民の興味が増してまいりますれば、さらに多くの方々がお訪ねされるだろうと思います。
 そこで、御指摘にありましたいわゆる観光公害をいかになくしていくかということにつきましては十分配意をしなければならないことでございますが、しかし、総理府として直ちに実効が上がる方策と、こう言われましても、なかなか御答弁しにくいことでございますが、小さなことかもしれませんが、やはり行った方々がみずからのごみ、あくたの類はみずからが処理するというようなことに協力をしていただくことでもありますし、また、県や村と協力いたしまして、その観光客のモラルの高揚にさらに努めていく努力も必要だと思いますし、また、現在、飛鳥保存財団というような財団がその働きをいたしておりますが、そういうところにも御協力いただきまして、掲示、その他の方法によりまして注意を喚起いたしますとともに、ごみかごの設置などにつきましてもきめ細かい配慮をいたしていきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、訪れる方々がその地があくまでもみずからの日本の祖先、ふるさとというような認識に立ちまして理解を深め、モラルを保っていただくことに起因することであると思いますし、これはその解決方法に直接指摘するわけでありませんが、この地を訪れることによってそういう方々がまさに観光公害などを引き起こさないというモラルの問題にまで気持ちが一つになっていくことがありますれば、今次明日香法を提出いたし一石を投じたことがとりもなおさず日本国民の道徳心の高揚にもつながることでありまして、もって瞑すべきであると思う次第でございますが、いずれにいたしましても、いろんな問題が他の方々によって惹起されておる、その被害はひとえに村民がこうむっておるというような状況は看過し得ないわけでございますので、われわれもない知恵をしぼって、県、村当局とも力を合わして努力をいたしますとともに、訪れる方々にいま一度この地が他人のものでありませんという気持ちにのっとって道徳心を十分発揚していただきまして、公害などと言われることの起こらないように最善を尽くしていくべきであろうと思います。申し上げたことが精神論みたいになりましてはなはだ申しわけありませんけれども、非常に重要なことであるという認識は深くいたしておりますので、適宜適切な方策をとってまいりますために懸命に努力をいたしていきたいと思う次第でございます。
#56
○茜ケ久保重光君 これはなかなかむずかしい問題だな、そう簡単にいかぬと思うよ。しかし、何かしなきゃ困ると思うんだな、要するにいま長官の言われたようなことで、できるだけひとつ村民の皆さんが喜んでもらうようにぜひ指導を実施してもらいたいと思います。
 最後に、いま長官も言われた飛鳥保存財団についてひとつ御説明をお願いします。
#57
○政府委員(関通彰君) 御質問の飛鳥保存財団は、昭和四十六年に財団法人として発足したものでございます。発足以来、運用資金で事業を行いますとともに基本財産の積み立てを行っておりますが、現在、基本財産は五十四年度末で九億円でございまして、五十五年度にこれを十億円にする計画にいたしております。基本財産の果実が主に運用の資金になっているわけでございますが、財団が行っております事業は大別して二つに分けられるかと思います。
 一つは、施設の建設及び運営でございます。で施設としましては総合案内所、それから高松塚の壁画館、それから研修宿泊所の三つの施設を建設いたしまして、これの運営をいたしております。それから施設以外の事業といたしましては、一つは知識の普及でございまして、パンフレットの作成、シンポジウムの開催等をいたしております。それから三番目の事業としましては、地元の助成でございまして、村道の建設、舗装の村民負担の助成、あるいは小規模の土地改良の助成、あるいはわら屋根のふきかえ費の助成等、地元の活動に対します助成等の事業を行っております。
 以上が財団の概要でございます。
#58
○茜ケ久保重光君 これで質問は終わりますが、総務長官ね、いろいろお尋ねしたり申し上げたんですが、要は、やはり村民の皆さん方が喜んでこの法律を受けていただいて、せっかく政府が考え、つくり、われわれが協力してつくる法律ですから、皆さん方が喜んでいただけるような具体的な実施に十分な配慮をいただいて、これは決して金がふえればいいというんじゃありませんけれども、そういう面でもひとつ一層の御努力をお願いし、この法案の成立で明日香村が遺跡保存についても、村民の生活の安定についても十分な役割りを果たすように特に御要望申し上げて、質問を終わります。
#59
○増岡康治君 本法案の審議に当たりましては、私も現地を見さしていただいたり、あるいはまたりっぱな参考人の御意見を伺ったりいたしまして、また、ただいまは茜ヶ久保委員からの御質問がありまして皆さん方の御答弁をいただいてほとんど質問するようなことがないようなことでございますけれども、また、各論は降矢委員の方からやられますので、私、総論だけ、重なると思いますけれどもよろしくお願いいたしたいと思います。
 まず、長官に、今回、こういう特別の法律といいますかが提案になったわけでございますが、これにはいろんな経緯なり背景なり、また特別な意義づけがあったと思います。そういう背景のもとに、今回、明日香村についてのみこういう法案が適用されてきたと考えますと、非常に特殊な法律だなと私ども思いまして、現地へ行ったり、参考人の御意見を伺って、なるほどなと実は思ったのでございますけれども、ただ、ちょっとまた振り返ると、他の地区にもこういうところがあるのではなかろうかと思ってみたりいろいろしますが、それはともかくといたしまして、今回、本法制定に当たられましての長官のこの法案にかけるお気持ちと、それからもう一つ、明日香村についてのみ本法案の措置を講ずることになさった理由をひとつ簡単にお願いいたしたいと思います。
#60
○国務大臣(小渕恵三君) 御指摘は、明日香法を提出するに至るまでの経緯、背景あるいは意義等についてのお尋ねかと思いますが、
   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
若干、経過を申し上げますと、明日香村における歴史的風土の保存につきましては、昭和四十五年に「飛鳥地方における歴史的風土および文化財の保存等に関する方策について」閣議決定を行いまして、歴史的風土の保存地区、史跡の指定の拡大、道路、河川等の整備、歴史公園、歴史資料館の設置等の施策を講ずるとともに、飛鳥保存財団を設立することになったわけでございます。当時、佐藤内閣だったかと思いますが、首相みずから現地をお訪ねをされまして、保存についての政府としての姿勢について積極的なものが見え始めたのはその当時と記憶しております。
 その後、明日香村の歴史的風土を保存するために特別措置を講じてほしいという地元からの強い要請が繰り返し行われまして、五十三年八月には、奈良県知事、明日香村長から総理あてに、歴史的風土の保存と住民生活が両立するような方策を立てるとともに、明日香村における歴史的風土の保存が国家的な意義を有するものであることを明らかにするための特別立法措置を講じてほしいという強い要望書が提出されたわけでございまして、そうした背景もありました中に、有名な高松塚の発見その他によりまして国民全体におきましてもこの地区に対する特別な関心も寄せられてくるというようなこともございまして、そうした背景に基づきまして、昭和五十四年の三月に、歴史的風土審議会に「明日香村における歴史的風土の保存と地域住民の生活との調和を図るための方策について」諮問を行いまして、その答申を得て、この法律を提出するに至ったわけでございまして、この法律が成立いたしますれば、長年にわたる地元の要望にこたえて、住民の生活環境の整備等を図るともに、住民の理解と協力のもとに明日香村における歴史的風土の保存が図られることになり、わが国の文化の向上、発展に大きに寄与することになり、大変意義深いことだと確信をしておるわけでございます。
 お話にありましたように、大変画期的と申しますか、委員は特別な法律と申されておりますが、そういう感じのするものであることは事実でございまして、全国三千を超える市町村の中で一村の名前をかぶせた法律というものは、実は一つだけ戦前にありましたが、今日、この法律をもって嚆矢となすという法律でございますので、大変なものだろうと認識をしております。
 私も、一議員でありましたときに、この問題にかかわり合いを持ってまいりましたが、いわば明日香地区というものをいささか勉強いたしてまいりますれば、先刻来も茜ヶ久保委員にお答えいたしましたが、まさに六世紀、七世紀、八世紀にかけてのこの地区に文化が栄えた時代こそわが日本の最も歴史上国としての体制を確立した時代である。京都大学の上田教授によりますれば、倭と称号しておった日本が初めて漢書を初めとして中国その他の歴史書に日本という国号を明らかにした時代である。文化華やかな万葉の時代を現出した時代でもありますし、また、こうして法治国家として法律を審議するこういう国会の源泉をたどりますれば飛鳥浄御原律令をもって初めとなすとも言われておりますが、その後の大宝律令とか養老律令とかというものにつながる律令国家、法治国家発祥の時代であるということになりますれば、まさに日本民族の母なる地区である、こういう理解ができるだろうと思うのです。したがって、そのことを守るためには私は一個人としてはいわゆる明日香法という特別な法を制定することが望ましい、こう考えておりましたが、総務長官になりまして事務当局ともいろいろ相談いたしました段階で、現行ございます古都保存法に立脚をしながら、ちょっと言葉が適切でないかもしれませんけれども、親にまさる子供である、出藍の誉れのある法律としてこの明日香法を制定するという意義が大変あるのではないか、こう考えたわけでございます。
 と同時に、恐らく戦後一時期でありますれば、国家が補助金を出してこうした一地区を守ろうということの意欲はありましても、財政的な負担に国民全体が応じてくれるかどうかわからなかったわけでありまして、その間を明日香村民がみずからの力と努力によって日本のかけがえのないこの文化財を保護していこうというけなげなお気持ちをもって今日まで維持してきていただいたわけでありまして、その後、政府、県もいささかお手伝いをいたしてまいりましたが、まさにこの時点に立って、これから失うことのできないこの遺産を国民全体が守り抜こうという意思のもとに国の法律としてこれを定めようということだろうと思います。したがって、目的にありますように、国、県も力を尽くし、村当局も懸命の努力を払いまして、村民の生活を守り抜くと同時に、国家的な目的も達していくというこの二つの命題に対して、まことに調和ある形で今後維持していこうという意味では、この法律は私は大変従来に見ない新しい考え方に立った文化立法と考えてしかるべきだろうと思います。このことによって国の基本的な日本文化を守るという姿勢を明らかにするとともに、そこに現実に住まいする明日香村民の生活を向上維持していくということができますれば、もってこの法律の目的が達成できるものだとかように考えておる次第でございます。
#61
○増岡康治君 長官には、この法律に早くから取っ組まれた経歴が、今日長官になられてみずからこの法律の担当をなさった、非常にわれわれは敬意を表しておるわけでございまして、そういうお気持ちを今後ずっと行政官に伝えてほしいと思っておるわけでございます。
 いま長官の話の中で、五十三年の八月に奈良県知事あるいは明日香村の村長さんから総理大臣あてに陳情書が出ております。その中に住民対策についていろいろな条項がたくさん並んでおるわけでございますが、これは総理府の担当の方にちょっとお聞きしたいのですが、それが今回のこの法律によって、私がちょっと横目で見ますと、大半、県あるいは村の方々がおっしゃるような住民対策はカバーされておるかなと思っておるのでございますけれども、たとえば村の方で、いろいろなことで代替用地取得制度をつくってくれ、こういうような問題も書いてございますが、今度できます明日香村の整備基金の中でこういうものに対処できるのでしょうか。その辺の問題、あるいはまた、後ほどまた出るかもわかりませんが、土地の買い入れ制度だとか、いろいろ細かく県あるいは村からいろいろなものが出ておりますが、大体カバーされておるとは思うのですが、いまの点についてはいかがでしょうか。
#62
○説明員(中嶋計広君) 五十三年に、御指摘のとおり、奈良県知事と明日香村長から総理大臣あての御要望書をいただきまして、それをもとにいたしまして、この間これ以外にも地元からはたび重なりまして御要望をいただいておりますが、直接的にはこの要望書が出たことを一つの契機といたしまして、政府も本腰を入れましてこの問題に取り組もうということで、地元といろいろ御相談もいたしまして、地元の意向も踏まえた上で、昨年の三月に歴史的風土審議会に諮問をいたしまして、審議会の中に特別部会を設けていただきまして御審議いただき、昨年の七月答申をいただきまして、その答申に基づき今日の法案を組み立てていったといういきさつでございます。
 この審議会の特別部会には、県知事がもともと審議会の委員としても参加いただいております。村長さんは専門委員として御参加いただいております。直接明日香の問題でございますので、特別部会の構成員にはお入りいただかなかったんですが、オブザーバーという形で常時御出席いただきまして、必要に応じ意見を出していただいております。その間、地元の方と私どもいろいろ意見の交換を図りまして、要望書に盛られております地元の御要望につきましても、行政ベースで見まして実行可能なもの、ちょっとこれは無理じゃなかろうかと思われるようなもの、意見の交換をし、また地元としての要望の強さなどもお伺いをいたしまして、そういうものを踏まえた上で、地元としましてこういうものをぜひお願いしたいんだということで審議会の特別部会にいろいろ御意見を出されまして、その審議会は、特に住民対策の面につきましては地元の県なり村なり、特に村の意向が強いわけでございますが、希望を聞きまして、それをもとにいたしまして答申をまとめていったということでございます。したがいまして、この要望書をいただいておりますが、直接的には地元の要望は審議会の段階で特別部会の何回かの審議を通じまして審議会の答申の中に盛り込まれたということで結実しているかと思います。
 そういう面で見てまいりますと、今日、御審議いただいております法案のうち、特にその地元対策といいますか、地元住民の生活のための対策につきましては、審議会の答申を全面的に踏まえておりまして、まず、審議会の答申は全面的に盛り込み得たということで考えております。
 ただ、御指摘のございました代替地等につきましては、現実問題といたしまして、土地を用意いたしておきましても、どこでどういう需要が出ましてどういう土地を要望されるか、これが全然わからぬものでございますから、現実問題としては非常にむずかしいということで審議会の答申にも入っておりませんし、私どもの法案でもそこまでは考えていないということでございます。
#63
○理事(茜ケ久保重光君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#64
○理事(茜ケ久保重光君) 速記を起こして。
#65
○増岡康治君 次に、これは農水省、農業関係をやはり一つほど私からも要望申し上げたいんでございます。
 先ほども御答弁なさって、大体、三つの地域に対しておのおのの農業の振興方策を考えておられる、非常に結構だと思うのです。私どもは現地に参りまして、先ほど茜ヶ久保委員から非常に農業について御心配なさっておる、それはわれわれも同じような気持ちでございました。
 と申しますのは、村の七千人の方々の中でだんだんと第一次産業に従事される人が年々と少なくなっておる。その中でまた農業を専業とする方々もだんだん少なくなる、兼業がふえてくる。この兼業の中をまた見ますと、兼業の比率が多くなってくる。こういうような事態の動きというのは非常によくわかるんでございまして、周辺が非常に発達いたしまして、大都市にも近いし雇用の機会も多い、外へ出て働く機会が非常に多いいい場所である、こういうぐあいに考えてきますと、いろんな施設園芸を中心とした振興方策大いに結構でございます。生活のために大いにその地域の中で明日香村の農業が振興されることはいいんですけれども、やはり自然に、これはどう言いますか、兼業的な方が多くなるんではなかろうか。
 いわゆる専業農家は専業農家で大いに育っていかなきゃいけないんですが、どうも私ども日本全国のありさまを見ていますと、一番やはり兼業に向くのが水田ですね。一年間のうち二十七、八日働けばいいという、最も手間がかからないというのが通常的に言われておる今日、一般の方々はいわゆる水田というものに非常に魅力がある。それがしかも風土というものが歴史的風土になりますと、私どもはどうしても風土イコール水田イコール麦畑というような連想が頭に残るわけでございまして、上手な水田の転作ができりゃいいんですけれども、中途半端にして雑草のままに置いとくとか、こうしますと、またさっきの話じゃございませんが、観光客がそういうところに物を捨てるとかいろんなことが実は考えられるわけでございまして、私は、やはり茜ヶ久保委員と同じように、ひとつ私どもの頭にある歴史的風土というものは水田、麦畑というような問題がどうしても一緒にペアで頭の中に浮かぶという意味におきまして、ひとつこれは県、地方の自治体に任すという若干弾力的な本省の言葉でございましたので、そういうようにしてほしいなということは私からもお願い申し上げたいと、実はお願いでございまして、これは各与野党議員が全部やはりそういう話が出ました。
 何となくあの風景を見ますと、これからだんだん人口が少なくなっていく上に、やはり雇用の場が、大半の若い方々は外に就職して、りっぱなふるさとに家を持って、農業も若干手伝ってその土地を守り、実際はまた外に出て働いて生計を保つというような方向へいくんではなかろうかと、私の想像でございますが、こういう面でひとつ施設園芸大いに結構でございましょう、大いにその中に生きることと同時に、やはり先ほどの水田の転作問題については、さらにひとつ御協力をいただいて、明日香の皆さん方が本当にそこに住んでその村を守りやすいような、気分が合うような方向をひとつお願いいたしたいと、これは要望でございます。
 それからやはり出ましたのがビニールハウスでした。この問題は現地へ行きましても一番大きな問題でございます。先ほど都市局長の方からいろいろお話を聞きましたけれども、このビニールハウスの規制に対して、同じ答弁になるかしれませんけれども、現在におけるビニールハウスに対する考え方をもう一度ひとつ聞かしていただきたいと思います。
#66
○政府委員(升本達夫君) 先ほど茜ヶ久保先生の御質問に対してお答え申し上げたところと同じお答えになるわけでございますけれども、整理をさせていただいて申し上げさしていただきたいと思います。
 やはりおただしのように、農業中心のこれから村の立ち行きと申しますか、ということをお考えでございます以上、ビニールハウスなるがゆえにいかぬというようなことは考えても無理があるのではないかということを十分承知をいたしているつもりでございます。
 そこで、第一種地区におきましては、一定の規模以下のもので一時的使用と言える程度のものであるならばよかろうではないか、許可を認める、許可するという方向で整理をさしていただいたらどうだろう。具体的には、たとえばいわゆるビニールハウスと言われておりますものの中にもいろいろ形状、態様が違うようでございますが、ビニールキャップというようなああいったていのものでありますれば、ビニールなるがゆえにいかぬという対象のほかに、別と考えてしかるべきものではないか、以上のような考え方から許可の対象を考えてまいりたいというふうに考えております。
 それから、第二種の地区におきましては、周囲の歴史的風土と著しく不調和なものを除いて原則的に許可するというふうにお答えを申し上げておきたいと思います。しからば、著しく周囲の歴史的風土と不調和なものというのはどんなものかということになるわけでございますけれども、これから慎重に検討させていただきたいと思っておりますが、おおよそ、たとえば極端な色合い、真っ黒だとか真っ赤だとか赤だとかと、余りそういうことは考えられないかもしれませんけれども、そういった極端な色合いのもの、それから大変高さが高いというようなもの、ビニールハウスと言われている中にも、たとえばガラス温室みたいなもの、ああいうがっちりしたものと申しますか、というようなもの、そんなようなものは一応別といたしまして、原則的に許可するという方向で考えさしていただきたい。
 それから、これは制度の組み立てといたしまして、このような対象範囲を限定いたします場合には、歴史的風土審議会の御意見を伺って決めさしていただくわけでございますので、その間で十分いろいろ御意見を伺いたいと思いますし、先ほど来御答弁のございました農林水産省の当局とも十分御相談をしながら、現実の農業経営に御無理がいかぬ範囲で法律の趣旨を達成し得るように検討さしていただきたいと思っております。
#67
○増岡康治君 ひとつよろしく調和を保つように規制をお願いいたしたいと思います。
 それから、文化庁に、私見でございますけれども、ちょっとお尋ねしたいんでございますけれども、先ほどすでに茜ヶ久保委員の方から明日香村におきます歴史的風土の保存と並行いたしまして埋蔵文化財の発掘調査の計画等が若干お話がありましたので、それで結構なんでございますけれども、結局、余り急がなくてもいいんですね、これは。私どもは、先般も末永先生がおっしゃっておりましたけれども、強いてどんどん見つけよう見つけようというのじゃなしに、ある機会をとらえたり順次やっていけばいいんで、そう埋蔵文化財をいまのわれわれの生きておる世代で全部やってみょうだとか、そういう気持ちじゃないんでしょう。やはり私どもは京都にはもうロマンがないんだ、奈良、特に飛鳥にロマンがあるんだ、こういうようなことでございまして、そうあわてずにやってもいいんじゃないかと思うんでございますが、御意見をちょっと聞かしてもらいたいんです。
#68
○説明員(山中昌裕君) いま先生からお話があり、ましたように、埋蔵文化財の発掘がいま非常に大変になっておりますのは、あちらこちら非常に工事が行われる、そのために埋蔵文化財が壊されていくことを事前に防がなきゃならないので非常にいま忙しくなっているわけでございます。
 考古学の関係、末永先生のお話もございましたけれども、考古学関係者の間で申しますと、地表に出ますとすぐ腐食する。地中にありまして、ことに水気の多い地中にあります場合には、木のようなものについては相当長い間保存されて今日まで伝えられておる。まず第一に大事なことは、その遺構の状態を崩さないのがこれが学問的には第一だと、こういうふうに聞いております。ただ、そうは申しましても、はるか昔からこの日本列島の上で何層にも生活してまいっておりますので、どうしても住宅を建て直すとか、あるいは先ほども下水道のお話もございましたように、そういう生活に関連するような事業が行われてまいるわけでございます。そうしますと、住民生活の不便の問題と文化財の保護とこの両立を図るということから計画的な調査が必要になってまいります。
 そこで、ことに明日香につきましては、四十五年の閣議了解というものもございましたので、村だけにお任せしないで国の研究所、県の研究所がそれぞれ分担する。たとえば国の場合でございますと、奈良の文化財研究所には考古の日本の最高水準の専門家が五十八名おりますけれども、これが平城、飛鳥、藤原を分担しておりますが、飛鳥藤原発掘調査部を設けて学術調査を中心に進めて、また村の発掘調査もお手伝いする。橿原考古学研究所も同様な態勢で進めていっているわけでございます。
#69
○増岡康治君 それはわかるんでございますけれども、私が申し上げたのは、どう言いますか、長い長い、まだそう簡単にはすべてがわからないと思うんで、そうあわてて方々を発掘しますと、何かもう方々を掘り尽くして汚くなるんじゃないかと思っただけでございまして、逐次、計画的におやりいただきたいという希望だったわけでございます。
 これは一つの主観で申しわけないんですけれども、先般、高松塚古墳がちゃんと室温だとか温度、いろいろして近代的な保護をされているんですけれど、せっかくいい保護をされながら、ぽっと出るのは、コンクリートの入口がこう見える。あれどうにかなりませんかね、ああいうのは。これは主観かもしれませんけれど、もう少し金をかければきれいになる、もう少し自然にマッチしたようなものが。私が土木技術者だけにまたちょっとそういう逆の発想をしたんですが、ああいうものを保存するときはもう少し金をおかけになって、もう少し見やすいように、風景にマッチするように、お化粧言うちゃ何ですが、できないものかと、こういう印象が現地でありました。これは御要望をしておきます。
 あとは皆茜ヶ久保委員と一緒でございますので、これで私は総論としての質問を終わります。
#70
○降矢敬義君 私は、各論的に数点お伺いいたします。
 長官、今度の法律の一つの目玉はやっぱり整備基金を設けたことだと私は思っております。財政再建のスタートの年にこういう整備基金、五カ年で国で二十四億、大きな金を出すことを決断されたことについては私は非常な敬意を心から表します。この基金の意義をどういうふうに考えておられるのかということが第一点であります。
 それから第二番目には、この基金の運用でありますが、この点について第八条に書いてあります。使途については抽象的に書いてありますが、私は、恐らく第八条の一から三までの抽象的な文言を見ましても、ある程度国のいわゆる補助事業ではやれないようなものもきめの細かいことをお考えになっているのだろうと思います。そういう意味では、村の議会が中心になって、言うなれば住民が中心になってこの使途をいろいろ考えておやりになることと思いますが、国も相当のお金をこれに出すわけでありますから、やはり国としても何らかの、指導というとなんでありますが、お考え方というものもある程度示される必要があるのじゃないか。そういう点について、長官として、どういうふうにお考えになっているのか、二点あわせてお伺いいたしたいと思います。
#71
○政府委員(清水汪君) 私からお答え申し上げますが、この整備基金の設定ということは今回の特別措置法の中の重要な目玉の一つだと考えられているわけでございまして、これはまさに住民の長い間の協力によって今日まで良好な状態で維持されてきたこの明日香村の風土をさらに今度は国の法律のレベルで取り上げまして、これに対して国としてもさらに住民対策あるいは村の財政のために特別の措置をするという姿勢を打ち出したわけでございまして、その一つがこの整備基金でございます。
 そういう長年の宿願の実ったものでございますし、さて、そこでこの基金ということでございますので、これは村が当然自主的に管理運営をするということになるわけでございますし、また、基金ということの性質上、毎年毎年の予算で何がしかの金額を予算支出として獲得してくるというのとは違いまして、基金が造成されれば、それに基づいて一定の使用の見通しが立つ、そういうメリットがあろうかと思います。そういうことでございますし、もう一つは、公共事業につきましては、整備計画という形を通じまして補助率のかさ上げということをいたしていくことがもう一つの重要な柱でございますが、そうした公共事業というようなものに乗り得ないような、いわば身の回りのきめ細かな施策ということが要望されているわけでございまして、そういうものに対しては、この基金方式というのが非常に適するであろう、こういうことも言えるわけでございます。
 そういうような意味合いで設けられた基金でございますので、村の責任のもとに運営されることが当然であろうと考えておりますけれども、しかし、やはり国の立場からいたしましても、こうした財政事情の中で、これに相当の拠出をするわけでございますし、また、こうした全体の仕組みのもとで、いかによく保存と村民の生活あるいは産業との調和が図られていくかということは、これは全国的に関心を持たれる面もあろうかと思います。そういうようなことでございますので、国の方の立場からいたしましても、各般の面で各省がそれぞれ地元のためには当然やるべきことがたくさんあるわけでございますが、いろいろの面を通じまして、十分村側の意向も聞かせていただき、それからまた、あるいは県あるいは国側の考え方もお伝えするというようなことで相互に十分の意思の交流を図りながら、この基金の運用が行われていくというふうにいたしたいものと考えているところでございます。
#72
○降矢敬義君 いまの私の国としてどういうふうに指導するのかという質問は、むしろまさに全国民的な視点からこの文化財を守りたいという気持ちでありますので、地元の住民の御意向と同時に、そういう視点を入れて指導していただきたい、こういうことで申し上げたわけであります。そこで、この使途について八条にいろいろ書いてあるんでありますが、先ほどから、あるいはこの前の参考人の供述から見ましても、農業関係という、先ほど増岡先生のお話もありましたし、茜ヶ久保先生のお話もありましたが、農業というものが保存と非常に関係があるというようなことを盛んに先ほど言われておりますので、農業の振興といいますか、あるいは振興という言葉が悪いなら、農業経営というものにこの運用益というものが使われるようなことがこの八条の規定から読まれるのか読まれないのか、また、そのことをお考えになっているのか、なっていないのかということについてお聞かせを願いたいと思います。
#73
○説明員(中嶋計広君) 資金の運用益の用途につきましては、法案の第八条に一、二、三と三号ございますが、このうち住民の生活の安定向上を図るために行われる事業で歴史的風土の保存に関連して必要とされるもの、これは明日香村の村民の方々の生活の安定向上、特に明日香村が将来農業立村でいこうということでございますので、当然、住民の生活の安定向上ということになりますと、農業の振興ということを考えてまいらねばならないということでございますし、また、明日香村の農業が安定的に行われるということは歴史的風土の保存の上から申しましても非常に好ましいことでございまして、むしろ積極的に農業を維持していただきたいということでございますので、したがいまして、この条項でもちまして第三号の「住民の生活の安定向上を図」るための事業ということで、主としてこれは農業を頭に置きまして書いた条文でございます。
 具体的には、農業のための各種の施設、これはもちろん農林省の方で公共事業としておやりいただくものもあるわけでございますが、そのほかにも農道でございますとか、あるいは農業用の用排水路でございますとか、そういった施策、あるいは農業の後継者を育成するために行われる事業等等、きめ細かいことがいろいろあろうかと思います。そういうものに地元の方でも資金の運用益のかなりの部分を割きたいというお考えをお持ちのようでございますし、どういう案が検討されてまいりますか、地元の方で検討されました案が出てまいりました段階で、私どもも御相談にあずからせていただくわけでございますが、国の方としましても、農業関係に資金の運用益をお使いいただくことはまことに結構なことだと思いますので、そういう方針を支持するというような方向で御相談に乗ってまいりたいと思っております。
#74
○降矢敬義君 多少、あと条文に即して一、二聞きたいと思います。
 第二条の第二項に「第一種歴史的風土保存地区と第二種歴史的風土保存地区との区分の基準」というのが書いてありますが、この「基準」というのはどういうことをお考えになっているのかということが第一点。
 それから、その次は、三条関係でありますが、三条のこの一種、二種の歴史的風土地区における規制の中身、規制の内容をどういうふうにお考えになっているのか。そのときに特に第二種歴史的風土保存地区というものを古都保存法の特別保存地区というふうにまで規制を高めている理由というのもあわせてお伺いいたしたいというふうに思います。
#75
○政府委員(升本達夫君) 第一種歴史的風土保存地区並びに第二種歴史的風土保存地区の指定の基準でございますけれども、第一種歴史的風土保存地区は、第三条二項の規定に従いまして、歴史上重要な遺跡、建造物などの文化的資産と周囲の環境とが一体をなして明日香村における歴史的風土の枢要な部分を構成している地域であって、現に存する歴史的風土をその状態において保存する必要がある地域について指定することになろうかと思います。
 具体的に、しからば、その指定対象区域はということでございますけれども、これは現在古都保存法に基づきまして指定されております歴史的風土特別保存地区とほぼ同じ区域が指定対象になるものというふうに考えておりますが、なお部分的には若干これに加えて指定されることになろうかと考えます。
 それから第二種歴史的風土保存地区は、その他の明日香村の区域の全域にわたって指定されることになるわけでございまして、歴史的風土が良好な状態に維持されている明日香村の全域につきまして、現に存する歴史的風土の保存を図るため著しい現状の変更を抑制する地域という観点から、全村にわたって指定するということを考えておる次第でございます。
#76
○降矢敬義君 規制の内容。
#77
○政府委員(升本達夫君) 第二点のおただしの、規制の内容につきましては、まず、第一種地区におきましては、現在行政指導を含めまして古都保存法の特別保存地区で実施されているものとほぼ同水準の規制を予定いたしております。
 それから、第二種の地区におきましては、住民の生活及び生産活動を著しく阻害しないように、建築物の新築、増改築等につきましては、周囲の歴史的風土と著しく不調和でないものであれば、一定の基準のもとにおいて原則的に許可するということといたしまして、またビニールハウス等につきましても、歴史的風土と著しく不調和なものを除き原則として認めるという方向で検討をさしていただきたいというふうに考えている次第でございます。したがいまして第二種歴史的風土保存地区につきまして許可制をとるということになりましても、行政措置を含めた現行の規制と比較していただいて、必要以上に規制が強くなるというようなことがないように配慮いたしてまいるつもりでございます。
#78
○降矢敬義君 最後に、第二条の二項の五号に「土地の買入れに関する事項」を決めることになっておりますが、この土地の買い入れの問題は、古都保存法の十一条、あるいは請求があれば十四条によって行われるわけでありますけれども、この場合の国の費用負担関係はどうかということと、それから買い入れをされた、つまり逆に言え土地を売った側の譲渡所得の税制上の扱いというものがどういうふうになるのかということをお聞きいたしたいと思います。
#79
○政府委員(升本達夫君) 第一点の、土地の買い入れに当たっての国の費用負担のおただしでございますが、この場合、土地の買い入れに要する費用の国の負担分は五分の四を負担するということといたしております、これは第一種の場合でございます。それから第二種の保存地区につきまして土地の買い入れをいたします場合に、国が負担いたします分は十分の五・五ということにいたしております。
 それから第二点のおただしでございますが、土地の買い入れを行います場合の売却する権利者の側に課される譲渡所得に対する特別控除制度の適用関係でございますが、これは第一種地区も第二種地区も、本法案の三条三項の規定によりまして古都保存法の特別保存地区というふうに解されることになりますために、この両地区内で土地の買い入れを行います場合には、いずれも古都保存法十一条の規定に基づいて行われるということになるわけでございまして、したがって土地の買い入れに伴います譲渡所得につきましては、古都保存法の特別保存地区内における土地の買い入れに係る租税特別措置法の現行の規定がそっくり適用されることになるわけでございまして、第一種地区、第二種地区におきます土地の買い入れともに二千万円の特別控除が適用されるということになっております。
#80
○降矢敬義君 私はもう時間が参りましたので、これ以上御質問は継続いたしません。
 いずれにいたしましても、この法律につきましては、さっきの二人の委員の先生方がおっしゃったように、やはり国家的な見地と地元の住民の生活というものとのかかわり合いをこの特別法によって末永く保存しようということでありますので、この運営につきましてぜひ地元奈良県、国と一層綿密な連携をとって将来ともすばらしい成果を残すようにぜひお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#81
○理事(茜ケ久保重光君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト