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1979/03/25 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 商工委員会 第4号
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1979/03/25 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 商工委員会 第4号

#1
第091回国会 商工委員会 第4号
昭和五十五年三月二十五日(火曜日)
   午前十時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十一日
    辞任         補欠選任
     岩崎 純三君     熊谷太三郎君
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     熊谷太三郎君     岩崎 純三君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     井上  計君     向井 長年君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     小柳  勇君     大木 正吾君
     向井 長年君     井上  計君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 十朗君
    理 事
                中村 啓一君
                真鍋 賢二君
                大森  昭君
                安武 洋子君
    委 員
                岩崎 純三君
                楠  正俊君
                斎藤栄三郎君
                下条進一郎君
                福岡日出麿君
                吉田 正雄君
                中尾 辰義君
                馬場  富君
                市川 正一君
                井上  計君
                柿沢 弘治君
   国務大臣
       通商産業大臣   佐々木義武君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        戸塚 進也君
       通商産業省貿易
       局長       花岡 宗助君
       通商産業省機械
       情報産業局長   栗原 昭平君
       工業技術院長   石坂 誠一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       工業技術院標準
       部長       松村 克之君
       日本電信電話公
       社総務理事    山口 開生君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○工業標準化法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(斎藤十朗君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十四日、井上計君が委員を辞任され、その補欠として向井長年君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(斎藤十朗君) 工業標準化法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明等につきましては、すでに前回の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○大森昭君 提案されております工業標準化法、制定をされまして三十余年経過をしているわけでありますが、いずれにいたしましてもこの法律自身がわが国の経済の基盤整備に大きな役割りを果たしたと思いますが、現下の社会情勢の変化、もろもろのことが今日社会情勢の中で変化をしておりますが、本法律を消費者保護あるいは省資源、省エネルギーなど多面的に活用すべきではないかと考えますが、政府は本法律のこれまでの役割りをどのように評価をしているか、そしてまた今後この法律をどのように活用していくのかお伺いしたいと思います。
#5
○政府委員(戸塚進也君) お答えいたします。
 大森委員の適切な御指摘、まことにごもっともだと存じます。工業標準化につきましては、単に産業界ということだけでなくて、一般消費者に対しましてもJISマークというものの表示制度を通じまして、大森委員御指摘のとおり、これまでも大きな便益を与えてきたと私どもは考えております。したがいまして、わが国経済の発展に大変大きな役割りを果たしてきたものと考えております。
 今後の工業標準化の方向につきましても、大森委員御指摘のございましたように消費者保護でございますとか、あるいはまた時代のこうした情勢を踏まえまして、省資源あるいはまた省エネルギーなどにきわめて重要な課題がある、このように考えております。今般の法改正を含めまして、工業標準化法の運用をより積極的に行っていく必要がある、このように考えている次第でございます。
#6
○大森昭君 本法律は二本の柱で、すなわち日本の工業規格JISの制定とJISマークの表示制度の運営により構成をされておりますが、今後JISの制定方針、JISマーク表示制度の運営方針は、いま政務次官から御答弁ありましたように、エネルギー問題など現下の諸情勢を踏まえ、長期的観点から作成すべきと考えますが、同時にまた、JISが真に活用されるためには関係者の意見を十分踏まえたJISが制定されることが必要であると思いますが、この点どのようにお考えですか。
#7
○政府委員(石坂誠一君) 御指摘のとおり、JISの制定、JISマークの表示制度の運営につきましては、従来から長期的な方針を定めましてその方針に基づいて制度の運用を行ってまいったわけでございます。
   〔委員長退席、理事中村啓一君着席〕
今後のJISの制定に当たりましても、標準化事業をめぐる内外の情勢の変化を十分踏まえていく必要があると存じております。この点につきましては、現在、日本工業標準調査会におきまして工業標準化制度の運営のあり方に関して審議が進められておりますので、その審議結果を受けまして長期的な方針を早急に具体化するつもりでおるのでございます。
#8
○大森昭君 今回の改正でJIS規格の見直し頻度を五年に一度というふうに改正をされますが、現在三年の中での規格の改正、廃止に至る程度はどの程度の実績を経過しておりますか。
#9
○説明員(松村克之君) 現在、三年ごとの見直しで改正、廃止をいたしておりますのは大体一割程度でございまして、それ以外のものは現行の規格をそのまま確認していると、こういう状況でございます。
#10
○大森昭君 まあ昔の一年と最近の一年というのは相当変わっておりまして、技術的な進歩にいたしましても、あらゆる分野で進みぐあいが激しいわけであります。それを、いま御答弁ありましたように一割程度あったという話でありますが、それを五年にするということになりますと、それだけ規格の改正などを行うのに少し間があくんじゃないかと思うんですが、この辺はどのような経過で三年を五年にいたしましたか。
#11
○政府委員(石坂誠一君) 実は規格の見直し期間につきましては、ISOの規格の見直し期間が五年間という期間を採用しておりますので、今回わが国の法改正に際してこれに合わせることにしたわけでございます。実は見直しの頻度を三年から五年に改正いたしますと、技術進歩の著しい分野における規格等につきましては、御趣旨のとおり五年間の間ではその情勢の変化に対応できないということがございますので、五年の見直し頻度ということにはなっておりますけれども、必要に応じまして機動的に見直しを行って技術進歩に即応させていきたいというように考えております。
#12
○大森昭君 JISの制定に当たりまして、日本工業標準調査会というんですか、これがありまして、この審議を経て主務大臣がJISを制定されるようになっておるようでありますが、先般この日本工業標準調査会の名簿をいただきましたけれども、実際にこの調査会の活動状況だとか審議経過だとかというような実態はどのようになっているんですか。
#13
○政府委員(石坂誠一君) 調査会は学識経験者等の中から通産大臣が任命する委員、数にいたしまして二百四十人以内で組織されているのでございます。このほか、調査会には特別なまたは専門的な事項を調査審議するために臨時委員または専門委員を置くことができることとなっておりまして、現在その数は約二万人に及んでおるのでございます。JISの実質的審議を担当する専門委員会は、実質的な利害関係者の意見を十分反映していただくために、生産者、使用消費者及び販売者が適正な比率になるようにその構成が決められているのでございます。
#14
○大森昭君 役所のこういう調査会だとか審議会だとかというのは学識経験者に決まっているんですが、先ほどから討論がありますように、JISを制定する際に相当な専門的な知識があることは必要だと思うんですが、JISを今度使う側でやはり広く意見を聞くということになりますと、端的に申し上げますが、これをいただきましたけれども、役所の方々、これが三分の一と、学校の先生が三分の一ぐらいと、まあ大ざっぱですが。あといろいろ肩書きは理事長だとか研究所長だとかなっているわけですけれども、むしろJISを制定するのと同時に、その制定をされたものが有効適切に活用されているかどうかという意味合いからいきますと、これは地域の婦人団体から三人ぐらいですね、この二百四十人のうち。こういう形で調査会が運営されているということになりますと、実際に使用者の立場あるいはエネルギーの問題などについての立場での意見などを集約するというのには、少し従来の態様を変化させる必要があるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。
#15
○政府委員(石坂誠一君) ただいま調査会の本委員会の構成について御指摘があったわけでございますが、先ほども申しましたように、専門委員会というのを持って具体的な事項につきまして御審議いただいているわけでございますが、通常この専門委員会の構成は、生産者が三、使用消費者が三、それから学識経験者が四というような割合でやっておりまして、消費者の声も十分反映して決められておるというように考えております。
#16
○大森昭君 いや、今度は海外の問題にも発展するこれは法改正でしょう。ちょっとお伺いしますが、たとえばいままで、国内のやつですけれども、この先生方はこれはどこで候補者を決めて任命するわけですか。
   〔理事中村啓一君退席、委員長着席〕
#17
○説明員(松村克之君) いま院長から答弁いたしましたように、具体的な規格の策定に当たりましては専門委員会でこれをつくるわけでございますけれども、この専門委員会の構成の割合につきましては、調査会の中にございます標準会議でもってその構成の割合、たとえば生産者と消費者あるいは使用者あるいは中立の割合を決めるわけでございますが、具体的なその専門家の委員の任命につきましては、その候補者を選ぶに当たりましては、これはやはりその関係いたします規格の生産についての専門家あるいは規格を使用する側の専門家といったような方をお願いするわけでございます。
#18
○大森昭君 私はこの専門委員会というのは出たことないからよくわかりませんが、やはり、きょう余り深い議論をする気はないんですが刺激を少し与えませんといけませんので。これは役所の方なんか見てますとポストでなっておるんですね。たとえば郵政関係は電波監理局長がなっていますが、まあこの方は古いんですけれども、大体役所というのは一年ぐらいでかわっちゃうんですね、早いと。そういうことで、単にこれは肩書きだけでこの専門委員を決めていくようなことで、果たして出席率の問題なんかでも実際にどういうかっこうになっているのかという疑問もありますし、それから学者というのはみんな学会がありますよ、いま。たとえば地質学なら地質学の学会があるし、いろんなそういう専門のあるでしょう。むしろそういう中で、やはり出席の悪い人とか、あるいはどっちかと言えば適任者を選んでもらうという仕組みにしませんと、ある特定の先生にお願いに行くなんていうかっこうですと、その先生が出てこなくてもどうしても今度取り消しづらくなるでしょう、正直言って。ですからそういう意味合いで、私も専門家じゃないからよくわかりませんが、どうかひとつこういう調査会の機能をより発展させるという意味合いでは、絶えず見直しをやっぱりしていくということにしておきませんと、引き続きお願いをしてなかなかやめてもらえないなんていうかっこうでは、これは大体もう役所の行政というのは、こういうこと言うと怒られるかもわかりませんが、大体調査会だとか審議会だとかを隠れみのにいたしまして、あなたの場合は違うかもわかりませんが、そういう危惧がありますので、どうか調査会の見直しなどについてもこの際法改正に伴いましてひとつ精力的にやっていただくことを要望しておきます。
 それからJISマークの表示許可工場の検査体制を強化するために、設備の検査法だとか品質管理方法などについての専門知識を有する標準管理者ですか、というような方をJISの許可工場に設置をして、絶えずそういう職場における管理、監督というものをしていった方が、過去にも生コンなどについて事故があったようなことも聞いておりますが、この辺のところはどのようにお考えですか。
#19
○政府委員(石坂誠一君) 許可工場の生産条件を適正に保つためには、製造設備だとか検査設備等いわばハードな面だけではございませんで、品質管理にかかる社内体制の整備というようなソフト面の充実が非常に大事であるというように考えております。この点につきましては、昨年の十二月に出されました日本工業標準調査会の答申におきましても指摘されているところでございまして、その方向に沿いまして今後所要の措置を進めていきたいというように考えております。
#20
○大森昭君 まあ今度のこの取り扱いの背景というのは、なかなか複雑なんだろうと思うんですね。単に国際規格をつくるとか、あるいは三年を五年にするとかいう問題じゃなくて、これは東京ラウンドから出て出発しているわけでありますから、非常に貿易に関係する問題がその背景にあると思うんですよ。しかし、きょうそのことは議論いたしませんが、ただ、いままで国内でいろいろやってまいりましたものを国外に積極的に参画をするということでありますが、そういう意味からいきますと、従来のような姿勢であっては、このスタンダード・コードの成立に伴って、むしろ逆に実施することによって海外からの批判を浴びるようなことがあっちゃこれは何の役にも立たないわけでありますから、そういう意味合いで、国際規格の作成を行うという意味合いでいままでやってきた内容と変えて、政府のありようについての検討はされておるわけですか。
#21
○政府委員(石坂誠一君) 御指摘のとおり、今後日本のJISというものは国外との関連においていろいろ整合性を保っていかなければならないということになるわけでございます。したがいまして、今度は国際規格の方におきましても、その制定とか改正に当たりましてわが国の意見を適正に反映させていくことが必要であるというように考えております。このためにも実はISOとかIECというような国際機関がございますが、それの理事国としていま活動しておるわけでございますが、さらにこの活動を充実いたしまして、さらにその下にございます各技術専門委員会、これをTCと呼んでおりますが、それにおきます幹事国の引き受けというようなこともより積極的に参加していく必要があるかと思っております。
#22
○大森昭君 まあ現在も日本規格協会で英訳によるJISの規格書などもつくっているようでありますが、実際には総数が七千七百四十件ですか、このJISのいま現在は。しかし、まあこの規格書というのはこの三分の一弱ですね、ぐらいしか出版していないということになりますと、海外から日本の工業規格を十分理解をするという意味合いからいきますと、これでは諸外国の方々が日本の工業規格を積極的に理解できないという状態だろうと思うんですが、この辺のところも手直しをされるわけですか。
#23
○政府委員(石坂誠一君) 御指摘のとおり現在規格総数七千七百規格のうち英訳されているものは二千規格に過ぎないわけでございます。しかし、従来ともいろいろその英語版の需要が多いものにつきましては英訳出版について努めてはきてまいったわけでございます。しかし、今後におきましては、特に発展途上国におきまして日本のJISを参考にしたいというような声も非常に強くなっておりますし、英文版のJISに対する需要はますます増大するというように予想されますので、これらの需要に十分対応できるように配慮してまいりたいと存じております。
#24
○大森昭君 この実施に伴って先進国というのはそんなに問題が起きないと思うんですが、むしろ発展途上国ですね、日本の工業技術から比べればずっと劣ると言うと怒られるかもわかりませんか、まだそこまで技術は進歩してないんだろうと思うんですね。その中でこれは開放するわけでありますから、発展途上国におけるJISの規格の決定については若干摩擦が起きるんじゃないかというふうに、私、素人ですから危惧をするわけでありますが、いまこの開放に基づいて大体発展途上国との関係というのはどのように政府は予測をしているんですか。
#25
○説明員(松村克之君) 工業標準化は発展途上国工業開発の基礎であるということは当然でございますが、また一方から考えますと、われわれ日本の立場からしますと、こういう発展途上国の工業標準化に対する援助というものは技術協力の重要な分野でございます。したがいまして、日本がJISをつくる場合のみならず、またこれらの国がそれぞれの国の規格をつくる場合、そのそれぞれの規格づくり、あるいは規格づくり全体のシステムのつくり方等についてこれまでも技術協力を行ってまいりましたし、今後もその点については努力を続けていきたいと思っております。
 また一方では、直接向こうに行きましての技術協力のみならず、これらの国の標準化事業に対する担当者、一般に言いまして東南アジア諸国あるいは発展途上国におきましては、これらの標準化事業が政府によって行われていることは御存じのとおりでございますが、これらの担当の公務員等を日本に呼びましてJIS規格制定に関する研修あるいは表示制度についての研修等も行っているわけでございます。
 また現在バスクと言いまして環太平洋諸国が集まりまして地域的な一つの標準機関をつくっているわけでございますが、毎年一回会合を持ちまして、そこでいろいろ今後の標準化事業のあり方について国際的なノーハウの交換を行っているわけでございます。これらの場所も十分利用いたしまして発展途上国との標準化問題についての連絡を密にしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#26
○大森昭君 それじゃあ公社の方来ていますね、電電公社で工業標準化法の一部改正に伴って、公社としての資材調達問題にどのような影響があると思われますか。
#27
○説明員(山口開生君) お答えいたします。ただいま先生の御質問にお答えでございますが、私ども電電公社が投入いたしております設備につきましては、たとえば抵抗だとかコンデンサーだとか、こういったいわゆるその設備を構成しております慣用的な部品につきましては、公社といたしましても極力JIS規格製品を採用しているところでございますけれども、交換器だとか、あるいはマイクロウエーブといったような公衆電気通信設備そのものにつきましてはJIS規格ではございませんので、まあ公社がみずから仕様書を定めておりまして、それによって調達をしているところでございます。したがいまして、公社が今回のJISマーク表示制度の輸入産品にも適用するということになりましても、ただいま申しましたように、電電公社が購入しております通信設備につきましては、それに対する直接の影響はないものと考えております。
#28
○大森昭君 まあこの法案の一部改正に直接は関連ないと思いますが、従来から懸案になっております政府調達問題について、今日までの経過と現状はどのようになっておるかお伺いしたいと思います。
#29
○説明員(山口開生君) お答えいたします。
 先生御承知のように、日米の特に政府調達絡みで電電公社の資材調達問題につきましては、昨年の六月に日米共同声明が出されておりまして、その共同発表において双方で了解されております基本的な枠組みにのっとりまして、五十五年末、本年末までに合意に達することを目標といたしまして政府間で交渉が進められております。
 ただいままで四回の交渉が行われてまいりました。この交渉第一回目は昨年の七月でございますが、第二回目が同じく昨年の九月でございます。第三回目が十一月でございまして、第四回目が本年の二月に行われております。これには米国側からは通商交渉特別代表部とか、あるいは国務省、労働省等が出席しておりますし、特に第二回、第三回にはアメリカで最も大きい電話会社でありますAT&Tという会社がございますが、ここの代表が出ております。日本側からは交渉主体であります外務省、それから通産省、郵政省が出席されておりまして、それに電電公社も出席をいたしておるわけでございます。
 この交渉の中身といたしましては、まず双方の電気通信事業体の調達実態について、やはり相互に認識を深めていくということから着実に交渉を進めてまいっておりまして、現在まで日米双方の電気通信市場の実態、それから日本の電信電話公社とただいま申し上げましたアメリカのAT&Tの調達の実態とか、あるいは研究開発の体制とか、あるいは自営市場と申しまして直接公社が設置をしているわけではございませんが、以外の、いわば私どもでは直営と言っておりますが、直営以外の自営の市場においての日米双方の情報について交換をし合う、こういうことを進めてまいっておりまして、現在まで先ほど申し上げましたように、第四回が終わっておりますが、双方とも実態について認識を深めたものと考えております。
#30
○大森昭君 まあ自由貿易を反対しているわけじゃないんでありますが、通信機器というものは一体何かと、加えてまあその中枢部門というのはそう外国から持ってきまして継ぎ足しするということができる問題じゃないし、加えてこの通信機器の技術というのはあらゆる分野にこれは波及する問題であります。とりわけ公社の置かれている現状というのは、アメリカと違いましてそれぞれ下請の工場などにみんなやらしているわけでありますから、その意味ではまあ相互主義でお互いに理解をしたというわけでありますが、大変そこに働く人たちの雇用の問題、そしてまた大きくは日本の技術進歩にかかわる問題でありますから、今後の日米交渉において公社側はどのような態度で臨むかをお伺いしたいと思います。
#31
○説明員(山口開生君) お答えいたします。
 ただいま先生がおっしゃいましたように、電気通信ネットワークというものは、標準化なりあるいは設計思想の統一された中において設備をつくってまいっております。これは先進国各国とも同様でございまして、そういった面で直ちに外国の製品が入ってきてそれですぐ使えてというふうにはまいらないのは御指摘のとおりでございます。したがいまして、その点は今回のこの事務折衝においても双方とも認識を深めたと考えておりますし、そのために従来から言われております競争入札による物品調達というのはこれは向かないんだということもお互い認識得たと思っております。したがいまして、今後の交渉につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、特に電電公社は基本的な使命としまして良質、低廉でかつ豊富な電気通信サービスを提供すると、こういうふうに考えてございまして、これを念頭に置きつつ、しかも相互主義の基本を踏まえて今後解決を図ってまいりたいと、このように考えております。
#32
○大森昭君 この一部改正に伴う問題点というのはそう多くはないんでありますが、いま公社の方に来ていただきましたのは、一つの例として実はきょう来ていただいたわけでありますが、いずれにいたしましても、国際規格化ということになってきますと通産省が所管をいたします。貿易全体にかかわる問題にも発展してくるでしょうし、とりわけ今後の技術の進歩に従いまして、電子部門からいろいろな部門に波及してくるんだろうと思うのであります。そういう意味合いからいきますと、少し事務的じゃなくて政策的に今後の取り組みをぜひしていただくことを、きょうは大臣いなくて政務次官お見えになっておりますが、どうかひとつ公社のいま御発言もありましたので、公社自身は大変弱い立場でありますから、通産省、郵政省ですね、ひとつ全力を挙げて公社側の考え方を遂行していただくことを最後にお伺いいたしまして、質問終わりたいと思います。
#33
○政府委員(戸塚進也君) 最初に大森委員御指摘のような角度、国産品愛用あるいは中小企業対策、こういう面で御心配いただいておりますことを感謝申し上げます。特に、御指摘のように、中小企業の技術指導等につきましても通産省といたしましてもできるだけ努力をいたしたいと考えております。ただいま公社からいろいろ御答弁がございましたように、公社関係の納入物品、これは一般市場性に乏しい特殊用の品物が多いわけでございます。そういうことで、電電公社がみずから定めた仕様に基づいて調達を行っております。したがいまして、もしJISマークの表示制度を輸入品に適用をいたしたいということになりましても、それによりまして電電公社等の調達品が輸入品に占められてしまうと、こういう御心配はまずないと、このように考えております。しかし、もし個々の物品等で問題が生ずるというようなそういう場合がございました場合は関係省庁、関係機関と十分緊密な連絡をとりましてきめ細かい対策を講じてまいりたいと存じます。
#34
○馬場富君 本法律の改正によりまして、直ちにJISマーク表示制度の導入について申請をやはり外国からもしてくると、こう思われるわけですが、これに対してどのくらいのものが初期に申請されるか、その点ですね。それから、それに対する予算措置等についてはどのように考えられておるか、この点についてお尋ねいたいます。
#35
○政府委員(石坂誠一君) JISマーク表示の承認を希望してまいると予想される外国企業の数でございますが、現在までの調査では六十余りというような程度でございます。で、五十五年度でございますが、これは初年度でもございますので、外国からの申請はそう多くないだろうと、数件程度ではないかというように予想しておりまして、そのため審査に必要な旅費等につきまして、わずかではございますけれども、予算措置を講じておるわけでございます。
#36
○馬場富君 これの関連で、JISマーク表示の制度はどのような商品が外国商品の場合に利用されるということに考えてみえますか。
#37
○政府委員(石坂誠一君) ただいままでの調査によりますと電気製品が多いようでございまして、五三・八%というような数字が出ております。その次が機械製品、それから鉄鋼、日用品、その他というような順序になっております。
#38
○馬場富君 次に、工業標準化の推進の計画についてでございますが、いままでのJISに対して現在までどのような点が重点になって今日まできたかという点と、あわせましてこれからやはり長期的にどのような計画でこれを持っていくかという一つの計画性をお尋ねしたいと思いますが。
#39
○政府委員(戸塚進也君) 先ほども大森委員の一部御質問にもお答えいたしましたけれども、とれまで政府といたしましては昭和四十七年の日本工業標準調査会の建議に沿いまして、国民生活の質的な向上あるいは良好な自然環境の確保等を重点といたしまして長期計画を策定いたしまして、そして規格の制定を進めてまいったところでございます。
 ただいま御指摘のございましたように、情勢がいろいろ変化をいたしております。特にエネルギー情勢等の変化など、その後の変化を踏まえまして目下調査会におきまして今後の規格の重点分野ということについて審議が進められているところでございます。近いうちにその結論が出ようかと存じますが、特に省資源、省エネルギーそれから国際規格との整合性の確保等がその中心になると、このように考えられております。
#40
○馬場富君 次に、まあ商品テストの結果のPRについて、やはり工業標準化の普及のためにも、やはり政府はこの商品のテスト結果等もやっぱり一般にPRする必要があるんではないかという点ですが、この点はどうでしょうか。
#41
○政府委員(石坂誠一君) 商品テストを行っておるわけでございますが、このテストを行いまして問題の商品があった場合におきましては、メーカーに対しまして改善を指導するというような所要の措置を講ずるわけでございますが、その結果につきましては新聞等ブレス発表あるいは出版物等を通じまして一般の消費者にPRをしておるところでございます。しかし、今後ともこのPRの方法等につきまして、テストの結果がより広くPRされ、一般消費者が商品の購入に当たりまして正確で有益な情報が得られるように努めてまいりたいというように考えております。
#42
○馬場富君 次にスタンダード・コードの立場から、やはり設置が義務づけられております外国からの照会に対しまして、やはり情報を提供できる窓口というか、そういうのはどのように考えてみえるかという点と、これに対する予算措置等についてはどうでしょうか。
#43
○政府委員(花岡宗助君) スタンダード・コードにおきましては、各締約国は強制規格、任意規格及び認証制度に関します照会に応じることのできる照会所、いわゆるインクワイアリポイントを設けなければならないということになっております。それで、わが国におきますこのインクワイアリポイントの具体的なあり方につきましては、現在関係省庁間で鋭意検討しているところでございます。
 なお、昭和五十五年度の予算案におきましては、日本貿易振興会、ジェトロに対しまして、スタンダード・コード等の実施経費といたしまして、情報提供事業等のために千四百六十二万五千円の補助金が計上されております。
#44
○馬場富君 次は、規格化のタイミングでございますけれども、これについてはやはり非常にむずかしい問題。規格化というのが早いのと、やはり一つはまたおくれてくるのというのと非常にタイミングというのがむずかしいと思いますし、また消費者に与えるメリットというのもずいぶん変わってくると思う。こういう点についてどのようにお考えでしょうか。
#45
○政府委員(石坂誠一君) 御指摘のとおり、規格をどういう時期に制定するかというのは大変むずかしい問題でございまして、いろいろ研究をいたしておりますが、ごくまあ一般的に申し上げますと、技術の成熟段階を待ちまして、関係される当事者とか専門家によって十分御審議を経て規格化を行うというのがいままでの大筋でございます。
 もう少し詳しく申しますと、もし早く規格してしまいますと、いろいろな着想が規格があるということによって阻害されることもあり得るわけでございますので、商品が一般化する時期を考えて、タイミングを合わして規格を制定するということになるわけでございます。しかしながら、今日あるいは今後の問題といたしまして、たとえば省資源とか省エネルギーの問題あるいは安全性の確保に関する問題というような政策的な要請の強いものにつきましては、あらかじめ必要な調査研究等を実施いたしまして、国として規格制定を早期に行っていくようにしていきたいというように考えておるのでございます。
#46
○馬場富君 次に、規格内容と技術的水準とのギャップによるトラブルの問題について、やはり規格主導型のハイレベルな基準を設定することによって、やはり関連製品の品質水準の強化拡充を行うケースがあるわけですが、この場合にややもすると基準が高過ぎて、技術的にこれは到達できずに、かえってこれは絵にかいたもちになってしまうおそれも、いままでいろんな自動車の排気ガスだとかあるいは薬品等においても起こっておるわけですが、こういう点でかなり外国メーカーからの苦情も出ておると、こういうふうに聞いておるわけですけれども、これについてどのように考えてみえますか。
#47
○説明員(松村克之君) 一般に規格をつくります場合には、その規格の目的によりまして、非常に、たとえば現状追認型の規格をつくる場合、あるいは現状と将来の発展方向を押さえまして、その中間的な段階で規格をつくる場合、またたとえば健康とか安全とかの基準でございます場合には、技術の最先端の部門、あるいは極端に言いますと、今後の技術の発展も見越してこれをつくるといったいろんなケースがあるわけでございます。
 JISに関係して申しますと、先ほどから御説明いたしておりますように、日本工業標準調査会の議決を経て、これを策定することになっているわけでございますが、その調査会の中には専門委員会を持ちまして、ここにそれぞれの規格に関連した生産関係あるいはそれを、その物を使用する使用者側あるいは消費者側あるいはまた中立の先生方等にお集まりをいただきまして、日本にある限りの技術ノウハウを集めまして、またISO、IEC等の関連規格も含めまして、それらも参照しながら、つまり国際的なノウハウも含めましてこれを決定するわけでございますが、その際にいまお話がございましたような、規格のレベルにつきまして、その規格自体が、たとえて言いますと、これが中小企業が非常に中心となって関連しているような分野でございますか、あるいは大企業の先端分野でございますか、あるいは安全とか環境とかに影響するものであるかによってそれぞれ違うわけでございますけれども、それぞれによりまして、より技術進歩の先の方を見通した規格にする場合と、若干中庸的なレベルにとどめていく場合、あるいはその両方を含めた規格をつくる場合等々いろいろあるわけでございますが、いま先生から御指摘のあったような、非常に規格自体が高過ぎて、それによって実際にその規格が使えないと申しますか、といったようなケースは、少なくともJIS規格の場合には、いま申し上げましたような手続をもちまして規格を作成いたしておりますので、いままでのところはそんなことはなかったのではないかと私ども思っているわけでございますが、今後とも御指摘のようなことについては十分注意してまいりたいと思います。
#48
○馬場富君 いまのような場合に、立場として製品の国際間の流通が非常に進んでおるわけでございますので、そういう場合は、やっぱり製品の規定に当たっては、ある程度は実現可能な範囲内での一つの考えで進めるべきではないかという点を思うわけですけれども、この点どうでしょうか。
#49
○説明員(松村克之君) 製品は、現在、おっしゃるように非常に国際流通が進んでいるわけでございまして、したがいまして、日本が余りに高いレベルの規格をつくった場合には、これは国際的に見てやはり問題を起こすおそれはあろうかと思います。しかし、また一方では、これだけ国際流通が進んでおりますと、余りにまた低い規格をつくることにつきましても、諸外国との関連におきまして、先進国である日本の立場から申しましてもいかがかというふうに考えるわけでございますから、現在JIS規格を制定する場合には、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、これにJIS規格――対象といたします規格について、それに関連した国際規格があるかないか、あるいはアメリカ、西独、イギリス、フランス等の先進諸国のこれに関連した規格があるかないかを十分調査いたしまして、これらを参考にして規格を制定いたしているわけであります。したがいまして、私どもがJIS規格を制定するに当たりましては、これらの国際的な技術水準も十分勘案いたしているつもりでございますけれども、今後ともスタンダード・コードの趣旨によりまして、JISと国際規格との整合性というものは確保していきたいというふうに考えているわけでございます。
#50
○馬場富君 今回の、日本がISOの専門委員会の幹事国として鉄鋼関係については実は引き受けられたわけでございますが、そのための負担はかなり大きい。諸費用はどの程度かかるか。こういう負担金についてはどこが引き受けていくのかという点ですね。負担については、政府が補助を出していくかという点ですね。また、どの程度の補助なのか。これも外国等ともあわせて御答弁いただきたいと思います。
#51
○政府委員(石坂誠一君) 御指摘の鉄鋼の関係でございますが、ISO理事会の決議に基づきまして鉄鋼専門委員会の幹事国になったわけでございます。
 その幹事国業務にかかわる経費でございますが、昭和五十四年度におきまして約九千百万円ということになっております。当該の経費につきましては、関係業界の負担によってあがなわれておるところでございます。
 外国はどういうようなことかという御質問でございますが、欧米先進工業国、特にフランス、英国及び西ドイツ等は幹事国を多数引き受けておるわけでございまして、ただ、これらの諸国の標準化事業というものを考えてみますと、いずれも民間の規格団体が中心になって行われておるわけでございまして、各国の政府はこれらの民間団体に対しまして、幹事国業務を遂行するという仕事を含めまして、標準化活動の円滑化を図るために必要な補助を行っておるという状況でございます。
#52
○馬場富君 その費用がどの程度かかるかということと、その負担をどこが引き受けるかということ。
#53
○説明員(松村克之君) これらの専門委員会を、幹事国となりましてマネージしていくにつきましては、いま院長から御答弁いたしましたように、相当多額の経費を必要とするわけでございます。一つの委員会ごとに約一億円というものが必要になるわけでございます。したがいまして、日本の場合でも、これはなかなかどの業界でもこれを引き受けるということにはなりがたいわけでございまして、もちろんこれを引き受けるについては、その業界の中に、あるいは関連団体の中に語学力のすぐれたスタッフでございますとか、国際的な活動を行う能力を持ったスタッフが十分にいる必要がございます。そういったスタッフ面の問題もございます。これは日本の場合、非常に言葉の面でのハンディキャップがございますので、そういう面の問題が多いわけでございますけれども、やはりそれとともに、いま申し上げました費用の面が相当大きいわけでございます。ヨーロッパでございますと、たとえば打ち合わせをいたしましても、非常に近くに皆さんがいて連絡等も簡単にとれるものが、日本の場合にはそれが非常に困難だというようなこともございまして、一億円ぐらいのものがかかるわけでございます。ヨーロッパの場合には、これらの委員会を幹事国といたしまして、たとえばフランスでございますと、幹事国を引き受けております数が三十一、イギリスでございますと二十三、西ドイツが二十一というふうに引き受けているわけでございます。日本とけた違いになるわけでございます。
 この幹事国を引き受けまして、その費用がどこから出ているかということでございますけれども、これらの事業を行っておりますのは、フランス、英国、西ドイツとも、民間といいますか、民間の規格団体が行っているわけです。これに対する政府の補助というものは、全体の事業について大体二割から四割、これはちょっと換算もいろいろあろうかと思いますが、一つの国では十億円とか、もう一つの国では十二億円あるいは十七億円といった額の補助が政府から出ているわけでございます。もちろんこれが幹事国引き受けに直接に結びついているということではございませんけれども、当該団体の活動全体に対してこれだけの政府補助が出ているということでございます。
#54
○馬場富君 先ほども質問が出ておりましたが、電子部品のやはり大手需要者とこれの納入者との取引に先立ちまして、やはり相手業者、企業との認定を行っておるわけですけれども、これについてこういう慣例は、認定のための技術や時間的余裕のある企業は別として、一般の企業は認定企業としても非常に許可等にきわめてむずかしいという状況がございます。こういう点については、受註はやっぱり一部に片寄ってくるという傾向が強くなっていくと、こういう点についてこういう受註に対する考え方をちょっと聞かしてもらいたいと思います。
#55
○政府委員(栗原昭平君) 電子機器の関連でございますが、公衆電気通信用あるいは宇宙開発等の特殊な用途につきましては、その機器の信頼性確保というような観点から一部の商品につきまして、あるいは場合によりましては工程管理というような意味合いから、その企業につきまして認定チェックを行っているという実態がございます。また、大手の電機メーカー等におきましても、やはりその製品の品質、性能の意義というような観点から同様のことを行っているということを聞いております。
#56
○馬場富君 それはそのとおりでございますけれども、そういう点についてどうしてもやっぱりそのために一つは片寄った受注傾向があるということですね。そのためにやはり官公庁発注は広く公平に行うというそういう立場からも、そういうような慣行というのはひとつある程度までは改善していく必要があるんではないか、こう考えるわけですが、この点はどうでしょうか。
#57
○政府委員(栗原昭平君) この電気通信あるいは電子機器の分野でございますけれども、御承知のように非常に技術革新の激しい分野でございまして、そういった中におきまして、その製品の国際競争力を維持していくというような観点から、やはり一定の需要者が要求しますような性能、品質の維持といったようなことは、やはりある程度これからも考えていかざるを得ないというような実態にあるのではないかというふうに考えております。そういった必要性の範囲内におきまして、認定等の措置がとられるということもまたこれやむを得ないと申しますか、必要なことではなかろうかと、かように考えております。
#58
○馬場富君 終わりました。
#59
○安武洋子君 今回の工業標準化法の改正と申しますのは、ガット・スタンダード・コードに合わせるためのものと、こういうふうに聞いておりますけれども、具体的にどの点が整合性がないのかということをお伺いいたします。
#60
○政府委員(石坂誠一君) 先般、東京ラウンド交渉におきまして、各国の規格及び認証制度が貿易に対する不必要な障害にならないようにするということを主な目的といたしまして、貿易の技術的障害に関する協定、いわゆるスタンダード・コードが制作されたところでございます。よく御承知のとおりでございますが、この協定におきましては、国内の認証制度の輸入品に対する開放を各国の義務として定めておりまして、JISマーク表示制度につきましても外国の製造業者が利用することができるような措置を講ずることが必要となってまいったわけでございます。また、JISマーク表示制度につきまして、表示商品の規格の適合性を一層確保するために、JISマーク表示工場の監督体制の強化を図る必要も生じておるのでございまして、この二つの問題をとらえまして、工業標準化法に対する新たな情勢の変化に対応するということでJISマーク表示制度の海外工場への開放、それから認定検査機関による検査制度の導入等を内容とする法律改正案の提出に至ったわけでございます。
#61
○安武洋子君 交渉の中で、外国に開放されていない点が非関税障壁と指摘されたようでございますけれども、具体的に工業標準化法がそのような作用を及ぼした例というのがございましょうか。
#62
○政府委員(石坂誠一君) ちょっとお答えにならないかと思いますけれども、一般的に認証制度を輸入品に適用していないという点に関しましては、従前からガットの場におきまして非関税障壁の一つとして取り上げられておりまして、その除去のための議論がされてまいったわけでございます。その結果、今般のスタンダード・コードの成立を見たのでございます。したがいまして、工業標準化法に基づきますJISマークの表示制度を輸入品に開放していないということが、スタンダード・コードにおいては非関税障壁の一つになるというように考えられておるのでございます。
#63
○安武洋子君 では、工業標準化法が非関税障壁であると主張した国は、一体どのような国々なのか。
 また、工業標準化が改正されますと、
   〔委員長退席、理事中村啓一君着席〕
JISマークをつけたいと、こういうふうに言ってきているのは、もしあるとすればどこの国のどのような企業なのか、こういうことをお伺いいたします。
#64
○政府委員(石坂誠一君) これまで米国、EC等から自国の認証制度を輸入品に対して開放しているんだけれども、日本はJISマークの表示制度を輸入品には開放していないという点について、クレームが寄せられておるわけでございます。これらのクレームは、外国政府等からJISマーク表示制度に対して一般的なものとして出されておるわけでございます。
 後段の御質問の、ではこれからどういうところが積極的にJISマークの開放を求めているかということでございますが、主に東南アジアの諸国等、発展途上国が多いようでございます。
#65
○安武洋子君 JISの指定商品の対象になるものでも、いまはJISマークなしでどんどん欧米諸国から入ってきているわけです。一方、いまおっしゃったような東南アジアからJISマーク表示の希望といいますのは、わが国からの企業の海外事業の活動の実態調査から見てみましても、それらの国に進出した日系企業ではないかと思いますけれども、この点はいかがですか。
#66
○政府委員(石坂誠一君) いままでの調査の結果によりますと、JISマーク表示の承認を申請してくると見込まれる企業は大体六十余ということでございますが、そのうち日系企業が十程度含まれておりまして、現在はそういうことでございますが、将来を考えますと、広く海外諸国から承認申請が見込まれるようになるだろうというように考えておるわけでございます。また、こういう制度が定着いたしますと、日系以外の外国企業も今後JISマークに対する関心をだんだん高めてまいりまして、JISマーク表示の申請をしてくるケースがだんだんにふえるだろうというように予想しております。
#67
○安武洋子君 ちょっと基本的なことになるんですが、JISというのはこれまで日本経済にどのような役割りを一体果たしてきたのか、そしてまた今後どのような役割りを果たすべきだというふうにお考えなのか、そのところをお伺いいたします。
#68
○政府委員(石坂誠一君) 工業標準化、施行いたしましてから今日まで三十年を経過したわけでございますが、JISの規格総数が約七千七百に達しました。またJISマーク表示にかかわる指定商品数というものが約千百になったのでございます。また、これに基づきますJISマーク表示許可工場の数は一万四千百を数えるまでになっております。そういうようなことで産業界のみだけでなくて、一般の消費者にも広く親しまれる制度といたしまして定着してまいりまして、わが国の経済の発展に大きな役割りを果たしておるというように考えております。
 今後でございますが、今後の工業標準化につきましては安全性の確保とか、消費者の保護とか、それから省資源、省エネルギー等きわめて重要な課題がたくさんございますので、今回の法律改正を含めまして、工業標準化法の運用をより積極的に行っていく必要があるんではないかというように考えておるわけでございます。
#69
○安武洋子君 それでは国際標準化機構、ISOですね、それから一EC、国際電気標準会議、それらの規格のわが国の経済、それから世界経済に与える影響、そして果たすべき役割りについてはどのようにお考えでございましょうか。
#70
○説明員(松村克之君) 国際規格といたしましては、いまお話がございましたISO及びIECが代表的なものとしてあるわけでございます。ISOはいわゆる国際標準化機構というふうに言われているわけでございますが、そのISOの設立の目的といたしましては、物資及びサービスの国際交換を容易にする。また知的、科学的、技術的及び経済的活動分野において国際間の協力を助長するための国際的な規格の審議制定の促進を図るということを目的として、昭和二十二年に設立されたわけでございます。昨年末現在で八十七カ国が加盟いたしまして、その会員の半分以上は政府機関でございます。電気及び電子工学関係を除くすべての分野の国際標準化の業務を行っております。
 またIECは国際電気標準会議と訳されておりますが、
   〔理事中村啓一君退席、委員長着席〕
これは電気及び電子工学関係の規格の国際的統一と協調とを促進することを目的といたしまして、これは歴史が古うございまして、明治四十一年に設立された専門機関でございます。昨年末現在で四十一カ国が加盟しているわけでございます。わが国の場合には、日本工業標準調査会が昭和二十七年にISOに加入いたし、昭和二十八年に一ECへ加入いたしているわけでございます。こういったことでございまして、ISO及びIECの活動は国際的に非常に大きな影響を持っていることは事実でございます。
 それから若干つけ加えますと、現在このISOとIECの合併の問題についても両機関においていろいろ議論がなされているということでございまして、もしこれがこの合併がなされるようなことになりますと、非常に大きな国際標準化機構ができることになろうかと思います。これらの国際標準化機構が、国際機関がつくっております規格につきましても、年々その規格の数が増加いたしておりまして、数年内にその規格の数は一万に近づくのではないかというふうに考えられているわけでございますが、これらの規格が国際経済に与える影響ということでございますが、近年のように国際間の相互依存が非常に深まっております状況においては、国際間で合意されました国際規格は国際貿易の交流拡大について基礎的には非常に大きな役割りを果たすというふうに考えております。ただ、これは非常にいわゆる基盤的な問題でございまして、その一つの規格が決まりましたならば、非常に短期間にこれらの影響が出てくるかということでございますと、むしろこれらの問題は基盤整備でございますから、ある程度長期の影響として出てくるというふうに考えられるわけでございます。また、これらの規格の国際化については、ISO等で非常に大きく問題になっておりますのは、先進国から発展途上国への技術移転に非常に大きな効果があるということが言われております。
 と申しますのは、一つの規格をつくりますと、発展途上国といたしましては一つの資材を発注するにいたしましても先進国のこれまでの大変な技術の蓄積、ノーハウの蓄積を無料で規格という形でこれを手に入れることができるということでございますので、ISO、IEC等の場におきまして、これらの発展途上国は国際規格をつくることに非常に熱心でございます。そういったことから、これらの規格の国際化事業といいますものは発展途上国の技術移転、ひいては発展途上国の経済発展に非常に大きな影響を持っている。むしろこの面における影響はわりあい早い期間に出てくるのではないかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、これらこのように国際的な経済への影響があるわけでございますけれども、もちろんその国際的な安定した、国際経済の安定的な発展があった場合には、日本の経済にとってもこれは非常に大きなプラスとしてはね返ってくるであろうと、こういうふうに考えております。
#71
○安武洋子君 ガットのスタンダード・コードはJISをISOあるいはIECの規格に合わせるような作用をすることになると思いますけれども、ある国の規格はその国の文化とか産業とか、技術の発達の歴史とか伝統と深く結びついていると思うんです。それに結びついて発展してきているわけですけれども、したがって安易に外国の規格に合わせれば、それで済むというふうなものでは私はなかろうと思うんです。実際そうはならないとも思います。規格というものに対しての政府の考え方を明らかにしていただきたい、このように思います。
#72
○説明員(松村克之君) 一般的に規格づくりといいますものは、これは科学技術を踏まえてつくるわけでございますけれども、やはりいま御指摘がありましたように、単に科学とか技術とかだけではなくて、各国の産業発達の歴史、伝統を踏まえているということはおっしゃるとおりでございます。したがいまして、これを国際規格に合わせていくということについては相当慎重な配慮が必要でございますが、ただこれをそれでは日本の場合にどういうふうに考えるかということでございますが、たとえば英国、米国等においてヤード・ポンド法がとられているといったような基本的に大きな問題は、日本には幸い先人の御努力によりまして、もちろんないことはないと思いますが、それほど大きいものはない、超えられないほどのものはないというふうに考えております。
 たとえば今後ISO規格として計量の単位にSI単位というものを使うようにということで作業がなされておりますけれども、日本もこれに参加いたしております。SI単位と申しますのは、簡単に申しますと、工学単位から理学単位へ変わるというようなことであろうかと思いますが、基本的にはメートル法を使っているわけでございます。メートル法の中での議論でございます。英米のようにヤード・ポンド法を使っているようなところ、あるいは昔の日本のように日本がもし尺貫法を使っているとしたら非常に大きな問題であったかと思いますけれども、現在ではそういったことは一応克服してきているわけでございます。ただ、そういう先人の御努力によりまして相当国際化について日本は進んだ段階にございますけれども、やはり何と申しましても、まだ幾つかの問題がございます。たとえば交通システムの問題もございます。そのほかにも自然現象として地理的な問題、たとえば湿度が非常に高いとかあるいは地震国であるとか、寒暖の差が相当に激しいとか、こういった地理的な問題もあるわけでございます。これらの地理的な要件等は、やはりその国の産業技術の中に大きな影響を及ぼしているわけでございまして、それは今後国際規格に合わせていくと申しましても、たとえば家庭で使います燃焼器具については、地震の問題を日本では避けて通れないといったような問題は当然あるわけでございます。それらの問題については十分配慮してまいりたい、スタンダード・コードにおきましてもこういった安全とか環境とかあるいは基本的なその国の技術条件等による場合には、これは例外規定と考えられているわけでございます。それらの点につきましては十分配慮して進めていきたいというふうに考えております。
#73
○安武洋子君 規格の役割りとその効果というのはきわめて重大だと思います。ましてや強制規格になっております安全規格の重要性というのはこれはもう言うまでもないことなんです。今回政府がスタンダード・コードに合意したというふうなことは、このような規格の重要性に対応する体制をとるか、とり得る準備のあることを私は前提として、責任を持って合意されたと思いますけれども、この辺はいかがでございましょうか。その点をお伺いいたします。
#74
○政府委員(石坂誠一君) JIS規格は国民生活と直結する問題でございまして、御指摘の点を十分わきまえて今後対処する必要があるかと存じております。
#75
○安武洋子君 日本のISO、それから一ECのテクニカルコミッティー、この参加状況を私確認したいわけです。
 そこでお伺いいたしますけれども、ISO及びIECにはTC、SC、WG、これが総数でそれぞれ幾らあるのかということ、そのうち日本が幹事国になっているのは幾つあって、何という委員会なのかということ、それからPメンバーやOメンバーの状況というのはどういうふうになっているのかという、この辺のことをお答えいただけますでしょうか。
#76
○説明員(松村克之君) 現在、国際規格を作成しております主たる国際機関は、お話しのございましたようにISOとIECでございますが、これらに対する日本の参加状況について概略を御説明いたしますと、まず第一に参加の様態でございますけれども、これらの国際標準化機関において規格づくりが行われます場合には、理事会の下にいわゆる専門委員会、TCというのがございます。これが主たる機構でございまして、TCにおいて規格がつくられるわけでございますが、実際にはTCの下にいわゆるSC、サブコミッティーでございますとか、あるいはワーキンググループ、WG等といったようなものがあるわけでございます。
 まず第一に、一番トップのISO、IECの理事会でございますけれども、総会の中に理事会というのがございますが、日本はISO、IECともに理事国として参加いたしているわけでございます。その点については先進諸国と全く同様でございまして、さらに申し上げますればIECの現在会長は日本の高木名誉教授が会長に任命されているということで、その点については各国から非常に高く評価されているわけでございます。
 ただ、そのあたりは非常によろしいわけでございますが、実際の参加状況となりますと、これはわが国の産業の発展の状況あるいは語学的な問題あるいは地理的な問題もございまして、その参加状況についてはこれは必ずしも十分と言い得ない面があるわけでございます。
 現在、ISOには専門委員会が百五十七ございます。IECには七十三の専門委員会が設けられております。この専門委員会への参加状況、専門委員会会議への出席状況、専門委員会の幹事国引受状況というものが各国のISO、IEC活動状況を見る一つの重要な尺度となると考えられるわけでございます。日本の場合、ISOの専門委員会を例にとりますと、百五十七ある専門委員会の中で、いわゆるPメンバー、積極的に参加する意思を表示し、投票権のあるメンバーでございますが、このPメンバーの登録をいたしておりますのは百五十七のうちの七十六、五割弱でございます。
 この専門委員会会議への出席状況について、昭和五十三年度を例にとりますと、約七百五十に及ぶISOの国際会議の中で百三十五の会議に延べ三百五十九人が出席いたしております。またIECについては、約四百に及ぶ国際会議の中で百九の会議に延べ百九十人が参加いたしております。
 また、わが国が引き受けておりますISOの専門委員会の幹事国は二つでございまして、これはTC17の鉄鋼に関する専門委員会及びTC102の鉄鉱石に関する専門委員会、この専門委員会については二でございます。分科委員会については九つ引き受けております。IECにおいては二つの分科委員会を引き受けているわけであります。これはほかの国に比べますとヨーロッパ等の先進国におきましては幹事国の引受数が専門委員会について二十でございますとか、あるいは三十であるとかいうことで、ちょっと日本の場合には今後さらにこれらの点について努力をする必要があろうかと考えております。
#77
○安武洋子君 ISO、IECへのわが国の参加というのは、先進資本主義諸国に比べまして非常に少ないというふうに思います。いまお答えがございましたけれども、ISOには技術委員会、サブコミッティー、それからワーキンググループ、これら各委員会の幹事というのは二千五十二ありますけれども、日本はこれに参加しているのが二十五にすぎないというふうなことで、アメリカ、フランス、西独などとけた違いに違うわけです。ですから、わが国の参加が少ないということは日本の発言力が弱くなるということではなかろうかと私は思うわけです。どのような理由で参加割合が低くなっているのか、また今後どのようになさるお考えなのか、こういうところをお伺いいたします。
#78
○説明員(松村克之君) まことに御指摘のとおりでございまして、現在これらの幹事国を引き受けている数は日本は圧倒的に少ないわけでございます。理由はいろいろございまして、一つは、現在これは三十年に近いISOの歴史の中でそれぞれの国がTCの幹事国をいたしてきております。それらの伝統もございまして、日本が手を挙げたからといって、希望したからといって必ずしも直ちに日本がその希望する専門委員会の幹事国を引き受けることができないということもございます。また、地理的な状況等からいたしまして、各国が必ずしも日本が幹事国になることについて非常にそれを喜ぶといいますか、賛成してくれるかどうかという点にも問題がございます。そういった問題はございますけれども、私はここで申し上げたいのは、やはり基本的な問題としては、そういう客観的な条件もさることながら、やはり主体的な条件も大きいのではないかと思うわけでございます。主体的な条件と申しますと、やはり日本の産業がこれまで国際活動をするについて十分なスタッフの育成が不足しているということが一番大きな問題ではなかろうかと思います。やはり、これらの国際会議に出席し、それを司会者としてマネージし、各国の意見を十分後進国あるいは先進国いろいろ利害関係の錯綜するところを非常に上手にこれを取りまとめていくといったような、国際会議において、国際場裏において、活動するスタッフを育成するということが現在の産業界の一つの課題であろうかと思います。もちろん、その中には語学的なハンディキャップも含まれているわけでございますが、これらのスタッフの育成が第一でございますが、そのほかにやはり日本の産業のトップがこれらの規格関係における国際的な活動に対する認識といいますか、評価といいますか、これらを重要なものだというふうに評価することも重要であろうかと思います。またさらに、これらの問題を幹事国として引き受けます場合には、やはり先ほども申し上げましたが、相当な費用がかかるわけでございます。これらを関係の業界が一致して協力していくといったような雰囲気は、残念ながら欧米の業界に比べて日本においてはまだそれらの雰囲気が足りないのではないか。こういった主体的な条件がもし整えられますれば、やはり客観的な条件もおのずからある程度解決されまして、日本の国際機構への参加の状況はさらに改善されていくのではないかというふうに考えるわけであります。
#79
○安武洋子君 ヨーロッパ諸国が大変熱心なのは、よく言われておりますように、規格づくりが好きなんだというふうに言われているわけですけれども、私は単に規格づくりが好きなんだということだけでは済まされない問題だろうと思うんです。いろんな条件がございますけれども、これらの諸国が自分の国の技術を大切にするというふうな立場から、規格の果たす役割りの重要性というのをわが国よりも強くやはり認識していることが大きいのではなかろうかというふうに思います。田村忠男工技院材料規格課長さんも「標準化と品質管理」という雑誌の本年の三月号の座談会で、わが国の各種委員会への出席の少なさを指摘なさっていらっしゃいます。これはわが国の規格の認識の低さを証明していることにもなるというふうに思うわけです。またこの座談会でも、鉄鋼業界とかあるいはプラスチック業界の代表の方も言っておられますけれども、ISOへの参加者が多くて声の大きさの順で決まることが多いということを指摘なさっていらっしゃいます。出席メンバーを変えないで、やはり粘り強く自分たちの提案をしていくということの重要性、それを裏づけるためのデータをきちっと提出して説得することの重要性を語っておられます。これは政府としても私は重視をする必要があるのではなかろうかというふうに思っております。政府は規格の国際化に対応してどのような対応をしておられるのか、いま私が申し上げましたこととも関連してお伺いいたしとうございます。
#80
○政府委員(石坂誠一君) 御指摘のとおり、国際規格に日本の声が必ずしも十分現状において浸透してないという事実はあろうかと思います。ただ、どういうような方法で、どういう手続で国際規格がつくられているかということをちょっと申し上げますと、これ実は、たとえばISOにしましてもIECにいたしましても、各専門委員会において作成されました国際規格の原案というものは各国に送付されまして、そして意見が求められるわけでございます。その後、各国の意見調整を行った上で最終的な国際規格案を決定いたしまして、そして最終案について各国の投票によって多数の支持が得られますと、初めて正式な国際規格になるという手続がございます。しかも、この多数という数でございますが、ISO、IECで違いますけれども、七五%以上というふうな非常に多くの多数があったときに成立するというようなことになっているわけでございます。したがいまして、必ずしもいま日本にとって非常に不利な国際規格が決められておるということは言えないかと思います。しかし、最初にも申し上げましたとおり、今後の問題といたしまして、スタンダード・コードの成立に伴いましてJIS規格とISO、IEC規格との整合性を図ることが求められるわけでございまして、これによってわが国の産業界あるいは一般の消費者が大きな影響を受けることがないように処置をとる必要があるかと思います。で、まず国際規格の制定の場におきましてわが国の意見が十分に反映されますように、ISO、IECへいま以上積極的に参加していくということが一つであろうかと思います。
 それから第二に、具体的な規格の国際規格への適合に当たりましては、国際的な技術水準、わが国特有の技術的条件等十分勘案いたしまして、JISの制定、改正を行うというような所要の措置を十分講じていく必要があろうかと思います。一言で申しますと、国際的な状況を十分検討しながら国内のJIS、これからつくるJISにつきましては特にそういった考えに立って決めていく必要があろうかと思っております。
#81
○安武洋子君 私はいまの政府の予算と対策、これでは欧米諸国の取り組みにはとうてい対応することができないと思います。十分な体制もとらずにスタンダード・コードに合意するというのは、私はやはり無責任のそしりを免れないことになりますし、将来に大きな禍根を残すというふうなことになるとも思うわけです。この点につきまして大臣にお伺いいたしたいわけですが、大臣おいででございませんので、ひとつ政務次官の方から所見をお聞きいたしとうございます。
#82
○政府委員(戸塚進也君) 御指摘の具体的なわが国の予算の内容等につきましては、事務当局から答弁させますが、ただいま安武委員御指摘の点につきましては傾聴に値する御意見であると思いますので、省内において十分検討させていただきまして、国際水準にできる限り近づけるような努力を今後いたしてまいりたいと存じます。具体的な数字等の点、現状につきましては事務当局から答弁いたさせます。
#83
○政府委員(石坂誠一君) 現在、工業技術院の傘下の研究所に特別研究費の中から工業標準化のために六千八百万円を出しておるわけでございます。これは傘下の研究所の持ちます二十八億円という予算に比べますと非常に少ないわけでございます。しかし、考え方によりましては、実はこれとは別に私どもの傘下の研究所に標準検査技術という特別研究の費目が工業標準化と別途にございます。これはいわばこの工業標準化を基礎的に支えるという研究でございまして、これにつきましては、五十四年度の予算額は二億九千万程度でございまして、かなりのものも工業標準化を支える研究として出ておるということが言えるかと思います。
 なおもちろん、工業技術院自体の標準部におきましては、この工業標準化調査研究委託費というようなものも設けまして、五十四年度の予算で申しますと二億二千四百万でございますが、こういったものもJIS規格制定のために将来を見越して調査研究をする費用でございまして、そういった意味でのいろいろなところにこの標準化のための予算が入っておるということが言えるかと思います。
 なお、外国の場合は、先ほどもお話が出ましたように、民間が主体になってやっておりまして政府が補助金を出すという仕組みでございますが、日本の場合はJISは政府が実施している形でございますので、その職員の人件費その他は国が負担しておる、これはばかにならないものであるというように考えておるわけでございます。
#84
○柿沢弘治君 それでは工業標準化法の一部を改正する法律案について若干の質問をいたしたいと思います。
 この工業標準化法の法律の目的、第一条というのをいま読んでいるんですけれども、この法律の目的は一体何なんでしょうか。
#85
○説明員(松村克之君) 工業標準化の目的といいますか、この標準化法の目的でございますが、法律の第一条に次のように書いてあるわけでございます。「この法律は、適正且つ合理的な工業標準の制定及び普及により工業標準化を促進することによって、鉱工業品の品質の改善、生産能率の増進その他生産の合理化、取引の単純公正化及び使用又は消費の合理化を図り、あわせて公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」こういうふうに書いてございまして、この標準化法が施行されましたのが昭和二十四年でございます。当時におきましては、御承知のようにわが国の経済あるいは産業自体が灰じんの中からまだ立ち上がったばかりでございまして、工業技術の水準自体がまだ世界的に見まして非常に低いレベルにあったわけでございますけれども、その時期におきまして日本の工業を振興する基盤的な事業といたしまして、工業標準化という事業が行われるようになったというふうに考えております。
#86
○柿沢弘治君 この法律の目的を読むと非常に生産者サイドといいますかね、生産の合理化という点に関して非常に力点が置かれておりまして、その製品の使用者といいますかね、消費者サイドの感覚というものが欠けているんじゃないかという気がするんです。ここに「使用又は消費の合理化」と書いてありますけれども、合理化ということはいまの製品の何といいますか、安全性重視とか使用者の、消費者の利便とかいうものとちょっとかけ離れた感覚であるという気がします。
 それから「あわせて公共の福祉の増進に寄与する」とあります。ここで言う公共の福祉というのは、今度は工業標準化と公共の福祉というのは一体どういうふうにつながるのか、余りにも漠然とし過ぎていてはっきりしないわけですけれども、ここで消費者の利便とか安全性というのを読もうというのはちょっと無理じゃないか。そういう意味で、現在もし工業標準化法を改正しようというのであれば、もっと消費者サイドに立った法の目的というものを明記すべきじゃないか。それをやらずに現在標準化法の改正を出してくる。この感覚というのは、昭和二十四年の灰じんの中から日本工業を立ち上がらせようというときにはいいかもしれませんけれども、いささか時代とずれていると思いますが、通産大臣のかわりとして政務次官の御意見を伺いたいと思います。
#87
○政府委員(戸塚進也君) 非常に高度な御質問でございますので、私どう御答弁していいか、的確な言葉でないかもしれませんけれども、今回の法改正の中にもただいま柿沢委員御指摘のような点を踏まえまして、たとえば認定機関制度でございますとか、あるいはまた、先ほど冒頭に大森委員からもそうした消費者サイドの考え方でございますとか、いろいろ民間の知恵というものをもっと活用すべきではないか、こういうような御指摘もあったとおりでございまして、政府委員の方からもそうした御指摘を踏まえて、今後もこの法の運用の中でただいま柿沢委員御指摘のような点をできる限り尊重させていただきたいという御答弁も申し上げたものでございますけれども、できる限り現在のこの情勢、特にエネルギー事情でございますとか、そうしたことが激変している今日でございますから、こういう点も踏まえながら法の運用という点で柿沢委員御指摘の点を十分尊重させていただきたいと、かように考えております。
#88
○柿沢弘治君 そうすると、もう一回第一条を書き直すという気持ちはありませんか。
#89
○説明員(松村克之君) いま次官から御答弁がありましたように、この工業標準化法の現在の時点におきます運用といたしましては、確かに御指摘のあったような生産サイドにおける合理化、品質管理といったようなことから重点が、たとえば省エネルギーでございますとか省資源でございますとか、あるいは環境の保護でございますとか人体の安全、あるいはまたもうちょっと広げまして消費者利益の確保といったような点に重点がやや移っていると、そういったことで、われわれも長期計画を五年ごとに策定いたしまして、その五年ごとの長期計画の中で見ますと、やはり重点がそのように移っているわけでございますが、これはこの標準化法の本質を十分われわれ認識いたしまして、現在の、現今のいわゆる政策的なニーズというものをあわせて勘案していくことによって十分達成できるのではないかというふうに考えているわけでございます。
#90
○柿沢弘治君 運用の面でぜひそうした点を御配慮をいただきたいと思いますけれども、その点はこの工業標準化、JISの性格そのものにかかわってくると思うんです。先ほど各委員からの質問にも若干お答えがありましたけれども、世界各国の例を見ますと、工業標準化については民間でやっている例が多い。日本はそれを国でやっている。しかもさっき技術院長お話しのように、公務員の費用というものを税金で負担しながらやっている。これがもし生産者サイド、工業サイドに立ったものであれば、これは思い切って民間に移譲すべきじゃないか。あくまでも最後の監督だけを政府がやればいい。そうした意味での基本的な性格の転換をする必要があるように思うわけです。簡素な政府、簡素な政府と口ばかりで言いながら、仕事をどんどん抱え込んでいくということでは簡素な政府などできっこない。そういう点で今度の改正案も基本的には役所の仕事をふやそうという方ですから、その点について基本的な性格づけというものをしっかりしていかないと、国がやっていくという、国がやらなければいけないんだという説明が十分できないんじゃないだろうか。そういう点であくまでも消費者サイドの立場、安全性とかそういうものを目的にはっきりと規定すべきであると、こう私は考えたわけでございます。
 その点で幾つか質問をしたいんですが、主要先進国ではこうした規格の制定を民間団体がやっている例が多いと聞いておりますけれども、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツその他の例を少し具体的にお教えをいただきたい。
#91
○説明員(松村克之君) 主要先進国におきましては、御指摘のとおり、規格の制定は民間の団体で行われているわけでございます。最近これらの団体については、政府の公認を受けたりあるいは政府から補助金を受ける等の何らかの形で政府と関係を有するようになってきておりますが、基本としては民間団体がこれに当たっているわけでございます。たとえばイギリスについて申しますと、イギリスにはイギリス規格協会、いわゆるBSIと申しますものが、いわゆるナショナルオーガナイゼーションと申しますか、国としての標準化機関としてあるわけでございますが、これは王室公認の団体でございまして、この協会、この団体だけが規格を作成することを許されているというふうに聞いております。このBSIが有しております規格の数が七千八十五、表示制度も持っているわけでございます。
 西ドイツについて申しますと、西ドイツはいわゆるDINI西ドイツ規格協会が標準化機関でございますけれども、これは国家レベルの規格を制定する団体でございまして、民間団体でございまして、政府と協定を締結いたしております。DINの有しております規格の数が一万三千でございまして、DINのいわゆる表示制度を持っております。
 フランスについては、フランス規格協会――AFNORと申しますが、がございまして、法律上標準化事業に対して責任が与えられている法人でございます。この協会が作成いたしました規格は政府で認可または登録されることになっております。有しております規格の数は九千百四十五でございまして、表示制度も有しております。
 米国については、これは若干特殊でございますが、標準化機関としてはANSI――アメリカ規格協会という協会が米国を代表する標準化の民間団体でございますが、ここは自分で規格を直接につくるというよりは、アメリカにはたとえば石油であればAPIでございますとか、そういった大きな民間の団体が数多くございまして、それぞれの分野におきまして非常に歴史のある規格をつくっております。それらの規格のうち必要なものをANSI規格としてさらに登録しているということになっております。そういった団体でございますから、表示制度自体はこのアメリカは持っていないと、こういうことでございます。
#92
○柿沢弘治君 いまのお話伺いましても、各先進工業国とも主として民間がこうした規格をやっているということでございますから、先ほどの法律の目的第一条を改正しないという以上は、わが国についても思い切って民間に移譲をしていくという考え方ができるんじゃないだろうか。そうした形で公務員の削減なり役所の簡素化というものを図っていくという必要があるように思うわけですけれども、最近では各工業会等、業界団体の中の工業会等のレベルも上がってきているわけですから、そうした民間活力を活用するという方向に切りかえてみたらどうかと思いますが、この点も政務次官にお伺いをしたかったんですけれども、おいでになりませんので、院長から御答弁をお願いしたいと思います。
#93
○政府委員(石坂誠一君) 先ほどから主要先進国では民間で規格をつくっておるという話が出ましたんでございますが、先ほども御説明がございましたように、政府はかなり大きな補助金を出しておるということが一つあろうかと思います。
 それとは別に、最近になりまして消費者の保護とか省資源、省エネルギーとか先端産業育成というような、いわば国の調整が望まれる分野が非常に増大してきておりますし、私どもとしましてはJIS制定について今後ともやはり国が主体的な立場をとってやるべきである、行うべきものと考えておるわけでございます。ただ、民間団体が作成いたしました規格につきましては、この適当なものがあればJISの規格の原案といたしましてこれを採用するというような措置を講じまして、今後とも民間の能力を積極的に活用してまいりたいというように考えておるわけでございます。
#94
○柿沢弘治君 今度の改正の中の認定検査機関というものの導入といいますか、そういうものもそういう意味では一歩前進として評価はできようかと思います。そういう点では運用の中でできる限り民間のそうした検査機関等を活用するという方向で行政事務の合理化、簡素化を図っていただきたい、これもお願いをしておきたいと思います。
 その場合、しかし同時に監督というものが必要になってくるわけですけれども、監督についてはきちっとしていかなきゃいけない、これは言うまでもないことだと思います。その点の監督方針、こうしたものについてどうお考えになっておりますか。
#95
○政府委員(石坂誠一君) 御指摘のとおり、民間のいわば認定検査機関による検査制度を導入しようとしておるわけでございますが、この制度を導入することによりまして、かりそめにも現在の監督体制よりも緩やかになるということがあってはならないわけでございまして、許可工場の監督はもとより円滑、厳正に行われていかなければならないわけでございますが、その監督する立場にある者自身の心構えというものも非常に大切だろうというように考えております。
#96
○柿沢弘治君 ちょっと具体的に伺いますけれども、その点では増員等はあるんですか。機構の増設等はあるんですか。それとも一切現員の中で賄っていくことができるということなんでしょうか。
#97
○説明員(松村克之君) 当面公務員の数をふやすということは考えておりません。
#98
○柿沢弘治君 その意味では現在の行政合理化、行財政改革の主張の中で、できるだけ監督については怠りのないように、しかし、増員等はしないでしっかりやってもらいたい、これはなかなかむずかしいかもしれませんけれども、お願いをしておきたいと思います。
 それから、今度の改正でJISマークの表示制度というものを外国の製造業者にも適用するということになるわけですけれども、外国の製造業者にJISマークの恩典を与える、これは競争条件の均等化ということで結構なことなんですけれども、同時にさっき言いましたように、日本の場合には国費でJISマークの制定といいますか、そういうものが行われているとすると、外国製造業者に対する一種の補助金のようなことになりかねない。そういう意味では納税者の立場に立って、果たして納得できるかどうかという点があろうかと思うんです。外国製造業者に対して承認を与える場合、その手数料とかそういうものは、JIS規格の制定の経費も含めて実費を償うものでなければいけないというふうに考えるわけですけれども、その点どういう形になるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#99
○政府委員(石坂誠一君) これは国内の場合と国外の場合とある程度整合性をとらなきゃならないということもあろうかと思います。したがいまして、外国の工場につきましては実費を勘案いたしまして、国内工場の場合徴収いたします手数料に加えまして、当該外国工場まで審査に赴くための職員旅費を徴収したいというように考えているわけでございます。
#100
○柿沢弘治君 現在、国内のJISの承認の手数料というのはどうなっているわけですか。
#101
○説明員(松村克之君) 現在、一件当たり八万円ということになっておりまして、現在これを若干増額することを考えております。
#102
○柿沢弘治君 若干の増額というのはどのくらいですか。
#103
○説明員(松村克之君) 十二万円と考えております。
#104
○柿沢弘治君 十二万円に引き上げた場合で、全体のJIS規格にかかる経費のどのくらいが国費負担、どのくらいが民間負担というように考えられるんでしょうか。で、それは外国で先ほどかなり巨額の補助金が出ているというお話がありましたけれども、それとの比較において果たして適正であるのかどうか、その辺についてはどうですか。
#105
○説明員(松村克之君) 十二万円にこれを増額した場合に、工業標準化に使われた、投じられている国費との関係はどういうバランスになるかという御質問かと思いますが、JISマーク表示制度自体はこの商品の、表示いたしました商品の販売が促進されるということによりまして、表示許可工場にとって利益をもたらすことは当然でございますが、またこれと同時に、商品の品質保証を通じて使用者あるいは一般の消費者に対しても大きな利益をもたらす制度でございます。したがいまして、これに要する費用の一部は国が負担するのが適当であろうかと考えているわけでございます。具体的に申しますと、表示許可を申請いたしました工場の審査に参ります場合、直接必要とされる費用、つまり旅費、庁費でございますが、この全額と、これに携わる職員の人件費の半額、これだけを手数料で賄う。人件費の残り半額を国が負担すると、こういった考え方で手数料を算定しているわけでございます。
#106
○柿沢弘治君 どのくらいの割合になるかという点についてはお答えがありませんでしたけれども、どんなバランスになりますか、国費と民間の負担。
#107
○説明員(松村克之君) ざっと計算いたしますと、民間が六割、つまり表示許可工場の負担する部分が六割、国が負担する部分が四割というふうに考えております。
#108
○柿沢弘治君 六、四というお話ですけれども、四割を国費で負担しているという点から考えても、いま部長がお話しになりましたように、消費者の利便というのをきちっと表示すべきだと思うのですね。そういう意味で、先ほど私、法律の目的第一条をこの際思い切って改正をしておくということが必要だったんじゃないかということを申し上げたわけですけれども、その点でやはり国費で負担をする以上、メーカーなり産業界だけの利便でなくて、国民一般といいますか、まさに消費者の利便というものを十分勘案して規格を定めていくという精神が必要になってこようと思うわけです。
 それからもう一つ、その手数料の決め方なんですけれども、これはたとえば松下電器のような大きな工場と、下町の中小零細企業と、工場の規模によって手数料違うんでしょうね。
#109
○説明員(松村克之君) JISマーク表示の許可手数料につきましては、主務大臣が工場の審査に要する費用を基礎といたして、ただいま申し上げましたような算定をいたしておるわけでございますけれども、工場の審査業務と申しますのを若干御説明さしていただきますと、いわゆる製品審査と、製品の検査と異なりまして、工場そのものを審査することによりまして、その工場が今後継続的にJIS規格に該当した合格できる製品を供給することができるかどうかということを審査するわけでございます。したがいまして、審査業務そのものは、基本としてその工場の品質管理体制等の総括的な項目から、製造設備でございますとか、あるいは検査設備でございますとか、そういった個別的な項目まで工場全体についてその当該工場がJIS規格品を製造し得る能力があるかどうかをチェックするわけでございます。たとえて申しますと、その会社については適切な検査のための会社規格を持っているかどうか、あるいは製造についても適切な製造のためのマニュアルを持っているかどうかといったようなことを検査いたしますし、また資材の購入そのものにつきましても、適切な資材の購入管理を行っているかといったようなことを詳細にチェックするわけでございます。したがいまして、工場の生産規模の大小につきまして、当該チェック項目がそれほど大きく減少し、あるいは審査業務が大きく変化するというものではないわけでございます。したがいまして、こういった理由からJISマーク表示許可手数料には、当該品目の生産高による差異等は設けていないものでございまして、今後もそういった差異を設けることについては考えていないわけでございます。
#110
○柿沢弘治君 そうすると、たとえば年間の生産高が何十億円になる規模の工場であっても、何千万円、何百万円程度の規模であっても、このいまの一件当たり八万円、値上げをされて十二万円というのは変わらないということでございますね。
#111
○説明員(松村克之君) ちょっと私の説明が不十分だったかと思いますが、一つの工場を審査して許可をいたします場合に、非常に大規模の工場についてでございましても、そこで生産しているものは各種の生産品があるわけでございますが、工場を認定する場合にはそれぞれの品目について許可をするわけでございますので、相当大規模の工場でございましても、そこでたとえば十件の指定品目をつくっていると、十件の申請がある場合には当然のことでございますが十倍の審査手数料をいただくということになるわけでございます。
#112
○柿沢弘治君 一件当たりということなんでしょうけれども、たとえばしかし一つのビスをつくると、機械が一台しかない工場と百台ある工場とでその検査手数料変わらない、検査事務量は変わらないんでしょうか。やっぱりそれに応じてそれぞれの機械をチェックするなり、全体のレイアウトを見るなり、若干の差はあるんじゃないかと常識的に考えられますけれども、どうですか。
#113
○説明員(松村克之君) 確かにその生産設備につきまして、これを生産設備一つごとにその生産設備が十分メンテナンスが良好であるかどうかということをチェックするといったような作業について申しますと、十台あればそれは十倍に近い労力が必要になろうかと思いますが、ただ、私どもが行っております工場審査は、十台の機械がありました場合にも、やはりそれについての会社のメンテナンスに関するたとえば操業についてのマニュアルでございますとか、検査についての規格といったようなものは一つであろうかと思うわけでございます。そういった点で一概に申し上げられません。大きな工場と小さい工場の検査について全く同一であると申し上げているわけではございませんけれども、現在まで私どもが行っております審査について申しますと、中小工場ではございましても、大工場でございましても、一件当たりの検査に要する時間と申しますか、はそれほど変わっていないということでございます。
#114
○柿沢弘治君 大臣おいでになりましたので、これで最後にしたいと思いますが。
 いまのやっぱり工場規模によって検査手数というのは変わってくると思うんですよ。それともう一つ、やっぱりJIS規格を受けることによる企業のメリットといいますか、それは生産額によって全然違ってくるわけですね。数十億の製品を出す企業がJIS規格を受けることによるメリットといいますか、というものと、たかだか数百万、数千万の売り上げしかない中小零細工場がJIS規格を受けることによるメリットというものは、これは大分変わってくると思うんです。そういう点から見ても手数料、経費の面から見ても、しかも受益者のメリットという点から見ても、この手数料について再考をし、再検討をするということは私は決して不合理ではない、合理的な考え方だというふうに思うわけです。特にこれから中小企業に対してこのJISを普及していこうとする場合には、やっぱりJISを取りやすい――十二万円でも負担だという企業に対しては、できるだけ安価な経費でJISマークが取れるようにしていく。十二万円なんというのはもう吹けば飛ぶような金額だと考える大工場、大企業については、これをもう少し思い切って上げていく、そうした点が考えられていいのではないかと思いますけれども、その点ひとつ通産省なり工業技術院として検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#115
○政府委員(石坂誠一君) 今後、工業標準調査会等におきまして十分検討していただきたいと思っております。
    ―――――――――――――
#116
○委員長(斎藤十朗君) 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、小柳勇君及び向井長年君が委員を辞任され、その補欠として大木正吾君及び井上計君が選任されました。
    ―――――――――――――
#117
○委員長(斎藤十朗君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 工業標準化法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(斎藤十朗君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大森昭君から発言を求められておりますので、これを許します。大森昭君。
#121
○大森昭君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び新自由クラブの各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 まず、案文を朗読をいたします。
  工業標準化法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行にあたり、「貿易の技術的障害に関する協定」が締結された背景を十分認識し、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、技術進歩、社会的要請の著しい分野におけるJISについては、五年ごとの見直し規定にかかわらず積極的に規格改正等を行うこと。
 二、JISマークの表示制度をめぐる環境の変化にかんがみ、JISマークをより信頼に値するものにするため、許可工場に対する監督体制の充実を図るとともに、許可工場の品質算理体制の整備について制度の検討を行うこと。
 三、JISマーク表示制度の信頼性を一層高めるため、表示の許可又は承認にあたつては、厳正かつ公正な審査を行うとともにに、工場監督の効率化を図るべく認定検査機関又は承認、検査機関を積極的に活用するものとし、その場合検査が厳正かつ適正に行われるよう指導・監督の徹底を図ること。
 右決議する。
 以上でありますが、この決議案は、本委員会における審議の経過を踏まえて作成したものであります。したがいまして、その趣旨につきましては改めて説明するまでもないと存じますので、省略させていただきます。
 何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。
#122
○委員長(斎藤十朗君) ただいま大森昭君から揚出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#123
○委員長(斎藤十朗君) 全会一致と認めます。よって、大森昭君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、佐々木通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐々木通産大臣。
#124
○国務大臣(佐々木義武君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を千分尊重し対処する考えであります。
#125
○委員長(斎藤十朗君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(斎藤十朗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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