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1979/12/21 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 農林水産委員会 第1号
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1979/12/21 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 農林水産委員会 第1号

#1
第091回国会 農林水産委員会 第1号
昭和五十四年十二月二十一日(金曜日)
   午前十時二十八分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         青井 政美君
    理 事         岩上 二郎君
    理 事         片山 正英君
    理 事         北  修二君
    理 事         栗原 俊夫君
    理 事         相沢 武彦君
               久次米健太郎君
                熊谷太三郎君
                坂元 親男君
                鈴木 省吾君
                田原 武雄君
                初村滝一郎君
                降矢 敬雄君
                三浦 八水君
                宮田  輝君
                川村 清一君
                坂倉 藤吾君
                丸谷 金保君
                村沢  牧君
                原田  立君
                藤原 房雄君
                河田 賢治君
                下田 京子君
                三治 重信君
                喜屋武眞榮君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         青井 政美君
    理 事
                岩上 二郎君
                片山 正英君
                北  修二君
                栗原 俊夫君
                相沢 武彦君
    委 員
               久次米健太郎君
                熊谷太三郎君
                坂元 親男君
                鈴木 省吾君
                田原 武雄君
                初村滝一郎君
                降矢 敬雄君
                三浦 八水君
                宮田  輝君
                川村 清一君
                坂倉 藤吾君
                丸谷 金保君
                村沢  牧君
                原田  立君
                藤原 房雄君
                河田 賢治君
                下田 京子君
                三治 重信君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農林水産大臣   武藤 嘉文君
   政府委員
       農林水産政務次
       官        糸山英太郎君
       農林水産省経済
       局長       松浦  昭君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       安原  正君
       農林水産省経済
       局農業協同組合
       課長       三井 嗣郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○調査承認要求に関する件
○昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員
 共済組合からの年金の額の改定に関する法律等
 の一部を改正する法律案(第九十回国会内閣提
 出、衆議院送付)(継続案件)
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(青井政美君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産政策に関する調査を行うこととし、その旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか、
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(青井政美君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(青井政美君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(青井政美君) 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法案の趣旨説明は先般聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○村沢牧君 国会が法律案を議決する際に、その法律の運用について、さらに今後の検討事項について、附帯決議をする場合があります。行政府としての各官庁は、この附帯決議を尊重して政策の中に生かす、この努力をすべきだというふうに思いますが、大臣は国会の附帯決議というのをどのように受けとめ、また対処されようとするんですか。
#7
○国務大臣(武藤嘉文君) 附帯決議は国会においてお決めをいただくことでございますし、私どもは極力その附帯決議を尊重していかなきゃいけないというのは当然だと思っております。
#8
○村沢牧君 大蔵省の主計官にお聞きしますが、大蔵省としては国会の附帯決議というのをどういうふうに考えておりますか、
#9
○説明員(安原正君) ただいま農林水産大臣より御答弁のありましたとおりに考えております。
#10
○村沢牧君 農林年金法については、衆参両院は数年来附帯決議を行っているわけであります。参議院の農林水産委員会におきましても、昨年の五月三十日、農林年金法の改正をする法律を議決する際、五項目にわたる附帯決議を全会一致で行っております。毎年同じような趣旨の決議がされておりますけれども、今回提案をされた法律案を見ても、国会の決議を尊重し善処したようにはどうしても見受けられないんです。まず、この附帯決議で国庫補助率を百分の二十以上に引き上げよという決議についてはどのように考慮されたんですか。農林年金の給付に要する補助率を厚生年金並みの二〇%に引き上げるということは長い間の課題であり、また組合側からも要求であり、特に農林年金は他の年金より成熟度合いが非常に早い。この財政健全化のためにも、国庫補助の引き上げはどうしても必要になってくるわけです。このことについて、どのように農林水産省は対処し、あるいはまた今後どういうふうに対処していこうとされるのか。
#11
○国務大臣(武藤嘉文君) 確かに国庫補助率の百分の二十への引き上げという形で附帯決議がなされておりますことは承知をいたしておりまして、また農林漁業団体からも強く要望されているところでございますし、私ども予算編成のときに当たりましては極力努力をしてまいりましたが、結果的には残念ながら一八%そのままでございまして、ただ、財源調整費補助という形においては改善を見たと承知をいたしております。五十五年度の予算要求に当たりましても二〇%の要求で出しておりまして、極力努力をいたしてまいりたいと考えております。
#12
○村沢牧君 財源調整費補助率をアップしたといっても、これは一・七七%を一・八二%に、すなわちわずか〇・〇五%アップしたにすぎないわけですね。これに対しては三%の要求をしておったんだけれども、〇・〇五%だと。こうしたことは、公務員年金や厚生年金の事務費を金額国や地方公共団体が負担をしている、こうしたことと比較してみれば、財源調整費補助率を〇・〇五%ぐらいアップすることは当然のことだと、私はそのように思うんです。私どもが昨年全会一致で決議した附帯決議は、「給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げ、さらに財源調整費補助及び事務費を増額する」、こういう決議になっている。御承知だというふうに思います。
 そこで五十四年度はそういう形で一八%をアップすることができなかった。五十五年度の予算もあす大蔵省内定というふうに聞いているわけなんです。五十五年度予算においてはどうしてもこの補助率を上げる。もちろんこのことは、予算の最終決定段階において大臣折衝まで持ち込まれる問題であるというふうに思いますけれども、大臣としては、この補助率を上げるために精いっぱいの努力をする、そういう決意をお持ちですか。
#13
○国務大臣(武藤嘉文君) 私ども概算要求で出しておるわけでございますし、極力その実現に努力するのは当然かと思っております。
#14
○村沢牧君 積極的に、もう何年も要求しているのですから、努力をしてまいることを特に大臣には要求しておきます。
 そこで大蔵省にお聞きをしますけれども、国家公務員の共済については、農林年金と同じように、支給開始年齢を繰り上げると同時に国庫負担の割合を一%上げた、実質一%ですね。公務員共済だけアップして農林年金を据え置くということ、官民格差が言われているときにどうも不合理ではないか。私は国家公務員共済の国庫負担をふやしたのが悪いと言うんじゃない。なぜ農林年金だけ据え置きにしておくか、大蔵省の方から御答弁願いたい。
#15
○説明員(安原正君) ただいま御指摘のとおり、国家公務員共済年金につきまして、暫定的な特例的な措置としまして、一%相当額の国庫負担を行うこととしたところでございます。それとのバランスも考慮いたしまして、先ほど言及がありました財源調整費を増額を図ったということでございます。こういうことで御理解賜りたいと思います。
#16
○村沢牧君 国家公務員共済年金については一%アップ、農林年金については〇・〇五%、これがバランスですか。いま暫定的措置だというように言われたんですけれども、すでに五十五年度予算も決定しようとする中におきまして、五十五年度も国家公務員共済についてはこれは暫定でいくんですか。その二点について。
#17
○説明員(安原正君) 御承知のとおり国家公務員共済年金に対する国庫補助率は一五%でございますし、農林年金の場合は一八%、それから厚生年金の場合は二〇%になっております。
 そこで、国家公務員共済年金につきまして一%相当額の国庫補助を行いましたので、全体の国庫負担のいま申しましたような相互間の水準差を考慮しながら農林年金につきましては財源調整費の増額を行ったと、バランスのとれた措置を行ったと考えております。
#18
○村沢牧君 二点目ね、五十五年度予算においてもそれは暫定的なんですか、国家公務員については。
#19
○説明員(安原正君) 国家公務員共済組合に対します一%相当額の補助と申しますのは、定率の一五%の補助と若干性格が異なりまして、特別な措置というぐあいに考えております。
#20
○村沢牧君 その特別の措置ということがよくわからないんですけれども、この共済年金を審議する際、農林年金に限らず、衆議院の方で言われておりますような山田メモなんというものが出されまして、この一%は固定化するんじゃなくて、さらに将来上げていくということで大蔵省の合意を得ていると、こういうことが言われているんですけれども、あるいは衆議院の農林水産委員会の中では大蔵省はそういう答弁をしているんですけれども、そういうことなんですか。
#21
○説明員(安原正君) 公的年金に対します国庫負担につきましては、全体としてバランスのとれた形で行うということが必要でございますし、また長期的な観点から十分に慎重な検討が必要であるというぐあいに考えております。したがって、国庫補助の変更につきましては、ただいま申しましたような長期的な観点、あるいは全体の制度の相互間のバランスということが非常に重要でございますので、容易に変更すべきものではございません。ただ、国家公務員共済組合年金の今回の改正に当たりまして、特別の事情等を考慮しまして一%相当額の国庫負担を行ったわけでございますが、この取り扱いにつきましては引き続き検討すべきものと考えております。
#22
○村沢牧君 国家公務員共済については特別の事情を考慮して一%上げたといういまの答弁です。農林年金についても特殊性があるわけですけれども、このことについては後ほど指摘をしてまいりたいというふうに思います。
 それから、附帯決議の第二番目に要請していることは、旧法年金と新法年金の格差を是正をしようということであります。この法案が成立した後においても、最低保障額について、旧法、新法の格差がまだ生じております、出てくるというふうに思うんです。それをまた厚生年金と比較しても格差がある。さらに、遺族年金の給付加算は、新法には適用されるが旧法には適用されておらない。また、農林年金の旧法年金者と新法年金者、この割合を見れば、旧法年金者の数はそんなに多いものではない。その格差を是正しようとしても、そんなに国家財政から比べれば大した財政負担額ではないというふうに思うんです。
 私はこの内容については後ほど事務当局に聞いてまいりますけれども、大臣の時間が忙しいようでございますから、大臣にだけ質問しておきますけれども、この格差是正は農林年金にとってこれは長い間の懸案なんです。なぜ格差是正ができないんですか。
#23
○国務大臣(武藤嘉文君) 先生御承知のとおり、共済年金制度というものの共通の原則といたしまして、やはり年金額の算定はその給付事由が生じた時点によるべきだということだと私は思うのでございます。その意味において、全く旧法の年金に対して制度的に新法の水準を保障しろと、全く同じということはなかなかこれはむずかしいんじゃないかと、私は思うのでございますが、ただ、たしかいま最低保障額の問題につきましてはできるだけその辺を配慮しながらやってきておると、私は承知をいたしております。
#24
○村沢牧君 こういう質問をしてまいると、他の年金と横並びだから農林年金だけ抜け出してやることはできないとか、また成立のあれが違うんだというようなことをいつも答弁をしてくるんですけれども、そこで大臣としては、この格差を是正をしていくという、こういう御意思は持っているんですか。
#25
○国務大臣(武藤嘉文君) いま申し上げましたように、最低保障額の改善問題については、新法と旧法のそれぞれの年金者については旧法に手厚くという考え方でやっておりますし、今後より強い方向でそういう形で改善をしていくことを私は努力をしてまいりたいと思います。
#26
○村沢牧君 まあ段階的に格差是正に努力をしているんですけれども、私の指摘をすることは、制度的に格差をなくするんだと、そこまでひとつ検討してもらいたい、踏み込んでもらいたいと思うんですね。そのことの答弁は今後の検討事項にひとつゆだねておきます。
 そこで第三番目には、遺族年金の給付水準の引き上げですね。この遺族年金の水準を引き上げるということは、年金制度基本構想懇談会の答申でも指摘をされておるわけなんです。今回の改正案で、なるほど寡婦の加算額の増額が見込まれておるけれども、しかし、遺族年金の給付水準はきわめて低い、これは諸外国の年金に比べても低い地位にあるわけです。したがって、遺族年金は退職年金の五割を基礎とするというようなことではなくて、これは七割か八割に引き上げるべきだというふうに思いますが、どうでしょうか。
#27
○国務大臣(武藤嘉文君) まあいまのところは原則的には五〇%になっておりますが、いろいろの加算によって改善がなされつつあることは御承知のとおりでございます。私はやはりこの遺族年金の水準は、いま先生御指摘のように、八〇%とかという率までを決めるということはまだこれは今後の問題として、結果的にいつなるか、いまの御指摘はそこへ早く決めちゃってやれと、こういう御指摘かと思うのでございますけれども、なかなかそこまで、これもまあまたおしかりをいただくかもしれませんが、他のやはり年金とのバランスもございますので、しかし、できるだけ遺族年金の水準を、いずれにしてもより改善をいまよりももっとしていかなきゃいけないということは私は当然かと思っております。そういう点においては努力をしたいと考えております。
#28
○村沢牧君 大臣、他の年金との関連もあるという答弁だったんですけれども、最近新聞の報道によれば、厚生省は厚生年金の支給開始年齢の引き上げをやろうとしていることが報道されておる。私はこれは全くけしからぬ話で賛成できませんが、これはここで論議をする問題じゃなくて、いずれ他の機関でも、場所でも論議いたしますが、そういう中にあって、厚生年金では、同時に遺族年金を七割程度に引き上げる方針であるということがこれまた報道されておるわけなんです。厚生年金は、支給開始年齢を引き上げるその見返りと言っては大変失礼ですが、そのいい面として遺族年金は七割に引き上げますということを出している。農林年金は支給開始年齢を引き上げたら何にもいいものがないということになる。もし、厚生年金が遺族年金を七割に引き上げたならば、農林年金も直ちにこれに準じますか。そのことが一つ。それから、支給開始年齢を引き上げたこの時期においてなぜこうした懸案事項が同時にできなかったのか。二点についてお聞きをしたい。
#29
○国務大臣(武藤嘉文君) 厚生大臣の発言でございますけれども、まだそれが一つの方向として決まったものだとは私は承知をしていないわけでございます。将来そういう方向にいくのだろうとは思うんでございますけれども、まだ最終的にそういう方向が固まったとも承知をいたしておりません。
 それからいま一つは、厚生大臣の発言の、いまのそのときには七割に遺族年金を上げるのだという形でございますが、これはいま申し上げましたように、厚生大臣の発言そのものがどこまで最終的にいつ固まっていくのかということについてはまだはっきりいたしていないと私思うんでございます。そういう意味において、これは今後の検討課題ではなかろうかと私は承知をいたしておるわけでございます。
 もう一つの、支給開始年齢を引き上げようとしながらなぜそういう点について同時にやらなかったのかと、こういう御指摘のようでございますが、これにつきましては、先ほど申し上げておりますように、ほかとの問題、あるいは実際その遺族というものにつきましても、たとえば子供のない人、子供のある人とか、いろいろバランスが私はあるだろうと思うのでございます。一律に何%にここで引き上げるという点についてはもう少し研究をさしていただきたいということで、今回それを出していないわけでございます。
#30
○村沢牧君 大臣、農林年金の支給開始年齢を引き上げる際にこの遺族年金についても検討したけれども、もう少し検討したいということで今回出してこなかったということ、その答弁はわかります。同時に、最初に答弁をされた、厚生年金がこれはここで遺族年金を引き上げるかどうかまだわからない段階だと、そのことについては何ら答弁がないんですけれども、わからない段階だとはわかっているけれども、厚生年金がこの遺族年金を引き上げた場合においては農林年金はこれに準じますか、いままで検討しているんだから。
#31
○国務大臣(武藤嘉文君) これはどうも私自身が、厚生大臣の発言がどこまで詰まっていくのか。まあ私も年金問題いろいろやっておりまして、なかなかこれから時間のかかる問題ではなかろうかと私は判断をいたしておりますので、先ほどのような御答弁をいたしまして申しわけなかったと思いますが、いずれにしても、そういう事態の起きた場合にどうするかという点については、これは当然一つのそういう方向が打ち出されてくれば、農林年金についてもその方向に準じて改善をしようということは当然のことだと思っております。
#32
○村沢牧君 そこで、大臣に農林年金の私は特殊性というものをどのように判断をされているか、お聞きしたいのです。と申しますことは、農林年金も共済グループの中の一つであって、農林年金だけ抜き出して考えることはできないということをたびたび言われる。したがって、国庫補助金もなかなか上げることができない、あるいは新旧の格差も是正ができない、あるいは遺族年金の引き上げについても同様。そこで、担当大臣として、あなたは国家公務員共済や他の共済の年金と比べて、農林年金の特殊性というのをどういうふうに理解されるのですか。
#33
○国務大臣(武藤嘉文君) やはり、農林年金の加入者の皆様方が、それぞれ国家公務員あるいは地方公務員よりも、農村地帯において本当に日本の農業の発展のために、また農業者のために御努力をいただいている方々でございまして、できるだけそういう方々の老後の保障ができるように、農林年金をよりよいものにしていくということについては、農林水産省として当然努力をしなきゃならないと考えております。
#34
○村沢牧君 大蔵省にもう一点お聞きをしますけれども、農林年金は公務員年金と比べて、組合員が民間であるし、身分も不安定であり、給与水準も低いので年金の額も低いと、いま大臣が言われたような特殊性もあるわけです。
 そこで、さらに農林年金と厚生年金と比較をして、いままでは支給開始年齢が厚生年金よりも五歳低かったから、これは農林年金は有利とされておった。今度この法律が通れば全く同じになるわけですね、厚生年金が支給開始年限でも延ばすかどうか、それは別として。さらにまた、国家公務員関係の共済組合では、恩給期間に対応するいわゆる初期債務を、これを事業主である国や地方公共団体が負担をしておるわけですけれども、農林年金では組合員と農林漁業団体がこれを担っている。さらには、同じ共済グループの私立学校の共済には、国の補助以外に私学振興事業団からの補助がある。しかし、農林年金にはそのようなものはない。これらの問題等を考えてくると、私がいままで指摘してまいりました国庫補助率を上げるということ、あるいは格差是正をすること、あるいは遺族年金の給付水準を引き上げるなんということは、これは大蔵省としても当然認めなければならないことだというふうに私は思うんですけれども、どうでしょうか。この農林年金の特殊性と特別事情というのをどういうふうに認識しているんですか。
#35
○説明員(安原正君) ただいま村沢委員あるいは農林水産大臣から御指摘の特殊性については十分認識しているつもりでございます。
 そこで、具体的にお挙げになりました国庫負担の問題でございますが、国庫負担につきましては、先ほど来申し上げておりますように、全体としまして、そのそれぞれの公的年金の給付内容、それから被保険者グループの差異等、そういうことを総合勘案しまして、バランスのとれた形で行っていくことが必要であろうと考えております。
 そこで、農林年金と厚生年金と比べました場合に、いま申しましたような二点を中心としまして差異がございまして、そのことを考慮しまして一八%、二〇%それぞれの国庫負担率が設定されているものと考えております。したがって、このような国庫負担率の全体のバランスを崩すような変更は困難であると考えております。ただ、その農林年金の特殊性、御指摘のような点もございますので、財源調整費というものを設けまして国庫負担を追加的に行っておるわけでございまして、全体としてそういう特殊性も配慮しながら、しかし、バランスも考えながら国庫負担を行っておるという点については御理解を賜りたいと思います。
 それから格差の問題につきましては、先ほど農林水産大臣から御指摘がありましたように、その給付事由が発生しました時点において算定をすべき性格のものでございますので、そういう格差が生じておるということは制度上やむを得ない面があろうかと存じます。
 それからもう一点、遺族年金の問題でございましょうか。遺族年金の問題につきましても、公的年金を通ずる基本的な問題でございまして、制度間を通ずる横断的な検討を行っていくべきものと考えております。村沢委員から御指摘ががございましたように、厚生省におきましてただいま厚生年金等の制度改正の一環としてその問題が検討されておるところでございますが、その厚生省の検討を待って、その問題につきましては慎重に対処してまいりたいというぐあいに考えております。
#36
○村沢牧君 大臣の時間がないようでございますから、改正案の主要な点について二、三一括して質問しますから答弁してください。
 今回の改正案で、農林年金の基本にかかわるような大きな問題として支給開始年齢の引き上げがあるわけです。このことのために国会の審議もこれまでおくれたと言っても過言でないと思うんです。支給開始年齢を、五十五歳を六十歳に引き上げをしなければならない理由は何か。一つです。
 次に、この支給開始年齢を引き上げれば財政的に将来どのように寄与をしていくのか。年齢を引き上げれば将来掛金の引き上げなどを行わなくて済むのか。次期財政再計算の時期も明年になっているわけでございますけれども、掛金の引き上げ率はどのようになるというふうに見越しされますか。
 それから支給開始年齢の引き上げは当然農林団体職員の定年制との関連もかかわってくるわけなんです。定年制の現状や退職年金の現状については後ほど事務当局から聞きますけれども、こういう現状の中から、定年制を延長するあるいはまた雇用、労働条件を改善するための大臣としての指導方針はどうか。
 最後に一つ、支給開始年齢の引き上げの中において一番問題になるのは女子職員なんです。なぜならば、女子職員も一律六十歳に引き上げになるわけですね。ところが、厚生年金はどうか。厚生年金は五十五歳なんです、女子は。また厚生省の発表した今度の改正の試案によっても、六十五歳にしても、女子職員の支給開始年齢は現行のまま当分据え置く、こういうことが言われておるわけなんです。しかも、女子の職員は、御承知のとおり、定年になる年齢も若いし、あるいはまた労働条件も必ずしもよくない、農林団体の場合には。なぜ、この女子職員の――男女平等ということもありますけれども、この平等の精神と反する。厚生年金すら据え置くと言っておるのですよ。この女子職員の年齢の引き上げについてどのように考え、またそれを対処されようとするのか。
 以上の点について大臣の答弁を求めます。
#37
○国務大臣(武藤嘉文君) 最初の第一点の支給開始年齢の引き上げをなぜやるのか、その理由をということでございます。これも先生御指摘のとおり、いま日本の、大変年齢が――年齢といいますか、寿命が大変長くなってまいりまして、いわゆる高齢化社会というか、非常にそういう状況が強い中で、この年金の中におきましても、結果的に加入組合員それから受給者という、その比率というのが大変受給者の方が相対的に高くなってきておる。このままの状態でまいりますと、大変財政状態が悪化する。給付ばかり多くなって掛金の方がだんだん――これは掛金の総収入額よりも給付額の方が逆にどんどんどんどん大きくなるという心配がございます。そういう面から言って、次の質問の問題、掛金の引き上げの問題もございますけれども、そう急激に掛金を引き上げるというわけにもいかないだろう。まあ掛金を全く上げないというわけにもまいらないと思います。その辺が、ある程度掛金をなだらかに引き上げながら、ある程度、一方においてはこういう形で給付の年齢を引き上げる、そういう形によってバランスを将来とっていくようにしなきゃいけないと、こういう考え方から今回の法律改正になったわけでございます。もちろんしかし、急激な形で行いまして、この加入組合員の中で、年金を受ける人たちに非常に迷惑をかけるようなことはいけないということで、経過措置を考えたわけでございます。
 それからもう一つ、三番目の御質問の定年制の問題、やっぱりこれに絡んでくると思います。現在、たしか農業団体では七割ぐらいが定年制を実施されておりまして、現在五十七歳前後と承知をいたしておりますが、今度はこれ六十歳までということなんでございますから、当然私どもとしては、定年は六十までいくように努力するのが当然のことかと思っております。農業団体で、いろいろこれは農業団体の中で研究会も設けてやっていただいておるようでございます。私どもといたしましては、できるだけ指導をさしていただいて、六十歳に一日も早く定年がいくように努力をしたいと考えております。
 それから最後の女子の問題でございますけれども、従来、この共済年金というのは男女同一でやられてきておりまして、ですから、いまの状態としては、やはり女子も定年を六十歳までにするように努力をするということを私どもでやらなきゃいけないんじゃないか、こう考えておるわけでございます。
#38
○原田立君 今回提出のありました農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律案、これについて質問いたします。
 基本的問題として、年金全体の中で共済組合制度の位置づけはどうあるべきものなのか、年金一元化への考えに立ってのものと考えてよいのかどうか。年金一元化に対する政府の基本的見解及び対応について、その姿勢をお伺いしたい。
#39
○国務大臣(武藤嘉文君) わが国の公的年金制度におきましては、現在、御承知のとおり八つの制度があるわけでございますが、これらはそれぞれいろいろ沿革、歴史もありますし、また、厚生年金と共済年金との間におきましても、制度の目的、給付の仕組み、財政事情が異なる等という問題もございますし、こういうことを一切無視してしまってここで一元化してしまうということは、私は大変困難ではなかろうかと考えております。しかしながら、今後の問題といたしましては、年金の受給者の数が非常に増大すること、あるいは受給者がだんだん高齢化しまして、先ほどちょっと申し上げましたけれども、いわゆる加入組合員といいますか、掛金をしていく人たちとそれから今度は年金を受ける人たちとの間に大変バランスが崩れていくというような問題もございますし、いろいろ長期的にこういう問題について検討を加えていかなければならないのではないか。その検討の中で、一元化という問題も当然私は将来の問題としては十分検討していかなければならないと考えております。
#40
○原田立君 ばらばらで、いろいろ支給額等やあるいは支給方法などに差異が生じておるのが現状でありますので、この一元化という問題も非常に重要課題でありますので、大臣は検討するというふうなお話でありますが、十分取り上げてしかるべきだと思うのであります。
 五十四年四月十八日、年金制度基本構想懇談会の報告書の中で、基本的考え方の機構改革と題して、こういうふうなことが言われております。「国民一人ひとりについて加入もれや重複をチェックするため、各制度を通じ、記録、裁定、支払いを一元的に処理し得る業務体制を確立する必要がある。また、各制度の財政計画を共通の基準でチェックし、財政状態を検証して必要な措置を勧告できるよう、共通の機関として年金数理委員会(仮称)の設置が望まれる」というようなことが言われているわけでありますが、長期展望に立って、非常にこれは重要な問題であると思うのであります。年金の一元化を踏まえて、当面実現可能な機構の改革を実施するということだと思うのでありますが、この報告書に対する対応策、政府としての姿勢はいかがですか。
#41
○国務大臣(武藤嘉文君) 大変これは基本的な問題でございますので、いま各省庁でもいろいろと打ち合わせをいたしておるようでございますが、もう少し時間をひとつおかしをいただきたいということでございますので、ひとつよろしくお願いをいたします。
#42
○原田立君 時間をかしてくれと、こういうことでありますけれども、ことしの四月十八日にもうすでに出ておりますし、もう半年以上たつわけですが、いつごろの見通しになるわけですか。
#43
○国務大臣(武藤嘉文君) これは事務当局でいまいろいろやらしておりますので、事務当局から答弁させます。
#44
○政府委員(松浦昭君) ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりなんでございますけれども、やはり各種の年金間の差というものもございますし、数理の計算上これをどのように統一的に扱っていくかということにつきましては、なお事務的に詰める点がございますので、この予算の経緯その他も踏まえまして、さらに各省間で詰めていきたいというふうに考えております。
#45
○原田立君 それはいま大臣が言われたのだからわかるのですよ。検討しますって、いつごろまで。
#46
○政府委員(松浦昭君) ただいま、大臣よりも一つさらに申し上げた点がございます。それは予算の決着との関係も踏まえてということを申し上げました。したがいまして、昭和五十五年度予算がどのようになるかということを踏まえた上でやりたいということを申しておりますので、時期的にもさような点を考えてやりたいということを申してもいいと思います。
#47
○原田立君 さっぱり要領を得ないので、よくわからないのですが、大臣が時間がないようでありますから、次に進みましょう。
 年金額の引き上げについては、昨年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として、平均三・六%程度引き上げると、こうなっておりますが、最近の給与の上昇率は物価の上昇率に追いつかず、その差は開く一方であるのが現状であります。年金受給者の生活を考えた場合、年金額の引き上げ基準を、給与上昇率から物価の上昇率の基準に改定すべきではないかという強い声があるわけでありますが、本来物価上昇率に基準を改めた方がよいのではないかと私は思うのでありますけれども、見解はいかがですか。
#48
○国務大臣(武藤嘉文君) 共済制度では、四十四年以降、毎年法改正のときには国家公務員の平均給与改善率を参酌して改定してきておりまして、国家公務員の給与水準の中には御承知のとおり物価の問題が当然入っておるわけでございますので、結果的には全く物価の問題が無視されておるとは私は思わないのでございますが、ただ、いまの御指摘のように、どちらか高い方でやってやった方がいいんじゃないかと、こういうことかと思うのでございますが、なかなか従来の経緯からいたしまして、それじゃ物価の低いときは公務員の方をとり、今度物価の率が高いときはそちらをとるというわけには、その年その年で全く違った方向で基準をとっていくというようなわけには私はなかなかむずかしいんじゃなかろうかと思うんでございます。気持ちとしてはよくわかりますが、なかなかそれは制度として非常にむずかしい問題ではなかろうかと思うのでございます。
#49
○原田立君 物価の指数は四・一%ないし四・二%ぐらいであると承知しているんですけれども、その点はどういう認識ですか。
#50
○国務大臣(武藤嘉文君) ことしの物価の上昇率は大体四・七%ぐらいになろうかと思います。
#51
○原田立君 そこで三・六%程度引き上げるというのは、四・七%に比べて三・六では低いじゃないかというのが、先ほどから聞いている問題点だと思う。だから、物価の上昇率を基準に改定すべきではないかと、こう申し上げるわけなんだけれども、その点どうですか。
#52
○国務大臣(武藤嘉文君) たとえば四十四年を例にとりますと、四十四年度においては物価の上昇率は六・四でございます。そのときに公務員給与の上昇率は九・七でございます。あるいは四十六年を例にとりますと、消費者物価上昇率は五・七でございます。そのときは一一・七、公務員の給与の上昇率はあるわけでございます。ですから、そのときはこれは高い方がとられているわけでございますね。結果的には高い方がとられている。で、いま申し上げたように、今度は公務員の給与の上昇率が安くなった、たまたま物価の上昇率が高かった、いまの御指摘の三・何%と四・何%。今度は物価の上昇率をとればいいじゃないか。常にそのどちらか高い方をとるという制度にこれは将来するということならばまた別でございますけれども、現在は、そういう形で国家公務員の給与の上昇率に合わせてやってきているものでございますから、その中においては、その年によっては、だからいまのように物価上昇率よりも国家公務員の方が高い場合には高い率でやってきておるわけでございます。二者択一で、どっちでもそのときそのときの国家公務員の給与の上昇率と物価上昇率と比べて高い方をとれという制度ということになればこれは別かと思いますけれども、いまはやはり年金制度というものは一つの一貫した考え方でやってきておりますので、いい方でとればいいじゃないかと言われてもなかなかこれむずかしいと、こういうことを申し上げたわけでございます。
#53
○原田立君 四十四年並びに四十六年の例を引かれていま大臣は説明されたんだけれども、それは、その背景になるのは現在の五十四年と同じじゃないでしょう。違う状況にあったんじゃないですか。四十四年の例を引いて、だからそっちの方のやり方を今回するのはおかしいと、こう言うのはちょっと理屈は通らないんですけれどもね。
#54
○国務大臣(武藤嘉文君) それでは、私はちょっと四十年代を申し上げましたんで、最近の例を申し上げますと、たとえば五十二年でございますが、五十二年度は消費者物価上昇率は六・七%です。それに対して公務員の給与上昇率はそれより高くて七・一%でございます。それから昨年度も、消費者物価上昇率が三・四でございまして、公務員の給与上昇率は三・六と。たまたま今度がこれが逆になっておると、こういうことでございます。
#55
○原田立君 年金改正の中で、改定の実施時期については算定の基準を一年前の国家公務員の賃金上昇をもとにしております。すなわち一年おくれの引き上げになっているわけでありますが、低成長下での生活は非常に厳しい。せめて公務員給与のベアと同年度の実施を検討する必要があるのじゃないかと思いますが、いかがですか。
#56
○国務大臣(武藤嘉文君) 御指摘の点はよくわかるわけでございます。これは農林年金だけでなくて、恩給、共済すべてに言われておることでございまして、確かに一年ずれておるじゃないかということでございますが、なかなかこれを思い切ってここで制度を改革するということは、大変――特に恩給などにつきましては、これは全額国で持っているわけでございまして、いまの財政事情の中で国が恩給について一年分余分に払っていくというようなことをやれるかどうかというのは、非常に私は正直言ってむずかしい問題ではなかろうかと思いまして、なかなかこれは私ども困難な問題であろうと考えております。
#57
○原田立君 手厚い年金の共済年金の支給であるならば別に問題はないのでありますが、これが薄い年金支給であるがゆえにいろんな課題が出てくるわけであります。たとえば遺族年金の給付水準の引き上げについてどのような考えで臨んでいるのか、これをまずお伺いしたいのでありますが、わが国の年金制度の範としている西ドイツあるいは北欧、英米系の国々においてはどのような給付水準になっているのか。御承知だろうとは思いますが、国の負担率においては日本が五割、西ドイツは五割から六割に引き上げている、あるいは北欧、英米系では六・五割から七割に引き上げているという、こういう事実があるわけです。日本が一番低いわけです。どういうふうにお考えですか。
#58
○国務大臣(武藤嘉文君) これは先ほども御答弁をいたしましたように、改善をしていかなきゃならないという考え方は持っております。そして、現在におきましてもいろいろの加算によりまして結果的には上積みをなされておるわけでございまして、今後ともその方向でより努力をしていかなきゃいけない、こう考えております。
#59
○原田立君 年金制度基本構想懇談会の報告の中に、特に遺族年金を取り上げ、遺族年金は夫の老齢年金の半額だが、夫婦の場合の六割、七割を給付している欧米の例もあり、実質的な引き上げを図るべきだと。特に子持ちや高齢の妻に手厚くする必要があると、こういう年金制度基本構想懇談会の報告があるわけでありますが、これをどう受けとめておいでですか。
#60
○国務大臣(武藤嘉文君) いまの御指摘の点でございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、私どもはいろいろのそういう加算につきましては、当然今後ともより改善をしていかなきゃならないということで努力をしてまいります。
#61
○下田京子君 今回の農林年金改定に対して、まず私は、通常国会の冒頭にわずか大臣質問が十二分私どもに与えられたのです。全体でうちの党に二十分、この委員会全体で二時間、こういうふうな異常な形でもって審議を終えようという、これはまさに納得できないものではないかと、こう思います。こういうふうな原因が一体どこにあるのかというと、そもそも八十七通常国会、さきの国会におきまして、政府案に対して私たち共産党と社会党、また公明党、民社党、野党四党が一致して退職年金の支給開始年齢の引き上げなどを削除した形での修正案を提案したわけなのです。そのことについて政府が耳をかさなかったというところに大きな原因があるのではなかろうか。さらには、さきの特別国会でもってあの自民党の首班指名をめぐる非常なごたごた、こういうふうな中でもって、いまいつから年金がもらえるんだろうか、本当に私たちの暮らしはどうなるんだろうかと言って、将来の設計を立てる上でいろいろ苦労されている重大な問題を含んでいるわけなんです。それを十分な審議をしないで議了する、これはもう今後においても重大な問題だと思います。国会の審議権にかかわる、また国民不在にかかわる大変な問題だと思います。
 そのことを私は冒頭申し述べつつ御紹介したいのは、もう団体職員の方々からたくさんの強い反対の声が届いている。これが電報です。これが請願の束です。私のところに来ただけです。そのほか、使用者であります農協の組合長さん等からも、この問題についてはぜひこれは十分慎重審議をしてほしいし、これは今国会では通さないでくれ、こんなお声も届いております。現実にこれだけ、いま手元にある分ですけれども。そのほかいろいろお電話や何かでもお聞きしているわけなんです。
 さらに申し上げますと、きょうも何人かの方が傍聴にも見えておりますけれども、全国一万三千団体、そして組合員四十六万五千人、そういう中でこの年金の共闘会議というものがつくられた。その団体は約七団体、十二万人です。こぞって反対されているのです。そういう中で、こんな広範な直接かかわる皆さん方が、いろいろと慎重審議問題等も含めて御提議もし、そして今国会では何とか通さないでということで反対の声も出されているのに、当事者の声を聞かずしてなぜこれを強硬に通さなければならないのか、その辺はどのようにお考えなのか、大臣の御答弁をお願いいたします。
#62
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどから申し上げておりますように、大変日本人の寿命が延びてまいりまして、いわゆる年金受給者の数が急激にふえてきておるわけでございます。そして、加入組合員とのバランスにおいて、このままの状態でまいりますと、たとえば掛金を大幅に増額をしていただくとかいうようなことでもしない限りにおいては、この制度そのものがもう危険な状態に陥っていく。特に財政面において健全を図らなければならないのに、非常に私は危険な状態に陥っていくのではないかということを考えまして、これは結果的には共済組合員のためにもなると、私どもはこういう考え方で提案をいたしたわけでございまして、なるべく審議を時間を尽くしておやりをいただくということについては、私どもが申し上げるべきことではございません。これは国会の中で委員会の時間はお決めをいただくことでございます。ただ私どもといたしましては、出したものについてはやはりそれ相応に十分検討の上出したわけでございまして、ぜひその辺は御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#63
○下田京子君 いろいろお話ありましたけれども、つまるところ、提案理由の大きな柱にも据えられておりますが、財政の問題である、こう言われていると思うんですが、農林省の資料によりますと、将来の財政問題ということでもって積み立てをしていると思うんです。この積み立ての中での年金資産が、政府全体の経済政策の大きな私は誤りの一つだと思うんですけれども、インフレ政策の中で、実に五十三年度からさかのぼって五年間の間を見ましても、約一千三百四十億円の目減りをしているというのが明らかになっております。こういう中で、先ほど大臣は掛金等の引き上げ等で皆さんに御迷惑をというお話をされましたけれども、国の責任ということがいまやっぱり考えられなければならないと思うのです。その点で今度の法改正の中で、特に皆さん、私どもも心配しておりますけれども、退職年金等の支給開始年齢の引き上げを行わなかった場合、五十四年単年度で金額にするとおよそ幾らになるか。いろいろございますでしょうけれども、約のお話で結構ですから、まず端的に御答弁ください。
#64
○政府委員(松浦昭君) ただいまの計算の仕方を前提にいたしまして、昭和五十四年度末に財政の再計算をいたしましょうということにいたしまして、その場合に、もしも支給年齢の引き上げを行わないという状態で計算をしてみますと、大体現在千分の九十八の掛金率が千分の百二十ぐらいまで上がるという可能性があるというふうに考えられます。その場合に、もしもこの支給年齢の引き上げを行いますと、約一〇%のダウン、百十程度で終わるということになろうかと思います。ただ、これはあくまでも仮定でございまして、まだ再計算をしておりませんので、正確なことは現在のところ申し上げられません。
#65
○下田京子君 私質問したのは、そうではなくて、国の責任として引き上げしなかった場合に金額的にどのぐらいの負担、引き上げ率。これは時間がないからいいです。約三〇%というお話を聞いているんです。それで、金額にするとどのくらいかということをお尋ねしたつもりなんですが、わかれば金額だけで結構です。
#66
○政府委員(松浦昭君) そのような御質問のような仮定で計算をいたしますと、約六十億という計算になります。
#67
○下田京子君 いま約六十億というお話が出ましたけれども、これは大臣大変だと思うんですよ。逆に言えば、引き上げによって国の責任といいますか、財政的な問題をそれはもう切りかえてしまったということにもなると思う。これは後ほどまたいろいろとお話し申し上げたいんですけれども、国庫補助をどうするかということにかかわってくると思うんです。大蔵との関係だとか今後のいろんな問題があると思うんですけれども、これをかわって、おしなべて支給開始年齢引き上げという形でもって解決するというやり方は、私は納得できない。このことを申し上げておきます。
 しかも問題なことは、これは大臣も御承知だと思うんですけれども、今月十八日に野呂厚生大臣が、支給開始年齢ですね、これを六十五歳にすると、こういうお話をしております。一方、十月十八日に、総理の諮問機関であります社会保障制度審議会の中で、年金支給開始というものは今後並べて六十五歳にしたい、こういうことを言っているわけです。そうすると、今回五十五から六十でとどまることなく六十五になる、そういう一里塚になるんじゃないか、そういう問題があるわけなんです。これが一点。
 それからもう一つ、もう時間がございませんから一緒に聞きたいと思うんですけれども、他の委員からも御質問ありましたので、私はダブらないで一つ言いたいのですが、六十歳に上げた場合に、現在の定年制との関係でもって空白期間が出る人がはっきりしている。特に女子の場合をしぼって申し上げます。これは平均では男子が五十七・六、それから女子が五十六・五と、こういう資料をいただいております。私たちが実際に調査したところによりますと、全国各地いろいろ調査していますけれども、最も最たる形で出ているのが秋田県なんです。秋田県にはこれは七十六団体ありますが、その七十六団体中で男女の定年が同一だというのはたった四団体です。そしてちょっと申しますと、四十歳で定年を切っているのが二団体、四十五で切っているのが九団体、四十六が二十二、四十七が十三、四十八が十四、四十九が一、五十が七、五十四が一、五十五が二と、こういうかっこうなんです。大臣、責任を持って将来とも年齢引き上げしないと言い切れますか。同時に、男女差をすべてなくすということが本来は労使間なんです。そういうことで逃げ切らないで、責任を持って私がやります、あるいは政府がやりますと言い切れますか。
#68
○国務大臣(武藤嘉文君) 二つの御指摘かと思いますが、一つは厚生大臣の発言に絡んで、今後厚生年金が五歳上がればこちらもまた上げていくんじゃないかという御指摘かと思いますが、これは先ほど御答弁を申し上げておりますように、厚生大臣の発言そのものがどういう形でいくかはまだいろいろあるんじゃないかと。いろいろのことを研究しなきゃなりませんので、これは簡単にそういくものではないと私は判断をいたしておりまして、それですから、それに付随してこれもいくんじゃないかということについては、どうもそちらの方自身が私はまだ疑問を持っておりますので、ちょっとお答えがしかねるわけでございます。
 二番目の問題につきましては、いまいろいろと御調査の結果も承りまして、私自身先ほど申し上げておるように、この共済年金は男女同一ということになっております。ところが、いま御指摘のように、定年が、非常に女子については若いところで定年があるということでございますと、結果的にそこにギャップが出てくるというのは当然かと思います。この点については各農業団体が、確かにおしかりをいただくかもしれませんが、やはりそれぞれが労使の関係でお決めをいただいておるわけでございますが、私といたしまして絶対にやりますということもこれは正直申し上げられないと思います。強制力がございません。しかしながら、なるべく現在のそういうような状態が改善をされていくように極力指導をしてまいりたいと考えております。
#69
○下田京子君 一言。
 ただいまの大臣の答弁で極力努力をするということですけれども、その努力する姿勢についてとやかく言うわけではございませんが、定年制あるいは雇用条件の改善、これがまず先ではないかということを申しまして、まさに今度のこの法改定というものはこのままいったら生存権まで脅かす大変なものであるということを指摘しまして、質問を終わります。
#70
○三治重信君 大臣にお尋ねしますが、こういう共済組合の各省にあるやつなんですがね。いつもこれからたびたび改正になるような状況になったときに、やはり厚生年金というのですか、国としてこういう老齢年金として統一化していくというふうなことについて、大臣はどういうふうに、それでまた農林省としてはどういうふうに、これはあくまで農林団体は特殊なものだから、そういう今後の老齢年金の発展についてできるだけ一緒にできるところはするけれども、あくまで別だというふうにしていくか、できるだけ一緒にすべきだと考えるか、その基本的な態度ですね。
#71
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほども申し上げましたけれども、それぞれの年金の歴史、沿革がございますし、また仕組みについても、いま現在においては全く違っておる点もそれぞれあるわけでございまして、なかなかこれを単純に一本化するということは非常にむずかしいということは、もう先生御理解いただけると思います。それじゃ方向として一本化するのが望ましいのか、一本化するのは必要ないのかということになれば、私といたしましては、やはりこういうものは将来は、もし一本化できればそれは結構なことだというふうに思います、考え方として。ただし、実際問題としては非常にむずかしいのじゃなかろうかと。いろいろこれはやっぱり協議をしてかからなければならない問題だろうと思っております。
#72
○三治重信君 基本姿勢としてはそういうことだろうと思うんですが、農水省としても、今後やはり老齢年金の給付水準なり待遇の改善なり、あらゆる付属的な問題も、別々にしておけばしておくほどその間の矛盾をつかれる――矛盾というか、上へ上へとならすわけですが、機会あるごとにそういう合わせる態度をこれはひとつぜひ持っていかないと、この老齢年金の問題は解決しないと思います。
 その中で一つ、一般の厚生年金が基本になると思うんですが、そのときに年齢を六十歳に引き上げる場合に、今度のやつだと非常に長い年月をかけてやる。こういうふうだと、十七年も十八年もたって六十歳というのは、片方の厚生年金の方は、その財政状態から言って再計算上また六十五歳に引き上げるというような主張も出てきたときの調子の合わせ方というのは、非常にこれは矛盾を来すようなことになると思うんですが、そういうことからいくと、やはりこの団体での定年制の延長をできるだけ早く六十歳への延長を指導をし、またそういうことの労務管理の体制を整えていって、今回は、こういうえらい長丁場のやつはいいわけですが、できるだけ六十歳の厚生年金に合わせる体制というものにやはり努力してもらいたいと思うんですが、どうでしょう。
#73
○国務大臣(武藤嘉文君) 定年延長について極力早く努力をしていくというのは、私はもうこれはいまの一つの政治課題だと考えておりまするし、努力をさせていただきたいと思います。
#74
○三治重信君 そうしますと、何と申しますか、各種団体で非常に、後でまた実情のやつは資料でもお伺いしますんですが、定年制なりそれから男女の関係のやつも、もう少し――バラエティーというんですか、そういうことが放任されていると思うんですね。もう少しやらぬと、いわゆる今度の六十歳に持っていく場合にでも、今回はやむを得ぬと思うんですが、その途中で、やはり厚生年金のいま現在の六十歳、女子五十五歳というふうに分けてやっているやつを、今度はこちらは六十歳に持っていくときには一緒に持っていっちゃうということになると、何か考え方について非常に矛盾があると思うんですが、その点を一つだけお伺いします。
#75
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどから申し上げておりますように、従来のこの農林年金は男女同一という形できておるわけでございます。ところが、先ほど来議論がなされておりますように、実際には女子の定年は、なかなか六十まで持っていこうと言っても持っていけない場合も場合によれば将来出てくるんではないかと思うんでございますが、私は率直に言って、私どもとしてはとにかくこういう形で年金ができている以上、女子についても六十まで定年があるという形で指導していきたいと考えておるわけでございますが、将来の問題として、実際そういう指導をしても、結果的に、先ほど来御指摘のあるように、女子が非常に早くやめていかなきゃならないというような実態がもし将来とも残るとするときには、私はやっぱりこの年金のあり方というものも考え直さなきゃならない事態もあるだろうと思います。
#76
○喜屋武眞榮君 私最初に、気になることがありますので、大臣にお尋ねいたします。
 いま政府の姿勢として、あるいは国民の世論の声として、機構改革あるいは整理統合あるいは天下り人事の廃止とか、こういった声が騒然となっておることは御存じのとおりだと思います。そういう中で、衆議院の附帯決議――私は附帯決議に対して賛成するものでありますが、賛成を前提にして、ちょっと気になりますのでお聞きしたいんですが、六項目に、調査審議をする機関を新しく設置するように検討すると、こううたわれておるわけなんですね。新しく機関を設置するということは、いまの国民の世論の声とか、政府の姿勢からして、何かしら矛盾を感ずるわけなんですが、この設置機関の内容がどのようなものであるかは知る由もありませんが、それに対するひとつ大臣の御見解を承りたいと思います。
#77
○国務大臣(武藤嘉文君) 御指摘のとおり、いま行政機構の改革その他いわゆる行政の簡素化を図らなきゃいけないということは、当然私ども重要な、最も大切な政治課題と思って取り組んでおるわけでございます。その中におきましては、もちろん審議会などにつきましてもできる限り廃止できるものは廃止していきたいという考え方でおるわけでございます。そうなってまいりますと、この衆議院の附帯決議の最後の項目については逆行するんではないかという御指摘かと思うのでございますが、これは正直、必要に応じてやる問題でありまして、しかも法律によってやるわけではございませんので、またその審議会を永久に残していくというものでもないわけでございまして、できるだけ必要に応じてやり、そしてなるべく短期間で御審議を願えれば、結果的にまたその審議会は廃止になるわけでございますから、必ずしも行政のいまの効率化、簡素化に逆行するものとは私は承知をいたしておりません。
#78
○喜屋武眞榮君 時間も迫ってまいりましたので、まとめてお尋ねいたしたいと思いますので、簡潔に御答弁をお願いいたしたいと思います。
 こういった制度の問題が出るたびごとに必ず沖繩との関連が出てくるわけでありますが、沖繩の特殊事情からいろいろとハンディがついておるわけでありますので、まず第一点、沖繩の場合どうなっておるのであるか、これが一点。第二点は、公務員の場合が実施できて、農林漁業団体共済組合、このいま論じておる方ができないと、こう言う理由は何なのか。まずその二つの点、簡潔にお答え願いたいと思います。
#79
○政府委員(松浦昭君) ただいまの委員の御質問でございますが、先生御案内のように、沖繩の農林年金につきましては、昭和四十五年の一月に発足いたしまして、その後に四十七年の五月に本土復帰になりました。その時点で、沖繩の農林年金につきましては本土の農林年金に引き継がれておるということは、これは御承知のとおりでございます。この場合に、組合に対します給付につきましては、若干の経過措置を設けておりますほかは、本土の農林年金の組合に準じて取り扱いをやっておるわけでございます。と申しますのは、現行の農林年金制度上、沖繩年金の発足の日以降の組合員、これは全くすべて本土の農林年金と同じという形で取り扱いを行いまして、一〇〇%給付を行っております。
 ただし、このほかの事項につきまして若干違いがございますが、むしろ結果的には本土の組合員に比して有利な措置となっている事項がございます。それは何かと申しますと、沖繩の農林年金の制度の発足の前に農林団体に勤務しておられて、発足日以降まで継続して入っておいでになる、その後もまたずうっと続いておられるというような方につきましては、本来の年金につきましては、継続に至る前の状態では掛金をお納めになっておられなかったのでございますけれども、なお事業負担分及び国庫補助相当分はお支払いしようということで、実は五五%を支給しております。それから、もう一つの取り扱いといたしまして、断続勤務期間というものがございまして、これはずうっと引き続いてなくて、途中で切れてしまった方でございます。この方につきましては、年金の給付要件にいたしてございますところの組合員期間につきましては、旧期間を算入するという形で取り扱っておりますが、ただし、給付の金額を計算する場合の計算の基礎にはいたしていないという点の違いがございます。
 恐らく先生の御指摘は、この二点につきまして改善措置ということをおっしゃっておられると思いますけれども、何分にも掛金が納付されていない期間につきまして五五%ぐらい払っていることでございますし、また本土の組合員との均衡を失するということがございますので、この二点につきましてはこれ以上の改善はなかなか困難ではないかというふうに考えている次第でございます。
#80
○喜屋武眞榮君 あとの方の問題、もう一点はどうですか。
#81
○政府委員(松浦昭君) 支給開始年齢につきましては、ただいま申しましたように同じでございます。
#82
○喜屋武眞榮君 まあ御配慮のお気持ちはよく理解できますが、完全に本土に――一〇〇%乗せていきたいと、こういった強い関係者からの要望があることも御存じだと思います。それで、その部分的に格差ができたのは、それをどうしても一本化してもらいたい、一〇〇%。結局、なぜその格差ができたかということです。これはもう戦争に責任があるわけなんで、戦争の犠牲、国の責任。ですから、この掛金の問題がよく云々されますが、この掛金は出したくても出せないのであって、出さないのではなかったと、こういった特殊事情があったわけでありますから、そこを御配慮願って、政治的配慮でどうしても一〇〇%一元化してもらわなければいけない、こう私は強く要望いたしておきます。
 それから、公務員の場合にもぜひひとつ改定を実現されますよう、十分検討、配慮してもらうことを強く要望しまして終わります。
#83
○村沢牧君 大臣が退席されたので政務次官にお聞きしますが、今回の法律改正案の一番大きな課題は、何といっても支給開始年齢を引き上げるということです。このことは、年金制度そのものから言えば前進ではなくて後退だというふうに思うんですね。本来ならばこのような開始年齢を引き上げるとするならば、それに見合う――開始年齢は引き上げるけれども、これこれの方がよくなりますというのが出されてきて当然だと思うんですよ。だから、公務員の給与に対するベアだとか物価スライド、あるいは最低保障を上げたということはこれは当然のこと。支給開始年齢を引き上げてよくなるというものはほかにありますか、この改正案で。――政務次官に、次官に聞いているんだよ。
#84
○政府委員(松浦昭君) かわりまして答弁させていただきます。
 今回の改正の内容につきましては、御承知のとおり、何点かの改正がございまして、今回の改正の中でも、一つは既裁定年金額の改定、これは三・六%アップをいたしてございますし、また後ほどお尋ねがあるかと思いますけれども、退職年金等の最低保障額の引き上げあるいは寡婦加算の引き上げ等々いろいろな手当てをいたしておるわけでございまして、さような面での前進と申しますか、それは私どもあるというふうに考えておる次第でございます。
#85
○村沢牧君 局長、支給開始年齢を引き上げないとすれば、じゃ公務員に見合うアップだとか物価上昇に見合うアップあるいは最低保障額の引き上げはやらないんですか。いまあなたの答弁を聞いておると、これが前進だと言っておられる。そんなことは支給開始年齢を引き上げたら当然のことですよ。
#86
○政府委員(松浦昭君) 先生のお尋ねでございますが、片方ではベースアップをいたしておりますし、片方で年金の給付開始時の引き上げということでございまして、すべてこれらの諸点につきましては、ほかの国家公務員の共済組合その他と準じた形で上げておりますので、したがいまして、どこで差があるかというお尋ねでございますと、それはさほど差はないということを申し上げざるを得ないと思いますが、しかしながら、内容的には一方では給付の内容を充実し、一方では年金の給付の開始の時限を引き上げているという状態であるというふうに申し上げるべきであろうと思います。
#87
○村沢牧君 くどいようですけれども、支給開始年齢を引き上げないとしてもそれらのアップをするのは当然のこと。そうでしょう。これだけのことをするんだから、この制度においていままでと違ったことによって何かやっぱり前進をする面がなくてはならないと思うんですよ。先ほど私は大蔵省に質問をし、要求したんですけれども、たとえば国家公務員年金の場合においては、支給開始年齢は引き上げるけれども国庫補助率は一%上げますということになった。あるいは遺族年金についてもいままで検討してきたんだから、支給開始年齢は引き上げるけれども遺族年金はこういうふうにしますというようなことが検討の段階で出されなければいけないし、またそのことが大蔵省に対して要求されなければならないと思うんですよ。その辺を聞いているんです。
#88
○政府委員(松浦昭君) 先生御案内のように、昭和五十四年度予算におきましては、財政調整金につきましては、〇・〇五%でございますが、引き上げを行っているという状態でございますし、また同時に、この支給開始年齢の引き上げに当たりましては、くどいようでございますが、もう御案内のように、一歳引き上げごとに三年間ずつの経過期間ということで、できるだけそのショックを緩和するという方法も考えておりますし、また減額退職年金等の手当てもいたしまして、それでこの面に備えるということで支給開始年齢の引き上げを図っているということでございます。
#89
○村沢牧君 たとえば減額退職年金という話が出たんですけれども、これもいま新たに始まった制度じゃないわけです。いままであったんですよね。経過措置を設けて、いままでと同じようにただ年齢を引き上げるだけにすぎない、そんなことじゃ答弁にならないと思うんです。
 それじゃお聞きいたしますが、先ほど私は新旧年金の格差について質問したんですけれども、これは数字的に答えてもらいたいというふうに思うんですけれども、最低保障額について新法と旧法の格差、あるいはまた旧法と厚生年金との格差、それはどういうふうになっているのか。この法律が通ればどういうふうになるのか。あるいはこの格差是正のために必要な財源は一体どのくらい要るんですか。
#90
○政府委員(松浦昭君) お尋ねの新旧の格差でございますが、まず退職年金から御説明いたします。
 最低保障額につきまして新旧の格差の是正を図っているわけでございますけれども、やや細かい数字になって恐縮でございますが、現在の五十三年度におきますところの新法の最低保障額は四十九万八千円でございます。旧法は二十三万三千円でございますので、この比率が四六・八%という形になります。
 で、今回の五十四年の改正でございますが、これは二段階に分かれて行いますけれども、五十四年の四月と十月の二段階でございますが、その場合に、十月の状態で最終的にとりますと、この新法の状態は五十一万三千円の状態になります。旧法の状態は三十一万五千円の状態になりますので、したがいましてこの比率が六一・四、つまり四六・八から六一・四と改善されるということに相なります。
 次に、絶対最低保障額の方でございますが、特にこの場合御説明をいたしておきたいと思いますのは遺族年金の関係でございます。遺族年金につきましては、先生御案内のように、旧恩給法の影響がございまして、従来まで遺族年金につきましてはきわめて細かな規定がございまして、年齢等の区分によりまして区分がございます。六十歳以上または六十歳未満の有子の妻というのが一グループでございましたし、また六十歳未満の無子の妻、子、孫という一グループ。それから六十歳未満の夫、それから父母、祖父母、こういう区分が年齢等の区分別にございました。それからまた、さらに加えまして、組合員期間等の区分で、二十年以上、それから九年以上、二十年未満というのが、先ほど申しましたおのおののグループごとにまたついていたわけでございます。このために、現行の遺族年金につきましては三十六万円、二十七万円、三十一万一千円、二十三万三千三百円、さらに十五万五千五百円、これグループ別に申し上げるとよろしいんですが、非常に細かくなりますので、そのようなバラエティーがあったわけでございます。
 これに対しまして、新法は区分はございませんで、四十八万九千一百円という状態でこれが決まっておりました。ところが、今回の改正によりまして、四月、六月、十月と三回改正を行いまして、この絶対最低保障額を引き上げてまいるわけでございますが、これによりますと、五十四年の十月の改正の最終の状態は二つの区分だけになります。その二つの区分によりますと、二十年以上、これが四十二万円、それから二十年未満が三十一万五千円という状態になります。そうなりますと、先ほど非常に細かく区分をいたしました区分と、それから最終的に二つになる区分、これを比較いたしますと、たとえば六十歳未満の無子の妻、子、孫、こういった方々は、二十年以上の場合には、先ほど申しましたように三十一万一千円でございましたものが、今回は四十二万になりますので、一三五%のアップ率になるという状態になります。また、二十年未満の方をとりますと、二十三万三千三百円のものが三十一万五千円になりますので、これもまた一三五%のアップになります。さらに六十歳未満の夫とか父母とか祖父母、こういった方は約倍になるという状態で、相当大きな変革ということになります。新法と旧法との間を対比いたしますと、これが七三・六%から八一・七%ぐらいの違いになってくるということでございまして、かなりの改善になっているというふうに考えております。
#91
○村沢牧君 大変長く説明してもらったのですけれども、いずれにしても格差のあることは事実なんです。それだけ格差があるんだから、なぜ格差を是正していくような制度改正をしないのか。まあいいですよ、大臣から先ほど答弁があったんですから。これは今後の検討課題として私は要求しておきますから。毎年毎年の附帯決議で出ているんですよ。今度も出すようですけれども、ひとつ十分検討してください。
 それから、先ほど農林漁業団体の定年制の延長だとか、あるいは雇用、労働条件の改善について農林省も指導するというふうに言ったんですが、それは当然のことだけれども、具体的にどういうふうに指導し、今後していこうとするんですか。
 たとえば厚生年金がかつて年齢引き上げをしたときがありますね。厚生年金を二十年間かけて五歳年齢を引き上げた。その厚生年金の受給該当者の現状を見ても、なかなか定年制の延長というのはなっておらないんですよ。ですから、農林省としては具体的に、じゃ局長はどういうふうに指導していくんですか、そのことについて。
#92
○政府委員(松浦昭君) 実は本年の八月でございますが、すでに一度農林経済局長名で通達を出しまして、「農業協同組合等における定年問題の改善について」という通達を全国農業協同組合中央会の会長に対して出しております。この中で、これは実はこの問題についてのきわめて強い御意見もございまして、それを受けて出したわけでございますが、特に国会法第七十四条に基づく質問主意書が出されておりましたので、それによってこれを出したのでございます。で、この点につきましては、農業協同組合におきましてもぜひ定年の改善に努めてほしいということを実は通達をいたしておる次第でございます。特に農業協同組合その他の共済団体につきましての給与あるいは定年の状態でございますけれども、確かに給与の水準につきましては、町村の職員に比較いたしまして約一〇%ぐらい低いんじゃないかという感じがいたします。特に最近の状態で考えますと、かなり民間企業との格差も縮まってまいっておりますので、キャッチアップはしてきているというふうに考えておりますが、しかしながら同時に、組合員の年齢構成ということもまたあろうかと思います。かなり若い組合員が多いといったような点も給与水準の差というものにあらわれておりまして、私どもの目で見まするとなお差はあるけれども、だんだんこれは縮まってきているという感じがいたします。
 この点につきましては、私どもといたしましては、やはり労使間の問題でございますので、特に給与の面につきましては、われわれの立場といたしましては、経営の内容の改善あるいは財務の状況の改善といったようなことを指導いたしますことによりまして、組合が健全な経営基盤になり、それによって給与のアップが図られていくといったようなことで本来対処をしていくべきではないかというように考えております。さような指導は今後とも続けてまいるつもりでございます。
 また、定年制につきましては、先ほども大臣申し上げましたように、大体七割の組合が定年制をしいておりまして、その定年の水準は大体五十七歳前後ということを大臣から申し上げたわけでございますが、この点につきましては、今回の支給開始年齢の引き上げということもございますので、先ほどの大臣の御答弁のとおり、労働省当局とも十分に連携を保ちながら、さらにこの定年の引き上げということについて指導をいたしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#93
○村沢牧君 女子のこの支給開始年齢の引き上げについて、先ほど大臣の答弁では、定年制を女子も六十歳になるように指導していくというような、こんな答弁であったんですが、この程度じゃやっぱりちょっと納得できないですね。厚生年金の支給開始年齢は女子は五十五歳、今後どういうふうに厚生年金がなるかしれませんが、しかし、報道されておるところによれば、支給開始年齢は引き上げになっても女子については当面現行どおり据え置くんだということが言われておるんですよ。ところが、農林年金は改正すれば六十歳になる、こうしたことについて改正の段階で皆さんは検討したことはないんですか。不自然に思わないんですか。もし厚生年金がそんなような形をとったとすればどうするんですか。
#94
○政府委員(松浦昭君) この点につきましては、確かに先生おっしゃられますように、共済年金制度における支給開始年齢が五十五歳から六十歳に引き上げられるということによりまして、女子につきましては、厚生年金の五十五歳よりも高い支給年齢になるということは事実でございます。
 ただ、ちょっと基本的なことを申し上げなければならないんでございますけれども、やはり厚生年金とそれからいわゆる共済グループと申しますか、共済年金との間には、若干基本的な物の考え方の差があるということを申し上げざるを得ないと思うのでございます。と申しますのは、共済年金の方は職域の共済制度でございますので、やはり保険数理を優先して考えるということが基本的な考え方になっております。厚生年金の方は、よりその面では社会保障的な要素が多いということが言えると思うのでございます。
 したがいまして、どの共済にとりましても、これまでの年金の支給開始年齢は常に男女差別がないという状態でつくられてきておるわけでございます。また、現実の問題として、平均余命をとりましても男子よりも女子の方が長いわけでございまして、そのようなことから、保険数理的な観点に立ちますと、女子のみについて年金の支給開始年齢を据え置くということは、この共済制度の中においてはなかなか実現しがたいということから、一律六十歳ということにいたしたわけでございまして、決して先生御指摘のように、われわれ検討はしなかったというわけではございません。しかしながら、そのような基本的な考え方がございますので、五十五歳と六十歳の厚生年金との間の差ができるという状態になってきておるわけでございます。
 したがいまして、私ども先ほどから大臣も御答弁申し上げておりますように、その面では経過期間もございますので、その間に女子の定年というものをできるだけ延長するという方向で対処していくということで、今後指導してまいりたいというふうにお答えをいたしているわけでございます。
#95
○村沢牧君 最後に一点お伺いしますが、年金制度を今後さらに検討していくためには、長期的な展望に立って、年金の給付内容だとかあるいは財政安定制度問題等、いろいろさらに検討を加えていかなければならないというように思うのですね。農林水産省も検討したと思うけれども、検討の結果出されたのが今度の改正案ですね。余りこれはりっぱな検討じゃないですよ。そこで、農林年金問題を検討する機関をつくる、組織をつくる必要があると思うのです。従来、局長のいわゆる私的な機関として、名称は何と言うか、私どもは勉強会と言っているんですけれども、この勉強会という機関があって、この勉強会の性格というのは何ですか。構成は何か、いままで何回この会議を開いたのか、そのことと、それから今後やはり組合員職員の代表を加えた勉強会なんていうものじゃなくて、これは法律的でなくてもいいですよ、法律的でなくてもいいけれども、そういう機関をつくる必要がある、そのように考えますが、どうですか。
#96
○政府委員(松浦昭君) ちょっと背景から御説明をさせていただきたいと思いますが、確かに、農林年金制度を検討するための公的な機関を設けるべきではないかということについては、やはりお考えの趣旨のもとがあると思います。と申しますのは、御案内のように、国家公務員共済あるいは地共済につきましては、これは審議会を設けておるということがあろうと思います。しかしながら、農林年金における制度上の問題について、審議の場としては一応社会保障制度の審議会がございまして、私どもここにおかけいたしておるわけでございますが、また別個に、農林年金独自に審議会を設けるということになりますと、これはやはり共済制度の一環でございますので、各共済の横並びの検討という方がむしろ重要じゃないかというふうに考えます。それからまた、特に年金財政が逼迫しているという状況のもとでございますので、各共済制度を通ずる制度上の検討課題といったような横断的な検討というものが必要じゃないかというふうに思います。したがいまして、農林の共済のみにつきまして審議機関等を設けることは、私どもとしては困難ではないかという立場に立っておりまして、むしろ各共済年金制度について、総合的な立場から検討を加えるような機関が必要じゃないかというふうに考えておりまして、よりよりこれは関係各省とも連携をとりつつ、お話し合いを詰めているところでございます。
 しかしながら、なお私どもの農林年金につきましての具体的な制度の内容、これにつきまして、やはりそれ独自の問題点、これをどう研究するかということのために、私どもは経済局長の委嘱に基づきますところの研究会をつくっている次第でございまして、特に年金財政を中心にいたしまして、この問題は検討いたしていきたいというふうに考えております。と申しますのは、五十五年度に財政再計算の時期を迎えてくることになりますので、したがいまして、特に今後の年金財政をどうするかということにつきまして、これは農林年金独自の問題として考えざるを得ない。もちろんいろんな方面との関連がございますが、独自の問題もございますので、さような点からの研究会を設けたいというふうに考えておったわけでございます。
 この研究会につきましては、すでに一回審議をいたして、会合を持っております。そこで、実はこの法律がまだ日の目を見ない状態でございましたので、私どもその経緯等を見つつ、今後至急に開きたいというふうに考えておったわけでございますが、先ほど御指摘がございましたが、組合員の方の御参加も得まして、それで各方面からの関係者の御意見をここで聴取したいというふうに考えている次第でございます。
#97
○原田立君 遺族年金の場合は生活保障の性格の特に強いものでありますが、取り残された奥さんや子供の生活の命綱でもあると同時に、高齢寡婦の老後保障をも兼ねている年金であります。遺族年金の引き上げについては特に力を入れて検討すべきものと思いますが、いかがですか。
#98
○政府委員(松浦昭君) これは先ほども大臣から御答弁をいたしたとおりでございますが、確かに一家の支柱を亡くされまして、そのために経済的にも非常に大変な状態になられる方に対する給付でございますところの遺族年金の給付につきましては特に意を用いなければならないということは、先ほど大臣から御答弁を申し上げたとおりでございます。ただ、現行の五〇%の支給率そのものにつきましては、やはり個々のケースによりまして、寡婦の方の年齢あるいはお子さんがあるかないかといったようないろいろなケースがございます。それを一律に給付率を変えてしまうということはまたこれいかがなものかということでございまして、むしろ扶養加算であるとか、あるいは寡婦加算制度といったようなものの創設によりまして、
   〔委員長退席、理事岩上二郎君着席〕
従来まで改善を図ってまいり、今回も改善をしているという状態であるわけでございます。
 また、最低保障額につきましてもこれは年々改善を行ってきたわけでございます。先ほど大臣から細かくは申し上げ切れませんでしたけれども、実は今回の改正におきまして、やはりこの点の改善を図っているわけでございまして、五十四年の六月の改正後におきますところの金額で申し上げますと、六十歳未満の子のない奥様につきましては、これは支給率は同じ五〇%でございますけれども、六十歳以上の寡婦の方、この方は寡婦加算がつきますので、今回は六十万五千円ということでございまして、従前の支給割合でございますところの五三・二%から五四・三%、まあわずかでございますが、上がっているわけでございます。
#99
○原田立君 時間が私あと十三分しかないんですよ。簡単にやってください、範単に。要するにぼくが聞いているのは、遺族年金の引き上げについては、そんな五千円ぐらい上げたからいいだなんていう考え方じゃなしに、もっと力を入れて検討すべきだと思うと、どうですかと、こう聞いてるんですよ。
#100
○政府委員(松浦昭君) この点は先ほど大臣がお答え申したとおりでございまして、遺族年金につきましてはできるだけその給付の内容というものを充実していきたいというふうにお答え申したとおりでございます。
#101
○原田立君 法案改正の一つである既裁定年金の額の改定で、国家公務員給与の平均上昇率三・六%を基準として五十四年四月分から引き上げるとありますが、
   〔理事岩上二郎君退席、委員長着席〕
引き上げ率の三・六%の差額の支給はいつごろになるのか。まあ最低でも四万円前後になろうと思うんでありますが、年金受給者にとっては、年の瀬を迎え、思わぬ贈り物となるわけでございます。ぜひ年内には支給できるようにすべきだと思いますが、その点はいかがですか。
#102
○政府委員(松浦昭君) 確かに原田先生おっしゃられますように、年末の押し迫ったことでもございますので、できるだけ早く支給したいというふうに考えておりまして、幸いこの改正法案が成立しましたら、できるだけ早くひとつ支給はいたしたいと思っております。ただ、ちょっと所得税の年末調整の関係がございまして、退職年金につきましては年末というわけには、若干、もう少し手間取るんじゃないかという感じがいたしておりますが、障害年金と遺族年金につきましてはできる限り努力いたしまして、年内に支給いたしたいというふうに考えている次第でございます。
#103
○原田立君 支給開始年齢の引き上げでは十五年間の経過措置をとっておりますが、社会保障制度審議会の答申では、「年金支給開始年齢の引上げの経過措置は、現在の情勢にてらして長きに失するうらみがある。支給開始年齢の特例は、真に必要なものに限るとともに各制度間の整合性をつらぬくべきである」と、こういうふうな答申を出しているわけでありますが、どういうふうに受けとめておりますか。
#104
○政府委員(松浦昭君) 支給開始年齢の引き上げ措置が、確かに定年の年齢を高めるという効果があることは御指摘のとおりでございまして、そのような意味ではかえって長きに失するではないかという御議論があることも承知いたしておる次第でございます。しかしながら同時に、支給開始年齢につきましての制度が余りに急速に変更があるという状態になりますと、これまた影響するところが大きいものでございますから、したがいまして、やはり現在の一歳につき三年といったようなことが妥当ではないかというふうに考えているわけでございます。
 なお、厚生年金の支給開始年齢を引き上げる旨の厚生大臣の御発言がございまして、先ほど農林大臣の方から、それについての御所感をお述べになったわけでございますが、厚生年金について支給開始年齢が、六十歳から六十五歳に引き上げる構想があるということは私ども承知いたしておりますけれども、私どもの共済年金の支給開始年齢につきましては、生活設計なり雇用等の面を考慮した場合に、当面とにかく六十歳を実現するということが実態に即したものであるというふうに考えている次第でございます。
#105
○原田立君 農林漁業団体の当面の制度の実態はどうなっているのか。聞くところによれば、団体数でも約一万三千以上に及ぶと聞いておりますが、その定年の実態にもばらつきがあると思うんですけれども、どういうふうに掌握なさっていますか。
#106
○政府委員(松浦昭君) 先ほど申し上げましたように、大体七割が定年をしいておる状態でございまして、その平均年齢は約五十七歳ということになっておりますが、細かくはちょっと説明員の方から説明させます。
#107
○説明員(三井嗣郎君) ただいまの御説明に補足して御説明さしていただきます。
 たとえば、系統段階別の定年年齢につきましては、全国連が男子の場合五十七歳、都道府県が同じく五十七歳、単位団体が五十七・六歳ということでございまして、系統段階別には余り差のない状況でございます。しかしながら、ばらつき方といたしまして単位団体の種類で見ますと、相当の差があるわけでございまして、たとえば定年制の実施比率について見ましても、農業共済や総合農協は九割を超える実施比率になっておりますが、土地改良とか森林組合、漁協などにつきましては三割あるいは五割といった低い実施率でございます。かつ定年年齢につきましては、一番高いものは統計によりますと土地改良、漁協などでございまして、比較的低いものは開拓農協などがございます。いろいろございますが、とりあえずこういう実態になっているところでございます。
#108
○原田立君 大体六十歳以上というのが三分の一、五十六歳から五十九歳ぐらいまでの者が三分の一、五十五歳ぐらいが三分の一、こういうふうに私は聞いていますけれども、間違いないですか。
#109
○政府委員(松浦昭君) ほぼ先生のおっしゃられるとおりでございます。
#110
○原田立君 そういうことを聞いているんですからね。そんながちゃがちゃ言わないで、時間がないんだよ。
 あと二分しかないから次に進みますけれども、年金の支給開始年齢の引き上げは重大な問題でもあり、慎重に審議する必要があると思うのであります。農林年金中央共闘会議でも、既裁定年金の額の改定と支給開始年齢の引き上げは別々に審議するよう要望されております。この点どうお考えですか。
#111
○政府委員(松浦昭君) 年金共闘会議の方々が、そのような御意見、御要望を持っておられることは私どもも承知をいたしております。しかしながら、先ほどから大臣もお答えいたしましたように、この支給開始年齢の引き上げは、やはり平均寿命が増大し、また高年齢化いたしましたわが国の社会の実態、あるいは今後の年金受給者の急増とこれに伴う年金財政の悪化ということを考えますと、どうしてもこの時点でやはり踏み切っておかなければならない重要な問題であり、これがまた後々までも尾を引く問題でございますので、今回経過措置も設けておりますし、またその他のいろいろな配慮もいたしておりますので、今回ぜひこれでお通しを願いたいというふうに思う次第でございます。
#112
○原田立君 退職年金等の支給開始年齢の引き上げは、高齢化社会への対応と財政面からの引き上げと聞きますが、高齢化社会における定年制が明確に確立されていない現在、早急過ぎるのではないかとの声があります。この点に関する見解と、今後の年金財政の見通しはいかがですか。
#113
○政府委員(松浦昭君) この点も先ほど大臣からお話をいたしたとおりでございますが、やはり確かに今回の支給開始の年齢を引き上げる状態と、それから現実の定年制との間にはややギャップがあるということは事実でございます。しかしながら、先ほどから申し上げておりますように、この点につきましては、現状でどうしてもやっておかなければならない措置ではございますし、また同時に、この措置につきましては、いろいろな経過措置も設けましてこれをやるわけでございますが、なお、これに伴いますところの年金の総給付額が非常に増大をいたしております。これは申すまでもなく老齢化あるいは成熟化というものが進んでいくからでございます。そこで、今回の措置もこの措置の一環として実は考えておるわけでございまして、もしもこのような措置がとられないという状態でいろいろと考えてまいりますと、たとえば一つ重要なメルクマールで申し上げますと、年間の給付が平均収入を上回る状態という状態は、もう農林年金の場合には三年先に来るわけでございまして、昭和五十七年に、掛金率を据え置きますとそういう形になります。それからまた、年間総支出が総収入を上回る時代というものは十一年後に参ります。昭和六十五年でございます。それから、保有資産がゼロとなる状態、これは昭和七十三年、十九年後に来るという状態でございまして、いかにこの年金の成熟化あるいは人口の老齢化というものが年金財政に与えている影響が大きいかということはおわかり願えるだろうと思います。
 したがいまして、先ほどから繰り返して御答弁を申し上げているとおりでございますが、今回の支給年齢の引き上げというものは、これに対応する、どうしても現時点からやっていかなければならぬ措置であるというふうに考えておる次第でございます。
#114
○下田京子君 最初に局長、短時間で頼みます。
 きょう仮にこうして短時間で質問を終えて本会議にかけて、もう強行採決までやってというか、突破した――仮にですね。それで全部皆さん、改正点なんかがいろいろありますけれども、そういう年金者に年内に支給できる、すべてが年内に支給できる見通しがないというお話を聞いたわけなんですけれども、これは確かですね。
#115
○政府委員(松浦昭君) 極力努力をいたしておりますが、年末調整の関係もありまして、退職年金につきましてはむずかしいのではないかということを申し上げたわけでございます。しかしながら、先ほど申しましたように、障害年金とかあるいは遺族年金につきましては、とにかく年内の支給ということで一生懸命やっておるところでございます。
#116
○下田京子君 次になんですけれども、実は先ほど大臣にもいろいろお聞きしました。それから、他の委員の皆さんがそろって御指摘されておりますけれども、いわゆる定年制の問題あるいは労働条件、雇用条件、こういった問題たくさん出ております。そうしますと、こういう問題を分離して審議するということが必要ではなかろうかと私たちも思うんです。また、農林年金共闘会議の皆さん方、厚生団体の皆さん方も御要望されているわけですね。それを十分に保障する場がどうして持てなかったんだろうかということなんです。つまり、他の年金、特に国家公務員、地方公務員等は共済法の中でもって設置されております。それから、共済制度懇談会のメンバーで国公、地公、それに公企体等を含めた、略して三者懇と言われておりますけれども、九回にわたっていろいろと審議をしている。そういったものがなぜ設けられなかったのか。それから今後どう改善するつもりなのか。
#117
○政府委員(松浦昭君) この点につきましては、先ほども御答弁を申し上げましたけれども、確かに国家公務員共済等につきましては審議会がございますが、この審議会はむしろ、国家公務員共済等が幾つかの組合を持っている、複数の組合の制度になっているというところから、どうしてもその調整を図るための審議会が要ったのではないかというふうに考えます。先ほど申しましたように、年金共済のやはり横並びの問題というものがこれからの非常に重要な問題になっている。特に財政面でもそういう問題が起こってくるということから、私どもといたしましては、総合的な立場から共済年金について検討していく場というものをぜひつくっていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
 なお、今回の改正につきましては、このような審議会等が設けられておりませんので、特にそのような場をつくりながら御検討いただくということはできなかったわけでございますけれども、しかしながら、農林漁業の各団体から構成されておりますところの協議会、つまり農林年金対策推進協議会、ここにおきましては十分に御検討いただき、その意見も集約してちょうだいをいたしておりますし、また五十四年度の制度改正におきましては、中央団体農林年金連絡協議会あるいは農林年金基本問題懇談会といったような場におきましても何回もお話を承りまして、それでその御意見も踏まえて今回の改正をいたしている次第でございまして、そのような面ではできるだけ関係方面の御意見は承って処理をいたしたというふうに御了解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
#118
○下田京子君 まあ政府側から見れば十分だと言ってますけれども、先ほど大臣にお話ししたとおり、現実的にそれは問題はたくさんあるわけですよね。そして公的な場がなかったわけですよね。今後はやると言ってますけれども、今後やると言うんでしたらば、なぜそれをまずやってから、そして来年の再計算時期でも遅くはなかったんじゃなかろうかと、こう思うわけなんです。
 そういう点から、特に、もう時間がありません、まとめて二つ言いたいんですけれども、女子職員の問題では先ほども大臣に聞きました。ここで特に厚生年金との関係で、厚生年金は掛金率が千分の七十五、ところが農林年金の方は千分の九十八。しかし、開始年齢が厚生年金が五十五なのに女子が六十になる。掛金は高くて年金をいただく年齢は高いということになったんじゃ、昭和三十四年に厚生年金から農林年金をもっと充実させようと言った意味が全くなくなっちゃって逆行したんではなかろうかと、こういうことがはっきり言えると思うんです。
 それから同時に、減額退職年金の問題なんですけれども、これも先ほど大臣に言いました四十歳定年なんてことになりましたら、今度の経過措置をとっても救われないんです。これどうするんですか。
 それからもう一点、いろいろとこうおっしゃっておりますけれども、定年延長の問題とあわせて大事なことは、賃金ダウンなしで本当に生存権を保障していく、そういう立場での全国中央農協中央会等も含めましたきちんとした指導というものが私は必要ではなかろうかと、こう思うわけなんです。
#119
○政府委員(松浦昭君) ただいまの御質問でございますが、厚生年金との差は確かに出てくるということは事実でございます。しかしながら、おのおのの年金はおのおのの財政計算を持っておりまして、その組合員の年齢であるとかあるいは組合員期間であるとか、あるいはさらにその組合の持っている成熟率というものはおのおの違うわけでございます。御案内のように、農林共済とまた厚生年金共済の成熟率はかなり差があるわけでございまして、さような状態からおのおのの掛金率というものもまた決まってくるわけでございます。したがいまして、そのような角度から考えますと、やはり仮に掛金率が違っておりましても、このような支給年齢の差というものが出るということは、これは別個の問題としてやむを得ないというケースがあろうかというふうに思うわけでございます。
 なお先ほどから申し上げておりますように、女子職員につきましては確かに問題が起こっているわけでございまして、その点につきましては、むしろ女子職員の年齢を、定年の年齢をできるだけ引き上げていくという方向で指導するということを先ほどから大臣繰り返し申し上げておる次第でございます。したがいまして、さような方向で先ほど出ました東北のケースその他も含めまして私どもの方から指導を強化していくということを考えてまいりたいと思います。
 なお、その場合に当然労使間の問題もございますので、農協独自に対するわれわれの指導というものも強化してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#120
○三治重信君 ちょっとお尋ねしますが、この高額所得者の退職年金の停止というので、これ六百万円以上のものについて、超える分について制限をすると、このやり方は、厚生年金の高額支給者の扱い方と非常に変わっていると思うんですが、これがひとつどういう――厚年の高額支給停止の理由と、今度はこれの高額所得の停止の理由と。いわゆる停止のやり方が、考え方は同じだろうと思うんです、いままでなかったやつを厚年でやっているから入れるということ。そういうことをまず一つ。
#121
○政府委員(松浦昭君) お答えいたします。
 私どもあるいは勘違いをしておるかもしれませんが、厚生年金には高額所得者に対する支給停止はなかったと思います。恩給の方にあったというふうに考えておりますが、むしろ、今回の支給制限の考え方は、この共済年金独自の考え方として、これは一定の基準をつくりまして設けたものでございます。もしもその支給停止の考え方につきまして御説明をいたす必要があれば御説明をいたしたいと思います。
#122
○三治重信君 いや、高額退職年金のやつは、ほかの所得があると削るというのはこれは厚生年金がずっと前からやっているわけだ、厚生年金は。厚生年金はずっと前からやっているの。いままで共済組合や恩給にはなかった。それを今度初めてやるということでしょう。だから、これはやはり今後のいわゆる掛金率の急上昇、いわゆる財政悪化に対する防波堤だと思うんですよね。それに対して厚年のいわゆる高額所得に対する停止のやつは、幾らですか、最高二割かまでとかいうことになっております。そういうやり方についての考え方を変えたやり方というもの、それはいいです、それについての御説明は。
 それから、先ほどから皆さんがおっしゃるように、私も、何というんですか、給付年齢の引き上げというのは、これは高齢化社会に伴って財政の負担にたえぬというやむを得ない事情で上がるということについては、やむを得ぬと思うんですが、この期間が一歳三年というのは少し長過ぎる。上げるにしては長過ぎると思うんですが、財政の調整、いわゆる財政赤字に対する対処の仕方としてはね。その二つ。
 それから、さらにこういうのをやられる場合に、一つだけお尋ねしておきたいんですが、これは社会保障制度審議会にかけるわけですね、こういう案は。それに対して、改正していくときにだんだん――一度は厚生年金よりか別の理由で高くするために分けたやつが、これだんだん高齢化社会になっていくと一緒にせざるを得ないようになるということをさきに質問したら、そういうことはと、こういうことだわね。それならば、あらゆる制度改善のときにできるだけ各種老齢年金の対策は、いわゆる高額支給年齢にしても掛金にしても考え方を統一化していくことが必要だと思うんです。そういうことについてひとつぜひ努力をしてもらいたいと思うんですが、こういうのは、社会保障制度審議会でこういうことについて議論は出なかったか。その一点だけ答弁してください。
#123
○政府委員(松浦昭君) まず第一に、高額所得者に対する支給制限のことでございますが、私どもの記憶によりますと、厚生年金の方は在職者に対する支給を二割カットというのがあったと思います。そのお話をなすっていられるんじゃないかと思います。もちろんこれは在職者ではございませんので、その点若干違いがございます。しかしながら、考え方といたしましては、高額な給与所得を有する方に対しましては、掛金をお払いになっていてもなおかつカットするという考え方でございまして、これは非常にユニークな制度だということでございます。この役員報酬の水準を決めましたのは、やはり特殊法人の役員であるとか、あるいは民間における役員の報酬の水準、これを参考にいたしまして、それに対する課税対象所得がどのぐらいかということを考えまして、この程度ということで設定をいたしました。これを支給制限の上限ということにいたしたわけでございます。
 それから、第二の御質問の、今回の経過措置が長過ぎるではないかという御意見につきましてでございますが、確かに先生おっしゃられますように、このような支給年齢の引き上げ措置が場合によっては定年の年齢を引き上げるという、そういう反射的な効果を持つということはあり得ることだというふうに私ども思います。したがいまして、そういう観点から考えますと、できるだけ経過期間を短くした方が早く定年も上がるということもありましょうし、また同時に、そのような措置をとることによって年金財政をより悪化しないということがあろうと思いますけれども、やはり基本的には労使の関係もございまして、いろいろな組合がいろいろな形でもってこの問題に対処していくということを考えますと、ある程度までの実質的な経過期間を設けない場合には万が一不利の場合があってはいけないという配慮から、このような期間を設定したというふうにお考えをいただくとありがたいというふうに思います。
 なお、社会保険の審議会におきまして一元化のお話があったかないかということでございますが、これは今回はなかったわけでございます。しかしながら、基本的な考え方としては、年金の一元化という方向を懇談会の方も審議会の方にいたしておられるわけでございまして……
#124
○三治重信君 いや、一元化でなくて、この改正についての。
#125
○政府委員(松浦昭君) 改正についてですか。改正については、こういうことでございます。「年金支給開始年齢の引上げの経過措置は、現在の情勢にてらして長きに失するうらみがある。支給開始年齢の特例は、真に必要なものに限るとともに各制度間の整合性をつらぬくべきである」、こういう御答申になったことは正しいものでございます。もちろん、基本的にこのような考え方にのっとりまして処置をしたということでございます。
#126
○喜屋武眞榮君 貴重な一分間が残っておるようですから、大急ぎで申し上げます。
 第一点は、沖繩の置かれておる特殊事情は、すべて戦争の犠牲、国の責任と、こういう立場から本土並み復帰という大前提があります、沖繩返還には。そういう立場から特別措置法等が生まれたわけでありますので、どうかそのハンディは一日も早く完全解決をしてもらうように強い要望にこたえていただきたい。これは重ねて申し入れておきます。
 次に、先ほど公務員との比較を申し上げましたが、ちょっと舌足らずの点がありましたので。公務員給与並みのこの年金スライドができるはずなのに、この法による組合員ができないということは、これはいろいろ事情があるかもしれませんが、ぜひこれを克服して、早く改定を検討してもらいたいということを要望いたします。
 次に、五十五歳から五十九歳までの退職ですね、これに対する措置はどのようにお考えになっておられるか、この三つを申し上げまして終わります。
#127
○政府委員(松浦昭君) 前の二つの御要望の点につきましては承っておきたいと思います。
 なお、最後の第三点の件でございますが、この点につきましては、一歳上げる、ことに三年間の経過措置というのが法律でございまして、たとえば五十五年の一月一日現在の年齢基準で申しまして五十二歳の方は、これは退職年金は五十五歳、それから最後に四十歳から四十二歳の方は、先ほど申しましたような措置によりまして五十九歳というかっこうになっておるということでございます。
#128
○委員長(青井政美君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(青井政美君) 御異議ないものと認めます。
 河田君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、本修正案を議題といたします。
 河田君から修正案の趣旨説明を聴取いたします。河田君。
#130
○河田賢治君 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する日本共産党提案の修正案につきまして、その内容と理由について説明いたします。
 修正の第一点は、退職年金及び遺族年金の支給開始年齢の延伸にかかわる規定を削除することです。
 これは、農林漁業各団体における定年制施行の現状下において、その延長の保障もなく、支給開始に新たな空白期間が生ずる等、現行制度の改悪につながるからであります。
 現在、農林漁業各団体の七割が定年制を実施しており、六十歳未満の定年をしいている団体は実に三分の二もあるのが実情です。支給開始年齢の延伸措置に終過規定が設けられましても、実際に定年延長が実施されない限り、年金の支給開始までに空白期間が生じることは明らかであります。
 確実な定年延長の保障もないまま、支給開始年齢の延伸措置のみを先取りすることは容認できません。
 修正の第二点は、減額退職年金を選択できる年齢の範囲の制限及びその減額率の引き上げにかかわる規定を削除することです。
 これは、現状、農林年金組合員に真に必要としている実態が多く、定年制が実施されている状況下において年金組合員の不利益が大きいからであります。
 以上が、修正案についての内容とその理由であります。
 なお、この修正案につきましては、新たな財源措置の必要は全くありません。
 この修正案は、八十七国会衆院農水委員会で、わが党と日本社会党・公明党・国民会議、民社党と共同で提出した改正案とほぼ同じ内容であります。
 皆さんの、御賛同を心からお願い申し上げます。
 以上です。
#131
○委員長(青井政美君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#132
○下田京子君 原案に対する態度です。
 私は、日本共産党を代表して、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対して反対の討論をいたします。
 歴代自民党政府は、相次ぐ米の減反政策の押しつけ、外国農産物の輸入拡大等により日本農業を押しつぶし、重大な危機に陥れてきました。その影響は、必然的に農林年金にも反映し、農林年金の健全な発展を阻害しております。
 また、農業衰退の一方の現象として、農協の減量経営と称する労働者へのさまざまなしわ寄せが押しつけられています。
 したがって、今日、農林年金の健全な発展は、農林漁業、第一次産業の発展と不離一体のものとしてとらえることが強く求められています。
 さて、今回法改定の内容についてでありますが、既裁定年金額の引き上げにつきましては、今日の物価高、生活苦の中で満足のいくものではありませんが、年金受給者八万余の方々が待ち望んでおられるものでありますから、一日も早く支給しなければならないと考えております。また、最低保障額の引き上げ、寡婦加算額の引き上げ等につきましても当然必要な措置であると考えております。
 しかしながら、年金支給開始年齢の延伸措置及び減額退職年金を選択できる年齢規制とその減額率の引き上げ措置につきましては、組合員の既得権あるいは期待権の侵害であり、制度の基本にかかわる重大改悪であるという点で絶対に容認できるものでありません。
 その理由の第一は、支給開始年齢延伸措置の導入によって、退職と支給開始の間に空白期間が生じ、労働者の生存権をも脅かす結果につながるからであります。
 本来、こうした改定は雇用対策の確立がなされてから検討されるべきもので、今回のような、支給開始年齢の延伸だけの改定は全く本末転倒と言わなければなりません。
 反対の第二の理由は、今回のこの措置をとっても、年金財政への効果はごく一時的なものでしかなく、根本的な改善の道が全く示されていないことです。しかも、厚生大臣が、厚生年金の支給開始を六十五歳に引き上げる法改悪を通常国会に上程することを言明していることに明らかなように、今回の措置は、社会保障制度全般の改悪、低福祉、高負担の方向への突破口を開く重大な改悪と言わざるを得ません。
 第三の理由は、今回の改正で女子職員が著しく不利になるからであります。
 定年制において、男子との間に不当な年齢差別があり、依然として改善されておらない実態から、支給開始年齢の延伸とともに、減額退職年金の年齢規制が導入されますと、この面でも新たな空白期間を生じかねません。
 私は最後に、こうした重要な制度改悪について、当然のことながら、農林年金組合員の大勢を占める農林年金中央共闘会議に結集する皆さんが強く反対していることを挙げたいと思います。
 農林年金当事者の中で、同意が実現されないままにかかる法改正を強行することは、将来に重大な汚点を残すものと言わざるを得ません。
 以上、本法案に反対する理由を述べ、討論を終わります。
#133
○委員長(青井政美君) 他に御意見もないようですから、本案の討論は終局したものと認めます。
 これより昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 まず、河田君提出の修正案を問題に供します。
 河田君提出の修正案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#134
○委員長(青井政美君) 少数と認めます。よって、河田君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#135
○委員長(青井政美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山正英君。
#136
○片山正英君 私は、ただいま可決されました昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党及び第二院クラブ共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、我が国が高齢化社会に移行しつつある状況に対処した制度の改善に努めるとともに、次期財政再計算期を考慮し、年金財政の健全性の確保が期せられるよう、次の事項を検討し、その達成に努めるべきである。
 一、年金財政の健全性を確立するため、給付に要する費用に対する国庫補助率を百分の二十以上に引き上げ、さらに財源調整費補助及び事務費を増額すること。
 二、退職年金等の支給開始年齢の引上げが経過措置を含め実施されることに対応し、対象団体の多様性を踏まえ、その経営基盤の強化を期するとともに、加入団体の定年制の延長、給与水準の改善、その他雇用条件の安定改善が進められるよう適切な指導を行うこと。
 三、受給者の年金給付の実情を勘案し、最低保障額の引上げを図るとともに、特に旧法年金の給付改善については、最低保障額につき新法水準を考慮する等、新法年金との格差の是正に努めること。
 四、遺族の生活保障を高める見地に立ち、遺族年金の支給率の引上げ等、その改善に努めること。
 五、既裁定年金について、公務員給与の上昇に対応した年金自動スライド制による改定を行うよう検討すること。
 六、本制度の財政再計算の結果による不足財源の処理に当たつては、掛金の負担について、後代負担のあり方、他制度との均衡をも勘案するとともに、この制度の特性を踏まえ、団体の実情に即し、組合員負担の急激な増加をきたさないよう努めること。
 七、本制度の成熟化の進展に対処し、長期的観点に立ち、年金給付の改善と財政の安定等についての研究・検討を進めるとともに、組合員、年金受給者等の理解と意向の反映が図られるよう一層措置すること。
 八、農林年金制度等共済組合制度において共通する基本的事項について一元的に調査審議する機関を設置するよう検討すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 委員各位の御賛同をお願いいたします。
#137
○委員長(青井政美君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#138
○委員長(青井政美君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、武藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武藤農林水産大臣。
#139
○国務大臣(武藤嘉文君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
#140
○委員長(青井政美君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(青井政美君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#142
○委員長(青井政美君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 自然休会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(青井政美君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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