くにさくロゴ
1947/11/11 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第12号
姉妹サイト
 
1947/11/11 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第12号

#1
第001回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第12号
  付託事件
○旧満鉄社員の会社に対する諸請求権
 に関する應急措置等に関する請願
 (第九号)
○満洲における同胞救済金の償還に関
 する請願(第五十五号)
○旧満鉄社員の対会社請求権確保に関
 する陳情(第百三十九号)
○戰爭犠牲の公平負担に関する陳情
 (第二百八十七号)
○在外個人資産の補償に関する陳情
 (第三百二十六号)
○同胞救済金の償還に関する陳情(第
 三百二十七号)
○青島における居留民立替金の返還に
 関する請願(第二百三十一号)
○海外引揚者の送金為替支拂に関す
 る請願(第二百三十二号)
○朝鮮における同胞救済資金の返還に
 関する請願(第二百七十号)
○海外引揚者所有の農地に関する陳情
 (第三百六十八号)
○海外引揚者に対する開拓資金増額に
 関する陳情(第三百六十九号)
○在外同胞引揚促進に関する陳情(第
 三百七十七号)
○在外同胞引揚促進に関する陳情(第
 四百二号)
○海外引揚者の在外勤労資産等の問題
 に関する陳情(第四百八号)
○在外同胞引揚促進に関する陳情(第
 四百十号)
○海外引揚者の在外勤労資産等の問題
 に関する陳情(第四百十六号)
○東印度における戰犯容疑者釈放に関
 する陳情(第四百三十二号)
○在外同胞引揚促進に関する請願(第
 三百四十三号)
○引揚者の開拓入殖に関する請願(第
 三百六十号)
○在外私有財産の國家補償に関する請
 願(第三百六十八号)
○引揚者の國内諸債権取扱いに関する
 請願(第三百六十九号)
○同胞救済資金等の返還に関する請願
 (第三百七十号)
○同胞援護会貸付の國有財産貸付料免
 除並びに拂下げに関する請願(第三
 百七十一号)
○在外同胞引揚促進に関する請願(第
 三百七十七号)
○海外引揚者の住宅問題に関する陳情
 (第四百五十六号)
○引揚者並びに戰災者に遊休公共建造
 物の即時開放等に関する陳情(第四
 百五十八号)
○旧鳥取氣象観測所建築物を海外引揚
 者に拂下げることに関する陳情(第
 四百八十八号)
○引揚者並びに戰災者に遊休公共建造
 物の即時開放等に関する陳情(第四
 百九十六号)
○同胞救済資金の償還に関する陳情
 (第四百九十七号)
○旧満鉄社員の対会社請求権確保に関
 する陳情(第五百二号)
○海外引揚者の在外勤労資産等の問題
 に関する陳情(第五百三号)
○在外同胞引揚促進に関する陳情(第
 五百七号)
○在外同胞引揚促進に関する陳情(第
 五百十六号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十一日(火曜日)
   午後一時十四分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○引揚者更生対策に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(矢野酉雄君) それでは只今から開会いたします。昨日復員局の荒尾部長と会いましで、いろいろ引揚問題について打合せをしましたが、その際皆様も御承知のように、YWCAのバーンズ会長以下各國代表十三名が、杭州における大会を前にして、日本を訪問して來られましたので、只今までもYWCAは引揚促進について一方ならんお力を頂いておつたわけでありますので、機会を得れば参議院引揚問題特別委員会という公の立場から、その節懇情に対してお礼を申上げ、又八十余万の海外に在留する我々兄弟のために、一層の御盡力を仰ぎたいと考えておりましたので、部長といろいろ打合せましたが、丁度昨日午後四時から元の東京会館において、YWCAの会合があり、そこには植村女史並びにバーンズ会長、十三名の一行が出席されるということが分りましたので、衆議院の特別委員長でありまする天野氏と打合せまして、皆さんの緊急お集りをして頂く暇がなかつたので穂積氏北条氏、岡元氏等と打合せまして、そうして婦人議員の方のおいでを願うことが会見の内容を効果あらしめると思いましたために、高良とみ議員にお願いして、昨日私と天野衆議院特別委員長と高良女史と榊原婦人代議士とが参りまして、そうして先ず植村女史にお会いしまして、感謝を申上げると共に、引揚促進についての懇請いたしましたところ、非常に喜んで頂きまして、そうしてバーンズ会長以下の方々にも御斡旋いたしますからというので、お待ちしておるうちに、一行がお見えになりましたから、本特別委員会を代表いたしまして、私はバーンズ会長外十三名の各國代表に一々お会いをいたしまして、お礼を申上げると共に、更に骨を刺すようなこの寒さの中にまだ八十余万人の諸君が残つておられる実情を申上げまして、そうして一日も早く懐かしい祖國に帰ることができるように一層の御援助を仰ぎたい。殊に宗教的立場から國境を越えて、今までも各種の事業に努力しておられますこれらの團体の責任者の方々にお会いをして、御懇情を申上げます機会を得ましたことを非常に私は喜んでおります。來る十五日首相官邸におきまして、更にこの種の会合が催されそうでありますから、私は今度は文書を草しまして、この各一人々々に現在在留しておるところの日本の兄弟の各地の実数と、更に如何に遺族のものが首を長くして待つておるか、又生活問題の非常に困窮しておる実情等も書きまして、そうして手紙としてお一人お一人に差上げたいと思つておる次第であります。以上昨日の会見の様子の一端を御披露申上げる次第であります。尚各議員の方々はそれぞれの立場で又特殊の御関係がある方もあるやに思いますので、就中婦人議員の方は御関係密接の方もおありとも思いますから、それぞれの立場においてこの問題解決のために各種の方途を講じて頂きますように、委員長といたしまして、皆さまにお願いをしておく次第であります。厚生大臣は衆議院の本会議を控えておられまして、非常に御多忙でありますから、できるだけ質問等は簡潔にして、そうして時間を十分に活かしたいと思いますので、そういうお心組の上に御質問をお願いしたいと思うのであります。
#3
○岡元義人君 厚生大臣にお伺いいたします。先月の特別委員会におきまして、岡元議員から提案をいたしてありました、外地におけるところの強制留用者の留守家族、強制徴用者の留守家族に対する対策については、大臣は、これは考慮してあるというお話を承つたのでありますが、その後如何相成りましたか、この点早急に処置を要するものであるということは十分分つておる問題でありまして、是非とも明確な回答が頂きたいのであります。
 尚もう一つ、先日淺岡議員の本会議における回答に、庶民金庫の放出金の件につきまして、厚生大臣よりお話がありましたのですが、あの放出金の最後の一億五千万円はすでに放出されたのでありますか、それとも未だ放出されていないか、それから次の一億六千万円は本月中に是非とも出して頂くように、先月の特別委員会でお願いいたしましたときに、厚生大臣より、十一月一杯であればまだ十分期限もあるからというお話でございましたのですが、この点、一億六千万円は本月中に出して頂くものであるか。
 尚本会議における淺岡議員への回答の中に、一世帯当りの七千円ということを厚生大臣は仰しやつたのでありますが、これは特に岡元議員からお願いいたしまして、少くとも三倍に引上げて欲しい、一万五千円ということをお願いしたいのであります。この七千円はすでに決定的なものであるか、それとも尚引上げられる見込があるか、この点お伺いしたいのであります。
 又先日の厚生大臣の御回答によりまして、一般引揚者があの御回答を聞きまして、十六億円という問題につきましては今からそれだけのものが出るのだろうかというような、或いは新聞の記事の書き方が悪かつたのかも知れませんが、そういうふうに解釋したところもあるのでありますが、この点は政府当局におかれましても十分に考慮されまして、そうして、一般國民が間違いのないように解釋するように注意する必要があるのじやないかという点を指摘したいのであります。以上の点につきまして御回答を願います。
#4
○國務大臣(一松定吉君) 留守家族に対しまする、生活に困つておる人に対する政府の救助の手は、過般申上げましたように、特別にどうという取扱いはできないのでありまして、やはりこの生活保護法を運用するという以外に方法はないのであります。物價高の今日においては、それでは非常に窮乏を來しておるという状況であるが故に、これらの点を緩和すべく考慮するということを申上げましたが、これは実はそういう点に思いをいたしまして、今或る関係方面に交渉を進めておるのでございますが、それは余り遠からないうちに解決できようと思いますから、それまで一つ発表を差し控えたいと思いますが、努力をいたしておるということだけは御了承を賜わりたいのであります。それから貸付けの目標といたしまして、第一次の計画が十六億で、第二次の計画が六億六千六百六十余万円ということになつておるのでありまして、それらのものをすでにどしどし貸付けに從事いたしておりますが、まだ全部の貸付けを終つてはおりません、のみならず、段々物價の騰貴ということも考えまして、第三次の計画を実施すべく、一人当り貸付けの金額を七千円に増加しようと、こういう考えであります。現在は御承知の通り、三千円から五千円に引上げられましたが、それでは十分でないから、もう少し引上げようというので、七千円を目標に今計画を立てております。議員の方の御質問では、それでもできないからして、少くとも、二倍若しくは三倍にというような御希望でありましたが、どうも今の我が國の財政状態からそこまでは参りません。七千円まで引上げる、そういうことにいたしますれば、一家族に割当てるところは七千円でありましても、十人寄れば七万円、百人寄れば七十万円ということになりますから、そういうように力を協せてそういうような方面の生活の維持のできまするように善処して頂くということが正しいのではないか。それを自分一人で思う存分に使つて生活ができるというようなことでありましたならば、申し分ないのでありますが、そこが我が國の財政の窮乏と睨み合せまして、それらの点を一つ御同情を賜わりたいのであります。
#5
○岡元義人君 先程お伺いいたしました一億五千万円の金額はすでに放出いたしておりますが、尚一億六千万円は本月中に出して頂けるかということについて御回答をお願いしたいのであります。
#6
○國務大臣(一松定吉君) それは、今そういう細かいところは取調べておりませんから、よく取調べまして、適当の機会にお知らせすることにいたします。
#7
○委員長(矢野酉雄君) ちよつと委員長からもお願いして置きますが、その問題は非常に関心を持たれておる問題でございまして、三億二千万円がまだ残つておるのでございます。それを大藏省当局に対しまして、全額放出してくれるようにということを要望しておりますが、今お話のありましたように、一億何千万円かは十一月末までにはできるのであるというような当局の返答がありましたので、大臣としても、大臣の立場と、又一面大藏省の方面とも連絡を取つて頂きまして、確実に早く一つ善処して頂きたいと思います。
#8
○國務大臣(一松定吉君) これは本会議でこの前も申上げましたように、私の今までに調査したところによりますると、第一次と第二次ということに分けておりまして、第一次のやつは、第一回が昨年の九月二日一億円、第二回が本年の一月の十日二億円、第三回が本年三月の十七日の一億九千百万円、これが第一次の放出状況でありまして、第二次のものが、只今お示しの五月二十七日に一億五千万円、すでにこれは放出済みであります。第二回が九月三十日の二億円、こういうようなことになつておりまして、その事業の実績から申しますると、七月末日現在の申込の金額が十九億九千余万円、貸付金額が十億七千余万円ということになつておる。そういたしまして、貸付人員は、七月末現在で二十四万八千余人と、こういうことになつておる。そういうことが今私の手許に分つております。それ以外の詳細のことは、今申しましたように、よく調査いたしまして、適当な機会に申上げることにいたします。
#9
○岡元義人君 度々繰返して申訳ありませんが、この庶民金庫の放出金は、先日厚生大臣に屡々と岡元議員から、更生資金のために悲劇を捲き起しておるのだということを愬えたのであります。只今残つておりますところの三億一千万円は、少くとも十一月中に必らず放出して頂きたいと、申しますのは、政府の方で勝手に区切られますために、地方に参りますと、二十万円貰えるように決まつておりました金額を、約五万円に削る、これでは実際の事業はできないのであります。又すでに半年以上も掛つてこの金が区切られて放出されるということになつておりますために、二十万円申込んで二十万円の事業を計画しておりましたものは、その五万円しか貰えなかつた金では、事業が著手できませんので、次の金が來るまで待つている。そういたしますと、この五万円をただ銀行に預けて、次の金が來てから事業に著手しなければならんという実情にありますが、次の金が到著して來る時にはすでに前の五万円の金は返済しなければならんというような矛盾が全國随処に起きているのであります。私は先日厚生大臣に特にこの問題をお願いしたのは、折角出して頂く金であるから、これは生きた金として使わして頂きたい、死んだ金になつたのでは何にもならないということを申上げたのであります。この庶民金庫の金は少くとも引揚者にとつては命の綱とも頼む金であります。でこの金がそういう工合に散り散りに切られて來て、折角の事業も起すことができないというのでは、政府の温かい思遣りも、私ほ水泡に帰するのではないかと考えられますし、この一億五千万円月初に出すというお話を承つておりますので、一億五千万円すでに出たのか、或いはこの後に残つておりますところの一億六千万円は今月中に必らず出して頂くのかということをばこの特別委員会において厚生大臣からはつきりお伺いしたかつたのであります。
 尚もう一つ先程七千円の問題がありましたが、この七千円は第二次の貸付金にも今後これを採択して行かれる積りでてざいますか。それともいわゆる第二次までは從來通りに行きまして、第三次のこれから起きて來る放出金というものについて七千円というものをお示しになつたのですか。その点を一つはつきりお伺いしたい。
#10
○國務大臣(一松定吉君) つまり増額するということは、それらの事業資金では十分に思うだけの仕事ができないということが基本になるのでありますから、その意味において五千円を七千円に引上げる、こういう意味でありますから、第二次計画は、第二次に放出する金が残つておるから、それを放出してしまうまでは五千円であつて、それから後は七千円であるということはしない。やはりそれはいわゆす生活資金に必要であるという建前からやる。私は七千円ということに決まれば、ももすぐにその時に溯つてやるということが、これは正しいやり方だと、かように考えております。それから今あなたのお話の放出することを決めておる。それによつてこれらの受入れる人の方はそれぞれ計画を立てておる中に金が思うように來ないがためにこの計画は思うように進捗しない。御尤もです。そういうことのために政府は親心を以てそれだけのことをしてやろうと思つたことが、十分に受入れる方でそれだけの効果を挙げられんということでは、これはやはりどうも政府の責任でありますから、そういうことは成るだけそういうような遅滞のないように受入れる人は思うように政府から借入れて、予定のごとくこれを利用することができるように努力いたすということを申上げておきます。
#11
○北條秀一君 ちようと速記を止めて頂きたい。
#12
○委員長(矢野酉雄君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#13
○委員長(矢野酉雄君) それでは速記を始めて。御披露するのを忘れておりましたが、昨日三重縣の在外同胞帰還促進聯盟支部長である谷本亀次郎さん外各郡市の代表の方々がおいでになりまして、特別委員長を通して、この委員会に非常に御盡力を賜わつて感謝に堪えないと言つて御挨拶と共に公文書を以てこの感謝の衷情を訴えて頂きました。私たちまだお應えすることのできないのに汗顏の至りでありますが、一層心を引締めてこの問題解決に努力したいと思つておりましたので、この際御披露を申上げておきます。
#14
○北條秀一君 本日特に労働省の山川婦人少年局長に御列席願いましたので、この好機に山川局長に一言お願いを申上げまして、今後の局長の手腕をお願いしたいと考えておるのであります。勿論この点につきましては、井上委員及び木内委員の両婦人議員がおられますので婦人としての立場からお話があると考えるのでありますが、本日は小川局長が予定外に御出席願いましたので、十分なる御準備がないと思いますが、從つて私の方の希望だけ申上げてお聴取を願いたいと考えております。
 今日敗戰後の日本に非常に大きな社会問題としてありますのは未帰還同胞の留守家族、或いは戰禍によりまして死にましたところの遺家族、こういう人たちの問題が最も大きな社会問題としてあるわけであります。よく新聞紙上に出ておりますように、未亡人の風紀上の問題でありますとか、或いはその家族の風紀上の問題でありますとか、種々な問題が生活困難という問題と絡みまして非常に沢山世上に起きているわけであります。更に又これらの遺家族、留守家族の子弟たちが、ともすると不良性を帯びまして、東京都においては沢山の家なき子供たちや、或いは親なき子供達が浮浪しておりまして、或いは掏摸をやり強盗をやり泥棒をやるというような状態になつておる。これらの婦人たち或いは孤兒たち或いは浮浪兒というようなものに対して、婦人少年局長である山川先生は十分な御認識と御処置を願えることと思うのでありますが、こうした非常な悲惨な戰爭犠牲者に対しまして、特に今後強力なる社会政策を施行して頂きたいことをお願いするのであります。
 もう一つは、まだ外地に八十五万の未帰還者がおるわけであります。これらの帰還促進は、日本國民一人として一日も速やかならんことを願わんものはないのでありまするが、特に山川局長はそうした社会の婦人運動の中におきまする優秀な地位にあられますので、是非これらの社会の婦人の輿論を通じまして、これらの未帰還者が即急に日本に帰りますように絶大な局長の協力をお願いして止まないのであります。このことにつきましては更に婦人議員の方からお願いがあると思いますが、時間の都合もありますので一言私からお願いする次第であります。
#15
○委員長(矢野酉雄君) 委員長からも宜しくお願いいたします。
#16
○政府委員(山川菊榮君) 私どもそのお話は今日初めて伺うわけでございませんので、微力で何事もできませんが、今度の機会で各國の婦人代表の方々によくお話申上げまして、できるだけ御盡力をお願いしたいと思つております。
#17
○中平常太郎君 丁度山川局長が見えておりますからお尋ねしてみたいと思うのでありますが、統計的なことでありませんから……近來の少年の腐敗は大変なものであります。司法当局の方に廻るのが一ヶ年に四万件を超えている。固より皆拘置処分を受けるのばかりでありませんが、訓戒その他保護司に委託する程度のものでありますけれども、私考えるのに、今政府におきましても局長として御活躍なされてるのは山川さんでありまして、労働省に席を置いておられますが、労働関係における婦人少年というような考えは相当研究になつていると思います。この婦人少年問題は啻に労働のみから考えるわけにいかない。今北條君の言われたように本当の社会問題になつているのでありますから、現段階におきましては山川局長といたしましては労働という面は固より大事でありますが、それのみならず婦人少年に対しましては全体的に社会問題として扱つておられるかどうか。動もするとその省に属する部分に厚くして、他の方面は閑却し易いものでありますが、これは日本の生産増強から考えましても、どう考えましても廻り廻つて生産に影響することで、又風紀、衛生或いは日本の根本の道義の昂揚という問題におきましても悉くこれ影響するものでありますから、極めて廣い範囲におきまして婦人少年部面を扱つて行かなければいけませんが、そういうふうに機構がなつているかどうか。又局長の考えでそんなふうに廣くお考えになつているのかどうか、一労働者としての問題かどうかということをお伺いしたいのであります。
#18
○政府委員(山川菊榮君) 婦人少年局の仕事は三つに岐れておりまして、婦人労働課と申しますのは、婦人勞働に関する仕事、調査、研究が主でございます。それから年少労働課と申しますのは、十二歳以上十八歳以下の未成年者の少年少女の労働に関するもの、それからもう一つ婦人課というのがございまして、これは職に就いていない婦人、主婦や母親の問題も引括めて一般的な婦人問題、それから婦人の地位向上を取扱うということになつております。大体におきましてこの婦人少年局の仕事と申しますのが、実態調査とか、研究とか、資料を発表して諸方面の御参考にするというようなことに主力が置かれまして、それ以上いろいろな問題につきましては、直接の権限は大抵教育ならば文部省とか生活問題は厚生省の兒童局とか、そういうふうになつております。併し労働問題と申しましても、一つ裏を返しますと忽ちそれが不良少年少女とか、或いは闇の女とかいろいろな犯罪関係にも通じておりまして、それを引離して考えることができませんので、どうしても余程密接に厚生省なり、又問題によりましては司法省の方、それから文部省と密接な連絡を保たなければなりませんので、只今まだ内部の体制が確立いたしておりませんので、そこまで行つておりませんけれども、いろいろ計画を立てまして、労働省の内部のほかの局、例えば安定局というような方面とも連絡いたしまして、失業救済、それから外の省と密接な連絡を保ちたいと思いましていろいろ計画しておりますが、その方面につきましては又皆さまの御盡力をお願いいたしますから、宜しくお願いいたします。
#19
○中平常太郎君 只今伺いますと、固より事早々でございますから理想通りに進んでいないと思いますが、主として統計その他に対して御盡力になつておるようでございますが、私は統計という程度のものなら何も立派な山川氏を招聘するに及ばないと思うのであります。一事務官でできるはずです。統計なんかというものに重きを置くということはそれは一つの部面でありますが、婦人少年局長としての考え方といたしましては極めて偏つた考え方じやないかと思うのであります。現段階におきましては婦人少年局長はお一人でありますから、この大きな問題をどの程度深く掘下げてお考えになるかは存じませんけれども、將來一層この問題は深くやらなければならん問題でありますから、今一人あるところの局長さんが、この婦人少年問題は本当に根本を掴んで貰つて、婦人のあり方、或いは又少年のあり方、並びに少年の教化、少年の実態に應ずるところの処置などにつきましては可なり強い実行力を持つていて頂きたいと思うのでございます。啻に統計などを取つて、統計の一部を各省に廻して参考に供するというような程度の構めて低級なようなことのためには、私は婦人少年局長としてそれを評價したくない。もう一層深く一つ根柢に立入つて、婦人と少年の救済のため、それらのあり方に対して十分にその指導の立場に立つて行かれるようにお願いしたいのでありますが、私のお願いが労働省に附属されておるところの婦人少年局長に申上げるのは無理かとは存じますが、今現代におきましてはそれを標榜しておるところの局長は外ありません。固より厚生省には兒童局がございますから、それは救済の方をやつておりますけれどもが、もつと廣い範囲におきまして婦人少年局長として、労働と関聯する各種の方面を御研究になると同時に、社会問題としても亦深く御研究にならんことを希望して置く次第でございます。
#20
○委員長(矢野酉雄君) 念のために申上げて置きますが、復員局の官房長森田俊介氏、第一経理部長遠藤武勝氏、只今の山川菊榮局長、外務省管理局の鈴木課長が只今のところお見えになつております。大藏省関係は要望しておりますけれども、まだ参りません。
#21
○岡元義人君 お尋ねすることは大藏省にも関係があるのですが、一應外務省関係から鈴木課長でもお分り頂けると思うのですが、閉鎖機関の取立申告書、これは告示が全國に出たのでありますが、これに対して告示の徹底が全國に行つておりませんので、十月二十五日日銀を通じて申告するようになつておりましたが、殆ど大半の者が知らないのであります。速やかにこの取立申告の延期をば大藏省を通じて再び全國に告示を出す意図があるかないか。又この問題はどういうような方法で今後支拂いをなさるかということに対する、できたらこの委員会にはつきり明示して頂くことおば切に願う次第であります。
#22
○説明員(鈴木政勝君) 只今の御質問に対してお話申上げます。第一の申告の期日の告示が一般によく知られてないという点でございますが、これはたびたび新聞でも公告もいたしておりますので、閉鎖機関の処理といたしましては、できるだけ趣旨の徹底するように取り計らつておるわけでありまして、從つて尚そういつた事実について御存じない方のあるということは、これはまあ若干そういう場合があり得るとは考えまするが、余りそういうことは從來私ども承つておりませんので、或いはお尋ねのように特別な措置が必要であるかどうかという点につきましては、実は私どもそういつた事実をよく存じておりませんのです。從いましてこれは大藏省の方とも御相談いたしまして、若しそういつた措置が必要であるならば何等かの方法を講じなければいけないのではないかというふうに考えております。ただこれはたびたび申上げることでございますが、閉鎖機関のそういつた措置につきましてはいろいろと関係方面との関係もございますので、必しもできるということは申上げ兼ねる状態でございます。その点御了承願いたいと思います。
#23
○委員長(矢野酉雄君) それから引揚援護院の大野次長も御出席頂きましたので御報告して置きます。
#24
○岡元義人君 今の債権取立申告の問題でありますが、そういう何がはいつておらなかつたと聞きましたのですが、私がこの度休会を利用いたしまして各地を廻つたのでありますが、殆んど大半知らなかつたという実情であります。この特別委員会の委員でさえも知らない者があつたのであります。こういう実情でありますから少くとも私の休会中に各地方を廻りまして話を聞いてから日本銀行へ押掛けて行つて、すでに期限が來ておるので殆んど全部が受付けられずに非常に困つておるという実情にありますから、できるだけこの問題は差支のない限り期限を延期して頂く。たとえそれが資料だけに止まる問題であつたにしろ、あの申告の期限の中で出しました書類は恐らく半分にも行つていないのじやないかというくらいに思つておりますから、この点考慮を願いたいのでありますが、尚この支拂いの方法につきましては、特にいろいろな関係筋との関係もあることは十分承知いたしております。併しながら一体この引揚者関係の問題に関してはなにもかも殆んどが申告を取らせる、或いはなになに手続を取らせる。ただそれだけでありまして、一般引揚者が一体これはどうなるのだというようなことが全然分らないでしまうということは、政府当局においても相当考うべきじやないか、なんらかの目途をば明示することが非常に大事なことじやないか。先に在外資産問題におきましてもお話申上げました通り、僅か千円しか持つて來ない金の中から申告書をば二百円も三百円も拂わして申告させる。又この債権取立書の申告にいたしましても、わざわざ田舎から相当の汽車賃を使つて、日本銀行のあるところまで出て來なければならん。それにも拘わらずこれがどういう工合になるのだということに対しては、これはなにも分らんとこういうような突つぱなし方をせずに、少くも責任あるところの一つの目途だけは與えてやる必要があるのではないかと思います。勿論いろいろ関係筋との関係もありますから、その点はできる範囲でも結構ですが、なにかできるのであつたならば必らずそういうことをはつきりさせて、そうして申告させるというような方法を取つて頂きたいということをお願いいたします。
#25
○説明員(鈴木政勝君) 只今の点につきましてお答え申上げたいと思います。御承知の通り閉鎖機関の今回の特殊整理というものは、國内債務の処理ということだけに限定されておるわけでありまして、從つていわゆる外における債務の弁済整理ということは、全然その建前に含まれていないのであります。本委員会におきましてしばしば御説明申上げたように、問題は満鉄閉鎖機関の引揚社員の会社に対する請求権の問題でございますが、この問題が一体今度の閉鎖機関の特殊整理として扱われるや否やということが非常に問題であつたわけであります。当初まあ政府といたしましてそういつた引揚者、いわゆる在外勤務社員の会社に対する請求権が今回の閉鎖機関の特殊整理に一体なるのかならないのかという非常に不明確な疑問が実はありましたので、取敢えずそういつた申告だけはさしておこう。こういうことで申告をして頂くような措置を取敢ず取つたわけであります。その後いろいろとこれは関係方面との解釈等もありまして、まだはつきりした決定にはなつていないのでありますが、今日までの状況におきましては、そういつた在外勤務社員の会社に対する請求権というものは在外資産とかいろいろな関係上、これは今回の特殊整理では扱えないのではないかというような大体の空氣になつておるわけでございます。從いまして申告させながら何らはつきりしないということは、そういう事情があつたわけでございますので、その点御了解願いたいと思います。
#26
○星野芳樹君 今の問題はもうよいのですか。
#27
○委員長(矢野酉雄君) どうぞ……。
#28
○星野芳樹君 復員局の森田局長にお伺いしたいのですが、ちよつと速記を……。
#29
○委員長(矢野酉雄君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#30
○委員長(矢野酉雄君) 速記を始めて……。
#31
○星野芳樹君 それでは第一経理部長のご説明をお願いします。
#32
○政府委員(遠藤武勝君) 未復員の軍人、軍属の給與の問題は大体三つに分れるのでございますが、一つは未復員中の給料の問題と、それから生きて帰つて参ります者に対しましては、上陸地において帰郷する旅費を支給する問題と、それから遺骨となつて帰つて参ります人々に対しましては、その遺族に対して遺骨処理に関する給與をするという問題と、大体三つに分れると思うのであります。その内今度の追加予算に計上しております給與改善の内容は、初めの在外中の給料に関する問題でありまして、上陸地からの帰郷旅費並びに遺骨処理のために遺族にお渡しする給與というものは大体現在のままでやつて行くのであります。これは現在法制局で予算の法律案の審議中でありまして、近くその審議が終りましたら、議会に提案になると思いますが、大体予算に盛つております骨子を申上げますと、在外中の軍人、軍属に対します給料は、現在はこういう方法でやつておるのであります。即ち戰爭中から軍人、軍属としてのそれぞれの階級に應じまして、その給與の規則に基いてやつておりましたそのままの規則を今日まで続行して來ておるのであります。その内家族を持つておる者につきましては、御承知のように内地では一般の官公吏の給與が物價の騰勢等に関連しまして、物價手当でありますとか、家族手当の増額でありますとか、その外臨時増給といつたような全く臨時的な、附加的な増加給與がされたのでありますが、これを大体に外地におります者の内、扶養家族を持つておる者に対しまして、大体このシステムが適用されまして、本俸は從來のままの給與でございますけれども、その附加給與が逐次なされて來ておるのであります。併しその附加給與がなされておりますのは、在外者中、軍人でいいますと下士官以上でございまして、兵に対しましては給與がないのでございます。つまり昔のままの本俸だけなんであります。扶養家族を持つておりましても昔のままの本俸だけなんであります。それは軍人でも下士官以上は、一般官吏と大体同じ給與方法の取扱いをして参つたのでございますが、兵は官吏でない取扱いをして來ておるのであります。從いまして先程申上げました扶養家族に対しまする附加給與は、官吏に対して実行されました関係上、兵には適用にならずに來ましたために、兵中扶養家族を持つておるものも取残されまして、何らの周囲の状況の変化に應ずる給與の変化はなく今日に來ておるのであります。この状態というものは、申上げるまでもなく非常に不合理でございますので、実は終戰後大体復員の見透しというものが或る程度計画が立つような時期になりました昨年の初め頃から、この問題の改正に着手して参つたのでございますけれども、いろいろな関係から非常に延びまして、今年の大体春くらいになりまして先ず改正の成案を得たわけでございます。その改正の内容は、この現況に対しまして、本俸は從來の階級差に應ずる本俸を全部廃めまして、一率百円にしたのであります。全部百円、それから扶養家族を持つておる者に対しまするいろいろな附加給與は全部廃めまして、家族手当一本にいたしまして、家族一名に対して百五十円という給與にしたのであります。でございますから家族二名を持つておる者は、百五十円の二倍の三百円と、本俸百円というものが月の受領すべき金額になるわけでございます。これは階級差なく、全部に本則的に決めたのであります。ところが從來の規則によつて受領しておる者が、この新らしい制度を施行します場合におきまして、その金額に比べて見ます場合におきまして、從來貰つた方が高いということがあるのでございます。それは家族の数によつて違いますけれども、大体において下士官、伍長以上家族教の少いときには從來のままの方が多いのであります。といいますのは、家族手当が百五十円というので、從來よりは金額が多いのであります。家族数が殖えると金額が殖えて参りますので違つて参りますけれども、家族一名というような場合には、伍長以上の者は現在貰つておる方が多いのでございます。そこでそういうものにつきましては、理屈はいろいろあろうと思いますけれども、給與の取扱の建前からは、現在すでに支給しておる給與額というものを減すということは適当でない、こう思いまして、新たな方法による給與額より以上、從來貰つておつた者があつたとすれば、從來の額をそのまま支給するということになるのであります。建前は前言いいましたように一率主義でございますけれども、現状に應じまして、從來の額を減少させないという趣旨で決めておるのであります。尤もその中独身者、つまり扶養家族を持たない者、独身者ばかりではございませんが、要するに扶養家族を持たない者につきましては、これは全部百円でございます。でございますから從來五百円貰つておつた、例えば將官でございましても、扶養家族のない者は上下の区別なく一律に百円ということになります。それが大体現在の給與の改正の骨子であります。
 それからどういうような方法で支給するかという問題になりますと、支給方法としましては、つまり帰つて來た時分にやるのか、毎月留守宅にやるのかという問題であります。独身者に対しましては、帰つたときにやります。それから扶養家族を持つておる者に対しましては、留守宅のその扶養を受くる者に家族手当をやるのであります。つまり兵で申しますと一月家族手当が百五十円でございますから、二名家族があるとしますと三百円になりますが、三百円と本俸が百円あるわけでありますけれども、留守宅渡しはその三百円だけを留守宅渡しにいたします。そうして本法の百円は帰つたときに渡す、こういう方法を採るのであります。ただ從來の留守宅渡しがこれ以上あつた者に対しては、從來の額をやる。さつきのことと大体同じでありますが、それ以上をやるということになるのであります。それを支給しますのは、留守宅渡しをしますが、毎月実は支給するのがいいと思いますけれども、これに担当します人間の手の関係もございますし、又送ります経費の問題も実はあるのであります。経費と申しますと、非常に小さいようでございますけれども、最近の郵便料、それから用紙類その他を考えますと、沢山の数になりますと可なりの金額になります。為替、書留料を加えますと可なりの金額になるのであります。人員の手の問題、そういつた経費の問題等をも考え合せまして、大体三月に纒めて送るという方法を採るつもりであります。現在、といいましても今年の七月からこの方法を実行するという案で予算を組んでおりますが、七月の初め現在で、留守宅渡しをしておつた件数は約十万でございましたが、この新制度を採りますと大体四十万前後になるだろうという見込をつけております。これは現在具体的に調査をしておりますが、まだはつきりした結論が出ませんが、要するに計画から申しますと、十万が四十万になるのであります。つまり留守宅渡しの件数は四十万になるということであります。その他の帰郷旅費並びに遺族にお渡しする金額というものも、帰郷旅費は三百円、遺族に渡しますのは五百八十円でありますが、これを改正しなくて、手を着けなくていい状態では決してないと思うのでございますけれども、いろいろな関係上今回はその給料、給與額の引上げということで、改正の問題としてはそこまでやらないでおるわけでございます。
#33
○星野芳樹君 今のお話で、こういう例は如何ですか、七月に遡つて支給されるわけですね、そうすると最近帰つた人間というものは、帰るまでの間は、手当が七月から與えられるわけですか。
#34
○政府委員(遠藤武勝君) そうです。
#35
○星野芳樹君 それから南方で、未だ公報を受取つておらないで、生死不明となつておる方がいるわけですね、これは事実上は甚はだ見込が少いと見られるのですが、法規上はまだ戰死の手続にはなつていない方がありますね、その遺家族はやはり給與を受けるのでしようが。
#36
○政府委員(遠藤武勝君) 初め申されました七月以降現在までに復員しておる者に対しましては、七月以降は新らしい給與によつて與えます。從つてその方法によつて計算した金額をお與えすることになります。
 それから第二の御質問でございました現在状況不明であるという人々に対して、或いは状況が判明すれば死歿者であつたかも分らんという人に対しましては、死亡が確認されまして、死亡公報が出ますまでは、留守宅渡しをします場合におきましては、生存者と同じ方法でやつております。ただ本俸だけは帰つてから渡します場合においては、これは後からの支給になりますので、結局死亡認定の、いつ亡くなつたというときを以て打切らなければならんということになりますけれども、留守宅渡しをします金額又方法におきましては、分るまではその支給を続けて参ります。
#37
○星野芳樹君 それから旅費が三百円というのは、鉄道運賃を値上げする以前の三百円で、引続き今も三百円ですか。
#38
○政府委員(遠藤武勝君) 引揚げて還つて参ります復員者は、鉄道は、実は個人としては只なんであります。これは纒めて私どもから鉄道省にお拂いしておりますのが、個人としては拂わないというわけでありますから、三百円は、実は昨年の初めから事実三百円で、其の後据置きでございます。当時は三百円という金額は、まあ十分ではないにしても我慢し得る金額だと思つておつたのですが、今日の事態になりますと、申上げるまでもなく上陸地で、はるばる日本に帰つて來るとこんな状況でありますので、苹果一つ二つを買いましても、相当な金額になりますし、又電報の問題は昨今大分処理がつきましたが、電報を打ちましても相当な金額になるというような工合で、三百円は上陸地に二三日も滞留すると、全くなくなつてしまうので、結局中には郷里に帰るまでに、自分が折角着て帰つたシヤツや或いは予備の靴を賣つたりして帰るという事実もあるのでございまして、これも是非皆さん御援助を得まして、改正するように持つて行きたいという、非常に熱烈なる希望を持つておりますけれども、今のところ具体案を出す段階にはなつていません。
#39
○天田勝正君 ちよつと一つお伺いしたいと思いますが、それは從來俘虜になりまするというと、殆んど罪人扱いする。これは役所でも民間でも、日本ではそういう習慣になつておつたわけでありますが、今日になりますると、そういう見方というものは甚はだ適当でないので、そこで今日まで俘虜となつておる人、現在どこの俘虜収容所に収容されておるということがはつきり復員局の方に分つておる人、こういう人が相当あると思うのですが、そういう人たちをやはり未復員の軍人なりとして、給與の面等には扱つておられるかどうかということをお聞きしたいのであります。
#40
○政府委員(遠藤武勝君) 全部同じでございます。未復員の軍人として処理しております。
#41
○岡元義人君 今の七月に遡つてこれが処置されるわけでありますが、特に復員廳関係に要望しておきたいことは、從來この留守家族が、生活保護法の適用を受けておる家族が相当ある。そこで七月に遡つて拂うということになると、各町村は非常に予算に欠乏いたしておりますので、もうすでにこれは私聞いて参つたのでございますが、七月に遡つて生活保護の金だけは返して頂く、こういう計画をば進めておるのであります。復員廳におきましては、この点十分に考慮されまして、この七月に遡つて生活保護法の適用を受けて貰つた金を取り返すことがないように、十分な連絡をば要望しておきたいのであります。又旅費の三百円と、それから遺骨受取りの旅費、これらに対しては、今度の議会中にはこれは解決の見込はないか、或いは今からでも出す見込があるか。この点伺つておきたいと思います。
#42
○政府委員(遠藤武勝君) 初めの問題は、私どもも誠にそう思いまして、できるだけ努力いたしますが、どうぞこれはなかなかやはり私どもの力の及ばんところもあろうと思いますので、皆さんの是非御援助もお願いしたいと思います。
 それから第二の帰郷旅費並びに遺族への諸給與といつたようなものを、この議会中に出す見込があるかないかという御質問がございますが、ざつくばらんに言いまして、いたす見込は実はないと思います。
#43
○北條秀一君 只今経理部長の説明になりました問題で、要点をはつきりして頂きたいのが一つあります。それは今回の追加予算によつて給與が改正されて、即ち兵は帰還したときに、月に百円ずつ七月に遡つて出すということですが、それをいつ、どこで出すかということを、はつきりして貰いたいと思います。なぜそれを聴くかというと、現在帰郷旅費を三百円貰つております。ところがその三百円では実際足りない。足りないために、援護院の方から兵に支給するところの靴下なり或いはタオルなり石鹸なりというものを、とかくすると車中における雜費に充てるために、これを金に換えるのであります。折角援護院が、今次長はいなくなりましたが、折角出して貰つて、汽車の中へ入つて賣つてしまうという事例が、最近多いと私は思う。そこでこの給與を百円ずつ渡すならば、上陸港で以てこれを渡すということが、最も的確ないい案であると思う。或いはその中の内拂いをして若干やるという方法を採ることが望ましいわけです。この百円の改正された給與を、いつ、どこで渡すかということについて、はつきりしたところのお考えを知らして頂きたいと思います。
#44
○政府委員(遠藤武勝君) 実は今北條さんの仰しやいました御意見に対しましては、そこまでは深く考えていなかつたのであります。ただ、今仰しやいましたことに対して言えますことは、一般的に言いますと、留守宅渡しを本俸もやつておる者があるわけであります。元の下士官以上に対しては、本俸も留守宅渡しをいたしております。それに対しては上陸地ではなく、留守宅渡しは各府縣の世話課でやつておるのです。そうすると上陸地では、本人の果して本俸も留守宅渡しをしておるかどうかということが分らないのであります。そこで思い切つて上陸地でその支給をするということはできませんのでございますが、ただ從來の兵であつた者は、これは本俸の留守宅渡しをしていないことが明瞭でありますから、その階級がはつきりしますと、それに対しては、その上からしてやつてやれんということはないのであります。ただその区分をするということがございますのと、上陸地では御承知のように非常に時間が短縮されておりまして、余り複雑な給與はできないのであります。今度は百円になりましたから、簡單でございますけれども、短時日の間に全部の者に対して三百円という旅費を一律にやることが精一杯という仕事でありまして、実は三百円という旅費の支給も、理窟を言いますと、余り公平ではないのでありまして、舞鶴へ上陸して京都へ帰る者も三百円、北海道へ帰る者も三百円というのでは不公平でありますけれども、実は上陸地では細かい事務がとれませんので、結局三百円という平均の給與を拂うことになつておる次第であります。そういう点から考えまして、北條さんの仰しやいましたことは、一つの着眼だと思いますので、研究はいたしますけれども、そういう意味の障害はあるだろうと思つております。
#45
○北條秀一君 援護院の次長は、先程いませんでしたから、今の話を復員廳と連絡して考えて戴きたいというのは、三百円金を渡しても三百円では足りない。あなたの方から靴下、タオルを兵に出す。その車中で金に換えてしまう。折角あなたの方からやりました物で苹果なりミルクを買つておる。そこで私言いたいのは、三百円の金を、改正された給與の内拂を現地でやつたらどうだ。全部拂つたらどうだ。こういうことが私の主張であります。これは経理部長は研究するというお話でありますから早急に研究されたい。もう一つ経理部長に質問したいのですが、給與の改正は今回の追加予算に出ることになつておりますが、何故今日まで怠つておつたかということについて、これは非常に僕は復員廳の怠慢であるというふうに考えるのです。勿論國会議員も怠慢であつたと思うけれども、根本は予算を提出する政府の怠慢であるということは当然蔽い得ない事実である。從つてそれを何故今日まで延ばして置いたか。どこにそういう支障があつたか。既往を敢て問うわけでありませんが、今後問題が起きます。今後起きます帰郷旅費、死亡者に対する問題が起る。葬式料とかそういう問題を解決するために、我々既往のことを一應反省して置く必要があると思いますから、過去においでどこに障害があつて、これが今日まで延びたかということについて経理部長の見解を披瀝して頂きたいと思います。
#46
○委員長(矢野酉雄君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#47
○委員長(矢野酉雄君) 速記を始めて……。
#48
○星野芳樹君 先程岡元委員から、本俸と家族手当が出ると生活保護法を差止められるい差うようなお話がありましたが、これに対しては今度の給與規定と生活保護法は全然別で、給與を貰つても生活保護法の適用を受けなくなるというようなことはないということは、この委員会で再三確認されたことだと思うのです。それは私間違いないと思う。然るに事実上岡元委員の言われるように末端に行くとそういうことが起り勝ちじやないかと思うのです。その点特に厚生省の方から末端機関に通達して頂きたいのです。本法案の本俸及び家族手当の点は全然生活保護法に干渉しないという趣旨を……。そうでないと家族手当を今まで受けていた者が却つて損になつてしまう。
#49
○北條秀一君 只今の星野委員の趣旨は当然のことでありますので、これは厚生省において極力……、極力じやない当然問題として善処して頂かなければならんと思います。
 それから先に申しました問題もはつきりして頂きたい。改正された給料をいつどこで拂うかという問題です。これはどうせ通過しますから、してから研究するのじや困るから早急にこの次の委員会、或いはその次の委員会にどうしてやるかという具体的に研究した結果を示して頂きたい。
#50
○政府委員(遠藤武勝君) 承知しました。
#51
○委員長(矢野酉雄君) 会期が非常に迫つておりますので、この問題も十分実を結ばせなけれでなりませんから……、併し衆議院の方の本会議は午後で、大臣その他の枢要な関係官吏に午後來て貰う時間が非常に困難でありますから、午前中は参議院本会議が続けられて行きますので、この一時と二時の間の短い時間に最も有効にこの委員会を運営して行きたいと思いますから、そういうお氣持で是非委員会の時に万障繰り合せて御出席の程、委員長から委員の方々にお願い申して置きます。本日はこれで会を閉じます。
   午後二時三十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     矢野 酉雄君
   理事
           水内キヤウ君
           北條 秀一君
           星野 芳樹君
   委員
           天田 勝正君
           中平常太郎君
           井上なつゑ君
           宇都宮 登君
           岡元 義人君
           楠見 義男君
           藤野 繁雄君
           穗積眞六郎君
           千田  正君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 一松 定吉君
  政府委員
   引揚援護院次長 大野 連治君
   復員事務官
   (官房長)   森田 俊介君
   労働事務官
   (婦人少年局
   長)      山川 菊榮君
   復員事務官
   (第一復員局経
   理部長)    遠藤 武勝君
  説明員
   外務事務官
   (管理経済課
   長)      鈴木 政勝君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト