くにさくロゴ
1979/04/24 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 文教委員会 第9号
姉妹サイト
 
1979/04/24 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 文教委員会 第9号

#1
第091回国会 文教委員会 第9号
昭和五十五年四月二十四日(木曜日)
   午前十時三十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     小谷  守君     安永 英雄君
     吉田 正雄君     粕谷 照美君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     松前 達郎君     福間 知之君
     上田耕一郎君     小巻 敏雄君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     塩見 俊二君     岩崎 純三君
     山東 昭子君     井上 吉夫君
     吉田  実君     高平 公友君
     望月 邦夫君     志村 愛子君
     土屋 義彦君     坂元 親男君
     福間 知之君     松前 達郎君
     安永 英雄君     片岡 勝治君
     粕谷 照美君     広田 幸一君
     田渕 哲也君     柳澤 錬造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大島 友治君
    理 事
                高橋 誉冨君
                前田 勲男君
                勝又 武一君
                小巻 敏雄君
    委 員
                井上 吉夫君
                岩崎 純三君
                坂元 親男君
                志村 愛子君
                高平 公友君
                内藤誉三郎君
                藤井 丙午君
                片岡 勝治君
                広田 幸一君
                松前 達郎君
                柏原 ヤス君
                柳澤 錬造君
                有田 一寿君
   国務大臣
       文 部 大 臣  谷垣 專一君
   政府委員
       文部大臣官房長  宮地 貫一君
       文部省初等中等
       教育局長     諸澤 正道君
       文部省管理局長  三角 哲生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瀧  嘉衛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数
 の標準に関する法律等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○私学に対する大幅国庫助成等に関する請願(第
 六号外七五件)
○義務教育諸学校建設事業の全額国庫負担等に関
 する請願(第一九号外一四件)
○義務教育諸学校の新増設に対する国庫負担等に
 関する請願(第二〇号外七件)
○障害者・児の教育の保障に関する請願(第五一
 号)
○幼稚園教育振興のための予算大幅増額等に関す
 る請願(第六五号外二五件)
○高校増設に対する国庫補助等に関する請願(第
 七一号)
○教育関係予算確保に関する請願(第一三〇号)
○専修学校の振興に関する請願(第一八一号)
○義務教育教科書の無償化存続に関する請願(第
 二〇八号外一件)
○行き届いた教育の実現に関する請願(第三〇〇
 号外九件)
○オリンピック記念青少年総合センターの存続に
 関する請願(第三〇二号)
○国立大学の授業料値上げ反対に関する請願(第
 三四二号外一五件)
○司書教諭の即時発令及び学校司書制度の法制化
 に関する請願(第四〇〇号外一一件)
○高等学校の新増設に対する国庫補助制度に関す
 る請願(第五二二号)
○信州大学工学部建設工学科の設置に関する請願
 (第五二三号)
○義務教育諸学校教職員定数の改善に関する請願
 (第五二四号外一件)
○私学に対する公費助成の大幅増額と民主的公費
 助成制度確立に関する請願(第七六三号外一
 件)
○大幅私学助成に関する請願(第七九六号外四
 件)
○教科書の有償化反対に関する請願(第八三四号
 外一件)
○学級編制基準改善等に関する請願(第八六六号
 外一八件)
○学級編制基準の改善等に関する請願(第一〇二
 八号外七件)
○青少年健全育成を阻害する有害図書自動販売機
 規制等に関する請願(第一〇八九号外五三件)
○大学格差の是正及び整備充実等に関する請願
 (第一二二九号外一件)
○学校事務職員の待遇改善に関する請願(第一七
 四七号)
○身体障害者のための学校教育改善に関する請願
 (第一八七〇号外一〇件)
○四十人学級の早期実現に関する請願(第一九二
 二号)
○ニホンカモシカによる造林地被害の防止対策に
 関する請願(第二三九六号)
○公立大学助成拡充に関する請願(第二四九五
 号)
○四十人学級の早期実現等に関する請願(第二四
 九六号)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大島友治君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、塩見俊二君及び山東昭子君が委員を辞任され、その補欠として岩崎純三君及び井上吉夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大島友治君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、本委員会の理事が一名欠員となっておりますので、ただいまから理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小巻敏雄君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(大島友治君) 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○勝又武一君 三月十八日だと記憶をいたしておりますが、本文教委員会におきまして、特に私は校長と教頭が授業を担当することにつきまして、大臣と初中局長に御質問をし、そのことは望ましいことだという答弁をいただいておりますが、この点は、大臣、局長、それぞれもう一度そのことを確認してよろしゅうございますか。
#7
○国務大臣(谷垣專一君) そのように考えております。
#8
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるとおりでございます。
#9
○勝又武一君 大臣と局長からいまのお話ありましたので、あえて申し上げることはないかとも思いますが、私が十八日にも御質問申し上げた趣旨は、校長が授業を一切やらなくなるのがあたりまえである、教頭が授業をやらないということが当然である、そして、そのことが風潮になりがちな心配がありますので、あえてひとつお聞きをいたしますが、校長が授業をやらなくてよいという法的根拠がございますか。
#10
○政府委員(諸澤正道君) そういう根拠はございません。
#11
○勝又武一君 そうしますと、校長が授業をやってはいけないという法的根拠はないし、授業を禁止している規定もない、こう考えてよろしゅうございますね。
#12
○政府委員(諸澤正道君) 若干つけ加えますならば、学校教育法の二十八条の学校に置かれる職員の職務につきましては、確かに校長について授業を担当するというような格別の規定はございませんけれども、ここにありますのは、要するに主なる職務を示したものでございますから、先生御指摘のように格別禁止するものではないと、こういうふうに解するわけでございます。
#13
○勝又武一君 いま局長のおっしゃられました二十八条ですね、ここに言う「校務をつかさどり、」という「校務」ということはどういうことになりますか。
#14
○政府委員(諸澤正道君) 学校は一つの教育機関でございますが、機関としてその管理運営面の、たとえば、職員の服務監督というような仕事がございますが、それと同時に、教育活動をしなきゃならぬ。そういう意味で、教育活動全般の統轄、この両面を含むものと考えます。
#15
○勝又武一君 ちょっと違うんじゃないでしょうか。二十八条の三項は、「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」つまり、校務をつかさどるということと、所属職員を監督するということでありますから、私はやはり明確に分けているように、ここで言う「校務」というのは所属職員を監督するということと別のことを言っている。つまり、「校務」というのは学校本来の仕事なんです。学校本来の仕事というのは、私はやはり授業をやり、教育活動をやっていく、このことが校務だと、こう私は解釈しますしが、私の解釈は間違いでしょうか。
#16
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるように、その校務の中身に教育活動が大きく含まれていることは御指摘のとおりだと思います。
 ただ、管理面と私が申しましたのは、もちろん職員の監督というのもございますけれども、やっぱり校舎の施設、設備の管理、その他、言うところの管理という仕事がございますから、そういうものもやはり含めて校務というふうに考えるのが妥当だろうと思うわけでございます。
#17
○勝又武一君 学校教育法二十八条の六項ですね、「教諭は、児童の教育をつかさどる。」、この場合の教諭の本務というのは、この「児童の教育をつかさどる。」、このことにあるというように、この点も法的に明らかだと思いますけれども、よろしゅうございますね。
#18
○政府委員(諸澤正道君) 教諭の本務は、もっぱら教育活動にあるということをここで示しておるわけでございますが、これは先ほどの校長の職務の際にも御質問がありましたように、だからといって、学校の一職員として必要があれば事務のお手伝いをしてもらうということもあえて禁止するものではないと、こういうふうに理解するわけでございます。
#19
○勝又武一君 この場合の「児童の教育をつかさどる。」という教育活動、そのやはり中心になるのは、私は授業だと、こう思いますけれども、この点もよろしゅうございますか。
#20
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるとおりです。
#21
○勝又武一君 教頭は教諭だと思いますが、どうでしょうか。
#22
○政府委員(諸澤正道君) 教諭の面を持つわけですけれども、四十九年の教頭法の成立によりまして、職としては校長、教頭、教諭というふうに分かれることとなったわけでございますが、その職務内容としては、おっしゃるように、必要に応じて「児童の教育をつかさどる。」と、こういうことが規定されておるわけでございます。
#23
○勝又武一君 それはわかっているんです。わかっているんですけれども、私の聞いているのは、確かに二十八条は校長、教頭、教諭となっていますけれども、教頭は教諭という範疇に入るんじゃないでしょうか、こう言っているわけです。
#24
○政府委員(諸澤正道君) 仕事の中身としては教諭の範疇に入ると言ってもよろしいのかと思いますけれども、法令の制度上から言えば、やはり職としては校長、教頭、教諭というふうに分かれておりますというふうに先ほど私は申し上げたわけです。
#25
○勝又武一君 これももう再三にわたりまして恐縮でありますが、授業を行うためにどのくらいの事前準備、教材研究、事後指導を必要とするかという議論を局長ともう何回も重ねてまいりました。ついせんだっても確認をしたばかりでありますが、重ねて本日もう一度お聞きをいたしますが、授業を行うために、この場合小・中学校と限定してもよろしいと思いますが、小・中学校の教諭が授業を一時間行うために、事前準備、教材研究、事後指導等で、勤務時間の中において最低一時間必要だということについて、再三局長はこの点お認めいただいておりますが、この点もよろしゅうございますか。
#26
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるとおりでございます。
#27
○勝又武一君 実は文部省に、教諭あるいは校長、教頭、主任等、どの程度の担当授業時間をしているのかという資料を要求をいたしましたとえろ、手元には「教員統計調査」、五十二年の十日一日現在という、ここにありますが、半ぴら一枚のものが届けられたわけでありますが、文部省の教員の週平均担当授業時数という調査はこの一枚、この半ぴらだけですか。
#28
○政府委員(諸澤正道君) 週平均担当授業時数の調査は、五十二年度についてはこれだけだと思います。それから五十三年度の例の四十人学級のために必要な悉皆調査の結果も出ておりますが、やはりこの程度の調査でございます。
#29
○勝又武一君 文部省の定数とか、あるいは授業の時数、こういう調査というのは何か守秘義務にでも当たりますか。
#30
○政府委員(諸澤正道君) 別に秘密にしておくような必要はございません。
#31
○勝又武一君 そうすると、多額の国費をかけていろいろの調査をなさるんですから、文部省のこの種の調査というのは、どういうことなんでしょうか、もっと公表されてよろしいんじゃないですか。その辺はどうなんですか。
#32
○政府委員(諸澤正道君) これは文部省の各種の統計で、指定統計になっておりますから、この週平均担当授業時数の調査も、ここにありますような調査票の中に入っております。そういう意味ではこれは公表されておるわけでございます。
#33
○勝又武一君 私のお聞きしていますのは、たとえば主任の人たちの受け持ち授業時間数がどの程度かということをお聞きをしたら、そういう資料はないから提出できないと言うんですよ、文部省は。その辺は局長どうなんですか。
#34
○政府委員(諸澤正道君) いまのお話は主任の授業時数でございますか。それはこういう指定統計に恐らくないと思います。そういう意味でないというふうにお答えしたんではないかと思いますが。
#35
○勝又武一君 文部省は指定統計だけをされていたらいいんですか。
#36
○政府委員(諸澤正道君) 指定統計だけではございませんから、いまおっしゃるように、主任の制度化のときに担当時数を調査したものは私の記憶ではあったんではないかと思います。
#37
○勝又武一君 局長の記憶であったというのが、何で文部省は私がお聞きしたら出してくれないんですか。
#38
○政府委員(諸澤正道君) それではいま担当者の方へ話をしまして、もしありましたならまた御報告をするようにいたしたいと思います。恐らく、率直に申し上げまして、主任の時間調査というのは、担当のセクションが違うものですから、あのときにやりましたのは。主任の問題は地方課で扱っておりましたし、今回のこういう教員一般の時間調査は財務課の方でございますから、その辺のそこではないかと思います。
#39
○勝又武一君 大臣にお聞きしますけれども、私は余り感情に走ったことありません。非常にいつも冷静のつもりです。これは理事の皆さんいらっしゃるから、いま理事会でどういう話しされたかは皆さん知っていらっしゃるわけですよ。別にきょう審議の引き延ばしをしょうなんて気持ち毛頭ありません、私は。きょうの理事会でちゃんと私の質問時間も決め、わが党の四人の人の質問時間も全部あったのを、非常にいま理事会でわかりやすい話をして、きょう私の質問時間を二時間にしたつもりなんです。おわかりいただけるでしょう、大臣、きょうの審議が夕刻どういう状況になってどうなるか。そこまで私は考えているのに、いまのようなことになると、これは正直言って質問できなくなりますよ。大臣、どうなんでしょうか。昨日だけじゃない。この主任の受け持ち授業時間数というのは非常に重要だから、私は再三お聞きしてたんです。ところがいま局長のお話ですと、あったら後で提出しますけれどもということになりますと、大変性本来温厚な私も、これ冗談じゃない、どうなってんだという気になりますよ。どうなんですか、大臣。
#40
○国務大臣(谷垣專一君) いま初めてそういう御要望のあった、調査が不十分な応対だったということをお聞きいたしましたが、本来これ統計にいたしましてもできるだけ、手元にありましたもの、あるいは時間さえありますれば、文部省で調査をいたしましたものを提出して、先生方の御要望に応じて審議が進むようにするのは、これ当然のことだと思います。いまの御指摘の問題につきましては、まだ私どういう事情であるか存じませんけれども、御指摘のございましたような調査があれば当然に出すべきものだと、こういうふうに私は考えております。
#41
○勝又武一君 これは御指摘してありませんけれども、どなたかわかったらお答えしていただけませんか。
 文部省の調査費用というのは一体総額どのくらいですか。
#42
○政府委員(諸澤正道君) ちょっといまわかる者がおりませんので、早速連絡しまして、わかり次第この席で御報告いたしたいと思います。
#43
○勝又武一君 先ほど局長お答えになった五十三年度の定員調査ですね、あのときの費用は総額幾らですか、それならわかるでしょう。
#44
○政府委員(諸澤正道君) 正確には記憶いたしておりませんけれども、約一千万強であったかと思います。
#45
○勝又武一君 文部省が言われた膨大なあの調査でも一千万で終わりになっているわけですね。だから、文部省の私は調査機能から言ったら、この受け持ち担当援業時間数の費用の金なんていうのは、そう文部省がひっくり返るような額じゃないでしょう。当然おやりになっているはずなんです。また当然やらなければいけない種類のものだというように私は思いますが、局長いかがですか、この点。
#46
○政府委員(諸澤正道君) 先ほど御指摘のございました主任の担当時間数、いま聞きましたら資料ございますから、これは御報告申し上げます。
#47
○勝又武一君 委員長にもお願いしますけれども、お聞きになっておわかりいただけると思うんですけれども、私なんかは本当に素人ですからよく勉強しないと困るわけです。文部省の実態というものをよく知って、その全国の状況を知って、個別のものはわかっていても、全国のそういう文部省の持っていらっしゃる調査結果を聞いて、そして私なんかがこう思うという質問をする以外に、いま出されたってすぐ質問できませんよ、本来。これはひとつ本当に申し上げておきます。
 それから、この四十九年度の参議院本委員会における附帯決議がございますね。その第三項には何と響いてありますか。
#48
○政府委員(諸澤正道君) 参議院の方は、「教諭の週担当授業時間数を、小学校二十時間、中学校十八時間、全日制高校十五時間、定時制高校十時間とするよう定数増に努めること。」と、こうなっております。
#49
○勝又武一君 しかも大臣、ちょっとお聞きいただきたいと思いますが、この前文には、「すみやかにその実現に努力すべきである。」こう書いてあって、そして一項から十三項まであるわけですね。しかも、この三項と四項というのは、衆議院の附帯決議にはありません。参議院の本委員会が独自にこの三項、四項はつけられているはずです。私は、衆議院の附帯決議と比較をしてみますと、衆議院は十一項で、この三と四というのが参議院独自でつけ加えているはずであります。その点、局長、間違いありませんか。
#50
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるとおりだと思います。
#51
○勝又武一君 そうしますと、この調査を十分やられなかったのは、参議院にあったけれども衆議院にないから、やらなくたっていいんだなんていう、そんなことはないんでしょう。
#52
○政府委員(諸澤正道君) そういうことはございません。
#53
○勝又武一君 それだったら、居並ぶ参議院の文教委員会にいらした人たちは大変なことになると思いますよ。やっぱり参議院の独自性なり、参議院の存在価値というのが問われているときだけに、やっぱり衆議院がいろいろ議論をしたけれども、ここは落ちている、ここは落ちているという問題について、参議院の四十九年の文教委員会は、私はやっぱり懸命な努力をされて、そして英知を結集して、この衆議院にない三項と四項をつけ加えられたというように私は認識しているんです。となればきわめてここは重要な個所なんです。文部省も重要な関心を持って、この三項、四項は対処をされたはずなんです。だとすれば、心なくともこの教員の週担当授業時間数は、小学校は二十時間、中学校は十八時間、こうなるように一体現場がなっているのかなっていないのか。校長がどれだけ持っているのか、教頭がどれだけ持っているのか、一般の教員は何時間持っているのか、特に主任――学年主任とか教務主任が何時間持っているかというのを調べるぐらいのことはあたりまえじゃないですか。いかがですか、その点は。
#54
○国務大臣(谷垣專一君) それはもう四十九年の附帯決議が仮になくとも、それは当然調べておくべきことだと私は思います。まして附帯決議にそういうものがありますれば、そういう準備は当然やっておくべきものだと思います。
#55
○勝又武一君 大臣からそういうお話がありましたし、私は局長の本旨というのはそうだと思うんですよ。ですから、あれは地方課だとか、あれはどうとかという課の問題でなくて、今後ぜひこういう点については、ひとつ十分な省内の配慮といいますかね、そういう点はぜひお願いいたします。それを心がけていただきませんと、私はきょうはこの問題はこれ以上追及しませんけれども、今後の課題として申し上げておきたいと思います。
 そこで少し観点を変えまして、変えるといいますかね、これ一枚しかありませんからね。大臣。これに基づいてお聞きします。まずこれによりますと、こうなっているんですよ。校長の時数から参りますと、小学校の場合の校長は、私立の校長が四・六時間、これに対して公立の校長は〇・三時間。公立の中学の校長も〇・三時間。この差は一体何でしょうか。
#56
○政府委員(諸澤正道君) これは格別研究したことはございませんけれども、私の見るところでは、今日の公立の小・中学校の校長さんというのは、やっぱり学校管理面で対外的に折衝その他も大分ございますから、どうしてもそっちに時間が割かれると。これに対して私立の場合は、通常小・中学というのは、一つの学校法人の中のデビジョンでございましょうから、したがって、折衝的なことは法人の方がやるというようなこともあるいはあるんではないか、これは想像でございますけれども、そういうふうに考えるわけでございます。
#57
○勝又武一君 これは、局長ともあろう方が私はおかしいと思いますよ、いまの議論は。私立の小・中学校の校長さんは、学校法人だから公立の校長さんと違ってそういうことはあんまりやらぬで、授業がやれるんだという議論になりがちですよ、いまのは。そうじゃない。そんなばかなことはない。いまの点からいけばむしろ逆じゃないですか。公立の校長さんよりも、私学の小学校や中学校の校長さんの方が、もっとそういうほかの仕事の方が多いはずなんです。そう考えるのが常識なんですよ。ところが、私学の校長さんは一週間に四・六時間授業やっているんだ。公立の校長さんはなぜ私学の校長さん並みぐらいに平均して授業ができないんでしょうかね。あるいは私学並みに公立の校長さんが授業をやってはいけないというような何かありますか、先ほどは法的なことは聞いたけど、現実的に何か。私学と比較して、私学の校長さんは四・六時間ぐらい一週間に授業やっているのに、公立の校長さんは〇・三時間だ、この差はちょっと大き過ぎませんか、どうでしょうか。
#58
○政府委員(諸澤正道君) この数字で見る限り、おっしゃるように相当差があると思います。
#59
○勝又武一君 高等学校の校長さんのところちょっと見てください。高等学校の校長さんも、私立で〇・五時間やってるんですね、公立の校長さん〇・四時間やっている。公立の小・中学校よりもちょっとですけど多いですよね。これは十八日のときに大臣にお聞きしたですね、大臣。私たちの旧制中等学校のころの話をして、大臣もそんな昔のことまで言わなくても云々という答弁されてましたけどね。戦前と戦後のその議論は別にしても、やっぱり私は校長が授業をやられるという、これでいけば大体一週間に五時間ぐらいですね。だから五クラスでいえば、校長さんが六年生五クラスのところなら一クラスずつ、一時間ずつ一週間に行っていると。昔の修身という話を私は前回しましたけど、別にそういうものを校長さんにやってくれという意味じゃありませんけど、やっぱりあのとき大臣も答えられていたように、小・中学校の校長が、やっぱり一週間に五時間とか六時間授業をやるというのはあっていいんじゃないでしょうか。私学と比べてみてどんな御感想をお持ちになりますか。
#60
○国務大臣(谷垣專一君) 私もこの表の裏にある実態、その理由というものまではちょっと私もいまここでよくわかりませんが、先生おっしゃっておりましたように、教育の現場は、やはり生徒たちと一緒になって教えていくというところにあると思います。確かに校長先生忙しいことはよくわかりますけれども、やはりそういう教育の生のところになるたけ接していくということが、私は校長先生もその教育の現場というものはよくおわかりになる、それからまた、学校全体が校長先生も第一線で実際やってるという気持ちが出てくる、生徒の方にしましても、やはりそういう感じ持つと思います。その意味におきまして私は大切であろうと、こういうふうに考えます。
#61
○勝又武一君 幾多の事例がございますね、教育実践をされている方々がおります。あるいは、校長さんのそういう経験を書かれて、岩波新書で出されているのもございますね。やっぱり、そういうのを見ますと、本当に私はそういう校長さんが授業をやるように懸命の努力をしている、そして、その中から非常にいいものが生み出されてきているというように私は評価をしています。ですから、校長さんが多忙な中で授業をやれということではなくて、やっぱり校長が一週間に五時間や六時間の授業がやれるように、そういう校長の多忙なことを比較をした場合に、むしろ授業が六時間ぐらいやれるような仕組みを市町村教育委員会なり、あるいは教育行政機関なり、ひいて言えば文部省がそういう体制をこそ指導すべきじゃないか、目指すべきじゃないか、そんなように思いますけど、いかがでしょうか。
#62
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるように、できるだけ校長も直接教育活動に参加できるような条件整備をするということは、われわれの仕事であろうと思うわけですが、やはりそう申しましても、学校も一つの独立した機関でございますから、そこにおのずから外部との折衝その他管理面の仕事がありますので、できるだけそういう制約の中でひとつ努力をしていただくということを指導してまいりたいと思います。
#63
○勝又武一君 次に、この表でいいますと教頭のところです。またひとつ大臣も局長もごらんください。教頭のところで見ますと、小学校の公立の教頭が三・四時間、私立の教頭が八・九時間、この差はなぜでしょうか。
#64
○政府委員(諸澤正道君) これも、ちょっとよくわかりませんけど、ただ、小学校の場合は先生御存じのように、一応クラス担任全科担当ということになっておりますから。
#65
○勝又武一君 私立との比較を聞いてるんですよ。
#66
○政府委員(諸澤正道君) 私立の場合は、毎週九時間くらい小学校の教頭さんが授業を持つというのは、ある特定の教科について相当の範囲に、まあほかの先生並みに授業を担当してるという事実があるんではなかろうかと思うわけでございます。
#67
○勝又武一君 これは文部省からいただいた資料なんですよ、私のところで調査した資料じゃない。皆様がこれはまさに一番知ってらっしゃる資料なんだ。だから、皆さんもっと詳しくこの辺知ってらっしゃる、分析をされて私はしかるべきだというように思いますね。
 そういう意味で今度は、公立の小学校が三・四時間で、公立の中学の教頭も六・五時間。もっとやっぱり確かに教科の担当いろいろあると思いますけどね、小学校の教頭というのはもっと授業をやるという配慮なり、仕組みなり、そのことはもっと重要じゃないんでしょうか。
#68
○政府委員(諸澤正道君) この表にありますように、中学校の場合は比較的特定教科を担当しますから、授業時数を持ちやすいという状況にありますけれども、小学校は教頭さんの場合、どういう形で授業に参加するか、これはやはり学校によっていろいろ事情があるんだろうと思いますが、先生御指摘のように、できるだけ教頭も何らかの形で授業を持てるように、今後とも指導をしてまいりたいと、こういうように思います。
#69
○勝又武一君 諸澤局長はこの道の大家です州ら、もう全くすべて御存じと思いますけれど、教頭の担当授業時間数が戦後三十五年間の推移を考えてみると、三十五年前からこんなでなかった、だんだんだんだんこの教頭の持ち時間数というのは減ってきてる、傾向としてそうだということはお認めになりますね。
#70
○政府委員(諸澤正道君) そのように考えております。
#71
○勝又武一君 これは諸澤局長おっしゃってらっしゃるとおり、三十五年間教頭の時間というのは、教頭も普通の教員と同じように授業をやってた。いろいろの原因はあるでしょうけど、だんだんだんだん少なくなってきて、文部省調査でもこのとおりだと。これは五十二年十月一日ですから、私は五十三年、五十四年、本年度と、この傾向は強まりこそすれ、減りこそすれ、ふえてはいない、そういうように思います。
 たとえばここにA県の調査がありますけどね、小学校の教頭で担当授業時間数がゼロだという人が八〇%、中学校でも担当授業時間数がゼロだっていうのは半分の五〇%、こういう県がありますけど、こういうような県についてどんなにお考えになりますか。あるいは、私の言ってるのは各県別に見ましてきわめて特異なのかどうなのか、その辺も教えてください。
#72
○政府委員(諸澤正道君) 各県別に調べたというのはないんですけれども、ただ、教頭さんの場合、学校規模別に調べましたのがございますが、これ見ますと、小学校の場合は、一学級から五学級ぐらいの比較的小規模の学校では多いんですね、八時間ぐらいやってるわけですけれども、十八学級以上というような大規模学校になると二時間弱というようなことで、この点の違いがございます。それに対しまして中学校の方は、学校規模にかかわらず、大体六時間から七時間やってると、こういう実情がございますんで、この辺はやっぱり学校の運営の仕方の違いではなかろうかと思うわけでございます。
#73
○勝又武一君 私がお聞きしたのはね、小学校で八〇%とか、中学で約五〇%とかね、小規模校がわりに多くて大規模校が少ないとかっていう、その傾向はさっきから出ていますように、こんなに、トータルでも公立の小学校は三・四時間しかないんですから、教頭は。平均すればこうなるんでしょうけれども、九時間の人と一時間、二時間の人でもこうなるでしょうけれども、ゼロというのがそんな多い県というのはどんなに思いますかということをお聞きしているんです。
#74
○政府委員(諸澤正道君) 私は、そういう県は適当でないと思います。
#75
○勝又武一君 そうしますと、確かに私も適当でないと思うんです。
 私は、原則としては教頭も教諭だと、こういう意味ではやっぱりできるだけ授業を持って子供に接していく。これは小学校でも中学校でも同じだと。そういう意味でむしろ教頭のゼロなんていうのをやめるためには、やっぱりある程度の最低の歯どめですね、逆に言えば。たとえば一般教員の持ち時間数の半分とか、三分の二とか、何かやっぱりそういうひとつ指導でもしないと、教頭さんの大部分が授業を全然持ってないというような実情はなくならないと私は思いますので、そういう指導ですね。いま局長も決してそういうことは、ゼロになっているのはいいと思わないとおっしゃっているんですから、何かお考えありませんか。
#76
○政府委員(諸澤正道君) 私どもの教頭の定数を算定する際の授業積算などは、一般教員の半分というようなことで考えておりますけれども、ただ、指導としてそれを全県に画一的に言うのがよろしいかどうか、その点はやはり各県の指導にまって、もっと積極的に教頭が授業を持つように指導してくれということを今後も強調してまいりたいと思います。
#77
○勝又武一君 それでは大臣、大臣にもお願いしたいんですが、いま局長から、教頭は大体半分、一般教員の二分の一ぐらいの授業を持つという積算基礎といいますか、根拠といいますか、そういいうのが一つあるわけですから、それをひとつやっぱり最低の歯どめにして、教頭というのはいろいろ他の職種がある、学校教育法三十八条にいう仕事もある、しかし、いま局長もおっしゃっているような、大体計策根拠としても、一般教員の二分の一ぐらいの授業を持つということをしているんですから、そういう趣旨をもっとこの際生かしていく、積極的に。最低の歯どめで、それ以下は一切ということにはいかぬかもしれませんけれども、そういう意味の積極的な指導というのをぜひお願いしたいと思いますが、この点大臣どうでしょうか。
#78
○国務大臣(谷垣專一君) 積算の基礎が二分の一になっておるから、そのままというようなのはちょっと私もよくわかりませんけれども、私はやっぱり教育の現場というものから、いつもそれを念頭に置いて、教育の実態そのものの経験を持っておるということは大切なことだと思っております。その意味におきまして、教頭が実際の教育をしていく、現場を担当していく努力をすべきだということは、私は当然のことだと考えております。
#79
○勝又武一君 主任というのには、文部省がお決めになっているものにいろいろありますが、たとえば教務主任とか、学年主任とか、そういう主任が担当授業時間数は少なくていいんだと、そういう何か法的根拠はありますか。
#80
○政府委員(諸澤正道君) 格別そういう法的な根拠はございません。
#81
○勝又武一君 文部省の指導としては、教務主任なり、学年主任なり、その他いろいろの主任がありますが、そういう主任がやる場合に、法的根拠はないというお話ですが、何かスタンダードといいますか、基準をつくったり、モデルをつくったり、そういう積極的な指導をされておりますか。
#82
○政府委員(諸澤正道君) 各主任の持ち時間について、どのぐらいがよろしいというような積極的な指導をしたことはございません。
#83
○勝又武一君 そうしますと、主任は教諭ですから、原則的には一般教員と同じ授業を行う。ただし、いろいろのそういう仕事の内容があるでしょうから、そういう意味での、そこの現場における実情というのはあるとは思いますけれども、原則はそうだというようにこの点も考えてよろしゅうございますか。
#84
○政府委員(諸澤正道君) 主任のときの検討をしました段階で、主任のうちでもたとえば教務主任みたいなものは非常に教務関係が忙しいんで、一般的には授業時間が少ないというふうに私聞いておりますが、そのほかの主任の方は、ただいま先生おっしゃるように、原則としてほかの教員と同じというふうに考えておりました。
#85
○勝又武一君 それで、もう一度文部省のこの表に戻りますけれども、大臣ちょっとおもしろい結果が出ているんです。といいますのは、校長と教頭のところは、さっき言いましたように私学の方が多いんですよね、受け持ち授業時間数が。今度は教諭の欄見てください。小学校で公立の教諭は二十二・四時間、これに対して私学は十八・〇時間ですよ。中学は公立の方が十七・九時間に対して、私学は十三・一時間。逆ですよね。これはなぜなんでしょうか。
#86
○政府委員(諸澤正道君) これも推測で申し上げるとまたおしかりを受けるかもしれませんけれども、公立学校の場合は、教諭といえば必ず毎日出てきて、一週四十四時間の勤務が服務上命ぜられるわけですけれども、私立学校の教諭というのは、服務の態様が恐らくいろいろあるんではなかろうかと。したがって、相当時間持つ方もおられるし、そうでない方もあるということではないか。といいますのは、小学校の場合などを見ますと、やっぱり私立学校の教員の配置を見ましても、そう公立の小学校と違わないわけですから、そう授業時数が少ないということは、実際は、平均した場合にはないんではなかろうかというふうに思うわけでございます。
#87
○勝又武一君 このところは私はきわめて象徴的だと思いますね。
 以上指摘をいたしましたように、校長、教頭の場合には、公立より私立の方が担当授業時間数が多い。教諭の場合には、公立より私立の方が担当授業時間数が少ない。この方があたりまえじゃないんですか。こういうように公立の方もあった方がより望ましいんじゃないかというように私はこの点思うわけです。なぜこう開いちゃっているのかというところに、私はわずか一枚の、文部省からいただいたこれから考えましたけれども、見ましたけれども、やっぱりいろいろな問題をこの中に含んでいるということを感じました。この点、ですからもう答弁をお聞きしなくても、大臣と局長のお顔色を見るとわかったような気がしますからね。こうやっぱりあった方がいいですよというように指摘をしておきます。
 そこで、次の問題に移ります。
 この数字ですね、教諭が公立で小学校が二十二・四時間、中学が十七・九時間。この表でいつも局長は私に答弁をされましたよね。ただ、私が率直に言いたいのは、この間も局長から、私は現場はそうじゃないよと言ったら、いやこのとおりですというように局長はいつもお話しになる。そこで、私は五十二年十月一日のこの文部省調査よりはるかに小、中の教育現場の実情というのは、特に教諭の担当持ち時間数が多くなっている、こういうように思いますけれども、局長いかがでしょうか。
#88
○政府委員(諸澤正道君) これは平均の授業時数ですから、そういう意味で多い方もおられるというのが一つと、それからもう一つ、これはあくまでも授業時数の平均ですから、このほかに特活、クラブ活動がございますので、それを加えますればもう少しふえるということは確実だろうと思います。
#89
○勝又武一君 これはB県としておきましょう。B県で小学校で三十時間の人が二四%、同じく小学校で二十八時間から二十九時間持っている人が四〇%、これは全国の中でも多い方だと私も傾向として思いますけれども、こういう県の実態調査が出ている点については、局長はどんな感想をお持ちになりますか。
#90
○政府委員(諸澤正道君) 今度の指導要領では大分授業時数が減りますけれども、小学校で言いますと、一年が二十五時間、二年が二十七時間、三年が二十八時間、四年が三十一時間、五、六年が三十三時間ですから、それと授業時数の対比で見れば、確かに一人の先生が一学級の教科を全部教えれば、三十三時間ということはあり得るだろうと思います。
#91
○勝又武一君 標準的なところで少し、ここは大体標準だというのを、私もそういうことは少しいままで調査もしてきましたのでわかりますので、大体この辺が標準だというところのある地区です。たとえば、仮称D地区と、こう呼んでおきますと、ここは二市一部のところです。郡の方は一つの町しかない。大体七万都市と二十万都市と、それから一万五千ぐらいの町としましようかね、ここのところを、小学校と中学校としますと、傾向としまして小学校で二十五時間から二十八時間の持ち時間数に圧倒的に集中していますね。中学でも二十二時間から二十五時間、この辺に圧倒的に持ち時間数の多い層が集中をしています。こういう傾向は局長お認めになりますか。極端な例でないという意味です。
#92
○政府委員(諸澤正道君) 私どもの調査は、先ほど申しましたように授業時数だけで調査しますとこのような数字が出ておりますんで、いま先生が御指摘のように、全部の授業時数をとった場合に、県によってはそのくらいの数字になるというのは、私どもとしては正確に調査してございませんので、お聞きしておいて、ひとつまた検討してみたいと思います。
#93
○勝又武一君 そうしますと、ぜひ御検討いただきたいと思いますが、私は特異な、特別ひどいというところを事例に挙げたんじゃない。全国大体この辺が標準的だというのを一つのモデルに挙げまして、それから文部省のこの調査と比較をしますと、大体小学校でも中学でも五時間ぐらいの差が出てくるわけですよ。そうしますと、一番最初に局長に御確認をいただいた勤務時間の中で、授業を一時間行うために事前準備、教材研究、事後指導の一時間の確保ということは大変困難になる、こういうように考えますけれども、この点はどうでしょうか。
#94
○政府委員(諸澤正道君) いまの点、もう少し補足しますならば、現在の標準法でも、学級規模によっては相当専科教員の配置もございますし、それから御指摘のように、校長、教頭がある程度授業を持ってくれれば、もっと少なくなるはずではなかろうかという気はいたします。
 それから、先生がそれだけの授業時数を持って、一時間の事前事後の準備をするのは大変じゃないかという御指摘、私はそのとおりだと思います。非常に一生懸命やっていただく方にとってはなかなか大変なお仕事だろうと、かように思います。
#95
○勝又武一君 そこでお聞きをしたいんですが、学級編制の四十五名、これが一番議論ですけれども、学級編制の四十五名というのは最高規制ですね。
#96
○政府委員(諸澤正道君) 最高規定といいますか、いまの法令上は「標準」ということになっています。
#97
○勝又武一君 こういう意味なんですよ。一クラスの子供が三十人とか、三十二人というところもありますよね。ところが、四十六名を超したら二クラスにすると、こういうことですから、そういう意味では最高規制ですね。平均ではない。
 五十三年度の一学級当たりの小学校と中学は何人になっていますか。
#98
○政府委員(諸澤正道君) 平均しますと、小学校が三十三人、中学校が三十七人くらいであったかと思います。
#99
○勝又武一君 小学校が三十三・二人、中学が三十七・一人ですね。これは皆さんの方の調査ですから。そうしますと、やっぱり平均すれば五十三年度でも小学校は三十三・二人、中学は三十七・一人だと。しかし、四十五名以上はいけませんよというのは最高規制ですね。学級編制の方はそうやっている。ところが、教員の持ち時間数ということになると、さっきからもうおわかりのように、平均時間ですよね。片方は平均時間数で、中学は十八時間ですよと、こうおっしゃっている。ところが、現実は二十五時間やっている教員が圧倒的に多い。十八時間ならば、計算上研究時間が一時間確保できると、こういう答弁をされている。いつも堂々めぐりなんだ。ところが、二十五時間やっている人は一時間確保できないでしょう。そういう意味で、私はやっぱり平均時間ではなくて、担当授業時間数についても、この際事前準備、教材研究、事後指導の一時間を確保するためには、受け持ち授業時間数、これの最高を規制しないと意味がないんじゃないか、そういうふうに思いますけれども、この点はどう局長思われますか。
#100
○政府委員(諸澤正道君) 実態は確かにそうあるべきはずだというのと比べて、かなり違った幅があることは事実だと思いますけれども、われわれの仕事としては、やはりそれぞれの学校の学級規模に応じて、専科教員なり、教頭なりという方が授業をしてもらうことを前提に教員配置をしておりますから、したがって、その配置された教員の中で、お互いの先生ができるだけ余裕を持って準備活動ができるように、教育活動を展開するというのは、やっぱりその中で各校が工夫していただかなければいけない課題ではなかろうかというふうに私は思います。
#101
○勝又武一君 この担当授業時数の最高規制を行ってはいけないという理由、あるいはそういう法的根拠は何かありますか。
#102
○政府委員(諸澤正道君) 別にないと思います。
#103
○勝又武一君 それがなければ、私はやっぱりこの際、担当時数の最高を規制する方法について文部省で検討いただきたい。それの検討ができなければ、授業を一時間行うために事前準備、教材研究、事後指導で一時間の確保ができない人について、属人的にその代替措置を講ずべきだと、保証をすべきだと、こういうように考えますけれども、こういう考えは間違いですか。
#104
○政府委員(諸澤正道君) 確かにその担当授業時間数の適正化を図るというのは一つの課題だろうと思いますが、これは大変失礼なことを申し上げるかもしれませんけれども、私は学校の先生が、先生おっしゃるように、十分な授業を展開して、それに必要な準備を皆さんがしておれば、それはいい課題だと思いますけれども、現実に私のところなんかへ来る話では、あの先生は学校へ行って授業やるのかしらぬけれども、家へ帰って何も勉強してないじゃないかと、こういう先生もおられるので、その先生がやはりもう一方では確実に自分の担当授業は授業をするんだと、こういう前提を一方に置かないと、担当時間の最高を規制するというだけでは私はいい授業は確保できないと思います。
#105
○勝又武一君 いま一番おしまいの局長おっしゃっている点は、何か私も属人的ということを言いましたけれども、一つ、二つの個別例の問題ではなくて、やっぱり教育全体の問題ですから、そういうようにぜひこの点はお考えいただきませんと、また非生産的な議論をするのは私好みませんので、これはぜひ、あたりまえのことなんですよ、そんなことは。教員の授業というのは命なんですから、教員が授業をやるために勉強する、研究する、研修するというのはあたりまえのことなんです。そういうことでぜひひとつ理解をしていただきたい。
 それでは次に、小学校の専科教員という問題に移りますけれども、この専科教員というものの法的根拠は何かありますか。
#106
○政府委員(諸澤正道君) 専科教員を置くという法的根拠はないと思いますが、ただ、いまの免許法では、附則だったと思いますけれども、小学校の音楽、図工、体育、家庭については、小学校の免許状を持ってなくても、それぞれの中学校の免許状を持っていれば、小学校で教えられますと、こういう規定がございますから、それを活用して、いまのような専科教員を置いておるという実情でございます。
#107
○勝又武一君 小学校の五年生と六年生の週の授業時間、局長はさっき三十三時間というふうにおっしゃいましたね。だから三十三時間を全部持つということは、先ほどの研究時間を一時間確保するという趣旨から、そのこと一つを見ても、あるいはもっと別のいろんな要素を含めても、一人の人が三十三時間やるということは好ましくないんで、もっとやっぱりいろいろの工夫をする必要がある、こういうふうに考えますけれども、その点は同感でしょうか。
#108
○政府委員(諸澤正道君) 一般的に言えば、小学校の高学年については、いまの専科担当の教員を活用して、特定教科はその先生にお願いするというような形で、三十三時間まるまる持つという例は、私は少ないんではなかろうかというふうに考えておるわけです。
#109
○勝又武一君 これはイギリスの場合のことを少し資料で見ますと、こういう個所が一つ目についたんですが、初等学校の年少児童の学級、この場合も二人以上の教員の指導を受けることがきわめて適切であると、こういう状況がありますが、これらについて局長はどんな見解を持たれますか。
#110
○政府委員(諸澤正道君) 私は専門じゃありませんけれども、教育の雑誌や本などを見ると、おっしゃるように、一つのクラスを正教員がおって担当し、補助教員がいてさらに細かい指導をするというようなことが望ましいというようなことはございますから、確かにそういう面はあるんだろうと思います。
#111
○勝又武一君 これは一学級に二人いますと、財政的にも相当大変なことですよね。どこのクラスも二人の先生が全部つきっきりで教えておると。日本でもそれに近いところが国立の付属なんかであるようですけれども、それは別にしまして、私がいま取り上げているのは公立の普通の小・中学校の場合です。やっぱり私は二人が受け持つという意味を、一クラスに二人の教員ということではなくても、二十時間と十三時間とか、そういう工夫ですね、小学校の高学年においてもこの議論を発展させれば、ある程度の教科担任、そういうことが専科教員という枠をもう少し超えて、いろいろ職場では出てきているんじゃないかと。たとえば最近の理科等を取り上げてみますと、むしろやっぱり小学校の五年生、六年生の理科も、ある程度そういう専門的な理科も、何というか、相当得意とする人がやった方がいい。そういう意味での交換授業だとか、いろいろ工夫した状態がいま職場の中にあると思うんですね。そういう意味で、一人の教員が一クラスを全部受け持つということよりは、小学校の場合においても、いろいろそういういまやっている専科教員の枠をもう少し超えるなり、現場で工夫されている交換授業というふうなことを超えるなりして、ある程度中学の教科担任まではいかないにしても、その中間ぐらい、そういう意味の小学校高学年における教科担任制の範囲を拡大をしていく、そういう意味の指導なり、研究なり、そういうことをやっぱりやっていかないと、先ほどの担当時数と、研究時間の確保ということが生まれてこない。局長のように人を信頼しないなんてことはやめていただいて、やっぱり人間は信頼しなきゃ教育は成り立たないんだから、一人や二人の例は別にして、みんな研究し、勉強する人が多いんだから、そういう意味の工夫なり、検討というものはどうなんでしょうか。
#112
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるように、現場の方や専門の方のお話を聞きましても、小学校の高学年は専科的な教育の方がいいんじゃなかろうかというような御意見もよく聞きます。したがいまして、将来の初等教育のあり方として、そういう方向について検討するということは私は大いに必要だと思います。ただ、現段階で、世界の各国の初等教育の状況を見ましても、大体小学校課程というのは全科担任のたてまえのようなんですね。だから、そういうものも踏まえながらひとつ検討をしてまいりたい、かように思います。
#113
○勝又武一君 そこで具体的に今回の定数改善の内容ですが、今度の法案を見ますと、現行六から八学級の学校の一人未満というのを、一人確保、こういうことだと思いますが、つまり一・〇以下のコンマ以下を端数を切り上げて一にしたと、こういう程度が言われている専科教員の拡大だというように思うんですけれども、これでは一体改善とは言えないんじゃないか、この程度では。そういうように私は思いますが、いかがですか。
#114
○政府委員(諸澤正道君) まあ全体としてこのために増員するのが二千七百六十七名でございますから、数が少し少ないじゃないかという御指摘であろうと思いますが、この専科教員の問題は、御承知のように、第一次改善から毎回少しずつ前進をさせてきたという経緯がございますので、現段階ではこれでやっていただきたいと、かように思うわけであります。
    ―――――――――――――
#115
○委員長(大島友治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、福間知之君が委員を辞任され、その補欠として松前達郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#116
○勝又武一君 次に、免許外、俗に無免許運転と言うのですが、この免許外授業担当の改善について、五学級の学校で九人保障、これを今度は三、四学級について九人保障、こういう改善ですが、この法案は。この数字は校長、教頭を含んでいる。この程度では免許外の解消にはならない、そう私は思いますが、いかがですか。
#117
○政府委員(諸澤正道君) 免許外解消というのは、これなかなか現実にはむずかしい課題なんですね。仮に各教科、九教科の専門の免許状を持っている人を全部そろえたとしても、授業時数が違いますからね。音楽とか、美術とか、社会ではまた違うということがありますので、私は今回の改善で、一学級で、校長も含めますけれども、五人、二学級で七人、三学級以上は九人ということは、現段階で考えましたときには、まずなし得る最善の措置ではなかろうかというふうに思うわけでございまして、あとは先生御指摘のように、教員の配置というものを十分工夫していただいて、できるだけ皆さんの負担を公平にしながら、専門的な授業ができるようにひとつ工夫をしていただくということでやっていただきたいと思っているわけです。
#118
○勝又武一君 これは大臣ね、後で触れますけれども、私はきょうは養護教諭の問題とか、あるいは学校事務職員とか、あるいは幼稚園の問題とかね、幾つか触れたい問題があとありますけれども、特にいま言っている免許外ですね、それから先ほどもちょっと触れました専科の問題等、大臣の所信表明にもあるわけですけれど、本当に教育にはきめ細かい配慮というものが必要ですね。そういう意味で、四十五名を四十名という、九年を十二年とか、そういう問題が、児童、生徒数の増減とか、過疎と過密の関係とか、財政とか、こういう中で来ていますね、議論の主流みたいなのが。ところがそんなことと余り関係ないわけですよ、正直言って、こういう問題は、免許外というような問題は。少しお金を奮発すればやれるはずなんです。こういうところこそ私は、後でも幾つか指摘しますけれど、お考えいただきたい。という意味は、僻地の中学等に行きまして、一番最初に言われるのはこういうことなんですね。若い体育の教員が来ましてね、そして私は新卒の中学の体育の先生だと、何を持たされているのかと言ったら、英語を持たされたと言うんです。これはやっぱり若い新卒の教員が、免許状もない英語を担当するときの悩みなり、苦しさなり、それこそ局長のさっきの言葉ね、お言葉お返ししますけどね、どれだけうちへ帰って勉強しなければやれないか、おわかりいただけますか。教員が遊んでいるどころじゃないと思うんですよ、この場合の体育の、免許状のない教員が、新卒でですよ、しかも英語を持たされたという場合に。こういうやっぱり現場の苦しさを、まさにぼくはときどき言うけど、雲の上の文部省がおわかりいただきたいと。本当にこのことがわかっていただかないと、こういうきめ細かい免許外の担任というもののスピードを上げていただく、このことをぜひお考えいただきたいと思うんですけどね。御感想はいかがでしょうか。
#119
○国務大臣(谷垣專一君) 御指摘のように学級編制、つまり四十五人を四十人にするという問題と少し対応の性格が若干違ってくるかもしれません。しかし結論的には、やはりそこで充実した教育がやれるという意味におきましては同じ問題に帰着することと思います。
 御指摘のように、ことに経験のない諸君が自分の、いわば先生のお言葉で言えば免許外のところをやりまして、これはまあ確かに自信も十分ありませんし、ずいぶん苦しむことだと思っております。それは大変な苦労をすることと思いますが、これらの問題につきましては、先ほど局長の方からもお答えをいたしておりますように、何次かの改善にわたりまして極力こういうものを解消するように努力をしておるわけでございまして、今後もこの努力は御指摘のように続けていきたい、そういうふうに考えております。
#120
○勝又武一君 きょうは四月二十四日ですね。小・中学校行きますといまごろ、普通授業以外にいま大体どんなことが行われているというようにお考えになりますか。大体四月の十五日から二十五日のこの十日間ぐらいの間に。どうですか、局長。
#121
○政府委員(諸澤正道君) ちょっとわかりません。
#122
○勝又武一君 この間行ったんですよ、十七日、十八日とね、小学校と中学校へ行きました。そうしましたらね、学期初めだということはぼくの頭の中にもあるけれど、やっぱり行ってみてびっくりしますね。何が行われているか。一つは、すぐ健康診断やってますよ、いまは。それからPTAの総会の準備とか、それから修学旅行の準備とかね。ぼくもけさ九時に、富士山のふもとの小さい学校の子供たち来ましてね、六年生が。さっきお話ししてきたんですけれどもね、そういうことが行われている。その準備みんなやっている。なかなかいろいろなことがありますよね。
 ところが、健康診断で心電図を実施しているという小学校一年生は、これはどのくらいありますか。これはどなたかわかりませんか。小学校の一年生が大臣ね、心電図をやってんですよね。
 それからね、中学校へ行ったんですよ。これは一年がまあ三クラスと考えてもらっていいですかね、九クラスあるいは六クラスぐらい。一年が三クラスで、九クラスの中学ですね。あるいは一学年が二クラスで、六クラスの中学。この六、七、八、九ぐらいの中学へ行きましたらね、やっぱり玄関入って行ったら、全部こう並んでいるんだ。何だって聞いたら、やっぱり健康診断なんだ。この健康診断をやっている六クラスとか、七クラスとか、八クラスとか、九クラスぐらいの中学校の健康診断、昔は体格検査だったですね、ぼくらの旧制中学のころは。いまや体格検査ではなくって、どうなんですかね、機能検査に移っている。つまり、小学校の一年生が心電図やるくらいですから、中学もなかなか、私も余り知りませんでしたけれどね、大分変わってきてますね、ぼくらの中学のころとは。機能検査ですよ、もはや。こういうことは御認識されておりますか、局長。
#123
○政府委員(諸澤正道君) 私は、所管外ですから正確には知りませんけれども、確かに最近は低年齢児の心臓疾患のようなのが出てきたので、学校保健法の健康診断の規定かなんか改めて、心臓の検査をするようなこともアイテムに入れておるというようなことは聞いたことがございます。
#124
○勝又武一君 ここに調査があるんですけれどもね。これは養護教諭のある団体がつくられた調査なんです。この養護教諭の方は、最近の子供たちの健康異常についてどの程度認識しているか調べてみましたら、病名だけで大臣、六百の病名が出てきたというんですよ。小・中学校の子供たちの健康異常についての調査をやったら。しかも、いまは御存じのようにいろいろな非行がありますね、非行の問題がますます低学年化してきている。こういうこともある。大変な状況の中で、ここからなんですよ、私の言いたいのは。もうおわかりでしょう。養護教諭がいないわけですよ、私の行ったこういう学校は。頭の中で考えていた大変さは、そこの学校、十四か十五校一日にずっと回りましたけれども、しみじみ思いましたね、養護教諭のいない大変さというのは。この六クラス、七クラス、八クラス、九クラス。これは県によっては七クラス、八クラスで養護教諭が配置されているところもありますね。まあ四分の一で、あとの七五%ですか、以下がまだ配置になっていない点もあるでしょうから、各県によっては違うでしょうけれども、この大変さを思いますと、やっぱり養教の配置というのをできるだけ急ぐべきだと、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
#125
○政府委員(諸澤正道君) 養護教諭の配置改善につきましては、御承知のとおり今回の十二年計画によりまして、四学級以上の学校には全員配置と。それから、三学級についてはその四分の三に配置ということでございますが、現実の問題としては小・中隣接校等も大分ございますので、それといまの無医村、無医地区に対する学校規模にかかわらざる一名配置という、これを計算に入れますと、十二年間にほぼ九八%の学校に配置されると、こういう計算になるわけでございます。
#126
○勝又武一君 そこで大臣にさっきから言っていたんですよ、何でこれ十二年なんですか。気の遠くなる話ですよ。私が十七日、十八日と現場を回ってきたときに感じたことは、そこはもうちょっと早いかもしらぬけれども、いま局長が答えていらっしゃるように、確かに三学級、四学級以上のところはそうでしょう。でもまだ三学級以下は四分の三ですよね。その問題も残りながら、なおかつそれが十二年間たってからそうなるんだという話ですよ。十二年間といったらまだ生まれてない子供が計算の中に入る。だから、やっぱり私が出つきから言っていますように、何で十二年計画の中へ養教や事務の改善、こういうものまで全部十把一からげに入れなければならないのか。この問題切り離して、この四十九年の附帯決議にも明らかじゃないですか。何でこれ切り離して、養教と事務の全校配置というのは十二年なんて言わないで、もっとやったらいいんじゃないですか。大平総理がこれどうしたって反対するんですか、私はそうじゃないと思う。この辺はいかがですか。
#127
○政府委員(諸澤正道君) 十二年間というのがきわめて長いという御指摘だろうと思いますが、矛の点について言えば四十人学級でもできるだけ速やかにやりたいということで、われわれ当初の案は九年であったわけですけれども、それを全体として十二年に延ばしたわけでございますから、したがって、その教員の配置の改善につきましても、養護に限らず、その他の教員についても十二年でやるということで、いわば計画の一貫性を持ってやろうと、こういう立場に立ったわけでございます。
#128
○勝又武一君 就学時の健康診断というのは一体だれがやるんですか。これは法的根拠はどうなっているんですか。
#129
○政府委員(諸澤正道君) これは私もうろ覚えですけれども、学校教育法の施行規則に、毎年十月の、今度の改正で十月の初めまでに学籍簿をそろえて、そして十一月中、今度はたしか早まって十一月中に教育委員会が健康診断をやる、こういうたてまえになっておったと思います。
#130
○勝又武一君 予防接種はどこの守備範囲ですか。
#131
○政府委員(諸澤正道君) 予防接種そのものは厚生省の所管の仕事だと思います。
#132
○勝又武一君 学校安全会の仕事を養護教諭がやらなくちゃいけないという法的根拠はありますか。
#133
○政府委員(諸澤正道君) 養護教諭の処遇については、学校教育法で「養護をつかさどる。」となっておるだけでございますから、具体的に何と何が職務だというような明細な規定はなかったと思います。
#134
○勝又武一君 ところが大臣、いま私が挙げたような就学時の健康診断、予防接種、学校安全会の仕事、こういうのはみんな養護教諭がやっているわけです。養護教諭がいないところは一体だれがやっているんでしょう。一般の先生がやるしかないんじゃないですか。しかも、養護教諭の兼務という問題もございますね。いまでもまだ全国的にはあるんじゃないんでしょうか。つまり、何というか、発令は一つの学校になっていますけれども、文部省が考えているような小、中くっついている、そういうところじゃなくて、ある一定の広範囲な地教委、市町村教育委員会――町村合併していますから相当いま広い範囲になっている。三十キロや五十キロぐらい行かなくちゃ行けないところもありますよ。私のところでも、県内でも、同じ町の中だけれども、車で一時間ぐらいかからなきゃ行けないところがある。そういうところに地域配当と称して、一人で五校、六校も養護教諭が兼務をしているというようなことの事実も、まだ全国的にも残っているんじゃないですか、その辺どうでしょうか。
#135
○政府委員(諸澤正道君) 兼務の実態については、恐らく調査資料はないと思いますけれども、おっしゃるように、兼務をしている養護教諭のおられることはわれわれも承知しております。
#136
○勝又武一君 これも四十九年の附帯決議の、先ほどの次の五項、ここには「養護教諭及び事務職員の全校配置と二人以上配置のための学校教育法の改正を図るとともに、」と、こういうことで非常に強調されているわけです。
 それからもう一つは、先ほど局長は、四十名の問題も文部省としては九年計画で急ぎたかったんだというお話がありましたけれども、四十名の場合には市町村教育委員会の方からやれ教室をどうするとか、こういういろんな議論があってこうなってきている。ところが、これないんじゃないですか、養護教諭の方も、学校事務職員の方も。そういう教室をふやすとか、そういうような問題とは事柄が違うんじゃないんですか。
#137
○政府委員(諸澤正道君) 教室をふやす必要というのも結局財政の問題でございますから、そういう意味では、やはり十二年に延ばすことによって、財政負担をできるだけなだらかにしようと、こういう趣旨でございますから、そういう意味では教員配置もやはり同じようなことであろうかと思います。
#138
○勝又武一君 先ほど、私は特に校長、教頭、一般教諭の公立と私立との差の問題を資料で申し上げましたが、今度は学校事務職員につきまして、国立と公立との差、これはやっぱりちょっと差が大き過ぎるんじゃないか。非常に国立に厚くて、公立の学校事務職員、特に小・中学校の学校事務職員と国立との差というのは大き過ぎるというように思いますけれども、局長はどうでしょうか。
#139
○政府委員(諸澤正道君) 実態の認識としては確かに付属学校の方が事務職員は多いように私も思っております。
#140
○勝又武一君 なぜ国立がよくて公立がそう悪いんですか。
#141
○政府委員(諸澤正道君) 沿革的な問題だと思うんです。結局、公立の場合は戦前から事務職員というのはきわめて少なかったようでございますし、付属学校の場合は全国的に数も少なかったということもあるんでしょうけれども、ある程度当初から事務職員が設置されておった、こういう経緯だと思います。
#142
○勝又武一君 先ほど教諭の担当授業時間数のことを申し上げましたね。もう一つここで別の要素が加わってくるわけです。つまり、学校事務職員と養護教諭がいる学校と、いない学校の教諭の担当時数と研究時間の問題です。事柄はきわめて単純ですよ。さっきは一般的な中で私立と公立との比較を申し上げたり、あるいは校長、教頭、教務主任、学年主任、そういう主任の時間数が減ってきているから、その他の教諭の受け持ち授業時間数が多くなってきているんだということを私は指摘をしている。それはできるだけ直していこうという御回答をいただいている。それは一般的に言った中の問題です。ところが、今度は、学校事務職員と養護教諭が配置されていない学校の教諭の場合には、もう受け持ち授業時間数と研究時間という問題はさらに大変になるわけです。そうでしょう。それこそうちに帰って勉強しなきゃとてもじゃないけれどもやっていけないような実情にあるわけです。そういう意味で、学校事務職員なり、養護教諭がいない学校の教諭の担当時数なり、研究時間なり、そういうことが、学校事務職員、養護教諭がいればやらなくていい仕事をやっているわけですから、必ずそのしわ寄せがそこへ行っているわけです。その辺についての認識なり厳しさというものがやっぱり文部省に欠けているんじゃないですか。
#143
○政府委員(諸澤正道君) 先ほども申し上げましたように、事務職員も養護教諭も今度の改善でほぼ九八%の学校に配置されることになるわけでございまして、ごく小規模の学校についてはどうかということですが、この点は、先ほど御指摘がありました四十九年の附帯決議でも、ごく小規模の学校は例外としてというふうにたしか書いてあったかと思うんですけれども、その趣旨は、一学級、二学級の学校というのは、子供の数も十人前後ぐらいなんですね。ですから、大変ではございましょうけれども、やはりそういうところまで現段階で養護なり、事務なりを一人ずつ完全に配置するということは非常にむずかしい事態でございますので、担当の先生方に御協力をいただかなきゃならぬ、こういうふうに考えておるわけです。
#144
○勝又武一君 大臣も、なかなか、はいそうしますなんということは答えにくいと思います。事情はわかります。つまり、私が指摘をしているのは、十二年計画と別に、学校事務職員と養護教諭の問題は切り離して、もっとその期間を短縮してやってもらいたい。これはもう四十九年の附帯決議から雷っても、私がいまるる現場の実情を訴えている点からいってもごくあたりまえだと。大蔵省とあっちのところがなけりゃ文部大臣よくわかったと言ってくれるところなんですけれども、なかなか大臣そこまで言えないんでしょうけれども、実情はおわかりいただけたでしょうか。るる私が申し上げたこの学校事務職員と養護教諭がいない学校、そこの学校の実情というのは、大臣認識していただけたでしょうか。
#145
○国務大臣(谷垣專一君) 私の選挙区もずいぶん山の中で、小さい学校があるわけでございますので、そういう事情はそういう意味で知っております。文部大臣として改めて見たわけじゃなくて、そういう意味じゃよく存じております。あの四十人学級の問題とこの問題とが、先生がおっしゃるように若干性格が違うじゃないか、あるいは議論をする筋道が若干違うじゃないかという御指摘は、私もある程度わかるんです。ただ、大変皆さんからぜひやれという御希望の強かった四十人学級という問題を、今後の問題として、この財政状況のまずいときにやっぱり主流に置いて、それからいま先生が御指摘された問題も一緒に議論をせなければなかなかこの問題が進まなかったという事情がございます。その事情をいま申し上げても仕方のないことでございますけれども、そういう事情がありましたことを一つ申し上げておきたいと思いますし、先生の御指摘になっております問題点があることも、私も及ばずではございますが、よくわかっております。
#146
○勝又武一君 学校事務職員と養護教諭の問題につきましては、私はやはり十二年でやるという、そういうきわめて気の遠くなるような話では納得できません。ですからこれは、別途議員立法と言いましょうか、別途の法案をひとつ準備をして御審議をいただきたいということで、ごく近いうちにこの学校事務職員と養護教諭の全校配置についての法案については準備をして、提案をして御議論いただきたい、できるだけ早くこの全校配置をやるべきだというように思いますので、この問題はここで終わりたいと思います。
 次に、小・中学校での四十五名が四十名になるということに関連をしまして、幼稚園の設置基準の問題についてお伺いしたいんですが、幼稚園の設置基準というのは四十名以下と、いまそういうようになっていると思いますが、そうなんでしょうか。
#147
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるとおりでございます。
#148
○勝又武一君 原則として四十名以下というのが正確だと思いますが、原則として四十名以下となっている実態ですね、これは一体どうなんでしょうか。
#149
○政府委員(諸澤正道君) 実態は、昭和五十四年度では約三十二・六人ですね、全国平均しますと。
 それで、これは四十九年度が三十四・六人ということでございまして、なお公立と私立を比較しますと、公立の方が若干少ないというような実態でございます。
#150
○勝又武一君 その調査を後でまた見せていただきたいのですが、どうも私らの調査と大分違うんですよ、大臣。ぼくらの方だと四十名以下ということになっているんだけれども、大体四十名ぐらいが圧倒的に多いわけですよ。この辺もまたひとつ、文部省調査というのはお金をかけている調査でしょうから信頼したいところですけれども。
 そこで、現在の幼稚園の設置基準ですね、これはいつごろからですか。――学級編制のことだけでいいですよ。四十名以下という学級編制を決められたのはいつからですか。
#151
○政府委員(諸澤正道君) 設置基準が省令として公布されたのは三十一年でございます。
#152
○勝又武一君 三十一年というと、だんだんぼくも思い出すんですよ、そのころの小学校、中学校の学級編制をどうしたかというのを。二十九年ごろは、私のいた県は小学校が六十四、中学が五十六、八、八、六十四、七、八、五十六と言ったのでよく覚えているのですよ。そういう時期がありましたよ。それとあんまり違わないのですよ。その時期に幼稚園は三十一年にすでにもう四十名以下と、そのころ恐らく小・中学校は五十五とか、五十とか言ってた時期ですよ。だから、その小・中学校が四十五が四十になろうというこの時期に、幼稚園の設置基準はそのままでしょう。どうなんでしょうか、小学校が五十名とか、五十五名と言っていた時期に幼稚園はもう四十名以下と言っていたんだから、そのバランスからいけば、四十五と言ったときに三十五ぐらいになっていて、今度は四十と言うんだからそのときは三十ぐらいになっていてしかるべきだというように思うんだけれども、もう二十何年そのままで、今度もまたそのままというのは余りにもこれつれない話じゃないんですか。
#153
○政府委員(諸澤正道君) 御承知のように、幼稚園は全く市町村の設置、運営にかかっておるわけでございますから、そういう意味では公立の小・中学校とは運営上の性格を異にしておりますので、この基準の考え方というのもそういうことを念頭に置かなきゃいけないわけですが、おっしゃるように、四十人と決めた時代には小・中学は五十人程度であったわけでありますし、それとの比較のみならず、幼児教育というものはどのくらいの規模でやったらよろしいかというようなことについては、いろいろ専門家の御意見もあるようですけれども、四十人のままでずっといいということでは私は決してないと思いますんで、これは今後の検討の課題にさしていただきたいと思います。
#154
○勝又武一君 一九六一年国際公教育会議で採択された「就学前教育について」、これではどのぐらいのことを言っておるんでしょうか。
#155
○政府委員(諸澤正道君) 私は承知しませんが、いま担当者に聞きますと二十五名とかいう話です。
#156
○勝又武一君 一九六一年というと、これももう大分前の話ですね。国際公教育会議、ここで一九六一年、もう十九年も前に決めたのが二十五名。幼稚園というのはなかなか大変なんですね、私もときどきは行くのですけれども。三歳児、四歳児、五歳児でしょう。これは大臣、この間私、あれは幾日でしたか、二十二日の予算委員会の一般質問で幼保一元化についてお聞きしましたね。それで大臣と厚生大臣と両方に幼稚園と保育園の問題をお聞きしましたね。あのときに私はしみじみなんてまあ厚生省というのもつれないかと思いました。ああいう答え方でいいんだろうかというように思ったんですけれども、実態は三歳児、四歳児、五歳児については同じですね。そこで、三歳児も四十名。この公教育――これから考えましても、三歳児では大体二十名以下、四歳児、五歳児は二十五名以下、このくらいが妥当だという話が、これは遠い国の話じゃなくて、わが国の中で大体いま定着しつつあるあれじゃないんでしょうか。どうでしょうか。
#157
○国務大臣(谷垣專一君) これも私もまだ詳細に検討しておる知恵があるわけじゃございませんのであれでございますけれども、御指摘のように、幼稚園のあの年齢層では、数をもう少し減らしていいんではないかということは、きわめて常識的でございますけれども、そういうふうに正直感じます。これからひとつ検討さしていただかなきゃなりませんが、とにかくことしは義務教育の四十人学級のところをまずやっていかなければとても動けない状況でございましたので、それが主点になりました。幼稚園のあの年齢層におきましても、もう少し数を少なくすべきであるという御指摘は、これは重大なこれからの検討事項にさしていただきたいと思っております。
#158
○勝又武一君 そこで大臣にお願いしたいのは、まさにこれは大臣の手の中にある。法律じゃないんです。四十五名を四十名の方は法律ですから国会の審議ですけれども、この幼稚園の設置基準は大臣が手の中に握っていらっしゃるんで、文部省でお決めになることなんです。文部省で決められる範囲内の問題でありますから、もう局長がいいと言って、大臣がいいと言えば、これはすぐできるんですよ。あしたにでもできるんです。ですから、いま大臣は検討されるとおっしゃるし、局長もその点は四十五を四十にする時期だし、もう二十年もずっとそのままになっている話ですから、検討するというお話でありますので、この点まきに大臣と局長の御意見が一致していますので、国会で決める範疇の話ではございませんので、文部省だけで決められる話でありますからね。ぜひひとつ早急にこの点は御検討をいただいて、いまの大臣と局長のおっしゃっていらっしゃる趣旨が生きるようにぜひお願いをいたしたい、そう思います。
 そこで最後に、時間もだんだんなくなってまいりましたので、ここから本題に入るわけですけれども、ですから、大体私は八時間ぐらい必要だというように申し上げていたのはそこにあるわけですけれども、きょうは時間が少なくなりましたので、四十名学級、学級編制の問題、あとわずかになっちゃいましたが、お聞きをしたいと思います。
 この点も、三月十四日の予算委員会の総括質問と、三月十八日の大臣の所信表明に対します質疑でお聞きをしましたので、基本的なことはそこでお聞きをしているつもりです。ですからその中のうちで、特に本日は一、二関連をしまして再度お聞きをしたいと思います。
 私は予算委員会の総括質問で、この教育の機会均等に著しく反する、そういうことになると、今度のやり方は。これは第一に申し上げました。大臣からいろいろその点での答弁もいただきました。あるいは大蔵大臣なり、大平総理からもあの席上でございました。しかし、文部省としてはこの十二年間はやっぱり責任を持ってやられるわけですから、そういうこの教育の機会均等を失するという、著しく反していくという事態については、やっぱりこれからの対処の仕方なり、あるいは克服する手段なり、こういうことはやっぱり私は教育上考えないといけないんじゃないか、こういうふうに思いますけれども、この点はどうでしょうか。
#159
○国務大臣(谷垣專一君) 機会均等を貫くということは、御指摘をまつまでもなく大切なことだと思っておるわけでございますが、そのときの御質問にもお答えをいたしたかと思っておりますけれども、いまの文教の流れの中におきまして、大変財政的な問題いろいろございますけれども、四十人学級をまずとにかく出発させるということがより大切であるという観点、ほかの条件考えなきゃいいんですけれども、ほかの条件もやはり考えざるを得ませんので、そういうところにまず重点を置いたわけでございます。そして、御指摘がありますように、小・中学の場合は、まだかなり生徒数の増がしばらく続きますから、それに対応するやり方も四十人学級の問題ともにらみ合わしながらやっていかなきゃならぬ、こういう時期がある期間までは続くわけでございます。そういうことを考えまして、まず四十人学級を出発させるというところに重点を置きました。したがいまして、いま先生の御指摘のような、平等な機会を与えるということについて若干ちぐはぐな形で、先行するものと後に来るものというようなことが起きましたのは、これはやむを得なかったと思っておりますが、本来ならば全部一緒にいければそれはそれにこしたことはない、こういうことでございます。
#160
○勝又武一君 これもその際に再三指摘したことでありますけれども、従来は計画年数につきましては五カ年方式でしかやってこなかったと、今度が学年方式で、文部省の最初の考えは九年と、これもしかし、やり様によれば同じ学年方式でも、中学の三年間を小学の六年とあわせてやれば、六年でできるという考え方も生まれますよね。ところが、そういうものがいままでの実績は五年方式だと。九年計画というのが出され、あるいはまたそれは六年ということでも考えられると、それが逆に十二年になったと。この理由はいろいろあるでしょうけれど、結局、計画年数が延びた積極的な理由というのは、いままでも、十四日にも十八日にも再三お聞きしましたけど、結論としては財政的理由しかない、こういうように私はあのやりとりの中で感じているわけですけれど、どうでしょうか。
#161
○国務大臣(谷垣專一君) 財政の状況というものが大きな理由であることは言うまでもないと思いますが、しかし生徒数の増減の問題を考えてみました場合に、やはりある程度の計画の、従来の五年とか、六年とかいう形のものでないものが、全体として、何と申しますか、教職員の増、あるいは施設の問題等を含めて順調な路線でいける、こういうことは言えると思うわけであります。まあ九年、十二年の問題につきましては、やはり財政の状況等の立場と、どうしてもこの時期にこれを出発させるのは教育行政上ベターであるということとのやはり問題点の違いであったと思っております。
#162
○勝又武一君 児童、生徒数の増減との問題は後でちょっとお聞きをします。
 そこで、総理は私の質問に、教育といえども聖域ではない、こういう表現をされました。そして、教育と財政の調和という言い方をされた。竹下大蔵大臣は、教育と財政の調整をした芸術作品だと、そういう表現をあの席上でされたんですよね。まあこの芸術作品ということは、ほかの新聞社から大分不評判を買ってたようですけどね、芸術作品じゃないよという意味のやじを各紙それぞれ書いていたようですが。まあそれは別にしまして、つまり文部当局としては、そういう財政事情というものがあったと。九年が十二年になったと。しかし問題は、一つは、財政が好転するということもあり得るわけです。あるいは財政の抜本的な改革というのが別の意味からもあり得ますよね、補助金の削減の問題とか、それから綱紀粛正の問題とか、いろんな問題があるわけですから。そういう中で出てきた場合、そういう場合を考えますと、何か、三年後――三年後というのを金科玉条のようになさっていらっしゃらないで、当然、ああいう申し合わせがあるのは事実ですけれど、それが何か全部文部省を縛っちゃってるんじゃない。文部省としては、やっぱり財政事情の好転なり、財政の抜本的な検討なりがされた場合には、これは三年たたない前、来年だって、五十六年でも、五十七年でも、当然やっぱりこれは私は検討するということは、文部省としてはあたりまえのことだと、これはよもや否定をなさいませんでしょうね。
#163
○国務大臣(谷垣專一君) これは先生に申し上げるのはもう釈迦に税法かもしれませんが、事情変更の原則というものがあるはずでございます。ただ、その事情変更の原則というものは、非常に予測に反した条件の変更ということがこれは前提になります。いまの時点から見て、今日の財政状況をどういう見通しをするかということに一つ問題があります。ですから、この問題もこれは両方私は見方があるだろうと思うんですね。この財政状況のもとで、とにかく、確かに十二年という問題については論争はあったけれども、四十人学級を出発させる確保をしたということ、そして総体の数は、なるほどそれもいろいろ議論はあったと思いますが、八万人を少し超せるような、そういうほぼの計画を、数字をもとにして、この条件のもとでとにかくやっていけるという保障は、これは逆の意味におきますと、いま先生は条件が悪くなるということは考えないで、非常によくなった場合におけるときどうするんだと、こういう立場で御質問があるようでございますし、私たちもむしろそういうことを非常に望むわけでございます。しかし、その望み方が、果たしていま冷静に考えてみて、そちらの方ばっかしに札を入れた方がいいかどうかという問題は、ここは判断の問題だと思います。私たちは、その両方の立場から議論ができるときに、これで一つの確保がされたと、まあいろいろと問題ございますけれども、そういう一つの気持ちを持っております。それは、もう非常に財政があれして、事情変更の原則が両方議論される場合には、それはやっぱりまた議論が私たちもできるわけでございますけれども、そういうふうにひとつお考えおきを願っていただければ幸いでございます。
#164
○勝又武一君 それで具体的に、五十五年度はどういう出発になりましたか。
#165
○政府委員(諸澤正道君) これは二百十八市町村、学級数にしまして五百五十六学級ということになります。
#166
○勝又武一君 増員は幾人ですか。
#167
○政府委員(諸澤正道君) 六百三十七人でございます。
#168
○勝又武一君 五十三年度の一学級当たりの児童、生徒数、これはさっきお聞きしましたあの数字ですね。
 そこで、そうなりますと、小学校が三十三・二人、中学が三十七・一人、平均はそうなっているんですが、四十一人以上の学級が、五十四年度で結構ですが、何%ぐらいですか、小学校、中学校。
#169
○政府委員(諸澤正道君) 四十一人以上の学級は、小学校で全体のたしか五一%ぐらい、それから中学校が二六%ぐらいだったと思います。
#170
○勝又武一君 この数字が五十年度はどのぐらいになっていますか、
 小学校が三四・六、中学が四七・〇、そのぐらいじゃないですか、違いますか。
#171
○政府委員(諸澤正道君) ここへ持ってきた資料、ちょっと小、中一緒になっているものですから、一緒で見ると、三〇・六になっております。
#172
○勝又武一君 私の手元の資料ですと、五十年度が小学校が二四・六、今度、いま、五十四年度は小学校が二六・二ですね。それから中学の方も五十年度は四七・〇が今度は五一・一というように、増加傾向にあることはお認めになりますね。
#173
○政府委員(諸澤正道君) そういう傾向だろうと思います。
#174
○勝又武一君 それでは、四十一人以上の増加傾向にある学級ですね、これは一体どの県に集中しているんですか。
#175
○政府委員(諸澤正道君) これはいまの四十一人以上の学級の小、中ともそれぞれ半分は、東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪、兵庫、奈良、京都と、この九県で約半分を占めているという実態でございます。
#176
○勝又武一君 小学校で全体の三〇%以上占めているのがいまのところですね、大体。中学校でやっぱり五五%以上占めているというのはどうですか。
#177
○政府委員(諸澤正道君) 正確に言いますと、いまの過密九県で、小学校が三五ですね。中学校が六二というぐあいです。
#178
○勝又武一君 そこでお聞きをしたいのは、先ほど局長のおっしゃった本年度の、五十五年度の出発ですね。先ほどおっしゃったのは二百十八市町村で五百五十六学級、これがいわゆる小学校一年生で四十名になったところですね。これがいま挙げられた県で――埼玉、千葉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫、ここのところひとつ挙げてください。
#179
○政府委員(諸澤正道君) 過密九県で言いますと、東京が百十六、それから神奈川が一、千葉が二、埼玉が七、それから愛知が四、それから京都一、大阪百十四、兵庫三十ということで、もっぱら東京と大阪に集中していると、こういう実情でございます。
#180
○勝又武一君 大阪と東京は別の事情があるんですよ。もう私が言わなくてもおわかりのように、ドーナツ現象なり、まさに都市の中のそういう状況があるので、この百幾つというのはやや別の要素だと考えて、大阪と東京を抜けば、あとのところは、いまお話しになったように、まさに今度の四十名の出発をしているというのは、ごくわずかなところにしかすぎない。私は今度の十二年計画案という問題点がここにやっぱり一つ明らかに浮き彫りにされてきているというように思いますね。だから、正直言って、児童、生徒数の減少しているところで、教室の増を必要としないところから始めているんですから、まさにこういう問題県のところは出発をしていないんですね。いても、もう二つとか三つとかいう該当校にすぎないんです。ここに問題があるわけです。児童、生徒数の減少しているところは、正直言ってそういう事情にあるわけですから、何としてもこういう過密の地域――きょうは時間がありませんから、一つだけ指摘しますけれども、たとえば大臣、教室の増を必要とすると金がかかると言うのなら、教室の増を必要としなくていい。しなくていいと言うとおかしいけれども、教室の増に取りかかるあれがなければ、教員の配当率だけそれに見合う、つまり四十名に見合う教員配当率にその学校をしてあげたらどうですか。たとえばそういう細かい指導というものも、本来なら考えられることじゃないんですか。この辺はいかがですか。
#181
○国務大臣(谷垣專一君) この問題は、先ほど私もちょっと申し上げましたが、改善計画に伴います問題のほかに、いわゆる児童、生徒数の増加に伴いますかなりの増員を考えていかなければならないわけでございまして、九千人ほどのそのために増を考えておるわけでございます。そういうことがございまして、いま御指摘がありましたように、急増地帯におきます四十人学級という問題が、自然増の方の問題に対応することで、まずそれを先にやらなきゃならぬというような事情が実は伏在しておりましたことも、これはひとつお含みを願いたいと思います。
#182
○勝又武一君 これは私は問題を残したいと思うんです。というのは、小、中の問題、これから高等学校の問題、落ちこぼれの問題、ゆとりの問題、きょう準備しただけでもまだ大分あるわけですよ。現業職員の問題。相当長時間にわたるという希望を持っていましたけれども、こういう状況にございますので、ともかくこれらの諸問題について、まだまだ法案との関係が十分ありますけれども、今後の文教委員会の中で、これらのまだ対処し得る問題については、今後もやっぱり誠実に文部省に対処していただきたいという意味で、幾つかの問題を残さざるを得ないわけです、きょうは質問時間の関係もありますから。ですから、これもここで保留しますけれども。たとえば高校で四十五名を四十名にしなかった最大の理由は何ですか。
#183
○政府委員(諸澤正道君) 高校につきましては、昭和六十一年度まで中学校の子供がふえ続けまして、現在で約百十万ぐらい違うんですね。ですから、それがほとんど大部分高校へ行くということになりますと、現在でもすでに東京、大阪あたりは一学級四十七人にしておるというような実態でございますんで、この計画期間中に四十人にすることはかなり無理だという判断に立ってこれを伸ばしたわけでございます。
#184
○勝又武一君 いままでのように、五年計画というときにはまだ、それでもいろいろあるわけですよ。ところが今度は十二年でしょう。十二年間固定するわけですから、そういう問題になるわけですよ。それはいまそれだけの積極的な理由がありますか、十二年間固定するということは。いかがですか。
#185
○政府委員(諸澤正道君) いま申しましたように、現在すでに県によっては四十七人にしなきゃならぬという状況で、それから今後ずうっと六十一年以降まで高校の生徒はふえ続けるという見通しでございますので、それは確かに長い将来でございますけれども、この期間中に手をつけるということは非常に困難だと、こういうふうに考えたわけでございます。
#186
○勝又武一君 もう一つは高校のいわゆる習熟度別学級編成というのがこれと関連してありますね。ですから、これは法案の問題ですから、ここのことはそういうことになるんでしょうけれども、私はやっぱりこれも今後の課題として、きょうはもう時間なくなりましたから指摘だけしておきたいと思いますけれども、定数の問題じゃない、定数の問題があるけれども、定数の問題以外の多くの問題をはらんでいると思いますよ、大臣。ですから、これは何も標準定数法のあそこのところで習熟度別学級編成の定数をああやったんだからということではいけないというように私は思います。そういう意味で、率直に指摘をしてわきたいのは、いわゆる高等学校の格差の問題ですよ。一流校、二流校、三流校ということも言われているわけです。県立高校でそうですよ。こういう一流校、二流校、三流校というようなことが平然と各県の県内で言われている高校の格差問題の実態に目をつぶって、ただ習熟度別学級編成の定員配置だけをしたら事足りると、こんな程度のお考えですか。
#187
○政府委員(諸澤正道君) 現在でもその学校間格差、格差というのが何を意味するかいろいろ意見があると思いますけれども、言うところの格差があることは事実でございますが、しかし、それぞれの学校をとってみた場合に、やはり相当の学校では同じ生徒でありながら、学力にかなりの差があるというのも事実でございます。それをどういうふうにして全部の子供にできるだけ力をつけてやるかということを考えました場合に、従来もいろいろ意見があり、方法もあったわけでございますが、われわれとしては、やはりいまの習熟度というようなものをここへ取り入れて、より丹念な進度に応じた指導ができるようにしたいというのが基本的な考え方でございます。
#188
○勝又武一君 進路という場合に、高等学校の一流校というのはもう一〇〇%大学進学ですよね。ある県内の一流校と言われるところはもうまさに全部一〇〇%進学で、これはもう共通一次の格差づけになる。ほとんど国・公立を目指すところが圧倒的に多い。県内で三流校と言われているところの進路はどうなんですか。ここで一番私がおそれているのは非行の実態ですよ。学内暴力、万引き、喫煙、売春――県立高等学校ですよ。そして、大体県立高校の三流校と言われているところの高校の教員の最大の悩みは、夏休みが終わったときの九月の初めのときだというのですね。大臣おわかり願えますか。一学期の夏休みが終わると子供が出てこなくなっちゃうというのです。中途退学がふえる時期なのです。そういういわゆる三流高校と言われるような高等学校の場合の進路指導というのは、私は習熟度別学級編成というようなことだけでよもや解決できるような実態ではない、もっともっと深刻な実情にありますよ。だから、こういう問題についても、高校間格差の問題が、小学区制なり、男女共学なり、総合選抜制なり、あるいは大学入試改善なり、幾らでも絡んでいくと思います。だから、議論としてはむずかしいけれども、もうきょうちょうど与えられた時間になってきていますから打ち切りますけれども、現業職員の問題、ゆとり、落ちこぼれ、まだまだずいぶんあるのです。これはもう次の文教委員会等に譲りますけれども、そういう意味で最後に強調したいのは、何かここで一つ法律が終わった、それでもう事足りたということでなくて、やはりこういうように関連する問題については、文部省としても十分な関心を払ってもらいたいし、同時に、私はやはり参議院の文教委員会としては、やっぱり議論を前向きにやっていく使命がある、そこにこそ参議院の存在価値があるというように私は考えるのですけれども、最後にここの点について大臣の見解をお聞きして、私の質問を終わります。
#189
○国務大臣(谷垣專一君) 先生は、いま高校の問題を中心にして、そのほかにもそういう基本的な問題があるという御指摘でございます。私もそのとおりに思います。ことに高校問題はなかなかこれは大変な問題だと思っております。ただ、私たちもこれで全部解決するなんて、そんなことはとうてい考えておりませんけれども、やはり通常落ちこぼれと申しておりますけれども、私たち習熟度別でひとつやっていったらどうかということを提案をしてやっておりますことは、もうすでにあるところでは行われておることでもあり、またこれは一つのやり方として、このことをもう一つやってみなければならない私はステップではないか、ステップというよりも一つの手段ではないか、こういうふうに思っております。やり方についてはいろいろこれはむずかしい問題もあろうと思いますけれども、そういうふうに思っておりますので、これはこれからの文教の問題につきまして、この法律の審議が終わったから終わったというような性格のものではございませんので、これからもいろいろ御意見は伺わしていただかなければならぬと考えております。
#190
○委員長(大島友治君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分再開することとして、休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十七分開会
#191
○委員長(大島友治君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#192
○柏原ヤス君 いわゆる第五次定数改善計画についてお尋ねいたします。
 まず、計画の期間が十二年間というきわめて長いという点についてですが、この点については、所信に対する質問の際にも申し上げてありますので、繰り返して申し上げませんが、この計画の実施の仕方についてですが、ことし、五十五年から五十七年までの三年間は、児童減少市町村から実施するということだそうです。しかも、初年度はその中でも教室をつくる必要のない学校から進めるということでございますが、五十六年、五十七年、このときもこうしたやり方で進めるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#193
○政府委員(諸澤正道君) 今回の計画では、小学校については、いま御指摘のあったような学校は、五十五年度の一年生から学年進行でやる。ですから、五十六、七年はそうした学校の二年、三年をやるということでございまして、残りの小学校は、いまの腹づもりでは五十八年度から学年進行で手をつける、こういうつもりでおります。
#194
○柏原ヤス君 そうしますと、地域差、学校差ということが出てくると思います。同じ県の中でも、ある市は四十五人学級、隣の町は四十人学級というような地域差、また四十人学級の対象になった町の中でも、ある学校は四十人学級、隣の学校は四十五人学級というこうした学校差、こうした教育環境の違い、これはやむを得ないと、こう考えているわけでしょうか。
#195
○政府委員(諸澤正道君) あの一学級の標準を改善するという趣旨からすれば、できるだけ同時期に同じような改善がなされることが望ましいわけでございますが、そもそもの十二年計画というものが、児童減少の傾向に合わせて、財政的見地に配慮しながら実施をするということでありますので、御指摘のようなケースが起こり得るわけで、そのことは決して望ましいと考えるわけではございませんけれども、いまおっしゃったように、やむを得ないというふうに思っておるわけでございます。
#196
○柏原ヤス君 教室の数をふやさなければならないということが大変な問題だと思いますが、もしそれが無理ならば、一学級四十人以上でも教員をふやすということによって、たとえば、複数配置するとか、専科の教員をふやすとか、教員の面で工夫をしていけるんではないかと、こういうふうに考えておりますが、その点どうでしょうか。
#197
○政府委員(諸澤正道君) これは、確かにそういう考え方がございまして、衆議院の定数小委員会で、関係の方々をお呼びしたときも、過密都市の教育長さんなどは、そういうことはできないかというような御質問もあったんです。ただ、われわれそういう考えはわかるわけですけれども、やっぱり標準法というのは一つの基準の上に立って実施をいたしますんで、この四十人が実現するまでは、教員配置を少し四十一人以上のところはふやすというようなことにすることは、技術的にもむずかしゅうございますし、まあ全体の考え方からしましても、ちょっと整理のむずかしい課題でございますので、できるだけ同じような考え方に立って、この計画を推進していくと、こういうことに落ちついたわけでございます。
#198
○柏原ヤス君 そこで、過密地域の用地確保、校舎建設、そういうことが大変な問題の一つでもございますが、いまからこの用地の問題などは考えておかなければ、実施の年になったのではとうてい間に合わない。そういう点で、特別の推進措置というものが必要であると思いますが、この計画を着実に実施していくために、そうした特別の促進措置というものをお考えになっているかどうか。
#199
○政府委員(諸澤正道君) ちょっとこれは私の所管、担当でございませんものですから、管理局長がお答えすればよろしいところでございますが、私の承知しておりますところでは、公立小・中学校の施設費補助につきましては、施設費国庫負担法によって、集団的住宅の建設等により、児童、生徒の急増がある場合には、三年後の当該学校の学級数に応ずる面積が対象になると、こういうようなことでやっておりますんで、そういうことでこれは考えていただく。といいますのは、四十人学級実現のために、いまわれわれが考えているような十二年間でやりますと、小、中を通じて十二年間に必要な教室増というのは約八千程度なんですね。これに対しまして、児童、生徒の自然増に伴って必要とする教室増というのが約四万六、七千あるんですね。ですから、そっちの方の教室増の対策を主として考えていただくときに、並行していまのような措置を考えてやっていただきますならば、年次計画にならして実現していただけるんではなかろうかと、こういうふうに考えております。
#200
○柏原ヤス君 さらに次の段階として、この計画が五十八年度からはそれまで実施されなかった残りの全市町村が実施の対象になると考えていいわけでございますね。この資料を見せていただきますと、五十八年度からの計画に対して年次別改善モデル、何となくこのモデルという言葉にひっかかるわけなんですけれど、モデルなんていうようなものではなくて、やはり計画と、このようにとっていきたいと思いますが、その点はどうでしょうか。
#201
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるように、単なるモデルというわけではないんで、われわれはこの計画でいきたいというふうに思っておるわけでございますから、そういう意味では計画とおとりいただいてよろしいわけですが、ただまあ制度上毎年政令で決めるということになってるという、その点をひとつ御理解いただけばよろしいかと思います。
#202
○柏原ヤス君 衆議院の委員会でもこの問題について文部省の御答弁があるわけですけれども、腹づもりですとか、めどとしてとかというふうに表現してらっしゃるわけで、ここにいただいた資料にも、一応のめどを示したものと、非常に何かあいまいな感じをどうしても受けるわけで、計画としてやるという、その意気込みがやはり必要だと思うんですね。文部省が積極的にこの計画をやると踏み切ったわけであって、市町村は必ずしもこれに対してどうであろうか、今後の問題いろいろあると思うんで、受け身なわけでございます。まあそういう点、腹づもりとか、めどなんていうんじゃなくて、やるという、そういう意気込みをここで一応示していただきたいと思って、再度お尋ねするわけなんです。
#203
○政府委員(諸澤正道君) われわれは、五十八年度には残りの全市町村について小学校に着手をしたいという強い熱意と希望を持っておるわけでございます。
#204
○柏原ヤス君 これに関連して大臣にお聞きしたいんですけれども、その問題を少し後回しにして、次の問題に進みたいと思います。
 これは学級編制の規模についてお尋ねするんですが、今回の改善によって、義務教育の学校においては四十人学級を目指すことになったわけですが、諸外国の学級編制はどのようになっておりますでしょうか。
#205
○政府委員(諸澤正道君) 諸外国といいますか、アメリカとかヨーロッパの諸国、主なものをとりましたならば、端的に申しますと、その基準の決め方は一様ではありませんけれども、ほとんどまあ四十人以下になってるというのが実態でございます。
 なお、もう少し詳しく申し上げますと、アメリカでは、州ごとに州の法律なり、規則によって基準が決められておるのでありますが、たとえば、インディアナ州では学年に応じて三十人または二十八人と、こういうような定めになっております。それから、イギリスでは、以前は文部省令の形で初等学校は四十人以下、中等学校は三十人以下というふうに決められておったようですが、現在はこの規則そのものは廃止されておるようですけれども、実態としては初等学校においては四十人を超える学級はほとんどないと、ただ、私の記憶では、いまから二十年前ぐらいで四十人を超えるのは一七、八%というようなことだったと思います。それから、フランスでは文部大臣通達によって、小学校は三十人、中学校のうち、あそこの中等教育は前期、後期一緒になっておりますから、日本の中学校に相当する分については標準二十四人というふうに示されておるわけでございます。それから、西ドイツでは規則によりまして、基礎学校は四十人、中等学校では学年に応じて四十五人、三十五人または二十五人を超えてはならないというふうな定めになっております。それから、ソビエトではやはり規則によりまして、学年に応じて四十人または三十五人と、こういうふうになっております。
#206
○柏原ヤス君 わが国において教育的な観点からの学級規模に関する研究調査、そんなものがいままでに行われてきているものでしょうか。
#207
○政府委員(諸澤正道君) これは、厳密な意味の研究調査というのは、なかなか同じ先生、同じ子供をとって学級規模を変えて実験するというようなことになりますから、そう体系的にはできないわけですけれども、われわれが承知いたしておりますところでは、たとえば九州大学の教育学部の先生が、短期間ですけれども、子供のグループを四十人と六十人というふうに分けて研究をするというようなことをやっておるのが幾つかあるようでございます。
#208
○柏原ヤス君 そこで、四十人学級を目指してこれから計画が実施されるわけですけれども、将来わが国としては学級規模として何人ぐらいが妥当であるか。また、それに対しての裏づけとなる科学的な調査研究がなされるものであるかどうか、いかがでしょうか。
#209
○政府委員(諸澤正道君) この点につきましては、現時点で将来どのくらいにした方がよろしいというような結論を持っているわけではございません。
 ただ、いまおっしゃるように、それじゃ何か研究調査をするかということですが、これは先ほど申しましたように、行政の側でいろいろ条件を設定してやるというのは非常にむずかしゅうございますので、今後の検討課題だろうと思いますが、ただ、私いま考えておりますのは、教育課程運営上の研究校というのは大分たくさんございますから、そういう学校について、実態としては現在すでに三十人ぐらいの学校から四十五人まであるわけですから、そういう学校の研究をもう少し体系的に集めて判断の材料にするという方法が一つあろうかと思います。
#210
○柏原ヤス君 関連して、学級ということについて、これまでの学級というものに対する考え方、これに対して再検討が必要じゃないか、教育の立場から。特に義務教育の立場から学級というものが検討されていいんじゃないか、こういうふうに思っております。まあこれは現場の先生が実際にやってみて、学級のあるべき姿というものがいろいろと研究されれば、非常に教育効果も上がるし、今後の問題じゃないかなと私も思っておりますんですけれども、それはそれとして、学級を学習集団の規模とした場合に、授業の内容、教科、また教育の方法、授業の方法ですね、これによっていろいろな組みかえがされてもいいと思うんですね。何でもかんでも四十人学級と、そういう数で固定されて、クラスはその単位で推し進めていくというだけじゃなくて、編制のあり方ですね、こういうものが実験され、研究されていく必要があると思うわけなんですね。先ほどお聞きしますと、九州大学でもそうした問題を研究されたことがあるというお話ですが、これちょっといただいた資料を見ますと、こうした研究が余りされてない。また、されても古いんですね。昭和三十二年、あるいは三十四年、昭和四十六年という非常に古いときの研究であって、私は今後こうしたものが積極的に研究されるべきじゃないかなと思っておりますので、その点はいかがでしょうか。
#211
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるとおり、これはいろんな形で、いま学級編制を四十五人と固定しないで、グループ学習なり、あるいは個人指導の徹底なりという見地から考えるというような問題もございましょうし、そういうものも含めて、現場で一層積極的に研究をしていただくように、今後われわれは助言もし、指導もしてまいりたいと思います。
#212
○柏原ヤス君 そこで、いただきましたこの「第五次学級編制及び教職員定数改善計画」という、この表を見ながら、教職員定数改善計画の中で幾つかの問題をお聞きしたいんですが、複式学級ということについては、四十九年のこの文教委員会においては、附帯決議もされております。複式学級は解消すべきだと。特に一年生を含む複式学級は早く解消すべきだと考えておりますが、その点はどういうふうにお考えですか。
#213
○政府委員(諸澤正道君) 今回の改善では、一年生を含む複式学級の場合は、最高十二人であったものを十人にする。そこで、そういうことを言わずに、全部単級学校が組めるように改正したらどうかという御意見もあるわけでございますが、ただ、一、二年生合わせて十人というのは、逆に言いますと、仮に一年生が六人、二年生が五人だとこれは二クラスになるわけですね。ですから両方合わせて十人といいますと、やっぱり小学校の低学年の教育というのは、確かに学年を一緒にするとむずかしい面もありますけれども、一面また、一つのクラスの子供が余り少ないというのは、いろんな教育活動の面でどうであろうかという御意見もございますので、この際は十人ということにとどめたわけでございます。
#214
○柏原ヤス君 この複式学級をなくそうという方針ではいらっしゃるわけですね。そのときに、特に一年生を含むそういう複式学級をなくすことをまず優先していきたいと、こういうふうに希望しておりますので、その点はどうなんですか。
#215
○政府委員(諸澤正道君) いまの課題としては、僻地教育の振興という観点から、こういう問題も実際の教育活動の面からいろいろ研究がされておるわけでございますし、一方、先生御指摘のように、四十九年の附帯決議もございますので、その趣旨を体しまして、今後さらに研究を続けていくべき課題ではなかろうかというふうに思うわけでございます。
#216
○柏原ヤス君 一年生を含むということについて、余り積極的な御答弁じゃなくて残念に思いますけれども、いずれにしても、複式学級が解消されればそれも解消されるわけです。大いにその点は促進していただきたいと思います。
 次に専科の問題ですが、専科教員の配置、この現状はどうなっているのか、お聞きしたいわけです。特に、どういう教科にこの専科教員が配置されているかお聞かせいただきたいと思います。
#217
○政府委員(諸澤正道君) 専科教員の配置というのは、要するに小学校の場合、学級数に相当する教員にプラスアルファと、こういうことになるわけですけれども、これまでのところ、小学校の六、七、八学級編制のところは、それが一人なかったんですね。今度の改善で最低六、七、八学級でも一人はいくようにいたしましたから、今後改善が実施されますと、学校の学級数に応じて一人ないし三人くらいの専科教員が置けるようになると、こういうことでございまして、その実態はどうかということでございますが、通常専科教員という場合に、担当の教科は音楽、図画工作、家庭、体育の四つの教科を言っておりまして、これらの教科について言いますと、五十二年度の実績としては、音楽が六千六百三十八、図画工作が二千八百六十二、家庭が二千三百七十二、体育が千二百四十五ということで、総計約一万三千ほどの専科教員がおるという実態でございます。
#218
○柏原ヤス君 この度の改善策ではどういうふうになるのか、二千七百六十七人という数だけはわかっておりますけれども、その各教科にどんな配置がされるものか、おわかりでしたら。
#219
○政府委員(諸澤正道君) まず、数の方から言いますと、いまの二千七百人というのは、先ほど申しましたように、小学校の六学級から八学級までの学校に一人の専科教員が配置されるように改善をする、それに要する人員でございます。そこで、それらの二千七百の人員がどういうふうに使われるかということは、これは各県にその数を配分しますと、各県が今度は、それぞれの学校に配置をした、その学校の判断によって、音楽が必要だとか、美術が必要だとか、こういうような配慮をするわけでございます。
#220
○柏原ヤス君 改善策としてはもう少し、数だけじゃなくて、具体的なものをお考えになっているんでしょうか。市町村から出てくるのに応ずるという、そういう形なんですか。
#221
○政府委員(諸澤正道君) 端的に申しますと、この改善の具体的運営というのは、学校ともっぱら市町村の教育委員会にかかるわけなんですね。と言うのは、それぞれの学校によって教員の配置状況が違いますから、そこである学校では女の先生がもうかなり多くて、高学年の体育がなかなか担当が無理だというようなことですと、そこで体育の専科教員をお願いするとか、そういう細かい配慮というのは、どうしても国が画一的な基準をつくるんでなくって、それぞれの教育委員会なり、学校の実態というものを見てやっていただくというふうに私は期待しておるわけでございます。
#222
○柏原ヤス君 次に、高学年の場合で、音楽、体育、これは当然ですけれども、特に理科、この教科に対して専科の方が欲しい、また専科でやってもらった方が教育効果が上がるという、そうした指摘もあるわけですが、この点はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、また、こうしたことも配慮して増員を図るべきだと思っております。そういう改善というものも必要なんじゃないか、こういうふうに感じますが、いかがでしょうか。
#223
○政府委員(諸澤正道君) 先ほど申しました四教科に加えて、高学年の理科については、専門の先生に担当させた方がよろしいというような意見のあることはおっしゃるとおりでございます。
 そこで、実際の運営としましては、いわゆる専科で理科ばっかり担当する先生ではございませんけれども、高学年になりますと、理科に堪能な方がほかのクラスの理科だけは受け持って、そのかわりほかのクラスの女の先生に家庭を持っていただくとか、こんなような運営はやっておるようでございまして、これはいまの定員増にはつながらない問題でございますが、私は将来の課題としては、そういう点までさらに検討すべきではなかろうかというふうには思っておるわけでございます。
#224
○柏原ヤス君 次に、免許外担任のことについてお聞きいたしますが、中学校における教員の免許外教科担任、この現状、これを教科別に示していただきたいと思います。
#225
○政府委員(諸澤正道君) これちょっと資料が古くなりますけれども、昭和五十二年度の調査で見ますと、免許外許可件数というのが、この年度で、公立で四万七千三百二十四件になっておりますが、そのうちで最も多いのが国語の七千二百二十一、それから保健体育の七千四十四、それから数学の六千五百六十四というふうなものでございまして、以下二千から三千台というような件数になっております。
#226
○柏原ヤス君 今回の改正で解消できるか、その点いかがですか。
#227
○政府委員(諸澤正道君) 今回の改正で一学級の中学校には、校長さんを含みますけれども、五人の教員、それから二学級で七人、三学級以上は九人の教員が配置されることになるわけでございます。
 御承知のように、中学校の教科というのは九つあるわけでございますから、九人おれば、それぞれの教科の免許状を持っている方が専門に担当できるということにはなるわけですけれども、ただ実態としましては、そう言っても、音楽とか、美術とかいうのは、一週間の授業時数が三時間か二時間程度ですから、そういう先生方が音楽だけしか担当しないということになりますと、そういう小規模学校では、一週間の授業時数が極端にアンバランスになるというような事情もありますんで、この問題はかなり定数の措置をしましても、ある程度免許外の担当をしていただかないと、総合的な学校運営がうまくいかないというような面もございますんで、そういう点を考慮に入れながら、できるだけ教員配置に配慮していただくということで、改善をしてまいりたいと思うわけでございます。
#228
○柏原ヤス君 いまの御説明で解消はすぐはできないというお答えですね。しかし、私はこれはぜひ解消を図る必要があると、こういう方向で、この解消を図るために、やはりそれにはそれだけの措置というものが考えられなきやならないわけですけれども、そういうようなことを積極的に考えていらっしゃるんでしょうか。
#229
○政府委員(諸澤正道君) これも現段階では、私どもできるだけのことをやっておるつもりでございますが、将来の課題としては、やっぱりそういう点にもう少しきめ細かいことを配慮するように、ひとつ検討していきたいと、かように思うわけでございます。
#230
○柏原ヤス君 次に、養護教諭、事務職員、この点についてお聞きしたいんですが、今回どのような改善を行うのか、その点お願いいたします。
#231
○政府委員(諸澤正道君) 養護教諭と事務職員につきましては、それぞれ大幅な増員を予定しておるわけですが、現在は全学校の四分の三の学校に一名の配置ということになっておりますのを、さらに基準を広げまして、四学級以上の学校には全校配置と、三学級の学校については四校に三人というような基準でございますが、実際の運営としては、小規模学校の場合は、小、中隣接の学校等も相当ございますんで、そういうものを計算し、かつ養護教諭の場合は学校規模にかかわらず、無医村、無医地区には一名配置という基準がございますので、そういうものを総合的に考えますと、大体全学校の九八%にその養護、事務職員は行き渡るというような考えになっておるわけでございます。
#232
○柏原ヤス君 そこで、私は全校必置にすべきだと、こういう考え方から、この改善案を見ますと、いまお話がございましたように、この十二年間で九八%は満たされると、こういうことでございますね。九八%満たされるなら、一〇〇%満たす、そういう計画でこそ私は改善と言えるんだと思うんですね。特に、こうした養護教諭の定数の改善というのは、こういう第五次と言われて、特に十二年間の計画のもとに組み込んだ改善なんですから、九八%の改善じゃなくて、一〇〇%の改善、もう一息だと思うんですね。十二年間というそういう長い問に九八%見込んでいるなんていうのは、私は改善の計画じゃないと思うんですね。一〇〇%の改善の案に、これは三年後見直されるわけですから、見面すべきじゃないか。先ほどの私がお聞きする前の議員の方からも、この養護教諭の問題は、非常に現場でも骨を折っている教員の方であるので、全校に必ず一人はという強いお話があったようですが、私もそれは同感なんですね。それならば、この五千百二十二人、九八%というのは、もう一息というところ踏み切って、いますぐそれができなければ、見直しのときにはそういうふうにしていただきたい。その点いかがでしょうか。
#233
○政府委員(諸澤正道君) 結局一、二学級の学校には配置されないと、こういうことになるわけでございまして、これらの学校の子供の数などは大体十人前後というようなこともあって、おっしゃるように一〇〇%配置すればなおよろしいかと思いますけれども、いろんな状況でそこまでいかなかったということであり、なおこれは大変失礼なことを申し上げて恐縮ですけれども、四十九年の衆参両院の決議を見ましても、いまの四分の三というような機械的な数値でなしに、たとえば、ごく小規模の学校を除いて全校配置するようにというような御意見もあったようでございまして、結局その点はいまの小規模学校の実態等というのもごしんしゃくいただいたんではないかと思うんですけれども、御指摘のように今後の課題としては、これはひとつ研究をしてまいりたいと、かように思います。
#234
○柏原ヤス君 事務職員の場合も同じだと思うんですね。
 次に、これはちょっと問題の角度が違うんですが、教員の資質の向上、このことについて、生徒、児童の一人一人の能力を適性に応じた教育で伸ばしていく、また基礎、基本、こういうものをしっかりと身につけるために、人間性豊かな、活力に満ちた国民の教育、こうしたことが特に初等、中等教育の課題ではないかと思っております。こうした教育を実施するための一つの環境整備、そのために四十人学級というものが考えられたと言えると思うんです。しかし、これは申し上げるまでもないことなんですけれども、先生方の質の向上、これがやはり最後の決め手になると、最も重要な問題だと私は思っておりますが、この点について教員養成制度の抜本的な改善、特に教員大学――教育大学という名前で発足しておりますけれども、そうした部分的な問題じゃなくて、教員養成制度の抜本的な改善、これを今後文部省としては図るお考えがおありなのかどうか、お聞きしておきたいと思います。
#235
○政府委員(諸澤正道君) 教員養成制度の抜本的改善という問題になりますと、私がお答えするのが適当かどうかわかりませんけれども、確かにいまの教員養成のあり方というのは、いうところの開放制の養成ということで、大学で必要な単位さえ取れば、だれでも免許状もらえますということの結果として、教育実習ですね、これがやっぱり教員として必要な技術なり、心構えというようなものは、かなりその実習をしっかりやるかどうかにかかっているというふうによく言われるんですけれども、この実習が、小学校の教員になるためには四週間、中学校は二週間程度で済むというようなところに、非常に問題があるというふうに指摘されておるわけです。そこで、今回の兵庫県にできた新しい教育大学ですね、それから今度上越に開校するあの大学などを聞きますと、先日学長さんにお聞きしたら、実習を二ヵ月か三ヵ月やりたいと、こういうようなことでございますので、大分違うんですね、従来と。ですから、制度の改善というわけではありませんけれども、そうした点を今後各大学でもできるだけ取り入れていただいて、実習を強化するというようなのも一つの方法ではなかろうかというふうに考えておるわけです。
#236
○柏原ヤス君 私立の小学校、中学校における単級編制、養護教諭、事務職員の配置状況、こういう点はどのようになっておりますでしょうか。
#237
○政府委員(諸澤正道君) いまの私立の小・中学校の学級編制の実態を見ますと、小学校の場合は、全学級数の九四%強が四十五人以下と、こういうことになっておるわけで、さらに四十人以下にしますと、六〇%ぐらいになろうかと思います。
 それから中学校の場合は、四十五人以下というのが約半分、五一%強五二%ぐらいございますので、四十人以下にしますとさらにその比率は減ろと、こういうような実態でございます。
 なお、養護教諭、事務職員の配置状況につきましては、これは公立に比べると大分悪いわけでございまして、全学校を通じまして養護教諭が百六十八人ですから、比率にすると、置いてある学校が二三%ぐらい、それから事務職員は、これは公立よりよくて千三百九十四人ですから、一校平均二人弱というような実態のようでございます。
#238
○柏原ヤス君 私学助成を充実するということが今後の問題でございます。それについても私立学校にやはり改善できるそういうような配慮、こういうものが必要と思いますけれども、文部省としてはこれをどの程度に、また具体的にはどんなふうなお考えを持っていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
#239
○政府委員(三角哲生君) 私立学校におきましては、公立と異なりまして、選抜をして児童、生徒を採用するということでございますので、学級編制が公立において改善になれば、私立も同様の努力をしようということになろうかと思いますが、その場合、いままで、たとえば四十二人採っておりましたものを、四十人にとどめるというようなことになろうかと思います。その場合に、授業料等の収入が減るかわりに先生なんかの配置は厚くなるというような、そういう意味での負担増というものが起こり得るかと存じますが、委員も御存じのように、現在の私学助成の基本的な考え方としまして、これはまあ小・中学校につきましては都道府県がやってくださっておるわけで、都道府県ごとに若干そのやり方については相違が少しはございますが、基本はやはり学校の教育条件の充実向上に努力をしているところにはそれなりの手当てをしていこうということが基本にございますので、ですから学級編制の改善に見合って、何らかのそういう意味の経費の増がありました場合に、必ず直接端的にそれに応じてということではないかもしれませんが、それに対応してやはり県の方からの助成も充実していくようにというようなことになりましょうし、それからそういうふうに努める必要があろうと思っておりますので、私どもも都道府県当局と今後いろいろな会議等で相談をします場合にも、ひとつそういう問題点として意識して協議をしてまいろうというふうに思っておる次第でございます。
#240
○柏原ヤス君 大臣にお答えいただきたいんですが、五十五年度予算修正の話し合いのときに、与野党四党の間で、この四十人学級の計画については三年後に見直すということが合意されたわけでございますが、大臣はこれを受けて見直すという内容、一体何を見直そうというふうに理解していらっしゃるんでしょうか。
#241
○国務大臣(谷垣專一君) 大変むずかしい質問でございまして、実はこれ私も自民党の方からのそういう申し入れが三党にあって、四党でそういう合意があったことよく承知をいたしております。いろいろその間の経緯を聞きますと、見直しという言葉の持っております意味が、たとえば短縮するとか、あるいはまたほかの、一番大きい問題は年限の短縮であったように思いますが、そういう意味なのかどうなんだという議論があって、そういう結論に達したと、こういうふうに伺っております。
 したがいまして、いま私の口から、ちょうど十二年で計画をやって、いまから始めようとしているときに、この十二年の計画を縮めていくんですということはちょっと私の口からは申し上げかねることでございますが、そういう政党問のお約束を十分政府としても尊重してやっていかなきゃなりませんので、いま申し上げられますことは、三年後のときに諸般のいろんな、財政状況が主な問題になるかと思いますが、状況を踏まえて検討するということは、いまの段階ではそれしか実は申し上げられないことでございます。気持ちとしましてはいろいろ持っておりますけれども、いま十二年の計画もこれからということでございますので、いまそれをどうするということを私の口からはいま申し上げられませんけれども、少なくとも三年後の状況のときに、いろいろ御議論のありますようなことを検討せなきゃいかぬだろうと、こういうふうに考えておるところでございます。
#242
○柏原ヤス君 はっきりお答えになれないというお立場はよくわかります。
 そこで、やはり計画期間というのが問題であると、十二年という期間の短縮、これが一番問題になっていると思うのですね。ですから、見直すという内容に、期間の短縮ということが、大臣のお考えの中に含まれていると考えていてよろしいでしょうか。
#243
○国務大臣(谷垣專一君) いろんな問題があると思いますけれども、そういう問題も含めて検討するんだというふうに、これはやっぱり考えなきゃならぬと思います。ただしかし、それをどういうふうにするか、そのときの状況でいろいろ周辺の環境、状況等を見詰めて検討せなきゃならぬのだろうと思っておりますが、検討事項の中にそういうものも含まるであろうということは考えていかなきゃならぬと思っております。
#244
○柏原ヤス君 もう一点。三年後に見直すという、これは五十七年度のときに五十八年度の実施分から見直すと、こういうふうに考えてよろしいんでしょうか。しかも、文部省が責任を持ってやると、こういうふうに理解してよろしいものでしょうか、お願いいたします。
#245
○国務大臣(谷垣專一君) いま先生が御指摘になりましたのは、三年後というやつに「おおむね」がついているのですね。「おおむね三年後」と、こういうことになっておるわけです。ですから、これはおおむね三年後でございますので、若干議論が出てくると思いますけれども、私としましては、五十八年の時期に間に合うように考えていかなきゃならぬと、若干ここあいまいなんですけども、私はそういうふうに考えております。
#246
○柏原ヤス君 次に確認事項について、昨年の暮れ本計画案決定のときに、大蔵大臣と文部大臣で取り交わされたわけでございますが、その中に「計画期間の各年度の教職員の改善規模は、経済情勢、財政状況等を勘案し、弾力的に決定する。」とか、「財政再建期間中は、教職員の改善増は極力抑制する。」というような気になる文字があるわけなんです。前回の第四次五カ年計画ですら、財政事情のために繰り延べ措置がとられた。今回は計画の実施前からこうした確認が大蔵大臣と取り交わされているということは、非常に心配なわけで、年度ごとの改善が本当に実施できるのかどうか、それについては年度ごとの改善計画、これを明確にする必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#247
○国務大臣(谷垣專一君) なかなか財政の関係で厳しい文句も中にあるわけでございますけれども、最後の計画期間の各年度の教職員の改善計画というものを弾力的に決定するということを言っておりますが、いまの財政法のたてまえが、単年度主義に実はなっておるわけでございます。単年度主義でございますから、単年度主義であるということを基本のあれで考えますと、予算編成時にいつもいろんな問題を新しくやるんだという非常に拡張解釈ができるわけでありますが、まあこれは拡張解釈であるのか、正当の解釈かは別といたしまして、そういうたてまえがあるわけでございますけれども、私たちはここで長期の見通しのもとにやりましたのは、そんなに全然新しいものとして毎年度これをやるというふうには理解をいたしておりません。十二年間という期間において、ほぼ八万人の増員をして、こういうふうにやるんだということが、これはもう決まっておるわけであります。それから、初めの三年は人口の余りふえないところをまずやって、五十八年から本格的にやるんだということも、ここには書いてありませんが、そういう考え方を私たちは持っております。各年度の計画も、これはこの点の数字は若干変更があるかもしれませんけれども、その中で一応こういう考え方でいくという、そういう案は持っておるわけでありますし、財政当局ともそれは話はしておるわけでございます。そういうものを基本にしてこれからの毎年の予算編成のときに、具体的に数字は詰めていかなければならぬ、こういうふうに思っておりますので、私はこの文句による心配は、それほど実は痛切には感じておりません。そういう言い方をするとちょっとおかしいんですけれども、それは大体計画を持って、その計画を単年度主義のために全部は認めておりませんけれども、毎年の計画を認めておりません、改めてやらなければなりませんが。いままでのいろんな建設の計画であるとか、ほかの計画におきましても、ほぼそれがそのままで一応認めることに落ちついてきておりますので、その程度の計画性というものはとり得るものだと、こういうふうに考えております。
#248
○柏原ヤス君 次に、高校の学級編制についてお尋ねいたしますが、東京や大阪では四十六人以上の学級が出現していると聞いておりますが、学級編制の状況、これはおわかりでしょうか。
#249
○政府委員(諸澤正道君) 普通課程の高校の学級編制は四十五人がたてまえでございますが、いまの標準法でも、高校の場合は、やむを得ない場合はこの限りにあらずという例外規定がございますので、それを踏まえて、私どもの承知しておりますところでは、本年度から東京と大阪につきましては、最高を四十七人まで引き上げた――引き上げたといいますか、そういうふうな措置をとったというふうに聞いております。
#250
○柏原ヤス君 東京、大阪、それ以外のところはどんなふうになっておりますか。
#251
○政府委員(諸澤正道君) いまのところほかの県につきましてはそういう特例措置をとっておるところは聞いておりません。
#252
○柏原ヤス君 今後ますます生徒が増加すると、こういう理由で今回の高校の改善は、四十人学級、これは見送られたと、こういうことでございますが、しかし現在の高校における学力差の問題、非行の問題、非常に深刻な問題が起きているわけで、これを考えれば、高校においての四十人学級は早期にその実現が必要であると、こういうふうに考えておりますが、文部省としてはいかがですか。
#253
○政府委員(諸澤正道君) お話のように、高校の生徒がいまより約百万以上もふえるというのは、昭和六十四、五年ごろなんですね。要するに、今回の十二年計画の一番最後のころにそうなるということでございますから、今計画期間内にこれを実施するということは非常に困難だというふうに判断したわけでございますが、御指摘のように高校の教育として高校設置基準でも四十人というふうに規定してございますから、望ましい姿としてはやはり四十人であった方がいいわけで、今後そういう点を念頭に置きながらやってまいりたいと思うわけでございます。
#254
○柏原ヤス君 今度の改善計画が十二年という非常に長い、義務教育を優先して小学校、中学校を先にしてから高校という、それはわかりますけれども、いかにも遅過ぎるんじゃないかと、こういう点で文部省のおっしゃっていることは納得ができないわけで、今回の改善計画の途中でもいいから、ぜひ高校の四十人学級のスタートができないものか、そうした検討が行われなければならないと考えておりますけど、それはどうでしょうか。
#255
○政府委員(諸澤正道君) 率直に言って、現在特に過密府県では新しく高校を建設しないと、どうしても希望者を収容できないという、その新設の場合の用地の獲得から始まって、非常に困難を感じておるという実態でございますし、それと、高校の場合は小、中と違って、小、中ですと、特に小学校などは全国平均は三十三人ということで、かなり四十人以下のところもありますけれども、高校の場合は、原則として選抜入学で四十五人とすれば四十五人入っているわけでございますから、これを子供がふえる期間にやるということは、実際問題として五人欠けるクラス分だけすぐふやさなきゃならぬというような課題がございますんで、今後とも実態の把握には努めてまいりたいと思いますけれども、そういう意味で、なかなか小、中が過疎から始めたというような、そういうやり方ができないという困難性があるわけでございます。
#256
○柏原ヤス君 最後に、習熟度別に分けて学級編成をするという点ですが、こういう方法も確かにあると思って、全然反対しているわけではございませんが、差別感というものは当然そこに生まれてくる、こうした点について、文部省のお考えはどういうお考えでいらっしゃるのか。
#257
○政府委員(諸澤正道君) これを指導要領に取り入れた趣旨は、やはり子供の学習の実態を見た場合に、よりそれぞれの進度に応じたきめ細かい教育を行う上に必要だろうという判断をしたわけですが、おっしゃるような問題があるわけですね。ですから、その点についてはいままでやっております学校の例を見ましても、やはり父兄とか本人に手紙を出したり、あるいは直接呼んだりしていろいろ趣旨を説明する、あるいはその当該学校の先生方が全部意思を統一してそういう方向を確認し、取り扱う教材なども十分吟味をする、そしてそういうグループ分けも子供の進度が著しい場合には、学期ごとにまたグループがえをするというふうに、グループを固定しないで弾力的にやるとか、いろいろ配慮が必要であり、そういうことを私どもは指導要領の趣旨徹底の際にも、あらゆる機会に御説明をしておるわけでございまして、先生御心配になるような点を十分警戒し、用心しながらこれをやってもらおうと、こういうことでございます。
#258
○柏原ヤス君 ありがとうございました。
#259
○小巻敏雄君 共産党を代表して、文部大臣に質問をいたします。
 法案の審議に先立って大臣にお伺いをするわけですが、わが国の憲法が新たに制定をされて、その中で日本の将来を描くに当たっては、軍事大国の道を歩まずに平和国家、そして高度の文化国家として生きていくということが示されている。その中で大きな比重が教育に対する期待となってかけられてきた、それがわが国の戦後史であると思うわけです。ことしは一九八〇年であります。八〇年代日本の進路の中での教育の位置づけと、こういう問題にも思いをめぐらすときであろうと私は思うわけであります。文部大臣の閣僚としての比重も私はそういう意味で日本の進路に対して非常に重いものだと思うわけですが、その点について大臣の所感はいかがですか。
#260
○国務大臣(谷垣專一君) 御指摘がありましたように、新しい憲法のもとで平和国家を樹立していくという大きな方針が立てられたわけでございまして、教育の持っております意味が非常に大きいということは御指摘のとおりだと思います。いまの教育の現状というものに対しまして、いろいろ御意見が出ておりますが、基本的な考え方というものはそういうところに置いて進めていくべきものだと思っております。
#261
○小巻敏雄君 今回、おくればせながらこの学級編制並びに教職員定数の標準法の改正案でもって、学級編制基準を四十五人から四十人へという旗を立てられたわけでありますが、大臣はその提案理由の中で、「今日、学校教育に対する国民の期待はますます高い」と、こう述べている。「学校教育が担う役割りは一層重要」というふうにも述べられておるわけでありますが、ここに魂が入るなら、私はこの法律案の内容はもっと速い速度で、緊急の国民の要求にこたえて、十二年などと言わずに、従来から行われてきたように少なくとも五年間くらいで実施されなければならぬと思いますし、六年前の本参議院における決議も、当然より早い時期を念頭に置いて行われたものだと思うわけです。問題意識においては、大臣の法案提案理由では、わが国の初中教育は普及度においては世界においても高水準、今後のいわば足りなかった点、欠陥を充足するという意味だろうと思うんですが、今後は教育の内容の質的充実が肝心だと、それで一人一人の子供たちの基礎学力、こういうものをしっかり身につけて、それの基盤の上に人間性、創造力というような人間発達を開花させなければならぬと書かかれておるわけですから、その趣旨については、国民の一致点としてともに大臣が奮闘されるなら、協力を惜しむものでないということを申し上げたいと思うわけですが、この欠陥の速やかな改善ということは非常に大切なことだと思うんです。やや表現抽象的にわたっておりますが、普及度においては高水準、内容、質的においてはいま一歩というのは、具体的に何を頭に置いて言われているわけですか。
#262
○国務大臣(谷垣專一君) それは義務制がございますから、当然義務教育の段階におきます普及度が普及しているということも事実でございますし、あるいは高等教育におきましても、大学教育におきましても、それらの設備その他が非常に拡充されまして、教育の機会を得ることができるようになっているのは、私は大変ありがたいことだと考えております。そういうことを申し上げておるわけでありますが、しかし、同時にいろいろお話がございまするような、いわゆる落ちこぼれというような現象が出ております。あるいは義務教育の段階におきましても、もう少しそこでうたっておりますような児童、生徒の一人一人の持っております能力を引き出しまして、そうして伸ばしていく、そういう教育が望ましいことは当然でありますが、そのための環境整備をいたします際に、残されておる大きな問題は、やはり学級の編制基準というものを四十五人の現状から四十人に持っていくということ、これはまあ当委員会におきましても長い議論がありましたところでございますが、そういうことが環境をよくする上において非常に大切だということを言っておるところでございます。
#263
○小巻敏雄君 ここへ書きあらわされている限りでは全く同感なんですよ。だけど、なぜこの量的な普及度において非常にすぐれておるのに、内容的な問題においていま改めて問題にしなければならぬほどアンバランスがあるのかと、ここのところの原因を深く追及して、それに手当てをしていく必要があると思うんです。まあ、量における普及度といえば、義務制における教育の普及は戦前であっても日本は速い速度で普及したわけです、この点はね。義務教育と言われて、徴兵と納税と三大義務なんて言われまして、国民の教育を受ける権利という観点よりも、義務というのは駆り出されるという言葉を脳裏に浮かべるような状況もあって、非常に人文が不十分な発達状況でもこれは量的には速やかに拡大したわけですね。内容が果たしていかがであったか、この戦前からの欠陥がいまも克服されてないということを、私は一つ内包しているものだと深くとらえる必要があると思うんです。
 それからもう一面から言うと、非義務教育である高等学校、大学、これが非常に速い速度で進学率を高めて、普及度が世界有数になっておるというような状況、これは受ける側は非常に熱心だったけれども、学校へ行ってから与えられるものというのは教育をやる側の問題なんですね。教授を準備して大学でやり、教育条件も整えてやっていく、これが内容の質的充実にかかわってくる。日本の場合には教育を受ける側は非常に速やかに教育を普及させて、つまり熱意を持って、非義務教育であっても、義務教育と同様に九十何%まで高等学校には進学をしておる。大学も四〇%というようなこの到達点がある。ところがその落ちこぼれがあると、履修はするけれども、その中において何か十分な修得が行われていない。同じく学士課程の看板や、高校卒の看板を持っておっても、中身には一流品から五流品まであるとか、そういう形態と内容が伴わない、与える側の方に簡単にいえば、教育行政の側と、準備をする側の方に立ちおくれがあったんだと。この点では戦前戦後を通じる日本の一つの体質になっておると。こういうことを私は深刻に見ながら今日の問題に当たる必要があると思うわけであります。幸いにして法治国である日本の行政府に対して、立法府では少なくともそのことに着眼をして、六年前の参議院、本院においては、いま提起されておる問題について、前回の定数法改正、あの六年前の定数法改正について附帯決議をつけて、そうして教育の条件整備、内容拡充について、かなり具体的に決議をしておるところであります。繰り返して言われるところですから、大臣も十分御承知のことと思うわけですが、ここに書かれた問題について、今回の定数標準法の改正案というものは、少なくとも胸を張ってあの各条項に対して十分こたえていると言うことができるのか。さらに、その条項をそれなりにこの法律案以外のところでも年度を追って、各状況ごとに一定の前進と達成をしてきたというふうに言うことができるのか。この点は局長からひとつお答えいただきましょうか。
#264
○政府委員(諸澤正道君) 四十九年の両院の附帯決議の中身と、今回の十二年計画の具体的内容とを比較いたしますれば、確かに附帯決議のとおりに、全部実施をされておるわけではございません。その点につきましてはわれわれも残念に思うわけでございますが、しかし現段階において財政事情その他を考えました場合に、われわれとしてはまあ最善の努力をしてここまで持ってきたと、かように考えておるわけでございます。
#265
○小巻敏雄君 当時の附帯決議は十三項目にわたっておるわけですね。その第一が四十五人以下の学級定数を速やかに実現することと、こうなっておるわけですね。物には常識というものがあって、速やかというのが十二年であったり、三十年であったりしないと思うんです、私は。この点において、第一項の定数改善、その他学級編制基準の問題についてお伺いするわけですが、今回は第五次になっておるわけですね。第四次までの各過去の定数改善計画というのは、それぞれ何年計画でやったわけですか、さらにその中で、第二次で行われた五十人から四十五人まで編制がえをしていくときにはどういう段取りで行ったのか、簡潔に答えていただきたいと思います。
#266
○政府委員(諸澤正道君) 小・中学校について言いますと、これまで四回の計画を実施してきたわけでありますが、最初が三十四年から三十八年までですね。このときに、それまでは六十人近くあった学級編制を五十人に改善したと、それから第二次の三十九年から五十三年度までの期間に、四十五人学級を実施したと、そして、それ以後の二回の五年計画では学級編制の問題は手をつけなかったと、こういう経緯でございます。
#267
○小巻敏雄君 全部五年計画でやっておると、言わず語らずに。第五次計画と言えば、第四次から引き続き五年計画と考えるのが常識的な考えでありますし、いまから六年前に決議も行い、当時の文部大臣はこれを受けて鋭意努力いたしますと、こう言ったときに、だれの頭の中に十二年計画なんというものがあるもんかと、こう思うのは、私ここにおられる内藤さん初め、当時の各党、各会派、文教関係者のだれしものことだろうと思うんです。一体どこから――いわば黙示的義務ですよ、これは。こういう一つの決定事項に対する確約が、こういうふうにへし曲がってきたのかと、私はその辺ひとつ明らかにし、よしんば本日こういう立ちおくれたプランがそのまま押し通されようとも、速やかに本来の趣旨に立ち戻って、繰り上げをやっていくというようなことを考えなければならぬじゃないかと思うんです。第五次定数改善計画について、文部省はいつから検討を始められたのか。
#268
○政府委員(諸澤正道君) 第四次が五十三年度で終わったわけでございますが、その時点で御論議がありましたように、引き続き五十四年度から計画を立てるべきではないかというお話がございまして、しかしその時点では、いまの過疎、過密の実態等をよほど詳細に検討しないと、なかなか実際問題として机上のプランだけで次の計画はスタートできないということで、五十三年の五月一日現在で、全小・中・高等学校についての学級編制、教員配置の実態調査を行いまして、その結果が暮れころに大体出てきたものですから、その調査をもとにして計画を立て、具体的には五十四年の予算要求の段階で、九年という案を取りまとめたと、こういうことでございます。
#269
○小巻敏雄君 文部省としては、昨年の八月、概算要求で九年計画を出されたわけですが、その検討課題の中で、五年計画と、常識的な案についてはこれでもって立案をして、そうして財務当局及び国民に示して、これのためにどれだけ金が要るのか、そのためには五年間においてどういう計画でやるのか、それを達成することによって、金は要るけれども、どういう教育上の改善が行われるのか、今日の悩みの問題に対してどういう有効な効果が上がるのかというようなことが当然私は発表されていくべきだったと思うわけです。いま言われるところでは、昭和五十四年に九年計画に達しましたと、こう言われるわけですが、この六年間、私も毎年毎年学級編制基準の改善についてただしますと、五年計画を四次まで積み重ねてまいりましたと、次の計画につきましては財政事情等も勘案し、とりわけ人口急増地の困難な問題に対する手当ての見通しをつけてやっていくという意味で鋭意検討中でありますと、こういうことだったんですね。しかし、そのころから九年案、十年案以外に、五年案、六年案というものが実際の検討をされていなかったのかということが問題になると思うんです。どうなんですか。五年案で一たんやったけれども障害が多いので、屈服して九年案になったのか、初めから、六年前から適当な答弁をしながら、実は五年間空白に近い九年、十年、十二年というような、そういう一回分サボタージュするような――一期分ですよ、五年間というと。九年案でも倍になってしまうわけですからね。そういうことを考えておられたのか、どうでしょうか、そこは。
#270
○政府委員(諸澤正道君) 先ほど申しましたように、従来確かに四回、五年ごとでやったわけですけれども、第二次において四十五人を実現したときは、第一次ベビーブームのピークが去った直後でございますから、非常に子供の数が減って、これは四十五人やりよかったわけです。その次の三次と四次は、なるほど五年ずつの刻みでやりましたけれども、実際問題五年ではそういう学級編制の改善は児童の第二次ピークにまいりますんでできないということでやらなかったわけです。そういう過去の実態を踏まえまして、五十三年の調査の結果計画を立てたわけでございますから、もちろん計画を練る段階で、五年でできるかできないか、六年ではどうなるというようなことも考えはいたしましたけれども、とてもこれは財政事情等考えました場合にむずかしいということで、外部に発表しました案は当初から九年と、こういうことで来ておるわけです。
#271
○小巻敏雄君 これはやっぱり国会決議にも超党派的に合意をして示されたように、国民の意思というものがありますから、文部省としては五年計画、それに準ずるものとしての六年計画、技術的に一年延びるとしても、一たん積算をし、計数をはじき、内々ではつくり上げてみたものの、表に出ないで葬られてしまったということになると思うんですが、私も何度もお伺いをして、あのころから大体一気に単年度でやってしまうとして三千億円金が要るんだと。ただ、金の問題だけじゃなくて、市町村立学校ですから、受ける自治体の方でそれに応じる能力があるのかと、急増県の方が大変だというような話を聞いておったわけですね。単年度でやるというようなのは理想倒れで、それはかなりの混乱も生むということは理解できるんですけれども、その五年計画というものが国民的に検討もされることなく葬られておるというところに、私は非常に問題があるんじゃないかと思うんです。その六年計画というのは、大ざっぱに言えば、しばしば三千億というようなふうに言われましたので、ごく単純に概念的に言えば単年度五百億円と、こういうような感じになってくるわけですが、そういうことですか。局長どうですか。
#272
○政府委員(諸澤正道君) 施設費の関係で言いますと、六年計画と九年計画では、六年計画の方が恐らく単年度でも倍くらいの予算になるんじゃないかというふうに思うわけでございます。
#273
○小巻敏雄君 具体的に言えば、九カ年計画というのは、最終三千億円ぐらいを予想されて十二万一千人ぐらいであったと、概算要求の中身を見るとそうなっていますね。だから、六年計画にすれば、その三千億円を、非常に単純に言えば五百億ずつ積算すれば、つまり九年計画のときは初年度負担を百六十億と置いて、あがりで二千九百七十億と置いておられたものを、百六十でなくて、五百億奮発して、そうして五年ないし、六年積み上げれば、今日十二年後に達成すると言っておるものが、具体的には現在学校に通っておる生徒、児童に対して適用しながら、初年度では四十四人にし、そして二年目には四十三人にし、二次の、あのときの方式で行うことができると、私はそういうふうに把握しているんですが、違いますか。
#274
○政府委員(諸澤正道君) 人件費の面だけから言いますと、四十人学級のために九年計画ですと四万九千人、十二年で四万三千人ですけれども、これが五年にしますと、いまちょっと手元にはございませんけれども、恐らくもっと大きな数になるわけですね、子供がまだふえていますから。そういう人件費の問題ももちろん非常に大事ですけれども、われわれの検討で一番やっぱり問題になりますのは、仮に五年なり、六年にした場合に、特に過密県における教室の増をどうするか。これは幾らお金を積んでも現実の問題として、その短期間に四十人学級にするに必要な教室増というものを、具体的敷地等を確保してつくるということは非常に大きな課題なんですね。これは自然増のために必要とする教室増だけでも四万七千くらい要るわけですね。しかもそれに加えて、十二年でやりますと四十人学級のために必要な教室増というのは約八千ぐらいで済みますけれども、たしかわれわれの試算でこれを五、六年でやるということになりますと、もう三万くらいこの年間につくらなければならぬということは、いまの自然増に対応する部分と合わせますと、実際問題として校舎の増というものが大都市ではほとんど不可能に近いのじゃないかと、こういうような判断であったわけでございます。
#275
○小巻敏雄君 昭和四十九年段階で問題は十分に全国民的に意識されており、手をつけるのは昭和五十四年からだということになれば、そこから先五年間の準備を持って計画が周知され、その点について急増県に対しては手当と対策をとられるなら、予算の措置が行われてそれを自治体が消化しないというようなことは私はないと思うんです。それは人口急増県における具体的な対応の仕方は、一口に急増県といいましても、年々五校も十校も高校を建てたり、貧弱な市町村が一年間に三校小学校を建てたりするのをこなしてきているわけですからね。そのいまできないと言われるようなことを急増県はやってきたわけですからね。国の中で問題点が明らかにされて、予算措置その他の準備のことが五年間も進められて、そしてできないというようなことはやっぱりやる気の問題だというふうに言わざるを得ないわけです。特に、その点では何としてもこの四十五人から四十人にすることによる教育効果に対する認識が十分に財務の方に、文部省の手でレクチュアをするなり、知らせることと、それの教育行政上の研究成果など文部省が地方行政、そして閣議等に周知させるような努力に怠りがあったと私は言わざるを得ないと思う。とにもかくにもそういう状況の中で九年案という、当初予想しなかった案が作成されて概算要求に提示をされたわけでありますが、これがいつの間にか十二年になっているわけですね。
 これは大臣にお伺いしたいと思うわけですが、九年が十二年になったということは、これは一体だれの知恵でそうなったのか。繰り返してお伺いするわけですけれども、大蔵大臣と文部大臣の確認事項というものは、それの中で何か一つの位置づけがあるのか、それは何のために何をお決めになったのか、大臣に率直にお伺いしたいと思う。
#276
○国務大臣(谷垣專一君) これは御指摘のように、文部省の方で九年計画の案を持ちまして、財政当局と折衝いたしましたことはそのとおりでございます。しかし、その折衝がなかなか正直言いますと入口のところで進まない状況でございました。そういうことで、最後までこの問題が実は決まらなかったということでありますが、実現のめどがつかなかった状況がほとんど最後まで続きまして、しかしそのままではいけないということで、両大臣も最後の折衝をいたしました結果、確認書にありまするような合意を得たと、こういうことでございます。
#277
○小巻敏雄君 私もその確認書をつくづくと見みてもらうわけですけれども、これは何を決めておるのか、つまり計画期間は十二年とし、そして改善規模は八万にする。つまりこの数字は、この確認の中から出てきた数字だと理解していいわけですか。
#278
○国務大臣(谷垣專一君) 確認の中から出てきた数字と言われるよりも、九年の計画というものがどうしてもだめだということになりまして、結局それは諦めざるを得ないかというような段階に入ったわけでございまして、新しくそこで十二年という計画を出して、そしてそこでの数を計算いたしますと、ほぼ八万という数字が出てきたわけでございます。したがいまして、八万という数字が先に出たというよりも、十二年というそこが先に出まして、八万という数字が出た。こういうことでございます。
#279
○小巻敏雄君 九年ではいけないけれども、十二年なら認めよう。つまり財務の場合にはそれだけメリットがあったということになろうかと思うんですが、当然のこと、文部省の側ではデメリットがあったということにならぬと勘定は合わぬですね、それは。
 それでは局長にお伺いしましようか。九年計画から十二年計画になることによって、何が具体的にどのように変わったのか。
#280
○政府委員(諸澤正道君) 年数と、それからそれに要する人員の関係でございますが、先ほど申し上げましたように、四十人学級を九年で実施するとしますと、約四万九千人の増になるわけですが、十二年でしますと、これが四万三千人ということになります。そして具体的には、六十三、四、五あたりにかなり子供の数が減ってまいりますので、そういう状況を踏まえて、財政的に見れば比較的円滑にこの計画が進められると、こういうことになるわけでございます。
#281
○小巻敏雄君 九年計画の必要財政、国庫負担と、この十二年計画とを見ますと、確かに改善増の計数の十二万一千何がしから八万一千に減っているわけですね。これはどうしてそういうふうに減るわけですか。
#282
○政府委員(諸澤正道君) 改善増の方は、四十人学級以外に、当初の要求は七万幾らかであったと思いますが、これが十二年計画になりましたときに、最終的に財務当局と折衝して決まった数字が約三万八千でございますから、その違いがいまの十二万と八万の違いということに出てきておろうかと思います。
#283
○小巻敏雄君 そのあれには、最終的な国庫負担も二千九百七十億円から二千億円に減っていますね。これはどういうこと意味するんですか。
#284
○政府委員(諸澤正道君) ちょっと恐縮ですが、その二千九百億というのはどういう数字ですか。
#285
○小巻敏雄君 九年計画でそう上がったんじゃないですか。
#286
○政府委員(諸澤正道君) ちょっといまの数字は、給与費について言えば十二万の増員をしますと、最終年度で給与費総額が六千四十億、その半分ですから、国庫負担が三千二十億、これが八万
 一千ですと給与費所要額が四千七十億ですから、国庫負担分が二千三十五億、こういう関係になります。
#287
○小巻敏雄君 いずれにしても、私の見たところでは、九年から十二年に計画変更をすることによって、一番大きな今日での財務側としてのメリットは、初め三年を、名があって実のない計画進行にして、九年を十二年にただ水を入れて延ばしたんじゃなくて、三年空白、あと九年でやると。おおよそ九年計画を三年白紙でしたのに近い中身が入っておって、そのことが当面の財政のしわ延ばしになっておるというふうに見えるわけです。また、確認事項を見てもさような要素が非常に強いわけで、確認事項で、第三に、財政再建期間中は改善増を抑制するとあり、昭和五十七年までは特に厳しく抑制するとあるわけです。だから、三年プラスアルファで抑制するとあるわけですね。この点はどういう意味なんですか、大臣。私が言ったような意味じゃないんですか。
#288
○国務大臣(谷垣專一君) いまいろいろお話がございましたけれども、基本的にこういうことをひとつ御了解願いたいと思うのであります。
 財政当局の方は、私たちの方が九年計画を持っていきました場合に、今日の財政状況であるからこれはお断りをするということです、ゼロ回答であります。ですから、十二年と九年の差というよりも、もう一つその前の前提として、九年計画の出しました案そのものに対するゼロ回答。そのゼロ回答をどういうふうに実現していくか、持っていくかというところに問題があるわけでございまして、それで、御指摘になりましたように、当初の三年は、先ほど来申し上げておりますように、人口の余り急増しない、人口がむしろ縮減しておる状況のところで、教室等の増築をしないというような抑え方をしてまいりましたから、確かにその間はかなり財政的にはやりやすいかっこうになったと思います。しかし、この時期は、やはりもう一つ教育全体から見ますと、生徒数の急増という状況が片一方にありますから、教育に関します経費全体としましては、実は相当大きな負担を国としては考えなけりゃならぬ、こういう問題があるわけでございます。
 それから、猶予期間にサープラスがあるという――確かにこの表現を見ますとそういうお感じ方になると思いますが、「財政再建期間中」、これは「特例公債から脱却するまでの期間」でございますから、特例公債から脱却するということはある程度不確定で、これからの見通しのことでございますが、三年間にやれるかどうかという問題があろうかと思います。しかし、これはそこの問題よりも、特に児童、生徒数の増加に伴う五十七年度までというところが、強くこう言われておる点だというふうに、私は了解をこうしておるわけでございます。
#289
○小巻敏雄君 大蔵大臣もそのように了解しておるかどうか、尋ねてみないとその点ははっきりわからぬのですが、「特に」から以下だけに意味があって、その前に意味はないというような文章は、わずかな文章ですからね、全体が。私としても書かれるはずはないと思いますし、さらにその後最後の条項でも、「計画期間の各年度」、単年度制の財政の中で、十二年先まで青写真というのはなかなかむずかしいのかもしれませんが、受ける側と違って、要求する側の文部省は、少なくとも年度の要求案を持っていなければならぬと思うわけですが、これが十二年全般にわたって「弾力的に決定する。」とありますから、単年度制の予算の中で、ことしは苦しいとか、この五年間は軍事優先だとか、中期見積もりが優先だとかなんとか言っていれば、三年過ぎたって、教育優先の条件が確立されない限り、財務の中で。他のものにさまざまな優先課題を設けて、従属的に取り扱われる場合には、いつでも生きてくる確認条項になっておる。二人で確認されたんならこれは両者を拘束するのであって、都合のいい解釈だけ行うわけにはいかぬのじゃないかと心配をするわけですが、先ほどから他の質問者に対する答弁をお聞きしておっても、大臣はこの三条項の「極力抑制する。」という期間中の条項と「特に」以下は、前文は余り意味を置かないと、三年間のことだけと大体文部大臣は了解しており、相手にも通じているはずだと、こうお聞きしていいわけですか。
#290
○国務大臣(谷垣專一君) 先生の御質問は少し行き過ぎたどうも印象をお持ちのようでございますので、私申し上げておきたいと思いますが、これは「財政再建期間中」を「極力抑制する。」と、これはそのとおり書いておるわけでございますから、それを無視するとかしないとかいう問題を言っておるわけじゃありません。それは確かにここにちゃんとはっきり書いてあります。ただ、その後で言っておりますように、「特に」という言葉を入れておるわけでありますから、これは文章の上から考えまして、その前提になっておるが、その中で「特に」とこう言っておるわけです。ですから、いま五十五年度から三年間始めようとしておるわけですが、その条件よりも、「特に」と言っておる以外のところは、それほど厳しくという解釈には、文理上はなりにくいと思うわけであります。これはどういうわけだというのを、いま言われたように、おいこれはどう読むんだと、こういろいろ聞いてやるわけじゃございませんで、お互いにこれ文章書いてどうだと、こうだと、それは問題になるところはありますが、特にこの間は、ここで書いておりますように、五十七年度までの間は厳しく抑制する、この文章はそういうふうに私は読んでおるわけであります。
#291
○小巻敏雄君 最終の条項は、計画期間の各年度の改善規模、年々の。わざわざ十二年全般にわたって触れられておるわけですね。これは三年の期間及び残りの九年の期間全体についていまからいわば機械的に定めておかないで、年々の財政事情を見て決めようというふうに書かれているわけです。そこにかかっておる大枠は最終年度の八万人、これをいつまでに達成するかということを弾力的にやるというわけですから、まあ常識的に考えるとその年ごとに財務の方から見れば、甘い顔をするより渋い顔をする方が先に立つでしょうし、これに対してこれがあるから繰り上げてやれという文理になかなかなりにくい、二年間しんぼうしたから三年目に返してもらうとか、そういうふうに読みやすいものになっておりますし、とりわけ従来の大臣の歴任の年鑑なんかを見ましても、三年以上歴任という例は余りないので、あとは文理が生きてくるというようなことも当然考えられるわけです。ですから、特に私が重要に思うのは、ここまでいきますと、文部省の決意が、相手もさることながら、最も重要な状況になってくるだろうと思うんです。
 その意味で、私が見たところこの確認事項というのは、なかなかシビアな条件を文部省は肩に負って出発するもので、これがあるから三年たったら後は楽になるというふうにはなかなか読みにくいものだと、私はそう思うわけであります。
 あわせてお伺いしたいのは、衆議院の審議の中でも、この問題、三年見直しというような問題について、大臣も答弁もされておるわけですね、あるいは決議についての所感も述べられておる、三年たったら情勢を判断して検討いたしますと。また三年たったときが、いろいろ硬直した状況から抜けて、前向きに物を見る機会だというふうにも聞こえる答弁をされておると思うんですけれども、その点はそう聞いてよろしいわけですかね。
#292
○国務大臣(谷垣專一君) これは予算の審議の過程におきまして、衆議院の段階で四党の合意の申し入れが政府にあったわけでございまして、政府の方からは、おおむね三年後にこれをたしか検討するという表現だったと思いますが、そういうお答えをしておるのであります。これはもうそのとおり誠実にしなければならぬと思っております。
   〔委員長退席、理事高橋誉冨君着席〕
#293
○小巻敏雄君 私は文部大臣、一方ではこの文教委員会の審議の過程で観測について決意を述べられ、お約束をされ、もう一方では、なかなかむずかしい財務との間に約束をされ、確認をされておるわけでありますから、私は双方が、いずれかが空文になるというようなことはない姿で進まざるを得ないだろうと将来を見るわけですね。その場合に、私は確認事項と、それから衆議院で持たれた附帯決議条項をあわせて見て、共通点は、出発したら三年間はこの中身で動かさない、いわば非常に旗印は今年度出発ということで与えるけれども、中身はほとんど空白である三年間を過ごすと、こういう状況に対して、三年間抗弁できないことだけが定着をされて、その後の九年間というのは、四年目から明るい展望が出るのか、十二年目まで非常におくれた姿で推移するのか、いずれの確約書にも、あの附帯決議にも、いずれの文理からも、希望が出てこないというふうに見ざるを得ないと思うわけであります。その点につきましてはしかしお約束もいただいておりますし、この定員その他予算という問題は、必ずしもこの法案に尽きるものではありませんから、今後ともきめ細かく一層努力をしていただく必要があるだろうと思うわけです。特に私としては、この法案の審議に当たって、衆議院の審議経過、文部省と財務当局との折衝経過を見て、今年発足という実が本当に上がってくるのはいつからかという点で、非常に懸念を感じるものだということを申し上げておくわけであります。
 前回の一般調査の際にもお伺いをしたわけですが、過密過疎の市町村の問題点であります。確かに十二年計画とはいえ、今年発足したことに意味がある、私も大蔵当局が旗印をのんだということはうれしく思っていますよ。白紙還元されたのではなくて、今日の日本の教育の問題点として、学級編制基準を改善しなければならぬということが国是になったといいますか、その点はうれしく思っていますよ。ただ、余りにも惨たんとして傷だらけの法案になって、そうしてこの三年間が名があって実がないんですね。前回も御質問申し上げましたが、今年度から出発をする過疎の市町村の実態を少し自分の最寄りの府県等で見て、前回は大阪市、守口市等のことについてただしたんですが、滋賀県に先般からも参って教育長にも会い、ここの状況を聞いてみますと、該当する過疎の学校が八校滋賀県であるんですね、わずかなものでこれ実行できると思うんですが、やや設備が要る。この設備についてはそれなりの決意をやっぱり現地では持っておるですよ。しかしながら、ここで八つの市町村の中で、現実に発足時点から該当するのは二校にすぎないわけですね。滋賀県と言えば、平均より少し過密寄りの方の県ですが、こういう状況になっておる。こういう状態ですから、この過疎の都市でさえも八つの該当が実質には四分の一だけしか出発しない、非常に名ばかりになっておるということがありますから、私はこの三年の間にも、わずかなものですから市町村が決意をし、単費ででもやっていこうというふうに考えた場合には、これについての定員配等は、きめ細かくひとつ考えていただきたいと思うわけであります。
 それからもう一つ、あの附帯決議の中では、十三項目あるわけですが、過疎の進行する県での過員整理を行うようなことがないように、急減防止というふうなのも七項目に設けておるわけであります。この点については、まだ私は文部省の方から定数の推移について数字で示すのを見せてもらったことはないわけですが、数字は持っておりますか。
#294
○政府委員(諸澤正道君) 過疎県につきましては、これまでもどんなに子供が減り、その結果として教員定数が減ることになっても、前年度定数の九八・五%は保障するという、いわゆる最低保障を実施してまいりまして、この対象県は昭和四十九年度あたりでは十県以上あったわけですけれども、五十五年度は秋田と鹿児島の二県になっておりまして、その数も大分減ってきております。したがって、われわれの推測としては、過疎化の現象がきわめて緩慢になったということであろうと思うんですが、今後そう長くはこういう最低保障を必要とするような状態は続かないであろうというふうな判断に立っておるわけでございます。ただその間どうするかということにつきましては、従来もそれぞれの年度において、政令をもって最低保障を実施してきたという経緯がございますので、それらを踏まえて考えてまいりたい、かように思うわけです。
#295
○小巻敏雄君 現実問題として、四十七都道府県、まあ一つとして生首切りだとか、問題を起こすようなことはなく推移していくことができるだろうというふうに言っていただいておりますから、いただいておきたいと思いますが、ぜひこの点については、何年ごろどの県でどういう問題が起こりそうになるかという資料も入手したいと思いますので、定数の推移ですね、資料としてお渡しいただきたいと思うんですが、その点約束していただけますか。
#296
○政府委員(諸澤正道君) いまの段階では、先ほど申しましたように、そういう意味での生首を切るような事態はないと思いますが、先生御指摘の計数でございますが、これはいま悉皆調査でとりました計数等からそういうものが具体的に出ますかどうか、なお検討した上で御返事申し上げたいと思います。
#297
○小巻敏雄君 やっぱり白紙委任のようなかっこうになってしまいますからね。その点では、速やかに計数を出して、少なくとも参議院の文教委員会の決議の中の一項目でもありますしね。こういう状況が出されて、予想していたよりもはるかにおくれた姿で、五年計画と当初私ども予想しておったのが、十二年になるというような状況でありますから、私はこの審議の中で、付属の資料としてつけても出されるべきものであったと思うわけです。速やかに出していただきたいと思います。
 ここで特に申し上げておきたいのは、実際に附帯決議の趣旨というのは、過密県における学級定数改善を優先的に要求しておると思うんです。なぜなら、まあ外国もやっておるから、こっちもやりますというようなおつき合いのものではなくて、生身の、いま学校に行っておる生徒が、現に非行なり、落ちこぼれなりで問題発生しておるのを、一日も早く救済すべしということになれば、平均的にも非常に高い過密県、事件発生率が異常に高い過密県、ここに問題が着手されることによって、大臣も今度苦労をしてとられたこの定数法の実が入ってくるわけですね。現実に四十一人以上の学級のあるその地域で多数に問題も発生しておりますし、これらのところは、しかも一学級が過大だけじゃなくて、学校全体が過大ですから、そのことから来る無数の問題も出ておるわけです。過密校では、もう小学校に六年もいながら、校長の名前も知りませんよ、皆。まあ一遍聞いてごらんなさい。和歌山に行って聞いておったら、校長と一緒に入って行ったら、「おっちゃん、どこの人な。」と、こういうぐあいになりますよ、校長さんに対して。ぼくらの小学校で育った時分は、少なくとも、校長は煙たかったけれども、知っておったですよ、この点はね。こういう状況の中ですから、生徒と校長との距離も無限大に遠ざかって、行政的人間がやっぱりでき上がるわけです。これらの問題を含めて、過密地域こそ四十人学級編制のもたらす教育行政効果の、今日の教育課題救済の中心部分なんですね。中心部分が最後の三年間、六年間で行われるんですから、十二年計画というのは実は多くのところにとっては六年空白、六年後出発になるんだということですね。
 だから、もし見直しというなら、こういう部分が動かなければ、私は見直しというのに値しないと。しかも、それの条件に三年間文句言いませんという条件までついては、私は、やっぱり非常に教育的後進国になると言わざるを得ないわけです。過密は、非常に多くのところが四十人以上の学級でこれから十数年間推移をしていくことになるわけです。多くの方が諸外国の先進国の状況を聞かれましたが、現在四十五人というような、あるいはそれ以上の定数を持っておる国の名前を私はあんまり思い出すことができないんですね。局長、どうですか、その点は。こういうのを持っておる国というのをひとつ挙げてみてもらいましょうか。
#298
○政府委員(諸澤正道君) 先ほどもお答え申し上げましたように、われわれが調査いたしましたイギリス、アメリカ、西独、ソ連といったような国では、まあ四十人以下という実態でございます。
#299
○小巻敏雄君 私が見た限りでは、まあ日本に似ておったというのが、一九六〇年代の中国は五十人学級でしたね。ただ、一年生の英語だけは学級を二学級に分けてやっていましたけれどもね、外国語の最初の一年だけは。
 だから、アジア的学級様式というようなのは、ぼくは学説でもあんまり聞いたことがないんですが、ほとんとに何というのか、中開発国、低開発国のごく一部にだけしかない状況なんです。
 ところが、高度成長の日本で、なぜこういうものを平気でいままでやってきたかといえば、ぼくは、日本の教育に到達主義が明治以来立ちおくれておって、選別主義でやってきておるから、実際の教育対象の何百人、何千人、何万人に対して、その後の上位成績者の教育にだけ行政が意を用いて、全国民の教育ということが念頭の中で位置を十分に占めていなかったからここまでやってきた。日本のリーダーたちのぼくは性格に偏向があったのであって、こういうことを実現する財政力が不足していたからだとはとうてい思えないわけであります。
 高等学校の四十人学級についても、これも恐らく、義務制から先にと言いますけれども、高等学校の方が、つまり後期中等教育の方が、初等教育、あるいは前期中等教育よりも、より過密で行われているというような国なり、状況を局長御存じですかどうか、ほかの例を。
#300
○政府委員(諸澤正道君) ちょっといま手元にすぐ資料を出せないんで、大体記憶しているところで申し上げますと、考え方としては、初等教育、特に低学年は少人数でと。その上へ行きますと四十人程度というようなところ、たとえば西独なんかもそうだったと思うんですけれども、そういう考え方が一つあろうかと思うんでございます。
#301
○小巻敏雄君 日本の過去でも、諸外国でも、やっぱり初等教育よりは中等教育、中等教育より高等教育の方が、より専門的でありますから、まあ教官当たり学生数といいますか、教員当たり生徒数というのは、より少ない数になっていくのが、まあ日本の過去でも、外国でもこれがまあ常識だと思います。私は、病的状態にゆがんでおって、これも財政問題が教育内容問題に優先をしておるというところからくると思わざるを得ないわけです。
 ただ、今度の高校に対しては、学級定数問題については、いま見通しもない状態だが、習熟度別学級編成について、定員配当をされていくわけであります。文部省が言われる習熟度別学級編成というのは、しばしば現場では能力別学級編成というふうに理解をされておるわけですが、その点はどうなんでしょうね。
   〔理事高橋誉冨君退席、委員長着席〕
#302
○政府委員(諸澤正道君) この習熟度別学級編成というのは、実は今回の高校の学習指導要領改定の際に、言ってみれば、われわれが新しくつくり出した言葉なんでございます。その能力別というのは、従来もそういうことは言われておる場合が多いわけですが、われわれのイメージとしては、能力別学級編成と言いますと、子供の能力を固定的にとらえまして、学級編制それ自体をA組、B組、C組というふうに分けて、A組は一番総合点の高いもの、その次がB組、その次がC組というようなことで、年間あるいは全学年を通じて、そういう編制を実施し通すというような考え方の場合が多いようでございますが、今回の習熟度というのはそうではなくて、いろいろ勉強しますうちで、特に、たとえば英語であるとか、数学というふうに積み上げて勉強していく場合に、子供によってその進度の現況が違うという場合に、その一つの方法として、たとえば補習授業などありますけれども、それだけではとても追いつかないと。そういう場合に英語なり、数学について子供を幾つかのグループに分けて、進度の早いグループ、遅いグループというふうに分けて、それぞれのグループで教え方、教材等を、場合によっては変えながら勉強をさせ、そして一学期間やった上で、これは大分追いついたということになれば、次の学期からBグループからAグループに行くというふうに、いわばグループを固定化しない、そういうやり方で、それぞれの習熟段階を正確にとらえて学習をさせる、こういう目的で考えたのが習熟度別学級編成でございます。
#303
○小巻敏雄君 能力別学級編成というと、しばしば何か素質別学編成みたいに受け取られて、英語はよくできても理科が零点とか、国語はかなり成績取るが数学は零点とか、高校になればいろんな子がいるわけですけれども、トータル的に見て、受験校のランクみたいに学級を分けて、ホームクラスから何から固定して分けてしまうようなことがかなり行われてきたし、それが学校単位で行われるのが、いわゆる一流校から何流校までの輪切りと。これを学校内で設けるというような意味になってくると、この辺は非常に批判も面強かったわけです。
 いまの局長の説明であると、習熟度別というのは、いわば同一目標に到達させるために到達度別に分けて、一時期分離するというふうに聞こえるんですが、そう考えていいんですか。
#304
○政府委員(諸澤正道君) おっしゃるように、習熟度別というのも、最終到達目標は個々の生徒によって違えない。ただ、その到達させる方法にいろいろの方法を使うということですから、そういう意味では到達度別学習と言ってもよろしいかと思うんです。
#305
○小巻敏雄君 すると、加配のためには、余りむずかしい条件つけないで、学校が学校の状況についてこういうものを行い得るように加配すると。加配を受けるための条件にさまざま形式的な、学級編制なんかについての形式は要求しないということですか。
#306
○政府委員(諸澤正道君) 到達度別グループ編成の場合は、たとえば四十五人学級が三クラスだということになりますと、百三十五人ですけれども、これは通常そういう場合、実績を見ますと、四つぐらいのグループに分けるんですね、三十何人かの。そして、進度によって組分けをするということになりますと、英語なら英語だけとっても、一クラス分だけ、一グループ分だけ本来の学級編制よりよけい教師の手がかかるということになりますから、そういう編成をする場合に教員の加配をしますよということだけでありまして、後はどういうふうにそれを運営していくかということは学校にお任せをする、こういう考え方でいきたいと思います。
#307
○小巻敏雄君 三学級を四グループに分けて到達別やるために、そういうことがやり得るように、三人であったものを四人にすると、教員を。場合によって、目的を遂げてまた三学級に変わってもその教員は引き揚げようもなかろうと思うんですが、どうなんですか。
#308
○政府委員(諸澤正道君) 高等学校の定数配置というのは、御承知のようにこれは地方財政計画の積算基礎でございますから、この到達度のための増員を十二年間で六千六百ぐらい計上しておりますが、毎年度何百人か各県別に配分しますと、それをどういう学校へ配るかということは、先ほど申し上げましたように、学校の実施状態を見て県においてあんばいしてもらう、こういうことになろうかと思います。
#309
○小巻敏雄君 そうすると、習熟別学級編成をやるかやらないかというのは指導要綱であり、法規制も何もありませんから、一面でこれを指導されること、それを受け入れることを予想して、各県に対して要求があれば定員を落とされるということで、余りむずかしい規制はないというふうに聞いておいてよろしいんですな。
#310
○政府委員(諸澤正道君) 習熟度別学級編成は、指導要領におきましても、子供の実態において習熟度別の学習をすることも考慮するというような、強制規定ではございませんから、おっしゃるように、それを受けて各学校、県において必要判断してやっていただく、こういうことになります。
#311
○小巻敏雄君 しばしば引き合いに出す四十九年五月三十日の参議院決議の中には、養護学校、特殊学校ですね、これについての改善にも触れておるわけです。私昨年の委員会で、五月八日だったかと思いますが、重度の肢体不自由、あるいは複合障害の子供を受けとめておる養護学校の教職員に腰痛問題が職業病として広がっておる問題を質問したことがあるわけです。現在でも多くの養護学校では腰痛問題というのは悩みの種になっておるんです。そのときに局長が、こういうのは、大きくなった子供を抱きかかえたり、持ち上げたりするのは、必ずしも教員の本務でない、介助職員のやることだというような御答弁があったと思うんですけれども、そういうふうに局長が答弁されたぐらいですから、介助職員についてはいろいろお考えがあるんだろうと思うんですが、全国各県の介助職員の配置状況、それがどういう仕事に携わっておるのか、身分、待遇、これらの実態については掌握されていますか。
#312
○政府委員(諸澤正道君) 介助職員は制度上は標準法の対象になる職員ではございませんけれども、現在文部省におきましてその給与費の半額を国庫負担するという運営をいたしておりまして、その負担の対象になります職員の数は、五十五年度は前年度より百名ふやして七百五十名ということになっておるわけでございます。
 そこで、その七百五十名の介助職員が、どういう身分で学校に配置されておるかといいますと、これは県によってちょっと違うようですけれども、実習助手というような身分で入っているところもありますし、一般の事務職員と同じような扱いを受けておるところもあるようでありますが、いずれにいたしましても、当該県の県立学校――通常養護学校は県立学校でございますが、県の職員という身分になっておりまして、その職務の内容としては、そうした重度障害を中心とする子供さんの学校内における身辺の世話なり、あるいは校内移動、あるいは登下校の際の介助といったような仕事をしておるわけでございます。
#313
○小巻敏雄君 私もあちこち実際に陳情も受け、現場に当たるんですが、実態は確かに各県さまざまで、職務内容も学習介助というようなのを置いておるのがありますし、生活介助というのがありますし、通学介助というのもあるわけです。それでその仕事を全部やったり、一部分手伝ったり、待遇についても、行政職の二等級を持っておる者、それから技能労務職の給料表が使われておる者、県によっては臨時職員というものでやっておるもの、日当日雇い、いろいろな形態があるわけです。たとえば、和歌山県というようなところへ参りますと、十五人介助職員がおりますが、日給制で年々雇用、一日三千円余りというようなものもあります。こういう状況です。大阪府では実習助手名義で高校卒三十名、こういう者が府立特殊学校で採用されています。あれこれありますけれども、私は実習助手名義で常勤になっておる人が、総体的に見て待遇的に恵まれておるような印象も受けておるわけです。この中で教育職の適用者、こういう方向へ位置づけをして、今後計画的に全体を配置して進めていくというふうな考えを持たれるかどうか、文部省で五十五年七百五十人配置というように言っておられるわけですが、将来計画はどうかというような点をお伺いしておきたいと思います。
#314
○政府委員(諸澤正道君) これは一つには、いまおっしゃるように俸給表の適用を何にするかということが、結果的に当該学校における介助職員の職務の位置づけとも関連するわけでございますが、現実の段階としては、いろいろな職種の扱いを受けているという実態であり、また、その仕事の内容も御指摘のようなことでございますので、この辺はしばらく各県の実情を見てまいりたいと思うわけでございます。ただ、数の増加につきましては、私どもとしては将来もっとふやしまして、特に肢体不自由児養護学校については、必要が高いわけでありますから、さらに増員を図っていきたい、かように考えております。
#315
○小巻敏雄君 少なくとも、今日職業病としての腰痛が広がっておるような現実に対して、具体的に目の見えた役に立つような配置というものについて、鋭意改善を図っていただきたいという点は、文教委員会決議の線にも即して、この点は特に要望しておくわけです。
 あとわずかな時間ですから、最後に、わが党としては、この法案に対してはさまざま申し上げたわけですが、少なくとも十二年というような長年月にわたってまで、六年前の参議院での文教委員会決議でも定めた問題が、とりわけ過密地の中学校等によって延期されるというのは、まことに立ちおくれた不十分なものだということを重ねて申し上げておく必要がある。
 教育といえども聖域でない、財務から見たらそういう状況になる、こういう状況で五年と予想されたものが九年になり、九年が十二年にまで引き延ばされているわけですが、一方では、いま二兆円余りの予算を持っておるほかの省では、今後五年にわたってその上に二兆八千億の予算を総体的な重点だということで積み上げ、この教育のための予算を、九年から十二年へというふうに繰り延べをして、当面三年間はただに近いような状況にまでしていく。私から見れば裏返しのように、五年計画の中期見積もりを四年に繰り上げていく、こうなったら、そこに積まれる一年分だけで、完全に五年計画の毎年の積み上げはできるぐらいの金額なんですよ。私は依然として、八〇年代を展望する国政の中で、何が重点かということが私は問題だと思うわけであります。それは私どもが計算してみますと、一年間に五百億円ずつ積み上げて、五年目に国庫補助金として二千五百億の金を積めば、あの六年前の文教委員会決議、多くの国民が望んでおる、行き届いた教育のために、おくればせながらヨーロッパの二十年前の状況に追いつくような、この定数の改善は積み上げることができる。最終年度で二千億、あるいは三千億のものを、単年度五百億程度の成長で組んでいくことは、前の委員会でも申し上げたでしょうけれども、少なくとも数年前までの文部予算のシェフが、総予算に対して一、三%あったんですね。いまが一〇%に落ちておるわけですから、一%回復していくだけでもこれは十分に行い得ることだ。こういう点を申し述べまして、私はこの八〇年代の針路の中で、日本は絶対に軍事大国、軍事立国の道を歩むのではなくて、教育立国として構想をされる必要があるということを述べる次第です。
 あと少しく時間が残っておりますので、一つ緊急の問題について文部省の意見をただして、きょうの質問を終わりたいと思うんですが、四月二十九日というのは、言うまでもなく国の祝日になっておるわけでありますが、この点につきまして、四月二十九日、これは全部の学校に対しては祝日は休日になるのが普通なんじゃないですか、いかがですか。
    ―――――――――――――
#316
○委員長(大島友治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、安永英雄君、田渕哲也君、吉田実君、望月邦夫君、粕谷照美君及び土屋義彦君が委員を辞任され、その補欠として片岡勝治君、柳澤錬造君、高平公友君、志村愛子君、広田幸一君及び坂元親男君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#317
○政府委員(諸澤正道君) 国民の祝日は学校を休業日にするのが普通でございます。
#318
○小巻敏雄君 これは学校で決めたらいいことかもわかりませんけれども、普通四月二十九日に何か授業をやったり、行事をやったり、一般にやっておることですか。こういう例について聞いておられますか。
#319
○政府委員(諸澤正道君) 聞いておりません。
#320
○小巻敏雄君 そういう珍しい例が、一つの運動体、団体の意思によって、学校の名において行われるという、こういう状況が大阪であらわれておるわけであります。私は、二十九日と言えば迫っておりますが、文部省もひとつ注目をされて、不当なことが学校の場所で行われないように御指導いただきたいと思うんです。これは部落解放同盟という団体があることは御存じのとおりでございますが、これは天皇誕生日に反対であるから、四月二十九日には同盟登校というのをやって、天皇制の差別性についてひとつ大いに学校で特別授業をやれという方針を決めていますね。ここに「解放新聞」、コピーを差し上げておきましたが、中央執行委員会で決めたというのが三月二十四日付の「解放新聞」に出ております。天皇誕生日には天皇制学習会を持ち、拠点を設けて集団登校などの取り組みを行う、これは一月の狭山裁判ストライキ、これに見合うような一つの団体行事になっておるわけですが、さすがにそういうことを行っておるところの例は余りほかには聞かぬのです。ところが、東大阪市というところの意岐部東小学校というのが、これを受けて、二十九日を同盟登校日として、全校生徒に登校をさせて、天皇制に反対する学習会を行う、こういうことが学校の名をもって全父母に通知をされて行われようとしておるわけであります。念のために申し上げますと、この学校は去る一月には狭山の同盟休校を学校行事に組み入れて、特定団体の政治闘争に学び、そして加担をするということをやったわけですが、続いて行われております。この学校名をもって全父母に配られました文書を見ますと、「子どもとともに〃天皇制〃を考える」というようなプリントが子供に渡され、父母に対しては、この意岐部東小学校名をもって、父母にその意義がまた文書をもって通知されておりますが、その中にはかなり露骨にこの取り組みは「荒本支部においては、同盟登校として位置付け、」、これは部落解放同盟の当地の支部ですが、「その態勢がととのえられてきています」と。これを受けて学校では、団体の方針に沿って、全生徒に対して学校の方針でもって、校長名になっておりませんけれども、学校名であります。教職員組合、その他グループが行っておるのは、これは文書偽造になると思いますが、明らかに学校名で正式のルートを通じて全父母に配られておる。私は、小学校の一年生から始まるこの小学校の授業で、天皇制についての講義をするというようなことを一定団体が決めて、そして、その方針に従って学校が動かされるなどということは、あってはならないことだと思うわけですが、いかがでしょう、こういう事実について。
#321
○政府委員(諸澤正道君) 天皇の地位につきましては、憲法の第一条ですか、「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」という規定があるとおりでございますから、このような天皇のあり方について、その存在を認めることが大局としての部落や部落差別を容認することになるんだというような見地からの学校教育の指導というのは適切でないというふうに私は考えます。
#322
○小巻敏雄君 父母に対して「保護者殿」で訴えられた「〃貴族あれば賤族あり〃とする世の中の厳然たる事実があります」ということにあえて反対するものでありませんけれども、小学生に校長が責任を持ち、教職員が一致して行うべきものを団体で決定して、ほかで決議をして、そうして解放教育という名のもとに、学校のシステムでそういうことを行っていくということには、内容がよかれあしかれ、賛成できないと、私は教育介入という意味で、学校で行えば偏向教育という意味において問題だと思うわけであります。同じく部落解放運動の他の団体は、こういうようなことをやっておれば本当の同和運動の推進を妨げるということで、大阪府教育委員会に激しく抗議をしておるような点もあって、大阪府教育委員会では、当日にさようなことが行われないようにと、また、参加しなかった者が圧迫を受けたりしないようにということで、指導を行っておるようでありますが、ぜひともその点については、問題の所在を明らかにして、御指導をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#323
○政府委員(諸澤正道君) 大阪府教育委員会を通じまして、東大阪市に対して適切な指導をしてくれるようにさらに連絡をいたします。
#324
○小巻敏雄君 終わります。
#325
○委員長(大島友治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。
 勝又武一君及び小巻敏雄君から、委員長の手元にそれぞれ修正案が提出されております。両修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、勝又君及び小巻君提出の両修正案を一括して議題といたします。両修正案について、提出者から順次趣旨説明を聴取いたします。勝又武一君。
#326
○勝又武一君 私は日本社会党を代表して、本案に対する修正案について御説明申し上げます。
 修正案の案文はすでにお手元に配付されておりますので、朗読を省略させていただきます。
 まず、修正案の内容は、小・中学校において、養護教員及び学校事務職員を全校に配置すること、高等学校においては学級編制の改善と、養護教員の全校配置を行うこと、さらには改善計画を九年間に短縮すること、以上の三点であり、その理由は次のとおりであります。
 第一に、養護教諭及び学校事務職員についてでありますが、その職務の重要性、必要性は、いまさら論ずるまでもないところであります。学校教育法においても、そうした観点から原則として置くべきことを定めているのであります。また、子供の立場からすれば、学校規模の大小にかかわらず配置されなければならないことは当然のことであります。さらに、全校に配置しても、小・中学校に限って言えば、原案に対して、千三百余人の増で済むことであり、この機会に全校必置を実現しなければならないと考えるのであります。
 第二に、高等学校についてであります。現在進学率は九四%を超え、準義務化しているといわれる高校教育は、生徒間の学力差も大きくなり、怠学、非行、五無主義の浸透など、教育の荒廃、ひずみが最も指摘されているところであります。また、人生の進路選択の重要な時期でもあり、義務教育と同様、一人一人に行き届いた教育が必要であります。それにもかかわらず、原案が学級編制の改善を見送っている点は、看過できないと考えたのであります。
 第三は、改善計画の期間であります。従来の五年計画に比べ、原案の十二年計画は、気の遠くなる長期計画と言わざるを得ません。まして、本計画の場合、最初の三年間は、市町村や学校により、学級編制の基準が異なるなど、国民の立場からしても納得しがたいものがあります。
 こうした理由から、計画期間の短縮が必要でありますが、財政事情等も考慮して、九年計画が妥当と考えた次第であります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#327
○委員長(大島友治君) 小巻敏雄君。
#328
○小巻敏雄君 私は日本共産党を代表して、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由の説明を行います。
 修正案につきましては、すでにお配りしてあるとおりでございますが、その内容は、
 一、小・中学校の四十人学級制及び教職員配置基準改善の計画達成年度を、原案の昭和六十六年度から、昭和五十九年度に短縮する。
 二、高校についても四十人学級制を実施する。
 三、学級編制基準及び教職員配置基準を、文部省の当初案に基づき修正するというものです。
 以下その理由を申し上げます。
 教育の荒廃を打開し、どの子にも基礎的な学力、体力はもちろん豊かな情操と市民道徳をしっかり身につけさせる教育を実現することは、国民の一致した願いであります。
 この点で、すし詰め教室を解消し、教師が一人一人の児童、生徒に行き届いた指導を行えるように教育条件を整備すること、とりわけ、国際的にも常識となっている四十人以下の学級編制を速やかに実施することが、緊急不可欠の課題となっています。ところが、今回政府が提出している定数標準法改正案は、早期実現を求める国民の期待に反し、四十人学級制の完全実施をはるか十二年後に引き延ばすものとなっており、高校については四十人学級制そのものを見送っています。
 従来、五カ年で実施してきた定数改善を十二カ年とするのは、昭和四十九年の全会一致の衆参文教委員会決議、またこれを再確認をした昭和五十三年の衆院文教委員会確認等にも反するだけでなく、
 1四十人学級を最も必要としておる過密地が後回しになる。
 2今年度から四十人学級が可能な市町村でもその実施が長期にわたって引き延ばされる。
 3同一市町村内で、四十人学級と四十五人学級が併存するという不公平が生まれる。
 4毎年度の計画がないため、自治体は施設整備や教員配置の見通しさえ立てられない。
 5児童、生徒減少地域では、教員の削減問題さえ起こりかねないなどの弊害を引き起こすものであります。
 政府は、四十人学級制実現を十二年後に引き延ばす最大の理由に財政危機を挙げています。
 今年度予算編成に当たって、大蔵、文部両大臣は、確認事項を交わし、計画期間の各年度の教職員の改善規模は、経済情勢、財政状況等を勘案し、弾力的に決定すると約束し、さらに、財政再建期間中は、改善増は抑制する、特に、昭和五十七年度までは厳しく抑制すると明記しています。これは教育政策を長期にわたって、全面的に財政に従属させるものであります。
 これに関連して、おおむね三年後に各般の状況を勘案し、その後の計画について検討を行うとの意見もありますが、これでは、この両大臣確認事項を事実上追認するばかりか、四十人学級制の早期実現を求める国民の願いにも沿わないことになります。民族の未来を担う子供たちを育成するという国の大事業が、財政に全面的に従属させられるという事態はとうてい認めることはできません。
 四十人学級制を五カ年で完全実施することは、財政上も十分可能であります。
 修正案による教職員の増員は、養護教員事務職員の全校必置などを含め、小・中学校で十二万一千名、高校で四万六千名であり、これに要する国庫負担は最終年度で二千五百億円程度であり、毎年の増加額は五百億円弱にとどまるものです。これは、今年度の防衛予算増加額の一千三百五十七億円の四割以下であります。
 四十人学級の早期実現に対する態度は、教育立国の道か、それとも軍事立国の道かの選択をも意味すると言わざるを得ません。
 私は、以上の理由から本修正案を提案しましたが、行き届いた教育という国民の一致した願いの実現のために、何とぞ同僚各位の御賛同をお願い申し上げる次第です。
 なお、わが党の修正案のほかに、日本社会党より原案に対する修正案が出されております。
 この修正案は、わが党も提案している高校の四十人学級制や、看護教員、事務職員の全校必置を盛り込んでいますが、計画期間が九年間となっており、五カ年計画を提案したわが党としては賛成できかねる点を申し添えて趣旨説明を終わります。
#329
○委員長(大島友治君) ただいまの勝又君及び小巻君提出の修正案は、いずれも予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から両修正案に対する意見を聴取いたします。谷垣文部大臣。
#330
○国務大臣(谷垣專一君) ただいま議題となりました二つの修正案につきましては、政府としては賛成しがたいものでございます。
#331
○委員長(大島友治君) それでは、ただいまの両修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もないようでございますから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、小巻君提出の修正案を問題に供します。
 小巻君提出の修正案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#332
○委員長(大島友治君) 小数と認めます。よって、小巻君提出の修正案は否決されました。
 次に、勝又君提出の修正案を問題に供します。
 勝又君提出の修正案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#333
○委員長(大島友治君) 少数と認めます。よって、勝又君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部を問題に供します。
 原案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#334
○委員長(大島友治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
 勝又君。
#335
○勝又武一君 私は、ただいま可決されました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党及び参議院クラブ各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
    公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、ゆとりあるしかも行き届いた教育を行うことにより、教育水準の質的向上を一層促進するため、四十人学級編制及び教職員定数改善計画について、おおむね三年後に、各般の状況を勘案し、その後の計画につき検討を行うとともに、昭和四十九年標準法改正案に対する本委員会の附帯決議の趣旨を尊重し、その実施に最善の努力を行うべきである。
  右決議する。
 以上です。
#336
○委員長(大島友治君) ただいま勝又君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#337
○委員長(大島友治君) 多数と認めます。よって、勝又君提出の附帯決議案は、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、谷垣文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。谷垣文部大臣。
#338
○国務大臣(谷垣專一君) ただいまの御決議につきましては、十分検討をいたしてまいります。
#339
○委員長(大島友治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#340
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#341
○委員長(大島友治君) これより請願の審査を行います。
 第六号私学に対する大幅国庫助成等に関する請願外二百八十一件を議題といたします。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#342
○委員長(大島友治君) 速記を起こしてください。
 第六号私学に対する大幅国庫助成等に関する請願外百一件の請願は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第一九号義務教育諸学校建設事業の全額国庫負担等に関する請願外百七十九件は引き続き審査することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#343
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#344
○委員長(大島友治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト