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1979/05/06 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 大蔵委員会 第15号
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1979/05/06 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 大蔵委員会 第15号

#1
第091回国会 大蔵委員会 第15号
昭和五十五年五月六日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十四日
   辞任          補欠選任
     浅野  拡君     秦野  章君
     小谷  守君     竹田 四郎君
     栗原 俊夫君     和田 静夫君
     松前 達郎君     福間 知之君
     片岡 勝治君     安永 英雄君
     原田  立君     鈴木 一弘君
     河田 賢治君     内藤  功君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     真鍋 賢二君     塚田十一郎君
     金丸 三郎君     中村 太郎君
     秦野  章君     浅野  拡君
     安永 英雄君     片岡 勝治君
     内藤  功君     渡辺  武君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         世耕 政隆君
    理 事
                浅野  拡君
                細川 護煕君
                矢追 秀彦君
    委 員
                岩動 道行君
                梶木 又三君
                河本嘉久蔵君
                嶋崎  均君
                藤井 裕久君
                藤田 正明君
                片岡 勝治君
                丸谷 金保君
                多田 省吾君
                佐藤 昭夫君
                市川 房枝君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房審議官    高岡 敬展君
       大蔵政務次官   遠藤  要君
       大蔵大臣官房審
       議官       福田 幸弘君
       大蔵省主計局次
       長        西垣  昭君
       大蔵省主税局長  高橋  元君
       大蔵省理財局長  渡辺 喜一君
       大蔵省銀行局長  米里  恕君
       大蔵省国際金融
       局次長      大場 智満君
       通商産業政務次
       官        戸塚 進也君
       通商産業大臣官
       房審議官     尾島  巖君
       工業技術院長   石坂 誠一君
       資源エネルギー
       庁長官      森山 信吾君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        児玉 勝臣君
       資源エネルギー
       庁石油部長    志賀  学君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    高瀬 郁彌君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  安田 佳三君
       建設省住宅局参
       事官       大田 敏彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       通商産業省通商
       政策局国際経済
       部長       柴田 益男君
       資源エネルギー
       庁長官官房石油
       代替エネルギー
       対策課長     川田 洋輝君
       資源エネルギー
       庁長官官房エネ
       ルギー企画官   深沢  亘君
       資源エネルギー
       庁長官官房省エ
       ネルギー対策課
       長        高島  章君
       資源エネルギー
       庁石油部計画課
       長        浜岡 平一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○電源開発促進税法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油
 対策特別会計法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十四日、小谷守君、栗原俊夫君、松前達郎君、原田立君、河田賢治君が委員を辞任され、その補欠として、竹田四郎君、和田静夫君、福間知之君、鈴木一弘君、内藤功君が選任されました。
 また、同二十五日、真鍋賢二君、金丸三郎君、内藤功君が委員を辞任され、その補欠として、塚田十一郎君、中村太郎君、渡辺武君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(世耕政隆君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い理事が欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に浅野拡君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(世耕政隆君) この際、竹下大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。竹下大蔵大臣。
#6
○国務大臣(竹下登君) 私は、今回、ハンブルクにおける世銀・IMF合同開発委員会、十カ国蔵相会議、IMF暫定委員会に出席し、世界経済見通し及び当面の政策運営、リサイクリング問題、代替勘定構想、開発援助問題等について意見を交換したほか、マニラにおけるアジア開発銀行総会に出席してまいりました。
 ハンブルクにおいては会議の出席のほかに、ミラー米国財務長官、マットヘーファー西独蔵相、アル・クライシサウジアラビア金融庁総裁と個別会談を行いました。
 今回の出張の全体的な印象としては、先行き厳しい世界経済の見通しのもとで、各国がそれぞれの政策努力に最善を尽くすこと、及びそのような各国の政策努力を国際的に協調して行うことが重要であるとの感を深くした次第であります。
 国会開会中であり、しかも当省の重要法案の審議中にもかかわらず、このような国際会議出席のための海外出張の機会をお与えいただきましたことは、委員長並びに委員各位の御理解のたまものと深く感謝を申し上げるものであります。
 また、留守中に特例公債法及びIMF等の増資法案を成立させていただいたことにつきましても、あわせて厚くお礼を申し上げる次第であります。
 以上、簡単でありますが、出張の御報告とお礼のごあいさつを申し上げました。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(世耕政隆君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 電源開発促進税法の一部を改正する法律案及び電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案の審査のため、明後八日午前十時に、電気事業連合会専務理事長橋尚君、主婦連合会事務局長清水鳩子君、日本エネルギー経済研究所研究理事高垣節夫君、以上三名の方々を参考人として出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(世耕政隆君) 電源開発促進税法の一部を改正する法律案、電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案、右両案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
#10
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました電源開発促進税法の一部を改正する法律案及び電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 初めに、電源開発促進税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 石油依存度がきわめて高いわが国においてエネルギーの安定供給を確保するためには、石油代替エネルギーの開発及び導入を図ることが緊急な課題であります。このため、各種の施策を総合的かつ計画的に講じていくことが必要でありますが、その円滑な推進を期するには、これに要する資金を長期にわたって安定的に確保していくことが不可欠であります。
 政府としては、その具体的方策の一環として、石油代替エネルギーの発電のための利用促進に要する費用については、これによる受益関係等を考慮して、電源開発促進税をもって充てることといたしました。
 このような観点から、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。
 第一に、電源開発促進税を石油代替エネルギーの発電のための利用促進に要する費用にも充て得るように、その課税目的を拡充することといたしております。
 第二に、その税率を、千キロワット時につき現行八十五円から三百円に引き上げることといたしております。
 次に、電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 石油依存度がきわめて高いわが国においてエネルギーの安定供給を確保するためには、電源の多様化並びに石油代替エネルギーの開発及び利用を促進することが急務になっていることにかんがみ、政府は、このたび、電源多様化対策及び石油代替エネルギー対策に関する財政上の措置を格段に拡充強化することといたしました。
 これらの措置に係る経理については、一般会計と区分して特別会計において行うこととし、このため、電源開発促進対策特別会計及び石炭及び石油対策特別会計についてそれぞれ所要の改正を行うことといたしまして、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。
 第一に、電源開発促進対策特別会計法の一部改正でありますが、電源開発促進対策特別会計を、従来の電源開発促進対策とほぼ同内容の電源立地対策に関する経理を行うための電源立地勘定と、新たに電源多様化対策に関する経理を行うための電源多様化勘定とに区分することといたしました。
 電源多様化対策とは、石油代替エネルギーの発電のための利用を促進するための財政上の措置であって、新エネルギー総合開発機構に対する出資及び補助、動力炉・核燃料開発事業団に対する出資、発電施設等の設置または改造に係る補助並びに発電施設等の設置または改造を促進するための技術の開発に係る補助等をいうものとしております。
 この会計においては、電源開発促進税の収入をもってその財源とし、電源立地対策及び電源多様化対策に必要な費用を勘案して、毎会計年度、予算で定めるところにより、電源立地勘定及び電源多様化勘定の歳入に組み入れるものといたしております。
 第二に、石炭及び石油対策特別会計法の一部改正でありますが、特別会計の名称を石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計に改めるとともに、この会計を従来の石炭勘定と、石油及び石油代替エネルギー対策に関する経理を行う石油及び石油代替エネルギー勘定とに区分することといたしました。
 石油及び石油代替エネルギー対策とは、従来の石油対策のほか、石油代替エネルギーの開発及び利用の促進のために通商産業大臣が行う施策に関する財政上の措置であって、新エネルギー総合開発機構に対する出資及び補助、石油代替エネルギーを利用する設備の設置を促進するための事業及び石油代替エネルギーの流通の合理化を図るための調査に係る補助、石油代替エネルギーに関する技術の開発に係る補助、日本開発銀行が行う石炭及び天然ガスの導入促進のための設備資金貸し付けの原資の貸し付け等をいうものとしております。
 石油及び石油代替エネルギー勘定においては、従来の石油勘定と同じく、石油に係る関税収入の一部及び一般会計からの繰入金等をもって歳入とするものといたしております。
 なお、本法律案は、その施行日を昭和五十五年四月一日といたしておりましたが、その期日を経過いたしましたので、衆議院におきましてこれを公布の日とするなど所要の修正がなされておりますので、御報告いたします。
 以上、電源開発促進税法の一部を改正する法律案及び電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#11
○委員長(世耕政隆君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○丸谷金保君 ヨーロッパから帰られるとまたすぐ東南アジアと、席の温まる問もなく国際会議等に出席されて、大変御苦労さまでございました。ただいまその報告を承った次第でございますが、もう少し詳しく、OECDにおけるサウジその他の各国との話し合った中身についてお伺いをいたしたいと思っております。
 お出かけになる前に、それぞれOECDとOPECで、新たな開発途上非産油国に対する援助機構を設けていかなきゃならないんじゃないかということが重要議題の一つというふうに承っておりました。それらの経緯はどのようになったでしょうか、お伺いいたします。
#13
○国務大臣(竹下登君) 国会開会中に特にお許しをいただいて一連の国際会議に出席をしまして、各国の蔵相、中銀総裁等と、当面する世界経済の諸問題について対談することができましたこは、さきにお礼を申し上げましたとおり、私自身にとっても大変幸せなことでありました。
 そこで、まず最初が、この今次暫定委員会の概要でございますが、暫定委員会におきましては、世界経済に対する共通な認識、言ってみればインフレの高進、成長の低下、そうして御指摘もすでにありました産油国と石油輸入国との間の国際収支の大幅不均衡、いずれもこれは深刻な問題であるという点は、共通した認識であったと私は理解をいたした次第でございます。
 そこで、先ほども御指摘がありました、IMFがいわばそういう産油国と非産油国、また、なかんずく非産油開発途上国、これらの関係の中において国際収支の調整あるいはファイナンスをどのようにするかということは、お互いケース・バイ・ケースで努力をするとともに、今後の課題としても、それらの三者の組み合わせをどういうふうにしていくかということについて共通の認識であったように理解をいたしますので、引き続き理事会等におきまして、私はこれらが議論される中心的な課題になるであろうというふうに考えておるところであります。
 ただ、IMFにいたしましても世銀にいたしましても、公的機関が果たす役割りということはこれまたやはり補完的な役割りであって、これがすべてではないという認識も、また一致しておったというふうに思うわけであります。
 それから、次の議題といたしましては、代替勘定構想というのがございまして、これは要するに、ドルというものが基軸通貨であるものの、これが絶えず変動をいたしますと、そこにSDRというような構想が一つあるわけでございますが、さらに各国で共通した、何と申しましょうか、各国がそこへ、代替勘定に預託いたしますものが、共通した安定的な基準になっていくような仕組みというものを考えるという苦心の作であったように思うのでありますが、私といたしましては、ドルのみに頼る時代というものは、いまいっときはたとえドルがかつてよりは安定したという様子が見えても、中長期的に見てそういうわけにはまいらないから、小異を捨てて大同につくべきであるという主張をいたしました。しかし、どうも各国とも、一体リスクはだれが負うのか、すなわち、アメリカさんおまえの方がよけい負えというのと、そうであるべきでないというようなところで、まだ合意を得なかったわけであります。
 いま一つは、また先進国と後進国の間で、後進国の方は、そういう勘定ができることよりも、もっとわれわれが世銀等で借りられる範囲が広まればそれでいいじゃないかと、こういうような発言もございますので、結局このことは、まあ私に一番よく理解できる言葉といたしましては、日本の国会式な継続審議と、こういう感じになったわけでございます。そういう言葉を使って私がそういうふうに理解したわけでございますので、各国の諸君が継続審議というのがどういうふうに理解できたかはわかりません。
 それから次に、マニラで開催されましたアジア開発銀行の第十三回の年次総会でございますが、これは、第二次石油ショック以後困難な状況で、先進諸国、開発途上国、産油国、非産油国、それぞれ密接な協力が必要であること、そういうことと、これはまたIMFとは大変さま変わりしておりますのは、いわゆる農業開発、教育、まあ文盲追放という内容になるわけでございましょうが、そういう分野での自助努力というものを後進国に対して名国とも共通して要請をし、そうして先進国もこれらに対応して御協力を申し上げようと、そういう印象を強くした会議でございました。
 したがって、私どもとして最も注意を払いましたのは、日本が出資国として第一等の地位にもございますし、そして一人当たり国民所得等から見ても圧倒的な高水準にありますので、いたずらにアジア太平洋地域の開発途上国の人々に対し余り鼻についた指導的発言をしてもならないし、その方々の立場に立っての発言を理解する努力をしてきたというのが実態であろうというふうに思うわけであります。
 それから次は、個別会談でございますが、ミラー財務長官とは時間も十五分ばかりでございましたが、私の方からは、双方の通貨価値を維持するためのスワップ協定というものが今日それなりの効果をもたらしておるという認識についての感謝を申し上げました。向こうからは、非常に広範な、自動車問題等日米経済摩擦が起こらないように、今後ともお互いに協調していきたいという趣旨でございました。
 それから、ドイツのマットヘイファー大蔵大臣に対しましては、向こうの方から、先々月でございましたか、日本へいらっしゃいました折に、トルコ援助の点について日本政府に協力を求められて、われわれのそれに対するこたえ方に対する感謝の言葉をいただきますと同時に、私からも、その日の午後三時に日本銀行とドイツの連銀との新しく通貨安定のためのスワップ協定を結ぶという、両中央銀行の総裁によりますところの同時記者会見を行う手はずが大体調ったという意味におけるお礼を申し上げておきました。ただ、ちょうどそのとき電話が入ってまいりまして、イランの人質救出作戦の失敗というようなことが報ぜられたものでございますから、若干しり切れトンボに終わった感はございました。
 それから、次のアル・クライシさんにお会いをいたしましたのは、これは事前に大竹審議官、佐上財務官等サウジを訪れる機会に幸い恵まれましたので、ぜひIMFの暫定委員会等において大蔵大臣がお会いをしたいと言っておる旨を申し上げておりましたところ、快く朝飯会に臨んでいただきましたので、これは直接何かの御提案がございませんかという趣旨の御発言があるにはありましたものの、私どもといたしましては非常に日本への投資意欲というものが強いという印象を受けておりましたので、格別具体的な問題の提示をすることは今後の問題として残したわけでございますけれども、三週間以内、恐らく十日以内ぐらいでございましょうが、第三次五カ年計画の発表をしたいので日本においても可能な限りの、恐らくこれはいわゆる援助じゃございませんから技術協力等々の分野で力を注ぐ分野があれば検討してもらいたいと、これが本当のリサイクリングだというような発言もございました。
 そのほかは、具体的な問題につきましては、日本銀行とSAMA、すなわち向こうの中央銀行との、特に中央銀行の公式に言えば資産の運用でございますから、わが方といたしましてはそれだけ外貨準備がふえてくるとか、いろんなもちろんメリットはございますけれども、月額五百億円を限度として国債に関する運用を日本銀行へ委任するというようなことがほぼ固まった段階でございましたので、そういうようなことにつきまして将来とも問題があったら手紙でもいいし電話でもいいし、直接御提案をいただければというような御趣旨の発言でございました。特に、新たなる問題を提起して、そこで物を決めようということを初めから考えておったわけではございません。
 少しく饒舌にわたりましたり前後いたしましたが、以上のような内容が、やや詳しい内容の御報告ではなかろうかというふうに考えております。
#14
○丸谷金保君 御苦労さまでした。
 偉大な政治家であるチトー大統領がお亡くなりになって、国際情勢というのは非常に流動化して先の見えにくい時期でございます。しかしながら、経済あるいは国際的な金融というふうなものについては、私はやはり今回のOECDの会議などで日本の立場というものを明確にしていただきたかった。まあいろいろ御主張はなさってきただろうと思うんですが、そういう中で、特に大臣がお留守の間に私は指摘いたしましたが、たとえば世銀にしても、五千人からの職員がおる中で日本人の職員はわずかに七十一名と、こういうふうな非常に各種国際機関に対する日本人職員が少ないというふうなことが、どうもせっかくお金を出しながら、日本は一体何をやっているんだと、あるいはまた、本当に有効な使い方に対する主張ができないという原因になっているんではないかということを実は申し上げておった次第でございますが、ただいまの新しい機構の問題にいたしましても、ヨーロッパではブラント前西ドイツの首相であるとかイギリスの前首相というふうな相当の人たちが集まって、非産油開発途上国に対する援助というものはもう少し何らかの形で考えなければ大変でないかというふうなことが言われております。
 結局、継続審議というふうなことで、それらの問題もさらに協議するということになっておったようでございますが、一方、この問題については、OPECの開発援助機構の事務局長をやっているイブラシム・シハタさん、こういう方がイギリスの新聞社との対談の中で、いろんな機構をつくるより、要は総体としてのお金が足りないんだ、資金が足りないんだから、そのことをまず先進国はもっと積極的に考えて進んでくれるならば、OPEC機構の中でもそれらの問題をもっと積極的に進めるんだというふうな発言をいたしております。そこら辺に大分、新しい機構をつくることが先なのか、現在の機構の中で、もっと資金量を充実して具体的な援助の手を差し伸べればいいのかというふうなことが論議されると思います。
 そういう場合、日本はどうなんだというふうなことが、多分会議の席あるいはその他でいろんな形で御質問があったと思うんですが、一体日本はそれに対してどういう立場をとるのか。ブラントさんだとかヒースさん、それぞれに匹敵するような大物の大蔵大臣が渡欧したんですから、それなりの日本の立場を明確に御発言なさったかというふうに私どもは期待いたしておりますが、いかがだったでございましょうか、日本はどうなんだということに対する答えは。
#15
○国務大臣(竹下登君) 各種議題に対しまして、日本の態度というものは一応明らかにそれなりにしてきたつもりでございます。したがって、私はいまの仕組みでは、一応この十カ国蔵相会議というものも、認められております形の中で議論をいたす場所もございますので、私はいまの機構で一応それなりの機能は果たしておるというふうに思っております。
 ただ、全般的に言えますことの一つとしては、これは私どもが本当に日本の民族なり、あるいは日本の国会というものがそれなりにその機能を果たしておることを痛感いたしますのは、議論の中で、とにかく先進国と言わず、あるいは開発途上国と言わず、ドイツと日本を時に二人の優等生というような位置づけをしながら質問をされるというのが、国会における私の立場と全然違ったことになりますので、そのときに大蔵大臣として二つの顔を持つような印象を持ちながら、お答えすることにちゅうちょをする面もありましたが、それだから日本の国はいいのじゃないかなという感じも受けながら、立場だけはそれなりに主張をし、現在の機構の中で機能し得るものであるというふうに理解をいたしてまいりました。
#16
○丸谷金保君 どうもいまの御答弁では理解できないんですが、一体、これからの国際援助機構の中での日本の立場あるいは日本の考え方というもの、それぞれの国は相当勇敢にわれわれはこう思うというふうなことをおっしゃっております。ただし、それは大蔵大臣という形でなくて、別な形で自由に発言をしておるようでございますが、元首相というふうな形というのは、現在実質的に責任はないわけでございます。ですから、現在責任を持っておられる大蔵大臣としてはなかなか明確に言えない、そういう違いはあると思うんですが、国全体としての日本の考え方はこうなんだというのが、こういう国際援助の機構の中でどうもほかの先進国ほどに強くあらわれてこない、そういう感じがいたします。
 これは、先ほど申し上げましたように、日本人のそれぞれの機構の中にいる職員の数も非常に少ないというふうなことも大きく影響すると思いますので、この点についてはひとつ、今後の課題として、金も出すけれど口も出すというような、ときには国が苦しくなってきて、金は出さないけれど人は出して口は出すんだというくらいの、いい意味での、大変むずかしいんですが、何といいますか、わが国の主張をもっと積極的に言っていける、そういう援助機構全体に対する構え方、これらがまだまだ足りないんじゃないかと思いますので、その点をひとつ御配意願いたいと思います。
 特に、アジア開銀との関係でございますが、メキシコの石油ということになればメキシコ援助の問題がすぐ飛び出してきます、今回でも。そういうふうに、そのときそのときに日本の開発途上国その他に対する援助というふうなものが、何かいつも揺れ動いているというか、焦点が定まっていないという感じでございます。これらについて、一体どこに一番のポイントを置くのか、大蔵大臣としてはいかがなものでございましょうか。
 それは、OECDも大事ですけれど、一体日本の全体的な対外援助というふうなものの姿勢の中で、あちらもよく、こちらもよくというふうなことで、全部よくというふうなことを考えていたら、いまの日本の財政事情の中で身がもたないことにもなりかねない状況が出てきております。一体ポイントをどこに置いて進めていくのか、この機会にひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#17
○国務大臣(竹下登君) 御意見を交えての御質問でございますが、まず一つ、国際機構の中で日本人の職員というものを見てみますと、私は、アジア開銀はしばらく別といたしまして、その人の数こそ別といたしまして、そのつかさつかさには、それぞれ重要なポイントには日本人の職員が位置づけされておると、こういうふうに理解をいたしております。
 もう一つは、アジア開銀の場合は、それにしても人数が出資金等比からいたしますと非常に少ないわけでございますけれども、そのことがまた、アジア開銀というものに対応する日本の姿勢の一つだと言われてみれば、なるほどそういうことかなと私自身も少ないような感じがいたしまして、そういうこともしてみたわけでありますが、したがって、金も一番日本がよけい出している、人もよけい出している、おまけに大蔵大臣が来て日本語で演説したということになると、与える印象は大変悪いようでございますので、私も振りがなつき、音符つきの英語の演説もしなきゃいかぬようになったような実態でありました。
 したがいまして、海外援助のポイントは一体どこかと言われますと、やはり一つは、いわば地域の問題があると思うのであります。すなわち、ASEANと、そして大平総理が言われました環太平洋地域という問題に対するおのずから距離的な、まあ距離感等から言いましても日本の応ずべき一つのエリア、重要なエリアというものがそれなりにあると思うのであります。ヨーロッパ等と、やはりそこにおのずからの金額なんかでそれなりのバランスがとれておるではないかというふうに思います。
 第二点は、何としても資源小国でございますので、そこで今度のイラン問題等々が起こった場合、やはりこの多元的な援助政策の中においてのいわゆるエネルギー源の安定的供給というようなものが、いま一つの柱としてやはりいつまでも念頭から去ってはならない課題ではないか。言ってみればASEAN、環太平洋を中心とする一つの地域的な問題と、そしていま一つは、資源小国としてのエネルギーの多面的、安定的供給源としての施策、この二つの柱ではなかろうかと、こういう感じを持っております。
#18
○丸谷金保君 やっぱりそういう姿勢がこれから特に大事でないかと思いますのは、私は人の問題を申し上げましたのは、アジア開銀でなくて、世銀とかIMFとか、そういういろんなほかに対する問題を申し上げたので、アジアに対する態度はまた別でも、それはそれなりに理解できると思います。しかし、その他のヨーロッパに本部を置くような各種国際機関、あるいはアメリカに本部を置くような各種国際機関に対する日本の職員が非常に少ないという問題、それは別に考えて御理解をいただきたいと思うんです。そして、その点についてはできるだけ善処方を要望して、先へ進ませていただきたいと思います。
 いまの御報告の中でも、SDRの問題というふうに、スワップを中心にして、一本もいよいよそれぞれ多くの国々と直接的な為替その他の取引の決済等についての道を進んでまいりました。その意味では、ドルの国際通貨としての比重が非常に落ちてきていると、こういうことにもつながるわけでございます。したがって、そういう時期に日本の海外援助の起点をどこに置くか。確かに地域的な環太平洋というふうな考え方に重点を置く、後は石油問題とかいろいろ問題もございましょうが、アフリカその他に対する旧宗主国というふうなものとは歴史的な立場も違いますので、場合によっては、ここの金融機関に対し、この援助機構に対して日本は少ない、少ないのは当然でないかと。そのかわりこちらの方は、重点的におれの方が引き受けようというくらいの形での国際会議での日本の自己主張というふうなものを今後もひとつぜひ進めていただきたい、かようにお願いする次第です。
 そこで、実はそういう海外援助は、大変これは援助される側にとってはありがたいことでしょうし、また、先進国として当然それを行っていかなきゃならないわけでございます。しかし、そうは言いましても、いま当面御提案なされた法律等にも見られるように、エネルギー問題を中心にして日本はまさに資源小国というふうなものの危機感あるいは実態というものを明らかにせざるを得ない状況になってきております。特に、今年度の国際収支百七十億ドルというふうな大幅赤字が記録されております。さらに、そういう問題についてOECDの拠金の見直し、これらについて日本はひとつ大胆にこういう状況なので環太平洋地域に対しての重点施策というふうな立場からいって、無理してそこで競うことはないんじゃないかというふうな考え方も一面出てきております。これらについてはどうなんでしょうか。こういう非常時な事態になってきているという実態に対する大臣の対処の考え方を、まずお伺いいたしたいと思います。
#19
○国務大臣(竹下登君) いろいろな国際機構があります。で、それはおのずからにして先進国が人類全体の生活水準の向上等から果たさなければならない役割りはありますものの、人間でございますから、遠い近いの遠近の関係とかいうようなものが、従来ともこの分担等においての一つの結果として大きなそういう基準のような形になって出ておると思うわけであります。したがいまして、ASEANあるいは環太平洋地域というようなところへわが国の目が向いていくというのも、必然性のあるところでございます。
 しかしながら、とはいえ、大変遠い国でありましても、それを取り巻く周辺の先進諸国がまたアジア地域に対するそれ相応の分担をしておるということに対する配慮、バランスの問題も、これも全く否定し去ることの必ずしもできない要因であるというところに、一つ一つのケースに応じて苦心のあるところでございますけれども、私は基本的には、いま丸谷委員の御指摘のような、日本という先進国の特に留意すべきエリアというものは、おのずからにしてこの共通の認識の中で志向は同じようになっていくようなものではなかろうかというふうに思っておりますので、基本的な認識としては余り大変な差はないではないかというふうに理解をいたしております。
#20
○丸谷金保君 そこで、結局、そういう大きな赤字の問題というのも石油価格の値上げということが原因でございますし、それできょう審議いたします代替エネルギー関係に関する法案が急がれるということになってまいっておるわけでございます。しかし、そうはいいましても、その前に、実はこの間からの論議の中で、もう一つ大変大事なことについて御意見を聞いておかなきゃどうしてもならぬという問題がございます。
 実は、先日大臣おいでになるときに、国債の日銀保有というふうな問題で五十四年の十二月末の残高の報告がございまして、それは大変減っているのでその後の質問をいたさなかったのですが、そのつい二、三日後に、新聞に約九兆円という残高を持っておるということが報告されました。これは大変私は遺憾だと思うのは、私たちが質問したときに、まだわからないと言っているのが、中一日置いて報告されるという、そういうその資料なり、われわれの質問に対する答弁側の姿勢でございます。
 たとえば、きちんとした数字がわからなくても、おおよそどれくらいと、十二月の三兆何ぼということで、昨年の三月末の八兆円から見るとがたっと減っているものですから、それじゃ、われわれの心配するようなことはないのかなというふうな錯誤に陥るわけです。しかし、三月末どうなんだと言ったら、三月はまだ数字ができておりませんと、こういう話だったんですね。これは私は、しりまできっちりした数字を要求したわけでないので、全体の流れとしてどうかということを実は明らかにして、その後の話に進みたかったところなんです。それが中一日置いて約九兆円と。その後、すぐ私のところにも数字を持ってまいりました。八兆九千四十七億円という数字が出てきております。
 このことはもう済んだことですから、これから気をつけてもらえばいいんです。このこと自体は御注意だけ申し上げておきまずけれど、済んだことなのでいいんですが、やはり私たちの心配がそのとおりであったなという気がいたします。そして、そのことは、最近においてさらに国債が民間の資金を圧迫しているというふうな形になってあらわれてきております。たとえば、預金の伸び率を公債のそれぞれの都市銀行の抱える残高が同じ伸び率から言うと上回ったというふうなことで、いわゆるクラウディングアウトというふうな心配が如実に出てきておる。これは石油の問題、それから海外援助の問題、それから国内のそういう財政の危機的な様相を呈してきておること、これらは関連してくることでございます。
 これらに対して私は一つの具体的な問題として、もう積極的にバンクディーリングというふうな形に進めるべきだと、それでないと大変ですよということも主張しておるのですが、これはもう大変だということを踏まえた上で、そういう積極的な国債を民間に、いわゆる一般消費に回していくための具体的な手を打っていかなきゃならぬのじゃないか。これらについてのひとつお考えを、これは大臣にいきなりといってもあれでしょうが、大臣の総体的な判断と、それから事務当局の具体的な考え方というものを、あわせてお聞かせいただきたいと思います。
#21
○国務大臣(竹下登君) いま承りますと、理財局がいまこちらへ来る途中だそうでございますので、私から申し上げることはきわめて抽象的になろうかと思います。
 確かに、国債消化の問題につきまして、特に銀行預金の伸び率等を上回る国債引き受けというようなことから、銀行本来の業務というものに支障を来すまでに至っておるというような声は、いろいろな場所で私どもが絶えず耳にすることでございます。したがって、われわれとしても、国債管理政策の中では、金融機関等シ団を初めとしての引き受けに関しましては、本来の業務に支障を来さないような極力そうした配慮を行って、しかも発行条件につきましても、そのときどきの市中銀融状況等を勘案しながら、それに見合った商品を提供するというような基本的姿勢を今後とも持ち続けていかなければならない課題であるという認識は、十分いたしておるところでございます。
 したがいまして、四月債の引き受けにつきましても、また中期国債でございましたか、についての動きもあったわけでございますが、その後の問題につきましては、私もまだ定かに数字等を把握いたしておりませんので、理財局が参りましたらお答えをすることにさしていただきたいと思います。しかし、確かに発行額が多過ぎるということからして、御指摘のような状態をもたらしておるということは、私どもとしても十分念頭に置いて対応をしなければならない課題であるというふうに考えておることには間違いございません。
#22
○丸谷金保君 それからもう一点、きのうかおとといか知りませんが、サウジを回って大蔵省のどなたか幹部の方がお帰りになったばかりですね。けさのテレビで出ておりましたが、大臣の意向を受けて具体的に詰めの仕事をしてきたのかと思いますが、ちょっと名前は失念いたしましたが、けさテレビにも――そうでございましたね。五百億円というほかに、もっと具体的なオイルマネーの日本還流というふうなことについての詰めの話は少しは進んだのでございましょうか、報告は受けておりませんか。担当の方は来ておられないかと思いますが、いかがですか。
#23
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、実は佐上財務官は、私がIMF暫定委員会へ参ります以前に、これも国会用語で言いますならば、根回しに行っていただきまして、その結果、私とアル・クライシ総裁との朝飯会ができたわけでございます。
 ここで、非常に微妙な問題というのは、あくまでもサウジ側から見た場合には、自己の資金をいかにして有利な運用としての投資先ということが日本と、こういうことになりますので、その投資先の立場を考えた場合に、この五百億というのも、言ってみれば新聞等に書かれた数字であって、それそのものも、私が五百億円という断定をするべき性格のものではないわけでございますけれども、そうしたものがある期間、こちらの中央銀行がその運用の委託を受けるという形になったというふうに私も理解をいたしております、金額は別といたしまして。その他の問題につきましては、確かに大変関心をお持ちであったように私も報告も受けていますし、お会いしたときもそういうお持ちになっておるような印象は確かに強くしております。ただ、直ちにそのときに、私どもとして具体的なものを用意して行っておったという状態ではなかったわけであります。
 で、佐上財務官は、その後私とマニラまではまた一緒に参りましたけれども、大蔵省顧問、元財務官出身あるいは財務官というのは、しょっちゅう世界を歩いておるのが仕事でございますので、アジ銀の総会の後に、あすこにまた多数の各国の人が来ていらっしゃるというところで、いろいろなまた情報交換とかそういうことをして、つい帰ってきたばかりである。その後の報告は受けておりませんが、具体的な問題の提起というものをきわめて煮詰まった形でされた状況にはまだないのではなかろうかというふうに、私は思っておるところであります。
 しかし、国会で指摘をこれだけ受けておりますし、われわれの念頭の中に絶えず去ってはならない課題として、率直に申しまして、国際金融局というのはだれかが毎日どこかに行っていると、こういうような感じで仕事をしておるというところであります。
#24
○丸谷金保君 援助その他も大事ですし、石油の問題と絡んで具体的に必要なことでもございますし、国際協調という面からも必要でありますが、出る方だけ気前よくても、やはり入ってくることをしっかり考えないと、国内が大変なことになりかねないような状況でないかと思いますので、あえて御質問申し上げた次第です。
 それで、そうした石油あるいは代替エネルギーということが非常に重要な問題として出てきております。しかし、これは何も今回突如として出てきたわけでなくて、すでに昭和四十八年から九年にかけて、いわゆる第一次オイルショックというふうなときに、わが国はそれに対応したわけでございます。ただいま御提案されております電源関係の二法にいたしましても、これは昭和四十九年に一応促進税という形で法制化されておるものの改正であります。したがって、そのとき特別会計が余りたくさんでき過ぎるということが国会の論議になっておりまして、非常に異例な措置であるから前例としないというふうな言葉を、当時の大蔵大臣は再三にわたって国会答弁の中で使っております。しかし、非常に何か今回も、前回と違って税調にかけるいとまがないということでなくて、それらの答申に基づいてということでございましょうけれど、何か安易に目的税を歳入とするということに進み過ぎたんじゃないかという感じがしないでもないわけでございます。
 私たち、やはりこういうものについては、大蔵省が直接歳出もチェックしていける一般財源を用いるべきでないかという考えですが、どうして今回安易に目的税をふやして、代替エネルギー関係の歳入に充てるということにしたのか。財政の基本的な考え方について、ひとつお話をいただきたいと思います。
#25
○政府委員(高橋元君) すべての税収を普通税として徴収いたしまして、国の当面しておる財政上の需要の緊要度に応じて配分をいたす、それが財政の本来の姿であるということは、これは改めて申し上げるまでもないわけでございます。そういう観点からいたしますと、特定の目的のために特定の税金を取りまして、これを特定の歳出に振り向けるということは、一般論に対する例外であるわけであります。
 昭和四十九年に、当時第一次と申してよろしゅうございましょうか、石油ショックの後で電源の開発が非常におくれまして、このままでは電力の予備率が数年先に二%を切ってしまうというような状況にたしか立ち至ったかと思うわけであります。そのときに電力会社――一般電気事業者と申したら正確でございますが、電力会社が一キロワット八銭五厘、年収にして平年度約三百億というような税収を取りまして、これを電源の立地の促進をするための交付金として、また、原子力発電の安全の対策の費用として使用をするということの必要性が痛感されましたために、ただいまも御指摘のございました四十九年に電源開発促進税法ができたわけであります。
 ところで、その後数年を経まして、最近特に石油の供給が八〇年代にはショートしてくる。その上に、イランその他をめぐりますところの国際的な石油事情も著しく状況を変えるに至った。そういう中で、石油のみに高度に依存しております日本の経済の体質を変えてまいるということの必要性が政府全体として痛感をされまして、前に御審議をいただきました租税特別措置法の中でも、省エネルギー設備に対する特別償却というような制度は、措置全体を整理していく中でも逆に拡充をするというような措置を講じたわけでございますが、ひとつそのもとになっております代替エネルギーと申しますか、石油以外に、たとえば石炭、水力、地熱、そういったものを使ってまいる、また、石炭の液化を図って、将来欠乏が当然予想太れております石油の代替の資源として使用する、そういう長期の国策を確立する必要があったわけであります。
 その財源を何によって賄うかということになりますと、これはもう冒頭申し上げました原則論に従って、一般の財政収入をもって優先的に配分をいたすのが本来の筋道でございますけれども、当今の財政の状況からいたしますと、一般の歳出の配分ということだけでは、長期的なそれらの目標を達成するための十分な財源を得ることがむずかしいのではなかろうか。
 そこで、税制調査会でもいろいろな御提案に基づいて審議は行われたわけでございます。御案内でございますから詳細申し上げるのは省略さしていただきますが、当初出てまいりましたのは、石油と電気を課税対象にして、いわば代替エネルギー新税というようなものをつくったらどうかということであったわけであります。それにつきまして、こういう長期の施策のための財源は、やはり長期の特定財源という形で優先的にその財源の配分をすべきであるということが、税調での詳細な御議論の結果まあ決まったわけであります。
 たとえば、石炭の液化等々によりますところの石油代替エネルギー、一次エネルギーとしての石油代替エネルギーは、石油税の増収の一部を割きまして石炭、石油並びに代替エネルギー特別会計において措置をいたす。それから、電源の開発のために国内の輸入石油の四分の一ですかを使っておりますけれども、これの割合を下げてまいりまして、石炭、地熱、その他の新しい電源のためのエネルギー財源というものを使うことにつきましては、先ほども申し上げました電源開発促進特別会計の中に新たに電源多様化勘定を設けて、そこに今回御審議をお願いいたしておりますところの電源開発促進税の税収を投入をいたしまして、十数年を要する事業でございますから、それぞれ十カ年間、正確に申せば六十五年までの十一カ年間に電源多様化勘定において一兆五千億弱、石炭及び石油特別会計において一兆五千億弱、それらの安定的な財源をもって今後国の経済ないし民生を安定的に賄うために必要な新しいエネルギーというものの開発、それから実用化ということをしていくべきではないか、こういうことになりました。
 で、提案のありました代替エネルギー新税につきましては、すでにエネルギーに九種類の税目がかかっておりますので、屋上屋を架するということで、新たに十番目の税目を起こすということは煩にたえませんので、それぞれ既存の石油税及び電源開発税につきましてその活用を図る、特別会計の経理の内容を拡大いたすという措置を講じたというのが、本年度の予算についての検討の内容でございます。
#26
○丸谷金保君 歳入の問題につきましてはいろいろ問題もありますし、また特別会計、特に特定財源を充てるということについての問題等につきましても、現在の電源開発促進税の発布されました当時の国会の論議等と、現状多少変わってきているんではないかということもございますけれど、それらは一番最後に回しまして、さしあたって歳出の面から、ひとつ問題点を御質問さしていただきたいと思うわけでございます。
 いろいろ資料をちょうだいいたしました。非常にむずかしい構造になっておりまして、これの説明を受けてもなかなか、それぞれの資金の流れが落ちつく先、これらが大変複雑なので、実はびっくりした次第でございます。大臣もごらんになってそう感ずるかと思うんですが、どうしてこんなにめんどうな形にしなきゃならないのかなという感を、実は深くしておる次第でございます。それだけに、もう何といいますか、質問するにしても、各省庁にまたがるというふうなことが多過ぎるのではないかというような感が強いわけでございます。
 それで、ひとつこの中の歳出の面について御質問申し上げていきたいと思う次第ですが、電源立地勘定の中に立地対策交付金という費目がございます。これは補償費というふうなものではなくて、いわゆる電源開発のそれぞれの地域の中にいろいろな形で、直接住民にというわけにいかないから、地方自治体等に対する補助金というふうな形で出す資金ではないかと思うんでございますが、担当の方いかがでございますか。
#27
○政府委員(西垣昭君) 立地対策の概要について御説明申し上げますが、今年度予算におきましては、石油代替電源でございます原子力、石炭火力、水力等の電源開発を基本命題といたしました積極的な電源立地を行うために、現行の電源立地促進対策交付金制度につきまして、原子力、石炭火力及び水力の交付限度額の引き上げ、一般水力の交付対象範囲の拡大を行うとともに、交付金の交付期間の弾力化によりまして、地元福祉対策を大幅に拡充するということを考えております。
 その内容といたしましては、交付限度額の引き上げにつきましては原子力発電施設等、それから石炭火力につきまして係数を引き上げまして交付額を引き上げると、つまりこれから代替エネルギーということで石油から原子力、石炭等に重点を移行しなくちゃならないといったことで、こういう施策を講じております。それから、単価を上げておりますのが水力でございまして、一キロワット当たり百二十円を二百円に上げております。それから、ウラン濃縮パイロットプラントにつきまして、一キロワット当たり三百円の単価を四百五十円に引き上げております。
 それから、交付対象範囲の拡大といたしまして、従来、水力につきましては五千キロワット以上のものを対象といたしておりましたが、これからは代替エネルギーの開発を小さいところまで拾っていくということでございまして、千キロワット以上というところまで範囲を拡大いたしております。それから、交付期間の弾力化でございますが、これは現在では着工から運転開始年度までということで、急がないと使えない、期限内に使えない場合もあり得るというようなことでございますので、着工から運転開始年度の五年後までというように交付期間の弾力化をいたしております。そのほか、立地対策といたしましては、立地安全防災対策、環境対策といったものにつきましても、施策の充実を図っているところでございます。
#28
○丸谷金保君 その環境対策の中では、たとえば公共施設に対する交付金というふうなものも行われるわけですね。
#29
○政府委員(西垣昭君) 公共施設に対する交付金はむしろ立地対策の中でやっておりまして、環境対策といたしましては、都道府県が実施する大気関係の環境調査に対する助成制度を設けております。
 それから、地元住民の理解と協力を得るためのPA対策と言っておりますが、パブリック・アクセプタンス、つまり地元になじみやすくする、そういった関係予算の充実を図っております。それからまた、地域振興モデルプランの作成等の事業の拡充、沿岸漁業の振興に係る調査、そういった施策の充実を図っているところでございます。
#30
○丸谷金保君 そうすると、この支出で出していくのは、主として調査とかそういうふうなものが中心で、施設に対する交付金というふうな、たとえばその地域の公民館であるとか、そういうふうなものにもこの電発からお金が出るのは、この費目から出ているんじゃないですか。
#31
○政府委員(西垣昭君) いまおっしゃいましたのは立地交付金でございまして、それぞれの地元で整備計画をつくっていただきまして、その整備計画の中に掲げられました施設に対して交付金を交付すると。公共施設といたしましては、道路、港湾、漁港、都市公園、水道、通信施設、スポーツまたはレクリエーションに関する施設、環境衛生施設、教育文化施設、医療施設、社会福祉施設、消防に関する施設、国土保全施設、熱供給施設、農林水産業に係る共用利用施設、商工業その他の産業に係る共同利用施設、非常に多岐にわたる施設を対象といたしまして立地交付金を交付して、こういった施設の整備をやっていただくというふうにいたしております。
#32
○丸谷金保君 これは、たとえば公民館なら文教施設として文教補助があるわけです。これらとの絡みはどうなりますか。
#33
○政府委員(西垣昭君) 原則は単独事業でございますが、補助率が二分の一以下のものにつきましては、その補助裏にも使用できるというような運用になっているようでございます。
#34
○丸谷金保君 そうしますと、単独事業としてこの種のものができた場合に、運営に対しては今度は文部省の方が運営費補助というふうなことでこれはつけていくわけですね。これはどうなんですか、本来が補助、運営、これは一貫した一つの行政の流れの中で見ていかないといけない。道路についても同じことが言えると思います。それがそういう全く別な形で行われて、運営の方だけは今度は他の行政機関が責任を持たなきゃならないということになると、他の行政機関の何といいますか、建設計画そのものが狂ってくることにつながりませんか、こういう立地勘定というのは。
#35
○政府委員(西垣昭君) 整備計画の中で施設を定めますときには、関係省庁との調整が図られるということでございます。それから、補助を受けましていろんな施設をつくりました後に、その施設の運用をどうするかという問題につきましては、これは施設に対する補助制度全般の問題でございまして、現在はでき上がった後の施設の運営費を補助するというふうな制度は行っておりません。つまり、一般原則の中で地元の責任においてということになるわけでございます。
#36
○丸谷金保君 そこで問題があるんですよね。どうも財政運営の一体化の中では、建物だけは交付金で出してあげるよと、これは自治体にしてみると、非常にそれぞれみんな欲しいですから、こういう弱みにつけ込むような感じがするということが言われておるわけなんです。
 で、電源開発などの立地を決めていく場合に、こういういいことをやってやるんだからおまえら反対するなという、そういうことに使われるわけです。しかし、運営になりますと、もう全く関係がないというふうなことに現在なっているわけなんで、そうすると、たとえば自治省なり文部省の方の計画というものは、その分だけどっか今度は減らしていかなきゃならぬわけですわね、運営の面では。ところが、補助と運営とくっついて予算要求はされていると思うのです。公民館建設計画、そうしてそれに対する文部省なら文部省の補助金は幾ら、あるいは自治省を通じての起債は幾らというふうなことが決められて、その全く枠外で行われると。それはまあ事前調整は行われるんでしょうけれど、そうすると、自分たちの責任で、補助金を出さないところの運営費だけは無条件に出していかなきゃならない。これはちょっとおかしいじゃないかと思うのですね。交付金を出したところが、後の運営費もみんな見てくれるのが当然じゃないんですか、どうなんですか。
#37
○政府委員(西垣昭君) 整備計画というのは、市町村の方のイニシアチブで、こういった施設が欲しいということで、多くのメニューの中からその地元に最も必要な施設が選ばれるわけでございます。
 それから、この立地交付金というのは、いわば発電施設ができ上がりまして、固定資産税がその地元に入ってくるまでのつなぎとして出されるというような面もございまして、施設ができ上がった後には固定資産税というような形で財源も充実していくというふうな事情もございます。
 それから、およそ国から出しております施設補助につきましては、その施設の建設に対しては補助をいたしておりますけれども、施設ができ上がりました運営費等につきましては、全般の地方財政の中で見ていくと、こういう基本的な考え方でございまして、この電源立地促進交付金でつくられた施設につきまして、後、運営費も見てほしいというような地元の要請が一部にあるということはよく承知しておりますけれども、そういった一般原則の中で処理したいと、処理せざるを得ないのではないかというのが、私どもの考えでございます。
#38
○丸谷金保君 この交付金で、いまおっしゃったような形でないところまで出しているんですよ。たとえば、固定資産税の入るのは所在地市町村ですよね。ところが、この交付金では隣接市町村にもめんどうを見ているのです。これは何も固定資産税は入ってこないのですよ。これはどうなるのですか、固定資産税の入ってくるところはいいですけれど。
#39
○政府委員(西垣昭君) 先ほど固定資産税と申し上げましたのも例示でございまして、全体の地方財政の枠の中で考えられるべき問題であると私どもは思っております。
#40
○丸谷金保君 例示と言いますけれど、九割も九割五分もそれの占めるウエートが大きいのです。例示というのは、これが二割、これが三割、これが四割というふうなことだったら例示でいいですよ。しかし、この種問題についての歳入は、例示するようなほかのものが何かありますか、ないでしょう、隣接市町村については。ですから、その所在地市町村はまだ固定資産税という見返りがあるということもあるのですが、被害だけを受けて、立地交付金がもらえるから、福祉施設、公共施設等に対してメニュー方式でいろいろなことをやる、だからいいだろうと。それじゃ、もう一歩突っ込んで考えていただかないと、地方財政を全体としてやはり圧迫することになるわけです。大臣ひとつ、これはどうも理屈に合わないのです、理屈に。
 特にわれわれが反対しているのは、この電発を進めていくと、被害を受ける、あるいはそのために訓練をしたりいろんなことをしなければならぬというのは、所在地市町村だけでなくなるわけです。ここいら辺の問題というのは、主計局次長、まだそこら辺は未解決だというふうに理解していいですね。どうなんですか、いまのままでいいというふうにおっしゃいますか。
#41
○政府委員(西垣昭君) 所在地市町村、これが主体でございまして、言うなれば周辺の市町村が一定の額を分け合って、格差が生じないようにというふうなことから設けられているものでございまして、やっぱり主体は所在地市町村だと思います。
 それから、先ほど申し上げましたように、これは全体としての地方財政に対する施策の中で考えられるべきものということでございまして、五十五年度の予算要求におきましてもそのような要求があったわけでございますけれども、そういったことで予算を計上しなかったというようなことでございますが、これからもそういった問題が指摘されることも多いと思いますので、私どもも検討したいと思います。
#42
○丸谷金保君 ちょっと不合理な面もありますので、十分検討していただきたいと思う次第でございます。
 理財局長さんおいでになったようでございますので、先ほどの質問、よろしゅうございますか、そちらで言ってあるかと思うんですが。
#43
○政府委員(渡辺喜一君) 日本銀行の保有しております国債残高は、五十四年の九月末が五兆六千四百五十五億、それからたしか十二月末を申し上げましたが、三月末でまだ概数、確定数ではございませんが、ことしの三月末で八兆九千四十七億ということになっておるわけでございます。
 十二月末に比べましてかなり金額が増加いたしておるわけでございますが、これは主として資金運用部との間の取引によるものでございます。資金運用部は、収入の方は毎月ほぼ平均して郵便貯金あるいは年金資金等が入ってくるわけでございますが、資金の出る運用の方は大体年度末近くにかたまって出ていく。場合によっては、特に地方資金等は年度を越して出納整理期間に大量に出る、こういうふうなことでございますので、収入と支出との間に期間的なずれがあるわけでございまして、その間、かなりの余裕資金が運用部にたまるというようなことになります。
 通常、運用部は、このたまった資金の運用といたしましては、できるだけ流動性を確保するという意味で、政府の短期証券を持っておるわけでございますけれども、政府短期証券だけ持っておりますと、非常に金利が低いために、運用部の収支が採算がとれなくなるという問題がございまして、日本銀行にその面の協力をお願いをしておるわけでございます。
 具体的には、必要な額だけ日銀の持っております国債をスワップで運用部が買いまして、長期国債の金利をかせぐと。流動性の上で必要な場合には、直ちにそれを日本銀行に売り戻して流動性を確保する、こういうような取引をやっておるわけでございます。年度末と年度途中との間の日銀の保有国債の増というのは、ほとんどが運用部から日本銀行に売り戻した分の金額でございます。したがって、毎年の日銀の保有状況を見ますと、大体年度途中が低くなって、年度末にまたもとの状態に復すると、こういうふうなことを繰り返しておる現状でございます。
#44
○丸谷金保君 これは証券業界も、それから銀行協会等もそうですが、もっと資金運用部に長期国債を抱いてもらわなければどうもならぬじゃないか。そういうふうに何といいますか、スワップをして年度末資金を資金運用部が財投その他の関係で一遍整理いたしますね、起債の整理から何からの問題を。それらのことを、逆に、市中銀行がそういうことをもっとやれるような幅をつくって、むしろ長期の国債はいま、先ほど申し上げたんですが、もう大変金融圧迫しているというような状態でございますから、考え方の切りかえをここいらでひとつやらないと、金融機関自体がもうバンザイするんでないか。
 ことしは原価法で切り抜けましたけれど、それらももう手がつかなくなるというふうな状態が来たら大変だ。どっちかに出せばどっちかの資金が詰まるわけなんですから、そこいら辺をもう少し切りかえるというふうな考え方をお持ちいただくわけにいかないんですか。
#45
○政府委員(渡辺喜一君) 運用部が、いま申し上げましたように、日銀との間で長期国債のやりとりをしております資金は、短期の余裕資金でございまして、長期的に寝かせた運用をするような性質の資金じゃないわけでございます。したがいまして、それで仮に市中からの長期国債を買い上げるというふうなことをいたしましても、どうしても数カ月後にはまた売り戻さなければいけないというようなことになるわけでございまして、基本的に民間金融機関の資金問題の解決には資さないということになろうかと思います。
 去年七千億円、民間金融機関から運用部がスワップをいたしたわけでございますが、これはある意味では、去年の九月期の民間金融機関の評価損対策というふうな面もございましたわけでございまして、そういうふうなことには寄与するわけでございますけれども、本来的に民間金融機関の資金繰りの問題、そういうものを助けるためには余り役立たない。本来、運用部が長期的に国債を引き受けるというようなことをいたしますれば、それは確かに民間金融機関に対する助けになると思います。
 ただ、運用部も原資が非常に詰まってきておりますし、一方、財政投融資についても、やはり政策的な需要というものがあるわけでございますので、その辺を勘案しながら運用部の長期国債引き受けもできるだけやっていく、こういう姿勢で臨んでおるわけでございます。
#46
○丸谷金保君 私の申し上げております趣旨は、そういう短期の国債を抱いているので、長期国債に乗りかえるというふうな資金は資金運用部にはないのだ。これはわかるんです、現況で。いまの政策だからないわけです。確かに九月期の決算では銀行のスワップはできようけれど、現況の資金繰りから言うと、三月期の決算での銀行に対するめんどう見はできませんわね。問題は、財投に回している資金運用部の資金のことを申し上げているんです。財政投融資資金、これは今度の電源のこの関係にいたしましても、開発銀行その他、現在の審議をしている予算のほかに、財投で相当めんどうを見ることになっておりますね。そういうように財投でめんどうを見ているのが非常に幅が広過ぎる、そのために問題も起きてきております。
 たとえば、船に対する資金を出したと。これは地域振興ということであるけれど、一度も地域の港湾には入ってこない。全然別なところを走り回っているような船に、目的の違うところに財投の資金が流れておるというふうに、財投資金が潤沢過ぎて流れ方が非常にルーズになっている面が至るところに出てきております。潤沢でないと言うかもしれませんですが、そういう具体的な例がたくさん出てきているんです。いいですか。
 ですから、それらのことはできるだけ市中金融機関等に任せて、それでそちらの資金を潤沢にすることによって財投の投資額を減らして、その面で長期国債を抱けと。そうすれば、現在問題になってきておるようなクラウディングアウトというふうなことが防げるじゃないか。そういうふうな大きないま国債を中心にした財政金融政策の振りかえをやらないと、ちょっと火をつけると物価高、インフレに行きかねない、そういう要素を含んでおる。現在の石油によるところの百七十億ドルというふうな赤字、資金の詰まり、こういうものが噴き出すんじゃないか、そういう一連として実は申し上げているので、現況の資金運用部の資金でもってそれをやれと言っているのじゃないんで、そこのところを間違わないようにひとつ御理解をいただきたいと思いますが、いかがですか。
#47
○政府委員(渡辺喜一君) 資金運用部も、現在の置かれておりますもろもろの状況というものを十分勘案いたしまして、可能な限り財政投融資の膨張を抑えて、また一方、国債の原資引き受けをふやすということで努力をいたしたわけでございます。まだ不十分というおしかりかもしれませんが、今後ともそういうことで運営をしていきたいと考えておるわけでございます。
 現に、五十五年度の財政投融資計画は、事業規模で申しますと一・七%の増ということでございまして、過去の例から見ますと、もう極端に抑えられた計画になっておるわけでございます。また、その財投機関がたくさんございますけれども一その中でもかなり多くの機関については、対前年むしろ減額というふうな査定になっておるわけでございます。私どももこれで必ずしも十分というふうには考えていないわけでございまして、今後とも各機関の実情等を十分よく調査をいたしまして、もし仮にむだがあるというようなことがありますれば、それはあくまでも追及いたしましてそういうものは減額していく、こういうことで努力をしていきたいと思っておるわけでございます。
 全般的に、民間の金融が引き締まってまいりますと、どうしても政策金融に対する依存というのは逆に強くなってくるということでございますから、そういう意味で相当引き締めてやっていかないと、おっしゃるようなことになりかねないと考えておるわけでございまして、今後とも財投機関のビヘービアにつきましては十分監視をしていきたいと、こう考えておるわけでございます。
 国債の引き受けにつきましては、一方では余り運用部が引き受けると歯どめがなくなるじゃないかというふうな御批判もあるわけでございますが、現在のように大量発行が続きまして民間に相当大量の国債が滞留しておると、こういう状況でございますので、私どもといたしましては、資金運用部資金につきましてもできるだけ余裕を生み出して、それで国債の引き受けをいたしまして、民間の引き受けを幾らかでも減額できればというふうに考えておる次第でございます。
#48
○丸谷金保君 どうもいままでの政策の枠を出ない御答弁にしかならないんですが、どうなんですか、資金運用部が引き受けても郵便局窓口で国債を売ることを考えたら。そういう形に持っていく発想の転換をしなければだめだということを、私は言っているんですよ。抱きっ放しでなくて消化していく。いわゆる民間と言っても、いまあなたの言っている民間というのは金融機関が持っているということであって、一般大衆が持っているということでないんです。そうでしょう。そういうものはやっぱり大衆のところへ落としていく努力、一般国民へ落としていく努力が至るところでなされないと、いまの多額の国債の消化ということが非常にむずかしくなる情勢、国際収支の赤字等いろんなことから、そういう情勢を踏まえてそこら辺の切りかえをやらないと大変なことになりませんかということなんですが、心配ございませんか、いまのままで。
#49
○政府委員(渡辺喜一君) 国債につきましては、基本は、あくまでもできるだけ発行の量を圧縮していくということにあるわけでございまして、今後とも、五十六年度以降の予算編成を通じて、できるだけそういう趣旨で努力をしたいと考えておるわけでございます。
 それにつけ加えまして、いま委員のおっしゃいましたようないろいろな販売消化の多様化といいますか、できるだけ消化先のニーズに合ったような発行方法あるいは銘柄、種類、こういうものを考えていきたいということで、せっかくいろいろ検討をいたしておるところでございますが、基本の問題が解決していきませんと、そういうもろもろの補足的な手段をやってみましても、なかなか基本的な解決にはつながらないというのが現状でございます。しかしながら、やれることはぜひともやっていきたいと、こういう姿勢でいまいろいろのことを検討はいたしておるわけでございますが、やはりいろいろ問題がございまして、にわかにいまおっしゃるようなことをすぐ実施するというところまでは踏み切れない現状でございます。
#50
○丸谷金保君 制度的に、いますぐ踏み切れるという問題ではないと思います。
 大臣、この問題は、いろんな絡みの中で非常に大変になってきております。たとえば、電発の促進税の論議が行われた四十九年当時も、一方では歳出抑制、総需要抑制ということを盛んに言われたんです。言われましたけれど、結局はなかなかそうならないでふくらんできております。だから、いま理財局長さんが歳出を抑制すると言ったって、これは理財局でできるわけではないんで、後始末をやらなければならないわけなんですからね。だから、そういう歳出抑制も大事ですけれど、いまの国債消化を中心にしたこの種の総体的な問題の中で、もっと民間と言っても金融機関でなくて一般大衆が国債を持つ、このことによって、やはり国政に対する認識の度合いも深まっていくと思うんです。
 ここいら辺の総体的な形の中で、エネルギー政策、石油政策、対外援助、あわせて財政収支のバランスをとっていくための国債対策を、大きく考えなければならない時期に来ているんじゃないか。いまの制度でどうもならぬということと、いまの制度でいいかということの見直しをするときに来ているんじゃないかということとは別なことなので、大臣いかがでしょうか。
#51
○国務大臣(竹下登君) 国債管理政策の基本につきましては、理財局長から、まず発行額が大きいからそこでいろいろな摩擦が出てくると、これは認識は、私どもも共通しておるところであります。したがって、そのときどきのニーズに応じて、まさに適時適切に弾力的に対応しなければならぬという原則のもとに今日まで来たにもかかわらず、現実、消化難等々の言葉によって表現されるように、国債消化が大変な重大なところに立ち至っておるではないかという認識は、私もひとしくするところであります。
 なかんずく、したがって、まさに個人消化、すなわちそうなりますと、窓販問題とかいろんな問題が出てまいりますが、そういう問題に対して非常な関心を払って、内部でそれぞれのつかさつかさにおいて、これは銀行局とか証券局とかいろんな問題はございますが、慎重にこれが対応についての検討の時期に来ておるという認識は私も持っております。そして現実、それぞれの場で検討はそれなりに進められつつあるというふうな私は認識をいたしておるところであります。
#52
○丸谷金保君 エネルギー問題のいろいろ問題もありますが、あしたも通産その他、エネ特でも引き続き同じような関連する問題をやらなきゃなりませんので、最後に一つだけ御注意申し上げておきますが、先日のどなたかの答弁で、過去に銀行の窓口等で国債を売ったことはないという御答弁がありました。しかし、どうも私の記憶では私自身が扱った記憶があるので、古い方に聞いてみますと、どうもあったようでございます。それじゃ何年何月か、どういう形であったかというところまで詰めておりませんけれど、私の方で詰めるよりは御答弁した側で調査をしていただきたい。戦前に私は扱った記憶があるので、これは記憶たどりでございますから詰めておりません。答弁した側で絶対になかったかどうか、もう一度ひとつよく調べていただきたい。
 二、三の人に聞いてみますとどうもあったようでございますので、私の方で調べるよりはそちらで調べていただきたいことをお願い申し上げて、本日のところ、この辺で質問を終わらしていただきたいと思います。
#53
○多田省吾君 私は、まず本題に入る前に、大蔵大臣がこのたびIMFの暫定委員会に出席されておられますので、二、三その点に関連いたしましてお尋ねしたいと思います。
 一つは、前の本委員会でも私は金の復権の問題に絡んで御質問いたしました。従来、IMFは金を廃貨し、わが国もIMFの方針に従って金廃貨に努力してきたわけでございます。金の廃貨をねらいにIMFでは四年がかりで保有金の三分の一、五千万オンスを五月七日の競売を最後といたしまして、一応各国の通貨当局や民間市場に還流したわけでございます。折から金価格の高騰で競売の差益が非常にふくらんだということで、発展途上国の開発への目的も十分達成されたわけでございます。しかしながら、その反面、御存じのように各国の金準備がふえたので、欧州各国はもとより、金廃貨の先鋒を切っていた英国までが金の再辞価ということをやり始めているわけです。
 そうすると、外貨準備の中で金の役割りは高まるという結果にならざるを得ない。いままでも、昨年の三月にいわゆるEMSですか、欧州通貨制度が発足いたしまして、金を裏づけの一部としているわけです。そのほか、IMFでは、SDRの代替勘定のかなめに金を置こうとしているんじゃないかとか、また、ロンドン金市場のガイ議長なんかも、外貨準備に金の積極活用を訴えているというようなことも報道されております。このように、金の復権ということがいま大変大きな問題になっているわけでございます。大蔵大臣は前回の御答弁でもそのような傾向を否定されましたけれども、今後大蔵大臣といたしましてはIMFに対して具体的な働きかけをなさるおつもりか、また、今回IMFの暫定委員会に御出席なされてどのような感触を得られたか、その辺をお尋ねしたいと思います。
#54
○国務大臣(竹下登君) 今度のIMFの暫定委員会の際、金の問題につきましては金そのものとしての格別の議論はなかったわけでございます。ただ、代替勘定の設置に伴って、一部保有金を売却したらどうか、いや売るべきものでない、こういうような議論があったことは事実でございますが、全体的に見まして、金復位の方向について国際的な合意が得られる状態には私は今日のところないという考え方に変わりはありません。
 が、しかし、いまの御質問、それなりの具体的な例示をもっての御質問でございますので、大場次長の方から正確なお答えをさすことをお許しいただきたいと思います。
#55
○政府委員(大場智満君) いまの大臣の答弁を若干補足さしていただきます。
 先生御高承のとおり、通貨には三つの役割りがございます。第一歩計算単位としての役割り、それから第二は取引通貨と申しますか、決済としての役割り、三番目に準備通貨としての役割りでございます。
 金につきましてこの三つの点について考えてみますと、第一の計算単位という点になりますと、たとえば先週末は一オンス五百十ドルでございましたが、ことしになって一番高いときは八百ドルを超えている状況にございました。このように価値の変動が大きいものは、通貨として適当ではないのではないかという感じを持っております。
 それから第二に、決済通貨でございますが、金の量には制限がございますので、これもやはり決済通貨として使う場合には量が足りないという問題があると思います。
 最後の、準備通貨としての金ということだけは、これは各国の通貨当局が非常に金を持っているということからおわかりいただけますように、準備通貨としての金の役割りは認めざるを得ません。しかし、全体として考えますと、金が通貨としての役割りを果たすのは非常にむずかしいのではないか、このように考えているわけでございます。
#56
○多田省吾君 この問題で時間は余りとれませんのでこれでとどめますけれども、やはりいまIMFの金の売却でもほとんど産油国に行っているんじゃないか、あるいは産油国がドルの価値の低下を心配いたしましてソ連や南ア等から金を入れて、そして原油を売っているというようなことも聞いておりますし、この問題はまだまだ尾を引くと思いますので、ひとつ対応をしっかりお願いしたいと思っております。
 二番目といたしまして、現在、為替相場は変動相場をとっておりますが、非常に経済運営の面から見ましても野方図な状態でございます。そこで、前からの問題でございますが、通貨安定体制の意味から固定相場に復帰することはとうていできないと思いますが、新しい安定体制をとるにはいろいろな対策があると思います。三、四年前にもいろいろ言われたわけですが、こういったことを今度のIMF暫定委員会で話に出なかったのか、あるいは今後訴える必要がないのか、その辺を大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
#57
○国務大臣(竹下登君) 先ほどお話しいたしましたように、いま準備通貨としての代替勘定を設定するに当たり、保有の金を売却したらどうだ、いや、すべきでない、この議論はあったことは事実でございます。が、各国ともドルが大変に――大変にと申しましょうか、必ずしも安定していないという表現といたしましょうか、そういう状態の中にあって、やはり通貨の安定体制の意味するところが非常に重要であるという認識はとっておるところであります。
 したがって、SDRというもの自体ができましたのも、十六カ国の通貨を一つのバスケットに入れまして、比較的変動性の薄いものとしたというところにもその意義があるところでありましょうが、今回の議論の中でやはり主として出ましたのは、したがって、その通貨の安定というのは、各国のそれなりの経済政策の調和というものが必要じゃないか、各国がそれぞれの経済政策の調和というものを国際経済全体の中で図っていくことによってまず安定をすべきではないか。
 直接わが国の問題で申しますならば、先ほどもお答えいたしました一つの点といたしまして、たとえば西ドイツの連銀とのスワップ協定ができる準備に入ったということは、アメリカ、そしてスイス、そしてドイツ・マルクというようなところにも通貨のある程度の協調性が保たれたというのも、一つの金融政策の調和の努力ではなかろうかというふうに思うわけでございます。そうして、代替勘定というものの検討もやはりそういう点から議論をされてきたと。
 したがって、代替勘定というものは主として先進諸国の方に関心がかえってよけいにあったと、これは通貨の問題からそういう関心がおのずからよけい出てきたのではないかというふうに思うわけですが、委員もいま御指摘のように、固定相場というものに復帰するということはこれは非常に困難なことでございますけれども、通貨の安定を求める雰囲気といいますか、環境はそういうものであって、そうした努力は今後ともやっていかなければならないという認識はひとしくいたしたところでございますが、直ちにもって、何といいますか、大変奇抜な発想というようなものが出てきたという段階にはないというふうに御理解をいただきたいと思います。
#58
○多田省吾君 今回のIMF暫定委員会に出席されて、大蔵大臣はオイルマネーの還流対策の一環といたしまして国債の産油国売却を発表されました。
 そこで三点お尋ねいたしますが、一つには、売却先の長期保有についてはその見通しがあるのかどうか。
 二番目には、今後どの程度の売却を見込んでいるのか。
 第三点といたしまして、国債売却以外にオイルマネーのリサイクリングはどのような方法をとるおつもりなのか。
 以上、三点についてお伺いしたいと思います。
#59
○国務大臣(竹下登君) 非常に具体的な問題でございますので、大場次長から補足をいたしますが、このいわゆるオイルマネーの還流対策と、また、産油国から見れば自己資金の安定的運用と、こういうことになろうかと思うのであります。そこへいろいろな相互の理解の度合いからいたしまして、直接、日本国政府が産油国へ国債を売却するというシステムではないわけでございますけれども、中央銀行間の話し合いの中にそういうものが取り入れられた、そうしてそれの総額ということは新聞等で五百億等々が伝えられておりますが、これはいわば現実問題としては相手方の資産の運用でございますので、こちらでその額をこのような額になるであろうというようなことを発表するのは、必ずしも適当でないではないか。
 そしてまた、オイルマネーのリサイクリング、国債以外の問題について、今日、どの程度かということを正確に把握することはできませんけれども、証券市場等々の中へもそういうものが若干入ってきておるというふうに私どもも見ておりますので、一般的な有価証券でございますとか、そうしたところへも入り得るまた環境をつくることは、可能な問題ではなかろうかというふうに考えております。
 若干具体的な問題があろうと思いますので、大.場次長から補足をいたします。
#60
○政府委員(大場智満君) まず、産油国等の日本への投資について、できるだけ長期保有をお願いしているところでございますが、これは投資する商品といいますか、資産形態によって違ってくると思います。この一−三月を見ましても、大体株式で六億ドルぐらいの流入超がございますし、公社債等で五億ドルぐらいの流入超過がございます。これはいずれも非居住者全体の数字でございますので、このうちのどの部分が産油国かということははっきりいたしておりませんが、かなりの部分が産油国によるものだというふうに考えております。そういたしますと、やはり預金形態によるものよりは、こういった株式なり公社債等への資金の流入の方が長期的性格を持っているということが言えるかと思います。
 それから、数字につきましては、これは今後どうなるかということでございますが、債券への投資の場合には、第一には債券の利回りを産油国等は重視いたしますが、第二には為替相場、円相場についての見通しがその投資の場合の大きな要素になっているようでございます。したがって、今後為替相場が安定していきますと、円相場瀞安定していきますと、かなりの額の資本の流入が見込まれるというふうに考えております。
 それから、国債売却以外にどのようなリサイクリングの方法があるかというお尋ねでございますけれども、同じ公社債ということでございますと金融債等がございますし、また先ほども申し上げましたように、株式への投資ということもございます。それからまた、短期のものでございますと、銀行への預金が最近かなり増加しております。それから、そのほかに一般企業の借り入れということもあるわけでございます。さらに、大臣が御指摘申し上げましたが、たとえばサウジアラビアの五カ年計画に対して技術協力なり、あるいは経済協力で協力するということもまた一種のリサイクリングである、こういうことが言えるかと思っております。
#61
○多田省吾君 それでは、電源二法案に対しまして一問だけ質問しておきたいと思います。
 今回の改正は、代替エネルギー対策を目的としてとられる措置でありますが、代替エネルギー対策は国民的課題でございまして、非常に緊急なものでありますが、同時に、原子力あるいは一部の石炭以外は代替エネルギーの実用化というものは非常に長期的に実を結ぶことを期待している程度でございます。こう考えますと、今回の措置というものは安易に電源開発促進税を引き上げて、これをもって財源に振り向けるということにすぎませんで、単なる特別会計の拡充で対処するだけと言えるわけでございます。この今回の措置を、なぜ一般会計から財源を繰り入れる方式をとらなかったのか、その点をまずお伺いしておきたいと思います。
#62
○政府委員(西垣昭君) いま言われましたように、代替エネルギー対策というのは差し迫った重要課題でございますが、今後、中長期的に代替エネルギーの開発利用を進めるためには、巨額の資金を安定的に確保していくという必要がございます。ところが、そのすべてを一般財源に求めることは、現在の厳しい財政事情から見て困難でございます。この点は御理解いただけると思います。
 他方、代替エネルギー、対策の効果は、電気の安定的供給の確保や石油の需給、価格の安定を通じまして、一般電気事業者や石油の消費者に受益関係を生ずるものであるということを考慮いたしまして、受益者負担的観点に立ちまして措置することが妥当と認められる範囲で、特別会計におきまして電源開発促進税や石油税を財源とする施策を実施することとしたものでございます。
 なお、広い意味では、石油代替エネルギーの開発を図る施策でありましても、当面実用化のめどがなく、受益者負担にはなじまないと考えられる基礎的研究等につきましては、一般会計におきまして一般財源で措置しているところでございます。
#63
○委員長(世耕政隆君) 午前中はこれまでにいたしまして、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
#64
○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、多田君の質疑を行います。
#65
○多田省吾君 私は、代替エネルギー対策の財源を特定財源に求めるのは非常に安易な考えだと思います。特定財源ということになりますと受益者負担という形をとるわけでございまして、今回の電気料金の大幅な値上げに見られるように安易な値上げが行われ、これが物価高騰にどうしてもつながってまいります。このようなことからも、私はこの電源開発税の引き上げというものは物価対策の上からも見送るべきではないかと、このように思いますが、いかがですか。
#66
○国務大臣(竹下登君) この五十五年度予算におきまして電源多様化対策を促進することといたしたわけでございますが、これらの施策につきましては、まず今後中長期的に膨大な財源が必要であると見込まれるのでありますが、厳しい財政事情のもとでは、一般財源で措置することはとうてい困難であるということが一つでございます。
 第二点は、電気の安定的供給を確保することを通じて一般電気事業者に受益関係というものが存在しておること。このことから、これらの対策に要する財源は、電源開発促推税の引き上げによって措置することが必要であるという考え方に立ったわけでございますので、この点は御理解を賜りたいところであります。
 この場合、電源開発促進税の税率引き上げの電灯料金に及ぼしますところの影響は、改定前の電灯料金の一・一%程度、月四十円程度でございますし、物価、家計に与える影響はきわめて小さいので、代替エネルギー対策の重要性というものを考慮しますならば、この程度の影響というものはみんなにがまんをしていただく許容限度内にあるものではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
#67
○多田省吾君 午前中の最初の質問に対する御答弁にもありましたが、一般財源は厳しい財政状況にあるので特定財源の形で求めるんだというのが大蔵省の見解のようでありますが、石油税は、原油高騰の折でございますので自然増収も大幅に見込まれております。これを代替エネルギー対策の財源に充てることも十分可能だと思いますが、いかがですか。
#68
○政府委員(高橋元君) 確かに最近の原油価格の高騰、また、経済見通し作成時よりも実際に生じておりますところの円安、こういったことによりまして、五十五年度の石油税は五十四年度に比べましてかなりの大幅な増収が見込まれることは事実でございます。
 いまの御質問は、石油税をもって電源の多様化及び一次エネルギーとしての石油代替エネルギー両方の開発に充てたらどうかという御趣旨かというふうに存じますが、電源の多様化対策ということにつきましては、ただいまも大臣からお述べになりましたように、電気の安定供給を確保することを通じて一般電気事業者に受益関係が認められるということがございます。一次エネルギーとしての石油代替エネルギーということになりますと、これは石油の需給なり価格の安定を通じて石油の消費者に受益関係が認められるということになります。したがいまして、目的税ないし受益者負担という考え方からいたしますと、電源の多様化の財源ということと、一次エネルギーとしての代替エネルギー対策の財源ということと、負担をお願いする局面が変わってまいるというのが税制上の立場であろうというふうに私どもは考えて、御理解をいただきたいと思うわけであります。
 なお、一次エネルギーとしての石油代替エネルギーというものにつきましても、五十五年度は三百四十九億でございますけれども、今後逐次その研究ないし実用化の進展が見込まれまして、昭和六十五年までにやはり一兆四千五百億円という巨額の財源を必要といたします。電源につきましては午前中もお答えしましたように、これまた、昭和六十五年までに現在の見通しでは一兆四千五百億円という巨額の財源が必要であるわけであります。石油税の大幅な増収が見込まれると申しましても、その増収だけをもって両者の財源を賄うことが長期的に見込みがたいということも、あわせて御理解いただきたいというふうに考える次第であります。
#69
○多田省吾君 いませっかくの御答弁でありますけれども、今回の改正で代替エネルギー対策に充てられる額は千百七十六億円でありますが、そのうち八百二十七億円が電源多様化勘定であり、電源開発税引き当て分が充てられるわけだと思います。しかし、石油税というものは、五十五年度見通しでも四千百億円あるわけでございますから、しかもこれが増収の見通しも考えられるわけです。私は、そういった受益者負担云々という考えをもう少し拡大して、ストレートにやはり石油税から組み込めないのかという考えはまだ持っているわけです。
 次に、私は、代替エネルギー対策の予算のあり方でありますけれども、非常にわかりにくい構成になっております。たとえば、石油税にいたしましても、四千百億円の中から二千五百二十億円を特別会計に組み込む、それに原重油関税三百十二億円を加え、さらにその中から三百四十九億円を石油代替エネルギー対策に充てる。またさらに、電源開発促進税の電源多様化勘定から八百二十七億円を加えたものが代替エネルギー対策予算となっていると、こういう構成になっているわけでございますが、このように複雑な形をとるということは、国民の目の届かないところで何かやっているんじゃないかという疑惑もあるわけです。こういう税制や特別会計制度を改めて、すっきりと一元化する考えはないのかどうか。
#70
○政府委員(西垣昭君) お答え申し上げます。
 仕組みが非常に複雑であるという御指摘でございますが、私どもといたしましてはかなり整理したつもりでございます。先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、今回、石油代替エネルギー対策についての財政面での仕組み、枠組みを整えるに当たりましては、現在の厳しい財政事情も考慮いたしまして、受益者負担になじむ多額の財源は受益者負担的観点に立って措置することとした次第でございます。すなわち、代替エネルギーによる発電を促進する施策が電気に受益関係を生ずるところから、電源開発促進税の使途拡大及び税率引き上げで対処する。その他の一般的な代替エネルギー対策は石油の需給、価格の安定を通じまして石油消費者に受益関係を生ずるというところから、石油税の使途拡大により対処することとしたわけでございます。また、基礎的な研究や近い将来に実用化されるめどの得られていない技術開発など、受益者負担になじまない施策は一般会計で措置しております。
 このような財源措置に対応しながら、今般、特別会計制度の改組、拡充を行っているため、制度的にはやや複雑だとの御指摘をいただき、この点はまことに恐縮でございますけれども、対策とその財源、受益と負担の関係を明確に経理しながら、長期的、計画的な対策を実施するためにはこのような仕組みをとることが適当であると判断している次第でございます。もちろん、この仕組みのもとにおきまして、石油代替エネルギー対策が総合的、効率的に行われまして、全体として所期の成果を上げるよう努めるということは申すまでもないことでございまして、今後ともこの点につきましては十分留意してまいりたいと考えております。
 なお、一般会計、特別会計を通じます石油代替エネルギー対策の予算でございますが、特別会計がいま御指摘のありましたように石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計に三百四十九億円、電源開発促進対策特別会計に八百二十七億円、合計千百七十六億円でございますが、このほかに一般会計に千七百二十一億円予算を計上いたしておりまして、一般会計、特別会計を合計いたしますと二千八百九十八億円ということで、強力に対策を講じていきたいと考えておる次第でございます。
#71
○多田省吾君 次に、通産省にお尋ねいたします。
 エネルギー政策の資金需要について伺いますが、通産省の試算によりますと、昭和五十年代の十年間で約六十八兆円としておりますけれども、民間調査機関の調査によりますと、二百兆円は必要だという声も上がっております。いろいろな外国の例等から見ましても、政府の見方は非常に甘いと言わざるを得ませんが、こうした見通しの差を通産省はどう見ておりますか。
#72
○説明員(深沢亘君) お答え申し上げます。
 先生、現在通産省の五十年代におきます資金需要、エネルギー対策資金需要六十八兆円、この点につきまして見方が甘いのではないかという御指摘でございます。これはちょっと戻りますけれども、昭和五十二年の八月に、通産大臣の諮問機関でございます総合エネルギー調査会というのがございますが、そこでの試算でございます。これは御指摘のように、五十一年度から六十年度まで、五十年代におきますわが国のエネルギー対策所要資金量というものを試算したわけでございます。これは五十一年度価格で表示いたしまして、六十八兆円ということで試算してございます。これはもう先生御案内のとおりでございますけれども、この試算自体、一定の仮定のもとでいろいろ試算しているものでございます。これはエネルギー関係のコストなり、それから技術開発の進捗状況なり、そういった各種要因の変化によりましてこれはいろいろ変わるものでございます。
 ただ、これは民間の機関の指摘にもございますように、いずれにしましても、中長期的なエネルギー制約の克服ということを図ってまいりますためには、今後やはり膨大な資金が必要になると見込まれるというふうに感じております。それで通産省といたしましては、このエネルギー関係投資がやはりリスクが大きいということ、それから収益性とか懐妊期間の長さとかいろいろの点がございます。したがいまして、民間企業だけで十分に対応し切れないという側面がございます。
 それから、御案内のとおり、国際石油情勢が非常に厳しさを増す中で、主要先進国の中で日本が石油依存度というのが一番高うございます。こういった実態を踏まえまして、将来にわたりますエネルギーの安定供給確保ということにつきましては、国全体としてその推進を図っていくということが必要でございます。こういう観点から、このエネルギー関係資金につきましては思い切った国家資金の投入ということが必要不可欠だというように考えているわけです。従来からこの所要資金、所要対策を講じてまいっておるわけでございますけれども、今後とも内外のエネルギー情勢を見きわめながら計画的かつ重点的な支出ということに努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。
#73
○多田省吾君 いまおっしゃったように、これは昭和五十二年八月に出されたものだ、昭和五十一年価格の所要資金であると、こういうお話でございますが、おっしゃるように、原油の高騰等が見られたわけでございます。また、代替エネルギーの必要性というものが非常に緊急になっております。通産省といたしましては、中長期における所要資金と申しますか、資金需要について最も新しい考え方はどういうお考えでございますか。また、それによればどの程度の試算になりますか。
#74
○説明員(川田洋輝君) お答えいたします。
 代替エネルギー対策を今後強力に進めてまいりますためには巨額の資金投入が必要でございますけれども、具体的にどの程度の所要資金量が必要であるかという点につきましては、技術開発の進みぐあいなど不確定要因も多うございまして、確定的に申し上げることは非常にむずかしいのでございますけれども、当省において試算したところでは、現在財源対策でお願いしております関係の所要資金といたしまして、昭和六十五年度までの間に約三兆円程度の資金が必要ではないかということでございます。
 これにつきましては、先ほど来お話の出てございます民間企業が設備投資のような形で行っていきますものは別でございます。それから、先ほど大蔵省の方からお話ございました基礎的な研究の推進などに充てるもの、これもまた別の形で企業化をできるところまで持っていくお金といたしまして、私どもの試算では約三兆円程度が必要であろうということで試算をいたしております。それから、その残りの企業化の促進、実際に民間企業が使ってまいります資金につきましては、いろいろな数字があるようでございますけれども、現在確定的な数字は持ち合わしておりません。今後検討してまいりたいというふうに考えております。
#75
○多田省吾君 それでは、昭和五十二年八月に出されたような、いわゆる昭和五十年代の十年間で約六十八兆円というものに見合うような新しい試算というものはまだ出してないということですか。
#76
○説明員(深沢亘君) 五十二年の六十八兆円、これは先ほど申し上げましたように五十年代のエネルギー対策、いま申し上げましたのは代替エネルギー対策で三兆円という意味でございますけれども、これ以外に石油とかそれから省エネルギーとか、代替エネルギー対策以外のところに非常に多くの資金がかかります。その点につきましては、現段階においてはしてございません。代替エネルギー対策関係中心で、今後十年ぐらいの間に三兆円程度ということでございます。
#77
○多田省吾君 私は、やはりこういう原油の高騰あるいは代替エネルギーの相当早期の必要性ということから見まして、昭和五十二年八月に出した通産省の試算というものは相当古くなっていると思いますので、またこれに見合うような形の新しい試算というものが必要ではないかと、このように申し上げているわけです。
 次に、エネルギー開発に投入された国家予算を国際比較するのはいろいろな点から見てむずかしいものと思いますけれども、一応、東京電力の調査では、昭和五十年から五十四年までの五年間に日本では合計一兆九千八百億円、アメリカでは七兆五千七百億円と四倍近い投資でございます。また、工業技術院の調査では、五十四年度の新エネルギー技術開発予算の比較では、日本が百三十億円、アメリカは十六倍の二千五十億円となっております。エネルギー基盤がアメリカに比べて著しく弱い日本の投資がアメリカよりも格段に少ないということは、政府のエネルギー対策がまだなまぬるいのではないか、このように思いますけれども、これはどうですか。
#78
○政府委員(石坂誠一君) 御指摘のとおり、新エネルギー技術開発の予算につきましては、これまでアメリカ等と比較いたしまして相当規模的に差異があるということは否めないと思います。しかし、五十五年度におきましては、サンシャイン計画の加速的推進等もございまして、財政面でも特段の御配慮をいただいているわけでございまして、前年度に比較いたしまして二・四倍に相当します約二百九十億円の予算を計上しておるところでございます。これによりまして、また、これにサンシャイン計画以外のものも合わせますと、予算面では欧米の水準に相当近づいていくのではないだろうかというように予想しておるわけでございます。
 なお、新エネルギーの技術開発でございますが、これは非常に長期間を要する困難な課題でございまして、所要資金の確保も長期的に御配慮いただく必要があると思っておるわけでございますが、アメリカの状況をちょっと申し上げますと、米国はすでに大規模なプラント開発の段階に入っておりますし、また、アメリカの技術開発の方法といたしまして、手段といたしまして、非常に多くの手法を同時に進めていくというようなこともございますので、わが国の場合よりは相当大きな資金を必要とするような状況にあるのではないかと考えるわけでございます。
 わが国におきましては、今後新エネルギー総合開発機構の活用などを図りまして、効率的な研究開発の推進をいたしまして、新エネルギー開発計画を円滑に推進してまいりたいと思っておるわけでございます。
#79
○多田省吾君 いまは新エネルギー技術開発予算、まあ本年度は前年よりも二、四倍の二百九十億円にしたと、このようなお話でございますが、それでもアメリカ等から比べると非常に立ちおくれているわけでございます。
 大蔵大臣にお伺いいたしますけれども、エネルギー対策には巨額の資金が必要でございますが、一つの方法といたしまして、これは五十三年度実績でございますが、七十四兆円に及んでいる資金運用部資金の配分を考えて活用していくとか、あるいは五十四年度の財政投融資の不用額が六千八百四十八億円にも及んでいると言われておりますが、こういった中から対応資金に充てるとかという考えはございませんか。
#80
○政府委員(渡辺喜一君) 財投計画につきましては、エネルギー対策の重要性にかんがみまして、特に五十五年度の計画におきましてはかなりの配慮をしたつもりでございます。五十四年度の計画で、エネルギー関係は事業費べースで八千百八十九億円ということでございましたが、五十五年度は一兆二千百五十一億円を予定しておりまして、これは前年度に対して四八・四%というふうに大きく伸びておるわけでございます。
 財政投融資計画の資金配分につきましては、従来から国民生活の安定向上に資する分野というものには重点的な配慮をしてまいったわけでございますが、そのときどきの政策的緊要度の高い資金需要にこたえていくというのが本来の使命であると考えておるわけであります。財政投融資原資の大宗を占めておりますのは資金運用部の資金でございますが、この資金運用部資金につきましても、最近の厳しい原資事情の中で経済政策全般との関連にはもちろん配慮をいたしつつも、各般のそういう資金需要にこたえてまいりたいと考えておるわけであります。
 五十四年度の資金運用部資金の不用額についてのお話がございましたが、この五十四年度の不用額につきましては、五十五年度の財政投融資計画の編成時点におきまして、すでに約六千億程度の不用が見込まれるということでございましたので、五十四年度の事業の進捗状況を洗い直しまして、その見込まれた不用額を五十五年度の財政投融資の原資として活用をいたしておるわけでございます。つまり、六千億の不用は、五十五年度の財政投融資計画の原資に充てられておるわけでございまして、そういう意味で資金の効率的運用に努めておるわけでございます。これをまた別途にエネルギー関係にそれを充てるということではございませんで、五十五年度計画全体としてこのエネルギー関係には非常に力を入れた計画を編成いたしたと、こういう次第でございます。
#81
○多田省吾君 次に、エネルギー対策の財源について伺います。
 エネルギー関係諸税といたしまして、現行税制では国税の方で揮発油税、地方道路税、石油ガス税、石油税、航空機燃料税、電源開発促進税の六つの税目と、それから原重油関税があります。また地方税では、軽油引取税、電気税、ガス税の三税目がありまして、全体では十種の税目が存在しております。これらの税目のうち揮発油税、地方道路税、それから石油ガス税、軽油引取税は、その税収の全額が道路財源に充てられるいわば実質上の目的税であり、他の税目は、地方税の電気税、ガス税を除いて、これまた実質上目的税となっております。まあ石油税の一部は一般財源にも充てられております。揮発油税以下の四税目が道路財源のための税である。これがまた財政硬直化の大きな要因の一つになっているわけでございますが、その是正が放置されている現状というものを政府はどう見ているのか。
 それからもう一つは、昭和五十四年度で見ましても二兆八千三百六十億円に上るエネルギー関係諸税のうち、道路財源に七五%の二兆一千億円が充てられております。エネルギー対策費は、わずか一三%の三千七百億円にすぎません。このような状況で、どうして代替エネルギーの開発ができるかということです。すなわち、ガソリン税をもっとエネルギー対策に向けられないか。
 この二点を明確にお伺いしたいと思います。
#82
○政府委員(高橋元君) 五十四年度、確かに総額二兆八千三百六十億円のエネルギー関係諸税の中で道路に充てられましたものはその七六%、二兆一千五百五十八億円でございますが、エネルギー、ことに代替エネルギー対策の重要性ということが本年度の予算の骨格の一つでございまして、五十五年度の予算でごらんいただきますと、総額三兆三千二百七十八億円、先ほどお挙げになりました十税目を加えますとそうなるわけでございますが、その中で道路に充てられますものは六九・四%の二兆三千八十六億円、エネルギー対策に充てられますものは二〇・七%の六千八百八十八億円。エネルギー対策に、飛躍的に大きなウエートが割かれたわけであります。
 税制調査会で昨年、五十五年度税制改正の御審議をいただきました際に、エネルギー対策財源を、現行の道路特定財源に充てられておる揮発油税を一般財源化してこれに仰ぐべきであるという御議論があったことは事実でございます。しかし、そのためには、まず現在の道路に対する財政需要と申しますか、道路の整備水準と申しますか、その点につきましてこれを抑制、削減することが相当であるというような御議論がございませんで、道路整備水準は近年向上はしておるものの、まだ十分でない、なお整備の推進を図るべきであるということが、税制調査会の中でも強く御主張がございました。そこで、現在のところ、特定財源のために道路整備事業費が他とのバランスを失して過大となって財政硬直化の原因となっておるという認識は、税制調査会としては持たなかったわけでございます。
 いずれにいたしましても、道路整備の財源を道路利用者の負担に求めることには、長い間の経緯からも御推察いただけますように、それなりの合理性があるわけでございまして、揮発油税を他の使途に充てることにつきましては、道路整備の必要性なり、受益と負担の関係なり、さまざまな角度から今後税制調査会におきましても中期的に検討を進めてまいりたいというふうに存ずるわけであります。
#83
○多田省吾君 五十五年度はようやく代替エネルギーに対する予算が多少多くついているようでありますけれども、根本的には私はまだ矛盾があると思います。税調の答申によりますと、電源開発促進税を引き上げることは石油の消費に負担の増加を求めることであり、石油消費の節約、資源の有効利用にも資することになるとあります。大蔵省も基本的にはそう考えていると思います。しかし、この道路財源に関する答弁を伺っておりますと、大変疑問に思うわけです。国民に負担をかける電源開発促進税の引き上げは、省エネルギーの面から有効であり、同時に代替エネルギー開発に役立つんだと言い、道路財源につきましては、ガソリン消費を増加させる道路建設が不足するから他には回せない、これは全く矛盾した考えと思いますが、大蔵大臣はどうこれを考えておりますか。
#84
○国務大臣(竹下登君) 道路特定財源という問題が、いつも一つは議論になる問題でございます。しかし、私どもは、道路の整備水準について近年向上してまいっておりますものの、それでは十分かと言われますと、どの点を基準にとって十分であるか十分でないかという議論は別といたしまして、なおこの整備を求める声というのは、これは大変強いものがございます。したがいまして、毎年特定財源の額を上回る国費を投入しておる、こういうのが実態でございますので、したがって、これが財政硬直化の原因になっておるということには必ずしも考えていないところでございます。
 一方、税制調査会の答申の考え方は、石油の消費に対して負担の増加を求めれば、石油価格の上昇を通じて石油の消費節約にも資するものであると。これは、よく先進国どこも石油節約の問題について議論されるときに出てまいります、価格によってむしろ節約を誘導していくという政策的な考え方は、私どもにも理解できるところでございます。しかし、他方、道路整備が国土の均衡ある発展とか豊かな地域社会の形成とか流通の合理化に寄与する基本的な施設である、そうして、現段階で、先ほど来の、まだなおこれが国民的な要求というものは非常に高いから進めていかなければならぬというようなことを考えますと、道路整備が進むことによって輸送効率等の経済効果が上がる等を考慮してまいりますと、道路投資をガソリン等の消費増加に結びつけるのは必ずしも現段階においていかがなものであろうか、論理の矛盾性というものがそこに厳然としてあるというふうには理解をしていないというところでございます。
#85
○多田省吾君 道路に関してはまだまだ私納得できませんが、後に譲りまして、次に省エネに関してお伺いしておきたいと思います。
 日本のエネルギーは産業用六〇%、民生用二〇%、輸送用一〇%強となっておりますが、省エネ対策といたしましては産業用がかなり進んでおりますけれども、これまでは資金のかからない方法、つまり操業を効率的にしたり、廃熱を再使用するなどの対策が中心で、一、二年で投資分が回収できたのに対しまして、今後はこういった企業が単独で行うには非常に限界が出てきていると思います。これまで民間主導型で進められた省エネに、今度は国が果たす役割りというものがふえてきたと思います。
 一方、民生用でも、国としての何らかの措置を必要としていると思います。アメリカではソーラーシステムを含めて省エネ予算が七九年度で三億七千万ドル、約八百億円、八〇年度で九億七千万ドル、約二千百億円の予算を組んで、一般家庭の断熱に対する補助あるいは税金免除を行っております。
 そこで、わが国でも、こういった省エネのための民生用の補助あるいは税金免除などを行う考えがないか、また、財政が厳しいというのであれば、国民金融公庫あたりが全額融資をする等の措置がとれないのか、お伺いしたいと思います。
#86
○政府委員(西垣昭君) 財政面につきまして、特に歳出の面につきまして私から御説明さしていただきます。
 ソーラーシステムの普及促進につきましては、五十五年度予算におきまして幾つかの措置を講じております。ソーラーシステムを設置する医療、教育、福祉等に係る公的施設に対しまして設置費の二分の一を補助するというのがその一つでございまして、これは百五十件、予算額三十億円を予定しております。それから、住宅及び事業用施設におけるソーラーシステムの設置に係る資金を低利融資するために金融機関に預託する融資原資及び利子補給の基金を助成するということで、融資規模百億円、金利が住宅用五分五厘、事業用六分五厘、予算額二十二億円を予定いたしております。
 それから、ソーラーシステムのほかに断熱建材の問題を言われましたが、断熱建材はすでに商業ベースの実用段階にございまして、直接的な補助を行うことはいかがかと考えているわけでございますが、断熱建材の品質向上のために通産省において指導普及対策を行うための経費といたしまして、五十五年度予算に八百六十四万円を計上いたしております。
 それから、ただいま諸外国の例を挙げられまして、そういった例にならって、もっと直接的な補助を行うべきではないかという観点からおっしゃったように聞き取ったわけでございますが、わが国の財政のあり方といたしましては、すでに実用化されている施設を個人や企業が導入するという、いわば私有財産の形成に対しましては直接的に補助することはしないというのが普通の扱いでございまして、むしろ、こういったものにつきましては、ソーラーシステムの例のように、必要な範囲で金融的手段による方が適切であると考えているわけでございます。諸外国とはいろいろと財政の役割りにつきましての考え方が違ったり、財源の事情も違いますし、いろいろと沿革もございますので、諸外国でこういった例があるからというだけの理由では、なかなかわが国で同じようなことを導入するというわけにはまいらないのではないかというふうに考えております。
#87
○委員長(世耕政隆君) 時間がございませんので、答弁はひとつ簡略にお願いします。
#88
○政府委員(西垣昭君) 以上でございます。
#89
○政府委員(米里恕君) 金融面の助成でございますが、国民公庫、中小公庫におきまして、まず、省エネルギー施設資金貸付制度というものがございまして、御指摘のいわゆるソーラーシステムあるいは断熱壁などの必要資金につきまして特別貸付制度を設けております。この特別貸付制度の中身は、簡単に申し上げますと、貸付限度の拡大と貸付期間の延長ということを中心にいたしております。
 なお、民生面につきましては、住宅公庫におきまして五十三年度から断熱構造化工事を行います場合の割り増し貸し付けがございます。五十五年度から新たにいわゆる太陽熱温水器あるいはまた、効率型の暖房給湯システムにつきましても、設置費用に応じまして一戸当たり十万円から五十万円までの割り増し貸し付けを行っておるという状況でございます。
#90
○政府委員(高橋元君) 税制の面でございますが、現在、特定設備の特別償却という御案内の制度がございまして、その中に省エネルギー設備、これは多種多様にございますわけでございますが、それにつきまして、初年度、本年度からは二割の特別償却を認めるということにいたしております。本年は格段の財政事情のもとに租税特別措置の大幅な整理を行ったわけでございますが、その中にありまして、省エネルギー設備として追加されました項目は十数項目でございます。そういう点で、省エネルギーの推進にはかなり配意しておるというふうに考えております。石油貯蔵施設につきましても、一定の容量以上の新規の石油貯蔵タンクにつきまして、取得後五年間四割増しの割り増し償却を認めるというような制度を開いておるわけであります。
 なお、一般住宅用の断熱材なりソーラーシステムの導入につきましての税制上の優遇を諸外国にならってやったらという御示唆かというふうに伺ったわけでございますが、アメリカの場合には連邦、州にわたりまして強制的断熱基準というものを設けて、はなはだしきは、それに違反した場合には電気を引かない、中古住宅でも販売する前に断熱をしなければならないという義務を課するとか、それからドイツにつきましても、省エネルギーに関する強制基準に違反しました場合には罰金を課するとか、フランスでも同様、強制的な断熱基準につきまして六百ないし千フランの罰金を課するとか、かなり強制的なそういう省エネの住宅設備の基準というものがございまして、それのもとでの税制上の優遇でございますから、日本の場合とは事情を異にするというふうに考えるわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。
#91
○佐藤昭夫君 まず、大臣に総論的にお尋ねをいたしたいと思いますが、政府は深刻な財政危機の現状にもかかわらず、いわばエネルギー対策を最重要課題の一つとして位置づけをし、予算の編成も行っているわけでありますが、従来のエネルギー政策は輸入依存一辺倒の傍ら、国内自給能力の拡大についての努力は皆無に等しいと言ってよいほどの状況であったと思うんです。このため、石油危機を契機に、国民生活や産業の基盤となる経済的諸情勢さえも崩れるということになって、世界の中でも最も深刻な経済の危機的状態に陥ったことは、論を待たないところだと思います。
 こうして政府のいわゆる石炭つぶしを初めとする施策の結果、今日の危機的状況を招いているわけでありますけれども、今日時点で振り返って、政府としての今日までのエネルギー政策についての一定の反省、見解があるのかどうか、今後の方向にかかわりますので、まずその点をお尋ねをいたしたいと思います。
#92
○国務大臣(竹下登君) これは、場合によっては通産省からお述べになるのが適当かと思うのでございますけれども、私なりに考えますことは、やはり一九六〇年代におきますところのいわゆる石油資源というものが完全な買い手市場の中に価格形成も行われ、そのときにひた走りに高度経済成長政策の路線を選択したと。そうして、一九七〇年代を過ぎましてからいわば石油価格というものが売り手市場の手に移り、そしてまた、世界的にも資源有限時代という認識が深まった際、強いて私ども申しておきますならば、いま緊急な施策として御指摘のようなエネルギー対策等々をあるいはその時期から検討するだけの余裕というものがもっとあったらそれにこしたことはなかったろうという反省は、私は素直にいたしております。
#93
○佐藤昭夫君 いま一定の反省の弁も申されておるわけでありますけれども、今後のエネルギー政策の推進に当たって、いま言ったような見地に立って、従来の考え方を転換をして次の三つの方向が私、必要じゃないかと思うんです。
 一つは、いわゆるメジャー依存ではなくて、産油国政府と平等互恵の立場で二国間協定等による原油の直接取引を拡大をしていくという方向。二つ目には、原子力発電計画は平和と安全の立場から根本的に見直しをして、原子力平和利用三原則の厳守、自主的、民主的な研究体制の確立を図り、既設の原発については防災体制の整備を進める問題。三つ目には、産業、交通の省エネルギー型への転換を進めるとともに、石炭、水力など国内資源の活用をもっと重視をしていく。こういう三つの方向を、今後の諸施策を総合的に打ち出す場合の基本に据えるべきではないかというふうに思うんですが、この点の見解はどうでしょうか。
#94
○国務大臣(竹下登君) いまお述べになりましたもろもろの御指摘の点について、必ずしも全部を否定するものではございません。
 今後のエネルギーの安定的供給というものを確保して国民生活と国民経済の安定、発展を図るという点につきましては、私どもといたしましてもおよそ三つのことを重点に置いております。
 その一つは、産業、民生両分野におきましての省エネルギーの徹底ということであります。その二つには、中長期的視野に立った石油代替エネルギーの開発利用の推進であります。二つ目のこの柱というものについては、いわば原子力による代替エネルギーに対する考え方については、佐藤さんと基本的に異なる点があろうかと思います。それから第三番目は、やはり大きな比重を占めざるを得ません石油安定供給の確保の問題でございます。これに対しては、メジャーというものに依存することなく、産油国との直接取引という御提案でございますが、必ずしもこれも私の所管とは言えませんが、そのような方向をも模索し現実化しておるという状態ではないかというふうに考えておるわけであります。
 したがって、私どもといたしましても、そういう角度の上に立ちまして今後重点的に代替エネルギーの開発利用につきましては、きょう御審議いただいておりますまさに電発二法あるいは石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律によりまして、五十五年度より必要資金の長期的、安定的確保、そして安定的、計画的な予算措置、そして中核的な推進母体の設立、この基本的仕組みをつくることにしたわけであります。これに一刻も早い御賛同を得まして、何としても積極的に取り組んでいきたいというふうに考えておるところであります。
 省エネルギーにつきましては、これは各官庁のそれぞれ所管のその場その場における行政措置というものが中心になっておるわけでございますけれども、財政面におきましても技術開発予算等について十分配慮していかなければならない。そして、原子力の問題につきましての安全性の確保という問題は、これは言うに及ばずと申しましょうか、当然のこととして念頭に置いて対応すべき問題であるというふうに考えておるところであります。
#95
○佐藤昭夫君 具体的に、予算の上から見たエネルギー対策の問題をもう少しお尋ねをいたしたいと思いますが、五十五年度予算によりますと、深刻な財源難にもかかわらず、電源開発促進税のいま御提案の三・五倍引き上げ、そういう問題も含めて一般会計では対前年度比三一・九%の増、予算全体の伸び率一〇・三%でありますから、いかにこの分野に重点を置いておるかということは明瞭でありますが、その対前年度比一一二・九%増、予算総額の一%、四千二百四十一億円を占めております。さらに、電源開発促進対策特会、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特会、今回つくられるものでありますが、これを合わせますと七千数百億円にもなる。そのうち原子力関係、これにどれくらいの予算が組まれるのかということを、まあ不明な部分はありますけれども、明確な分だけでもほぼ三分の一を占めるんじゃないか。
 ところで、問題の原子力関係というのは、もうよく御存じのように、例の昨年のスリーマイル島の原発事故以来悪名をはせてきている軽水型炉、これが中心でありまして、例のアメリカのケメニー報告でも、原子力は本来危険をはらんでいると口に出して言う態度に変えなければならないと当委員会は確信をするとか、最も危険な先入観は、だれもが装置の安全を信じ込むことであるというふうに指摘をしておるところでありますけれども、こういった安全性不確かな原子力発電の開発、立地を急ぐために、三分の一に相当する莫大な国家資金を投入をしておるという今日のエネルギー対策予算の総体的な姿、これらが果たして妥当と考えておられるのか。私は、だれが見たって国民に不安を与える、同時に予算の構成から言っても、いびつな偏った予算ではないかという国民の当然の危惧が生まれると思うんですけれども、この点についての見解はどうでしょう。
#96
○国務大臣(竹下登君) これは、エネルギーの安定供給を確保していくということになりますと、まあ各種代替エネルギー、これについてそれぞれの技術開発の状況でありますとか、石油代替効果の大きさ、費用と効果の対比等々を総合的、長期的かつ効果的に対策を実施するということが基本的に必要であると思います。だが、目前に迫ったところのエネルギー危機というものを乗り切るためには、私はどうしても長期的にエネルギーの安定を図っていくには、やはり中期的とでも申しましょうか、そういう範疇の中では、何にも増して期待しなければならないというのは原子力であると思っております。したがって、それの開発利用を進めていくためには、まず安全確保対策あるいは技術開発について、当面、相当の重点を置いて取り組んでいくというのが、これは私は中期的に見ては当然のことではないかというふうに思っております。
 石炭、地熱、太陽熱等々の代替エネルギーについても、その利用可能性についての見通し等を踏まえながら積極的な財政措置を講じておるところでありますが、この中期の段階でやはり最も一番私どもが力を入れなければならないし、そして、その安全性に対する研究、技術開発あるいは国民に対する理解を深めていくための努力、そういうものを図りながら、やはり中期的には原子力というものに依存していくという立場を理解していただいて、それが施策を総合的に国民の安全性の理解と並行しながら進めていくというのが、より大切なことではなかろうかというふうに考えておるところであります。
#97
○佐藤昭夫君 さらにお尋ねをしますが、いま申し上げましたのは、予算の全体としての総枠がどうかという問題だけではなくて、たとえば今回引き上げとなります電源開発促進税の、先ほど午前中丸谷委員も指摘をされておりました電源立地促進対策等交付金の問題、これは、電力会社が進めしる原発を中心にした発電施設の建設を円滑に進めるためにということで、当該地域の自治体に対して、いわば原発建設の宣撫工作といいますか、建設促進の地ならしとして補助金を出すというものではないか。
 で、公共施設の建設、必要な場合には、自治体に対して本来的に地方交付税等による本来の国の資金の援助を行って、それをそれとして進めるというのは当然のこと。しかし、それを電発立地対策というこのことを通して、そういう交付金の交付をえさに、いわば地元を丸め込んで建設を推進をしていくというやり方は、本来的に見て間違っておる。そういう予算の使用のあり方というのをもう一遍原点に戻すべきだというふうに思いますけれども、その点についての見解はどうですか。
#98
○政府委員(西垣昭君) エネルギー対策を進めていく上におきまして、技術的な問題のほかに、電源立地がおくれているのをどうするかというのがきわめて大事な問題でございます。ことに原子力発電につきましては、地元の理解と協力を得ながら立地の促進を図っていかなければ、予定された電源の開発もできないというような状況でございます。
 それで、この電源立地を円滑に進めていくためには、いま御指摘がありましたような安全対策、これはもうきわめて大事な問題でございますが、この安全対策や環境対策につきまして遺憾なきを期するのは当然のことでございますけれども、同時に、立地を受け入れていただく地元市町村等におきまして、住民福祉の向上に必要な公共用の施設を整備して側面的に地元の理解と協力を得るということが、これは必要かつ適切な施策ではないかというふうに考えております。したがいまして、この電源立地交付金制度、御批判はございますけれども、私どもはこれは大切な制度であるということで今後も進めていかなければならないのではないかと、かように考えます。
 それから、先ほどの大臣の答弁をちょっと補足させていただきますが、現在の代替エネルギーの開発というのはきわめて深刻な問題でございまして、現在の長期エネルギー需給暫定見通しにおきましても、あと十年間のうちに相当程度の輸入石油を確保しながら、なおかつ、輸入石油に対する依存度を七五%から五〇%に引き下げなければならない。そのためには、相当な代替エネルギーの開発をしなくちゃならないということでございまして、ほかの石油にかわるエネルギー源と並びまして、原子力につきましても相当なことを期待せざるを得ないというのが実情でございます。
 それで、石油だけに重点を置いているわけではございませんで、先ほどおっしゃいました地熱とか水力とか太陽とか、そのほかのエネルギーにつきましても同じように、技術開発の状況に応じまして必要の予算を計上していくというのが私どもの姿勢でございます。
 先ほど一般会計、特別会計を通じてという話がございましたが、代替エネルギー対策費全体につきまして一般会計、特別会計を通じて見ますと、五十四年度の一千七百九十三億円を、五十五年度は二千八百九十八億円にと六二%増加させておりますが、この内訳を見てみますと、原子力につきましては、五十四年度一千五百七十六億円を、五十五年度には二千四十億円、二九%の増加、あと石炭につきましては四・七八倍、地熱については四・三倍、それから水力につきましては三十五倍、太陽につきましては三・九五倍、その他のエネルギーにつきましては二・六七倍というふうに、それぞれのエネルギー源につきまして重点を置いてやっているということでございますので、ひとつその点は御理解をいただきたいと思います。
#99
○佐藤昭夫君 後段言われた、そのエネルギー予算の内容ですけれども、私が言っているのは、諸外国と比較をしても、原子力を除くいわゆるこの新エネルギー開発、ここの分野における力の入れ方、それと加えてスリーマイル島事故という問題も起こって安全性が厳しく問われておる今日、こういう従来型路線の踏襲で果たしてよろしいのかということで問題を言っているわけですけれども、もう時間がありませんから、その問題はまた後で通産大臣の質問の機会もありますので、そのときに譲ります。
 私が前段でお尋ねをしておるこの部分です。仮に原子力発電を増設をしていくとしても、その際、安全の問題や環境対策の問題や、こういう立地対策が必要だというこのことを何も全面的に否定しておるものではない。問題は、そういう立地対策という言葉を使いながら、やれ体育館をつくったり、公園や道路の整備をやったり、こういう仕事というのは、地方交付税を中心にした地方財政対策で、原子力発電所が置かれようが置かれまいが、本来的にやられるべき問題ではないかと。だから、そういう原則的見地というか、考え方の原点というか、ここに立ち戻って、この立地対策のための交付金制度の内容についてもう一回見直しをすべきではないか。
 だから、逆に聞けば、そういう公園をつくったり体育館をつくったり、道路を何したり何したりという、いわば原発設置促進のえさに使うような形になっておるそういう批判があるこのやり方を、今後も一層拡大をしていこうというのか、できればそれはひとつ縮小をしていこうという方向、今後の方向としてどっちをとるんですかということでお尋ねをしておるんです。方向を聞いておるんです。
#100
○政府委員(西垣昭君) 先ほども申し上げましたように、現在のエネルギー事情からいきますと、電源開発がおくれるということは、日本の経済の安定のためにも、国民福祉の向上を図るためにおきましても、大変深刻な問題だと思っております。
 それで、それを促進するためにどうしたらいいかという問題につきましては、先ほども申し上げましたように、スリーマイルアイランドのような問題がございますので、安全対策というのはもうどうしても必要なことでございますが、それだけではなかなか立地が進まないのが現実でございます。そういった意味で、私どもといたしましては、まず環境対策、安全対策等に万全を期するとともに、電源立地の必要性につきまして国民的合意の形成、これを何としてでも図っていかなくちゃならないというのがまず第一だと思います。
 それから、やはりそれぞれの地元にはそれぞれの地元なりの御事情があると思いますので、電力需給の安定確保のため重要な電源を中心にいたしまして個別地点ごとに関係行政機関、地方公共団体等による電源立地連絡会というようなものを設置いたしまして、関係省庁等が協力して立地の推進を図る等の電源立地推進体制を強化するというようなことも必要ではないかと思いますが、あわせまして電源立地促進対策交付金制度の運用改善を図って、やはり地元の人たちに歓迎してもらうようにしなくちゃならないということを考えておりますので、いま御指摘のように、やめるというような方向で検討するというのではなくて、いかに役立たせるかというようなことも含めまして検討していきたいというふうに考えております。
#101
○佐藤昭夫君 答弁になっていない。私がお尋ねをしているのは、るる私が指摘をしておるそういう問題を含む交付金の内容、これを一層拡大をする方向を今後とるのか、縮小の方向をとるのか。大臣、原子力発電が本当に安全であったらこんなお金は要らぬわけでしょう。不安があるから、不安をなだめるために、体育館をつくりましょう、道路をよくしましょう、公園をつくりましょうという、こういうことを過渡的にやらにゃならぬということですわね、言ってみれば。
 だから、本来的には、原子力発電の安全性の確立、ここに一番方を入れて、こういう公園をつくったり何つくったり、こういうお金はこれはこれでやらなくちゃいかぬこと。しかし、それは本来の姿としては、地方交付税というようなこういうものを通して全国的にやる問題ということで、原発をつくる特定の地域にこういうことをわざわざやらなくちゃならぬということは、本来的にはこの原点へ戻して漸次縮小していくと。片一方は安全性の確立にうんと力を入れるという、これが目指すべき方向だと。これさえ確認できぬというなれば、これは大変なことだと思うんですが、大臣どうですか。
#102
○国務大臣(竹下登君) これは認識の問題もあろうかと思うのであります。特に、唯一の被爆民族としてのわが国の国民の、いわゆる原子力という言葉からくるところのある種の恐怖感というものもございます。それからいま一つは、安全性というものが確認されなかったり、あるいは不慮の事故が起こったりという現実的な問題との両面が、日本、なかんずく日本人の思想の中にはその両面が私は併存しておると思っております。したがって、実体としてこれを解明していくためには、安全性の確立というものが科学的にも現実的にも解明されていくということが何よりも好ましいことであるという認識の上には、私も同じように立っております。
 ただ、現実問題といたしまして、まずその認識の中に、原子力発電というものが百年河清を待つような形で国民の中に安全性が意識されていくよりも、具体的な環境の整備等々を通じての住民対策の中に、よりその安全性に対する認識が促進されていくということは、私は好ましい姿であるというふうに思います。
 したがって、この立地交付金の問題等につきましては、内容等改善すべき点はあろうかと思います。が、改善し、なおかつ縮小していくということではなくして、改善しつつまた内容も充実していくべき課題ではないかというふうに理解をいたしておりますので、その点については、佐藤さんと私との見解の中にはかなりの距離が存在しておるということを、この問答を通じながら私も認識しますし、佐藤さんも認識されて、それがだんだん近づいたら、いい日本の国ができるのではないかというふうに考えております。
#103
○佐藤昭夫君 やっぱり大きな認識の違いがありますね。
 もう一つお尋ねをしますけれども、そういう原発設置の立地対策を進めていく上に、国の資金を使って交付金という形での、いま言ったような、どう見ても本来の姿から外れたことがやられておる、この問題が一つ。
 もう一つ、電力会社にそういう立地対策についての負担をさせるというこの方向をもっと増強をすべきじゃないかというふうに思いますが、この点についてはどうですか。
#104
○国務大臣(竹下登君) これは、いわゆる電気事業者そのものがその自助努力の中に、そのような努力を過去においても、現在においても、将来においても続けていかれるということはまた好ましいことであると思うのであります。が、それ以上に、私はいまのエネルギー事情からいたしますところの電気というものは、決して電気会社そのものの電気というものじゃなくして、国民全体のエネルギーであるという考え方の上に立ったときに、国は国なりに、また地方は地方なりに、果たすべき住民に対する役割りというのはおのずから存在しておるというふうに理解をいたしております。
#105
○佐藤昭夫君 やっぱりいまの御答弁にはしなくも、本来もっと電力企業が果たすべき責任、ここをまあ言うなら免罪というか、そこを見逃して、国民の負担、国民の税金、結果としてはここに転嫁をされていく。国の資金を使って本来の姿からゆがんだ交付金の行政がやられている、これを今後とも続けていくのだということ、どうしてもここは改めていただく必要があると思うのです。
 同じ、国民の負担を軽減をし大企業に対してもっと責任を持たせていくという角度からの問題ですけれども、今回の電源開発促進税の税率三・五倍引き上げ、これによる増収額というのは八百二十七億円でありますが、この納税義務者は電気事業者とはなっていますけれども、つまるところ、その負担はすべて電力の消費者いわゆる国民に転嫁をされてくる。さきに五割を超える大幅な電力料金の引き上げに加えて、さらにもしこの法律が可決をされれば、その分が国民の負担に上乗せをされてくるという問題になると思うのです。
 本来的に、そのことにわが党としては反対でありますけれども、上乗せをされるにしても、現在の電気料金単価、北海道、沖繩以外の電力八社について見ますと電灯が二十七円七十三銭、電力が二十二円四銭、これが二十一円五十銭の税率引き上げに伴うその中の二十一銭分が上乗せとしてかぶるわけでありますから、電灯二十七円九十四銭、電力二十二円二十五銭ということに、一律に二十一銭上乗せをされてくる。この問題について、今日物価問題というのが非常に深刻な国民の不安を呼んでおるこういう時期でもありますし、庶民の負担を軽減をするという角度から、電灯などについては、一律に二十一銭上乗せをするということではなくて、若干の軽減施策、軽減措置が講ぜられてしかるべきではないか、そのことを検討される必要があるのではないかというふうに思いますが、大臣どうでしょう。
#106
○政府委員(高橋元君) さきに地方税法について御審理をいただいたわけでございますが、これは自治省の所管でございますけれども、今回の電気料金の引き上げということを契機といたしましてといいますか、それを勘案いたしまして、電気税の免税点を二千四百円から三千六百円に引き上げるという措置を講じております。
 それから、ただいまの電源開発促進税法案を成立させていただきました暁には、すべての電灯、電力を通じて二十一銭だけ一キロワット当たり上がる、それがもう少しでこぼこがつけられなかったかということでございますが、これは基本的には資源エネルギー庁が所管いたしております電気料金政策の問題ではございますけれども、たびたび申し上げておりますように、電気の安定供給ということが一般電気事業者の持っております義務でございますし、また、電気需要家からしましても、安定供給を受けるということが国民生活ないし経済面での基本的な利益でございますから、そういう意味で一般電気事業者の利益に基づく税金、それのコストが一般家庭をも含めてすべての電気の消費者に及ぶということも、これまたそういう筋道ではないかと思うわけであります。
 先ほどお話のございましたように、電力会社が自己の負担でたとえば立地交付金に相当するような支出をするという場合でも、それはやはり発電の総原価という形で何らかの形で需要家に電灯、電力料金を通じて負担が戻ってくるわけでございますから、そこを、八銭五厘の電源開発促進税を三十銭に引き上げるということを国民にお願いをいたすことによって、統一的な新しい電源の開発なり電源の立地なり、また、新しい代替の電源多様化なりということが促進されるというところの意義をお認めいただければ、ありがたいと思うわけであります。
#107
○佐藤昭夫君 国民向けの電灯であれ産業用の電力であれ、今回の税率改正に伴う料金上乗せ、これは一律でいかざるを得ないということを言われるわけですけれども、それは絶対逓減をつけることができないものか。私は、やる気になればやれる問題だというふうに思うのです。これは別の角度から数字も明らかだと思います。
 たとえば、電力の将来の需要見通し、日本電力測量委員会ですか、測定委員会ですか、ここの第五十四回電力需要想定、ここで打ち出しておる数字を見ましても、五十三年度の推定実績、電灯が千二十億キロワットアワー、これが五十八年度千三百三十六億キロワットアワー、六十三年度千七百四十六億キロワットアワー。ですから、十年間の間に七百二十六億キロワットアワーぐらい増大をしていく。一方、産業用の方は、五十三年度二千九百四十二億キロワットアワー、これが五十八年三千八百四十九、六十三年四千八百八十七、そのふえ方は十年間の間に千九百四十五と二倍以上の総量で産業用の消費、需要というものがどんどんふえる。
 いわば、ここの分野が大きな原因になって、結果として国民への負担にそれが逆作用をしてくる、こういう姿になっているわけでありますし、私が指摘をしたのは、立地対策に対して電力企業の負担を、責任をもりと明確にすべきだという問題やら、あるいは今回の税率改正の問題について、企業と国民の負担に逓減の区分をつけてしかるべきではないかということを言っているわけですけれども、ここらの問題を総合的にとらえて、いま物価高で深刻な時期になっておるときに、国民の負担をどう軽減をするかという見地から一定の積極的な検討、対応が政府としてあってしかるべきではないかということを重ねて要求をするものでありますけれども、大臣どうですか。
#108
○委員長(世耕政隆君) 時間がそろそろ来ておりますので、簡潔に御答弁願いたいと思います。
#109
○政府委員(安田佳三君) ただいまの御質問の中で、電気に関します点、簡潔にお答え申し上げます。
 まず、逓増あるいは逓減制を採用するかどうかにつきましては、これは電源開発促進税の税率が受益の程度に応じて定められております関係上、税率がそういうふうに決まりますと、あとは電気事業の料金算定におきましては原価主義の原則によりましてそれぞれ料金を計算いたしますので、電灯あるいは電力双方ともに二十一銭五厘が上乗せされるということになるわけでございます。ただ、現実には、五厘という端数がございませんので二十一銭を上乗せするということで、逓増あるいは逓減にはなっていないところでございます。
 次に、電力の需要の点でございますが、先生いまおっしゃったのは、多分五十四年度の需要見通しの数字ではないかというふうに思いますが、私、ただいま手元にその数字を持っておりませんが、大ざっぱな感触を申し上げますと、今後民生用の需要も相当ふえてまいりますので、産業用の伸び、あるいは民生用の伸び、それほど大きな差はないのではないだろうかというふうに考えておるところでございます。
 以上、私の関係だけお答えいたしました。
#110
○佐藤昭夫君 まだありますけれども次回にして、本日はこれで終わります。
#111
○市川房枝君 私は、いま議題となっております二法案について、大蔵大臣及び関係当局に二、三お伺いをしたいと思います。
 日本は、昨年のサミットで五%の石油消費量の節約を約束をしましたが、五十四年度の日本の節約量は一体どれだけであったか、それをまず伺いたい。
#112
○説明員(高島章君) 御説明申し上げます。
 五十四年度の日本の石油消費量は二億九千二百万キロリットルでございまして、実質の経済成長率六%、それから、大幅な鉱工業生産の伸びから考えますと、大体五%、千五百万キロリットルの節約が実現できたというぐらいに考えておりまして、この数字は五十三年度の数字よりも少ない数字になっております。
 ちなみに部門別に見ましても、たとえば産業部門で申し上げますと、鉱工業生産は非常に伸びましたけれども、それに必要な重油はほぼ横ばいでございます。あるいは民生部門では灯油が一番関心でございますが、これもことしは暖冬とはいいましても昨年よりは実は若干低うございまして、それを勘案いたしますと、大体五%消費が落ちてきております。自動車のガソリンにつきましても登録台数はふえておりますけれども、これもやはりそれほどの伸びはございませんで、たとえば高速道路の乗り入れの台数もどんどん減っているのが実情でございます。そういういろいろな具体的な数字を勘案いたしましても一大体五十四年度予定しておりました五%の節約は達成できたものというぐあいに考えております。
#113
○市川房枝君 私は、四月一日の日経新聞をここに持っていますが、これをよく読んでみましたら、いまのお話の五%というのは大体目的を達しているというお返事でございましたけれども、それはいまもちょっと話が出てきておりましたけれども、五十四年度に増加すべきそれを需要する量を見て、そしてそれと比較して五%になるので、実際の石油の五十四年度の消費節約量は〇・五%なんだと、こういうふうに書いてありますが、この記事はごらんになりましたか。その点はお認めになりますか。
#114
○説明員(高島章君) IEAで五%の節約を各国は守ろうと約束をいたしましたのは、それぞれの国のその年の想定需要量、すなわち、経済成長をこれこれすればどれぐらい要るであろうといった目標値から五%を減らそうということでございまして、先ほど申し上げましたように、その想定しておりました需要量から申し上げますと、わが国は五%を達成し得たということでございまして、対前年、すなわち五十三年度と五十四年度とがどうであるかというような別の面での数字の比較は、いろいろとまた言われているところでございます。
#115
○市川房枝君 細かい経済問題になりますとどうも弱いんでありますが、いまのお話、なお検討してみまして、もしいま新聞の書いているようなものですと、たまたま五%という数字はサミットの数字と合うんだけれども、しかし、こじつけみたいな、あるいはもっと言葉を悪く言いますと、何だかごまかしみたいなふうにもとれるんであります。これは国際的な約束でございますので、私は日本としては非常に重大な問題であり、こういう計算なんかも正直に私は計算をしてほしいということだけを申し上げておきます。
 いまのお話ですというと五%節約ができているということなんですが、私ども一般の民間の者から見ますというと、省エネルギーの必要が国際的にも約束をさせられたりしているのだけれども、町を見ますと前のとおりのネオンサインが夜中じゅうも輝いている、あるいはテレビも深夜テレビが相変わらず続いておるということなんかで、一体どこで節約がされているのかと。いや、一般の消費者、家庭はある程度節約をせざるを得ない、物価が高くなるということでしてはいるけれども、そうでない、いわゆる産業の方その他一般で、省エネについて政府が、私どもには少なくも余り努力をしていないのじゃないかという実は感じを持っておるわけです。
 次には、電源開発促進税を一キロワット時八銭五厘だったのを三十銭に、一度に三・五三倍引き上げたのでありますが、この引き上げの率といいますか、その根拠というのはどこにあるのでしょうか。
#116
○政府委員(高橋元君) 五十五年度予算で、代替エネルギー対策を強力に促進をするという基本的な方針が決められて、そのもとで予算編成を進めたわけでございますが、その際、代替エネルギーの開発導入を総合的また長期的、計画的に進める、それは喫緊の課題でございますから、その財源を確保するために、たびたび申し上げておりますように、一般電気事業者の受益関係というものを基本的に考えまして、電源開発促進税の税率の引き上げと、税収の使途拡大を考えまして、ただいま御審議をお願いしておるわけでございます。
 税率につきましては、五十五年度で八百二十七億円、平年度で九百九十三億円というのが今回の増税によります増収規模でございます。その九百九十三億円、約千億円の平年度税収を今後十一年間想定されます電力需要の伸びに応じて積算をいたしますと一兆四千五百億円ということに相なりまして、ただいまの時点で通産省、科学技術庁その他関係の代替エネルギー対策、電源多様化対策を御企画になっておられます諸官庁、専門家の御意見を総合いたしますと、おおむね一キロワットあたり三十銭に引き上げさしていただいた新しい税率をもって電源の多様化が図られるという、こういうことで税率を決めさしていただいて御審議を仰いでいる次第でございます。
#117
○市川房枝君 この税金は目的税でありまして、特別会計になっていることは承知をしているのですが、いままでの特別会計の収支といいますか、残金がずいぶんあるのだと、こういうことを聞いておりますが、その点はどうですか。
#118
○政府委員(西垣昭君) これはそのとおりでございまして、過去、電源開発促進政策特別会計におきまして大きな剰余金が生じております。しかし、これは電源の立地につきまして地元との話し合いがなかなかつかないというふうな問題があるために、年度当初に予定しておりました電源立地がおくれたために立地促進対策交付金の支出が予算を下回ってしまう、こういった事情によるものでございます。
 しかし、立地促進対策交付金につきましては、これはその性格上、電気事業者の施設計画が予定どおり進捗するということを前提といたしまして、そのために必要な交付金の額を予算に計上することが必要でございます。また、電源立地が計画どおり進みますと、いままで剰余金ということで余っていたように見えますけれども、これが解消していくことになります。そういったことでございますので、かつて不用を生じた立地計画はまた改めて施設計画に計上されますので、剰余金も改めて予算に計上する必要があるということでございますので、その剰余金が要らなくなってしまうというものではないわけでございます。
 したがいまして、今回新たにこの特別会計で実施しようとしております電源多様化対策の財源に、余っているやつを使えばいいじゃないかというふうなことにはならないということをお断りしたいと思います。
#119
○市川房枝君 開発促進税の大幅な引き上げは、結局は一般消費者に転嫁されると思います。電気、ガス料が五割も大幅に値上がりした現在、またこの開発税が結局は消費者の方に加重されるということになるのではないかということを心配するんですが、その点どういうふうに当局は考えておいでになりますか。つまり、国民生活への影響をどういうふうにお考えになっておりますか、伺いたいと思います。
#120
○政府委員(高橋元君) 代替エネルギー対策と申しますか、電源の多様化、つまり、現在七割が火力でございますが、石油をたいて七割の電気をつくっておるという状況がそう長い間続けられるはずがない、したがって、水力なり地熱なり原子力なり、石油以外の電源の多様化ということを図ってまいらなきやならないわけでございますが、それは中長期的に相当大きな財源を要するわけでございます。また、研究も、いわば先端技術でございますから、これから研究の進むに応じて新しい多様化の方策というものも考えられてくるわけであります。
 そういうことを考えますと、中長期的にやはり安定した財源ということが必要でございます。また、そういう安定した財源のもとに中長期的に電源多様化政策を進めてまいるということが、電気会社と申しますか一般電気事業者、ひいてはまた電気の消費者の方々の利益になるというふうに確信をいたしておるわけであります。
 そこで、ただいまお示しのありましたように、各需要家について一キロワットアワー当たり二十一銭五厘、つまり引き上げ率にいたしまして、引き上げ前の電力料金に比べまして電灯料金で一・一%、電灯、電力の合計で一・四三%に当たるかというふうに思いますが、御負担をお願いいたすわけでございますけれども、これはもちろん家計に御負担をお願いしなければそれにこしたことはないというお立場からの御質問かと思いますが、電灯料金の一・一%で大体月四十円という御負担になろうかと思います。
 先ほども大臣からお答えのありましたように、この将来にわたる代替エネルギー対策ないし電源の多様化ということが国民生活に持っております重要な意義づけというものから考えますれば、こういうオーダーの引き上げということは、大臣の言葉をかりて申し上げさしていただけば、許容限度の中ではないかというふうに考えるわけでございますので、御理解をいただきたいというふうに思います。
#121
○市川房枝君 私は省エネルギー、これをもっと徹底させれば、今後電源開発事業をそれほどしなくてもいいのではないかというふうに思いますし、また、石炭などの代替エネルギーの開発に必要な資金は、大衆課税ではなくて不公正税制の是正、あるいは大企業あるいは高額所得者に対する課税によって賄うべきではないかと思います。
 この間、五月一日に高額所得者の番付の発表がありましたが、国民は貧富の差の大きさに驚くばかりでありました。土地成金からはもっと税金を取ってもいいのではないのかと、あるいは国会議員の所得には不明朗な点があるといいますか、届け出をしていないいわゆる政治献金に対して課税をしてもいいのではないかというようなことも考えられるのでありますが、今回のこの法案は、私としては、その省エネヘの取り組み方が十分でないということと、それから結局は、大衆課税による国民生活の圧迫というふうな点でどうも納得をしかねるのでありますけれども、大蔵大臣の御意見を伺いたいと思います。
#122
○国務大臣(竹下登君) まず一つは、省エネの問題に対して先生の御意見を交えての御見解の表明がございましたが、省エネという問題については、政府は政府なりに、たびたび部内の会合を開きましてそれぞれの所管の立場からそれなりの行政指導をやってきた結果が、私はそれなりの数字にあらわれたのではなかろうかと思っております。私どもも先生と同じような気持ちで、会議の中で、少なくともネオンサインなんというのは要らぬじゃないかとか、そういうふうな議論はしたことはございます。しかしまた、それの省エネに与える分量とでも申しましょうか、そういうものは私どもが想像しておったよりも意外に少ないものだと。しかし、それにしても、やはり点滅すべきは点滅しようという行政指導は、それなりにできておったと思うのであります。確かに、また、国会におかれましても十八度というようなのを守られましたし、予算委員会など少し部屋が広うございますと、やっぱり長いズボン下をはいてこなきゃいかぬかったと、そういうような対応をみんなして努力したのじゃないかなというふうに思っております。
 それから、次が税の問題でございますが、私は事実問題といたしまして、石油というものが資源有限であると言われており、そうして、されば無限なものは何かと言えば空気と水と太陽だと、空気と水と太陽そのものをエネルギー源として使用していくためにはなおかつそれには時間のかかることである、そのために中期的な代替エネルギーとかいろんなことが考えられますときに、やはり私は、それこそ国民全体として新しい世代への、また、われわれの与えられた暮らしの財産とでも申しましょうか、そういうものを引き継いでいくための責めとしては、このようにみんなが負担した中に代替エネルギー対策があるというのも、利はそれなりの意義がむしろあることではないかというふうに考えております。
 したがって、いま御指摘になりました、一方、不公平税制の問題でありますとか、貧富の差でございますとか、これは先生のかねての御主張でございますが、それは日本の税制というものは、累進税率は世界で一番高いとかいうような感じ方から持ってくるといたしますならば、それなりにまた評価すべき点もあろうかと思いますので、しかし、その中で、少なくとも不公正感を与えないような税の仕組みなり取り方をすべきだと、また納める方もそういう考え方の上に立つべきだというのは、先生の絶えざる御指摘の中に、私なども先生から御質問を受けておりますと、それなりにえりを正さなきゃいかぬような気持ちになるわけでございますから、そうした観点に立っての物の考え方は税制の上で貫くべきことであると思います。が、この電源開発の面にその思想を入れるべきかどうか、この点は意見の分かれるところではなかろうかというふうに考えます。
#123
○市川房枝君 ありがとうございました。
#124
○野末陳平君 最初に通産省に聞いておきますが、原油価格の上昇がこれからまだあるのではないかという不安がありますけれども、通産省としてはどのように見通しを持っておられるのかを、ちょっと先に一言。
   〔委員長退席、理事細川護煕君着席〕
#125
○説明員(浜岡平一君) 大変予測がむずかしい問題でございますが、昨年と比べますと、基本的には需給はやや緩和状態でございますので、昨年のような急ピッチな上昇はないのではなかろうかというぐあいに思っております。ただ、依然としまして、産油国側には強気の国もございまして、プレミアムの要求等も顕著でございますので、決して楽観はできないというぐあいに考えております。
#126
○野末陳平君 これを、そんな予測ができるはずのものでもないんだけれども、どの程度覚悟して今後の対策を考えるかという点で大事だと思うんですね。価格の問題ばかりやっていられませんが、もう一つの供給の方と二面から、当面一番これが必要なわけですね。供給の面でやや緩んできているというか、それほどの心配がないように当面は見られるんですが、しかし、イランの問題とかサウジでも今後どうなるか、もちろん全くわからない部分が多過ぎる。
 そこで、この備蓄ですが、とりあえず九十日ぐらいが当面の目標となっているようですが、何かもう少しこれを上げた方がいいんじゃないかという不安もないとは言えないですね。そこで通産省としては、この備蓄は九十日でまず全く不安がないということなのか、それとももう少し今後引き上げる方向が検討されるべきなのか、どういうふうにお考えですか。
#127
○説明員(浜岡平一君) ポイントが二つあろうかと存じます。
 一つは、民間備蓄でございますが、御指摘のとおり九十日という目標を持っております。季節によってかなり変動がございまして、日本の場合には三月末が一番低い水準になります。本年の三月末が八十八日でございまして、やはりこれは何とか五十五年度中には九十日レベルに持ち上げたいというぐあいに考えております。
 それから、それ以外にいわゆる国家備蓄と申しますか、石油公団が担当いたしておりますが、この問題がございます。現在、石油公団では御承知のとおりタンカー備蓄という形で七日分の備蓄、約五百万キロリッターを保有しておるわけでございますが、長期的にはこれを二千万キロリッターという程度に引き上げていきたいというような目標を考えておりまして、逐次陸上備蓄に移行しながら、そういう方向に進んでまいりたいというぐあいに考えております。
#128
○野末陳平君 国民に安心感を持たせるためにも、この点については十分に常に流動する事情に合わせて検討してほしいと思うのです。
 さて、この問題の法案に関することですが、大臣、やはりエネルギー問題というのは非常に深刻でまた困難であるということは素人でもわかるわけですが、そうすると当然金もこれはもう必要であると。その必要さも、どのぐらい必要になるか見当がつかないというぐらいな覚悟をしていなければいけないと思うんですね。それにしては、先ほどの道路の特定財源のことにしても、ちょっと物足りないようなお答えなんですが、改めてお聞きしますが、エネルギー研究の開発費とか、それからいまの石油の備蓄のためのいろんな費用とか、こういうものをひっくるめましてやはり予算化していくという方向はどうなんでしょうか、必要じゃないかと思うんですけれども。
 防衛費を引き合いに出すわけじゃないけれども、たまたま防衛費も何で一%だとかという数字が出てきたか知りませんが、やはりある程度GNPのこのぐらいまでは必要だというような考え方も当初あって、この問題に取り組むのがいいんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
#129
○国務大臣(竹下登君) すべての歳出目標を対GNP比幾らと、こういうことは、ある意味において非常に財政を硬直化さす要因になると思います。したがって、今度これが特別会計としてお願いしておることそのものが、とかく一つ一つの予算項目をいわば対GNP比でこれをしばった場合における硬直化要因、そして、そのときどきのニーズに応じて優先順位をどうしていくかと、そういうらち外にこの特別会計を置いたということが、私はある意味において、いま野末さんのおっしゃっている別格扱いにしろと、ちょっと表現は適切でないかもしれませんが、それにむしろ対応した私は措置ではなかったかと、こういうふうに実は理解をしておるところであります。
#130
○野末陳平君 この財源が一番問題になるわけですけれども、先ほどの揮発油税とか石油ガス税を道路に使っている。これを一般会計に繰り入れてという議論の続きなんですが、どうも先ほど聞いていますと、やはりさらに道路は整備する必要があると、これは確かにいろいろなプラスがあることはわかりますけれども、それともう一つ、エネルギー問題の重大さというものを、これをはかりにかけてどっちを選ぶというわけのものじゃありませんよ。しかしながら、これからももっとお金が要るというときに、道路の方に使う金が仮にエネルギーの方に回せるならば、やはりそれは一つの意味のある選択だと思うんですよ。
 そこで、先ほどの大臣、それから大蔵省のお答えですが、道路の整備を求める声が強いと言うけれども、建設省がそういうことを言うのはわかるんですが、大蔵省がそういう考え方を堂々と言うのは、ぼくはぴんとこないんですね。何かそんなことを言っていると、国民の方はなおのこと、それは道路があって道がきれいになったら便利だしきれいでいいやという、ぼくは何と言うのかな、古い常識で満足しちゃって、エネルギー問題の重要さなんというのはさっぱり認識しないと思うんですね。道路の整備とエネルギー問題とが直接関係あるのかどうか、これは別ですよ。議論のあるところでしょうが、やはり道路もかなりよくなったと。それからその道路をどこの国と比べてまだ足りないと言うのか、その辺のこともあいまいですけれども、ぼくはこの五十七年いっぱいで大体かなり道路の整備はできたと見ていいのではないか。五十八年からは、この道路に使う財源を特定化しないで、やはり一般的に特にこのエネルギー問題に振り向けていくような姿勢をもういまから決めるのが当然ではないかと、そんなふうに考えているんですよ。
 ですから、重ねて伺いますが、まだまだ道路の整備は必要なのか。そして、その整備によるプラスと、この重大なエネルギー問題になかなかお金が回っていかない、この辺の兼ね合いをどういうふうにお考えなのか。ここをちょっとお聞きしたいんですがね。
#131
○国務大臣(竹下登君) これは、あるいは補足してお答えいただかなければならないかと思いますが、私もとかく誤解を受けやすい点は、建設大臣をわずかでございましたが、一年ほど本気に務めておりまして、したがって、そういう誤解を受けることは最初から差し引いていただくといたしまして、事実上この五十五年度予算の編成に当たりましたときにも、当初いろいろな事情を勘案したときに、いわゆる特定財源を食い込ましてくれぬかと、逆に言えば貸してくれと、こういう下世話な言葉で相談をしておったわけでありますが、しかしながら、結果として一般財源をわずかながらこれに追加しなければ、もろもろの計画、あるいはニーズに対応することができなかった、こういうことになったわけであります。
 で、確かにこの道路、公共事業予算というものが大きな比重を占めて、その六〇%が建設省の所管となり、また、その六〇%が道路になるという性格でございますから、非常に大きく目立つ予算であることは事実でございます。されば今度建設省なりの、いわば陳情というものがすべての声を代表しておるという基準にするわけじゃございませんけれども、陳情の恐らく八五%から九〇%は依然として道路問題でございます。それだけニーズの強いものであるということは、これは知っておかなければならないということであると。
 もう一つは、日本が今日世界に冠たる経済国家と言われつつも、社会資本の充実の一つとしての道路整備というのが、各国の舗装率でございますとかいろいろなことからすると、まだ追いつかない点があるというような面がございますので、道路を目がけて悪者扱いにするということにはやはりくみしてはならないなと、素直に私もそういう気持ちになっておるところであります。したがって、それはそれ、これはこれとして考えるべきものではなかろうかなという考えを、いつでもこの道路に関する特定財源の点について御質問を受けますときには感ずるわけでございます。
 これらの総合調整をして、どこら辺にその調和点を求めていくかというのが結局政治というものではないかという認識の上に立って、私どもはその都度都度にみずからに言い聞かせながら、この予算編成等に取り組んできておるというのが今日までの歴史的経過というものではないかなと、それが急激にある日あるとき、そういうニーズがなくなってしまうというような性格のものではないではないかという気がいたしております。
 ただ、言えることは、道路というようなものを最も熱烈に要望されるのは、ふるさと意識の強い大体地方出身の方でございまして、大都市出身の方は意外と道路等には余り興味がないというような感じは、これは私が政治家の実感として持っておることをあえてつけ加えさしていただいて、お答えにさしていただきます。
#132
○野末陳平君 しかし、ちょっとひっかかるんですがね。やはり陳情があると、これは確かにニーズですよ。しかし、どちらが大事かという点で言えば、電力に関すること、あるいはエネルギーに関すること、これは陳情はありませんね。しかし、ニーズは強いですね。こちらの方がやはり優先だというふうにぼくは考えているもので、それが都会にいるからそうなんだということにはならないと思いますしね。道路ももちろん必要であるという意味で言えば、まだまだ道路の整備も必要でしょうけれども、それだけにこの揮発油税や石油ガス税等を使ってしまうのでなくて、エネルギーの方に回せないかと、ただでさえこれは赤字でお金ないのにという意味でぼくはいま言ったんです。だって、道路なんかいまないわけじゃないので、もうどんな田舎へ行ったって――ぼくのところも相当な田舎だけれども、かなり整備されましたからね。どうも何か地方出身と都会生活者との間にギャップがあってそれは違うんだと言われちゃうと、そうでもないと言いたいところなんですがね。
 いずれにせよ、ひとつあくまでも道路財源として特定化するというような硬直した考えをなくして、今後はもっと一般財源に繰り入れて、しかもこのお金がエネルギー関係にも使えるような幅を持たしてほしいと思うんですがね。それだけをお願いしておきます。
 そして次に、さっきちょっと出ました電源立地なんですが、これはなかなか進んでないんですね。ぼくなどの郷里の方でも反対が多いんですね。そうすると、こんな発電所の建設というのは、これはもうこのままでいくと恐らく一向に進まないで、ただいたずらに時間がたってしまって、ある日気がついたら電力の安定供給なんというのは全くできないという、大きな犠牲を払わなきゃならないという不安を感じるんですよね。感じるんだけれども、現実には地元の反対が確かにあるから、さっきも大分質疑に出ていましたけれども、うまくいかないのも現状ではよくわかっていますよ。しかし、これをうまくいかないでこのまま済ましていい問題かどうかという点で、いままでのような安全とか、あるいは環境の保全とか、それから地元に対するいろいろなお金ですね、これだけでもって果たして今後電源立地の問題は解決するんであろうか。少なくともいままでよりも速いピッチで推進させなきやならないのに大丈夫なのかどうかと、この辺なんですが、どうなんでしょう、見通しは。
#133
○国務大臣(竹下登君) まず最初に、ちょっと私、表現を誤ったかもしれませんが、優先度という点においては、私も野末さんと認識はひとしくいたしております。したがって、伸び率においては最高であったというふうに御理解をいただければ幸いであります。
 それから、道路財源の問題につきましては、将来の課題としていろいろ検討しなければならないところでありますが、これを別途また新交通体系システムの特定財源にしろと、こういう議論もあるということ、これは別にそういう実態を御説明するにとどめておきます。
 そこで、電源立地の問題でございますが、このようなことだけで、実体的にこれからの計画に間に合うかという問題になりますと、これは通産当局から御答弁なすった方が適切かとも思うのでございますけれども、そこに私はこういう立地問題について、こう歴史的に見ますと、一番最初は変な迷信、すなわち何と申しましょうか、火葬場とか、そういうようなものをきらう風潮があったようでございます。
 それからその次は、国民の理性の中で一番抵抗の強かったのが、都市の方に水を送るために自分たちがダムの水没地域にならなきやならぬという被害者意識とでも申しましょうか、これがいままだ残っておりますものの、いろいろな人間関係とか施策の中でだんだん逐次薄れつつやってきたと。その次がこの電源立地に関する問題で、これはまた非常に与える影響の範囲も広まってきたというところにいろいろな問題点を包蔵しておるわけであります。
 それに対するいろいろな角度からの施策が行われておるわけでありますが、絶えず並行して行わなければならないのは、まさに優先度の高いこれらの施策に対しましての国民に対する説得力あるいは安全性の問題しかりであります。また、あるいは漁業補償の問題でございますとか、そういうもろもろの問題についての積極的な取り組み方と、国民に理解を得ていくという不断の努力というものが、私はこれから一層それぞれのつかさつかさにある人に課せられた大きな使命ではなかろうか。
 それを強権をもって行わんとするという思想を前面に出すことをむしろ一番避けて、説得これ説得の姿勢で進めていくべきではないか。
   〔理事細川護煕君退席、委員長着席〕
そしてまた、日本民族というのは、それを理解するだけの能力のある民族であるという前提の上に立って進んでいくことが、何よりも基本的な姿勢ではないかというふうに考えております。銭金以前の問題として、そういうことをあえてつけ加えさしていただいたわけであります。
#134
○野末陳平君 通産省。
#135
○政府委員(安田佳三君) 電源立地につきましては、関係者相当努力をしているところでございますが、現実には先生御指摘のように、相当おくれを示しているという状況でございます。
 電源立地を進めます場合に、電源開発調整審議会というところでいろいろ御審議いただくわけでございますが、その審議会で議決をお認めいただいたところだけの開発が今後進むといたしますと、昭和五十七、八年ごろからは一部の電力会社におきましては供給に余裕が余りないというような事態も予想されるわけでございます。そういうわけでございますから、私どもとしましては、今後大いに電源開発を促進しなければならないわけでございますが、その一つのよすがが、この電源三法の活用によります地元福祉の向上でございますが、そのほかにも地方公共団体との連絡を緊密にするとか、あるいは通産省内部におきましても、電源立地企画官を派遣するなど、個々の立地点の実情に応じましたきめの細かい対応を推進いたしたいと思っております。
 なお、当省におきましては、政務次官にもお願いいたしまして、重要な電源につきましては、それぞれ個別的な立地促進策を講じておるところでございます。
#136
○野末陳平君 時間もないんですが、最後に一つ気になることでお聞きしておきます。
 今度の増税はいかにも――増税はいいと思っている人はいないと思いますが、それにしても、悪でない増税もあるわけですね。必要な増税も当然あるわけですね。ところが、大蔵省の方も何か増税となると消極的というか、受け身になるのがちょっとおかしいと思うんですよ。いまの電発促進税ですが、これはいろいろ質疑を聞いてみますと、何かもう単純なる物価値上げと、国民に負担をかけるから悪であるという議論がまかり通っている。それに対してやや積極的というか、むしろぼくなんか、消極的なお答えが返ってくるのでそこら辺物足りないんですが、どうですか大臣、これは要するに月四十円の負担ができるできないの話じゃなくて、これが百円になったって必要なんだということを積極的にPRしないと、これからますます窮地に陥ると思うんですよ。
 ですから、これは増税とは言っても、結果的に安定供給を保証することにつながるので、この増税をいやがるのはけしからぬとは言えませんが、少なくもやむを得ないものだという認識を国民が持つようなそのぐらいのPRを積極的にしないと、この程度でこれじゃ、これからが思いやられると思うんですよ。ぼくは、増税すなわち悪なりというのは、これはだれもが言うことだけれども、大蔵省としてはやはりこの増税は、そちらは増税はみんな必要なものでしょうけれども、しかし、こういう点で理解をしてほしいという積極的なPRがちょっと足りないんじゃないですかね。ぼくは、これをもう少し通産省とともにやるべきだと。いまこの程度の小さい――小さい増税かどうか知りませんが、この程度でもっておびえないで、この際にはっきりさしておくことが今後のために必要だと思うので、ぼくの個人的な見解ですが、それだけを言っておきます。
#137
○国務大臣(竹下登君) 増税という問題についてのいまの御見識でございますが、われわれも共鳴するところの多い御見解でございます。
 今回の問題は、まさに私どもが長い人類の歴史の中で今日享受しておるその財産を、何とか子孫にも伝承したいという意味において、みんなで負担してそれらの代替エネルギー、具体的な問題として言えばそういうものを後世に伝えていこうという意味で、私はそれなりの国民の皆様方の理解を得ることができるであろうという考え方のもとに、御提案申し上げて御審議を賜っておるところであります。
 そこで、私ども政権政党に長らくあった場合に、ある意味において一つの惰性と、そして逆の意味において、この惰性の中におけるひきょうさとでも申しましょうか、惰性の中における消極性というものが、また政権を陳腐たらしめる一つの要因になりはしないかということも、絶えず心の中で切磋琢磨していかなきゃならぬことだと思うのであります。決して一党が永遠に政権を担当するなどというほど私どももおこがましいものではございませんけれども、とかく長期な政権の中に立って一つの惰性というものはイージーに陥りやすいと同時に、もっと積極的にやるべきものに対する勇気もまた失っていくということについての反省は、野末さんの意見に対して、私どもの平素の反省を披瀝してお答えにかえさせていただきます。
#138
○委員長(世耕政隆君) それでは、対通産。
#139
○丸谷金保君 通産大臣に質問と思いましたが、いま同僚の野末委員の方から税の問題が出ておりましたので、それに関連してちょっと一つだけ。
 直接税と目的税の関係なんですが、どうも目的税というのは、これは大蔵大臣にひとつお答えをお願いしたいんですが、どちらかというと負担感というものが余りないんです。むしろそこに、これを目的税にしたことによってそういうPRの仕方もなくなってくるし、負担感がないというところに私はやっぱり目的税の問題があるんじゃないか。電源開発促進税なんかの場合、一般国民にはぴんとこないわけです。ぴんとこない形の中ですらっと入っていくと。むしろそのことの方に、財政のチェック機能というふうなものが働きにくい。ですから、そういう点では積極的に直接税の一般財源の中で取り上げて、こういうことは必要なんだという行き方ができない弱みを逆に大蔵当局が持っているんじゃないかと思うんですが、いかがなんですか。
#140
○国務大臣(竹下登君) これはあるいは主税局長からお答えした方が当然かとも思うのでありますが、元来から財政当局で言いますならば、単純な言葉で言えば、できるだけ入ってくるものは色のつかないものであって、その色のつかない財源に対して優先順位をおのずからのニーズによって決定し国会の御審議を仰ぐというのが、一番理想的な姿であるというふうに私も考えております。しかし、世の中のニーズに対応した中に、それぞれの必要に応じて、特定財源であるとか、あるいは目的税であるとかいうものができておる。
 したがって、いま素朴な感じとして答えろとおっしゃいますならば、確かに目的税というものが国民のニーズの中に非常に抵抗なく入り得る性格を時として持つものであるという認識は、私も実は持っておる一人でございます。
#141
○丸谷金保君 それで結局、これは目的税として徴収すれば、きわめてイージーにその予算に使えますわね。しかし、一般財源から出すとすれば、代替エネルギーはどんどん主張していける大きなニーズがありますよ。国民的なコンセンサスも得られると思うんです。しかし、この半分以上を占める電源開発の中の原発の予算にこれだけ振り向けるということに対する国民ニーズということになると、簡単にコンセンサスが得られないと。ここに、積極的な姿勢を大蔵当局が出せない、出さないで上手に原子力の方に予算を回していくという、そういう面が今度の電源二法の中に隠された意図としてどうもあるような気がするんです。このことは、さらに明後日、もっと突っ込んでいきたいと思うんですが、いまたまたま議論が出ましたので伺うのですが、そこら辺におたくの方の及び腰があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#142
○政府委員(高橋元君) どういう形で国民に政府の費用を御負担願うかということにつきましては、先ほどの大臣のお答えで尽きておるわけでございますけれども、さまざまな方法があると思うのです。
 おっしゃいますように、法人を含めましての所得課税というやり方で御負担をいただくというのが本来の筋道であろうと思いますけれども、税というのは体系でございますから、一般財源の中にも酒税とか、たばこの専売益金とか、そういういわゆる間接税はございます。間接税の中で特定の歳出から受益をする人たち、そういう方々がその歳出に必要な費用を負担していただくと、いわゆる受益者負担の関係というものを構成しやすい、また、構成した方が、一般の税負担でお願いするよりも、よりスムーズに財政の運営が図れるという分野のあることも事実でございます。
 一般に、財政の歳入を総括し財政の歳出を総括して、重要性に従って配分をするということが財政の理想的な姿でありますけれども、いずれの国を見ても、そういう受益者負担的な租税というものがあることはあるわけであります。そういうものをできるだけ減らしていって、一般財源ですべての財政支出が賄えるような財政体質に一刻も早くなっていかなければならぬというのが、私どもが日夜考えております財政再建の道でございますけれども、ただいま重要な代替エネルギー対策というものを考えていきます際に、そこに長期にわたって安定的な財源を付与すると申しますか、国民に御負担を願うという必要のあることも事実でございまして、その辺を折衷勘案いたしまして、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、電源開発促進税の税率の引き上げ、それから電源開発特別会計及び石炭石油特別会計への使途拡大ということをもって対処さしていただくという原案で御審議を願っておる次第でございますので、御理解をちょうだいいたしたいと思います。
#143
○丸谷金保君 その問題はまた明後日掘り下げるといたしまして、さしあたった問題として通産省にお願いしたいんですが、メキシコの石油交渉、われわれ新聞で見たりニュースで聞く範囲しか理解できないわけでございますけれども、何かこううまくなかったようでもあり、うまくいきそうでもあり、今後に話を残したという大変微妙な形ですが、先行きの見通しについて通産当局はどのように判断しておられますか。
#144
○政府委員(森山信吾君) メキシコの原油問題につきましては、御承知のとおり、新聞報道等で三十万バレルという数字がかなり喧伝をされたわけでございまして、大平総理が行かれまして、エネルギー問題は大変重要な話の一つとして大きなテーマとして取り上げられたわけでございます。
 そこで、結論的に申し上げますと、いま先生御指摘のとおり、三十万バレルの増量につきまして一九八二年までに日本側として強い期待を表明いたしました。それに対しましてメキシコの大統領の方から、その日本の期待に対して政治的な配慮をする、善意をもって対処する、こういうような表現で共同コミュニケが出されたわけでございまして、これをどういうふうに評価するかということになろうかと思います。そもそもメキシコの油は一九八〇年、つまりことしから直接取引ということで話がまとまったわけでございまして、現在は二万五千バレル入っておりますが、これが五万になり七万五千になり、年末には十万になるというような段階的な経過をたどっておるわけでございます。
 そこで、十万バレルことしの末に入ってまいりますものを、一挙に三十万バレルに三倍に増大するということは、私どもの口幅ったい言い方でございますけれども、石油の専門家から見ますと、これは大変なことでございますので、そう一気に三倍になるということも考えられないということでございまして、ある一つの目標年次が決められまして、それで段階的にそういった目標に向かってアプローチしていくという方法が開かれましたことは、大変私どもは有意義なことであるのではないかというふうに評価いたしておりまして、これを具体的などういう詰めをしていくかということが今後の課題でございまして、そういう意味では、大平総理に大変りっぱな道を開いていただいたということと同時に、私どもエネルギー行政を担当しております者が、それをいかに具体化に結びつけていくか、大変大きな課題を背負っておる、こういうような認識をしておる次第でございます。
#145
○丸谷金保君 そうしますと、総理は大体三十万バレルというのは何年度くらいまでに日本としてメキシコから買い受けたいというような申し入れをしたんですか。何年ごろというふうなおおよそのめどはつけての話ですか。いかがですか。
#146
○政府委員(森山信吾君) 一九八二年度までに三十万バレルの増量、三十万バレルにしてもらいたいという日本側の希望を持っておりまして、その希望を率直に相手側に表明したということでございます。したがいまして、共同コミュニケの中にも、一九八二年という数字と三十万バレルという数字が両方書き込まれておりまして、それに向かって両国が今後折衝を続けていく、こういうことでございますので、いま御質問の御趣旨はいつまでにということでございますので、一九八二年度に三十万バレルに達するように鋭意努力を続けてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#147
○丸谷金保君 八二年一二十万バレルというふうなことで、これは通産があらかじめ調査し根回しした上に乗っての総理のメキシコ政府に対する要請だと思うんです。いまの状態からいって、港湾あるいは港湾までの輸送、そういうふうなものをあわせて可能な数字なんですか。どうなんです。
#148
○政府委員(森山信吾君) 先ほどもお答えいたしましたとおりに、一九八〇年つまりことしは十万バレルということでございまして、これはもう物理的にそういうことが可能ということで、これは日本側は民間の受けざらがございまして、共同の会社を設立いたしまして十万バレルを購入するわけでございますけれども、そういうことで正式な調印がなされておるわけでございまして、これが三倍になった際に、相手国側のインフラストラクチャーが間に合うかというような御質問だろうと思うわけでございますけれども、今後の日本側の経済協力との関係も出てまいるわけでございますので、当然にそういったインフラストラクチャーの整備等につきましての日本側の協力ということも、これは別に石油とリンクした経済協力という考え方ではございませんで、メキシコの経済発展あるいは国民生活の向上という観点に立ったインフラストラクチャーに対する日本側の御協力を申し上げる、そういう姿勢と、結果的に石油の対日供給というものが結びつくのではないかということでございまして、私どもは目標年次までに三十万バレルが可能になるような諸般の対策を講ずる必要があるのではないか、こういうふうに考えている次第でございます。
#149
○丸谷金保君 いまそういうふうなお答えなんですが、メキシコ政府の方は明らかに石油輸出を増額するためには、まず港湾の施設、それから漁業に対するアフターケアの問題、あるいは国鉄の電化、それから観光開発というようなものを具体的に挙げて、わが国に対して石油とペアで要求しておりますね。それをいまの長官のあれですと別だと言いますが、本当に別なんですか。メキシコ政府側は、別じゃなくてセットにしてきているんじゃないですか。どうなんです。
#150
○政府委員(森山信吾君) まあ石油の取引も両国間の一つのきずなと言えようかと思いますけれども、メキシコと日本の間のつながりは決して石油だけで成立するわけでもないということも、また事実じゃなかろうかと思う次第でございます。かねてからメキシコ側は、国力の増大と申しましょうか、いわゆるインフラストラクチャーを含めた発展計画をつくっているわけでございまして、それに対して日本側がいかに協力をするかという考え方、これが石油とリンクいたしまして、石油を欲しいから経済協力をするのだという考え方では、両国間のつながりというものは基盤がそう強くないのではないかという感じが私どもはしているわけでございます。
 したがいまして、メキシコと日本の緊密感をさらに強くするためには経済協力を通ずる、あるいは文化的な交流も通ずる両国間の緊密な連携があって、初めて石油の安定供給というのも出てくるのじゃないかということでございまして、私ども石油を担当しておる立場から言いますと、石油が欲しいという気持ちは十分に持っているわけでございますけれども、それだけでメキシコとアプローチをするという考え方もおかしいのではないかということでございまして、広く総合的な観点から日墨両国間のつながりを強化していきたいと、こういうふうな考え方を持っている次第でございます。
#151
○丸谷金保君 こちら側の姿勢としては、いまの答弁でわかるんですよ。しかし、メキシコ側からの要望はどうなんです。セットにしているのじゃないんですか。三十万バレル、八二年、それならこういうこともやってくれと、こういう要求はたかったんですか。
#152
○政府委員(森山信吾君) 基本的には、メキシコ側も私どもが考えておる考え方と一致をしておるのではないかと思うわけでございますけれども、現実の問題といたしまして、一つのトピックといたしまして、メキシコが現在抱えておりますいろいろな問題の解決を図ってもらいたいという気持ちは十分感じ取っておるわけでございますので、われわれとしてもそれは理解できないわけじゃないと思うわけでございます。
 したがいまして、短期的な考え方でのアプローチが果たしていいのかどうかということもございますから、今回総理が訪墨されまして、そういった基本的な考え方の意見の交換ができたということは大変有意義ではなかろうかということでございまして、いま先生の御指摘の、メキシコ側が日本に油を供給するためにこれこれのことをやってほしいというような御意見は御意見として拝聴いたしておりますけれども、それがすべてではないというような認識は、両首脳がお持ちになっておるというふうに考えております。
#153
○丸谷金保君 それで、その御意見は御意見として拝聴しておるという、その拝聴した中身をさっきから聞いているんですよ。どういうことをメキシコが要求しているんですか、これをひとつ教えてください。
#154
○政府委員(森山信吾君) 総理に随行いたしましたわが省の担当者もまだ帰ってきておりませんし、公電その他で聞いている範囲でございますけれども、私がそれにお答えをするのが適当であるかどうか、ちょっと疑わしいわけでございますが、たとえば鉄鋼プロジェクトの問題でございますとか、あるいは港湾の拡張計画の問題でございますとか、あるいはいま先生のおっしゃいました漁業の問題等々が議論として出されたわけでございますけれども、それはあくまでも一つの議論として出されたわけでございまして、今後その具体化につきましては双方で話し合いを続けていくということで、結論めいたことは一切出されなかったということでございます。
#155
○丸谷金保君 それじゃ、帰ってきてないというなら、田口経済協力部長はいつ帰るんですか。
#156
○政府委員(森山信吾君) 田口経済協力部長の帰国の日取りは私承知いたしておりませんが、私の方から次長の古田というのを随行させておりまして、それが八日に帰ってくる予定でございます。
#157
○丸谷金保君 エネルギー庁の方から、おたくの方から向こうへ行っている方というのは、石油問題で行っているんでしょう。それから、通産省の方からは援助の問題で行っていますわね。そうすると、援助の問題については、おたくの方の人よりは通産省の方から行っている方の方がアプローチを受けて詰めているわけですわね。その方の話はどうなんですか。これはちょっと、エネ庁長官が答弁する事案で私ないというような気がするんですね。通産省の方、いかがなんですか。
#158
○政府委員(森山信吾君) 田口経済協力部長の具体的な日取りにつきましては、私、先ほどお答えいたしましたとおり承知いたしておりませんけれども、しばらく現地に滞在いたしまして、総理一行と離れまして、メキシコでやや具体的な詰めをするために当分残るということをいま聞いておる段階でございまして、いつ幾日ということは私は聞いておりませんので、また後ほどお答えをさしていただきたいと思います。
#159
○丸谷金保君 長官、ですから要するに、メキシコ側から受けたアプローチについて、長官の方では所管事項じゃないわけでしょう。所管事項でないことを、一生懸命長官一人で答弁しようとするからどうもかみ合わないんですよ。この問題については通産省の方から答弁さしてください。あなたの方はわかってないはずだ――わかってないこともないだろうけれど、所管事項でないので、結局は、いつ帰るかわからない人が帰ってこなきゃわからないということでしょう。そうすると、それはおたくの方に公電は入っているはずがないんで、通産省の方に逐一そういう状況は入っているはずなんで、そういう点で通産省側としてはどう考えているか、どのように情勢を受けとめているか。エネルギー庁の長官の方はセットでなくて別々に理解していると言うけれど、メキシコの方はそうでないでしょう。
#160
○政府委員(戸塚進也君) お答えいたします。
 ただいま丸谷委員の御指摘の点でございますけれども、私どももただいま長官お話しのように、まだ現地から省内の関係者も帰ってきておりませんので、内部的にまだいろいろな検討をしているという段階ではないわけでございますが、ただ認識といたしましては、公電関係につきましても省内にはそれぞれ省内の幹部、責任ある者はそれぞれ回覧もいたしておりますので、大体認識といたしましては、ただいま長官が丸谷委員に御答弁申し上げたような認識と心得ております。
 詳しくにつきましては、これは関係者が帰国次第、至急に検討いたしまして、必要なことにつきましては、また丸谷委員にもお答えをさしていただきたいと、このように思います。
#161
○丸谷金保君 総理が石油問題でアメリカを回ってメキシコに行かれた、これは明らかにされております。そして、恐らくこのことは、まずアメリカ、特にメキシコの石油の開発についてはメジャーの力が相当強いですね。そういうふうな関係で、アメリカ側の了解を取りつけてメキシコに乗り込んだと思うんですよ、本来。そのために、わざわざアメリカへも寄ったなというくらいに私どもは理解したんです、逆に言うと。まずアメリカからメキシコへ行かなきゃならない理由はそこにも一つあるだろう。
 ですから、通産は通産で、このエネルギー関係でなくて、経済協力のセクションからいち早く人を出して、相当なこちら側の考え方、経済協力に対する考え方を総理が着く前に出かけて、大蔵大臣が先ほども言われた、いわゆる根回しをなかなか手際よくやっているなというふうに私は見ておったんです。もっと先に出ているんですから、総理が行くよりも先にもう通産から。根回しを上手にやっているから、きっともう少しいい共同コミュニケが出るんでないかと期待を持っておったところが、意外と国民の期待するほどのはっきりした形のものは出なかった。
 しかし、将来のことだから、これはこの程度でいいんだというエネルギー庁長官の考えのようでございますけれど、それにしても、こちらから持っていったおみやげと、向こうの方でセットにして要求してきた中身との間に相当の食い違いがあったために、非常に総理が行ってからも難航されたんでないか。難航しなかったかもしらぬけれど、新聞報道等においてはなかなか一回ですらっといかなくてというふうなことで、非常に難航した。
 ですから、それはメキシコ側の要求したものがどういう中身で、日本がそれをすらっとのむためには、やっぱり国会の中で論議もしなきゃならないでしょうし、予算の問題もあると思います。そういうことを踏まえてこれからのエネルギー対策の問題を論議していかないと、もうエネルギー問題というのは、そういう意味では経済の問題でなくて政治の問題だということは、この国会の論議を通じてしばしば言われていることでございます。
 したがって、そこいら辺について、きょうはおわかりにならないと言うんですけれど、できるだけ早く通産側として海外経済協力という面でのメキシコに対する対応、これらを明らかにして国会にも御報告願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
#162
○政府委員(戸塚進也君) お答え申し上げます。
 すでに御承知のとおり、総理も御帰国後、衆参両院におきまして、帰国の報告並びにまた御質問も受けるやに伺っております。もちろん、わが省としても派遣いたしました関係の職員から十分メキシコのありましたことをいろいろつぶさに検討いたしまして、御指摘のように、できるだけ早い時期に折を見て丸谷委員の御質問に対してお答えを申し上げたい、かように思います。
#163
○丸谷金保君 各省呼んでいてなかなか入れなくて申しわけないんですが、できるだけ一つずつ支出の関係について御質問していきたいと思います。
 建設省にお伺いしますが、この今度の多様化勘定、それから三石特会、これらの中でソーラーシステムというふうな問題がございますが、これに関連して、たとえば太陽熱利用の何といいますか、屋根の上で受けているものがございますね。ああいうものは、今後の住宅金融公庫とかそういうものの貸し付けの枠の中にそういう経費を見ていくというふうな考え方はございますか。
#164
○政府委員(大田敏彦君) お答えいたします。
 住宅につきましては、居住水準の向上を図りながら省エネルギー対策を推進していく必要がございまして、その場合、住宅におきましても給湯暖房用エネルギーはすでに他に比べて高いウエートを占めております。今後とも増加する傾向にもございます。そういったことで、全体の省エネルギー対策の推進上、住宅の断熱構造化を図るとともに、暖房給湯設備の省エネルギー化を図ることはきわめて重要であると考えております。このため、公庫におきまして五十三年から既存の住宅の改良、あるいは五十四年からは新築の住宅につきまして断熱構造化に対する割り増し融資を講じておりますが、さらに今年度から太陽熱利用給湯システム、それと効率型の暖房給湯システムにつきまして公庫の割り増し融資の対象としております。
#165
○丸谷金保君 これらについて、それぞれの地域の省エネ対策として地方自治体等でもいろいろ補助金の上積み等がなされております。きょう自治省は午後からおいでになっていなかったですかな。これは建設省の方でお願いしてもいいんですが、そういうのを基準財政需要額の中で取り上げるような、そういう形のことを建設省としては自治省との間で話し合いはしておりませんか。
#166
○政府委員(大田敏彦君) ただいまお答えしました公庫住宅につきましては、公庫から個人にじかにお貸しするわけでございまして、公共団体を通しているわけではございません。
#167
○丸谷金保君 それで、公庫の融資住宅はそういうことなんです。ただ、たとえば、融資住宅のそういう太陽熱利用の施設にそれぞれの自治体が上積みして補助金を出して奨励すると、こういう制度が行われておるのを御存じですか。
#168
○政府委員(大田敏彦君) まだ寡聞にして聞いておりません。
#169
○丸谷金保君 そういう傾向が非常に出てきているわけなんです。それじゃ問題をかえますが、今度はこれはいまの公庫融資でなくて、公営住宅その他についてはどういうふうにお考えになりますか、建設省。
#170
○政府委員(大田敏彦君) 公営住宅につきましても目下検討しておりますけれども、何分集合住宅でございますので、いろいろな技術面あるいは管理面に多少問題があるかと思いますが、目下検討の最中でございます。
#171
○丸谷金保君 それで集合住宅なんですが、たとえば一棟四戸というような、地方へ行くと一棟四戸ですね。これを一棟二戸にすると、この種の問題が非常に楽にいくようになるんです。ところが、なかなか一棟二戸にすることは建設省は許可しないんですよ。しかし、地方自治体が将来の考え方で、多少かかっても一棟二戸にしてそういった問題を総体的に解決しようという場合に、ごく一部一棟二戸を認める場合もあるんですが、その場合には補助率は同じなものですから、自治体の持ち出しが非常に多いわけです。省エネ対策として、今度はそういう一つの角度からのそうした対応を地方自治体がした場合には、建設省としてはどう対処していただけますか。
#172
○政府委員(大田敏彦君) いま先生御指摘の、共同住宅よりも一棟二戸の方が省エネ上よろしいという御指摘でございますが、われわれはむしろなるべく各戸が寄せ集まりまして壁を共有した方が、省エネ上非常に効果があるという前提で施策を進めております。いま御指摘のような二戸にすれば省エネ上どうこうということは、まだ地方自治体からじかに聞いておりませんし、どういうことをなさろうかということがはっきりしました時点で十分検討してみたいと思います。
#173
○丸谷金保君 私の言い方がちょっと足りなかったんですが、一棟二戸そのものが省エネになると言のでなくて、一棟二戸にすれば太陽熱利用等の施設が、一棟四戸だからなかなか集合住宅ではできないけれど、その点から見れば、一棟二戸にすればできるわけですよ、これは。そういう面からの判断はどうかと、一棟二戸にしたことそのものが省エネという意味じゃないんです。そこのところをひとつもう一度、そういう意味で質問しておりますので、そういうことの場合にどう対応していただけるかということです。
#174
○政府委員(大田敏彦君) 太陽熱利用の、主として温水利用のことかとも思いますけれども、そういうことを含めまして、そういった機器が住宅の構造物にどういう影響を与え、またそれが各戸の排水なり、あるいは負担なり、使用料なりにどういうふうに及ぶかということもいま検討している最中でございまして、その辺、公営住宅とか公団住宅にふさわしいタイプのものが出てきた暁には十分検討してまいりたいと、こういうふうに考えております。
#175
○丸谷金保君 通産省か、あるいはエネルギー庁になりますか、三石特会の中で石油代替エネルギー対策としての中の三石特会の方で持つ分の予算支出でございますが、これはほとんど調査関係のもので、実施段階のものは入らないんですか。石油代替エネルギー対策、多様化勘定以外のものですね、三石特会の方で予算措置をしている。
#176
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。
 石油及び石油代替エネルギー勘定でございますけれども、この中には石油対策の関係とそれから石油代替エネルギー対策の関係がございますが、石油対策の関係で申しますと、これは従来から石油勘定でやってまいりました、たとえば石油公団に対します原油の探鉱に対する投融資あるいは開発段階におきます債務保証それから備蓄関係の諸事業等々、いろいろ実際に事業をやってまいります上に必要な資金が含まれております。確かに一部調査関係も含まれておりますけれども、メインはむしろ事業関係の予算ということでございます。
#177
○丸谷金保君 そうしますと、たとえば石炭液化、ガス化、こういうふうな代替エネルギー対策として行う石油税や原油関税の面から入ってくる歳入を充てた支出についても、これは調査研究ということではなくて、実施段階まで踏み込んでいくという考え方に受け取ってよろしゅうございますか。
#178
○政府委員(志賀学君) たとえば石炭の液化関係でございますと、すでに実際的な共同研究事業に参画しておりますけれども、そういったものに対する補助というようなものも含まれておるわけでございます。
#179
○丸谷金保君 結局は、調査をすることと補助をすることで、この勘定で実施するというものはないということですね。どうなんですか。
#180
○政府委員(森山信吾君) 石油関係の特別会計、今回は石油代替エネルギー勘定を設けさせていただきたいと思っておるわけでございますけれども、御承知のとおり、石油税は、石油対策に使っておりますものと、それから今回お願いいたしております石油代替エネルギー対策に使うもの、この二つがございます。それから、電源特会の方で、電源多様化勘定を新設させていただきたいとお願いをしているわけでございまして、その分を合わせまして代替エネルギー対策をやるわけでございますが、基本的な考え方は、基礎的な技術がある程度成功いたしまして、特に企業化を進める必要があるものを、いま申し上げました代替エネルギー対策として使わしていただきたいということでございます。
 したがいまして、その中には事業の実施、たとえばパイロットプラントの建設等を含めます事業の実施の面まで踏み込んで実施をさせていただきたいということでございまして、ただ、あくまでも企業化の段階になりますと、これはそれぞれの企業化をする部局で、これは主として民間会社になろうと思いますけれども、実施していただくわけでございますが、企業化の一歩手前までの業務は、代替エネルギー対策として実施をさせていただきたいというふうに考えております。
 そこで、先ほど御指摘のございました石炭液化あるいはガス化等の事業につきましては、この代替エネルギー対策費の中から捻出させていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#181
○丸谷金保君 どうもそこのところがよくわからない。わからないというか疑問に思うんですけれど、たとえば石油税だとか関税だとかから出てくる三石特会の中で、代替エネルギー勘定が一つございますね。それから多様化勘定の中から出てくる代替エネルギー勘定。これがミックスされないでぴちっと分かれているんですよ、財源的にも。それから勘定科目も分かれておりますわね。これを見ていきますと、たとえば石炭火力であるとか、あるいは水力というふうな、現実にもうそれぞれの企業が実施して、それにどう応援していくかというふうなものについては、多様化勘定の方に費目がずっと見える。
 それから、石油税その他の方からくるところの代替エネルギー対策につきましては、要するにテストプラントとか、そういうふうなものはありましょうけれど、そういう研究とか補助を出すにしても、研究補助というふうな、何かそこのところできちっと割っている感じがするんですけれど、どうなんでしょうか。
#182
○政府委員(森山信吾君) 御高承のとおり、特別会計が二本ございまして、石油関係につきましては、原重油関税と石油税で賄わしていただいているわけでございます。それを特別会計といたしますれば、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー特別会計というお願いをしているわけでございますが、その内訳は、石炭勘定と石油対策及び石油代替エネルギー対策を一本で行うための石油及び石油代替エネルギー勘定と、それから電源特会の方に新たに電源多様化勘定を設けさせていただいているということでございまして、まず最後の電源多様化勘定につきましては、電力の安定供給に役立つための代替エネルギーの開発はこの勘定でやらせていただきたい、それ以外の代替エネルギーにつきましては、石油及び石油代替エネルギー勘定で賄わせていただきたいと、こういう区分けをさせていただいている次第でございます。
#183
○丸谷金保君 そうすると、電力に関係するものは多様化勘定の方で、それ以外のエネルギー対策というのは三石特会の方の代替エネルギー費でいくと、こういう大分類で理解してよろしゅございますか。
#184
○政府委員(森山信吾君) 原則といたしましていま先生御指摘のような考え方で、電力の安定供給のための代替エネルギー対策は電源多様化勘定で分担をしていただきたいと、それ以外は石油代替エネルギー勘定で賄わせていただきたいと、こういう区分けをしておる次第でございます。
#185
○丸谷金保君 そこのところは非常によくわかったんですが、そうしますと、たとえばアメリカといま共同研究しております、シェルなんかと一緒に共同研究しております石炭液化、それからいま国内でも国内炭を使った石炭液化のテストプラントをやっておりますわね。これらの石炭液化というのは一体何なんでしょう。石炭液化をしたものは、これは電力に使うことを考えているんじゃないんですか。電力のための石炭液化でないんですか。そうでないのだというふうに割り切ってよろしゅうございますか、これは。
#186
○政府委員(森山信吾君) 確かに石炭液化されたもの、あるいは石炭ガス化されたものが電力に使用されるということも一つの大きな使途目的であろうかと思いますが、それすべてが電力用ではないということでございまして、石炭液化というものを石油にかわるエネルギー源といたしまして、電力以外の分野で使う期待がまたかなりあるわけでございますので、そういうものにつきましては石油及び石油代替エネルギー勘定で賄わせていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#187
○丸谷金保君 石炭を液化いたしまして、それらをそうすると電力以外では具体的にどういうものに使っていくというお考えを持っておるんですか。
#188
○政府委員(石坂誠一君) まあ石炭液化の様式も一いろいろございますので一概には申し上げられませんが、様式によりましては、軽質分の高い液化の方式もあるわけでございますので、この場合にはガソリン代替として使える分が出る。と同時に、中間三品に当たるようなものも出るということでございまして、要は方法次第というようにお答えできるかと思います。
#189
○丸谷金保君 だんだんよけいわからなくなってくるんですけれど、もうこの表自体が非常に複雑なんですよね。こう御丁寧に説明はいただきまずけれど、どうしてこれだけ複雑な機構に、エネルギー対策の機構といいますか、こう組み込んでいかなければならぬのかということについて、どうも合点がいかないんです。私は私なりに、ああそういうことでここでぴしっと割っているのかなあと思いましたら、それでそのような御答弁をいただきましたけれど、さらに質問いたしますと、両方ともに使っていくという話になりますね、いまの御答弁ですと。そうすると、そういう大分類もこれはないことになりますよ。先ほどのエネルギー庁長官の話とちょっと変わってくる。こっちにも使うしこっちにも使うということでしょう、簡単に言いますとね。そうすると、そういう私が考えた大分類、そして、そうですと言われた長官の答弁も、違うということになってくるわけです。
 きょうは違うというところまで指摘して、次回に譲ります。
#190
○多田省吾君 まず、石油問題からお尋ねいたします。
 去る五月一日に、IEA、国際エネルギー機関では一九八一年、八五年、九〇年の石油需給見通しを明らかにしましたが、それによりますと、八一年の自由世界の石油需要量に対しまして、OPEC、非OPECを合わせまして供給の超過は、わずか一日量二十万バレル、また、ケース3の場合でも八五年は三十万バレルの供給超過。しかし、これも国際レベルでの各国の石油需要引き締め策が完全に効果があっての話である、このように言っております。IEA事務局案では、単に価格効果だけに期待していれば八五年に日量二百十万バレル、九〇年に日量五百七十万バレルの供給不足になる、このように警鐘を鳴らしているわけでございますが、この案は、今月下旬のIEA閣僚理事会で承認後、六月のベネチアサミットのエネルギー政策の基礎となると言われております。
 こうして見ますと、わが国はさらに東京サミット以後またまた非常に苦しい立場になるわけでございますが、長期エネルギー需給暫定見通しの長期的な石油の確保、年間三・六六億キロリットルというものはなお困難になるのではないかと思われますが、これはいかに考えておりますか。
#191
○政府委員(森山信吾君) いま御指摘の三億六千万キロリットル、これを日量に直しますと六百三十万バレルということになろうかと思います。現在は、御承知のとおり五百四十万バレルということで一日当たりの石油を購入しているわけでございまして、確かに数字の上から見ますと、かなりな伸び率を私どもとしては期待をしておるわけでございます。
 そこで、いま先生の御指摘になりましたIEAの見通し等から言いまして、八五年あるいは九〇年に、世界的に見ましてかなり逼迫をしてくるということも歴然たる事実でございますから、そういった石油の国際情勢が緊迫した中で、いかに日本が必要とする原油の調達をしていくかということが、今後大きな課題になってくるのではないかという認識を持っておる次第でございます。
 先ほど引用されました長期エネルギー需給暫定見通しは一応二つの前提条件を置きまして、その二つと申しますのは、その一つは、いまお話しの今後中長期を見まして、どの程度の石油の確保が可能であるかという前提条件と、それからいま政府で持っております経済社会七カ年計画、これをベースにいたしましたいわゆる経済成長の歩みというものをどう調整していくかということでございまして、それの間隙を埋めるものといたしまして代替エネルギーの開発をしなければならない、こういうような命題を私どもは課題としてとらまえておるわけでございますので、三億六千万キロリットルの石油の入手が大変困難になってくるということになりますと、この計画全体がまた大変な問題になりますので、そういった問題意識から、国際的な需給関係は非常にタイトでございますけれども、何とか三億六千万キロリットルの石油の確保に努めなければならない、こういう基本的な認識を持っておる次第でございます。
#192
○多田省吾君 今回の大平総理のメキシコ訪問で、メキシコ原油の対日供給増量問題、これは継続協議という形で終わったわけでございますが、当初の予定でありました、八〇年までに三倍に当たる日量三十万バレルというわが国の申し入れば実現しなかったわけでございます。今回の例に明らかなように、わが国の石油外交というものが非常に甘いと言われてもやむを得ないと思います。今後の石油確保のあり方について、政府はどのように考えておりますか。
#193
○政府委員(森山信吾君) メキシコの話につきましては、先ほど丸谷先生からの御質問にお答えしたとおりでございますけれども、現在は、ことしは十万バレルの購入に成功しておるわけでございまして、メキシコの資源温存的な考え方、あるいはメキシコの油の生産計画等々から見まして、これを直ちに一挙に三倍にするということは物理的に困難ではないのだろうかという意識は私ども持っていたわけでございます。そこで、八二年に三十万バレルになるようにということで双方の首脳が合意をされましたことは、大変有意義なことだという認識を持っておりまして、あとはこれをいかに段階的に現実のものにしていくかということの仕事が課せられておるというふうに考えておる次第でございます。
 メキシコに限らず、その他の産油国との取引の問題、これは大変大きな問題でございまして、先生も御承知のとおり、かつてはメジャーから八割近い供給を受けておったわけでございますけれども、現在はメジャーの依存度が四五%程度に落ち込んでおります。相対的にメジャーの依存度が減った分を直接取引、これをDDと言っておりますけれども、あるいは政府間取引、GGと言っておりますが、そういったものに切りかえていくというような政策をとっていくべきではないかということでございまして、現在、着々そういう成果があらわれてきておりまして、いまのところ、メジャーの依存度と同等程度の依存度までDD、GGの取引がふえておりますので、こういった面をさらに今後強化することによりまして、石油の安定確保ということに努めてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
#194
○多田省吾君 いまの長官の御答弁の中で、八二年までにメキシコははっきり日量三十万バレルを日本に供給するということは確約したんですか。
#195
○政府委員(森山信吾君) 日本側の期待に対しまして、政治的な配慮あるいは善意をもって対処するということでございまして、いついつまでに具体的に三十万バレルの供給を確約するという段階ではございませんでした。
#196
○多田省吾君 原子力についてお伺いします。
 現在、わが国の原子力発電所は五十五年四月一日現在で二十一基、認可出力の合計が千四百九十万キロワット。建設中が七基で五百八十三万キロワット、建設準備中が七基で七百十万キロワット。これらの合計が三十五基、出力二千七百八十八万キロワット。これだけでも、需給見通しで言うところの六十年度三千万キロワットには達しないわけです。また、建設準備中の中の六十一年運転開始予定の発電所二基分二百五万キロワットを除きますと、二千五百八十三万キロワットと、需給見通しの目標を大きく下回るわけでございます。このままでも目標達成は非常に困難であるのに加えて、最も大事な安全性の問題、それから原子力発電所の新規立地の問題、こういった困難な状況が重なりますと、需給見通しにおける原子力の目標・というものは、私は絶対これは達成できないと思っているのですが、この辺の見通しをお伺いしたい。
#197
○政府委員(安田佳三君) 原子力開発の見通しにつきまして、長期エネルギー需給暫定見通しにおきましては、先生御指摘のように、昭和六十年度の目標三千万キロワットというふうになっているわけでございます。これは昨年の八月に策定されたものでございますが、その後、昨年の十二月に電気事業審議会というものがございますが、そこの中の需給部会におきまして中間報告がございました。その中間報告におきましては、アメリカのスリーマイルアイランド原子力発電所事故の影響等によります立地のおくれというものを考慮に入れまして、そして昭和六十年度の目標につきましては二千八百万キロワットないし三千万キロワットというように、ある幅を設けまして目標を定めたわけでございます。
 現時点におきまして私どもの判断といたしましては、昭和六十年度末における目標三千万キロワットというものの達成は若干おくれるのではないだろうかというふうに予想いたしております。実際には、いま先生が御指摘になりました二千八百万キロワット弱程度になるというふうに考えているわけでございます。
 当省としましては、御指摘のように、安全性の確保というものにつきましては、これに万全を期したいというふうに考えておりますが、さらに電源三法の活用、広報活動の充実等によりまして積極的な立地促進策を展開いたしまして、そして開発目標達成のために最大限の努力を払いまして、少しでも早くその目標を達成いたしたいというふうに考えているところでございます。
#198
○多田省吾君 特に安全性の確保につきましては、万全の体制をお願いしたいと思います。
 次に、新エネルギーの開発でありますけれども、これも需給見通しどおりに進捗しているのかどうか、非常に疑問でございます。簡単で結構ですから、たとえば太陽熱利用の現状とか、あるいは太陽電池、あるいは石炭液化、風力利用、火力利用、潮力利用あるいは地熱利用の問題、あるいは水素、こういったいろいろな新エネルギー、また代替エネルギーの開発が予定されているわけでございますが、その現状をお知らせいただきたいと思います。
 きのうあたりの報道によりますと、風力利用を三カ所程度科学技術庁でやった結果、いずれも結果が思わしくないと、初めからもう断念するような姿がありますけれども、これは全くそういう風潮はよろしくないんじゃないか、このように思います。また、石炭液化につきましても東ドイツ――DDRあるいは南ア等においてはいま現在行われているわけでございますが、やはりいろいろな石炭の値段の問題とか、あるいはその製品の問題とか、問題がたくさんあると思います。ガソリンにかわるような石炭液化生成物というものは今後十年、二十年とかかる問題だとは思いますが、そういった現状。それから水素にいたしましても、電解するのでは私は代替エネルギーとしてふさわしくない。原油から電気をつくり、その電気を使ってまた電解するというのじゃ効率がよろしくないんじゃないか、このようにも思いますし、その辺の見通しも含めて、ひとつ簡明にお答えいただきたいと思います。
#199
○政府委員(石坂誠一君) 御質問が多岐にわたっておりますので、なかなか簡単に申し上げられないかと思いますけれども、逐一申し上げたいと思います。
 まず、太陽熱でございますが、現在、御承知のとおり温水器が大変普及してまいりまして、五十四年度は三十万戸がこれを使ったというように報告されております。なお、サンシャイン計画でやりましたよりもう少し複雑なシステム、ソーラーシステムと申しておりますが、こういったものも五千軒ぐらいに拡張しておるわけでございます。そのほか、太陽熱発電は現在一千キロワット級のプラント二基を香川県に建設中でございまして、今年度末にはほぼ完成の状態になるという予定でございます。これは世界に先駆けたプラントでございます。
 それから、太陽電池でございますが、太陽電池は、現在のところ灯台とか、あるいは遠隔地の通信用というように、非常に特殊用途に限られておりまして、一ワット当たりの単価も非常に高うございますが、今後技術的な努力によりましてコストを大幅に低減することが可能であろうというように見ておりますので、数年後にはかなりのところまでいくだろうというように見ておるのでございます。
 それから、石炭の液化でございますが、日本におきましては、サンシャイン計画で独自の方式の技術開発を進めておるところでございますが、現在基礎的な段階からプラント開発に移ったという段階でございます。したがいまして、これが実用化につながるのは約十年後になるのではないだろうかというように見ておるわけでございます。
 それから、地熱でございますが、これは御承知のとおり、現在六地点、十六万二千キロワットの発電所が稼働中でございます。したがいまして、これは実際に電気が使われておるということでございますが、ただ今後は、現在の浅井戸に対しましてもう少し深い、三千メーター、四千メーター級の井戸を掘って、一カ所で大きな発電ができるようにするべき努力が必要であろうというように思っておるのでございます。
 それから、風力についての御指摘がございました。ただいま科学技術庁が指導いたしまして、小型の風力発電の実験をいたしておるわけでございます。風力につきましては、風があるかないかということが死命を制するわけでございまして、適当な立地を選び、使いやすい環境にこれを施設するということが重要な問題になろうかと思います。サンシャイン計画におきましては、数百キロワットから千キロワット級をねらって、いま要素技術の技術的な研究をやっておるというところでございまして、まだこれも将来の問題というように考えておるわけでございます。
 そういった状況でございますので、現在すぐに代替量としてまとまった量を新エネルギーで賄うというのは無理であろうと思っておりますが、十年後には、代替量といたしまして五%くらいをめどに技術開発を進めていきたいというように考えておるわけでございます。
#200
○多田省吾君 代替エネルギーも大事でございますが、産業廃棄物とか、あるいは生活廃棄物を活用するという点、これはもう一つの変わった代替エネルギーでありますし、また、省エネルギーとも言えると思います。聞くところによりますと、古タイヤなんかもセメント製造に大変使われているようでございます。重油の使用が節約されるというようなことも聞いておりますが、いま問題になっております公害に関係しますが、生ごみの処理利用あるいは廃棄プラスチックの燃料活用への道、こういったことはどの程度研究が進んでいるのか、また実用の見通しはどうなのか、これも簡明にひとつお答えいただきたい。
#201
○政府委員(石坂誠一君) ただいまお話ございました古タイヤの利用につきましては、セメント会社等におきまして非常に積極的にこれを利用する方向に進んでおるというように聞いております。そのほか都市ごみを有用に使うというために、工業技術院におきましてスターダスト80という計画を現在横浜市で進めておりますが、これは都市ごみを、たとえば厨芥とか紙の部分だとか、あるいはプラスチック部分に分けまして、それぞれを有効に使おうという計画でございまして、そういった成分の中からトイレットペーパーを実際につくって、これを使っていただいておるというような状況にあるわけでございます。同時に、分けました成分を資源として使うという方向のほかに、エネルギーとして使うという方向もございますので、現在たとえば厨芥からメタンをつくるというような方向についても研究を進めておるわけでございます。
 なお、そういった意味でのいままで使われていなかったエネルギーを有効に使うにはどうしたらいいかというようなことに関連いたしまして、工場の廃熱をうまく回収利用する技術についても、鋭意研究開発を進めておるところでございます。
#202
○多田省吾君 石炭についてお伺いします。
 国内石炭産業は、石炭見直し論の中にあって二千万トン体制の維持が非常に困難な状況でございますが、石炭産業振興の基本方針をお尋ねしたい。
 また、世界石炭研究会議は、本年六月のベネチアサミットで石炭生産利用拡大計画を提案すると言われておりますが、石炭への回帰というものがいよいよ本格化すると思います。現在、わが国ではそれにもかかわらず、年間二千万トンを予定しているにもかかわらず、千八百万トンが限度と言われておりますが、二千万トン達成の裏づけを明確にしていただきたい。
 特に、産炭地で問題になっております労働力の確保、採炭の深部化あるいは輸入炭との価格差、また、国内炭の需要拡大等の問題について具体的な御答弁をお願いしたい。
#203
○政府委員(高瀬郁彌君) お答えいたします。
 まず、国内炭の二千万トン体制の問題でございますが、現在、第六次答申ということで、それを受けて長期施策を進めております。将来ともこの第六次答申の線に沿いまして二千万トン体制を維持していくという体制のもとで、自大体的な諸対策を進めているところでございます。特に、生産面の局面では、わが国の炭鉱というのはかなり老朽化してまいりましたので、保安の面、生産面の技術開発を徹底的にするということで維持に努めてまいりたいということが第一点でございます。
 したがいまして、わが国の国内炭というのは、現在の置かれている自然条件の中では二千万トン体制を維持することが最大の目標ではないかと考えております。したがいまして、今後代替エネルギー政策の一環ということで増大してまいります石炭需要に対しては、海外炭を開発輸入して安定的に利用するという方向にいかざるを得ないと考えます。その時点で問題になりますのは、国内炭と海外炭との調整問題があります。これにつきましては需要家の協力を得まして、国内炭を優先引き取りをしていただくという方向で現在も進めております。
 具体的に申しますと、セメント等が一番油から石炭への転換が早うございますので、それについては、国内炭を一定量引き取ることを条件にして輸入を認めるということを考えております。
 なお、国内炭と海外炭の価格差問題というのが将来の問題として起こってくるわけでございますが、これはそういう問題点があるということを念頭に置いて具体的な検討を行っているのが、現状でございます。
#204
○多田省吾君 じゃ時間もありませんので、最後に、原子力発電を初め石炭の問題等を含めまして、この長期エネルギー需給見通しというものはいずれも目標値実現が私は困難であり、無理ではないかと思っておるわけです。原子力発電にしましても、昭和六十年に二千八百万キロワットといいますけれども、これも私は大幅に下回ると思いますし、その他も同様です。私は、実態に即した長期見通しの練り直しがどうしても必要だと思いますが、その改定についていまどのように考えているんでしょうか。
#205
○政府委員(森山信吾君) ただいま御指摘のございました長期エネルギー需給暫定見通しは、昨年の八月に総合エネルギー調査会の需給部会から中間答申として答申をいただいたものでございまして、今回私どもが国会へ提出いたしております石油代替エネルギーの開発導入促進法に基づきますと、こういった中長期の供給目標につきましては閣議をもって決める、通商産業大臣が閣議の議を経た上で公表するということになっております。
 従来の需給暫定見通しと今回法案に盛り込まれております供給目標との関係がどうなるかということからお答え申し上げますと、従来は、先ほど申し上げましたように、総合エネルギー調査会の中間答申という形で処理をさしていただいたわけでございますけれども、あくまでも中長期の供給目標ということになりますと、内閣全体の責任ということでお出しするということになりますので、若干その性格が変わってくるのじゃないかということでございます。それから、長期エネルギー需給暫定見通しの中に織り込まれております各項目につきましては、先ほど御指摘のございましたように、それぞれの中身をよく分析いたしてみますと、やや現状にそぐわない面も出てきたような感じがいたします。
 そこで、こういったものをより現実的なものにするために、私どもといたしますれば、現在お出しいたしております法案が成立をいたしました暁には、政府の供給目標という形で仕上げをしていきたいというふうに考えておりますけれども、基本的には、代替エネルギーの開発目標は余りそう現実と乖離したものであってはならないと思いますけれども、また、現状に立脚し過ぎて規模が小さいものでも困るという感じがありますので、従来の政策パターンをより強化することによりまして、これだけの代替エネルギーの開発をぜひとも達成したい、こういうような考え方での新たなる供給目標というものをつくらしていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#206
○佐藤昭夫君 主として通産省への御質問でありますので、そういう角度からお尋ねをいたしたいと思います。
 まず、大平総理は、今回の訪米で、いわゆるイラン問題について米国に全面的に同調する表明をされたというふうに伝えられておりますが、イランのアメリカ大使館人質事件、これを是とするものではないにしても、米国のイラン介入の歴史的経緯を不問に付したまま、アメリカの対イラン措置を全面的に支持する考えを強調されたわけであります。そうしますと、いわゆるイランに対する経済的制裁ということになりますが、日本が行う経済制裁とは具体的にどういうことになるのか、まずお尋ねをしておきます。
#207
○説明員(柴田益男君) 御質問の対イランについての日本の経済制裁についての立場でございますけれども、基本的には、イランの人質問題、これはもう国際社会の基本秩序を乱すものであるという認識に立っております。そういう観点からの国際的な協力を行っていくという立場でございます。
 先般のECの外相会議でとりあえずの制裁措置が決められておりますけれども、日本もECと協調して、なおかつ日本独自の国益に基づきまして、イランに対する政策を進めていくという基本的方針でございます。
#208
○佐藤昭夫君 当面、具体的に何を取り上げていくんですか。
#209
○説明員(柴田益男君) 当面行っておりますところは、むしろ外務省さんの方の立場かと思いますけれども、大きく言いまして四点ございます。
 一つは、現在実施しておりますところの輸出の新しい契約を行政指導で抑制してございます。それから二番目が、外交官の人数の削減でございまして、在イランの日本大使館の人数をある程度削減するということを、外務省さんの方でおとりになっております。それから三番目は、これも外務省さんの方でございますけれども、イランに対するビザの復活でございます。それから四番目は、武器の輸出禁止でございますが、これにつきましては、日本は従来から武器の輸出をとめておりますので、従来の方針をそのまま堅持するというのが、当面のイランに対する日本の立場でございます。
#210
○佐藤昭夫君 そこで、その第一項目に掲げられておる契約の抑制と関係をするわけですけれども、日本は輸入石油の一〇%余りをイラン原油に頼ってきているわけでありますが、これが困難になる状況も生まれてくるというそのこととの関係で、石油確保についてのわが国政府の対応策はしからばどういうふうにやっていくのか、どういう検討をしていますか。
#211
○政府委員(戸塚進也君) 佐藤委員もすでに御承知のことと存じますが、四月二十一日以降現在まで、イランからわが国への原油の船積みは、あくまで経済的な理由から一時的に停止いたしておるわけでございます。御承知のとおり、イラン側から二・五ドルの値上げの通告がございましたことに対しまして、日本側企業がこれに応じかねる、こういうことによりまして停止いたしているわけでございますけれども、仮にもしイランからの船積み停止がしばらくの間続くと、こういうふうに仮定をいたしました場合に、現在の国際的な石油市場というのは比較的需給が緩んでおるわけでございます。そういうことから交渉が新展開を見せるまでの間におきまして、イラン原油の代替原油ということを見出すことは必ずしも不可能ではない、こういうふうに思っておりまして、新聞紙上にもございますように、すでに二、三の国とも交渉中でございます。
 さらにまた、本年三月末現在におきまして、民間備蓄それから国家備蓄、これが合わせて九十五日分程度の石油備蓄がございます。かなりの期間これによりまして対応が可能なことだと、このように感じているわけでございます。そういうことを勘案いたしてまいりますと、当面の石油の需給につきましては問題は生じないのではないか、このように考えている次第でございます。
#212
○佐藤昭夫君 かなり楽観的な観測をされておりますけれども、果たしてそのように楽観的に見られるのか。この問題は、近く総理帰国を待っての代表質問の機会もあろうと思いますので、この程度にとどめます。
 イランの人質問題は、それはもう論ずるまでもなく是とするものではないにしても、それを理由に、アメリカがとっておるこの措置を全面的に支持し是認をし同調をしていく、ここからわが国の経済にもたらされる問題、ここについてもっとよく慎重な検討が要るんじゃないかということを、きょうは大臣にかわって次官もおられますので、強く申しておきたいと思うんですが、時間の関係がありますので、次の問題に進みます。
 先ほど来お話にも出ております総合エネルギー調査会需給部会、その後、若干手直しを検討しているということでありますが、昨年の八月に出された長期エネルギー需給暫定見通し、それでいきますと省エネルギー率、これが昭和六十年度一二・一%、六十五年度一四・八%、七十年度一七・一%というふうに見込まれているわけでありますけれども、前回、すなわち五十二年の長期見通し、このケースでいきますと六十年度一〇・八%、六十五年度一二・五%ということで、かなり省エネルギー率を高めた計画になっておると思うんですけれども、今回こういう省エネルギー率が高く見込まれている、そのことが実際に可能だというふうにされておる根拠、これをお尋ねしたい。
#213
○政府委員(森山信吾君) ただいま先生のお話、六十年、六十五年、七十年それぞれ年度の省エネルギー率をお出ししておるわけでございますけれども、先生はむしろこれは高いという御認識でおられるかもしれませんが、逆に低いのではないかという御指摘も再三受けておるわけでございまして、私どもは現段階におきましてはこれが精いっぱいのところではないかという認識でおることを、まず申し上げておきたいと思うわけでございます。現在、政府は七%の消費節約を計画をしておるわけでございまして、この七%の消費節約といいますのは、非常に俗な言葉で言います精神高揚的なものでございまして、別に法律的な裏づけもございませんし、国民の自覚と申しましょうか、そういった御判断に仰ぎたい、むしろ私どもが国民の皆様方にアピールをいたしまして、七%の節約をしていただきたいという運動を展開しているというわけでございます。
 これとまた別な立場から、昨年国会におきまして成立さしていただきましたいわゆる省エネルギー法――エネルギー使用の合理化に関する法律という法律がございまして、これはたとえば事業場、工場等約四千五百を指定いたしまして、エネルギー管理士を置いて十分なる省エネルギーのコントロールができるような仕組みを考えておりますし、それから建築物あるいは輸送機関、これは自動車関係でございますけれども、あるいは家庭用電気製品等につきましてそれぞれ必要な措置を講ずるというような、言ってみますと法律的な裏づけで省エネルギーを促進していこうという考え方と、二とおりの方法でいま省エネルギーの達成に努力をしておるわけでございます。
 もちろん七%、いわゆる国民運動的なものは、今後これを定着させるような努力というものが必要になってくると思いますし、これが言ってみますと、いわゆる民生用の立場からの努力が中心になるわけでございますので、もちろん産業界も七%の節約には協力していただいておるわけでございますけれども、先ほど申し上げました省エネルギー法、この法律も別に規制を考えておるわけではございませんけれども、根っこから省エネルギーになるような、たとえば建築構造物あるいは機械器具等につきましての、言ってみますとハ一ドウエア的なアプローチというものと、ソフトウエア的なアプローチという両方から、先ほど御指摘かございました六十年度一二・一%、七十年度一七・一%というのを達成をしていこう、こういうような考え方でいる次第でございます。
#214
○佐藤昭夫君 私は、何もこの省エネルギーの年度計画、これが数字が高過ぎるんじゃないかという、そういう角度から言っているわけじゃない。この数字が出されてきておる根拠、言うならば、どこにこの主たる省エネルギーを求めていくのか、この角度を実はお尋ねをしておる。
 たまたまいまの御答弁で、国民的石油消費運動といいますか、消費節約運動を七%をめどに置いてやってきた、これの定着化、ここを土台にしてこれからのいろんな中期的計画を立てていくんだ、勢いそれは民生部門、ここが中心になるでありましょうというようなお話になりますと、なおさら実はお尋ねをしたくなるということで、実は昨年の秋から冬にかけての現象としては石油消費節約ということでありますけれども、しかし、現象というのは表に出たあれですが、実際はあの時期、御存じのように便乗値上げ、あるいは売り惜しみ、こういうことによって民生用とか農業用の燃料とか、中小企業用の燃料が確保できずにずいぶん国民生活が節約を強制をされる、こういう局面があった。それを実際に石油消費節約の実績だ、その定着を図るんだ、こういうことでいった場合に、今後の国民生活全体の上にいろいろと困難を定着をしていくということになれば、これはもう大変なことになろうと思うんです。
 私どもが一貫して言っていますのは、エネルギー多消費分野、多消費産業、ここにこそもっと省エネルギーのメスをいろいろ入れるべきではないかということを言ってきているわけですけれども、そういう立場で長官にお尋ねをいたしたいと思いますのは、この省エネルギーの定着化ということを口実にして、去年の秋から冬にかけて起こりましたようなああいう事態は今後は絶対に避けるんだということで、行政上の指導を徹度をしていくということがまず大切だと思いますけれども、この点については確認できますか。
#215
○政府委員(森山信吾君) おっしゃるとおりだと思うのでございまして、物が不足をいたしまして、その不足をカバーするために消費節約ということでは、これは本末転倒だと思いますので、私どもは基本的認識といたしまして、必要とされる量は確保するということがまず先決ではないかということでございます。その上で、その必要とするものにつきまして、逐次国民の皆様方にエネルギーを節約するというマインドが定着をしていただきたい、こういう考え方を持っておるわけでございますので、御指摘のとおり、物が不足したからそれを省エネルギーということですりかえて対策を考えるというふうには決して思ってないわけでございます。
 それから、ちょっと先ほどの答弁で舌足らずでございまして、七%の消費節約は民生部門が中心になると申し上げましたけれども、量的に申し上げますと、産業界の方の節約の量が多いわけでございます。私が申し上げましたのは、むしろソフトウエア的な考え方、つまりエネルギーを節約しようという国民の皆様方に対するアピールは、民生用でお使いの方々に強くアピールしたいという意味でございまして、決して産業界の方が省エネルギーの方をしなくてもいいという意味ではないことを、ちょっとおわびをして補足させていただきたいと思う次第でございます。
#216
○佐藤昭夫君 時間がありませんので、原子力のことで一点お尋ねをしておきたいと思いますけれども、先ほどのあれで多少計画数字の手直しはあるんだということでありますけれども、いずれにしましても、大ざっぱに言って、当面の代替エネルギーの中心は原子力という考えで原子力発電の一層の推進を図る。しかし、現在で見ましても、世界第二位の、アメリカに次いでの規模でありますし、平地面積当たりの出力密度でいけば世界最高になると。これを、さらに長期計画によって六十年度までに約二倍、六十五年度までに約三・五倍に引き上げるという、途方もない計画だというふうに私は思うわけです。
  一方、昨年のスリーマイルの事故で明らかになりましたように、原発の安全性の神話は崩れたということでありますし、わが国の安全審査体制あるいは防災計画、これについてもさまざまな問題が提起をされておるという状況かと思いますけれども、そこでお尋ねしたい点は、この二月、衆議院の予算委員会の総括質問で、わが党の不破議員がかなりこの原発の問題について突っ込んで御質問をして、大平総理の方から、議事録に書いてあるんですけれども、重要な示唆に富んだ御指摘だと、慎重にかつ周到に配慮してまいるつもりでありますという答弁をなさっておるわけですけれども、この総理答弁に沿って、責任官庁として原発の安全性の確立のために、以来どういう具体的検討を開始されておるか、この点をお尋ねしたい。
#217
○政府委員(児玉勝臣君) 原子力発電所の安全問題は、これは原子力発電所の開発の基本でございますので、これを第一として考えておるわけでございます。
 ただいま先生が御質問の米国スリーマイルアイランドの原子力発電所の事故を教訓といたしましてどういうような施策をしたのかということでございますが、これにつきましては……
#218
○佐藤昭夫君 いや、そうじゃなくて不破質問に対する総理答弁に沿って、何か新しいことを始めていますかという質問です。
#219
○政府委員(児玉勝臣君) 原子力発電所が、建設の時代というよりは運転管理というのが非常に重要だという御指摘が不破委員からもございましたし、また、それにつきましてその審査体制というものも強化しなければいけないという御指摘があったかと覚えております。
 そこで、通産省といたしましては、運転管理問題を特に強化しなければいけないということで運転管理専門官の常駐をいたしておりますし、また、監督体制の抜本的強化ということで、五十五年度から逐次具体化に進めさしていただいております。また、安全審査機能の充実を図るために、新たなるいわゆる調査機関というものを設けたいと考えておりますし、また緊急連絡網、これは防災の場合でございますが、それの整備ということにも対応したいというふうに考えておるわけでございます。
#220
○佐藤昭夫君 どうも私の質問に対する答弁になってないような感がするんですけれども、いま言われました答弁は、二月の段階の質問にかかわらず、五十五年度予算案を軸にして五十五年度事業として政府として本来考えておった。しかし、予算委員会の場でのいろいろな議論を通してああいう総理答弁が出たことに基づいて、何か新しいことが始まっていますかということを私はお尋ね存しておる。ちょっともう一遍再答弁をしてもらって、終わります。
#221
○委員長(世耕政隆君) 簡潔に御答弁を願います。時間が来ております。
#222
○政府委員(森山信吾君) 予算委員会で御指摘になりましたことに対しまして総理が申し上げましたことは、私どもがかねがね考えておったところでございまして、まさに不破先生から御指摘のような点につきまして、私どもも日ごろ考えておりましたような点、先ほど児玉審議官から御答弁申し上げたような趣旨のことを考えておったわけでございまして、そういう趣旨に沿って、総理の方からそういう対策を進めていくというふうな御答弁をいただいたものというふうに私どもは考えておりまして、それを着実に実行していくことが、国会での御審議にこたえる道ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#223
○委員長(世耕政隆君) よろしゅうございますか。
#224
○佐藤昭夫君 何も新しいことを始めてないということですね。
 終わります。
#225
○委員長(世耕政隆君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次回は、八日午前十時開会することにしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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