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1979/05/08 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 大蔵委員会 第16号
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1979/05/08 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 大蔵委員会 第16号

#1
第091回国会 大蔵委員会 第16号
昭和五十五年五月八日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月七日
    辞任         補欠選任
     渡辺  武君     河田 賢治君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     中村 太郎君     小澤 太郎君
     坂野 重信君     亀長 友義君
     竹田 四郎君     小谷  守君
     和田 静夫君     大森  昭君
     福間 知之君     吉田 正雄君
     鈴木 一弘君     渡部 通子君
     市川 房枝君     青島 幸男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         世耕 政隆君
    理 事
                浅野  拡君
                細川 護煕君
                矢追 秀彦君
                中村 利次君
    委 員
                岩動 道行君
                小澤 太郎君
                梶木 又三君
                亀長 友義君
                河本嘉久蔵君
                嶋崎  均君
                塚田十一郎君
                藤井 裕久君
                藤田 正明君
                大森  昭君
                片岡 勝治君
                小谷  守君
                丸谷 金保君
                吉田 正雄君
                多田 省吾君
                渡部 通子君
                河田 賢治君
                佐藤 昭夫君
                青島 幸男君
                市川 房枝君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房審議官    高岡 敬展君
       大蔵政務次官   遠藤  要君
       大蔵大臣官房審
       議官       福田 幸弘君
       大蔵省主計局次
       長        西垣  昭君
       大蔵省主税局長  高橋  元君
       大蔵省銀行局長  米里  恕君
       大蔵省国際金融
       局次長      大場 智満君
       通商産業大臣官
       房審議官     尾島  巖君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        児玉 勝臣君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    高瀬 郁彌君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  安田 佳三君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    漆間 英治君
       環境庁自然保護
       局保護管理課長  田村久仁夫君
   参考人
       電気事業連合会
       専務理事     長橋  尚君
       主婦連合会事務
       局長       清水 鳩子君
       日本エネルギー
       経済研究所研究
       理事       高垣 節夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○電源開発促進税法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油
 対策特別会計法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨七日、渡辺武君が委員を辞任され、その補欠として河田賢治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(世耕政隆君) 電源開発促進税法の一部を改正する法律案、電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案、右両案を便宜一括して議題といたします。
 本日は、右両案審査のため、電気事業連合会専務理事長橋尚君、主婦連合会事務局長清水鳩子君、日本エネルギー経済研究所研究理事高垣節夫君、以上三名の方々に参考人として御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の方々には、大変お忙しい中、本委員会に御出席くださいましてまことにありがとうございます。委員会を代表いたしまして、厚くお礼を申し上げる次第でございます。
 皆様から忌憚のない御意見を承りまして、今後の両案審査の参考にいたしたいと存じております。
 これより、参考人の方々に順次御意見をお述べ願うのでございますが、議事の進行上、お一人十五分程度でお述べいただきまして、参考人の方々の御意見の陳述が全部終わりました後に、委員の質疑にお答えいただくという方法で進めてまいりたいと思います。どうぞ御協力をお願い申し上げます。
 それでは、まず長橋参考人からお願いいたします。
#4
○参考人(長橋尚君) ただいま御指名いただきました電気事業連合会の長橋でございます。
 本日は、電源開発促進税法の一部を改正する法律案と電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案の御審議に当たりまして、参考人として電気事業の立場から意見を述べる機会を与えられましたことに対しまして、厚く御礼申し上げます。
 まず初めに、いよいよ厳しさを加えております石油をめぐる現下の諸情勢のもとで、石油代替エネルギーの発電のための利用促進に要する国の財源を安定的に確保するため、電源開発促進税の増税等を図られますことにつきましては、その目的の緊要性にかんがみ、時宜を得たものとして賛意を表さしていただく次第でございます。
 以下、その理由並びに付帯的なお願いについて若干申し述べたいと思います。
 申し上げるまでもなく、いまや日本経済の安定的な発展はエネルギーの確保なしには達成できないのでありまして、そのため石油の安定的な入手と徹底した節約に努める一方で、石油にかわるエネルギーの開発、導入を促進することが総合エネルギー政策の大きな柱となり、至上の国民的課題となってまいりました。
 一次エネルギーの加工産業とも申すべき私ども電気事業にとりましても、昭和四十八年の第一次オイルショック以後の緊張した石油事情の推移は、石油依存から脱却し、電源構成を多様化することの緊要性をひしひしと痛感させるものでございました。とりわけ、電気は安全、便利、清潔な二次エネルギーとして今後ますます産業活動に、また、国民生活に広く使われていくことは必至かと思われるのでありまして、将来長きにわたりこの電気の安定供給の責任を果たしてまいる上で、石油代替エネルギーの開発、電源の多様化は、まさに私どもの避けて通れない命題と認識しております。
 したがいまして、電気事業といたしましては、すでに代替エネルギーの開発、導入に当たり、その実用可能性や開発可能規模の大きさから見て、まず原子力を中軸とし、石炭、LNG等を第二の柱としてその推進に懸命の努力を続けているところでございますが、他方、規模は小さくとも貴重な国内資源でございます小水力や地熱の調査、開発を初め、将来の新エネルギーとして期待される太陽エネルギー等々の発電利用に関する研究開発を急がなければならないと考えております。
 もとより、これらは電気事業がみずからの責任として率先進めるべきものと考えておりますが、幸い今日まで関係御当局の絶大なる御支援、御協力を初め、地域住民の方々の御理解をちょうだいいたしながらその歩を進めてまいりましたものの、なお立地、環境問題のほか、資源開発、技術開発、資金問題等、幾多の困難な問題を抱えているのが実情でございまして、中でも最大の悩みは資金問題かと存じます。
 政府の昭和五十四年十二月の電気事業審議会需給部会の中間報告によりますと、昭和六十五年の総需要が約九千億キロワットアワーで現在の一・七倍、最大電力は一億八千万キロワットと現在の一・九倍で、それを賄う新規の電源開発は、多様化された脱石油電源を中心といたしまして一億一千万キロワット以上に達しております。
 この開発並びにそれに関連する投資は膨大な資金を要するのでありますが、そのうち資源開発、技術開発等のナショナルプロジェクトに要する資金については、ひとり電力業界を初めとする関係業界だけの問題にとどまらず、まさにわが国全体の問題として、投資の目的、危険度、採算性等に応じ、官民それぞれ分担し合ってこれに当たるべきものと考えまして、これに必要な国の財源の確保や捻出の方法を全経済界台で協議しつつ、関係方面にもお願いいたしてまいったのでございます。
 こうした協議の中で、私どもは、基本的にはエネルギー政策がわが国経済の直面する最大の課題であり、これに要する国の費用は当然一般財源の中から最優先に充当願えることを念願してまいりましたが、また一部の方々からは、この際にこそ現在徴されているエネルギー関係諸税の使途を見直し、これをエネルギー政策そのものの推進のために振り向けるべきではなかろうか、たとえば一割程度でも回していただきたいといった意見もございました。
 ちなみに申し述べますと、御高承のとおり、現行エネルギー関係諸税の収入は五十四年度予算によりますと総額二兆八千億円に上っているのに対して、エネルギー対策費としての支出はわずか三千七百億円、一三%であり、さらに五十五年度の収入はおよそ三兆三千億円に及ぶ由に聞き及んでおります。
 その他、各面にわたりまして関係者協議を遂げながら通商産業省、大蔵省御当局等へ陳情も申し上げましたが、現下の厳しい一般財源の状況は私どもも十分に承知していることでもございますし、また、現行のエネルギー関係諸税の使途の見直しと申しましても、検討に時間を要するところでありまして、いずれも至難の問題であり、財源確保をお願いする私どもの立場としても大変苦悩いたしたことでございました。
 折から、通商産業省御当局が喫緊の政策課題である石油代替エネルギーの開発、導入、電源の多様化を総合的かつ長期計画的に推進するための財源の確保方策として、既存税目のうち石油税及び電源開発促進税の活用を図り、そのうち電源開発促進税については税率の引き上げを必要最低の限度で行うという案を提示され、大蔵省初め関係方面の大方の合意が得られ、すでに国会で御審議をいただく運びに至っておりますことを、私どもといたしましては喜んでおる次第でございます。どうか本法案が慎重な御審議を経て、一日も早く成立し実施されますことを期待してやみません。
 ここで、恐縮ではございますが、せっかくの機会でございますので、本法案に関連して二、三のお願いを申し上げたいと存じます。
 第一点は、現行の電源開発促進税一キロワットアワー当たり八銭五厘によって賄われる電源立地促進対策交付金制度の運用を、さらに一層改善していただきたいということでございます。
 この制度は、発電所の立地を円滑化し、電気の安定供給の確保に資するため、その周辺地域において住民福祉の向上に必要な公共用施設の整備事業を推進する目的で、昭和四十九年十月から実施されたと承知しておりますが、以来、年々の予算編成時期には、御当局に対し私ども事業者の立場からも運用の改善をお願いし、すでにたとえば交付金の単価引き上げ、いわゆる補助裏使用等の使途拡大その他いろいろの御配慮をいただいてまいりました。
 脱石油、電源多様化の推進と申しましても、結局は、いかにして電源立地を実施するかということに尽きるわけでございますので、せっかくの制度がそれぞれの立地地域の実態やニーズに即し、なお一層効果的に運用されますよう、この上とも御検討をお願い申し上げます。
 御要望いたしたい第二点は、電源開発促進税の目的税としての性格にかかわることでございます。
 すなわち、今般、新たに電源多様化対策のために確保される財源は、国民の皆様に御負担いだだく電気料金の中から、一キロワットアワーの消費量につき二十一銭五厘という税率で従来からの電源立地対策財源としての一キロワットアワー当たり八銭五厘に加えて、私ども電気事業者が納税義務者となり、いわばお客様からお預かりした税金を国庫に納めるものでありまして、こうした筋合いから申しましても、ぜひとも効果的、効率的な活用を切望いたしたいわけでございます。
 同時にまた、申すまでもないことではございますが、この新しい財源の使途につきましては、負担と受益との関係が明確なものに限っていただくのはもとより、各種の石油代替エネルギーの取り上げ方も総花的ではなく、その実用化の時期、開発可能規模、経済性等を十分に勘案して、たとえば短期、中期、長期別に選別し、それぞれに優先順位を明確にする等、きめ細かく取り組んでいただきたいものと存じます。
 さらに申し上げますならば、財源の効率的活用のためには、たとえば研究開発項目として一たん取り上げたテーマでありましても、研究の途中で客観的に見込みなしと判断されたものにつきましては、時期を失せず、より効率的なテーマに変更するといったこともときに必要ではないかと考えております。大変おこがましい言い方ではございますが、このようにして旧来の予算編成、予算執行の慣行にとらわれず、目的にかなった運用が図られますよう御検討を願えないものだろうかと思うわけでございます。
 なお、この際あわせて一言申し添えたいことがございます。関係法案として別途に提案されております石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案も、また時宜を得たものと存じておりますが、その中で設立を予定されております新エネルギー総合開発機構の構想につきましては、これは経済団体が挙げて要望している点でございますが、その運営、研究開発活動等に活力と機動性を期待し得るよう、有能な民間人の登用を初め人事や組織の面で十分に御配慮いただくとともに、当初からいたずらに機構を拡大することなく、できるだけ能率のよい、かつ強力な機関としてその実を上げ、ぜひとも大方の期待にこたえていただくよう御要望申し上げます。
 以上、いろいろ申し上げましたが、私ども電気事業といたしましては、脱石油、電源多様化の推進を主体的にみずからの責任と受けとめ、総合エネルギー政策の基本方針を踏まえ、国の各般の施策と相まって最大の努力を傾けてまいる所存でございますので、諸先生方におかれましても、何とぞこの上とも格別の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私の陳述といたします。どうもありがとうございました。
#5
○委員長(世耕政隆君) ありがとうございました。次に、清水参考人にお願いいたします。
#6
○参考人(清水鳩子君) 私は、主婦連合会の事務局長の清水でございます。
 きょうは、暮らしに及ぼす影響ということについて、主に重点的にお話ししたいと思います。
 御承知のように、いま私どもの暮らしは、四月一日からの電気、ガスの値上げに始まりまして、もうあらゆるものがさみだれ的に値上げしております。それはたとえば一つ一つの商品を取り上げますと、わずかな金額でございますけれども、集中的に家計を脅かしておりますので、私たちはこの小さな火種を何とか消していかないと、もう暮らしを守っていかれないわけです。先生方は、今回のこの電源開発促進税が八銭五厘が三十銭に上がる、わずかじゃないかというふうにお思いになるかもしれませんけれども、私たちの暮らしの回りには、こういうわずかな金額がもう山のように押し寄せてまいりまして、暮らしはとにかくもう破産寸前なのでございます。
 そこで、私どもはただ値上げに反対すると、何もかも上がることに反対するという、そういう運動の展開ではなくて、その値上げの中身が本当に合理的なものであるのか、消費者の側に値上げの中身が十分説明されているのかどうかということを私たちは説明を求めながら、納得できるものについては快くその値上げを認めていこう、しかし、納得できないものについては私たちはどこまでも合理性を追求していこうというふうな姿勢で、あらゆる物価の値上げに対応してまいりました。
 それでは、この電源開発促進税でございますけれども、御説明によりますと、標準家庭の負担が月約四十円ということでございます。しかし、この四十円という金額だけを取り出せばわずかなことでございましょう。私たちの日々の生活の中から節約すれば何ほどの額でもないくらいなものとは思いますけれども、しかし、その下には、四月一日からの四三%という大幅な電気料金の値上げのげたがはかれているわけでございます。その上に平均の一・四六%というものが上乗せされるということを聞きましたときに、私どもは非常に驚きました。
 役員さんたちとかいろんな団体の方に、電源開発促進税というものがいままで電気料金の中に八銭五厘あったんだということを御存じですかというふうに聞いてみますけれども、ほとんどの方は御存じないわけですね。私は電気料金という、特に認可によって独占価格を認められている電気料金の中に、別枠ではございますけれども、やはり三十銭というものが何か消費者の余り理解されないままに徴収されるということについては、これは私は公益事業の一つのあり方として大きな問題を残しておると思います。
 この前の電気料金の値上げの説明の段階でも、電源開発促進税についての電気会社なり、それから通産省からの説明は非常に不十分でございました。確かに値上げのお知らせというところに一、二行書いてございます。しかし、書いてございますけれども、その中身については消費者には全くといっていいくらいに知らされていないと思います。
 この機会を与えていただきましたことを大変幸いに思いますのは、ぜひ、このわずか何銭という微々たる金額かもしれませんけれども、認可料金である電気料金の中に、消費者が知らないままに徴収されるこの新しい税金については、私は納税者に十分、納税者は電気会社かもしれませんけれども、私たちが電気料金という形で払うわけでございますから、そういう手続上の不備というものをここでもう一回洗い直すべきであって、その手続を洗い直さないままに、目的がいま国民的なニーズであると、それかう世界的に要求されている目的であるからということで、私はやみくもに徴収するということはよくないというふうに思いますので、この点については私は反対でございます。そして、むしろいままで徴収されておりました八銭五厘というものの中身について、もう一回国民の正しい理解を得るという手続をここでとるべきではないかというふうに思います。
 それから第二点でございますけれども、これは税の負担の問題でございます。これは目的税でありますから、産業界であろうと、一般の家庭であろうと、キロワット当たり均一に徴収されております。しかし、私たちは電気料金の値上げ反対のときにいつも言ってまいりましたのは、私たちも暮らしの中でむだな電気は使いますまいと、そしてまめに電気を消す運動を展開いたしましたり、それからエネルギー多消費型の商品を使わない運動を展開いたしております。それから、スーパーなどの買い物で目に多く触れます野菜、魚、果物などのプラスチックトレーの追放運動などを展開しながら、エネルギーをいかに少量使いながら、そして私たちの負担を軽減していくかというふうな運動の展開をしてまいりました。
 しかし、今度の税の負担を見ますると、つつましやかに電気を消費する一般家庭、それから福祉世帯、福祉施設、そういうものも一切均一的に三十銭の負担ということでございますけれども、私は税の応能負担ということから考えても、この目的税の一律三十銭という徴収の仕方は、物が認可料金である電気であるから、特に私は声を大にして負担の画一化というものについてはぜひ改定をしていただきたいというふうに思います。それでなければ、私たちは、一生懸命省エネルギーに協力する、そして私たちの日本全体の経済のあり方を考える意味からも、単なる家庭の家計防衛という視点だけでなくって、省エネルギーに協力しているこのつつましやかな家庭に対して一体何と説明してよろしいのか、私は説明の方法もわからないような状況でございます。
 それから三番目でございますけれども、この電源開発促進税というものは所得税などの普通税と違いまして、はっきりした目的があって徴収する例外的な税金だというふうに見てまいりますと、この使われます中身についてかなり疑義を持っております。たとえば、この八銭五厘の中身に、資料として出ておりますが、前年度の余剰金として二百七億というものがございます。これは五十四年度のエネルギー関連諸税の中で電源開発促進税として一・三%、三百八十億が見込まれておりましたけれども、この中の五〇%以上が積み残しになっているということです。
 これは電気会社などの御説明によりますと、手続が非常にめんどうくさくて使いたくても使えないんだと。ですから、その手続を緩和すればこういう積み残し金は出ないはずなのだというふうな御説明でございますけれども、私は全く反対ではないかと思います。やはりその使途の項目につきまして国民に十分知らされていない。
 むしろ、原子力発電所の現地などの住民の方の御意見を聞きますと、本当の住民参加によるディースクローズでなくって、何か金で原子力発電所を強引に引っ張り込むというふうな印象がぬぐえないというふうに聞いております。それから、中には住民の気持ちを緩和させるためにお弁当をつけたり、それから一泊旅行をセットしたりして住民をなだめるとか、それから遊園地に金を使うとか、ベンチをつくってくれるとかいうことで、本来国民のニーズを受け取って電力会社なり通産省がその地域の住民に原子力発電所のディスクローズをすることに使われないというふうな反発があるから、このお金がやはり積み残るのではないかというふうに思います。
 それから、今度新たに勘定科目として設定されております電源多様化勘定の項目を見ましても、確かに大きな柱は立ててございます。しかし、たとえば水力開発の二十二億の中身がどういうふうなところに使われるのか、私たちにどれだけの説明がございましたでしょうか。たとえば、どういう研究所にどういう名目のお金として流れるのであるか、どういう研究機関に流れるのであるか、どういう交付金として流れるのであるか、どういう補助金として使われているのであろうかということについて、ほとんど国民は知らされておりません。そういう納得のできないお金は、たとえ一銭であろうと、私たちは、はい、そうですかと言って払うわけにはまいらないと思います。
 ですから、こういう意味からも、私はこの目的について大方の国民は反対はしていないと思いますけれども、その中身についての説明が余りにも不十分ではないかと思います。
 ここへ参りますときに、私も自宅のそばをずっと歩いておりまして、ちょうど玄関をちらっと見せて、玄関の門構えがりっぱだから、この中のおうちもりっぱでしょうとあなたは言いなさいというふうに、何か無理に門構えだけで中の暮らし向きまでりっぱですよと、私たちに無理に言わせているような税金ではないかなというふうな感じを持って、ここへ参ったような次第でございます。
 そういう意味で、私はいま国民的な合意の中でこのエネルギー問題を解決するのであれば、私はほとんどの消費者がなぜ八銭五厘がどういうところに使われていたのか、そして八銭五厘がどうして三十銭になったかという説明もないままに、目的税という名目で一律に徴収するということには大変問題があると思います。
 それから、一般消費税の反対運動をしておりますときにいろいろ私たちも勉強いたしましたけれども、それと大変よく似ている印象を持ちましたのは、それでは八銭五厘が三十銭になった。じゃ三十銭が一円になる。一円があるとき百円になるというときに、一体だれがどこで歯どめがかけられるか。やはりこれは一遍導入されてしまいますと、私たちが知らないままに無限大に拡大される税金であるというふうにも不安がわいてくるわけでございます。
 そういう意味でも、税金の導入に当たりましては税調などの審議も私は聞きましたけれども、大変不十分でございます。こういう不十分な議論の中で、認可料金という形で独占価格として強制的に徴収するということは、私は非常にいま国民が求めている気持ちを逆なでするものではないかというふうに思います。ぜひこの辺のディスクローズについて、私はこの先生方の委員会におきましても、十分大蔵省なり通産省なりから資料を請求していただきまして、先生方のお口を通じて、一般の国民に対して広く理解を求めるような運動を展開していただきたいというふうに思います。
 以上、大変雑駁な意見で申しわけございませんけれども、事が独占価格として認められております電気料金という形で徴収されます税金でありますだけに、慎重な御討議をしてからでも私は遅くはないのでないかというふうに思います。そして、いま国民の省エネルギーというこの世論を大事にする意味からも、私は安易に八銭五厘を三十銭に引き上げるということは、かえってマイナスの要因の方が大きいのではないかというふうに思います。
 以上で私の発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#7
○委員長(世耕政隆君) ありがとうございました。
 次に、高垣参考人にお願いいたします。
#8
○参考人(高垣節夫君) 御指名をいただきました日本エネルギー経済研究所の高垣でございます。
 本日の議題でございます電源開発促進税法の改正につきまして、その背景となっております世界全般のエネルギー事情並びにわが国の抱えておる問題点につきまして、若干、私見を述べさせていただきたいと思います。
 すでによく御存じのように、昨年以来、第二次オイルショックということで、将来の石油供給に不安が持たれているわけでございます。したがいまして、電源多様化に関しまして提案のような電源開発促進税の増徴ということが議題になっておるわけでございますけれど、私の大前提としての認識によりますと、昨年来、あれほどエネルギー問題あるいは石油問題が騒がれてきておるわけでございますが、どうももう一つその問題の核心が、わが国で明らかにされていないのではないかというふうに思うわけでございます。
 いろいろといまお二人の参考人から具体的な御意見が出ておるわけでございますが、これらの問題点を明らかにいたしますためにも、こういった世界全般の事情というものを、もう少しきわめておく必要があるのではないかと、こういうふうに思います。
 どういうことかと申しますと、昨年来、たとえて申しますと、国際エネルギー機関――IEAというような機関がございまして、盛んに石油の消費節約、五%の節約ということを日本にも要求し、他のIEA加盟国にも要求してまいったわけでございますけれど、どうもこういった権威ある国際機関の説明にしてみますと、説明の要旨というものが、たとえばイラン問題に端を発し、また、イランの石油減産ということにかこつけてのみ説明されているわけでございますが、今日の中東産油国の諸情勢はそれほど簡単ではございませんで、イランが深刻であることは言うまでもございませんけれど、いわゆる湾岸諸国と申します中東の主要な産油国全般が将来の石油の増産について積極的でない、意欲的でないという状況の変化が起こっておるわけでございます。
 これは、一九六〇年代から七〇年代を通じまして、ほとんど追加的なエネルギー供給の三分の二をこの石油に依存してまいりました先進工業国の将来にとって、きわめて深刻な問題が生じていろわけでございますが、先ほど申しましたように、国際エネルギー機関のその後提起した問題は、単なるイランの問題であり、彼らの提示いたしますエネルギー見通しにいたしましても、OPECが将来一日当たり三千八百万バレル生産するとか、その後訂正いたしまして三千五百五十万とか、最近は三千二百万とか、きわめて中東原油の、あるいはOPECの原油生産見通しについては不確かな数字を前提にして議論しておりまして、これではわれわれが当面しております問題の本質というものが明らかでない。
 中東産油国は、脱石油化、工業化ということを日指しまして増産、増収ということで今日までまいっていたわけでございますが、残念ながら、この工業化努力というものがうまくいかないと。イランのように工業化に努力した国ではインフレが激しくなっておりますし、その他人口の少ない湾岸諸国におきましては、むしろ外国人労働者のはんらん云々という社会的な困難に直面し、中東産油国全般を通じまして、石油の増産は今後恐らく望みがないというのが現状でございます。
 こういうことになってまいりますと、先進工業国全体といたしまして、今後一体何によってエネルギー供給を賄うかという深刻な問題が出ておるわけでございますが、今日に至るまで明確にそのような形で問題の提起がなされたことがない。
 昨年の六月に東京サミットでこういった問題が別の形で、つまり、石油輸入の水準を現状でとめるという形の提案があたかも唐突な提案のような形で出されて、非常にわが国としてはこれの対策に苦慮したわけでございますけれど、ただいま申しましたような中東産油国の諸事情からいたしますと、これはわが国にとっては非常に厳しい条件ではございましたけれど、私の考えによりますと、きわめて適切な問題提起である、このような深刻な状態を世界じゅうの人々が明確に認識して今後に対処しなければ、今後われわれの経済は保っていけないという事情があったように思います。われわれ自身がこのような問題の深刻さというものを十分理解して、今後にいかに対処するかというのが大前提だろうとも思う次第でございます。
 この件につきまして、しかし、ただいま検討されております電源開発促進税も含めまして、いかにわれわれが対処するかということにつきまして、二点ばかり私の考えを述べさしていただきたい。
 第一の問題は、代替エネルギー、石油にかわるエネルギーを開発促進するということは、これはもう自明の必要な事項でございますけれど、問題はこれのタイミングをどう考えるか。もう一つは、その中身をどう考えるか、つまり、いかに運用するかという問題であろうと思います。
 タイミングの点は比較的簡単なことでございまして、これはOPEC諸国の現在の考え方から推察いたしますと、当面、第二次オイルショックと言われておりますように、世界の景気はやや沈滞ぎみでございまして、恐らくここ二、三年あるいはもし長引けば四、五年間、つまり、一九八〇年代の前半あたりまでは現状程度あるいはほんのわずかのOPECあるいは非OPEC産油国の石油の追加的な生産が望めれば何とかやっていけるという状態でございますけれど、次の段階、つまり世界経済が少しでも上向く段階に入った時期には、これは大変なエネルギー需給の逼迫ということになるのが目に見えておるわけでございまして、その時期が一体四年後なのか、五年後なのかということでございます。
 その時期に間に合うような体制で代替のエネルギーあるいは代替の電源というものが完成しておりませんと、いわゆる十日の菊と申しますけれど、われわれの目的としておるところに到達しないという点が一つあるわけでございます。そのような資格条件を持ったエネルギーは一体何であるかということについて、われわれは十分見きわめをつけた対策を進めていかなければならぬだろうということでございます。
 第二の点は、その中身の問題と申したわけでございますけれど、この点につきましては私どもと、あるいはそのOPEC諸国の指導者たちとの間にはかなりの見解の差があるように思います。どういうことかと申しますと、普通考えられることでございますが、ただいま申しましたように次の景気局面、つまり景気が上昇してまいりまして需給逼迫ということになりますと、恐らくOPEC諸国の期待しておりますのは、代替エネルギーというのは石油よりも開発コストが高い、現在の価格をもって比較をしてすらさらに高いだろうというふうな考え方を持っております。
 昨年来の非常に大幅な原油の価格の引き上げもいろいろ構成要素がございますが、私の考えでは、依然として一九七二年価格で申しまして一バレル十ドルという水準を守る、あるいは維持するという、やや防衛的な性格を持った修正の値上げであったというふうに思います。しかし、OPEC諸国は、もし将来、恐らく一九八〇年代後半になりましょうけれど、本当に石油需給が、あるいはエネルギー需給全般が逼迫してまいりますと、さらにさらに値上げ圧力が加わってまいりまして、先ほど申しました実質価格、一九七二年価格で申しまして一バレル十ドルを維持するというのではなくて、さらに攻撃的な、代替エネルギー開発コストに等しい値段を要求すると。
 具体的に申しますと、これが恐らく実質一バレル四十ドルから五十ドルと、時折すでに新聞でそういった数字を散見いたします。五十ドルという数字が彼らの口から時折出ておるのもそのあらわれだと思いますし、いま開かれておりますOPECの長期戦略委員会で容易にその考え方がまとまらないと言われておりますのも、ただいま申しましたような実質十ドルを維持すれば足りるという、これでも大変でございますが、やや穏健派と言われる考え方と、早期に将来を予測して代替エネルギーの開発コストにリンクせよという、こういう意見の対立がその底にあるかと、私は見ておるわけでございます。
 われわれが考えております石油にかわるべきエネルギー、あるいは石油火力にかわるべき電源と申しますものは、そのように進んでOPECの原油価格をつり上げる指標としての電源であってはならぬだろうと。いわゆる石油にかわるエネルギー源というのはいろいろございまして、当面役に立つようなものもございましょうし、あるいは二十一世紀にかけてこれもあるいは可能かもしれないという研究開発の段階にあるものもございましょう。
 今日の段階で申しますと、そういったいろんな角度からいろんなアイデアが多方面から出ておるわけでございますけれど、OPEC諸国が腹の中で考えておりますように、行く行く代替エネルギーを先進工業国が開発に手を染めたならば、それは自動的にOPECの原油価格の引き上げを正当化するようなものである。われわれは、そういった内容のものをそのとおりに進めていくというのは、非常にこれは戦略的にまずいわけでございまして、御承知のように、幸いわが国で有力な石油代替源あるいは電源多様化の内容と申しますものは、恐らくこれは原子力であり、あるいは石炭火力であり、現在の石油価格に比べてより安いエネルギー源であるに違いないわけでございます。
 こういったタイミングを失しないように、しかもこれ以上の石油価格を刺激するような内容のものでないような、具体的に経済性を保ち得るような、その計画に的をしぼった対策でなければ、われわれの本来の目的は達せられないであろうと。いろいろ先ほどお二人の参考人の方々もおっしゃられましたけれど、現在出ております電源多様化対策というものがいろいろな形で姿をあらわし、また使途についてもいろいろ御意見が出されたわけでございますが、私は私の立場から見ますと、そのタイミングとその経済性あるいはそういった二点から十分的をしぼった運用というもの、これについて御考慮願いたいというふうに思うわけでございます。
 簡単でございますが、私の意見はこれで終わります。
#9
○委員長(世耕政隆君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々の御意見の陳述は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○丸谷金保君 どうもお三方、大変有益な御意見を聞かせていただいてありがとうございます。
 まず、きょうは主として税の立場からの検討をしておるわけでございますので、そういう面からお伺いをいたしたいと思いますが、最初に長橋参考人にお伺いいたします。
 要望として、交付金制度の運用をもう少し幅を持たせてほしいと、こういうふうな御意見でございます。ということは、いまの交付の内容をもう少しバラエティーを持たせよというふうな意味でございましょうか、それとも条件緩和というふうな意味でございましょうか、そこら辺ちょっと。
#11
○参考人(長橋尚君) まず、交付の時点につきましては、できますれば電源開発調整審議会で当該地域の電源開発が決定されました時点で、交付対象におとり上げいただければということをかねがね期待は申し上げておりますが、なかなかむずかしい問題があるようでございます。
 それから、条件緩和という点につきまして、私ども非常に希望しておりますのは、補助裏使用というところまでいろいろと御配慮をいただいておりますけれども、現在いずれにいたしましても公共用施設、そういうものの設置というふうなことに限られておりますので、その先々の維持運営費というふうな面についてもぜひおとり上げいただきたい。これは実質的には今年度の予算におきまして、別途、事実上の形でお考えいただいているようでございますが、現地の要望といたしましては、もっとできるだけ自由に、地元の福祉向上に使わしてほしい、こういう要望がございまして、できるだけそれに近いものにお願い申し上げたい、私どもの立場といたしましては、かように期待いたしているわけでございます。
#12
○丸谷金保君 実は一昨日、私も同じような意見で、当局にはそういう要望を出しておきましたけれど、その点で制度の運用の意味が大変よくわかりましてありがとうございました。
 それから、多様化勘定で行う財源の配分で、短期、中期、長期と、こういういろいろな政策を出していかなきゃならないということでございますが、さしあたって、いままさに非常に多様化し過ぎていてわかりにくいんですが、たとえば、この目的税では長期のものだとか、この一般財源は短期のものに使うとかと、こういうふうな振り分けをきちっとすれば、もう少しこの制度自体、これからの運営の上では非常にわかりやすくはっきりしてくるのじゃないか。そういう意味から言いますと、ただいまの要望の第二点の多様化目的税は、どちらの方向に重点的に向けることが業界としては望ましいと考えているか、この点ひとつ。
#13
○参考人(長橋尚君) まず、非常に長期の視点に立ちまして、現在基礎的な研究開発が行われている面がございます。こういう面は、従来から一般会計でお考えになっておられるように承知いたしておりますが、ぜひ今後ともそういうふうな点についてお考えいただきたい。
 それから、今回の電源開発促進税の増税分によりまして御計画になっておられますのは、大体今後十年ぐらいの間に企業化に持っていけるめどのあるもの、こういうふうなことに拝承いたしております。非常に妥当なお考え方ではなかろうかと、かように考えております。そして、そういう面で申しますと、たとえば原子力で高速増殖炉の研究開発という問題がございます。これにつきましては、もうすでに実験炉の段階は一般会計で全部お賄いいただきまして、現在、原型炉三十万キロワットの建設が当面問題になっております。これにつきまして、やはり非常に大きなプロジェクトであり、また、リスクマネーを伴うということで、懐妊期間も長いということで、その建設費の八割相当額については特別会計の金で支弁され、残りについて民間の電力業界といたしましての資金調達を合わして計画を遂行されると、かようなことに相なっております。
 そういうふうな意味合いにおきまして、当面の政府のお考え方につきましては私どもも非常に結構だと、かように存じておる次第でございます。
#14
○丸谷金保君 高速増殖炉の関係につきましては、これは技術的に、それからコスト計算から言ってもいろいろ問題があると思うんです。学者の中には、これはとても電力にまで持っていくということは、ペーパープランとしては成り立つけれど、企業として成り立たないというふうな厳しい意見もあるようでございます。したがって、これは十年以内に果たしてできるかどうか、このことについては私たちは問題はありますが、きょうはそれより税の方へ先に入っていきたいと思いますので、これはちょっと意見が違いますけれど、ここでは取り上げないでおきたいと思います。
 それで、いまの目的税、これは実は清水参考人の意見とも関連してくるんでございますけれど、いまの長橋参考人のお話ですと、これはお客さんの預かり金だということがございました。それから清水参考人の方では、これは一体納税者は電気会社なのか、電気会社が納税者なのかというふうな御意見でございます。二つ違った意見がきょうここへ出ておるんです。で、御事情のわかる長橋さんの方からもう一度、このお金は一体納税者はだれなんだということを明確にしていただきたい。
#15
○参考人(長橋尚君) 納税義務者は一般電気供給事業者であると、かように受けとめております。
 ただ、お客様からのお預かりしたお金と申し上げましたのは、電気料金の今般の改正におきまして、電力原価の中に、もしもこの法律が実施されました暁にはこれだけコストとして上乗せをいたしますと、算入をいたしますと、かようなお役所の認可になっておりますので、そういう意味合いにおきまして申し上げたわけでございます。
#16
○丸谷金保君 もう一度お伺いしたいんですが、納税義務者でなくて、これはたとえば料飲税などのように、納税者は消費者であって、この徴収義務、そして納税義務というのは、これは徴収義務者はそれぞれの業者なんですね。こういうものと違って、この場合の納税者自体は電力会社だというふうに理解してよろしゅうございますね。
#17
○参考人(長橋尚君) 私どももさように理解しております。
#18
○丸谷金保君 そうしますと、これはお客の預かり金ということはあり得ないわけなんですよ。これは全く預かり金ということになりますと、経理費目としてもきちんと立てておかなきゃならない。だけれど、いまの電力会社の会計でいいますと、預かり金勘定でなくて一般の経常費の損金の中で一定割合の目的税を支払っておりますね。ですから、いまのお話からいうと、先ほどお話のありました預かり金という考え方は、これはちょっと私としてはいただけない話になるんですがいかがでございましょうか。
#19
○参考人(長橋尚君) お役所から認可されております電力料金のコスト計算上算入されているという実態に即しまして、私どもの気持ちを、お客様からお預かりしているというふうな表現に託さしていただいたわけでございます。
#20
○丸谷金保君 もう一度お伺いしますけれど、預かり金ではないわけですね。
#21
○参考人(長橋尚君) さような経理処理にはなっておりません。
#22
○丸谷金保君 いろいろ問題ありますけれど、ちょっとここはそれまでにして先へ進ましていただきます。
 現在、事業団体等においても、小水力とか地熱とか太陽、こういうふうなものも事業がみずからの責任でも開発していかなきゃならないと、こういうお考えのようなんですが、これは現在の企業の性格から言うと、そういうたてまえの話になると思うんです。しかし、非常にリスクの伴う先のわからないものを企業責任でやっていくという考え方は一体成り立つんでしょうか。たてまえとしてはわかりますよ。たてまえとして、独占企業でありますから、そういうお話をなさるのはわかりますけれども、株式会社なんですよね。これをみずからの責任だというふうな義務感まで持ち得るかどうか、いまの電力会社の企業体系というより企業の体質の中で。どうなんでしょう。
#23
○参考人(長橋尚君) 御案内のように、電気事業法に基づきまして電気事業が電気の供給義務を任されているわけでございます。
   〔委員長退席、理事浅野拡君着席〕
いままで主要な燃料として依存しておりました石油の供給が逼迫してまいるということによって、いずれ先々、電気の供給に支障を来していいということじゃございませんで、そういう事態を克服して、法によって課せられました供給義務を果たしていかなきゃいけない、かような立場でございます。
 そこで、やはりみずからまず最善の努力をいたさなければいけないと同時に、国策としての面につきましては、たとえば石炭火力をやっていかなきゃいかぬ。そのためには、ナショナルプロジェクトとして国家的な意味合いにおきまして、やはり海外の大規模な炭鉱開発をやっていかなきゃいけない。そのために非常にリスクマネーがいるとか、あるいはまた、先々のエネルギー源としてのものにつきまして研究開発を進めていかなきゃいけない。先ほどのFBRも、その一つの例として私どもの立場として申し上げさしていただいたわけでございます。
 そういう面につきましては、やはり非常にリスクのある面につきまして国が支援をしていただくと、かようなかかわり合いにおきまして、やはり官民一体となってこういうエネルギー危機の突破ということが必要であるということは、十分認識さしていただいているわけでございます。
#24
○丸谷金保君 大変むずかしいところなんですが、みずからの責任であるけれど、非常にリスクの多いFBR等の問題、今回も新しい多様化勘定のほとんど半額近いものがこれに向けられることになっております。約四百億ですね、こういうものがこれに重点的に投入されるということになっておるわけでございまして、どうもやはり電力供給義務としての企業と、それからもっと大きなリスクの伴うナショナルプロジェクトとしてのいわゆる国が責任を持たなきゃならぬものとが、非常に明確になってない。そこで、官民一体なんという言葉が出てくることになると思うんですが、実際にここいらはどうなんでしょう。
 たとえば、こういう問題もあるんです。原子力発電の廃棄物、いまだに確たることも行われないまま沖繩とか奄美大島へ今度はもう一つ第二会社をこしらえて企業が処理しようとしておりますね。こういうものを、一体これはどちらの責任だというふうなことをやはり明確に法的な中でしていかないと、コスト計算は出てこないんじゃないでしょうか。廃棄物のコスト計算なんか出ますか、どうなんでしょう。
#25
○参考人(長橋尚君) まず、御指摘の廃棄物処理につきましては、いわゆる動燃事業団の東海村のパイロットプラントというのが、一般会計の御支弁によりまして数年前にでき上がりまして、目下、試験運転中でございます。これは、一般会計の御支弁を中心に建設されたものでございます。
 そして、次のステップといたしまして、従来の原子力委員会の長期計画の中で、今度は二番目の再処理工場は民営のものとしてつくるんだ、かような御方針がつとに決定されておるわけでございまして、その線に沿いまして、本年三月一日に民間企業といたしまして日本原燃サービス株式会社というのが設立され、これは電力業界が主体になり、あとまた、関連業界の数十社が参加されました全経済界大のプロジェクトでございます。これはあくまでも民間会社でございまして、その主体が電力会社ということで責任を持って運営をしてまいろうということでございます。そして、その間、使用済み核燃料が累積してまいりますし、処理能力のギャップが出るわけでございますが、この面はイギリス、フランスの再処理能力に委託をする、かようなことで、現在契約がすでにでき実行中でございます。
 この第二再処理工場は民間企業でございますが、やはり非常に懐妊期間の長い非常に膨大な資金を要する企業体でございますので、しかもその再処理能力を確保するということは、原子力発電を推進いたしますためのかなめでございます核燃料サイクルの非常に大きな一環をなす問題でございますので、私どもといたしましては、やはり相当部分の資金につきまして日本開発銀行からの御援助をお願いしたいと、かように考えている次第でございます。
#26
○丸谷金保君 FBR等の問題も、この廃棄物とも関連してくるわけでございましょうし、開発銀行はわかるんです。ただ、企業のサイドで廃棄物の処理もするんだということになりますと、これは電気料金にコスト計算を掛けていかなきゃならぬわけですわね。しかし、幾らかかるかもわからないでしょう。そうすると、幾らかかるかわからないものを、掛けようがないわけですよ。幾らコストが出るかわからないものを、企業責任でやるという、そういう形にしてしまいますと、電気料金の原価計算はできないんじゃないかと思います。どうですか、できるんですか。
#27
○参考人(長橋尚君) この第二再処理工場は、十年後の運転開始を期待いたしておりますが、その採算の見積もりにつきましては、現在、先ほど申しましたイギリス、フランスに委託している委託料がございます。そういうのと引き合わせまして大体つり合ったものとしてやっていける、かような判断の上に立っております。
 したがいまして、先々、御指摘の再処理の問題あるいはまた廃炉の問題とか、いろいろまだ確定してないコスト要因がございますけれども、そういったものを含めましても、原子力発電コストは非常に引き続き有利なものとして石油火力その他に対して対抗していける、かような判断を持っている次第でございます。
#28
○丸谷金保君 私も東海村へ行って視察さしてもらったんですけれど、この廃棄物の問題、あそこでも非常に頭を痛めていますし、それはイギリス、フランスといいましても限度がございましょう。このエネ調の長期暫定見通し、こういうふうな形になっていけば、これはそういうことのコストでいけるとかいけないとかの問題でなく、日本それ自体で処理していかなければならないところにいきますわね。だから、いまのわずかな数量の委託料というふうなことで計算をすると、とんでもない間違いになりませんか。どうですか、先々どう思います。私たちはこれを非常に心配しているんです。
 だから、現在の原子力の電気料金が委託料含めてこういうことだからというふうなことで、量的な違いがコストの面でも同じような計算では成り立っていかなくなるのじゃないかと思いますので、あえてこの問題を聞いておるんですが、いかがでございましょうかね、そこら辺。私は、言うならば、この種の問題は企業に任せておくべきでないと、企業責任でやるというふうなことではおさまりつかない問題で、そういう点での政策をきちっとしていかなきゃならないのを、何か企業の方でやるんだやるんだということで、十年先へ延ばしているだけという感じがするんですが、いかがですか。
#29
○参考人(長橋尚君) 現在の私どもの見当といたしましては、再処理費用とかそういうことのために、非常に原子力発電のコストが採算点を外れるというふうには考えていないわけでございますが、しかし、今後これから非常に一日当たりの処理能力千二百トンというふうな大きな工場の建設にかかるわけでございますし、技術の面あるいは立地の面その他できるだけ最新のものを取り入れつつ、経済採算に乗るように非常に努力をしてまいらなければいけない、かような覚悟を持っている次第でございます。
#30
○丸谷金保君 いろいろ問題ございますけれど、きょうは問題点としてお聞き申し上げておきます。
 それから、清水参考人にお伺いいたしますが、いまの八円五十銭にしても、八銭五厘も同じことですが、消費者は中身が、どういうことに使われているんだろうということを全く知らないということなんですが、現在までの促進税はほとんど原子力の促進に使われておることなんですが、これは清水参考人自体も余りそういうことには、ここへおいでになる前までは一般論としてはお気づきになっておりませんでしたか。
#31
○参考人(清水鳩子君) 私は、何と言うんですか、そういう名目のお金が原子力発電の設置のところで使われるということは存じておりましたけれども、それが電気料金と一緒に払われているということについての認識が欠けておりました。そして、いろいろな機会の審議を通しまして、たとえば物価安定政策会議ですとか、それから民間公聴会なり、国の公聴会なり、ずっとそういうところの討議の資料なんかもずいぶん引っ張って見ておりますけれども、これについて発言されている方はほとんどないんですね。役所の方からも通り一遍の話はしてありますし、確かに申請書にも書いてございますけれども、さて、その中身の突っ込んだ議論というのは、やっぱりまだ国民の中では一般化していないというふうに思いました。
#32
○丸谷金保君 私も、いわゆるこういう目的税というのは、非常に支出が明らかに、要するに国民が負担しているという意識を持たないうちに、ずるずるとふくれていくという危険性を大変持っていると思うんです。たとえば、料飲税なんかの場合は、これははっきり預かり金なんですから税目としても出てきますけれど、この場合はそれとは多少性格が違いますが、電気料金の領収書のどこかに、このうちの何%はこういう税に使われているんですということが出れば、お母さんたちにもよくわかるんじゃないかと思いますが、いかがに思いますか。どうでしょう。
#33
○参考人(清水鳩子君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。それで、これからはやはり税金というものは、ただ払うのが国民の義務だということで徴収するという時代ではなくなってきていると思うんですね。特に電気の場合ですと、電気税はきちっと領収書に書いてございますので、これは大体の国民が知っているわけですね。電気をたくさん使えば電気税も多くなるということも知っておりますし、幾ら以下なら電気税はかからないんだということもよく知っているわけです。それは領収書にきちっと書いてあるからだと思うんですね。同じようなことで、お砂糖にもずいぶん税金がかかっているし、お酒にも税金がかかっているということは、耳ではわかっておりましても、じゃ、一升のお酒を買ったときに、その中で幾ら税金がかかっているかということはわからないわけですね。そういうところがやはり税金に対する国民の不満として残ると思うんですね。
 ですから、やはりこれからは、特にこういう目的税のようなものは、税の性格上、きちっとその使途を明確にし、徴収するということが義務づけられているものですから、やはり国民にわかるように知らせていくということが、金額の大小は別として必要ではないか。そういう中に、やはり支払う側の理解ができてくるんだろうと思うんですね。これがいまのままですと、合理的に使われていると思えと言う方が無理じゃないかと思います。
#34
○丸谷金保君 お酒の税金とか、その他一般財源ですから、一般財源の中に入っていろいろなところに出ていく。しかし、こういう目的税くらいは、やはり主婦連の清水参考人の御意見としても、一応この場合は応益分担ということになりますから、はっきりと幾らかかって――これはほとんど原子力に使われているんです。たとえば、再処理といいますか、FBRの増殖炉関係に使われているのは四百億、今度ふえる税金の半分はそういうことに使われているのだということは、だれも知らないわけですね。消費者としてそういう点を明らかにするような御希望があると、こういうふうに受けとめてよろしゅうございますか。
#35
○参考人(清水鳩子君) ぜひそうしていただきたいと思います。
 それから、もう一つの方法としまして、申請書の備考欄のところですね。あそこは公租公課でくくられておりまして、公租公課の中身というのは、私たち全部承知していないわけです。今回のことがありまして、会の中でもいろいろ勉強いたしましたら、それは公租公課の中にコスト計算で入っているんだということなんですけれども、あの備考欄のところにでも、せめてやはり公租公課の中身を全部書き入れる。配当その他もそうですけれども、あそこは空欄になっていますので、公租公課の中身についてもきちっと書いていくということが必要じゃないかというふうに思います。
#36
○丸谷金保君 料金改定の場合の申請書の中身ぐらい、もう少し詳しく書いてくれというふうな御意見だと承っておきます。
 最後に、高垣参考人にお伺い申し上げますが、代替エネルギーのコストが非常に高くつく現況で、同じような御質問になるんですけれど、まだいまコストが高いと。しかし、将来的に石油価格も結局代エネのコストにすりつけられるという可能性を含めている場合に、これらのものはやっぱり企業に任せて研究開発をしていくべきものでしょうか。どうでしょう。あるいは官民一体というふうな、責任がもことした形で行っていくことについての御意見をひとつ承りたいと思います。
#37
○参考人(高垣節夫君) 私は、代替エネルギー開発コストが高くなるとOPEC諸国の人たちが考えていると申しましたが、そのときの具体的な中身は、これは日本の例というよりも、むしろアメリカで、いわゆる車社会であり、ガソリンが中心である。で、究極の目標、たとえば石炭を液化するなり、あるいはガス化した後、さらにそれを合成いたしまして、ガソリンに持ってくるか、非常に複雑な工程を経まして、きわめて高級な製品をつくるというのが目的の国もあるわけでございます。どちらかと申しますと、こういった技術的な問題なり長期的なエネルギーの展望というのは、従来からいたしますと、アメリカの技術なり知識というものが中心で考えられておる。
 私の申し上げたいのは、こういった実情でございまして、われわれ自身が一体何をしなければならぬかという点は、御案内のように、わが国は産業用のエネルギー消費が相対的に多いわけでございます。まず民生エネルギー、無論重要でございますけれど、いわゆる突破口と申しますかブレークスルー、何かから具体的な成果を上げていき、量的にも採算的にも成果を上げていくためには、いま問題になっております電源をいかに石油以外のもので開発していくか、しかもそれは経済的であり得るか、こういう目標で努力しておるわけでございます。私どもの承知しておる限りでは、原子力あるいは石炭火力、それぞれに現在の石油価格を前提にした火力発電よりも安いということでございますので、私どもの意見では、先ほどからの御意見を聞いておりまして、そういったものに集中するということは決して悪いことではないのではないだろうかというふうに思うわけでございます。
 ところが、日本の実情ではなくて、一般に世界的に言われております、伝えられております代替エネルギーと申しますのは、先ほど申しましたように、きわめて高級な製品であり、わが国の実情と非常に違った考え方が世界に流布しておるわけでございますから、わが国はそのような中で、独自にわれわれの進路というものを聞いていく必要があるだろう。
 御質問の要旨から多少外れていると思いまして恐縮でございますけれど、それ以外の私の表現では、いろんなプロジェクトがあると申しまして、そのいろんなプロジェクトの中に御指摘のようなプロジェクトが入っておると思います。これはプロジェクトごとの性格によると思います。たとえば、具体的に適切かどうかわかりませんが、宇宙発電所をつくれというような意見が一つございまして、これは一体いかなる企業がやるのか、いかなる産業がやるのか、必要であるのか必要でないのか、こういったたとえば問題が出ましたときに、それはいい意味か悪い意味か、官民一体というようなことに相なる場合もあり得るかと思いますが、いまわれわれが急がなければならない、具体的に手がけなければならないのは、そういう具体性を持って十分めどのあるものをとにかく急げということが私の趣旨でございますので、御指摘のような非常に大規模であり、長期にわたって研究を続けなければ成果が出ないというようなプロジェクトも十分あり得ると思いますが、それはそのような能勢で取り扱うべきではないかというふうに思うわけでございます。
#38
○丸谷金保君 最後に、もう一点だけ高垣参考人にお伺いしたいと思うのですが、いまエネルギー問題、さしあたっての問題と長期のビジョンというようなものが錯雑して、短期の立場から長期はだめだと、あるいは長期の展望の中から短期のことだけやってはいかぬという、もう少し整理しなければならぬと思うのです。いま、さしあたって、多様化勘定の中で一番大きな目玉の現在の高速増殖炉ですね、約四百億、これは短期の段階で一体コスト的に間に合うようになるというふうにおたくの中では判断をしておられるかどうか。これはいろいろ意見があるから、学者の意見もいろいろありますからそのことはいいんです。おたくの研究所は、これはここ五年くらいの間に何とか実用化できて、さしあたって間に合うというふうに判断しておるかどうか。この点だけ一つ。
#39
○参考人(高垣節夫君) 大変残念ながら、私自身も原子力問題の専門ではございませんので、余り十分なお答えにならないかと思いますが、ここに拝見しますような四百億近い金をここに投入するということが果たして適切かどうか。考え方といたしましては、私は先ほどから申しますように、やはり何かに集中して突破口を開くべきではないか。
 じゃ、これはどのくらいの期間をもって完成されるべきプロジェクトであるか。当然これは一年、二年ということではございませんでしょうし、中期のプロジェクトとして、もしこれがめどが立ち得るならば、日本が今後の産油国との交渉に際しましてのバーゲニングパワー、交渉力というものが非常に大きくなるだろう。その件につきまして、これが中期的なレンジでもって十分な適切性を持っているかどうかということは、私自身専門ではございませんので、もう少し専門の方の御意見を徴していただければと思うわけでございます。
#40
○丸谷金保君 ちょっと済みませんが、いまの問題で恐れ入りますがもう一遍。
 実は、私の質問の仕方が悪かったんで、私、参考人の所属しておる日本エネルギー経済研究所のいわゆる考え方というか、レポートも読ましていただいておりますが、そういう研究所自体としては、ここ五年なりの間に、おたくのいろんな試算もあります。この中には入っておるかどうかということです、そのエネルギーが。
#41
○参考人(高垣節夫君) 非常に大きな資金を将来必要とするであろうという前提のもとに、われわれはこれを妥当なものと考え、推進すべきであろうということで、一昨年来、いわゆるエネルギー対策資金の強化ということを主張してまいっておりますので、一応これは妥当なものというふうにお考えくださって結構かと思います。
#42
○丸谷金保君 済みません。ちょっと時間があれしたのですけれど、どうも私の質問が悪くて申しわけないんですが、エネルギーの需給見通し、この中に、エネ調の暫定見通しのほかに、おたくのエネ研としても見通しを持っておりますね。この中にこの高速増殖炉のエネルギーが計算の中に入っているかどうかということなんです。大変どうもしつこいようで申しわけないんですが。
#43
○参考人(高垣節夫君) 私どものつくりました試算と申しますか、これは正直に申しまして、一種の警告の意味を含んでおりまして、現状のままにするならば、つまり端的に申しまして、いまのままではこういった目標というものはなかなか達成しにくいのではないか。その結果が、御案内のように、経済成長率は三%程度にまで落ちざるを得ないのではないかということでございますので、順調な高速増殖炉の完成というのはこの数字には入っていないというふうに思います。
#44
○丸谷金保君 どうもありがとうございました。
#45
○多田省吾君 本日はまことにありがとうございます。
 私は、まず長橋参考人にお尋ねしたいと思います。
 先ほど長橋参考人は、このたびの電源開発促進税の改定は、時宜を得ておるので賛成であるとお述べになりました。しかし私どもは、前回の大幅な電気料金の引き上げ、そしてまた、燃料費を含む原価の実態が国民に余りよく知らされずにまた値上げされているというようなことから、大変不満であり納得できないものと思っているわけでございます。さらに、今度料金値上げにつながる電源開発促進税の改定で、八百二十七億円もの金が電源多様化の財源にされるということになりますと、なおさら私どもは強く反対せざるを得ないと思います。昨年暮れの税調の答申にも、この電源多様化の財源といたしまして、道路特定財源をもう少し転用したらどうかとか、あるいは石油税が大変いま多くなっているので、その転用を多くすることとか、あるいは一般財源から求めるべきだというような意見もたくさんあったわけでございます。
 ですから、私は、なぜこの電気料金値上げにつながる電源開発促進税の改定でもって電源多様化の財源にしなければならないのか、非常に不満なんでございますが、その点なぜ電源開発促進税に頼らなくてはならないかという点ですね。そのことで何かお考えがないのか、まず一点お尋ねしたいと思います。
 それからもう一点は、先ほど清水参考人から、このたびの電源開発促進税につきましては均一徴収ということが相変わらずなされているわけでございますが、いわゆる福祉料金体系とも申しますか、応能負担の立場で、たとえば福祉世帯は免除するとか、そういう考えがとれないのかという御意見もあったわけでございまして、私も大変賛成なんでございますが、均一的にそういう点は、それは反対、賛成じゃなくて、技術的にそういう料金の取り方は私は可能じゃないかと思いますが、いかがでございますか、その二点をお尋ねしたいと思います。
#46
○参考人(長橋尚君) まず第一点でございますが、先ほど陳述さしていただきましたように、もとより税金でございますし、私どもも何とか電気事業に負担がかかることを避けられないものかと、また筋合いとして、本来エネルギー政策は目下の国家的な至上命題でもございますし、最優先で一般財源の配分の中でお考えいただけないものかと、こういう発想からスタートしたわけでございます。それから道路財源の使途変更の問題、いろいろな案があるわけでございますが、いずれにいたしましても、緊急な財源の需要に対して間に合わない。この点につきましては、御指摘の税制調査会の報告書も私ども拝読さしていただいておりますけれども、その中でも御指摘になっている点でございます。
 翻って考えますと、今度は電源多様化ということは、先々にわたりましての電気エネルギーの安定的な供給ということにつながってまいるわけでございますし、また、そのためには長期にわたりまして安定した財源の確保ということも必要なわけでございますので、電気事業が納付いたします目的税という形で御処理になるといたしましてもやむを得ないことではなかろうかと、かような最終的な判断をいたしているわけでございます。
 第二点の応能負担にかかわることでございますが、これは私ども税の専門外の者でございまして、格段のことを申し上げる立場にないかと存じます。ただ、一つの目的税として設定されるわけでございますし、非常につつましく電力を御消費になっておられる方は、それなりにいま少ない額で、また、非常に電力多消費の分野においては多額の納税をしていただくということは自然なことではなかろうかと。それからまた、三十銭あるいは増税分二十一銭五厘というふうな定額の従量税でございますので、そういう意味では、仮に料金が動きましても御負担の絶対額は変わらないと、こういう意味では、価格の値上げに伴います税の自然増収というふうなことを避けられるメリットもあるのではなかろうかと、かような素人なりの判断をしているわけでございます。
#47
○多田省吾君 時間もございませんので、清水参考人にお尋ねしたいんですが、このたびの電源開発促進税につきましての御意見は十分承ったわけでございますが、そのほかにわが国のエネルギー関係諸税というものが揮発油税であるとか、地方道路税、石油ガス税、軽油引取税、石油税、航空機燃料税、原重油関税、電源開発促進税、電気税、それからガス税と主に十種類もございまして、エネルギー予算もまた十省庁にわたっていると、非常に複雑多岐にわたっているわけでございます。いま御意見がございましたように、電源開発促進税に関してもどのようにこの税金が使われるのかはっきりしないのに、そのほか十種類ものエネルギー諸税がございまして、十省庁にもわたって予算が組まれていると、非常に複雑多岐である。今度の改定を見ましても、どのような姿で電源多様化の財源になっているのか非常にわかりにくい面もあると思います。
 清水参考人におかれましては、主婦としての立場から、このような重要なエネルギー対策がこのような形をとっているということに対しまして、エネルギー諸税あるいはエネルギー対策というものに対しまして、もし御意見がございましたらお願いしたいと思います。
#48
○参考人(清水鳩子君) やはり一つの目的税がスタートをするときと、それから経時的な年数たちました社会的な状況の変化というものが、特にエネルギーの問題の場合には非常に時間が、サイクルが短いと申しますか、変動要因が大きいし、特にこういう海外事情が厳しいときですと、そういう傾向が強まるというふうに思います。で、やはり目的税ははっきり目的があってその目的以外には使ってはいけないということであるんでしたら、その当初の目的をもう一応終わっているとか、それから非常に機能的に問題を生じているというようなものについては思い切って見直すなり、他へ転用するなりというふうなことで、私たち払う側から見れば、この税金というものは最も有効なところに最も有効に使われることをみんな望んでいると思うんですね。
 何ですか、縦割りみたいになりまして、何か払っているんだけれども、どういうメリットが私たちにあるのか、むしろデメリットの方が、たとえば特に、道路財源に使われておりますようなものについては、むしろ弊害の方があるんじゃないかというふうな感じを素朴には持っておりますので、やはりエネルギー全体の有機的な税の使い方というものについての一つの方策を、もちろんお考えいただいているとは思いますけれども、もう少し国民にわかるような形で打ち出されてもいいんではないかというふうに思っております。
 で、先ほど申し上げましたように、徴収した税が半分以上残るということですね。しかも、それでまた次の年には増税になるというふうな使い方については、私はかなり問題があるというふうに、素人でございますけれども思っております。
#49
○多田省吾君 高垣参考人にお尋ねいたします。
 日本エネルギー経済研究所が昨年十二月に「八〇年代における原油価格上昇とわが国への影響」という論文を発表されました。その中でも、今後、石油輸入可能量の見通しが非常に厳しいということを指摘されておりまして、あらゆる外交努力の必要性ということもお述べになっておられます。これはそのとおりだと思います。しかし、今回の政府の資源外交は、大平総理のメキシコ訪問でも明らかなように、非常に見通しが甘かったということがはっきりしております。今後、高垣参考人は資源外交の重要性、また、そのあり方についてどのようなお考えをお持ちであるか。
 それからもう一点は、今度はこの電源二法の改正で代替エネルギー対策が本格的に行われようとしております。昭和六十五年度を目標に、石油と代替エネルギーとの比率を現在の七五対二五から五〇対五〇まで引き上げようとしておりますけれども、その対策を詳細に検討しますと、実現可能かどうか、非常に疑わしいわけです。私も本委員会で政府にいろいろ質問したわけでございますが、たとえば昨年八月の総合エネルギー調査会需給部会発表の長期エネルギー需給暫定見通し中間報告というものがございます。原子力発電につきましても、昭和六十年には三千万キロワットだと目標を掲げておりますが、やはり質問しますと二千八百万が限度だろうと。しかし、私たちはそれも非常に疑わしいわけでございまして、そこまではとうていいかないだろうと、安全性等を考えれば見込んでいるわけです。
 それで、政府は、これは中間報告なんだから、今回の法案が通れば政府が閣議決定でまた新しい見通しを立てるんだというようなことをおっしゃっているわけですが、そういう発想で、非常に計画的なものではないわけでございます。ただ希望数値とか甘い見通し、また、高度成長時代の甘さというものが私は残っているんじゃないかと思います。
 ですから、エネルギー高価格時代を迎えた今日、制度的あるいは財政的裏づけを持った経済計画なりエネルギー計画の再点検が非常に急務だと思いますが、高垣参考人におかれましては、わが国のこのエネルギー政策についてどのようにお考えになっておりますか。この二点をお伺いしたいと思います。
#50
○参考人(高垣節夫君) 将来の石油供給事情に関しまして、わが国で中東諸国に現在起こりつつある諸変化の深刻さは、すでに前回私が述べたとおりでございます。
 当面は、東京サミットで承認されましたように、今後中東の石油、あるいはOPEC全体といたしましても大幅な石油の増産は望めないというのが、一致したその認識であろうかと思います。
 ただ、私自身は常にこういった問題で意見を留保しているわけでございますが、しからば中東産油国が工業化の将来に展望を見失ったと言えば言い過ぎかもしれませんが、挫折感を持っておる状態をこのままにしておいてよろしいかどうかというのは、これはまた全く別問題でございまして、当面、われわれは余り大きな石油の追加供給は期待できないということを認識する反面、今後わが国が中東諸国の工業化の展望に、もう一遍日本が力をかすということによってどのような変化が起こるかということは、これは全く別の問題としてわれわれは認識しておく必要があるだろう。
 さらに、具体的に申しますと、日本は中東との資源外交が立ちおくれだと言われるわけでございますが、裏返して申しますと、従来の中東の諸情勢というものは、いわゆるアングロサクソン系なりヨーロッパの勢力が主導しておって、日本はそれに参加し関与することが非常に少なかった。しかし、実際の上げておる業績から見ますと、日本企業の実力はきわめて高く、信頼度も高いということでございますので、全般の風潮の中で、日本の今後果たすべき寄与というものが何であるかということを別の角度から考えますと、私は将来になお中東諸国に対する資源外交の展開の余地はあり得るというふうにいま思っておるわけでございます。
 そういった複雑な条件を横ににらみながら、今後のエネルギー計画を立てるわけでございますが、いま御指摘の昨年八月にできました長期エネルギー需給暫定見通しの改訂版につきまして、御案内のように、将来一日当たり六百三十万バレルの石油供給の枠を前提にして物を考えざるを得ないという時点だと思います。このような条件がきわめて突然変異的にわれわれの目の前にあらわれたわけでございまして、しかも、なお将来昭和七十年度あたりまで平均四%前後の経済成長を続けていこうということになり、以下は、悪く言えば作文というふうにおっしゃられるかもしれませんが、従来の計算方式に従っておよそこのぐらいのエネルギーが必要であるだろう、いかにこれを供給し得るだろうかということを一次エネルギーあるいは長橋参考人もさっきおっしゃいましたが、電気事業は言ってみれば一次エネルギーの加工産業であると。
 そういうふうに、われわれは一次エネルギーも必要であるし、二次エネルギーも必要であるというふうにその中身を区分いたしまして、このようなことがあるいは可能ではなかろうか、こうすればその穴が埋まるんではなかろうかというふうに計算ずくめで数字を埋めてまいりますと、私は政府の役人ではございませんで、私ども自身がこういうふうな姿になっていくのではないかというふうに極力われわれのできることの限界を確かめてまいりますと、ほぼああいった数字に落ちつかざるを得ないと。これは政府であろうと、あるいは民間のものであろうと、そのような立場に立って計算してまいりますと、大体ああいう数字に落ちつかざるを得ない。電気供給の面でどういうことになるか、その熱源はどういうことであるだろうかということで、精いっぱいの努力目標はああいう数字に固まらざるを得ないんではないかと思います。
 そのような体制に今日がなっていないではないかというもし御批判がございますと、今日がそのような状態になっておればこういった問題も余り深刻ではないはずでございまして、なってないからこそ、いかにそのような目標に近づけていくかということが問題なんだと思います。
 御指摘のように、非常にこれを達成するために巨額の資金が要るという点も御指摘のとおりでございまして、何しろ非常に大規模な資金が先行的に一時的に投資され、その効果は非常に長年にわたって発揮されるわけでございますので、そのような原資というものをいかにある時点で調達するかという場合に、相当の機動性を持たなければならない。
 先ほどからの御質問なり御意見、答弁の中にもございますけれど、私どもの考えでは、このエネルギー関係の資金というものは、要るときとそれが効果を生むときの間に非常に長い時間の差がございまして、相当機動的にこれが使われるものでなければならない。そこに、やはり資金を提供する側と使う側との間の信頼関係というものがよほどしっかりしていないと、これは機動的に動いていかない。その形が目的税であるのか、一般的な一般会計から出てまいります財源、税金であるか、いろいろな形態はございましょうが、一番肝心なことは、そういうふうに目標に沿って効果的にプロジェクトが実現していって、究極的に利益を受けます消費者からの信頼関係というものが将来のプロジェクトにいかに具体化されるかというのが基本だと思います。
 何しろ繰り返しになりますが、きわめて資本集約的な産業でございますので、資金調達の時点とそれがいかに効果をあらわすかという点の時間的な落差というものをいかにわれわれが埋めていくかというのが、国民全般の一つの今後の必要な認識ではないかと思っておるような次第でございます。
#51
○多田省吾君 長橋参考人にもう一問だけお尋ねしたいんですが、先ほど参考人の御要望の中に、短期、中期、長期の優先順位ということは先ほどのお話で大体わかりましたが、研究開発の見込みがないというような場合にはより効率の高いものに転化すべきだと、こういうお話がございました。それは一般的な御要望とも受け取れますし、また、いままでの長い御体験から過去にもこういうことがあったではないか、今後もこういうことが起こり得るんじゃないかという、そういう具体的な何か問題がございましたら、ひとつお話いただきたいと思います。
#52
○参考人(長橋尚君) これは目的税でございますので、受益と負担との関係その他で効率的にぜひお使い願いたい、こういう意味で一般論として申し上げた次第でございます。
#53
○佐藤昭夫君 長橋さんに二点お尋ねをいたしますけれども、一つは、いわゆる原子力発電の安全性確立の問題について、特に昨年のアメリカのスリーマイル事故以来、わが国でも大きな議論が起こっておるわけですけれども、電力事業体としてどのような独自の努力をされておるのか。かねがね諸外国と比較をしても、民間分野におけるこの研究投資がわが国はおくれているということなんかも指摘をされておるわけですけれども、安全性研究のために、あるいはいろいろ言われております本当に国民に開かれた原子力発電事業を進めていくためにも、事故情報については公開をして、それを事故隠しをするということをしてはいかぬということも常々指摘をされてきていると思いますけれども、そういう点を含めて、国民合意の原子力発電を進めていく上での安全性確立のために、電気事業体としてどういう独自の努力を強めておられるかという問題が一つです。
 それから二つ目は、先ほどの委員も触れておられましたが、電気料金の応能負担のこの方向の問題で、先ほどの御答弁によりますと、電灯を中心にした国民の消費、それに比べて産業分野の消費量が大口消費だということで総額が大きいから、今度のこの税改正によって一律負担増ということになっても、まあまあそれはというようなお話であったかと思うんですけれども、しかし、本来これは北海道、沖繩以外の電力八会社について言えば電灯は二十七円七十三銭、電力は二十二円四銭かと思うんですけれども、ということで、本来国民消費の分に向けて割り高の料金になっておる。ここへ今度は応能負担がかかってくるわけです。ということで、当然応能負担の方向というものは検討されてしかるべきじゃないですか。
   〔理事浅野拡君退席、理事細川護熙君着席〕
 ですから、国の一定の施策があれば、電力事業体としては当然それに沿って考えるべき問題であろうかと思うんですけれども、重ねてちょっとその点をお尋ねしておきたいと思います。
#54
○参考人(長橋尚君) お答え申し上げます。
 原子力発電は、私ども申し上げるまでもなく、石油代替エネルギーの中核として考えさしていただいているわけでございまして、これを促進いたしますために、御指摘の安全性の確保が非常に大きなポイントでございます。とにかく、非常に原子力発電所が安全にかつ安定的に運転しているという実を上げてまいりますこと、それからその稼働率を目に見えて引き上げてまいりますことが、原子力発電の必要性と安全性についてのパブリック・アクセプタンスを得るための要諦だと、かように考えている次第でございます。
 昨年、一年前のスリーマイルアイランドの事故以後、私どもといたしましては、従来から進めております軽水炉の改良標準化の推進ということに、さらに加えまして、品質管理の強化、機器の信頼性の確保という問題、それから運転員の運転・補修技術への慣熟、そのための教育訓練の充実、それからまた、防災その他緊急時対応体制の整備強化というふうな面で、通商産業省、原子力安全委員会の御指導を得ながら、最大の努力をいたしてまいっているわけでございます。
   〔理事細川護熙君退席、理事浅野拡君着席〕
 そして、電力独自としてどんなことをやっているかというお話でございます。当面とにかく、現在実用に供されております軽水炉の定着化、これを自家薬籠中のものとするということを最大の目的といたしまして、各電気事業者自体あるいはその共同の研究機関でございます電力中央研究所その他原子力関係の研究機関の力を合わせまして、これに努力を払っている次第でございます。
 それから第二の、税の応能負担の問題でございます。御指摘の電灯単価に比べて電力単価が平均で見て安いという点につきましては、電気事業法に基づきます電気料金の算定基準となっております原価主義、需要種別ごとのコスト配分を原価主義、それから公平の原則に従ってやっているということに由来するものでございます。いろいろな見方の分かれる点かと思いますが、そういう原価主義という観点からいたしますと、やむを得ないと申しますか、あるいは当然の帰結なわけでございまして、それに今度電源開発促進税の増税分が乗るという次第でございますが、税務御当局におかれましては、応能負担というふうな点も十分御検討の上、かようなキロワットアワー当たりの定額税が設定されたものと、さように受けとめさしていただいている次第でございます。
#55
○佐藤昭夫君 重ねてお尋ねしますけれども、第一点の研究投資は、たとえば一、二年前に比べてどうなっているか、平均して。
   〔理事浅野拡君退席、委員長着席〕
#56
○参考人(長橋尚君) 年間の九電力会社と電源開発会社合わせました十社の研究開発費でございますが、人件費を含めまして五百二十億円程度に相なっております。そのうち、原子力発電関係といたしましては、五十四年度の推定実績で申し上げますと、全体の約三七、八%を占めているわけでございます。かような実情でございます。
#57
○佐藤昭夫君 何かよくわかりませんけれども、時間の関係もありますので清水参考人に一点お尋ねをいたしますが、きょうも御陳述なさいましたように、国民生活を守るというか、物価値上げを食いとめるためにいろいろ御努力をいただいておることに敬意を表するものでありますが、今国会にも物価、国民負担増にかかわるいろいろな諸法案が国会にも幾つか出てまいりましたけれども、主婦連として当面物価値上げを食いとめるために、国の施策として、一番ポイントとして何が大事というふうに位置づけをなさっておるか、ちょっと参考にお尋ねしておきます。
#58
○参考人(清水鳩子君) いろんなものが値上がりしておりますが、私はやはり公共事業のあり方ですね、方向としては国鉄運賃法の改正ですとか郵便法の改正とか、だんだんだんだん国民の知らないところで認可料金が決められるというその仕組みに対して、やっぱり国民としてきちっとした意見を述べていくことが、物価を抑える最大の運動のポイントではないかというふうに思っております。
 たとえば、いまいろんなものが上がっておりまして、私たちの消費者団体でも共通品目を十品目ぐらい石油関連商品を中心にいたしまして物価調査いたしておりますけれども、いずれも根っこはやはり電気、ガスといった公共料金、それからガソリン、灯油等の値上げによる影響が非常に大きなウエートを占めておりますので、やはりそういう大もとのところをきちっとしない限りは、現象の単なる何が幾らに上がった、何が二十銭上がった、三十銭上がったということだけでは、問題の解決にはならないというふうに感じております。
#59
○佐藤昭夫君 最後に、高垣参考人に一点お尋ねをいたしますけれども、今後のわが国のエネルギー産業の企業形態の問題と申しましょうか、現在は私企業中心でやられておるわけですけれども、私企業なるがゆえにいろいろな問題点が出てきていると思うんです。
 たとえば、いまの電力料金の問題もそうですけれども、国民はもっとどういう内容、仕組みでこの料金が決まってくるのかというものを知りたいんだけれども、なかなか企業秘密を理由にそれが明らかにされぬという問題とか、原子力発電の問題について言えば、経済性が優位に立って安全性の問題が軽視をされているのではないかという不安やら、あるいは今後、中、長期的に見てエネルギーの重点をどういうふうに転換を図っていくかという場合に、私企業なるがゆえにそこがいろんな矛盾が起こったり、ちゅうちょが起こったり、こういうようなことが予想される。
 まさにエネルギー問題というのは、国家的見地からの長期的視野に立ったいろんな施策が必要だという問題だと思うんですけれども、国家資金を使ってエネルギー産業にいろんな援助をやられておるわけですけれども、しかし、エネルギー企業の形態としては、さっきも話が出ていました、たとえば第二再処理工場、これも民間へ持っていくということで、民間企業がますますふやされていくということに傾向としてなっておる。
 私としては、やはりこの傾向というのはエネルギー産業というこの性格にそぐわないものではないか。やっぱり方向としては、わが党としてはエネルギー公社、そういうやはり国が責任を持って運営やら全体的な需要供給のバランスをとったひとつ施策を進めていくという、目指すべき方向はそういう方向を目指すべきではないかというふうに思っているんですけれども、御所見がありましたらお尋ねいたしたいと思います。
#60
○参考人(高垣節夫君) エネルギー問題が昨今きわめて国民的な課題であるということはもう周知のことでございまして、これが私企業の肩にかかって十分目標を達成し得るかどうかという点が、一応理念としては非常に問題としてあり得ると思うのであります。
 これはしかし、具体的に考えてみますと、いわゆる私企業というふうなイメージからいたしますと、当面の利益にこだわるというニュアンスになってくるかと思いますけれど、要するにこれは、そういった国家的な一種の使命感というものをいかにその企業の責任者が体して行動するかということによって理念的には解決されるものだろう。
 一番問題になりますのは、先ほど申しましたけれど、やはり本来の目的を達しようにも絶対的な障害になるのはやはり資金だろうと思います。この資金調達がいかにスムーズになされるか。具体的に申しますと、その年の利益で次の年のエネルギー供給の開発が達成できるのかと。決してそうじゃございませんで、きわめて巨額の資金を何かの時期に調達し、それをまた長期にわたって運用するということがなされなければならない。そのときに、一種の国家的な資金援助というようなことがあるわけでございます。しかし、これが直ちに国営体制というようなことに結びつくのかということになりますと、いろいろ議論の余地がある。
 今日の実例で申しますと、いろんな行き方があると思いますが、ヨーロッパの企業のように、一応国の関与のもとに資金が提供され、半ば公社的な、しかし、それらがヨーロッパ諸国のように機能においては私企業的な自由を留保しておる、これがおよその定着した今日段階でのコンセンサスということではなかろうかというふうに思います。
 したがいまして、いろいろなケースに応じて私企業的な限界ということが言われ、国家的な介入の必要ということでも言われるわけでございますが、本日の委員会において特にそうだと思いますけれど、やはり焦点は、絶対的な障害となり得る資金調達の問題をいかにこなしていくかという体制がまず議論され、そして、その後において、いかに効率的な経営を保つにはどうあればよろしいのか。御指摘のような究極的には公社の形態が望ましいんではないかという御意見でございますが、これは理念としては私も十分よくわかることでございます。実際問題としてどのような形態をとるかということは、私のこの場での議論ではないんではないかと思いまするので、意見を差し控えさしていただきたいと思います。
#61
○中村利次君 エネルギー問題が大変に深刻な国民課題であり、決定的な政治課題として取り上げられておるわけですけれども、これは去年発表されました長期暫定見通しの五十二年度の改訂版、五十二年に発表されたものの改訂版によりましても、昭和六十年石油換算で八千万キロリッター分の省エネルギーをやろうということであります、一つの柱は。私は、これはもうぜひやっぱり達成をしなきゃいけない。一千万キロリッター分の省エネルギーをやりましてもこれはもう大変なことですから、八千万キロリッター分達成をしなきゃいけないけれども、なかなかこれは容易なことではないと思うんですね。私は、常にそういう立場から国会の中でも物を言っていると思うんですけれども、もう一つの柱はやっぱりエネルギー源の多様化。
 そこで、私が最近どうも非常に心配になっておりますのは、たとえばしばらく前に、東北電力の送電線を通じて波力発電、波ですね、あれが家庭に送り届けられたというような意味の報道が、かなりこれは大々的に報道された記憶がある。ところが、それは何万キロワットが東北電力の送電線に乗っかったのかと言えば、多分たった二百ワットか幾らか。これは昭和六十年には、暫定見通しの改訂版によりましても電力の発電量は約一億八千万キロワットですか、一億七千八百万キロワットですか、その中の二百ワット。百ワットの電球を二つつければそれでおしまいですからね。
 ああいう大々的な報道に対して国民の皆さんが受け取る印象は、なるほどこれは代替エネルギーがかなりわれわれの期待に沿って開発されつつあるという大変にオーバーな期待をするような、また、最近盛んにもてはやされておりますバイオマスなんかでも、開発可能分として数千万キロワットと。これなんかでもまことに魅力を感じます。ところが、いまや農業にしても、堆肥なんかつくっているところはほとんどないでしょう。耕牛を使っているところは、私の田舎なんかは昔は全部耕牛だった。いまはもう一頭もいませんよ。
 日本の現状からして、果たしてそれが具体的な裏づけを持って大きく数千万キロ分期待できるのかといったら、私は全く国民に与える印象、報道そのものがかなりこれは責任があるんではないかという気がして、だから省エネルギー、これは国民の合意を得てやらなきゃならない。これはもう一生懸命まっしぐらにやらなきゃいけない。それからエネルギー源の多様化も達成をしなきゃいけないのに、何か雲をつかむみたいな楽観的ムードをつくり上げて、むしろ省エネルギーだとかエネルギー電源の多様化というものに何か積極的な取り組みをおろそかにするような風潮がもし生まれるとすれば、これはもう大変なことであるという心配が非常に最近強くなってきておるわけです。
 私はしょっちゅう言っておりますけれども、あらゆる新エネルギー源賛成です。それはもう地熱であろうと水力、風力、波力、太陽熱の利用すべてこれは賛成して積極的に取り組まなきゃいかぬということは、もうこれは当然だと思いますけれども、現実と理想の追求を混同をしたんではエネルギー対策になりませんので、したがって、やっぱり毎年毎年、この法案にかかわりのある電力にしてみれば、一千万キロワット前後の開発をしなければ産業の糧、国民生活の糧になり得ないで、雇用不安を起こしたり国民生活が荒れたりするわけであります。
 幸か不幸か、エネルギー的に言えば、あるいは幸いかもしれないけれども、国民的に言えば不幸になるかもしれない。いわゆるいろんな要因による実質経済成長率は、政府が掲げる看板よりもかなり下回るんではないかというのが、一般専門家の予想であると思われます。そういう意味からしますと、あるいは昭和六十年約一億八千万キロワットの電力の必要はないかもしれない。それにしても、やっぱり代替エネルギーの開発を急がなきゃいけないと思うんですけれども、そういう意味で私は、先ほど長橋参考人がやっぱり原子力、石炭、LNGと、こういうものを中心として電気事業を進めていきたいという御説明を聞いて、大変にこれは合理的、もっともな方法であると思いますが、石炭だとかLNGにしても、かなりこれはいろんな問題がありますね。
 本当は、もう私の持ち時間がなくなっちゃったんですが、ですからそういうこともお伺いをして、あるいは高垣参考人には、去年の暫定見通しの改定版には資金の見直しというのが裏づけについていませんよね。ですから、皆さんは、清水参考人を除いて大体本法律案は妥当であろう、やむを得なかろうというお立場のようでありますけれども、私はそういう意味から言って本法案はまことにこそくである。ですから、抜本的に国民生活を安定させ雇用不安を誘致しないような、呼ばないようなそういうエネルギーの裏づけのある開発はいかにすべきかという、そういうものと資金の裏づけがなければ問題にならないと思います。
 時間が過ぎましたけれども、お二人に本当に簡単で結構ですから、長橋参考人には当面の電力開発をどういう方向で進めていこうとなさるのか。それから高垣参考人につきましては、これはエネルギー経済の専門的立場から資金の裏づけですね、こういうものが非常にあいまいになっておりますから、高垣参考人の立場からどういうぐあいにお考えになるのか。時間が過ぎて申しわけありませんけれども、簡単にお答えをいただきたいと思います。
#62
○委員長(世耕政隆君) 簡潔にお願いいたします。
#63
○参考人(長橋尚君) ただいま出ました昨年の政府の審議会の見通しでございまするが、昭和六十五年に総発電量に占めます原子力発電量のウエートを三〇%、それからLNG火力の発電量を二〇%、それから石炭火力の発電量を一〇%、その辺を目途に代替エネルギー開発を発電面で進めてまいりたい、かようなもくろみでございます。
 ちなみに、現在五十四年の推定実績で申しますと、大体原子力発電が一五%、それからLNG発電が一四%、石炭火力発電が四%弱、そして石油火力が五〇%を占めているわけでございます。六十五年にはこの石油火力発電量が二〇%に減ると、かようなもくろみでございます。
 この線に沿って努力をいたすわけでございますが、原子力発電につきましては、先ほど先生方御指摘の安全性、安全運転というふうな面でパブリック・アクセプタンスを得まして稼働率を上げていく、かような問題がございますし、また同時にバックエンド、つまり核燃料サイクルの中の再処理とか、そういうバックエンド部分を自前のものにしていく、かような努力が必要かと思っております。それから、石炭火力につきましては、まず海外炭の確保が必要でございます。それからその輸送、国内における受け入れ、貯蔵のための諸施設、さらに現在の非常に優良な油を使います発電所並みの環境基準、環境レベルに持ってまいりますための環境技術開発、あるいはまた、灰捨て場等の確保と種々の問題を抱えているわけでございまして、今後、こういった面での努力が要請されております。
 まあ、非常に代替エネルギーの中でウエートの高いもの、コストあるいは時間、あるいは開発量というふうな面でウエートの高いと考えておりますものにつきましてかいつまんで申し上げさせていただきました。
#64
○中村利次君 それじゃ、もう時間がオーバーしていますから、結構です。
#65
○市川房枝君 私は、長橋さんと清水さんにお伺いしたいと思いますが、時間が限られておりますので、一緒に申し上げますから、後で簡単にお答えをいただきたいと思います。
 まず、長橋さんに伺いたいんですが、日本は昨年のサミットの会合で石油の五十四年度の消費の節約を五%するという約束をしたと思うんですが、それは日本としては実現できたかどうか。政府に伺いますと、それは実現できたんだとおっしゃいますけれども、一方ではそうじゃない、それは悪い言葉で言えば少しインチキで、実際は〇・五%しか節約になっていないんだと、こういう意見もあるんですが、その点はどうお考えになりますか伺いたい。
 それから、清水さんに対しては、清水さんは民間の団体として物価問題その他で努力をしていただいていることを承知しておりますが、石油あるいは電気、ガス、省エネの中で重要なその節約についてどんな運動が行われているか、おたくの団体を初めとしてほかの団体でも、どんな運動が行われているかということを伺いたいと思います。
#66
○委員長(世耕政隆君) 大変時間がおくれておりますので、恐縮ですが簡潔にお願いいたします。
#67
○参考人(長橋尚君) 電力事業の立場で判断いたしますと、五%節約は実現されたのではなかろうか、かように存じております。電力事業自体が使います油も非常に昨年度、従来に比べて低いものになっております。あと、省エネルギーで電力をどれくらいお客様が節約されたかという辺、まあいろいろ把握のむずかしい点でございますが、その辺を総合いたしまして、私どもとしてはそのように考える次第でございます。
#68
○参考人(清水鳩子君) このエネルギーの節約ですけれども、これには直接的な節約と間接的な節約とあると思いますが、直接的な節約とすれば、具体的に申し上げますと、まず値上げに際しましていま自分が使っている電気、ガスは一体どのくらいの量であるかという数字を把握いたしまして、そして今度、もうそろそろ新料金を払っているわけですけれども、それとの対比の中で、一体自分たちがどのくらいの生活の中で節約ができたかということの数字を取っていきたいというふうに思っております。
 それからもう一つ、間接的な面の節約、これは案外大きいと思います。むしろ、直接的な節約よりも効果が大きいんではないかというふうに思いますが、その一つの例は、プラスチックトレーをまず追放する。それから、電気のかん詰めと言われるかんジュース、かんビール、ああいうものの使用をとにかくやめていこう、それから使い捨てでなくってリサイクルをするような運動をしていこう、それからいま私が使っておりますノートもそうですけれど、故紙もやはり使い捨てで燃やすだけではなくて再生利用していこう、それからスーパーなどでもビニールの袋をやめさせて自分たちで袋を持っていく運動とか、それからあと、エネルギーの消費量の少ない電気製品を使用する運動というふうなことを、これも一つの大きな運動の中で成果を上げたと思います。
 それからい暮らしの見直しとしては、いわゆるエネルギーを多消費するハウス栽培の野菜、果物というものについて、一体トマト一個でどのくらいの石油を使っているか、キュウリ一本がどうなのか、それから冬のメロンがどうなのかというふうな具体的な数字を出しながら消費者教育をして、自分の生活を見直すという運動をこれは全国的にかなり大きく展開していっておりますので、成果が上がるのはこれからではないかというふうに思います。
#69
○市川房枝君 ありがとうございました。
#70
○委員長(世耕政隆君) 参考人の方々には、本日は長時間にわたって貴重な御意見をお述べいただきまして本当にありがとうございました。重ねて厚くお礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
 午後一時四十分まで休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十二分開会
#71
○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 電源開発促進税法の一部を改正する法律案、電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案、右両案について前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#72
○丸谷金保君 一昨日に続いて御質問申し上げますが、どうも今回の法案というのは、全体として電源開発の中でも原子力発電に非常に比重がかかっている、特に目的税として多様化勘定に税率を引き上げた分を充てるということになっておるわけでございますが、先ほど参考人にも御質問申し上げたのでございますが、この多様化勘定の中で一番大きな支出費目になるのが高速増殖炉の建設というふうなことになっております。それで、エネ調の需給の見通し、この中には大体何年ごろに高速増殖炉のエネルギーが利用可能になるような計画になっているのか、また、この数字の中に入っているのかどうかということについて、御説明いただきたいと思います。
#73
○政府委員(児玉勝臣君) ただいま御質問のございました長期エネルギー暫定見通しの中で、高速増殖炉の実用化をどういうふうに見ておるかということでございますが、私たちの方の高速増殖炉の開発のテンポから見まして、七十五年以降にその実用化が図られると思っておりますので、七十年までのこの計画の中には、高速増殖炉の実用化というのは考えておらないわけでございます。
#74
○丸谷金保君 そうすると、さしあたってのものとしては計画にのっていないということなのですが、査定をした大蔵省側にお聞きしたいと思うのです。これは大蔵省の側では、税率の引き上げの約半分以上、四百億に近いものがFBRの建設ということで出ておりますが、一体実用可能をいつごろというふうに考えて今次予算を組んでおられますか。
#75
○政府委員(西垣昭君) 特定財源をもって充てます特別会計でございますので、受益と負担の関係がはっきりしたものに限定しているわけでございます。そういった意味で、たとえば二十一世紀というような長期のレンジで開発されるようなものにつきましては、この特別会計の歳出の対象にはいたしておりません。
 ただ、高速増殖炉につきましては、十年ぐらいの間に実現のめどがつくというふうなことでございまして、この特別会計の受益と負担の関係の中で歳出の対象にしても差し支えない、私どもはこのように考えましてこれを取り上げている次第でございます。
 それから、額が非常に大きいという話でございますが、原子力につきましては、長期エネルギー需給暫定見通しによりましても、相当程度の石油の輸入を確保しました上で輸入石油依存度を五〇%に引き下げるということで、相当程度の代替エネルギーの開発が必要でございます。原子力について見ますと、五十二年度が八百万キロワットでございましたものが、六十年度には三千万キロワット、六十五年度には五千三百万キロワットというようなことで、五年後には三・七五倍、十年後には六・六二倍というような大きなものが期待されております。こういったものができませんと、結局電力の供給が予定どおりにまいりませんで、成長率にしても、それから国民生活にしましても大変影響を受けるということで、原子力に限らず、開発の可能性があるものにつきましては、開発のそれぞれの段階に応じまして必要な額は確保する、こんな姿勢で私ども査定いたしております。
#76
○丸谷金保君 エネ調の需給見通し、資源エネルギー庁の方としてはこの需給見通しの中には入っていないと、この高速増殖炉によるところのエネルギー利用というのは計画には入っていないということでございますが、だから相当長期にわたってのということはわかるが、大体今年度三百九十七億ということですけれど、これは後年度に対しても財政負担を伴うと思うのです。それらの後年度に対する財政負担の見込みはどのように大蔵としては査定しておるのですか。
    ―――――――――――――
#77
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、市川房枝君、中村太郎君が委員を辞任され、その補欠として青島幸男君、小澤太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#78
○政府委員(西垣昭君) 御質問の「もんじゅ」でございますが、これは科学技術庁が担当している原子炉の開発でございまして、科学技術庁の推計によりますと総建設費が約四千億円ということでございます。
#79
○丸谷金保君 そうすると、大体十年計画ぐらいで建設するという考えですか。
#80
○政府委員(西垣昭君) 「もんじゅ」につきましては、一応基礎段階の研究開発におきまして、十分な技術的成果が出ておりまして、これを踏まえてさらに開発を進めるものでございまして、六十二年度に臨界達成を目標ということになっているようでございます。
#81
○丸谷金保君 どうもちょっと余り自信のない答弁で、ようでございますというのは、どういうことですか。何か責任ある答弁に聞こえないんですが。
#82
○政府委員(西垣昭君) 技術的な問題でございますので、科学技術庁から伺ったところではと、こういうことで申し上げたわけでございます。私どもは科学技術庁からの御説明を伺いまして、六十二年度に臨界達成というようなことで、今後十年間ぐらいには実用化が可能である。したがいまして、特別会計の対象として取り上げても差し支えないと、かように考えているわけでございます。
 自信がないということでございますが、技術開発にわたる問題でございますので、もし必要がございましたら、科学技術庁の方からお聞き取りいただきたいと思います。
#83
○丸谷金保君 科学技術庁の方は、あしたまたお呼びしようと思っておりますので、きょうは税が中心なので、税の使い方に対する大蔵の対応の仕方という面から御質問申し上げておるわけでございます。
 そうすると、この予算については、まず大蔵の方の査定はノーズロだというふうに理解してよろしゅうございますね。
#84
○政府委員(西垣昭君) 科学技術の問題につきましては、なかなかむずかしい問題がございます。したがいまして、私どもの方でこれはこんなにたくさん要るはずがないというようなことで一方的に査定をするというわけのものではございませんで、結局、予算要求をされる所管官庁のお話を伺いながら、財政の状況を踏まえて、初年度はこの程度かというようなことをお話をし合いながら決めていく、こういうことだと思います。
#85
○丸谷金保君 それで、この高速増殖炉についてはなかなか非常に厳しい、厳しいと言うか、むずかしい技術的な問題があるので、これはなかなかそこまで突っ込んでの査定ということは、これは不可能だと思います。やはり技術屋さんたちの意見を十分くみながら総体的に勘案するということだと思うんですが、一方地熱開発とか水力開発になると、多少は具体的に詰めができているのか、個所づけとか、いやここまでのそれでは調査をやれとかというふうなことで、査定段階でチェックが相当行われるのでないかと思いますが、いかがなものでございましょうか。たとえば、地熱開発に八億二千万査定しておりますが、これらの査定段階での中身はどうですか。
#86
○政府委員(西垣昭君) 技術の難度からいきますと、確かに高速増殖炉と比べますと、私どもには理解しやすいという意味では査定しやすいわけでございますが、技術開発の問題につきまして予算査定を通じて考えさせられますことは、技術開発の問題というのは、必ずしも予算をたくさんつけたから早く成果があらわれるものではないということでございまして、やはり実際に開発に当たっておられる方々の御意見を十分伺いまして、無理のないような予算を計上するということが必要だと思っております。
#87
○丸谷金保君 それで、技術開発の面の予算査定の大変むずかしさと、それから今度は地熱開発などで、地熱開発の方はことしの関連予算の概算額というのが細かく出ておるんです。八億二千七百万ですね、ことしの地熱開発、これらは既存、それからいまそちらの方で計画している調査個所というふうなものも細かく出ているわけでございますが、地熱開発なんかについては、一つ一つたたいて八億という数字が出てきたんでございますか。
#88
○政府委員(西垣昭君) 御指摘のとおりでございまして、幾つかの候補地点がございまして、それぞれの候補地点につきまして、どのような調査をやるか、あるいは新規の技術開発をやるかということを伺いながら積算をいたしております。
#89
○丸谷金保君 それで、地熱開発の予算の中身は、どちらかと言うと技術面に対する研究とか援助というふうなものが主で、具体的な実施の段階はそれぞれ企業が中心で行われておる面が非常に多うございます。
 先般、エネルギーの特別委員会で参考人としてお呼びした方々、こもごも地熱開発についてはもう少し国が、技術開発の面だけでなくて、具体的なものでもっと積極的に推進してもらわなければ実際やれないんじゃないかというふうな問題がございます。それらについての意見というのは、お聞きになっておりますか。
#90
○政府委員(西垣昭君) いま言われたようなお話としては直接は伺っておりませんが、ただ、地熱開発を行いますにつきましては相当な資金が必要であろう、その資金の調達については相当な困難性があるというような話は伺っておりまして、そのための債務保証の制度というようなものは設けることにいたしております。
#91
○丸谷金保君 財政投融資計画の中でも、五十四年から五十五年は開銀でも約倍くらいの計画になってふえてきております。これらに対する利子補給やなんかの関係はどうなんでしょうか。
#92
○政府委員(西垣昭君) 財投の問題でございますので、私がお答えするのは適当かどうかわかりませんが、利子補給ということはやっておりません。ただし、特利の適用というものはございます。
#93
○丸谷金保君 ちょっとこれは担当官の方は来ておられないんでしょうかね。特利と言ってもわりと高いんですよ。七・八五%ぐらいなんですね。これが特利と言えるかというふうな気がするんですが、どうなんでしょう。これはやっぱり特利なんですか。
#94
○政府委員(安田佳三君) 地熱開発に関します財政投融資につきましては、日本開発銀行及び北海道東北開発公庫からの融資という形でのものが行われておりますが、金利につきましては、先生いま御指摘のように、通利八・二%の段階で七・八五%という金利でございます。ただ、還元設備に対する金利につきましては、北海道東北開発公庫におきまして七・三五の金利が適用されているという状況でございます。
#95
○丸谷金保君 まだ非常に初歩の段階の地熱開発について、企業側にもう少し何かめんどうを見るということをしなければ、地熱開発というのは余り早急に進む可能性がないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
#96
○政府委員(安田佳三君) 地熱開発につきましては、非常に重要なものでございますが、現在正直なところ、それほど大規模に行われているというところまでまいっておりません。私どもの計画といたしましては、これをふやそうと思っておりますが、そのために必要な調査につきましてはいろいろ行っておるところでございますが、さらに先生御指摘の、企業化する段階における助成といたしまして、これは現在なお十分とは言えないかもわかりませんが、だんだんと充実を図りつつあります。
 たとえて申しますと、民間の開発を誘導するための地熱開発促進調査などになりますと、調査ではございますが、大分企業化の方に近くなってまいりますし、また、先ほど大蔵省の方から御説明のありましたような、実際に開発する際の資金を手当てする際の保証を行う事業、そのために保証基金が五十五年度予算にも計上されておるわけでございますが、これなどは、実際に開発の段階における助成ということが言えようかと思います。そのほか、実際に企業化を行いますに当たります基礎的なデータとなります全国の調査あるいは研究ではございますが、地熱用材料の開発に関する研究等、現実の企業化に当たって利用できるものは相当にあるというふうに考えております。さらに、現実の企業化に当たりましては、環境調査が重要でございますが、その環境調査に関する自治省調査なども予算を計上しております。そういうものを総合いたしまして、企業化の段階におきましても相当促進され得る要素になっているというふうに考えている次第であります。
#97
○政府委員(西垣昭君) 先ほどちょっと答弁で漏れましたのですが、地熱開発で最もリスクのあるものの一つが調査井の掘削でございます。つまり、これは当たるか当たらないかわからないという意味で、非常にリスクのあるものでございまして、その調査井の掘削につきまして新しく補助制度を設けております。これは二分の一補助でございますけれども、二十三億九千八百万という予算を計上いたしております。
 ちょっと補足させていただきました。
#98
○丸谷金保君 地熱発電所調査井の掘削として出ております、これは多様化勘定から出ているやつなんですが。そこで、一方では、FBRというふうなものについては、これは十年先か、もっと先かわからないのに、四百億も出しているんですよね。それで、一方では、もうすでに実際の実用化というものが世界的にも可能になってきている地熱開発、これらについてきわめて多様化勘定においても積極さがないと、予算の配分その他を見ても。
 そこで大臣、どうも多様化勘定というのは、原発促進の隠れみの的な勘定でないかという要素が非常に強くなってくるんです。これはどちらも長期だからいいですよ。どちらも長期だし、そういう点での研究はいろいろやらなきゃならないということはわかるんですがね。さしあたって、もうすでにイタリーだとかアメリカだとか実用化している地熱開発、これらについてはきわめて財政措置が少なくてというふうなことのバランスから言いますと、そういう感を深くするんですが、大臣いかがですか、こういう予算配分のバランスのとり方。
#99
○政府委員(西垣昭君) ちょっと予算の積算の話でございますので私から御説明させていただきますが、先ほど申し上げましたように、技術開発の予算というのは、やはりそれぞれの技術開発の開発段階でございますとか、むずかしさでございますとか、そういったものによりまして予算を計上する。さっき申し上げましたように、開発段階のいかんによりましては、予算をつけましたからと言ってそれで済むというものでは必ずしもないわけでございます。そういった意味で、原子力というのは非常にむずかしい技術なものですから、規模としては大きいものでございますけれども、私どもといたしましては原子力に特に重点を置きましてほかのものをないがしろにしていると、そういうものではございません。
 これは一般会計、特別会計を通じての各エネルギーごとの予算の伸び方をちょっと整理してみたのでございますが、五十四年度と比べますと原子力につきましては一般会計、特別会計を通じまして、五十四年度の千五百七十六億を二千四十億ということで二九%を増加させておりますが、石炭につきましては七十五億を三百五十九億ということで三七八%の増加、それから地熱につきましては三十一億を百三十二億ということでございまして三三一%の増加、また水力につきましては一億を二十三億ということで三四二九%、大変な増加でございます。太陽熱につきましては三十八億を百四十九億、二九五%の増加、それぞれのエネルギーの開発につきまして、その状況によって予算化を図っていくというつもりで、私どもとしては対処しているつもりでございます。
#100
○丸谷金保君 実は、そこら辺が一番問題なところだと思うんです。パーセントでいまお聞きしますと、なるほどそれは原子力だけじゃなく、ほかの方面の方がずっと伸びが多いんだ。しかし、もともと分母が小さいんですから、これは比較にならないんですよ。ただ、私、そこで特に問題にしなきゃならぬのは、たとえば高速増殖炉、これは世界で実際にエネルギーとして利用されているのはどれくらいございますか。
#101
○政府委員(高岡敬展君) 高速増殖炉につきましては、概括的に申し上げますと、一番進んでおりますのがフランスでございまして、わが国の軽水炉の最先端と申しますか、一番大きな規模に相当するような発電能力を持ちました実証炉という、スーパー・フェニックスと称しておりますが、そういうものを建設中でございます。それから英国につきましても、大体その段階の実証炉、これは申し上げますと実用段階の第一号炉とお考えになって結構でございますけれども、そういうものの建設計画を進めようということで検討を進めております。それからアメリカにつきましては、非常に長い間高速増殖炉の研究開発を積み上げてまいっておりましたが、クリンチリバーという原型炉、これは実用段階――実証炉の一歩手前の発電所としての原型炉でございますが、三十万程度の発電能力を持つものでございますけれども、そういったものの建設を進めておりましたけれども、核の不拡散政策その他のカーター大統領の新政策によりまして中断をいたしております。
 でございますけれども、私どもが聞きますところによりますと、月にいたしまして千五百万ドルと称しておりますから、年間にしますと四億ドル見当のお金になりましょうか、そういったお金を使いまして、主なコンポーネントと申しますか、部品の発注をしておりまして、そういったものの納入がされておると聞いておりますので、もしその政府の方針が変更されましたら、直ちに、余り当初の計画からそれほどのおくれなく原型炉の計画が進展をするという段階でございます。
 そのほかにおきましても着実に開発が進んでおると、こういう状況でございます。
#102
○丸谷金保君 私の聞いたことに答えてないんです。私は、実用化しているところがどれだけありますかと聞いたんです。ないですね、まだ。
#103
○政府委員(高岡敬展君) 純粋な意味で実用化という段階には、いずれの国も達しておりません。
#104
○丸谷金保君 それだけ聞きたかったんです。いいですか。ないんですよね、まだ。
 それからアメリカの、電気経路の問題なんかにしても非常に問題があるということで、核融合の段階でもいろいろな問題等もまだ非常に残されている。だから、問題があるから大金をかけて研究する、それはいいんですよ。このことは、研究するということはそれは別だと思うんですが、これはもっと突っ込んでいくと、核戦略なりいろいろな問題にも及びかねない非常に重要な要素を含んでおりますけれど、きょうは税の問題なのでそこへは入っていきません。
 しかし、いろいろ各国ともに、まだテストプラントから実用に移行するかしないかという程度ですわね。ただ、日本はその点ではおくれている。研究そのものとしてはおくれている。しかし、それがおくれているということと、世界的にはまだ一カ所も実用化されていないものに、目的税からこれだけ、十年かかるか二十年かかるかわからないものに四百億出すんです、二の目的税という、多様化勘定で。それから今度は、地熱なんかはもう各国でもって実用化されているんです。アメリカやイタリーなどは非常にもう進んでおって、実用化されているんです。いいですか。この実用化されている地熱の問題について、地震国であり、埋蔵資源がきわめて多いと言われる日本における研究開発が、企業任せで余り進んでいってないというこのアンバランスが、今度のこの税は原発隠しでないかというとかくの批判を受ける原因になるんですよ。
 もう少し地熱とか小水力とか、思い切った――主計官の段階では、予算要求とかいろいろな形で、そう一遍につけたってこなせるものでないと、こう言っております。しかし、地域から来ている申請なり陳情というふうなものを見れば、調査の段階ではもっと調査費をつけたってこなせるんです。そういう国内のエネルギー資源の開発ということが非常に消極的なこの多様化勘定、石炭も、三〇〇%とか言っていますけれど、全部、海外炭中心の経費ですわね。そういうアンバランス、これらについて、ひとつこれは、もう政策的に大きく考えなきゃならない問題だと思うんですが、いかかでしょうか。
#105
○国務大臣(竹下登君) これは私、科学技術の知識が非常に乏しいわけでございます。非科学の範疇に属するかとも思うのでありますが、しかし、政策提言としては、私も丸谷委員のおっしゃることに私なりの理解はできるような気がいたしますので、将来の課題としては貴重な意見として踏まえさしていただきたいと、このように思います。
#106
○丸谷金保君 それで前に進ましていただきますが、環境庁来ておりますね。
 発電用の廃液等が海に流れたときの温度の規制がございますね。いかがですか、この点。
#107
○説明員(田村久仁夫君) 恐れ入りますが、私、自然保護局でございまして、水局の方参っておりませんので、所管事項じゃございませんのでちょっとお答えができませんので、御了承をいただきたいと思います。
#108
○丸谷金保君 環境庁にはこの問題を聞くからということで通告してあったんですが、関係の方が来ていないとすればやむを得ませんが、七度ないし八度というふうなこれは規制があるんです。
 大臣、ひとつお聞き願いたいんですが、規制があるんです、海の方は。ところが、環境庁は海の方だけなんですよ。そして、今度河川に対するそういう放流の問題になりますと、環境庁は全然関係ないんです。なぜならば、いまの電源立地、電源開発が全部海に面したところを中心に考えられている法制ですから、川の方はないんですよ。そうすると、川の方になりますと、今度は建設省の河川局が水質汚濁防止法の法案だとか、河川法だとかという、水質汚濁はあっちの方ですが、温度のことになると水質汚濁ということにはならないんです。そうすると、環境庁でなくて河川法が中心になるんです。こういうふうに地熱関係だけでも、この間ちょっと調べてみますともう八省ないし九省にわたるようなところの全部一々ライセンスをとらなければ手もつけられないというくらい、複雑な各省の法律規制の中で地熱開発をやっていかなきゃならないんです、国立公園法もありますし、その他いろんな関係で。
 というのは、いまの制度そのものが、いま申し上げましたように、海岸べりに発電所をつくるんだということが基調なものだから、内陸の地熱開発についても法的なそういう整備すらできてない。ですから、主計局次長が言うように、そんなに金をつけたってできないんですよ。これは技術の面だけでなくて、法律的な面からもできないんです。だから、せっかくこれだけの法律をつくって、そして予算もこれだけ多様化勘定で見て、地熱もやりますし水力もやります、いろんなことを言っているんですから、そういう面から全部改めていかなけりゃ、本当にやる気だということにならないようないま仕組みだと。これらを、ただいま申し上げました政策提言と同様に理解をして、これをどう使うかという方におけるしがらみを取り払うということも大臣考えていただかないと、原子力の方が一番研究費というのはたくさん要るし、とっただけやればいいということになってしまうんで、いかがでしょう、ここら辺についての認識をお伺いしたい。
#109
○国務大臣(竹下登君) これも実際問題として、私の印象を申し述べるにとどまるかもしれませんが、私も建設大臣をしておりました当時、電源立地と申しましても水力発電のときでありますが、確かに治水の問題それから利水の問題、それが工業用水の場合、農業用水の場合、あるいは上水道の場合、そういうしがらみがありまして、現実思うように進まなくて、そうして何カ所かを大臣マターとして関係者寄ってもらって、これはやむを得ず私が出かけてそういうことをした経験がございます。
 したがって、御説のように、地熱開発等々になりますと、その種の問題がもっといろいろあるだろうということが私も予測としては感じ取れることでございますので、政策提言として承らしていただきたい、このように思います。
#110
○丸谷金保君 水力発電の場合は、地熱と違って廃液の温度ということは余り問題にならないんです。ですから、水利権の問題というふうなことと、それからその後治水問題ということが中心だと思うんですが、地熱となると、そういうふうに新たな問題が提起されてきております。そういう面、そういう点からいきまして、非常に促進税を三百円に千キロワット当たり上げた。しかも、そのさしあたっての使い道というのはきわめてそういう点で制約されて、十年先か二十年先か、まだ世界で一カ所も実用化されていないようなところに収入の半分がつぎ込まれるということにならざるを得ない。
 要するに、国内エネルギー資源開発に対するおくれ、これらがすっきりしないと、どうもこの税金は、先ほどもそういう話がございましたけれど、何かちっともわからぬうちに払っていたんですねと主婦連の事務局長さんが言ったような国民の結果になっているということを指摘して、私の質問を終わります。
#111
○矢追秀彦君 それでは初めに、本年度予算におけるエネルギー対策関連経費を見ましても、広義な意味でのエネルギー関連費用は十省庁に計上されております。このような大変ばらばらに計上されており、こういった予算配分というのは総合的なエネルギー対策が私はとりにくいのではないか、こう思うわけです。各省庁間のなわ張り争いというふうな感も受けるわけですが、どうして十省庁にまたがってしまったのか。それは理由はあると思います。しかし、大変重要なこれからのもう人類最大の課題であるエネルギー対策ですから、もう少し総合的なことが予算の面でもとれたのではないかと私は思うわけですが、その点はいかがですか。
#112
○国務大臣(竹下登君) これは詳細につきましては政府委員からお答えをさせますが、各省庁にエネルギー関係費用がございますのは、それぞれの分野での行政を進めるに当たって、エネルギー対策にもあわせて配慮する必要があるという要請にこたえた結果としてこうなったというふうに私は理解をいたしております。
 政策の総合性につきましては、やはり通産省を中心としてエネルギー政策を実施しておりますが、私どもの閣僚レベルにおきましても、総合エネルギー対策推進閣僚会議というものを随時開くというようなことで遺憾なきを期していきたい。
 これは基本的な考え方でございますので、政府委員から正確に補足をしてお答えをいたさせます。
    ―――――――――――――
#113
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、竹田四郎君、和田静夫君、福間知之君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君、大森昭君、吉田正雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#114
○政府委員(西垣昭君) 補足させていただきます。
 ただいま大臣が答弁を申し上げましたように、エネルギー対策につきましては基本的には通産省が中心になって実施をする、大型の科学技術の研究開発に属すると考えられる分野につきましては科学技術庁が担当する、こういう体制になっております。
 十省庁という御指摘でございましたが、その他の省庁の予算にも広い意味でのエネルギー関係費用に当たるものがございますけれども、これはそれぞれの行政分野の施策、たとえば農林水産行政でございますとか、運輸行政などにおきましても、それぞれの予算でエネルギー対策にも資すると認められるものを拾えばこれは相当広いものがある、こういうことでございますが、これはなわ張り争いで権限が分散化されたということではなくて、ほかの行政分野でもエネルギー対策に配慮しなければならないという時代の要請が強まってきている、こういう関係だと思います。
 要は、総合性が保たれるかどうかということでございますが、これは大臣からもお答え申し上げましたように、関係閣僚会議でございますとか、それから通産省が中心になって調整をとるとか、いろいろな方策を講じていくと、こういうことだと思います。
 ちょっと予算について申し上げますと、私どもが各種経費といたしましてエネルギー関係費用というふうに整理いたしておりますものが、五十五年度予算で七千四百七億五千万。この内訳は、一番大きなものが総理府の科学技術庁の千五百七十八億八千八百万、それから通産省に百二十三億八千四百万、それから特別会計の関係が石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計が四千百四十一億九千七百万、電発特会関係が千四百二十五億八千三百万等々ございます。
 これをわれわれは一応エネルギー関係予算というふうに整理しているものでございますが、十省庁というような広い範囲でとらえたものの中には、たとえば文部省の十五億四千四百万、これは文部省の科学研究費補助金のうちエネルギー特別研究でございますとか、学術振興補助金のうちの日米科学技術協力事業でございますとか、そういったものを拾ったものでございます。それからまた、農林省におきましては、たとえば施設野菜省エネルギーモデル団地設置事業でございますとか、それから農林水産業における自然エネルギーの効率的利用技術に関する総合研究等でございまして、こういったものを全部入れますと五十五年度広くとりまして七千七百七億七千九百万ということでございますが、これは先ほども申し上げましたように、広くエネルギー関係を拾えばこういう予算があるということでございまして、各省庁がばらばらでやっていると、こういうようなものではございません。
#115
○矢追秀彦君 大臣、閣僚会議をやるからいいというふうなお話ですけれども、実際予算の上に出てきた金額というのは大変大きいわけです。実際は最末端へ行きますと、大変少ない金額がいろいろなところへばらまかれる。特にこういった開発関係というのは、そういうことが往々にしていままであったわけでございますし、現在でもいろいろな研究は、国の予算のもとは大きいけれども、実際一カ所へ行きますと本当にばかみたいなお金で、果たしてどれだけ開発にプラスになったかわからない。
 だから、私は総合的、重点的に、やはりせっかくのお金ですから使うべきではないかと。そういう意味で、せっかく今回いろいろな体制をつくってやろうとしておられるにしては、何か食い足りないわけです。そういった点でばらばらであると、こう申し上げておるわけです。ただ、大臣同士が話し合えばそれでいいというものでは私はないと思うんですが、その点重ねてお伺いしたいと思います。
#116
○国務大臣(竹下登君) この閣僚会議も総合性を発揮するための一つの機関でありまして、これがあるから先生御心配要りませんよというようなつもりで申し上げたわけではございません。が、御趣旨のような精神を生かして、私どもも閣僚会議等の場を通じながらこの執行に当たってまいりたいと、そのように考えております。
    ―――――――――――――
#117
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として亀長友義君が選任されました。
    ―――――――――――――
#118
○矢追秀彦君 次に、新エネルギー総合開発機構が設立をされますが、その中には、代替エネルギーとしては重要な役割り、特に当面のリリーフ投手としては、安全性等には問題がありますが、やはり重要な役割りを持つ原子力があるわけですが、これは含まれていないわけですね。これはどういう理由でこの開発機構に原子力が含まれていないのか。
 また、この新機構は石炭鉱業合理化事業団、これを統合すると、こう言われておるわけですが、原子力も含まれていないところから考えまして、結局は、この事業団の業務を主体に代替エネルギーの開発の業務をつけ加えた、ただそんな程度のものになってしまうのではないかと、こう思うわけです。こうなりますと、本気でエネルギー対策をやっておるのか。ただこの事業団に少しプラスをつけて、そしてお茶を濁しておる、こういうような感じも受けるわけです。だから、先ほど私の申し上げた重点的、総合的な体制づくり、したがって、やはり原子力を含めた開発体制の一元化、こういったものが必要と思うわけですが、その点はいかがですか。
#119
○国務大臣(竹下登君) 原子力の研究開発を担当する組織といたしましては、すでに原子力研究所、それから動力炉・核燃料開発事業団、これらがすでにかなりの実績を上げておるところでございます。したがって、新エネルギー総合開発機構につきましては、その重複を避けまして、原子力以外の新エネルギーの開発を担当するということに、結論としてなったわけであります。
 したがって、この問題を議論いたしました際には、制度論として非常に広い業務範囲を担当する大組織がいいのか、あるいはある程度分担関係を持った幾つかの組織でやった方がいいのか、それは大変むずかしい議論でありました。そうして、やはり結論から申しますと、組織としての能率や専門性の発揮という観点、さらにはもう一つ、この当時から非常にかまびすしい議論として出ておりましたその政策論以外の行政改革の面からする特殊法人の整理、合理化というようなことをあれこれ勘案をいたしまして、原子力関係の業務は従来どおりの体制と、そして新エネルギーの開発業務は、石炭鉱業合理化事業団が従来担当してきた石炭鉱業合理化業務とともに、新エネルギー総合開発機構が担当するということが、かれこれ勘案の中で、現状においては妥当だという判断を最終的にはしたわけでございます。
 これは政策論議とはちょっと離れることになりますが、とにかく新機構をつくるためには、必ず一つスクラップしろというような別の角度の姿勢も、それなりに問題を整理するときに存在しておった一つのモーメントであったというふうに、御理解をいただければ幸いだと思います。
#120
○矢追秀彦君 私は、今年度になって一生懸命やろうとされている点はわかるんですが、本来は、第一次オイルショックの後から言われており、少しは予算もつけられてきましたけれども、もしあのときに、たとえば五十五年度でついたぐらいの予算を四十九年度ぐらいからぼつぼつやっておけば、かなりもういろんな面で進んでおったのではないか。そうすると、国民も一つは安心をするというふうに思うわけです。今回の第二次オイルショックといいますか、そういったことから急激にこういうふうなことになってきたわけでして、そういった意味では大変私は遅過ぎると。しかも、その体制については、いま申し上げたように、もっと強力なものが必要ではないか。
 そういった点で、これからの代替エネルギーの開発、いままでのような考え方でただ各省庁で予算をつけていく、こういったところで研究するからそのお金を出す、こういうふうなことじゃなくて、もっときちんとした代替エネルギーのサイクルもある程度、たとえば原子力ではどれぐらいの年限をもたせる、その次はサンシャインに持っていく、その点がまだ全然できてないんですよね。私は、第一次オイルショックからそこら辺をやっておけば、もうかなりできておったのではないか。ただ、実用化となりますと、たとえばソーラー関係などは相当、五十年かかるという話もありますし、いろいろございますけれども、特に私は、今後の体制づくりというものを、大臣、これを本気になって考えていただきたいんです。だから、いままでの発想を相当転換しなきゃいかぬと、こう思いますので、こういった質問を申し上げておりますんですが、その点重ねてお伺いしたいと思います。
#121
○国務大臣(竹下登君) エネルギー政策、なかんずく代替エネルギー対策というものについて、政府の対応の仕方が遅きに失したではないかという御意見については、私もやはり反省材料の一つだと思います。
 たとえば今日、これは通産省の分野ではございますものの、いろいろな石油事情等の中にありながら、民心が比較的落ちついておるのは、いわゆる備蓄政策というものがそれなりの目標に達しておるということが、この民心を安定せしめておる一つのゆえんのものではなかろうかというようなことを思うにつけて、やはりこの種の政策は私はタイムリーであったと。今日やるのはタイムリーではございますが、もっと早ければ、なおタイムリーであったというような印象は、私も同感でございます。
#122
○矢追秀彦君 次に、新エネルギーの開発に当たりましては、やはり無公害と経済性という、この二つが基本的な条件になると思いますが、そういう意味においては、四十九年の七月に発足をいたしましたサンシャイン計画、これはこの条件を補うものでありますが、さっきから申し上げておりますように、五十四年度でもこのサンシャイン計画はわずか百三十億円、こういったことであります。このサンシャイン計画の推進を、やはり私は大幅に加速化してもらいたい。
 いま申し上げたように、二〇五〇年でないと実用化しないというようなことを言っている学者もおりますし、それではまだ七十年、相当先になりますし、これでは困るわけですが、しかし、一面においては、かなりソーラーハウスというのは実用化されつつありまして、大臣、建設関係はお詳しいので御存じと思いますが、いまいわゆるソーラーハウス、各企業で売り出していますが、相当注文が殺到いたしまして生産が追いつかない。しかし、まだまだ値段の上においては、庶民から見れば少し高い。
 しかも、経済性ということを考えると、五年でペイするなんということを言っておりますけれども、その辺まだまだもう少し、いわゆる一般の家庭の人が利用するには、まだもう一歩ためらいもあるようですが、そういうのは一つといたしまして、それだけではなくて、大きいところはかなり、アメリカなんかでは、ソーラーで病院をつくっているところもできてきているわけですが、やはりこれを相当進めなければいかぬのですけれども、いま言ったように、まだまだ予算が少ないし、やっていることを見ましても、ソーラーハウス一つを見ても、大変お粗末な感じを受けるのですね、このデータから言いまして。五十二年度より二方式の個人住宅用実験ハウス、五十三年四月から大型、五十四年一月から集合住宅、いずれも運転評価中ということで、本当に部分的にちょこっとやっているだけでありまして、大阪、神奈川、大分、東京、そういうふうに非常にソーラーが言われている割りには大変おくれている。それより石炭液化の方が先だというふうなこともあるかもしれませんけれども、これについてどうお考えになりますか。
#123
○政府委員(西垣昭君) 予算の話でございますので、お許しをいただきたいと思います。
 まず、サンシャイン計画の問題でございますが、これは先ほどお話がございましたように、四十九年度から発足した計画でございまして、いまから振り返ってみまして、適切な非常に時宜を得た計画だったと思います。私どもといたしましては、当初からこれには相当力を入れておりまして、乏しい財源の中でできるだけの配慮をしてきたつもりでございますが、今後も力を入れてまいりたいと、かように思っております。
 いままでの推移を見てみますと、サンシャイン計画関係の予算につきましては、四十九年度から五十四年度の間に、一般会計、特別会計合わせまして約三百七十六億円を投入しております。五十五年度におきましては、一般会計、特別会計合わせまして五十四年度の二・四倍、百十九億三千五百万円を二百八十六億四千八百万円に増加して計上しているところでございます。
 それで、今後の対応でございますけれども、今後それぞれのプロジェクトの技術開発の段階、あるいは実用化の見通し等十分に勘案しながら、無理のない予算を十分に計上するというような方針で臨みたいというふうに思っておりますが、現在御審議をお願いしております電源二法というのは、まさにサンシャイン計画の主要プロジェクトの推進のための財政的裏づけを制度的に担保しようというものでございますので、私どもはこれを一つのてこといたしまして充実に努めてまいりたいと、かように考えております。
 年次ごとに見てまいりますと、四十九年度の二十四億四千二百万の予算が、その後三十九億、四十九億、六十二億、八十一億、百十九億、それが五十五年度二百八十六億ということで非常に大きく伸びてきているわけでございまして、私どもといたしましては、これが十分に生かされるようにということを願っている次第でございます。
#124
○矢追秀彦君 時間がありませんので、次に、現行エネルギー税制による収入は三兆円を超えております。これらは道路財源等の目的税、あるいは一般財源として使用されておりますが、中長期の石油輸入を考えるならば、代替エネルギー開発にあすの一兆円よりきょうの一千億、こういうものを投じて私は万全を期すべきではないかと、こう思うわけです。いままではどちらかというと、やはり高度成長をこれからしなきゃいかぬ、だから産業基盤整備ということで道路に力を入れてきた、そういったために、ほとんどが道路財源あるいは空港整備等に回されてきたわけですけれども、やはり今後こういった新しい時代を迎えて、もちろん道路の整備もしなきゃいけません。しかし、やはりもっと新しい時代に即応したお金の使い方、税の使い方を私は考えていくべきではないかと思うわけです。ただ、目的税的負担のみで細々とこの対策を考えている、これが私は実情だと思います。
 そういった意味で、私は抜本的な対策を講じる方法はないものか。私はいまの現行制度、いままでのやり方というのはやはりもう古いんではないかと、こう思うわけですが、その点はどうですか。
#125
○政府委員(西垣昭君) 今回政府が提案しております制度は、その一つの対応のためのお答えではないかというふうに思います。と申しますのは、代替エネルギーの開発のためには、長期的に安定した相当程度の財源が必要でございますけれども、現在の一般会計の状況から見ますと、そういったものを一般財源に求めるということには無理があるというような、これはだれが見てもそういうことだろうと思います。
 それから、電源多様化対策につきましては、電力、それからその他の代替エネルギー対策については、石油の消費者との間にはっきりした受益の関係がございますので、受益と負担の関係で新財源を求めるというのは無理がないところだと思いますので、そういった形で、一般会計の方、国の財政はどうあろうとも、これだけの財源は代替エネルギーのために割き得るというような制度をつくるというのは、一つの答えとして評価していただけるのではないかと、こういうふうに思います。
#126
○矢追秀彦君 大臣いかがですか。
#127
○国務大臣(竹下登君) 総合的にいわゆる道路特定財源をどうするかと、こういう問題は別にいたしまして、その問題はさておいて、基本的な認識は、私は矢追さんの認識と私どもの認識とは一致しておると、こういうふうに理解をいたしております。
#128
○矢追秀彦君 代替エネルギー関係、これで終わりまして、これは全然違う問題になりまして恐縮ですけれども、この際ちょっとお伺いしておきたいんですが、円高、円安で大変いろいろ問題がありましたが、また、米国の市中金利が下がってきたことに伴いまして円高にいまなってきておるわけですが、今後先行きというのは大体どういうふうな見通しをされておりますか。やはりまた乱高下というのが出てくるのかどうか。私は来るのではないかと思うわけですが、国際情勢もまだまだわかりませんし、円の先行き不安に対してどのようにしていかれるか。ある程度買い支えもしていかれると思いますし、また、いままでとってこられた円防衛策、そういったものも続けていかれると思いますけれども、私が問題にしたいのは、一つは、相場が動いておるのは、ただ米国の金利だけではなくて、相当スペキュレーションがあるのではないか。特にシカゴ、最近オイルダラーを使ってのバーレーンの投機というのがかなり問題になってきておるわけですが、この辺がどれぐらい作用しているのか、そういった点お伺いしたいと思います。
#129
○国務大臣(竹下登君) これは、私に足らざることがありましたら、きょうは大場次長が参っておりますので、お答えをさすことにいたしたいと思います。
 矢追さん、予算委員会からまた大蔵委員会を通じて、ここのところ数カ月の間に、いろいろないわゆる為替相場についての御意見を拝聴したわけでございますが、円相場の問題につきまして三月二日、まず円相場安定対策というものを講じたわけでございます。で、これが一つの私は効果を上げたというふうに思うのでございますが、その後の問題といたしましては、スイスの中央銀行との間のスワップ取り決め、それから先日協定をいたしました西ドイツの中央銀行とのスワップ取り決め、そういうようなことが、きょうの時点で見ましても、二百三十一円三十銭で寄りついて、午前中が二百三十二円四十銭で終わり値になっているわけでございますけれども、総体的に見まして、これはまさにドイツ・マルクそれからスイス・フラン、そういうものと同じような動きをして安定しておるとでも申しましょうか、そういう状態になっておるというのが現状であると思われるわけであります。
 そこで、これに対しては、いま御質問がございましたように、四月中旬以来米国の金利が急速に下落しておる、それがドル安ということになったことが一番大きいというふうに考えられるということは当然のことでございます。したがって、今後円相場がどうなるかということにつきましては、これは金融当局者でございますので、相場の動向について申し上げることは、確かにより非常に国際的になりました今日、市場に与える影響もございますので、その見通し等について言及することは差し控えさしていたたきたいと思うのでありますが、とにかく原則的にはフロートのもとでの為替相場は市場の需給にゆだねるということにしておりますが、政府としては、相場の乱高下はとにかく避けて、相場の急激な変動をなだらかにするような適時適切な介入ということは、これからもやっていくという考え方でございます。
#130
○矢追秀彦君 一言だけ。
 適切な介入、これは私は結構だと思いますけれども、大体やっぱり二百三十円ぐらいを目安でやられるのか、やっぱりそういうことは余り言いますと問題があるかもわかりませんけれども、輸出をやっていらっしゃる方の話を聞きますと二百三十円より上がると困ると、こういうふうな声があるし、また、いまインフレですから、消費者の立場から言えば、もう少し円高になって輸入物資が安くなればそれだけ物価も安定をするという両方あるわけですけれども、政府としては大体三十円前後かなと私は思っておるんですが、その辺はいかがですか。
#131
○国務大臣(竹下登君) 矢追さんの御意見はよく私どもにも理解のできるものであるということで、お許しをいただきたいと思います。
#132
○佐藤昭夫君 今回の法案に関連して設立をされます新エネルギー総合開発機構は、原子力を除く代替エネルギーの開発の中核とされ、その技術開発は主として民間企業への業務委託で行われるということになると思うんでありますが、今次国会でもいろいろ議論されましたように、企業との癒着、不正、腐敗の問題が重大な今日社会問題になっている折、多額の資金を動かす開発機構自体の会計等の検査はこれは当然のことでありますが、この業務委託を行う委託先企業での会計とか、契約事業の履行状況の立入検査も、所管である通産省が当然行うという方向であってしかるべきではないかというふうに思うんでありますが、この点について、まず通産省の見解はどうですか。
#133
○政府委員(尾島巖君) お答え申し上げます。
 新エネルギー総合開発機構に対しまして通産省といたしましては、その予算、事業計画等につきまして事前に認可いたします。それから、財務諸表等についても承認する等、その十分な監督を行っていきたいと思っておりますが、いま問題になりました立入検査をやったらどうかという問題でございますけれども、この機構がプロジェクトの開発を進めていくためにその一部を民間に業務委託してやっていくことが必要である場合には、その機構の責任において業務を委託することにいたしております。ただ、その際に、その業務を委託する際の委託基準というのをはっきり定めまして、それによりまして委託をやるということにいたしておりますが、その基準は通産省の認可を受けることになっております。それで、その基準によりまして、はっきりその機構に対しまして指導監督を十分に行いまして、これが適正に行われるように処置してまいりたいと思っております。
 なお、機構の対しましては、通産省が必要な命令、監督を十分できる規定も置いておりますし、こういうことによりまして公正な運営を図ってまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
 なお、金融機関に対しましては、必要な監督のほかに立入検査も行えるようにいたしております。
#134
○佐藤昭夫君 この委託基準の認可制を設けていわゆる不祥事が起こらないよう、公正な監視、監督をやっていくんだというふうに言われておるわけでありますが、私は果たしてそれが本当に全うされ得るのか。現在、法に基づく検査権のあるところでもいろいろ問題が起こってきているんじゃないかという点で大いに不安を持つのです。
 そうした角度から、一例として大蔵省の監督下におります信用金庫、中でも管理金庫となっている東京信用金庫の問題、時間に本日制限がありますので、ミキ通商、清和産業に対する不正融資問題について若干御質問をしたいと思うんです。
 昨年も当委員会で同僚委員からこの問題については質問があったところでありますが、まずその後、大蔵省としてどういう調査をされてきているのか、簡単にお答え願いたい。
#135
○政府委員(米里恕君) ちょうど一年前の昨年の五月八日の当委員会で御指摘がございまして、東京信金のミキ通商、清和産業に対する融資について、検査を欺罔するような担保設定及び解除が行われたのではないかというような御指摘があったわけであります。
 その後、この事実を確かめますために、東京信金を呼びまして事情聴取などにより調査を行いましたが、結果的に申し上げますと、現在までのところ、御指摘のような検査を欺罔する意図で担保の設定及び解除が行われたということを確認することはまだできておりません。
#136
○佐藤昭夫君 いまその問題の金庫は、実は昨日御当局にも私どもの入手しておる資料を提示をしてきておるところでありますが、ミキ通商と昭和四十八年十一月から、その関連会社であります清和産業とは昭和四十九年二月から取引を開始をしているんですが、その融資額は合計で約十五億の巨額に上っている。で、清和産業は五十年の九月に倒産をしたが、その時点で両社に対する貸付金の担保が約十億円不足をしていた。で、同年十月には大蔵省の検査が迫っている。
 こういう状況のもとで、当時の東京信金の浅野理事長は清水専務と相談をして、金庫の取引先である三好建設不動産に担保を提供させる形をとって、前記両社への貸し金が分類債権、いわゆる不良債権とされることを防止しようということでやられたわけです。この浅野理事長の命を受けて同年十月の上旬、本店の応接室で清水専務と黒柳審査部長が三好建設不動産の社長と会談をして、同社長は担保依頼を受け入れたということになっているわけであります。
 その際、金庫側は三好建設不動産に対して同年十月の二十六日付で確認書を差し入れ「貴殿より、別紙担保差入証に基づき、清和産業(株)及びミキ通商の当金庫に対する債務の担保として当金庫中井駅前支店に提供された定期預金及び約束手形は、当金庫の依頼により提供されたものであることを認め、上記両者の債務の弁済に充当する等により貴殿に負担をかけることは致しません」という念書を提出をしているわけであります。
 この確認書によって合計十億五千万円余の定期預金、約束手形に質権設定をしたのであるわけですが、しかもこの質権設定は同年の五月、七月にさかのぼってなされているということになっています。これは、こうした事実によって明白なように、大蔵省の検査をごまかすものではないか。検査に際して法に定めております「不実の申立その他の方法により検査を妨げ」るということがもう明らかではなかろうか。いわば信用金庫法にも明白に違反をする行為ではないかというふうに思わざるを得ません。
 そこで、私は、この質権設定解除の際の浅野理事長が決裁をした稟議書、すでに資料として提出をしておりますけれども、この中にこの経過について詳細に述べているわけであります。大蔵省は検査の際、これを一体承知をしていたのか、そういうそのような事実はわからなかったということなのか。検査の際に、金庫側がもし提示をしておらなかったとしたら、これまた、検査の際に不実の申し立てをしたという問題になるわけでありますし、そういった点で、これは明らかにどの側面から見ても法律に抵触をする、違反をする行為じゃないかというふうに思わざるを得ないわけですけれども、この点についての見解はどうですか。
#137
○政府委員(米里恕君) 五十年の十月の検査の話でございますが、検査の際に、清和産業、ミキ通商に対して融資を行っておる、その融資に対する担保不足が約十億円であったということは、先生がおっしゃったとおりでございます。この十億円の担保不足に対しまして、この両社の再建を図りながら債権の回収を進めようというようなことから、一時、第三者提供の担保ということで三好建設不動産株式会社から担保の提供を受けたという説明を受けております。
 その後、この三好建設不動産株式会社が再建支援ということで乗り出しましたのは、当時ミキ通商が所有しておりました仕掛かり品が製品化すれば、これはかなりのものになるというようなことが前提であったということでございますが、その後調べたところによりますと、仕掛かり品の管理がずさんをきわめておる、在庫確認が十分にできないというようなことから、三好建設不動産が再建協力を打ち切ることになったと。そこで、三好建設不動産株式会社から担保解除の要請があって、五十二年の五月に担保を解除したと、こういう説明を当時は同金庫から受けているわけでございます。
 で、昨晩、先生から新たな資料をちょうだいいたしました。これは、非常にこの問題に関する重要な資料であると思います。私ども実は初めて拝見した資料でございます。したがいまして、もしこの資料が、十分調べてみないとわかりませんが、正規のものであるというようなことになりますと、御指摘がございましたような信用金庫法第九十条三号の違反、検査に際し、帳簿書類の隠ぺい、不実の申立その他の方法により検査を妨げた、いうようなことに該当する可能性もあると思います。
 いずれにいたしましても、ちょうだいいたしました資料をもとにして今後再調査をしたいというように考えております。
#138
○佐藤昭夫君 提示をいたしました資料をもとにして再調査をしたいというふうに言明をされておるわけでありますけれども、その点はひとつぜひ厳正な調査をお願いをいたしたいと思います。
 それと同時に、大臣、あなたが大臣に就任をされます以前の出来事ではありますけれども、社会的信用を最も大切とする公正な運営がやられなければならない金融機関、信用金庫、ここにおいて、もしも提示をしましたような資料が事実であると、それが未然に大蔵省として検査に当たって発見できなかったということになれば、それはそれとしても、もう一つの重要な問題であろうかと思うんです。そうした点で、ぜひ大臣としてこの問題を重視をしていただきまして、冒頭申し上げましたように、各政府の省庁ございますが、省庁が監視、監督をするそれぞれの事業体のもとでのこの不祥事をめぐって今国会でもいろいろ議論になってきた。本法案にも関連をして新エネルギー開発機構、これとの関係で、また委託業務やらいろんな問題が出てくる。それについて、本当に国民の信頼を全うしていくような政府の監督体制をはっきりどう確立をするか。こういった点で、過去に起こったことではありますけれども、大臣としてこの事実調査に、ひとつこの真相の解明に率先をして乗り出していただきたいということが一つ。
 それから、指摘をしておりますような問題が事実であれば、これは法に基づきましても、一定の役員の解任も含むいろんな命令権が銀行法の準用として現行の信用金庫法でも定められておるところの問題でもありますし、そういった措置も含めて、事実が明らかになった段階で、政府としての対応をひとつよく検討していただく必要があろうかと思いますけれども、この二点について大臣どうでしょう。
#139
○国務大臣(竹下登君) 第一点、第二点ともに貴重な御指摘として、ただいま具体的には銀行局長がお答え申し上げました線で対処をいたします。
#140
○佐藤昭夫君 警察庁においでをいただいておりますので、警察庁にも一点お尋ねをいたしますが、先ほど来私が指摘をしております問題、資料も警察庁にも事前にお渡しをしておいたかと思うわけでありますけれども、もしこれが事実であるとすれば、信用金庫法第九十条第二号及び第三号に該当する可能性が強いということになろうかと思いますけれども、こうした点を含めて警察庁としての厳正な必要な捜査並びに対処、これを御検討願いたいと思いますけれども、どうでしょう。
#141
○説明員(漆間英治君) 昨日、資料をいただきまして検討いたしておりますが、具体的な犯罪の容疑事実の判断につきましては、他の具体的な諸事情も明らかでございませんので、この資料だけで果たして何らかの犯罪になるかどうかということは大変申し上げにくいわけでありますが、ただいま大蔵省の御答弁にもありますように、ただいまの御質問に基づいて再調査をいたしたいということでもございますので、その調査の結果等も私ども参酌さしていただきまして、その結果、刑事責任を問う事実があれば、厳正に対処してまいりたいというように考えております。
#142
○佐藤昭夫君 もうあと時間が一分でございますので、法案に関係をしまして、この目的税、特定財源問題について一点だけお尋ねをしておきますが、この問題については、もう税制調査会としても両論併記の形ではありますけれども、ぼつぼつ検討すべき段階に来ているんじゃないかという意見も出ておる状況であろうと思います。そういった点で、この問題について同僚委員もいろんな角度からこの問題については触れられておりますけれども、新エネルギー研究開発に向けての財源問題をどうするか、いま提案の形、この形の固執ではなくて、本当に国民的合意の得られる方向に向かっての検討を加える。差し当たっては五十六年度税制に向けての検討を加えるという問題について最後にお尋ねをして、質問を終わります。
    ―――――――――――――
#143
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、鈴木一弘君が委員を辞任され、その補欠として渡部通子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#144
○政府委員(高橋元君) お話のございましたとおり、ことしの税制調査会でも、現在道路特定財源とされている揮発油税についてその使途を見直し、代替エネルギー対策に充てるべきではないかという意見があり、これに対しては道路整備の状況等を考慮すればこれらの税の使途の見直しについて慎重であるべきであるとする意見もあり、この問題について今後さらに検討することとしたということでございまして、いまのお話の点は、今後税制調査会において御報告をした上で検討を進めていただくということにいたしたいと存じます。
#145
○委員長(世耕政隆君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#146
○委員長(世耕政隆君) 速記を起こしてください。
 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認めます。
 浅野君から委員長の手元に両案に対する修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 両修正案を議題とし、浅野君から趣旨説明を願います。浅野君。
#148
○浅野拡君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま提出いたしました両案に対する修正案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 各案文の朗読は省略させていただきます。
 まず電源開発促進税法の一部を改正する法律案に対する修正案は、本法の施行日について、原案では「昭和五十五年五月一日」と定められておりますが、すでにその期日を経過しておりますので、施行日を「公布の日の翌日」に改めるとともに、これに伴い、新税率適用開始の日を「この法律の施行の日から起算して一月を経過した日」に改めようとするものであります。
 次に、電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案に対する修正案は、電源開発促進税の改正法の施行期日の修正に伴い、新税率適用前の税収の、勘定帰属区分の規定を整備しようとするものであります。
 以上が両修正案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ御賛成くださるようお願い申し上げます。
#149
○委員長(世耕政隆君) これより両案の原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#150
○丸谷金保君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました電源開発促進税法の一部を改正する法律案並びに電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案並びにその修正案に対し、反対の討論をするものであります。
 政府は、ことしをエネルギー元年と称し、重要な意義を持たせてこの二法案を提案してまいりましたが、その根底には、石油がなければ原子力があるというような、きわめて安易な対応策のみが先行し、エネルギー元年にふさわしい、人類社会の未来に対する深い洞察力や唯一の被爆国として世界に対し放射能の恐ろしさを訴えるという使命感のかけらもございません。
 また、この法律が成立した当時、第一次オイルショックによる異例な緊急措置であるとしながら、今回の改正によって、恒常的な電源多様化勘定を賄う目的税としての性格を明らかにしてまいりました。すでに九種類にも及ぶエネルギー関係税法をさらに複雑にするばかりです。
 次に、改正税率を千キロワットアワー八十五円から三百円にした根拠が明確でありません。このような目的税は、国民に税を負担しているという意識を持たせないまま原発を推進することになります。
 第三に、結局、電気料金にはね返り、物価上昇による大衆負担に転嫁されます。
 第四に、多様化勘定は、石油代替エネルギー対策の機構をより一層複雑にして、原発関係支出を目立たぬ形で上積みすることにつながります。
 以上のほか、石炭火力の導入促進をうたいながら、国内産炭地振興には何ら積極的な施策が見られないなど、多くの問題を含んでおります。
 言うなれば、この二法案は、代替エネルギーの促進に名をかり、原発促進財源を多様化したにすぎず、特別会計のあり方等にもとうてい承知できないものがあります。
 よって私は、以上の理由から両改正案に強く反対を表明し、討論を終わります。
#151
○細川護熙君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となっております両案の修正案及び原案に対し、賛成の意見を表明いたします。
 中長期的な石油需給逼迫化のもとにおいて、わが国の過度の石油依存体質を改め、エネルギーの安定的供給を確保し、もって国民経済の安定と国民生活の向上を図るためには、思い切った施策の実施が緊急の課題とされているところであります。
 ここにおいて政府は、石油代替エネルギーの開発、導入について、計画的かつ強力な促進を図るため、昭和五十五年度以降、総合的な石油代替エネルギー対策を講じようとしていることは、まことに時宜を得た措置であると言わなければなりません。
 両案は、国家的要請である石油代替エネルギー対策を実施するに必要な長期的かつ安定的な財源を確保する手段を講じようとするものであると同時に、各般にわたる対策の経理を明確にすることを目的とするものであります。
 御承知のように、厳しい財政事情のもとでの新規施策を実施するための財源確保のあり方としては、現在においてなし得る最善の措置であるとともに、その施策の経理によって受益と負担との関係が明らかになるよう配慮されていることは、まことに妥当にして適切であります。
 また、両案の修正案については、必要にしてやむを得ない措置であると考えます。
 両案の措置により、今後、代替エネルギー開発推進のための財源対策が整備されることになりますが、各種の対策が総合的に、かつ効率的に運営されなければならないことは言うまでもありません。また、これらの対策のみをもってわが国のエネルギー全般の安定供給に万全を期し得るものでもありません。
 今後においても、石油の輸入量の確保と価格の安定化のため政府の一層の努力を要請いたしまして、両案に対する賛成討論といたします。
#152
○矢追秀彦君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております電源開発促進税法の一部を改正する法律案、電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案、両案の修正案及び原案に対して、反対の討論を行います。
 わが国のエネルギーはその七五%を石油に依存しており、中近東など石油の先行きを考えた場合、石油にかわり得る代替エネルギーの開発は国家的課題であり、政府は全力で取り組まなくてはならないのであります。この代替エネルギーの開発は、長期的な大型プロジェクトとなることは明らかであり、当然のごとく開発のための資金も莫大となるのであります。
 反対理由の第一は、政府は、将来莫大な資金を要すると思われるこの予算を、目的税である電源開発促進税を三・五倍以上も引き上げてその財源に充てようとしております。国家的な研究開発事業をこのような増税で財源をつくることは、公共料金を初め諸物価の高騰に苦しんでいる国民生活をますます苦しめることになります。まして、来年、再来年と研究開発が進み開発費用が増大してくれば、さらに電源開発促進税が増税されるおそれを国民は危惧しているのであります。
 反対理由の第二は、国家的事業である代替エネルギーの開発予算をわざわざ特別会計にしたことであります。国民的緊急課題である代替エネルギーの開発費は、一般会計として安定して支出できるようにすべきであります。そのため予算の出所がばらばらになり、あるものは一般会計、あるものは特別会計と、新エネルギー開発予算だけで十省庁にわたってばらまかれているといった状態であります。
 反対理由の第三は、エネルギー関係諸税は、石油税、電源開発促進税を初め原重油関税、揮発油税など非常に複雑になっており、制度上実情にそぐわないものも出てきているのであります。今後、代替エネルギーの開発に要する費用の増大を考えた場合、早急に各税の負担等を考え、合理的に運用すべきでありますが、全くその努力がなされていないのであります。
 以上、二法案の修正案及び原案に反対する理由を述べまして、私の反対討論を終わります。
#153
○佐藤昭夫君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題の二法案並びに修正案に対し、それぞれ反対する討論を行います。
 本改正案は、新たな石油危機のもとで政府が今後のエネルギー政策を進めるに当たっての財源を確保し、予算措置の仕組みを調整するためのものであります。もとより、エネルギー問題は重大な国民的課題であり、わが党もかねてより自主的、民主的かつ総合的な対策の確立を主張しているところであります。
 今次改正によって政府が進めようとしているのは、従来どおりの対米従属・依存、原子力偏重、国内資源軽視のエネルギー対策の継続、拡大にほかなりません。政府の言う石油代替エネルギーの重点は、さきのスリーマイルアイランド事故でその危険性が明らかになった軽水炉型を中心とした原子力発電の建設促進であり、国内炭放棄の一方で進める海外炭やLNG、石油液化などメジャーやアメリカへの依存をさらに続ける方向であります。ここには、諸外国にも例のない深刻なエネルギー危機の原因となった従来の政策の見直しはおろか、危機招来の責任に対する自覚さえも見られないのであります。
 さらに問題なのは、今次電源開発促進税の税率三・五倍引き上げによって、新たな財源確保を図っていることであります。増税分は電気料金に上乗せされ、国民の負担となるものであり、さきの電気料金五割以上引き上げを初めとする政府主導の公共料金軒並み大幅引き上げに拍車をかけ、家計を一層圧迫するばかりか、目的財源の拡大によって、今後の財政圧迫の要因ともなりかねないのであります。
 また、電源開発促進対策特会と石炭石油対策特会の改組は、大企業優遇を一段と強めるものであります。
 従来の電源立地対策交付金については、電力会社の進める原発設置を後押しするための自治体への宣撫工作資金とも言うべきものであり、予算執行のあり方をゆがめてまで電力会社の便宜を図るものとして国民的批判を呼んできましたが、今回それに加えて、新設予定の新エネルギー総合機構による業務委託や融資、債務保証などを大幅に確保することともしていますが、これは新たな大企業への利得の拡大にほかなりません。
 いまこそ従来の大企業任せ、アメリカやメジャー依存のエネルギー政策を根本から転換し、国民本位のエネルギー供給基盤強化のための対策をとることによって、エネルギー危機打開の道を開くべきであることを改めて強調し、私の反対討論を終わります。
#154
○委員長(世耕政隆君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより電源開発促進税法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、浅野君提出の修正案を問題に供します。
 浅野君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#155
○委員長(世耕政隆君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本修正案に対する可否を決します。
 本修正案については、委員長はこれを可と決定いたします。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#156
○委員長(世耕政隆君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において修正部分を除いた原案に対する可否を決します。
 修正部分を除いた原案については、委員長はこれを可と決定いたします。
 以上の結果、本案は修正議決すべきものと決定いたしました。
 次に、電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、浅野君提出の修正案を問題に供します。
 浅野君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#157
○委員長(世耕政隆君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本修正案に対する可否を決します。
 本修正案については、委員長はこれを可と決定いたします。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#158
○委員長(世耕政隆君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において修正部分を除いた原案に対する可否を決します。
 修正部分を除いた原案については、委員長はこれを可と決定いたします。
 以上の結果、本案は修正議決すべきものと決定いたしました。
 細川君から発言を求められておりますので、これを許します。細川君。
#159
○細川護熙君 私は、ただいま修正議決されました電源開発促進税法の一部を改正する法律案及び電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党、第二院クラブ、新自由クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    電源開発促進税法の一部を改正する法律案及び電源開発促進対策特別会計法及び石炭及び石油対策特別会計法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の事項について十分配慮すべきである。
 一、エネルギー関係諸税について、制度が複雑になつていることにかんがみ、その仕組み並びに各税の負担等、合理的なあり方について検討すること。
 二、石油代替エネルギー対策を計画的かつ効率的に推進するため、財源の安定的確保に努めるとともに、その費用負担のあり方、電源開発促進対策特別会計及び石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計の仕組み、一般会計の施策との関係等について、実情に即して検討を加えること。
 三、電源開発促進対策特別会計の歳出内容については、その財源が目的税としての電源開発促進税であることにかんがみ、負担と受益の関係が明確なものに限定するとともに、その効率的な活用に努めること。
 四、電源開発促進税の電源立地勘定及び電源多様化勘定への配分については、それぞれの歳出需要の必要性を十分考慮して措置すること。
  右決議する。
 以上であります。
#160
○委員長(世耕政隆君) ただいま細川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#161
○委員長(世耕政隆君) 多数と認めます。よって、細川君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、竹下大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。竹下大蔵大臣。
#162
○国務大臣(竹下登君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
#163
○委員長(世耕政隆君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#164
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は、十三日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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