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1979/12/21 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第1号
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1979/12/21 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第1号

#1
第091回国会 地方行政委員会 第1号
昭和五十四年十二月二十一日(金曜日)
   午前十時五十七分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         後藤 正夫君
    理 事         衛藤征士郎君
    理 事         金丸 三郎君
    理 事         佐藤 三吾君
    理 事         神谷信之助君
                加藤 武徳君
                金井 元彦君
                鈴木 正一君
                戸塚 進也君
                夏目 忠雄君
                鍋島 直紹君
                山内 一郎君
                小山 一平君
                志苫  裕君
                野口 忠夫君
                阿部 憲一君
                上林繁次郎君
                前島英三郎君
                安井  謙君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     前島英三郎君     江田 五月君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         後藤 正夫君
    理 事
                衛藤征士郎君
                金丸 三郎君
                佐藤 三吾君
                神谷信之助君
    委 員
                加藤 武徳君
                金井 元彦君
                鈴木 正一君
                戸塚 進也君
                夏目 忠雄君
                山内 一郎君
                小山 一平君
                志苫  裕君
                阿部 憲一君
                上林繁次郎君
                江田 五月君
   衆議院議員
       地方行政委員長
       代理       石川 要三君
       地方行政委員長
       代理       小川 省吾君
   国務大臣
       自 治 大 臣  後藤田正晴君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       自治省行政局公
       務員部長     宮尾  盤君
       自治省行政局公
       務員部福利課長  望月 美之君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○調査承認要求に関する件
○昭和四十二年度以後における地方公務員等共済
 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一
 部を改正する法律案(第九十回国会内閣提出、
 衆議院送付)(継続案件)
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(後藤正夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、前島英三郎君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(後藤正夫君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、地方行政の改革に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(後藤正夫君) 次に、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
#7
○佐藤三吾君 非常に短い時間で質問しますから、答弁する方もひとつ簡潔にきちっと、あいまいな答弁はしないでいただきたいと、まず注文しておきたいと思います。
 そこで大臣、まずお尋ねしますが、共済組合法の改正案が通常国会以来ずっと、臨時国会、特別国会を含めて、今日まで延び延びになって審議すらできなかった。これは一番大きな責任は、私は何といっても、共済組合というのは御存じのとおりに労使折半といいますか、政府資金だけで運営しておるわけじゃないんです。そういう当事者との話を、納得せずに一方的にこの法案を出してきた。ここに一番大きな遅延の原因があると言って差し支えないのじゃないかと思うのです。
 さらにまた、こういう取り扱いの中で、当事者が大体合意できるような内容なら別ですけれども、御存じのとおり、この法案の中では、三・六%の既裁定者の問題はこれはもう満場一致できると思いますけれども、しかし、重大な権利侵害になる、給付年齢を五年延長するというような重大な問題を含んでおるわけですから、そういう意味合いから見ても、この取り扱いに私は非常に遺憾なものを感ずるわけですが、率直に大臣の所感をまずお聞きしたいと思います。
#8
○国務大臣(後藤田正晴君) 佐藤先生おっしゃるように、私も、こういったものはやはり両者すべてが話し合いの上で、それらの結論を得た上で出すのが御意見のように筋道であろうと、こう思います。それだけに、先般の衆議院等の審議の際にもいろんな御意見が出て今日このような状況になったのだろうと思います。
 そこで、私は衆議院の際にも申し上げたのですが、したがって、この制度の発足を認めていただくとした場合にしても、大変いろんな附帯の決議が与野党の間で御議論になりまして、それで、これらについて先行き附帯決議の趣旨を踏まえまして、できる限り私どもとしては尊重して附帯決議の実現を図りたい、かような次第でお願いをしておるわけでございまして、私どもとしましてはさような考え方でございますが、何とかこの制度は一刻も早く成立さしていただきたいと、かように考えているような次第でございます。
#9
○佐藤三吾君 そこで、まずその根っこにあるのは何かと言えば、やはりいまの共済制度というのが成立してもう十七年来ておりますけれども、その中において、労使というかいわゆる当事者というか、そういったものが民主的に運営されておるのかないのかという問題がかかってはこういう法案の取扱いになってきたのじゃないかと私は思うのです。
 そこで、私も共済の委員をずっとやってまいったのですけれども、どうしても納得できないのは、共済組合の中に組合会方式と審議会方式と二つあるのです。組合会方式の場合には、それぞれ当事者の代表理事、委員が出て、実質的にも民主的な運営がなされてきておる。ところが、同じ共済でありながら、たとえば公立学校共済であるとか地方職員共済等は審議会方式なんです。ここでは確かに労使の代表が半数ずつ出ておりますけれども、しかしそれは審議会であって、執行権はない。執行権の分野を見ると、二つともこの審議会方式の中では、たとえば常勤理事の方は一方的に占められている。いわゆる政府の、まあ天下りと言っては悪いけれども、官僚を上がった人たちが一方的に占めている。監事にしてもそうであります。わずかに組合側の方の理事というのは非常勤しかいない。しかも、監事も非常勤。地方の場合を見ると、支部長、これは知事になっている。事務局長は職員課長。そうして、副支部長は何かといえば、ここにも組合代表は入ってない。しかも、副支部長は知事が、支部長が任命する仕組みになっていますからね。そこには副知事から総務部長、総務部次長とずらっと並んでおるけれども、その中に組合代表は入ってない。こういうところに私は、もう審議会方式というものは十七年の実績を経て、この際ひとつ改めて組合会方式に切りかえて、執行権の中にも組合側の代表が出るような――当事者の代表としてですよ、掛金は折半負担ですからね。そういったものがこの際ひとつ検討さるべきだと思うのですけれども、いかがですか。
#10
○説明員(宮尾盤君) 御指摘のように、審議会方式と組合会方式の二つの形があるわけでございますが、共済組合の民主的な運営というものをするために、地方職員共済組合あるいは公立学校共済組合、警察共済組合、この三共済につきましては審議会が設けられておりますが、その他の共済組合では組合会が設置をされておる、こういう状況になっております。
 こういうように差がございますのは、これは沿革的な経緯もございまして、地方職員共済組合等の運営審議会につきましては、従前、国家公務員共済組合法に基づきます旧組合に運営審議会制度が設けられていたという経緯がございまして、この形を踏襲をいたしております。また、市町村職員の共済組合等の組合会につきましては、これも旧市町村職員共済組合法におきまして組合会の制度が設けられておる。で、こういった、それぞれ審議会方式あるいは組合会方式というものが従前ございましたものを踏襲することが円滑な業務の運営に資するであろうと、こういうことでこの仕組みをそれぞれつくっておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、要は民主的な運営というものをどういうふうに確保するかと、こういうことでございまして、私どもといたしましては、いまの、こういう仕組みは違いますにいたしましても、民主的な運営が確保されておるというふうに思いますし、また、今後ともそういう心がけでこの審議会あるいは組合会を運営していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#11
○佐藤三吾君 まあ自治省の方は沿革ということで言うんですけれどもね、私が言っておるのはそういう問題ではなくて、十七年間実績を積んできたわけですよ、三十七年から。私は、この法律が三十七年に成立する際に、約六ヵ月、ずっとこの法律の成立の衝に当たってきたわけです。一番心配したのは、あれだけのごたごたした共済をまとめて一つのものにしていくという過程で、一番反対が強かったのは、設立された共済が非民主的になるのじゃないかと、手の届かないところにいくのじゃないかという組合員の心配があって統一に反対しておったわけです。そういう意味で、そこら辺の保障が一番大事だということを当時も、三十七年のときにも私は主張してきたんですけれども、やはり十七年の実績を見るとそのことが言えると私は思う。
 いま公務員部長は、要は民主的な運営に尽きると、こう言っていますけれども、そのためにはやっぱり執行権の中に当事者の一方の代表の組合代表が入っておくということは、それは資本主義社会の中で株をよけい持った者が専務や常務に座るのは、これは当然の原理ですよ。ところが、株をようけ持ちながら、半額の株を持ちながら、執行権には非常勤以外は全部ほっぽり出されているという、そういうスタイルの中で、民主的な云々と言ってみても、これは私は言うにして実際問題が起こったときそういう保障はできないと思うのです。仮に常勤の理事の皆さんが専横なことをやった場合には――やれる立場にある。まあそういうようなことを考えてみますと、私は制度としてもきちんと運審が五分五分、それと同じように、それを代表する理事が五分五分と、こういう体制を考えるべきだ。このこと以外に、いかに良心的に民主的運営を保障すると言ってみても、制度的にそれが保障されていなければ私は実効が上がらない。これが十七年の実績の私は所産だと思うんです。
 そういう意味で、この運審の三つの共済については、これは大臣の一つの判断の問題だと思うのだが、ぜひひとつそういう問題について大臣自身で決意を持って検討してもらう、こういうことについていかがですか。
#12
○国務大臣(後藤田正晴君) 佐藤先生がかねがねそういう御意見を持っていらっしゃることは私も承知をしておったのですが、いま公務員部長がお答えしましたように、確かに佐藤先生のおっしゃるような、執行権の中に入らなければ民主的な運営が図られぬじゃないか、これは私傾聴すべき御議論だと思います。ただ、まあ過去の沿革等もありましていまこうなっているわけですから、佐藤先生の、民主的運営に十分注意しろという点につきましては、これはごもっともな話でございますので、私といたしましては、いまの制度のもとで非民主的な運営が行われておるというようなことがあれば、これはまことに申しわけないので、直営面では十分配慮をさしていただくということで、ひとつ御了承を賜りたいと、かように考えるわけでございます。
#13
○佐藤三吾君 いや大臣、私は非民主的なことが行われておると、そういう意味で言っておるのではないんです。言うならば、いま常勤の皆さんが非民主的なことをやろうとすれば、制度上はできないことはないんですよ。制度上の問題として、民主的なあり方をこの際十七年の実績に基づいて検討する必要があるのじゃないかと、こう言っておるわけです。
 ですから、これはある意味では、沿革沿革と言ってみても、それは三十七年より前の話のことを言いよるわけであって、三十七年にあれだけの共済を一つに統括してまた新たなものをつくったわけです。ただしかし、そのときには自治省の方が――たしか松浦さんだったと思いますがね――どうしてもひとつこういうことでこの法案を通してくれぬかと、そのかわり民主的な保障をしますと、こういうことでスタートを切った。やっぱり十七年たってみると、組合会方式の市町村共済であるとかこういうところと、都市共済とかというところと比べてみると、これはやっぱり、なかなかそうは言っても執行権の中に全然組合代表が、非常勤以外入っていないということはよくないし、都道府県段階を見ましても、いま言うように副支部長は五人も六人もおりながら組合代表が入っていない。こういうことでは、これはやっぱり審議会が開かれるときに何回議論してみても、地方の審議会というのは大体年に二回ぐらいしか開かぬのですからね。予算を決めるときと決算を決めるときしか、二回しか開かぬ、一年間に。そこで民主的な保障云々と言ってみたって論議の外なんです。やっぱり執行運営の中に一半の出資者としての責任を持つ代表が必要なんだと。折半負担ですから、掛金は。ですから、その半分の負担をしておる組合代表がちゃんと執行部の中にもおると、こういうあり方が私は、制度としてね。この折半負担が――恩給のように八割は国が持ち、二割しか云々というなら別ですよ。
 だから、そういう観点からして私は、沿革論を言うなら、あれは恩給から出発した沿革もあるわけですから、そんな議論じゃなくて、ここで十七年の実績の上に立って、制度的に大臣の決断でこの問題をひとつ検討しましょうと、こういう態度を明確にしてもらいたいと思うんです。――大臣に聞いておるんです。これはもう大臣、横を見ることはない、あなたの決断ですよ。
#14
○国務大臣(後藤田正晴君) 先行きの、ひとつ検討課題にさしていただきたいと思います。いま直ちにこれをどうこうするというお答えはちょっといたしかねまするので、御議論はよくわかっておりますから、さようなことで、ひとつ御了承しておいていただきたいと思います。
#15
○佐藤三吾君 それなら、これは大臣としては十分検討してまいりたいということでよろしいですね。
#16
○国務大臣(後藤田正晴君) ええ、いいです。
#17
○佐藤三吾君 わかりました。まあ積年の問題ですから、いまとは言いませんけれども、十分ひとつ早い機会に地公労の代表などとも話し合って、この制度を大臣が鋭意前進的に検討していただく、こういうことでこの問題は了解しておきたいと思います。
 次に、そういう観点のもう一つの問題があるんですが、いま地共済関係は、これも沿革が出てくるんですがね、いわゆる公務員制度の一つの側面もあると、こういう理由のもとに、他の公的年金にはない懲戒処分者については終生二割減給というひどい仕打ちがこの中に盛り込まれておるわけです。これは大蔵省も、ちょっとひど過ぎるという見解を出して、衆議院段階でも、早々にこれは検討して正したいと、こう言っております。しかし、他の公的年金は一切そういう措置はないわけですから、社会保障的な側面という観点からないわけですから、これはひとつぜひこの機会に、自治省も大蔵省と並んでこの問題は他の公的年金と同様な措置をとる、こういう決意をいただきたいと思うんですが、いかがですか。
#18
○説明員(宮尾盤君) 懲戒処分者に対する給付制限の問題でございますけれども、ただいま御質問の中にもございましたように、共済制度につきましては、これは社会保障の一環としての公的年金制度という面と、それから公務員制度としての性格というものが兼ね備わっているわけでございまして、そういう意味から公務員制度の一環でもあるという面から見ますと、やはりこれは給付制限というものは必要であるというふうに私ども考えております。
 ただ、現在の給付制限の仕組みにつきましては、共済年金制度懇談会におきましても、現行の給付制限措置に関する政令を再検討する必要があると、こういうことが述べられておりますので、私どもといたしましては、今後他の共済制度との関連もございますから、関係機関とも十分協議をしながら検討してまいりたいと考えております。
#19
○佐藤三吾君 これは十分検討するということは、早急に議論していただくわけですね。よろしいですね。
 次に、ちょうどいま内閣委員会と並行審議やっておるものだから、本来なら大蔵省にただしたい点がたくさんあるわけですけれども、これは大蔵省にただすわけにはまいりませんから、一番問題である給付年齢の引き上げの問題ですね。御存じのとおりに、いま五十五歳が三年刻みで六十歳にする。といいますと、地方公務員の場合には、特に町村に多いんですけれども、給付の開始を見ると、平均五十七、八ですけれども、しかし町村の実態を見るとほとんど五十五歳で、退職基準でやめておるのが多いんですよ。そういう町村の職員の場合には、いわゆる退職と給付開始が乖離が出る、こういう実態が即起こってくる可能性がある。この点について衆議院段階の議論や大蔵との折衝をしてみると、それはひとつすき間のないように、雇用保障は責任持って行政指導を徹底させますと、こういうことを言っておるのですけれども、自治省は一体この問題についてどういう見解を持っておるのか。本当にこの年齢引き上げに伴う雇用保障については、責任を持った行政指導をするのかしないのか、ここが一つ。
 それから、減額率の問題ですが、いわゆる減額退職年金並びにこの支給率の問題ですが、これは自治省は、経過措置を含めて激変を避けなきゃならぬし、四%の保障を少なくともこの経過期間措置は完全に履行をします、そのような措置を保障できますと。ただし、それ以後の問題については、これはまあ他の公的年金の動き等をにらんで十分検討して、そこで当事者の希望がかなえられる、そういう一つの措置をとりたいと思いますと、こういうことを私どもにも言ってきておるわけでございますけれども、自治省として一体どうですか。
 それから、公的負担の引き上げの問題、これは当面この改正案では暫定措置として一六%ということになっておる。これは他の公的年金は二〇でございますから、そういう面から見ると、漸次六十歳に引き上げるに伴って所要の措置をとると、こういうふうに理解しておるわけでございますけれども、そういう理解でいいのかどうか。
 特に私は、この公的年金の問題でつけ加えておきたいと思いますのは、これは地方公務員の場合には交付税でやっておるわけですね。国庫負担と言いながら、中身は交付税でやりますと。したがって、恐らく一六%にしましても不交付団体については例外措置はとれぬとか、こう言いかねぬのじゃないかと思うんですけれども、そこら辺は、不交付団体も含めて措置をする、こう理解をしておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。――簡潔に、時間ございませんから。
#20
○説明員(宮尾盤君) まず第一点の、給付年齢の引き上げに伴います雇用保障の問題でございますが、雇用政策というものとそれから公的年金の支給開始年齢につきましては、これは相互に関連はありますけれども、必ずしも一致しなければならないというものではないというふうに考えるわけでございます。ただこれが、社会保障制度審議会の建議でも述べておりますように、雇用政策と年金政策との関係というものについては、今後高齢化社会へも向かうことでございますから、できるだけすき間がないというようなことが望ましいということを言っておりまして、私どももそういうふうに考えておるわけでございます。したがいまして、ただいま市町村の勧奨退職年齢の実情等にもお触れになったわけでございますが、そういう点とこの年金の支給開始年齢の引き上げにつきまして、すき間ができないように雇用情勢を十分踏まえながら私どもといたしましても所要の指導をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
 それから次に、減額率の問題でございますが、減額率につきましては、退職年金の支給開始年齢の引き上げにつきましての経過措置の適用を受ける者等についての減額率につきましては、これは本来保険数理で減額率というものは定めなければならないのがたてまえであろうと思うわけでございますが、その保険数理による減額率よりも下回る現在の一年四%の減額率に経過措置の適用者については据え置くということにいたしております。さらに、これ以外の者につきましても、その者の事情によらないで退職を余儀なくされる者につきましては減額率を緩和する措置を講ずると、こういう方向をとることにいたしております。そこで、さらに、その職種の事情等によりまして減額率について何らかの緩和措置をとる必要があるような者があるかどうか、こういうことにつきましては、今後国家公務員の共済制度の取り扱い等も十分見ながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから次に、公的負担の問題でございますが、公的負担につきましては、かねがね公的負担の拡充についての議論、要望があるわけでございまして、これはただ、公的年金制度全体を通ずる大きな問題でございますので、その結論的な方向というものをまだ見出し得ていないわけでございます。ただ、今回支給開始年齢を引き上げることに伴いまして、当面の措置といたしまして、総財源の一%に相当する額を上積みをするという当面の措置を講ずることにしたわけでございます。したがって、今後なお公的負担のあり方についての基本的な問題というのは私どもは残っておるというふうに考えておりますので、公的年金制度全体を通じてのバランスというものを十分踏まえながら、さらに引き続き検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 なお、現在、公的負担につきましては、地方団体に財源を付与する方法である交付税の中でこれを措置をいたしております。まあ地方団体といえども一つの公経済の主体でございますので、そういう観点からの負担をしていただくということになっているわけでございますが、交付税の仕組みでございますので、そういう中で、不交付団体についてそれは交付税では措置されないという問題が残るわけでございますが、この点についてはやはり交付税制度の問題にかかわることでございますので、なかなかむずかしい問題であろうというふうに私どもは考えております。
#21
○佐藤三吾君 公務員部長の答弁、なかなか繊細な答弁をしておるんですけれどね、できるだけすき間のないようにとあなた言って、最後に、すき間があってはならないよう努力をしますと、こう言ったんです。今度はいよいよこの委員会を離れると、「できるだけ」が表に出てくる可能性があるので、ここはただしておきたいんですけれどもね。大蔵省はこの問題については明確に言っているんですよ。すき間をつくってはならない、そういうことを堅持をして万全の指導を行いますと、こう言っておるんです。この点はひとつそのとおりでいいのか、もう一遍確認しておきたいと思います。
#22
○説明員(宮尾盤君) 国の場合には、直接のいわゆる雇用関係に立つものの問題でございますが、自治省の立場におきましては、これは個々の地方団体における勧奨退職制度のあり方との関連でございます。御存じのように、個々の団体ではそれぞれの団体のいろいろな事情等を踏まえて設けておる制度でございますので、私どもといたしましては、基本的にはすき間がないようにしたいと、こういう私どもの気持ちはあるわけでございますが、先ほどの「できるだけ」というのは、個別には個々の団体で処理をしていくべき問題でございますので、そのように努力をしたいと、自治省としては努力をしたいという意味のことを申し上げたわけでございます。
#23
○佐藤三吾君 これはやっぱり大臣に聞いておかなければいかぬね。大臣、事務当局としては精いっぱいの議論をしておると思うんですけれども、やっぱりすき間があるということになるとわれわれはこの問題についてはどうしても承服できないんですよ。大蔵省は、そういう観点からもすき間があってはならないと、そういう意味で雇用保障については責任を持って行政指導をやると、こう言っておるわけですが、大臣の決意をひとつ聞かしてください。
#24
○国務大臣(後藤田正晴君) この制度は、そもそも、老後の生活を安定させ、保障させると、こういう意味合いですから、私はやはりすき間があるということは望ましいとは思いません。これは退職すれば当然翌日から年金をもらえるというのが私は望ましい制度だと思います。ただ、いま部長が言いましたように、各団体それぞれのお立場がありますし、同時にまた、定年制の問題、あるいはまた、それぞれの団体でいろいろな、実際問題としての在職年ですね、こういった問題が多少ばらついてもおりますから、いま直ちにそのようにしてしまうというわけにもいかぬと思いますが、望ましい姿は、私はすき間はあけちゃいかぬと、こう思いまするので、そういう面での検討もし指導もしたいと、かように考えております。
#25
○佐藤三吾君 これは大臣ね、五十五歳というのがいま公務員が持っておる権利ですよ、給付の。ですから、そういう意味合いで私は言っておるのですけれども、やっぱりこの権利が、先ほど冒頭に申し上げたように、政府が当事者と話し合いで納得して法案を出されておるんじゃない。一番この点がこじれておるわけですよ、逆に言うならば。そういう中でやる以上、やはり少なくとも、せっかく自分たちが退職後に老後の保障ということで積み立ててきた資金が、退職してもなおかつ適用にならぬということでは、これはもう本来の趣旨に反するわけですから、ここは私は、この法案を提案する自治大臣として、責任を持ってこれはやっぱりそういうことのないようにするという決意を私は持ってもらわなければ困ると思うんですよ。それ、よろしいですね。
#26
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまお答えしましたように、やはりすき間のないことが望ましいわけでございまするので、そういうつもりでこれは指導してまいりたいと、かように思います。
#27
○佐藤三吾君 あなたもどうもやっぱり政治家にまだなり切ってないような感じですけれどね、まあひとつここは大臣、地公労の当事者ともこの後に話し合う機会もあるでしょうけれども、そこら辺はひとつ責任を持って指導に当たってもらうということで確認しておきたいと思います。よろしいですね。
 そこで、もう一つ私はこの問題でただしておきたいと思いますが、公的負担という問題は、さっき言ったように、実は交付税で負担しているわけですね、地公の場合。これは国庫負担ではないわけですね。これは大蔵省もこの点は認めております。当時この折衝に当たった、いま公営企業金融公庫の総裁になっている柴田さんがかつて本にこの経緯を書いておりますけれども、それを読んでみると、言うなら、大蔵省に一方的にやられたと、無念残念ということを書いておりますね。そういうことから言いますと、不交付団体には制度上できないということでは私は許されないと思うので、この点は、制度上の問題はともかくとして、本来国庫負担であるべき性格のものですから、不交付団体についても、この点はひとつぜひ大臣の責任において検討してもらうということをここでひとつ確認をしておきたいと思うんですが、いかがですか。
 さらに、もう一つは、国庫補助職員というのがあるんです、地方公務員の中には。たとえば農業改良普及員とかいろいろあります。こういう方々については、共済の負担金は全然考慮されていたい。これはやはり私は片手落ちだと思うのです。ここら辺はひとつこの際きちっとしてもらいたい。
 さらに、運営費の国庫負担、これが何ぼですか、三百円ぐらい、非常に小さなものですよ。これではプロパーの職員そのものの保障すらできないと思うので、ここら辺をひとつこの際増額してもらう。
 こういう点について、大臣の決意をお伺いしておきたいと思います。
#28
○国務大臣(後藤田正晴君) 交付税で措置しておるのはおかしいと、そこで不交付団体についても国庫負担というようなことで考えろと、こういうことですが、この点は、私は、交付税でいまやっている以上、交付税措置ということになりますと、不交付団体についてまで出すというのは、これは私は困難であろうと、かように考えます。
 あと、補助職員、それから運営費等の問題につきましては、部長から答えさしていただきます。
#29
○説明員(宮尾盤君) 国庫補助職員に関する共済年金掛金の見方あるいは事務費の見方、こういうものにつきましての措置が少ないのではないかと、こういう御指摘だろうと思いますが、私どもといたしましては、この点につきましては、これまでもいろいろと交付税の中でできるだけの措置をお願いをするようにいたしてきております。必ずしも実態に合っているかどうかという点についてはいろいろな御議論があろうかと思いますが、そういう点につきましてはさらに検討をいたしまして、可能な限りの努力はしてまいりたいというふうに考えております。
#30
○佐藤三吾君 きのう私、農林水産省の普及部長のところへ行ってみて、農林水産省も関係補助職員の共済負担金を大蔵省に要求してもなかなか認めてくれぬということで嘆いておりましたけれどね。ここらはひとつ大臣、事務当局に任せるだけでなくて、あなたも地方の時代の重大な責任を負う者ですからね。けじめはきちっとつけなきゃいかぬと思うので、そこら辺はひとつぜひこの機会に、いま公務員部長も努力するということですから、検討してもらいたいと思います。
 ただ、もう一つ、あなたがさっき答弁なさった、公的負担が、交付税が制度上だからできないというね、これは私もわからぬことはないんですよ。しかし、本来これは国庫負担であるべきであって、交付税でごまかしておるというところに問題があるわけです。だから、そういう観点から大臣としてこの問題は大蔵ときちっと話をつけるなり、所要の措置をとるなり、努力をひとつしてもらいたいということを私はさっき言っておるわけですから、そこら辺は理解できませんか。
#31
○国務大臣(後藤田正晴君) 佐藤先生の御議論を踏まえまして、これは私自身としては検討してまいりたいと、かように思います。
#32
○佐藤三吾君 いろいろ御質問したい点がたくさんございますが、私、本法が成立することを大変待ち望んでおる退職者の皆さんもおられますし、時間に協力してこれで質問をやめたいと思います。
#33
○上林繁次郎君 私、まず今度の改正が大改正であると、確かにそうだと思う。で、この改正をしなくてはならなかったその背景、この背景はどういうところにあったのか、その点からまずお答え願いたい。
#34
○説明員(宮尾盤君) 共済制度がすでに発足をいたしまして相当の年月がたってきております。その中で成熟度もある程度高まってまいっております。で、共済制度につきましては、そういう時間的な経過等もありまして、いろいろ検討すべき問題点も多々出てまいっておるわけでございますが、それと同時に、成熟度が高まり、それからさらにこれからの高齢化社会への突入というようなことを踏まえた場合に、共済年金制度全体の財政問題、こういったものについても検討をする必要がある、あるいは他の公的年金制度との関係についても見直す必要がある、こういうようないろいろな問題が提起をされてまいったわけでございます。そういうことを踏まえまして、私どもといたしましては、本年がいわゆる財源率の再計算のときにも当たりますので、そういったことも踏まえまして、かねがね問題とされております事項につきまして、いろいろな観点から総合的に検討を行い、とりあえず当面措置をすべきものについてはここで所要な改正措置を行っていくと、こういう考え方で今回の改正法をお願いをいたしておるわけでございます。
#35
○上林繁次郎君 そうすると、いろいろとお話ありましたけれども、いわゆる他の年金との差といいますかね、不公平というか、こういったものを含めて改正に踏み切った。また、財政的な問題、これをどうするかという点も含めて改正と、こういうようなお話だったと思いますけれどもね。そこで、この改正をやった場合に、まず一つは不公平という問題、他の年金との関係性で不公平。そして財政的な問題。この財政的な問題は、これをやればこういうふうに解決できるんだという何か根拠、もちろんあると思う。そういった点を、財政的な問題については、この改正をやることによってこういうふうに解決できるんだという問題、こういった問題についてお答えいただきたいんです。
#36
○説明員(宮尾盤君) 一つは、他の年金とのバランスの問題でございますが、これはかねがねいわゆる官民の格差と、こういうようなことで御議論が展開をされておりまして、その中の大きな問題といたしましては、たとえば支給開始年齢の問題あるいは給付内容の問題、こういったものが幾つかあるわけでございます。で、そういった点について、私どもといたしましては、各共済年金制度に通ずる問題でございますので、それぞれの関係者が集まりまして懇談会をたび重ねて開き、そしてそういう中でこういった問題について、今回の支給開始年齢の六十歳引き上げということは早急に実施すべきである、こういうような考え方を固めたわけでございます。
 それから、財政的な面でございますが、今後の年金財政というものを考える場合に、いわゆる高年齢者が非常にふえてまいってきておるということと、それから公務員の職員構成におきましても、やはり最近の情勢というものを反映をいたしまして、なかなか組織そのものがふくれていかないと、職員が増員できないということの中から、いわゆるピラミッド型よりもつり鐘型のような職員構成に今後移行するであろうと、こういうようなことが言われております。そういうことで将来を予測いたしますと、やはり年金財政というものはこれから将来におきまして非常に大変な状況になるだろうということが予想されておりますし、そういうことになりますと、掛金あるいは負担金というものを相当増額をしていかなければならない、こういう財政の状況というものが見通されるわけでございます。そういう意味合いから、他の公的年金とのバランス、あるいは共済年金財政そのものの今後の問題、こういうことを踏まえて今回の改正を行おうというふうに考えておるわけでございます。
#37
○上林繁次郎君 いろいろと考えられていると思いますけれども、やっぱり根本は、他の年金との関係性、こういったもの、格差というものを縮めていこうという、こういうねらいがある。そこで、そうだとすれば、いわゆる公平という立場から物を考え、そういった考え方が基本になっているとするならば、じゃ、ほかに矛盾はないのかという問題になってくる。そこで私は、年金は少しでもよけいに上げられるような制度になればよけいいいと思うのですよ、これはね。だけれども、いままでの話の中で、公平というものを基本に置いているということであるならば、いろいろと問題がまたそこに生じてくるのではないかと、こう考えるわけです。
 そこで、いわゆる共済年金、この支給額の基準ですね、受給資格を得て――これは五十五歳から支給になりますわね、その支給される額、その基準はどの辺に置いてあるのですか。
#38
○説明員(宮尾盤君) 共済年金制度につきましては、いわゆる厚生年金の代替と言いますか、かわりという考え方もありますし、それに加えまして、やはり公務員制度の一環であると、こういう考え方のもとに成り立つと言いますか、そういう考え方のもとに構成をしておるという基本的な立場がございます。
 そこで、支給額の基準といいますか、そこらをどこに置いて物事を考えているか、こういうことでございますが、ただいま申し上げましたような基本的な考え方に立ちまして、私どもといたしましては、いわゆる恩給制度あるいは厚生年金制度と、こういうようなものを、両者を踏まえながら共済年金の支給についての考え方というものを検討をしておるわけでございます。
#39
○上林繁次郎君 ちょっと私の言ったことが理解されてないようですけれども、私が聞きたかったのは、たとえば二十年で資格を取りますね。そうすると、資格を取った前の年の給与、それに対する四割、こういうことになっているんでしょう。その辺を聞きたかったわけです、そちらから。だけれども言っちゃったからもう必要ない。
 そこで、それは厚生年金との関係はどうなんですか。その辺のいわゆる基準の設定、厚生年金との関係はどうなんですか、その辺のところは。どっちが有利かという問題ね。
#40
○説明員(宮尾盤君) 共済年金の場合には、退職時から一年間さかのぼったその間の給与の平均と、こういうことになっております。厚生年金の場合には、全体のと言いますか、そういう一年前までということではなくて、受ける給与の総平均といいますか、そういう基本的な考え方に立ちましていわゆる支給の算定の基礎となる給料月額というものを決めると、こういうことにいたしておりますので、そういう意味では共済年金の算定の基礎となる給料月額の方が一般的には高いと、こういうことになろうかと思います。
#41
○上林繁次郎君 ですから、さっきから言っているように、公平という立場を基本にして物を考えるならばそういった面も――私は基本的にはたくさん上げられればそれにこしたことはないと言うんですよ。しかし、矛盾は矛盾として追及していく必要があるということでいまお尋ねをしているわけです。ですから、厚生年金との格差は、そういう面ではまだまだあるのだなあという感じがする。共済の場合には、相当高額に対するいわゆる何割というようなことで、その辺はやっぱり財政的な問題、財源を圧迫するという要素にもなっていくであろう。と同時に、公平という立場から言うならばその辺にも不公平というものがあるんじゃないか。だから、不公平は不公平として指摘しておかなきゃならぬ。それが反対とかなんとかという問題ではない。それをどう認識しているかということを聞きたい。
#42
○説明員(宮尾盤君) ちょっと舌足らずの御答弁であったかもしれませんが、共済年金につきましては、厚生年金にかわるべきものという性格のほかに、いわゆる企業年金的な要素というものを加味してこの共済年金というものを制度づくりをしているという点があるわけでございます。したがいまして、もちろんこの問題につきましてはいろいろと基本的な御議論というのはあるわけでございますけれども、そういう立て方の違いというものが、やはり先ほど申し上げましたような、厚生年金にかわるような公的給付であると同時に、公務員制度の一環として、それに付随した企業年金的な性格というものもこれに加味をされておると、こういう観点から議論をしていかなければならないものであろうというふうに考えておるわけでございます。
#43
○上林繁次郎君 まあ特にこの部分について反対しようとかなんとかということじゃありませんからね、深くは言いませんけれども、しかし、やっぱり公平ということが論じられている。で、それをもってこういうふうに六十歳に年齢を引き上げちゃうんだと言うならば、そこだけは合わせるけれどもほかに矛盾があると、何かちぐはぐじゃないか、物の考え方が。それでこの改正ということでは非常にちぐはぐだなあという感じを受けたのでその点をお尋ねしてみたんだけれども、だからいまの段階でもって特にそれを早急に是正をしなきゃならないということを私は言っているのではない。基本的には少しでも多い方がいいということ。ただ改正の仕方が、ここはきちっとしているようだけれどもこっちには矛盾があるじゃないかというのではうまくないなあという感じがするからいまお話しをしているわけです。
 で、どうですか、公平を堅持していくという立場からいうと、年金についてはいろいろな取り扱いがされておる。そういう中で今後もこの改正が行われていく、近い将来かまた遠い将来かわからないけれども。そういったことをいまの時点でやっぱりお考えになっているのかどうか。たとえほかの状況がどうあろうとも、今回改正をした場合にこれを相当期間定着していくんだという考え方を持っているのかどうかという点ですね。いかがですか。
#44
○説明員(宮尾盤君) 公的年金制度の全体につきましても、いろいろな議論をすべき問題があります。その中で、他の公的年金制度と共済年金制度との関係はどうかというようなことにつきましても、たとえばその公平というような観点から検討をすべきいろいろな事柄がたくさんあるわけでございますが、そういう問題につきましては、共済年金関係の懇談会におきましても幅広く議論をいたしまして、当面早急に措置をとるべきものについて今回改正を行うと、こういうことにいたしたわけでございますが、なお、今後さらに継続して検討すべきものとされている事項がたくさんあるわけでございます。それから、それに加えましていわゆる公的年金制度全体についてのいろいろな議論というものも各界各層から出ておる状況にございます。そういうことでございますので、私どもとしては、さらにいろいろと検討を続けていかなければならないたくさんの課題はあると、こういうふうに認識をいたしております。
 ただ、こういうものにつきましては、先ほど申し上げました審議経過でもわかりますように、非常にむずかしい問題がありますので、そういう問題については十分検討を煮詰めまして、そういうことについての結論が得られる状況になればそれは改正を行う必要があると、こういうふうに考えておるわけでございます。
#45
○上林繁次郎君 なぜこんなことを言うかというと、私が考えていること、それはある程度おわかりと思う。いま、厚生年金が六十五歳なんというような声がかかってきている。そうすると、いまこの共済の方は五十五歳でしょう。厚生年金は六十歳。こういうことで、それに合わせようということ。それを、いまそういう六十五歳なんという声がかかってきている。これは福祉の後退ということで絶対に許される問題ではないけれども、万が一――強行採決なんというのがありますからね、なかなか危険な状態にあると思う。だから、万が一そうなったとしても、今回改正したこの共済制度は当分の間これを定着していくんだという腹があるのかないのかということを私は聞いている。いろいろむずかしい問題あるだろう。あるだろうけれども、当面の問題、そういういろんな声が出てきている中で、やっぱりそういったことをみんな心配していると思いますよ。またそうかいな、またそうかいなと。その辺はやっぱりある程度明確にしておく必要があるだろうと私は思うので、どうですか、というわけです。
#46
○説明員(宮尾盤君) いま年金支給開始年齢の問題を例にされまして御質問があったわけでございますが、この問題につきましては、今後高齢化社会というものが予想され、それに対する対応というものも考えていかなければなりませんし、年金財政の問題にも絡みましていろいろ議論があるわけでございます。で、厚生年金につきましてただいまのような議論があるということについては、私ども承知をしておりますが、共済年金の支給開始年齢につきましては、公務員の生活設計の面とかあるいは雇用の面等を考慮をした場合に、当面六十歳を実現させることが実態に即したものだというふうに私ども考えておるわけでございます。
 なお、その支給開始年齢の問題につきましては、今後公的年金に関する各種審議会の御意見等も踏まえまして、共済年金が公的年金部分と公務員制度の一環としての職域年金的性格というものをあわせて持っておるわけでございますから、そういう将来の公務員制度のあり方に関する点も十分配慮をしながら関係各省と検討を続けてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#47
○上林繁次郎君 まあ、はっきりは言えないでしょうけどね。
 もう時間がありませんので、次に、勧奨というやつね、肩たたき。定年制がないから、まあそれが唯一の武器みたいになる。で、この勧奨は大体何歳ぐらいからいままで始められていたんですか。
#48
○説明員(宮尾盤君) これは三千余に上る地方団体でございますので、いろいろなばらつきがありますけれども、早いところでは五十五歳からやっておるところもございます。しかし全体を通じて、これは都道府県、市町村を通じてきわめて大ざっぱなながめ方をしてみますと、平均的には五十七歳から五十八歳くらいのところが比較的多いというふうに考えられます。
 ただし、これは一般職でありまして、技術職……
#49
○上林繁次郎君 そうすると、この改正によって今度はどういうことになりますか。まあ俗っぽい話だけれども、五十五歳で大体五十七、八歳と、いままでは。ところが今度は六十になっちゃう。そうすると、今度はその勧奨というやつは大体どのぐらいから始まるというふうに考えておりますか。やっぱり同じなんですか、その辺のところは。
#50
○説明員(宮尾盤君) 勧奨退職制度というものをどういうふうにしていくかということにつきましては、これはもちろん年金の支給開始年齢との絡み等も関連をしながら考える必要があることは申すまでもありません。ただ、六十歳まで支給開始年齢が引き上がるにつきましては相当な期間がありまして、順次段階的にそこまで上がっていくということになっておりますので、私どもといたしましては、そういう支給開始年齢の引き上げということのほか、いろいろ他の問題等も含めまして今後勧奨制度のあり方については十分検討していかなければならないというふうに思っております。
 なお、先ほど雇用保障という観点からの問題につきまして佐藤委員に御答弁申し上げたわけですが、そういう点についての配慮は私どもも十分してまいりたいというふうに考えております。
#51
○上林繁次郎君 心配するのは、今度の改正でもって六十歳ということになるわけでしょう。そうすると、いままでどおり五十七、八でもっていわゆる勧奨退職というようなことになると、その支給されるまでには何年かのいわゆるブランクみたいなものができるわけですね。その点をそういうふうにさしてはならないわけです。それは厚生年金の場合には、六十歳そして定年制六十というようなことでそれにつなげようとしている。その辺が、いわゆる定年制がないだけに、今度の改正でその辺の不安が今度の場合にはあるわけです。そこのところをやっぱりもっと明確にすべきじゃないか。私は一つの大きなポイントだろうと思う。だからその辺は大臣どうですか。――大臣にひとつ。
#52
○国務大臣(後藤田正晴君) 先ほどもちょっとお答えしましたように、これはすき間をあけるというのは、私は望ましいとは思いません。したがって、支給開始年齢が六十歳ということになりますれば、これはやはり肩たたきも当然延びていくと、こう私は理解すべきだと思います。ただ、この制度にございますように、これ急に六十まで行くわけでございませんから、しかし最後の終着点は私はおっしゃるようなことにならざるを得ない。同時にまた、定年制がいまございませんから、まあ一般論になっているんですけどね、しかし公務員の定年そのものも、もちろん職種によってみんな違いますけれども、おおむねは、人事院の勧告等も六十歳という案も出て、そういった問題もおっつけ議論になってくると、こういうことになりはせぬかと、かように考えております。
#53
○神谷信之助君 まず最初に私は、これから質疑をする立場について明らかにしておきたいと思います。
 いま審議をされております共済組合法の改正案、これは、例年は恩給の増額に見合ってといいますか、前年度の公務員の賃金の引き上げを一年おくれでそれに準じて年金の増額をするという、まあそれを中心とした法案であります。ところが、今回の提案をされておる法案の中には、支給年齢の引き上げという、年金制度あるいは社会保障制度全般にかかわるきわめて重要な内容を含んでいるわけです。そして、通常国会から前の臨時国会を通じて審議を衆議院でなされてまいりまして、そして継続になって、本日開会をされた通常国会で審議をするという段取りになったわけです。ところが、二十一日にはこの法案を参議院の本会議で成立をさせ、さらに衆議院に回付して、きょうじゅうにも法案を成立をさせるという動きが顕著になって、大体そういう方向で進んでいるんですね。そういうことが進み出すということが大体もう確定をした時点で厚生大臣は、厚生年金の支給年齢を六十から六十五に引き上げると、そういう大改正を来年度行うんだということを新聞記者会見でもおっしゃっている。したがって、事は公務員労働者に対する共済組合の年金の受給年齢の引き上げのみならず、主観的意図はどうであれ、客観的にはこれを突破口として年金制度全体に大きな変動を与える、そういう状況が明らかになってきておるわけですから、私どもは、したがってこれはきわめて重要な問題ですから、慎重な審議を必要としている、こういうふうに思います。しかし、同時に、年金で生活をなさっている方々にとっては、四月に年金の増額が改定をされ、当然もうすでにその増額分は手にしておるべきところが、そのような重大な、まあ言うならばまんじゅうの中に毒を入れて、毒が入ってるものですからこの審議がおくれて、そうしていまだにその増額分は手にすることができないという状況になっている。こういう人たちにとっては、早いこと年金増額分は手にすることができるようにしてほしいというのは当然の要求です。私ども、これは当然の要求だし、これは実現をせないかぬ。したがって、そういう立場からいたしますと、従来の年金増額部分の法案は法案として別個に審議をし、そして、政府が考えておられる受給年齢の引き上げの部分は引き上げの部分としてこれは十分慎重な審議をするという態度をするのが私は当然だと思うんです。したがって、そういう角度から、これから大臣初め衆議院の先生方、えらい御苦労でございますが、修正案を御提案をなさいました先生方にもお尋ねをしたいというように思っているわけであります。
 そこで、まず最初に大臣にお伺いしたいんですけれども、昭和五十四年三月十四日付で、地方公務員共済組合審議会の会長斎藤正夫さんの名前で、当時の自治大臣の澁谷さんに対する答申がなされております。その中には、「特に退職年金の支給開始年齢の改正については、組合員の生活に深い関係があるにもかかわらず、関係組合員の十分な理解を得ないままに引き上げることについては見合わせるべきとの強い反対意見があった。よって今回の改正については慎重であるべきである。」、こういう答申が出てることは御承知だと思いますが、この点についての大臣の御所見をまず伺いたいと思います。
#54
○国務大臣(後藤田正晴君) そのような答申が出ておることは承知いたしておりますが、他の年金制度との関連、また年金財政の現状、こういう点を踏まえまして今回の改正案を提案をさしていただいたような次第でございます。
#55
○神谷信之助君 まあ提案者ですからね、そういう答弁をせざるを得ぬと思うんですけれども、そういう提案者の立場を離れてみまして、今回の提案をなさっているそういう態度自身が、この答申の、慎重に対処されたいという、「慎重であるべきである」という趣旨からいって、どうお考えでしょうか。
 具体的にその答申の中身にも――二月五日付の答申の第一号ですね、これはとにかく「今回諮問のあった事項については、検討する日時も少なく、なお議論を尽すべき問題がある」と、そのことを前提にして、しかし、まあしゃあないなあということになっているんですね。しかし、それでも、「国家公務員共済組合及び公共企業体における審議の動向並びに地方自治体の実態を考慮しながら引き続き検討を加え結論を得るものとする。」という第一回目の答申をして、十分に審議の時間がないと、それでさらに討論を続けたけれども、やっぱり強力な反対意見があった。したがって「今回の改正については慎重であるべき」だと三月の十四日にそういう答申が出ている。その答申を受けてもう直ちに国会に提案をなさったわけです。決して慎重じゃないじゃないですか。答申は答申でしてください、答申は尊重する必要はないというのが自治省の、あるいは政府の態度と言わなきゃならぬと思いますが、いかがですか。
#56
○説明員(宮尾盤君) ただいま御指摘のような答申をいただいておることは確かでございますが、私ども、今回のこの共済組合法の改正に取り組むに当たりましては、共済年金制度懇談会という場も設けまして、国家公務員、地方公務員あるいは公共企業体職員等と、幾つかに分かれておりますそういう制度共通の問題を、それぞれの立場の責任者が集まりまして、その基本問題あるいは当面の問題等について、九回も会議を開いて検討を行ったわけでございます。で、そういう中で、もちろん今後に残された幾つかの課題というものがあるわけでございますけれども、当面こういった措置を早急にとるべきであるという三者懇の意見等も踏まえまして、私どもといたしましては、今後の共済年金制度のあり方、あるいは財政的な面での問題点というようなものを十分踏まえて今回の改正をお願いをするということにいたした次第でございます。地共組審議会でそういう御答申もいただいておるわけでございますが、私どもとしては、十分これまでもそういった点について慎重な審議をして、どうしてもこういうことが今回踏み切っていかざるを得ない、こういう考え方でお願いをいたしておりますので、御理解をいただきたいと思います。
#57
○神谷信之助君 まあ共済懇で九回も会議を重ねてきたので十分審議を尽くしたとおっしゃるんですけれども、しかし、実際に共済懇の中身を聞きますとね、公的負担を増額をすることがどうしてもいま必要だということが全体の合意、コンセンサスになっている。しかし、それを大蔵省にうんと言わせるためには、片一方で受給年齢の引き上げというのもとにかく書き込まぬことには大蔵省はうんと言いそうもないということで、受給年齢の引き上げについては強い反対があったんだけれども、座長ですか、会長の方からも特にそういう要望があって、まあしゃあない、とにかく書くだけ書いておきなさいと、目的は公的負担の方をうんとふやしてもらうと、そういうつもりだったけれども、ふたをあけてみたら、それはわずか一%やと。しかも一五%のやつが丸っぽ一%上がって一六%というんじゃなしに、例の大蔵のやり方でね、実際は一%じゃなしに、〇・八五%しかふえないわけでしょう。そういうペテンにかかったんやと言うて憤慨をされている方もあるんです。だから、公的負担の方は一%といって実際は〇・八五%しかよこさぬというペテンをやってごまかしておいて、そうして反対の強かった受給年齢の引き上げだけはさっとやっちゃうと、それが実際の経過じゃないですか。
#58
○説明員(宮尾盤君) 公的負担の引き上げの問題でございますけれども、この問題は、各公的年金制度を通じまして、その制度の仕組みからあるいは財政状況の実態等まで踏まえて、相当時間をかけて議論をしなければならない大きな課題であるというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、そういった公的負担についてのあるべき姿というものをきちっと結論を出すには相当な時間がかかるわけでございますが、たまたま――たまたまといいますか、今回他の公的年金制度との関連等も踏まえて、支給開始年齢を引き上げるに当たりましては、そういう基本的な議論はさておくとしても、当面一%の負担の積み増しということはやりましょうと、こういう考え方のもとに今回の当面の措置を決めておるわけでございます。したがいまして、今後の公的負担のあるべき姿についての検討というものをなおざりにしておるわけではございませんで、そういう問題については今後さらに検討を詰めていくと、こういう考え方であることを御理解いただきたいと思います。
#59
○神谷信之助君 公務員部長の話を聞いていますとね、公的負担の増というのが急に出てきたような、新しい問題かのような答弁ですよ。そうじゃないでしょう。公的負担をもっと増額しなさいというのはもう十数年来ずっと一貫して議論になっている内容でしょう。当委員会でも、もうその都度附帯決議で追求している問題。それぞれの共済がどういう財政状況になっておるか、とうに十分調査をし、熟知していなけりゃいかぬ。それを改正をするためにどれだけ公的負担をふやしなさいと、あなた方も大蔵省にいままで要求してきたはずでしょう。急に出てきたものじゃない。いまのお話を聞くと、急に出てきて、だから一遍財政状況も調べなきゃならぬと。そんな問題じゃないでしょう。もし事実そうだとすれば、それじゃ当委員会あるいは衆議院の委員会で附帯決議をいままで何遍もしているのは一体どうしたんだと。何ぼ附帯決議で指摘をしようが、そんなことは関係なしにあなた方仕事をしてきたということになるんですか。どうですか。
#60
○説明員(宮尾盤君) 公的負担の問題については、たびたび御議論もいただき、かねてからの長い懸案であるということは私どもも承知をいたしておるわけでございます。そういうものでありますからこそ、非常にこれは大きな問題を含み、抜本的な検討を加えなければなかなか結論を見出せないと、こういうものであろうと思います。ですから、それにつきましてなおざりにするという意味ではなくて、高齢化社会の到来も近いわけでございますから、各公的年金制度を通じて、できるだけ早急にこの問題を検討しなければならないというのが、これは各公的年金制度に関与しておる者たちの基本的な考え方でございます。
 ただ、そういう中で支給開始年齢の引き上げということは、これは非常に長い時間をかけて経過的に行っていくわけですけれども、その方向というものはこの際やはり打ち出していかざるを得ないと、こういうこととの関連もありまして、当面の措置として一%の積み増し措置を行おうと、こういう暫定措置を講じておるわけでございます。基本的な問題という点については、私どもも今後さらに努力をいたしまして、早く結論を得るようにしてまいりたいと考えております。
#61
○神谷信之助君 そうすると、一%ふやしてもらうそのために、支給開始年齢の引き上げを急いでやることにしたという答弁ですね、いまのは。どういうことですか。一%やるためにも急いでやらなければならぬというふうにおっしゃったけれども、どういうことですか。
#62
○説明員(宮尾盤君) 共済年金制度につきましてはいろいろな問題があるわけでございます。支給開始年齢の問題もありますし、公的負担の問題もありますし、その他幾つかの問題点があるわけでございます。それぞれについて検討をいたしまして、支給開始年齢については六十歳に引き上げるべきである。ただし、これについては二十年間の経過措置というものを設ける、こういうことを決めたわけでございます。
 公的負担の議論につきましては、そういう措置を講ずることもあり、抜本的な対策は別といたしまして、当面一%の暫定措置を講じよう、こういうふうに決めたわけでございまして、一%上げるから六十歳にするということではないわけでございます。
#63
○神谷信之助君 そうすると、いまの説明ですと逆ですな。受給年齢を引き上げますからひとつ一%ふやしてくださいと、そういうことになりましたと。いまの説明そうですね。
#64
○説明員(宮尾盤君) 受給年齢を引き上げますから一%というふうに言っていいかどうか、ちょっとそこはいろいろ問題があるわけですが、それぞれの受給年齢の問題も公的負担の問題も議論をして、受給年齢については引き上げる。公的負担については、抜本的なあり方の検討は今後さらに続けるけれども、引き上げ措置と関連をいたしまして一%引き上げると、こういうふうにいたしておるわけでございます。
#65
○神谷信之助君 そうしたら、もう一遍お伺いしますがね。受給年齢の引き上げというのは、この年金制度にとっては重要な変更じゃないですか。
#66
○説明員(宮尾盤君) 非常に重要な事項であろうと思います。
#67
○神谷信之助君 片一方ではそういう重要な変更をやりながら、公的負担の問題の抜本的なというか、重要な改正はそれはたな上げやと。おかしいじゃないですか。こっちもたな上げなら受給年齢の引き上げもたな上げやと、そう言ったらいいじゃないですか。
#68
○説明員(宮尾盤君) 私どもが解決をしていかなければならない課題の中には、早急にやっていってしかるべきものと、それから非常にこれは時間がかかるということでさらに検討を続けるものとあると思います。で、三者懇でもそういう振り分けをいたしておるわけでございます。ですから、片方だけを急いで取り上げてということで、あとの問題が解決をしないからといって、これをさらに将来の問題に残していくということについては、これは共済年金制度の今後のあり方から見て非常に私どもは問題がある。したがいまして、当面措置できるものは措置をして、そして、将来の問題についてはできるだけ検討を詰めて早く実現に向かっていくと、こういう考え方でおるわけでございます。
#69
○神谷信之助君 それじゃ、聞き方をちょっと変えますがね。それではなぜ受給年齢の引き上げを急がなきゃならぬのか。その理由は何ですか。
#70
○説明員(宮尾盤君) 一つには、他の公的年金制度とのバランスの問題、それからもう一つは、共済年金制度自体といたしましての財政的な問題、こういうことが主な理由でございます。
#71
○神谷信之助君 他の公的年金とのバランスというのは、具体的にはどれとのバランスですか。
#72
○説明員(宮尾盤君) 厚生年金でございます。
#73
○神谷信之助君 じゃ、厚生年金にならうということで六十歳への引き上げをするというのが第一の理由ですね。
 第二の理由は、今度は共済の財政の問題とおっしゃった。これになりますとまさに公的負担の問題でしょう。公的負担をふやすならばこの財政問題は解決できるわけです。財政問題を解決するのがただ一つ受給年齢の引き上げだけしかないということではないでしょう。その方は一%引き上げ、しかも実質〇・八五%でごまかされて、そして共済組合の組合員に大きな負担をかけるところの受給年齢の引き上げだけはちゃんとやる、これは一体どういうことなんですか。矛盾しているじゃないですか。どちらも根本問題だ。
#74
○説明員(宮尾盤君) 公的年金制度に対する公的負担の仕組みというのは、それぞれに違った制度の仕組みを持っておるわけでございます。したがいまして、その問題を十分踏まえて検討いたしませんと、公的負担の率をどのくらいにしたらいいのかということはなかなか簡単には結論が出てこない、そういう問題でございます。したがって、これをたな上げしているわけではありませんし、よそに置いているわけではありませんで、この問題はさらに検討すると、こういう私どもの基本的な姿勢でありますので御理解いただきたいと思います。
#75
○神谷信之助君 おかしいですよ。それは納得できませんね。たな上げしているんじゃないとおっしゃる。しかし、ずっと十年以上も前から、公的負担はふやそう、そのためには一体どれぐらいにせないかぬかということば検討をされている。どの共済をどれだけふやさないかぬ、どの共済をどれだけふやさないかぬと。それがいまだに全然できてない、検討もされてないというのはおかしい。いままでもやってきているんだ。たな上げしているんじゃないって、いままでと同じことだ。いつまでたってもできない。まあそれは若干、一%という名前で〇・八五ぐらいふえるかもしれない。その程度でお茶を濁されるかもわからない。そういうことでしょう。何も保障ない。いままで何遍も公的負担をふやしなさいということが衆参両院でも決議をされながら実現をしないままにきている。とにかく、たな上げをしたんじゃないと、とりあえず一%だけふやしてもらいました、決してたな上げしているんじゃございませんとおっしゃるけれども、それではいままではどうだったか。いままではたな上げしてきたと、こういうことになりますよ。どうもあなたの説明では矛盾ばっかりじゃないですか。
#76
○説明員(宮尾盤君) 非常に長い間この問題について結論が出ていなかったということは、それほど私どもとすれば大変むずかしい問題であるというまた裏返しの話であろうというふうに思うわけでございます。したがって、たな上げをするとか、わきに置いてという話ではないということを申し上げておるわけでございまして、一%とりあえずの措置を行ったということも、それは、なかなか十分な結論を得ていないということについての一つの当面の努力のあらわれであるというふうに私どもは評価をしていただければ非常にありがたいと思うわけでございます。
#77
○神谷信之助君 問題はそこなんですよ。公的負担をふやしなさいというのは十数年来懸案事項であって、そのことについて努力をしたけれどもなかなか実現をしない、きわめてそういう困難な問題であると。何で困難なのか。それは政府自身が国民の老後についてちゃんと保障するという、そういう基本的立場がないからでしょう。だからそのことはなかなか大蔵省を壁にして実現をしない。しかし、労働者の方にしわ寄せをする、犠牲を強いる、これは簡単やから、簡単な方だけはやりましょうと、五十五歳から六十歳へ引き上げる、こうなっただけじゃないですか。根本問題は、公的負担を増額をする、そのことが与野党を含めて衆参で十数年来一致をして要求をされておりながら、政府の基本的な政治の姿勢として、国民の老後の保障について責任を持つというこの立場が欠如しているから実現をしないし、そしてその立場が欠如しているから、政府の方の責任はほったらかしで、わずか一%でごまかして、労働者に犠牲を強いているだけじゃないですか。そういうことになるわけでしょう。やる気になったらできることなんだから。わかりました、出しましょうと、こうおつしゃればおしまいでしょう。――これは公務員部長では無理やね。
#78
○説明員(宮尾盤君) たび重ねてのお話でございますが、私は年金財政というものの問題を考えた場合に、公的負担をぼんぼんとふやせばいいんだというふうな単純な問題ではないと考えておるわけでございます。やはりこの公的負担をどういうふうにするかということについては、一つには公的年金制度それぞれの制度の仕組みあるいは給付内容の違いというようなものも十分まず検討いたさなければなりませんし、それにこの公的負担というのは、いずれにいたしましても国あるいは地方公共団体という公の経済に絡む問題でございますから、そういう公経済の状況というものを十分踏まえてどういうあり方というものにしていったらいいのかということを、きわめて長期的に、抜本的に検討しなければならない問題だというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、かねてからの問題でございますので、私どもといたしましてもこの公的負担のあり方についてはできるだけ早くその方向が見出せるように今後十分そういうことを踏まえて検討をしていくつもりでございます。
#79
○神谷信之助君 まあ公務員部長の答弁としてはもうそれ以上出ないんですが、これは後でまた大臣に聞きますが、問題は政策の選択にかかわる問題ですから、これはまた後で改めてお聞きをするとして、先に、これを六十歳にした根拠ですね。五十六歳、五十七歳、五十八歳にしてもいいんだし、六十歳でもいいし、六十五歳でもいいでしょう。六十歳にした根拠は一体どこにあるんですか。
#80
○説明員(宮尾盤君) これは、共済年金制度は、一つにはいわゆる厚生年金的な意味合いを持っておるものでございますので、そういう厚生年金の支給開始年齢というものを参考にし、また他の諸国におけるそういう支給開始年齢等もいろいろ踏まえながら、六十歳が妥当であろうと、こういうふうに結論をつけたわけでございます。
#81
○神谷信之助君 その場合、厚生年金の、それとのバランスをお考えになったわけですね。厚生年金は六十歳、それで女子は五十五歳になる。それを考えて六十歳にそろえる。そうすると、今度、厚生大臣が六十五にするとおっしゃっているんですよ。厚生省はその予算を来年度要求すると、こうおっしゃっているようだけども、そうすると、六十五になったらこっちも六十五にしますのか。右へならえするのなら。
#82
○説明員(宮尾盤君) 厚生年金につきまして、六十五歳引き上げ論ということが論議として出ておるということについては私どもも十分承知をいたしておるわけでございますが、私どもとしては、共済年金制度というものにつきましては、厚生年金の身がわりと、あるいは公務員制度の一環と、こういう性格を持っておりますので、そういうことを踏まえまして当面六十歳にすることが一番実態に合った措置であると、こういうふうに考えて今回の法案を御提案申し上げておるわけでございます。
 なお、その厚生年金の支給開始年齢をさらに引き上げるかどうかというような問題と絡むこの問題については、今後関係のところとも十分接触をしながら将来にわたりまして検討をすべき課題だというふうに考えておるわけでございます。
#83
○神谷信之助君 そうすると、いま特に「当面」とおっしゃいましたね。当面のところをえらい語調を強めておっしゃったし、また将来についてはまた検討するんだとおっしゃる。ということは、そうすると今度は、こっちは五十五から六十に上げる、厚年も、まあ来年の通常国会に提案をするという厚生大臣の御意見のようですけれども、仮にそうなって、それができれば六十五に上がる。そうしていってまた年限がたったら、その次は今度こっちも六十五に上げる。こういうことになるであろうという、そういうことですね、いまのお話ですと。断定的にはおっしゃってないけれどもね。
#84
○説明員(宮尾盤君) いまの問題につきましては、共済年金が厚生年金と同じような公的年金部分と、それから公務員制度の一環としての職域年金的な性格というものを両者持っておるわけでございますから、将来のこれは公務員制度のあり方とも十分関連をしてきますので、そういう点に十分配慮をしながら関係各省と検討を続けてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#85
○神谷信之助君 だから、五十五から六十に上げてそれでもう固定して動かないということではなしに、厚年が今度はまた六十五に上がっていけばこれはそのことも考慮して検討せざるを得ないと、こうなるわけですね。
 それからもう一つおっしゃいましたが、共済制度は公務員制度の一環であると。そういう趣旨から、六十になった理由はどういうことが出てくるんですか。六十歳という線を引いたのは、一つは厚生年金とのバランス、もう一つは公務員制度の一環としてとこうおっしゃっている。公務員制度の一環としての立場から六十歳というところになった理由は一体どういうことですか。
#86
○説明員(宮尾盤君) それぞれの性格ごとに決めたわけではありませんで、両者の性格を持っておるという総合的な立場のもとに厚生年金の支給開始年齢等を参考にしながら決めたわけでございます。
#87
○神谷信之助君 結局ごちゃまぜで、どの部分が入っておるかわからぬけれども、結局のところは、結論としてはっきりしておるのは、厚生年金が六十歳、それに合わしたということだけはっきりしておる。公務員制度の関係は、言葉として入っておるけれども、具体的に一体何やといったらないわけね。そういうことでしょう。
#88
○説明員(宮尾盤君) 御承知のように、これは広い意味では共済制度も他の厚生年金等と同じように公的年金制度の一つでございますから、かねがねそこに差があっていいのかどうかという議論があるわけでございます。ですから、そういうことを踏まえまして、私どもとすれば共済年金制度についても支給開始年齢を六十歳にしたい、こういうことでございます。
#89
○神谷信之助君 あと具体的にもう少しお尋ねしたいと思いますが、それより先に、衆議院の先生方にお越しいただいていますから、御都合もありますから、先にお伺いしておきたいと思います。
 修正して、五十五年の七月一日施行というように半年おくらされた、そういう修正に至った経過ですね、経緯といいますか、その点についてまずお伺いしたいと思います。
#90
○衆議院議員(石川要三君) この修正案は、共産党を除く五党の共同修正でございまして、この内容につきましてはお手元に先般御配付してあるわけであります。
 これは衆議院といたしましては、当然やはり地方公務員というものと国家公務員と、こういうような関連性があるわけでありますので、特に大蔵委員会におきましては長時間にわたりまして慎重な与野党の審議がなされました。その結果の一つの修正案が出されたわけであります。それを受けまして、やはり国家公務員と地方公務員との関連性から、私どもも慎重審議の結果、このような半年の、施行の開始の内容にこれを認めたと、こういうわけでございます。
#91
○神谷信之助君 これはちょっと小川先生に、大変恐縮ですが。
 前通常国会ではこれを分離をして、受給年齢の引き上げの部分を外して、そして年金の増額だけにして審議をやろうと、で、年金の受給年齢の引き上げの問題は別途十分慎重に審議しようということで社会党を初め野党が一致をして、内閣委員会及び農水委員会では共同修正案も出した経過があるのですけれども、したがって、言うなれば年金制度あるいは社会保障制度の根幹にかかわる重大な問題だから審議を尽くすべきだという点で、自民党を除く野党が一致をして、そういう方向で通常国会では臨んだと思うのですが、今度そのことを抜きにして、実施期日が半年おくれるということだけの修正になったその経過ですね、あるいはその判断、こういった点についてはどのようにお考えでしょうか。
#92
○衆議院議員(小川省吾君) まあ今回のこの法案を通じて、問題点がいろいろあることは承知をいたしておるわけであります。また、それらの点について衆議院の委員会の段階でも政府に対して解決を迫ってまいりました。いま御指摘がありましたように、私ども社会党という立場になりますと、分離提案というのを再三再四要求をしてまいったわけでありますが、なかなかそうはまいらない。高齢化社会の到来やあるいは年金財政の将来等を勘案をして、万々やむを得ないものだというふうに判断をいたしたわけであります。
 で、今回の引き上げによって、私どもは給付水準の向上なりあるいはまた組合員の過重の負担の防止あるいはそれに伴う年金財源の確保という問題については、公的負担を増大をする、負担区分の見直し、あるいはまた公費負担の拡充ということが何としても避けられない問題だというふうに考えております。
 そして同時にまた、衆議院の附帯決議でもごらんになってもおわかりになりますように、実はいろいろ政令段階に委ねておる事項が多いわけでございます。そういう意味では、事務当局といたしましても年末年始の非常に繁忙した段階でこれを政令で決められたのではまずい。こういうふうに判断をして、特に地方公務員関係の労働組合等が十分に公務員部等とも接触を図って、その上で十分に意見を交換をした上で、その意見も反映をした政令が決められるように、従来は政令が定められて後でほぞをかむというようなことが多かったわけでありますが、そういうことを避ける意味でも何としても施行期日を延ばしていく必要があると、このように判断をいたしたからであります。
#93
○神谷信之助君 どうもありがとうございました。衆議院の先生方、御苦労でございました。
 そういう経過で修正されて参議院に送付されてきたわけでありますが、しかし私どもはやっぱり根本問題にかかわる重大問題だと思いますから、引き続いてさらに質問を続けたいと思います。
 財源率について再計算の年になっているわけですね。それで、五十五歳のままでいった場合、地共済だけでいいですけれども、大体財源率がどうなるのかという点はどうでしょうか。
#94
○説明員(望月美之君) 法律に基づきまして、「少なくとも五年ごとに再計算を行うものとする。という規定を受けまして、この十二月一日、再計算の実施をそれぞれ計算単位ごとになされたわけでございます。これはその時点における制度を踏まえてでございますので、したがってこの再計算の結果というものは、当然に現行の五十五歳の支給開始年齢ということの制度を踏まえての再計算でございます。
 で、お尋ねの中に、六十歳に引き上げた場合についてはどうであるかという点でございますが、この点はただいま法案について御審議を……
#95
○神谷信之助君 いえいえ、五十五の場合。
#96
○説明員(望月美之君) 失礼いたしました。取り違えておりました。
 その結果、現行制度におきますところの地方公務員共済組合の場合でございますと、財源率が一一二・〇が一三六・〇と、また市町村職員共済組合では一一〇・〇が一三四・五と、こういう計算結果が出たところでございます。
#97
○神谷信之助君 支給年齢が六十歳に上がりますとどういうことになるかという点については、お尋ねをすると、まだ計算できてないんですか。できていますか。
#98
○説明員(望月美之君) この点は、法案についてただいま国会で御審議を賜わっている過程でもございますので、したがって、その状況に応じて、作業としてはあるいはいろいろ状況もあろうかという域でございます。お答えといたしましては、ただいまのところ、その場合の結果というものは出ていない状況でございます。
#99
○神谷信之助君 いや、いま法案を審議をしているんだから、だから法案が通って実際に六十歳という支給開始年齢になれば、一体財源率はどうなのかという計算して出すのがあたりまえじゃないですか。そうじゃないと審議できないです。
#100
○説明員(望月美之君) おっしゃる向きの点も片やあろうかと思いますが、これは計算の単位が御承知のように地方共済は非常に多くわたっておりますので、そういう点も片やあるわけでございます。
 で、同じ公務員共済であり、特に地方公務員共済は国家公務員共済との制度的な完全通算の仕掛けでもございますので、そういう点で御参考までに国家公務員共済組合の場合の、これは連合会単位でございますので試算の結果ということも出てくるわけでございますが、それを申し上げますと、支給開始年齢を六十歳に引き上げた場合の財源率、これは現行の五十五歳というものから見ますと、大体九二%程度の域になろうかという結果は承知をしております。国共と地共の成熟の度合いの進みぐあいとか、あるいは給料の上昇度とかあるいは年金額の増加とか、こういう基本的な点ではほぼ同様でございますので、引き上げた場合の影響というものもおおむねそのようなふうな度合で御理解を賜ってよかろうかと思っております。
#101
○神谷信之助君 ですから、いまの五十五歳のままでずっといきますと、財源率は一一二・〇%から一三六%になる。六十歳にすれば、まあストレートにはなりませんが、九二%とすれば大体一二五・一ぐらいのところになるだろうということが推定できるわけですね。
 そういう場合、それじゃ掛金率の方は、その五十五歳の場合、六十歳の場合、大体どうなるということになりますか。いまの一二五として見た場合で。
#102
○説明員(望月美之君) ただいまのような推計も含めましてしますと、まず現行制度のもとにおきますところの掛金の度合いというものが大体一〇程度の引き上げ――それぞれの計算単位ございますのでラウンドで恐縮でございますが、一〇程度でございます。これがただいまのような程度の影響度合いということを踏まえて言いますと、おおむね五程度になろうかと、こういうことでございます。
#103
○神谷信之助君 それは、いまの問題は、だからそこで出てくるんですが、公的負担の状況を現状のままに置けばそういう財源率になり、それから掛金率にならざるを得ぬわけです。しかし、公的負担をふやすならば、これは現在の掛金率を維持をするということも可能になるわけですね。私どもの計算でいきますと、五十五歳のいまの支給開始年齢、これをそのままにして、そして公的負担を三〇%にするというようにすれば、掛金についても負担金率も変わらないというのが試算できるわけです。
 たとえば、財源率が千分の百十二、これはいままでの状況ですが、公的負担一五%といいますと一六・八、したがって負担金の方は四七・六、掛金率も四七・六ということになるわけです。五十五のままでいきますと、これから財源率は一三六とおっしゃる。だから千分の百三十六ですから、公的負担は二〇・四、そして負担金及び掛金率が五七・八ということになります。これに公的負担を三〇%プラスをしますと、公的負担の方は四〇・八ということになって、負担金も掛金率も四七・六という、いわゆる現状のところで抑えることができる。だから、先ほど共済の財源の問題、財政上の問題おっしゃっていましたけれども、問題は、公的負担をそうやって三〇%までふやすならば、五十五歳の支給年齢はそのままにして、しかも掛金率も負担金もふやさないで現状の共済財政を維持することができる。これはラフな試算ですから正確ではないかもしれませんが、大ざっぱな計算をしてもそうなるわけです。だから、先ほど言いましたように、何も共済の財政の面から六十歳に引き上げる必要はない。共済の財政の面から言うなれば、それは公的負担を三〇%にふやせば問題は解決するんだ。そういうしろものなんだ。
 そこで大臣、問題は、こういう方針をとるかどうかというのは、これは政策の選択の問題です。われわれは、政治の要諦というのは、政治の根本というのは、体の不自由な方々とか年寄りの方とかあるいは子供さんとか、そういう社会的に弱い立場の方々に光を差し伸べる、そこに政治があると私は思うんです。それが政治の根本だとするならば、全体の政治の中心というのをそこに置くならば、政府の財源、財政全体をそういうところに重点を置くということになれば、公的負担を三〇%にすることは政策の選択の問題ですからやれる。問題は、自民党の政府の皆さんは、国民の方に、国民の暮らしを守る、あるいはお年寄りの生活を、老後をちゃんと保障する、今日まで社会の進歩とそして発展のために貢献をなさったそういうお年寄りを大切にするというところに重点的に財源を使うんじゃなしに、そうじゃなしに、私どもが具体的にいろいろ指摘をしておりますように、大企業の利益のためにどんどんお金を使うから、湯水のようにお使いになるからこれができないという問題になるわけです。私はそこのところを、大臣は政治家ですから、また閣僚の一員でもあるわけですからね、大平内閣の基本方針としてはそういう立場に立つことはできないのか、一体どうなのかということをひとつはっきりお答えいただきたいと思うんです。
#104
○国務大臣(後藤田正晴君) おっしゃるように、公的負担を三〇%に上げるということになれば、まあラフな計算でありましょうけれどもそういうことになるかもしれません。しかしながら、やはり私どもとしましては、公的負担の引き上げの問題は長い間の課題でありますから、今後とも検討はいたしまするけれども、何といいましてもこれは公務員の問題でございます。それだけに私どもとしては公経済であるといったようなことを考え、国全体の財政、地方全体の財政ということを考えまするというと、老後保障ということが政府の責任であるという御議論もよくわかりまするけれども、他方、いま言ったようなことを考えまするというと、公的負担の引き上げということが将来の検討の課題であるという意味合いにおいては私ども検討いたしますけれども、直ちにあなたのような御議論に、すぐにそれでよかろうと、こう言うわけにはまいらないと、かように考えます。
#105
○神谷信之助君 政治的立場が違いますからね、これはなかなか一致をしないと思いますが、しかし、私は政治の根本というのはそこのところにあるというように思うんです。しかも、それは日本の経済あるいは財政の基本を私どもの言うように国民生活の方向に根本的に転換することなしに今日の日本の経済の深刻な危機は乗り切れないであろうというように考えているわけです。だから、単にお年寄りの生活を保障するということだけではなしに、その道が今日の日本の経済の深刻な危機を乗り切る重要なモメントになるというように私どもは理解をしている。これはしかし一致をしませんからその次に移ります。
 私は、そのことはそのことにして、もう一つ申し上げたいのは、現在の年金財政から見たら、急いで六十歳に引き上げなきゃならぬという理由はないというように思うんです。たとえば年金財政の総支出と総収入、総収入に対して総支出がどういう状況かという点で見ますと、五十年度が四〇・七、五十一年度が四六・三、五十二年度は四七・五、そして五十三年度は五〇・一です。だからやっと総収入に対して総支出が半分を超えたところというのが五十三年度の状況です。それから、総給付額に対して掛金と負担金等の収入といいますか、総収入というのは運用利益も入っていますから、それを除いてみますと、これでいくと、同じ年度で五〇・六、五七・六、五八・九、六二・五です。五十年度から五十一年度に大幅に上がるのはこれは大体物価騰貴が影響しているわけでしょうね。そういう状況です。それから、総給付額と総資産額、いわゆる総積立額です。これとの比較で見ますと、一二・〇、一三・六、一四・一、一四・三。これは非常に緩やかな伸びで、したがってこの状況を見てもあわてて支給年齢の引き上げをやる必要はない。十分に議論をして、そして国民の合意の上にやるとすればやると、今日、それに耐えるだけの共済の資産というのは現に存在をしているじゃないかというように私ども思いますが、この点はいかがですか。
#106
○説明員(宮尾盤君) ただいまの年金財政の状況からいたしまして、積立金があるということはそれは確かでございますけれども、これは将来の支給のためにいまから積み立てておくものでございまして、しかも今後高年齢化社会へ向かっていくわけでございますから、そうなりますとさらに成熟度が進み、しかも保険料負担をする職員の数がむしろいまよりも相対的に比率は減ってくると、そういうことになるわけでございます。したがって、現在そういう積立金があるからといって、支給開始年齢を上げる必要はないということには私はならないと思います。
 この点については、公的年金に関するいろいろな議論をしていただく場でも早急に支給開始年齢の引き上げ問題というものには取り組まなければならない、こういうことが大方の意見でございまして、私どもといたしましては高年齢化社会というものを控えていまから準備をしていく、しかもその引き上げについては個々の公務員の生活設計等にも絡むわけですから、段階的に引き上げるという緩やかな措置で将来の問題に対応できるようにしていきたいと、こう考えておるわけでございます。
#107
○神谷信之助君 だから、言っているのは、一年おくれたらもうえらいことになるというような問題ではないというんですよ。一年や二年は十分議論ができる、そういうまだ余裕はあるはずです。
 しかも、この資産の目減りですね、インフレに伴って。私はこれの方がきわめて重要な問題だというように思うんです。「年度末の総資産額の状況」を資料としていただきましたが、年度末の総資産額、四十三年度で七千六百六十一億円、これを年度平均の総資産額に直しますと六千八百四億円、この六千八百四億円のところの物価を一〇〇としてその後の資産を見てみますと、五十三年度でいわゆる平均総資産額というのは五兆二千九十六億になります。それに対して物価指数は四十三年度に比しまして二・三九二と二倍以上、二・四倍近くなっている。したがって、これを見ましても、その物価指数による目減りで見ますと、五兆二千九十六億円の資産があると言うけれども、実際上は、四十三年のベースに直せば、それは二兆一千七百七十九億円の資産にしか見られない。その間の運用収入というのは四十三年から五十三年度まで合わせまして一兆六千六百十一億円です。ですから、この運用収入を含めてみても、いわゆる名目資産である五兆二千億をはるかに下回る、こういう状況ですね。だから、積立て方式で資産を積み立てしながらその資産を運用することによって財源をふやして、そうして共済年金その他の支出ができるようにしていくという方法で今日年金財政を維持されているわけですけれども、共済の財政をね。ところが、実際には運用収入を上回るようなインフレになってしまっておるのです。及ばない状況が出てきている。
 こうなりますと、これはインフレそのものは政府の物価対策の失政に基づくものです。組合員、労働者に何の責任もない。そうして積み立て方式をやればその運用収入で資産には影響を与えないでやっていけますというようにおっしゃるけれども、片一方でインフレ政策をとっておられるわけですから、積み立て方式をやればやるほどそういう資産は目減りをしていく。そうして、結果としては、それはいまおっしゃったように、支給年齢を引き上げるとかあるいは何とかしなければ、あるいは掛金や負担金を上げなければ、そうしないと後年度の皆さんに負担がかかるのだと、こうおっしゃって、支給年齢の引き上げをやる。まさにこれは政府の失政のしわ寄せ、犠牲を組合員あるいは労働者に押しつけるものと言わなきゃならぬと思いますが、この点はいかがですか。
#108
○説明員(宮尾盤君) 消費者物価等が上がるというようないわばインフレというものが、年金受給者に対して非常に大きな影響を及ぼすということは、これは御指摘のとおりであります。したがいまして、その点につきましては、物価対策等を十分政府といたしましては講じまして、消費者物価等の安定というものを今後期していかなければならないと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 ただ、いま御指摘がありましたいわゆる積み立てという方式をやっていっても目減りがするのではないかと、こういうことは、この目減りそのものの問題は別といたしまして、積み立て方式を別の方式にするということについては、これは公的年金制度共通の仕組みがとられておる問題でございますので、これについてはかねがねいろいろな御議論があることは十分承知をいたしておりますけれども、いまにわかにこの方式を違った方式に変えるということについては、慎重な検討を要する問題であるというふうに考えておるわけでございます。
#109
○神谷信之助君 公務員部長、あんた物価政策って、そんな答弁できますか。いま、政府の物価政策をちゃんとしてとおっしゃるけれども、物価政策というのは、公務員部長の所管事項でも何でもないわけだ。これ大臣が答えなきゃ、あんた答えられやせぬ。どうですか。
#110
○国務大臣(後藤田正晴君) いわゆるインフレが社会各層に対する非常な悪影響、ことに不公正な、不公平な影響を与えるということは事実でございましょう。それだけに、政府としましては物価抑制ということにはこれはもう全力を挙げて取り組まなきゃならぬ課題ですし、取り組んでおるというような現状でございます。
 ただ、私どもがこの制度の改正をやろうというのは、もちろん労働者にしわ寄せをするなんというようなことではございません。そうでなくて、やはり公務員の老後の生活を安定させようと、安定させるためには今日のこの急激な老齢化社会、御承知のように欧米先進国であれば二百年かかって今日の年齢構成できておるんです。日本はわずか三十数年できたわけですね。大変な老齢化社会の急激な進展を見ているわけですから、それに伴って公務員の勤務年齢というものも当然上がってくるのだと、それを一方に考えながら、同時に、今日七人程度で一人の受給者を支えておりますけれども、もうやがて三人程度で一人を支えなきゃならぬ。それを考えますと、共済年金の財政もこのまま放置することはできないじゃないか。そこで今回、まあいろいろな御意見は十分拝聴いたしまするけれども、支給年齢も引き上げ、同時にまた国の公的な負担の面も財政の許す限りは手当てをするということによって、何とかひとつ公務員の生活の安定を図りたいと、こういうことで私どもとしては今回の改正を御提案申し上げておると、かような次第でございます。
#111
○神谷信之助君 年金制度それから社会保障制度を維持をするためには、結局のところ支給年齢の引き上げ以外ないという、またそれで御了解いただきたいというお話のようですが、これはまた後で私どもの考え方を申し上げたいと思いますがね。
 五十五から六十に引き上げざるを得ない一つの理由として共済財政の問題が挙げられたわけです。しかし、その共済財政の問題は、先ほど指摘をいたしましたように、あわてて、もう何が何でもきょうじゅうに成立をさしてやらぬことにはパンクをするというような状態ではない。まだ十分に議論をして、そうして国民の合意の上にやるならやると、それだけのまだ財政的余裕があるということを私は明らかにしたわけです。しかも、そういう資産を積み立てながら、そして運用しながら、実際にはその資産が名目と実質の乖離がますますひどくなっている、これは政府のインフレ政策なんです。そのしわ寄せを労働者に押しつけるのはけしからぬというのが私の主張であります。
 もう一つの問題は、これは雇用の問題、雇用との関係、その点で申し上げたいと思うんですが、自治省に聞きますと、平均退職年齢は五十八歳ぐらい。そして共済で、五十二年の退職者は四万一千八百五十八人ですか、そのうち五十五歳から五十九歳の退職者が二万六百四十二人、四九・三%、これは衆議院の委員会でそういう御答弁をなさっていますからもうあえて聞きませんが、そういうギャップがしたがって生ずるわけですが、この点についてどうお考えか。退職しても退職年金をもらえないというような人が生まれてくる、そういう問題についてどうお考えか。この点をまず聞きたいと思います。
#112
○上林繁次郎君 議事進行。
#113
○委員長(後藤正夫君) 速記をちょっととめてください。
   〔速記中止〕
#114
○委員長(後藤正夫君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
  午後一時七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
#115
○委員長(後藤正夫君) それでは、地方行政委員会を再開いたします。
 質疑を続行いたします。
#116
○神谷信之助君 先ほどの質問に対する答弁を先にやってください。
#117
○説明員(宮尾盤君) 先ほど御質問がありましたのは、雇用政策に関連しての御質問でありましたが、公的年金の支給開始年齢の問題とそれから雇用政策という点につきましては、これは相互に関連があることは事実でございますが、また、必ずしも一致しなければならないというものでもないというふうに考えております。ただ、これはいろいろな立場でも述べられておりますように、雇用政策と年金政策というものはやはり相連動をしていくことが望ましいということは、私どももそういうふうに考えておりますので、今後、年金支給開始年齢と退職年齢とにギャップが生じないように、できるだけ地方団体に対して指導をしてまいりたいというふうに考えております。
#118
○神谷信之助君 地方公務員関係だけですと、自治省の方で勧奨年齢を引き上げるようにする、行政指導を強化をするとかいろいろな方法をやってギャップを生じないようにすることができるでしょう。しかし、事はそれだけにとどまらないんです、問題は。
 ですから、これはちょっと大臣にお伺いしたいんですが、先ほどからしばしば言っていますように、厚生大臣は厚生年金の受給年齢を六十歳から六十五歳に引き上げる、その大改造計画を来年度予算に計上して、そしてこの通常国会に提案をするんだということを新聞記者会見で明らかにされています。そうしますと、いままでの衆議院の審議では、それは必ずしも連動しないんだということを盛んにおっしゃっておったけれども、主観的にはそうであっても客観的には、公務員共済を引き上げてそれを突破口にして――それはもうきょう成立をするというのが大体舞台裏では確定をしたその段階で、しかも厚生大臣が新聞記者会見をする。まさに公務員共済の受給年齢の引き上げを突破口にして、今度は全労働者を対象にした厚生年金の支給年齢を引き上げる、こういう方向が出ているわけです。したがって、これはもう単に公務員労働者だけの問題ではなしに、全労働者にかかわる問題になってきているんですね。
 しかも――まあ時間の関係もありますから一緒に申し上げますからお答えいただきたいんですが、もうすでに御承知のように、社会保険審議会が意見書を出して、そして、六十五歳への引き上げは時期尚早、言うならばそういう趣旨ともとれる内容の意見書を出しておられる。そして、報道によりますと、その中では、被保険者及び事業主代表委員の両方からは、高齢者の雇用情勢はきわめて厳しい、それから五十五歳定年制が全体で四一%を占めて定年延長は進んでいない。したがって老後の生活設計はきわめて不安だ、こういうような議論が出て、そして意見がまとまって厚生大臣に出されたようです。
 実際に高齢者の雇用状況を見ますと、これは昭和五十三年度の労働市場年報を見ても、四十六年から五十三年にかかる間を見ても、五十五歳から五十九歳の間の求人倍率というのは大体〇・一から〇・二程度ですね。その上がり下がりをしています。それから職安月報を見ますと、五十四年の八月の職業紹介状況は、五十五歳以上の職業紹介は百人に対して三・九人ですね。百人に対して三・九人しか職業紹介が成立してない。それから定年制の実施状況は、先ほど言いましたように、五十五歳定年制が四一・三%、そういう状況です。これは昭和二十九年に厚生年金の方が六十歳へ受給年齢を引き上げたときに、政府あるいは労働省の方は定年制の延長を指導しますということを約束をし、そしてまあいろんな努力をなさったけれども、現実に企業の方の定年制の状況というのは五十五歳定年が四一・三%というのがまだ現在の段階ですね。
 だから、こうしますと、この公務員共済をまず六十歳に引き上げ、それを突破口にしてすぐ厚生年金も上げるんだと、こうきているんですからね。これは事は重大だと思うんですよ。この点かひとつ、大臣は閣僚の一員でもあるし――これはいまのところ厚生省及び厚生大臣の見解ですから、そういう見解について、いよいよ公務員共済を六十歳に引き上げるという、そういう最終段階に当たって、この厚生大臣の見解についての所見ですね、それから、公務員共済と厚生年金、特に厚生年金の対象は全労働者ですから、それに対する認識を踏まえて御見解を聞いておきたいと思うんです。
#119
○国務大臣(後藤田正晴君) 先般、衆議院の審議の際にもその問題が出ましたが、私は、公務員共済は現在五十五歳、そこで先ほどから申し上げておるような諸般の事情を踏まえまして当面六十歳にするんだと。しかしながら、それをバネにしまして直ちに厚生年金六十五歳、それに合わしていくなんというようなことは考えてはおりません、こういう私はお答えをいたしております。
 厚生大臣の御所見につきましては、これは私からお答えをするわけにはまいりません。ただ、何といいますか、非常に高齢化の社会にだんだん入っていきますから、それぞれの組合が歴史的な沿革もありああいったお考えをお出しになったんじゃないかなと、こうは思います。
 しかし、少なくとも私どもが所管をいたしておりますこの制度については、六十歳に延ばすのに大体二十年前後かかる、こういうこれは案になっているわけでございますから、私どもとしては、五十五歳をこの際六十歳に上げるということをひとつお認めを願いたい。うんと長期の問題になれば、こういった年金制度というものは本来それぞれの制度の間に格差があるということは私は望ましいこととは思いませんから、うんと長期の先になればこれはわかりませんけれども、いま私どもがこれを改正するから直ちにそれをバネにしてなんというようなことは考えてないつもりでございます。
#120
○神谷信之助君 大体ね、六十歳に線をそろえなさいというのが前提としてあるわけでしょう、いままでのやつは。それで、今度こっちが五十五から六十に上げると、そうして大体もう法律の成立のめどがたったと思ったら厚生大臣は今度は六十から六十五に上げると。公務員共済の受給年齢引き上げがまさにバネになって厚年の受給年齢の引き上げが提案されている。もちろんあれも一遍にやるわけじゃないんですよ。一遍にすぐやるわけじゃないので、経過措置を長期にわたってやるのはあたりまえですよ。だから、こっちも二十年でやるからといってあっちも二十年でやるかもわからぬ。同じことでしょう、二十年先には一緒に上がるのだから。実際全面的に実施されるということになっちゃうわけでしょう。だから、大臣が何とおっしゃろうとも、まさに公務員共済の年齢引き上げが突破口になっていると、そういう状況になるのですからね。
 これは厚生大臣に、あなたはそうかもしれぬけれどもこれは慎重にやらないかぬと、まして公務員共済を強い反対があるのをやっと何とか成立さしてもらって、協力してもらったのに、すぐそんなことをやってもらったら困ると言わぬといかぬじゃないですか。これは所管事項はそうかもしらぬけれども、国務大臣の一人ですからね、内閣の中でその問題についてどうするかというのは当然閣議で議論になるわけでしょうから。そういう点について大臣の御自身の見解はいかがですかと聞いているのです。
#121
○国務大臣(後藤田正晴君) 神谷さんの御意見は私自身心得ておるつもりでおりますけれども、いずれにいたしましても今回のこの私どもの改正は、これをバネにして厚生年金を六十五歳に引き上げるといったような考え方はいささかも持っておりません。
#122
○委員長(後藤正夫君) ちょっと速記とめてください。
   〔速記中止〕
#123
○委員長(後藤正夫君) 速記を起こしてください。
#124
○神谷信之助君 それじゃ、いま大臣おっしゃいましたけれども、それをバネにするつもりはないとおっしゃるのだから、その立場で閣議の中でも、また厚生大臣に個人的にもお話をしていただきたいと思うのです。
 で、ことしの九月に年金問題についてのわが党の政策というのを出していますが、こういう「「高齢化社会」へ向けて総合的な老後保障を確立するために」という政策を明らかにしているわけです。この問題は年金だけで解決できる問題じゃないというように考えています。ですから、その場合の基本理念としては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、社会の進歩と発展に貢献をした一員としてお年寄りは尊敬をされるということで、したがって豊かな生きがいが保障されるという状態でなけりゃならぬということを基本にして、医療、年金、社会福祉、住宅、それから雇用対策、この五つの分野を総合的に考えないと、一つの年金あるいは個々の年金の受給年齢をぽこぽことあっち食い、こっち食いに食い荒らすというようなそういうやり方は本当に老後の社会保障確立にはならないという見地に立って、この国会にも老後保障に関する特別委員会の設置というのを主張しているわけです。
 で、私は、これからの高齢化社会に向けて、盛んにそのために引き上げざるを得ぬとおっしゃるけれども、そういうことをおっしゃるならば、そういう総合的な対策を考えないと、これは部分的なことを食い散らすということでは絶対にぐあい悪いというように思うのですね。時間の関係がありますから、一応その程度にして、申し上げておきます。
 最後に。時間の関係で一括して、細かい問題は事務当局の方からお答えをいただきたいと思います、大分減らしますから。
 遺族年金の問題、これは国際婦人年で、十年間ずっと運動が続いているわけですが、八割を遺族年金にするように要求が出ています。で、今日まで附帯決議では少なくとも七割にすべきだというのを繰り返し決議をしているわけです。これが一体どうなっているのか。附帯決議がそのまま放置をされておるということは国会軽視にもつながるので、この点をひとつ明らかにしてもらいたい。
 それからもう一つは、旧共済の組合員の年金額がきわめて低い。この点は御承知のとおりです。したがって、この点ではすでに旧共済の人たちが最低保障給をもらっているのが市町村共済の連合会の調査では九三・八%、地共済でも九〇%になっています。だから、九〇%以上の人々が最低保障給を受けているという状態は、これはもうまさに実態に合わない姿を示しているわけですから、この点について改善を研究してもらいたいというように思います。これは制度上の問題がありますが、この点で通年ルールを導入する方法、あるいは年金額そのものをふやす方法、まあいろんな方法を含めて検討してもらいたいというように思います。
 それから、昨年も申し上げましたが、既給一時金の年金からの控除問題。これは最低保障額からの控除はやめるということになった点はお聞きをしています。その点は前進だと思うんですけれども、単に新法施行に伴って、雇員から吏員になって一時金をもらったということで控除されるという問題だけではなしに、新法になってからも、たとえば病気になってやめて、そして今度は廃疾年金をもらう。そのときに一時金もらいますね、還付一時金。それが後でずっとそれ以上に控除されるという事態が続いているんです。これも大変な問題ですから、これもひとつあわせて改善をしてもらうようにお願いしたいと思います。
 それからもう一つは、これも昨年申し上げました例の被扶養家族の認定の問題。これは税法上の問題がありますが、運用の面で解決する方法はないものか。さらに一層検討をしてもらいたいと思いますが、この点についての回答をお願いしたい。
 一括して申し上げましたけれども、時間がありませんから、ひとつそれぞれ簡単に言ってもらいたいと思います。
#125
○説明員(宮尾盤君) 最初の、遺族年金の支給率の問題でございますが、この点につきましては、遺族年金の改善の方法としては支給率を引き上げるということも一つの方法でございますけれども、そうしますと、かえって所得保障という面から見ますと不均衡が拡大するのではないかという議論もあるわけでございます。したがいまして、そういう問題があるほか、遺族の範囲とかあるいは他の公的年金制度の給付との調整問題とか、併給調整問題といったいろいろな問題がございますので、他の公的年金制度の取り扱いも考慮をしながら、さらに今後検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
 それから、第二番目の旧共済組合員の問題でございますが、これは七十歳以上の長期に在職をいたしました老齢者等に対する優遇措置であります老齢者加算制度につきましては、御存じのように昭和四十九年度の改正におきまして、恩給制度の改正措置に準じて措置をいたしたわけでございます。先般、恩給法におきまして、特に高齢者でございます八十歳以上の者について改善が図られましたので、共済年金制度におきましても今回その措置に準じて改正をするということにいたしております。また、現在退職年金の場合と、遺族年金とかあるいは廃疾年金の場合とで老齢者加算の対象期間の取り扱いが異なっているというような問題もありますが、長期在職の老齢者等に対する特例という制度の趣旨にかんがみまして、今回、共済組合制度独自の改正といたしまして、退職年金の場合につきましても遺族年金及び廃疾年金の場合と同様に、いわゆる職員期間等も老齢加算の対象期間とすると、こういう改善を図ろうといたしております。なお、今後とも御趣旨に沿いましてこういった面についての努力はしてまいりたいと思います。
 それから、第三番目の既給一時金の控除の問題でございますが、この問題につきましては、今回の改正法の中でただいま御評価いただきましたように、改善措置を講ずるようにいたしております。なお、昨年通常国会の際に御議論がございました、新制度移行前の雇用人から吏員に昇任をした者についての昇任の際支給された既給一時金の問題でございますが、これは、現行制度では従前の年金制度の適用期間は、御承知のように新制度の組合員期間に通算をするということにいたしておりまして、このためその場合の年金額の算定につきましては、やはり従前の年金制度のルールによって算定した額を新法の適用期間に係る額に合算をして行うということにいたしておるために、その吏員昇任の際に支給された一時金については、当然これは調整をしなければ不公平になりますので、その控除は従前の年金制度における控除のルールということにしておるわけでございます。したがいまして、この制度をこれまでとは異なった方法でやっていくということについては、なかなか困難な問題があるというふうに考えております。
 それから、第四番目に被扶養者の認定の問題でございますが、これは御承知のように、給与法あるいは所得税法における扶養親族等の取り扱いを参酌をして決めておるわけでございます。したがいまして、この制度といいますか、現在の所得制限額の決め方は、たしか昭和四十九年以来動いてないではないか、据え置かれているではないかという問題があることは十分私どもも承知をいたしておりますが、この所得制限額というものについてはやはりある意味での具体的な取り扱いが必要でございますので、いろいろとこれまでも改善方について関係機関と協議、検討を重ねてきておりますけれども、他の社会保険制度の動向も十分見きわめて、今後さらに検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
#126
○神谷信之助君 まあ議論はありますが、これで終わります。
#127
○委員長(後藤正夫君) 他に御発言もないようでありますから、質疑は終局したものと認めます。
 神谷君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、本修正案を議題といたします。
 神谷君から修正案の趣旨説明を願います。神谷君。
#128
○神谷信之助君 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案について、御説明申し上げます。
 政府提出の地方公務員共済年金改正案は、年金制度の根幹にかかわる重大な改悪部分を含んでいることは、すでに審議の中で指摘したとおりであります。すなわち、年金の支給開始年齢を現行の五十五歳から六十歳に引き上げるという改正部分は、単に地方公務員労働者に犠牲を強いるだけでなく、他の年金制度の改悪につながる布石をなすものであります。
 わが党の修正案は、この年金支給開始年齢の引き上げ部分を政府改正案より削除するために所要の修正を加えようとするものであります。
 以上が本修正案の提案理由とその概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださるようお願い申し上げます。
#129
○委員長(後藤正夫君) ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もないようでありますから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#130
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、五党提出による昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に反対、わが党提出の修正案に賛成の討論を行います。
 今回提出された法律案は、既裁定年金額の引き上げと、年金受給開始年齢の六十歳への引き上げを主な内容としております。この重大な制度改悪である支給開始年齢の引き上げを、既裁定年金の増額改定と抱き合わせ、年金受給者の引き上げへの期待をてこに、制度を改悪しようとする政府の意図は厳しく批判されねばなりません。
 人口構成の急速な高齢化の進む今日の社会で、年金政策はいわば施策の中心ともなる重要なものであります。高齢化層の増大につれて、年金財源の増大は当然のことでありますが、それだけに勤労者の負担増を可能な限り抑えながら、同時に、年金財源を確実に保障できる合理的年金制度の確立を急いで進める必要があります。
 わが党は、すでに一九七二年、年金制度の整理統合と給付及び財政の抜本的改革を目指した、公的年金制度改革についての提案要綱を発表し、制度改革の基本的方向を提起し、年金制度の充実は日本経済再建への道の重要な具体策の一つであることを明らかにしました。さらに、本年九月には、高齢化社会へ向けて総合的な老後保障を確立するためにとの提案を行い、年金制度を含め総合的対策の必要性を提起し、国会に老後保障問題特別委員会の設置を主張しているところであります。
 しかるに、今回の支給開始年齢の引き上げは、公務員関係の年金財政のみを取り出し、その危機を公務員労働者への犠牲強要のみならず、年金全体系改悪による国民全体への犠牲で乗り切ろうとするきわめて卑劣な手段と言わねばなりません。現実に二十年以上の組合員期間を持つ五十五歳以上六十歳未満の退職者が全退職者の五割を占める事実一つを見ても、この措置の不当さは明らかであります。
 今回の改悪が、厚生年金の開始年齢の六十五歳延伸への突破口になり、ひいては公的年金制度の格差と財政難を口実とした、年金制度全体の改悪にさえつながることは明らかであり、断じて容認することはできません。
 なお、衆議院で修正された部分を含めても賛同するわけにはいきません。なぜなら、通常国会においては同様の共済法を審議する大蔵、農水の客委員会において、今回のわが党修正案と同趣旨の内容を日本共産党、社会党、公明党、民社党の四党共同で提案しておきながら、単に支給開始年齢引き上げの実施の時期を延長するだけのものに過ぎない内容に後退し、年金制度全体にかかわる重大な改悪をそのまま是認したものとなっているからであります。
 次に、わが党の修正案についてでありますが、これは政府案の改悪部分である支給開始年齢の引き上げ部分を原案より除くとともに、年金額の増額改定など、不満足とはいえ年金受給者の期待する改善部分の実施が速やかに実施できることになるものであり、賛成の立場を明らかにするものであります。
 以上で討論を終わります。
#131
○委員長(後藤正夫君) 他に御意見がなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について採決に入ります。まず、神谷君提出の修正案を問題に供します。
 神谷君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(後藤正夫君) 少数と認めます。よって、神谷君提出の修正案は否決されました。それでは次に、原案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#134
○委員長(後藤正夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 佐藤君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤君。
#135
○佐藤三吾君 私は、ただいま可決されました昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党及び参議院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、共済組合制度の充実を図るため、次の諸点について善処すべきである。
 一 退職年金の支給開始年齢を六十歳に引き上げるに当つては、将来の雇用保障との関連に充分配慮し、段階的に退職勧しよう年齢等を引き上げてゆくよう指導に努めること。
 二 高齢者の勤続が不適当と考えられる重労働職種や危険職種に長期間従事していた者が退職した場合における減額退職年金の減額率については、将来、必要に応じて一般退職者の減額率より緩和する途を講ずるよう検討すること。
 三 共済組合の長期給付に要する費用の公約負担分については、厚生年金等の負担と異つている現状にかんがみ、公的年金制度間の整合性に配意しつつ検討を続けること。
 四 懲戒処分者に対する年金の給付制度については、他の公的年金との均衡も考慮して再検討すること。
 五 特例年金制度の創設に当つては、特定事務従事地方公務員の実態を十分に把握し、この制度の運用に万全を期すること。
 六 年金の額の改定については、地方公務員の給与改定状況、物価の上昇等を勘案して措置し、地方公務員の退職後の生活の安定を図るとともに、その実施時期については、一年おくれとならないよう特段の配慮をすること。
 七 退職年金等の最低保障額については一層の引上げを図り、また年金からの既給一時金控除の方法等について検討すること。
 八 遺族年金の給付水準については、七〇%とするよう法律上の措置を講ずるよう努めること。
 九 短期給付に要する費用の組合員負担については、上限等について適切な措置を講ずるとともに、退職者の任意継続組合員期間を延長するよう検討すること。
 十 被扶養者の認定基準については、年金の増額改定等の実情にかんがみ、その適正化を図ること。
   右決議する。
#136
○委員長(後藤正夫君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#137
○委員長(後藤正夫君) 全会一致と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、後藤田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。後藤田自治大臣。
#138
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、善処してまいりたいと考えております。
#139
○委員長(後藤正夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#141
○委員長(後藤正夫君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方行政の改革に関する調査のため、自然休会中委員派遣を行うこととし、その取り扱い等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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