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1979/05/08 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第8号
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1979/05/08 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 地方行政委員会 第8号

#1
第091回国会 地方行政委員会 第8号
昭和五十五年五月八日(木曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     郡  祐一君     戸塚 進也君
     夏目 忠雄君     二木 謙吾君
     丸谷 金保君     野口 忠夫君
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     衛藤征士郎君     菅野 儀作君
     金丸 三郎君     中村 太郎君
     佐藤 三吾君     宮之原貞光君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     菅野 儀作君     衛藤征士郎君
     中村 太郎君     金丸 三郎君
     宮之原貞光君     佐藤 三吾君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     二木 謙吾君     夏目 忠雄君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     夏目 忠雄君     降矢 敬雄君
     加藤 武徳君     降矢 敬義君
     鈴木 正一君     岡田  広君
     戸塚 進也君     堀江 正夫君
     野口 忠夫君     小野  明君
     小山 一平君     坂倉 藤吾君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         後藤 正夫君
    理 事
                衛藤征士郎君
                金丸 三郎君
                佐藤 三吾君
                神谷信之助君
    委 員
                岡田  広君
                金井 元彦君
                鍋島 直紹君
                降矢 敬義君
                降矢 敬雄君
                堀江 正夫君
                山内 一郎君
                小野  明君
                坂倉 藤吾君
                志苫  裕君
                阿部 憲一君
                上林繁次郎君
   国務大臣
       自 治 大 臣  後藤田正晴君
   政府委員
       自治大臣官房長  石見 隆三君
       自治大臣官房審
       議官       花岡 圭三君
       自治大臣官房審
       議官       川俣 芳郎君
       自治大臣官房審
       議官       矢野浩一郎君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
       自治省行政局公
       務員部長     宮尾  盤君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
       自治省税務局長  石原 信雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       国土庁大都市圏
       整備局整備課長  平野 侃三君
       大蔵省銀行局大
       臣官房企画官   坂本 導聰君
       文部省初等中等
       教育局企画官   宮園 三善君
       文部省体育局学
       校給食課長    坂元 弘直君
       厚生省児童家庭
       局育成課長    会田 武平君
       農林水産省経済
       局総務課長    牛尾 藤治君
       建設省都市局下
       水道部長     遠山  啓君
       建設省道路局高
       速国道課長    田中淳七郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(後藤正夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十三日、丸谷金保君及び郡祐一君が委員を辞任され、その補欠として野口忠夫君及び戸塚進也君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(後藤正夫君) 理事の補欠選任に関する件についてお諮りいたします。
 衛藤君、金丸君及び佐藤君が一時委員を異動したことに伴い理事が三名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に衛藤征士郎君、金丸三郎君及び佐藤三吾君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(後藤正夫君) 地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明はすでに聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○佐藤三吾君 交付税に入る前に、大臣に若干聞いておきたいと思うのですが、最近のことでございますが、全国の首長、議員、これを対象にした調査結果が発表されております。中央政府の関与であるとか介入であるとか、それから問題の行政改革等について種々御意見が出されておるようでございますが、これに対する大臣の受けとめ方というか、それをまず聞いておきたいと思います。――大臣に聞いておる。
#7
○国務大臣(後藤田正晴君) 中身を先にちょっとお答えをいたしますから。
#8
○政府委員(砂子田隆君) 昨年の八月中に、いまお話のございました、公共団体に関しまして改善に関するアンケートの調査を知事あるいは市町村長さんあるいは議会の議長さんに行ったわけであります。その結果を五月の四日に公表をいたしました。この中身はすでに御案内のことと存じますが、一般的に、国と地方との事務配分の問題、許認可の問題、あるいは法令に関する問題、さらには地方におきます国の出先機関の存廃に関する問題、これらを総合的にお聞きをいたしたわけであります。今回のアンケートの中身自身が大部分が府県に関する問題が多うございまして、市町村に関する問題というのはほとんどなかったわけでありますが、それでもなおかつ市町村長さんのいろんな意見をお聞きした方がいいと、地方公共団体全般の問題もありますからお聞きをする方が望ましいということでお聞きしたわけであります。
 その中身を見ててみますと、おおむねの公共団体というのは、最近の国と地方との事務配分を見ましても、何らかの形において国の関与が多過ぎるという議論がありましたし、府県の単位の機関につきましても、あとう限りやはり改善をするべきだという御意見がありました。許認可に関しましても、なるべく身近な行政というものは身近な市町村なり県の段階においてやるべきであるというふうな結果が出ておりまして、私たちとしては一応公共団体の方の国に対する物の考え方というのは評価できるものだというふうに理解をいたしております。
#9
○国務大臣(後藤田正晴君) 今回のアンケート調査は、ただいま行政局長から御答弁申し上げたとおりでございますが、私としましては、どうもこういった行財政改革問題等について、とかく地方の側からする物の見方、これは必ずしも十分理解を得られているとは思いませんので、こういった調査の結果を踏まえながら、これを関係各方面に私どもとしては十分御理解を願った上で、今日の当面の課題にできる限り地方の物の考え方、地方の首長がどのようにいまの国全体を通ずる行財政についてどういった物の見方をしておるのかということを反映をさしたいと、かように考えているわけでございます。
#10
○佐藤三吾君 とりわけその中で、六月末をめどにします都道府県段階の行政改革に対する御意見がかなり出ておったと思うんですね。そういう意味合いでこの機会にひとつお聞きしておきたいと思うんですが、一つは地方事務官制度の問題、これはもうかねての懸案事項ですね。もう一つは補助金の削減の問題です。それを削減すると同時に地方にどう財源を移譲するのかという問題。それから三つ目には交付税の引き上げの問題、もしくはそれと関連して地方財政の確立の問題。それから国の自治体への関与、制約、介入の問題。この点について大臣の、これらの意見を受けての決意というか考え方というか、これをまずお聞きしておきたいと思います。
#11
○国務大臣(後藤田正晴君) いま佐藤さんお挙げになったような五つばかりの項目、これはいずれも、現実的な問題として考えた場合の解決策は私なかなか容易な問題であるとは考えておりません。しかし、先ほどお答えしましたように、どうも地方の側に立っての視点、これが従来の行財政改革に必ずしも十分とは私考えておりません。そういうような意味合いで、ただいまお挙げになったような項目についても、地方の首長の意見というものを踏まえた上で自治大臣としては対処してまいりたいと、かように考えております。
#12
○佐藤三吾君 私はこの機会に、いま申し上げた点について大臣の考えをもう一遍整理をして聞きたいと思っておったんですが、なかなか大臣そこら辺まで、まとめて重要な問題ということで逃げられておるので、後、おいおいその問題に入っていくと思いますが、これはやっぱり、言うなら地方を閣内で代弁していくという役割りを持つ自治相ですからね。地方制度調査会の中でもこの問題は再三言われてきておる。それがどうしてできないかといえば、やはりかかって自治相のいままでのこの問題に対する腰を入れた構えなり対策というのが抜かっておったと私は思っておるわけです。従来、代々の自治大臣は、大臣に就任するとなかなか威勢のいいことを言うんですけれども、結局言いっ放しでやめていっておる、これがもう実例ですね。ですから何年たってもこれが実現しないと、こういう経緯なんですよ。ここら辺はひとつ、いま自治大臣が言った点を踏まえて、よほどの決意を固めていかないとできない問題だと思いますね。そこら辺を含めて、これからひとつ個別の質問に対してお答えいただきたいというふうに思っております。
 そこで、まずお聞きしますが、歳入の問題ですが、五十五年度の地方財政計画を見ますと、法人税の見込みが非常に大きく出ております。県、市町村ともに二九%の計上をされておる。これはいまの情勢から見ると非常に見通しが暗いような、揺らいでおるような感じがするんです。景気は、物価値上げとも合わして、恐らく参議院選挙終了前後から落ち込んでくるんじゃないか、こういう懸念がされております。そういった場合の見通しを一体どういうふうに持っておるのかということが一つと、落ち込んだ場合に再算定を交付税の場合にやるのかやらないのか。五十一年度からもうほとんどこれやっていませんね、再算定は。その再算定をやらない場合に自治省がとっておる措置というのは、減収補てん債をかわりにとってきていますね。ところが、この減収補てん債というのは受けざらが公共事業でありますから、公共事業の受けざらが全部補てんできないところでは結果的には歳入欠陥と、こういうふうになっておるわけですが、そこら辺の見通しを含めて考え方をまず聞いておきたいと思います。
#13
○政府委員(石原信雄君) 初めに、税収の見通しの点からお答え申し上げたいと思います。
 御指摘のように、五十五年度の地方財政計画上の地方税収入の中で、法人関係税の収入見込み額は四兆三千七百八十五億円と見込まれております。この額は、五十四年度の当初計画と比較いたしますと二八・六%の増であります。それから五十四年度の決算見込み、まだ確定的ではありませんけれども、決算の見込みとの対比で見ますと、おおむね二〇%の増を見込んでいるわけであります。この税収見込みは、基本的には国税の方の法人税の収入見込みと基礎を合わしておるわけでありまして、政府の経済見通しを基礎にして立てたものであります。そこで、今年度に入りましてからごく最近の税収の動きなどを見てみますと、一番影響がありますのはこの五十五年の三月期の法人の決算がどういう形になるかということであろうかと思いますが、この点につきましては、現時点ではこの収入見込みを立てたときの見通しと余り変わっていない。見通しよりも悪い状況ではないと、このように私どもは承知しております。
 ただ問題は、この九月期以降の、五十五年の下期の法人の収益状況がどうなるかということが大きく響くわけでありますが、現時点でこの地方財政計画上の見込みを大きく狂わせるような状況というのはまだ出ていない。しかし、まあこれは国際情勢等も絡んで不透明な状況があるわけでありますけれども、現時点では地方財政計画の収入見込みを確保できないというふうな状況ではないと、このように見込んでおります。
#14
○政府委員(土屋佳照君) 全般的には、税収の見込みはただいま税務局長からお答えを申し上げたとおりでございますが、私どもといたしましても、財政当局といたしましても、今後のわが国の経済がいろいろな面で問題があること、そういった意味では先行き楽観を許さないという点もございますけれども、現時点におきますわが国の経済は総じてなお着実な拡大を続けておるといったような感じもいたしますので、ただいまのような見込みのもとに税収は十分確保されるというふうに思っておる次第でございます。
 そういったことではございますが、今後とも経済の推移あるいは地方団体の税収入確保の状況を見守りながら、私どもとしては地方財政運営に支障のないように適切な対応をしてまいりたい。まあいろいろなお話がございましたけれども、再算定をやるかとかといったような問題も含めてのお尋ねでございましたけれども、私どもとしては、一つはまず税収は確保できるだろう、もしそれができない場合でも、減収補てん債等も含めていろいろな方策を考えて適切な対応をして地方団体に御迷惑をかけないようにしたいというふうに考えております。
#15
○佐藤三吾君 いろいろな方策というんですが、和歌山県の有田市では、去年ですか、三億の減収があって、まあ減収補てん債で公共事業の受けざらが二億ほどやられておるわけですが、しかし、結果的には一億は公共事業の受けざらがないということで大変困ったと、こういう意見が出されております。各地の実態を見ると、そういうのもかなりあるんじゃないかと思う。いろいろな方策とは一体どういうことですか。
#16
○政府委員(土屋佳照君) 全般的に言いまして、減収補てん債を出さなければならない状況というのは、ここしばらくはそう多くの団体には見られなかったわけでございます。おっしゃるように、個々の団体ではそういった点について御相談もございましたし、そういった措置もしたわけでございますが、その他の措置と申しますのは、減収補てん債を出すものは出し、その後の財政運営の全般について私どもとしてそれぞれの団体については起債措置なり、場合によっては、物によっては特別交付税措置なり、いろいろな方法はあろうかと思っております。
 ただ、全般的に五十五年度の点で申し上げますと、減収補てん債を出すような必要はないと、全般的に減収補てん債を考えなければならぬほどの事態にはならないと思いますけれども、いまおっしゃいましたような受けざらとしての公共事業の問題等につきましても、御承知のように、ことしは起債の充当率も七五%というようなことでもございますので、かなり受けざらは五十四年度とは違う形になるであろうというふうに思っております。そういった状況等を見ながら、いま申し上げたように、全般的な財政対策ということを考えていったらいいのではないか。全部が全部そういった非常に大きな減収に伴う不安な状態になるというふうには考えていないわけでございます。
#17
○佐藤三吾君 全般的にじゃなくて、個々の自治体の場合にはそういう場合も出てくると思うんですね。そういった場合に、たとえばそれは減収分は翌年度で補正するということでなくて、そのことが結果的には再建団体に二〇%を超えるようなことにもなる場合もあると思うんですね。だから、そこら辺はひとついろいろな方策という特別交付税の問題なり起債とかいう措置もあるようですけれども、万遺憾なきを期していくという、こういうことをひとつ確認しておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#18
○政府委員(土屋佳照君) 実態に応じまして、また個々の団体の実情に応じまして、私どもといたしましては適時適切な対応をいたしたいと考えております。
#19
○佐藤三吾君 次に、歳入の使用料の問題でちょっとお聞きしておきたいと思うんですが、今回も高校の授業料であるとか、いろいろ値上げをされておりますが、引き上げ率を見ますと、高校であるとか幼稚園であるとか、予防接種、ごみ、屎尿、そういうものが、この基準財政需要額の中で計上しておる内容を見ますと、それぞれパーセンテージが違うわけでございますが、この基準は一体何をもとにやっておるのかお聞きしておきたいと思います。
#20
○政府委員(土屋佳照君) 使用料、手数料にはいろいろなものがあるわけでございますが、高校、幼稚園等については、御承知のように、国立学校の授業料改定等を勘案いたしましておおむねその伸び額等を基礎にしてやったわけでございますが、その他の使用料、手数料につきましては、最近の実績の増加率とか、五十五年度の経済見通しにおきますGNPの伸び率等を勘案するといったようなこと等で見込みを立てておるわけでございます。
#21
○佐藤三吾君 次に、超過負担についてお聞きしておきたいと思いますが、超過負担の解消が毎年言われておるわけですけれども、なかなか解消されてないのが実態です。そこで、地方財政法二十一条、二十二条に基づく各省協議がやられておるようでありますが、この中でどうして超過負担の解消が取り上げられてこないのか。また、解消のめどがついてこないのか。これ、毎年やられておるわりには一向に前進しない。この一年間でも法律に基づくものが七十一件、政令などが百八十一件というふうに聞いておるわけですけれども、これは具体的にどういう協議の実態にあるのか。わかる範囲で結構だと思うんですが、まずお聞きしたいと思います。
#22
○政府委員(土屋佳照君) 地方財政の健全性を確保するという見地から、地方公共団体の負担を伴います法令の制定、改廃とか予算編成に当たりましては、自治省の意見を事前に求めるということで、地方財政法の二十一条、二十二条があるわけでございます。自治省といたしましては、その趣旨にかんがみまして、かなり強く各省にそういった予算編成の際におきましてはいろいろ申し入れをしておるわけでございまして、毎年度七月と十一月に細かく事項を書いて改善の要請をいたしておるわけでございます。そういったことで、私どもとしては逐次改善が図られておると。そういったことは、過去の昭和四十三年以降の超過負担の解消の状況をごらんいただきましてもおわかりいただけると思うのでございます。
 しかしながら、やはりいろいろな社会経済の推移に伴いまして見直しをしなければならない問題等も出てまいりますし、また、従来からなかなか改善の進まない問題もございます。私どもとしては、今後とも根強くそういった点につきましては地方財政の健全性を確保するという見地、地方団体に超過負担を生じさせないという見地から関係省庁に要請をしてまいりたい。率直に申し上げて、これはもうかなり詳しく、かつまた時間をかけて各省庁と連絡をし、協議をしておるつもりでございます。
#23
○佐藤三吾君 その五十四年度の協議をした各省庁別の協議内容と結果を、後でいいと思いますが、ひとつ資料で出していただきたいと思います。よろしいですか。
#24
○政府委員(土屋佳照君) 私どもが各省庁に出しました中身につきましては、たとえば「地方財政」という雑誌等にも全部公表もいたしまして、各地方団体におわかりいただけるようにしておるつもりでございますが、いまおっしゃいました点については、また後ほど御連絡を申し上げたいと存じます。
#25
○佐藤三吾君 そこで、こういうこの超過負担の問題で訴訟事件になりました、たとえば大阪の摂津訴訟の問題等もございますが、最近また福岡の筑後市の訴訟の判決が出てまいりましたが、この筑後市の判決の内容について、どういうふうに自治省は受けとめておりますか。
#26
○政府委員(土屋佳照君) 筑後市の問題は、農業委員会に関連する超過負担の問題であると承知しておりますが、どうも突然のお尋ねでございまして、私どもその判決の内容なり何なり、ちょっと詳細には存じておりませんです。またその点につきましては後ほど調査の上で御意見を申し上げたいと存じます。手元に資料もございませんし、大変恐縮でございますが、意見を申し上げかねます。
#27
○佐藤三吾君 おかしいじゃないですか。突然の申し出じゃない。きのうちゃんとそれ言うていますよ。筑後訴訟の問題と言うています。突然の問題とはどういうことですか。
#28
○政府委員(土屋佳照君) 超過負担に関しては摂津訴訟なりいろいろな訴訟の判決があるというようなことで、そういったことをお聞きになるというようなことは聞いておりますが、具体的な訴訟については、いろいろな例がございます。具体的なその判決について、私ども残念ながら承知をしておりませんでしたので、その点については大変恐縮でございますが、具体的な中身について資料を持ち合わせておりません。
#29
○佐藤三吾君 これはしかし局長、おかしいんじゃないですか。もうその裁判というのはかなり長いことやられて、判決が三月の十五日に出たということであって、それが毎年各省折衝をやりながら一遍も議論されてないということですか。
 その内容は、端的に言えばこういうことじゃないんですか。農業委員会の機関委任事務ですね、この機関委任事務に係るいわゆる補助金というのが、本来なら一〇〇%補助しなきゃならぬのが結果的には十分の一しか補助されていない。そこでそれに対して住民の中から、一つは市長が怠慢じゃないか。もう一つは国自体が問題はないかということで訴訟を起こしているわけですね。住民に損害を与えたんじゃないかと。言うなら、農業委員会法の中にこういう規定をつくっておるわけですね。たとえば、「予算の範囲内において、」とか、さらにこの政令の中では、大臣が、事務内容、量など考慮して定める基準で算定した相当の額ということになっている。農業委員会法並びにそれに基づく政令について、行政官庁の方がいわゆる自由裁量で判断できるような規定になっているわけですね、補助金が。そこに今日の問題があるわけです。ですから、それを野放しにすれば、いわゆる農業委員会関係については永久に超過負担が続く。
 それに対する裁判の判決で見ると、そういうふうに農業委員会法がなっておるから、地財法や交付税法との関連から見れば問題があるけれども、しかし違法ではないと、こういう判決になっておるわけですね。いわゆる法律そのものに問題はある。けれども、それは法律として成立していますから違法ではない。したがって市町村長が怠慢行為をやったというふうにはならないと、こういう結論になっているわけですが、この問題は、やはり私は補助金関係の各種の法律の中にもそれに類するものがあるのじゃないかと思うんです。そこら辺の問題について、自治省としてはどういうふうに対処してきておるのかということをきょう聞きたかったわけです。
#30
○政府委員(土屋佳照君) 「国の負担金、補助金等の地方公共団体に対する支出金の額は、地方公共団体が当該国の支出金に係る事務を行うために必要で且つ充分な金額を基礎として、これを算定しなければならない。」ということが地方財政法十八条にあるわけでございますが、国庫補助基本額と地方団体の実支出額との差額が、すべてこれが超過負担になるというふうには考えていないわけでございます。地方団体が合理的な補助基準に基づいて事業を行う場合に支出することとなる額と国庫補助基本額との差というものが超過負担としてとらえらるべきものであるというふうに考えておるわけでございますので、実際上地方団体が支出した額に基づいて補助金の交付請求をするとか、あるいはそれがすべて超過負担だというわけには、私どもは断定するわけにはまいらないと思っておるわけでございます。
 しかしながら、こういったいろいろな判決等を通じて見ましても、結果としてはあくまでも補助基準というものがつくられて、それに基づいて算定される。そのものが実態に即して合理的なものであるかどうか。そこにも問題があるように思うのでございます。いろいろな問題が起こっているのは常にその点に帰しておるような気もいたしますので、私どもとしては、あくまでもその補助基準というのが実態に即して合理的であるというように、地方団体の意見も聞きながら従来からも関係省庁と協議をしたわけでございますけれども、今後ともその点については、先ほども申し上げましたとおり、超過負担などを生ずることのないように最善の努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#31
○佐藤三吾君 その最善の努力をするというのは、具体的にどういう努力をするんですか。
#32
○政府委員(土屋佳照君) 私どもとしては、補助基準がまず実態に即しておるかどうかということを、これは地方団体と相談しながら現実の実態を踏まえて議論をしておるわけでございますけれども、なかなか関係省庁との間においては、紙面の上だけではうまくいかない場合もございます。
 そういったことから、関係省庁と申しますとそれぞれの省庁に大蔵省を加え、自治省と三者でいろいろと実態調査をしながらそれに基づいて改善を図るというやり方をしておるわけでございます。そういった意味で、たとえば農業委員会補助金につきましても、たしか五十二年度に実態調査をして五十三年度から若干改正をいたしたと記憶いたしておりますが、ただいま申し上げましたように、いろいろ申し入れの中で了解してもらえばそれは予算編成時期において改善をしてもらう。しかし、どうしても超過負担かどうかということがかみ合わない、そういったときは、私どもとしては逐次実態調査を行いながらそれを改善していくという努力をしておるわけでございます。今後ともその方針は続けてまいりたいと思っております。
#33
○佐藤三吾君 要を得ませんが、十一時半には農林水産省も来るようですから、その上でまたひとつこの問題をお聞きします。――農水省来ているようですから、農水省はこの問題いかがですか。
#34
○説明員(牛尾藤治君) 先生の先ほどの御質問にございました筑後訴訟でございますが、私どもの考え方といたしましては、原告の方々の御主張が法令上当を得たものではないという反論をしたわけでございます。そして、判決は私どもの主張を認められたと、こういうことになろうと思います。
 ただ、私ども現に農業委員会制度を所掌しておるという立場で申し上げますならば、そういう判決が出て、裁判所の見解が出たということのみをもって、もうこれで農業委員会に対する国庫助成が十分だというふうにはとても考えられないわけでございまして、やはり農業委員会は、農政、特に構造政策の推進に当たりまして、その果たすべき役割りはますます重要となってくるわけでございますから、国庫補助の改善にはなお努力をする必要があると思います。
 いわゆる超過負担の問題は、先ほど自治省からお答えがございましたように、実態調査に即しましてまず改善されたものと考えておりますけれども、たとえば農業委員の会議出席手当の引き上げ、あるいは、これは奨励的補助でございますが、地域と申しますか、村の自主的事業でございますいわゆる任意事務についてのいろんな業務に対する補助の新設なり拡充、こういうものをいままでも努力してまいりましたし、今後もより一層の努力を払わなければならないものと考えております。
#35
○佐藤三吾君 農業委員会法の中において、いまあなたがおっしゃったように当を得ない訴訟だということで主張したというんですが、政令に言うところの「相当する額」というのはどういう基準でやっているんですか。政令で、大臣が、事務内容、量などを考慮して定める基準で算定した相当の額によるということになっていますね、交付額は。その相当の額というのは一体どういう基準ですか。
#36
○説明員(牛尾藤治君) たとえば、農業委員会のその職員の給与費について申し上げますならば、以前は一委員会一職員ということでございました。これは農業委員会の職員、平均して一委員会に三・四人ございます。そのうち二・三人は農業委員会の事務に専従と申しますか、もっぱらかかわっていらっしゃる職員でありまして、一・一人分はその他の市町村部局と仕事を兼務されておる方でございます。私どもが国庫補助の対象に考えておりますのは、そのうち法令事務、農地法や土地改良法の関係でございますが、そういう法令事務に従事している職員を補助対象職員とすることで、かつて一委員会一人でございましたけれども、先ほど自治省からお話もございましたように、実態調査をいたしました結果、実態が一人よりはやや量が多かったということで、一委員会当たり一・一六人相当、つまり全国で約五百三十二人ほどの職員給与費の増額を五十三年度からいたしております。
 また、その職員の給与の水準でございますが、十年以上前はたしか国家公務員の行政(一)の表の七等級一号俸程度でございましたものを実態調査によりまして引き上げてまいりまして、四十九年度の調査だったかと記憶しておりますが、現在は六等級八号俸という実態に即した補助内容でございます。
#37
○佐藤三吾君 そういった、この相当額の基準を決める場合には、自治省と協議の上でいままで決めてきたんですか、裁判までは。裁判後に決め始めたのですか。どうなんですか。
#38
○説明員(牛尾藤治君) 先ほど例に申し上げました、その一委員会当たりの法令事務の事務員あるいは給与水準、これは農林省、自治省、大蔵省三省の共同実態調査の結果によって決めたわけでございます。
#39
○佐藤三吾君 そうすれば、これは当然大臣、その協議の中に、これは自治省としていま言ったように職員の人件費の問題とか員数の実際の問題とか、こういうまさに一〇〇%国が責任を持って負担しなきゃならぬ性格のものですわね。そういった問題について、どうしてこの裁判までこの問題について放置をしてきたのですか。自治省自体は放置をしてきたのですか。
#40
○政府委員(土屋佳照君) まあ実態に合わない形で放置しておったということは、これは自治省としては申しわけないという形になっておったわけでございます。ただ、いろいろな意見がございまして、関係省庁が実態を見て措置しておられた、それについて自治省としてすみずみまでこれは全部知悉しておるわけではございません。地方団体の意見等があって、これは十分でないという話が出てきて、それで現実に関係省庁と実態調査等もして是正措置をするということになったわけでございます。それまでにもつと早くよく調査をして手を打つべきであったではないかと、こうおっしゃれば、その点については自治省としても怠慢であったということにならざるを得ないと思うのでございます。ただ、万般にわたる事業内容についてすべて私どもが承知しておるわけではございません。しかし、できるだけ各省ごとの問題を拾い上げまして、相当の項目にわたって、今日では七月、十一月、二回にわたってかなり詳細にわたった申し入れ等をしておるつもりでございます。過去において、そういった訴訟が起こるまで放置しておったという点については、これは自治省としても、実態を知らなかった点もあろうかと思いますけれども、今後そういった点については十分注意していかなければならないことだと思っております。
#41
○佐藤三吾君 この四十九年の内容を見ると、たとえば人件費が、市が支出したのが、委員手当が三百万二千四百円、職員給与が千八百十七万三百円。それに対して国が交付したのが、委員手当が十分の一の三十一万三千円、職員給与が千八百十七万に対して二百五十一万七千円。まさに一割ですね。こういった実態がもとでこの裁判が起こったわけです、逆に言えば。これが、裁判が起こったら直ちに見直しをして五十三年度から是正したと、こういうことでやっておるようですけれども、こういう事件自体が裁判にならなければ地財法の二十一条、二十二条に基づく協議が実効を上げない。これはほんの一例ですよ。ここに私は超過負担が今日累増しておる大きな原因じゃないかと思うのです。いかがですか、大臣。
#42
○政府委員(土屋佳照君) いまいろいろお話しがあったわけでございますけれども、私も当時の筑後市あたりの状況というのは存じませんが、いろいろ補助基準を決めてやっておられる場合には、一応全般的に見て、給与はこれくらいの水準と、それからその面に必要な職員は何人ぐらいという基準というものが、全般的に見て必要な事務を処理するためにこれだけ必要だといったようなものがあると思うのでございます。しかし、地方団体によりましては、いろいろ実態も異なるので、実際はそういった基準を超えて職員を置いておるとかといったようなことがございます。そういった地方団体の実態に応じて増員をしておるといったようなものまで、国庫補助基本額との差額が実際出たからすべてそれが超過負担であるというふうに見るかどうか、そこらはいろいろ問題があると思うのでございます。したがいまして、全般的な形でとらえた措置額と個々の団体で見た場合とではいろいろ差が出てくるだろうというふうに考えておるわけでございまして、一つの団体の状況がすべての団体にそのままに当てはまるかどうか判定しにくいわけでございます。したがいまして、いま例をとられた点で申しますと、ほかの団体もすべてそうであったという形で放置しておったものではないと思うのでございます。
 ただ、具体的に見てみますと、非常に職員数をよけい置いておるとかどうとかというところでは、補助基準額とかなり乖離が見られるというかっこうになることがあると思うのでございます。しかしながら、現実にそういった実態が出ておる限りは、そこらをよく調査をいたしまして、実態に合う、そしてまた、どの程度の水準が適切であるかということを私どもも確認をした上で必要な財政措置をとるべきだと思っておるわけでございます。
#43
○佐藤三吾君 いや私は、くどいようですけれども、この問題は農業委員会業務ですからね、全自治体に関連すると思うんですよ。たまたま筑後市でこれを取り上げたにすぎない。そのときの筑後市の場合は、四十九年度で総額一億七千五百六十三万の財政赤字なんですね。そういう中で、いま言ったように実際十分の一の補助と、こういうずさんな超過負担が農業委員会という一つの限られた部門で起こっておる。こういう実態がやっぱり赤字団体に転落していく大きな原因になっておることは間違いないんです。
 しかも、農業委員会は筑後市だけにあるわけではない。全自治体に存在しておる。そういう性格のものがなぜ起こったかといえば、当時は農業委員会では、委員会法で予算の範囲内という限定があったのですね。この裁判の途中で、農林省は農業委員会法を改正して、さっき言った、いわゆる政令に移しかえて、そして、大臣が事務内容、量などを考慮して定めた基準で算定した相当の額というふうに変えたわけです。だから、相当の額というふうに政令は変えておりますが、これはやはりある意味では主務大臣の裁量の範囲内と、こういう解釈をされないものでもないわけですね。そうなってくると、やはり地方財政法二十一条、二十二条に基づく協議というのが非常に重要な意味を持ってくるわけですね。
 ですから、私はやっぱりこの際ひとつ、農業委員会の一つの例に見られます、こういう主務大臣の裁量の範囲内であるという、地方自治体は全然口をはさむ余地のないような、こういった法を変えるか、もしくは地財法に基づいて、実態に基づいて、機関委任事務については全額国が負担するか、そこら辺の問題を、二十一条、二十二条を通じてひとつ自治省がきっちり点検していくか、二つに一つ、きちっとしないと、ここから見られる超過負担の現象というのは直らない、こういうような感じがしてならぬのですけれども、いかがですか、大臣。
#44
○政府委員(土屋佳照君) 一つには、やはり先ほど申し上げましたが、補助基準が実態に即していないということがあろうかと思います。そういった点を合理的なものにするという努力が一つございますのと、いまお話のございました、予算の範囲内で補助するというような規定の仕方が、いろいろな補助金でたくさんあるわけでございます。そういったことが、結果的には単なる予算のつけ方いかんによって不合理を生ずるということもございますので、私どもとしてはその補助基準を合理的なものにして、それに十分こたえられるだけの予算を計上してもらいたい、そういった意味で今後とも二十一条等の規定を生かしまして十分関係省庁と協議をしてまいりたいというふうに考えております。
#45
○佐藤三吾君 この問題、ほんの一例ですけれども、深刻な問題で、しかもいまの超過負担の問題すべてを集約していると思うので例を出したのですが、ぜひひとつそこら辺の問題を――私は農業委員会関係だけでなくて、これに類する各種の補助金の関連の法律もあるのじゃないかと思うのです。そこまで私は調べておりませんけれども。いわゆる大臣の裁量で勝手に決められる仕組みになっているのじゃないかと思う。そういった点も含めて、私はぜひ自治省で十分対処して、そのことによって自治体に超過負担が起こらないような措置をひとつこの機会に強く求めておきたいと思います。
 それから、国分寺の訴訟の問題について、これもいま判決が出されておりますが、これはやはり超過負担で、保育所が主体になっておるのですけれども、これは私裁判の判決を見ますと、一つ参考になると思ったのは、言うなら、自治体からの交付の申請がまともに申請されていなかった。したがってこれは自治体の方で当然要求手続すべきだ、交付申請は。実態に見合って超過負担にならないように交付申請をすべきだと、こういう意味にもとれる判決ではないかと思うので、ここら辺は私は超過負担の解消の方法として、もっと自治体に指導を強化をして、泣き寝入りせずにひとつ実態に伴う交付申請をするような指導を強化する一つのきっかけができたんじゃないかというふうな、判決を読んでみてそういう感じがしておるのですけれども、これは自治省としてはどういうふうに受けとめて、また指導をしようとしておるのか、お聞きしておきたいと思います。
#46
○政府委員(土屋佳照君) ただいまお示しの判決で示しておりますのは、補助金等の具体的な請求権は各省庁の行政処分たる交付決定によりまして発生をするといったような見解が示されているわけでございます。そういった点から考えますと、補助金等の交付決定は、法令あるいはそれに基づく交付基準に従ってなされるものでございまして、地方団体は一般にこの交付基準どおりの額で交付申請を行って、その交付申請を受けて国が交付決定を行っておると、こういう形になっておるわけでございます。
 そこで、御意見がございましたように、国の交付基準を上回る地方団体の実支出額に基づきまして地方団体が交付申請をしたといたしましても、結果としては申請額どおりの交付決定がされるということはないというふうに考えられるわけでございます。結局、実支出額を基礎として交付申請をするように地方団体を指導するということは、かえって混乱を起こして問題の解決にはならないといったような気もするわけでございます。私どもとしてはそういった意味で、あくまでも補助基準が実態に即して合理的なものでなければならぬので、そうなりますように地方公共団体の意見も聞きながら関係省庁と十分協議をいたしまして超過負担の解消を図っていくということを考えるべきだと思っておるのでございます。
 ただ、交付申請をしさえすればそれがうまくいくというわけでもないように思います。現実にその交付基準が十分でないからいろいろ問題が起こるんだと、そういうふうに問題をとらえて、その点の改善ということを図るということが基本的な解決につながるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#47
○佐藤三吾君 それはいまあなたがおっしゃるとおりですわね。交付基準が実支出額にきちっと適応するような基準なれば、これはもうこういう問題は起こらぬと私は思いますよ。しかし、現実にはそうなっていない。なっていないから、いま、あなたがいたずらに物議を起こすだけだということだけれども、物議を起こすことが問題を顕在化させて、そうして超過負担の実態をなくす大きなファクターになるのではないかと私は思うので、そういう意味で、この交付申請の指導を強化していくということが自治省でとらなきゃならぬ第一じゃないんですか。仮にもし、それが物議を起こして余り益にならぬという、交付基準そのものの改正が基本だというなら、具体的な改正をさせるめどというか、そういうものを持っておるんですか。
#48
○政府委員(土屋佳照君) 私が申し上げましたのは、この訴訟に示されておりますのは、各省庁での行政処分でございますこの交付決定によって具体的な補助の交付請求権というものが生ずるんだと、そこまで訴訟は言っておるわけでございまして、したがって、その行政処分たる交付決定そのものが間違いであるかどうかということの訴訟についてのことは触れていないわけでございます。だから、あくまでも行政処分たる交付決定、その範囲内でしかありませんよと言っておる。ところが、その行政処分そのものは、結果的には補助基準に従って決定されるというようなパターンでくるものですから、だから、そこのところが、いまの訴訟の結果を見ましても、それじゃ請求をすればそのとおりいくのかとなりますと、なかなかうまくいかぬのじゃないかといったような気もするものでございますから、やっぱり基本的には大もとのところを直さなければこれはいかぬのじゃないかということで、私どもの姿勢を申し上げたわけでございます。
 いろいろと問題が起こり、いろんなことが明るみに出て、そして問題が是正されていくということそれ自体は、私どもとして別に否定するわけじゃないわけでございます。結構なことでございますが、いま言ったような判決の趣旨から見ましても、私どもとしてはやはり、ただ交付申請さえすればいいんだというわけにはいかぬだろうという気がするものですから、補助基準というものを合理的なものに直すという点で私どもがもう少し努力をしなければならぬという決意を持っておるということでございます。
#49
○佐藤三吾君 いま言うように、大もとを直すための努力が、その問題が解決されていないからこういう問題が起こるわけです。
 そこで大臣、いま筑後市の場合、国分寺市の場合、いろいろ挙げたんですが、私はこれは、いまの実態が続く限りはまだ訴訟が次々に起こってくると思うんです。訴訟が起こって、しかも裁判所も判決の中で言っているように、実支出額に基づく交付申請をやって、そしてそれによって問題を顕在化させて、自治省が大もとを改正する一つの方法をとるのか。それとも、やっぱりこの二十一条、二十二条を基本に置いて、こういう事例が再び起こらないように各省折衝に身を入れて徹底させていくのか、その二つしかないと思うんですよ。今後の問題について、私がさっき冒頭に申し上げた問題とも関連するんですが、この超過負担の問題について、並みの姿勢では私はいまのこの仕組みの中では直らないというような感じがしてならぬものですから、これに対するあなたの決意というか、そういったものをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#50
○国務大臣(後藤田正晴君) 超過負担解消の問題は、累年ここ十数年来自治省としては関係省庁と実態調査等もやって、解消に努力は重ねておるのでございますけれども、じゃ、それで十分かといいますと、先ほど来御質疑のように、いろいろ問題があることは事実でございますので、今後ともこの努力はやっていかなきゃならぬと、こう考えております。その際に、訴訟等の事態を待つまでもなく、これは当然自治省としてはやはり地方団体の立場に立って関係省庁と十分協議もし、解消に努力をしていくということが当然とるべき態度であろうと、かように考えております。
 もちろん、地方団体の行う調査等を読ましてもらいましても、補助金等について、実支出額と補助の基準といいますか、それとの差額を全部超過負担であると、それを解消しろといったような主張は、私、地方団体としても比較的少ないと思います。そうでなしに、もう少し何といいますか、国の補助の基本額について、社会、経済の実態において、いまのは余りにもひどいではないか、もう少し実情に沿った補助金の支出をやるべきではないのかといったような、現実に即した私は意見が多いように思いますので、それらの点も踏まえまして、今後とも一層の努力をしたいと、かように考えております。
#51
○佐藤三吾君 ぜひひとつ強くこの点も要望しておきたいと思います。
 次に、同和対策の問題について、いろいろございますけれども一つだけお聞きをしておきたいと思うんです。
 御存じのとおり、特別措置法が三年延長になりました。三年延長になりましたが、事実上予算的に見ると五十六年度予算で終わりになりますね、三年延長という内容は。したがって、いままでの経緯からいっても、三年で片づく問題じゃございませんから、今後の基本的な調査というものが総理府を中心に、主体においてやられておると思うんですけれども、その中で、私が前々から疑問に思っておる点は何かというと、この同和対策の事業に対する財政措置というのが、交付税では特別交付税で措置されておるわけですね。もう御存じのとおりに、たとえば隣保館であるとか保育所であるとか病院であるとか、いろいろ同和対策事業でつくられておりますが、いま同和対策事業をやっている市町村の実態の中で、一番問題は何かというと、特別交付税ですから非常に不安定なんですね。ところが、そういう施設ができ、入れ物ができていきますと、それに伴ってやっぱり人を入れなければならぬ。そういう恒常的な経費というのが非常に高くなってくる。それまで特別交付税の中で措置されておる。ここに非常に不安感がつきまとっているわけです。
 私もいろいろ調べてまいりましたが、この理由がどうもわからない。自治省の言い分を聞いてみると、何か普通交付税に入れれば地方がもう全責任を持ったようなかっこうになるのでぐあいが悪い。やはり国にも責任を持ってもらわなければ困ると、こういう言い方もありましょうし、それから、地域がまばらだと。したがって普通交付税にはなじまないとか、いろいろ言っております。まばらであるから基準設定がむずかしいというふうなことではないかと思うのですが、しかし、特別交付税で算定しても、つまみ金でやっておるわけではないと思うのです。やはり一定の基準をちゃんと定めてやっておると思うのです。経常経費についてだけはその基準をそのままそっくり普通交付税の中に移しかえてもでき得るのではないか。また、経常経費が国の負担というのもちょっと私は、それこそなじまぬのじゃないかというような感じもするのですけれども、こういった問題について、何に隘路があるのか。問題点があるのか。本来、経常的な経費というのは普通交付税の中に全部算定しておるのに、同和事業だけ特交でオール措置をしておるということはいかなる理由なのか。そこら辺をまずお聞きしたいと思います。
#52
○政府委員(土屋佳照君) 御承知のように、同和対策関係の事業は、地域の実情によりまして、事業の種類なり規模なり範囲といったことがかなり異なっておる状況にございますので、標準的画一的な方法で算出をされます普通交付税の算定を通じまして、同和関係の経常経費等について措置をするということは困難である。これはやはり普通交付税の算定法によるものだど思っておるわけでございます。いろいろとその地域の実情によって経費が違う、それを標準的な団体の標準的経費として算入してしまうということになりますと、非常な差が出てくるということがあると思うのでございます。そういった意味から、十条債の元利償還金を除きましては、同和関係の財政需要については特別交付税で措置をしておるわけでございまして、その際に私どもとしては、具体的には人口割なり世帯割なり、市町村についてはいろいろな事業の状況等も勘案いたしましていろいろ算定の方式をつくり、毎年そういった点を精緻にしながら増額を図ってきておるところでございまして、いまのような地域の実情によって異なるという点から特別交付税措置をとっておるわけでございます。その中ではいま言った実情に対応したような配分の仕方をしておるということでございます。
 そのほかに、国庫補助の問題については、御意見がございましたけれども、やはりこういった事業の性格から見まして、維持管理費に係る国庫補助制度についても必ずしも十分とは言えないといった気もいたします。そういった点でもやはり私どもは拡充について関係省庁に申し入れもしたいというふうに考えておる次第でございます。
#53
○佐藤三吾君 五十年か五十一年ですか、福岡の産炭地か何かの補正で、補正係数に入れた例がございますね。こういう事例を適用するというごとはいかがなんですか。
#54
○政府委員(花岡圭三君) 産炭地補正につきましては、いろいろと数値が激減するような問題がございましたのでああいう措置をとったわけでございますが、この同和問題につきましては、ちょっとあれとは数値のとり方が違ってまいります。これをどういうふうな測定単位を用いてこの同和の関係の経費をはじくかということになりますと、これは本当に千差万別の事業がございますので、非常にむずかしい問題がございます。特に、先ほど御質問がございましたが、経常経費についての補助につきましても、これは私どもできるだけ国庫補助を出すようにということで、隣保館あるいは同和集会所等についても補助金の実現ができたわけでございますが、こういったこと等もやりまして、国の方からもできるだけ財源措置をしていただくということが基本ではなかろうかということもございます。そういったことで、私どもこの同和の経費につきましては特別交付税で措置をする。しかも、その措置をするときにはこれは特定項目といたしまして、不交付団体であっても、減額項目があっても差し引かないというふうなことで算定をいたしてまいっておるわけでございますし、また、年々特別交付税の伸びる率よりも多くの額を措置するというふうなことで、できるだけの配慮をしてまいってきておるわけでございます。
#55
○佐藤三吾君 いまあなたがおっしゃったような措置については私も知らないではないのですが、問題は、経常費を特別交付税の中で見るというのは、それでは逆に聞きますけれども、同和事業以外にどういうふうなのがございますか。
#56
○政府委員(花岡圭三君) たとえば母子健康センターの運営費とかあるいは僻地診療所の運営費等の例がございます。
#57
○佐藤三吾君 それはまた、どういう理由でしておるのですか。
#58
○政府委員(花岡圭三君) やはり普通交付税と申しますと、全国的にかなり普遍的なものであるということがこの算入の要件になってまいりますので、そこら辺の算定の問題等がございますから、個別に見た方が見やすいというふうなことでございます。
#59
○佐藤三吾君 どうもやっぱり納得できぬな。――これは大臣、いわゆる同和対策事業というものに対して長期的に見ていくことに、政府自体もまた自治体自体にも、何かこう、忌みきらうのじゃないですけれども、そういうようなものがあるのじゃないのですか、本音は。それでいろいろ理屈をつけておるのじゃないのですか。たとえば自治体の方に責任を全部おっかぶされたのではたまらぬとか、そういうところに原因があるのじゃないのですか。私は、なぜ聞くかと言えば、昨年の延長の経緯の議論からいってみても、ここ二、三年で問題が片づくような性格のものではないし、将来にわたって、長期にわたった差別をなくす施策というものがやられていかなければならぬ。そういう意味での一つの集中的な事業としてやられておるわけですから、その中でだんだん入れ物ができ人が採用されて恒久的になってくれば、これはやはり私は特別交付税というものでは自治体は当然不安定を感じてくると思うのですよ。また、関係者もそうだと思うのでね、ぜひひとつ、普通交付税に入れないというのではなくて、普通交付税に入れるためにはどうすればいいのかということを含めて、これは一遍検討してもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#60
○国務大臣(後藤田正晴君) 御意見は十分拝聴させていただかなければならぬと思いますが、いままで特交でしか見ていないというのは、やはり全国普遍的でない、したがって基準がとりにくいということが私は基本にあったのではないかと、かように考えるわけでございます。同時にまた、国庫補助等についても先ほど御意見がございましたけれども、これは私はやはり同和の問題というのは、日本の社会に横たわっておる、一日も早く解決をしなければならぬ課題でございますから、国として十分なる手当てをするのがたてまえである。それと相並んで、地方としても考えていくというのが筋道ではなかろうかなと、かように考えておるわけでございます。
#61
○佐藤三吾君 これは今後もまた問題が出てくると思いますが、その中でお聞きしていきたいと思います。
 次に、時間がございませんから、基準財政需要額の算定の問題で二、三お聞きしておきたいと思います。
 まず一つは図書館の問題ですが、標準団体の行政規模での算定基準は、公民館は本館が一に分館が七と、こうなっているわけですね。ところが図書館は一カ所しかないんです。地方の時代、地方の文化の向上という――大分近ごろは大平さんの言うあれはさめてきておりますけれども、しかしいずれにしても、そういう八〇年代は地方の時代だと言われるときでございますが、これはやはり私は、地域の住民から見ると非常に要望が強いんですよ。ですから各自治体では、とても一つではもたないので四つ五つというふうに標準団体でも持っておりますが、そのためにいま大変な出費がかさんでおるのですけれども、複数にすべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#62
○政府委員(花岡圭三君) 図書館は、御指摘のように、標準団体に一館という形で算入しておるわけでございますけれども、やはりこの基準財政需要額は各地方団体が合理的かつ妥当な水準において行政を行うというふうなことで、実態を調査しながらできるだけ実態と乖離しないように私ども措置してきておるわけでございまして、五十三年度の公共施設の状況調査をいたしましたところ、やはり人口十万団体ではほとんど一館というふうな結果が出てまいっております。そういったことから現在標準団体で一館にしておるわけでございますが、今後ともこういった状況は毎年調査いたしまして、実態と乖離しないように措置してまいりたいと考えております。
#63
○佐藤三吾君 ぜひひとつ、地方文化の向上の時代ですから、この機会に私も強く要求しておきたいと思います。
 次に、かぎっ子対策の問題です。――厚生省来ていますか。
 最近共かせぎ、それから核家族化ということから、児童の非行化というものを含めて各自治体で非常に取り上げられておるわけです。ところが、これを見ると、いま厚生省から若干の補助が出ておりますね。しかもそれは、五万以上の都市ということで限られておる。しかし、もういま農村でも出かせぎが非常に多いし、かぎっ子対策は五万以上の都市だけでは対応できないという実態にあるわけです。こういった問題について、いまの現状と、あわせて今後どうこれを強化していこうとしておるのか御報告いただきたい。
 同時に、自治省としてこの問題をどう見ておるのか、あわせて伺いたいと思います。
#64
○説明員(会田武平君) 先生御指摘のかぎっ子対策、つまり、学校の放課後の児童のいわゆるかぎっ子対策ということでございますが、実は、かぎっ子の実態は、非常に複雑と申しますか多様化いたしておるわけでございまして、一つは、対象のお子さんの年齢が小学校の一年から始まって高学年まである。あるいはまた、学校の終わる時間帯、つまり帰宅時間も相当開きがございます。したがいまして、お子さんの処遇の面も多様に対応する必要があるということでございまして、たとえば低学年のお子さんでございますと、非常に個別指導が中心になるわけでございますが、やや大きいお子さんでございますと、集団指導と申しますか、たとえば野球とかピンポン、そういう自主的と申しますか、主体的な遊びでございますとか、あるいは学習指導などが中心になるわけでございます。また一方、お母さんの就労時間が非常に区々でございまして、たとえば日中お母さんが不在の母子家庭から始まりまして、共かせぎのサラリーマンでありますとかあるいは自営業の方々、また最近はパートのお母さんなんかも相当ふえつつあるわけでございます。
 そういう実態でございますので、画一的な方策ではなく、むしろ地方の実情と申しますか、地域の社会資源を十分活用願いまして弾力的に対応すると、そういう方策が最も現実的、効果的ではなかろうか、実情に即するのではなかろうかと、基本的にはそのように考えておるわけでございます。
 そういう視点から、厚生省といたしましては、理想としては子供の生活圏と申しますか、遊戯圏に見合った児童館なりあるいは児童センター、まあ遊びを通じて子供の健康増進あるいは情操を豊かにするという健全育成の施設でございますが、これらを漸次整備することを基本といたしておるわけでございますが、さらには児童遊園でございますとか、あるいは先生御指摘の地域の学童保育所と申しますか、私どもの児童育成クラブあるいは子供会、母親クラブ、そういう地域組織の育成あるいは社会教育の分野におきます学校体育施設開放事業でありますとかあるいは労働福祉の分野におきます働く婦人の家の活用、さようなことで各省の協力をいただきまして、各分野の施策を適切に組み合わせる。そういうことによって地域の実情に応じて幅広くそういう施策の推進を図るというふうに私ども行政努力をいたしておるところでございます。
#65
○佐藤三吾君 自治省どうですか。
#66
○政府委員(土屋佳照君) 最近特に都市部で、お話しのございましたように、核家族化の進行とかあるいは既婚婦人の職場進出といったことから、いわゆるかぎっ子問題があることは私ども承知しておるわけでございます。ただいま厚生省からお話しもあったわけでございますが、一つにはこういった対策に資するという見地から、児童館とか児童センター等に係る運営費について国庫補助制度がとられております。それに対応して、地方財政計画において、交付税措置等も含めまして地方の財源措置を私どもとしてはしておるわけでございます。
 ただ、このかぎっ子対策としては、児童の健全育成上いろいろ対応策が検討されておるわけでございますけれども、現在のところ、いまのお話を聞きましても、確立された国の制度としての方策というものがあるわけではないようでございまして、地方団体においては、そういったことから、何と申しますか、いわゆる学童保育所といったような意味での問題等も含めて検討をされ、種々の単独施策としての対応をしておられるというふうに聞いておるわけでございます。そういった地方団体が独自の見地から任意にいろいろな施策をされておることにつきましては、個々具体的な形で交付税措置をするといったようなことはいたしておりませんけれども、総体的に単独福祉事業として所要の財源措置をしておるわけでございます。そういった中で、実態に応じた施策をしておられる、それに対しての全般的な財源措置はしておると、こういうことでございまして、今後この問題について担当所管省におかれましていろいろな具体的な問題をもとにして検討を進められ、適切な方法があればまた私どもとしてもそれに応じてどういった取り扱いをするかということは検討をしてまいりたいと思っております。
#67
○佐藤三吾君 ぜひひとつ、これは厚生省自体のというか国の努力というか、これもあろうと思うんですが、実態から見ると、国の施策というのはほど遠いですね、実態との乖離というものが。しかもこの現象というのは、私はたとえば共かせぎの問題にしてもそれから核家族化の問題にしても、何も急激に一時的なものでなくて、これからずっとそういう時代に入ってくると思うのです。そうすれば、かぎっ子対策というのは当然自治体では重要な施策の問題になるし、それに対してやっぱり自治省で交付税上の措置を何らかの方法でとっていくという、まあいまの局長の答弁は交付税とは言っていませんでしたが、何らかの措置をとるということですが、これはぜひひとつ重視をしていただいて、今後の検討の課題にしていただきたいということを求めておきたいと思います。
 もう一つは、保育所の措置費の交付税における密度補正を見ますと、これは一律の扱いになっておりますけれども、これも、いわゆる措置費の実態等を見ましても、乳児であるとか幼児であるとか、年によって分離しておりますから、ここももう少し、分離補正をするとかいう実態に合わした措置もとられてしかるべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#68
○政府委員(花岡圭三君) この保育所措置費の年齢による単価の差等につきましては、昨年のこの委員会におきます御質問等がございましたのでいろいろ調査をしてみたわけでございますが、いろいろ調べてみますと、三歳児未満の幼児と申しますか、この措置をいたしております団体、これ非常にばらつきがございます。全国平均は一八%程度でございまして、六%から一.二七%までいろいろとばらつきがございます。そういうふうなことで、なぜそうなっているのかということも、地域的に見ましても余り類型化できないような形でございます。そういうふうなことでもございますし、また年齢別に算定を行うといたしますと、それぞれのまた単価を設定しなければなりませんし、現在の保育の措置費が保育単価から保育料を控除する方式で算定されておりますというふうなことから、年齢別、あるいは所得別にどのような算定をするかという技術的な問題もかなり詳しく検討してみなければならぬと思うわけでございます。
 また、それだけに交付税の算定事務が複雑になってまいります。そういったことから、私ども、現在の段階では普遍度等の問題あるいはこれがそういった交付税が補助金化する問題等をどのように考えていくのか、こういったこととの調和等も考えながら、なお今後もう少し検討さしていただきたいと存じます。
#69
○佐藤三吾君 ぜひひとつそういった方向で検討をして実態に合うようにしていただきたいと思います。
 それから、下水道補正についてちょっとお聞きしておきたいと思うんですが、いまの測定単位は人口集中地区人口となっておるわけですが、密度補正のウエートが非常に低いために、実施しておるところ、未実施のところに余り差が出ていないんですね。で、測定単位が排水人口、排水面積に改められないかという要望が非常に自治体の中で強いんです。下水道事業を実施しておるところでは。この点はいかがなんですか。
 それからもう一つは、人口集中地区人口がなくてそして公共下水道をやっておるところについては、いま特交で措置をするという仕組みになっていますね。これは環境衛生事業の整備の一番柱になる事業ですから、そういう面から見ても普通交付税の中で措置してもらいたいという非常に強い要望があるんですが、この点はいかがですか。
#70
○政府委員(花岡圭三君) 現在、御指摘のように下水道費につきましては人口集中地区人口を測定単位といたしておりますが、これを排水人口等に変えられないかということでございますが、この排水人口の資料というふうなことになりますと、現在ではこの数値というのは公共施設状況調べ等によってとっておるわけでございます。測定単位を立てるということになりますと、やはり国勢調査によって明確に把握のできる人口集中地区人口といったような、かなり公信力の高いものをとらざるを得ないということで、排水人口等による補正をやっておるわけでございますので、これを測定単位の方に持ってくるというのは、現在のところやや不安があるということでございます4
 なお、それから人口集中地区人口がないために普通交付税で措置されていない団体につきましては、御指摘のように密度補正による増加需要額を特別交付税で措置しておるわけでございますが、これはまさしく先ほどお答え申し上げましたこととの関連でやむを得ずこういった措置をとっておるわけでございまして、現在のところ測定単位に排水人口をそのまま持っていくということは困難でございますが、できるだけそういった実態に近い処理をするための補正ということをやらざるを得ない、これが現状でございますので御理解願いたいと存じます。
#71
○佐藤三吾君 言葉はなかなかやわらかなんですが、結果的にはだめということですね。私はそういうことは承知の上で言っておるわけですがね。やっぱり下水道事業をやっておるところは非常に強い要求をしておるんですよね。そういう面から見て、これもだめ、あれもだめというのじゃなくて、もっとそういう実態に見合った交付税のあり方をとっていくと、こういう方向を私はやっぱりぜひ研究していただきたいと、そう思うんです。だから、さっき言ったように、測定単位が排水人口、排水面積ということでは不安だと、こういう御意見がございますけれども、これはもう少し研究していただいて、皆さん専門家ですから何らかの方法で実質的にこたえていく、こういった方法をひとつぜひ検討していただきたい、かように思いますがいかがですか。
#72
○政府委員(花岡圭三君) 基本は、こういった排水人口なり面積なりというものをつかめるような、非常に公信力のあるものができるということになればよかろうかと思います。たとえば下水道台帳の整備といった問題が先決だろうと思いますので、そういった方面が整備されますならばそちらへ移行できるということもございますので、いろいろそういったことも研究しながら、台帳整備等についても促進してまいりたいと存じます。
#73
○佐藤三吾君 ぜひひとつお願いしておきます。
 次に、給食調理員、用務員の問題について伺います。――文部省来ていますか。
 給食調理員の配置基準を見ますと、これは昭和三十五年に設定をしてそのまま二十年間放置をしておるようですが、これは端的に言いますと、食生活の向上なりそれから三十五年当時とは比較にならない学校給食の普及なり、そういった実態から見ると、私は実情に合わないんじゃないか、そういうふうに考えるわけです。自治労がこの問題で調査をした内容を見ましても、この定数確保及び身分安定についての基準の際に確認した、いわゆる市町立学校の職員として発令されていない学校給食調理員については、可及的速やかに市町立学校の職員として発令するよう努めることと、こうなっていますけれども、現実にはパートや臨職、アルバイトとこういうのが非常に多い。そのために、調査の結果を見ますと小学校で二千八百五十校の中で要員が不足しておるという訴えが出されておって、中学も大体同様な訴えが出ておるようです。しかも職業病が、小学校で九千九百三十六人が腰痛症、九千八十一人が頸肩腕症と、こういう訴えも出ておる。まさにそういう面から見ると、この二十年前の配置基準というのは実情に合わなくなってきておるのじゃないか。これの是正についてどういうふうに考えておるのか、まずそこを文部省から聞きたいと思います。
#74
○説明員(坂元弘直君) 確かに、先生御指摘のとおりに、私どもが学校給食を実施する場合の一応の目安といたしまして給食調理員の配置基準というものを決めたのが三十五年でございます。その後二十年経過しておるわけですが、先生御指摘のとおりに、三十五年当時から比較いたしますと、学校給食の献立内容なども多様化いたしまして、そういう意味から申し上げますと、労働過重の側面と申しますか、労働量がふえる要素も確かにございます。それと同時に、御承知のとおりに、三十五年当時はまだ脱脂粉乳の時代でございまして、学校現場で脱脂粉乳をミルク状に、液体にしなければならなかったということ、あるいはその後、三十五年当時から比較いたしますと、今日では施設設備が格段と整備されてきております。そういう意味から申し上げますと、その意味では労働軽減の要素もあるということで、必ずしも三十五年から今日を比較いたしますと、一律に労働過重の傾向にあるというふうには言い切れない面もあるのではないかというふうに思っております。私どもの調査によりますと、人数をグルーピングいたしまして、それぞれの段階で三十五年の基準と私どもで定めた一応の目安と、それから実態を比較いたしますと、そう実態との開きはないということで、私どもは、基準として、目安として、いまなお機能しておるのではないかというふうには思ってはおります。
 しかし、御承知のとおりに、昭和五十一年度から五十六年度までにかけまして、米飯給食を週二回導入するという計画を現在鋭意進めておる最中でございます。そういう意味から申し上げますと、いま労働量を測定し直す、あるいは実態を調査し直すというふうにいたしますと、必ずしも労働量が安定的に確定できるような状況ではない。そういう意味で、確かに二十年間たっておって、一概に労働量がふえたというふうには必ずしも言い切れる要素だけではございませんけれども、五十六年度に週二回の米飯給食が実施され、あるいはその後週三回ということが、国会等の御意見もあり、進めることになるかもしれませんが、いずれにいたしましても、米飯給食が全国的に定着した段階で、もう一度私ども実態を調査いたしまして、三十五年に定めた一つの目安が目安として機能し得るのかどうかということを洗い直してみたいというふうに現段階では考えております。
#75
○佐藤三吾君 あなたのところでやった調査というのは、毎年九月、十月にやっておる調査ですか。
#76
○説明員(坂元弘直君) 毎年五月一日現在で調査いたしております。
#77
○佐藤三吾君 文初地第二七八号、昭和五十四年九月六日、各都道府県教育委員会委員長あてに出しておる、初等中等局長の諸澤正道さんですか、この通達に基づく調査じゃないんですか。
#78
○説明員(坂元弘直君) ちょっとそれ、私ども体育局ですが、初地というのは恐らく初中局の地方課から出した文書だと思いますが、私ども、学校給食課限りで単独で、五月一日現在で調査いたしております。
#79
○佐藤三吾君 そうしますと、この調査ではないと。――そんならこの調査は別個にやっておるわけですね。
#80
○説明員(坂元弘直君) 少なくとも先生がお持ちのその調査とは別個でございます。
#81
○佐藤三吾君 そうですか。――この調査によると、私はずいぶん問題のある調査表が出ておると思うんですよね。これではないのでやったということなら、きょうはこの問題で質問は差し控えますけれども……。
 その調査の結果は、実態とはどういうことになっておるんですか。
#82
○説明員(坂元弘直君) 実態を調査したわけですけれども、その実態と基準との比較で見ますと、実態は大体基準の前後に落ちついておるというふうになっております。
#83
○佐藤三吾君 その基準の前後になっておるというのは、調理員の場合に、たとえばパートとかアルバイトとかそういうものを含めてじゃないんですか。それは正規職員がそういうふうになっているんですか。どっちなんですか。
#84
○説明員(坂元弘直君) 賃金職員も含めてでございます。
#85
○佐藤三吾君 そうすれば、あなたの場合、当然これは基準に照らして定数化措置をとっていかなきゃならぬものじゃないんですか。その辺の指導はどうなっておるのですか。
#86
○説明員(坂元弘直君) 三十五年当時と現在とはそういう意味での情勢は変わっておりませんので、私ども、一般的には定数化するようにという、そういう指導はいたしております。ただし、五十一年度からちょっとさま変わりいたしておりまして、御承知のとおりに、週二回の米飯給食を実施していくために必要な職員を臨時職員で週二回に限り雇っておる市町村もございます。そういう数字も五十一年以降の私どもの調査では賃金職員として入ってきておりますので、その種の職員については、週二回のまさに米飯給食だけの労働でございますので、賃金職員で処理するのはまあやむを得ない、ごく当然のことじゃなかろうかというふうに考えております。
#87
○佐藤三吾君 その米飯給食の実施に伴っての調査というのはいつごろやるんですか。
#88
○説明員(坂元弘直君) 米飯給食の実施状況そのものはやはり毎年五月一日現在でやっております。それから、給食調理員の配置状況と申しますか、充足状況の実態調査も毎年五月一日現在でやっております。
#89
○佐藤三吾君 先ほど私が言いましたように、これはあなたのところで調査がどういうふうになっておるかわかりませんが、それを聞きたいと思いますけれども、自治労の調査では、二千八百五十校の小学校で九千九百二十六人が腰痛症。それから九千八十一人が頸肩腕症の症状を訴えておるというのですが、この点は調査の結果はどうだったですか。
#90
○説明員(坂元弘直君) いわゆる職業病と申しますか、給食調理員のその種の調査は私どもいたしておりません。
#91
○佐藤三吾君 ちょっとおかしいんじゃないんですか。実態を調査をしていくというのは、いまあなたがおっしゃったように、果たしてこの定数基準が労働に見合って、そして健康な職場環境の中でやられておるかどうかというものを調査をして、それを基準にして定数配置を変えていくとか、そういう意味合いでやっておるのじゃないんですか。あなたのさっきの御報告を聞きますと、基準と実態とは合っておる、ですから二十年間改正もやってないのだと。やってなくてもいけてきたのだということを言っていますけれども、しかしそれは実態が、たとえば病気がどんどん頻発をしておるような職場環境だったら、その原因は一体何かと、定数の問題にあるのかどこにあるのか、当然そこら辺を調査しなければ、まともな定数配置基準ということにならぬのじゃないですか。いかがですか。
#92
○説明員(坂元弘直君) 先ほど御説明申し上げましたとおりに、そういうことを含めまして現在米飯給食を計画的に推進しておる最中で、労働力が必ずしも確定できる時期ではないので、昭和五十六年度以降米飯給食が全国的にある程度定着した段階で、定着いたしますとおのずから労働力がある程度確定できるということで、いま先生の御指摘の面も含めまして五十六年度以降に私ども調査して、先生の御指摘の点を含めて、基準が基準として機能し得るかどうかというのを検討してみたいというふうに考えております。
#93
○佐藤三吾君 私が指摘した点というのは、いま言うように、職業病の訴えが出ておるという実態等も含めて、果たして現在の定数が、安全な労働を含めて合致するのかどうかと、こういう意味での調査をすると、こういうふうに理解していいですね。
#94
○説明員(坂元弘直君) 他の同種の職種との相対的な比較、職業病の発生状況等の比較等を含めまして、いま先生が御指摘になったような方向を含めまして調査をしてみたいというふうに考えております。
#95
○佐藤三吾君 ぜひひとつそういうことで早急にやっていただきたいと思うんです。
 あなたの方の関係じゃないということだからいまはちょっと控えようと思ったのですが、これは文部省の初等中等局の調査なんですが、こういうところではつまらぬことは調査をやっておるわけですね。これはきょうは、あなたの担当外なら後ほどでも結構ですから、やはり文部省ですから、私の方にその理由をひとつほしいと思うんですが、この調査を見ると、たとえば組織系統区分というのがあって、その中に、自治労傘下の職員または地方公務員法五十七条に規定する等の職員で労働組合に結成加入しておるかどうか、こういう調査。それから、組合脱退者は、公立学校教職員の現職にある者で何名脱退したかとか、それから、一人の月額の組合費はどの程度納めておるかとか、組合費の一年の平均の額を記入することとか、それから臨時徴収金平均月額は何ぼかとかね。ここらのところはなかなかよう調査しておるんですね。まあこれはあなたの担当局じゃないから、きょう私は、あなたの方の調査の中にこれが入っておるのじゃないかと思って持ってきたのですが、これはひとつぜひ文部省としてこの理由を聞かしていただきたいと思うんです。その点つけ加えておきます。
 先ほどの点に戻りますけれども、ぜひそういうことで、定数基準というのは何も現員がおるということじゃなくて、本当に楽しく働けるという職場環境があるかどうかということがやっぱり正しい意味での基準ですから、そういう点はぜひ先ほどの確認どおりお願いしておきたいと思います。
 次に、四十人学級に定数改正がなされておるわけですが、これは十二年間で八万一千六百七十四人の教職員の定数改善をするということが基本でありますが、これは十二年間が先般の予算修正で三年後に見直すということになっていますから、その結果どうなるかは別としまして、ただこの中には、これは国の職員でないから組まれてないと思うんですが、いわゆる学校現業職員の分についてはこれと関連してどういうふうに是正しようとしておるのか。これをお聞かせください。
#96
○説明員(宮園三善君) 先ほど改正法が成立いたしました義務教育諸学校のいわゆる定数標準法でございますが、この対象になっております教職員は、都道府県費の負担職員でございます校長、教頭、教諭、養護教諭、事務職員、それから学校栄養職員でございます。これらはいずれも学校間の人事交流を含めまして、都道府県が全県的な視野に立ちまして任免権を行使する必要があるという職種というふうに考えられております。と申しますのは、個々の学校の実態に応じて教員の兼務関係、あるいは養護教員でございますれば小規模校の数校兼務を前提としてどのように配置するか。事務職員も同様でございますが、そういった都道府県が全県的な視野に立って任免権を行使する必要のある教職員につきまして、都道府県単位に置くべき定数の標準を定めるというのがこの標準法でございまして、用務員と事務補助員につきましては、こういった全県的な人事交流、任免権の行使の制度になじまないということで、今日設置者でございます市町村が必要に応じ配置するという制度をとっております。
 今回の改正の内容は、先生御存じのように、四十人学級を実施いたしますと約四万三千人の教員がふえますが、そのほかの配置率として約三万八千人の増員を図ることといたしております。その中身につきましては、現行法で未配置になっている部分、つまり教頭は十八学級以上に一人と旧法ではなっておりましたが、これを全校配置までとはまいりませんけれども、およそ六学級以上の学校に一人、それから養護教員につきましては……
#97
○佐藤三吾君 いや、現業職員のことを聞いておるんです。
#98
○説明員(宮園三善君) はい。――まあそのように養護教員につきましても事務職員につきましても、現在全校配置が実現していない。
 これに対しまして現業職員につきましては、自治省に増員方はお願いしてまいりましたけれども、現下のような国、地方財政の厳しい折りから、まずこの未配置職員の配置に全力を傾けるということで、今回の改正法の中身ができたわけでございまして、現業職員でございます用務員等については今回格別の改善を図っていないところでございます。
#99
○佐藤三吾君 自治省に要望してきたという中身はどういうことですか。
#100
○説明員(宮園三善君) 現在交付税の単位費用の積算上標準施設規模とされております、十八学級の小学校で用務員等が二名、中学校は十五学級のところで二名でございますが、それを一名ずつふやしていただきたいというお願いをいたしておったところでございます。
#101
○佐藤三吾君 自治省はどうしてそれをできないのですか。
#102
○説明員(宮園三善君) 申し落としましたが、私どもがその改善について実施できないということを了承いたしました理由は、先ほど申し上げました標準施設規模における用務員等の数を全国の数値に引き伸ばしてみますと、補正後の数値で試算いたしますと、交付税の基準財政需要額に算入されている措置人員が五十四年度で六万九千人程度になります。これに対しまして、五十四年五月一日現在の市町村支弁の用務員等、これは約五万三千ございまして、その間に一万五千余の差がございます。言うなれば未充足ということになりますが、個々の学校規模なり市町村の規模によって差は異なるとは思いますけれども、全国の総数としてはまだそういった状況であるということの実態を踏まえまして、文部省として、その改善を見送ることを了承したわけでございます。
#103
○佐藤三吾君 それは用務員の問題でしょう、いまおっしゃったのは。給食婦はどうなんですか。
#104
○説明員(宮園三善君) 給食従事員につきましては、やはり十八学級の小学校で四人、それから十五学級の学校で専任が二人、非常勤が一人、金額にしますと二・五人になりますが、これを先ほどと同様に補正後の数値で全国数へ伸ばしますと、八万五千四百程度になろうかと思います。これに対しまして、先ほど御説明のありました五十四年度実態の調査によります給食調理員、これは非常勤も含めてでございますが、七万八千人程度でございまして、若干基準財政需要額における算入人員の方が上回っているという実情にございます。
#105
○佐藤三吾君 しかし、文部省の調査によって、中学の場合には実際四人平均に標準の場合なっておるのじゃないんですか、四・三五程度に。いかがなんですか。
#106
○説明員(坂元弘直君) 私どもの調査ですと、ちょうど十五学級に入りますグルーピングしたところですと四・三人程度になっております。いま宮園企画官から御説明いたしましたのはトータルの話で、補正後の数字と比べますと、若干未充足の状態になっておるということでございます。
#107
○佐藤三吾君 なかなかややこしいんだな。ぼくはいま体育局と思って質問しておったら今度は初中局になっちゃってね。一緒に並んだらどうなのかね。質問がやりにくいんだな。
 それで、どうなんですか。体育局の方は未充足になっておると。それから初中局の方はトータルで言えばということで、なかなか理解ができないんですが、単位校で見た場合に未充足になっておるというその点が確認できたなら、当然やっぱり充足する措置をとるべきじゃないんですか。
#108
○説明員(坂元弘直君) 私ども、給食調理員に限って申し上げますと、三十五年の一つの目安は充足するようにということで、都道府県を通じまして従来から各市町村を指導してきておりますが、具体的にその目安を個々の市町村がどういうような対応の仕方をするかというのは、個々の市町村の財政状況等もございますので、急速に一律に基準どおりになるというのは、なかなか全国の市町村を横並びさせるというのはむずかしいのではないかと思いますが、いずれにしましても、そういう指導は三十五年から続けてきております。
#109
○佐藤三吾君 その指導を続けておるのがどうして、初等中等局ですか、ここでは自治省に対する要求を取り下げて納得したのか。いま見ると、用務員の場合に約一万人程度未充足。それから給食の場合には、特に中学校については四・三五という数字が出ておるわけですから、現実には二人の正規職員と一人の賃金職員という配置になっていますからね、基準が。これでは足りないということはわかっているわけです。そういう事実を踏まえて、どうして取り下げたりするのですか。
#110
○説明員(坂元弘直君) 先ほど宮園企画官が御説明しましたのはト一タルの話でございます。ちょうど五百人から九百人までのグルーピングの部分でそういう数字にはなっておりますけれども、小中学校合わせましてトータルで、私どもの調査で実態は昨年の五月一日現在で七万八千人。これに対して普通交付税上措置されておる補正後の数字は八万五千。トータルで申し上げますと、給食調理員につきましても、七千人程度が未充足になっておる。ただ、グルーピングして個々具体的に、じゃあ五百人から九百人のところはどうかというと四・三人になっておるというような実態でございます。
#111
○佐藤三吾君 だから、トータルの面でも標準の面でも未充足ということになるんじゃないんですか、あなたの説明から言えば。そうじゃないんですか。
#112
○説明員(宮園三善君) 先ほど私が、今回の改善に当たりまして用務員等市町村支弁の交付税上の人員の増加につきまして実現はできないことを申し上げたわけですが、それは、交付税でそれぞれ標準施設規模で二名ずつ措置されている、それを全国数で伸ばした人員よりも実際に配置されている人員の方が少ない。そういう現状も見て、それよりも先ほど申し上げました養護教員とか事務職員というのは、個々の学校に配置されていない学校がまだ二五%ある。そのものの改善を今回最優先的にいたしたと、そういうことでございます。
#113
○佐藤三吾君 養護教員その他について最優先したのはわかりますが、しかし、先ほどから私が言っているように、給食調理員の場合も用務員の場合も、職業病が発生して、訴えておるような実態にある。こういう中で、あなたのところで標準校を前提で要求すると、用務員の場合に一万程度不足する。それから中学の給食を見ると実際が四・三五と、こういう数字が出ておるわけですから、優先の問題は別にしまして、当然これはやはり充足さしていくというのが、これが文部省の基本でなきゃならぬと思うのですが、この点について、今後どういうふうにやっていこうとするのか、その点をひとつお聞きいたしておきます。
#114
○説明員(坂元弘直君) 中学校の調理員につきまして二・五人という交付税上の積算ですが、これは御承知のとおり、完全給食実施校、ミルク給食というのを除きまして、学校で調理員をどうしても置かなければならない、おかずをつくらなければならないという学校、そういう給食を実施しておるところというのが、全国で、学校数で六〇%程度でございます。そういうことがございますので、普通交付税の性格で全国一律的に処理をするとすれば、どうしても積算としては二・五人程度というところにならざるを得ない。これは私ども、学校給食を実施しておるところについては手厚く、実施していないところについてはゼロでいいからというようなことは、いろいろと自治省の関係者にも従来から話し合ってきているところでございますが、普通交付税の性格上どうしても一律に措置をしなければならない。一律に措置をするとすれば平均値で措置をせざるを得ないということでございますので、この点については今後も何か工夫ができないか、自治省とも御相談してまいりたいというふうには考えておりますが、現在のところ、中学校の学校給食の実施率が学校数で六〇%程度であるというところから来る数字でございます。
#115
○佐藤三吾君 時間ございませんが、もう一遍確認しておきたいと思うんですが、これは自治省に聞きますけれども、交付税の場合には、給食実施校、実施してない学校もまだありますね、それとは関係なしに定員配置というものを積算していますね。ところが、いまの文部省の言い方を見ると、トータル数では実際の方が少ない、そういう説明だと思うんですけれども、それは少し人をばかにした答弁だと思うんですね。私がいま言っているのは、実際やっているところで現実に定数をオーバーしてやっておるわけだから、やっぱりこれに見合った措置をとってもらいたい。しかも現場で腰痛症が起こったり頸肩腕症が起こったりという職業病の発生すら起こっているという実態なんだから、これはやはり実質的にどうするのか、緊急な措置をとっていかなきゃならぬじゃないか、これを私は言っているわけですから、これは自治省の見解も聞きたいと思いますけれども、ぜひ早急な措置をとるようにひとつ要求しておきたいと思うんですがいかがですかということが一つ。
 それからもう一つは、用務員の場合には学校によって――用務員がいないという学校はないですね、校長と用務員というのは明治以来ずっと全部あるわけだから。ほかの教諭はいろいろ変わったとしても。用務員の場合には、これはやっぱり実際上文部省の数字を見ても、配置定数がいわゆる用務員等二名という、交付税の中には事務職員を含めて二名ということになっていますね。ところが実際はそれでは足りないという数字が、たとえば小学校の場合に標準校では二・一八人とか、それから中学校の場合には一・九四とか、こういう数字も出ておるようですから、これはやっぱり絶対数そのものが私は足りないんじゃないかと思うんですが、ここら辺については、文部省がせっかく要求をまとめながら取り下げたということ自体が私は解せぬと思うので、ここら辺の問題を今後どうしていこうとするのか、あわせてひとつ聞いておきたいと思うんです。
#116
○説明員(宮園三善君) 用務員等と申しますのは、学校教育法上は、先ほど申し上げました校長とか事務職員、養護教諭等、そのほかはその他「必要な職員」と、こうなっておりまして、格別職種が書いてあるわけではございません。交付税上、単位費用の積算上に書いてある用務員、事務補助員、これは市町村支弁のその他職員というふうに私ども理解いたしておりまして、その二つが市町村が置くその他必要な職員と。ですから、その二人を全国数に伸ばした数で実態と比較しているという状態でございます。ですから具体的に、たとえば大規模校になりますと、用務員を二人置きたいというような場合には、そういった総数の範囲の中でおやりになっていくことであろうし、現実にそういった学校もあるというふうに聞いております。
#117
○説明員(坂元弘直君) 中学校の学校給食につきましては、現在、学校数で六〇%程度、児童生徒数ですと五五%程度で、全国の学校で半分の学校、児童生徒数が実施されていないという状況でございまして、私ども給食行政を進める立場から申し上げますと、ぜひ全国の学校でやっていただきたいということで、積極的に都道府県の教育委員会を通じて市町村を指導しておる最中でございます。
 そういう観点から見ますと、やっていない学校もやっている学校も含めて交付税上同じような措置というのは確かに問題があるとは思いますけれども、まだやっていないところには、交付税上これだけ積算があるのだからやるべきじゃないかという中学校の学校給食を進めていく上での一つのプッシュ要因にもなるということと、それから普通交付税の性格上、差をつけるのがなかなかむずかしいということで、やっている市町村については確かに先生御指摘の点のような問題点がございますが、いろいろなことを考えますと、なかなかむずかしいのではないかと思いますが、いずれにしましても自治省などと話し合って考えてまいりたいというふうに思っております。
#118
○政府委員(土屋佳照君) 先ほどから、学校給食調理員とか用務員等につきまして、個々の学校における実態等を見た上でそれに適切な措置をすべきである、そういった意味で、交付税ではどうしておるのだろうかというようなお尋ねでございますが、私どもとしては、地方交付税は、標準団体におきます標準的な事業の実施ができるような形で算定をし配分をしておるわけでございますから、全般的にそれがどのようになっておるかという点を見て措置しておるわけでございます。そういった意味から見れば、先ほどからお話しがございましたように、現在小学校においては給食調理員については四人、中学校におきましては二人と賃金職員一人を措置しておるわけでございまして、その点については文部省の学校給食課で調べられました五十四年の五月一日現在の給食従事員数と、それから学校基本調査によります学校数を基準にいたしまして、各学校当たりどれくらい人間が配置されておるかという実態を見てみますと、普通交付税で措置しておる数はそれを上回っておるわけでございます。したがって、私どもとしては大きな乖離はないので妥当なものだというふうに考えておるわけでございまして、交付税の算定上、個々のいろいろな事情はあろうかと思いますが、総体的な財政措置としては遺憾のない形にしておると思っております。
 また、用務員等につきましては、標準団体で用務員等二人ということで、お示しのございましたように、用務員が一人で事務補助員が一人というふうになっておるわけでございます。実態に比べて低いのではないかというようなお話もございましたが、これまた、私どもとしては、文部省の学校基本調査等を基礎にして見ておるわけでございますけれども、それによりますと、用務員は一校当たり一・二人というような、これは小中学校平均でございますが、そういうことになっておりまして、現在の交付税措置というのは大体妥当なものだと思っております。また、実態上私どもが聞いておりますのは、交付税で算入しておる事務補助員にかえて用務員を二人配置しておるといったところもあるようでございます。そういった意味で、学校基本調査におきます用務員なり事務補助員、それを合わせました一校当たりの人員を見ましても一・五人ということでございまして、二人には達していないということでございまして、私どもとしてはそういった意味で交付税算定上は問題はないというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、先ほどからいろいろと文部省のお話しがございましたが、今後のあり方をめぐっていろいろ検討もされるということでございます。そういった結果どういう形に持っていかれるのか。それが妥当なものであるならば、その実態に応じて改善の必要があるかどうか、検討することについてはやぶさかではございません。
#119
○佐藤三吾君 もう時間がございませんから、ひとつ要望なりしておきたいと思うんですが、いま自治省の説明を聞くと、言うなら文部省の、あなた方が出された調査の資料で見ると実態に合致しておる、したがって問題はない。ところが、さっき体育局の答弁を聞きますと、個々の学校、標準校を基礎にして見ると、たとえば給食婦は四・三五の実態だと。トータルにすれば確かに交付税の算定の人員から見て若干足りないぐらいだけれども、個々のケースから見ると中学の給食婦は不足しておる、配置基準が不十分だと、こういう点が明らかにされておるし、用務員にしてもそうだと思うんですけれども、そこら辺は、さっきの自治省の財政局長の答弁にありますように、自治省の場合にはトータルじゃなくて標準校を基礎とした数字を基準にして言っておるわけですから、私はやはり主管庁としての文部省が、そこで働いている労働者の中に職業病が発生するような、そういった過重労働ということ自体、しかも何か複雑な職業ならともかく、言うならきわめて単純な、そう職業病が発生するような環境の職場ではない。そこで発生しておるということは、過重労働に起因しているわけですから、そこら辺はやはり責任を持ってひとつ定数配置をしていく、調査と実態を合わしていく、こういった姿勢を貫いていかなければ、そこで働いている労働者にとってはたまったものじゃない。ただ、それを今度は自治省が交付税の中で受け入れるかどうか、ここの問題は、私はやっぱり大蔵も入れた協議の対象になるんじゃないかと思うんですが、しかし自治省は実態に合わせて受け入れると、こう言っているわけですから、もっと裏を返せば、交付税のいまの算定額は実態に合っておる、合致しておると、こう言っておるわけでありますからね。合致していないところは堂々とやっぱり自治省に主張して、労働者保護の立場に立って確保していくと、こういった態度を貫いてもらいたいと私は思うのです。その点をまず文部省の方に要求しておきたいと思います。
 それから、さっき、体育局だと言うものですから私はこの問題を追及するのはやめたのですが、ひょろっと今度は初等中等局が出てきておりますが、それなら初等中等局に私は質問したいのだけれども、もう時間がないものだからできませんけれども、さっき言ったこの内容については、ひとつぜひ企画官の方から私に回答をいただきたいと思うのです。どういう意味でこの調査をやったのかですね。その実態を報告してもらいたいということを要求しておきたいと思います。
 最後に大臣、時間がございませんでしたからなかなか突っ込みが不十分な点もあったと思うのですが、給食調理員、用務員の問題については、先ほど文部省からお話しがあったように交付税の算定人員が、トータルとしては別ですよ、個々の学校の実態から見ると必ずしも合致してない。もう一つは、用務員の場合は一交付税では用務員等ということで二名、事務職員も含めておるわけです。ところが、現実の職場の実態というのは、用務員の業務というのは、やはり二・一八とかいう実態が出ておるわけですから、こういった問題についてはもう少し精査してもらって、検討改善を加えて実態に合うようにしてもらう。このことを要望しておきたいと思うのですが、大臣の答弁を聞いて終わりたいと思います。
#120
○国務大臣(後藤田正晴君) その点は統一的な基準でやっている交付税制度と、現実の学校への配置の問題とのギャップの問題のように拝聴したわけですが、これはいずれにせよ知恵の出し方が何かあるのではないか。そこらの点についてはもう少し勉強さしていただきたい、かように思います。
#121
○委員長(後藤正夫君) ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#122
○委員長(後藤正夫君) 速記を起こしてください。
 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時五十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時五分開会
#123
○委員長(後藤正夫君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 夏目忠雄君が委員を辞任され、その補欠として降矢敬雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#124
○委員長(後藤正夫君) 休憩前に引き続き、地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
#125
○上林繁次郎君 まず最初にお尋ね申し上げたいことは、五十四年度の地方の財源不足額は四兆一千億円、五十五年度は二兆五百五十億円、実際は五十四年度補正による六千百九十七億円、これの繰り入れを含めると二兆六千七百四十七億円と、こうなるわけですが、いずれにいたしましても、いろいろな要素を含めて五十四年度より今年度の不足額が減ったということです。好ましいことであることは間違いない。昨年度あたりの見通しからすると、不足額というものが減ってきたその最大の原因、それがどの辺にあるのか、まずお聞かせを願いたいと思います。
#126
○政府委員(土屋佳照君) ただいまお示しのございましたように、財源不足額は二兆を超えるかなりなものではございますけれども、五十四年度の四兆一千億に比べましてかなり減っておるわけでございます。
 これの原因としては、一つには、歳出におきまして、全般的に財政の健全化への一歩を踏み出そうということで、抑制的な基調に立って地方財政計画を立てたということでございまして、その意味において歳出規模がかなり圧縮をされた。たとえば、国の関係におきましては公共事業費が横ばいといったようなこともございまして、投資的経費のうちの公共事業費は地方財政計画においても伸びなかった。そういったようなこと等もございまして歳出規模がかなり抑制されたということが第一点。それから一方歳入面におきまして、一つには五十三年の中ごろから景気回復に伴いましてかなり税収が伸びてきたということでございまして、そのために五十四年の当初見込みに対して五十五年の見込みはかなりな増加見込みが立てられたということが挙げられるかと思うのでございます。それ以外に、先ほどお示しのございましたように、五十四年度で補正絡みの六千百九十七億を五十五年度へ送って使うといったようなこと等もいたしました。そういったもろもろの要素が重なって財源不足額というものが減ってきたというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、いま申し上げましたような税収等が伸びたこと、もちろんこれは税制改正による増も含んでおりますけれども、そういったこともございまして、一般財源のシェアというものは高まってきておるわけでございます。そういったこと全体を見れば、まだまだ二兆を超える厳しい状況ではございますけれども、全般としてはまあ悪化はしなかった、一歩健全化の方向へ出たというほど強い言い方ができるかは別としまして、ややそちらのいい方向へ動き出したというふうに考えておる次第でございます。
#127
○上林繁次郎君 それで、いまおっしゃったとおり、とにかく国の一般会計全体の引き締め、また昨年度公共事業を大きく進めてきた、そういったものも一つの成功といいますか、景気の底上げ、そういったことによっての問題が一つですね。そういうような要素を含めて、昨年から比べると今回不足額が大分減っている、こういったこと。そこで、いま申し上げたように、昨年は公共事業を相当力を入れて進めてきた、それがいわゆる景気につながってきた、こういったことが言えるわけですね。
 そうすると、ことしはそれを引き締めてきたわけですね。大体昨年並み、七・三%ぐらいですか、この伸び率は。大体横ばい。そういう状況の中で、今後のいわゆる日本の経済がどういうふうになっていくのか。そういうものを踏まえて、ことしはまあまあとしても来年度以降これがどういうふうに展開されていくのかという点が心配になってくるわけですね。そういうことで、五十六年度に限ってもよろしいが、その先と言ってもなかなかむずかしいんですが、さしずめ五十六年度のいわゆる財源不足、こういったものをどの程度に考えていらっしゃるのか、その点をお聞かせを願いたいと、こう思います。
#128
○政府委員(土屋佳照君) ただいまお示しのございましたように、本年度は何とか財源不足額は縮めることができたわけでございますけれども、現在の経済全体の動きを見ましても、なおこの石油価格の問題、あるいは供給不安、世界経済全体が不透明であるといったこと等を考えてみますと、五十六年度にかなり多くの税収が出てくるといったようなことを期待することはこれはやっぱり無理じゃないかという気がするわけでございます。しかし、私どもとしては、財政の健全化ということをねらいといたしましてことしかなり抑制的な基調に立ったわけでございますが、そういった姿勢は来年度も崩さない。しかも、かつ国民のいろいろな要請のございますような点については、地方団体といたしましても、一層いろいろな面で合理化を図っていく。経費の効率的な使用ということに配意するということに努力をしていかざるを得ないと思っております。ただ、そういう状況でございますから、いまのような抑制基調に立ってやりましても、全般として必ずしも直ちに好転するというふうには言いにくい。特に、本年度のいろいろな特殊な事情というものが来年度も同じようにあるというふうに考えるわけにはまいらない面もあるわけでございますから、私どもとしては、五十六年度はむしろ相当引き締めてかからなければならないし、また、いろいろな手段を講じなければ、ことしよりもあるいは財源不足というものはもっと出てくるのではなかろうかといったような気もしておるわけでございます。
 御承知のように、地方財政収支試算というものは、六十年度におきます一定の水準というものを頭に置きまして、五十五年度をベースにいたしまして、等率的に経済の推移等、あるいは税収の、六十年度における国民の租税負担率が幾らになるかといったこと等頭に置いて試算をしたものでございますから、きわめて機械的なものでございますけれども、これによりますと、一応五十六年度は二兆五千億というふうに見ておるわけでございます。しかし、これとても一応ある程度の租税負担の増加ということを頭に置いての数でございますから、そういったこと等が現実の問題として五十六年度の財政計画を組む際にどういうことになるのかということによっては、この数はまた違ってくるだろうと思っております。しかし、いずれにしても、相当な手を打たなければ、そう簡単には赤字が減ってこないような気がするわけでございますので、税制改正を一体どうするのかということ等も含めて、私どもとしては今後十分検討をしていかなければならないと思っております。
 ただ、最初に申し上げましたとおり、何せその基礎になります現行法における税収見込みなりその他がまだ不透明でございますので、的確にいま申し上げるわけにはまいりませんけれども、全体としては容易ではない。お尋ねは、ずばり幾らぐらいになるかということでございますけれども、大変長ったらしいこと言ったわりにはそこは明確に申し上げにくい点を御了解を願いたいと思うのでございます。
#129
○上林繁次郎君 実際問題、明確なお答えがいただけないかもしれませんね。心配するのは、いまも申し上げたように、昨年度は相当大規模な予算を組んでそして公共事業に力を入れた。そういったことがどれだけか成功して、そして地方の収入もふえてきた。そういうやさき、今度は余りやり過ぎても景気過熱と、こういった問題もあるでしょう。いろいろなことを含めて縮小した。それで果たして来年度は、今年度のこういう状況の中で、昨年と同じような状況を生み出すことができるかどうか、これは非常に疑問に思うわけですね。ですから、これからのあり方というものはどうなくちゃならないのかということがわれわれとすれば心配になるわけですね。そういう意味でお尋ねをしたわけですが、これ以上この点についてお尋ねしましても、明確な答えというわけにはいかぬでしょうから、そういったことをひとつ十分に踏まえて対処していただきたいというふうに思います。
 次にお尋ねしたい点は、昭和五十年度以降地方交付税は、現行制度のもとでは、その所要額を満たすことができなかったわけです。そのために、毎年度交付税特別会計よりの借り入れ、あるいは財源対策債で賄ってきたわけですよ。今年度の交付税特別会計の借り入れは、申し上げるまでもなく八千九百五十億円。五十五年度末で交付税特別会計からの借り入れ累計額は八兆九百九十億円、こういう巨額なものになるわけですね。さらに今年度の財源対策債は一兆三百億円、五十五年度末の累計額は七兆三千七百億円に達するわけです。そうしますと、現時点で考えるならば、この償還は将来膨大な額になる。この解消のための今後の地方行財政のあり方、これはもう当然真剣に考えなきゃならない問題だし、適切な措置をとっていかなきゃならないわけですが、この点について、これは大きな問題でもありますので、大臣から、今後のこれらに対するお考えをお聞かせ願えればと思いますが。
#130
○国務大臣(後藤田正晴君) 御質疑のように、五十年度以降巨額の財政収支の赤字が続いておるわけでございます。これをどう解決するのかという問題、大変むずかしい問題でございますが、やはり一つは事務事業を見直すとか、あるいはまた行政機構の問題に手をつけるとか、あるいは人員の問題であるとか、いろいろ根本的な問題がございますが、やはり何といっても当面は経常的な経費の節減合理化、経費の効率化、これを何とかやらなければなるまい。しかし、それでこういったものが消えてなくなるかといえば、私は消えてなくならぬと思います。ならば、どうするんだということがこれからの一番の厄介な問題であろうと、かように考えておるわけでございますが、この点は、国、地方を通ずる大きな課題ではなかろうかということで、御承知のように、五十五年度から行財政の根本的な改革にひとつ取り組んで、そして高度成長時代の水ぶくれをしておるいろいろな諸経費にメスを入れて、その上でできるだけの措置を講じて、そこでさてどうするかという問題について広く国民的な合意も求めて、税財政の根本的な改革に乗り出そうと、こういうのが今日の私どもの基本的な考え方でございます。
#131
○上林繁次郎君 この点について、大臣からお聞きしたんですが、非常に大ざっぱなんですが、そのお隣の財政局長も何か言いたいんでしょうから。
#132
○政府委員(土屋佳照君) 基本的にはもう大臣からお話しを申し上げたとおりでございまして、いろいろと数字を挙げてお示しいただきましたけれども、現在のこの借金の累積というものはかなりなものでございまして、私どもとしてはこれをどういうふうに解消していくかということはなかなか容易ではないと思っておりますし、基本的にはもう大臣から申し上げたとおりでございます。
 具体的にどうするかということになりますと、これは私は、今後の行財政の整理合理化といった点で力を尽くしながら、今後の行政水準のあり方というものについて国民の中で本当に議論をしてもらって、どうしてもこれだけの仕事をしなければならないということになるならば、それに対してそのコストをだれが負担するのか、どういう形で持っていくのかということを真剣に検討して、そして国、地方を通じての税財政のあり方というものにメスを入れなければなかなか進まないというふうに考えておるわけでございまして、やはりまずみずからの整理合理化という点での自己努力、そして国民の中で行政のあり方というものと負担との関係というのを議論してもらって、今後のわが国の税財政あるいは経済全体のあり方というものを頭に置いて、計画的な財政運営ということを考えていかなければならぬというふうに思っておるわけでございます。抽象的な言い方しか現段階においては申し上げかねるわけでございます。
#133
○上林繁次郎君 まことに抽象的でございましてね。
 いまおっしゃったことは、いわゆる抜本改正ということにつながるだろうと思うんですよね。この機会に、抜本改正という問題についてはいま始まったことではなくて、もう前々からそうしなきゃならぬだろう、また、大臣もそういうお考え方を持っている、これはみんなそういうことなんです。ところが、なかなか諸般の事情でそれができない。できないから、それじゃどうするかということが問題なんです。できないから、抜本改正までは何とかなるんだという考え方で時間を過ごしていたんでは、いつまでたってもどこも解決しないと、こういうことになるわけですね。
 そこで、いま私が申し上げたように、いわゆる地方交付税特別会計の借り入れですね。五十五年度末でその累計額が八兆九百九十億。これは五十三年度ですか、半分は国で持つというようなことのルール化みたいなものができましたよね。そういったことなんですが、それとてもこれはいいとは言えませんよね。まやかしと言えばまやかしだ。それらもこれから検討しなきゃならぬ問題でしょうし、まあ一応それはそれとして、これはもう半分は国が持つと、こういうことなんですが、財源対策債ですね、これが五十五年度末の累計は七兆三千七百億、こういうことになるんです。これは借金ですからね、地方の借金ですから、これについては、たとえば今年度これ借りますね、そうすると、地方の借金だ、どうするんだと、こう言うと、いままでは国は、来年度の地方交付税、そういうもので見ますよと、こういうことを言ってきました。そういうふうに言ってきたけれども、ところが実際は三二%じゃ足りないわけですよ。結局その足りない分どうしたかというと、やっぱり借金してきたわけです。これは地方交付税にならぬのです。その辺はやっぱり身近な問題として、毎年起きてくる問題として、やはり何とかしなきゃならぬじゃないか、形の上ではっきりと。私はそう思うんですがね。その点、どういうふうにお考えですか。
#134
○政府委員(土屋佳照君) 五十年度以降毎年巨額の財源不足を出しておるわけでございまして、そういった財源不足に対しましては一般財源でこれを補てんする。その意味で、交付税率の引き上げといったような具体的なかっこうで補てんができることが望ましいと思っております。
 しかし、もうたびたび申し上げましたように、国の現在の財政状況、巨額な赤字公債を発行しておるといったような状況等から見まして、それができなかったわけでございまして、結局はお話しのように交付税特会の借り入れとか、あるいは財源対策債の発行というような形で措置をしてきたわけでございます。そういったことにつきましては、特に特別会計の借入金の償還金については国が実質的にその二分の一を負担するということを制度化したわけでございまして、そういったいろいろな経緯を見ますと、全額国の負担ということはなかなか容易ではない。したがいまして、特会借り入れの残りの二分の一については地方の負担となりますし、また財源対策債も、これも地方の負担になるわけでございますけれども、地方財政の収支均衡が回復するまでの間は、こういった借入金等の償還に係る地方負担分を含めまして、地方財政計画の策定を通じて財源不足を埋めて、財政運営に支障を生じないように適切な対応をしたいというやり方が現在ではやむを得ないと思っておるわけでございます。そういうことをいつまで続けるんだということになりますと、結果的にはやはり交付税率の引き上げを含めて一般財源の充実を図るということにならざるを得ない。そこでまたもとへ返るわけでございまして、いまの国の財政状況から見て、いまのような税財政制度のもとで交付税率だけを簡単に引き上げられるかとなると、直ちにそれが可能なような情勢というのはそう簡単にはこないような気がするわけでございます。
 そういった意味で、私は先ほどから申し上げますように、たとえば交付税の対象になるような税目というものが国でふやせるのかふやせないのかといったようなこと、国民負担との関連等においてそういった問題を広く検討しながら、その中で総量を、対象になる量的なものをふやすのか、あるいはこちらの交付税率をふやすのか、そういったいろいろな方法があろうかと思いますけれども、結局そこの議論になってくる。ということになりますと、経済全体、財政全体の中で結局国民負担の問題を含めて、行政のあり方との絡みでどういうふうに抜本的な改善を図っていくかということに帰着せざるを得ないわけでございまして、なかなか具体的にこうすればいいということは、案としてはいろいろございますが、実現可能なということになってきますと、先ほどからどうも抽象論になってしまうのでございますが、そういう基本的な検討というところで考えなければ、なかなかいい結論は出てこないのではなかろうかといったような感じがするわけでございます。
#135
○上林繁次郎君 まあ論議の上では毎年同じことを繰り返しているような形ですけれども、ですからこれ以上お聞きしてもあれですけれども、いま申し上げたように、財源対策債、これが累計で七兆三千七百億円。いま言ったように、それに関連したものは翌年度の交付税で見ましょうというようなことを繰り返してきたんだ。だけれども、それは結局地方の借金であると。財源対策債もしかりですよね。そうすると、結局膨大な赤字というものはいつまでたってもさっぱり解消されないじゃないか。何かやはり、抜本改正まではいかなくても、何らかの措置をとらなければ、同じことを繰り返していく以外にない。ますます地方の財政というものはピンチに追い込まれる、こういうふうに感ぜざるを得ないのでお話しをしているわけで、十分その点はお考えのこととは思いますけれども、なお一層ひとつその点についてどうあるべきか検討を重ね、いい結論を出していくべきであると、こういうように思います。
#136
○政府委員(土屋佳照君) 特に、この交付税特会の借り入れのほかに、財源対策債についての累積額を引き合いにお話しがあったわけでございますが、私どもとしても、抜本改正前に、いまのような状態であるならば、地方交付税法の六条の三の二項の趣旨にかんがみても、せめて幾分かでも交付税率を上げられないかと思って、実は五十五年度の財政対策の際もいろいろ議論もしたわけでございますが、結果としては、たびたび申し上げるような状況から税率の引き上げができなかった。しかしながら、このままではいけないということで、歳出の引き締め等もいろいろといたしまして、結果的には財源対策債は五十四年度に比べて六千百億縮減ができたわけでございます。それでもなお一兆三百億の財源対策債ということでございます。私どもとしては、今後そういったものがだんだん減らしていければそれにこしたことはないと思っておりますので、いろんな手段を考えて現実的な面でも歳入歳出面で工夫をしてまいりますが、根本的に累積赤字も含めて好転をさせていくというのにはなかなか妙案がないので、もっと抜本的な点で検討を加えて何らかの方策を見つけ出さざるを得ないだろうと、こう申し上げておるわけでございます。
#137
○上林繁次郎君 いま申し上げたことは、こういう状況の中で、少しでも地方の固定した、安定した財源というものを確保していかなければならぬ、こういう立場からお話しを申し上げたわけですが、そういう意味で、大きな立場からの論議はこの辺で一応終わりまして、いま申し上げたような趣旨のもとに少し具体的にお話しをしてみたいと思うんです。
 まず大蔵省ですが、日銀の四十八年から五十四年までの国庫納付金の納付状況、これについてお話しをいただきたいと思います。
#138
○説明員(坂本導聰君) お答えいたします。
 ただいま御質問のございました日本銀行の国庫納付金でございますが、昭和四十八年の上期におきましては二百八十五億一千六百万円、同じく下期は四百三十二億五千五百万円でございます。四十九年は、上期で九百九十億三千七百万円、下期は四千六億九千九百万円。五十年上期は三千三十五億五千二百万円、下期は一千三百七十五億九千三百万円でございます。五十一年上期は二千六百三十九億九千八百万円、下期は一千六百三十九億七千七百万円。五十二年上期は四千四百七十三億八千百万円でございます。下期は二千百五十四億八千五百万円。五十三年上期は四千百九十七億九千八百万円、同じく下期は二千四百九十二億五千四百万円。最後に五十四年上期は二千七百九十四億七千六百万円でございます。
 以上でございます。
#139
○上林繁次郎君 恐縮ですが、それに続いて日銀に対する地方税の課税状況、いわゆる事業税、住民税ですね、この納付状況、これらについてどういうふうになっているのか、経過をひとつお話しを願いたい。
#140
○政府委員(石原信雄君) 昭和四十八年度以降における日銀に対する地方税の課税状況について申し上げます。
 なお、事業税及び住民税の法人税割につきまして、各地方団体の徴収実績の中から日銀分を分けることができませんでしたので、日銀の発表した決算書類から理論計算した数字で申し上げます。
 四十八年の上期は税金はございません。下期におきまして事業税、住民税合わせて百九十九億円であります。それから四十九年は、上期が八百六十六億円、下期が八十億円。五十年は上期が三百八億円、下期が三百六十億円。それから五十一年は、上期が二百七十五億円、下期が六百二十四億円。五十二年の上期が百八十二億円。
 以上であります。
 この五十二年の上期を最後に、五十二年の下期から五十四年の上期までの実績では、日銀からの地方税は全く納付されておりません。
#141
○上林繁次郎君 四十八年の上期はゼロですね。それで五十二年度の下期がゼロ。五十三年度は全くゼロ。五十四年度の上期ゼロ。こういうようなことになっているんですが、なぜゼロが続いているのか。この点についての御説明を願いたいと思います。
#142
○政府委員(石原信雄君) 日本銀行に対する税制上の、地方税上の扱いは、一般的には通常の法人と同じになっておりますが、ただ、日銀の国庫納付金を地方税の課税上損金に算入するということが日本銀行法の第三十九条に明記されております。その関係で、日銀におきましては純益金から法定積立金等所要の内部留保額を除いた残額はすべて国庫に納付すると、こういうことになっておりまして、課税対象所得はその年度の内部留保部分に限られるわけですけれども、しかし前四期におきましては内部留保は全く行われておりません。逆に内部留保を取り崩して十億円以上の国庫納付金が納付されておると、こういう形になっております。なお、この剰余金を上回る国庫納付金が納付された分は欠損金になるわけですが、この累積欠損金は次の事業年度に繰り越されまして損金として消化され、この欠損が消えるまでは課税所得が出てこないと、こういう関係になっております。そういった関係で、五十二年の下期から以降地方税への納付が全くないわけでございます。
#143
○上林繁次郎君 その辺に矛盾を感ずるわけなんですが、いま大蔵省の方からお話しをいただいたいわゆる国庫納付金ですね。これは六千億ですか、合わせますと。
#144
○説明員(坂本導聰君) 五十三年でございますか。――五十三年は六千六百九十億でございます。上下で。
#145
○上林繁次郎君 わかりました。
 そこで、いずれにしても四十八年から五十四年度まで、国庫納付金はあるわけですよね。国庫納付金があるにもかかわらず地方税は全然ない。いまのお話からすれば、純益から何々何々を引いてどうだこうだ、そして何年からは内部留保がないと、だから税金の対象にはならぬのだと、こう言うけれども、それが正しい考え方かどうかという問題。と同時に、もう一つは、地方財政がこういう時期を迎えて、当然地方財政の固定した、安定した財源を確保するため、その努力をみんながやっているわけです。そういう中で日銀だけは、国庫に納付する金はあるけれども地方に払う金はないのだと。本当に金がないのだったら国の方にも納付はできないわけですね。それが国には納付するけれども地方には税金は払えないんだという、それはだれが聞いたって矛盾だろうと思うのですよ。その辺をどういうふうに考えているのか。日銀法で決めてあるからしょうがないんだというのならば日銀法を変えなければならぬでしょう。そんないつまでもいつまでも、地方の立場を無視したような国が優先した立場、そういったことは許されないと私は思う、こういうときを迎えて。この辺についてどういうふうに――その辺の考え方をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。まず大蔵省からお話ししてください。
#146
○説明員(坂本導聰君) 日本銀行の国庫納付金は、ただいま先生のお話にございましたように、日銀の剰余金のうちから、日銀法三十九条に規定されておりますところの、準備金あるいは配当金を除いた残額を国庫に納付するという規定になっておりますが、この考え方は、日銀の利益は主として銀行券、日銀券の独占的発行権を日銀に与えるということから由来しているものであると考えられまして、諸外国においてもおおむね同様の扱いになっております。したがいまして、一方の法人税あるいは法人事業税の方は、先ほど自治省の方からお話しがございましたけれども、ここ数年来の日銀の外貨保有資産の為替差損あるいは国債の評価損、こういったもので累積繰越赤字を持っているために生じていない。なお、それにもかかわらず五十三年あるいは五十四年上期で国庫納付金が発生していると申しますのは、これは過去において将来のそういった損失に備えてあらかじめ積み立てておいた準備金を取り崩している結果でございまして、この準備金は、すでにその積み立てた時点において法人税あるいは法人事業税を納付しているものでございます。したがいまして、時間的に見れば、経過的に見れば、むしろ前の段階で法人税あるいは法人事業税を納付しているというものでございます。
 以上でございます。
#147
○上林繁次郎君 いや、そんな話は私は納得できない。こういう問題を提起しているのは、諸外国がこうであったからといって、いままでこうであったからこれからもそれでいいという、そんな論議は成り立たない。やはり状況というものは刻々変化しているわけです。そういう中で、いま国も大変かもしれないけれども地方も大変だ。しかし論議としては、改革をしなくちゃならない問題がたくさんあるじゃないかと。いま大臣や財政局長からもお話があったように、当然抜本改正というのは望ましいことだと、こういうことが考えられているわけです。そういうふうに状況というものは大きく変化してきておる。しかし、それが急激にはそうはいかない。いかないとするならば、私は部分的な問題としても、何とかしていわゆる矛盾のある問題についてはその矛盾をなくす必要があるだろうと思う。そして、その矛盾をなくすことによって地方の財政というものはどれだけか豊かになってくる。そういう方向をたどっていくべきであるという立場からこうやって論議をしているわけです。ですから、そういうことから言いますと、こういうふうに決まっていますのでということは私は納得できない。
 そこで、自治省もこの問題については、五十三年度の「地方税制詳解」、この中で、「日銀の利益についての課税の問題については、国庫納付金のあり方を含め地方団体の収入の安定化及び地方財源の確保の見地から何らかの工夫を加える必要があり、今後重要な検討課題とされなければならないであろう。」、こういうふうに言っているんですね、自治省が。これは五十三年度の「地方税制詳解」です。それから今日二年たつわけですが、こういうふうに自治省は言っているわけです。ですから、この辺のところは、やはりいまの私のお尋ねを踏まえて大臣から、大臣はどういうふうにこの点についてお考えになっているのか、大臣からお尋ねしてみたい、こう思います。
#148
○政府委員(石原信雄君) その前にちょっと。
 先ほど申し上げましたように、現在の日本銀行法の解釈の上に立ちまして、結果的には地方税が全く課税できないような実態になっているわけですけれども、ただ、私ども地方の課税当局の立場に立ってこの経緯を振り返ってみますというと、日銀が為替差損その他の関係で全体として当期が赤字であるという場合に、国税たる法人税あるいは地方税たる法人事業税や法人住民税が課税できないというのは、これはしようがないであろう。もともとが赤字なんですから。しかし、国庫納付金がいわば先取りされる形で、その損金が残っているために非常に長い期間にわたって事実上課税できないというふうな状態というのは、これは少なくとも現行法上は日本銀行も普通の法人と同じように課税対象にしているというたてまえからいたしましても、これはどうも地方のサイドからすると納得しにくい。そういうことで、日銀納付金の出し方というか納付の仕方というか計算の仕方というか、こういったことについては、その結果いかんが地方の課税権に大きく影響するわけでありますから、やはりこの点のあり方については地方の立場も踏まえた検討があってしかるべきではないかと、こういう問題意識を持っておりまして、五十二年の下期以降課税できなくなりましたので、いま議論をしているという状況でございます。まだ大蔵省との間には、いろいろ基本的な考え方、日本銀行に対する課税のあり方、あるいは日本銀行の利益の性格についての理解の仕方その他についていろいろ意見の違いがありまして、なお今後この問題については検討をしていきたいと、このように私ども考えております。
#149
○国務大臣(後藤田正晴君) 日本銀行に対する地方税のあり方、これは従来からいろいろ議論のあるところで、自治省としては関係省庁と協議をして、そして、まあいまのままの姿が必ずしも妥当だというふうにも考えられない面があるように思いまするので、今後とも検討の課題にさしていただきたいと、かように考えます。
#150
○上林繁次郎君 五十三年度にこういうことを言っているわけですよね。で、聞かれると今後の課題。また次に聞かれると、またこれからの課題。それじゃいつ解決するんだかわかりませんよ、これ。ですからそういう意味でやっぱり大臣に締めくくってもらいたいと思って大臣のお考え方を聞いたのに、大臣も一緒になって今後の課題だと。これじゃいつまでたったって結論出ませんよ。
 そこでとにかくだれが考えても、国庫納付金は相当額ある。それで地方税は一銭も納めませんよ、それは日銀法で決まっているんですよと。そんなことはいまの時代に通用しませんよ。確かに国も大変かもしれない。だけど地方も大変です。だからこそいわゆる税の再配分であるとか交付税の税率アップだとか、いろいろなことが問題になっているわけでしょう。それはやっぱりいわゆる地方、国を含めて全体平均した矛盾のないそういった配分をしていこうという方向に進んでいるんです、いま。そういう中で、しかしそれは一遍でできない。できないとするならば、部分的にできる問題はやるべきじゃないかということでいま論議をしているわけでして、そこで、先ほど話があったように、内部留保がありませんので地方税は払えないんだと。その辺ですよ。それ、幾らでも操作できるじゃないですか。内部留保の率が高ければ地方税も高くなるんですよ。そうでしょう。内部留保をゼロにすれば地方税は一銭も取れない、こういうことになってくる。だから、幾らでも国が操作すれば、いまこうだから内部留保は要らないよと言えば地方は全然入らない、そういう仕組みになっているんです。だから、その辺のところで一定のルールというものを私はつくるべきだと思う。国には何千億という金が入っていくんですから、ですから、内部留保するしないにかかわらず、その一定のルールというものをつくって、最低限これだけは地方に入るんだというものを私はつくるべきだと、こう思うんです。その点いかがですか。――もう時間がないので、先急がなきゃならないので、ひとつ大臣どうですか、いま私が申し上げていること。
#151
○国務大臣(後藤田正晴君) 確かに、国には納付金を納めておいて、それが損金にせられて、地方には一向に課税の対象になるものはないというのは私も不ぐあいに思います。いま御質疑の中にありましたような点を含めまして何らかのルールを立てるとか、いろんなやり方も考えられると思いますが、それらは検討さしていただきたいと、かように考えます。
#152
○上林繁次郎君 そういうことですから、早急にひとつ検討をなさる必要があるだろうというふうに思います。もう何でも何でも検討検討ですから、ケントウはひとつ字を変えてもらいたいと思うんですね。このしゃれわからないでしょうね、ケントウは字を変えてもらいたいと。御健闘を祈るという方にね。
 時間がないので先に行きます。今度は、高速道路の固定資産税、これについてちょっとお尋ねしてみたいと思います。
 公団では、メニュー助成金制度として四十五億三千万円通過市町村に配分する、このことは決まりましたよね。それはどうなっていますか、いま実態は。
#153
○政府委員(石原信雄君) 高速道路の通過市町村に対して交付されますいわゆるメニュー助成金でございますが、五十五年度の予算措置といたしまして、ただいまお話しのように四十五億三千万、すでに予算上の措置が済んでおります。
#154
○上林繁次郎君 これはもう配分されたんですか。実際に行っているんですか。
#155
○政府委員(石原信雄君) この配分方法につきましては、現在所管省の方で検討中と聞いております。
#156
○上林繁次郎君 これ、いつ決まったんですか。
#157
○政府委員(石原信雄君) 予算額そのものは五十五年度の予算編成の過程で決まったと、このように承知しております。
#158
○上林繁次郎君 そこで、時間がないから急いで言うんですが、メニュー助成金制度というのは、どういう考えのもとにこういった制度が生まれてきたのか。この辺どうですか。
#159
○説明員(田中淳七郎君) 簡単にお答えしますと、たとえばいまのお話でございますけれども、詳細に申し上げますと、来年度、五十五年度の日本道路公団の高速道路のメニュー補助金が三十億円でございます。それから、首都高速道路公団が九億六千万、それから阪神公団が五億七千万で、御指摘のように計四十五億三千万でございます。
 その内訳でございますが、具体的に相当詰められておりますのが日本道路公団の高速道路のものでございまして、話がややこしくなりますが、五十五年度は、先ほど申しましたように、日本道路公団のメニュー補助金は三十億円でございますが、五十五年度からおおむね十カ年間で約三百億と、高速道路の先ほど御指摘のメニュー補助金はトータルで三百億ということになっております。
 その考え方でございますが、この三百億を百五十億と百五十億に二つに分けまして、具体的に申し上げますと、基本配分額が前者の百五十億でございます。それから補正配分額が後者の百五十億でございまして、二つ足しますと三百億になるわけでございます。この基本配分額と申しまするのは、当該市町村を通過いたします高速道路の中心線の延長で大体決まる額でございます。それから後者の百五十億の補正配分額と申しますのは、主に当該市町村の人口密度で決まるとお考えくださって結構でございます。
 それでは具体的に何をやるのかという点について簡潔に申し上げますと、在来の補助事業と異なりまして、高速自動車国道等が通過いたします市町村に、高速道路の通過に伴って必要となります、たとえば具体的に申し上げますと、機能回復を図るのを目的としたもの、あるいは地域分断によります環境への影響の緩和に何か役に立つもの、それから関連施設の整備にかかわるもの、そういうものをあらかじめメニュー方式でメニューをつくっておくわけでございます。その内容は、具体的に言いますと、交通安全施設、児童遊園、集会所あるいは用排水路施設等の項目を決めておきまして、そのうちから各市町村が自主的に選択されました施設に対しこの助成金でやっていただく、そのようになっております。
 以上でございます。
#160
○上林繁次郎君 そこで、時間がないからもう私が言いたいことは言いますが、メニュー助成金制度、こういう考え方でどれだけか出そうというわけでしょう。私から言わせると、公団生意気言うなというんですよ。いい気になるのもいいかげんにしろと。これは明らかに固定資産税ですよ。固定資産税にすべきだというんですよ。市町村にあれだけの構築物を構築して、そしてそれで利益を上げている。それでいて――われわれだってみんなそうでしょう、会社であろうが個人であろうが何であろうが、自分の土地に自分の金で自分のうちをつくったって、固定資産税を取られるじゃありませんか。公団があれだけの構築物を市町村につくって、それで固定資産税は納めませんと。もうその考え方自体が私は間違っていると思います。にもかかわらず、メニュー助成金制度なんというものをつくって、そういう声が高まってきたらそういう制度をつくって、どれだけかはあげましょう、ただしそれはこういうものに使うんですよといって、今度は制限を加えている。生意気を言うなというんだ。当然払うべき金じゃないか。市町村がどう使おうとそんなことは自由だ。それを枠をはめるとは何ごとだ。うそぶきもいいところだと私は思う。その辺の考え方が私は間違っていると思う。さっきからも言っているように、こういう時代を迎えて、固定した、安定した財源というものを地方に確保させるということがいわゆる最大の課題になってきているんです。そういう中でこういううそぶきは許されない。あくまでもあれは固定資産税である、そう位置づけるのがもう当然だと私は思っている。だからその点を――これは建設省に聞いても責任ある答弁はもらえないと思う。そこで大臣か、またこれ。そうだそうだと言えば私引っ込みますがね。がたがた言うならまた私もがたがた言う。私はそういうふうに思うんです。
#161
○国務大臣(後藤田正晴君) この問題は、高速道ができる際からいろいろ問題のあったところでございます。ただ、ああいった道路は、一定の年限の間料金を徴収をして、減価償却が済めばこれは一般道路にするんだといったような前提、それで、一般道路は税の対象にならないというようなことで今日まで課税対象にしてなかったと思うのです。私は、率直に言いましてそれはそれなりに一つの理屈だと、やむを得ぬかなとも思います。ただ、あれだけの広い敷地を使うわけですから、従来土地の固定資産税がそこから上がっておったはずですね。それが、道路用地になったがゆえに固定資産税が入らないというようなことですから、そこらとのにらみ合わせも考えながら、こういったメニュー助成金というような額を決める際には、そこらも踏まえてやるべき筋合いのものであろうと、こういうようなことに考えます。そこらの計算はどのようになったのか私は承知しておりませんけれども、今回、十年間で三百億ということになって、それを消えてなくなるようなことには使わないで、先ほど建設省から御説明があったような、後に残る施設の金にひとつ使ってもらおうといったようなことで話し合いができたわけでございますので、これはこれなりに一つの解決方法であったのではなかろうかなと、かように考えるわけでございます。
#162
○上林繁次郎君 ですから、いままでの考え方とすればいまの大臣の御答弁で私は納得しますよ。しかし状況が、こういう財政的に国も地方も均衡のとれた財政というもの、こういったことがやかましく言われている中でこういった考え方は、確かにこういう方法もあるだろう、いままで何にもしなかった、それに対してここまで来たのだから一歩前進ではないか、こういう考え方もある。しかし、私はもう一歩進めて、これは当然――将来一般道に寄付しましょう、そんなものになかなかなりはしませんよ、あなた。それはごまかしと言う以外にないですよ。そんな論議は昔からわれわれやっているのです。ところが、道路公団というのは、もう十分償却できた、もうかった、それでも、今度はプール制にしてほかへつくるのに持っていくのですから、いつまでたったって一般道路にはならぬのですよ。なると言うのだったらその計画を明らかにしてもらいたい、こう言いたいのです。理屈を言い出したらいろいろあるんです。
 だからこれはあくまでも私は固定資産税という立場でもって物を考えるべきだと、こういうことなんですよ。固定資産税として考えるべきだ、それをメニュー助成金だとかなんとかってそんな枠をはめて、うそぶいた考え方は間違いだ。固定資産税だったら地方固有の財源じゃありませんか。何に使おうとも自由だ。それは市の立場を尊重するからこそです。そうでしょう。やはり道路公団だって、よその土地へ入っていくならば、当然その土地の、その市町村の立場の尊重というものは必要だ。だから、これをメニュー助成金だなんというような形でやると、そういう考え方はどう考えても納得できない。ですから固定資産税とすべきであると私は思う。これはこれでそれなりのいわゆる価値があるのだと。それはわかりますよ。わかるけれども、もっと基本的な物の考え方からすれば、これは絶対固定資産税です。そのことについて私がこういうふうに申し上げたのですから、自治省としては、あくまでも助成金としていただけるものはいただきますという、そういうしっぽを振っての姿勢を貫くのか。自治省として地方自治体を守るために、その大親分として、断固、それはおまえの言うのが正しいと、そういう方向で今後その実現を図っていきたい、こう言うのならばそれで結構です。そこのところをもう一回はっきりしてください。これはこれでそれなりの進歩があったのだというだけの答弁ではなくて。
#163
○政府委員(石原信雄君) ちょっと補足いたします。
 この有料道路に対する固定資産税の課税の問題につきましては、関係自治体からの意見もありまして、いわば長い間の議論であったわけです。私どもも、有料道路の性格が、いわゆる料金のプール制の導入によって従来と変わったのではないかというような考え方もいたしまして、これを固定資産税の課税対象にするか、あるいは交納付金の対象にするか、こういった道がとれないものかどうか、こういう考え方のもとに、関係省庁とも議論をしてまいりました。しかし、この問題につきましては、なかなか官庁間での意見の一致が見られなかったために、学識経験者あるいは関係市町村長等も入りました有料道路負担問題検討委員会というものをつくりまして、いわば第三者に入っていただいて議論をし、その結果、昨年の七月にこの委員会の検討の結果として、有料道路に対して固定資産税を課税する、あるいは交納付金の対象にするということについては問題がある。しかし、有料道路が通過することに伴って関係市町村にもろもろの財政需要が発生していることも事実である。それにこたえる意味で、先ほど来お話しになっておりますようなメニュー助成金、すなわち各自治体がかなりの幅で選択できるような、通常の補助金よりもかなり自治体の意向が反映できるような形での助成金を交付するという形でこの問題を当面決着することが妥当である。こういう答申をいただきましたので、その線に沿って必要な予算措置を講じたというのがこれまでの実情でございます。
 私どもといたしましては、いろいろ議論はあるのですけれども、また、私どもと全く違った意見もありまして決着がつかなかった問題を、第三者に入っていただいてこのような答えに到達したわけでありますから、これによって当面の処理をするのが妥当であると、このように判断したわけでございます。
#164
○上林繁次郎君 大臣、途中の経過について、お話しをいただいたことはわかりますよ。私の言っているのは、それはいままでのいろいろな各省庁間の言うならばなれ合いで、お互いの立場を尊重するなんというような体裁のいい言い方もあるけれども、そしてまた、何か都合が悪くなると学識経験者だなんというのを引っ張り出して――地方制度調査会の言うことなんか何にも聞きはしないくせにね。それで自分たちが都合悪くなるとそんなものを引っ張り出す。そういうのじゃなくて、自治省としては、私は固定資産税とすべきだと言っているのだから、これからどうするのだと。いままでの論議は論議でもって決着がつかなかったからこういうところにとどまっているけれども、今後は当然そういう方向で考えていきたいのだという考え方があるのかどうか、その点を明らかにしてもらいたい。いま私が言ったからいますぐにそうなるとは、そんなことは言っていないのですから、どうなのだということをいま聞いているわけですからね。大臣ひとつ。
#165
○国務大臣(後藤田正晴君) 今回のメニュー助成金は、私は一つの現実的な解決の方途であったというふうに考えております。ただ、御説のような御意見もちろんございます。私自身は、これは本当は交納付金にするのが一番いいなというふうに実は考えているのですよ。同時にまた、いまの上林さんのような御意見もございますので、これらを踏まえながらやはり勉強をさしていただきたい。ただ今回の措置は、中立の、真ん中の人の意見も取り入れて、両者の主張をかみ合わせながら現実的な解決策としてとったばかりでございますので、当面はこれで行かざるを得ない。しかし、これで済んだ問題とは私は考えておりません。
#166
○上林繁次郎君 お聞きのように、なかなかその辺のところ、まあ自治省は自治省の考え方はあるでしょうけれども、市町村に物を建ててそれが固定資産税の対象にならないということはないでしょう。みんな対象になっているじゃないですか。あれだけは、公団による高速道路だけは構築物じゃないんですと、固定資産税にならないんですというその考え方が私はおかしいんじゃないかというんです。だれが聞いたってそんな理屈は通らぬ、こう思うんです。それならばわれわれだって、これは固定資産税の対象になりませんよと、これから市町村とやり合わなくちゃならない問題幾らでもあるかもしれないよ。そういった点からいっておかしいじゃないかということを言っているんですからね。とにかく、いまどうしろと言ってもそれはすぐなるものではないと思うけれども、そういういま申し上げている私の考え方、それは当然だろうと、こう自信を持って話をしているわけですから、十分ひとつ検討を願いたいと、こう思いますよ。
 最後に外形課税の問題ですが、外形課税は、もちろんこれは固定、安定した地方の財源を確保するために外形課税という問題が浮かび上がってきているわけですね。これは何となくずいぶん積極的にずっと進んだんですよ。ところが、ここの辺でもってしり切れトンボになっているような感じなんです。この点についてはどういうお考えをいま持っているのか。ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#167
○政府委員(石原信雄君) 事業税の外形標準課税の問題につきましては、御案内のように、事業税の性格論、あるいは地方の税収入の安定性を確保する、安定性を取り戻す、こういった意味合いから、これを導入すべきであるという議論を長い間私どもも展開してきたわけでありますが、いわゆる一般消費税の導入の議論が出てから、この税と事業税の外形標準との関連が非常にある。課税の関係、課税の実態等が非常に似ているというようなこともありまして、この二つの問題は一緒に議論すべきである、こういう結論に税制調査会等でなりまして、そしてその結果、御案内のように、昨年度の答申では、一般消費税の導入に関連して地方消費税というものを道府県税として創設する、そのことによって外形標準課税の問題を解決すると、こういう答申になったわけであります。
 しかし、このもとになります一般消費税の問題が導入されないということになりましたので、いわばこの外形標準課税の問題も関連して、議論していた問題がなくなりましたので、もう一遍もとに戻った検討を要するという状態になっているわけであります。いずれにしてもこの問題は、近い将来予想されます税制の基本的な改正の中で、事業税の性格論ともあわせて、外形標準課税の導入問題をもう一度新たな見地に立って検討をしていくべきものであると、このように考えております。
#168
○上林繁次郎君 そこが聞きたかったわけですよ。さっきから言っているように、この場での話じゃだめなんですよね。五十三年度にこういう話になった。それが、いまもまた検討課題だと、そんなことを年がら年じゅう繰り返していたんじゃ話にならない。外形課税という問題については相当議論が沸騰してきまして、もう一歩というところまできたわけですよ。それが一般消費税だ何だという問題が出てきて、それで立ち消えになった。いままた一からやり直しするんだと。一からじゃないんだよ。もう相当論議を重ねてきているんだから、もうあと少しなんだよ。だから早くやらなきゃだめなんだ。いまの話だと、まあこれからゆったりやりましょうというような感じにしか受け取れないんです。それじゃだめだと言うんだ。やっぱりこれは急を要する問題として、議論も相当沸騰してきているんですから、この時点を踏まえて早急に検討を再開し、そして一日も早い実現というものを考えなきゃならぬ、こう私は思うんです。その辺の決意をひとつ大臣から。やっぱり大臣でなければだめなんですよ、最後は。
#169
○国務大臣(後藤田正晴君) 外形課税の問題は、これは地方税としては安定するわけですから大変いいことだしするんですが、ただ赤字企業にも税がかかるといったような問題も一方にあるわけですけれども、この問題が古い問題でしかもいまおっしゃるように一歩手前まできておったと、こういうお話でございますが、これは今日一般消費税との関連でそのままになっておるのであろうと、こう思います。私どもは、やはり交付税の算定の基礎になる国税とのつながりとの問題がございますので、そこらとの動き等ともにらみ合わせながらこの問題は検討をしていきたい。いずれにせよ、方向としてはやはり事業税等については私は外形課税にするのがベターだと、かように考えておるわけでございます。
#170
○上林繁次郎君 わかりました。ひとつ早急なその実現を期してもらいたいと思います。
 もう最後ですが、参考のために、申し上げるまでもなく、たとえば現在の法人の都道府県民税、この均等割を見ると、五十億を超える法人は二十万でしょう。十億から五十億、これは十万ですよ、去年かおととしこれは改正されたんですね。それでこうなった。これを見て、赤字だ、いわゆる均等割だと。たとえば十億から五十億までの会社は十万円ですよ、均等割は。高校卒業した人たちのたった一人の給料と変わりがない。それで、それ以上かけるのは赤字の企業に対してどうだとかこうだとかって、それはこの論議以外の問題だと、こう思うんです。資本金十億から五十億、それで均等割は十万。これ常識外ですよ。そういう状況に置かれているということですね。それで地方の財源をどうのこうのと言う資格はないです、こんなものは。だから私は申し上げるのであって、一日も早く外形課税、この問題を解決すべきだと、こう申し上げておるのです。
 以上です。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#171
○委員長(後藤正夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日野口忠夫君及び小山一平君が委員を辞任され、その補欠として小野明君及び坂倉藤吾君が選任されました。
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#172
○神谷信之助君 地方財政の危機を打開する問題、それから交付税措置が交付税法に違反をする、あるいはまさに交付税自身の自殺的行為とも言える措置で行われているという問題については、いままで何回か議論をしてまいりましたので、きょうはひとつ地方財政問題にかかわる具体的な問題三点について少し議論をしてみたいというように思います。
 その第一の問題は、下水道に係る問題です。
 まず、建設省にお伺いしますが、下水道の五カ年計画が今年度で第四次が終わって明年度から第五次下水道五カ年計画に入っていく、こういうように思います。そこで、第四次五カ年計画の進行状況と目標の達成状況、それから普及率を含めて、どういう状況になっているか、まず報告してもらいたいと思います。
#173
○説明員(遠山啓君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、現在第四次の下水道五カ年計画を推進中でございまして、五十五年度をもって終わることになっております。五十四年度までの予算によりまして、事業費ベースでございますが、計画額の進捗率は七一・三%。その結果、処理人口の普及率でございますが、現在集計中でございますが、約二八%になる予定でございます。また、今年度の、五十五年度の、最終年度の事業費によりまして、計画額の進捗率といたしましては九六・四%になる予定でございますし、普及率はおよそ三〇%ということでございます。
#174
○神谷信之助君 これは、普及率の目標はたしか四〇%だったと思うんですね。五十二年の五月に当委員会で私が質問して、遠山さんがそういう御答弁だったと思いますが。ですから、その目標から言いますと一〇%程度及ばないという状況になっています。この点についてはどういうようにお考えですか。
#175
○説明員(遠山啓君) 御承知のように、下水道というのは町の中を工事するのが非常に多うございます。最近町の中の交通安全の問題、それから付近の周辺の家屋等に及ぼす影響、そういったいわゆる都市公害等の問題から安全性の確保というのが非常に厳しくなってまいりまして、その方の手だてというのに非常に金がかかったというのが一つございます。したがいまして、工法といたしまして、現在までは開削工法といいまして地表から掘っていける工事が多かったわけでございますが、それにかわりまして、いわばトンネル的な工法で、単価の高い工法をとらざるを得ないという状況が参っている次第でございます。
 それから、終末処理場等、環境対策という面が非常に強化されてまいりまして、そのために単価費用が要ったということもございます。それから、五カ年計画策定時に比べまして、建設物価の上昇ということがございます。
 そういったことから一目標が達せられなかったというふうに思います。
#176
○神谷信之助君 当時の、五十二年の五月のときの委員会の会議録を持ってきておるんですが、その点私の方も、普及率四〇%に到達をしようとすれば、残り三年間相当、少なくとも三八・七%ぐらいの事業費の伸びを見なきゃならぬという点で、大分この可能性についてただしたとき、遠山さんの方は、約三九%の伸びのこの目標は達成をしたいというようにおっしゃったんです。いまおっしゃるような理由で、工法の問題あるいは終末処理場の問題とか単価の高騰とか、いろいろな事情はあると思いますが、なかなかこれは計画どおりに進まない。
 そこで、またそういう状況を踏まえて、いよいよ第五次五カ年計画を来年度から進めるということになろうと思いますが、したがって、もうすでにその計画策定の準備はなさっていると思いますが、その大体の事業費の規模、それから目標の見込み、こういったものについてどういうようにお考えですか。
#177
○説明員(遠山啓君) 現在執行中の大部分が今年度でもって終わりますので、われわれとしては、まだまだ欧米先進諸国に比べまして非常に普及率がおくれておりますので、その促進方を図りたいというふうに思っております。
 次期五カ年計画の策定でございますが、新経済社会七カ年計画におきまして、昭和六十年度の下水道普及率を五五%程度に引き上げるということが目標となっているということがございます。われわれとしましては、そのことを勘案すると同時に、昨年八月に都市計画中央審議会におきまして答申をいただいております。そういった内容を踏まえながら、今度の予算要求等、五カ年計画の策定に資してまいりたい、こういうふうに思っております。
 具体的には、先生いま御指摘になりましたように、普及率の向上というのが当面の課題となっておりますので、これを最重点に取り上げていきたいと思っております。地方の都市という時代になってまいりましたので、それに対する下水道の整備を促進したい。また、市街地の浸水の防除であるとかあるいは水質環境基準等の早期達成、こういったこと、また新たに課せられました水質総量規制、そういった新しい課題への対応ということを重点に、次の五カ年計画を考えてまいりたいというふうに思っています。
#178
○神谷信之助君 そこで大臣、お伺いしますが、先ほども言いましたように、五十二年の五月の当委員会で、日本が特に諸外国に比べて下水道の普及というのは非常におくれている。この点についてはいま答弁されておる遠山さんも、社会資本投資の中で下水道が非常におくれた、これが第一の原因で、したがって、これから急速に普及するために最善の努力をすると。当時の小川大臣もその点を確認をされておるわけですが、しかし、何といいましてもこれは金のかかる仕事ですわね。一応新経済社会七カ年計画に、いま遠山さんも言われたように、六十年度に約五五%の普及率、これを目指して大体十八兆二千億――これは五十三年度のベースです、物価水準ですが。ですからいまですともうちょっと上がっているでしょう。膨大な投資をしなきゃいかぬ。まず、そういう状況になっていると思うんです。
 それで同時に、これはそれだけ自治体の財政にも非常に大きな影響があるわけで、したがって、来年度から第五次の下水道整備計画に入るわけですが、そういう点で、いまもあったけれども地方の時代、いままでの大都市中心の下水道事業ではなしに、地方都市全体にずっとそれを普及していくということで、一般公共下水道事業だけでなしに流域下水道の事業もあわせていま進めておられるわけですが、そういう点で、住民のそういう生活環境に対する要求も非常に根強いわけですし、この点自治大臣として大いにこれをバックアップして、一つはその事業計画を、実際に六十年度に五五%の普及率の目標が達成できるように――第四次は四〇%までと言いながら結局三〇%でとまっているんです、一〇%おくれているんです。だから私は三年前に、いまのような状態では恐らくそこまでいかぬだろうと、心配していろいろ言ったんですが、やっぱりそういう状況になっています。そうすると、六十年度五五%を目指してやるとすれば、いまの物価上昇その他のいろいろな状況も考えれば、相当思い切った投資をする必要があるというのが一点です。
 もう一つは、これからまた少し具体的にお話ししていきたいと思いますが、自治体の財政負担ですね。これに対する国の援助というものがなければ、これもまたなかなか進捗しないという結果になります。
 この二点について、大臣の見解をひとつお伺いしておきたいと思うんです。
#179
○国務大臣(後藤田正晴君) おっしゃるように、日本の社会資本の整備で一番おくれているのは下水の問題であると思います。建設省でも第四次までの計画を立てて、できれば四〇%までということであったんですが、いろんな事情で三〇%だと。ところが、第五次では五五%を目標にしなきゃならないということになると、これ大変なお金のかかる問題だと思います。この下水道の整備をし、またこれを健全に運営するというためには、何といっても財政基盤を確立するということが一番肝心なことであろうというふうに考えます。
 そこで、国、地方、それと利用者、これらの三者間の負担の割合をどのように適切に組み合せるかといったようなことが肝心なわけですが、それらについては、あの第四次の下水道財政研究委員会ですか、これからの御提言等もございまして、われわれはあの御提言を受けて、交付税なり地方債の措置等については措置をして今日まで至っておるわけでございます。しかし、今後ともこの事業の重要性にかんがみて、中央としてやるべきことは全力を挙げてやりたい。私どもの率直な考え方は、やはり補助率、これを再検討していただきたいなということが一点。それからもう一つは、何といいますか、補助の対象ですか、例の基幹の管と毛細管との関係等がございまして、ここらについても第五次の際には見直していただいて、実際この事業が円滑に進むようにやっていただかなきゃならぬし、私どもとしては、自治体の立場、住民の立場に立って、建設省にもそういう点を御要請を申してまいりたいと、かように考えております。
#180
○神谷信之助君 いま大臣が言われました、下水道財政のあり方についての第四次下水道財政研究委員会の提言というのも見せていただきました。石原さんを初め関係課長が参加をしているんですね、一応自治省も。こういう点で、いろいろいまおっしゃった点を特に指摘をされているわけですが……。
 そこで建設省にお伺いしますが、そういう新五カ年計画の策定に当たって、いま大臣も指摘をされている補助率の問題、それから補助対象の問題ですね。特に補助対象の問題で、管渠の点ですが、当面二百五十ミリまで対象を広げてもらいたい。いま三百三十ぐらいじゃなかったかと思いますが。だから、二百五十ミリまで広げると相当多くの管渠にまで補助対象が広がるということで、特に地方側は強い要望を持っているんでけすれども、こういった点についてはどういうようにお考えでしょうか。
#181
○説明員(遠山啓君) 先生おっしゃいますように、昨年の下水道財政研究委員会におきましても、その問題がやはり取り上げられました。非常に補助対象の範囲を広げるということが地方の都市の課題になっております。
 われわれといたしまして、補助率と補助対象の範囲という二つの問題で国費率というものを考えておるわけでございますが、過去の五カ年計画をつくります際には逐次上げてまいりました。今後もそれを上げてまいりたいと思っておりますが、補助率につきましては、これはほかの公共事業との並びもございますが、決して遜色のないところまでまいっておりますので、主として問題は補助対象範囲であろう。いまおっしゃいました二百五十ミリまでの範囲、そういった問題であろうかと思いますが、現在、各地方公共団体におきまして事業の実態を調べてもらっておりますし、また、次の五カ年で行うべき実施計画の内容等を調査中でございますので、これらを調べた結果に基づきまして具体的に検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#182
○神谷信之助君 ちょっと仄聞をしておるところでは、この下水道の補助率が大体高くなり過ぎだという意見が大蔵省なんかにもあるやに聞いているんですが、決してそうじやないんで、いま非常におくれた部面で、しかも自治体の財政が非常に窮迫をしている状況ですから、その辺、まあ大臣も先ほどそういう点もおっしゃっているわけですから、ひとつ補助率の引き上げ、それから特にいまの補助対象の管渠の二百五十ミリぐらいまで広げる問題ですね、これはぜひひとつがんばってもらいたいというように思います。
 その次の問題で、大都市の補助対象率と一般都市との格差の問題ですね。この理由は前回もお聞きをしましたし、それからまたこの間も文書で簡単にメモをもらいましたけれども、どうも大都市の方が地方財源にストックがあると、財政規模も大きいからという面と、それから財政負担力の違いなんかをおっしゃっているんですが、しかし、大都市になれば大都市になったで、工事に伴う補償要求とかいろいろなやつがまた別に出てきますわね。一般中小都市あるいは新市街地なんかと違った、そういったいろいろな問題も出てきますし、振動その他工事についての補償の問題も出てくる。そういう問題も出てくるし、それから交通量が多いものですから、工事の実施時間も制限されるという問題も起こるし、それから、これは京都市で聞きますと、さらにそういう点で縁故債が非常にふえざるを得ないというような事情なんかがあるわけです。そういう点で、全体としても工事も長くかかるし、したがって経費もよけいかかる。そういった問題があるので、建設省の方もだんだんその格差は縮めつつあるようにお聞きしておりますけれども、この辺の格差をできるだけなくしていくという点についてのお考えを聞いておきたいと思うんです。
#183
○説明員(遠山啓君) 先ほどの補助対象範囲の拡大ということにつながってまいるわけでございますが、いま御指摘のような、大都市と一般都市との差異がございますのも事実でございますので、われわれは次の五カ年計画の策定に当たりまして、慎重に検討してまいりたいというふうに思っております。
#184
○神谷信之助君 次は、閉鎖性水域に対する対策の問題です。
 これは、先ほどの財政研究委員会でしたか、これの提言でも、「広域の閉鎖性水域の富栄養化防止、広域的水資源として保全すべき湖沼等の水質環境基準達成のための三次処理施設については、」国庫補助率は二次処理施設に対する補助率よりも引き上げるべきだというのが出ていますし、その辺を受けた都計審の答申でも、広域の閉鎖性水域、湖沼、これについては重点的に三次処理を促進をしなさいという問題があるんですね。京都、また琵琶湖もそうですが、琵琶湖は、これはまた下流の阪神の水がめにもなっているわけですが、これが都市下水、工場排水等も含めまして、非常に水質汚濁が激しくなってきている。だから滋賀県は合成洗剤の追放なんかの運動もやったりして、水質保全の運動を県民的にもやっていますけれども、いずれにしても京都のところでは、ずっと来たやつを阪神におろすわけですから、三次処理をやっていかなければ、阪神地域の飲料水確保、こういう点でも非常に迫られてきているわけですね。これは御承知のようにまだまだ研究開発せないかぬ部分もあるし、実際にいまの段階ではコストも非常に高いという状況もあります。したがって、この点で補助率の引き上げなんかが提起されておると思いますが、この辺についてのお考えはいかがですか。
#185
○説明員(遠山啓君) 国全般を考えますと、三次処理の施設というものの建設の促進ということについてはまだ少し早いんじゃないかという気がいたします。と申しますのも、先ほど来御指摘のように、普及率がこの五カ年計画を終わった時点でまだ三〇であるというような状況でございまして、二次処理でもかなり、二〇%ないし四〇%の燐とかあるいは窒素の除去率等を持っております。したがいまして、とりあえずは二次処理の普及を図りまして全国的なレベルアップを図るのが先決じゃなかろうかというふうに思っておりますが、いま御指摘のような琵琶湖というような問題を考えますと、われわれとしてはこれは優先的に事業を、いままでもそうでございますが、推進してまいりましたし、今後もやっていきたいというふうに思っております。ただ、直ちに補助率のアップということになりますと、目下検討中でございますが、なるべくそういうふうに持っていきたいとは思いますが、なかなかむずかしい問題があると思います。
#186
○神谷信之助君 下水道問題は大体これで終わりたいと思うんですが、大臣、だから東京湾――東京というより首都圏ですね、それから東海圏、それからいま言った近畿圏といいますか、京阪神圏です。瀬戸内海もまた同じように内海でありますので、そういった点で、全国的に一遍に三次処理がずっと進むのはいま建設省も言うように困難です。だから、二次処理の施設の整備をずっと全体としては進めながらも、そういう都市圏の中心的なところについて三次処理。これは言うならば先進的部分をそこらが負わないかぬわけですね。開拓をしていくといいますか、開発をしていく、そういう役割りを都市圏のところでは当然負わなならぬだろう。そういう点で、特に大臣の方も留意してもらって、そして、そういう三次処理へ向けての開拓的建設、こういったような点についての援助を強めてもらいたいというように思うんですが、ひとつ見解だけ聞かしていただきたいと思います。
#187
○国務大臣(後藤田正晴君) いま仰せのように、やはり閉鎖性の水域等で特に重要な地域については、やはりそれなりの処置を講じていかなきゃならぬ時期に来ておるのじゃないかと、かように考えております。
#188
○神谷信之助君 次に第二の問題は、臨時職員及び嘱託の問題、それに移りたいと思います。
 この臨時職員及び嘱託の問題については、地公法上で言えば臨時的任用の職員、地公法二十二条職員ですね。もう一つは嘱託、非常勤である嘱託ですね。これは地方公務員法の第三条の適用になっております。これは普通、たとえば二十二条職員については、年度途中で死亡した職員、そういうことによって欠員ができると、途中ですから任用時期でない。したがってその間を埋めるための臨時的任用という制度、これは二十二条で保障されております。あるいは突発的な事故なり災害、そういった事由で臨時的に必要な場合ですね。ですから、六カ月以内の雇用期間であって再雇用でも一年以内というように厳格にしてあります。したがって、通常恒久的な業務に従事する職員というのは正規の職員で充てるというのが地方公務員法の原則だと思います。ところが、現実にはいま、私も京都で聞いてみますと、この臨時的任用、それから嘱託、いわゆる二十二条、三条職員、これが非常にふえてきておるんですよ。まあ確かに二十五年から二十八年、九年にかけまして一時ずっとふえたときがあります。県税事務所、府税事務所ができたり、そういったいろんな仕事が急激にふえましたとき、それから、二十九年ですからちょうど地方財政が非常に窮乏していた、財政再建法をつくらなきゃならなかったあの時期、大体そういう時期には臨時職員が非常にふえました。災害が相続きましたから。そこで、そういう臨時職員が二、三年という長期にわたって雇用されているのは地公法違反だということで運動も起こり、そういう中で自治省の方も三十一年の八月の二十日に通達を出して、この問題の三原則というのを出しております。
 一つは、そういう恒久的な業務に携っているところの臨時的任用の職員、これについてはひとつ期限を限って正規の職員としていく、配置転換等も含めてですね。そういうことをやりなさいということ。それから第二は、恒久的業務にそういう臨時的な人を充ててはいかぬ。期限は厳密にして臨時的な業務に限りなさいというのが第二点です。それで、現に勤めている人が本職員になれないその間は、給与、労働条件その他は一般職員と同じように、できるだけ均衡、バランスを失しないようにやりなさいという大体三つの点で通達をされて、各自治体も計画的にそれから漸進的にそれの解消に向かって一定の努力をしてきたと思うんです。これが今度は国の段階でもいろいろ問題になって、そういう定数外職員の問題について、三十六年に国の方でも人事院の方でそういう通達、指示が出まして、今度はそれに基づいて自治省の方も、いまの三十一年八月二十日付のこの通達に基づいた措置を、国にならってさらに厳正にやりなさいという趣旨が出ているんです。
 だから指導の方向としては、そういう臨時的任用の職員が長期にわたって存在をする、あるいは仮に一年交代で人がかわっても、本来恒久的な業務であるのにいつまでもそれが臨時的任用職員でやられるというのはいかぬのですという指導はなされているんだけれども、現実には相当この臨時職員及び嘱託という名前のそういう臨時職員というのがふえてきている。もちろん、高年齢者で一応退職して、そしてその後の生活を維持するために何年か嘱託という名義で入る人というのはこれは別ですが、そうじゃなしに、そういう意味の嘱託でない、臨時的任用以外の嘱託と臨時的任用と同じような嘱託ですね。そういうのがふえてきているんです。これ、自治省の方では一体どの程度実態をつかんでおられるか、まずその点をひとつお聞きをしたいと思います。
#189
○政府委員(宮尾盤君) ただいま御質問がございました臨時的任用の職員の問題でございますが、これは先生も十分御存じのように、原則として職員については競争試験に基づいて採用するというのが一般職員の本来の姿でございますが、特に緊急の場合とかあるいは臨時の職に関する場合、任用候補者名簿にその候補者の名前が載っていないというような場合に限って、六月を限度として臨時職員を任用できる。さらに六カ月を更新できますけれども、最高の限度一年だと、こういうのが地方公務員法の定めでございます。この考え方に基づきまして、いま御質問の中にもございましたように、自治省といたしましても臨時的任用の職員についてはこの制度の本来の趣旨に沿った形での任用を行うべきであるということを指導をいたしまして、任用期間を更新をしていくような形で、事実上一般職員と同じような形態になっている者については極力これは整理をいたしまして、本来の姿にしていただきたいと、こういうことを指導をしてまいっております。
 それで、私どもそういう指導をこれまでしてまいったことから、最近の調査によりますと、いわゆる臨時職員等と言われながらその実態は一般職の職員に似ておるような形態の者が事実まだ残ってはおりますけれども、逐年これは減ってきておるというのが私どもの給与実態調査による調査結果からは出ておるわけでございます。
#190
○神谷信之助君 その自治省でやられている給与実態調査に、いわゆる六月を超えない期間の臨時的任用、この数は出てくるのですか。
#191
○政府委員(宮尾盤君) いわゆる臨時職員という本来の形の臨時職員については、給与実態調査ではこれは把握をいたしておりません。ただ、給与実態調査では、いわゆる正規の職員でございますね、この職員数を把握するとともに、臨時職員といいながら、ややいわゆる正規の職員に近い勤務形態をしている者が現実にどういう推移をしてくるのかというような調査をあわせてやっておりまして、そういう者についての調査の数字は上がっておるわけでございます。
#192
○神谷信之助君 それじゃ、この点をお聞きしましょう。六カ月を超えてはいかぬというわけですからね。だから仮に、五カ月と二十日で一たん退職しちゃう。そしてまた七カ月目の一日から採用する。そしてまた五カ月二十日でやめる。それは一人は一回しか更新できないんだから一年で、その翌年は、今度はBという人がやる。Aという人間がやる仕事もBという人間やる仕事も同じ。一般職員と同じような仕事をやっている。月曜からずっと勤務をして土曜日は昼まで、週四十四時間の勤務をしておる。こういう状態であると、これは二十二条違反の疑いはきわめて濃厚でしょう。どうですか。
#193
○政府委員(宮尾盤君) 地方公務員法二十二条では、御指摘のように、六月を超えない期間で任用をし、更新をする場合においても最高限度一年を超えないと、こういう任用の形態を考えておるわけでございます。
#194
○神谷信之助君 いや、疑いはどうですか。二十二条違反の疑いはありませんか。
#195
○政府委員(宮尾盤君) 二十二条では、先ほども申し上げましたように緊急の場合とか……
#196
○神谷信之助君 二十二条はわかっていますがね、緊急じゃないといかぬでしょう。緊急とかそういう臨時的業務でないと。
#197
○政府委員(宮尾盤君) 最高限度一年を超えて一般職員と同じような勤務形態で勤務をさせるということについては、これは二十二条の趣旨に反しているというふうに考えております。
#198
○神谷信之助君 二十二条の臨時的任用の職員が採用できる業務というのは、いわゆる臨時的業務でしょう。業務の内容が恒久的な業務、一般的業務、二年も三年も必要な業務ということを意味しているんじゃないんでしょう。
#199
○政府委員(宮尾盤君) 二十二条には、「臨時の職に関する場合」というのはこれはまさに臨時的な業務でございますが、たとえば任用候補者名簿に候補者が登載をされてないと、こういうような場合には、当然臨時的な業務でなくてもいわゆる臨時的任用ということは可能でございます。
#200
○神谷信之助君 あなた、とにかく何とかごまかそう、逃げよう逃げようとしているんです。ぼくの言うのははっきりしているんですよ。はっきりしているのは、正規の任用をすべき場合に、それにかえて臨時的任用をすること、これは臨時的任用の乱用と言えないんですか、それじゃ。
#201
○政府委員(宮尾盤君) 正規の任用にかえてというのは、御質問の趣旨は具体的にどういうことかという点、ちょっとあれでございますが、地方公務員法では、いわゆる正規の任用というのは、十七条に基づく「競争試験」または「選考」という方法によって職員を採用するのが一般的でございます。ただし、そういう臨時の業務ではなくても、先ほど申し上げましたように、緊急の場合だとかあるいは名簿に候補者がないというような場合には、一定期限を付して臨時的な任用ということが可能であるわけでございます。
#202
○神谷信之助君 じゃ、具体的にいきましょう。Aという人間、私が六カ月未満で臨時的任用、採用されました。そして、六カ月の一日か二日前に一たん採用が切れて、二、三日してからまた出てこいということで、また行って、六カ月たちました。そして同じ仕事をやりました。その次に、もう一遍続いて三回目、また同じような形態で私は採用された。これは再採用一回だけというのを超えていますわね。二回目の再採用です。この場合は違反ですか、そうしたら。――簡単なことだろう。それ考えなきゃならぬようなことだったら困るな、公務員部長が。
#203
○政府委員(宮尾盤君) その具体的な任用手続がどうなっておるかということが具体のケースの場合には問題になるわけでございますが、たとえば六月に満たない期間、第一期最初に臨時任用されまして引き続き更新をする、これは引き続きできるわけでございます。そして最高限度まで、一年を超えない範囲内でやめましてそこで切れる。一たん切れた場合に、またある程度期間がたった段階で、どうしてもそういう臨時的任用をせざるを得ない事態があって、たまたまその職員がさらに臨時的任用されたというようなケースについては、これは直ちに違法だというふうには言い切れない。やはりそこでは一たん切れておるわけでございますから、いわゆる役所と、市役所なりあるいは町役場との任用関係というものは完全にそこで切れておるわけでございますから、そういうものについて、仮にある程度期間がたって再度臨時的任用があった場合には、これは違法ではないというふうに私は考えております。
#204
○神谷信之助君 そうすると自治省の見解は、臨時的任用で一年を超えた場合に、ある程度期間を置いて、そうして再びというか三たびというか、とにかく臨時的任用するというのは、二十二条違反ではないと、こうおっしゃるのですね。――いいですか。むちゃなこと言うたらあなたあきまへんで。
#205
○政府委員(宮尾盤君) 先ほど申し上げましたような状況であれば、これは法律には違反をしていないというふうに考えます。ただ、それが好ましいかどうかという議論は、それは別途あるでしょうけれども、法律的にはそれは違法ではないというふうに考えます。
#206
○神谷信之助君 直ちに法律に違反をするかどうかというのは、それはいろいろ見解が出てくるんです。それから、そのある程度の期間というのは、ある程度というのは一日でもある程度だし、三日でもある程度、一月でもある程度、半年でもある程度ですよ。だからそれは期間がどうかという問題もある。実際のその業務の内容にも問題が出てきます。だから直ちに違反であるかどうかは――私も違反だとは言っていない。違反の疑いがあるじやないか。だけれども、まあ後でつけ加えられたからいいですけれども、あなたの当初のような答弁ですと、まさに乱用ができるのですよ。三日なら三日置いてそうして必要だからまた改めて雇います、改めてですから前の引き続きではありませんと。こういうことを許したら、何ぼでも臨時的任用の職員というのはふえるんだ。だからそういうことをしちゃいかぬというので三十一年の通達を出したんですよ。あるいは三十六年に国の基準もそれで決まってきてそういうものは再びしたんでしょう。だから、あなたのようなおっしゃり方をされると、幾らでも臨時的任用はどんどんとやってよろしい、法律には違反しませんよ、直ちには。こういうことになって、片一方では好ましいことじゃないと言いながら、陰ではこっそりとうまいことをやりなさいと、形式的にさえ整えばやってよろしいと言わんばかりの私は答弁に聞きましたがね。そういう意味ではないならないとはっきり言っておいてください。
#207
○政府委員(宮尾盤君) 法律二十二条の定めに違反をするかどうかということについては、先ほど申し上げたようなことでございますけれども、それが私どもが指導奨励すべき考え方であるというふうには申し上げているわけではないのでございます。
#208
○神谷信之助君 ひとつ具体的な実例を言いましょう。これは京都の城陽市です。ここでは定数内職員は全体で六百十三人です。定数外職員は百四十九名います。したがって構成比は定数内職員が八〇・四%、定数外職員が一九・六%。約二割は定数外職員ということです。全国平均は九一・一%が定数内で、定数外職員というのは八・九%。一割足らずですね。だから、全国平均から言いましてもちょっと異常に定数外職員が多いです。
 そこで、さらにその定数外職員の中身を見ますと、これは五十五年の三月三十一日現在で、嘱託が百十二名、六七%です。臨時的任用の職員、臨時職員が三十七名、三三%。この定数外職員のさらに業務別といいますか、業務内容で見てみますと、総務企画の関係で二十二条職員が五人、三条職員は八人、合計十三人です。民生福祉の関係になりますと、二十二条職員は三十一人、三条職員が七十五人。合計百六人。ちなみに民生福祉の関係の定数内職員は幾らかというと百八十一人です。だから、定数内職員百八十一人に対して臨時職員、いわゆる定数外職員が百六人もおるんです。それから保健衛生は、二十二条職員が一人、三条職員が十七人で合計十八人です。ここで定数内職員はそれに対して何ぽかというと十三人です。定数内職員十三人に対して定数外の職員が十八人。定数外職員の方が多いんです。あと商工経済関係はこれは一人です。教育委員会関係も一人、その他十人で、先ほど言いました合計の数字になります。そうすると、ここのところでも特徴的に言えることは、民生福祉、保健衛生という住民サービスに直結をした部分が、もうきわめて臨時職員、嘱託という定数外職員で占められているという数字なんです。これが城陽市の状況です。こういう実態なんですよ。あなた方のなされる給与実態調査にはこれ出てこないでしょう、こんな数字は。出ていますか。
#209
○政府委員(宮尾盤君) 城陽市の関係のお尋ねでございましたが、このいまの城陽市のお話、私どもが府の地方課の方を通じて聞いたのとは数字が若干違いますけれども、そういう点を捨象いたしましてのこの城陽市の実態を見ますと、非常勤の嘱託員、それから臨時職員、こういう形が相当数あるようでございます。
 それで、先ほど臨時職員のお尋ねがございまして臨時職員のあれを申し上げたわけでございますが、非常勤嘱託も相当数この城陽市の場合にはありまして、具体的に一つ一つがどうということは個別の問題ですから何でございますが、職種の内容によりまして、いわゆる正規の勤務時間の勤務を要しないような勤務場所というものがある場合には、これは先生も御承知のように、非常勤の職員をこれに充てて仕事を行っていくということができるわけでございますし、また、それが行政の効率的運用という面から見た場合にそういうやり方の方が適切であるというケースもあり得ると考えております。
 そこで、いまのお話しの城陽市のこういった形態のものについて私どもの給与実態調査に出てくるかということでございますが、これは出てまいりません。
#210
○神谷信之助君 だから、そういうふうになかなか出てこないですよね、これは。それはなぜかというと、一つは、そういう法律的疑義の問題が出てくることが一つあります。
 それから、確かにこうならざるを得ない面ももう一つあるんです。それは、一つは、大臣が盛んに指導されている減量経営の問題ですね。できるだけ本職員じゃなしにパートに切りかえるとか、あるいは民間委託にするとかそういう方法でやって、しかしそれは無理がありますから、自治体としてやらないかぬ仕事をそういうふうにパートなり何なりに切りかえるんですから、だからそういう臨時的任用職員ということにして、あるいは嘱託ということにしてやっていく。まあ地公法違反かどうかは何ですが、非常にきわめて好ましくない、そういう任用形態にならざるを得ない。
 それからもう一つは、この間も取り上げましたが、特にこれは厚生省関係が多いわけですけれども、保育所とか福祉施設の関係ですね。この間も言いましたように、予算的には三・七人分とか来るわけですから、コンマ七人分なんというような人間はおりませんしね、実際には。そうすると実際には、二人は本職員にしてあとの一・七人分でパートを三人にして、少しでも労働条件を緩和する。数でこなそうと。これは賃金をうんと抑えることができますから、一・七人分で三人雇える。そうしたら合計五人で仕事ができる。そのかわりぐるぐる。ハートにする。そういうようなやりくりをせざるを得ぬ。そこからそういうのが必然的に出てくるという面が一つあります。しかもそれは、いま言いましたように福祉施設関係という住民サービスの面に直接出てくるんですね。
 もう一つ、これは福知山の場合ですが、福知山で清掃部門を見ますと、管理部門、それから焼却、収集、火葬場、屠場を含めてですが、合計四十四人のうち十三人が嘱託、臨時職員です。そのうち収集ですね、これが二十四人おる。おるにはおるんですけれども、正規の職員は十五人なんですね。九人は嘱託と臨時なんですよ。そうしますと、実際朝行ってみますと――出勤したときに皆集まるのです。ところが嘱託、臨時職員というのはよう休むのですよ。だから予定の収集区域を全部回り切れないんです。穴があくのですよ。正規の職員ですとこれはもうちゃんと出てこないと欠席になる、まあ病気なら病欠なり、有給休暇の制度もありますからそれは何か休む場合も事前に連絡があったりしますけれども、嘱託、非常勤になるとそうはならぬ。朝集まってみて、そこで、ああきょうは来てくれたか、きょうは全部収集してもらえると。ああきょうは足らぬな、だから管理者も含めて全部車に乗っても一カ所はどうしても行けぬ、そういうところが出てくる。ところが、住民の方からはもっと収集区域を広げろという要求もあるし、週二回収集にせよと、こういう要求も出てくる。そっちはふえて、頭数としては、そのふえた分は臨時職員あるいは嘱託ということで補充されて、頭数はだんだんふえてくるのだけれども、実際にはそういうことで住民の要求にこたえられないという実態が現実に起こっているんです。
 私は、これはそういう事実を踏まえて、やっぱり自治体のそういう住民に対するサービス部門、これが実際には犠牲にされる。そういう状況のところに持ってきて、国に準じて五%人員削減せいと、こうくるわけですから、そうするとまた同じような現象がさらに拡大されるという状況が出てくるのですね。だから、やっぱり必要なところにはちゃんと必要な人間を配置する。その点で交付税についても交付税措置をするということをせないかぬと思う。ところが、そういう福祉施設ですと厚生省の基準で言うたらおまえのところは十人でよろしいと、こうなりますけれども、実際には十五人必要だと。そういうことは自治省としてはわかっておっても、交付税の計算では十人しか、十人を基礎にしてしか計算はできないでしょう。そういうことになりますわね。だから、実態と、実際の厚生省なり何なりの基準とは、どうしてもそういう現場とのずれが出てくる。その分の不足額をどうやって埋めるかと言えば、いま言ったような臨時職員とか嘱託で、安い賃金で雇う方法を考えていく。これがどんどん重なっていって自治体の任用制度に混乱を持ち込むし、同じ仕事をしているのに本職員と臨時職員では給料はうんと違う。労働時間も違う。片一方は一時金も出るけれども片一方はもらえないというような、同じ仕事をしていてそんなばかなことがあるかというような、一緒にやっていればやっているほど不満はつのりますね。
 だから、そういう問題がもうごろごろ出てくるという状況になってくるんです。だから私はこの辺は、この間も言いましたように、超過負担で一番、しかも説明のつかない超過負担の多いのは厚生省だと自治省の人も言うていられるように、そういう点でいろいろ問題がある。そういう点では実際の現状をつかんで、自治省がやっぱり正しく実態に合った基準を決めさして、それに対して交付税措置もできるし、同時に公務員部の方もそういう便宜的な任用制度をやってはならぬと、単に好ましくないということで済ましていないで、そういうことをやれば違反の疑いがあるのだから、そういうことのないようにしなさい。したがって、それに必要な財政措置については努力をやろうというようにしていかないと、実際にはこの問題はなかなか解決しない。しかもいま公務員に対する風当たりがきついですから、そういう現場で働いている人は何も悪いことはしてないんだけれども高級官僚が悪いことをするものですからね、風当たりが強いですよ。だから定数条例をふやすというようなこともなかなか現実にはできない。だからそういうところにいかざるを得ぬというのが、いろいろな条件が重なって出てきている、こう思うのですよ。
 しかし私は、この状態は、そこの現場で働いている労働者にとってもおもしろくない、好ましい状態ではないし、それから住民サービスをもつと徹底をするという面から言ってもこれは好ましくない。一遍にできるできないは別にしても、早く改善をすべき課題であるというように思うんです。こういった点についてひとつ大臣の見解をお聞きしておきたいと思うんです。
#211
○政府委員(宮尾盤君) ちょっと、実態の問題も若干ございますので申し上げておきたいと思いますが、先ほど臨時的任用の職員、二十二条任用の職員についてのいろいろな法律的な議論を申し上げたわけですが、非常勤の職員の任用は、地公法三条の規定に基づくものでございまして、これはそういった非常勤職員で仕事をしてもらっていいような職場についてはそういう任用ができるわけでございます。
 そこで、いま福知山あるいは城陽のお話があったわけでございますが、私ども、細かい点について十分に承知はいたしておりませんけれども、たとえば城陽市におきましては非常勤職員が非常に多い。いわゆる三条採用による職員です。その中でも特にそういう職員が多い分野を見てみますと、延長保育とか休憩保育とかいうような形で、正規の職員、保母さんが勤務する以外の時間帯をつないでいくためのいわゆるパート的な要員としての保育保母さん、こういうような方の任用をしているケースというのが非常に多いわけです。あるいは家庭相談員とか身障児家庭奉仕員とか老人家庭奉仕員、こういうように、一週間に三十時間程度の時間数で勤務をしていただく。ですから、こういう形態の業務に非常勤の職員を充てるということは、私はこれは決して地方公務員法の基本的な考え方に反するものではない、こういうふうに考えております。
 ただ、一般職員で充てるべきところを非常勤職員でどんどんカバーをしていくというようなやり方があれば、やはりそれは正常な姿ではないというふうに考えますけれども、いまの城陽市のような事例の場合には、全部が全部とは言えないまでも、いま申し上げたようなものについては、これは必要性があってそういう任用形態をとっているというふうに私は考えておるわけでございます。したがいまして、基本的には正規職員で充てるべきところは正規職員をきちっと充てる。それから、臨時職員で任用できるところ、あるいは非常勤職員でカバーしてもいいようなところ、そういうところはおのずからそこに一つの明確な区分けをつけまして、きちんとした任用の仕方をしていくように今後とも指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#212
○神谷信之助君 あなたは机の上で仕事をしているからそういう気長なことを言うんですけれどもね。それで、大体厚生省自身の考え方もずるいんですよ。ホームヘルパーだったらホームヘルパーは一週三十時間以内でやりなさい、だから月曜から金曜で結構です、一日六時間で結構ですと。確かに六時間で五日間ですから三十時間ですよ。ところが、実際にやっていきますと、相手の人とのいろんな関係も出てくるし、帰ってからちゃんと全部報告書もつくらないかぬ。それで一日七時間なり八時間になっていくんですよ。普通の人は八時間してはるのやから私だけ遅う来て早う帰るわけにいかぬと。一時間遅く来て一時間早く帰るんですからね。だから、ボランティアみたいなそういう奉仕活動でごまかしてしまおうという厚生省の考えがあるものですから――これはちゃんと正規の職員に本当はしたらいいんだ、したらいいんだけれども、そんなこと、大蔵省はうんと言うてくれへんし、ようけ人間は要るし、金はようけ要る。だからごまかしてそうせいと言っているんですよ。ところが実態はそうならぬのですよ、問題は。長時間保育でもそうですよ。だから正規の職員をちゃんとやって、八時間で二交代で、早出組と遅出組でぐるぐると回転をするという方法をやればいいわけですよ。だけどそれだけの財源をよこさぬのですよ。一時間分、朝三十分午後三十分分は〇・三人分ですとかいうような金しか出さぬのやから。そうすると結局アルバイトを雇わないかぬ。だからいま都市、大都市、あるいは大都市周辺ですと、保母の経験者という人で働いていない、勤めていない人がいますからね、そういう保母の経験者を大体中心にして援助してもらっているという状況になってきていますけれども、そういう人がなかなかない場合には、結局経験のない人を夕方なら夕方一時間見てくれとか朝一時間見てくれとかいう形になるんですよ。これは保育に責任を持たぬ無責任な態度ですよ。そういうことを厚生省は許しているんですよ。現場ではそんなこといかぬですよ、これは。お母さんの方は、自分の子供をそんな無責任なところで保育をしてもらっては困るという要求が出てくるんです。そうすると、市長さんなり現場の課長さんは何とかせないかぬ。悪戦苦闘しているんですよ。そのことを見ないで、それはもう非常勤で結構ですというような発想は、実際に自治体の実態を知らない、現場の苦労を知らないそういう人の言う言葉ですよ。どれだけ現場が苦労しているかということを私はあなた方に考えてもらわないといかぬと思いますね。
 それから、いまの話ですが、常勤と非常勤の区別というのは一週三十時間で区切っているんですか。
#213
○政府委員(宮尾盤君) おおむね四分の三以下を基準にしておりますので、三十三時間程度というふうにいたしております。
#214
○神谷信之助君 そうすると、現実に一週三十三時間以上勤務している者は常勤職員とみなしたらいいんですね。みなすべきでしょう。
#215
○政府委員(宮尾盤君) 実態の方からいくという考え方よりも、私どもは、常勤と非常勤というものは明確に勤務形態を変えなければいけないし、変わっているべきものである。したがって非常勤職員として任用するものであれば一週間おおむね、これは厳密に三十三時間ということであるかどうかは別としまして、四分の三程度と、週四十四時間とすれば三十三時間程度以内の勤務とすべきである、こういう考え方でおるわけでございます。
#216
○神谷信之助君 そうすると、実態が一週三十三時間以上の勤務であり、しかも勤務が一年以上ずっと継続をしている。形式的には途中で三日ぐらい休んだりある程度――そのある程度がどの程度か知らぬけれども、三日なり一週間なり切れるかもしれませんが、とにかく一年以上ずっと継続をしているという実態であれば、これは常勤職員にすべきだ、また、常勤職員であるべきだというようにお考えになるんですか。
#217
○政府委員(宮尾盤君) 常勤職員であれば、これは条例の定めにもよりますが、週四十四時間、一般的にはですね。当然そういう拘束時間というものが出てまいります。その時間数がどれだけだからということで判断するというよりも、これはまず任用というものが先に行くわけでございますから、一般の常勤職員として任用をする場合には、当然定められた勤務時間内に勤務をする。非常勤職員であれば、四分の三程度以内の勤務時間帯で勤務をさせるのが非常勤職員の姿である。こういうふうに私ども考えておりますので、もし非常勤職員として任用をして、かつ、それが非常に勤務時間が一般職員に近いようなやり方をしているならば、それは勤務時間を改めるべきだというふうに考えます。
#218
○神谷信之助君 勤務時間を改めるんじゃなしに、それは必要だからその職員を置いているんでしょう。身分、形式は別にして。その業務があって、その業務を遂行するのに必要だから、そういう職員が、形式、身分は別にして三十三時間以上、あるいは一般職員に近い勤務条件で実際に仕事をしているんでしょう。そしたら、その業務がある限りは、本来はそこには正規の職員をもって充てるべきなんだ、ちゃんと正規の任用手続をして。そうと違うんですか。
#219
○政府委員(宮尾盤君) もちろん、当然一般の常勤職員を充てるような仕事であれば、これは常勤職員を充てて正規の勤務につかせなければいけない。しかし、非常勤職員を充てていいような職場に非常勤職員を任用している場合には、その勤務条件というものも非常勤職員に見合った勤務条件にしていかなければならないということを申し上げているわけでございます。
#220
○神谷信之助君 いやだから、ぼくらの知っている人でも、たとえば資料館の調査員とかいう方、ぼくらの先生でしたが、嘱託で、大体一日六時間ぐらいで週五日間でやっておられた先生もおられますよ。それはそれでいいですよ。私の言っているのは、本来正規の職員をもって充てるべき仕事を、そういう臨時的任用で、二十二条か三条の形態は別にしても、どんな形態をとるにしても、そういうことでとにかく当面やっているという事態がだんだんふえてきているのですから、こういうのを改める必要があるということを言っているのです。この辺はひとつ厳格にしてもらうということと、それからいま言いましたように、厚生省なんかが言っている、何というか、ボランティア活動、慈善活動でよろしいかのような、そういう考え方をとっている限りは、これは公立と私立の保母の給与格差や労働条件の格差を縮めることもできませんし、いつまでたっても福祉施設が本来の国と国民が、全体が責任を持ってそういう福祉の充実を図るということの実を結ぶことにもならないというように思いますから、この辺ひとつはっきりさせておきたいというふうに思います。
 もう時間がありませんからその次の問題に移ります。第三の問題は、特別土地保有税に関する問題ですが、国土庁、来てもらっていますか。
 それでは、まず国土庁にお伺いしますが、京都の南部地域の関西学術研究都市構想、この調査費が五十四年度、五十五年度とついていますが、これは一体どういう調査でどの程度まで進んでいるか、まずちょっとお伺いしたいと思います。
#221
○説明員(平野侃三君) 関西学術研究都市構想につきましては、御指摘のように、五十四年度から調査を始めたわけでございまして、五十四年度の調査におきましては、大阪科学技術センターに委託いたしまして、学識経験者等から成ります委員会を設置して、近畿圏におきまして強化すべき学術研究機能と都市機能整備の基本的方向について検討を行ってまいりました。五十五年度は約千二百万が予算化されておりますので、調査の内容につきましては、現在前年度の調査結果を踏まえ、また、各種の提言等も参考にしながら検討をいたしている段階でございます。
#222
○神谷信之助君 この候補地の決定というのは、今年度中には無理なわけですか。
#223
○説明員(平野侃三君) 現在の段階では、まだ基本的な問題、都市機能とかあるいは研究機能の基本的な問題について検討いたしておりますので、具体的な候補地を決定する段階までは至っておりません。
#224
○神谷信之助君 地元市町村との関係ですね。去年からずっといろいろそういう調査をやられているのだけれども、これは一体どういうように、意見を聞いたりあるいは調査の進行状況について連絡をするとか、そういうことがあるのかないのか。あるいは、昨年調査をなさった分についての報告は、そういう地元関係者を含めて公表されるのかどうか。そういう予定があるのかどうか。この辺はいかがですか。
#225
○説明員(平野侃三君) 先ほども申し上げましたように、現在の調査は非常に基礎的な段階でございまして、まだ候補地を特定するような段階に至っておりませんので、具体的にどこの地元にということもございませんし、現段階では調査のもう少し煮詰まってまいりますのを待ちまして必要な措置をやってまいりたいというふうに考えております。
#226
○神谷信之助君 これは地元の方では、もう去年、おととしぐらいからばあっとそういう構想が打ち上げられて、そしていろいろ土地ブローカーが入ってきたり、何やかんや夢みたいな話がどんどん広がるわ、いろんな騒ぎになっているんですね。ところが、いまおっしゃるように、実際にいま進行しているのは、基礎調査をやっているのでまだどこがどうなるか、あるいはどんな構想になるかというようなのはさっぱり、まだ白紙に近いような状況だと。ところが、地元はそういうようになりますと実際問題大変困るわけですね。
 ことしの一月二十八日、その当該地域になるであろうと言われている精華町の議会で「学術研究都市構想に関する意見書」というのが地方自治法九十九条二項による規定に基づいて採択されたのですけれども、それでは、「精華町の町づくり計画にもとづき、これを強化し、地域の発展をはかるものであること。」、それから、「周辺の都市基盤整備、環境の改善、地場産業の発展、住民生活と文化の向上に役立つこと。」、三番目には、「軍事研究、軍事利用を行わないこと。」、四番目が、「自治体に財政負担を押しつけないこと。」、五番目は、「計画段階から資料を公開し、自治体、住民の意見を聞き、住民本位をつらぬくこと。」、だから、かやの外へほっぽり出されて、中で何がやられているかさっぱりわからぬというようなことでは、自治体としてはもう大変迷惑だというのが町議会で全会一致で採択されているのです。
 これは単に精華町だけでなしに、近所の木津町や田辺町という関係する近隣の町村で――どこになるかわかりませんからね、だからそういう点が強く要望されているのですが、こういう点、こういう要望にこたえて、計画の段階からひとつ十分に関係市町村にどんどん構想を、あるいは意見も聞くと。あるいは、基礎研究だからということでなしに、そういう段階から、一体こういう点についてはどうかというような点も含めていろいろ積極的に意見を聞き、そういう地域住民の意見も取り上げながら民主的にこれを発展をさせる、建設していくというようにしてもらいたいと思うのですが、この点はいかがですか。
#227
○説明員(平野侃三君) 現段階では非常に基礎的な段階でございまして、地元に御意見を伺うという段階まで至っておりませんけれども、調査が進展いたしましてある程度の煮詰まりが出てまいりました段階におきましては、相当してまいるでありましょう地元の御意見というのは、当然いろんな形で取り入れていくことを考えたいと思っております。
#228
○神谷信之助君 そこで自治省にお伺いします。――国土庁の方結構です。
 そういうことになっていますから、いま土地がだあっと高騰してきよるんですよ、土地の値段が。そこは遠いから見にくいかもしれませんが、(地図を示す)ここに京阪祝園地区というのがあって、百四十九ヘクタールというこの地域を京阪電車と三井不動産と野村証券ですか、三社で四十三年ぐらいから買収を始めて、ほとんど四十四年以降の買収ですが、ここに買収した土地があるのです。大体農地と山林ですが、このうちの二十六万平米は農地になっています。しかもそれが四十六年から、この農地になっている部分が市街化区域に編入されました。そういう状況にあるのですけれども、ところが、精華町では特別土地保有税の保有分の課税ができない。なぜかというと、もとの農地の所有者と買収のところでは、仮登記になっています。それで、固定資産税はどうなっているかというと、京阪が、買収した方がいま払っている。代納しているのです。だから実態上は一応売買契約は済んだ形になっている。実際にそこで土地造成して売却するという場合には、買い上げた値以上に若干の、幾らかのお礼は出しますということで、登記まで完了はしてない形態になっています。なぜこれに特別土地保有税をかけられないかというと、農地転用の届け出を京阪がやらない、買収した方が。だから農地のままになっています。ですからかけられぬというんですね。それで、自治省の方から専門家に来てもろうて、あかんのかと言ったら、登記の状況のいかんにかかわらず、転用の手続をするかせぬかのことだと言うんです。調整区域ですと農地転用は許可制なんだけれども、市街化区域は届け出制やから、届け出へん限りはもうあかんと、こうなっているという状況だというんですね。
 これ、このままでいきますと、だんだん進んでいって、この土地のすぐ西側のところは、ここは住宅公団がもう買収したところです。それでいま住宅公団はここへ、平城ニュータウンの北側でいま造成していますが、これが終わるとその次ここをやるんです。隣接していますからそのうちにばあっと高騰して値が上がってきます。現実にいま幾らになっているかというと、買収当時の価格は坪二千円から四千円です。この間の五十五年の地価の公示でいいますと、祝園のこの地域は大体坪一万八千円ぐらいですね。だから二千円から四千円の土地がいま一方八千円になっているんですから、まだこれは恐らく上がるだろう。それでいよいよ造成をするということになったら、そしたら自治体が特別土地保有税を取れるかというと、いよいよ開発計画はできましたということで、猶予期間がありますからね。取れないままにもう売られちゃうんです。だから、これ買い占めしてすでにもう十年間寝転がして、そうして土地の値上がりをじっと待っておるんです。だから、特別土地保有税というのは、そういう土地投機のために土地を買い占めして眠らせている連中に土地を吐き出させるためにつくった制度ですわな。ところが、ちっともこれ効果を発揮してないというのがこの精華町のこれです。これは精華町だけでなしに田辺町にも相当地域あります。近鉄が買い占めている土地もありますし、いろいろこういう例があの地域にある。言うならば、結局脱法行為というか、法網をくぐり抜けてやっているらしいですね。
 それで、自治省から来てもろうた人にそういう話をしておると、初めその仕事をやったとき、これはおかしいと思うて農林省にいろいろ言うたけれども、やっぱりあきまへんのやと。転用の手続せぬことにはあきまへんのやと言うて、どうにもなりませんのやという話でしたけれども、私は、これは聞けば聞くほど、大体こういうのをとっつかまえるために特別土地保有税という制度をつくったはずやのに、それが効果を果たさぬということであればこれは何らか考えないかぬのではないかというように思うんですが、この辺はいかがでしょうか。
#229
○政府委員(石原信雄君) 御指摘の点は、農地法第五条の規定によりまして、権利の移動をする場合には、その前提として農地転用の届け出がなきゃならない。そして、その届け出がありませんと、農地法第五条の第二項におきまして第三条の第四項を準用しておりますから、この権利移転が効力を発生しない。したがってもともと所有権そのものが移転しないということになりますので、特別土地保有税の大前提になります土地の取得が行われたという事態がそういう形にならないものですから、法的にはどうにもならない。
 それから、実態的には、いまの御説明でよくわかったんですけれども、特別土地保有税の課税を逃れる一つの方法として届け出をやらないでいるということのようなんですけれども、いまの特別土地保有税にいたしましても、また農地法の――もちろん農地法の方もそうですが、そういったことは全く予定しないで法文ができ上がっておるものですから、現行法ではいかんともしがたいということではないかと思います。
 しからば、何かそういった抜け道をふさぐ手だては何かないのかと、こういうお尋ねでありますけれども、そのためには、たとえば仮登記の段階ですでに土地の取得があったものとみなすとか、何かそういう擬制をしないといけないと思うんですけれども、そういったことがこういった土地税制としてなじむのかなじまないのか。また、そういったことがほかの税制なりほかの面でどういう影響があるのか。これはそういったことも検討をしてみないとなかなか早急には結論が出せないと思います。事実としてはまことにおかしいと思うんですけれども、いま申し上げましたように、現行法制のもとでは、御指摘のような点の矛盾を解決する方法がなかなかないというのが実情でございます。
#230
○神谷信之助君 ですから大臣、これは自治省だけじゃなしに、農林省それから国土庁に関係しますから、ぼくはいま税務局長がおっしゃったように、みなすという擬制的措置ですね、これがいまおっしゃったような他の法律との関係で可能かどうか、可能であればこれをやって、そういう法網をくくる悪者をとっちめないと――国家公安委員長でもありますからね、ひとつ督励をして措置を考えてもらいたいということをお願いしたいと思うのですが、どうでしょうか。
#231
○国務大臣(後藤田正晴君) いまお話を承っておりまして、私もこれはいかにもおかしいと。どんな意図でやっておるのか、具体的な事情を聞いてみなきゃわかりませんけれども、すらっとお話を承ったところでは、これは合法的な脱法行為をやっているんじゃないかという疑いがきわめて濃厚に思います。もう少しこの問題、現行法制ではちょっと手が出ませんので、勉強させてもらいたいと思います。
#232
○神谷信之助君 終わります。
#233
○志苫裕君 終わりが早いほどいいそうですから、ひとつ答える方も能率よく答えてください。
 まず最初に、少し総括的なことですが、大臣、交付税制度のこれからの問題について、ちょっと基本的な点を伺っておきたいと思うんです。
 ここしばらく交付税は、本則と変則二つ並びまして、本則の方は横っちょに置いて変則で走ってきているわけで、変則ですからそう長々続くわけでもありませんし、これからのことを考えてみますと、一つには額の確保ですね。それも簡単にほいほいと税金を上げて額の確保できるというような状況でもない。こうなってまいりますと非常にめんどうですし、二分の一方式がいつまでも続くわけでもない。それ自体が積み重なっていけば破綻もするわけでありますから。こういう額の確保という点が一つ。それから、算定方法の仕方といいますか、分け方ですね、配分の仕方、これもいわゆる戦後の復興から高成長を経て、これからまた地域のいろいろな態容も変わっていくわけでありますから、従来の分け方、物差しをいつまでも使っておるというわけにもいかないと思うのであります。しかし、たとえばことしのあれを見てもそう変化があるわけじゃないわけでありますが、そういう額の確保及び算定方法の仕方といいますか、こういう点について当然検討されるべき時期に来ておるし、根本的に手直しを加えるものは加えて将来計画も立てなきゃならぬ、こういう時期に差しかかっておると思うんですが、それらについての大臣の認識をまず伺いたい。
#234
○国務大臣(後藤田正晴君) 御質疑のように、やはり交付税の問題は、一つはやはり総額をどうして確保するかということでここ数年苦労をしていまのようなやり方をやっているんですが、これはあくまでも暫定的な制度でして、これが私は基本の問題を解決しておるとは考えておりません。したがって、ならばどうするかということになれば、やはり交付税制度そのものをどう考えていくんだということ、これはしばしばお答えしておりますように、国、地方を通じた税財政の改革の際にこういった問題は取り上げて解決をしたいと、私はそう考えているんです。
 それから、配分の問題ですけれども、これは毎年見直しているわけですけれども、しかし国全体が高度成長から安定成長に移り、同時にまた日本の世の中の構造そのものが、何といいますか、だんだんこれ高齢化を迎えていくわけですね。したがって、やはり世の中の仕組みあるいはいろんな制度、これから変わっていかざるを得ないと思います。そういうような点を踏まえながら、やはり配分方法等についても、これはしばしば見直しながら、世の中の移り変わりにおくれないといったようなやり方をやらなきゃなるまいと、こういうように考えております。
#235
○志苫裕君 そこで、たとえば配分の仕方、分け方ですけれども、高成長時代にはもっぱら公共投資がうまく進むようにというので、どっちかというと、もう事業中心に、投資中心にいわば配分をしてきておる。そういうものが、ずっと投資が集積をしていけば、今度はそれの維持管理に移るわけでありますから、そういうものの費用が当然ウエートを増してくる。いや、そういうものは消費的な経費だといって一方的には抑えてもいけないわけで、こういうふうにずいぶん質も変わってきますしね、そういうことを考えてみますと、私はいつも、この交付税法というややこしい法律を審議するんですが、これはあくまでも結果なんですよ。いろんな政策がありまして、いろんなことを皆さんのところで何かやっちゃってね、後でそれのつじつまが合うようにわけのわからぬ数字をずっと書いておる。一・三が何のものやら、五・八が何のものやらわけのわからぬ形で結果論だけがこう出てくるわけです。問題は、もう出てくる数字はつじつま合わせでありますから、そのこと自体は大して意味がないんで、その前にどういうところに重みをつけるか。間もなく高齢化社会が来れば、今世紀の終わりになればもう年寄りばかりになるという、それに一体どう対応すべきなのか。こういう基本的な算定の仕方での問題は自治省あたりだけで、内輪で非常に事務的なものとしてやっていないで、そういうものにもやっぱりしかるべき見識を集めるようなそういう対応だってしたらいいと思うんですよ。その辺の点はいかがですか。
#236
○国務大臣(後藤田正晴君) それはおっしゃるとおりじゃないでしょうかね。やはり国全体の政策方向によって国のいろんな施策が決まってきますね。それが地方にどうなっていくんだといったような絡みの中で交付税制度をどう考えていくかということですから、交付税だけ切り離してということじゃなしに、交付税はやっぱりそういったことの国全体の施策との関連の中で考えていかなきゃならない、この配分なんかは。私はそう考えております。
#237
○志苫裕君 いやいや国全体だけじゃなくて、それに地方がどう対応すべきかという基本的な方向の中でいろいろ配分の割合を決めていくわけでしょう。事実そういう問題には余り人様の意見を聞くような仕組みはないんじゃないですか。あるんですか。それはあなた、ごもっともですと言ったが、ちっともごもっともどおりになっていないんじゃないかな。
#238
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は、そういうようなやり方でこれつくっているものと理解しているんですよ。しかし私は具体的に作業しておりませんから、事務当局から答えさせますから。
#239
○政府委員(土屋佳照君) 交付税の算定に当たりましては、合理的妥当な水準で行政が行われるように財政需要を的確に把握していけるように私ども努力をしておるところでございまして、特に、いま御指摘のございましたような社会経済情勢の推移、国民のニーズというものを反映した施策に対応して見直しを行って、たとえば高齢化社会に対応するところの老人福祉対策等の社会福祉策について手厚くするとか、その他投資重点ではなくて、いろいろな社会教育、社会体育施設といったようなものについても新しく費用も単位費用を設けて、そういった維持管理的なものにも力を入れるというようなことを私どもとしては努力しておるわけでございます。そのやり方については、私ども関係地方団体からのいろいろな意見を聞いて、定期的にあるいは随時に聞きながら、そういったことを内部でも検討をいたしておりますが、たとえば地方財政審議会あたりでも、いろんな法律改正の際には意見を出してもらうといったようなこともいたしておるわけでございまして、そういう点ではできるだけ対応するつもりでおります。
 ただ、おっしゃるような形で、もっと学識経験者等を入れて全般的な立場から検討するようなことも考えたらどうかという御指摘がございました。そういった点については、今後のあり方として、私ども常に国民のニーズにこたえられるような仕組みを考えなければなりませんので、あるいは地方制度調査会でもそういった意見が出るのかどうかわかりませんが、いろんな検討の場というものは広げてまいりたいと思っております。
#240
○志苫裕君 その点は、いずれにしても曲り角に差しかかっておるわけですから、いつまでも古い物差しを手直し手直しというんじゃなくて、基本的に考えてみる。世の中変わっておるのに古い価値感だけでやられたんじゃ大変困りますからね。その点は今後のまた議論のテーマとして残しつつも、ひとつ要望をしておこうと思うんです。
 次に、二、三の点について伺いますが、まず雇用対策ですけれども、今度また地方雇用開発委員会の数がふえたりしているわけでありますが、そういうところでいろいろと勉強をしたり調査、立案、研究をして、提言などもなされてくると思うんですが、それは結構だというのでそれぞれの当該自治体もそれを取り上げて、じゃこれを実行に移そうと、こうなった場合に、出てくるのは財源問題でありますから、当然そういうプロセスを経て提起をされる事業、雇用対策事業というものについては、必要にして十分な財源の準備がなされるべきだと、措置がとられるべきだと、こう考えますが、この点はいかがですか。
#241
○政府委員(土屋佳照君) お尋ねのございました、地方雇用開発委員会というものが五十四年度でも五県ぐらいできておりますし、五十五年度も新しく五県ぐらいできるということを聞いておりますが、ここでは地方の民間部門におきます雇用機会の拡大とか実態の把握等についての調査研究を行うということをしておられるわけでございまして、直接雇用創出のための事業を実施する機関ではございませんが、いろいろ検討をされておりまして、そういった費用はもちろん国費で措置をされるというふうに聞いておりますけれども、お尋ねの点は、そういったことで研究されておるものを対象にどういうふうに雇用対策を自治省として推進していくのかということであろうかと存じますが、そういったこと等も考えながら、自治省といたしましては、五十三年の十一月に御承知のように特定不況地域振興総合対策実施方針というものを定めまして、いろいろとそのための施策ができるような措置をとっておるわけでございまして、公共事業あるいは大規模な改修事業を含む単独事業について地方債の弾力的な運用を図るといったようなハードの面でもそういう措置をとるとともに、地方団体が行っております地域経済振興のための制度融資とか利子補給等の金融上の措置とか雇用安定対策経費等々につきまして特別交付税の算定上所要の措置を講じておるわけでございます。
 そういったこともやっておりますが、ただいま御指摘のような地方雇用開発委員会の調査研究の結果に基づいて、地方団体が地域の雇用対策に関連していろいろと施策を実施する必要が生じてくると存じます。私どもといたしましては、そういった雇用政策に関する対策を考えます場合に、国と地方の責任分担のあり方というのもあろうかと思いますので、すべて地方というわけにもまいりませんが、地方として対応できるようなものについては私ども注視をしておきまして、適切なものは取り上げて推進ができるような配慮をすべきであろうというふうに考えております。
#242
○志苫裕君 この点は、とかく適債事業といいますか、取り上げる事業の幅がそれじゃ該当しないよというので、せっかく考えてきたものをそれを適用しないというふうなことにぶつかるわけですが、適債事業の幅についても資金の枠についても、ただいまの答弁は了承しますが、十分にひとつ配慮をしていってほしい、こう思います。
 その次は、予算編成の段階でもずいぶん議論になりましたし、それぞれのところから意見が出ておるんですが、保健所とか農業改良普及員、これが代表されると思うんですけれども、例の補助職員ですね、これについては、それはまあたてまえでいけば、その種のものについては何も国の指図を受けぬたって自治体が自分の裁量で必要なものはどんどんやればいいという、その意見にそう隔りはないと思うんですけれども、ただ、今日のように、財政がないからもうできるだけ行政サービスは詰めちまおうと、国がいままでやってきたものは、おれはもう身軽になりたいからどうぞ地方の方でと、いわばそういう雰囲気というかね、それでがあっと押されてきますと、たてまえは地方移管なんだけれども、自治権の拡大なんだけれども、気がついてみたら仕事だけもらっちゃってお金も何もついてきておらぬというふうなことになったんじゃこれは大迷惑でありまして、結局は切り捨てになっちまうわけであります。そういう点に一方に心配があるから、たてまえは賛成なんだけれどもいまやられちゃ困るから反対だと、こういう運動も当然これは起きるわけでありまして、こういう問題について自治省の立場もやっぱりはっきりしておかなきゃならぬというふうに思うんですが、その点はどうですか。
#243
○政府委員(土屋佳照君) 現状から申し上げますならば、たとえば保健所業務の場合は、年々複雑多様化しておるわけでございますから、現実には職員数は増加傾向にあるという実態もございます。そこで、私どもとしては、一律定員削減という点については、どうもそういった扱いは困るというような申し入れもしておったわけでございます。しかしながら、保健所職員とか、先ほど御指摘のございました農業改良普及員等の国庫負担職員につきましては、国においても非常に厳しいときでございますので、定員削減方針というのが決められて、それに従って国庫負担金が減額されるということに政府として決定をされておるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、地方団体がこれに対応して賃金を削減しない場合は結果的に地方団体の負担増ということになりますので、その点は地方団体においても対応していただきたいということをすでに連絡もしておるわけでございます。ただ、いま申し上げたような保健所業務等についてはいろいろと問題もございますので、補助負担基準というものが実情に即した適正なものになるように、今後とも関係省庁と連絡を密にして努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
 そしてまた、たてまえの問題をおっしゃったわけでございますが、地方行政の自主性を高めるといった意味からは、国庫補助金等の整理合理化ということは積極的に私どもとしても進めるべきであると考えておるわけでございますし、そういった方向で関係方面にも折衝を続けておるわけでございますけれども、まさにただいまおっしゃいましたように、補助金は整理する、事務はいままでの行きがかりで急にはやめられないというようなことになって残ってしまう。結局補助金が減っただけ地方の持ち出しになるということは、これは最も私どもとしては慎むべきことだと思っておりますので、やはりそういった基本的な、国、地方を通じまして国庫補助金等の整理合理化が行われます際は、仮に地方へ移すというならば一般財源に振りかえるということを明確に措置が行えるということを前提に私どもとしては進められるべきだと思っております。地方に負担のみが転嫁されるということがあってはならないということで十分注意をしてまいりたいと思っております。
#244
○志苫裕君 時が時ですから、これまたことしの夏ごろから暮れにかけてわあっと出てくると思うんですね。だからせっかく知事会あたりも提言は地方移管という提言をするけれども、何か仕事だけ来そうだというので、個々になると今度は反対と、こういうようにずいぶんあべこべのことになるわけですが、これはやっぱり大臣からもひとつ決意のほどを聞いておかぬといかぬですよ、この点については。いかがですか。
#245
○国務大臣(後藤田正晴君) 私も、最近の地方の時代という言葉の中に、これはうっかりするともうこれ以上国はめんどうを見られないから地方ひとつやれよといって、国としてのやるべき措置を何らやらないということになるおそれを、私は感じていないわけじゃないんです。しかし、地方の時代というものはそんなものじゃありません、これは。したがって、その点は十分踏まえながら対処していきたい。ことにいまの補助金の問題なんかは、仕事のなくなるものはそれはそれで結構ですけれども、仕事が残る以上はそれに伴う従来の補助金、これをできるだけまとめてもらいたいし、それを減らすなんということは、これは自治大臣としては承服するわけにはまいりませんので、そこらは十分踏まえながら対処していきたいと、かように考えております。
#246
○志苫裕君 その次は退職手当債なんですが、退職手当のめんどうは見ろよ、だから大いに首切ってよろしいというんじゃないですよ、これは。そこのところははっきりさしておきますけれども、しかし、いろんな意味でやめてもらえば一時的には金がかかるわけであります。長い目で見れば収支合うということになるわけでありますが。いまのところは、定数を削った分はめんどうを見るということにはなっているんですが、自治体の側から見ますと、普通退職はともかくとしても、整理をするにしても勧奨するにしても特別の足し前が要るわけでありまして、それが現今の財政状況から言えば楽じゃないということになりますので、せめて勧奨あたりまでひとつ手当債の対象にすべきでないかと、こう思うんですが、しかも、職員構成などから見ますと、やがてどさっとそれに直面をするという時代もそう遠くないわけでありまして、そういうときになって急にと言うてもなかなか大変なことでありますから、ある程度その辺は計画的に、いまからでも考えておいてしかるべきことだと思うんですが、いかがですか。
#247
○政府委員(土屋佳照君) お尋ねの退職手当につきましては、地方財政再建促進特別措置法の二十四条第一項の規定によって、起債ができるというふうにされておりますが、もう御承知のように、これは定数の改廃等が財政構造の健全化に資するということと、同時に、それによって節減した経費により、起債の償還財源が担保されるということから認められておるというふうに理解しておるわけでございます。こういった法律の趣旨から考えますと、退職手当債の具体的な運用に当たりましては、職員の定数削減を行った地方団体を対象としているわけでございます。要するに、定数削減を行うことによって法の意図するところに明確に適合し得ると、そういった考え方に従っておるわけでございます。お説のような、勧奨退職をする、それによっていろいろな財政構造も人員構造もよくなり、財政的にも助かると、そういった場合は許可してもいいのではないか、こういう御意見はそれなりでわかるわけでございますけれども、やはりただいま申し上げた趣旨によって、現実にそれを減らすということによって効果が出る、法の趣旨が達成できる、こういうふうに考えられますことから、ただいまのところこれを直ちに従来の方針を変更するということは考えていないわけでございます。
 ただ、いま最後におっしゃったわけでございますが、全国的に地方公務員の年齢構成から見ると、いずれ大量な退職者が出てくる時期があるということが予想されるわけでございますが、そういったときに、そういった事態になった場合はどういった退職手当債というものを考えたらいいのか、その点について私どももいろいろと検討は進めていきたいというふうに考えております。
#248
○志苫裕君 この点はね、大臣、定数を減らして人間が減っていくのも、退職で自然にやめていくのも、人間が減ることには変わりがないわけですよ。だから手当債の対象にしてもいいじゃないかということを私は言っているわけですが、皆さんの方はどうも自治体に対する不信感があって、定数を減らせば、そこにはもう人が住めないんだから、それはひとつ大いにめんどう見てやろう。勧奨とか自然だと、これはまだ空き家であって、またその空き家に人間が住むんじゃないかというので、そういう不信がまだあるうちはめんどうは見ないと、こういうことになっているんだよ、これ。自治省が自治体を信用しないではだめだ。現実に自治体もいまの財政状況で――自治体は自治省と違って、自治省は監督して適当なことを言っていればいいけれども、自治体は自分でやっているんですからね、詰めるときは詰めますよ。無理するものは無理するしね。そういう意味ではもっと信用して、金貸してくれと言ったらほいほいと、こういうふうに、しかも将来の健全化のためにやるんですから。だからこれぐらいのことはしなければだめですよ。どうですか。
#249
○国務大臣(後藤田正晴君) ぼくは、退職する人の退職金まで借金でやらなければならないというその基本に実際は問題意識を持っているんですよ。そこで、現在の財政状況から見て、そういった場合にも退職債で充てなきゃどうにも動きがとれぬじゃないかといったようなことで今日やっているわけですよ。そこへ御説のように、勧奨退職の分まで借金でいけというのは一体いかがなものだろうかと。それはやはりいま退職債で充てているのはそれなりの、何というか、プラス面ということを考えて、いま財政局長が答えたような趣旨でやっているわけですから、これにプラスしろというのは、せっかくの御提言ですけれども、ちょっと私は無理なんじゃないか。ただ、何といいますか、全国的な地方団体の職員の年齢構成、それから見て、一遍にどさっとやめなければならないといったような事態が起きた場合には、これはきわめて例外的な物の考え方をして検討しなきゃなるまいと、かように思うわけです。
 まあきょうのところはこれぐらいのお答えでないと、それ以上は私はちょっと無理ではなかろうかと、かように考えます。
#250
○志苫裕君 ですから、それは大臣、あなた前段言ったようなことになれば、私もこれ取り上げるのに、退職手当債のめんどう見ろと言ったら、その分じゃんじゃんやめてもらえなんという話になると、やぶへびみたいになるから、これはいかがなものかと思ったんですけれども、しかし現実には、みんなやっぱりそれぞれそういう努力をしていまして、苦労しているわけですよ。財政が厳しくても、そういう適当な年齢構造にしなければならぬときにはしなければならぬような工夫もするわけでありますし、まあいやおうなしにやがて時期が来れば当面をする問題でもあるから、これはそうあなた、かたくなにならないで検討をしておいてくださいよ。
 その次は、毎年ここしばらく、特に四十九年の暮れごろから財政が特に厳しくなりまして、俗に言う自治体職員に対する賃金攻撃とでも言いますかね、そういうものが出て、自治体における労使の間もとげとげしくなったりしまして、以来の問題なんですが、そういうとげとげしい状況でありますと、自治省あたりから出ていく俗に言う財政運営通達なども、そのけんかの一方を担ぐようなとげとげしい文章になった時代もあるわけですよ。ですから私は、かつてその財政運営通達、俗に言う次官通達というのは、まさに法の二百四十五条で言う「技術的な助言」、権力的な関与でない「技術的な助言」という分を守れということをここでもずいぶん――私のみじゃなくて、やりとりがありました。最近は少しその辺が落ちついた感じがいたしますけれども、やがて交付税が上がれば財政運営通達が出ていくわけでありますので、この点については、従来のこの委員会におけるやりとりなども、また自治省の努力もある面では多といたしておりますが、今後ともこの財政運営通達の表現等については、まさに「技術的な助言」の範囲を出ないようにひとつ慎重に対処をしてもらいたい、この点はいかがですか。
#251
○政府委員(土屋佳照君) 給与関係費が地方財政に非常に大きな比重を占めておるということは御承知のとおりでございまして、そういったことから、給与関係費の適正化については引き続き努力する必要があると私ども考えておりまして、そういった意味から地方団体に対する助言勧告を行うという意味では、財政運営通達で触れざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、その具体的な表現等についての御意見があったわけでございますけれども、私どもといたしましては、これが財政運営通達であるということを踏まえて、特に大幅に変更を加えるということではなくて、最初に申し上げましたような給与関係費の地方財政に占める比重という点からの適正化という点から通達をするということを考えておると、その程度のことでございます。
#252
○志苫裕君 まあ「技術的な助言」の解説をいたしますと、長野士郎さんの解説書によると、「主観的な判断又は意思等を含まない」ということだそうでありまして、余り自治省のかくあれかしのたぐいの意図は含まないようにして、ひとついまの答弁を了承をいたします。
 さて、自治省の幹部が何か総出で自治体の意識調査とかなんとかいうのを、アンケート調査というのですかな、行ったそうですが、私は寡聞にしてまだお目にかかっていませんが、それはかいつまんで言うと、また総まとめで言うとどんなことであって、それを一体どう生かしていかれるのか、この辺ひとつお答えいただけますか。
#253
○政府委員(砂子田隆君) 地方行政改善調査につきましては、昨年の夏に全都道府県あるいは市町村の長、さらには一部の議会の議長さん約三千七百人につきましてアンケートの方式によって実施したものでございます。この中身は、事務配分のあり方なり許認可事務、あるいは補助金の整理合理化、あるいは地方公共団体の組織及び運営に関する問題点、そういうことについて率直に公共団体側の意見を八十項目についてお聞きをいたしたわけであります。これにつきましては、各公共団体の首長の方々及び議長の方々は大変真摯な回答を寄せておるというふうに理解をいたしております。
 回答内容を大体見てみますと、大部分につきまして積極的な改革の意見を述べておりまして、私たちの方といたしましては、これらの方向を踏まえながら、その調査に示された事項について今後十分地方自治の上に生かしていきたいと、かように考えております。
#254
○志苫裕君 最後に、ちょっと交付税から離れますけれども、大臣、またこの間も、戸別訪問は一律に禁止するなといって判決が出ましたね。まあ私らもそろそろそれに該当するのでありますが、どうですか、この戸別訪問について、皆さんの方は別に法律変わっているわけじゃないから――取り締まるのは皆さんの方じゃなくて警察の方でしょうけれども、あんた国家公安委員長もやっていなさるわけだが、今度の選挙、大目に見ますかね。(笑声)どうですか、判決があったんだから尊重しなきゃだめですが、その辺どうですか。
#255
○国務大臣(後藤田正晴君) この選挙運動のあり方の場合、戸別訪問をどうするかというのは、従来からいろんな、賛成の人もあるし、反対の人もあるのですけれども、こういった選挙制度とか選挙運動のあり方というのは、やっぱり何といいますか、その国の歴史的な沿革、政治土壌、こういうようなことでそれぞれ特色があるわけですね。そこで、今日日本の場合には戸別訪問はいけないと、こういうことになっておるわけでございます。私個人は、戸別訪問なんていうのは自由にした方がいいと、私個人は思っているんだけれども、しかしこれはなかなか、選挙の問題だけは議員の皆さん方すべての人に直接関係する法律ですね。しかも場合によったら政党の消長に関係するわけですから、なかなかそう私ども個人がどう思うなんというようなことでなしに、これはひとつ私は各政党間で、つまりは国会の論議で実際は結論を出していただきたいというふうに私は考えておるんです。
 今度の選挙でどうするかというと、それはやっぱり無理ですね。これはやっぱり現行法できちんとなっておりますから、それはお守りをいただくように、ぜひひとつお願いをしておきたいと、かように思います。
#256
○志苫裕君 現行法ですけれども、つかまえたってどんどん無罪になっていくんじゃつかまえても意味ないですな、これは。
 あなたの個人的な見解、ぼくも賛成ですから、選挙部長いましたね、よくその辺覚えておいてください。(笑声)
 私の質問、終わります。
#257
○委員長(後藤正夫君) 他に御発言もなければ質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#258
○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#259
○委員長(後藤正夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、戸塚進也君、鈴木正一君及び加藤武徳君が委員を辞任され、その補欠として堀江正夫君、岡田広君及び降矢敬義君が選任されました。
    ―――――――――――――
#260
○委員長(後藤正夫君) 佐藤君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、本修正案を議題といたします。
 佐藤君から修正案の趣旨説明を願います。佐藤君。
#261
○佐藤三吾君 ただいま議題となりました日本社会党、公明党、日本共産党の三党の共同提案に係る地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案者を代表し、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
 地方財政は、御承知のとおり、本年度においても二兆五百五十億円という膨大な財源不足に見舞われ、五年続きの深刻な財政危機に直面いたしております。地方財政がこうした状況に直面することとなったのは、歴代自民党政府が、住民福祉の充実や生活基盤の整備よりも産業基盤の整備など中央集権化のもとに大企業優先の高度成長政策を推進してきたためであります。そのため自治体においては、過疎、過密、公害その他の対策に膨大な財政需要を引き起こすことになりましたが、これに対し国が十分な自主財源を付与してこなかったところに地方財政の構造的な危機が招来されたと言わなければなりません。
 われわれは、このような地方財政の危機を打開し、自治体の自主的な行政運営を確保するため、地方財政の長期的な見通しに立って、抜本的な恒久対策を講ずるようこれまでたびたび自民党政府に要求してきたのでありますが、残念ながら今回の自民党政府の地方財政対策は、われわれの要求のみならず地方六団体を初めとするすべての自治体関係者の要求をも踏みにじったものと断ぜざるを得ないのであります。
 二兆五百五十億円の財源不足に対し、自民党政府は、地方交付税率の引き上げを図ることなく、地方交付税特別会計における八千九百五十億円の借り入れと一兆三百億円の地方債振替によって措置し、全く根拠のない二分の一負担方式を固定化しようといたしておりますが、このような財源対策が、地方交付税法第六条の三第二項の趣旨に反していることは言うまでもありません。
 今日、地方交付税制度の改革、なかんずく税率の引き上げは、いまや国民的な合意となっており、この国民的期待にこたえることこそ今国会の重要な課題であります。このような立場からわれわれは、地方交付税率の引き上げ措置等を含め、一般財源の充実強化を図り、もって地方財政の危機を緊急に打開し、地方自治の発展を図るため、本修正案を提出した次第であります。
 次に、本修正案の概要について御説明申し上げます。
 第一は、最近における自治体の財政需要の増大に対処するため、昭和四十一年度以来据え置かれてきた地方交付税率を昭和五十六年度から四〇%に引き上げることといたしております。
 第二は、臨時地方特例交付金の増額等についてであります。
 その一つは、昭和五十一年度から昭和五十五年度までの各年度に発行された、ないし発行される財源対策債の元利償還にかかわる基準財政需要額については、全額臨時地方特例交付金で措置することといたしております。
 その二つは、昭和五十年度から昭和五十五年度までの交付税及び譲与税配付金特別会計における借り入れ額の元金償還については、全額臨時地方特例交付金で措置することといたしております。
 以上の措置により、昭和五十五年度における臨時地方特例交付金は七千六百九十二億円増額し、一兆一千四百八十七億円となります。
 第三は、以上の改正による臨時地方特例交付金の増額に伴い基準財政需要額の算定方法を改正しようとするものであります。教育、福祉など行政サービスに対する住民要求にこたえるため、道府県においてはその他の教育費及び厚生労働費を、また市町村においては、小学校費、中学校費を初めとする教育費及び社会福祉等厚生労働費をそれぞれ増額することといたしております。
 第四は、いわゆる四十人学級の実施に対する財源措置についてであります。国は、昭和五十六年度以降における公立義務教育諸学校等の学級編成の標準及び教職員定数の標準改正に伴う自治体の財政需要の増加に対し、所要の財源措置を講ずるものといたしております。
 以上が本修正案の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#262
○委員長(後藤正夫君) ただいま佐藤君の提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。後藤田自治大臣。
#263
○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまの地方交付税法の一部を改正する法律案に対する日本社会党、公明党及び日本共産党共同提案の修正案については、政府としては賛成いたしかねます。
#264
○委員長(後藤正夫君) それでは、本修正案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#265
○志苫裕君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案に反対し、地方交付税法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成する立場から討論を行うものであります。
 昭和五十年度以降、地方財政に生じている構造的な危機を打開するため、今日多くの議論が各方面から提起されております。これらの諸提言を要約すれば、第一に、自治体が自律し得る行財政基盤を保障すること。第二に、国、自治体間に相互に民主的な調整制度を確立すること。そして第三には、高度成長の破綻した中で、今後の社会、経済は地域社会の育成を基軸とすべきであり、そのためには自治体の役割りを一層拡大する必要がある等々であります。こうした要請が地方の時代なる言葉に集中的にあらわれていると考えますが、残念ながら、政府の施策にはこのような認識がなく、したがって、今回の改正案にはその片りんすら見ることができません。
 地方交付税が真に地方財政の調整機能を果たすためには、今日、二つの課題が達成されなければなりません。
 第一は、申し上げるまでもなく総額の確保の問題であります。政府は、昭和五十年度以来、地方財政の財源不足額を交付税特別会計における借り入れと、地方債への振替によって措置し、交付税特別会計における借り入れについては、その二分の一負担方式を当分の間継続することにいたしておりますが、このような交付税法の趣旨に反した財源対策が、昭和五十八年から六十年にかけて完全に破綻することは明らかであります。一般消費税を中心とする政府の増税政策が国民の批判によって退けられた今日、地方交付税の総額確保は、交付税法の趣旨に立ち返る以外にないのであります。
 第二は、地方交付税の需要算定の問題であります。高度成長下で自治体もまた公共投資一辺倒の財政支出を行い、地方交付税の配分においても事業費補正をもってこれを誘導してきたことは周知の事実であります。しかしながら、今後の高齢化社会、あるいはさきに指摘した自治体の役割り等を考えるならば、基準財政需要額の算定においても、当然大きな改革が加えられてしかるべきであります。すなわち、地域社会の維持充実という質的な強化の方向に沿って需要算定が行われるべきであります。
 このような二つの大きな課題に対しても何ら対応することなく、ひたすらにこれまでの手法を継承しているのが今回の改正案の特徴であり、それはまた、大平内閣の言う地域重視のスローガンが全くの見せかけのものであることをも示しております。
 日本社会党、公明党及び日本共産党は、このような認識から修正案を提案したわけであり、政府が真に地方の時代という社会的要請にこたえる熱意があるならば、率先して本修正案に賛同すべきであることを強調し、私の討論を終わりたいと存じます。
#266
○金丸三郎君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表し、政府提案の地方交付税法の一部を改正する法律案に賛成、日本社会党、公明党及び日本共産党提案の同法律案に対する修正案に反対の意見を表明するものであります。
 自由民主党・自由国民会議といたしましては、地方交付税総額の特例措置及び教育、福祉、過疎過密対策に要する経費の充実を図ろうとする政府提案の地方交付税法の一部を改正する法律案は、現下の経済社会情勢、国の財政状況等を考えれば、適切なものであると考え、同法律案に賛成するものであります。
 次に、日本社会党、公明党及び日本共産党提案の同法律案に対する修正案につきましては、わが国経済は、最近好転の兆しが見えるとはいうもののいまだ変動期にあり、また、厳しい財政環境下にあるこの時期に、国、地方を通ずる財源配分の恒久的制度としての地方交付税率の引き上げを行うことは問題があると考え、修正案に反対の立場をとるものであります。
 しかしながら、今後におきましても地方財政をめぐる諸条件は依然厳しいものと予想されておりますので、政府におきましては、きわめて重要な地方団体の役割りにかんがみ、今後とも地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く要望するものであります。
 以上をもちまして、政府提案の法律案に賛成、日本社会党、公明党及び日本共産党提案の修正案に反対の意見の表明を終わります。
#267
○阿部憲一君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となっております内閣提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に反対、日本社会党、公明党及び日本共産党共同提出の修正案に賛成する討論を行います。
 地方財政は、申すまでもなく昭和五十五年度においても二兆五百五十億円の巨額な財源不足を生じ、最大の危機に直面しております。このような財政危機を招いた原因は、われわれが事あるごとに指摘してきたように、地方財政の構造的な欠陥にあります。
 しかるに、五十五年度の地方財政対策を見ますと、過去の対策と同様、交付税会計の借り入れと財源対策債で糊塗しており、中長期の地方財政改革の構想や、また、そのための具体的な手順も示されておらず、小手先の対策に終始しているにすぎません。
 昨年の秋、地方制度調査会から中長期を展望した地方行財政改革に関する画期的な答申が出されておりますが、すでに半年以上も経過しているにもかかわらず、これに対する改革の糸口や方向すらも示されておりません。
 政府は地方行財政制度の抜本改革を早急に行うべきであり、これを強く要求するものであります。
 これが反対理由の第一であります。
 反対理由の第二は、交付税率の引き上げについてであります。
 昭和五十五年度の地方財政計画の規模は四十一兆六千億円で、十年ぶりに国の一般会計予算を下回っており、また、対前年度伸び率も七・三%で、十四年ぶりの低さという超緊縮型の上に、五十四年度に使うべき六千百九十七億円の交付税を翌年度に繰り越すなど数字のつじつま合わせを行っても、なお二兆五百五十億円の財源不足を生じており、二兆円を超える巨額な財源不足は本年度ですでに六年間にもわたっております。
 しかも、先に公表された地方財政収支試算を見ても、地方債は毎年五・八%、また、公債費比率に至っては、毎年一五・六%ずつ増加し、昭和六十年度には、その額は実に六兆三千億円の膨大な額が見込まれ、地方財政の借金体質は、現状のままではますます深刻化することが確実となっております。
 こうした地方財政の実態は、交付税法の趣旨に沿って交付税率の引き上げを行うべきでありますが、こうした措置がとられておりません。
 反対理由の第三は、交付税等特別会計の借入金の返済及び財源対策債の償還に対する措置についてであります。
 昭和五十年度以降の地方財政対策としてとられてきた交付税等特別会計の借入金の返済については、半分を国の一般会計が負担し、残りの半分を特別会計が負担することとしておりますが、このような措置はあくまでも暫定的な措置であって、地方行財政の基本的制度の改正または交付税率の引き上げにより措置すべきであります。
 このような暫定的な措置は、将来の交付税の先食いとなるものであり、また、地方財政を圧迫する要因ともなるものでありますから、当然国の一般会計で負担すべきでありますが、この措置がとられておりません。
 また、本来、交付税で措置すべきであるにもかかわらず地方債に振りかえられた、いわゆる財源対策債の元利償還金については、現在交付税で措置しておりますが、それに見合う分は交付税率を引き上げた上で措置すべきであります。
 こうした措置がとられていない以上、交付税で措置するのではなく、国が別途に財源措置を講ずべきでありますが、これらの措置がとられておりません。
 反対理由の第四は、超過負担の解消についてであります。
 超過負担については、国、地方の財政秩序を乱すとともに、地方財政を圧迫するものとして、抜本的改革を強く要求してまいりました。しかし政府は相変わらず後追い措置に終始し、しかもその額はきわめてわずかであり、地方側の要求する十分な措置とはなっておりません。
 また、超過負担の調査についても、国、地方がそれぞれ別々に行うためにむだを生ずるとともに、意見の対立を生んで、国と地方が対立する原因となっております。したがって、超過負担については、公明党が主張しているように、国、地方、学識経験者から成る調査会をつくり、解消を図るべきでありますが、この措置がとられておりません。
 以上、政府原案に対する反対の主な理由を申し述べ、修正案に賛成する討論を終わります。
#268
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方交付税法の一部を改正する法律案に反対、わが党及び社会、公明三党共同提案の修正案に賛成の意見を述べます。
 昭和五十五年度の交付税総額は八兆七百七十五億円で前年度より五%ふえておりますが、伸び率で言えば、過去十年間で最低になっています。これは財政需要の切り詰めにより自治体には減量経営と市民サービスの低下を押しつけるものであることは、当委員会の審議において、民生福祉関係、清掃関係の定数外職員の異常な増加を例として指摘したとおりであり、授業料、手数料などの引き上げによる住民の負担増とあわせて、きわめて不当なものであります。
 五十五年度の地方財政の財源不足額は、政府見積もりで二兆円を超す巨額の不足であり、しかもこれが五十年以降六年間も続いていることに深刻な問題があります。
 地方交付税法第六条の三の第二項は、引き続き著しい財源不足が生じた場合には、交付税率の引き上げ、または地方行財政制度の改正を行う旨を定めております。ところが政府は、地方財政の現状がこの条項に該当する事態であるということを認めながらも、交付税率の引き上げも行財政制度の改正も行わず、毎年毎年の交付税特別会計からの借り入れによって事態を糊塗するのみか、この借入金の償還額の半分を地方負担にする措置をもって制度改正を行ったとしております。こうした措置が制度改正に当たらないことは明白であります。多くの地方自治体関係者も制度改正とは見ておりません。ひとり自治省だけが制度改正と強弁しているのであります。
 また、償還額の半分を地方自治体が負担することについて言えば、本来、基準財政需要額に対する基準財政収入額の不足分については全額国が補てんすべきものであり、それ以外に地方公共団体は何らの自主的財源は持ち合わせていないのであります。にもかかわらず、地方自治体への財源移譲もないまま借入金の償還額の半分を地方に押しつけるというやり方は、地方自治体が何らかの償還財源を持たない限り制度上成り立つものではなく、地方の財源保障をうたっている交付税法にも反する措置であり、交付税制度の破壊につながるものであります。わが党は、このような不法不当な措置を認めるわけにはまいりません。政府はこうしたやり方を改め、交付税率の引き上げや、地方自治体への大幅な財源移譲を含む財政制度の改正をすぐ実施すべきであります。
 また、本年度も財源不足額のうち一兆三百億が財源対策債として地方債に振りかえられていますが、こうした措置は一般財源の使途を特定するものであり、交付税制度の本旨に反するものであります。次に、わが党を含む共同修正案について述べます。
 本修正案は、交付税率の四〇%への引き上げ、交付税特会の借入金を全額国の負担とすることなどを中心内容とするもので、交付税法の趣旨に基づいた正当かつ最小限の措置によって地方財源を補完をしようとするものであります。本修正案の成立は、地方自治体の自主性を尊重し、地方の時代にふさわしい地方財政制度確立の第一歩となることを強調し、討論を終わります。
#269
○委員長(後藤正夫君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#270
○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより地方交付税法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、佐藤君提出の修正案を問題に供します。
 佐藤君提出の修成案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#271
○委員長(後藤正夫君) 少数と認めます。よって、佐藤君提出の修正案は否決されました。
 それでは次に、原案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#272
○委員長(後藤正夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#273
○委員長(後藤正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回の委員会は、五月十三日午前十時三十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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