くにさくロゴ
1979/12/21 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 内閣委員会 第1号
姉妹サイト
 
1979/12/21 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 内閣委員会 第1号

#1
第091回国会 内閣委員会 第1号
昭和五十四年十二月二十一日(金曜日)
   午前十時三十分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         古賀雷四郎君
    理 事         岡田  広君
    理 事         林  寛子君
    理 事         林  ゆう君
    理 事         山崎  昇君
                源田  実君
                塚田十一郎君
                中西 一郎君
                原 文兵衛君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                片岡 勝治君
                野田  哲君
                村田 秀三君
                和泉 照雄君
                田代富士男君
                山中 郁子君
                向井 長年君
                森田 重郎君
                秦   豊君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     向井 長年君     井上  計君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         古賀雷四郎君
    理 事
                岡田  広君
                林  寛子君
                林  ゆう君
                山崎  昇君
    委 員
                塚田十一郎君
                中西 一郎君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                片岡 勝治君
                村田 秀三君
                和泉 照雄君
                山中 郁子君
                井上  計君
                秦   豊君
                森田 重郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
       運 輸 大 臣  地崎宇三郎君
   政府委員
       総理府人事局長  亀谷 禮次君
       大蔵省主計局次
       長        西垣  昭君
       厚生省年金局長  木暮 保成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  石月 昭二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○調査承認要求に関する件
○昭和四十三年度以後における国家公務員共済組
 合等からの年金の額の改定に関する法律等の一
 部を改正する法律案(第九十回国会内閣提出、
 衆議院送付)(継続案件)
○昭和四十二年度以後における公共企業体職員等
 共済組合法に規定する共済組合が支給する年金
 の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等
 共済組合法の一部を改正する法律案(第九十回
 国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(古賀雷四郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二月十日、三治重信君が、十二月十一日、降矢敬雄君が、十二月十八日、黒柳明君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として向井長年君、堀江正夫君及び田代富士男君が選任されました。
 また、本日、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として井上計君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(古賀雷四郎君) 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(古賀雷四郎君) 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 両案につきましては、前国会におきまして趣旨説明及び衆議院における修正部分についての説明を聴取しておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○村田秀三君 ただいまから審議しようとする法律案は、国家公務員共済組合関係それから公共企業体職員共済組合関係、両法案の性格、内容、およそ同じものだと、こういう観点に立っておるものですから、そのつもりでこちらも質問をいたすわけであります。
 そこで、今回の改正はまさに制度の抜本にかかわる問題でございまして、本来であればわずかの時間で審議をするということはまことに遺憾に思うわけでございます。そうはいいましても、諸種の事情によって短い時間でやらざるを得ないのがまことに残念ではありますが、そういう意味では重要だと思う部分についてのみ重点的に質問をいたします。ひとつ簡明率直にお答えをいただきたいと、こう思います。
 そこで、まず初めにお伺いいたしますが、私がきわめて重要だと思います点は、何といいましても支給開始年齢の引き上げといいますか、繰り下げといいますか、とにかくこの部分はいずれの関係者からも根強い反対が現在でも存在をいたしております。そういう意味で重要視せざるを得ないのでありますが、今回の措置をとる意義といいますか、目的といいますか、とらざるを得ないといいますか、そういうものについて大蔵省それから運輸省、それぞれ簡単に御答弁をいただきたい、こう思います。
#8
○国務大臣(竹下登君) 正確を期するため、西垣主計局次長をして答弁をいたさせます。
#9
○政府委員(西垣昭君) お答え申し上げます。
 共済年金の支給開始年齢につきましては、制度発足後満二十年が経過いたしておりまして、その後の社会情勢等の変化を考慮して再検討すべき時期にあると考え、種々検討を行ってきたところでございます。今回、その検討の結果、五十五歳から六十歳に引き上げることといたしましたのは、現行の五十五歳をこのまま据え置いた場合には年金財政が将来ともこのまま健全に保てるかどうかという問題があること、それから現実の共済年金の新規裁定年齢が平均的に六十歳程度でございまして、現行制度が発足した当時と比較いたしますと、退職者の平均年齢も大幅に延びているということ、現に本年十月の財源率見直しに際しましても、もしこの改正を行わないとします場合には、国、組合員ともに相当の負担増を余儀なくされ、年金支給開始年齢の引き上げによりまして負担増はおおむね半分程度で済むと見込まれることといった諸点を考慮いたしますと、この際、年金支給開始年齢を引き上げることが妥当であるというふうに考えたからでございます。
 なお、支給開始年齢の引き上げ措置に関しましては、制度の急激な変更ということもございますので、十分な経過期間を置くということにさせていただいております。
 以上でございます。
#10
○説明員(石月昭二君) 公企体の共済年金に関しまして、今回の制度改正を行いました理由につきましては、ただいま大蔵省から説明がございましたように、全く同様な経緯で改正をいたしたわけでございます。公企体の年金制度の発足は、国家公務員共済制度の発足よりもさらに早くて昭和三十一年でございまして、その後の社会経済情勢の変動、高齢化社会というようなことを考えますと、やはり今後の公企体共済の年金財政の安定を図るためにはこの改正をやらなければならなかったという経緯でございます。
#11
○村田秀三君 総理府来ておりますか。――総理府にお伺いしますが、国家公務員の定年制の問題というのがかなり以前から議論になっておることは承知しております。
   〔委員長退席、理事林ゆう君着席〕
そこで、この八月九日に人事院から長官あてにこの問題についての書簡が出されておるわけでありますが、それに対して総理府はどういう見解を持っておるのか。これはきのうの新聞でありますが、小渕長官が北海道での記者会見の中で、何か法律を制定、今国会に提案をしたいと、こういうような話もございました。ということで、ひとつお答えをいただきたい、こう思います。
#12
○政府委員(亀谷禮次君) ただいまお尋ねの定年制度に関します問題でございますが、先生御案内のように、国家公務員の定年制度につきましては、去る八月九日の人事院総裁の書簡をいただきまして、現在関係省庁間でその具体的内容の細目あるいは現業職員、特別職の職員の取り扱い等の問題につきまして、多方面にわたる問題もございますので、これの検討を進めておるところでございます。政府といたしましても早急にこの取り扱いの方針をまとめる予定でございますが、この問題につきましては、当然公務員制度の根幹にかかわる重要な問題でもございますので、そういった認識のもとにこれまでも対処をしてきたところでございますが、総務長官からも、ただいまお尋ねにも関連してございましたように、これらの法案の基本的な方針も関係省庁と早急に詰めて方針決定に至るよう御指示もいただいておるところでございます。しかしながら、いま申し上げましたように、公務員制度の根幹にかかわる問題でもございますし、現業職員の問題あるいは特別職職員の問題、
   〔理事林ゆう君退席、委員長着席〕
さらには地方公務員等への影響等いろいろな観点から検討をする必要がございますので、早急にこれらの問題を詰めるということで現在鋭意検討をしておる最中でございます。
#13
○村田秀三君 長官はこの国会に出したいと、こう言っておるわけでありますから、そこのところを明確に。検討して出すこともある、出さないこともあると、こういう答えもあろうと思うんですが、長官はその気でおるということでありますから、どう考えればいいのか、こういう点であります。
 同時に、先ほど大蔵省の主計局次長からのお話でございますけれども、実際問題として、退職年齢といいますか、現在法制化はもちろんされておりませんけれども、肩たたき等もあるやに聞いてはおりますが、その問題は別にいたしまして、少なくとも既裁定年金から見た場合に六十歳を超える者が相当あると、大部分だというように私は聞きましたが、ということとの関連で、総理府としては現在の退職年齢平均というのは何歳程度であると考えておるのか、そういう点についてひとつお答えをいただきます。
#14
○政府委員(亀谷禮次君) 先ほど申し上げましたように、長官から次期通常国会、年明けでございますが、一応間に合わせるように至急検討をするようという御指示をいただいておるところでございまして、私どもは、ただいま申しましたような各般の公務員制度の基本にわたる重要な問題を含んでおりますので、早急にそういった問題点を詰めた上で、一応目途といたしましては通常国会に御提案をさしていただくという目標のもとに現在鋭意詰めておるところでございます。
 なお、国家公務員の退職の現況でございますが、大体現在五十八歳前後、正確に申しますと五十八・九歳と、こういったところが退職の実情になっておる平均の年齢というふうに理解をいたしております。
#15
○村田秀三君 大蔵省にお伺いしますが、六十歳を超える部分というのは既裁定者の何%ぐらいあるものでしょうか。
 それと同時に、いま伺う限り定年制を考えておると、しかもその定年制を幾つにするかということも小渕長官の話の中にはあったようにも思いますが、つまり期せずして六十歳と六十歳というものは数字の上では合うわけですね。そうしますと、時間の関係もありますから一緒に申し上げますが、つまり国民の稼働の――公務員関係、公企体関係でありますから、その限りではという前提があるいはつくのかもしれませんが、六十歳が国民労働力の稼働限界であると、こういうふうに考えておるのか。限界というよりも、先ほど次長の話の中にも、社会情勢に対応してというそういう言葉がありました。高齢者社会になっておることはだれも否定できません。同時に、民間では定年延長六十歳という目標の中でかなりの運動が進められて、大企業側でもそれをある程度了承してきておるというような現実、こういうことを考えて、六十歳というのは国民の労働力、労働経済的な立場から見てもちょうど適切であるというふうな理解を持っておるのかどうか、この点について総理府あるいは大蔵省からお答えをいただきたい。
#16
○政府委員(西垣昭君) 最初の御質問は、さっき六十歳ぐらいということだったけれども、詳しいことはどうなっているかということだったと思います。
 私ども思っておりますのは、共済年金の受給実態から見た数字でございますが、一般公務員の場合につきましては、昭和五十二年度の退職年金新規裁定者の平均退職年齢は六十・一歳でございます。先ほど申し上げましたように、制度発足当時はおおむね五十五歳強でございましたので、この間に約五年近く退職年齢が延びたということが言えるわけでございます。
 それから、六十歳前に退職する者と六十歳以上で退職する者の割合でございますが、六十歳前の者が約四五%でございます。で、半数以上五五%の者が六十歳以上で退職している、これは共済年金の受給実態から見た姿でございます。
 それから、五十五歳から六十歳に支給開始年齢を引き上げることと退職年齢の関係でございますが、定年の関係でございますが、定年制につきましては、先ほど人事局からお答えを申し上げましたように、具体化に向かって進んでいるところでございます。で、私ども五十五歳から六十歳への引き上げにつきましては、十五年ないし二十年という非常に長い経過期間を置くことにいたしておりますので、退職と年金受給というものの間にギャップがあって困るというような事態は、まずは救済されるのではないかというように考えております。
 それから、労働可能年齢といいますか、勤労可能年齢を六十歳と見ているかどうかという問題につきましては、これは時代とともに弾力的に考えるべき問題ではないかというふうに考えております。
 以上でございます。
#17
○村田秀三君 総理府はどうですか、いまの。
#18
○政府委員(亀谷禮次君) ただいま大蔵省主計局の方から答弁がございましたとおりでございますが、私ども、まだ現段階におきまして定年制に関連した法案の基本的な骨子について確定した結論を持っておるわけではございませんが、先生の御指摘のように、先般、今年の八月に人事院総裁からちょうだいしております人事院の書簡の骨子は、すでに御案内かと思いますが、一応定年の原則を六十歳と、こういうふうな基本線にのっとって五年間の段階的な、段階と申しますか、準備期間を置いてこれを実施することが現在の国家公務員の職員の年齢構成その他の諸般の情勢から見て適正な意義のあるところであろうと、こういう意見をちょうだいしておるところでございますので、基本的には、人事院の総裁の御見解をもとにこれから鋭意そういった方向の内容について、先ほど申し上げましたような各般の問題をあわせて検討を進めておるところでございます。
#19
○村田秀三君 主計局次長のお話では、いわゆる稼働の限界といいますか、労働の限界といいますか、まあ六十歳、社会情勢によって異動するであろうと、これは私も認める立場に立ちます。しかし現時点では、つまり法案を六十歳と限定して出したからには、つまりは現時点においては六十歳が適切であろうというものがあるであろうと、こう私は思いやって物を言っているわけでありますが、そうだと、こうお答え願えないと六十歳の意味はなくなってしまうと、こう思います。
 それから、あと運輸省にお伺いしますが、公企体の関係はかなり厳しく定年制を施行しているところもあります、法律があるかないかは別にしてですね。かなり緩やかなところもあるわけですね。そうしますと、やはり国家公務員関係と公企体関係の退職年齢というのはかなりの差があると、こう思います。にもかかわらず、六十歳でこれはまとめるわけでありますから、そういう意味ではかなりのギャップをこれ、感じますね。という点ではどのように考えていますか。恐らく同僚の山崎理事の方からいろいろと細かい点にわたって質問があろうかと存じますけれども、その乖離を解消するという前提がなければこれは問題にならない、そういう立場に立ってひとつ――それから国家公務員でもそうであります、実際は五十八・九歳。そして六十歳前にやめる者は四五%あるわけですから、その四五%のことも考えざるを得ないわけであります。でありますから、その点をそれぞれどう理解しておるのか、その点をお伺いいたします。
#20
○説明員(石月昭二君) 公企体につきまして、現在の退職年齢がどの程度であるかということは、私、現在手元に資料を持っておりませんけれども、大体勧奨退職年齢が三公社とも五十八歳程度でございますので、大体その程度の年齢で退職している状況ではないかと考えております。
 今回、六十歳に退職年金の支給開始年齢を引き上げることになりますけれども、これは先ほど大蔵省の方からお話もありましたように、かなり十分の、十五年ないし二十年という経過期間を持ちまして漸次引き上げていくわけでございまして、その間の退職勧奨年齢と年金支給開始年齢のギャップというものにつきましては、その経過期間の間に関係の公共企業体を十分に指導いたしまして措置していきたいというぐあいに考えております。
#21
○村田秀三君 厚生省来ていますね。
 厚生省にお伺いしますが、これはきのう、おとといの新聞でありますか、ほとんどの新聞に出ていましたが、厚生年金を六十五歳に繰り下げるという、こういう話がありますね、端的に申し上げまして。これははっきり申し上げますが、新聞を見る限りは財政事情によるものですね。
 そこで、本当にこの国会にそれを提案するのかどうか、そしてこれにはかなりの被用者の反対もあるだろうし、あるいは法案を提案する前提とする各種審議会の中でもかなりの異論、抵抗があると私は見ておりますが、いかに抵抗があっても踏み越えてこの国会に出すという決意でおるのかどうか、この点をまずお伺いをいたします。
#22
○政府委員(木暮保成君) 厚生年金の問題でございますが、現在人口の高齢化が非常に急速に進んでおりまして、そのことが厚生年金にも影響を持ちまして、年金の受給者が非常にふえてまいるわけでございます。また、お一人当たりの年金の受給期間も当然ながら非常に延びてまいるわけでございまして、年金の支給に要しまする費用が膨大になることが予想されるわけでございます。これに対処いたしまして、被保険者の方々あるいは事業主の方々の御理解を得て保険料を上げていくということをしなければならないわけでございますが、それにも限度があるという見通しが出ておるわけでございます。したがいまして、いまの厚生年金の給付レベルを下げないためには、支給開始年齢の問題を避けて通るわけにはいかないというふうに考えておるわけでございます。来年度におきましては、そういう見通しの中でかねがね御要望の強い遺族年金等の改善、それからまた昭和五十一年に行いました再計算以後の経済状態に合わせまして年金水準の見直しもしたいというふうに思っておりますので、それらを総合的に考えれば、支給開始年齢の問題につきまして次の通常国会に出します法案の中身に組み込まざるを得ないという判断をいたしておりまして、そういう方面で検討を進めておるわけでございます。
#23
○村田秀三君 その答えでは、出すのか出さないのかはっきりしないわけですがね、検討ということでありますから。私は出さない方がよろしい、こう思っています、率直に言って。
 そして、時間がありませんから一方的に物を言うような形になるかもしれませんが、とにかく官民格差を言われて久しいわけであります。そして、公的年金の一元的方向での作業というものは、これは閣議の中でもある程度了承されながら進められている段階であろうと私は理解いたしております。いま、公務員あるいは公企体関係六十歳ということで大きな問題を起こしておるわけでありますが、それでも答弁の中では、財政的な自由もありましょうが、少なくとも社会的情勢、高齢化社会にどう対応するかという意図のあることもうかがい取れます。でありますから、そういう意味では高齢化社会に対応する制度の変革というのはあり得るということと、そしていつまでも働いていたいという今日の労働情勢ということを考えて、反対はあるにせよ、考慮せざるを得ないという気持ちで私はこの場に臨んでおります。にもかかわらず、これが官民格差が言われているところで、しかも六十五歳、これは全く、つまり労働稼働限界六十歳が適切だという答えにはなっておらないにせよ、現段階はそう公務員関係、公企体関係は考えて限界を引いたということであれば、これは民間も国公も変わりないはずですね。しかも民間の場合はわりあいに厳しく五十五歳定年をとっておるところがある。そしてやめて嘱託にして三年、賃金は半分あるいは三分の三である。いずれにしろ、五十五歳で嘱託にもなれない、再就職もできない人はアルバイトをやって、子供を抱えて五年間どうやって退職金で食いつなぐかと考えておる。五十八歳まで働いたにいたしましても二年間どうするかということである。ということで、つまりは国公、公企体関係を六十歳にするということは一元化に一歩近づける意図かなと、こう私は善意でもって考えていたわけですね。そこへばかっと厚生省が六十五歳、財政の面だけでこれをやったりするならば、まさにこの意図とは逆行するものである。恐らく社会問題になりかねない。銭の話はみんなで相談すればよろしいんであります。恐らく事情を話せば中身を検討してどうしても出さざるを得ないとするならばあるいは理解するかもしれませんけれども、しかし、民間もとにかく公務員も国民の労働稼働の限界は現時点ではここだという線の中でそれぞれの制度を整合さしていくという発想に立たない限り、これは間違いである、明らかに。だから財政だけの理由で厚生省が一方的に六十五歳などと言うようなことは、今日の日本の労働、経済社会情勢をどう理解しておるのか疑念を持たざるを得ない、こう実は思っております。
 時間もありませんから、これで私は終わりますけれども、いずれにいたしましてもこのことだけは指摘をしておいて、出さないようにした方がよろしい、このことだけは強く要望をいたしておきたいと思います。
 以上で終わります。
#24
○山崎昇君 いま、村田委員の方からほぼ原則的なことについては質問がございましたので、私の時間もそうございませんので主として技術論になりますが、二、三細かな点で詰めておきたいと思います。
 第一に、私はひとつ大蔵大臣にも、それから運輸大臣にも不満として述べておきますが、今度の法案は、恩給に準じて上げるものと制度の改正とを混合いたしまして、一本の法律で出してまいりました。従来こんなことはありません。ですから、私どもはずっと以前からこれは分離をして処理をすべきだという見解をとってまいりました。しかし、残念ながら九月の七日におわかりのとおり、あの衆議院解散というどさくさもありまして、私ども社会党は反対しておりましたが、他の党等の賛成も得たということで恩給だけは処理してしまいました。そういう意味では、この共済年金の受給者だけが上がってない。この現状は私どもいま見るに忍びないという気持ちもございます。そういう意味で、私どもは残念でありますけれども、いまの政治情勢から判断してきわめて不満であるけれども、私どもはこの法案を処理をするという態度を決めたわけでありまして、今後こういうことのないようにまず冒頭申し上げておきたいと思います。
 そこで、具体的にお聞きをいたしますが、三年で一歳ぐらいずつ引き下げるというのが経過措置になっております。そこで、いま村田委員の質問に対しましてお答えありましたが、私の調査によりますというと、大体国家公務員で五十七歳が平均でやめているところが一省、五十八歳が一省、五十九歳はありませんで六十歳が七省ぐらいと、こう言われておりますから、大体平均やめていく年齢というのはまあ六十歳前後ではないだろうか、こう私も思います。しかし、自治体の場合は五十八歳というのが二十九県ございます。そして、五十七歳というのが四府県ございます。こう考えますというと、これがやっぱり地方公務員にも影響するわけでございまして、そういう意味では三年に一歳ずつ繰り下げるわけでありますが、繰り下げる場合に支給年齢の時期とやめる時期というものがやはりきちんといたしませんというと、これはやめた人が大変なことになる、こう私ども考えます。そういう意味で、衆議院の大蔵委員会でもかなり議論になったようでありますが、重ねて受給年齢と資格年齢と、それと退職年齢といいますか、雇用保障といいますか、そういう形のものとある程度これを連関さしておかなきゃなりませんので、その点についてひとつ大蔵大臣と運輸大臣からお聞きをしておきたい。
#25
○国務大臣(竹下登君) 西垣主計局次長からお答えさすことをお許しいただきたいと思います。
#26
○政府委員(西垣昭君) ただいまの御質問は、退職から給付、受給に円滑につながるようにできるのかと、こういう御趣旨かと思います。
 今回、五十五歳から六十歳に支給開始年齢を引き上げておりますけれども、先ほども申し上げましたように、これは非常に長い経過期間、十五年ないし二十年ということで、三年ごとのきざみで延ばしていくわけでございます。他方、先ほどからも論議されておりますように、定年制を設けるという問題ございますけれども、これも六十歳という人事院の御意見をベースにしてその具体化を検討している段階でございまして、そういったことでは無理がないのではないかというふうに考えております。しかし、そうは言っても六十歳の前にやめる人もいるではないかという問題につきましては、今後の改正後も減額年金という制度を残しておりまして、現在の減額年金につきましては年齢制限はございませんけれども、今後は六十歳の前五年ということで五十五歳ということを置いておりますけれども、それへも経過期間を設けまして、急激な変化がないように、既得権を奪うことがないようにというふうなことを十分配慮しているつもりでございまして、私はまずその十分な配慮がなされているということを申し上げてよろしいのではないかというふうに考えております。
#27
○説明員(石月昭二君) ただいま大蔵省の方から答弁がありましたことに尽きると思いますけれども、私どもといたしましても、雇用政策と年金の問題を連動させるということにつきまして、今後とも長い経過期間もございますので、公企体の労使を十分に指導いたしまして、そのようなギャップが生じないように努力いたしたいと思います。
#28
○山崎昇君 先ほど平均の退職年齢五十八・九歳というお話がありましたから、ですから減額退職年金はこれから聞きますが、そういう意味では受給年齢とやめる時期というのは重要なわけですから、私の理解としては、いま鉄道部長からも話がありましたが、そういう点はそごのないようにあなたの方で措置をいたしますと、こういうふうに理解をしておきます。
 それから、第二点は減額退職年金、いまあなたから触れられました。御案内のとおり減額退職年金制度というのは、本来恩給法には――御存じだと思いますが、年金は恩給法から肩がわりしてきておりますから、どうしても基礎は恩給法になります。恩給法は、四十五歳で五割支給になる、それから五十歳で七〇%の支給になる、五十五歳で満額支給と、こうなっておりまして、本来減額退職年金につきましては一年について四%という減額率はありますが、年齢はございませんでした。そういう意味で言いますと、減額退職年金というのは大変重要な制度だと私ども判断をいたします。
 これも時間の都合で私の方で調べた数を申し上げますが、実は五十二年度の資料をもらいまして見ますと、減額退職年金をいまもらっている者、国家公務員四万二千百八十一名、公共企業体一万六千三百六十二名、地方公務員六千六百九十三名おるという。いうならば、これだけでもざっと六、七万の方々がもらっているわけですね。そういう意味で言うと、これは重要な課題であると私ども考えます。
 そういう意味で、先ほど経過期間を設けるというお話でございましたが、私ども承っておるのは、勧奨退職等々の場合には五十歳から経過的には減額退職年金を認める。そして、自己便宜といいますか、自分の都合等でやめたような場合には五十五歳からにしたい、いうならば今度の改正案の趣旨でいきたい、こういうふうに私ども聞いておりまして、まずそう確認をしておきたいと思うのです。ただ、自己便宜の場合等でありましても、私は病気の場合は考慮する必要があるんではないんだろうか。たとえば肩たたきではぐあいが悪い、さればといって多少病気でどうも勤務できがたいという本人の判断もある場合がある。そういう意味では、病気等の場合については勧奨と同様に扱う配慮があっていいのではないんだろうか、こう思いますから、その点をひとつあわせてこの点は答弁を願いたいと思うところです。
 それから減額率、先ほど経過中は現行の四%でいきたいというお話でございましたから、これは私は確認をしておきたいと思うのです。
 それからさらに、実は最低で十五年たちますというと本則に戻ります、本法に戻りますね。その場合に、われわれがいろいろ検討してみますというと、たとえば危険な職種あるいは重労働の職種、これは何か大蔵の実務の方々のお話では、早急にその職種については政令で決めたいというようなお話があるようでありますが、これは決めていただきたいと思っています。この方々については、経過期間過ぎた後でも減額率等については改めて相談をするといいますか、減額率を少なくするように実は相談をしたい、協議をしたい、こういうお話もあるやに私ども聞いておりまして、これは衆議院でもかなり議論になったんではないんだろうかと思いますから、重ねて確認をしておきたいと、こう思うのです。
#29
○政府委員(西垣昭君) 減額退職年金の制度には、ただいま御指摘がありましたように、恩給から持ち込まれたような制度が入っていると思います。保険数理からまいりますと、四%の減額率というのは減額退職年金を受ける方々にとりましては非常に有利でございますから、それだけにその他の組合員にとりましては、その分の負担が他の組合員に及ぶということで組合員相互間に不公平になるという問題、ひいては全体としての組合員の負担が上がるというふうな問題がございまして、そういった不公平を是正するというのが今回の一つの改正のねらいでございます。
 それで、三つ御質問ございましたが、説明の便宜で順序を変えて申し上げますと、経過期間中につきまして、私が申し上げましたのはそのとおりでございます。
 それから、先ほど申し上げましたように、不公平を是正すると申しましても、特別の事情の場合には、そうは言っても優遇すべきだということで勧奨退職の例外を設けておりますが、衆議院の大蔵委員会で御論議がございまして、重労働であるとか危険労働であるとか、例外的に高齢になって勤務を続け得ないような職種については勧奨退職に準ずるような扱いをすべきではないか、こういう御論議がございまして、確かにそういうものもあるかもしれないということで、早急に実態を調べて検討したいと。ただし、その場合にも、さきほど申し上げましたように、組合員相互間の不公平の問題がございますので、その分の負担をどうするか、減額率をどうするかという点につきましてはいろいろと論議があろうかと思いますので、そういったことも含めまして前向きに検討いたしたいと、かように考えております。
 それから、ただいま御指摘がありました、病気になって勤務を続けられないような方につきましても、重労働あるいは危険作業というような方と同じように検討してみてはどうかなと、かように考えております。
#30
○山崎昇君 運輸の方はどうですか、運輸もそうやりますか。
#31
○説明員(石月昭二君) ただいま大蔵省の方からの答弁に尽きておると考えますけれども、公企体の場合には重労務職、危険職というようなものが非常に多い、現場業務が多いところでございますので、ただいまのように負担の問題、それからどのような職種を選ぶべきか、また他の公的年金制度とのバランスの問題等その他いろいろの問題ございますけれども、そういう問題につきまして十分に検討して前向きに対処していきたいと考えております。
#32
○山崎昇君 私がこれを重視するのは、大臣も御存じのとおり、最低で二十年勤務して、現行で言うと五十五歳になるともらえるわけなんですが、ただ公務員の給与体系を見ますと、在職中は、仮にもらっているものを全部ひっくるめて一〇〇といたしますと、年金計算になりますと、本俸は八割程度なんですね、人事院の勧告を見ましても。そうすると、仮に四〇%の年金をもらうといいましても、実は在職中に比べて三割二分ぐらいにしか当たらない。言うならば、やめたとたんに三割の、三分の一の収入で生活をしなきゃならぬという実態になるんです。そこへ減額退職年金でやってまいりますと、さらに一年について四%削られるということになりますと、もらうものは本当に微々たるものにしかならなくなる。これでやめた後の生活を維持するということは私は困難な状況になると思いますから、特に減額退職年金は、保険数理との関係もありますけれども、私ども重視をしているわけでありまして、いま答弁ありましたように、経過期間中は現行でいくんだということでありますし、危険あるいは重労働等につきましては特別の配慮をする、また病気等の場合につきましても、重労働あるいはお話ありましたように危険職種と同様に配慮していきたい、こういうことでありますから了解をしておきたいと思いますが、どうかこの年金につきましては、いまそういう状態にあるということを両大臣とも頭に入れていただきまして、一生懸命働いてやめた、さあ生活といったら在職中の三分の一以下のやつでなきゃできない、こういうことになるわけでありますから、十分ひとつ配慮を願っておきたい、こう思うところであります。
 それから、第三点目に確認をしておきたいと思いますのは、これこそ官民格差の逆格差になっているのが国庫負担の件でありまして、これも御存じのとおり、経過はいろいろあります。ありますが、厚生年金はいま二〇%になっている。それから、私学関係と農業関係が一八%になっている。今度の改正案等通してみまして、国家公務員等の場合には一六%程度になるであろう、こう言われております。そこで私どもは、やっぱりこれだけのことを、官民格差是正という形で年齢も引き下げ、その他もやるわけでありますから、逆に国庫の負担金につきましては厚生年金と同様にすべきである、こういう考え方をとります。しかし、これはなかなか一気に、いますぐ四%も五%も上げろということはなかなかめんどうだという点も私ども考慮いたしますが、少なくとも早急に、厚生年金が二〇%続けるならば、それと合わしてもらいたい。厚生年金がまた変われば、それに合うように処置をしてもらいたいと思うんです。と申しますのは、実は共済組合法に移行いたしました昭和三十四年に一〇%でありましたのが、三十九年の十月から一五%になっております。厚生年金の場合には、二十九年に一五%でありましたが、四十年の五月から二〇%になっておる。さらに私学、農林関係は、四十七年の四月から一八%になっておる。こういう私ども経過見ますというと、これこそ逆格差の最たるものでありますから、したがって大蔵当局としては、この国庫負担について、いつの時期に、どういう形でこれが均衡をとるという考えをお持ちなのか、この点について聞いておきたい。
#33
○政府委員(西垣昭君) ただいま御指摘がありましたように、各公的年金につきまして国庫負担をどうするかという点につきましては、社会保険制度全体との均衡、それから国の財政力、そういったことをあわせ考えて措置すべきものと考えております。
 御指摘のように、負担割合の数字だけから見ますと、まことに不統一の印象を受けられると思いますけれども、国庫負担の割合というのは、各年金制度の給付水準の差でございますとか、あるいは加入者の負担能力でございますとか、そういったものも考慮して決められているものでございまして、私どもは、おおむね現在の負担割合は妥当ではないか、かように考えております。
 しかし、では、これがもう絶対的なもので今後変えないのかという点につきましては、各公的年金につきまして、いずれも成熟度が進んでおりますし、急激に社会全体が老齢化していくという中で、その財政問題をどうするかという点につきましては、それぞれの公的年金固有の問題のほかに共通の問題もございますので、そういった制度全体をこれからも絶えず見直していかなくちゃならないと思います。その中で、公的負担の割合というものについてもわれわれは絶えず検討していかなくちゃいかぬ、かように考えております。
#34
○山崎昇君 いや、絶えず検討はいいんですが、私の聞いているのは、少なくともいま厚生年金の場合は二〇%ですから、それとの均衡はとるお考えだというふうに私は理解をしておきたいと思うんです、まずね。
 それから、社会保険制度でありますから、なるほど掛金掛けて、それをある程度もらうという仕組みにはなっております。ただ、この委員会でもかなり議論しておりますが、扶養加算でありますとか、寡婦加算でありますとか、最低保障の問題でありますとかを考えてまいりますと、これは社会保障的な要素をかなり入れませんと、単に社会保険という考えだけでは律し切れない現状にあると思うんです。そういう意味で言うならば、国のやっぱり責任というのが重くなってくる。したがって、国庫負担という問題についても、そういう側面からやはり判断をしなきゃならぬであろう、こう私ども考えます。しかしいずれにいたしましても、いま民間でやっております厚生年金を一足に越えろなんということは、これはなかなか問題点があるであろうと思いますから、重ねて聞きますが、厚生年金いま二〇%でありますが、これとの均衡を図るように努力するんだ、そういう方向なんだということを確認しておきたいと思うんですが、どうですか。
#35
○政府委員(西垣昭君) いま御指摘のような問題がありますことは、私どもも十分承知しております。たださっき、それなりに権衡はとれているというふうに申し上げまして、百分の十六と百分の二十というのがどうして権衡がとれているんだと、こういう角度からの御質問だと思うんですけれども、この辺につきましてはいろんな議論がございます。まあ公務員共済の場合には、平均的に組合員期間が長いというふうなこともございまして、給付水準もそれに基づきまして高いわけでございます。その点がどうも誤解されまして、官民格差のときに高い、高いと言われるわけでございますが、しかしそれは別といたしまして、そういったことから、たとえば一人当たりの国の負担の額というふうなことになりますと、公務員の方が高いではないかという逆の議論がございます。そういったことも踏まえまして、実質的権衡は何だというのが大問題でございまして、そういったこともあわせて私ども検討をさしていただきたいと、かように考えております。
#36
○山崎昇君 私も中身はよく知っているんですよ。知っていてお尋ねしているんだが、端的に、いま時間ありませんから、あなたの態度として、いろんな内容はあるけれども、厚生年金の二〇%に均衡するように努力していくんだという方向をとるんだと、こういうふうに確認をしておきたいんだがどうですかと聞いているんです。端的に答えてください。
#37
○政府委員(西垣昭君) 先ほどから申し上げておりますとおりでございまして、私どもとしては極力実質的均衡を目指して努力したいと、かように考えております。
#38
○山崎昇君 次にお聞きをしておきたいのは、支給制限の問題についてお聞きをしておきます。
 これは、もう御存じのとおり、共済組合法の九十七条で禁錮以上の刑のある者、あるいは懲戒処分のあった者は政令の定めるところによって最高二〇%カットすると、こうなっています。厚生年金にはこういう規定がない。私は、保険でありますから保険事故に対して支払うのであって、それ以外の理由によってこれが抹殺されるということはあっちゃいけないことではないんだろうかと、本質的にはこういうことはおかしいという見解をとるんですが、しかし現行法はそうなっています。この点も衆議院でも議論になったようでありますが、大蔵当局並びに運輸当局では緩和の方向で検討したいということが言われているようであります。したがって、緩和の方向というのは、どういう内容で大体いつごろをめどにしてそういう方向をとっていくのか、その点を聞いておきたいと思います。
#39
○政府委員(西垣昭君) 支給制限につきまして、ただいま御指摘のような問題がございます。たとえば懲戒処分を受けた方の支給制限が一生ついて回ってしまうと、これはその他の制度の権利制限と比べて重過ぎるんではないかというふうなことがいろいろと言われておりますのは私どもよく承知しております。そういったことで、衆議院で論議されましたときにも、私どもとしては、これは私どもだけで決められる問題ではございませんで、たとえば国家公務員共済につきましては共済審議会がございますので、そういった場で十分検討していただいた上で私どもとしては前向きに対処したいというふうに考えております。
#40
○山崎昇君 前向きにというのは、緩和の方向と私は理解をしておくんですが、もちろんそれぞれ審議会ございますからそこに諮らなきゃならぬと思うんです。ただ公企体の場合には審議会がございませんので、これは運輸省に聞いておきますが、どういう方向でやるのか。
 それから、当然この問題は、審議会に諮るにいたしましても、労働運動等の面に関する点もありますから、そういう意味では当該労働組合等の意見も相当聞かにゃいかぬだろうと思いますね、事前に、たとえば案をつくるにいたしましても。そういう意味で、そういう方向をとるのかどうかということ。
 それから、早急にという考え方のようでありますが、大体めどとしておおよそあなた方は第一回の三年が経過するころぐらいまでにやろうというのか、あるいは来年ぐらいにすぐやろうというのか、そのめどが立っておればひとつお示しを願いたい、こう思います。
#41
○説明員(石月昭二君) 先ほど大蔵省の方から答弁がございましたように、現在の公企体共済組合の精神からいいますと、確かに、老後の所得保障機能という問題だけじゃなくて、一方にはまた公企体制度の円滑な運営という問題がございますので、この制限を全部取り外すというようなことはとてもできませんけれども、先ほど西垣次長からのお話にもありましたように、若干一生ついて回るというような酷な面もございますので、この点につきましては今後十分に検討させていただきまして、早急に緩和の方向を考えたいと思っております。
#42
○山崎昇君 大蔵、運輸両方から緩和の方向でやるというわけでありますから期待をしておきたいと思いますが、関係者の意見は十分ひとつ聞いてもらいたい、要望しておきます。
 それから、次にお聞きをしておきたいのは、いまもお話ございましたが、公企体には審議会はございませんね。したがって、衆議院の議論の中でも、全体を包むような審議会というのを何か設定をして、そして国公あるいは公企体あるいは地公といいますか、そういう部門別に部会運営をするような審議会にしてはどうか、こういう意見も議論されていると私ども聞いています。あるいは、いま三公社だけがないわけでありますから、号てこに審議会というのを新たにつくって意見というものを十分聞くような機会というものを持つという考え方なのか、どちらなのか、まずお聞きをして、もし全体的な審議会ということになるならば、部会運営等で十分やりたいというお話もあるようでありますが、その点はどういう運営をされようとするのか、聞いておきたいと思います。
#43
○説明員(石月昭二君) 公企体につきましては、従来から審議会がないという御指摘を受けておりまして、審議会の設置につきましていろいろ検討してまいったわけでございます。その審議会の設置の、審議会を公社を主管する各省ごとにつくるのか、それとも一省がまとめてやるのかというようないろいろな議論をしてまいってきております。また一方、審議会を代行するものといたしまして、一応、国鉄共済年金問題懇談会というようなものをつくりまして、必要に応じましては三公社の方々の御参加もいただいて公企体共済全般の問題につきまして議論をするというようなことをやってまいったわけでございます。しかし、今回の改正案の作成に当たりましても、こういう三公社内だけではなくて、国家公務員共済、地方公務員共済、公企体共済という三者が共通の問題につきましていろいろ討議をして改正の中身を決めたというような経緯もございますし、また先生御指摘のように、先般の国会におきまして、衆議院の大蔵委員会で、共済組合の全般の制度を審議する場をつくったらどうかというようなお話もございました。私どもといたしましては、この三共済ともいずれも共通の問題を非常に多く抱えてございますので、そういう共通の場での審議の場を持たしていただけば非常にありがたいと考えておるわけでございます。しかしながら、関係各省とも現在審議会等もございますでしょうし、早急の実現というのは、なかなか、いろいろ調整すべき事項も多いと思います。したがいまして、今後関係の各省とよく御相談いたしまして方向を出したいというように考えておる次第でございます。
#44
○山崎昇君 大蔵、どうですか。
#45
○政府委員(西垣昭君) いま運輸省からお答えしたとおりでございまして、私どもも、共通の問題を討議する場、これを設けることは大事なことではないかというふうに考えています。現に、この法案を提出します前にも三者懇を九回ばかり開いておりまして、そういった方向で努力したいと。ただ、審議会というような正式なものにするにつきましてはいろいろと問題があると思います。たとえば、国共審、地共審との関係をどうするかとか、事務局をどうするかとか、あるいは社会保障制度審議会との関係をどうするかとか、いろいろ問題がございます。したがいまして、法律に基づいた正式の審議会ということはむずかしいかもしれませんので、その場合には実行上の問題として処理していくということも考えたいと思っております。
#46
○山崎昇君 もう私の時間がなくなってきましたから、もう一問でやめますが、国鉄の共済について最後に聞いておきたいと思うんです。
 実は、国鉄共済組合収支計画策定審議会というところから答申が出ておりまして、私も見せていただきました。内容は細かに申し上げませんが、かなり実は国鉄共済については容易ならざる財政事情にあるというふうに私ども伺っております。
 そこで、その試算等見てみますというと、数字は申し上げませんが、いろんなことをやりまして、結果として、国鉄の年金関係で約千五百億円ばかり借り入れて処置をしていきたいという考えのようでありますが、その利子ざっと百億近くのようでありますが、それは何とか国で見てもらえぬだろうかという内容になっているようであります。この場で運輸省からその内容をもう少し御説明願うと同時に、それに対する大蔵大臣の見解を聞いて、私の質問を終えておきたいと思うんです。
#47
○説明員(石月昭二君) 国鉄の共済組合の財政状況は非常に厳しい状況にあるわけでございますが、この問題は二つの側面がございまして、一つは、国鉄共済組合の財政難をどういうぐあいに打開するかという問題。いま一つは、大量退職時代といわれておりますけれども、国鉄におきましては今後十年間に二十万人が退職するという事態を迎えておりまして、そういう年金受給者の急増によりまして国鉄が負担する追加費用の分、負担金というようなものが非常に急増しておりまして、国鉄財政の大きな負担になっているわけでございます。そういう観点から、国鉄財政における共済に対する支出の負担をどうするかという二つの側面があるわけでございます。
 先生いま御指摘のお話につきましては、実はこれは国鉄財政の方の側面の問題でございまして、五十五年度におきましては国鉄の成熟度が非常に高くなりまして約七二%と、百人の組合員に対しまして七十二人の年金受給者が出るという事態に立ち至っております。それで、これらの状態におきまして、国鉄の年金負担の見込み額は五十五年度におきまして三千百七十九億円という巨額に達する見込みでございます。したがいまして、こういう国鉄の特殊の人員構成に基づく負担につきましては、何とか少しこれを異常のものとして処理できないかという考え方に立ちまして、国と三公社の共済の平均成熟度、これは平均いたしますと三七%になるわけでございますが、これを基準といたしまして、それを上回る分については財政資金を貸していただきたいと、それの資金を区分経理するとともに、これにかかわる利子補給を、百三億でございますけれども、お願いしているのが現状でございます。
#48
○山崎昇君 大蔵省、どうしますか。
#49
○政府委員(西垣昭君) いまの御質問は、国鉄財政との関係のところが私どものところに質問された問題だと思います。
 で、確かにおっしゃいますように、国鉄共済年金の問題は、国鉄職員の年齢構成の現状等から見ましてきわめて重大な問題と考えております。ただ、この問題の取り扱いにつきましては、国鉄共済組合の収支あるいは国鉄財政再建との関係だけではなくて、共済年金制度全体との関係でいろいろと検討すべき問題が多いわけでございます。成熟度がきわめて高いということでございますけれども、これはいずれ各組合が直面しなくちゃならない問題ではないかというふうに考えられるところでございまして、そういった観点から考えますと、これは慎重に考えなくちゃならないということで、いまの要求のお話につきましてお答えすることはちょっと差し控えたいと思います。
#50
○山崎昇君 これはしかし大蔵大臣、せっかくの機会ですから十分ひとつ検討して、運輸当局の要望なり十分聞いて善処してもらいたいということだけ申し上げて、私の質問を終わります。
#51
○和泉照雄君 私は、共済関係二法案についてお伺いをいたします。
 両案の改正内容は、大きく分けて二つの柱からなっておるようであります。第一の項目は、すでに第八十八回国会で成立をした恩給法の改正に準じた既裁定年金額の引き上げ等の措置であり、第二項の項目は共済年金制度、長期給付制度の改正措置であります。そこで、これらの各項目について若干総括的なことからお伺いをいたしたいと思います。
 まず、共済年金引き上げ遅延の責任についてお伺いをいたします。
 国家公務員共済年金及び公企体共済年金の引き上げ措置は、いずれも原則として本年の四月分より改定することになっておりました。御案内のように、恩給はすでに第八十八回国会で成立しているにもかかわらず、共済年金のみが取り残されております。共済年金受給者は不利な立場に立たされているわけでございます。このような事態になったことの理由としては、本案に、先ほども話がありましたとおり、長期給付制度の改正項目を含ませたことにあるわけでございます。私は、十分な審議時間をとるため、制度の改正と既裁定年令の引き上げ措置とは分離して法案を提出すべきであると、このように考えます。両者を抱き合わせで提出した理由と、共済年金引き上げ措置がおくれていることの責任を所管大臣としてどのように感じているか、まずお伺いをしておきたいと思います。
#52
○国務大臣(竹下登君) いま御指摘のとおり、政府としてはできるだけ早期に改正法案が成立いたしますよう努力してまいりましたが、第八十七通常国会、第八十八臨時国会と、二度にわたって廃案となりました。この理由は、解散の当否は別といたしまして、少なくとも次の国会は、私ども与党がいわゆる首班指名選挙という党内問題を本会議までに持ち込まざるを得なかったという与党の責任であるというふうに思っております。したがって、次の先般の臨時国会で、短い期間でありましたが、衆議院でもって議了していただき、参議院へ送付して継続審議の議決をいただいて、いままさに当院で審議していただいておるわけでございます。したがいまして、年金受給者の皆様方には改定部分の支給がおくれていることについて御迷惑をかけておることは御指摘のとおりであります。したがって、本法案が成立し次第できるだけ早急に差額支給ができるよう措置することによってその問題には対処していきたい。前段の政治責任につきましては、十分痛感をいたしておるところであります。
 そうして、いまの第二の御質問につきましては、西垣主計局次長からお答えさすことをお許しいただきたいと思います。
#53
○政府委員(西垣昭君) 今回提案しております共済年金の制度改正は、今後の年金財政の健全化を図る上にも、それからまた組合員の将来の生活設計の見地からも、早急に着手する必要があると考えております。特に、支給開始年齢を今後現行のまま据え置くとした場合には、給与改定に係る給付内容の改善等によりまして組合員の掛金率が大幅に上昇することになります。このような理由から、制度改正の部分につきましても早期に着手する必要がありますので、年金額改定部分と一体として法案全体の早期の成立が図られるようお願いしているところでございます。
#54
○和泉照雄君 次に、最も問題の多い第二の改正項目、共済年金制度の改正について質問をいたします。
 今回の共済年金制度の改正は、国家公務員共済及び公企体共済とも新法始まって以来とも言えるほどの大改正となっておるようであります。そこでまず、本改正案提出に至るまでの経緯及び改正のねらいについて御説明を願いたいと思います。
 また、当委員会で昭和四十九年の改正法以来、「公共企業体職員等共済組合に関する制度について、学識経験者、公共企業体の当該役職員及び組合員等により調査審議する機関の設置について検討すること。」との附帯決議を行っているようでありますが、まだこの機関が設置されていないことは先ほど質問があったとおりでございますが、今回の改正案提出に当たっても何かと支障があったのではないかと感じているわけでございます。差し当たって共済年金制度懇談会というものを設けて国家公務員、地方公務員、公共企業体三者間の意見交換の場にしたと聞いておりますけれども、公企体関係の審議機関設置の意思並びに共済年金制度懇談会の今後の扱いについても伺っておきたいのでございます。
 なお、共済懇談会で今後さらに検討を重ねるべきものとされた項目についての今後の取り扱い方針を伺っておきたいと思います。
#55
○政府委員(西垣昭君) まず、改正案提出に至るまでの経緯と改正のねらいでございますが、共済年金制度につきましては、制度発足後約二十年経過いたしておりまして、その後の社会情勢等の変化を考慮し、再検討すべき時期にあると考えまして、共済年金懇談会等の意見を踏まえて種々検討してきたところでございまして、国家公務員共済組合の財源率の再計算時期、これはことしの十月でございますが、これを考慮いたしまして今回改正法案を御提案したところでございます。
 今回の共済年金制度の改正は、支給開始年齢の引き上げ等数項目に及んでおりますが、制度発足後の諸情勢の変化に対応した措置を講ずることによりまして、共済年金制度が長期的かつ安定的に維持、発展し得るよう期待しているところでございます。
 それから次に、共済年金制度懇談会の問題でございますが、共済年金制度懇談会は、国・地方・公共企業体の各共済組合が、制度の仕組み等に若干の相違がありますけれども、基本的にはほぼ同一の制度になっておりますところから、三共済全体の意見交換の場として設けられまして、今回の共済年金制度の見直しに当たりまして種々御検討いただいたところでございます。今後の問題につきましては、この懇談会が制度上のものではなくて、関係者の賛同を得て設けたものでございますので、今後の取り扱いにつきましても関係者の意見を聞いた上で決めることにしたいというふうに考えております。その上で今後どんなことをここで審議するのかという点につきましても、同様にしたいというふうに考えております。
#56
○和泉照雄君 次は、年金制度の改正に当たっての基本的態度についてお伺いをいたします。
 年金制度の改正に当たっては、既得権、期待権の保護が重要なことは論を待たないところでございます。しかしながら、反面、そのことにこだわっていては年金制度の大改正などはとてもできないという論もあるのも御承知かと思います。どちらも一理あるところでございますが、今回の改正案でもある程度期待権、既得権に意を注いでいる面もあるようでございますが、政府は法案作成に当たって期待権、既得権の保護の問題をどのように考えたか、御説明を願いたいと思います。
#57
○政府委員(西垣昭君) 今回の年金制度の改正に当たりましても、期待権、既得権の保障につきましてはでき得る限り尊重すべきものという考えで臨んでおります。
 今回の改正案におきましても、退職年金等の支給開始年齢の引き上げ、減額退職年金の減額率に関する経過措置、また衛視等の特例年金制度の廃止に伴う経過措置を設けまして、期待権、既得権の保護につきましては相当の措置を講じているというふうに考えております。
#58
○和泉照雄君 次は、共済年金制度の改正の今後のことについてお伺いをいたしますが、一昨年は官民格差の論議が盛んに行われたところでございますが、今回の改正内容を見ますと、支給開始年齢の引き上げを初めとして格差是正の項目も若干含まれておるようでございます。官民格差として指摘されたものには、当を得ていないものやあるいは共済サイドだけでは解決できないものも含まれておりますが、当面共済サイドから解決できるものは今回の改正案に含まれていると、そういうような理解でよいかどうか、お伺いをいたします。
 また、去る四月十八日には、厚生大臣の私的諮問機関である年金制度基本構想懇談会から報告書が提出されたところでございますが、共済サイドとして、大蔵当局はこの報告書をどのように評価しているか、お伺いをいたします。
#59
○政府委員(西垣昭君) まず、官民格差として取り上げられております問題について今回の改正でどう対応したかという御質問でございますが、今回の改正案におきまして年金支給開始年齢を五十五歳から六十歳へ引き上げるということによりまして、官民格差として言われておりますことの中で最も重要な部分は解消をしたというふうに考えております。
 それから年金制度基本構想懇談会の報告書でございますが、この報告書は、今後の高齢化社会におけるわが国の公的年金制度のあり方につきまして包括的、横断的に検討を行われたものでございまして、その内容は貴重な御意見と考えております。ただ、共済制度に関しましては国家公務員共済組合審議会が設けられておりますので、今後の共済年金制度のあり方につきましては、基本懇の報告等を参考にしつつ、国共審等の場で十分御議論を願って適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#60
○和泉照雄君 では、去る十月に年金財源が再計算をされたようでございますが、現行の掛金率は従来より五・〇アップの千分の五十一・五で実行されておるようであります。しかも、今回は段階料率制度を前提としているとのことでございますが、これらは本法案の成立を前提とせずに計算をされたものであるようでございます。したがって、本法案が成立をした場合、現行掛金率はどのように影響を受けるのか。また、年金支給開始年齢が厚生年金と同一の六十歳にされる以上、直ちに厚生年金と同じ二〇%の国庫負担にすることはむずかしいとしても、総財源の一%相当額の特別の負担措置を今後さらに引き上げていくことによって厚生年金の国庫負担率とバランスをとることが必要であると思います。そこで、今回の特別負担措置を今後引き上げる考えがあるのかどうかを伺っておきたいと思います。
#61
○政府委員(西垣昭君) 第一点の長期掛金率に及ぼす影響でございますが、現行の長期掛金率は、この十月に現行法のもとで再計算を行いました結果、連合会、一般組合員の場合には千分の九・五の大幅な引き上げが必要になりました。このために、組合員の急激な負担増を避けるために、階段保険料率――一気に上げるんではなくて段階的に上げていくというやり方をとることにいたしまして、まずこの十月に千分の五の引き上げを行いまして、掛金率を千分の五十一・五といたしております。それで、さらに五十五年十月以降千分の六引き上げまして千分の五十七・五というふうにすることといたしたところでございます。この改正法案が成立した場合には、このような急激な引き上げを行わなくてもいいようになります。各保険者におきまして長期掛金率の見直しを行うことになりますが、これまでの試算によりますと、支給開始年齢の引き上げ、それから一%の臨時特例の国庫負担が措置されること等に伴いまして、千分の五程度の掛金率引き上げで済むと見込まれております。したがいまして、改正法案の成立がない場合にはやらざるを得ないと思っておりました五十五年十月以降の掛金率の再引き上げの必要がなくなるものと考えられます。
 それから次に、今回一%国庫負担の引き上げを行って今後さらにこういったことをするかという御質問でございますが、今回の国庫負担につきましては、いわば特別措置として総費用の一%相当分を別に負担することとしたものでございまして、今後の問題につきましては、これを引き上げていけば組合員の負担も軽くなるということでございますけれども、他方これは一般的な国の財源、つまり一般的な納税者の負担に帰するものでございますので、財政全体、あるいは先ほどから申し上げております公的年金の国庫負担のあり方、そういったものを総合的に検討しなければ結論が出しにくいものでございまして、われわれといたしましては、そういった全体の中で考えていきたいというふうに考えております。
#62
○和泉照雄君 次は、遺族年金の給付水準のあり方について。まず第一の改正項目、既裁定年金の引き上げの関係についてお伺いをいたします。
 今回、恩給に準じた改善措置とはいえ、遺族年金の最低保障については一定の前進を見ることができると思いますが、特に六十歳以上の者、または六十歳未満の有子の妻の場合は、五十四年六月分以後、退職年金に対する割合が現行五七・九%から六四・九%、寡婦加算を加えれば七二・三%に引き上げられ、しかも十月分からは年齢による支給区分も撤廃をされたので、六十歳未満の無子の妻にとってはきわめて大きな改善となったわけでございます。
 遺族年金の給付水準のあり方については、従来から当委員会でもしばしば論議されてきたところでございますが、先般の年金制度基本構想懇談会、これは厚生大臣の私的諮問機関でございますが、この報告によりましても、婦人の年金の項で、諸外国の水準六割から七割を勘案をして、その実質的な引き上げを図るべきである旨を述べられております。特に有子の寡婦や高齢の寡婦に手厚くすることが必要であると報告をされております。
 遺族年金の給付水準については、公的年金制度全般にわたる問題なので共済独自に給付水準を改善することはむずかしいこととは思いますが、最低保障にかからぬ遺族年金については、今後給付水準をいかにすべきであるか、また寡婦加算や扶養加給の引き上げのほかに何か手当を新設すべきではないか、旧令とかあるいは旧法年金の公務外年金についても扶養加給を行うべきではないか、こういう点について大臣の所見を伺いたいと思います。
#63
○国務大臣(竹下登君) 遺族年金の支給率につきましては、委員御指摘のとおり、公的年金制度共通の問題でございますが、年金制度基本構想懇談会の報告を初めかねてから多くの議論もあるところでありまして、各公的年金制度との均衡の問題もございますので、厚生年金の今後の改善の方向も見きわめながら慎重に検討を進めてまいりたいと、このように基本的に考えております。
 いま御指摘のありました寡婦加算の問題及び扶養加算等につきましては、今回の改正案で、恩給における措置にならい、その額を引き上げることといたしましたが、今後とも御指摘の問題等につきましては、必要度を十分に考慮して検討の対象とさしていただきたいと、このように考えております。
#64
○山中郁子君 今回の改正案の大きな問題点は、具体的に一言で言えば、現行の法律の適用状態からかなり大きく現場の労働者の人たちが不利益をこうむるという問題にあります。
 多くもう議論されてきておりますけれども、私はまず第一に、直接これによって不利益をこうむる人たち、つまりたとえば六十歳未満で退職する率ですね、そうしたものがどういう状況にあるのかということをぜひはっきり聞かせていただきたいと思うんです。そういうものは当然お調べになって御承知の上で、具体的にこれだけの人たちがこの改正によって大きな不利益をこうむると、それにもかかわらずやはりこうしなきゃならぬのだということを詰めていらしているはずだと思いますので、退職者の数ですね、私は、これは国公、公企体両方にお伺いしたいんですけれども、年齢別の退職者の数、四十五歳からの年齢別退職者数、これを明らかにしていただきたいと思います。これは私は事前に何回もお願いしたんですけれども、何か一向に要を得た資料が出てこないので、この場でお伺いをいたします。
#65
○政府委員(西垣昭君) 私どもの方は、年齢別の退職者の数というふうなとらえ方じゃございませんで、年金受給者の側からとらえているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、六十歳未満で年金受給資格を得られる方が四五%、それから六十歳以上の方が五五%というような姿でございます。
 それから、いま御指摘がありましたように、組合員の不利益ということでございますけれども、いまおっしゃいましたように、年金受給開始年齢の引き上げという点は確かに不利益かと思いますけれども、年金受給年齢を引き上げることによりまして、組合員全体につきましては掛金負担が、そうじゃない場合よりも軽く済むと、年金財政全体としては健全な方向へ行くというふうなこともあわせ考えまして、今回の御提案を申し上げたわけでございます。
#66
○山中郁子君 その問題は、結局年金財政のあり方の問題がどうなのかということとの関係が出てくるんですよ。そういう総合的ないま議論をしている時間がないんです。ですから私は、当然そのことについては私ども意見も持っていますし、いままでも具体的にもいろいろ提起をしてきました。
 問題は、もちろん受給者ということですけれども、これは退職者ということから出てくるわけなんで、実際問題として年齢別の退職者数がどうなっているのかということを当然把握されていると思うので、それを示してほしいということをいまお願いしているんです。で、しかも問題は男女別です。直接大きな影響を受けるのは女の人なんですよね。もう御承知だと思いますけれども、若年定年が多いんだから、だからその人たちが、いままで減額支給にしても、もらえていたのがもらえなくなるということがもうすぐに出てくるわけでしょう。そういう問題も含めて、当然現場の人たちがどれだけの不利益をこうむるかと、受給問題に関してですよ。それは当然把握されていらっしゃると思うので、数を示していただきたい。資料として要求いたします、いまないならば。よろしいですか、年齢別、男女別です。
#67
○政府委員(西垣昭君) 極力とりまとめて提出するようにさせていただきたいと思いますが、私どもは、公務員の制度でございますので、男女別というのは持っていないのでございます。したがいまして、男女一本ということで、できるだけ年齢別も細かくとれるだけとりまして御提出申し上げげるようにします。
#68
○山中郁子君 問題は、私は大蔵大臣にもちょっとお尋ねしたいんですけれども、女性の人たちが具体的に受ける不利益というのがまた特別に大きいんですよ、全体の中で。これはおわかりになるでしょう。そういう実態も何にも知らないで、そうしてこういうことで出していらっしゃるというのは、私、余りにも乱暴だと思うんです。
 共済組合法の第一条に――まあこれは私が申し上げるまでもないと思うんですけれども、ちゃんと「相互救済を目的とする共済組合の制度を設け、その行うこれらの給付及び福祉事業に関して必要な事項を定め、もって国家公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、公務の能率的運営に資することを目的とする。」というのが目的なんですよね。これをやられますと、すぐにももうもらえない人が出てくるわけだ。いまの法律でいけばもらえたものがすぐにもうもらえなくなると、年間百万円を超えるような年金がですよ。そういうところが出てくるんですよね。細かいことを言っている時間ないので、あなた方よく知っていらっしゃると思うけれどもね。それにもかかわらず、そういう不利益を受ける、たとえばそれが集中する婦人の人たちの退職の実態がどうなのかというようなことを何にも知らないでこういうものを出してくるというのは、一体どういうお考えなのか。私、そこがわからないんですけれども、そこはぜひ調べてください。わかるはずですよ、退職者の男女別だって、調べれば。そうでしょう、わからないはずないでしょう。やめた人がこういう状態になって、みんなリストがあるわけだから、そんなの調べればすぐわかるはずですよ。
#69
○政府委員(西垣昭君) 退職という事実に着目した統計というのは、これは大蔵省では、残念でございますけれども、とっていないのでございます。先ほど申し上げましたように、共済年金の受給資格を得たという事実をとらえての統計は……
#70
○山中郁子君 それでいいです。
#71
○政府委員(西垣昭君) 先ほども御指摘がございましたけれども、私ども、男女の差を設けてといいますか、区別してというふうな統計のとり方をいままでしておりませんので、一本でお出しすることをお許し願いたいと思います。
#72
○山中郁子君 私が申し上げた趣旨はおわかりになっていると思いますから、その点での資料の提出をお願いいたします。委員長、それを要求いたします。
 それから、いわゆる減額率なんですけれども、先ほどからお話が出ていましたけれども、経過期間二十年というふうにおっしゃっています、全部が済むまでがね。その間の四%ということはもうはっきりしているというように理解してよろしいんですか。これは再度の確認でございます。
 それから、それ以降はどうなさるのかということについてもちょっと質問をいたします。
#73
○政府委員(西垣昭君) 十五年ないし二十年間の経過期間中は四%が続きます。それ以降は保険数理上の率ということになるわけでございまして、これは減額年金受給者にとりましては、従来よりは有利でなくなるということでございますが、しかし先ほども申し上げましたように、これを直しますのは、減額退職年金受給者と正式に受給資格が出た後の受給権者との間の不公平、これを是正するということと、全体として組合員の負担を軽減する、こういう目的でございます。その点はひとつ御理解いただきたいと思います。
#74
○山中郁子君 もう一つ確認しますが、経過措置期間中は四%ということの減額率についてはいじらない、これは確認できるんですね。
#75
○政府委員(西垣昭君) 今回の改正案はそのような内容の仕組みになっております。
#76
○山中郁子君 一%ぐらい国庫負担がふえるということで御説明があるんですけれども、その一%というのは幾らになりますか、金額として。
#77
○政府委員(西垣昭君) これは試算でございますけれども、五十四年度予算で、平年度化した額で試算してみますと、国共済で三十億、それから地方公務員共済で約八十九億、公企体で十七億程度かと思います。
#78
○山中郁子君 五十五年度の国の負担は、全体として概算要求幾らで組んでいらっしゃいますか。
#79
○政府委員(西垣昭君) 来年度予算の数字につきましては、現在調整中でございますので、この場でお示しするわけにまいりませんので、ひとつお許しいただきたいと思います。
#80
○山中郁子君 それは後ほど提出いただくということで、いまお話があった、額として一%程度を国が負担をして、そして年金財政はいま現在赤字だといって困っているというわけじゃないわけなんだから、それはあなたの方の資料ではっきりしているわけだから、それを先行きの年金制度の改悪を前提とした形で、これはいろいろ議論があるところだけれども、少なくとも厚生大臣がそういうアドバルーンをもう上げているわけだわ。そういう状態のもとで、わずかの国庫の持ち出しで、結局それの負担はみんな労働者にかぶせるというのは、それは余りにもあこぎなやり方だということを、私たちは強くそのことを指摘いたします。ですから、この点については分離をして、そしていわゆる恩給に連動する率のアップについては当然速やかに処理をして支給すべきだということを一貫して申し上げてきたんです。
 それで、特に今度は減額支給開始を原則として五年前にするという点が、またこれ重大な影響を現場にもたらすわけですね。
 それで私の方で試算をいたしましたところによりますと、たとえば五十歳未満の人たちは、すでに、いままで現行でしたら減額年金として、これは高卒でもって出した数字ですけれども、勤続三十三年、五の二十二ということで出していきますと、百十一万七千円の減額年金が支給されるわけですよ、いまの法律でいけば。それが今度の改正によって全然これがもらえなくなるわけ。そして一年おくれということになるわけね。それがだんだん下がってきますと、四十九歳、四十八歳となりますと、金額もそれは減額で下がるけれども、だけれどもそれがまたさらに二年、三年、四年というふうにもらえなくなるわけですね、いままでもらっていた分が。五年も六年も七年も八年ももらえないという状態が出てくるわけ。ここの層はやっぱりやめる人は婦人の人たちが多いんですよ。そういう状態が生まれることについてはどういうふうに一体お考えになっているのかということを私ちょっと大蔵大臣に、大蔵大臣その辺よく御承知なのかしらと思うんですけれども、いままで百十万円なり百万円なりもらっていた年金がもらえなくなっちゃうんですよ、出なくなっちゃうんですよ、この改正によって。これは大変なやっぱり不利益じゃないですか。そういうことは御承知でしょう。そうなるでしょう。
#81
○政府委員(西垣昭君) 減額年金制度を受けられる方が受けられないことになることによりまして、その人にとって不利益になるというようなことはあると思います。ただ、急激にそういう状態にならないようにするために、私どもは十五年ないし二十年の経過期間ということを設けさしていただいているわけです。
 これは考えてみますと、結局減額年金の有利さというのは減額年金という形じゃなくて、長期間おられて年金負担を受けられる方との公平、これはさっき御指摘がありましたような共済法の第一条にございますように、お互いに助け合う制度としての共済の仕組みでございますので、だれかが特別に有利になれば、だれかがその分を負担するという関係にございます。その分については国庫負担をふやせばいいではないかということだと思うんですけれども、これは要するにそれが一般納税者の負担にはね返っていくというふうなことになるわけです。そういったことをあわせ考えますと、共済制度は公務員制度の一面ということもありまして、国家公務員法の中に根拠がございますけれども、保険数理上の制度ということがそこにも規定してありますように、結局は組合員間相互の負担の公平ということで考えざるを得ないということでございまして、その中でできるだけ問題がないようにどうしていったらいいかというようなことかと思います。
#82
○山中郁子君 あなた、年金制度の持っているさまざまな矛盾、それはもっとひいて言えば日本の国の財政問題、そういう矛盾だとか、そういうものをここで狭い、つまり労働者にしわ寄せする、犠牲をそこで強いるというところでもって解決しようとしているこの集中的なあらわれなんですよ。それがたとえばいま私が例で申し上げましたように、一年間にいままでのあれだったら百十万円からもらっていた年金が全然もらえなくなる、一年間もらえなくなる。もう一つランクが、年が下がると今度は二年間もらえなくなる、三年間もらえなくなる、そういう人たちが次々たくさん出てくるというわけね。だから年金制度のいろいろな問題点、これから改善しなければいけない問題たくさんありますよ。そういうものを全部解決していくということでもって個々の労働者にしわ寄せさせるようなそういうやり方でやることが問題だと、間違いだということを私たちは申し上げています。
 それで御承知だと思いますけれども、日本の場合には負担割合が一対一・三五という形になりますけれども、ざっとの計算ですよ。フランスの場合にはこれは一対二・五、国の負担が。それからイタリーの場合も一対二と、こうなるわけです。イギリスの場合でも一対一・五二と、これだけの負担が日本の場合には大きく労働者にかぶさっているわけ。そういう実態を世界的な状況からも見て改善をしていくという方向によって当面している矛盾の問題を抜本的に検討していく必要がある。だからこそこれを切り離して、そして当面必要なアップの分についてだけは処理をすべきだということを私たちは一貫して主張して、通常国会では修正案も各野党の共同提案で出てきたという経過があるんです。これらの問題について、最後に大蔵大臣からのお考えを伺って、私の質問は終わらざるを得ません。
#83
○国務大臣(竹下登君) 年金制度の仕組みそのものが相互がそれぞれ持ち出すことによって老後の生活の保障に資そうという、そういう仕組みの中に発足したものでございますだけに、それが制度改正等が行われるたびにそれらの負担の増加はすべて一般財源に求むべきである、すなわち一般国民に求むべきであるという議論には私は必ずしもくみするものではありません。それは、私はやはりそうした――ただフランスとかイタリーの例が出てまいりましたが、まあ政策というものは法律を改正し法律がひとり歩きしようと、それは絶えず検討は続けるべきものであって、検討していくことには私もいささかもやぶさかではない、このようにお答えをいたしたいと思います。
#84
○井上計君 先ほど来、他の委員の質疑に対します御答弁で、私の予定しておりました質疑等につきましては了承いたしましたので、終わります。
#85
○秦豊君 後ほど合意を見るでありましょう附帯決議の内容を含めまして、私は賛成法案でございます。与えられた本日の質問の時間は、私は放棄いたします。
#86
○森田重郎君 実は、四、五点質疑を用意させていただいたのでございますけれども、すでに各委員の諸先生かち同様趣旨の質疑もございましたようでございますので、私も質疑を取りやめさせていただきます。
#87
○委員長(古賀雷四郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認めます。
 山中君から委員長の手元に両案の修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、両修正案を一括して議題といたします。
 山中君から順次両修正案の趣旨説明を願います。山中君。
#89
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共済組合法等のいわゆる共済年金二法の両改正案に対する修正案について、提案理由を御説明申し上げます。
 今回の共済年金二法案は、年金制度の根幹にかかわる重大な改悪部分を含んでいることはすでに審議の中で指摘したとおりであります。
 すなわち、年金の支給開始年齢を現行の五十五歳から六十歳におくらせること及び減額支給制限など、改正部分は退職と年金支給にギャップを生ぜしめ、年金財政の負担増を国公、公企体労働者負担の強化で切り抜けようとするものであり、労働者に犠牲を強いるだけでなく、年金制度の全面的検討と改善、雇用保険の確立、公務員制度全体にかかわる問題が無視され、一方的に行われるものであり、他の公的年金制度の抜本改悪に道を開くものであることは明らかです。
 日本共産党の修正案は、この年金支給開始年齢の延伸部分及び減額支給に係る改正部分を衆議院送付法案から削除し、当然措置されるべき改善部分を生かすように所要の修正を加えようとするものであります。
 以上が本修正案の提案理由とその概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願いを申し上げます。
#90
○委員長(古賀雷四郎君) それでは、ただいまの両修正案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、これより原案並びに両修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#91
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合法及び公共企業体職員等共済組合法等のいわゆる共済年金二法の両改正案に反対し、日本共産党提出の修正案に賛成する討論を行います。
 今回の改正案で最も重大な問題は、共済年金支給開始年齢の六十歳への延伸措置であります。
 第一に、この措置は、わが国公的年金制度の抜本的改悪の一里塚となるものであることは明らかです。
 今日、公的年金制度間にはさまざまな格差やゆがみを残しておりますが、今回の改正は、年金制度の全面的な検討を抜きにして一方的に支給開始年齢だけを取り上げ、年金制度改悪の方向で出されていることです。しかも政府は、現在の年齢別退職者人数及びそれらの人たちの生活実態の全面的な分析、検討を全く行わずに法改正だけを強引に行おうとしています。今回の改悪が、被用者年金の八割を占めるいわば本命とも言うべき厚生年金の六十五歳延伸への前提づくりであり、ひいては公的年金制度の格差と財源難を口実にした年金制度全体の改悪につながるものになるということをわが党は一貫して主張し続けてまいりました。こうしたことは、十八日の野呂厚生大臣が発表した厚生年金の六十五歳からの支給開始構想からも事実として証明されたのであります。
 第二に、この措置は、退職と年金支給に期間のギャップを引き起こし、国家公務員、公企体労働者の利益に反するものであるということです。
 政府の厳しい退職勧奨などで、六十歳未満の退職者は昭和五十二年度で国公労働者で四五%にも上り、国鉄について言えば五十三年度で五十五歳退職者が八割にも達しています。こうした実情であるにもかかわらず、年金支給開始年齢を順次六十歳にしていくならば、労働者への年金額の減少をもたらすのみならず、五十歳以下の者は、たとえすでに二十年以上の勤務実績があったとしても、直ちに減額年金さえも支給されなくなります。このことは、特に若年退職者が多い女子にとって、重大な年金権、生活権を剥奪するものであると言わなければなりません。このような措置は、雇用と年金の接続という必要最小限の条件整備さえ保障されてないものであり、公的年金制度のたてまえにも反するものと言わなければなりません。
 第三に、国庫負担等の抜本的改善を避け、年金財政の危機を労働者への負担増で乗り切ろうとしている点であります。
 高齢化社会の到来とともに、年金財源の増大は当然のことでありますが、それだけに、労働者の負担増を可能な限り抑えながら、同時に財源を確実に保障できる合理的な制度の確立を急いで進める必要があります。しかるに、今回の政府案は、国庫負担や保険料の労使折半方式等の抜本的改善に何ら取り組まず、もっぱら労働者への犠牲転嫁で切り抜けようとしていることは絶対に認めることはできませんので、強く反対いたします。
 日本共産党には、続々と共済年金法改悪反対の要請電報が届いています。また、多くの労働者がこの法案に反対して国会にも詰めかけてきておられます。こうした多くの国家公務員、公企体労働者の声を無視して、通常国会の冒頭に、しかも私は十五分に質問時間を制限されましたけれども、このような短時間に質問を制限して成立させようとすることは、国会審議のあり方から見ても重大な問題であるということを指摘せざるを得ません。
 日本共産党の修正案は、労働者にとって改悪される部分を削除し、当面改善部分を成立させ、引き続き共済年金制度のあり方については検討を深める趣旨のものであり、当然賛成することを明らかにして、討論を終わります。
#92
○委員長(古賀雷四郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより両案について採決に入ります。
 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の採決を行います。
 まず、山中君提出の本案に対する修正案を問題に供します。
 山中君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#94
○委員長(古賀雷四郎君) 少数と認めます。よって、山中君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#95
○委員長(古賀雷四郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の採決を行います。
 まず、山中君提出の本案に対する修正案を問題に供します。
 山中君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#96
○委員長(古賀雷四郎君) 少数と認めます。よって、山中君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#97
○委員長(古賀雷四郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、林君から発言を求められておりますので、これを許します。林君。
#99
○林ゆう君 私は、ただいま可決されました共済関係二法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党、参議院クラブ、新自由クラブ共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
    昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、共済組合制度の充実を図るため、次の事項を実現するよう、なお一層努力すべきである。
 一、退職年金の支給開始年齢を六十歳に引き上げるに当つては、将来の雇用保障との関連に充分配慮し、段階的に退職勧しよう年齢等を引き上げてゆくよう努めること。
 一、高齢者の勤続が不適当と考えられる重労働職種や危険職種に長期間従事していた者が退職した場合における減額退職年金の減額率については、将来、必要に応じて一般退職者の減額率より緩和する途を講ずるよう検討すること。
 一、共済組合の長期給付に要する費用の国庫負担分については、厚生年金等の負担と異つている現状にかんがみ、公約年金制度間の整合性に配意しつつ検討を続けること。
 一、懲戒処分者に対する年金の給付制限については、他の公的年金との均衡も考慮して再検討すること。
 一、共済組合制度に関する基本的事項について一元的に調査審議をする機関の設置について検討を行うこと。
  右決議する。
 以上でございます。
#100
○委員長(古賀雷四郎君) ただいま林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#101
○委員長(古賀雷四郎君) 全会一致と認めます。よって、林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、竹下大蔵大臣及び地崎運輸大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。竹下大蔵大臣。
#102
○国務大臣(竹下登君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては、御趣旨を体しまして十分検討いたしたいと存じます。
#103
○委員長(古賀雷四郎君) 地崎運輸大臣。
#104
○国務大臣(地崎宇三郎君) ただいま附帯決議のありました事項につきましては、政府といたしまして、御趣旨を体し、十分検討いたしたいと存じます。
    ―――――――――――――
#105
○委員長(古賀雷四郎君) 委員派遣承認要求に閲する件についてお諮りいたします。
 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査のため、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#106
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト