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1979/05/06 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 内閣委員会 第11号
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1979/05/06 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 内閣委員会 第11号

#1
第091回国会 内閣委員会 第11号
昭和五十五年五月六日(火曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     堀江 正夫君     永野 嚴雄君
     市川 正一君     山中 郁子君
     井上  計君     柄谷 道一君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     永野 嚴雄君     堀江 正夫君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     柄谷 道一君     井上  計君
 五月二日
    辞任         補欠選任
     山中 郁子君     市川 正一君
 五月六日
    辞任         補欠選任
     森田 重郎君     柿沢 弘治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         古賀雷四郎君
    理 事
                岡田  広君
                林  覧子君
                林  ゆう君
                村田 秀三君
    委 員
                中西 一郎君
                原 文兵衛君
                堀江 正夫君
                穐山  篤君
                山崎  昇君
                和泉 照雄君
                田代富士男君
                市川 正一君
                井上  計君
                柿沢 弘治君
   国務大臣
       農林水産大臣   武藤 嘉文君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       宇野 宗佑君
   政府委員
       行政管理庁長官
       官房審議官    中  庄二君
       行政管理庁行政
       監察局長     佐倉  尚君
       農林水産大臣官
       房長       渡邊 五郎君
       農林水産大臣官
       房審議官     塚田  実君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     二瓶  博君
       農林水産省食品
       流通局長     森実 孝郎君
       農林水産技術会
       議事務局長    川嶋 良一君
       食糧庁長官    松本 作衞君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局食品衛生課長  斎藤 乃夫君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部環
       境整備課長    杉戸 大作君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産省設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(古賀雷四郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、森田重郎君が委員を辞任され、その補欠として柿沢弘治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(古賀雷四郎君) 農林水産省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案につきましては、前回趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○村田秀三君 本委員会は、先日、農林水産省設置法審議のために横浜の生糸検査所を拝見さしていただきました。私も認識を実は改めたわけでございまして、生糸産業と言えばこれは日本古来の有数な産業でもあったわけでありますが、とにかく単に国内ばかりではなくて、横浜生糸検査所で策定をされました基準が全世界の生糸の流通の一つの基準になっておる。生糸を使用する消費者に多大な安心感を与え、しかもそのために業界が発展をしたということにも通ずると思うわけでございまして、かなり歴史的に評価されてよろしい、こう思ってもまいりました。また、あれほどの設備、機器、よくやったものだなというそんな感じもしないわけではございませんが、しかし、この法律はその生糸検査所を廃止して、農林規格検査所ですか、それに統合する、こういうことになっておるわけですね。その統合の理由、統合と言えば体裁はよろしいわけでありますが、廃止となると聞こえがきわめて悪いわけでございまして、廃止の理由というのは、まあ統合も同じことでございましょうけれども、どういう理由なのか、この際伺っておきたい、こう思います。
#5
○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもは農林規格検査所へ統合という表現をいたしておるわけでございます。そこで、なぜそれじゃそういう形で統合するかということでございますけれども、いま御指摘のとおり、これは大変明治以来の古い検査所でございます。そして、今日までその歴史をたどってみますと、日本の輸出振興のためにも大変役立ってきた検査所であると思っております。しかしながら、時代の変化もございまして、また世界的に消費の変化もあったと思うのでございますけれども、現時点におきましては、昭和四十九年以来生糸の輸出は皆無でございます。また、日本の国内におきましても生糸の需要は非常に伸び悩んでおるわけでございまして、そういう観点から今日まで振り返ってみますと、その最初のでき上がり、そして、その歴史の中で存在意義のあった点についての、特に輸出生糸などの検査については皆無であるというようなことから見て、必ずしも従来の目的を達するような態勢にはない。しかしながら、いま御指摘のありましたように、この国営の生糸の検査は世界的に見ても大変高いレベルにあるわけでございまして、そういうものの業務はこれは残していかなきゃならない。そうなりますと、たまたま農林規格検査所と建物は一緒でございますし、また事業の内容からいってもそういうものを検査をするという点においては共通の業務でもございますので、そういう意味において統合しようと、こう考えたわけでございます。
#6
○村田秀三君 その問題についてはまた後ほど触れますけれども、いまの絹製品の消費伸び悩みと、こういうような言われ方がなされました。しかし、私が資料を見ます限り、消費の動向というものはそう何といいますか、先行き不安を感ずるというものではなかろうと思うんですね。それには価格の面、宣伝の面ということももとよりありまし、ようけれども、そう私は悲観をいたしておらない。と申しますのは、生活が安定をしてまいりますると、どうしても身の回りを小さっぱりにしたいとか、よいものを着ようとするような方向に行くことは、これ紛れもない人間の心理でありますから、そういうことでむしろ宣伝をしなくてはなるまい、こう思って考えておる一人であるわけでありますけれども、その問題は別にいずれかの機会で、まあそれは主として農水委員会ということにもなりましょうが、やってみる機会があればやるということにいたしますけれども、どうもこの生糸検査所の廃止問題――統合というけれども、私は廃止と、こう実は言っておるのでありますが、これは私一人の直感ではなかろうと思いますけれども、何となく日本の生糸産業に対し、養蚕業に対し、これを行政的に放棄する方向に歩み始めたのではないか、こういう実は危惧を持っている者の一人であります。検査それ自体が産業と直ちにかかわりを持つということではないと思いますけれども、何となくそういう感じを持っておる。
 具体的に申し上げますと、二、三の点について考えられるのでありますけれども、最近、通産省の事務次官の矢野さんの発言問題が新聞にも大きく取り上げられ、そしてまた国会の場でもかなり議論を呼んだようであります。あるいは当事者間では一応の決着がついたというふうに理解されておるかもしれませんが、私は決してそうではないと、こう思いますね。問題は姿勢と発想の問題でありますから。そういう意味では、この矢野発言についてこれまでの経過を、農林大臣は主としてかかわってきているわけでありますから、若干御報告をいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(武藤嘉文君) 矢野発言というのは、何か京都で会合がございましたときに発言をしたことが京都の読売の地方版に取り上げられたということでございます。その内容につきましては、絹織物業者を救うためには外国の生糸を使ったらいいと、外国の生糸を使うためには、いま日本の養蚕農家があるわけでございますから、二年間ぐらい仕事を休みなさいと、そうしてその間に、そうなると二年間生糸の流通がなければ、日本の養蚕農家は立ち行かなくなるのではなかろうか、こういうようなたしか発言であったようでございます。
 それからもう一つは、生糸の一元化の問題も、だからそういう点からいけば、しばらくの間あなたがたが生糸を使わなければ生糸の一元化も必要なくなるんではないかと、こういうようなこともあったかと思います。
 そこで、私どもとしてはいままで日本の養蚕業を、決してもうそういうものはなくてもいいという考え方を持っていないわけでございまして、今年度の予算の中でもやはり養蚕業については養蚕振興のためにいろいろな予算を組んでおるわけでございます。そういう私どもの立場からいたしますと、大変これは不謹慎な発言でございますので、まず農蚕園芸局長から通産省に対しまして厳重に抗議を申し込んだわけでございます。それから、私の方からも佐々木通産大臣に対して厳重に抗議を申し込んだわけでございます。
 それに対して通産省としては、まず次官からは、新聞記事は必ずしも自分の真意を伝えておるものではない、非常に誤解を招いた記事なので、こういうものについては全面的にひとつ、それは自分の書いたものでもないし、必ずしも発言がそういう形に書かれてもいないし、新聞記事について誤解を招いておるようなところは全面的に撤回をさせていただきたいというようなことでございました。で、まあその間いろいろとやりとりがあったわけでございますけれども、最終的には通産大臣から、そういうことで本人に聞いたところ、決して本人の真意のように記事も書かれていないし、本人の真意として養蚕業を否定するようなことは絶対にない、一元化輸入についてもいまここで簡単にやめられるようなものではない、こういうことを本人が言っておるんだから、ひとつぜひ御理解をいただきたいということを通産大臣から私のところへ言ってまいりました。通産大臣から言ってくるのと少し後になりましたけれども、次官本人も私のところへ参りまして、そのような趣旨を私に話をいたしまして、ぜひ御理解をいただきたいということであったわけでございます。
 私ども同じ政府の中でございますので、そこまで本人が言っておることと必ずしも新聞の言っておることは一致していない。それから、私どもの進めておるいまの事業に対して否定するものではない、こういう点をはっきり本人が申しましたので、そうして大臣からもそういうことを言ってまいりましたので、同じ政府の中でいつまでも角突き合わしているのも問題があろうということで、私どもとしては一応それで決着をつけたと、こういうことでございます。しかし、その後いろいろと議会の方においてもこの問題については引き続き御議論があるようでございまして、私どもはそれはそれとして、私ども余り政府内部で角突き合わせるというのもどうかということで一応決着をつけたと、これが実情でございます。
#8
○村田秀三君 ゴカイでもハッカイでもないと思うんですね。言ってみれば本音だと思うんですよ。率直に言って、織物業界が輸入量を拡大しようと考えていることは私も承知をいたしております。安けりゃいいということになりましょう。コストダウンいたしまして利益を拡大しましょうと、こう考えるのは当然であります。そこで、あるいは農林省のやっている施策を否定はしない、この気持ちもまあ正直言って私も認めますけれども、役人は慎重にもかかわらず、比喩にしてもまことにけしからぬ発言だと私は思いますね。首とってもいいと思うんですよ、はっきり言って。そして、その背景を私は憂慮するわけです。
 本問題をいろいろと審議するためもございまして調べておりましたら、ことしの基準糸価は三月二十九日に諮問が出されたのですか、農水におりませんから私も見落とすこともあるわけでありますけれども。二十五日に自民党の繊維対策特別委員会、この委員会が基準糸価の据え置き――まあ新聞を見れば下べそ価格撤廃と、こういうのでありますが、安定帯の下限価格という意味だと私は思いますけれども、この撤廃。そして、一元化輸入の撤廃を政府に申し入れたと、こうなっておるわけであります。
 同じ党であっても議論がさまざまあるのは私は承知をいたしておりますけれども、少なくともこの特別委員会が決めて政府に申し入れたとするならば、これは与党・自民党の方針として出されたものかどうか。私の方の党の例を申し上げまして恐縮でございますが、一つの方向がある、流れがある、その流れに合致しておるならば、まあまあ部会で決めて政府に申し入れするなどということもございますけれども、少なくとも重大な問題である限り、党の話がまとまっていないものを政府に申し入れをするなどということは普通あり得ないわけですね。それが真実であるかどうか。と同時に、この背景があるからこそ、いわゆる矢野発言というものが安易になされたものと私は理解せざるを得ない、これが一つであります。どうお考えになりますか。
#9
○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもの党の繊維対策特別委員会でそういう決議がなされたということは承知をいたしておりますが、ちょっと説明をさしていただきますと、党の最終的な決議ということになるためには、繊維対策特別委員会というのは私ども政調会の中にあるわけでございまして、まず政調会の政審を通らなければなりません。それから、それを通りました後また総務会で了承を得なければ党の決議とならないわけでございまして、この決議は、繊維対策特別委員会では確かに決議されたようでございますが、政調の政審にも実はかかっていないわけでございます。いわんや総務会にはかかっていないわけでございまして、政調会の一部門での決議であると、こういうふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。最終的な自民党の決議ではない、自民党の政調会の中の一部門での決議である。だから、希望的な一つの考え方だと、こう私どもは受けとめておったわけでございまして、私ども農林水産省の関係でいきますと、自民党の政調会の機関では、農林部会なり総合農政調査会というものがあるわけでございまして、そちらでは決してこんな決議はされていないわけでございます。
 そういう意味において、私どもは繊維対策だけを考えた方々がこういう御決議をなさったのではなかろうか。しかし、私ども農業政策を進めていくには、養蚕業を考えた場合に、やはり繊維だけのことを考えていくわけにはいかないわけでございまして、もちろん絹織物業者のことも考えていかなきゃなりませんけれども、絹織物業者が使っていただく生糸をつくる養蚕業でございますから、そういう面においては需要者のことを全く無視してというわけにはまいらないことは当然でございますけれども、しかし、あくまでも需要者のために一生懸命努力をしておる養蚕農家のことは十分考えていかなきゃならないと、こういう考え方でおりまして、そういういろいろの観点から私どもは基準糸価を決めたつもりでございまして、結果的には、ですからその繊維対策特別委員会の決議のとおりにはなっていないわけでございます。そういう点で御理解をいただければありがたいわけでございます。
#10
○村田秀三君 全くよその党がどういう手続きをとるかについていろいろ意見を言ってみても仕方ありません。大臣の答弁で理解をいたしておきますけれども、くれぐれもいわゆるこうした問題が二度と起きないように農林省としても配慮をしていただきたい、こう思います。
 そこで、日本蚕糸事業団というのがございます。これは繭糸価格安定法がいつ誕生したのか確認をしないままで参りましたが、私のうろ覚えな記憶では昭和三十四、五年ごろじゃなかったかなという感じがいたします。と申しますのは、そのころ私も生糸製造業に従事する労働者の皆さんと、当時乱高下する生糸価格、これを安定させるためにその法律制定に向けて農林省に陳情した記憶を持っておるわけであります。
 この日本蚕糸事業団、今度の行革計画の中に閣議決定をされているように思います。閣議決定をされたのでありますから、この蚕糸事業団についていまどうするつもりだという質問は、あるいは愚かもしれません。しかし、私としては、これはきわめて重要な問題だと、こう思っておるわけでございまして、農林省としての本来の考え方はどうであったのか、現在はどうであるのか、これをひとつしかとお聞かせを願いたい、こう思います。
#11
○政府委員(渡邊五郎君) 日本蚕糸事業団と糖価安定事業団との統合に関してでございますが、これは御案内のとおり、昨年の十二月の二十八日に「昭和五十五年度以降の行政改革計画の実施について」という閣議決定がございまして、各省にまたがります特殊法人の整理統合等がなされたわけでございまして、この御指摘の両公団につきましては、「昭和五十六年十月を目途に統合する。」ということにされておるところでございます。両公団ともこの統合する趣旨といたしましては、畑作物関係であるというような関係、また輸入調整業務の比重が高いというような観点から共通性を有しているというふうに当省としては判断したわけでございますが、現在この統合については、結論から申しますと具体的な進め方について検討中でございます。ただ、対処方針としましては、基本的には現行の繭糸なり砂糖等にかかわります需給なり価格安定機能は堅持するというたてまえを貫いてまいりたい、こういう趣旨でこれから検討に入りたいと考えておる段階でございます。
#12
○村田秀三君 いまここで統合は反対だとはなかなか言いにくいことはわかります。
 しかし、私はきわめて重要だと思うんでありますが、先ほど生糸検査所を廃止するということで、直感的に養蚕業の放棄を感じ取ったと、こう私は申し上げましたが、この日本蚕糸事業団ができました経過というものをよく私は理解してもらいたいと思うんですね。
 それまでは、農家を回りますと、農林省が桑を植えろというときには抜いた方がいい、農林省が桑を抜けというときには植えた方がよろしい、これが養蚕農家の異口同音の言葉でありました。しかしそうは言っても、指導を受けて桑を植えて、そして大損をしたなどというような話というものは数限りなくあったわけですね。そこでつまりは、養蚕農家の生産が安定をしなければ製糸業者が困るわけでありますから、外国の安いやつをどんどん持ってくればいいと、こう一言で言ってしまえばそれまででありますけれども、しかし必ずしもそうばかりはいかない。つまり、確かに繭が少ないときには農家の方々はそれだけ大きな利益を得て、ことしは繭がよかった、助かったと、こう言うでしょう。しかし、繭がいいそうだから桑を植えろ植えろということで植えて、生産量が高くなればこれは下落をする、下落をするから桑を抜く、この悪循環があったわけですね。それをやはり、そうべらぼうにもうけなくてもよろしい、また生糸業者もそうもうけなくてもよろしいから、安定的に仕事が確保できるようにという、そういう需給のバランスをとるためには生産を安定させねばならぬという精神でこの繭糸価格安定法というものができて、日本蚕糸事業団が私はでき上がってきたと、こう思うんですね。
 それを廃止するというんです。しかも、与党の繊維対策特別委員会の決議じゃございませんけれども、一元化輸入を撤廃しろ、こういうわけですね。それから、安定帯最低下限価格を廃止しろ、こういう要求です。この繭糸価格安定法をなくせということ、日本蚕糸事業団をなくせということ、単に日本蚕糸事業団をなくせということではなくて、この繭糸価格安定法さえもこれは無視しようとする考え方が存在する。こう考えてまいりますと、日本蚕糸業の挽歌を聞くような感じを実は私はしているわけです。生糸検査所の廃止、日本蚕糸事業団の機能は残すと、こう言いながらも、それがいわゆる統合という言葉にあらわされてはおるけれども、何でこんなに生糸ばかりいじめる必要があるだろうという感じです、率直に申し上げまして。
 いずれ法案が出てまいりますならば、そのときはそのときの立場で私はまた議論をいたしますけれども、こういうような状態を私は非常に遺憾に思っておるわけでございます。何とか日本蚕糸事業団の廃止などということは阻止をして、そして繭糸価格安定法の精神がずっと続いていけるように――要は運営であります。人であります。こういうことを考えておるわけでありますけれども、大臣いかがですか。
#13
○国務大臣(武藤嘉文君) 蚕糸事業団の統合につきましては、先ほど官房長から説明をいたしましたようなことでございまして、何もそれは養蚕農家を否定をしようとか、あるいは蚕糸業を否定するというような考え方ではないわけでございますので、この点は御理解をいただきたいと思いますし、それから、私どもの方の党の繊維対策特別委員会でのいまの下べその問題でございますけれども、下べそと一元化の問題につきましては、必ずしも私は繭糸価格安定法そのものを否定しておるということではなくて、いわゆる一元化輸入に伴って外国から入ってまいりましたものを、それに対して非常に抗議がございましたときに、その中から実需者割り当てということで、ある程度の数量についてはできるだけその入ってきた価格にコスト、経費だけを加えたものの程度で売り渡しをしましょうと、こういうことがあるわけでございます。ところが、その輸入生糸でも基準糸価を下回るおそれがあるときには政府は売り渡しができない、こう繭糸価格安定法にあるわけでございまして、そうなってまいりますと、実需者には割り当てをして、それは売り渡しをいたしますよという約束をいたしておるんでございますけれども結果的に基準糸価が相当低迷をする間はそれはできないものでございますから、そして、特におそれのあるということで約三百円の下べそを設けておりますけれども、その三百円がひっかかってできない場合がまたもっとあるわけでございます。そこで、そういうものをなくせというのがこの間うちの私は繊維対策特別委員会での議論であったかと思いまして、決して繭糸価格安定法そのものを否定しておるものではないと私は判断をいたしておるわけでございます。
   〔委員長退席、理事林ゆう君着席〕
 それからもう一つは、いずれにいたしましても、農林省が養蚕はこれは幹事と申しますか、私どもが養蚕振興を考えているわけでございますので、私どもの責任において決して今後も繭糸価格安定法を廃止するようなことは毛頭ございませんし、また現在世界の生糸、絹織物などの需給関係が非常に過剰傾向にございますので、こういう時代に生糸の一元化を廃止するということもこれもできないと、こういう判断をいたしておりますので、そういう点では御心配の点はないと、こう私ははっきり申し上げられるわけでございます。
#14
○村田秀三君 次の質問にももちろんこれ関係してくるわけでありますが、本当に一元化輸入を撤廃するなどということ、いま大臣のお答えをいただきまして、それを私は信頼をいたしますけれども、これまたあれは五十一年ですか二年ですか、一元化輸入を定める法改正がなされましたときに、ちょうど私農林水産委員会の理事をやっておりましてこれを扱った経過もあるわけであります。これを抜いてしまったんでは、これは繭糸価格安定法を別に損なうものではないといかに答弁、抗弁されても、それはそうでないと言わざるを得ないわけですね。どうぞひとつよろしくお願いしたいと、こう思います。
 そこで、最近の絹関係すべての需給状況、輸入とか何かいろいろ含めて、また繭の生産状況、いろいろと伺ってみたいと、こう思っておりましたが、とりあえず国内の繭生産の動向、私は絹製品の消費動向は先行き決して不安はないと、こういう物の言い方をしたわけでありますが、どうなっておりますか、ちょっとお伺いいたしたいと思います。
#15
○政府委員(二瓶博君) 最近におきます繭生産の動向はどうなっておるかというお尋ねでございますが、四十二年が十一万四千トンの生産でございます。これに対しまして四十九年が十万二千でございますが、五十年以降十万トンを割り込みまして、五十年が九万一千、五十一年が八万八千、五十二年が七万九千、五十三年が七万八千、五十四年は六年ぶりに増産になりまして八万一千ということでございます。したがいまして、四十二年の十一万四千を一〇〇にいたしますと、五十四年の八万一千が七一・一%ということで三割方四十二年からは減っております。
   〔理事林ゆう君退席、委員長着席〕
#16
○村田秀三君 その年次で輸入の数量、これは生糸、絹織物、撚糸、全部含めて換算しなくてはならぬと思うのでありますが、これはどうなっておりますか、輸入の動向は。
#17
○政府委員(二瓶博君) 輸入につきましては、これは生糸の形で入ってくるもの、それから絹糸あるいは絹織物さらに二次製品というような形で入ってくるものがございます。したがいまして、こういうものを生糸に全部換算をいたしまして輸入量というものをながめてみますというと、五十年が暦年で申しますと十六万俵、五十一年が十六万九千俵、五十二年が十五万六千俵、五十三年が二十一万俵、五十四年が十九万俵という俵数になっております。
 それから、先ほど申し上げましたような繭が生産されてこれでもって国産の生糸をつくるわけでございます。一部外国繭も不足の場合は入れることございますが、そういうことでできました生糸の生産量を申し上げますと、五十年が三十三万六千、五十一年が二十九万八千、五十二年が二十六万八千、五十三年が二十六万五千、五十四年が二十六万五千ということで、五十四年の暦年時点では輸入が十九万、これはいろんな形態のものまで含めて糸に換算して十九万、それから生産の方は生糸そのものでございますが、これが二十六万五千、こういうような状況に相なっております。
#18
○村田秀三君 いまは五十年からのお話でございましたが、四十二年ころになりますとずっと数量は少ないんじゃないかと思うんですね、これは。ここに数字はありませんから、いまそこには触れません。
 そこで、片や輸入をせよと言いますし、片や輸入反対だと、これはやはりそういう声がかなり強いことを――養蚕農家それから生糸団体なんかはそういうような要求を持っておるようでありますね。そこで、ここは農水委員会じゃございませんから余り時間をとっておるわけにはいかぬのでありますけれども、ことしの基準糸価を決定する資料を、これは調査室に頼んでいただいたのでありますが、これは農林省の基準糸価を決めるときの参考資料だと思いますけれども、生産費よりもこれ安く決めているわけですね。私は、ここに問題があるんじゃないだろうかと思うんです。そして、繭振興を言っております農水省であるはずでありますけれども、しかし実際問題として、蚕繭の数量というものは去年は五%ほどこれはふえておるというお話も聞いております。ことしも養蚕団体はかなりの目標を置いて努力しようと、こういうことであるようでありますけれども、とにかく養蚕というのは山地につくるほかないんですね。これは平地につくってももちろんいいわけでありますけれども、これは他作物との関係からするならば山岳地帯、それにつくられるという傾向が強いわけでありまして、またそれを奨励していかなければならぬということであれば、価格の問題を抜きにして考えるわけにはいかぬのじゃないかという感じがいたします。
 そこで、今後の国内養蚕の振興の方途について、言葉ではなくて、どれだけ真剣にやるかという問題でありますけれども、それをひとつお聞かせいただきたい、こう思います。
#19
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からお話しございましたように、養蚕につきましては、山村それから畑作地帯等におきます土地利用型農業の基幹的作物となっておるわけでございます。そういたしまして、農業経営上の重要な複合経営作物の一つであるというふうに理解をいたしております。したがいまして、山村地帯及び畑作地帯、こういうものにつきまして養蚕業の振興というものを積極的に図っていきたいと思っております。
 特に、山村地域につきましては、一般的な養蚕経営地規模の拡大なり生産性の向上を図るという角度の高能率養蚕営農型事業という補助事業を仕組んでございますが、こういう事業のほかに、特に菌蕈類なりあるいは畜産との複合経営に着目いたしまして、複合作物が相互に補完し合って収益性を高めるという角度の山間地養蚕営農型の事業という補助事業も考えて実施をいたしております。これらのものにつきましては、一般的な平場の場合に比べまして採択基準等について山村の実情に合ったような措置をいたしておるわけでございます。
 そういうことで、国の一般会計予算によりまして補助事業を仕組んでおりますが、そのほかに日本蚕糸事業団で助成事業が実施できることに相なっております。五十五年度は生糸の需要増進ということも織り込みまして、前年度十億を二十億というふうに増額をいたして、おりますが、こういう事業団の助成事業も活用するということで、国の一般会計によります補助事業並びに事業団助成事業両々相まって収益性の高い養蚕経営の育成を進めまして養蚕の振興をやっていきたい、あくまでも農業の重要な一部門ということに位置づけて振興を図ってまいりたい、かように考えております。
#20
○村田秀三君 養蚕業を見放すことのないようにひとつよろしくお願いをしておきたいと思います。
 ところで、生糸検査所が農林規格検査所に統合されるわけでありますが、この職員の人事配置の問題ですね、これについてはどんなふうに考えておられますかお聞かせをいただきたい、こう思います。
#21
○政府委員(二瓶博君) 生糸検査関係の職員につきまして、今後どう計画的に縮減等を考えておるかということでございますが、今後計画的にやはり縮減を進めたいということで、具体的に申し上げますと、六十三年度当初までに生糸検査部門の要員を百九十人程度までに縮減をいたしたいというふうに考えております。現在時点においてはどのぐらいかと申しますと、五十三年度を一応基準に考えておりますが、五百六十八人の定員でございます。それを六十三年度当初に百九十人というところまで縮減をしたいと考えております。
 このためには、何といいましても配置転換を積極的に進める必要があると考えております。したがいまして、今後当事者はもちろんのこと、受け入れていただきます機関のいわゆる受け入れ側の十分な理解を求めていきたいというふうに考えますし、それとともに、生糸の検査ばかりやってきている方々でございますので、やはり一般事務等につきましての研修も十分実施をしていきたいというようなことでただいま申し上げましたような生糸検査関係職員の円滑な配置転換等を進めていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#22
○村田秀三君 この六十二年度までに百九十人程度にと、こういうことでありますが、これはもちろんこの規格検査所に統合をして生糸の検査部門に携わる者が百九十何人だと、こういうことだろうと思うんですね。そうすると、この検査業務というのは相当に減少するという見通しなわけですね。そんなに急激に日本の養蚕業が衰微するとも考えられませんし、それほど輸入も含めて消費が減退するとも考えられない。だとすれば、まあ先日参りましたときに、主たる製糸工場等には自主検査を云々という話を聞いてきました。ここでその比率をいま言ってみても仕方ないわけでありますが、この自主検査を奨励するか、あるいは養蚕業それ自体が衰微するという、そういう予想でなければこういう数字は出てこないわけですね。
 そこで、申し上げたいわけでありますけれども、まあこれは計画でしょうから、必ずしも業務に合わせて六十三年度百九十人にならなくたってよろしいんだということもあるでしょうから、少なくともこの検査というもの、何かこうがんじがらめに民間の企業を縛りつけると、こういう考え方を持てば私はこれ問題があると思うんでありますけれども、しかし、少なくとも検査があるからこそ養蚕業それ自体もお蚕さんの品質改良から桑の改良から全部やってきたんだろうと思うんですね。それを野放しにして、それは確かに民間企業を信用しないわけではございませんけれども、それが大企業であればある程度理解はできるけれども、中小企業になって、とにかく国費を投じてつくった施設までできるはずがないわけでありますから、ということを考えるとするならば、これはやはりこの計画というものは私は問題視しなければならぬと、こう思います。
 したがって、いわゆる自主検査と言ってもそんなに安易に考えるわけにはまいらぬわけでありますから、つまり国がする検査機関というものをフル回転して、そうしてやはり将来の養蚕業を展望していく、生糸産業を展望していくというたてまえに立たなければ私は非常に問題がある、こうただいまは指摘をしておきますが、これについて農林水産大臣いかがでしょう。
#23
○国務大臣(武藤嘉文君) 正直いま現時点において多少余裕があるわけでございます。そういう点においては、今後とも計画的にある程度縮減を図っていけるんではなかろうかと思っておるわけでございます。
 いま御指摘のとおり、六十三年に百九十人というのを一つの目標に置いておりますけれども、もし非常に生糸の需要がまた盛んになりまして、そしてどんどん検査がふえてくるというような場合は、これはまた考え直さなきゃならない場合はあろうかと思うんでございます。ただ、私どもはいま自主検査も、特にいま御指摘のように中小企業の場合はむずかしいと思うんでございますが、大手の製糸業の場合には相当自主検査をやっていただいている工場も現実にもうあるわけでございまして、そういうところでの処理能力あるいは今後の生糸の需給動向、それからいまわりあいに現在の生糸検査所において余裕の力といいますか、まあある程度余裕があるわけでございまして、そういうものを踏まえてまいりますとまあまあその程度まではいけるんではなかろうかと、こういうふうに考えているわけでございます。
#24
○村田秀三君 それはひとつ慎重に当該労働者あるいは労働組合等の意見もよく聞きながら、結局われわれも納得できるような措置が今後とられるように強く希望をしておきたいと思います。
 ところで、その検査所の問題でありますが、まあちょっと古い話で――古いと言ってもことしの話でありますけれども、ことしの一月の十二日、過酸化水素の使用を禁止した報道がありました。これ、関係業界はショックを受けたと、こういうことであります。まあ業界ばかりじゃなくて、ショックを受けたのは消費者だと思いますね、とにかく発がん性物質を食べさせられていたわけですから。好んで食べたんじゃない、それを食べなけりゃ食べる物がない、こういうことになりますね。食べさせられておった。
 それで、当時の新聞ずうっといろいろと読み返してみたわけでありますけれども、農水省はこの過酸化水素を添加いたしております市中流通の食品を回収することを検討しておる、こういうふうに出ておるわけです。
 まとめて聞きますけれども、この過酸化水素を添加しておりましたかまぼこであるとか、うどんであるとか、その他ありますけれども、この中でJASをとっておった製品、あるいはまあ会社ですか、同じうどんでもとっておるところととっておらないところあるんだろうと思いますね。とってなければ、ない。回収したのかしないのか、これについてひとつお答えいただきたい。
#25
○政府委員(森実孝郎君) 過酸化水素の使用が問題となりました商品としては、ゆでめん、それからかまぼこ、しらす干し等が問題だろうと思います。
 まず、ゆでめんにつきましては、これは実は完全な生鮮品、日配ルートに乗っておる生鮮品でございまして、JAS規格は制定されておりません。かまぼこでJAS規格が制定されておりますのは特殊包装かまぼこだけでございまして、これについてはすでに過酸化水素の使用は規格上認めておりません。かまぼこにつきましては、過酸化水素の使用は、JASの制定されております特殊包装かまぼこについては認めておりません。それから、しらす干しにつきましては、これはJAS規格はございません。
 そういった意味で、実際問題として、JAS相格が制定され実施されております商品で過酸化水素を使用している商品は現在までのところございません。
#26
○村田秀三君 流通されておる関係食品を回収するという、それを検討するという報道がありましたが、それについての措置はどうですか。
#27
○政府委員(森実孝郎君) ゆでめん、かまぼこ等、あるいはかまぼこの一つの態様として各種の製品があったわけでございますが、これらにつきましては、研究グループのいわゆる研究結果が厚生省によって発表された翌日から業界は出荷を停止しておりますし、また、すでに出荷されたものについても回収されておりまして、ほとんど売られておりません。それから、しらす干しにつきましても、現に取引が激減いたしまして、関係業界も出荷をその後行っていないという姿になっております。
#28
○村田秀三君 いま細かに議論している時間がございませんが、いろいろと農水省の方々に聞くわけであります。
 かつて私は乳等省令を改正する議論を農水で行ったことがあります、実際に改正をしたのでありますけれども。とにかく食品衛生法とこの農林規格法ですか、との関係というのは非常に微妙なわけですね。この問題一つとってみて考えることは、使っていいものは、これは厚生省でございます。し、かし、つくって、食品をつくる方の関係になりますと、これは農水省ということになりますね。両省とも国民の安全衛生を確保し、農水省は特に食品の安全について責任を持たなければならないこれ行政官庁であります。こう考えてみますと、申請が出されて検査をして、そしてJASマ―クの使用を許可する。商売する方は信用を得て商売が拡大するということになるかもしれませんが、申請をしないでそのまま流通させておって、そして保健所の手にかからなければそれはそのままだれからも責任追及されないというような姿では、やはり行政としてどこかに欠陥があると私は思うんですね。
 きょうはその問題議論しようと思いましたが、私の持ち時間はあと五分になりましたから申し上げるわけでありますが、農水省はやはりこの検査業務というものについて、厚生省がこうだからというんじゃなくて、かまぼこ一社だけあんた、JASマーク与えて、それで事足りるなんというんじゃなくて、どこのかまぼこだって買ってきて検査をするくらいの積極的なやはり姿を示してもらいたいと思います。
 それと同時に、厚生省とこれ議論しなくてはならぬのでありますけれども、とにかく科学者がこれは発がん性物質でありますよと、BHT以下、五十一年に厚生省の委託研究班が十品目について発表している、そしてこれ禁止しなさいと、こう言っているにもかかわらず、まだそれも禁止されておらないという経過がありますね。まあ一説には過酸化水素を使っている工場は零細である、BHT等使っている乳製品は巨大企業であって、巨大企業が政府に圧力をかけるからこれは禁止にならないで、中小企業だけがいじめられているなどどというような説も新聞に公にされておる。これではいかぬと思うんです。ということで、もっと積極的に私はやってもらいたいと、こう思うんでありますが、どうでありますか。
#29
○政府委員(森実孝郎君) 御指摘のように、化学添加物でいわゆる発がん性の懸念のあるものについては、たとえば過酸化水素のように発がん性の程度と申しますか、必要濃度が非常に高くなければ発がんしないというものであってもこれを禁止していくことが食品衛生の基本理念であり、その決定というものは食品行政としてもしっかり受けとめていく必要があるだろうと思っております。
 御指摘のように、やはり食品衛生行政と品質管理あるいは検査に関する行政の極力統一的な運用を図ることは重要なことだろうと思っております。そのような意味で、一つはJAS制度における承認・認定工場についても施設基準や品質管理基準を決めておりますが、当然これは食品衛生法が予定しております基準と実質的に同一な基準で認定をやっております。これ以外に、さらに登録格づけ機関や国が調査を行っておりますが、この品質管理状況の調査に当たっては、御指摘のような点についても十分配慮いたしまして調査し、指導を行っております。
 さらにチェック、具体的な検査を通じてのチェックの問題でございます。これにつきましては、登録格づけ機関が行いますいわゆる格づけ検査の際に、たとえば大腸菌とかなんとかというふうに食品衛生上問題のある問題につきましては、特定項目を決めまして分析検査を行うたてまえとしておりますし、また国が市販品の買い上げ検査を行っておりますが、この際は登録格づけ機関以上にやはり対象項目を広げまして、添加物、細菌等につきましての分析結果を実施しております。こういった食品衛生にも配慮した統一的運営につきましては、御指摘のように非常に重要な問題と思っておりますので、今後とも強化してまいりたいと、このように思っております。
#30
○村田秀三君 きのうの新聞を見ましたら、とにかく乳幼児の骨折が過去十年間で二倍になっておると、こう見出しでかなり衝撃的な報道がなされておりました。これは間違いなかろうと思うんです。われわれ自身周囲を見てそう感じております。その原因は何かと言えば、運動不足であるとか、あるいは食品添加物の影響であるとか言われておりますけれども、いずれにいたしましてもこれは食品の問題だと思うんですね。これは見逃すわけにはいかぬと思うんです。
 われわれ育ったときに、これは子供のころ母乳で育った。母乳を離れるころには米のおかゆをつくって、それにかつぶしか何かかけて食べさせられたものです。ところが、いま育児の方法を見てみますと、母乳なんていうのは――容姿端麗にしていたいという人間のそういう気持ちはわかりますけれども、初めからやらない人もおるんじゃないでしょうか。やってもものの一週間か十日、後は全部ミルクですよ。そのミルクにカルシウム分が不足しておる。骨格形成の、恐らく目で見て、顕微鏡で見て、そればかりではないところの何かが母乳にある。だとすれば、これは農水省が厚生省よりもいち早く、十年間で二倍の骨折起こすところの乳幼児の骨格形成をやってしまったという反省を私は持ってもらいたいと思うんです。ずいぶんこの添加物の問題でもやってまいりました。そして、自然食品の普及についても発言をしてきた時期があります。これはすべてやはり農水省の責任だと私は思ってもらいたい。そういう立場で私は、つまりこの検査所の機能というものを見直す必要があるし、場合によったら私は、厚生省がこういう基準を出しておりますからそれには逆らいませんなどと言わないで、科学者が十品目これは禁止しなさいと出した、厚生省はそれを禁止しない。しないけれども、実際にその食品に添加されておるとするならばそれの影響調査を積極的にやるくらいまで私は責任を持つ必要があると、こう思っておりますが、農水大臣はどうですか。
#31
○国務大臣(武藤嘉文君) まあ日本のいまの行政機構は縦割り行政でございまして、いまの御指摘は、縦割り行政に多少挑戦をしなきゃならないようなお話ではないかと思うんでございますけれども、私ども、食品衛生の関係はやはりあくまで厚生省の所管ということになっておりまして、今回のいろいろの問題についてもちろん厚生省とも相当議論はやってきたわけでございます。
 いまの御指摘は、発がん性の物質がどうも厚生省ではっきりしなくても農水省はもっとはっきりすべきではないかということでございますが、これは私は率直に言わしていただければやはり逆でございまして、そういうような疑いがあるものならば、やはり厚生省が所管でございますから積極的にいくべきでございまして、私どもの方にそれだけの、なかなか農林規格検査所にも力はございませんし、私どもとしては一番理想を言えば、やはりわれわれは農業を振興しているんでございますから、余り心配のある農薬も使わないように、また添加物についてもできるだけ心配のあるものは使わないようにというのが私どもの立場ではなかろうかと思うんでございます。ですから、こういう添加物があるからというんじゃなくて、なるべく添加物をしなくて農業でつくったものを極力食べていただけるようにするというのが私どもの立場であろうと思いますので、そういう方向で努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
#32
○村田秀三君 自然食品のこれは使用といいますか、運動について大分理解を示されたようにも思いますので、これを積極的にひとつ農政の中で具現してもらいたいと思います。と同時に、この種の問題は、政府部内の意思不統一などとは言いません、これは競合する機関があっていいんです。大いに農水省と厚生省はけんかをしてもよろしい、こう私は思います。まあそれ以上の答弁はでさなかろうと思いますからきょうはやめておきますが、いずれまたやります。
 ところで、この規格検査所が生糸検査所の方々を収容して、陣容は増加するわけですね、まあそう大きくはなかろうと思うんでありますけれども。で、いろいろと聞きますると、検査業務も大事であるからならすためには研修もしよう、ひとつ、つまり何といいますか、主役にはなれないにせよ、わき役といいますか、そういうことでよくなれていただいて、融和を保って円満に運営していきましょう、こういうのがこの前調査に参りましたときの所長初め局長等の答弁でもありました。
 そこで、いま私が規格検査所の問題について申し上げましたのは、きわめて国民生活にとって重要であり、しかも永久に日本民族の将来を展望して重要であるから――これはもちろん民間の製造業者を私は疑ってみたりするものでは決してございませんけれども、つまりこうした競争の社会ということになりますると、えてありがちなことであります。百人のうちたった一人がそういう考えになる、あるいは考えがなくとも間違って使うということになるとこれは大変な問題になるわけでありますから、事は重大であり、これを積極的に進めるという立場に立って考えてみた場合に、決して生糸検査所から統合されてまいりますその方々に対して、人がふえたから仕事をふやすという考え方ではなくて、当然仕事はあるんだと、その仕事を遂行するために陣容を整えたんだというような観点に立って私は今後考えてもらいたい、こういうことを強く申し上げるわけでありますが、いかがでございますか。
#33
○政府委員(森実孝郎君) 規格検査所のこれからの組織や機構のあり方の問題、あるいは業務のあり方については、毎年予算その他を通じて決定していかなければならないわけでございますが、やはり御指摘のように、消費者の関心の高まりに対応いたしまして消費者行政の充実を図っていかなきゃならぬ。さらに、何といっても食品産業は中小企業の多い分野でございますから、やはり品質管理に関する企業態様の充実を図っていかなきゃならぬ。そういう点を考えますと、やはり検査を中心にした品質管理の技術センターとしての農林規格検査所というものにつきましては、これからも機構、人員とも確保し、充実をしていかなければならない状況にあると思います。具体的な社会的ニーズを受けとめまして、そういった機構の整備、人員の確保を図ることを配慮するわけでございますが、そういった中で、やはり人員の積極的な転換と申しますか、活用という問題についても積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
#34
○国務大臣(武藤嘉文君) 農林規格検査所の、特に消費者行政という面においての役割りは今後とも大変重要になることは当然でございまして、そういう面において、必要に応じて私といたしましても充実に努力をしてまいります。
#35
○田代富士男君 今回の農林水産省設置法の一部改正は、御承知のとおりに、全国民から求められている最大の課題であります行政改革の一環として行われるものでございますが、その内容は、ただいまも種々論議されましたとおり、生糸検査所を農林規格検査所へ吸収統合するとともに、農林規格検査所の所掌事務を整備するというものでございますが、これまでの生糸検査所が持つ機能を農林規格検査所が受け継ぐというだけであるならば行政改革の名に当たらないと思うのでございます。
 そこで、まず初めに、この改正を機に農林水産省は、現在の国立ないしは指定検査と民間の自主検査、二本立ての生糸検査体制のあり方を今後どのように合理化していこうとするのか、特に行政改革の観点から最初にお伺いしたいと思います。
#36
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からお話しございましたように、現在生糸の検査につきましては、三本立てというかあるいは二本立てというか、検査機関が多々ございます。まず一つは国立の生糸検査所、これで検査をする国営の検査、それから指定検査所ということで財団法人なりあるいは県みずからが検査をする、そういう検査というものと、もう一つは、製糸工場みずからが自主的に検査をするという自主検査とございます。
 ただいまのお話は、国立ないしはそういう指定検査機関による公営的な検査と民間の自主検査、この二本立てというのを今後行政改革の観点からどういうふうに合理化していくのかというお尋ねでございます。
 私たちといたしましては、これはそれぞれの特色がございます。国の方は、これは何といいましても長年の実績もございますし、検査水準も相当高いわけでございます。生糸価格の形成なり全国の流通というのは、この検査所の検査を基礎として行っておるわけでございますので、今後農林規格検査所に統合されましても、やはり中核的なものとして、検査数量はたとえ少なくとも、ここが中心でやっていこうという感じは持っております。それから、指定検査所の方につきましても、それぞれ地場のいろんな流通との関連等もございまして、国営検査を補完するということでやはりできておりますので、新設ということはここは考えられないと思いますが、一応そういう形で必要なものはやはり残っていくであろうと、あとは自主検査でございますが、これは工場みずからがやっていくわけです。
 そこで、一体この三つあるいは大きく言って民間とその他の二つというのをどう持っていくかという際に、私たちの考え方といたしましては、行政改革の観点もございますし、いわゆる自主検査を伸ばしていきたいというふうに考えております。ただ、この自主検査は、私たちの見通しとしては大体六十三年度ごろに、現在大体七%程度の検査数量全体のウエートが自主検査の対象になっておりますが、五割ぐらいまでは持っていくかなと思っておるんですが、そこまで本当に持っていけるか、考え方としては最大限努力してもそのぐらいかなという感じをいたしております。と申しますのは、大工場の方は検査設備なり検査人員を抱えましても、これが生糸のコストにそう響かないわけでございますが、零細中小の製糸工場等におきまして、それぞれが検査設備を持ち、検査要員を抱えるということは相当のこれは経営的な負担になりますので、自主検査を積極的に伸ばすにいたしましてもおのずから限界があるというふうに考えております。
 したがいまして、将来、自主検査が相当進めば国営検査の対象数量も減ってくるということで、先ほど申しました六十三年度当初までに百九十人というふうに言いましたのも、そういうような観点に立ってでございます。ただ、国営検査はやはり中核のものでございますので、りっぱな検査ができますように、そういうかっこうでの要員確保をいたしたいというふうに考えております。
#37
○田代富士男君 次に、近年、生糸の生産数量並びに輸出数量の減少傾向が続いております、これは御承知のとおりだと思いますが。特に昭和五十年以降、輸出数量はついにゼロを記録しております。生糸検査所の統合もまたやむを得ないとは思うが、全国には約二十万の養蚕農家がおられるわけでございまして、また、ただいまもこの委員会で質疑が行われました矢野通産次官の発言に抗議する集会には関連業界代表が七千名も集まったというこのことを聞いておりますが、その関連業の、このような業としていらっしゃる皆さん方もこれだけ多くいられることは明らかでございますから、これらのこともまた忘れてはならないと思うのでございます。
 そこで、行政改革の実を上げるとともに、関連業界の保護、育成をいかに図るかがこれからの重要な施策になるのではないかと思います。この点は農林水産大臣の方針を伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(武藤嘉文君) いま局長からもお答えをいたしましたように、今度の法律の改正は、いま御指摘のように生糸の輸出が五十年以降ゼロになってしまったこと、また正直、生糸の自主検査も相当進んでまいりまして、国営の生糸検査量が減ってきたということ、こういう点において行政機構の改革の一環として考えたわけでございます。それが必ずしも養蚕農家を否定するようなことには結びつかないわけでございまして、この点は私どもはよくぜひ御理解をいただいておきたいと思うわけでございます。
 私どもといたしましては、日本の養蚕業の今日までの役割り、また現時点においても農山村あるいは畑作地帯、ここにおいてのやはり基幹的作物として定着をしておるわけでございますし、あるいは複合部門として今後とも養蚕というものが農業の中で十分位置づけられていくと考えておるわけでございます。
 ただ問題は、しかしながらそういうことではございますけれども、やはり養蚕業の振興という点から考えますと、養蚕の生産性をもっと高めていかなきゃならぬということも、これは当然国民に対して私どもは行っていかなければならない施策だと思っておるわけでございまして、たとえばいまの予算の中でも高能率養蚕営農団地の育成であるとか、あるいは山村地域における養蚕の営農の育成であるとか、いろいろと生産性の高い効率のよいひとつ養蚕業になっていただくための施策を進めておるわけでございます。そういうようなことは今後とも私どもは十分努力をしていかなきゃならないし、その点は養蚕農家もぜひ御理解をいただきまして、近代化、効率的なひとつ繭生産には取り組んでいただきたい、こう考えておるわけでございますけれども、そういう気持ちと私どものこれから進める政策とがそういう形で一致してまいりますときには、今後とも養蚕業というものは日本の農業の中で重要な一分野として十分私は活躍をしていただけるものと思い、私どももそういう方向に努力をしてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#39
○田代富士男君 次に、農水省のJAS規格についてお尋ねをしたいと思いますが、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律の立法趣旨について、まずお尋ねをしたいと思います。
 時間の制限がございますから、御答弁も丁寧でありがたいんですが、要点のみお願いをしたいと思います。
#40
○政府委員(森実孝郎君) 現在のいわゆるJAS法におきましては、食品等の農林物資につきまして、品質の基準と表示の基準を内容といたしますJAS規格を定めて、第三者の検査により規格に合格したものにはJASマークを付せられる。これを通じて品質の改善、取引の単純、公正化というものとやはり消費の合理化に資していきたいと考えているわけでございます。
 第二のポイントは、いわゆるJAS規格が制定されている農林物資でも必ずしもJASマークが付せられるわけではございませんので、特に必要なものについては、消費者の経済的利益と申しますか、購入への手引きといたしまして品質に関する表示の適正化を図る必要がある加工食品等につきまして、やはり品質表示に関する基準を定めておりまして、JASマークがないものでも、こういったものについては消費者の消費選択が可能になるよう配慮しているわけでございます。
 これが現在のJAS法の概要であり、ねらいでございます。
#41
○田代富士男君 ただいま御説明がございましたとおりに、JASは大いに活用されるべきものでなくてはなりませんが、JASが食品製造業者に実際どの程度活用されているのか、掌握していらっしゃる範囲内、御答弁願いたいと思います。
#42
○政府委員(森実孝郎君) 現在、JAS規格が制定されているものは四百三規格と、かなり広範にわたっております。
 それから二番目に、消費者自体はJASマークについてはほとんどすべての方がこれを知っているという状況まで達しております。
 普及率でございます。これについては、たとえば即席めんとかしょうゆとかドレッシングとか油脂とかマーガリンとか調味料とか、そういったものは大変高い普及率で、八割、九割、一〇〇%というふうな普及でございますが、どうしても小企業の乱立している品目とか伝統的食品とか、それから非常に食品に種類の多いものについてはなおJASマークの普及度が低くて、たとえば六%とか一割とか、こういったものもあるわけでございます。
#43
○田代富士男君 では具体的な問題でお尋ねしたいと思いますが、まず、塩蔵ワカメの日本農林規格、特にその中で、品質に関して食塩含有率並びに表示の方法について御説明を求めたいと思います。
 また、それと同時に、塩蔵ワカメのJAS規格の受検率、また実施状況についても御答弁いただきたいと思います。
#44
○政府委員(森実孝郎君) 塩蔵ワカメにつきましては、実は五十三年の六月の二十九日に規格が制定されております。格づけが実施されましたのは五十三年の十二月でございます。
 品質の基準といたしましては、肉質とか色沢、香気、形態等が良好であること、カビがないこと以外に、水分含有率が六〇ないし六五%以下、食塩については四〇%以下というふうなことを決めて、表示でもそれを表示することとしているわけでございます。しかし、普及率は大変まだ低うございまして、いわゆるJAS格づけになじむと申しますか、こういう小袋包装のものについてはこれが全体の過半量あると思いますが、これが四%程度であり、いわゆるバラ売りのものについては受検率はきわめて低く、全体としてはなお二%程度と、最も低い受検率になっております。
#45
○田代富士男君 ただいまも御説明いただきましたが、日本ワカメの協会加盟業者が私の調べでは約三百社あると言われておりますが、そのうちJAS認定工場は五十社にすぎない。しかも、このJAS認定工場からJAS規格製品を出している割合となりますと、私が調べたのでは実施当時二〇%、三〇%であったということでございますが、現在では、ただいま局長から御説明がありましたとおりに全体の二%ぐらいである。中には認定工場でありながら全くJAS規格製品を出してない、そういうような業者もいると言われている。これは問題ではないかと思うわけなんですが、まだ普及率が低いとか、そういうことを言っている段階ではないと思うんです。このように決められているにもかかわらず、塩蔵ワカメについてJAS規格が活用されない原因は何であるのか、まずこの点を明らかにしていただきたいと思います。
#46
○政府委員(森実孝郎君) まさに先生御指摘のような数字の現実であることは否定いたしません。最もJASマークの普及率の低い商品でございます。実際問題として、実施後まだ一年程度しかたっていないということ。それからワカメ自体がやはり伝統的食品でございまして、きわめて零細なメーカーによって塩蔵ワカメもつくられている、そういったことが重要な理由ではないかと私ども考えているわけでございます。
#47
○田代富士男君 いま局長、多分御答弁は伝統的な商品だからと、そのように御答弁されるだろうと思いましたけれども、これは実情を局長御存じですか、実情を。私はここにワカメを買ってきていますこれ、全部買ってきておりますこれ、いま大臣はトイレへ立たれましたけれども。こういう買い物に行かれたことがございますか、まずそれからお尋ねする。
#48
○政府委員(森実孝郎君) 私的体験ではなはだ恐縮なんでございますが、私、従来前のポストにおりましたとき、実は塩蔵ワカメの規格をぜひつくりたいと、表示基準をつくりたいと、これは実は韓国産と内地産との競合問題という問題がベースにございまして、要望した経過がございます。その後も実は、私職業柄かなり努力して食品の買い物は自分でやっております。ワカメについても先生から御指摘があった話を伺っておりまして買ってみました。表示は全然ついておりませんでした。
#49
○田代富士男君 いま局長がおっしゃるとおりに、これは買ってきた場所も明確にしておきます。この近くです。一つは私が麹町の宿舎ですからそばにありますサクライというところから、スーパーです。それから青山のピーコック、それから四ツ谷の青楓、その三店で買ってきております。会社の商品名まで申し上げますとかわいそうですから、買った店だけを申し上げておきますが、まず第一番目、これは四ツ谷の青楓で買ってきたこれでございますが、「生わかめ」と書いてある。これは食塩含有率が六〇%になっています。明記されている。これは六〇%と書いてありますが、こうやって透かしてみますと前は四〇%と書いてあった。これはJAS規格のためにつくった包装紙なんです。それに六〇%と書いたのが上に張ってある。JAS規格ではない、これは。いま大臣トイレへ立っていらっしゃるところから始めているんですこれ、買い物をしてきたワカメです。これいま話したとおりです。それから、これはピーコックで買ってきた生ワカメです。これも五〇%です、五〇%。それから、これも同じくピーコックで買ってまいりました。これも明確に五〇%です。それからこれも生ワカメ、これも五〇%です。ここまではそのような食塩含有率が明記されておりますが、この五番目の、私はこれ数字五番目と書いてあります。商品名は差しさわりがあるでしょうから、これは「くきわかめ」と書いてあります。これには食塩含有率も書いてありません。
 それから、JAS規格では、賞味期間というものが九十日もたない場合には明記するようにと言ってありますが、これはその期日すらも書いてないんです。だからこれはピーコックへ行って買ってください。買ってくればわかるんです。それからこれは麹町のサクライで買った生ワカメ、これも同じく食塩の含有率も賞味期間も書いてありません。これも書いてない。同じくこれもサクライで買った、これも食塩含有率、賞味期間、書いてない。六種類のワカメ、これは現実にここに持ってきたんですから。いま御説明がありましたけれども、このような実情になっております。
 このJAS規格ができた経過については、いま局長からお話しになったとおりでございますが、こういう意味でJAS表示では許されないものばかりです。業界ではどうかといいますと、いま自主規制を図って、権威のあるJASを敬遠している節がある。これは、消費者側の立場から言うならば断じて許すわけにはまいりません。しかし、現実はこのような状況でございまして、私はワカメだけを取り上げましたが、ワカメだけではない、かつおぶしからその他の水産物に至るまで、ある品目はこのJAS規格を無視した傾向がなされている。こういうことは消費者の立場から言うならば断じて許すわけにはいかないわけなんです。そういう一般消費者の信頼を得るためにも、農水省といたしまして、JAS規格のこういう実情がどうなっているのかという総点検を私はやるべきではないかと思いますが、農林水産大臣いかがでございましょうか。
#50
○国務大臣(武藤嘉文君) なかなか非常にむずかしいのは、JAS規格というのは確かに、消費者に対して品質表示をいたしましてできるだけ消費者の利便を図るようにしなきゃならないということで法律もあるわけでございますけれども、いまのたとえば、私ちょっと中座をいたしましたが、ワカメを例にとりましても、きっと工場は相当数が多いんじゃないかと思うんでございます。ところが、JASの認定を受けていない工場から出している場合の方が多いんじゃなかろうか。そういう点で非常に、JAS規格の認定工場じゃなくて出てきておるために、必ずしも私どもの監督が十分行き届いてないということになって、そういう御指摘のことが現実に行われているんではないかと私は思うわけでございます。
 そこで問題は、しかし消費者の側から考えれば、いま御指摘のございましたように、消費者の方からはそんなことはよくわかりませんから、みんなどれだって当然表示があるものと思っておるわけでございまして、そういう点をどういう形でいくかということでございますけれども、できるだけやはり私ども行政指導をいたしまして、極力認定を受けるような方向に行政指導するということが、まあ私どもとしてできる範囲ではなかろうか。あわせて、私どもの役所なりあるいは経済企画庁の国民生活局なり、こういう点から、より消費者にも理解を求めて、そういう表示のないようなものは極力購買をしないような形にしていただけるならば大変ありがたいんじゃないかと思いますけれども、私ども決して逃げるわけではございませんが、われわれの行政指導だけでは完全になかなかできにくい点もあろうかと思いますので、私どもも努力をしてまいりますが、そういう消費者行政の面でほかの役所にも御協力をいただいて努力をしていかなきゃならぬと、こう考えておるわけでございます。
#51
○田代富士男君 それから、JAS規格の中では、ここに含んでいる量の多い順番から明記しなさい、このように規格で規定されているわけなんです。しかしこれを見ますと、この私が一番最初に、生ワカメです、これは青楓で買った品物です。これはいま申すとおりに、食塩含有率が六〇%となっている。六〇%の含有率というのは半数よりも超えているわけなんです。これが一番に書くべきですけれども、順番にこれは書かれてない。行政指導、行政指導と言われるけれども、現実に、とってこれを見てくださいよ。JAS規格の製品でないものが流通しているとか、いろいろ、伝統的食品であるからと、そういうことも、これはいまさつき同僚議員である村田委員からも質問があったけれども、このものと通ずるところありますけれども、これを他の省庁と関連があることも私も議員である以上知っておりますけれども、少なくとも、農水省として決めた以上は農水省としての取り組みをやるべきじゃないですか。よその省もあるから御理解いただきたいと言うより、農水省としてはかくやるんだという決意はどうですか、大臣。
#52
○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもでは、先ほど申し上げましたのは決して逃げるつもりではないと申し上げたわけでございまして、私どもとして極力努力をしてまいります。ただ、私どもだけで補い得ない点もありますので、そういう点はほかの役所にも協力を求めたいと、こういうつもりで申し上げたわけでございますので、御理解をいただければありがたいと思います。
#53
○田代富士男君 ではワカメの問題はこの程度にいたしまして、次はコンポストについてお尋ねをしたいと思います。
 昭和四年の恐慌、さらに戦後の食糧難の時代を終えまして、一億一千万人を超す人口を擁する現在に至るまで、わが国の農業を支えてきたのはまぎれもなくこれは生産者の皆さんであると、それと同時に、化学肥料によって生産されたものであることは御承知のとおりでございます。しかし、狭い国土に多くの人口を抱えるわが国にありまして農業の集約化は必然の方向でありまして、その集約農業のための化学肥料政策を強力に展開してきたのも農林水産省であることは間違いない事実でございます。しかし、同時にこのことが土壌やあるいは大気、そして農業を営む人々やその供給を受ける多くの国民にどのような影響を与えているかということもまたあわせて考えていかなくちゃならないと思うんです。
 まず最初に、化学肥料のもたらした恩恵と、それとともにその反省点につきまして、最初に農林水産大臣から御答弁をいただきたいと思います。
#54
○国務大臣(武藤嘉文君) 化学肥料は、食糧の生産にとって今日まで不可欠の生産資材であったと考えております。化学肥料が非常に普及されてきたために相当収穫量が上がってきたことも事実でございます。ただ、しかしながら、化学肥料の施肥が余りにも大き過ぎたために地力が低下してきたことも私は否めない事実であろうと思います。そういう点においては、化学肥料というものについては、恩恵もあったけれどもまた反省をしなきゃならない点もある。こういう点においては今後地力をより強化をしていくためには、有機肥料その他有機物の活用なども、あるいは堆肥といったようなものの活用なども私は考えていかなきゃならないんではなかろうか。やはり余りにも一方的なものだけをやっていくと、一面、非常に問題はいい面もありますが、マイナス面も出てまいりますので、今後はそういう点を総合的にうまく考えてやっていかなきゃならないんではなかろうかという反省もいたしておるわけでございます。
#55
○田代富士男君 ただいま、化学肥料は恩恵もあったけれども反省しなくてはならない点もあったということでございますが、まさしく化学肥料一辺倒の今日の農業がどういう問題を引き起こしたか、いろいろ言われておりますが、時間も制限がありますから、いろいろ出ている声をまとめますと、まず第一番目には消費者、特に主婦の声といたしまして、最近野菜や果物の品質が落ち、味もなくなり、色つやや香りすらもしなくなったということが言われております。
 第二番目には、専門家の間では野菜、果物に含まれているビタミンその他の栄養の含有量が以前より少なくなってきておる、これは化学肥料の影響であるのではないかという指摘がされております。
 三番目には、野菜の価格高騰の原因の一つに、天候の変化によって起こる病虫害が生産減を招いているということが指摘されておりますが、それは一応表面にあらわれた問題でございまして、これは化学肥料による地力低下のためではないかと思われます。
 四番目には、最近の研究によれば、魚と野菜と同時に食べると発がん物質を生成するということが判明してきていると言われております。特に化学肥料によってつくられた野菜が疑わしいと言われておるわけなんです。
 こういうような私なりにまとめた四つの問題点がございますが、この中で、四つとも大事な問題でございますが、きょうは特に三番目の問題、特に野菜の価格高騰の原因は天候の変化によって起こる病虫害が生産減を招いていると指摘されたところです。これは化学肥料による地力低下のためであるという問題点と、四番目の野菜とがんの関係についてお尋ねをしていきたいと思うわけでございます。
 農林水産省は、地力の低下に関して二十年の歳月と莫大な費用をかけまして今日まで調査をされてきたと思いますが、まず第一番目に、なぜ地力調査なる調査を行わなければならなかったのかという点。第二番目には、その調査結果の概要を聞かしていただきたい。三番目には、低下した地力の回復についてどのような対策を講じてきているのか。四番目に、なお地力調査に要した費用はどれくらいかかったのか、お聞かせいただきたいと思います。
#56
○政府委員(二瓶博君) まず第一点の二十年かけて地力調査をやったというその理由でございますが、先生お尋ねの地力に関する調査はいろいろ現在もやっておるわけですが、ただいま先生御指摘の調査というのは、これは地力保全基本調査のことではなかろうかと、こう思っております。で、この調査は、要するに土壌のあるがままの姿を把握をして、その実態認識に立って土壌を総合的に改良することが農作物の生産の増大を図るという観点からもぜひとも必要である、こういう観点に立ちまして昭和三十四年度から二十年間にわたって実施したものでございます。
 それから、第二点の調査結果ということでございますが、土壌のあるがままの姿でもって作物の生育に障害の少ない性質のいわば優良土壌といいますか、そういう土壌の面積は、水田におきましては全体の六一%、それから普通畑は一二%、それから樹園地では三六%という調査結果と相なっております。もちろん、これ以外の土壌も耕土培養なりあるいは酸土矯正等をやれば大部分のものは普通に生育させることができるわけでございますが、いわゆる土地のあるがままの姿で見ますれば、ただいま申し上げましたような調査結果に相なっております。
 それから、次にこの間に要した費用は幾らかということでございますが、この地力保全基本調査実施につきましては、総額二十七億三千七百万円の補助金、これを都道府県に交付をいたしたわけでございます。
 以上でございます。
#57
○田代富士男君 窒素肥料として今日まで広く使われてきたのに硫安があるわけなんですが、この硫安は、御承知のとおりに、畑の中で硫酸とアンモニアに分解いたしまして、そのうち硫安が残り、土壌が酸性化いたしまして農作物に悪い影響を与えるということでございます。そこで、中和剤として石灰を投入いたしますけれども、厄介なことにこの石灰が土壌を固くすることになり、これによりまして土壌が無機質化いたしまして土壌の死を意味しているわけでございます。その結果、野菜が天候の異変による影響を受けやすくなりまして病虫害に冒されてしまうと、それを防ぐために農薬を使うという悪循環が繰り返されてきているわけでございますが、その抜本的な対策は、何といっても土壌に有機物を投入すること以外にないと思うんですけれども、農林水産省としてはこの点どのように考えていらっしゃいますか。
#58
○政府委員(二瓶博君) 化学肥料の施用という問題もこれは農業生産上欠かせないわけでございますが、やはり施用いたします際には、それぞれ各地域によりまして県の方で施肥基準を地域に即して立ててございます。したがいまして、そういう施肥基準を遵守した姿で施肥をやってもらうということが必要であろうかと思います。過度の化学肥料の投与というのは、先ほど大臣からも申されましたように、やはり反省すべき点はあろうかと思います。
 それとともに、化学肥料を投与するほかに、やはり地方対策ということで有機質、堆厩肥等の有機物の施用がどうしても肝要でございます。したがいまして、施肥に当たりましては、先ほど申し上げました施肥基準にのっとった化学肥料の投与と、それと堆厩肥等の有機物の併用というのをこれを積極的に進めてまいりたいと、かように考えております。
#59
○田代富士男君 次に、いまさきも質疑が行われていた問題に少し関連がございますが、食品の発色剤と防腐剤として、少量でありますけれども、昔から使われていたのに硝酸塩があるわけでございます。この硝酸塩については昭和四十六年、タラコの発色剤として使われないようにされましたが、それはタラコの体質に伴いまして第二級アミンが増加いたしまして、これと防腐剤として使われている硝酸塩が反応いたしまして発がん物質のジメチルニトロソアミンを生成するということもあったようでございますけれども、最近の研究によりますと、われわれ人体の唾液の中に亜硝酸塩が検出されております。そのメカニズムが解明されているところでございますが、もしそうだとしたならば、亜硝酸塩はPH三・四の胃内部において同時に食べた魚肉類の第二級アミンと反応しまして、タラコでいま話しましたジメチルニトロソアミンが生成されるおそれがあることになるわけでございますが、またこれと別個の研究によりますと、硝酸塩の摂取量は必ずしも悪性新生物、つまりがんによる死亡率に影響を与えるという報告もありますけれども、このような概況をどのように受けとめていらっしゃいますか。これは厚生省の分野と思いますけれども、御説明願いたいと思います。
#60
○説明員(斎藤乃夫君) 御説明をいたします。
 硝酸塩の濃度の高い食品を摂取いたしました場合、硝酸塩はほとんどは尿中に排せつされるわけでございますが、一部は、ただいま先生がおっしゃいましたように、口腔内の唾液中に分泌されまして、硝酸イオンが口腔内の微生物によりまして亜硝酸に還元をされます。これが魚肉等に含まれておりますアミン類と胃の中で反応いたしましてニトロソアミンを生成する可能性があるということにつきましては、一部研究論文等で報告されているところでございます。
 また、先生の御指摘がございましたように、二トロンアミンの生成反応の一番適したPHは三・四付近であることは学会で報告されておりますわけですが、試験管内実験で人の胃液中でジエチルアミンと亜硝酸ナトリウムを加えましてジエチルニトロソアミンの生成量を測定した結果、〇・五マイクログラムというごく微量のジエチルニトロソアミンの生成が認められたという報告もございます。また、ウサギの実験におきましても同様の結果が出ていることも報告されております。なお、胃内での反応物質の停滞時間がきわめて短いため、動物実験で実際問題としてニトロソアミンの生成はほとんど無視してもよいという報告もございます。
 最後に、悪性新生物による死亡率と食事からの硝酸塩摂取量との関係についてでございますが悪性新生物による死亡率の高い地域と低い地域との間には硝酸塩の摂取量に有意の差はなかったという報告もございます。
 これら硝酸塩とニトロソ化合物に関する研究につきましては、現在自然界並びに生体内におけるニトロソ化合物の発生機構及び生体に及ぼす影響等について研究が進められているところでございます。
#61
○田代富士男君 まあ、これは専門的なことになりますし、私もその道の専門家ではございませんけれども、要するにこれはまだ研究中であって、いろいろなデータが出ておるけれども、われわれ人体にも影響があるということは否定できないことでございます、これは。そういう影響がないというデータもあるかと思いますけれども、われわれはそのように受けとめて対処していかなくちゃならないと思いますが、こういう立場から見ますれば、長年にわたりまして、化学肥料の多投によります土壌その他に対する影響というものが各方面に芽生えつつあります。これ、重大な問題でありまして、放置するわけにはまいりません。
 そこで、わが国の農業が、じゃ簡単に有機農業に転換していけるかと言えば、これもまた困難なことではないかと私も思っておりますけれども、しかし少々困難なことがありましても、国民の命と健康を守り、また栄養を確保し、土壌汚染を防止していかなくちゃならない。そういう意味から、化学肥料一辺倒を改めて有機肥料併用の方向に転換をしていかなくてはならないのではないかと思うわけなんです。いまさき、悪循環を繰り返しているために、農薬を使うということに対しましても、いまさきの同僚議員の質問に対しても、農薬を使わないように、これが農水省の立場であるという大臣のお答えもあったようでございますけれども、いま、このような有機肥料併用の方向への転換もやっていくべきではないかと思います。大臣、いかがでございますか。
#62
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどからお答えをいたしておりますように、私ども化学肥料一辺倒ではいけないという反省には立っておるわけでございまして、極力有機質のものも併用していきたい、こういう考え方でまいりたいと、こう考えて、今後ともその方向で努力をしてまいりたいと思います。
#63
○田代富士男君 では有機物の土壌への還元、これ、いままでどのように努力をされてきたのか、今後の決意はもう聞きましたけれども、その点、局長からでも結構です。
#64
○政府委員(二瓶博君) 有機物の土壌への還元等によります土づくり、これは非常に大事なことなんでございますけれども、どうも近年農業労働力の減少等によりまして、必ずしも十分な有機物の施用が行われていないというのが率直に言って現状でございます。
 したがいまして、これに対処いたしますために、まず一つは、昭和五十年度から全国的に土づくり運動というものを関係機関あるいは農業団体等の協力を得て展開をいたしております。これは中央においていろんな協議会等をつくってやるだけでございませんで、県なり、そういう末端の段階までこういう運動を強力に展開をいたしております。そういたしまして、農家の土づくりに対する意欲の高揚をやっております。それとともに、あわせましてやはり堆厩肥等を、各農家ごとでなかなか最近生産できない場合もございますので、そういうものを集中的に農協等によって生産をする。また生産したものを圃場に機械によって散布する、そのための機械なり施設を助成をするというようなこと。あるいは畜産農家と耕種農家、これが昔はよく牛耕馬耕で、同じ耕種農家がそういう家畜を飼っていたわけですが、最近はだんだん分化をいたしておりますので、畜産農家との連携によりまして耕種農家の方で有機物の増投を行う、そういう一つの仕組みをつくる、この面についてもいろいろ助成をやるというようなことでかねてから助成をやってまいっておりますが、今後ともこの地力の問題につきましては、さらに実効が上がるように助成その他の拡充等につきましても意を用いてまいりたい、かように考えております。
#65
○田代富士男君 いま土づくり運動等をやって努力をしているということでございますが、そういう土づくりの一環とも言うべきかどうかは、これは当たらないと思いますけれども、大きい意味で言うならば、それに当たるのが廃棄物処理の一環としてこれまで取り組まれてきたコンポストの問題ではないかと思うのでございます。
 このコンポストの問題につきましては、四十年ごろまでに全国に三十ケ所もコンポスト施設が設置されておりましたけれども、現在では相当に減少いたしまして、一時期は七ケ所にまで落ち込み、その後多少増設されて、現在では十二ケ所までになっているということを私は調査をいたしまして掌握をしておりますけれども、なぜ三十カ所あったものが減少し、いままた増設されつつあるのか、この間の実情をお聞かせいただきたいと思います。
#66
○説明員(杉戸大作君) お答えいたします。
 御指摘のように、コンポスト施設は四十年代から減少傾向にございまして、現在十二カ所でございます。この原因といたしましては、コンポスト製品の流通が円滑にいかなかった点、それからごみ質が変化いたしまして、特にプラスチック系統のごみの混入量が多くなった点、それから電池とか螢光灯など重金属を含んだそういう廃棄物が増加した点でございます。ほかにガラスの破片などが混入いたしまして、施肥中に手を負傷するというようなことがございますし、それからコンポスト施設からの悪臭の発生、それから貯蔵、運搬の問題、そういった点が一つ施設が伸びなかった原因でございます。しかしながら、最近になりまして、ごみに対しますそういう住民の協力、あるいは分別技術の開発等が進歩しておりまして、有機肥料のニーズの高まりもありまして、設置数が若干増加傾向にございます。
#67
○田代富士男君 この問題につきまして、厚生省が補助金を出しましてこういう対策を講じていこうと、このようにかかったけれども、長続きをしないでつぶれていったということは、私たちの立場で言うならば、これは決算委員会の立場で言うならば、補助金のむだ遣いというようなことを言われても仕方がないのではないかと思うわけでございますが、それはそれといたしまして、その背景には、農業の側にコンポストに対する対応が十分整ってなかったということも挙げられるのではないでしょうか。コンポストの流通がうまくいかなかったとかいうこともありますけれども、農業側にも責任の一端があると思うのです。
 厚生省は、コンポストについてどのように今後取り組んでいくのか、この状況、取り組むことに対する施策を御説明いただきたいと思います。
 また、ただいま厚生省の方から御説明をいただきましたコンポストの原料のうちの家庭ごみについてでございますが、これは御説明ありましたが、電池だとか、かんだとか、ビニールだとか、石こうだとか、こういうようなものがまざっていた場合には非常にやりにくい面もあるかと思いますけれども、聞くところによりますと、入手を借りずに除去する質のよいそういう機械もできたというようなことを聞いておりますけれども、コンポストを生産する技術が次第に開発されつつありますけれども、この見通しについてあわせてお尋ねをしたいと思います。順番にお願いします。
#68
○政府委員(二瓶博君) コンポストが伸びないという面については、農業サイドの方でもいろいろあったのではないかというようなお尋ねでございますが、都市には、ただいま先生お話ございますように、都市ごみなりあるいは下水汚泥というような大量の有機物があるわけでございます。したがいまして、これを農村に供給をして田畑に施用するということは、これは考え方として、農林水産省として何ら異論はないわけでございます。
 ただ、コンポスト等が農業サイドの面で、相当前に三十カ所もあったものが減ったいろいろ理由は、厚生省の方からもお話があったわけでございますが、都市ごみ等にはガラスなり乾電池みたいなものまで來雑物がいろいろ入っておるというような問題、それから重金属――亜鉛とか鉛とか水銀とか、そういう重金属類等土壌汚染の原因となるような物質が含まれている場合が大いにあり得るわけでございます。したがいまして、都市サイドの方で重金属類等の危険物が全く混入することのないような措置をとっていただきまして、これは絶対安全だという、そういう安全性が確認されたものにつきましては大いに積極的に農村で活用すべきではないかというふうに考えられるわけでございます。
 農林水産省といたしましても、いろいろ調査研究を関係省庁との連携もとりながら現在やっておるわけでございます。その結果等も見まして、都市と農村の連携体制ということもあわせ検討し、ただいま先生のお話ございましたようなこういうコンポスト等を大いに農村の方でも施用する方向に持っていきたいというふうに考えております。
#69
○説明員(杉戸大作君) 都市ごみのコンポスト施設に対します国庫補助につきましては昭和三十五年から実施しておるのでございますが、一つ伸びない、先生御指摘のような状況でございます。そこで、五十一年度から五カ年間にわたりまして都市廃棄物のコンポスト処理方式の改善並びに農業利用に関する研究、これを農林省と共同で研究をいたしてきております。それからまた、五十二年度から三カ年で豊橋市におきましてコンポストを含めた廃棄物の総合資源化事業、これをパイロット事業といたしまして実施してまいったところでございます。
 御指摘のようなこういう省資源の時代、それから有機肥料の必要性、そういった必要性にかんがみまして、このような調査結果をもとにいたしまして、今後コンポスト施設の設置に当たりまして、市町村の立案とかあるいは申請に基づき必要なものについてはより一層積極的な促進のための援助をしてまいりたいと思います。
#70
○田代富士男君 下水汚泥の問題につきましては、これはまた別の機会に取り上げてまいりたいと思いますが、コンポストを推進していくといたしましても、現在の農業政策を根本からまとめていかなければならないことは言うまでもありませんが、特に都市ごみの処理のためのコンポストという、こういう発想であっては農業の立場にある人々の反感を買うのではないかと思うのでございます。何よりも農家と都市が有機物を土壌に返してこそ自然の摂理にかなった農業であるという共通の思想といいますか、そういう考え方に立つことが第一番ではないかと思うわけなんです。そのためには農家と都市が一体となって新しいコンポスト、リサイクルの体制を築いていかねばならないと、このように私は私見でございますが考えておりますけれども、最後に農林水産大臣の今後の取り組みをお聞きいたしまして、私の質問を終わります。
#71
○国務大臣(武藤嘉文君) 都市ごみなどから出てまいりますそのような堆肥を極力農村に還元をするという考え方に対しては、私ども全く賛成でございます。ただ問題は、先ほど来議論がございますように、いろいろ都市ごみの中にはまざり物があるわけでございまして、これをいかにうまく除去していただいてそして農村に還元していただくかということが大切な問題ではなかろうかと思うわけでございます。ちょうど私ども、いま事務当局同士でいろいろとその辺検討を進めてもらっておるようでございますので、その調査研究の成果を踏まえまして、極力御趣旨のような形に利用さしていただきたいと、こう考えております。
#72
○田代富士男君 終わります。
#73
○市川正一君 今回の改正案で、生糸検査所は農林規格検査所に合体され、職員も五十五年度には三十人が農林規格検査所へ移ることになっております。また、生糸検査部門の定員については六十二年度末までに百九十人程度に減員するということにいたしておりますが、こうした統廃合の場合に、国民生活にかかわる必要な機能はきちんと残す、また職員の配置転換などについては労働基本権をあくまでも尊重して本人の意向を十分に聞く、こういうことが必要であると思いますが、以下幾つかの御質問をする前提としてまずこのことを確認いたしたい。
#74
○政府委員(二瓶博君) 生糸検査所を農林規格検査所に統合をするということで御審議をわずらわしておるわけでございますが、単にこの機関を統合するだけでなしに、やはり定員の方も最近の業務量に見合ったかっこうで逐次縮減をしていくという考え方に立っておるわけでございまして、五十五年度は六十一人の定員の縮減を考えておるわけでございます。将来的には六十三年度の当初に百九十人までに……
#75
○市川正一君 その際の原則を……。
#76
○政府委員(二瓶博君) ただ、こういう縮減をする際は、一つは勧奨退職の問題もございますが、配置転換の方がむしろ人数的には大きくなろうと思います。その際に、ただいま先生からお話ございましたように、この配置転換につきましては本人の意向なり適性なり、そういうものも十分聞きまして、本人の理解と協力というものを前提にして配置転換をやっていきたい。したがいまして、いわゆる強制配転というようなそういう形のものは、これは避けるという考え方でやっていきたい、こういうことでございます。
#77
○市川正一君 繰り返しますが、きちんと国民生活にかかわるような部門や機能は残すということ、それから労働基本権をあくまでも前提とした本人の希望を十分に聞いて対応していく、こういうことであるということで間違いございませんね。
#78
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生おっしゃったとおりでございます。
#79
○市川正一君 そこでお伺いいたしますが、農林規格検査所の所管業務は、従来依頼による農林畜水産物や飲食品、それから油脂ですね、こういうものの検査について輸入品に限ってやっていたものが、今回の改正案で、国内品についても依頼によって検査が行えるようになっております。そうなりますと、今日食品公害など食品の安全性についての国民の、特に主婦の方々の深い関心が高まっている折から、当然検査件数あるいは検査量が大きく拡大することになると思いますが、この改正に伴う予算増額措置だとか施設、検査設備の充実などについてどう取り組むおつもりなのか、この点について伺います。
#80
○政府委員(森実孝郎君) 御指摘のように、今日の御審議を願っております法律改正では、幅広く依頼検査を受け得るように改正をお願いしているわけでございます。これは消費者保護という視点と申しますか、消費者の要望、さらに中小企業である食品メーカーの要望等を受けまして、規格検査所がいわば品質管理に関する技術センターとして積極的に機能できる足がかりの一つとしてお願いしているわけでございます。私どもとしては、現在こういった案件が年々五、六百件ずつ寄せられておりますが、御指摘のように今後増加してくると思っております。そういう意味ではいろいろな手を着実に打っていきたいと思っておりますが、特に消費者の苦情に対する技術相談窓口の整備とか、あるいは地域消費者団体に対するところの正しい知識の普及及び情報の提供のための機構ということで、東京には消費者対策室を、また各本所には技術指導課を設けているわけでございます。さらに、本年は三十二名の人員の増加を図っております。前々申し上げておりますように、この問題は年々の予算で決めていかなければならない問題でございますが、そういったニーズを受けとめて拡充の方向ということを当然予見して問題に取り組んでいきたいと思っております。
#81
○市川正一君 従来から農林規格検査所は、ここにリーフレットを持ってまいりましたけれども、こういうのをお出しになってその業務をPRされております。いまお話がありましたが、その一つとして、ここに「苦情相談に応じます」、それから「依頼分析に応じます」ということが明記されております。そして、一般消費者や生産者と直接結びついた食品などについての苦情相談、分析依頼などにこたえてこられたのでありますが、今回の改正案でこうした業務が非常に法的根拠を持つようになったことは私結構だと思うんでありますが、問題は、今後一層こうした仕事の内容を充実させていくという点で、いまお話があった程度といいますか、たとえば予算措置だとか施設設備の充実という点で決して十分ではないと私は思うんです。
 そこで伺いますが、この苦情相談、依頼分析などの業務がこの二、三年間何件ぐらい行われたか。いま五百件とおっしゃいましたけれども、ここ二、三年の数字をちょっと知らせてください。
#82
○政府委員(森実孝郎君) この三年間の数字では大体五百件から六百件という形で収斂しております。
#83
○市川正一君 そこで、この苦情相談の内容でありますが、私がじかにお聞きしたり、あるいは農林規格検査所で出している「規格検通報」、これですが、これなど拝見いたしますと、たとえば一例でありますが、店頭で売られていた牛肉にどうもほかの肉がまじっているらしいという訴えがあって、要望に従って分析してみたら、一つはマトンであり、一つは豚であったということを伺っています。また、古いスナックのめんの問題、タケノコかん詰めの品質不良の問題などが取り上げられておるのでありますが、このように、苦情相談や依頼分析によって食品についての国民一般消費者の安全を守るのに積極的役割りを果たしているけれども、これはほとんど国民に十分知らされていない。したがって、相談件数も、実際のトラブルといいますか、苦情のほんの一部分しか持ち込まれていないのではないか。私、こういう実情に立って、この農林規格検査所の役割りや、あるいは業務についてもっと積極的なPRが必要でないのかと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#84
○政府委員(森実孝郎君) 私ども農林規格検査所での受け付けております苦情処理、依頼分析等については、各県の消費センターとか、そういった他の行政機関に持ち込まれた苦情の中で、品質鑑定等専門的な評価を要するものが持ち込まれているウエートがかなり高いわけでございます。そういう意味においては、品質の管理の技術センターという性格で、ある程度間接的にそういった他の行政機関や相談機構を指導していく、相談に乗っていくという面があることは御考慮いただきたいと思います。
 しかし御指摘のように、まさにそういった品質についての、案外食品についての分析能力の人員とか機器の整備された機構はないわけで、弱体でございまして、そういった意味で規格検査所の積極的活用は必要と思っております。その意味で、御指摘のように一般へのPR等については現在もやっておりますが、なお不十分な点がありますので努力いたしたいと思いますし、また、そのための窓口というものを整備していきたいと思っております。
   〔委員長退席、理事林ゆう君着席〕
#85
○市川正一君 農林省、激励しているわけですからね。私、先ほども触れましたこの「規格検通報」四十二号を拝見しますと、消費者の苦情処理の事例が紹介されております。その中で、仙台支所では「当所の受付件数は、五十二年十一件・五十三年二十四件で、本年は九月末現在で十四件である。食品展・JAS展等の開催がないこと、苦情処理機関としてのPR不足等が反省させられる」というふうにいわば述べているわけですね。私は、この際マスコミなども通じてもっと多くの国民、一般消費者に知らせるべきだと。いまそういう措置を今後も強めるということをおっしゃいましたけれども、その点を指摘した上で進みたいと思うんですが、同時にいま私、国民の食品の安全性に対する関心が、先ほども言いましたように、非常に高まっているときに、これにこたえ得る体制が一体どうなのかという問題であります。たとえば全国の消費生活センター、いまおっしゃった、そこを通じてということでありますが、そこの五十二年度に受け付けた食品についての苦情相談件数は実に四万二千三百件に上っております。そのうち一万五千件が安全性についてであり、一万四千件が品質についてであります。
   〔理事林ゆう君退席、委員長着席〕
したがって、農林規格検査所の検査部門は今後一層その役割りが高まってくることは必然であります。あなた方が国民にPRなさらないならば別として、本当にこれがそういうものがあるんだ、その役割りが国民の間に知らされればもっとふえると思うんです。ところが、現在の規格検査所の体制では、余りにも持ち込まれては処理能力に限界があるというのが実態ではないでしょうか。私調べたんですが、五十三年度全国五カ所の規格検査所の相談件数は、先ほどもお話があったように、五百から六百だと。そのうち東京は百二十一件です。この百二十一件のうち、実際に、これは五十三年度の数字でありますが、分析を行ったのは五件ということになっておりますね。私は今後特に加工食品の多様化という状況のもとで、検査に必要な調査研究体制あるいは技術者の指導体制の充実強化というものが必要になってきている。これは全農林などの労働組合も主張しているところでありますが、私、こういう体制強化の見通しと対策がどうなっているのか、この点お伺いしたいと思う。
#86
○政府委員(森実孝郎君) 三点の御指摘がございました。
 まず、PRの問題でございます。
#87
○市川正一君 それはもう先ほどおっしゃったから、おやりになるんだったら結構です、やらぬというなら別ですけれども。
#88
○政府委員(森実孝郎君) いや、積極的に取り組みたいと思いますし、御指摘のように、やはりこれからの問題は中都市が特に問題ではないかと、フードウイーク等の開催等と関連づけて進めていきたいと思います。それから、分析結果の検査の体制の整備という問題でございます。一つは、これは何と申しましても専門的な技術者の養成ということがあると思います。そういう意味で、現在の職員以外に配置転換をされてまいります職員につきまして、積極的に行政を行いたいということで準備体制を進めていることでございます。それから、二番目は機器の整備でございます。これも従来からも年々予算を増額しておりますが、本年も増額して予算を計上しております。こういった体制を整備する。しかし、実は持ち込まれておりますものの中で化学的な分析調査を要するものは一割前後でございまして、あとは大体専門的な判断でできる場合が多いわけでございまして、そういった意味ではやはり先ほども申し上げましたように、窓口を整備するという点を特に重視してまいりたいと思っております。
#89
○市川正一君 大臣に伺いますが、以上のようなお聞き及びのところでありますが、私、今日食品公害などをめぐって文字どおり国民の健康と生命、それはひいては民族の将来にかかわる問題でもありますが、その食品の安全性確保という点から、私は農林水産省としても食品の事前点検体制を充実させることがいま求められていると思います。いま窓口の強化というふうにおっしゃいましたけれども、私は食品の安全監視体制には単なる窓口業務じゃなしに、それはもっと本質的なもの、実体的なもの、すなわち調査研究部門とか検査部門あるいは行政指導部門、こういうものが必要である。ところが、現在調査部門として技術調査員が東京に設置されているだけであって、しかもその人数は何人だとお思いですか。五人なんです。国民の食生活の安全性の確保という点からも、私は農林規格検査所が積極的に食品等の品質の向上を図るための技術センター的なものになるよう大いにこの際充実さるべきだと思いますが大臣の所見を伺います。
#90
○国務大臣(武藤嘉文君) 先ほどの議論の中にもございましたけれども、食品関係の衛生管理につきましては、確かに大変国民の健康管理の面からいって大切なことは全く御同感、私は先生のおっしゃるとおりだと思います。ただ、これについては厚生省の方も実は食品衛生の主管官庁でございまして、その辺が縦割り行政の中でどう調整をしながらやっていくかということが非常に大きな問題でございまして、私どもは私どもなりに努力をしておるつもりでございますけれども、やはりその辺のところが調整があるものでございますから、食品衛生に関する限りは一義的にはどうも厚生省の仕事になっているようでございまして、業務の問題、あり方として、私どもも積極的に食品が衛生的であるべきであると、こういう観点からやっていかなきゃならぬことは当然でございますけれども、一々そういう検査をしたり、チェックをしてやるというのは、正直どちらかと言えば厚生省の方が一義的なものでございますから、私ども非常に人間的にもそういうものの十分な手当てはしていないというのが実情でございます。できるだけ今後ひとつ検討はさしていただきたいと思っております。
#91
○市川正一君 武藤大臣とも思えぬ消極的な御答弁でまことに残念でありますけれども、私、食品衛生という概念を、やはり食品安全といいますか、いろいろな加工物それから同時に添加物等々、後で若干触れますが、そういう食生活の多様性の中で、いわば狭い意味でのセクショナリズムということでなしに、調整というよりも大いにやはり乗り出していくという立場で前向きにこれはひとつ、検討という言葉をお使いになりましたが、大いにいわば意欲的に取り組むと、そういう理解をしてよろしゅうございますか。
#92
○国務大臣(武藤嘉文君) 私どもとしては、やはり政府といたしまして当然国民の健康管理に対しては責任があるわけでございますから、厚生省が十分行い得れば別でございますけれども、行い得ないときはこちらがやはり積極的に取り組まなきゃならぬというのは当然かと思います。そういう意味において、しかし従来のやはり経緯がございますので、ここで私が勝手に農林水産省やりますと言ってもこれはなかなか問題がございますので、そういう意味で申し上げたわけでございますので、十分事務当局同士でも一遍その辺は詰めまして、ひとつ要はいかに国民の健康管理をするかという点から食品について十分な私は政策がとられ得るような体制はとっていかなきゃならぬと、こう考えております。
#93
○市川正一君 いま、大臣が厚生省が行い得るならばという御発言でしたが、行い得てないのですよ、素直に言って。事はやはり国民の命にかかわる問題でありますから、私はそういう点では農林水産省が厚生省とも協力して、国民の食生活の安全性確保という立場から食品添加物や防腐剤などを使った食品の安全性について研究、検討されると、しかもそういう部門が今度充実するというふうにおっしゃったわけだから、やるべきだと思う。
 たとえば、先ほど同僚議員も指摘しましたハム、ソーセージなどの例の発色剤としての亜硝酸塩ですね、この問題。これは先ほど厚生省から中間的御答弁があったようですが、にもかかわらず、たん白質中のアミノ酸と結合してこれが発がん性の化合物をつくるというのは今日もういわば広く常識になっているわけであります。
 私、先日香川県の高松に参りましたけれども、大平総理のおひざ元の例の讃岐うどんでありますが、このうどんが厚生省が安全だと太鼓判を押して、それで推奨し、それをわざわざ麗々しく包装紙に書いたそのうどんが結局発がん性の有害物だという、過酸化水素の問題で大打撃を受けている。また輸入レモン、これは例の防カビ剤のOPP、これが使用されて大問題になった。大臣、これはどれをとってみても皆農林水産省にすぐれて重大なかかわり合い持っているのですよ、どれも。
 こうした問題は、私、単なる厚生省任せにするとかいうのではなしに、やはりこの際積極的に取り組むと。私はJASという問題は、これは単なる品質保証というのは、国民の素朴な生活レベルでの認識といいますか、感覚からすれば、食品としての安全性ということも含めて受け取るということは、これは道理のないことだとは言えないと思うのです。
 そういう点から、私、真の行政改革というのは、不要不急の部門はこれは大いに削減すべしと、しかしながら、国民生活に直接役立つ部門やこういう機能は当然充実を図るべしと、これが私、真の国民が望む行政改革だと思うのでありまたしておりますように、私どもとしましては、国民の健康な生活を守るという意味において、食品の管理ということは大変大切なことであると考えておるわけでございまして、今後ともこの農林規格検査所についても、そういう面については十分より充実をしていくように努力をしてまいりたいと思います。
#94
○市川正一君 次に、通産省の矢野事務次官の発言について私もお伺いしたいと思います。
 周知のように、この矢野発言というのは、絹織物業者が二年間生産を全面ストップすれば、国内の養蚕農家は生糸が売れなくなり全滅する、一元輸入制度も吹き飛んでしまう、その上で中国生糸などを使って生産してはどうか、生産ストップ中の休業補償は通産省がめんどうを見るといういわば発言であったのでありますが、先ほど大臣は、これが不謹慎なものであるという抗議の意思を含めて見解を表明されました。
 しかし、問題は、この矢野発言なるものが誤解とかあるいは単なる偶然の失言というものではないわけであります。もともと世界一の生糸輸出国であったわが国が、今日その国内需要の三分の一以上、四十万俵のうち十五万俵を輸入に依存するという、いまや世界一の生糸輸入国になるという事態に立ち至ったことは、実は本日のこの生糸検査所の廃止という改正案提案の根源もここにあるわけでありますが、この矢野発言の背景あるいはこういう事態に立ち至った根源には、私は日本の大資本といいますか、あるいは大商社、これが海外進出、特にアジア地域に向けて、その低賃金を利用した日本の資本の海外進出、そしてその製品の逆輸入の拡大という問題があると思うのです。
 矢野次官自身もいろいろのところでこうした逆輸入、いわゆるブーメラン効果というのを強調しております、私、ここに幾つか持ってまいりましたけれども。しかも、常にこういう集中豪雨的な輸出の踏み台といいますか、犠牲が日本の農業に押しつけられてきた。さらに、矢野発言のように政策的にわが国の養蚕業を壊滅させていくというふうなことになれば、私は、大臣は商工委員会の分野でも大いに活躍された経歴を承知いたしておりますが、いわばそういう分野と、それから現在農水大臣でもいらっしゃる、両面から日本のやはり真の国益といいますか、そういうものを考察し得る条件を備えていらっしゃると思うのですが、私、こういう通産省の矢野発言に見られる発想というものを大臣は肯定されるのか。もしそうでないというならば、かねがね大臣は日本の農産物の自給率の向上ということを口になさっておられるわけでありますが、具体的には養蚕の振興のためにどういう対策をおとりになるのか。以上の点について見解を賜りたいと思います。
#95
○国務大臣(武藤嘉文君) 私は正直矢野発言については、先ほどもお答えをいたしましたように、大変不謹慎な発言であるということを言っておるわけでございます。それは、現に約十六万戸ぐらいでございますが、養蚕農家がいまいるわけでございまして、一体この人たちがどこで働くかもまだ決まらないうちから、そしてその人たちは一生懸命いま養蚕をやろうとしておるその意思というものを全く考えないであのような発言をしたということにおいて私は大変不謹慎だと、こう思っておるわけでございます。そういう面において強く抗議をいたしたわけでございますけれども、問題は、ただそれはけしからぬと言うだけではいけないんじゃないかと私は思っております。やはり日本の養蚕農家が生きていけるように私どもがこれからやはり養蚕農家を育成をしていかなきゃならない。それは一つは、生糸がやはり外国へ全く出なくなったというのは相当日本の生糸が割り高であるということもこれは事実でございまして、こういう点においては、生糸を原料とする絹織物その他を使ってくれる消費者に対しても極力やはりできる限りの努力だけは養蚕農家もするという姿勢をとらなければいけないんじゃないか。そういうことでいま生糸の一元化をしておるわけでございますが、この期間にできるだけ私は養蚕農家の体質を強化をしていく、これが大切なのであって、そのためには効率的な養蚕経営をやっていただけるような形にしてやらなければいけない。そこで、高能率の養蚕営農育成事業というようなものを中心にしてやっていきたいということと、もう一つは、養蚕農家というのはどちらかというと山村地帯と申しますか、非常に平たん部よりはどうも養蚕に頼らざるを得ないという私は農家が養蚕農家に多いんじゃないかと思うのでございます。そういう点においては、やはりそういう山村の養蚕農家が複合経営をやっていけるように、たとえばきょう局長からも他の先生に御答弁を申し上げましたように、たとえばシイタケと一緒にやるとか、いろいろのそういう複合経営的な中に養蚕農業の発展を考えていくということもやはりやっていかなきゃならないのではなかろうか。まあ、五十五年度の予算も大体そういう考え方に基づいて重点的に予算配分をしたつもりでございますけれども、これからともそういう考え方をより強め、やはり国民の理解のある、力の強い養蚕農家をつくっていく、そういうことに私は努力をしていきたいと考えておるわけでございます。
#96
○市川正一君 私は、きょうは農水委員会ではないので、養蚕政策そのものをここであえて論じようとは思いませんが、私、いまの大臣の見解とは異にいたします。今日、養蚕農家のやはり窮状というものは、自助努力といいますか、農家のそういう努力が不足してそうなったのではなしに、むしろ先ほど言いましたような日本の大資本、大商社の犠牲として、歴代政府のいわばしわ寄せがそこへ行っているということを言わざるを得ぬのでありますが、その点はきょうの主題ではありませんからあえてそれ以上は申しませんが、ただ、そういう論点からの結論としてお伺いしたいのでありますが、じゃ、いまの日本の生糸をめぐる状況はどうなっているかと。非常にシンボリックに言えば、十六万の養蚕農家はおっしゃったように非常な危機にあると。どこへ行くかわからぬようなことがという意味は、どこかへやるつもりだという本音だとは思いませんけれども、そうは聞きませんけれども、そういう方向にやはり追いやられようとしている。他方、この生糸の在庫はどうかと言えば、これはすでに十万俵にも近づくという史上最高の数量にいまなっておるわけですね。しかも、その在庫の大部分が輸入生糸であるという全く非常識なといいますか、矛盾というものが拡大再生産されているという状況にあります。
 そこで私は、この際矢野発言をむしろ契機とした次のような措置、第一は、絹織物、絹製品を含む輸入一元化の法制化、これが一点であります。第二は二国間協定の数量の大幅削減、第三には繭糸価格の安定制度の堅持、これは私、養蚕農家もまた繊維関係の業者も統一した要求であると考えるのでありますが、こうした施策をこの際とるべきだというふうに考えるのでありますが、大臣の見解を承りたい。
#97
○国務大臣(武藤嘉文君) 一つだけ。先ほど矢野発言に関連して私、申し上げたので、誤解があるといけませんので申し上げておきますが、私自身は何も養蚕農家をどこへ持っていこうという考え方はないわけでございますので、もし、矢野次官がそういうことを言うならば、当然何かその辺の裏づけがないことにはそういうことは言うべきではないということで申し上げたので、私が考えておるということではございませんで、この点はぜひ誤解のないようにお願いしたいと思います。
 それからいま三点、絹織物も含めた輸入の一元化を法制化できないかということでございます。これは正直、農林水産省の所管ではございませんので、なかなか私がいまの立場でお答えをするのはいかがかと思うのでございますけれども、これは通産省の所管でございますので、まあいろいろ研究をされておることと思いますけれども、現実にいま絹織物については相当輸入制限をやっておることはやっておるわけでございまして、先ほど逆輸入というお話がございましたけれども、いま現実には事前許可制なりあるいは貿管令の発動なり、いろいろやっておるわけなのでございますので、それをどういう姿で法制化していくのか、現実にいまやっていることと別のことをやらなければいけないわけでございます。それで一体一元化というのはどういうそれじゃ受け入れ体制が、どういう、事業団なら何か事業団をつくってやるのかどうか、なかなかこれはいろいろ問題はあろうと思いますけれども、いずれにいたしましてももう少し、実際に法律をつくることは簡単でございますが、その法律を運用するという点においてどうかということになると、もう少し検討しなければならない問題は多々あるのではないかと、私は率直に思っております。その辺がいまいろいろとこの御意見を出しておられる方々ともし具体的に、こういう形が進んでくれば、その辺をよく承りたいと思っておるわけでございます。
 それから、二国間協定につきましては、これは韓国、中国との間、二国間協定を結んでおるわけでございまして、私は今日の少なくとも生糸あるいは絹織物の在庫が大変大きなものになっておるという現状から見ますれば、相当これは厳しい態度でことしは二国間協定に臨まなければならないと、こう考えております。
 それから、安定制度の堅持ということについては、私どもは十分今後とも、これはいまの状態を考えますと、この状態のときには当然堅持をしていかなければならないと考えております。
#98
○市川正一君 時間が参りましたので、私最後に、幸い大臣もいらっしゃいますので、特定地域の問題ではありますけれども、一点だけ、実情も申し述べ対処を要望いたしたいと、申し上げるのであります。
 それは、ここに持ってまいりましたが、これは奈良県の五条吉野という例の山間部でございますが、そこでいま国営総合農地開発事業が行われておりますが、先日、霜害が起こりました。農林省も御存じだと思いますが、この地区は富有ガキの全国でも有数の産地でございます。ところが、四月十八日の早朝に霜のためにカキの芽が落ちてしまって、総額三億五千万円に上る被害を受けたと、こう聞いております。この地区は、国が二百二十四億円を投じて昭和四十八年から六十年度までに農地開発と農業用の用排水工事を行って新しいカキの木を植えつけております。私は被害農家からも実情を聞いたのでありますが、農地を取得する際に農林金融公庫の融資で購入しており、その返済に大きな影響が今回の霜害によって出てくる。
 そこで、この開発事業が国営で行われたことなども考慮して、二点でありますが、第一点は、実情を十分把握していただいて返済猶予など、必要な金融上の措置を講ずるべきではないか。二つは、吉野地区というこれは山間部であって霜害が十分に予測されるところでありますので、防霜対策なども強化する必要があると考えますが、以上二点について、幸い大臣の見解を承れば……。
 以上であります。
#99
○政府委員(塚田実君) お答えいたします。
 まず、公庫資金の償還期限の問題でございますが、御案内かと思いますけれども、近代化資金と同様に公庫資金につきましても、災害が起きた場合には被害者の実情に応じまして、被害の程度にもまた応じまして、中間据え置きと、償還期限を延長するなり使用期間を延長することができる、貸付条件の変更でございますけれども、そういうことができることになっております。私ども、今回の凍霜害につきましても、これは関東から西、九州までに至っているわけでございますが、こうした特例措置を講ずることができるということで関係機関に指導をすでに行っているところでございます。
 それから、吉野地区につきましては、私ども、特定地域でございますので、時間的な余裕がありませんで十分調査しておりませんけれども、かなりの凍霜害があったというふうに聞いております。なお調査を進めまして今後の対策を進めていきたいと考えております。その対策としては技術対策もありましょうし、また共済という問題についても将来の課題として取り上げなければいけない問題であろうと、このように考えております。
#100
○市川正一君 終わります。
#101
○井上計君 二年前でありますけれども、私は当委員会でこの生糸検査所の問題等につきまして初めて具体的に質疑を行いました。自来、いろいろと若干の紆余曲折はあったというふうに聞いておりますけれども、今回一応とりあえず廃止ということに決まったことについては、これは私は評価をいたしております。ただ、先ほど来同僚委員の質問にいろいろお答えがありましたけれども、それを伺っておりましても、確かに生糸検査所という名称はなくなります。しかしその実、中身については廃止にはほど遠いという感じもいたします。
 それはさておいて、そこで私は若干角度を変えてお尋ねをいたしたいというふうに思いますが、先ほど来お答えを聞いておりますと、大臣は、現在では多少まだ人員的に余力があると、こういうふうなお答えがありました。さらに局長が、現在自主検査の七%程度をこれから漸次ふやして、六十三年度にはできれば五〇%程度に持っていきたいと、そういうふうな自主検査をふやす方向の中で削減をひとつ考えておると、こういうことであったわけでありますけれども、そこでこれは局長のお答えで結構でありますが、現在の検査量から見て、適正規模といいますか、両検査所の適正規模は人員的に見てどれぐらいが適正だというふうにお考えかどうか、これをまず承ります。
#102
○政府委員(二瓶博君) これまでもいろいろ定員の縮減をやってきたわけでございますが、率直に言いまして現時点におきましても業務量に比較して定員が過剰であるということはこれは否めないと思っております。そういたしますと、現時点の適正な人員はどれぐらいかということでございますけれども、これは適正な人員というのをどういうような明確な物差しではじくのかということになりますと、いろいろこれは議論もあろうかと思います。したがいまして、これだというぴたりというものはございませんけれども、ただ過去の検査実績なり等からながめてみまして試算をいろいろやってみますというと、現在の定員、五百三十三人というこの五十四年度の定員に比べますと、まあ六割か七割、その辺程度が適正な人員というふうに見てよろしいのではなかろうか、かように思っております。
#103
○井上計君 局長、これはもちろんこういうふうな計算はこういうふうな機関の場合大変むずかしいわけでありますが、民間でのこういうふうな適正規模、適正人員というのは、実働を仮に一日七時間とすると、検査量その他から考えて適正人員は幾らであるかという計算をするわけでありますけれども、これはなかなかそうはまいらぬというふうに思いますが、現在の五百三十三名の実在人員からして六割か七割程度が適正人員であろうと、こういうお答えですけれども、六割か七割というのは、大体平均して職員が一日どれぐらいの実働時間、稼働時間であるのか、これはお調べになったことがありますか。
#104
○政府委員(二瓶博君) 一日の稼働時間が、ただいま申し上げましたような適正人員というものをあれする際にどのぐらいになるかということを十分考えておるかということでございますが、この実働何時間という面につきましては、率直に言いまして、そういう面の実態把握なり今後の見通しにおきましても、一応そういう状態は調査をいたしておりません。したがいまして、先ほど申し上げましたのも、ある年に検査量はこのぐらいあったと、それに対して定員はこのぐらいあったと、したがいましてそれが検査数量等が減ってまいりますので、その面から見てどうであろうかと、あるいは検査能率というような面、こういう面も、年間一人当たりどのぐらいの俵数を検査するというような面から推定をして大体六、七割ということでやったわけでございまして、実働何時間というようなことからはじき出したというようなものではございません。
#105
○井上計君 現状においてはそういうことについての調査をしていない、あるいはまたそういう面ではじいたんではないというお答えでありますが、これはこれ以上このことについてはお尋ねをいたしません。ということは、事実上そういう調査がなされていないということなんですね。まあ実際にいろんな検査項目から考えまして、無理もあるというふうに思いますけれども、たとえて言うと、ある部門は一日に一時間しか仕事がないんだと、ある部門は三時間あるというふうな部門があって、だからその一時間なり三時間なりのあとの時間は、実はその部門の職員は何もしていない、仕事をしようにも仕事がないという部門があるわけですね。それから、この部門でいま仕事をしておるが、これの次の流れのところでは実は手をあけて待っておるというふうなのもあるというふうに私は承知しておるんです。
 実は、私が生糸検査所の問題についてなぜこれを当委員会で具体的に初めて取り上げたかという理由は、横浜の生糸検査所の近所にいる人から通報があったわけですよ。毎日見ておるけれども、全く仕事が何もないようだと、そして勤務時間中といえども職員が遊んでおると、こういう状態で――当時は一般消費税の問題か非常にやかましく叫ばれつつありましたが、こういう状態の中でわれわれに一般消費税を課すことについては許しがたいと、こういうふうな通報がありましてね。で、参考のためにと思って、おととしの二月でありますけれども、横浜と神戸の検査所、私単身で実は予告なしに調査に行ったわけです。
 調査に行った結果大変驚いた。当時の委員会でもそのことを申し上げましたけれどもね。だから、それらのものが少しでも改善をされておればいいですけれども、残念ながら余り具体的に改善はされていないというふうに思う。ただ、先ほど申し上げましたように、一応廃止という方向に向かってさらに六十三年度までに大幅に人員を削減をするということが決定されましたから評価をいたしますけれども、しかし先ほどお話しのように、具体的な調査ではないようでありますが、それでも六〇%か七〇%程度が適正人員であるとするならば、現在でもすでに四〇%は実は過剰人員だということなんですね。
 では、その過剰人員が四〇%あるということがはっきりしておっても、なおかつ、この五十五年度四百七十二人ということになっておりますけれども、依然として過剰人員をずっと抱えたまま、このまま進んでいくわけですよね、検査量が現在より要するにずっと減りもしない、ふえない、横ばいという形で考えていって。
 それでは率直にお尋ねをいたしますけれども、過剰人員が明らかにこれだけあるということがわかっておっても、このような漸減的な削減計画しか立てられない理由は何でしょうか、ひとつ局長お尋ねをいたします。
#106
○政府委員(二瓶博君) 先ほど御答弁いたしました適正人員といいますものが、大体五十四年度の定員に対しまして六割ないし七割という御答弁を申し上げたわけでございます。
 そこで、まず一つは、五十五年度におきましては六十一人定員を削減をいたしております。一割強さらに五十五年度は減らすということに決めております。さらに、今後、六十三年度当初あるいは六十二年度の末というか、その辺をめどに百九十人までに減らしていくという考え方でございますが、現在でもそういう過剰人員があるとすれば直ちに縮減はできないかということでございますが、配置転換がその際は中心になろうかと思います。ただ、現実の問題といたしまして、直ちに配置転換ということが可能なものが果たしてどれだけ出てくるかということが一つ、これは大きな問題でございます。
 それからもう一つは、その配置転換の場合におきましても、ある検査室の部門のところがごっそり行ってしまいますと、先ほど先生からもお話ございましたように、いろんな検査をやりまして、最終的に検査の格づけが決まるわけでございますので、ある特定の部門だけがごそっと抜けますと、これは検査そのものがバンザイしちゃうと、こういう姿にもなるわけでございます。そういうことと関連する問題であるというふうに思われますので、さしあたり、五十五年度はそういう面の可能性等も十分検討もし、職員の意同等も考えまして一割強の六十一人ということにいたしたわけでございます。今後、六十三年度当初に百九十人までというふうに思っておりますが、その際におきましても極力この前半、五十八年度ぐらいに相当まずピッチを上げるという角度でむしろやっていってはどうかという考え方で対処していきたいというふうに考えております。
#107
○井上計君 局長、いまお答えの中にも出ておりますけれども、五十四年度、さっき六〇かう七〇%というお話ですが、大体多目に言われますから、私、下の方をとって六〇%、するとあと四〇%過剰だという前提で申し上げるのですが、したがって五十四年度四〇%過剰、今年度、五十五年度ですね、約六十一名の削減ですから一〇%強の削減になります。それでも五十五年度は三〇%弱過剰なんですね。だから、五十六年度はその計算でいってもやはり二〇%程度過剰、ずっと過剰が続くわけですよ。
 私は、配置転換についても、横浜あるいは神戸の職員の状況等についても十分伺いました。それから、特に女子が非常に多いという面から見て、強制的な配置転換ができないということも承知をしております。しかし、だからできないから言えば百年河清を待つような削減計画では国民の期待にこたえられないということを実はあえて申し上げるわけなんですね。
 そこで、この過剰人員に対して――だれが過剰かどうかわかりません、総体的に見て過剰人員が明らかにあるわけですね。それらの人たちに対して、言えばあいておる時間といいますか、勤務時間中に当然体があいておるわけですよ。その期間、どういうふうな教育をしておられるのですか。また、されようとしておられるのですか。何か計画があったらひとつお聞かせをいただけませんか。
#108
○政府委員(二瓶博君) いま、いろいろこの縮減計画の関係でお話あったわけでございますが、ただ単に余剰人員の配置転換というか、そういう問題にとどまりませず、やはり検査効率の向上ということを図っていくということが大事なことではなかろうかと、かように考えております。したがいまして、検査要員の適正な配置、これはいろいろ検査室なり調査室なりございますけれども、そういう面での適正配置なり、あるいは組織面についても合理化というようなこともあわせてやはり考えていくべきではなかろうかというふうに考えております。
#109
○井上計君 どうもちょっとお答えが私理解できないのですが、じゃ結構です。
 ただ、実際に昭和五十年ごろから非常に、特に輸出生糸がゼロになった。検査量が非常に大幅に減っておるというふうなころから、すでにそういうものについては具体的な合理化計画がなされてしかるべきだったわけですけれども、それがいままでなされていなかった。これについては大いにひとつ反省をしていただきたい。その分を取り返す意味で、これからさらにそのような計画をひとつ進めていただきたいというふうにこれは特にお願いをしておきます。
 あるいはきょう傍聴人の中に検査所の職員の方がおられるかもしれませんけれども、私が先ほど申し上げた、おととし横浜、神戸の検査所を予告なしですが調査に行ったときにこの目で見たわけですけれども、職員の中にはとんどいなかった人がある。中には散髪等私用で外出しておって行き先がわからない人もあった。あるいは検査所の中の部屋で労働組合の集会が行われておったというふうな事実も私、実は見ておるわけですね。そういうふうなことはやはり厳に慎んでいただく。戒めて、やはりそういうふうなあいた時間については、せっかく規格検査所の方に統合されるわけでありますから、規格検査所で  先ほど村田委員からもいろいろとお話がありましたけれども、規格検査所で今後検査を行う必要なものがたくさんあるわけですね。そういうふうなものについての教育、さらにそれらによって――やはり同じ庁舎内であるわけですから、そういうところに配置転換を進めていくということをひとつ強力に進めていただきたいというふうに思います。
 したがって、昭和六十三年に百九十人にするというのを既定の事実で考えないで、何も昭和六十三年にならなくても、昭和五十八年でも昭和五十七年でも、やはり配置転換がそのようにスムーズにいくことによって――百九十人というのが適正人員とされるなら早くそれに到達するようにやっていくべきではなかろうかと思いますが、局長、どうですか。
#110
○政府委員(二瓶博君) もちろん、私たちといたしましても、六十三年度当初に百九十人ということでいろいろ考えます際も、実は五十八年度まで、それから六十三年度までということで前期三年、後期五年ということも一応中では検討もいたしておるわけでございます。
 大体考え方といたしましては、前期三年、これで三百五十人程度までに持っていきたい、そうすればこれで現在の過剰人員と言われておりますものがここで大体なくなるのではないか。それから、あと五年間で百九十人までにさらに持っていくというようなことを実は考えておるわけでございます。
 ただ、先生も御存じのとおり、ここの職員は中高年齢の方が多い、しかも女性の方が非常に多い。この検査所に入られてから検査一筋に生きておるというようなこともございます。したがいまして、右左に回していくというような、そういう機械的なわけにはこれはまいらぬわけでございまして、あくまでも職員の方々の理解と協力、受け入れ先の理解と協力というものも得ながら、ただいま申し上げましたような線に合うようにやっていきたいということで考えておりますので、その辺につきましては御理解を賜りたいと思います。
#111
○井上計君 時間がありませんから余り多く申し上げませんけれども、民間の企業から見れば非常に緩やかなといいますか、まだまだいっぱい不満が残る行政改革といいますか、特に検査所の削減計画であるということなんです。したがって、やはり職員の方々も、民間で多くの人たちが非常に苦労しておる、そういうことの何分の一かでも考えていただいて、むずかしい配置転換ではあり、すけれども、検査一筋に来られた人たちもやはりこういう情勢であるから新しい分野の仕事を覚えようという意欲を持っていただくような、このような指導をぜひひとつお願いをしておきます。
 この問題、もっと申し上げると切りがありませんけれども、私からあえて申し上げますならば、現在の削減計画はまだ十分でないと。というのは、これから六十三年度まで九年間にわたって三分の一にならぬわけですからね。だから、その間ずっと余剰人員を抱えながら、言えば百年河清を待つような形での合理化計画であるわけですから、十分とは言えないということをあえて申し上げておきます。
 そこで、もう一つお伺いしますけれども、生糸商品取引の、生糸の取引所ですね、この存在理由というか、存在価値というのは現在でもあるんですか。
#112
○政府委員(森実孝郎君) 商品取引所として生糸を上場するかどうかという問題でございます。
 これはいろいろな面から検討をしなきゃならないと思います。
 一つは、どういう機能を営んでいるかでございます。現在、やはり公正な価格形成の場ということ、当業者のヘッジという機能はかなり果たしていると、やはり中期的にはかなりの価格変動があるという実態がございます。
 それから二番目は、現実にやはり現在の仲間内の現物相場と取引所の価格というものに乖離があるかどうかということ。これはこの数年間を例にとりますと、ほとんど乖離がない形で当限の価格と現物相場は動いているという実態がございます。
 それから三番目は、もしこれがなかったらどういう状況が起こるだろうかということがやはり私ども一番大きな問題ではないかと思います。現段階で生糸の上場が廃止されるということになりますと、関連事業者にとってやはり事業活動の指標、価格の指標がなくなる、ヘッジをする場所を失って危険負担が増大するという問題がありますし、そのことがやはり何と申しますか、類似の市場の輩出を生むとかなんとかという社会的な悪影響ということもやはり考えなきゃならぬと思います。
 こういう視点で私ども、現状ではやはり生糸取引所はそれなりの機能を果たしているし、十分存続を図っていくべき状況ではないかと思っております。
#113
○井上計君 現状では存在理由があると、存在価値があるというふうなお答えでありますが、これは見方によっては必ずしもそうでないと言う人もあるわけですね。やはりメリット、デメリット両方あるわけです。いつまでもいまおっしゃるような考え方で商品取引所、これは生糸だけではありません。生糸は農林省所管で申し上げるんですけれども、もちろん綿糸あり、あるいは毛糸あり、その他のやはり商品取引所があると思いますが、当然現在の日本の経済機構あるいは産業構造の中で私は商品取引所についての見直しをすべき時期に来ておるんではなかろうかということを考えておりますので、あえていま、きょう、この存置についての有無は言いませんけれども、いままでと、言えば十年前あるいは二十年前の固定したような考え方で依然として必要だという考え方はどうであろうかということだけ、きょうは申し上げておきます。
 先ほど市川委員からも生糸の在庫が非常に多いというふうな質疑が行われておりますけれども、それらもすべてとは言いませんけれども、やはり商品取引所があることがあるいは一つの原因になっておるんではなかろうかというふうな面もうかがわれます。これは思惑等が、当然取引所がありますから行われているわけですし、生産者の原価というものを無視した形でいつまでも取引所で投機相場が行われているということについてはどうであろうかと、まあ見解が多少異なるか知りませんが、私はそういう考え方を持っておりますので、これは検討すべきであろうということで、ひとつこれは提言だけしておきます。
 そこで、ついででありますので、食糧庁関係のことについてちょっとお伺いしたいと思いますが、食糧事務所の米穀検査官がたしか五十二年度は約一万七千人、これが五十二年度から一万三千人に減っておるということを聞いておりますけれども、その四千人は新しい業務についたから米穀検査官が減っておるのですか、どうですか。まず、最初それをお伺いいたします。
#114
○政府委員(松本作衞君) 一つは、食糧事務所の定員全体が減少しておりますので、その定員減ということでこの検査官の減少が吸収されております。
 もう一つは、食糧事務所の仕事が食管制度の運営に対しましていろいろと努力すべき点も出ておりますし、特に新しい食品流通関係の調査を担当をいたすことになっておりますので、その関係の業務にも振り向けられております。
#115
○井上計君 いま、食糧事務所の業務内容、この三年ほど前からふえておる業務の内容といいますか、それらについて、同時にまた、それぞれの検査品目ごとの検査官の比率といいますか、そんなのおわかりならちょっと簡単にお示しを願いたいんですが。
#116
○政府委員(松本作衞君) 実は、検査官がどのような検査に分割されておるかということにつきましては、正確な把握が困難でございますのでやっておりませんが、食糧検査官を含めた食糧事務所の職員の業務分担が大体どのような内容になっておるかというものは調べておりますので、その点をお答えいたしたいと思いますが、共通部分を除きまして、検査、買い入れ関係の業務が約三五%、それから保管、運送、売却といいましたようないわゆる米を直接扱っておりますために必要な業務、これが約三〇%、それからこれらの業務を適正に実施いたしますための指導及び調査というようなものが二五%、それと、ただいま申し上げました新たに食品関係の流通、価格等の調査をいたしておりますので、これが約一〇%というような割合になっております。
#117
○井上計君 米の検査については、これはもう当然のことでありますけれども、年間を通じて大体一カ月半か二カ月ぐらい、あとはほとんど、いま保管だとか運送だとか売却等についての業務はありますけれども、事実上米の買い入れについての細目検査はないわけですね。したがって、その間は長期間かなりやはり労働力が余っておるという、そういうことになっておるかと思いますけれども、現在、そういうふうな言えば閑散期について検査官等の業務はどういう業務が主として行われておるんですか。
#118
○政府委員(松本作衞君) 従来から米の検査業務は御指摘のように非常に季節的な差がございますので、繁忙時期にはいわゆる全体を挙げて検査に従事する反面、いわゆる暇な時期にはその他の業務に従事するということでございまして、その他の業務といたしましては、ただいま申し上げましたいわゆる保管、輸送というような業務のほかに、この食管の業務を実施するために必要な調査ないしは事前の指導というような業務があるわけでございます。
#119
○井上計君 率直に申し上げまして、言えばそういうふうなその他の業務というのは、事実上仕事の量からするとそれほど多くない、あるいはごくわずかである。したがって、その期間は検査官のほとんどが体をもてあましておるという事実はもうはっきりしておるわけですね。だから、そういうふうなことを考えると、先ほど生糸の検査所の例でも申し上げましたけれども、それらの人たちがもっと有効に勤務時間を使うことができるようなそのような教育あるいは指導というものをぜひひとつ具体的に考えて進めていただきたい、これは要望しておきます。米の検査官等についても、聞くところによりますと、かなり勤務時間中の、当然拘束されるべき時間に相当言えば勤務外のことをやっておるというふうな事実がやはりあるわけですね。これも私がおととしこの問題を指摘をいたしましてから、ずいぶんと私の手元に内部告発が来ています。いまそれを全部申し上げると、またいろいろと物議を醸す点もあります。時間もありませんから申し上げませんけれども、やはり私はそういう実態を十二分にひとつ調査をされて、いい方向に指導されるように今後とも大いに御努力をいただきたいというふうに思います。これは要望しておきます。
 なお、もう一つお伺いをいたしますけれども、減反政策がいろいろと行われております。ところが食糧庁の職員の中で、これもおととし伺った話でありますが、兼業農家、言えば農家出身の職員がどの程度ありますかということを伺いますと、当時としてはよく調査してないからわからぬけれども、大体六〇%か七〇%程度であろうというふうなお話がありました。大体六〇%程度のようでありますけれども、それらの人たちはうちへ帰るとやれ奥さんなりあるいは息子さんなりあるいはおやじさんと一緒になって米の生産をやっておるということになるわけですね。そういう人たちに対して、減反政策として、食糧庁としてはどういうふうな指導をしておられますか。
#120
○政府委員(松本作衞君) ただいま御指摘がございました食糧事務所職員の中で、兼業農家の割合でございますが、これは御指摘がございましたように非常に比率の高い県もございますけれども、全国平均では約三八%というような数字になっております。もちろんこれは県ごとによって非常に比率が違っております。
 そこで、これらの農家の水田利用再編対策についての協力につきましては、五十二年の十一月と五十四年の十一月に、農林大臣談話におきまして水田を所有している公務員に対してこの水田利用再編対策の趣旨を十分理解の上率先して対処するよう要望をいたしておりまして、この旨を受けまして食糧庁におきましては、食糧事務所の職員が率先してこれに協力するよう、庁の内部としても要請をいたしておるところでございます。
#121
○井上計君 極力そのような要請をされたようでありますけれども、その成果としてはどうですか、把握しておられますか。
#122
○政府委員(松本作衞君) 正確な調査をいたしておりませんけれども、都道府県等からの情報を総合いたしますと、公務員の多くは集落の転作推進に積極的に取り組んで、みずからも努力をしておるというふうに聞いておりますし、大きな方向としてはそのような対処をしておるものというふうに考えております。
#123
○井上計君 成果が上がっておれば結構でありますけれども、しかし、まだまだ一般の専業農家から相当不満があるわけですね。同じように、言えば公務員である兼業農家も自分たちも同じようなやはり減反率である、不公平だと、こういう不満もかなりあるわけですよね。事実確かに考えても不公平だというふうに思います。だから、むしろ私はさらに指導を進めていただいて、極端なことになるか知りませんけれども、公務員である兼業農家は自家飯米以外には生産をしないぐらいの強力な指導をされることが、私は減反によって大変不満を持っておる一般専業農家の人たちに対する、これまたこたえる方法ではなかろうかというふうに考えております。これもいろいろお立場上そう簡単にまいらぬというふうなこともわからぬわけじゃありませんけれども、ただ、通り一遍の指導だとか通達だとか協力要請ということではなかなかそういう不満は解消できないのではなかろうかと、こう思います。特に要望をいたしておきます。
 大臣に何もお聞きしなかったんですが、大臣何かお聞きしましょうか。よろしいですか。(笑声)
 それじゃ終わります。
#124
○委員長(古賀雷四郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。−別に発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 農林水産省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(古賀雷四郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#127
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#128
○委員長(古賀雷四郎君) 次に、行政管理庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。宇野行政管理庁長官。
#129
○国務大臣(宇野宗佑君) ただいま議題となりました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 昨今の内外の厳しい諸情勢の中にありまして、行政の簡素効率化及び行政の公正確保についての国民的要請が非常な高まりを見せております。
 国の行政機関の業務の実施状況を監察し必要な勧告を行うことをその任務の一つとしております行政管理庁といたしましては、国の業務と密接なかかわりを持ついわゆる特殊法人につきましてもその業務を調査する必要があります。しかし、現在、監察の調査対象となっている特殊法人は、公社、公庫、公団及び事業団に限られており、その他の特殊法人は調査対象法人となっておりません。
 したがいまして、行政の一層の合理化、能率化を図るため、監察の調査対象法人の範囲をすべての特殊法人にまで拡大する等所要の改正を行うものであります。
 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#130
○委員長(古賀雷四郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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