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1979/05/08 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 内閣委員会 第12号
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1979/05/08 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 内閣委員会 第12号

#1
第091回国会 内閣委員会 第12号
昭和五十五年五月八日(木曜日)
   午前十時三十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月六日
    辞任         補欠選任
     井上  計君     柄谷 道一君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     柿沢 弘治君     森田 重郎君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     源田  実君     熊谷  弘君
     中西 一郎君     高平 公友君
     市川 正一君     沓脱タケ子君
     柄谷 道一君     井上  計君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         古賀雷四郎君
    理 事
                岡田  広君
                林  寛子君
                林  ゆう君
                村田 秀三君
    委 員
                熊谷  弘君
                高平 公友君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                穐山  篤君
                山崎  昇君
                和泉 照雄君
                田代富士男君
                沓脱タケ子君
                井上  計君
                森田 重郎君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  大西 正男君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       伊東 正義君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       宇野 宗佑君
   政府委員
       警察庁刑事局長  中平 和水君
       行政管理庁長官
       官房審議官    中  庄二君
       行政管理庁行政
       管理局長     加地 夏雄君
       行政管理庁行政
       監察局長     佐倉  尚君
       法務省刑事局長  前田  宏君
       郵政大臣官房長  小山 森也君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   寺島 角夫君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   神保 健二君
       郵政省経理局長  魚津 茂晴君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       日本電信電話公
       社総務理事    玉野 義雄君
       日本電信電話公
       社総務理事    山口 開生君
       日本電信電話公
       社業務管理局長  稲見  保君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○行政管理庁設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(古賀雷四郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、柿沢弘治君が委員を辞任され、その補欠として森田重郎君が選任されました。
 また、本日、市川正一君が委員を辞任され、その補欠として沓脱タケ子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(古賀雷四郎君) 郵政省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○山崎昇君 設置法の改正案そのものにつきましては、後ほど多少の質問をいたしたいと思いますが、今度の提案に当たりまして、私はKDD事件というものを避けて通ることはできないんじゃないかというふうに考えます。
 今日まで、警察当局並びに検察当局はそれぞれ捜査あるいは最終的な処分もやったようでございますが、まず、警察当局と法務当局から、今日までの捜査の経過と結果と、さらに今後の方針等について、簡潔で結構でありますが、お聞きをしたいと思います。
#5
○政府委員(中平和水君) お答えいたします。
 お尋ねのKDD事件は、昨年の十月の一日及び二日、海外出張から帰国した前社長室長の佐藤陽一ほか二名が、海外で購入して持ち帰った多額の装身具類を無申告もしくは過少申告で通関しようといたしまして、東京税関成田支署に摘発されたことが発端となったわけでございますが、東京税関では、その後の調査に基づきまして、昨年の十一月十四日、その事実を東京地方検察庁に対し、関税法、物品税法違反として告発いたした次第でございます。
 警視庁では、この間、重大な関心を持ってこの事態の推移を見守ってまいっておったわけでございますが、その後告発事実につきまして東京地方検察庁と協議した結果、警視庁において第一次的に捜査を担当することになりまして、昨年の十二月四日、関税法違反の事実により、KDD本社等関係先二十三カ所の捜索を実施、百余名の捜査員をもって本格的な捜査を進めてまいった次第でございます。
 その後、押収資料の分析、検討等関係者からの事情聴取を精力的に進め、本年二月二十四日、前社長室長佐藤陽一を業務上横領並びに関税法違反により逮捕し、引き続き三月十八日には、起訴勾留中の佐藤を含む元郵政省電気通信監理官松井清武ら四名を贈収賄事件被疑者として逮捕いたした次第でございます。
 さらに、その後の捜査によりまして、本年の四月五日、元社長板野學を業務上横領により逮捕し、同人は四月二十六日に起訴されたのでありますが、さきに逮捕いたしました佐藤を除く郵政省関係贈収賄事件被疑者は、その後起訴当日の四月八日に釈放され、続いて四月三十日、起訴勾留中の板野、佐藤の両名が保釈になったことにより、捜査は大筋において収束の方向に向かっておるところでございます。以上、これまでに逮捕送致いたしました者は、業務上横領二名、贈収賄四名の六名でございまして、この間に要しました捜査の日数は昨年十月一日から数えまして本日で二百二十一日、KDD本社等の捜索の実施の昨年十二月四日から数えて百五十七日に及んだわけでございまして、この間に捜査に従事した延べ人員は約一万五千人に上っております。また、これまでに事件関係者等として事情聴取した者の延べ人員はKDD関係者約六百名、その他七百名で、約千三百名の方々から事情を聴取いたしておる次第でございます。
 以上が今日までの捜査の経過でございますが、先ほど申し上げましたように、この事件の重要なかぎを握る二人の人物が釈放されておる実態等からも御判断いただきますように、捜査としては大筋において収束の方向に向かっておるわけでございます。しかしながら、なおこれまでの捜査結果に対する補充捜査、あるいは必要により関係者の事情聴取等の作業も残しており、現在なお未解明の部分等につきまして鋭意捜査を継続してまいる所存でございます。
 以上でございます。
#6
○政府委員(前田宏君) いわゆるKDD事件の捜査につきましては、ただいま警察庁の方から御報告があったとおりでございまして、警視庁と東京地検におきまして協力をしながら捜査を進めてきたところでございます。で、先ほどのように、関係者を逮捕勾留いたしましてそれぞれ起訴したわけでございます。
 なお、いままで逮捕されました者の中で処分保留のまま釈放された者がある。また、税関当局から告発を受けました者の一部の者がまだ処分保留になっておるというような状況でございまして、それらの処分がまだこれから残っておるわけでございます。
 そのほか、ただいま警察庁の方からもお話がございましたが、若干の補充捜査あるいは未解明部分の捜査というものが残っておるわけでございまして、その結果を待ちませんと最終的なことは申しかねるわけでございます。
#7
○山崎昇君 いま警察、法務両当局から、大変長い間にわたっての捜査の経過の報告がございまして、その捜査そのものにつきましては私どもも御苦労さんだと思っております。しかし、国民の内一部からはまだこれに対して多くの批判がございまして、たとえて言えば大山鳴動してネズミ四匹なんという言葉で報道されたり、あるいは官界との、あるいは政界との関係がまだ不明確ではないかというような批判もかなりきついものがあります。したがって、いま引き続いて必要に応じて捜査等継続していくという方針のようでありますから、私どもも見守っていきたいと思いますし、政界自体としてもこの問題はもっと突っ込んでいきたいというふうには思っておりますが、きょうは、この委員会はKDD事件が本命でありませんから、私は内容についてとやかくお聞きするつもりはありません。ありませんが、どうか、厳しい条件のもとだとは思いますけれども、警察あるいは法務当局はこれら国民の疑惑にこたえるためにも十分なひとつ今後引き続いての捜査を私の方からこれは申し上げておきたいと思います。そういう意味で、お二人にはこの程度できょう終えておきたいと思います。
 そこで、郵政大臣にお聞きしますが、いまほぼ最終の段階に来ているという御報告がございましたけれども、この間に至りまして、監督する側の一体郵政省の責任はどうなるんだろうか、ましてやあなたの部下から、あなたの就任前ではあったといたしましても、郵政当局から起訴された者二名出されておりますが、これらに対する郵政当局の一体責任というのはだれがどういう形で負うのか、この点は郵政大臣から明確にしてもらいたいと思います。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(古賀雷四郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま源田実君が委員を辞任され、その補欠として熊谷弘君が選任されました。
    ―――――――――――――
#9
○国務大臣(大西正男君) 今回の事件に関連をいたしまして、ただいま先生御指摘もございましたように、直接監督の任に当たります郵政省の職員が収賄の容疑で逮捕、起訴されたということはまことに遺憾にたえないところでございます。
 KDDに即して申しますならば、事業の運営に当たりましてその経営責任者の経営姿勢、そのあり方いかんがきわめて肝要な問題でありますことは申すまでもございませんが、同時に、行政監督の任に当たる者が、公務員として、全体の奉仕者としてその原点に立ち返って国民の信を回復するようにこれから努めてまいらなければならないと存じております。そういう意味におきまして、一日も早く綱紀の粛正の実を上げてまいるように全力を挙げて努力をしてまいりたいと存じております。
#10
○山崎昇君 これだけ世間を騒がして、これだけ国民の批判を受けてやりましたこの事件で、郵政当局の責任は一つも何もないじゃないでしょうか。何か具体的にあったんでしょうか。私はここにやはり問題点があるのではないかと思っているんです。ただ、郵務局長は何か関連ありそうな顔でやめましたけれども、あと郵政省の責任は一体どこへ行ったんだろうか、だれがどんな責任をとったんだろうか、一つもありません。この点は、やはり郵政省としてももう少し厳しく考えておかなきゃならぬ点じゃないんでしょうか。これはきょう時間も制約されておりますから多くのことを申し上げませんが、この点は強く申し上げておきます。
 で、その一つの問題点としてこれまた絶えず議論になっておりますのに、天下り人事というのがある。最近KDDの社長さんは、もう天下りはいただきませんというような新聞発表もしているようでありますが、しかし、郵政当局は明確な考え方を示してない。少なくともかなりこの点はこの問題に関与していると私は思っているんですが、郵政大臣どうでしょうか。
 やはりこういう時代ですから天下り人事はやりませんと。そして私ども聞く限りは――時間があれば後ほど電電の経営内容についても本当はお聞きしたいと思うんですが、KDDにいたしましても電電にいたしましても、かなりな収益が上がっておる。言うならば自前で人材の養成ができないことはない、そう私ども判断をします。そういう意味で言うならば、まあ役人の古手という言葉はよくありませんが、そういう方々を監督する側から監督される側に派遣をして、それで今後これらの問題がないようにしていきますなんと言っても、私は詭弁にすぎないと思っています。そういう意味では天下り人事については厳しい態度をとらなければならぬと思っていますが、どうですか、郵政大臣。やはりこの機会にそういうことについてやめますと、こうあなたが決意を示すべきじゃないかと思うんですが、どうですか。
#11
○国務大臣(大西正男君) 特殊法人の役員等の人事に関しましては、昭和五十二年十二月に閣議の決定というものがございまして、そのことがその後も確認をされておるところでございます。それによりますと、KDDならKDDを例にとりましても、そういった特殊の法人の内外を問わず、それに最も適した人格、識見のすぐれた人物をこれに選ぶべきであろうということが閣議で決められておるわけでございます。
 したがいまして、閣議決定に従うべき立場にございます私といたしましては、それと同じようなことを申し上げざるを得ないわけでありますが、いま先生がおっしゃいましたようなことは十分念頭に置いて、いまの閣議決定の線に離れないようにやっていきたいと存じておりますが、KDDの問題について、将来そういう人事の問題が起こりますならば、その際に、KDDの経営の首脳陣であります社長、KDDを代表する社長の考え方を、十分にお互いに意思を疎通しながらやっていくべき問題だと心得ておるわけでございます。
#12
○山崎昇君 大臣、閣議決定は私も承知してます。基本的にはやはりすべきものではないんだと。ただ、あの閣議決定を見ておりますというと、それなりの人材もあるではないかと、そういう人材を無為に捨てるということもいけないんではないんだろうかと、そういう気持ちもあってあの閣議決定になっていると思うんですよ。しかし基本は、KDDにいたしましてもあるいは電電にいたしましても、やはり自賄いで技術者も養成をすれば、管理者も養成をすれば、あるいは経営の責任者も適任者を選ぶようにすべきであって、何も郵政省に長いからあるいは官僚生活が長いから適任者だとは言い切れない。基本的に私はやはり天下りというものはやめるべきものなんだと、基本的には。多少の例外はあるかもしれません。そう理解をしておきませんといけないんじゃないだろうか。この点は閣議決定の認識の違いも私とあなたではあると思うんですが、いずれにしてもそういう形のことを強くあなたにきょうは指摘をしておきたいと思います。
 そこで、本題であります設置法について二、三お聞きをしますが、第一は、電気通信政策局を設置いたしました――多少提案説明なぞ読んでおりますが、その経過とそれからその理由についてお聞きをしておきたいと思います。
 それから、時間がありませんが、相次いで質問しますが、私がこれを見た限りでは、電気通信政策局とかつてありました電気通信監理官との間の事務は一体どこがどういうふうに違うんだろうか、政策局になってどういうものがふえてどう違うから政策局にしたのか、ずいぶん読んでみましたがよくわかりません。したがって、今度のこの法案提出に当たりまして、そういう事務的な面で変わったという点があれば、改正法の第十条の二に載っているわけでありますが、変わったという点があるならばそれもあわせて御説明を願いたい。
#13
○政府委員(小山森也君) 第一点でございますが、もうすでに先生御存じかと思いますが、ただいまございます電気通信監理官の制度と申しますのは、昭和二十七年に電気通信省が廃止されまして電気通信に関する行政事務が郵政省に引き継がれた際に、大臣官房の特別な職として設けられた次第でございます。当時いわゆる電気通信の行政事務と申しますと、電信電話公社と国際電信電話株式会社の監督、それ以外のいわゆる電気通信行政事務というのはきわめて少ない範囲だということが現状であったわけでございます。した、がいまして、二人の監理官とこれを補佐する若干の要員を置けば十分であると、このように考えられましたので、いわゆるこういった公社等の監督制度をとっております監理官制度というのをとったわけでございます。
 しかしながら、最近電気通信の分野は、目覚ましい科学技術の進歩発展に伴いまして、監理官制度を発足いたしました昭和二十七年当時には予想しなかったほどに大きく量的にもこの事務が拡大いたしますとともに、質的にもいろいろ新しい行政事務が出てまいりまして、その内容も複雑になってきたわけでございます。
 これをもう少し敷衍して申し上げますと、現在いわゆる基本的な通信手段となっておりました加入電話というようないわゆる電話、このことにつきましても全国ダイヤル自動化がほぼ達成いたしましたと同時に、基本的な電気通信と同時に、他方にデータ通信、画像通信、最近できましたところではキャプテンシステムというような新しい通信手段が出てまいりまして、まさに多種多様な通信メディア、こういったものをどのように調和して発展を促進していくかというようなことが一つ問題になってまいりました。また、すでに先生御存じのことと存じますけれども、いわゆる通信の国際化が進みまして、いわゆる国際電気通信衛星機構、いわゆるインテルサットと申しておりますが、こういったもの、それから国際海事衛星機構、インマルサットとこれは申しておりますが、こういった国際機関における活動をいろいろしなければいわゆる国際通信が維持できないというような状態、また、通信全般の長期的な総合的な将来ビジョンというものを検討しなければならない。それから、電気通信政策全体の樹立というようなことがいわゆるわが国の今後の経済、社会、文化、これの各方面にとりましてきわめて重要な行政課題となってきているわけでございます。
 したがいまして、このような行政需要に対応するためには、やはり電気通信行政の責任と権限を明確にしてその一層の充実を図るべきではないかということから、現在大臣官房に特別の職として置かれておる電気通信監理官制度を廃止いたしまして、わが国の行政組織上通例とられておりますところの基本的な組織単位でございます局組織へ改組することが必要であると、こう考えまして今回の設置法の改正案をお願いしているわけでございます。
 なお、それでは具体的にどのような点がこの電気通信政策局の設置において事務的に変わるかという第二点でございますが、いわゆる現在の電気通信監理官のもとには監理官室というのがございますけれども、さらに大臣官房に通信政策課というのがございます。これは、いわゆる通信に関しますところの総合的な政策というのをやっておりますが、この中でも特に電気通信部門というのは非常に大きな部門を占めております。これを電気通信政策局に統合いたしまして、組織上も電気通信政策局で電気通信に関するすべての政策を一括して行うということにいたしております。
 以上でございます。
#14
○山崎昇君 いま聞いた限りではそう大した違いがないのですね。私も行政機構論からこれ言うならば、電気通信監理官というのは、どちらかと言えばこれはスタッフ職に力点を置いて、私は当時はこの監督というものにかなり力点があったんではないんだろうかという理解をしているわけです。ところが、今度のこの改正案を見ますというと、これが俗に言うライン組織に変更になって、いま説明ありましたように、監督というよりはむしろ電気通信行政に力点を置いて今度の法案が提出されたのかな、こういうふうに思っているわけなんですが、それに間違いがなければそのとおりだという答弁を願っておきたいと思う。
 ただ、私は二十七年当時の記録を読んでみますというと、あるいはまた昭和三十九年に出されました臨調の答申等々を参考にして見ますと、必ずしもあなた方が今度提案した説明とは違った説明がなされているわけです。当時の記録を読みますというと、むしろ国鉄当局等はライン組織でやっておりました。ところが、郵政の場合にはスタッフ組織でやっておりまして、かなりこれが議論になって、どっちかと言えば当時の政府はスタッフ職でやった方がいいのだ、こういう見解等が当時の二十七年の第十三回国会等で記録として残されています。あるいは臨調の答申を見ますというと、行政というよりも政治から中立的な方向に向くべきだというので、監理委員会の設置をしたらどうかという意見等も出されておりますね。
 そういう点等々参考にして私ども考えてみますというと、ある意味では理解をいたしますが、しかし、具体的に出てまいりましたこの法案の内容を見るというと、そう大した違いがなくて、どうしてこんなに経理局が経理部になって、あるいは二人の特別職が廃止になって、そして局長と次長というライン組織になってくるわけでありますが、やはり積極的な理由というのがどうも私にはまだのみ込めない。この点はあなたからもう少し説明を聞きたいというふうに思うところです。
 したがって、重ねて追加して聞きますというと、参考に聞いておきたいのですが、この当時臨調で出しております監理委員会というような制度について、あるいは衆議院でもかなり議論になっておりますが、行政の一元化という方向等についてどういう評価をあなた方されるのか、これを聞いておきたいというのが一点。
 それから二点目は、労使関係についても実はこの臨調の答申で明確に述べていますね。「審議会を設けて、労働基本権の拡大を争議権を与える方向で検討し、特に、公社側の当事者能力の確立をはかること。」というのがこの臨調の答申で述べられています。私は、いまこの労使間の問題を見ておりましても、何かジグザグでさっぱりどっちに行くのか方向がよく出てないように感じますが、特に重要だと思われますのは、公社側の当事者能力を確立をしなさいという、もうすでに昭和三十九年にこれが臨調から出ておりますが、そういうものについて郵政省はどうお考えになるのか。まずこの二点を聞いておきたいと思う。
#15
○政府委員(小山森也君) 第一点の監理委員会の問題かと存じますが、これにつきましては、すでに衆議院の内閣委員会等でもいろいろ御意見をちようだいいたしまして、附帯決議もいただいております。
 先生がおっしゃいますように、非常に電気通信行政の遂行等に当たりまして広く国民各層の意見を行政面に反映させるということはきわめて重要なことであると考えております。これにつきましてどのような方法が適当であるかということにつきまして、大臣のもとに適正な構成による何らかの形の機関を設けまして、そこにおいて早急に検討をいたしまして、それで、そのような形の国民各層の意見が行政運営に反映されるようにするにはどういうことをすればよろしいかということについて早急に検討をしてまいりたいと存じております。
 なお、労使関係につきましては監理官の方からお願いいたします。
#16
○政府委員(寺島角夫君) 電気通信を行っております事業体の自主性の問題というふうに理解をいたしてお答えをいたしたいと思いますが、先生御案内のとおり、現在、日本におきましては公衆電気通信業務というもの、これを国内と国際に分けまして、国内におきましては日本電信電話公社、国際につきましては国際電信電話株式会社というそれぞれの事業体がこれを独占的に行っておるわけでございます。いずれももとは、これは国営で行っておったわけでございますけれども、二十七年に、国内につきましては電電公社といういわゆる公社形態という形で発足をしたわけでございます。また、二十八年に株式会社形態でKDDが発足をしたわけでございます。
 こういうふうに公社形態あるいは株式会社形態をとっておりますことは、それ自体すでに国営よりももっと自由な立場でその自主性、創意性、機動性というものが発揮できるような、そういうシステムとして発足をしたもの、そのことがまた電気通信の発展、ひいては国民の福祉の増進ということにつきまして有用であるという当時の政策判断でなされたものと考えておりますし、そのことは今日においても変わりはないものと、こういうふうに考えておるわけでございまして、したがってそういう形でそれぞれの事業体が十分にその能力を発揮し、使命を果たすように、そういった一つの環境づくりと申しますか、そういうことをやっていくのがやはりわれわれの仕事であろうと、こういうふうに考えておるわけでございまして、そういった点に関しましては、今回、ただいま御審議をいただいております政策局の設置になりましても、そのことについては何ら変わりのない点だと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 なお、労使関係につきましては、御案内のとおり、電電公社につきましてはいわば公労法の規律のもとにございますし、KDDに関しましては労働三法の適用でございます。こういった中で良好な労使関係が維持されることを私どもも期待をしておるし、また、それが現になされておるものと考えておるわけでございます。
#17
○山崎昇君 やはり臨調の答申にありますように、当事者能力がなきゃ意味がないんで、政策局ができて何かしら行政事務はふえるけれども、監督がだんだん、だんだんまた強化されて、自主性が損なわれたのでは意味がありません。そういう意味では、やはりあの答申にありますように、当事者能力というものを十分そんたくして、なるべく官側があれこれやらぬように私はしてほしい、この点だけ重ねて申し上げておきたいと思います。
 それから、電電公社がおいでになっていると思うんですが、お聞きをしておきたいのは、昨年電電資材の調達問題で日米間にかなり鋭い摩擦がありまして、当時私も多少これにタッチをした一人でありますが、一体この資材問題等々中心にいたしまして、日米間のこれらの問題についてその後どうなったのか。
 それから、私ども聞きますというと、アメリカのねらいというのは電話機等の端末資材ばかりでなしに、電子交換といいますか、電話交換といいますか、そういう本体までだんだん要求されているんではないんだろうかというふうにも聞いているわけです、内容よくわかりませんが。そういう意味では、この電電の資材調達の問題というのは大変大きな政治課題になっているんじゃないかと思うんですが、現状と、それからあなた方が見通されて今後どういうふうになっていくとお考えなのか、その点ひとつお聞きをしたいと思う。
#18
○説明員(山口開生君) お答えいたします。
 ただいま先生御質問の日米政府調達交渉のその後の模様でございますが、昨年の六月二日に日米共同声明が出ております、これはもう御承知のとおりでございますが。そこで、双方で了解されました基本的な粋組みにのっとりまして今年末、五十五年末までに合意に達しようということで両政府間で交渉が進められております。昨年の七月以降四回交渉が行われておりまして、七月それから九月、十一月それからことしの二月、この四回にわたりまして事務レベルの交渉が行われております。これは相互主義実現の基礎といたしまして、まず双方の電気通信事業体の調達実態について相互認識を深めようということで双方の情報交換をしてございまして、電気通信市場の実態、それから日本のNTT、それからアメリカのAT&T、これはアメリカで一番大きな電話の事業体でございますが、電電公社とAT&Tの調達の実態を認識しようということで、その実態の認識をやっております。それから、RアンドDと申しまして研究開発、これも共同声明の中に出ておりますが、研究開発の体制なりやり方はどういうふうになっているのかということの情報交換、それから電電公社なりAT&Tが直接やっておりませんが、自営市場というのがございまして、この自営市場の情報について交換をしてございます。
 こういった事務レベルの交渉を続けてまいっておりまして、アメリカ側では通商交渉特別代表部――USTRと言っておりますが、この代表部を主体といたしまして国務省、労働省、あるいは先ほど申しましたAT&Tが出席をしております。日本では外務省を中心に、通産省、郵政省、電電公社が出ておりまして交渉をやったわけでございます。
 ただいま申しましたいろいろの実態について、第四回までお互いに認識を深めてまいったと、このように考えておりまして、その後、日本安川代表とアスキュー代表が三月二十五日にアメリカで会談を持たれておりまして、この会談でも双方冷静に、事務的に話を詰めていこうではないか、こういうような話し合いになったと私どもは承っております。
 こういったものを踏まえまして現在交渉中でございまして、最終的にどんな内容で合意するかということにつきましては、実はまだ依然として流動的でございますので、現時点で明らかにできないわけでございますが、私どもといたしましては、この相互主義にのっとりまして事務的に冷静な話し合いを今後とも続けていっていただきたい、このように考えておりますし、関係政府の交渉の方々もそのように交渉していただいていると思っておるわけであります。
 なお、先ほど先生が御指摘になりましたアメリカ側が交換機について話を出しているんではないかというふうに指摘がございましたが、現在時点で、この交渉の中でまだそういった具体的な話し合いにはなっていないと、このように理解をしております。
#19
○山崎昇君 郵政当局としては、この問題は今後どういうふうに展開していくか、これからの話し合いでありますけれども、どういうふうに判断されているか、現時点でのあなた方の見解を聞いておきたい。
#20
○政府委員(寺島角夫君) ただいま電電公社の方から御答弁ございましたように、昨年六月二日の共同発表を受けまして、昨年の七月以来、今日まで四回にわたりまして日米間で折衝を重ねてまいりました。この四回の折衝の主たるテーマは、相互主義という原則を実現するために、日米双方の電気通信事業体の調達実態というのは一体どうなっているのかということについて相互に正確に理解をしようではないかということで、事務的にと申しますか、あるいは平静に、冷静にこの辺の話し合いを行ったわけでございます。
 この話し合いには、外務省は当然でございますけれども、郵政省、通産省、あるいは電電公社もこれに出席をいたしまして、お互いの実態というものの把握に努めてきたわけでございまして、一応四回の会合を通じましてほぼそういったことの相互認識ができたのではないかというふうに私どもは考えておるわけでございますが、これから、そういった認識を基盤に置きましてこの問題の具体的な解決ということに至るわけでございますが、共同発表にありますように、ガットが来年の一月一日から発効いたしますので、本年じゅうにこの解決を目指して努力をしたいと考えておるわけでございますが、その際にも、やはりわれわれの基本的な立場と申しますのは、現在世界でも最高水準にあると考えております日本の公衆電気通信業務、このサービスというものを良好な状態で維持し発展させていくことがやはり一番大事な点であろうと、こう考えておりますので、それに対しまして悪い影響のないように、そしてまた相互主義という原則にのっとりまして、相互に納得のいく解決というものを早くできるならばそれにこしたことはないわけでございまして、そういう点を踏まえまして関係省庁あるいは電電公社とも十分協議をし連絡をとりながら現在対処しておるわけでございますけれども、現時点におきまして、いつごろどういう内容で見通しを持っておるかということになりますと、現在残念ながらまだそこまでのものは持っておらないというのが現状でございます。ただ、先ほど申し上げましたような基本的な視点を踏まえて努力をしてまいりたいと考えております。
#21
○山崎昇君 さらにこの問題は、いま説明ありましたように、実務段階でいま詰めているという点でありますから、また時間もありませんからそう内容は詰めませんが、単にノーハウの問題だけではありませんし、それから、フランスを初めとして西欧諸国が主張しておりますように、情報通信システムあるいはデータベースを他国に依存するということは、大変国の権益の問題にもかかわってくる私ども重要課題だと思っております。したがって、単なる日米間の問題としてだけとらえておったんでは私は大変じやないんだろうかという気もいたします。そういう意味でもう少し枠を広げて、国際的にこの種の問題がどういう方向に向かっていくんだろうか、あるいは現状で言えばどの程度までなっているんだろうか、その点はひとつ電電からお聞きをしておきたい。
#22
○説明員(山口開生君) ただいま先生御指摘のとおりでございまして、このガット協定の中にEC諸国は電気通信設備を除いてオファーしております。で、日本もすでに批准されました条約の中には電気通信設備を除くということで現在入っておるわけでございますが、日米間の今後の交渉いかんによっては、その内容をやはりガットコードの中に入れるんだというただし書きが実はついておりまして、その点が電電公社といたしましては非常に重要に考えております。日本だけがこの電気通信設備をガットのコードの中に適用されるということにつきましては、ただいま申しましたようにEC諸国は入っておりませんし、EC諸国も恐らく電気通信設備につきましては、公開入札、一般競争入札で購入することが適当でないというふうに考えているんではないかと思っておりますが、私どもも同様に考えておりまして、そういう意味からはぜひともそういった問題については私どもが主張しておりますような線で解決を図っていただきたい、このように考えておるわけでございます。
#23
○山崎昇君 さらにお聞きをしておきたいのは、いまも説明ありましたように、情報通信という問題は大変国際化してくるし、だんだん強まっていく傾向にあると思っておりますが、わけてもこのデータ通信というのが大変大きな課題になっていると思うんです。
 そこで、私ども聞いておりますのは、これらに関連しまして外国資本がやはり日本に導入されてくるのではないか、こういうことを私ども話としては聞いているわけでありますが、実態よくわかりません。そこで、これらの問題と関連をして外国資本というのを日本に入れるべきだという強い国際的な要請もあると聞いておりますが、それがいまどんな現状にあるのか、そんな事態になっているのかどうか。この点は電電と郵政の両方から聞いておきたい。
#24
○説明員(山口開生君) お答えいたします。
 電気通信関係の業界につきましては私は詳しく知っておるわけではございませんけれども、私の知っております範囲では、外国の資本が入ってきているところはないように思っておりますし、現在でも資本提携とかそういった話はないというふうに了解をしております。
#25
○山崎昇君 郵政、ありませんか。
#26
○政府委員(寺島角夫君) 御指摘のとおりデータ通信の発展と申しますのは、これからのわが国の経済社会の進展、国民生活の向上に大変大きな役割りを果たすものであるというふうに認識をしているわけでございますけれども、外資系の情報通信業者はわが国の企業の持たない高度なソフトウェア及びネットワーキストを持っておりまして、わが国の経済社会の発展に寄与するところは大きいと考えておりますが、同時に、わが国独自の情報通信に対するニーズにこたえ得る国内事業者の育成も重要な課題であると考えておるわけでございます。
 御案内のとおり、現在データ通信は相当な発展を見ておりますけれども、いわゆる一つの企業内と申しますか、そういうところのデータ通信がやはり主要でございまして、情報を他人の利用に供するという形でのいわゆる情報通信業というものにつきましては、まだまだ日本の場合は基盤的にも弱いものがあろうかというふうに考えておりますので、こういうものの将来の調和のある発展というものはやはりわれわれの重要な課題であろうと、こう考えておるわけでございます。
#27
○山崎昇君 いまのところはないようでございますからこれ以上深く私はかかわるつもりはありませんが、いずれにいたしましても、先ほど来お話のありますように、この情報通信という問題は大変国際化になるし、また技術問題からいきましても将来相当大きな私ども課題になるであろう、こう考えます。また、国内的に見ましても、国民生活から見てももはや情報通信の問題というのは大変な問題点ではないんだろうか、ある意味で少し誇張した言い方をすれば国民生活そのものが規制されるようなことだってあるんではないんだろうか、あり方いかんによりましては。そういう意味で言うと、これからの情報通信の行政のあり方、またもとに戻るようでありますが、あるいは機構のあり方、あるいは技術的に考えましてもそういう問題点が大変大きな課題になっていくだろう、こう私ども思います。
 そういう意味で、私どもはいろいろ論点はありましたけれども、この電気通信政策局の設置に党としては賛成をしているという立場をとるわけなんですが、そういう意味で言うと、やはり国際化と国内の状況等々も判断をいたしまして、電気通信といいますか、情報通信といいますか、こういう事業の一元化といいますか、総合化といいますか、附帯決議もつけておるようでありますけれども、これはやはり相当真剣に考えなきゃならぬのではないんだろうか、こう思います。
 そこで、これから郵政当局といたしましても、それらの問題についてどう民意を反映するかとか、その点等を中心にいたしまして討議をされるのだと思いますが、現在あります郵政審議会の運営だけでは私はとりあえず申し上げましても不十分ではないんだろうか、特にその中で電気通信部会という運営をやっておるようでありますが、これをとりあえずはもっと有機的な運営にしなければ私は意味がないんじゃないか、こう思うんですが、この機会でありますから、郵政審議会等の運営について新しい考え方があればひとつ郵政当局から聞いておきたい、こう思うんです。
#28
○政府委員(小山森也君) ただいま直ちに郵政審議会の中の電気通信部会というものの運営をどうするかということにつきましては、まだ、非常に申しわけないんでございますけれども、明確なお答えをする段階にないんでございますけれども、先ほど申し上げましたように、電気通信の重要な課題でありますところのものをいわゆる行政運営に反映させると、国民の多数の御意見を行政運営に反映させるということは非常に大事だと思っておりますので、何はともあれ、どのような形になりますかわかりませんけれども、何しろ何らかの形の機関を設けて今後もそういったことについて検討したいと思っております。
 なお、それじゃどういうふうな形でということにつきましては非常にむずかしんでございますけれども、およその考えを申し上げますと、その構成につきましては、発展の著しい電気通信の分野を論ずるにふさわしい方々を広く国民各界各層に求めたメンバーにしたい、こういうふうに考えております。また、検討事項といたしましては、電気通信及びその事業の発展動向、将来ビジョンあるいはそれに対応する総合的、長期的な電気通信行政のあり方、こういったものを検討事項にしたいと思っております。これらの事項につきまして、広く国民の意見をお聞きいたしまして今後の行政運営に反映するように努めていくべきではなかろうか、このように考えております。
#29
○山崎昇君 もう余り時間がなくなりましたから、あと二点ほどお聞きをしたいと思うんです。
   〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
  一点は、最近また国際回線の料金問題というのが再燃したという報道がございして、これは五日の朝日新聞の報道でありますけれども、昭和五十三年ごろにあなた方に申請をしたが却下されておるというような内容から始まって、いまのような状況下で言うならば、当然国際回線の料金についても値下げをすべきではないかという動きがあると私どもは聞いております。したがって、この国際回線の問題について今後あなた方はどうされるのか。
 まずその点をお聞きすると同時に、二点目として、電電の経営がきわめていいと言ったらいいんでしょうか、収益が多いと言ったらいいんでしょうか、あるいは黒字が上がり過ぎると言ったら言い過ぎなのかどうかわかりませんが、そういう状況だ。したがって、国内の電話料金あるいは国際の電話料金等々についても下げるべきではないかという意見が大変多いわけなんですが、最近の電電の経営内容、簡単でありますけれども御説明願うと同時に、一体そういうものを利用者にどう還元していくのか。いま言われております料金の値下げといいますか、改定といいますか、そういうものに対して電電はどうこたえようとするのか、あるいは監督の立場にあります、認可の立場にあります郵政としてはどういう判断をされるのか、この二点をお聞きしたいと思います。
#30
○政府委員(寺島角夫君) ただいまの先生のお話しは国際専用料金のお話しと理解をいたしましてお答えをいたしたいと存じます。
 国際の専用料金につきましては、昭和五十二年の五月に認可申請がございまして、これを十一月に認可をいたしております。このときにいわゆる専用線の音声級回線に速度別の料金体系というものを導入をいたしたわけでございます。そのほかに割引制度の拡大等も行ったわけでございますが、この措置に対しまして利用者の方々から、ユーザーの方々から行政不服審査法に基づきます異議申し立てがございました。これに対しまして、五十四年の六月にこれを却下及び棄却の決定をいたしたわけでございます。しかしながら、この専用線の料金につきましては常に私ども検討課題として取り組んでおったわけでございまして、昨年の十月一日から一〇%の値下げを実施したわけでございます。
   〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
一方、先生御案内のとおり、専用線以外の電話あるいはテレックス等の料金につきましてもいろいろ御議論ございまして、これに対しまして昨年の十二月一日に、環太平洋地域を中心といたしまして相当の値下げを実施したわけでございます。
 しかしながら、現在のKDDの経営状況その他を考慮いたしますと、なお値下げということについて検討の必要がありますので、昨年十二月に、認可に際しましてKDDに対しましてさらに値下げについて検討し、報告するように指導しておるわけでございまして、その答えというのは現時点でまだ出ておりませんが、五十四年度の決算状況等もだんだん固まってまいっておりますので、そういうことを踏まえましてできるだけ早い機会に値下げの実施をさせるように、そういう認可申請をさせるように現在努力をしておるわけでございまして、その専用線の問題ももう一遍その中の一環として取り組むべき課題である、こういうふうに考えておるわけであります。
 電電公社の問題につきましては電電公社の方から……。
#31
○説明員(玉野義雄君) 電電公社についてお答えいたします。
 電電公社につきましては、先生御承知だと思いますが、五十一年に料金改定をいたしたわけでございますが、それまで四十九年から赤字が続いておりまして、その累積赤字がほぼ六千億になっておったわけでございますが、それにつきまして、料金改定をしていただきましたことによりまして、五十三年度までにその借金を返したわけでございます。
 それで、従来電電公社といたしましては収支差額が出ました場合にどういうふうに利用してきたかという点でございますが、これは私たちの方は株式会社ではございませんので、公企体でございますので、その利益につきましては配当に回すとかそういう社外に流出するといいますか、こういうことはございませんで、建設投資の財源ということで使っておるわけでございます。といいますのは、現在公社の資産が五十三年度末でほぼ八兆三千億ございますが、そのうち借入金でやっておりますのがほぼ五兆七千億ということでございまして、この利子がほぼ年間四千億利子を支払っておるわけでございます。したがいまして、私たちといたしましては、この建設投資といいますのは御承知のように改良投資その他に使っておりまして、たとえば御承知のように加入区域をただいままで五キロでございましたが、これをなるべく広げたいということで、面積といたしましてこれを倍にするというようなことで七キロまで広げるとか、現在の加入者にそういう改良工事によって還元するという点もございますので、その収支差額を建設投資に入れましてなるべく借金をふやさないようにしていく方がお客さんにいいんではないかということで従来やってまいったわけでございます。
 たとえば五十四年度につきましては、予算上定めておりますのはほぼ三千億の収支差額ということでございましたが、景気の好況等もございましてほぼ一千億ほどこれを上回るのではないかと思っておりますが、たとえばこの一千億を建設投資に使っております特別債とかいう借り入れがございますが、これを一千億を減らしたといたしますと、ほぼ年間で八十億の節約ができるというような点もございますが、先生お話ございましたように、一部やはり料金について考えた方がいいんではないかという御意見もございますので、現在、私たちの方といたしましては、近距離の料金は外国に比べまして二分の一から四分の一というように非常に安うございますが、遠距離は一・五倍とか二・五倍というふうに高いという点もございますが、これを抜本的に見直そうといたしますと法律改正が要るわけでございますが、前回の法律改正のときにもそういう御意見が出たわけでございけれども、一応やはり利用の実態を見ると、近距離の利用がほぼ九〇%ということで大部分でございますので、近距離を上げて遠距離を下げるということはまた問題が非常に大きいということで一応現状のまま行けということになったわけでございますが、そういう点も勘案いたしまして、いわゆる抜本改正に至るまでの措置といたしまして、深夜の割引時間帯がございますが、その中で外国に比べて高いと思われる遠距離につきまして、さらに現在八時から朝の七時まで四割引きでやっておりますが、それを深夜帯におきましてさらにもう少し割り引くという考え方でただいま具体案を固めておりまして、固まり次第郵政省とも御相談いたしまして、この辺につきましては郵政大臣からも指示がございましたので、固まり次第認可申請をいたしたいと、こういうふうに考えております。
#32
○山崎昇君 いまお聞きしましたけれども、借り入れが五兆七千億円で、年間のその利子だけで四千億円。しかし、これらも入れてなおかつ五十四年度の決算で言えば、いまあなたの説明じゃありませんが、約四千億近い利益が上がるんではないんだろうかと、こうなると思うんですね。したがって、その利益をどう使うかというのは、一部は建設投資の財源に使いたい、それはまあそうかもしれません。しかし、いま説明のありました遠距離の夜間の割引、あなた方がいま考えている割引をやるだけでどれぐらいの原資が必要なんでしょうか。
#33
○説明員(玉野義雄君) 平年度でほぼ一千五百億財源が要ると思っておりますが、これに伴う利用増等もございますので、実質ほぼ千三百億と、こういうふうに考えております。
#34
○山崎昇君 そうするとあれですか、これだけ利益がある、あなた方の大筋の考えとして、建設投資に回す財源としては半分ぐらいというのか、それから借入金をなるべく減らしていこうというわけですね。そうなれば、当然年間払います利子も減っていくわけでありますから、そういう意味ではそれに一体大筋でどれぐらい振り向ける、そしてなおかつ利用者のサービスに報いていきたい、こういうことになると、大筋やはり方向というのがなければ、ただその都度その都度、ことしはこれだけ収益があったからこうしようじゃないか、それもその年度年度で私はあり得ることだと思いますけれども、大筋、大体電電としては高収益になっているわけでありますが、どういうふうにこれを振り向けていこうというお考えなのか、大筋で結構でありますが、その点だけ最後に聞いておきたいと思います。
#35
○説明員(玉野義雄君) 建設投資の財源につきましては、自己資金で賄う分をほぼ五割から六割と、こういうふうに考えておりますが、といいますのは外部資金の借り入れといいましても限度がございますので、なかなか外部からの借り入れをふやすというふうに持ってまいりますのは非常に困難がございますのでそういうことで考えておりますが、それから利益につきましては、そういうことで現在まではすべて建設投資の借り入れを減らすということで使ってまいっておりますが、それにいたしましても、やはり建設投資が相当ございますので借入金を減らすという方向にはちょっとできませんで、むしろ増をできるだけ抑えていくというかっこうだと思っております。した、がいまして、ほぼ五十四年度で三千億の利益を見積もったわけでございますが、これを夜間割引を実施いたしますればその分だけ収支差額が減っていくということは当然でございますけれども、私たちといたしましては、なるべく企業努力その他をやりまして次期の料金改定といいますか、これをなるべく延ばしたいと、こういうことで考えておりますが、したがいまして、現在では五十六年度までは料金改定をしないでやっていきたいということで考えておりまして、今回の夜間割引を仮に実施いたしました場合でも、五十六年度までは料金改定はしないという目標で進めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#36
○山崎昇君 そうすると、利益はずいぶんあるんれだけども、いまお聞きしますというと、遠距離の夜間割引だけで千五百億円ぐらいかかる、平年度ですね。したがって、仮にやるとしても、五十六年度までは電電としてはやりたくなんいだというようなお話なんですが、郵政としてはどうしますか。
 もう私の質問時間終わるようでありますから、そういう現状であることは私もいま説明を聞いてわかりましたけれども、しかしやはり利用する国民から言わせれば、たとえ夜間の割引が少し上がるだけでも、金はかかるにいたしましてもやってもらいたいという気持ちの方が強いと思うんです。そういう意味では、いずれこれは政治決断をせねばならぬであろうと思うんですが、この点について郵政大臣の見解をお聞きすると同時に、それから先ほど来はしょっていろいろ述べておりますが、この情報通信行政というのが国際的にも国内的にもますます重要性を帯びてくる。そういう点から言いますというと、これからこの政策局ができまして、あなた方がとる行政そのものが大変国民の注目を浴びてくる、さらには国民からもいろいろやはり要求が出てくると思うんですが、それらをきちんとして、少なくとも独断にならぬように、広く国民の意見が反映されるような行政にしてもらいたいということを強く述べると同時に、さらに今度は強力な局ができまして、KDDその他等に対する監督もまた私は一段と強められるんだと思うんですが、そういう意味では二度とああいう汚職事件が起きないように、また内部にそういう汚職を起こすような部下が起きないように、この点はやはり厳しく――一般職員は何もかかわってないわけであります。上級職だけがこういう汚職を起こすわけでありますから、それに伴って公務員全体が何か汚職をやっているように宣伝をされたり国民から批判をされたりするわけでありますから、特に上級幹部の私は姿勢というものについて厳しくしておきたいと思うんですが、それについて大臣の見解を聞いて、私の質問を終えたいと思います。
#37
○国務大臣(大西正男君) まず値下げの問題ですが、いま電電公社当局から説明がございましたように、前回行いました料金の決定、その後かなり順調に運営がいっておりますので、なるべく経営の安定を見通して、料金の基本的な改定というものについては、電電公社としては先へ延ばすことによって国民にサービスをしたいという考えが基本のようでございます。ただ、それに至るまでの間において、いまお話のありましたように、深夜料金を含めて夜間料金の値下げを図っていこう、こういうことで、それについては増収といった点を含めて結局平年度千三百億ぐらいの赤字になると、しかしあえてこれをやろうと、こういうことでございますので、郵政省としましてもそれに関する申請が出てくればこれを認可したい、こう考えておるところでございます。なお、本格的な遠近格差の是正ということは、これは重要な政策課題でございますから、今後とも私たちとしても十分検討を続けていきたい、こう思っております。
 それから第二の、国民の声を郵政行政の上に大いに反映をさせよと、こういうことでございますが、御意見まことにごもっともなことでございまして、先ほど官房長からもお答えを申し上げましたように、何らかの機関をつくりまして、それによって今後の運営の仕方等について御検討を願いたい、こう考えておるところでございます。
 それから第三の、公務員としての姿勢の問題でございますが、これはもう行政を行う上の大前提でございますから、これを誤ってはならないと思います。再び遺憾な事態が発生をしないように、これはもう私どもといたしましても最大重要の基本的な問題として考えておるところでございますので、今後とも先生方におかれましてもこの点についても御鞭撻を賜りたいと存じます。
#38
○和泉照雄君 私は、電気通信政策局の設置の理由について若干質問をいたしますが、政府側の提案をされました提案理由の説明は一応これは了解をするわけでございます。
 そこで、行政管理庁にお尋ねをいたします。
 第二次大平内閣は、行政改革ということを一つの目標にして成立をしておるわけでございますが、こういうような大事な行政改革、要するに減らすというときに新しく新設をするという、そういうような逆方向といいますか、そういうことになった時点についても問題を取り上げて質問をしようと、こういうわけでございます。
 郵政省の方は昭和三十三年に電務局ですか、の設置を要請をして、これは参議院の方で審議未了になったようですが、四十五年に大臣官房に通信政策課が設けられて、それから四十六年から電気通信局として約三年間、毎年行政管理庁の方に新設を要請をしておられたようでございますが、昭和四十九年からは情報通信振興局というふうに名前を変えて五十四年まで、これも毎年設置を要求をされておられるわけでございます。こういうように、行政改革を断行しようとするいまの行政管理庁長官のもとで、どうして今回この問題が、いままで何年間も許可されなかったのがどういう理由がキーポイントになって設置をされるようになったのか、その辺の事情をお聞かせ願いたいと思います。
#39
○政府委員(加地夏雄君) 昨年来、私ども行政改革を進める中で、五十五年度の各省の機構あるいは特殊法人の要求を審査してまいったわけでありますが、ただいま先生御指摘のように、一方において行政改革を推進しながら新しい機構の新設はどういうことであろうかということでございますが、そういう考え方に私ども全く同感でございまして、審査に当たりましては非常に厳しい考え方でやってまいったわけであります。
 しかしながら、行政改革というのは実は二面ございますが、一つは当然のことでございますが、行政機構全体の簡素化、効率化を図っていくということでございますが、さらにもう一つは、やはり時代時代のニーズに沿って必要なものは、政府全体としての大きな政策課題であるならば、それはやはり考えていかなくちゃいけないんではないかと、ただ行政改革をやっておる途中でございますし、やはり全体としての機構の膨張というのは抑制する必要があると、こういう考え方から、一つの例外的な形として実はこの電気通信政策局の新設が認められたわけであります。
 従来の経緯は、先生いま御指摘のとおりでございまして、私どもなぜこの時点で認めたかということでございますが、これは先生御承知のように、電気通信事業というのは科学技術と申しますか、技術革新の非常に進む問題でございますし、その意味では非常に大きな政策課題を持っておるわけであります。そういうことも私たちも重々考えまして、一方、先ほど申し上げましたように、全体としての機構の膨張を抑制する、こういう考え方で認めてまいったわけでございます。したがいまして、行政改革全体の趣旨から申し上げても、やはり膨張を抑制するという思想は貫かれた、こういうふうに考えているわけでございます。
#40
○和泉照雄君 ただいま行政管理庁の方からいろいろと御説明を聞きましたが、ちょうど昨年東京ラウンドで電電公社の資材の調達問題というのがいろいろ日米間で問題になって、それが一つは設置の決め手になったと、私たちはそのように思っておるんですが、そのように解するわけにいかないですか。
#41
○政府委員(加地夏雄君) 郵政省というよりも、政府全体としての大きな政策問題としてこの電気通信政策局の御提案があったわけでありますが、先ほどから申し上げておりますように、私どもはこの政策局を認めるに当たりましては、要求される郵政省のサイドからいろいろそういった御指摘のような背景、事情もあったかと思います。私どもはそういうこともちろんお話を伺いながら審査を進めてはまいりましたけれども、やはり電気通信事業が、たとえば新しい問題としてファクシミリの問題でございますとか、そういう新しい問題、がどんどん出てまいっております。そういった要請にこたえる必要もございましょうし、それから、御指摘の問題なんかも別な観点から申し上げますならば、いわゆる国内の問題を越えて国際性を持ってきておる、こういう問題も実はあるわけでございまして、そういういろんなことを判断をして政策局の新設をする、こういうふうに至ったと考えております。
#42
○和泉照雄君 そのように理解をして、次は郵政省にお尋ねをしますが、先ほど申し上げたとおり、昭和四十九年から五十四年まであなた方が行政管理庁の方に設置を申請をし続けてきた情報通信振興局なるものの内容はどういう内容なのか。また、今回の現在提出をされておる電気通信政策局というこの局とどのように違いがあるものか、その辺のところをひとつ説明願いたいと思います。
#43
○政府委員(寺島角夫君) 先生御案内のとおり、電気通信監理官の制度と申しますのは、昭和二十七年に電気通信省が廃止をされまして電気通信に関します行政事務が郵政省に引き継がれたときに、電電公社及び国際電電の監督を主たる任務として設けられたわけでございますけれども、その後、電気通信分野におきます目覚ましい技術振興の中で適時適切な行政を遂行していくために、監理官制度にかわりましてより適切な行政組織としての局設置の要求を従来から行ってきたわけでございまして、その際、その局の名称といたしまして、ただいま先生御指摘のように情報通信振興局という名前を使ったときがございます。で、その際そういう名前を使いましたのは、その当時そのときどきの取り組むべき政策課題等から見まして最もふさわしい名前をつけたいということでそういう名前を選んだわけでございますけれども、情報通信振興局という名前を要求をいたしました時点は、データ通信を初めといたします多くの新しい電気通信の利用の発展に対する行政上の対応を図るということ、それを主眼にしたわけでございます。
 今回の電気通信政策局というのは、このような課題への取り組みを含めまして電気通信全般への政策面の充実を図ろうというものでございまして、こういうふうにこの両者を比べますと確かに名前は異なっておりますけれども、その異なっておりますのは趣旨あるいは力点の置き方がその時点、時点で多少の違いがあったということでありますけれども、基本におきまして、冒頭申し上げましたように、監理官制度にかわって局を設置をすることが望ましいと、そうしていただきたいということで要望してまいったという点におきましては変わらないものである、こういうふうに考えておるわけであります。
#44
○和泉照雄君 そこで、管理庁にお尋ねをしますが、情報通信振興局として認めないで今回電気通信政策局として認めたのは、通産省にあります機械情報産業局、こういう局との競合関係ということを考慮してこのように名前を変えさして認めたのか、そこらあたりはどうなんですか。
#45
○政府委員(加地夏雄君) 今回の要求の経緯につきましては、ただいま郵政省の電気通信監理官の方から経緯を御説明になりましたとおりでございまして、私どもは、当初から郵政省の要求として政策局の要求をちょうだいいたしまして審査をしてまいったわけであります。
 御指摘のように、情報産業につきましては、これは確かに郵政省のほか通産省に関連するものもございましょうけれども、そういった問題を配慮してどうこうという問題ではございませんで、やはり先ほどから申し上げておりますような今日のいろんな情勢を考えまして、電気通信政策を強化する、体制を強化する必要があると、こういう考え方に踏み切ったわけでございます。
 したがいまして、私ども伺っておりますのは、この局の設置によりまして、従来情報産業に対する郵政省あるいは通産省との関係については新たな追加なり変更というものはないと、こういうふうに伺っております。
#46
○和泉照雄君 ですから、行政管理庁としては、情報産業の今後の発展、重要性ということからしますと、郵政省と通産省との共管競合関係をはっきりしておかないと審査の過程でも非常にお困りじゃないかと、こういうふうに思うんですが、その辺のところはどのようにお考えなのか、そしてまた、通産省と郵政省の方のそういう調整というのは実際できておるのかどうか、その辺はどうですか。
#47
○政府委員(加地夏雄君) ただいま申し上げましたように、情報産業につきましては、郵政省あるいは通産省がそれぞれの法律に基づましてそれぞれの施策を実施をしておるわけでございます。今回の局の要求に当たりましても、そういった両省の基本関係は変更を加えないで、新たな局の要求がなされてきたというふうに私どもは理解をいたしておりますし、また、御指摘の競合関係の問題につきましては、それぞれの法律の実施という形を通じて両省で協議を進められ、調整が行われていくものであろうというふうに考えておるわけでございます。
#48
○和泉照雄君 昭和五十三年に成立をしました特定機械情報産業振興臨時措置法、これは通産省所管でございますが、これにはいわゆる機情法という、この中には情報処理サービス業という範疇が抜けておるというよりは抜かしておるようでありますが、こういう事実から、情報産業の中でも情報通信産業の分野についてはその所管について微妙な問題が介在をしておるんではないかと、このように思われるわけで、その場になってなわ張り争いみたいなそういう醜いことが起こっては私はならないと思うんですが、そういうところから、行管庁としては、こういうようなことの仕分けといいますか、区分をはっきりしておくべきじゃないかと思うんですが、御所感はいかがですか。
#49
○政府委員(加地夏雄君) 先ほど来申し上げておりますように、通産省、郵政省それぞれの関係、それぞれの省で法律に基づきまして各般の施策をやっていただいておるわけでありますし、また、御指摘のような問題が起きた場合には、両省間で緊密に連絡をとっていただいて協力調整をしていただいておるというふうに私どもは理解しておるわけであります。したがって、今回の局の新設に当たりましては、この問題を直に御指摘のような形で調整するということではなくて、政策局それ自体の必要性に着目した審査をしていくということでございます。
#50
○和泉照雄君 郵政大臣に次はお尋ねをしますが、今回の提案理由を見ても、電気通信政策局を新設をして、「電気通信行政の責任と権限を内外に対して明らかにし、」云々と、その決意を明らかにしておられるようでございます。
 郵政大臣が去る四月に郵政省幹部に訓示をされたように、今回の汚職事件は郵政行政に対する国民の信頼を真っ向から裏切ったものであり、その張本人とも言うべき電気通信監理官についてその局昇格を認めるということは、これは普通役人の社会では局昇格ということは大変な論功行賞に当たるのではないかと、このように思うわけでございますが、このようなことは国民感情からも決して許される問題ではない、また断じて認めることはできないという感情ではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 その意味からも、郵政大臣はこの提案を一年ぐらい見合わして、やはり電気通信監理官がKDDに対しても正しい監督を行っていると国民の信頼を完全に回復してから後のこととしてはどうかと、私はこのように思うのですが、あえてこの時期にこの法案を提出をされた郵政大臣の政治的な判断をただしたいわけでございます。そうでないと、この提案理由でうたわれている「電気通信行政の責任と権限を内外に対して明らかにし、」という言葉が空虚に響くということからもただしておきたいわけでございます。明快な答弁をお願いいたしたいと思います。
#51
○国務大臣(大西正男君) 今回のKDDの事件に関連をいたしまして、直接KDDを監督する立場にある郵政省の職員が収賄容疑で逮捕、かつ起訴、こういう事態を迎えましたことは、公正を期すべき立場にある者としてはまことに遺憾に存じておるわけでございます。今後全体の奉仕者たるにふさわしく職務の公正厳正な執行を図り、一日も早く国民の信頼を回復いたしますことに全力を挙げてまいりますべきことはもう当然のことだと存じます。このことを私どもといたしましては深く心に刻んでおるところでございます。
 今回の電気通信政策局の設置というものは、現在の電気通信行政の需要の増大、多様化にこたえるためには、責任ある行政執行体制というものの拡充整備を図ることがきわめて緊要であると、こういう観点からこの設置をお願いをいたしておるところでございます。先ほど来御議論も賜りましたが、今日の情勢は日進月歩のこの電気通信事業界における進歩に対しまして、早くこれに対応する行政体制というものをやっておかなければ一日おくれれば一日おくれる、そういった状況にございます。まあ、極端なことを申しますならば、きょうでは間に合うけれどもあすなら遅過ぎるという感がいたすわけでございます。そういう意味で御提案を申し上げておるところでございまして、いま御指摘のございました公務員としての姿勢を正すべきということは、これはもう当然のことでございますので、その大前提を十分に踏まえまして、そしてこれからの日進月歩の社会に対して行政が適応できますように、ひとつ御理解を賜わりましてよろしくお願いをいたしたいと存じます。
#52
○和泉照雄君 ただいま大臣がKDD事件があってもあえてこういう法案を早急にお出しになったその真意はよく理解をするわけでございますが、日進月歩の非常にスピードの速いこういうような情報通信社会におきまして、早く対応の措置をとらねばならないという御意見は私も了とするわけでございますが、そういうようなことで提案理由にもいろいろ書かれておりますが、そこでデータ通信とかあるいは画像通信等の通信メディアの発展の現状並びにこれに対する行政の対応、取り組みの現状についてお伺いをいたしたいと思います。あわせて、わが国の国際交流の進展に伴って通信における国際化の重要性も増していると思われますので、その国際化の現状等についても御説明を願いたいと思います。
#53
○政府委員(寺島角夫君) お話ございましたように、電気通信の分野におきましては、近年目覚ましい科学技術の進歩発展に支えられまして、かつまた一面から申しますと、利用者の方々、国民の方々からの需要の多様化といったふうなもの、両面に支えられまして非常に量的な拡大と質的な複雑高度化を遂げておるわけでございます。
 そういう状況で現在新しい課題あるいは現状と申しますか、そういうものについてかいつまんで申し上げますならば、一つは、電気通信とコンピューターとの結合によりますデータ通信あるいはファクシミリ通信あるいはキャプテンシステムなどに見られますような画像通信といったいろいろ新しい、従来電信電話だけであったものに比べますと、きわめて多様な通信メディアというものが出現をいたしております。したがいまして、これをどういうふうに位置づけ、この調和のある発展をどう図っていくかということが大変重要な問題であると認識をしておるわけでございます。
 また一面、国際的に見ましても、国際間の、日本の経済社会の発展に伴いまして、国際化というものも大変に進歩をしておるわけでございまして、それに伴いまして電気通信の国際間の協調という面で果たします役割りというものも著しく増大をしておるわけでございまして、関係国際諸機関との対応というものもきわめてふえております。同時にまた、先ほど来お話ございましたように、国際化の進展に伴いまして、別の意味での摩擦、たとえば電電公社の調達問題をめぐります問題のような、そういった新しい問題というものもまた出てきておるわけでございまして、こういった国内、国際にわたりますいろいろな政策課題というものに対しましてどうこれを政策的に調整していくか、あるいはより長期的なビジョンというものをどうやってつくっていくかというふうなことが国民全体にとりまして現在要請されておる点ではないかというふうに考えるわけでございまして、よりよい通信サービスというものが提供できますように努めてまいりたいと考えるわけでございます。
 こういった国際化の中にありまして、一面、国際協調ということを踏まえ、そしてまた一面、電気通信というもの、非常に基幹的な、あるいは国益に関します大きな問題であるとも理解をしておりますので、国益の立場をも一面踏まえながら、その調和のある発展に今後とも努力をしていきたいと、かように考えておるわけでございます。
#54
○和泉照雄君 そういうようないろいろ広範にわたる分野があるわけでございますが、いよいよ入れ物はつくるけれども、そこで大臣にお尋ねをしますが、電気通信の政策の樹立とか、あるいはまた今後の情報通信の位置づけ、構想、ビジョンというものはどういうようなものをお持ちなのか、お聞かせ願いたいと思います。
#55
○国務大臣(大西正男君) 近年、電気通信分野におきましての技術の進歩及び需要の多様化に伴いまして、電信電話といった伝統的な電信手段に加えまして、ファクシミリあるいはデータ通信等、通信手段の多様化が進んでまいっておるわけでございます。今日では、通信は単に情報を伝達するといったことのみではございませんで、情報の処理あるいは各種情報の提供など、情報の多面的な利用を可能にいたしました。そして、企業活動や国民生活に多大の利便をもたらしておる現状でございます。これらの多様な通信メディアの調和のある発展が今後のわが国の経済、社会、文化の発展にきわめて重要な役割りを果たしていくものと考えられるわけでございます。このような観点から電気通信行政を積極的に推進をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#56
○和泉照雄君 先ほどは通産省との共管、競合の問題をお尋ねしましたが、今度は郵政省の内部の特に電気通信政策局の所掌事務を規定した十条の二で、条文の冒頭に「ただし、電波監理局所掌のものを除く。」と、このように明記をされておりますが、この電波監理局との競合問題は起こらないのか、私たちは素人でございますけれども、電波放送というものと電気通信というものに明確に線が引けるものかどうか、共管関係が存在するのではないか、この調整はどういうふうにするおつもりなのか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
#57
○政府委員(小山森也君) 先生御指摘のように、ただいまの電気通信の系統と申しますと、やはりたとえば電信電話にいたしましても途中の中継が電波によって行われるというように、なかなか明確な形でそれを分けるということはできないわけでございますけれども、しかしながら、一つの組織の中での所掌事務といたしましての分け方はできるわけでございます。
 ただいま電波監理局という立場から見ますと、電波監理局は有限な電波の公平かつ能率的な利用を確保するという行政目的を持っております。それで、実際にやることはどういうことをその権限のもとで行いますかと申しますと、無線局の免許とその運用、監督を中心として電波及び放送の規律に関する事務を所掌する、こうなっております。
 一方、電気通信政策局におきましては、電気通信による国民の利便を確保するという行政目的、この行政目的のもとに公衆電気通信役務の提供条件の規律、公衆電気通信系と私設電気通信系との調整、データ通信の健全な発達や普及等の事務、こういったものを所掌するということになっております。
 お説のとおり、目覚ましい技術革新ということから、先ほども申し上げましたように有線、無線一体となって通信系を構成するに至っているわけでございますが、このような現状を十分理解した上におきまして、現状におきましては電気通信政策局という形においてこの行政需要というものに対応していくということが最も活力ある行政事務の遂行ができるのではないかと考えております。
 なお、省内の両局におきます事務の重複というようなことにつきましては、一般的にはただいま申し上げたような権限関係において分かれるものでございますが、現実的な問題といたしましては、大臣官房で持っております調整機能というものによってこれは個々別々の問題は解決していくべきではないか、このように考えております。
#58
○和泉照雄君 次は、今度新しくできる新局の電電公社並びにKDDの監督業務、これは内容的に強化されるのかどうか、従来どおりであるのかどうか、この点をただしておきたいと、このように思います。
 聞くところによりますと、電気通信政策局の所掌事務を規定した第十条の二の二号「電気通信を規律し、及び監督すること」によって今後電信電話料金政策についても積極的に取り組んでいきたいとの意向を持っておられると承っておりますが、その辺のところを明確にしていただきたいと思います。
 特にKDD事件であれほど騒がれたのは、一昨年の円高が料金の値下げに反映をされずに、郵政省の電気通信監理官が適切な指導を怠って値下げができなかった点に私は問題があるということを思い起こすときに、この際、料金問題に関する問題については大臣の的確な答弁を要求をしておきたいと思います。
#59
○政府委員(小山森也君) まず最初に、組織上の問題といたしましていわゆる監督強化になるのではないかというお話でございますが、現在御提案申し上げている設置法の改正は、あくまでもいわゆる電気通信に関する一般行政を国民の行政需要にこたえる形でどのような組織で対応していくかという観点から御提案をいたしているわけでございまして、いわゆる監督行政そのものをどのような形にしていくかというのは、もう先生御案内のとおりに、電信電話公社につきましては日本電信電話公社法によってこれが決められるものでございますし、また国際電電株式会社につきましては国際電信電話株式会社法によってこれが決められるものでございますので、組織法と直接的にはつながりがないものでございます。
 なお、組織法上以外のことにつきましては他の係官より御答弁さしていただきます。
#60
○政府委員(寺島角夫君) 第二点の料金政策の問題でございますけれども、先生御指摘のとおり、料金の問題、とりわけ電信電話料金のあり方というこの問題がきわめて重要な政策課題の一つであると私ども認識をしておるわけでございまして、今回、現在御審議をいただいております設置法の改正が成立をさしていただきまして新局が誕生いたしますならば、そこで取り組むべき重要な政策課題の一つである、かように認識をしておるわけでございます。
 御案内のとおり、従来料金の設定に当たりましては、事業体でございます電電公社、国際電電が合理的な経営のもとで良質なサービスというものを安定的に供給できる、提供できるということを考えながら、国民生活に及ぼす影響等も考慮しつつ対応してまいったところでございますけれども、現在、たとえば国内で申しますならばいわゆる国内通話料の遠近格差の問題でございますとか、あるいは国際の料金のあり方といったふうな問題がいろいろ提起をされておることも、それが現状であろうと思うわけでございまして、そういう現状を踏まえまして今後とも一層積極的に重要な政策課題として取り組んでまいりたい、かように考えております。
#61
○国務大臣(大西正男君) いま事務当局からお答え申し上げましたように、先生の御懸念につきましては十分に念頭に置きまして、過ちなきを期してまいりたいと存じます。
#62
○和泉照雄君 再度大臣にお尋ねをしておきますが、料金問題、料金政策に話が及びましたので、この際電話料金政策に対する郵政省の従来の取り組み姿勢についてただしておきたい、このように思います。
 私は、この法案について質問をいたしますもので、一応衆参の逓信委員会の会議録を読ましていただきましたが、去る四月十六日における衆議院逓信委員会における料金問題についてのやりとりを読んで実はびっくりしたのでございますが、その第一は、公衆電気通信法第一条に言う「合理的な料金」の解釈について郵政省としては何ら尺度というか定義を従来お持ちでなかった点が第一点でございます。第二点に、国際電話料金については、審議会あるいは公聴会など第三者、利害関係者等の意見を聞くという手続、手順すら決めていないということが第二点でございます。第三点に、国内電話料金については電電公社総裁が私的諮問機関という形で電電公社が適正利潤について検討していても、郵政省自体としては郵政審議会以外には料金専門の諮問機関さえ持っていないということが第三点であります。第四点には、国際電話料金問題について郵政省が積極的に経済企画庁に連絡もとっていないということ、以上が従来の郵政省の納得しがたい四つの点でございます。
 今日、公共料金の値上げに国民的関心が強く政治的問題となっている折から、このような姿が見逃されていいはずはないと存じます。ガス、電気、国鉄、タクシー料金等々、郵政省以外の料金認可はそれなりに仕組みは確立しております。国際、国内を通ずる電話料金に対する国民の理解、協力が得られるように、根本的に見直しをしてはっきり制度化することが必要ではないか、このように思うわけでございますが、大臣の今後の認可方針、認可手続整備に対する決意のほどを伺っておきたいと思います。
#63
○国務大臣(大西正男君) 料金問題でございますが、電信電話料金につきましては、国内の料金のうち基本的なものは法定料金として国会の御審議を経て定め、その他の料金につきましては郵政大臣の認可に基づきまして定めておるところでございます。その料金の認可に当たりましては、日本電信電話公社あるいは国際電信電話株式会社が合理的な経営のもとで安定かつ良質のサービスが可能となる収入、これが確保できることを旨として定めておると、こういうことでございます。
 また、認可料金の決定手続につきましては、明文の規定はございません。ございませんが、国内料金につきましては国民生活に重要な関係を持っているものは郵政審議会に諮っております。さらに、審議会において必要に応じ利用者等の意見も聞いておると承知をいたしておるところでございます。また国際料金につきましても、重要なものは今後郵政審議会等に諮ることを検討しているところでございます。
#64
○和泉照雄君 国際電信電話株式会社法の第十一条によりますと、利益の処分は認可対象になっておるようでございますが、この認可というのは当然修正等を含めてであると、こう理解をするわけですが、その辺のところはいかがですか。
#65
○政府委員(寺島角夫君) 御指摘のように、KDDにおきます利益金の処分は郵政大臣の認可となっております。御案内のとおり、利益金の処分につきましては、株式会社でございますので株主総会のこれは決議事項でございます。その株主総会の決議事項の上に、さらに郵政大臣の認可があって初めて効力を発すると、そういうふうに現行法で定められておるわけでございます。
 この利益金処分の認可に当たりまして、それでは郵政省としてどういう態度で臨んでおったかということでございますけれども、この利益金の処分が認可の対象となっておりますゆえんのものは、決算の結果生じてまいりました利益というもののうち社外に流出をしていく一つの限度、そういったものについて適正なコントロールが必要であるという観点から定められておるものと理解をしておるわけでございまして、利益金処分の内容は主たるものは株主への配当でございます。株主への配当を幾らにするかという点、いま一点はいわゆる役員への賞与でございます。この二点が利益金処分の内容でございますので、そういう観点から従来審査に当たってきたわけでございます。
 なお、つけ加えさしていただきますならば、配当につきましては、三十年代の半ばごろからずっと一割配当ということで配当は規制をしてきておるところでございます。
#66
○和泉照雄君 この利益処分については、やはり決算書類として貸借対照表とかあるいは損益計算書、これも出されると思うんですよ。そうなると、監理官が目を通して、KDDの経営内容というものにも目を通すことは当然であろうかと思うんですが、もう一点おかしなことがあるのは、要するに五十年度の経常利益というのは百五十三億、五十一年度が百九十六億、五十二年度が二百二十一億円、五十三年度が二百五十二億円、五十年度と五十三年度を比べますと、たった三カ年で百億円も増加をしておる。そして、各年度間の差額を見てみましても約四十億円という大きな利益の伸びを示しておる。しかしながら、この経常利益を出していながら、当期の利益を見てみますと、不思議なことに、五十年度の七十億円を別にすると、五十一年度以降は皆横ばいであると、こういうところに監理官が疑問を持たなかったということ自体が、しかもKDDは利益を温存をしておることは当然だというようなことを言うような人が監理官をしておったということに私はこの大きな問題があると思うんですが、監督権の問題についていかが大臣お考えですか、いま私が申し上げたことについて。
#67
○政府委員(寺島角夫君) 大臣のお答えの前に事務的にお答えさしていただきたいと存じますが、先ほどお答え申し上げましたように、決算に関しましては利益金の処分のみが認可の対象となっておるわけでございます。で、これは二十八年にKDDを株式会社として民間のいわゆる創意性、機動性、自主性というものを発揮させるということがより望ましいという政策判断で株式会社として設立されたものであると理解をしておるわけでございまして、しかしながら、同時に、その行っております業務の公益性にかんがみまして、一定の国のコントロールが必要であるということでその両者のひとつの調和の上に現行法というものができておるというふうに理解をしておるわけでございまして、そういう観点から、いわばこの利益金の処分というような形で決算につきましてもマクロ的な把握を行ってきたのが偽らざる現状でございます。
 そういう観点から、確かに先生ただいま御指摘のように、貸借対照表でございますとか、あるいは損益計算書といったものは利益金処分の審査に当たりましてその付属資料として提出を求めて中身は見てきております。そういう状況で経営内容の把握には努めてきたわけでございますけれども、その経理の詳細な内容ということについての把握まではいたしておらなかったというのが現状でございます。そういう点の反省に立ちまして今回KDD法の一部改正案を、特に財務面を中心といたしますKDD法の一部改正案を御提案申し上げ、現在衆議院において御審議をいただいておる段階でございますので、そういうことも踏まえまして、いわゆる今回の事件のようなことの再発防止ということに努めてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
#68
○国務大臣(大西正男君) いままでの経過等につきましては、電気通信監理官からお答えをしたとおりでございます。でございますので、そういう従来の監督のあり方等をも反省をいたしました上で、いま監理官からも申し上げましたように、財務面に対する監督を拡大をして、より以上にKDDのその方面のあり方あるいは実情について把握し得る体制をつくっていただくと、こういうことでKDD法の改正をお願いをしておるわけでございまして、これからは今回のような事件が再び発生することのないように努めてまいりたいと存じます。
#69
○和泉照雄君 次は、電電公社にお尋ねをしますが、度数表を電話局で通さないで使用ができるシステムはどういうふうになっておるんですか。
#70
○説明員(稲見保君) お尋ねの御趣旨は、私いま、電話交換手がつなぎました場合に、普通当然のことながら料金の請求のもとになりますチケット、内部では交換証と申しておりますけれども、それをそういうきちんとした手続を経ないで通話のサービスを提供している、そういうケースがあるのではないかというふうに承ったんでございますけれども、それでよろしゅうございましょうか。
#71
○和泉照雄君 まあ答弁してみなさい。
#72
○説明員(稲見保君) これにつきましては、当然お客様からの申し込みをいただいて通話サービスを提供いたします以上、定められた正当な料金を請求する手続をきちんとやるということが当然でございまして、料金を、お客様との間で何と申しますか、はかり合って免れるというふうなことに手をかすということはもう当然許されないことでございまして、私どももこの点につきましては、職業人としての当然の倫理の問題でもございますし、まして電電公社の場合公共企業体ということでございまして、公共企業体職員として綱紀上もゆゆしき問題でございますから、そういうことがあってはならないということで、十分気をつけて教育もし、監督指導ということもやっておるところでございます。
#73
○和泉照雄君 時間がありませんので具体的に申し上げますが、名前は控えさせてもらいますが、私は鹿児島なんですよ。その方は東京のガソリンスタンドか何かをやっておる方で、御両親が鹿児島におられてある病院に入院をされたと、それで付き添いで一カ月ぐらいずっと鹿児島の病院に東京からお帰りになったと、毎晩約一時間ぐらい東京の御主人のところに電話をかけられると、一時間ですよ、長電話をおかけになるので、一緒におった方が非常に不審に思って、あなたも相当に電話料かかりますねと言ったら、私はただですと、それで私のところに、ただですと言われるのですがおかしいと聞いてみたら、兄弟が電話局に勤めておるというのですよ。それで大体試算をしてみましたら、一通話大体八千円からちょっと一万円近くなるんじゃないかと思うのですよ。そうなりますと、これは職員に聞いてみました、私が知っておる職員に。できますというんですよ。機械係一や交換台の人に親類とか兄弟がおれば、そこにこうやってそしてつないでもらえばできますと、私たちも若いときは特権意識でやったもんですと、そういうような返事が返ってきました。
 で、世の中には国鉄一家というのがありますが、電電一家というのもあるそうでございますが、いま四千億からもうかっておる――もうかっておるという言葉が適当ではないかもしれませんが、利益を上げておられるということになりますと、その部内でどれほど私はそういうような不正な使用をされて、電話料を公的な――副総裁がどこでですかね、神奈川でおっしゃったことは、公社はわれわれのものではない、あくまでも社会の公器、国民大衆の財産であると、こういうように講演をされておるとおりのものが、そういうふうに家族まであるいは兄弟まで親類までということになりますと、どれほど私はそういうようなことが行われておるかわかりません、わからないと思うのですよ。あなたたちはその防遏の手段をとっておられますか。
#74
○説明員(稲見保君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、もう全く許されないことでございますので、入社時の社員教育、それからその後の日常の指導監督においても、通信の秘密の保護とあわせまして、これは重要項目として絶えず指導をしておるところでございますが、御指摘のように、では過去においても全くそれは皆無であったかということになりますと、残念ながら過去十年間につきまして全国にわたって調査をいたしました結果によりますと、不当に料金を免れるという態様の行為をしたケースが五件見つかっておりまして、これにつきましては厳重な処分をしておりますと同時に、こういう事例があったということで全国の関係の部署に注意喚起ということもいたしております。
 それで、過去の事例から一般的に推測をいたしますと、職員の大多数というものはこれは信頼するに足るわけでございますけれども、そういう不幸な事例から推測いたしますと、交換台におきまして通話の接続サービスをしながら交換証、先ほど申し上げましたチケットですけれども、これを作成をしない、したがって料金が請求されないというふうなやり方、これが一つの型でございまして、もう一つは、先生いまお話ございましたように、電話の故障の受付とか故障修理の手配をするための試験台と私ども申しておる設備がございますが、これはもともと通話を接続する、お客様同士の電話をつないで通話をするというそういう機能というか、そういう目的のものではございませんので、ありますけれども、技術的にはつなぎ得るという一応システムになっております。それを故意に悪用をしてつなぐといったケースが発生をしたことはございます。いずれにしましても大変ゆゆしき問題でございますので、さらにこの機会にこの種のことが発生をいたしませんように、さらに徹底的な指導、周知というものをいたしたいというふうに思います。
 なお、交換証を作成しないとか、あるいは試験台においてお客様相互をつないだ状態にするということは、周りのプロの同僚あるいは監督指導者から見れば大変不自然な状況でございますので、注意をしておればこれを把握すると、是正をするということは可能かと考えております。
#75
○和泉照雄君 私が心配するのは、それは五件過去あったというお話ですけれども、五件以上あったのは事実かもしれませんが、その部内であるということはある程度あるかもしれませんが、部外の人がそういうようなことを悪用しておるということは、これはもうゆゆしい問題ではないか。ですから、こういうことがあちらこちら広まっていきますと、いま四千億もう三年間連続黒字ということで、そうなるとそういうような悪いことをしておることまで累積をしたら相当また、正規にあれしたら黒字になるんじゃないか。だから電電公社は相当もうかっておるんじゃないかというふうにもとられるわけでございますから、それは何とか防遏の方法を、モラルの問題もあると思うんですよ。大体職員が自分のところの親類なんかにそういうことを教えること自体がもうけしからぬ話で、それは名前は言いませんけれども、私も名前はちゃんと知っております。いろいろ調べました。毎晩一カ月ぐらいかけたと言うんですから、もうその同居の人は非常に不思議がっておられたということでございますから、公社員のやはりモラルの問題でございますので、この点は厳重に取り締まっていただくように要望をして、私の質問を終わります。
#76
○委員長(古賀雷四郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十二分開会
#77
○委員長(古賀雷四郎君) ただいまから内閣委員会を再会いたします。
 午前に引き続き、郵政省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#78
○沓脱タケ子君 それでは、最初に郵政省設置沖の一部を改正する法律案について簡単にただしておきたいと思います。
 それは、今回の設置法の改正の内容というのは、午前の質疑でもいろいろと疑問が出されておりましたように、電監室と通信政策課を合わせて電気通信政策局とするというのですけれども、その理由というのがいろいろお聞きをしておりましても非常によくわからない抽象的な内容なんですね。なぜそういうふうに変えなければならないのか、その点もっと端的に聞かしていただきたい。電気通信監理官室から局に改めなければならない理由ですね、さっぱり、午前中も聞いていまし方けれども、もう一つ理解を十分しにくいわけです。その点について。
#79
○政府委員(小山森也君) 先ほども当委員会でも先生にお答え申し上げたわけでございますが、宙ねて申し上げますと時間がなくなりますので要約いたしますと、やはり電気通信監理官制度というのは官房に設けられました一つの特別な職でございまして、これはいわゆる行政組織法上に言いますところのいわゆる一般的な行政を行うための基本的な組織形態でないということは御理解いたがけると存ずるわけでございます。
 それでは、なぜこの時点においてというお話でございますが、これにつきましては、先ほども申し上げましたとおりに、電気通信のいまの行政需要と申しますのは、いわゆる特別な職である監理官が行うということにしてはその行政需要が非常に膨大になっておりますし、しかもこれが技術革新に伴う行政需要ということで、これから先も行き先どのような形でいくかということはなかなか発展性のある可能性を秘めている行政というものの需要であるわけでございます。そうした場合に、やはりこういっや行政需要に対応する形の行政組織と申しますのは、やはり基本的な行政形態である局の形式をまず入れ物として入れると、つくるということが非常に活力ある行政を維持する上においては大事なことではないかと思います。さらに、このことによりましてそこに与えられました責任と権限ということがより明確化することによりまして、いわゆる行政に当たる者の行政に対する責任意識というものも当然それに対応した形で明確化してくるというものであろうと存じます。これがいわゆる行政組織の一つの機能であろうかと存じます。
 したがいまして、それと同時に、そういった電気通信に対する行政というものに対応する形のものは、やはり一本化することによりまして、またいわゆる合併によりますメリットということが期待できるということから、官房にありますところの通信政策課、これを統合いたしまして電気通信政策局という組織をつくることによりましてより一層活力のある行政というものにしてまいりたい、これが真意でございます。ひとつ御理解いただきたいと存じます。
    ―――――――――――――
#80
○委員長(古賀雷四郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 中西一郎君が委員を辞任され、その補欠として高平公友君が選任されました。
    ―――――――――――――
#81
○沓脱タケ子君 御説明はいろいろとおっしゃるんだけれども、やっぱり監督権限はKDD法、それから公衆電気通信法という範囲を出ないわけですよね。政策課と言うから何かむずかしいように聞こえるんだけれども、そういう点で、政策面ではこれは通信政策課というのは従来やっていたわけですからね、新たに加わったわけじゃなくて。そういう点で権限から言うて余り変わらぬのと違うかなあというふうにしか理解できない。それは技術的な日進月歩という点については御指摘よくわかりますよ。しかし、政策課という担当課がなかったんなら話は別だけれども、課があったわけですからね。しかも権限は変わらないし、人員は縮小するんでしょう。それはどうなんですか。時間かかるからもう簡潔に聞きたいと思っているんですが、権限は変わらない、人間は減るということで、監理官室から局にするという、それでこの法案の趣旨説明では、「電気通信行政の責任と権限を内外に対して明らかにし、」なんておっしゃるんだけれども、監理官という名前よりも局長の方がかっこうがいいから、内外に通りもいいし権威も立つというだけしか感じられないわけですよね。そういうことになるとやっぱりまずいでしょう、実際。そういうふうに受け取られるということは、せっかくの組織法の改正を提案しておられるのに非常にまずいことじゃないかと思うんですよね。その辺がはっきりしない。
 それから、経理局を今度は経理部にするというんだけれども、これは全然無関係ですわな。監理官室を局にするということとは全く無関係だと思いますし、そういう点でどうも、どうして電気通信政策局でなければならないかというのは依然として理解がしにくいわけですが、人員が減って権限が余り変わらぬという状況なのにという、そういうことになるとこれは法案の趣旨説明とちょっと変わってくると思いますので、そうではないんだったらないということを簡潔にお伺いしておきたいと思います。
#82
○政府委員(小山森也君) お説によりますと、いわゆる人間が減ってくる、定員減になる、それで権限が変わりないではないかというお話かと存じます。
 やはりこれは、一つはいわゆる集中のメリットというのがございまして、こういった同じような、と申しますのは通信政策課というのは現在でもありますけれども、これはいわゆる設置法上の、三条の抽象的な条項を受けましていわゆる政令によってその権限を決めているわけでございますが、今回それを通信政策局に統合することによりましてこれを明確化して、かつ電気通信政策としての統合ということをするわけでございます。このことによりまして、やはり単なるその権限が分散しているものを集中するということによりまして、むしろ重複している部分というものが減になるわけでございまして、そういった点におきまして要員というものと結びついておるわけでございます。
 なお、お説のとおりにいたしました場合におきまして、いわゆる行政効率というのは増員によって賄われればそれでいいかというような形にもなろうかと思いますが、やはり行政組織というものは生き物でございまして、そういった一つの一般的な行政需要に対応する形の行政組織法上の基本的な形態をつくることによりまして、やはりその組織全体に活力が出る、そのことによって行政事務そのものに活力が出るということになる、これがまさに行政組織というものの一つの形態がこういうことによって決められてくるんではないかと思いますので、ひとつ御理解のほど願いたいと存じます。
#83
○沓脱タケ子君 それでなかなか理解が十分いきにくいわけですが、監理官室を局にしたからKDD事件のようなものが起こらないようになるんだという保証もないわけですわな。そういう点から見て――そのことについて追及していると私の持ち時間短いですからありませんので、そういうこととも関連をいたしましてKDD問題について若干お聞きをしておきたい。
 昨日の衆議院の法務委員会と逓信委員会におきまして、KDD事件の捜査について法務省の前田刑事局長は、おおむね山を越えたという意味のことを言われ、警察庁の漆間捜査第二課長も、大筋において終了の方向に向かいつつあると答弁をされておるようです。けさからの御答弁の中でもそういった点が出ております。
 また、数多くの疑惑が指摘されている政界工作について、漆間課長は、政界に流れた金の中に刑事事件に問うべきものはあるとは報告を受けていないと述べられておるわけです。こうなってまいりますと、まさに大山鳴動ネズミ四匹ですか、国民はこれはとうてい納得できないわけでございます。浜田幸一氏が指揮権発動と言われたようですが、国民はなるほどそうかと思っておられるのは、これはもう当然のことでございます。捜査が事実上終結になりますならば、きのうの答弁でも明らかなように、KDDの金品が政界に流れたということはすでにはっきりしておるわけでございますので、その金品を受領した政治家の政治的道義的責任を究明する仕事というのが国会に課せられておるわけでございます。その際に、大平内閣としては国会に対して最大限の協力をしてもらわなければならないと考えるわけでございますが、官房長官、その点についてはいかがですか。
#84
○国務大臣(伊東正義君) いまの御質問でございますが、国会の調査権の行使に対しましては、いままでも政府としましては、法令の許す範囲内において最大限の御協力をいたしていくというのがこれまで一貫した政府の方針でございまして、今後ともこの方針は変わりないというふうに思っております。
#85
○沓脱タケ子君 政府の国会への協力という場合に、すでにロッキード事件という前例があるわけでございます。ロッキード事件では、この政府の対応というのは、国民の期待や要求から見まして決してこたえるものではなかったと思うわけでございますけれども、しかし、それでも最終的には五人の灰色高官の氏名が委員会の場で公表されている。この経過と事実というものは、これは官房昇官よく御承知でございましょう、いかがですか。
#86
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。
 ロッキード事件の際に、国会においていわゆる灰色高官ということにつきまして、これはいろいろ問題になったわけでございますが、政治的道義的責任の範囲ということの基準があれ示されたのでございます。御承知のような時効の問題でございますとか、職務権限の問題とか、そういうことで政治的道義的責任の範囲ということで基準が示されまして、関係当局が人権というものには十分慎重に配慮した上で、秘密会議で必要な範囲の結果を報告したという経緯があることは私も存じております。
#87
○沓脱タケ子君 経過はよく御存じのようですが、少し繰り返してはっきりさせておきたいと思うわけです。
 当時の三木総理は、衆議院の本会議でロッキード事件での政府の対応についてこういうふうにお述べになっておるんです。
 ロッキード事件の究明について具体的にどうするのかというお話でございます。この問題について、次のように考えておるわけであります。
 一つは、丸紅及び全日空ルートの捜査はほぼ終了に近づきつつありますので、遅くも十月十五日までには稲葉法務大臣の中間報告をいたすことにいたします。
 中間報告には、ロッキードに関して金品の授受があったが起訴に至らなかった捜査結果も含め、一般的概要の報告をする準備をいたしております。その中には具体的な氏名は含まれません。
 三つには、具体的氏名については、世にいう灰色高官につき、その範囲について国会としての意思を御決定になり、それが決定された後、それに従って資料の提供等国会の国政調査権に最善の協力をいたします。ただし、刑事訴訟法上の立法の趣旨に照らし、当該委員会は秘密会でお願いをしたいと思っております。という態度を当時の三木総理は表明をされておるわけでございます。
 そして、その方針を受けまして、三十ユニットの関係者五人、全日空簿外資金関係十三人、延べ十八人については肩書き、受領金額、名目、時期等が委員会または理事会など公開の場で報告をされ、具体的氏名については、三十ユニット分についてはおっしゃるように秘密会で報告をされ、その後委員長が公表をされた、こういう経過になっておるわけでございます。
 大平内閣におかれましても、KDD事件に対して三木内閣と同じ程度の協力をしてもらわなきゃならぬと思いますが、その点について官房長官いかがでしょう。
#88
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。
 いまロッキード事件のお話がございましたが、今回のKDD事件については、いわゆる政治的道義的責任の範囲といいますか、そういうものがこの前の国会では御判断があって示されたわけでございます。今後の国会ではまだそういうことは国会からは示されておらないわけでございまして、いま先生、灰色高官というお言葉をお使いになりましたが、そういうことにつきましても、今度の事件ではどう考えるんだということもまだ国会で何ら御判断がないわけでございますので、われわれとしましては、そういう問題でいろいろ公表するというようなことはいま考えておらぬというのがいまのわれわれの考え方でございます。
#89
○沓脱タケ子君 そうしますと、国会の意思が決定をいたしますと、これはロッキードのときと同じような態度を大平内閣もお示しをいただけると、そういうふうに理解をしてよろしいですか。
#90
○国務大臣(伊東正義君) いまのお話でございますが、この前は先生御承知のように、議長の裁定がございましたり、あるいは法務大臣が中間報告をしていくというようなことのいろんな道順を経てあったのでございます。それでそういう結果、先生のおっしゃったようなことがあったわけでございますが、今後のKDD事件は、法務当局から恐らくお答えをしていると思うんでございますが、そういうあのときの金銭の性質、今度の金銭の性質とかいう、いろんな前と違うことでいろいろあるんじゃないかと私は思うわけでございます。これは法務当局からよくお聞きくだされば結構だと思うんですが、前の事件と今度の事件と私は若干違うことがあるという考え方を持っておりますが、われわれ政府としましては、国会がそういう手順をお踏みになってということでございますれば、私はそのときはまたどういうふうにするかということを考えていくということだと思っております。
#91
○沓脱タケ子君 きわめて不十分だとはいえ、いわゆる灰色高官に関する捜査結果について、公開の場で、具体的な氏名を除いて、人数だとか肩書きだとか受領金額だとかその名目とか時期など、こういうものを公表したのは、これは訴訟書類の非公開を原則としながらも、公益上の必要によっては公開もあり得ると規定した刑訴法四十七条の適用について、あの当時政府の解釈が明らかにされているわけですね。ちょうど昭和五十一年十月十五日の衆議院のロッキード特別委員会で、当時の法務省の安原刑事局長は次のようにお答えになっているんですね。これはちょっときちんとしたいから会議録を読みますが、
  今回のような国政調査の特段の御要求があるということを考えますときに、これを公開の委員会で公表するということではなくて、国会御当局において追及をなさっております政治的道義的責任の構成要件が定まりますならば、その決まりました場合におきまして、秘密が保持される秘密会の形式でその資料の提供を求められますならば、そのお決めになりました政治的道義的責任のある者と検察、法務当局の考えるものにつきまして資料を提供するということは、刑事訴訟法四十七条ただし書きのぎりぎりの限界の適用として、その程度のことは御協力申し上げることができるのではないかというのが考え方でございます。これは、あの当時非常に論争になって論議が交わされて、そのことが明らかにされたわけでございます。で、こういう刑事訴訟法四十七条ただし書きについての、いわゆるぎりぎりのところと当時の刑事局長がおっしゃっておられるこの解釈は現在も変わっていないのかどうかという点について、これは法務省、御見解を承っておきたい。
#92
○政府委員(前田宏君) お尋ねの点につきましては、先ほど来官房長官からお答えございましたように、ロッキード事件につきましては、国会におかれましていわゆる政治的道義的責任の範囲と申しますか、定義と申しますか、いまのお話の中にありましたように、まあいわば構成要件というものが国会におかれて定められたわけでございます。そして、その手続等も、先ほどもお話にございましたように、定められた上でのことでございますので、そういうことがございましたならば同様なことに相なるかと思いますけれども、やはり捜査の内容の一部にもせよ公開の問題でございますので、その事案事案に応じて具体的な適切な応対をしなければならない、かように考えている次第でございます。
#93
○沓脱タケ子君 そうすると、刑訴法四十七条ただし書きの解釈については、そういう構成要件が決められればぎりぎりの解釈というのは変わらないと、こういうふうに御理解申し上げてよろしいですね。
#94
○政府委員(前田宏君) 一般的には先ほどのようなことでございますが、いま最後にも申しましたように、やはり事案に応じて、またお求めになる内容に応じて、それが四十七条の精神のぎりぎりの線であるかどうかということは、やはりその具体的な場合によって考えていかなければならないと、かように考えております。
#95
○沓脱タケ子君 そこがちょっと怪しいんですけれども、しかし、それは大前提になっているロッキードのときの大前提というのは、国会の意思という大前提になって構成要件その他必要な諸条件が院の意思として決定をされた場合、だから今度のKDD事件の場合もそういう要件が整った場合には刑訴法四十七条ただし書きというのは、この解釈は変わりませんかということをお伺いしているんですよ。
#96
○政府委員(前田宏君) 同じようなお答えになって恐縮でございますが、先ほど申しましたように、手続等がきちっとされました上でのことでございますけれども、一般的な理解としてはお説のとおりでございますけれども、やはりどういうものをどの程度公にするかということになりますといわばケース・バイ・ケースということが起こるのではないか、こういうことをつけ加えて申したわけでございます。
#97
○沓脱タケ子君 それで、一般的な立場あるいは法律の解釈が変わらないということであれば、これは前提として国会の意思がロッキードと同じような状況をつくり上げるということになれば、当然捜査結果の一般的な概要の報告、あるいは二番目にはKDDから金品を受領した政治家あるいは高級官僚の肩書きとか、受領金額あるいは金品は何か、金額の場合には受領の名目とか時期などの報告、それから三つ目にはいわゆるKDD灰色高官について国会の定める基準、国会が基準を定めれば当然これは公表をしてしかるべきではないかと思いますが、その点はいかがですか、官房長官。まあ法務省の御見解を先に伺った方がいいかね。法務省の御見解、いかがですか。これは、最後の灰色高官の部分については国会の意思ということはありますが、最初に申し上げた二つについては直ちにやれるんじゃないですか。
#98
○政府委員(前田宏君) 同じようなことでございますけれども、いま三つに分けて仰せになりましたけれども、やはり捜査の結果得られました資料なり内容なりというものを公にすることの当否という問題にかかわることでございますので、やはり慎重な配慮が必要であろう。もちろん、国政調査権の重要性につきましても十分理解しておるつもりでございますけれども、一面、捜査の秘密の保持ということも大事なことであろうというふうに考えておる次第でございますので、いろんな面におきましてその両者の一種の均衡と申しますか、必要性と申しますか、そういうことについての慎重な検討の上でしかるべくできるだけの応対をしなければならない、こういうふうに考えるわけでございます。
#99
○国務大臣(伊東正義君) 御質問の点は、さっきの政治的道義的責任の範囲とかいうことは、それはいわゆる灰色高官の場合なんだということをおっしゃった、この前も、そのとおりでございます。
 それ以外のお話でございますが、これは四十七条ですか、刑訴法との関係のただし書きの問題になるわけでございますが、これは、いま法務当局が言いましたように、人権にも非常に関係することでございますし、公益の判断の問題でございますとか、事件の内容、性質自体の問題でございますとか、いろいろな問題がございますので、これはやはりケース・バイ・ケースでいま法務当局が言われたように判断をしていくということだと私は思うわけでございます。これは、やはり人権に関係することでございますから、慎重に考えていかなきゃならないことだというふうに思っております。
#100
○沓脱タケ子君 そうしますと、昨日の衆議院の法務委員会で漆間捜査第二課長がKDD事件の五十八億の交際費の使途を解明してその数字を国会に報告したい、報告すると答弁をしておられるんですが、その大筋の範囲というのは一体何ですか。
#101
○政府委員(中平和水君) 昨日、私どもの二課長がそういう趣旨の答弁をしたようでございますが、いま現在捜査は、大体、大変大ざっぱな言い方をしますと、九割方は終わって、あと一割方一応残っている。大変大ざっぱな数字でございますが。そういうことで、まだ未解明な分野が残っている。したがって、これについては今後さらに残された期間、いろんな制約はありますが、全力を挙げて一応解明に当たりたい。したがって、その時点で、これからもいろいろ国会の御論議があろうかと思いますから、国会の御論議の過程の中州で、私どもかねてから繰り返し金の流れ、物の流れについて克明な捜査をやっておりますと、こういうことを国会で御報告申し上げているわけでございますから、捜査に支障のない範囲、あるいは人権上今後これはいろいろと差しさわりがございますから、その辺の配慮をしつつ、できるだけやはり国会の御論議を通じて明らかにしてまいりたい、これもまたこのケースに即した最大限の御協力を申し上げたいと、そういう趣旨で二課長が御答弁申し上げたものというふうに理解しております。
#102
○沓脱タケ子君 そうしますと、五十八億の金の流れを解明していると、あと一〇%ほど残っていると、未解明はね。それで、その大筋を報告するということになると、捜査結果の一般的な概要の報告というのは当然ですわね。当然そうなるでしょう。それから、KDDから金品などを受けた政治家や高級官僚のまあ名前、話は別になっているわけやから、肩書きだとか、受領金品が何かとか、金の場合は金額、受領名目ですね、あるいは時期、そういうものを報告するということが漆間第二課長のいわゆる大筋の範囲という意味ですか。
#103
○政府委員(中平和水君) この大筋の範囲というのは、どこまで大筋と言うかなかなかむずかしい問題でございますが、ごく大ざっぱに私ども考えておりますのは、この事件というのは非常に国会でも十分御論議いただきましたし、それから国民的な関心も非常に強いわけでございます。いずれにしろ、警視庁としては事件の最終的な結果について、何らかの形でやはりこれは国会でも御論議の過程の中で明らかにしていかなきゃならぬ。それから一方、これは報道機関等にもある程度明らかにしなきゃならぬ、そういうことになるわけでございます。
 したがいまして、いま私どもが一応解明の対象としております、この五十一年から五十四年の九月、約三カ年半にわたるいわゆる交際費五十八億一千四百万ぐらいになるわけでございますが、これの中で、今回の一応業務上横領等の犯罪として摘発された分野、それから、かねてから御議論になっている政界にどの程度、やはりパーティー券だとか、あるいはその他いろいろ陣中見舞いだとか、いろんな趣旨の金がかなり行っておるわけでございますが、これらについて、まずこれは刑事責任の有無についてわれわれはいろいろやっているわけでございますが、これはもう現在までの捜査の状況では、おおむねこれは社交的な儀礼の範囲にとどまるものが大半でございまして、特に警視庁の方からいま刑事責任を追及する対象になるものとしては具体的な報告は受けていない、こういう状況になっているわけでございます。
 したがいまして、その何といいますか、アウトラインと申しますか、おおむね金額がどの程度であったかとか、大体大ざっぱにはどの程度の範囲のところにいろんな金が行っておったとか、その程度のことはやはりこれは明らかにしなきゃならぬじゃないだろうかと、こういうふうに考えておるわけであります。
#104
○沓脱タケ子君 これは、官房長官が時間ないそうですから、最後にちょっとお聞きをしておきたいんですが、きのうの衆議院の法務委員会ですが、未解明部分の解明はそう時間かからないと言って、やっぱり漆間課長がおっしゃってるんですね。それで、かなり早期にやれるということをおっしゃっておられるんですよ。ですから官房長官ね、第一線で大変苦労して解明に努力をしておられる、第一線の分野でそういうふうに見通しをお立てになっておられるわけですから、少なくともそう時間かからぬというところで、九割方まで来ていろわけですからね、これはもう最大限ピッチを上げてもらって、今国会中にやらせるべきだと思うんですね、解明をやり尽くさせるべきだと。で、解明が終われば当然公表するということ――範囲はいろいろ言うておられますけれども、しなきゃならぬとおっしゃっているわけですから、それで、解明が済んだらこれは当然政府は報告を受けるわけですから、政府の責任という形でこれは報告をしてもらわなきゃならぬわけですけれども、これはまあロッキード事件のときにもこの辺は大分問題になったんですね。公表するのは報告を受けた政府の責任でやるんだということは、これはロッキード事件のときの論議でもう明確になっておりますが、そういう点で、第一線ではそこまで来ていると、だから、できるだけ究明を急いでいただいて、今国会中にこれは大筋と言われる姿の少なくとも公表をやってもらうべきだと思いますけれども、官房長官の御見解をお伺いしたい。
#105
○国務大臣(伊東正義君) お答え申し上げます。
 われわれは、こういう捜査始まった問題につきましては、捜査当局が適正な、公正な捜査をしてもらうということを期待して、関心はもちろん持っておりますが、その推移を見守っておるというのが実情でございます。われわれの方から、早くとか遅くとか、そういうことを一切言ったこともございませんし、関心を持って見守っておるというのが実情でございます。
 それで、報告を受けておりますのは、起訴になりますと、こういうことで起訴になりましたと、起訴事実の報告は受けるということをやっておりますが、それ以外のことを一々報告を受けるとか、そういうことは私どもは実はやってないんです、いままで。何か、われわれが報告受けるということだけでいろいろな御批判も招くおそれがありますので、われわれとしましては、公正な捜査を期待して見守っている、起訴になれば起訴の事実、こういうことでこういう人を起訴しましたという事実の報告を受けるというのがいままでのやり方でございますので、いま先生、まあ早くというお話がございましたが、この問題につきましてはわれわれはやはり従来と同じ態度で見守っていると、公正な捜査を期待して見守っているというのが政府の態度だというふうに思っております。
#106
○沓脱タケ子君 あのね、官房長官、早うやれとか遅うやれとかいうて、そんなこと一切言うたことないと、これはまあ当然そうでなくちゃならぬと思うんですよ。
 私が申し上げているのは、いよいよ参議院選挙も目の前控えている、しかし大山鳴動ネズミ四匹やという状況では、これはやっぱり国民納得できないですよ。そういう状況だと。で、郵政省は組織法やいうて、一番そのネズミの二匹出た監理官室を局に変えるんやいうて組織法出してくるというふうなことになっているわけだから、そういうふうなことになっておる限りは、少なくともあと一〇%で解明が済むというんだから、国民の要求としてもこれは最後の解明を急がせて、可能なら今国会中に解明をやり尽くさせなさいと、こういう私の方の希望なんですよ。そういう努力をしてもらいたい、こういうことですが、再度、簡潔で結構でございますので、お願いします。
#107
○国務大臣(伊東正義君) 先ほど申し上げましたように、司法の問題にわれわれ口出してどうということを実はやっておりませんので、いまここでそういうことをやりますというお答えはできないわけでございます。ただ、きょうは司法当局の方もここで聞いておられますから、私は、先生のお話は当局は十分聞かれたと思います。私どもとしましては従来の態度でこれはやはり見守っていくということでないと、行政が口出したということになりますので、私は先ほど申し上げたような態度でこの問題を見守っているということでございます。
#108
○村田秀三君 まず初めに、電気通信政策局を新設することについての意見がかなり出てまいりました。で、私もそれはそれなりに理解はいたしますけれども、しかし、今日の情報社会、情報産業、まあ多様化して発展をいたしております。そして、若干の混乱があるということも聞いておりますし、とりわけ機情法を担当しておる通産省、電気通信事業を所管する郵政省、この間にまあいろいろな話を、うわさの程度ではありますけれども聞いておる。したがって、この電気通信政策局というものについて、私はある程度の理解を持っておるつもりであります。
 しかし、経理局をなぜ廃止しなければならぬのか、こういう疑問も実は持っておるわけであります。これは、行政改革との関係で一局をふやすことはまあなかなかむずかしい、こういう意味でこれを経理部にするというような措置がとられたのではないかとは思います。経理部にして実際問題として支障ないものかどうか、こういう疑念が一つあるわけでございます。と同時に、これは機構改革でありますから、人事の配置、いろいろあろうかとは存じますが、まあ、これだけのことでありますからそう混乱はないとは思いますけれども、まさに人事配置等について労使の間で問題はないのかどうか、そういう点についてひとつお伺いをいたします。
#109
○政府委員(小山森也君) 経理局の廃止の問題でございますが、ただいま先生が御指摘のように、やはり現在行政機構の膨張というものは厳に規制されております。したがいまして、そういった行政機構の膨張を伴わず、しかも現在の行政に課せられております行政需要にこたえるためにはどのような組織をもってこたえることが一番よいかということをいろいろ検討いたしました結果、今回御審議をお願いしております案になったわけでございます。
 それでは経理局の事務は支障ないかということでございますが、私どもとしては、やはりこういつた行政改革の中におきますそういった行政需要に対応するということになってまいりますと、あえて望むものではございませんが、私どもとしてその部分は努力をしてその行政の実を上げるということで臨まざるを得ない、またそういったことをもってわれわれとしては従来の経理局としての機能を落としてはならないように努力する、努力を含んだ中での今回の行政の機構改革の案でございますので、御理解いただきたいと存じます。
 それから人事上の配置の問題でございますが、これはきわめて具体的な問題になるわけでございますけれども、一般的な人事配置の問題としては問題がない、こう考えております。
#110
○村田秀三君 電電公社にお伺いいたします。
 先ほど同僚の山崎委員の方からも質問がございました、昨年来懸案になっておりますところの電電の機材の門戸開放の問題であります。で、先ほどの山崎質問によりまして現状については理解がいきましたから、その点は省略をいたしますが、ただしかし、答弁を聞いておりまして、まずは冷静に話し合おうじゃないかとか冷静に判断をする、こういうようなことのみでございまして、内容については、いわゆる交換機の導入の問題等についてはこれは話し合いになっておらない、交渉の内容は明らかにできない、こういう答弁に終始をしておるのであります。しかし、五日の日経新聞を見ますと、内容を簡略に申し上げますならば、「政府は米側から強硬に要求されている通信機本体の門戸開放に応じる方針を固めた。その方法は、研究開発に米メーカーも参加させ、開発の結果をみて機器の購入を決めるという二段構えの内容」と報じております。そして、また一つは、ディジタル電子交換機を購入して「わが国の通信システムに適合するかどうかテストする考えである。」、こう報ぜられております。したがって、先ほど答弁いただきました交換機の導入については話し合っておらない、こういうことでございますけれども、どうも私には理解できない。いや、やってはおるけれどもお答えはできませんと言うならばそういうお答えもありましょう。という点で、もう一度ひとつ明確にお答えをいただくと同時に、これは主として外務省がやっておるのではないかとも思いますけれども、郵政大臣としても、これ所管でありますから、その経過は十分了承をしているはずだと思います。まあ監理官でもよろしゅうございますけれどもひとつ御答弁をいただきたい、こう思います。
#111
○説明員(山口開生君) お答えいたします。私、けさほどの山崎先生の御質問に、現在、四回後、事務的な交渉以降も冷静にこの問題の解決のために交渉が行われているというふうに申し上げまして、その際にも具体的に、たとえば電気通信の設備の具体的な名前は出ておらないと申し上げました。
 で、それに対しまして私が再度申し上げますけれども、現在まだ具体的な名前は上っておりません。先ほど先生御指摘の、日経新聞に通信機本体の交換機に関する記事が出ておりまして、私も実はそれ読んでおりますが、この記事のニュースがどこから出たか実はよくわからないんでありまして、公社の中でもまだその記事に出ておりますような通信機本体、特にディジタル交換機についてどういうふうに扱うかということについては決めたものは一切ございませんし、そういう問題につて私どもがまだ郵政省、外務省の政府関係にもお話し申したこともございませんし、そういう意味から申しまして、その記事の出どころというのが実は私たちもよくわからないんでございます。
 そういうこともございまして、私たちとしましては現在まだそんな具体的な話が外務省と米国の間に進んでいるというふうに理解はしておらないのでありまして、けさも申し上げましたように、私どもは相互主義という基本に立ちまして、外務省、郵政省の関係の省庁には電電公社の考え方を申し上げておりますし、各官庁の方々も電電公社といいますか、通信設備というものに対する理解を十分にいただいて話し合いをしていただいている、このように考えております。
#112
○村田秀三君 これまたわからないという答弁になるのかもしれませんが、うわさに聞きますと、つまりことしの十二月三十一日までに交渉を続けて合意された部分から調達を開始するというふうにこれ、共同発表はなっておるわけですね。ところが、本当の単なるうわさなのかどうか知りませんが、政府高官レベルの中でこの五月中にもひとつ決めてしまおうじゃないか、こういうような話を伺っておるわけでありますが、その点についてはどうですか。これは監理官でも結構です。
#113
○政府委員(寺島角夫君) けさほど山崎先生にお答え申し上げましたように、昨年六月二日の共同発表を受けまして七月から今日まで交渉を続けてきたわけでございますが、その過程におきましてアメリカ側からはできるだけ早期の解決を、まあアメリカの国内事情から申しまして早く解決をしたいという要望が出されたことは承知をいたしております。しかしながら、日本側といたしましては、共同発表にありますように本年いっぱいの解決ということを双方合意をしておりますので、妥当な双方納得のいく解決ができますならばそのことが早期にできることを否定するわけではございませんけれども、共同発表と違う、たとえば夏なら夏というふうな一つのタイムリミットを決めて交渉すると、そういうことには応じがたいという姿勢で臨んでおるわけでございます。
#114
○村田秀三君 この際、強調しておきたいんでありますけれども、古い話になりますが、かつて逓信省が電気通信事業も所管しておりました。これが二省に分括をいたしまして電気通信省と郵政省に分かれた。その後、電気通信省が公社に転換をしておると、こういう経過があるわけであります。その段階において私どもは、いわゆる郵便やそういう事業はうまみがないけれども、しかし電気通信事業は将来の産業であり、うまみがあるから外国資本がどんと入ってくるというような、当時の記憶でありますから明瞭に申し上げるわけにはいきませんけれども、そういう話を私ども現場におりまして聞いたことがございます。民族意識もあるいはあったのかもしれませんが、しかし、この通信事業について機材やあるいは技術、こういうものがまちまちになってくるとするならば、これは通信事業にとって大変な結果を招くであろう。こういう意味で、外国資本の導入について反対をした経過が実はあるわけです。
 同時にまた、一昨年でございますけれども、東南アジアの方に行ってまいりました。いろいろと話を聞いてみます限り、とにかく国は特定いたしませんが、ここで名前は発表いたしませんけれども、開発途上国に対する援助物資の中に、いわゆる通信事業の機材が入っておる、あるいは安いから買う、こういうようなことでございまして、三カ国か四カ国から導入をいたしておる。でありますから、その職にある者は三つか四つの技術を取得しなくてはなりませんし、取得できない者は他の機械を扱うことはできないので、修理を依頼しても一カ月もほうっておかれるというようなことは普通である。実際に通信をいたしまするというと、いつ出るかわかりませんというような答えが返ってくるわけでありまして、まさにこの通信事業というものは、機材及び技術というものを系統的にこれは一貫をしておきませんと、恐らく日本の通信事業の将来にとって重大な禍根を残すであろう、こう実は私は思っております。
 当時反対をいたしましたその結果ということにはならぬかもしれませんけれども、今日、日本の通信事業、これは世界に冠たるものがあると、こう誇り得ると実は私も思っておるわけでありますから、そういう意味では、この問題をただに経済的な側面あるいは外交交渉の駆け引き、妥協の産物として軽々に扱うべきものではない、こう私は確信をいたしておるわけでありますけれども、電気通信政策局、せっかく新設をされるわけでありますから、この問題に真剣に取り組んで、とにかく日本の国益を守るという立場に立って対処してもらいたいと考えておるわけでありますが、大臣はいかがでございますか。
#115
○国務大臣(大西正男君) この問題につきましては、先生がおっしゃいますように、公衆電気通信事業の果たすべき高度の公共的使命、これにかんがみまして事業運営の円滑化と国民の期待にこたえた適切な電気通信サービスの提供を期する。こういう観点を踏まえまして、その適切な解決を図るべく今日までも努めてきたところでございます。今後におきましても、この趣旨におきまして関係各省庁とも協力をしながらやってまいりたいと存じておるところでございます。
 日米間の政府調達問題につきまして、御案内のように、昨年の六月二日の共同発表があるわけでございますが、その共同発表におきましても、相互の市場への進出機会に関し相互主義が適用されねばならないという意味の合意が成立をしておるわけでございます。
 現在、日米双方の電気通信事業体の調達実態等につきまして、今朝来電電公社当局からも現状を報告をされておったわけでありますが、また同時に、交渉の現状につきまして電電公社から御答弁を申し上げました認識と私たちの認識とは同じでございます。
 郵政省といたしましては、今後とも関係の各省庁ともよく連携をいたしまして、共同発表における合意の趣旨に沿って十分問題点を煮詰めまして、納得のいく妥当な解決を見出すことに今後とも全努力を傾注してまいりたいと存じております。
#116
○村田秀三君 次に、先ほど和泉委員の方からも質問されておったようでありますけれども、通産省が所管しております機情法ですか、これと電気通信事業というものは本来これ関係ないと私は考えてはおります。しかし、その法律制定の際に、それ以降も詳しくはこれは存じませんけれども、つまり電気通信事業を所管いたします郵政省と、それからその機器を開発、製造するという通産省と、どこがどういう食い違いがあるのかは存じませんけれども、何か意思がぴったりしておらないんじゃないかというようなうわさも聞いておるわけであります。私、考えてみますと、そんなにもめる話じゃないと、こう実は思っております。しかしながら、実際にコンピューター等の使用に当たっては、それが通信に応用されるということになりますると、いささか電気通信事業と類似する行為というものが知らぬ間に存在をするという懸念なしとしない、このことも私は存じております。そこでまあいいじゃないかという意見も、これは野放しにやらしてはどうかというような意見もあるいは出てくるのかもしれませんが、しかしそうであっては決してならないと、こう思います。
 やはり先ほど来申し上げましたように、日本の通信事業というものが世界に冠たる基礎を確立し得たことは、事業体の経営基盤の確立はもとよりでありますけれども、少なくとも国民のためになる良質な通信事業を提供するという意味合いにおいて、国が責任を持って一貫して系統的に技術の開発あるいは機材の開発、これを行ってきたことは私は間違いないと、こう思います。したがいまこう思います。その混乱をさせておくからこれ混乱が起きるんじゃないかとさえ実は思うのでありますけれども、とにかく交通整理をして、そしてつまりは、むしろ積極的にこの情報産業というものを国民のためにさらに拡大をさせるというような政策が必要である。こう実は考えるわけでございまして、この際、和泉委員の方からも指摘があったようでありますけれども、郵政省と通産省は大局的立場に立ってひとつ速やかにこの関係の改善、整理のために法制化も含めて検討しなくてはなるまい、こう実は思っておるわけであります。
 ということも含めまして、つまり電気通信事業というものは、これは一元的に運営されていくべきものであり、それがやはり政策の基本でなければならぬ、こう実は考えておるわけでございますが、大臣はいかがでございましょうか。
#117
○国務大臣(大西正男君) 先生のおっしゃいますことは、まことに大局的に物事をごらんになって、そうしてその観点からおっしゃっておられることでありまして、私としても傾聴いたしておったところでございますが、行政の面から考えまして、通産省あるいは郵政省、それぞれ所管事項を持っておるわけでありますが、その所管事項の根底において、やはり通信産業といった面から通産の方は考える立場にございましょうし、私どもの方は通信事業そのものとしてこれをとらえて、そうしてその面から行政を運営をしていくといった、それぞれ本来の分野が異なっておるわけでございますけれども、しかし、その境目においてはあるいはこれを判然と区別することのできない非常に関連をした問題が多々あろうと思います。
 したがいまして、そういう観点から考えまして、両者の緊密な連携のもとに行政全般が国としてうまく運ばれていかなければならないわけでございますから、そういう問題につきましては、単に通産省だけではなしに、関連をいたします各省とも十分に連携を密にいたしまして、そういう基本姿勢のもとにこれに対処してまいりたいと存じます。
#118
○村田秀三君 この際、一言これは申し上げておきたいと思います。
 きょうの質問の中でもKDD問題というのがかなり出されておりました。で、何といいましょうか、この郵政事業というのは本来じみなわけですね。これはもういまでこそ電波であるとかあるいは電信電話、花形産業になってはおりますけれども、かつてはまさにじみな仕事でございまして、そうして、とにかく貯金、保険、金銭を扱うところでありますから、まさに信用第一。現場で働く労働者、職員は一人で仕事をするわけですから、各戸別訪問いたしまして、郵政大臣の看板を一人でしょって、大臣を代表して国民に接しているわけであります。でありますから、きわめてじみであって、しかも郵便局に対する信用度というものは高かった、職員の信頼も高かった。でありますから、婿にもらうならば郵便局の人をもらえと、養子に向いておったということであります。
 その事業が、電波とかあるいは通信、波に乗ってまさに拡大をしておる。郵政省はもとは利権なんかなかったんですよ。まあ、電波の割り当てのときにもいろいろなうわさを聞く場合がある。しかし、保険事業であるとか郵便事業であるとか貯金事業、一線に働く人々は先ほど申し上げましたように大臣の看板をしょって仕事をしておられる。これ関係ないわけです、KDDの問題とか、あるいは電気通信の問題とは関係がない。にもかかわらず、この問題で肩身の狭い思いをして仕事をしなければならぬということですよ。まことに残念であります、遺憾にも思います。今回の問題を契機にして、もとよりこの問題はいま収束をしているわけではございませんけれども、もっとしっかり国民に責任を持ってもらいたい、こう私は思います。大臣はいかがでございますか。
#119
○国務大臣(大西正男君) 先生のおっしゃいますこと、一々ごもっともなことでございます。郵政省におきましてKDD問題をめぐりまして不祥事件が発生をしてまことに申しわけない次第でありますが、この問題をめぐりまして、私として、将来に対しまして綱紀粛正に関する訓示をいたしたわけでありますが、その中におきましても、現場において全然関係なしに一生懸命努力をしておられる方々がこの事件のために大変肩身の狭い思いをしておられるといったことに対しては、この際十分にそのことを念頭に置いて反省をきつくすべきであるということも一言触れておいたわけでございます。して、混乱が生ずるということ自体おかしいと、
 いずれにいたしましても、先生おっしゃいますように、郵政省のいろいろの事業また行政上の問題につきましても、国民生活にきわめて密接いたしました問題ばかりでございますから、そういう意味から申しましても、特にいま申しました綱紀の粛正、厳正な綱紀を保っておくということは、これは非常に重要な郵政省が行政を進める上での大前提だというふうに心得ております。しかし、それにもかかわらず、そういう事件が起こりましたことは何とも申しわけございませんけれども、今後におきまして再びこういう問題の起こりませんように、郵政省職員団結いたしまして今後邁進をしていきたい、こういう覚悟でございますので、今後ともよろしく御叱正、御指導をいただきたいと存じます。
#120
○委員長(古賀雷四郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#122
○沓脱タケ子君 日本共産党を代表して、郵政省設置法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 反対の理由の第一は、電気通信政策局をあえて設置する具体的理由はなく、現行の機構で十分対応できるからであります。
 行政組織の改編は、国民サービスを低下させず、かつ行財政の合理化に役立つことが重要です。本改正案の審議の中でも、郵政省当局は、組織整備が主眼であり、所管事務の変更はないという趣旨の答弁でも明らかなように、業務の変更や増大のために新局を設けるものではないことがはっきりいたしております。
 結局、郵政省は、電気通信の科学技術の進歩に対応するためとか、行政責任を内外に明確化するなど、中身のないいわゆる抽象的な答弁に終始したことにもこれが示されておると思います。
 国民本位の行政改革が強く求められている今日、こうした不明朗な理由による新局の設置を容認することは、たとえ経理局を削減したとはいえ、認めることはできません。
 さらに、現在の電気通信行政は、データ通信やテレックスなど、大企業が主に利用する通信には安い料金制度で、一方、国民の利用の多い電話料金は高く、電電公社は五十四年度で四千億円のぼろもうけをしていることを見ましても、大企業優先の電気通信行政であると言わなければなりません
 郵政省に今日求められているのは、電電公社のこの膨大な利益を国民に還元させるなど、国民本位の電気通信行政の推進であります。
 第二の理由は、KDD事件の汚職の中心となった電気通信監理官室を局に昇格するという本改正案は、金権腐敗の一掃を求める国民世論に逆行するものだからであります。
 KDD事件の中で、電監室の責任者であった電気通信監理官と同参事官が収賄で逮捕され起訴されていますが、郵政省当局は、この事件を捜査当局に任せていることを口実にして、みずから省内の汚職、腐敗を一掃するという積極的な行政責任を回避しているばかりか、逆にこれを覆い隠そうとさえしてきました。
 郵政省当局が、こうした姿勢を改めることなく腐敗の温床となった電気通信監理官室を局に昇格したからといって解決できるものではなく、清潔で民主的な行政を望む国民の納得を得られるものでないことは明白であります。
 私は、本法案に反対する態度を重ねて表明をいたしまして、討論を終わります。
#123
○委員長(古賀雷四郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 郵政省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#125
○委員長(古賀雷四郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、村田君から発言を求められておりますので、これを許します。村田君。
#126
○村田秀三君 私は、ただいま可決されました郵政省設置法の一部を改正する法律案に対しまして、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党、新自由クラブ共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
    郵政省設置法の一部を改正する法律案に
    対する附帯決議(案)
  情報通信事業は、今後の情報化社会において
 中枢的役割を担い、国民経済の発展及び国民生
 活の質の向上等にとって不可欠の存在となり、
 かつ、その公共性も拡大の方向にある。
  よって、政府は、情報通信事業が国民の理解
 と納得の上に立って、社会的責務を全うし国民
 経済の要請に即応し得るよう、次の事項につい
 て適切な措置を講ずべきである。
 一、情報通信事業の運営について、国民各層の
  意見が反映する体制のあり方を検討するた
  め、適正な構成による機関を速やかに設け、
  国民の負託にこたえる結論を得るよう努める
  こと。
 一、日本電信電話公社の資材調達問題の処理に
  あたっては、国際経済上の視点のみなら、ず高
  品質の電気通信ネットワークの一元的管理の
  確保という視点にも十分配慮すること。
 一、総合的、合理的な電気通信事業の経営基盤
  の強化及び経営当事者の自主性の確立を図る
  とともに、同事業に従事する職員等に適切な
  労働条件が確保されるよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。
#127
○委員長(古賀雷四郎君) ただいま村田君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#128
○委員長(古賀雷四郎君) 多数と認めます。よって、村田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大西郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大西郵政大臣。
#129
○国務大臣(大西正男君) このたびは大変御熱心な御審議をいただき、ただいま郵政省設置法の一部を改正する法律案の御可決をいただきましたことを厚く御礼申し上げます。
 この委員会の御審議を通じまして承りました御意見、御議論は、ことごとく私どもの深い教えとして拝聴をいたしました。これらの点は今後の電気通信行政の運営面に十分反映させて、当委員会の御審議におこたえ申し上げたいと存じます。
 さらにまた、ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしまして十分にその御趣旨を尊重してまいる決意でございます。
 まことにありがとうございました。
#130
○委員長(古賀雷四郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#132
○委員長(古賀雷四郎君) 次に、行政管理庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案につきましては、前回趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#133
○山崎昇君 そう大した時間もありませんので、行政改革等々の問題につきましては、後日行管庁から出先機関の問題等も出された段階で改めて質問をさしてもらいたいと、こう思います。きょうは、いま提案されております管理庁の設置法に関連いたしまして、少し技術論になりますけれども、二、三お伺いをしておきたいと思います。
 まず第一に、設置法の第二条四の二、これはもう御案内のとおりの条文でございますが、中身は「法律により直接に設立される法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきものとされる法人の新設、」云々と、こうあります。したがって、この条文を受けまして設置法の第二条の十二号で、公団、公社、事業団等々に対する行政管理庁の調査が行われてきたわけでありますが、そこに列挙されておりまして、四十八となっておるわけなんですが、今回これが削除されて全部の法人になるというふうになるわけです。
 そこで、私からまず第一にお聞きをしたいのは、この規定からいきまして、どうして百十一の全部の法人に調査ができる条文であったのに四十八に限定をして今日まで進めてきたのか、まずその理由についてお聞きをしておきたいと思います。
#134
○政府委員(佐倉尚君) 御指摘の点でございますが、調査の対象となっておりますのは、二十七年に公社、三十年に公庫、公団、三十二年に事業団というふうに、そのときどきの社会的な要請あるいは業務の実施体制等を総合的に勘案しまして順次ふやしてきたわけでございます。なお、調査対象以外の法人についても相手の協力を得れば調査ができるということもございまして、従来から効果的な行政監察の実施に努めてきております。
 そういうことで、審査の対象になる法人というのが、全部でございまけすれども、調査対象は四十八に現在限定されているというのは、やはりそのときどきの社会的な要請等によってそういうふうになって順次ふやされてきたものというふうに理解しております。
 それで、今回このような法改正をお願いしているのは、行政事務、事業の見直しが最近特に国民的要請の中で急務とされて、行政機関その他について国の事務、事業を監察するという任務を持っております行政監察を効果的に行うために、やはりこの際、特殊法人全部に広げさせていただきたいというふうに考えているわけでございます。
#135
○山崎昇君 何だかわかったようでわかりませんな。
 この設置法の第二条を見ましても、条文何も変わりません。いまあなたの説明ですと、四十八は直接ここに列挙してありますからわかります。しかし、その他については十一号に「各行政機関の業務の実施状況を監察し、必要な勧告を行うこと。」を受けて列挙しているわけでしょう。いまあなたの方はその都度その都度のようなお話ですが、これ以外のものについては相手の理解を得ればやれますと、こうあなたいま答弁した。じゃ、どういうものをやったことがありますか。今日までこれ以外のものでやった実例があったらまず述べてもらいたいと思います。
#136
○政府委員(佐倉尚君) 従来、行政監察に関連しまして特殊法人を対象にするというやり方は三つのパターンがございます。一つは、特殊法人を横並びに見て、その運営等について調べること。それから二つ目が、それぞれの特殊法人、特に大きなものでございますけれども、たとえば国鉄とか電電公社とか、そういったところを特に見る場合。それから三番目が、いろいろな施策監察を実施しておりますけれども、その中で関連して特殊法人を拝見する場合という三つの形に分かれると思います。
 いままでも特殊法人についてどのようなものをやったことがあるかというお話でございますけれども……。
#137
○山崎昇君 いや、この列挙している以外にだよ。あなた、相手の理解を得ればやれますと、こう言うから、どういうものをやったのだという……。
#138
○政府委員(佐倉尚君) いままでにその他の特殊法人、現在四十八に入っていない法人について調査した数でございますけれども、最近のものを申し上げますと、五十二年に二つ、それから五十三年に五つ、五十四年に六十六やっております。
#139
○山崎昇君 いまあなたの説明のあったのは、十二号に列挙している以外のものですね。そう理解をしておきます。
 それから、重ねてお聞きをしますが、この第二条を見ると、先ほど述べましたように、私はいま特殊法人と言われておりますものは大筋三つになると思っているんですが、一つは直接法律で設置をされる法人、二つ目が特別の設立行為をもって設立すべきものだという人を任命してやるもの、もう一つは各省大臣が定款その他等々認可して、俗に言う認可法人と称されるもの等々、広く言えば含めて三つの範囲に分かれるのじゃないかと私は思っているわけなんです。
 そういう意味で、第一の直接に法律によって設立される法人、これは私どもの理解ではほぼ三公社というふうに理解をしているんですが、よろしゅうございますか。
#140
○政府委員(佐倉尚君) ただいまの直接にというのはその三公社だと考えております。
#141
○山崎昇君 それから、設立をする人を任命してそれに基づいてやりますのは、これは一体どういうふうに私ども理解したらいいんですか。これは、たとえば公団、それから事業団、それから何々機構、そういうものと一括して理解していいんですか。特殊法人特殊法人と言っているんですが、あなたの方のこの説明書を見ましても、中身は公社、公団、事業団、公庫、営団、特殊銀行、特殊会社、その他、こうなっていますから、したがって公社はわかりました、三つは。あとの百八というのは、この第二の点に関連をしてつくられた特殊法人と見ていいわけですか。
#142
○政府委員(佐倉尚君) そのとおりと考えております。
#143
○山崎昇君 それじゃ重ねて聞きますが、これ以外の各大臣が任命するのは俗に言う認可法人ですね。認可法人は、これは特殊法人とまた違うのですか。特殊法人の中に認可法人があるのですか。
#144
○政府委員(加地夏雄君) 御指摘のとおりでございまして、特殊法人の定義の問題に関連いたしますけれども、非常に狭い意味で現在使っておりますのは、いま御指摘の行管庁設置法の二条の設立行為についての規定のある法人でございますが、これは御承知のとおり、国の仕事をそういった法人の形態を使ってやらせる、こういう場合でございまして、認可法人は特殊法人と同じように法律の規定によってつくられはいたしますが、本来その業務というのは民間の業務でございまして、民間の設立委員が法人を設立いたしまして主務大臣の認可を受けたもの、こういうふうになるわけであります。ですから、二つの特殊法人と認可法人の違いはどうかというお話になりますと、いずれも特別の法律の規定に基づいて設置されておるという点では同じでございますが、本来の業務の性格からいきますと、いま申し上げたように、国の事業を法人という形をもってやるという場合と、それからもともと国の事業ではないという差がございます。それから、助成その他の問題につきましては、それぞれの法人の実態に応じまして出されておるわけでありまして、必ずしも両者を区別する理由という形にはなってないわけでございます。
#145
○山崎昇君 先回りしてあなたはいま物を言っているわけですが、特殊法人特殊法人と俗っぽく言うものですから、私も一体特殊法人というのは何なのか調べてみるというと、特殊法人という言葉は使われてないのですね、実際は。ただ、特殊法人という言葉が使われておりますのは特殊法人登記令という政令があるだけで、あとは特殊法人という言葉はないんですよ。
 それで、法制的にずっと調べてみるというと、いまあなたが一部言ったように、法律そのものでずばり設定をしているもの、それから設立行為をする人間を任命をしてやっているもの、大きく分ければ、そのほかそれに、いま実際は特殊法人というものと別に差異はないのだけれども、認可法人と称して各大臣が適当にやっているもの、こういう三つの段階にいま分かれるわけなんですが、今度のあなた方の設置法の改正を見て、私は特殊法人という概念がないものですから、どうしても特殊法人登記令という政令を基礎にして特殊法人というものを考えなきゃならぬのじゃないだろうか、こう考えてみまして、実はこれの別表とあなたの方で出しております特殊法人の百十一と、それから予算委員会に出されました認可法人の名簿と照らし合わせてみますというと、まるっきり違う。相当な違いがこれあります。したがって、われわれ、特殊法人特殊法人と言ってこれからあなた方調査をするわけなんですが、一体どこまでどうしたらいいのかというのは、もうわれわれ素人でもありますからよくわかりませんが、なぜいままでは四十八だったのを百十一に広げたのか。この登記令でいくならば、もつとこれは広がらなければおかしいのではないか、こういう気がします。
 それから、いまあなた先回りして特殊法人と認可法人の違いも述べられた。私も調べてみると、別段これ違いがないんですね、実際は。なぜかというと、特殊法人も認可法人も資本金については全額国庫補助ですね。そして、その法律そのもので設定されますから登記しないものもありますが、登記令によって登記をして初めて法人となったものもある。その中には、範囲を狭くした特殊法人も認可法人もひっくるめて登記令では特殊法人という規定の仕方をしている。こう考えてみますと、同じ国の予算を使って出資をして、あるいは金を出して設立をしているんですけれども、そこに何か区別をしている。どうもこの辺が法制的に私よくわからないんですよ、調べてみたけれども。もう少し整理して説明してもらえませんか。実際に特殊法人というのは一体何なのかよくわからないです、私も。
#146
○政府委員(加地夏雄君) 御質問のあれで、ひとつ多少厳密に申し上げたいと思いますけれども、まず特殊法人登記令に載っておる百三十三の特殊法人と、それから行管庁設置法に基づきました百十一の特殊法人の差でございますが、これは先生御承知のように、特殊法人登記令の従来の経緯を御説明申し上げたいと思うんですが、かつては特別の法律に基づきまして設立された法人につきましては、それぞれの個別の政令で法人登記令をつくっておったわけであります。したがって、たとえば一つの特殊法人が設立されますと、その登記に関してはそのAという特殊法人の登記令というものをみんなつくっておったわけですね。これは非常におかしいんではないかと。つまり、これは登記の技術的な問題でございますけれども、要するにいま申し上げた法律に基づいて設置された法人については、その登記の手続を同一の形でまとめるという形で昭和三十九年ごろにこの特殊法人登記令ができたわけであります。したがって、この特殊法人登記令の考え方というのは、あくまでも登記の手続を簡素化すると申しますか、同一化するためにこういう形でまとめたというのが実態でございます。
 一方、いま問題になっております特殊法人だ、認可法人だという区別の問題は、そういう登記の技術的な問題とは全然別な問題でございまして、いわゆる本来国がやるべき仕事をその国の業務の性格によってはそういう経営的なメリットを発揮する事業もあるわけでございまして、そういうものにつきましてはいわゆる法人という形態をとらせると、それは形式的には強制設立という形を法律で書くわけでございますが、それによっていわば民間の創意工夫というようなものが働きやすいような形をとろうと、しかし、あくまでも国の関連する国の事業でございますから国の監督だけは最小限度の担保をしておこうと、こういうのが実は百十一の特殊法人であるわけであります。一方認可法人は、先ほども申し上げましたように、民間の方々が集まって法人をつくりまして、それに対しまして主務大臣が認可をする、こういう場合でございます。ですから、認可法人は非常に区々ございますので、御指摘のように出資金があったりあるいは助成がついているものもございますけれども、本来民間が集まってつくる団体でございますから民間の財源だけでやっておられる、こういうものもあるわけです。ですから、基本的な違いをどこで求めるかと言いますと、片や国の事業というものを法人の形態でやらせるというのが特殊法人であり、それから認可法人の方はその逆な形で運営されると、これがこの区別でございます。
 したがいまして、特殊法人登記令から認可法人、特殊法人の関連を理由づけるというのは、これはもともと考え方の違う場面で整理をしているものでございますから、先生御指摘のように特殊法人登記令に入っているのが全部特殊法人でなくちやいけないと、こういうわけにはならないというふうに私どもは考えておるわけです。
#147
○山崎昇君 手続規定であることは、私もそれはわかりますよ。しかし、今度のあなたの方の設置法の改正案は、第二条の十二号を改正して列挙したものをとっちゃったんですね。だから、そしてここにありましたような公共企業体云々ということも、これは全部なくなっちゃったわけですね。そうでしょう。じゃ基本は何かと言ったら、四条の二、これだけ生きて、あとはないわけです。
 そうすると、われわれから言うと、少なくとも特殊法人という問題点について考える場合に、一応の特殊法人の定義を下しているのは、この特殊法人登記令しかないわけです。そうでしょう。だから考えてみれば、この登記令に別表として載っておりますこれが、手続規定ではありますけれども、特殊法人と私どもみなさざるを得ない。この中にはあなた方の出しておる百十一のほかに、認可法人もみんな入っているわけです、これ。たとえば、いま一、二拾っているわけですが、自動車安全運転センター、これは総理府ですね、警察庁。自動車事故対策センターなんというのは運輸省ですよ。これは認可法人ですけれども、この登記令で言えば特殊法人にちゃんとなっているわけです。だから特殊法人自体の概念が、あなた方がどう説明しようともはっきりしてない。ここに、私は法制的に言うなら少しやはり無理があるんじゃないんだろうかという気がしているわけです。やるなら、当然認可法人についても調査の対象にして、それはなぜかと言ったら、国費が導入されているんですから、すべきではないんでしょうか。そして、設置法の二条の十二号、「国の委任又は補助に係る業務の実施状況に関し必要な調査を行うこと。」と規定しているわけですからね。これは補助ではありませんけれども、補助が出ているものもあれば出資しているものもあれば、さまざまです。そういう意味で言うなら、財政の面から言うならば、当然調査の対象と私はすべきものではないんだろうか。なぜ四十八が、ただ、いま問題が起きたから百十一に広げました。それだけでは法制的に私は済まないんじゃないんだろうかと思うんだが、どうですか。
#148
○政府委員(佐倉尚君) ただいまのお話し、審査の対象法人となっておりますその二条の四の二、四号の二でございますね、これはやはり法律によって、先生御指摘のとおり、直接あるいは強制的に設立しているということは、その法人がやはりその国の事務、事業との密接な関連がある、あるいはその国の事務、事業をいわば代行しているという性格の法人であるということになると思うわけでございます。それで、認可法人の方は法律に基づいておりますけれども、民間の発意によって設立し、それを所管大臣が認可するという形をとっているわけでございまして、国の事務、事業というものを行っているという点について、先ほどの第二条四号の二に規定する法人よりはこれは関係が薄いはずであるというふうに考えられるわけでございます。
 それで、先生御指摘の出資の点でございますけれども、第二条四号の二に掲げる法人につきましても、国の出資のないものももちろんあるわけでございます。いわゆる認可法人の中にも国の出資のないものもあるし、あるものもある。出資の点につきましてもばらばらでございます。でございますので、現在私どもがお願いしている考え方は、設置法で言えば、第二条の四号の二の法人が国の事務、事業と濃厚なかかわりがあるということによって、それをいままで四十八にそのうち限定されていたのを広げまして、百十一に調査の対象に入れていただきたい。それで、委任または補助に係る事業につきましては当然いままでも調査ができるわけでございますけれども、それは法人全体についての事務、事業が見られるわけでなく、委任の事業あるいは補助の事業に限定されるということが一つございます。そういうわけで、いまの仕組みを説明するとそういうことになるわけでございます。
 ただ問題は、まあいろんな方面からも指摘されておりますけれども、それだけで十分なのかどうかという点は、これはいろいろな見解があろうかと思いますし、私どもも必ずしも十分と考えているわけではございませんけれども、いまの設置法の第二条の四号の二というものの性格からいって、それを今回行政監察に関連した調査の対象に全部していただきたいというわけでございます。
 それで特殊法人という名称でございますけれども、御指摘のとおり、特殊法人というのは法令上は特殊法人登記令の方にしかないわけでございます。それで、いまの第二条四号の二の法人を世間では通称特殊法人と、いわゆる特殊法人と呼んでいるわけでございまして、出版物等にも特殊法人という名前が使われていることが多いわけでございます。でございますが、これはあくまで通称でございます。そういう関係になっております。
#149
○山崎昇君 いや、いまあなたのせっかくの説明ですけれども、私、どうも納得いかない。それは第二条の四の二はそのとおりですよ。しかし、第二条の四の二によって規定されているのは何かと言ったら、さっき申し上げましたように特別の法律そのものでずばっと設立しているもの、それから、設立の人を任命してそれによってやるものと分かれていることは私も承知していますよ。
 ところが、それを受けて、第二条の十一号では、それとは別に各行政機関の業務についてあなた方は監察できることになっているわけですね。従来はそのうちの、受けてまた十二号で四十八だけ限定をして、それに関連をしてやっていた。今度はこれがなくなって十二号が変わってきたわけでしょう。その中に何が入ってきたかというと、「法人の業務及び国の委任又は補助に係る業務の実施状況に関し必要な調査」と、こうなった。四の二では「審査」だった。審査と調査といままで合わないから四の二とこの十二号では合わなかったんですよ。今度は調査と審査を一緒にしちゃってあなた方の権限が及ぶようにしたんじゃないですか、立法の趣旨からいけば。そしてなおかつ十二号を変えて、国の委任業務あるいは補助に係るものさえ調査をするということなら、大臣が許可をした特殊法人が入らないという理屈はないと思うんだ。認可法人が入らないという理屈は私はないと思うんだ。ただ、業務量が余りにもでか過ぎて行管庁ではやれませんというなら、それはまた話は別ですよ。しかし、法のたてまえからいったらそんなことにはならぬのじゃないでしょうか。
#150
○政府委員(佐倉尚君) 「委任又は補助に係る業務」につきましては、これはどんな団体であろうと現在でも監察に関連した調査の対象になっているわけでございます。
 ですから、いま先生御指摘の「委任又は補助に係る業務」につきましては、認可法人でも当然調査の対象に現在でもなっているわけでございます。これは民間の団体でも、委任または補助に係る事業につきましては、現在でも調査の対象にな
 っております。
 いま私どもがお願いしているのは、団体、法人につきまして、四十八に限定されていたものを百十一に広げさしていただきたいと、こういう話でございます。
#151
○山崎昇君 それじゃ重ねて確認しておきますが、改正の十二号というのは「前号の監察に関連して、第四号の二に規定する法人の業務及び国の委任又は補助に係る」とこうなると、認可法人も法人です。そうなると百十一に私は必ずしも限定するものではないんだと、いままでもこの条文がなくてさえあなた方は関連してやっておりましたと言うんだから、それならば、この条文の改正案によりましては認可法人も全部入るんですよと、法的に入るんですよと、あなた方の権限としてこれは入るんですよと、こう理解していいですか。
#152
○政府委員(佐倉尚君) ただいまお話の「及び」以下の「委任又は補助に係る業務」につきましては、従来の第二条十二号にもございまして、これはあらゆる団体にかかっていたわけでございます。その点につきましては、今度の改正のいままで、前とこれからもその点は同じでございます。
 それで、いまお願いしているのは、今度四十八だったのを百十一にしていただくという、「及び」の前の部分についてお願い申し上げている次第でございます。
#153
○山崎昇君 だから、何回も言うけどね、この十二号というのは十一号を受けているんでしょう。十一号は何と書いてあるかと言ったら、「各行政機関の業務の実施状況を監察し、必要な勧告を行う」というんでしょう。これに関連して、今度は受けて、「四号の二に規定する法人の業務」でしょう。だから、四号の二と十一号とこの十二号と関連をして考えれば、当然法制的には、それとさっき申し上げました法人登記令等々、私ども総体的に考えると百十一に限定したんですという、百十一なんですということは少し違うんではないんだろうか、こういう気持ちがしてならぬものですから先ほど来聞いている。ただ、現実的にあなた方が実施するかどうかは別ですよ、それは別ですよ。しかし、法制的にそうならなければ私はおかしいんじゃないかという気がするんですがね、私の間違いでしょうか。
#154
○政府委員(佐倉尚君) ちょっと御説明いたしますと、いままでは十一号でもって行政監察をやっているわけでございます。その各省庁を対象にして行政監察をやる際、必要に応じて十二号の法人について調査をすることができるわけでございます。その法人が四十八に限定されていたわけでございます。それと「国の委任又は補助に係る業務」が十二号で規定されていたわけでございます。その部分はあらゆる団体について適用されていたわけでございます。
 それで、今度の改正の趣旨及びお願いの趣旨は、この四十八の法人を百十一の法人にしていただきたい、六十三ふやして百十一にしていただきたい。その範囲が二条の四号の二の範囲に一致するようにお願いしたいというのが今度の改正のお願いの趣旨でございます。で、行政監察に関連して委任及び補助に係る業務が調査できることは、どの団体につきましても従来どおりでございます。
#155
○山崎昇君 だから、そうすると、認可法人も全部入るんですな。確認しておきますよ。
#156
○政府委員(佐倉尚君) 「国の委任又は補助に係る業務」につきましては、認可法人ももちろん入ります。
#157
○山崎昇君 私がなぜしつこくこれだけ言うかといったら、予算委員会でも議論のありましたように、いま行政改革の中でどういう現象が起きているかというと、この四の二に言うような特殊法人はあなた方規制しちゃだめだと、そこでだんだん、だんだん舞台は認可法人に逃げているではないかという議論があるんです。
 そこで、たとえば去年の通常国会で通信・放送衛星機構法というのができた。このときも、いきさつを私ども聞いてみるというと、表面的にはそうでないかもしれませんよ。しかし、これも特殊法人として要求したけれども、出てきた結果は認可法人になっておる。言うならば、ある意味で言うと脱法行為みたいなことになっているものだから、当然認可法人についても規制しなきゃいかぬのじゃないかという意味もありまして、法制的にずっと洗ってくると、当然認可法人もあってしかるべきじゃないのか、こういう気持ちがあるものですから、いま聞いているわけです。しかし、あなたの方は、いまの法体系上では矛盾があっても百十一だけというなら、私はまあいまの現行法としてはやむを得ないのかなあという気もしますが、なかなか私自身まだ釈然としません。
 しかし、こればかりやっていたんじゃとても私の質問進みませんので、次に進めたいと思うんだが、いずれにいたしましても、この百十一に仮に枠を広げたとあなた方言うわけでありますが、そこで、今度は行管庁の現在の陣容からいって一体これは可能なのかどうか、これは毎年百十一やるという意味じゃないにいたしましても、逆に定員は減っていく、あるいはどうなるかわかりませんが、第三次行革の方針を見るというと、管区の行政監察局はなくなるようであります、一つ、二つか知りませんが。監察局そのものが縮小ぎみになってくる。そういう中であなた方が手を広げようとするのは、六十三もふえてくる。あわせて従来からも規定ありますけれども、国の委任または補助事業も入ってくる。私は認可法人だけ除くのはおかしいと思っているんだが、それは一応限定したとしても、一体これ能力的にやれるんだろうか、こういう気もしますが、どうですか、長官。
#158
○国務大臣(宇野宗佑君) 結論から申し上げますと、私はやはり少数精鋭主義というものをもって行管庁は事に当たってほしいということを全職員に申し入れております。特に行管は行革のたびに、まず隗より始めよということでどんどんと切っておりますから、私は、定員もわずか千五百人未満で九十万人の公務員、九十万人の特殊法人、機構、制度、そうしたもののあり方を検討しているということは大変苦痛だろうと思いますが、しかし、それにもめげずやってほしいと、それが行政改革であり、そうしたことが他省庁に及ぶことが国民の望むところであると、そういうふうに私としては申しておる次第でございますので、したがいまして、確かに山崎委員おっしゃるとおり、監察対象は倍になるわけでありますが、しかし、それだけのことに耐えてやってほしいということを現在私は強く要請をいたしております。
#159
○山崎昇君 次に、この機会ですからお聞きしますが、最近行管は特殊法人のあり方について研究するため研究会というのを何かつくるようであります。そこで、この研究会というのは一体性格はこれ何なのか、それから、メンバーはどういう者が入ってくるのか、検討内容はどういうことをやるのか、研究成果というのはいつごろまでに上げようとされるのか。
 そこで、あわせてお聞きをしますが、一体この研究会というのは国家行政組織法上から見てどういう性格のものか。なぜ私がこれを聞くかというと、最近は第八条に言う審議会というのはだんだんつくらなくなって、私的諮問機関というのが山ほどできてきて、これも最近やかましくなってきたら今度は研究会という形に変化をしてきた。私は、行管庁みずからがまさか国家行政組織法の脱法行為をやっているとは言いたくはありませんが、この研究会というそれ自体はそれなりの意味があるのかもしれませんけれども、どうも一連の行政組織を見ているというと、そういう方向に行っているんじゃないんだろうかと思うんですが、これに対する答弁を求めておきたいと思います。
#160
○政府委員(加地夏雄君) 特殊法人の基本問題研究会を近く発足させる予定で準備を進めておりますが、それについて申し上げますと、一つは、これは昨年来の行政改革におきまして特殊法人の統廃合その他行政改革を進めてまいったわけでありますけれども、先ほどからお話に出ております、たとえば特殊法人以外の認可法人の問題とか、あるいは特殊法人について申し上げれば基本的なあり方の問題とか、そういうものを抜本的に見直す必要があろうと、これは国会審議におきましても、国会の先生方からも御指摘をいただいた問題であります。そういう御意向を受けまして、今後引き続き特殊法人の見直しをやり、検討していく場合に、やはり統廃合という形はもちろんでございますが、その基本に横たわる問題というものを抜本的に検討する必要があるだろうと、こういう動機で実はこの研究会は考えていったわけでございます。まだ、具体的に人選その他の段階まで至っておりませんので、具体的に申し上げるわけにいきませんが、できるだけ早いうちに発足をさせたいと、こういうふうに考えているわけであります。
 そこで、御質問の第二点でございますが、国家行政組織法上との関係の問題あるいは審議会との関係、そういう問題ございますが、いわゆる研究会と言い私的懇談会と申しますと、かつて当委員会においてもずいぶん御議論をいただいておりますけれども、いわゆる組織法八条の審議会との関連はどうかとか、それからそういう懇談会が果たして適当であるかどうかといろんな議論がございまして、かつてそういう御意向に沿いまして、行政管理庁では各省に対しまして懇談会等の問題を規制をいたしまして、整序をしてまいったわけであります。山崎先生御承知のとおり、審議会というのはまさに行政組織であり、合議体の機関としての意思を決定いたしまして、その意思は公の権威を持って発表される、こういう性質のものでございます。まさに行政機関でございます。それに対しまして、私的懇談会の場合はいわば討論の、議論の場としていろいろそこで御意見も述べ合っていただくと、しかし、会議体、合議体としての意思の決定は何も行われない、そういういわば一つの整理をやってまいったわけであります。
 それからもう一つは、御指摘でございましたが、審議会をつくらないから私的懇談会あるいは研究会という、特に研究会の問題でございますが、やはり私どもは、そういう研究会というのは行政運用上、たとえばより広いあるいは高度の御意見を承るという意味からいきますと、そういった研究会活動とか、そういう御意見を承る機会は当然これは行政運用上必要であろうと思っております。しかし、それは組織法上の附属機関という、八条機関という形できちんと構成するならばそれはきちんと構成をすべきだろうし、そういう組織としての御意見を承るということはきちんとすべきであろう。ただ、それだけですべて済まされる問題であって研究会等の問題は必要はないということでは私どもはない、そういうことではないだろうというふうに考えておりますし、現に、各省におきましても、そういう研究会なり懇談会が組織法上の区別を峻別をしながらやっていただいておる、こういう状況でございます。
#161
○山崎昇君 それは、私は少し詭弁じゃないかと思いますよ。
 私的諮問機関、これはその機関としての意思を出しておりませんと、こうあなたは言う。そんなことはありませんよ。たとえば厚生省にあります年金懇談会にいたしましても、すべて答申という形をとっておりますよ。そして、これが新聞に大々的に報道されて、日本の将来の年金構想はそこから出てくるんですよ。形は、審議会でも調査会でも何でもないですよ。私的諮問機関ですよ。ですから、先ほどあなたに申し上げたように、審議会がどうも第八条によってむずかしい、調査会という名前に変わる。それもむずかしい、私的諮問委員会に変わる。それも最近は行管庁から通達等が出て、多少セーブをしている。これが、最近は大臣ばかりでありませんで、局長クラスまでにすべてこの私的諮問機関というのがつくられる。そのほかに、いま申し上げましたように、研究会と名前を称するものが山ほどできてくる。私は、これはこれだけ大きい行政ですから、そう一概なことを言うつもりはありませんけれども、余りにも、この点になってくるというと、規制も何もないじゃないでしょうか。統制も何もないじゃないでしょうか。この点は、行管庁として、やはり私はきちんとしておく一つの問題じゃないか。そこで、いまあなたの方に、これからつくってまだ中身は考えていないようでありますけれども、発表になる、あるいはオンブズマン制度の研究会というものもまたつくられるようであります。少なくとも行管庁は、こういうことのないきちんとした組織なら組織をつくって、国会にも、国民に対しても責任をとれるような答申なら答申を得るとか、そうすべきだと思うんですよ。そういうことをやらぬということは、私はこれはとうてい納得ができません。
 それから、あわせまして、私ども何げなく公社、公団、事業団ひっくるめて特殊法人特殊法人と、こう呼んでいるのですが、かつて私は予算委員会で、一体、公社、公団、事業団、銀行、公庫、基金、最近はまた何々機構という名前が大変多くなってきました。一体、これは何なんだろうか。どういう区別があって、どういう違いがあってか、私はわかりません。今度の新エネルギー総合開発機構、これも特殊法人です。この辺になってくると、行管庁はどういう考え方でこういう特殊法人というものについて審議をしているんでしょうか。どうも私には、少なくとも私も少しは行政機構をやっているつもりでありますが、わからないですな。もしおわかりでしたら、こういうものは公社で、こういうものは公団で、こういうものは事業団で、こういうものは機構で、こういうものは基金で、こういうものは公庫だ、その基準はこういうものでありますと、できたらそれを説明してほしいと思う。
   〔委員長退席、理事林ゆう君着席〕
#162
○政府委員(加地夏雄君) 確かに、山崎先生御指摘のような問題があるわけでありまして、率直に申し上げまして、きちんとした特殊法人の中でそういうそれぞれの名称とも確たる定義はございません。ただ、特殊法人が実際にやっております事業は、御承知のように非常に千差万別でございます。そういう特殊法人がやろうとする事業の内容ですね、そういう実態に見合った名称として最も適当な名称はどうかと、こういうことになるわけでありまして、きわめて厳密な議論をいたしますと、なかなかそういう点は先生の御指摘のような点があるということを認めざるを得ないと思っておるんです。
 ただ、私どもが、そうは言いながらいままでの特殊法人の名称についてはそれなりにそういう名称を整理をするという努力もやってまいったわけでありまして、具体的に申し上げますと、たとえば公社の場合でございますと、これは特殊法人の中でも最も公共性が高い、これは先ほども議論ございましたように、設立につきましても、法律で直に設立されるという形の三つの公社でございますが、そういう問題につきましては、公共性が非常に強いとか、あるいは従来国が特別会計で経営をしておった、そういう事業で、独立採算制の強い企業体であるというふうなものを独占的にやっている、こういうふうなこととか、あるいは当然のことですけれども、予算決算につきましては国会の直接のコントロールを受ける、こういう問題、それから労働関係につきましては公共企業体等労働関係法が適用されると、こういう、いわば特殊法人の中でも一番公共性の強いものという形で公社という一つの考え方がとられておるわけであります、
 次に、公団でございますけれども、これは非常に概括的に申し上げますと、いわゆる公共事業、社会資本の充実という形から公共投資をやっていく場合の公共事業の実施主体であると、しかも事業規模が非常に大きいと、こういうふうな問題。それから資金を、これは国だけでなくて、民間とか地方公共団体にも求めるのが適当であろうかとか、いわゆる公団債とかそういう問題でございますが、そういう性格上の問題、あるいは経営上独立採算制を持っておる、こういうものを実は公印という形で考えてきたわけであります。
 それから、事業団につきましても、たとえば各種事業団の事業内容には共通性がございません。ございませんが、公団との差は、公団は主として公共事業をやっておりますけれども、事業団の場合はそれ以外の、国の経済政策とかあるいは社会政策を担うというふうな事業を内容としておるとか、それから企業性が必ずしも公団に比べまして希薄であるとか、独立採算制を保持することは本来期待できない、したがって、そのために何らかの助成なり補助をしなくちゃいけないとか、規模が公団より小さいとか、こういういわば――以下公庫、銀行、基金、金庫ですね、それぞれについての私どもがこういう整理をしてきた一つの結果はございますが、さりとて、たとえばいま御指摘のあったように、新しくつくる場合に、新エネルギー開発機構と、機構というのを使うのが適当であるかどうかと、こういう問題になりますと、やはり従来、いま申し上げてきたような概念を考えながらその新しい法人の持つ事業内容を検討いたしまして、その事業内容に一番適当と思われる名称ですね、これは現実には各省の要求で出てまいっておりますけれども、そういうことを考えながら決めていくと、これが実態でございます。
#163
○山崎昇君 いまあなたが述べたのは、私が昭和四十五年の三月二十八日、予算委員会で聞いたやつをおさらいしているだけで、別段とりたてて大した説明にはなりませんわ。しかし、あなたの方で出しておりますこれ見ても、――それじゃお聞きしますが、農用地開発公団と宇宙開発事業団と新技術開発事業団と、一体どういうふうに違いますか。公団と事業団の違い、あなたいま述べられたけれども、私は名前だけにこだわるわけではありませんけれども、何にも実体的に違わない。そして数を見れば、あなたの方も調べているでしょうが、公社が三、公団が十六、事業団十九、銀行が四、公庫が十、営団、特殊会社が十一、その他四十七ですよね、合わせて百十一ですよ。まあそのときそのときでめいめい勝手と言ったら少し言い過ぎになりますけれども、私はこの辺は、まあこれからも新設なんというのはないかもしれませんが、少しやはり、本当にあなた方研究会つくってこの特殊法人について検討するというなら、当然こういうものについてももっと整合性のあるものをつくってもらいたいと思うんですよ。何のために行政管理庁が審議してそしてやっているのか、私にはよくわからない。これは四十五年にあなた方に聞いたことですから、それ以来すでに十年たっておりますが、何の進歩もありませんね。そして最近は、さっき申し上げましたように機構というのがだんだん多くなってきている。これはどういう意味ですかね。農水産業協同組合貯金保険機構、日本小型船舶検査機構。最近はいま申し上げた新エネルギー総合開発機構、これが開発公団ならどうしてだめなんでしょうかね、開発事業団ならどうしてだめなんでしょうかね。何か、機構というと少し美しいんでしょうかね。私はやはり少し行政機構論をやるなら、もう少し統一的に行政管理庁はやってもらいたいという気がするからこれ述べているんですがね。大臣、どうでしょうかね、私の言うのは少し無理でしょうか。
#164
○国務大臣(宇野宗佑君) 確かに、御指摘の点は私といたしましても今後整理をしなくちゃならないと思っておるところでございます。特に新エネルギー開発機構に関しましては、最初、公団という名前とか、いろいろ考えられたらしいですが、公団に対する民間の参加の意思、そうしたものから、民間の方からもずいぶんとクレームがついたらしゅうございます。あるいはまた、第三セクターというハイカラな言葉を用いたんでありますが、政府が第一セクターならば、民間第二、第三セクターは特殊法人であると、私がこういう定義を下しましたので、したがいまして第三セクターというかけ声も消えたというふうな経緯がございますが、ひとつ戦後、特殊法人百十一、この中でも特殊法人でなくてもいいんじゃないかと思われるものもございますし、あるいはこの際に、時代の趨勢とともに、民間に移行した方がよろしいとか、あるいは地方に移行した方がよろしいとか、いっぱい私はあると思います。したがいまして、いままでの概念で局長はそれぞれの特色を申し述べたと思いますが、そうしたことをも含めまして私はひとつ研究会にこの問題を預けたい。なおかつ、特殊法人であって、政府の別働隊で事業をするというからには、その会計は果たして官庁会計でやってよいのか、それとも十二分に企業会計の原理を導入すべきではないかと、こういう点も私考えておりますので、いま御指摘の点は、さようなものをも含めまして、ひとつ研究会で十二分に結論を得たいと思います。なお、研究会は余り長いことでは功を奏しませんので、私といたしましては、少なくとも半年内にその成果を上げたいと、かように考えております。
#165
○山崎昇君 次にお聞きをしておきたいのは、最近公務員の問題をめぐりまして、やはり大きな課題の一つに特殊法人への天下りの問題がございますね。この点について大臣の見解を私聞いておきたいんですが、公務員から民間の営利法人等に行く場合には、ある意味では人事院の審査が公務員法上行われておりまして、したがって、まあ在職中二年以上――五年以上でしょうか、関連をするような職務についた者は二年間行かれないという制限で、ある程度規制をしている。ところが、公務員から特殊法人に行く場合には、政府みずからこれ任命をするわけでありますから、何の規制もありませんね。ただ、五十二年の閣議決定が――きょう、午前中も郵政省の設置法のときに郵政大臣から、閣議決定がございますからそれに基づいて、という答弁がございました。そこで、政府は、公務員から特殊法人等に行く場合にどういう判断をし、どういう規制を加えていこうとするのか、単なるもう五十二年の閣議決定だけでは私は済まぬでないんだろうかというふうに思うんですが、大臣の見解を聞いておきたい。
#166
○国務大臣(宇野宗佑君) この点も、伊東官房長官中心に、私と大蔵大臣相寄りまして、いわゆる行革関係閣僚会議におきまして決定した事項でございますが、特に天下りは規制しなければならない、そういう点で、天下りの場所とおぼしき特殊法人の役職員は百二十二そのポストを削ることにまずいたしました。なおかつ、残りのポストに関しては、五割以上は少なくも民間でやるというふうにいたしております。だから、民間のどのような人をここへ入れてくるかということに関しましては、すでに一回だけ協議をいたしておりますが、まあわれわれといたしましては、功成り名を遂げた方が理事長とか総裁におつきになることも必要であろうけれども、できたならば局長前の人がたとえば天下りではなくして特殊法人に出向するとか、民間におきましても取締役前の若手が出向するとか、そこでやはり特殊法人、第三セクターというところの十二分な効果を上げてもらうような交流があってしかるべきではなかろうか、こういうふうな考え方もついこの間も経団連に行って私は述べておるわけでございまして、その過程がきちっとしますまでは官房長官の手元においてひとつ、渡り鳥はいけないとかあるいはたらい回しはいけないということをそれぞれ閣議で決めておりますから、その範囲で官房長官がチェックしてくださいというわけで、今日任期が来まして新しく任命いたします場合には、十二分に官房長官の手元において当該所管大臣との間で協議をしてチェックをしておるというのが現在でございます。したがいまして、いま申し上げましたようなことで、特殊法人を民間の活力も培養してうんと活動してもらおうと思うからには、やはりそれにふさわしいだけの内規、そうしたものをつくる必要があるのではなかろうかと私は考えておりますが、これに関係いたしましても早急に関係閣僚会議等におきましてその準備を進めていきたいと思っております。
#167
○山崎昇君 そこで、こういう見方をする人もおるし、私も大体傾向としてはそうじゃないかと思うんだが、次官とか局長クラスは大体特殊法人に天下る、部長クラス以下になると認可法人に天下っておる例の方が多いのではないかと指摘をされます。これが事実かどうか私は全部調べたわけではありませんが、どうも傾向としてはそういう状況になってきておる。最近、さっきも申し上げましたように特殊法人がなかなかむずかしくなるんで、勢い認可法人に逃げが多くなっておるとも言われております。そして、特殊法人への天下りはいま大臣からいろんな規制をするというお話がありました。しかし、認可法人もこれ含めてやりませんと私は意味がないんじゃないかと思いますが、その点が一つと、それから基本的に私はやはり、少し言い方まずいですが、役人の古いのを何も新しいそういう機構にやらぬでもいいじゃないか。私、けさ午前中も言いましたが、たとえば電電公社にいたしましてもKDDにいたしましても、いま収益もありますしね。ですから、みずからやはり人材を養成する、あるいはみずから技術者なら技術者を養成する、そういう努力なしに何か権威主義で上から下がってくるというやり方は私は基本的にはすべきものではない。ただしかし、物事には例外がございますから、一切合財私は縛るという考えは持っておりませんけれども、いずれにいたしましても、この天下りの問題は行政改革と並んで行管長官が大変大きな声で言っているわけでありますから重ねてあなたにお聞きしますが、認可法人に対するやつも規制をする、それから天下りについては、これだけ批判あるわけでありますから原則としてこれはやらないんだと、例外は一、二あるかもしれませんが原則としてはやりませんと、しかしいまついている人については、たらい回しでありますとかあるいは渡り鳥でありますとかいろいろ言葉ついておりますが、そういうことは一切今後やりませんと、こう私は理解をしておきたいと思うんですが、どうですか。
#168
○国務大臣(宇野宗佑君) 認可法人に関しましても、確かにおっしゃるような点が私は多々あるのではないか、かように考えております。だから、認可法人に関しましては、現在のところはわが行管庁といたしましては、やはりその所管大臣等との関連もございますから一般特殊法人と同じように取り扱うわけにはまいりませんので、したがって内閣全体の問題としてこれは検討しましょうということは予算委員会でもしばしば申し上げましたので、さような観点で検討いたしたいと思います。
 第二番目は、やはり役人のライフサイクルとは何かということに関しましても、この際でございますから十分に考えて、人事院の勧告の中にも、役人は第二の人生を考えることなく十二分に国家公務員として終生がんばってほしいということがあるわけでございます。すでに大蔵省におきましては、いまの次官を中心にそういうふうな思想が生まれ、また具体的なスケジュールも組まれつつあると聞いておりますから、われわれといたしましても、そういうことを考えるのならば、やはり天下り問題はそうしたことの実施とともに自然と解消し得るのではなかろうかと、かように考えておりますから、それらを含めまして十二分なる検討の努力を私はお約束したいと思います。
#169
○山崎昇君 そこで、時間でありますから最後に、今度の法改正の中で一番私どもに意見として出されておりますのは、御存じのNHKに対する問題ですね。これは言論、報道の自由あるいは放送権そのものに対する問題点等ありまして、今度のこの法改正で調査の対象に一応なるわけですが、これは担当いたします所管大臣との関係から言っても大変重要な問題点ではないだろうかと私自身も思います。で、衆議院におきましても大臣の方からそれぞれお答えになっているようでございますし、あるいは官房長官からもお答えがあったようでもありますが、重ねて私の方から確認をしておきたいと思うんですが、今回の設置法を改正し、全特殊法人を監察対象とするとのことでなったわけでありますが、NHKという特殊な立場を行管としてどういうふうに考え対処していくのか、この機会でありますから見解を聞いておきたいと思います。
#170
○国務大臣(宇野宗佑君) 衆議院におきましてもこの大切な質問に対しましてきちっとお答えいたしておりますので、本日もそれと同様の御答弁を申し上げたいと思います。
 言論、報道の自由は憲法及び放送法により保障されており、郵政大臣のNHKに対する監督権はきわめて限られたものとなっております。行政監察は、元来、主管大臣の監督権の範囲内において調査を行うものであり、したがいまして、NHKに対しましても郵政大臣の監督権の範囲内においてのみ調査を行うものであります。このような立場から、言論、報道の自由に立ち入って調査を行うことは一切ないことを断言いたします。
#171
○田代富士男君 では、引き続きまして質問をいたします。
 去る一月の三十一日、わが党の矢野書記長が衆議院の予算委員会におきまして、行政管理庁の監督権を拡大強化すべき立場から、御承知のとおりに四十九年度の保利行政管理庁長官の前向きの答弁を引用いたしまして質問をいたしました。これに対して、宇野長官はもちろんのこと、多くの特殊法人を抱えて、しかもそれまでは行管のこのような監督権の拡大強化に反対と見られておりました通産あるいは運輸、建設の各大臣も、そういう方向に対してともに協力していくことはやぶさかではないと、こういう答弁があったのでございます。また、この質問が行われるまでは、KDDを初め鉄建公団、これが委員会においても問題になりましたし、私も決算委員会等でこれを取り上げた経過がございますが、この一連の不正事件の嵐が吹き荒れる中で、国民の行政改革に対する強い要求はもとより、政府も従来になく行政改革に前向きに取り組んでおられるようになりましたけれども、行政管理庁の監督権の拡大強化を内容とする行政管理庁設置法の改正案は政府において提出の予定になっていなかったのでございます、これは御承知のとおりでございますが。そういう意味におきまして、一月三十一日の矢野質問というのは、今回の行政管理庁設置法改正案を政府が提出することになったきっかけを与えたのではないかと、私はそのように理解をしております。
 そこで、まず第一にお伺いしたいことは、なぜ全特殊法人を行政管理庁の調査対象法人にしてなかったのかということをお尋ねしたいのでございます、第一番目。
 第二番目は、今回、ただいま述べましたような背景があるとは言え、政府部内におきまして長年の懸案事項でございましたけれども一歩前進することができたのはなぜか。
 三番目には、特に三十八年の改正におきまして、御承知のとおりに設置法第二条四号の二が追加された時点で今回改正の内容を織り込めなかったのか、これは遅きに失したのではないかと思いますが、まずこの三点につきまして大臣の所見を伺いたいと思います。
#172
○国務大臣(宇野宗佑君) 従来、百十一の特殊法人になぜ行管庁の監察が及ばなかったかという問題に関しましては、局長から御答弁をいたさせます。
 今回の五十五年行革は、御承知のとおり四本の柱を出発点といたしまして、それを着実にやっておったわけでございますから、この四本の柱の中には百十一の特殊法人に行政監察権を及ぼすという問題はなかったわけでございますが、その過程におきまして、私個人といたしましては、やはりこれは拡大しなくちゃならないんじゃないかということを考え、また、それを公ではございませんが、一つの自分の考え方として申し述べたことがございました。そうした経緯もございまして、特に予算委員会で矢野書記長から非常に時宜を得た御質問をちょうだいいたしましたので、言うならばそうしたことが一つの大きな動機となりまして今回法案を提出することになったということに関しましては、私は敬意を表したいと思う次第でございます。もちろん、少数精鋭主義でやらねばなりませんから、ひとつやはり今日特殊法人に対する国民のいろんな感情がございます。しかしながら特殊法人は全部が全部悪い法人ではございません。仕分けをきちっといたしまして、やはり正すべきは正しながら、さらに第三セクターとして国民のニーズに合う活躍をしてくれるように、私といたしましてはそういう監察を通じて健全な特殊法人を育て上げていきたいと、かように考えております。
#173
○政府委員(佐倉尚君) 先生のお話の最初の点でございますけれども、現在いわゆる特殊法人のうち四十八、すなわち公社、公庫、公団、事業団に調査の対象が限られております。これも一遍になったんじゃなく、昭和二十七年に公社を対象にしました。それから三十年に公庫と公団、三十二年に事業団というぐあいに、そのときの社会的な要請等に基づいて順次ふやしてきたわけであります。現在四十八に限られている理由というのは、やはりいま申し上げました公社、公庫、公団、事業団といったようなものは特殊法人の中でも国の事務、事業にかなり密接な関係が特に深いだろう。それから、公共性の点においてもかなり高い公共性を持っているんじゃないかというようなことで現在四十八に限定されているわけでございます。
 それで、今回これを全部に広げさせていただくというのは、やはり行政監察というものによって行政機関の事業の執行状況を監察して改善を図っていくわけでございますけれども、それぞれ特殊法人が関連してまいる場合にはそこを調査する必要がどうしても出てくる。それが現在、いろいろな行政の簡素化あるいは国民のための行政という点から各方面においてそういう要請が出てきているというふうに考えられているわけでございます。
 それで、その三十八年に、お話のありました特殊法人の新設、目的の変更等、これが審査の権限が付与されて、そのときに全部どうしてできなかったかというお話でございますけれども、特殊法人をつくるということは、国の事業をやはり分担させるわけでございますから、設立というのは非常に重要なものであるというような考え方によって、その設立、新設について審査をすべきであるという考えがあったんだと思います。ただ、できた特殊法人についてはそれなりに運営し、余り国が場合によっては関与しないで、やはりその特殊法人――国の行政機関と違うわけでございますから、わざわざ特殊法人という形をつくったわけでございますから、かなり運営等についても自主的な運営をさせるべきではないかというような点から、その運営の細部にわたってまで行政監察の一環としての調査の対象にしなかったというふうに私は理解しております。
 ただ、いろいろな問題等も生じまして、この際、その運営等についても関連する部分についてはやはり調査をさせていただくということが必要であろうし、また、社会的に見ましてもそういう要請が高まっているということで今回このような改正をお願いしたという次第でございます。
#174
○田代富士男君 いま御説明がありましたとおりに、運営にも関連のあるところは調査さしていただくということで今回の法改正がいま審議されておりますが、特殊法人の主務大臣が各特殊法人の自主性を尊重しつつそれぞれ監督を行っていくのに、今度新たに加えまして行政管理庁が調査をすることになるわけなんですが、そこで当然考えなくちゃならないことは、各特殊法人を監督する主務大臣の監督権限と行政管理庁の調査権との関係ないしはその違いではないかと思うのです。ただいまNHKの問題等も御答弁がございましたけれども、この関係性とその違い点というこれがまだわれわれが納得できる御答弁をいただいていないと私は思うのです。その点もお尋ねしたいと同時に、また、主務大臣の監督権を侵害いたしましてその責任を不明確にならしめるようなことがあってはならないと思いますけれども、行政管理庁長官の見解をお尋ねしたいと思います。
#175
○政府委員(佐倉尚君) 特殊法人というものは、先ほどからお話がありますように、その性格が非常に区々でございます。それで、その主務官庁、主務大臣の監督の権限の態様もかなりまちまちでございます。先ほどもお話がございましたように、国の関与の度合い、出資があるかとかないかとかいったような点まで含めまして非常に区々でございます。それでいま先生お話しのとおり、主務大臣がその特殊法人を監督しているわけでございますから、私どもの行政監察というのはあくまで行政機関の行政の執行状況を監察するわけでございます。それで行政の執行状況の中には、やはり特殊法人に対する監督といったものも当然含まれるわけでございます。そういう意味で監督行政を監察するということが当然あり得るわけでございます。
 それから、行政機関のいろいろな事務、事業あるいは政策、それがどのようになっているかということを監察する場合に、国の事務、事業の一翼を担っているとも言うべき特殊法人のやっていることをやはり調査したりする必要が生じてくるというふうに考えられるわけでございます。でございまして、私どもの行政監察は、先ほども申し上げましたように、行政機関の行政の執行状況を監察するわけでございますから、その行政機関の事務の執行状況の一つである監督権というものとの関係は、特殊法人の監督行政そのものを阻害するとか、それと重複するとかということは決してなくて、私どもはそれも行政監察の一部として行政機関の業務の執行状況を拝見さしていただく。その際に、特殊法人も必要に応じて調査することができるようにしていただくというのがその関係でございます。でございますから、当然ある特殊法人について私どもが行政監察に関連した調査というものを行います場合、主務大臣のその特殊法人に対する監督の態様に従いまして、その簡囲内で調査が行われるということは、ただいま申し上げましたやり方の仕組みからいって当然でございます。そのような関係になっております。
#176
○田代富士男君 いまもお話を聞いておりますと、この特殊法人のやろうとしている仕事は千差万別であると、そういう立場からやりにくい面もあるかと思いますが、百十一と一般的に数が言われておりますけれども、事業の内容、資本、補助金などについても実にさまざまである。また、同僚議員のただいまのこの特殊法人の、これを分類するとどういう分類になるかということに対しても御説明がありましたが、私自身なるほどという理解できるところまでいっておりません。簡単にこれをわかりやすく分類するとどのようになるのか、もう一度このことも教えていただきたいと私は思う、理解しやすいように。
 それと同時に、問題は、国から全く資金が流れてない特殊法人があると思います。それらについて今度行政管理庁が調査を行うというようなことになりますと、それなりの大義名分がなくてはならないのではないかと思うんです。たとえば、いまKDDの不正経理問題がありました。不正経理だったから調査をする。まあ、これで――したことは悪いんですよ。ただ、それだけで調査をすると、これだけでは大義名分にならないと思いますが、それなりの大義名分が必要だと思いますが、このことに対してどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お答え願いたいと思います。
#177
○国務大臣(宇野宗佑君) たとえば、KDDは資本関係から考えましても政府出資はびた一文なくして、電電公社が出資をしておる、他は民間であるというふうな形の株式会社特殊法人でございます。だから、今日までは行管庁からひとつ何らかの勉強したいから参考資料くれないかと言いましても、一言のもとに拒否されたという経緯等もあるわけでございます。しかも、そうした経緯から今日のような不正な会計があったわけでございます、事件があったわけでございますから、たとえばそのようなものでもあくまでも特殊法人というからにはやはり国の別働隊であるということには間違いありません。だから、当然われわれといたしましては、郵政大臣の権限内ではございましょうが、行管は行管としての立場からのやはり調査をしなければならないということに相なるわけでございます。
   〔理事林ゆう君退席、委員長着席〕
で、その面におきましては、ではどういう面があるかということになりますが、私はやはり株式会社であり、また、上場もしている以上は公認会計士も入って十二分な調査はしておるとは思いますが、やはり政府の第三セクターだということになれば、政府自身から会計上の問題は――あるいは会計検査院がやる問題であろうと思いますので、それを直接行管がやるわけではありませんが機構とか制度、そうした問題についてどこかにやはり欠点があったのではなかろうかと。たとえば本当にその官庁簿記というようなものが歳入歳出、はい、さようならと。両方がプラス・マイナスゼロで年度末にゼロになっておった、それでいいんだと。そんなものじゃないんじゃないかと。やはり、いやしくも第三セクターで株式会社である以上は、民間株式会社と同じような血を流し汗を流すだけの合理化努力というものが必要じゃないかと。そういう面が特殊法人だから免れておったという面がありはしないか。こういうことになりますと、やはり組織、機構、運営等に関しまして私たちがメスを入れる余地は私は十二分にあるのではなかろうか、こういうふうに考えますので、他の特殊法人に関しましてもそれぞれ性格が違いますが、そういう面におきましてもやはり国の責任を果たしたい、こういうことでございます。
#178
○田代富士男君 簡単に分類を、簡単でいいですよ。
#179
○政府委員(加地夏雄君) 先生御指摘の分類の問題ですけれども、いろいろありまして、たとえば一つは名称という形の分類でございます。それから、御指摘のように特殊法人がやっている事業、事務ですね、その内容からの分類もございます。それから、財政負担の観点からどういうふうなものであるか、そういう分類もできるわけであります。ただ、いずれにいたしましても、御指摘のように非常に千差万別でございまして、きちっとこういう形で分類できるという形がなかなかできない法人があるわけでして、それがいろいろ名称の問題あるいは分類上もその他の法人というような形でくくってはおりますけれども、そういういろんな観点からの分類はできるということでございます。
#180
○田代富士男君 いま国の資金の流れということに着目してお尋ねをしましたけれども、そういう観点から特殊法人と認可法人を見比べてみるとどれほどの違いがあるのか、ただいまも同僚議員の御質問がありまして、これで答弁をなさっておりましたけれども、なるほどというそれだけのものを理解することが私もこの委員といたしまして明確ではありません。
 ところが、まあそれは時間がありませんからこれはそれといたしまして、行政管理庁設置法の第二条第十二号において、「国の委任又は補助に係る業務の実施状況に関し必要な調査を行う」とあることからも明らかなように、行政管理庁が監察に関連して行う調査の対象となるのは、各認可法人のうち国の委任または補助に係る業務の部分に限られておりまして、各認可法人の業務全般についてはその対象としてないと、このようなことではないかと一応は受け取っておりますが、また行政管理庁設置法第二条四号の二の審査権、これは認可法人には現在及んでないのである。
 そこで、まず第一に、特殊法人のあり方を再検討するために民間の有識者による研究会の設置の考えを衆議院の決算委員会であったかと思いますが、長官が明らかにされまして、その研究会のことはただいまも議題となったわけでございますが、その研究会において基本的な問題を根本的に見直す必要がある、そういうことで基本問題研究会なるものをつくってやっているというお話でございますから、それであるならば調査対象法人についての範囲、あり方などを研究する際には特殊法人の定義について骨抜きにならないように歯どめをしなくてはならない、このように前向きに検討すべきではないか、これが第一点でございます。
 それとともに、認可法人につきまして審査対象としてこれを取り組むよう、これまた前向きに検討すべきではないかと、このことをあわせてお聞きしたいと思います。
 また、ただいま同僚議員のこの研究会の質問にお答えの最中に、大臣は、まあ将来のことであるけれども、こういうすべての特殊法人とかこういうものも民間に移行しようと、すべきものは移行したいのだというそういう御発言がございましたけれども、いま大臣がそのように民間に移行したいという強い決意を持っていっらしゃいますけれども、それはここで数は、どこと何と何ですかというそこまではお聞きいたしませんけれども、おおむねどの程度のものを民間に移行できるというその感触だけでもよろしいですけれども、御答弁いただきたいと思います。三点お願いします。
#181
○国務大臣(宇野宗佑君) 研究会は、特殊法人の基本的問題はもちろんのこと、当然認可法人が特殊法人の隠れみのであるとよく言われますから、やはりそういう問題に関しましてもこの際きちっとしておくことは必要ではなかろうか。ただ、認可法人そのものには、いま行管庁の立場といたしましてはとやかく言えないということは従来から申したとおりでございますが、しかし、やはり関連において研究会におきましては当然このことも検討をしていただかなければならないだろうと、私はこういうふうに考えておる次第でございます。
 なおかつ、私の今日まで百十一を洗ってまいりました、そしてすでにその下敷きといたしまして昭和三十九年の臨調等があるわけですが、臨調そのものの答申の中からでもまだ今日生き延びている法人もございますし、臨調の答申のままではいかがかなと思われるやつもあるわけです。たとえば臨調におきましては、ギャンブル法人は民間に移行したらどうだと、こういうことが三十九年言われておりますが、今日、私はそれはちょっと無理なことであって、やはり国として十二分に第三セクターとしての活用をしてもらって、それを国が十二分に監視監督する方がよかろう、こういうふうに思っておりますが、そのほかの民間移行の問題に関しましては、ここで具体的に申し述べると、やはりいろいろ研究会がこれからやっていただく先に、私から例示するということもあるいはあるかもしれませんが、地方に関する問題もございます。いわゆる特殊法人整理の場合には、各省庁の反対理由の一つとして、なかなか地方の同意が得られませんというふうな特殊法人もあるわけでございますが、そうした面は私が十二分に歩いていろいろ感触を問うておるという問題もあるわけでございます。したがいまして、そうしたことをもあわせますと、決して一つや二つではないということだけは言えるのではなかろうかと思います。
#182
○田代富士男君 では、それひとつ努力していただきますようお願いいたします。
 次に、NHKの問題についてお尋ねしたいと思いますが、ただいま同僚議員からの御発言もございましたが、これは大事なことでございますし、改めてお尋ねしたいと思いますが、今回の改正によりましてNHKもその調査対象に含まれる特殊法人となることは御承知のとおりでございますが、この際、やはり憲法上十分に保障されなくてはならないことはいろいろあるかと思いますが、放送権とか言論の自由との関係について、やはり大事なことでございますからお考えをお聞きしたいと思います。そのお考えと同時に、行政管理庁がNHKに対して調査する場合、長官としてどのように臨まれるのか、やはり基本方針というものが大事ではないかと思いますが、いまさきもこの主務大臣と行管との関係ということについても再度お尋ねしましたけれども、ここは御答弁として受けておりますけれども、これはいまから接点となっていろんな問題が起きてくることではないかと思いますし、しかし、特にNHKという国民の代表的な注目の的になっている特殊法人でございますから、改めてそこらあたりももう一度明確にしていただきたいと思います。
#183
○国務大臣(宇野宗佑君) これは衆議院におきましても参議院におきましても、また、どの委員の方の御質問に対しましても同じ答えで私はお答え申し上げておきたいと、かように存じます。
 言論、報道の自由は憲法及び放送法により保障されており、郵政大臣のNHKに対する監督権はきわめて限られたものとなっております。行政監察は、元来、主管大臣の監督権の範囲内において調査を行うものであり、したがいまして、NHKに対しましても郵政大臣の監督権の範囲内においてのみ調査を行うものであります。このような立場から、言論、報道の自由に立ち入って調査を行うことは一切ないことをここに断言いたします。
#184
○田代富士男君 この改正案が成立いたしますと、行政管理庁の調査実施計画が出されてまいるわけでございますが、五十五年度の監察計画において新しく取り組まれることになる六十三の調査対象法人というものは、これは全部含まれることになるわけなんですね。まず、ちょっとお尋ねしたいと思います。
#185
○政府委員(佐倉尚君) ただいまお願いしておりますことが成立した暁に入ります六十三の新しい特殊法人のうち、五十五年度に全部何か調査をやるということは考えておりません。これは数から言いましても業務量から言いましてもとても無理でございまして、現在の五十五年度の監察計画に従って監察を実施していくわけでございますけれども、それに関連した部分は入ってくる可能性がありますけれども、六十三全部ということは全く考えておりません。
#186
○田代富士男君 おおむねどのくらいですか。
#187
○政府委員(佐倉尚君) 五十五年度の監察計画でございますけれども、いろいろな柱を立てて私ども各省庁の行政の実態を監察するわけでございますが、その中で特殊法人の総合実態調査というのを計画しておりますが、その中で、国の監督規制の実態を調査するということでは、各種特殊法人に対するものでございますので、この中ではかなり横並び的な意味で数が入ってくるかと、こう考えております。
 いまのは特殊法人を横並び的に見る調査でございますけれども、二番目のパターンとしまして、それぞれの特殊法人を特に見るというような場合、たとえば日本専売公社の監督行政監察、これは大蔵省の関係でございますけれども、そういうもの、あるいは国有鉄道の監督行政監察、これは運輸省の関係でございますけれども、そういうものを考えております。それで、そのほか施策監察とわれわれ通称呼んおますりでけれども、ある行政の分野をとらえまして行政監察を行っていく場合でございますが、今年度はその中でデータ通信に関する行政監察というものを考えております。ここでKDDが関係してくると、KDDのいろんな電気通信のあり方等を拝見したいというふうに考えております。
 現在のところ、そのような計画でございますが、これはあくまで予定でございますので、いろいろ変わることもあり得ようかと思いますけれども、現在のところはそのようなことを考えております。
#188
○田代富士男君 今後これを運営されるわけでございますが、現在の調査対象は御承知のとおりに特殊法人四十八でございますけれども、いまさっき同僚議員の質問もあったかと思いますが、今後現在の調査対象の約倍と申し上げてもよいではないかと思いますが、そうなった場合に、現在の行管の体制として果たしてこれでやっていけるのかと、組織の面あるいは予算の面、これは許される状態ではないときにやれるのか。それに対して、ただいま長官は、千五百人未満で約九十万人の皆さんたちの仕事を相手に取り組んでいかねばならないから、耐えてやってもらいたいと、このように指導しているんだという御答弁がありましたけれども、これは言葉の上では耐えてやってもらいたいということはわかりますけれども、こういうような組織、予算の拡大等がなされないままにこれに取り組みをやって果たしてそれだけの効果が上がるのかどうか、耐えてやってもらいたいという言葉の上ではこれはわかりますけれども、もっとこういう行管といたしましての基本姿勢を具体的に御答弁いだたけないでしょうか。
#189
○国務大臣(宇野宗佑君) 行管そのもののあり方に関しましても、いろいろと意見はございます。衆議院(さんぎいん)の予算委員会でございますが、行政監察なんて要らないんだというふうな極論もあったほどでございますけれども、私は今日の行政管理庁の存在というものは、非常に少数精鋭でがんばっていててくれると、私自身もその長官といたしまして、配下におります職員の努力には敬意と感謝を表しておる次第でございます。
 特に今日、定員管理等を通じまして定員削減という問題がやかましく言われております。新しいニーズのところには純増、そして不要なところには純減、こういうことで歴代内閣はこの十年ばかりやってまいりまして相当な効果を上げております。で、こういうときでございますから、私は、たとえば仕事が倍になったからすぐにまた倍定員が必要でございますということをまさか行管から言うわけにはまいりません。さような意味合いにおいて私は、少数精鋭で十二分に国会から御審議を賜ってひとつがんばれということで、この法案のいろいろ御高配をお願いしておるわけでございますので、それらにこたえながらやっていくのがやはり国家公務員としての生きる道ではなかろうか、こういう気持ちで、今日は行管庁も火の玉となりまして、皆がそのようなつもりで決意をいたしていてくれますので、私もその第一線で陣頭指揮をいたしております以上は、やはり国家公務員はかくあるべしということでやっていきたいと、かように考えておる次第でございます。
#190
○田代富士男君 いまいろいろお尋ねをいたしましたけれども、やはり国民が一番望んでいることは何であるかと言えば、鉄建公団の問題、KDDの問題から今日まで来ておるわけでございますが、考えてみれば公務員や特殊法人の職員の綱紀の粛正ということではないでしょうか。これは、私は宇野長官のお考えも同じではないかと思うわけでございます。
 そこでこの際、この設置法改正を機に提案したいことがございますが、ただいまもこの法案が成立した後に何をやるかということをお尋ねしたのはそのことでございますが、データ通信等の行政監察をやりますといういま答弁がございましたけれども、まず何よりも私は郵政省のKDDに対する監督のあり方について鋭いメスを入れるべきではないか、このように提案をしたいわけでございます。
 それと、さらに特殊法人の監督のあり方について、全主管省庁にその対象を広げて、できるだけ早く調査を行って綱紀粛正の範を示すべきではないかと。いま、まず総合実態調査をやるという御答弁でございましたけれども、やはり何よりもこの綱紀粛正ということを徹底すべきではないかと思いますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#191
○国務大臣(宇野宗佑君) 今回の行革は、いわば綱紀粛正という大きな命題に対する行革であるということはいまさら論をまちません。したがいまして、いかに行政を効率化し簡素化すると申し上げましても、その根底には、常に綱紀は粛正されなければならないということをわれわれは念頭に置いて行政改革をするのであって、いやしくも弛緩を生ずるような行政組織であるのならば、当然そこに不正が発生すると。そこを私たちは一つのねらいとして、そこら辺から仕事減らし、器減らし、また人減らし、必要なところには人をふやすと、こういう考えで臨んでおるわけでございます。
 したがいまして、やはりその点は今後におきましても十二分に心してやらなければなりませんし、特に今回この法律が幸いに国会の御審議を仰ぎまして成立をいたしまして、さてどこから手をつけるかということになりましたならば、いま御指摘の面等々もございますので、一応個々の事案に関しましては、会計経理的には会計検査院がやるかもしれません。あるいは刑事事件等に関しましては司法当局がやるかもしれません。しかし、それらのものが生ずるいわゆる緩みがあったという制度、組織の問題に関しましてはあくまでも行管庁でございますから、問題法人に関しましては、やはり私たちといたしましてはイの一番に取り組んでいくということが必要なことではなかろうかと考えております。
#192
○田代富士男君 ではひとつ徹底的によろしくお願いしたいと思います。
 KDDが今回の法改正によって初めて調査対象になるわけでございますが、もし仮にもう少し早くこういうような措置がとられていたならば、これは結果論でございますけれども、今日のようなKDD事件までには発展してなかったのではないかと私は思うわけでございますが、そういう意味から行政管理庁に対する国民の期待も今後ますます大きくなっていくかと思いますけれども、私が心配しているのは、こういう調査対象というものがすべての特殊法人にふえていくわけでございます。そういたしますと、やはり量の増加は質の低下とも言われることもありますし、そういう意味から万が一にもいいかげんな調査が行われるようなことがあったならば、これは失敗であったということじゃ済まされないと思うのです。だから、今後こういうような、KDD事件のような不正事件が起きてはなりませんけれども、そういうことを防ぐために今回こういう法改正をやって調査対象を拡大をしたわけでございますから、これを防ぐ意味におきまして調査業務を行う行管の手腕というものが買われておるわけでございます。もし今後こういう事件が起きた場合には、今度は行管は何をしておるかという、そういう重大な責任があると思いますけれども、そういう意味におきまして、私は最後に今後の決意を長官からお聞きいたしまして、質問を終わりたいと思います。
#193
○国務大臣(宇野宗佑君) いま田代委員おっしゃいましたとおり、私も百十一の特殊法人に全監察を及ぼすというときには、そのようなことも考えないわけではなかったわけでございます。かりそめにも行管が手を染めて、その後に不正があったならばどうするかと、それは会計検査院の手落ちだったとか、あるいはどこそこの所管官庁の手落ちだった、そう言われる前に、やはり行政監察という重大な職務に対して当然その矛先が向いてくるぞと、そのことを考えながらしっかりやらなくちゃならないんだということを私も心いたしております。
 そういう決意のもとに、行管庁といたしましても今回の法案提出というふうに相なったわけでございますので、いま御指摘の点に関しましては、私を初めスタッフ一同、行管庁職員一同肝に銘じまして、そして御志向賜っておる方向に対しまして最善の努力をいたしたいと考えております。
#194
○沓脱タケ子君 それでは、限られた時間でございますので、二つの問題についてお聞きをしたいと思います。
 今回、設置法を改正いたしまして全特殊法人を行政監察の対象にすることになるわけでございますが、行政監察の権限というのは、各行政機関の実務の実施状況を監察するということなんですね。
#195
○政府委員(佐倉尚君) 行政監察は、いまお話しのとおり、各行政機関の業務の実施状況を監察して、行政を受けている国民の側に立ってそれを評価、分析し、改善する必要があるというふうに考えられたものに対しましては勧告なり所要の措置をとってそれを改善していくというのが行政監察の任務でございます。
#196
○沓脱タケ子君 その場合に、その監察の対象というのは対象機関のあらゆる業務が含まれるということになると思うのですが、対象業務については実地に調査をするということができる、それからもう一つは、調査を受ける者は調査を拒んではならない、それから監察上の必要によって必要な資料の提出を求めることができるなどということでございますね。じゃそうだったらそうだと言うておいてください。
#197
○政府委員(佐倉尚君) お話しのとおりでございます。
#198
○沓脱タケ子君 今度の設置法の改正で監察の対象にNHKが含まれるということになるわけですが、これはすでに同僚委員からも質疑が出ておりますように、また衆議院(しゅうぎいん)でも問題にもなっておりますわけですが、実は私もこの件について少しお聞きをしておきたいと思っているわけです。
 NHKが新たに監察の対象になるということについて、去る四月二十四日の参議院(しゅうぎいん)の逓信委員会におきまして、実は私、たまたまNHKの会長が出席をしておられたので、その問題についてお尋ねをしたわけでございます。そのときにNHKの会長は、この問題については重大な関心を持っている、番組の自由にかかわることのないよう配慮をお願いをしているんだ、その旨郵政省にもたびたびお願いをしております、こういうふうにお答えになっておられたわけで、今度の設置法の改正によって監察の対象になるということに一定の危惧を感じて、その気持ちをお示しになったわけでございます。これに対して、行管庁としてはどのようにお考えになり、どのように対処しようとしておられるかという点が一番大事な点だとこの件に関しては私ども思っているわけです。たびたびもうどなたにも同じ答弁をおっしゃっていただいておりますので変わらないのだろうと思うのですけれども、その点では私、NHKの会長がもう明らかに番組の自由にかかわることのないように配慮をしてほしいんだ、そのことをもう直接の監督官庁である郵政省にもお願いしているんだというふうな事態、こういう状況をお考えになられてどのように対処をなさるか、これはもう基本的なお考えはよくわかっておりますけれども、重ねてお伺いをしておきたいと思います。
#199
○国務大臣(宇野宗佑君) ただいまの質問に対しましてお答え申し上げます。
 言論、報道の自由は憲法及び放送法により保障されており、郵政大臣のNHKに対する監督権はきわめて限られたものとなっております。行政監察は、元来、主管大臣の監督権の範囲内において調査を行うものであり、したがいまして、NHKに対しましても郵政大臣の監督権の範囲内においてのみ調査を行うものであります。このような立場から、言論、報道の自由に立ち入って調査を行うことは一切ないことを断言いたします。
#200
○沓脱タケ子君 それで、いま長官の御答弁でもございますように、行政監察というのは主管大臣の監督権の範囲内において行うんだと。そして、特にNHKに関しては郵政大臣の監督権というのはきわめて限られたものになっていると。そういう点を踏まえて言論、放送の自由を侵すようなことはないということを断言するとおっしゃっておられるんですね。
 ところが、郵政大臣のNHKに対する監督権というのはきわめて限られているものかと私も思っていたんですけれども、実はそうでもないんですね。放送法に定められている郵政大臣の権限というのはかなりたくさんございます、これは。せんだっての委員会でも念のために――きょうは郵政省の電波監理局長おいでになっておりませんけれども、お述べになっていただいたんですけれども、ずいぶんたくさんございます。そういう点で、これは私幾つかの問題も拾い上げてみたんですけれども、たとえばNHKの付属業務というような問題、あるいは受信料の免除の問題とか、まあこういう問題ですと、付属業務というのはNHKは何をやっているかというと、放送学園ですか、NHK学園というふうなことをやっているわけですが、あるいは修理業者では修理のできない業務と、そういうふうなこともやっているようなんですが、まあこういうことにも、ですから監察の対象にしていこうと思えばやれるわけですね。その点はどうですか。
#201
○政府委員(佐倉尚君) 今回のこの法改正が御承認いただけると、NHKは監察に関連した調査の対象ということになるわけでございます。それで、その調査の対象というのは、ただいまのお話しのとおり、郵政大臣のNHKに対する監督権限の及ぶ範囲について私どもの監察に関連した調査が行われるということでございます。
 それで、郵政大臣の監督権限、いまお話のありました、まあいろいろあると思うんでございますけれども、その範囲内に限定してわれわれの調査が行われるというふうにお考えいただきたいと思います。
#202
○沓脱タケ子君 ですから、郵政大臣の権限というのはかなり幅が広くて、番組の編成に関する部分を除いては非常に大幅な各種の監督権限があるように思うんですよ、具体的にお伺いしますと。しかし、いま必ずしもそのすべての監督権限を行使しているという状況ではなさそうに思うわけです。
 そういうことが今日の現状なんですけれども、そういう中で国民がいま一番心配しておりますのは、これは行管庁に対して心配をしているというんじゃありません。いま一番心配をしている放送、特にNHKに関する問題で心配をしておりますのは、NHKという公共放送が御用放送化するのではないか、させられるのではないかという心配、そういう不安というのはかなり広範に国民の中にあります。放送法の精神によって、公共放送のNHKというのは、もう十分御承知のように、政府の補助金に頼るということではなくて、受信料で運営を賄うという立場を堅持してきているわけですね。
 ところが、最近、今度NHKの受信料の引き上げがやられました。今国会へは、これはどうやら廃案になりそうですけれども、放送法の改正が提案をされてきている。今度の放送法の改正の提案の中身というのは、受信料支払いの義務化なんですね。この問題と絡みまして、自民党の方ではNHK調査委員会をおつくりになるというふうな問題が出てきている。そして、ニュースや番組などの監視をして注文もつけようじゃないかというふうな意見が出ていると報ぜられているわけですね。あるいは自民党の総務会では、放送法を改正して税金とも言えるようなかっこで受信料の支払いを義務づける以上は、NHKは事実上の国営放送である。とするなら、国の管理権や意向に反した行動をとるというふうなことはとんでもないというふうな議論さえ出てきているということが放送法の改正でいろいろ論議をされ、放送法の改正、ひとっこれを見ますと、NHKを変質させるものではないかというような世論が、放送、特にNHKをめぐって背景に起こっているわけですね。
 そういう状況の上に今度行管庁の設置法の改正でNHKも監察の対象になると、こういうふうになってまいりますと、これは少しもうあれですけれども、行管の方ではそういう意図はお持ちではないわけですけれども、さらに国家機関からの監察、調査、そういったものが加わっていく。そうすると、本来憲法や放送法に定められております言論、放送の自由、そういったものに対して二重、三重の国家の、政府の監督、調査というものが屋上屋を架すことになるんではないか。そうなってくると、絶対に侵さないと言われている憲法や放送法に定められている言論、放送の自由、あるいは不偏不党の公共放送としての放送の自主性あるいは番組編成の自由の確立、こういうものに危惧が出てくるというのは、そういった背景があり、さらに政府の監督、調査というのがプラスされていくということで危惧が高まってきているというのが今日の情勢だということを御理解いただきたいと思うわけです。
 私は、この放送の問題について、今日では与党が自民党さんですから、自民党さんがということが問題になりますけれども、将来何党が与党になってもこれは、この点については厳正に確立をされなければならない、やはり中心的な柱だと考えているわけです。
 そういう点で、戦前のNHKが、いわゆる政府これを管掌すると称して、御年配の方々は御承知のように、国家統制のもとに完全に置かれて、大本営発表、大本営発表というあの放送によって悲惨な侵略戦争に駆り立てられていく上で大変に決定的な役割りを果たしてきたという放送の役割り、あの当時でさえも放送の役割りがいかに大きかったかということを国民が知っている、がゆえに、二度とその誤った歴史を繰り返してはならない。そのために必要な歯どめというものはできるだけやらなければならないというのが私は国民の見解だと思うわけです。
 そういう点で、何回も断言しているんだから、それ以上何だとおっしゃると思うんですけれども、そういったこの現在の政治情勢、あるいは放送法をめぐる背景、そういったものの中にあって、今回行管庁設置法の一部改正でNHKが監察の対象になるということで、さらに一層その危惧を国民が深めるということについて、これは何とかしてそれはそうではないんだという点をはっきりさせる必要がありはしないか、こう思っているわけです。それを一番はっきりするということになれば、これは今度の設置法からNHKを除外するということをやれば一番はっきりするわけでございますけれども、そういったお考えはお持ちではないかどうか。その点をちょっとお聞きをしておきたいと思います。
#203
○国務大臣(宇野宗佑君) 全特殊法人を監察対象にすると言いましたときに、幾つかの特殊法人におきましては、やはりKDDの不正経理あるいは鉄建の不正経理、そうしたことから端を発して、私たちはまじめにやっておるにもかかわらず、なぜ監察の対象にされなくちゃならない、こういうふうな不満が出たことは事実でございます。しかしながら、やはり特殊法人というのは、先ほど申し上げましたとおりに、法律をもって強制的に設立されておるところの政府の別働隊ではございますが、政府そのものではないということも御承知賜っておるところであろうと思います。つまりNHKは、では国営放送かと言えば国営放送では絶対にございません。第一セクターが政府。じゃ民間かといえば、民放ではありません。第二セクターは民間ですが、それでもありません。だから第三セクターだと、だから特殊法人だと、こういうふうに申し上げまして、したがいまして、経理の不正あるいはまた正常、そういうこととは別として、やはり特殊法人として今後の時代の要請等々も考えた場合には甲、乙の区別なく全部を対象としますと。ただし、対象といたしますが、放送という最も重要な問題もこれあり、また憲法の規制もこれあり、この問題はきちっと守りますということを先ほど私が申し上げたわけでございますので、その点は、もう再度にわたってでございますが、私も政府の重要閣僚の一人といたしまして、はっきりここに断言をいたしておきたいと存じております。
#204
○沓脱タケ子君 それじゃ時間がありませんから、いわゆる国の監督業務の実態の調査という点で行政監察ですね、特にこの法律が通れば一番先にKDDに手をつけなければならないのではないか、あるいはKDDと郵政省との関係に手をつけなければならないのではないかという点は先ほども御指摘があったところでございます。私もその点はぜひやっていただきたいと考えている一人です。
 そこで、ちょっと具体的にお聞きをしておきたいと思うんですが、昭和五十二年の暮れから五十三年の春にかけて、御承知のように円高差益の還元問題、これで世論が高まっていきました。その中で、KDDの値下げ問題もこれに拍車をかけるようにクローズアップをしたわけでございます。
 ところが、そういう中で政府がどういうふうに対応してきたかと申しますと、これはKDDに対しましては、昭和五十三年の四月二十一日の経済対策閣僚会議の決定で、五十三年五月十日に文書によって、KDDに「国際電信電話料金については、通貨変動による影響とそれに伴う料金改定について検討する。」ことという指示を出しているわけですね。それから二回目には、五十三年の九月二日の経済対策閣僚会議の決定に基づいて、五十三年九月十九日に再び同趣旨の、「料金問題についてさらに検討すること」という指示を出しているわけですね。三回目には、五十四年の二月二十六日の物価担当官会議の決定で、閣僚会議に報告をされたものだそうですけれども、これに基づいて、同じく五十四年三月十五日に「国際電信電話料金の改定につきさらに検討を進める。」という趣旨の指示文書を出しておるわけですね。そういうふうに政府は対応しておられます。ところが不思議なことに、回答をよこせというふうに指示文書は書いてあるんですけれども、KDDからは一遍だけ返事が来ている。五十三年の八月二十六日に、これは値下げよりも設備投資の方が重要でありますという、値下げについては拒否回答が一回だけ出されているわけでございます。
 私は、こういう状況も一つは不思議だと思うんですね。一年の間に三回にわたって文書によって指示をしているのに、それで回答せいと言うているのに、指示どおり値下げもやらなきゃ、回答は一遍だけちょこんとやってくる。こういうあり方というのは非常に一つは不思議なんですが、そういう異例の事態が起こっておるのも当然で、昭和五十三年というのは時の郵政大臣は服部郵政大臣ですが、服部郵政大臣は、これは五十三年の二月、三月ごろにはファイトを燃やして、値下げには検討し指導しておりますと国会でも言っておられたのが、四月の十八日から、いやそんな値下げなんというようなことは言うたことないということで、今度は設備投資の方が重要だというふうに見解が急変をしているんですね。
 これは、私はきょうはいわゆる刑事問題に絡む観点の問題をお聞きしようと思っていないんですよ。行政上のゆがみというのは、金権腐敗、不正というふうなものが起こるときには行政のゆがみも実に顕著に出てくるものだなあと思って、いままで追及をしてきたことを少し整理をしてみて、行管庁でこれは一体どのようにやっていただけるだろうかと思ってお聞きをしたいと思っているわけでございます。
 そういう急変をされた御見解というのは四月の十六日なんですが、ところが、先ほど私申し上げたように、同じ四月の二十一日には経済対策閣僚会議に、このときには時の服部郵政大臣も御出席になっているんですね。五月の十日には文書で、値下げを検討しなさいと言って指示文書を出しているんですよ。そういう非常にわけのわからぬことなんですね。閣僚会議の決定だから政府の方針と思うんですけれども、その政府の閣僚の一人がその方針と違うことをおっしゃっておる。
 それから、その後の私どもの調査では、当時の服部大臣を訪問した板野前社長、あるいは古池前会長らが一緒に訪問したんだそうですけれども、そのときにも服部さんは、値下げはしなくてもよいよと言われたということも私どもの調査で明らかになっております。
 それだけかと思っていたら、次の郵政大臣の白濱郵政大臣が、五十四年の五月の二十四日に参議院の逓信委員会で、値下げよりは設備投資だということを一貫して主張している板野社長の言葉に同調されて、KDDの社長さんの考え方に異存はないので協力をいたしますという答弁をしているんです。その時期はどういう時期かといいますと、いま申し上げたように、御答弁になっているのは五十四年の五月の二十四日なんですが、政府の方針として、物価担当官会議をやって、再度指示文書をお出しになったのは同じ五十四年の三月十五日ですね。そういう異例の事態というのが起こっているわけです。
 時間がありませんからごくかいつまんで申し上げているわけですが、ここで問題になりますのは、私は、行管庁、特に長官に考えて対処していただきたいなと思っているんですが、問題になるのは、一つは、閣僚会議の決定を大臣がその方針を守らないという、こういうことが正常な行政機構かなあと。明らかに政府の方針の歪曲だと思うんですけれども、こういうことが許されるだろうか。その点どうでしょう。
#205
○国務大臣(宇野宗佑君) 個々の事案に関しましては、いろいろと私も新聞報道等で知らないわけではないわけでありますが、この問題に関しましては、十分にその閣僚会議の内容なりあるいは郵政大臣の国会における御答弁なり、そうしたことを承知いたしておりませんので、まあひとつここで意見を申し述べることはちょっと差し控えさしていただきたいと思います。
#206
○沓脱タケ子君 それで、郵政省の寺島監理官おいでいただいていますのでちょっとお聞きをしておきたいんですが、郵政省といたしましては、五十二年の暮れから五十三年にかけて、KDDに対して値下げ問題を指示をしておられる当時、省内としてはその問題について御検討なさっていたのかどうか、その点はどうですか、指導するためには一定の見解を持たなければならぬわけでしょう。だから、そういう点での御指導をなさっていたのかどうか、これは私自身もわかり切ったことだから余り聞くのはどうかと思うんだけれど、やっていたんですね。
#207
○政府委員(寺島角夫君) ただいま御指摘がありましたように、郵政省がこの問題に関しまして三回にわたりまして文書指導をいたしたことはそのとおりでございます。
 それは円高差益の問題のみならず、いわゆる方向別格差の問題、あるいはKDDの全体としての経営状況等を勘案をして料金問題について検討するように指示をいたしたわけでありまして、先生御案内のとおり、KDDの料金は公衆電気通信法によりましてすべて郵政大臣の認可料金となっております。したがいまして、それを事務的に担当しております電気通信監理官室におきましては、料金問題というのは常に頭にある問題でございまして、料金問題の重要性ということは常に念頭に置いて検討しておったと、さように考えております。
#208
○沓脱タケ子君 それで長官ね、もう一つ問題を感じますのは、これは郵政省の事務当局の態度というのはどっちが正しいんかなということなんですよ。だって、私、ちょっと事実に基づいて申し上げているんで、うそを申し上げているんじゃないんですけれども、閣僚会議の決定と違うことを大臣、が言っておられると、そのことはちょっとぐあいが悪いと、行政の歪曲じゃないかというふうに私は思うんですけれども。もう一つは、郵政省事務当局が、どっちの態度が正しいかということですね、行政監察の立場で見たら。政府の方針のとおりきちんと事務当局がやっていると、仕事をね。業務の運営をやっているということが正しいのか、その省のトップである大臣の方針のとおりやることの方が正しいのか、どっちなんでしょうか。これは非常に問題だと思うんですが、一般論としてどうでしまう。
#209
○政府委員(佐倉尚君) 問題の設定がなかなかむずかしゅうございますので、直接お答えできるかどうかわかりませんけれども、行政監察というものの基本的な物の考え方の立場は、その行政がその行政を受ける国民にとってぐあいがうまくいっているかどうかと、いろいろ行政は、いまお話しのように法律に基づき、政令に基づき、各法令に基づき、あるいは大臣その他の御指示に基づき行政が行われるわけでございますけれども、行政監察はあらゆるファクターを考えまして、いま言ったような観点からそれがうまくいっているかどうかということを見るのが行政監察の本旨でございます。
#210
○沓脱タケ子君 そんなことを言っていても時間がないので、最後に私お願いをしておきたいんですが、行政監察の対象として、いま御指摘申し上げたことを一つは郵政省と、それからKDDの御調査を、実態調査をぜひなさるべきだと思うんですが、その点はどうかということと、もう一つ長官にお伺いをしておきたいのは、これは長官は総理に対する意見を具申する権利、権限というのが法律的に担保されているんですね。そういう点で御調査になって行政責任を明確になさる必要があるんじゃないかと、これは現職ではありませんからあれですけれども、しかし、そういった事態、行政の歪曲がどういうかっこうで起こったかという点は、国民にとっては大変不利益なんですから、値下げせいというのにしていなかったんだからね、そういう点では国民にとって大変不利益を与えているわけですから、当然行政監察の対象になるべき事案だと思うわけですよ。そういう点で御調査と、それからそういった調査の上に立っての責任追及について、長官としての権限を十分行使をされて対処していただきたいものだと考えるんですが、御見解を伺いたい。
#211
○政府委員(佐倉尚君) 事務的なことをちょっとお話し申し上げます。
 いまの国際電電株式会社の話でございますけれども、料金問題、仮定の問題として考えるならば、いろいろそのときの料金が適切であるかどうかという制度の問題、仕組みの問題については、これは行政監察の対象としてなじむんではないか。ただ、それにつきましてどの人がどういうふうに発言したというようなことが行政監察になじむ問題かどうかということは十分慎重に検討さしていただきたいというふうに考えております。行政監察のあり方としては、まず何よりも制度の問題からそれを追求していくというのが行政監察のやり方であるということを申し上げておきたいと思います。
#212
○沓脱タケ子君 ちょっと長官の前に。局長ね、それは私の言う話を聞いておらぬのですよ。初めに言うたでしょうがな、物価対策閣僚会議の決定に基づいて値下げの検討をしなさいという指示文書を三遍も出しております。ところが、一遍だけそんなのできませんいうて拒否回答しか出さぬで、しかも値下げをせなかったんです。国民は明らかに不利益こうむっているんですよ。だから、そういうことを具体的に申し上げているんだから、そういう具体的な実態の監察をなさるべきではないかということを申し上げているので、制度がどうなっているかということを監察せい言うてないんです。ちょっとだからあんた、業務の運営についてのすべてを監察するんだという、だから、初めに聞いておるんやないか。それを認めておいて、いまごろそんなこと言うたってだめですよ。きちんとやると言うてもらわなきゃ困りますよ。
#213
○政府委員(佐倉尚君) 事務的に申し上げまして、すべてということをさきに私お答え申し上げましたのは、すべてについて調査できるということを申し上げたので、それはいろんな要素がございますから、それをやるべきかべきでないか、いろいろ観点がある。それで、いまの先生のお話で、特に行政監察の本旨から、やり方から言って問題になるのは、どの人がどのような発言をしてどうなったかというようなことが行政監察の対象と申しますか、取り扱う問題として適当かどうかということは慎重に考えさしていただきたいということを申し上げたわけです。
#214
○沓脱タケ子君 最後に、長官ね、私はさっきもあわせて申し上げておいたんだけど、ちょっと大分、局長変なことをおっしゃるからややこしゅうなってしまったが、長官がさきの委員の質問に対しての御答弁でおっしゃったように、検察は検察でやるでしょうと、会計検査院は会計検査院としてやるでしょう、私ども行管は行管としてこれは胸を張ってやりますというふうにおっしゃったわけですからね。そういう立場を御信頼申し上げて実はお伺いをしているわけなんで、行政運営が円滑にいっていないという事例なんですよ。だから、そういう点についての御調査をなさっていただいて、これは行政管理庁のお立場からいたしましても、行政のゆがみはこういうふうなことになっておるという点の御調査をやっていただいてゆがみは直していただきたい、そう思いますので、長官に最後に御決意を伺って、終わりたいと思います。
#215
○国務大臣(宇野宗佑君) 先ほども申し上げましたとおり、せっかくこの法案を御審議願って、そして成立いたしましたならば、行管庁には百十一の特殊法人に対しまして甲乙の差なくやはり調査をしなければならないという責任が生ずるわけでございます。その責任の所在に基づきましてKDDに関しましてもわれわれといたしましては当然調査をすると、このことを申し上げておるわけでございます。だから、いま沓脱委員がこうしたことと、こうしたこととをやれとおっしゃることに対して、具体的にそうです、ああですと言うんではなくして、やはり従来の行政管理庁としての監察の一つのきちっとした物差しも、また権限もございますから、そうした中においてすべての問題に対処していきたいと、こういうふうに考えております。
#216
○委員長(古賀雷四郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#217
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認めます。ちょっと速記をやめて。
   〔速記中止〕
#218
○委員長(古賀雷四郎君) 速記を起こして。
 沓脱君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、本修正案を議題といたします。
 沓脱君から修正案の趣旨説明を願います。沓脱君。
#219
○沓脱タケ子君 私は、ただいま議題となりました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案に対する修正案について、日本共産党を代表して、提案理由の説明を申し上げます。
 憲法第二十一条では「言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」とうたわれています。
 同時に憲法は、これを永久の権利として国民に保障するとともに、国民の不断の努力によってこれを保持することを求めているのであります。
 また、放送法第一条の目的によっても「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。」を述べています。
 本改正案は、行政監察の調査対象法人をこれまでの限定された特殊法人からすべての特殊法人に広げようとするものですが、この中に行政監察になじまない日本放送協会が含まれています。
 日本放送協会を行政監察の対象とすることは、その性格上憲法、放送法で保障された言論、表現、放送の自由を侵す危惧をはらんでいます。
 したがってわが党は、国民の基本的人権にかかわる言論、表現、放送の自由を守り発展させる立場から、あえてここに日本放送協会を行政管理庁の行政監察の対象から削除する修正案を提案するものであります。
 以上が修正案の内容及び提案理由であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決されますことをお願い申し上げます。
#220
○委員長(古賀雷四郎君) それでは、ただいまの修正案に対して質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もないようですから、これより原案並びに修正案について討論に入ります。――別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより行政管理庁設置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、沓脱君提出の修正案を問題に供します。
 沓脱君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#221
○委員長(古賀雷四郎君) 少数と認めます。よって、沓脱君提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#222
○委員長(古賀雷四郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、林君から発言を求められておりますので、これを許します。林君。
#223
○林ゆう君 私は、ただいま可決されました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案に対しまして、各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
    行政管理庁設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について善処すべきである。
 一、調査対象法人を調査するに当つては、当該法人の自主性及び特色を尊重するとともに、主務大臣の監督権の及ぶ範囲を超えることのないよう十分留意すること。
   なお、言論、報道、研究、学問の自由に立ち入つて調査することのないよう配慮すること。
 一、調査対象法人について、内部監査機能の充実強化を図るとともに、その範囲、あり方等に関し、速やかに検討を加えること。
  右決議する。
 以上でございます。
#224
○委員長(古賀雷四郎君) ただいま林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#225
○委員長(古賀雷四郎君) 全会一致と認めます。よって、林君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、宇野行政管理庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。宇野行政管理庁長官。
#226
○国務大臣(宇野宗佑君) ただいま行政管理庁設置法の一部を改正する法律案を可決いただき、ありがとうございました。御審議の間に承りました貴重な御意見を体し、一層の行政の合理化、能率化に努めてまいる所存でございます。
 また、ただいま御決議がありました本法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、最善の努力をいたしたいと考えております。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
#227
○委員長(古賀雷四郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#228
○委員長(古賀雷四郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十六分散会
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ソース: 国立国会図書館
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