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1979/01/29 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 本会議 第3号
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1979/01/29 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 本会議 第3号

#1
第091回国会 本会議 第3号
昭和五十五年一月二十九日(火曜日)
   午前十時三分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第三号
  昭和五十五年一月二十九日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(安井謙君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る二十五日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。藤田進君。
   〔藤田進君登壇、拍手〕
#4
○藤田進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、当面する諸問題、いま国民の皆さんが重大なる関心を持っておられます諸点について、総理に御質問申し上げます。
 まず、政治姿勢についてでございます。
 一九八〇年代のわが国の政治、経済、社会、これらは総理の言うように大きな転換を迫られているのであります。激しいインフレ、物価高と不況が同時に進行するいわゆるスタグフレーションが深刻化し、第三次資源エネルギー危機という時期を迎え、失業や倒産、地価の高騰や住宅難に加えて、高齢化社会の中での老後の不安など、いま国民は憂慮と不安に包まれ、政治に明るい見通しと方策を求めているものと判断されるのであります。
 ロッキード・グラマン汚職に続いて、昨年来の公社、公団、事業団の不正経理や補助金のむだ遣い、天下り官僚の高額な退職金、大企業や大資産家の脱税など不正事件が相次いで発生している反面、大企業と中小企業の格差はますます拡大しており、史上第二の倒産という現状であります。低成長、財政再建に名をかりて、大衆増税、福祉の切り捨て、相次ぐ公共料金の引き上げなどで、経済、社会のあらゆる面で格差と不平等が拡大しているのであります。
 総理、格差と不平等をそのままにして、国民に節度を持ったライフスタイルを説いても、国民は納得しないでありましょう。いまこそ勇断をもって格差と不平等をなくするために、大いなる発想の転換、政策の転換を図るべきだと考えます。総理の見解をお伺いいたしたい。
 政治不信をなくし、政治に信頼を取り戻すことが先決であります。いま国民が八〇年代の政治に一番期待しておりますことは、清潔な民主主義政治の回復ということではないでしょうか。KDDに見る汚職不正経理事件を総理はどのように見られているのか。また、昨年末の総選挙で前代未聞の数億円買収供応事件で選挙違反に問われている千葉二区の自民党議員のことや、いままた自衛隊のスパイ事件など、これらの処理はトカゲのしっぽを踏んだような状態でいま処理されようとしております。国家統治諸機関は千々に乱れていると言っても決して過大ではございません。この現状認識と打開策について総理はどのように考え、矯正しようとしているのか、お伺いいたします。
 私は、汚職腐敗政治に大胆にメスを入れ、国民の政治不信をなくし、政治に信頼を回復するために、今国会において、わが党の提案している政治家、高級官僚の資産公開法、情報公開法を制定して密室の官僚政治を改革すること、大企業の経理内容の監査監督制度の確立、あるいは政治家の第三者あっせん収賄罪の創設などを図るべきだと考えるのであります。
 また、金権選挙をなくすために、金のかかる選挙から金のかからない選挙公営化を積極的に進めるべきだと考えるのであります。当面、選挙制度については、選挙違反の連座制の強化、政治献金は会社、法人の献金を一切禁止し個人献金に限るなど、政府は積極的に法律改正に取り組み、議会制民主主義の信頼を回復し、国民の政治不信解消に努力すべきであると考えるが、大平総理の所見を伺いたいのであります。
 次に、外交、防衛、安全保障について総理にお尋ねいたします。
 ソ連のアフガニスタン軍事介入を初め、イランのアメリカ大使館占拠事件など、いま世界は一転して新たな冷戦時代に突入していると言えるのであります。しかも、アメリカは、ソ連、イランに対する制裁措置の強化など力の外交を前面に押し出して、今後の中東情勢の推移によっては軍事的対応も出てくる様相もうかがえるのであります。対米追随、安保堅持を基軸としたわが国外交路線をとり続けてきた政府は、アメリカの対ソ、対イランに対する経済制裁措置への協力を求められ、経済大国ではあるが資源小国のわが国は、資源やエネルギーの供給を断たれる危険に直面していると言わねばなりません。いまこそわが党が主張する平和中立の政策が重要となってまいりました。総理はわが国の安全保障対策の基本問題をどのように考えているのか、御見解を伺いたいのであります。
 いま世界を緊張させているソ連のアフガニスタン軍事介入は、平和五原則、主権、領土保全、政治独立を原則とする国連憲章に反し、ソ連の言う友好善隣条約、集団自衛権をもっても合法化できるものではありません。わが党は、ソ連軍が即時無条件にアフガニスタンから撤退することを強く要求しているものであります。
 政府は、アメリカに追随した対ソ経済制裁措置をとるのではなく、ソ連に対して軍事介入の不当性を問いただし、即時全面撤退を強く要求すべき、そのまた行動に移るべきときであります。また、さきに行われました国連緊急特別総会の決議をもとに、ソ連の軍事介入に不安を持つ中近東、東南アジア諸国との友好連帯を強めるべきであると考えるのであります。わが国の姿勢を正さないで中近東に特使を送ってみたところで、今度の中近東関係諸国の会議の結論を見ても、決して成果は上がろうはずがございません。総理の御見解を伺いたいと思います。
 また、イラン問題について、アメリカはわが国に対してイランへの経済制裁への協力を要求してきております。しかし、わが国が独立国として外交、経済政策を進めているのであれば、追随して一方へ加担し、わが国益を著しく損なうことのないよう配慮し、戦争に少なくとも巻き込まれることのない自主的進路を求めるべきではないでしょうか。
 イランにおけるアメリカ大使館の人質占拠事件は、人道問題であり、遺憾なことであります。この占拠事件は、アメリカが国際石油資本を通してイランの石油資源を収奪し続け、イランの真の発展に寄与しなかったととが原因と言われております。したがって、わが国は、イランの立場を十分に理解し、イランの経済発展に寄与するため、積極的な経済開発、友好関係の改善を進めなければならないと思うが、大平総理の御見解を伺いたいと思います。
 次に、経済問題について伺います。
 まず、国内経済問題と経済見通しについてであります。
 日本経済は、昨年春以来、内需が盛り上がりを見せ、ようやく安定成長の軌道に乗ったかと思われたのでありますが、それはつかの間で、五十五年度は再び景気後退を迎えようとしているのであります。相次ぐ原油の段階的値上げ、最近のサウジの突然の値上げによって、石油価格は一バレル二十四ドルと昨年に比べて約二倍も上昇し、来年度の平均価格は三十ドルをさらに上回ろうとしているのであります。この結果、国際収支の赤字を通じて産油国へ流出するわが国の所得は、五十四年、五十五年度を合わせるとGNPの三・三%にも上るほか、卸売物価は一五%も高騰することが危惧され、原油値上げによるデフレ効果とインフレ効果は今後次第に実体経済に浸透するものと思われるのであります。五十五年度経済は本格的な景気の下降と物価の高騰というスタグフレーションに突入するととは必至と言わなければなりません。事実、民間機関の大方の五十五年度経済見通しは、成長率が二ないし三%にとどまるのに対し、消費者物価は政府目標を上回る八ないし九%上昇を見込んだ低成長高物価型になるとしているのであります。これに対し、政府は、成長率を四・八%、消費者物価を六%台に見込むなど、原油値上げの悪影響を過小評価した楽観的経済見通しにとどまっていることは、妥当を欠くと言わなければなりません。本当に来年度は五%程度の成長が確保できるのか、物価が高騰し、スタグフレーションに陥る危険はないのか、総理の見解を具体的にお伺いいたします。
 スタグフレーションを回避するには、何よりも物価の安定が最優先の課題として取り上げられなければなりません。そのためにあらゆる政策を物価安定に傾注することが必要であります。政府は、昨春以来、金融財政両面にわたる引き締め政策を強化してきたものの、卸売物価は年間で一六%以上高騰するなど、物価の騰勢をとどめ切れないのが実情であります。このような状況にかかわらず、政府が五十五年度予算で多くの公共料金値上げを決定したことは、政府自身が物価の上昇にアクセルを踏むものと言わなければなりません。米麦を初め、国鉄、たばこ、健保等の値上げに加え、今後五〇%以上の電力、ガス料金の引き上げを考慮するならば、来年度の物価上昇率は政府の六・四%を大幅に超えまして、スタグフレーションを一層悪化させることは明白であります。これを避けるためには、政府自身がインフレとの闘いに断固たる態度をとることであります。
 そのまず第一は、引き上げを決定した公共料金の凍結もしくは引き上げ率の大幅な圧縮を図ることであり、第二は、原油値上げを口実に管理価格を悪用し、先取り便乗値上げをしがちな企業を取り締まるために、かねてわれわれが建議申し上げている公正取引委員会の機能の拡充強化を図ること、第三は、マネーサプライの動きに従来にも増しまして細心の注意を払い、M2の対前年比増加率を安定的に推移するよう日銀との金融政策の調整を図ること、以上三点について政府の見解を伺いたいのであります。
 特に、昨日の答弁を聞いておりますと、過去一年の数字を持ち出して、アメリカやイギリスの一〇%以上の物価値上がり、わが国の低位な物価値上げ指数を読み上げて、そうして今後を類推しているように思われるのでありますが、私が聞いているのは、これから先五十五年度予算の執行途上における物価、インフレ、スタグフレーションを心配していることをよく御承知の上で御答弁をいただきたいのであります。
 次に、国際経済関係で基本的な総理の態度をただしたいのであります。
 今日の国際経済問題で世界が注目しているのは、アメリカがイランに対する食糧輸出禁止を中心とする経済制裁とアフガニスタン侵攻に伴うソ連への経済封鎖に対し西側諸国家に同調を求めている点で、わが国にもたび重なる要請が来ているようであるが、国益を擁護しつつ国際経済関係の調整という困難な課題に総理はどう対処するつもりか、伺いたいのであります。
 特に、イランの石油化学プロジェクトと、それからシベリア開発への経済援助の取り扱い方針をどうするつもりか。さらに、イランが原油販売代金のドル支払いの受け取りを拒否したことをきっかけに、世界的なドル離れとドル安現象が顕著になり、これと対照的に金相場が天井知らずの暴騰を示し、通貨体制の不安と混乱が起きている現状でありますが、今後の国際通貨の行方と、異常な金相場が世界経済に与える影響を総理はどう判断して対処しようとしているのか、具体的にお伺いいたしたい。
 次は、財政問題についてお伺いいたします。
 いまや、わが国の国債残高はGNPの二五%に達し、しかも今後数年間は十五兆円程度の国債発行が避けられない状態で、残高百兆円は目前に迫っております。まさに財政は破産状態と言わねばなりません。この原因は、政府・自民党の歳出面での放漫きわまる金遣いと、歳入面において大企業と金持ち優遇の不公正税制によってもたらされたもので、その責任は政府・与党が負わなければなりません。
 財政再建が喫緊の課題であることは世論となっておりますし、昨年の総選挙で与野党を通じて財政再建とそうしてこれが再建のための具体策を公約に掲げたことから、政権担当をしている政府・自民党がその公約をどこまで実行するかは、政党政治と議会制民主主義にかかわる点で国民は厳しく注目していたのであります。しかし、財政再建元年のかけ声で始まった予算編成も、その実態は惰性に流され、財政改革の意欲を欠き、声の大きいところと自民党の票田と言われる圧力団体による予算の分捕り合戦が行われ、財政再建の糸口さえ見出し得なかったことは、予算編成終了直後の竹下蔵相の、五十五年度予算は財政再建元年の前の年になったと、こういう発言に端的にあらわれているのであります。
 ことしの、また当面する窮迫した財政を再建するには、だれが考えても、まず第一は不要不急の予算を削減して政府のむだ遣いをやめることであります。
 しかし、歳出削減で政府が真っ先に打ち出したのは、福祉と教育予算の切り捨てという国民大衆に犠牲を強いるとともに生活の抑圧という、そういうやり方であったのであります。
 そうした反面、防衛費については聖域扱いをして、GNPの〇・九%へのかさ上げをし、さらにインフレ回避のための総需要抑制策としての公共事業費の圧縮構想も、これでは参議院選が戦えないとの突き上げに後退するなど、財政再建の選挙公約は吹き飛んだと言って過言ではありません。総理の反省のほどを伺いたいのであります。
 低成長のもとで四兆九千億円の税の増収が見込める異例とも言うべき来年度予算で、予算編成開始時の国債発行二兆円削減の目算が半分の一兆円にとどまり、五十四年度補正後の国債発行額を二千二百億円上回るに至ったことは、財政再建を口にする資格が大平総理にないと同時に、自民党は総選挙の公約をほごにしたと国民の目には映るのであります。大平総理に財政再建の決意があるかどうか、さらに、財政再建を今後どう進めるのか、指導性をどう発揮されるのか、御答弁を願いたいのであります。
 歳出節減の目玉商品のように大々的に自民党が宣伝した行政改革についても、竜頭蛇尾に終わっております。高度成長期からの政府・与党の放漫財政は、二十年間に三倍以上にも達する百十一の特殊法人をつくり、高級官僚の天下りと行政の事業化を行い、効率的で企業的な経営をうたい文句に国会の財政コントロールを外し、主務大臣の認可制をとってきたことは周知のとおりであります。そうしたやり方が腐敗と汚職の温床を生み、政府・与党の政策パーティー券の大量購入を初め、政治資金づくりに悪用され、政治不信の批判が集中したことは御存じのとおりであります。
 しかし、鳴り物入りの特殊法人削減もわずかに十六件、しかも大平総理自身が五十五年度に大半の統廃合実施を指示したにもかかわらず、廃止が実現できるのは福田前内閣で決定していた三件にとどまっているのであります。五十五年度に関する限り行政改革は見るべきものがなく、実行は五十六年度以降に延ばされ、しかも検討の結果いかんでは今後どうなるかさっぱりわからない状態であります。参議院選挙を意識した人気取り対策と言わなければなりません。
 さらに、中長期の行政改革継続と国民に気を持たせております国の地方出先機関の整理等も腰砕けになる可能性が濃厚であります。八〇年代は地、方の時代、参加の時代と言われており、わが国行政の中央集権的な機構、構造を抜本的に改め、分権型行政を行うべきだと信じますが、そのために権限も財源も地方重視による再配分を行うべきであります。そうしたビジョンやプランなしの小手先の行政改革は混乱を招くだけではないかと思うのであります。総理の行政改革に対するビジョンと日程を明確にしていただきたいと思います。
 財政再建の第二は、歳入面について、担税力に応じ適正な税負担制度の確立による体質改善をすることであります。
 従来、わが国の法人税制に八十を超える企業優遇の特別措置は御承知のとおりでありますが、しかし、その整理もまだまだ不十分であります。五十五年度予算では諸外国に比べて税負担余地があると政府税調ですら答申していた法人税の負担引き上げが予定されていたのにもかかわらず、途中で財界の横やりに屈して自民党税調段階で法人税の増税は行わないことにしてしまったことは、総理も十分御承知のとおりであります。新聞等の報ずるところでは、参議院選挙の選挙資金集めと引きかえに増税が取りやめになったということも伝えられております。総理、その真相はどうであるのか、篤と御答弁を願いたいのであります。
 法人税の増徴によって、国債減額は少なくとも三千ないし五千億円は政府予定より多くできたはずであります。財政再建の手を緩めた上に国民の税制不信を強めた点で五十五年度の予算編成は最低であったと断ぜざるを得ません。総理、なぜ法人税の引き上げを取りやめたのか、財政再建の方針とも関連して御答弁願います。
 なお、歳入体質の改善に関連して政府に確認したいのは、一般消費税の取り扱いについてであります。
 竹下蔵相は、予算編成終了直後、五十六年度に本格的増税が必要であると述べておりますし、また、昨年度の医師優遇税制の手直しと今年度の租税特別措置の改正で一般消費税導入の準備段階を終了したといったようなニュアンスの財政当局の発言なども聞こえてきて、国民に不安を与えているのであります。総理には、一般消費税を再び考えることはないと明確に御答弁を願いたいし、五十六年度以降の本格増税の内容はいかなるものになるのか、答弁を求めます。
 次に、エネルギー問題についてお伺いをいたします。
 総理は、施政方針演説の中で、エネルギー問題について省エネルギーを強調し代替エネルギーの開発を唱えております。すでに、イランのアメリカ大使館人質事件に関連して、米国などの圧力によってイランからの石油輸入を自主規制せざるを得なくなったばかりでなく、国際石油資本からの石油供給も減少しているのであります。しかも、石油価格の値上げは野放しの状態であり、量、価格の両面で重大な局面を迎えているのであります。この石油の安定的な輸入は、わが国の経済と国民生活を守る重要課題であると言わなければなりません。
 したがって、私は、前段で申し述べました、わが国のアメリカ追従の外交姿勢を転換して、平和、中立、非同盟の立場で石油供給の安定化と多角化を図るとともに、内外の石炭、さらに液化ガスの利用拡大など、脱石油エネルギー供給体制と総合的省エネルギー政策をより強力に進めることが緊急課題であると考えます。同時に、これと並行して、これまで政府が怠慢であった地熱、太陽、波力発電など自然エネルギーの利用開発、地方自治体などで行える資源リサイクル型のエネルギー開発など、わが国独自のエネルギーの研究開発を積極的計画的に推進をしてエネルギー危機を打開しなければなりません。総理の御見解を伺いたい。
 このエネルギー危機に関連して、いま国民が最も不安を感じているものに原子力発電問題があります。アメリカのスリーマイル島の原発事故に見られるように、その安全性に不安があり、ことに廃棄物処理についてはその安全な処理体制が確立されておりません。したがって、実用化を推進するにはきわめて危険が多いと言わなければなりません。私は、この際、原子力発電については、基礎的な研究はもとより、核融合あるいは高速増殖炉等の現在研究が進んでおりますが、安全性と効率の高い、そういった内容に転換するために国家的な努力を払い、特に新規の原子力発電の建設は、地域住民の不安や反対を押し切って力ずくで強行するのではなくて、安全対策が確立され、地域住民の合意が得られることが先決であると考えます。総理の見解を伺いたいと思います。
 次に、教育問題についてお伺いをいたします。
 言うまでもなく、二十一世紀を展望してのわが国の未来は、次代を担う子供、青年にかかっているのであります。一方、国内の現状を見ますと、新しい科学技術の開発等によってのみわが国の経済社会における生きる道はあるのであります。二十一世紀は、教育の果たす役割りはそのすべてであり、中心と言っても決して過言ではありません。しかるに、現状は、いわゆる学歴社会の中で、教育は一人一人の子供、青年の個性と能力を最大限に開花させるというのではなくて、どんな学歴をつけさせるのか、どんな学校に入るのかといったところに主眼が置かれてはいないでしょうか。そのため、現在求められていることは、ゆとりある行き届いた教育を保障して、より高度の教育研究を推進していくことにあるのであります。したがって、高校全入や入試制度の改革など受験地獄を解消する制度の改革を進めるとともに、教育基本法第十条に述べられている国の責務である教育条件の整備を徹底して行うべきだと考えるものであります。
 そこで、八〇年代を迎えての政府の教育に対する基本見解を伺うとともに、具体的に次の三点について御答弁を賜りたいと思います。
 その第一は、行き届いた教育のために昨年来政治的焦点ともなりました、小中学校において四十人学級など教職員定数の改善についてであります。国際的に立ちおくれている学級編制を、せめて一学級四十五人から四十人へという永年の国民の要求をようやくにして政府は十二年間で実施することになりました。文部省の九カ年計画ですら悠長に過ぎるものであるのに、十二年間という計画は、その趣旨からいって計画の名に値しないと言わざるを得ないのであります。十二年先は、きのうの答弁を聞きましても、就学人口が極端に減少するのであります。四十人学級はそう論議しなくても四十人以下になるかもしれない現状を迎えようとしているときに、四十人にするんだというようなふうに聞こえるのであります。政府はせめて九カ年という文部省案に短縮して実施すべきであると考えるが、その意思はあるかどうか。
 第二は、私立学校に対する助成の充実についてであります。昭和四十三年度で見ても、大学の七二・三%、短大の八四%、高校の二四・二%、幼稚園五九・七%が私立であります。国立、公立のかなりの部分を私学が肩がわりしているのでありますが、国公立との格差はきわめて大きなものがあります。私立大学への経常費補助についても、その二分の一を国が補助することを目途に昭和四十五年度から五カ年を目標に実施されてまいりましたが、十年を経過した今日も、二分の一はおろか、三〇%程度の助成にすぎないのであります。人件費を含む経常費二分の一補助を早急に実施するための計画を立てるべきであると思うのであります。また、私立高校への経常費二分の一補助の実現と幼稚園への就園奨励費補助、施設整備費補助の拡充を図るべきであるが、総理の見解を伺います。
 次に、公立の教育施設の整備についてであります。特に高等学校は進学率九四%を超え、準義務化の段階を迎え、それに伴う公立高校の増設は深刻になっております。とりわけ、人口急増地の校用地取得、そして校舎の新増設については、国の二分の一補助制度を自治体を通じて促進されるようにしなければなりません。そのために、人口急増地にかかわる公立の小中高校の施設の整備に関する特別措置法を立法化すべきであると思うのであります。
 以上のような教育条件の整備は、同時に、内需を拡大し、経済を福祉型に転換するものであると思いますが、総理の答弁を求めるものであります。
 以上の諸点について総理から明確しかも具体的に御答弁を求めて、降壇する次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(大平正芳君) 藤田さんの最初の御質問は、経済、社会の一大転換期における政治姿勢でございました。
 第一は、こういう時期におきまして各方面に格差、不平等が拡大いたしておるが、その解消のために政策の一大転換が必要ではないかという御趣旨の御質問でありました。
 私は、国民生活の現状を見まして、格差が拡大いたしておるとは考えておりません。今日まで格差の縮小のために政府は鋭意努力をしてまいったつもりでございまして、先進各国に比較いたしまして決してわが国のあり方はその見地から見まして劣っておるものとは思わないのでございます。しかし、一層仰せのように格差解消に努力をしなければならぬことはもとよりだと考えております。
 また、大衆増税をやっておるわけでもございませんし、福祉切り捨てをいたしておるつもりでもないのでありまするけれども、御指摘のように経済が低成長におもむいてまいりましただけに、資源の制約等もございますので、こういう厳しい環境に即応いたしまして国民生活に節度を持ったライフスタイルを考えていくということは必要なことであると考えております。
 第二に、藤田さんは、政治腐敗の防止策について、まず第一に情報公開法の問題をどう考えるかというお尋ねがございました。
 この問題につきましては、一般的行政手続法の整備との関係、わが国の行政機関における情報管理のあり方等との関係を十分検討する必要がございまするし、諸外国の制度、その運用の実態等もあわせて幅広く検討を進めてこの問題に対処しなければならぬと考えております。
 第二に、政治家の資産公開法についてのお尋ねでございました。
 これにつきましては、この問題は本来主として事柄の性質上国会御自身の問題と考えますので、国会の御審議、御検討にまつべきものであると政府は考えております。
 第三に、企業の経理内容の監査監督制度の確立についてのお尋ねでございました。
 ただいま法制審議会商法部会におきましては藤田さんも御承知のように監査制度の充実を中心に商法の改正が検討されておりまして、成案を得次第国会に提出する予定になっております。
 第三者収賄罪につきましては、現在法務省当局において進めておる刑法の全面改正作業の中で検討が行われておるところでございます。
 金のかからない選挙制度並びに政治資金の明朗化の問題につきましては、かねがね政府も申し上げておりまするとおり、政党本位の選挙に移行するための選挙制度の基本的あり方のほか、御指摘の選挙公営を含めました選挙運動規制のあり方、連座制のあり方等、自由民主党におきましても選挙制度調査会を中心に検討を進めておるところでございます。政治家個人の政治資金の明朗化を図るための政治資金規正法の見直しも目下検討を重ね、成案を得次第国会に提案をいたす予定にいたしておるわけでございます。
 次に、藤田さんは、わが国の安全保障政策の基本について述べろというお尋ねでございました。
 かねがね私は申し上げますとおり、わが国は軍事国家への選択を放棄いたしまして、平和に徹してわが国の名誉ある生存を国際社会で確立していこうと決意いたしたわけでございます。したがいまして、わが国といたしましては、外交、防衛、内政全体にわたりまして真剣に安全保障の道を探っていかなければならぬと考えておるわけでございます。とりわけ、わが国のように資源の乏しい国といたしましては、世界各国との友好関係を深めまして、国際社会の緊張と不安要因の除去のためにわが国として積極的に国際的役割りを果たしていくことがわが国の安全と繁栄を確保する道である意味におきまして、とりわけわが国の外交は大変責任が重いと考えております。
 防衛におきましては、防衛力整備の大綱を基準にいたしまして質の高い防衛力を最小限度整備しておかなければならないという方針のもとに努力をいたしておるところでございます。
 内政におきましては、秩序のある民主政治の運営、活力のある経済の運営に当たりまして、侵すことのできない国の権威を確立していかなければならぬと考えております。
 アフガニスタンに対するソ連の軍事介入に不安を持つところの中近東やアジア諸国との友好、連帯を進めなければならないではないかという御要請でございます。
 アフガニスタンに対するソ連の軍事介入は、いかなる理由によっても正当化できないものでありまして、わが国といたしましては、ソ連軍の速やかな撤退を求めますとともに、そのための国連緊急特別総会の決議を強く支持するものであることはかねがね申し上げてあるとおりでございます。
 特に、今般のソ連の軍事介入は、アフガニスタンと同様、非同盟かつイスラム諸国が多くを占める南西アジア、中近東地域において憂慮の念を持って受けとめられておることも藤田さん御承知のとおりでございます。これら周辺諸国は、ほぼ一様にソ連の行動に対し重大な懸念を表明いたしますとともに、さきの国連緊急特別総会の決議採択に重要な役割りを果たしましたほか、現在イスラマバードにおきましてイスラム諸国緊急外相会議を開催いたしまして本問題につきまして真剣に討議を行っておると承知いたしております。わが国といたしましても、これら諸国の深刻な認識を十分理解いたしまして、これら諸国への支持を強めていかなければならぬと考えております。
 イランへの経済制裁の問題についてのお尋ねでございました。
 イランにおける米外交官人質事件は国連安保理でも取り上げられ、人質の早期解放が決議され、国際社会の多くがこれを支持しておりますることは御案内のとおりでございます。私は、人質が一日も早く解放されまして、イランとわが国との経済協力を含む友好協力関係が強化されてまいることを強く念願いたしまして、その精神に沿って対イラン外交を展開してまいりたいと考えております。
 経済政策についてお尋ねがございました。
 その第一は、政府の経済見通しの達成が可能かどうかということでございました。
 来年度のわが国の経済は、厳しい国際環境のもとで、景気の拡大テンポはやや緩やかなものになることが予想されますけれども、民間最終消費支出や民間企業の設備投資の底がたさによりまして自律的拡大基調を堅持いたしまして、四・八%程度の実質成長率が確保できるのではないかと政府は見込んでおります。
 物価面におきましても、原油価格上昇の影響等によりましてなお上昇が続くと見ておりまするけれども、卸売物価は対前年度比九・三%程度と五十四年度に比しまして上昇率は鈍化していき、消費者物価も前年度比六・四%程度に抑えられるのではないかと見込んでおります。
 このように来年度のわが国の経済は安定した成長を続け得るものと思われまするけれども、政府としては、景気、雇用の維持に留意しながら、当面特に物価の安定を重視いたしまして、機動的な経済運営を行い、御憂慮されておるスタグフレーションにわたることのないように注意してまいるつもりでございます。
 次は、物価抑制のために公取機能の強化とマネーサプライの管理に注意をしなければならないのではないかという御意見を込めての御質問でございました。
 政府は、物価安定を重要な課題と心得まして各般にわたる物価政策を推進しております。公共料金につきましては、このような観点から、経営の徹底した合理化を前提といたしまして、物価、国民生活への影響を十分配慮して厳正に取り扱う方針で臨んでおります。
 管理価格の問題につきましては、昭和五十二年の独禁法の改正によりまして、同調的値上げに対する報告の徴収等の規定が新設されました。これに基づきまして公取において価格の動向を監視するなど、適切な運用に鋭意努力をいたしておるところでございます。
 マネーサプライにつきましては、物価上昇を加速することのないようこれまでも慎重に対処し、マネーサプライは堅実な足取りをたどっておると見ておりますけれども、今後とも適切な金融調節に努力をしてまいるつもりでございます。
 次には、国際経済に対してのお尋ねでございました。
 まず、イランの石化プロジェクトをどう取り扱うかというお尋ねでございました。
 すでに八五%の完成を見ておりまするこのプロジェクトは、イラン側もきわめて重視しており、重要な産油国であるイランとの関係等を考慮してわが国政府としても昨年十月所要の支援を決定したところでございます。このような観点から、本プロジェクトは、長期的に見て日本とイランとの関係にとって重要であり、中断させないようにこれを継続していくというのがこれまでの政府の基本方針でございまして、その方針に変更はございません。
 次には、シベリア開発問題を経済制裁との関連でどう取り扱うかというお尋ねでございました。
 アフガン問題に関する政府の基本的な態度につきましては、すでに申し上げたとおりでございまして、ここに繰り返しません。シベリア開発につきましては、わが国はこれまでも十五億五千万ドルに上る信用供与をいたしてまいって、それがいま継続中でございます。その上にソ連から幾つかの新たなプロジェクトの検討を求められておることも事実でございます。政府は現在どのようにこれに対応してまいるかということを鋭意検討いたしておるところでございまして、ただいま具体的な対応ぶりを言明申し上げる段階には立ち至っておりません。関係諸国の対応も見守りながら、慎重にわが国の態度を固めてまいりたいと考えております。
 国際通貨の行方と金相場の世界経済に与える影響についてのお尋ねでございました。
 当分の間、変動為替相場を維持しながら、必要に応じてその運営の改善を図ってまいる以外に国際通貨に対する対応策はないと心得ております。
 最近における金価格の高騰は、インフレに対する不安心理、アフガン、イラン問題等の世界情勢の先行きに対する不安から生じた投機的な動きだと心得ておりまするけれども、このところ為替市場はこのような金価格の変動にもかかわりませず比較的安定的に推移いたしておりますることは、藤田さんも御承知のとおりでございます。
 なお、国際通貨制度における金の役割りを縮小させるという基本的な方向は変更がございませんことをつけ加えて申し上げておきます。
 次は、財政財建についてのお尋ねでございました。
 五十五年度予算は、全体として歳出の節減合理化と、歳入におきましては新たな増税を考えないということをベースにいたしまして、公債の発行を減らすということを基本にして財政再建の第一歩を踏み出そうという決意で編成に当たったのでございます。各方面の協力を得まして、公債発行額は前年度当初予算に比べまして一兆円減額することに成功いたしたのでございます。十分とは言えませんけれども、財政再建の第一歩を踏み出すことができたことを私どもは大切な第一歩であったと考えておるのであります。
 これからの先はどうするかということでございますけれども、これからも歳入歳出全般にわたりまして幅広い角度から各方面の十分な理解と協力を得ながら五十九年度までに赤字公債はなくするという基本方針のもとに財政再建を進めてまいりたいと考えております。
 次は、行政改革についてのお尋ねでございました。
 行政に対する国民の信頼を回復するためには、簡素にして効率的な政府を目指して不断の努力を続けていくことが必要であると考えております。その第一歩として、五十五年度の行政改革を、一つには三万七千人を超える国家公務員の定員の削減、御指摘がございました特殊法人の統廃合による十八法人の減少、それからその役員の縮減、それから地方支分部局等についても当面二十九種類二百三十機関を上回る整理を行うことといたしました。ブロック機関や県単位の機関につきましてもこの三月末あるいは六月末までに具体的方針を決めることにいたしております。補助金につきましては千六百六十七億円の削減をいたしましたが、これはかつて見ない削減額でございまして、各省の協力に感謝いたしておるところでございます。しかし、これは申すまでもなく五十五年度といたしまして計画し実行に移しましたことでございまして、行政整理は不断の政府の任務でございまして、われわれは今後も鋭意行政費の節減、効率化に努力していかなければならぬと考えております。
 法人税の引き上げをなぜやめたかというお尋ねでございます。
 五十五年度におきましては、幸いに多額の自然増収が期待されることになりましたので、歳出規模の抑制と租税特別措置の整理とあわせて予算の編成が可能になりましたので、法人税の増税に手をつけることをしなくて済んだわけでございまして、私はこれは一つの善政であると考えております。しかし、この自然増収は毎年期待できるものではございませんので、明年以降につきましては、先ほど申しましたように、幅広い見地から歳入歳出全体にわたりまして厳しい検討を加えなければならぬ状態にありますことは申すまでもないのであります。
 一般消費税についてのお尋ねでございました。
 財政再建は緊急の課題であり、そのためには歳入歳出両面にわたりましてあらゆる手段を幅広く検討してまいる必要があることは申すまでもないことでございます。今後、歳入歳出を通ずる財政構造の健全化を具体的にいかに進めていくかにつきましては、広く各界各層の御意見を伺いながら十分検討して結論を得たいと考えております。
 次は、エネルギー政策についてのお尋ねがございました。
 第一の御質問は、エネルギーの多角的な安定供給を確保しろということでございました。
 わが国といたしましては、消費国お互いに、または消費国と産油国との間の多角的な協調に参加いたしましてこの石油の安定供給の確保に努力をいたしておりまするし、今後一層それを強めていかなければいかぬと考えております。同時に、わが国内におきましては、一層エネルギーの節約に努めてまいらなければならぬと考えております。
 石油にかわる代替エネルギーにつきましては、藤田さんも仰せになりましたように、新たないろいろな施策を精力的に進めてまいる所存でございます。石炭の利用、LNGの利用、地熱、太陽熱、波力等自然エネルギーの利用開発と地域的な資源リサイクル型エネルギーの開発を鋭意進めてまいるために所要の予算を計上いたしてあるつもりでございます。
 原子力発電の問題につきまして懸念を表明されたわけでございます。
 わが国の発電用原子炉である軽水炉は、開発されましてから二十年余の年月を経過しております。この間にわが国を含め世界的に相当大規模の開発実績と運転経験を積んでおりまして、安全性が十分確保された実用炉と考えられておりまするけれども、なお一層その安全確保には万全を期してまいりたいと考えております。
 原子力発電所及び再処理施設から発生する放射性廃棄物につきましては、当面、それぞれの敷地内に厳重に保管することとしており、問題はございません。しかし、長期的にこれら放射性廃棄物の処理処分技術の開発につきましては、原子力委員会が定めた基本方針に沿って鋭意所要の調査研究を進めて処理処分方策の確立を図ってまいるつもりでございます。
 教育についてのお尋ねでございました。
 教育は政治の基本の中核的な課題であることは私もよく心得ておるつもりでございまして、八〇年代におきまして一層心を新たにいたしましてこの中核的課題に取り組まなければいかぬと考えておりますが、いま藤田さんは、第一は、学級編制の改善について十二年は長きに失するのではないかという御注意がございました。厳しい財政事情を考慮いたしますと、既存の施設の利用をできるだけやってまいる、児童生徒の減少期にこれを行うというような配慮はやむを得ないものとして御了承を願いたいものと思うのでございます。
 私学に対しましては、大学、高校、幼稚園等を通じまして、この財政の厳しい状況にかかわらず、相当多額の予算の増額をいたしてありますることに御注意をいただきたいと思うのでございます。
 最後に、藤田さんは、公立の教育施設の整備について特別措置を立法する必要があるのではないかということでございました。
 公立の小学校、中学校、高校等の施設整備につきましては、義務教育諸学校施設費国庫負担法等によりまして国庫補助が行われているところであります。現行補助制度で十分整備できるものと考えております。また、特に児童生徒急増地域における学校施設につきましては、各種の特例措置を講じて地方負担を軽減し、整備の促進を図っておるところでございまして、さらに特別措置の制定は必要であると私は考えておりません。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○議長(安井謙君) 源田実君。
   〔源田実君登壇、拍手〕
#7
○源田実君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表し、総理及び関係閣僚に質問を行いたいと思います。
 恐るべき惨害をもたらした第二次世界戦争が終了してまさに三十五年になんなんとしております。その間、大小さまざまの争いが繰り返され、重大なる危機にも幾たびか遭遇したのでありますが、とにもかくにも超大規模の戦争に発展することなく、世界的レベルで見た場合、一応の平和を保ってまいりました。しかしながら、現時点において人類の上にのしかかっている危機は決してなまやさしいものではありません。まさに戦後最大の難局であると言えましょう。
 それというのも、当面の危機は二つの異なる問題が絡み合って生じているのであって、それだけに緊迫感も切実なものがあると思われます。その第一は、相入れざる世界観の対決であり、第二は、現代エネルギーの首座を占める石油の産地が地球上特定の地域に偏在し、しかもその石油が未確認埋蔵量を含めてもあと四十年で枯渇するという、こういう問題であります。
 およそ一つの世界観を他の世界観を持つ社会に適用しようとするときにはきわめて慎重でなければならないのであって、いかなる意味においても強制であってはならないのであります。その世界観を受け入れるか否かは全く受ける側の自由であって、武力を含む一切の圧力や強制があってはならないのであります。
 あるマルクス・レーニン主義の巨頭は、かつてこんなことを言ったことがあります。「革命の中心任務と最高の形態は、武装による政権の奪取であり、戦争による問題の解決である。マルクス・レーニン主義の革命原則は普遍的であり、わが国であろうが、外国であろうが、そのとおりである」と。また、同じ機会に次のようにも言っております。「全世界はただ武器によってのみ改造することができる。われわれは戦争絶滅論者であり、われわれは戦争はきらいである。だが、戦争を通じてのみ戦争を絶滅することができるのであり、武器を必要とせぬようになるためには武器をとらねばならない」と、こう言っております。
 世界の大部分がまだマルクス・レーニン主義によって解放せられていない現状においてこの思想を推し進めるならば、人類は少なくとももう一度は大戦争を行わなければならないということになるのであります。しかし、膨大なる核兵器によって武装した現代人類が次に行う戦争は、文明の破壊と人類の絶滅をこそ招け、決して民族の解放などをもたらすものではないと思うのでありますが、総理の御見解をお伺いいたします。
 いわゆる平和共存の概念についても、われわれとマルクス・レーニン主義者との間には、全く異なった解釈があると思われます。
 一九五九年十月十日、ノボシビリスクにおける労働者会議においてフルシチョフは次のように述べております。「平和共存は正しく理解されなければならない。共存とは、二つの社会体制間の闘争の継続を意味するのである。しかし、その闘争は、政治的、経済的、思想的闘争によるものである」と。また、第二十五回ソ連共産党大会におけるブレジネフ書記長の発言には注目すべきものがございます。「国際間の平和共存主義は、紛争や闘争の解決に戦争手段を用いてはならないし、武力を使用したり武力の脅威に訴えてはならないことを意味するのである」ここまではまあいいのです。しかしながら、同時に、ソ連邦は、この見解は革命的な民族運動を抑圧しようとする米国を抑制するためのものであって、これらの民族解放運動を支援するためにソビエトがどんな手段に訴えようとも、これを拘束する何物もないと主張しているのであります。
 ところで、マルクス・レーニン主義によって帝国主義から解放せられ、まさに天国になろうとしておるベトナムから何ゆえにおびただしい数の難民が扁舟に身を託して大洋の荒波の中に逃げ出してくるのでありましょうか。いま解放を目の前に見るアフガニスタンから同じく多くの人々が不自由であるはずの自由世界に逃避しつつあるのでありましようか。
 ソビエトにおいてはジェットパイロットは特別に優遇されておると聞いております。その恵まれた生活環境を棒に振り、何ゆえにべレンコは命がけで函館空港に亡命着陸をしたのでありましょうか。同じく、ハレーの名手が、その高い社会的地位を捨て、愛する祖国を後にし、続々と帝国主義者が弾圧しておるアメリカに亡命するのでありましょうか。考えてみるとわからないことばかりであります。
 私の見解をもってするならば、平和共存とか解放とかいう言葉が、マルクス主義者とわれわれとでは全く違った意味に解釈されているからだと思います。こういう解釈の違いが国際不安醸成のもとになっていると思います。要するに、この見解をもってすれば、マルクス主義者はマルクス主義社会以外の社会は認めていないのであります。総理の御見解を承りたいと存じます。
 SALTIIは、アフガニスタンに対するソ連の侵略によってペンディングになったのでありますが、私はいわゆる軍備制限協定に関して再検討を行わなければならないと思っているのであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 第一次世界戦争終了後、数々の軍備協定が成立したのでありますが、ただの一つとして有終の美をなしたものはありません。それというのも、世界観の対立や国策の衝突を野放しにしておいてただ軍備だけを制限しようとしたところで、これはただ自分の方の戦略的立場を有利にしようとする道具に使われるおそれが多分にあるからであります。真に平和共存を求めるならば、まず武力導入はもちろんのこと、他の一切の手段を世界観の押しつけに使用しない国際協定を結ぶべきだと思います。世界観の調整は容易なことではありません。それができないまでも、国策遂行に対する明確な境界線を設けることができるならば、これもまた武力衝突の回避に大いに役立つことと考えられます。
 それにしても、核装備以前の軍備協定においては戦争の惨禍を若干軽減するだけの効果はあったのでありますが、膨大な核軍備を擁する現代の軍備協定は、平時における財政負担を若干軽くする以外にほとんど何らの効果もないと思います。米ソの核メガトン量は、いろいろ推算されておりますが、最も内輪に見ても五万メガトンは下らないと思います。これは地球上の全人口に対して一人当たりTNT爆薬――古い爆薬十五トンずつを配給することができる量であります。オーバーキルもいいところであります。これはどういうことであるかというと、刀を持って対しておる二人が、互いに刀が長過ぎるからちょっと先を詰めよう、こういうことと同じ意味であります。壊滅的打撃をもたらすことに何らの変わりはないのであります。
 最近流刑になることになったソ連の科学者サハロフ博士の計算によりますと、このほかになお恐ろしいことが考えられるのであります。博士は言っております。「一九五七年以来、私は核実験の際の放射能汚染の問題に対して自分の責任を感ずるようになった。周知のように、この地球に住む数十億の人間が核爆発による放射能物質を吸収することは、一連の疾病や生まれながらの奇形の発生率の増大につながるのだ。たとえば、遺伝子形質を伝達するデオキシリボ分子の異常障害といったいわゆる意識に上らない生物学的効果を計算に入れての話だが、核爆発による放射能物質が大気中に拡散する際、一メガトンごとに数千人の知られざる犠牲者が出ることになる。だから、一連の核兵器の実験ということになれば、それは数十メガトンであり、つまり数万人の犠牲者が出るわけである」と。このことははなはだ深刻な問題であります。もし米ソの核戦争ともなれば、このような意識に上らない犯罪行為による犠牲者が少なくとも二億人、多く見積もれば十億人も出ることになります。犠牲者のほとんど全部は、戦争の発生に何の責任もない人々であり、むしろ戦争を腹の底から憎んでいる人々であります。こういう人たちが一部の権力追求者たちの犠牲になってよいものでありましょうか。
 わが国は、貴重な体験の結果、絶対平和を念願し、わが国の方から戦争をしかけることは毛頭ありませんし、われわれの子孫もまたそうでなければならないのであります。しかし、残念なことに、人類の歴史の中には多くの侵略者や武力万能主義者が出てきており、現代においても後を絶っていないのであります。
 ここで、明確にしておきたいことがあります。われわれは平和を念願するけれども、そのためにわが国の独立を放棄し、侵略者の軍門に下るようなことは絶対にしないのであります。また、戦略的要衝を占めるわが国が怠慢によって防衛責任を全うせず、他の友好国に迷惑を及ぼすようなことをしてもならないのであります。怠慢と無気力によって防衛の責任を全うしないことが逆に侵略者を増長せしめ、戦争の惨禍を拡大していることも歴史が雄弁に物語っているところであります。
 近年、私は人類五千年の歴史をつぶさに研究した結果、一つの特筆すべきことがございます。それは、古来幾多の英雄豪傑が解放とか平和とかいう美名のもとに武力、権力をもって他民族を征服しているのでありますが、その中でただの一つも有終の美をなしたものはありません。結局は敗退し、征服された民族は必ず独立を回復しているのであります。欧亜にまたがる大帝国を築いたアレキサンダー大王の治世はわずか三十年であり、同じく歴史上最大のジンギスカン帝国もわずか七十年であります。そのほか、武力、権力によって他民族を征服した英雄の鴻業は終局において例外なく失敗しております。近世においても、十九世紀ヨーロッパ諸国の植民地とされたアジア、アフリカの諸国も、今日はすべて独立の道を歩んでいるのであります。征服行為は結局は失敗に終わり、被征服者が勝利者となっているのでありますが、それでもともとということにはならないのであります。征服された民族にはぬぐうべからざる怨念が残り、これが世代から世代へと伝えられ、次の戦争の種ともなっていることを見逃してはなりません。この件に関しましては、一昨年八月、本院の外務委員会における田英夫氏の質問の中に、はなはだ適切な引例がございます。御参照願いたいと思います。
 以上の見地から、私は、わが国の防衛哲学に関して、誤りのない基本路線をしくべきであると思います。それは、すなわち、受けて立つ立場、後手必勝の戦略であります。断っておきますが、これは決して無抵抗主義とか降伏を意味するものではありません。侵略によってわが国民が奴隷状態に置かれることは、それがたとえ一時的なものであっても許されるべきことではありませんし、われわれの祖先が営々として築き上げたとうとい文化を葬り去られることもあってはならないのであります。さらにまた、わが国がその自主性を失うことによって他の自由諸国の安全をも損うようなことは絶対にあってはならないのであります。この基本的な防衛哲学に関し、総理並びに防衛庁長官の御意見を伺いたいと存じます。
 後手必勝の戦略はどうすれば打ち立てることができるでありましょうか。最も頭の悪い回答は、膨大な兵力量を用意することであります。これは、わが国の置かれた環境、わが国力等から見てできることではありません。その上、数でこなす方法には限界があります。私が提唱したいのは、物心両面にわたる高度の精鋭を準備することであります。
 技術的に次元の違った兵器で装備せられ、精到な訓練によって鍛え上げられた部隊に対しては、旧式な装備、低劣な練度しか持ち合わせのないものでは手の施しようがないのであります。第二次大戦時代の戦闘機を何百機集めても一機の近代的ジェット戦闘機に対抗することはできません。旧式潜水艦を幾ら積み重ねても一隻の原子力潜水艦の航続力を得ることはできないのであります。また、最新装備を持った何百万の兵力でも、これが輸送船の上とか輸送機に乗っている間は何らの戦力とはならないのであります。こういうところが私の言う着目すべき眼目になろうかと思います。すなわち、科学技術の躍進と人間の隠れた才能を掘り起こすことこそ、わが国の防衛力を画期的に強化し、あわせて社会の進歩と国民の福祉を増す推進薬になると思います。
 わが国の科学技術関係予算は、一九七七年度において八千七百六億円、主要六カ国の五番目であり、総予算の中に占める率は三・一%であって主要国の第六番目であります。他の年度においてもほとんど同じで六カ国の中で最低を続けております。もしわが国がGNP比率において西独並みの防衛費を支出したとして、国防会議で決める最大許容限度との差二・四%をすべて科学技術関係に振り向けたとするならば、同年度のわが国科学技術関係予算は四兆二千億円、第一位のアメリカの約七〇%、第二位ソ連の予算を四〇%も上回ることになります。わが国がこれだけの予算を科学技術開発に投入し、それにいまから申し上げる人間の隠れた才能を掘り起こすことを併用するならば、わが国の科学技術レベルが列国をはるかに引き離したものになるであろうことは疑いを入れないのであります。
 ここで私は教育に関することでちょっと例を引きます。
 昨年は偉大な科学者アインシュタイン博士の生誕百年目でありました。同博士の発見した相対性理論なるものは、人類の宇宙観を根底から覆すような偉大なものであったと言われます。博士が出なかったならば、人類は数百年もニュートン力学の矛盾を抱えたまま低迷を続けたかもしれないのであります。
 それほどのアインシュタイン博士でありますが、三歳になるまでは物が言えなかった。学校においても機械的暗記に反抗し、それは強制する教師に反抗した。後年、彼の理論構成に大きな貢献をした数学者ミンコフスキーは、彼を怠け者とののしったのであります。このように手に負えない若者でありましたが、物理、数学、哲学においては全く他の追随を許さない才能を持っておったのであります。
 もし彼がいわゆる秀才型ですべてに間に合う人間であったならば、彼は官庁や一流会社の職員として重用せられ使いまくられて一生を終わったでありましょう。彼がいわゆる秀才でなかったがゆえに、こき使われるとともなく自分に適する道に進むことができ、一世を驚倒させる偉業をなし遂げることができたのであります。これは極端な例でありますが、このようなことは数々あるのであります。
 現代の教育は、ネコもしゃくしも、その適性には関係なく秀才教育を受けさせ、間に合うだけの人間をつくることに専念しているのではないでしょうか。人間が自分の適性に合わない仕事を押しつけられた場合、仕事に誇りと情熱を持ち、生きがいを感ずることはないのであります。教育は、教え込むだけではなく、個人が持っている隠された才能を掘り起としてやることも重要な目的ではないでしょうか。
 次に、エネルギー問題でございますが、時間の関係で重要なところをちょっと割愛さしていただきます。
 ただ、次に求めるエネルギーはいかなる性格を持つべきであるか。一番目は地球上どこでも手に入れることができるもの、二番目は再生がきき、幾ら使ってもなくならないもの、三番目は大気汚染等の公害のないものでなければなりません。そんなものがあるかというと、十分にあるのであります。毎日太陽から降り注いでおるエネルギーの一万分の一が、石炭、石油、天然ガス、そういうコンベンショナルエネルギーによって供給されておる。あとほとんど残っておるのです。これを開発すべきであります。もう一つは、核融合エネルギーであります。これは無限でございます。どこでも手に入ります。
 さて、最後に申し上げたい。
 およそ、自分を育ててくれた祖国、肉親、自分を信頼している同志を裏切ることぐらい憎むべきことはありません。その意味において、今回の一部防衛庁関係者の犯した不祥事件はまこと痛恨のきわみであります。現代日本における愛国心の酒養に対する教育に欠陥があるのではないかと思います。私はかつて自衛官の一人として勤務した者であるだけに、ことに憤りを感ずるとともに……
#8
○副議長(秋山長造君) 源田君、時間が経過いたしておりますので、簡単に願います。
#9
○源田実君(続) 国家、国民に対して済まないと思う気持ちでいっぱいであります。
 時間が参ったそうでありますから、途中重要なところを残しますが、これで終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(大平正芳君) 源田先生から、防衛政策プロパーの問題ばかりでなく、教育、科学、エネルギー、外交、全般にわたりまして、広い視野から防衛哲学についての御見解が御披露になりました。
 私はその国を憂える精神に敬意を表しますが、どこまで理解できているか別といたしまして、いまの御所説の中で私どもが現実に政策を行う場合に心がけなければならない一、二の点について示唆を受けましたので、それをお答えいたしたいと思います。
 源田先生は、争いの根本は、イデオロギーの対立と、それを力をもって押しつけること、エネルギーの偏在と制約、そういうところに争いの基本があるのではないかという御見解でございました。
 私は、最近の傾向といたしましてイデオロギーの対立はやや昔時に比してその精彩を失いつつあるのではないかと考えておりまするけれども、それはそれといたしまして、イデオロギーを力をもって押しつけるということは適当でないと考えます。同感でございます。
 国際政治のあり方といたしましては、仰せのように平和共存を旨としなければならないという御主張には全幅の賛同を表明いたすものでございます。しかし、その場合も、一方の国、一方の体制の利益に偏しない普遍的な態度で平和共存に臨まなければならぬと考えております。軍縮の問題にいたしましても、かくあらねばならぬと考えております。
 第二の点は、わが国は平和国家、平和主義に徹することに選択をいたしたけれども、わが国の自衛のための努力を怠慢と無気力で弱めてよいというわけのものでは決してないという御指摘でございました。
 仰せのとおりだと心得ておるわけでございます。
 これに対しまして、防衛力の整備に当たりましては、いたずらに量的拡大を追うことなく質的強化に努めなければならない、広く教育、科学政策等との関連も考えながら当たらなければならぬという御指摘に対しましては、傾聴いたした次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣久保田円次君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(久保田円次君) 私が答弁を申し上げる前に、今回の秘密漏洩事件に関しまして国民の皆様に大変な御心配をかけました。心からおわび申し上げる次第でございます。
 国の防衛という重大な責務を負っておりますところの自衛官が今回かようなことを起こしたことは、まことに残念なことであり、申しわけございません。私としては本事件を厳しく受けとめまして、二度とかかる不祥事件を絶対に起こさないよう自衛隊の規律を振粛するとともに、秘密の保全について一層の厳格化に努め、自衛隊に対するところの国民の期待と信頼を一日も早く回復するよう最善の努力を尽くしてまいりたいと考えておるわけでございます。
 次に、ただいま源田先生より、受けて立つ立場、後手必勝の戦略という示唆に富む御説を承った次第でございます。
 総理からも御答弁がございましたように、現在、わが国は、相手から武力攻撃を受けた場合にのみ自衛のため必要最小限の自衛力を行使するという、まさに受けて立つ立場をとっているわけでございます。わが国は、みずからの適切な規模の防衛力と米国との安全保障体制を平和と安全の基礎としておりますが、私は質的に充実した防衛力の整備と日米安保体制の信頼性の維持向上に一層の努力を払ってまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣長田裕二君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(長田裕二君) 日本の科学技術予算が世界の主要国に比べて非常に少ないので、これを拡大すべきではないかという御趣旨でございますが、資源の少ない狭い国土に一億一千万余りの国民が高度の生活を続けてまいらなければならない日本の国柄からいたしましても、科学技術を大いに発達させ、これを高度の産業、工業に結びつけてまいらなければならないことは非常に重要な大切な政策だと存じます。
 そのために支出されております国の予算額は、各国との比較の便宜から昭和五十二年度をとってみますと、日本が八千七百億、アメリカが六兆二千四百億、西ドイツが一兆五千三百億で、日本がかなり低い水準にあることは事実でございます。もっとも、日本の場合は民間の研究投資額が非常に多うございますので、双方合計いたしますと三兆二千三百億になりまして、アメリカ、ソ連に次ぎ、第四位にかなり近い世界第三位というところにあるわけでございます。しかしながら、これを国民所得との比率で見ますと。ソ連が四・五二%、アメリカが二五三%、西ドイツが二・五八%であるのに対しまして、日本は二・一一%にすぎません。その上、日本の主力であります民間の研究投資が、最近の経済情勢を反映いたしまして、その伸びがこのところ大変停滞している状況でございます。こういうような現状を改善し、研究投資をふやすために、政府としましても従来から大いに努力しているところでございますが、お話しのように今後一層その拡大を図ってまいる所存でございます。
 御例示にございました、西ドイツの国防費と日本の防衛費の差額を加えますと、これは、もう申すまでもなく、西ドイツやフランスの水準をはるかに上回る水準になりますことは申すまでもないことでございます。(拍手)
   〔国務大臣谷垣專一君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(谷垣專一君) 源田議員の仰せのとおり、教育の重要な目的の一つは、個々人の持ちます才能を掘り起こすことであろうと考えております。私どもは、そのような観点から、教育の目的を、各人の知・徳・体の調和のとれた発達を目指しまして、平和的な国家及び社会の形成者としての心身ともに健全な国民の育成を期することにあると考えております。基礎的な知識、能力の涵養と並んで、個人の個性、能力の伸長を図るために、初等中等教育におきます教育課程の改善や高等教育の整備充実等に努めてまいっておるところでございます。教育の重要な目的の一つといたしましての個々人の能力を伸ばしてまいりますことに努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)
#14
○副議長(秋山長造君) 質疑はなおございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○副議長(秋山長造君) 御異議ないと認めます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時五十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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