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1979/03/19 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 本会議 第7号
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1979/03/19 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 本会議 第7号

#1
第091回国会 本会議 第7号
昭和五十五年三月十九日(水曜日)
   午前十時三分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第七号
  昭和五十五年三月十九日
   午前十時開議
 第一 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指
  名
 第二 国務大臣の報告に関する件(昭和五十五
  年度地方財政計画について)
 第三 地方税法等の一部を改正する法律案及び
  地方交付税法の一部を改正する法律案(趣旨
  説明)
 第四 農業協同組合合併助成法の一部を改正す
  る法律案(衆議院提出)
 第五 漁業協同組合合併助成法の一部を改正す
  る法律案(衆議院提出)
 第六 公営住宅法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 第七 法務局、更生保護官署及び入国管理官署
  職員の大幅増員に関する請願(六件)
 第八 物価値上げ抑制に関する請願(六十七
  件)
 第九 公共料金・石油製品等の物価値上げ抑制
  に関する請願
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第三まで
 一、アフガニスタンからのソ連軍の撤退等を要
  求する決議案(中山太郎君外七名発議)(委
  員会審査省略要求事件)
 一、北方領土問題の解決促進に関する決議案
  (中山太郎君外七名発議)(委員会審査省略
  要求事件)
 一、日程第四より第九まで
     ―――――・―――――
#3
○議長(安井謙君) これより会議を開きます。
 日程第一 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名
 指名する委員及び同予備委員の数は、それぞれ五名でございます。
#4
○野呂田芳成君 中央選挙管理会委員及び同予備委員の指名は、いずれも議長に一任することの動議を提出いたします。
#5
○片岡勝治君 私は、ただいまの野呂田君の動議に賛成いたします。
#6
○議長(安井謙君) 野呂田君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、中央選挙管理会委員に近藤英明君、堀家嘉郎君、儀同保君、鬼木勝利君、大塚一男君を、
 同予備委員に小島憲君、萩原博司君、沖崎利夫君、松尾信人君、坂本福子君を、それぞれ指名いたします。
     ─────・─────
#8
○議長(安井謙君) 日程第二 国務大臣の報告に関する件(昭和五十五年度地方財政計画について)
 日程第三 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、自治大臣の報告及び趣旨説明を求めます。後藤田自治大臣。
   〔国務大臣後藤田正晴君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(後藤田正晴君) 昭和五十五年度の地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和五十五年度の地方財政につきましては、昭和五十四年度に引き続いて厳しい状況にございますが、おおむね国と同一の基調により、現下の社会経済情勢の推移に適切に対応しつつ、財政の健全化を促進することを目途として、歳入面におきましては、住民負担の合理化にも配慮しつつ、既存税制における地方税源の充実を図る等収入の確保を図るとともに、昭和五十四年度に引き続き見込まれる巨額の財源不足については、これを完全に補てんする等地方財源の確保を図る一方、歳出面におきましては、経費全般について徹底した節減合理化を行うという抑制的基調のもとで、住民生活に直結した社会資本の整備を図るために必要な地方単独事業の規模の確保に配意する等限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹し、節度ある財政運営を行うことを基本といたしております。
 昭和五十五年度の地方財政計画は、このような考え方を基本として策定しておりますが、以下その策定方針について申し上げます。
 第一に、現下の厳しい地方財政の状況等にかんがみ、個人住民税の各種所得控除を引き上げるとともに、その減収に対処するため所得割の税率適用区分に所要の調整を加えるほか、事業所税及び個人住民税均等割の税率を引き上げ、非課税等の特別措置の整理合理化を行い、自動車取得税の暫定税率の適用期限を延長し、ガス税の免税点を引き上げる等地方税源の充実と地方税負担の適正合理化を図ることとしております。
 第二に、地方財源の不足に対処し、地方財政の運営に支障が生ずることのないようにするため、
 昭和五十五年度の地方財源不足見込み額二兆五百五十億円については、地方交付税の増額と建設地方債の増発により完全に補てんすることとしております。
 なお、建設地方債の増発は、昭和五十四年度より縮減を図っております。
 また、地方債資金対策として政府資金及び公営企業金融公庫資金の増額を図ることとしております。
 第三に、抑制的基調のもとにおいても、地域住民の福祉、教育の充実及び住民生活に直結した社会資本の計画的整備等を図るための諸施策を実施することとしております。このため、生活関連施設等の計画的な整備の推進を図るため地方単独事業の所要額を確保するとともに、社会福祉施策、教育振興対策等の一層の充実を図ることとし、また、過疎地域に対する財政措置等を充実することとしております。
 第四に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、国庫補助負担基準の改善を図り、あわせて年度途中における事情の変化に弾力的に対応し得るよう配慮するほか、地方財政計画の算定内容について所要の是正措置を講ずることとしております。
 以上の方針のもとに昭和五十五年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は四十一兆六千四百二十六億円となり、前年度に対し二兆八千四百十二億円、七・三%の増加となっております。
    ―――――――――――――
 次に、地方税法等の一部を改正する法律案につきましてその趣旨を御説明申し上げます。
 明年度の地方税制の改正に当たりましては、現下の厳しい地方財政事情と地方税負担の現状にかんがみ、その負担の適正合理化を図るとともに地方税源の充実確保を図ることを基本としております。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 第一に、地方税法の改正であります。
 まず、低所得者層の負担の軽減を図るため、個人住民税の課税最低限を引き上げるとともに、その減収に対処するため、市町村民税の所得割の税率適用区分に所要の調整を加えることといたしております。
 次に、個人住民税均等割及び事業所税について、地方公共団体の行政サービス水準の上昇、物価の変動等を考慮して、税率の引き上げを行うことといたしております。
 また、不動産取得税、固定資産税等における非課税等の特別措置のうち二十八項目について整理合理化を行うほか、産業用電気に係る電気税の非課税品目を二品目廃止することといたしております。
 さらに、住民負担の軽減を図るためガス税の免税点を引き上げるほか、地方道路財源の確保を図るため自動車取得税の暫定税率の適用期限を延長する等の措置を講ずることといたしております。
 第二に、地方道路譲与税法の改正でありますが、地方交付税法における収入超過団体に係る地方道路譲与税の譲与基準を改めることといたしております。
 第三に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正でありますが、公社有資産所在市町村納付金に係る納付金算定標準額の特例について整理合理化等を図ることといたしております。
 以上の改正により、明年度におきましては、個人住民税の課税最低限の引き上げ等により九百五十四億円の減税を行う一方、市町村民税所得割の税率適用区分の調整、個人住民税均等割及び事業所税の税率の引き上げ等により二千百二十二億円の増収が見込まれておりますので、差し引き千百六十八億円の増収となる見込みであります。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案についてその趣旨を御説明申し上げます。
 まず、昭和五十五年度分の地方交付税の総額は、既定の地方交付税額に臨時地方特例交付金三千七百九十五億円及び交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金八千九百五十億円を加算することといたしました結果、八兆七百七十五億円となり、前年度当初に対し三千八百八十億円、五・〇%の増加となっております。
 また、後年度における地方交付税の総額の確保に資するため、地方交付税法附則第八条の三第一項の規定に基づき、昭和五十五年度における借入純増加額の二分の一に相当する額三千七百七億五千万円を、昭和六十一年度から昭和七十年度までの各年度において、臨時地方特例交付金として当該各年度の地方交付税の総額に加算することとしております。
 次に、昭和五十五年度の普通交付税の算定に当たっては、地方財政計画の策定方針に即応し、教育水準の向上、社会福祉施策の充実、公共施設の計画的整備等に要する経費の財源を充実するほか、財源対策債の縮減に伴い必要となる投資的経費を基準財政需要額に算入するため単位費用の改定等を行うことといたしております。
 以上が、昭和五十五年度の地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
#10
○議長(安井謙君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。志苫裕君。
   〔志苫裕君登壇、拍手〕
#11
○志苫裕君 日本社会党を代表して質問いたします。
 「地方の時代」と言うから、それにふさわしいものでもあるかと思ったら、何もない。あべこべに来年度の地方財政は国の規模よりも小さくなっております。これは絶えて久しい逆転現象であるばかりでなく、総理がしばしば口にする時代論とは似ても似つかない奇異な感じがいたします。
 八〇年代への第一歩を踏み出すわが国は内外にわたる変革と対応を迫られておりますが、経済の目標を国民の福祉に置き、地域経済の充実と個性のある多彩な地域社会を創造することが大きな課題であり、そのために国・自治体間の政治制度にも大胆なメスを加えることは国民的合意となっているのであります。地方の時代が唱和されるのも、これらの課題を解決する歴史的キーワードとして認識されているからにほかなりません。
 私は、政策不在と酷評されたあの五十三年末の自民党総裁選挙、国民不在と指弾された昨年末の党内抗争を、したたかな生命力でしのぎ、支持率最低にもめげず政権への妄執果つることなき大平さんではあるけれども、わが国近代化の過程を反省し、物質文明の限界と時代転換への認識を示し、新しい地域主義を提唱された政策理念にかすかな共感を覚えていたのでありますが、その初年にしてこの逆転現象は、象徴的な出来事として納得できません。
 政治は、高い理念を具体的政策で表現して初めて説得力を持ちます。総理の言う「文化の時代は地方の時代」という言葉は美しい。「これを具体化するには地方の自発性と自主性を高めることが欠くことのできない条件だ」との手法にも同感であるが、それらが国民統合の論理としてのみ使われることは許せません。東京中野区の教育委員準公選に違法の見解を下し、琵琶湖の自然資源の保存に冷淡な態度をとり、特別交付税を使って自治体に制裁を加える最近の姿勢は、どこに「文化の時代」「地方の時代」との整合性があるのか伺いたい。
 総理は、あの党内抗争以来、一触即発の危機におびえて、就任当初の時代認識も政策理念も手法もかなぐり捨ててしまったのか、それとも、もともとこの程度のものでありましたか。
 改めてお尋ねするが、一体地方の時代とは何なのか、それは五十五年度予算や行政改革を通じてどう具体化されているのでありますか。政府のまとめによりますと、何でもかんでも田園都市国家構想の事業に関連させているようですが、地方の時代にふさわしい具体的な制度改革を明らかにしてください。
 また、昨年九月の地方制度調査会の答申は、「地方公共団体の利害に関係する法令の改廃、国の事業計画の決定等には、その意向が反映される方途を講ぜよ」と、自治体の国政参加を提起しておりますが、それに対する見解もあわせて伺います。
 私は、昨年のこの質問で総理の田園都市構想を取り上げ、「模索中とはいえ、題名だけで映像の映らぬテレビを見ているようだ」と気をもみ、「中央集権と官庁セクショナリズムが温存されては個性のある地域社会の創造などできようはずがない」と指摘しました。つまりは地方分権の主張であり、総理からも「地方分権の志向に勇気をもって進む」との答弁をいただいたところであります。
 言うまでもなく、中央集権による画一的な行政を支えた手法は縦割りの補助金制度で、その弊害は改めて言うまでもなく、「地方の時代」にとって諸悪の根源と言ってよろしい。今次の行政改革でもこれが主要テーマであったことは承知をいたしておりますが、政府の改革はもっぱら財政的視点にのみとらわれて、補助金行政そのものの根源には迫っておりません。たとえば、統合・メニュー化によって件数は減少し、交付申請書は一本化されても、依然として統合・メニュー化される前の関係省庁、局、部、課、係別に事前協議を必要とし、事業間の流用は主務大臣の許可を必要とすることも変わりがありません。五十三年にメニュー化された厚生省の保健衛生施設整備補助金は、いまだに六つの課を窓口にしている状態であります。
 総理、これはどうですか。田舎へ行きますと、最近、ちょっと気のきいた公民館のような施設があるでしょう。あれには、農村環境改善センター、集落センター、多目的集会施設、山村開発センター、基幹集落センター、生活改善センター、漁村センター、高齢者活動センター、過疎地域総合センター、離島開発センター、老人生きがいセンター、市町村保健センター、健康増進モデルセンター、農村検診センター、母子健康センター、僻地保健指導所、健康管理施設、数えれば切りがないほどの種類があって、それぞれ中央省庁のなわ張りに沿った施設で、自治体や住民の側から見れば大同小異のものであります。こういうものはまとめたらいかがですか。これだけの金が自由に使えたら、一々中央に頭を下げ、指図を受け、画一的なものをつくらないで、それこそ総理の言う「地域の創意をこらした個性のあるもの」をつくることができます。
 結局、中央省庁の改革なくして補助金行政の弊害除去も事務再配分もできないわけで、地方制度調査会の答申でも、この際内閣に強力な推進体制を整えるよう要望しておりますが、総理、大蔵大臣の勇断を求めます。
 次に、地方財政再建の問題について二、三尋ねます。
 中期税制答申では、地方財政対策として、地方消費税の創設と一般消費税の交付税目への繰り入れがうたわれ、それをよりどころに依然として二六%程度の増税構想による財政再建策が立てられているわけでありますが、総選挙の結果それが国民によって否定された現在、当初構想の地方財政再建はなくなったわけでありますかどうか。私は既存税制の抜本改革によって行うべきだと思うが、大蔵大臣、自治大臣の見解はいかがですか。
 また、法人事業税の外形標準課税については、一般消費税がらみで回避されてきたわけだから、当然速やかに実施に移すべきだと考えるが、との点についても見解を伺います。
 さらに、昨年十二月の税調答申において、個人住民税の課税最低限の引き上げに関連し、現行人的控除制の再検討を示唆しておりますが、私は、この際、低所得者の負担を軽減していくために税額控除制に転換してはどうかと思うのでありますが、大蔵、自治両大臣の見解を聞きたい。
 次に、地方交付税制度の問題についてでありますけれども、昨年の自治、大蔵両大臣の覚書で、交付税には二つの重要問題がつけ加えられました。一つは、五十六年度に交付されるべきものが五十五年度に繰り越され、事実上、五十四年、五十五年、五十六年の三年間にわたる交付税の年度間調整の道がとられたこと。二つには、財源対策債が前年度よりも減らされたことに伴い、これまで地方債に振りかえられておった投資的経費の一部を再び交付税の基準財政需要に算定しようとしていることであります。このような措置は、自治体の貴重な一般財源たる地方交付税を政府の一方的な財源対策によって操作するものであって、地方債と交付税の機能を混同し、自治体の計画的財源運営を阻害することはなはだしい。自治大臣、大蔵大臣の明確な答弁を求めます。
 次に、四十人学級の実施にかかわる財源措置について、五十五年度の十四億円はもとより、後年度の自治体負担千二百億円についても、何らの財源措置が講じられていないのではありませんか。四十人学級は教育制度の改正である以上、交付税率の引き上げを含む財源措置を明らかにしておくのが当然だと思うが、その辺のところはどうなっているか、大蔵大臣、自治大臣の見解を求めます。
 次に、今後の景気政策と地方財政運営についてでありますが、歳出抑制の名のもとに公共事業の伸びがゼロベースとされた結果、単独事業が高く見込まれ、国の公共事業による景気政策を肩がわりさせられたかっこうになっております。こうした状況で公定歩合の再引き上げ、公共事業の後倒しが見込まれますけれども、政府は自治体の単独事業についても同一歩調を求めるつもりかどうか、また、起債の許可に当たって考慮するのかどうか、この際あらかじめ明らかにしておいてほしい。
 次に、三月十五日交付された特別交付税において、自治省は、いわゆるヤミ給与の制裁として、約四十の自治体に対して減額の措置をとったと聞きます。特別交付税は特別の財政需要を生じた自治体に交付されるものであって、自治体の財政運営の可否によって制裁的に扱われるものではありません。省内でさえも異論があったと聞きますけれども、交付税は自治体固有の財源であって、国、自治省が恣意的に扱うことはまことに越権のさたであり、「地方の時代」に逆行するものと断ずる。自治大臣の答弁を求めます。
 最後に、雪の税制について要望を込めて質問します。
 私は、事あるごとにこの質問をし、総理がかわるたびに雪国に対する思いやりを求めておるのでありますが、彼岸だというのに豪雪地帯ではいまだ二メートルの積雪です。ことしは、休みなしに降ったので、ことのほか難渋をきわめました。土地は一切の生産を停止し、人々は多大の出費を余儀なくされております。幸い道路など公共物の対策は整ってきましたが、残されたのは個人生活の救済です。私は、豪雪地帯では一定期間土地がないのだから税金を取るのはおかしい、そんな雪ではあるが、やがてこれは巨大な資源エネルギーとなって流域や社会を潤すのだから、雪の保管料が払われてもいいではないか、こう思っておるわけであります。
 そこで、具体的な要望ですけれども、固定資産の寒雪補正率の頭打ちをなくすること、所得税に合理性のある金額で特別豪雪控除制度を設けることであります。さしあたって雑損控除の足切りをやめて全額控除としてほしいのであります。雪国はかけがえのない日本人の定住地であります。総理の理解を求め、関係大臣の所見を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(大平正芳君) 志苫さんの最初の御質問は、地方の時代と言うが、予算、行政改革等を通じてどのように具体化されておるかという意味の御質問でございました。
 健全な日本の社会の建設のためには、地方の特性に基づきました豊かな経済、生活、文化を築いていくことが肝要であると考えております。
 このたびの予算編成、行政改革を行うに当たりましても、このような考え方を踏まえまして、地方の自主財源の確保、国、地方を通ずる行政の簡素効率化等に配慮いたしておるところでございます。地方の時代の創建は一朝一夕でできるものではございませんで、国と地方が相協力して粘り強く推進してまいる必要があると感じております。中央、地方を通ずる財政の再建も、そのための財政の対応力を強める意味で強く要請されておるところであると考えております。
 第二の御質問は、補助金制度は地方の自主性を阻害しておるではないか、補助金の整理合理化に対する考えはどうかという御質問でございました。
 御承知のように、国庫補助金制度は特定の政策目的を実施するための手段でございまして、時代の推移、行政需要の変化に対応いたしまして絶えずこれを見直してまいりまして、その整理合理化を図っていくことが重要であると考えております。その際、地方公共団体の自主性の尊重、資金の効率的な使用、事務の簡素化等の見地から、補助金の統合・メニュー化等に努力してきたところでございますけれども、今後とも、昨年末閣議で決定いたしました補助金等の整理合理化計画にのっとりまして、極力補助金等の統合・メニュー化に努めまして御期待にこたえなければならぬと考えております。
 最後に、雪国に対しまして理解を持って施策を推進する用意があるかという意味の御質問でございました。
 雪国、豪雪地帯におきましては、厳しい自然条件のため、産業の発展や住民の生活に大きな影響を受けておりますことは私もよく承知いたしております。そのため、政府としては、豪雪地帯対策特別措置法に基づきまして、地域の実態に即して産業の発展、生活水準の向上等のために総合的な対策を推進しております。
 今後、国土の均衡ある発展を図るためには、豪雪地帯におきましても定住のための基礎条件の整備が強く要請されますので、そのための総合的施策を積極的に推進するよう一段と努力を強めたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣後藤田正晴君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(後藤田正晴君) お答えを申し上げます。
 第一の御質疑は、地方財政計画は三十一年以来最低の伸び率で国の予算規模を下回っておるではないか、これでは地方の時代とは言えないのじゃないかと、こういうことでございましたが、昭和五十五年度の地方財政計画は、健全化への一歩を進めるという意味合いから、歳出全般にわたりまして抑制的な基調に立って策定いたしたところでございます。しかし、地方の時代ということでございまするので、たとえば国の公共事業が前年度とほぼ横ばいであるのに対しまして、地方単独事業については地方団体が住民の要望にこたえて生活環境施設の計画的な整備を推進することができるようにといったようなことで特段の配慮をして、地域の実情に応じた事業実施が可能になるようにと、こういう措置をいたしておるのでございます。その結果、公債費などを除きました一般歳出規模の比較で申し上げますと、地方財政計画の方が国の規模を上回っておるのでございます。したがいまして、私どもといたしましては、可能な限り地方の財政規模が確保せられておると、かように考えておるような次第でございます。
 第二の御質問は、地方消費税を頭に置いて地方財政計画があったのだが、その後どうなったのだと、こういったような御質問でございましたが、一般消費税と地方消費税につきましては、国民の十分な理解が得られていないと、こう判断をせられることから、五十五年度におきましては同税によらない財政再建の手だてを講ずるということになったのでございます。
 しかしながら、財政再建は何と申しましても緊急の課題でございます。そのためには、行政の簡素効率化、既存経費の見直し等歳出の節減と既存税制の合理化等による税収の確保に努め、歳入歳出の両面からあらゆる手段を幅広く検討していく必要があると考えておるのでございます。こういった努力をいたしてもなお将来国民の税負担の増加を求める必要がある場合には、地方制度調査会であるとかあるいは税制調査会等の審議結果を踏まえながら、税財政の全般について適当な方途を見出すよう努力をいたしたいと、かように考えておるわけでございます。
 第三番目は、一般消費税がなくなったのなら事業税について外形標準課税の方式をとったらどうだと、こういう御質疑でございますが、この問題につきましては、かねてから地方税源の安定化という見地から地方団体からも強い要望が出されておるところでございますが、税制調査会におけるこの問題及びいわゆる一般消費税についての昨年来の審議の経緯等を考慮いたしますと、独自に外形標準課税を導入するということにつきましては、今後の税体系全体のあり方の中で慎重に検討しなければならないと、かように考えております。
 その次は、住民税に税額控除方式を導入したらどうかと、こういう御質疑でございますが、所得課税における人的控除のすべてを税額控除の方式にするというのは、実は外国の立法例等でも例を見ないように思います。すべての納税者についてその所得の一部をまず基礎的非課税部分として控除するという現在のこの方式をいま改めるべき積極的な理由は私は率直に言って見出しにくいのではないかと、かように考えているような次第でございます。
 次は、交付税の年度間調整、あるいは財源対策債と交付税の出し入れ、これは地方団体の計画的財政運営を阻害するものではないかと、こういう御意見でございますが、五十四年度の補正予算による地方交付税の増加額の五十五年度への繰り越し措置、あるいは財源対策債の大幅な縮減措置は、実は私どもとしてはそれによって地方の一般財源の充実を図ったつもりでございまして、地方財政の健全化に資するという見地からこのような措置をとったものでございます。
 こういった措置をとることによって五十五年度の地方財政は支障なく運営されると思われるのでございまして、このことが地方団体の計画的な財政運営を阻害するというふうには実は私どもは考えていないのでございます。
 次に、四十人学級は新制度だから当然新たな財政措置を講ずべきではないのかと、こういう御質疑でございますが、この改善計画の実施に当たりましては、地方公共団体にかなりの財政負担が生じるということが予想されるのでございますが、昭和五十五年度につきましてはすでに私どもとしては財源措置を講じておるのでございまして、また、ここ数年間、三年間程度は、児童の減少市町村で校舎等の新増設を必要としないという市町村から実施をする、こういうことになっておりまするので、地方財政の現況から見ますというとこの事業は容易ではないと思いますけれども、当面は現行の財政制度の中で対応できると、かように考えております。
 しかし、先行きこの改善計画が全般的に進められていく過程の中で地方団体に相当な財政負担が生ずる、ことに児童生徒急増市町村等においては用地費の問題をめぐってなかなか困難な事態も予想せられると思いますが、そういった際には私どもとしては当然財源対策を考究していく必要があろうと、かように考えておるわけでございます。
 次に、単独事業が公共事業の肩がわりをしているじゃないか、また、公共事業が後倒しになる場合、単独事業や地方債は一体どうするのかと、こういう御意見でございますが、地方単独事業の重要性ということを考えまして、地方の自主性と自律性、これに基づく生活関連施設等の整備が行われるように昭和五十五年度の地方財政計画で所要の規模を確保したつもりでございまして、決して国の公共事業の肩がわりなどというものではなくて、いわゆる地方の時代にふさわしい財政計画のために地方の単独事業の増加を図ったつもりでございます。
 また、後倒しの問題でございますが、五十五年度の国の公共事業等の施行については現在関係省庁で検討中と聞いておりますので、こういった国の動向を見きわめながら地方単独事業の事業施行の方針を決定いたしたいと、かように考えております。
 次に、特交を地方団体のペナルティーに使うのは、交付税制度に反し、自治省として越権行為じゃないのかと、こういうお話でございますが、国の支給率を上回って支給せられた期末・勤勉手当、あるいは実質的にこれに相当するものについて、従来から特別交付税の算定上減額対象といたしておりますが、これは支給団体にそれだけの財政的な余裕があると考えられるから地方交付税法の規定に基づいて行っているものでございます。
 この減額措置は、本来、制裁的なものではなくて、地方公共団体相互の実質的公平を図るという見地から行っているのでございまして、全地方団体の共有の財源であり、財源の調整を目的としておる交付税制度の趣旨に沿っておるのではないのかと、私どもとしてはかように考えておるのでございます。
 最後に、寒冷地における固定資産税評価特例の二五%、これの制限を拡大したらどうかと、こういうことでございますが、積雪寒冷地域に所在する家屋等については、他の地域に所在するものと比べて特殊な構造のものもございます。また、現実に損耗の程度も大きいと、こういうようなことから現在の減価率を決めておるのでございますが、私どもは、実態に即しておるのではないか、決して少ないものではなかろうと、こういったことで現行の減価率は適正に配慮されておるものと考えておりまするので、これをさらに引き上げるということは現在のところは考えていないと、こういうことでございまするので、御理解を賜りたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(竹下登君) まず私に対する第一の御質問は、類似補助金の地方一般財源化の問題であります。
 すでに総理からもかなり詳しくお答えがございましたが、補助金等につきましては、地方自治体の行政の効率化に資するため、従来から事務手続の簡素化、合理化に努めますほか、類似補助金の統合・メニュー化を進めてまいっておるところであります。
 しかし、各種の施設に対する助成など類似の補助金は、これを廃止して地方の一般財源にするという考え方につきましては、一つの意見としてたびたび検討もいたしました。それぞれ目的を持って特定の施策を実現するという補助金制度の意義を否定することになるということもございますので、にわかにこれに賛成しかねるところであります。ただ、予算審議等におきまして、四党から、補助金問題についてはただいまのような趣旨を踏まえながらサマーレビューをやってなお努力すべきであるという意見も付されておりますので、その線に沿って引き続き誠意をもって検討いたしたいと考えております。
 次に、住民税の税額控除方式の検討の問題であります。
 御案内のごとく、税額控除方式の導入につきましては、昭和五十二年度の税制改正に関する答申におきまして、所得控除から税額控除に切りかえることについては将来の所得税制のあり方の問題として検討する余地があるとの指摘がなされておるわけであります。
 しかしながら、その後の税制調査会で重ねて論議が行われまして、そうしてその中間答申、今後の税制のあり方についての答申(昭和五十二年十月)でございますが、これにおきましては、負担能力に応じた公平な課税を実現する観点から、すべての納税者について、その所得の一部をまず基礎的部分として控除し、その残額を課税所得として、これに累進構造を持つ税率を適用することにより累進的な負担を求める所得控除方式が最も簡明適切であり、これを変更する必要は認められないとされたことが今日に至っておる経過であります。
 次が四十人学級の問題でありますが、自治大臣からお答えがございました。
 第五次学級編制及び教職員定数改善計画につきましては、厳しい財政事情との調整を図りながら、計画期間を十二年として五十五年度より発足させることといたしております。
 これに伴いまして、五十五年度一般会計予算におきましては、教職員定数の改善増二千七百五十六人に係る給与費の国庫負担金を義務教育費国庫負担金等に計上いたしますほか、地方財政計画におきましても所要の財源措置を講じておりますので、改善計画の実施に支障は生じないものと考えております。
 そして、最後に、いわゆる雪の税制の問題でございます。
 雑損控除の一〇%足切り限度の引き下げにつきまして、雑損控除制度のいわゆる足切り限度、その年分の合計所得金額の一〇%、この水準は、火災、風水害等種々の損失を通じてどの程度以上のものを税制上一般的な人的控除に加えてしんしゃくすべきかという問題でありまして、現行の足切り限度水準は円滑な執行が可能かどうかという観点をも踏まえて定められておるものであります。この足切り限度水準の引き下げはなかなかむずかしい問題であると考えますので、この点についてはいまのところ御理解を願いたいところであります。
 次が特別控除制度の創設でございますが、いわゆる豪雪地帯など地理的な特殊性からくる生計費の増加や物価差など地域的な生計費の増加に対処するために特別控除を創設する等税制上配慮することは、これまでの税制調査会の答申でもしばしば指摘されておりますように、個別的な事情を税制上しんしゃくするにはおのずから限界がある、このように五十二年十月の答申にも出されておるわけでございますけれども、今国会等の論議を通じまして、その論議の内容、経過等を正確にいま一度税制調査会に報告をいたしまして、引き続き検討をお願いするようにという形のことで現在考慮いたしておるところであります。
 以上でお答えといたします。(拍手)
#15
○議長(安井謙君) 矢原秀男君。
   〔矢原秀男君登壇、拍手〕
#16
○矢原秀男君 私は、公明党を代表して、ただいま御説明のありました昭和五十五年度地方財政計画及び地方税法等の一部を改正する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 先月の卸売物価は前月比二・六%、年率にして三六・一%と異常な上昇を示しております。本日政府は第三次総合物価対策を決定すると聞いておりますが、その内容の大要と一つ一つについてどれだけの効果があると考えているのか、さらに、今回の対策がアメリカの総合インフレ対策と関連して円相場の安定にどれだけの効果を持つとお考えなのか、伺いたい。
 また、公共料金の厳正な取り扱いをうたっているが、電気、ガス料金に始まり、国鉄、航空運賃、タクシー、郵便料金、NHK受信料、たばこ、ビールと、今後予定されている一連の値上げに対し、国民は暮らしに大きな不安を抱いている。こうした国民の不安な声に対し総理はどうこたえるのか、お伺いをしたい。
 今回提出された地方財政計画を見ても、こうした国民の暮らしに対する不安は何ら解消されるどころか、かえってより一層大きくなっている。たとえば、公立高等学校授業料は現行より一六・七%も引き上げられ、月額五千六百円が地方交付税の算定基準となっており、この結果、いままで三千二百円に据え置かれていた神奈川県では五千円に、福岡県でも四千八百円にと値上げを余儀なくされている。同様に、公立幼稚園保育料についても、月額三千六百円にと、これは実に二〇%も引き上げられております。まさに政府主導によって値上げが行われると言っても過言ではない。負担を強いられる父兄の反発に対して政府はどのように説明するのか、納得のいくお答えをいただきたい。
 国民に負担を強いるやり方は、今回の地方税法の改正案も同様であります。今回の改正案によれば、個人住民税均等割は、道府県民税が三百円から五百円に、市町村民税が七百円から一千円にと引き上げられることになっております。税目別に伸び率を見ると、個人住民税均等割の伸びは、道府県民税で六一・二%、市町村民税で二四・六%と、国民に重い負担を課するものであることを示しており、このことは法人税の二%の引き上げ案が財界の強い反対に遭っていとも簡単に引っ込められたことと考えあわせますと、取りやすいところから取る、国民の暮らしの犠牲の上に財政再建をなし得ようという政府の意図は明確であると思う。これに対して政府は一体どのように弁明されるのか、伺いたい。
 なお、市町村民税所得割についても、政府はその課税最低限を百五十八万四千円に引き上げたと宣伝しておりますが、所得税の課税最低限二百一万五千円との間にはなお四十三万一千円の差があり、低所得層にとっては地方税の負担がそれだけ重いというものになっており、こうしたことの解消にこそ政府は熱意を示すべきではないのか、伺いたい。
 さて、言うまでもなく、今日の地方財政は、昭和五十年度以降毎年膨大な財源不足を生じており、これを補てんするために交付税特別会計の借り入れば現在までで八兆九百九十一億円もに達し、さらに財源対策債の七兆三千六百六十二億円と合わせると、何と地方の借金総額は十五兆四千六百七十三億円にも上る文字どおりの借金財政となっているのであります。
 このような恒常的な地方財政の財源不足に対し、私ども公明党は、国民に負担を課すといった安易に国民にツケを回すことではなしに、国と地方を通ずる税財政制度の全般的な見直しを行い、根本的な地方財政対策を講じて健全化を図るべきであると指摘してまいりました。ところが、政府の五十五年度の地方財政対策は、これまで同様安易で、しかも急場しのぎにすぎないものであります。
 一体、昭和五十五年度を財政再建の元年にしたいと政府がみずから言われるにふさわしい新たな地方財政対策は何であったのでしょうか。さらに、今後原油価格の値上げなどによる景気の動向が懸念される現在、どのような考えで地方財政再建に取り組もうとされるのか、まだこれ以上国民に負担増を求めようとされるのかどうか、明快な答弁を願いたいのであります。
 次に、政府の安易な地方財政対策を端的に示すものとして地方交付税率が挙げられます。五十五年度の地方交付税総額は、借入金等の特例措置を入れてようやく八兆七百七十五億円が確保されたものの、この額は対前年度比でわずか五%の増と史上二番目の低い伸びにとどまり、しかも交付税総額が国税三税に占める実質的な割合は、五十三年度四二%、五十四年度四七%、五十五年度四〇%と、現行三二%をはるかに上回っていることからしても、法律の趣旨に沿って速やかにこの地方交付税率を少なくとも四〇%に引き上げ、地方の要望にこたえるべきである。この交付税率の改正が今日までいまだ手をつけられずに放置されてきた理由は一体どのようなことなのか、また、今後どのような状況になればこの改正が行われるのか、明確にお答えをいただきたい。
 ところで、この交付税率の引き上げが放置されてきた結果、その穴埋めに増発された地方債総額は、五十五年度末で実に総額二十八兆九千億円にも上ることが見込まれ、この償還財源は膨大な額に達し、今後の地方財政運営上の大きな負担となることが危惧されております。政府は、今後の地方財政にしわ寄せをすることなくこの償還を可能にする方途を示す責任があると考えるが、伺いたい。
 なお、地方債に関して、地方が主体的に行う地域開発事業の総合性と財源を確保していくために、一部の都道府県で取り入れられようとしている総合起債制度を国においても導入すべきではないかと思いますが、お答えをいただきたい。
 次に指摘しておかなければならないことは、政府は、国民に対し負担の増加を求めるのみで、行政の簡素合理化を図るという自己努力を十分果たしていないことであります。行政改革の必要性は財政危機が叫ばれている今日におていは緊急課題であり、その柱として国庫補助負担制度の改善は大きな意義を有するものであります。ところが、五十五年度の補助金総額は新規増加などで今年度よりも実に九千六百六十九億円も増加しており、行政改革のかけ声とは全くうらはらの実態であり、国民が納得できるような政府の熱意はまるで見られないのであります。
 そこで伺いますが、知事会が提案している総合補助金制度試案についてどう考えられるのか、伺いたい。
 また、緊急の課題として、一、保健所運営費補助金等のような一般財源化を図るべきもの、二、施設整備補助と設備整備補助等のような統合・メニュー化を図るべきもの、三、農山漁村の集会施設のような総合化を図るべきものなど、これらの施策の実現に対する政府の方針を伺いたい。
 最後に、来年度で期限切れとなる新産業都市・工業整備特別地域に対する財政援助法の延長について伺います。
 たとえば、播磨地方では、工特指定地域の一つとして各種の整備が行われてきたところでありますが、社会経済の変化に伴い、現在では、構造不況業種対策、教育、医療などの生活環境の整備、機能強化等の新たな課題が起こっており、他の地域においても同様の状況に置かれております。この制度が十五年を迎える現在、政府はこれまでの整備状況をどのように評価しているのか。
 さらに、地方の時代と言われる今日、今後の新産・工特地域における都市づくりをどう方向づけるのか、同法の延長の意思を含め、政府の基本的な姿勢をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(大平正芳君) 第一の御質問は、最近の物価動向に対する見解でございます。
 最近の物価動向でございますが、卸売物価は、原油等海外資源の価格の上昇、為替相場の下落等で上げ足を早めておりますことは御指摘のとおりでございます。消費者物価はこれまで一応安定してまいりましたけれども、一部野菜価格の高騰、また、卸売物価が今後消費者物価に波及してくるおそれがある上に、最近予定しておりまする公共料金の改定等がございますので、今後の物価動向には一層警戒を強める必要があると認識をいたしております。
 これに対しまして、政府は、本日、財政金融政策の適切な運営、便乗値上げの防止のための調査、監視の強化等を基本にいたしました総合物価政策を決めて発表する予定にいたしております。今後各般の物価政策を積極的に機動的に展開いたしまして、五十五年度の消費者物価の目標六・四%は何としても守り抜かねばならないと決意をいたしておるところでございます。
 第二は、公共料金の値上げ、物価の値上がり等で国民は生活に不安を感じておるが、政府はこれに対してどのように説明をするのかという意味の御質問でございました。
 今日の物価騰貴の最大の要因は海外にあるわけでございまして、石油だけをとってみましても、去年の価格の倍増によりまして二百五十億ドルに上る外貨を産油国に支払わなければならぬということでございます。これは国民一人頭に対しまして七万円の負担に相当するわけでございます。一世帯にいたしますと二十数万円の負担になるわけでございます。これは政府が国民に負担をかけたものではなくて、海外からこういう圧力が加わっておるものをどのようにして公正に国民に負担していただくかという側面が今日の物価現象にはあると考えておるわけでございます。
 われわれは、これに対しまして、生産性の向上、経営努力等によりまして、できるだけ国民に対する犠牲を軽減するように最大限の努力をいたすのでございますが、それによってもなお不可能な部分につきましては公正に御負担をいただくという方針で国民に理解を求めてまいらなければならぬと思います。そういう考えを基調にいたしまして総合物価政策を構想いたしたわけでございまして、御協力を仰ぎたいと思います。
 それから地方財政再建に対する取り組み方についてのお尋ねでございました。
 財政の再建は、ひとり地方ばかりじゃございませんで、中央・地方を通じての共通の緊急の課題になっておりますことは、矢原さんも御承知のとおりでございます。したがって、国・地方を通じまして徹底した歳出の節減合理化を図ることが第一の問題だと考えておりますけれども、その中にありましても、地方税、地方交付税等の一般財源の充実には極力努力しなければならぬと考えておりまして、今後、税制調査会、地方制度調査会等の御意見も承りながら、その具体的な政策を進めてまいりたいと存じております。
 法人税の引き上げを見送って住民税を引き上げてというようなことは国民の犠牲で財政の再建を図るものではないかというような意味の御指摘でございました。
 法人税の引き上げを見送りましたのは、ことし大いに歳出規模を圧縮いたしましたことと、租税特別措置、それから退職給与引当金等の見直しによりまして増収を確保いたしまして、税率を改定することは差し控えたことによるものでございます。住民税の方は、最近における国民生活水準の推移等を勘案いたしまして、低所得者層の税負担について配慮を加える必要があると考えて課税最低限を逆に引き上げたわけでございますが、これに伴う減収に対処するために市町村民税の所得割の税率適用区分等に必要最小限度の調整を加えることにしたものでございまして、全体としては負担の増をお願いしているわけではないことを御理解いただきたいと思います。
 最後に、補助金の問題でございます。
 補助金につきましては、これは申すまでもなく特定の政策目的、福祉、文教等に重点を置いて推進いたしておりまする今日の政策を反映いたしまして、確かに補助金予算そのものは全体として増加いたしておりますことは御指摘のとおりでございます。けれども、行政費の節減をねらいといたしました補助金につきましてはこれまでにかつてないだけの斧鉞を加えまして、千六百六十七億円の削減を実現いたしておりますことは、矢原さん御承知のとおりでございます。
 あなたの言われる総合補助制度というものは、補助金の政策目的の点から考えましても、中央・地方の事務の配分の点から考えましても、それとの関連におきまして十分検討の要がございますので、いまにわかにこの採用について賛意を表するわけにはまいりませんけれども、補助金の整理合理化自体につきましては今後とも統合・メニュー化等を極力進めまして、その整理合理化を引き続き進めてまいる所存であります。(拍手)
   〔国務大臣後藤田正晴君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(後藤田正晴君) 私に対する御質疑の第一は、授業料等の引き上げを指導しておるようだが、どう一体これを説明するのかと、こういう御質疑でございましたが、五十五年度の地方財政計画におきましては、国立学校の授業料などの引き上げが行われるということや、私立学校等の授業料との均衡を勘案いたしまして、受益者に適正な負担を求めるという趣旨から公立高等学校等の授業料についても引き上げ措置を講ずることとし、地方交付税の算定におきましても引き上げ措置を前提とした財源措置を講じておるのでございますが、これは地方交付税の性格からして当然のことであり、同時にまた、具体的な授業料等の改定は地方団体として自主的に判断をして行われるべき筋合いのものであろうと、かように考えております。したがって、地方団体みずからがそれぞれの議会に諮ってそれぞれの立場で条例によって適正に処理されるものであろうと、私はかように考えておるわけでございます。
 第二番目の御質疑は、住民税の引き上げの理由は何か、国民の負担増で財政再建を行うのではないか、こういう御質疑でございましたが、この点については、ただいま総理からお答えを申し上げたのと全く同じ私の回答でございます。
 第三番目は、住民税課税最低限と所得税のそれとの格差があるが、これは解消したらどうか、こういう御意見でございます。御案内のように、住民税の課税最低限は、地域社会の経費については住民がその能力に応じながら幅広くその負担を分任する、こういう住民税の基本的な性格があるように考えます。他方、所得税でございますが、所得税は所得の再配分という機能が重視せられておる税であろうと考えます。そういうような税のたてまえがございまするので、必ずしも一致しなければならないというふうには考えられないのではないかと、かように思うわけでございます。
 その次は、五十五年度を財政再建元年と言うにふさわしい措置を一体何をやったのか、こういう御質疑でございます。同時にまた、最近の困難な経済情勢のもとで地方財政の確立をどう進めていくつもりかと、こういう御質疑でございましたが、五十五年度の財政計画は最近の厳しい情勢に対応して抑制的な基調に立って策定をいたしております。歳入面では地方交付税等の一般財源の確保を図り、同時に財源対策債は逐次減少をしていこう、こういうことで、歳入に占める一般財源の構成比は高まり、地方債依存度も低くなっておる、こういうことでございまするので、私どもとしては、乏しいながらも財政健全化の第一歩へ踏み出したものと、かように理解をいたしておるような次第でございますが、厳しい経済情勢でございまするので、これから先の地方財政の確立ということについては、私は、やはり同じような考え方、つまり、歳出面はできるだけ抑制をする、そして歳入面についてはできる限り地方が自由濶達に仕事ができるような一般財源の充実を図り、同時にまた、財政の硬直化を避けるために起債、ことに財源対策債、こういったものは逐次減少をしていく、こういう方向で全力を挙げて取り組んでいきたい、かように考えております。
 その次は、交付税率を四〇%に引き上げるべきだと思うが、このままになっておる理由は何か、どのような状況になったら一体交付税率を引き上げるのか、こういう御質疑でございますが、現在巨額の特例公債に依存しております国の財政状況、また経済情勢も刻々に変化が激しい、こういうような状況のもとで恒久的な交付税率に手をつけるということは私は実際問題として困難であろう、かように考えております。やはりこの問題は、今後国・地方を通ずる全般的な税財政制度の見直し等の機会をとらえて、そのときに、その一環として交付税率のあり方について地方制度調査会等の御意見も踏まえて十分検討していくべき課題であろう、かように存じておるわけでございます。
 その次は、地方債償還計画を示せ、この場合、地方財政にしわ寄せを生じないようにする用意はあるのか、こういう御質疑でございますが、地方債の償還については、従来から毎年度の地方財政計画の策定に際して所要の償還費を計上いたすことにしております。したがって、償還費に必要な財源を含めた地方団体の財源については毎年度所要額を確保するということにいたしておって、地方債の償還費によって地方財政がしわ寄せを受けるということにならないようにできるだけの努力をいたしておるのでございます。今後も、こういった同じような措置を講じていくように努力する所存でございます。
 その次は、総合起債制度を導入したらどうかと、こういうことでございますが、地方債については、事業の種類によってはその元利償還金を地方交付税で措置する、こういうことになっておるものもございまするので、すべての地方債を全面的に総合化するということは困難であろう、かように考えますけれども、地方団体ができるだけ主体的に事業の選択を行い得るようにすることは必要であると考えております。
 そこで、地域総合整備事業債等の運用に当たっては、具体的な事業の取捨選択を地方団体の自主性にゆだねるということにしておるほか、それ以外の単独の事業債につきましても、起債の配分は枠で示して、そして事業の選択は地方団体に任せる、こういう方式を現在拡大してきておるのでございます。今後ともできるだけ地方団体が自主的、主体的に事業を選択することができるような配意をしてまいりたい、かように考えております。
 最後に、新産・工特財政特例措置法は延長するのか、こういう問題でございますが、これは国土庁で検討中でございまするので、その結果を踏まえて地方団体としてはこれに対応する措置を研究してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 以上でお答えといたします。(拍手)
   〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(竹下登君) お答えいたします。
 最初のお尋ねは、諸般の対策と円相場の安定についてという御質問であります。
 現在の円相場はやや円安に過ぎるのではないか、このように考えております。去る三月二日に円相場安定策を講じましたところでありますが、われわれといたしましては、その効果が着実に浸透していくことを期待しつつ、慎重に円相場の推移を見守っておるところであります。
 最近の物価情勢を見ますと、卸売物価のみならず消費者物価もかなりの速度で上昇いたしております。今後の国内経済動向によってはさらに加速することも懸念される状況にあります。このような物価情勢にかんがみまして、日本銀行は昨日公定歩合の引き上げを決定されたところでありますが、政府としても、現在、財政金融政策の適切な運営、便乗値上げ防止のための調査、監視等を基本とした総合的物価対策を経済企画庁を中心に準備中でございます。これらの措置は、物価上昇の抑制に十分な効果を上げるとともに、為替相場の安定にも資するものであると心から期待いたしておるところであります。
 交付税率の引き上げにつきましては、自治大臣からもお話がございました。確かに、今日、引き上げを行うという環境にはございません。しかし、もちろん地方財政の重要性にかんがみますならば、その運営に支障を生ずるようなことがあってはならない。したがいまして、五十五年度の地方財源不足額につきましては、臨時地方特例交付金の交付、交付税特別会計の借り入れ及び建設地方債の増発によってこれを完全に補てんしているところであります。
 最後に、総合補助金制度のお尋ねがありました。
 たびたびお答え申し上げておるところでありますが、国の特定の施策を実現するための補助金というものは手段でありまして、総合補助金制度の考え方が行政目的を異にする補助金等を全般的に総合いたしまして地方公共団体に交付するというものであるとすれば、補助金制度の趣旨から見て問題があると言わざるを得ません。
 補助金の統合・メニュー化につきましては、地方公共団体の自主性の尊重、資金の効率的使用及び事務の簡素化等の見地から従来から積極的に努力してまいったところでありますが、補助対象たる事務、事業が整理されないままに、その財源を地方一般財源に移すということには、これまたにわかに賛成しかねるものであります。
 ただ、昨年十二月二十九日、行政改革計画の一環として決定されました補助金等整理合理化計画、これの趣旨をも踏まえ、そして予算審議の段階で四党よりサマーレビューで対応しろという意見がございました。それを踏まえまして、補助金等の統合・メニュー化等を引き続き推進してまいる考え方でございます。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣正示啓次郎君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(正示啓次郎君) 物価対策についての御質問でございますが、総理からも詳しくお述べになりましたが、私から若干補足してお答えいたします。
 御指摘のような海外要因からくる卸売物価の上昇が国内の消費者物価に波及することを極力抑える、これがわれわれの物価政策の眼目でございますが、これによりまして、当面五十四年度四・七%、さらに来年度六・四%の政府見通しをぜひとも達成いたしたい、こういうねらいから、いま懸案の電灯、電力及びガスの料金、これについて最終的な詰めが行われておるわけでございますが、このうちでも、電灯とガス、これが消費者物価に直結いたしております。電力の方はやや間接的になりますが、これまた重要なファクターであることは申すまでもございません。
 そこで、これらを極力抑える、こういうことを前提にいたしまして、この改定案の審議とともに、そういう重要な局面でございまするので、従来もやってまいりました総合物価対策をさらに強化する、これが本日の物価関係閣僚会議の主題でございます。
 そういう対策が一体どういう効果を上げるか、こういう御指摘でございますが、いま大蔵大臣からもお話がありましたような財政金融政策の引き締め基調をさらに強化していただくような考え方、これによりましてインフレムードを鎮静化するとともに、後で申し上げるような便乗値上げを排除するという消極的な態度だけではなくて、生産性の向上によって御指摘のような海外からくるコストアップ要因をできる限り吸収してほしい、これが第一点でございます。
 そして、さらに、個別物資につきましては、きめ細かな需給の調整、そして便乗値上げに対する厳しい調査、監視を続けましてこれを排除していく、こういうことをやるわけでございますが、別途日本銀行が史上最高の公定歩合を実施することに踏み切られ、これがさらにインフレムードの鎮静と円レート低下への歯どめというふうなことで、私どもとしては物価対策に万遺漏なきを期していく、こういうことで先ほど申し上げた目標を達成したいと考えておるわけでございます。(拍手)
   〔国務大臣園田清充君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(園田清充君) 矢原議員の御質問にお答えいたしますが、私に対する御質疑は、新産業都市・工業整備特別地域の現在の状況をどう評価しているのかということが前段でございまして、率直に申し上げまして、新産業都市及び工業整備特別地域における施設の整備という点は、おおむね順調に進んでおるというふうに理解をいたしております。これに対しまして、工業の出荷額は、昭和五十五年度までの旧計画中は一応順調に伸びてまいりましたが、その後は不況の影響もあって全般的に伸び悩んでおります。また、人口についても、全般的に全国に対する比率は次第に高まりつつございますが、目標の達成には至っておりません。
 総じて言えば、新産業都市及び工業整備特別地域の建設整備により国土の均衡ある開発発展に大きく貢献してまいりましたが、その後の社会経済情勢の変化もあり、関連産業の立地がおくれている等幾つかの課題を残していることは事実でございます。
 そこで、この現況を踏まえて今後どうしていくのかということでございますが、現行計画の期限が切れる御指摘の昭和五十六年度以降の措置につきまして現在検討中でございますが、地方における雇用の場の確保のためにも、新産業都市及び工業整備特別地域の整備をさらに進めてまいりますことは国土の均衡ある発展を図ってまいります点から考えましても当然必要なことでございまして、私ども、国土審議会とも相談をしつつ、御指摘のように前向きでこの問題は検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
#22
○議長(安井謙君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#23
○議長(安井謙君) この際、お諮りいたします。
 中山太郎君外七名発議に係るアフガニスタンからのソ連軍の撤退等を要求する決議案及び北方領土問題の解決促進に関する決議案は、いずれも発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加して一括して議題とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#24
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、両案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。中山太郎君。
   〔中山太郎君登壇、拍手〕
#25
○中山太郎君 ただいま議題となりました両決議案につきまして、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党及び民社党を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、アフガニスタンからのソ連軍の撤退等を要求する決議案について申し上げます。
 案文を朗読いたします。
   アフガニスタンからのソ連軍の撤退等を要求する決議案
  すべての国の主権、領土保全及び政治的独立を尊重することは、国連憲章の基本精神であり国際正義と秩序を維持する上で必要不可欠の大原則である。
  このたびのソ連軍のアフガニスタンに対する武力介入は、この原則にてらし許し難き行為であり世界の平和と安全を脅かす暴挙である。
  自らの政府の形態を選択することは、それぞれの国民固有の自主的権利であり、いかなる国もアフガニスタンに対し干渉介入すべきでないとした国連緊急総会の決議を支持するものである。
  よつて政府は、ソ連政府に対し、ソ連軍のアフガニスタンからの即時、無条件、全面撤退を要求するとともに、国連決議の趣旨をふまえ世界の平和維持のため引き続き最善の努力をすべきである。
  右決議する。
 以上であります。
 ソ連軍のアフガニスタンに対する武力介入は、すべての国の主権、領土保全及び政治的独立の尊重という国連憲章の基本精神に照らし、許しがたい行為であります。
 よって、私どもは、いかなる国もアフガニスタンに対し干渉介入すべきでないとした去る一月十四日の国連緊急総会の決議を支持し、政府が、ソ連政府に対しソ連軍の撤退を要求するとともに、国連決議の趣旨を踏まえ世界の平和維持のため最善の努力を払うべきであるとの見地から、本決議案を提案いたした次第であります。
    ―――――――――――――
 次に、北方領土問題の解決促進に関する決議案について申し上げます。
 案文を朗読いたします。
   北方領土問題の解決促進に関する決議案
  本院は、第八十七回国会において、北方領土問題の解決促進に関する決議を行つたが、事態は一向に改善を見ないばかりでなく、ソ連は、日本国民の総意を無視して、我が国固有の領土である国後、択捉両島における軍備強化を続け、さらに色丹島にも新たな軍事力の配備を行つた。
  ソ連のかかる行動は、日ソ両国の平和友好関係の促進にとつて誠に遺憾である。
  よつて政府は、このような北方領土の平和的返還の障害となる全ての施設が速やかに撤去されるよう重ねてソ連政府に対して要求するとともに、北方領土の返還、平和条約の締結に取り組み、日ソ間の安定的な平和友好関係を確立するよう努力すべきである。
  右決議する。
 以上であります。
 わが国固有の領土である北方領土が、長年にわたる日本国民の悲願であるにもかかわらず、いまなお返還を見ないばかりか、ソ連は、昨年の本院の決議を無視して、国後、択捉両島の軍事施設を一層強化し、さらに色丹島にも新たな軍事力を配備いたしました。ソ連のかかる行動は、日ソ両国の平和友好関係の促進にとってまことに遺憾と存ずるものであります。
 よって、私どもは、政府が、このような北方領土の平和的返還の障害となるすべての施設が速やかに撤去されるよう重ねてソ連政府に対して要求するとともに、北方領土の返還、平和条約の締結に取り組み、日ソ間の安定的な平和友好関係を確立するよう努力すべきであるとの見地から、本決議案を提案した次第であります。
 以上の両決議案に対しまして、何とぞ御賛同あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
#26
○議長(安井謙君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#27
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
 ただいまの両決議に対し、外務大臣から発言を求められました。大来外務大臣。
   〔国務大臣大来佐武郎君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(大来佐武郎君) ただいまのアフガニスタン問題並びに北方領土問題に関する御決議に対しまして、所信を申し述べます。
 政府といたしましては、ただいま採択されました二件の御決議の趣旨を十分に体しまして、これら問題の解決のため引き続き最大限の努力を払ってまいる所存であります。(拍手)
     ―――――・―――――
#29
○議長(安井謙君) 日程第四 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案
 日程第五 漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案
  (いずれも衆議院提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長青井政美君。
   〔青井政美君登壇、拍手〕
#30
○青井政美君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 両案は、衆議院農林水産委員長の提出に係るものであります。
 まず、農業協同組合合併助成法改正案は、農業協同組合の合併を促進するため、農業協同組合合併助成法に基づく合併経営計画の認定制度の適用期間を昭和五十七年三月三十一日まで復活延長し、合併経営計画の認定を受けて合併した農業協同組合には、従前の例にならい、課税の特例措置を講じようとするものであります。
 また、漁業協同組合合併助成法改正案は、漁業協同組合の合併を促進する必要性がなお存続している実情にかんがみ、漁業協同組合合併助成法に基づく合併及び事業経営計画の認定制度の適用期間をさらに五年間延長して昭和六十年三月三十一日までとし、認定を受けて合併した漁業協同組合には、従前の例にならい、課税の特例措置並びに漁業権行使規則の変更または廃止についての特例措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、二法律案を一括議題とし、提案の趣旨説明を聴取した後、別に質疑、討論もなく、両案を順次採決の結果、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#31
○議長(安井謙君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#32
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ─────・─────
#33
○議長(安井謙君) 日程第六 公営住宅法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長大塚喬君。
   〔大塚喬君登壇、拍手〕
#34
○大塚喬君 ただいま議題となりました公営住宅法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。本案は、収入が低額である老人、身体障害者等の居住の実情にかんがみ、これらの者について単身でも入居できることとするとともに、公営住宅建替事業の促進を図るため、その施行要件の緩和を図るものであります。
 委員会におきましては、五カ年計画における公営住宅の位置づけ、単身入居に向けての条件整備、建替事業の推進について、家賃に対する補助等について熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録に譲ることといたします。
 質疑を終了し、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、茜ケ久保委員より、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党の各派共同提案に係る、公営住宅の建設を促進するため財源及び地方債の充当率について国は一層の配慮を行うこと等の六項目から成る附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#35
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#36
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#37
○議長(安井謙君) 法務委員長及び物価等対策特別委員長から報告書が提出されました日程第七ないし第九の請願を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#38
○議長(安井謙君) これらの請願は、両委員長の報告を省略して、両委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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