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1979/04/23 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 本会議 第10号
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1979/04/23 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 本会議 第10号

#1
第091回国会 本会議 第10号
昭和五十五年四月二十三日(水曜日)
   午前十時八分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十一号
  昭和五十五年四月二十三日
   午前十時開議
 第一 原子力の平和的利用における協力のため
  の日本国政府とカナダ政府との間の協定を改
  正する議定書の締結について承認を求めるの
  件
 第二 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染
  の防止に関する条約の締結について承認を求
  めるの件
 第三 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染
  の防止に関する条約の紛争の解決に関する改
  正の受諾について承認を求めるの件
 第四 関税及び貿易に関する一般協定の譲許表
  の変更に関する第四確認書の締結について承
  認を求めるの件(衆議院送付)
 第五 関税及び貿易に関する一般協定のジュ
  ネーヴ議定書(千九百七十九年)の締結につ
  いて承認を求めるの件(衆議院送付)
 第六 関税及び貿易に関する一般協定第六条、
  第十六条及び第二十三条の解釈及び適用に関
  する協定の締結について承認を求めるの件
  (衆議院送付)
 第七 貿易の技術的障害に関する協定の締結に
  ついて承認を求めるの件(衆議院送付)
 第八 民間航空機貿易に関する協定の締結につ
  いて承認を求めるの件(衆議院送付)
 第九 政府調達に関する協定の締結について承
  認を求めるの件(衆議院送付)
 第一〇 関税及び貿易に関する一般協定第六条
  の実施に関する協定の締結について承認を求
  めるの件(衆議院送付)
 第一一 関税及び貿易に関する一般協定第七条
  の実施に関する協定の締結について承認を求
  めるの件(衆議院送付)
 第一二 関税及び貿易に関する一般協定第七条
  の実施に関する協定の議定書の締結について
  承認を求めるの件(衆議院送付)
 第一三 輸入許可手続に関する協定の締結につ
  いて承認を求めるの件(衆議院送付)
 第一四 建築物における衛生的環境の確保に関
  する法律の一部を改正する法律案(社会労働
  委員長提出)
 第一五 こどもの国協会の解散及び事業の承継
  に関する法律案(内閣提出)
 第一六 都市開発資金の貸付けに関する法律の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 第一七 幹線道路の沿道の整備に関する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第一八 都市計画法及び建築基準法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一九 農業災害補償法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第二〇 民事訴訟費用等に関する法律及び刑事
  訴訟法施行法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 第二一 刑法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第二二 滞納処分と強制執行等との手続の調整
  に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 第二三 中小企業金融公庫法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二四 中小企業事業団法案(内閣提出、衆議
  院送付)
 第二五 オリンピック記念青少年総合センター
  の解散に関する法律案(第九十回国会内閣提
  出、第九十一回国会衆議院送付)
 第二六 犯罪被害者等給付金支給法案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第二七 行政書士法の一部を改正する法律案
  (衆議院提出)
 第二八 農業改良普及事業に関する請願
 第二九 農業改良普及事業及び農業試験研究機
  関に関する請願(六件)
 第三〇 農林漁業(蚕業)における普及員制度等
  の堅持に関する請願
 第三一 農業改良普及事業・農業試験研究機関
  等農業関連行政組織の拡充強化に関する請願
  (二件)
 第三二 農業改良普及制度の拡充強化に関する
  請願
 第三三 協同農業普及制度の縮小反対に関する
  請願(二件)
 第三四 地方バス路線運行維持に関する請願
 第三五 首都圏の鉄道高架線化促進に関する請
  願
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第三五まで
 一、食糧自給力強化に関する決議案(青井政美
  君外八名発議)(委員会審査省略要求事件)
 一、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進
  に関する法律案並びに電源開発促進税法の一
  部を改正する法律案(趣旨説明)
     ―――――・―――――
#3
○議長(安井謙君) これより会議を開きます。
 日程第一 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第二 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件
 日程第三 廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件
 日程第四 関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の変更に関する第四確認書の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第五 関税及び貿易に関する一般協定のジュネーヴ議定書(千九百七十九年)の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第六 関税及び貿易に関する一般協定第六条、第十六条及び第二十三条の解釈及び適用に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第七 貿易の技術的障害に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第八 民間航空機貿易に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第九 政府調達に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第一〇 関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第一一 関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第一二 関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に関する協定の議定書の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 日程第一三 輸入許可手続に関する協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)
 以上十三件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長石破二朗君。
   〔石破二朗君登壇、拍手〕
#4
○石破二朗君 ただいま議題となりました条約十三件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 まず、カナダとの原子力協定の改正議定書は、核拡散防止のための規制強化を求める近年の国際的動きに沿って現行協定を改正しようとするものでありまして、新たに一定の情報の第三国移転に対する規制、高濃縮及び貯蔵に関する供給国の事前同意等の規定を追加したものであります。
 次に、海洋投棄規制条約は、海洋汚染を防止するため、廃棄物の海洋投棄の禁止及び規制、違反行為を防止するために締約国がとるべき措置等を定めたものであります。
 次に、海洋投棄規制条約の紛争解決に関する改正は、同条約の解釈または適用に関する締約国間の紛争について仲裁の手続等を定めたものであります。
 以上の三件につきましては、去る八日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、いずれも多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、関税及び貿易に関する一般協定、すなわちガット関係の十件について申し上げます。
 ガットの締約国団は、昭和四十八年に東京の閣僚会議で採択された宣言に基づき、貿易障害の漸進的撤廃を通じ、世界貿易の拡大及び一層の自由化を達成することを目指して、多角的貿易交渉、いわゆる東京ラウンドを行ってまいりましたが、昨年交渉が妥結し、これらの取り決めが作成されるに至ったのであります。
 まず、譲許表の変更に関する第四確認書は、ガットにおけるわが国の譲許表の品目分類を関税定率法別表の分類に合致するよう組みかえたものであり、そこに掲げられた関税率が東京ラウンドにおける関税引き下げの起点となっております。
 次に、ジュネーヴ議定書は、東京ラウンドにおいて各国が約束した関税引き下げを収録したものでありまして、この中でわが国は、鉱工業品約二千四百品目及び農産物約二百品目について関税引き下げを約束しております。
 次に、ガット第六条、第十六条及び第二十三条に関する協定は、相殺関税及び補助金についてガットの規定の解釈を明確にするとともに、これらの規定の適用について詳細な規則を定めたものであります。
 次に、貿易の技術的障害に関する協定は、産品に係る規格及び認証制度が国際貿易に不必要な障害とならないようにするための規則を定めたものであります。
 次に、民間航空機貿易に関する協定は、民間航空機及びその部品等に対する関税の撤廃と、その国際貿易における公正かつ平等な競争の機会の確保について定めたものであります。
 次に、政府調達に関する協定は、政府機関が行う調達について、外国の産品及び供給者に対して内国民待遇及び無差別待遇の原則を適用すべきことを定めたものであります。
 次に、ガット第六条の実施に関する協定は、ダンピング防止税についてガットの規定の解釈を明確にするとともに、その適用に関する詳細な規則を定めたものであります。
 次に、ガット第七条の実施に関する協定は、関税評価の方法を国際的に統一して恣意的な関税評価制度を排除するための規則を定めたものであり、また、同協定の議定書は、同協定の実施について開発途上国に一定の特例を認めたものであります。
 最後に、輸入許可手続に関する協定は、輸入許可手続が貿易の阻害要因とならないよう、その公正かつ公平な運用について定めたものであります。
 以上の十件につきましては、去る十日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、第四確認書、ジュネーヴ議定書、第六条、第十六条及び第二十三条に関する協定、貿易の技術的障害に関する協定、民間航空機貿易協定及び政府調達協定の六件はいずれも多数をもって、また、第六条の実施に関する協定、第七条の実施に関する協定、同協定の議定書及び輸入許可手続協定の四件はいずれも全会一致をもって、それぞれ承認すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#5
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 まず、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本件は承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#7
○議長(安井謙君) 次に、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件及び廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の紛争の解決に関する改正の受諾について承認を求めるの件を一括して採決いたします。
 両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#8
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、両件は承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#9
○議長(安井謙君) 次に、関税及び貿易に関する一般協定の譲許表の変更に関する第四確認書の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定のジュネーヴ議定書(千九百七十九年)の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定第六条、第十六条及び第二十三条の解釈及び適用に関する協定の締結について承認を求めるの件、貿易の技術的障害に関する協定の締結について承認を求めるの件、民間航空機貿易に関する協定の締結について承認を求めるの件並びに政府調達に関する協定の締結について承認を求めるの件を一括して採決いたします。
 六件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#10
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、六件は承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#11
○議長(安井謙君) 次に、関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に関する協定の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定第七条の実施に関する協定の議定書の締結について承認を求めるの件並びに輸入許可手続に関する協定の締結について承認を求めるの件を一括して採決いたします。
 四件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#12
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、四件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#13
○議長(安井謙君) 日程第一四 建築物における衛生的環境の確保に関する法律の一部を改正する法律案(社会労働委員長提出)
 日程第一五 こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案(内閣提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、提出者の趣旨説明及び委員長の報告を求めます。社会労働委員長久保亘君。
   〔久保亘君登壇、拍手〕
#14
○久保亘君 ただいま議題となりました建築物における衛生的環境の確保に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、ビルの増加に伴い、ビル所有者等の委託を受けて、ビルの清掃、空気環境の測定等、ビル内の環境の衛生的管理を業とする者が増加しております。
 この改正の趣旨は、これらの事業者について所定の人的、物的基準を充足していることを要件とする登録制度を設けること等により、これら事業者の資質の向上と事業従事者の技術技能の向上を図るとともに、あわせてビルの所有者等業務委託者の利便に資そうとするものであります。
 以下、この法律案の内容の概要を申し上げます。
 第一に、建築物における清掃業、空気環境の測定業、飲料水の水質検査業、飲料水の貯水槽の清掃業、ネズミ、昆虫等の防除業または清掃、空気環境の測定及び日常の簡易な飲料水の検査をあわせ行う一般管理業を営んでいる者であって、その設備及び従事者が厚生省令で定める基準に適合するものは、その営業所ごとに、都道府県知事の登録を受けることができることとするとともに、登録を受けた者以外は登録を受けた旨の表示をしてはならないものとすることとしております。
 第二に、厚生大臣は、登録業者の業務の改善向上を図ることを目的とし、かつ、登録業者または登録業者の団体を社員とする社団法人を、登録事業の種類ごとに、その事業を全国的に行うものとして指定することができることとしております。
 以上が、この法律案を提出する理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
 次に、こども一の国協会の解散及び事業の承継に関する法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、特殊法人の整理合理化を図るため、第一に、こどもの国協会は、この法律の施行の時において解散し、協会が経営するこどもの国は、厚生大臣が指定する社会福祉法人が引き継ぐこと、第二に、協会が現に有する土地等は、一たん国に帰属させた上指定法人に無償貸し付けできることとし、それ以外の一切の権利義務は指定法人に承継させること、第三に、土地等の無償貸し付けに伴い、指定法人の事業の制限、厚生大臣の監督権限、貸し付けを受けた土地等を指定用途以外に使用した場合の貸付契約の解除等所要の規定を設けること等を内容とするものであります。
 委員会におきましては、今回の行政改革計画の基本的考え方、民間移管後のこどもの国の運営方針等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論はなく、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、本法律案に対し、こどもの国の運営に当たり児童の健全育成の目的が生かされるよう配慮すること等を内容とする附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決しました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#15
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 まず、建築物における衛生的環境の確保に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#16
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます、よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#17
○議長(安井謙君) 次に、こどもの国協会の解散及び事業の承継に関する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#18
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。本案は可決されました。よって、
     ―――――・―――――
#19
○議長(安井謙君) 日程第一六 都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案
 日程第一七 幹線道路の沿道の整備に関する法律案
 日程第一八 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長大塚喬君。
   〔大塚喬君登壇、拍手〕
#20
○大塚喬君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、建設委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案についてであります。
 本案は、大都市の機能の維持増進を図り、都市の計画的な整備改善をさらに推進するため、都市開発資金の貸し付けの対象となる土地の範囲を拡大するとともに、貸し付けの利率に関して所要の改正を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、都市施設用地の先行取得の現状、都市開発資金の貸付利率、手続及びその実績、都市機能更新用地の内容等について質疑が行われました。
 質疑を終局、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、幹線道路の沿道の整備に関する法律案についてであります。
 本案は、道路交通騒音の著しい幹線道路の沿道について、道路交通騒音による障害の防止と、適正かつ合理的な土地利用の促進を図るため、沿道整備道路の指定、沿道整備計画の決定等を行うとともに、沿道整備計画の区域内の整備を促進するための措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、沿道整備道路の指定基準及び沿道整備計画の策定、沿道整備協議会の構成並びに運営、沿道整備区域内の土地の買い取り、緩衝建築物の整備、住宅の防音構造化に対する助成の具体的内容、道路交通公害防止のための対応等について質疑が行われました。
 質疑を終局、別に討論もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、増岡委員より、沿道整備道路の指定、沿道整備協議会の運営及び沿道整備計画の決定に当たっては地域住民の意向が十分反映されるよう配慮すること、外三項目にわたる附帯決議案が提出され、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。
    ―――――――――――――
 最後に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案についてであります。
 本案は、最近における市街地形成の状況にかんがみ、一体として良好な環境の街区の整備及び保全を図るため、都市計画に地区計画を定め、これに従って秩序ある開発行為、建築等が行われることとなるように、誘導し、及び規制するための制度を設けるものであります。
 委員会におきましては、都市整備の基本的姿勢、地区計画策定にかかわる助成措置、ミニ開発の規制、地価対策等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して上田委員より反対する旨の発言があり、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#21
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 まず、都市開発資金の貸付けに関する法律の一部を改正する法律案及び幹線道路の沿道の整備に関する法律案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#22
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#23
○議長(安井謙君) 次に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#24
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#25
○議長(安井謙君) 日程第一九 農業災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長青井政美君。
   〔青井政美君登壇、拍手〕
#26
○青井政美君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本案は、農業災害補償制度の健全な運営に資するため、蚕繭共済の引受方式の改善丁共済金支払い開始損害割合の引き下げ、家畜共済の共済掛金国庫負担割合の引き上げ、果樹共済における収穫共済の果実の単位当たり価額設定方法の改善、共済掛金率割引制度の導入、損害てん補方式の改善合理化、災害収入共済方式の試験実施と樹体共済の改善等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、農業共済制度のあり方、共済組合等の経営状況、果樹共済の加入促進対策、共済金額の設定と料率、保険収支、引き受け及び共済金支払い、共済事故、畑作物共済の共済事業対象作物の拡大、家畜診療所の整備と疾病予防措置等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 質疑を終わりましたところ、日本共産党河田委員から修正案が提案され、別に討論もなく、採決の結果、河田委員提出の修正案は賛成少数をもって否決、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 また、本法律案に対し、全会一致をもって果樹共済の加入促進対策に努めること等九項目の附帯決議を行いました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#27
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#28
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#29
○議長(安井謙君) 日程第二〇 民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二一 刑法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第二二 滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長峯山昭範君。
   〔峯山昭範君登壇、拍手〕
#30
○峯山昭範君 ただいま議題となりました三法案について、法務委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 まず、民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案は、最近における経済事情の変化等にかんがみ、民事事件、刑事事件等に関する手数料の額の改定等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、参考人二名から意見を聴取したほか、訴訟費用の性格、経済事情の変化による訴額の上昇と手数料基準引き上げとの関係、訴訟救助の運用、法律扶助事業の実情と今後の方策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、刑法の一部を改正する法律案は、近時、贈収賄事件が増加し、かつ、悪質化する傾向にある実情にかんがみ、この種の事犯に対し、事案に応じた適切な科刑の実現を図り、かつ、一般予防的効果を期そうとするものであります。
 その主な内容は、単純収賄、事前収賄、第三者収賄、事後収賄及び斡旋収賄の各罪の法定刑の長期をそれぞれ五年に引き上げること、受託収賄罪の法定刑の長期を七年に引き上げること並びに斡旋贈賄罪の法定刑中、懲役の長期を三年に、罰金の多額を五千円に、それぞれ引き上げることであります。
 なお、単純収賄、事前収賄、第三者収賄、事後収賄及び斡旋収賄の各罪の法定刑の長期を五年に引き上げることにより、これらの罪の公訴時効の期間が現行の三年から五年に延長されることになります。
 委員会におきましては、収賄罪の科刑状況、公務員の綱紀粛正に関して政府がとった措置、贈収賄事犯の実情と予防対策、贈賄罪の法定刑を引き上げなかった理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 最後に、滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の一部を改正する法律案は、民事執行法の制定に伴い、租税債権と私債権の実行手続に関し、合理的な調整を図るため、新たに、債権等及び航空機、自動車、建設機械に対する滞納処分と強制執行等との手続の調整などに必要な規定を設けようとするものであります。
 委員会におきましては、改正の経緯、取り立て困難な債権の換価、第三債務者の供託、滞納処分続行承認決定と債務者の保護等について質疑が行われましたが、詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#31
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 まず、民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟法施行法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#32
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#33
○議長(安井謙君) 次に、刑法の一部を改正する法律案及び滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#35
○議長(安井謙君) 日程第二三 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案
 日程第二四 中小企業事業団法案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長斎藤十朗君。
   〔斎藤十朗君登壇、拍手〕
#36
○斎藤十朗君 ただいま議題となりました二法案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案は、中小企業金融公庫が必要とする資金の確保を図るため、その債券の発行限度額を現行の資本金の「二十倍」から「三十倍」に引き上げるとともに、同公庫に対する政府の追加出資を予算措置のみでできるよう規定の整備等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、中小企業金融の現状、債券発行問題、中小企業金融公庫の収支状況及び経営基盤の強化対策等について熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、中小企業事業団法案は、中小企業共済事業団及び中小企業振興事業団を解散し、新たに中小企業事業団を設立して、中小企業構造の高度化の促進並びに中小企業の経営管理の合理化及び技術の向上に必要な業務と小規模企業共済制度及び中小企業倒産防止共済制度の運営等の業務とを一体的に行わせようとするものであります。
 委員会におきましては、倒産防止共済制度の現状、高度化事業の強化策及び統合に伴う職員の処遇問題等について熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。なお、本法律案に対して、大森理事より、情報事業の充実強化等四項目にわたる各派共同提案の附帯決議案が提出され、全会一致をもってこれを本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#37
○議長(安井謙君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#39
○議長(安井謙君) 日程第二五 オリンピック記念青少年総合センターの解散に関する法律案(第九十回国会内閣提出、第九十一回国会衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教委員長大島友治君。
   〔大島友治君登壇、拍手〕
#40
○大島友治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、特殊法人オリンピック記念青少年総合センターを解散し、新たに国立のオリンピック記念青少年総合センターを設置することにより、青少年教育の充実発展を図ろうとするものであります。委員会におきましては、行政改革と特殊法人を解散して国立の機関とすることとの関係、直轄化に伴う職員の処遇、国立オリンピック記念青少年総合センターの今後の整備計画と運営方針、青少年社会教育の現状と今後の充実策等について熱心な質疑が行われました。その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終わりましたところ、前田委員より、解散の期日との関係で所要の修正を行う旨の修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して勝又委員から、日本共産党を代表して佐藤委員から、本案に反対の討論が行われました。
 討論を終わり、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも多数をもって可決され、よって本法律案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、高橋委員より、新設のセンターについては国民の自発的な学習を保障する運営に配慮し、現センター設立の趣旨を今後も生かすとともに、現職員の処遇に万全を期すべきであるなどを内容とする各派共同の附帯決議案が提出され、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#41
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#42
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。
     ―――――・―――――
#43
○議長(安井謙君) 日程第二六 犯罪被害者等給付金支給法案(内閣提出、衆議院送付)
 日程第二七 行政書士法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長後藤正夫君。
   〔後藤正夫君登壇、拍手〕
#44
○後藤正夫君 ただいま議題となりました二法案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 まず、犯罪被害者等給付金支給法案は、人の生命、身体を害する故意の犯罪行為により死亡した者の遺族または重障害を受けた者に対し、一時金として遺族給付金、障害給付金を支給すること、給付金の額は給付基礎額に所定の倍数を乗じた額によるものとすること、給付金の裁定は申請により都道府県公安委員会が行うこと、施行期日は昭和五十六年一月一日とし、同日以後の犯罪行為による被害について適用すること等を主な内容とするものであります。
 委員会におきましては、法律施行前の犯罪被害者等の救済、被害対象等の再検討、給付金額の妥当性等の問題について質疑が行われましたが、施行期日の繰り上げ及び遡及適用等の問題に関しては理事会等において熱心な検討が重ねられたことを特に申し添えておきます。
 質疑の後、神谷委員より、政府案を犯罪被害補償制度に改める修正案について提案趣旨の説明がありましたが、政府より同案に対し賛成しがたい旨の発言がありました。
 討論なく、採決を行いましたところ、修正案は否決され、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案につきましては、本法施行前の犯罪被害者等に対し、別途、救済に努めること等六項目の附帯決議を行っております。
 次に、行政書士法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、行政書士の業務について、新たに官公署に対する書類提出手続の代行及び書類作成の相談に応ずる業務を加えること、行政書士の業務と社会保険労務士の業務との分離を図り、現在行政書士会に入会している行政書士については、当分の間、従前どおり社会保険労務士の業務を行うことができること、罰則の規定を整備すること等を主な内容とするものであります。
 委員会におきましては、衆議院地方行政委員長代理石川理事より提案理由を聴取し、質疑、討論なく、採決を行いましたが、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#45
○議長(安井謙君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#46
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#47
○議長(安井謙君) 農林水産委員長及び運輸委員長から報告書が提出されました日程第二八ないし第三五の請願を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#48
○議長(安井謙君) これらの請願は、両委員長の報告を省略して、両委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
#50
○議長(安井謙君) この際、お諮りいたします。
 青井政美君外八名発議に係る食糧自給力強化に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、本案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。青井政美君。
   〔青井政美君登壇、拍手〕
#52
○青井政美君 ただいま議題となりました食糧自給力強化に関する決議案につきまして、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び第二院クラブを代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    食糧自給力強化に関する決議案
  現下、わが国の農業・漁業は極めて厳しい情勢にある。
  即ち、国民食生活の多様化等により食糧の需給に不均衡を生じ、その対応のため水田転作が実施されつつあるが、生産農家は厳しい試練に立ち向つている。
  一方、海外からの飼料用穀物等の農畜産物の輸入増加に伴い、食糧自給度は、近年低下傾向にあるが、八〇年代における世界の食糧需給の動向は、人口の増加、生活水準の向上、さらには食糧が外交手段に用いられる等、一段と不安定要因が増大し、わが国の食糧需給に強く影響することが憂慮される。
  また、漁業においても二百海里時代に入り、水産物の生産と供給の確保について厳しい対応を迫られている。
  かかる困難な情勢の下にあつて、先進諸国に較べ低位にあるわが国の食糧自給力の向上を図り、国民食糧を安定的に供給することは、将に国政上の基本的且つ緊急の課題である。
  よつて政府は、国民生活の安全保障体制として食糧自給力の強化を図り、わが国農業・漁業の発展と生産力の増強に万全の施策を講ずるべきである。
  右決議する。
 以上であります。
 申すまでもなく、わが国の農業、漁業は、国民生活の安全保障にとって最も基礎的な食糧を供給する重要な使命を担っているのでありますが、これをめぐる最近の内外の情勢はまことに厳しいものがあります。
 すなわち、わが国の農業は、特に農業基本法の制定以降各種の施策によって近代化が進められ、今日に至っているのでありますが、この間の経済成長に伴い、国民の食生活が多様化し、これによる需要の変化に農業生産が十分対応できず、これがため飼料用穀物、小麦、大豆等の農畜産物の輸入が増加する状況のもとで、米を初めとする農畜産物の需給の不均衡が生じております。
 このような情勢に対処して、現在、五十万ヘクタールを超える膨大な水田転作を中心に農業生産の再編対策が実施されているところでありますが、全国の農業者は、この厳しい試練に立ち向かい、国民食糧の安定的供給という要請にこたえるため、懸命の努力を尽くしているのであります。
 一方、今後の世界の食糧需給は、発展途上国における人口の増加生活水準の向上等の要因により、長期的には不足基調をたどることが懸念され、また、最近は食糧が外交手段の一つとして用いられる等、国際的な不安定要因が一層増大し、食糧輸入国であるわが国にとって食糧問題はきわめて重要な課題となっているのであります。
 また、漁業をめぐる情勢も、すでに世界の八十四カ国が二百海里水域を設定し、操業規制、漁獲量の割り当て等、一段と厳しさを増し、さらに最近の燃油事情の悪化は漁業に深刻な影響を与えております。
 このような内外の情勢を考えますと、先進諸国に比べると低位にあるわが国の食糧自給力を向上させ、食糧の安定的供給体制を確立することは、国政の基本的かつ緊急の課題であります。
 よって、政府は、国民生活の基礎となる主要な食糧について極力国内生産で確保することを旨とし、農業、漁業の発展と生産力の向上を図るため万全を期すべきことを強調し、本決議案の趣旨説明といたします。
 何とぞ、議員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
#53
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#54
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 ただいまの決議に対し、農林水産大臣から発言を求められました。武藤農林水産大臣。
   〔国務大臣武藤嘉文君登壇、拍手〕
#55
○国務大臣(武藤嘉文君) ただいまの御決議に対しまして所信を申し述べさせていただきます。
 政府といたしましては、食糧を安定的に確保することは国政の基本であることにかんがみ、従来より、農業につきましては、生産性の高い近代的農業経営を中核に、国民の食生活の多様化に対応し、また、地域の実態に即しつつ、農業者の理解と協力を得て農業生産の再編成を推進し、これを通じて食糧の自給力の向上に努めているところであります。
 また、漁業につきましては、二百海里時代に即して、周辺水域内漁業の振興を図るとともに、漁業外交による遠洋漁場の確保に努めているところであります。
 ただいま採択されました御決議の趣旨を十分に体しまして、今後とも食糧自給力の強化に最大限の努力を払ってまいります。(拍手)
     ―――――・―――――
#56
○議長(安井謙君) この際、日程に追加して、
 石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案並びに電源開発促進税法の一部を改正する法律案について、提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。佐々木通商産業大臣。
   〔国務大臣佐々木義武君登壇、拍手〕
#58
○国務大臣(佐々木義武君) 石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 エネルギーは、申すまでもなく、国民生活の安定と国民経済の円滑な運営に欠くことのできない要素であります。特に、エネルギー供給の大宗を石油に依存し、かつ、石油のほぼ全量を海外からの輸入に依存せざるを得ないわが国にとりまして、エネルギーの安定的な供給を確保することは国の将来を左右する最重要政策課題であります。
 しかし、最近の石油をめぐる国際情勢は一段と不安定化の様相を強めており、中長期的にも世界の石油需給はますます逼迫するものと見られますが、わが国のエネルギー事情もそれに応じて今後ますます厳しさを増すものと思われます。
 かかる情勢下において、主要先進国中、最も石油依存度が高く、きわめて脆弱なエネルギー供給構造を有するわが国といたしましては、省エネルギーの推進、石油の安定供給の確保に万全を期するとともに、石油代替エネルギーの開発及び導入を強力に推進し、石油依存度の低減を図ることが、エネルギーセキュリティーを確保し、あわせてわが国に課せられた国際的責務を果たす上で喫緊の課題となっております。
 かかる状況にかんがみ、昭和五十五年度を「石油代替エネルギー元年」と位置づけ、石油代替エネルギーの開発及び導入を促進するための体制を確立することといたしました。
 この一環といたしまして、石油代替エネルギーの供給目標及び事業者に対する導入指針を策定し、あわせて石油代替エネルギーの開発のための推進母体として新エネルギー総合開発機構を設立するなど、石油代替エネルギーの開発及び導入を総合的に進めるために必要な措置を講ずることを内容といたしましてこの法律案を提出いたした次第であります。
 次に、この法案の概要について御説明いたします。
 第一は、石油代替エネルギーの供給目標の策定についてであります。
 通商産業大臣は、総合的なエネルギーの供給の確保の見地から、開発及び導入を行うべき石油代替エネルギーに関する供給目標を閣議決定を経て定め、公表するものとしております。
 第二は、石油代替エネルギーの導入指針の策定についてであります。
 通商産業大臣は、工場または事業場における石油代替エネルギーの導入を促進するため、石油代替エネルギーの供給の状況、石油代替エネルギーに係る技術水準等の事情を勘案して導入すべき石油代替エネルギーの種類及び導入の方法に関し事業者に対する指針を定めることといたしております。さらに、この導入指針に定める事項について、通商産業大臣及び当該工場に係る事業所管大臣は、必要に応じ事業者に対して指導及び助言を行うことといたしております。
 第三は、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進を図るために必要な財政上の措置等についてであります。
 政府は、石油代替エネルギーの開発及び導入を促進するため、必要な財政上、金融上及び税制上の措置を講ずるとともに、広報活動等により国民の理解と協力を求めるよう努めることとしております。さらに、試験研究を行う者に対して、国有の試験研究施設を時価よりも低い代価で使用させる等、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に資する科学技術の振興を図るための措置を講ずることといたしております。
 第四は、新エネルギー総合開発機構についてであります。
 新エネルギー総合開発機構は、本法に基づき、石油代替エネルギーの開発を推進するための中核的機関として設立される特殊法人であります。
 この機構は、官民の能力を結集して、石油代替エネルギーに関する技術の開発、地熱資源及び海外炭資源の開発に対する助成その他石油代替エネルギーの開発等の促進のために必要な業務を総合的に行うものであります。
 なお、この機構の設立に伴い、石炭鉱業合理化事業団は解散いたしますが、現在同事業団が行っている石炭鉱業の合理化及び安定のための業務はすべて遺漏なきよう機構が承継することといたしており、本法案におきましてはそのための所要の規定を置くことといたしております。
 以上がこの法案の趣旨でございます。(拍手)
#59
○議長(安井謙君) 正示国務大臣。
   〔国務大臣正示啓次郎君登壇、拍手〕
#60
○国務大臣(正示啓次郎君) 電源開発促進税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 石油依存度がきわめて高いわが国においてエネルギーの安定供給を確保するためには、石油代替エネルギーの開発及び導入を図ることが緊急な課題であります。このため、各種の施策を総合的かつ計画的に講じていくことが必要でありますが、その円滑な推進を期するには、これに要する資金を長期にわたって安定的に確保していくことが不可欠であります。
 政府としては、その具体的方策の一環として、石油代替エネルギーの発電のための利用促進に要する費用については、これによる受益関係等を考慮して、電源開発促進税をもって充てることといたしました。
 このような観点から、ここにこの法律案を提出した次第でありますが、その内容は次の二点であります。
 その第一は、電源開発促進税を石油代替エネルギーの発電のための利用促進に要する費用にも充て得るようにその課税目的を拡充した点であります。
 第二は、その税率を千キロワット時につき現行の八十五円から三百円に引き上げることとしたことであります。
 以上、電源開発促進税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
#61
○議長(安井謙君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。浜本万三君。
   〔浜本万三君登壇、拍手〕
#62
○浜本万三君 私は、日本社会党を代表しまして、ただいま提案されております石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案並びに電源開発促進税の引き上げ措置について質問を行うものであります。
 まず、法案の質問に入る前に、当面重大な問題になっておりますイラン問題についてお尋ねしたいと思います。
   〔議長退席、副議長着席〕
 去る七日、アメリカ政府は、イラン政府に対して、外交の断絶、経済的制裁措置を発表し、関係西側諸国に対して協力を要請しております。これに対して、ECは、アメリカの要請に基づいて二十一日から外相理事会議を開いてその対策について協議しております。一方、イラン政府は、アメリカ政府に協力する諸国については敵対国として石油の輸出を禁止する旨警告しているところであります。このような情勢の中で、通産省は、アメリカ政府の要請を一部受け入れ、四月十六日には日本貿易会に対して対イラン輸出を慎重にするよう要請しております。一方、イラン政府は、原油値上げ問題に絡み日本の態度は政治的理由によるものと強く反発し、原油供給を停止する旨発表し、現に船荷を拒否しています。
 私は、政府が、アメリカ大使館員の人質問題は国際法に違反するものであり、その平和的解決とアメリカの武力行使の自制を基本とした方針を打ち出されたことは、おくればせながら当然のことであります。その考え方に立つならば、政府はこれまでのアメリカへの迎合的態度は改め、独自の外交交渉を行うべきであると考えます。
 さらに、政府は、アメリカの武力行使についてはもっと明確な要求を出すべきであると思います。また、アジアの一員として、主体的な外交努力を他のアジア諸国と協力して行うべきであると思うものであります。
 以上の観点に立って、政府に対して次の諸点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず第一に、アメリカ政府の要請内容はどんなものか、お尋ねをしたいと思います。
 第二は、アメリカの制裁要求は単純な二者択一の力の論理と言うべきものであり、これに迎合することは、結果的に強硬論を増長させ、問題の解決を困難にすることになると思うが、どうですか。
 また、大来外相のEC派遣は、結果としてアメリカの制裁措置をECに同調させるためのものではなかったかと思われるのでありますが、いかがでございましょうか。
 第三は、ECは、来月十七日までにイランが人質を解放しない場合は全面禁輸とする旨決定しておりますが、ECとの協議後は今後どのような具体的内容でアメリカに協力することになるのでありましょうか。たとえば、輸出禁止の特別立法をつくるというような考え方があるのかないのか、お尋ねをいたしたいと思います。
 第四は、イラン原油の輸入が停止した場合、今後日本のエネルギー需給関係、特に石油の需給、さらには経済や物価に影響はないのか、その具体的な見通しと対策についてお尋ねをいたしたいと思います。
 次に、石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案について伺いたいと思います。
 社会党は、かねてより、石油にかわる新エネルギー、さらには石油利用等について国の対策強化を主張してきており、そのためには、国の開発の中核機関たる新エネルギー開発公団の設立等を要求してまいりました。現在の石油情勢、今後の石油開発の困難性や価格上昇のおそれ、さらには原子力開発が依然として欠陥を克服できずに世界的にも安全性と信頼性に疑念が強く残っているのが現状であります。
 政府は、原子力発電を石油代替エネルギー対策の最大の柱としており、長期需要見通しでは昭和六十年度三千万キロワット、六十五年度五千三百万キロワット、七十年度には七千八百万キロワットという膨大な量を想定しております。これは余りにも無謀な計画であり、とうてい不可能であろうと思います。
 したがって、これからのエネルギー供給の展望の中で、石炭やいわゆる新エネルギーに多くの期待を寄せざるを得ないのが現状であります。このような観点から、今回の提案は事態を一歩進めるものとして評価するにやぶさかではありません。しかし、今日の政策的必要度からすれば、多くの点で立ちおくれを指摘せざるを得ないのであります。
 まず第一に指摘しなければならない点は、わが国のエネルギー供給の全体的な目標について依然としてばらばらな行政の対応が改められていないことであります。
 この法案で石油代替エネルギーの供給目標を定めることになっておりますが、その前提となるべき総エネルギーの消費量、あるいはエネルギーの節約量、省エネルギーの目標などについては、制度的な位置づけがなされておらないのであります。わずかに総合エネルギー調査会がエネルギー供給の見通しを通産大臣に提出するだけであり、国の政策全体を体系化するような政策目標と言うべきものはありません。
 これでは、通産省のみならず、運輸、建設、地行、農林、文部、科学技術など、広範な分野でかかわり合いを持つ今日のエネルギー問題を十分適切に運営できる体制にはないと言わなくてはなりません。政府は、この際、エネルギー計画委員会等の設置を検討すべきでありますが、総理にその見解をお伺いするものであります。
 第二には、今日のエネルギー消費の実態がきわめて不十分にしか把握されていないという点であります。
 言うまでもなく、わが国の石油消費量あるいは電力消費量等の数字は統計的に明らかになっておるのでありますが、これらのエネルギーが最終的にどのような様態で使用されているのか、すなわち、熱源とすればどの程度の熱源か、あるいは動力源として使われている割合など、その実態は必ずしも明らかにされていないのが現状であります。このことは、エネルギー消費のむだを排除し、石油以外のエネルギーを可能な限り活用するということからすれば、きわめて基礎的な現状把握がなされていないことにほかなりません。政府は、この分野での調査の立ちおくれをどのように改善しようとするのか、早急に対応策を明らかにすべきであります。
 第三には、新エネルギー総合開発機構の役割りについてであります。
 新機構は、地熱、太陽エネルギー、石炭液化、海外石炭開発等の促進をねらいとしておりますが、これらの分野は、通産省のサンシャイン計画を初め既存の幾つかの公的組織が取り扱ってきた分野でもあります。新機構が十分な役割りを果たすというのであるならば、これまでの既存の計画との関係や既存組織との調整が明確に行われなくてはなりません。単なる屋上屋を重ねないためにも、新機構の業務の範囲あるいはその特色というべきものを明らかにすべきであります。
 なお、この際、海外炭の開発についてもお尋ねしておきたいと思います。
 最近の国内炭については、石油代替エネルギーとしての石炭見直し論があるにもかかわらず、年間出炭量は目標としている二千万トンを大きく割っております。これは内外炭の価格差等を原因とする国内炭の需要不振から貯炭の急増による生産制限によるものと思われます。したがって、電力用炭を初めとする国内需要拡大措置を講ずる必要を痛感するものであります。また、あわせて、代替エネルギーの一つとして海外炭の導入を積極的に図る必要があることも痛感するものであります。その際、きわめて重要なことは、海外炭の価格調整に十分配慮し、国内石炭産業に影響のないよう対策を講ずるべきであります。
 第四には、いわゆるローカルエネルギー開発についてであります。
 今日、各自治体で太陽熱や地熱、小水力、風力、都市ごみ利用などの地域エネルギーの活用についての関心が急速に高まっているのであります。社会党が先般主催したソフトエネルギーに関するシンポジウムにおきましてもこれらの分野を積極的に位置づける意見が出されておりましたが、政府案においては、これらの分野にどのように国の施策として充実させるのか、明らかではありません。特に、地域的なエネルギー供給については、自治体のイニシアチブが重要であり、それを支援する国の施策が重要でありますが、政府としてどのように取り組むつもりであるのか、明らかにすべきであります。
 また、私は、国内水力資源の積極的な活用を政府に要求いたしたいと思います。
 わが国の包蔵水力は、第四次水資源調査によると、五千万キロワットになっております。この水資源を有効に活用するための開発可能地点の調査を十分に行い、地域住民の合意のもとに積極的に開発すべきであります。この際、特に中小水力開発促進に関する政府の見解をただしたいと思います。
 引き続き、電源開発促進税についてお伺いをいたします。
 わが党は、石油代替エネルギー開発について公的資金の確保が必要であり、一般的に言って今日のエネルギー消費者が将来のエネルギー開発のための資金を負担するいわゆる目的税的な制度は一概に否定すべきではないと考えております。しかし、今回大幅な引き上げを行おうとしておる開発促進税につきましては、幾つかの重大な疑問を持たざるを得ません。
 その第一は、電力料金の大幅な値上げと相前後して引き上げられるととは、一般家庭の負担を大きくするだけでなく、物価への波及を激化するおそれがあること。第二には、現在、石油税の相当部分が代替エネルギー開発財源に与えられており、電源開発税でさらに上乗せされますと、石油火力発電に関する限り二重課題となること。第三に、これまでの揮発油税などの道路財源となっている石油関連諸税を見直し、省エネルギーの観点から再配分すべきであるにもかかわらず、政府はそのことに何ら対処しようとしていないことであります。
 以上の観点に立つならば、今回の電源開発促進税については改めて検討し直すべきであると思いますが、大蔵大臣の見解を伺うものであります。
 さらに、揮発油税等の使途についても再検討すべき時期に来ておると思うのでありますが、総理の見解を求めまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#63
○国務大臣(大平正芳君) 浜本さんの最初の御質問は、対イラン制裁に関する米国のわが国への具体的要請の内容はどういうものであるかということでございます。米国がわが国に要請しておりまする内容は、つまるところ、米国がイランに対しましてとりました一連の措置を踏まえて友好諸国ができるだけのことをやってくれることを期待するというものでございまして、今後の情勢の進展いかんによりまするけれども、われわれといたしましては、との要請を踏まえまして、できる範囲におきましてアメリカの要請にこたえてまいりたいと考えております。それから第二に、大来外相のEC派遣の目的は何かということでございました。わが国は、イランの人質問題が平和裏に解決することが重要だと思っておりまして、国際社会の一員として、EC諸国とも協力しながら、人質の早期解放のため努力をしてまいりましたし、今後も努力していかなければならぬと考えております。今回の大来外相の訪欧は、かかる観点から、EC諸国が外相理事会を開くということでございますので、その機会をとらえまして、わが国の立場、わが国の考えを伝えて、EC諸国と情報並びに意見の交換を行うことを目的としたものでございます。第三の御質問は、ECとの協議の具体的内容はどういうものであったか、その結果、米国に協力して制裁措置をとるとすればどういう措置が考えられるかという意味の御質問でございました。大来君のEC外相との一連の会談におきまして、イランの人質問題は平和的に解決さるべきものであり、これまで忍耐を重ねてきている米国に自制を求めるためにも、日欧が協力いたしましてイランに対する説得努力を続けてまいることが重要であるというのが各国の一致した認識であったようでございます。今後、わが国といたしまして具体的にいかなる対応をとってまいるかにつきましては、今回のEC諸国との一連の会談及びEC外相会議の決定を踏まえながら今後慎重に検討していきたいと考えおります。
 第四の御質問は、イラン原油の供給停止がわが国の経済や物価に及ぼす影響いかんという御質問でございました。
 不幸にいたしまして、イラン側の原油の値上げ要求に対しましてわが方で自制を求めておりますことは御案内のとおりでございまして、そのためにイラン側が新しい要請した値段による信用状の開設に応じない限り対日供給を停止するというような発表がありましたことは、われわれとしても大変遺憾に存じております。
 わが国といたしましては、しかしながら、このような世界的に原油の需給が緩んでおるときでございます。わが国の経済にとりましても、世界経済にとりましても、大変重要な時期でございますので、イラン側に再考を強く求めてまいりたいと考えております。したがって、そのことのためにイラン原油のわが国への供給が停止するというようなことがございましても、大変残念なことでございますけれども、ある程度やむを得ないと考えております。
 わが国は、幸いにいたしまして、民間、政府合わせまして九十五日分の備蓄を用意いたしておりますので、当面、原油の需給に支障は起こらぬと考えておりまするし、需給関係が世界的に緩和いたしておる状況でございますので、供給源の多角化ということも全然期待が持てない状況ではないと考えておりますので、わが国の経済、物価等につきましてこのために深刻な影響が直ちに参るものとは考えておりません。
 第五番目の御質問は、エネルギー計画委員会をつくりましてエネルギー政策全体を体系的に推進すべきでないかという御意見でございました。
 御意見として私どもも十分拝聴いたしたわけでございますが、政府といたしましては、浜本さんも御承知のように、エネルギー対策推進閣僚会議におきまして、総合エネルギー調査会の審議、答申等を参考といたしまして、これまでエネルギー政策の健全性と整合性を確保してまいったわけでございまして、今後もこの閣僚会議の機能を強化充実してまいりたいと考えております。一方、この法律によりまして設けられることになっておりまする新エネルギー総合開発機構というものの機能を充実さしてまいりまして代替エネルギーの開発に当たるということを期待いたしておるわけでございまして、直ちにエネルギー計画委員会を設置する考えはございませんけれども、エネルギー政策全体の総合性と体系性を維持していけというお考えにつきましては、十分拝聴し、尊重してまいる考えでございます。
 最後の御質問は、揮発油税の使途についてはエネルギー対策を含めて再検討すべき時期が来たと思うがどうかという御質問でございました。
 道路整備の財源を道路利用者の負担に求めるということにはそれなりの合理性がございまして、揮発油税を他の使途に充てることにつきましては、道路整備の必要性、負担と受益との関係等、種々の角度からなお検討する必要があると私は考えております。(拍手)
   〔国務大臣佐々木義武君登壇、拍手〕
#64
○国務大臣(佐々木義武君) 私に対する質問は、石油、電力等の消費態様を的確に把握しておるかという御質問でございまして、御指摘のように、エネルギー消費の実態を詳細に把握した上で需要面あるいは供給面等の強力な対策を展開していくことは大変必要だと考えております。従来から主要産業のエネルギー消費の実情把握に努めてきたところでございますけれども、昭和五十五年度からは、商鉱工業のエネルギー消費の実態をきめ細かく把握するために、一つは商鉱工業エネルギー消費構造統計調査及び商鉱工業エネルギー消費動態統計調査等の体制を抜本的に整備することにして、ただいま進めてございます。
 第二点は、新機構の業務の範囲、役割り等、あるいは既存の機関との調整をどうするかという御質問でございましたが、新エネルギー総合開発機構は石油代替エネルギー開発の中核的な推進機関として設立されるものでございまして、その業務の内容といたしましては技術開発の問題、資源開発の問題が中心でございまして、石炭液化、地熱発電、太陽光発電等の技術開発と、海外炭あるいは地熱資源等の資源開発の業務を行うのが主たる任務でございます。これらの業務を遂行するに当たりましては、民間の機関あるいは大学や国立試験研究所などの政府機関等の研究成果、能力も広く結集していくことが必要でございますので、今後これらの機関と十分な連携を保って進めてまいりたいと考えております。
 次は、海外炭はどうするのか、国内炭への影響を十分考えて配慮すべきじゃないかという御質問でございましたが、私どもにいたしましても、海外炭の必要性はよくわかりますが、さらばといって国内炭との調整が大変重要でございますので、国内炭を優先利用するという従来の原則を崩さないで今後ともこの方針で臨む所存でございます。
 次は、ローカルエネルギーの開発に対する政府の見解いかんということでございますが、主たる石油にかわるものといたしましては原子力とか石炭とかLNGとかいうものを考えてはございますけれども、しかし同時に、量的にはまだ十分とは言えませんけれども、こういう未利用のローカル資源の開発というものは大変必要だと思いまして、太陽熱とかあるいは地熱、風力等の地域エネルギーの開発に関しましても積極的に力を注いでまいりたいと存じます。これを進めるに当たりましては、特に地方自治体が指導的な役割りを務めまして、国といたしましてはこれを積極的に支援していくという態勢の方が望ましいと思いますので、そういう形態で進めてまいりたいと思います。
 ちなみに、昭和五十五年度の予算におきましては、ソーラーシステムの設置、あるいは中小水力発電開発、地熱開発等に対しまして所要の助成措置を講ずるとともに、研究開発段階にあります太陽熱あるいは太陽光線、風力、海洋温度差発電等について、サンシャイン計画等を中心にいたしまして技術開発に取り組んでいるところでございます。
 最後に、水力発電の問題でございますけれども、御承知のように中小の水力はまだ開発の余地が多分にあると思っております。したがいまして、昭和五十五年度におきましては、新たに中小水力開発に対する補助金制度の創設をいたすほか、従来の水力調査に加えまして具体的な開発計画を策定するための調査、あるいは開発銀行融資の拡充、電源立地促進対策交付金の改善等をいたしまして、中小水力開発の推進をただいま講じておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣正示啓次郎君登壇、拍手〕
#65
○国務大臣(正示啓次郎君) 浜本議員にお答えを申し上げます。
 イラン原油につきましては総理から御答弁がございましたが、物価問題への影響については、一層われわれとしては注意を払い努力してまいることを申し添えておきます。
 また、電源開発促進税につきましての御質問でございますが、五十五年度の予算におきましては電源の多様化対策を促進することといたしまして、これらの施策につき今後中長期的に膨大な財源が必要となってくると見込まれます。厳しい財政事情のもとでは、これを一般財源で措置することはとうてい困難でありますし、また、電気の安定供給を確保することを通じて一般電気事業者ひいては電気の消費者に受益関係がありますことから、これらの対策に要する財源は電源開発促進税の引き上げにより措置することが必要であると考えた次第でございます。御理解を願いたいと存じます。
 この場合、電源開発促進税の税率引き上げの電灯料金に及ぼす影響は、電灯料金の一・一%程度、月四十円と見込まれております。物価、家計に対する影響も若干ございますが、代替エネルギー対策の重要性を考慮いたしますればやむを得ないものと考えた次第でございます。
 石油火力発電については石油税と電源開発促進税が課されることになりますので二重課税ではないかとの御意見でございますが、一般電気事業者は、石油税収を財源とする石炭液化、海外炭の開発等の石油代替エネルギーの対策により石油の安定供給を受ける等の面で受益があると認められるので、石油の消費に見合った石油税を負担していただくものであり、また、電源開発促進税を財源とする水力、地熱、原子力発電の開発等の電源多様化対策により電気の安定供給を受けるという面で受益関係が認められますので、電気の販売量に応じて電源開発促進税を負担していただくものでありまして、それぞれ異なった受益関係に応じて相応の負担を求めようとしておるものでございまして、二重課税という問題は生じないものと考えておる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#66
○副議長(秋山長造君) 峯山昭範君。
   〔峯山昭範君登壇、拍手〕
#67
○峯山昭範君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律案並びに電源開発促進税法の改正案につきまして、総理並びに関係大臣に若干の質問を行いたいと思います。
 本議題に入る前に、当面するイラン問題についてお伺いいたします。
 まず、米政府は、対イラン制裁問題において、わが国を含む同盟国に対し、強硬な経済的、政治的圧力要請を行ってきております。米国から正式にわが国に対し具体的にどのような圧力要請が行われ、これに対し、ECとの共同歩調問題を含めて政府はいかなる対応策をもって対処されようとするのか、総理の見解を伺いたいと思います。先ほども答弁がありましたが、さらに具体的な内容をお示しいただきたい。
 報道によれば、イランがソ連との間に経済協力協定を結んだと伝えられるが、これが事実ならアメリカの対イラン制裁の効力が薄れると思うが、総理の認識を伺いたい。
 また、イランの対日石油輸出停止に対して、短期的、長期的対応策と見通しについて、総理はどのように考えておられるのか。
 さらに、マンスフィールド大使には言われたが、訪米の際、カーター大統領に対し、絶対に軍事行動に訴えるべきではないと強く要求して、断じて軍事行動を行わせないことが肝要と思うが、決意のほどをお伺いしたい。
 さて、御承知のごとく、第一次オイルショックを契機として石油価格は高騰を続け、五十四年に起きたイランの政変によりまして第二次オイルショックへと進んでまいりました。エネルギー研究機関等の調査では、原油価格高騰のインパクトはむしろこれから世界経済、日本経済に本格的に浸透してくるということであります。
 原油価格は、一九七八年がバレル当たり十二・九二ドル、これが今年一月には三十ドル、さきのイランの通告では三十五ドルへ、さらに次期OPEC総会後には相当の値上げが行われるのではないかと懸念されております。現在、わが国の原油輸入商社は、イラン当局と交渉を始め、何とか値上げを阻止すべく対策を進めているようであります。しかし、イランの姿勢は相当強硬であります。
 この八〇年代を展望するとき、原油は、標準価格で八五年にはバレル当たり四十五ドル、九〇年には八十ドルと、まことに危惧すべき予測をされております。このような事態が招来した場合、日本経済と国民生活に及ぼす影響は甚大なものとなり、これらの事態に対し早急に対策を講じなければ大変であります。私は、八〇年代から二十一世紀にかけて、国民生活を守り、経済の安定を図る上からも、石油依存度を低下させ、省エネ対策を強化し、さらに代替エネルギーの開発と実用化に向けて強力にこれを促進すべきときであると強く認識しているものであります。
 そこで、まず第一に通産大臣に伺いたいのでありますが、エネルギー需給見通しを見ますと、昭和五十三年度実績で石油依存度七〇%のものを昭和六十年には一〇%下げ六三%程度、さらに七十年には四五%に低下させるとなっておりますが、この可能性と根拠についてどのような見解をお持ちであるのか伺いたい。
 第二に、この代替法案の第三条によりますと、「石油代替エネルギーの供給目標を定め公表する」となっているわけでありますが、実際に長期エネルギー需給暫定見通しの各種エネルギーの見通し自体につきまして、専門家、研究機関、学者の方々の間で否定的意見が次々と述べられております。この「供給目標」は、単なる努力目標であってはならず、達成可能な政策目標でなければならないと考えますが、この点に関し通産大臣の所見を伺いたいのであります。第三に、原子力の問題であります。
 本法律案によりますと、通産大臣は、供給目標のうち原子力に係る部分については、内閣総理大臣の推進する原子力の開発及び利用に関する基本的な政策について十分な配慮を払わねばならないことになっております。
 現在、米国においては、御承知のとおり、スリーマイル原発事故の影響により、カーター大統領も大幅に開発見直しを迫られており、住民運動の反対とも相まって開発停滞の状況にあります。
 一方、わが国におきましても、各原子力発電所の初歩的とも思えるミスから原発事故の多発を招いているのであります。暫定見通しによれば、エネルギー比率が現在四%の原子力を昭和六十年六・七%、昭和六十五年一〇・九%、七十年一四・三%と拡大する方向であります。安全性に関して十分な技術開発が行われない限り実現不可能と考えられますが、との点について政府の所見を伺いたい。通産大臣、いかがですか。
 また、立地に当たって安全の確保と国民の理解を求めるためどのような努力をされるのか、あわせて伺いたいのであります。
 第四に、報道によれば、政府は去る三月十四日に非産油途上国の原子力発電所建設などで技術協力を進めることなどを現在検討中であるようですが、総理の所見を伺いたい。
 もしこれらの技術協力が事実とすれば、途上国の核兵器開発のための技術転用が行われる心配も十分考慮しなければならないと考えますが、総理の見解はいかがですか、伺いたい。
 第五に、石炭の問題であります。
 長期エネルギー需給暫定見通しによれば、海外石炭について昭和五十二年に五千八百二十九万トン、昭和六十年にはこれを一億百万トン、さらには七十年にエネルギー構成比一六・五%、一億七千八百万トンとなっておりますが、国内炭についても、より強力な政策を実施することにより何とか二千万トンを超える目標を掲げ、全体のエネルギー供給に対する国内炭の占める割合をこの見通しより引き上げるべきであると考えますが、どうですか。
 また、輸入原油と輸入炭とのコストの見通しをどのように考えておられるのか、通産大臣に伺いたい。
 同じく石炭について、オーストラリア以外では中国がやはり最大の供給源になるであろうと考えられます。そこで、今月二十七日から一週間にわたり訪中を予定されている通産大臣に伺いたいのでありますが、中国側から提案されております中国石炭開発プロジェクトに対する交渉を進められるようでありますが、具体的内容はどのようなものか、お伺いしたい。
 第六には、新エネルギーの中の太陽熱の問題であります。
 太陽熱につきましては、すでにソーラーハウスなど一部実用化の部分もあり、実験的に行われている部分もありますが、太陽電池として技術開発が行われ、実用化され、コスト面で採算がとれるようになれば、これほどのクリーンエネルギーはなく、新しいエネルギー革命の時代到来ということになると期待されているのであります。
 先ごろ発表されました東北大学電気通信研究所の太陽電池用半導体に関する研究成果は、まことに画期的なものであり、太陽エネルギー時代を開くものと私は注目いたしております。この新技術による太陽電池は製造コストが従来の千分の一以下ということ、今後発電効率などの点を解決した場合、火力、原子力、水力のどの発電よりもコストが低くなるということであります。この成果について、通産大臣はどのように評価され、実用化へ向けどのような促進策を講ぜられようとしているのか、熱意のほどを伺いたい。
 次に、新エネルギー総合開発機構について伺いたいと思います。
 全役職員は三百三十七名の構成でありますが、石炭鉱業合理化事業本部が総員百九十一名、それに対して技術開発本部はわずかに四十八名です。一体、この程度で新エネルギーの太陽熱、地熱、石炭液化その他の新エネルギーを開発するに十分であるのか、もっと万全の体制を組むべきではないかと考えますが、通産大臣の見解を伺いたいと思います。
 次に、電源開発促進税についてであります。
 第一に、物価抑制は今年度最大の政治的課題ですが、こうした中で、公共料金については軒並み値上げを行い、特に電気料金は国民の期待を裏切り、平均五〇・八五%もの大幅値上げとなりました。この値上げ実施について、物価抑制の見地から総理はどのような所見をお持ちか、伺いたい。
 第二に、私は、特別会計という形の国民の理解を得にくいものではなく、より明確に重要課題であることを示すべく一般会計でエネルギーの開発を行うべきであり、本法案のように電気料金の負担増につながる電源開発促進税の引き上げの道は断じてとるべきではないと考えますが、通産大臣の所見を伺いたい。
 第三に、原油価格の大幅引き上げでかなりの増収が見込まれる石油税で相当の財源が賄えると考えられますが、財源問題に関する大蔵大臣の所見をお伺いし、私の質問を終わりますが、総理並びに各大臣の具体的かつ明確なる答弁を要求いたします。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#68
○国務大臣(大平正芳君) 峯山さんの最初の御質問は、アメリカのわが国に対する要請の具体的な内容は何かというお尋ねでございました、イラン問題に関してでございますけれども。
 この点につきましては、先ほど浜本さんにもお答え申し上げたとおりでございまして、アメリカとしては、これまでイランに対してアメリカ自身がとった一連の措置を踏まえて友好国ができるだけのことをやってくれという一般的な期待がございまして、具体的なものではございません。これをどのように具体化してまいるかはわれわれが自主的に考えてまいることでございまして、先ほども浜本さんにお答え申し上げましたとおり、対応、協議等も踏まえまして今後政府で慎重に検討していきたいと考えております。
 それから第二でございますが、イランはソ連との間に経済協力協定を結んだと伝えられるが、それが事実ならばこれはアメリカの対イラン制裁に大きな影響があると思うがどうだというお尋ねでございました。
 四月二十一日のイラン経済財政省の発表によりますと、テヘランで開かれましたソ連、イラン両国間の協力のための常設委員会で経済産業協力のための議定書草案が確定された、そしてそれはイラン革命評議会の承認を得て近く調印の運びになるという情報は、われわれもキャッチいたしております。しかしながら、まだ確認されておりませんので、目下現地大使館を通じまして事実関係の調査に努めておるところでございますので、現段階でこれにコメントを加えるということは差し控えさしていただきたいと思います。
 第三の問題は、私が訪米に当たりましてアメリカ側に強く軍事行動の自制を求むべきではないかという御意見でございます。
 私もそう考えております。アメリカに自制を求める以上は、われわれといたしましても、できるだけ平和的解決に友邦国と協力しながら貢献してまいることが一つの前提であろうと考えて、その方向で努力をいたしておるところでございます。
 それから私に対する御質問といたしましては、非産油途上国への原子力発電関係の技術協力についてのお尋ねでございました。
 わが国では、原子力基本法、核拡散防止条約、それからロンドン協議ガイドライン等の核不拡散のための国際秩序に従いまして原子力の利用を厳に平和目的に限定しておりますことは、峯山さんも御承知のとおりでございます。いま具体的な御相談はございませんけれども、仮に、非産油途上国、原子力発電関係の技術協力の申し出がそういう国々からあった場合におきましても、この考えは厳に貫かなければならぬと考えております。
 技術協力に伴って行われる原子力関連の資材、機材の輸出につきましては、外為法体系におきまして核不拡散のための国際秩序が遵守される等、それらが平和目的のためにのみ利用されることが確認される場合に限って承認を与えられることになっておりますので、御指摘の懸念はないものと考えております。
 その他の点につきましては所管大臣からお答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣佐々木義武君登壇、拍手〕
#69
○国務大臣(佐々木義武君) 私に対しましては、現在の長期エネルギー需給暫定見通しは石油依存度を低下する見通しに立ってつくっておるけれども、その実現の可能性はどうかという御質問のように伺いました。
 お話しのように、将来の六十五年度を目指しまして現在の石油の依存度が七五%なのを五〇%まで引き上げようというのが目標の一番の重点でございまして、その二五%分を石油にかわる代替エネルギーで埋め合わそうというのがこの計画の主たる内容でございます。
 その見通しはどうかという問題でございますけれども、これはあくまでも民間側に最大限の努力と理解のもとに協力していただき、政府は政府で重点的、計画的に強力にこの問題を進めるという前提に立った一つの努力目標でございまして、そういうものでございますから、一部にはあるいは目標に達せぬものがございましても、総合的にはその目的に達するよう、あるものが引っ込めばほかのものを伸ばしていくという努力をいたしまして、総体的には所定の目標を達成するように今後とも努力いたしたいというふうに考えてございます。
 第二点は、今度つくるこの法案に基づいての新しくできます供給目標は閣議決定を経るということになっておるが、これは従来のような努力目標でなくて一種の政策目標とすべきではないかというお話でございまして、閣議を経ましてこれを公表するわけでございますから、その間におきましては当然目的を達成するための諸手段等の吟味を十分いたした上で閣議決定するものと考えておりますので、従来のような単なる努力目標からはもう少し強い意味の政策遂行上の目標に位置づけ得るのではなかろうかという考えでございまして、そういうふうに努力してみたいと存じます。
 それから三番目は、原子力発電に関して安全性等を十分に考えてやっておるかというお話でございまして、これは原子力の立地問題が一番この問題を進める上で難点でございますけれども、では、その立地問題の前提条件として何が問題かと申しますと、何といっても安全対策の問題に対して十分な用意なり説得力なりを持っているかというところが一番焦点かと思っております。
 私どもといたしましては、まず一つは、原子炉自体が原子工学的に安全なものであればこれは問題ないはずでございますから、まず原子炉自体を安全なものにしようという努力をいままでずいぶん重ねてまいりました。いままでの原子力研究所の研究とか、あるいはしばしば原子炉が故障を起こしたりしてとめておりますので、そういう点の原因等の資料がたくさん集積されてございますので、そういう点も顧慮いたしまして、たとえば日本型の標準型、その改良標準型と申しますか、そういうような、これであれば絶対にもう自信が持てるというふうな、みずからの力でそれを確立するという努力が一番必要だと存じまして、ただいま努力している最中でございます。私どもといたしましては、ほぼ、もう列国にはひけをとらない自信でもってこれを進め得るというふうな考えでございます。
 もう一つは、それをオーソライズする検査体制が十分かということでございまして、従来の検査体制では信用がおけないではないかという御批判もあろうかと存じますので、御承知のように一昨年から原子力安全委員会をつくりまして、日本でも最大の権威者に委員になっていただき、ダブルチェックで、通産省の安全審査とそれを受けましてさらに丹念に二重にこれを審査するという行き方をとっておりますので、従来とは違った安全性を持ってきておる、権威を持ち得るというふうに考えるのでございます。
 それからスリーマイルアイランドの事故の経験から徴しまして、運転中の原子力に対する監視体制がどうかという点が大変問題でございまして、従来はどちらかといいますとこの方は少し弱かったのじゃないかと思いますので、こういう点に特に力を入れまして、専門官を配置したり、あるいは運転員の資格をどうしようかとか、品質保証の問題をどうしようとかいうふうな運転中の監視体制の強化にただいま努力してございます。そういう点を通じまして国民にいろいろな理解を求めてまいりますれば、必ず理解を深め、協力してくださるものと考えてございます。
 それから国内炭の生産を二千万トン以上に増加できないか、海外炭を多量に輸入するのであればむしろ国内炭の増産に踏み切ったらいいのじゃないかという御質問でございました。
 できますればそれが一番望ましいことでございますけれども、石炭鉱業審議会等で長年審議をちょうだいしました結論といたしましては、日本の国内炭の生産コスト、あるいは現有炭鉱の生産能力、あるいは新規炭鉱開発の可能性等を十分配慮した上で二千万トン程度が一番資源を保持していく上にはよろしいのじゃないか、長期的な安定生産の維持というのが一つの政策の目標にもなってございますので、ただいまの段階では二千万トンを限度として、そのかわり二千万トンはぜひ到達したい、低めないで維持していきたいということで努力してみたいと存じます。
 それから輸入原油と輸入炭の価格の将来見通しはどうかという問題でありまして、現在輸入しているCIFの価格は、原油につきましては一バレル三十ドル程度を若干超えるレベルでございますし、石炭につきましてはトン四十四ドル程度のレベルになっております。
 輸入石油の価格の見通しでございますけれども、今年度につきましては、IEAの見通し等によりましても、世界の油の需給関係はむしろ緩和するという見通しでもございますし、去年の暮れあるいはことしの一月等に見られましたようなああいうギャロップ的な価格の上昇というものはなかろうと考えておりますけれども、イラン問題の発生後今後の情勢を見守ってこの判断にさらに検討を加えていきたいと思います。長中期、長い目で見ますとこれはそうはまいりませんので、IEA自体の見通しによりましても、五年後、十年後にはますます石油の需給というものはタイトになるというのがもう定着した世界の現状でございますので、それに対しましては十分配慮を払う必要がございますとともに、価格そのものはそういう需給関係でございますから強含みに今後推移するのじゃなかろうかと思います。
 輸入炭の方はこれとは逆でございまして、短期的には、供給能力が実際に具現化して輸入炭が必要な石炭を手に入れ得るという段階に達するまではどうしても価格の上昇というものはある程度やむを得ぬのじゃなかろうか。しかし、中長期に見ますと、埋蔵量から見ましても、あるいは産出国の供給の不安定要素が少ないというふうな点等を考えてみますと、むしろ石油に比較いたしまして価格的にも安定的に推移するのじゃなかろうかというふうに考えてございます。
 それから中国石炭の開発プロジェクトに対してどういう交渉をするのかというお話でございました。
 最近中国から副総理が参りまして、一応お話しいたしました輸銀の石油、石炭開発ローンを使用いたしまして、七カ所の石炭鉱山の開発協力を要請してございます。また、それとは違いまして、別に合弁あるいは補償貿易方式で四カ所の石炭鉱山の開発協力につきましてただいま新しい要請がきております。これにつきまして、そのプロジェクト自体のフィージビリティーがどうか、あるいは国内の体制をどうするかといったような問題等いろいろございますけれども、そういう点も踏まえまして、中国の石炭は何といたしましても長期かつ安定的に確保する基本的な石炭でもございますし、私が中国にもし参りますれば、予定はしておりますけれども、この基本認識をもちまして具体的な話し合いを進めてまいりたいと思っております。
 それから太陽電池、すなわち太陽光線の電池化の問題に対して東北大学では非常に優秀な研究をしているように聞いているが、それはどうかと。
 私どもはアモルファス・シリコン系統のものを進めたいと思っておりましたけれども、お話しのように、東北大学の研究については、実験室的に技術的な可能性についての基礎的な研究の段階ではありますけれども、太陽電池の製造の工程の一部に新しいアイデアを取り入れたものとして非常に高く評価してございます。しかし、これを実用化するのには、セル面積の拡大とか、あるいは効率の向上等を初め、工業的な課題の解決がまだまだ必要な問題がたくさんございますので、さらに評価検討をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 それから新機構の新エネルギー開発本部の技術者と申しますか、四十八名ぐらいの予定しかないようだけれども、これで大丈夫だろうかというお話でございまして、行政改革のさなかにつくりました機構でもございますので、努めて簡素、効率的なものということでこういうふうになっておりますけれども、将来機構の業務が拡大するにつれまして人員の充実というものも必要かと存じます。しかし、そういう際でも、あくまでも組織の硬直化等を防ぎまして、いたずらに肥大化するのを防ぎたいというふうに考えてございます。
 それから最後に、こういう財源を特別会計でなくて一般会計で処理したらいいじゃないか、それに対して通産省としてはどう考えるのだというお話でございましたけれども、私どもといたしましては、やはり長きにわたって、しかも確実に予定されたものとしての財源がこの種の研究開発あるいは実用化への橋渡しと申しますか、そういうものを確保するためには一番必要な一つの着眼点だと思っております。したがいまして、この政策を強力かつ総合的に進める上での財源といたしましては、一般財源によるよりは、むしろ安定的な基盤といたしましてこういう目的税的な行き方で、しかも、そのもとはエネルギー消費者に負担を応分にしていただくという方が一番適切だと思いまして特別会計に踏み切ったものでございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣正示啓次郎君登壇、拍手〕
#70
○国務大臣(正示啓次郎君) まず、総理にお尋ねになりました物価の関係が大変大事なときに電源開発促進税を増税するということはどうか、こういう御指摘でございますが、この問題は私どもも十分慎重に審議をいたしたところでございまして、物価は非常に重要でございますが、しかし、脱石油の代替エネルギーの開発の重要性にかんがみまして最小限度必要なる財政措置を講じたと、こういうふうに御理解を賜りたいと考えております。
 また、五十五年度予算におきまして石油代替エネルギー対策を推進するに当たりましては、電源多様化対策は、電気の安定供給を確保することを通じまして一般電気事業者ひいては電気の消費者に受益関係が認められるので電源開発促進税に財源を求め、その他の一般的な石油代替エネルギー対策は、石油の需給価格の安定を通じて石油の消費者に受益関係が認められますので石油税収入を充てることとした次第でございます。電源多様化対策の財源を直接的な受益関係のない石油の消費者に求めることは適当でないと判断をいたした次第でございます。(拍手)
#71
○副議長(秋山長造君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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