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1979/04/25 第91回国会 参議院 参議院会議録情報 第091回国会 本会議 第11号
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1979/04/25 第91回国会 参議院

参議院会議録情報 第091回国会 本会議 第11号

#1
第091回国会 本会議 第11号
昭和五十五年四月二十五日(金曜日)
   午前十時四分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十二号
  昭和五十五年四月二十五日
   午前十時開議
 第一 北西太平洋における千九百八十年の日本
  国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関す
  る議定書の締結について承認を求めるの件
  (衆議院送付)
 第二 日本国政府とアルゼンティン共和国政府
  との間の文化協定の締結について承認を求め
  るの件(衆議院送付)
 第三 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避のための日本国とハンガリー人民共和国と
  の間の条約の締結について承認を求めるの件
  (衆議院送付)
 第四 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避のための日本国とポーランド人民共和国と
  の間の条約の締結について承認を求めるの件
  (衆議院送付)
 第五 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認
  に関するブダペスト条約の締結について承認
  を求めるの件(衆議院送付)
 第六 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国
  際取引に関する条約の締結について承認を求
  めるの件(衆議院送付)
 第七 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国
  際取引に関する条約第十一条3(a)の改正
  の受諾について承認を求めるの件(衆議院送
 付)
 第八 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避のための日本国とイタリア共和国との間の
  条約を改正する議定書の締結について承認を
  求めるの件(衆議院送付)
 第九 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避及び脱税の防止のための日本国とグレー
  ト・ブリテン及び北部アイルランド連合王国
  との間の条約を改正する議定書の締結につい
  て承認を求めるの件(衆議院送付)
 第一〇 所得に対する租税に関する二重課税の
  回避及び脱税の防止のための日本国とフィリ
  ピン共和国との間の条約の締結について承認
  を求めるの件(衆議院送付)
 第一一 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の
  規制に関する法律及び放射性同位元素等によ
  る放射線障害の防止に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一二 放射性同位元素等による放射線障害の
  防止に関する法律の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第一三 昭和五十五年度の公債の発行の特例に
  関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一四 国際通貨基金及び国際復興開発銀行へ
  の加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発
  協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一五 恩給法等の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第一六 刑事補償法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第一七 海洋汚染及び海上災害の防止に関する
  法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 第一八 船舶のトン数の測度に関する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第一九 労働安全衛生法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 第二〇 中小企業退職金共済法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二一 公立義務教育諸学校の学級編制及び教
  職員定数の標準に関する法律等の一部を改正
  する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二二 昭和四十四年度以後における農林漁業
  団体職員共済組合からの年金の額の改定に関
  する法律等の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第二三 放送法第三十七条第二項の規定に基づ
  き、承認を求めるの件(衆議院送付)
 第二四 昭和五十一年度一般会計歳入歳出決
  算、昭和五十一年度特別会計歳入歳出決算、
  昭和五十一年度国税収納金整理資金受払計算
  書、昭和五十一年度政府関係機関決算書
 第二五 昭和五十一年度国有財産増減及び現在
  額総計算書
 第二六 昭和五十一年度国有財産無償貸付状況
  総計算書
 第二七 地震防災対策強化地域内の長大橋整備
  に関する請願(二件)
 第二八 地震防災対策事業に係る財政措置に関
  する請願(二件)
 第二九 私学に対する大幅国庫助成等に関する
  請願(七十六件)
 第三〇 高校増設に対する国庫補助等に関する
  請願
 第三一 専修学校の振興に関する請願
 第三二 義務教育教科書の無償化存続に関する
  請願(二件)
 第三三 司書教諭の即時発令及び学校司書制度
  の法制化に関する請願(十二件)
 第三四 高等学校の新増設に対する国庫補助制
  度に関する請願
 第三五 大幅私学助成に関する請願(五件)
 第三六 教科書の有償化反対に関する請願(二
  件)
 第三七 ニホンカモシカによる造林地被害の防
  止対策に関する請願
 第三八 公立大学助成拡充に関する請願
 第三九 長野地方貯金局の存置に関する請願
 第四〇 身体障害者に対する郵政行政改善に関
  する請願(十一件)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、日程第一より第四〇まで
 一、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案
  (趣旨説明)
     ―――――・―――――
#3
○議長(安井謙君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 加瀬完君から病気のため二十四日間請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(安井謙君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、日本放送協会経営委員会委員に阿部英一君、佐方信博君、田中眞一郎君、田村祐造君、西村俊一君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 まず、阿部英一君、田村祐造君、西村俊一君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、全会一致をもってこれに同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#7
○議長(安井謙君) 次に、佐方信博君、田中眞一郎君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#8
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、これに同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#9
○議長(安井謙君) 日程第一 北西太平洋における千九百八十年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第二 日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件
 日程第三 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とハンガリー人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第四 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とポーランド人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第五 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の締結について承認を求めるの件
 日程第六 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の締結について承認を求めるの件
 日程第七 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第十一条3(a)の改正の受諾について承認を求めるの件
 日程第八 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とイタリア共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第九 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第一〇 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 (いずれも衆議院送付)
 以上十件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長石破二朗君。
   〔石破二朗君登壇、拍手〕
#10
○石破二朗君 ただいま議題となりました条約十件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 まず、さけ・ますの漁獲に関する議定書は、わが国とソ連との間に一昨年締結された漁業協力協定に基づき、北西太平洋の距岸二百海里水域の外側の水域における本年のわが国のサケ・マスの漁獲について取り決めたものでありまして、ソ連の距岸二百海里外の水域における本年のわが国のサケ・マス漁獲量は、昨年と同様四万二千五百トンとされております。
 次に、アルゼンティンとの文化協定は、戦後わが国が諸外国との間に締結した文化協定とほぼ同様の内容でありまして、わが国とアルゼンティンとの間の文化及び教育の交流を奨励することを定めております。
 次に、ハンガリーとの租税条約及びポーランドとの租税条約は、わが国とハンガリー及びわが国とポーランドとの間でそれぞれ二重課税の回避について取り決めたものでありまして、相手国で事業を営む場合の企業利得に対する相手国の課税基準、配当、利子及び使用料に対する源泉地国の租税の減免等を定めるとともに、それぞれの国内法に従って二重課税を排除する方法を規定しております。
 次に、微生物の寄託に関するブダペスト条約は、微生物に係る特許を複数国で取得しようとする場合に、それぞれの国の寄託機関に微生物を寄託しなければならないという不便を除くために作成されたものでありまして、いずれかの国の国際的に指定された寄託機関への微生物の寄託が他の国でも特許手続上承認されるという内容であります。
 次に、野生動植物取引規制条約は、野生動植物の一定の種の国際取引を規制しようというものでありまして、特に絶滅のおそれのある種につきましては商業的目的での輸入等を原則として禁止しております。わが国は、この条約の実施に当たり、タイマイ、イリエワニ等九つの種について留保を付する予定であります。
 また、同条約の改正は、条約の締約国会議に財政規則を採択する権限を与えようというものであります。
 次に、イタリアとの租税条約の改正議定書は、イタリアの税制改正に合わせてイタリア側の対象税目を変更する等、現行条約に所要の改正を加えるものであります。
 次に、英国との租税条約の改正議定書は、英国の税制改正に伴い、わが国の一般投資家が英国の法人から受領する配当に関して、英国の投資家と同様のタックス・クレジットが認められるようにする等、現行条約を改めるものであります。
 最後に、フィリピンとの租税条約は、わが国とフィリピンとの間で二重課税の回避について取り決めたものでありまして、相手国で事業を営む場合の企業利得に対する相手国の課税基準、配当、利子及び使用料に対する源泉地国の租税の軽減等を定めるとともに、それぞれの国内法に従って二重課税を排除する方法を規定しております。
 委員会における質疑の詳細は、会議録によって御承知を願います。
 昨二十四日質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、さけ・ますの漁獲に関する議定書、アルゼンティンとの文化協定、ハンガリーとの租税条約、ポーランドとの租税条約、微生物の寄託に関するブダペスト条約、野生動植物取引規制条約及び同条約の改正の七件はいずれも全会一致をもって、また、イタリアとの租税条約の改正議定書、英国との租税条約の改正議定書及びフィリピンとの租税条約の三件はいずれも多数をもって、それぞれ承認すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#11
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 まず、北西太平洋における千九百八十年の日本国のさけ・ますの漁獲の手続及び条件に関する議定書の締結について承認を求めるの件、日本国政府とアルゼンティン共和国政府との間の文化協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とハンガリー人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とポーランド人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の締結について承認を求めるの件、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の締結について承認を求めるの件、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約第十一条3(a)の改正の受諾について承認を求めるの件を一括して採決いたします。
 七件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#12
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、七件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#13
○議長(安井謙君) 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とイタリア共和国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件並びに所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とフィリピン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件を一括して採決いたします。
 三件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#14
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、三件は承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#15
○議長(安井謙君) 日程第一一 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第一二 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。科学技術振興対策特別委員長塩出啓典君。
   〔塩出啓典君登壇、拍手〕
#16
○塩出啓典君 ただいま議題となりました二法案につきまして、科学技術振興対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 まず、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案は、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の実施に伴い、放射性廃棄物の海洋投棄の制限について所要の規定の整備を行うこととし、従来の法規制に加えて、原子力事業者が政府の確認を受けて海洋投棄をする場合等の一定の場合以外は、何びとによる放射性物質の海洋投棄もすべて禁止することにより、条約上の要請にこたえようとするものであります。
 委員会におきましては、放射性廃棄物の海洋処分に当たっての安全性の確保、国際間の協調、水産業界との話し合い等の諸問題について熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案は、近年における放射線利用の急速な拡大、利用形態の多様化等の状況に対応し、放射性同位元素等の利用に関する規制の合理化と充実強化を図るため、使用施設等に対する検査の充実、放射線取扱主任者制度の改善、検査等の実施体制の合理化等の措置を講じようとするものであります。
 委員会における質疑については、会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、以上の二法案に対し当委員会ではそれぞれ附帯決議を行いましたことを申し添え、御報告を終わります。
 以上でございます。(拍手)
#17
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 まず、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#18
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#19
○議長(安井謙君) 次に、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#20
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#21
○議長(安井謙君) 日程第一三 昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案
 日程第一四 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長世耕政隆君。
   〔世耕政隆君登壇、拍手〕
#22
○世耕政隆君 ただいま議題となりました両案につき、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案は、財政法第四条第一項ただし書きの規定による場合のいわゆる建設国債のほか、昭和五十五年度の租税収入の動向等にかんがみ、同年度の財政運営に必要な財源を確保し、もって国民生活の安定に資するため、予算をもって国会の議決を経ております金額七兆四千八百五十億円の範囲内で特例公債を発行することができることとするとともに、所要の規定を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、国債の市中消化促進のための具体的方策、国債発行額の圧縮問題、資金運用部及び国債整理基金の国債保有のあり方等について質疑が行われたほか、参考人より意見を聴取いたしましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して片岡勝治委員、公明党を代表して矢追秀彦委員、日本共産党を代表して佐藤昭夫委員、民社党を代表して中村利次委員よりそれぞれ反対、また、自由民主党・自由国民会議を代表して細川護煕委員より賛成する旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、採決の結果、本案は可否同数となりましたので委員長これを決し、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対し、附帯決議案が提出され、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案は、国際通貨基金、国際復興開発銀行及び国際開発協会に対する出資の額が増額されることとなるのに伴い、これらの出資の額の増額に応ずるための措置を講じようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は、会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#23
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 まず、昭和五十五年度の公債の発行の特例に関する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#24
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
#25
○議長(安井謙君) 次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#26
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#27
○議長(安井謙君) 日程第一五 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長古賀雷四郎君。
   〔古賀雷四郎君登壇、拍手〕
#28
○古賀雷四郎君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近の経済情勢にかんがみ、現行の恩給年額を昭和五十四年度における国家公務員給与の改善を基礎として本年四月分以降平均三・五%増額するとともに、普通恩給及び公務関係扶助料等の最低保障額の増額、実在職年六年以上九年未満の短期在職者の普通恩給等の最低保障額の新設、寡婦加算の増額及び旧軍人等の加算恩給の減算制の緩和を図るほか、扶養加給の増額、旧国際電気通信株式会社等の社員期間の通算条件の緩和など、所要の措置を講じようとするものであります。
 なお、本法律案につきましては、衆議院において施行期日について所要の修正が行われております。
 委員会におきましては、仮定俸給制度のあり方、恩給改善の実施時期の一元化、公務関係扶助料と国家公務員の公務災害補償との較差、旧日赤救護看護婦の慰労給付金の性格とスライド制の導入並びに旧陸海軍看護婦に対する処遇の見通し等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、岡田理事より、恩給受給者の処遇改善に関する各派共同提案に係る附帯決議案が提出され、全会一致をもって当委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#29
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#30
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#31
○議長(安井謙君) 日程第一六 刑事補償法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長峯山昭範君。
   〔峯山昭範君登壇、拍手〕
#32
○峯山昭範君 ただいま議題となりました刑事補償法の一部を改正する法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法案は、最近における経済事情にかんがみ、刑事補償法の規定による補償金の額の算定基準となる日額の上限並びに死刑の執行による場合の補償金の最高額及び加算額を引き上げようとするものであります。
 委員会におきましては、補償額の算定基準、補償の請求手続、補償決定の実情等について質疑が行われましたが、詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、本法案に対し、寺田熊雄委員より、政府及び最高裁判所は補償金額の引き上げに一層の努力をすべき旨の附帯決議案が各派共同提案として提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#33
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#34
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#35
○議長(安井謙君) 日程第一七 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第一八 船舶のトン数の測度に関する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。−
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長黒柳明君。
   〔黒柳明君登壇、拍手〕
#36
○黒柳明君 ただいま議題となりました二法案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案は、廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の実施に伴い、必要となる国内法制の整備を図ろうとするもので、その主なる内容は、船舶等からの廃棄物の排出に関する規制を強化するとともに、新たに船舶等における廃棄物の焼却を規制することとし、あわせて、船舶からのビルジの排出による海洋の汚染を防止するため規制対象船舶の範囲を拡大しようとするものであります。
 次に、船舶のトン数の測度に関する法律案は、千九百六十九年の船舶のトン数の測度に関する国際条約の実施に伴い、国内法制の整備を図ろうとするもので、その主なる内容は、船舶トン数の測度に関する基準を全面的に改正するとともに、国際航海に従事する船舶について国際トン数を証明する制度を新たに設けるなど、所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両案に対し一括して質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、別に討論もなく、順次採決の結果、両案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案に対し、各派共同提案に係る附帯決議案が提出され、いずれも全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#37
○議長(安井謙君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#38
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#39
○議長(安井謙君) 日程第一九 労働安全衛生法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二〇 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長久保亘君。
   〔久保亘君登壇、拍手〕
#40
○久保亘君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、労働安全衛生法の一部を改正する法律案の主な内容は、第一に、大規模な建設工事の計画を労働大臣に届けさせること等により事前審査制度を強化すること、第二に、重大事故発生時における二次災害防止のための措置を講じさせること、第三に、下請混在作業現場において元方安全衛生管理者を設けること等であります。
 次に、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案の主な内容は、第一に、現行の従業員規模のほか資本金規模を加味して適用事業主の範囲を拡大すること、第二に、退職金共済契約に係る掛金月額の引き上げ及び加入前の勤務期間の通算措置を新設すること、第三に、退職金支給に要する費用に対する国庫補助額を増額すること等であります。
 委員会におきましては、以上二案を一括議題として審議を進め、労働災害の増加傾向と労働安全衛生対策、建設業における安全管理体制の整備、中小企業退職金共済制度の充実と加入促進対策等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論はなく、順次採決の結果、二法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、二法律案に対し附帯決議案がそれぞれ提出され、いずれも全会一致で本委員会の決議とすることに決しました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#41
○議長(安井謙君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#42
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#43
○議長(安井謙君) 日程第二一 公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教委員長大島友治君。
   〔大島友治君登壇、拍手〕
#44
○大島友治君 ただいま議題となりました法律案について、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、公立の小・中・高等学校及び特殊教育諸学校の学級編制と教職員定数の標準の改善を図ろうとするものであります。まず、学級編制については、小・中学校の四十人学級の実現を初めとして、複式学級、特殊学級及び特殊教育諸学校についてそれぞれ改善を行うこととしております。次に、教職員定数については、教頭定数及び小学校の専科教員の数の充実、中学校の免許外担当教員の解消及び高校の習熟度別学級編成のための教員の加配のほか、養護教員、寮母、学校栄養職員、事務職員などの配置基準の改善を行うこととしております。また、この改善措置は、昭和五十五年度から六十六年度までの十二年間で行うこととしております。
 なお、衆議院において、施行期日等についての修正が行われております。
 委員会におきましては、本改善計画の期間と実施上の問題点、高校の学級編制改善を見送った理由と習熟度別授業のあり方、教員の担当授業時間数の適正化、小規模学校における教育条件の充実、教職員の資質向上のための施策等について熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局後、日本社会党を代表して勝又委員より、改善の計画期間を九年間に短縮するとともに、高校の学級編制の改善、養護教員及び事務職員の全校必置を旨とする修正案が、また、日本共産党を代表して小巻委員より、改善の計画期間を五年間に短縮するほか、高校等の学級編制の改善、養護教員と事務職員の全校必置、その他教職員定数の改善を内容とする修正案が提出されました。
 本修正案に対する内閣の意見を聴取した後、討論はなく、採決の結果、日本社会党、日本共産党提出の両修正案はそれぞれ賛成少数をもって否決され、次いで原案が賛成多数をもって可決され、よって、本法律案は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、勝又委員より、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党及び参議院クラブ各派共同提案による附帯決議案が提出されました。その内容は、本改善計画についておおむね三年後に検討を行うとともに、昭和四十九年標準法改正案に対する本委員会の附帯決議の趣旨を尊重し、その実施に最善の努力を行うことであり、多数をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#45
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#46
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#47
○議長(安井謙君) 日程第二二 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長青井政美君。
   〔青井政美君登壇、拍手〕
#48
○青井政美君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、他の共済制度に準じて、既裁定年金の額の引き上げ、絶対最低保障額の引き上げ、旧法に基づく遺族年金に係る寡婦加算の額の引き上げ、標準給与の月額の上下限の引き上げにより、給付水準の引き上げ等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、年金の財政状況と国庫補助、年金の給付内容、最低保障額、遺族年金の給付の引き上げ、年金の福祉事業のあり方、団体職員の定年と待遇改善等について、政府及び参考人二人に対し質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#49
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#50
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#51
○議長(安井謙君) 日程第二三 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長矢田部理君。
   〔矢田部理君登壇、拍手〕
#52
○矢田部理君 ただいま議題となりました承認案件につきまして、逓信委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 本件は、日本放送協会昭和五十五年度収支予算等に関するものであります。
 まず、その概要を申し上げますと、収支予算につきましては、本年度以降三カ年間の経営見通しに基づき、受信料の月額を約二四%引き上げ、普通契約においては五百二十円、カラー契約においては八百八十円、沖繩県につきましては特例措置としてそれぞれ四百十円、七百六十円といたしております。これに伴い事業収支は二百四十六億六千万円の黒字となっておりますが、このうち百七十億七千万円を債務償還のため資本収支に繰り入れ、残余の七十五億九千万円を翌年度以降の財政安定化財源として繰り延べ、おおむね今後三カ年間における収支の均衡を図ることにいたしております。
 また、事業計画につきましては、その重点をテレビ・ラジオ放送網の拡大、視聴者の意向に応じた放送番組の編成、広報・営業活動の積極化等に置いております。
 なお、本件には「おおむね適当と認める」旨の郵政大臣の意見が付されております。
 委員会におきましては、公共放送を担う協会の地位にかんがみ、放送における不偏不党を基本とすべき協会の経営姿勢に関する問題を初め、受信料収納の強化対策、放送衛星の活用方策、放送界の将来を展望した協会の長期構想、受信料の支払い義務制の是非、放送大学による放送の位置づけ等に関する諸問題について活発な質疑が行われました。
 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもってこれを承認すべきものと決定いたしました。
 また、本件につきまして、委員会は、全会一致をもって「放送の不偏不党を堅持し、放送による表現の自由を確保すること」など六項目にわたる附帯決議を行いました。
 なお、協会は、年度開始の日までに本件の承認を得られませんでしたので、放送法の定めるところにより、四月一日から一カ月間を実施期間とする暫定予算等を作成し、これを実施しております。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#53
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#54
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本件は承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#55
○議長(安井謙君) 日程第二四 昭和五十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十一年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十一年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十一年度政府関係機関決算書
 日程第二五 昭和五十一年度国有財産増減及び現在額総計算書
 日程第二六 昭和五十一年度国有財産無償貸付状況総計算書
 以上三件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。決算委員長志苫裕君。
   〔志苫裕君登壇、拍手〕
#56
○志苫裕君 ただいま議題となりました昭和五十一年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
 昭和五十一年度決算は、昭和五十二年十二月二十七日国会に提出され、翌五十三年四月十日当委員会に付託され、また、国有財産関係二件につきましては、昭和五十三年一月三十一日国会に提出され、同日当委員会に付託されました。
 当委員会は、決算外二件の審査に当たりましては、国会の議決した予算が所期の目的に沿い適正かつ効率的に執行されたかどうかについて広く国民的視野からの実績批判を行い、その結果が将来の予算策定に反映されるべきであるとの観点に立って審査を行ってきたのであります。
 この間、決算外二件の審査等のための委員会を開くこと二十一回、別に述べるような内閣に対する警告にかかわる質疑のほか、財政経済政策、外交、防衛、公職選挙、教育等に関する問題、石油、エネルギー、年金、幼児保育、雇用、同和事業等に対する対策など、行財政全般について熱心な論議が行われました。特に、最近における公費の不正経理、贈収賄等の問題につきましては、衆議院議員総選挙中にも審議を行うなど、国政と綱紀の振粛を図るとの観点に立った論議が重ねられましたが、それらの詳細は会議録によって御承知願います。
 四月二十三日質疑を終了し、討論に入りました。
 議決案の第一は、本件決算の是認、第二は、内閣に対する八項目の警告であります。
 討論におきましては、日本社会党を代表して穐山委員、公明党を代表して和泉委員、日本共産党を代表して安武委員、民社党を代表して中村委員より、それぞれ、本件決算は是認できないが、内閣に対する警告案には賛成である旨の意見が述べられ、また、自由民主党・自由国民会議を代表して原委員より、本件決算を是認するとともに、内閣に対する警告案にも賛成である旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、議決案を採決の結果、本件決算は多数をもって是認すべきものと議決され、次いで、内閣に対する警告案については、全会一致をもって警告すべきものと議決された次第であります。
 内閣に対する警告は次のとおりであります。
 1 日本鉄道建設公団における不正経理についての会計検査院による指摘を発端として、相次いで明らかにされた特殊法人及び省庁の一部におけるこの種の類似行為については、先般、決算委員会において「公費の不正経理根絶に関する決議」を行い、今なお厳しい追及が続けられているところである。これら諸機関の財源は、国民の税金、あるいは財政投融資資金によって賄われていることに照らし、極めて遺憾である。
   政府は、まず閣僚が姿勢を正し、明らかにされた不正・不当経理については、引き続き厳正な事後処理を行うことはもとより、このような事態の再発を根絶するため、公務員等の綱紀粛正を厳にするとともに、監督・監査体制の強化にあわせて、情報の公開と会計検査院の検査機能の充実に一層意を用いるなど、いやしくも財政執行について、国民の疑惑を招くことのないよう、実効ある措置をとるべきである。
 2 会計検査院が行う検査を、増大する財政に対応して強化徹底させ、不正不当経理の絶滅を期することは、国民的要請であり、先年、本院においても政府に対し、その具体的措置を講ずるべきであると議決したところであるが、まだ十分な措置がなされず、特に検査機能の拡充強化については、進展をみないことは遺憾である。
   政府は、会計検査院の検査を十分に及ぼすことのできない検査個所が存在する実情にかんがみ、これらの事態を抜本的に改善するため、会計検査院の検査機能の拡充強化について、なお一層十分な措置を講ずるよう努めるべきである。
 3 行政改革については、地方公共団体に対する国の権限移譲、補助金及び許認可事務の整理、特殊法人の統廃合及び役員給与の見直し、認可法人及び公益法人の整理等について繰り返し指摘されてきたが、従来、政府の対応は、数次にわたり行政改革に関する閣議決定等を行ってはきたものの、その実施において必ずしも十分な成果が得られなかった。
   政府は、各方面の意見をもとに、基本的な改革に努め、少なくとも、公務員等の特殊法人あるいは職務関連企業へのいわゆる天下りを規制し、また、公団、事業団等については、役員のたらい回し人事を厳しく抑制し、かつ、役員の半数以上に民間人を登用するなど、役職員の人事・給与等の適正化に一層努めるとともに、今後、引き続き行政改革の実を挙げ、国民の期待にこたえるべきである。
 4 原子力船「むつ」については、先年、会計検査院から、開発に多額の国費等が投じられているにもかかわらず、その成果が確認されない状況にあるとの指摘があり、その後、遮蔽改修及び安全性総点検のため、佐世保港への回航は終ったものの、改修工事等に必要な契約の締結もなされぬ状態が長期間続き、修理予定が大幅に遅延するに至っているのみならず、新定係港の選定が必ずしも明確にされぬままの状況に置かれていることは、国費使用の効率性からみても、看過できない。
   政府は、原子力船「むつ」開発をめぐって発生した種々の問題の経緯を反省し、国費の効率的使用について十分に配慮することはもとより、安全性の確保と将来における本船についての基本的な考え方を、より鮮明にすべきである。
 5 農林水産省所管の国有農地で、昭和二十五年以降大分市に有償で貸与し、同市が日本国有鉄道大分鉄道管理局に無償で転貸している国有地については、かつて昭和三十七年会計検査院から、農業用に供しないことが明らかであるのに、一時貸付を継続しているものとして、売払いするよう是正改善の処置を要求されたが、いまだに実現をみていない。
   政府は、このような事態が、地方財政にとって少なからず負担となっている事実にも省み、国有財産の適正管理のため、関係者の相互理解のもと、早期に改善措置を講ずべきである。
 6 近年、英会話教材等を販売する業者の中には、あたかも海外旅行割引などの受けられる会員を募集しているかのように勧誘するもの、あるいは、架空の特典を強調して売り込むものなどがあり、また、粗悪品を売り込むものもあり、当局の行政指導にもかかわらず、いわゆる悪徳商法による販売行為が横行しており、いまだに被害をこうむる者が後を絶たないことは、看過できない。
   政府は、早期に業界体質の改善を図るとともに、苦情の処理にあたっては、消費者保護に徹し、誇大広告、不当表示行為等に対して、積極的に排除措置を講ずべきである。
 7 日本国有鉄道が経営合理化と輸送力増強のため、巨額の資金を投じて整備した輸送施設の中には、貨物の輸送量の需要予測が的確でなかったことなどにより、神戸港駅に設置したコンテナクレーンのように、稼働したものの、今日では稼働率が著しく低下しているもの、あるいは吹田操車場における軌きよう敷設装置のように、当初から稼働しないまま、遊休化しているものがあることは、投資効果の点からも、看過できない。
   政府は、日本国有鉄道の財政事情に照らし、設備投資計画を策定するにあたってはもとより、予算の具体的な執行にあたっても需要動向を見きわめつつ、きめ細かな検討を行い、この種施設整備を経営改善に生かすよう、指導に努めるべきである。
 8 特殊法人国際電信電話株式会社の職員の関税法違反事件に端を発し、明るみに出た同会社の乱脈経理に関連して、監督官庁である郵政省の一部幹部職員が同会社から接待等を受け、ひいては双方から、贈・収賄の罪に問われて逮捕者を出すに至ったことは、行政に対する国民の信頼を著しく失墜したものである。法律によって、国際公衆電気通信事業の独占が認められている同会社の責任はもとより、郵政省の責任は極めて重大であって、厳しく指弾・追及されなければならない。
   政府は、従来、しばしば綱紀粛正に関する通達を出していたにもかかわらず、このような事態が発生したことについて深く反省し、事件の真相を徹底的に糾明して、事実に即し、関係者に対して、厳正な処分等を行うとともに、郵政省の監督権限については慎重に検討し、国際電信電話株式会社の会計に対する検査制度の強化も含め、同会社の在り方について抜本的な見直しを行うべきである。
 以上であります。
 次に、国有財産関係二件につきましては、採決の結果、いずれも多数をもって異議がないと議決された次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#57
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 初めに、昭和五十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十一年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十一年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十一年度政府関係機関決算書について採決をいたします。
 本件の委員長報告は、本件決算を是認すること及び内閣に対し警告することから成っております。
 まず、本件決算を是認することについて採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本件決算を委員長報告のとおり是認することに賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#58
○議長(安井謙君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#59
○議長(安井謙君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#60
○議長(安井謙君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百三票
  白色票            百十五票
  青色票            八十八票
 よって、本件決算は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百十五名
      安孫子藤吉君    青井 政美君
      浅野  拡君    井上 吉夫君
      伊江 朝雄君    岩動 道行君
      石破 二朗君    石本  茂君
      糸山英太郎君    稲嶺 一郎君
      岩上 二郎君    岩崎 純三君
      上田  稔君    上原 正吉君
      植木 光教君    江藤  智君
      衛藤征士郎君    遠藤  要君
      遠藤 政夫君    小澤 太郎君
      大石 武一君    大島 友治君
      大谷藤之助君    岡田  広君
      長田 裕二君    加藤 武徳君
      梶木 又三君    片山 正英君
      金井 元彦君    金丸 三郎君
      上條 勝久君    亀井 久興君
      亀長 友義君    河本嘉久蔵君
      木村 睦男君    北  修二君
      久次米健太郎君    楠  正俊君
      熊谷太三郎君    熊谷  弘君
      小林 国司君    古賀雷四郎君
      後藤 正夫君    郡  祐一君
      佐々木 満君    斎藤栄三郎君
      斎藤 十朗君    坂野 重信君
      坂元 親男君    山東 昭子君
      志村 愛子君    嶋崎  均君
      下条進一郎君    新谷寅三郎君
      鈴木 省吾君    世耕 政隆君
      田代由紀男君    田原 武雄君
      高橋 圭三君    高橋 誉冨君
      高平 公友君    竹内  潔君
      玉置 和郎君    塚田十一郎君
      土屋 義彦君    戸塚 進也君
      徳永 正利君    内藤誉三郎君
      中西 一郎君    中村 啓一君
      中村 太郎君    中村 禎二君
      中山 太郎君    永野 嚴雄君
      夏目 忠雄君    鍋島 直紹君
      成相 善十君    西村 尚治君
      野呂田芳成君    長谷 川信君
      秦野  章君    初村滝一郎君
      鳩山威一郎君    林  寛子君
      林  ゆう君    原 文兵衛君
      桧垣徳太郎君    福岡日出麿君
      福島 茂夫君    藤井 裕久君
      藤川 一秋君    藤田 正明君
      降矢 敬義君    降矢 敬雄君
      細川 護煕君    堀内 俊夫君
      堀江 正夫君    真鍋 賢二君
      前田 勲男君    増岡 康治君
      増田  盛君    町村 金五君
      丸茂 重貞君    三浦 八水君
      宮田  輝君    最上  進君
      望月 邦夫君    森下  泰君
      八木 一郎君    安田 隆明君
      山崎 竜男君    山内 一郎君
      山本 富雄君    野末 陳平君
      森田 重郎君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      八十八名
      阿具根 登君    茜ケ久保重光君
      穐山  篤君    小野  明君
      大木 正吾君    大森  昭君
      粕谷 照美君    片岡 勝治君
      片山 甚市君    川村 清一君
      栗原 俊夫君    小谷  守君
      小柳  勇君    小山 一平君
      佐藤 三吾君    坂倉 藤吾君
      志苫  裕君    瀬谷 英行君
      田中寿美子君    高杉 廸忠君
      竹田 四郎君    対馬 孝且君
      寺田 熊雄君    戸叶  武君
      野田  哲君    浜本 万三君
      広田 幸一君    松前 達郎君
      丸谷 金保君    村沢  牧君
      村田 秀三君    矢田部 理君
      安恒 良一君    山崎  昇君
      吉田忠三郎君    吉田 正雄君
      阿部 憲一君    和泉 照雄君
      内田 善利君    太田 淳夫君
      柏原 ヤス君    上林繁次郎君
      黒柳  明君    桑名 義治君
      小平 芳平君    塩出 啓典君
      渋谷 邦彦君    白木義一郎君
      鈴木 一弘君    田代富士男君
      多田 省吾君    中尾 辰義君
      中野  明君    馬場  富君
      原田  立君    三木 忠雄君
      宮崎 正義君    矢追 秀彦君
      矢原 秀男君    渡部 通子君
      市川 正一君    小笠原貞子君
      神谷信之助君    河田 賢治君
      沓脱タケ子君    小巻 敏雄君
      佐藤 昭夫君    下田 京子君
      立木  洋君    内藤  功君
      橋本  敦君    宮本 顕治君
      安武 洋子君    山中 郁子君
      井上  計君    木島 則夫君
      栗林 卓司君    中村 利次君
      藤井 恒男君    柳澤 錬造君
      田  英夫君    前島英三郎君
      円山 雅也君    青島 幸男君
      市川 房枝君    下村  泰君
      山田  勇君    秋山 長造君
     ―――――・―――――
#61
○議長(安井謙君) 次に、委員長報告のとおり内閣に対し警告することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#62
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、全会一致をもって委員長報告のとおり内閣に対し警告することに決しました。
     ―――――・―――――
#63
○議長(安井謙君) 次に、日程第二五の国有財産増減及び現在額総計算書について採決をいたします。
 本件は委員長報告のとおり異議がないと決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#64
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本件は委員長報告のとおり異議がないと決しました。
     ―――――・―――――
#65
○議長(安井謙君) 次に、日税第二六の国有財産無償貸付状況総計算書について採決をいたします。
 本件は委員長報告のとおり異議がないと決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#66
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本件は委員長報告のとおり異議がないと決しました。
     ―――――・―――――
#67
○議長(安井謙君) 災害対策特別委員長、文教委員長及び逓信委員長から報告書が提出されました日程第二七ないし第四〇の請願を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#68
○議長(安井謙君) これらの請願は、各委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
#70
○議長(安井謙君) この際、日程に追加して、
 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。野呂厚生大臣。
   〔国務大臣野呂恭一君登壇、拍手〕
#72
○国務大臣(野呂恭一君) 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 わが国は諸外国に例を見ない急激な速度で高齢化社会に移行しつつあり、老後の生活の支えとなる年金制度に対する国民の関心と期待は年金受給者の急速な増加と相まってかつてない高まりを示しております。昭和五十一年度には、厚生年金及び国民年金を中心に財政再計算の実施とあわせて給付水準の引き上げ等の制度改善が行われたところでありますが、その後における社会経済情勢の変動に対応し、これらの制度について所要の改善を行う必要が生じております。
 今回の改正法案は、このような趣旨にかんがみ、厚生年金、国民年金等について、財政再計算を一年繰り上げて昭和五十五年度に実施し、年金水準の引き上げ、遺族年金及び母子年金その他の給付の改善を行うほか、福祉年金の額の引き上げ等を行うことにより、年金制度の実質的な改善充実を図ろうとするものであります。
 また、本法案は、年金給付の改善とあわせて、児童扶養手当、特別児童扶養手当及び福祉手当についても額の引き上げを図ることといたしております。
 以下、改正案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、厚生年金保険法の一部改正について申し上げます。
 第一に、年金額の引き上げにつきましては、本年六月から新たに老齢年金を受ける者の標準的な年金額を月額約十三万六千円に引き上げることとし、定額部分について単価の引き上げ、報酬比例部分について過去の標準報酬の再評価を行うことといたしております。また、加給年金額につきましては、単身世帯よりも夫婦世帯に手厚い改善を図る観点から、配偶者の加給年金額を月額六千円から一万五千円に引き上げる等大幅な改善を図ることといたしております。そのほか、障害年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げることといたしております。
 第二に、在職老齢年金について、受給者の実態を勘案し、本年六月から六十歳以上六十五歳未満の在職者に支給される老齢年金の支給対象を標準報酬月額十五万円までの者に拡大する等の改善を図ることといたしております。
 第三に、遺族年金につきましては、受給者の生活実態等を勘案し、年金による生活保障の必要性が高いと思われる子供のある寡婦及び高齢の寡婦に重点を置いた改善を図ることとし、寡婦加算額を本年八月から子供二人以上の寡婦の場合月額七千円から一万七千五百円に引き上げる等大幅な改善を図ることといたしております。
 一方、遺族の範囲につきましては、年齢等を勘案して見直すこととし、子のない四十歳未満の妻につきましては、年金の支給対象としないことといたしております。
 第四に、標準報酬につきましては、最近における賃金の実態に即して、本年六月から、四万五千円から四十一万円の三十五等級に改めることといたしております。
 第五に、保険料率につきましては、給付改善及び将来の受給者の増加に対応して、長期的に財政の健全性を確保する観点から段階的に引き上げる必要がありますが、今回の引き上げ幅につきましては、千分の十八にとどめることとし、本年六月から引き上げることといたしております。なお、女子につきましては、本年六月から千分の十九引き上げるとともに、昭和五十六年以後毎年千分の一ずつ引き上げ、保険料率の男女差の解消を図ることといたしております。
 次に、船員保険法の一部改正についてでありますが、おおむね厚生年金保険の改正に準じた改正を行うことといたしております。
 次に、国民年金法の一部改正について申し上げます。
 拠出制国民年金につきましては、まず年金額の引き上げを図ることとし、本年七月から二十五年加入の場合の年金額を月額四万二千円とし、現実に支給されている十年年金の額を月額二万六千五百五十円に、五年年金の額を月額二万千六百円に、それぞれ引き上げることといたしております。そのほか、障害年金の最低保障額及び母子年金等の額を引き上げることといたしております。
 第二に、母子年金及び準母子年金について、本年八月から母子加算及び準母子加算制度を創設し、夫等の死亡により他の制度の遺族年金の支給を受けることができない者には、月額一万五千円を母子年金等の額に加算することといたしております。
 第三に、保険料の額につきましては、財政の健全性を確保する見地から、昭和五十六年四月より月額四千五百円に改定することとし、以後段階的に引き上げることといたしております。
 福祉年金につきましては、十年年金の引き上げ率を勘案して、老齢福祉年金の額を月額二万円から二万千五百円に引き上げる等所要の改善を行うことといたしております。
 次に、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部改正について申し上げます。
 児童扶養手当及び特別児童扶養手当の額につきましては、福祉年金に準じて、本年八月から児童扶養手当の額を児童一人の場合月額二万八千円に引き上げる等所要の改善を図るとともに、福祉手当につきましても引き上げを行うことといたしております。
 以上が厚生年金保険法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
#73
○議長(安井謙君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。高杉廸忠君。
   〔高杉廸忠君登壇、拍手〕
#74
○高杉廸忠君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案につきまして、大平総理大臣並びに関係大臣に質問を行おうとするものであります。
 不確実に混迷する八〇年代に、高齢化の進行だけは確実であり、しかも高齢化社会の到来が目前であることを考えますと、八〇年代こそ高齢化社会における社会保障制度の準備づくりに専念すべき期間であると存じます。
 そして、それは、単にその後退を阻止するという消極的なものであっては断じてなりません。積極的に新しい困難な社会状況に対応し得るよう再構成を急がなければならないと存じます。その再構成は、社会保障の分野だけではなく、広く関連する諸領域の施策、とりわけ雇用の分野において従来の慣行の思い切った改変が不可欠であります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 しかるに、一方、政府の社会保障に対する認識は大変心もとないものであり、「逐年改善が図られてきた結果、制度的にはすでに国際的に見ても遜色のない水準に達している」と述べているのであります。果たしてそうでありましょうか。わが国の年金制度の歴史は浅く、標準的な給付の支給要件を満たすに至らず、経過的な措置の適用を受ける受給者が大半を占めているのが実情であります。このような事情を反映して、政府部門から家計部門への社会保障移転の対国民所得比は、五十四年度において、欧米諸国の二〇%前後に対して、わが国のそれは低く一二・六%にしかならないのであります。
 このような社会保障の実態を踏まえて、私は以下具体的に質問をしてまいります。
 第一に、福祉に対する基本的な考え方についてただしたいと思います。
 大平総理は、就任以来、日本型福祉社会を口にしております。しかし、これは福祉見直し論の延長線上で追求され、政府の果たすべき責任の回避、省略の方向づけの一環として枠をはめられ、それに役立つ施策だけを拾い出すといった構想になっているように思えてなりません。このことは、単に私一人ではなく、福祉、年金に関心を持つ国民が等しく感じているところであると存じます。問題は、低成長の中で今後どのように福祉充実を進めていくかであります。社会保障の長期計画を発表し、五年後、十年後に達成する具体的な目標を設定し、国民の前に明らかにすべきだと思いますが、総理、約束できますか、明らかにしていただきたいと存じます。
 第二に、厚生年金関係について伺います。
 厚生年金について、財政の見通しが困難だからといって、直ちに安易に雇用環境を無視して支給開始年齢をおくらせようとする発想は理解しがたいところであります。働く職場を確保し、生きがいのある老後を送ることができるように配慮することこそむしろ前提とすべきであると存じます。欧米諸国のように、年金の支給開始年齢がすなわち退職年齢であると理解できるような雇用環境をつくるべきだと思います。それまで支給年齢の引き上げには触れるべきではありません。
 この際、本案の受給資格年齢について次の財政再計算期に所要の改定措置をとるという規定を撤回し、政府部内において高齢者の雇用確保策について再度十分検討していただきたいと思います。労働、厚生、両大臣の御答弁をお願いいたします。
 次に、わが国年金制度の最大の欠陥の一つは、わかりやすい年金ではないということであります。その典型的な例が、厚生年金の老齢年金額が自分で正確に算出できないということであります。年金額を知り得ないで、何で老後の生活設計ができるでありましょうか。
 わが党は、以前から、いわゆるポイント方式の導入を要望してまいりました。現在の体系を大きく変えないとしてもこの方式の導入は可能であると思います。厚生大臣の明快な御答弁をお願いいたします。
 第三に、国民年金の改正に関連して伺います。
 現在のお年寄りにとって最も優先度の高い対策は、所得保障としての年金の充実であります。特に、五十五年現在三百三十万人の受給者を持つ七十歳以上のお年寄りに支給される老齢福祉年金の給付額が当面の大きな問題であります。老齢福祉年金は、今回の改正では、衆議院段階の修正を入れ、二万二千五百円へ引き上げられることが予定されておりますが、この額は生活費の補助としても不十分であります。五十年当時においてさえ、当時の厚生大臣は、老人ホームの生活費程度には引き上げたいと答弁していたのであります。今日、その額は三万円を上回っております。現在三百万人を超える受給者は、六年後には半減し、十年後には八十五万人に減少するのであります。一日も早く適正な水準に引き上げてお年寄りの労苦に報いるべきだと思いますが、いかなる御見解をお持ちでありますか、この際明らかにしていただきたいと存じます。
 第四に、女性の年金権の保障についてであります。
 従来、わが国では、職業戦線に出るのは主として男性であり、年金制度の立て方は勢い男性中心で、女性は従属的に取り扱われてまいりました。しかし、今日、事情は大いに変わってきております。女性の年金権の保障をどのようにするかは焦眉の急を要する問題であります。特に、被用者の妻の年金加入については、任意加入ということから、老後において、任意加入した者と任意加入していない者との間に老後の年金給付で大きな格差がもたらされることであります。それに公的年金として三分の一の国庫負担が導入されております。こういった制度が国民の選択に任されていること自体、大きな矛盾であり、問題であると思います。そのような現状も踏まえ、女性の年金権のあり方について一日も早く整合性を持った制度を打ち立てるべきであると存じます。どのような方向で解決されていこうとしているのか、明快にお答えを願います。
 遺族年金は、その受給の実態から、まさに妻の老齢年金と言っても過言ではないのであります。しかるに、わが国の遺族年金は、本人給付額の五〇%と規定されており、それに寡婦加算、扶養加算という加算制度で補完しているのであります。この支給割合、支給額は、社会保障の最低基準を定めたILO百二号条約の水準にも達しておらず、国際的に見ても立ちおくれているのが目立っております。年金における妻の座の冷遇が明らかになっているところであります。遺族年金の支給割合そのものを改善していくべきだと思いますが、その方向をとり得ない理由というのはいずれにあるのか、明らかにしていただきたいと思います。
 また、本改正案には、四十歳未満で子供を持たない妻に遺族年金を支給しないという改定が規定されておりますが、寡婦の所得能力を過大視し、世帯を単位として制度化されている厚生年金の本質すら否定するものであり、この際政府は潔くみずから撤回すべきであると存じます。
 第五に、行政機構、制度の一元化の要請であります。
 わが国の年金制度は、八つの省庁に分かれて所掌しているのであります。諸外国においても制度が分立している国も見られますが、所管省庁がこれほど分かれているところはありません。年金担当を一元化すべきではないでしょうか。そして、そこで改革のプログラムの策定と財政措置を検討すべきであります。これこそ今日要請されている行政機構の具体的な改革であると存じます。
 行政機構の一元化と同時に、今後各制度相互間で年金給付額の基礎給のとり方、最低保障のあり方、年金額のスライド方法などに関しては相互の調整が図られていくべきものと考えられますが、この問題についてどのような構想を持っておられるのか、明らかにしていただきたいと存じます。
 年金問題は、給付と同時に積立金が民主的に運用されなければならないと考えます。そのため積立者自身が構成メンバーに入った積立金運用委員会とも言うべき機関を設けて運用を民主的にすべきであると思いますが、検討の用意はありませんか。
 第六に、人口構成の変化と年金財政の将来見通しについてであります。
 わが国の人口構成は、今後、生産年齢人口に対する老齢者数の割合が急速に高まっていき、現在の約八対一から今世紀末には五対一程度になるものと予測されております。これは当然年金制度にも反映して、厚生年金では老齢年金の受給者数が三十年後には現在の五倍を超えると予測されており、また、その給付費は現在価格で八倍を超えるものと思われます。現在の制度のもとでは当然それを賄う世代の負担は大きなものとなることが予想され、政府の見通しでは二十年後の保険料率は現在の二倍程度に引き上げられようとしております。その際の給付内容、国庫負担、保険料の事業主と被保険者の負担関係などをどのようなあり方で進めようとしているのか、この際明らかにしていただきたいと存じます。
 最後に、わが党の主張であります「暮らせる年金」「わかりやすい年金」「国民がコントロールできる年金」、以上に向けて年金制度が改善されることをここに強く要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#75
○国務大臣(大平正芳君) 高杉さんの私に対する御質問は、社会保障長期計画を決めて低成長の中で福祉充実を進めるために具体的な目標を国民の前に明らかにすべきでないか、それにこたえる用意があるかという御質問でございました。
 わが国が本格的な高齢化社会を迎えつつありますこと、国民生活の中における社会保障の役割りがますます重要になってきておりますことは御指摘のとおりと思っております。また、経済が低成長時代に入るに伴いまして国家財政も非常に厳しい状況に直面しておることも御指摘のとおりであると思います。また、年金、社会保障給付の財源は確実に将来に向かって増大していくということもまた御指摘のとおりと思いますが、こういう厳しい条件のもとにおきまして社会保障の充実を図ってまいりますためには、御指摘のように長期的な展望を明らかにしながら各制度間の有機的な体系化を図り、給付の重点化、効率化を進めますとともに、給付と負担の両面にわたりまして社会的公平を図ってまいる必要があると考えております。
 なお、社会保障施策の将来における具体的目標を明らかにする用意があるかということでございますが、実際問題として現段階で具体的な年次目標を出すということは非常に至難のわざであると思いますが、今後の検討の過程で逐次明らかにしていかなければならない課題であると考えております。
 ほかの問題につきましては所管大臣からお答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣野呂恭一君登壇、拍手〕
#76
○国務大臣(野呂恭一君) 支給開始年齢引き上げの前提として、働く能力と意思がある者に職場を確保し、生きがいのある老後を送れるように配慮すべきではないかという御指摘でございます。
 この点は十分私たちも理解いたすものでございます。しかしながら、将来の高齢化社会を見通しますならば、支給開始年齢の問題は避けて通れない事柄でございます。この点は各方面の認識も共通しておるものと考えているのであります。したがいまして、次回の財政再計算期において真剣に取り組むべき課題であるという点におきましてこの趣旨の規定を設ける必要があると考えておるものでございまして、この点御理解を賜りたいと思います。
 また、雇用との関連につきましては、現在進められております高齢者雇用対策の一層の推進が図られながら年金制度と雇用政策との有機的な連携が図られる必要があると考えるものでございます。
 年金額が自分で算出できるよう、厚生年金にポイント方式を導入すべきではないかという御指摘でございますが、年金の算定方式についてポイント制を導入することについては、年金額の算定方式をわかりよくするという意味において私は大変に大切なことだと思います。との問題については社会保険審議会厚生年金保険部会におきまして議論されておるものでございます。引き続き検討していただくことになっておるわけでございます。
 次に、老齢福祉年金の額の引き上げについてでございますが、現在きわめて厳しい財政のもとでできる限りその改善を図っているととろでございます。御提案のようにいま月額三万円に引き上げるということは困難でございますので、御理解を願いたいと思うのでございます。
 次に、被用者の妻の年金権の問題でございますが、現行の年金制度においてすでに被用者の妻の八割近くが国民年金に任意加入していることは御承知のとおりでございます。この事実を踏まえまして、女性の年金権のあり方につきましては、わが国の年金制度の基本的な問題でございまして、今後幅広い議論を尽くしながら検討してまいりたいと考えておるわけでございます。
 遺族年金の支給割合を改善することについてでございますが、遺族年金の改善については、今回の改正におきましては寡婦加算額の大幅な引き上げを行いまして、子供のある寡婦及び高齢の寡婦に重点を置いた改善を図っておるわけでございます。このような方法をとったのは、低い報酬で働いている方が亡くなった場合にも定額加算の方が手厚い保障がなされるなどの点を考慮いたしたものでございますが、御指摘の点につきましても今後前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
 年金の積立金についてでございますが、将来の年金給付の原資になるものでございますから、安全かつ確実に管理運用する必要があることは言うまでもございません。現行の資金運用部において統合管理いたしております基本的な仕組み、これを維持することが私どもとしては適当であると考えておるわけでございます。年金積立金の管理運用につきましては、厚生大臣の諮問機関でございます年金問題懇談会を設け、また、資金運用審議会に社会保険審議会委員及び国民年金審議会委員が参加することによりまして保険料拠出者の意向反映に今後十分努力をしてまいる所存でございます。
 次に、年金行政の一元化についての御指摘でございますが、公的年金制度の均衡ある発展が図られるように政府は一体となりまして取り組んでおるわけでございます。今後とも公的年金制度に関する関係閣僚懇談会あるいは公的年金調整連絡会議におきまして十分検討を進めてまいる考えでございます。
 また、御指摘の年金相互間の格差の問題でございますが、年金制度は制度ごとに沿革を持って発展してきておるわけでございます。こうした沿革なり今日までの発展の経過を踏まえながら、御指摘の点も含めましてできる限り年金間の整合性を高めていくことが望ましいと考えるものでございまして、これに十分な対応を示してまいりたいと考えております。
 最後に、人口の高齢化に伴って、給付内容やあるいは国庫負担、保険料の労使負担の割合などをどのような方向で進めていこうとしているのかということでございます。
 将来の高齢化社会を見通します場合に、老後生活の支えになる年金水準を保ちながら現在の数倍もの多くの老人の年金生活を支えていくためには、若い世代に相当の負担をお願いせざるを得ないということでございます。しかし、若い世代の負担にもおのずから限度があると考えるわけでございまして、年金制度を安定的に運営していくためにはいろいろな工夫が必要でございます。国民の御理解をいただきながら総合的な観点から検討していくべきものであると考えるのでございます。ただ、現行の国庫負担のあり方や保険料の労使負担割合を変更することは、制度の基本にかかわる問題でございますので、慎重な対応が必要であると考えておる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣藤波孝生君登壇、拍手〕
#77
○国務大臣(藤波孝生君) 高杉議員から御指摘のありました雇用政策と年金制度との関係でありますが、将来高年齢者に生活の不安を招くことのないように両制度の有機的な連携を図ってまいることが非常に大事であると考えております。このような観点に立ちまして、従来も厚生省、労働省間で十分協議を続けてきたところでありますが、今後ともさらにその協議を重ねてまいりたいと存じます。
 いずれにいたしましても、労働省といたしましては、今後の高齢化社会の到来に備えまして高年齢者の生活設計に十分配慮する必要があるとの立場に立ちまして、定年の延長を初めとして、再雇用や勤務延長の促進等により、高年齢者の雇用の場の確保に全力を挙げて取り組ませていただきたい、このように考えておる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣正示啓次郎君登壇、拍手〕
#78
○国務大臣(正示啓次郎君) 高杉議員の御質問で大蔵省に関係のある部分については、まず支給開始年齢の規定の問題、あるいは年金行政機構一元化の問題は、すでに厚生大臣からお答えいたしましたとおりでございますので、御了解を願いたいと思います。
 また、積立金の運用につきまして一層関係各方面の御意見を反映するように努力すべしと、この御意見は十分拝聴いたしたわけでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#79
○副議長(秋山長造君) 内田善利君。
   〔内田善利君登壇、拍手〕
#80
○内田善利君 私は、公明党を代表して、ただいま提案のありました厚生年金保険法等の一部を改正する法律案に対して、若干の質疑を行うものであります。
 まず政府にお伺いしたいことは、政府の描いているわが国の年金制度の未来像はどのようなものであるかということであります。
 昨年の暮れ、総理府は、「高齢化社会の現状や将来の見通し」と題して初めて「高齢者問題の現状」を発表したのであります。そこには、西暦二〇二〇年には高齢者が人口の一八%を占め、実に勤労者三人で高齢者一人を養うという数字が出ているのであります。高齢者の増加、これは年金受給者の増加を意味するものであり、さらに年金額の増加に伴って年金制度を維持するためには莫大な資金が必要となってぐるのであります。
 一方、その年金財政の資金である保険料の勤労者の支払いは当然限界があるわけであります。政府は、この勤労者の負担すべき保険料の適正水準を月収の一八%ととらえているのであります。間違いなく高齢化社会が来る、年金財政はますます厳しいものになる、年金財政を維持するためには保険料の増収を図るか給付金の削減を図るしかないという政府のこのような単純な発想から、年金の支給開始年齢の繰り下げ、保険料率のアップを今国会に提案しようとしましたが、結果的に与党自民党からも反対され、後日に訓示規定という形で残したのでありました。
 わが国の年金制度は、まさに八方ふさがりの状態にあります。政府として今後どのようにして年金制度を維持していく所存なのか、お伺いします。
 高齢化社会へ入っていく入り口ですでにつまずいてしまっている政府の年金制度への取り組みに対して、社会保障制度審議会は、五十二年十二月には「皆年金下の新年金体系」、昨年十月には「高齢者の就業と社会保険年金」として「基本年金構想」と「雇用と年金の結びつき」の二つの建議をされたのであります。
 そもそも、社会保障制度審議会とは、わが国の社会保障のあり方を、制度そのものの見直しを含めて、長期的な視野で根本的な検討、答申、そして建議をしてきた総理大臣の諮問機関であります。しかも、建議は答申と異なり、制度審としての特別の意見であり、これは傾聴に値するものであります。しかるに、政府の今度の審議会に出された本改正案の諮問案に対して、制度審の会長は、「厚生省の諮問案には従来の審議会の建議が生かされていない」と言い、「こういう状態でいろいろ審議しても意味がない」と政府の姿勢を強く批判したのであります。
 そこでお伺いしたいことは、政府には社会保障制度審議会の建議を実現する意思があるのかということであります。総理の明快な答弁をお願いいたします。
 次に、政府が現行の年金制度をかたくなに維持しようとするがために生じている種々の問題についてお伺いいたします。
 第一は、前厚生大臣は、「政府全体として各年金制度の整合性を図るべきだ」としているのに対して、公的年金制度関係閣僚懇談会は、「共済年金は当面六十歳支給を定着させることが実態に即している」と決めたのであります。政府として、各年金制度の整合性をどのようにとらえ、また、厚生年金の場合は何歳の支給開始が実態に即していると思われるか、伺いたい。
 第二に、厚生年金六十五歳支給開始という政府案に対し、与党である自民党までもが反対した。また、六十五歳支給の前提に雇用問題があります。今日の一般的定年の年齢が五十六、七歳であるときに、六十五歳支給までの七、八年間、国民はどのようにして所得保障を得べきか、明快にお答え願いたい。
 第三に、サラリーマンの妻の年金権の問題でありますが、本院予算委員会で厚生大臣は「妻は国民年金の強制加入者にするべきだ」と言われましたが、これはいつから実現されるのか、伺いたい。
 第四に、十八歳未満の子供のいない四十歳未満の未亡人には厚生年金の遺族年金は支給しないということでありましたが、政府がこのような考え方をしなくてはならない発想の原点をお伺いするとともに、夫を失った未亡人に対して、どのような方法で所得を得るべきか、その方途をお示し願いたい。特に、子供が生まれない妻の場合、病身であることが多いので、なおさらこの問題は深刻であります。
 第五に、政府は米国との間に年金協定を結ぼうとしていますが、それ以外の国々とは結ぶ段階になっていません。したがって、諸外国で働いている方及びその妻には国民年金は加入できないのであります。諸外国にいる邦人の年金権の問題をどのように解決しようとしているのか、お伺いいたします。
 第六に、国民年金の特例納付の受付期限が六月三十日であり、残り二カ月余りであります。政府の調査でもいわゆる無年金者はなお四十万人いると過日発表されましたが、国民皆年金での無年金者の存在はきわめて大きな問題であります。政府として、無年金者をなくすために、残された二カ月の間どのような方法で加入促進を図っていくつもりか、お伺いいたします。と同時に、今後、無年金者が出た場合、どのようにして年金権に結びつけていくか、お伺いしたい。
 第七に、わが国に六月三十日までに帰化された方々で国民年金の強制加入適用者は特例納付によって年金権につながる被保険者になることができるわけですが、七月一日以降に帰化される方々には特例納付はありません。政府として、国民皆年金、無年金者解消の立場から、この問題をどのように解決しようとされるのか、伺いたい。
 第八に、厚生省は、老齢福祉年金のいわゆる増額分を年金加入者に負担させるということを早ければ来年度から実施したいとのことでありますが、年金財政は支給開始をおくらせたいほど厳しいものがあります。国庫負担が限界に来たという理由から野党要求の修正部分を被保険者に負担を強いるということは納得できないのであります。同案の撤回を求めるとともに、老齢福祉年金の大幅増額をさらに求めるものであります。政府の老齢福祉年金に対する見解をお伺いいたします。
 第九に、最近、郵政省の個人年金、企業の退職金の企業年金、生命保険の養老年金などが、公的年金だけでは満足しない国民の不満を満たすために話題になっております。ところで、社会保障の充実という立場から見た場合、これらのいわゆる年金諸制度は決して喜ばしいものではないのであります。政府として、公的年金とその他の年金のお互いの位置づけをどのように考えているのか、お伺いいたします。
 最後に、政府の一貫性を欠いた場当たり的な年金改革によってわが国の年金制度は複雑そのものであります。八〇年代に入った今日、社会保障制度審議会の建議にのっとり、国民から期待される年金制度の実現を期待して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#81
○国務大臣(大平正芳君) 内田さんの第一の御質問は、高齢化社会に移行して年金財政がますます厳しくなる中で、政府は年金制度の未来像をどのように描いておるかという御質問でございました。
 世界にも類例のない速度で高齢化社会に移行しつつある今日でございまして、国民の年金制度に対する期待も非常な高まりを見せておる中で、政府といたしましても従来からその改善に努力してきたところでございます。
 今後の年金制度のあり方につきましては各方面からいろいろの御提言をいただいておりますが、政府としては、申すまでもなく、年金制度が全体として均衡のあるものでなければならぬと考えておりまするし、また、高齢化社会において老後生活の本当の意味の支えになるものでなければならぬと考えております。したがって、今後年金制度に対しまして計画的な改革を進めながら、漸次あなたの言われる未来像なるものを明らかにしてまいる必要があると考えて鋭意努力しておるところでございます。
 第二の問題は、社会保障制度審議会が提出したいろいろな建議があるが、これを一体実現する意思があるかというような御質問でございました。
 社会保障制度審議会の建議でございますが、申すまでもなく、有力な建議としてこれを参考にしてまいらなければなりませんが、この基本的な年金構想の実現につきましては大変多額の費用負担が予想されますけれども、それが可能かどうかという問題、それから現行制度からの円滑な移行がいかに行われるかというような問題、また、その財源を付加価値税に求められておるように思いますけれども、その実現性の問題等々、また、何よりも急速な老齢化に対応いたしまして十分な財源を安定して確保する道を考えなければならぬわけでございますので、これは政府としても慎重に検討を要する問題点が多いと考えております。今後とも同審議会の御意見を十分参考にしながら、高齢化社会におきまして年金制度が真に老後生活の支えとなるよう鋭意対策を進めてまいりたいと考えております。
 その他の問題につきましては所管大臣からお答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣野呂恭一君登壇、拍手〕
#82
○国務大臣(野呂恭一君) 年金制度の未来像についてのお尋ねでございますが、これは大変大きな問題でございます。一言で申し上げるわけにはまいりませんが、先ほど総理からお答えがありましたとおり、年金制度が全体として均衡のある発展を遂げて来るべき高齢化社会に対応できる改革を進めていかなければならないと考えております。
 公的年金制度間の整合性についてのお尋ねでございますが、年金制度は個々の制度ごとに沿革がある点も考慮しながら、できる限り整合性のあるものとしていくことが望ましいのでございます。今後とも政府が一体となってこの問題について検討を進めていく所存でございます。
 厚生年金支給開始年齢のあり方についてのお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたとおり、将来の高齢化社会を見通します場合に、支給開始年齢の問題は避けて通れない事柄でございます。この点は各方面の認識も共通しておるものと考えるものでございまして、次回の財政再計算期において真剣に取り組むべき課題であると考えておる次第でございます。
 また、雇用問題との関連につきましては、現在進められております高齢者雇用対策の一層の推進が図られながら年金制度と雇用政策との有機的な連携が図られますように労働省と十分協議して対処してまいりたいと考える次第でございます。
 次に、サラリーマンの妻の年金権の問題でございますが、現行の年金制度においてすでにサラリーマンの妻の八割近くが国民年金に任意加入の形をとっておることは先ほども申し上げたとおりでございます。こういう事実を踏まえまして、女性の年金権の問題につきましては、わが国の年金制度の基本的な問題として妻の年金権を十分確保し、また、任意加入になっております国民年金の制度のあり方についても引き続き幅広い議論を尽くして検討してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
 遺族年金の問題でございますが、お子さんのある未亡人やお年寄りの未亡人の遺族年金を重点といたしまして今回の改正において手厚い改善を図る一方、社会保険審議会の厚生年金保険部会における御意見に沿いまして、子供さんのいない若い未亡人につきましては、その年齢やあるいは就労可能性などを考えますときに、遺族年金を支給しないことにすることもやむを得ないのではないかと考えたわけでございまして、御理解を願いたいと思います。ただし、遺族が障害の状態にあるような場合におきましては、これまでどおり遺族年金を支給することといたしておるわけでございます。
 現在実施しております無年金者の問題についての特例納付についてでございますが、本年度が特例期間の最終年度でございますので、特に大都市を重点にいたしましていまだに年金権が確保されていない者に対しまして納付勧奨に全力を挙げておるわけでございます。今後ともこれを進めてまいりますとともに、低所得者に対する世帯更生資金の貸付制度も活用いたしまして、無年金者の救済に最大限の成果を得られますように一層の努力を尽くしてまいりたいと考えます。今後は、さらに国民の年金に対する期待にこたえるべく、年金制度の周知徹底に努めまして、すべての国民に年金権が確保されますよう一層努力しなければならないと考えておるわけでございます。
 なお、帰化された方の国民年金の加入についての問題でございますが、国民年金の制度は、原則として御承知のとおり二十五年間保険料の拠出をしていただくということが要件になっている仕組みでございます。このことは御承知のとおりでございますが、このような年金制度の体系から、帰化した者を対象として特例を設けることは困難でございます。
 さらに、老齢福祉年金の額についての御指摘でございますが、現在のきわめて厳しい財政事情のもとでできる限りの改善を図ってきたところでございまして、老齢福祉年金等の経過的年金の引き上げの財源を拠出金によって賄おうとする構想につきましては、引き続き検討してまいりたいと考える次第でございます。
 最後に、公的年金と私的年金の位置づけについてのお尋ねでございますが、国民の老後の設計に当たりまして企業年金などの健全な発展もこれは私はきわめて重要な問題と考えておるわけでございますが、政府といたしましては、国民の老後生活の支えとしての公的年金制度の長期的な安定を図り、均衡ある発展が得られるように格段の努力をしてまいりたいと考える次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#83
○副議長(秋山長造君) 小笠原貞子君。
   〔小笠原貞子君登壇、拍手〕
#84
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、厚生年金保険法等の改正案につき質問をいたします。
 先日、私のところに手紙が参りました。その要旨は次のようなものでございました。
 私は、復員後、三十四年間、中小企業で一生懸命働いて、昨年、体も弱り、六十歳で退職いたしました。退職金は三百万円。現在は月八万円の厚生年金だけがただ一つの収入。灯油や電気、ガス代等の相次ぐ値上げで生活は苦しく、悠々自適とは全くほど遠い生活です。それにつけても、数億円も賭博で負けた国会議員やKDDの賄賂ぶりを見るにつけ腹が立ってなりません。
 とあり、そして最後に、
 ぜいたくを望むわけではありません。せめて心配のない生活ができる政治をどうかお願いします。
 と結んでありました。総理、これが庶民の願いであり、切実な声ではないでしょうか。
 総理は、老人問題に関する世論調査によると、五十歳以上の圧倒的多数が国に望むことの第一に「年金をふやす」ことを挙げているのを御承知でしょうか。総理、あなたはこの国民の期待にこたえるというお立場かどうか、まず基本姿勢を伺いたいと思います。
 わが国が高齢化社会を迎えるに備えて、わが党は国会に老後保障問題特別委員会の設置を主張してまいりましたが、総理が年金を充実させる必要を認めるならば、厚生年金等の支給開始年齢を六十歳から六十五歳へ繰り下げる根拠となる附則を当然削除すべきであります。
 政府は、六十五歳への繰り下げの理由の一つに、諸外国の制度との比較論を持ち出していらっしゃいます。この比較論は根本的に誤っています。確かに一部の国では六十五歳支給でありますが、フランス、イタリアは六十歳支給であり、西ドイツも六十三歳から支給されています。しかも、わが国と根本的に異なるのは、退職と年金受給開始とが当然のことではありますが連動しているということです。
 総理、六十五歳支給案がどれだけ世論の手ひどい批判を浴びたかはあなたも十分御承知だからこそ、一時延期の措置を余儀なくされたにすぎません。これこそまさに参議院選挙対策上のごまかしそのものであります。この際、こそくな手段を弄せず、潔く世論に従い、削除することを要求するものですが、お答えをいただきたいと思います。
 労働大臣に伺います。
 労働省は昭和六十年度に六十歳定年制の実現を目指すとしていらっしゃいますが、必ず実現させる自信がおありかどうか、責任のある答弁を求めます。
 次に、婦人の年金権に関して伺います。
 本改正案では、遺族年金を四十歳未満の子供のない妻には支給しないとされています。そもそも、遺族年金とは、夫の突然の死亡に際し、その遺族の従来生活の維持を補うことを本旨とする制度であります。ところが、本改正案は遺族年金制度の破壊に通ずる改悪で、これは絶対に認めることはできません。この部分の削除も強く求めるものでありますが、厚生大臣の答弁を伺いたいと思います。
 次に、私は、年金財政の管理運営に関して質問をいたします。
 厚生年金等積立金は、五十五年度には二十九兆円に達すると見込まれています。これが昭和八十年には厚生年金だけで実に三百兆円以上になることが試算されています。積立金は資金運用部に預託され、運用部資金として財政投融資の有力な財源にされています。一体、政府は、この巨額を従来どおりの管理運営方針で処理するつもりなのですか。
 社会保険審議会が「積立金の管理運用については、拠出者の意向が反映するよう政府は検討せよ」と繰り返し指摘しているのは当然のことであります。年金の積立金とは、政府出資金でなく、国民の拠出金であります。この拠出金の管理運営に拠出者は直接参加する当然の権利があります。
 イタリアでは、年金制度の管理運営に当たる全国社会保険公庫の運営審議会並びに理事会ともに労働者代表を多数とする民主的運営が行われています。
 私は、この際、積立金の管理運用制度のあり方を、抜本的に、そして民主的に改正する必要があると思いますが、総理の所見を伺います。
 大平内閣は、国鉄運賃、たばこ代、電力、ガス料金の大幅な値上げを認めましたが、相次ぐ公共料金の値上げ、そしてそれが引き金になって狂乱物価の再来が始まっています。その上、所得税減税が三年連続して見送られたため、ひどい実質大増税となっています。国民の暮らしの不安がますます大きく広がっている中で、本改正案は保険料の大幅な引き上げを行い、国民に一層負担を強いるものであります。
 厚生年金の場合、月収二十万円の労働者で毎月千八百円、年間二万一千円の負担増となります。
 国民年金は、来年度より夫婦で月九千円の保険料になり、公共料金を初めとする諸物価の高騰の中で、低所得者にはたえがたい負担となることは明らかであります。
 政府は、この際、給付に必要だから負担増は当然だという、国民の願いを無視する発想を根本的に改めるべきであります。
 わが党は、すでにフランス、イタリア、イギリス、スウェーデン等で実施されているように、保険料の負担割合を労働者に軽くするようかねてより主張してきました。その立場から、当面、労働者三、事業主七の割合にするようここに重ねて主張するものですが、厚生大臣の答弁を求めます。
 あわせて、国民年金保険料の一律定額方式を所得比例制に改めることを早急に検討すべきだと思いますが、お答えいただきたい。
 最後に、老齢福祉年金の引き上げについて伺います。
 御承知のように、わが党は、戦前戦後を最も苦労されてきた人々で国民年金への加入が認められなかった方々に支給される老齢福祉年金は、直ちに二万五千円に、年度内に三万円にすべきであるとの予算修正を要求いたしました。大平内閣は遺憾なことにこれを拒否されました。これは七十歳以上のお年寄りのささやかな願いへのまことに冷たい回答であります。老齢福祉年金受給者は六年後には半減の見込みです。
 大平総理、三万円福祉年金の早期実現を改めて要求するものであります。努力されるかどうか、はっきりお答えをいただきたい。
 大平内閣は、日本型福祉社会を宣伝しながら、健康保険制度の改悪、老人医療費の有料化、厚生年金支給開始年齢の六十歳から六十五歳への繰り下げ、児童手当の改廃など、福祉の切り下げ、社会保障の制度的改悪に着手し、低福祉高負担型につくりかえることをたくらんでいます。
 私は、こうした社会保障制度と福祉の切り下げのねらいに断固反対するものです。軍事費を削減して、福祉の充実こそを図ることをここに強く要求して、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#85
○国務大臣(大平正芳君) 小笠原さんの最初の御質問は、国民の多くが年金の充実を期待しているが、これに対する基本的な姿勢はどうかというお尋ねでございました。
 すでに高杉さん、内田さんにもお答え申し上げましたとおり、世界に類例のない高齢化社会がわが国において進行中でございますし、国民の年金制度に対する期待は大変大きいものがあることは、御指摘のとおり政府もよく承知いたしておるわけでございまして、これに対しまして鋭意改善に当たっておるところでございます。また、年金制度のあり方につきましては各方面から御提言もいただいておるわけでございますので、先ほど申し上げましたように、年金制度間の均衡のある発展を期しながら、高齢化社会において老後生活の本当の支えとなるような年金制度を持つように計画的に改革を進めてまいるつもりでございます。
 第二の御質問は、厚生年金等の支給開始年齢の繰り下げは削除せよということでございます。
 将来の高齢化社会を見通しますと、老後生活の支えとなる年金水準を維持しながら現在の数倍もの多くの老人の年金生活を支えていくためには、若い世代の負担が相当大きくなっていかざるを得ないという状況が予想されるわけでございます。しかし、若い世代の方々の負担にもおのずから限度があるわけでございまするし、年金制度を安定的に運営していくためにはいろいろの工夫がこらされなければならぬと考えます。国民の御理解を得ながら総合的な観点から検討を進めていく必要があることはたれしも御異存がないところと思うのでございまして、そういう観点から、先ほど厚生大臣からもお答え申し上げておりますとおり、支給開始年齢の問題は避けて通れない課題であると思っておりまして、次回の財政再計算期において真剣に取り組まねばならない課題であると私は考えております。
 第三は、年金積立金の管理運用制度を根本的に改めて、拠出者の参加の方向で改むべきではないかという御意見でございます。
 今日、年金積立金は非常に膨大になっておりまして、その運用いかんは国の財政金融に大きな影響を与えるようにもなっておるわけでございまして、資金運用部において統合的に管理運用してまいるという現行の仕組みが最も適した仕組みであると考えております。しかし、仰せのように拠出者の意思を反映しなければならぬことも政府も十分考えておるところでございまして、資金運用審議会におきましては、社会保険審議会委員並びに国民年金審議会の委員の御参加をいただきまして保険料拠出者の御意思の反映に努めておるところでございます。
 最後に、老齢福祉年金を三万円に早期に改善するよう努力すべきでないかという御質問でございました。
 老齢福祉年金の額につきましては、現在きわめて厳しい財政事情のもとでございますけれども、できる限りの改善を図るべく最善の努力を図っておるつもりでございます。御提言のようにいま直ちに三万円に引き上げるということはきわめて困難であることは御理解いただきたいと思います。
   〔国務大臣野呂恭一君登壇、拍手〕
#86
○国務大臣(野呂恭一君) 御指摘の厚生年金の支給開始年齢の問題でございますが、先ほど総理から答えられましたとおり、将来の高齢化社会を見通しますと、老後生活の支えになる年金水準を保ちながら年金制度を安定的に運営するためには制度の見直しが必要でございますが、国民の御理解を得ながら総合的な観点から検討していくべきものと考えておるわけでございます。支給開始年齢の問題は、やっぱりこれは避けて通ることのできない問題でもございますので、次回の財政再計算期において真剣に取り組むべき課題であるので、そういう趣旨の規定を設ける必要があると考えておるのでございます。いま撤回する意思はございません。
 なお、遺族年金の問題でございますが、先ほどもたびたび申し上げておりますとおり、遺族年金の重点をどこに置くかという選択の問題でもございますが、政府といたしましては、子供さんのある未亡人やお年寄りの未亡人の遺族年金を重点に置いての改善を図ったわけでございまして、四十歳未満の子供のない未亡人については、いろいろ審議会の御意見等もございましたが、この際遺族年金を支給しないこともやむを得ないのではないかというような御意見を尊重いたしましてそういうことにいたしたわけでございまして、御理解を願いたいと思います。
 保険料の負担割合の変更の問題についてでございますが、厚生年金保険等の被用者保険におきましては原則として労使折半の負担が定められているところでございますが、これが基本方針でありますが、これを改めるということになりますと、各種被用者保険間の均衡、あるいは中小企業の事業主の負担能力の現状等から考えまして、私は大変困難な問題ではないかというふうに考えるわけでございます。
 また、国民年金の保険料の所得比例制の問題につきましては、現在の定額制を所得に応じた保険料の方式に改めることについては、きわめて多岐にわたりまする被保険者についてその所得を的確に把握することができるかどうか、こういう点にむずかしい問題を抱えておるのでございます。したがいまして、現在の制度で進めてまいりたいと考えておるわけでございます。(拍手)
   〔国務大臣藤波孝生君登壇、拍手〕
#87
○国務大臣(藤波孝生君) 小笠原議員から御指摘のありました定年制の状況でありますが、長期的に見ますると、景気が非常に停滞しておりました時期にでも徐々に定年が延長になっておりまして、五十五歳がほとんど一般化しておりましたのがだんだんと年齢が引き上がってきておる、こういう状態にございます。最近におきましては鉄鋼や私鉄が定年延長の実施に踏み切りましたので非常に空気が一般化してきておりまして、各業界にわたりまして定年延長の実施を進めていきます企業がふえてきている、こういう状態に今日なっております。
 政府といたしましては、六十年度までに六十歳定年制を一般化させる、こういう目標に向かいまして、業種別の労使会議を開催いたしまして定年延長についてのコンセンサスを形成していく、さらに、定年延長奨励金制度の積極的な活用、高年齢者雇用率の達成指導、こういった施策を一つ一つ着実に進めまして行政指導をして、昭和六十年度の六十歳定年の一般化に向かって自信をもって行政を進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。(拍手)
#88
○副議長(秋山長造君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
  午後零時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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