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1979/04/14 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 航空機輸入に関する調査特別委員会 第2号
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1979/04/14 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 航空機輸入に関する調査特別委員会 第2号

#1
第091回国会 航空機輸入に関する調査特別委員会 第2号
昭和五十五年四月十四日(月曜日)
    午前十一時二十三分開議
 出席委員
   委員長 中山 正暉君
   理事 石井  一君 理事 上村千一郎君
   理事 塩崎  潤君 理事 山崎武三郎君
   理事 渋沢 利久君 理事 横路 孝弘君
   理事 坂井 弘一君 理事 安田 純治君
   理事 大内 啓伍君
      越智 伊平君    鹿野 道彦君
      熊川 次男君    玉沢徳一郎君
      深谷 隆司君    森  美秀君
      渡部 恒三君    大出  俊君
      関  晴正君    山花 貞夫君
      池田 克也君    近江巳記夫君
      長谷雄幸久君    野間 友一君
      正森 成二君    和田 一仁君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 倉石 忠雄君
 出席政府委員
        法務省刑事局長 前田  宏君
        法務省入国管理
        局長      小杉 照夫君
        国税庁長官   磯邊 律男君
        国税庁直税部長 矢島錦一郎君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総局刑事局長  柳瀬 隆次君
        航空機輸入に関
        する調査特別委
        員会調査室長  長崎  寛君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月一日
 辞任         補欠選任
  米沢  隆君     和田 一仁君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 航空機輸入に関する件
     ――――◇―――――
#2
○中山委員長 これより会議を開きます。
 航空機輸入に関する件について調査を進めます。
 この際、いわゆるロッキード、ダグラス、グラマン事件の公判状況について法務大臣から報告を求めます。倉石法務大臣。
#3
○倉石国務大臣 刑事局長から御報告いたさせます。
#4
○中山委員長 刑事局長。
#5
○前田(宏)政府委員 昨年十二月十日に本委員会におきましてロッキード事件及びダグラス、グラマン事件の公判状況について取りまとめて御報告をいたしましたが、その後の公判の経過につきまして御報告を申し上げます。
 まず、ロッキード事件の公判状況から申し上げます。
 第一に、丸紅ルートでございますが、現在までに九十九回の公判が開かれ、本件の背景、本件に至る経緯、五億円の授受及び請託等の主要な事項に関しまして所要の証人調べが一応終了し、一部の証人につきましては、検察官から同人らの検察官調書を刑事訴訟法三百二十一条一項二号書面といたしまして取り調べを請求いたしましたことは、すでに昨年の当委員会におきまして御報告申し上げたとおりでありますが、その当時取り調べ請求が未了でありました証人の検察官調書につきましても、その後同様の趣旨で取り調べの請求をいたしております。
 昨年四月十一日の第七十回公判から被告人質問の段階に入りまして、すでに大久保被告人及び檜山被告人に対します被告人質問が終了いたしまして、本年一月三十日の第九十回公判から、被告人伊藤宏に対する被告人質問が行われて、現在まで続いております。
 大久保被告人の供述内容は、前回御報告申し上げたとおりでございまして、檜山被告人も前回申し上げたとおりの供述に終始いたしております。なお、伊藤被告人は、先ほど申しましたように、現在被告人質問が行われている最中でございますので、その供述内容を取りまとめて御報告する段階には至っておりません。
 第二に、全日空ルートでございますが、この関係の公判は、現在まで合計百三十六回の公判が開かれております。
 全日空側の被告人に対しますいわゆる外為法違反事件及び議院証言法違反事件につきましては、検察側の立証をほぼ終了いたしまして、昨年九月十一日の第百十回の公判で弁護人の冒頭陳述がなされまして以来、その反証段階に移りまして、弁護側は、国会における証人喚問に関する学者証人あるいは全日空における新機種選定経過につきましての全日空関係者らの証人尋問請求を行いまして、その取り調べがなされているところであります。
 次に、橋本、佐藤両被告人の受託収賄事件関係でございますが、大型ジェット機国内幹線導入についての行政指導の経過等に関します運輸省の元事務次官らの幹部に対します証人尋問が終了いたしまして、本年四月八日の第百三十六回公判では、かねて検察官が取り調べ請求をしておりました丸紅の伊藤宏及び副島勲の検察官調書が採用されまして、その取り調べがなされましたほか、橋本、佐藤両被告人の検察官調書の取り調べもなされまして、現在までに両被告人に対します被告人質問を残しまして、検察側の立証がほぼ終了し、次回の公判に、これは四月十五日の予定でございますが、弁護人側の冒頭陳述が行われまして、それから弁護側の反証段階に移る、こういう予定になっております。
 それから第三に、児玉ルートでございますが、児玉被告人の病状を理由にいたしまして、同被告人が在廷しない状態で審理が進められておりますことは、従前のとおりでございます。現在までに五十五回の公判が開かれておりまして、前回御報告申し上げましたとおり、一昨年十二月末から弁護側の反証段階に入りまして、昭和四十七年以降のロッキード社からのコンサルタント報酬の大半の受領を否定いたしまして、いわゆる児玉領収証なるものはすべて偽造されたという趣旨の弁護側の主張に沿って、その申請に係る約十名の証人尋問が行われたところでございますが、検察側といたしましては、右領収証の中には大刀川被告人の筆跡に係る記載が存在するという旨の筆跡鑑定結果をもちまして、弁護側の立証に対する再度の反証活動に努めているところであります。
 本年四月三日の第五十四回の公判で、被告人児玉の検察官調書二十九通がいわゆる同意書面といたしまして取り調べられました。続きまして同月十日の第五十五回公判におきましては、小佐野ルートの公判と併合して審理がなされ、小佐野被告人に対する尋問がなされたところでありますが、同人に対する尋問で弁護側の反証もほぼ終了することとなっておりまして、その後は、児玉被告人に対する被告人質問に入る予定、かように相なっております。
 最後に、小佐野ルートでございますが、前回御報告申し上げたような状況で公判が進行しておりまして、現在までに四十一回の公判が開かれております。
 この公判におきましては、弁護側のいわゆるアリバイ立証に対します従前の反証活動に対しまして、検察側は本年三月六日の第四十回公判におきまして冒頭陳述の一部を補充訂正いたしております。
 この点につきまして若干申し上げますと、その内容は、小佐野被告人がロッキード社の児玉に対する支払い金員の一部でありますところの米国通貨二十万ドルを受領した経緯とその状況につきまして、従来からの冒頭陳述に加えて、まず、被告人小佐野は、かねてからK・ハマダなる者がネバダ州ラスベガス所在のサンズホテルに負っていた百二十万ドルの債務につき、その支払いを保証していたことから、右ホテルに対し、昭和四十八年一月十五日ごろ五十万ドル、同年四月二十八日ごろ二十五万ドル、同年七月十二日ごろ二十五万ドルをそれぞれ支払い、残額が二十万ドルとなっていたということ、また第二といたしまして、被告人小佐野は四十八年の十一月三日午後五時四十八分ごろ、ロサンゼルスからラスベガスに到着し、そのころ同日にロサンゼルス空港においてクラッターから受け取っておりました二十万ドルを、サンズホテルに対する前記の残債務二十万ドルの支払いに充てた。こういう事実を述べたわけでございます。
 この冒頭陳述の補充訂正にあわせまして十数点の証拠の取り調べ請求を行っておりますが、これに対しましては、去る四月十日の児玉ルートと併合されましたこの小佐野ルートの第四十一回公判におきまして、弁護人は検察官請求に係る証拠のうち、サンズホテル関係者四名の作成に係る書面二通を証拠とすることに同意しないという意見を表明しましたので、検察官はこの二通の書面にかえてその作成名義人でありますサンズホテル副社長兼総括支配人リチャード・G・ダナー外三名の証人尋問請求を行い、裁判所はこれを採用する旨の決定をいたしまして、来る六月十九日に証人として出頭するように召喚手続がとられることとなっておるわけであります。
 次に、いわゆるダグラス、グラマン事件の公判状況について申し上げます。
 この事件に関しましては、海部八郎ら三名に対します外為法違反事件、議院証言法違反事件と有森國雄に対する議院証言法違反事件が東京地方裁判所の二つの裁判部に係属しておりましたが、有森関係の事件は、昨年の十二月十四日に有罪判決の言い渡しがありまして、同判決は同月二十九日に確定いたしております。
 海部ら三名に関する事件の公判は、現在まで八回開かれておりますが、第一回公判における認否で被告人三名はおおむね公訴事実を認める供述をいたしまして、検察官の取り調べ請求をした証拠もほとんど弁護側の同意が得られ、公判は速やかに進行いたしまして、私文書偽造、同行使に関連するダグラス社から日商岩井に支払われたRF4Eについての特別手数料約二百三十八万ドルの経理処理の背景事情、日商岩井の松野頼三氏に対する約五億円の金員の支払い状況、また、議院証言法違反に関連しいわゆる海部メモの作成経過等についての検察側の立証がおおむね終了いたしまして、現在行われている弁護側の情状立証、これもおおむね終了いたしまして、次回、五月六日でございますが、この公判に検察官の論告、次の次の公判、六月十七日の予定でございますが、その公判で弁護人の弁論がそれぞれ行われる、かような予定になっております。
 以上をもちまして報告を終わります。
    ―――――――――――――
#6
○中山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山崎武三郎君。
#7
○山崎(武)委員 多少いまの刑事局長の説明で重複するかもしれませんが、いわゆるロッキード事件の小佐野ルート、これの公訴事実の概要並びに被告人の公判廷における意見の内容、そして公判経過及び進行状況、そして検察側が従前の冒頭陳述を補充訂正したということでありますから、その内容を簡潔に御説明願います。
#8
○前田(宏)政府委員 まず、いわゆるロッキード事件におきます小佐野ルートの公訴事実の概要でございますが、御案内のとおり、このルートの公判の被告人は小佐野賢治氏一名でございまして、その公訴事実はいわゆる議院証言法違反でございます。
 そのいわゆる公訴事実でございますが、起訴状によりますと、被告人小佐野は、真実は、昭和四十七年九月中ごろにコーチャンからL一〇一一型の航空機を全日空に購入させるように尽力されたいという懇請を受けて、そのころ全日空の渡辺副社長に対して、全日空がいま申しました航空機を購入するように慫慂したということ、また四十八年十一月初めごろにロサンゼルス空港でクラッターから二十万ドルを受領したということ、また四十九年一月下旬ごろにコーチャンを航空機の売り込みに関して東亜国内航空の田中社長に紹介したこと、こういう事実があるのにもかかわらず、昭和五十一年二月二十六日の衆議院予算委員会におきまして、いま言ったような事実はないという証言をしたということが偽証に問われているわけでございます。
 なお、その後検察官は起訴状記載の訴因を若干変更いたしまして、いま申しました事実のほかに、四十八年七月ごろコーチャンからP3Cの説明を受けて、それを日本政府に売るについての援助方を要請されたという事実があるのに、この事実もないということを述べたので、その点も偽証に当たるという事実を追加しておるわけでございます。
 というわけでございますので、いろいろいわゆる偽証と言われる内容が幾つかあるわけでございますが、この起訴事実に対しまして、被告人である小佐野氏は、結論から申しますと、全面否認をしておるわけでございます。特に四十八年十一月初めごろロサンゼルス空港でクラッターから二十万ドルを受け取ったかどうかという事実に関しましては、クラッター氏と会ったこともないし、当然受領したことはないというような弁解といいますか、主張をしておるわけでございます。
 さらに、ほかの点もございますが、時間の都合もありますので省略させていただきますが、その点につきましては弁護側の冒頭陳述がなされておるわけでございます。これが五十四年三月八日でございますが、その中でやはり二十万ドルの受領事実を否定しておりまして、いろいろとその理由を述べておられるわけでございますが、二項目といたしまして、一体そのような大金がどこでどのように処分されたと言うのかということを弁護側の冒頭陳述で述べておるわけでございます。つまり二十万ドルを受け取ったとすればその使途は何だということを、検察官側に問いただしておるというような形に相なっております。
 それから今後の進行状況でございますが、先ほど申しましたような状況で進んでおるわけでございます。三月六日に先ほども御説明しましたような冒頭陳述の一部補充訂正がなされたわけでございます。その際、若干の証拠の取り調べ請求をいたしまして、これに対して弁護人側が一部同意をしないということ、同意をされましたのは、いわゆるサンズホテルの損益計算書だけでございまして、先ほど申しましたダナー外三名の書面等につきましては同意しない、そのほかの申請証拠については意見を留保する、こういうような状況でございまして、同意が得られません書面につきましては、証人自体を証人調べの請求をする、こういうことに相なっておるわけでございます。
#9
○山崎(武)委員 小佐野ルートの公判も相当進んでいるという印象でありますが、いまになって従前の冒頭陳述を補充訂正した理由は何であるか、御説明願いたい。
#10
○前田(宏)政府委員 ただいまお尋ねに対しまして御説明したところで若干触れたつもりでございますが、いわゆる偽証と言われている中身の一番問題になっているというのが二十万ドルの授受の関係でございまして、その点について被告人側では否認をしておられる、こういうことでございます。先ほども申しましたように、弁護人側の冒頭陳述でその事実がないことをるる述べておられ、また特に、その使途ははっきりしないではないか、こういうような指摘をしておるわけでございます。
 そこで、検察官側といたしましては、当初から、この二十万ドルの授受があったということで、それに見合うような立証活動を続けておったわけでございますが、やはりその二十万ドルの授受というものを詳細に争っておられるわけでございますので、検察官側といたしましても、慎重を期すると申しますか、十全を期すると申しますか、そのような観点から、その使途関係を補充的な捜査をしておったわけでございます。
 そのようにしておりますうちに、今回冒頭陳述の補充訂正で申しましたような事実が判明してまいりましたので、これを冒頭陳述の補充訂正という形で主張をし、そこに書いてある事実を今後の公判で立証していこう、かように相なった次第で
 ございます。
#11
○山崎(武)委員 検察側が補充訂正した冒頭陳述の事実を立証するためにどのような証拠の取り調べを請求したか、お伺いします。
#12
○前田(宏)政府委員 冒頭陳述の補充訂正の中身でございますが、先ほど概要を申し上げました。
 ただ、若干誤解がございますといけませんので、この際念のためにつけ加えておきますが、三月六日の冒頭陳述の補充訂正におきましては、先ほども御説明いたしましたように、かねてK・ハマダなる者がサンズホテルに負っていた百二十万ドルの債務について支払いを保証していた、こういう表現といいますか、こういう記載になっておりまして、その債務の額が百五十万ドルであるとか、あるいはその債務がどういうことによって生じたものであるとかということは、冒頭陳述の補充訂正では触れていないことでございます。
 ということを一言前もって申し上げた上でのことでございますが、公判の進行のことでございますので、若干技術的、専門的な御説明に相なろうかと思いますが、先ほど来申し上げましたような冒頭陳述の補充訂正と申しますのは、検察官側がこれから立証していこうと考えている事実をまず述べるという性格のものでございまして、そのこれから立証していこうという事実をこういう証拠によって立証していくんだというのが証拠請求であるわけでございます。
 そこで、その取り調べ請求をいたしました内容でございますけれども、先ほども出てまいりましたが、サンズホテルの副社長兼総括支配人のリチャード・G・ダナー外三名作成にかかります「K・オサノの取引」と題する書面の写し、また同じ作成者の「関係者殿」と題します書面の写し、それぞれ一通がございます。また、サンズホテルの一九七一年と七二年度の損益計算書一つづり、それから、K・ハマダに対します個人別貸付勘定元帳カードの写し二枚、それから、K・ハマダに対する補助元帳及びK・ハマダからの二十万ドルの支払受領証という形になっているものの写し一枚、それから、小佐野被告人名義のパスポート、国際興業株式会社の海外出張旅費精算書つづり等でございまして、そのほかに、米国司法省の検事の東京地検の特捜部長検事に対します書面、これが七点、かようなものが、先ほど申しました証拠申請をいたしました内容でございますが、これも先ほど申しましたように、リチャード・G・ダナー外三名作成の書面二通につきましては、弁護人側が証拠とすることに同意しないということでございましたので、いま申しました人の証人申請をした、かようになっているわけであります。
#13
○山崎(武)委員 検察側が取り調べを請求した証拠の表題を見ますと、日米間の司法取り決めに基づいて検察側がこれらの証拠を入手したようにも思われますが、いかがでしょうか。
#14
○前田(宏)政府委員 いま御説明申し上げました十数点の取り調べ請求をいたしました証拠の中で、サンズホテルの損益計算書がございます。これは、弁護人側が証拠として請求をいたしまして、すでに公判で取り調べ済みでありましたものを、今度は検察官側がこれを利用するという形で、検察官が請求証拠として取り調べの請求をしたものでございます。
 その他の請求証拠は、一部パスポートあるいは海外出張旅費精算書、これは国内のものでございますが、それらを除きますとすべて、ただいま御意見のありましたように、日米間の司法取り決めに基づきまして、アメリカの司法当局からわが国に引き渡されたものでございます。
#15
○山崎(武)委員 補充訂正した冒頭陳述によりますと、K・ハマダなる者がネバダ州ラスベガス所在のサンズホテルに百二十万ドルの債務を負っていたということでありますが、検察側が債務を負った者の氏名を明示せずにK・ハマダというようなあいまいな表現を使ったのはいかなる理由に基づくか、御説明願います。
#16
○前田(宏)政府委員 今回問題になっておりますいわゆる冒頭陳述の補充訂正、この性格なりいきさつにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。
 そこで、いまのお尋ねの点についてでございますけれども、これは立証技術の問題でございまして、やはり専門的な、技術的なような御説明になるわけでございますけれども、問題は、二十万ドルが授受されたかどうかというのが一番の問題でございます。その事実を裏づけるいわば間接事実ということで、支払い保証がなされていたこと、また、その支払い保証というものがどういう債務に関するものであるかということ、だんだんと間接の度を加えてくるわけでございますが、そういうような実態でございますので、そういう実態からして、K・ハマダというふうに表示すれば足りるというのが一つの理由でございますが、一面からいたしますと、証拠申請をいたしましたのは証拠物でございまして、先ほど来御説明しておりますところからもおわかりのように、おおむねアメリカの方から入手したものでございますから、英文であるわけでございます。したがいまして、英文のいろいろな証拠の上でK・ハマダという表示がされておる、また元帳などの上でもそういう表示がなされておるということは先ほど申したとおりでございますので、そういう観点からいたしますと、検察官側として請求した証拠に即しての表現だ、かように御理解をいただきたいわけでございます。
#17
○山崎(武)委員 K・ハマダなる者がサンズホテルに百二十万ドルの債務を負っていたということでありますが、債務発生の原因は何か、また、債務を負った年月日はどうか、お尋ねいたします。
#18
○前田(宏)政府委員 先ほども、よけいなことでございましたが、お断りしたところに関係するわけでございますけれども、冒頭陳述の補充訂正では、その債務の発生原因、また債務の発生年月日、これにつきましては、特段触れていないわけでございます。
 しかしながら、先ほどお尋ねがございまして申し上げた取り調べ請求をいたしました書面がございますが、その立証趣旨によりますと、債務発生の時期は一九七二年十月ということになっておるようでございます。しかしながらこの点は弁護人側が証拠とすることに不同意ということになりましたので、その書面は提出ができないことになりまして、かわりに証人が喚問されることになる、かような経過になっております。したがいまして、現段階、つまり冒頭陳述を補充訂正したということ、また検察官側として提出予定の証拠について取り調べ請求をしたということ、またその一部について弁護人側の応対があって先ほど申したようなことに相なっているということ、そのほかの点につきましては裁判所の決定もない、かような状況にあるのが現時点のことでございます。したがいまして、検察側の立場といたしましては、冒頭陳述あるいは証拠申請の段階で明らかになっている点、これを申し上げることはもちろん差し支えないわけでございますけれども、その内容に立ち入ったことは現段階では申し上げかねるわけでございます。
#19
○山崎(武)委員 K・ハマダがサンズホテルに百五十万ドルの債務を負担していたが、後に小佐野氏がサンズホテルと折衝して百二十万ドルに値引きしたということを聞きますが、これは事実でありますか。
#20
○前田(宏)政府委員 この点も先ほどの問題と同様なことでございまして、冒頭陳述の補充・訂正書そのものにおきましては、いまの点は触れていないところでございます。しかし先ほど申しましたように、一応証拠申請をいたしましたリチャード・G・ダナーほか三名の作成に係る書面の立証趣旨ということが出ておるわけでございますが、その立証趣旨におきましては、いまお尋ねのようなことが含まれておるわけでございます。したがいまして、それは今後の公判でそのようなことを検察官として立証したいということでございまして、今後の問題、かように御理解をいただきたいわけでございます。
#21
○山崎(武)委員 新聞、雑誌等の報道では、K・ハマダは浜田幸一氏であると言われておりますが、それは事実であるか、また浜田幸一氏がサンズホテルでバカラというばくちをして百五十万ドル負け、それが問題のサンズホテルに対する債務であると言われておりますが、それは事実であるか、お尋ねいたします。
#22
○前田(宏)政府委員 同じようなお答えになって恐縮でございますけれども、検察側の冒頭陳述の補充・訂正書、これによりますと、何回も申し上げておるところですが、K・ハマダというふうに表示されているわけでございます。いまお尋ねのようなことは冒頭陳述の補充訂正では出ておらないということでございますし、またいわゆるサンズホテルに対する債務発生の原因についても同様に触れられていないわけでございますので、私どもの立場からはそれ以上のことは申しかねるようなことでございますけれども、過日の浜田幸一議員の辞職、あるいはその際の記者会見等によりまして、その両者の同一性というものが明らかになったというのが一般的な見方ではないかというふうに言いますと、それは否定しないということに相なるのではないか。ただ私どもといたしましては、冒頭に申しましたように、立場といたしましては同様なことしか申し上げられないということでございますので御了承をいただきたいわけでございます。
#23
○山崎(武)委員 新聞、雑誌の報道に対する率直な疑問でありますが、浜田幸一氏が一人でばくちをして五億円足らずも負けるというようなことは金額が大き過ぎるという点で直ちにうなずけない点もありますが、数人または十数人のグループがばくちをして合計で五億円足らず負け、それをK・ハマダの名前でツケにしておいたという証拠関係ではないのか、お尋ねします。
#24
○前田(宏)政府委員 お尋ねのような見方と申しますか、いろいろと新聞報道等でもなされていることは承知しているところでございますが、これも形式的なお答えでおしかりを受けるかもしれませんけれども、冒頭陳述の補充訂正におきましては、その発生原因、そういうものについては何も触れていないわけでございます。
 ただ、若干補足いたしますと、提出を予定して請求いたしました証拠の上では、ホテルに対する債務者としてはK・ハマダ一人ということになっているように見られるわけでございます。その中に、内容的な意味でだれかほかの人が一部含まれているかどうかという問題もあり得るわけでございましょうが、その内容は、詳しいことは今後の公判で必要に応じて明らかになる、かように御理解賜りたいわけでございます。
#25
○山崎(武)委員 四月八日付朝日新聞には、小佐野、浜田幸一氏とラスベガスに同行したと言われる小川某というものの証言が掲載されておりますが、この記事の内容は事実であるかお尋ねします。
#26
○前田(宏)政府委員 御指摘の四月八日付の新聞に、ある程度詳しい「同席者証言」というような見出しで記事が載っておりましたことは私も承知しておりますが、先ほど来繰り返して申しておりますように、検察官の冒頭陳述の補充訂正におきましては先ほど来申したようなことを述べ、これを主張し、また今後立証をしていこう、こういうことでございますので、その点と若干食い違っている点があるというふうに思いますが、いずれにいたしましても、現段階では検察官側としては今後こういうことを立証していこう、こういう段階にとどまっておるわけでございまして、それがどのように進行していくか、特に弁護人、被告人側の応対ぶりとうものが当然あるわけでございまして、その応対ぶりいかんによってはいろいろと公判の動きは変わってくるわけでございまして、現段階ではそれ以上のことは実態としてもわかりませんし、申し上げるのは適当な事柄ではない、かように存じます。
#27
○山崎(武)委員 小佐野ルートの公判に、将来この件に関し浜田幸一氏を証人として喚問されることはあるのかお尋ねします。
#28
○前田(宏)政府委員 いまも一般的に申したことの一部に相なるかと思います。現段階では、検察官側といたしましては、とりあえず申請した書証あるいは証人、こういうもので当面の二十万ドルの授受の事実は明らかになるものという考えでおるわけでございますので、お尋ねの点はすぐにそういうことになるかといいますと、現在の立場ではないのではないかというふうに思いますけれども、先ほども申しましたように、弁護人側の活動、訴訟活動がいろいろとあり得るわけでございます。これは検察官側として何ともできないことでありますし、予測もつかないところでございます。したがいまして、あるともないとも言えないというのが実態でございます。
#29
○山崎(武)委員 検察側は、冒頭陳述の補充訂正前にK・ハマダなる者を取り調べたのか、取り調べたとすればK・ハマダなる者は百二十万ドルの債務の負担についてどのように述べていたかお尋ねします。
#30
○前田(宏)政府委員 従来から広い意味の捜査の段階におきまして、どういう人をどういうふうに調べたかというようなことはいろいろ差しさわりがあるといいますか、適当でないということで御答弁をお許しいただいておるわけでございますので、一般的にはそのように御理解を賜りたいわけでございます。ただ当面浜田幸一議員のことでございますと、新聞等で拝見いたしましたので正確であるかどうかは私わかりませんけれども、それをお認めになっているような記事も載っていたようでございますので、そのことを私として否定するものではございません。
#31
○山崎(武)委員 浜田幸一氏はいわゆるロッキード事件と関係があるのかどうか、まずこれをお尋ねします。
#32
○前田(宏)政府委員 お尋ねの趣旨を十分理解しているかどうかわかりませんけれども、私どもの理解しておりますところでは、浜田幸一氏につきましては、いわゆるロッキード事件の捜査の全過程を通じまして捜査の対象になったことはない、かように承知いたしております。
#33
○山崎(武)委員 それでは浜田幸一氏は、ロッキード社の航空機の売り込みに尽力した謝礼として金員を受け取ったことはないのかお尋ねします。
#34
○前田(宏)政府委員 先ほどお答えしましたのはそういうことでございますので、お尋ねのように御理解していただいて結構でございます。
#35
○山崎(武)委員 浜田幸一氏の弁明によりますと、ばくちで負けたために負担することとなった債務は、自己の資産を処分して弁済したということでありますが、そうであるとすれば、ロッキード事件とは関係ないということになるが、どう思いますか。
#36
○前田(宏)政府委員 浜田幸一氏の弁明につきましては、新聞等である程度存じておりますけれども、その内容を正確につかんでいるわけではございません。したがいまして、一種の仮定論のようなことに相なるかと思いますが、その弁済を前提といたしますれば仰せのようなことであろうと思います。
#37
○山崎(武)委員 仮に百歩譲って検察官主張のとおりだとしても、ロッキード社からの二十万ドルが浜田氏の債務の弁済に充てられたことを知らないと言っているのであるから、浜田氏はその意味ではロッキード事件にかかわりがないと思うのでありますが、いかがでしょうか。
#38
○前田(宏)政府委員 お尋ねのような観点に立って考えますと、お説のとおりということになろうと思います。
#39
○山崎(武)委員 そうだとしますと、いかなる観点から見ても浜田氏はロッキード事件にかかわりがないということになるが、どう思いますか。
#40
○前田(宏)政府委員 先ほど来三、四回お尋ねを受けお答えしたところからいたしますと、お説のとおりということになるわけでございます。
#41
○山崎(武)委員 国税庁長官にお尋ねしますが、昭和四十七年度分以降の浜田幸一氏の公示所得金額をお尋ねします。
#42
○磯邊政府委員 昭和四十七年分千五百二十七万円、四十八年分三億四千百七十九万九千円、四十九年分千六百十一万八千円、五十年分千百七十五万五千円、五十一年分千二百九万四千円、五十二年分千百八十六万九千円、五十三年分千二百十五万八千円、五十四年分はまだ公示されておりません。
#43
○山崎(武)委員 今回の浜田幸一氏の弁明を聞いておりますと、自己の資産を売却してその弁済に充てたということを主張しております。そこで国税庁としては浜田幸一氏の債務弁済の原資について調査するつもりがあるか、お尋ねします。
#44
○磯邊政府委員 私たちも浜田幸一氏の債務弁済の問題は、新聞等で承知いたしておりますが、そもそも浜田幸一氏の債務というのが一体どれだけあったのか、それからまた、それをいつ弁済されたのか、そういった点につきましての情報がまだ入っておりませんので、また資料も持っておりませんので、今後の各種の情報あるいは公判廷の推移等を見て必要な資料を収集しながら、それがいわゆる除斥期間の満了した時代であれば別でありますけれども、まだ除斥期間が経過してない時期のものでありましたら、当然国税当局としては関心を持ってそれについての調査をいたす考えであります。
#45
○山崎(武)委員 多額の資産の異動があったとしますと、当然税務署にはその資料があるのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#46
○磯邊政府委員 多額の資産異動がありましたときには、当然税務署の方にその資料が法定資料として回ってくるケースもございますし、それからまた、税務当局自身として市町村あるいは法務局、そういったところで資料の収集をしているわけでありまして、浜田幸一氏に係る資料もあることは事実であります。
#47
○山崎(武)委員 仮定的な質問でございますが、浜田幸一氏の債務の金額が定かでありません。しかし仮に四億円の債務を負担したとして、四億円の債務を支払うということになりますと、自分の財産を一体どの程度売却すれば四億円の債務を支払うということになるのか、お尋ねします。
#48
○磯邊政府委員 お尋ねのケースでございますが、財産を売却した場合にどの程度の現金が残るか、資産が残るかということ、これは御承知のように売却いたしました財産の種類あるいは当該財産の保有期間あるいは譲渡所得以外に他の課税所得があるかどうかということ、それからまたその他の課税所得の金額、それから売却した財産の取得費、売却したときの税法、そういったいろいろな要素がございますので、その組み合わせによってかなり答えが変わってくるわけでありますが、仮にただいま御質問のように財産を処分して手元に四億円の資産、現金といいますか代金が残るというにはどれだけの資産を処分しなければならないかということを一応いろいろな仮説を置いて計算してみますと、次のようになるわけであります。
 まず第一に、土地建物を処分いたした場合、その場合としては長期譲渡と短期譲渡の二つがございますけれども、長期譲渡分にかかるものについて申し上げますと、取得費を収入金額の五%相当額であり譲渡所得以外の他の課税所得がゼロであるというふうに想定いたしますと、これを昭和五十四年中に売却した場合には約十一億四千万円の売却価額でなければならない、また一方昭和四十八年に売却した場合には、これは約五億円でなければならないという一応の計算が成り立つわけであります。そしてこの土地建物がいわゆる短期譲渡であるといった場合であって、その場合の前提が取得費を三億五千万円、譲渡所得以外の他の課税所得をゼロとした場合には、昭和五十四年中に売却した場合には売却の価額が約七億七千万円、これは四十八年中に売却した場合でも同じく七億七千万円であります。
 土地建物については以上でありますが、仮に株式を処分したといったような場合には、御承知のように特定の場合以外には非課税でありまして、これはその譲渡した代金、それがまず可処分所得になるというふうに想定しても結構かと思います。もちろん課税になります特定の場合と申しますと、これは現在の税法におきましては一銘柄について二十万株以上、あるいは一年間に五十回かつ二十万株以上の売買、それからその次にはいわゆる事業譲渡類似の売買、こういった三つの場合には、普通代表的な例といたしまして、有価証券の譲渡益に対して課税がされるわけであります。
 その次には宝石あるいは絵画などの財産を処分する場合、それは長期譲渡分で保有期間が五年超で、その場合の前提は取得費を収入金額の五%相当であり譲渡所得以外の他の課税所得をゼロとした場合、これを想定して計算いたしますと、これは昭和五十四年中に売却した場合であっても昭和四十八年中に売却した場合であっても約六億五千万円の売却価額が要るということであります。これが宝石、絵画などで短期譲渡分、つまり保有期間が五年以下の場合、これは取得価額を三億三千五百万円、譲渡所得以外の他の課税所得をゼロとしたような場合を想定いたしますと、五十四年中に売却した場合であっても四十八年中に売却した場合であっても、同じく六億七千万円程度の売却価額がなければならない。その他、山林のうちの立木分であるとか、いろいろな想定がなされるわけでありますけれども、一応いろいろな前提を置いて計算いたしますと、以上のような金額になるわけであります。
#49
○山崎(武)委員 大口の資産の異動についてはどのような調査をしているのか、お尋ねします。
#50
○磯邊政府委員 まず、われわれは大口の不動産にかかわらず不動産の異動がありますと、税務職員が市町村などから所有権移転登記等に関する資料を収集しておるわけでありますけれども、それ以外の資料といたしましては、農地の宅地転用資料あるいは法定調書といたしまして、不動産等の譲り受けの対価の支払い調書というのがあるわけであります。こういった資料を集めまして大口資産の異動の調査をやっておるわけでありますけれども、同時に、その異動がありました場合、税務所の方からお尋ねというのを出しまして、それによって資産の異動についての回答をいただいておるというふうなことをやっております。
#51
○山崎(武)委員 最近、浜田幸一氏についての調査をしているのか、お尋ねします。
#52
○磯邊政府委員 浜田幸一氏についての税務調査は最近やっておりません。
 ただ、先ほど申しましたように、昭和四十八年分の所得というのが異常に高くなっておりますので、そのときは一応先ほど申しました不動産等の譲り受けの対価の支払い調書というものが回ってまいりまして、それと浜田氏の申告書の記載事項というものを突き合わして、それによって机上においてその内容を審査したという事実はございますけれども、それ以外に浜田氏についての税務調査をやったということはございません。
#53
○山崎(武)委員 それではお尋ねしますけれども、浜田幸一氏と小佐野賢治氏との間に何らかの金銭の貸借関係があるのかどうか、お尋ねいたします。
#54
○磯邊政府委員 結論から申しまして、小佐野氏と浜田氏の間に金銭の貸借関係があるということは、私たちは把握しておりません。申告書を出します場合に、いわゆる申告所得金額は個人につきましては、二千万円以上になりますと、資産及び債務の明細表というものを添付していただくわけでありますが、浜田氏につきましても、昭和四十八年分は当然二千万円を超えた所得の申告でございますので、そのときに添付されました資産並びに債務の明細表を見ましても、そういった負債勘定というものは見当たらないということでございます。
#55
○山崎(武)委員 小佐野賢治氏について、本件に関し調査を行ったのか、行っていないとすれば今後どうするつもりか、お尋ねします。
#56
○磯邊政府委員 このたびの各種の報道あるいは公判廷の推移、そういったことに対しましては、私たちも重大な関心を持っておりますけれども、御承知のように今回の問題は私たちとしても初めて冒陳の補充訂正によって知り得たことでございますし、それからさらにまた公判がこれからずっと進むわけでございますから、その公判廷の推移を見ながら浜田氏に対すると同様、必要とあらば小佐野氏に対する調査をやっていきたい、かように考えておるわけでございます。
#57
○山崎(武)委員 一般論としてお尋ねしますけれども、賭博行為による所得に対する課税というのはどうなるのか、また海外で行った場合もどうなるのか、お尋ねします。
#58
○磯邊政府委員 賭博による所得というのは現在の税法では一時所得に該当するわけであります。したがいまして、賭博で利益がありますと当然一時所得として申告をしていただく。その場合の必要経費というのは当該賭博によって勝つために必要として支出した経費でございますから、かけ金ということがそこで必要経費になりまして、もうかった額からかけた金を引いて、それによって残りがあれば一時所得として申告をしていただく。しかし、それは負けた場合は全然引きようがないわけでありまして、勝った場合だけは申告していただくというのが現在の税法のたてまえであります。しかしいずれにいたしましても、賭博でこれだけ勝ったということを申告されたケースというのは、遺憾ながら私も承知しておりませんで、いわんや海外におきましてそういったことがありました場合に、たとえ合法的な賭博場において勝った場合であってもそれを申告されるというケースはないわけでございます。
 ただ私たちといたしましては、ただ申告がないからそれを漫然と手をこまねいておるというわけではございませんで、それ以外の資料、たとえば各種の情報であるとかそれから通常の状態では考えられないような資産の増加があったとか、あるいは非常に生活面から見て通常の収入からは考えられない、そういった各種の情報を収集いたしまして調査をし、それによって何らかの形において課税に持っていくというふうな努力はしておるつもりでございます。
#59
○山崎(武)委員 法務省にお尋ねしますが、検察側が補充訂正した冒頭陳述に対する被告人側の意見及び取り調べ請求した証拠についての被告人側の認否はいつ行われる見通しであるか、お尋ねします。
#60
○前田(宏)政府委員 冒頭陳述の補充訂正は先ほど申し上げましたように三月の六日に行われたわけでございます。その次の公判が三月末にございましたけれども、その日は小佐野被告人が体のぐあいが悪いということで公判が開かれませんでした。その次が過日の十日でございます。
 そこで、被告人、弁護人側といたしましては、先ほども少し申しましたけれども、取り調べ請求をいたしました証拠のうちで、リチャード・G・ダナー外三名作成に係る二通の書面、これを証拠とすることには同意しない、こういうことを言われたわけであります。一面、サンズホテルの損益計算書のみは同意した、その余の証拠につきましては意見を留保した、こういう報告を受けているところでございます。
 ただ、そのもとになります補充訂正をいたしました冒頭陳述そのものに対します弁護人側の意見というものはまだ述べられておりません。したがいまして、検察官の冒頭陳述の補充訂正そのものに対する意見、また取り調べ請求をいたしました証拠の中で意見を留保された証拠、これについてのいわゆる認否の意見、これはいつ行われるかはまだわからない。要するに被告人、弁護人側の問題でございますのでよくわからないというのが実情でございます。
#61
○山崎(武)委員 K・ハマダがサンズホテルに債務を負担した際、マーカーにK・ハマダと署名しており、これが東京地検の入手するところとなったと言われておりますが、これは事実ですか。
#62
○前田(宏)政府委員 一部の新聞報道であったかと思いますが、いまお尋ねのようなことが若干出ておったように記憶しております。しかしながら、いまお尋ねのように東京地検でどういう証拠を入手しておるかということになりますと、先ほど来繰り返して申しておりますように今後の公判立証に深くかかわるところでございますので、具体的なことはお答えをいたしかねるわけでございますけれども、端的に申しまして先ほど来御説明を申し上げておりますような形で、取り調べ請求をしておる証拠何点かあるわけでございますが、その中にはいまの御指摘のものは含まれていない、これは明らかでございます。
#63
○山崎(武)委員 いわゆる小佐野ルートの公判におきまして、これまで取り調べられた証拠の中で浜田幸一氏に関するものがあったかどうか、お尋ねします。
#64
○前田(宏)政府委員 検察官側から請求いたしました証拠の中にはそういうことはなかったと思いますが、弁護人側の申請に係ります証人の中で一部の証人が証言しておる中でのことでございますけれども、昭和四十八年の十一月に小佐野被告人がラスベガスに旅行した際に浜田幸一氏が同行していたということに触れた証言があるというふうに承知しております。
#65
○山崎(武)委員 小佐野氏と浜田幸一氏が一緒にアメリカに行ったことは浜田氏も認めているようでありますが、アメリカに行った際暴力団員も同行したということが一部で言われているようでありますが、検察当局はそれを確認しておるかどうか、お尋ねします。
#66
○前田(宏)政府委員 お尋ねの点もいろいろと取りざたされているように思いますけれども、まずお尋ねの中での暴力団員ということがいいかどうかわかりませんけれども、そういう人がだれであるのかということがはっきりいたしませんので何とも申しかねるわけでございます。ただ、先ほど来申しておりますように、報道あるいは一部の国会での御論議におきまして稲川会と称するものに属していると言われている人が一緒に行っているんじゃないかという議論がされております。この点につきましては先般参議院の法務委員会であったと思いますが、法務省の入管当局の方から石井進という人が昭和四十七年の十月五日に小佐野氏と同じ便で出国をした。また同月の十四日に同じ便で日本に帰っているというようなこと。それから当時の浜田議員は同月八日に出国をし同月十四日に小佐野氏と同じ便で帰っているというような、出入国関係の御報告をしたように承知しております。したがいまして、そのような日時関係を照らし合わせますと石井という人が一緒であったのではないかというふうに推定されますけれども、その程度のことでございまして、それ以上いわゆる公判でそういう点は出ておりませんし把握していないわけでございます。
#67
○山崎(武)委員 四月十日付の読売新聞朝刊に、昭和四十八年十一月にも浜田幸一氏はラスベガスでばくちをして五十万ドル負けたと報道されておりますが、検察はこのような事実を知っているのかどうか、間違いないことであるのかどうか、お尋ねいたします。
#68
○前田(宏)政府委員 二十万ドルの授受に関しまして何回も申し上げておりますような冒頭陳述の補充訂正がなされ、それがどういう公判の段階にあるのかということは申し上げたとおりでございますが、そのことの中ではいま御指摘のありました四十八年十一月にどうこうということは全く触れていないところでございまして、私どもとしては承知してないということでございますし、また私よく知りませんけれども、一般にラスベガスというところには何か公認の賭博場というものがあるようでございます。そこで賭博を仮にするということになりますとこれは国内の犯罪ということにはならないわけでございますので、そういう意味でも検察当局としては犯罪の面からは理解していないのではないか、かように考えるわけでございます。
#69
○山崎(武)委員 浜田幸一氏の過日の記者会見の中で、自分が外為法違反を犯してばくちで負けた金を支払った旨を述べておられますが、国外でばくちで負けた金を支払えば外為法違反が成立するのかどうか。犯罪が成立するとしたら、検察当局はこれを捜査するのかどうか、お尋ねします。
#70
○前田(宏)政府委員 浜田議員が、辞職を決意されました際の記者会見で、いまお尋ねのような趣旨の発言があったやに伺うわけでございますが、どういう御趣旨であるのか、また内容もどうも定かでございませんので、どの点が外為法違反になるという御発言であったのかということもよくわからないわけでございます。したがいましてそういう事実がよくわかりませんので、どういう点が違反になるのかということは現段階ではちょっとわかりかねるわけでございますし、いずれにしても具体的案件で御自身が違反だとおっしゃっていることでございますので、犯罪の疑いがあるということになる可能性もあるいはあるかもしれません。そうなりますと、一応考えられますことは外為法の二十七条とか三十条とか、こういう規定が関係してくるんじゃないかというふうに思われるわけでございます。しかし内容ははっきりいたしませんけれども、いずれにいたしましても大分古いことのようでございます。したがいまして、時効という問題も出てくると思いますし、いろいろな面で不確定なことでございますからはっきりしたことは申しかねますけれども、もし犯罪の疑いがあるということでございますれば検察といたしましては適切に対処すべきもの、かように考えます。
#71
○山崎(武)委員 公判中の事柄について、国会等でこれに関連したことを取り上げ審議することについて、法務、検察はどのように考えているのか、刑事局長並びに法務大臣にお尋ねします。
#72
○倉石国務大臣 国政調査権が非常に重要なものであることは私どもよく心得えておるわけでありますが、現に裁判で問題になっておりますような事柄について具体的な御審議がなされるということは進行中の公判等にもいろいろな影響を持ってくる場合もございますので、そういう現在進行しておる事件につきましては、なるべくこう、何と言いますか、御容赦願えれば幸いなことだ、こう思っておる次第であります。
#73
○前田(宏)政府委員 ただいま大臣からお答えしたとおりの結論でございますが、私どもといたしまして、裁判、検察のことだけを重視する気持ちは全くございませんで、大臣が冒頭にも仰せになりましたように、国政調査権というものは大変重要なものであるということは理解しておるわけでございます。しかしながら、裁判、公判というものが適正に行われるということもやはり大事であろうというふうに私どもとしても考えておりますし、そのことはまた御理解をいただいておるところではないか、かように考えておるわけでございます。
#74
○山崎(武)委員 なお念を押しますけれども、浜田幸一氏を国会に証人として喚問すべしという御意見もあるようでありますが、いまの大臣並びに刑事局長が述べられた御意見は浜田幸一氏の国会における証人喚問についても同様な意見と承ってよろしいか、お尋ねします。
#75
○前田(宏)政府委員 国会でどういう方を証人に喚問されるかということは、当然のことながら国会でお決めいただくことでございますので、私どもとしてはとやかく申す立場にございませんけれども、先ほども申しておりますように私どもの希望と申しますか、お願いといたしましては先ほどのようなことがあるというふうに御理解を賜りたいわけでございます。
#76
○山崎(武)委員 私は職責上るる浜田幸一氏の件についてお尋ねをしました。しかし浜田幸一氏は過日議員を辞職するという形でみずからの責任をおとりになりました。ロッキード事件に関係があるかどうかということについてもお尋ねしました。私の問いに対しては法務当局は関係がないということを明言されたわけであります。しかしアメリカの公営賭博場において賭博をして、多額の債務を負担したということについて浜田議員はみずから国会議員として――まさに私は議員を辞職するということは、極刑の道をみずから選択したのであろうというふうに思います。それを私はまた、死人にむち打つような感じすら持つものでありますが、るる質問をしたわけであります。しかし、法務大臣とすれば、浜田氏のやった行為というのは、一体国会議員をやめるという、こういう極刑を選ばなければいけないような行為であったのかどうか。でないとすれば、いかなる道を選択すべきであったのか。あるいは今回浜田氏がとられた議員辞職というこのことについて、法務大臣はいかなる感想をお持ちか。最後にお尋ねします。
#77
○倉石国務大臣 私からお答えをいたすのが適当かどうか存じませんけれども、同僚の方として今度の行動というのは、ずいぶんいろいろお考えの上でとられた行動であろうと思いますが、それなりに評価されるべきものではないだろうか、こういうふうに存じております。
#78
○山崎(武)委員 終わります。
#79
○中山委員長 石井一君。
#80
○石井委員 ただいまの山崎委員の質問でほとんどの問題がカバーされたように思うわけですが、数点補足的に質問をさせていただきたいと存じます。
 まず最初に、K・ハマダと浜田幸一氏の両者の同一性という問題でございますが、現時点でも法務当局はこれに対して明快な答弁を必ずしも与えておられないように思うのでございますが、その後浜田議員が辞職の記者会見において、かなりの金額を賭博によって負けたと明快に述べておる、こういうことから、法務当局はこれに対してはやはりK・ハマダが浜田幸一氏であったというふうに認めていい段階に来ているのではないかと思いますが、この点はいかがですか。
#81
○倉石国務大臣 従来からK・ハマダというのは浜田幸一君ではないかという見方もございましたが、浜田幸一君が議員を辞職されました際の記者会見の席上で同氏みずからがラスベガスで賭博に大敗をいたしたと述べたのでございますので、その見方は何ら否定できないことだと存じます。しかし、検察側は冒頭陳述の補充・訂正書におきまして、先ほど刑事局長の他の案件についてのお答えにも申しておりましたけれども、K・ハマダの債務につきまして今後の公判で立証することを検察は主張しておるわけでありまして、K・ハマダの債務が浜田幸一君の債務であるということは述べていないのでございまして、検察側がそのように主張いたしております以上は、検察庁を所管いたします法務大臣といたしましては、裁判で証拠調べがなされていない段階においてその証拠の内容に立ち入ってK・ハマダは浜田幸一君であるということを表明いたすということはまことにむずかしいことでございまして、その辺のところはひとつ御了承願って、この程度にしていただきたいということをお願いする次第でございます。
#82
○石井委員 法務当局のお立場でK・ハマダなるサインのコピーをたびたび見ておられると思うのですが、全く同一人物が記した、マーカーの領収証に対しても、あるいはパスポート等に対しても全く同一のものであると専門的に認定されたものですか。サインについての御所見をひとつお伺いしたいと思います。
#83
○前田(宏)政府委員 いわゆるマーカーということにつきましては、先ほど山崎議員のお尋ねに対してお答えしたとおりでございまして、今回の冒頭陳述の補充訂正に伴う証拠申請の中では、その点が全く出ていないわけでございます。また、パスポートといいますのも、さっき出ましたけれども、これは小佐野氏のパスポートのことでございまして、浜田幸一氏あるいはK・ハマダなる者のパスポートということではございませんので、そういうものとの照合というものはこれまで問題にされていないといいますか、明らかになっていないところでございます。
#84
○石井委員 その点も、たとえばリチャード・ダナー以下のいわゆる書面というものがアメリカ側から送られてきている。さらにこういうことになれば、当然浜田幸一氏なる者のサインについてもごくごく簡単にそれは調べられることですから、その辺のことについては冒陳には出ておらぬかもわからぬけれども、法務当局としてはやはりお調べになったのじゃないか。そこに同一性があるのかどうかということをお伺いしているわけですが、いかがですか。
#85
○前田(宏)政府委員 そういう点も御指摘のように一つの問題点であるわけでございますが、大変恐縮でございますが、米側から入手をしました書類あるいは証拠物というものは、御案内のとおり司法取り決めに基づくものでございまして、捜査、公判以外に用いてはならないという明確な約束といいますか、条件がついておるわけでございます。そのようなことも踏まえましてのお答えでございますので、それ以上のことは申しかねるということで御理解をいただきたいわけでございます。
#86
○石井委員 ラスベガス公認賭博場でこれだけのばくちをしたということでございます。これは国民にとっても大変大きなショックだとは思うのでございますが、このこと自体犯罪性は問われないのかどうか、改めてお伺いしたい。
#87
○前田(宏)政府委員 お尋ねでございますが、国外のことであることは明らかであろうと思うわけでございます。そうなりますと、技術的なようなことでございますけれども、日本の刑法の面では賭博罪ということにはならない、かように御理解を賜りたいわけでございます。
#88
○石井委員 そうすると、先ほど多少お答えがございましたけれども、外為法違反という問題の二十七条、三十条、これがどのように問題になるのか、またその時効との関係について御説明をいただきたい。
#89
○前田(宏)政府委員 先ほどもその趣旨のお尋ねに対しまして、冒頭にお断わりを申し上げたわけでございます。つまり、浜田幸一氏が記者会見におきましてみずから外為法違反だというような御発言をされたようでございますが、その内容は具体的にどうもおっしゃらなかったように感じておるわけでございます。したがいまして、どの点がどういうふうになるかということは、事実がわかりませんのではっきり申し上げかねる。ただ、外為法違反というお言葉がございましたので、強いて考えてみれば、同法の二十七条に規定がございまして、たとえば外国へ向けた支払いであるとか非居住者に対する支払いあるいは非居住者のためにする居住者に対する支払い、こういうようなものが本邦において犯された場合には違反だというふうになっておるわけでございます。また、三十条と申しますのは、一部の例外を除きまして、たとえば居住者と非居住者との間の債権の発生あるいはその消滅等の処分の当事者となってはならない、こういう規定がございます。御案内のとおり外国為替及び外国貿易管理法、いわゆる外為法でございますが、いろいろ適用除外が政令あるいは省令等で順次出てくるわけでございますので、技術的に適用が大変複雑になっております。ですから、具体的な事実関係が判明しませんと、その当てはめがはっきりしてこないわけでございますが、強いて言えばこういう二十七条とか三十条の問題に一応なる場合があるかな、この程度のお答えをしたわけでございます。(石井委員「時効との関係は」と呼ぶ)
 失礼いたしました。これも具体的な事実がはっきりしませんし、いつごろどういうことをされたのかということがはっきりいたしませんと、その問題も明確にならないわけでございますが、従来の経緯あるいは発言の前後の状況からいたしますと、少なくとも昭和四十年代のことであろうというふうに思うわけでございますので、そういうことでありますと当然時効ということになるのではないかというふうに思っております。
#90
○石井委員 国税庁長官にお伺いしますが、所得税法の違反問題と時効の問題、これについて御見解を伺いたいと思います。
#91
○磯邊政府委員 御承知のように、通常の過少申告でありました場合には、申告期限から三年間経過いたしますと、そこで除斥期間が満了するわけでございます。ただ、偽りその他不正行為による場合には、その除斥期間が五年だということになるわけでございまして……。
 以上でございます。
#92
○石井委員 先ほどの長官のいわゆる浜田前議員の申告の金額、大体一千万台にずっと並んでおるのですけれども、四十八年だけが三億幾らという巨額な、言うなれば二十倍あるいはそれ以上、三十倍に近いものを申告しておる。少なくとも常識的に見て当然非常に異常な事態が起こった、こういうことが想像できるだろうと思うのです。先ほど土地、家屋、建物に関するいろいろの想定、それからまた株式売買におけるいろいろのお話ございました。そこまでお調べになった場合、現在この問題がここまで大きな問題になっておるわけですが、この年にどういうことが起こったかということは、あなたのお立場では当然お調べになっただろうと思うのですが、その点はいかがでしょう。
#93
○磯邊政府委員 個人の所得の内容につきましては、通常公示所得だけをここで御答弁申し上げているわけでありますが、この航空機特別委員会という特別な委員会でもございますし、それからまた浜田幸一氏御自身が自分で自分の資産を処分して債務の弁済をしたということを記者団等に対して御自分で言っておられますので、あえて四十八年の所得の内容について申し上げさしていただきます。
 それは先ほども申しましたように、四十八年の所得が異常に大きくなっておるということ、それはその当時私どもといたしましても不動産の譲渡があったというところで書面上で審理したわけでありますが、その譲渡されましたのは昭和四十八年十二月の十四日でありまして、譲渡代金が三億六千二百万であります。そういったことがございまして、それに必要経費あるいはその当時の税法による特別控除額等を差っ引きますと、その年の申告されました譲渡所得というのが三億二千五百万何がしということになっておるわけでございます。
#94
○石井委員 株式の譲渡については何も掌握しておられませんか。
#95
○磯邊政府委員 株式の譲渡所得についての御本人の申告した年はございません。それは、あったかないかもわかりませんし、それからまた、ありましても、先ほどのように、特別な条件に該当した場合でなければその譲渡所得を申告する必要はないわけでありますから、私どもとしては、浜田幸一氏が株式の売買による所得があったかどうかということは、全く把握してないところでございます。
#96
○石井委員 昭和四十八年だけに異常な申告が行われておる、またそういう事実がその裏にある。そして、この冒陳に書かれておりますようにこの借金の肩がわりをしてもらったということが、事実そうでなく、そういう金銭から支払われたということが今後の調査によってはっきりいたしてまいりますと、これはやはり、この冒陳の訂正書に対しては、非常に大きな影響を与えるものではないか。すでに数年前に起こっておる事実がある問題でございますけれども、これが判明した場合には、私はそういうふうに解釈するわけですが、この点はいかがですか。
#97
○磯邊政府委員 先ほど御答弁いたしましたように、私どもといたしましては、その浜田幸一氏の債務がどれだけあるのか、それから、それをいっ弁済されたのか、そういったことは全く把握してないわけであります。ただ、私が御答弁申し上げておりますのは、昭和四十八年の所得において、そういった多額の譲渡所得があって、申告をされておられるということだけを御答弁申し上げたわけであります。
 仮に、まあ一つの想定でありますけれども、そのときに取得された譲渡代金をもって債務の弁済に充てられたものであるとした場合に、これは御承知のように昭和四十九年の三月十五日が申告期限でございますので、もう現在から考えますと五年以上経過いたしております。したがいまして、もしそうであれば、私どもとしては調査権が及ばない。しかし、そうでなくて、別な委員会で御答弁申し上げましたけれども、別な形においてこの債務弁済がなされたものであるとか、あるいは貸してもらったそういった金銭というものが、まあ貸した人は求償権を持つわけでありますけれども、それを放棄したといったようなものが、税務の課税の除斥期間の満了してない、近い時点でありましたら、それは当然調査をし、そこで何らかの、贈与税なりあるいは一時所得としての、課税が行われるということになるわけでありますけれども、しかし、そういった具体的なことがまだ判明いたしませんので、繰り返して申し上げますように、しばらく公判廷の推移その他等を私たち見守りまして、税務上必要な処理をするべきときがあり、また、そういうことがはっきりいたしました場合には、税務上の調査と処理をいたしたい、かように考えておるわけであります。
#98
○石井委員 先ほどの山崎委員の質問の中で、これまで調べた結果では浜田前議員は直接ロッキードとは関係がない、こういうことを刑事局長は答弁されたと思うのでありますが、また、事実そうで、これまで調べたそういう中ではそうであろうと思うのでありますが、今回の場合、間接的に問題になっておりますのは、要するにロサンゼルス空港でクラッターなる者から受け取った金が浜田の借金に充てられた、こういうこと一点に尽きると思うのでありますが、たとえばその浜田の借金が何らかの別の返済方法で、浜田自身の自己弁済によって払われておったとか、あるいはそういう小佐野による代替払いというふうなことがないというふうなことになった場合には、これは私は重大な影響があると思うのですが、刑事局長、いかがですか。
#99
○前田(宏)政府委員 御指摘の点は、仮定論と言うと大変失礼でございますけれども、私どもとしては十分把握してないところでございますので、明快なお答えができないわけでございますが、今後の問題として一つの問題となり得るであろうというふうに存じております。
#100
○石井委員 終わります。
#101
○中山委員長 それでは、この際、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時五十分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時三十四分開議
#102
○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。渋沢利久君。
#103
○渋沢委員 最初に法務大臣に一言お尋ねしておきたいのです。
 この冒陳補充が出ました直後から浜田幸一氏はいろいろ意見を述べてきました。その中には検察の冒陳補充で提起をした中身に、一部は認め、一部はこれを否定する、こういう形でいろいろ意見を述べてきました。認めるという部分で言えばラスベガス賭博、その莫大な債務、否定している部分と言えば支払いに関する部分等でありますが、きょうその否定している部分を中心にお尋ねすることになろうと思いますけれども、しかし彼が認めている部分、このことだけで言いましても、先ほど大臣は議員辞職に触れて、これを評価するというふうな話をされておりましたが、直接法に触れる触れないを問わず、この行為は、改めて言うまでもないけれども、わが国では賭博禁止の法律をもって国民に対して厳しくこれを禁止し、取り締まっておる。去年とおととしの二年間で賭博行為によって検挙した者の数は一万九千人を超えておる、これはいかにこういう賭博を禁ずる思想で――しかも国会議員が参加しつくったその法律に基づいて警察が厳しい対応をしておるのですね。その立法府の議員があのようなことで、細かくは申しませんが、御存じのような状況。億の単位でギャンブルに興じてこれに負債を得るというような行為自体は、あなたも長い国会議員生活で振り返られて感慨があろうと思うけれども、日本の国会史上にもまれに見るほどのこれは低劣な事件だ、行為だと私は思う。まずひとつ最初にそのことを大臣の所感を率直に伺っておきたい。
#104
○倉石国務大臣 事実関係は私存じませんけれども、ただいまお話しのようなことはまことに残念なことだと存じます。
#105
○渋沢委員 ひとり浜田氏が議員を辞職したということで国民の国会不信というものの傷跡をぬぐうということはできないということだと思うのです。むしろ、このことに大変不透明な、国民から見て理解できない部分を明らかにする、この責任を国会が果たすことでせめてその傷跡をぬぐうしかないということだろうと思う。そういう意味でぜひひとつ、きょうを皮切りとする当委員会の調査と審議に積極的な協力を願わなければならぬと思うわけであります。
 そこでまず最初に、先ほど来出ておりましたが、K・ハマダが浜田幸一であるかないかというような、これは全く、こういうところで議論をしていなければならぬところに私はますます国民の不信を拡大する、増大するということになりかねないと思うのであります。あの冒陳補充が出ましてからいち早くこれに浜田幸一氏自身が、みずからK・ハマダが浜田幸一であるという前提に立って物を言っておるじゃありませんか。そして一部は認め一部はこれを否定し、物を言っているだけじゃないです、現に党の役員をやめ、国会議員を辞職しておるじゃありませんか。これほど明々白白な事実を前にして法務大臣がK・ハマダは浜田幸一と別人物であるがごとき印象をいまだに持って物を言われるということは、これは当たらない話であります。自民党の幹事長も党紀委員会に何か提訴されたという。これはK・ハマダを提訴したわけじゃないでしょう。私どもそういう意味で、いま国会もマスコミも、これはどの党も、K・ハマダすなわち浜田幸一、本人を含めてそういう認識に立って物を考え、また審議をしようとしているのであります。これはもう率直に法務大臣説明していただいた方がいいように思うわけであります。いかがでしょう。
#106
○倉石国務大臣 これは、私どもの立場は先ほど申し上げましたとおりでありまして、先ほどもお答えいたしましたように、いわゆるK・ハマダという人は浜田幸一君ではないかという見方もずいぶんありましたし、経過はいまお話のありましたとおりでありますが、しかも浜田君がみずから議員の辞職いたしました際の記者会見の席上においてもみずから賭博をやったというふうなことをお述べになっておりますので、ただいま御指摘のようにK・ハマダという人は浜田幸一君のことを言っているのであるというふうに思われるのはこれは当然なことだと思います。ただ、私どもの立場を申し上げますと、いま御指摘のありました冒頭陳述の補充訂正の公判等においても、やはり検察側がK・ハマダということを申してそれを貫いておるわけでございまして、私どもの立場といたしましては、その公判がまた間もなく今月中にも開かれるであろう状態でございますので、それ以上のことをそんたくして申し上げることはいかがであろうかという立場に立って、K・ハマダという検察が出しておる名前そのままのことを踏襲いたしておるのでございまして、したがって、私どもといたしましては、御指摘のように、常識の範囲から見ればまことにいかがかと思われる感じもありますけれども、また翻って、公判の進行の途中における私どもの立場についても御理解をいただければありがたいことだ、こう思っているわけであります。
#107
○渋沢委員 大臣、一口で確認すればいいことなんです。K・ハマダが浜田幸一であるという認識に立っていることについては、それは当然だ、こうおっしゃった、それでいいのです。そういう理解にお立ちになればいいのであります。検察が補充書の中であのような呼称をしたということについて、いまそれをけしからぬ、それを変えるべきだ、そういう議論をしているわけじゃないのであります。そういう検察の一定の事情があったかもしれないが、いまや事今日の状況の中では、これはK・ハマダは浜田幸一である、こういう認識に立って国民が、あるいは国会が物を考え、物を言うということについては理解する、それは当然ですといまおっしゃったけれども、そう一言、にっこり笑っておっしゃればそれでいいのです、先へ進みますから。確認しておきます。
#108
○倉石国務大臣 それは先ほど申し上げましたとおりでございます。
#109
○渋沢委員 冒陳の補充に関連をして幾つか具体的な点をお尋ねをしてまいりたいというふうに思うわけであります。
 まず、百二十万ドルのいわゆる浜田負債が発生をいたしましたのは、四十七年の十月、これは時期としては、その時期のラスベガス旅行、サンズホテルにおける賭博場において発生をした債務である、こう理解してよろしいですね。
#110
○前田(宏)政府委員 細かいことの言い回しになるかと思いますけれども、冒陳の補充訂正そのものでは債務発生時期は表示していないわけでございまして、その際、冒陳の補充訂正に伴いまして、検察官が証拠調べの請求をしたという証拠が何点かあるわけでございます。その請求目録の中で、それぞれの証拠につきまして立証趣旨というものを要約して書いてあるわけでございますが、その中には一九七二年の十月にそういう債務が発生したというふうにうかがえる記載があるわけでございます。
#111
○渋沢委員 先ほど来出ておりました辞職の際の記者会見で浜田幸一氏は、ラスベガス・サンズホテルにおける賭博行為、それはその時期についても明確に言っております。金額についても、これは浜田さんの言い方で言うと、百五十万ドルという新聞報道に近い額、こういう言い方をしておるわけですが、金額についてもそういう形で認めております。
 なお、いま一つは、それは複数の債務のトータルではなしに、自分一人のものだ、こういう、これもかなり明確な表現で説明をしておるわけであります。浜田幸一氏のその主張については、これは承知しておられますね。
#112
○前田(宏)政府委員 浜田幸一氏が記者会見で述べられましたことは、いろいろと報道されておりますが、すべて同じでもございませんで、若干ニュアンスの違う点もあったかと思いますし、直接伺ったわけでもないので、正確なことは申しかねるわけでございますが、時期の点は先ほど来のようなことであろうと思います。また、金額の点もいま仰せになりましたように、百五十万ドルに近いというような表現がなされたやに承知しております。それから、人の数といいますか、人数につきましても、そういう御発言があったように伺っておりますが、それ以上のことははっきりいたしません。
#113
○渋沢委員 百二十万ドルという大変莫大な金額の債務の契約ですから、その保証についても、債権者との債務契約のありようについては、もちろんかなりきちっとした形で取り結ばれている、確認されているというふうに思うわけですが、その内容について知る範囲、御説明いただきたい。
#114
○前田(宏)政府委員 債務が百二十万ドルあって、その支払いを保証していた。つまり、小佐野被告人がK・ハマダなる者の百二十万ドルの債務について保証していたということは、冒頭陳述の補充訂正にも書いてあるところでございますし、さらに、提出予定の証拠の立証趣旨というところにも触れているところでございます。
#115
○渋沢委員 この百二十万ドルの債務の保証に、小佐野がこれを保証しているという事実を当然債務者は知っておった、その支払うことについて、あるいは支払ったことについて、いずれも債務者は、これは当然のことですが、承知しておったと当局も承知しておりますか。
#116
○前田(宏)政府委員 その点は現段階でのお答えでございますので、明確を欠くような感じを持たれるかもしれませんけれども、この冒頭陳述の補充・訂正書また証拠の取り調べ請求の書面、その上ではその点は明らかにされておりません。
#117
○渋沢委員 事情聴取については、浜田幸一氏はみずから事情聴取を受けたということを述べております。その内容にもかなり具体的に触れておりますが、これは浜田氏の言われるような中身でしょうか。
#118
○前田(宏)政府委員 従来から、広い意味の捜査段階で、どういう方に来ていただいて、どういうことを聞いたかということにつきましては、捜査の秘密というようなことの問題もございますので、お答えをお許しいただいているわけでございますが、今回は、いま御指摘もありましたように、浜田幸一氏御自身が検察庁の事情聴取に応じたことがあるというふうにお述べになっているようにうかがうわけでございます。したがいまして、あえてそれを否定するわけではないわけでございますけれども、それでは中身はどうだということになりますと、その点はまだ公になっていない事柄でございますので、この段階では差し控えさしていただきたい、かように存じます。
#119
○渋沢委員 調べた時期は――回数もいろいろ報道されているくらいです。時期は、この補充書を提出する前に調べられたというふうに承知しております。時期はそういうことですか。
#120
○前田(宏)政府委員 そういう御発言のように報道等で承知しておりますので、そういうことで御理解いただいて差し支えないと思います。
#121
○渋沢委員 百二十万ドルの二十万ドルを除く百万ドルを、三回に分割されて小佐野が支払いました。この支払いの方法、これは二十万と同様、直接ホテルに持参をして払ったもの等含めて、支払いの方法、金の調達、このことについて掌握しておられる点をお答えいただきたい。
#122
○前田(宏)政府委員 今回の冒頭陳述の補充・訂正書そのものでは、その支払いの内訳と申しますか、金額的なことは触れておりますけれども、どういう方法で支払ったかということは明記されていないわけでございます。
 しかしながら、一方、取り調べを請求いたしました証拠、今後提出予定の証拠と、こういうことになるわけでございますが、その一部におきまして、当初の一九七三年一月十五日ころの五十万ドル、これが銀行小切手であるということ、それから一九七三年の七月十二日ころの分、これがやはり銀行小切手で二十五万ドルであるということは触れておりますが、その間の一九七三年の四月二十八日ころの支払い分については明らかにされておりません。
#123
○渋沢委員 さて、この百二十万ドル債務の支払いの事実については、さきに提出された十四の証拠資料で十分立証できるとして御提出になったというものだと思うのですが、そういうことでしょうか。
#124
○前田(宏)政府委員 いろいろな機会に申し上げておりますように、検察官だけで事を運ぶわけではございませんで、被告、弁護人側の活動にもよりましていろいろと公判の立証活動というものは動いてくるわけでございますが、現時点における、つまり冒頭陳述の補充訂正をいたしました段階での検察官の立場といたしましては、提出予定の証拠によってその事実を立証し得る、かように考えていたわけでございます。
#125
○渋沢委員 十日の日にサンズホテルの副社長を初め四名の証人の申請を出されましたけれども、この証人によって立証しようとする部分、ねらいはどこなのかということを聞きたい。
#126
○前田(宏)政府委員 その点はとりあえず書証で立証をしようということであったわけでございますが、先ほども申し上げましたように、その書証の取り調べには同意しない、こういうことになりましたので証人申請、こういうふうになったわけでございます。したがいまして、その立証趣旨は書面の立証趣旨と同様でございます。
 これを要約いたしますと、一九七二年の十月にK・ハマダなる者がサンズホテルに対して先ほど来のような債務を負っておって、これを結局四回に分けて払うことになって、そして三回が払われ、最後の一回の二十万ドルが残っておったということでございます。
#127
○渋沢委員 これは要するに百二十万ドルの賭博債務の存在、それに対する小佐野の明確な支払い、この事実、これを立証するということのための証拠であり証人申請である、こういうことですね。
#128
○前田(宏)政府委員 細かいことでお言葉を返すようになりますが、賭博債務ということは特にはっきりしていないわけでございまして、債務の原因はともかくといたしましてそれなりの債務があって、それが順次支払われた、こういう事実の立証をしたい、こういうことでございます。
#129
○渋沢委員 仮に万が一その四人の証人の証言が実現が困難あるいはきわめて近い時間で実現することが困難というような場合には、嘱託尋問を初め何らかこれにかわる処置を考えるという用意がおありでしょうか。
#130
○前田(宏)政府委員 何分にもその点は裁判所の証人尋問決定がなされたばかりでございます。今後の手続といたしましては、裁判所の方で外交ルート等を通じまして御本人にその出頭の手続がなされるこれについて御本人たちがどう応対するかということになるわけでございまして、まだその手続が始まっていない、こういう段階でございますので、現段階で本人たちが来なかったらどうするかということでございますが、そういう状況にはまだなっていないということでございます。
#131
○渋沢委員 ところで、浜田幸一氏の意見の中で最も重要な部分、われわれが重大な関心を持っている部分は百二十万ドルの債務、金額は特定しておりませんけれども、この債務について支払ったのは浜田幸一自身である、小佐野がこれを支払ったということは全くない、完全否定をしている点であります。この点についてはどうお考えですか。
#132
○前田(宏)政府委員 新聞報道等によりますと、浜田氏がそういうような御発言をなさったということは承知しております。
#133
○渋沢委員 先ほど石井委員が指摘しておりましたように、この浜田発言がもし事実だとするなら、認められるとするならば、これはまさに検察が提起した冒陳補充のみならず、小佐野ルートでいわば弁護側と攻防を交わしているこの二十万ドル金銭口社からの受領そのものの立証の基礎を揺るがすような内容の提起であると思う。あったことを承知しているというだけでなしに、そういう意味でこれを反証しようということであろうと思うけれども、意見を聞きたい。
#134
○前田(宏)政府委員 お尋ねのような問題があるということはもちろん承知をいたしておりますが、何分にも新聞記者会見での報道でございますのでその詳細については必ずしも確認していないということもあるわけでございます。しかしながら、いま御指摘のような発言であるとすれば、検察官側の主張とは食い違う点があることは当然でございますので、それが今後の公判においてどのようになりますかということは今後の問題である、その中での一つの問題であるということは十分認識しております。
#135
○渋沢委員 国税庁の長官お見えでございますので、税金の点をちょっとお尋ねしておきたいと思うのであります。
 先ほど出ましたが、四十八年の三億四千余の浜田幸一氏の所得の申告ですが、それに関連して先ほど四十八年十二月十四日に土地の譲渡があったという報告がありました。これはどこの土地をどの程度、どういう処分をされておるのか教えていただきたい。
#136
○磯邊政府委員 昭和四十八年十二月十四日にその譲渡が行われたわけでありますけれども、その譲渡資産は、千葉県安房郡富浦町多田良字堂坂以下を含めまして五筆の山林であります。その譲渡代金は三億六千二百万余でございます。(渋沢委員「面積は」と呼ぶ)面積は、その全部の山林を合わせまして、五筆で合計千九百九十八平米であります。
#137
○渋沢委員 売った相手はどこですか。
#138
○磯邊政府委員 買われましたのは、株式会社竹中工務店東京支店であります。
#139
○渋沢委員 四十八年に三億四千万という……。
#140
○磯邊政府委員 失礼しました。訂正いたします。面積は一万九千九百八十平米であります。
#141
○渋沢委員 四十八年に、これは申告の額ですけれども、税金を引くとどのぐらいのものになるのですか。
#142
○磯邊政府委員 譲渡しました代金は、ただいま申しましたように、三億六千二百万余でありますが、それから必要経費あるいは当時の税法による特別控除額、そういったものを全部差っ引きますと、譲渡所得としては三億二千五百万円余になります。ただ、その当時、これは分離課税でございますので、それに対しまして国税、地方税等がかかりますので、これは推定でありますけれども、最終的に可処分金額といたしまして手元に残りますのは、二億九千五百万円程度に一応の計算ができます。
#143
○渋沢委員 先ほどの報告で五十三年度までの所得申告の話がおりましたが、五十四年に浜田さんは家をお買いになっておるようですけれども、この金の出入りの動きは掌握されていますか。
#144
○磯邊政府委員 五十四年分でありますと、まだ申告書が出たばかりでありまして、ただそれを受け取ったというだけでありまして、その内容については承知いたしておりません。
#145
○渋沢委員 小佐野が債務を肩がわりした、こういうことであるといたしますと、先ほどもちょっと出ておりましたが、当然百二十万ドル相当分の贈与という問題が出てくるということに相なると思うのであります。その時期との関係で時効というようなこともあり得るかもしれませんが、しかし事実関係は、これは国税としてはお調べになっておく必要のあるものだろうと思うのですが、いかがでしょう。
#146
○磯邊政府委員 これは一般論で申し上げますと、司法当局が捜査しておる事案あるいは公判廷で問題となります事案、そういったものに対しまして国税が関連する事項がございました場合には、国税の立場としましては、司法当局の捜査あるいは公判廷の、まあ裁判といいますか、それを優先させるというのがいままでのやり方でございます。
 ですからもちろん、小佐野氏が立てかえ払いしたとか、あるいは一時立てかえておいて債権として持っておったけれども、それを後においてその債権を捨てた、つまり求償権を放棄したといったような場合、個人が立てかえたものであれば贈与、それから法人が立てかえたものであれば一時所得ということに当然なるわけでありますけれども、ただ、それが単純に代位弁済したものか、あるいは貸し付けておいて、そしてその後求償権を放棄したものか、その時点によって違うわけであります。
 税法的に申しますと、その時点によって、税金関係がまだ除斥期間が満了していない場合もあるし、もうすでに除斥期間が満了した場合もあるわけでありますが、いずれにしましてもそういった事実関係の有無は、現在裁判上の問題でありますし、私どもとしてはそれを直接に確かめるということは、いま全くやっていないわけでありますが、今後公判の推移等によりまして、それが課税に関係するものであれば適正に処理していく、そのように考えているわけであります。
#147
○渋沢委員 百二十万ドルに相当する金員について、先ほど来報告のあった浜田氏の所得申告の状況から言いまして、これは四十八年を含めて、これに相当する金額のものを支払った、支払い得たというふうに理解することは大変むずかしい。そういう意味では、いま様子を見て調査ということでありますけれども、これは検察の資料等主張を是とするならば、浜田氏がみずから支払ったということはあり得ない、私どもはこういう理解に立つわけですが、もし支払っておるとすれば、これは脱税の疑いもあれば、あるいはそうでないとすれば、大変間違いを言った、うそを言ったという話に相なるわけであります。これはいずれにしてもぜひお調べ願いたいということを要請しておきたいと思います。
 時間がありませんので先に進みたいと思いますが、刑事局長にここでお尋ねしておきます。
 先ほど尋ねましたいわゆる百二十万ドルの小佐野支払い、この事実を立証することが小佐野ルート裁判の中での一つの重大な焦点になっている、こういう際に、浜田幸一氏は、冒陳の補充がありまして直後からいろいろな言い方をされてきましたが、小佐野支払いを否定するという部分では実に一貫してこれを浜田氏は主張してきているわけであります。これは非常に重大なことだと私どもは思っているわけであります。浜田議員が辞職したという事件以上に、実はこの浜田問題とか浜田事件と言われる一つの焦点、最大の問題は、ある意味では、議員の職を賭しても、小佐野ルート公判における攻防の焦点である二十万ドル授受否定につながるこの意見を強調し開陳している、こういうことでございます。
 そういう意味で、最後に、当局が断固としてこれは立証する、こういう決意のあることを確認をして、同時に、これはまさに浜田氏自身に尋ねなければならない部分がたくさん出てきていることは明らかでありますが、この問題は決して賭博の問題というのではなしに、それだけにとどまらず、まさに浜田発言というのは、委員長、このロッキー下事件の解明に直接つながった部分であるということはもう明らかだ、先ほど来の当局の説明でも明らかだ。そういう意味で、これは浜田さん自身においでいただく以外にはどうしても確認のできない問題をたくさん残したというふうに思うわけであります。
 最後に、刑事局長の重要部分の立証についての決意を伺って、同時に委員長には二つの点を、お願いと質問をしておきたいと思うのです。
 一つは、四十七年以降、小佐野賢治、浜田幸一、それから他の委員会でも出ております石井進、この三人の出入国記録についてぜひ委員会に御提出いただくようにお諮りをいただくことをお願いしたい。
 それから、一つ伺っておきますのは、浜田幸一氏が委員長に対して、さきに証人喚問については出席し証言をする用意があるということをみずから進んで委員長に申し出ておられたという事実はそのまま残っておるというように理解をしておるのですが、その後何か取り消しの意思表示があったとかというようなことがありましょうか。その浜田幸一氏の申し入ればそのまま残っているというふうに理解をいたしておりますが、最後にその点をお尋ねしておきたいと思います。
#148
○前田(宏)政府委員 浜田幸一氏がいろいろとお述べになっていること、これは私どもも承知しておるわけでございますが、その当否につきまして、私がこの場でとやかく申し上げるのは余り適当でないと思います。しかし、検察といたしましては、三月六日の冒頭陳述の補充訂正でこれからの立証すべき事実を明らかにしたわけでございまして、それなりの証拠を準備してその取り調べを求めている、こういう段階でございますので、その態度で今後進むものと思います。
#149
○中山委員長 委員長に対する御質疑部分でございますが、私が知り得る範囲では、いまのところ取り消しその他お申し出はございません。
#150
○渋沢委員 出入国の記録は……。
#151
○中山委員長 記録も、協議いたしましてとらせていただきたいと思います。
#152
○渋沢委員 わかりました。
    ―――――――――――――
#153
○中山委員長 この際、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所柳瀬刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#154
○中山委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#155
○中山委員長 山花貞夫君。
#156
○山花委員 冒頭、質問の中で細かい数字を挙げる部分がありますので、資料配付をひとつお許しいただきたいと思います。
#157
○中山委員長 許可いたします。
#158
○山花委員 まず冒頭、強調しておきたいと思うのですが、きょうの特に午前中の法務大臣以下のお答えは今日国民のこの事件に対する疑惑を少しも明らかにするものでないということについてであります。むしろ、これまでも執拗に追及されましたが、K・ハマダなる者が浜田前代議士と同一人であるかどうかということまで今日いまこの段階でなお明らかにしない、こういう状態ではあたかも法務省側が、検察庁が前代議士の浜田氏の身分をおもんぱかってと申しましょうか、何か隠し事をするというように国民の目からは受け取られるものではないかと思うのであります。たとえば、きょうの応答の中におきましても、ロッキード事件と関係があるかないか、こういう質問に対して、捜査の全過程で対象になっていないとお話しになりました。金を受け取っているか、そういう事実もない。そして結びといたしまして、浜田前代議士の弁済についての弁明について、そのことを仮定論として前提としながら、弁明を前提とすると仰せのとおりだと思いますというのが刑事局長のお答えであります。むしろ浜田代議士とロッキード事件とを切り離す方切り離す方に無理をしてまで答えている、こういう印象を強くするものであります。
 事件ば、四億五千万という賭博をやったという浜田前代議士、K・ハマダとされている人についての人格にかかわる問題点ももちろんあります。そういう方が政党の八役の一人と言われている国民運動本部長の地位にあった、そのこと自体に対する国民の怒りもあります。もう一つ大きな問題としては、まさにロッキード事件を通じての冒陳の訂正ということで明らかになったこの二十万ドルの使途についての衝撃的な報道の中から明らかになった、ロッキード事件でまた改めてここに政治家が新しく登場したということに対する関心であります。その二つの問題を分けてお考えになることは間違いである、私はまずそのことを冒頭に申し上げた中で、そして特に午前中の質疑以来問題の焦点となっておりました、浜田前代議士が記者会見で、弁済をしたということについて、果たしてそのことがあり得るのかどうかということをお尋ねいたしたいと思います。
 実はその点につきまして、いま資料も配らせていただいたわけでありますが、午前中国税当局からお答えいただきました浜田前代議士の四十八年度以降五十三年までの公示の所得、これから関連をいたしまして可処分所得を出していく関係からこの年度間におけるたとえば衆議院の歳費というものについてこれを調べてみました。四十八年度九百六十六万五千円以降五十三年度一千三百五十六万七千円までであります。同時に、可処分所得を出す関係から、この衆議院の歳費などから給与所得額といたしましてこの金額に九〇%を掛けて百五万円を引くという形で公示価格から控除をいたしまして、実際の可処分所得がどうなるのかということについてここに明らかにしたものであります。四十八年度分につきましては公示所得が三億四千百七十九万九千円、衆議院の歳費合計が九百六十六万五千円、給与所得額が七百六十四万八千円であります。そういたしますと歳費以外の所得が三億三千四百十五万一千円ということになり、午前中の長官の御答弁にありました問題の不動産処分による譲渡所得がこのうちの三億二千五百万円、こういう計算になるわけであります。なお、五十三年度まで明らかにいたしましたが、五十三年度は衆議院の歳費合計が一千三百五十六万七千円、給与所得額が一千百十六万円一そして歳費以外の所得が九十九万八千円ということであります。
 五十三年度まであえて明らかにいたしましたのは、当初問題となりました百五十万ドルの賭博の負け金、四億五千百六十五万円、これは当時の三百一円十銭のレートで計算をいたしますとこうなるわけですが、同時に四十八年十一月にも五十万ドル負けたとされている。これはこの当時のレートでいきますと二百七十五円で一億三千七百五十万円ということになります。四十八年以降五十三年をならしてみますと、大体歳費だけで生活をしておったというような四十八年度以降の計算、公示額はそうなっておりますので、ここでは四十九年から五十三年度までは可処分所得として賭博の負け代を払う余地がほとんどない、こういうことが明らかになると思うことが一つであります。先ほど、五十四年度申告につきましてはなお公示の時期に至っていないというお話でありましたけれども、浜田前代議士が自宅を、豪邸と言われておりますけれども、改装いたしまして大きな不動産を自己の所有としているということから、恐らく税務調査も今三月三十一日を中心としてあるのではなかろうかと思いますので、そういう二つの問題点からあえて四十八年から五十三年までを明らかにしたところであります。
 さてそこで、賭博の負け代を払うことができるいわゆる可処分所得がどの程度になるかということについて考えてみますと、国税庁長官が午前中、三億二千五百万円が譲渡所得であって、なお午後の先ほどの答弁によりまして大体二億九千五百万円というのが可処分所得である、こういうようにお答えになりました。先ほどのお答えに基づいての数字は若干未整理であるわけでありますが、たとえばこの三億二千五百万円ということを前提として計算をいたしますと、総合課税ならば税率七五%、これを計算いたしますと二億二千九百五十一万円、これを控除いたしますと可処分所得が九百五十四万九千円ということになるわけであります。分離課税ということで計算いたしますと、今日は措置法によって計算されますけれども、今日の税制と違いまして当時は国税が一五%そして地方税が五%ということでありますので、この三億二千五百万円から計算をいたしますと可処分所得が約二億六千万円。これは私の独自の計算でありますが、きょうの御答弁によりますとこれが二億九千五百万円ということのようであります。そういたしますと、四十八年度、給料などを除いた可処分所得は二億九千五百万であった。まるごと返したといたしましても使えるのはこの金額ということになってくるわけであります。
 そこで、ばくちの支払いが一体幾らであったかということにつきまして、先ほど、百五十万ドルのときについてはレートの関係で金額を申し上げましたけれども、その後のそれぞれの時期につきまして調べてみますと、四十八年一月十五日の五十万ドルは、三百二円、この日付でそういうレートです、一億五千百万円。四月二十八日は二十五万ドル、二百六十五円五十銭、これで計算しますと六千六百三十七万五千円。七月十二日は二十五万ドル、土百六十四円四十銭のレートで六千六百十万円。十一月三日は二十万ドル、これは二百七十五円のレートで五千五百万円。そしてその後負けたと言われております四十八年十一月の分が五十万ドル、二百七十五円のレートで一億三千七百五十万円であります。検察官の冒陳にあらわれた四回の支払いは合計いたしますと三億三千八百四十七万五千円です。最後の五十万ドルまで加えますと四億七千五百九十七万五千円であります。これから先ほど明らかにいたしました可処分所得の二億九千五百万円、これを引きますと、残るお金といたしまして、なお三億三千八百四十七万五千円の方から控除いたしますと四千三百四十七万五千円、四億七千五百九十七万五千円の方から計算をいたしますと一億八千九十七万五千円、こういう数字になってまいります。先ほどの長官のお話を伺ったりいたしまして考えてみると、全部返したということはあり得ない、少なくとも四千三百万円から一億八千万円は不動産譲渡益で可処分所得となったものを全部届けたって返すことはあり得ないのだ、こういうように考えるわけです。税金の計算でありますから、素人が間違えているかもしれませんが、私のこうした指摘について、おおよそのところ可処分所得がこうなるのではなかろうかということについて、長官のお答えをいただきたいと思います。
#159
○磯邊政府委員 いまお配りいただきましたこの資料を拝見して、正確にこのとおりであるということを申し上げることは私まだ自信ございませんけれども、私たちの税務調査でやりますときにもよくこういった手法を使いまして、それによって逆算してみた場合に、果たしてこういった可処分所得でそれだけの生活ができ、それだけの資産ができるかなという疑問を持つようなヒントは出てくるわけでございます。したがいまして、こういった手法を使ってみるというのは非常におもしろいとは思いますけれども、ただこのとおりでございますというふうなことをここで御答弁するには、まだ少し検討が必要かと思います。
#160
○山花委員 可処分所得の額につきまして、当時の税制による国税一五%と二〇%を控除いたしますとおよそこの金額になる、この点だけお答えいただきたいと思います。
#161
○磯邊政府委員 数字でございますから、ここでそのとおりでございますと答えますと、数字がひとり歩きして非常に問題がありますので、なかなかはっきりお答えすることはできないわけでございますから、ここではそのとおりとは申しませんけれども、こういった計算のやり方あるいは推計のやり方というのはあるということは御答弁させていただきます。
#162
○山花委員 という応答を聞いていただきまして、刑事局長にお伺いしたいのですが、先ほどのお答えの中で、浜田幸一前代議士の辞職に伴う記者会見におけるこの弁明、たとえばおれが返したのだということなどについて、そのことを前提といたしますと仰せのとおりでございます、こういうお答えで、それ以前のところと同じですけれども、ロッキード事件と関係ないということを、そうした前提から軽々にこういう委員会の場でお答えになるということはいかがなものであろうか、この点が一つ。
 もう一つは、同じ観点でありますけれども、ロッキード事件と浜田前代議士が関係のないということに通ずる一つの理由づけといたしましての質問との関連。全過程で捜査の対象にはなっていなかった、こういう御説明です。しかし、いま捜査の対象になったのじゃないでしょうか。それは従来の冒陳の中でも、この二十万ドルの使途については明らかになっていなかった、だから今回冒陳で訂正をした、そこまでは浜田前代議士は登場しなかったわけですから、その段階までは捜査の対象には上がってこなかったというお答えでよろしいかもしれませんけれども、今日の段階では浜田前代議士は捜査の過程に登場した。登場したとするならば、捜査の全過程に登場していませんでした、したがって、ロッキード事件とは関係ありませんというお答えは、これは御訂正いただく必要があるのではないでしょうか。その点について二点お答えいただきたいと思います。
#163
○磯邊政府委員 その前に一言追加して御答弁させていただきます。
 ただいまお示ししていただきました先生の試算、単年度の収支ということが中心になっております。それから控除所得金額ということが中心になっておりますけれども、これは私は一般論として申し上げますが、たとえば、申告を要しない所得というのがあるわけでございます。株式の売買による譲渡所得であるとか、源泉分離課税を選択した株式の配当であるとか、そういったこともございますので、単年度で表面で得た数字だけですべてを計算をされるのは、やはり推計に無理がある点もございます。これは浜田幸一氏のことがそうだというわけではございませんけれども、推計の方法としてそういった問題があるということを一般論としてお答えしたいと思います。
 それから同時に、あれはPL面でありますけれども、BS面でも考えていかなければいかぬ。いろいろな推計の方法がございますので、簡単にあれをもってすべて支払い能力を計算されるというのは、一般論として申し上げました場合には若干不合理な面もあるということをお答えしておきます。
#164
○前田(宏)政府委員 御質問の冒頭に、私どもが何か隠しごとをしているのではないかという御趣旨の御発言があったように思いますが、私どもとしてはそういうような気持ちは全く持っておりません。
 そこで、先ほどの山崎委員のお尋ねに対しましてお答えしたことについて御批判を受けておるわけでございますが、各委員の方におかれましてはいろいろな物の見方というものはあり得るだろうと思うわけでございますので、私どもの立場といたしましては、質問をされる先生方のお考え、そういう観点に立てばそういうことになることもあるということを申し上げたわけでございまして、それ以上のことを申したつもりはございません。
 また、捜査の対象という言葉もあいまいといえばあいまいでございますが、俗に捜査の対象ということになりますと被疑者という立場でのことをいうのが普通でございまして、いわゆる参考人ということになりますと捜査の対象という言葉は普通使わないというのが、私どもの内部のことかもしれませんが、そういう言葉であらわしたわけでございます。
#165
○山花委員 先ほどのお答えが、ロッキード事件の全過程というふうに間口を広げて、その中に浜田前代議士が全く登場しなかった、だからロッキード事件とは関係ない、こういうように受け取れる応答であったわけであります。したがって、その点について私は、全過程でというふうに間口を広げた問題ではなく、いまおっしゃったとおり被疑者としての捜査の対象には登場していなかった、これならこれでまた受けとめ方があると思いますから、もしそういうことであったらこの点について確認をしていただきたいと思います。
#166
○前田(宏)政府委員 全過程というのもことさらな意味があったわけではございませんで、むしろ私は、捜査の対象ということはさっき申しましたような意味で使ったつもりでございます。
#167
○山花委員 先に進みますけれども、公判の経緯について御説明をいただいたわけですが、その中で、十四点の証拠申請があって、四人名義の二通の書類について不同意であった、したがって証人申請である、一つ弁護側がすでに出しておった損益計算書については同意され、以下の十一点の証拠につきましては意見留保であるというように伺いました。その証拠の標目として御説明された中で私が一つ大変気になったものがあるわけです。
 押収手続に関するものなどについてはさておきまして、二十万ドルの領収証の写し、こういうものについて証拠申請されていることが先ほど報告されました。証拠申請の趣旨としては二十万ドルの受領関係ということのようでありますが、問題は、領収証ですから、恐らくホテルが出したのでしょう。あて先があるはずであります。あて先が小佐野さんであるとするならばそれなりの意味を持つ、浜田前代議士であるとするならばそれなりの意味を持ってくると思います。小佐野さんに対するものであるとするならば、これはまさに小佐野さんが浜田前代議士の借金を立てかえ払いしたということになるわけであります。浜田前代議士だということになれば、ちょうど十一月三日、二十万ドルのやりとりがあったわけでありますから、そのこととの関連でもその金はまさにロッキード事件の金が支払われた、こういうかっこうでの結びつきが明らかになるものだと思いますので、領収証のあて名はだれであったかということについて、これはもうすでに証拠に出しているものでありますから、明らかにしていただきたいと思います。
#168
○前田(宏)政府委員 取り調べを請求いたしました証拠の中に二十万ドルの受領証ということで表示したものがあるということを申したわけでございますが、この証拠物の提出関係はホテル側から出ておるわけでございます。普通、受領証でございますと払った方にあるわけだと思いますが、しかしこれは、この証拠が入手された経緯等からしまして、ホテル側からアメリカの司法当局が入手して、これをわが方の捜査当局に引き渡した、こういうことになっているものでございます。そこで、証拠の内容でございますが、証拠物自体はまだ法廷に提出されておりません。したがいまして、実はその内容について申し上げる段階ではないわけでございますけれども、私の理解しておりますこと、これは証拠申請書の上からの理解でございますけれども、いわば御本人に対する受領証そのものではなくて、ホテル側の控え的なものの形ではなかろうか。したがって、お尋ねのあて先というものはそこに触れていないというもののように理解しておるわけでございます。
#169
○山花委員 あて先がないといたしますと、その物と事件との関連性を示す意味で、どこかにそのことについての説明があるのだと思いますけれども、それは十四点の証拠のどれになるのでしょうか。その点だけお話をお願いしたいと思います。
#170
○前田(宏)政府委員 この「受領証の立証趣旨」のところに書いておりますことからでございますが、日付、金額、そのような点がこの二十万ドルの支払いと関係するというふうにうかがえる点でございまして、またそれだけではなくて、同時に提出を予定しております補助元帳の写しというものとの関連性、対応性というようなことが二十万ドルの支払いについての関係を示すもの、かように理解しておるところでございます。
#171
○山花委員 先に進む関係から、いまの問題につきましてはなお裁判の進行過程に応じましてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 次の質問に移りたいと思いますけれども、実は今度の二十万ドルの使途に関連いたしまして、かっての航空特でも幾度か議論をされましたけれども、明らかにならなかった問題の一つとして四十八年一月三日の盗難事件があります。今度の事例との兼ね合いにおきまして、ここときわめて直接的にこの二十万ドルの使途と関連しているのではないかということは、検察官の冒頭陳述の中からそのこと自体読んでみると浮かび上がってくるというように私は感ずるところであります。冒陳の中におきましても、児玉智士夫氏の方におきましてロッキード社との関係が明らかになることを極度に警戒をして、たとえば全部キャッシュにしてもらいたいという要請を強く出していたことであるとか、あるいは現金を段ボール箱に入れまして人目を避けて運んでいたことであるとか、一貫して現金によるやりとりによって公になることを防ごうとしたということが強く冒陳で記載されているわけであります。そうした後でありますけれども、全体としては現金で支払われていたものにつきまして、いまの点は冒陳の第三項にずっとあるわけでありますが、その後になってこの盗難事件の前の年、ちょうど浜田代議士のばくち事件があったちょっと前の時期ということになるわけですが、八月二十二日の段階で小佐野賢治氏の援助を得て一緒に働いてもらいたい、こういうコーチャン側からの要請があり、そのために五億円が必要であるという段取りになりまして、このことについて三者が協議をしたりして、最終的には、冒陳に詳しく書いてありますけれども、五億円が必要ということになりました。こういう日付を追って考えますと、十月の下旬にその金が実はドルで支払われるということになってまいります。ちょうど浜田前代議士の二十万ドルの支払い、この時期になりましてドルの問題が浮かび上がってまいりまして、それまではずっとキャッシュであったものについて急にドルの支払いということになって、手短に言いますならば米ドル五億円とフランを一億円ということで準備をした、それが支払われましたのが十一月六日ということです。ちょうど賭博の弁済に充てるために、従来はキャッシュであったのだけれども、小佐野氏に払うべき金についてドル払いにして、賭博の支払いに充てるためにこの必要があったのではなかろうかということをこの経過は明らかにしておりまして、特にそれだからこそ先ほどの検察の申請のいろいろ証拠の日付を見てみましても四十八年一月十五日というものが多いわけでありますけれども、そのときに決済すべきであったものが一月三日に盗難に遭ったのではなかろうか。こういうようないきさつから、その点について冒陳自体からわれわれは大変密接な関連性というものをうかがい知るわけでありますけれども、その観点について捜査を進められているのかどうか、新しい事態の中でそういう捜査について一体どうなっているのかということについて刑事局長にお尋ねしたいと思います。
#172
○前田(宏)政府委員 冒頭陳述書で御指摘のような事実が述べられていることはそのとおりでございますが、ただいま委員の推理といいますか、言葉は適当でないかと思いますが、そういう関連性の見方、このことは冒頭陳述書では全然触れていないところでございます。特にいま、途中からドルあるいはフランということになったのではないかという御指摘がございました。時期的にそういう話があったように見えるわけでございますが、その冒陳のもう少し前のくだりを見ますと、むしろロッキード社側で、円で払うのは困難であるから外貨にしてほしいというのがロッキード社の方から出て、そのことからドルまたはフランになったというふうな冒陳になっていたように記憶するわけでございまして、いわゆる児玉側の方から白紙の状態で外貨にしてくれというふうな話ではないというふうに理解しておるわけでございます。したがいまして、御指摘のような物の見方に基づいての捜査というものは必ずしも十分やっていないわけでございますが、いろいろと御指摘もございましたので、検察当局にも重ねて伝えておきたいと思います。
#173
○山花委員 いま御指摘になりました冒陳のその前の部分というのは、要するに今度の二十万ドルの使途について明らかになっていなかった段階での冒陳の作成ということからそうなったのではなかろうかと、だれでもそう思います。いまの御答弁ありましたので、また今後の問題にいたしたいと思います。
 最後になりましたけれども、あと二、三分ありますので、きょうは最高裁においでをいただいておるので、訴訟の今後の手続について、どうなるかということについてお伺いしたいと思うのです。
 検察側の提出した証拠のうち四人名義のもの二通の書類が不同意になった、そして証人申請をした、撤回した上証人申請をした、こういう経過の中でこれから証人の喚問の手続が進むということになると思います。恐らく召喚状をアメリカに送って、そして六月の公判に出てきてもらえるかどうかということなんですが、その手続が一体どうなっているのかということ、もう一つは、出てくることを拒んだ場合、その後の手続については司法共助の関係から一体どういう道があるのかということにつきまして、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
#174
○柳瀬最高裁判所長官代理者 ただいま委員からお話がございましたように、外国においてする刑事訴訟事件に関する書類の送達及び証拠調べの嘱託につきましては、外国の裁判所に対して嘱託するものと、在外大使、公使または領事に対して嘱託するものと、二つの方法があるわけでございます。ただいまのところ、東京地方裁判所からそのような嘱託について最高裁判所の方へ書類は参っておりません。したがいまして、今後そのような書類が参った場合には、裁判所に対する嘱託のルートあるいは在外公館に対する嘱託のルート、それぞれのルートがあるわけでございますけれども、どちらの方法によって東京地方裁判所から嘱託がなされるかに応じまして、最高裁判所としてはそれに応じた今後の手続を進めたいというふうに考えます。
 なお、現在の状況はそういうことでございますので、今後、証人に対して召喚状が送達され、それに対して証人がどのような対応をするか、その対応いかんによってどのように発展するか、その辺のことについては、最高裁判所の立場といたしましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
#175
○山花委員 いずれにしても、いまお話しになりました二つの方法のどちらかの手続によって召喚状が届けられるであろうということは明らかになりました。
 そこで、どうも報道によりますと、その召喚状の対象となる四名の証人につきましては、出ていく必要がないということを公言――公言といいますか、明らかにしているようであります。
 そこで、刑事当局に伺いたいのですが、不同意になった場合には証人申請ということになるだろう、いまのどちらかの二つの方法で召喚状を出すだろうということになれば、日本にいらしていただいて証言をしていただくということについて、事前の了解ないし働きかけというのは当然あるべき努力だと思いますが、そういうことをこれまでなさっているのでしょうか、どうでしょうか、その点についてお伺いしたいと思います。
#176
○前田(宏)政府委員 お尋ねの点につきましては、特段の報告を受けておりません。
#177
○山花委員 報告を受けておらないということでありますけれども、書証を出せば恐らくこのケースなら弁護側は不同意にするだろうということは、いわば訴訟技術的にはわかり切ったことではないでしょうか。そうすると召喚状を出すだろう、そうして本当に立証を本格的にやるならば、証人申請についてもあらかじめその了解をとるなり努力をするなりということが検察当局の当然とるべき、しかるべき筋道だと思いますけれども、どうもその辺やっておらないということにつきましては心もとないという気がいたします。
 私、時間が参りましたから、以上で質問を終わりたいと思いますけれども、最後に、渋沢委員が主張いたしましたと同様、きょうお伺いした中でも、前問題を初めとして、御本人に伺わなければならない問題がたくさん出てきたと思います。前同様、証人喚問問題につきましての御協力を委員長にもお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
#178
○中山委員長 坂井弘一君。
#179
○坂井委員 順序といたしましてお伺いしたいのでありますが、この三月六日に小佐野賢治被告の議院証言法違反に係ります冒陳の補充訂正が出たわけですが、その際検察側から出されました証拠申請、十四点の書証が出されたわけでございますが、この十四点について、それぞれ立証趣旨を含めまして、刑事局長から御答弁をまずいただきたい。
#180
○前田(宏)政府委員 検察官が取り調べを請求いたしましたものが十四点あるわけでございます。
 それで、どういうものがあるかということは先ほど来御説明したところでございますが、証拠物といいますか、書面たる証拠物の中で二点は同意が得られませんでしたので、証人申請に変わったわけでございます。
 そこで、その余の証拠物といいますか、それについて申し上げますと、まず、サンズホテルの損益計算書でございますが、これによりますと、サンズホテルの一九七二年十二月末現在の貸借対照表上に、同年十月中の一顧客のゲームによる百二十万ドルが含まれているということ、また、その支払いが四回に分けて支払われることになっていたということ、それぞれが予定どおり支払われて――二回はすでに支払われておりまして、したがって、そのことから見て三回分、四回分も当然回収されるだろうというふうにホテル側で見ておったということでございます。
 それから、勘定元帳のカードあるいは先ほど来問題になりました支払い受領証と題するもの、これはそれぞれ入金関係の事実を明らかにするためのも一のでございます。
 それから、その他小佐野被告人のパスポートとか海外出張旅費精算書つづり、これはそれぞれの標目からもおのずからわかりますように、海外渡航の状況を立証しようというものでございます。
 それから、最後に七点ほど、アメリカの司法省当局から東京地検の検事あての書面がついておりますが、これは、いま申しました証拠物の入手経過と申しますか、そういうものを公証すると申しますか、公に証明するといいますか、そういういわば付属物というような性格のものでございます。
#181
○坂井委員 そういたしますと、弁護側が合意いたしましたたった一点だけ、これは弁護側から出された申請であったわけですが、損益計算書、これは一九七二年の十二月三十一日、カジノ売掛金勘定に、一顧客の同年十月中のゲームによる百二十万ドル、これが含まれておる。ここでいう一顧客、これはK・ハマダ、単数、こういう理解でよろしいでしょうか。
 また、当然のことながら、ここでいうゲームとは賭博、こういうことに今日では相なると思いますが、いかがでしょう。
#182
○前田(宏)政府委員 この損益計算書と申しますのは、そのサンズホテルがホテルの立場でつくっておったものでございまして、この事件の関係で取り調べを受けてつくったというようなものではなくて、それ以前のものとしてつくられていたわけでございます。したがいまして、その損益計算書の性格からいたしまして、いま御引用になりましたような形での表示がなされておるわけでございまして、それ以上のことは、その証拠物でございますから、いわばそのものずばりの現物ということでございますので、それ以上でも以下でもないということになろうかと思いますが、そういうものでございます。
#183
○坂井委員 そうしますと、弁護側が合意しなかった二つの書証、つまりリチャード・ダナー氏、サンズホテル副社長ですが、ほか三人によります四十八年一月二十五日付の「K・オサノの取引」、それから「関係者殿」、この二つの書証の中にはK・ハマダを特定した氏名、これが記載されておりますか。
#184
○前田(宏)政府委員 その点も適切なお答えがしにくいわけでございますが、すでに経過を御説明しましたように、三月六日に冒陳の補充訂正をし、それと同時に、いま御指摘になりました「K・オサノの取引」と題する書面の写し、また「関係者殿」と題する書面の写しの取り調べ請求をしたわけでございますが、当時は弁護人側がこれに何の意見も述べられなかった。で、過日になりまして、四月十日になりましてこれは不同意ということになったわけでございますので、いわば日の目を見ない証拠物、かように相なるわけでございます。したがいまして、司法取り決めに基づいて入手されたものにつきまして、公になっていないということがございますので、それ以上の中身に入っては申しかねるわけでございます。
#185
○坂井委員 そうしますと、K・ハマダを特定した氏名があるのかないのか、書かれているかいないかについては否定も肯定もされない。K・ハマダは浜田幸一氏であるということは、これはもう公知の事実でありますからくどくどしく申し上げることは避けたいと思います。いま否定、肯定されないということは、まずあるのだろう、これは私なりの受けとめ方でございます。そういう前提で、以下またお尋ねをしてまいりたいと思います。
 このリチャード・G・ダナー氏の「K・オサノの取引」、この書面の内容でございますが、おおむね次のようなことでしょうか。小佐野一行十数人が昭和四十七年七月にサンズホテルのカジノで合計二十万ドル負けた。サンズホテル側は二人の取り立て人に通訳までつけまして東京に派遣をする、国際興業のオフィスで二十万ドル相当の六千万円を受け取った。しかしながら、円では困るので、これを香港に持ち出しまして、それを米ドル、さらに銀行小切手にかえて米国に持ち帰った、この一連の作業のために六千ないし七千ドルの経費がかかった。つまり、当時日本では外貨の持ち出し制限が非常に厳しかった、こういう背景に触れながら、したがって四十七年十月のいわゆる百五十万ドルの取り立てといいますか、百五十万ドルにつきましては、米国内で米ドルで支払うことを条件にして三十万ドルの値引きが成立した、こういう経緯等について書かれたのが「K・オサノの取引」と題する書証、こう理解してよろしいでしょうか。
#186
○前田(宏)政府委員 証拠の内容につきましては、先ほども恐縮ながらお断りしたようなことでございますので、詳細には申しかねるわけでございますが、物自体は日の目を見ないことになりましたけれども、証拠申請の目録の上でK・オサノなる者が債務の返済につき交渉したということには触れておるわけでございます。そういうことから推しはかりまして、交渉するについて何がしかのいきさつ、経緯があっただろうということは考えられるところでございます。
#187
○坂井委員 百二十万ドル債務を負ったK・ハマダというのは、単数ですか複数ですか。この間、浜田さんの辞職後の記者会見では、同行者の負けも含まれていると言うけれども、これは私が負けた額だから、したがって私が全部責任をとる、こういう趣旨の会見であったように思うのですが、単数か複数か、いかがでしょう。
#188
○前田(宏)政府委員 ただいま委員もおっしゃいましたように、記者会見での御発言はいずれともとれるような御発言もあったように思うわけでございます。それはそれといたしまして、この冒頭陳述の補充訂正のみならず、関連して提出予定ということで取り調べの請求をいたしました証拠物の記載といいますか、表示、こういうところから見ますと、ホテル側の理解としてはK・ハマダという人お一人について債権を持っておるというふうな処理をしていたようにうかがえるわけでございます。
#189
○坂井委員 確認をしておきたいのですが、四十七年十月に百五十万ドル負けた。このときには、小佐野被告、それから浜田さんは御一緒なんですか。
#190
○前田(宏)政府委員 小佐野ルートの刑事事件の公判におきましてはその点ははっきりしていなかったといいますか、むしろ出ていなかったと思いますが、たしか別な委員会での入管当局の出入国関係の報告の中に、そのように理解されるような報告があったように思います。
#191
○坂井委員 さらにこの場面では、稲川会の石井進理事長、この人も四十七年十月五日から十四日、五日の出国、十四日の帰国、これは同便であった。このことはすでに入国管理局長がお認めになっていらっしゃるはずでございますから、したがって、このサンズホテルにおけるカジノの場面では、小佐野、石井それから浜田、この三氏は一緒だった、こういう状況については検察はつかんでいらっしゃる、こう理解してよろしゅうございますか。
#192
○前田(宏)政府委員 ただいま御指摘の人たちの出入国の日時がおおむね符合しているということはすでに出ておるところであろうと思いますけれども、そのことから直ちにホテルで一緒に何をしたかということまではまだはっきりしていないようでございます。
#193
○坂井委員 それでは、ここで明らかにしていただきたいと思いますことは、小佐野被告と浜田氏が同じだった、同行したという場面について、五十四年六月七日の証人尋問がございまして、そのときの証人に長沢さんと大橋さんが出ていらっしゃいますね。長沢良国際興業副社長、これは臨床尋問です。それから大橋賢治竹中工務店専務、この二人の証言に浜田氏と小佐野氏が一緒であったという証言があったと思いますが、これはすでに明らかになったことでございます。改めて確認の意味において御説明いただきたいと思います。
#194
○前田(宏)政府委員 先ほども若干触れたところでございますが、弁護人側の申請の一部の証人がそういうような事実について触れた証言をしているということは承知しております。
#195
○坂井委員 それから、先ほども出ましたが、いわゆるあのマーカーでございますが、証拠申請はされていないということです。これは検察は入手されていないと理解してよろしゅうございますか。つまり現段階においては、今後においてもマーカー等のたぐいは証拠申請されるということはまずない。つまり、現段階においては入手していない、これから出すというようなことはあり得ない、こういうことでしょうか。
#196
○前田(宏)政府委員 一般的に申しまして、捜査当局が手持ちの証拠としてどういうものを用意しているか、また持っているかということになりますと、広い意味の捜査、また当面の公判の推移ということに大変微妙な関係を持つわけでございますので、その点についてはお答えをいたしかねるわけでございますが、現段階の証拠申請の上では出ていないというふうに御理解いただきたいわけでございます。
#197
○坂井委員 先ほど刑事局長に御答弁いただきましたが、いわゆるこの百二十万ドルにつきまして、小佐野の、浜田さんのサンズホテルに負っていったこの百二十万ドルの肩がわり保証の支払い、これの一番最初が四十八年の一月十五日ごろ、これは五十万ドル、銀行小切手、次の二十五万ドルが同じく銀行小切手、次の二十五万ドルが不明、それから最後の二十万ドルというのが四十八年の十一月ですね。この最初の五十、それから二十五、二十五、これはいずれも小佐野さんが支払ったということになっているわけですか。
#198
○前田(宏)政府委員 現段階における冒頭陳述の補充訂正、また証拠申請目録の上におきましても、サンズホテルの方にそういう入金があったということが明らかになっているわけでございます。
#199
○坂井委員 一つ大きな疑問が残るのは、先ほども山花委員が触れられましたが、児玉がコーチャンと話をしまして、小佐野を引き込むために五億円必要だというわけで、それを追加するという修正契約が行われる。それで、この五億は米ドルで支払うことに合意する、これはロッキード側から言い出したようですけれども、それに対しまして、児玉も米ドルで結構だ、こういう注文をつけた。したがって、冒陳を読む限りにおいては、双方の利害関係が一致したような感じも私は実はするわけなんです。いずれにいたしましても、そういうわけでこの五億に相当するスイスクレジット銀行振り出しの米ドル建て自己あて小切手十四通、額面合計百六十六万六千六百六十七米ドル、これが四十八年一月三日などのいわゆる盗難に遭った。この米ドル五億円に相当する小切手は小佐野に渡す五億円の引当金として児玉が受け取ったのだ、こう見てよろしいかどうか、この辺はいかがでしょうか。
#200
○前田(宏)政府委員 今回のことが起こりましてから、いろいろと物の見方があるようでございますが、その見方につきましてどうこうということではございませんで、それなりの見方もあり得るというふうに承知いたしておりますけれども、少なくとも従来はそういうつながりというものは考えていなかったわけでございますし、それをまた考え直すというほどまだ明確な状況にはなっていないと承知しております。
#201
○坂井委員 四十七年十月にK・ハマダの百五十万ドルの負債を小佐野が保証するわけでございますが、どうもその支払いに見合う五億と、あるいはこの米ドル、つまり十四通百六十六万何がし、そういうものであろうという非常に強い結びを実は感ずるわけなんです。当然米ドルでありますと米国内における支払いは非常に容易である、その辺のくだりが例の書証書類の中の、「K・オサノの取引」なり「関係者殿」、この辺の中に三十万ドル値引きをする、それは前回の二十万ドルの取り立てに六、七千ドルという経費がかかった、したがって米国内で米ドルでという条件でもって三十万ドルの値引きをして百二十万ドルということが成立するというような経緯から見まして、確かにロッキード側から言い出したようですけれども、どうもこの五億は、児玉側は米ドルでもらった方が当時そういう五億に見合うものという考え方があったから、それの方がよろしい、つまりそういうことで利害が一致したのではないか。そういうことになりますと、この辺の事情は児玉譽士夫と小佐野賢治被告の間で話し合われておったのではないか、実はこういう強い疑いを持つわけですが、その辺ばいかがですか。そういう点について当然検察は非常に注目をしながら調べられたのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
#202
○前田(宏)政府委員 先ほどもお答えの中で触れたところでございますが、一つの見方として何かそういう符合といいますか、つながりといいますか、そういう見方があり得るということは否定するものではもちろんございません。しかし当時の捜査の過程、またその後の公判の経過、こういうものから見まして、そういうつながりがあるという事実はいままで出てなかったということでございます。もっともこういうことが最近いろいろと御議論になっておるわけでございますから、重ねて検討はすべきものと思いますけれども、まだそこまでは至っていないというのが実情でございます。
#203
○坂井委員 いま言ったような推論をさらに裏づけるものとしては、そうした証拠に、十四通の米ドル小切手を十一月に受け取りながら、これを四十八年一月まで上げて、換金していないということ。それからサンズホテルに対する債務支払いが四十八年の一月十五日から始まるのですね。だからそういう時期的な符合というのが、これはくしくもといいますか、あるいはもちろんそういう意図であるとするならば、まさにそういう意味で一致をするというようなこと、そんなことを考えてまいりますと、どうもこの十四通の米ドル小切手の児玉邸におけるなぞの紛失というものと、四億五千万円の賭博の借金、債務保証して小佐野被告が肩がわりをするというところの関係性が非常に強いのではないか。これはだれしもがそういう疑問を持つ。私はこれは無理な推論ではない、非常に合理的な推論ということだろうと思うのですが、四十八年に入りましてからロッキード社から、日本円でこの盗難小切手十四通五億に見合う日本円で四億四千万円、児玉が受け取りますね。この四億四千万円の行方でございますが、児玉から小佐野の方に渡った、あるいはその辺がどうなったかということについて検察の方では克明に捜査されたと思います。いかがでしょうか。
#204
○前田(宏)政府委員 それから先のことといいますか、どうなったかということでございますが、委員も冒頭陳述をよく御理解していただいていると思いますけれども、その先のことについては明確になっていないということでございます。
#205
○坂井委員 少なくとも児玉が受け取りました日本円四億四千万円、これがどこに行ったか、この使途につきましては確かに冒陳等にも書いてはおりません。おりませんが、検察の立場から言うならば、いまは言えぬけれどもこれは調べてあるんだ、やがて公判において明らかになるであろう、こういうことでしなうか。そういうことでなければ私はおかしいと思う。いかがでしょうか。
#206
○前田(宏)政府委員 少なくとも従来は、いまここで問題になっておりますようなことは表に出ていなかったわけでございます。したがいまして、冒頭陳述におきましてもその点は触れる必要もないということになりますか、また公訴事実との関係において従来のような冒陳になっていたわけでございます。そこでいまのようなつながり、これは確かに一つの物の見方であろうと思いますが、その点がどういうふうに今後の公判でなっていくかということになりますと、まさに公判の進行いかんによると申さざるを得ないところでございますので、そのように御了承をいただきたいわけでございます。
#207
○坂井委員 明らかになるであろう、そう期待いたしますし、またそうでなければならぬと私なりに受けとめておきたいと思います。
 さらに、これ、五億相当の十四通の米ドル小切手が為替差損だというので四億四千万円という日本円になったわけですが、あと六千万円、つまり差損の六千万円、これが二十万ドル、いわゆる四十八年の十一月のロス空港における差損分日本円六千万円に見合う米ドル二十万ドルということでもってクラッターから小佐野被告に渡されたのではないか、こういう見方もあるようでございますが、この点についてはいかがでしょうか。
#208
○前田(宏)政府委員 お尋ねの点は、たまたま金額が似たようなことになりますので、まあそれだけではもちろんないと思いますが、いまおっしゃいましたような見方があるということは承知しておりますが、私どもの従来からの理解によりますと、二十万ドルは広い意味での追加報酬の一部ではございますけれども、先ほど来御指摘になっておりますような意味、つまり小佐野氏を中に入れるということにおいての追加報酬というよりも、その前にできましたいわゆる追加報酬、その一部というふうに検察官としては主張していたようでございますので、いまの見方とはそういう意味ではつながらないことになるわけでございます。しかしながら、いろいろなお考えがあるわけでございますので、その点につきましてはなお検討をしたい、かように考えます。
#209
○坂井委員 どうもその辺がもう少し明らかにしなければならぬ。これは検察としても捜査当局としても一つの大きな課題だろう、こう私なりに思いますが……。
 そこで、ロサンゼルス空港でクラッターから小佐野被告が二十万ドルを受け取る、四十八年の十一月三日でございますが、この二十万ドルに見合う領収証として、児玉が同日付の金額二千六百五十万円の児玉名義の領収証を二通、これを作成してクラッターに交付しますね。これは二十万ドルに見合うものとして、小佐野がクラッターからロス空港で受け取った二十万ドル、それに見合う領収証として児玉が二千六百五十万円の児玉名義の領収証二通、これを作成してクラッターに渡した、こういうことでよろしゅうございますか。
#210
○前田(宏)政府委員 いま仰せになりました領収証二通が二十万ドルを含んでいたかどうかということになりますと、直ちに、そうでなかったような気持ちでおりましたので、ちょっと正確なお答えができなくて申しわけないと思います。
#211
○坂井委員 冒陳をお調べいただきたい。「クラッターは、コーチャンに児玉の右要請を伝えてその了解をとり、同年一一月三日(米国時間)米国ロスアンゼルス空港において、小佐野に米国通貨二〇万ドルを手交した。児玉は、そのころ同日付の金額二、六五〇万円の児玉名義の領収証二通を作成して、クラッターに交付した。」つまり二十万ドルとこの日本円二千六百五十万円の領収証二通、これが見合うものかどうかというお尋ねです。
#212
○前田(宏)政府委員 先ほどもややあいまいなお答えを申しましたのは、冒頭陳述書では二つのことが続けて書いてあるわけでございますけれども、それを含むか含まないかということが必ずしも明快になっていなかったのでございまして、従来の主張といたしましてはその辺を明確にしていないというのが実情であるというふうに御理解いただきたいわけでございます。
#213
○坂井委員 そうすると、そういうこれは非常に重要なところだろうと思うのですが、つまり少なくともいま検察側が立証しようとしておるのは、ロサンゼルス空港における小佐野被告が二十万ドルの授受これありという立場でいま立証活動をしようとしておるわけですね。その場合にすでに冒陳に触れられたいまの個所についてどうもあいまいである、これがはっきりしていないという答弁では少なくとも一番焦点になっております二十万ドル、この授受をめぐって、そのありなしをめぐっての決定的な問題として非常に重要な部分であろうと思いますので、これはひとつお答えを明確にしていただきたいと思います。
#214
○前田(宏)政府委員 先ほど来委員が仰せのように、この冒頭陳述書の小さな三項におきましては、クラッターはロサンゼルス空港で小佐野に米国通貨二十万ドルを手交した。児玉はそのころ同日付の金額二千六百五十万円の領収証二通をクラッターに交付した、こういうふうに書いてありますだけで字面の上ではそれがつながりがあるというふうには見えない点もありますけれども、それに見合うものという関係で主張しておるということはそのとおりでございます。
#215
○坂井委員 少なくともこれを素直に読めばそのように読めると私は思うのだけれども、どうもその辺があいまいにされますとこの金の性格というのは非常にぼやけてくる感じがする、少なくとも児玉に追加報酬として、その追加報酬分として児玉が自分が受け取るべき金である、したがって児玉個人名義の領収証を出した、しかし一方小佐野との間においての約束がある、つまりこれは児玉側から小佐野に対して五億は必要だ、それに対してロッキード社側がそれを受けた、こういう経緯がございますね。そういう経緯を追いながらこの事実関係を素直に見てまいりますと、少なくともここで受け取った、児玉が領収証を書いたものはこの二十万ドルに見合う分であろう、ということであればこれは児玉の追加報酬の受け取り分である、それを小佐野氏にやったといいますか、小佐野氏の尽力に対する謝礼、その金がK・ハマダ氏の百五十万ドル、三十万ドルをまけて百二十万ドルの最後の二十万ドルの債務に充てられた、こういうことになるんじゃないでしょうか。
#216
○前田(宏)政府委員 先ほども違ったことを申したつもりは実はなかったのでございますが、児玉が追加報酬をロッキード社からもらうことになっておった、その広い意味での追加報酬の一部として二十万ドルがクラッターから小佐野氏に渡されたということはそのとおりでございます。
#217
○坂井委員 だから、そこで言えることは少なくともこれは児玉に入るべき金、これが小佐野に渡ってそれがK・ハマダの賭博の穴埋め、最後の残債務の返済に充てられた、ここまでは事実関係として検察が立証しようという立場でそれはそのとおりだ、こう言えますか。
#218
○前田(宏)政府委員 外形的な金の流れとしてはそのようなことに相なるわけでございます。
#219
○坂井委員 わかりました。
 そうしますと、補充冒陳に、訂正の中で「小佐野は同行者と共に」とございますが、この同行者というのは前に前田刑事局長複数だとお答えになりました。この同行者複数の中に浜田幸一氏は含まれますか。
#220
○前田(宏)政府委員 この点は複数であるということも事実でございますし、十一月のことでございますから浜田幸一氏も入っておるということはそのとおりでございます。
#221
○坂井委員 わかりました。
 そうしますと、浜田幸一氏は小佐野氏から、小佐野被告からこの二十万ドルの金の性格について知らされ得る立場にあるしまた知らされてもおかしくない、そういう推移あるいは状況あるいは人間関係にあったと思われますが、検察は、捜査当局はいまのようなことに対して関心を持ち調査、捜査をされていると思いますが、いかがでしょうか。
#222
○前田(宏)政府委員 過日の冒頭陳述の補充訂正ではその発端になります二十万ドルの支払い保証というものがあったというところから出発しておるわけでございまして、そのことについて関係者がどういう認識を持っておったかどうかということは特段当面の問題でないという意味で触れていなかったわけでございます。もとよりこの冒頭陳述の補充訂正は、繰り返して申しておりますようにクラッター氏から受領したと称されている二十万ドルのいわば使途に関するものでございまして、それをだんだんさかのぼっていきますとサンズホテルにおける債務の発生というところまでつながるわけでございますが、二十万ドルの受領の事実の裏づけという意味では小佐野被告人が払ったということが立証されれば足りる、こういうのが訴訟技術的な言い方かもしれませんけれども裁判での問題であるわけでございまして、それ以上関係者がどういうことであったかどうかということは二十万ドルの受領の事実そのものについては直ちに関係がない、かようなことになっておりますので、冒頭陳述もそのような表現といいますか内容になっているわけであります。
#223
○坂井委員 いまそれをおっしゃることは小佐野賢治被告に係る議院証言法違反事件、つまり二十万ドルの授受のあるなし、この面に限って検察の立場を主張されるならば私はそのままお答えをいただいておきたいと思うが、しかしそうではない。少なくとも児玉に対する追加報酬の中の二十万ドル、それが小佐野の手を経由してK・ハマダ、浜田幸一氏の賭博の借金に充てられた、つまりこの金の出所はロッキードの金であり、しかも工作をしたきわめて好ましからざる犯罪性のある金ですね。そこに端を発しているがゆえに重要視して私はいまお尋ねをしているわけなんです。そういう点に対して全く検察は関係なしだ、こういう立場は私はとれないと思いますよ。いま局長がおっしゃっていることは、二十万ドルの授受それが小佐野の偽証の立証、その立場に限って言えばそうでしょう。しかし問題の本質、問題の起こりはそうではない。その点について検察がいささかの関心も示さない、調査もしない、それであったならばこれは検察の怠慢のそしりを受けることになるじゃありませんか。それを言っているわけです。
#224
○前田(宏)政府委員 先ほど来訴訟技術的なことだとお断りしながら御説明したつもりでございまして、その実態につきましては先ほども申しておりますようにさしあたっての主張はこういう形で行われておる、これに対しまして被告人、弁護人側でどういう対応をされるかというのが検察の立場でも大変関心事でございますし、予測もしがたい、こういう実情にあるわけでございます。したがいまして、今後の公判の推移、特に被告、弁護人側の応対ぶりいかんによりましては、その点までさかのぼって問題になるということは、検察官側といたしましても十分考えておるところでございます。
#225
○坂井委員 だろうと思いますが、同じように児玉も、この二十万ドルにつきましては、小佐野から聞いて、K・ハマダの賭博の債務に充てられるということを承知しておったのだろう、こう思われるわけです。これもいままでのそういう経緯を追いながら、きわめて合理的に、あるいは常識的にそういうことが考えられる。また、そうしたことは、やはり国民としても当然のことながら、そういうことではなかろうかという疑問、関心を持つ。当然のことながら、そういう点についても同じく検察捜査当局は関心を持って調査、捜査をされておる、こう理解してよろしいですね。
#226
○前田(宏)政府委員 委員のお考えといいますか、物の見方と申しますか、そういうことは十分理解できるところでございまして、そういうような観点から公判でいろいろ問題になってくるということは、また検察当局といたしましても十分考えておるというふうに理解しております。
#227
○坂井委員 そういうことでしょう。これは冒陳にも「米国通貨二〇万ドルの受領」という第二項の(一)に「児玉は、小佐野賢治がロッキード社のため種々援助してくれていたところから、同四八年一〇月中旬ころ小佐野と協議し、児玉がロッキード社から修正一号契約書に基づいて支払を受けることになっていた追加報酬の中から二〇万ドルを小佐野に手交することとした。」明確です。つまり、ここで言っている、児玉が四十八年の十月中旬ごろ小佐野と協議をした、つまり協議ということは当然のことながら協議の内容に立ち入って協議をしておる、そうでなければ協議にならぬだろうと思うのです。そういうことについて、いま刑事局長が御答弁になっていますように、検察はすでにその協議の内容、つまり私の言う協議の内容とは、賭博の穴埋めに埋めるための金であるということを児玉、小佐野の両名が協議の内容の中からそのことをきちんとわかっておる、そのことは検察もすでに調査、捜査によってつかんでおる、つかんでおるがいまは言えない、今後の公判廷においていまの内容については明らかになる、こう理解してよろしゅうございましょうか。
#228
○前田(宏)政府委員 いわゆる五億円の追加報酬とこの賭博云々ということとがつながりがあるかないかということにつきまして、先ほど来委員のようなお考え方から、つながりがあるという前提でのお尋ねであると思いますが、それに対しまして、従来そういうつながりがあるということははっきりしていなかった、冒頭陳述書でもそういうことは触れていないということをお答えしたつもりでございます。今回こういう問題がありまして、確かに委員のような見方というものもないわけではないということで、検察当局といたしましては十分検討もしているものと思いますけれども、まだそのことを具体的にどうこうするというような状態ではない、かように理解しているということでございます。
#229
○坂井委員 念のために伺っておきますが、小佐野はこの二十万ドルの授受を全面否認、否定をしておる。それで、検察はこれを立証するために、この二十万ドルの使途、つまりサンズホテルにK・ハマダの債務保証による支払いに充てら、れた。小佐野が肩がわりして支払うわけでありますが、このときどういう人がこの場面に立ち会ったのか、一緒であったか、それも今後公判廷においていまのようなことについて、今後の立証として、これは当然あり得ることですね。あり得ることでしょうね。
#230
○前田(宏)政府委員 公判のことでございますから、将来どういうふうになるかということはここで予測しがたいという面がございます。したがいまして、そういうことがある時点で問題になって、それが一つの争点になるということでございますと、その点がいま仰せのように、いずれかということがはっきりする場合も起こるということであろうと思います。
#231
○坂井委員 それから、その証憑書類の一つの二十万ドルの支払い受領証ですが、これはK・ハマダからの二十万ドルの支払い受領証、こうなっているわけですね。しかしながら、実際の支払いは小佐野被告が肩がわりをした。しかしながら、この実態というものは何かというと、K・ハマダの賭博による負けである。したがって、そういう意味で、ここの受領証というものの名あて人、相手方、これは先ほどの答弁では、K・ハマダ、浜田幸一氏か、あるいは小佐野賢治氏か、どうもその辺がはっきりしないようですが、これははっきりしていないのですか。
#232
○前田(宏)政府委員 証拠物そのものがまだ法廷に出ておりませんので、そのものの中身といいますか、具体的な内容について申しかねる点があるわけでございますが、従来から言っておりますことは、冒頭陳述の補充訂正また証拠の取り調べ請求目録ということが公になっているわけでございまして、その点からいたしますと、名あて人ははっきりしないということでございます。
 それからなお、それに関連するかと思いますけれども、要するにホテルといたしましては、K・ハマダという人を債務者ということで事務を処理しておったわけでございますから、そういうことで、債務者本人がK・ハマダという人である、その債務についていろいろと入金があった、その一部がこの分に当たる、こういう処理をしておったというふうに見るのが、証拠の関係から妥当であろうと思うわけでございます。
#233
○坂井委員 浜田幸一氏がアメリカ、ラスベガスにおける賭博ツアーといいますかね、これはいま問題になっているのは四十七年の十月五日から十四日の百五十万ドルでございますが、米側資料等によりますと、四十八年の一月十四日から十九日、それからさらに十一月二日から八日、これは四十余万ドル、それから四十九年四月二十七日から五月六日、以上四回だ、こういう報道があるわけですが、この事実関係についてはいかがでしょう。
#234
○前田(宏)政府委員 現段階での検察官の訴訟活動に即して申し上げますと、そういう事実は出ていないわけでございます。
 それから、これも同じことの繰り返しで恐縮でございますが、賭博の負けという御指摘でございましたが、これも冒頭陳述等の上では明確ではないということを念のために申し上げておきます。
#235
○坂井委員 若干資料要求とお願いがございます。
 一つは、小佐野賢治氏、それから浜田幸一氏、さらに、暴力団関係者、こういたしましょう。四十七年以降の出入国の関係、これをぜひ資料としてお願いをしたいと思います。
#236
○中山委員長 承りました。
#237
○坂井委員 それから、いま前田刑事局長にいろいろお尋ねをいたしながら、なお私は非常に大きな疑問を持つわけでございまして、何しろ浜田幸一氏は小佐野に肩がわりしてもらったことは一切ない、こういう言明がございます。また立てかえしてもらったこともない、こう言われておる。
 時間がございませんので、先ほどの財産処分の問題に触れることはできませんが、しかしそういうこともまた一面においてあったということも事実。しかしながら、それが果たしてすべて浜田幸一氏の自己弁済ということで行われたかどうかということについてもなお疑問はあります。同時にまた、浜田幸一氏はみずから進んで証言台に立ちたいということをかつて航特委員長に申し出られた、こういう経緯もございます。あるいはまた大平総理も、それは国会が決められて証人喚問やられるということは賛成であるというような方向での発言もあったようでございます。まさにこれは個人の名誉といたしましても、かつまたわが委員会としてはロッキード事件にかかわりありゃなしや、少なくともロッキード社の金である二十万ドルについては否定しがたい事実だろうと思う。そういう面からしましても、当委員会の責任といたしましても、浜田幸一氏を証人として喚問をして真相の解明をする必要がある、こう思いますので、その点要請をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#238
○中山委員長 追って協議をいたしたいと思いますが、先ほどの暴力団関係という問題でございますが、これは人物と時期とそれから理由を特定をしていただきたいという……。(坂井委員「理事会で協議をして」と呼ぶ)その点理事会で協議をさしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(坂井委員「同行者です」と呼ぶ)同行者ですね、わかりました。
 安田純治君。
#239
○安田(純)委員 浜田幸一氏は四月十一日の各紙との記者会見におきまして、検察当局に事情聴取をされた、名前と友人関係とばくちをやったことしか申しておらない、こういうようなことを発言しておりますけれども、浜田幸一氏に対して事情聴取したことは事実ですか。
#240
○前田(宏)政府委員 従来から一般的な立場といたしましては、広い意味での捜査の過程におきまして、どういう人を調べた、またその内容がどうであるかというようなことは申さないということ、またそれでお許しをいただいていると理解しておるわけでございますが、今回の場合には御本人が記者会見である程度のことをお述べになっているということでございます。まあその内容も、新聞報道でございますからじかに聞いたわけではございませんが、まさかうその報道がなされているとも思えませんので、その程度のことは御発言になったものというふうに私どもも理解しております。
#241
○安田(純)委員 そこで名前と友人関係とばくちをやったことしか申していない、こういうふうに言っておるのですが、それは事実なんですか。
#242
○前田(宏)政府委員 浜田幸一氏がいつの段階で取り調べを受けたかというか、事情聴取をされたかといいますか、そういうことにもかかわるかと思うわけでございます。したがいまして、どういうことを頭に置かれて御発言になったのかということを承知いたしませんと、それに対するお答えができないわけでございます。
#243
○安田(純)委員 それでは、浜田幸一氏にいつといつ、何回事情聴取をされましたか。
#244
○前田(宏)政府委員 先ほど来お答えをしておりますように、私どもといたしましては広い意味での捜査の中でどういう人に来ていただいて、どういうことをお伺いしたかということは、捜査の秘密といいますか、いろいろと適当でない問題も起こりますので申し上げていないわけでございますし、そのように理解していただきたいわけでございまして、今度の場合も基本的には同様に御理解を賜りたいわけでございます。
 ただ、先ほど申しておりますように、御本人が公の場で仰せになりました限度では、そのとおり別にそれを否定しないというだけのことでございまして、それ以上のことは申しかねるわけでございます。
#245
○安田(純)委員 ちょっとおかしいんじゃないですか。回数ぐらい言っても特に捜査の秘密に触れるということはないと思いますし、それから先ほどの御答弁で、名前と友人関係とばくちをやったことしか申していない、これは事実かと伺ったのに対する答弁で、どういう時点の話を頭に浮かべて浜田氏が申されたかわからないから肯定も否定もできないというような趣旨の答弁をされましたね。してみれば、一回ではなくて何回かやってということが推察されるわけですけれども、そこまで御答弁になったのなら、言ってもいいんじゃないですか。
#246
○前田(宏)政府委員 私から申し上げられるのは先ほどの程度でございまして、それ以上のことはそれこそ御推察をいただきたいわけでございます。
#247
○安田(純)委員 どうもいまの答弁にはきわめて不満でありますけれども、浜田幸一氏がこの記者会見で、この会見の後、検察庁にも私のとった行動を報告するというような発言もされておりますけれども、会見の後、報告に見えましたでしょうかね。来たとすれば、その報告の中身はどういうことですか。
#248
○前田(宏)政府委員 私も当時その各種の新聞報道を見まして、ごく一部の新聞であったかと思いますがそういうような御発言があったように報道されておったと思いますが、その点につきましては検察当局から、そういう浜田氏の方からお話があったということは聞いておりません。
#249
○安田(純)委員 同じくこの記者会見で浜田氏は、新聞に出ている額に近い、相当額のギャンブルの負けがあるというようなことを言っておりますね。冒陳の補充書では、百五十万ドルの債務でその後百二十万ドルに値引きをしてもらったとしてあるわけでありますが、これ以外にも浜田氏の債務はあるのではないかと思われますが、いかがですか。
#250
○前田(宏)政府委員 また記者会見でのことでございますが、その額に近いという表現がやはりあったやに思いますけれども、それがこの冒陳の補充訂正で述べている百二十万ドルと直結するかどうかということになりますと、やや明快を欠いているような気がするわけでございます。したがいまして、いまのお尋ねちょっと趣旨を十分理解できないわけでございますが、今回の公判におきまして検察官側が申しておりますことは、百二十万ドルの債務があってそれを小佐野氏が支払い保証をして順次支払ったというだけでございまして、それ以外のことは明らかにされていないわけでございます。
#251
○安田(純)委員 それ以外のことは明らかにされていないけれども、それ以外のことがあるというふうに推察されるわけですよね。この記者会見で、新聞に出ている額に近い――近いと言っても、それより低い近さもあるしそれより多い近さもあるわけですけれどもね。百五十万ドルの債務で百二十万ドルに値引きしてもらった、この新聞の言う額に近いと言うところを見ると、百五十万ドル以上であるかもしらぬし以下であるかもしらぬけれども、それ以外に、つまり冒陳の補充書に出ている以外にも債務があるのではないかということも疑わせるわけですね。新聞に出ている金額ぴったりだと言うならまさに冒陳補充書とぴったり合うのですけれども、それに近い額だ、こう言うところを見るとプラスアルファが別にあるのじゃないか、冒陳に出てきていない部分があるのじゃないかというふうに疑わせるわけであります。また借金イコール負け金ではない、こうも言っておるわけであります。それから、四十八年の十一月にも浜田氏は四、五十万ドル負けたという報道もあるようでありますが、そういう報道等照らし合わせてみますと、どうもこの冒陳補充書の百五十万ドルだけではなくて、それ以外にも債務があるのではないかというふうに疑わせるわけですが、全く検察当局はつかんでおらないのかどうか、それともそれについてはノーコメントなのかどうか、ひとつお答え願いたいと思います。
#252
○前田(宏)政府委員 委員も御疑問に思われるかもしれませんが、その額に近いという趣旨がどういうことをおっしゃっているのかは、新聞報道で見ましても定かでないわけでございます。逆に近いといいますと、むしろそれより若干下回るときに近いと言うのかなという気もするわけでございますが、それも何とも断定できないわけでございますので、それ以上のことは申し上げかねるわけでございます。
#253
○安田(純)委員 しかし少なくともこの冒陳補充書は、二十万ドルの授受についての非常に重要な問題が出ておるわけですから、債務の方が、この二十万ドルに見合わない額であるとするならば、これはつながってきますね。非常に重要な発言だと思うのです、この発言は。だから、近いという近さがどの程度なのか、これは確かにわかりませんけれども、検察当局としては当然大きな関心を持ってしかるべきだろうと思います。
 それから、いままでの同僚委員の刑事局長に対する質疑に対して、御答弁を伺っていますと、公判の推移いかんによってはどうなるかわからぬというようなお答えがしょっちゅう出てくるわけでありますが、それはそうでしょう、確かに。しかしながら、当然弁護側としてはこう出るだろう、あるいはこうも出るかもしらぬ、幾つかの可能性は事前に予想して組み立てておかなければならないのは当然だと思うのですね。全く相手がどう出るかわからないうちは捜査もせず、手持ちに何にも持たない、出たとこ勝負でやるなんという、そんな公判遂行はないと思うのですよ。したがって、いままで同僚委員がいろいろ推察あるいは推理という形で述べましたけれども、それに対して前田刑事局長は、公判の推移いかんによってはそういうこともあるかもしらぬけれどもみたいな話で、一向にらちが明かぬわけでありますけれども、少なくとも浜田氏がそれに近い額と、ぴったり一致はしておらぬぞということをいわば宣言したようなものですね、ある意味では。ということは、冒陳補充書に対して弁護側がどういう反撃をしてくるかということの一つの手がかりにもなるわけですね。ぴったりじゃないぞということを言っているということは。当然それに対する検察側の準備というものも行われてしかるべきだと思うのですね。ですから、どういうっもりでそうおっしゃったのかわからないなんというのじゃなくて、もう少し、浜田氏に事情を聞いた、その結果、そういう言い分は成り立たぬなら成り立たぬはずだ、それは、やがて将来法廷で明らかにするという細かい中身まではそれでいいですよ、しかし近い額だとかなんとかいうのは、それはおかしい、ぴったり合っているんだと言えないのですかね。
#254
○前田(宏)政府委員 検察当局といたしましては、冒頭陳述で百二十万ドルの債務ということを明言してあるわけでございますので、それ以上でも以下でもないと言えば、そのとおりでございます。
 それと、仰せの中で、弁護人、被告人側がこう出る、だろう、それに対して検察側として当然その作戦と申しますか、予想の上で、いろいろと組み立てているだろうとおっしゃるわけでございます。それはそのとおりでございますけれども、まあ例が適切でないかもしれませんが、裁判における弁護人側と検察官側とのいわば争いというのは一種の戦争みたいなものでございまして、攻防は、机上作戦も一いろいろあるわけでございますが、戦争する前に相手に手のうちを明かすというわけにもまいらないわけでございますので、その辺は御了解を賜りたいわけでございます。
#255
○安田(純)委員 コーチャンの嘱託尋問調書では、四十八年一月三日に盗難に遭った百六十六万六千六百六十七ドルの小切手は小佐野向けのものと理解しておったというふうに証言しておるようであります。この小切手盗難事件の捜査はどうなったのでしょうか。
#256
○前田(宏)政府委員 盗難ということで、これがまた今回いろいろと取りざたをされておるわけでございますが、従来の検察側の理解としては、やはり盗難というものは事実あったというふうな理解をしているわけでございます。
#257
○安田(純)委員 これだけの巨額な小切手の盗難があったとすれば、その捜査が行われていると思うのですが、その捜査の結果はどうなったかを伺っているわけであります。
#258
○前田(宏)政府委員 当時恐らく所轄の警察で一応の捜査はされたものだったと理解しておりますが、その結果、犯人が挙がったとかということは出ていないわけでございます。
#259
○安田(純)委員 事件当時の新聞では、怪盗八百二号のしわざかという記事や、盗難事件そのものに疑問を投げかけている記事も多いわけであります。小切手はどこへ行ったのか、怪盗八百二号とは無関係だったのかどうか、これは全く当局はこの結果はわからぬというふうに伺ってよろしいのですか。
#260
○前田(宏)政府委員 当時警察当局で鋭意捜査を遂げたものと当然思いますけれども、遺憾ながら犯人不明といいますか、結果は判明しなかった、こういうことでございます。
#261
○安田(純)委員 浜田氏のラスベガス・ツアーは合計何回になるかということなんでありますが、私どもの調査では、四十七年の四月に浜田氏の議員請暇が出ております。小佐野被告人の出入国ともダブっておるようであります。議員請暇が四月二十八日から五月四日。で、小佐野氏の出国が、四月二十七日に出国して五月八日に帰国しておる。
 入管局に伺いますけれども、片やは議員請暇ですから、国会を休むという請暇ですね。その四月二十八日から五月四日のいつの間にか出国入国したと思うのですが、浜田氏の出入国はこのときどうなっておるのでしょうか。
#262
○小杉政府委員 お答え申し上げます。
 羽田を立ちましたのが四月の二十七日で、帰国いたしましたのが五月八日でございます。
#263
○安田(純)委員 そうすると、これはまさに小佐野被告人と同じ日に出て、同じ日に帰ってきておるということになりますね。同じ便であるかどう……。
 それから、四十七年の七月あるいはその前後にも小佐野氏の一行がラスベガス・ツアーに行っているはずであります。出入国の数字を見ますと、小佐野氏の出国六月七日、帰国六月十五日。それから七月十一日出国で七月十三日帰国。八月十日出国して八月二十日帰国、こういうふうになっておると思うのですが、この間に浜田氏の出入国記録はあるでしょうか。
#264
○小杉政府委員 ただいま先生御指摘の日付は、いずれも小佐野賢治氏の出入国の日にちでございますが、冒頭に申し上げました四月二十七日から五月八日の場合を除きまして浜田幸一氏の出入国の記録はございません。
#265
○安田(純)委員 四十七年の十月に百五十万ドル負けたと言われておりますが、衆議院の法務委員会で、四月八日に入管局長が小佐野氏と浜田氏のこのときの出入国記録を明らかにしているようでありますが、これは間違いございませんか。
#266
○小杉政府委員 四十七年の十月につきましては、小佐野賢治氏の出国が、十月の五日に出まして十月の十四日に帰国しておりますが、浜田幸一氏は出発が若干おくれておりまして、十月の八日に出発して十月の十四日に帰国するという記録がございます。
#267
○安田(純)委員 このときはいわゆる陰謀説の真っ最中でございまして、出国の十月五日と入国の十月十四日の両日、小佐野はコーチャンと会っておりまして、十月五日にはけんもほろろだった小佐野が、十月十四日には協力を約束している、コーチャンの調書のその部分は報道のとおりだと思いますが、いかがでしょうか。また十月五日に児玉は小佐野にも話しておこうと語っているけれども、いつ、どこで小佐野に話したのか、御答弁いただきたいと思います。
#268
○前田(宏)政府委員 コーチャン氏の証言の中で御指摘のようなくだりがあったと記憶しておりますが、場所については明確でなかったように考えております。
#269
○安田(純)委員 たびたびサンズホテルに支払いに行ったりして出入国をしていることになるわけですが、四十八年に五十万ドル、二十五万ドル、二十五万ドル、この三回サンズホテルで払ったときに一体浜田氏の出入国はどうなっているのかということも伺いたいわけであります。
 それから、四十九年の一月、四、五月に浜田氏の議員請暇が出ておるようでありますが、小佐野の出入国とダブっているようでありますが、浜田氏の出入国はどうなっているのか、伺いたいと思います。
#270
○小杉政府委員 四十九年には、浜田幸一氏は一月十一日に出国いたしまして、一月十六日に帰国したという記録がございます。
#271
○安田(純)委員 四十九年の四、五月ごろはどうですか。
#272
○小杉政府委員 四十九年の四月二十七日に出国されまして、五月六日に帰られたという記録がございます。
#273
○安田(純)委員 先ほどの坂井委員も申し上げましたけれども、賭博ツァーの同行者と言われている人たちの出入国記録、昭和四十七年から四十九年までの提出をぜひお願いしたいということを、ここで私の方からも強くお願いしておきます。
 ところで、記者会見において浜田氏は、自分が汗水流してと言いましたか、どうしましたか、金を都合して払ったんだ、小佐野はけちな男だから金が残ったんであって、人の借金を返してくれるような人間ではないというような意味のことを言っておるようであります。
 そこで、国税庁にお伺いしますけれども、小佐野氏に借金を肩がわりしてもらえば、小佐野氏が求償権を放棄した時点で贈与税がかかるというふうに理解してよろしいものと思いますが、いかがでしょうか。
#274
○磯邊政府委員 そのとおりでございます。
#275
○安田(純)委員 一説によれば、小佐野はロッキード事件発覚後に金を返せと浜田氏に詰め寄ったと言われておりますが、そうだとすればその時点でまだ求償権を放棄しておらないということになりますから、百二十万ドルとすれば、約二億四千八百万円くらいの贈与税の時効は現在も完成していないということになるんではなかろうかと思うわけであります。もし金を返せとロッキード事件発覚後に言っておるとすれば求償権を行使しているわけですから、それから以後いつかの時点で求償権を放棄したとすれば、そこから時効が起算されるわけですね。したがって、まだ時効になっていないと思うのでこの点は国税庁としても、贈与税が成り立つかどうかというもとになりますから、お調べいただいておろうかと思いますが、どうですか。
#276
○磯邊政府委員 御承知のように、これは現在当事者間で争いのあるところのようでありまして、国税の立場としましては、現在の裁判の進行状況をいましばらく見守りたいと思うわけでございます。ただその場合に、そんなぐずぐずしておると時効が来るではないかというふうな御心配がございますけれども、御承知のように税務の時効というのは、その行為が行われました翌年の三月十五日が確定申告の期限でありまして、そこから除斥期間が進行になりますので、いわば昭和五十五年の三月十五日を過ぎた現在としましては約一年間あるわけでございます。その間裁判の進行状況、そういったことをしばらく見させていただいて、その上で必要なときに調査にかかりたい、かように考えておるわけでございます。
#277
○安田(純)委員 大変なまぬるいやり方だと思います。とにかく先ほど来同僚委員の、自民党の委員の方からもいろいろ質疑が出ましたが、浜田氏の可処分所得が幾らあって、それで一体サンズホテルのばくちの負けを浜田氏自身が払えるかどうかというところにも議論が集中したように伺っておったわけでありますが、しかし、考えてみますと、たとえ浜田氏の可処分所得が十分にあったとしても、それを直接浜田氏が持ち出してサンズホテルに自分で払うということでない限り、やはり小佐野氏が受け取った二十万ドルで一たんアメリカで立てかえ払いしておいてもらって日本国内で自分の可処分所得の中から小佐野に返したということが成り立つわけですから、いかに浜田氏が日本国内で不動産を売ったりして支払い能力があったとしても、だから直ちにロス空港における二十万ドルの授受の使途がサンズホテルの立てかえ払いに当てられないということにはならぬ。つまり、浜田氏の所得が当時四億五千万円返せるだけのものが十分あったとしても二律背反ではないということになると思いますね。ロス空港での二十万ドルの授受で小佐野がそれを立てかえ払いといいますか肩がわりして払ったということを排斥するものでは必ずしもない。もし排斥するとすれば、ただ一つ考えられるのは、浜田氏が日本国内で持っておる自分の所得を持ち出していって自分でサンズホテルで払ったということ以外に考えられないわけですね。そのときに初めて二律背反になるかもしれません。そうなると、それはそれなりに浜田氏自身の外為法違反が成立するのではなかろうかということになると思いますね。そういうことでありますから、浜田氏が当時所得があったかどうかはいかに議論をしてみたって直ちには二十万ドルの授受と二律背反にならぬので、消すことにはならないわけでありますが、場合によっては、ある時期にちょうどそのくらいの見合う不動産を処分されたとすれば、むしろ日本国内で小佐野さんにそれを返したという、逆に言えばロス空港においての二十万ドルの授受、それを立てかえて払ってもらったという事実を補強することにもなりかねない。見ようによってはそうなると思います。
 そこで、浜田氏が記者会見で、自分の財産を売り払って返済したということを言っておるわけでありますが、そうなると、一つは所得税の問題が出てくるだろう。先ほどから四十八年の所得が三億幾らだというのはこのことに絡んでくるとは思うのですが、しかし、あれでは間に合いませんね、三億だけではとても弁済し切れないわけですから。先ほどの磯邊長官のお答えですと、そのほかにも必ずしも表示しなくともよろしい所得、株の売買譲渡益とかいろいろあるだろうから三億に限らないというふうに言われていますけれども、少なくとも浜田氏が自分の財産を売って四億数千万円のお金を返済したんだということになれば、その裏づけ調査をされてしかるべきだと思いますが、すでに調査していらっしゃったでしょうか。
#278
○磯邊政府委員 浜田幸一氏の問題というのは、御承知のようにこの前の検察官の冒陳の補充によって私たちも初めて知ったような問題であります。いままでのわれわれの調査では、先ほど申しましたように四十八年の十二月に多額の不動産の譲渡があって、それによって申告しておられ、またその申告もわれわれの調査と一致していたという意味でそれは把握しているわけでありますけれども、それ以外のことにつきましてはわれわれは全く存じてなかった。したがって調査もしてないわけであります。しかし、現時点においてわかった。したがって、果たして、その資金繰り的にあるいは資産の処分として必ずしも十分な説明ができない面もあるかもしれないので調査したらどうだということでございますけれども、たびたび申し上げますように、現在公判廷で争われている問題でもございますし、そういった段階で税務の官吏が参りまして調査いたしましても、明らかに何か物的証拠があるとか、あるいは資金関係の資料があるといったのでなければ、ただわれわれがいま漫然と調査に行っても、これは事実上調査できるわけではございませんで、そういった意味で、しばらく公判廷の推移を見守って、そして、そのタイミングを見ながら、われわれの方で調査の時期を判定していきたい、かように考えているわけでございます。
#279
○安田(純)委員 いま公判に係属中だから推移を見たいとおっしゃるならば、実はここにもうすでに確定した裁判がございます。昭和五十年十二月十二日、東京地方裁判所で有罪判決が確定しております新星企業等の宅建業法違反事件の訴訟記録の中で、四街道町の山林、原野、田、畑九万五千九百三十九坪を、浜田氏が社長をしておった君津興産株式会社から新星企業が買い取った旨の調書がございます。確定判決でございますから、調書はだれでも見られるわけでありますが、この調書の中で、国際興業の竹澤脩という人の供述調書を見てみますと、こんなことが出ておりますね。これは昭和五十年の四月二十五日に東京地検の検察官に対する供述調書でありますが、
  私が新星企業株式会社の代表取締役に就任して最初の新星企業が行なった取引について申し上げます。
  その物件は、四街道町の山林、原野、田、畑合計九万五九三九坪を君津興産株式会社から新星企業が買取ったもので契約したのは、四七年七月二一日でした。この物件を最初に私のところへ持ってこられたのは、衆議院議員の浜田幸一先生でありました。
  浜田先生は、千葉県第二区選出の議員で以前から国際興業の会長や社長と付合いがあったらしく、よく会社に出入りしていたことがあるので、私も先生の顔を知っておりましたし、不動産取引の会社を経営しておられることも知っておりました。
  浜田先生が最初にこの話を持ちこんで来たのは、その年の七月初めのころでしたが、国際興業の事務所で「四街道に一〇万坪位宅地造成用の土地がまとまるが、この物件は、将来開発するには、地理的にも有望なところだから買ってくれないか」と言われたのです。
ちょっといろいろ述べてありまして、
  この浜田先生の持ってきた土地は、間違いなく商品となる、すなわち買っておけば、いずれよい値段で宅地造成用の土地として売ることができるものと考えました。
  そこで浜田先生に値段を聞いてみると、「反当り一〇〇〇万円でどうだ」といわれたので、これは坪当り三万三〇〇〇円になりますから……「先生それは高いよ」と言っておきましたが、その場ではそれ以上の話は進みませんでした。
しかし、現物を一度見に行こうということで、先生と日時を決めまして、この竹澤という人は車で現地へ浜田幸一氏の案内で案内してもらった。
  最初にこの話を持ちこんできた浜田先生や山田茂さん
この山田茂さんという人は、君津興産の方の取締役でございます。この人の調書もありますけれども、
 山田茂さんなど君津興産側の人達は、買主を誰にしたいと特定してきたわけでなく、
ここも非常におもしろいのですね。
 国際興業グループの会社のどれかに買ってもらいたいということのようでありましたが、私が上原社長を現地に案内したころには、すでに申したように、私が新星企業の代表取締役にとの内命を受けていたときでしたから、
この同じ国際興業グループの中の新星企業、この竹澤さんという人が代表取締役になった会社でこれを買うようにという気持ちを固めておったわけである。それで、値段の交渉や何かいろいろあったわけですが、結局、坪当たり二万八千円で買うということに決めたのだということになっておるわけであります。
 ところが、これは実は地主といいますか、ずっと記録を調べていきますと、お金の流れは、新星企業からは坪二万八千円、総額が二十六億八千六百二十九万二千円、このお金が出た出どころは日本電建であります。日本電建から新星企業、君津興産に支払われる。これは佐野商事という、何といいますか、地主のもう一つこっち、君津興産との間に佐野商事というのが入るわけですけれども、この佐野商事に対して君津興産は坪二万三千円で買っておる。したがって、坪五千円、君津興産の浜田幸一氏のところでもうかったということに、単純計算でいくとなります。君津興産から佐野商事への支払いは二十二億六千五十九万七千円、君津興産の利益が四億二千五百六十九万五千円、こういうような事件がございます。
 この事件は、実は不動産の免許を受けないで土地の仲介をやったという宅建業法違反と、もう一つは、一人の被告人に対しては商法の特別背任ということで、これは確定した事件でございますが、この記録をずっと詳細に見てみますと、まず最初に、浜田幸一氏が国際興業へ直接土地を持ち込んで売りつけに行った。すでにこのときは、佐野商事という先ほど言った会社が、ダミーを使って土地を買いに入っているわけですね。値段は、浜田幸一さんと竹澤脩さんとの間で先にまず坪二万八千円と決まった。その後、今度は浜幸さんと佐野商事社長、これは元君津市の市会議員でございまして、浜田幸一派と言われておる人だそうでありますが、この人たちの話し合いで二万三千円になる。このお金の原資は日本電建上原社長から出る。こういうことになっておるようであります。
 しかも、この調書を見ますと、君津興産は、不動産取得税などを逃れるために表面に出さないことを竹澤との間で約束しておりますので、なるほど登記の流れを見ますと中間が省略されておりまして、地主から佐野商事、新星企業、日本電建と、日本電建と新星企業は合併による取得という形になっておりますが、土地の登記簿謄本によると、地主から佐野商事、新星企業、それで新星企業と日本電建が合併で日本電建の名前になっている。
    〔委員長退席、石井委員長代理着席〕
間の君津興産というのは全く抜けておるわけですね。ですから、不動産の登記簿だけで追っていきますと、この君津興産のところで浮いた四億二千五百六十九万五千円というのは全く出てこないわけですけれども、供述調書などをずっと当たっていきますと、こういう仕組みになって、ちょうど合計に近いお金になるわけであります。
 私はなぜこのことを申し上げるかといいますと、先ほど浜田氏の可処分所得が大分議論になりまして、三億六千二百万円でしたか、土地の不動産の譲渡所得が云々とありますね。この取引の日にちは大分違うのですね、同じ四十八年ごろではありますけれども。だから全然別件だろうというふうに思うわけであります。これは国際興業のグループのどこにでもいいから買ってもらいたいというような、非常に雑駁な話から出ているようでありますけれども、こうなりますと、浜田さんが新聞記者会見で大変大みえを切られて、自分の金で払ったのだとおっしゃるけれども、意外にこうした形で、むしろ二十万ドルのロスでの受け取りと、それのサンズホテルでの支払いという流れはちゃんとあって、それに見合うものとしてこうした不動産の処分による利益が日本国内で払われた、こういう筋書きが成り立つのではなかろうかと思うのですよ。これはなお深く調べてみなければわからないことではございますけれども、国税庁では、ぜひこういう点で税金の関係からもお調べいただきたい。先ほど磯邊長官のお話によりますと、裁判の係属中でございますという話がありましたけれども、このいまの九万五千九百三十九坪の土地の売買の件はすでに判決は確定しておりまして、訴訟記録があります。こういう金額や何かが出ている供述調書があります。だれがどういうふうに払ったというのも載っています。ぜひそれをお調べいただきたいと思いますが、いかがですか。
#280
○磯邊政府委員 ただいま先生御指摘になりました新星企業との取引、これは税務の方でも調査が完了しておりまして、そしていま御指摘になりました君津興産の当時の申告の内容等を見ますと、四十八年六月期におきまして、やはりこの売買を反映したと思いますけれども、所得が非常に増加しておる、そういったことがございます。何分古いことでありますから細かい点はわかりませんけれども、われわれが一度レビューしたところによりますと、ただいま安田先生の御指摘、ほぼ間違いない事実でございます。ただ、いまこれをもう一度調べるということになりますと、何分これは法人の行為といたしましては、四十八年六月期でございますので、もう除斥期間が満了しておりまして、われわれの調査権限が及ぶかどうか、はなはだ疑問でございますが、いずれにしましてもそういった一連の商取引があったということは先生御指摘のとおりであります。
#281
○安田(純)委員 捜査当局の方にもお願いしたいわけですけれども、そういう意味で、サンズホテルにおける二十万ドルの支払い、その前のロス空港における授受ですね。これについて浜田さんは、それを否定するがごとく、自分の金で払ったんだとおっしゃるけれども、終局的に、いま言ったような土地転がしで小佐野さんに弁償したかどうかは知らぬけれども、その辺のこともちゃんと調べていただいて、浜田氏が直接サンズホテルに自分の金を持っていって払ったのか、その辺をきちっと押さえておいて――もちろん抜かりなく押さえていらっしゃると思うのですが、公判の進行過程によって案外こうしたものの財源がひょっと出てきて、弁護人側がこれで払ったのだということが出てきた場合、それからびっくり仰天して調べたのでは話になりませんから、あらゆる点を予測してお取り調べいただきたいというふうに思うのですが、もうすでに調べてあれば、中身はともかく、調査中あるいは手をつけているとお答えいただいてもいいですし、これからならこれからでもやむを得ませんが、とにかくこうした土地転がしがあって、ちょうど五億円近い金が、差額が出てくるのですよ。これ自身が二十万ドルとぴったり合うかどうかわかりませんけれども、そういう点もひとつフォローしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#282
○前田(宏)政府委員 いまのような点、いろいろと御指摘を受けたわけでございます。もちろん、検察当局といたしましては、この二十万ドルの授受ということは重要に考えておりまして、そのために今回のような措置もとったわけでございまして、それがいろいろとおかしくなってはいかぬということは当然のことでございます。いろいろと最近の見方が出ておりますので、検察当局といたしましては、その点についても十分配意しているものと思いますが、せっかくの御注意もいただきましたので、重ねて検察当局に連絡をさしていただきます。
#283
○安田(純)委員 ぜひその辺は調査をされたいと思うわけであります。ともかく、浜田氏が言うように、小佐野氏には立てかえてもらわないんだというニュアンスにも聞きますから、あの記者会見の答弁。自分で返したとすれば、こうした土地転がしで、しかも田中ファミリーの日本電建が入っているという、そういうことでやっていたか、あるいはそうでなければ、先ほどから申し上げているように、検察官の冒陳補充のように、一たんアメリカで立てかえてもらっておいて、こうした土地転がしで返した、こういうことも考えられるし、いずれにしろこの点は粗漏のないように調査をしていただきたい。われわれとしても、当委員会は検察当局の調べを待つだけではなくて、こうした問題についてもっともっと追及をしていかなくちゃならないと思うのです。そういう点でこれは浜田さん自身に聞くのが一番手っ取り早いわけでございますから、ぜひ証人喚問をしていただくよう委員長にお願い申し上げまして、質問を終わります。
#284
○石井委員長代理 次に、大内啓伍君。
#285
○大内委員 午前中の自民党委員の問答を聞いておりますと、ロッキード事件に浜田幸一氏がかかわったかどうかという点については、午前中の質疑応答に関する限り、かかわっていないかのような印象を与えたということは率直な第三者からの見方だと思うのであります。特に前田刑事局長は、浜田幸一氏がロッキード事件の全過程で関係していなかったという趣旨のことを述べられておりますし、また浜田幸一氏がこれまで捜査の対象になったことはないという言い方も、たしかされております。もちろん、これは速記録で正確に確かめなければなりませんが、そういう趣旨だと思うのです。しかし先ほど来の議論で明らかなように、浜田幸一氏が検察当局から事情聴取を受けているということについて、前田刑事局長は否定されておりません。のみならず、記者会見で浜田氏がそういうようなことをおっしゃっているならば、そのようなことでしょうとすらも実は言っているわけなんです。事情聴取が何回かという問題についてもいろいろ御議論があったようでありますが、私は強いて問いません。しかし、少なくとも一回でも事情聴取が行われていれば、これは小佐野氏の偽証にかかわる捜査の一環ではありませんか。捜査はしているのじゃありませんか。いかがでしょう。
#286
○前田(宏)政府委員 私の御答弁の言い回しが余りうまくなくて誤解をいただいても恐縮でございますが、捜査の対象ということは、先ほどもお尋ねを受けまして補充したとおりでございまして、被疑者とか、俗に灰色高官とか、いろいろなことが当時言われたわけでございますが、そういう意味での捜査の対象ということはないということをお答えしたつもりでございます。俗にというと失礼でございますが、関係があるかないかということになると、ロッキード社からの航空機の売り込みについていろいろ骨折りを頼まれて、そしてその謝礼というようなことで金銭等をもらったという方を念頭に置いて関係ありや否やということを普通言うのじゃないかということであったわけでございます。
 ただ、この二十万ドルのことで、いまのお言葉でございますが、事情聴取、これも広い意味の捜査の一環であること、これは否定いたしませんけれども、私の頭にありましたことは、間接的な意味での参考人といいますか、参考的な第三者という立場にあるということはもちろん否定はしないわけでございますが、いわば直接的と申しますか、なかなか言葉遣いがむずかしいと思いますが、そういう目から見ると、関係はないということになってもおかしくないのじゃないか、こういうことであったわけでございます。
#287
○大内委員 前田刑事局長はすでに間接的に認めておられますけれども、被疑者だけの事情聴取が捜査ではないことは自明の理でございます。ここにもたくさん法律家がおられるわけです。検察当局がたとえば周辺の聞き込み捜査をやっただけだって捜査という。しかし、あなたがこの場でいままで、捜査の対象になったことはないというようなことを断言されますと、全く捜査の対象になっていないような印象、つまり前提というものが飛んでしまうのですね。ですから、そういう言い方は適当でないと思うのです。ここできちっと訂正していただきたいと思うのです。
#288
○前田(宏)政府委員 私もそういうつもりではございませんで、質問をなさいました先生の方でそれなりの見方をされまして、それをむしろ前提としてお尋ねがございましたので、そういうやりとりといいますか前提とすれば、そういうことでございましょう、こういうお答えをしたつもりでございます。
#289
○大内委員 誤解を受けるような答弁なんです。それは前田刑事局長もよく御存じでしょう。
 では、言い直して聞きましょう。広い意味での捜査の対象にはなった、そういうことですね。
#290
○前田(宏)政府委員 言葉のあやみたいなことになるかもしれませんが、捜査の対象ということはまたあいまいな表現でございまして、事情聴取等も行われた関係者の中に、広い意味で入っておるということであれば、そのとおりでございます。
#291
○大内委員 国民というのはこういう問答を聞いてどう思いますかね。あなたの方は冒陳の補充訂正で二十万ドルの立証にかかっているのじゃありませんか。これはロッキード事件の核心に触れる問題じゃありませんか。しかも、それは小佐野氏の偽証を立証するかどうかという重要問題じゃありませんか。もしロッキード事件に直接かかわりがない、もちろん飛行機の売り込みに対して報酬をもらったとかあるいはリベートをもらったということだけがロッキード事件にかかわるという意味ではありません。もしあなたの方の冒陳の補充訂正が立証されれば、間接的に浜田幸一氏が、あるいはK・ハマダといってもいいです、それがロッキード事件にかかわったということはあたりまえのことじゃありませんか。そういう意味では、あなた方の冒陳の補充訂正が立証されたという前提に立てば、間接的にかかわったというふうに言えますね。
#292
○前田(宏)政府委員 二十万ドルの授受自体が、検察側として重要な事柄であるということは申し上げるまでもないと思いまして、あえて申さなかったわけでございます。それがいま仰せのようなことになりますれば、そういう意味合いにおいて、二重的な間接的かと思いますけれども、間接的な関係があるということに理論上なるといいますか、論理的になるといいますか、そういうことであると思います。
#293
○大内委員 これで明らかになりました。やはりそのことが立証されれば、浜田幸一氏はロッキード事件に間接的にかかわったということになるわけであります。午前中の議論を聞いておりますと、浜田幸一氏はロッキード事件に全くかかわりがない、したがってこの航特委において証人喚問する必要がないという論理に発展する可能性があったのですね。ですから、そういう意味でこの辺をただしておきたいと思った次第であります。
 さてそこで、先ほど来K・ハマダ氏と浜田幸一氏の同一性という問題が午前、午後にわたって議論されました。そして、きょうの夕刊のトップに出ておりますように、K・ハマダ氏は浜田幸一氏と同一である、こういう趣旨になってきたわけなんでありますが、しかし、にもかかわらず、法務省当局の説明というのはくつの裏からかいているような感じで、どうも国民の側から見ますと、はっきりしなかったわけなんですね。しかし、私は、これは法務省当局の一つの手法として実は見て見れないこともないと思っているのですよ。
 しかし、たとえば三月八日、大平内閣総理大臣は私に対する答えでこう言っているのですね。「K・ハマダなる者が浜田幸一議員であるとか、あるいはK・ハマダのサンズホテルに対する債務が賭博で負けたことによって生じたものであるとかいうような事実は承っていない」、そして、それ以降の国会の各種の答弁においても、その種のことが繰り返されてきた。その後に浜田幸一氏が国民運動本部長を辞任され、そして、国会議員としては私は相当の決断が要ったと思いますが、議員を辞職された。そしてさらに、記者会見でるる述べられた。そういう状況を国民が聞きまして、あるいは見まして、一国の総理大臣や政治家の言っていることが何とそらぞらしいことかというふうに聞いたに違いないと思うのですよ。K・ハマダ氏が浜田幸一氏であるということは、もう天下周知の事実であるにかかわらず、そういうような言い回しでいつも逃げる、こういう姿勢はやはり国民に対する政治不信というものを非常に助長することになる。広い意味で非常に刑事政策上もいいことではないと思うのです。しかも、重要なことは、総理大臣が、K・ハマダ氏と浜田幸一氏は特定できない、こう後にも言っているのです。にもかかわらず、検察当局は、三月六日冒陳の補充訂正をやる前に、浜田幸一氏にそのことが出るということをちゃんと通告、連絡しているでしょう。そして、そのことを法務省はちゃんと連絡を受けているでしょう、報告を。私はそれを持っていますよ。これは総理大臣に対する法務省のこの問題の説明がどういうふうに行われたか、恐らくこれは法務大臣が責任を負わなければなりませんよ。つまり浜田幸一氏に対しては、K・ハマダは君だと特定しておきながら、総理大臣以下の国会における答弁においては、一貫して今日まで特定していない。こんな国会を欺くようなやり方が一体通りましょうか。国会を欺くということは国民を欺くということです。そして、やっと今日、追い詰められて、浜田幸一氏が国会議員をやめたり、そして、記者会見においていろんなことをおっしゃられた段階において、きょうの刑事局長の答弁は、浜田幸一氏の議員辞職や、記者会見で述べていることから、K・、ハマダ氏と浜田幸一氏の同一性が明らかになったという一般的な見方は否定できない。普通のおかみさんはこれを読んでわかりますかね。聞いてわかりますかね、こんなことを。私は、政治というのはもっと率直でなければならぬ、民主政治というのはもっと率直でなければならぬと思っているのですよ。あなただって本当に優秀な官僚の一人でしょう。政治の役割りとか、政治の使命というのはわかっているでしょう。検察当局は浜田氏に通告を事前にし、法務省はその報告を受けていたということを知っていますね。言ってください。
#294
○前田(宏)政府委員 広い意味で捜査の内容でございますから、具体的に、詳細に申し上げるのは適当でないかと思いますけれども、浜田幸一氏が検察庁で事情を聴取されたということは、御本人もお認めになっているところでございます。
 そこで、先生の表現で、通告というようなことでございましたが、そういうことではないと思います。事情聴取ということで浜田幸一氏と接触があったと申しますか、そういうことはあったと思いますので、そのことをお指しになっておるとすればそのとおりだろうと思います。しかし、私ども先ほど来御指摘を受けておりますように、国会でうそを言うようなつもりでお答えしたつもりはございません。つまり、裁判の技術的なことがなかなか御説明しがたいわけでございます。裁判ということがございませんと、もっとわかりやすいお答えも可能であったかと思いますけれども、何回も申しておりますように、冒頭陳述の補充訂正が行われて、証拠申請もいたしましたけれども、相手方の応対もないということで証拠が法廷に出されていない。また、その証拠の大部分は司法取り決めで捜査、公判以外には用いてはならないという条件が厳しくつけられているものである、かようないろいろな情勢がございましたので、恐らく御理解がいただけない点もあろうかと思いながら、その時点で申し上げられる範囲でのことを繰り返してお答えしたつもりでございまして、どういう御印象をいただいたか、また、御批判はいろいろあろうかと思いますけれども、同一性を積極的に否定したということは、私の気持ちといたしましてはないつもりでございます。
    〔石井委員長代理退席、委員長着席〕
#295
○大内委員 何を言っているのですか、あなたは、きょうの新聞のトップで、初めてK・ハマダと浜田幸一は同一だということがやっと明らかになったと言っているじゃありませんか。法務大臣、検察当局は浜田氏に対してはきちっと通告をし、連絡をしておきながら、国会の総理大臣以下の答弁においては一貫して特定性を否定してきた、こういう国会審議を軽視したようなやり方について、あなたはどういう御感想をお持ちですか。正すべきだとは思いませんか。いかがでしょう。
#296
○倉石国務大臣 けさ、午前中と思いますが、私のお答えの中に、浜田議員が議員を辞任して記者会見をいたしましたときに、先ほど来お話し合いのありましたアメリカのロサンゼルスにおける賭博云々のことで、自分がその当事者であるというふうなことまで言っておられるので、これは私どもが申さなくてももう御了解いただいておることと存じますということを申し上げましたのは、私ども、つまり先ほどもお話し合いがありましたように、検察が冒頭陳述の補正をいたしましたそのときまで、つまりその公判廷においてもK・ハマダで通しておりますので、私どもは、そのほかによけいなことを言って支障を来すようなことがあってはいかぬというおもんぱかりで、それをそのままK・ハマダと言っておったわけであります。したがって、現実の問題についてはいろいろ情報もございますけれども、私どもの立場として、検察があの公判を、この次の公判までああいう口調でやっていくのかどうか、そういうことを十分おもんばかりまして申し上げておったということでありまして、その辺のところは、検察の人々にも、別に悪意を持ってやっておるわけではないのでございまして、御了解をいただきたいと存じます。
#297
○大内委員 私は、きょうの刑事局長の、なぜK・ハマダと言ったかということについてのいろいろな説明が、この問題が起こった冒頭に行われていれば、それはそれなりに私は理解できることであったと思うんですよ。しかし、K・ハマダと浜田幸一氏はまさに何か関係がないような、そういう物の言い方を余りにも言い続けてきた。そのことがやはり国民に与える政治に対する不信感というものが、むしろこういう問題の事件を具体的に解明する以上に、実は大きな、重大な問題であるということについて、いま私は皆さんに注意を喚起しているのです。法務大臣にもそういう意味で申し上げているのです。少なくとも、浜田幸一氏には事前に、あなたは三月六日の冒陳の補充訂正でこういうことが出ますよということをきちっと言って、したがって法務省も検察庁も、K・ハマダは浜田幸一氏であるということを行動によって特定しておきながら、国権の最高機関である国会の場においては、そういうものは一切特定できない、今日までまあ言い続けてきた。そういうような姿勢は、これからやはりよほど考えていただかなきゃならぬ。私どもは、こういう問題は政治と国民の信頼関係をつなぐ非常に重要な問題だと思っているのです。私は、いま法務省や何かの欠陥を突こうと思って物を言っているんじゃないのです。そういうような言い方が、実は政治不信に大きな悪影響を与えている。法務大臣も、この辺はひとつ十分お考えをいただきたい。本当は総理大臣に申し上げることです。総理大臣が議事録に残したことがみんな間違っているのですから、みんなうそなんですから、総理大臣がうそをついていて、国民が政治を信頼しますか。そういう問題は政治論ですから、次に行きましょう。
 先ほど来、小佐野氏が分割払いした第一回の支払いの米ドル小切手という問題についていろいろ御討議がございました。私はダブるのを避けまして、一つだけ聞いておきたいと思うのでありますが、四十七年の十月、ロッキード社から児玉氏に支払われるとされた例の五億円相当の小切手、これが先ほど来の御指摘のように、四十八年の一月に児玉氏の宅で盗難に遭った。そして、この米ドル小切手の行方は、今日なお行方不明である。しかし、この米ドル小切手は、小佐野氏が債務を支払うためにロッキード社と児玉氏によって用意されたものではないかというような疑いが現実にちまたにあるわけなんですね。専門家筋にもあるわけなのです。したがって、この問題と、それから今度の小佐野氏の四回にわたる浜田幸一氏、いわゆると言ってもいいですが、いわゆる浜田幸一氏の負債に対する分割払いとは全く無関係であるとは、いまの段階で断言はできないということになりますか、先ほど来の議論を聞いていて。そうだということも断言できないけれども、絶対無関係であるということも断言できないということでしょうか。
#298
○前田(宏)政府委員 お尋ねの点につきましては、従来からもいろいろな見方がございましたし、また最近のいろいろな事柄から、そういう見方が強まったと言うと言い過ぎかもしれませんが、出ておるということは承知しておるわけでございます。そのような意味合いにおきまして、全く無関係とは断言できないと言えば、そのとおりでございます。
#299
○大内委員 二十万ドルという問題は、言うまでもなく百五十万ドル、つまり値引きされた百二十万ドルの一部であります。したがって、二十万ドルの立証をやろうとしますと、賭博行為が行われた、そしてその総額は値引きにして百二十万ドルであるというところから実は立証していかないと、二十万ドルというものの性格決定ができないわけなんですね。先ほど来の議論を聞いておりましても、その児玉氏から受け取り二千六百五十万円、二通出ている。その受け取りとこの二十万ドルがどういうふうに結びつくかということも、なお解明が必ずしもなされていない。そうしますと、この小佐野氏がクラッター氏からロス空港で受け取った二十万ドルが、仮に、検察当局が立証しようとしているように、浜田氏の負債の一部として支払われたということに仮になりますと、この二十万ドルというものはどういう性格であったのかということが明確になる必要があると思うのです。二十万ドルの性格をどういうふうにお考えですか。
#300
○前田(宏)政府委員 性格ということの意味をあるいは取り違えているかもしれませんが、先ほど来お話のございますように、百二十万ドルの債務の最後の分ということで、検察官としては主張していくことになっております。
#301
○大内委員 そうしますと、このクラッター氏から小佐野氏が受け取った二十万ドルの性格は、どういうふうに考えていますか。
#302
○前田(宏)政府委員 これも先ほど来御引用になりましたようなことでございまして、従来の冒頭陳述書の面におきましても、ロッキード社の児玉氏に対するいろいろな形での報酬、いわゆる追加報酬というふうに言われておるようでございますが、その一部だということになるわけだと思います。
#303
○大内委員 そうしますと、仮にこれが浜田氏の負債の弁済に充てられているということになれば、私が冒頭に申し上げたように、浜田幸一氏がロッキード事件に間接的にかかわったということになっていくわけでありますが、ところで先ほど来もちょっと議論が出ておりましたが、同行したと言われる小川某氏ですね、これはこの百五十万ドル関係については、いやそうじゃなくて、六人で八十万ドル負けたんだと、額について実は違った談話等を発表しているわけでありますが、小川吉衛氏の六人で八十万ドルであって百五十万ドルではないというこの発言については、どういうふうにお考えでしょう。
#304
○前田(宏)政府委員 この前の冒頭陳述の補充訂正で述べております百二十万ドルの債務発生、その債務発生のもとになることと、小川さんとおっしゃる方が新聞等で述べておられることが同一のことを指しているのか、つまり同一の機会の、同二のことであるのかということがまだちょっとはっきりしない点がございます。したがいまして、それが同一かどうかということがまず一つ問題になろうかと思いますが、仮に同一の機会でのことを指しておられるんだということになりますと、検察官側の主張とは食い違っている点があるというふうにもちろん認識しております。
#305
○大内委員 冒陳の補充訂正では、その額については触れておりませんね。そして先ほど来の答弁で明らかになったように、その額等に関する資料としては例の「K・オサノの取引」及び「関係者殿」というのですか、この書類二通というものの中でそういうものが明らかにされているということだと思うのですね。
 ところがこれはこの間の公判において弁護側が証拠として採用することを拒否いたしましたために、検察当局としては四人の証人の申請をされましたね。ところがこの四人の証人要請の中で、たとえばリチャード・G・ダナー副社長以下証人としては出ないということを現地で言っておられるように聞いております。そうしますと、この四人が証人を拒否して六月十九日以降の法廷に立たないということになりましたら、これはどういうことにするのですか。
#306
○前田(宏)政府委員 先ほども最高裁の方からお答えがあったように、まだ手続が正式には済んでいないと申しますか、まだ最高裁の方でもはっきりしていないというようなことで、アメリカにおられるその四人の人に到達していないわけでございます。確かに新聞報道等で出ないような口ぶりのような報道があったことは私も承知しておりますが、そういう場合に、検察官側といたしましてどういう方針で臨むかというのがお尋ねのポイントであろうと思いますが、先ほど妙な言い方をいたしましたけれども、これも公判審理の一種の作戦、戦略、戦術の一つでございますので具体的なことは申しかねるわけでございますが、これにかわる立証方法というものをまた考えて、本来の立証趣旨、立証事実というものを立証していくように最大限努めるもの、かように考えている次第でございます。
#307
○大内委員 その立証方法の中には嘱託尋問は含まれますか。
#308
○前田(宏)政府委員 それも方法の一つとして、一般論といいますか観念論といいますか、いろいろあろうと思いますので、ほかの方法もあるんじゃないかというふうに考えております。
#309
○大内委員 ほかの方法というのは、たとえばどういうことです。
#310
○前田(宏)政府委員 先ほど来申しておりますように、どういう方法でやるかということになりますと、それ自体がまた訴訟技術の上で争点になりまして、弁護人側がその方法論自体に争いを持ち込まれるということが懸念されるわけでございますので、大変恐縮でございますが差し控えさせていただきたいと思います。
#311
○大内委員 ただし嘱託尋問はその方法の一つである、こういうふうにおっしゃいましたね。それは間違いないですか。
#312
○前田(宏)政府委員 いろいろな方法を考えます場合にその中に含まれることであろう、こういうことでございます。
#313
○大内委員 小佐野氏の分割払いの状況について、先ほど来もちょっと議論がございましたが、少しその点もお伺いをしたいと思うのでありますが、冒陳の補充訂正では第一回は四十八年の一月十五日ごろ五十万ドル、これは米小切手による、これは御案内のとおり賭博ツァーつまり旅行というものが行われました日にちとこの支払いの期日がちょうどオーバーラップしているという面もございますが、一月十五日の五十万ドルの米小切手の支払いというものは具体的に支払い方法はわかっているんですか。
#314
○前田(宏)政府委員 その点は冒頭陳述の上でははっきりいたしませんが、取り調べ要求をいたしましたものの立証趣旨の要旨というところに掲げられておりますところでは、一月十五日ごろの五十万ドルは五万ドルの銀行小切手十枚であるという記載がございます。
#315
○大内委員 いや、私の聞いておりますのはそういうことじゃなくて、どういう方法でこれが具体的に支払われたかということです。
#316
○前田(宏)政府委員 だれがどういうところへ持っていってというような意味での具体的な方法であろうかと思いますが、それは今後の公判で問題になれば明らかになることであろうと思います。
#317
○大内委員 十一月三日の二十万ドルは現金で小佐野氏らの賭博旅行中支払われた、こういうことですね。
#318
○前田(宏)政府委員 まあ細かいようなことで賭博旅行中というようにお答えしてそのままよろしいかどうかわかりませんが、十一月三日の旅行中に支払われたということはそのとおりでございます。
#319
○大内委員 そうすると第二回、第三回つまり昭和四十八年四月二十八日ごろ及び七月十二日ごろそれぞれ二十五万ドルの支払い方法はどういうふうにしてなされたと見ているんですか。というのは、私はいま二十万ドルと直接関係のないことを、聞いておりますが、私はなぜさっき二十万ドルを百二十万ドルの一部であるということを強調したのはそういう意味を持っているわけなんです。そういう意味でお答えをいただきたいのです。
#320
○前田(宏)政府委員 委員の方のお考えからよりますと、それぞれの前三回の支払い方法が具体的に問題になるといいますか、御関心があろうかというふうに思いますけれども、法廷でのことといたしましては、現段階ではもとが百二十万ドルであって、それが二十万ドルになった、残りが二十万ドル残っておったという経過として三回あるということを述べておるわけでございまして、そのこと自体には重点を置いていないというとおかしいような言い方になりますが、そういうような理解でございますので、冒陳でもその具体的な方法は触れていない。繰り返すようでございますが、被告人、弁護人側の応対いかんによりましてはそのもとまで争われる場合もございましょうし、また二十万ドル残ったというところで始まる場合もございましょうし、先ほど委員仰せのようにどんどんさかのぼってもとは何だ、だれとだれがどうしたというようなことまでさかのぼることもあり得るわけでありますが、それもいずれ裁判の攻防の中でのことでございまして、何分にも相手方がどういう応対をするか、極端な例を申しますとまるまる認めれば何のこともなく推移するということもまた一面あるわけでございますので、そのようなことで申しておったわけでございます。
#321
○大内委員 もうすでによく御存じのとおり、浜田氏は小佐野氏による立てかえ払いを全面的に否定しているわけであります。その否定のポイントというのは、小佐野氏に私の借金を払ってもらったことはないということが一つと、それから、借金を私の手で返したということと、三つ目には、そのために自分の財産を売ったということと、四つ目には、外為法違反して借金を返した、こういう四つのことを言っているわけなんですが、検察当局が小佐野氏の立てかえ払いというものを立証するためには、浜田氏の自己弁済の可能性や事実関係がなかったということが逆に立証される必要、がありますが、その辺は調べていますか。
#322
○前田(宏)政府委員 少なくとも現在までのことといたしましては、検察官といたしましてはこの前述べましたところに従って、またその際取り調べを要求した証拠に基づきまして、その事実が立証され得るものという立場を持っておるわけでございます。しかし、いろいろとそれにまた食い違うようなことが出ているようなことでもございますので、従来からこの点につきましてはいろいろと争いがございましたわけで、またそれが二重三重に複雑になるということも懸念されないわけではございません。したがいまして、手持ちのいろいろな証拠との兼ね合いで、できるだけのことは努めなければならぬと思いますし、現に努めているものと思います。
#323
○大内委員 国税庁長官にお伺いしますが、先ほど来の議論で明らかなように、昭和四十七年以来の浜田氏の申告所得、それから想定される可処分所得等から見まして、仮に百五十万ドルが百二十万ドルになり、さらには一部の報道機関で報道されましたような五十万ドルに近い新たな負債があったということになりますと、そして浜田氏自身が言っておりますように、それを自分の手で返済したということになれば、これは相当の可処分所得が必要であるという議論がされておりまして、特に昭和四十八年の可処分所得については、長官のお話では二億九千五百万円くらいと想定される。そうすると、そのほかになりますと、これはずっと申告所得そのものも低いわけでございますから、要するに四十七年以来の数年間の浜田氏の所得では、もしこれらの負債があったとすれば、それは返済不可能な額であった、つまり浜田氏はその借金は自分で返したと言っているけれども、何らかの借金等が行われていないという場合に、自分の所得では返すことができなかったということは言い得ますか。
#324
○磯邊政府委員 私たち税務の調査をやっております者にとっては、いま浜田幸一氏の返済された負債というのがどれだけかということは全く存じないところであります。それからまた、返済されると申しましても、いまの御議論では、いわゆる公示所得から推算して可処分所得というのが推計されるわけでございますけれども、公示所得にならない資産の処分というのも一般的には考えられるわけでありまして、私たちとしては公示所得だけを中心に考えて、その中の可処分所得を計算して、そして返済能力を考えるというのもいささか問題があろうかと思っております。
 いずれにしましても、基本的にわれわれは、浜田幸一氏の税務申告が正しいかどうかということが最大のポイントでありまして、どれだけの借金を持っておられたとか、それからどういうふうに税金を払った後のお金で借金を返済されたかということについては、税務の方としてはもう調査できないし、また税務の立場としては調査の目的を超える問題ではないかというふうに考えておるわけであります。
#325
○大内委員 浜田氏がラスベガスでどのぐらいの負債を生じたかということ自身がいま争われておりますので、その前提が明確でなければなかなか答えようがないというお話はよくわかりますが、私は、そういう負債が実際にあればという前提で実はお伺いをしたわけでして、その点に対する御答弁は必ずしもまだきちっとされていないということが一つ。
 それからもう一つは、国税庁長官がお答えになりましたように、四十八年の可処分所得が二億九千五百万円あるということになりますと、仮にそういう負債があったとすれば、それは一部は十分返し得る状況にあった、こういうふうにも見られるわけですが、その二点についてはいかがでしょう。
#326
○磯邊政府委員 浜田幸一氏の負債がどれだけかわからないということは繰り返し申し上げたわけでありますが、昭和四十八年の浜田幸一氏の申告書から見まして、先ほど申しましたように、譲渡所得にかかるいろいろな必要経費、あるいはそれにかかる分離の税金、国税、地方税合わせますと、申しましたように二億九千万何がしになるわけでありまして、それはまた浜田議員のその年末における資産負債明細表の中の預金勘定として残っておりませんから、あるいはそれだけから見ますと、その収入になりました現金、それから収入になりました年月日もわかっておりますし、それが期末にないということになりますと、やはりそれが弁済に回ったということも、それは書類上からは一応成り立つということも言えるかと思います。いずれにしましても、私どもとしてはそこまでいま検討しておりませんし、また検討することもできないものでございますから、的確な御答弁をここで申し上げるということは不可能かと思います。
#327
○大内委員 時間が参りましたので、最後に一言だけ申し上げますが、一つは国税庁長官におかれては、小佐野氏の浜田幸一氏に対する分割支払い肩がわりということになれば、贈与税の問題等が発生してくる場合もあるわけでございまして、そういうようなことを今後調査される必要があるとすれば、当然小佐野氏からその辺の状況を聞かなければならないと思いますが、そういう方針があるかということと、それからこれは委員長に申し上げておきますが、先ほど来の私の議論で明らかなように、浜田幸一氏が、もし検察当局の冒陳補充訂正等が立証されますと、これはロッキード事件にかかわるということになるわけでございますし、それから、先ほど来出ておりました百六十六万ドル余の小切手の問題等も、これはロッキード事件にかかわる問題でございますので、そういう意味から、浜田幸一氏を証人喚問して、そしてこの問題を究明する必要がある、このことを申し上げまして、私の質問を終わります。
#328
○磯邊政府委員 今後の公判廷の推移によりましては、小佐野氏につきましてその間の事情を聴取するということもあり得ると思います。
#329
○大内委員 ありがとうございました。
#330
○中山委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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