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1979/01/26 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号
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1979/01/26 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号

#1
第091回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号
昭和五十五年一月二十六日(土曜日)
    午後一時十一分開議
 出席委員
   委員長 井上 普方君
   理事 野田  毅君 理事 金子 みつ君
   理事 松浦 利尚君 理事 中川 嘉美君
   理事 岩佐 恵美君
      亀井 静香君    亀井 善之君
      瓦   力君    工藤  巖君
      田名部匡省君    武部  文君
      宮地 正介君    多田 光雄君
      塩田  晋君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  佐々木義武君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      正示啓次郎君
 出席政府委員
        経済企画庁物価
        局長      藤井 直樹君
        資源エネルギー
        庁長官     森山 信吾君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 安田 佳三君
 委員外の出席者
        特別委員会第二
        調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十六日
 辞任         補欠選任
  小澤  潔君     瓦   力君
  藤原ひろ子君     多田 光雄君
同日
 辞任         補欠選任
  瓦   力君     小澤  潔君
  多田 光雄君     藤原ひろ子君
    ―――――――――――――
一月十八日
 物価値上げ抑制等に関する請願(山口鶴男君紹
 介)(第三三〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 物価問題等に関する件(電気料金改定問題等)
     ――――◇―――――
#2
○井上委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 まず、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件、特に電気料金改定問題調査のため、来る三十一日、参考人の出席を求め意見を聴取したいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#5
○井上委員長 この際、政府からこのたびの電気料金改定について発言を求められておりますので、これを許します。佐々木通商産業大臣。
#6
○佐々木国務大臣 北海道電力及び沖繩電力の料金改定問題につきまして御報告申し上げたいと存じます。
 北海道電力及び沖繩電力は、昨年十一月十六日、電気料金の改定を申請いたしました。北海道電力及び沖繩電力によりますと、OPEC等による原油価格の大幅値上げ、最近における円安傾向等による燃料費の高騰に加えまして、設備投資の拡大に伴う資本費の増加等により、経営内容が著しく悪化したため料金改定を申請するに至ったとしております。
 通産省といたしましては、両社の申請を受理した後、直ちに、申請の内容について詳細なヒヤリングを行いましたと同時に、特別監査を実施いたしました。また、北海道電力につきましては十二月十三、十四日、沖繩電力につきましては十二月十三日、電気事業法の規定に基づきまして公聴会を開催し、広く一般の意見を徴したところでございます。さらに、本年一月八日、物価安定政策会議特別部会を開催いたしまして、北海道電力の料金改定問題について、広く各層の意見を聞いたところでございます。
 当省としては、これら関係方面からの意見をしんしゃくし、厳正な審査を進めるとともに、経済企画庁とも十分な協議を行ってきたのでございます。将来にわたる電力の安定供給確保、物価、国民生活、産業活動に対する影響等諸般の見地から鋭意検討を進めた結果、現在最終的な段階に立ち至っております。
 これまでの検討状況の要点について申し述べます。
 原価計算期間につきましては、申請では二年間としておりますが、原価諸要素の見通しが困難となっている現況にかんがみ、申請より短い期間とせざるを得ないと考えております。
 次に原油価格についてでございますけれども、現段階までの引き上げを織り込むことはやむを得ないと考えておりますが、先行きについては厳しい方針で対処する考えでございます。また為替レートにつきましても、できるだけ適正なものとするよう配慮したいと考えております。
 資本費の対象となる資産につきましては、特別監査を実施し、個別の施設ごとに真実かつ有効な資産に限って料金に織り込むことを考えております。
 なお、定率償却の導入については、慎重な配慮をする必要があると考えております。
 このほか、人件費、修繕費、その他の経費についても、真にやむを得ないものにとどめる方針で対処することといたしております。
 料金制度の面においては、沖繩電力については、電気事業審議会の中間報告に基づき、主として産業需要家を対象とする電力料金について、季節間原価格差を反映させた季節別料金制度を導入することといたしております。
 また、四十九年に導入された逓増料金制度については、その逓増率を拡大することを考えております。
 以上、北海道電力及び沖繩電力の料金改定について御報告申し上げました。
 申請の査定に当たっては、経営の徹底した合理化をまず前提といたしまして、法に基づくとおり原価主義の原則に立って物価、国民生活への影響を十分考慮して、厳正かつ慎重に対処する所存でございます。
 以上申し上げましたように、諸般の見地から、慎重かつ十分な検討を行ったところでございますが、近く、物価問題に関する関係閣僚会議の了承を得た上で、両社の料金改定の認可を行う予定でございます。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
#7
○井上委員長 次に、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松浦利尚君。
#8
○松浦委員 まず、委員長に前もってお断りをさせていただきますが、本日の質問は社会党三名の委員が交互にそれぞれ間で質問させていただきまずから、運営が非常にしにくい面もあるでしょうが、ぜひ御配慮いただいてお願いいたしたいと存じます。
#9
○井上委員長 それは先般の理事会で大体時間の配分をいたしておりますので、その範囲内でひとつお願いいたしたいと思います。
#10
○松浦委員 割り当てが二時間ですから二時間の枠内でさせていただきますので、御配慮いただきます。
 まず第一点といたしまして、料金決定のあり方について大臣に考え方をお尋ねをしておきたいと思うのであります。
 御承知のように、この電気料金は法定料金ではありません。認可料金でありますから国会の議を経ずして決定をすることは可能であります。ところが、これは新聞等によってのみ得る情報でありますから具体的なことではありませんが、経済閣僚会議決定の前に自民党の政調に電気料金の引き上げ等にかかわる内容について報告をし、そういう手続をした上で閣議決定をするということを私たちは今度の北電、沖電の値上げ問題を知ることによって経験をさせられておるわけであります。われわれ国会議員としては、自民党は政権党でありますから、ある意味では料金決定について与党である自民党の政調に事前に諮って意見を聴取することはあるいは可能だと思うのですけれども、今回の場合は自民党の政調できわめて厳しい料金値上げに対する批判が出た。そのために当初二十五日決定の予定を延ばさざるを得なかったというふうに新聞等で報道されておるわけであります。こういう報道が果たして事実なのかどうか。自民党の政調で厳しい批判を受けたから改めて持ち帰って調査をし直す、精査をし直す、こういう手続になっておるように私たち受け取っておるのですが、そのことについてその事実関係を明確にしてください。
#11
○佐々木国務大臣 御承知のように政党内閣制でございまして、現内閣は自民党でつくっておる内閣でございます。これは御承知のとおりでございます。したがいまして、従来の慣習上重要な政策を決定する場合には党の方にそれぞれお諮り申し上げまして、その上で内閣で決定するというのが政党内閣としてやむを得ざる一つのことではなかろうか。そういう慣習がございますので、自民党の方に最終段階でお諮りしたことと存じます。ただし、そのお諮りしたときには私は参議院の決算委員会に出ておりましたのでその場の詳しいことは十分承知しておりませんので、長官から御説明申し上げたいと思います。
#12
○森山(信)政府委員 ただいま松浦先生から御指摘のございました自民党の政審におきまして議論が紛糾して決定が延びたということでございますけれども、私どもの理解といたしますと、若干事務的なそこがございましたので、さらに慎重に検討を加える必要を痛感いたしまして、再度事務的な検討を加えるということで延期をさせていただいた、こういうことでございます。
#13
○松浦委員 私は議員でありますから、政権党である自民党に事前に諮った上で最終決定をしたいというその御意向は理解できます。しかし、一般国民の側から見ますと、議会を構成しておる一会派にだけ事前に料金決定についての意思表示をし、意見を求めて、それ以外の各会派からは全く意見を聞かなくても認可できるということになるわけですね、ずばり言いますと、法定料金でありませんから。これでは、一会派の意見は値上げ案に入りますけれども、全体的な国民の意思としては値上げ料金の中に入っていかない。これは法律のたてまえからそのとおりだと言ってしまえばそうですけれども、今日のように原油価格が高騰してあらゆる公共料金が上がっていくという問題については、やはり事前に国会のこの物特なりあるいは商工委員会等で十分に議論をして、その意見を聞いた上で最終的に決定をされていくという手続が内閣としては当然の行為だと私は思う。今度の場合は、たまたまきょうここで審議をする機会を大臣並びに政府関係機関、与党の皆さんとの話し合いで事前に持つことができたわけですね。ですから、私がここで指摘をしておきたいのは、これからの公共料金、あらゆる公共料金がメジロ押しでありますが、こうした料金を決定する場合、法律的には無関係だとは言いながら、きょうこのような形で各党派の意見を十分聞いて、政権党だけではなくて各党派の意見を十分聞いて、料金決定にそのことを反映させていく、そういうことについてここでお約束をしていただけるかどうか、そのことを第一番目にお尋ねしておきたいと思います。
#14
○佐々木国務大臣 お説のとおりかと存じます。
 ただ、私の感じでは、言いわけするわけではございませんけれども、臨時国会の際に参議院では数回にわたり各委員会で、また、当物価委員会でも一日この問題と灯油の問題を中心といたしまして皆様から貴重な御意見をちょうだいしておきました。そういう点は私から査定官にもよく申して、国会で御注文のあった、御意見のあった点は十分配慮して査定に入るようにということで申しつけてございます。
 この直前になぜもう一遍やらなかったかという点に関しましては、これは私から申し上げることはなかろうと存じますけれども、きょう幸い物価委員会が開かれますので、皆さんの御意見を十分ちょうだいいたしたい、こういうふうに考えます。
#15
○松浦委員 このことはこれからの審議で大切なことですから、余りこだわりたくありませんけれども、もう一遍念を押しておきます。
 今度のこの北電、沖電の料金値上げについては、事前にわれわれは何日に公示する、閣議決定をするという連絡は全くないのです。たまたま一月二十五日らしいということが情報で入って、あわてて理事会を開いてどう対処するかという議論をしたという経緯があるわけです。少なくとも料金の最終決定をする日付等については、大臣の言われるように、事前に十分院の審議、意見を聞きたいということであれば、やはり物価特別委員長に対しては、何月何日ごろには最終決定をしたいという意思表示は事前にぜひしていただきたい。それでなければ、われわれは全然目標を持たなくなるわけですから、そういう点についても、大臣、ひとつ確約してください。
#16
○佐々木国務大臣 それはお説のとおりだと思います。事前に事務連絡等、十分にすべきだったと存じます。
#17
○松浦委員 それでは、この審議問題の内容については、以上で終わります。
 それでは、ただいまから北電と沖電の関係に入りますが、まず第一点として沖電の関係でありますが、この沖電の関係は非常に特殊性がありまして、現在御承知のように特例措置がまだ生きておるのです。この特例措置が五十七年三月三十一日で沖繩の場合は切れてしまうわけです。ところが、この沖電の資料を見ますと、非常に離島が多いために発電規模が小さくて、二百キロワットなんというところが火力発電でたくさんあるわけです。ですから、今日は特例措置が生きておりますから、政府資金とかあるいは沖繩開発資金という多くの低利な資金あるいは無利子の資金が入って運営されておるのですが、この五十七年三月三十一日以降になりますと、これが従来の株式会社法人に変わります。そうすれば、経営は沖電の場合は大変苦しくなっていくと思うのです。これはもう間違いないです。ですから、この沖繩の沖電の関係について特例措置が終わる五十七年三月三十一日以降についてどう対応しようとしておられるのか、その点をひとつ大臣なり事務当局の方からお答えをいただきたいと思います。
#18
○安田(佳)政府委員 沖繩電力株式会社につきましては、先生御指摘のとおり、特例法が終了いたします五十七年三月には民営に移行するというような方向で検討いたしております。
 ただ、その際問題といたしまして、現在沖繩電力は累積赤字を相当抱えております。それらの問題がございますが、できるだけその累積赤字を解消すべく努力いたしたいと考えておりますし、また、ただいま御指摘のありましたように、沖繩振興開発金融公庫による長期低利融資あるいは発電用石油の輸入関税の免除等幾つかの助成措置を講じているところでございますが、今後ともそういう努力を続けてまいりたいと考えております。
#19
○松浦委員 一〇〇%ここは水力等はなくて原油に頼り切っておる火力ですね。ですから、ここの場合は率直に言って代替エネルギーといってもなかなか困難なところですから、そういった意味では、特例措置が切れる以降というのは、沖繩県民にとっては非常に重大な問題になってくると思うのです。ですから、きょうこの料金改定問題のときに、いますぐ御返答はいただきませんけれども、ぜひそういう特殊性というものを考慮していただいて、少なくとも民営に移管された以降急激に沖繩県民にそのしわ寄せがないように、あるいは経済界に打撃を与えないような配慮というものを具体的にどうされるのか、そういう資料をぜひこの委員会にでも見通しとして御提出をいただきたい。そうしなければ今回の料金値上げだけでは済まされない問題でありますから、沖繩の場合は。その点についてはお約束いただけますか。
#20
○安田(佳)政府委員 解決すべき問題が非常にたくさんあると思います。したがいまして、それらの対策等につきましてまとめて資料にすることはなかなか困難な面もございますので、その点お約束いたしかねるわけでございますが、その方向等につきましては、できるだけ先生を初め諸先生方に御連絡、御報告をさせていただきたいと思います。
#21
○松浦委員 わかりました。
 それでは次に北電関係に移ります。北電関係の資料を見ますと、これは北電関係の資料ですから正確を期す意味で確認をさせていただきますが、地域特性というのが非常にありますね。たとえば北海道電力の場合は販売電力量が一億キロワットアワー当たりの送電線は四十六キロだというのですね。ところが他のところ、北海道、沖繩を除く八社、ここでは十七キロで送電線は済むというのです。北海道電力の場合は地域が広大でありますから、同じ量の電気を消費するのにそれだけの設備投資が必要だということになりますね。そうなってきますと地域的に非常に大きな格差が出てくるのです。過疎になれば、しかも広大な面積になればなるほど設備投資が過重になりますから、その負担が一般消費者にしわ寄せられてくることは原価計算上間違いないと思うのです。
 そこで、これはお尋ねですが、北海道電力にしてもあるいは出されてきた八社にいたしましても、これは地域独占でありますから消費者が選択する余地がないことは御承知のとおり。あそこの電力が安いからあそこの電力を買いたいと言っても買えない。北海道は北海道電力しか買えないのです。となってきますと、極端に言うと同じ電気を消費しながら安い消費ができるところと、非常にコストの高い電力を消費させられるところとあるわけですね、消費者の側は。そういった意味から考えてまいりますと、料金の一元化、極端に言うと全国プール制、料金はプールをする、傾斜なし、そういった料金体系にすることはお考えになったことはないのかどうか、その点ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#22
○森山(信)政府委員 ただいま松浦先生の御提案になりました問題は、電力供給の立場から見ますと一つの御意見として大変卓越した御意見だと私どもも考えております。そこで過去にそういうことを検討したことはないのかという御指摘に対しましては、何回か検討を加えたことはございます。画一料金制あるいは燃料費のプール制、こういった問題が少しでも全国的な料金の均一化に向かうということであればそういう方向を検討することは大変必要だという意識は十分持って検討をしてまいったわけでございますけれども、やはりいまの電力会社の体制、御承知のとおり九電力、沖繩を入れまして十電力、それに電源開発株式会社という組織があるわけでございまして、それぞれが広域的な運営を行うことによりまして、かつまた九電力の私企業としての企業努力ということを前提にいたしますと全国的なプール制が必ずしもそういうメリットを生むかどうかという問題につきましては現段階におきましてやや否定的な見解を持っておるわけでございますので、確かに御意見としては私はあり得ると思いますけれども、現段階におきましてそれを実施するには解決しなければならぬ問題が余りにも多過ぎるという観点からいまの体制をこのまま引き続いて運営をさせていただきたい、かように考えている次第でございます。
#23
○松浦委員 それから、これはエネルギー庁から物価安定政策会議の特別部会に出された資料なんですけれども、これをいただいて調べさしていただいたんですが、この各社別配電設備を見ましても、各八電力会社、北海道を入れて九ですね、相当なアンバランスがあるんですね。非常に高いところと低いところ、こうありますね。ですから私は、こういう設備状況あるいは資本状況から見て、あるいは地域性から見て、いま行っておる沖電を入れて十社体制というのはもう限界じゃないだろうか。いま通産内部にもあるいは政府・自民党、与党内部にも、将来を展望してこの沖電を入れた十社体制というものについては再編成をすべきじゃないか、こういう動きや意見が相当出てきておると私は思うのです。これからの電気事業というものが、今度値上げをして、また値上げがあるかもしれぬのですが、こういう状態になればなるほどこれは現状の体制から再編の方向へ進まざるを得ない必然性を持っておると思うのですが、政府なり事務当局は現状のままこれからずっといこうと思うのか、それともこの際思い切って電力再編についての考え方に立った方針というものを研究なさるあるいは勉強なさるというか、あるいはそういう御意見がすでに出ておるのか、こういった問題についてひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
#24
○森山(信)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、いまの先生の御意見は一つの御意見として十分検討に値する問題だと私どもは受けとめておりますので、過去何回かにわたりまして検討を続けてまいったわけでございますが、逆に全国プール制あるいは統一料金制というものをとった場合、あるいは経営の方式を一元化するという考え方をとった場合のデメリットということも考えなくちゃならぬわけでございまして、たとえば一元化をした場合の企業性の希薄化のおそれ、あるいは経営の機動性及び弾力性の喪失あるいはサービス精神の低下、こういったような悪い面が出てまいりますと逆効果ということもございますので、そういう面に十分配慮しながら将来のあり方を検討させていただきたいと考えているわけでございます。
 そこで確かに御指摘のとおり、地域によりましてたとえば料金の差が相当出てまいるわけでございますので、この地域間の、つまり九電力それぞれの料金格差というものをできるだけ少なくすることによりまして、先ほど先生の御指摘になりました現行体制の不備な点を埋めていく、こういう努力を当面することが問題の解決につながってくるんではないか、こういう観点から、現電力体制を堅持しながらそのデメリットと言われております部分をできるだけ強化していくという考え方のもとに運営をさせていただきたいというのが現在政府の基本的な考え方の主題でございます。
#25
○松浦委員 それじゃ当面は当分の間格差を埋めることに集中をして現体制を維持していくという御答弁だというふうに理解をしたいと思うのですが、そのとおりですね。――はい、わかりました。
 それからさらにお尋ねをいたしますが、この北海道電力の五十五年三月期の中間決算を見さしていただきますと、ここに中間貸借対照表が出ておるんですが、非常に大きな核燃料費が計上されておるわけですね。この核燃料費が百五十億四千九百万計上されておるわけです。ところが実際には北海道は原子力発電所はありません。それから審議会でも原子力発電所をつくる構想というのは、この資料を見ましても、エネルギー庁のこの内容にもありません。ただ新聞の報道等で共和・泊に一号炉をつくりたい、そういう北海道電力の意思表示があることは新聞等を通じて聞いておるのですが、実際問題としてすでに百五十億も支出をしておるこの北海道電力の原発という問題については一体どこまでいって、地元との了解を得た上で一体どういう状況になっているのか、その点ひとつ簡潔におっしゃってください。
#26
○安田(佳)政府委員 北海道電力の申請の中には核燃料についての事業方針が含まれておりますが、これにつきまして、現実に原子力発電所がありませんことは先生御指摘のとおりであります。現在北海道電力といたしましては、電源の多様化、料金の安定を目指しまして原子力発電所を建設すべく準備中でございます。いまお話のありました共和・泊を候補地といたしまして現地の方々といろいろ話を行いました上、所要の環境調査等に着手しようというのが現状の段階でございまして、一部の地元の方とも環境調査の開始につきましてはすでに了解がついているというふうに聞いております。
#27
○松浦委員 いまから調査する、それから環境アセス等の問題も出てくるわけですが、いつ着工できていつ運転開始できるかというのも恐らく現在は見通しが立っておらないと思うのです。北電としては、私は、一応計画、想定というのはあると思うのです。たまたまお聞きをしましたら、六十三年の三月ころには運転を開始したいということが返ってきたわけですけれども、しかし六十三年の三月がそれでは運転開始になるかどうかというのは願望であって現状から言うと私は未知数だと思うのですね。そういう状況であるにかかわらず、事前に百五十億という莫大な燃料について手当てがすでにされておるということは逆に言うと可能性が一〇〇%ない、見通しがまだはっきり立っておらぬ部分について全体の道民がこの百五十億について電力料金に分担をさせられておるということについて私は問題があるような気がしますね。安いうちに燃料を手当てしておけということが仮にあったとすれば、燃料が安いうちに買えばいいものは原油だって何だってたくさん買って備蓄しておけばよかった、こういうことになるわけです、しかもこれは一応火力発電というのがあるから。ところが、原子力発電所というものがないにかかわらず、まだ見通しも立っておらぬ段階で百五十億の支出をして、しかもそれのツケを赤字だからと言って道民に回しておいて道民の了解を得られるというのは、私はちょっと理解できませんね。この百五十億円も当然料金算定の基準に入っているわけでしょう。それから、これから見込もうとする原発の仮勘定といいますか、北電の中間貸借対照表でいけば建設仮勘定というのですか、その中で建設しようとする補償費とかなんとかというものも見込まれておるわけでしょう。そういうのは当然厳しく精査をするならカットされるべきだと思うのですが、そういうことは今度の料金査定の中ではちゃんと見られるおつもりですか、その点をちょっとお聞かせください。
#28
○安田(佳)政府委員 共和・泊の原子力発電所が完成して運転を開始する時期は御指摘のとおり六十三年三月というのは現在の時点における予定でございます。
 この建設につきましては、従来から準備に取りかかっておりまして、部分的な調査等はすでに開始しておるところでございますが、大規模な調査をいまから開始しようという段階でぜひとも六十三年三月には運転開始まで持っていきたいと思っておるところでございます。
 ところで、その原子力発電所に使われます核燃料の件でございますが、軽水炉用の核燃料はウランの精鉱から転換、濃縮、再転換という過程を経まして燃料体として確保しなければなりません。したがいまして、核燃料は発電所の運転開始の相当前から開発等の手当てをすることが必要でございます。また、近年原子力発電所の建設が若干おくれぎみとなっておりますが、これに合わせまして核燃料の供給契約の履行をそのまま延ばすということにいたしますと、これは契約上なかなか困難だという事情もございます。したがいまして、従来から核燃料の安定供給確保を図るという観点から供給保証と引き取り保証、その性格をあわせ持ちます長期契約を中心として核燃料を確保してきているというのが実情でございますので、建設スケジュールが若干おくれましても供給国の事情も考慮いたしまして契約を円滑に履行することが、核燃料の安定供給の確保ひいては電気の安定供給を図る上できわめて重要であるというふうに考えております。
#29
○松浦委員 重要だから消費者に負担をさせるということですか。だから当然だ、北海道の消費者が負担をするのはあたりまえだというふうに言われるわけですか。
#30
○安田(佳)政府委員 電気の安定供給を図るにきわめて重要かつ有効な新技術の負担につきましては、これは一部負担をお願いいたしたいというふうに考えております。
#31
○松浦委員 一部負担をさせておるわけですね。そうすると、先ほど言いましたように、それは一つの計画にのっておるだけであって、それがそのとおり具体化できるかどうかという見通しは立っておらぬと私は思う。結果的に全然原子力発電が――これは極論ですよ、仮にできなかった場合はどうするのですか。北海道電力はほかのところにその燃料を転売すればいいですね、もしできなかった場合は。しかしその間高いものをしょわされた道民は、結果的に何の恩典もなかったということに逆になるんじゃないでしょうか。ですから、やはり私は確定要素というものを積算をして、そして電気料金の中には最低ぎりぎりを見積もるべきだというような気がするんですよ。こういう指導をしていけば、仮にこんなことをしていくなら、私はそうあってはならぬと思うけれども、よく週刊誌なんかに書いてありますように、原発をどうしてもそこにつくりたい。だから札束で顔をたたいて、反対をする人たちに何百万、何千万、何億という金を積んでひとつやってください。こうやっていって、結果的にそういう補償費、そういったものについてもルールがない。つくりたいばつかりに札びらを切る。そういう状態が生まれてきて、それまでもまたまじめな一般消費者が負担をさせられる。しかもそれも建設仮勘定の中に入れる。今度のやつに入っているかどうかわかりませんよ。この中間決算には恐らくまだ入っておらないでしょう、これから調査や何か始めるということですから。ですから、これから将来の電気料金算定の中にはそういう補償費まで無制限に積み込まれていくということになるわけですね。
 私はこういう問題についてはやはり経済企画庁長官に申し上げた方がいいと思うのですが、余り技術的なことばかりが先行して、具体的に消費者のふところというものを無視してどんどんどんどん積算根拠に入れられていったんでは、私は問題があると思う。こういう問題について、大臣ひとつはっきりさせてください。
#32
○佐々木国務大臣 あるいは国策の根幹に触れるような御議論でございますので、私から御答弁申し上げたいのですが、なるほど、なるべく安く消費者の皆様に少しでも御迷惑をかけないようにという一つの原則は、確かに一番大きな原則だと思います。しかしながら、反面電力会社はいかなる場合でも電力を供給する義務というものを持っておるわけでございます。その供給する義務を、いまの世界のエネルギー状況等から見て、特に燃料関係で果たし得る状況にあるか、それに対して危惧はないか、この点について御承知のように国を挙げて世界を挙げてこの問題に取っ組んでいる最中でございますので、電力を安定供給するとするならば、やはり原子力発電とかあるいは石炭とか、いままでの油にかわる一つの発電というものをやらざるを得ない。そういうことは当然の現存の使命かと思います。そういうことでございますから、いま申しましたように、補償金や何かの問題は別といたしまして、燃料は御承知のように米国と契約をいたしまして、そして米国では、御承知のように濃縮ウラン等に対しましてカーター政権はいままで大変問題のあったところです。それを押しても、どうしても日本はということで契約を結んでいるところでございますから、その契約分に関しましては、やはりこの際、余りわが方でそれを削ってまた米国に契約を取り消しますと言うことはなかなかむずかしい状況でなかろうかと思いますので、国策的な観点から、あるいは代替燃料をこれからやっていかなければいかぬという観点から総合すれば、安定的な電力供給、やむにやまれぬ一つの国策的なゾルレンもまたあるわけでございますので、電力料金を安くする、そのことはわかりますけれども、反面また大きい使命もございますから、そういう点で私は、やはり核燃料等の問題に関しましては、一たん契約したものはある程度やむを得ぬのじゃなかろうかという感じがいたします。
#33
○松浦委員 国策上の問題だし、長期エネルギー計画による原子力発電のこれからの代替という処置も理解をしておるつもりです。意見があるにしても、政府の方針は理解をしております。しかし、こういう百五十億というのはものすごく大きいですね。それがいつ決まるともわからない形で、仮勘定の中で負担をさせられるということは、やはり私はちょっと問題があるような気がしますね。国策上云々というならほかに方法があるのじゃないでしょうかね。事前にアメリカとの間に燃料の手当てをしなければならぬというのなら、燃料公社、公団ですか、そういうところでプールをして一応保留するとか、そういった方法だって考えられるのじゃないでしょうか。ですから、私はそういった意味で、極力国民の側に負担をかけないように、どうしても負担しなければならぬものは別ですけれども、そういったものをやはりある程度考えて国策というのはやられないと、国策だからといってその国策を簡単に消費者にツケを回して、これは国策だからあなた負担をしなさいと、まあそれは言えば簡単ですけれども、しかし、こういう時代ですから、それはやはり国策であればあるだけに、原油も国家備蓄という方向が出てきておるわけですから、そういった問題についてもある程度考えてもらわなければ、野放しにすればこれから原子力に傾斜すればするほど燃料費の前持ち、仮勘定というのはふえてくると思いますね、それだけ負担がふえてくるわけですから。そういう政策的なものについてもぜひこれから考慮していただきたい。いますぐでなくても結構ですが、その点についても明確にひとつこれから検討を加えていただきたい。その点はどうですか。
#34
○佐々木国務大臣 御意見としてちょうだいしておきます。
#35
○松浦委員 わかりました。
 それでは、最後に具体的に中に入りますけれども、この北海道電力の資料ですが、この需給関係の急増と、それから供給電力量の推移を見ますと、従来は北電は石炭火力が主力でしたけれども、五十四年、五十五年、それから五十六年、これは推定でありますが、いずれにしても石油の依存度が非常にふえてきておる。ですから、石炭から石油にクロスしていくわけですが、原油価格が上がったから値上げをせい、値上げをせい、こう言うのですが、そのことは理解できます。
 そこで、これは公益事業部長で結構ですが、大体北電というのは、五十三年度で重油はどういう系列で購入しておるのか、何社から購入しておるのか、購入しておる会社ですな。方面はインドネシアなのか、あるいはイランなのか、サウジなのか、そして会社はどういう会社なのか、直接買っておるのか、そういう会社別、どういう系列で何社から入っておるのか。しかも、それぞれ各社ごとに価格が違うと思うのですよ。その各社ごとの価格を教えてください。
#36
○安田(佳)政府委員 北海道電力株式会社は原油及び重油を数社の元請から購入いたしております。しかしながら、具体的にどの会社からどの程度を幾らで買っておるかという点につきましては、大変申しわけございませんが、取引上の関係もございますし、この際は控えさせていただきたいと存じます。
#37
○松浦委員 公益事業部長、原油の値段が上がったということは、私たちは否定をしないのです。ところが原油の価格というのは、御承知のように、メジャー系列で買えば安い、民族資本から買えば高いのです。ですから、非常にばらつきが多いのですね。ばらつきが多いにかかわらず、われわれはただ上がった、上がったということだけしか聞かされない。では、具体的に一体どこの原油は幾らで、どこの重油は幾らですという、そういうものを教えてもらわなければ、ただ通産省が精査した分だけ、いや私たちがやったのは正確です、ですからこれでひとつ、原油の価格はこれになったんだから納得してくださいじゃ、国民を納得させるコンセンサスを得るのはちょっとむずかしいのじゃないでしょうかね。ぜひそのことを教えてもらえぬでしょうかね。支障がありますか。向こうは料金値上げを申請してきておるのですから、申請する以上は、ある程度消費者にわかってもらいたいというのが会社の気持ちだと私は思う。だから、原油価格が上がりましたというところを盛んに宣伝なきるなら、その上がった内容を具体的に国民の前に示すことがよりコンセンサスを得る道じゃないでしょうか。私が質問しておることは決しておかしくないのですよ。それをお隠しになれば、何かこの上がった、上がったという数字に疑問があるのじゃないかという疑問が返ってくるのじゃないでしょうかね。どうなんでしょう、これは。
#38
○森山(信)政府委員 公益事業でございますし、公共料金でございますから、申請の内容につきましてはできるだけ国民の皆様方に御理解いただけるような数字を公表すべきだと私どもも考えておりまして、そういう線で会社等を指導しておるところでございます。しかしながら、やはり一つの企業形態としての運営責任という問題もございますし、それから、公表することによりまして、取引等に相当な変動がありまして逆のデメリットが出てまいる場合もあるということでございまして、原則として公表をさせていただきたいという気持ちは大変強く持っておるわけでございますけれども、そこに一つの歯どめがあるのはやむを得ないのではないかという気持ちがございます。
 そこで、いま一般論を申し上げましたけれども、現実に具体的に原油及び重油をどういうところから幾らの条件で買ったか、こういう松浦先生の御指摘につきましては、まさに私が一般論として申し上げました企業の取引の実態に関することを余りオープンにいたしますと、その他の面でデメリットが出てくるのではないかという点を危惧するものでございますので、先ほど公益事業部長がお答え申し上げましたとおり、その部分については答弁を、まことに申しわけございませんが差し控えさせていただきたい、かように存じておるわけでございます。
 ただ、メジャー系から買ったものはわりに安く、民族系から買ったものは比較的高いという御指摘は、そのとおりであろうかと思います。私どもはその実態を会社別につかんでおりますけれども、ここで一つ一つこのメジャーから買った、この民族系から買ったということを答弁いたしますことは、何とぞお許しを願いたい、御寛容なお考え方をお持ちいただきたい、かようにお願いをする次第でございます。
#39
○武部委員 関連してお尋ねいたします。
 いまの問題は非常に私は重要な問題だと思います。後で企画庁長官にも述べますが、今日の物価問題というのは非常に重要な時期を迎えておる。こういうときに電力料金の値上げが物価に与える影響は非常に大きいものがある。その際に、しかも電力の大幅値上げの内容が国民にわからないままに通産省の査定によって決まってしまった。先ほど話がありましたように、認可料金ですから通産省が認可をすればそれで決まる。しかし、いま長官が言われるように、事公益事業ですから、公益事業ならば公開ということがとられなければならぬ、そのことを重点に置いてもらわなければならぬ、こういうふうに私どもは今日までずっと指摘をしてきたところです。したがって、言われるように若干の懸念はあるかもしれぬ、取引上の問題もありますから、相手も一社じゃないと思いますから、いろいろあるでしょう。しかし、少なくともこの料金値上げの最も重要な部分を占める燃料費、これが一体どの程度の価格で申請されておるかということがわからない限り、この決まった金額について、私自身もそうですが、国民も恐らく納得できないと思うのです。このことについて、これをどこまでも秘密だ、公開できない、言われないということが続く限り、査定された料金について私どもは納得できない、そういう主張をずっと続けていく以外にないと思うのです。したがって、いま同僚議員の松浦君から言いましたように、この問題がこういう席上を通じて国民の側にある程度――国民の側から見ればOPECがどのぐらい値上げをしたというようなことが大体わかっておるわけですね、もう公表されておるわけですから。そうすれば、北海道電力はどこか、中部電力はインドネシアから買っておるようですが、そういうふうにわれわれ自身も大体輸入先がわかっておるのですよ。そうすれば大体どの程度のものかということはほぼわかるのだが、しかし現実に査定される通産省がこれこれしかじかぐらいの金額でございますというふうなことがなぜここで言われないだろうか、私は非常に疑問に思うのです。もう一回ひとつ答弁してください。
#40
○森山(信)政府委員 私が先ほど松浦先生の御質問に関連いたしましてお答え申し上げましたのは、一般論といたしまして、公益事業であり、公共料金でございますから、できるだけ公開の精神は持ちたいということでございますけれども、具体的な取引の内容に立ち至りますと若干の問題がある。それから、そのほかプライバシーの問題等もある分野もあろうかと思いますけれども、いまの燃料費はちょっと別でございますけれども、その燃料費につきましてこういう理由で値上げの申請をいたしますという、その理由は私は公開をすべきだと思います。ただ、具体的にどこの会社から幾らの条件でこれだけの量を買いましたというところまで至りますと、そこは取引の実態に関連いたしますので、その部分につきましては答弁を控えさしていただきたいということを申し上げたわけであります。
#41
○松浦委員 やっぱり今度は原油の価格が大幅に上がったということが大前提ですね。電気料金、ガス料金が上がりますと、これからまた新価格体系にずっと移行していくわけでしょう。そうすると、新価格体系に移行する最大のポイントである原油について漠然としか国民が知らぬということでは、これはやはり国民の側は納得できないと思うのですね。いま言われておることは企業秘密に属することかどうか知りませんけれども、あるいは資料そのものを公表しないことを原則にとっておられるのかどうか知りませんけれども、ある程度議員に知らしてもらわないと、慎重に審議しますといっても、ただ単に通産省が出された、あるいは電力会社から出された資料を根拠に私たちは議論をする以外にないということで、きわめてあいまいなものになるのです。これは、秘密理事会等を開いてよくロッキードなんかのときにはそういう資料をいただいたんですが、理事会あるいは秘密理事会等に提出をしてもらうというような、そういうことも全然できないわけですか。
#42
○安田(佳)政府委員 個別の会社の個別の取引条件につきましては、これは先ほど長官からも答弁しましたように、私どもといたしましてはこれを公開するわけにはいきがたいと思うわけでありますが、御指摘のように油の値段が非常に料金上重要な要素でございますし、その価格につきましては、申請書上単価幾らという、平均的な価格では申請書にも記載されておりますし、また実績も出てくるという実情でございます。
#43
○松浦委員 それはわかっておるんです。五十三年度平均価格二万二千四百七十七円とか、申請の内容年平均四万八千九百九十二円とか、そういう数字はわかっておるんですよ。それが具体的にどこから積算されてそうなったかという根拠がわからないのですね。その根拠がわからぬからこうやって聞いておるだけであって、そういうことはなぜできないのでしょうかね。
#44
○佐々木国務大臣 あるいは私の答弁は不十分かもしれませんけれども、一つは国際的な問題だと思います。御承知のように産油国はメジャーに対する割当は大変減らしております。だんだん減らしております。そこでメジャーは、まず日本に対してはメジャー非系列の供給はほとんどカットしまして、来年度はもうありません。それから、系列会社に対してすらあるいは切ろうじゃないかというふうな空気もあるやに存じます。それから、メジャーとしましてもできるだけ有利な地点にそれを流したいと思うのは、商売でありますから私は当然だろうと思います。ということになりますと、おっしゃるようにメジャー系統から入ったものはこれこれ、あるいは民族資本から入ったものはこれこれということになれば、DDとかGGとかの直接契約で入ったものはこれこれというようなことがはっきり出てきますと、それじゃそんなに高く買うのであればメジャーだってそれぐらい高く売ったっていいじゃないかというふうな、大変大きい問題にも反映いたしますので、私は、その各会社から何ぼでどのくらい買ったというところまでお詰めにならぬでも、それを正当に判断いたしまして、これくらいの量でこれくらいの価格で買いましたということさえ皆さんにおっしゃって、そのことさえ信頼していただけば、それで査定としてはいいのじゃなかろうかと思いますので、私は、そこまで立ち入らぬでもよろしいのじゃなかろうかと、差し出がましいようですが……。
#45
○井上委員長 武部文君。
#46
○武部委員 このことであなたとやりとりしておる時間がありませんが、しかし、信頼と言われるけれども、そこが信義上の問題ですけれども、信頼の一言では片がつかぬと思うのですが、できれば先ほどのお話のように、理事会ぐらいにはそういう資料を提出して、今度の値上げ申請の大部分を占める燃料費はかくかくの一バレル当たりの値段で大体どこから輸入しておるのだというぐらいのことがわれわれの方にわからなければ、何ぼここで論議したって、私はこれは前進しないと思うのです。そういう意味で、ぜひ委員長を通じて理事会の方で協議をしていただきたい。このことを要請しておきます。
#47
○井上委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#48
○井上委員長 速記を始めて。
 それでは、この問題につきましては、非常に料金にも大きな影響を及ぼしてくると思います。したがいまして、理事会におきましてなお詰めていきたい、こう思います。
#49
○武部委員 先ほど通産大臣はこの申請に対して、原価計算の期間を二年を一年にするとかあるいは為替レートの問題であるとか、あるいは原油値上がり分については厳しい態度で臨むとか、いろいろなことをおっしゃっておりました。そこで一つ先ほどに関連をしてお伺いをいたしますが、この申請に基づいて通産省は、これから一年間、
OPECの値上げもまことに不透明ですが、そういう将来のこともありますが、これから一年間の原油の値上がり分というものは査定の際にどういうふうに考えておるのか、これを最初にちょっとお伺いしたい。
#50
○安田(佳)政府委員 現在発表されております原油の価格というものは、これは織り込まざるを得ないというふうに考えております。今後の値上げも予想されるわけでございます。一説によりますと、二月にはOPECの臨時総会もあるとかいう話がございますし、また六月にあるという話も聞いております。そこでどのような値上げが行われるかという点につきましては現在よくわからない状況でございます。したがいまして、今後の見通しにつきましては私どもといたしましてはできるだけ厳格な態度で臨みたいというように考えております。
#51
○武部委員 私どもが通産省の態度として聞いておるのは、査定の時期、いまですね、査定の時期の原油価格でもってやるということであって、これからの、一体どうなるかわけわからぬわけですから、そんなことは全然考えておらない、それが基本方針だというふうに理解しておったわけですが、それでよろしいのでしょう。
#52
○安田(佳)政府委員 今後の値上げの見込みにつきましては、これに対して厳格な態度で臨みたいというふうに考えております。
#53
○武部委員 ちょっとそれは私の言ったことと違うのですよ。これから先、二月になるのか八月になるのか十月になるのか、わけわからぬでしょう、これは。全然、全くわからぬことでしょう。いま査定をあなた方はこれからされようとしておる。そのときに、将来、この一年間危ないから、何%ぐらい上がるかもしらぬからそれをひとつこの査定のときに考慮しようというようなことを考えておるのですか。われわれはそう思っていないのですよ。あなた方の査定は、現在OPECの値上げで決まっておるものについてはその燃料費の計算の中身としては考えるけれども、将来のことについてはこれはもう考慮しないというふうに理解しておったのですが、どうなんですか。
#54
○森山(信)政府委員 私からお答え申し上げますが、大変微妙な言い回しを公益事業部長はしたわけでございますけれども、従来のOPECの価格の決め方は先生御承知のとおり一年間を通して原油の価格を決めるというやり方が通常であったわけでございまして、これが昨年あたりから四回に分けて値上げをしたということもございましたけれども、さらにこの二、三カ月前から統一価格ができなくなったということでございまして、いついかなる状態で上がるかさっぱり見当がつかないというのが現状じゃないかと思います。そこで現状はそれぞれの産油国が自国の責任において価格の発表をいたしておりますので、私どもが現段階でつかんでおります価格、五十五年、一九八〇年における価格というものは、現段階でわかっておりますものにつきましては査定に織り込まざるを得ないということでございます。しかし今後の見通しというものは全くわからないわけでございますので、それにつきましては厳格な査定をする、こういう微妙な言い回しをさしていただいたわけですが、実際を申し上げますと、それは見当がつかないということはなかなかむずかしいことではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#55
○武部委員 見当がつかぬということは入れることができぬということに私は理解いたしますね。それだから二年原価を一年原価にするというのでしょう。そのようにわれわれは理解をしているのですよ。二年原価を一年原価にしたのは、そういうことがあって一年原価ということがあなた方の基本的な方針に変わったというふうに私は理解しておったわけです。
 そこでお伺いいたしますが、今度の電力会社の料金値上げについて一部の新聞に、査定で削ることのできる隠し財源が約一〇%程度ある、こういうことが報道されておりますね。これは大変重要なことであって、公共料金が今日メジロ押しに控えておるわけです。こういう段階で現実に物価に与える影響というのは非常に大きい段階ですね。このときに何か一〇%も隠し財源があって、それがもう申請の中に組み込まれておるというようなことが現実に報道されておるのですよ。これは非常に重要な問題ですが、この報道には不確定な要素があるにしても、火のないところに煙は立たぬ。したがって私は、報道自体一〇〇%信用ということを言われるとちょっと疑問に思いますけれども、重大な問題ですから国民が納得できるようにひとつ説明していただけませんか。
#56
○森山(信)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、過去の原油の値上がりのパターンは年に一回上がるというパターンでございましたから、現在、去年からことし早々にかけましての原油価格の決め方が異常な決め方なのかあるいはこれがパターン化していくのかよくわからないわけでございます。したがいまして、電力会社が申請する場合に従来のパターンで申請をいたしますと、この一年間にどの程度上がるだろうという予測はしてまいるのは、これは会社側としては一つの理屈としてわからないでもないわけですが、ただ私どもは、いま申し上げましたように原油の値上がりのパターンが果たしてパターン化したのかあるいは臨時の措置なのかということが判断つきませんので、その分につきましては余り過去のパターンにとらわれずに、現段階でわかっておりますものをベースにいたしまして厳重な、将来の値上がりにつきましては相当シビアな態度で査定をしていく、こういうことを申し上げておるわけでございます。したがいまして、そこに若干の考え方の相違が出てまいりますから、先ほど武部先生の御指摘になりました隠し財源という言葉は私どもはそういうふうには考えておりませんけれども、調整の余地はある程度はあるのではないかな、こういう気持ちを持っているわけでございます。
#57
○武部委員 たとえば東京電力は六五・三三%の申請をいたしておりますね。これはちょっと、報道は非常に具体的にこの中身を、私がいま言った隠し財源的なものが言われておるのですがね。たとえばことしこれから一年間のうちに原油は二ドル値上げをする。六%をこの値上げ申請の中に見ておる。為替レートは二百四十円。それから減価償却のやり方を変えて定率。それから配当は従来どおり一〇%。これは後で申し上げますが一〇%。それから原発の稼働率は五六%。そういうものを基礎にして出しておるということから、いま私が申し上げたような――後で申し上げますが、この減価償却の問題にしたって問題点はありますよ。それから為替レートの問題にしたって問題点もある。二ドルということをどこではじいたかわかりませんが、六%の値上げをすでに新料金の中に想定をしておる。こういうものは申し上げたような一〇%の中で大きな要素を占めておる、このように報道されておるわけですが、これについてどういうお考えですか。
#58
○森山(信)政府委員 やはり原価主義というのが私どもの査定の基本になることは先生御承知のとおりでございます。もちろんその前提としての企業経営努力、合理化努力ということは前提にあることは言うまでもないことでございますが、その際に申請をいたしました会社側としての原価主義の考え方というものが一定の客観的な価値判断に基づいてなされることは、これは当然だろうと思うのでございます。しかしながら先ほど来申し上げておりますように、原油に対する見方あるいはレートに対する見方あるいは償却方法の見方等につきましては、やはりそこに違う価値観を持った私どもの国の方の価値観というものがございますので、その点についての調整は十分にさせていただきたいということでございまして、申請の方が全然架空の申請というふうには私どもは考えません。一つの原価主義に基づいた申請が行われたものと思いますけれども、その中に一つ一つの項目につきましては考え方が大分違う点が間々ございますので、そういった考え方の違う分につきましては十分私どもとしては厳しい方針で査定に臨みたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#59
○武部委員 いま述べたことに関連して二、三お尋ねいたしますが、この北電の需要想定を見ますと、原価計算の期間、七九年十月から八一年の九月までの二年間、これは二年原価で申請が想定しておったわけですけれども、最初は需要の伸びが六・四%、それから五・五%の伸びで八一年度から六・三、八二年度は九%、八三年度は九・一、需要が非常に後になっていくとこれは高くなっていくのですね。申請のときは需要の伸びは六%から五・五%だ。だから非常に収入が少ないのですよ。値上げした後は今度はポーンとはね上がって、八二年度には九%、八三年度には九・一%、こういう伸びが想定できる。申請のときには、非常に景気が悪い、需要の伸びは悪うございます、収入は少のうございますよと言って申請をして、そして申請の後には、値上げになってしまったら、後はどんと需要は伸びますよ、これは一体どういうことでしょうか。こういう点について、あなた方はどうお考えでしょうか。
#60
○安田(佳)政府委員 昭和五十五年度の想定いたしました需要電力量の対前年度伸び率は四・六%と想定されております。前年に比べまして低くなっているわけでございますが――ちょっと数字を間違えました。五十四年度におきまして六・五のものが五十五年度におきまして五・四と言い間違えました。五・四と想定されているわけでございますが、その理由といたしましては、昭和五十五年度の政府経済見通しにおきまして五十五年度の鉱工業生産指数の対前年伸び率が四・八%と想定されておりますが、五十四年度におきましてはその伸び率が八・〇%と見込まれていたところでございます。そのほか、国民総生産、その他の各種数値も参考といたしましてはじいたもので、この需要見通しは必ずしも低過ぎるものではないと考えております。
 また、五十七年以降の数字が少し大きくなっておりますが、これは電気事業審議会の需給部会報告の昭和六十年度需要電力量の想定に合わせたものと想定いたします。これにつきましては、今後なお状況を見まして、変わり得る性格のものであろうかとも思いますが、今回の料金の査定に与える影響といたしましては比較的軽微なものと考えております。
#61
○武部委員 私は、大口とか普通の家庭とか全体を平均した合計を言っておるんですよ。あなたがいまおっしゃった数字は大口のことを言っておられるのですよ。ですから、北電は五十四年度に六・四%の需要想定を見て、今度は五十五年度にこれが五・五に下がるというのがわれわれとしてはちょっと理解できないのです。こうなってくると、収入というものはふえませんよ、ふえませんよというのが料金値上げをするときの時点で、上がってしまったら今度はぐんと伸びるというような、こんなことが一体あるのだろうか。私は素人でもこれを見て大変疑問に思うのです。ですから、こういう申請については厳正な査定をしてもらわなければ困ると思うのです。こんな自分勝手な、これは、北電でもそうしておるのだから、恐らくはかの電力会社もそうしておるんじゃないでしょうか。これはおかしいなとは思いました。ですから、北電についてはどうしても納得できない。これはいまここで論議いたしませんが、この需要の伸びについては非常に疑問を持つのです。ですから、検討していただきたいと思うのです。
#62
○松浦委員 ちょっと関連。
 いまのを補足して、五十四年度から五十五年度は〇・九も下がるというのは、予測ができないにしてもはなはだしいですよ。これは作為的な数字だというように考えざるを得ませんね。ですから、いま質問者が言われたように、もっと精査をしてみてください。
#63
○安田(佳)政府委員 これらの需要想定につきましては、北海道電力が想定いたしますと同時に、通産省におきましてもその内容についてチェックいたしておりますが、鉱工業生産の伸び、国民総生産あるいは人口、世帯数、一戸当たりの電力原単位等々の各種資料に照らしましてチェックいたしましたところ、この数字につきましてはおおむね妥当であると考えております。
#64
○武部委員 先ほど申し上げた通産大臣の見解の中の減価償却についてちょっとお尋ねいたします。
 この減価償却の問題は、五十四年の三月電気事業審議会の料金制度部会、ここの中間答申が出されまして、その中に減価償却の方法が明らかにされておるわけです。その結論としては「インフレに伴う実質的償却不足に対処するためには、時価償却あるいは補足償却を実施すべきであるが、これらの方法を直ちに料金算定上採用することは困難である。したがって、現実的対応としては、これらの方法に代えて、定率法を採用することが適当である。なお、償却方法の変更時における料金への影響が過大であるときは、その影響を緩和するため、定率法を採用する設備を段階的に増加させていくこと」こういうふうになっています。われわれが指摘したいことは、減価償却方法について、これは、インフレに伴う実質的な償却不足に対処するための電気事業審議会の中間報告、そういうものでこの定率法が部分的に導入された、このように思っておるわけです。
 そこで、いままでの電力業界の減価償却の実態をずっと調べてみますと、四十八年度までは定率法、四十八年下期から五十二年度までは定額法、五十三年度は一部定率法を併用する、こういうふうに非常に紆余曲折がございます。通産省はこの中間答申に沿って業界を指導されておると思うのですが、円高の差益があって非常に決算がよかったときには定率法、赤字決算のときは定額法、こういうふうに紆余曲折、全く首尾一貫しない。このように、いま私が申し述べたとおり、そういう経過があるわけです。したがって、今回の北海道電力の場合ですが、申請の内容を見ますと、火力、水力それから送変電の機械装置、一部定率法に基づいてそういう積算をされておるようです。その額は北電で年平均約八十五億円、これは今回の値上げ率に見ますと、約三・四%になりますね。先ほども私が申し上げた東京電力で見ますと、これは定率法を見送ってしまえば二%下げることができる。二%を占めておる。したがって北海道電力について言うならば、今回の値上げ、北海道民に値上げを強いるわけですけれども、もし定額ということになれば、三・四%は明らかに下げることができる、三・四%申請を下げることができる、こういうふうになるのです。東京電力ならば二%、こういう点について通産省はどういうふうにお考えか、これをひとつ聞かしてください。
#65
○安田(佳)政府委員 ただいまの武部先生の御質問のうち事務的な部分についてお答えいたしますと、北海道電力が、いま御指摘になった範囲での定率償却を行いますと、三・四%の増になるわけでございますが、ただこれを見ますと、直ちに三・四が減るのではなくて、ほかの項目へのはね返りもございますから、三・四よりは少し少なくなろうかとも思います。いずれにしましても、電気事業審議会の料金制度部会の答申は私どもとして尊重いたしたいと考えておりますが、この定率償却を導入するかしないかにつきましては、これは料金制度の問題でございまして、先生がいろいろ御指摘になりました各社ごとの償却方法が途中で変わっておりますけれども、それは各社がそれぞれ自主的に実施しているものでございまして、料金制度上の方法とは一応別になっております。料金制度上は、従来はこれがずっと定額法の償却方法を採用してまいりました。
 単なる事務的な点について御説明いたしました。
#66
○森山(信)政府委員 償却方法はきわめて大事な問題でございますので、私からお答えをしておきたいと存じます。
 いま武部先生から御質問ございましたように、定額から定率へ償却方法を切りかえるということは、最初のうちに負担償却率が高くなるわけでございますので、当然に料金にはね返る率は多くなるわけでございます。私どもは基本的には償却方法は定率がよろしいのではないかというふうに考えております。と申しますのは、やはり固定費のウエートがきわめて高い電気事業でございますので償却をできるだけうまくやるということが望ましいと思いますけれども、ただ、いま申し上げましたとおり償却方法を切りかえるということになりますと大変な、トップヘビーと申しまして早い時期にそのコストにはね返る率が高いものでございますから、燃料費等の大幅な値上げのあるときに果たしてその制度を実施することが妥当であるかどうかという点につきましてはやや消極的な考え方を持っておりますので、基本的な問題と現実の問題とは区別をして査定をいたしたい、かように考えております。
#67
○松浦委員 ちょっとお尋ねをしておきますが、たとえば原子力発電所ですが、耐用年数は十五年になっていますね。ところが実際は三十年稼動可能なんですね。ですから、当然耐用年数は十五年じゃなくて、もっと延ばすことが可能ですよ。そういう問題等についても見直すということがやられるのですか。実際に稼動できる年数は三十年で、その半分しか耐用年数は見ておらないのです。だから、耐用年数を早めるということは、逆に言うと償却を早めて、それだけ消費者に負担が過重になる。しかも定率ということは、いま長官も言われたように初めの方は非常に過重な負担になってくるわけですから、そういう問題もやはりある程度消費者のサイドに立った考え方に立つ見直しをしてもらわないと、ただ企業側の存立だけを中心に見ていくと、答申が言うように、これからインフレが加速しておる段階だから定額を定率に直して償却を早めなさいという、そういう答申の内容を含んでおったと思うのです。そのツケが全部国民の側に回ってきたら大変なことになるのですから、そういう基本的なものを見直してもらわないと困ると思うのですよ。大臣その点どうですか。いまの同僚議員の指摘は非常に大切なことなんだ。
#68
○森山(信)政府委員 ただいま松浦先生の御指摘になりました点は法定耐用年数の問題だと思うのでございますが、この問題等につきましては、広く産業界全体の立場あるいは国民生活の立場というものを考えて必要な配慮を実施する必要があるのではないか、こういう感じがいたします。
 そこで、いま御指摘のとおり初年度と言いましょうか、わりに早い時期に負担がかかるという定率法につきましては、一般論として理解できないわけではございませんけれども、現実の問題といたしまして査定の全体の姿を考えました場合に特定の費目が、たとえば今回の場合は燃料費が相当高騰しているわけでございますので、そういう時期に望ましいものが果たして受け入れられるかどうかという点につきましては、私どもも先生と全く考え方は同じではないかという気持ちはございますので慎重な配慮をしてまいりたい、かように考えております。
#69
○武部委員 私どもは、この減価償却の問題は非常に重要視しておるわけです。三年間で五五%も償却するなんというやり方は、いわゆる電気料金を上げるためにそういうことをやるのではないかというふうにとられても仕方がないと思うのですよ。そういう意味で減価償却のあり方というものについてはいま申し上げたような私どもの基本的な考え方を持っておるということで、ぜひ通産省もその線に沿って対処をしてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。
 同僚議員の質問もございますし、私は、この機会にひとつ経済企画庁長官にお伺いをしておきたいと思います。
 きのうの本会議で総理は、物価の安定こそは国民生活の基礎をなすものだという演説がございました。企画庁長官は、この物価問題というのは非常に重要だし物価の安定は国民的課題だという演説をあなたはおやりになりました。私は、今日この卸売物価の上昇あるいはそれが消費者物価にどういうふうにはね返ってくるかということで非常に国民はインフレに対しての懸念を持っておる、きのうの大臣の演説もまたそこに指摘があったと思うのです。そこで、今日のこの状況を見ると、まことにこれは大変な事態になっておる。いまここで論議をしておる電力の問題にしても、これから問題になるガスの問題にしてもそうです。そういう問題に関連をして私は、企画庁が物価のお目付として、これからのメジロ押しに待ちかまえておる公共料金についてどういう考え方で臨まれるかということについて非常に大きな関心と期待を持っておるわけですから、このことについてこの機会にあなたの見解をひとつ承っておきたいと思うのです。
 きのうも報道されましたように、一月の物価指数というものは季節商品が確かに上がっておる、このことは私どもも認めますけれども、先月に比べて一%ですね、そうして去年の一月に比べて六・二という数字になった。政府の国民に対する公約は四・八%。一月、二月、三月まだ残っておる。こういうことになってくると、とてもそういう数字にはならぬじゃないだろうかという懸念を持つわけです。しかも卸売物価は現実には十四カ月ですかずっと連騰であります。そういうところがら見て、卸売物価の上昇のはね返りがいまこの消費者物価にあらわれ始めた。しかも石油の値上がり分が消費者物価にいよいよあらわれてきたなという感じを持つわけです。
 私は、この委員会に実はもう十年おるのですが、毎年公共料金のこのことをやったことをよく覚えておりますが、今度くらい公共料金がこれほどたくさん、しかも数字が非常に高い、こういうことはいまだ私は、十年この委員会にずっとおってみて、こんなことはないのですよ。初めてこんな高い数字で、しかもその項目がこんなにたくさん出てきたということはいままでありません。そういうことを考えると、これは大変なことだというふうに思っておるわけです。
 そこで、経企庁がいま出しておられる昭和五十五年度の見通しは六・四ですね。六・四%ということをあなた方は国民に公約されて予算を編成されたわけですが、ところが、この民間の調査機関を見ても全然そんなことを言っておる者はいないのですよ。ここで言いますと、富士銀行は八・七%、大和銀行八・四、三菱総合研究所八・九、野村総合研究所九・三%、こういう予測をしておるのです。これはあなた方の国民に約束される六・四とは非常な違いです。一体こういう民間の専門調査機関が出しておる数字を経企庁はどのように把握しておられるだろうか、まず最初にそれをお伺いしたい。
#70
○正示国務大臣 お答えいたします。
 きのう総理、大蔵大臣とともに私も、物価問題がいま非常に大事な問題になっておるので、政府を挙げて全力をこの物価の安定に注いでおる、こういう趣旨を申し上げ、国民の皆様にもひとつ、一人一人がこの物価問題についていままで非常に冷静かつ賢明に対処してこられたけれども、これからも御一緒に物価の安定に努力をしていただきたいと呼びかけたわけであります。御指摘のとおりであります。
 さて五十四年度、これは三月末をもって終わるわけでございますが、だんだんと卸売物価の騰勢が強く、また季節商品等は消費者物価に直に反映しておりまして大変御心配をかけておりますが、われわれはいまのところぜひとも――ただいま四・八と仰せられましたが、四・七でございます、四・七%に消費者物価を何とかしてとどめたい。これは一年間の騰貴率をそういうふうに考えておるわけでございます。それから来年度は六・四、これが民間の各機関の予測よりも相当低いじゃないかという御指摘でありますが、これは何も腰だめでやったわけではございません。最近の実情を基礎にいたしまして、各方面の判断を集大成して六・四%、こういうふうにいたしておるわけでございますので、これも何とかして守っていきたい、実現したい、こういう決意のあらわれでございます。
 そこで、いま御審議の電力あるいは次に来るガス、その他の料金改定問題を初め、われわれの予算で認めました公共料金、こういうものを含めて、武部委員はいまだかつてこれだけメジロ押しにたくさんの公共料金引き上げは経験したことがない、大変なことではないかという御趣旨でありますが、まさに大変なことでございます。これは原油の値上げ、原油関係から来る大きな変化と、それがもとになりました為替レート、そういう関係が大きな波動の原動力になっておることは御承知のとおりであります。しかし、私どもは過去一年、それからまた前回の石油危機のときとの比較、それからほかの各国の実情との比較、これから申しまして、これは決して架空の目標ではない、やり方によって必ず達成できる目標であるという確信を持って御提示申し上げておることも、まず第一に申し上げておきます。
 そこで、先ほど来いろいろ北海道電力等につきまして御意見がございましたが、これはやはり通産当局が責任を持ってエネルギーを安定的に供給する、この一つの大きな使命と、しかもその使命を果たしながらできる限りその上げ幅を抑制したい、この二つの要請をかなえるべく大変な苦労をしておられることであります。当委員会が今日こうして土曜日の午後を特にこの審議にお充てになった御趣旨も、まさにそれであろうと思います。私は、こうして国民全体、国会、政府、そして関係企業、その企業経営者、また労働者、一般消費者、本当に今日ほど物価問題に目覚めというか関心を持って当たっておられる時期もまたない、こういうふうに思います。前回の石油危機のときは大変な狂乱物価を現出いたしまして、われわれは非常に苦い経験を持っております。この経験を忘れておりません。また、そこから非常に貴重な教訓を得ておるわけであります。私は、関係各位とともに当面の具体的な問題を処理し、そして何とかして来年度の目標も今年度の目標も、これを達成すべくこれからも全力を尽くす覚悟であることを重ねて申し上げまして、御理解、御支援を賜りたいと思います。
#71
○武部委員 私は時間の関係でこれを最後にいたしますが、いま六・四%について決意を述べられたわけですが、先ほど言うように、民間の発表されておる数字はこれとは格段に違う数字が発表されておる。いま問題になっておるところの電力料金、これを家庭の電灯にしてみますと、全国平均五六%の申請であります。これが八社の平均の数字でございます。もし仮にこれが実現いたしますと、消費者物価に与える影響は直接と波及効果とありますけれども、直接は一%、これはとても米麦価の数字なんかとけた違いに違うのです。これに波及効果が出てくる。これが問題なのです。私どもとあなた方の数字といつもここで食い違うのは、波及効果についての考え方が全然違う。われわれは直接効果は一%、波及効果はさらに一%。したがって電灯料金というものが申請どおり五六という数字になれば、二%消費者物価を上げることになる。ガスに至っては、全国で都市ガスは千四、五百万世帯ですよ。これはいまの数字から見ますと、直接は〇・五ぐらいだという。波及効果も同じくらいですね。一%、電力、ガスで三%になるのですよ。そういう波及効果を考えたときに、六・四とおっしゃるが、六・四の中に何と電力とガスだけで三%、半分を占めるということになる。これはとんでもない数字なのです。ですから、われわれは六・四なんという数字は、とてもじゃないがそういう数字でおさまらぬと見ておるが、おさめてもらわなければならぬ。しかしその根底になるものは、その半分以上を占める電力、ガスというものがどうなるかということが大きな問題なのですよ。したがって、これからまさしく物価の大変な事態を迎えるわけですから、いま問題になっておる電力、ガスというものについてはここでわれわれの見解を述べたわけですが、こういう点について物価の担当の経済企画庁としてはこの点を十分理解されて、通産省に対して厳重にあなた方の意見、われわれの見解を述べて、そして閣内の意見としてまとめてほしい、こう思うのです。そうでなければ、とてもじゃないが六・四なんという数字におさまることでないですよ。いままで私どもが何回かここで論議をして、いつも最後にあらわれてきた数字と違うのです。実質的に違う、実感からも違う。そういう点を考えて特に経済企画庁長官に要望しておきたいのです。
 特にガス、これも標準家庭については二千三十円も月に上がる。これは七十立方メートルですが、標準家庭で三千八百二十円が五千八百五十円になるのです。それだけでも大変な金額になる。いま都会ではガス抜きにして生活できませんね。すでにメジロ押しに中小の百五十社ぐらい申請が出ておるそうですが、そういうことを考えたときに、この電力、ガスというものは今後の日本の物価に与える影響が非常に大きい。このことを特に企画庁としては考えて、この認可に当たっては、極力というよりも、われわれはもう大幅に抑制をしてもらいたい。これを特に長官に要望して、あなたの見解を最後に承って私の質問を終わります。
#72
○正示国務大臣 先ほど来委員各位からの御意見、また通産大臣以下、資源エネルギー庁長官、公益事業部長が申し上げたように、物価問題はもう非常な状態にあるから、それに対して全力を挙げて取り組むという決意をみんな申し述べられたわけであります。また私はこの物価に関する責任を負わされておる所管大臣といたしまして、この点はどの国民の皆様よりも非常な責任を感じております。いま御指摘のような点について、微力ながら全力を尽くして取り組んでいく決意を表明して、お答えといたします。
#73
○井上委員長 金子みつ君。
#74
○金子(み)委員 私は、いままでお話もずっとございましたけれども、特に民生用、家庭用の電灯の問題について、その料金について少しお尋ねしたいと思っています。
 公共料金が軒並み値上げになるということは、もう申し上げるまでもないわけですけれども、たとえばたばこも値上げになりますが、たばこを吸わない人でも、電気を毎日一日じゅう使わない人はまずないわけですね。それから郵便料金が膨大に上がるということも聞かされておりますけれども、手紙やはがきを毎日書かない人でも、電気を使わない人はないということになりますと、この電気というのは私たちの日常生活の中で一番基本的な問題だと思うわけです。したがって、この電気料金の値上がりが生活のあらゆる問題についてこれをプッシュしてくるから、全体の景気が非常に下がってくるということは当然のことだと思うわけです。
 そこで私がお尋ねしたいと思いますことは、昭和四十九年に、あの第一次石油ショックの後の狂乱物価の時代がございましたが、そのときに設定されました電気料金の基準電力量というのがございますね。これは三段階で決められたわけでした。第一段階というのが百二十キロワットまでのものであって、これがいわゆる福祉料金と言われたナショナルミニマムでございますね。二番目が百二十一から二百まで、平均的なもので、二百以上が逓増料金、こういうふうに決められたわけでございました。そのときはそれでよかった。その当時の平均は大体百五十キロワットアワーだったのです。それで、政府がこれを百キロワットアワーにしようという計画をお持ちだったのを、私どもが百二十に引き上げるように要求して上げていただいたのを記憶いたしております。そういうことでございましたのですけれども、そのときは、政府は家庭の電力に関する問題について非常に深い配慮があってこういうことをしたんだと、私はあのとき非常によかったと思っているのですけれども、今回の値上げに関しては全然そういった配慮がないわけですね。その点、一体どういうお考えをしていらっしゃるのかしらと思うわけです。ですから私はこの際も、前のときと同じように、やはり配慮があってしかるべきではないかというふうに思うわけでございます。
 そうしますと、前のときと同じような考え方でいくとすれば、この基準電力量について、もう少し考え直してみていただく、いま考え直す時期が来ているんじゃないかと思いますので、考え直しをしていただく必要があるんじゃないかと思うわけです。
 私どもの党の試算によりますと、現在は平均家庭は大体百七十キロワットアワー使っています。新聞なんかで百九十というのも幾つか出ておりますけれども、百七十と私どもは踏んでいますが、そうだとすれば、いま百二十キロワットアワーで押さえているいわゆるナショナルミニマムの線を百四十キロワットアワーくらいにする時期が来ているんじゃないだろうか、それぐらいの配慮が今回あってしかるべきではないかと思うのですが、それに対する御意見を伺いたいと思います。
#75
○安田(佳)政府委員 ただいまの制度下において行われております電灯料金の三段階制は、四十九年から導入したわけでございます。その当時におきましても、この百二十キロワットアワーがいいかどうかにつきましていろいろ御議論のあったところであろうかというふうにも思います。
 現状の制度をごく簡単に説明させていただきますと、第一段階は、これは生活必需的な部分だといたしまして、したがいまして、比較的低い料金ということにいたしておるわけでございます。第二段階は、これは平均的な料金、それで第三段階は比較的高い料金が適用されるということになります。この三つを平均いたしまして、これが家庭用電灯料金の原価に即応した料金ということになるわけでございます。
 そして、御指摘のような月百二十キロワットアワーというものが、これが高いか低いかということが問題になるわけでございますが、現在この百二十キロワットアワー以下の料金が適用されている電力はどの程度あるかと申しますと、五十三年度の実績で申しますと、第一段階の料金が適用されております部分が五三・二%ございます。これはもちろん第二、第三段階の料金の適用をされてておる人も第一段階が適用されているわけでございますが、この第一段階分が五三・二%というように過半を占めておる状況でございます。そして、第二段階の料金が五十三年度で二一%、そして第三段階が二六%見当ということになっておるわけでございます。
 そこで、私どもこの第一段階目の区分であります百二十キロワットアワーにつきまして、これを変更する必要があるかどうかということを検討させていただきました。
 その結果、現状におきましては、家庭用電気機器等につきまして相当に省エネルギー型の機器が普及されているというようなこともございますし、それぞれの機器、たとえば照明用がどのくらい、扇風機がどのくらい、こたつがどのくらいというような計算をいたしまして、現在普及率が六〇%以上の機器につきまして計算もいたしてみました。それらの計算の結果といたしまして、現状におきましてはこの百二十キロワットアワーというものを変える必要がないのではないだろうかという結論に達したわけでございます。
 さらに、第一段階の料金を拡大するということになりますと、それは逆に申しますと第三段階の料金が上がるという結果になるわけでございまして、そうしますと、たとえば中小小売業者とかサービス業者とかという方々が第三段階の料金が適用されているところが多いわけでございますが、そういう方々に対する料金にも非常に大きな影響を与えるということになろうかというふうに思います。そちらのバランスも他方考慮しなければならないという事情もあるわけでございます。そういう点を考えまして、今回の改正におきましては、この百二十キロワット時は変える必要がないのではなかろうかというふうに現状では考えております。
#76
○金子(み)委員 その辺の数字の計算の仕方が私どもの計算と少し違っておりますので、意見が違ってくると思いますが、百二十キロワットアワー使用しておる数字は、いま五三・二%、五十三年度とおっしゃいましたけれども、私どもは三五%という数字を持っておるわけですね。
 それで、いまのようなお話でございますと、最後の一番逓増料金ですか、たくさん使ってたくさん払うというグループのことも考えなければならないというお話でございますが、私はここでぜひ考えていただきたいと思っておりますことは、電気料金だけで済まないわけですよ。さっきお話も出ました、きのう値上げの申請のあったガスですね、いま武部委員からもお話がありましたが、このガスの料金の場合には、総合エネルギー調査会がまとめた意見というのは、一般ガス事業の料金体系に関する中間報告というのを見ますと、大手三社のガス料金に基本料金、従量料金から成る二部体系をつくろう、そういうものをつくってやるようにという計画が進められているように伺っております。そうしますと、ガス料金の方ではそのように考えが進められているのに、電気料金の方は、何年前ですか、これは四十九年ですからいまから六年前ですね。六年前のときの考え方を一つも動かさないでもいいじゃないかというふうにお考えになっていらっしゃるように聞こえるわけで、これは進歩がないし、それでは私は民生用としては納得できないというように思うわけです。
 それに、先ほど申し上げた公共料金の値上げというのが物すごいわけですね。これは私どもの党の試算でいきますと、公共料金がもしこのとおり、五十五年度の予算の中に盛られておりますから、それがもし実現するということになりますと、平均家庭、夫婦と子供二人ですが、そういう家庭で年額六万二千百三円、前年度と同じ生活をしても、特別なことをしないで全く同じ生活をしても、これだけ支出が増になるという計算になるわけです。これは月に割ってみますと約五千二百円になります。五千二百円の支出増ということに、もしこの公共料金が実現されれば、なるわけですね。そこへ今度は電気が加わり、ガスも加わるということになりますと、先ほど来お話が出ておりますけれども、いずれも、電灯もガスの方も月額約二千円ぐらい支出増になるわけですね。この二つが重なりますと、実に毎月九千円何がしというような支出増になるではないかというふうなことが考えられますので、これはゆゆしい問題だと思うわけなんです。
 そこで、私が政府に申し上げたいと思うことは、家庭用の電灯料金については、単にいろいろな技術的な問題だけでなくて、政策的な配慮が十分加えられるべきではないかということで、ことにことしのように公共料金が軒並み上がるようなときには、もう少し考えてもいいのじゃないか。いまのお話ですと、考え直す必要はないというふうに聞こえるわけですけれども、そうでないとすればもう少し御説明がいただきたい。そういうことは考えないでもいいと思っていらっしゃるのかどうかですね、その辺も聞かせていただきたい。政策の問題として考えておりますので、大臣いかがですか。
#77
○安田(佳)政府委員 二、三説明をさせていただきます。
 まず、百二十キロワットアワー以下の比率が三五%というふうに先生おっしゃいましたが、三五%という数字もございます。ただ、これは百二十キロワットアワー以上使っていない人の数字が三五%でございまして、先ほど私が申し上げました五三%と申しますのは、第二段階、第三段階の人も含めた第一段階適用分が五三・二%ということでございます。三五%は、第一段階の百二十キロワットアワー以下の人だけをとってみますと三五%という数字でございますので、その点補足して説明さしていただきます。
 それから、次に家庭用につきまして配慮を加えるかどうかという点でございますが、私どもとしまして、やはり百二十キロワットアワー以下の部分につきましてはこれは生活必需的な色彩が強いわけでございますから、現行におきましては第三段階の料金格差がおおむね第二段階に比べまして一・一、一〇%アップ程度でございます。それを第三段階につきまして少し上に上げまして、その結果第一段階の百二十キロワットアワー以下につきましては、これを少し下げるというような方向をとったらどうだろうかということで検討を進めておるところでございます。
 なお、もう一つつけ加えさしていただきますならば、従来電灯料金は大口電力等に比べて比較的高かったわけでございますが、それにつきましては最近少しその間の格差が縮まってきておりまして、五十一年度改正のときは電灯と電力の差が一・五一でございました。もっとさかのぼりまして、昭和二十六年はそれが二・八六でございました。今回の申請ではこれが一・四五ということで、少し格差が縮まってきたのが実情でございます。
#78
○佐々木国務大臣 お話の点は、社会福祉的な観点あるいは生活保護世帯等に対する配慮というものがもっと考えられぬものかという御質問だと思いますが、確かにそうだと思います。むしろ電力料金そのものというのじゃなくて、そういう際には予算全般としてどういう特別な配慮をするかという点が一番行き方としては正しい行き方じゃないかと思いますけれども、かつても若干そういう時代があったようでございますが、いま急にそれをと言いましてもなかなかむずかしい状況だと思いますので、なるべく御趣旨に沿えるようにいたしたいと思っておりますけれども、現状では片方下げますと片方上がるという状況になる問題でございますから、大変むずかしい問題だと思っております。
#79
○金子(み)委員 いまのはちょっとよくわからないのですけれども、片方上げれば片方下がる、片方下げれば片方上がるというお話なんですが、そういう関係にあるのでしょうか。
#80
○佐々木国務大臣 第一段階を下げますと、第三段階の方が負担がかかるわけでございますから、そういう意味でございます。
#81
○金子(み)委員 大臣の答弁、聞こえなかったそうですからもう一遍。
#82
○佐々木国務大臣 いまのは三段階制の問題だと思いますので、第一段階の点を御説のように思い切って下げますと、その分同じプールでございますから今度は第三段階の中小企業の方で使う分が制度的に上げざるを得ない、こういう因果関係を持っておりますので、その両方兼ね合って決めなければなりませんから、大変むずかしい問題ですと申し上げたわけでございます。
#83
○金子(み)委員 そういうお考えだとしますと、何か中小企業の方は大事だから、そっちを上げないようにするために第一段階の方を下げようというふうに聞こえるのですけれども、違いますかしら。
#84
○佐々木国務大臣 そういう意味じゃなくて、いまの使っている基準が大変不当なものであれば別ですけれども、先ほど部長から説明がありましたように、基準的にはそのくらいのものだということでございますから、私は大体部長のおっしゃるようなことでいいんじゃなかろうかというように思っております。
#85
○松浦委員 ちょっと金子委員の質問とすれ違いがあると思うのです。ナショナルミニマムというのは、私は政策料金だと思うのですよ。ですから、それでバランスさせるということを考えれば、これは何もナショナルミニマムというのは設ける必要はないわけです。ですから三段階料金をつくったときには、百二十キロワットアワー以下はナショナルミニマムとしてある程度政策的な料金で対応するという方針で現在まできたわけです。ですから、こういう価格上昇の段階にくればくるほどナショナルミニマムの見直しをして、この百二十キロワットの最低を百四十キロワットアワーくらいに上げたらどうですか、こういう配慮があっていいのじゃないですか、そういう意味のことを質問しておられるわけです。そうすると大臣の言われることは、ナショナルミニマムはこの際もうなくしたのだ――そうでしょう。こっちを下げたらこっちを上げなければいかぬというのは、それはなくしたということでしょう。そういう理屈になるのじゃないですか。
 だから、これからも具体的なナショナルミニマムというものを発想として電気料金の中に導入する意思があるのかないのか。もう一つは、百二十キロワットアワーを百四十キロに政策料金として上げる意思があるのかないのか、そういう問題として金子委員の質問を補足します。具体的に答えてください。
#86
○安田(佳)政府委員 大臣から答弁する前に、私の方から御説明をさせていただきます。
 私も金子先生の御質問に明確にお答えしなかったような点があるわけでございますが、まず第一点の百二十キロワットアワーを上げる必要があるかどうかという点につきましては、この点だけに限って申しますと、私ども今回も生活必需的な電気の使用量を各家庭において計算してみたわけでございます。その結果、機器の省エネルギーというような点もございまして、積み上げていきますと生活必需的な機器の電気使用量はおおむね百二十キロワットアワーであるという結論に達しました。したがいまして、その面から見まして百二十キロワットアワーは今回は上げる必要がないのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
 それから第二番目に、これは仮定の議論で若干勇み足の議論でございましたが、それを引き上げますと第一段階の低料金適用分が非常に多くなりますから、結果として第三段階の料金が高くなるという結果をもたらしますので、やはりこの引き上げにつきましては生活必需的な部分だけに限定して、それを大幅に上げるということはやはり避けた方がいいのではなかろうかというふうに感じておる次第でございます。
#87
○金子(み)委員 いまの御説明の中の、生活必需品に関する分だけを上げることにして、あとは大幅に上げない方がいいとおっしゃったのですが、具体的に何でしょう。
#88
○安田(佳)政府委員 もし御質問が、生活必需的な機器とはどういうものかということでございましたら、そのお答えをいたしたいと存じますが、私ども生活必需的な機器とはおおむね普及率が六〇%以上くらいのものを考えております。内容を申しますと、照明用の機械とか扇風機、こたつ、冷蔵庫、洗たく機、カラーテレビあるいは掃除機、電気毛布、電気がま程度のものを考えておりまして、そのほかに電子レンジとかルームクーラーとか、そういうものは私ども生活必需品的なものとは考えておりません。
#89
○森山(信)政府委員 私から一言お答え申し上げたいと思いますが、先ほど松浦先生が補足的に御質問になりました政策料金をナショナルミニマムとして導入する意思があるのかないのか、こういう点につきましては、私どもは今回も政策料金といたしましてナショナルミニマムを導入する必要はあるというふうに考えております。ただ先ほど来、大臣及び公益事業部長から御答弁申し上げましたように、政策料金はやはり原価主義の枠内でそれを判断いたしますので、ナショナルミニマムにつきましてある程度の政策配慮をいたしますと、原価主義の枠の観点から申しますと第三段階目の料金がその分だけ値上がりせざるを得ない、こういうことを御答弁申し上げたわけでございます。
 そこで、もう一つの観点から申し上げますと、三段階制は継続いたしますけれども、その百二十キロワットアワーあるいは二百キロワットアワーという基準は変更いたしませんが、その三段階の枠内でできるだけナショナルミニマムの部分を安くし、第三段階目をその分少し高くする、そういう政策判断はいたしてみたい、こういうふうに考えております。
#90
○金子(み)委員 いまの説明でわかりましたけれども、先ほど部長がお挙げになった具体的なものですね、そういうものをみんながお調べになったら出てきたということなんですが、大体一般の国民の生活水準は上がっているわけですよね。だから、そういう意味からいきますと、百二十は低過ぎるというふうに考えて上げる意思はありませんかということをお尋ねしたわけです、一つは。ですけれども、いまのお話だと、上げる意思はないということで、その三つの段階の中で政策的に操作をする考えがあるという御説明が長官からありましたからそれは納得できるのですが、それならお願いが一つあるわけです。
 というのは、一般家庭もさることながら、生活保護世帯とか母子家庭、あるいはお年寄りの家庭とか障害者の家庭、こういういわゆる弱いグループの方たちの場合には、いまの調整を最も的確に、最も効果的に活用なさって、できるだけ据え置きにして値上げさせない、据え置きにしておいていただきたいという、これはお願いになるわけです。その点をひとつ考えてやっていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#91
○森山(信)政府委員 ただいまの金子先生の御指摘は、いわゆる社会福祉あるいは生活保護の方々に対する配慮の問題だろうと思います。
 そこで、私どもは、基本的にはこれは国がその分につきまして手当てをすべき問題ではなかろうかと考えておるわけでございますけれども、そこに、国の配慮と電力会社の料金の問題との間に谷間が生じまして、現実にそういう事態が起こることになりますと大変御迷惑をかけるということでございますから、これは単に国の問題として割り切るだけではなくて、電力サイドである程度の配慮ができるようなことを検討させていただきたいと思います。
#92
○金子(み)委員 わかりましたが、それは十分にやっていただきたいと思います。
#93
○松浦委員 それでは、社会党として最後になりましたから締めくくりとして二つのことをお尋ねいたします。
 その第一点は、今度の値上げ幅がきわめて大きいので、二段階値上げ方式をおとりになる構想はないのか。ですから、仮定の問題ですけれども、初めに二〇%値上げをしたら、参議院選挙の後ぐらいに、与党のこともこれ配慮して追加値上げをする二段ロケット方式ということをお考えになるという構想は考えられますか。一発ですか。その点をお聞かせください。
#94
○森山(信)政府委員 二段階料金制につきましては、過去に実施をした経験がございます。私どもの基本的な立場から申し上げますと、二段階料金制は厳密な意味におきます原価主義と若干乖離があるのではないか、こういう考え方を持っておりますので、現在のところ二段階をする考え方は持っておりません。
#95
○松浦委員 現在のところというのが非常に微妙な言い回しですが、現在のところは――だから現在、きょうは二段階に分けないつもりだけれども、あるいは認可する前に二段階に変わる場合があるということですか、現在ということは。認可するときには必ず二段階はないというふうに理解していいのですか。
#96
○森山(信)政府委員 電力料金の値上げ申請は、御承知のとおり北海道電力が先発いたしまして、残りの八社がつい最近申請をしたわけでございまして、残りの八社につきましては現在申請を受理した段階でございますので、ただいまから審査をいたすわけでございます。そこで、審査に先立ちまして二段階料金制を前提として考えておることはいたしておりません。こういう趣旨で御理解を賜りたいと思います。
#97
○松浦委員 大臣、ひとつお聞かせいただけませんか。いまの発想でいいのですか。二段階というのは絶対ないですか。
#98
○佐々木国務大臣 長官の答えたとおりでございます。
#99
○松浦委員 それではもうこれ以上議論は詰めませんけれども、いずれにいたしましても、こういう急激な値上げというのは国民生活あるいは産業界に急激なショックを与えると思うのです。ですから、あらゆる方法を考慮して申請を精査をして、本当にぎりぎりのところで査定をしていただく。同時に、やはり二段階方式等をとって軟着陸させる、できるだけショックをやわらげるという対応も考えていただきたいということを私は申し上げておきます。
 それからもう一つは、せっかくこういう機会にお互いに議論するのですから、北海道電力の申請概要なんかを見ましても、やはり総原価に占める最大のポイントは、構成比として、燃料費にあるわけですよ。何といったって燃料費にあるのです。ところがこの燃料費は、さっきから議論しておるように、企業の秘密その他でわれわれは知ることができない。知る権利がない。知らされないと言った方がいいかもしれませんね。ことしはさる年ですから、聞かさないのかもしれませんけれども。そういう意味では、やはり六割もこの八電力会社が大幅値上げ、四月一日実施を申請しておるのですから、これからわれわれは本委員会でも慎重に議論をして詰めていくつもりでありますが、ぜひそういった内容に立ち入って、ある程度のことはやはりわれわれ委員に知らしめていただいて、本当にこれが事実だ、相違ないんだということを国民に向かって自信を持ってわれわれが説得できるように、そういう態度をとっていく必要があると思う。ですからこの際、電気料金値上げについての原価要素というもの、特に燃料などというものはもっともっとはっきり示していただきたい、このことを最後に付言をして、わが党の質問を終わります。
#100
○井上委員長 中川嘉美君。
#101
○中川(嘉)委員 まず公共料金に関係をして申し上げたいと思いますが、本年度から来年度にかけて公共料金の値上げがメジロ押しである。先ほども関係資料が当委員会に配付されたわけでありますが、これを見ても、公営家賃あるいは水道料、電気代、ガス代、診察料、入院費、薬剤料、入浴料、清掃代、私鉄運賃、国鉄運賃、バス代、タクシー代、航空運賃、高速自動車国道料金、郵便料、電報料、通話料、授業料――公立高校ないしは国立大学、それから幼稚園保育料、放送受信料、印鑑証明手数料、戸籍抄本手数料、自動車免許手数料、消費者米価・麦価、たばこ、食塩、ずらっと並んでおります。このほか駐車場の使用料であるとかあるいはユースホステルの宿泊料とか、経費老人ホームの利用料であるとか、動物園の入園料に至るまで、もう数え上げれば切りがないほどの公共料金の値上げ、こういったものがメジロ押しである。こうした公共料金の中でも、この電力料金は米に次いでウエートの大きい、国民生活への影響はきわめて大きいものであるということはもう言うまでもないわけであります。
 この電力料金のウエートについて関連した表を見てみますと「これは公共料金の推移ですけれども、第一位が米三一九という数字が出ております。二番目が電気代一九一、三番目が通話料一八二、第四位がたばこの一五〇、第五番目が診察料の一四八。ずらっとまだ続いていきますが、これを見てもおわかりのように、第二番目に位置しておる。しかも、その波及効果に至っては、米とは比較にならないウエートを持っているというわけです。今回の電気料金の値上げが仮にそのまま認められたとするならば、企業の収益が二割近く減ってしまうわけです。こんな状態では、企業は必ず今回の値上げ分を価格に転嫁してくることは間違いない、このように考えられるわけであります。
 そこでまず経企庁長官に伺いますけれども、先ほど私が申し上げた一連の公共料金の値上げについて国民は非常に心配をしているわけですけれども、これらの値上げに対して長官はどのように対処されるお気持ちなのか。先ほど来御答弁はいただいてきてはいるわけでありますけれども、特に電力値上げの価格転嫁についてはどのように対応をなさるお気持ちか。総理の言うように放置されるお気持ちなのかどうかということですね。この間、総理の発言にはそういうところがありましたけれども、経企庁長官の御見解をまず伺ってまいりたいと思います。
#102
○正示国務大臣 お答えいたします。
 総理も放置ということは絶対考えておりません。ただ、原油価格の高騰が合理的に各層にある程度波及することについては、原則としてやむを得ないという認識であるけれども、これを最小限度にとどめるような、特に便乗値上げというふうなことのないように厳重にやる。これはきのうもはっきり申しておられることは中川委員御承知のとおりだと思います。
 それで、物価の責任を預かる私どもの立場はさらに細かく申し上げてみますと、いまおっしゃられたように、電力の値上げというものは企業にも非常な影響を与えることは仰せのとおりであります。そこで、いままでの企業の努力というものはわれわれは高く評価しております。これは何も経営者だけではありません。労使両方の非常な努力によって各段階で吸収されているわけです。この吸収ということが日本は世界じゅうで一番優秀な成績を上げておると私は思います。この点をわれわれは大いに信頼するわけで、昨日も本会議で申し上げたところはまさにその点でも一つの項目になっておるわけでございます。そこでいま仰せられたような電力料金については、通産当局、経営者また私どもも一緒にできる限りこの上げ幅を抑制する、これが第一の努力であります。それが各企業にコストになった場合にそれを各段階で吸収していただく。特に日本の非常にすぐれた面はサービス業が非常に安定しているという点で、大変われわれとしては強味だと考えているわけでございまして、この点中川委員も御同感だと思います。迫りくる春闘等を考えますると、われわれの努力そしてまた労使双方の良識あるお話し合いによってこれらの各段階における吸収が一層進められまして、これからの日本の企業の健全な経営、また堅実な発展をぜひ確保していかなければならぬ、こういうふうに考えているわけでございます。
#103
○中川(嘉)委員 余りこだわりたくないわけでございますが、この間の二十四日のNHKの録画撮りのときの総理の発言だったわけですが、原油値上げに伴う国内物価上昇問題に総理が触れて、外国から来る品物の値上がりは政府としても抑え切れないとした上、それが影響する程度の値上がりはがまんしてもらわなければならないと語った、こうなっているわけで、いま長官から御答弁いただいた線でひとつ大いに努力はしていただきたいし、またその線で総理のこのようなお考えについて、国民の立場に立った場合にはそのようなことではならぬということをぜひ進言していただきたいし、御答弁に沿った御努力をぜひ願いたいと思います。
 すでに北電と沖繩電力の料金改定についての申請内容というものは、通産省において査定を終わって、経済企画庁との協議も終わっていると思いますけれども、この協議に際して企画庁としては通産省に対してどのような態度で臨み、物価の観点からどのような注文をつけられたのか。漠然としたなにではなしに、この辺のことについてかなり具体的にお答えをいただきたいと思います。
#104
○正示国務大臣 さっきの社会党の各委員の方々からの御質問に対し、通産大臣また通産当局からそれぞれ詳細な答弁があったわけであります。
    〔委員長退席、松浦委員長代理着席〕
私も私の態度を基本的には申し述べたわけでありますが、今度は本当に一種の非常事態に処する覚悟で、資源エネルギー庁と私どもの物価局、ここが一体になりまして、重要なエネルギー資源を安定的に供給するための最小限度の必要な料金の値上げ、これを今日までの確実な資料によってひとつぜひとも厳正に査定をしよう、そして経営の徹底した合理化と一層の努力を企業の側にも要請しよう、こういう考え方からいろいろ申し上げたわけであります。大体においていままでのところは両庁の見解は一致をいたしております。その大きな項目は、先ほど来お話しの各項目にわたっておるわけでございますけれども、たとえば原油の価格の見込み、円レートの関係、あるいは企業の利益、配当、償却の問題等、各般にわたりまして本当に徹底した協議を行いまして、まあこの程度のところでやむを得ないではないかという見通しのもとに、ただいま最終段階に入っておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#105
○中川(嘉)委員 そういった点からしても、くどいようですが、先ほどのNHKの録画撮りのとき総理が語られた内容というのはただいま申し上げたとおりですが、関係省庁もしいまおっしゃられたとおりの真剣な努力というものがあるならば、総理のおっしゃられたことは大分違うのじゃないか。総理は余りにもそういった実情というものを御存じなくして、何か長いものに巻かれろというような感じがしないでもない。そういう点、ひとつこれからも総理が認識をさらにこういったことについて高めていただくことも非常に大事なことですので、一つつけ加えておきたいと思います。
 電力料金がここまで高くなってくるとやはり家計にとっても大変な圧迫になる。仮に五十三年の家計調査によって見ますと、札幌市の場合に、家庭の電気代が消費支出全体の一・四%。これが今回の申請どおりに仮に認められたとしますと二%の上昇となる。札幌市の場合、五十三年の消費支出は一カ月二十万一千五百四十七円、これの中で電気代が占めますのが二千九百四十円。したがって私は一・四%と申し上げたわけです。この申請率三八・八三%、まあ電灯の方は三七・五八%となりますが、これをもって計算すると、電気代は月に四千四十五円。したがって先ほど二%と申し上げたわけです。この四千四十五円から先ほど申し上げた二千九百四十円を引きますと一千百五円。これだけ余分に一カ月に払わなければいけない。これを十二倍します。一年分として十二カ月を掛けますと、年間で一万三千二百六十円、増加額がこのような数字になってくる。
 一方、那覇市の方を見てみますと、同じく五十三年の消費支出が一カ月十七万九千百二十七円、この中に占める電気代が四千二百三十七円、これは先ほどの二千九百四十円という札幌に比べますとかなり高くなっております。これは沖繩ということで、クーラー等の占める範囲も非常に広いということで四千二百三十七円。これはまだこれから挙げる数字ですが、これが二・四%に当たるわけです。申請率四六・四九%としますと、この場合も電灯でいいますと四八・九六ですが、六千三百十一円、これは三・四%の上昇につながる。したがって、六千三百十一円から従来の四千二百三十七円を引きますと、一カ月分二千七十四円の増加額ですね。十二カ月分を掛けますと、一年間で二万四千八百八十八円という負担増になってくる。このように札幌の場合は全体の一・四%であったものが申請が仮に認められると二%、沖繩の場合は二・四%であったものが申請が仮に認められると三・四%に上がってしまう。可処分所得の伸び率が、五十四年十一月の家計調査によりますと、名目で五・三%、実質は〇・四%、こういった伸びがあるわけですから、電気代の値上がりがありますと、実質伸び率はゼロになってしまう。
 今回の値上げが燃料費の高騰に大きく起因するものであるといっても、電力会社の経営をもっと合理化できないものだろうか。各報道を見ておりますと、ほとんどがそういった燃料費の高騰に大きく起因するということがどこにも出てくるわけですけれども、もっともっとそういった合理化ができないものか、こう考えるのは私ばかりでないと思います。
 そこで、通産大臣に伺いたいと思いますが、先ほど来も出ておるわけですけれども、電力会社の再編成の問題について大臣はどのようにお考えになっておられるか、再編などは全く考えられない問題なのかどうか、この点について伺っておきたいと思います。
#106
○佐々木国務大臣 お説のように再編成は、目的が仮にあるとすれば一体化ということになると思いますけれども、地域別の料金格差等の解消にはあるいは大変役立つかと思います。しかし、反面九電力に分轄いたしまして、そして企業の本来の活力をそれぞれ取り戻して、そして効率的な運営をし、合理的な運営をしながら豊富、低廉な電力を提供するということで九電力の体制になったわけでございますから、現状からいたしますれば、やはり現在の体制のままでいきました方が本来の電力の安定供給という面では大変よろしいんじゃなかろうかというふうに私は考えております。
#107
○中川(嘉)委員 そういった御答弁ですが、このことはまた後で引き続いて伺っていきたいと思います。
 政府は公共料金についてはまず徹底した企業合理化を図らせて、それでもなおかつ経営が成り立たない場合には厳正な査定の上で認める、こういうふうに言ってこられたわけですけれども、一体北海道電力と沖繩電力がどのような企業努力をしてきたのか、この点をいま一度お聞かせをいただきたいと思います。
#108
○安田(佳)政府委員 両社とも経営全般にわたりまして合理化、効率化によりまして安定した電力供給を図っているわけでございます。電力会社の生産性を端的にあらわしますところの従業員一人当たりの販売電力量というものをとってみますと、これは毎年急速に上昇いたしております。それから人員の面を見ますと、電源開発が進捗しつつありますし、また業務量もふえておりますが、従業員数の方はほとんど増加してないというような状況でございますし、むしろ削減しておるような面もございます。それから停電回数とか、あるいは停電時間というものをとってみましても、これは減少いたしております。また送電等におきまして電圧を上昇する等、各種の改善を行っておりますし、また技術面におきましても幾つかの改善を行っておるという状況でございまして、電力会社は電力会社なりに経営全般にわたります合理化、効率化を図っておるというふうに言うことができようかというふうに存じます。
#109
○中川(嘉)委員 ただいま御答弁をいただいたわけですけれども、こういったことは査定についての重要な要素である、このように思いますので、今後ともこういったことには厳しく対応していっていただきたい。合理化、効率化といったことについても、今後ともそういったことが行政指導によって図られるようにひとつ努力を重ねていただきたいと思います。
 ここで沖繩電力の問題についてさらにお尋ねしたいと思いますけれども、これは北海道電力と比べてみてよくわかるわけですが、燃料費の比率がきわめて高いということ。前回、五十一年の値上げのときには燃料費の比率は四四・二%、これで申請しているわけですけれども、今回の申請ではこれが実に五一・九%、こういうふうになっておるわけです。沖繩を除くほかの九社の五十四年度上期の燃料費比率を見てみましても、一番高いところの中部電力でも三三・九%、一番低いところでは北陸電力の一七%、こういうことですから沖繩電力の燃料費比率は極端に高いということが言えるわけです。これは言うまでもなく、燃料を一〇〇%石油に頼っているからこのような数字になるわけですけれども、その沖繩電力は離島ごとに小さな発電所をつくる。小さな発電所になると二百キロワットというようなものまでも出てくるわけで、こういった発電所を離島ごとにつくるわけですから、その保守あるいは管理などは大変なものだと私は思います。この点は北電の場合でも似たような問題があるわけで、先ほど松浦委員からも御発言がありましたけれども、一億キロワットを得るための送電線の長さ、こういったものは非常に長距離に及ぶわけで、松浦委員によりますと、北電が四十六キロメートル、それに対して他の八社が十七キロメートルということをおっしゃっておりましたが、これは実に二・七倍に相当するわけで、こういったように配電の地域が広いために大変な費用を要するということになるわけです。したがって、電気代の単価で見ても非常に高くなる。それでも沖電の場合、幸いに修繕費の比率が他社に比べて極端に低いわけで、これは発電機とかそういった機器が、返還後ですから比較的新しいということ、それから自社内に修繕力があるということで低いそうですけれども、しかし、これもやはりいずれ価格は上がってくるだろう。それから、沖繩電力は資本費の比率が他社に比べて低いことも幸いしているのじゃないかと思います。こういったことが燃料費の比率の高いのをある程度カバーしているのだろう、このように考えます。
 しかし、何分にも地域条件が悪いためにきわめて不安定な経営を強いられると見なければならない、これは沖繩の特徴であろうと思います。こういった地域特性的なものについては国としてさらにめんどうを見るべきではないかと私は思うわけです。先ほど来いろいろの御答弁がありますけれども、これからのものを含めてひとつ御見解を承っておきたいと思います。
#110
○安田(佳)政府委員 沖繩電力株式会社につきましては、先生御指摘のように本当に離島がたくさんありますし、電力会社としては経営が非常にやりにくい地理的条件にあると思います。また、量的に全体の発電量といたしましてもそう多くはございません。そういうことでございますので、沖繩電力に対しましては各種の助成措置が従来からも講じられているところでございます。
 その幾つかを申しますと、沖繩振興開発金融公庫でありますが、この公庫を通じまして長期、低利の融資を行っております。その融資額は、設備投資額の約三分の二ほどをこの公庫を通じて融資をしておるわけでございます。
 それから、ただいま御指摘のように、沖繩におきます電力供給は油の発電が全部でございますが、その石油につきましての輸入関税につきましては、これを免除するなど税制面でも助成措置を講じているところでございます。また、そのほか、事業税、登録免許税、あるいは、これは特殊法人でございまして、大部分の株を政府が所有しておるわけでございますが、その株式については配当は後配にしているというふうな助成措置を講じているところでございます。
 しかし、そういう助成がありましても沖繩電力の運営は非常にむずかしい状況にありまして、従来の累積赤字を見ますと、五十三年度末におきまして百三億円の赤字を持っているという状況でございます。したがいまして、今後におきます沖繩電力株式会社に対します助成につきましては、そういう実情も踏まえまして、私どもといたしましても慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
#111
○中川(嘉)委員 沖繩電力はいま御答弁がありましたとおりの振興開発特別措置法によって設立された、そして国や地方公共団体の出資や助成によって何とかやっているんだということはよく私たちも承知しているわけです。しかしこの国の助成といいましても、出資が十億円で、一回きりで今日までそれがずっと続いてない、これに配当をつけなくてもいいとか、あるいは沖繩開発公庫融資のお話もありました。これを低利で五百七十二億円借りているとか、あるいは事業税を年間二億円程度安くしてやっているとか、石油の輸入関税も、数字で言いますと年間四億五千万円程度免除してやっているとか、こういった点は私たちもわかっているわけなんです。
 しかし、それでも石油への依存度というものが一〇〇%であるという地域特性ですね、これを考えるときに、この程度の助成ではこれはもうどうしようもない、経営の不安定を払拭し切れるものではないというふうに私たちは解釈しております。
 特別措置法の期限切れによって沖電は民営に移管しなければならない。果たしてこのような不安定な企業の株式を引き受ける民間があるのかどうかということですね。沖繩電力が民営になるとすると、現在配当していない政府出資の十億円分についても配当をしなければならなくなる、借入金についても徐々に民間資金に頼らざるを得なくなってくる、そうすれば金利もかさんでくる。こういったことから、資本費の比率というものも当然これはふえてくると言わなければならないわけです。経営の安定性というものはますますこういったことで揺らいでくると考えますけれども、こういうことで果たしてスムーズに民営移管ができるのかどうか。
 私は、やはり沖電のような特殊なケースについてはもっと国が助成をしてあげるべきではないか、こういう観点から実は発言をしたわけなんですけれども、それとも沖繩の電気料金は自然の成り行きに任せて放置しておくと言われるのかどうかですね。
 先ほど来の御答弁では、そういった実態は一通りはつかんでおられる、御検討というものが、取り組みというものがなされているかに思われますけれども、この特殊性というものを踏まえてのもっともっと具体的かつ真剣な検討、長期展望に立ったそういった検討がいまこそなされていかなければならないのじゃないか、このように考えますけれども、いま一度お答えをいただきたいと思います。
#112
○森山(信)政府委員 沖繩電力につきまして、ただいま民営化のお話が出たわけでございますが、民営化に至る過程に多くの問題を抱えておることは先ほど公益事業部長から御答弁申し上げたとおりでございまして、端的に言いまして、二つの問題があるのではないかと思います。
 一つは民営化。現在政府機関でございますから、民営にするために当然一つの条件整備と申しましょうか、民営化がスムーズにいくための条件整備という問題が一つの課題としてあるのではないか。それからもう一つは、料金算定に当たりまして原価主義という立場に立ちますと、膨大な累積赤字の問題をあわせまして考えますと、そこにまた別個の観点が出てまいりますので、やはり一定の期間内におきます原価主義ということで今回料金の算定をいたしたい、かように考えておるわけでございますが、そういうことにいたしますと、第一点として申し上げました累積赤字の処理の問題が当然に起こってくるわけでございます。もちろん政府機関が民営化されます段階で累積赤字をそのまま民営に押しつけるというようなことは大変無理なことであることは当然のことでございまして、そこにいかにうまく累積赤字の問題を解決するかということが一つの条件整備の大きな課題になってくるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それから、仮にそういった問題が解決されまして民営化の問題が実現の段階になったといたしましても、株主構成の問題、あるいはほかの企業、たとえば電力関係の会社との提携問題とかあるいは運営の問題等々になりますと、これはやはり沖繩県民の方々の自主的な御判断というものを尊重せざるを得ないだろうということがございまして、単に経営合理主義という立場からだけで民営化の問題を進めていくということはかなりな問題があるのではないか、特に沖繩につきましては問題があるのではないか、そういうところに政策的な配慮をすべきではないかというただいまの中川先生の御指摘は私どもも全く同感だと思っております。
 そこで、資源エネルギー庁の中に沖繩電気事業協議会というのをつい最近発足させまして、いま私が申し上げましたような幾つかの課題、これは大変大きな課題でございますので、相当慎重に各方面の御意見を聞きながら運営を進めてまいりたい、かように存じておるところでございまして、御指摘の点は十分私どもも判断の大きな材料としてとらまえていることをお答えとして申し上げておきたいと思います。
#113
○中川(嘉)委員 先ほどの松浦委員からの御発言について、関連していま一度確認をしておきたいことがありますが、沖繩電力を助成しなければならないというもう一つの大きな理由ですね。これは地域特性によって生産性がどうしても上がらないということ、大きな工場があるわけでもないし、しかも先ほど来出てきておりますように離島がたくさんある、大発電所の建設もできない、二百キロワット程度の小さな発電所をたくさんつくらなければならないといったことになるわけで、生産性が上がらないのもこれは明らかなわけであります。数字で言いますと、昭和五十三年度の従業員一人当たりの発電量というものは、北海道電力では約二百五十万キロワットアワー、これに対して沖繩電力は百七十万キロワットアワー程度で推移している。今後これが多少は上昇することがあったとしても、とても本土並みにはならないということは容易に想像ができるわけです。沖繩開発特別措置法が昭和五十七年に期限切れとなった後で、大平さんが言うように、油の値上がり分についてはもう自由市場にゆだねて価格には介入しない、こういうふうになったとすると、沖繩電力の電気料金というものはどうしても上がらざるを得ない。しかも一〇〇%石油に依存しているわけですから、本土の九社の値上がりをはるかに上回って値上がりすることは、もう火を見るよりも明らかである。ここにやはり沖繩の特徴が当然あるわけで、特別措置法の期限切れの後で政府が何らかの援助をしないとなりますと、これは沖繩の人たちは電気代の支払いに大変に苦しめられる結果が生まれてくるわけです。
 こういったことを政府は十二分に理解をしているのか、お認めになっているのか。もしそうならば、この件についてはどのような対策を講じようとされるのか。いま一つ何か詰めが甘いような気がするわけですけれども、御答弁を願いたいと思います。
#114
○森山(信)政府委員 沖繩電力が現在政府機関であることは御承知のとおりでございまして、そのゆえんは、ただいま先生から御指摘がございました沖繩の地域的特殊性の問題あるいはエネルギーとしての立地条件の問題等々から、政府機関といたしまして運営をすることが望ましいということで運営をさしていただいているわけでございますが、一方、行政改革という要請からいたしますと、こういった電力会社が比較的早い時期に民営化されるという要請もまた事実でございます。したがいまして、私どもは五十六年度末までに民営化を検討するということで進んでおるわけですが、いま先生から御指摘のございましたように、沖繩の特殊事情ということを考えますと、純粋に民営化だけに踏み切ってよろしいのかどうかということは大変疑問に私も存じておる次第でございます。
 特に、燃料構成の問題から考えましても大変な問題がございますし、それから沖繩の電力需要という面から見まして、先ほど北海道電力の場合と従業員一人当たりの発電量の比較がございましたように、そこに一つの格差があることも事実でございます。それで、そういう状態を承知しながら、純粋の民営という形にいたしますと、もうたちどころに破綻を来す、あるいは沖繩の県民の方々に過大な電力料金の負担を強いるということになりかねませんので、そういう点につきましては十分な配慮をさしていただきたい。
 そこで、民営化と申しますのは、沖繩県民の方々の御意思による民営化という問題もございましょうし、その他の方法もございましょうが、先ほど御答弁申し上げましたように、これはやはり沖繩の県民の方々の民営に対する考え方という問題をまずお聞きをするのが大事ではないか。単に一方的な民営化ということで、純粋に経済合理主義で割り切った民営化というものは沖繩につきましては大変問題があるという認識は私ども持っておるわけでございます。
 そこで、先ほど申し上げましたように、同じ民営化にいたしましてもいろいろな方法論があると思いますので、純粋に私企業といたしましての民営化ということで果たしていいのかどうかという判断を私どもは得たいという観点から協議会を設けまして、各方面の御意見を十分拝聴しながら、民営化の形態論につきまして十分なるディスカッションをしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
 そこで、御指摘のございましたような助成措置等につきましてもどういう方法で助成措置が講じられるのか、そういう観点につきましてもその協議会を通しまして議論をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#115
○中川(嘉)委員 民営に関しての一方的な判断といいますか、これは行ってはならないことは当然なんで、ただ、民営化に対する県民の意見というものを十分聞いてというお話ですけれども、これはどうですか、それじゃ、いままでまだ十分に聞いておられないのか、どの程度聞いておられるのか。これは期限切れとなるのは昭和五十七年ですから、それを目前にして、いまここで県民の意見も聞かなければならないというと、まだ聞いてないと判断せざるを得ないのですが、その実態はどうですか。
#116
○森山(信)政府委員 いまからお聞きするというふうなニュアンスでおとりいただきましたら若干私の舌足らずでございまして、いままでもたびたび御意見としては拝聴しておるわけでございますが、現実に沖繩電力の民営化の問題が閣議決定されましたのは昨年の十二月二十八日でございまして、もちろんこの閣議決定の以前におきましても再三にわたりまして沖繩県の代表の方々の御意見は拝聴したわけでございます。しかしながら、いま申し上げましたように、昨年の暮れに閣議決定いたしまして、五十六年度末に民営化をするということが一応はっきりしたわけでございますから、なお一層のコンセンサスを得たいという意味で申し上げたわけでございまして、いままでのお考え方を全然聞かずに、それを閣議で決めて、これから話を聞くということだけではございませんで、さらに一層御意見を拝聴したいというふうに考えておる次第でございます。
    〔松浦委員長代理退席、委員長着席〕
#117
○中川(嘉)委員 それでは、北海道電力、沖繩電力に関しては、私は大体主な点としてお伺いしておこうと思ったことはこういったことなんですが、もう一点だけきょうは伺ってまいりたいと思います。
 政府の先ほど来のわれわれの質問に対する御答弁を聞いておりますと、たとえば再編の問題についても、通産省公益事業部長からの御答弁によりますと、従来の対策を遂行する努力、こういったものを今後とも続けてまいるというようにたしか伺ったと思います。また、資料要求等に対しては、単に方向性を示したい、資料要求はちょっと無理である、方向性についてそれを示したいというような程度にとどまった、こう思いますが、先ほど申したとおりの、期限切れというものはもう五十七年と再来年であるわけですから、このような将来の展望に具体性を欠いた政府の見解では沖繩電力の存立すら危うくなるんではないか、こういうふうに考えるわけで、こういう観点からも再編成の問題というものは重要な課題と言わざるを得ないと私は思います。エネルギー庁長官も、再編というよりも現行体制の不備というものを埋めていきたいというふうにたしか御答弁があったと思いますが、デメリットよりもむしろメリットが大きくなることを予測して再編というものを重要な課題とすべきじゃないだろうか、こう考えるわけなんで、政府としても真剣にこれを考慮されることを要望するわけですけれども、最後にもう一点だけ確認をしておきたいと思います。通産大臣からも御答弁いただいたわけですけれども、先ほどの御答弁に対して、将来ともそういった方向性といいますか、再編というものは全く考えられないのかどうか、最後にいま一度お答えをいただいて、きょうの質問を終わりたいと思います。
#118
○佐々木国務大臣 現段階では、先ほど答弁したとおりでございますけれども、経済のことでございますから、どういう景気変動が起こるかもわかりません。そういう際には、その時に応じまして考えたいと思います。
#119
○中川(嘉)委員 もう一点。そうしますと、経済の変動いかんによってこのような再編成ということもあり得るというふうに、私どもとしてはいまこの時点では解釈をしておいてよろしいかどうか、確認だけお願いします。
#120
○森山(信)政府委員 大臣からお答えがある前に、私から事務的に考えておりますことをちょっと申し上げておきたいと思いますが、先ほど来、現体制につきまして、いろいろとメリット、デメリット勘案の末、現体制がよろしいんではないかという御答弁をしたわけでございます。
 そこで、先ほど御指摘のございました沖繩電力の問題につきましては、現在は政府機関でございますから、一応九電力体制の枠外ということで九電力体制の問題とは切り離して考えておるわけでございます。ところが、御指摘のとおり、もうそう遠くない将来に民営化が現実の問題として起こってまいりますので、民営化されまして私企業という形になりますと、十電力体制になるわけでございます。
 そこで、私どもが事務的に申し上げております九電力体制あるいは電源開発株式会社という体制につきましては、現体制を維持することが適当であろうかという判断をしておるわけでございますけれども、沖繩につきましては、民営化の問題が、単独の民営化として議論した方がいいのか、あるいは一つの電力――まあ再編成というと若干語弊がございますけれども、電力企業との提携問題とかいうことが民営化の一つの条件としてあり得るのかないのか、こういう問題も含めて検討する必要はあろうかと思います。したがって、電力業界全体の問題としてとらまえるという見方よりも、沖繩電力の民営化に関します業界の調整問題ということは私どもは協議会の場で一応議論の対象にしていきたいということでございまして、その問題と九電力体制の問題は一応切り離して事務的には考えたい、こういう趣旨に御理解いただきたいと思うわけでございます。
#121
○中川(嘉)委員 以上で終わります。
#122
○井上委員長 多田光雄君。
#123
○多田委員 きょうは経企庁と通産の両大臣が来ておりまして、北海道電力、沖繩電力の集中審議でございますので、これを中心にして私お伺いしたいと思います。
 私自身も北海道出身というだけでなくて、これから諸物価高騰の大きな引き金になると言われております民間公共の電気料金の大幅な値上げ、しかもその先陣を切って北海道と沖繩が上がるということです。ですから、そういう意味では大変重要な委員会になるのではないかと私は思っておりますので、ぜひひとつ両大臣から、本当におっしゃるとおり物価を抑制するという立場からの真剣な御答弁をお願いしたいと思います。
 そこで、まず、他の委員も聞いておりましたけれども、物価の問題を経企庁長官に伺いたいと思うのです。
 卸売物価が去年の十二月で前年度比で一七・五%もアップして、文字どおり急騰しているわけですが、その中でまた政府の公共料金の値上げが相次いでいるわけです。物価の監視役としての経企庁がこの異常とも言うべき値上げラッシュに対してどういう措置をとるのか。昨日も演説なさいましたけれども、特にそれを経企庁長官にお願いしますのは、せんだってのある新聞で、これは一月二十四日ですからおとといになりますが、物価情勢は非常事態だというふうに長官はおっしゃったわけです。われわれ古い者にとって非常事態というのは戦争ということで、これはなまやさしいことではないと思いますね。福田さんのときに狂乱物価という言葉が出ましたが、狂乱物価よりも響きとしてはもっと深刻な響きであって、諸企業の利益云々よりもはるかにこれは優先する国策であると私は理解しているわけです。そういう点でもう一度経企庁の御意見を伺っておきたいと思います。
#124
○正示国務大臣 お答えいたします。
 御指摘のように卸売物価が大変な上がり方でございます。これはもう卸売物価に関する限り本当に日本は非常の事態と申し上げて差し支えないと思うのです。これを消費者物価に波及させないように全力を尽くさなければならぬし、いままでも尽くしてまいって、それが相当の効果を上げておることは多田委員もお認めいただけると思うのです。諸外国に比べましても卸売物価の高騰状態は大変でございますが、しかし、また、消費者物価の安定度もこれはちょっともうほかに例がないという事態になっております。そこへもってきて、いま御指摘のような電力、ガス等の値上げ問題が出てきておるわけでございます。そこで、私は皆さんの御関心というか御注意を引く意味でそういうことを申し上げて、今度の電力料金、ガス料金等の大幅な抑制にこれからも努力したいという気持ちを込めてああいう表現を使ったことを御理解いただきたいと思うのです。
 今日までは大変卸売物価が上がっておりますけれども、これは御承知のように大体海外からの輸入素原材料の一次産品というか、われわれはこれを川上、川中、川下にたとえて言っておりますが、川上では七〇%くらいの上昇、それが川中にくると二〇%くらい、消費者に近い川下にいくと四%、われわれの消費者物価の目標に近い、幸いなことにこういうふうに各段階で皆さん非常に御努力をいただいておるわけです。これは経営者も労働者の方もみんな一体になって、いまお話しのこの前の狂乱物価を再現しないように、また各国がいま陥っておるインフレの悪化した一種のスタグフレーションと言われておるような事態にならぬようにという、本当に日本国民の涙ぐましい努力の成果だと私は思っているのです。この努力を続けていけば来年度の目標も大体において達成できるのじゃないかという希望と念願を込めて、いま通産当局また経営者、労働者の方一体になって電力料金についてもいまの基本的な条件を崩さないように何とかこれを切り抜けて物価の安定した状態を保っていきたい、こういうことで申し上げておりますので、本日こうして異常な物価対策特別委員会をお開きいただいた気持ちとも完全に同じ気持ちでこれからも努力していきたい、こういうことでございます。
#125
○多田委員 私も物特の場をかりまして何度か物価の問題をお伺いしたのですが、いつも経企庁の皆さんの御発言は大体判で押しているような感じがするのです。というのは、いままで卸売物価は依然騰勢にあるけれども消費者物価は安定している、こういう御説明がよくあるのですよ。そして大臣は川中、川下、川上論をいまおっしゃったわけですけれども、たとえば私の住んでいる北海道の灯油――これはエネルギー庁長官にしばしば要望に行くのですが、灯油は倍以上です。これはもう川中、川上くらいですよ。どれくらいかといいますと、東京ですと御存じのとおり十八リットルを一かんと言いますが、北海道電力のある北海道では二百リットル入るドラムかんを一かんと言って、道庁の発表でも年間平均して十本半です。きのう札幌の市会議員が超党派で灯油問題で要請に来まして資料を見ましたが、やはり十本半です。そうしますと、昨年の六月に六千二、三百円のドラムがいま一万三千円ですから倍以上です。ですから仮に労働組合の言う八%の賃上げがありましても、暖房費だけでこの半年に六万三千円から十三万ですから、まさに七万あるいはそれをオーバーする値上がりなんです。こういう値上がりを見ていると、大臣のおっしゃったように川下にいけば四%程度というお説がどんなにむなしいものかということを道民は生活を通じて感ずるのです。これは東北も同じだと思う。佐々木通産大臣も東北でいらっしゃるから、私はそういう点は御理解願えるのじゃないかと思うのです。
 そこで伺いますが、電気料金のもらった資料によりますと、消費者物価に与える影響を見ると、電気料金が約六〇%上がった場合に一・〇六という数字が出ているのですよ。相当なものですね。これは直接影響だと思います。間接影響を含めてどれくらい消費者に影響が出るでしょうか。物によっては二という数字も出ているのですが、どなたか答えていただけますか。
#126
○藤井(直)政府委員 電気料金の値上げに関しましては、電気が国民生活にストレートに影響するだけでなくて、産業を通じてもその影響が出てまいりますので、いわゆる直接効果のほかに間接的にも物価に大きく影響してまいることは御指摘のとおりでございます。
 ただ、その数字の問題になりますと、産業連関表等を通じていろいろ計算されているわけでございますが、間接的影響の問題になりますと、もともと産業連関表での数字というのは、全部の品物に一斉に価格の上昇が転嫁されてすべて実現されるという前提に立っておるわけでございますから、そういうことになりますとタイムラグの問題も捨象されておりますし、さらにまたエネルギーが上がった場合の節約の効果だとか代替、そういうことも当然出てまいりますのでそういう要素も考えなければいけませんし、需給要因がそれぞれの物資についてどういう状況にあるかによってもその影響の程度が変わってまいりますので、私どもとしては、間接的影響につきましてコスト面からだけの影響をとって一概に議論することはできないと考えております。一般的に間接的影響は、産業連関表の数字につきましては大体直接的影響と同じくらいと言われておりますが、ただいま申しましたようないろいろな条件を考えなければなりませんので、私どもとしての数字を一概に申し上げることはできないということであります。
#127
○多田委員 私は二くらいかと思っていたら、その倍くらいということですから、ポイントでなおふえてくるわけですよ。これは相当な産業界に対する影響、それが消費者物価にくることはだれでもがわかることだというふうに思うのです。
 そこで、私はやはり疑問に思うのは、きのうも長官あるいは総理もおっしゃっていた、消費者物価を経済計画でもって六・四%ですか抑えるということですが、これも各委員がおっしゃって二番せんじみたいなんですが、ともかく民間の金融機関の推定しているのは相当なものですね。たとえば、一々企業を言うのはあれですが、野村総研が九・三、三菱が八・九、山一証券が九・二、富士銀行が八・七、それから皆さんがよくつき合っておられる経団連、ここでも七%以上なんですよ。こういう値上がりの状況なんですね。こういう異常な値上げを抑えるのにはそれだけの必要な措置が要る。きのう、英断だとか勇気という言葉を大変美しく語っておられましたけれども、どうも私はその英断や決意というものを感じないのです。今日、物価が上がる、ところが一方は不況という。かつて世界の経済が体験しなかったスタグフレーションというきわめて異常な、しかもその良薬がないと皆さんがおっしゃる危機にぶつかっているわけでしょう。だから八〇年代が霧の中にあるわけですよ。そうだとすれば相当思い切った物価対策というものをとらなければだめだと私は思うのです。
 そこで、非常にささやかな要望ですけれども、先ほど言いました灯油、この問題についてはエネルギー庁長官も再三受けているはずですが、たとえば政府自身が抑える法律を持っているのです。石油需給適正化法だとか、あるいは生活物資の買い占め売り惜しみに対する緊急措置法を持っているのですね。ところが、これについて一向に発動なさらない。これをやれば節約ができないと思っているのか、あるいはまた外国からいちゃもんがついて油が入ってこないというふうに思っておられるのか。それはいずれも皆さんが考えておられるのじゃないだろうかと思います。私は立ち入ってすぐに論議する時間がありませんが、こういう法律を発動して、せめて冬場を迎えた東北、北海道、関東もそうですが、その灯油の不当な値上がりを抑えるだけの勇気と決断をお持ちなのか。私があえて不当と言ったのは、明らかに便乗値上げと思われるものがこの国会でも論議になっているのです。ところが、それに対しては皆さんから正当な反論がないのですよ。そういう意味で、そういった石油二法を発動なさる勇気をお持ちなのか。それから、先ほども同僚議員が言いましたけれども、本当に値上げは不当かどうかを調べるのには原価の中まで立ち入らなければできないのです。ところが、国権の最高機関である国会でもその問題が明らかにならないのですね、守秘義務と言われて。そういうものの一端を出して、本当に国会審議のまないたにのせてくださるのかどうなのか。これを佐々木通産大臣や正示経企庁長官がやってくださるならば私はその決意を買うし、日本の物価にも一縷の明るい望みが出ると思いますが、いままでおっしゃった内容ではこの五年、六年来と同じように一向にこれは変わらない、そう私は推測している。これは推測じゃありません、国民もそう思っている。その点、両大臣から、こういう異常なときであるだけに皆さんは本当の勇気と決断を持ってそういうことをなさるのか、なさらないのか、あるいは閣議でそういうことを問題になさるのか、そういうところで御努力なさるのか、私はその御意見をまず聞きたいと思います。
#128
○森山(信)政府委員 灯油の問題が出ましたので、事務的に私からお答えを申し上げたいと思います。
 ただいま多田先生から御指摘のございました石油需給適正化法発動の問題につきましては、私も再三申し上げておりましたように、現段階におきましては発動する考え方はないわけでございます。と申しますのは、先生もよく御承知のとおり、需給問題に関連いたしまして、需給にかなりな問題があるというときに発動するというのがこの法律の考えでございまして、私は、石油の需給に関しましては、現在は非常にうまくバランスがとれている、こういう判断をいたしております。もちろん、御指摘の価格問題は別個の観点としてあると思いますけれども、需給に関します限りは現在も相当な量の、依然として六百万キロリッター以上の在庫もございますし、それから原油につきましても着々と入っております。昨年一年間を振り返ってみましても、二億八千万キロリッターという供給計画は、計画どおり原油を購入いたしましたし、灯油につきましても生産は順調に行われましたし、いま申し上げましたように在庫もたっぷりあるわけでございます。そこで、需給関係から規定されました石油需給適正化法をいま発動する要因は全くない、こういうふうな判断をしておるわけでございます。
 なお、価格の問題につきまして、この一年間の原油の値上がりが大体二・三倍という形でございましたから、その分を反映いたしました価格の上昇はやむを得ないのではないかということでございます。
 いま多田先生から御指摘のございました便乗値上げという問題につきましては、たとえば、石油製品は国際商品でございますから、諸外国におきましては産油国における値上がりと同時に製品の値上げを実施している国々が多いわけでございますけれども、日本におきましてはそれはやはり困る。従来のパターンが、一定の期間たった後でないと原油の値上がりを認めないというパターンでございましたので、その分は、日本におきましては引き続いて一定期間後に値上がりを製品に反映するというシステムをとらしていただいているわけでございます。そこで、便乗と申しますのは、そういった従来の指導方針に反したような値上がりをいたしますと、それは明らかに便乗ということになりますし、そういうものにつきましては十分なる監視を続けていくということでございまして、くどいようでございますが、需給の面からする問題性は、需給適正化法発動の段階ではない、こういうふうな判断をいたしておる次第でございます。
#129
○多田委員 私は大臣にお伺いしているのです。やはりここで大臣の決意が大事ですからね。しかし、長官がそうおっしゃったから、私も一言述べておかなければならないと思うのですよ。
 私どもこの二法の適用を要求したのはきょうが初めてじゃないのです。一番油がないとき、そういうときからこのことを発動してほしいということを申し上げてきたことは、もう長官一番よく御存じのはずなんですよ。今日、備蓄があるということは百も承知です。だから問題をそらしていただきたくない。それから、たとえば石油製品は典型的な連産品ですから、その連産品の一つ一つの値段を原価の段階で調べるのは大変だろうと私は思うのです。ところが一方、灯油はべらぼうに上がっていく。それから大手筋の使うC重油は原価割れで売っているという事実だってあるじゃありませんか。そういうものにどういうメスを入れているのですか。私はあえて、時間もありませんからこのことだけ言っておきたいと思う。ともかく私は両大臣に、先ほど申し上げました二法の適用であるとか、あるいは原価の一定の公開ということに踏み切られる、そういう措置を物価問題を本当に鎮静させるためにおやりになるかどうか、これを伺っているのです。
#130
○佐々木国務大臣 先ほどから長官もお話し申し上げましたように、もしそれ需給がアンバランスであった場合には、いかなる統制をしようと、それは物価の面ではえらいことになります。ですから私どもは、まず物の需給を完全にしよう。いまの段階では、灯油に対しましては供給は十分ございます。ですから、需給さえ適正なものであるならば、価格そのものは市場価格で当然おさまるところにおさまるべきじゃなかろうか。ただ、原油が上がっておりますから、上がった原油の分だけはあるいは上がるかもしらぬ。しかし、そこまでは、実際は灯油そのものは原油の値上がり率ほどは上がっていないと私どもは承知しておりますけれども、その間におきまして先ほど申しました適正化法等を発動してすぐ価格の取り締まりに入るということは、まだ決断をするには事態はそこまでにはなっておらぬというふうに考えておりますので、発動する用意はございません。したがいまして、いまの灯油の需給バランスがある間はやはり市場操作でおさまるところへおさめるのが一番妥当じゃなかろうかと考えているわけでございます。
#131
○正示国務大臣 お答えいたします。
 多田委員が御指摘の点についてわれわれは等閑に付しておるわけではありません。物価関係の閣僚会議あるいはエネルギー関係の閣僚会議、そのときどきに原油の入手状況あるいは灯油の需給状況、その価格状況、これはもう非常に熱心に点検をいたしまして、今日これは、いま通産大臣が申しましたように、そういう法律発動の状態ではない、こういう判断を固めてやっておるわけです。昨日の私の国会における演説でも、自由な市場機構、これを前提にしてやっていくということが非常に大事である、それをいたずらに時期を早めて法律を発動して統制に入っていくということは、私どもとしては最後の最後までそういう事態は避けて、自由競争でもって経済の活力を維持しながらこの事態を乗り切っていかなければならぬ、こういう信念で申し上げていることでございますから、決してわれわれは、そういうことについて関心がないというわけではございませんので、お答えをいたします。
 なお、C重油と灯油の問題はエネルギー庁長官からお答えをさせていただきたいと思います。
#132
○多田委員 それはよろしいです。
 それでは次に移ります。
 北電の問題ですけれども、電力料金の場合地域独占であって、公益事業として規制を受けて通産大臣の認可が必要になっているわけです。そこで、電気事業者の一方的でまた勝手な料金値上げを防止する目的で、それがすべてじゃありませんが、主要な目的でこういう認可事項となっているはずですね。そう思いますが、いかがですか。
#133
○安田(佳)政府委員 電気事業の料金が認可制にかかわっているゆえんは、一方において電気事業の健全な発達と、他方において需要者の利益というものを調和きせるために認可にかかわっているということでございます。
#134
○多田委員 そこで、北電の社長さんが記者会見で、予想よりレートは厳しくなった、通産省には増額査定を願っているということを述べているわけです。これは地元の新聞でも発表になっているわけです。それから通産省と経企庁は、新聞報道を見ますと、原価の算定期間を申請の二年から一年半に減縮するというような意向も出ているわけです。これは当の値上げの張本人である北海道電力の申請にも入っていない。いま部長のおっしゃったように、地域独占である料金を抑制し消費者を保護する、これは目的の一つですね。それがあるにもかかわらず、もし政府が原価期間を一方的に縮めてやるというのは、私はきわめて不当だと思うのです。北竜の申請にも載っていない増額査定や原価計算期間の縮小などを通産省の方から一方的に認めるということは、私はあり得ないと思うのですが、これは大臣どうでしょうか。おわかりにならないですか。
#135
○安田(佳)政府委員 まず事務的にお答えさせていただきたいと思います。
 料金の値上げ申請率が北電の場合は三八・八%でございますが、それをさらに上回るような料金を査定いたしますと、それは適当ではないではないかというふうに考えています。しかしながら、燃料費など原価構成要素の増額につきまして、あるいは原価計算期間を変更することによりまして料金の査定率が申請率を上回らないという限りにおきましては、これは問題がないというふうに考えております。
#136
○多田委員 その問題がないというのは、どういう根拠に基づいて問題がないというのですか。ともかくこれだけ物価が大問題になっているときに、北電としては生死をかけてぎりぎり三八・八%だと申請してきた。ところが、皆さんがそれをまだ認可していないのですよ。査定の中でいろいろな変更をなさっている。一体何に基づいてそれをやっているのですか。
#137
○安田(佳)政府委員 料金が認可にかかわる部面につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、そのような観点からいたしますと、現に燃料費が上がっておりますと、それを盛り込まないと電気事業の健全な運営が図られないということもございます。
 他方、需要者の利益というものも守らなければならないわけでございますが、この点につきまして、料金の値上げ申請率を上回る場合におきましては、それは問題があろうかというふうに考えております。申請率を上回らない限りにおきましては問題はないというふうに考えております。
#138
○多田委員 いや、だからそれは何に基づいてそうおっしゃっているのか。上がるものであれば大変だけれども、上がらない、申請の中身の中だけの操作ならば問題ないだろうと思うのだけれども、問題ないというのは何に基づいて問題ないとおっしゃるのですか。どういう法律か何か、あるいは常識なのか、そこを私はちょっと伺っているのです。
#139
○森山(信)政府委員 電力会社が料金改定の申請をいたしますのは御承知のとおり供給規程の改正でございまして、供給規程の変更に伴います変更率がただいま部長がおっしゃいました三八・八三%でございます。その中に占めます原価の構成は三八・八三の内訳といたしましてアタッチされた要素でございますので、私どもは供給規程といたしましての三八・八三というものは当然申請の枠である、こういう理解をいたしておりまして、その中に占めます原価の構成比率は構成要素としては考えますけれども、これが供給規程とイコールのものとは考えてないわけでございます。供給規程の変更はあくまでも三八・八三という数字が供給規程の変更だ、こういうふうに理解いたしておりますから、その中に占めます原価の構成比率につきましては査定時におきまして原価主義に基づいて査定をいたす、こういう方針でございます。
#140
○多田委員 これも新聞報道なんですけれども、新聞報道ではいろいろなことが出ているのですね。これは二十三日のある新聞ですが、これは御丁寧にこう書いていますね。「通産省、同省と協議した経済企画庁は、」とこうまで書いてあるのですが、「原価の算定期間を申請の二年から一年半に短縮する」、それから「減価償却方法を現行通りとする」現行どおりというのは定額法ですね。それから「今後の円とドルの為替レートも同社の見通しよりやや円高に見込む」というようなこともあるのですが、このすべてがどうか私はわかりませんが、こういうような方向で皆さんは申請者の北電ともいろいろ話し合っておられるのですか。
#141
○森山(信)政府委員 私どもの査定をいたします考え方につきましては、当然お話をするわけでございます。つまり、査定をこういう考え方でしたいということはお話し合いの対象になるわけでございます。ただ、その申請されましたものが一方的な査定ということになるのではなくて、補足申請というような形で申請が再度行われる、こういう事務的な手続がございます。
 したがいまして、先ほどお答え申し上げましたように、供給規程の変更の申請がありまして、その中の構成要因である原価が変わった場合はそれを補足で再申請をしてもらうということでございますが、三八・八三という供給規程の変更の数字そのものをアップするということになりますと、これは公聴会等で議論いたしました供給規程の説明と食い違いますから、それは認められません。申請の要素になりました、原価算定の要素になりました各費目につきましての変更は、あくまでも申請の補足申請という形で出させるというのが事務的な実情でございます。
#142
○多田委員 ところが、北電は三八と言う、出されてくる政府筋からのあれでは三四・何%にする。すでに申請の額と違ってきているじゃありませんか。そういう報道がなされているのです。しかも私、どうも奇妙なのは、これは大臣に伺っておきたいのですが、これは公聴会が法律的に義務づけられていますね。その公聴会でもうこれ以上どうにもなりません、会社は危ないのですと出されている、原価計算で。それで皆さんが、県民、道民が参加して論議されてきているんですよ。ところが、この値上げの額が上がったりなんかしない限りは原価計算で少々のあれがあっても構わないんだというような御説明では、道民や国民は一体何を基準にして値上げの正当性を判断できるのですか。そうでしょう、こんなことはだれでもわかることなんです。だから、私は本来は値上げ反対ですよ。後で申し上げますけれども、値上げの内容に大変疑義がありますから値上げ反対です。しかし、値上げは反対であるけれども、こういう問題が出てきたならば再申請させる、原価が狂っているのですからもう一度公聴会にかけるなりさせるのがこの公聴会の法律の趣旨だと私は思うのです。ところが、値上げの額さえ動かなければ原価は少々いじっても問題ないというのだったら、これほどペテンにかけた言い分はないです。しかも、それは政府がそんなことを言っていらっしゃるのだったら、これは私は大変問題だと思いますが、経企庁長官、どうでしょうか、私の言っていること、意味を御理解いただけると思うのですが……。
#143
○安田(佳)政府委員 電気料金の値上げの申請と通常言っておりますが、これは電気供給規程の変更というものを事業者が提出するわけであります。この電気供給規程の変更についての認可でございまして、先ほど申しました三八・八%といいますものはその供給規程変更の根拠を示す添付資料でございます。したがいまして、電気供給規程の変更の中身であります、たとえば定額電灯につきまして、一契約につき四十五円とかそういう申請内容を上回らない限りにおきましては、これは変更というものは行うことは差し支えないというふうに解釈されます。
#144
○多田委員 それはどこにあるのですか。電気事業法の何条ですか。
#145
○安田(佳)政府委員 電気事業法の第十九条に「供給条件について供給規程を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない。」ということになっております。「これを変更しようとするときも、同様」でございます。
#146
○多田委員 これは私もちょっと疑問に思ったから衆議院の法制局に聞いてみたのです。そうしたらわからないと言うのです。まあ実務者じゃないからそう言うのでしょうが、ぼくもこの法律の解釈に迷ったのです。あなた方はそう解釈しているのですか。いまおっしゃったように、確信を持ってそう言えますか。
#147
○安田(佳)政府委員 その十九条の規定に基づきまして、そして二項におきまして「通商産業大臣は、前項の認可の申請が次の各号に適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。」そして一に「料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。」ということが書いてございます。これに適合しておりましたら、これは認可をしなければならないことになります。
#148
○多田委員 それは出して、査定をされて、これで行こうというときならわかりますよ。目下査定中じゃありませんか。まだ認可も出ていない。本当はきのう出る予定だったというのですね。それが延びているのでしょう。そういう最中に通産省がリードして、こうやったらいい、ああやったらいいというのは私はどうも腑に落ちない。通産省が企業寄りだと言われるのはここなんですよ。どこにこんなめんどうな指導を受ける中小企業がおるでしょうか、原料は高いから適切にしろとか。私はそういう意味でこの点ひとつぜひ大臣にお願いしたいのは、ともかく原価構成が変わるのですから、その出された原価構成で公聴会をやってきて査定をしておられる。ところが、その原価が単に添付書類であるということで軽く片づけられてしまって、下がるのであれば問題ないのです、こういうやり方はまことに公聴会を決めた法の精神と違ってくるというふうに思うのですよ。そういう点でぜひひとつ大臣にお願いしたいことは、北海道電力に再申請させる、そして正当な大衆的な、国民的な討議をもう一回やる必要があるのではないか。なぜならば、こんな調子で九電力全部やられてしまったらしょうがないですよ。私は通産大臣にお伺いするのですが、こういうやり方が、これだけの非常事態だと言い、総理も経済閣僚も第一に国策としてやらなければならないのは物価対策だと言っている、その物価の引き上げの大きな引き金の要因の一つとなっている公共料金、その中で最も大きな電気料金の値上げをこんなことでやられたのでは国民は納得できないですよ。大臣、そうお思いにならないでしょうか。
#149
○佐々木国務大臣 私は法律論じゃなくて実態論だと思っておりますけれども、北電の出しました燃料費の考え方はOPECの十二月十七日の会議の事前でございまして、会社の経営上とても期間的な余裕がないというので、本来であればOPECの値上げに対するてんまつを見て出すのが至当だと思いましたけれども、そうじゃないものですから、その会議が出て、実際の原油に対する大勢というものが判明してきた、それをもし無視してやった場合には、日ならずしてまた改善しなければいかぬというようなことでは大変かえって消費者にも迷惑がかかるでしょうし、申請した枠の範囲内であるならば、そういう申請はできますれば修正して、そしてしばしばの改正というものはせぬでも済むようにしていくのが一番よろしいのではなかろうかということでそういう措置をとったものというふうに私は解釈しております。言うなれば国民経済あるいは北海道の住民の皆様にその方がむしろいいんじゃなかろうかという大局的なる判断に立ってこういう措置をとったものだと解釈しております。
#150
○多田委員 それでは大臣、三八・四%ですか、北電の値上げの枠の中ということですから、それよりも安くするということは考えておられるわけですね。そういう認可はいつお出しになるのですか、延びているようですが。
#151
○佐々木国務大臣 三八・八三のことを私、言っているのでございます。
#152
○多田委員 そうですが、失礼しました。安くするのか、そういう認可はいつお出しになるのかということを聞いているのです。
#153
○佐々木国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、できますればなるべく早く物価対策閣僚会議の審議を経まして認可したいと思っております。
#154
○多田委員 物価対策閣僚会議はいつお開きになるのですか。
#155
○佐々木国務大臣 なるべく早くということで、そんなに一月も二月もかかるわけではございません。
#156
○多田委員 それじゃ、ちょっともう少し立ち入って設備投資の中身について伺いたいと思っております。
 北海道電力の通産省に出した計画では、昭和六十三年には設備計画では七百六十一万キロワットとなるのですね。これは間違いありませんね。部長、資料を出していますか。
#157
○安田(佳)政府委員 大変恐縮でございますが、いま数字がよく出ておりませんので……。
#158
○多田委員 いや、なるのですよ。それに書いてある。昭和六十三年の設備計画、規模ですね。七百六十一万キロワットです。
#159
○安田(佳)政府委員 ただいま六十三年の七百六十一万キロワットを探しておりますが、六十三年度の数字は、さほど固まっている数字ではなかろうというふうに考えております。
#160
○多田委員 それからもう一つそこで探してもらいたいのは、昭和六十三年度における北電の最大電力、これは五百二十七万キロワットになっているのですが、間違いありませんな。
#161
○安田(佳)政府委員 大変申しわけありません。これもいま数字を探させていただきますが、全体的な数字のバランスから見まして、おおむねこの程度の数字ではなかろうかというふうに考えております。
#162
○多田委員 そこで、御確認いただいたので進めるのですが、この六十三年の設備、まだ固まってないというような御発言ですけれども、私はあえて、北電が皆さんのところへ出している資料ですから、これに基づくのですが、どうも過剰設備の疑問がありまして、私どもの党の北海道の組織が昨年北海道電力に対して質問状を出したのです、何点か。それに対して昨年の十二月末、北海道電力から回答が来ているわけです。疑問があるじゃないかという質問に対して北電本社の回答は、ここに私持ってきておりますが、こういうことです。「設備計画について 電源設備計画にあたっては、前記の最大電力をベースとし、供給予備力のほかに安定運転のために必要な定期補修、水力発電の河川流量の委節変動による減少分、送電損失、所内用電力などを見込んでおかなければなりません。」この後なのです。「このため設備は、少なくとも想定最大電力の一・三倍以上は必要となります。このほか、老朽火力の能力低下も考えておかねばなりません。」というふうに書いているのです。
 そこで、北海道電力の言う最大電力は、そこに書いてありますけれども五百二十七万キロワットです。それの一・三倍の施設としますと六百八十五万キロワットなのです。いいですか。いろいろな要素を含んで一・三倍あればいい。大体一・三倍というのが電気業界の技術的な一つの目安だということを私聞きましたから、これは間違いないと思います。そうしますと、北電の一方の文書には七百六十一万キロワットが六十三年に必要だ、われわれに対する回答では六十三年の最大電力である五百二十七万キロワットの一・三倍で十分間に合う。そうなるというと、この数字の間に何と七十六万キロワットの差があるのです。七十六万キロワットといいますと、北電の建設費を見ても大体十六、七万になっていますね。二十万ぐらいになっているかもわかりません。わかりやすく二十万で計算しますと、百五十億円以上になるのです。これは過剰設備ではないのか。というのは、皆さんも御存じだと思いますけれども、北電の予備率は大体一六%ですね。これは九電力の中で最高なんですよ。そういうものを持っておりながら、なおかつ一・三倍をしてこれだけの余剰が出るのです。これを皆さんどう解釈してくださるのでしょうか。
#163
○安田(佳)政府委員 先生のおっしゃった数字についてはどういう数字かいま調べておりますが、先生御指摘のように、最大電力量に対しまして年度末設備は一・三倍というお話があったわけでございます。この御指摘は、一つの目安として私どもも考えておる数字でございます。おおむね一・三倍という数字を考えております。しかし、この一・三という数字につきましては、他社に比べまして若干高い予備率を持つ必要性があるとかいう特別の事情等も考慮して、変動することはあり得ることではないだろうかというふうに考えております。
#164
○多田委員 大変あいまいなんですね。最高の予備率を北電が持ち、そして北電自身が――私は自分の勝手な数字で言っているのじゃないのです。北電が皆さんに対して出した数字、われわれに対して回答した数字、それでわれわれは試算しているのですよ。それでもなおかつ七十六万キロワットという余剰が出るという点、これでざっと計算しても百五十億違うのです。ともかく五十銭、一円の値上がりがどんなに大きな数字になるか、皆さん一番よくわかっておるわけなんです。こういう決め方が本当に物価を安定させるという通産省の所管のやり方なのか、通産省というのはそういうやり方なのかという疑問さえ私は持つのです。大臣、どうでしょうか。
#165
○安田(佳)政府委員 ただいま先生御指摘の六十三年につきましては、手元に数字を持ち合わせておりませんが、念のため五十四年、五十五年、五十六年のことにつきまして申し上げますと、この数字につきましては一・三一から一・三九くらいの数字でございまして、それほど大きな目安との乖離はないというふうに考えております。(多田委員「それほどってどれぐらいなの、あなたの言っておるのは」と呼ぶ)一・三一から一・三九ぐらいの数字でございます。
#166
○多田委員 六十三年はあなたの資料はないの、きょうは北海道電力の集中審議をやっておるときなんですよ。
#167
○安田(佳)政府委員 いま手元にあります資料をいろいろ調べましたが、先ほど先生御指摘の数字をまだ見出すことができませんで、私どもの手元にある数字におきましては、少し違った数字が……(多田委員「六十三年のです」と呼ぶ)六十三年につきましても違っております。(多田委員「どこが違っているの」と呼ぶ)たとえて申しますと、最大需要電力につきましては五百二十七万……(多田委員「ぼくは五百二十七万と言わなかったかい。」と呼ぶ)五百七十二万とおっしゃったと思いますが……(多田委員「五百二十七万だ。もしぼくが間違っていれば、それは直してください」と呼ぶ)失礼いたしました。それは一致いたしております。
#168
○井上委員長 多田君、委員長の許可を得て発言してください。
#169
○安田(佳)政府委員 失礼いたしました。これは私の聞き違いでございまして、五百二十七万で一致いたしております。最初に先生が御指摘になりました七百六十一万キロワットという数字が私どもの手元にはないわけでございます。
#170
○多田委員 七百六十一万、探してください。先ほどもし私が五百七十二と言ったのなら、間違いです。五百二十七です。それで一・三倍で六百八十五万キロワット、こうなって、先ほど言った七十万キロワットの余剰が出るわけです。そっちの方で数字が合わなければ話が進まないので、早目に探してください。
 そこで、大臣にお伺いしたいのです。こういう問題が本当に厳密に査定されているのかどうなのか。というのは、私、またここで言うのは大変恐縮なんですけれども、佐々木通産大臣がこの間参議院で御訂正なさった。大臣が与党のエネルギー調査会長ですか委員長ですか、なさっているときに、北海道電力の値上げは当然だ、やむを得ないというようなことをおっしゃって、そして参議院で、それは不当であるということで大臣はこれを訂正なさっておるのです、小笠原貞子議員の質問に対して。だから、最初から値上げということで厳密にその問題を調査なさっていない。原油が上がったから、諸物価が上がったから、上がるのはあたりまえだというようなことで話を進めているのじゃないか、事務当局が少しは精査しているのじゃないかと私は思うんだけれども。そういう意味で私は、厳密に査定をしてもらいたいというふうに要望を申し上げておきます。これで大臣の答弁はよろしゅうございます。
 時間も来ましたので、あと一問ぐらいです。
 先ほどの答弁でも、できるだけ抑制したいというふうに答えておられるわけですが、値上げの大きな根拠の一つになるのは資本費。その資本費の中でとりわけ減価償却の増大が非常に著しいわけですが、北電の場合、これを一部、定額から定率へと導入しているわけですね。そしてこのことによって、北電の場合で二年間に約百七十億円、正確に言えば百六十九億九千七百万円、これだけの増を出しているわけですよ。この百七十億円といいますのは、北電は資本費と燃料高騰を大きな理由に挙げているのですが、原価算定期間の二年間の資本費、合わせて千八百十二億です、この資料を見ますと。そのうちの一割ですよ。しかもこの一割が、いままでの定額を定率に切りかえていく。言うならばちょっとした操作によってこれだけの大きな違いが出てくるのですね。まさにこれはぬれ手にアワですよ。つまり赤字を何とかしつらえなければならぬ。そして早目に償却しなければならぬ。償却すれば、ここ二、三年、料金値上がりが正当化されるという気持ちが見え見えなんです。これは公聴会でもずいぶん大きな問題になりました。こういうことをそのまますんなりと許して、いや、定額よりも定率法がいいんだというような御発言では、これは余りにも安直だ。こういう姿勢で物価を安定させるということは不可能だろうと私は思うのです。大企業本位というのはこういうところにあるのですよ。これらの問題についても厳密なメスを入れていただいて、本当に物価を安定させるためには、もしこの新聞にあるのが政府の意向であるならば、つまり定額法で現行どおりでいくというのであれば、そういうものをきちんと守らせるという御決断や御決意があるのかどうなのか、これを私は、大臣それから経企庁長官、同じ経済閣僚ですから、お伺いしたいと思います。
#171
○森山(信)政府委員 ただいま御指摘のございました償却方法につきましては、私は、きわめて大きな問題だというふうに思っております。そこで、会社側から申請がございました定率法導入につきましては、慎重な配慮を現在考えておるわけでございまして、この取り扱いにつきましてはそう簡単にいく問題ではない、慎重に取り扱いをいたすという考え方でございます。
 なお、電気事業審議会の料金部会におきまして長年御審議いただきました結果、定率法を導入することは好ましいという御答申はいただいておりますけれども、その御答申の中にも、料金の値上げにつきまして影響のないような配慮を払うべしという御答申もございますので、そういう点を考慮しながら、この点に関しましては慎重に取り扱いをさせていただきたい、かように考えておる次第でございます。
#172
○多田委員 もう一つ、内部留保の退職給与引当金ですけれども、これも相当なものになっているというふうに私ども見ます。北電の場合、昨年、五十四年九月期で二百九億八千三百万の退職金の引当金を持っておりまして、そしてさらに今度の原価申請でも、百二十三億七百万を積み増しすることになっています。これも資料に出ていますので、時間がありませんので一方的にあれしておきますが、従業員が一度にやめてしまう、それの半分の引き当てということになるわけですが、これが不公平税制の最たるものの一つとして、政府も今回の税制改正では、半分じゃなくて四〇%にするというふうな改善策はとられておるわけですが、この点は、今度の原価計算の場合に、新しく改定される税法の改正に基づいて皆さんおやりになるのでしょうか。
#173
○安田(佳)政府委員 昭和五十五年度の税制改正におきまして、政府案では経過措置を置きました上で退職給与引当金の累積限度額を五〇%から四〇%に改正する法案を提出すると考えているというふうに伺っております。今回の料金算定上におきますこの引当金の取り扱いにつきましては、税制改正案を踏まえまして慎重に検討を行っているところでございます。
#174
○多田委員 この引当金はいま五〇ですね、これをせめて二五%ぐらいにしろというのが私どもの党の主張でもあるわけですが、そういう点、ぜひ厳密にやっていただきたいと思います。
 最後に、今度の料金算定を見ますと、北電の場合、一般家庭用の一キロワット当たりの単価が二十六円八十銭、ところが大口電力は十四円ぽっきりです。家庭用は大口の二倍の高さもあるわけですね。その安い料金の大口電力の中に、さらに特別安くなっているのが特約料金です。今回の申請から需給調整電力と名前が変わったけれども、実質は特約料金であることは間違いありません。これが、一キロワットアワーが五十四年度で九円五十五銭です。特約料金では、新日鉄、大昭和製紙などの大企業と供給規程に基づかない特別な契約を行い、電気の供給を安く行っているわけですね。これも相当な額になるのですね。この特約料金を家庭用並みとはいかなくても大口電力並みにすると、北電の場合、大ざっぱに試算しても二年間で約二百億円ぐらいになるわけです。これだけのものが結局原価に積み重なって、そして庶民の電灯にかぶさっていく、こういう内容があるのですね。ですから、私は本当にここも皆さんのメスを入れていただかなくちゃいかぬというふうに思います。
 最後に、二月一日認可の声もありますけれども、しかしこういう内容では、私どもはこれは絶対容認するわけにはいきませんし、先ほど来申し上げますように、諸物価高騰の今日の情勢では、本当に政府が慎重にやっていただきたい。なぜならば、北電の値上げが次に他の八電力、これはもっと大きいわけですね、これに大きな影響を与えていくわけです。そういう点で私は三つのお願いをしたいと思います。
 一つは、認可を急ぐなということです。それから、北電に対して五百四十万道民に納得のいくものを示してもらいたい、それを指導してもらいたい。三つ目としては、政府として公共料金値上げにはもっと厳密な、公正な態度をとっていただきたい。この三つを私はお願い申し上げるわけですが、これに対して両大臣から最後の御答弁をお願いしたいと思います。
#175
○佐々木国務大臣 申請の際の何日までにできれば許可していただきたいという会社側の希望を付しているその理由は、会社の経営自体がもうもたぬという非常にせっぱ詰まったところで九電力に先駆けて出しておるわけでございますから、私どもといたしましては、延ばせば延ばすほど会社の赤字もふえていきます、とうてい安定供給にたえぬというところまでやったんでは、これは道民自体が大変なことになりますから、ですからそういう点もかみ合わせましてできますれば早く許可してあげたいと思いますけれども、しかし、仰せのように急ぐ余り粗漏であったり不公正であってはこれは問題になりません。そういう点がないように慎重に、いままであらゆる機関で注意されましたそういう点は十分踏んまえましてやらせる所存でございますので、不公正の面はまかりないものと私は承知して、ただいままで作業しておると思っております。
#176
○正示国務大臣 今後ともきょうの物価対策特別委員会のいろいろな御議論を十分考慮しながら厳正に結論を出したいと考えます。
#177
○多田委員 終わります。
#178
○井上委員長 塩田晋君。
#179
○塩田委員 民社党の立場におきまして、電力料金の値上げについて御質問いたします。
 私たちの立場は、この電力料金の引き上げはぎりぎりの低い線でできる限り抑えて認可をしていただきたいということでございます。これは基本的な立場でございます。それは、電力料金が国民生活に直接影響のあるものであり、また間接的にもほとんどの商品、製品に響くものであるからであります。この電力料金はそういった観点から、物価の安定、国民生活安定の観点から極力抑えて決定をしていただきたいということでございます。
 そこで、経済企画庁長官正示大臣は経済演説におきまして、「物価の安定こそは経済運営の成否を決するもの」であると言われました。物価抑制についてのきわめて意欲的な力強い演説をされたわけでございますが、また前回の物価対策特別委員会におきましても、現在の経済企画庁の持てる権限をフルに活用して全体の物価安定のために全力を尽くすという決意の表明がございました。そういったことを背景にいたしまして、いまや経済企画庁長官、そして佐々木通産大臣の力を一番発揮される時期が到来しておるわけでございます。
 そこにおきまして今後の日程でございますが、できるだけ早い時期に認可をするというお話でございました。ある方面から聞いたところによりますと、実はきのう、二十五日の閣議で諮ってということもあるやに承ったのでございますが、非常に早く決定をしてというお考えのようでございます。きょうの委員会でもそういうことがございましたが、きのうやろうというぐらいでしたらもうかなり煮詰まって、いま日程的にももう時間読みが行われるような段階ではないかと思うのですが、ひとつその点を腹蔵なくこの場で国民に明らかにしていただきたいと思います。
#180
○佐々木国務大臣 お話しのとおりの考えでございます。なるべく早くということで……。
#181
○塩田委員 その御回答は前質問者に対していただいておりますのでわかっておりますが、そういう抽象的なことでなくして、きのうやろうというような話があったぐらいですから、かなり煮詰まっておるという中におきまして、急ぐなという意見も先ほど出ました。そういったことを踏まえまして、いま事務当局で考えておられる、政府で考えておられる日程をひとつ具体的に言っていただきたいと思います。
#182
○森山(信)政府委員 きのうにでも認可するのではないかという御質問がございまして、そういう考え方も一部あったことは事実でございますが、私ども事務的に申しまして若干未整備なところがございましたので、現在再度事務的な調整をしておる段階でございます。
 そこで、冒頭に通産大臣から所信的なことを申し上げましたとおり、できるだけ各方面の御意見を拝聴するという姿勢をとりたいと思っておりますので、本日もこうやって御審議をいただいておるわけでございます。ただいまのところいつ幾日に物価対策閣僚会議を開催していただいて認可の段取りということを決めておる段階ではございませんけれども、承るところによりますと、この委員会におきまして参考人の意見聴取等の催しもお考えになっておられるということでもございますので、そういう点を配慮しながら、できるだけ多くの方の意見を取り入れながら事務的な作業を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#183
○塩田委員 それでは次の物価対策委員会が予定されております三十一日以降ということで了解してよろしゅうございますか。
#184
○森山(信)政府委員 具体的な日取りをいま申し上げます段階ではございませんけれども、先ほどお答えいたしましたように、本日御審議を賜ったわけでございますし、また参考人の意見の聴取もせられるということを承っておりますので、そういう点を十分配慮しながら認可の日取りを設定してまいりたい、かように思っております。
#185
○塩田委員 それは物価対策閣僚会議を開いた後、閣議で決定ということになるわけでございますか。
#186
○森山(信)政府委員 電気料金の改定の手続といたしましては、物価対策閣僚会議で決定をしていただく。もちろんその前に幾つかのプロセスがございますけれども、最終的なプロセスといたしますと、いま申し上げました物価対策閣僚会議で了承をしていただくという段取りになっております。もちろん閣議で通産大臣から御報告申し上げる手続はあろうかと思いますけれども、正式に申し上げますと、物価対策閣僚会議で御了承をいただいた上で認可の手続に入る、こういう段取りでございます。
#187
○塩田委員 それは、次の本物価対策特別委員会の開催の後、およそ一カ月ぐらいたってから、それ以内なのか、あるいは一週間以内なのか、あるいは半年も先ということはないでしょうが、四月という一つの区切りがあると思うのです、その大体のめどですね。一週間か十日か、一カ月か二カ月か、その辺の大体のめどはいかがでございますか。
#188
○森山(信)政府委員 北海道電力から申請されました原価期間が、五十四年度の下記を起点といたしております。したがいまして、最終的な期限をどうするかにつきましては、つまり原価計算期間をどうするかということは、事務的にまだ最終的な判断をいたしかねておりますけれども、少なくとも原価計算の最初のうちの計算は、五十四年度の下期が原価計算の対象期間になっておりますから、そういう点を考えますと、五十四年度中にやらないと原価計算もこれまたやり直しということにならざるを得ないと考えます。したがって、いま一週間、十日というお言葉がございましたけれども、そういう日取りはまだ決めかねておりますが、五十四年度中の原価ではじいている以上は、五十四年度中に実施をしなければ意味がないものと理解いたしております。
#189
○塩田委員 これは正示大臣にずばりお聞きしたいのでございますが、北海道電力の場合に三八・八三%の改定率、沖繩電力の場合は四六・四九という改定率が申請されております。これに対しまして、正式に閣僚会議で決める前ということの制約もあるかと思うのですけれども、前々から大臣が全力を挙げて物価の安定に取り組むということを言っておられる、その気持ちから、これをそのままのむか、あるいはそれよりもかなり低く認可すべきだという主張を閣僚会議でされるか、いまの御心境をひとつお聞かせ願いたい。
#190
○正示国務大臣 塩田委員御承知のように、これは通産大臣が認可権を持っておることでありますが、物価をお預かりしておる経済企画庁へいろいろ御協議があるわけです。われわれはその御協議に際しまして、先ほど来ほかの委員の方にもお答えいたしましたように、物価の見地から、あらゆる点について厳密に意見を出しまして、また実情も伺って、一体となって、何とかひとつこの事態を切り抜けるように最善を尽くしましょうという態度でやっておるわけであります。
 閣僚会議のときは、恐らく通産省と私の方は見解はもう完全に一致いたしまして、閣僚会議に臨むことを強く期待いたしておるわけであります。
#191
○塩田委員 そういたしますと、閣僚会議に出られるまでに通産大臣と経済企画庁長官との間に協議が行われて、そして協議が整ったところで物価対策閣僚会議に臨まれるということでございますね、いまのお話は。
#192
○正示国務大臣 私の希望は、そういうことでございます。
#193
○塩田委員 前回の委員会でも、経済企画庁は、全般的な物価を預かっておられる担当大臣といたしまして、かなりの権限を持たれてはどうかということも申し上げたわけでございますが、いまの制度で十分やっていけるというお話でございました。それは確かに調整権というのがありますから、これを大幅に活用されますとかなりの調整権限が発揮できるかと思うのでございますが、ひとつこの問題につきましては、いまずばりこの申請よりも五%低くしたいと言っていただきたいわけです。あるいは一〇%落としたいというぐらいの気持ちは述べていただきたいのでございます。それぐらいの意欲をひとつ形の上で示していただきたいわけでございます。成るか成らぬかは別として、自分はそういう主張をするのだということをおっしゃっていただきたいわけでございますが、いかがなものでございましょうか。
#194
○正示国務大臣 塩田委員も御承知かと思いますし、きょうの午後一時からのこの特別委員会で通産大臣、エネルギー庁長官、公益事業部長がいろいろ申し上げたところで十分おわかりのように、今度の北電と沖繩はこれは非常に早く出まして、これから行われる八電力とは大分違うわけでございますね。そこで、いろいろ御議論のあった点についても十分実情に合わせながら、しかし仰せのような物価に対する影響、それから今後の八電力に対する関係、これらの点はお互いに十分情報を持ち寄りまして、また材料を検討いたしまして、いまもう結論に近い段階に来ておるのであります。
 私の気持ちは、おっしゃるように物価をできるだけ抑えるというところに主眼のあることはきのうも本会議場ではっきり申し上げたとおりでございますから、その点については通産当局にも十分御協力をいただいております。一方ではエネルギーの安定的供給、これも非常に大事な点でありますから、その両方を考えて厳正なる結論を出すように努力をしておるところであります。
#195
○塩田委員 大臣の気持ちは抽象的な言葉としてはもう十分了解しておるわけでございますが、ここでは具体的に形になったもので示していただきたいというのが私の質問の趣旨でございますが、なかなか言っていただけないのは残念でございますけれども、次に移りたいと思います。
 ところで通産大臣にお聞きいたしますが、北海道電力の場合は五十一年の申請が三九・一五%に対しまして認可されましたのが三〇・三三というふうに、一〇%近く抑えて認可をしてある。四十九年の場合は四八・四一が四三・三三というふうになっておりますし、沖繩の場合も、五十一年が二九・八七に対しまして二八・四九の改定認可、四十九年が九四・四二%に対しまして八四・八六というふうに、少ないときは一、二%ですけれども、多いときは一〇%近く抑えて認可されておるということでございますが、今回もそのようなことが起こり得ると考えてよろしゅうございますか。
#196
○佐々木国務大臣 先ほども申し上げましたように、申請されたそのまま、何らの用意なしに査定に入るわけではございませんので、特別な調査を再三やりまして、何日か大ぜいの人間で調査もし、あるいは公聴会等を通じ、あるいは国会の皆様からも去年暮れにはたくさんの御注文と申しますか御注意をちょうだいいたしましたので、そういう事前のいろいろな注意事項等も十分しんしゃくし、あるいは査定に際しましてはこういう点を注意しろということで、長年の間にいろいろな査定の仕方というものは決まっております。それに対しまして、ごくアップ・ツー・デートの問題として去年お出しになりまして、通産省内の審議会あるいは経済企画庁で主宰しております審議会等で新しくこういう点をさらに注意するといったようなそういう事項を踏まえまして、言うなれば査定官の勝手な判断は許されぬほど厳密な査定基準もございます。そういう点を踏まえまして十分審査をし、審査した結果、それでおさらばというのではなくて、それをさらにまた経済企画庁の担当官等とも十分打ち合わせをし、何段階となく丹念な審査をしまして、これであればというところでいよいよ決めるわけでございますから、お話しのようにこの前は何%減だったから今度も何%減というそういう荒っぽいやり方ではなくて非常に精密な審査をしているつもりでございます。その結果生ずることでございますから、何%減というようなものをあらかじめ想定してやっているわけではございません。
#197
○塩田委員 昨日閣議で決めようというような動きもあったという先ほどの御答弁でございますから、かなり作業が進んでおると私たちは常識的に考えるわけです。いま出す段階でないから抽象的な答弁しか得られないわけでございまして、これではわれわれまた国民の側から見まして、経済演説なりあるいは総理の施政方針演説で意欲的ないい言葉をずいぶん聞かされますけれども、具体的にそれではどうかということについてはなかなか納得が得られない。ということは、具体的なそういったものを出されないからだと思うのです。
 新聞報道機関ではときどき、六〇%の電力関係の平均値上げ率の申請であるけれども、大体通産省は五〇%ぐらいに抑えるだろうということが報道されております。また、具体的に北海道もあるいは沖繩の場合でもこれぐらいの認可改定率になるだろうというような数字が出、そして具体的にそれによって算定をいろいろしているところもあるように聞いております。そういったものが新聞報道機関に漏らされたことはないと思うのですけれども、われわれのところにはなかなか具体的なものは出てこないで、ある方面にはときどき流れるという、これは報道機関がきわめて情報収集能力が高くて、われわれよりも早く情報をつかまれるという能力が高いという証拠であるかもわかりませんが、そういった一部報道機関に出ておる、それについては、何らかの根拠があるものでございますか、お聞かせいただきたいと思います。
#198
○森山(信)政府委員 報道機関の方々の御意見、いま先生からきわめて情報収集能力にたけておるという御指摘がございましたけれども、そういう面は確かにあろうかと思いますが、私どもはむしろ違うような受けとめ方をしておりまして、新聞等報道機関の方々の御意見は、いわゆる民意の反映というような受けとめ方をいたしておりまして、それは査定をする立場といたしますと、やはり厳正中立な立場で審査をしなくちゃならぬということでございますから、意識的にそういう気持ちを申し上げておることはないわけでございますけれども、やはりこれだけ大きな問題でございますから、各方面からいろいろ査定につきましての御意見が出てくるのだろうと思います。そういうものを反映されました一つの関係が報道にあらわれてくるのではないかという気がするのでございます。五〇%という数字も拝見いたしておりますし、もっと厳しく査定した方がいいのではないかという御意見もあらわれておりますので、私どもはそういう御意見を一つの先ほど申し上げました民意のあらわれというふうに理解を受けとめながら、やはり原価主義の立場で、物価対策にも配慮しながら査定を進めていく、こういう考え方を持っております。
#199
○塩田委員 これ以上いろいろ具体的な問題につきまして、具体的な数字なりを教えていただきたい、発表していただきたいと思っておるわけですけれども、なかなかそれが得られないわけでございますが、私たちは、最初申し上げましたように、電気料金は極力値上げを抑制すべきであるという立場でございますが、北海道電力、沖繩電力につきましては、他の電力と違ったいろんな事情があるわけでございまして、その事情を十分に承知しておるつもりでございます。たとえば、それぞれの地域は、本州との連係が少ないとかあるいは他社と比べてスケールメリットが少ないこと、あるいは過疎地を多く抱えているといった問題、それから円高為替差益による条件が他社と違っていたといった情勢もございますし、北海道の場合は国内炭による石炭火力が主力であるといった事情あるいは沖繩の場合には多くの離島を抱えている、こういったたくさんのハンディを持っておるという事情があるわけでございまして、そういった事情も十分に配慮した上で決定をしなければならぬと考えるわけでございます。
 いずれにいたしましても、この物価対策特別委員会におきまして、もう少し政府当局は腹を割ってといいますか、この国民生活に最も重大な関係のある経済安定の基本でありますところの物価安定、われわれは本当に真剣に取り組んでこの問題に対処していきたいと考えておるわけでございますから、どうか、答弁をかわせばいい、時間が過ぎればいいということでなしに、本当に真剣になって、国民経済、国民の生活問題に取り組む立場で、腹を割って、ひとつお互い信頼感の上に立って、この問題に真剣に取り組んで答弁をしていただきたいと強く要望いたします。
 それでは次に移りますが、先ほどからもう議論が出ておりますように、電力料金の引き上げと消費者物価との関係でございますが、消費者物価は来年度六・四%の見通しを持っておられます。政府の経済計画、そのようになっております。五十四年度は、御承知のとおり、当初四・九%であったものを四・七%に改定されました。これはほとんど変わらない、まあ見通しどおり実績見込みがなりつつある、むしろ抑えぎみで、正示大臣がおっしゃいますように、非常な努力の結果こういうところに落ちつくことができたということを言っておられます。この六・四%という来年度の見通しでございますが、これは単なる見通しでございますか、それとも努力目標、政策的なものを入れた努力目標として掲げておられるものか、その点についてお伺いします。
#200
○正示国務大臣 これはおっしゃるように決して架空という腰だめ的なものではございませんので、経済の成長と物価の安定、国際収支、こういう点については、いま、最近の実情、これを各省庁が全部検討いたしまして、また、一番大事な雇用の改善でございますね、悪化を防止する、こういう点にも十分配慮をいたしまして、政府の経済関係の閣僚会議でまず検討をいたしまして、閣議で正式に決定を見ておるわけでございます。したがって、われわれとしては、これはぜひとも努力をして実現させるべき目標であると同時に、また、実現できる目標である、こういう考え方に立脚しております。本年度も、来年度も、その実現に全力を傾け、ぜひ実現したいと考えております。
#201
○塩田委員 同じ来年度計画におきまして、卸売物価は見通しとして九・三%の増になっております。ちなみに、五十四年度におきましては実績見込みの改定がございまして、当初一・六%でございますか、それが一二・一%、実に一〇%を上回る見込み違いが悪い方にあったわけです。高くなったわけでございます。前回の委員会でも御答弁がございましたように、この卸売物価が半年ないし一年のタイムラグでもって消費者物価に影響する、波及するというお話がございました。来年度九・三%、消費者物価が六・四%でございます。ところが、タイムラグがあるとすれば、五十四年度の見込みの一二・一%というのは非常に大きな上昇率でございまして、これがタイムラグをもって消費者物価にも影響するとすれば、卸売物価が一二%も上がったにもかかわらず、消費者物価の見通しがわずか六・四%といった状況は過去にはなかったのではないかと思いますが、その点いかがでございますか。
#202
○正示国務大臣 これは、前のこの委員会で塩田委員からもいろいろ御質問があってお答えしたと思いますが、日本の経済としては、異常の事態に対して今日まで経営者、労働者、また一般の国民の皆さんの非常な御努力をいただいて、この冷静で賢明な消費態度、また企業の大変な努力によって、外から来るインフレの波を最終消費物資の生産に波及させないような吸収努力に非常な成果を上げられた、こういうことが根本であろうと私は思います。特に労使の交渉、つまり賃上げでございますね、これが各国に例を見ないような穏やかな妥結を見ておる、きわめて良識的な解決を見ておるというのが大きな原因になりまして、いま御指摘のような、ほかにも例のないほど国内でうまく乗り切っておるわけでございます。しかし、おっしゃるとおりそれが全然波及しないということはとうてい考えられません。そこで、来年度もある程度の消費者物価の騰貴を今年度の実績見込みに比較して見込まざるを得ない、こういうことでございます。しかし、その努力目標に対しては、先ほど申し上げたように、全力を挙げて実現に努力したいということで、国民の皆さんの御協力をお願いしておるわけでございます。
#203
○塩田委員 私の考えでは、いまの政府の消費者物価の見通し、特に卸売物価との関係におきましての見通しはかなり甘いのではないかという感じがいたします。特に、これから電力料金の値上げを突破口にいたしまして、各種公共料金が上がってくるということを考慮に入れますと、消費者物価六・四ではとうていもたないというふうに考えます。そのためになお一層の物価抑制のための努力が必要であろうと思いますので、その点を要望いたします。
 それから電力料金の直接的なCPIへの影響を物価局長は一・〇六ぐらいに見ておるのですが、それくらいでよろしいかどうか。そして、その後に続く各種公共料金の改定、これをトータルいたしまして直接的なCPIへの影響が二・六%ぐらいと見ておるわけでございますが、その点につきましていかが考えられますか。
#204
○藤井(直)政府委員 電気料金の関係で九社全体の消費者物価に対する直接的な影響は一・〇%であると思います。それでその他の公共料金につきましては、予算関係の公共料金といたしまして計算いたしますと、これが全体で〇・八%程度ということになっておりまして、いずれにいたしましても予算関連につきましては、御提出いたします予算の中で明らかにされているところでございますので、これは数字としては確定すると思います。その他申請がありますものにつきましては、これからの査定を見まして最終的にどのくらいの影響のあるものかということを、私どもとしてははっきりさせていきたいと思っております。
 それから、いま二・六%というふうにおっしゃいましたが、それは間接的な影響も含めての御計算だと思いますが、私どもといたしましては、先ほどもちょっと御答弁したのでございますが、間接的影響といいますのは、余りにも他の経済の諸情勢、すなわち需要と供給とかそれからエネルギーの使用に当たりましての代替関係等の見きわめもつけなければなりませんので、間接的影響を一概にこうであるということを申し上げることは、非常にむずかしい御質問でございますから、数字として申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
#205
○塩田委員 先ほども質問に出ておりましたけれども、いま言われました直接的なものは、われわれの推定ではもっと高いように思いますが、間接的なものは確かにいまむずかしくて言いにくいというお話でございます。それもわからぬことはないのでございますが、その波及効果が非常に高いというのは、電力料金の場合の特殊性だと思うのです。この点を十分に勘案していただく必要があるわけでございまして、したがって、いろいろな計算の方法があろうかと思うのです。一つは産業連関表を使っていろいろな前提を置いて、あるいはタイムラグという話も先ほど回答が出ておりましたけれども、そういった要素も活用して試算することは可能じゃないのですか。また、する必要があるのじゃないでしょうか。経済企画庁の技術を動員してやればできないことじゃない。恐らくこれをやられたらいま言われたものよりもずっと大きい、そして六・四%は支え切れないようなものになるように思いますが、これもいろいろな前提を置いてひとつ試算をして、やはり物価対策の議論をする際に参考資料としてぜひともこの委員会に提出をしていただきたいと思います。
#206
○藤井(直)政府委員 産業で産業連関表というようなやり方、すなわちコストが上がった分はそれが全部他へ波及していくというようなことにつきましては前提がはっきりいたしますればそれはできるわけでございますが、現実の経済といいますのは非常に複雑でございまして、各メーカーの加工段階、さらにはそれが流通していく段階におきまして、巨大なものの取引というものがあるわけでございますので、それがどういう形になっていくかということについては、余り仮定が多過ぎて、数字を出すことが困難でございます。したがって、コストが完全に転嫁されていった場合の数字というものは何とか出せるかと思いますが、それ以後につきましては、来年度の経済の情勢その他全般にかかわる問題でございますので、その影響を数字として申し上げることは非常にむずかしいと思いますので、資料としての御提出は、私どもとしては現在の段階では非常にむずかしいことでございますので、いたしかねるということで御了承いただきたいと思います。
#207
○塩田委員 できるだけ何も出さないようにという態度は、ぜひともひとつ改めていただいて、ここで本当に真剣に国民経済、国民生活のことを考えると、その対策を練るという立場で、仮定があったら仮定を置いていいじゃないか。そういう試算をしてやはり大いに議論をすべきだと思うのです。われわれは真剣に取り組もうとしておるのですから、そういった材料をぜひとも出していただきたい。全部原材料がカバーされて物価に波及していくということを前提に置けば最大限になるでしょうし、各企業努力によって一部吸収されるということであればそれよりも低くなる。最大限、最小限といった見方もできますし、とにかくそういった資料をできるだけ出していただきたい。もっと前向きにこういう問題を考えて取り組んでいきたい、こう思いますので、ひとつ長官よろしくお願いします。
#208
○正示国務大臣 きょうはずっと非常に御熱心な当委員会の御審議をいただきまして、われわれもいろいろと教えられる点が多かったことは先ほどお答え申し上げたとおり。いま塩田委員御指摘の点もそういう点に十分配慮をして結論を出すようにという非常に御熱心な御意見としてわれわれは十分拝聴しておるわけです。
 ただ、先ほど来お答えしておりますように、どういうふうになるかという率、特に八電力その他についてはただいま通産省が申請をお受けになって査定が始まったばかりでございます。そういう問題について軽々にわれわれは、こういうふうになるでしょう、その波及効果はこうでしょうということはなかなか申し上げられない。また、北海道電力、沖繩電力については、きょうのこの委員会の御審議を非常に重要な資料といたしましてできるだけ早く結論を出したい、こういうことでございますので、いま政府委員がお答えしたような状態でございますが、十分その点は委員各位の御意見を体して結論を出すようにいたしますから、了承を賜りたいと存じます。
#209
○塩田委員 発表することによって国民に対して非常に悪い影響を与えるというようなことがあってはならない、そういう配慮は必要だと思います。それなりの扱いをしなければならない。それからまた、申請の率でもって算定すればこうだといった最大上限の話もできるわけです。発表しないということを前提にしてのそういう資料の提供、判断材料の一つとしてわれわれに示していただくということは今後ぜひとも必要だと思います。
 委員長、この点、そういった資料の提出につきまして、今後この物価対策委員会で対策を検討する際の大きな判断材料の一つとなりますので、もし外へ出すのがますければそれなりの扱いということもあり得ようかと思いますので、そういう扱いをして、ひとつできるだけそういった判断材料になる資料を出していただくようにお取り計らいのほどをお願いいたします。
#210
○井上委員長 極力取り計らいます。
#211
○塩田委員 それでは最後にお伺いいたします。
 大平総理は、昨日の施政方針演説の中におきまして、経営に対しまして徹底した合理化を求め、その値上げは、真にやむを得ない範囲にとどめるということをおっしゃっておられます。また正示大臣も、公共料金につきましては、経営の徹底した合理化を前提とし、物価、国民生活に及ぼす影響を十分に考慮して、厳正に取り扱う方針であります。改定は、真にやむを得ないものに限るとともに、その実施時期及び値上げ幅については極力調整しました。こういう演説でございました。
 そこで、経営に対しまして徹底した合理化を求めるというこの点でございます。電力会社に対しましてどのような経営の合理化を求められるか、そして、その部門はどの部門で、特に合理化をどのように進められるかあるいは進めようとしておられるか、この点につきましてお伺いいたします。
#212
○正示国務大臣 先ほども通産省から具体的な検討事項についていろいろお話がございました。けさほどの通産大臣からの所信の表明にも触れられたと思っております。私どもはどの部門どの部門というふうに限定しては考えておりません。物価問題、特に公共料金、あるいは特に電力等は基本的な料金でございますから、それの波及するところきわめて重大な問題であります。全体の部門にわたって経営を極力合理化をしていきます。大体民間の経営者は相当減量経営をやったというふうな御認識のようでありますけれども、しかし、今回問題になっておる電力、やがて問題になるガス、そういうものは、特別に公益事業としての使命にかんがみて、もうあらゆる見地から合理化の徹底した努力、そういうものをお願いしておるわけでございます。これは、先ほど来いろいろ具体的な御指示がありましたが、私はどの部門どの部門というふうに申し上げることは差し控えたいと思いますが、貴重な厳しい検討を全般に加えておる、こういうことをお答え申し上げます。
#213
○塩田委員 これは北海道電力の場合でございますが、総括原価の表がございます。これで見ますと、人件費が一一・九%、燃料費が三〇・四%、これが一番大きいわけでございます。それから修繕費九%、資本費二六・三%、その他になっております。徹底した合理化を各部門でと言われますけれども、人件費の部門でいくか、あるいは原材料である燃料費でいくか、修繕費、資本費、資本費もかなり大きいわけでございますが、公租公課とか購入電力料とか、こういったものは余地がないわけですね。そうすると、しぼられてくるのは人件費、燃料費、修繕費、資本費、これに限られてくると思うのです。このそれぞれの分野でどういう立場で経営の合理化をやるか、総理まで国会で施政方針演説の中で言われたことでございますから、考え方としまして具体的なものがあるはずですね。大臣も繰り返し強調して言われております。いま具体的に申し上げました分野についてどのように進めようとしておられるのか、お聞きいたします。これは通産大臣ですかね。
#214
○安田(佳)政府委員 いま御指摘の費目はいろいろございますが、私どもといたしましては、物価にも十分な配慮を払わなければならないということで、この項目は全然やらないとかいうことでなしに、各項目にわたりまして削れるものはないだろうかということを実際に調べまして、そしてできるだけ料金の値上げ率を低くするように査定をいたしておるところでございます。
#215
○塩田委員 時間がございませんので結論的に申し上げます。一つお聞きしたいと思いますのは、電力の労働生産性の推移はここ数年どうなっておるかということです。これはございましたら言っていただきたいし、また、なければ資料を後ほど提出願います。
 あらゆる分野でといいますと人件費の面でももちろんかかってくるわけでございます。それは必要だと思います。思いますが、いまの電力会社の職場の状況、皆さんごらんになってどう考えておられるか、お聞きしたいのでございます。非常に職場の規律が厳格であり、きびきびと働いておられる。これは各電力会社へ行かれたら本当に感じられると思うのです。特に公共企業体等の職場と比べますと、もう話にならないほどの職場秩序の確立があり、生産性を上げておられる。そして私は、その仕事の態様から言って、電力労働者の賃金は決して高いとは言えない状況にあると思います。しかも、これは命がけで身の危険を感じつつ遂行している業務でございます。特に、この北電の場合におきましては、寒さの中で、夜中に線が切れた場合でも、すぐに対応してそれを修繕に行く。もう四六時中、二十四時間で交代して勤務をして、そして緊急の場合に即応した動きをしておるわけでございます。そして沖繩におきましても、夏には暑い中、また毒蛇といいますか、そういう危険を冒しながら戸外でこの業務に取り組んでおるわけでございます。そういったことを十分に考えていただきたい。経営合理化といいましても、やはり限度があります。この労働者の場合は、御承知のとおり一定の制限はありますけれども、基本的にはストライキ権がございます。今日ほとんど停電がない状況、これは本当に歯を食いしばってがんばっておるわけでございます。社会的責任を感じ、停電の場合の影響の大きさを感じ、歯を食いしばってがんばっておる。ひとつこの状況をよく考えていただいて、合理化しなければならぬけれども、そういった面、十分に配慮してこの問題に取り組んでいただきたいわけでございます。
 そして、これも資料で後ほど出していただきたいと思いますが、電力会社、特にいま問題になっておる北電あるいは沖繩電力の場合の労働者の災害、死亡者数あるいは災害度数率、こういったものの推移がどのようになっておるか、こういった問題につきまして御答弁がございましたらしていただきたいと思いますが、なければ資料で後ほど提出していただきたいと思います。
#216
○安田(佳)政府委員 最初に御指摘のありました労働生産性につきましては、その指標の一つといたしまして従業員一人当たり販売電力量をとってみますと、五十三年度実績におきまして九電力合計で三百十二万キロワットアワーを販売いたしております。それが昭和四十年におきましては約百十万キロワットアワーくらいでございまして、したがいまして、この間に二・九倍の生産性が向上したということが言えようかと思います。また、五年前の四十八年度と比べましてこれは一・二倍ということになっております。北海道電力についても、ほぼ同様の生産性向上の数字が見られております。
 それから後段でお話のありました災害等の実績につきましては、ただいま手元に数字がございませんので、これは改めて先生に報告させていただきたいというふうに存じております。
#217
○塩田委員 終わります。
#218
○井上委員長 次回は、来たる三十一日午前九時五十分から理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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