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1979/04/01 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 物価問題等に関する特別委員会 第9号
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1979/04/01 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 物価問題等に関する特別委員会 第9号

#1
第091回国会 物価問題等に関する特別委員会 第9号
昭和五十五年四月一日(火曜日)
   午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 井上 普方君
   理事 相沢 英之君 理事 関谷 勝嗣君
   理事 野田  毅君 理事 渡辺 秀央君
   理事 松浦 利尚君 理事 中川 嘉美君
      小澤  潔君    亀井 善之君
      工藤  巌君    熊川 次男君
      田名部匡省君    牧野 隆守君
      粟山  明君    小野 信一君
      長田 武士君    宮地 正介君
      藤原ひろ子君    塩田  晋君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      正示啓次郎君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     橋口  收君
        公正取引委員会
        事務局経済部長 伊従  寛君
        公正取引委員会
        事務局取引部長 劒持 浩裕君
        公正取引委員会
        事務局審査部長 妹尾  明君
        経済企画庁調整
        局長      井川  博君
        経済企画庁物価
        局長      藤井 直樹君
        経済企画庁物価
        局審議官    坂井 清志君
        経済企画庁調査
        局長      田中誠一郎君
        大蔵省主計局次
        長       禿河 徹映君
        大蔵省国際金融
        局次長     大場 智満君
        資源エネルギー
        庁石油部長   志賀  学君
 委員外の出席者
        国土庁土地局土
        地政策課長   渡辺  尚君
        農林水産省食品
        流通局流通企画
        課長      鷲野  宏君
        農林水産省食品
        流通局企業振興
        課長      入澤  肇君
        農林水産省食品
        流通局市場課長 穂積 良行君
        食糧庁業務部加
        工食品課長   吉田 佐敏君
        水産庁漁政部水
        産流通課長   真板 道夫君
        通商産業省基礎
        産業局化学製品
        課長      大高 英男君
        通商産業省生活
        産業局紙業課長 佐藤 剛男君
        資源エネルギー
        庁公益事業部業
        務課長     堀田 俊彦君
        郵政大臣官房
        電気通信参事官 水町 弘道君
        特別委員会第二
        調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
三月十日
 公共料金の値上げ抑制等に関する請願外一件
 (春田重昭君紹介)(第一九六六号)
 同(新井彬之君紹介)(第二〇三三号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第二〇三四号)
 同(谷口是巨君紹介)(第二〇三五号)
 同(二見伸明君紹介)(第二〇三六号)
 同(吉井光照君紹介)(第二〇三七号)
 同(和田一郎君紹介)(第二〇三八号)
 物価抑制及び便乗値上げ防止に関する請願(池
 田克也君紹介)(第一九六七号)
 同外三件(中西積介君紹介)(第一九六八号)
 同(竹入義勝君紹介)(第二〇三九号)
三月十一日
 物価の値上げ抑制等に関する請願(枝村要作君
 紹介)(第二一七四号)
 同(柴田健治君紹介)(第二一七五号)
 公共料金の値上げ抑制等に関する請願(草川昭
 三君紹介)(第二一七六号)
 同(坂口力君紹介)(第二一七七号)
 同(竹入義勝君紹介)(第二一七八号)
 同(長田武士君紹介)(第二一七九号)
 同(渡部一郎君紹介)(第二一八〇号)
三月十二日
 物価の値上げ抑制等に関する請願(安藤巖君紹
 介)(第二二六〇号)
 同(井上敦君紹介)(第二二六一号)
 同(岩佐恵美君紹介)(第二二六二号)
 同(浦井洋君紹介)(第二二六三号)
 同外一件(金子満広君紹介)(第二二六四号)
 同(工藤晃君紹介)(第二二六五号)
 同(栗田翠君紹介)(第二二六六号)
 同(小林政子君紹介)(第二二六七号)
 同(榊利夫君紹介)(第二二六八号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第二二六九号)
 同(庄司幸助君紹介)(第二二七〇号)
 同(田中美智子君紹介)(第二二七一号)
 同(多田光雄君紹介)(第二二七二号)
 同(津川武一君紹介)(第二二七三号)
 同(中川利三郎君紹介)(第二二七四号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二二七五号)
 同(中島武敏君紹介)(第二二七六号)
 同(東中光雄君紹介)(第二二七七号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二二七八号)
 同(松本善明君紹介)(第二二七九号)
 同(村上弘君紹介)(第二二八〇号)
 同(安田純治君紹介)(第二二八一号)
 同(四ツ谷光子君紹介)(第二二八二号)
 同(渡辺貢君紹介)(第二二八三号)
 公共料金の値上げ抑制等に関する請願(小川新
 一郎君紹介)(第二三四四号)
 同外一件(近江巳記夫君紹介)(第二三四五
 号)
 同(鍛冶清君紹介)(第二三四六号)
 同(鈴切康雄君紹介)(第二三四七号)
 物価抑制及び便乗値上げ防止に関する請願外三
 件(大出俊君紹介)(第二三四八号)
 同(芳賀貢君紹介)(第二三四九号)
三月十四日
 公共料金の値上げ抑制等に関する請願外一件
 (浅井美幸君紹介)(第二三七〇号)
 同(草野威君紹介)(第二三七一号)
 同外一件(池田克也君紹介)(第二五五七号)
 同(小濱新次君紹介)(第二五五八号)
 同(柴田弘君紹介)(第二五五九号)
 同(矢野絢也君紹介)(第二五六〇号)
 物価高騰抑制に関する請願(岩佐恵美君紹介)
 (第二五五三号)
 公共料金の値上げ反対に関する請願(森田景一
 君紹介)(第二五五四号)
 物価抑制及び便乗値上げ防止に関する請願(木
 間章君紹介)(第二五五五号)
 同(草川昭三君紹介)(第二五五六号)
三月十九日
 物価の値上げ抑制等に関する請願(山田耻目君
 紹介)(第二六一〇号)
 公共料金の値上げ抑制等に関する請願外二件
 (浅井美幸君紹介)(第二六八三号)
 同(市川雄一君紹介)(第二六八四号)
 同(大久保直彦君紹介)(第二六八五号)
 同(斎藤実君紹介)(第二六八六号)
 同外一件(瀬野栄次郎君紹介)(第二六八七
 号)
 同外一件(中川嘉美君紹介)(第二六八八号)
 同(伏木和雄君紹介)(第二六八九号)
 同(正木良明君紹介)(第二六九〇号)
 同(山田英介君紹介)(第二六九一号)
 同(飯田忠雄君紹介)(第二七四一号)
 物価抑制及び便乗値上げ防止に関する請願外一
 件(中川嘉美君紹介)(第二六九二号)
 公共料金の値上げ中止に関する請願(伊藤茂君
 紹介)(第二七三九号)
 公共料金の値上げ中止等に関する請願外一件
 (伊藤茂君紹介)(第二七四〇号)
 三月二十二日
 物価抑制及び便乗値上げ防止に関する請願(青
 山丘君紹介)(第二七五一号)
 同(小沢貞孝君紹介)(第二七五二号)
 同(大内啓伍君紹介)(第二七五三号)
 同(岡田正勝君紹介)(第二七五四号)
 同(春日一幸君紹介)(第二七五五号)
 同(河村勝君紹介)(第二七五六号)
 同(神田厚君紹介)(第二七五七号)
 同(木下敬之助君紹介)(第二七五八号)
 同(小平忠君紹介)(第二七五九号)
 同(小渕正義君紹介)(第二七六〇号)
 同(近藤豊君紹介)(第二七六一号)
 同(佐々木良作君紹介)(第二七六二号)
 同(塩田晋君紹介)(第二七六三号)
 同(高橋高望君紹介)(第二七六四号)
 同(山田芳治君紹介)(第二九二三号)
 公共料金の値上げ抑制に関する請願(渡部恒三
 君紹介)(第二八〇九号)
 同(伊藤茂君紹介)(第二九二一号)
 同(高橋高望君紹介)(第二九二二号)
三月二十六日
 公共料金の値上げ抑制等に関する請願(飯田忠
 雄君紹介)(第二九八三号)
 同外一件(池田克也君紹介)(第二九八四号)
 同(市川雄一君紹介)(第二九八五号)
 同(大野潔君紹介)(第二九八六号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第二九八七号)
 同(沖本泰幸君紹介)(第二九八八号)
 同外一件(権藤恒夫君紹介)(第二九八九号)
 同外一件(坂井弘一君紹介)(第二九九〇号)
 同外一件(柴田弘君紹介)(第二九九一号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第二九九二号)
 同外二件(谷口是巨君紹介)(第二九九三号)
 同(玉城栄一君紹介)(第二九九四号)
 同(西中清君紹介)(第二九九五号)
 同外一件(長谷雄幸久君紹介)(第二九九六号)
 同外一件(山田太郎君紹介)(第二九九七号)
 同(有島重武君紹介)(第三〇九〇号)
 同(大野潔君紹介)(第三〇九一号)
 同(近江巳記夫君紹介)(第三〇九二号)
 同(鍛冶清君紹介)(第三〇九三号)
 同(柴田弘君紹介)(第三〇九四号)
 同(森田景一君紹介)(第三〇九五号)
 公共料金の値上げ抑制に関する請願(草野威君
 紹介)(第二九九八号)
 は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○井上委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 この際、御報告いたします。
 去る二月二十八日の本委員会に出席した平岩参考人から、文書をもって、同日の藤原委員の質疑に対する答弁が若干説明不十分であったので、補足したい旨の申し出がありました。
 文書を朗読いたします。
    二月二十八日 衆議院物価問題等に関する特別委員会における発言についての追加補足ご依頼の件
   委員長 井上 普方殿
   昭和五十五年三月三十一日
        参考人
         東京電力株式会社
          取締役社長 平岩 外四
  去る二月二十八日 衆議院物価問題等に関する特別委員会におきまして、藤原委員のご質問に対し、私が参考人として発言いたしました内容中、言葉不十分の点がありましたことは、まことに遺憾に存じております。
  関東電気工事株式会社は、当社の関連会社であるが子会社ではない旨お答えいたしましたが、帰りまして調査いたしましたところ、仰せのとおり子会社でありましたので、この点追加補足をお願いいたします。
  宜しくお願い申しあげます。
以上であります。
#3
○井上委員長 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。相沢英之君。
#4
○相沢委員 物価問題全般について御質問を申し上げるわけでありますが、時間が一時間ということでありますので、質問もごく簡潔に申し上げるつもりですけれども、答弁もよろしくお願いしたいと思います。
 きょうから懸案の電気料金、ガス料金も大幅な値上げになりますし、公共料金の引き上げがメジロ押しということでありますが、前回の電気、ガス料金の引き上げを含めて、公共料金の値上げに伴う物価の上昇率は大体どの程度になるかということでございます。
#5
○正示国務大臣 電気、これは電灯、電力、それからガス、御承知のように、この中で直接消費者物価に響くのは電灯とガスでございます。電力は間接的にどの程度響くかはわかりません。電灯で〇・七、ガスで〇・三、二つ合わせまして一というものが一応われわれとしては試算されるわけであります。それで、残りの電力が製造過程を通じてどの程度波及をしてくるか、これはこれからの生産性向上という関係業界の御努力にかかっておる、こういうふうに考えております。そのほかいろいろな要因がございますが、いまのところ私どもとしては、五十四年度の四・七、これは若干の端数はございますけれども、枠として四・七の見通しを達成し、引き続き五十五年度の六・四をぜひ守り抜きたい、こういうことであります。
 景気につきましてもいまのようなことで、さしあたりの物価は正念場と言われておる四月、五月を乗り切って、あと景気についても油断をせずに対処していけば、弾力的、機動的な応対をいたしますれば、大体私どもの見通しておる四・八はいまのところ達成できるものと考えておるわけでございます。
#6
○相沢委員 五十五年度の物価の上昇率を六・四%と見込んだ場合に、企画庁としては数字の積み上げとして、公共料金の値上がりを、たとえば電気料金、ガス料金の値上がりをどの程度と見込んでおられましたか。
#7
○藤井(直)政府委員 消費者物価の見通しの際には、政府関係のものとして、予算関係の公共料金につきましては個々の項目についてはっきりした数字を持っておりまして、その合計の寄与度につきましては、〇・八%というふうに御報告申し上げておるわけでございます。それから、電気、ガス料金についてはそういう性質のものではございませんで、申請があって査定をしていくということでございますので、私どもとしては、全体の消費者物価の見通しにつきましては、公共料金の予算関係を除きましては、経済全体のその他の生産とか雇用とか輸入物価、賃金というようなものにつきましてマクロ的に想定をして出したものを持っておりまして、その過程でエネルギー関係の料金につきましての想定につきましては一応のことをやっておりますが、はっきりした数字として申し上げているものはございません。ただ、今回の五〇・八三%という電気料金を初めとするガス料金の決定につきましては、当然これを六・四%の中に十分抑えるようにしなければならないということで努力してまいったわけでございまして、現在の段階では、先ほど決まりました料金につきましては、全体として六・四%の中におさめ得るというふうに考えております。
#8
○相沢委員 個々の公共料金等について、それをあらかじめ物価の上昇率の中にどの程度織り込んでいくかということはなかなかむずかしいことなので、これはこれ以上お聞きしても余り意味がないと思うのですけれども、要は全体として物価の見通しの範囲内におさまるように、公共料金等の引き上げについても十分御検討をお願いしたいということに尽きると思います。
 そこで、公共料金等についてはいまお話があったようなことでありますけれども、企画庁としてはいまの物価の現状について、物価全体としてみて五十五年度の経済見通しに比較して大体予想したような推移であるか、あるいはこれを上回るような状態であって将来に非常に不安をはらんでいる、こういうふうに判断されているか、その点について伺いたいと思います。
#9
○正示国務大臣 大変大事な点でございます。私どもは、大体予想いたしましたように五十四年度末は野菜で苦労する、こう思っていました。その野菜に対して緊急対策を実施いたしまして、やや愁眉を開いておるという状態であります。しかし、御指摘のように、きょうから電灯、電力、ガスその他いろいろな公共料金も上がってまいります。そこへ持ってきて昨年度来の卸売物価の波及の問題、それから日本銀行が公定歩合を史上最高の九%というところへ持っていったり、あるいはまた円安対策を一生懸命やってくれるのですが、きょうの円相場は二百五十円というふうに依然としてドルは強いですね。そして原油等については、これは若干需給の見通しが――私どもも、何とかことしはそう需給がタイトにならぬように、そして相次ぐ原油の引き上げもこの先もう大したことはないというふうなところに心から願っておるのですがね。
 そういう状況から、いま相沢委員が言われるように、いま非常にむずかしい局面に来ておる。私どもは、物価の正念場あるいは物価非常時の年度がわり、こういうふうにいま見ております。しかし、物価局長が申しましたように、ここでかんぬきを外したらインフレの怒濤がぐっと押し寄せてくる。非常に大事なところです。ですから私どもはここでぐっと締めて、先ほど申し上げたように消費者物価への影響は、電灯、ガスから一%というものは最小限度覚悟しなければならぬけれども、しかし電力を動力とする卸売物価からの波及というものについては、関係業界にひとつできるだけの協力をお願いしてこの影響を最小限にしたい、こんなことで努力していけば何とかなる、またしなければならぬ、こういう境地でいま非常に努力をしております。本委員会はかねてからそういう点を予想されていろいろ御心配をいただいておるのですが、今後ともひとつよろしく御協力を願いたいと思っています。
#10
○相沢委員 いまの情勢につきましては、そういうことで大変に不安定な要素をはらんでいるけれども、できるだけ経済見通しの線に沿って努力したいということですが、それは結構でありますけれども、物価というものは大体全く上がらぬ方がいいと思われるのか、大体どの程度の物価の上昇ということが経済全般から考えて望ましいかという点について御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
#11
○正示国務大臣 これは新経済社会七カ年計画等でも五・五%とか五%とかいうふうなものを一つ見ておりますのも、おっしゃるようにこれは消費者物価は全然上がらないというふうなことはとても考えられない。ただ非常にいま日本の置かれておる条件が特異なのは、たとえば五十四年度当初見通しでは卸売物価を一・六%くらい、そして消費者物価は四・九%くらい、こういうふうに石油ショックのないころから見ますと、それが一二・何%卸売、それから消費者物価は逆に四・九は四・七と下方修正、大変さま変わりになっておるのですね。そこで物価政策の重点は、卸売物価は相当上がることはこれは海外要因だからある程度やむを得ないけれども、それを国内のいわゆるホームメードインフレに転化させない、消費者物価に波及させないというので大変いろいろお願いをしておるわけであります。そこで、私はやはり四・七くらいの五十四年度のあれはいいところだと思うのですが、それを来年度は六・四まで修正というか高く持っていかなければならない、両方合わせて平均していくとやはり五%内外あるいは五%若干超すようなところ、こんなようなところになるんでございましょうが、それ以上のところはぜひとも避けていきたい、これは春闘その他の関係もございますが、私はやはり物価は安定的に推移していってほしい、そして経済成長も雇用の面に悪影響のない程度のものはぜひやって成長を遂げてほしい、こんなようなことから、おっしゃるように物価というものはある程度のところはやむを得ないけれども、その変動幅というものは極力なだらかなものにしていきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。
#12
○相沢委員 その物価の上昇はやむを得ないという観点で考えるのではなくて、やはり産業の部門によっては、あるいはサービス業その他においては特に顕著でありますけれども、生産性を向上しがたいまたできないというような部面もあるのでありまして、そういう部面において所得の向上を考えるとすれば当然何がしか、たとえば料金の引き上げということも行われなければならない、そういうことを考えれば物価の上昇というのはやむを得ないんじゃないで、という考え方で考えるべきじゃないんで、ある程度の上昇は実質所得の向上ということを前提にして考える限り当然だ。ですからその当然のラインというものを抽象的に考えると一体どのくらいになってということは考えられるはずなんです、理屈から言いますと。それを超える物価の上昇が問題だということになるんだろうと私は思っているのですけれども、この点については議論がいろいろありましょうから、時間の関係で省略いたしますが、日本の物価は最近の情勢は、特に消費者物価が上昇はしているけれどもアメリカとかイギリスとかフランスとかいう諸外国に比べれば安定をしている。ただ、卸売物価について言いますと前年に対して二割以上の上昇になっている。しかしたとえばドイツは七%台というように承知しておりますが、そのドイツに比較してといいますかどういう点でその上昇率に差を生じているか、そういう点についてひとつ伺いたいと思うのです。
#13
○井川政府委員 確かに御指摘のとおり日本の卸売物価が二月に二一・四%、西ドイツの工業生産者価格指数は八%でございます。このように非常にわが国の卸売物価の上昇率が違いますのは、一つには西ドイツの対照になっております卸売物価指数と申しますのは工業生産者価格指数でございます。したがいまして、いわゆる日本の卸売物価指数では輸入が入っておりますが、ドイツの場合には輸入を含んでおりません。しかも西ドイツの場合には工業製品価格で、日本の場合を比較してみますと、西ドイツの八・五%に対しまして一月時点でございますがわが国が一四%でございます。したがいまして、最初二一%と八%と申し上げましたが、同じような対照で見ますと一四%と八・五%とかなり接近してまいるわけでございます。それでも両者には差がございますが、その理由は大きく分けますと二つございます。
 一つは、西ドイツの場合には非常に価格上昇の大きい石油及び同製品の輸入のシェアが約一七%でございます。それに対しましてわが国の場合には約四〇%でございまして、これが卸売物価に対する影響が非常に大きいということでございます。
 それから第二点は、とる時期によりますけれども、一月時点で前年比で見ますと日本は円が約二割程度切り下がっておるわけでございます。それに対しまして西ドイツは、最近マルクがかなり安くはなっておりますが、一月時点で見ますと約四%切り上がっておるということでございます。したがいまして、こういった二つの要因で見まして、同じように工業製品で見ましても日本の方が割り高になっているということでございまして、両者の差の大きな要因は以上申し上げたとおりでございます。
#14
○相沢委員 いま答弁にございましたように、ドイツと比べて日本の卸売物価が上がっているところの原因の一つは石油の輸入量の差、それからもう一つは為替相場の差ということでありますが、そこで石油の問題についてひとつ伺いたいと思います。
 と申しますのも、やはり今後の物価に大きな影響を与えると思われるものは石油の価格上昇の問題であり、そしてまた石油の価格上昇に伴う電気料金その他の値上がりだと思うからでありますが、その石油の価格がこのところスポット価格も大分落ちついてまいりましたし、それから石油の需給状況を世界的に見ると一ころよりは緩和をしていると見られるのでありまして、先般予算委員会においてもエネルギー庁長官から五十五年の石油輸入価格はそう大幅な上昇はないだろうという答弁があったと記憶いたしております。現時点で見て、遠い将来のことはさておいて、ここ一両年における石油の価格について通産省はどのように見ておられるか伺いたいと思います。
#15
○志賀政府委員 お答え申し上げます。
 現在の原油のCIF価格でございますけれども、通関統計で見ますと二月で三十ドル八十三セントということになっております。ただ、この三十ドル八十三セントというCIF価格でございますけれども、これは産油国側の価格引き上げの通告時期と実際の実施時期、そういう点を考慮してみますと、一月に先生御案内のようにサウジアラビア初め多数の国でいわゆるGSPの引き上げをやったわけでございますけれども、その価格を十分には反映してないというふうに考えられます。したがいまして、この一月のGSPの引き上げ、さらに二月にも引き上げたわけでございますけれども、そういった一月、二月のすでに実施いたしましたGSPの引き上げを考慮いたしますと、この二月の三十ドル八十三セントという通関統計ベースのCIF価格は今後さらに若干上昇するだろうというふうに考えられます。
 さらにその後、本年の見通しでございますけれども、ここのところは先生先ほど御指摘のように、最近需給の緩和がやや見えておりまして、スポット価格もことしの二月ぐらいから、アラビアン・ライトで大体三十六ドル前後で推移、一進一退という感じで、かなり落ちついてきておる。さらにIEAその他の見通しによりましても、本年の世界の原油の需給バランスというのは一応そのバランスが保てるであろうという見通しが大方でございます。
 そういったことから考えますと、若干確かに産油国側の減産の問題とかございますけれども、特段の事情がなければ大体昨年のような、昨年からことしの初めにかけてのような、価格の大幅な上昇というのは少なくとも八〇年については余り考えられないのではないかと思っております。ただ中長期に考えてみますと、やはり産油国側の石油政策、資源温存であるとか、あるいは世界的なインフレとの関連の問題とか、そういった点から考えまして、さらに原油の取り扱い量に占める産油国側のウエートがふえておるということから考えまして、中期的には逼迫ぎみに推移するであろうと考えているわけでございます。
#16
○相沢委員 現時点でどの程度の価格になるかという見通しはなかなかむずかしいと思うのでありますが、電気料金の算定に際しては原油の価格を一バレル三十一ドルというふうに見積もられたと聞いておりますが、いまのお話で言うと二月のCIF価格が三十ドル八十三セント、ほとんど三十一ドルに近いわけであります。しかも、一月におけるサウジアラビアその他のGSPの上昇等も十分に反映していないということであるとしますと、三十一ドルという見通しは……(「三十二ドル強」と呼ぶ者あり)三十二ドルでも三十一ドルでもそう違わない、三十二ドルという見通しは相当低いんじゃないかという気が私はするのです。恐らくこれからOPECの会合というものも何回か開かれるでありましょうし、現在の需給情勢からいうと、相当大幅な値上げはないにしても、やはり三十一ドルとか三十二ドルとかというところにとどまらないんじゃないか。いまから予測はむずかしいと思いますが、その点もう少し具体的な御返答を承れませんか。
#17
○志賀政府委員 ただいま先生からお話ございましたように、電気料金の査定に際しまして石油のCIF価格を三十二ドル強ということで一応査定をしたわけでございます。これは、その査定時点におきますGSPのレベル、一月、二月のレベルをカウントしております。その査定時点におきますGSPのレベルあるいはスポットの動向、プレミアムの動向その辺を十分踏まえまして三十二ドル強という査定をしたわけでございます。先ほど申し上げましたように、これは見通しでございますのであれでございますけれども、特別な事情がない限りにおきましては、本年の石油の価格につきましては大幅な値上がりはないであろうということで、一応三十二ドル強ということで推移するのではないかということで査定をしたわけでございます。
#18
○相沢委員 そうすると、三十二ドルというのは、GSP価格の一月、二月というものを勘案をし、そして今後のスポット価格の推移等も織り込んで、要するに少なくとも五十五年度は油のCIF価格は三十二ドルだというふうに考えて差し支えない、こういうお考えですね。
 というのは、電気料金の算定は、あれは昭和五十五年度におけるところの総括原価というものを前提にして決めておられたわけですね。したがいまして、当然昭和五十五年度中におけるところの石油の輸入価格というものを、つまり昭和五十五年度中はこれで推移するという前提でなければああいう査定はできないということは、あれは電気料金の算定で、石油価格の見通し全体の問題ではないんだということかもしれませんけれども、そうじゃなくて、やはり通産省としては、エネルギー庁としては、大体昭和五十五年度の油の価格は三十二ドル程度で実際に推移するという見通しを立てておられるわけですね。
#19
○志賀政府委員 電気料金の査定に際しましては、その査定時点において把握し得る最新の情報に基づいて査定をしたわけでございます。そういうことでやりますと、三十二ドル強ということでわれわれは考えたわけでございますけれども、今後の問題といたしましては、私どもとしては先ほども申し上げましたように、まあ特別な事情がない限りにおきましては、本年の原油の価格は三十二ドル強という程度で推移するのではないかということを期待して査定をしたわけでございます。
#20
○正示国務大臣 ちょっと政策的なことだから、私から補足します。
 通産省なり経済企画庁なり、いわゆる原価主義といっても、将来どの程度上がるかということを見込みますと、これはまあこの委員会でも御審議いただいたときに、各電力会社、ガス会社は相当の値上がりということを予定しておったのです。これはしかし、将来のことを入れると切りがない、だからその時点までで抑えるというふうなことをやりまして、現に年度内に認可した北海道電力、沖繩電力、これなんかについても同じ方式を適用したわけなんですよ。それで大分難航したわけですが、とにかくあとは生産性向上で吸収してくれ、そこに大変無理があるわけでして、今度の電力の査定でも、電気全体で二一・一〇%の圧縮になっているのです。それから電灯では二二・三〇%の査定減になっているのです。電力では二〇・六七%、こういうふうに相当きつい査定になっているのですよ。ところが、後でこれは社会党さんや野党の方から御追及があると思うのだけれども、甘いと、こう言われるのだけれども、甘いと言ったって、この間も国会討論会でやっていると、おまえら一四・五%しか査定してないじゃないかとおっしゃるから、とんでもない、実に二一・一〇%も切り込んでいるんですよと言ったら、ああそうかというようなことで大体御納得いただいていると思うので、これは大変影響の大きい政策問題、私はやはりそういうようなところあるいは円レートにしても二百四十二円、ところがいま二百四十九円から二百五十円でしょう、これだって相当きついのですよ。だからあらゆる点で公共料金の査定は厳しくやっているのですから、その点だけははっきり申し上げておきます。
#21
○相沢委員 その厳しくやられることは結構なんですけれども、しかし電力会社の場合に、生産性向上で吸収すると言っても、これは原料となる油のウエートというものが大きいわけですから、なかなかそう簡単にはいかない。そうしますと、私は、OPECが今後価格上昇というものを、石油価格の引き上げということを考えていないという前提をとらないと、なかなか一バレル三十二ドルという前提で五十五年度の電気料金を算定することには無理があるのじゃないかという気がするものですから、それでお聞きしているわけです。ですから、その点はいかがなんですか、一応いままでわかっておるところだけであって、今後の値上げがあればそれは別だ、こういうことですか。
#22
○正示国務大臣 これは通産大臣なんかも大変心配してくれているのです。私も心配しているのです。しかし私は、これはまた微妙でして、日本の大口消費者である電力やガスがこの程度の値上げを見込んであるということになると、売り手から、これは営業の秘密だと言ってなかなかやっていても、国会で質問されるでしょう、だんだんわかってくるのですよ。そうすると、いまのように三十二ドル強という現実にわかった範囲内にとどめております、こう言うと、ああ日本へ持っていってもやはりそのぐらいでないと買わぬな、こういうことになってくれることをわれわれは期待しているのですね。これをいやもう三十五ドルぐらいまではしようがないですよなんと言ったら、これはもう大変なセールスマーケットに強硬な値上げのあれを与えることになる。そんなようなことから言って、私は資源エネルギー庁が現実にわかった範囲内にとどめるということで、ずっと、去年北海道、沖繩、それからことしの八電力、三ガス会社、全部その一つの立場を守ってやっておるのである。
 さて、それじゃ現実にどうなるのか、それがもし実行できなくなったらどうするのだ、これをいま申し上げるにはまだ時期尚早である。われわれは認められる範囲で各企業が最善を尽くしてくれるようにいまひたすらお願いをし、そしてまたそれの関係する業界も最善を尽くしてこれに協力していただくようにお願いしたい、こういうふうに考えております。
#23
○相沢委員 日本が今後の石油価格をどの程度に見込んでいるかということが産油国側の今後の価格に影響するというようなお話でしたけれども、それはちょっと問題があるような気がします。というのは、買うのは日本だけじゃないのでありますし、日本だけに対して特別価格を適用するわけにもいかないわけでありますから、その点はいささか私は異論があるのでありますけれども、この問題、余りやっていると時間がなくなりますので、次に移ります。
 いま日本の国が五十五年度において石油のために、石油の輸入に払われる金額ですね、一体総額どの程度と見ておられますか。そしてその中で電力に使われる石油の量。
#24
○井川政府委員 電力にどれぐらい使われているかというのは、これは私も数字承知はいたしておりませんが、通関の輸入金額でしかも五十四年の実績で申し上げますと、ドルベースで通関輸入が総額千百六億ドルでございます。そのうち原油輸入額が三百三十四・七億ドルということでございまして、三〇%というシェアを占めておるわけでございます。
#25
○堀田説明員 ただいま手元に正確な数字はございませんけれども、五十三年度の使用実績で申し上げますと、生だき用に使われます原油が約二千万キロリットル、それから重油の形で使われます油が約三千万キロリットル、合わせて五千万キロリットル。そのほかに、LNG、NGLといった、ほかの、消費量は多量ではございませんけれども、石油系の燃料があるわけでございます。
#26
○相沢委員 五十四年度の実績が三百三十四億ドルだということですけれども、その三百三十四億ドルの中で、では電力会社が使う石油の量は大体何%ぐらいですか。
#27
○堀田説明員 これも手元に正確な数字はございませんけれども、五十三年度の電力会社の石油消費実績は一兆二千億程度であったと承知しております。
#28
○相沢委員 一兆二千億円ということですね。ですから、いま、三百三十四億ドル、まあ一ドル幾らで評価するかですけれども、その石油の中で、これは重油で入っているものもありましょうけれども、大体電力でどのくらい使っているかというようなことは、エネルギー庁御存じでしょう、大体のシェアぐらい。――お答えがないようですけれども、昭和五十四年度の石油の輸入量は、私が承知している範囲では二億七千万キロリットル程度じゃないかと思うのですけれども、そうすると、さっきおっしゃった、原油と重油で五千万キロリットルということになれば、大体二割ですね。そう承知してよろしいですか。
#29
○志賀政府委員 原油を処理いたしまして重油をつくりますので、重油を原油ベースに引き直してその上でカウントするのがあるいは適当かもしれません。それでやりますとどうなるかというのは、ちょっと私、手元に数字がございませんので、恐縮でございます。
#30
○相沢委員 その程度の数字は概数でも当然覚えておいていただきたいと思うのですけれども、私がいま質問ずる趣旨は、為替の相場との関連なんです。三百三十四億ドルの原油輸入代金というものは、当然これは、五十四年度のベースですから、五十四年度のベースで言うと平均バレル三十ドルにはならない。ですから、当然五十五年度は、この三百三十四億ドルがあるいは四百億ドルを超えるかもしれない。相当な金額になっているわけです。ですから、仮に為替相場が一ドル一円上がったら、輸入代金として四百億円ふえるわけですね、円ベースで言えば。そうすると、電力の料金算定において、二百四十二円ということで算定されたようでありますが、現実には、たとえばきのう三十一日のロンドンの相場では二百五十円二十銭ないし五十銭という相場が出ている。つまり二百五十円という台が前後のベースにかなりなってきているわけですね。そうすると、それで八円違うわけです。八円違えば、仮に四百億ドルとすれば三千二百億円そこで違ってくる。そう大ざっぱな計算が適当かどうか知りませんけれども、相当、為替相場の変動によるところの電力会社の負担というものも違ってくるわけですね。そこで私は、電力料金の算定についてはかなり石油の価格あるいは為替相場の点について窮屈な点があるので、ただ上げろと言うのじゃありませんよ、電力料金の算定についてもう少しほかの面において検討していただきたいということを申し上げたいわけなんです。
 そこで、国際金融局おいで願っているのでありますけれども、いまの二百五十円という為替相場、これについて今後、非常に答えにくいと思いますけれども、どういうふうに推移するというふうに見込んでおられますか。
#31
○大場政府委員 非常にむずかしい質問をいただいたのでございますが、御高承のとおり、昨日はニューヨークで二百五十円でございまして、けさ方は二百五十円五十銭くらいで推移しております。ただ昨日は、フランクフルトでマルクが一ドル一・九五マルクでございまして、かなり安くなっております。またチューリヒではスイス・フランが一・八五スイス・フランでございまして、これも相当下落しております。逆に申し上げれば、ドルがそれだけ強くなっているということでございますが、むしろ円の方がドルに対してそれほど弱くなっていないというのが最近の推移でございます。
 今後の見通し、非常にむずかしいのでございますが、これだけは言えるかと思います。それは、いまの二百五十円前後の相場というのが、基礎的諸条件と申しますか、これは物価とか経常収支とかあるいはその他心理的な要因も含めていろいろな要因があるかと思いますが、やはりやや円安に過ぎるという判断を私どもは持っております。ですから、三月二日に円防衛策をアメリカ、ドイツ、スイスと私どもは協調してとったわけですけれども、そのときああいう円防衛策をとりました背景には、これら四カ国が二百五十円という水準は円安過ぎるという判断があったのだと思います。ですから、今後の見通しを申し上げにくいわけですけれども、これは御高承のとおり市場の需給で決まっていくものですから見通しというのはむずかしいのですけれども、少なくともいまの相場が円安過ぎるということで四カ国の通貨当局が大体コンセンサスを持っていたということは申し上げられると思います。
#32
○相沢委員 今後の為替相場の見通しは、おっしゃるように、日本で決めるわけにいかない、いろいろな条件で決まるわけですから、なかなかむずかしいというふうに承知してお聞きしておったのですけれども、いまの二百五十円というものはどうも経済の実勢から言っても安過ぎる、そういう認識は皆さん持っておられると思うのですね。とすれば、一体どの程度ならまあまあという線なのかということが次に出てくるわけなんですけれども、これはもしお答えできるならひとつしてください。
#33
○大場政府委員 ますますむずかしい御質問でございますが、確かに適正レートというものの算定はむずかしい問題でございます。私どもも、たとえば一九七三年なり一九七四年なりを基準にしましてその後の卸売物価の上昇なり工業製品価格の上昇、また実行為替レートの変化をかけ合わせまして一応の試算はしております。しかし、工業製品価格を使うかあるいは輸出価格を使うか卸売物価を使うかによって非常に大きな乖離が出てまいります。一番円高のものは二百円くらいのものが出てきますし、また円安のものは二百五十円くらいというふうな数字も実は出てくるわけでございます。ですから、こういった数字はやはり一つの参考資料にしかすぎない、適正レートというものを推定する手がかりにはならないのじゃないかという感じを持っております。そういう意味で、御質問にありました今後の問題について、適正レートはどうかという御質問に対してましては、なかなか適正レートを見出しがたいというお答えにしかならないと思います。
#34
○相沢委員 一ドル二百五十円は円安だ、これは日本だけじゃない、諸外国の認識もそうなっているということですから、それならどの程度を考えておられるかということの質問になるわけなんですが、あなたがお答えになると、国際金融局の次長が答弁したということでもってまた為替相場に影響するといけないから、これ以上御質問はしませんけれども、私は皆さんの意見を総合すると、二百二十円とか二百三十円とか、少なくともいまの二百五十円のベースよりも大体一割程度円が強くなってもいいんじゃないかという感じを皆さん持っておられるようでありますから、これはこの程度にしておきます。
 そこで、電力料金のことを余りやっている時間がないのでありますけれども、今後の石油価格とかあるいは為替相場の見通しからいいますと電力料金の査定は相当厳しかったものがあると思うのです。ただ私は、とにかく一度取り上げて議論したかった点があるのでそれだけ申し上げておきますのは、事業報酬の問題なんですね。電力料金の事業報酬は昭和三十五年に決められたもので、自己資本とそれから他人資本とについてそれぞれ配当ないし利子をフェアリターンとして見込むという形で八%のレートが算定された。そのレートベースについても問題がありますけれども、その八%という率、これは当然再検討されてしかるべきではないか。
 と申しますのは、確かに公租公課の算定において配当率を一〇%から八%に下げて見込んだということは承知しております。ただ、本体の配当の財源となる事業報酬が従来どおり八%というのは、これがどうも論理的じゃないのですね。何%にするかということは、それは議論して結論を出していただきたいけれども、公租公課というような端っぽのところで一〇%を八%にいたしましたということでこれは済まないのですね。その点いかがですか。
#35
○堀田説明員 ただいまの先生の御意見はかねて私ども伺っておるところでございまして、確かに御指摘の点もあるわけでございますが、非常に事務的に申し上げますと、報酬率八%を積算しておりますときの根拠の中には配当率一〇%という根拠は織り込まれておりませんので、公租公課の算定のときに、原価計算上配当率を八%にするために計算上はっきり出てくる数字に対応するものは、報酬率八%の中に入っておりません。公租公課の算定の基礎となった数字が直ちに事業報酬率に連動する形では積算されておりませんので、私どもは事業報酬率にはあえて手を加える必要はないと考えたわけでございます。
 また総合的に申し上げますと、その事業報酬率につきましてはいろいろ議論のあるところでございまして、いま御指摘のございましたレートベースの考え方、これももちろん非常にいろいろ意見があります。もっとふやすべきだという意見もございますし、もっと減らすべきだという御意見もあるわけでございます。これは私どもの電気事業審議会の料金制度部会で昨年の春十分御討論をいただきまして、事業報酬率八%は短期的な金利変動等で動かすべきではない、現在八%をキープするのが適当であるということを御答申いただいております。ただレートベースの考え方等について、長い目で見てもう少し理論的に検討することは必要であろうという御答申をいただいておるところでございます。
#36
○相沢委員 そういう答弁は前も伺っていますけれども、私はやはりそういうことじゃいけないのだと思うんですね。公租公課の算定において、配当率を一〇%から八%に下げてそれに対応する公租公課を算定した。これはそれで結構なんです。ただ、それは公租公課というのはごく一部の話なんであって、問題は配当をどの程度に見込むかということです。ですから、確かに事業報酬の八%の中に一体配当として何%を織り込んでいるかということの積算根拠がないでしょう。あるいはあったのかもしれませんけれども、それはよくわからないでしょう。それはそれでいいのです。ただ、従来、事業報酬の八%をもってして電力会社が大体一〇%の配当をしてきたということならば、そして、そのほかの項目において配当の財源となるところの項目がないとすれば、その配当を一〇%から八%に下げるならば、論理的に、当然事業報酬のレート八%についても何らかの査定減があってしかるべきだと思う。この点、企画庁、いかがですか。
#37
○藤井(直)政府委員 レートベースの問題は、非常に沿革的なもののように伺っておりますが、私どもとしては非常に構造的に、たとえば金利水準が大きく変化するというようなことがあれば、そういうものはある程度反映させていく必要があろうと思っております。ただ、現実の金利を見ておりますと、昨年来、数次にわたる公定歩合の引き上げ等によりまして実際の金利がかなり上がっておりますので、今回の査定に当たりまして、私どもとしてはこの問題について特にそういう面を考えて、私どもとしての意見を申し上げなかったわけでございますが、もしこれが非常に長い期間また低金利時代が続くということになった場合、そういう問題は起こるのではないかと思っております。
#38
○相沢委員 それではちょっと答弁にならない。それは、事業報酬の八%というものが他人資本に対する借入金の金利だけならそれでいいです、そうじゃないのですから。自己資本に対するフェアリターンも織り込んでいるわけです。ですから、昭和三十五年当時の金利と比較してどういう状況か、あるいは高いかもしれない。そうすると、その点については逆にプラスの要因になってくる。それはわかるのです。わかるのですけれども、ただ配当率について、これを明らかに電気料金としてカットして見るのだということなら、事業報酬の八%に手を入れなければ本体を切ったということにならないのですね。もちろん今後配当は幾らになるかということは全然査定していないわけです。だから、電力会社はあの電力料金でも一〇%の配当をするかもしれない。そのことは何にもくぎを打ってないわけです。それは制度として仕方がないかもしれない。それだったら、やはり事業報酬のレート自身について査定を加えなければ配当を査定したことにならないじゃないですか。その点を伺っているのです。
#39
○藤井(直)政府委員 配当については企業の自主性に任せるべきものでございますので、配当を幾らにしていくべきだということは特に今回も申し上げていないわけでございまして、ただ、公租公課の算定上、一〇%を八%にするということでございますから、もし企業が大変な努力をして配当できるようであれば、それにとらわれないでやっていっていいものではないかと思います。
 それからレートベースについては、積算はないのですけれども、ただ現状では、他人資本のウエートが圧倒的に大きいわけでございますので、借入金利の方の動きが全体を非常に左右するのではないかと思いますので、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、最近の金利水準の変化というものを頭に置いてみると、今回の段階でそういうことについていろいろ改善を加えていくことはむずかしいというふうに判断をしたわけでございますが、将来の問題として、そういうことについては私どもとしても十分関心を持って勉強していきたいと思っております。
#40
○相沢委員 時間がなくなりましたので、この問題はその程度にしておきます。ただ、ひとつよく検討をお願いしたいと思うのであります。どうせいまのあれでいきますと、この見通しというか算定の基礎は一応一年間でしょう。だから、すぐ起こり得る問題なんですから、その点を今度の問題としてひとつお願いしたいと思うのです。
 もうあと六分しかありませんで三問あるので、二分ずつでやりたいと思います。
 一つは、予算の繰り延べというか執行の問題です。
 上半期において契約率をかなり下げる、特に第一・四半期において契約率を抑えるということを決めたかのように私は新聞で見ていますけれども、どういうふうになりましたか、その点伺いたいと思います。
#41
○正示国務大臣 これは大蔵大臣と建設大臣その他公共事業の関係大臣が寄り寄り協議しておるわけでございますが、何しろ予算がまだ参議院で審議中なものですから、いまうっかり何割とかいうことは言えない。しかし、大きく金融財政について抑制的にやる、それから適正な総需要の管理をやるということだけは決まっておりますので、抑制的ということから、相沢委員はその道のベテランですから、抑制的と言えば大体どういうことかという勘はおのずから持っておられると思います。
#42
○相沢委員 私は、決まったならばどういう程度になるか、あるいはどういう程度の見込みになるかということを承りたかったので、その点がまだ決まってなければ結構です。――決まりましたか。
#43
○禿河政府委員 いま企画庁長官の方からお答えございましたとおり、実はまだ五十五年度の公共事業等の歳出予算現額の計数が固まっておりませんものですから、具体的なそういうめどは計数的にまだ立っておりません。ただ、長官からお答えございましたとおり、抑制的な方向で今度持っていくのだという趣旨で、私どもこれから具体的な作業に取りかかりたいと考えております。
#44
○相沢委員 一部にはオーバーキルの心配なども言われておりますので、公共事業の執行に当たっては、物価はもちろんでありますけれども、そういう景気との関連も当然お考えいただいて慎重に御検討をお願いすることを申し上げて、その次に移ります。(「地域性も考えて……」と呼ぶ者あり)地域性、特にその点もひとつお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、電話料金の問題であります。公共料金が軒並み値上げをするという情勢の中で電話料金の引き下げがいま議題になっているようでありますが、どういうような話になっておりますか承りたいと思います。
#45
○水町説明員 お答えいたします。
 電話料金の問題については、かねてから遠距離と近距離の格差が非常に大きいということが御指摘をいただいておりまして、この点については是正をしなければいけないという考えを私ども持っておったわけでございますが、そういった見地から、当面実現可能な方策といたしまして、夜間通話料の引き下げについて公社の方に対して指導をしてまいったところでございます。
 また一方、党の方におかれましてもいろいろ御熱心にお取り組みがございまして、具体的な案等をお示しをいただいておるわけでございますが、そういったこともあわせて公社の方に検討をいま指示しておるところでございます。
#46
○相沢委員 相当収益もふえておるようでありますから、それを還元する形で、電話料金についてはできるだけ料金の改定をお願いしたいと思うのであります。
 それでもう一つ、けさの新聞に公示価格の上昇が大きく新聞紙面をにぎわしておりますけれども、この地価の上昇の原因はいろいろありましょうが、時間がございませんので、それに対してどういうような対策を国土庁として考えておられるか。特に国土法第十二条による規制区域の指定等を考えてしかるべきではないかと思いますが、この点はいかがですか。
#47
○渡辺説明員 先生御存じのように、最近の地価の動向の特色は三大都市圏の住宅地を中心とした値上がりということであります。原因等をくどくど御説明する必要はないと思いますが、われわれの認識といたしましては、非常に強い住宅地の需要に対して供給が足りないという、いわゆる需給ギャップによるものが一番大きいと考えておるわけです。
 そのために、当面の対策といたしましては、当然のことながら従来に引き続きましていわゆる投機的な土地取引、こういったものを抑制するための施策は堅持してまいりますが、同時に宅地供給の促進、再開発の推進等も含めてでございますけれども、そういったものを進めていこうと考えておるわけでございます。
 御質問の規制区域の問題でございますが、規制区域につきましては、国土利用計画法の十二条では、土地の投機的取引が相当広範にわたって集中して行われること、それと同時に地価が急激に高騰する、そういう要件のもとで指定するということになっております。最近の地価の動向は先ほど申し上げましたようなことで、いわゆる投機的な土地取引というものは見当たらないという認識に立っておりますので、いま直ちに規制区域を指定する必要性はないというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、土地の投機的取引というものが国民に及ぼす弊害は非常に大きいわけでございます。それを除去するために規制区域の制度があるわけでございますから、そういった趣旨にかんがみまして、今後さらに強力に、土地取引の動向でありますとか地価の動向でありますとか、こういったものに対する監視を強めてまいりたいと思っております。
#48
○正示国務大臣 けさ、閣議でこの問題が大きく取り上げられまして、きょうから電力、ガス、その他公共料金が上がる、卸売物価に波及してくる、物価はまさに正念場である、こういうときに地価の公示価格がああいうふうに上がったということはこれはインフレマインドを刺激する、非常に憂慮にたえぬ、こういうことで、国土庁長官から報告があると各閣僚から非常に活発な意見がありました。いま国土庁の事務当局がお答えしたような考えで国土庁長官が臨まれたのだけれども、結論は、大至急に土地対策閣僚会議を設置しよう、それで間髪を入れずいろいろな対策をやろう。
 そこで相沢委員もお聞き及びだと思いますが、いままで二百三十七カ所ほど特別地区に指定していろいろ調査しておったのを二十四地区を超重点特別地区に指定してそこの動向を――これは新年度に予算が入っておるわけですね、大至急把握体制を固めよう。特別報告を聴取する。関係閣僚会議は夜を日に継いで、まず、いまもお話しのような宅地供給の増加、これをやりながらでないと、うっかり規制だけを強めると供給がとだえてしまうということになっても大変だ、だから供給増加対策とあわせて規制対策をやろう、こんなようなことを基本方針として関係閣僚会議を至急に発足させよう、こういうことが決まりましたから、この機会につけ加えて御報告をいたします。
#49
○相沢委員 時間がなくなりましたからやめますけれども、その土地の供給対策の中で一つぜひ御検討をお願いしたいのは市街化区域、市街化調整区域の問題です。どうもあちこち話を聞いておりますと、市街化区域への編入ということが土地の供給対策として非常に効果があるということはわかる。調整区域に対して投資をした不動産業者を助けるじゃないかとかなんとかという議論はありますけれども、そういうようなことは土地全体の供給を促進する面から言えばむしろマイナーなことなので、その辺、線引き問題についてはひとつ思い切ってもう一度御検討をいただきたいと思うのでありますけれどもいかがですか。
#50
○渡辺説明員 線引きの見直し問題はわれわれとしてもいまの宅地供給の促進の対応の中の一つとして考えておるわけですが、これは御存じのように都市計画法体系の中で建設省が主管してやっている問題でございます。われわれも建設省と連絡をとりながら先生の御趣旨のような方向で進みたいとは思いますが、やはり都市施設の投資等との関係もいろいろあるだろうというふうに考えております。
#51
○相沢委員 国土庁は土地政策に関する責任官庁ですから、ひとつその点建設省を督励してお願いしたいと思います。
 終わります。
#52
○井上委員長 午後一時から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
   午前十一時三十六分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時二十八分開議
#53
○野田委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。松浦利尚君。
#54
○松浦委員 大臣が何か経済四団体に五十五年度の物価問題について要請をするというので離席するそうですから、公取委員長にまず御質問をさせていただきたいと存じます。
 御承知のように、三月十七日に独占禁止法研究会の方から「流通系列化に関する独占禁止法上の取扱い」についての報告が出されておるわけでございます。これはいろいろな意味で、流通寡占問題等を含めてあらゆる、従来本委員会で議論されたようなことについて報告が出されておるわけでありますが、公正取引委員会としては、この研究会からの報告をこれからどういう形で扱っていかれるのか、公正取引委員会としての本報告に対する御見解をまず承っておきたいと思います。
#55
○橋口政府委員 三月十七日に出ました「流通系列化に関する独占禁止法上の取扱い」と題する研究会の報告でございますが、これは長年にわたりまして流通問題の中心として流通系列化の当否の問題が議論の対象になっておったわけでございまして、この報告書には、明らかに表現してございますように、流通系列化の問題につきましては、これを積極的に評価する見解と、流通系列化に伴う弊害の問題とが共存をしておるわけでございまして、この研究会の報告は主として競争政策上の立場から、流通系列化の多年の問題に対しましてある種の判断を示しておるわけでございます。
    〔野田委員長代理退席、委員長着席〕
 ただ、いまお話がございましたようにこの研究会の報告を受けて行政機関としての公正取引委員会はどうするかという問題が次にあるわけでございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように流通系列化の問題は大変長くまた深い時間的経過のある問題でもございますから、この問題につきまして、研究会の報告書によりまして一刀両断に物事を解決するということは本来困難ではないかというふうに考えておるわけでございます。ただ研究会報告も約一年半にわたりまして十八回の回数を開いて研究した成果でございますから、現時点で得られるものとしてはベストのものではないかというふうに考えているわけでございまして、これを受けましてわれわれとしましては、中長期的な問題として流通系列化の是正に取り組んでまいりたいというふうに思っておるわけでございまして、今後業界に対する指導の方針とかあるいは審査事件における審判決の基準としてもこれは十分活用できるというふうに思っております。ただ、いま申し上げましたように多年の問題でもございますから、この研究会の報告によってすべての問題を短時日の間に一挙にして解決するという性急な考え方をとる必要はないというふうに思っておるわけでございます。
#56
○松浦委員 この問題は非常に重要な報告書でありますし、われわれもこの問題について十分本委員会で議論させてもらいたいと思います。ですから、ここでいろいろな抽象的な議論を申し上げるよりも、将来の問題として本委員会でぜひ取り上げて議論させていただきたい。そのためにも、取り扱い上いろいろな問題はあるでしょうけれども、ぜひ本委員会の委員だけにはこの研究会報告書の抜粋でも結構ですから配付をいただけないだろうかというふうに思うのでございますが、どうでしょう。
#57
○橋口政府委員 そのように手配したいと思います。
#58
○松浦委員 それから続いて、御承知のように公正取引委員会は五十五年二月十九日に「独占禁止政策の当面する諸問題について」ということで一つのまとめ的なものをしておられるわけでございますが、この中で、これは新聞にもすでに出されておるところですが、自動車それから自販、こういった流通のあり方についていろいろな考え方が公取から出されておるわけでありますが、こうした問題について自動車業界にはどういう指導を今日まで行っておられるのか、そういう問題についてもしここで御報告できる範囲がありましたら、簡潔で結構ですから御報告いただきたいというふうに思います。
#59
○橋口政府委員 自動車の流通問題につきましては約二年間かけまして調査を継続いたしておったわけでございまして、調査の結果はおおむね取りまとめは終わっておるわけでございます。調査の過程におきまして発見されました諸問題としましては、経済的強者としての自動車のメーカーあるいは自動車の販売会社と、経済的な弱者としてのディーラーとの間における取引に公正取引上問題があるのではないかということでございます。主としてわれわれが注目いたしておりましたのは、現在の契約書が大変古い形式なり内容を持っておるということでございまして、この契約書をベースとして実際の取引が行われておるわけでございますから、まず契約書の近代化、合理化を図ることが必要ではないかということで、現在は各自動車メーカーとディーラーとの間の基本契約書の改定の作業に取り組んでおるわけでございまして、それは従来の観念で申しますと異例ではございますが、個々の契約書につきまして審査をいたしておるわけでございまして、この審査に基づきまして具体的な指導を行っておるわけでございます。
 その指導の内容を簡単に申し上げますと、第一は押し込み販売の問題でございます。メーカーなりあるいは自販とディーラーとの間におきましては責任販売台数というものを決めております。これは半年ないし一年という多少長い期間をとりまして大体どのくらいの台数を販売するかということを決めておるわけでございますが、これがいわゆる押し込み販売と言われるものでございまして、メーカーが一方的に台数を押しつけるという問題がございます。それが第一点でございます。
 それから第二としましては、決済手段の問題としまして白地手形制度というのがございます。これはディーラーの方から自分が署名捺印をいたしました白紙の手形をメーカーなり自販に納めるという制度でございまして、したがいまして受け取りました自販なり自工の方でその責任において手形を振り出して決済を求めるという制度でございます。これも多年の習慣でございまして、ある部分は定着をしているということか言えるわけでございますが、しかしこれはディーラーにとりましては全く金融的な生殺与奪の権をメーカーないし自販に握られておるわけでございますから、したがって両者の間で公正な立場での決済の交渉というものはできないわけでございます。したがいまして、白地手形制度につきましては原則として廃止することが望ましいわけでございますけれども、商慣習上残した方が望ましい場合もございますから、したがいまして白地手形制度とその他通常の手形制度の併用を行うべきであるという指導をいたしておるわけでございます。
 それから第三はリベート制度でございまして、リベート制度につきましても、できるだけメーカーの出し値価格を下げてディーラーの採算で売るようにすることが望ましいわけでございまして、現状におきましては仕切り価格を高くいたしまして後でリベートで調整するという制度が行われております。そうなりますと、やはり力の関係等もございまして自動車メーカーの方にますます力が強くなるわけでございまして、ディーラーとしては自分の判断によって商売がしにくいということがございます。そういう点から申しまして、リベート制度の是正の問題が第三点でございます。
 それから第四点としましては、専売店制とかあるいはテリトリー制と言われているものでございまして、特定のディーラーにつきましては特定のメーカーの一定の車しか販売させないというのが専売店制でございます。それからディーラーの営業区域を限定いたしまして、相互に不可侵という制度というのがテリトリー制でございます。この点につきましても、これは研究会の報告書にも出ておるわけでございますけれども、専売店制につきましての一つの判断、あるいはテリトリー制につきましての是正の方針というものも示しておるわけでございまして、以上申し上げましたもろもろの点につきまして、ほぼ自動車メーカーとの間に折衝が終わっておるわけでございまして、一月からすでに契約書を改定したメーカーもございますし、それから四月から、きょうから改定されるものもあるわけでございますし、なお八月から改定されるというものもございまして、いずれにしましても、少なくとも契約書の指導に関しましておおむね指導が終わりつつあるというのが現状であろうかと思います。
#60
○松浦委員 この公取の指導に対して業界からの抵抗というのはもうない、おおむね公取の指導どおり運んでいくというふうに理解をしてよろしいんですか、八月までには。
#61
○橋口政府委員 自動車に関しましては、こちらの方針に対しまして大きな抵抗というものは現在までないというふうに考えております。ただ、いま最後に申し上げました専売制でございますけれども、専売制につきましては、緩やかな専売制につきましては研究会の報告でも、経済的に強い上位のメーカーについては専売制を適用することは好ましくないが、それ以外のものにつきましては再考の余地があるということを言っておるわけでございます。したがいまして、そういう点で申しまして、はっきり申し上げまして自動車で申し上げますならばトヨタ、日産につきましては専売店制を廃止するということが明らかに契約書にあらわれております。ただ、それ以外のメーカーにつきましてはこれからどうするかというのは多少の問題として残っているわけでございますが、それ以外の点につきましてはほぼ問題は解決するというふうに考えております。
#62
○松浦委員 それからもう一つお尋ねをいたしますが、御承知のようにきょうから新しい年度に入りましたし、午前中にも相沢委員から御指摘がありましたように、電灯、電力、ガス等の値上がりが行われていくわけですが、私たちが知る限りにおきましても、これから同調的な値上げというのが非常に出る可能性が強いというふうに理解をしておるわけであります。
 そこでこれはお尋ねでございますが、麒麟麦酒が御承知のようにまだ値上げをしておらないわけですけれども、もうすでに朝日麦酒がプライスリーダーになりまして、朝日が三月十七日、それからサッポロが三月十八日、それからサントリーが四月一日蔵出しから値上げをすでに発表しておるわけでありますが、あと残されておるのは麒麟がまだ出てきておらないわけでありますが、この問題について、同調的引き上げの可能性があるというふうに思うのですが、そういった場合、もし仮に麒麟が値上げに踏み切った場合について、三カ月以内であれば公取としてはビール業界の調査というものをなさる、報告の徴収というのですか、そういうお考えがあるのかどうかをお尋ねしておきます。
#63
○橋口政府委員 ビールにつきましては、いまお話がございました麒麟を除きましてすでに値上げを発表いたしておりますし、値上げの率、幅、金額等全く同じでございます。したがいまして、麒麟が三カ月以内に値上げが行われますれば、これは当然独占禁止法十八条の二の同調的価格引き上げの場合における理由の報告徴収に該当するというふうに考えているわけでございます。ただ、麒麟が三カ月と一日とか三カ月と二日というようなインターバルを置きまして値上げをした場合にどうするかという問題があるわけでございますが、恐らくはそんな三カ月もたってから値上げをする、ということは予想されない事態でございますが、仮にそういうふうになりました場合の法律の適用がどうなるかという問題があろうかと思います。ただ、ビールのような業界の実態から申しまして、首位メーカーである麒麟が値上げをしない時期におきまして、下位メーカーのサッポロとか朝日とかの値上げが実際問題としまして行われる
 か、実現するかという問題があるわけでございまして、これはまず実現はむずかしいというのが定評でございます。したがいまして、まだ現実にはビールの値上げが行われていないというのが実態ではないかと思います。そうなりますと、結局麒麟が値上げをしました時期に一斉に値上げが行われるということになるわけでございますから、これは当然三カ月以内ということに入るわけでございます。
 したがいまして、今後、未来永劫というふうに申し上げるのは少し言い過ぎかと思いますけれども、ビールのような寡占業界におきまして値上げが行われました場合には、税金の引き上げ等による自動的な値上げは別といたしまして、それ以外の理由による値上げの場合には、ほぼ例外なく価格引き上げの場合の同調的内容につきまして報告を徴収するということになろうかと思います。当然、今回の値上げにつきましては、麒麟麦酒の値上げが行われましたならば、法律の構成要件に該当しているかどうかの調査をいたしまして、該当しているということであれば、当然その理由につきまして報告を徴収するという段取りになるだろうというふうに考えております。
#64
○松浦委員 それから、これは新聞の報道しておるところでありますから、まだ私たち自身定かではありませんけれども、公正取引委員会が指定しております五十六業種に対しまして、魚肉ハムを製造します日本ハムが四月から一〇%の値上げが行われるという報道がなされておりますし、また、ウイスキーにつきましても、サントリーオールドあるいはニッカG&G、これが七、八%の値上げを行うということが報道されておりますし、家庭用台所用洗剤につきましてもライオンが四月一日出荷分からすでに値上げの方針を出しておりますし、さらに、一般用カラーフィルム、これは富士フィルへ小西六、コダックが四月の二十一日から一斉に値上げをするという報道がなされてきておるわけでありますが、いずれにいたしましても、四月一日を契機として、公取が指定をしております五十六業種のうち、すでに新聞が報道しておる五つについて、同調値上げ的な動きが出てきておるわけであります。私は、これも当然ビール等と同じように公取において報告を徴収してチェックをすべきである、そういう準備はもうすでに行わなければならぬという気がするわけでありますが、こういう点について把握をしておられるのかどうか、その点も公取委員長からお聞かせをいただきたいと思います。
#65
○橋口政府委員 現在、同調的価格引き上げの理由の報告につきまして、調査中の案件が三件あるわけでございまして、自動車用のタイヤチューブ、インスタントコーヒー、家庭用の合成洗剤台所用の三品目でございまして、これは現在調査中でございます。
 それから、予備調査を行っておりますのが一般用カラー写真フィルムでございまして、これは二月にすでに値上げをいたしております。それから、四月に再度値上げをするというニュースがあるわけでございますが、二月における引き上げ分につきまして、法律の要件に該当するかどうかにつきましての予備的な調査を行っておるわけでございます。
 そのほか、今後予想されるものといたしましては、ビール、ウイスキー、それから鋼材等でございまして、鋼材につきましてはすでに値上げの発表が行われているわけでございまして、これも恐らくは値上げが実現しました後におきましては、同調的価格引き上げの規定に該当するのではないかというふうに思っておるわけでございまして、したがいまして、私どもがいま予想いたしておりますのでも、すでに今後三件あるわけでございます。
 そのほか、先生がおっしゃいましたような魚肉ハム等につきましても関心を持っておるところでございまして、そういう点から申しまして、随時価格引き上げの情報につきましては注意をいたしておるわけでございますが、しかし限られた人員でございますし、また、同調的価格引き上げの報告につきまして企業サイドにおける協力というものが一〇〇%というふうにはなかなかまいらないわけでございまして、できれば公取に対して理由の報告はしたくない、できれば回避したいという気持ちも率直に言ってあるわけでございまして、したがいまして、いろいろの形態の値上げが行われますたびに、一体これが同調的価格引き上げの理由の報告徴収の規定に該当するかどうかにつきましての予備調査に意外に時間と人手を要しておるのが現状でございまして、そういう点から申しまして、できるだけ効率的な調査を行うということも必要でございますから、たとえば一般用のカラー写真フィルム等につきましては、二月と四月と二回にわたって値上げがあるわけでございますから、これを二回分まとめて調査をするのか、一回ごとに調査するかというような、多少事務的な問題でございますけれども、今後のことを考えますと、大変に重要な問題があるのではないかという感じがいたしておるわけでございまして、われわれといたしましては、全力を挙げて法律の規定の施行には万全を期してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#66
○松浦委員 後、いま大臣もおいでになりましたから大臣と物価問題で議論をいたしますけれども、やはり何といっても消費者サイドからいって最後のとりでは公取だと思うのです。ですから、そういった意味では、ぜひこういった同調的な値上げ等については、いますでに予備調査等もしておられるようでありますから、大いに公取の機能を発揮していただいて、ぜひ物価の抑制についての公取の立場での、実際に物価抑制をすること自体が公取の目的ではありませんけれども、結果的にそういった動きができるようにがんばっていただきたい。
 人員が少ないそうですが、ぜひこれは大臣にお願いをしておくのですけれども、どうも公正取引委員会がコウノトリになるようにだんだん公取の機能を縮小していこうとする動きが財界等も含めてあるわけですが、その中で、公取委員長を中心に必死になってがんばっておるその公取の予算とか人員とかというのは、やっぱり物価お目付の大臣としては協力体制をぜひとっていただきたい。これはいつも申し上げることなんですが、その点ひとつ大臣ここで、与野党おりますので、約束をしておいてください。
#67
○正示国務大臣 全く私もいまの松浦委員と同じように考えるわけで、ますます公正取引委員会は大事なお仕事であることは、十分心得ております。いま委員長に聞きますと、ことしは定員はふやしてないそうですね。これはやっぱり物価非常時に対して配慮が足りないと思うのですね。私ども去年の暮れに内閣をつくりましてあれでしたが、今後機会あるごとに御趣旨に沿うて私ども微力の限りを尽くしたいと考えます。
#68
○松浦委員 大臣、与野党で話のついた五百億をこういうところに使ったらどうなんですか。
#69
○正示国務大臣 あれは御案内のように、社会党さんを含む野党の方々、それから自民党とこれから協議することになっていますが、ひとつそういう御意見を、これは物価対策委員会の大変な大事な分野だということでお出しいただいてお願いいたしたいと思っております。
#70
○松浦委員 それは大臣の方からもぜひその意見を反映をしていただきたいと思います。
 それから、あと二つ公取の委員長にお尋ねをしてお引き取りいただいて結構ですが、石油業界の系列化というのが非常に進んできておるわけでありますが、やみカルテル等の問題で公取から摘発されたところもあるわけですけれども、これについて調査を進めておられるやにお聞きをしておるのですが、その結果等について、もし御報告できる範囲がありましたら、簡潔にひとつ御報告をいただきたいというふうに思います。
#71
○橋口政府委員 石油につきましては、複雑な業界でもございますから、二段階に分けて調査をいたしておるわけでございます。第一段階は輸入、精製、元売りの段階でございまして、これにつきましてはおおむね調査が結了いたしております。ただ問題はそれから先でございまして、卸、小売の段階におきましていろいろ乱れがあるわけでございます。そういう点につきましての調査は実はこれからということになっておるわけでございます。
 私ども輸入、精製、元売りの段階の調査をいたしました感じといたしましては、いまお話のございましたように系列化の問題もあるわけでございますが、やはり生販格差と申しますか、生産能力と販売能力の格差がやはり一番問題ではないかという感じがするわけでございます。したがいまして、そういうことのひずみが川上の方から川下に向かって流通過程を乱すような形で油がたまってくる、過剰な状態の場合にはいわゆる業転玉というようなものが発生いたして、業界の秩序を混乱させる。仮に需給が逼迫いたしますと、一挙に系列外のものは締め出しを食うという非常に異常な事態があるように思うわけでございまして、今後多少の時間をちょうだいいたしたいと思いますが、卸、小売の段階におきまして、どういう問題があるかということにつきまして、十分究明をいたしてみたいと思っておるわけでございまして、いまお話のございましたように、系列化問題等につきましては、実は流通寡占の問題というのが系列化の問題の次の問題としてわれわれの課題としてあるわけでございます。これは先ほども報告書につきまして先生からお話のございました独禁法の研究会というものがまだ残っておるわけでございまして、流通過程における寡占問題につきまして少し勉強していただこうかと思っておるわけでございまして、実はその一環として石油問題も取り上げていきたいというふうに考えておるわけでございます。これは多少時間がかかるかと思いますけれども、しかし輸入から末端までの流通の具体的な内容と問題点につきましては、ぜひ解明をしていきたいというふうに思っておるところでございます。
#72
○松浦委員 それから最後に、これは余りいい話ではないのですが、実はたまたま第二議員会館の売店に行ってパンを買いましたら、そのパンに六十円という表示がしてあるのですよ。そしてよくよく考えてみましたら、キャラメルなんかにも五十円という表示がしてあるわけですね。はて再販に指定してあるのかどうか、パンとかキャラメルが。そういうのは恐らく指定してないと思うのですけれども、たまたま法を議論する第二議員会館の売店でパンを買ったら六十円という表示がしてあったのですよ。これはどういう扱いになるのでしょうか。
#73
○橋口政府委員 再販売価格維持契約のできましたのは、御承知のように大衆医薬品と千円以下の化粧品でございます。それ以外に出版物がございますけれども。
 いまお話がございましたパンとかあるいはキャラメル等は、これは当然再販売価格維持行為の対象商品ではございませんから、もし仮にその表示がメーカーとしての再販売価格ということであれば、これは当然法律の問題として取り上げなければいけないというふうに思うわけでございます。ただ、この表示がメーカーによる希望小売販売価格ということになりますと、まあ六十円で売ってほしいというメーカーの単なる意思表示でございますから、これは実際末端におきまして、五十五円で売ろうと五十円で売ろうとちっとも差し支えないということであれば、それは問題にならないわけでございます。ただ、いまお話がございましたように、全体としてここ便乗値上げの雰囲気がございますから、こういう形で、しかもこれを見ますと、六十円と大変大きく書いてあるわけでございますね。まあ大きい、小さいを問題にするわけではございませんが、表示としては大変明快であるということに多少問題があるかなという感じがするわけでございまして、せっかくのお話でもございますから軽いタッチで調査はしてみたいと思います。
#74
○松浦委員 いま公取委員長が言ったように、私もこれ徹底的にやれという意味じゃないのです。軽いタッチで結構なんですが、ただ問題は、いままで三月ごろまではこれだけだった、ところがこれから四月の新年度にかけていろんな意味の値上げというものをある意味で固定化するために、意識的に一定期間だけ表示をして流すというような、そういう行為が大体行われつつあるのじゃないかという危惧をするものですから、もしそういうことをしたとすれば非常に悪質ですから、ですからそういうことが行われないように、そういう意味での軽いタッチでひとつ調べていただきたい。決してそのことを、違反だからどうのこうのと言うつもりはありません。ぜひその点も含めて御指導をお願いいたしたいと思います。
 それじゃ公取委員長、お忙しいそうですからどうぞ。
 それでは長官に、まず物価問題についてお尋ねをいたします。
 私が質問すると余りいい質問でなくて、長官もまたいろいろございますでしょうが、ひとつそこは数字のやりとりですから、御理解いただいた上で御返事いただきたいと思うのですが、いよいよ四月一日に入りまして、昭和五十五年度の政府物価見通しは六・四ということになるわけでありますが、これは各新聞社等も報道しましたし、また商工委員会でも三月二十八日、三月の最終金曜日に全国の消費者物価と三月の東京都区部の速報が出ましたから、物価局長に御出席をいただいていろいろと議論をさせていただいたのですが、対前月比で全国の消費者物価指数は一月が〇・九、それから二月も横ばいの〇・九というふうにきたわけですが、三月に東京区部の三月期速報と同じように仮に消費者物価が〇・五上がったとしましたら、平均物価上昇率は幾らになりますか、長官。
#75
○正示国務大臣 四・七六と思います。
#76
○松浦委員 ですから、従来ですと四捨五入をいたしますから端数は切り捨て、五以下は切り捨てですね。ですから、四・七四だったら四・七に入った、こういうふうになるのですね。四・七程度ということになる。ところがいま長官が言われたように四・七六という数字になりますと、四捨五入すれば四・八ということに実質的になるのですね。これは数字ですから、先ほど言うように、長官が言うようにぜひ四・七であってほしいのです。しかし三月期全国物価指数が〇・五以下になるという可能性は全くないと言っていいのですね。〇・五以上であることは間違いありません。だとすると、昭和五十四年度の物価政府見通しは四・七に入ったというふうに国民に言っていいのでしょうかね。
#77
○正示国務大臣 私どもは四・七、これは当初四・九とこう言ってきたのでありますが、まあできるだけ低くということで四・七に下方修正しておるわけです。まあ四捨五入論はきょう初めて松浦委員から伺うのですが、私は四・七の枠を維持するという意味においては端数は余り問題ではないのじゃないか、大きく四・七台を守ることに最後まで努力したい、こういうように考えております。
#78
○松浦委員 努力はもう済んだわけです、四月一日ですから。だから数字の結果があと出るだけなんです。ですから〇・五で四・七六ということは、逆に言うと三月の全国物価指数が〇・五以上になったときには、四・七六よりもさらに上がるということなんです。だから四・八に近くなるということなんです。私は、決してそのことで長官がやられたことを追及するという意味じゃないのですよ。さっきから言うように、数字は修正なしの冷厳な事実ですから、事実は事実として国民の前に明らかにしておかなければいけません。ですから、そういった意味では、四・七というのには入らなかった。ある意味では四・七をちょっと上がった、四・八に近い四・七、そういうことじゃないですか。
#79
○正示国務大臣 これは後で松浦委員にお届けいたしますが、「昭和五十五年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」昭和五十五年一月二十四日、経済企画庁。一ページの下の方をちょっと読みますが、「昭和五十四年度の物価については、卸売物価は前年度比一二・一%程度と大幅に上昇する見込みであるが、消費者物価は同四・七%程度にとどまるものと見込まれる。」こういうふうに書いてあります。
#80
○松浦委員 程度というのは、四・七九も程度ですか。ですから、そういう意味で、私は気持ちはわかりますよ、しかし四・七と国民に言ってきた以上は四・七と、国民はそう思うのですよ。だから、国民の側は許容して、せめて四・七四までは四・七程度、四・七五を超えた七九、八に近くなってくれば、やはり〇・一は見通しが狂った。だから、下方修正せずに四・九で置いておけばよかったと長官がいみじくも言ったのですがね。私はなぜこれを言うかというと、物価というのはかけ声だけではだめだということなんです。きょうも経団連を含めて四経済団体と物価問題についてお話をなされたそうですけれども、やはり私は、数字合わせではなくて、本当に真剣に取り組む姿、そのことを求めるから、余り許容して、四・七程度だから四・七九まではいいんですよ、そういう言葉だけのやりとりでは国民は満足しない。だから、やはり入らなかったものは入らなかったと、しかし、こうするんだというふうに経企庁で言ってもらいたいものだから言いましたけれども、そういうお言葉がありませんので、まあお気持ちはわかります。
 さらに続けますか、これは予算委員会でも議論したところですけれども、仮に三月期の全国総合消費者物価指数が、対前月比で〇・五だった場合、五十五年度に繰り越すげたは幾らになりますか。
#81
○藤井(直)政府委員 これもあくまで仮定のお話でおっしゃった数字だと思いますが、〇・五%の前月比の場合には、五十五年度へのげたは三・二%程度になろうかと思います。
#82
○松浦委員 ですから、げたが三・二になるということは、それだけ大きなツケが五十五年度に加わってくるということですから、五十五年度の物価というのは非常に厳しいというふうに私は受けとめる必要があるのじゃないかと思うのですね、三・二繰り越すのですから。その点は長官、これはあくまでも仮定の数字で、〇・五がさらに上がれば、げたはまた上がるわけですから、下がればもちろんげたは下がりますけれども、そういう意味では、厳しくこの状況を受けとめるお気持ちがありますか、ないですか。
#83
○藤井(直)政府委員 先ほどお答えいたしました三・二%でございますが、この中には、当然のことながら季節商品が入っております。そこで、季節商品については、御承知のとおり、野菜の値段が今回は非常に高いところにある。現在の東京都の三月の数字ですと、対前年六五%という数字。それがいま申し上げた三・二%のげたに相当大きく響いているわけです。ただ、この野菜の価格というのはかなり一時的な現象に基づくものと思われますので、これが四月以降そのまま行くということではなくて、作柄等が非常に順調でございますので、五十五年度に入りますれば、かなり価格の方も是正する場面が出てくるだろう。したがって、それはいま申し上げた三・二%の中から相当考えていかなければなりませんので、私どもとしては、その数字自身の上に五十五年度の物価上昇が乗るというふうには考えておりませんで、その是正部分が相当あるというふうに考えております。
#84
○松浦委員 季節商品で是正されるということはわかりますけれども、しかし、御承知のように四月一日から電力、ガスが上がりますね。先ほど長官の御説明によると、これによる直接的な影響は〇・七、ガスが〇・三、波及効果も同じようにあるとすれば、二出ますね。そうすると、季節商品の野菜は、一%消費者物価指数に影響するというのは、三七%近く野菜の値段が下がらなければ、一%の影響は出ないんじゃないですか。その点、どうですか。
#85
○藤井(直)政府委員 三・二%の中で季節商品のげたが一・二%を超すと思います。したがって、一般的なものは二%程度じゃないかと思います。
#86
○松浦委員 ですから、その一・二を今度は、先ほど言いましたように、電気料金の値上げその他で結果的に食っちゃうわけですよ。ですから、その落ちた部分だけは、また新たな公共料金の値上げ等で配置されていきますから、通常、げたで繰り越した分はなかなか下がらない。これがおおよそのいままでの数字なんですよ。
 長官、この前通産大臣にも私申し上げたのですけれども、十円の野菜が二十円になったら、何%野菜が上ったことになりますか、これは子供さんみたいで恐縮ですけれども。
#87
○正示国務大臣 一〇〇%。
#88
○松浦委員 そうでしょう。そうしたら、二十円の野菜が十円になったら、幾ら野菜は下がったということになりますか。
#89
○正示国務大臣 五〇%ですね。
#90
○松浦委員 そうでしょう。ですから、上がった野菜が、上がるときには一〇〇%働くけれども、下がってくるときには、下がった分は五〇%ということになってくるわけですね。これは数字の魔術で、対照するところが違うからそうなるのですけれども、だから、率直に言いまして、一遍上がった物価を下げるのは非常にむずかしいのです。ですから、そういった意味で言うと、これから値上がりをしてまいります三・二のげたに対して、二がげただ、こういうふうに仮に企画庁が言われるとおり仮定をしたとすると、六・四からげたの二を差し引きますと四・四でございましょう。四・四から電力、ガスの直接的なもの、波及効果を除いたら、二引いたら、二・四でしょう。それ以外に、NHKの料金やらいろいろな授業料なり何なりという公共料金がありますね。そうすると、それは政府主導型による公共料金の値上げが消費者物価指数に六・四にはね返ってくるわけです。それ以外に私鉄とか、あるいはその他関連のもろもろのものが上がってきますから、少なくともそんなに簡単に、六・四は大丈夫です、大丈夫ですというような状況にはない。むしろ五十五年の物価の情勢は、政府の経済見通しで言う六・四に入れるためには相当厳しい情勢を覚悟しなければならぬという受けとめ方をすべきだと思うのですが、その点、大臣どうですか。
#91
○正示国務大臣 大変厳しいということはおっしゃるとおりで、ただ、電力、ガスが二だというふうに言われたのですが、これはちょっとわれわれは承服できないのでして、先ほど申し上げたように、電灯とガスで一、それから電力の波及効果というのを、この間討論会でも申し上げたのですが、社会党さんでは、これを一と、要するに電灯とガスの二倍になるのだ、こう言われますけれども、ガスはまず考えなくてよろしい。それから、電力の波及はせいぜいコンマ二ぐらい。ですから、努力すればできる、こういうことでございます。
#92
○松浦委員 そうでしょう。だから、私はさっきから言うように、数字的な根拠ですから、いろいろ基礎が違ってくればそれぞれ違ってくるのでしょうが、いずれにしても、そういう安易な、六・四だ、六・四だというかけ声だけで解決するような、そういう状況でないということを申し上げておるのです。
 そこで、ちょっと大臣にお尋ねをしたいのですが、実は大平総理が自由民主党との連絡会の席上におきまして、要するに物価は四、五月ごろを乗り切れば大体大丈夫だ、六月からは景気対策に転じたいというようなことを、自民党のある幹部の御質問に対してお答えになったのか、あるいはみずからお話しになったのかわかりませんけれども、大平総理が直接お話しになっておるのです。三月二十六日ですね。私は、そういう大平さんの発言が出るほど昭和五十五年度の物価情勢というのは安易ではないという気がします。逆に言いますと、昭和五十四年度の経済成長は政府の見通しよりも相当高いところにくるのではないか。野村総研などの調査を見ましても、六から六二ぐらいにいくのではないかということが出てきております。五十五年度の後半に景気がどういうようになるかということは別にいたしまして、少なくとも景気問題で見る限り、五十五年度の前半は相当高いところで進むだろうと思うのです。ですから、景気浮揚策的な発言をすることよりも、もっと物価に重点を置いた引き締め的な政策というものをとっていくべきだ、特に物価中心の政策は改めるべきではないというように思うのですが、この大平総理の発言に対して、経企庁長官の考え方をお聞かせください。
#93
○正示国務大臣 実は、私はその席にはおりませんので、総理がどういうふうなあれで御発言になったかよく存じませんが、けさの閣議で総理から、きょうから年度が新しくなる、一番重要問題は物価である、そのほかいろいろなことを言われましたが、物価を最重点に考えて全力投球でこれにみんなで当たりましょうというようなお話があったのです。そこで、私の推測では、四月、五月は物価の正念場だ、大変大事なときだ、総理はこういうことにうんと力を入れられたのだと思うのですね。六月ごろになったら景気の方にも若干配慮できないかな、こういう願望を込めまして言われたと思うのです。それほど四月、五月の物価問題というものにシリアスな認識を持っておるのだ、私はこう解釈しております。けさの総理の発言も大体それに軌を一にしている、こう思っております。
#94
○松浦委員 それではこの三月二十六日の総理の発言というのは、ある意味では本意を伝えておらなかったと理解すべきだというふうに解釈してよろしいですね。
#95
○正示国務大臣 私はそういうふうに解釈しております。
#96
○松浦委員 さらに、五十五年度の経済見通しの問題ですが、先ほど相沢委員もオーバーキルのことについてちょっとお話しになりましたが、これもある民間の経済研究所のデータその他を見て解釈するのですが、率直に言って、原油の問題についても、量、価格ともなかなか判断のしにくい情勢、制約を受けるという情勢がある。また逆に言うと、新経済七カ年計画で、当初見通しておりました一般消費税というものは白紙になりました。それにかかわる財源措置としてどうするかということは明示されておりませんし、五十六年から一般消費税を導入するかどうかも、確たる政府の方の御答弁がないのですけれども、いずれにいたしましても、経済七カ年計画そのものを完全に見直さなければならぬという状況に来ておる。財政再建という問題について、もう一遍白紙に戻って検討せざるを得ないという状況に来ておる。
 それからさらに、確かに輸出は非常に好調ですけれども、逆にオイルダラー等が流出をいたしまして、経済収支というのは大幅な赤字が続いておる、こういう情勢を見ますと、先ほど申し上げましたように、五十五年度の後半あたりからぐっと五十四年度伸びてきた景気も、ある意味で鈍化をする可能性が多分に要素としてあるのではないだろうか。そして同時に物価というものは公共料金の値上げ等を含めて非常に値上げが強い動向にある。さらに国際収支は改善の見通しがなかなか立たない。午前中相沢委員からもいろいろありましたが、御承知の円安の問題も一向に安定しない。こういった状況を見てまいりますと、三重苦といいますかトリレンマ的な経済運営をこの後半強いられるのではないかという気がするのですが、こういった考え方に立ったこれからの経済企画庁としての経済運営についての御意見、長官としての考え方、このことをきょうお聞きいたしまして、そのことをまたここで議論しようと思いません。また日を改めて、そのことについて長官の御答弁の内容について議論させていただくということを含めて、考え方について述べていただきたいと思うのです。
#97
○正示国務大臣 私どもは先ほどお示しした印刷物にも言っておりますように、まず物価の安定だ、インフレとの闘い、これに勝利をおさめるということが先決だ、これで経済の底を固めよう、こういう考えなのです。そこで、御承知のように、公定歩合は九分という史上最高のところまで上げられたわけです。これによってどういう効果があるかと申しますと、まず金利について一つの天井感を抱くということです。残念なことに、その後アメリカは公定歩合は上げないけれども、いわゆるプライムレートはまだ上がっておるようですね。それで公定歩合引き上げ、そしてたび重なる円安対策の効果が円のレートにはまだ十分あらわれておりません。しかし、いま松浦委員も言われたように、輸出の基調はやはり強い。それから物価対策もいま正念場に差しかかっておる、そんなような意味から、日本経済に対する総括的な信認度といいますか、こういうものはじわじわと浸透していくことを私は期待しておるわけです。金利の天井感も、この辺で打ちどめにして、何とかこれを維持していきたい、こういうような気持ちが金融当局には強いと思うのです。
 そこで、次に来るのは財政なのです。財政についても、われわれの総合物価対策の中に適切なる総需要の管理という表現と、財政金融の抑制的運営、こういうことをうたい上げておるわけであります。これで予算が成立した後に関係当局の間で現実の事態に即応した財政の適切なる運営、こういうことが決められると思うのです。それは非常に大事な一つのファクターだろうと私は思う。そういうことをやると同時に、電力、ガスの値上げがどういうふうに経済界の中に波及していくか、これを最小限度に食いとめる努力、個別物資について先ほど来お話しの野菜、水産物等を含めて生鮮食料品、それから生活関連の物資また産業の基本となるような重要物資、こういうものについても、通産当局も一生懸命にいま努力をしておるわけであります。また公正取引委員会でも先ほど来お話しのような努力が行われておる。私はまさに物価に対する総力戦の体制は着々とこり固まっておる、こう受けとめておるわけです。これを皆さんの御協力によってやる。私は物価問題というのは超党派で進めていただく必要があると思う。おまえたちのやっていることで足らぬということがあったら、ひとつぜひ御指摘をいただいてこの難局を何とか乗り切っていく、そして底固めをして、その上で経済の安定、堅実なる成長、こういうところへ持っていきたいと思う。
 そこで、おっしゃるように、経済については非常に底固いものがいまはありますが、これはいま申し上げたような財政金融等の影響から若干の足踏み状態というふうなものの影響は出て来ざるを得ないというふうに私は思います。
 しかし、雇用面を見ていきますと、これはむずかしいところですが、やや明るさを取り戻しており、こういう状態というものは当面の春闘の中にも大きく考慮に入りまして、目先の賃上げだけではなくて、雇用全体というふうな観点から良識ある解決が図られるもの、私はこういうふうにこいねがっておるわけでございます。そういうことがだんだんと底固めの中にあらわれてまいりまして、さあいよいよもう底は固まったということになって――金利についても若干の、これは国際的な関係がありますから思い切った引き上げということはなかなかむずかしいと思いますが、やはりある程度の調整的なものは必要になってくる、財政についてもやはり同じようなことが行われてくるというふうなことを考えますと、ちょうど締めて後をじわじわと堅実な成長の方に合わせていくような時期が来るのじゃないか。それがさつき総理の言う六月に来るかどうか、これはなかなか予断を許しません。若干時期は違う、あるいはずれるかと思いますけれども、何とか早く底を固めることをやる、それには総力を出し切って短期決戦でいかなければならぬ、こんなようなことでさしずめ物価問題に全力を挙げて取り組んでいきたい、こう考えております。
#98
○松浦委員 いまの御答弁についてはまた改めて機会がありましたら議論させていただきたいと思います。
 ここで、これから個別物価についてちょっとお尋ねをしたいと思うのですが、この前商工委員会で物価局長もおられたのですが、便乗値上げの問題について大臣と議論をいたしました。その際通産の物価担当の審議官が私に答弁をなさったのですが、会議録ができていませんから正確ではありませんけれども、便乗値上げというのは一体どこが便乗値上げなんだ、どの部分から便乗値上げなんだ、こう質問いたしましたら、審議官は、いや便乗値上げというのは、正常に需要供給で流通する場合は問題ないんだ、その価格よりも上がったときは消費者が買わないから結局値上げをせざるを得ないんです、ですから便乗値上げというのは結局意識的にしたとしても消費者の関係で買わないという状態の中で下げざるを得ない、その下げなければならない部分が便乗だ、簡単に言えばそういうことを言われたんですね。ということは、逆に言うと、便乗値上げの取り締まりなんかしないでいい、むしろ便乗値上げがあったものについては自然に流通段階で下げざるを得ない方向に賢明な消費者が誘導するというふうなことを裏返しで言っておられたと思うのですが、正確ではありませんけれども私はそういうふうにとったのですけれども、この前の経済閣僚会議で決めた物価対策の便乗値上げというのはこういう程度のものなのでございましょうか。まずそのことをお聞かせいただきたいと思います。
#99
○正示国務大臣 この総合物価対策でわれわれは、さっき申し上げたような適切なる総需要の管理、こういうことと生産性の向上による吸収、この二つを大きくうたい上げておるのですね。そこで、私は便乗値上げというのは非常に消極的な態度だと思うのですよ。本当に自由な競争が行われれば、いま松浦委員御指摘のように、高いものは買わない、かずのこ戦法ですね。そういうことが徹底していくと便乗値上げは結局値上げしても買ってもらえないということになるはずだという論理は、一応わかるのですが、しかしそれじゃ私はぐあいが悪いから、この際生産性向上――これは組合の方々に、労働生産性をうんと高くしておるのに賃上げはこの程度にしてくれなんと言って、労使の交渉で決めるのですから、私は、企業経営者も当然生産性を向上して、原価的に上がってきたものもやはり吸収していくのだという態度でなければ、両方のつじつまが合わぬと思うんですよ、バランス関係はとれないと思うんですね。そういうふうな積極性を今度の総合物価対策は打ち出しておるわけです。ですから、やはりここではそういう消極的な、言わば本来の原価から言うとこのくらい上げても説明はつくのだけれどもというふうなことではなくて、原価はその程度上がっても、それを吸収してぎりぎりいっぱい上げなければならぬところはどこか。
 けさほどの電力料金、ガス料金の査定で相沢委員から大分しかられた、しかられるというか、大分問題だなと言われたのがやはりあるんですよ。あるんですけれども、それは今度は物価非常時だからがまんしてくれというようなことで、結局私どもが企業側にもお願いしたのは、最後は生産性の向上で吸収してください、こういう積極的な攻める戦法ですね。企業に対しては、この際は便乗値上げというよりもさらに攻め込んで生産性向上で吸収、こういうことをいま盛んにお願いしておるのです。これによって初めてさっき言われたように容易ならざる六・四%を守り抜くという態度をこれからも貫徹していきたい、こう私は思っております。
#100
○松浦委員 生産性向上についても、経済指標を見ますと現在の稼働率は率直に言って九〇%を超えておるのですね。ですから生産性向上で吸収する分野というのは、長官が幾ら言われても、あの経済指標が正しければ二月の段階ですでに九〇%、九〇%といったらもう一〇〇%フル操業に等しいです、ですから生産性向上で吸収する分野分野と言われても、私はそんなに多くはない、こう思うのですが、それは長官の御意見として承って、このことはまた議論をさせていただきます。
 いずれにいたしましても便乗値上げ問題に絡んで、実はこれは物価局長にお尋ねをいたしますが、外食産業が一〇%価格を引き上げたときには、消費者物価はウエートからいって〇・七二になる、こういうふうに思っておるのですが、その点はどうですか。
#101
○藤井(直)政府委員 いま私、その数字についてお答えする数字を持っておりませんので、ちょっと検討させていただきます。
#102
○松浦委員 私が調べた範囲内では、外食産業が一〇%上がりますと、六・四%の消費者物価指数のうち、たしか〇・七幾ら押し上げる結果になるというふうに聞いています。ですから長官、外食産業が上がるということは非常に大きいのです。外食産業のウエートは電力、ガスと同じくらいにウエートが高いのですね。そうでしょう。――わかりましたか。
#103
○藤井(直)政府委員 消費者物価のウエートの中で外食というのが一万分の七百二十七ということでございますので、いまおっしゃった数字に大体近いのではないかと思います。
#104
○松浦委員 ですから外食産業というのは、六・四が達成するかしないかに非常に大きな問題であるのです、いまの数字から見まして。これははっきりしたウエートです。総理府のウエートから見てそうなる。一〇%上がっただけで〇・七幾らの引き上げということになるわけです。
 そこで、これは食糧庁にお尋ねをいたしますが、食糧庁が米麦価値上げのときに調査をなさいました。その中で食糧庁の方では便乗値上げなし、こういうふうに結論を出されたわけでありますが、そういうふうに理解してよろしいですか。
#105
○吉田説明員 ただいまお話のございました調査でございますが、米麦価の改定に伴いまして、外食につきまして、これは八品目でございますけれども、主要な都市におきまして調査を実施したわけでございます。一月の下旬を起点にいたしまして、二月の上旬、中旬、下旬、それから三月の上旬というのが一番新しいわけでございますが、その結果のことをいま御指摘になったと思うわけでございますが、これにつきましてちょっと申し上げますと、一万三千六百六十一店のうち実際に値上げのございましたのは平均いたしまして一・七%でございます。それから、一万三千六百六十一店のうち値上げのございました件数の割合でございますが、一一・二%でございます。ですから、一月の下旬から三月の上旬まで、約四十日間でございますが、この期間におきまして約九分の一の店が値上げをしたということに相なるわけでございます。
 従来から総理府等の小売物価統計調査等によりますと、外食におきましては年間を通じまして平均的に値上げが行われておるという実態にございます。それで、私どもこの調査結果からながめまして、この値上げを行っております店の割合あるいは値上げをいたしました品目の値上げの状況、そういったものからいたしまして便乗値上げという状況は見られない、そういうふうに見たわけでございます。
#106
○松浦委員 長官、いま食糧庁から御説明があったとおりです。米麦価が引き上がったときに調査をした結果が三月二十八日に発表されたわけですけれども、その政府売り渡し価格の米麦価についての便乗値上げはない、こういうことでまず長官の御理解をいただいておきたいと思うのです。
 そこで、実は問題になりますのはこの後なんですね。もうすでに経企庁でも把握をしておられるかもしれませんが、一月三十一日のある経済紙の報ずるところによりますと、全国にチェーンを持っておる外食産業と言われておる主要飲食業が大幅に値上げをする動向にあるのです。そしてその先陣を切ったのが小僧寿し本部で東京地区二%の引き上げをすでに行っておるわけでありますが、それ以降あらゆる外食産業が一〇%以上の値上げを行おうとしておるのです。すでに行ったところもあるわけですね。そうすると、米麦価についての値上げは、先ほど食糧庁の言うことが正しいとするなら、便乗値上げはなかった、外食産業は四月以降に大幅に一〇%値上げをする。そうしますと、逆に言うと、先ほど言いましたように一〇%でありますから、これが引き金になって六・四のうちの〇・七幾らを食いつぶすということになってくるわけですが、この外食産業の値上げについては便乗値上げなのか、それとも正常値上げなのか、あるいは調査をしておられないのか、調査をなさるとすれば今後どういう対応をされるのか、そういう点についてひとつお答えをいただきたいというように思うのです。
#107
○吉田説明員 米麦価改定に伴います調査におきましては、一応私どもの当初の予定では三月の末までということになっておったわけでございます。
 対象品目につきましては、これは従来どおりでございますが、八品目、ライス、親子どんぶり、カツどん、カレーライス、かけうどん、キツネうどん、中華そば、タヌキそば、こういう八品目でございますが、いまおっしゃったような小僧寿しとか、あるいは最近相当大幅にふえてきておりますようなそういった品目におきましてはいままでは対象にしておりません。四月以降におきまして最近の物価動向にかんがみましてやはりこの調査を続けていく必要があるだろう、品目もふやしていったらどうかというようなこともございまして、いまそういった点につきまして関係各方面と検討中でございます。
#108
○松浦委員 食糧庁が調べるのは小さな食堂のどんぶりがどうだこうだというような調査ですね。そうすると、実際に物価にストレートに影響してくるのはやはり国民が非常に利用する利用率の高い外食産業なんですよ。外食産業というのは常に米麦価が上がったときの調査対象から外れておるのですね。これでは私は率直に言って物価対策というのはなかなかできないだろうと思うのですよ。経済企画庁も五十五年の二月、三月に外食を中心とした米麦価の調査をしておられますね、その内容には外食産業その他は全部入っておるのでございますか、簡単にひとつお答えください。
#109
○藤井(直)政府委員 モニターによって調査しておりますのは主として飲食店でございます。
 それから、外食団体に対しては米麦の値上げに際して経済企画庁にもおいでいただいて、大臣からその便乗値上げについての行動について節度あるようにしていただきたいという要望をしておりまして、また文書でも農林省の方で協力要請をして従来もやってきております。
 今後の問題として、飲食店以外に外食産業をどうするかということについては、ただいま農林省の方で御答弁したとおり、現在検討中でございます。
#110
○松浦委員 経済企画庁が消費者モニター約千二百人で調査なさった外食米麦価の結果は公表なさるのでございますか、発表なさいますか。
#111
○藤井(直)政府委員 これは私どもとしては、農林省の方の調査がかなり網羅的にやっておられますのでそれを外には公表していただいておりますが、私どもとしてはやや補完的に私どもなりに把握したいと思っておりました調査でございますので、特に公表いたしておりません。
#112
○松浦委員 私は大臣にお願いをするのですけれども、きょう経済四団体とお話しになったそうですけれども、漠然とそんな大きな団体の方とお話しするのもいいでしょうけれども、やはり消費者物価のウエートから見ていきますと、どの部分が最も重要かというのは発想として出てくるわけですよ。ですから、外食一〇%の値上げが先ほど言ったように大きな影響があるとすれば、少なくともこの外食産業に対してはやはり長官なり局長なりが、率直に来てもらって、その一〇%の値上げなんというものは見合わせてくれぬか、場合によっては一二%というところもあるわけですから、どの分野が便乗値上げなどということは私は言うつもりはありません。むしろ本当に六・四を達成するためにはそういう部分について抑えてもらうように積極的な行政指導があってしかるべきだというふうに思うのです。――いや、もう結構ですよ。
#113
○入澤説明員 農林省の企業振興課長でございますが、ちょっと……。
 ただいま先生御指摘のとおり、便乗値上げの防止につきましては、先般外食の主要団体に農林省に来てもらいまして、便乗値上げの抑止方を強く要請したところでございます。それで、大手の外食のチェーン店がやっておりますレストランの団体、それから事業所に入っている給食サービス協会、この種の皆さんはその趣旨を了解されてできるだけ慎重に対応したいという意思を表明しております。
#114
○松浦委員 慎重になさるのはいいですけれども、それではここに値上げを予定している数字というのは、これは便乗値上げではない、農林省はオーケーだと、あなたがそう言われるとそういうふうにとりますよ。すでに行政指導して来てもらって外食産業の大手にはお願いした、お願いをしたから大丈夫でしょう、しかし新聞を見ると一〇%、一一%の値上げをやります、こう言ってすでに発表しておるのですから。ということは、先ほどの農林省の調査と同じように、便乗値上げじゃない、やむを得ないんだということになれば、もう先ほど言ったように厳しい物価運営の中で六・四の〇・七を食われてしまうわけですから、経済企画庁長官はますます窮地に立つ。少しは苦労しておる長官に協力してあげないのですか。そういう問題になるのですよ。大臣、どうですか、もう大臣のところでしなければだめですよ。
#115
○正示国務大臣 これは日経流通新聞とか日本フードサービスチェーンとかいろいろのところで情報として。大変残念なことは、いまインフレムードというものは確かに相当高まっておったと私は思うのですよ。それを最近に至りまして、公定歩合は九分まで上げる、予算の実行も相当思い切って抑える、個別の物資についても相当きつい行政指導を行われるというようなことがだんだん浸透してきた、そして、いま農林水産省からお答えのように、これから本当に力を入れて関係業界を指導していきます、こういうことですので、ややそういうムードのときの報道が出ておりますが、これは決して容易ではありません。しかし、外食産業の持つウエートに着目いたしまして、政府は一体となって、全力を挙げて便乗的な値上げの動きを阻止していきたいと考えます。
#116
○松浦委員 私はいま大臣が言われましたように、相当な覚悟でぜひやっていただきたい。しかも、外食産業というのは成長産業で、こんなことを言っては外食産業の皆さんに悪いですけれども、大分もうかっているわけです。経常利益も大きいのです。ですから、そういう点についてはぜひ指導を厳しくしていただきたいと思います。
 それから、もう最後になりましたが、これから少し魚の問題について質問をいたします。この問題は、井上委員長も非常に関心の高いものでありまして、本来ですと井上委員長がされるところでしたが、私がかわって質問させていただきます。
 北商の倒産問題をめぐりまして、魚の騰貴、流通に対する国民の批判は相当厳しくなってきておると思うのです。先ほど長官はかずのこ問題を消費者の勝利のようなことを言われましたけれども、確かに消費者の力、消費者が北商のこういう騰貴問題、背景にある商社のそういった行動について結論を出したわけです。しかし、この魚問題というのは、これからの国民の栄養補給源として非常に重大なものを持っておるのです。そして、その魚が大衆魚も含めて大変高い。そういうことが具体的に出てきておると思うのですが、その問題を含めて少しく意見を承りたいと思います。
 その第一点は、これは全部農林水産省の資料ですけれども、農林水産省の食料需給表による調査でありますが、動物性たん白質の供給量の推移を見てみますと、昭和三十五年は水産物から供給する量が七四%、畜産物で供給する量が二六%だったわけですが、それが昭和五十二年になりますと逆転いたしまして、畜産物からの供給量が五三%、水産物が四七%、さらにこの数字は広がっていくのではないかと想像がされます。一つは食生活が西洋化してきたという意見もあるでしょうが、反面魚離れ、魚が高いからこの際食わない方がいいのではないかという消費者の動きが多分にあらわれてきておるのではないかと思うのですが、農林水産省の方ではどういう把握をしておられますか。
#117
○真板説明員 ただいまお尋ねのように、日本人の動物性たん白質の摂取量の割合で従来は水産物がほとんどを占めていたのでございますが、最近はその地位が逆転いたしまして、畜産物の方が若干多くなってきております。この背景となりましたのは、いろいろな問題があると思いますが、その一つに、確かに先生から御質問いただきましたように、魚の価格が高いというような面は否定できないかと思います。
#118
○松浦委員 さらに具体的にお尋ねをしておきます。
 これは総理府の家計調査年報によるのですが、当初生鮮魚介類、カツオ、サケ、タコ、イカ、アジ、カレイ等の中価格魚といったものよりも鶏肉、豚肉等がずっと高かったのですけれども、昭和五十一年度からクロスしまして、魚価の方がその上をいくという状態になってきておるという統計が出ておるのですが、そのことも農林水産省は確認されますね。
#119
○真板説明員 ただいま先生の御質問のとおりの状況が見られるわけでございますが、畜産物の価格の安定というものが消費者の選択をより早めたということは否めないかと思います。
#120
○松浦委員 いまそういう御答弁がありましたが、私は、少なくともこういう状況から見ますと、四界海であるわが国のたん白供給源としての魚というのはもっと大切にしていかなければいけない、輸入に頼る肉類よりも、そういった意味では魚に戻す対応をしなければならぬ。
 そのためにはどうすればいいか。私は、魚は安いものだという政策をこの際とっていかなければならぬと思うのですが、その魚が高いじゃないかという一つの典型的なあらわれが、この前の北商のかずのこ騰貴問題だと思うのです。
 それはなぜかといいますと、魚類の中央卸売市場における扱い量が生鮮魚介類からだんだん変わってまいりまして、冷凍物の扱い量が非常にふえてきておるのではないか。そのことを農林水産省の方では把握をしておられると思うのですが、行政官庁ですから知っておられると思うのですが、どうですか。
#121
○穂積説明員 卸売市場におきましての水産物の流通の状況でございますが、冷凍水産物の比重が高いことは御指摘のとおりでございます。
#122
○松浦委員 これはおたくからいただいた数字ですが、六大都市の中央卸売市場の水産物の入荷量をチェックいたしますと、全体を一〇〇として冷凍品が三八%、生魚品が二八%と、構成比では冷凍物がトップを占めておることについては否定なさいませんね。
#123
○穂積説明員 御指摘のとおりでございます。
#124
○松浦委員 さらにお尋ねをしておきますが、冷凍品の扱いで一番問題になりますのは取引の状態だと思うのです。これも、市場担当の方が来ておられますから、簡単なことですが、大体市場法の中心は競りが中心だ。だから、競りという状態が一番正常な価格を反映しておる、競りの結果が。そういう意味では、市場のあり方としては競りが中心だったのですけれども、昭和四十六年に市場法が改正になりまして相対取引ができるようになったのですね。ところが、最近の東京都の中央卸売市場の――これも農林水産省の資料から抜粋したのですが、市場流通要覧から調べてまいりますと、四十七年は競りが五一・三%で、相対取引が――これは法案が通った後ですよ。四八・七%だったのが、五十三年度には、何と正常な競りの形で行われるのが四五・一%、相対で取引される分が五四・九%と、相対取引の方が競りよりもふえておるという姿が、統計的におたくの数字で出されておるのですが、この点は間違いないですね。
#125
○穂積説明員 先生お話しの昭和五十三年度のデータで申しますと、全国の中央卸売市場で……(松浦委員「東京都」と呼ぶ)東京都の場合は、競りあるいは入札によります販売が五五・九%でございまして、これに対しまして相対取引あるいは定価販売、これが四四・一%という……(松浦委員「これは五十三年ですか」と呼ぶ)これは五十三年度でございます。全国で申しますと、先生御指摘のように、競りあるいは入札による販売が四五・一%、相対取引あるいは定価販売ということによりますウエートが五四・九%となっております。
#126
○松浦委員 いま農水省から御指摘があったように、全国的に競りよりも相対がふえてきておるという状況であります。それにつれて、通常取扱品目というのは委託品が中心なんですよね。ところが、これがだんだんと変わってまいりまして、最近は、買い付けが非常に多くなってきているという――数字は裏表の関係ですから、委託が減って、まあちなみに言いますと、全国的に言って、金額の割合でいきますと、四十三年が五一対四九だったものが、五十二年度では三六対六四、非常に買い付けがふえてきておるということは、率直に言っていまの表裏ですから、そのことも当然ですね。
#127
○穂積説明員 水産物につきまして、まず集荷の点でございますが、委託による集荷というものに対しまして買い付けによる集荷の方が多いことは事実でございます。
#128
○松浦委員 ですから逆に言うと――決して私、そんなことを言って農林水産省を責めるつもりはありませんけれども、いずれにしても市場が市場の能力を持っておらない、そこにやはり最近の魚流通の変革が出てきておると思うのです。
 そこで、その最大の焦点になるのが、実は冷蔵庫、冷凍庫という問題になってくるわけですが、この具体的な数字をお尋ねをいたします。
 日本冷蔵倉庫協会の調査によりますと、全国に冷蔵倉庫は三千九百三カ所、そのうち、営業用は運輸省の管轄でありますから運輸省の許可対象、その運輸省の管轄の営業が千八百二十八カ所、監督官庁規制外、要するに自家用の冷蔵倉庫は二千七十五あるというふうに、これは数字的に協会が発表しておるのですが、この協会の発表は把握しておられますでしょう。そのとおりですね。
#129
○鷲野説明員 ただいま先生おっしゃいましたように、五十四年十二月現在の冷蔵倉庫の概況は、工場数で三千九百三工場、うち営業倉庫が千八百二十八、自家用が二千七十五でございます。そのとおりでございます。ただ、これは倉庫の数でございまして、能力の面で申し上げますと、全部の冷蔵倉庫能力が千七百五十七万立米でございますが、うち営業倉庫が千三百二万立米、自家用倉庫が四百五十五万立米ということで、圧倒的に営業倉庫の方が大きい、こういうことでございます。
#130
○松浦委員 その中でフリーザー型、マイナス二十度以下のもの、要するにマイナス二十度以下までも冷凍できる倉庫の統計数字で、いま言われた営業用、自家用の区別は把握しておられますか。
#131
○鷲野説明員 これは数字がちょっと違いまして、五十四年一月の数字でございますが、温度帯別の分布でございますと、これは営業用、自家用全部を入れましてでございますが、F級と称するマイナス二十度C以下の倉庫が千二百五十六万立米、全体の七六・七%ということでございます。
#132
○松浦委員 いま言われましたように、実はこの営業用も自家用も含めて全体の七六・七%を占めておる、マイナス二十度以下に冷凍できる設備というのがくせ者なんですね。きょうは運輸省の方来ておられませんけれども、営業用の倉庫については報告を聴取するんですけれども、その聴取するやり方が非常にずさんですから、そうしょっちゅうチェックもできません。ましてや自家用の冷凍庫というのは全く手がつかないという状況なんです。今度の北商のかずのこ問題も、実はその自家用倉庫から起こっておる問題なんですね。
 こういう魚の流通状況になってまいりますと、せっかく価格を調整するための、安定供給するための機能である冷凍設備というのが、逆に魚価を高めるストックポイントとしての役割りを果たしてきておる。しかも、そういう冷凍品の扱いでありますが、中央卸売市場そのものまでが、そういう冷凍物を扱うような方向で進んでおるんですね。こういう部分に徹底的にメスを入れないと、魚価というのは決してよくならないと思いますね。私ば、農林水産省の皆さん、担当官の方がサボっておるとかなんとかということを申し上げるつもりじゃありませんが、時代の趨勢というのが、特に二百海里問題等を含めて、冷凍物が中心になってまいりますと、やっぱりこういうところにメスを入れないと、魚価というのは安定をしてこないんじゃないかという気がしてなりません。ですから、これは物価担当大臣である経済企画庁の方でもぜひ理解をしていただいて、この自家用倉庫、こういうものについて法のメスが入れるような――それは守秘義務の関係もあるし、いろんな法的な拘束の問題もあると思うんですが、やっぱり何らかの形で魚価を安定させるために、もう少し引き下げて食用に供するために手だてを講じていただきたい。
 同時に、中央卸売市場というものについても、もう一遍根本的に水産物についてだけはチェックをしないと、私は第二、第三のかずのこ事件というのは起こり得る可能性を持っておるという気がいたします。ですから、消費者が食わなければいいんだ、高いものは食うな、こういうことであれば、要するに国民は魚離れをしていくだけでありますから、それでいい。しかし、そのことはわが国にとって大変なマイナスでありますから、そういった意味では、行政の力というものがある程度ここで示されるべきではないかという気がいたします。どうぞ農林省の方の御答弁をいただいた上で、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
#133
○穂積説明員 先生先ほどのお話で、市場におきましての競り取引と相対取引の話がございました。私ども、卸売市場のそもそもの発生からしますと、生鮮食料品で多種多様な規格性の乏しい物あるいは貯蔵性の低い物、こういう物につきましての適正な価格形成の場ということで卸売市場制度というものが設けられておるわけでございまして、これに対しまして、規格性があり貯蔵性があるような物品につきましては、卸売市場におきましてその他の生鮮食料品と品ぞろえをし、あるいは的確な決済をしていくというような決済機能、信用機能といった面から、市場を通す方が合理的であるという面におきまして、規格性、貯蔵性のある物品を卸売市場で扱っておるわけでございます。そのような制度でございますので、先生御承知かと思いますが、卸売市場法第三十四条では、販売に当たりまして、競り取引の原則に対しまして、こうした規格性、貯蔵性のあるような特定物品とか特別の事情がある場合には、相対取引あるいは定価販売ということを認めているわけでございます。このような相対販売をやる場合におきましても、実は先生御指摘の畜産物との関係とか競争関係の中で需給実勢を反映するような形で価格形成が行われていると私ども承知をしておるわけでございます。
 そういうようなことで、結局はそうした相対販売物につきましても、卸売市場を通す場合には適正な価格形成と効率的な流通ということに今後も努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#134
○正示国務大臣 松浦委員、きょうは非常な御勉強のうんちくを傾けられての御指摘で、私も大変傾聴しておったのですが、いま農林水産省からもお述べしましたように、日本のやはり大きな資源といいますか、四面環海の日本においては、これから栽培漁業とかこういうことによってとにかく水産資源をフルに活用する。日ソ漁業交渉等もいま始まろうとしておるのですが、遠くからも大いに持ってくる。漁業の強み、これの民族に与える利益というものをますます確保していくということは、大きな政治の眼目だと私は思うのですね。そういう意味で、いま御指摘の点については全力を尽くしてわれわれは、水産物の国民栄養に対する寄与度を最高限度に高めるようにいろいろな面で努力をしていきたい、こういうように考えます。またひとつ具体的にいろいろとお教えをいただいて努力していきたい、このことを御答弁申し上げます。
#135
○松浦委員 農林水産省の方、誤解があったらいけませんから申し上げておきます。
 あなたがさつきから言うように、何もあなた方がけしからぬと言っておるのじゃないのですよ。要するにそういった流通の形が変わってきまして、生鮮魚介類から冷凍物が中心に動いてくる、そういう状況になってきたから、そういうものに対応して一遍チェックしてみたらどうかということを言っておるので、何もあなた方が悪いことをしておるということを、表現が悪いけれども、サボっておるということを言っておるわけじゃないですから、その点は理解した上で申し上げておるのです。要するにどうやって魚価を安くしてたくさん食べてもらうか。かずのこなんか、安くて本当に正月みんなが喜んでたくさん買ってくれれば倒産しなくて済んだのですよ。大もとが倒産したために中小企業が十一軒倒産しておるのですから。倒産すれば失業が出るのだから。しかもかずのこなんというものは正月みんな食べなかった。食わしてくれた方がよほどうれしいんだから、農林省がそれをやってくれておれば私はこんなことは言わないのです。できなかったわけだから、そういった面についてある程度メスを入れてくれということだから、誤解のないように、何か責めておるようにとられたらひとつ修正をしてください。
 それから最後に二つだけ質問をいたします。
 そのことは非常に言いにくいことですけれども、「水産物流通段階別価格形成調査報告」五十三年度分が農林水産省の統計情報部から出ておるのです。これを見ますと、このことがいいか悪いかということは別問題にして、非常に問題だな、これはどうかせぬといかぬなと思いますのは、実は生産者段階から小売段階までの流通関係のマージン率が、ずっとここでチェックされておるのです。ところが、このマージン率を見ますと、一番大衆魚と言われておるマイワシの流通マージンが八四・五あるわけですよ。それからカツオが五九・三という状況。大阪なんかに行きますと、マイワシが流通マージンが九〇%あるのですね。ですから、浜値が安くて消費段階でむちゃくちゃ高いじゃないかという物については、このマージンの問題を含めてチェックをしてみないと、どんなに浜値が安くても末端は高い。イワシならイワシのいい型のそろったやつばかりをそろえてパックしてやるからマージン率が高いんだという説もありますけれども、食べる側は曲がっておろうがどうしようが一緒ですからね。こんな高いマージン率で高い物を食わされる、そういった意味でぜひメスを入れていただきたいということが――悪いかどうかは別です。一遍お互いにチェックをしていただきたい。だから農林水産省だけじゃなくて、物価担当の経済企画庁としても一遍農林省とこの問題について研究してもらえないだろうかというのが一つであります。
 それからもう一つは、これは余り私たちの口に入る物でありませんけれども、要するに、二百海里問題が出てまいりまして、外国から入ってくる輸入物が非常にふえてきておるのです。ところが、輸入物がふえてくると、御承知のようにまたぞろ商社が入る。北商の問題についてはバックに三菱商事があったということが盛んに言われておって、役員の更迭も行われたようですけれども、そういった確かに商社が外地で買いつけてもらわなければならぬのですが、帰ってきた商社が水際から水際まで、商社の行動基準にあると思うのです。内陸に上がってきてまで、末端の消費段階まで商社が介在をする、そういう仕組みは一遍この際メスを入れてみる必要がある。あの四十八、九年のときに商社行動基準ができたのですけれども、また北商かずのこ事件で三菱商事という名前が浮かび上がってきておるわけです。あるいはマグロの問題もいろいろ言われておる点があります。ですからそういった問題を含めて、商社の食品扱いについて垂直統合的な、インテグレーションといいますか、そういったことが働かないように、やはりこの際、物価対策上はしておく必要があるんじゃないかという気もいたします。
 この二つの問題について大臣の御見解を承って、私の時間が来ましたから質問を終わらしていただきたいと思います。
#136
○真板説明員 第一点の水産物の流通マージンは大きいじゃないかという点についてお答えさせていただきます。
 この点につきましては、問題は二つあるかとわれわれ承知しております。
 まず第一点は、やはり小売商の零細性というところだと思います、小売商の方々は非常に老齢化いたしますし、また店の規模も小さいという中でもって営業をやっておられますので、どうしても一つの魚に対します掛け率といいますか、利益率を高くとらなければ生活できないというような問題もございます。これに対しましてはスーパー、チェーンなどの一種の流通改革の挑戦がございまして、こういったような問題も絡めながら近代化を図っていきたい。われわれはこういうふうに考えております。
 それから第二番目の問題は、イワシとかサバのような多獲性魚はどうしても高く出るというのにはほかに理由がございます。それは産地段階でまき網などでとりますと、小さいごく数センチの物から大きい二十数センチ以上の物まで一緒にとられるわけでございます。それを産地の段階で一遍に競りをしまして、それを買い取りましたものがフィッシュミールなどの加工向けあるいは煮干しなどのそういったものに向けるとかあるいは消費地に向けて出荷できる物、こういうものを仕分けるわけでございます。そこでその突っ込みの値段で産地段階で競られますものですから、どうしても生産者の手取り率といいますか、生産者の原価は低く出る、こういうような傾向は否めないと思います。いずれにしましても、流通マージンの問題が今後の物価安定という点に大きい意味を持っておるということは十分承知しておりまして、その軽減につきましては今後も努力したいと思います。
#137
○正示国務大臣 きょうは本当にいろいろ勉強させていただきました。私は、この間のかずのこ問題というのは、われわれにとっていろいろなことのよい経験だったと思うのです。第一次石油ショックのときはトイレットペーパー騒ぎ、今度はかずのこ騒ぎ、われわれはいろいろなことを経験していきまして、その上にだんだん得るところがあるのだと思います。
 いまおっしゃられたように、流通機構というのは非常にむずかしい、長年の慣習の上に成り立っており、また商社というのは一方では大きな仕事をやっておるけれども、それが過剰に介入することによって流通機構にも大きな問題を投げかけておる。これらの点については、及ばずながらひとつ関係各大臣とも緊密な連絡をとって、できる限りその弊害をため、いまお示しのような、水産物からわれわれの得る利点を一層大きく増進をしていくように微力の限りを尽くしたい、かように考えます。
#138
○松浦委員 時間ですから終わります。
#139
○井上委員長 長田武士君。
#140
○長田委員 まず初めに総合物価対策についてお尋ねをいたします。
 政府は、去る三月十九日、物価問題に関する関係閣僚会議におきまして「当面の物価対策について」と題する七項目の第三次総合物価対策を決定されたわけであります。この内容を見てまいりますと、今回の公定歩合の引き上げに呼応いたしまして、財政面からの総需要管理を強めているものの、実は去年の二月と十一月に打ち出されました対策と余り変わらないというふうに私は認識をいたしております。すなわち、文面には「要請する」とか「監視に努める」とかあるいは「注視する」などの言葉の羅列が目立っておりまして、具体的な内容については非常に乏しい、抽象的であると言わざるを得ません。私はこれを見る限り、どこまで物価抑制につながるものかはなはだ疑問を持たざるを得ないわけであります。
 そこで経企庁長官にお尋ねをするのでありますけれども、政府は今回この第三次の物価対策を打ち出されましたけれども、これで十分対応できるとお考えですか。
#141
○正示国務大臣 長田委員が非常に御心配をしていただいておる点は私は高く評価いたします。本当にいよいよ物価の正念場という感じなんです。いよいよ関ケ原といいますか、インフレに勝つか負けるか大変大事な局面に来た、こういう認識なんですよ。
 そこで、いままでとよく似ておるなと言われますが、まずその前文において「適切な総需要の管理、」こういうことを打ち出しておるのです。これは初めてなんです。これはいままでは便乗値上げというようなことは繰り返し言っておるのです。また投機的な動きなんかについては厳しく、やかましく言ってきておるのです。監視を強化するとか調査を徹底的にやるとかいうことを言っておる。しかし、総需要の適切なる管理というのはどういう意味かといいますと、これは仮需だけじゃないのです、実需があっても場合によってはこれを繰り延べてもらうというところをはっきり打ち出しておるのです。したがって、一方では公定歩合を九分まで上げておる。九分というのは歴史的に最高の水準ですね。それから予算はまだ成立してないのですよ。だから一項目で公共事業等の適正なる抑制的執行ということを言っておりますが、まだその割合が出ないものですから、長田委員も抽象的だな、こう言われるのですが、予算を早く成立させていただけば、早速大蔵省を中心に公共事業をどの程度やるという割合が出てくるわけです。そうすると金融方面はこうだ、財政方面はこうだ、この二つを柱にいたしましてインフレに立ち向かう基本的な姿勢をまずはっきり打ち出すわけですね。それから後へ括弧の個別対策が出てくる、こういうことでございます。
 しかももう一つ前文のところで御注意いただきたいのは「生産性の向上」というのを打ち出している。これは実は総理みずからがこのごろ非常に熱心なんです。たとえば電力料金でCPIに〇・七だ、ガスで〇・三だ、あと電力を動力に使う製造過程の分はどうだ、それは生産性向上でできるだけ吸収してもらえ、便乗値上げではないんだ、積極的に攻め込んで生産性で吸収していくんだ、こういうところが今回の総合物価対策の大きな特色といえば特色なんです。いままではなかった点なんです。
 あと個別対策については、野菜の問題水産物の問題それから日用品の問題、一重要な生産財の問題というふうにそれぞれ書いておりますが、これなんかも、いま申し上げたように、各省庁において非常に意気込みが違ってきておるという点を申し上げたいと思います。
 なお本日、古紙の回収といいますか、これなんかも電力の消費量、油の消費量から言いますと、パルプ、生からつくるよりはうんと節約になるというようなことから、大々的にこれを官庁が率先してやる、こういうようなことも打ち出しております。
 また、引き下げられるものは国際的、国内的電話料金。それからまた離島の間の航空運賃、そういうものもやる。
 なお本日の閣議において、地価対策については新しく地価問題関係閣僚会議を設置いたしまして、公示価格が非常に上がっておる、インフレマインドを大いに刺激する、こういうことについては速やかに対策を講ずる、こういうこともあわせてやったわけでありまして、そこにある各項目について着々実行を進めておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。これによって、五十四年度はもとより五十五年度の政府の見通しをどんなに困難でも達成したい、こういうふうに考えております。
#142
○長田委員 大分御確信があるようですけれども、自信のほどはあるのですか。この対策で十分対応できますか。狂乱物価に十分対応できますか。
#143
○正示国務大臣 狂乱物価には絶対にしちゃならぬのです。これはもう日本経済の破壊です、国民生活の破壊です。したがって狂乱物価には絶対にしないようにする、これは国会にも超党派で御協力を賜りたいと思っております。
#144
○長田委員 それでは、ちょっと過去になりますけれども、第一次、第二次の物価対策を打ち出されました。あれで十分対応できたという考え方でしょうか。あるいはできないとすれば、どういうところができなかったか、具体的に言ってください。
#145
○正示国務大臣 五十四年度に関する限り、けさほどから、先ほども松浦委員とも議論したのですが、消費者物価の目標は長田委員御承知のように初め四・九だったのです。四・九%の上昇、それを四・七と下方修正しておるのです。そして卸売物価は最初一・六%くらい上がるだろう、これが一二・一、もっと上がるかもしれません。しかし、消費者物価は四・七台に何としても食いとめるべく、いま最後の努力をきのうまでやったわけです。いよいよこの数字は四月半ば過ぎに最終的に出るわけでございますが、私どもは四・七台を確保したい、またできると、こういうふうに考えます。
    〔委員長退席、松浦委員長代理着席〕
#146
○長田委員 私はいままでの対策について何回となくこの問題については質問いたしました。その都度経企庁は大枠を決めただけで、実施に当たっては今後各省庁が必要に応じて手を打っていく、こういう答弁が繰り返されてきたのもまた事実なんです。
 御承知のとおりこの四月からは公共料金が軒並み値上げされることは長官も御存じのとおりです。まさに狂乱物価の様相を非常に濃くしていると言っても過言でないと私は思うのですよ。しちゃならぬですけれども、現実はそう甘くありません。こうした世相を反映いたしまして、特に家計を預かります主婦は現在どこが安いかというようなことで、毎日毎日の買い物に対して非常に頭を悩ませております。
 そういう意味で、やはり物価対策をきちっとやらなければ、消費者心理というのは非常に先行する傾向がございます。そういう意味で、具体的に手を打たなくちゃいかぬというのが私の願いなんです。必要に応じて手を打つということを言っておりますけれども、その時期を一体どこに置いておられるのか、ただこうやって物価対策だけできましたというようなことで、こんな感覚じゃだめなんですよ。具体的にどういうふうに手を打つかということは長官どうですか。
#147
○正示国務大臣 まず予算が成立しませんと、公共事業をどれくらいやるかということは決められないというのは先ほど申し上げたとおりなので、私どもの希望では、もう何日になりますか、一両日を出ざる範囲において予算の国会における議了によって、大蔵省を中心に公共事業をどのくらい四月、五月、六月ということでやるか、これが具体的に決まるわけですね。それからさっき申し上げたように、地価対策はきょう閣議で決めたわけであります。それから野菜等は緊急対策を講じまして、一時非常な暴騰をしておったのですが、だんだん鎮静しつつあるのですね。これでまたいま申し上げたように五十四年度の年度目標は達成しなければならぬし、できる、こういうふうに考えておるわけです。
 それから各省所管の、たとえば水産物について先ほども松浦委員からも御質問がありましたが、これなんかも水産庁が具体的に出荷をすべきときはしていただく、こういうことをやっておるわけです。畜産物についてまたしかり。畜産物はきのうあたりの審議会の様子は御承知だと思いますが、牛肉だけは若干上がるけれども、ほかは大体据え置くか若干下げるというようなことも決めていただいておるわけです。こういうふうにそれぞれ具体的にやっておるのですが、それを一々そこに書いてはおりませんがやっております。きょうはまた古紙の回収というようなことを大々的にやったわけです。電話料金についても、国際電信電話についても、また離島航空運賃についてもやっております。なおまた、そのほかの公共料金等については、けさほども各関係大臣に、みんな上げるなんということでなくて、この機会にはがまんするものは大いにがまんしてもらいますよと、こういうふうにやっておりまして、着々具体的にやっておりますので、決して楽なことではございません、もう非常なインフレの波が押し寄せてきているのですから、これに対する防波堤をしっかり築いてしのいでいきたい、こういう態度でございます。
#148
○長田委員 それでは、今回の対策の七項目のうちに個別対策が六つありますね。これについてお尋ねいたします。
 まず「個別物資に関する対策」の中で、「きめ細かく調査、監視し、値上がりの著しい物資について、」中略でありますけれども、「機動的な対策を実施する。」こうありますけれども、現在、値上がりの明確になっておる物資に対する具対策は何ら明記されていないわけであります。そこで、現在異常高値となっております物資についてその品目と値上がりの状況について御説明をいただきたいと思います。
#149
○藤井(直)政府委員 この第一項目に書いてあります個別対策につきましては、従来から個別物資についての価格の動向を監視いたしまして、問題が起きるたびにその対策をとってきております。たとえば銅、亜鉛、アルミ等につきましては備蓄を放出するというようなことをいたしておりますし、さらに三月の段階では小形棒鋼についての値上がりがかなり見られる状況でございましたので、電炉メーカーに対して高炉メーカーから鉄くずの対策として高炉ビレットを放出することをお願いするというようなことをやってきております。またアルミ等については、先ほど申し上げました備蓄のほかに工場の休止、設備の休止を予定しておりますものにつきましてしばらくそれを取りやめて生産を行うというようなこともやってきておるわけでございまして、私どもとしてはそういうような個別の対策を個別の事情に即してその都度やっていくということでございまして、これは従来からやってきた線を堅持してまた続けていこうということにしております。
 そこで、通産省の方で主としてやっておられますが、通産省では三月の末に主要物資需給連絡会というのを省内に設けて、定期的に物資の需給価格動向をチェックして、そしてそれぞれ必要に応じた対策をとるという体制もできております。そういうことで当面対応していきたいということでございます。
#150
○長田委員 私がお尋ねしたのは、いまアルミとかいろいろ名前を挙げられましたけれども、その値上がり状況はどうですかということなんです。
#151
○藤井(直)政府委員 品目別になりますので細かくなりますが、まず銅、地金につきましては五十四年一月にトン当たり三十六万一千円でありましたものが五十五年三月には五十八万円になっております。それから同じような非鉄金属の地金につきまして、アルミニウムでございますが、五十四年一月が二十八万三千円でございましたのが三月中旬で五十六万五千円、かなり大幅な上昇でございます。それから木材関係では、合板でございますが、五十四年一月に一枚千三百二十三円でございましたのが三月中旬で千八百二十五円ということになっております。それから平電炉の中で小棒、先ほど申し上げました小棒ですが、五十四年一月に六万一千円でございましたのが三月中旬に七万八千円になっております。それからセメントにつきましては、五十四年一月が一万一千円でございましたのが現在の段階で一万二千五百円ということになっております。それから繊維の関係では、たとえば合成繊維で申し上げますと、ナイロン長繊維が一キログラム五百五十六円でございましたのが七百三十円。石油製品につきましては、原油の上昇幅は昨年に対して約二・六倍ということになっております。それから、ガソリンの小売物価は五十四年の一月に百一円でございましたのが、これは二月の時点の数字でございますが、百五十六円、灯油が五十四年の一月に十八リットル七百二十六円というのが千四百七十七円、こういうような状況でございまして、大観いたしてみますと、石油価格の上昇によるもの、さらに海外市況によって値段が上がっている非鉄金属それから木材、そういうようなことで、態様は違いますが、それぞれの値上がりが以上のような形で出ております。
#152
○長田委員 ただいま御答弁いただいた数字はごく大ざっぱな品目しかないわけでありますけれども、われわれの国民生活に直接影響しております生鮮食料品であるとか、そういういろいろな生活環境を取り巻く物資というのは異常な高値を示しているのですね。そういう生活実感から、これからのインフレの先行きに対する不安を国民は持っておるのです。そういう点で、資材等の値上がりももちろん著しいわけでありますけれども、そういう具体策を講じなければ物価対策としてはなおざりになるのではないかということを私は心配しておるのです。そういう個別的な品目について、あるいは物資についての今後のスケジュールをお持ちですか。
#153
○藤井(直)政府委員 私の申し上げましたのは商品市況というところから申し上げましたので、やや偏っておりましたが、消費者物価に直接影響するところで問題なのはやはり野菜であったわけでございます。野菜については二月に野菜緊急対策をとりまして、春野菜の出荷繰り上げあるいは輸入の増加、さらには契約栽培しておりましたキャベツを放出するというようなことによって対処してきたわけですが、三月時点の東京の消費者物価におきましては、二月に比べて下がってくるという傾向も出てきたわけでございまして、対策の効果もかなりあったのではないかと思います。ただ、現実にはまだ相当高い水準にありますが、四月以降、作柄が非常に順調のようでございますので、さらに値下がりが期待できるのではないかと思っております。
 それから、同じ生鮮食料品でも肉類につきましては、牛肉は需給がややタイトでございますが、一方豚肉、鶏肉の方は前年に比べてかなり下がっております。ただ、下がっておりましても、卸売物価に比べてみますと小売物価の方の値下がりが低いということもありますので、これは昨年からずっと小売キャンペーンにつきまして大がかりにやってきておりますが、漸次小売価格の方にもその波及が出てきております。今後ともそういうことで対応していきたいと思っております。そういうようなことで、それぞれの品目の状況に応じての対策というのは従来もとっておりますし、これからも機を逸せずにやっていこうという体制でございます。
#154
○長田委員 次に、この「公共料金の取扱い」の中で、夜間における遠距離電話料を引き下げるということが明記されております。この問題については、政府が実施しようとすればいつでもできるのではないかという感じを私は持つのですけれども、郵政省来ていますか。――私はすぐ実施したらどうかと思いますが、どうでしょうか。
#155
○藤井(直)政府委員 この対策の中で、特に公共料金の一部として夜間遠距離通話料金を取り上げているわけですが、これにつきましては、そういう方向で現在郵政省の方から電電公社に検討を指示しておるという段階でございます。時期等につきましてはその検討の結果をまたなければならないと思いますが、私どもが聞いている感じでは、割引料金を広げる、また割引の幅を広げる、という場合には、設備についてかなり手を加えなければならないということがあるようでございますので、その期間は十分見ていかなければならないのではないかというふうなことを聞いておりますが、それでは具体的にいつかということになりますと、いまにわかにお答えいたしかねます。その点については郵政省等ともよく連絡をとっていきたいと思っております。
#156
○長田委員 郵政省が来ておりませんので的確な答弁はいただけないとは思いますけれども、物価対策としてこれだけ明示しておるのですから一日も早く実施すべきだと私は思いますが、長官どうでしょうか。検討、検討では時間がかかってしまいます。
#157
○正示国務大臣 下げるという方針はもう決まっておるのですが、いま物価局長が説明しましたように、その設備をいたしませんと電電公社としてはきちんとした――このごろは御承知のように全部自動化しておるものですから、そういう設備をちゃんとやりたい。深夜の何時から翌朝の何時までは現在よりも割引率をさらに高める、こういうふうなことでそれがきちんと出るような、処理できる設備をやりたい。それをできるだけ早くやってくれと督励をしておるわけですが、きょうもそういう御趣旨の御質問ですから、これは私の方からも郵政当局、電電公社の方へよく伝えて、さらに督促をいたします。
#158
○長田委員 それでは経企庁長官、先日、ガス、電力料金の四月一日からの値上げを決定いたしたわけでありますが、平均で電力五一%、ガスが四五%というこの認可のパーセントについて、物価対策上、長官としての御意見はどうでしょうか。
#159
○正示国務大臣 これは最終的に電気全体で五〇・八ということですが、その切り込み率というものをどなたも余り言ってくださらないのですよ。この間も放送討論会で、長田先生の方からもりっぱなレディーが出てくれたのですけれども、一四、五%しか切ってないじゃないかという御意見があったのですが、これはとんでもない間違いでして、まず電灯では、申請に対して二二・三〇%切り込んでいるのです。認可した割合、差額の割合はまさに二二・三〇%査定しているのですよ。それから電力では二〇・六七%切り込んでいます。平均で申請に対して二一・一〇%切り込んでいるのですよ。この率をひとつ考えていただきたいのです。
 それで、けさ、与党の相沢委員から、そんなに切り込んで、一体油が三十二ドル強で入るのか、それから二百四十二円という為替レートは大丈夫なのか、もうすでに二百五十円じゃないか、こんなようなこともきょう大分ありました。
 しかし、これは、いまは物価非常時だということで、原価主義だけれどもぎりぎりこういうところでやってください。それからガスは、やはり一三%の査定をしておるのです。切り込んでおるわけです。それで電力の従業員の人件費等も、ベースアップは五・五%しか見ませんよ。配当は一〇%をぜひ欲しい、増収をするためには一〇%ぐらい要るんだと言ったのを八%に抑えておるというふうなことで、そのほか、生産性を向上することによってこれだけ努力してくれということでいまのような削減、圧縮が行われたのです。
 それで、これは私としては、最初から原価主義でございますから、そのときの原油価格、また為替レート、それからいまのような配当率というものから言うとぎりぎりいっぱいのところだ、こういう感じで、あとは企業がそれぞれ責任を持ってやる。しかし停電を起こしちゃだめだよ、ガスも停止をするようなことじゃだめだよ、責任を持て、こういうふうにやっておるのでございますから、一方では安定供給を確保しながら、一方ではぎりぎりのところで値上げ率を決める。そして電灯で〇・七、ガスで〇・三、合わせて一、これはCPI、消費者物価指数ですね。プラスアルファは電力を動力にして使う産業界が吸収してもらう。だから、産業連関表で出てくるような数字ではない、それよりうんと内輪のものに圧縮してもらう、こういうことで六・四%は何としても守り抜かなければならぬ、こういうふうに思っております。
#160
○長田委員 長官の話を伺っていますと、いつから通産大臣になられたのかと思うような感じがするわけであります。経企庁長官は、この公共料金については極力抑えていきたい、そういう強い意思を持っておられましたね。きょう御答弁いただいておりますと、通産大臣の御答弁と間違うほどですが、それはいいでしょう。
 次に、生鮮食料品価格についてお尋ねをしたいと思っております。
 去年十一月に発表された第二次総合物価対策、これですね。この中で「野菜、果物について計画的な生産、出荷に努め、」中略でありますけれども、「一時的な需給の不均衡を生ずることのないよう必要に応じ所要の措置を講ずる等野菜価格の安定を図るために機動的に対処する」こういうふうになっております。結果は、御存じのとおりあの異常高値という結果になってしまいました。ところが、今回そんなことはもう忘れてしまったかのように、価格安定対策を推進し、機動的に対処するということでお茶を濁しているように私は思うのです。野菜の異常高値を招いた農政への反省というのは全く見られないのじゃないか、しかも春野菜が出回って野菜は徐々に値下がりしているだろう、そういう認識のようでございますけれども、現実にはそんな甘いものじゃないのですね、長官。私もけさ何カ所か都内の八百屋さんの店先に参りまして、実際に大根、キャベツさらには白菜の単価を全部調べました。平均値でありますけれども、非常にびっくりするような値段なのです。八百屋さんに聞いてみますと、値下がり傾向は多少あるように思うけれども、キャベツについては多少値下がりしておるが、大根、白菜においてはむしろ逆であります、こういう回答が戻ってきたのです。長官、平均的な大きさで、大根、白菜、キャベツの値段、大体どのくらいだと思いますか。――長官、答えてください、物価対策をやっているのだから。
#161
○藤井(直)政府委員 野菜の値段は、三月の段階ではまだ下がり始めたとはいうものの高いということは事実でございます。いまのところ、六五%ぐらい昨年に比べて高い。ただ二月の時点ではそれが一〇〇%ということであったわけでございますので、値下がりの傾向が出てきたということを申し上げたわけでございます。
 それで、いま御指摘の個別の野菜については、キャベツが一キロ四百二十五円、白菜一キロ三百九円、レタス一キロ六百七十六円、大根一キロ二百二十三円、この辺のところが特に高いグループに属するものではないかと思います。
#162
○正示国務大臣 いま申しましたようにまだ十分ではございませんけれども、長田委員御承知のような非常な去年の台風と長雨の影響は否定できないのです。それに対する対策をいろいろ農林水産省にお願いしまして、農林水産大臣も産地に行ったり市場に行ったりやってくれているのですよ。それで、中には私にも行けと言われけれども、私が行って農林水産大臣のおやりになるところをお邪魔しても悪いですから。
 それで、地方の情勢はいつも伺っておりますが、まあ愁眉を開き、やや好転しておる、こういう状況でございましたが、さっき申し上げたような五十四年度の消費者物価の見通しを大体において達成できることに持ってきたのはひとえに野菜対策が相当大きく貢献しておる、こんなような認識を持っておるわけでございます。
#163
○長田委員 長官、大根がこのくらいの太さで目方はかりましたら、一個当たり三キロ三百、七百円です、三浦大根。それから白菜は店頭にないのです。後ろの方へ置いてあるのです。何かダイヤ隠しているみたいな感じで箱に入って紙できちっと包装してありました。淡路島かどっかの白菜のようであります。これは一個千円です。それからキャベツは一キロ三百ありますけれども、これが四百五十円、最高は五百円いったそうです。五十円しか値下がりしてない。そういうようなことで、八百屋さんも商売しにくくて非常に頭を痛めておるのです。政府の感覚は、もう値下がりしておる、そういう安易な見方をしているようでありますけれども、主婦が店頭に行きますれば、現実にそんな甘いものじゃないのです。やはりそういう第一線の小売店の状況というものを物価対策というのはよほど把握しておかないと、ただ数字だけでこうでございますと言っていたのでは、本当の意味で物価対策にならないのじゃないか。ですから、私はこの第三次の「当面の物価対策について」というのを読みまして、非常に抽象論が多いし、あるいは絵にかいたもち的な、そういう要素ばかりじゃないかというようなことを非常に私は物価対策としては危惧をしたわけなんです。そういう意味で、どうかひとつ、国民生活を守るためにも、公共料金がこれだけメジロ押しに上がるのですから、物価を鎮静させようという政府の強烈な行動力といいますか、姿勢がないと、国民はこの物価の先行き不安というのを私は払拭できないと思うのです。もう一度御決意を……。
#164
○正示国務大臣 私も毎日これを見まして、前月に対して下がったものはどうだとか、それから前年同月に対してはどうだ、これをずっと見ておるのです。一番最近まで落ちついておるというか、タマネギとかサトイモとか、こういうものは先ほど長田委員はお挙げにならなかったですけれども、これは非常に成績がよろしいと思っているのです。しかし、ホウレンソウなんかは前月に比べては下がったけれども、前年と比べてはまだ高い。こういうのが相当ありますから、おっしゃるようなことはよくわかるのです。しかし、それでもとにかく前月に比べてある程度下がったのが出ておりますから、これを頼みにしてさらに一層努力していけば、これからも何とかいける、こういうことを盛んにお願いしておるわけです。もう五十四年度は済みましたが、しかしやはり五十五年度も大変むずかしいものでありますから、一層の努力をいたしたいと思います。
#165
○長田委員 政府が去年の十二月に実施いたしました消費動向調査というのがございます。この調査結果を私見たのでありますけれども、消費者物価の上昇率は今後三カ月間及び今後一年間ともに高くなると見ております世帯の割合が確実にふえているのです。昭和四十七年にこの調査が始まったそうでありますけれども、この十二月現在で最高の九〇%に達しているそうです。
    〔松浦委員長代理退席、委員長着席〕
また、今後一年間の収入のふえ方と消費者物価の上がり方の項では、物価の方が高くなると答えた世帯がやはり九〇%を超えておるのです。私はこれが消費者のいわゆる生活実感ではなかろうかと思うのであります。たとえばこの四月に八%のベースアップがあったといたしましても、物価の騰勢が非常に強いわけでありまして、消費者の生活は確実に苦しくなるというのが私は生活実感だろうと思うのであります。
 そこで経企庁長官にお尋ねしたいのでありますけれども、このような消費者の実態についてどのように理解されていますか。
#166
○正示国務大臣 いま御指摘のように、物価は上がる、生活の方は苦しくなる、こういうふうな感覚を非常に持っていただいておることは、そのとおりだと思います。ただ、ここで申し上げると非常にあれですが、とにかく計数的に見ますと、いわゆるインフレ率、消費者物価の上昇率は、日本と西ドイツがやっといまのような程度におさまっておるのです。ほかのアメリカなんかは、もう一八%、この間カーターさんがインフレ対策のときに言っておりますね。日本の方は卸売物価で二五%を超えておるのだなんて言っておりますが、あれはカーターさん、大変な間違いでありまして、インフレ率は消費者物価でおっしゃっていただきたいと思うのですが、それにしても長田委員がおっしゃったように、大変これから先については物価が上がるし生活が苦しくなるということを皆さんがしみじみ感じておられるのですから、そのためにもわれわれは物価を一応の見通しとしてわれわれが出しましたこの見通しの程度におさめるように、これはもう絶対に努力をしなければいかぬという責任の重圧感に非常に強く打たれておる、こういうことでございます。
#167
○長田委員 長官、卸売物価が年率二けた台で上昇しておりまして、消費者物価は一けた台でありますけれども、これは異例中の異例だと私は見ているのですけれども、その要因ですね。私は消費者の賢明な態度、いわゆる買い控えと申しますか、そういうことが大きな要因だろうと思うのですが、長官の御意見はどうですか。
#168
○正示国務大臣 そのとおりだと思います。賢明な消費者の対応、それから経営者と労働者の間の良識のある賃上げ交渉、これによるサービスの料金の安定、こういうことが大きく影響しておる。そしてまた、中小企業を初めとし非常に血のにじむような生産性向上に対する御努力をしていただいておる、このようなことを私は深く多とし、感謝し、一層の協力をお願いしているわけであります。
#169
○長田委員 次に、印刷業に関連いたしまして若干お尋ねしたいと思っております。
 現在印刷業における電気料金など公共料金の大幅な値上げを初め、印刷関連資材の高騰により経営が悪化の一途をたどっておるわけであります。中でも主要関連資材であります印刷製版用のフィルム、これについては昨年秋から値上げが行われておるわけでありますが、通産省はこの問題についてメーカー別の値上げ率や値上げの実施時期などについて調査されておりますか。
#170
○大高説明員 お答え申し上げます。
 ただいまお尋ねの印刷用フィルムでございますが、その値上げの状況につきまして御説明申し上げます。昨年の十一月一日に二・八%、それから本年三月一日に五〇・五%の値上げが行われております。
#171
○長田委員 印刷製版用のフィルムは富士フィルムそれから小西六の二社でほぼ市場を独占しているわけですね。こうした中にありまして、この二社は五十四年十一月に平均二・八%の、いま御答弁がありましたとおり値上げを実施いたしました。ことしの二月にこの両社が発表したところによりますと、三月に五〇%、さらに四月には新料金の五〇%に上る値上げを行おうとした事実があるわけでありますけれども、この点については通産省御存じでしょうか。
#172
○大高説明員 過去の分はいま申し上げたとおりでございますが、四月につきましてはまだ発表はされておりません。
#173
○長田委員 現在まだ実施はしてないのですけれども、十分それに見合う値上げをしようというような動きが実はあります。それはまた後に譲りますけれども、公正取引委員長、こうした印刷の製版用のフィルムの値上げの動きに関連してカルテルの疑いで調査していると私は伺っているのでありますけれども、いつごろをめどとして調査の結論を出される予定ですか。
#174
○橋口政府委員 フィルムメーカーのカルテル容疑につきまして二月二十一日に立入検査を実施いたしたわけでございますが、これの端緒としましては主として医療用のエックス線フィルムにつきまして価格協定並びに再販売価格維持行為があるというのが主たる容疑でございまして、同時にあわせて製版用のフィルムにつきましても同様の行為があるということで、富士フイルムと小西六写真工業に対して立入検査を実施したわけでございます。現在物証を整理いたしておる段階でございますし、これから供述調書をとり、事件として確定するまでにはかなりの時間がかかるわけでございますし、また審査中の事件でございますから、いつごろまでとかあるいはどういう内容でということを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ、いまお話がございましたように、ことに一般写真用のカラーフィルムにつきましては同調的価格引き上げの報告対象品目になっておるわけでございますし、それから二社でほぼ市場の七〇%以上、八〇%ぐらいを占拠いたしております。コダックはどちらかと申しますと、輸入でございまして、映画用フィルム等につきましては強いわけでございますけれども、しかしそれ以外のエックス線フィルムとかあるいは印刷製版用は、大体におきまして富士フイルムと小西六が価格を操作することが可能な高度寡占市場でございます。したがいまして、こういうものにつきましては、従来なかなか物証が得られないと申しますか、わずか二社でよろしいわけでございますから、それこそせき払いをすれば、あるいはウインクする程度で価格引き上げの水準も大体決まるというような業種でございますから、なかなかその共同行為としての共同意思形成ということについての証拠が得にくいわけでありますけれども、そういうことに籍口して価格の引き上げが行われているとすればこれは大変けしからぬことでございますから、そういうことで思い切って立入検査をしたわけでございます。今後職員を督励いたしまして、できるだけ早くその実態を明らかにしたいというふうに考えているところでございます。
#175
○長田委員 ただいま御答弁いただきましたとおり、調査を実施されておる、こういうことであります。私は現在公取委員会で調査をしておる、こういう時期でございますから、当然再値上げは今回実施すべきではない、実施させるべきではない、このように考えておりますが、通産省どうでしょう。
#176
○大高説明員 昨年来のフィルムの値上げはフィルムの主原料でございます銀等の価格の暴騰を反映したものでございます。したがいまして、こういった銀等の価格の今後の動向等を見守りながらそういった価格の改定が行われていくものと思います。私どもといたしましては、こういった動向につきまして十分監視をしてまいりたい、かように考えております。
#177
○長田委員 最近フィルムの原料であります銀が値下がりしておりますね。私はそういう点で値上げは必要ないという感じを持っておるんです。まして公取委員会で立入調査をやっておる、こういう状況下で検討するとか勘案するとか、そんなこと言わないで、やっぱり通産省、どうですか、やめさせるべきではありませんか。
#178
○大高説明員 こういった一般の商品につきましては通常の市場機構におきまして価格が決定するものと存じますが、御指摘のように最近銀の価格が変動しております。したがいまして、そういった変動の成り行きを見守りつつこういったことが図られる。私どもはそういったことにつきまして十分注視してまいりたいというふうに考えております。
#179
○長田委員 公正取引委員会の調査によって最近業者の言い分がちょっと変わってきたように私は思っておるんです。と申しますのは、私聞いたところによりますと、小西六が値上げの時期を四月七日に変更いたしまして、値上げ幅も当初五〇%予定しておったのですけれども、三〇%と言われております。一方富士フイルムは四月一日からの値上げはあきらめて、現在は値上げの態度を明らかにしていないようであります。しかし、近いうちに値上げをされることは事実のようでありますし、したがって私は公正取引委員会に早く結論を出していただいて、カルテルが排除されるように強く要望するとともに、公取委の考え方を再度この点についてお尋ねをしたいのでありますけれども、どうでしょうか。
#180
○橋口政府委員 私どもの方の仕事の性格から申しまして、やはり価格水準そのものに介入するということは困難でございまして、ただ形成されました価格が需給の出会いによるものではなくて、メーカーの一方的な意思によって値上げが行われる、また行われやすいような高度な寡占市場の場合におきましてはそこにカルテルが生ずるという疑いがあるわけでございますし、またそれを未然に防止する意味で同調的価格引き上げの理由報告徴収の視定もあるわけでございますから、したがいまして、われわれといたしましては与えられました権限の範囲内で最大限の努力をいたしまして、それが間接効果としましてメーカーの恣意的な価格水準の引き上げを抑圧するのに役立つとすればそれは大変結構なことではないかと思うわけでございまして、なお御参考までに直接御質問とは関連ございませんが、この同調的価格引き上げの報告対象になっております品目、五十六品目ございますが、一体この価格の動向がどうかということをちょっと簡単に申し上げてみたいと思います。
 昭和五十二年の年平均を一〇〇といたしまして五十五年の一月に一般の御売物価総平均は一一五・九%ということになっておりまして、監視対象品目五十六品目のうち日本銀行の物価指数の計算の基礎に入っておりますのは四十五品目でございまして、この四十五品目がどうかと申しますと、五十二年平均を一〇〇といたしました指数がことしの一月で一〇五・三%でございますから、一〇ポイントほど下回っておるわけでございます。さらに大企業工業製品がどのくらいかと申しますと、これが一一二・〇%でございますから、大企業の生産する工業製品の平均に比べましても監視対象品目の値上げの率は下回っておるわけでございまして、これは国会からいただいた改正法の効果ではないかというふうに思うわけでございまして、ただ問題は一月でございますから、いまお話がございましたように三月以降あるいは四月等々同調監視対象品目の値上げが続くようでございますから、したがいまして一巡いたしませんと本当にこの法律の規定の物価に対する効果というものを確認することはできないことでございますから、少なくとも進行形の状態におきましては効果があったというふうに考えておるわけでございまして、もちろんカルテル行為の摘発につきましては勇敢に対処するつもりでございますけれども、しかし同調的価格引き上げ対象品目につきましてもそれは品目として指定され公取委の存在自体がある意味でいい効果を持つとすれば、ますますこの規定の運用につきましてはわれわれとしても従来以上の努力を傾注する必要があるというふうに考えておるところでございます。
#181
○長田委員 次に印刷業の主要資材であります紙ですね、この値上げが非常に強いわけであります。さらには現在品不足が実は出ているのですね。この実態については通産省把握しておりますか。
#182
○佐藤説明員 現在紙はほかの業種と比べまして原材料で非常に大きな問題を抱えております。原料でありますチップ、それから先ほど長官がおっしゃいました古紙、リャンハンもいわば追加されている。その中でいまこういう価格の外的要因が多うございます。チップにつきましては海外の要因、これはチップの半分は大体アメリカから輸入いたしておりますが、これが二倍近い値上がりをいたしました。これをどうするかという形で、新しい価格体系への移行ということでスムーズな形を私どもは非常に監視をしながら需給動向も見ながら行っております。
 先ほどおっしゃられましたように、通産省内におきましては主要物資の需給価格連絡会、この印刷用紙というのはその対象として価格需給動向というのをながめております。ちなみに価格について申し上げますと、五十年の十月くらいからちょうど半年間くらいの間ですが、上質紙で出版用、印刷用でございますが、一キログラム百八十円、これが百七十円くらいに下がり、ちょうど一年前でございますが大体百四十円台ベースだった。それが昨年の重油そして原料チップの上昇、こういうことでその値上げを余儀なくされた。そういうふうな過程の中で現在キロ当たりといたしまして百八十円から百八十二円というふうな、これは先ほどの五十年十月から五十一年一月の百八十円の水準ではありますけれども、そういうような形にいまや原料値上げということで価格の変更が余儀なくされている。そしてただし需要の、需要といいますか生産、出荷という動向をながめてみますと、生産につきましては大体一五%のアップ、出荷もそのように好調でございます。いま三月の時点で価格の値上げというのが言われておりまして、そういう一時的な状況としましてある分野においてはあるかもしれませんが、全般的には出荷、生産も好調でございましてタイトの状況にはないというふうに私どもは理解しております。
#183
○長田委員 印刷用紙は独占禁止法第十八条の二ですね、「価格の同調的引上げに関する報告」の徴収に規定されている市場構造要件に該当する品目ではないわけでありますけれども、公正取引委員会では紙価格の動向に関してカルテルの動きが出ないようぜひ監視していただきたいと私は思っております。この点についてはどうでしょうか。
#184
○橋口政府委員 製紙業は大変重要な事業でございますしまた国民生活への影響の深い商品でございますから、われわれとしましても関心を持って見ておるわけでございますけれども、いまの通産省のお話を伺いましても、しばらく前は代表的な不況産業でございまして不況カルテルを結成すらできない、ようやく業界として思想統一ができまして不況カルテルの認可をしたのがついこの間でございまして、わずか一年ぐらいで大変大きく変わるものだなという感じを持つわけでございますけれども、またそれだけにいまおっしゃいましたようなたとえば生産制限とか出荷調整とか価格協定とか万に一つもそういうことがあってはならないと思うわけでございまして、われわれとしましても今後とも十分監視をしてまいりたいというふうに考えております。
#185
○長田委員 次に、一般用カラーフィルムが一五%、今度はビールが一〇%、ウイスキーが七%から八%というように、これらが四月中に値上げする動きが見られるわけでありますけれども、こうした状況について経企庁どうお考えでしょうか。
#186
○藤井(直)政府委員 いまお挙げになりましたように食品関係の値上げというものがいろいろ取りざたされておりますし、現実に動きも出てきておるわけでございますが、私どもとしましては先ほどからも申し上げておりますように、そういう価格形成が便乗値上げであるということは、もちろんできるだけ内部努力によってコスト増を吸収した上での価格形成であるべきだという考え方でございまして、そういう動きについての監視を従来もしておりますしこれからもしていきたいと思っております。
#187
○長田委員 先ほど申し上げましたとおり独占禁止法の十八条の二ですね、それには「価格の同調的引上げに関する報告」の徴収について定めておるわけでありますが、この規定の運用に当たりましては、公取委はあらかじめ市場構造要件に該当する品目を調査をしこれを公表の上当該公表品目の値上げ状況について監視するということになっているのですね。五十三年度に改正されました運用基準別表では、先ほど公取委員長が答弁ありましたとおり五十六品目が対象であります。これには一般用カラー写真フィルムあるいはビール、ウイスキーなどがこの品目に入っております。公取委といたしましては、これらの品目が値上げされた際報告徴収を受ける用意があるのかどうか、さらに現在そのための予備的調査の準備を行う用意はあるのかどうか、その点いかがでしょうか。
#188
○橋口政府委員 一般用のカラー写真フィルムにつきましては二月にすでに値上げがございましたので、これが法律要件に該当するかどうかにつきましては現在すでに予備的な調査をいたしております。ただ今後もさらに再度引き上げがあるというようなことも伝えられておりますので、これは二回調査するのがいいか、まとめてやるのがいいかというようなそういう事務的な問題がございますが、値上げが行われれば当然事業の性格から見まして値上げの幅、率等もほとんど全く同じというふうに申し上げてもよろしいと思いますから、これは調査対象になることにつきしてはほぼ疑いがないというふうに思います。
 それからビール、ウイスキー等でございますが、ビールは麒麟を除いてすでに値上げを明らかにいたしておりますが、麒麟麦酒も恐らくはそう遠くない時期に値上げが行われるだろうと思います。これも当然報告徴収の対象になりますし、またウイスキーも将来値上げが行われれば当然対象になると思います。先生御承知のようにこれは同調的価格引き上げの監視対象品目であることのほかに、いわゆる独占的状態に該当するおそれのある市場構造要件にも該当しているわけでございますから、つまりダブルで該当している業種でございます。そういう点で申しまして、少なくとも価格引き上げがありました場合には将来におきましてもほぼ例外なく理由につきましては報告を出していただくことになるべき性質のものだと考えております。
#189
○長田委員 現在予備調査をしている品目はどのくらいございましょうか。
#190
○橋口政府委員 いま予備調査をいたしておりますのは一般用カラー写真フィルムだけでございます。予備調査から本調査にすでに移りまして、つまり報告の徴収をする作業に入っておりますのが、昨年値上げのありました自動車用のタイヤ・チューブ、インスタントコーヒー、家庭用合成洗剤台所用の三品目はすでに調査いたしております。
#191
○長田委員 鋼材については調査されております
 か。
#192
○橋口政府委員 御承知のように鋼材も特殊鋼を入れて十品目が五十六品目の指定の中に入っておりますが、これはまだメーカーの方から値上げを通告しただけでございまして、値上げが実現しておりませんから、法律の規定は値上げをしたときはということでございますから、値上げが実現した後におきまして、恐らくは十品目ほとんどすべて例外なく値上げの中に入っておりますから、これも当然調査をすることになるということで用意をいたしておるところでございます。
#193
○長田委員 今後同調的値上げが数多く予想されるのでありますけれども、この同調的値上げを抑えるためには、同調的値上げの理由を徴収した際に公表すべきではないかなという感じがするのです。年次報告をもって国会へ報告されておりますが、時期的に非常にずれておるのですね。通産省は、この公表の時期、どうお考えですか。
#194
○橋口政府委員 これは独禁法の関係の問題でございますから私からお答え申し上げたいと思います。
 御承知のように、法律の規定は価格引き上げについて理由の報告を求めることができるということになっておりまして、すべてについて行うという法の趣旨ではございませんが、先ほど申し上げましたようにこういう情勢でもございますから、例外なく理由の報告はしてもらおうというふうに思っておるわけでございます。これは松浦委員の御質問にもお答えしたのでございますが、企業としての立場で見れば、できれば理由の報告はしたくないという気持ちがあるわけでございまして、法律の規定でございますから当然報告命令等を課するわけでございますが、すべて権柄ずくでやるわけにもまいりません。やはり企業からの協力も必要でございます。そういう点から申しまして、いまようやく法律の施行が軌道に乗りつつあるという段階でございます。したがいまして、報告を受けて、その理由の概要につきましては、おっしゃいますように大変時間的にはおくれるわけでございますけれども、一応国会に報告するといういまの法律の規定どおり施行いたしておるわけでございます。おっしゃるような問題があることはわれわれもわかっておるわけでございますが、今回の値上げが一巡した後におきまして、われわれとしましても行政的にも十分分析をしてみたいと思いますし、また国民の期待がどういうものであるかということも深く考えてみて判断すべき問題だというふうに考えておるわけでございまして、いますぐ性急に理由について公表するにはまだなじみにくい程度の時間的経過しかないと考えておるところでございます。
#195
○長田委員 それでは時間が参りましたので、最後に一つ質問いたします。
 土地価格についてお尋ねをしたいのでありますけれども、国土庁はきのう昭和五十五年度の土地公示価格を発表いたしました。それによりますと、公示価格の全国平均上昇率は前年に比べて一〇%増と狂乱物価と言われた四十八年、四十九年以来初めて二けた台にはね上がったわけであります。地価の上昇という点で見れば、私は狂乱物価と言ってもいいのじゃないかという感じがいたしております。特に住宅地については、全国平均では前年比一二・三%増となっておりますし、三大都市圏の住宅地は平均で前年比一六・三%増と相変わらず高い水準になっているわけであります。しかも、こうした著しい値上げの中で実際の取引価格は公示価格の倍とも言われておるわけであります。
 三月十九日に決定いたしました第三次物価対策の中で地価鎮静を大きな柱としておりますが、具体策としては国土利用計画法の的確な運用、地価動向の監視の強化、土地取引関連融資の自粛徹底ということを挙げられておるわけでありますが、私はこれではとても地価の抑制はできないのじゃないかという感じすら持つのですね。一方、卸売物価の高騰、公共料金の大幅な値上げなどで地価に対する不安が非常につのっておるわけであります。そういう意味で地価もきわめて深刻な事態になったと言わざるを得ないわけであります。そこで国土庁は国土利用計画法第十二条、第十三条の規制区域の指定規定を発動するよう都道府県知事及び内閣総理大臣に積極的に働きかける時期に来ているのではないかと私は思いますが、この点については国土庁のお考えはどうでしょうか。
#196
○渡辺説明員 先生も御存じだと思いますが、国土法十二条の規制区域の指定は、土地の投機的な取引が相当広範囲にわたって集中的に行われる、さらに地価が急激に高騰する、そういう事態に緊急的に対応するための制度であるわけでございます。先ほど先生の御説明の中にございましたが、最近地価が上がっておりますのは住宅地が中心でありますし、そういうことをいろいろ考えてみますといわゆる需給のギャップがその主因である。われわれのいろいろな調査等によりましてもいわゆる投機的な取引が行われる、相当広範囲に集中して行われているという徴候はないと考えておるわけでございます。したがいまして、現時点におきましてはこの規制区域制度を発動する必要はないのじゃないかと考えておるわけでございます。ただ、この制度の趣旨から言いましても、必要があれば直ちに機動的にこの制度を活用できるようにするということで、従来からもやっておりますが、今後はさらに地価動向なり土地取引の動向の監視を強力に進めてまいりたいと考えております。
#197
○長田委員 終わります。
#198
○井上委員長 藤原ひろ子君。
#199
○藤原委員 きょうから四月です。きのうまで黒い制服を着ておりました国会の衛視さんも衣がえをいたしました。ところが一方、国民の物価に対する気持ちはなかなか衣がえをすることができない。まだまだ黒い洋服を着せられたままという状態が今日の姿だと思うのです。とりわけ民間公共料金の横綱であります電気、ガス料金の大幅値上げを初め政府主導型の本格的な物価値上げが新年度とともにスタートしたその日がきょうでございます。私どもも先日来電力、ガス料金の原価の査定に当たりまして幾つかの問題を指摘させていただきましたけれども、きょうは先日政府が行われた査定につきまして、二、三点お聞きをしていきたいと思います。
 まず最初に、経済企画庁長官にお尋ねをしたいのですけれども、原価主義で査定するんだ、このように政府関係者はみんなおっしゃっていたわけですけれども、その中で通産省と経企庁ではその査定に対する態度といいますか考え方といいますか、若干の相違点があるというふうに私は思うわけです。どのような点でどのように違っていたのかという点、お答えいただきたいと思います。
#200
○正示国務大臣 これは通産と経企は最終的には一体になりまして、実はきょうの昼も通産大臣と私が一緒に経済団体のところへ行きまして今度の電力、ガスの値上げに伴う物価への影響について最小限度に食いとめるように努力してくれ、こういうことを言っておるわけであります。それは、過程においてはお互いにいろいろ意見を交換したいということはありますけれども、いまとなりましては政府全体の意見は一本である、こういうことで最終的に合意しておりますので、いまさらどういうふうな食い違いが過程においてあったかはちょっと申し上げかねるのです。
 ただ、最終的に申し上げられることは、われわれはいろいろな努力を重ねまして、まずCP一への影響を最小限度に食いとめる、すなわち全体の査定率は電気について二一・〇%でございますけれども、電灯については二二・三〇%査定減にしておる、それから電力については二〇・六七%査定減にしておる、ガスは二%査定した、こういうようなことで、そのCPIへの影響は電灯が〇・七、ガスは〇・三、合わせて一、そして間接的に波及するものは、産業連関表等ではいろいろな計算があるようですが、われわれとしては関係企業の御努力によってせいぜいこれを圧縮していただきたいから、プラスアルファを圧縮すべくいま懸命の努力をしておる、こういうふうな御理解をいただきたいと思います。
#201
○藤原委員 それでは通産省にこの査定の結果につきまして具体的にお尋ねをしたいと思います。
 まず、最初に減価償却ですけれども、北海道電力の査定につきましては次のように言っているわけです。それは、減価償却費については定率償却の導入は料金への影響も少なくなく、最近の経済社会情勢にかんがみ今回はこれを見合わせ、次回改定以降に導入を繰り延べることとした。ところが八社の場合はこういうふうに査定をしておられるわけです。減価償却費については定率法の導入は、料金への影響を考慮しつつ、脱石油化の推進を図るため原子力、水力、石炭及び地熱発電の機械装置に限り認めることとした、こう言っているわけですが、わずか二カ月の間になぜこのように査定のやり方が変わるんでしょうか、その理由をお示しいただきたいと思います。
#202
○堀田説明員 ただいま御指摘がございましたように、北海道電力はことしの二月一日に料金改定を認可いたしました。そのときには定率償却制度の導入というのは見送ったわけでございます。私どもは、定率償却の導入は、昨年春の電気事業審議会の中間報告を受けまして、インフレに伴う多額の償却不足、今後における多額の電源開発を中心とする投資といったことを考えまして、ぜひともこの際、料金に算入をしたいと考えておったわけでございますが、北海道電力の料金認可の際に公聴会の意見も聞き、あるいは物価安定政策会議の特別部会の意見を聞き、あるいは経済企画庁といろいろ御相談した結果、総合的に諸般の情勢から考えて今回は見送らざるを得ないということで見送ったわけでございます。
 今回の八社の料金改定、これは三月二十一日に認可したわけでございまして、その間御指摘のとおり二カ月間ぐらいの差しかないわけでございますが、いろいろ情勢の変化もございましたし、私どもが料金改定に当たりまして御意見を伺います機会も実はその後非常にふえまして、いろいろな御意見があったわけでございます。今回の八社の料金改定については、今後の脱石油の方向を目指して長期的な観点から見た政策を取り入れるべきであるというお考えが強く聞かれまして、政府部内で検討いたしました結果、料金への影響もあることでございますし申請のような多額な定率償却の導入はできないということで、これを機械設備にしぼり、かつ、脱石油ということで原子力、石炭、水力、地熱だけにしぼりまして料金算入をいたしたわけでございます。料金へのはね返りは、今回の八社の査定の場合にもきわめて少なくなるように配慮されておるところでございます。
#203
○藤原委員 通産省が定率法を導入した根拠となっております脱石油の推進を図るため、こういうことであるということですけれども、それは本州、四国、中国に限定されたものではなくて、北海道でも同じです。まして一〇〇%火力に依存しております沖繩の場合はもっとそのことが要求されているはずだ、こういうふうに思うわけですね。それにもかかわらず、総合的諸般の情勢にかんがみ見送らざるを得なかったということですけれども、沖繩電力の場合も定額法で査定をした、これはどう見ても納得いかない。定率法を導入した今回の査定と定額法で計算した場合の差額を見ますと、六百三十億円ですね。六百三十億円ですから、少なくともこれだけは国民が料金の中に盛り込まれて負担をする、諸般の情勢にかんがみてというようなのんきなことを言っておられる中で国民の負担になってしまったということなんですね。それはお認めいただかなければならないだろうと思うのですけれども、私はこの点を指摘をして次に移りたいと思うのですが、他社の購入電力についてお尋ねをしたいと思うのです。
 北海道電力を含めまして九電力会社の他社購入電力の割合はいま一四%から一五%を占めておりますね。これが幾らに査定されるかは一般の料金の値上げの幅にも一定の影響を与えるというふうに思います。中でも東北電力、北陸電力、中国電力というのは供給電力の二〇%以上を他社、いわゆる卸電気事業者からの購入電力に頼っておりますので、なおさらのことだと思うのですね。
 そこで、この件についてお聞きをいたしますが、この他社の購入電力料金はどのように査定をされたのでしょうか、お尋ねをいたします。
#204
○堀田説明員 他社購入電力料が電力会社の総コストの中でかなり高い比率を占めることは御指摘のとおりでございます。ただ、一四、五%というお話でございましたけれども、五十三年度の実績で申しますと、地帯間購入電力料、これは電力会社間で融通するものでございますが、これも含めまして一一・二%でございます。今回の八社の査定の場合で申しますと、おおむね一〇・七%ぐらい、一一%ぐらいに相当する比率になっております。これが購入電力量のウエートでございます。
 それから、購入電力料金の査定面でどういう取り扱いをしたかということでございますけれども、どこから購入するかでいろいろ態様がございます。いわゆる公営の水力でございますとか、私営のいわゆる共同火力というところから出てくる火力部分あるいは共同の水力の部分もございます。それから、原電と申しておりますが、原子力といったものも含まれるわけでございます。さらには自家発等から購入する部分も含まれるわけでございます。大どころを申し上げますと、公営の水力にせよ共同火力にせよ、あるいは電発からの購入分にせよ、契約存続中のものは現行契約によるということで、査定は比較的容易でございます。ただ火力分につきましては、契約継続中でありましても燃料費のアップということがございますので、燃料調整条項がついた契約になっておりますので、これは盛り込まざるを得ないということでございます。それから、ちょうど五十五年の四月一日に契約更改期を迎えるものについては、これは更改の想定原価を料金の中に織り込ませていただいております。公営水力、共同火力、電発の水力といったような購入電力がこれに相当するわけでございます。一番大きいものは共同火力からの購入電力でございますけれども、ちょうど四月一日に契約更改期を迎える状況にございましたので、各社間ですでに契約について話し合いが行われておりまして、この話し合いをベースにして申請が行われておるわけでございます。したがいまして、査定の余地というのは共同火力の燃料費部分を除いてはそれほど大きくない。共同火力の燃料費につきましては、八電力会社の自社分の燃料費と同じように厳正に査定をいたしまして購入電力の単価を決めたわけでございます。
#205
○藤原委員 電気事業法によりますと、電気事業者が一般電気事業者すなわち九電力に電力を販売する、こういう場合には通産大臣の認可した料金によらなければならないということになっておりますね。この場合の認可料金の決定につきましても、一般電気事業者の料金を決定する場合の基準に準じて査定をするということが法で決められておりますね。ところが、私どもが先日来、卸電気事業者が九電力に販売をしております料金単価、すなわち政府の認可した料金は一体幾らなのですか、こういうふうに聞きましたら言を左右にして言わないわけです。私は大変不思議だと思うのです。認可料金そのものが言えないというのは何だろう。言ってはいけないというふうに法律ででも決めてあるのでしょうか。そうでなければ、言ったらいかぬぞ、こう言う理由は一体何でしょうか。もし説明ができないというのであれば、なぜ認可事項になっているのか。私どもずっといろいろ聞いたのですね。そしたら、言ったところもあるけれども、ほとんど言わない。通産省から言うなと言われているのかと思いますと、いやそれは通産省に聞いてください、通産省に聞くと、またそれは卸電気事業者に聞いてください、こういうことで私はうろうろしてきょうに至ったわけですけれども、まことに不思議だと思うのですね。ですから、なぜそれが言えないのか、言えないのだったらなぜ認可事項にしたのか、その理由をきちんとおっしゃっていただきたいと思います。そうでなければ納得がいかないわけです。
#206
○堀田説明員 卸電力料金の決定の仕方につきましての電気事業法の体系は、先生御指摘のとおりでございまして、これは電気事業法の二十二条というところに決まっております。私ども、今回四月一日の契約更改期が参りました契約につきましては、実は昨日卸料金の認可をいたしまして、四月一日から実施をしていくということにしたわけでございます。
 この料金の単価なり査定の根拠を私どもが申し上げられない理由はただ一つでございまして、これは、共同火力であるとかあるいは原発であるとか要するに民間企業間の取引価格がございまして、民間企業間の取引価格について私どもが認可する際に知った数字を公開することは妥当ではないと考えて、申し上げるのを遠慮させていただいておるわけでございます。ただ、電源開発株式会社については、電調審にかかるという特殊な事情がございますので、これはまた別な扱いをいたしております。
#207
○藤原委員 それでは、いまお聞きしましたようになぜ認可事項になさっておられるのか、そこを言ってください。
#208
○堀田説明員 電気事業法の目的が電気の安定供給と電気の需要家の利益の保護という二つの柱で構成されておりまして、一般電気事業者が卸電気事業者から購入する電力、それは結果として一般の需要家にはね返ってくるものでございます。したがいまして、一般電気事業者の供給規程に盛り込まれております料金と同じように、卸の料金についても電気事業法による認可事項といたしまして、一般電気事業者の料金認可に当たって適用される基準、たとえば「料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものである」といったような同じ要件を課しまして、料金の認可をいたしておるわけであります。
#209
○藤原委員 私はいまの御説明では納得ができませんね。卸電気事業者が一般電気事業者、すなわち九電力に販売をする電力の料金単価が通産大臣の認可事項になっているというのはなぜなのかというと、一般の需要家に九電力が売る電気料金が不当に高くならないために認可料金にしているのだというふうに私は理解をしております。そうすると、その認可料金を一体幾らにしたのかということを国会の場でも明らかにできないということは、一体どういうことなのだろうかと思うのですね。それでいて厳正に査定をいたしましたとか言われたって、それじゃなぜその厳正な中身が言えないのだろうか。この認可をするに当たっては、皆さん企業の内部問題もいろいろ調べられて、確かに企業自身の秘密に属するというふうなこともたくさんありましたね。しかし、政府は当然それを知っておられるわけですね。私はいま企業秘密であるものをすべて教えなさい、それを言わなければけしからぬなどとは言っていないわけですね。査定をしてその結果決められた認可料金、それを幾らなのかということを国会で明らかにしてくださいと言っているのは、私は決して不当なことを言っているとは思わないわけですね。認可料金を国会議員にも説明しないという態度をとっている限り、幾ら政府が厳正な査定をいたしました、通産省と経済企画庁がいろいろあったけれども一致をして、これは政府の考えとして厳正慎重に出しましたと言われても、私も納得できないし、国民もこれでは納得できない。
 長官にお尋ねいたしますが、せめてこれぐらい、認可料金なのですから、国会議員には説明するように通産大臣にお話をしていただく、いまお答えをいただかぬでいいですから、せめて佐々木通産大臣にそんなことぐらい認可料金の精神から言うて言ったらどうだという進言をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#210
○堀田説明員 卸の電力料金につきましては、冒頭先生から御指摘がございましたように、本当に電力会社の原価の中に占める比率が一割を若干上回るというウエートがございますので、これが電気料金の査定に当たってどのように盛り込まれたのかということにつきまして御関心の深いことは私ども十分理解しておるところでございます。
 ただ、私ども査定内容につきましては、できるだけ国民の理解を得るために公表するという原則でやっておるわけでございますけれども、いろいろ話題になります賃金の引き上げ率をどう査定したかとかあるいは石油価格あるいは石油価格の中に盛り込まれる国内経費をどう査定したかといった事項につきまして、まことに申しわけないと思っておりますけれども、国内間の交渉あるいは国外も含めた取引にかかわる部分については公表を差し控えさせていただいておるわけでございまして、本件につきましても、たとえば君津共同火力と東京電力がどういう値段で取引をしているかということを公表することに相なりますので、公表はどうしても差し控えさせていただかざるを得ないということでございまして、その点について御了解いただきたいと思います。
#211
○藤原委員 長官の前にもうだめだとぴしゃっと戸を立てられて、長官が言われたってだめだというように受け取れるわけですけれども、申しわけないと思うならば公表をすべきだ。明確な理由があるのだったら納得しますと、こういうことならば引き下がれるわけですけれども、全くおかしいなと思います。
 それでは経企庁にお伺いをいたしますが、政府の認可料金で国会議員にも説明できないというふうなものがあるのかどうか。もしもあるのなら、何があるのかということをちょっと書き出していただいて、後日でいいですから御報告をいただきたい。
#212
○藤井(直)政府委員 政府の認可料金の中で一般的に内容について御説明できないものはないわけでございます。ただ、いずれにいたしましても、公表の問題を議論するときに、ただいま議論の出ておりますような個別企業の経営に直接かかわるような問題で、そういうことが表に出たときにかえって公正な取引を阻害するようなおそれがある場合に限っては、これはなかなかお出しできないということでございまして、ただいまの電気料金の中の卸料金のような問題が他の料金の中にも出てまいりますが、しかしその料金全体についてお出しできないというものは一切ございませんので、それぞれの料金の中で特別な項目についてそういう制限が出てくるということでございます。
#213
○藤原委員 それではなぜ認可料金にしているのかという問題になってきますね。ですから、一般的にはないということははっきりしている。しかし、いまのもの以外に個々の企業のそういうものがあれば、時間がないのでぜひ一覧にして教えていただきたいということをお願いをいたしておきます。
#214
○井上委員長 物価局長並びにエネルギー庁、いまの藤原君の要求に対してよろしゅうございますか。
#215
○藤井(直)政府委員 個別に、この料金についてこの問題はどうかというところまでは、それぞれの料金によって全部違ってまいりますので、そこまで十分資料を整えることはできませんが、こういうような例ということでお話しできるものをまとめたいと思います。
#216
○藤原委員 委員長、どうもありがとうございました。それじゃよろしくお願いをいたします。
 それじゃ次に、経企庁にお尋ねをいたしたいと思うのですが、鉄鋼の値上げ問題についてでございます。
 電力、ガス料金の値上げはさまざまな物資に対して価格引き上げの口実を与えております。とりわけ産業の米と言われます鉄鋼の値上げの表明は物価対策上重要な問題になると思われます。現に建設資材あるいは家庭電器等は、先高感をもって値上げをしたり、値上げ予定が着々と進んでいる。鋼材の値上げによる影響をどのようにとらえていらっしゃるでしょうか、お尋ねしたいと思います。
#217
○藤井(直)政府委員 普通鋼鋼材の値上げによります物価への影響でございますが、いま言われておりますような数字で卸売物価についての影響を計算いたしますと、〇・二八%ということになります。
#218
○藤原委員 鉄鋼業界のプライスリーダーであります新日鉄、ここが三月四日に鋼材をトン当たりで九千円の値上げを公式に発表いたしました。その値上げの理由としては、まず第一には電気料金値上げを含む四月からの燃料関係費がトン当たり六千円だ、二つ目には四月から値上げになります鉄鉱石等のものが四千円だ、さらに人件費等、こういうふうに書かれているわけですね。このように将来予想されるコストアップの要因、これを先取りして値上げをしているということが出てきていると思うのです。このことにつきましては正示経企庁長官も、先月の二十八日に、電気料金が認可される前から電気料金の値上げの分を織り込んでいるのは納得できない、こういうふうに批判をされました。私ども全く同感だと思うのです。電力値上げ等の値上げ先取り分が含まれておりますこういうものでは便乗値上げの口実を与えるということになるのではないかと思いますが、いかがでしょう。
#219
○正示国務大臣 大変むずかしい問題でございまして、これは公正取引委員会でいろいろこれから事情を聞かれるというような点もあるわけでございますが、私が指摘したのは、実は、電力の値上げ申請は当時出されていたが、まだ政府の認可、さっき申し上げたような圧縮率、査定率、そういうものが決まっていない段階で鋼材を値上げするということについて関係業界がいまの物価問題ということの重要性を認識した上で厳しく対応してもらいたい、いわゆる生産性向上等の努力をお願いしたい、こういう趣旨を申し上げたところが、俊敏なる記者諸君は、これは一部便乗値上げという意味かなというようなことがあったというふうに私は記憶をいたしております。
 そこで、これから自動車業界あるいは電機メーカーあるいは造船業界、鉄鋼業界等、いろいろこの程度値上げしたいということを言われて、それがどういうふうに交渉でおさまるのか、これはちょっといま予想がつきません。しかし、そういう点を十分にお互いに検討してまいらなければ、いま労働組合と経営者の間で厳しい春闘の賃上げ交渉等も行われておるときであり、こういう点においても物価問題というものの厳しさ、春闘の労使の交渉の厳しさ、そういうものから考えて、鋼材値上げ等の交渉においても厳しく対処してほしいということを実は通産大臣にもお願いし、そしてそういう目で見ていこう、こんなようなことで、きょうも関係団体と通産大臣と私がいろいろ話し合ったわけでございます。だんだん聞いてみますと、われわれが考えておった以外にいろいろあるというふうなことを言っておりますが、厳しく対応してほしい、こういう気持ちを表明したわけであります。
#220
○藤原委員 その値上げ幅がそのまま認められるのはおかしいということで、長官の御発言で、これは便乗値上げだ、しっかり見ていただいているというふうに思っておりましたが、便乗値上げを総力を挙げて監視するという大平首相のお言葉などから考えますと、どうもきょうは歯切れが悪いというふうに思うのです。日銀の総裁も先月十八日に、各種公共料金の引き上げが物価先高感に予想以上の悪影響を与えているというふうに発言をしておられるわけですね。ましてや鉄鋼業界の利益というのは莫大なものですね。五十四年度の九月期では、内部留保は一兆四千四百億円、前期積み増し二千百億円、一七%も増加をさせております。新日鉄におきましては、五十五年の三月期決算では経常利益が前期比の二・二倍ですね。つまり一千八百億円の史上空前という高利益を得ようとしているわけなのですね。そういう鋼材の値上げは、社会的な責任からいっても節度がないと言われても仕方がないと思うのですね。だからこそ、物価の監視役であります経企庁長官が便乗値上げだと見ておられる発言は国民に非常に期待をさせたと思います。しかし、きょう歯切れが悪いのは大変残念だと私は思います。
 そこで、通産省の二月の鉄鋼業生産動向によりますと、生産は前月比三・九%の増となって急上昇、しかし三月には四・九%減というふうに落ち込むと言われております。このことはどういうことかというと、電力も含めまして鉄鋼の値上げを控えて駆け込み生産というものや仮需ということが集中したというふうに見なければならないと思うのですね。鋼材の値上げがすぐにこのように影響を与えて、同時に鉄鋼自体も一・九%増と生産を伸ばして、七カ月連続上昇しております。こういうふうに実際の需要に応じての生産でない仮需があることが報告されているというふうに私は思います。同時に、駆け込み生産した、こういうふうに思われるものの分を新しい価格に転嫁をさせるというふうなことは絶対にしてはならないというふうに思うのですが、そういうことがないように、いま申し上げました駆け込み生産や仮需、こういうものに対して十分監視をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#221
○正示国務大臣 これは先ほど申し上げたように物価問題は非常に大事であり、特に鉄鋼のような重要な資材の業界でありますから、そういういま藤原委員が御指摘になりましたような点については私は通産大臣その他にお願いをいたしましたが、これから業界の方へも十分伝えて善処していただくようにお願いしたいと考えております。
#222
○藤原委員 この二月は政府主導で省エネ月間というのを設けたりして、本当に小まめにスイッチを切るなどして節電をせよということで国民も一生懸命それを守ってきたわけですね。灯油も節約しました。自動車をなるべく利用するなというようなことなども、国民総ぐるみの運動をやってきたわけです。しかし、その一方で大企業は、電気料金が値上がりする前に安い料金の電気をどんどん使って駆け込み生産をしているわけですね。国民は、それじゃ駆け込み利用しようかというてもできないわけです。ためて先取りして電気を使っておくというようなことはできないわけです。
 電力料金を値上げすると言われてからの鉄鋼業の使用電力量を私は調べてみたわけです。そうしますと、全国で九電力の会社が、対前年度比で五十四年の十一月は九・二六%ふえております。十二月は八・九二%ふえております。五十五年の一月は一〇・三%ふえ、二月は一三・一%ふえております。ところが北海道電力を調べてみますと、五十四年の十一月は一五・六五%ふえております。十二月には一六・三六%ふえている。ところが、五十五年の一月には一五・八%ふえたものが、二月には二・八%というふうになっているのですね。すなわちいま申しましたことは、全国的に十一月から急に上昇をして、たとえば一月は電灯や電力合わせて平均七・一%の増、大電力の口八・六%の増というよりも高いわけですね、一〇・三%の伸び高となっているわけです。二月はさらに高くなって一三・一%になっている。ところが北海道電力のケースを見ますと、事の真相は明白だと思うのですね。十一月十六日に値上げ申請をした、こういう中で、十二月には一六・三六%増と驚異的な伸びですね。そうして一月には何と一五・八%、ところが二月一日には値上げ認可となりまして、その二月は驚くばかりですね、二・八%と急激な減り方になっております。これを見ますと、まさに駆け込み生産だ、それ以外の何物でもないということは明白だと思うのですね。国民の消費者が駆け込み、買いだめなどというようなことをもしもやったとしたら、やれないですけれども、大変な問題が生じると思うのです。私はこのような駆け込み生産、仮需、こういう動きがあるではありませんかというふうにきょうは提起をいたしましたから、ぜひともこの点をきちっと調査をしていただきたい。そして厳しい監視をするということが必要ではないかと思うのですが、簡単にお答えいただきたいと思います。
#223
○正示国務大臣 そういうふうな点がこれから大事な点だと思います。特に指導的な重要な企業である業界においては、そういうふうな点について一層の注意を払っていただきたいと私は心から希望いたしておるわけであります。
#224
○藤原委員 答弁だけでなくてぜひともお願いをしたいと再度強調したいと思います。
 時間がありませんので、最後に公取にお尋ねをしたいと思います。
 今度の総合物価対策で「同調的値上げの動きを注視する。」とありますけれども、具体的にどのような対策を検討しておられるのか。鉄鋼についてはどういうふうにするのか。
 先ほども申しましたように新日鉄を筆頭として鉄鋼業は各社とも同期に値上げを発表をいたしました。そうしてこの上げ幅もほとんど同率であるわけですね。まさに私は同調的な値上げだというふうに思います。この点いかがでしょうか。
#225
○橋口政府委員 同調的価格引き上げにつきましては、すでに五十六品目を監視対象品目として指定をいたしておるわけでございまして、その中に鋼材の関係は特殊鋼の二品目を入れまして十品目あるわけでございます。
 値上げが行われました後におきまして必要があれば調査をするということでございまして、まだ値上げの通告をした段階でございまして、値上げが実現はいたしておりませんから、値上げが現実したら後におきまして、法律の要件に該当するかどうかの予備的な調査をいたしまして、該当するということであれば当然値上げの理由について報告を徴収する、こういうことになろうかと思います。もちろん鋼材以外にも先ほど来たびたび御答弁申し上げておりますようにすでに調査中のものが三品目ございますし、それから予備調査中のものが一品目ございますし、またさらに将来予想されますビール、ウイスキー等も当然調査の対象になるわけでございます。
 それ以上申し上げる必要はないわけでございますけれども、鉄鋼関係はよく一物一価ということをおっしゃる方があるわけでございまして、同じ原材料、同じような生産工程、同じような労働力で生産をするから当然同じような価格になるんだというような考え方があるわけでございますけれども、これは市場経済を否定する考え方でございまして、市場の需要と供給によって価格が形成されるわけでございますから、寡占的メーカーの一方的意思によって価格が実現するということはあってはならないことでございまして、またそういうことに対する予防的な措置としての同調的価格引き上げの場合の報告の徴収の規定があるわけでございますから、これは国会からちょうだいした法律でございますから、その運用につきましては十分注意をし、また十分な用意をもって調査すべきものは調査する、こういう体制でおるわけでございます。
#226
○藤原委員 長官、いま私はこういう動きがあるのを調査をして厳しく監視をしていただきたいと再度強調したわけです、監視につきましては。そうしたらもう早速お隣に座っておられる公取委員長は、いまのお話では、この発表は通告をしただけなんだ、まだ実現してないんだ。発表しただけで、いままで触れたような物価対策上重大な問題が生じ始めているのに、いや決まってからやります。独禁法の十八条の二もありますけれども、私はいまいろいろと鉄鋼材についてお話ししたのは、事は重大だ、だからそんなのんきなことを言っていないで毅然として任意調査だけでも直ちに行うべきではないか。全く気楽だと思うのですね。初めにも申しましたとおり、国民は四月一日、もう春だというのに黒い洋服を着ていますよ。公取がここで任意調査を直ちにすると――先ほどからずっといやまだ発表だけなんだ、まだ上げたのが決まってないんだから、相手の協力を得られなければ調査できませんとかいろいろ言っておられますけれども、任意の調査を早くやるということこそ、いま便乗値上げなど、こういうものにもメスを入れ、そしてきちんと監視をする。新日鉄の小松副社長、この方は値上げが通らないとか値上げ幅が削られるとは考えていませんと明確に言っておられるではありませんか。実際に値上げしないなどとは考えられないわけです。調査を直ちにすべきだ。任意調査でもいいから直ちにすべきだ。それが長官がいま私にお約束をされたことではないかと思うのですが、長官、いかがでしょうか。
#227
○橋口政府委員 いまおっしゃいましたことは同調的価格値上げ、つまり的が入っているか入っていないかということで基本的に違うわけでございまして、同調値上げということであればこれはカルテルでございますから、これは違法カルテルとして当然調査をしなければならないわけでございます。ただ、いまお話がございましたのは、この同調的価格に該当するのではないかということでありますから、これは将来該当する可能性はあるということを申し上げたわけでございまして、ただ、その値上げを通告いたしまして、まだ値上げが実現いたしておりません段階で調査をすることは、これは独禁法の十八条の二の規定に対しまして権限踰越の行為になるわけでございますからできないわけでございまして、いま先生がおっしゃいました任意調査ということであれば、これは何がしかの疑いなり疑念が必要でございます。先ほど来申し上げておりますような鉄鋼のような寡占的マーケットであります場合には、疑念があるとか疑いがあるということは即違法カルテルの疑いがあるということでございますから、これは任意調査ではなくて立入調査を含む調査が必要になってまいります。
 そういう点から申しまして、いま直ちに何らかの調査をするということは、十分な材料がございませんからそれは不可能でございますが、しかし法律の規定の命ずるところに従いまして、値上げが実現しました暁におきましては予備的な調査をして、要件に該当するということであれば調査をするということでございまして、これは国会からちょうだいした法律を実行する立場の行政機関としては当然の責務ではないかというふうに思っているわけでございます。
#228
○藤原委員 時間がありませんから最後に、同調的とか的が入ったからいかぬということでしたけれども、私は、直意はおわかりいただけるだろう。的が入ろうが入るまいが、要はそういったような便乗値上げなど同調値上げを抑えなければいま大変だという趣旨を言っているわけです。北海道電力だって、これはかくかくしかじか、こうなっているじゃありませんか。そのためにるる説明したのに、的が入っているからいかぬのだというふうなことで話をそらされては大変だ。疑念があるではありませんか。いまの私の説明から、疑念があるからこそ任意でも構いません。それでは、任意がいけないのだったら立入調査でもしてもらったらいいわけです。疑惑があるからこそ言っているわけで、それをないんだ、ないんだ、そして発表してしまって値上げになってしまってから何ぼ後追いしてもらったって、それは本当にかっこうだけだ。それでは本当に国民生活は守ってもらうことはできないと思うわけです。この点、私は厳重に申し入れをしたいと思います。長官、よろしくお願いいたします。
#229
○正示国務大臣 公正取引委員会は御案内のように特別の立場にあって、法律に従って条件が整えば必ずそれらについて調査をする、こういうことでございます。私の方は、いま藤原委員からいろいろ御指摘になったような点につきまして、鉄鋼業という企業の社会的地位から申しましていろいろ疑惑を招くような行動は大いに自粛すべきである、こういう趣旨を申し上げたわけでございまして、法律的な問題と道義的な問題との違いがあるんだろうと思います。いまの御意見は十分関係者に伝えるようにいたします。
#230
○藤原委員 終わります。
#231
○井上委員長 塩田晋君。
#232
○塩田委員 経企庁長官、正示大臣に御質問申し上げます。
 私は、物価は国民すべての者の生活の基本であり、物価が上がることは生活の上に深刻な打撃を与えるものであるという観点から、物価の値上がりは極力抑えなければならない、特にその基本である公共料金につきましては、他への影響が大きいものですから、これは何としても値上げ幅を抑えなければならぬということを申し上げてきたわけでございます。特に生活への影響ということにつきましては、中小企業、勤労者、そして、わけても年金受給者、福祉生活受給者、こういった関係の方が最も大きな影響を受けるわけでございますから、その観点から申し上げてきたわけでございます。この物価対策特別委員会におきまして昨年暮れ以来鋭意何回にもわたりましてあらゆる方向からこの問題に取り組んできたわけでございまして、与野党挙げて取り組んでまいりましたし、また政府もそれを受けましてこの問題に対処してこられたわけでございますが、結果といたしましては、御承知のとおり、ガス三社につきましては、申請の五二・一一%を四五・三四%に認可、査定ということになりましたし、また八電力につきましては、六四・四二%の申請に対しまして五〇・八三%といった査定、認可が行われたところでございます。これが認可されますにつきまして、政府部内でかなり協議が、深刻な論争が行われたということを新聞、テレビ、報道機関等で承知しておるわけでございます。特に正示経済企画庁長官は政府部内で最後の最後までがんばられた、そして何としても五〇を切ることはできないかというこことで努力をされたと聞いておりますけれども、電気料金、ガス料金の値上げ幅を極力下げるべく御努力をされましたその部内努力の経過につきましてひとつお聞かせいただきたいと思います。
#233
○正示国務大臣 先ほど藤原委員にもお答え申し上げたように、経済企画庁というのは物価の責任官庁としてございます。通産省ももちろん物価にも配慮されますが、公益事業の料金値上げ、またそういうものの安定供給ということについて非常に大きな責任があります。そこでそれぞれの立場で最終決定に至るまではいろいろ意見を交換をいたしました。これは事実であります。しかし、最終決定を見ましてからは、これはもうわれわれの意見が一致したところで最終決定したのですから、どこまでも政府の意見は一本でございます、こういうこと以外には申し上げる余地はないわけでございます。
 ただ、私は一言でここでお答えを申し上げますが、最初から五〇%を切り込むというふうなことを一度も言ったことはないのです。ただ、原価主義でやる場合に、その原価主義を徹底していけば何割におさまるとかどうだというふうなことを予断を持ってすべきではない、どこまでも合理的に最後まで査定をすべきである、こういうことを申したのが、一部のマスコミに、経企庁は五〇%を切り込むのだ、こういうふうに報道されたのであります。結果的には、電灯とガス、これは消費者物価へ〇・七プラス〇・三ですから一、これは一である、六・四の来年度の消費者物価見通しのうちの一が直接の今度の電力、ガスである、しかし、電力の間接的効果というものがプラスアルファである、これは企業の努力によって相当圧縮していただける、こんなふうに結論をしたわけでございます。
#234
○塩田委員 結果としてはやはり五〇%を上回る大幅な値上げが認可されたということでございまして、私はこれに賛成をするつもりはございません。不十分であるということを申し上げざるを得ないのでございますけれども、経企庁長官の御努力に対しましては敬意を表し、今後ともひとつがんばっていただきたいと思います。また、経企庁としても、この前にも申し上げましたが、もっと権限を持って調整権を発揮されるようなことが必要ではないかということで御検討をいただきたいと思います。
 それから、電力料金の総括原価の中で、人件費から始まりまして各項目別にそれぞれかなりの切り込みといいますか査定が厳しく行われておりまして、それぞれについてお聞きすることは時間の関係で申し上げるわけにいきませんけれども、人件費につきまして、もうこれはかなり査定は低くなっているわけでございますが、これはどういう要素で、どういう理由でこうされたのかということをお聞きします。それから、燃料費は他の議員もずいぶん取り上げられましたからおくといたしまして、資本費と公租公課、このそれぞれの要素につきましてこのように査定された理由につきまして説明を願います。
#235
○藤井(直)政府委員 それじゃ各項目について御説明申し上げます。
 まず人件費でございますが、人件費につきましては、人件費全体の総額として五・五%アップということにいたしております。これは基準賃金のアップ率として昨年春の主要公共料金の関連事業の決定額の平均をとったわけでございます。
 それから資本費につきましては、レートベースの問題については八%という事業報酬率をそのままとっておりますが、対象となる資産につきましては特別監査を行った結果決定いたしました真実かつ有効なものということについて八%を乗じて算定いたしております。
 それからもう一つの項目は減価償却費でございますが、定率法の導入について、いわゆる脱石油化という観点から、原子力と水力、石炭、地熱発電、この機械装置に限って認めるということにいたしたわけでございまして、申請は定率法と定額法との差額の約半分、四六・五%を対象にしたいということでございましたが、結果的にはそういうふうにして対象設備をしぼったわけでございます。
 それから公租公課につきましては、これは公租公課算定上の問題として法人税につきまして法人税を算定する基礎となります配当について八%といたしたわけでございますが、これは電気料金をめぐる全体の環境を考えまして八%というふうにしたわけでございます。
 いま御指摘の項目につきましては以上のとおりでございます。
#236
○塩田委員 公租公課の関係になろうかと思うのですけれども、電気税の状況についてお聞きいたします。特にこの電気税につきましては予算修正のときにも問題になって参議院でも若干の手直しがあったようでございますが、三月十九日の「当面の物価対策について」という文書を読みますと、「電気税の課税について所要の調整を行う。」という表現がございます。これにつきましてどのように考えておられるか。
#237
○藤井(直)政府委員 電気税につきましては、「対策」の中で取り上げておりますが、この「対策」以後調整が行われまして、免税点の引き上げという形で対処しようということになったわけでございまして、現在月額二千四百円といいますのを三千六百円に引き上げるということで法律改正案を用意いたしまして、国会の方にお出しをいたしております。
#238
○塩田委員 一応決着が見られたところでございますけれども、将来の問題といたしまして、大臣、この電気税につきましては現行五%を一律三%にとわれわれは要望しておったところでございますが、これを今後ともひとつ考えていただきたいと思います。
 それから、特に中小企業向け、これはできるだけ早い機会に特別の配慮をしていただけないかと思いますが……。
#239
○藤井(直)政府委員 電気税につきましていろいろ御議論があることは私ども承知しておりますが、これは地方財政の問題として自治省で所管をしておられるわけでございますが、今回につきましてはガス税についても七千円から一万円ということで免税点の引き上げを行っておりますし、電気につきましても先ほど申し上げましたような調整を行っておりますが、地方財政の現状等から見て、今回一応この辺がとり得る限界ではないかということで決まったわけでございますので、将来の問題はまた問題として私どもいろいろ勉強させていただきたいと思います。
 中小企業につきましての問題というのは、電気税の観点から取り上げていくことが一体できるのかどうか、その点についてはなお検討させていただきたいと思います。
#240
○塩田委員 電気税につきましては前向きで御検討いただくということでございますので、よろしくお願いします。電源開発促進税につきましても、予算修正の際の大きな争点になりましたが、これにあわせまして御検討いただきたいと思います。
 次に、物価対策につきまして、この手段としてどういうものがあるか、経済学上あるいは経済論議の上でいろいろな問題になるわけでございますが、一般的には、第一が総需要調整政策というものがあろうかと思いますし、また第二に競争促進政策といいますか、自由化を図るということ、それからまた独禁法の強化あるいは適正な運営という問題、第三番目といたしましては、構造政策といいますか、生産性の向上、それから中小企業対策、エネルギー節約あるいは代替エネルギーの開発といった問題も入ってこようかと思います。四番目としましては、為替レートの対策、これを適切に行うという問題、第五に個別の品目あるいは業種の対策ということでございます。そして、所得、賃金政策といったものが物価対策の大きな項目になろうかと思います。
 三月十九日付の物価問題関係閣僚会議におきまして政府として決定されました物価対策をながめてみますと、第一に取り上げてございますのが、「適切な総需要の管理」という表現が出ております。この具体的な内容は、この文書から見る限りでは、一つは公共事業の抑制的な施行という問題、二が金融引き締めによる金融の適正化という問題だと思います。この金融引き締めの中で「通貨供給量を監視」という表現が出ております。この中身ですね。通貨供給量の最近における動向、そして監視をするというのは、どういうふうにして監視をして、どうなればどうするということを予定しておられるか、御説明いただきます。
#241
○正示国務大臣 いま塩田委員が御指摘のように、総需要の適切なる管理、これが大きな柱なんです。いままで初めてこれを申し上げたので、先ほど藤原委員から仮需等のことの御指摘があったのですが、私どもは実需についても物価に非常に大事な時期はこれを時期的にずらしていただくというふうな管理をやっていかなければならぬ、こういう趣旨であります。
 そこで御指摘のように財政、これは予算がまだ御承知のように成立いたしませんので、成立した直後に大蔵省を中心に抑制的な実行の具体的な案が出るわけでございます。
 それからまた公定歩合については、すでにこの対策と同時に日本銀行が九%という史上最高のものを出しました。なおマネーサプライの監視の状況等は後で政府委員が申し上げますが、いずれにいたしましても、そういう大きな柱によってインフレマインドを払拭する、そして経済の底固めをする、そしてインフレを排除いたしまして物価に対する一応の安定のめどをつけることが、この四月、われわれがいま直面しておる大事な時期である。四月、五月あるいは六月に及ぶかもしれませんが、そういうふうなことをここに強くうたっております。
 それからもう一つの柱は、生産性の向上によって吸収していく、こういうことでございますので、これまた前文の中にはっきり書いております。
 あと個別対策その他は、政府委員から詳しく御説明を申し上げます。
#242
○藤井(直)政府委員 マネーサプライの動向でございますが、昨年の二月に第一回の総合対策をつくりましたときに、やはりマネーサプライの問題を取り上げておるわけでございます。そういうことで昨年来の動きを見てみますと、五十四年の一−三二月ぐらいの状況でございますと、M2とCDの平残の前年比は一二・三%でございました。それが四−六につきましても同様の数字でございます。七−九になりまして一一・七%、十−十二月で一一・二%ということで推移してまいりまして、ことしの一月になりますと一〇・六%になっております。この過程で日本銀行におきましては主として金融機関に対する貸出増加額の規制というものを行ってまいりまして、四半期ごとに行います都市銀行に対する貸付増加額の枠がございますが、それを順次圧縮してまいりまして、現在のようなマネーサプライの状況になっておるわけでございます。
#243
○塩田委員 かなり厳しく貸出金利が上がり、あるいは準備率も引き上げられ、そして日銀、為替市場の関係ではドル売り円買いといった対策もされて、総合的に引き締まりが出てきたと思われますが、私はこの際企画庁長官のお考えをお聞きしたいと思うのでございますが、赤字国債、五十四年度末で五十七兆、来年度になりますと七十兆にもなるという大きな国債赤字ですね。これがこういったマネーの流れの中でどういう役割りを果たしていっておるか。そしてこれは一挙にやめるわけにいきませんから順次減らしていくということで財政再建が行われていくと思うのですけれども、この実物にベールをかぶせた通貨が出回るという、それに国債等赤字の公社債がどういう役割りを果たしていると見られるかですね。
#244
○正示国務大臣 国債が大きな問題になっておることは御指摘のとおりでございますが、それで、五十五年度の予算はまず一兆円を減らしたわけです。しかし、五十四年度の実行ではそれ以上のものを発行を抑制しておる。こういうことは、私は、財政再建の上で非常に大事な点であり、これからも国債の発行をできる限り抑制していくという努力は、財政再建上の一番大きな問題だろうと思います。
 そこで、マネーサプライとの関係でいま御指摘がありましたが、本当の貯蓄によって国債を消化していけば、これはマネーサプライには影響がない、こういうことになるわけでございますけれども、それがうまく消化されないというようなことになりますと、やはりインフレ的な問題が起こってくる、その点が非常に大事な点であろうということは御指摘のとおりであります。
 そこで、何としてもわれわれはこれから、いま物価局長が申し上げたようなマネーサプライの非常に健全な動きを撹乱してはいけないわけでございますから、財政も金融もその点に集中いたしまして健全なマネーサプライをキープしていく、こういうことがこれからのインフレに立ち向かうわれわれの姿勢でなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。
#245
○塩田委員 次に、個別物資の対策でございますが、品目、業種別に需給価格動向を調査、監視するということでございますが、これは各項目にわたって努力をされておると思いますが、典型的なものにつきまして、こういうふうに需給がなり、こういう手を打って、このように価格の安定に努めておるんだという例がございましたら、例を挙げて、わかりやすいように御説明を願いたいと思います。鉄鋼なら鉄鋼でもよろしいです。
#246
○藤井(直)政府委員 鉄鋼の中で小形棒鋼が非常に値動きが激しいわけでございますが、これについて申し上げますと、まず値動きの方でございますが、先ほどもちょっと申し上げたところでございますが、五十四年の一月にトン当たり六万一千円という価格でありましたのが、九月ごろに七万円になりまして、ことしの三月には七万八千円になっております。
 これは理由といたしましては、原材料費である鉄くずの上昇が非常に大きくなりまして、これは輸入品の価格が上がるということもありますし、それから、小形棒鋼の輸出が非常に強くて、そういう意味で需給がタイトになったということでも上がってきておるわけでございますが、鉄くずも五十四年の一月に二万五千円であったものが、現在三万五千円というようなことになっております。
 そこで、この小形棒鋼の価格の動きがかなり著しかったものでございますから、通産省ではこの価格、需給の動きを監視しておられたのでございますが、これに対しては、何といいましても原材料にネックがあるわけでございますので、鉄くずの放出、さらには、鉄くずにかわるべきものとして高炉メーカーから高炉ビレットを放出するというようなことで原材料面での手当てをしてまいっておりまして、最近三月にも十万トンの高炉ビレットを放出いたしております。
 そこで、物価対策の中でも、「備蓄の放出、原材料の出荷要請等、機動的な対策を実施する。」という表現をとっておるわけでございますが、そういうことで、個別に物資に即して、材料の手当てを必要とするものはそういう形をとっていくというようなことにしておるわけでございます。
 もう一つの例として、合板の問題がございます。合板も昨年の一月に一枚千三百二十三円でありましたのが、ことしの三月には一千八百二十五円になっております。ただ、合板の場合は一月のころ非常に高かったものでございますから、二・月、三月にかけて、農林省の関係で木材備蓄機構というのがございますが、そこで持っております備蓄を放出しておりまして、たとえば、一月に千三百二十三円でありましたのが、三月には千七十三円に下がっております。そこで相当の効果が出たわけでございますが、またその後、南洋材の上昇等もありまして上がってまいりまして、現在に至っているわけでございますが、これについてもしかるべき備蓄は現在持っております。したがって、需給上問題があるということになれば、それを放出するということを当然考えざるを得ないわけでございます。
 そういうようなものについての対策を具体的に例を挙げまして申し上げると、以上のとおりでございます。
#247
○塩田委員 各品目につきましてきめ細かく需給動向あるいは供給量の増減を図って調整をしていくということにつきましては、今後ともひとつぜひともきめ細かな細心の注意で物価対策を進めていただきたいと思います。
 食料品等につきましても申し上げたいのでございますが、時間の関係で次に移ります。
 次は、生産性の向上とたびたび大臣がおっしゃるわけでございますが、生産性の向上で原価の値上がり、物価値上がりを吸収していくということは、基本的にはその線で正しいと思います。やり方はいろいろ問題がございますが、基本的には結構であると思いますが、主として言っておられますのは、民間企業についての生産性の向上。
 これはかなりの成果も上がり、また、民間労使挙げて血のにじむような思いで減量経営に取り組み、それぞれに犠牲も払い、努めてきておるところでございます。単なる生産性の数字が上がったということだけでは済まされない多くの社会問題を含んでいることではございますが、民間がそのような生産性の向上に必死に取り組んでおる中で、公務員あるいは公共企業体の生産性については、経企庁長官は、権限外、行管庁長官の問題だと言われるかもわかりませんけれども、しかし、いま国全体の雇用労働者で四千万近い中で、恐らく五、六百万あるいはそれ以上公務員あるいは公共企業体等の職員がおられると思うのですけれども、この問題につきまして、やはり生産性を言うならば、この問題を物価の観点からも強く要請をし、手を打たなければならない、勇気と決断を持ってやらなければならないことだと思うのですけれども、これについて大臣の所見をお伺いいたします。
#248
○正示国務大臣 全く仰せのとおりだと思います。私どもは前に、御案内のように、一般消費税問題というのがありましたときに非常に痛切に感じたのは、政府が――政府と言えばいまの現業部門も含めてでございますけれども、そういう点で、生産性向上を大いにやった後になおかつ、経費がこうだ、あるいは福祉を充実するために財源がこうだというのなら話はわかるけれども、そっちの方の努力をしないでいきなり一般消費税を導入しようという点はどうだと。これは私の方の所管している経済社会七カ年計画の中では、その生産性を向上して経費を節減するということを先に書いているのですが、それが順序が逆になったような形になりまして大敗を喫したわけでございますが、これはいまも変わらない。
 そこで、大平第二次内閣では、遅まきながら行政改革ということを大きな旗に掲げまして、大旆を掲げまして、いま着々これをやっております。まだまだ足りないという御批判もありますけれども、これをさらに進めていかなければならぬことは当然であります。また国鉄等におきましてもなまぬるいという御批判があるかもしれませんけれども、四十二万を三十五万に削減しつつ能率を上げていく、こういう姿勢でございます。こういうことは民間にお願いする前に、政府みずから率先して実行しなければならぬということを痛切に感じて、またそのようにあらゆる機会に政府部内でもお願いし、行管庁長官がこれを推進していただいておるわけでございます。
#249
○塩田委員 行政機構の簡素化、そして能率化ということは国民全体の要望でございますし、旗を掲げて大きく最初は叫ばれるのでございますが、この問題はどうしてもしりすぼみで、最後はぐちゃぐちゃになってしまうということになりがちでございます。現在もそのような傾向がちょっと出ておりますし、ぜひとも民間に対して生産性の向上、物価の抑制を説かれ、あるいは徹底的に取り組まれるなら、内部の問題でみずからの姿勢を正す、この問題につきまして国務大臣として物価の観点からも大いにひとつ主張し、実現のために最大の努力をしていただきたいと念願いたします。
 それから最後に石油の価格の上昇、これは世界的な傾向でございますし、特に石油依存率の高いわが国におきましてはこれは避け得ない問題でございます。いままでのところは消費者物価の上昇が、他の国に比べまして比較の問題でございますけれどもかなり安定的に推移してきたということでございますが、これから予断を許されない。このような五〇%を上回る電気料金等の値上げ、その影響を考えますと、決して六・四%は守れない、六・四%は甘いという見方をしておるのでございます。いずれにいたしましても、昨年度の四・八%の消費者物価の上昇に対しましては六・四というのは高いわけです。これ以上八%、一〇%いくかわからないということすら危惧するわけでございます。しかし諸外国の消費者物価は、各国、欧米とも上がってきておる。わが国よりも上昇率は高いわけです。これは先へ行った場合、世界経済との相互依存関係において成り立っているわが国の経済でございますから、いずれは新しい石油価格を基盤にした新しい価格体系というものが早晩でき上がっているのではないか。これはタイミングの問題で、前の石油ショックのときのように一挙にいかないで、できるだけならしていくということだと思いますけれども、いずれにいたしましてもその傾向というものは避けがたい面がある。そのためにまた努力して抑えていくわけでございますけれども、そうなりますと、それに対応した物価の六・四あるいは八%といった新しい体系、それに対応した賃金というか所得の面、これの対応が必要だと思うのです。これから行われますいわゆる賃金闘争、春闘というものが、これをめぐって労使間において自主的に決められていくということが基本でございます。
 ところで経済計画、来年度の年次計画におきまして、雇用者所得の伸びはどのくらい見ておられるのかお聞きいたします。
#250
○井川政府委員 御案内のように経済見通しは主としてGNPというものに着目した計算をいたしておりまして、一人当たり雇用者所得を正確に出しているわけではございません。しかしながらそのうちの国民所得、その大宗を占めますものは雇用者所得でございますけれども、雇用者所得を幾らに見ておるかということになりますと、前年度に対しまして八・七%アップを見ております。しかしこれには雇用者がふえるという問題がございます。この雇用者のふえ方が一・四%でございますので、そういうことからきわめて粗い推算ということになりますれば、七・三%ということになっておるわけでございます。
#251
○正示国務大臣 いま調整局長から数字を御説明いたしましたが、この時期から言いますと非常にこれはデリケートな問題なんです。われわれはもちろん経済の堅実な成長のためには個人消費の増加ということはある程度必要だと思っております。ただ、いまちょうど春闘で、塩田委員の御指摘のように労使の自主的交渉で決める、それと一人当たりの雇用者所得とそのまま比較されると非常に問題でございます。われわれとしては、どこまでも賃上げは労使の自主的な交渉でそれぞれの支払い能力等に応じて交渉して決められるものだ、こういう観点に立っておることを申し上げて、いまの全体の経済の中で雇用の増加、個人所得の増加等をどういうふうに見ておるかという振り割りの問題だというふうにお考えいただきたいと思っております。
#252
○塩田委員 その点につきましては私は理解しておるつもりでございまして、七・三%を賃上げの最低線にするということでは決してないという理解は持っております。労使で決められることでございますが、しかし労使が賃金を決める際に最も大きな要素になるのはやはり消費者物価が大きいわけです。大体消費者物価の後追いできておりますけれども、新価格体系の場合に後追いでは賄い切れない。先の問題をやはり織り込んで考えざるを得ない。それから利潤の問題それから労働市場の求人倍率の問題、その他いろいろの要素が、もちろん労使の交渉力の問題もあります。そういったものが総合的に結果的にどうなるかという見通しだと思うのですが、それにいたしましても賃金というものは物価に対しまして総需要の要因にもなるわけです。五五%以上の国民所得の中に賃金が入って、それが需要に向かうわけです。消費支出になるわけですから、大きな要因である。片や労働力というものの単価である、これが賃金です。コストの一つでもあるわけです。こういった観点から賃金というものは大きなウエートを持ち、重大な意味を持っておるということにおきまして、新賃金体系のもとにおきまして、そういうものに適応したものでなければいかぬだろうと思うわけです。短期ではいけませんけれども、長期からいうと、経済成長率が、たとえば来年度のように四・八%実質成長率があれば、それプラス消費者物価というものが賃金の上昇率であるというのは、長期的な観点からいうと理屈の上では考えられることだと思うのですけれども、そういった賃金というものが物価における大きな要素であるということ、しかもそれは低ければ低いほどいいというものではなしに、生活の糧であるということからいって物価とのバランスが必要だということを強調したいわけでございますが、それとあわせまして福祉の充実の問題、これも並行して行わなければならないと思うのでございますが、この点につきまして企画庁長官のお考えを。
#253
○正示国務大臣 結論を申し上げますと、物価の安定と勤労者の生活向上との均衡のとれた水準、こういうことで私は自主的に交渉されるものと考えております。先ほど塩田委員が、これからの新しい世界経済の展望の中で新価格体系というお話もありましたが、私はまだまだ、そういう新しい段階にセトルするということは急にはなかなか来ない。ここで各国はアメリカの高金利政策に引っ張られながら、アメリカ自身も血まみれになってインフレとの闘いをやっておるわけです。日本もまさにそのとおりでございます。そして、その中で日本と西ドイツがまあまあいまのところはわりあいといい成績を上げてきた、こういうことでありますが、しかし雇用の面においては日本が一番いいのです。西ドイツよりもまだいいのです。経済の成長も、いま四・八%というところへ言及されましたが、これも日本はよろしい。そのかわり消費者物価の面では西ドイツの方がまだ成績が少しよろしい。こんなようなのが公平な見方だろうと思うのです。
 そこで、いま仰せになりましたように、そういうときを見計らって経済を堅実に成長させながら物価を安定し勤労者の生活も充実し向上させていく。それは一体どのくらいのところを賃上げを考えておるかということになりますと、これは数字はなかなか申し上げられないのです。少なくとも四・八プラス六・四なんというのはとても問題になりません。こんなことは私どもはとてもとても考えられないと思っておりますが、いずれにいたしましても、いま抽象的に申し上げた物価の安定と勤労者の生活の充実、向上とのバランスのとれた水準に労使双方良識を持って雇用問題その他も解決しながら自主的に決めていただきたい、こういうことをこいねがっております。
#254
○塩田委員 終わります。
#255
○井上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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