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1979/04/02 第91回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第091回国会 科学技術振興対策特別委員会 第7号
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1979/04/02 第91回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第091回国会 科学技術振興対策特別委員会 第7号

#1
第091回国会 科学技術振興対策特別委員会 第7号
昭和五十五年四月二日(水曜日)
    午前十時八分開議
 出席委員
   委員長 瀬野栄次郎君
   理事 伊藤宗一郎君 理事 小沢 一郎君
  理事 小宮山重四郎君 理事 塚原 俊平君
   理事 石野 久男君 理事 上坂  昇君
   理事 貝沼 次郎君 理事 中林 佳子君
   理事 米沢  隆君
      狩野 明男君    椎名 素夫君
      玉沢徳一郎君    中村喜四郎君
      中村 弘海君    船田  元君
      保利 耕輔君    綿貫 民輔君
      上田  哲君    田畑政一郎君
      日野 市朗君    木内 良明君
      瀬崎 博義君    林  保夫君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (国家公安委員
        会委員長)   後藤田正晴君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      長田 裕二君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     下邨 昭三君
        科学技術庁原子
        力局長     石渡 鷹雄君
        科学技術庁原子
        力安全局長   牧村 信之君
        科学技術庁原子
        力安全局次長  宮本 二郎君
        運輸省自動車局
        整備部長    小林 育夫君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部公害課長  斉藤 明範君
        厚生省医務局総
        務課長     森  幸男君
        労働省労働基準
        局補償課長   原  敏治君
        労働省労働基準
        局安全衛生部計
        画課長     山田 正美君
        労働省労働基準
        局安全衛生部労
        働衛生課長   林部  弘君
        特別委員会第二
        調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月一日
 辞任         補欠選任
  吉田 之久君     米沢  隆君
同月二日
 理事吉田之久君同月一日委員辞任につき、その
 補欠として米沢隆君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
 する法律及び放射性同位元素等による放射線障
 害の防止に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出第四八号)
 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
 六三号)
     ――――◇―――――
#2
○瀬野委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 理事吉田之久君委員辞任により、理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○瀬野委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に米沢隆君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○瀬野委員長 内閣提出、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、すでに去る三月二十七日に終局いたしております。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。上坂昇君。
#5
○上坂委員 私は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案の委員会採決に際しまして、日本社会党を代表して反対の討論を行います。
 政府の提案説明によれば、ロンドン条約の批准を契機として国内法の整備を行うとしておりますが、その根幹となるものは、原子炉等規制法及び放射線障害防止法の対象とする放射性物質及び汚染廃棄物について、それぞれの法律の対象事業者は、廃棄の基準に適合することを条件として、内閣総理大臣または科学技術庁長官の確認を受けた場合は海洋投棄をなし得ることとして、日本国民がたん白資源の多くを依存している水産物に対する放射能汚染の状況や程度が全く解明されないまま、膨大な量の放射性廃棄物を所有してその処理に悩む電気事業者等の企業利益を守るために、放射性廃棄物の大々的な海洋投棄に手をかそうとするものでありまして、日本国民の子々孫々に放射能障害をもたらす実に危険な法案と言わなければなりません。
 わが党は、政府提出法案の内容について、前国会から、あらゆる点から質問を展開してまいりましたが、われわれが危険とし、不安とすることについての解明は全くなく、欠陥の多い調査に基づく希望的観測にのみ依存する措置の実態が暴露されたのであります。
 わが国を取り巻く水産資源は、すでに高度経済成長の中で、工場排水や廃棄物によって、回復しがたいまでに汚染され、国民の生存に重大な影響を及ぼしており、これ以上の海洋汚染は絶対に避けなければならない段階に立ち至っております。
 したがって、わが党は、放射性物質及びそれによって汚染された廃棄物については、低レベルのものであろうとも、すべて海洋投棄をしてはならない旨の法律案を提出したのであります。
 ロンドン条約の第四条には「この条約のいかなる規定も、締約国が廃棄物その他の物であって附属書Iに掲げられていないものの投棄を自国について禁止することを妨げるものと解してはならない。」と規定されておりますが、わが党提出の法家こそ、この精神と規定を真に生かすものであるとともに、海洋汚染防止の国民の願望と一致するものであって、速やかに可決されるべきものと断ぜざるを得ません。
 以上の理由によりまして、政府提出案について反対の意思を表明し、討論を終わります。(拍手)
#6
○瀬野委員長 中林佳子君。
#7
○中林委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、核原料物質・核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射綿障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について、賛成の討論を行います。
 本改正案が世界的な環境問題の認識の高揚、とりわけ海洋汚染の防止に関する国際協力の機運を背景にして、一九七二年十一月のロンドンにおける国際会議で採決された、廃棄物その他の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の精神を取り入れたものであること、そして低レベル放射性廃棄物等の海洋処分について規制を整備強化するものであることがその理由です。
 しかし、当面政府が計画している試験的海洋処分についても、次の理由で慎重の上にも慎重な態度をとることを求めるものであります。
 第一の理由は、処分後のモニタリングが事実上不可能であることにもかかわらず、渦や移流などの海洋に関する調査がきわめて不十分であるということです。したがって、試験的海洋処分を開始する前に厳密な環境安全評価を行うべきであります。また事前に、固化投棄物の堅牢性などの安全性の調査研究を充実強化する必要があることは言うまでもありません。
 第二に、深海の動植物の生態や放射性物質が生物自体に与える影響が十分解明されていないことにかんがみ、その調査研究を推進するとともに、水産業関係者等との十分な話し合いを行い、事前に納得を得る必要があるということであります。
 第三には、海洋が閉鎖水域で、かつ人類共有の資源であるにもかかわらず、国際的合意はようやくその第一歩を踏み出した段階であり、また国際的な監視体制も確立されておりません。太平洋沿岸国には低レベル放射性廃棄物等の海洋処分に否定的見解を持つ国も存在することを念頭に置き、一致した科学的見解及び有効な国際的監視体制の確立に努力する必要があるということであります。
 第四に、本改正案の審議の中で、政府は、事前の海洋調査研究の必要性を認め、努力することを約束しておりますが、これまでの調査研究、安全評価がきわめて不十分であることにかんがみ、政府にこの約束を厳格に実行することを求めるものです。
 以上の点が実現することを期待し、本改正案に賛成するものであります。(拍手)
#8
○瀬野委員長 これにて討論は終局いたしました。
#9
○瀬野委員長 これにより採決に入ります。
 内閣提出、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
    ―――――――――――――
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#10
○瀬野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#11
○瀬野委員長 この際、本案に対し、塚原俊平君外三名から、自由民主党・自由国民会議、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合の四派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。塚原俊平君。
#12
○塚原委員 ただいま提案いたしました附帯決議案につきまして、自由民主党・自由国民会議、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合の提案者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に関連し次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 低レベル放射性廃棄物の海洋投棄については、その安全性に関する調査研究を充実させるとともに、十分な安全性の評価の上に立って慎重に実施し、安全の確保に万全を期すること。
 二 低レベル放射性廃棄物の試験的海洋処分については、水産業関係者等と十分に話合いを行い、一層の理解を得るよう努めること。
 三 低レベル放射性廃棄物の海洋投棄に際しては、効果的な国際監視機構の中で、国際協調の下にこれを行うこと。
 四 放射性廃棄物による海洋汚染の防止をより有効なものとするため、長寿命のアルファ核種については、その低減化に努めること。
以上でございます。
 内容の各項目につきましては、委員会における審査の経過及び案文を通じてよく御理解いただけることと存じますので、個々の説明は省略させていただきます。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#13
○瀬野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#14
○瀬野委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
    ―――――――――――――
#15
○瀬野委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○瀬野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#17
○瀬野委員長 この際、長田国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。長田国務大臣。
#18
○長田国務大臣 ただいま核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律及び放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、慎重御審議の上御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。
 私といたしましては、ただいま議決をいただきました附帯決議の御趣旨を十分尊重し、放射性廃棄物の海洋投棄につきまして、その安全確保に万全を期する所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
#19
○瀬野委員長 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石野久男君。
#20
○石野委員 本法の改正に当たって、放射性同位元素の取扱件数というものは非常に多くなっているようでございますが、その実態はいまどのようになっておるか、御説明いただきたいと思います。
#21
○牧村政府委員 先生御指摘のように、RIを取り扱います事業所並びに放射線発生装置を使用いたします事業所の数は、年々増加の一途をたどりておりまして、現在、障害防止法によりまして使用許可並びに届出を受けております事業所の数は、四千件を超えるに至っておりまして、最近の傾向といたしましては、数%の事業所数の増大でございます。
 また、利用形態別に御説明申し上げますと、近時、計測器等へ使用いたしますRIの利用が急速にふえている点がまず挙げられようかと思います。それから障害防止法の対象外ではございますけれども、医薬利用の分野に、非常に短寿命のラジオアイソトープを使って診断、治療に使う量がふえてきておりまして、障害防止法関係の事業所におきましても、その研究開発等の利用が非常にふえておる、それからもう一点は、非破壊検査等の事業がふえてきておるということが言えるかと存じます。
#22
○石野委員 本法の改正によって、非常に激増しておるこれらの取扱業者に対する規制、あるいはそれが取扱業者や周辺の住民等に危険をもたらさないようにするために一番注意しなければならなかった点は、どういうようなところですか。
#23
○牧村政府委員 ラジオアイソトープの取扱事業者の大部分が、その使用に当たりましては、たとえば照射的に使用する場合には、十分に遮蔽効果のある中で使用するということが義務づけられておるところでございます。そういうような施設にありましては、主として従業者が被曝をできるだけ受けないようにすることが非常に重要であろうかと思います。
 それからもう一点、使い方といたしまして、先ほど御説明いたしましたが、たとえば最近増加しております非破壊検査というものは、工場なりあるいは造船所等々の現場で溶接の結果を検査するというようなことで、最初に申し上げましたようなクローズでないところで使用する、こういう点につきましては、RIの利用というものは十分に認識した者が所定の手法をもって作業をするということがきわめて重要であろうかと思います。
 そういうようなことにつきまして、今回、たとえばある一定量以上の放射性物質を使う、ラジオアイソトープを使う施設については、従来の、使用の許可の際に書面審査で許可をしておりましたのに加えまして、施設検査あるいは定期検査を義務づけて規制の強化を図り、それによりまして従業者の認識をさらに高めるというような効果をねらう、あるいは非破壊検査に当たりましては、その従業者あるいは主任技術者等につきまして、指定講習制度を設けるというようなことの整備を図っていくというような規制の強化を加えつつ、たとえば放射性同位元素を用いました計測機器等、その機器の中で十分遮蔽を行っておるような機械については、従来使用の許可で対処しておりましたけれども、これは一定の性能を持った機械ということを確認することをした者については、届出で済むようにするということでの合理化も図りつつ、今回の法律改正をいろいろ考えた次第でございます。
 また、そういうようなことで規制上の仕事が相当ふえますので、そういう仕事は指定代行機関をつくらせていただきまして、その機関の監督を厳重に行いつつも、その実施に当たりましては、民間機関にその代行をさせるということでの行政上の合理化も図った法律案をお願いしておるところでございます。
#24
○石野委員 同位元素を使う場所も多くなれば人も多くなるということになりますと、それを防護するための規制なり、あるいは行政上の措置が非常に複雑にもなってこようし、きわめて大事だと思いますが、同時に、扱う人々に対する教育の問題と、いま一つは、そういう扱う人々に対する被曝線量の規制問題等については、一層厳しくしていく必要があると思いますが、この法案の中ではそのことが直接的にはちょっとわかりませんけれども、あるいは告示等によって具体的に被曝線量等について従来の考え方を一層厳しく、多くの人人が作業に従っても危険でないようにする配慮などは、具体的にはもう用意されておるのでしょうか。
#25
○牧村政府委員 先生御指摘の従業者の被曝のより低減化を図るという御趣旨のお考えは、非常に重要なところでございます。ただ、今回の法改正で直接それを示すような法改正はございませんが、主任技術者の制度を強化させていただいております。主任技術者の障害防止に関する意見というものは事業所が尊重しなければいけないという規定を入れさせていただいております。主任技術者の本来の役目というのは、障害防止を図る観点でございますので、そういう点で主任技術者制度を非常に大きく改正させていただいております。また従業者に対しましては、教育訓練をする義務づけをしておりまして、その教育訓練に当たってのカリキュラム等につきましては、府令で定めるというような新しい制度を設けさせておりますほか、先ほどもちょっと御説明いたしましたが、主任技術者の講習を受けるということをさらに義務づけるというようなことでの、運用上、先生御指摘の従事者の被曝を低減させるということを頭に置きながらの主任技術者制度を中心といたしましての改正を行ったつもりでございます。
#26
○石野委員 主任技術者に対する規制なり、その義務づけというものを強化することによって、従事者の被曝線量を安定的によくするという着想もいいことですけれども、もう少し具体的に被曝者の最低被曝線量といいますか、最高被曝線量というのですか、そういうものについて、もっと科学技術庁がしっかりした指示を与える、あるいはまた、それを告示をするというようなことが、少なくともこれだけ大きな改正をする時期でございまするので、私は必要でないかと思いますけれども、そういう点についてどのように考えておられますか。
#27
○牧村政府委員 現在の放射線障害防止法におきましては、これは原子炉等規制法でも同様でございますが、従業員の被曝の許容限度は三カ月三レムでございまして、集積線量につきましては、五掛ける年齢引く十八ということで、大体年間五レムということを超えないように定めておるわけでございます。これらの点につきましては、ICRPの勧告に基づいて、わが国でも、国際的にも認められ、世界各国とも採用している基準を採用しておるわけでございます。最近、新しいICRPの勧告では、三カ月三レムの最大許容線量というものを廃止しまして、年間五レムに統一するということでの勧告が出ておりまして、その取り入れにつきましては、現在放射線審議会において検討中でございます。この結論が出次第、改正が必要であるという御意見が出れば、政令等を改正するつもりでございます。
 そこで、先生の御趣旨は、そういうような線量を以下になるようにということであろうかと思うのでございますが、私どもの考え方は、こういうような国際基準で行いまして――この基準は、これを守らなければいろいろな罰則その他があるわけでございます。そういうような法令的に定める値としては、やはり私どもは国際的な基準で規制をいたしますが、しかしながら、ICRPでも言っておりますような、可能な限り従業者の被曝というのは低く抑える方がいいのだというその精神は、事業者に対してできるだけそういう線での指導をしていくというようなことで今後対処してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#28
○石野委員 この改正によるいわゆる放射性同位元素による放射線障害の防止という問題と、それから原子炉等規制法による扱いの問題、それとの間には相通ずるものがあるわけだし、また一貫した物の考え方があるわけです。
 そこで、たとえば告示になっております数量等の定める件ということの中で、十五条に一時的な立入者に対する測定の許容被曝量というのがありますね、こういう一時立入等によっての規制が十ミリレムということになっておるわけですが、たとえば一時立入で十ミリ以上被曝しないように、あるいは被曝しちゃった場合などの扱いは、どういうふうにするつもりですか。
#29
○牧村政府委員 先生御指摘の告示の十五条につきましては、この十ミリというあれは、これ以上被曝するおそれがあるときに測定をいたしなさいということを決めたものでございまして、直接許容被曝線量を決めたものではございません。
#30
○石野委員 そういうことを私がお聞きするのは、実は教育の問題なんですね。教育問題について、いつもそれに従事している諸君に対する教育はそう大したことないでしょうけれども、たとえば運搬等に携わる者、あるいは下請などに出したときに、そこでこの扱いに携わる者などの教育というのは、たとえば詰め込み作業をするとか何かするときに、全くいままで関係のない方が扱ったりするというときには、この教育の問題というのは、なかなかむずかしかろうと思うのです。
 局長はいま、カリキュラムを一定のものをつくって、それによって教育するということを言っておりますけれども、具体的には臨時といいますか一時的にこういうものの扱いをする者というのは、全く特定の人をあらかじめ用意することはなかなかできなかろうと私は思います。この特定の者でない者に一時的に作業させるというようなときの教育の仕方というものが非常に重要なのじゃないか、まずそういう点。
 被曝が許容量以上になっていく人というのは、大体そういうような人が多いんですね、そういうときの教育の仕方というものは、特にどういう点を注意せねばならぬかということが非常に大切だろうと思うのですけれども、この問題では運搬の仕事に携わる者にとって非常に重要な問題であると思いますので、科学技術庁と運輸省の両方からひとつ御説明いただきたい。
#31
○牧村政府委員 現在、障害防止法におきましては、放射線作業従事者とそれから管理区域随時立入者と二つに分けて実は規制を行っておるわけでございます。この管理区域随時立入者というのは、しょっちゅう立ち入る人ではございませんで、たまに管理業務等のことがございまして立ち入る者でございまして、その他通常放射線下での作業をする者は、当然、放射線作業従事者として健康管理を含めましていろいろな規制を受けるわけでございます。そういうような従事者につきましては、先ほども御説明申し上げましたが、今回法律改正をさせていただきまして、総理府令で定めるカリキュラムに従いまして講習を受けるように義務づけようとして法改正をお願いしておるわけでございまして、従来その辺の規定がございませんでしたので、われわれも不十分な面もあるということで、そういう改正をお願いしておるところでございます。したがって、輸送に従事いたします放射線下での従事者につきましては、当然この規定によりまして、今後十分教育訓練をやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#32
○小林(育)政府委員 お答えいたします。
 運送事業、ことに運転者の被曝放射線量が非常に多くなるというおそれがあるというお話でございますけれども、私ども一般の公衆の許容限度であります年間〇・五レムを超えるおそれというものは運転者についてはない、そのようには考えております。しかし、やはり先生御指摘のように、運転に従事する者が大きな被曝をするということでありますと問題でございますので、私どもといたしましては、自動車の運転席におきます放射線量率の規定を規則によって設けておりまして、これは毎時二ミリレム以下ということにしております。さらに通達によりまして、放射性物質等の運搬を頻繁に行う場合には、運搬に従事する者につきましては、運搬に従事するときに、ポケット式の線量計とかフィルムバッジ等を持たせまして、そういうものの測定結果によりまして、それぞれの被曝線量をチェックいたしまして、それを記録しておいてトータルを出す、そういうような指導をしておるわけでございます。
 こうした管理方法によりまして、私どもが把握をしております最大の被曝放射線量は、年間〇・三レム程度でございまして、先ほどお話し申し上げましたように、一般公衆の許容限度であります年間〇・五レムをはるかに下回っておりますので、私どもは、特に問題がないというふうに考えておるわけでございます。
 それから、非常にRIが広範に使われて、知識のない者が積みおろしに従事しておる、そういう点についての指導はどうなのか、こういうお話でございますけれども、私ども、荷主並びに運送事業の管理者の講習を全国的に行っておりまして、五十三年度で計六百四十名、それから五十四年度で三百九十六名の講習を行っております。こうしたことによりまして、管理者を教育することによって、さらに、それぞれの現場の方々の指導教育をするという方法をとっております。
#33
○石野委員 フィルムバッジを持たせたりなんかして測定をして記録させることは、これは何も教育でなくたってやれることなのですが、問題は、扱う人たちのRIに対する知識がどの程度あるかということが非常に大事だ。詰め込み作業などをやるときには、大体知識を持った人がやると思うのです。ところが、運輸省いま十分教育すると言っておりますけれども、われわれ見ているところでは、余り運搬する人なんというのは知識も何もない、ただフィルムバッジをポケットに入れるぐらいのもので、知識も何も持たずに普通の荷物と同じような扱いをしている面が多いと思うのです。
 だから、その教育の問題について、特に、常時放射性物質を扱っている諸君の場合はさほどでもございませんけれども、運搬業務等に携わる場合の教育というのは非常に重視しなければいけない。特に私どもが運搬に注意をするのは、事故のないときは何でもないが、事故のあったときに経験者がそこにはいないわけです。ほとんどいないと思うのです。トラックの中には、およそそういう経験を持った人はいないはずですよ。そういうようなときに、この諸君で応急の処置ができるだろうかどうかということの心配を持つわけなんですから、したがって、むしろ運搬するときには、もう取扱主任者ぐらいの者がくっついていくことが一番いいのですけれども、恐らくそれはあり得ないと思うんですね。
 だから、そういうときの運搬従事者自体の教育の問題、それから扱いの問題、そういうことについてはどういう教育をしていますか。
#34
○小林(育)政府委員 いま現場の末端の運転者に対する教育はどのようにしているか、こういうお話でございますけれども、私ども末端の運転者の総数を全部調べる、あるいはこれをつかまえるというのはなかなか困難でございます。ただ、輸送の実態というものは、ことに核物質にいたしましてもRIにいたしましても、大量に運ぶ運送業共というのは非常に限られた数でございます。核物質については大体五社、それからRIの大量輸送に携わっておられるところは七社くらいでございます。したがいまして、そういう意味におきましては、そういう会社の管理者を十分教育するということが必要なわけでございます。
 そういうことで、私ども管理者を中心にやっておるわけでございますけれども、ただRIのごく少量のものにつきましては、相当広範囲に運搬がされているということでございます。これにつきましては、先ほどお話申し上げましたように、講習会等を開きまして、その教育をしている。ここにこういう資料を持ってまいりましたけれども、こういう資料をつくってやっておるわけでございます。この中には当然、異常事態が起きたときの処置等にも触れておりますし、ふだんどういうことを教えておかなければならないかということを教えておるわけでございます。
 さらに、核物質につきましては、法の十九条、それからRIにつきましては、私どもの省令の十四条におきまして、車両にマニュアルを備えつけさせている。本来、そういうものを非常時の際に見て処置をするということでは、実は遅いわけでございますけれども、やはり異常な事態が起きますと、動転いたしまして、一体何を先にしていいのかわからないということもございますので、そういうものを常時規則によって備えさせるようにしております。ですから、何かありましたときは、そのマニュアルを見て、通報場所はどこだとかどういう措置をすればいいとかそれが書いてございます。そういうものを常時携行させて、運転者が非常事態に対応できるような措置を講じているわけでございます。
#35
○石野委員 実際の業務をやる末端での扱い者というのは、梱包も十分しておるし、そう大して心配要らないというのが常識的なんですけれども、私がいま聞いているのは、そういう常識的なところを外れて事故が起きたときにどうするかということ、それに対応する皆さんの処置はどうしているかということをお聞きしたいわけでして、マニュアルを備えつけてあっても、そのマニュアルを読むことのできないような者がおったのではどうにもならないのです、率直に言って。あなたがおっしゃったように、動転しているときにはそんなものどころじゃないわけです。
 そこで、運搬という仕事は、室内でやる仕事よりも安易に見えるけれども、かえって危険性をばらまくという性格のものでございますから、非常に微量なもので大したことなければ別ですけれども、しかし、その微量なものだからといって安易に持ち帰って事故を起こしたり、あっちこっちに汚染を広げるということもあり得ることなので、私は、運搬については、もっと厳格に責任のある者がくっついていくぐらいのことが必要なのじゃないだろうか、こういうふうに思うのです。扱い者が非常に多くなってきておるので、業者の方でもなかなかそこまで手が回りませんという実態であることはよくわかりますけれども、しかし、いま言われたように、核物質を扱うのは五社であり、RIを扱うのは七社だ、扱う業者は少ないわけですよ。したがって、この五社なり七社というものが、そういうことに配慮する体制をつくればできることだと思いますので、この点については、もう少し何か方法を講ずる必要があるのじゃないだろうか。
 この点は運送の問題だけじゃないんですよ。科学技術庁の方でも扱い件数が多くなってきているわけですよ。非常に少量のものをあっちこっちで、特に計測器なんかでどんどん使うということになりますると、それはどんなに少量であっても、大衆に対する影響は大きいわけですから、法の改正に当たっては、少なくとも実務的にその危険を大衆に与えないようにする対策が必要だと思います。
 そういう点で、これは法令改正の中では、まだ具体的には出ていないと思いますけれども、省令とかあるいは告示とかいうようなものでの扱いとして、もっとシビアに検討をやってもらわなければならぬと思いますが、所見を聞かせてもらいたい。
#36
○牧村政府委員 ただいま輸送におきましては、特にある一定量以上を輸送するような場合には、放射線測定器、保護具等の携行であるとか、専門知識を有する者の同行等を運輸省の方からも指導しておられるわけでございますが、先生御指摘の何か事故があったときの体制につきましては、実は今回の法令では、その辺の関連で強化いたしましたのは、公安委員会への連絡の規定を改正いたしております。そのほか、従来からございます消防に対する通報等が盛り込まれておりまして、それによりまして緊急事態に備える体制ができておるわけでございます。しかしながら、一たん事故がありましたときに、それだけでは確かに不十分であると私どもも考えております。そこで、そういう点に対応いたすためには、RIの輸送というのが比較的全国いろいろなところへ輸送されるわけでございますので、現在、この事業者等にも呼びかけまして、こういう異常時における関連業界の連携を保ちながら、お互いに事故が起きたときに、その近くの事業者等が緊急的に専門家を集めまして、除染作業その他の技術的な指導をするというような体制づくりをぜひつくりたいということで、実はいろいろ議論をしておるところでございます。成案を得次第、関係省庁等と相談しまして、実行上そういう体制をぜひつくっていきたいというふうに考えて、鋭意検討を進めておる次第でございます。
#37
○小林(育)政府委員 最も危険が大きいと思われます核物質の輸送のうち、BM型の輸送というのがございますけれども、これにつきましては、私どもの省令でございます核燃料物質等車両運搬規則というものがございまして、これの第十七条で、放射線測定器とか保護具を設けなければならぬということと同時に、専門的な知識を有する者を同乗させなければならぬという規則をつくっておるわけでございます。
 ただ、先生御指摘のRIの輸送についてこういう者をすべて乗せるということになりますと、専門家の数と言ってもそう多くはございませんし、今後、そういう者の教育をしていかなければならぬというような問題もございます、どの程度の範囲のものにそれが必要なのかという判断もあると思います。そういうことから、私どもは、事業者の管理者を教育する、それを末端に徹底するという方法を現在とっておるわけでございますけれども、なお、どの程度のものが必要であるのか、あるいはどういう方法が一番適切であるのかということにつきましては、今後検討させていただきたいと思います。
#38
○石野委員 ただいまの点は、確かに、その数が多くなってきているし、少量のものが多地域に分散配達されるわけですから、業者としても一つ一つの車に責任のある人を乗せるということはむずかしいという経済的事情はよくわかるのですけれども、しかし、法の改正をしたり、法を設定している意味は、危険をばらまかないように防護するということが目的なんですから、経営者の経理的状況によって云々されるということでは法の適用はうまくいかない。
 ですからこの点は、もっと厳しく規制すべきものは規制する、あるいは管理監督をすべきものは管理監督をしなくてはならないという内規でもなければいけなかろうと私は思います。これは総括責任を持っておる科学技術庁の責任でもあるとぼくは思いまするので、科学技術庁としては、政府の立場で各省に対してそのことを十分徹底するようにしていただきたい。そしてそれは言葉の上だけでなしに、規則なり規約というものに成文化することが非常に大事だろうと思いまするので、その点は次の問題と関連してお答えいただきたいのです。
 原子力安全委員会が放射性同位元素等安全規制専門部会から中間報告として皆さんに出されたいろいろな提言がございます。それに基づいてこの法の改正も出てきていると思いますが、この中でも言われておりますように、たとえばRIの取り扱いは非常に多くなっておるし、そしてその扱い場所も、省別にすれば厚生省とか通産省とか、あるいは人事院、文部省と、それぞれ関係する部分が非常に多い、そのために手続上、科学技術庁でいろいろやる手順よりも各省における手順の方が手間がかかる。これは許可の場合のことをここで言っておるわけですが、私が聞きたいのは、許可のときにもこういうふうに手間暇がかかるわけですから、いまのような事故が起きたときには――先ほど局長からは、何か事故が起きたときには、その地域において、各省から皆集まってもらって、協議をして手当てをするような対策を立てたいという意味の御答弁がございましたが、そういう事故が起きたときなり、あるいはこれに関連する問題として、各省間におけるところの連携というものは非常にむずかしい問題があると思うのです。だから、そういうむずかしい問題を敏速に処理できるような方法は常時考えてなければならないだろうと思います。
 そこで、こういう点について大臣にお尋ねしますが、RIの扱い業者も多くなっているし、そして多岐にわたっているということなども考えて、各省間にわたる諸般の問題の手続的なものというよりは、むしろ緊急時における対応の仕方等についてどういうふうにお考えになっておられるか、これをひとつお聞かせいただきたいし、この法の改正に伴って、いままで不備であったものを具体的に規則、告示等によって規制を強化するという考え方があるかどうかということをお伺いしたい。
#39
○長田国務大臣 具体的な問題も相当ございますので、先に安全局長からお答えを申し上げましてのことにいたしたいと存じます。
#40
○牧村政府委員 今回、輸送の確認制度をつくらせていただいて、技術基準に基づいて輸送させるような措置を主務大臣がとれるようになったわけでございます。それで、その点につきまして、これは陸上輸送の場合でございますが、輸送物の確認につきましては科学技術庁、それから運輸大臣は輸送方法につきまして確認する、しかも、その確認に当たって必要な指示を行うことができることが規定されておりますし、公安委員会の届出に当たりましても、各警察が行います規制についても細かく規定したところでございます。そういうようなことで私ども万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
 それからもう一点、各省間の問題の御質問でございますが、先ほど私が事故時に当たっての考え方ということでお答え申し上げましたのは、このRIの輸送がいろいろ全国的にわたっておりますので、そのブロックごとの事業者が応援体制をつくることを実は考えておって、そういう実施に当たりまして、ラジオアイソトープというものが障害防止法だけで規制されておるわけではございませんので、そういう点で各省間とよくお話し合うという趣旨で申し上げたつもりでございます。したがいまして、今後私どもは、このラジオアイソトープの規制を進めるに当たりまして、障害防止法の適用外のRI等があったり、あるいは放射線発生装置等があるわけでございますので、私どもとしては、そういう基準等が障害防止法とほかの法律が大幅に違うというのは許されるわけではございませんので、放射線審議会によくその辺は御相談申し上げて、できるだけ斉一化を図って、規制の充実を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
 また、その他いろいろ先生御指摘のように、事業所が各省の所管にまたがることが確かに多いわけでございますので、この各省庁間の連携というものはきわめて重要であると思いますので、できるだけ連携を密にして、そごを来さないように図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
#41
○長田国務大臣 従来の沿革あるいは事柄の性質から、所管庁あるいは適用法律が違うという面もございますが、そのために実質的な食い違い等がないように私どもの方も十分関係各省庁と連絡をとりまして、この問題に対処してまいりたいと存じております。
#42
○石野委員 時間がないので後で上坂君の方から細かいことをお聞きしますけれども、従業員の被曝の登録の問題等については、センターを設けて、いろいろなところからのものを集約することになっておりますけれども、しかし、この登録の問題というのは、被曝管理の上からいきますと、非常に重要な問題でございますが、今回の改正の問題でそれは全部補完できるという自信をお持ちでございましょうかということが一つ。
 それからいま一つ、これはやはりいろいろな問題がありますときに、特に立入検査などのときには公安委員会が出てまいりますね、この公安委員会に対しては、科学技術庁は権限がないわけでしょうから、自治省あたりとかあるいは公安委員長がいろいろと指示するのでしょうけれども、この公安委員会というのは、具体的に出るのは警察官が来るわけですよね、その警察官に対する教育の問題等について、科学技術庁は全然関係はないのだろうか、あるいはそれに対しては、科学技術庁はどのように教育問題について関与するのか、その点をちょっと……。
#43
○牧村政府委員 従業員の被曝登録管理制度につきましては、原子炉等規制法によります従業者につきましても、実は法制的な規定に基づいて実施しておるわけではございませんで、公益法人にそういう制度を、体制をつくらしまして、事業者を指導してやっておるところでございます。私どもといたしましては、まず原子力発電所等で働きます従業者には、非常に問題となりました下請従業者で各事業所を転々として渡り歩く方があったわけでございます。そういうのが各事業所ごとでは、規制が十分行われておったとしても、渡り歩いた結果、法令に定める被曝を超えるようなことがあってはいけないということで、この登録管理制度をつくったことも事実でございますが、この登録管理制度をつくりましたときには、将来ラジオアイソトープの従業者もぜひ加える必要があるという考え方は、かねてから持っておったところでございます。やっと電力業界等で働く方々の制度が、一昨年来軌道に乗りまして、去年あたりからその活動が順調に進んできております。したがいまして、今度はラジオアイソトープの従事者の方にも入っていただくということで検討を進めてまいりたいと思っておるところでございます。
 ただ、このRIの事業者の場合は、先ほども御説明申し上げましたように、四千という事業所数になっておりまして、また働いておられます従業者の数は七万人に及んでおる、関係する方が七万人にも及んでおるわけでございます。こういう方をこの登録制度の中に組み込むためにはどうしたらいいかといういろいろ技術的な問題が実は若干残っておりまして、現在の制度では、各関係する事業者から分担金を取って実は運営しておりますけれども、こういうように数が多くなってまいりますと、また一事業者当たりの数というのは非常にばらつきがございますので、そういうことで分担金制度ではなかなかむずかしい面も持っておりまして、一件当たり、登録したときに、計算機等を使って集計等をするわけでございますので、その料金制度というものをとって何かやっていく方法はないかというようなことで、いま盛んにセンターにおきまして検討を加えております。近くその成案を得ましたところで、関係業界とも話し合いに入っていくという段取りで進めてまいりたいというふうに考えておる段階でございます。
 それから、公安委員会等への教育の問題でございますが、これはこの法律におきましては、役人の教育というようなものについての義務づけはないわけでございますけれども、先生御存じのように、私どもの原子力研究所あるいは放医研等におきまして教育訓練コースというのがあるわけでございます。放射性同位元素の場合は、原研にはラジオアイソトープスクールというのもできておりまして、そのカリキュラムの中には、われわれ役人あるいは地方の公共団体等の方々等にも入っていただいて受けていただくのに適したコースがすでにできておりまして、数多くの方に受講していただいておるわけでございますので、われわれとしては、必要な教育訓練というのは、そういう場を使っていただきたいというふうに考えておるところでございます。
#44
○石野委員 局長にお尋ねしますが、いまの警察官のラジオアイソトープに対する扱い等に関する教育の問題でございますが、この責任は公安委員会にあるのか、それとも科学技術庁がやるのかという問題があるわけです。私は、きょうは自治省の諸君には来てもらっていませんので、後で公安委員長にでもまた来てもらってお聞きしたいと思いますけれども、しかし警察官が立入検査に入りまして、そしてラジオアイソトープに関連するいろいろの問題を処理する場合の行為には一定の制限を法的には加えております。それはそれでいいのですが、それがいわゆる任務外のことをやられては困るわけですけれども、ただ、ラジオアイソトープに関する件についての教育がうまくいけるかどうかという問題、立入検査等の場合はもう施設があるところですから、あるいは何かの事業所があるところですから、大体教育訓練はできると思うのです。問題なのは運輸省に関係する運搬のときなんです。たとえば美浜から大洗まで一号炉の事故を起こした燃料棒を持ってきたときの運搬の事情なんかを見ておりますと、これは大変なものだったんですよ。各道路上に全部警戒態勢をしがなければならなかったし、事故なく来たからいいようなものですけれども、事故があれば、その時点時点でこの問題が起きてくるわけですよ。そういうようなことになると、警察官全部に対して、少なくともラジオアイソトープが動く範囲のところは、全部警察官がその認識を持っていなければならないということになってくるわけなんです。
 その教育をどういうふうにするのかという問題がここでまた一つあるわけでございまして、これはいま科学技術庁の方でそのお答えができなければ、委員長、後でまた別な時間内で公安委員会に出てもらいますけれども、科学技術庁の方でも責任があると思いますので、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#45
○牧村政府委員 人事院規則がございまして、放射線障害を防止するために、放射線の業務を行う者に対して、各役所が職員に対して放射線に関します教育訓練を行わなければいけないというあれが実は制度としてはあるわけでございます。公安委員会も、こういうような業務につく場合に、人事院の規則に従って公安委員会がやることになると考えるわけでございますが、輸送というような場合の問題を、この規則どおり、通常ここに書かれておりますのは、こういう施設を役所で持っておるものに対して本来考えた規則であることば事実でございますので、こういうことを準用いたしましてやっていただくということをお願いするのが、私どもの立場であろうかと思っております。まあ公安委員会のお考えでこういうことをやるのが筋であろうかと考えるところでございます。
#46
○石野委員 私、これでおきますが、これは大臣、先ほどの従業員の被曝線量の記録を全国的に漏れなくやるということは、口では言うけれども、なかなかむずかしいという事情は――まあいまいろいろ御検討なさっているそうで、それが分担金制度にするのか料金制度にするのか知りませんけれども、業者にそういうことをやっている限りにおいては、なかなか完全捕捉はできないだろうと思うのです。だから、それを国が完全捕捉しようという場合の制度化なり規制というものを考えるべきだと私は思うのです。これをやらなければ本当の意味における放射能、放射線に対する防護はなかなかできないと思いますので、その点について政府はどういうふうに考えておるかということ。
 最後に局長に、被曝線量の問題について、省令なりいろいろな規則等によって線量をもう少し引き下げてほしいという要望が強いわけです。厳しくしてほしい。そのことに対応する、たとえば一般五ミリレムというようなものについても、うんと下げてもらいたいし、従業員の年間五レムというのについては、もう大丈夫だというようなことなど、なかなか私ども考えにくいのですが、ましてや、ここではラジオアイソトープの問題ですから、ちょっと問題が違いますけれども、炉の規制法等に基づいて炉内作業をやる人たちの被曝の問題等を考えますと、仕事の性質によってはずいぶん多量に一時に被曝するということなどありまして、これは極力被曝線量を少なくするという方向へ、少なくとも同位元素の規制のところから持っていきませんと、炉の規制のところではなかなかうまくいかない、私はそう思うので、そういう点についてどういうお考えであるかということをこの際最後に聞かしてもらいたい。
#47
○長田国務大臣 従事者の被曝の登録の問題でございますが、原則としまして、障害防止法下の従事員につきまして本制度の対象としたい、そのように考えておるところでございますが、従事者の数が七万人ぐらいございまして大変多い、また、その事業形態も一般民間企業からあるいは医療機関、研究機関、教育機関、大変広範にわたっておるところでございまして、これらの実態をも踏まえまして、たとえば登録記録の利用方法だとか、先ほどもお答えしました登録料金の問題など、制度的な検討も必要でございますし、そういう面につきましての結論を得次第、登録対象の拡大に取り組んでまいりたい、そのように考えている次第でございます。
#48
○牧村政府委員 大臣の御答弁にちょっと補足させていただきますが、ラジオアイソトープを使っております事業所の従業者の被曝の管理につきましては、その事業者におきまして厳重な被曝管理をやっておることは規制法と何ら変わらないわけでございます。事業所においては、その記録をつけ、また、それを保存する義務を持っておるわけでございます。それを全国的にその従業者の登録をして管理するというのが登録制度の考え方でございますので、事業者単位には持っておりまして、私どもこれから、この報告制度につきましても、実は今度の法改正を経ました後、必要な場合には特に非破壊検査等の事業所については報告を義務づけるというようなことで改善していきたいと考えておるところでございます。
 それから、もう一つ御質問の低減化の問題につきましては、これも先生御指摘のように、法令で定められましたものよりも下げていくということは望ましいことでございますので、今後、事業者に対してできるだけ低くするような指導をしてまいりたいと考えております。
 なおちなみに、最近の非破壊検査の事業所におきます従業者の被曝の平均でございますけれども、現在〇・五レムくらいにおさまっておるところでございます。まあ、これだからいいとは申し上げませんで、できるだけ下げるような努力をさせるということでは、今後とも指導を強化していきたいというふうに考えておるところでございます。
#49
○石野委員 委員長、後で公安委員会の方からいろいろ聞きたいことがございますので、その時間をいただきます。
#50
○瀬野委員長 承知しました。
 上坂昇君。
#51
○上坂委員 放射線障害防止法の改正案について質問を申し上げます。
 まず第一に、法十二条関係で、ラジオアイソトープの取扱事業者が現在四千を超していると言われておりますが、そこが所有している施設、そういうものはどのぐらいになっているのか、できましたら業種別に説明をしていただきたいと思います。
#52
○牧村政府委員 まず、どういうところで主としてラジオアイソトープが使われておるかということでございますが、まず大学等の教育機関でございます。これが約三百件ございます。それから研究所等で使われておりますのが八百余でございます。それから病院とか診療所の医療関係の研究に使われておるものが七百余でございます。それから製造業等の民間企業が使用しておりますのが千四百余でございます。このうち非破壊の事業を専業で行っておりますのが五十六ほどございます。そのほか公立の研究機関あるいは特殊法人等で使っておりますのが五百件に及んでおります。それからRIの販売を業としておるものが百七十ほどございます。それから廃棄を業としておりますのが七件ほどございます。これで都合約四千件になるわけでございます。
 ちなみに、昭和四十九年が三千三百ぐらいの件数でございましたが、五十三年度末には四千件に達しておるということで、大体五%ぐらいの増加率でふえておる次第でございます。
#53
○上坂委員 いま使われているこのRIの大部分は原子炉で人工的につくられるようでありますが、この製造販売している事業所というのは三事業所という統計が出ていますが、これはどことどことどこですか。
#54
○牧村政府委員 主として日本におきましては原子力研究所が大部分でございますが、放射性医薬品をつくっておる業者が二社あるかというふうに存じております。
#55
○上坂委員 そうすると、原研の場合には事業部というところでこれを取り扱って販売をしているということですか。
#56
○牧村政府委員 原研におきましては、先生御指摘のようにアイソトープ事業部という組織を持っておりまして、原研の原子炉あるいは加速器等を使いましてRIの生産をいたしまして、それを販売業者の方におろしておるという実態で行われておるように承知しております。
#57
○上坂委員 それから、統計を見ますと、輸入業者というのが二十六あることになっておりますが、これはどんなものを輸入するのでしょうか。どういうところか、例を挙げて説明してもらいたいのです。
#58
○牧村政府委員 輸入アイソトープの扱い量の非常に大きいのは、日本アイソトープ協会というのがございまして、ここが相当数の輸入をいたしておりますほか、ちょっと数は私、持っておりませんが、数社の輸入業者がたしかあったかと思っております。
 内容といたしましては、原研でつくっておりますのが比較的短寿命のものでございまして、量的に多い需要で半減期が長いものを中心にこういう輸入業者が輸入しております。法規制的には販売業者という許可を得てやっておるわけでございます。
#59
○上坂委員 輸入業者は、販売業者の資格を取って、そして輸入をするということになるわけですね。それは直接事業所にその輸入業者が販売をする、こういうことになりますか。
#60
○牧村政府委員 直接その輸入業者が需要者に売るケースは比較的少のうございまして、大体におきまして日本アイソトープ協会に販売いたしまして、そこから需要者の方に配られていくという経路が非常に多いのが実態でございます。
#61
○石渡政府委員 流通の点につきまして若干補足させていただきますが、普通の輸入商社が代理店を持ちまして、海外のRIメーカーからRIを入れまして、それでRI協会が、またそれを、若干の加工をいたしまして、最終業者に渡すというケースと、それからもう一つは、放射性医薬品のメーカーが直接やはり海外から輸入をいたしまして、それで若干の加工をいたしまして、それをRI協会に渡すといいますか売るという形で、最終的にはRI協会が一元した形で最終業者に渡しているというのが実態のようでございます。
#62
○上坂委員 わかりました。
 そこで、RIの使用の施設について、使用前の検査とそれから立入検査を従来行ってきたというふうに言われておりますが、聞くところによると、使用前の施設検査というものはなかったというふうに言われているのですが、これはやったことないのかどうか。それから、やったことないと言っても、事前検査ということがある以上、やはり事前検査をしたことになるだろうと思うんですね。そうしますと、事前検査をしてから許可をして、そして今度は許可をしたところに立入検査を一度もやってないというような事業者あるいは施設はあるかどうかということなんです。それからまた、そういうものがあった場合、一体それに対してはどういう監督の仕方をするのか。
#63
○牧村政府委員 先生御指摘のとおり、現在の法律では、使用の許可を事業者が求めてまいりますときに、許可を与える審査は書面審査でございます。したがいまして、事業者等は、その許可を受けまして、その書面に基づいて設計どおりつくるわけでございますが、それの検査は法令上制度がなかったわけでございます。また定期的に検査する制度も現在ないわけでございます。そこで、科学技術庁が持っております立入検査の権限で検査をしておったわけでございますが、最近におきます事業所数の非常な増大によりまして、現在では立入検査を精いっぱいいたしましても、平均しまして十年に一事業所くらいしか検査できないような実態になってきておりまして、今回こういうような法改正をお願いしておる次第でございますけれども、過去においてでき上がったところを立入検査したのは何件かあるわけでございますけれども、制度として私どもは使用前検査あるいは定期検査をある期間ごとにやっていくということでさらに万全を期したいというのが、今回の法改正のねらいであるわけでございます。
#64
○上坂委員 そうすると、いままで大分事業所がふえてきたけれども、実際問題としては、設計だけ見てそれで許可をしてしまって、あとはほっといたというのが実態のような感じがしますがね、そういうことになってしまうのじゃないですか。
 ところで、たとえば許可をして立入検査を一遍もやってないと、どんなことをやっているのかわからないということになってしまいますから、そこで、立入検査について、いままでこの検査をしていた検査官、これは何人くらいおったのか。十年に一遍くらいしかやってないという形になってしまうそうでありますけれども、一事業所で十年に一回の立入検査をするということは、どういうことなんですか。一つの事業所について十年に一遍ということなのか。そうすると四千事業所あると何年かかりますか。それから立入検査をやって問題のあった事業所は、過去にどのくらいあったのか。また問題があったものについては、その問題点として具体的にはこういう問題があった、それに対してはこういう措置をした、こういう例をひとつ挙げてください。
#65
○牧村政府委員 まず、現在の実態を御説明いたしますが、平均して一事業所に立入検査するのが十年に一遍くらいの回数しかできないことを申し上げたわけでございますが、もちろん、事業所によりましても、ラジオアイソトープを使う数量その他によって非常に違うわけでございますので、立入検査を実施しますのに、非常に重点的に、重要なものについては足しげくと申しますか、二、三年に一遍は見るというような努力をしつつやっておるわけでございます。
 それで、許可を与えてまだ見てない施設というのは、最近一、二年の間に使用の許可を与えているようなところには、全部とは申しませんけれども、見ていない事業所が確かにございます。そういうことでございますので、先ほど御説明申し上げましたような新しい制度を取り入れさせていただきたいというのが私どものお願いでございます。
 それから、立入検査に参りまして、いろいろ施設面あるいは放射線管理面その他で立ち入って事業所の施設等の性能をチェックしたり、あるいは運営管理の仕方等を調べておりまして、もろもろの問題点を指摘いたしますと、残念ながら、約六割の事業所で何らかの不備な点がございます。そのうち、施設等の不備というのは比較的少ないわけでございますけれども、マニュアルがちゃんとできていない、あるいはマニュアルができておっても、それを守っていない等々を含めますと、合格するのは残念ながら四割くらいでございます。そういう点もございまして、こういう新しい制度を設けさせていただきますと、今度は立入検査の方へもう小し重点的にさらに倍加させて、ねらいを定めてそういう検査もできるようになろうかというふうに考えておるところでございます。
 それから、検査官は現在政令で定められました定員は二十二名まで置くことができることになっておりますが、ただいまのところ十八名を検査官に任命しております。
#66
○上坂委員 法文に、一定量を超えるRIの販売とか取り扱いとか、こうなっていますが、この数量というのはどういうことなんですか。
 それから、RIを使用している事業所とそれから販売業者の取扱量というのは違うのですか。違うとすれば、その数値を示してもらいたい。
#67
○牧村政府委員 一定量以上という規定でございますが、これは今後政令、政令等を定めます際に確定していきたいと考えておりますが、考え方といたしまして、放射性同位元素を使うという態様の中でも、密封の線源を使う場合と非密封の線源を使う場合とがございます。それから放射性同位元素の中でも、放射線を出します性質の上で非常にエネルギーの高いもの、低いもの、あるいはガンマ線、ベータ線あるいはアルファ線という種類の違い等々があるわけでございますので、今後、その人体に対する影響度等を考えまして、ある案をつくりまして、放射線審議会で十分御審議いただきたいというふうに考えておるところでございますが、その際、原子炉等規制法でも同様の規制のあれをやっておりますので、その両方との横並びの問題も考えつつ、今後新しい基準づくりに鋭意努力したいというふうに考えておるところでございます。
#68
○上坂委員 いままで廃棄された施設あるいは装置、機器、これらに対する回収あるいは処理の状況について説明をしてもらいたい。
 それから、第十二条の八の廃棄業者というのは、一体どういう業者を指すのか。
 それからもう一つは、許可使用者が廃棄施設を設置したときは、これは使用者と廃棄業者という両方の資格を取るものなのか、その辺、ひとつ説明をしてください。
#69
○牧村政府委員 廃棄業者の実態につきまして御説明いたします前に、廃棄物がどういうふうに出てくるかを若干御説明させていただきます。
 事業所から出てまいります廃棄物のうち気体、液体につきましては、特殊なものを除きまして、大部分は事業所内で十分ろ過あるいは希釈を行って外部に放出しておるわけでございます。その放出する際には厳重な規制基準があるわけでございます。一般の環境レベルの自然放射能等に影響を与えないということで廃棄されておるわけでございます。
 一方、そういうようなろ過等を行いましたものとか、実験あるいは研究あるいは生産等に使いましたときにラジオアイソトープで汚染された固体のものは、実は業者はその施設内に保管しておく場合がございます。それから廃棄事業者という制度がございまして、その廃棄事業者に廃棄を頼むことができるわけでございます。廃棄事業者は、そういう事業者の委託を受けまして、廃棄物を集荷して貯蔵し、あるいは処分するという役割りを負うわけでございますが、実態は、現在、固体廃棄物につきましては、ある一定の容器に封入させたものを日本アイソトープ協会が集荷をいたしております。日本アイソトープ協会は、最終的には日本原子力研究所で処理処分をするということで、一つの集荷業者のような役割りをいま行っておるわけでございます。
 そこでRI協会は、日本原子力研究所で処理処分をお願いできるものについては原研に持っていっており、それから現在、日本原子力研究所で処理能力がない、たとえば動物の死体であるとか有機溶媒に入っておる汚染物については、一定の倉庫を持っておりまして、そこに保管しておるというのが現状でございます。
#70
○上坂委員 固体廃棄物については、アイソトープ協会が集荷をして、それを原研に持ちこむわけですね、原研に持ち込んで、原研は何とか処理場みたいになってしまうんですね。いっぱいあって始末に困るようなことにも将来はなりかねないと思うのですが、そういうことについてはどういう配慮が行われているのですか。
#71
○石渡政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、原研におきます処理能力が現在、集荷量と申しますか集まってくる廃棄物に追いついておりません。現在、原研の貯蔵量が少しずつふえているというのが実態でございます。
 そこで当面、私どもといたしましては、原研にそうやたらに持ち込めないわけでございますから、各使用者が共同して貯蔵する施設をつくるようにということを指導しているところでございます。現在、候補地の選定を進めている段階でございまして、遠からず候補地が決定されるものと期待しておるわけでございます。この使用者に、特に医療関係等の使用量が非常にふえておりますので、そういう関係で共同の貯蔵庫の建設をぜひ急いでもらいたいということでいろいろ指尋しているところでございます。これも最終的には、結局ためる話でございますので、やはり共同の処理施設の建設がどうしても原研以外に必要であるということで、そう短兵急にはいかないわけでございますが、RI協会あるいは関係の省とも相談をいたしておりまして、少し長い目で共同処理施設の建設を計画、推進してまいりたい、こういう方針で対処しているところでございます。
#72
○上坂委員 原子力発電所の方からもたくさん廃棄物が出るし、各使用事業所の方からもかなり出てくるということですから、海洋投棄しなければならないというようなことになってしまうのではないかと思うのですけれども、その辺については十分危険のないようにしてもらいたいと思うわけであります。
 販売業者の設置する「詰替施設」という言葉がありますね、これは一体どういうものなのか。
 それから、詰替作業をやるわけでありますが、そこでアイソトープあるいは汚染物を動かすときはどういう管理をするのか。これは恐らく事業所内でやる場合とほかへ輸送する場合にやる場合とあるのじゃないかという感じがしますが、そういう点についての説明をいただきたいのです。
#73
○牧村政府委員 販売業者が行います詰替作業の中身について御説明いたします。
 販売業者といたしましては、輸入業者等から量的に多量のものを輸入してきまして、これを需要者に販売するために小分けする作業が大部分でございます。こういう作業は、当然、一定のフードあるいはコンクリート等で遮蔽された外側から遠隔的に操作して行うものでございます。それが通常の詰替作業と言われるものでございます。一部には、輸入してきましたRIを所定の容器に入れる、密封線源をつくるというような作業もあるわけでございます。そういうような操作を総称して詰替作業と言っているところでございます。
#74
○上坂委員 第三条の二と第十二条の二から七までの関係の問題ですが、先ほど書類審査をして許可してきたと言われましたが、これは取扱業者が書面申請をして、それについて許可をする、そうすると、今度は届出だけにしてしまうという法律になるわけですね。したがって、これは書類審査だけでやっているわけですから、持ち込んだ人の問題ではなくて、それをつくるところの、いわゆる設計者というかメーカーというか、その人のが基本的には問題になると思うのです。そこで、使用者とメーカーとの関係をどういうふうに整理をすればいいのですか。
#75
○牧村政府委員 RI装備機器に対します規制の変更で、ただいま先生御指摘のメーカーとユーザーの関係でございますが、法規制的にはメーカーの方が販売業者になるわけでございます。ユーザーの方が今度は届出で済むわけですから、使用に当たっての届出の事業所になるわけでございます。
 そこで、この制度を考えております理由は、このRI装備機器のうち、当然、ラジオアイソトープを使うわけでございますが、その機器自体でもう十分遮蔽効果を持っているようなものは取り扱いが非常に楽でございます。こういう機器は、実はメーカーで、ある設計のもとに何十台もつくられておるわけでございますので、この販売業者の方のそういう放射線障害防止の機構が設計上大丈夫かどうか、また、そのつくられた品物がそのとおりできておるかどうかを確認する、その確認された機械には一定の証紙を張りまして、十分安全と確認されたものについては、今度は使用者には、使います場合には届出という簡便な手続で使わせるということで規制の合理化を図りたいというのが今回の趣旨でございます。
#76
○上坂委員 そうすると、メーカーが販売業者としての資格でまず届出をする、そこで検査したものについては、使用者が届出をすれば、そのまま許可になる、そのまま承認してしまうという形ですか。
#77
○牧村政府委員 先生御指摘のとおりでございます。
#78
○上坂委員 次に、今回の法改正で、放射線取扱主任者について、これから資格を取得をしようとしている人たちを対象としているのではないかと思うのですが、そこで、いままで資格を取得してきた取扱主任者の資格は一体どうなるのか、その人たちに対しては、新しい制度によってどういう実務講習なり何なりをやるのか、そういう必要はないのか、その辺のところを御説明いただきたい。
#79
○牧村政府委員 今回の法改正に当たりましては、講習を受けることを義務づけたわけでございますので、法規制上はこれから主任者免状を受ける人に新しい制度を適用するということでございます。そうしますと、先生御指摘のように、いままで得ている人はどうなるのかということでございますが、私ども、ある意味では、それらの方々は実務経験をすでに十分経ておられるというふうに判断されるところでございますが、実は今回の改正に当たりまして、場合によりましては、従業者に対して講習を受ける指示をすることができるような体制を実はやっておりますので、この制度を適宜利用いたしまして、場合によりましては、たとえば立入検査等で不備が認められるような事業所には、再度主任技術者の指定講習を受けろというふうなことを行政的に活用させていただいて、万全を期していきたいと考えておるところでございます。
#80
○上坂委員 第三十四回国会の法改正で第一種と第二種の主任者に区別されたわけですね、第一種の方はすべてのRIを取り扱うことができる、それから第二種の方はずっとレベルを下げておく、こういうことになっておりますが、これはそのまま継続されるのかどうか。
 それからもう一つ、今度の改正案で、RIの装備機器別の主任制度を設けるということがありますけれども、これは一体どういうことなのか、また、それを設ける理由はどういうことか、御説明をいただきたい。
#81
○牧村政府委員 現在の制度では、放射線取扱主任者は第一種並びに第二種でございます。
 第一種の放射線取扱主任者につきましては、従来どおり行いたいと思っております。
 それから、第二種の取扱主任者につきましては、第二種の制度を若干広げまして、従来の第二種の制度はそのまま残しますが、たとえば先ほども御説明しております放射性同位元素を使いました計測機器等の放射性同位元素装備機器につきましては、その性能上、その機械自体の十分放射線を遮蔽するような装備機器につきましては、新しい制度で、事業者団体がつくりますときに、十分チェックした表示つきの装備機器を使うような方は、実はこういうものを使っておる事業所というのは、これだけを使うところも多々あるわけでございまして、しかも放射線障害防止上は、十分知識を持っておれば安全に使えるという機器に限定いたしまして、そういうような機器を使う場合には、第二種の試験を受けないで、その機器の種別ごとに必要な講習を受けて、その知識を十分受けた者に対しては、試験を免除いたしまして取扱主任者という免状を授与する方式を考えておるところでございます。
#82
○上坂委員 そうしますと、簡単に言えば、第一種、第二種はそのまま置いておくが、第二種については、ほかにもっと狭い範囲でいわゆる専門的な形で主任制度を置くことができる、そういうふうに解釈いたしますが、それでよろしいですか。
#83
○牧村政府委員 御趣旨のとおりではございますが、形の上では第二種の制度を若干広げさせていただいて、そういう限定した機器を使う限りにおいて、試験なしの講習を受けた人に対してその許可をする新しい二種を追加させていただいたということでございます。
#84
○上坂委員 それから、この主任者の資格取得について実務講習をやるわけでありますが、これは年に何回ぐらい、また何日ぐらい行うのか。
 それから、第四十一条の十四に、放射線取扱主任者試験委員を置くということになっておるわけでありますが、試験委員は常設するのか、また何名ぐらいにしておくのか、その辺について御説明いただきたい。
#85
○牧村政府委員 講習につきましては、現在、この制度をお認めいただきましてからさらに詳細詰めたいと思いますが、やはり受講者の便宜を図りまして、できるだけ回数を多くやってまいりたいというふうに考えております。
 それから、試験委員につきましては、現在の制度では科学技術庁が試験委員を委任しておるわけでございますけれども、今回の法改正で、指定代行機関に行わしめるということで、指定代行機関が委員を決めまして、それを役所が認可するという制度になるわけでございますが、恐らく従来私どもがやっておると同じように常設になると思います。
#86
○上坂委員 自治大臣、あと一問で一段落しますからちょっとお待ちください。
 予算を見ますと、放射線障害防止対策事業というものの中に、RI講習施設の建設、こういうのがありますね、そうすると、講習所を建設するのですから、そこで講習を受けさせるということになると思うのです。そうすると、いま局長が答えたように、できるだけ多くのところでということになりますと、たくさんつくらなければならないわけですね。ところが、そうはたくさんつくれないのじゃないかという感じがするわけです。そこで、中心になる講習所はつくるけれども、あとは実務をやって、試験をやる場合にはどうするのかという問題が一つ出てきます。
 それから、これは大臣にもちょっと聞いて、よく認識していただきたいのですが、RIの使用者、販売業者は、やはり中小企業者が多いと思うのです。この中小企業の実態というのは、遠隔地に講習を受けさせに行くとか何日もかけて行くとかということになりますと、非常に費用がかかるわけですから、それが経営を圧迫する原因にもなります。そこで、講習回数というのはなるべく多い方がいいし、それからなるべく余り遠くない方がいい、できるだけ近くでやってもらうということが必要になります。そういうことを考えてこれからの実務講習に当たってもらいたいと思いますが、この点についてひとつお答えをいただきたい。
#87
○牧村政府委員 この指定講習機関につきましては、たとえば原研のRIスクール等は、まさに非常に程度の高いものを持っておるわけでございますので、今回法人を指定して、こういうものを指定講習機関としてやらせますけれども、すでにある原子力研究所の研修機関等は、あわせて私どもは指定しまして、持ち分をちゃんと明確にしたいと考えております。特に高度の技術を必要とする第一種の試験などは、従来と同様、原子力研究所のRIスクールを活用し、そこで合格した人を主任者に指定するようなことをしたいと思っております。
 それから二種であるとか、先ほど申しましたRI装備機器での簡便な実務講習、こういうものは、新しい公益法人にそういう役割りをさせたいということを考えておるところでございまして、ことしの予算でも、その講習の建屋等を建てるための予算を計上させていただいておるわけでございます。
 それから、最後の、中小企業者等に便宜を図って、いろいろなところにそういうものがあってほしいという御希望でございますが、この指定講習機関の講習の中身がどうしても放射性同位元素を実際に使うという実技を伴いますので、発足当時は全国各地にということはなかなか無理であろう、こういう制度が定着いたしまして余力が出れば、関東地方、関西地方とか広げていくということは当然考えられるかと思いますけれども、当面はやはり一カ所にせざるを得ないというふうに考えております。
 なお、先生の御指摘については、今後の事業の進展を見まして考えさせていただきたいというふうに考えております。
#88
○上坂委員 委員長、石野先生の前に残した質問がありますので……。
#89
○瀬野委員長 先ほど石野委員から御要望のありました国家公安委員長が御出席になりましたので、保留をされた御質疑をお続けください。石町久男君。
#90
○石野委員 自治大臣にお尋ねしますが、改正法におけるRIの取り扱いに関して、都道府県の公安委員会が幾つかの場面で関係が出てまいりますし、また、この法に規定してはいないけれども、一層強く地方自治体に関連するものが多うございます。したがって、法の中で新たに条項が加えられた都道府県公安委員会が関係することで若干お尋ねしておきたいことがございます。
 法の第四十三条の二に「施行に必要な限度で、その職員」とあって、ここには「警察職員」、こうありまして、「に、使用者、販売業者若しくは廃棄業者又はこれらの者から運搬を委託された者の事務所又は工場若しくは事業所に立ち入り、」、こういうふうにあるわけですが、この立入検査について、警察官が入ることにつきましては、一定の警察職員にRIに対する教育の問題があろうかと思うのです。大臣は、その教育をどのように全国的に行うように予定しておりますか、その点を聞かせてください。
#91
○後藤田国務大臣 私どもとしましても、核物質であるとか放射性同位元素であるとか、こういったものの安全性に最近非常に重大な関心を持っておるわけでございます。したがいまして、御質疑のような点につきましても、たとえば公安委員会にお届けをいただいて、それを公安委員会としては、輸送する場合には各沿線の警察署に連絡をする、同時にまた、輸送する方に輸送の経路、使用車両、通行時間、こういったものを十分配慮して警察としての指示をして、それに従って輸送していただく、かような措置をとることにするわけでございますが、警察官に対する具体的な教育あるいは人員、装備といった点につきましては、担当課長からお答えをさせていただきます。
#92
○斉藤説明員 お答えいたします。
 一昨年にいわゆる原子炉等規制法が改正になりまして、現在御審議いただいておりますこの法案と同様の法改正があったわけでございますが、これに伴いまして、私どもといたしましては、昨年から危険物担当者の講習会というのを、予算も容認していただいておりますので、開いております。ことしも、毎年一回開く予定でございますので、このRIを含めましてさらに教養を徹底いたしたい。また原子力事務を担当する者の手引きなどもつくりまして、すでに配布いたしておりますので、全国の講習会を受けた者が、帰りまして、さらに各県警におきまして教養をやる予定になっております。そういうことで、物が物でございますので、警察官自身の被曝問題もございますので、私どもといたしましても、当然重大な関心を持ちまして、十分教養を持った者がこれに当たるというふうに考えております。
#93
○石野委員 警察庁の方ではもう御存じだと思いますけれども、規制法の改正でこの扱いについての皆さんの関心が高まっているわけですが、それだけでなしに、RIの問題についても、この取り扱い件数が非常に多いのです。これはもう御存じだと思いますけれども、四千以上の事業所等がございまして、それに関連する約十万に近い人員がおるというようなことになりますると、各地各所にこれを扱わなければならない場が出てくるわけです。ですから、ごく少数の人に教育をつけただけでは間に合わない。法によると、都道府県公安委員会は、警察職員をして立入検査をさせたり、あるいは汚染されたものを収去させるというような行為も行うわけですから、一定程度のやはり教育がなければいけないと思うのです。その教育も、局限された統轄者だけの教育じゃだめなんで、いつどこで問題が起きるかわからないという事態があります。法をそのままなにしますと、たとえば運搬中のRI物質が事故に遭遇して、そこで駐在所のお巡りさんが出ていくとか、あるいは県警さんが行く前に地方におけるところの警察官が立ち会いをする。それは法律によれば、立ち会いができるわけだし、あるいはそれにかかわり合いを持つことができるようになっておりますから、そうなりますると、この警察官に対する教育の問題も、ごく一部分ではこの法の要求にかなわないわけです。それに十分に対応できないということになります。そういう問題をどういうふうになさるかということについてひとつお聞かせ願いたい。
#94
○後藤田国務大臣 石野さん御案内のように、日本のあらゆる職種の中で、実際は一番教育を徹底してやっているのは、私、警察だと思っているのです。警察官の一生涯の勤務の中で、どれくらい長い間学校に入れられるかというのは大変なものなのです。したがいまして、最近こういった危険な、しかも科学的な知識がないと処理のできないというものがだんだんふえてきておりますので、私としましては、今後とも、一層力を入れて、大学、管区、それから府県の学校等で現任教養をどんどんやっておりますから、そういった際に、御説のような点を踏まえまして一層努力をして教育を徹底させたい、かように考えております。
#95
○石野委員 大臣の意図はよくわかりますけれども、物は現に全国至るところで動いておるわけです。それに対する教育を早急に、しかも全般的にやってもらわなければならないということになりますと、ただ言葉で言っておっただけでは間に合わない。それだけ十分の認識がないのだけれども、法律によっては権限を与えられておりますから、いろいろな仕事はできるわけです。御本人自身の危険もさることながら、やはり扱い方のいかんによっては、周辺に対してもいろいろな問題が起きる可能性が出てきます。ですから、この問題は、ひとつ大臣の意図が確実に緊急に実効果をあらわすようにしていただく、これが非常に大事だと思うのです。その点について具体的な対処の仕方というものはまだ現にできていないと思うのですが、それをやるならばどうするかということについて一言……。
#96
○斉藤説明員 ただいま国家公安委員長も答弁いたしましたように、警察関係の教養は、警察大学、管区学校、各県の警察学校というように、各級幹部の学校がございまして、この中で危険物担当の時間がございますので、当然そういう教育もいたします。のみならず、各県警の窓口におきましては、危険物担当課、いろいろな名前がついております、保安課とかいろいろな名前がついておりますが、危険物担当課が中心になってこの事務処理をいたします。加えまして、いろいろ関連の交通部門、外勤部門、それからパトロールカーの部門、それから警備部門、こういうところにいろいろ届出がございました場合には、指示をいたす前に、いろいろ協議をいたしまして指示をやるわけでございますが、主として現場でこういうものを扱います警察官は、危険物担当課の専従員はもちろんでございますが、そのほか、途中におきましては、交通警察官あるいは外勤警察官、これらが主体になると思います。そういうことで、本庁主催の講習会というのは、二泊三日程度のものでございますが、これを昨年初めて行いまして、学識経験者を招きまして、原子力の基礎知識からあるいはサーべーメーターの使い方に至るまでいろいろ教育をしておるわけでございます。これらの者が各都道府県に帰りまして、早速、そういった交通警察官とか外勤警察官に対しまして、あらゆる機会を通しまして教養いたしたいと思っておりますし、さらに、それで不十分でありますれば、各地元にいろいろ知識経験者もおられますので、そういった方を招聘いたしまして、教養を徹底いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#97
○石野委員 時間がありませんから、一つだけ大臣に確認しておきたいのですが、四十三条の二の三項で「第一項に規定する権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」とあるわけです。これは文言はちゃんとわかっているのですが、実際にこの権限を越える行為がある場合が私たちとしては予想される、そういうことについては厳に戒めるようにひとつ長官の指示を与えてもらいたいのだが……。
#98
○後藤田国務大臣 これはこの法律だけでございませんで、ほかにもたくさんございますが、もちろん犯罪捜査でやるわけでありませんので、そういう点は今後とも十分徹底をしてまいりたい、かように思います。
#99
○瀬野委員長 上坂昇君。
#100
○上坂委員 時間がなくなりましたから少しはしょります。
 輸送問題については、先ほど石野委員の方からの質問がありましたから私は省きます。
 そこで、今度の改正案で第五章が復活をしたわけでありますが、指定機構確認機関、それから指定運搬物確認機関、指定運輸方法確認機関、指定試験機関、また指定講習機関、五つばかり出てきましたね、これは先ほどの答弁を聞いていると、一つの民間機関を指定して、そこが全部取り扱う、こういうことになると思うのですが、これは大変な仕事の量になると私は思います。
 そこで問題なのは、指定機関の運営に要する予算上の措置が非常に大切になってくるのじゃないかと思うのです。国民生活の安全性と非常に大きなかかわりを持つこれらの業務を扱う機関の性格を持つものでありますから、十分な予算の措置をとって、そして運営に支障のないようにしていかなければならないと私は思います。そこで、この予算についてはどうなっているのかということをお聞きしたいのであります。
#101
○牧村政府委員 先生御指摘のように、今回、法律的には指定代行機関が六つできるわけでございます。私どもといたしましては、講習機関につきましての例外的なものを除きまして、公益法人をつくりまして、そこに代行させることを考えておるわけでございます。
 先生御指摘のように、この機関が中立性を保って十分な機能を発揮するためには、この機関に対して私どもいろいろな援助をしなければならないと考えておるところでございますが、五十五年度の予算措置といたしまして、特に施設を必要とするもの、すなわち講習等を実施する場合に講習施設が要るわけでございますが、五十五年度予算におきまして、その講習のための施設を計上させていただいておるところでございますが、その費用として約一億円の施設費を要求しております。国がこれを建てまして、この指定される機関に無償で貸与するというような助成措置を考えておるところでございます。
 また、法律が通りまして指定機関の指定が終わりますと、直ちにいろいろな検査業務等をやらなくちゃいけないわけでございますが、その諸準備のための費用といたしまして、補助金として約三千万円を計上しております。これによりまして、ある一定の準備期間を経まして、名実ともに実力を持ったものに育て上げていきたい。なお、そのほかの検査等につきましての今後の運営につきましては、原則として事業者からその都度徴収いたします手数料によりまして賄っていくという方法を考えておるところでございます。
#102
○上坂委員 講習会等を開くとすれば、講師も大学や研究機関の専門家にこれは委嘱しなければならぬと思うのです。そうしますと、そうした費用でも、これは相当莫大なものになるのじゃないかと思うのです。したがって、いわゆる機器の確認とか、それから検査とか、あるいは試験をやるときの講習の手数料とか、そういう受講料というのですか、そういうようなものにだけ頼っていくということは、なかなかこれは運営が困難になるのじゃないか。そういう点では、基金なども設けて、この法人の本当に健全な運営というものを図っていかなければならないと私は思うんですね。
 そういう点で、わりあいに、こういう施設はつくるけれども、一億くらいで施設をつくってそれを貸すから、それで全部賄えというような式のものになりがちなので、それではやっぱりこうした重要な物資を扱う場合には、私は、国としての配慮が欠けているのじゃないかというように思うのです。いろいろな面で、大蔵省とか何かの制約があるとかなんとか言っても、こうした国民の生活上重大なものを扱う場合には、やっぱり十分な予算措置をとって、そこで運営をしていくという形でないと、これは委任代行機関として仕事をさせるということの実を上げることができない、こういうふうに考えますので、この点については、これは大臣に答弁をいただきたかったのですが、いなくなったから、局長からかわりにひとつ決意のほどを承りたい。
#103
○牧村政府委員 この公益法人をつくるに当たりまして、できるだけ広い分野からこの趣旨に賛同していただきまして、基金等につきましても集めて、基盤を強化することに努力することはもちろんでございますが、国としても、先ほど申し上げましたような施設の無償貸与のほかにも、この機関の業務が円滑に行われるまではできるだけの支援をすべきことと考えておりまして、これからも財政当局の理解を得つつ、そういう助成を図っていけたらというふうに考えております。
 なお、先ほど来年度予算で補助金を計上しておると申し上げましたが、これは委託費の誤りでございますので、訂正させていただきます。
#104
○上坂委員 今度できる民間機関のシステム、それから人数、構成といいますか、その法人の中身について、ひとつ後で結構ですから、大体構想ができたら、それについて資料をいただきたいと思います。
 以上要望して終わります。
#105
○瀬野委員長 午後零時五十分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時五十七分開議
#106
○瀬野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。貝沼次郎君。
#107
○貝沼委員 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案、これについて若干の質問をさせていただきたいと思います。
 午前中もいろいろ質問が出ておりましたが、私も幾つかの問題点がございますが、順次質問してみたいと思います。
 まず初めに、この放射線障害防止法、俗称でありますが、これと、それからほかの法律、この関係において、実はずいぶん食い違っておる、あるいは現場において困っておる問題がございますので、その点についてまず見解を承っておきたいと思いますが、大きなとらえ方として、こういうような法の整備ということが必要あると当局は考えておるのか、それとももう必要ないと考えておるのか、この点を伺っておきたいと思います。
#108
○牧村政府委員 先生御指摘の、同じ放射性同位元素を使います際に、それぞれいろいろな法律で規制が行われていることは事実でございます。それぞれの法律はそれぞれの目的を持って行われておるわけでございますので、私どもといたしましては、それぞれ必要なものと考えておるところでございます。
#109
○貝沼委員 いや、それぞれ必要なんですけれども、いろいろな面で現場では戸惑う問題があるわけですね。したがって、そういうところの調整をする必要があるのじゃないか、こういうことを私は申し上げているわけでありますが、こういうことは必要ありと考えるか、あるいはもうそういうことは必要ないと考えるのか、この点を伺っておきたい。
#110
○牧村政府委員 先生御指摘の、法施行に当たりましての現場等における問題点でございますが、この点につきましては、十分お互いの関係省庁が調整し合って、それぞれの法目的を達成するようにすべきであるというふうに考えております。
#111
○貝沼委員 それじゃ、現在の法律で恐らく十分だという考えなんでしょうから、二、三の例を挙げてみたいと思います。
 たとえば病院なら病院は研究並びに医療の両方使っておるわけです。そうすると、医療法それから障害防止法、両方かかってくるわけですね。こういうような現場で困っておる問題を一つ挙げてみますと、放射線の治療をやる場合は、特別の病室を設けなければならないようになっておるわけですが、病室を設けると、当然そこには看護婦の配置というのが出てくる。ところが看護婦さんは、そういう特別な、しかも放射線の多い部屋につくのがいやだということで、なかなかいないのだそうです。したがって病院では、特別病室というものがあるにもかかわらず、実際は使用することができない状態になっておる。それならば放射線の治療は一体どこでやっておるのかということがまずあると思いますね。さらに、その病室自体についても、今度は放射性同位元素を使う以上、部屋の換気をしなければなりません。ところが換気をする場合に、放射性物質によるガス等のある可能性があるので、換気扇にはフィルターをつけて換気しなさい、戸などをあけてはいけません、こういうふうに障害防止法ではなっておる。ところが医療法からいけば、当然、特別な病室ではあるが、病室であることには変わりはない、したがって窓をあけなさい、こういうふうになっておる。その場合に、一体どっちを守ったらいいのか。片一方は窓をあけちゃいけません、片一方は窓をあけなさい、そういうふうに合わないことが実はまだまだある。
 もっと申し上げましょうか。たとえば人体に放射性物質を注射する、そうすると、人間から排泄されるものがあるわけですね。そして便所へ行く、その便所だって、そこには放射性物質が出てくるわけでありますから、特別にためておいて処理しなければ本当はいけないはずなんですが、果たしてそうなっておるかどうか、そんなことができるのかどうかというような問題で、いま申し上げたのは、医療法とこの障害防止法の関係で申し上げたわけでありますが、こういうことがずいぶんあるわけでありまして、現場は非常に困っておる。
 たとえば許認可の問題にいたしましても、臨床用の医療機関だけを考えてみても、放射線発生装置、高エネルギーの場合、この場合は科技庁の防止法の法三条、規則四条による許可、それから厚生省の医療法七条による許可、両方の許可をとらなければいけないとか、あるいは放射線照射装置などについても両方ですね。それから放射線照射器具になりますと、やはり両方ですね。
 それから、放射性同位元素になると分かれてくるわけで、これは厚生省だけです。もちろん、これは臨床用医療機関、こうなっておりますから、医薬品という考えになってくるのだろうと思うのです。ところがこの医薬品も、あるいはエックス線装置もそういう考え方です。それから研究用、教育用の問題については、これはもう当然、科技庁関係になるわけですけれども、ただその場合に、これは文章としてはよくわかるのですが、たとえば一つの同位元素を持ってきて、それを治療に使う、あるいは研究に使う、その段階で分かれるわけですね、分かれるけれども、大学病院あたりで治療するのは、研究になるのかならないのかという判断がありませんね。
 たとえば、大学病院で使ったことをもとにして研究論文を発表した場合は研究ですね。しかも先日私は、国立の病院等で生活保護世帯は医療扶助を受ける資格があるということで、たとえば東大を初めとする旧帝国大学系の付属病院においては、これをちゃんと実施しなさいという質問をいたしました。そのときに文部省の話では、大学病院というのは、研究とかそういうものが主体であって、治療が直接の目的ではないということで蹴る姿勢があった。しかし、それならばほかの大学でいま実施しておるところは研究していないのかという話になりまして、最終的にはことしから、生活保護世帯に対する医療扶助を認める方向でいよいよやるそうでありますけれども、そういうぐあいに医薬品となるのか研究用であるのかということは非常に判断がしにくい。使う段階で判断がしにくい、また使った段階でも判断がしにくい。まして、そこから出てきた廃棄物については、なおさらわからない、こういう状態になっているわけです。したがって、法的には縦割りでもって、これは研究用だから、これは何だからと言って縦分けした法律ができておっても、現場では非常に困る。したがって、そういう二つの法律を調整していただかなければ困るという声が実は現場の声なんであります。そこで私は、先ほどああいう質問をしたわけでございますが、こういうことについて当局はどういう考えを持っておりますか。
#112
○牧村政府委員 看護婦の問題、放射線利用施設における換気と窓の問題、あるいは放射性物質を診断、治療に使いました後の大小便に出てくる廃棄物の問題これはすべて薬事法あるいは医療法の所管する問題でございまして、本来は、厚生省においてその規制の整合性を図るべきはずの問題だと考えられます。
 それから、発生装置あるいは放射線の密封線源等におきまして両方の法律がダブってかかっておる問題がございます。これらにつきましては、私どもは、そこに働く方の障害防止の観点から、あるいは厚生省におきましては薬事法の法目的からいろいろな規制を行っておりまして、このある意味でのダブった規制というのは、利用者に対しましては非常に不便かとも思いますが、やむを得ないところでありますので、実際の法の運用に当たりましては、両方を所管する官庁がよく話し合って、できるだけ整合性をとり、また余り複雑にならないような運用で相互に調整し合って規制していくべきだと考えております。
 それからもう一つ、医薬品を使います場合に、診断、治療に使うものと研究用に使うものとで、研究用については当然障害防止法で規制しておるわけでございます。私どもの考え方としては、研究用というのは、いろいろなことの研究のために、いわゆる医薬品である同じ放射性同位元素を使うわけでございますが、それにつきましては、所定のところで扱わせるのを原則としておりますので、そういう場所で治療を混同されて行うことがあるとすれば、その辺ある程度問題が出てくることはやむを得ない。研究用に使います場合には、やはり研究用としてのある限られた管理区域で使っていただくような方法も今後考えなければならないかとも思っております。
 それから、大学病院の問題を御指摘でございますが、私どもの放射線障害防止で研究目的というふうにやっておりますのと、大学病院の広い意味での医療の研究ということとは若干解釈が違おうかと思っております。大学病院が患者の診断、治療にRIを使うということは、私どもとしては医療法で言う診断、治療であるというふうに解釈して、今後もその辺の混同を避けるようによく話し合って進めてまいりたいと考えております。
#113
○貝沼委員 先ほど換気の問題は医療法の問題だと言いましたね、これは障害防止法は関係ありませんかということが一つ。
 それからもう一つは、厚生省の方見えていらっしゃると思うのですが、いま局長が答弁なさった中で、研究の中でもこういう研究についてはという研究の範囲の話がありましたけれども、これは厚生省の解釈と同じですか。
#114
○牧村政府委員 ちょっと説明が不十分であったかと思いますが、放射性同位元素を使います場合に、がんの治療等で大線量の密封線源を使用する場合は、当然、障害防止法に基づきまして遮蔽壁を設ける等の措置が必要でございます。こういうような治療のための施設につきましては、一般の病室と異なりますので、必ず窓を設けなければいけないというふうになっておるとは聞いておりません。
 なお、非常に小線源のラジウム針等を通常の病室等で使用する場合に、先生御指摘のような問題が起きてこようかと考えます。そのような場合、あるいはまた非密封のごく短寿命の放射性医薬品を使用する場合につきましても、このような問題が起きることは先生御指摘のとおりでございます。それらの基準につきましても、御指摘を受けましたので、今後その整合性をどういうふうにつけるかということにつきまして、よく話し合って、所要の措置をとってまいりたいと考えております。
#115
○森説明員 先生のお話は、研究用と診療用の区別は科技庁の方の御答弁と同じかどうか、こういうことだったと思いますが、この区別につきましては、私ども、科技庁の方で考えておられるものと同じように考えておるつもりでございます。
 なお、先ほど来先生おっしゃっておられますようなことで、科学技術庁、厚生省それぞれ関連した問題につきましては、私どもの方もできるだけ連絡をとってやっていきたいと思っております。
#116
○貝沼委員 それから、厚生省にもう一点だけちょっとお尋ねしておきますが、いま専用病室のことで窓の話があったわけですが、これは障害防止法では窓は考えていない、本当は換気扇がありますから、フィルターつけたのがありますからね。私は病院を見てきたのです。これは医療法ではどうなっているのですか。
#117
○森説明員 医療法の基準では病室には窓を設けることというのがございます。
#118
○牧村政府委員 障害防止法上は非密封の医薬品を診断、治療に使いますものは適用除外になっておりますので、規制的にはダブることはないわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、ラジウム針等につきましては、ある一定量以上につきましては障害防止法の対象もございますので、ある意味でダブることがあるわけでございますが、これは密封線源でございますので、先生御指摘のような、窓があるなしという問題とは若干規制上性格が異なるかというふうに考えられます。
#119
○貝沼委員 そういうふうに現場ではあっちからはこう言われる、こっちからはこう言われるというので非常に対応に困っておる。いま一例としてそれを挙げた。
 それから許認可の件も、先ほど申し上げましたように、ダブったりダブらなかったり非常にややこしい。しかも厚生省関係は各都道府県に委任している関係で、各都道府県でばらばらの許認可の申請に現実はなっているらしいですね。そういう点で非常に繁雑である。この障害防止法でやることも厚生省の方でやるのも、目的が違うから幾らかの違いはあるにしても、せめて様式ぐらいはある程度まとまった形のものができないのか、この辺の指摘があるわけでございますが、この点はいかがですか。
#120
○牧村政府委員 放射線に関します規制の仕方のたとえば技術基準等の整合性については、総理府に設けられております放射線審議会で、各省庁が技術基準等を定めるときには、必ずそこの審議を経て、その意見を聞かなければならないことになっておって、従来からも整合性をとる努力はしてきたわけでございますが、ただいま相当のある矛盾を御指摘いただいたわけでございますので、今後、こういう政省令等に基準を新たにつけ加えるというような際に、その整合性ができるだけとれるような御審議を放射線審議会にお願いしたい。私ども科学技術庁は審議会の事務局をやっておりますので、先生の御趣旨を体しまして、関係各省とも協議しつつ、整合性を今後とも図るような努力をしてまいりたいと考える次第でございます。
#121
○森説明員 いまの先生の御指摘の点につきましては、確かに病院につきましては、医療法の体系では都道府県ごとに権限がおりておるということで、県知事に対する申請ということになっております。
 ただ、先生の御指摘のようなことで両法の法律の体系で同じようなことについてそれぞれ申請書類をつくるとかいろいろ事務的な繁雑さを伴う場合につきましては、いま科学技術庁からもお話がございましたように、私どもといたしましても、御相談しながら簡素化に努めてまいりたいと思います。
#122
○貝沼委員 それから放射線取扱主任者、これは防止法の三十四条、三十五条、三十六条でございますが、この主任者の立場が明確でない、有名無実であるという批判があるわけでございます。これは私も現場へ行って調べてみましたら、法律でも医師、歯科医師がなれるようになっておりますから、それでいいわけですけれども、現実は医師がそのまま主任者を兼任している場合が多いし、果たしてこれがうまく管理されておるのかなという面が実は大分あるわけでございます。こういう点から、この放射線取扱主任者を本当にそれだけの価値を発揮するようなものとするためには、まだちょっと足りないのではないか、もう少し具体的な職務規定とか、そういうものをつくる必要があるのではないか、こういう感じがするわけであります。
 たとえば労働安全法では安全管理者というのがあります。それから衛生管理者あるいは作業環境測定士、これには職務規定がちゃんとあるわけでございます。そしてさらに、どういう者を任命しなければならないかということが決めてあるわけでございます。あるいは消防法では防火管理者というものがございます。その点、この三十四条には職務規定がないように見受けられます。そのくせ罰則はちゃんとあるということでございますので、この辺のところがしっくりしないという声がございますけれども、これについてはどのようにお考えですか。
#123
○牧村政府委員 この障害防止法ができました以前から、先生御指摘のお医者さんであるとか放射線発生装置、すなわちエックス線装置等の使用が現実に行われておりまして、そういう観点から、この障害防止法ができたときに、医師等の特例が認められたところでございます。その放射線の取扱主任者の位置づけというものがなお明確ではないという御指摘があったわけでございますが、この障害防止法におきましては、すべてのと申しますか、非常に広い分野の放射線発生装置であるとか、ラジオアイソトープを使う各種の事業者の規制を義務づける制度でございますので、取扱主任者がいろいろな放射線管理の仕事をするのに当たりまして、多様性を持ったそれぞれの事業所におきましてこういうファンクションをしなければならないということでございまして、現行におきましては、確かにそういう意味で非常に不十分な面が認められてきつつあるわけでございます。
 そういうようなことを判断いたしまして、今回の法改正に当たりましては、事業者は放射線主任者の障害防止に関する意見を尊重しなければいけないというような強化の線を打ち出したところでございます。また従業者に対しましては、教育訓練を義務づけるような規定も強化したところでございまして、これらの強化と両々相まちまして、今後、放射線主任者の放射線管理に当たりましての効果を発揮させていくようなことになろうかと思っております。
 なお、先生御存じのように、RI事業者等が事業を進めるに当たりましては、放射線障害予防規定を設けまして、これを届け出ることが義務づけられておりますので、こういうものを届けさせるときに、たとえば業務規定の中に、私ども事前にモデル規定を設けておきまして、こういうふうに書けというような指導をいたしましてそういう規定を設けさせ、また実際に当たってそれを実施してもらうというようなことを行政的にも指導し、万全な体制をとりたいと考えておるところでございます。
#124
○貝沼委員 いま、取扱主任者それから取扱従事者についてお話がございました。しかも主任者の意見が十分尊重されなければならないというところもお話がございましたが、これは選び方で少し問題があると私は思うのです。たとえば医師あるいは歯科医師、まあ内科の医師ですけれども、そういうような方々が大学でこの放射線に関する講義なり勉強を一体どれぐらいしてきておるかということなんですけれども、実際問題として非常に少ないのだそうですね。私が聞いたのは、確かかどうかは知りませんが、放射線科以外は六年間の大学生活でせいぜい一日ぐらいらしいのです。一日だけれども、一日二十四時間やるわけではたく、実は三時間ぐらいではないかと言う人もおるわけでございます。したがって、何もその人たちに能力がないと私は言うわけではありませんが、やはりそこに再教育というか、そういうものを認めた上でなければこれはちょっとまずいのではないかという感じが実はするのです。後で教育をするというふうになっておりますけれども、後でするのじゃなしに、やる前に教育を受けた人がそういうものになれるとか、そういうような考え方の方が妥当なのではないだろうかなと考えるわけであります。これが一点。
 それから、先ほどまとまって答弁が来ましたから、まとめて聞きますけれども、もう一つは、「意見を尊重しなければならない。」という規定を設けたのは、いままで意見が尊重されないきらいがあったからなんですね。ところが、尊重されない場合にどうなるかという問題については、この法律にはありませんね。したがって、それはどうするのか。この二点をまず伺っておきたいと思うのです。
#125
○牧村政府委員 医師等の教育において実際に教育を受ける機会が非常に少ないという御指摘、また今回修正いたしまして、従業者等が指示研修を受ける義務づけの条項をつくらせていただいておるわけでございますが、先生の御指摘は、事後ではだめという御意見でございますけれども、こういうような制度をとらせていただくことによって、現在なっておられる方、それからこれからなろうという方も十分勉強をしていただくということが逐次行われるのではないかというふうに実は考えております。事後の制度すらもなかったわけでございますので、一歩前進ということで御理解賜ればと考えておる次第でございます。
 それから、主任者の意見尊重義務を負わせたわけでございますが、新たに制度化したわけでございますが、事業者に対しましての法文上の違反義務等の規定はつけていないわけでございます。しかし主任者は、事業所におきまして障害防止のための重要な役割りを果たすわけでございますし、その機能が十分発揮されるようにするために義務づけたわけでございますので、今後、これによりまして、使用者もその意見を尊重する義務を負っておるわけでございますので、相当の効果があるというふうに考えておるところでございます。そしてこのことにつきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、事業者が定めます予防規定等に主任者の位置づけというようなものをさらにはっきり書くように行政指導することによって、十分効果が上がるものと考えておるところでございます。
#126
○貝沼委員 私は、全然いまの制度が悪いなんて言っているわけじゃありませんで、本当はもっと前に、資格のある者から選ぶ、あるいはできる者から選ぶという考え方の方がいいような気がするので、申し上げているわけであります。外国では教育を受けさせて、免許状を持たせて、その仕事の中でやらせておる。どうも先になっているのです。アメリカの場合もどうもそんな方法のようでありますけれども、日本の場合は後で訓練をするということなので、これはもっと強化してもいいのではないかという感じがするわけであります。
 それからもう一つは、この管理問題でありますが、これがまた全く私には不安に思われるわけであります。現実にこういうたとえば病院なら病院で管理区域というようなものについてどういうふうな実情になっておるのかということを、局長とかあるいは当局の地位ある方はごらんになったことございますか。
#127
○牧村政府委員 私自身、安全局長になりましてからは、病院等の実態を現場で調査したことはございませんけれども、原子力関係約二十年やっておりますが、昔はときどきこういう施設を見るということをしたことがございます。
 なお、放医研等につきましては、管轄の研究機関でございますので、常時行ってその実態等はつかんでおるつもりでございます。
#128
○貝沼委員 そういうことであれば実態はよくわかると思いますが、実際に見てみると、管理していく上のいろいろな設備、あるいは決まりどおりにいろいろなものが設置されておるし、そうなっておりますが、問題は、それがその目的どおりにうまく運用されておるかどうかということなんですね。
 たとえば先ほど話をいたしましたけれども、フィルターを使いなさいというふうになっておれば、もうりっぱなフィルターがついておる、しかし、そのフィルターの使い方には、たとえば室温であるとかいろいろな条件があって、効率よく使うための条件がそろっておる、ところが、その技術に対する知識というものが現場では欠けておるために、要するにあることは一〇〇%ある、言われたとおりあるのだからいいではないかということで、その利用あるいはそれを使っていくという面で非常に心配な点があるわけでございます。
 あるいはモニターの問題にいたしましても、その装置は確かにあるのだけれども、しかし、その点検並びにそれの使用の仕方、結果というものが、果たしてこれでやっておるのかな、うまくいっておるのかなという面がどうも現場では思われるわけでありますけれども、この辺のチェックといいますか、教育というものはどうなっておりますか。
#129
○牧村政府委員 先生御指摘のような点につきましては、私ども検査官が各施設に立入検査をして、施設面あるいは運転管理面等々について、毎年数百件、三百ないし四百件の工場に立入検査をしておるわけでございますけれども、その際にも、先生御指摘のような点、非常に細かいことを含めまして約六割の事業所が何らかの欠陥を持っておるということを発見いたしまして、その都度、口頭の指示あるいは文書による指示等々を行って改善を図らしてきたところでございます。
 そういうような実態がある点を踏まえまして、今回いろいろな法改正をお願いしておりまして、直接この運営面についての法規制の改正は余りないわけでございますけれども、私どもとしては、こういう規制の一部強化並びに合理化をやらしていただきまして、そういう残された問題点に十分目をかけることができるような規制体制にさせていただきたいということが、今回の法改正の大きなねらいでございます。
 御指摘の点、現在もまだ非常に不備な面があろうかと思いますが、今後、そういう新しい体制のもとに十分改善を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
#130
○貝沼委員 私も、この法律が出てきたのは、そういうのがねらいだろうと思っておったわけでありますが、果たしてこれで、たとえば事業所内の組織、体制というものが一これは人間的な面でですね、法律上の問題でなしに、兼任ばかりしている組織じゃなしに、たとえば管理なら第三者的に見て管理するのがあたりまえでありますが、ところが、実際やっている人間が管理者になっておったり、そういうことでは、これはぴしっとした管理ができないわけでありますので、そういう体制というものがどうしても確立されなければならない。その点は、この法律だけでは実はどうもめんどう見切れないという面があると思うのです。それで現場では、たとえば大きな病院とか研究所とかいうところでは、もう自主的にこれをやっておるわけでありますけれども、しかし、そうしなければならないということも、その事業所ではみんな知っているんですけれども、法律でえたってないから、まあよけいなことはやらなくてもいいということでできていないと私は思うのです。
 そういう点から、この事業所内の組織、体制、これは当然といたしまして、それに対する国の指導等もまた当然必要でありますが、そういう体制をもっともっと強化する必要がある、もっと法的にも手当てする必要がある、こう思うわけでありますが、この点はいかがですか。
#131
○牧村政府委員 今回法改正をお願いした中にも、全くその点の配慮がないわけではないのでございますが、先生の御指摘は、なお不十分であるということでございます。安全を確保するという観点から、今後引き続き検討を加えさしていただきまして、当面、行政的な指導というようなことでやらざるを得ないかとも思いますが、また場合によりましては、放射線審議会の意見等を聞いて、再度それらの不十分な点の改正というようなことも将来あるのだというようなつもりで今後対処してまいりたいと考えます。
#132
○貝沼委員 それから、厚生省の方にお尋ねいたしますが、この障害防止法では二十一条に「放射線障害予防規定」というものが定められておるわけでございます。ところが、先ほど申し上げましたように、同じものでも医薬品として使われる場合と研究用に使われる場合とで違ってくるわけであります。したがって、放射性同位元素そのものは同じものなのでありますが、医療法上はどうもこういう規定は見当たらないように思われますが、これはどのようにお考えですか。
#133
○森説明員 先生、御指摘の予防規定の点でございますが、お話のように、現在の医療法では確かにこの予防規定を作成するということにつきましての特段の定めはございません。ただ、この点につきましては、現在の医療法の施行規則、若干細かくなりますが、この第四章第四節に「管理者の義務」というのがございまして、そういう中でその趣旨が生かされているのではないかというふうに私どもは現在考えておりますが、ただ、こういう点は、さらに今後慎重にと申しましょうか、徹底させていく必要があるということでございますので、今後、私どもの施行規則を改正する際には、いま先生御指摘の予防規定の作成等の点につきましても、慎重に検討してみたいというふうに考えております。
#134
○貝沼委員 それからもう一点は、ことしの三月十三日に届出のあった筑波の研究所の問題です。「十三日午後、文部省高エネルギー物理学研究所から科学技術庁水戸原子力事務所と茨城県警筑波署に、「測定器較正用に使っていたアイソトープのストロンチウム90、一ミリ・キュリーが昨年十二月中旬から十三日までの間に紛失した」と届け出があった。」、こういう記事が出ておりますね。これは管理上非常に問題があるのであります。しかも、これが行方不明になってから届出が出るまで二カ月以上もかかっておるわけですね。したがって、遅滞なく科技庁長官に届出をしなければならないという法律に明らかにこれは抵触するわけであります。そうなってまいりますと、十万円以下の罰金刑に処せられまして、その結果免許の取り消しということになると思いますが、これはその後どうなっておるのでしょうか。
#135
○牧村政府委員 御指摘の高エネルギー物理学研究所におきますストロンチウム90の紛失につきましては、確かに調査の結果、大分前に紛失したのが判明したのは十一日でございます。管理者がその点を発見いたしまして、直ちに水戸原子力事務所に報告があったものでございます。したがいまして、いま先生が御指摘のように、これが直ちに違反というふうには直接ならないかとも考えられるところでございますが、いずれにしましても、この施設は筑波大学等の共同研究の場として共同利用されておるところでございます。そこで、いろいろな研究者がこの施設を使いまして、また、この線源を使って機器の較正などを行っておったわけでございますが、その一部の研究者が非常にずさんな取り扱いをして、本来既定の場所に収納すべきところを、作業が終わりました後、その確認をしないで研究を終えてしまったというようなことから、恐らくこの線源がごみ等と一緒に捨てられてしまったということでございます。との線源は幸い、研究所並びに水戸事務所の職員等が指導いたしまして、一生懸命捜しまして、三月十四日にはごみ捨て場から無事発見されたわけでございます。
 幸いにして健全な形で発見され、また、その周囲の汚染もないということが確認されたわけでございますが、私どもの立場といたしましては、この線源の取り扱いに非常に適切でない面があったために生じたものだということから、水戸原子力事務所長名をもちまして取扱者でございます研究所長あてに、線源の使用方法あるいは管理の記録、移動使用後の線源の確認の徹底を図るように文書で厳重注意を与えたところでございます。また、この施設が外来研究員等にも利用されるというようなこともございましたので、私の名前によりまして、文部省の国際局長あてにも、今後大学等のこういう面の安全管理体制の強化整備を図ってほしいという依頼の文書を提出して、文部省のこれらの問題に対する協力をお願いしたところでございます。
#136
○貝沼委員 いま直ちに報告があったということですね。これが直ちにというふうになるのなら、一体いつ点検しているのかなという感じなんですね。二カ月前からなくなったかどうかわからないんですよ。それで二カ月たって行方不明に気がついた。直ちに報告したからそれでいいのだ。ところが、この「遅滞なく、」という言葉は、そういうことじゃないと思いますよ。これは条文によれば、使用者は「その所持する放射性同位元素若しくは放射性同位元素によって汚染された物又は放射線発生装置に関し、地震、火災その他の災害が起こったことにより、放射線障害のおそれがある場合」、おそれがある場合ですよ。おそれがある場合というのは、その人が見つけようが見つけまいが、どこかへ行ってしまったら、おそれがあるのです。したがって、二カ月もその点検が全然なされなかったということがまず一つの問題。さらにその結果、この届出は遅滞なく届け出なければならない、こうなっておるんですね、本当はおそれがあったのだけれども、発見したとき届け出たから、これは問題ないと言いますけれども、私はこれはそういう解釈にならないと思う。二カ月も点検しなかったことは、遅滞なくには入らない、遅滞があった、こう考えますが、これは間違いですか。
#137
○牧村政府委員 先生御指摘のように、本来こういうことがあってならないことは全くおっしゃるとおりでございます。ただ、私が先ほど申し上げたのは、この筑波のエネルギー研の管理者が線源がなくなっておるということを知ったのが大変おくれたということでございます。そのことを管理者が知りまして、直ちに報告してきたわけでございます。そうなりますと、この線源を使っていた研究グループがそういう報告等をするのを怠っておったようでございます。その点の管理のまずさを水戸原子力事務所長が指摘して、文書で厳重注意をし、改善をするように指示をした次第でございます。また、これの管理のずさんさは否めないところでございますので、私どもは、文部省に対して、厳重に指導監督をしてくれという要請を出したわけでございます。したがいまして、管理者として知り得たからは、直ちに科学技術庁の方へ通報があったわけでございますから、その間、それを知り得るまでの放射線の線源の管理のまずさということは、先生御指摘のとおり否めないところでございますので、今後、私どもとしては、こういうことが二度と起こらないように指導していく所存でございます。
#138
○貝沼委員 ただ知り得た、知り得たと言うけれども、知らないことが問題なんであって、むしろわからないことが問題だ。法的にはわからないことのないように規制しておかなければならない。ところが、わからなかったから、わかった時点で言ったからというのだったら、いつも私は知りませんでしたと言ったら、この法律には皆ひっかからない。自分がわかったからわからないからでけなしに、その放射性物質が行方不明になったということをわかるようにしておかなければならないということなんです。そのことがちょっと抜けでいますよ。
 さらに、本当はこれでは抜けていないのです、この法律は。本当は二カ月前からわからなくなっていたようだということがあれば、この危険時の措置によってこれは罰せられなければならない。ところが、ただ一生懸命注意しておくとかという法律の解釈では、これは骨抜きになってしまいます。本当に障害防止法できちっとすべきところはきちっとしていかないと、いつまでたっても抜け穴だらけの法律になってしまう、こう思いますので私は申し上げておるわけでありますが、この点いかがですか。
#139
○牧村政府委員 先生の御指摘のように、そういう運用がなされることは、きわめて法律の精神にも反することでもございますので、今後十分、厳重に事業所等を監督し、規制する姿勢で臨みたいというふうに考えます。
#140
○貝沼委員 それから、先ほど病院等の話をしましたが、そこから出てくる廃棄物ですね、時間がありませんので、簡単にお尋ねしますが、一つは、先ほどの質問でも出ておりましたが、シンチレータ一等で使う有機廃液の問題、もう一つは、動物実験とかトレーサーで利用する動物廃棄物ですね、トレーサー等が入っておるわけでありますから、その動物廃棄物と医療廃棄物、大きく分けて大体これぐらいあるのではないかと思いますが、この廃棄物は、いままで一体どういうふうにしてきたのか、これが一点。それから今後どうするのか、これが二点目であります。これをお答えください。
#141
○牧村政府委員 先生御指摘の有機物、それから動物の廃棄物、これらのものにつきましては、現在、事業所等に保管をする、あるいは集荷業者が集めましたものにつきましては、たとえば動物などは原研で保管しておるというのが現状でございます。
 それから、今後の扱いにつきましては、有機物あるいは動物の処理をまず事業所でした上で廃棄業者に引き渡すような措置を考えたいと思っておりまして、現在、有機物の焼却につきましては、専門家を集めまして、廃棄施設の基準をつくっておるところでございます。その基準の整備を待ちまして、事業者等に焼却施設を持たせまして、安全に焼却した上で固体廃棄物として処理するように指導してまいりたいと考えております。また、動物につきましては、すでに冷凍乾燥法等の技術が最近発達してまいりましたので、こういう手法を使わせまして、安全に乾燥させた上で、場合によりましては、原研等の焼却場で焼却してまいりたいというふうに考えております。
#142
○貝沼委員 固体の廃棄物は、医療法によっても永久保存になっておる。したがって、いま行ってみますと、ドラムかんに詰めて置いてある。置いてあるけれども、置く所がいっぱいになってしまって、あと置けないというのです。だからといって使わない一わけにはいかない。アイソトープを使う場合、貯蔵能力の範囲内で使うことになっているというところから非常にむずかしくなってきておるということです。それからさらに、たとえば有機性のものはトルエンであるとか、こういう引火点の低いものが使われておるので、これがたまってきますと、今度は消防法上の問題が出てきて、非常にむずかしいというようなところから、この廃棄物については、単なる放射性物質であるというだけでなく、いろいろな面から実はむずかしい問題を持っております。さらに今度は、患者に使用したような場合は、病原菌もくっついておるというところから、放射性に対する規定だけではうまくいかないだろう。これはどれだけのものがついておるか私はわかりませんし、いままでどう扱ってきたのか知りませんけれども、要するにそういうような複雑な問題が絡んでおりますので、ただ集めておけばいいとか、集めてどこかで処分するとかというような簡単なことではいけません。
 そこで、どこかに集めてきちっとやるならやるように、その体制というものをつくらなければならぬと思います。また実際ためてあるものを見ると、その半減期は非常に短いものばかりでありますから、自然放射能のたとえば百分の一とか七百分の一とか、放射性物質という定義からはるかに離れたようなものもたくさんあるわけであります。そういうようなところから、すそ切りの問題も出ているのだろうと思うのでありますが、すそ切りがいい悪いは別として、そういうことを考えるのか考えないのか。それから、これからの処理処分の方法としては、一カ所に集めるという考えでいくのか、たとえば少なくとも固体については、一カ所に集めて処分するという考え方でいくのか、それともまだそこまで煮詰まっていないということなのか、その辺のお考えはいかがでしょうか。
#143
○牧村政府委員 現在の固体の放射性廃棄物の扱いの状態につきましては、先生の御指摘のとおり、各種の問題点が出てきております。日本の現状は、日本アイソトープ協会が使用者から廃棄物を集めまして、それを一時保管しつつも、最終的には原研に持ち込んで焼却等をした、減容を処理した上でいまのところは保管、廃棄をしておるわけでございます。その場所もいろいろな観点から制限が加えられてきておりまして、保管する場所につきましても、全国的になお探さなければならないという実情にあることは事実でございます。また、処理をいたしましたものもだんだん蓄積してまいっておりますので、これを永久処分することも今後考えていかなければならないわけでございますので、このRIにおきましても、原子炉等から出ます低レベルの廃棄物と同様の問題を抱えておろうかと思います。したがいまして、それぞれの段階におきまして、たとえば事業所で焼却して減容を図るというようなことも含めまして、安全規制に万全を期しながら必要な技術基準ができたところで、たとえば有機物等は事業所で焼いていただいて、減容化を図るというふうなことも含めまして、廃棄物の処理処分の全体の体制を考えていくべきであると考えております。それに対する規制のやり方等も並行してやりまして、万遺漏なきを期すべき問題であると考えております。
#144
○貝沼委員 以上で質問を終わりますが、要するにそういうようなこれから解決をしなければならない問題、注意しなければならない問題が多々ございますので、その点に留意してこの法律の運用に当たっていただきたい、こう思う次第でございます。
#145
○瀬野委員長 中林佳子君。
#146
○中林委員 私は、まず、本法そのものの審議に入る前に、本法に非常にかかわり合いのある日立造船非破壊検査株式会社の事故についてお伺いしたいわけです。
 昨年五月に発生しました日立造船非破壊検査株式会社の大阪事業所桜島作業所での被曝事故は、五月二十五日にポケット線量計を持って入った者が、照射室から出て、線量計が振り切れていたことから発見されたわけです。五月十日にもポケット線量計を着用している者が入って出ているわけですが、退出時にそれを読んでないわけですね。ですから、この二十五日の発見というのは、たまたまそれを読み取った、たまたまポケット線量計を持っていたということで、偶然だったのではないでしょうか。
#147
○牧村政府委員 先生御指摘の日立造船所の非破壊検査におきます去年の五月の事故につきまして、いろいろ当方に報告が参りまして、立入検査を実施したわけでございますが、その後また、その被曝者のうちの一名が非常な被曝を受けているというようなことで、再度調査を開始した前後にまた被曝事故を起こしておるというようなことから、その実態をいろいろ細かく調査しておりまして、最近、その調査結果も出たところでございますけれども、先生御指摘のように、放射線計測器の扱い、あるいはポケット線量計の常時携帯の義務等々におきまして、きわめてずさんな管理がなされておったということは御指摘のとおりでございます。
#148
○中林委員 科技庁へのこのときの事故の電話連絡が五月三十日、これはフィルムバッジの現像で千二百五十ミリレムと判明してから、二、三日後に連絡してあるわけですね。科技庁や通産省が、原子力施設等での被曝事故については速やかに報告するよう指導しているのに、この事故では二、三日後というふうに、科技庁としてRI関係についてはのんびり報告してもよい、こういうふうに御指導なさっているのでしょうか。
#149
○牧村政府委員 この報告徴収につきましては、規制法と障害防止法に何ら差異を設けていないところでございますが、ただ、一定の基準以上の被曝等ということで、その考え方には必ずしも整合性があるわけではございませんけれども、そういう事故等の報告につきましては、事実がありましたときには、速やかに通報してもらい、詳細の報告書等は後でもいいのだ、事実は速やかに報告してほしいということは常々事業者に指導しているところでございます。そういう点で、それが必ずしも守られないことがあるような場合には、いつでも厳重に注意をしておるというのが実情でございます。
#150
○中林委員 いままでの法律では、報告の規定というか義務というのはなかったわけで、今度初めて府令の中で義務づけが行われるということになっているわけですね。ですから、科技庁としても、いままではそういう意味でRIについて非常に軽視されていた向きがあるというふうに思うわけです。
 次に、労働省に伺うわけですが、労働基準監督署への報告も、さらに遅くなって六月一日となっているわけですね。これは電離放射線障害防止規則第四十三条の「すみやかに報告しなければならない。」に明らかに違反しているのではないのでしょうか。
#151
○山田説明員 お答え申し上げます。
 私どもに参りました報告につきましては、事故の直後の報告ではなくて、事故の事後処理の終了後の報告であったものですから、直ちには調査をする必要は考えなかったかということですけれども、お話のように、六月一日に報告を受けまして六月の十二日に立入検査をいたしております。
#152
○中林委員 私が伺っておりますのは、電離則の四十三条の「すみやかに報告しなければならない。」、こういう規定に違反しているのではないのかどうかということなんです、手続上の問題じゃなくて。
#153
○山田説明員 お答えいたします。
 失礼いたしました。四十三条では一・五レム以上ということであるわけですけれども、それを超えておりませんでしたので、先ほどお答えしたような認識をしていた次第でございます。
#154
○中林委員 ある一人は、体に被曝したのを勘定すれば、十二レム浴びているわけですね。だから、それはその時点ではわからなかったと思いますけれども、かなりそういうおそれがあるし、それからフィルムバッジの現像で千二百五十ミリレムというかなりの線量が検出されているわけですね。ですから、電離則四十三条で、その第一項には確かに「一・五レムをこえるおそれのある」、こういう規定があるわけですけれども、連絡そのものは非常に遅いというふうに思うわけですが、その点についての労働省の見解をお伺いします。
#155
○山田説明員 お答えいたします。
 確かに、速やかに報告のあった方がもちろんベターであるというふうに考えております。
#156
○中林委員 そういう速やかにあった方がいいと考えているとお考えになりながら、事実はそうでなかったという点で、これまた後で御質問さしていただきたいと思うわけですが、科技庁が六月十二日に立入検査をして、被曝者の追加健康診断を指示していらっしゃいますね、この追加健康診断を指示するのは、どういうときに、しかも、どんな内容のものをなさるのか、お答えください。
#157
○牧村政府委員 この健康診断の実施というのは、具体的には血液検査を引き続きやってほしいということを念のために指示したわけでございます。したがいまして、これは法令に基づく指示ではなくて、やはり健康管理の上から引き続き十分血液の白血球の増減等を見てほしいという注意を行ったわけでございます。
#158
○中林委員 そういう御注意をなさったという中身はわかりましたけれども、どういうときにそういう追加健康診断の指示を出すのか、その基準みたいなものをお答えください。
#159
○牧村政府委員 お答えします。
 このときの線量というのは、ポケット線量計で、先生御指摘のように一・二レムでございましたので、許容値に入っておったわけでございますが、中に作業者が何人かいて、ある人が線源の非常に近くにいたので、もっと受けているかもしれないというおそれがあったわけでございます。そういうようなことで、これは健康管理上、血液検査等を継続的に診ていった方が万全であろうということで指示したわけでございます。そのような実態を踏まえつつ、その後の会社における被曝がどうであったかというような調査を進めたところが、果たして十二ラド程度の被曝を受けたということをさらに発見いたしまして、わが方にことしの二月に実態を報告してきたわけでございますので、当初の放射線の記録から判断しますと、そこまでは予想されていなかったわけでございますが、この辺の健康診断の指示をしておいたということは、結果的には非常によかったというふうに私ども判断しております。
#160
○中林委員 労基署が科学技術庁と同じ日に立入検査を行っていらっしゃいますね、その立入検査を行われて改善勧告を出されたのが三カ月後の九月七日です。労働省としては、科技庁が六月十二日にこの防止対策及び事後対策を指示している、先ほどの追加健康診断もそのうちの一つなわけですが、そういうことを科技庁がやっているから、少しはのんびりしてもよいと判断されたのか。それからRI事業所の被曝事故後の改善勧告は、いつもその程度、三カ月くらいはかかるのかどうか、その点についてお伺いします。
#161
○山田説明員 お答えいたします。
 私ども、災害につきまして調査に参りまして、もちろん現場でいろいろな原因等につき、あるいは法律の関係等についていろいろ調査をいたすわけでございますけれども、今回といいましょうか、たとえばこのような線源の連結部の破損の結果として当該災害が起きているというようなことでありましたので、そういうことにつきましては、その原因の解明について会社に指示をする、あるいは署に対してそういう説明をさせるというふうな必要な指示もしているわけです。あるいはそういうことに関しまして健診の指示をするということもあるわけでございます。そういうような事後的な調査その他を会社に指示する、あるいはこちらで行うものも含めましていろいろと検討いたしまして、その結果、そういうものを総合勘案して、たとえば法違反の有無についてもチェックをいたしまして、それで是正勧告を行う、それが結果として、お話のように、九月にそういう勧告を行っていて、非常に遅いではないかという御指摘だと思いますけれども、私どもなるべく適正な調査あるいは指示をするということで、いろいろと検討を詰めなければいけないと思っております。
 ただ、いずれにしましても、こういう是正につきましては、できるだけ早く行うことがもちろん非常に重要なことでございますので、その点は今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#162
○中林委員 その場でいろいろ指示したとおっしゃっているわけですが、その勧告以前にどういう指示の中身があったのかという話を労働省に聞いたのですが、口頭でしたのだろうとか、そういうようなお話だったんですね。ですから、たとえばこういう指示をしたというような記録だとか、そういうものは全くないのかどうか。たまたま科技庁がその事情をよく聞いて、線源の近くにいた労働者がいたからということで追加健診をさせている。だからこそ、その人の異常な被曝というのが明らかになったわけですけれども、むしろ労働省側が労働者の健康管理だとか、そういうことをしっかり診ていただいて、そしてそういう健康診断などの指示をはっきりと記録に残るような形でなさるのが当然だというふうに私は思うわけなんです。
 いろいろ労働省の方でお伺いしましたら、労働基準監督署の監督官が非常に少ないというようなお話もあったわけですが、RIだけの監督をしているわけでもないのに、いろいろ危険な作業のすべての監督のために、全国で千八百人しか監督官がいない、こういう話もあるわけなんです。ですから、これは西野田の労基署が当たっていらっしゃると思うわけですけれども、そういうところにRIのための監督官が果たしていらっしゃったのかどうか、こういうことも非常に疑わしいというふうに思うわけです。
 ですから、そういう意味で私は、労働省側がむしろこういう監督官というのをふやして、十分労働者の健康を守る、あるいは労働できる条件をつくっていく、こういう立場に立っていただかなければならないのではないかというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
#163
○山田説明員 お答えいたします。
 御指摘のように、私どもが災害調査あるいは現場の監督に行きまして、いろいろと法違反等発見した場合に、それをなるべく適正な形で、必要に応じ、もちろん文書で是正を勧告する、あるいは指導するというようなことを総合的にやらなけければいけないということは、十分そういう考え方でおりまして、そのときどきの態様によって適正に処理してまいりたいというふうに考えております。
 なお、監督官の不足というようなこと、私どもから御説明をして非常に恐縮ですけれども、確かに、いろいろ業務量がふえている中で、監督官の増員というものが制限されている、これは全体的な行政の拡大と申しますか、そういうようなことについて非常に厳しい現状ですので、なかなかむずかしい点はありますけれども、そういう増員等については、できるだけ努力をしてまいりたいというふうに考えているわけです。
 それから、こういう専門的なことについて監督官が果たして対応できるか、その能力があるかというようなことにつきまして御質問をいただいたわけですけれども、私ども、監督官というのは、いろんな業務について、総合的、言うなればオールマイティーの能力を持たなければいけないというような立場に立っておりますけれども、やはり災害というようなものが最近非常に起きているということから、監督官の重点対象としましては、かつての一般労働基準から労働災害の防止に非常に重点を置いております。したがいまして、監督官の能力につきましても、たとえば監督官を採用するときに、そういう技術的なことについて専門的な勉強をしてきた方を採用するとか、あるいは採用後において、監督官について研修を行うというようなことにつきましては、日常いろいろと心がけております。
 それからさらに、当該監督署でなかなか処理し切れないというような専門的な事項があった場合には、局が署とともにそれにタッチをいたしまして、適正な処理をしていくというような工夫もしているわけでございます。
 いろいろ御心配をいただき恐縮でございましたけれども、そういうことで今後とも一生懸命やってまいりたいというふうに考えております。
#164
○中林委員 事、労働者の安全にかかわる問題ですので、努力をしていただきたいと思います。
 この事故について、科技庁の調査によりますと、その原因の一つは、五月四日の、ワイヤーと線源ホルダーの接続部分の点検が不十分だった、二つ目に、交流電源が切れていないのに、ランプが切れていたから手動で操作をした、三番目に、線源収納状況を示すランプの電池がなくなっていた、四番目に、線源収納のワイヤー巻き取り距離計の確認が不十分であった、五番目に、照射室出入り前後のサーべーメーターによる測定が不実行であった、六番目に、ポケット線量計不着用及び測定不実行、こういうのが挙げられているわけですが、これらの原因で障害防止法に抵触するところは、どこどこあるわけですか。
#165
○牧村政府委員 今回の事故に当たりまして、先生御指摘のような原因がはっきりしてきたわけでございますが、私どものただいまのところの見解では、法律の十七条それから施行規則の同じく十七条の「保管の基準」というのがございまして、当然、使用後収納すべき保管の義務というのがあるわけでございますが、線源の保管の基準に違反しておるというふうに考えております。
#166
○中林委員 当然、その十七条の保管の基準に抵触すると私も思うわけですが、さらに二十二条の「教育訓練」、これは処分は含まれていないわけですが、教育訓練が非常に不十分であったということにも私は抵触するというふうに思っております。
 さらに、科技庁にお伺いするわけですが、五月四日の線源ホルダー接続部分の点検が不十分であった、こういうことをおっしゃって原因の一つに挙げていらっしゃるわけですが、その裏はとれているのでしょうか。もしとれていれば、どういうものであるか、お答えください。
#167
○牧村政府委員 先生御指摘のように、照射装置の点検が十分に行われていなかったということは否めない事実でございます。こういう点検は一カ月以内ごとに行われていたことになっておるのでございますけれども、その後の調査によりましては、よくその点のことを知らない者が適当に書いたというようなことも判明しておりまして、いろんな点で、私ども、通常こういう放射性物質を使うときに行わなければいけない基礎的な技術あるいは知識が本当にあるのかしらというふうな、実に情けない現状においてこういう事故が起こっております。いろいろな原因等々を言ってまいりますと、条例には違反しないかもしれないけれども、きわめて情けない使われ方をした、その結果、従業者に被曝を与えているということになっておりまして、まことに遺憾でございますし、また私どももずいぶん注意したつもりでございますけれども、その後にまた同じような事故を起こしておる、非常に残念に思っております。
#168
○中林委員 労働省にお伺いしますが、電離則第十八条の五で、線源ホルダー固定装置や接続部の異常の有無を一カ月以内に一回、定期自主検査を行うことが、先ほどおっしゃったことなんですが、義務づけられている。ところが、先ほどおっしゃったように、この点検が不十分であった。科技庁はその点をお認めになっているわけなんですが、こういう手抜きの自主検査では、この条項の自主検査を行ったことにならないのではないでしょうか。
#169
○山田説明員 お答えいたします。
 定期自主検査につきましては、法令に基づきまして定期的に検査を行わなければいけないということになっております。それにつきましても、それが不十分であるかどうかという点につきましては、なかなか判断がむずかしいだろうと思うのですが、一応定期自主検査を行っていたというふうに聞いております。
#170
○中林委員 ここで、その判断が非常にむずかしいとおっしゃっているわけですが、改善勧告を出されるまでに三カ月たっている。現在、科技庁はその定期点検が不十分であったということはお調べになって、裏もとってはっきりしているわけですね。ですから、原因を調べるのは大変むずかしい、定期検査は確かに行っているけれどもと、このようにおっしゃっているわけですが、横の連絡というものは政府側では全くとれないものでしょうか。
 それで、さらに労働省にお伺いするわけですが、この事故の原因についてどういうところにあるのかとお伺いしたところ、電離則の五十二条の三、つまり「ガンマ線透過写真撮影作業主任者の職務」を定めた条項に抵触する、こういう説明があったわけですね。要するに作業主任者の職務不履行ということが原因だというふうにおっしゃったわけですが、原因の一つである科技庁の定期検査、自主検査が不十分であったことも私は十分あり得るというふうに思うわけなんです。ですから、労働省としてこの原因について、そこの辺までさかのぼってといいますか、原因究明をやられていないのかどうか。そしてこの原因を、いわば作業主任者に責任をおっかぶせていくのかどうか、その点の御見解をお伺いします。
#171
○山田説明員 お答えいたします。
 私ども監督指導を行います場合には、もちろん法令に基づきましてあらゆる観点からその調査をする、そして違反があれば、これを追及するということにしております。
 先ほども不十分という点の判断が非常にむずかしいというようなお話をしたのですけれども、要するに法違反を追及するというような観点からいきますと、構成要件に該当するかどうかというような点、いろいろむずかしい問題があるという意味で申し上げたつもりでございます。
 それから、作業主任者について職務の不履行があった、確かに原因としては、作業主任者がその職務を適正に行っていれば、この災害は防げたであろうというような場合がございます。そういう場合に、いまお話のように、作業主任者にすべて責任をかぶせて、事業者の方が責任を問われないということになるのかどうかというお話でしたけれども、これも刑事罰の適用でございますので、ケース・バイ・ケースで判断しなければいけないというふうに考えます。
 ただ、一般的に言えば、作業主任者がそういうような職務を適正に執行するということにつきまして事業者が十分な配慮をしていたかどうかということについては、当然やはり事業者の責任という問題がかぶってまいると思います。あとは、申し上げたように、ケース・バイ・ケースでいろいろと判断をしていくということになろうかと考えております。
#172
○中林委員 私は、いまの質問を一般的な話で伺っているわけじゃなくて、日立造船非破壊検査株式会社の事故についてお伺いしているわけで、ケース・バイ・ケースというお答えは、非常に納得のいかない感じがするわけなんですね。作業主任者の職務不履行ということを労働省側がおっしゃっているので、その点をちょっと調べてみたのですが、作業主任者の職務には「作業の開始前に、放射線源送出し装置又は放射線源の位置を調整する遠隔操作装置の機能の点検を行うこと。」、それから十七条一項、十八条の四の第一号、十八条の三、二十条の二項の点検確認、それから「作業中、測定器を用いて放射線源の位置、しゃへいの状況等について点検すること。」、それから第十九条の一項の点検、こういうのが含まれているわけですね。このうち十八条の四第一号、十八条の三、第十九条一項など、すべてその冒頭に「事業者は、」と、こういうことで始まっているわけですね。ですから、事業者の責任であるということは、もう明白だというふうに私は思うわけです。それからまた、作業開始前の装置の機能の点検だとか、あるいは作業中の測定者による点検、こういうことは教育の不十分さからきているのじゃないかということを思うわけです。
 ですから、事業者の責任もあると確かにおっしゃったわけですが、さらに私は、もちろん事業者の責任は非常に重大だというふうに思うと同時に、それを管理監督する労働省の責任もあるのではないかというふうに考えているわけですが、その点いかがでしょうか。
#173
○山田説明員 お答えいたします。
 説明が不十分で申しわけないと思いますが、法律上は事業者の義務が安全衛生法上すべて決まっておりまして、したがいまして、事業者に責任があるということは法令上明白でございます。私がケース・バイ・ケースと申し上げましたのは、こういう刑事罰を当てはめる場合に、その行為者がだれであるか、その犯罪といいましょうか法違反についての行為者がだれであるかというような実態に即応しまして、それに関連してどういう対象がその際この罰則なり法律上の違反を構成しているかというようなことでケース・バイ・ケースと申し上げましたが、基本的に事業者に責任があるということは当然でございます。
 それで、本件の場合について言いますと、私どもといたしましては、その作業主任者につきましての職務上問題があったという観点から、これにつきましては、是正勧告を交付して是正を強く迫っているというような措置をとりましたので、あわせて御報告申し上げます。
#174
○中林委員 次に、労基署の昨年九月七日の改善勧告の中に、教育の徹底、つまり作業基準を見直して、それに基づく教育をすることが含まれているわけですね、いまおっしゃったように。これは以前は十分でなかったということを労働省が認めたからだろう、こういうふうに思うわけです。科技庁も教育訓練が不十分だったことを認めているわけですね。しかし、障害防止法には最低基準が設定されておらず、おそまきながら今回の改正でやっと最低基準をつくるということになっているわけです。労働安全衛生法では五十九条で安全衛生教育を事業者に義務づけ、電離則五十二条の五でそれを具体化しているわけですね。違反した場合は労働安全衛生法百十九条で六カ月以下の懲役または三十万円以下の罰金という罰則規定もあるわけですね。労働省はこの規定に基づく行使を行う考えは、いまのところどうなんでしょうか。
#175
○山田説明員 お答えいたします。
 教育の指導につきましては、これも先ほどのお話とあるいは重複するかもしれませんが、法律に違反する事項があるかないかという場合と、法律に必ずしも違反してないけれども、安全衛生教育について本件の災害の防止という観点から言えば非常に必要ではないかというようなことで、安全衛生教育についてさらに十分行うようにというような指導はしてまいっております。
 先ほど罰則の適用というお話があったわけですけれども、昨年の災害につきましては、御説明しましたように、是正勧告というような形で処理をしております。
 なお、今回新しく起きました災害に関しましては、現在調査中でございますので、まだ確たることは申し上げられませんけれども、法違反が確かにあるということが指摘された場合には、これについて厳正な措置をとってまいりたいというふうに考えております。
#176
○中林委員 今度の事故で被曝者の一人は、ことしの二月二十七日に精密検査の結果、全身吸収線量換算で、先ほど言いましたように、ほぼ一万二千ミリレムの被曝という推定が出されているわけです。これはこの人の持っているフィルムバッジで測定されている千二百二十ミリレムの十倍の値なんですね。それで、局所は単純な推定でそれ以上のかなりの線量を浴びているはずだというふうに思うわけですが、その推定の局所の被曝線量はどの程度でしょうか。
#177
○牧村政府委員 フィルムバッジで千二百、ミリ強の被曝を与えたそのときの状況と、線源があったであろうと思うところとの距離的な事情等を踏まえて全身で十二ラドの被曝があったのではないかと推定しておるわけでございますが、局所だけにどのくらいの被曝があったかということにつきましては、いまのところまだ検討が行われておりません。データが出ておりません。
#178
○中林委員 多分検討していただいたところでも非常に強い被曝だというふうに私は判断せざるを得ないわけですが、この人の精密検査の結果、精液検査でも精子の一時的減少があって、本人がまだ若いだけにショックが非常に大きいのではないかというふうに思われるわけです。会社側のずさんさはもう明白なわけですが、会社側に今後の特別な健康診断だとか、こういう被曝を受けた人に対して誠意を持って対処するよう何らかのサゼスチョンをされる必要があるというふうに思うわけです。そのことについての科技庁並びに労働省の見解をお伺いします。
#179
○牧村政府委員 先ほどのお答えに若干不十分な点がございますので、まず、それを修正させていただきたいと思います。
 局所に大量の被曝を受けた結果、リンパ球であるとか染色体異常を起こしておるわけでございます。その変化を全身被曝線量で換算すると十二ラドという線量被曝を出しておるわけでございますから、局所に受けた量というのを、そういうリンパ球あるいは染色体異常の状態から判断しておりますので、ある意味ではこの十二ラドの中に含まれると申しますか、考え方の中に含まれておると私ども考えます。
 それから、不幸にしてこういう染色体異常が起きておる方に対しますこの後の科学技術庁の考え方ということにつきましては、われわれに報告される前に、産業医でございます病院から、科学技術庁の放医研に対しまして、専門医がいるものですからそこに相談をして、この浴びた線量等の想定等にも専門医が参画しております。そういう関係もございまして、この方に対しましては、引き続き、放医研等に常時専門医から連絡してもらうことはもちろん、場合によりましては、もうすでに行いましたが、精密検査を引き続き行うというような体制をすでにとって、その後の健康診断に万遺漏なきを期しておるところでございますが、幸いにいたしまして、染色体の異常が当初見られましたが、最近になりまして平常に戻りつつある状況でございます。
 なお、その後の影響等も慎重に考えなければなりませんので、先生御指摘のように、引き続き放医研の専門の先生にお願いいたしまして、自後の観察等を十分に行いたい、このように考えております。
#180
○原説明員 放射線障害を含めまして職業性疾病等の補償につきましては労災保険でカバーをしているところでございますが、その保険で給付する中身は健康障害の補償と労働能力の喪失の補償になっております。御指摘のような精子減少というようなものでございますと、いわばそのような健康障害という疾病というような形になっておりませんので、現在の保険の制度では補償されない形になっておるわけでございますが、このようなものについて、あるいは事業主の責任ということで民事上の賠償問題は考えられて余地があるのではないかということは十分検討の余地があろうかと思います。そういう意味で検討するにいたしましても、それは民事法上の賠償責任、請求権に基づくものでございますので、これは公権力を持った行政庁の介入すべきものではない、こういうふうに私どもは考えておりますので、そのような指導は差し控えたい、こういうふうに思っております。
#181
○中林委員 労災には当てはまらないということはわかるわけですが、大変なショックだと思いますし、今後も後々残る問題ですから、特に労働省にお願いしたいのですが、そういう精神的ショック、今後もずっと継続して放医研などで診ていくわけでして、その結果なども考えていただきまして、この方が救われる方向でぜひ検討していただきたいというふうに思うわけです。
 それから、この会社は科技庁と労働省が昨年六月十二日に立入検査をして必要な指示をされたにもかかわらず、ことしの三月の初めにも被曝事故を起こしているわけですね。しかも五十一年九月にも日立造船非破壊検査株式会社の築港工場で同様な被曝事故を起こしているわけです。ですから、よほどずさんな体制をとっている会社だ、こういうふうに言わなければならないと思うわけですね。ですから、この会社に対する厳重な処分をしないと、まだまだこれからもよけいな被曝事故を起こしていく、そういう可能性があるのではないかというふうに思うわけです。
 ですから、今後の対応、科技庁及び労働省、特に労働省では労働安全衛生法やあるいは電離則で司法警察権もあるわけですから、こういうのも行使されるのかどうか、そういうことも含めて科技庁及び労働省の今後の対応についての御見解をお伺いします。
#182
○牧村政府委員 先生御指摘のように、昨年の五月、また本年三月に、詳しく調べれば事情は違いますけれども、全く類似の放射線線源の扱いの不備から従業者の被曝を起こしておるという事実は否めないところでございます。私どもも、従来からこういうようなときに当たりまして、厳重に注意等をしておるわけでございますが、今回の場合には、その結果としてただいま御指摘のような大量の被曝もあったことにかんがみまして、私どもの現在までの調査した結果では、法律の十七条に違反しておると判断せざるを得ないという立場に立ちまして、しかるべき行政処分を行いたいというふうに考えておるところでございます。
 行政処分につきましては、その処分に当たりましては、聴聞を行いました上で所定の行政処分をする規定になっておりますので、近く聴聞の場を持ちまして、関係者の陳述も許して意見を求めつつ、行政処分のあり方を最終決定いたしまして行いたいというふうに考えておるところでございます。
 それから会社自身も、このような事故を起こしまして、きわめて遺憾であるということ、申しわけないということで四月一日付をもちまして社長が辞任する、あるいは重役の二人が譴責処分あるいは担当を外されるというようなこと、あるいは放射線取扱主任者の解任等の、自分自身における対策もとり、今後の改善を表明しておるわけでございますので、これらの結果と両々相まちまして、今後の体制の整備を図らせようというふうに考えておるところでございます。
#183
○山田説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、同じところで繰り返し災害を起こしているというのは、確かに私どもから見ましても非常に遺憾なことでございまして、これについては強力な指導をしてまいりたいというふうに考えておりますが、御指摘のように、現在調査中ですので、まだ詳しい内容についてここで申し上げるまでには至っておりませんけれども、法律違反というような事項がありました場合には、司法処理を含む厳正な措置をとりたいというふうに考えております。
#184
○中林委員 それでは、日立造船非破壊検査株式会社の事故の問題は以上でおきまして、今回の障害防止法を改正する目的の一つに、RIの利用実態とそぐわなくなったというのがあるわけですね、使用事業数を見ましても、本法施行時の三百四から昭和五十四年三月末には三千八百二十六と、実に十三倍にも伸びているわけです。昭和四十八年度にはすでに三千百五事業所と、もう十倍のラインを突破しているわけですね。ですから、この昭和四十八年の時点ですでに実態にそぐわなくなっていたというふうに思うわけです。この点について、要するにその実態にそぐわなくなった時点でどうしてそういうことにならなかったのかというのが一点。
 それから、放射線検査官の定数が現在政令で二十二人と定められて、実際は十八人しかいないということが御答弁の中であったわけですが、二十二人というのが決められたのはいつで、その以前は一体何人だったのでしょうか。
#185
○牧村政府委員 この法律改正がRI等の利用の実態にそぐわないから、多様になってきて、それぞれのさらに新しい規制を強化しつつ合理化を図りたいということで出しておるわけでございますが、この障害防止法の規制の態様のあり方につきましては、すでに十数年前からいろいろなことを検討してきたことは事実でございますが、それぞれのそのときの考え方が、それぞれの理由によりましてなかなかむずかしかったというようなことがあったわけでございます。今回、幸い考え出しました指定代行機関制度等をとりつつ規制の強化を図っていく、こういう案がやっと最近固まりまして法案として提出される次第になったわけでございますので、何とぞその辺の事情は御理解賜りたいと考えておるところでございます。
 また、二番目の検査官の定数でございますけれども、政令で二十二人で、現在任命しておりますのは御指摘のとおり十八名でございます。二十二名の定員になりましたのは、たしか五十年の時点であったかと思います。それまでは二十名で何年かきておったというふうに記憶しております。
#186
○中林委員 二十年ぶりに改正する法律の審議なわけですね、ですから私は、そのためにこの間の事故一覧の資料を要求したわけですが、昭和四十八年以降のものはまあ満足できる資料をいただいたのですが、四十七年度以前のものは資料の整理ができていなくてよくわからないという状態だったわけです。そこで、やむなく被曝関係だけでも拾ってほしいと頼み、それはいただいたわけですが、大臣、私は、これは科技庁がこの法律を軽視していた証拠ではないかというふうに思うわけなんですね。政府がRIに対する認識をもっと強く持っていたら、きちんと事故の資料の整理もできていただろうというふうに思うわけですし、これだけ事業数がふえてきたにもかかわらず、それに対する対応の仕方というのが非常に遅いし、お粗末だというふうに思うわけです。科技庁として反省すべき点があるのではないかと私は思うのですが、大臣の所見をお伺いします。
#187
○長田国務大臣 この面につきましてだけからごらんになりますと、あるいはもっと早くというような御批判もあり得るかと思うわけでございますが、科学技術庁の関係者の構えといたしましては、御承知のように、ここ数年来、原子力基本法の改正とか、その他いろいろな大変大きな問題々多数抱えておりまして、私は、関係者はそれらの問題に懸命に対応しつつ今日までやってまいったと思いますし、今日こういうような改正案というようなもので対処してまいるという点も御理解願いたいと存じます。
#188
○中林委員 重要なことは、先ほどの日立造船非破壊検査株式会社と同じように、この事故の一覧を見てみますと、二回も三回も事故を起こしている会社があるということなんです。たとえば中国X線という会社は、四十六年九月にイリジウムをなくして、拾った第三者六名に障害が発生するという被曝事故が起きたわけですね、そのとき科技庁から十五日間の使用停止処分と取扱主任者の解任命令が出ているわけです。五十三年八月には、同じこの中国X線という会社が、線源ホルダー脱落のため、また被曝事故を起こしているわけです。このときは装置改善命令を受けているわけです。科技庁及び労働省の指導責任も問われるというふうに思うわけですが、その見解をお伺いしたいわけです。
 その前に、これまで科技庁がこういった事故の中で一番きつい処分を出した事例、それは一体どれなのか、それから労働省がRIに関して一番きつい処分を出した事例、それぞれについてお答えいただいて、そしてこういう繰り返しているということに対する見解をお伺いしたいと思います。
#189
○牧村政府委員 先生御指摘の点につきましては、中国X線につきましては、最初の事故の際には行政処分を行ったところでございます。十五日間の使用停止というのを行ったわけでございます。それから二回目の事例は、未成年者を使い、しかも手指に被曝を起こしたという件でございますが、これは罰金刑等が行われておるわけでございます。
 そこで、私ども今後、こういうような事例に対しては、厳正な処分をもって行っていきたいということで考えております。
 先ほど御指摘のございました日立造船の件につきましても、同様に厳重な処分をしてまいりたいと考えておるところでございます。
#190
○山田説明員 お答えいたします。
 私ども、法違反等を追及いたします場合に、同種の違反を繰り返すというものについては、これは悪質ということで厳しい措置をとるという方針で臨んでおりますけれども、御質問の電離則に関しまして私どもが法違反として送検をした事例といたしましては、四十九年に十一件ございまして、五十二年に三件、これだけの送検を行っております。(中林委員「その中で一番厳しいのはわからないのですか」と呼ぶ)私どもの業務といたしましては、法違反があって、それが悪質な場合に、これを検察庁に送付をいたします。つまり送検をいたすわけです。実は私、いま手元には、それぞれの送検の結果を、検察庁でどういうふうにし、あるいは裁判所の方でどういう結果になったかという資料を持ち合わせていないのですが、私どもは送検をする立場ですので、いまお話のどの程度の、つまり送検の程度というのはもちろんないわけですから、それがどういうふうな処理の結果になったかということは、ちょっといまここでは持ち合わせていないので、お許しいただきたいと思います。
#191
○中林委員 非破壊検査に使う機器、とりわけガンマ線照射装置は、労働安全衛生法の個別検定とか型式検定の対象になっていないというふうに聞いているわけです。障害防止法の今回の改正では、RI装備機器について、設計承認、それから機構確認の制度を取り入れたということになっているわけですが、労働省も、労働者の安全を強化するために一定の改正をした方がよいのではないかというふうに思うわけですが、その点の改正の方向はないのでしょうか。
#192
○林部説明員 型式検定の問題でございますが、一般には安全衛生法の中で、危険または有害な作業に使われます機械につきましては、そういうものを定めるということはございます。一般的に対象になりますものは、所定の規格を具備しているか否かという判定が技術的にかなりむずかしいもの、そういうものの確認にかなり専門技術的な能力の要るような、そういうものについて行うという立場でございます。したがいまして、労働衛生関係の問題としましては、防じんマスクとか防毒マスクのようなものにつきましては、そういうような扱いをしているわけでございますけれども、このガンマ線照射装置の問題につきましては、そう高度のレベルのものではないというように判断をいたしておりまして、従前から型式検定のような形のものをとっていないわけでございます。
 今回の事故との関係で申しますれば、そういう型式の検定を行うということと今回の事故との間には、直接そういう差し迫った、型式検定を行わなければならないような理由があるというふうには、現在の段階では考えておりません。
#193
○中林委員 労働者の安全を守るということで、科技庁もチェックする、労働省もチェックするということになりますと、私は、非常に安全性が保たれると思いますので、今回の事故は関係ないというふうにおっしゃっておりますけれども、もう一度御検討いただきたいと思うわけです。
 大分時間が迫ってまいりましたので、あと二点だけお伺いします。
 原子力安全委員会のRI安全規制専門部会の「放射性同位元素等の安全規制のあり方について」と題する中間報告がことしの二月八日に出ているわけですが、これによりますと「被ばく線量の統一的な記録管理のためには、原子力発電所等のみならずRI事業所従業員を制度の対象に含めることが望ましいが、この場合、現行の登録制度の実績、記録の利用方法等についての検討を踏まえ行政指導による被ばく記録の登録対象の拡大が検討されるべきで、登録の法的強制については前進的に検討を進めることが適当である。」、こういう報告になっているわけですが、科技庁として、この意見に今後どう対処されるのか。記録の利用の方法等についでの検討ということは、個人のプライバシーを守ることを前提といたしまして、職務形態別だとか原発とRI事業所の違いだとか、こういうふうにしてデータ処理したものを公開する、こういうことも含まれているのじゃないかと思うわけですが、その点、お伺いします。
#194
○牧村政府委員 障害防止法関係の事業所で働きます従業員の方の被曝の管理につきましては、法令によります事業所の責任として計測し、その記録を保持する、その義務は事業者が負っておるわけでございますが、先生御指摘の、そういう個々の従業者が日本全体で集中的に登録管理されておるということはきわめて重要であると考えておるわけでございまして、原子力発電等にかかわるものにつきましてはすでに整備しておるわけでございます。そこで、障害防止法の関係では、非破壊検査を行っておる事業所につきましては、これは原子力発電所等にも随時立ち入っておりますので、すでにこの登録制度のかさの中に入って現在登録がされておるわけでございます。そのほかの事業所につきましては、まだ登録をしていないわけでございますので、できるだけ早い機会に登録制度の中に組み入れたいということで、現在その問題点について鋭意検討しておるところでございます。
 それから、この登録されましたデータをどう使うかという問題でございますけれども、個々の個人の被曝を公表するということは、先生御指摘のように、個人の秘密にもかかわることでございますので、絶対に行うべきではないというふうに考えておるところでございます。ただ、個人が私のデータを見せてほしいというようなときには、現在の制度では、事業所を通じて言っていただいておりますが、そういう場合を除き、個人のものは出したくないということで登録センターを指導しておるというところでございます。
 そこで、それではどういう方法でこれを利用し、あるいは公表するかという問題については、いろいろ現在検討を命じているところでございまして、センターで鋭意検討をしておるところでございますが、私の私見を申し上げれば、各被曝、たとえば一レム以下の人あるいは二レム以下の人というふうな段階的な被曝のごとに、日本全体で何人の方がこの範囲に入って被曝されておるというような分布的なこと、あるいは場合によりましては、先ほど先生も御指摘がありましたような、業種別のと申しますか事業別のと申しますか、あるいは作業実態別と申しますか、そういうようなものもどの程度加味できるかどうか、この点を今後十分検討いたしまして、定期的に、年に一度とかそういうことになるかと思いますけれども、公表していきたいというふうに考えておる次第でございます。
#195
○中林委員 時間が来ましたので、最後に、一問だけ大臣にお伺いするわけですが、今回の改正で機構確認業務だとか施設検査及び定期検査業務などを民間に委託できるようになっているわけですね、これは国が指定するわけですが、この指定機関に対する政府の監督権限規定は一応明記されていても、運用を誤れば公正さや厳格さを失って、大変な事態になるというふうに思うわけで、この点についての大臣の御覚悟をお聞かせください。
#196
○長田国務大臣 これらの問題の安全確保についての私どもの心構えは、民間の機関を指定してやらせるということについていささかも緩めるつもりは毛頭ございません。それによって習熟をさせ、能率を上げさせるという以外の何物でもございませんので、指定機関に対する監督等につきましては、一層よく心しまして、御懸念の点のいささかもないように進めてまいる所存でございます。
#197
○中林委員 終わります。
#198
○瀬野委員長 林保夫君。
#199
○林(保)委員 時間が全くないようでございますので、端的にお願いしたいと思います。
 今回の法改正は、先ほど来出ておりますように二十年ぶりでございまして、今日のRIの利用分野の拡大あるいは利用実態、事業者数あるいはまたその流通の量から申しまして遅きに失したというのが世論でございます。そうしてまた、これからさらに一層この分野の拡大が予想されておりますが、これらの見通しにつきまして大臣どのように御展望になっておられるか、この機会に一言聞いておきたいと思います。
#200
○長田国務大臣 相当専門的な具体的な問題になりますので、局長から御答弁申し上げます。
#201
○牧村政府委員 先生御指摘のとおり、最近におきますRIの利用分野の拡大あるいは事業所数の増加は、たとえば事業所数の増加に例をとりますと、数%ずつ増加しておるわけでございます。すでにその母体も四千事業所というふうな大きなものになってきておって、それが数%ずつふえていくというようなこと、また利用分野の拡大で申し上げますと、特に最近目覚ましいふえ方をしておりますのは、RIを利用したいろいろな分析計あるいは計測機器類が目覚ましい増加を示しております。それからもう一点は、疾病の診断、治療等に用いる利用、きわめて短寿命のラジオアイソトープの利用が進んでおりまして、これは障害防止法の規制対象外ではございますが、試験、研究等に使う場合の規制は当然障害防止法でございますが、非常にふえておるというようなこと、あるいは放射線を利用いたしましての利用形態と申しますか、発生装置の利用というようなものも逐次ふえる傾向にあるわけでございます。また、これらに伴いましてラジオアイソトープの輸送というものが、全国で非常に多量に、また回数が非常に多く行われるという実態が伴ってきておるのは当然でございまして、これらにつきまして所要の規制を行うに当たりましては、現在の障害防止法ではなお不十分な点が間々見られるわけでございます。その辺に着目いたしまして、規制の強化並びに合理化を図らしていただきたいという趣旨で今回この規制の改正案をお出しした次第でございます。
#202
○林(保)委員 お言葉のように、まさに強化と合理化をやらなければ新しい時代に対応できないと思いますが、先ほどこれからふえるであろうと言われましたRI装備機器でございますが、これについては、ユーザーは届出のみにして、メーカー段階における確認といいますか検査といいますか承認というのを徹底する、このようになっておると思いますが、どういうような確認をメーカー段階において手続の上でおとりになる方針なのか、具体的に細部にわたって承っておきたいと思います。
#203
○牧村政府委員 このRI装備機器につきましては、概念的に、機器の中で十分放射線を遮蔽できるものを選定いたしまして、それにつきましてそういう計測機械をまず指定いたします。その指定されたもののみがこういう装備機器の確認を受けられるようなものにするということがまず第一点でございます。
 そこで、そういうものに指定された機械であって、製造しておる販売業者が物をつくります際に、設計の承認をまずいたします。その設計の承認を得られたものを実際につくるわけでございますが、つくられた段階でその障害防止上の設計どおりになっておるか、また機能を十分発揮しておるかということについての機器の実機につきましての確認を行います。それに合格いたしますと、確認を受けますと一定の証紙を張ることを許すことにしております。証紙の張ったものであれば、使用者の方は今度は届出で簡単な手続で使ってよろしいというふうな仕組みで規制の合理化を図りたいということでございます。こういうような機器は、一つの設計で何十台もつくられて毎年売られておるわけでございますので、それをいままでのように、一台一台書類の審査だけで許可するというのは事務が繁雑でございますし、実物も見ないで許可をするというのはむしろ実態に合っていないと考えまして、このような制度を考えた次第でございます。
#204
○林(保)委員 設計の承認と実機の確認でございますが、これをどういう手続で、どういう機関で、どういうふうにおやりになるか、また証紙を張られて、その証紙の有効期限をどのようにお考えになっておられるか、あるいは耐用年数、そういったものもあろうかと思いますが、さらにもう一つ、ユーザーは届出だけでいい、こういうことでございますが、届出はどういう要件を満たす届出であるのか、ちょっと細部にわたってお答えおきいただきたいと思います。
#205
○牧村政府委員 現在考えております点につきまして申し上げますと、まず機構を確認いたしますあれでございますが、機構確認は科学技術庁長官が行う、しかし、もう一つ指定代行機関制度をつくりますので、それに行わせることができるようにいたしまして、その指定代行機関が指定されて行う間は科学技術庁長官は行わないということで、実質的にこの確認行為あるいは設計の承認等を指定代行機関に行わせるつもりでございます。
 それから、この確認の有効期間でございますが、それぞれの機器におきまして耐用年数が当然考えられるわけでございますので、有効期間といたしましては、耐用年数以下の適当な期間を技術的に検討いたしまして決めたいと思っております。
 それから、こういう機器につきまして、ラジオアイソトープを使うということで、ラジオアイソトープの半減期等があるわけでございます。そういう特殊性から、線源の入れかえというものが行われますが、私どものいまの考えは、線源の有効期間が切れたものは有効期間を過ぎたというふうなことでやりたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、最後のユーザーが届出を出す場合のあれでございますけれども、これは総理府令等でその届出の様式その他を定めまして、それに基づいて届出させる所存でございます。
#206
○林(保)委員 今回の法改正では、施設の検査とか定期検査の制度を設けておられますが、非破壊検査の事業所の場合は、これは移動いたしますので、どういう形の検査になるのか、立入検査あるいはそのほかいろいろあると思いますが、具体的にちょっとお答えいただきたいと思います。
#207
○牧村政府委員 今回の法改正で非破壊検査の事業所が受けるあれといたしまして、ある特定の事業所で施設をつくって、その施設の中で非破壊検査するような場合には、その施設のある一定レベル以上のラジオアイソトープを使うような場合には、従来の使用の許可に加えまして、施設の使用前検査、定期検査を受けることは当然でございます。
 それから、非破壊検査のうちもう一つの、先生ただいま御指摘のように、現場に線源を運びましてやるものにつきましては、法律の直接的な改正はございませんけれども、私どもとしては、それらの規制も十分行わなくちゃいけない、安全改良を十分に行わなくちゃいけないという観点から、取扱主任者の意見の尊重義務あるいは従業員の教育訓練を義務づける、こういうような制度を設けまして、特に働く人も認識しつつ安全を確保するという体制を確立していきたいというふうに考えておるところでございます。
#208
○林(保)委員 先ほど質問いたしました二点については、効率的実効あるやり方を実際上はやはりやっていただかぬことには、業務の渋滞そのほか来すおそれもあるかと思います。
 期限につきましては、これまたやはり人命にかかわる問題でもあろうかと思いますので、慎重に扱われるよう要望しておきたいと思います。
 それから、その指定機関による業務代行でございますが、先ほど来質問が出ておりました、しかし、なお改めましてひとつ総括的に、一つの法人に集中するというけれどもどういう法人であるのか、それはいつから発足するのか、その人数はどの程度のものなのか、全国的に出張所など展開するのかどうか、さらにはまた予算をどうつけるのか、それから最後にもう一つ、役員構成をどうするのか、天下りなのかそうでないのかを含めましてひとつお答えおきいただきたいと思います。
#209
○牧村政府委員 指定代行機関につきましては、法律上は試験を行うものにつきましてのみ法律で明定しておりますけれども、その他につきましても、総理府令等によりまして実態的には公益法人に行わせて業務の公正化を図りたいということを考えております。
 それで、代行の指定でございますけれども、一部を除きましては、やはりこういうものがいっぱいできるということは望ましくございませんので、これから新しい公益法人を一つつくりまして、そこに指定をいたしたいというふうに考えております。
 そこで初年度は、その準備に当たるわけでございますので、恐らく十数名の陣容でスタートするのではないかというふうに考えております。これはこれから、法律をお認めいただきましてから、いろいろ法人のあり方等もさらに詳しく検討していきたいとは思っておりますが、当初はそういうもので準備をし、来年度以降さらに充実していくという形になろうかと思います。
 それから、こういうものの機関の出張所等を置くかという御指摘でございますが、まだスタートしたばかりでございますから、はっきりした出張所等ということではなくて、各地方にその委嘱する者を、しっかりした方を支部と申しますか、そういうものを置くことは十分考えなくちゃいけないかと思っております。
 それから、予算的な面もこれから検討することでございますけれども、国の予算といたしましては、こういうものをバックアップするために施設の建設をいたしまして、講習を十分行えるような施設をまずつくりまして、これを無償貸与するとか、スタートに当たりましての準備の調査等に委託費を充てたいと考えております。
 それから、役員につきましては、公益法人でございますので、また、こういう技術的な検査、審査あるいは試験を行うわけでございますから、学識経験者を中心といたしまして、特に技術的に原子力の規制のよくおわかりの学識経験者を中心にして選定していきたいというふうに考えておるわけでございます。
 また、職員等につきましては、ある程度はこういう規制業務に堪能な者ということで、役人の経験者も何人かは入らなくてはいけないのだろうと思いますが、決していわゆる科学技術庁の下部機関への天下りを目的とするようなやり方でこれをつくる考えは毛頭ございません。(林(保)委員「発足はいつですか」と呼ぶ)法律をお認めいただきましてから直ちに設立準備に入りますので、ことしの秋ぐらいまでには何とか設立を図りまして、準備に取っかかりたいというふうに考えておるところでございます。
#210
○林(保)委員 それでは一つだけ簡単に申し上げます。
 厳重な徹底した安全管理をやらなければならぬ一方、また低レベル放射線廃棄物、しかもごく低レベルといいますか周期半減の関係にあるようなものなどを使って、一日あるいは三、四日たてばもう放射線の感知すらできないというような状況になるものが病院などでたくさんございますので、それにつきましては、先ほどの二月八日でございましたか、原子力安全委員会の答申の中にも、そのことについて処置を考えろということが出ておりますし、新聞報道などで見ましても、先般これは朝日新聞だったと思いますが、「ゴミ処理に悩むアイソトープ検査」ということで、一度レッテルを張られると、放射線を出さなくなっても特別な管理をしなきゃならぬ、これでゴミがたまる、しかも、それがまずいことにやみからやみへ葬られるという実態が一部あるやに聞いておりますので、これにつきまして、厚生省の方だと思いますが、どのような対応を考えておられるか、あるいはこの法律との関係においてどうお考えになっておられるか、承っておきたいと思います。
#211
○森説明員 先生御指摘のように、近年、RIの医薬品の使用量が著しく増大をしてきております。それに伴いましてRIの廃棄物量も増加をしてきておるわけでございます。これまでRI協会に処理をゆだねてまいっておるわけでございますが、貯蔵能力等の制約もございます。今後は私どもの方でも、RI廃棄物の処理のための用地の確保に努めるとか、あるいはまた放射性廃棄物の実態に即応したRIの管理体制、あるいは処理処分のあり方等々の問題につきまして、いま先生御指摘のようなことも踏まえまして、前向きに検討してまいりたい、かように考えております。
#212
○林(保)委員 時間がございませんので、これで終わりたいと思いますが、いずれにいたしましても、法体系を幾ら整備しても、魂を入れなかったらどうにもならぬと思います。しかもまた、人それぞれがやはりその立場立場でよく勉強して対応していかなければならぬ、こういう問題でございますので、これまた附帯決議を幾らいたしましても、附帯決議するような法律ならつくらぬ方がいい、こういうことだって言えると思います、しかし、なおわれわれみんな心配しておるわけでございますので、大臣の御決意を最後に承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
#213
○長田国務大臣 このたびの法律改正案の御審議を願いましたのは、最近の放射性同位元素などをめぐります情勢が過去二十年間大きく変化をしてまいりまして、その間、利用が大変多くなった、あるいは利用形態が多様化した、あるいは放射線防護につきましての国際的基準が大変整備されてきた、こういう情勢に対応しまして、一面では、規制の合理化を図りまして、いたずらに数だけをたくさんこなさなければならないというようなことから免れる、他面、必要な部面に対しまして規制を強化充実していく、そういうようなことを目指しましての改正案の御審議をお願いしているわけでございます。この法案が成立いたしましたならば、ただいまの御指摘の面につきましては、関係者一同十分留意いたしまして、さらに今後の情勢に的確にしっかりと対応してまいりたい、そのように考えておる次第でございます。何分よろしくお願いいたします。
#214
○林(保)委員 ありがとうございました。終わります。
#215
○瀬野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
#216
○瀬野委員長 これより討論に入るわけでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 放射性同位元素等による放射線障害の防止に閲する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#217
○瀬野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#218
○瀬野委員長 この際、本案に対し、塚原俊平君外四名から、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。塚原俊平君。
#219
○塚原委員 ただいま提案いたしました附帯決議案につきまして、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党・革新共同及び民社党・国民連合の提案者を代表して、その趣旨の御説明を申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    放射性同位元素等による放射線障害の防
    止に関する法律の一部を改正する法律案
    に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、放射性同位元素
 等の利用の多様化と拡大にともなう障害防止と
 安全の確保を図るため、次の諸点について適切
 な措置を講ずべきである。
 一 放射線障害防止に関する諸法令における規
  制基準の整合性について引き続き検討を行う
  こと。
 二 放射性同位元素使用事業所等における放射
  線障害防止及び被ばく管理に万全を期するた
  め、放射線検査官、国の管理体制を強化する
  とともに、各事業所及び運搬途上における管
  理体制の充実につき十分に指導すること。
 三 指定検査機関等については、厳正な業務実
  施が確保されるよう十分指導、監督を行うこ
  と。
 四 放射性廃棄物の安全かつ合理的な処理処分
  方法についてさらに検討を進め、その円滑な
  実施のための体制の整備に努めること。以上でございます。
 内容の各項目につきましては、委員会における審査の経過及び案文を通じて御理解いただけると存じますので、個々の説明は省略させていただきます。
 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#220
○瀬野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#221
○瀬野委員長 起立総員。よって、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。
    ―――――――――――――
#222
○瀬野委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#223
○瀬野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#224
○瀬野委員長 この際、長田国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。長田国務大臣。
#225
○長田国務大臣 ただいま放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御可決いただきまして、まことにありがとうございました。
 私といたしましては、ただいま議決をいただきました附帯決議の御趣旨を十分尊重し、放射性同位元素等による放射線障害の防止に万全を期する所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
#226
○瀬野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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