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1949/04/24 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 本会議 第45号
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1949/04/24 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 本会議 第45号

#1
第007回国会 本会議 第45号
昭和二十五年四月二十四日(月曜日)
   午前十時三十二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第四十三号
  昭和二十五年四月二十四日
   午前十時開議
 第一 証券取引委員会委員長及び委員の任命に関する件
 第二 農業金融疏通並びに農業協同組合育成強化に関する決議案(楠見義男君外十二名発議)(委員会審査省略要求事件)
 第三 結核予防対策確立に関する決議案(藤森眞治君外四十四名発議)(委員会審査省略要求事件)
 第四 社会保障制度審議会設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第五 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第六 電気通信省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第七 資産再評価法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第八 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関監視署及び税関支署監視署の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
 第九 電波法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一〇 放送法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一一 電波監理委員会設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一二 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、証券取引委員会委員長及び委員の任命に関する件。去る三月三十日内閣総理大臣から、証券取引法第百六十六條第二項の規定により、徳田昂平君を証券取引委員会の委員長に、島居庄藏君及び藤田國之助君を同委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。本件に関し、同意を與えることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#4
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本件は同意を與えることに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(佐藤尚武君) 日程第二、農業金融疏通並びに農業協同組合育成強化に関する決議案(楠見義男君外十二名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題といたします。本決議案につきましては、楠見義男君外十二名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り、委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。楠見義男君。
    ―――――――――――――
   〔楠見義男君登壇、拍手〕
#7
○楠見義男君 只今上程せられました農業金融疏通並びに農業協同組合育成強化に関する決議案は農林委員共同の発議にかかるものでございますが、発議者の一人としてその趣旨の説明をいたしたいと存じます。
 先ず決議案を朗読いたします。
   農業金融疏通並びに農業協同組合育成強化に関する決議
  農村不況の現状は誠に深刻である。現状をもつて推移すれば、わが国産業経済の全般にわたり極めて憂慮すべき影響を及ぼすのみならず、遂には日本再建の基盤たる農業の破滅をもたらすであろう。
  農村不況のよつてきたるところは種種あろうが、特に最近の資金梗そくに基く影響は一層これに拍車をかけている実情である。
  政府は、速かに農業金融に関して応急並びに恒久の対策を講ずるとともに農業振興の中核たる農業協同組合の育成強化方策の樹立実行に関し万全を期すべきである。
  なお、特に応急金融対策については今会期中に本院に報告するよう要求する。
 右決議する。
 以上の通りであります。
 本決議案の趣旨について詳細申述べますことは、勢い農村対策に関する政府の無為無策を強調せざるを得ないことになる次第でございますが、ここでは徒らにその無能を攻撃することが目的ではなく、むしろ駑馬と雖もこれに鞭つて、速かに当面応急対策の樹立実行を促進することが念願でありますから、(拍手)極く簡單に趣旨説明をいたします。
 農村不況の現状は、ここに私から改めて申上げるまでもなく、すでに諸君の親しく見聞せられる通りでありまして、現在の超均衡予算による財政政策或いは金融政策に伴う影響は、特に抵抗力の弱い部面に皺寄せられ、従つて農村の不況は一段と深刻でありまして、新憲法下においては曾て夢想だにできなかつた過去の農村子女の身売りすら行われんとしております。御承知のごとく、今日の農村不況の因由するところは極めて多岐に亘り、遡つては戰後の我が国再建方式たる重工業中心、輸出産業偏重傾向にまで及びねばならぬのでありますが、それはともかくとして、国内食糧自給の基地であり又国民の半ばを占むる農村社会の培養を怠つた結果は、輸出貿易の伸長が期待通り行かない場合において、滞貨を受れ入れるだけの国内購買力すらない。單なるこの一事例を以ていたしましても明らかなごとく、我が国経済の彈力性をも喪失せしめておるのであります。
 殊に又最近の供米報奬物資の値下り乃至滞貨問題の一例をとつて見ましても、この問題は一日も速かなる解決を切に要望せられておるのでありますが、これに関連する商工業者の影響も又極めて甚大でありまして、農村の不況はその周辺のよつて立つ地方中小都市は勿論、大都市の商工業者にも波及するところ大であり、これがため正に倒産に瀕しておる業者も決して少くない実情であります。過去において重税に苦しみ来たつた農村は、政府の説明によれば、本年度以降の税制改革によつてその軽減が約束せられておりまするけれども、明日の気安めよりも、現に今日更正決定に悩み、又政府しばしばの声明にも拘わらず、末端の税務機関の苛斂誅求や一方的割当課税は、明日の命を待たずして今日正に窒息せんとする有様であります。かくのごとくんば、やがて農村の、日本再建の基盤たる農業の破滅せんこと誠に火を見るよりも明らかであります。最近の金融梗塞が農村不況に一段の拍車をかけていることは、政府当局も夙に認められているところであります。
 昭和二十二年以降連年の風水害の復旧につきましても、農民は食糧増産の国家的緊要性を十二分に自覚いたしまするが故に、縣命の努力を盡しました。そうして又政府の補助や金融的援助を頼みとして、時には明らかな公約を信じて、無理な金融算段もみずから行いました。今日の各地方農業協同組合の資金膠着による窮状の一因も又ここに胚胎しているのであります。而も昨年度、政府が半ば公約した土地改良その他に対する約二十五億の見返資金融通の実績は驚くなかれ僅か七千万円という少額であり、又待望の本年度における見通しも又目下のところ不安であります。更に大蔵大臣が前国会において、又本国会において、重ねてその財政演説中に強調いたしました農林中央金庫の増資、資金拡充による農業金融の打開は、遂に未だにその実現を見ておりません。我々は政府の言明やその誠実を信じて、隠忍今日まで待機いたしたのでありますが、もはや今会期もまさに旬日を以て終らんとしており、而も一方、農村は金融面からも刻々と破滅に瀕している実情であり、すでは貯金の支拂停止をいたしました農業協同組合すらある実情であります。かかる事情の下において、又よくこの事情を知悉している筈であるのに、單に外面的な食糧需給の好転に目が眩み、食糧政策その他において徒らに且の無責任なる放言が一部に行われておりますることは、さなきだに農民の焦躁不安を増すのみでありまして、誠に心なき業と言わなければなりません。と同時に、我々の憤激に堪えぬところであります。
 次に農業協同組合の育成強化の問題についても同様であります。一昨年十二月、極東委員会からマツカーサー元帥宛指令せられました日本農民組織に関する諸原則、いわゆる農民組織十六原則の第十四項によれば、「日本政府は可能な限りにおいて、農業協同組合に対し技術的援助、助言その他のサービスを提供し、又組合が適正な條件で融資を受けることができるようにすべきである。」と述べられております。更に昭和二十年十二月、農地改革に関してマツカーサー元帥から日本政府に対し発せられた指令の中におきましても、「商工業に厚く、農業を軽視する政府の財政政策」が、「全人口の殆んど半分が農耕に従事しておる国において、長期に亘つて農業機構を蝕み来たつた害悪の顯著なるもの」の一つであると指摘せられ、従つてその故にこそ農地改革が指令せられたのでありますが、その指令中にも、耕作農民が「合理的なる利率にて長期又は短期の農家貨付金を利用し得ること」や、「農業協同組合運動を育成奬励」するための方策樹立が指示せられておるのでありまして、我が国農業再建の中核体とも言うべき農業協同組合の育成強化は、敢えて極東委員会の決定や連合軍総司令部よりの指令を持つまでもなく、我が国独自の立場から申しましても、又現下の農村不況打開の見地からいたしましても、極めて焦眉の急務であります。以上が本決議案を発議するに至りました理由であります。
 最後に一言附加えます。心なきところに政治なしと言われておりまするが、政府は真に農村を思う心がないのでありましようか。決してさようではないと思いまするし、又さようであることは絶対に許されません。我々はここに一片の誠意を持たれんことを切に望みまして、本決議案の趣旨説明を終りたいと存じまするが、本案に対し何とぞ諸君の御賛同あらんことをお願いいたす次第であります。(拍手)
#8
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
#9
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。
 只今の決議に対し農林大臣より発言を求められました。森農林大臣。
   〔国務大臣森幸太郎君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(森幸太郎君) 只今御決議になりましたことにつきまして一言政府といたして申上げたいと存じます。代表の楠見委員から今お述べになりましたお言葉の中において、政府は農業政策に対して無為無策であるという御批判があつたのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)曾て長い間農林行政に御経験をお持ちになつておる楠見さん‥‥、農業政策に対して現在政府は決して無為無策ではありません。(「その通りだ」と呼ぶ者あり)私は、或る一部にお話のような計画的な政策を今日立てる時代ではないのであります。併しその日暮しの政策はいたしておりません。今日、日本の再建に対しまして農業政策としてとるべき最善の政策をとつて、予算の上におきましても御審議を願つておるわけであります。御意見を然るべくいずれにも決しますが、決して政府はさような農業政策に対して誠意のない態度を持つておりませんことをここに表明いたして置きます。(「了解」と呼ぶ者あり)農村金融問題につきましては、発議者の方々に対しましては機会あるごとに十分政府の意のあるところを申上げておつた筈でありますが、本院で本日御決議になりましたので、一応政府として所信を明らかにいたします。今日の農村の行き詰りに対しましてはいろいろの原因もあります。併しながらお挙げになりました通り、金融の梗塞ということが最も重大なる原因となつておることは承知いたしております。この金融問題についてどうして解決するかということにつきましては、ただ單に政府だけの施策によつてこれを完全に行うことはでき得ないのでありまして、農村自体が今日の金融梗塞を打開するだけの努力を拂われることを政府としては要求するのであります。それは即ち、先ず政府として考えておりますことは、今お述べになりました農業協同組合の育成であります。今日の担保力のない農村といたしましては、農業協同組合の力によつて農業を経営するというそれ自体が担保力になるのであります。それ自体が信用を高めて行くのであります。農業協同組合の育成は、ここに政府といたしましては最も力を入れて参りたいと考えておるのであります。農業協同組合ができまして二年余りであります。この新らしき協同組合がすでに行き詰まるということは、過去における農業会からの悪い因縁に引きずられまして、農業協同組合が新らしき発足をしながら、新らしき地盤において立ち上ることができ得なかつた、足手を縛られておるということが、農業協同組合が僅か二年にして行き詰まるという批判を受ける段階になつておるのであります。これを一日も早く私は救い上げたい。それにつきましては、今御審議を願つておりまする農業協同組合法の一部改正法律案によりまして、協同組合自体の内容に自治検査を行わせ、又政府はあらゆる努力をいたしましてその協同組合の内容を強化し、そうして農業協同組合の信用を高め、以て金融を図りたいと考えておるのであります。御承知の通り農林中金が唯一の金融機関であります。この農林中央金庫法の改正におきましても、現在四億円の協同組合の出資を八億円に増加いたしまして、倍額に増加するという條件によつて、更に見返資金より二十億円の融資をいたしまして、そうしてこの農林中央金庫の信用を高め、金融の途を開きたいと今政府は努力いたしてあるのであります。(「間に合わぬ」と呼ぶ者あり)然るに農林中央金庫自体の出資が、四億円が八億円に未だにならぬのであります。私は一日も早く出資されて、そうして協同組合自体がみずからの力を高め、信用を高めるように私は努力して頂きたいと思うのであります。私は農林中央金庫のこの力によりまして、そうして長期の金融をいたしまして、そうしてこの金融梗塞をいたしておる農村の現状を救済して行きたい。それには何を措いても農業協同組合の強化育成が必要でありますので、あらゆる方面から協同組合の強化に努力いたしたいと考えておるのであります。尚お述べになりました見返資金等におきましては、成る程二十四年度におきましては、その予定の金額を融資することはでき得なかつたのでありまするが、二十五年度におきましては、相当の金額をこの土地改良等におきましても長期低利の資金において融通いたしたいと考えておるわけであります。決して政府は、最後にお述べになりました誠意がない、真心がないというお言葉でありましたが、今日、日本の現状から申しまして、その日本の再建の基礎をなすところの農村に対しましては、政府としては誠意を以てこの農村の振興に努力いたしたいと思つておることを御了承願いたいと存じます。(拍手)
   〔岡村文四郎君発言の許可を求む〕
#11
○議長(佐藤尚武君) 岡村君、何でしようか。
#12
○岡村文四郎君 私は只今の決議に対して、政府を代表して森農林大臣が所信をお述べになりましたが、私はこれに関連して池田大蔵大臣並びに青木国務大臣に質疑をいたしたいと思います。
#13
○議長(佐藤尚武君) よろしうございます。岡村文四郎君。
   〔岡村文四郎君登壇、拍手〕
#14
○岡村文四郎君 私は只今決議に相成りましたその実行について政府に質疑をいたしたいと存じますが、今から私が申上げますることは、それは農林大臣に聞くんでないかという疑義を持つと存じまするが、農林大臣にはしばしば聞いておりまして、本日は大蔵大臣、青木国務大臣にお伺いをする予定でありまするから、そのつもりでお聞き取りを願います。
 我が国の農業は今や世界の農業の一翼として立つて行かなければならないことに相成つたのであります。我が国の農業が始められましてから今日まで、我が国特有の零細農業であるのであります。この農業体系を以て世界農業に立ち向いますのには如何にして行けばよいかという、実に日本農業に課せられました今までにない一大事に立ち向つておるのであります。然るに不幸にいたしまして、日本の農業は一大不振に遭遇し、不況に向つております。只今御決議にもありましたようなことで、実に遺憾に堪えないのであります。その原因は種々あるのでありますが、大別いたしまして、一番重要で、それによつて農業が非常に窮境に陷つておりますその原因を二三取上げて青木国務大臣にお尋ねをいたします。
 先ず第一は、多年に亘りまして農産物の価格が生産費を償う価格でなかつたということであります。パリテイ指数の価格はただ勝手に付けて、農家の応ずるも応じないもなくて供出させられたのが、これが農業が今不振になつて参つた原因の一つの大きな問題であります。第二の点は、二十四年度に政府は日本の農作は相当の豊作であるというお見込で検査等級を引上げたのであります。ところがその後実收に至りまして非常に品質の惡いことが発見され、減收いたしたことが発見されたのであります。併しながら豊作を予想いたしまして決めました等級を何ら変更することなく踏襲いたしたのであります。そこで価格の基準になつております三等米以下の米が非常に多かつたのでありまして、九州の長崎県あたりは四等、五等が大方で、三等以上の米は殆んどなかつたということであります。そこで農家の方では基準価格以下でありますと一石当り八十四円の差額が生じて参るのでありまするが、それに対しまする損害は大きなものであります。又逆に政府はその安い米を買上げまして、そうして一、二、三等と一緒の価格にして需要者に配給をいたしまして、相当多額の利益を得たのであります。そこで單作地帶で最も農業経営の命の綱となつております早場米供出奬励金でありますが、これは前申上げましたように、これも等級の引上げと期限の短かかつたがために、殆んど目的が達せられなかつたのであります。そのために政府は奬励金といたしまして予算に計上をし準備いたしておりました七十億円の金は四十四億円しか必要でなかつたということであります。第三の点は超過供出価格の倍率であります。これが二十三年度と違いまして、二十四年度はその倍率の引下げを行われたのであります。そのための損害、これも莫大なものでありまして、又我が国の農業の基準価格が安いのを單作地帶では早出米供出奬励金と超過供出の奬励金でどうにか補つて来ておつたのでありますが、それがかようなことに相成りましたので一大欠損を生じ、実に経済に破綻を来す状態でありますが、かてて加えて二十四年度は所得税の過重になつたことであります。このことは大体において農家を崩壊に導きました原因でありますが、これは二十四年度に急に不況が現われましたが、これは二十三年度から不況を現わして来ておりました。それが二十四年度の今申しましたような実情で急に現われて来たのであります。この今まで申上げました責任は挙げて政府にあるのであります。本員は何と政府が答弁されましても、殊に青木国務大臣は物価庁の長官であります。絶対にこの責任を負わざるを得ないのであります。私は大きな党には属しておりませんが、四千万農民の代表のつもりであります。今申上げましたことについて十分に納得の行きます責任のある御答弁をお願いしたいと存じます。
 次は、協同組合育成強化についてでありますが、これは農業会を解体し協同組合を設立させて以来二年有半にしかならんのでありますが、基礎の弱い組合が多いのに、政府は何らの措置を指導もせずに、設立当時は徒らに干渉をして弱体化し、今日の不況に堪え難き組織といたしたのであります。これ政府の責任であることは明らかであります。安本長官は前同様の責任に対しまするお示しを願いたいと思います。
 次は、大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、実は残念なことには大蔵大臣は渡米の準備で御出席を願えません。政務次官が御出席されておりますが、納得の行く御答弁がないとしますれば、空席にはならないので次の大蔵大臣ができると思いますから、その大蔵大臣によつて十分な御答弁を願いたいと存じます。我々は農村金融につきましてしばしば大蔵大臣に要請を申上げて来たのでありますが、現在の農村金融の問題につきまして決定しておる対策をお示しを願いたい。森農林大臣は農村金融は農林中央金庫をして行わしめると言われておりますが、これはその通りでありまして、政府が如何なる資金を農村に流しましようとも、中央金庫をして融資することは当然であります。農林中央金庫は現在余力がなく、先般決定通過いたしております銀行等の債券発行に関する法律によりまして、援助資金を以て引受ける優先株による二十億の増資が得られれば、これに、この度の法律で決められております債券発行額の倍率が二十倍に増加されますと、今までの出資金四億円を今度四億円の増資をいたしまして八億円とし、更に援助資金による二十億の増資で、準備金などを合せますると自己資本額は合計二十八億二千万円余となるのであります。その二十倍の債券発行額は五百六十五億となるのでありまして、これより預金の年間平均残高三百八十八億一千万円と先に発行をいたしております農林債券十八億九千万円との合計四百七億を差引きまして、残額百五十八億円の債券発行力よりないことに相成るのであります。これにつきまして一番心配になつておりますることは、農林債券を引受けて呉れます場所なのであります。前に発行をいたしました債券は復興金融金庫で引受けられたのでありますが、復興金融金庫は御承知のようなことで、今度引受けて呉れます場所は預金部以外にないと思うのでありますが、大蔵大臣は如何に御決定になり、御準備になつておるか、承わりたいのであります。次は、農業協同組合が農業会から資産引継ぎにつき要した資金の中三十五億円は農村資金として絶対必要な資金でありますが、従来幾度か要請を申上げておりますが、如何に御準備になり、御決定になつておりますか、お伺いをいたします。次に、土地改良、小水力発電に要しまする資金を見返援助資金で二十四年度から要請をいたしておりますが、一銭も融資がなかつたのでありまするが、二十五年度第一・四半期におきましても決定を見ず、如何に相成つておるかということを十分にお伺いをしたい。実は繋ぎ資金を融資を受けましてどんどん工事は進められ、援助資金の出ることを待つておるような状態であります。一体如何相成つておるかということのはつきりした確答をお願い申上げます。次は、農業協同組合強化資金でありますが、これも大体百二十億円程度は絶対に必要であるのでありまするが、農業手形によりまする融資を差引きまして、中央金庫で農林債券を振出せることを確実として見まして、その額百五十八億、その他絶対必要な資金はあとに百億円あるのであります。その融資の途が開けるかどうか、これもお伺い申上げます。以上大体必要なことを申上げましたが、時間がありませんので誠に遺憾でありまするが、最近政府の態度を見ますると、食糧事情が輸入によつて緩和されたので、農業者や協同組合は顧る必要がないという感じを持つのであります。尤も政府はさようなことはないと言われるかも存じませんが、そう申されましても立派な証拠があるのであります。これは中小企業の方々が金融に非常にお困りになりまして、二月上旬立ち上がられ、そうして要請をされたのでありますが、政府は資金を市中銀行に預託をして金融の途を開き、又二十五年度には年間十二億の援助資金を流す計画を立て、第一・四半期分として三億円に融資をすることに決定をされておるようでありますが、これは中小企業者にとりましては誠に我我共に喜ばしいことでありまするが、我々農業に対しましては、二ケ年間要請をいたしまして、キユアリングの融資僅かに七千十万円しか見ないのであります。(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)一体、日本の政府は終戰後アメリカの援助を受けてますまで、一体誰のために命を繋いで来たと思つているのか、我々は了解に苦しむものであります。(拍手)又今、日本の農業者は昔の北海道のアイヌと同様に、土地の所有権が認められながら金融の遂に使う担保さえも認め得ることができないことになつておりますが、これの合理的な改正或いは十分な金融的措置を大蔵大臣はお考えになつておるか、お伺いします。
 沢山申上げたいことがありますが、時間がありませんので止むを得ないのでありますが、(「ゆつくりやれ」と呼ぶ者あり)ここで大体打切りたいと思いますが、私は今までここに立つて発言を求めたことはない者であります。今度は止むを得ず発言をするのでありますが、私の発言に対します答弁は、かようであるからできなかつたというような答弁は聞きたくないのであります。できなかつたら一体どうするか、そこまでお聞きしないと納得しません。私自分の考えを申上げますと、私はやるベきことができなくて自分の職責が勤まらなければ敢然として身を引く自信を持つております。これでなければいかんので、今の民主政治は何ということだろうということを考えておりますために、実は今まで立たんのでありますが、今日は止むを得ずして立ちましたから、十分確たる満足の行く御答弁を願いたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣青木孝義君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(青木孝義君) 岡村議員にお答えを申上げます。
 私に御質問の最初の所で、物価庁長官としてお前の責任のある点は、農産物価格について鉱工業生産品その他ともかくも他の物価との釣合いがとれていない、そういうことの結果として農村の不況が来ておるのである、殊に主食についてはパリテイ計算によつて計算をして、その方式に基いた結果が非常に価格が安い、そういうことが今日の農村不況を導いておる原因である、こういうふうにおつしやつたと存じますが、この点は岡村議員も御承知の通り、しばしばこの席からも御答弁を申上げましたように、パリテイ計算の方式が、これが完全なものであるというふうには我々も考えておりません。従つて日本の農業の状況というものから判断し、各種の異なつた條件の下にありますというような事柄から、パリテイ計算を採用せざるを得ないというような状態でございましたので、今日もそれを継続いたしておりまするが、この点については十分今後とも経済安定本部として検討を遂げまして、価格を定める場合には最も理想的な方法でやつて参りたいという考えを以て検討はいたしております。さようなわけで、従来しばしばお答え申上げました通り、パリテイ計算は今日も尚採用をいたしておる次第でございます。勿論このことから農産物の価格と鉱工業生産品等についての価格の調和というか、或いは均衡というか、そういうことについても我々は努力を続けておる次第でございまして、できるだけ調和を図つて参りたいと存じております。更に農業金融の問題について、農家経済の安定の強化につきましては、経済安定本部は勿論のこと、政府といたしましても国民経済上極めて重大でありますることを深く承知をいたしておりますので、二十五年度におきましては御承知の通り約百五十七億円を公共事業費として見積り、御承知のように数字を簡單に申上げますれば、土地改良としては約三十三億円、農業施設災害復旧といたしましては約七十二億円、それから更に開拓事業にいたしましても約五十一億円というように多額に見積つておりまするが、これでも決して我々は十分だと考えておるものではございません。更にこういう点についても一段と努力をいたしまして、その目的を達したいと考えておる次第でありまするが、農地の改良造成であるとか、災害復旧を行なつて、農業生産の基盤を確立するということにいたしますことについては、我々として少しもこれに吝かなものではございません。一層努力をいたしたいと存じておりますが、特に災害復旧費は支出の促進を図り農村資金の緩和を図つております。又金融面におきまして、対日援助見返資金について、昨年度におきましては御承知の通りキユアリングについては七千十万円しか出ておりません。その外、農林省からの要求として大蔵省から先方に出しましたけれども、これは実際には要求を出しました部分もございますが、これも出ておりませんものがございます。従つて二十四年度においては我々の目的は達せられませんでした。併しながら今年度におきましては是非見返資金をできるだけ多く土地改良とかその他農業関係に支出することに努力をいたしておる次第でございます。尚、農林中央金庫の優先株二十億円を引受けて農林中央金庫の債券発行を増加し、これによつて農業金融の疏通を図るよう努力いたしておる次第であります。尚、農業協同組合の運転資金の逼迫につきましては、報奬物資等滞貨の処分、日本銀行の金融措置等によりまして、農業資金の疏通を図るように鋭意研究し、努力をいたしております。農業協同組合運営に対する主務官庁の適切な指導と相待ちまして、農業並びに農業協同組合の健全なる発展を期しておる次第でございます。(拍手)
   〔政府委員水田三喜男君登壇、拍手〕
#16
○政府委員(水田三喜男君) 御質問にお答え申上げます。
 政府の農業金融に対してとろうとしておる措置についてでございまするが、先ず第一が農業手形制度の活用でございます。農家の肥料その他の営農資金の供給を図るために昨年度利用された額は全部で百六十億円でありますが、本年度は少くとも二百五十億円くらいの資金調達が行われるのではないかと予想されますが、これについては十分の自信がございますので、農家の営農資金について差支えを與えるようなことは今年度はないつもりであります。それから昨年度とつた処置としまして、十二月から丁度今年の三月にかけての最も金融梗塞がひどかつた時代に対処する方法としまして、先ず政府の国庫の金を六億二千万円、預金部資金を四億五千万円、閉鎖機関の余裕金を七億二千五百万円、合計約十八億円を農林中金に預託して、そうして農業金融に対処した。これは非常に昨年有効でございましたので、本年も更にこういう方法を積極的に行なつて、その時期々々におけるこの農村金融その梗塞を緩和したいと考えております。以上は大体流動資金の問題でございますが、この際、長期資金の調達を図る必要がございますので、これは先程農林大臣や安本長官から述べられましたように、この国会で通過いたしました金融機関等の金融債発行に関する法律、この法律に基きまして、先ず農林中央金庫が自力によつて四億円を増資し、政府は見返資金によつて二十四億円の優先株を引受けて、合計二十八億の資本に殖やしまして、少くとも今年中は金融債を六十億円くらい発行したい。そのうち今のところ五十億円ぐらいは預金部資金で引受けるつもりで折衝中でございますが、まだこれは全部決定には至つておりません。併し必ずこれは預金部資金で引受けることに成功したいと確信を現在持つております。仮にこれができなくても、国債償還という手がありますので、この国債償還にからんで必ずこの農林債は消化させる、こういう見込は現在立つておりますので、この点については本年度から画期的な新生面が開かれるのじやないかと考えております。
 更に農業協同組合の問題でございましたが、これはこの際、農業協同組合については、事業の整理と合理化につき相当根本的な対策を立てなれればならん時期に来ておると思いますので、政府としましては、中央、地方にこの対策協議会を設けまして、この問題の検討に入ると同時に、それと併せてこの農業協同組合の金融策について根本的な方針を立てる、そうして農村金融の、農村行政の刷新を図りたいという意図を以て現在鋭意この問題を研究しておりますので、これがまとまり次第我々の方針を直ぐに御発表いたしたいと存じます。(拍手)
     ―――――・―――――
#17
○議長(佐藤尚武君) 日程第三、結核予防対策確立に関する決議案(藤森眞治君外四十四名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題といたします。本決議案につきましては藤森眞治君外四十四名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。藤森眞治君。
    ―――――――――――――
   〔藤森眞治君登壇、拍手〕
#19
○藤森眞治君 只今議題となりました、結核予防対策確立に関する決議案につきまして、発議者を代表いたしまして提案の趣旨を御説明申上げます。
 先ず案文を朗読いたします。
   結核予防対策確立に関する決議
  わが国における結核のまん延は、長期にわたり戰時状態の非常な悪條件に曝されたため今なお極めて優慮すべき現状にある。即ちその患者数は百数十万にのぼり、死亡数は年間十四万の多きを算え、欧米文化諸国の五、六倍に達している。
  結核が患者及び家族に與える精神的、物質的苦痛は言をまたないが、これがひいては、国家経済に甚大な損失を及ぼし、文化国家の再建に一大障害となつている。
  最近結核の死亡率は、徐々に低下のすう勢にあり、この際政府が強力な予防対策を講ずるならば、今後五ケ年乃至十ケ年の間に、世界の最低水準にまで、その死亡率を低下せしめることも不可能ではない。
  よつて政府は、療養所等收容施設の整備拡充、自宅療養者に対する医療と保護の徹底並びに保健所機能の強化と予防接種の普及等、一切の結核予防施策の急速な実現に全力を傾倒すべきである。
  これがためには、結核予防法の根本的改正を要することは勿論、近く確立される社会保障制度は、特に結核予防事業の遂行に必要な方途の講ぜられたものでなければならない。
 右決議する。
 以上が決議案文でございます。この決議案の趣旨を簡單に申述べたいと存じます。
 我が国におきまする結核の死亡率は、過去におきましては大体人口一万につきまして二十人台の多い水準にありましたが、その後結核予防事業の発展に伴いまして十八人乃至十九人台に低下させることができたのでございますが、長期に亘る戰争状態の悪條件により再び二十人台に高騰いたしまして、大戰末期の昭和二十年度におきましては二八・二人という未曾有の数字を示しまして、極めて憂慮すべき状態にさらされたのでございます。現在我が国の結核の蔓延状況は、年間死亡者が十四万五千人となつておりますから、結核患者の総数は最低死亡数の約十倍と見られておりますので、凡そ百五十万人と推定されるのであります。ほぼ五十人に一人乃至は十世帶に一人の患者がいるということになるのであります。終戰後社会秩序の回復と生活條件の向上に伴いまして、結核の死亡率も人口一万に対し十八人台に減少して参りましたけれども、依然として我が国死亡数の最高位を占めて、国民病としての特質を持続しております。欧米の文化諸国におきましては現在結核は非常に減少しております。統計を見ますると、今より三十年或いは四十年ぐらい前にはいずれも二十人台を示しておりました。我が国の現在よりももつと結核が多かつたのでございますが、いろいろ予防事業に努力しました結果、アメリカは三人台、英国は五人台、デンマークは三人台という工合に、我が国の十八人台の現状と比較にならない程の低率に到達して、すでに結核根絶も必ずしも架空のことではないという状態になつている次第でございます。かように外国の結核予防に成功いたしました事例を見ましても、我が国には何か足りない予防上の隘路があることが窺われるのでございます。結核が長期を要する慢性疾病であるという特質から、患者及び家族の負担する精神的又は物質的の苦痛は到底筆舌に盡し難いものがございます。問題は個人にとどまるものではございません。結核の最も恐るべき特質は、その社会的疾病であるというところにあります。結核が貧困の原因となり、失業の理由となり、精神的には社会を荒廃に導き、実質的には国家社会に與える経済的損失も又莫大なものであると言わなければなりません。殊に年齢的に見まして、二十歳から四十歳までの生産年齢にある社会層の死亡の割合が四十人内外にあることは誠に憂慮すべき事実でございます。專門的な計算によりますと、結核により治療、療養に要する費用の年間損失はほぼ四百五十億円に上りまして、罹患中の生産能力の低下による年間損失は、本人が五百億円、家族関係が五十億円、総計一千億円と計算されております。
 結核予防に関する事項といたしましては、收容施設の増設完備は勿論、生活の改善、予防接種の実施、健康診断の普及と事後措置の徹底、在宅患者の療養指導と保護、予防思想の普及等がその主なるものでございますが、我が国の現状は、現在要請されている予防活動の最小限度をさえ満足させているとは言い難い状態でございます。結核患者に対しまして適正な治療を加え、併せて開放性患者の隔離を行うために、結核療養所、結核病院等の結核病床を整備する必要があるのでありますが、これは保健所の問題と相待つて結核予防施設として最も重要な点でございます。結核病床の数は理想といたしましては年間死亡者数の二倍くらいが望ましいのでございますが、予防対策を効果的に実施いたしますためには、少くもそれと同数が必要であるとされております。昭和二十三年度におきまして、結核死亡者数と病床数とを対比して見ますると、死亡者一〇〇に対し、病床は四一・六、そのうち国立の病床だけでは二七・八でありまして、欧米諸国の病床率と比較いたしますと、アメリカ一三〇、英国一〇〇、デンマーク一八〇等の比でありまして、我が国の四一・六は甚だ低率であることを示しているのであります。結核患者の療養のためには、入院加療が患者の治療の上からも伝染源の面からも理想であることは言うまでもありませんが、百五十万人の結核患者に対して療養施設は現在僅かに七万床に過ぎないのでありますから、所要目標の病床が整備されたといたしましても、尚九〇%以上の患者が自宅にあつて療養し、又は生活維持のために無理と知りつつ就業している状態であります。従つてこれらの在宅患者の正しい療養及び家族の感染防止のために、その療養と保護の徹底が結核予防上極めて重要な事項ということになるのでございます。結核予防を効果的に実施いたしますためには、保健所は人口十万について一ケ所、各保健所には最少限度結核專任の医師が二名、保健婦六名を必要とするのであります。従つて全国に約八百ケ所の保健所と千六百名の医師、四千八百名の保健婦を必要とするのでありますが、現在の保健所の数は六百八十九ケ所、結核專任医師は九百三十三名、保健婦は二千四百二十二名となつております。而もこれらは予算定員でありまして、現実には給與が不十分でありますために、この定員さえ充足しておらない状態でございます。結核予防接種や健康診断も、特定年齢、特定対象については格別の努力が行われて来たようでありまするが、広く国民全般を対象として考えますときには、まだ不十分であると言わなければならない状態でございます。又国の予算の面よりこれを見ますると、現在国が結核に投じております経費は二十三億で、これに生活保護法と政府管掌健康保險の政府負担金中結核に関する医療給付を合算いたしますと約三十七億円になるのでありますが、そのうち積極的予防対策に支出される経費は僅かに一億一千万円程度に過ぎないのであります。これらは、結核対策が公衆衛生対策上最も重要な問題であるばかりでなく、社会政策上から言つても、国家経済の再建対策の上から見ましても、第一に取上げてその解決に全力を挙げなければならない緊要な問題であることを示しておるのであります。
 現在我が国におきまする近代医学を基礎といたします結核に対する予防技術は、これを高度に活用いたしますると、結核患者を五ケ年乃至十ケ年の間に半分に減少せしむることは決して困難でないとされておりますから、結核の予防はやればできることであります。これを実行するだけの十分な熱意と努力によつて解決される問題でございます。国家の結核予防対策というものは法律制度の上に現われるものでありますから、この際、結核予防法の画期的改正を要することは勿論でありますが、近き将来において確立される社会保障制度は、特に結核予防事業の遂行に必要な方途の講ぜられたものでなければならないと考えるのであります。今日我が国におきまする結核予防事業遂行上の隘路を打開して、強力な対策を樹立して、国民が相協力して積極的にこれを実施することは、結局国家再建と国民の幸福をもたらすものと信ずるのであります。
 以上がここに国会の強力な推進力として結核予防対策確立に関する決議案を発議いたしました趣旨でございます。どうぞ満場の皆樣の御賛成をお願い申上げたいと存じます。(拍手)
#20
○議長(佐藤尚武君) 本決議案に対し討論の通告がございます。発言を許します。帆足計君。
   〔帆足計君登壇、拍手〕
#21
○帆足計君 只今決議案を御提出なさいました藤森先生はお医者樣でございまするが、私は全国百五十万の結核に悩める患者の人達を代表いたしまして、この決議案に賛成の意見を述べ、又皆樣にお礼を申上げさせて頂きたいと存じます。
 先ず第一に、厚生委員会の各位並びに同委員会のお申合せによつてできました結核対策小委員会の皆樣の一方ならぬ御努力に対しまして深く感謝をいたす次第でございます。これを以ちまして結核対策に対する諸般の具体的施策が明らかになり、ここに皆樣全会派一致の御要望を担いまして結核対策緊急決議案が本日の会議に上程されるに至りましたことを、私共深く喜び、お礼を申上げる次第でございます。
 結核が如何に苦痛に満ちた、そうして一たび手遅れになるならば、如何に悲惨な疾患であるかということは、皆様の夙に御了承されるところでございます。かく申す私自身、高等学校の一年生のときに、スポーツの選手として過労のため、過労と栄養とのアンバランスのために、突如として喀血いたしまして、爾来二十余年に亘りましてこの病気の苦しみを味わつて来た者の一人でございます。而も皆様、今や結核病理学の進歩によりまして、結核の予防、早期の発見並びに各種治療法、更にはストレプトマイシンその他の化学薬品の発明によりまして、すでに結核の惨禍を人類の歴史の上から駆除し得る段階に到達いたしましたにも拘わらず、そうして欧米諸国におきましては、諸君の熟知せられるようにすでに結核はいとも小さな疾患になつておるにも拘わらず、敗戰日本の現状は未だ惨澹たる状況でございます。今日国民生活の窮乏と、それから結核の予防、特に早期の発見並びに治療に対する政府の施策の貧困と、又私共にとりまして最も重要なことは、結核の予防と早期の発見と、早いうちに適切なる治療を講ずることと、これらのことに対しまする国民指導層のこの問題に対する無智と、私共国民一般の無智無自覚のために、ややもすればすべてが手遅れになり、結核は我が国に依然として惨澹たる状況でありますことは、皆様お身の廻りに御経験の通りでございます。現に私のごとき一応みずから知識人として自認しております者が、而も二十余年に亘りまして鬪病の経験を持ちながら、尚その治療におきまして最も有効でありますところの気胸療法をすら知らず、一昨年再び病が爆発いたしまして、大患に罹り、初めて気胸療法を受けるに至りましたような状況でございます。気胸療法と言えば、私は少くとも数ケ月入院を必要とする大手術ぐらいにしか考えておりませんでした。このような認識不足でございました。幸いにして今日、隈部博士、宮本博士その他の御著書によりまして我々はいたく啓蒙され、眼を開きまして、そうして只今私個人といたしましては、寺尾殿治博士によりまして、一週間に一度ずつ胸廓に空気を入れて頂きまして、そしてこの通り登院いたし、街頭に立つて演説し、且つ人の倍くらい活動もいたし、漸くにして安全地帶に到達したのでございます。もとより長期の経過を辿りますこの疾患に、他の一切の慢性の病気と同じように、精神の安定ということが如何に重要な要因であるかということは、これは申上げるまでもないことであります。その面につきましては、深い信仰、優しい心、固き修養等が必要であり、心の安定ということが如何にこの病気の治癒の過程において必要であるかということは、皆様も十分御諒知下さることであろうと存じます。併しながらそれと共に、結核に対する政府並びに国民の正確なる科学的認識と、手遅れせざるところの措置が如何に重要であるかということ、そして又結核というものが社会的疾患であつて、伝染的性質の疾患であるというところから見ましても、如何に科学的な措置が、科学的施策の充実が必要であるかということも又当然のことでございます。
 本日の緊急決議に引続きまして、私共は厚生委員会の御努力によりまして、この緊急決議の御趣旨、内容並びに只今の藤森先生の御提案理由を、一日も早く具体的施策として細目化され、これに必要にして且つ十分なる予算が次の議会に提案され、皆様の御協賛を受けますことを私は確信いたし、又お願い申上げる次第でございます。
 右に関しまして、私は自己の体験から、先ず第一に結核に対する対策としては、予防並びに早期発見の必要を痛感いたすものでございます。手遅れをしてはなりません。治癒のためには一年に一度必ずX光線の透射をしなければなりません。若い夫婦の方が出発いたしましたときには、その結婚の記念日ごとに必ず透射をいたさなければなりません。結核は、單に自覚症や、咳や、熱などによつて判断できるものではございません。客観的なX光線による透射のみが只今では唯一の診断になつておることを、どうか御了承願います。第二には、これらのための各種の治療施設の充実でございます。第三には、恢復期の患者、特に治癒後の患者の人達に対していわゆるアフター・ケアと申しますか、事後の保護の施設を考えて頂きたいのでございます。第四には、現在結核に対しましてすばらしい効能を発揮しておりますところのストレプトマイシンその他の化学薬の増産に一日も早く着手して頂きたいことでございます。第五には、更に一歩を進みまして、結核完全撲滅のための化学薬の完成に努力し、又これを助成して頂きたいのでございます。最後に私はお願いいたしたいのは、お医者様並びに国民各指導層の方々も含めまして、国民大衆の正しき啓蒙教育ということが極めて必要であると思います。これらの六点を私共は自己の体験から強調いたしたいと思います。
 私は全国百五十万の同じくこの病に苦しむ療友諸君の願いを代表いたしまして、同僚議員諸君が満場一致この決議に御賛成下さいますることを心からお願いいたす次第でございます。私達は更に今後結核対策に関する專門家の方々や、これに対して理解ある方々や、みずから鬪病の苦しみを嘗めつつある参衆両院議員の同僚達を組合いたしまして、結核対策議員連盟を結成すべく、その世話人会をすでに準備いたしました。然る上に皆様と十分な御連絡をいたしまして、更に次の議会におきましては、厚生委員会の各位の御努力によりまして、この実施の具体的細目を掲げ、これに必要なる予算につきまして皆様から絶大な御賛同、御理解を願いまするようにお願い申上げまして、本決議案に対しまする賛成の言葉といたしたいのでございます。(拍手)
#22
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
#23
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)
 只今の決議に対し、厚生大臣より発言を求められました。林厚生大臣。
   〔国務大臣林讓治君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(林讓治君) 参議院におかれましては、今国会開会の当初におきまして、厚生委員会内に結核予防対策確立に関する小委員会を設置せられまして、長きに亘つて結核予防に関する方策を御研究の結果、本日院議を以て結核予防に関する御決議をなされましたことは、政府といたしましてもその御努力に深甚の敬意を拂いますと共に、感謝に堪えないところであります。我が国におきまするところの結核蔓延の状態は、御決議及び御説明の中にあります通り、近時漸く患者の減少を見つつあるとは申しましても、昭和二十四年におきましてその死亡率は実に十四万の数に達して、その患者の数は百四五十万と推定をされておる有様でありまして、欧米文化諸国のそれと比較いたしますときは、その死亡率はその五、六倍に達しておりまして、これがために国民に精神的物質的に苦痛を與えるにとどまらず、国家経済に甚大なる悪影響を及ぼしまして、国家再建の一大障害となつておることは明らかでありまして、政府といたしましてもその予防と撲滅につきましてはかねてより全力を注いでおるのでありますが、不幸にいたしまして未だ御指摘のように十分であるとは私共も考えられぬのであります。今回の御決議に盛られました御趣旨は誠に時宜に即した適切なる方策と考えまして、政府といたしましてはその御趣旨を十二分に体しまして、各般の結核対策を総合的、集中的に実施いたしまして、結核の予防撲滅に全力を盡したいと考えておるわけであります。どうかこの上とも諸君におかれましても御協力をお願いいたします。(拍手)
     ―――――・―――――
#25
○議長(佐藤尚武君) 日程第四、社会保障制度審議会設置法の一部を改正する法律案、日程第五、恩給法等の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。
   〔河井彌八君登壇、拍手〕
#27
○河井彌八君 只今議題となりました社会保障制度審議会設置法の一部を改正する法律案及び恩給法等の一部を改正する法律案、この両案につきまして、順次内閣委員会における審議の経過及び結果を御報告申上げます。
 先ず社会保障制度審議会設置法の一部を改正する法律案について申上げます。
 この審議会は、米国の社会保障制度調査団から、社会保障に関する企画、政策決定、法律の制定等の点につきまして、国会並びに政府に対して勧告をなすために、内閣と同列の諮問機関を設けるという勧告が日本政府にせられました結果、一昨年法律を以てこの審議会が設立せられたのであります。それで、この審議会は総理府の附属機関となつておるのでありまして、その組織は、国会議員の中から十名、学識経験者から十名、社会保障制度に関係のある民間団体から十名、関係の各省庁の官吏から十名、合計四十名の委員を人選してありまして、一昨年の五月から発足いたしたものであります。この審議会は、その発足後の経験によりまして、当面するところの社会情勢が必要とする権威ある総合的な社会保障制度の体系を確立するためには、どうしてもこの審議会に事務局を附設することの必要を痛感いたしたのであります。そこで政府に対しまして事務局の設置を要望して参つたのであります。これに対しまして政府は、今後社会保障制度の一層の充実強化を図ることを必要といたしまするので、やはりこの事務局を設置するということを決意いたしまして、そうしてここに法律案を提出したのであります。この改正案を見ますると、只今申しました事務局を設置する事柄の外に、もう一つこれは簡單なことでありますが、今日の会長、副会長及び常務委員というものが組織上置かれておりまするのを、常務委員を削るということがあるのであります。この二つの点が改正の要点であります。
 内閣委員会におきましては委員会を開くこと四回、そうして愼重にこれを審議いたしたのであります。只今申しました一つの点、会長、副会長をそのままに残して置いて常務委員を削るということにつきましては、これは何ら異議のない点であります。問題は事務局を審議会に設置することがいいか悪いかというこの当否であります。これは国家行政組織法第八條に規定してありまするかような審議会等が、事務局を附設されておるものが今日あるかと申しますると、大体科学技術行政協議会の例があるのでありまするが、大体委員会でないところの審議会に事務局を置くということは、これは法律上好ましくないという考えが強かつたのであります。尚この事務局はどういうふうにして組織せられるかということを尋ねて見ますると、局長以下五名であるということであります。かような少数の職員では十分の機能を発揮することはできません。そこで政府の説明によりますれば、その不足な点は関係の各省庁の職員から兼職の形で以て応援を求めるということになつております。さようなことでありまするから、この点について委員会は、これを置くことの当否につきまして愼重な審議を遂げたのであります。で、結論から申しますると、かような審議会に事務局を置くということは、国家行政組織法の精神から申しますれば好ましきものではないけれども、併しこの審議会は他のものと性質を異にして、将来相当大切な役目を行うべきものであるという点を考えまして、尚又、本多行政管理庁長官みずからこの事務局を是非置いて欲しい、というのは、国家行政組織法の根本の観念について更に検討を加えまして、委員会、審議会等について、これまでの必要或いは実際の状況について十分に検討をいたしまして、そうして適当なる結論を得て、近い将来においてこれを国会に出すであろうというような言明があつたのであります。委員会におきましては大体政府の言明を了承いたしまして、去る二十一日にこの法律案について全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に恩給法等の一部を改正する法律案について御報告いたします。
 今日、国家公務員等の給與基準の増額が盛んに要求せられておりまする際に、曾て官吏として長く国家の要務に服して功労を立てて官職を退いた多数の人々に対してその老後の生活を託するために国家の與えるところの恩給額が改訂されないため終戰後のインフレーシヨンの急激な進展によつて、これらの人々がその生活を脅かされて最も悲惨なる状況にある、こういう事実は国家として到底これを默過することのできない問題であります。殊にそれらの人の多くは心身共に老衰に陷つて、生業を営むの力なく、或いは病に罹り、或いは戰災に禍いされ、ただ伏して死を待つのみという悲惨なる境遇に置かれておる人が沢山あるのであります。かようなことはただその人に対する社会的の重大な事件であるばかりではなく、国家行政の健全なる運営の上にも捨て置き難き関心事であるのであります、最近恩給法の改正の跡を見ますると、昭和二十三年六月三十日以前に退職した者に対しまして、初めて恩給額の増額の手段が法律的にとられたのでありますが、そのときの給與額は三千七百円ベースに合わたのであります。ところがその後、更に二十三年の末には六千三百円ベースに給與が引上げられ、又ここに不均衡ができたのであります。従いまして今日では恩給の計算の基準となるものは三つある。即ち三千七百円ベースより少いベースの者、それから三千七百円ベースによる者、六千三百円ベースによる者、そういう俸給額の基準に基きまして、そうして仮定俸給を作りまして、それによつて恩給が給與せられるということに相成つておるのであります。恩給額増給の運動はすでにこの議会においても沢山の請願となつて提出せられ、前議会においても、六、七万の人の悲痛なる要求となつて、国会に提出せられた事実を見ておるのであります。従いましてこれが解決はどうしても速かに法律によつて実現をしなければならないということになつておるのであります。
 そこで今回提出せられました恩給法等の一部を改正する法律案というものが政府より提出せられまして、この解決の鴨的に当ることになつておるのであります。法案の要点につきましては極めて多岐に亘つておりますから詳しくは申述べませんけれども、先ず第一には、現行の給與法令が適用せられる前の俸給を基準として計算されるところの恩給年額の改正、これは三つありまして、只今申しましたように二十三年の六月三十日までに退職したる人々に対するもの、又同年七月一日から現行給與法令の施行までに退職した者に対するもの、それから現行給與法令による俸給を受けて退職した者、この三つのもののアンバランスを直して、そうしてすべて六千三百円ベースを基準として改定しようとするのであります。それから増加恩給、傷痍年金の家族加給及び扶助料の扶養遺族加給の増額、これは一人年額二千四百円を四千八百円とするというのであります。只今のアンバランスを直すという点と、この増加恩給等の計算を改定するというのは、昭和二十五年の一月分からこれを実施するという決め方であります。次に、いわゆる高額所得者の普通恩給の一部停止の改定、これは恩給年額一万五千円以上であつて、恩給外の所得、いわゆる高額所得十五万円を超える者の恩給を一部停止する現在の規定をば、三万円以上であつて恩給外所得二十万円を超える者とするということであります。その他官吏制度の改正に伴いまして新たに恩給法上の公務員となつた者に対する恩給の支給、例えば海上保安官、特定郵便局長のごときものであります。又地方公務員に対する恩給法準用の規定の整備、或いは図書館、建設省建築出張所及び教護院の職員の都道府県移管に伴う恩給法上の善後措置、特殊公務及び在職年数の加算の規定の改正というような点等に亘つておるものであります。
 委員会において明らかにせられました事柄は、先ず恩給を受くる者の人数でありますが、それは只今申上げましたように、二十三年の六月三十日前に該当する者、これは十八万四千三百五十八名、それから三千七百円ベースに当る者一千四百五十四名、それから六千三百円ベースに当る者が三千三百六十五名ということ、即ち総計いたしまして十八万九千百七十七人となつております。そしてここで特にこの改正の恩典に浴する人々の数は十八万五千八百十二人であるのであります。そして恩給の総額は、昭和二十四年の末におきまして二十二億二千余万円でありましたものが、この恩給改正によりまして、本年末における総額は約四十四億五千四百万円、即ち大体倍額になるのであります。
 そこでいろいろ内容につきまして、委員会は詳しく検討いたしましたのでありますが、最も適切なる改正と認めたのであります。ただこの改正の実施がいつから行われるのであるかということ、給與の額は今年の一月からもう給與を増加するということは決つておりますが、これが恩給を受ける人にいつ渡るのであるかということ、これは又最も大切なことである。これに関しましては、当局はできるだけ速かに実行するという決意を表明いたされたのでありまするけれども、技術的にもいろいろな困難がありまして、先ず今年の七月一日から一部の人に給與せられるであろう、而して全員に行くのには十月の時期にまで及ぶであろうということを申したのであります。これはまだまだ急いで貰いたいという希望はありまするけれども、実際の事務の取扱上、これらは止むを得ないことであろうと考えた次第であります。
 そこで本案の討論に入りまして、三好委員から、本案には賛成である、だが改正の支給が速かに行われることを希望する、尚、條文の整理を若干要する点があると思うから、この点についても検討をするようにという希望をせられておりました。それから尚他の一委員から、やはり給與は敏速にしろ、そのために、今日恩給局が小田原にありまして、そうして東京にその事務所の一部を置いてあるということは、余程敏速な給與のために支障を来たすであろうかということを申述べられました。更に高額所得者に対する恩給停止額の改定は物価騰貴の今日の現状に照しまして、まだ甚だしく妥当を欠いているから、この点も他日の改正を待つのであるということを述べられたのであります。かような次第でありまして、本案は全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
 このことを以て報告を終ります。(拍手)
#28
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
#29
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。
 議事の都合により午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十四分開議
#30
○議長(佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 この際、日程第六を後に廻し、日程第七、資産再評価法案(内閣提出、衆議院送付)、日程第八、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関監視署及び税関支署者視署の設置に関し承認を求めるの件(衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事伊藤保平君。
    ―――――――――――――
   〔伊藤保平君登壇、拍手〕
#32
○伊藤保平君 只今議題となりました資産再評価法案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 過去におけるインフレーシヨンの結果、資産の帳簿価格は実際の価格を反映しないために、適正な減価償却が行われず、又資産の讓渡の際にはインフレーシヨンによる名目所得に対して課税される等の不合理がありますので、この際、再評価を行い、企業経営の合理化と課税の適正を図らんとするのが本案の狙いとするところでありまして、その概要は次の通りであります。先ず第一に、再評価は原則として本年一月一日を基準日として、法人及び個人を通じて行いまするが、法人の資産及び個人の事業用減価償却資産につきましては、再評価をなすや否やは自由でありまして、その再評価額の決定も一定の基準の範囲内において任意になし得ることとなつております。又個人その他の資産については讓渡、相続等のあつた場合に基準日において再評価が行われたものとみなされるのであります。第二は評価の基準でありますが、原則として資産の取得価額又は財産税評価額を基準として、資産の種類に応じ、卸売物価指数、消費者物価指数又は土地価格指数に基く一定倍数を乘じまして算出することとなつております。第三に、再評価差額に対しましては百分の六の再評価税が課せられることになつておりますが、納税方法につきましては特別な考慮が拂われております。即ち減価償却資産の再評価税は、法人については三ケ年間、個人については五ケ年間に分納できることになつており、更に青色申告者に対しては、各年度の利益の状況により延納をも認められることになつております。又減価償却資産以外の資産の再評価税は、原則として資産の讓渡、相続等があつた際に納付すればよいのでありますが、法人については、たとえ讓渡しなくても五年後には納付しなければならないことになつております。次に再評価差額の処理については、先ず損失の補填に充当し、残額は再評価積立金として積立てて置きまして、三年後においてはその四分の三の範囲内において資本に組入れが認められます。尚、社債発行の際には、再評価積立金の四分の三の範囲内で逐次社債発行限度額に算入することができることになております。
 本案の審議に当り種々熱心なる質疑がありましたが、詳細は速記録により御承知をお願いいたします。
 かくて質疑を結了し、討論に入り黒田英雄委員より、本案の審議に時日を要したため、施行期日が遅延することになるので、第四十五條第三項の申告延期の届出期日「四月三十日」を「五月十五日」に延期すべきであるとの修正案が提出せられました。次に天田勝正委員より、協同組合に対し課税することは不合理であるみのならず、実際において適正なる評価が行われるや否やは疑問である等の理由により反対意見があり、又九鬼紋十郎委員より、本案は企業経営の合理化等極めて結構な案であるが、その後の経済界の変動、不況等に鑑み、適正な評価が行われるよう善処されたいとの賛成意見が述べられました。黒田英雄委員の修正案は、採決の結果、多数を以て可決せられ、次に修正個所を除く原案について採決の結果、多数を以て可決すべきものと決定し、本案を修正議決いたした次第であります。
 次に只今議題となりました地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関監視署及び税関支署監視署の設置に関し承認を求めるの件の大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 本件は、最近における密貿易の趨勢に対応し、監視取締行政の万全を期するため、監視署の配置転換を行う必要がありますので、横浜税関平塚監視署外十四監視署を廃止いたしまして、新たに横浜税関真鶴監視署外十四監視署を設置しようとし、その設置に関し地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き国会の承認を求めるものであります。本件につきましては、愼重の審議の後、討論採決の結果、全会一致を以て承認すべきものと決定いたした次第であります。右御報告いたします。(拍手)
#33
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 先ず資産再評価法案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#34
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
#35
○議長(佐藤尚武君) 次に地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関監視署及び税関支署監視署の設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。委員長報告の通り本件に承認を與うることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて本件は承認を與えることに決しました。
     ―――――・―――――
#37
○議長(佐藤尚武君) この際、日程第九、電波法案、日程第十、放送法案、日程第十一、電波監理委員会設置法案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。電気通信委員長松野喜内君。
    ―――――――――――――
   〔松野喜内君登壇、拍手〕
#39
○松野喜内君 只今議題となりました電波法案、放送法案及び電波監理委員会設置法案の電気通信委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 先ず右三法案の提案の理由といたしますところは、最近における科学や技術の進歩に伴いまして、放送を含む電波の利用面の拡大は実に驚歎に値するものがあるにも拘わらず、電波行政に関する現行の基準法といたしましては無線電信法があるのみであります。而もこれは大正四年に施行せられましたのでありまして、その内容及び体裁において今日の実情に即し得るものではありません。電波の公平且つ能率的な利用を確保して、公共の福祉を増進し、又放送の健全な発達を図るためには、ここに新たに電波法及び放送法を制定いたしまして、現行の無線電信法を廃止して、且つ電波行政主管の官庁として新たに電波監理委員会なるものを設けるための電波監理委員会設置法を制定しようとするものであります。
 次にその内容といたしますところは、先ず電波法案について申しますと、現行の無線電信法は行政官庁に対しての権限委任範囲が広きに過ぎましたので、これを国民の手に移し、民主的なものとして、その権利や自由の保障を定めたこと、及び我が国が昨年国際無線電信條約に加入いたしましたことに伴いまして、條約の要求を満たすような内容を盛り、又公衆通信事業の経営の準則規定と監督の行政規定とを分離いたしまして、その行政而の規定のみをこの法案に規定しておるのであります。この法案によつて、従来事実上日本放送協会の独占となつておりました放送事業が民間に開放されることになるのであります。又放送法案におきましては、放送を国民全体のためのものとするために、社団法人日本放送協会を解散いたしまして、これを公共的色彩の強力なる法務に改め、放送が全国どころおいても聽き得るようにすることの使命を與え、同時にこれに対応して保護と監督をいたすことといたし、新たに誕生いたしまする民間放送と相待つて、放送の健全なる発達を期しているのであります。
 又電波監理委員会設置法案におきましては、電波行政の主管庁を事業官庁から分離しますると同時に、その組織を会議体である委員会制といたしまして、その民主化を期しているのであります。以上が提案の理由並びに内容の大要であります。
 右のうち放送法案につきましては、すでに一昨昭和二十三年六月、第二回国会におきまして、政府から一案が提出されまして、これが予備審査のために当時の通信委員会に付託され、第二回国会終了後も継続審査に付せられた経緯があるのであります。その後、政府におきましては、関係官を米国に派遣するなどいたしまして、一段とその内容の精査を遂げまして成案を得、昨年十二月下旬国会に提出の運びとなつた次第であります。十二月二十三日、この三法案が付託されまするや、電気通信委員会におきましては、大島前委員長を初め委員一同は、本法案の異期的重要性に鑑みまして審査に遺漏なきを期し、委員会及び打合会を開くこと実に二十四回に及びました。その間におきまして、委員は各地の世論並びに事業運行状況の実地調査、或いは公聽会の開催又は関係者よりの意見聽取などを行い、又内閣委員会及び文部委員会との連合審査、或いは水産委員長の発言などを得まして、各委員はいずれも熱心に詳細なる質疑をいたされ、文字通りの愼重審議をいたしたのでありました。その詳細は速記録によつて御承知を願うことといたし、ここにはその質疑応答の大要のみを申上げたいと存じます。
 先ず電波法案について申上げますと、この法案は衆議院において十九ケ條に亘つての修正の上、送付と相成つたのでありますが、その修正点はいずれも当委員会においても問題となつたところであります。その質疑応答の大要を申上げますと、先ず従来期間の定めのなかつた無線通信士の免許の有効期間を五ケ年と限つているが、これは医師、薬剤師その他には制限がないのに比べて苛酷ではないかとの質疑がありました。これに対しまして政府から、無線技術は日進月歩の発達をいたしていることであり、又国際條約も五年ごとに改定されることでもあるから、この制限を付けたのである、尚、他にも期間の定めのあるものもあるとの答弁がありました。次に電波監理委員会規則で定める船舶無線局要員の定員と船舶職員法による定員との関係如何との質疑に対しましては、船舶職員法では專ら船舶の安全のために要する最低の人員を定め、電波監理委員会規則では無線通信全体の取扱の見地から定められるわけであるとの答弁がありました。次に無線局の免許の有効期間は五年以内となつているが、小さな漁船などについては手続が煩わしいから無期限にしたらどうかとの質問に対しては、無線関係の国際條約は五年ごとに改定され、従つて設備條件なども変つて来るので、その機会に免許の再検討をしたい趣旨であり、又更新の手続はでき得るだけ簡素化し、漁船などについては葉書一本でできるようにしたいとの答弁がありました。その他、免許又は検査の手数料、通信士の受験資格、試験科目、罰則並びに二級通信士の通信可能区域の問題などについて詳細綿密なる質疑応答がありました。
 次に放送法案につきましては、この法案も十九ケ條に亘つて衆議院修正と相成つたのでありますが、これはいずれも当委員会において問題となつていたところであります。その審査の大要を申上げますと、先ず新たに発足する放送協会に対しまして、協会の放送を聽き得る受信機を施設した者は協会と受信契約を結ばなければならないこと、協会は三十億円までの放送債券を発行し得ること、協会には所得税及び法人税を課さないこと、及び協会は土地收用をなし得ること等は、余りに保護が厚過ぎるのではないかとの質問に対しまして、政府の答弁は、協会は公共の福祉のためにあまねく全国において受信できるように放送を行う義務を有するものであるが、常利業務を禁止されているので、施設の整備拡充、業務の遂行等に要する財源を確保するためには、このような規定が必要であるし、又三十億円限度の起債権及び所得税、法人税、免除、土地收用の権限の附與等は、この法人が公社のような特別な公的性格を有する点及びその目的とするところから見て必要であり、又これらの特権の半面、これに対応する制約が付いているということでありました。又放送協会に対して干渉が強過ぎる、即ち聽取料金を法律で定めること、又は毎事業年度の收支予算、事業計画、資金計画は国会の承認を要し、又業務報告その他は国会まで提出されるし、更にその会計は会計検査院がするなどのことは、国営事業でないことに照らして行き過ぎではないかという質問がありましたに対しまして、協会に対してできるだけの経営の自主性を持たせることは望ましいが、公共性の強い、而も聽取契約の強制が認められる協会に対して、相当程度の国民的干渉のあることが妥当であるとの答弁でありました。以上の点は委員会におきまして活溌な質疑が行われましたのみならず、公聽会におきましても、地方世論、新聞論説又は記事等におきましても、活溌に取上げられた問題であることを申上げて置きます。又我が国の放送受信機の水準は極めて低いから、折角民間放送ができてもこれを分離して聽ことができない、従つて広告料で経営する民間放送なるものは成立たないことになりはしないか、又受信機の水準を高めるために、放送協会に入る料金のうちから或る程度の額を受信機業者に割いて研究費用に当てるようにしたらどうか、又テレビジヨンその他の技術研究指導については如何なる方策を考えているかとの質問に対しては、現在の受信機水準を対象として、全国で三十局、大都会で二局新設されても分離して聽くことができる。又受信機水準の向上及び技術の研究指導等については、研究機関の相互協力その他具体的構想を練りつつあるとの答弁がありました。更にこの法案全体を通じて民間放送について言及するところが非常に少いが、民間放送を育成するつもりはないのかとの質問に対しては、民間放送局は広告料收入に頼るだけであるから、最初の程は赤字であろうが、年を逐うに従つて漸次黒字になつて行くものと予想される、又法律の條文の少いのは、最初はできるだけ自由に活躍させてみて、その後の必要に応じて規定を作つて行くのがよいと考えたからであるとの答弁がありました。その他訂正放送又は広告放送等について、或いは協会の行う受信機修理業務、経営委員会の性格及び委員の選び方について、或いは初代の協会会長の選び方などについて、或いは放送債券発行に関する政府の配意などについて、詳細に亘つて各委員から熱心な質疑が行われました。
 次に電波監理委員会設置法案について申上げますと、委員会を電気通信省から分離して総理府の外局とする理由如何との質疑に対しまして、電気通信省が一方で電波を使つて通信事業を行い、他方で電波の行政を行うことは適当でないし、又電波は数省に関係があるから、その行政を総理府の外局の所管にいたしたのであるとの答弁でありました。その他、委員の選定方法、委員の待遇及び兼職、審理官の身分待遇などについて詳細な質疑がありました。
 四月二十一日、以上の三法案に対して質疑を終了いたし、討論に入りましたところ、民主党の小林委員から、放送法案につきまして、放送協会の行うラジオ受信機修理業務、その他三ケ條に亘つて修正をいたして原案賛成、電波法案には無線従事者の免許有効期間に制限を付する第四十四條及び第四十五條、並びに第四十條、第五十條など、余りに苛酷な点が多いから反対、又電波監理委員会設置法案は現下の諸情勢から見て止むなく賛成するとの意見が述べられ、自由党の大島委員から、電波法案につきまして施設の定期検査料金を軽減することの修正をいたして、原案賛成、又放送法案につきましては小林委員提出の修正案に賛成、電波監理委員会設置法案につきましては、原案賛成の意見が述べられ、又労働者農民党の千葉委員から、電波法案は無線従事者の免許期間の制限その他によつて従事者に苛酷であること、放送法案は、新放送協会の経営委員会が極めて微力なものとなり、官僚統制の強化及び協会理事者の独善に堕する可能性があること、電波監理委員会設置法は、委員長を内閣総理大臣の任命としていることなどの理由を以て、三法案すべて反対であるとの意見を述べられ、又緑風会の尾崎委員から、公共放送と民間放送の限界点が不明確であり、又我が国のラジオ受信機の水準の低い現状からして、民間放送が経済的に成立つことは困難である、従つて本案は見せかけの放送民主化であつて、甚だ不満であるが、今日の一般情勢は放送について一時期を画することを希望しているから、ラジオ受信機の水準向上について当局の強力な措置を熱望して本案に賛成、又他の二法案については賛成との意見が述べられ、又日本社会党の中村委員から、電波法案は無線従事者を圧迫するものであり、放送法案は、法案第一條に規定している放送の民主化のためには放送協会を改組拡充すれば足りること、協会の性格及び国会との関係が明確でないこと、又電波監理委員会設置法案は官庁機構の屋上屋化であるとの趣旨を以て、三法案とも反対の意見が述べられたのであります。かくて討論を終え、採決に入りましたところ、電波法案及び放送法案については、それぞれ大島委員及び小林委員提出の修正案及びその修正を除く原案を多数を以て可決し、又電波監理委員会設置法案は原案通り可決すべきものと多数を以て決定した次第であります。
 以上を以ちまして電気通信委員会における三法案に対する審議の経過並びに結果の御報告といたします。(拍手)
#40
○議長(佐藤尚武君) 討論の通告がございます。順次発言を許します。中村正雄君。
   〔中村正雄君登壇、拍手〕
#41
○中村正雄君 電波法案外二法案に対しまして、日本社会党といたしましては反対の態度を表明いたします。三法案に対する反対理由については委員会の討論におきまして要点は述べましたので、このうちの放送法案に対し、特に画期的な改正でありますので、比較的詳細の意見を述べてみたいと思います。
 第一に、日本社会党といたしましては、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図るためには、強力な国営形態に持つて行くか、又は現在のNHKを改組いたしまして、真の意味の公共企業体として拡充する以外にはないと考えております。主要なる外国の例に徹しましても、諸君の御承知の通り、英国は一九二二年に民間放送として開始されましたが、数年ならずして解体され、公共企業体であるBBCの手に移り、現在に至つております。イタリー又然りであります。フランス、インドはいずれも現在国営の形態を採つております。ひとり米国のみ最初より民営の形式を採り、現在に及んでおる次第であります。いずれにいたしましても、国営又は公共企業体としての機関と民間会社との併立を認める制度は、現在においては他国にその比を見ないところであります。鉄道のごとき事業におきましては、一方においては公共企業体である国有鉄道と、他方におきましては民間企業たる私鉄の存在が、地理的の條件において、その果す輸送の任務において、併立が可能であり、又利用者たる国民も両者を同時に利用することが必要であります。放送と並び称せられまする新聞事業におきましても、吾人は必要あらば同時に数種の新聞を読むことも可能であります。然るに放送は、たとえ数種類、数十種類の電波がありましようとも、吾人の利用し得るものは一定時においては一種類のみであります。同時に二種類以上の放送に聞くことは、話に聞く聖徳太子でなり限りは不可能であります。民間会社の競争によつて、放送事業が発達し、放送内容が向上するという意見もたびたび出ておりますが、半面におきましては、競争によつて放送の内容が低級になることも考えなければなりません。戰後一時に解放されました出版事業がその最もよい例であります。いずれにいたしましても、我々は根本的態度といたしましては、放送事業は一本にし、国民の欲求と輿論とを反映し得る固有形態を主張するものであります。
 第二に、公共放送を任務といたしまする日本放送協会と、広告放送を主たる任務といたしまする一般放送会社の併立を企図いたしておりまする本法案の内容につきまして、意見を述べてみたいと思います。
 その第一は、放送事業について最も重要なることは、それが国営形態でありましようと、民営の形をとろうと、放送の中立性、真実性、自律性を確保することであります。言い換えますれば、広い意味での放送の自由の保障でなければなりません。然るに公共放送を任務といたしまする日本放送協会は、その組織を公共企業体とし、第一の監督を総理府の外局でありまする電波監理委員会が行い、協会の予算、事業計画、資金計画は、政府が国会に付議してその承認を求めることになつております。公共性を確保するためには当然監督が必要でありますが、放送の自由を保障するためには飽くまで事務的なものに止めなければなりません。政治制のある監督を行うことは禁止しなければなりません。然るに電波監理委員会の監督を超えて政府並びに国会に協会の経営が繋がりますれば、そこには勢い多数党による協会運営がなされ、放送の中立性が侵される危險が十分あり得るわけであります。
 その第二は、日本放送協会の性格の曖昧な点であります。政府は協会を公共企業体として性格付けております。公共企業体の特質の第一は、諸君も御承知のように会計の独立であります。第二は経営の民主化、合理化、迅速化でなければなりません。然るに本法案によれば、協会の決算は会計検査院の検査を要することといたしまして、政府機関と同じように取扱つております。年度の予算は国会に付議してその議決を経なければなりません。事業計画、資金計画又然りであります。政府機関である日本国有鉄道が公共企業体である真価を発揮し得ない根本の原因が予算制度にあることは世間周知の事実であります。協会をして真に公共企業体の特質を発揮せしむるためには、予算その他の審査並びに承認を電波監理委員会の線にとどめまして、情勢の変化に直ちに応じ得るような機動性を確保して、官庁の運営のごとく固定化することを防がなければなりません。又電波監理委員会、政府、国会と、二重三重の監督機関の存在は、第二の要素である迅速化、合理化に反するものであり、官庁業務以上の複雑化するものであります。以上、要するに形は公共企業体でありますが、その妙味は全然失われておりまして、官庁機構の悪弊と民間企業の欠点のみを以て組立てられておる組織と言わざるを得ないわけであります。
 その第三は、国会の審議権に関するものであります。前にも言及しましたように、協会の予算等は政府が国会に提出してその承認を経なければなりません。それに対する第一の疑問は、国会に対してその予算編成の責任者は誰であるかという点であります。協会がその責任者になり得ないことは憲法上明らかであります。電波監理委員会が責任者であることにつきましても疑問があります。これに対して主務大臣は、予算の提出については内閣が責任者だと思いますが、内容については国会において関係者を参考人として呼んで審議願いますと説明をいたしております。第二の疑問は予算の審議権の範囲の問題であります。国会が予算を議決決定する以上は、その内容について審議するは勿論、修正も又可能でなければなりません。然るに政府は協会の予算は議案として取扱う方針であり、大網のみを提出し、国会は承認か不承認かの二つの方法のみであつて修正権はないものと説明いたしております。若しかくのごとき意図でありますならば、その趣旨を明示しなければならないものであつて、法案第三十七條よりはかかる場合の結論はどうしても出て参らないわけであります。第三の疑問は予算不成立の場合の措置であります。予算は国会において否決される場合もありましよう。或いは又提出の時期或いは審議期間の状態によりましては、年度初めまでに成立し得ない場合が想像できるわけであります。かかる場合、政府機関でありますれば、財政法によりまして暫定予算編成の方法がありますが、協会にはこれが適用されません。従つて四月に入つて予算不成立の場合は業務が停止されることが予想され、これに対しまして何らの法的措置が講ぜられておりません。これら国会との関係における法案の不備は必ず禍根を将来に残すものだと考えるわけであります。
 その第四は公共放送と広告放送との限界の問題であります。何を以て広告放送と見るかは社会情勢の推移により変動を受けることは当然であり、結局は一般社会通念に従つて解決する問題でありましようが、この法案において広告放送の定義を示しておらないことは、必ずや協会放送と一般放送との間に紛議を釀す大きな原因になると考えられるわけであります。政府の説明では、両者の限界の定めについては、挙げて電波監理委員会に委任する考えであり、ただ具体的に言えば、現在程度のNHKの放送番組はすべて広告放送の領域外であると言明せられておるに過ぎません。本法の実質上の骨子である広告放送の定義及び範囲を明示しておらない点は、明らかに本法の不備であると言わなければなりません。私共の反対にも拘わらず、本法案が不幸にして成立いたしました曉において、私が反対の第二として指摘いたしました四つの点における意見が、單なる私の杞憂に過ぎなかつたことになれば幸いとするところであります。
 以上を以て私の討論を終ります。(拍手)
#42
○議長(佐藤尚武君) 千葉君。
   〔千葉信君登壇、拍手〕
#43
○千葉信君 私は労農党を代表いたしまして電波関係の三法案に対し反対の意見を表明いたします。
 本案は、発達いたしました電波無線の現状に必ずしも適応し得ないところの従来の無線電信法に代つて、電波に対する法体系を確立、元来が国民のものであるところの電波をあまねく一般に開放して、公共の福祉を増進すると共に、併せて電波科学の向上発展を企図したものであり、その目的の限りにおいては、私はこれを諒とするものでありますが、併し仔細に本法案を検討いたしますると、必ずしも如上の目的を具現するために適切なるものでないばかりか、極言すれば、これは羊頭を掲げて狗肉をひさぐものであり、むしろ電波の開放は名ばかりであつて、逆にこれを抑制し、電波監理委員会という僞装民主制度に隠れて強力な権力的統制を行わんとしておると断ぜざるを得ないのであります。例えばアトランテイツク・シテイの国際電気通信條約に参加し、広汎な周波数割当を受けながら、放送の民間開放のごとき、五キロ或いは十キロ程度の貧弱な開放であり、軍事的利用に転化する虞れある警察関係用とはこれ又桁違いの漁業無線の割当周波数のごとき、むしろ電波監理委員会という電波行政全般に亘る集中的機構確立を通じて、一方的な支配、隷属的な支配を強化せんとする意図を有するものであると指摘せざるを得ないのであります。以下私は具体的に個々の法案に反対の理由を申上げます。
 放送法は、社団法人日本放送協会による事業の独占を排除して民間にこれを開放し、その自由競合によつて電波料学の発展を期するというが、果してそうであるか。本法によれば、協会は八百四十万人に上る全国津々浦々の聽取者から、聽く聽かないに拘わらず、第三十七條及び附則第十七項によつて法定月額三十五円を税金同様に徴收することができる。年額にして三十億を超える厖大な收入である。これに対して一般放送事業者の收入は広告料を以て主としなければならないが、日本における広告市場の広告月額というものは大体八億、このうちの約一割二三分程度が放送による広告に転移すると見ても月額一億にしか過ぎない。これが二十五乃至三十許可せられるところの民間放送会社の総收入であるということになれば、一会社の平均は協会の百分の一に過ぎない。又割当波長の問題におきましては、協会は全国隅々まで第二放送もなし得る波長を保証されておるが、一般は辛うじて五キロ、十キロ、この波長は、所詮はどのような創意工夫をこらして見ても、地方における一小会社以上には到底出ることができないというような羽掻い締めを受けておる。而も協会は第四十二條による起債三十億の保証がある。第四十八條による所得税、法人税の免除がある。第四十九條によつては土地收用法の適用を享受する。一般民間の放送事業者が如何に逆立ちしても、これで協会に対抗する経営が可能か不可能か改めて申上げるまでもないと思う。結局は国有鉄道に対抗するところの乘合馬車程度にしか過ぎない。従つて現在一般放送の申請をなしつつある人々は、極めて特殊な人々、新聞経営者であつて放送ニユース蒐集に関連ある人、或いは赤字を覚悟で創意工夫を以て苦境を切抜けんとする逞しい一部の事業家に限られておるのは、這般の事情を物語るものであります。併しながら私はかかる協会の特権が決して不当なものであると言うのではない。委員長報告にもあります通り、本法によつて新たに出発する特殊公法人日本放送協会は、旧社員に出資金を返還して、改めて国民のものとしての立場から私はむしろ当然のものと考えざるを得ない。それ故にこそ国会が国民の代表として法第三十七條、三十八、三十九、四十條等の審議を要することの妥当性が存在する。会計検査院の会計検査又然りである。然るに本院においても又衆議院においても、国会自身からかかる国会の審議を放棄せんとするがごとき言動がなされ、或いは電波監理委員会という行政機関に委任するという修正案さえも用意されたということは、誠に悲しむべき現象であつて。甚だしい不勉強か、さもなくば必要以上に権力の前に卑屈であるか、或いは又反動者流の愚かな結論以外にかかる考えで出る筈がないのであります。重ねて率直に私の意見を申上げるならば、私は国民のものとなる協会に諸種の特権を與えてはならないと言うのではない。私の強調せんとするところは、真に放送を開放し、独占を排除し、自由競合による将来の発達を望むならば、少くとも今一歩一般放送事業に対し保護と保障が與えらるべきであると主張したいのでございます。更にこの問題は、放送が国内において占める位置、報道と輿論において占める位置に関連する問題に発展する。現在国内において報道機関としての新聞は、大小、地方中央を通じて二千万の発行部数である。これは輿論の動向を決する巨大なマンモスである。同時にラジオも又全国に八百四十万の聽取者を擁して、新聞に劣らない巨大な報道の機関であり、輿論の先達である。ここに問題がある。若しもかかる機関の中枢が、一部の権力、一握りの官僚等に牛耳らるるがごときことがあれば、由々しい事態であると言わなければならない。日本放送協会は八人の経営委員によつて運営される。併しながらこの委員は第十六條によつて八つの地区から選ばれる。同條第一項によつて文化、科学、教育等の各分野を代表すると同時に、地区代表の性格を帶びる。このことは、地域的制約のために各分野代表としての色彩に制約を受けるか、さもなくば選出に頗る困難な問題を起すかである。又任命後地理的條件のためその活動が不活溌となる虞れがあるのみならず、第三十二條によれば旅費その他実費の支給を受けるにとどまるために、待遇上からも勢い不活溌にならざるを得ない。そうして会長或いは理事会という執行機関に牛耳られる虞れが十分である。電波監理委員会が強権的存在として協会の経営委員会に君臨し、今又理事会が更に実力的な立場になれば、経営委員会はもはや民主的僞裝のための案山子にしか過ぎなくなるではないか。放送法における最後の問題として附則第三項がある。初代会長は現協会の役員又は職員の中から指名するとあるのは、法の前に万人が機会均等であるという憲法の條章を引用するまでもなく、誠に国民の苦笑を禁じ得ない條文でございます。
 次に、電波法に関しその具体的な規定について最も不満を表明したいことは、通信従事者に対する取扱が苛酷に失するということである。沈黙時間に関する第六十四條の規定、第百十二條第二号の罰則、或いは第四十四條における従事者免許の有効期間に対する五年という制限等である。分けても、他の如何なる国家試験にも例を見ないこの制限は、その理由として無線科学の日進月歩を挙げておるのであるが、医学における目まぐるしい進歩、法律における踵を接する新憲法以来の改廃にさえ、医師、弁護士等に終身の資格を與えながら、ひとり無線従事者にあつてだけこの措置は、納得し得ないものがあるのであります。又新聞等の報道にも見られたごとく、技術法としての本法第七十四條にあつて、地震、火災、暴動、非常事態の発生、又は発生の虞れ云々とあつて、その認定、責任の所在が明確を欠く。広汎な権限を與え過ぎるという非難の起るゆえんである。認定する者は監理委員会ではないという答弁であるけれども、併し地震、火災等一々然るべき所管庁に聞くというのでございましようか。何と答弁しようとも事実は答弁以上の権限を行使しないと何人が保証できましようか。
 電波監理委員会設置法案においての問題点は、第六條の委員長及び委員の任命である。電波監理委員会が電波行政における集約的独裁機関として支配的な一方的権力に奉仕するか、民主的に公平に電波行政を行うかは、一にかかつて本委員会の構成にかかつて来る。第六條によれば、「委員長及び委員は、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ」とある。現今のように利害の相反する立場が明確になり、漸次階級的立場がその判断を決定しつつあることに殊更に目を蔽い、何人かその公正な判断を可能とするがごときかかる條文は、もはやそれだけでも欺瞞に満ちたものである。若しも果してかかる判断を真に必要とするならば、それはその委員会全体の構成においてこそ求めなければならないと考えざるを得ないのだ。かかる見地から我々は、民主的な労働団体、農民団体等の民主的代表をそれに加えることを強く主張するものである。併しながら僞裝民主主義を蔽い隠すための委員会制度、なかんずく行政組織法に基いて設けられる各種委員会が全くの行政機関であり、権力的機関であること、ただ單に委員会という名前よつて粉飾を施しておる老女の濃化粧だとすれば、公正な判断を望むこと自体が人の好過ぎる註文だと考えざるを得ないのである。併しながら我々は電波監理委員会が、その背後の権力に奉仕するために、可能な自主的電波行政にまで怠慢であるがごときに対しては、今から嚴重な警告を発せざるを得ないのでございます。
 以上を以て私の反対討論を終ります。(拍手)
#44
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言を全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより採決をいたします。
 先ず電波法案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#45
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
#46
○議長(佐藤尚武君) 次に放送法案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#47
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
#48
○議長(佐藤尚武君) 次に電波監理委員会設置法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔起立者多数〕
#49
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#50
○議長(佐藤尚武君) 日程第六、電気通信省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。
    ―――――――――――――
   〔河井彌八君登壇、拍手〕
#51
○河井彌八君 電気通信省設置法の一部を改正する法律案、これの内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本案に規定してありまするところの改正点は三つあります。第一は、只今本院で可決せられました電波監理委員会設置法の制定に伴いまして、これまで電気通信省で所掌しておりました電波管理業務が全部電波管理委員会に移管せられることになりましたので、電気通信省の外局の電波庁が廃止せられまする外、電気通信省設置法の規定中、これらの電波管理業務に関するすべての規定が削除せられることになつた点、これがその一つであります。第二の点は、従来電気通信省の附属機関として置かれておりました電気通信調整審議会、これは昨年十月経済の復興による生産の向上と均衡財政の実施によりまして、電気通信関係の資材の需給関係が援和せられまして、資材の入手も殆んど困難を感じなくなりました現状に鑑みまして、この審議会による電気通信施設の統制の必要がなくなつたのでありまするから、ここに、この審議会を廃止せんとするのであります。第三点は、この法律は電波監理委員会設置法施行の日から施行するということになつておる点であります。
 本案の審査につきましては内閣と電気通信の連合委員会を開きますこと一回、内閣委員会を開会すること三回でありまして、その結果は全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。
 この審査によつて明らかになつた事項数点を御報告申上げて置きます。その第一点は、電波管理行政をば電気通信省から切り離して総理府の外局といたし、新たに設けられるところの電波監理委員会をしてこれに当らしめることの当否につきましては、只今も御議論がありました通り、電気通信委員会において相当御議論があつたと思われるのでありますが、内閣委員会におきましてもこの点が議論の中心となつたのであります。政府におきましては、この問題につきまして、今日電波の利用は非常に多岐多様になつて参つておるので、この電波を最も公平に且つ有効適切に利用させることが必要であつて、それがためには、電波の大量の利用者であるところの電気通信省が他面において電波管理行政の監督者であるということは妥当でないという見地を明らかにいたしました。従つて電波の利用という面から全然離れた一つの部局、即ち総理府の一つの外局として電波監理委員会を設けて、これに電波管理行政を行わしめるのが適当であるということを申したのであります。本案のように改正する理由としてこの点が最も強く論議せられたのであります。尤も従来電気通信省が電波管理行政を行なつておりました場合に、電波の取扱について不公平があつたとか、或いは妥当を欠いたとかいうようなことは、そういう事実はなかつたのでありまするが、こういう誤解を避けるためにも、やはり電気通信省から電波管理行政を切り離すということが適当であるという見解でありました。第二点におきましては、外局の電波庁が廃止せられまして、その実体は電波監理委員会に附置せられるところの電波監理総局に移ることになるのでありますが、行政機関定員法で以て現在電波庁の定員となつております三千八百二名がそのまま電波監理総局の定員に移ることになるのでありまして、従つて電気通信省の定員はそれだけ減少することになるのであります。第三の点は、電気通信調整審議会の廃止に伴いまして、この審議会の事務に従事しておりました大臣官房調整課が廃止せられることになりますが、この調整課は電気通信省の各部局の職員の差繰りで以て従来その事務を行なつて参つたのでありますから、この課の廃止によりまして別に定員には影響がないということが明らかにされたのであります。
 委員会は質疑応答を重ねました結果、大体政府が本案によつて電波管理行政の機構について改革せんとする意のあるところを了承いたしまして、そうして討論に入りまして、三好委員から、本案は電波監理委員会設置法と関連する点が極めて多い。そうしてこれは厖大な機構を持つておるのであつて、これを総理府の外局として設置することの適当であるかどうかという点については、今終局的な結論を下すことは困難であるが、政府において将来行政機構の改革の機会にこれらの問題を十分に検討することを希望するという意見を付して本案に賛成したのであります。かくして本案について採決の結果、委員会は全会一致を以て可決すべきものと議決した次第であります。(拍手)
#52
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔総員起立〕
#53
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
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#54
○議長(佐藤尚武君) 日程第十二、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長楠見義男君。
    ―――――――――――――
   〔楠見義男君登壇、拍手〕
#55
○楠見義男君 只今議題となりました地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件につきまして、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本件の内容は、輸出農林水産物検査所の出張所を新たに門司に増設せんとするものでございますが、その理由につきまして、政府の説明によつて申上げますと、輸出品の声価の向上及び品質の改善を図り、輸出貿易の健全なる発達を期するため、昨年三月十五日から輸出品取締法に基く検査を実施し、昨年は取敢えず本所を東京に、支所又は出張所を小樽、横浜、清水、名古屋、神戸及び岡山の六ケ所に設置することといたしたのでありますが、その後、貿易上の制限が緩和され、輸出数量が増大いたしますると共に、門司港の航行が自由になり、従つて今後九州産の物資は門司港を通じて輸出される場合が多くなることが予想せられまするので、今回門司に輸出農林水産物検査所の出張所を増設せんとするのであります。而して本件はその趣旨妥当なるものと認められまするので、委員会は全会一致を以てこれを承認すべきものと決定いたした次第でございます。
 右御報告申上げます。(拍手)
#56
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本件の採決をいたします。地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。委員長報告の通り本件を承認を與えることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつて本件は承認を與えることに決しました。
 本日の議事日程はこれにて終了いたしました。次会は明後二十六日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十四分散会
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○本日の会議に付した事件
 一、日程第一 証券取引委員会委員長及び委員の任命に関する件
 一、日程第二 農業金融疏通並びに農業協同組合育成強化に関する決議案
 一、日程第三 結核予防対策確立に関する決議案
 一、日程第四 社会保障制度審議会設置法の一部を改正する法律案
 一、日程第五 恩給法等の一部を改正する法律案
 一、日程第七 資産再評価法案
 一、日程第八 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関監視署及び税関支署監視署の設置に関し承認を求めるの件
 一、日程第九 電波法案
 一、日程第十 放送法案
 一、日程第十一 電波監理委員会設置法案
 一、日程第六 電気通信省設置法の一部を改正する法律案
 一、日程第十二 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、輸出農林水産物検査所の出張所設置に関し承認を求めるの件

ソース: 国立国会図書館
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